ZENSHIN 2008/03/10(No2334 p06)
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週刊『前進』(2334号1面1)(2008/03/10 )
3・16 世界金融大恐慌と世界戦争にのめり込む帝国主義なんかぶっ倒せ
動労千葉08春闘ストと連帯し職場生産点から総決起しよう
3・30三里塚現地闘争に全力を
“ストで闘うぞ” 動労千葉は春闘総決起集会を開き、闘う決意を固めた(2月29日 DC会館)=記事2面
動労千葉は、検修職場を軸に3月14日、春闘第1波ストライキに立ち上がることを決定した。そうだ、今こそストで労働者の怒りを示す時だ。ストで自分たちのパワーを自覚しよう。ストで団結と組織拡大を実現しよう。08春闘は団結・ストライキ春闘だ。教育労働者の「日の丸・君が代」不起立―「40秒間のスト」決起が今、全国各地で貫徹されている。3・16全世界一斉デモまで1週間。東京・代々木公園を先頭に全国でイラク反戦5周年闘争に総決起しよう。
最末期帝国主義の危機が爆発
最末期帝国主義は、危機と崩壊の急坂を転げ落ちていっている。
戦後の歴史の中で、帝国主義の世界経済がこれほど危機と混乱に陥り、対応能力を失った時はない。米サブプライムローン危機の爆発を引き金として、米帝の没落と世界金融大恐慌が完全に現実化しつつある。この中で国際帝国主義は分裂・ブロック化と争闘戦を激化させ、国内階級戦争を強めながら、イラク・アフガニスタン侵略戦争を突破口に世界戦争にのめり込んでいっている。
数万・数十万の青年労働者や学生が、革命に賭けて決起する時が来た。帝国主義の時代は終わりだ! 革命をやろう! われわれ労働者階級こそ、資本主義の賃金奴隷制を廃止し、社会を根底から変革する階級だ。
サブプライム関連の損失の拡大が止まらない。アメリカの金融大手10社は07年後半だけで1千億j(約10数兆円)の損失を出した。金融機関は、評価損が膨らみ続ける証券化商品を売りたくても買い手が見つからず、資金繰りのために優良資産を売りに出し、貸し渋りが拡大している。すべてが悪循環に陥る「地獄のスパイラル」だ。だが今はまだ序の口である。
さらにモノラインという金融保証会社が経営難に陥っている。アメリカでは約10兆j(約1千数百兆円)の住宅ローンのうち、約6割が証券化されている。証券化して投資家に売ってしまえば住宅ローン会社はリスクがなくなる。数百の住宅ローンをプールして、それを小口の証券化商品とし、それをモノラインが保証する。すると低所得者層向けの住宅ローンが、いつの間にか高い格付けの証券化商品になるのだ。まさに詐欺!
この証券化商品を世界中の銀行やファンドが買い漁っていたのだ。それが住宅価格の暴落で紙くず同然になっている。
同時に、このモノラインの保証力が完全に信用されなくなった。信用維持のために、10兆円単位の追加融資が迫られている。地方自治体の資金調達にも影響が出始めた。教育や交通、水道などの公社の資金繰りの悪化も、いよいよ深刻だ。
それだけではない。景気後退への懸念でドルが急落し始め、1j=100円割れの可能性さえでてきた。ドル安の加速で投機資金が原油市場へ流入し、原油価格が史上最高値を更新、1バーレル=104jをも超えた。
そしてインフレだ。特に小麦粉や肉類、ガソリンなどの生活必需品が高騰し、労働者の生活を直撃している。賃下げ、失業に加えて、インフレの深刻化は革命を完全にはらむ事態だ。
主要産業も軒並み縮小過程に入っている。住宅不況が家電、自動車に波及し、解雇と失業者が増大している。景気後退とインフレが同時に進むスタグフレーションへの突入も不可避の情勢だ。
そもそも近年の帝国主義世界経済は、米の巨大な債券市場が世界の余剰資金を吸い込み、米帝が巨額の赤字を垂れ流しつつ、中国や産油国、日本などからモノを輸入することで引っ張ってきた。だがこんな世界的不均衡がいつまでも続くはずがない。今回の米住宅バブルの崩壊は、1929年をも上回る世界金融大恐慌の爆発の始まりだ。
ブルジョアジーは「市場原理こそ万能」という新自由主義的イデオロギーで、全面的な民営化・規制緩和と労組破壊の攻撃を強行し、資本の活動の自由、搾取と収奪の限りを尽くしてきた。
だが今や、この資本主義の運動の歯車が逆回転を始めたのである。「近代ブルジョア社会は、自分で地の底から呼びだした魔物をもはや制御できなくなった魔法使いに似ている」――この『共産党宣言』の指摘と同じことが、われわれの目の前で起きているのだ。
金融機関に家を差し押さえられた労働者が、ホームレスになることを余儀なくされている。他方で、差し押さえられた住宅は競売で売れ残り、空家のままだ。ガソリンや灯油も、石油が枯渇したわけでもないのに投機で高値。年金だけが頼りの高齢者は暖をとる灯油も買えない。バイオ燃料ブームで穀物や飼料が高騰している。人間が食べるものを車や機械が奪っているのだ。職場は人が足りないのに、街には失業者があふれている。
もはや資本主義は、一つの社会体制として完全に破産している。帝国主義を打倒しなければ、全世界の労働者階級と人民は生きていけないのだ。
闘う労働組合が時代の先頭に
最末期帝国主義の危機の爆発は、帝国主義間(大国間)の生き残りをかけた競争と争闘戦を激化させている。この中で「最弱の環」の日本帝国主義も、延命をかけた一大資本攻勢と生産体制の再編に踏み込んでいる。
日本経団連や政府は、労働生産性の伸び率の5割アップを叫んでいる。ふざけるな! こんな合理化と労働強化など絶対に容認できない。
96年〜05年の10年間の労働生産性の伸び率は平均1・6%。1・5倍だと年2・4%となり、10年で1・27倍の生産性アップということだ。こんなに働けるわけがない! そもそも、現状でさえどの職場も要員不足で、超勤や強労働など現場の犠牲で職場と生産が成り立っているのだ。
95年の日経連報告から10年、今や青年労働者の2人に1人が派遣やアルバイトなどの非正規雇用だ。サービス残業が常態化し、過労死・過労自殺が蔓延(まんえん)させられてきた。それをさらに、今後10年で27%も労働強化しようというのだ。冗談ではない!
日本経団連が昨年末に出した08年版経労委報告は、「企業の盛衰と従業員の生活は表裏一体の関係」「企業は労使の運命共同体」と言っている。とんでもないことだ。ブルジョアジーの危機を労働者が共有することなど、断じて必要ない。とっくに資本主義は命脈が尽きている。帝国主義は倒して当然、企業なんてつぶれて当然だ! 労働者が権力を取れば、立派に社会を運営できる。
帝国主義の危機は、労働者階級の武器であり好機だ。労働者はこの武器とチャンスを使って、革命をやる資本主義の墓掘り人なのだ。帝国主義の存続を前提とした運動ではなく、帝国主義打倒の闘いが今こそ必要だ。
1人ひとりの職場で今起きていることが、資本主義の世界的危機の表れなのだ。資本家たちは労働者を徹底的に犠牲にして生き残ろうとしている。労働者と資本家は非和解で、断じて「運命共同体」などではない。
労働者の怒りこそが正義だ。資本主義のもとでは生きられないという要求こそが、正当なのだ。われわれの職場の状況は大なり小なり同じだ。怒りの対象はさまざまでも本質的には同じだ。共通の敵との闘いである。
職場での資本との衝突は、資本家と労働者という二つの階級の衝突である。労働者は、自分の職場で資本と闘うことによって、無限の可能性を手に入れる。資本の壁や国境を越え、労働者として団結し、人間の共同性を奪還していくのだ。労働者同士が競争をやめて団結し、その団結が資本の競争と分断を上回った時に、革命となるのだ。
労働者と資本家は非和解だ。労働者は団結して資本と闘わなければ、生きることも、誇りを守ることもできない。この社会や職場を実際に動かしているのは、労働者だ。資本家は寄生しているにすぎない。しかも労働者は、資本主義社会を転覆して、新たな社会を建設する力をもっている。
労働組合は賃金奴隷制と闘い、その究極的廃止をめざして闘う労働者階級の組織だ。今こそ、闘う労働組合を時代の最前線に登場させよう。労働運動の力で革命をやろう!
3月16日、イラク反戦5周年の全世界一斉デモに、職場・生産点から嵐のように総決起しよう。世界金融大恐慌と世界戦争の帝国主義なんか、世界革命でぶっ倒せ!
3・16大爆発の力で、3・30三里塚全国闘争を圧倒的に打ち抜こう。さらに6―7月サミット決戦へと進撃しよう。
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日程 3月16日(日)全国各地の方針
◆東京 代々木公園
午後1時半/B地区野外ステージ
午後3時半/渋谷へデモ
◆札幌 街頭宣伝
◆ワーカーズアクション in 仙台
午後1時/仙台市勾当台公園・グリーンハウス前/集会後、仙台市内を大デモ
◆Workers Action in 福島
午後1時半/福島市市民会館201号
午後3時半からデモ
◆Workers Action in 新潟
午後1時半/万代市民会館403:404
午後3時45分からデモ
◆ワーカーズアクション in 富山
正午/富山市民プラザ前/集会後、デモ
◆3・16 春闘勝利! 東海総決起集会
午後1時半/名古屋市教育館(地下鉄東山線、名城線「栄」駅下車)
集会後、アメリカ領事館へデモ
呼びかけ/東海合同労組
◆ワーカーズアクション・カンサイ
午後2時/大阪・扇町公園(地下鉄堺筋線・扇町・JR環状線・天満)
午後4時からデモ
◆ワーカーズアクション in 岡山
正午/石山公園(岡山市民会館北側)
◆ワーカーズアクション in 広島
午後1時/原爆ドーム前
午後2時半からデモ
◆福岡レジスタンス3・16行動
午後1時/学習会「イラク戦争はどこにいくのか?」
午後2時半/天神一斉街頭宣伝
◆イラク反戦全世界一斉行動 in 沖縄
午後4時/県庁前広場
集会後、国際通りをデモ
◆ワーカーズアクション徳島
午後3時から徳島駅前デモ
◆ワーカーズアクション in 善通寺
午後1時/善通寺市民会館
午後3時/陸自善通寺基地へデモ 抗議申し入れ
◆ワーカーズアクション in 松山
午後1時/坊ちゃん広場(松山市駅前)
集会後、銀天街・大街道をデモ
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週刊『前進』(2334号1面2)(2008/03/10 )
3・16全世界一斉デモへ 青年労働者は訴える(4)
怒り組織しストライキだ 天谷みゆき 医療労働者(関東)
労基法も協定も守らずにボーナスカットだ? 誰が欠員の現場まわしてると思ってるんだ。こんな人数でどうして現場を安全にまわせる? 「人手不足だから今日は隣のチームに入れ」「明日は別の病棟に応援に行け」って? 患者の顔も名前も病気も知らないで看護ができると思ってんの? で、事故が起きたら労働者のせいかよ(怒)。
午前外来がノンストップで夕方までかかるってどれだけ過酷かわかるか。揚げ句の果てに「残業代は出さない。仕事のスピードは労働者の能力の問題」? あっそう。だったら超勤は拒否する。あんたが外来に残った患者の対応しなよ!
