ZENSHIN 2008/03/24(No2336 p06)

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第2336号の目次

青年労働者4人の不当逮捕に怒りが爆発! 警察権力を激しく弾劾し、押し返すデモ隊。渋谷駅前は騒乱状態となり飛び入り参加者も続出した(3月16日)=記事2面

1面の画像
(1面)
3・16全国-全世界一斉行動の大高揚ひき継ぎ 3・30三里塚に全国総結集を
国鉄決戦と不起立闘争の拡大で7月洞爺湖サミット粉砕決戦へ
政治危機深める福田政権打倒を
記事を読む  
根津さん解雇絶対阻止せよ! 3・27〜28都教委闘争へ
根津さんへの解雇攻撃を絶対に粉砕しよう!
記事を読む  
3・16報道は前進速報版で 記事を読む  
日程 3・27〜28都教委包囲行動 記事を読む  
日程 3・30三里塚全国総決起集会 記事を読む  
(2面)

イラク反戦5周年3・16一斉行動
労働者階級の団結こそ革命の力 青年を先頭に世界の決起と連帯
戦争と貧困に怒りの反撃  ストライキで資本家倒せ
”労働者に権力よこせ” 東京集会の発言から(3月16日)

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(3面)
イラク反戦5周年3・16一斉行動
労働者階級の団結こそ革命の力 ストライキで資本家倒せ
大阪 橋下知事と対決しデモ  西郡住宅闘争の勝利誓う(3月16日)
記事を読む  
全国各地で総行動  体制内労働運動うち破り(3月16日) 記事を読む  
動労水戸がスト貫徹  ”腐ったJRを追いつめる”(3月18日) 記事を読む  
貨物協が団結集会  動労千葉 大幅賃上げ・要員実現へ(3月14日) 記事を読む  
(4面)
3・14法大弾圧2周年 非和解で闘い平林を打倒  権力握り団結―ストライキへ 記事を読む  
3・9池袋デモで不当逮捕  青年労働者2人奪還(3月19日) 記事を読む  
イラク反戦 全世界で一斉デモ  労組の隊列が闘いを牽引(3月15日〜19日) 記事を読む  
新銀行東京問題の核心  破綻の責任を居直る石原 ファシストに引導渡す時 記事を読む  
資本攻勢&労働日誌 2008 3・1〜3・14
金属大手に超低額の春闘回答
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日誌 2008年 3月12日〜18日
嘉手納で在韓米軍機参加し訓練/チベット暴動が近隣に飛び火
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日程 4・27法大弾圧裁判 記事を読む  
(5面)
北延伸阻止!市東さんの農地強奪許すな!
労農同盟の革命的発展かけ3・30三里塚に全力結集を
絶対反対貫き軍事空港廃港へ  斉田 猛
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闘って社会体制変える  三里塚反対同盟の訴え(下) 記事を読む  
書評 『三里塚 成田闘争の記憶』
三留理男写真集 新泉社刊 3500円+税
圧巻の代執行阻止決戦 闘う農民の原点を活写
記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー
根津さんを解雇させないと都教委に迫る 東京 山根葉子
“沖縄の現実を変える道は労働者の団結だ” 沖縄 上原哲也
岡山で3・8春闘集会団結を固めて3・16へ 岡山労組交流センター 宇野 一
中国によるチベット民衆虐殺を弾劾する 愛媛 佐野鷹男
ビキニデー長崎集会で帝国主義打倒誓う 長崎 橘 澪
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“階級の力で星野奪還する”  天田書記長と共に面会
元破防法裁判被告 藤原 慶久(2月12日)
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紹介 陶山健一重要著作集2 反戦派労働運動(下)
職場生産点から革命を 階級的労働運動の原型
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週刊『前進』(2336号1面1)(2008/03/24 )

 3・16全国-全世界一斉行動の大高揚ひき継ぎ

 3・30三里塚に全国総結集を

 国鉄決戦と不起立闘争の拡大で7月洞爺湖サミット粉砕決戦へ

 政治危機深める福田政権打倒を

青年労働者4人の不当逮捕に怒りが爆発! 警察権力を激しく弾劾し、押し返すデモ隊。渋谷駅前は騒乱状態となり飛び入り参加者も続出した(3月16日)=記事2面

 イラク反戦5周年の3・16全世界一斉デモは、日本では1350人が結集した東京・代々木公園を始め全国17都市で、青年労働者と学生を先頭に、自己解放的な戦闘的集会・デモとして闘いとられた。「労働者の団結で戦争をとめよう!」「ブッシュも福田もぶっ倒せ!」のスローガンのもとに、代々木公園での熱気あふれる集会の後、渋谷に繰り出した大デモは、権力のサミット厳戒体制を打ち破り、青年労働者4人の不当な狙い撃ち逮捕をはねのけ、沿道を埋めた人びとと熱く合流しながら、圧倒的にかちとられた。ここに労働者の未来、革命の展望がある。誰もがそれを確信した。この力を直ちに3・30三里塚現地闘争に結集し、労農同盟の革命的前進と三里塚闘争勝利を開こう。そして4〜5月闘争へ進撃しよう。

 「3・16」に革命勝利の道が

 全世界・全国一斉の3・16イラク反戦総行動は、08年新年号1・1アピールで打ち出した「階級的労働運動の白熱的実践」の最初の決定的な集約点として闘われた。そして昨年の11・4労働者集会の地平を引き継ぎ発展させる、感動的な勝利を切り開いた。
 階級的労働運動路線は青年労働者を先頭に熱烈に物質化され始め、3・16にその最初の結実を見た。階級的労働運動路線と07年7月テーゼに反対し、小ブル自由主義・反マルクス主義に転落した塩川一派らとの対極で、その正しさがいよいよ実証された。動労千葉の3・14春闘第1波ストの貫徹と3・16の集会・デモの爆発、そこに結実した青年労働者を先頭とする職場・生産点での階級的労働運動の実践、その発展の中に労働者自己解放とプロレタリア革命勝利の道がある。昨年の3・18をもって歴史的に開始された「労働運動の力で革命をやろう!」の実践と闘いは、ついにここまで到達したのだ。
 ロシア革命が実証したように、労働者が生産と社会の主人公として、組合と職場支配権を握り、スト(ゼネスト)とデモに立ち上がることから革命は始まり、ソビエトの結成から一斉武装蜂起にまで上り詰めていくのだ。これを外したところに革命はない。3・16の爆発と勝利は、このことをあらためて圧倒的に確信させるものとなった。
 だからこそ、労働者の生産点からの決起とプロレタリア革命の足音に恐怖する権力は、サミット弾圧体制下で渋谷に厳戒態勢を敷き、狙い撃ちで青年労働者4人を襲撃的に不当逮捕したのだ。しかし弾圧は、逆に怒りと団結を拡大する。革命的な指導部をどんどん生み出すだけである。
 第2次国鉄決戦を軸とする4大産別で、階級的労働運動を白熱的に前進させることこそ、3・16の地平からさらに労働運動の復権と革命の勝利を切り開いていく道だ。
 3月13日の鉄道運輸機構訴訟における超反動判決は、国鉄1047名闘争の解体を狙うとんでもない攻撃である。1990年4月の清算事業団解雇を有効とし、組合差別がなかったとしてもJRに採用されたとは限らないと強弁し、時効を口実にして賃金相当額の賠償請求に対してもゼロ回答。05年9・15鉄建公団訴訟判決や今年の1・23全動労訴訟判決で500〜550万円の慰謝料支払いを命じたこととも分断を狙っている。まさに1047名闘争の全面解体が日帝権力とJR資本の階級意志なのだ。
 分割・民営化絶対反対と解雇撤回を引き下ろした4者・4団体路線ではまったく闘えない。1985〜86年と90年の動労千葉の3波のストが、1047名闘争を生み出した。今こそ動労千葉の原則的な路線と闘いで、第2次国鉄決戦と1047名闘争の展望を開く時だ。動労千葉労働運動から学び、それを値引きしないで実践する時だ。
 まさに動労千葉のように生きたマルクス主義=労働者自己解放に立脚し闘いぬこう。05年の尼崎事故から3年目の事故弾劾闘争を、全力で闘い成功させよう。国鉄、教労を先頭に、4大産別の職場で階級的労働運動を白熱的に前進させよう。

 米帝の金融恐慌とドル暴落

 3・16闘争は、世界金融大恐慌と世界戦争にのめり込む最末期帝国主義を、階級的労働運動で迎え撃つ国際主義の闘いでもあった。最末期帝国主義が繰り出す新自由主義攻撃、戦争と民営化・労組破壊、貧困化と格差拡大の攻撃に、全世界の労働者と連帯して歴史的総反撃をたたきつけた。
 サブプライム問題を引き金とした昨年8月以来の帝国主義世界経済の危機は、ついに米帝経済がドル暴落と深刻な信用収縮(流動性危機)、事実上の金融恐慌の状態に突入して、新たな段階を迎えた。3月14日、資金繰り悪化に陥った米証券大手ベアー・スターンズに対して、ニューヨーク連銀とJPモルガン・チェースが共同で緊急融資枠設定を発表し、次いでJPモルガン・チェースが「救済合併」する事態となった。すでに「ベアー社の次はどこか」の不安と疑心暗鬼が、米金融市場を覆っている。
 今や基軸帝国主義・米帝の金融危機は、山一証券や北海道拓殖銀行など四つの大銀行・証券が破綻(はたん)した日本の97〜98年金融恐慌を彷彿(ほうふつ)させる局面に入ったのだ。ブッシュ政権とFRB(米連邦準備制度理事会)は膨大な資金投入と、FF金利や公定歩合を事実上、ゼロないしマイナスにすることで、金融恐慌の抑え込みに躍起である。
 だがこの野放図な金融緩和は逆に、原油や金の高騰とインフレ化を引き起こし、ドル暴落を加速している。そして今や米帝は、新自由主義の建前も放棄して公的資金の本格投入や金融市場の「国有化」も不可避な事態に追い込まれつつある。世界金融大恐慌は「序章段階」に突入した。
 こうした中で帝国主義の「最弱の環」=日帝は、一方で米帝の金融恐慌とドル暴落(円高)に痛撃され、他方で福田政権の完全な行き詰まりという絶望的な政治危機にあえいでいる。
 日帝・福田政権は、日銀総裁人事やガソリン税・暫定税率問題、不明年金特定問題でデッドロックにぶち当たり、沖縄米兵少女暴行事件、イージス艦漁船撃沈事件などで大衆的怒りの爆発に打ちのめされている。政権の混迷と漂流は、いつ「総辞職」に追い込まれても不思議ではない状況だ。むしろブルジョア政党たる小沢・民主党の本質的屈服と体たらくで、やっと救われ、延命しているのが現実だ。
 最末期帝国主義の危機の爆発で「死の苦悶(くもん)」にあえぐ米帝ブッシュと日帝・福田を、労働者の国際的団結と階級的労働運動の発展、3・16の地平を引き継ぐ3・30三里塚闘争とサミット決戦の爆発でぶっ飛ばそう!

 <労農同盟>を発展させよう

 日本の労働者階級の当面する最大の決戦は、3・30三里塚闘争だ。3・16の全世界・全国一斉イラク反戦デモを打ちぬいた力を、三里塚現地に総結集しよう。
 3・30の第一の課題は、敷地内・天神峰の市東孝雄さんへの農地強奪攻撃を粉砕することだ。国交省と空港会社は土地収用法が失効したため、なんと農地法で市東さんの豊かな農地を収用しようとしている。これは日帝の農業破壊の最先端に位置する攻撃である。
 日帝は今、韓国、オーストラリアとFTA(自由貿易協定)交渉を進め、シンガポール、メキシコ、フィリピン、マレーシアとは、すでにEPA(経済連携協定)を締結している。「貿易障壁の撤廃」を軸としたFTA・EPAは、米帝を始めとした帝国主義のグローバリズム・新自由主義の攻撃である。
 それは一方で新植民地主義体制諸国に対する侵略であり、他方では国内の農業破壊、農民圧殺であると同時に、労働者への賃下げ・強労働・非正規雇用化と労組破壊、団結破壊の攻撃である。また何よりも労働者と農民の労農連帯の破壊である。市東さんの農地を守りぬくことは、日帝の資本攻勢と闘う労働者階級の課題そのものなのだ。
 3・30の第二の課題は、「年間飛行回数30万回=1・5倍化」に向けた成田暫定滑走路の「北延伸」と3500b化の攻撃を絶対に阻止することだ。この攻撃は「アジア・ゲートウエイ構想」によるアジア侵略・市場争奪戦の基盤づくりである。さらには「朝鮮有事」=朝鮮侵略戦争において米軍50万人の飛来・駐屯を担う兵站(へいたん)基地化・軍事空港化を狙う攻撃だ。そのための三里塚闘争破壊の攻撃を、労働者と農民の力で打ち砕こう。 
 3・30の第三の課題は、階級的労働運動路線のもと、帝国主義打倒=プロレタリア革命勝利に向けた労農同盟を打ち固めることだ。ロシア革命においてレーニンの革命論が、2月革命後の4月テーゼの提起と10月革命=プロレタリア革命勝利を切り開く闘いの過程で労農民主独裁論からプロレタリア独裁論=労農同盟論に発展したように、労農同盟はプロレタリア革命の階級的基礎をなす。
 反対同盟と動労千葉の労農連帯で、歴史的に労農同盟の基盤が先端的に切り開かれてきた。これを今こそ全面的に発展させ、プロレタリア革命勝利の階級的基礎を打ち固めよう。三里塚闘争を労働者階級自身の正面の任務として、3・30に全力結集しよう。
 3・30闘争を全力で打ちぬき、4〜5月闘争から7月サミット決戦へと突き進もう。

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週刊『前進』(2336号1面2)(2008/03/24 )

 根津さん解雇絶対阻止せよ!