「夜勤前の仮眠を取らず持ち帰り仕事をやれ」って言うけど、それが労働者にも患者にもどれだけ危険なことかわかってんの? 誰が夜じゅう携帯ナースコールを肌身離さず休憩なしで患者を守ってると思ってんの。夜勤ってのは、いすから立ち上がるだけで自分の心音が聞こえるくらいキツイんだ。夜中に自分の体重より重い患者さんの体の向きを変え、オムツを替えてまわって、「ナースコールを押したのにちっとも来ない!」と怒られて……これが夜勤。
御用組合執行部、「政府の医療改悪のせい。経営者に罪はない。組織決定で闘わないんだ、従え。勝手に闘うな、団結破壊だ」って? キィィー! お前ら絶対許さない!
御用組合が闘いをつぶしてまわっているから、資本家も政府も「医療改悪だ、増税だ、戦争だ」って好き放題やるんじゃないか。お前らこそが医療改悪を実現させている張本人だ! 選挙? 署名? 裁判? 現場で団結して闘わなかったら、資本家や政府にはそんなもん痛くもかゆくもない。労働者の怒りをそんなものに流し込むな。絶望を組織するだけだ!
「闘わない」なんて組織決定に従えるか。そんなものは労働者を賃金奴隷としてしばりつける暴力装置だ。労働者が「そんな決定には従えない、闘おう」と呼びかけたら「御用だ!」とつぶしに来る。「従わないなら組合員権剥奪(はくだつ)だ」って、剥奪したけりゃ剥奪しろ。そんなもんにしがみついて闘わなかったら団結権もストライキ権もないのと一緒。
「権利」をお前らに与えてもらっているから私に力があるわけじゃない! そもそも御用組合に与えられる権利なんて「資本家からこれだけのおこぼれもらえますよ権」。そんなのとっくに捨てました! 権利なんか与えられようが与えられまいが、団結して闘う。だって私、労働者って本当にすごいことを知ってしまったんだもの
あらゆる現場を動かしているのは労働者。だから団結して闘えば勝てる! 資本と折り合いつけずに闘う団結だけが、資本の利害から解き放たれて、あらゆる「枠」を越えてつながることができる。隣の病院、その隣の病院、酸素ボンベを持ってくる業者、製薬会社、弁当工場……私につながるすべての労働者の職場での団結とつながる力を持つんだ。
現場で闘うことは、自分の解放だけでなく戦争だって止められる力、社会を変える力を持つ。革命は絶対できる。労働者の団結した力こそ革命できる力なんだ。動労千葉の闘いと団結を見て私は確信しちゃったんだ。だから「闘おう」とガンガン呼びかけて、現場の怒りを向かうべきところに向けるために組織する。
御用組合がやらないなら私が闘争方針を出す!
現場には怒りがあふれている。現場をぶっ止めて、誰がこの職場をまわしているのかをはっきりさせてやりたい! 労働者の団結を見せつけて資本家を震え上がらせたい! ストライキすれば、する時、したい、しよう!
全駐労もストライキ! 動労千葉もストライキ! 北教組もストライキ! 日教組本部が闘争方針を出さずとも、現場は「『君が代』強制に不起立を!」と40秒のストライキ! アメリカの移民労働者1000万人はメーデーでストライキ! そして今年は西海岸の全港湾を封鎖する!
イラクの労働者がアメリカ軍の占領と爆撃の真っ直中で労働組合をつくり、石油、電気、港湾、鉄道、学校、工場で「占領軍撤退・民営化阻止」のストライキを、世界の最先頭で闘っている!
戦争やりたいやつらと労働者を搾り取っているやつらは同じ資本家だ!
スト、スト、スト、世界はストライキで紅潮している! 私もマジちょーストライキしたい!
3・16はイラク戦争開始から5年、資本家どものみぞおちに食らわす、世界の労働者の団結ストライキパンチを組織する集会だ! みんな来い!
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週刊『前進』(2334号1面3)(2008/03/10 )
日程 3・30三里塚全国総決起集会
暫定滑走路北延伸阻止 市東さんの農地を守ろう 憲法改悪絶対反対 成田を軍事基地にするな
3・30三里塚全国総決起集会
3月30日(日)正午
成田市天神峰・反対同盟員所有地
主催/三里塚芝山連合空港反対同盟
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週刊『前進』(2334号2面1)(2008/03/10 )
動労千葉 春闘スト方針を決定
スト貫徹へ総決起集会
“労働運動復権の先頭に立つ”
動労千葉は3月6日の執行委員会で、検修職場を軸にした春闘第1波ストを「3・15ダイ改」前に配置、13日以降いつでもストライキに突入できる闘争体制を確立するよう各支部に指令した。階級的労働運動復権の先頭に立つ動労千葉に続け。あらゆる職場で春闘ストに立とう!
「08春闘勝利! 要員要求・運転保安確立・組織拡大!」を掲げた2月29日の春闘総決起集会には、勤務を終えた組合員が続々と駆けつけDC会館ホールをぎっしりと埋め“いよいよ春闘本番”の機運がみなぎった。
動労千葉は24日の定期委員会で、@3万8000円の大幅賃上げ獲得、A8年連続ベアゼロ回答が続くJR貨物での「生活改善一時金」30万円獲得、B定年延長と65歳まで働ける労働条件確立などの春闘要求を決定し、全支部からの結集でこの日の集会を開催した。
主催者あいさつに立った田中康宏動労千葉委員長は冒頭、「本日、厚生労働省と中央労働委員会に争議行為の予告通知をした。各支部で、いつでもストライキに入れる万全の闘争体制確立を」と訴えた。さらに田中委員長は08春闘の課題として、第一に日本における労働運動復権への動きが本格的に始まった中での重要な春闘になること、第二に本格的な不況とインフレへの突入の中で労働組合が時代の最前線に登場すべき時が来たこと、第三に国鉄分割・民営化以来最大のJR情勢の転換の中での春闘になることを指摘した。そして、「今求められているのは特別なことじゃない。『競争原理』と言われて労働者同士が最底辺に突き落としあうような競争を強いられてきた。一番大事なことは労働者同士が競争しないことだ。『敵は資本家だ! 労働者同士で競争しあうのはもうやめよう』と。これが団結だ。そして、労働者の団結とは、団結をつぶすやつらと闘うことだ。資本や腐った労組幹部たちと闘わない団結なんてうそっぱちだ。さらに一番大事なのは、闘うことをとおしてわれわれ自身が団結する力を取り戻すことだ。動労千葉も、幕張構内事故闘争や基地統廃合反対などさまざまな闘いをとおして、組合員一人ひとりが団結する力を取り戻してきた。これが最大の成果だ。こういう闘いをとおして労働運動を復権させよう」と、動労千葉の団結論の核心を提起した。
続いて動労千葉争議団長の高石正博執行委員、貨物協議会事務長の清水匠執行委員が当面する決戦課題について特別報告。動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長が連帯のあいさつをした。
基調報告に立った長田敏之書記長は、業務外注化・ライフサイクル・要員問題・1047名闘争を始めとする闘いの課題について明らかにした上で、「この6年間、民営化体制の矛盾の爆発を突いて会社を追いつめてきた。しかし根本的課題は何も解決していない。それを突破するための最大の闘いが組織拡大だ。電車だって機関車だって最初の一歩が大変なんだ。ひとたびコロンと動けば一気に行く条件が職場にはある。春闘と組織拡大を一体で推進して情勢を打開しよう」と述べた。
いよいよ総決起集会のハイライト、各支部の代表が壇上に並んで決意を表明した。「動労千葉に加入した平成採の仲間を守るためにもライフサイクルを白紙撤回させよう。現場長をがんがん追及し職場から闘いを起こそう」「ライフサイクルは、全乗務員にかけられた攻撃だ。平成採の仲間は毎日不安な中でハンドルを握らせている。動労千葉こそ白紙撤回を掲げて先頭で闘おう」「写真を撮りにきた鉄道ファンから『動労千葉さん、頑張ってください』と激励を受けた。一般の人も後押ししてくれている」「外注化を止めるには組織拡大しかない。学習会、労働学校を重視して取り組む」「要員獲得にむけて全力で闘う」と決意を語った。
(写真 各支部代表が並び、08春闘勝利、スト貫徹にむけた決意を表明。全支部で組織拡大にむけた具体的取り組みが進んでいる【2月29日 千葉・DC会館】)
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週刊『前進』(2334号2面2)(2008/03/10 )
運転士登用差別事件裁判 動労千葉の訴え棄却
“08春闘の爆発で回答”
動労千葉組合員に対する運転士登用差別事件について東京地裁民事第36部(渡邉弘裁判長)は3月3日、動労千葉の請求を棄却する不当判決を出した。絶対に許すことはできない! 動労千葉は断固として控訴するとともに、何よりも08春闘の爆発で反動判決に回答する方針だ。
JR東日本は、1980〜82年国鉄採用の組合員に対し、運転士の資格を有しているにもかかわらず動労千葉の組合員であるというだけの理由で運転士職に登用してこなかった。団結破壊を狙ったあからさまな組合差別、不当労働行為だ。
40人もの解雇、100人以上もの活動家の強制配転という攻撃をのりこえ、JR体制下で意気軒高と闘い続ける動労千葉の団結を破壊するために、JR東日本は東労組カクマルと結託して「動労千葉に加入している限りハンドルは握らせない」「強制配転先に塩漬けにして本務に戻さない」「賃金も上がらない」とあらん限りの不当労働行為を重ねてきた。20年たった今も、駅などに強制配転されたままの組合員が多数いるのだ。
動労千葉は運転士登用差別について、90年3月に千葉県労働委員会に申し立てを行い、93年に勝利命令をかちとった。しかし中労委は、94年9月の結審から実に11年11カ月もこの事件を放置したあげく(これ自身が不当労働行為への重大な加担だ!)、06年7月に地労委の救済命令を取り消す反動命令を出したのだ。動労千葉は、この反動命令の取り消しを求めて東京地裁に提訴していた。
動労水戸は、同じ運転士登用差別事件で東京地裁(07年9月)―東京高裁(08年2月)で勝利判決をかちとった。(前号既報)
しかし東京地裁は、動労千葉の当該組合員は「車掌を経験していない」という理由にもならない理由で動労千葉の訴えを退けたのである。
判決では「車掌希望者には平等に機会が与えられていたから不当労働行為とは言えない」と述べているが、これもでたらめだ。昨年11月の証人尋問では、車掌教育を希望した組合員に対するJR千葉支社での面談で「運転士になったらストライキを行いますか」などという許しがたい質問がなされ、実際に面接で落とされたことが証言されている。東京地裁の判決は、極悪の不当労働行為を居直り続けているJR東日本の主張を引き写しただけの、きわめて政治的な反動判決だ。
判決後、川崎昌浩執行委員は「絶対に許せない不当判決だ。動労千葉としては、JR資本との職場での力関係をひっくり返し、この攻防に真の決着をつける。そのためにも、全支部の総力で08春闘、組織拡大闘争を」と総括を提起した。
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運転士登用差別事件の経過
90年3月 千葉県労働委員会に申し立て
92年5月 同 結審
93年6月 同 勝利命令
同年6月 JR東日本が中央労働委員会に再
審査を申し立て
94年9月 同 結審
06年7月 中労委が地労委命令取り消しの反動命令
06年11月 動労千葉が中労委命令取り消しを求め行政訴訟
08年3月 東京地裁が反動判決
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週刊『前進』(2334号2面3)(2008/03/10 )
“給料半減、職員2/3をカット”
橋下大阪府知事にスト突きつけよ
3・16へ大阪の青年労働者は闘う
私は働いて6年目になる自治体労働者です。
今、毎日が希望にあふれています。この1年くらいで、私は資本主義への怒りのすべてを革命への情熱に転化できるようになりました。ただ怒りで行動していた自分、労働者への不信に襲われていた自分が日々変わっています。私がそうできるようになったのはたぶん、一緒に闘う労働者の仲間がどんどんでき、彼らが自分を変えてくれているからだと思います。
仲間と職場をまるごと組織し、ストライキに立ちたい! ストは労働者階級の最強の団体行動です。あくなき搾取と戦争を続ける資本主義社会にゼネラルストライキでトドメをさそう!