 3・27〜28都教委闘争へ

 根津さんへの解雇攻撃を絶対に粉砕しよう!

 3月28日(金)午前10時、都庁第2庁舎で東京都教育委員会の定例会が開かれる。この場で都教委は、卒業式での「君が代」強制に対し不起立を貫いた都立学校の教育労働者に対し処分を下すことを審議・決定しようとしている。しかも非公開でだ。絶対に認めることはできない。特に根津公子さん(南大沢学園養護学校)、河原井純子さん(八王子東養護学校)の2人に対して狙われている重処分=解雇攻撃を労働者階級の力で必ず粉砕しなければならない。
 根津さんはこの2〜3月、英語で「日の丸・君が代反対」と書かれたトレーナーを作業衣として着用していたことを理由に、職務専念義務違反、職務命令違反をデッチあげられそうになった。これに対し根津さんは連日都教委を訪れ、教育長、人事部長らとの面会を求め、公開質問状への回答を要求し、抗議・申し入れ活動を徹底的に行ってきた。都教委職員は根津さんの行く手をさえぎりながら、まともに目も合わせることもできず、追いつめられ、だんまりを決め込むのみだ。この一連の行動によって、卒業式を前にした処分策動は完全に打ち砕かれた。
 したがって、都教委定例会前日・当日の27、28日の行動こそ、根津さんの解雇を許すのか否かの正念場だ。結集した労働者人民の圧倒的な怒りと気迫で、根津さんへの解雇処分攻撃を絶対に粉砕しよう。
 何より根津さん自身がこの日の都教委包囲に向けてまなじりを決して猛然と決起している。そして、心をひとつにして不起立を貫いた教育労働者がともに闘っている。
 石原都政は動揺と混迷の極みだ。調子づいていたころの面影はどこへやら、青息吐息で憔悴(しょうすい)しきった石原の顔を見よ。こんな連中は、労働者の力で十分打倒できる。27、28日の行動に全力で駆けつけ、都庁を人波で包囲し、処分攻撃への抗議・弾劾の声で埋め尽くそう。
(写真 不起立を貫く教育労働者の都教委申し入れに根津さんらが合流、追及は3時間半に及んだ【3月19日】)

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週刊『前進』(2336号1面3)(2008/03/24 )

 3・16報道は前進速報版で

ワーカーズアクション・カンサイには420人が大結集。大阪に革命の火柱が上がった!(3月16日 大阪)=記事3面

 東京・大阪を始め全国17カ所、全世界で闘われたイラク反戦5周年全世界一斉デモについて、全国の闘いを『前進速報版』で詳しく報じています。ぜひ、ご活用下さい。
アドレス http://www.zenshin.org/blog/

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週刊『前進』(2336号1面4)(2008/03/24 )

 日程 3・27〜28都教委包囲行動

 3月27日(木) 午前8時〜9時 都庁第2庁舎前情宣&ビラまき
        午後4時半〜  都教委への申し入れ・抗議行動
 3月28日(金) 午前8時〜9時 都庁第2庁舎前情宣&ビラまき
        午前10時〜   都教委定例会傍聴行動 

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週刊『前進』(2336号1面5)(2008/03/24 )

 日程 3・30三里塚全国総決起集会

 暫定滑走路北延伸阻止 市東さんの農地を守ろう 憲法改悪絶対反対 成田を軍事空港にするな
 3・30三里塚全国総決起集会
 3月30日(日)正午
 成田市天神峰・反対同盟所有地
 主催/三里塚芝山連合空港反対同盟
【行き方】成田駅からタクシーで「東峰十字路」まで2000円
    車は成田インターからR295→小見川県道→東峰十字路

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週刊『前進』(2336号2面1)(2008/03/24 )

 イラク反戦5周年3・16一斉行動

 労働者階級の団結こそ革命の力 青年を先頭に世界の決起と連帯

 戦争と貧困に怒りの反撃

 ストライキで資本家倒せ

 ”労働者に権力よこせ” 東京集会の発言から

「労働者の団結で戦争止めるぞ!」と、青年を先頭に渋谷の街をデモ(3月16日)

 イラク反戦5周年の3・16闘争は、東京・大阪を始め全国17都市で歴史的な高揚をかちとった。韓国・アメリカ・イギリスなど世界各地でも闘いぬかれた。東京の闘争(前号既報)では、渋谷駅前で警察が狙い撃ち的に4人の青年を不当逮捕したが、警察の弾圧に怒る多数の労働者人民が沿道からデモに合流した。全国どこでも青年労働者・学生が闘いを牽引(けんいん)した。「労働運動の力で革命をやろう」の呼びかけが、とりわけ帝国主義の新自由主義攻撃に直面する青年の怒りと闘いのエネルギーを解き放ちつつあるのだ。プロレタリア世界革命に向かって新たな胎動が開始された。階級的労働運動の前進へ真一文字に突き進もう。東京集会の基調報告と主な発言(要旨)、および各地の闘いを紹介します。(編集局)

 青年労働者の基調報告 過激派で結構革命したい! 3・16集会実行委員会

 イラク侵略戦争から5年、世界は革命情勢です。世界中の労働者が立ち上がっている。戦争、そして私たちが食っていけないこの世の中。誰がつくりだしたんだ! 資本家じゃないか。あいつらをぶっ倒そう! そういう闘いが世界中で巻き起こっています。アメリカで1千万人の移民労働者がストをやって街中を止めました。今年のメーデーは港を封鎖する。革命なんです。
 イラク戦争が始まった時、動労千葉は「軍需物資なんか運ばない」と言って電車を72時間止めました。労働者にはそういう力がある。資本家が何より恐怖しているのは爆弾とかテロではなく労働運動の爆発です。労働運動が階級的に爆発することを恐れているんです。
 階級的爆発とは、労働者を資本家に売る御用組合の正反対。労働者はひとつだと言って一人の仲間の首切りも許さずストライキを打つ動労千葉のような闘いです。自分や資本の枠を超えて仲間を作れる。闘いを抑圧する太い鎖をぶっちぎって一緒に闘おうと言える。それが動労千葉型の労働運動です。
 「資本主義は終わった。もう革命しかない」と、昨年私は言いました。資本主義が終わりだから対案が革命だと言うのではない。私は革命がしたいんだ! 私の人生は一回きり。こんな世の中に生きていたくないんです。
 私が動労千葉派だとはっきりさせて職場で闘ったら、御用組合が弾圧してきて私の組合員権をはく奪しました。全然意味がない。だって私、闘いをやめないもん。権利なんて資本や御用組合に与えられるものではない。私の体、私の声、私が考えていること、これそのものが力です。その力を皆が発揮することが団結なんです。
 サミットで各国の首脳が集まる。彼らが唯一団結しているのは労働運動をつぶすことです。世界戦争の真っただ中で彼らが恐れるのは労働運動です。戦争なんか資本家のために死ねってことじゃないかと、全世界の労働者がつながることに資本家は恐怖している。
 全世界の「生きさせろ」の闘いは、必ず「生きてやる」の闘いになります。俺たちに権力を寄こせ、世の中は労働者が動かしてる、そういう闘いに必ずなります。
 動労千葉派として闘うと「過激派」とか職場で言われますが、すごい名誉です。戦争をやっている「この国はおかしい」と言うことが非国民とか過激派なら「過激派」で結構。私たちは国がつぶれてもいいと言っていますが、世の中は労働者の団結で動かせると言っているんです。過激なのは当たり前です。労働者が世の中を取り戻して何が悪いか! この工場は俺の資本で建てたからお前ら働けなんて、くそったれです! 誰が動かしてるのか。社長が工場動かしてみろよ。私の職場もそうです。お前を雇ってやってるだって? 注射一本打てない事務長が何言ってんの。誰が職場を回してるのか、はっきりさせてやりましょう。
 もうひとつ。体制内御用組合との激突は、労働組合への失望との闘いです。権利は与えられるものじゃない。現場の闘争方針は現場のものだ。現場の労働者が団結する。それを闘争方針と言うんです。それをやらない労働組合が「組織決定だ」「団結破壊だ」と現場の闘いを抑え込むことが労働組合への失望を生んできた。私たちが闘争方針を出して、労働者には闘う力があると訴えることで、組合への失望は展望に変わる。
 そして労働組合とは徹底的に組織的です。組織的とは、一人ひとりが力を発揮するつながりだということ。御用組合の「組織的」は組織のために我慢しろってやり方でしょ。そんな組合は組合じゃない。組合費を出して自分たちの首を絞める、そんな組織が組合と言えるのか。本当の団結を職場に取り戻そう!
 いまイラクの労働者がストライキをバンバン打って闘っています。その結果、アメリカの石油強奪会社なんか全部たたき出されています。軍事力でも労働運動はつぶされない。イラクの労働者が最もつながりたい力は何か。国家や資本と非和解に闘う労働者の団結です。それが世界につながる力を持っている。私たちは社会を動かしているし、社会を止めることも戦争を止めることもできる。それが労働者です。労働者の誇りを取り戻し、戦争をぶっとめ、革命をやろうじゃありませんか!
 2008年、労働者は革命のために、自分たちの解放のために、全世界の労働者と団結して頑張るぞ!
(写真 集会をかちとり、団結のこぶし【東京・代々木公園】)

 第1波ストの動労千葉 分割・民営化の決着つける時 動労千葉委員長 田中康宏さん

 動労千葉は3月14日、春闘第1波ストを貫徹しました。JRでは業務の外注化や労働者を非正規職化で使い捨てる攻撃との闘いが続いています。尼崎事故が示したように安全は崩壊している。労働組合に何ができるかが問われています。
 1047名の解雇撤回闘争で東京地裁は三つ目の判決を下ろしました。「解雇は合理的で有効」という許し難い判決だ。闘争団の団結を壊すために500万円の損害賠償も却下した。
 原点に返って闘う時です。国鉄分割・民営化とは何だったか? 労働者が食えない現状、首切りも非正規職化もここから始まった。これと20年間闘ってきたんです。
 反動判決はわれわれの側にもすきがあった。4者4団体が解雇撤回を引き下ろし、動労千葉を排除した。労働者の団結で勝負せず国交省に頭を下げる。その結果がこの判決です。彼らは「敗戦処理」だという。しかし僕らは1047名闘争が負けているとは思わない。20年も団結を固め、若い人たちも結集している。
 敵階級が危機だから反動判決が出る。原則を守って勝負すれば展望が出る時代です。動労千葉は分割・民営化との闘いの決着をつけます。
 7月の洞爺湖サミットにむけた閣僚級会議が千葉で始まりました。やつらは金融恐慌におののいて戦争にうって出る。グローバル化だ新自由主義だと言って労働者を犠牲にし、戦争でしか生きられない支配体制を倒そう! 労働者が胸を張って生きていける世の中を作るために団結しよう!

 不起立で闘う教育労働者 闘って職場が変わり始めた 教育労働者 根津公子さん

 皆さんは「生きさせろ!」から闘いを始めている。そのことに私もすごく感銘を受けています。
 私は「君が代」不起立で処分されましたが、教員になった36年前と気持ちは同じです。私は変わらないのに社会が右に寄ってしまった。それで処分。子どもたちが自分で人権を持ち自分で考えて行動できる。これが当たり前でそれを助けるのが教育です。ところがいまの教育は上の指示に従う人間だけを作る。これでは闘う以外にない。
 首になるかもしれないとは、あまりに社会が異常です。多くの人が声をあげなければ禍根を残す。闘いを子どもたちにしっかり見せていきたい。それが私たち働く者の責任です。
 「オブジェクション日の丸・君が代」と書いたトレーナーを着ただけで職務命令違反。3月28日に「君が代」の処分を決める都教委の最終定例会があります。「君が代」とトレーナーをセットで処分したら都教委は墓穴を掘るでしょう。
 3月6日のモーニング・アクションでは都教委も公安警察も大勢来ました。同僚が「都教委を動員するのはおかしい」と声を上げ公開質問状を校長に出してくれた。卒業式での職務命令で「子どもたちを政治利用するのはおかしいと思いませんか」と発言したら「そう思います!」と声が出ました。今までなかったことです。職場の中が確実に変わっています。皆があきらめていたことが変わり始めています。
 原則的に闘うことが都教委の厚い壁を破ると確信しています。首になるかもしれないが、私はこの闘いを一生続けます。

 闘う弁護士戦線 「司法改革」に絶対反対貫く 弁護士 森川文人さん

 改憲阻止、裁判員制度反対、弁護士激増反対を掲げ、弁護士会内ボルシビキとして闘ってきました。いまや弁護士も帝国主義の最末期である新自由主義「司法改革」の攻撃で多くの若い弁護士が就職できず、ノキ弁、宅弁さらにはストリートに放り出されようとしています。
 労働者・民衆とともに闘う弁護士をつぶす「司法改革」に絶対反対で活動してきた私たち「憲法と人権の日弁連をめざす会」は、この2月に高山俊吉候補を押し立てた日弁連会長選挙で、弁護士会を二重権力状態にする投票数を獲得しました。
 格差社会などという生易しいものではない階級社会の現実。ブルジョア憲法は階級的に活用しなければ権力・資本の弾圧に無力です。原則的でラジカルな方針にこそ力がある。
 根津さんを先頭とする卒業式不起立闘争のための監視活動もしていますが、私は今日の集会・デモへ違法な弾圧をするなと代々木警察への申し入れに付き添いました。また治安維持法被告事件である横浜事件弁護団として最高裁の判決法廷に臨みました。要望書を受け取らない警察、司法の責任を認めない最高裁、どちらも同じ「空気」が支配しています。
 われわれはこんな空気にあくまで同調しない。われわれが吸収すべきは皆さんとともにあるプロレタリアの空気です。
 権力への打撃は絶え間なく与えなければならない。4・18には”高山日弁連総会”としての団結のための集会を行います。6・13には裁判員制度反対の大集会を日比谷で行います。ともに革命を引き寄せよう。ブルー・ハーツですが「未来は僕らの手の中だ!」。

 三里塚反対同盟 権力と非和解代償を求めず 反対同盟事務局長 北原鉱治さん

 イラク反戦5周年。今日は世界各地で集会とデモが行われています。そして三里塚は43年目の闘いを迎えました。権力は三里塚をつぶすために再び強制代執行に訴えようとしている。血を流して闘わなければならない局面が迫っています。
 激動する世界、日本はどこへ向かっているか。かつての62年前の第2次大戦のような時代に向かっていると見て間違いありません。三里塚は反戦・反核の砦として、ただ農地を守るだけでなく、世界の反戦平和のために闘い続けてきました。権力とは一切妥協せず、代償を求めず、労働者・学生諸君とともに闘い抜くということです。
 42年の闘いはすべて実力闘争です。政府は力で押してもだめ、カネをばらまいてもダメ、どうするかと追いつめられ、民事で土地を取ってしまう攻撃に踏み切ってきた。農地法で農地を取るという国の攻撃。これと闘わなければ人民の将来はありません。労働者諸君が社会を動かし、農民が命の糧である食料を生産する。両者が連帯できずに、なぜ日本の将来があると言えるでしょうか。
 3・30全国集会が三里塚現地で開催されます。多くの人々の結集を期待します。三里塚は再び戦場と化す。この戦いに参加して欲しいと思います。学生も労働者も農民も、自分たちの未来のためにいま立ち上がり闘う以外にない。世界の平和のために三里塚は闘い続けます。

 労農の連帯で体制を倒そう 反対同盟事務局次長 萩原進さん

 本日の集会と3・30三里塚の全国集会はセットで取り組んで欲しい。資本主義、帝国主義の体制のもとでは農業・農民問題は解決できない現実がむき出しです。だから農民問題は階級的な課題として登場せざるを得ない。すなわちわれわれ農民は労働者の闘いと連帯し、体制を掘り崩す闘いとして決起するということです。三里塚農民はその先頭に立ち、43年の歴史の一切をかけて闘う決意です。
 政府・支配階級は戦後の農地解放が諸悪の根源だと言い出した。そのために市東さんの農地問題に見られるように、農民が闘い取った権利である農地法、農民の耕作権、これらを根こそぎ奪い去ろうとしています。農民から農地を奪い、農業を破壊しなければ、この国の支配者は生きていけなくなった。まさに激突です。三里塚が皆さんとともに勝ち抜いてきた証であり、決戦は望むところだと申し上げたい。
 労働者と農民の連帯は口先だけではありません。支配階級を倒すためにどうやってともに闘うかが問われています。自由貿易交渉との闘いが切迫しています。国際競争で工業製品を売るために農産物を輸入し農業をつぶすのが支配階級の攻撃です。「FTA反対」の闘いは農民の問題であり労働者の問題なんです。韓国の労働者も3大スローガンのひとつに掲げています。労働者と農民の国際連帯はこの問題を抜きには語れません。反対同盟は2年前からこの問題を訴えてきました。
 労働者と農民が連帯して体制を変える闘いを展開しよう。

 サミット粉砕へ 全学連 ゼネスト闘い労働者と団結 全学連委員長 織田陽介さん

 サミット粉砕のゼネストをやろう。学生はその先頭で大学をストライキに入れることを宣言します。塩川一派が「サミット粉砕」とか言ってますが、職場やキャンパスでの団結をすっ飛ばして「サミット粉砕」はありません。
 大学の現状はアメリカの「サブプライム・ローン」そのものです。学生はカネを借りて大学に行って競争しろと脅す。社会に出たら給料は17万円。借金は返せません。奨学金と大学は「貧困ビジネス」なんです。学生の未来の賃金まで吸い取る大学なんてつぶしてしまおう。
 学生は労働者です。革命の主体です。職場に入る前から「資格を取れ」とか分断されている。だから学生が団結したら資本主義社会はぶっ壊れるんです。労働者が団結してしまうから。賃金が下がらなくなるから。
 動労千葉はJRがつぶれても国鉄を運転できると言い切っている。学生も言い切ればいいんです。教育は大丈夫です。俺たちだって当局とか権力と闘って団結作るために、毎日マルクス主義を勉強している。闘って闘って団結する。これが教育、これが解放です。だから大学はつぶれてもOK。
 大学でストライキをやる。それで革命家になる。共産主義者をいっぱい作る。そうしたら革命なんです。私たちはこの社会を変革する現場そのものにいる。これが洞爺湖サミットを粉砕する力です。あいつらをぶっ飛ばす力は、労働者と学生の団結にある。法大を先頭にストライキでサミット粉砕へ立ち上がろう!

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週刊『前進』(2336号3面1)(2008/03/24 )

 イラク反戦5周年3・16一斉行動

 労働者階級の団結こそ革命の力 ストライキで資本家倒せ

 大阪 橋下知事と対決しデモ

 西郡住宅闘争の勝利誓う

関西 大阪・扇町公園に420人が大結集。「全職場にストライキ実行委員会をつくろう」とよびかけた。「革命やって戦争止めよう」を訴え大阪中心部をデモ

 大阪・扇町公園では、「ワーカーズアクション・カンサイ」に420人が大結集した。
 集会は、労働者に分断あおる橋下大阪府知事への怒りが爆発。労働者の団結とストライキで革命をやろうと大阪に革命の火柱があがった。
 基調報告は、国労5・27臨大闘争弾圧被告の富田益行さんだ。イラク人民が労働組合を結成しストライキで帝国主義を追いつめていると述べ、「ストライキを中心とした労働者の団結で戦争を止めよう。ストライキは革命の学校だ。全職場にストライキ実行委員会をつくろう」「国鉄決戦を先頭に4大産別で勝利しよう。13日の2次訴訟の判決は原告門前払いの判決だ。4・26尼崎現地闘争に結集しよう。国労本部はスト基金をやめた。国労本部を打倒し、闘う国労組合員の手に組合を取り戻す」と宣言した。
 特別報告は、住宅追い出しと闘う八尾市西郡の参加者が全員登壇。「世界革命の炎が燃えている西郡から発言します」と始まり、八尾市当局の郵便貯金口座差し押さえ攻撃に怒りを爆発させた。「差別をあおって労働者を分断し住宅も生存権も奪いつくす資本家・八尾市当局を絶対許さない」「階級的団結で西郡闘争に勝利する」と誓った。
 4大産別の労働者も決意を述べた。動労西日本の労働者は、尼崎事故に言及し「3・20広島五日市駅、3・22JR貨物吹田機関区でストライキに立ち上がる」と表明した。豊中の自治体労働者は橋下知事を弾劾し「何が査定昇給や! 隣の労働者と何を競うんや」。全逓労働者は「仕事中に起こったことを労働者に一方的に責任をおしつけるのは許せん」と組合本部打倒を決意。教育労働者は「『日の丸』を卒業式会場に持ち込むことに職員会議ではみんな反対。これまで黙っていた青年労働者たちが会議で発言し始めた。職場の団結は守っていける。日教組を変える」と不起立闘争の確信を語った。
 公務職場で市場化・競争入札と闘う労組も大挙参加し発言した。また、大阪府門真市議の戸田ひさよしさんは、橋下知事を朝礼で弾劾した青年労働者を熱烈に激励。関西合同労組泉州支部はカンパアピールをした。

 青年の怒り爆発

 集会の後半は青年労働者と学生の発言だ。民間労働者は「敵が一番嫌がることをやっていく。職場の仲間に”労働組合に団結しよう”と訴えている」と解雇撤回を職場の団結で勝負すると断言。
 自治体労働者は立て続けに発言し橋下知事を弾劾した。「橋下は民間の超過勤務を模範のように言う。労働者の汗も涙も全然分かっていない。労働者が生きるための革命を起こす」「(朝礼で橋下を弾劾した)彼女の決起に現場労働者は沸き立っている」
 さらに、全国金属機械労働組合港合同の労働者は「大幅賃上げを要求して08春闘を闘う。『サービス残業に感謝してますよ』と橋下は言うが民間労働者をなめるな! 公務員・民間に対立・分断を持ち込む橋下に団結して反撃する」と語った。
 高槻医療福祉労働組合は「月10回の夜勤、疲れ果て事故の不安もある。闘う労働組合を取り戻す」と訴えた。
 京都大学の学生は大学でストをやると決意。隊員家族と元自衛官連絡会の労働者、大阪市立大学の学生も決意を述べた。
 集会後、大阪中心部を「ストで闘おう」「革命やって戦争止めよう」と訴え大デモを貫徹した。

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週刊『前進』(2336号3面2)(2008/03/24 )

 全国各地で総行動

 体制内労働運動うち破り

福島 福島駅前まで2`を行進
新潟 新潟市の繁華街で市民にアピール
 

 3・16の闘いは、東京や大阪を先頭に、全国17都市での一斉行動として闘われた。青年労働者と学生がどこでも自ら主催者として行動の中心にすわり、全体を牽引(けんいん)した。
 仙台では、150人の労働者・学生の団結が仙台の街を解放区にした。デモ隊がアーケードを埋め尽くし、沿道の労働者とひとつになった。妨害を試みた右翼・警察もデモ隊の勢いですべて蹴散らして圧倒! 参加者の怒りが、勝利感が、街を完全に包み込んだ。
 集会で基調報告に立った全逓労働者は、この日突然入った仕事を休んで結集。同じ日の同じ時間にJP労組が別な集会をぶつけてきたのも粉砕して、職場から仲間の決起を作り出した。「卒業式で座ってよかった」と語る教育労働者、廃寮攻撃と闘う東北大日就寮生の決意表明。自治体労働者や全金本山労働組合など多数が発言。帝国主義への怒りをたたきつけた。
 広島では、原爆ドーム前で集会を開催。150人が広島の街を解放感あふれるデモで席巻した。青年労働者のデモコールに、手拍子をしながら飛び入りで合流する高校生や青年も続々現れた。
 反戦被爆者の会会長の大槻泰生さんが元気な姿を見せ、「広島で11・4のような集会をやることが被爆者・被爆二世・三世の任務だ」と発言。教労、自治体、医療の青年労働者が「私はこの闘いでみんなが団結してほしいから不起立する」「大阪府知事を弾劾した職員に自分も続きたい」「医療さえ金もうけにする資本主義は革命しかない」と宣言。全学連の中島敦史副委員長ら3人の広大生の「ストで大学当局を打倒する」という熱烈な発言に全体が燃えた。
 沖縄では、青年労働者が呼びかけた県庁前広場での集会に約100人の労働者市民が結集した。基調報告に立った青年労働者が、自分自身がイラクに行った経験も踏まえて、労働者の団結でこの社会を変えようと力強く訴えた。
 カンパアピールも、初めて集会で発言する青年労働者がつとめ、リレートークではそれぞれの職場で体制内労働運動指導部と闘い、職場での団結を作り上げようという発言が次々と行われた。百万人署名運動を始め多くの団体からの連帯のあいさつ、辺野古現地からの報告、高校生の飛び入り発言も。沖縄でついに青年労働者の新しい運動が開始された日となった。
 名古屋、新潟、福島、富山、岡山、松江(島根県)、松山(愛媛県)、徳島、善通寺(香川県)でも戦闘的かつ解放的な集会・デモが闘われた。
 名古屋では、愛知・三重・岐阜の東海3県の青年労働者が総決起し、市内中心地を通りアメリカ領事館へのデモをやりぬいた。新潟、富山、岡山を始め「労働者の団結した力で戦争を止め、社会を変えよう」と訴えるデモに、沿道から市民が手を振るなど圧倒的な注目が寄せられた。徳島では「星野奪還」をデモで訴え、善通寺では陸自駐屯地へのデモを闘った。福島では集会に先立つ駅頭宣伝でチラシがあっという間になくなった。
 多くの地域で青年を先頭に、闘う労働者が初めて公然と動労千葉派として登場し、闘いをやりぬいた意義も大きい。松江では一人の青年労働者の決起が全体を動かし、70年闘争時以来といわれる市内デモを打ち抜いた。松山では、何もかも初めての経験の中、青年労働者が団結の力で立派に集会・デモをやりぬいた。
 福岡、札幌、秋田では市内の中心・繁華街にのぼり旗を立てて街頭宣伝が闘われた。福岡では右翼の妨害を圧倒し、黒山の人だかりとなった。 