(写真 “労働者は革命やるぞ!”大阪の街を力強くデモする関西の青年労働者【07年9・24労働者集会】)
職種の壁、分断は打ち破れる
2月末、「労働者の団結で職場を変えよう」と呼びかけ、大阪の二つの自治体から9人の青年労働者が集まりました。初対面の人も多くいます。
その場で、「ここからみんなで始めたい。職場を変えるため一緒に組織者になってほしい」「労働者の階級的団結こそが社会を変え戦争を止める。3・16集会で一緒に壇上に立とう」と呼びかけました。
呼びかけに対し、これまでも一緒に組合でがんばってきたAさんが「今日はいい演説やったな」と言ってくれ、集会では発言してくれることになりました。Aさんは今年、査定昇給の面談を拒否しました。組合執行部が「全員が面談を受けてできるだけ多く合格しよう」とキャンペーンする中、Aさんが解放感をもって語った「一緒に仕事をしている先輩よりも先に昇給するのは嫌だった。面談試験を受けなくて本当に良かった」という言葉に私は心底感動しています。労働者階級とは何かを分からせてくれるからです。
Aさんや私がやっていることは、動労千葉の国鉄分割・民営化反対や北教組の主任手当拒否と同質の闘いです。職種の壁や差別・分断を打ち破る闘いです。職場にはほかにも面談を拒否する職員がたくさんいるし、誰も査定制度に納得していない。そこに確信を持って組織化をしていきたいと思います。
また、参加したBさんは「上司が自分にばかり残業させてくる上、残業代をつけさせない。ストライキがしたい」と言い、その週末、3・16集会の街宣に来てくれました。Cさんからは「今の組合は腐っている。職場の要求で闘い、勝てるような組織化を一緒にやりたい」という声が上がりました。
後日、参加者から次のメッセージが寄せられました。
保育士のDさん。「病気をしても人が足らないから休めない。無理して出勤して子どもにうつしてしまったり……。責任感の強い人ほど無理をし続けている。このままでは仕事に殺されるだろう。こんな状況はあってはならない。絶対に変えなければならないと私は考える。仲間のために、子どもたちのために。ストライキで戦いたい」
生活保護ケースワーカーのEさん。「市営住宅からのたたき出し、野宿労働者のたたき出し、生活保護の切り捨て……。そんなことをやるために公務員になったのではない! 自治体の赤字を作ったのは誰でもなく資本家階級だ。自治体労働者は先頭に立って、破綻(はたん)した資本家たちと闘うときだ。前首相の安倍は社保庁の仲間に対し『ゴミ』と言い放った。ならばストライキでみせつけてやろう。どちらが必要で、どちらが不必要なのかをみせつけてやろう」
Fさん。「橋下知事は『大阪府職員は破産会社の従業員。民間なら給料半分で当然』と言っています。じゃあ、民間労働者が使い捨てにされる現状でいいのか? いま職場は、ただ目の前の業務をのりきるので必死です。でもみんな怒りもあるし、住民のための仕事を守りたいと思っています。だから団結を取り戻して闘おう。誰が業務を回してるのか、はっきり示すためにストライキを橋下につきつけよう!」
Gさん。「働くって一体なんなのか。私は、人と人とが知恵を出し合って、いろんなことを築き上げていくことそのものだと考えています。でも今は、働くことが、人が機械として動かされるということに変わっている。世の中の、人を使ってお金をもうけている人。あなたのために働いてくれている人はコストじゃない。消耗品でもない。『社会を生きていく人』だということに早く気付いてください」
ストライキ・ネットワーク
そしてこの日、集まった仲間で「ストライキ・ネットワーク」を発足させました。みんなの思いを話し合って、正式名称は「ストライキをやれるくらい職場を組織化するためのネットワーク」です。ここから、みんなで悩みも知恵も共有しながら、本気になって職場に団結をつくっていきたいと思います。私たちにはその力があるから!
3・16集会は、闘う階級的労働運動の大きな通過点となります。自治体労働者も、民間の労働者もみんな集まって、国境を超える団結をつくろう!
(投稿/安藤 優)
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橋下府知事の許せぬ発言
【職員3分の2カット、分限免職】
「皆さんは破産会社の従業員。民間であれば職員の半数や3分の2のカットなど当たり前。給料削減、ボーナス削減、退職金削減も民間では当たり前です」(初登庁あいさつ)
「(改革意識が共有できない職員は)分限免職によって府庁を去ってもらう」(知事就任会見)
【ニートは拘留し、労役を課す】
「ニートは拘留の上、労役を課す」
「税金を払わないやつは生きる資格がない」
【核武装・徴兵制】
「日本の一番情けないところは単独で戦争ができないこと」
「日本は憲法を変えて核兵器を保有すべき」「男子皆兵制の復活」
【「日の丸・君が代」】
「『日の丸・君が代』に反対するなら卒業してからやれ」
【教育問題=体罰・厳しいしつけ】
「学校で教えるべきなのは読み書き、そろばんと目上の人間に対する礼儀だけでいい」
「(義務教育は)社会に出ると何の役にも立たない」
【買春はODA】
「買春は中国へのODAみたいなもの」(日本人団体による中国広東省での集団買春事件に関して)
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週刊『前進』(2334号2面4)(2008/03/10 )
ILWUが労働協約更改闘争
資本の体内からの反乱へ
イラク反戦 「メーデー全港湾封鎖」を決議
ILWU(国際港湾倉庫労組)は2月、アメリカ・カナダの全港湾の代表者が集まった会議を2週間にわたって開催した。08年の労働協約更改闘争の方針討議のためである。
(写真 ILWUを始め多数の労組が参加した07年10月27日の3万人反戦デモ【サンフランシスコ】)
民主党は敵だ!