写真左 富山 30人のデモに高校生が注目30人のデモに高校生が注目  写真右 東海 名古屋のアメリカ領事館に抗議

写真左 岡山 岡山駅前まで青年がデモを牽引 写真右 島根 松江市に反戦と革命の旗

写真左 愛媛 松山市銀天街・大街道を行く  写真右 香川 陸自善通寺駐屯地へ申し入れ

写真左 仙台 ”今日のデモが一番よかった” 沿道の労働者とひとつになり150人のデモが仙台市中心街を席巻した
写真右 広島 原爆ドーム前に150人が結集し、広島市街地をデモ。沿道からデモに合流する青年が次々あらわれた

写真左 沖縄 集会に100人が結集し、那覇・国際通りをデモ。「労働者の団結が戦争を止める」とシュプレヒコール 写真右 札幌三越前で街頭宣伝

 

写真左 秋田 秋田市街地で街頭宣伝  写真右 徳島 青年を先頭に徳島駅前デモ

福岡 天神コア前で街頭宣伝

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週刊『前進』(2336号3面3)(2008/03/24 )

 動労水戸がスト貫徹

 ”腐ったJRを追いつめる”

 動労水戸は3月18日正午から、検修と営業部門の組合員18人がストライキに突入した。
 午前11時半、スト拠点の勝田車両センター前に組合員が結集した。勝田車両センターでは、休憩も取らずに仕事をしても車両の交番検査が終わらず、残業が常態化しているという。マイクを握った組合員は、立ち並ぶ職制を前に、これへの怒りを突きつけた。資本と一体となって労働者に超過勤務を強制する東労組幹部を弾劾し、職場の仲間に動労水戸とともに立ち上がろうと訴えた。
 JR東日本は13日、ベア930円の超低額回答を出してきた。しかも55歳以上の社員はベア900円という格差回答だ。組合員は、これにも激しい怒りを表明した。
 正午、午前中の仕事を終え、当局にスト突入を通告した組合員が、こぶしを挙げながら職場から引き揚げてきた。どの顔も勝利感に満ちている。
 その後、JR水戸支社前に移動した組合員は、支社に怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。
 夕方から水戸市民会館で開かれた決起集会で、石井真一委員長は「組織拡大なしに運動は一歩も進まない。今日のストもそのための第一歩だ。ライフサイクル深度化で平成採の運転士は駅に行かされる。この攻撃を粉砕するためには、東労組にいるより動労水戸に入った方がずっといい。われわれなら会社の攻撃をストライキでぶっ飛ばせる。自信をもって『動労水戸に来い』と訴えよう」と提起した。また、東京高裁での勝利判決を受け、運転士登用差別を粉砕する決意を語った。
 動労千葉や常南交通労組を始め、支援・共闘団体のあいさつが続いた。
 ストライキに立った組合員は、「ベンディング廃止で本務に戻り、初めてのストライキ。今までのストとは手応えが違う」「腐った当局をここまで追いつめた」「職場を動かしているのは動労水戸だ。胸を張って労働者らしく闘おう。3・16に参加したが、われわれも青年労働者の元気に引けを取るわけにいかない」と決意を述べた。
(写真 ストに突入した動労水戸組合員は勝田車両センター前でこぶしを挙げた【3月18日】)

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週刊『前進』(2336号3面4)(2008/03/24 )

 貨物協が団結集会

 動労千葉 大幅賃上げ・要員実現へ

 3月14日に春闘第1波24時間ストを闘った動労千葉は18日、千葉市内で貨物協議会の春闘総決起集会を開催した。50人の組合員が結集し、「ベアゼロ回答打破・要員要求」実現へ団結を打ち固めた。
 許せないことに貨物職場では00年から8年間もベアゼロのままである。しかも要員不足で労働者は過重な勤務を強いられている。一切の犠牲と矛盾を労働者に押しつけながら、貨物会社は「経営努力で黒字に転換した」「ベアを実施すれば会社の体力に影響する」などと言ってベアを拒否し続けている。組合員の怒りは頂点に達している。
 冒頭、貨物協議会の大竹哲治議長が主催者あいさつを行い、要求実現へ断固団結して闘うことを訴えた。田中康宏動労千葉委員長はあいさつで、資本主義の行き詰まりと対決する階級的労働運動の重大性を訴えた。
 君塚正治副委員長がこの間の交渉報告と合理化計画「ニューストリーム2007、2011」の批判を行い、分割・民営化攻撃の破綻(はたん)を明確にした。清水匠・貨物協事務長の基調報告のあと、組合員が要求貫徹と組織拡大に向かって断固闘う決意を表明した。動労千葉の闘う団結は一層強固に打ち固められた。
(写真 「連続8年ベアゼロ許せない! 生活できる賃金よこせ」と怒りの表明【3月18日 千葉】)

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週刊『前進』(2336号4面1)(2008/03/24 )

 3・14法大弾圧2周年 非和解で闘い平林を打倒

 権力握り団結―ストライキへ

 平林独裁体制をついに打倒した!
 一昨年の3・14法大弾圧以降、45人の逮捕、3人の起訴、1人の少年鑑別所送りという未曾有(みぞう)の大弾圧をすべて跳ね返し、法大闘争は歴史的勝利に向けて前進している。
 総長選挙において平林派は歴史的な惨敗を喫した。われわれが平林体制と徹底非和解で闘い抜いてきたことの勝利だ。
 しかし、総長が誰であれ、われわれが依拠するのは学生の団結のみである。学生こそ大学の主人公だ。学生が権力を取ろう。闘えば必ず勝てる。動労千葉に続いて法大からストライキを行うことをあらためて宣言する。ストライキでキャンパスを学生の手に取り戻す。
 3・14法大弾圧2周年集会・デモは実に勝利感と解放感にあふれたものとなった。「平林体制は死んだ!」「今こそ学生が権力を取る時だ!」「ストライキをやろう!」――法大生が次々と発言した。
 法大生は3・14法大弾圧への怒りをあらためてはっきりさせ、08年決戦に断固突入することを宣言する。
 何よりも闘いの中で法大生の団結が圧倒的に拡大していることが決定的だ。この2年間、団結のみに依拠して闘い抜き、学生の怒りと圧倒的に結びついてきた。3・16イラク反戦5周年・全世界一斉デモでは法大生の実に感動的な発言がされた。学生は誰もが怒っているし、団結を求めている。今やわれわれこそが完全に主流派だ。
 最末期帝国主義のもとで、大学も新自由主義攻撃に直面している。多くの学生が借金して大学に入り、しかし大学を出ても2人に1人が一生フリーター。年収200万円以下が今や1千万人以上だ。奨学金も返せる現状ではない。置かれている状況は青年労働者のそれとまったく同じだ。
 こんな腐りきった資本主義を打倒し、革命をやることが学生の答えだ。資本・当局・権力と徹底非和解で闘おう。
 同時に学生団体の体制内執行部との非和解性も明らかだ。サークル団体の現執行部は大学当局と一体となってサークル活動を圧殺している。大学当局と飲食してからめとられ、当局の先兵になって、団体解散まで行き着こうとした。連合などの腐りきった労組指導部とまったく同じだ。
 闘わない執行部など打倒し、われわれが権力を取る。時代は革命情勢だ。動労千葉のストライキを先頭に全国・全世界で労働者階級の闘いが巻き起こっている。こうした世界史的情勢の先端で、法大からストライキをやろう! 団結して闘おう!
(写真 「平林を打倒したぞ!」意気高く法大包囲デモ【3月14日】)

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週刊『前進』(2336号4面2)(2008/03/24 )

 3・9池袋デモで不当逮捕

 青年労働者2人奪還

 3月9日の国際婦人デー東京行動のデモ中、公務執行妨害容疑で不当逮捕されていた2人の青年労働者が3月19日、奪還された。
 2人の完全黙秘・非転向の原則的な闘いと仲間の団結の勝利だ。
 逮捕以降、この間地域共闘を積み重ねてきた仲間が軸になり、数十人での池袋街宣、警察署への抗議行動、差し入れなどが総力で闘われた。毎夜、地域の労働者による救援対策会議が開かれた。獄内外が固く一体となった闘いに追いつめられ、権力は2人を釈放せざるをえなかった。
 19日夕方から開かれた奪還勝利集会には、組合の仲間、地域の仲間、家族、学生が続々と駆けつけた。
 奪還されたA君は「みんなが団結を固めて池袋街宣や警察署への抗議行動にがんがん立ち上がってくれたことが一番ありがたかった。弾圧との闘いには誰でも勝利できる!」と勝利感あふれるあいさつ。B君は「捕まりそうになった仲間を守ろうとして逮捕された。逮捕されても仲間を絶対に守るという気持ちだ。職場のみんなにも、自分がなんで逮捕されたのか、なんで闘っているのかをこれから全部話していきたい」と、職場での新たな闘いへの決意を表明した。警察の弾圧が不屈の労働者革命家を生み出したのだ。
 救対活動の中心を担ってきた労働者は「今回の闘いは完勝だ。公安警察は、職場で頑張っている青年労働者に弾圧を拡大してきた。弾圧が地域の労働者の怒りに火をつけ、逆に団結の拡大に転化した。まさに“弾圧ありがとう”だ」と総括した。所属組合の仲間、地域の仲間、家族の感動的な発言が続いた。
 まとめの発言で青年労働者は「3月16日に逮捕された4人の仲間、法大弾圧で東京拘置所に今も勾留されている内田晶理君、そして星野文昭さんを奪還するまで闘おう」と呼びかけた。

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週刊『前進』(2336号4面3)(2008/03/24 )

 イラク反戦 全世界で一斉デモ

 労組の隊列が闘いを牽引

 3月15日〜19日に世界各地で闘われたイラク反戦5周年闘争では、労働運動の新たな流動・再編と台頭が特徴的だった。

 

(写真 【上左】3月16日、ソウル駅前 【上右】3月15日、ロサンゼルス市ハリウッド大通り)
(写真 【下】3月15日、ロンドンの国会前をデモ)

 韓国

 韓国では、3月16日にソウル駅前で国際共同反戦行動が行われた。先日就任したイミョンバク大統領と米帝・ブッシュ政権に対する激しい弾劾の声が叩きつけられた。
 韓国でもイミョンバク政権の新自由主義攻撃の激化の中で、民主労総と民主労働党において、体制内勢力と階級的勢力が激突し、新たな流動化が始まっている。

 アメリカ

 15日、ロサンゼルスで、ANSWER(「戦争と人種差別を止めるために今すぐ行動しよう」)の主催する集会に1万人が結集した。
 ロサンゼルス郡労組評議会(ロサンゼルス市など88の市の労働組合が加入、83万人)やロサンゼルス統一教員組合(UTLA)が組合決定でこの集会に賛同し、組合員が多数参加した。
 ロサンゼルス統一教組は、2月に執行部選挙を行い、左派が圧倒的に再選された。市当局の給与システムダウンによる多数の教員の給与不払いという事態を利用して、右派が左派執行部を攻撃してきたが、闘う団結ではねかえした。