ここで、ILWUローカル10(第10支部)が「戦争を止める労働者の行動を」という決議案を提出し、激しい議論の末に97対3の圧倒的多数で可決された。
この決議は、まず共和・民主両党が戦争勢力であることを弾劾している。
「多くの組合と圧倒的多数のアメリカ人民が、共和・民主両党によるイラク・アフガニスタン戦争に反対しているのに、両党は戦費支出を続行している」
民主党は、労働者階級の血を流させている敵だ。大統領選で階級の敵を支持する体制内派の運動は許しがたい。
「全世界で何百万人もが戦争反対デモをしたが、戦争を止められなかった」
「今や、もっと強いレベルの闘争をすべきだ。5月1日の8時間を『平和でなければ働かない日』とし、イラク・アフガニスタン戦争・占領の即時停止、中東からの撤兵を求める」
反戦デモは重要・不可欠だ。だが、労働者階級の本当の力は、職場の団結で資本の体内から反乱できるところにこそある。
ローカル10は、動労千葉とともに階級的労働運動の路線を明確化してきたのだ。
共同闘争を訴え
この決議は、昨年のオークランド教組の港での反戦ピケットとILWUローカル10、34の団結した闘いにもふれ、全産業の労働者がともに闘うことを呼びかけている。
この決議に基づいて、ILWU本部三役は、アメリカの二つのナショナルセンター(AFL―CIO=米労働総同盟・産別会議とCTW=勝利のための変革)に対して、また国際的な労働運動組織にも、職場で反戦闘争に決起することを呼びかけた。
労働者階級は、国内的にも国際的にも単一の軍勢だ。必ずひとつに団結して闘える。そして労働者階級は全世界を獲得できるのだ。
それを確信し、呼びかけていることにこそ、このILWU決議のすばらしい階級性=革命性がある。
協約闘争勝利へ
今年7月1日に期限切れになるILWUの現行労働協約は、02年に締結されたものだ。
当時、イラク開戦に向かう過程で米帝ブッシュは戦時下の重圧をILWUに集中的に加え、ILWUは屈服的な協約を強要された。
これをのりこえるためにローカル10は、国際連帯の強化にかけ、動労千葉とともに闘ってきた。そして、昨年の10月20日のサンフランシスコ反戦労組会議で、動労千葉やRMT(英鉄道・海運・運輸労組)とともに、職場の団結で反戦闘争を闘う方針を決定、ついにILWU全体がその方針に賛成したのだ。
このメーデー反戦決起は、われわれすべての労働者の闘いだ。ともに闘おう。
(村上和幸)
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週刊『前進』(2334号2面5)(2008/03/10 )
2・14〜29
非正規雇用が過去最高を記録
●電力総連が2000円の賃金改定要求 電力総連は中央委員会を開き、「08春闘方針」を決定。昨年同様1人2000円以上の賃金改定を求める。東京電力労組は、新潟県中越沖地震の影響を理由に賃金改定要求を放棄。(14日)
●非正規が50%上回る自治体も 大阪労連は府下自治体における「臨時・非常勤職員の実態」調査の結果を発表した。臨時・非常勤職員の比率が高い自治体は、河内長野市(約53%)、貝塚市(49%)など。(19日)
●グッドウィルが労災隠し グッドウィルが、昨年12月に宮崎県都城市で起きた労災事故を労働基準監督署に報告しない「労災隠し」をしていたことが分かった。(21日)
●郵政、勧奨退職応募2300人 日本郵政が1月に締め切った勧奨退職への応募が約2300人になったことが明らかになった。(21日)
●ハローワーク26カ所廃止方針 厚労省は公共職業安定所(ハローワーク)を08年度中に26カ所廃止する方針を決めた。(26日)
●動労水戸に勝利判決 JR東日本による動労水戸組合員への運転士登用差別事件でJR東の不当労働行為を認める東京高裁判決があった。(27日)
●北教組ストに処分 道教委は北教組が1月30日に行った終業前1時間ストに30分以上参加した教職員1万2551人への戒告処分を発表。ストによる一般教職員の処分は31年ぶり。(27日)
●指導力不足で分限免職は違法 京都市で学級崩壊したクラスを受け持っていたとされる元教員が、指導力不足を理由に分限免職処分を受けたのは違法だとして、処分を取り消す京都地裁判決があった。(28日)
●春闘、賃上げ要求額は前年下回る 連合は08年春闘の賃上げ要求額をまとめた。この日までに要求を出した組合は1284組合、定昇分を含む賃上げ要求額は7040円で前年同期比46円減だった。前年比減は5年ぶり。(29日)
●非正規雇用、過去最高に 総務省が発表した07年労働力調査によると、非正規雇用の占める割合が07年の平均で33.5%と、前年比0.5ポイント上昇し、過去最高を記録した。(29日)=要旨別掲
●1月の完全失業率前月と変わらず 総務省公表の労働力調査では1月の完全失業率は3.8%で前月と同率。厚労省発表の一般職業紹介状況によると、1月の有効求人倍率は0.98倍で前月と同水準だった。(29日)
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「07年労働力調査」結果の概要
雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は33.5%と前年に比べ0.5ポイントの上昇で、初めて3分の1を超え過去最高を記録した。
男女別にみると、男性は18.3%と、前年比で0.4ポイント、03年比で2.7ポイントの上昇。女性は53.5%と、前年比0.7ポイント、03年比で2.9ポイントの上昇。いずれも毎年増え続けている。
07年中に正規から非正規雇用になった労働者は男性23万人、女性21万人の合計44万人。これに対し非正規から正規になった労働者は男性18万人、女性22万人の合計40万人。差し引き非正規への移動が4万人多く、正規職から非正規職への置き換えが続いている。
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週刊『前進』(2334号3面1)(2008/03/10 )
卒業式前の処分を阻止
根津さんの怒り都教委圧倒
3月4日の都教委定例会において、不起立を貫く東京の教育労働者・根津公子さんへの「トレーナー処分」を3たび粉砕した。次回都教委は3月28日。卒業式前に根津さんを処分して不起立を封じようとした都教委の策動を完全に粉砕したのだ。根津さんを先頭にした闘いが切り開いた大勝利だ!
定例会前日の3日午後、根津さんは支援者とともに都庁第2庁舎の教育庁を訪れた。勤務中に「『日の丸・君が代』に異議あり」と英語で書かれたトレーナーを着ていたことを「職務専念義務違反」「職務命令違反」にデッチあげようとしていることへの怒りが、全身にみなぎっている。
「教育長か人事課長に会わせてください」と申し出る根津さんに対し、警備員を多数立たせてエレベーターホールから一歩も入れさせない。
「2月7日にすでに公開質問状をお渡ししています。『答えないのが答えだ』などと言って処分を出すことは認められない。会わせてください」
都教委職員は顔をこわばらせ「お会いしない」「お答えできない」と繰り返すばかりだ。
根津さんは、新たに作成し持参した公開質問状を読み上げた。「回答を拒否したまま処分審査を強行するのは、結論先にありきで、当事者である私には到底承服できないことです」
ところが人事部職員はこれを受け取ることをかたくなに拒否。さらに根津さんが置いていこうとすると「ゴミとして処理しますよ」と暴言を吐いた。「ゴミとは何だ! 今すぐ謝れ」。根津さんが語気鋭く迫った。
教育情報課長は「今日は回答しない。希望は所管の方に伝えますよ」などとへらへらした態度で答えた。「ふざけるんじゃないわよ! 今すぐ持って行きなさい」と根津さんが一喝した。
都教委職員は、卑劣なことに警備員を前面に立たせながらその場を逃げ出し、午後6時45分になると「閉庁時間」としてエレベーターホールの明かりを消した。暗闇の中で、「根津さんへの処分を絶対に許さないぞ!」と怒りのシュプレヒコールが響きわたった。
この日の闘いをやりぬいて都庁1階ロビーで、怒りの形相で闘っていた根津さんが一転表情をほころばせ、参加者に感謝とねぎらいを述べた。
(写真 公開質問状を手に都教委職員に激しく詰め寄る根津公子さん【3月3日 都庁】)
都教委定例会を大衆的弾劾
翌4日は都教委の定例会。根津さんが事情聴取を受けてから3回目だ。
支援者20人が傍聴に入った。議題は「子どもの体力低下」など。石原都知事の五輪招致のお先棒かつぎの内容に、怒りが高まる。「処分案件」に入ると傍聴者は退席を促された。こらえていた怒りが爆発した。「根津さんを処分するな!」という叫びが議場を圧した。
教育庁前のエレベーターホールは、またしても警備員で「人の壁」をつくり威圧する態勢だ。「昨日の質問状を教育委員に渡したのか」という追及に対して、職員は「お答えできない」と繰り返すばかり。「こんな不誠実な対応するのは東京都だけだ」「教育委員会を即刻中止しろ!」
この日関西から駆けつけ傍聴した学生Aさんは、「教育委員は子どもの体力低下を問題にして『有名選手を学校に招いて部活を見てもらおう』『東京五輪に参加するような生徒を育てよう』とか言っている。こんな連中が処分を出すなんて認められない」と怒りをあらわにした。
卒業式前の処分はうち砕いた。闘いの広がりが都教委を圧倒している。この勝利を力に、「君が代」不起立の拡大で、処分攻撃を粉砕しよう。
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週刊『前進』(2334号3面2)(2008/03/10 )
不起立闘争で 職場に団結を 全国からのアピール
不起立で石原都教委を倒せ
組合員の気持ちはひとつ一人からでも原則を貫く
東京の教育労働者から訴え
退路を断ち新たな一歩
学校行事に「日の丸・君が代」が強制されることに反対してきた私は、ずっと不起立を続けてきました。なし崩しの攻撃で、私の勤務する区でも、「舞台正面の日の丸、ピアノ伴奏による君が代の斉唱」は形の上ではすでに定着してしまっています。しかし、これだけは譲れないと不起立、不斉唱の抵抗は今も続いています。
03年「10・23都教委通達」が出された後も、その後の転勤先の職場でも私は不起立を続けてきました。組合の会議や大会、集会でもあらゆる機会に不起立を呼びかけてきました。
昨年の職員会議で不起立宣言をした私は卒業式の2、3日前に校長室に呼ばれ、「君が代の後に式場に入れ」と言われました。私は断りました。式当日の朝、校長は「確認はしません」と言ってきました。そして前回も処分に至りませんでした。