 イギリス

 15日、イギリス戦争阻止連合などの主催する集会・デモに、ロンドンでは5万人、北部スコットランドの中心、グラスゴーに5千人が結集した。
 鉄道労働者の組合、RMT、ASLEF、TSSAは、3・15に参加するとともに、新たなイラン侵略戦争に反対し、イランの労働運動と連帯する闘いを3労組共同で行っている。また、3・15直後にTSSAとRMTがロンドン地下鉄でストを構えている。
 PCS(国家公務員労組)も反戦デモ参加の直後、17、18日の労働厚生省2日間ストに入る。

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週刊『前進』(2336号4面4)(2008/03/24 )

 新銀行東京問題の核心

 破綻の責任を居直る石原 ファシストに引導渡す時

 中小企業救うのデマゴギー

 東京都知事・石原慎太郎が都から1千億円を出資させて開業した新銀行東京=「石原銀行」が累積赤字1016億円という経営難に陥り、400億円の追加出資を要求している。新銀行に再び血税を投じて延命・存続させようという石原=都の居直りと無責任に都民、労働者は怒り心頭に発している。
 石原は、03年4月の都知事選で新銀行設立を公約に再選を果たし、05年4月に新銀行東京を開業した。その時の言葉が「ほかの銀行が逆立ちしてもできないことをやる」いうファシスト的なデマゴギーだった。大手銀行の貸し渋り、貸しはがしに遭い窮地に陥っていた中小企業を救うというふれこみで、実際には石原親子の選挙の地盤固めのための口利き自動融資装置とされたのだ。
 石原は、強引な融資拡大路線で1千億円もの大穴を開けておいて、その責任を回避し、厚かましくも400億円の追加出資を都に要求する。「銀行が死んだら400億円より多くの迷惑をかける。議論の余地はない」と恫喝する。だが400億円の根拠はきわめて薄弱だ。
 新銀行は、都から追加出資を受けたうえで、現6店舗を新宿本店1カ所にし、450人の従業員を4分の1の120人に減らし、融資額も4分の1に、預金額も20分の1に減らし、利子負担を減らす。「縮小均衡」だ。「無担保・第三者保証不要」融資は廃止。中小企業融資残高も4年後ゼロを目指す。もう「中小企業向け銀行」ではなくなる。業務利益を倍にして「2011年度の黒字化」を目指す。こんな甘い計算は成り立たない。
 都内中小企業の倒産はこの間増加傾向だ。新銀行の不良債権が膨らみ、赤字垂れ流しになることは確実だ。400億円では足りず、追加出資で都民の負担は加重される。
 新銀行は、08年1月時点で焦げ付きが累計約285億円となった。さらに昨年末の融資先(約1万3千社)の43%にあたる5635社が赤字・債務超過状態に陥り、焦げ付き予備軍として控えている。融資残高2545億円の半分近い1200億円が大企業分(50社)で、残りの中小企業分の融資の大半、約1千億円が回収不能になると推計される。新銀行は内外11社に買収をもちかけるほど深刻な破綻状態だ。

 637億円の追加支援必要

 累積赤字を資本金で相殺する「減資」を実行すれば、さらに637億円の追加支援が必要になる。これは新銀行自身の試算だ。
 新銀行は出資金1千億円のうち300億円を都の一般財源で賄い、残り700億円を10年満期の都債で調達した。この700億円は2014年度に一括償還する。これに備えて07、08年度に計63億円を減債基金に積み立てる。減資されると残りの637億円も前倒しして積み立てなければならないルールがあるのだ。
 これとは別に都債700億円の2014年度までの利子負担が100億3100万円にのぼる。
 都民は総計1100億円超もの負担を押し付けられる。330人の職員労働者が首になる。こんな銀行を再建・存続させる必要など全然ない。
 新銀行東京「破綻」の一切の責任は、石原と新銀行の「マスタープラン」を立てた津島隆一代表執行役(元港湾局長)、それを実行した仁司泰正元代表執行役(トヨタ自動車出身)ら経営陣=取締役会にある。

 石原親子らの自動融資装置

  石原は卑劣にも、都議会での経営調査報告や記者会見を津島にやらせ、設立時の経営陣の筆頭、仁司に経営破綻の全責任を押し付け、傲然と居直っている。
 03年の新銀行設立構想から2年で情勢は変わり、大手銀行は不良債権処理にめどをつけ、中小企業融資に乗り出した。05年4月開業時には新銀行の存在意義は希薄になっていた。しかし石原自身と議員らが政治利用するために必要だった。
 新銀行は大手銀行との競争のなかで、より高い利息で預金を集めざるを得なかった。当然、新銀行の返済金利は7〜8%と高くなる。返済期間も3年程度と短い。資金の回転をよくするためだ。利益率の低い中小企業の通常の事業には利用しにくい条件だ。新銀行東京は倒産寸前の企業が最後に駆け込む“高利貸し”となっていったのだ。
 高い利息で預金を集めた新銀行は、融資を急拡大する必要に迫られ、「原則無担保・第三者保証不要」「3営業日以内で融資」を掲げて過大に貸し付けて回った。
 例えば倒産1カ月前の企業にも財務表提出だけで済む審査(スコアリングモデル)で融資した。新銀行の役員や都議の紹介があれば審査なしで融資が決定された。融資担当の職員には最大200万円の報奨金を支払った。返済が6カ月続けば、以降は債務不履行となっても不問だった。
 石原慎太郎の三男宏高の選挙区は、中小企業、町工場の多い大田区・品川区を含む東京3区だ。宏高は05年9月、2度目の衆院選立候補で当選した。新銀行の融資対象は大田区・品川区内の中小企業が群を抜いて高い。
 新銀行の存続などもはやあり得ない。今こそ、晩節を汚して破産したファシスト石原の責任を徹底追及し、打倒すべきときだ。その最大の力は、都で働く労働者のストライキ決起である。石原を倒すことは「日の丸・君が代」強制と理不尽な処分攻撃を粉砕し、戦争教育を打ち砕くことに直結する。大阪では大阪府庁の中から闘いの火の手が上がっている。東京の石原と大阪の橋下という2人のファシスト知事を自治体労働者の団結の力でたたきのめそう。
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 新銀行東京をめぐる動き

03年4月 新銀行設立を公約に石原再選
  5月 会見で新銀行構想を発表
  11月 都が1千億円を出資の基本案
04年2月 事業計画マスタープラン発表
  4月 新銀行東京が発足(準備会社)
  8月 設立本部の本部長に津島隆一
05年4月 新銀行東京が営業開始
  9月 石原宏高が衆院議員当選
06年6月 当期赤字209億円の初年度決算発表
  11月 累積赤字456億円の中間決算
07年4月 石原知事3選
  6月 累積赤字849億円の3月期決算発表
  11月 累積赤字936億円の中間決算
08年2月 都に400億円の出資を要請

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週刊『前進』(2336号4面5)(2008/03/24 )

 3・1〜3・14

 金属大手に超低額の春闘回答

労働契約法施行 昨年11月に成立した労働契約法が施行された。(1日)
連合、残業代割増率アップで方針転換 連合は08年春闘の柱に位置づけていた残業代割増率引き上げ要求について、経営側の反発が予想以上に強いため、経営側との継続協議を容認するように方針を転換した。(4日)
「内閣人事庁」で閣内対立 政府が今国会に提出する公務員制度改革の基本法案の「内閣人事庁」について、町村官房長官と渡辺行革担当相の意見対立が表面化し、法案の国会提出が大幅に遅れる可能性が出てきた。(5日)
春闘、金属大手に一斉回答 08年春闘は、金属労協(IMF・JC)に加盟する自動車、電機、鉄鋼、造船などの大手労組に対して、経営側が一斉に回答した。(12日)=要旨別掲
JRグループ3社が回答 JR東日本、東海、西日本の3社は今春闘の回答を各労働組合に提示した。東海は900円、東日本は930円、西日本は7年連続で賃上げ見送りを回答。(13日)
鉄道運輸機構訴訟で反動判決 国鉄清算事業団を継承した鉄道建設・運輸施設整備支援機構を相手に、国労組合員らが解雇無効などを求めた訴訟で、東京地裁は原告の訴えをことごとく退ける反動判決を行った。(13日)
NTTグループの一時金交渉が妥結 NTTグループ主要8社の年間一時金交渉が妥結した。今回、NTT労組はベア要求を見送っている。(13日)
橋下知事に女性労働者が反論 大阪府の橋下知事は30歳以下の若手職員を対象に初めて朝礼を開いた。知事の発言に対して女性労働者が「どれだけサービス残業をしているか知っているのか」などと反論。(13日)
私鉄大手に回答 私鉄総連傘下の関東・関西の私鉄大手の賃上げ交渉が決着。経営側の多くが「ベアゼロ」の回答だったが、初任給の引き上げや非正規労働者の時給増額などの賃金改善を提案したことで妥結。(13日)
電力6社が回答 年間一時金は、四国電力以外は引き下げ。東京を除く各社で2000円引き上げを求めていた賃金改定は関西、九州、中国、四国の4社が平均500円の賃上げ。(13日)
日本郵政グループが回答 日本郵政グループは600円ベアをJP労組に回答、妥結。ベアは7年ぶり。(13日)
動労千葉が第1波スト 動労千葉が春闘第1波の24時間ストライキを貫徹した。(14日)
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金属大手の08春闘妥結状況(円)

●自動車労連
賃上げ
一時金
トヨタ自動車
1000
5カ月+75万
日産自動車
原資7000
6.1カ月
ホンダ
800
6.6カ月
 
 
●基幹労連
 
三菱重工
2000
4カ月+43万
新日鉄
1500
業績連動
     
●電機連合
賃上げ
賃金体系是正
日立
1000
-
東芝
1000
-
三菱
1000
-
NEC
1000
-
富士通
1000
-
600
-
松下
0
1000
三洋
500
300

 

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週刊『前進』(2336号4面6)(2008/03/24 )

 日誌 2008年 3月12日〜18日

 嘉手納で在韓米軍機参加し訓練/チベット暴動が近隣に飛び火

●三沢市で米兵がひき逃げ容疑 米軍三沢基地(青森県三沢市)所属の米兵が昨年10月、同市内で車を運転中に歩行中の男性に接触し、けがを負わせて逃走していたことが12日わかった。米兵は酒を飲んでいたとみられる。三沢署は、この米兵を逮捕せず任意で取り調べ、今月10日、道路交通法違反(ひき逃げ)の容疑で青森地検八戸支部に書類送検した。(12日)
●沖縄・嘉手納で在韓米軍機含め訓練 米空軍嘉手納基地での即応訓練に参加するため飛来した在韓米軍のF16戦闘機が、12日午前7時半ごろから次々と離陸を開始した。嘉手納基地のF15戦闘機も交互に離陸し、両戦闘機の放つ爆音が早朝、断続的に響いた。嘉手納飛行場に関する3市町連絡協議会は同日午前、同基地に対し、中止を求める抗議文を送付した。(12日)
●米軍が沖縄で新射撃場を建設 沖縄県金武町の米軍キャンプ・ハンセン内レンジ(射撃場)1付近で、新たな屋外式の射撃場が建設されているのが11日までに確認された。レンジ4から16への米陸軍都市型戦闘訓練施設移設に伴う既存レンジの玉突き工事に伴う建設。(12日)
●チベットでデモ激化 中国チベット自治区ラサで14日、中国共産党・政府に対する僧侶や市民の抗議行動が激化し、中心部の商店街から出火、武装警察隊などが鎮圧に当たり、混乱が広がっている。在京チベット関係者によると、治安当局との衝突で14日だけで少なくとも14人が死亡、100人以上が負傷したとの情報がある。(14日)
●普天間アセス着手 米軍普天間飛行場代替施設建設の環境影響評価(アセスメント)方法書について沖縄防衛局は14日午後、県に対し、方法書書き直しへの県意見を受けて再修正を加えた方法書確定版を提出した。防衛局は15日からアセス調査に着手する。方法書確定版では、県意見で再度求めた複数年調査に「調査の実施状況を踏まえ検討する」と述べるにとどめた。ジュゴン調査は具体的な調査実施期間も明記していない。(14日)
●G20閉幕し国別削減目標議論へ 14日から千葉市で開かれていた「気候変動・クリ
ーンエネルギー及び持続可能な開発に関する閣僚級対話」(G20)は、京都議定書に続く温暖化対策の13年以降の国際的な枠組みについて議論し閉幕。05年以来続けてきた対話はこれで終わり、7月の北海道洞爺湖サミットで成果が報告される。(16日)
●初の米軍基地共同使用開始 在日米軍再編に基づく、初の陸上自衛隊による米軍キャンプ・ハンセン共同使用が17日から始まった。陸自第1混成団(那覇)の第301普通科中隊を中心に約150人が参加。共同使用は18日まで。(17日)
●内閣不支持50%超 共同通信社が15、16の両日に実施した全国電話世論調査で、福田内閣を支持しないとの回答が2月の前回調査より6・1ポイント上昇して50・6%となり、初めて半数を超えた。(17日)
●チベット暴動が近隣3省に飛び火 中国チベット自治区ラサで始まった僧侶や市民らによる大規模な抗議行動が、近隣の四川、青海、甘粛各省に広がっている。四川省のチベット族が多く居住する地域にも、大量の治安部隊が投入され、緊迫した雰囲気に包まれている。(17日))
●「独立」コソボ初の死者 コソボ北部コソブスカミトロビツァのセルビア人居住地区で発生した大規模な暴動で、負傷したウクライナ人の国連文民警察官が17日夜(日本時間18日朝)、収容先の病院で死亡した。先月17日の独立宣言をめぐりコソボで犠牲者が出たのは初めて。セルビアとロシアはセルビア系住民の保護のため対抗措置を取る構えを見せている。(18日)

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週刊『前進』(2336号4面7)(2008/03/24 )

 日程 4・27法大弾圧裁判

 第14回公判 3月28日(金)午後1時半開廷
 第5回公判 4月22日(火)午後1時半開廷

 10・17クラス討論弾圧裁判
 第3回公判 3月25日(火)午後1時半開廷
 第4回公判 4月24日(木)午後1時半開廷
◎ともに東京地裁。傍聴は1時間前に集合

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週刊『前進』(2336号5面1)(2008/03/24 )

 北延伸阻止!市東さんの農地強奪許すな!