しかし同じ不起立という行為に対して、根津さんには累積で加重な処分が発動され、自分は黙認されている。これでいいのか。根津さんを見せしめ的に処分し、「次は解雇」をちらつかせている都教委にやりたい放題させていていいのか。不当な介入をしているのは都教委であって、根津さんは教員としての職責を堂々と果たしているのだ。黙っていたら都教委にくみすることになる。組合が「処分という不利益がある以上、不起立方針は出せない」と縮こまり、結果として根津さんを孤立に追いやっている現状を、組合員として看過していていいのか。
自問自答しながら何日も考え抜いて「不起立宣言」をすることを決断しました。10月に都庁前で「不起立アピール」を配り、退路を断って新たな一歩を踏み出しました。
(写真 都立高の卒業式当日、労組交流センターが教育労働者に闘いを呼びかけ激励【3月4日 西高校】)
青年労働者に闘い引きつぐ
昨年若い同僚と話していてなるほどと思ったことがあります。「前の職場でも『君が代』の時に座っていた先生がいたが、黙って座っていたので、どうしてなのかわからなかった」と。それを思い出し、特に若い同僚に知ってほしいと考え、今年は職員会議に向けて資料を作成しました。「日の丸・君が代」が15年戦争で果たした役割、儀式的行事の狙い、戦後の「日の丸・君が代」復活の歴史など。それに昨年来の沖縄の闘い、アメリカの学校における軍国主義を止める活動の紹介などを盛り込み、8ページ仕立てでコンパクトにまとめました。歴史と時代認識を共有することが闘いの鍵だと思ったからです。職員会議ではそれを見てもらいながら発言しました。翌日ある同僚が教室に来て、「昨日は発言できなくてゴメン」と言ってくれました。手ごたえあり、黙っていてもしっかり伝わっているのです。
東京では毎年自死に追いやられる新採が後を絶ちません。青年教育労働者の将来は、闘わなかったらワーキングプアか過労死かと言ってもけっして大げさではありません。その過酷な労働の結果が、子どもたちを戦争に駆り立てるとしたら、どうしてそれをよしとするでしょうか。
戦争と民営化攻撃が強まる中で、「日の丸・君が代」の学校への強制が、新たな戦争に向けた攻撃であることがますます明らかになってきています。青年労働者にとってこそ、避けて通れない問題です。過去の戦争責任の問題ではなく、未来に向けて「ともに生きる」問題です。「生きさせろ」と立ちあがった青年労働者と向き合い、団塊の世代として青年労働者に不起立闘争を引き継ぎたいと考えています。
都教委の側こそ危機だ
処分を出し続けても、不起立闘争が継続し、毎年新しい不起立者が登場しています。このことに打撃を受け、追い詰められているのは都教委です。なぜ不起立の抵抗が続くのか。まさにそれが「教え子を戦場に送らない」闘いそのものだからです。だから処分の恫喝で不起立を根絶しようとしてもできないのです。
今、根津さんに対して職場で着ているトレーナーのロゴを問題にしての処分が策動されています。焦りに駆られたあまりにもデタラメな処分策動です。都教委が「君が代不起立」を理由に解雇することをどれだけ恐れているかを示すものです。解雇を突きつけられてもひるまずに「不起立を続ける」と表明する根津さんの決起が、「10・23通達」を無力にしているのです。団結して不起立を拡大すれば、石原都教委を追い詰めることができます。この点が訴えの核心だと痛感します。
不起立闘争は、日教組本部が一度として組織的に呼びかけたことのない闘いです。しかし現場組合員が連綿と階級的魂を貫いて継続してきました。ファシスト石原が「従わなければ処分」と強制したことに対して、全都の教育労働者が労働者としての誇りにかけて血と汗を流して発展させてきたものです。
しかし許し難いことに日教組本部は、東京教組が呼びかけている「解雇させるな」署名の取り組みすらネグレクトし、不起立闘争を敵視し続けています。
現場からの闘いが核心
2月全国教研では、日教組本部は、全体会の中止とレポート排除で文科省や都教委に屈服した姿をさらけ出しました。東京教組から出された2人の被処分者と町田教組の支援闘争の報告の三つのレポートの取り下げを要求してきたのです。組合の名をもって被処分者を切り捨てたのです。東京教組三役は屈服的対応に終始しましたが、現場はとても納得がいかないと中央委員会で「レポートの原状回復を求める決議」をあげました。しかし日教組本部は現場組合員の当然の要求をまったく無視し続けました。
ここであきらめてなるものか。教研初日の2月2日、全体会中止に伴って本部が招集した緊急会議に押しかけて、責任者への追及行動を貫徹しました。ビラ配布で事実経過を参加者にアピールし訴えました。全国から集まった組合員が事態を知り、次々と怒りの声をあげました。平和教育分科会では本部が排除したレポーターの発言を、参加者の団結で復活させたのです。
労働者が現場から立ち上がれば事態は動かせる、本部が腐っても現場組合員の気持ちはひとつだということをあらためて確信しました。たとえ初めは一人からでも原則を貫いて決起すること、仲間を組織すること、激突を恐れず闘うこと、これが階級的労働運動をこじ開けていく核心だと体得しました。
教科書検定意見撤回、基地撤去闘争の先頭に立つ沖縄高教組・沖教組、査定昇給制度導入に対して24年ぶりの1時間ストライキに決起し、組織的に不起立闘争を貫いている北教組に続き、全都・全国で「君が代不起立」の40秒のストライキで闘いましょう。「私たちってすごいかも!」の心意気で闘いましょう。それが解雇攻撃を打ち破る最大の力です。闘う日教組を再生していく道です。
そして3月16日、イラク反戦5周年の全世界一斉デモを最先頭で闘い、労働者の団結で戦争を止めましょう。
(岡村尚子)
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週刊『前進』(2334号3面3)(2008/03/10 )
北教組への大量処分弾劾
窮地に立つ道当局・道教委
組合の団結強めたスト
高橋知事の公約破りこそが問題
2月27日、北海道教育委員会は、1月30日のスト参加者1万2551人への戒告処分を発表した。29分以内の参加者41人については文書戒告とした。札幌市のスト参加者約1900人に対しては、札幌市教委が3月中に処分するとしている。
今回の処分では、休職中の組合専従員の処分は見送られた。84年の2時間ストでは組合幹部37人の処分にとどまったが、今回は現場のスト参加者全員を対象とした。この違いについて、道教委は「社会情勢で判断する。公務員のモラルが厳しく問われる中、北教組だけが違法行為をした」と説明している。モラルが問われる公務員とは高橋知事その人であり、それを批判するスト参加者に責任を転嫁することは許されない。
道教委は「違法スト」だと言うが、「給与削減は2年限り」を公約として再選された高橋はるみ知事の責任こそ問われるべきだ。北教組の小関書記長が述べているとおり、「給与削減は2年限りとした労使の約束を破られ、査定昇給制度も強行されたことに対するやむにやまれぬ行為。大量処分は常軌を逸している」ということだ。
根津さんの闘いに連帯したスト
この不当処分は、給与削減の延長と査定昇給制度導入で労働組合の団結を解体し、とりわけ政府・自民党が壊滅を宣言している北教組を解体するためのものだ。しかし、24年ぶりのストライキ決起は北教組の団結を強化し、道当局と政府・自民党に大打撃を与え、全国の労働者人民、特に根津さん、河原井さんを先頭に「日の丸・君が代」不起立闘争に決起しようとしている全国の教育労働者を鼓舞した。
1月に根津さんを招いての集会が開かれ、結集した200人以上の北教組組合員は連帯して闘う意思を固めた。根津さん、河原井さんの闘いに連帯して闘われたストライキということに決定的な意義がある。
ストライキは組合の団結を強化した。青年など大半はスト経験のない組合員が初めてのストに参加し、現場には「1時間では足りない。24時間やるべき」という声もあがった。スト参加者全員への処分は、さらに怒りをかき立て、「日の丸・君が代」不起立は拡大するに違いない。全道庁労組では、「北教組が闘ったのになぜストをやらなかったのだ」という不満が拡大している。
団結して闘えば展望切り開ける
「減収で北教組が窮地」との報道もあるが、窮地に立っているのは道当局・道教委の方だ。「スト参加者は全員処分する」という恫喝を蹴ってストが敢行された。この恫喝には、処分者は教頭昇任を取り消すというものも含まれていたらしい。処分者の中に教頭昇任者が49人もおり、道教委はあわてた。ただでさえなり手のいない教頭職の空席回避のため、道教委は急きょ、内定取り消しの方針を転換して「反省文」を書いてもらい、合格させた。
反省文を書かせたことで組合の団結が揺らぐという見方もあるが、教頭昇任者は自動的に組合を脱退することになっており、道教委の権威が地に落ちたということである。そもそも、教頭のなり手がいないのは、ほとんどの組合員が「生涯一教員」の立場(本紙前号8面「団結ひろば」参照)で闘っているからだ。今回のストライキは、現場で労働組合がいまだに大きな力を持っていることを示した。労働組合に団結して闘えば、展望を切り開けることを全社会にアピールした。「日の丸・君が代」不起立決起で団結を拡大し、労働組合を再生することが根津さん、河原井さんの解雇を阻止する。
北教組は、この不当処分に対して怒りを倍加して反撃している。処分策動に対して、すでに22日には組合員40人、25日には約200人が、道教委の入っている道庁別館8階に座り込み、会見を要求した。道教委は応じないばかりか退去通告を出した。27日昼休みには、組合員約300人が道庁別館を囲み、「処分方針を撤回せよ」と迫った。同日の中央委員会では、全国学力テスト反対運動を続け、主任制についても撤廃をめざすなどの闘争方針を確認した。また処分取り消しを求め、道人事委員会に不服申し立てを行うとしている。
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週刊『前進』(2334号3面4)(2008/03/10 )
危機の米帝・イスラエルの暴虐
ガザ侵攻と大虐殺許すな
3月1日、イスラエル軍がパレスチナのガザ地区に侵攻した。ハマスの武装勢力と激しい銃撃戦が展開され、イスラエル軍は、F16戦闘機やヘリコプターからの無差別ミサイル攻撃などを行い、4日間で女性や子どもを含む120人以上を虐殺した。これは米帝のイラク・アフガニスタン侵略戦争およびイラン侵略戦争策動と一体の一大反革命だ。イスラエル軍によるガザ大虐殺を徹底弾劾する。
これより前の2月27日、イスラエルはガザ地区のハマスのメンバーが乗った車を空爆し、5人を殺害した。ハマスがこれに対しガザ地区からロケット弾攻撃を行い、大学構内にいた40代の男性1人が死亡した。イスラエルはガザへのミサイル攻撃を強めたが、ハマスはロケット弾での反撃をエスカレートさせ、それまではガザから2`先のスデロトを狙っていたのを、17`先の人口10万の都市アシュケロンを攻撃するに至った。
これに対しイスラエルはさらに地上軍の侵攻を強行し、ジャバリヤ難民キャンプでは、町で遊ぶ子どもたちや家の中の家族を狙い、救急車なども含めて無差別攻撃を行ったのだ。このイスラエル軍の暴挙にガザ地区、ヨルダン川西岸を始め、中東各地で抗議デモがまき起こっており、イスラエル内でも治安省への抗議行動が行われている。イスラエル軍は3日未明に地上部隊を一時撤退させたが、同日夜には再びガザに侵攻し、西岸でも襲撃作戦を拡大している。
今年1月、ガザのパレスチナ人民は蜂起して、エジプトとの壁を破り、エジプト人民と大合流するという歴史的勝利をかちとった。壁はハマスとエジプト人民の共同管理のような状態となり、それはアラブ世界全体に人民蜂起を促す革命的衝撃力となった。今回のイスラエル軍による攻撃は、これに追い詰められた絶望的暴挙である。しかもそれは、ライス米国務長官がパレスチナとイスラエルを訪問し、アッバス自治政府議長、オルメルト首相と会談するのに先駆けて行われた。これはパレスチナ人民の闘いの暴力的鎮圧と同時に、イスラエルと共存するパレスチナ国家樹立という幻想のもとにパレスチナ人民の闘いを圧殺する理不尽な攻撃であった。
だが米帝・イスラエルのこうした狙いは基本的に失敗した。今回の地上軍侵攻は、ハマスそれ自身に対しては大きな打撃にはなっておらず、逆にガザ地区だけでなく、ヨルダン川西岸でもハマスへの期待が高まり、イスラエルと手を結ぶことで逆に攻撃を引き込んでいるアッバスへの、パレスチナ人民の怒りが高まっているのだ。
こうした中で、アッバスは4日にライス国務長官と会談した。ライスは「和平交渉」の再開を要求したが、アッバスは2日に発表した交渉の中断方針を撤回しなかった。アッバス自身がパレスチナ人民の怒りの前に決定的に追い詰められているのである。
米帝は、イラク・アフガニスタン侵略戦争の泥沼化の中で危機にあえぎ、イランへの侵略戦争の拡大をも狙っている。こうした中での米帝・イスラエルのガザ大虐殺を徹底弾劾し、3・16全世界一斉デモの爆発で断固反撃しよう。
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週刊『前進』(2334号3面5)(2008/03/10 )
コソボの一方的独立と争闘戦
「火薬庫」に火付けた米欧
2月17日、セルビア共和国の南部にある国連暫定統治下のコソボ自治州の議会が、セルビア人議員の欠席のまま、アルバニア人議員の圧倒的多数で「一方的に」独立宣言を採択し発表した。米欧帝国主義はコソボ独立を支持し、独立プロセスを強引に進めようとしている。だがロシア、セルビアなどはコソボ独立に強く反対し、対抗措置をとりつつある。
コソボ独立を主導したのはEUだ。米欧帝国主義は90年代以降、スターリン主義体制の一角をなした旧ユーゴスラビアの分裂・解体と勢力圏化を進めてきたが、「最後の一片」たるコソボを、今後に何の成算もなく引きはがし、バルカン半島という世界戦争の「火薬庫」に新たに火を付けたのだ。
国連安保理は、この独立宣言直後に緊急非公式会合を開いたが、米欧とロシアが真っ向から対立した。ロシアは、独立宣言が国連憲章や安保理決議1244(1999年に国連の暫定統治やセルビアの主権と領土的一体性を規定した決議)などに違反しているとして、独立宣言の無効を要求した。これに対し米欧は「議論は尽くされた」との立場を繰り返した。
会合終了後、米英仏独伊など7カ国は、民族対立の根深さを理由に「特殊事例」と位置づけて独立宣言を支持し、「国際機関監督下での独立が唯一の現実的選択肢」との共同声明を発表した。
EUは全体としては独立支援の立場だが、コソボを承認するかどうかは加盟国の個別の判断にゆだねた。ロシアなどと同じく国内に民族運動を抱えるギリシャ、ルーマニア、スペインなど6カ国は、コソボ承認に反対あるいは慎重だ。中国も同様である。
米欧帝国主義は、アハティサーリ国連事務総長特使の仲介案に沿って「EU監督下のコソボ独立」を推し進めようとしている。@国連に代わってEUの監督下にコソボの主権を置く、AEUは裁判官、検察官、警察官など約2千人の文民部隊を派遣し、120日間の移行期間を経て、国連暫定行政支援団(UNMIK)から業務を引き継ぐ、Bその間にコソボ政府は憲法および主要な法律を制定する、C現在1万6千人のNATO主導の国際部隊(KFOR)の駐留を継続する、といったプランだ。独仏を始めとしたEU帝国主義のコソボへの侵略・支配と勢力圏化の意図が露骨である。
コソボ自治政府は、EU帝国主義の「保護下」の独立と経済発展を期待している。だがコソボには基幹産業がなく、失業率は40%を超え、1人当たりのGDPはEU最低のブルガリアの3分の1だ。外国で働く家族からの送金が頼みで、それは自治政府予算の半分に相当する。汚職が蔓延(まんえん)し、マフィアがはびこっている。米欧帝国主義が後押しし、その支配下でコソボが経済的に自立するなど基本的にありえない。
コソボ問題の根源は帝国主義とスターリン主義だ。国際プロレタリアートの団結と闘いで、帝国主義と「大国化」するロシアを打倒し、世界革命を実現することこそ、問題解決の唯一の道である。
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週刊『前進』(2334号4面1)(2008/03/10 )
3・30三里塚に全力結集しよう
市東さんの農地を守りぬき改憲・成田軍事空港化阻止へ
労農同盟の発展が勝利の道
中村賢二
今日の日本帝国主義の新自由主義政策は、「ロストジェネレーション」と呼ばれる2千万人の青年労働者の根源的な怒りをますます拡大している。民営化・労組破壊の攻撃とともに、農業・農民切り捨て攻撃が襲いかかっている。「生きさせろ」はまた農民自身の叫びなのだ。三里塚芝山連合空港反対同盟は、市東孝雄さんに対する違法・不当の土地取り上げ攻撃に対して猛然と決起し、全国農民総反乱の先頭に立とうとしている。プロレタリア革命の勝利を労農連帯の力でこじ開けよう。3・16闘争を大爆発させ、その力で3・30三里塚全国闘争大結集を実現しよう。
「農地死守・実力闘争」貫き42年−不屈の歴史
三里塚闘争は、市東孝雄さんに対する「農地法を利用した農地強奪」という前代未聞の攻撃に対し、全力で立ち向かいこれを粉砕してきた。この攻撃は文字どおり日帝の全体重をかけた反対同盟つぶしであったが、反対同盟と三里塚勢力はこれを打ち返し、決定的な勝利をもぎとってきた。金と暴力による脅しを使って市東さんをたたき出そうとする企みは逆に、「私の作る大根は1億円以上の価値がある」と確信をもって語る農民革命家を生みだしたのだ。そして「市東さんの農地を守れ!」の強固な陣形が形成された。
(写真 「この土に一指もふれさせない!」新年デモの解散地で畑を手入れする市東孝雄さん【1月13日】)
労農連帯の絆
昨年の11・4労働者集会では、全国から結集した5700人の労働者を前に、反対同盟農民として初めて萩原進事務局次長が登壇した。萩原さんは「私たち三里塚の農民は、改憲と戦争の道を止めるために、再びすべての皆さんとひとつになって闘うときが来たことを訴えたい」「今こそ労働者と農民の分断を打ち破り、全世界の労働者、農民との連帯を求めて闘いぬく」と宣言し、労農連帯の新たな歴史的一歩が踏み出されたのだ。
今年1月の動労千葉旗開きで北原鉱治事務局長は、「78年11月に動労千葉が『ジェット燃料貨車輸送阻止』『絶対反対』というスローガン列車を走らせた姿は決して忘れません。ここに労農連帯のすばらしさがあった。これからも動労千葉のみなさんと一緒に反対同盟は闘っていきたい」と労農連帯の一層の強化を強調した。
「労農連帯」はまさに三里塚闘争のかけがえのない生命力である。そして革命の二文字が青年の心をとらえはじめた今、三里塚で育まれた労働者と農民の固い絆(きずな)は、国際連帯の力で相乗され飛躍の時を迎えたのだ。
3原則を貫く
三里塚闘争が42年間一貫して貫いてきたものは、「空港絶対反対」「農地死守・実力闘争」「一切の話し合い拒否」の原則である。
1971年、今から37年前、反対同盟の大木よねさんが強制代執行で住居を破壊された。機動隊の暴力が農作業中のよねさんに襲いかかり、殴打し担ぎ上げ地べたに放り出した。「国際空港建設」という国策の遂行の前には一人の農民の命と生活を平気で踏みにじって恥じない国家権力の本性がむき出しになった。空港公団が用意したプレハブ住宅を拒否し、みんなの力で自前の住居を建設し、国家権力の横暴には絶対に屈しなかった! この鬼神もたじろぐ壮絶な闘いが敵に根底的な打撃を与え、圧倒した。歴代の政府は「強制的手段は使いません」と口にせざるを得なかった。そして実際に今日まで土地強奪の強制執行を粉砕してきた。
日本階級闘争を戦闘的に牽引してきた実力闘争の推進は、権力との徹底非妥協の真髄であり、そこには大木よねさんの闘魂が貫かれていた。
三里塚闘争が決定的な試練を迎えたのが、1983年の3・8分裂だ。
3・8分裂で問われたもの
これは反対同盟の3原則――「空港絶対反対」「農地死守・実力闘争」「一切の話し合い拒否」を守り貫く闘いであった。閣議決定から12年目、政府はたった1本の滑走路でのぶざまな開港を強制された。だが「開港」という現実の重圧と、金、暴力、陰謀を駆使した反対同盟切り崩し攻撃の前に、「実力闘争では勝てない。話し合いに応じて条件をとらないと負けてしまう」という敗北主義が生まれ、三里塚勢力に分裂が生じた。
故戸村一作委員長は、1979年に病床からアピールした。「三里塚は、日々勝利している。そして必ず勝利する。このぶざまな空港をご覧なさい。われわれの戦いは目前で敵権力を圧倒している」「もっとも恐ろしいことは、農民が話し合いムードに誘われていくことだ。幸いなことに反対同盟はすでに動労千葉と労農同盟を結んでいる。労農コミューンの戦いとして地歩を占めていこう。三里塚と動労千葉の革命的連帯こそ勝利の道だと私は思う」
反対同盟はこの3・8で「原則を投げ捨て闘いをやめよ」という敵の分裂攻撃にうち勝ち、まさに戸村委員長の遺訓を実現し、「空港絶対反対」の地歩を守りぬいた。その後われわれは、85年10・20三里塚十字路戦闘を機動隊せん滅戦としてやりぬき、88年の2期工事での強制収用発動の切迫に対しては千葉県収用委員会の解体戦に決起し、90年成田治安法による団結小屋撤去・封鎖の攻撃に対しては決死的な砦戦をたたきつけた。われわれはこの過程で、94年「円卓会議最終合意」にいたる脱落派の屈服を粉砕した。そしてついには収用法による強制収用の発動そのものを完全に破産に追い込んだ。