 労農同盟の革命的発展かけ3・30三里塚に全力結集を

 絶対反対貫き軍事空港廃港へ

 斉田 猛

 3・16イラク反戦5周年・全世界一斉デモは、青年労働者・学生の躍動的な決起を先頭に全国17都市でかちとられた。参加者は、民族抑圧と軍事占領をイラクで続けるアメリカ帝国主義とそれに加担する日本帝国主義への怒りを爆発させ、労働者の決起で革命をやりぬく決意と展望を共有した。次は3・30三里塚だ。労農連帯・国際連帯の不抜の砦(とり
で)三里塚に、反対同盟の呼びかけにこたえ全国から大結集しよう。
(写真 3・16に参加した日三里塚反対同盟【代々木公園】)

 最末期帝国主義が三里塚破壊の攻撃

 国際帝国主義が最末期的な危機にのたうち回っている。世界金融大恐慌の現実化はアメリカ帝国主義の歴史的な没落の現れである。わが物顔に世界に戦争を持ち込み、貧困と格差拡大を推し進めてきた米帝は、最後の延命策も無力となったのだ。日本帝国主義はこの中で最も深刻な打撃を受けている。一切の危機と矛盾を労働者階級に押し付け、搾取と収奪を強め、戦争・改憲・民営化・労組破壊の攻撃を一層激化させる以外にない。そして総資本の延命のためにアジアへの侵略と勢力圏化へ突き進もうとしている。
 そのためには最も遅れた部門の航空・農業の自由化が最重要課題だとして、経済連携協定(EPA)、自由貿易協定(FTA)をとおした東アジア経済共同体構想(アジア・ゲートウェイ戦略)を推し進めようとしている。中小の農家はつぶしてしまえ、空港を広げジェット機をがんがん飛ばせ、ということだ。
 三里塚闘争はそこに圧倒的存在感で立ちはだかっている。国策である成田空港の完成を、42年間にわたって実力で阻んできた。ここに労働者と農民の革命的連帯の砦が築かれている。
 この砦を突き崩すために今、日帝・福田政権、国土交通省、成田空港会社(NAA)は全体重をかけてきた。暫定滑走路の北延伸工事、市東孝雄さんの農地を強奪する攻撃だ。あらゆる不法・脱法行為をも総動員して、農民をたたき出そうと躍起になっている。こんなことを許してなるか。
 3・30は労働者農民の闘いの砦を守り、08年決戦の突破口を切り開く決定的な闘いとなった。全国から総決起しよう。

 北延伸は追いつめられた敵のあがき

 国鉄分割・民営化攻撃を粉砕し勝利した動労千葉とともに、そして全国の労働者・学生の闘いと一体となって、三里塚闘争は80年代の「新自由主義」攻撃を真っ向から打ち破り、「空港絶対反対・農地死守・一切の話し合い拒否」の原則を貫いて勝利してきた。
 この労農学の最強の砦を破壊するため、動労千葉・4大産別の労働運動への破壊攻撃と軌を一にして、以下のような攻撃が現地で激化している。
 暫定滑走路飛行直下の東峰部落では、朝の6時から夜中の11時まで農家の頭上40bをジェット機がのべつ幕なしに“威嚇飛行”を行っている。深夜11時以降は、轟音(ごうおん)をふりまいて北延伸関連工事のクレーンが稼働する。その上さらに、「3月からは騒音の激しいコンクリートはがし工事を夜中にやる」と通告してきた。こんな生活破壊の土木工事が行われている場所が、日本のどこにあるだろうか。
 「東峰の森」を伐採して強行する新誘導路工事は、「東峰部落を東西に分断し、西側を空港の中に取り込んでしまう」(萩原進さん)ことを狙いとしている。6月には国道51号線の切り替えトンネルの運用を開始しようとしている。また暫定滑走路北端の「クリーンパーク」ではダイオキシン違法埋め立ての工事を強行している。
 こうした中、年間飛行回数の30万回化(現在の1・5倍)と開港30周年キャンペーンを宣伝している。
 まさにNAA、政府・国土交通省ら総ぐるみでの常識はずれの違法・脱法、国家犯罪の数々。
 実際に北延伸計画は、仮にすべてができあがっても「滑走路は短すぎて使い物にならない」とNAA前社長の黒野匡彦自身が認めている。NAAの09年度株式上場・完全民営化はさらに延期となった。
 結局これらの常軌を逸した攻撃の数々は、空港反対農民に圧力をかけ追い出そうとする敵のあがきだ。だが42年闘ってきた反対同盟がこんなことで屈服するはずがない。反対同盟はますます意気高く、自らの正義を確信し、団結を強化し、成田空港建設の非道を弾劾しぬいて闘っている。反対同盟が存在するかぎり「暫定滑走路の3500b化」は絶対に不可能だ。
 あの寸断され、いびつでぶざまな空港の姿を直視してみろ。警察機動隊・私服刑事・ガードマンらを大量動員しなければ一日たりとももたない現実を考えてみろ。三里塚闘争を闘う農民・労働者・学生こそが成田空港の命運を握り、主導権を堅持している。この現実から、NAA・国交省は一瞬たりとも逃れられない。

 「FTA粉砕!」へ労農の一大反乱を

 80年代の新自由主義攻撃は、国鉄労働者および4大産別―すべての労働者に「民営化」の暴圧として襲いかかった。それとともに農民に対しては、農業切り捨て攻撃の本格化として始まった。 80年代、米価据え置き、日米農産物交渉・アメリカ農産物の輸入拡大として開始された農業での新自由主義政策は、91年の牛肉・オレンジの輸入自由化に行き着き、95年には、戦後農政の柱であった食糧管理法(政府による米買い上げ)の廃止にまでエスカレートした。
 そして現在、「攻めの農業」と称する300万戸農家絶滅の攻撃が吹き荒れている。その最大の焦点がFTA、EPA拡大の攻撃だ。2国間の貿易関税をなくす協定である。これは一方で農産物市場の明け渡しによる農民切り捨て攻撃であるが、他方でその攻撃の矛先は労働者階級自身に向けられている。「貿易自由化」の行き着く先は果てしない国際競争の激化、労働力の大量の流動化と非正規職化、民営化・低賃金・労組破壊をとおした労働者階級の団結破壊である。
 現在、対オーストラリアでは4回目のEPA交渉が行われ、対韓国のFTA交渉も再開の方向が決められた。韓国の民主労総と農民連盟のように、労働者と農民の連帯したFTA反対闘争が今まさに求められている。
 農民もけっして中途半端な条件闘争で「折り合いをつける」ことのできない、帝国主義との非和解的対立の時代に完全に突入した。農業破壊は国鉄分割・民営化攻撃、教育基本法改悪攻撃、郵政民営化攻撃、地方自治解体・道州制攻撃、司法反動攻撃といった、戦後体制の転換――改憲攻撃と一体なのだ。
 労働運動の体制内勢力が次々と無力と破産を示すように、既成農民団体も何ら具体的方針を出せない現状だ。そうした中で「三里塚に希望を見いだしたい」という農民が次々と現れている。資本主義は農業問題を解決できず、帝国主義は矛盾を激成させる。農民・農業問題はプロレタリア革命によってしか解決できない。2千万人の「ロストジェネレーション」と呼ばれる世代の青年労働者が、「生きさせろ」と叫んでいる。マル青労同、マル学同の同志たちはその先頭で「革命」の2文字を真っ向から掲げて闘っている。むき出しの農民切り捨てが始まった現在、三里塚が日本農民の先頭で闘うべき時がやってきたのである。

 青年の決起こそが社会変革の原動力

 市東孝雄さんの農地取り上げを阻止する闘いは、この労働者と農民の未来をかけた階級攻防の先端に位置している。「農地法で農地を収用する」という前代未聞の脱法行為での農地強奪のたくらみと農業・農民破壊攻撃は完全に一体だ。「市東さんの農地を守れ」の声は、ますます拡大している。「車の両輪」としての動労千葉との固い血盟を軸に、全国の労働者、農民、学生が立ち上がり、さらに「市東さんの農地取り上げに反対する会」など新しい運動が活気づいている。
 3・30集会は三里塚闘争と労農連帯の新段階を切り開く決戦突入集会だ。三里塚闘争は、帝国主義の攻撃を打ち破り、目に見える形で勝利を積み重ねている反戦・反権力の砦だ。反対同盟が42年間貫いてきた「農地死守、空港絶対反対」の闘争原則の力強さを共有しよう。労農学市民の大結集で市東さんの農地を絶対に守りぬこう。
 さらに、成田軍事空港の廃港へ闘おう。
 イラク侵略戦争が泥沼化する中、米帝は米軍再編攻撃を沖縄を始め全国で強めている。習志野駐屯地には「成田空港防衛」の新型ミサイル(PAC3)が配備された。
 イージス艦による漁船沈没事故は、太平洋でのSM3ミサイルの発射実験後の軍事行動中に引き起こされた。戦争のためなら農民・漁民・労働者の命や生活など押しつぶしてお構いなし――これが支配階級の本音なのだ。絶対に許せない。
 PAC3の成田移動展開訓練を阻止しよう。「成田市国民保護計画」を粉砕しよう。空港内労働者、成田市など周辺自治体労働者と団結して、今こそ成田軍事化を阻止し、空港廃港への闘いを強める時だ。
 3・30集会を突破口に、生活破壊の工事強行を許さず現地攻防に勝利しよう。さらに成田、芝山、多古など地域住民と連帯して阻止・弾劾の闘いを展開しよう。
 裁判闘争は決定的だ。千葉地裁は今や、国土交通省・NAAと一体となり、農地取り上げの手先にまで成り下がっている。だが、市東孝雄さんの決起を先頭とする反対同盟の農地死守の正義の主張は、農地取り上げに躍起になるNAAを決定的に追いつめている。彼らの主張は法も常識も無視した成算のないものだ。現在、耕作権(不法耕作デッチあげ阻止)訴訟と農地強奪阻止・行政訴訟が闘われているが、この闘いは空港建設の国家犯罪を暴き、農民・農業破壊を告発する階級的な裁判闘争である。
 「三里塚に取り組む」と称して階級的労働運動と三里塚の結合に敵対する塩川一派を打倒しよう。
 最後に、職場で体制内指導部と闘う青年労働者、キャンパスで逮捕・弾圧を恐れず真っ向から闘う学生諸君に3・30への大結集を心から呼びかけたい。三里塚闘争はその始まりから、全学連・反戦青年委員会を中心とする労農学の若い力で闘われてきた。「体制内と折り合いつけない」青年諸君の現在の決起は、まさに42年の「絶対反対」を貫いてきた三里塚と同じ質のものだ。青年の決起こそが社会変革の原動力だ。今こそ労農学、老壮青の革命的合流、結合を実現しよう。
 3・30大結集をもぎとり、三里塚闘争の新たな飛躍を実現しよう。

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週刊『前進』(2336号5面2)(2008/03/24 )

 闘って社会体制変える

 三里塚反対同盟の訴え(下)