原則を曲げない不屈の実力闘争こそ、三里塚の真骨頂なのである。
同盟つぶし・生活破壊の「北延伸」工事許すな
反戦と抵抗の砦・三里塚に対して、いま民営化・労組破壊と一体となった闘争圧殺攻撃が襲いかかっている。現地攻防は日に日に緊迫の度を深めている。
昨年12月31日、国土交通省は、成田空港課と羽田再拡張室を統合して首都圏空港課を立ち上げる組織再編を発表した。これは「成田空港か羽田空港かではない。成田と羽田の一体的運用だ」と強調するアジアゲートウェイ戦略を推進する新部局だ。
アジアゲートウェイ戦略とは何か。
@アジア市場でのアメリカなどへの敗勢を巻き返すためのFTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)締結をにらんだ航空自由化と空路の充実=巨大空港整備。A全面的な航空自由化による「日本列島丸ごと民営化・規制緩和」。B「攻めの農業」と称する国内農業破壊政策。
つまり、この30年間、三里塚の存在と闘いによって、巨大空港政策が頓挫(とんざ)させられてきた現実から、空港政策の全面的巻き返し策に出てきたのだ。
現地では、2010年4月の「暫定滑走路北延伸」の開業目標に合わせて、無理に無理を重ねた誘導路建設などの突貫工事が進められている。それに伴って、天神峰・東峰の生活道路破壊が再び強行されようとしている。東峰区住民の安眠と健康を破壊する大騒音を伴なった深夜の工事を行うことも通告してきた。
また、国土交通省・空港会社は、昨年末に打ち出した「年間飛行回数の1・5倍化=20万回から30万回」方針の具体化に乗りだしてきた。この攻撃は暫定滑走路の誘導路を「へ」の字に曲げている市東孝雄さんの畑と現闘本部建物を何がなんでも強奪するものとして一層押しよせてくる。敵にとっては反対同盟を破壊し三里塚闘争をつぶす以外に選択の余地はない。
だが、やれるものならやってみろ。追いつめられているのは敵の側、日本帝国主義なのだ。
塩川一派の敵対許さず階級的労働運動推進を
三里塚闘争は今や、直接に労働者階級の利害がかかった闘いとなった。
すでに明白なように、市東さんの土地を収奪する攻撃は、戦後憲法体制の重要な構成要素である農地法それ自体の廃止に向けた攻撃であり、改憲攻撃の一環である。また市東さんの裁判ではっきりしたことは、司法反動の攻撃が「三権分立」の建て前もかなぐり捨てて「国益」を貫くために具体的に襲いかかっているということだ。
“耕作者の権利の主張などもはや許さない! そんな農民はハローワークに行け! 裁判所は農地収奪の先頭に立て!”と日帝は叫んでいるのだ(戦前裁判所は地主を擁護して、抵抗する小作農民から耕作権をはく奪する強制執行を連発した)。市東さんへの農地取り上げ攻撃は、300万戸農家を「14万経営体」に向けて再編し切り捨てていくあり方そのものである。
資本の利益を第一に置いた戦後農政の結果である農業破壊に、全国の農民の怒りは沸騰している。07年参議院選挙でそれは“地方の反乱”という形で開始された。
日帝は農業完全自由化=国内農業破壊で対アジアFTA・EPAを促進しようとあがいているが、これは早晩アジア農業の総崩壊的危機をもたらす(すでに中国農業危機深刻化の一要因となっている)。
反対同盟が体を張って42年にもわたって頑強に国策を阻止し続けてきた闘いは今こそ真価を発揮しようとしている。そして動労千葉との共闘を労農同盟として築いて闘ってきたことの中に三里塚勝利の展望がある。塩川一派は「自分たちも三里塚に取り組んでいる」と言いながら、労働者がその階級性をとことん貫くことを否定し、動労千葉労働運動に対するあざけりと敵対を露骨に表明する集団に成り下がった。三里塚闘争の歴史と現在を踏みにじるものだ。許すことはできない。
農業破壊・農民切り捨てとの闘いは、第二のJR分割・民営化、教育関連法改悪、道州制を頂点とする地方自治破壊、郵政民営化、これらの4大産別をめぐる攻防・決戦と完全に一体の核心的闘いである。改憲攻撃との闘い帰趨(きすう)もここにかかっている。
労農同盟を軸に、労働者・学生・農民・住民のすべての力を結集し政府・国交省・空港会社の攻撃を打ち破り、追いつめよう。成田の軍事基地化攻撃の強まりに対し「国民保護」と称する成田の戦争動員訓練を阻もう。市東さんの農地を守る運動をさらに大胆に拡大しよう。一坪共有地、現闘本部、市東さんの耕作地をめぐるすべての裁判に勝利しよう。
沖縄での米海兵隊員の女子中学生への暴行。海上自衛隊イージス艦による漁船・清徳丸衝突、漁民2人の虐殺。
八尾市による市民の年金・預金差し押さえ、住宅追い出し攻撃。まさに怒り、怒り、怒り! 怒りなくして語れないこの現実への実践的回答はどうあるべきか。
3・16全世界一斉デモの巨大な爆発から、プロレタリア革命勝利への決意も固く3・30三里塚全国闘争に総決起しよう。“青年労働者の春闘”として3・30三里塚を闘おう。労農連帯の力で革命やろう!
階級的労働運動と三里塚との結合に敵対する塩川一派を打倒し、新たな三里塚闘争の前進をかちとろう。
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週刊『前進』(2334号4面2)(2008/03/10 )
市東さん耕作権裁判 釈明に窮したNAA
土地の特定はデタラメだ
3月3日、反地同盟・市東孝雄さんの耕作権裁判第6回口頭弁論が千葉地裁で開かれた。
NAA(成田空港会社)は市東さんが祖父の代から90年も耕作してきた農地を「不法耕作」と言いなして奪い取ろうとしている。裁判所もこの暴挙に拙速裁判で手を貸そうとしている。これに怒る80人あまりの人びとが反対同盟を先頭に傍聴に駆けつけ、法廷を内外から監視し闘った。
NAA側の土地の特定はまったくのずさん、デタラメだ。しかも直接耕作をしてきた市東家にまったく秘密で18年も前に買収した違法極まりないやり口。今になって土地を明け渡せだと、ふざけるんじゃない。こんな農民殺しを認められるか。
弁護団は準備書面を提出し、NAA側が出した図面の土地の形状、境界線などはまったくでたらめであることを突き出した。反対同盟側の迫力に圧倒されて裁判長はNAA側に釈明を行うよう促すしかなかった。
終了後、弁護士会館で記者会見と報告集会が開かれた。市東さんが冒頭「NAAは訴えを起こしたくせにまともに求釈明に答えられない。裁判長も下を向いていて元気がない。これから相手の矛盾を引き出して完全勝利へ向けてがんばります」と力強くあいさつ。
葉山岳夫弁護士が法廷でのやり取りを解説し、かつて空港公団自身が明記した「小作耕作権者と協議の上」という売買の基準にも背いたものであることを明らかにした。また独自の測量を継続してNAAの土地の特定がデタラメであることをさらに明らかにしていくと述べた。
事務局長の北原鉱治さんが「不当な土地取り上げを許さない。市東さんのところへあらたな『代執行』が襲いかかったら、全体重をかけて闘い粉砕しよう」と奮起を促した。本部役員の鈴木幸司さんは「政府相手の闘いだ。一人ひとりが市東さんになって闘おう」と檄を発した。
反対同盟の決意にこたえ、動労千葉の後藤俊哉さん、市東さんの土地取り上げに反対する会事務局の三角忠さん、全関西実行委の松原康彦さんらが、連帯しともに闘う発言を行った。
最後に事務局次長の萩原進さんが「法律には書いてなくても部落には守るべき『決まり』がある。土地を離れるものは部落に土地を託して行くものだ。金を出して底地を買い上げたから、農業をやってる人に出ていけなんて冗談じゃない。この怒りを3・30の大結集で示そう!」と訴え、会場は参加者の大きな拍手に包まれた。
(写真 「この怒りを3・30の大結集に!」と萩原事務局次長【左)が檄を発した(3月3日 千葉・弁護士会館】)
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週刊『前進』(2334号4面3)(2008/03/10 )
農業破壊の現実解明
関実3・30結集へ三里塚講座
2月26日、大阪市内で第14回三里塚公開講座が開かれた。三里塚現闘本部員を講師に招いて、「市東さんの農地問題と農業破壊の現実」と題する講演が行われた。
土砂降りの雨にもかかわらず、72人が参加した。3・30三里塚集会への結集に地熱が熱くなりつつあることを感じた。
公開講座は安藤眞一関実事務局次長の司会で始まった。開会のあいさつを永井満関実代表世話人が行った。「農業問題は今日、日本農民全体の問題。反対同盟が全国農民と連帯して闘おうとしている。しっかり学習して、1977年4・17集会に決起した決意を持って3・30に決起しよう」
三里塚現闘本部員の講演が始まった。
まず「市東さんの農地問題の本質は空港問題。『空港絶対反対』の闘いで土地収用法が失効した結果、法体系を踏みにじった『農地法20条による農地収奪』という収用攻撃にエスカレートした。ここに三里塚闘争42年の勝利を確認する」と問題の本質を提起した。
そしてこの1年間の主な新聞報道を解明しながら「戦後農政の大転換」と言われる農業切り捨て策によって、「一生懸命にやるほど赤字がふくらむ」と農家が食っていけない現実を怒りを込めて弾劾した。
次に「農業切り捨て政策を方向づけたのは、サッチャー、レーガン、中曽根によって推進された新自由主義政策である」「市場原理主義にすべてをゆだねる。生産性の向上、国際化に対応した農政、市場メカニズムに基づく価格政策によって、農業切り捨てが一気に進行した」と新自由主義の結果であることを指摘した。そして今日の「アジアゲートウェイ構想」は、航空自由化(オープンスカイ)のための航空政策の転換、グローバル化のための「農業改革」=国内農業切り捨てであると暴露した。
まとめとして「三里塚42年間の勝利をもたらしたのは『絶対反対』と『労農連帯』である。3・16イラク反戦闘争から3・30三里塚現地闘争に大結集を」と呼びかけ大きな拍手が起きた。質疑では永井さん、松原さんなど4人が質問し、活発な議論が交わされた。
最後に、山本善偉関実世話人が閉会のあいさつをした。「今日の講演で戦争を止め、平和の砦を守る闘いが農業問題の一つであることを教えられた。3・30三里塚集会を新しい闘いとして生かしていこう」
公開講座は大成功した。労農連帯を飛躍的に発展させ、三里塚闘争に絶対に勝利しよう。次は3・16イラク反戦闘争だ! そして3・30三里塚に総力で決起しよう!