 労農連帯新たな地平へ 事務局次長 萩原 進さん

 市東さんの農地を強奪しようと敵は躍起になっている。ここに現れていることは、戦後の闘いでかちとった農地改革あるいは農地解放が、今や支配者にとっては「諸悪の根源」であり、戦後憲法ともどもたたきつぶさなければならない、という支配階級の焦りにほかならない。まさに激突だ。
 「北延伸」のなりふり構わぬやり方はまさにそれだ。市東さんの農地取り上げ、現闘本部や一坪共有地の略奪、東峰部落の誘導路での分断、大型機の頭上40b飛行――こんな法も道理も踏みにじった攻撃をまかり通らせるわけにはいかない。
 だが敵も後がない。最近では飛行コースをずらして年間30万回飛ばすと言ってるが、「へ」の字誘導路など地上の問題がそのままでは、いくら空を広くしても始まらない。どちらが土俵際でがんばれるかが勝敗を決することになる。
 三里塚闘争は42年の闘いのすべてを発揮して、市東さんの農地を守り、北延伸を阻止し、軍事空港を粉砕し、社会体制を変える闘いをやりぬく。
 そのために労農連帯・国際連帯をかけた闘いとして、FTA(自由貿易協定)の問題を訴えたい。これは労働者自身の階級的課題だ。
 これまで労農連帯を、「安い農産物が輸入されれば労働者の賃金が抑えられる。だからともに闘おう」と訴えてきた。
 だがそれにとどまらず、新自由主義攻撃のもとでの「自由貿易」とは、際限のない国際競争の激化、まさに資本が「自由に」世界の市場を強奪し食い尽くすという果てしない競争だ。そして世界中の労働者がその競争の中で低賃金で搾取され、倒れるまで働かされ、資本の好きなときに首を切られるということだ。
 資本の海外提携も「もうけになるのなら誰とでも組む」という一層あからさまなやり方になる。海外流出による産業の空洞化・ドーナツ化という矛盾は、全部労働者の低賃金と強労働として襲いかかってくる。日本だけじゃない。他国の労働者がどれほどひどい搾取にさらされるかという問題も抜きにしては語れない。非正規労働者を世界に大量に生み出した根本にはこの問題がある。
 この間、福田首相とイミョンバク韓国大統領が会談して、中断していた日韓のFTA交渉再開の動きが始まったが、以前日本は韓国に対し、「労働運動を鎮圧しろ」と露骨に要求していた。日本の資本進出のために民主労総と過激な農民をなんとかしろと。この要求は再燃してくるだろう。
 民主労総はFTA反対を3大スローガンの一つに掲げている。全世界の労働者がFTAと新自由主義に対し渾身(こんしん)の決起を始めている。「貿易交渉」「2国間協議」が労働者の生活を破壊するとてつもない攻撃だということを正面からとらえなければならない。そしてそれがまた、われわれ農民を切り捨てる攻撃だということだ。
 農民の進むべき道は労働者との連帯であり、社会体制を革命的に変革する闘いとして決起することだ。われわれ農民のこの叫びに、労働者は全力でこたえてほしい。
 今度の3・30現地集会は、3・16全世界一斉デモの爆発と一体となって、三里塚闘争・労農連帯の新たな地平を切り開く決戦だ。なんとしても大結集を実現しよう。

 戦争と天皇制への怒り 本部役員 鈴木 幸司さん

 土を耕し農地としてちゃんと作っていくということは、簡単なことではない。苦労して苦労して育てていって、やっと収穫ができるようになる。金を出すから土地を手放して出ていけなどと簡単に言うやつらには、本当に腹が立つ。農業を放棄して社会の生活が成り立つはずがない。だからわれわれは、「百姓をやっていて良かった」と言えるような世の中にもういっぺん変えなければと思っている。
 おれの部落ではかつて「農業の将来のため」などと言って成田用水が導入されたが、これは空港関連事業で、それをいろいろ言い訳しながら率先して受け入れた者は、今はとうに農業をやめてしまっている。成田用水を絶対拒否したわが家だけが、胸を張ってこの地で農業を続けている。
 最近、朝日新聞の千葉版で三里塚闘争の歴史を回顧する連載があったが、闘いをやめた人から聞き取りをして載せているだけで、今現に闘っている反対同盟には問い合わせもない。闘いは弁論大会ではない。うまいこと言えればいいものじゃないんだ。
 だが見ている人はちゃんと見ている。韓国の民主労総がつねに三里塚に敬意をはらってくれるのも、闘いの神髄を理解しているからだろう。
 三里塚闘争を思い出で語るんじゃなくて、現実に市東孝雄さんにかけられている農地取り上げの攻撃に対し、自分自身の闘いとして立ち向かうことだ。そういえばおやじの東市さんは熱心に『前進』を読んでいて、本当によく発言のなかに盛り込んでいたよな。おれにはなかなかまねできないと感心して聞いていた。
 昨年は労働者の集まりにも足を運び、動労千葉にも行った。そこで戦後に捕虜として抑留されたモンゴル時代の話をした。天皇の命令で「戦争の賠償として捕虜を勝手に使ってくれ」とわれわれは差し出された。おれは極寒の労働に耐え、凍傷で指の一部を失いながら、「絶対に死ぬものか」と肝に銘じて生き延びた。
 天皇制への怒りはおれの中から永久に消えることはない。「君が代を歌わなければ首だ」と教育労働者に今かけられている攻撃は実に許せない。あのころとまったく同じじゃないか。
 日本が侵略戦争をやっていいことがあっただろうか。何ひとつない!
 今度の3・30全国集会にはかつてない規模の大結集を実現し、その力で成田の軍事空港化を完全にストップさせてしまう、そういう闘いをともにやりましょう。

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週刊『前進』(2336号5面3)(2008/03/24 )

 書評 『三里塚 成田闘争の記憶』

 三留理男写真集 新泉社刊 3500円+税

 圧巻の代執行阻止決戦 闘う農民の原点を活写

 懐かしい写真にめぐり会えた。「老年行動隊」とプリントされた手ぬぐいを頭にかぶり、キッと前をにらみ据える、しわの刻まれた農婦の顔が表紙と扉を飾っている。この本のもとになっている『燃える北総台地』が発行された1971年夏の当時、この顔をクローズアップしたポスターが三里塚を全国に印象深く知らせたという記憶がある。
 三留理男(みとめただお)氏は、60年代から70年代前半の安保・沖縄闘争を始めとする日本の激動のただ中で、闘いの側に身を置き、写真を撮り続けたカメラマンである。70年発行の『叛逆(はんぎゃく)の記録―安保・沖縄・大学』は、60年安保闘争から67年10・8羽田闘争以降の70年安保・沖縄闘争の激動の日々を活写した。当時の三留氏を始めとした若いカメラマンが闘いに共感し、闘いの真実を広く伝えようと身を挺(てい)して活躍していたことが思い出される。
 本書の圧巻はやはり、71年1〜3月の第1次代執行阻止決戦だ。今、A滑走路の北端になっている駒井野の反対同盟用地6筆を強奪する攻撃に対して、三里塚反対同盟は全力をあげて抵抗し、闘いぬいた。大地を舞台に、土を武器として「地下壕戦」という戦法を編み出した。強制収用される土地の下に長大な地下壕を掘り進め、そこにこもって闘ったのだ。これ自体がベトナム人民の不屈の闘いに通ずるものだった。また地上では、バリケードの柵(さく)に鎖で体を縛り付けたり、木の上に登って抵抗した。虫けらのように扱われた農民たちの国家権力に対する敵愾心(てきがいしん)がそこにはあふれている。同年9月の第2次代執行での大木よねさんの闘いと生活の姿にも胸を打たれる。
 本書は新たに、当時の全学連や反戦青年委員会の街頭闘争の写真を収録して、三里塚と全国の闘いのつながりを伝えている。すべてが闘う人びとの側から撮られている。
 42年間不屈に続く空港絶対反対・一切の話し合い拒否の闘いの原点は、この初期の闘いで作られたのだ。
 大事なことは、三里塚闘争が権力に勝ち続けていることだ。日本帝国主義の最も重要なインフラのいわばのど元を押さえて(「へ」の字誘導路を見よ)、彼らの自由を奪っているのだ。
 三留氏は「はじめに」で言っている。「その思い(「虫けら扱い」に対する怒り)は、今も衰えていないようだ。そして四二年後の今、そうした思いを抱いた人やその後継者たちが、三里塚にはいる。三里塚だけでなく日本をとりまく環境の変化や世の中の移ろいを考えると、これはすごいことである。そして本書は、すごいことを始めた頃の、すごいことを始めた人たちの記録である」
 70年代以降、アジア・アフリカの各地を取材して人びとの営みを記録してきた著者が、あらためて今日の三里塚の闘いを見て、漏らした感嘆の言葉だ。三里塚が暫定滑走路北延伸阻止・市東さんの農地死守の決戦を迎えている今、三里塚闘争の原点を振り返り、労働者階級全体の課題として広く訴えていくために、時宜を得た出版である。多くの人の手に渡ることを期待する。
 (高田隆志)

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週刊『前進』(2336号6面1)(2008/03/24 )

団結ひろば 投稿コーナー

 根津さんを解雇させないと都教委に迫る 東京 山根葉子

 「君が代」解雇をさせない!3・10都庁前ワンデーアクションで根津公子さんから「私は明日から都庁前に来て訴えます。ぜひ皆さん一緒に行動してください」と熱い呼びかけがありました。
 11日から毎日20〜30人が集まり、都庁第二庁舎「ふれあい通り」で午後4時30分から街頭宣伝、5時30分〜6時ごろ都教育庁人事課(27階)または情報課(30階)に訴えに行く行動をしています。27階と30階はいつも警備員を前面に教育庁職員が後方に立って阻止線を張っています。
 13日は九州からかけつけてくださった80歳を超えるMさん、詩人の石川逸子さん、戦前の天皇制軍国主義教育を受けた方たちが大勢参加。「戦前は視学官がいて教員を監視し、給料まで決めていた。卒業式の監視、人事考課制度による給料査定は戦前と同じこと」と一人ひとりが警備員や都庁職員に切々と訴えかけました。
 14日は「解雇をさせない会」が「請願書」を用意し情報課へ行きました。黒田課長は「回答は28日以後になります」と答えました。「28日の処分を決める教育委員会の後の回答とはなんだ!」と参加者の怒りは頂点に達し、がんがんやりあいました。
 午後7時に消灯され真っ暗な中、根津さんが「内部告発をして私たちとともに立ち上がってください」と訴えて引き揚げました。偶然エレベーターが27階に止まりました。なんと暗闇の中に警備員と教育庁職員が20人ぐらい阻止線を張っているのです。本当に異様な光景でした。都教委のどたばたぶりに「都教委っておもしろいね。また来ようね」と皆で笑いながら、連日の都教委行動の有効性を確認しました。

 “沖縄の現実を変える道は労働者の団結だ” 沖縄 上原哲也

 3・16イラク反戦全世界一斉行動in沖縄は、沖縄北部合同労組(うるまユニオン)の呼びかけにより青年労働者たちによって企画され、那覇市・県民ひろばに100人が結集した。集会後、国際通りをデモ行進。「資本家どもをぶっとばせ」「リストラやって戦争するな」のシュプレヒコールがとどろいた。あるデモ参加者は「〈労働者>という言葉が鳴り響いたデモは復帰後では初めてだ」と言った。闘いの勝利へ、われわれはその流れをつくった!
 集会はまよなかしんやさんがオープニング。百万人署名運動の桑江テル子さんは「私たちの後輩がユニオンを結成し、世の中を変える力をもっているのは労働者だと立ち上がってくれた」、二見以北十区の会の渡具知さんは「全国の力で辺野古の基地建設反対の運動を続ける。うるまユニオンを結成した若者を心強く思う」と発言した。
 圧巻はうるまユニオン委員長が行った実行委員会の基調報告だ。彼女は、沖縄の現実を変える道は「労働者の団結にかかっている。労働者が団結してストライキで基地の機能を止めてしまえば戦争は止まる」「われわれは反撃する! 資本家から青年労働者は未来を奪い返そう。誇りを取り戻そう」と呼びかけた。
 労働者のリレートークは感動的だった。ある労働者は「権力は巨大にみえる。しかしその土台を崩せるのはわれわれだ。労働者は新しい社会をつくる行動を起こそう」と発言。NTT労働者は、非正規雇用労働者の解雇攻撃をはねかえした勝利を報告し、闘わないNTT労組の体制内指導部を真っ向から批判した。医療労働者は障害者自立支援法を批判、雇用側の市場原理主義によって医療労働者が置かれている現実を訴えた。今春、高校を卒業した若者が飛び入りで、歴史教科書の改ざんをラップで批判した。
 この力で5・15闘争の爆発を切り開こう!

 岡山で3・8春闘集会団結を固めて3・16へ 岡山労組交流センター 宇野 一

 3月8日、ワーカーズアクション岡山主催の春闘集会を行い、30人で団結を固めました。
 まず最初に、2本のレポートを青年、学生が提起しました。岡山大生はレーニン『帝国主義論』について「革命の時代が来た。新自由主義とは最末期の帝国主義だ。体制内労働運動を打倒して革命を!」と提起しました。続いて青年労働者が「動労千葉労働運動から学ぶ」として「団結がどれだけ固められたかが動労千葉の闘いの総括軸。動労千葉は今春闘もストライキに立つ。3・16全世界一斉デモで連帯し、ともに闘おう」と提起しました。
 労働者から次々と決意が表明されました。全逓労働者は「資本家連中がどんなにあくどくもうけているのか、具体的な事実を暴露して語らないといけない」。自治労の仲間は「幼稚園の労働者の時間外労働が過重になり、子どものケアよりもレポートばかり書かされている。3・16を職場の青年労働者とともに闘う」。JRの労働者は「正社員が契約社員に置き換えられ、競争があおられている。絶対に許せない」。地域合同労組マスカットユニオンの仲間は「尼崎市役所で働く5名の派遣労働者のストライキ支援に行きます。檄布(げきふ)に寄せ書きを」と訴えました。
 最後に事務局から「連日の街頭宣伝などを含め岡山の呼びかけは140人です。それぞれが作成したビラをどんどんまいて、職場で闘い、3・16デモへ」と呼びかけ、団結ガンバローを行いました。

 中国によるチベット民衆虐殺を弾劾する 愛媛 佐野鷹男

 「他の民族を抑圧する民族は自由ではない」というレーニンの言葉があります。いかに自らのありようが進歩的だと思い込んでいるにしても、遅れた地域にその手法を押し付けること、特に軍事的恫喝でもって押し付けることをレーニンは厳しく戒めました。
 1949年からの中国共産党・人民解放軍によるチベット進駐は、真の理由は英領だったインド(47年独立)との対峙でありますが、しかし、その口実として利用されたのはチベットの後進性からの解放でした。しかしそれを望む/望まないを決定するのはチベット民衆であることは、レーニン主義的見地からは明白だと思うのですが。
 また、日共スターリン主義が『赤旗』において、中国共産党擁護としか受け取れない記事を垂れ流していることも、満腔(まんこう)の怒りをもって弾劾します。

 ビキニデー長崎集会で帝国主義打倒誓う 長崎 橘 澪

 「ビキニ事件から54周年 あらためて核開発を問う!――核と人類は共存できるのか」ビキニデー集会が、3月9日に長崎で開催されました。
 講師の藤田祐幸さん(元慶応大学助教授)は、イラクの劣化ウラン弾やチェルノブイリの原発事故などの現地調査を行い、劣化ウラン弾問題では国会でも参考人として証言をしています。藤田さんは、原発産業の労働現場での労働者の被曝(ひばく)について、多くのホームレスが原発の清掃などに駆り出され被曝し、死んでいる事実、しかもその正確な実態さえも分かっていない現実を話しました。
 被曝の許容値を超えれば二度と雇われなくなる上、被曝の症状を発症しても医療を受けることなく死んでいく。原発産業がこうした労働組合にも入っていない無数の使い捨て労働者によって支えられている事実を指摘しました。原発会社の労働組合は、会社との契約で被曝量が高いところの仕事はしない。原発とともに生きる体制内労働組合という状況の中で、被爆量の高い危険な仕事は、かき集められる日雇い労働者に回ってくる。
 藤田さんは最後に長崎とも関係が深い高レベル核廃棄物の最終処分場問題について触れ、核廃棄物を埋め捨てにすることで、原発の最終的な危険極まる核のゴミを「解決」しようとする無謀さを指摘しました。
 労働者の団結で一日も早く日本帝国主義やアメリカ帝国主義を崩壊させなくはならない。それこそが核開発と世界核戦争を止める唯一の道だと、講演を聞いて思いました。

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週刊『前進』(2336号6面2)(2008/03/24 )

 “階級の力で星野奪還する”

 天田書記長と共に面会

 元破防法裁判被告 藤原 慶久

 2月12日、私は革共同書記長・天田三紀夫同志、星野暁子さんとともに徳島刑務所を訪れ、星野文昭同志に面会しました。千葉刑務所で闘病中の星野同志に面会して以来、30年ぶりに会う彼は輝いていました。刑務所当局を圧倒する革命家としての強靱(きょうじん)さを感じました。
 面会室では、真ん中に天田書記長、右に星野暁子さん、私は左に座って、星野同志を待ちました。やがて、星野同志が入ってきました。ついに33年間にもわたる国家権力の分断を打ち破り、熱い交流がかちとられたのです。座ってすぐ星野同志が「藤原さん、まったく変わりませんね」と言い、みんなが笑って緊張がほぐれ、なごやかな雰囲気になりました。
 冒頭、天田書記長は、「革共同は、星野闘争への取り組みに立ち遅れがあったことを必ず突破します。新年号アピールは2008年方針の基軸のひとつに星野闘争を位置づけています。星野さんを労働者階級人民の力で絶対に取り戻します」と、闘う決意を表明しました。
 星野同志は落ちついて語りだしました。「私は獄中にありながらも常に獄外の闘いに身を置くようにつとめ、共産主義者としてのトータリティーを形成することによって無期攻撃と闘ってきました」
 続いて、天田書記長が日弁連会長選挙をめぐる闘い、とりわけ若い弁護士たちの決起を伝えました。そして、こういう力とひとつになり、星野再審を勝利させたいと語りました。星野同志は、選挙結果は新聞で読んでいましたが、闘いの内容にあらためて驚き、喜びました。
 星野同志は時々暁子さんに話しかけながら、私たちとの会話を進めました。星野同志の暁子さんへの優しい気持ちを感じました。話し始めるとすぐに33年間の壁は消え去り、同志としての連帯感が室内を満たしました。静かな、しかし熱い討議が続きました。その中心テーマになったのは7月テーゼです。
(写真 星野暁子さんを先頭に全世界一斉イラク反戦デモを闘う「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」【3月16日 渋谷】)

 「7月テーゼ」を大いに語る

 星野同志は次のように語りました。
 「『7月テーゼ』は、一切の抑圧・差別からの解放が、プロレタリアート自己解放をとおした階級社会の廃絶によって、人による人の支配からの解放の実現という道筋にあることをはっきりさせたと理解しました。と同時に、被抑圧・被差別人民の闘いを軽視した形で、狭い意味での労働運動や職場的課題をやれば良いといった極端化を生むのではないかという危惧(きぐ)も抱きました。しかし『関連学習討議資料』を読んでその心配は克服されました。
 今日、労働者が生きていけない状況に立たされている中で、青年労働者たちの『生きさせろ』という叫びと闘いは大切です。同時に、被抑圧・被差別人民は、さらに一層厳しい状況に立たされています。労働者階級が、抑圧・差別との闘いを労働者階級自身の課題として闘うことをとおして、分断を打ち破った一体の闘いが形成されると思います」
 あっという間の30分が過ぎました。最後に、握手の代わりにアクリル板越しに手と手を合わせました。書記長は「元気で闘ってください。闘いを前進させ、また会いに来ます」と激励し、お互いの健闘を誓いました。
 感動的な面会でした。面会できて本当によかったと思います。面会での討論をとおして、星野同志との同志的信頼関係が一層深まり、路線的一致をお互いに確認できました。そして、革共同の星野同志奪還の闘いの戦略的発展をかちとる決意を新たにしました。
〔ふじわら・よしひさ/69年4月27日、4・28沖縄闘争への破防法の扇動罪適用で本多延嘉革共同書記長らとともに逮捕。当時、藤原同志は反戦青年委員会世話人〕
(写真 星野文昭同志 71年11・14渋谷闘争でデッチあげ殺人罪・無期懲役判決を受け再審請求中)

 獄中同志を取り戻そう

 星野文昭同志は、敵階級の憎しみを一身に受けながら、不当逮捕以来33年、非転向の闘いを貫いている。この闘いは、労働者階級と人民の闘いを最も根深い地点で支え続けている。完黙・非転向こそ階級闘争の大原則であり、絶対に揺るがせにできない勝利の道だ。
 労働者階級にとって、敵階級に奪われた仲間を取り戻すことは、階級的団結をかけた闘いそのものだ。それは、労働者階級自己解放を実現する闘いそのものなのだ。今日、革命情勢の急接近の中で労働者が階級的団結を打ち固め、帝国主義打倒に立ち上がる時、星野同志は必ず奪還できる!
 星野同志を取り戻すために必要なあらゆる闘いをやり抜こう。「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」が呼びかけている「再審無罪と釈放を求める署名」を全力で推進しよう。今年7月に予定されている全国集会に結集しよう。今こそ、星野同志奪還へ総決起しよう。

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週刊『前進』(2336号6面3)(2008/03/24 )

新刊紹介 陶山健一重要著作集2 反戦派労働運動(下)

 職場生産点から革命を 階級的労働運動の原型

 好評の上巻に続いて下巻が出た。今の情勢と課題に驚くほどフィットした内容の本である。上・下巻が出そろったことで、60年代「反戦派」の闘いのもつ現代性、今日的実践性が一層くっきりと浮かび上がってきた。

 生産点から闘いを組み直す

 職場生産点で原則的に闘う――巻頭の第3章「まえがき」や第1節「職場における戦闘的労働者の組織活動」で繰り返し強調されているこのことが、本書全体のテーマである。
 たとえば、「われわれは、大衆運動と党建設との関係を『生産点における革命的共産主義者の活動のあり方』として統一してとらえ、自己と組織に対して不断にそれを改革して行くものとしなければならない」(31n)「われわれは、労働者階級の基本的闘いの場が……生産者として労働を行う生産点にあること、そこにおける力の拡大が本質的にプロレタリア権力に連なることを確認し、一切の闘いをそこから組み直さねばならない」(43n)といった言葉に、そのエッセンスが示されている。こういう自省=自己変革の決意のもとに、反戦派労働運動を生み出す実践が積み重ねられていったのである。
 同時にこれは、カクマル黒田寛一・松崎明や社・共、民同など体制内労働運動への痛烈な批判・決別の宣言であり、今日の反マルクス主義、小ブル自由主義の塩川一派を突き刺すものでもある。

 今につながる反戦派の闘い

 本巻では、60年代半ばの全逓東京空港支部と三菱長崎造船社会主義研究会(長船社研)の闘い、それに60年代末の日放労(NHK労組)長崎分会の闘いという三つの鮮烈な闘いを中心的に取り上げている(第3章2〜4節)。それぞれに独自の歴史と条件の違いをもつ闘いだが、一本の太い共通項がある。それはいずれも、反帝・反スターリン主義の旗を公然と掲げた青年労働者たちが、革命への情熱に燃えて労働組合の中に分け入り、苦闘の末にそこに根を下ろし、総評・民同の体制内労働運動や民社・同盟の右翼労働運動との激しい党派闘争を展開しながら、職場生産点できわめて原則的に革命的左翼の労働運動、反戦派労働運動をつくり出していったことである。そして、マルクス主義の労働者自己解放の思想と実践、革命的時代認識の決定的な力を実地に証明して見せたことである。動労千葉労働運動の原型がここにある。
 陶山同志は、革共同の62年3全総(第3回全国委員会総会)路線の具体的実践という視点から三つの闘いに肉薄し、そこから謙虚に学ぶという姿勢を貫いている。
 「社研の特色の第三は、その原則的党派性を長船の労働組合運動そのものとして実現したことにある。そこでは徹底した大衆性と、あくまでも組合運動をもって検証する実践性が貫かれている」(99n)「われわれは組合の強化に当たって、何よりもあるがままの組合員から出発し、その力に直接よびかけていくことを基本にすえるべきであろう」(112n)――こういう労働者観・組合運動観は、そのまま今日の闘いに通じるものだ。

 青年労働者と学生が両輪

 現在われわれは「時代の基調は革命だ」「労働運動の力で革命を」と言い切れる地点に立っている。40年前とは時代も情 勢も大きく違うが、「職場から闘いを組織するという最も困難な道」(23n)への挑戦という意味では、当時も今も変わりはない。その困難さに果敢に挑戦して闘い抜いた青年たちの明るく突き抜けた姿に、強い共感を覚えるだろう。
 さらに、本書で忘れてならないのは、日本階級闘争における学生運動の位置の大きさである。青年労働者と学生とは、つねに車の両輪として闘いを牽引(けんいん)してきた。「職場生産点の日常活動」とは、学生にも当てはまる言葉なのだ。本書は最良の宣伝・扇動の見本と言っていい。
 70年安保・沖縄決戦の正念場、69年春に書かれた第4章「帝国主義と対決する労働運動」も〈革命をめざす階級的労働運動論>そのものである。

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