(写真 開会あいさつを行う代表世話人の永井満さん)
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週刊『前進』(2334号4面4)(2008/03/10 )
日誌 2008年
2月27日〜3月4日
防衛相、事故当日に無断聴取/海自艦がベトナムで接触事故
●防衛相、無断聴取認める 海上自衛隊のイージス護衛艦「あたご」と漁船・清徳丸の衝突事故当日の2月19日に海上幕僚監部があたごの航海長をヘリコプターで呼び寄せて防衛省内で事情を聞いていた問題をめぐり、石破防衛相は衆院予算委員会分科会で、海上保安庁に無断で行ったことを認めた。聴取は石破のほか事務次官、統合幕僚長、海上幕僚長ら4首脳が大臣室で行っていたことも新たに判明した。(27日)
●普天間代替アセス、複数年調査を再要求 米軍普天間飛行場代替施設建設の環境影響調査(アセスメント)方法書を協議している沖縄県環境影響評価審査会と県環境政策課は、沖縄防衛局が書き直した方法書に対し、防衛局に提出する県意見をまとめた。県意見ではジュゴンなどについて複数年の調査実施、集落上空を飛行する訓練の形態の具体的明示など「書き直し方法書」に記載されていない事項を防衛局にあらためて要求することを決めた。(28日)
●沖縄県民大会予定通り 米兵女子中学生暴行事件で、女性暴行容疑で逮捕、送検された在沖米海兵隊員が不起訴処分になり、釈放されたことを受けて、県民大会呼びかけ団体が3月23日に計画されている県民大会を予定通り開催する方針を確認した。自民党県連は不参加方針を固めた。(1日)
●沖縄米兵また逮捕 ガラス戸を割って団体事務所に入り込んだとして沖縄県警が米空軍嘉手納基地の上等兵を建造物侵入の疑いで逮捕した。外出禁止中だが高さ2bのフェンスを乗り越えて基地外に出たという。(2日)
●内閣不支持5割超す 毎日新聞が電話による全国世論調査を実施。福田内閣の支持率は1月の前回調査比3ポイントダウンの30%で、昨年9月の政権発足以来最低を更新、不支持率は初めて半数を超える51%となった。(2日)
●米軍車両出火で立ち往生 沖縄の北部訓練場へ向かっていた米海兵隊の大型車両1台が名護市汀間の国道331号で出火。火が出た車両を含めて隊列の大型車両3台が停止し、2時間以上にわたって交通が片側1車線通行に制限された。(2日)
●海自艦、ベトナムで停泊船に接触 ベトナム南部のホーチミン港で、海上自衛隊の護衛艦「はまゆき」が、同港に停泊していたカンボジア船籍の貨物船と接触した。はまゆきの艦尾部分がへこみ、旗ざおが曲がったが、貨物船は船尾の塗装の一部がはがれた程度で、双方の乗務員にけがはなかった。(3日)
●外出禁止を緩和 在日米軍は、在沖米海兵隊員の女子中学生暴行事件などを受け、2月20日から続けていた沖縄と岩国(山口県)の米軍基地に所属する米軍人らの基地外への外出禁止措置を一部解除し、午後10時から午前5時までの間の夜間外出禁止措置に切り替えた。(3日)
●イラン制裁、3度目決議 イランの核問題をめぐり国連安全保障理事会は、イランに追加制裁を科す決議1803を賛成14、反対0、棄権1で採択した。06年12月と07年3月に続く3度目の制裁決議。今回初めて全会一致にならなかった。(3日)
●基地警備員がパワハラ提訴 9カ月間仕事を与えられず事務所内で待機を命じられるなどパワーハラスメントで精神的苦痛を受けたとして、在沖米海兵隊日本人警備大隊に所属していた基地従業員の男性が損害賠償を求める訴えを那覇地裁に起こした。男性は「長年いる少数の日本人幹部が強権を振るっており、職場は異常な状態」と語っている。同大隊では、憲兵司令官から基地外で拳銃を携帯するよう命じられたり、パワハラを訴える署名が隊員の過半数に達している。(3日)
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週刊『前進』(2334号5面1)(2008/03/10 )
沖縄にうず巻く怒りを解き放て
米軍基地全面撤去を掲げて3・16デモ-3・23県民大会へ
革共同沖縄県委員会
12万人結集した07年9月29日の沖縄県民大会(宜野湾市)
2月29日夜、衝撃的なニュースが流れた。2月10日に発生した米海兵隊員による女子中学生暴行事件について、被害者の女性が告訴を取り下げ米兵が釈放されたというのだ。われわれは、日米両帝国主義と仲井真自公県政、さらにはブルジョアマスコミが当該の女性とその家族を責め立て、「告訴を取り下げさせる」という卑劣きわまりない攻撃をかけてきたことを満身の怒りをこめて弾劾する! なぜ今、米兵による事件・事故の続発なのか! 米帝のイラク侵略戦争突入から5年、この理不尽な侵略戦争に駆り出され、自らの生死も選択できない極限状況下で事件や事故が引き起こされているのだ。だから沖縄の要求は米軍基地全面撤去であり、イラク・アフガニスタン侵略戦争阻止であり、基地との共存の拒絶なのだ。3・16全世界一斉イラク反戦デモの爆発から3・23沖縄県民大会へ! 全沖縄にうず巻く怒りを解き放とう。
米侵略軍隊が引き起こす事件・事故
米帝はイラク侵略戦争をやめろ! アフガニスタン侵略戦争をやめろ! 沖縄・韓国から即時撤退せよ! 全世界に展開している米軍はただちに撤退せよ!――全世界から数千万の労働者人民が闘いに立ち上がろうとしている。帝国主義打倒の革命が巻き起ころうとしているのだ。
3・16全世界一斉デモはまさに決定的な闘いへと押し上げられた。3・16闘争の爆発こそが3・23県民大会への最大の連帯であり、また全国の3・16闘争の成功が3・23県民大会への結集の力となる。3・16全世界一斉デモを全国で爆発させ、沖縄と日本(本土)の労働者階級の連帯と団結をさらに発展させていこう!
県議会と沖縄の全市町村41議会の抗議決議が上がる中、仲井真は一貫して全県的な怒りと闘いの広がりに対立させる形で、「被害者の心の回復を第一に考えたい」「(県民大会については)被害者およびご家族の心情や意向にも十分配慮することがまず第一だ」と言い続け、県庁に「謝罪」にきた米4軍調整官と握手をして自らが百パーセント米軍の立場に立つことを誓約した。
「被害者の気持ちを考えろ」とは「当該を黙り込ませて何もなかったことにする」という支配階級(日米両帝国主義と仲井真県政)の階級意志そのものだった。沖縄自民党は県民大会実行委員会の準備会が「超党派」の県民大会を呼びかけたことに対して、「選挙(7月県議選)に利用される」などと理由にならない言動を繰り返して、告訴取り下げの前日である28日に県民大会不参加を決定したのだ。
しかし、犯人の米兵がたとえ釈放されたとしても、事実を消し去ることはできない。「基地の島」の現実は何も変わりはしない。いやむしろこういう卑劣なやり方をしてきたやつらに、数倍する怒りをたたきつけてやらなければならない。彼女を踏みにじった日米両帝国主義と仲井真自公県政に労働者人民の怒りをたたきつけよう。
沖縄で階級闘争の大激突が始まった
沖縄の階級闘争は、3・23県民大会をめぐって昨年9・29県民大会を引き継ぎ発展させる決定的な局面を迎えた。3・23県民大会を呼びかけている準備会呼びかけ6団体は、昨年9・29県民大会を呼びかけ牽引(けんいん)した主要な団体である。そしてこの実行委員会の中心軸に座っているのが沖教組・高教組である。ここに95年10・21を超える新たな闘いの発展がある。95年の人民反乱とそれ以降の反動(大田県知事の「公告縦覧代行」と県知事からの引きずり下ろし)をのりこえる闘いがついに始まり、今そのさらなる発展か圧殺かという激烈な攻防が闘われている。重要な視点は、沖縄の階級闘争が07年を超える激動過程へと突入し発展していることである。
その核心は、労働組合が闘いの中軸にしっかりと座っていることである。昨年の9・29県民大会は事実上のゼネスト状態に沖縄社会をたたき込んだ。沖縄社会の主人公は仲井真や自・公などではなく、沖縄の労働者階級であることを自らの闘いで証明して見せた。9・29県民大会の大結集を実現した自治労や沖教組・高教組、さらにはマスコミ労働者の闘い、また全駐労の2波にわたるストライキと、沖縄の労働運動が再び三たびその偉大な闘う姿を登場させつつある。それは「復帰」闘争をのりこえる沖縄の階級闘争の革命的激動期の到来を告げ知らせている。もはや革命でしか決着がつかない闘いが開始されたのである。
今回の事件は、日米帝国主義や仲井真自公県政に昨年の「悪夢」の再来を突きつけた。それは彼らにとっては「革命の現実性」そのものである。追いつめられた彼らは、3・23県民大会を押しつぶし、9・29の地平そのものを逆転させようと、とんでもない卑劣な手段を使ってきたのである。
「そっとしておいてほしい」という当該の言葉がわれわれの胸を締め付けることは事実だ。しかしわれわれは労働者階級の階級的責務として、その言葉も引き受けて闘うのでなければならない。彼女が一度は声を上げた、その声こそが当該の真の叫びであり、願いであること、それをどんなことがあっても実現することが労働者階級の進むべき道なのだ。
労働者階級の団結した力で闘おう!
日米両政府や米軍が繰り返す「綱紀粛正」「再発防止」などという言葉を信じる労働者人民は一人としていない。2月10日の事件以降も、酒に酔った米兵による飲酒運転や住宅侵入、さらに女性への暴行事件などが続発している。もはやタガがはずれたように、米軍は我が物顔で沖縄を踏みにじっている。「すべての基地を撤去せよ!」――これが沖縄の労働者階級人民の闘いの原点だ。
沖縄の米軍基地こそが、沖縄と日本(本土)の労働者階級を分断し続けてきた存在だ。そしてこの沖縄の米軍基地が朝鮮へ、ベトナムへ、そしてイラクへと侵略戦争の出撃基地として機能してきたことが、アジア・中東の労働者階級人民と日本の労働者階級人民を分断し続けてきたのだ。
「沖縄米軍基地撤去」010――それは沖縄と日本(本土)の労働者階級の団結のスローガンであり、全世界の労働者階級、被抑圧人民の団結のスローガンである。そういう意味で「沖縄は日本革命と世界革命の火薬庫」なのである。
この団結は具体的な闘いの中から生み出されていく。3・16全世界一斉デモこそ、国際プロレタリアートの生きた団結を再生させていく闘いである。沖縄でも青年労働者が中心になって3・16の呼びかけが発せられている。3・16全世界一斉デモへ全国数万の労働者階級人民の決起を実現しよう。革共同沖縄県委員会はその最先頭で闘い、3・23県民大会の爆発を全国の同志とともに実現する。すべての労働者人民の皆さん、3・16全世界一斉デモへ全力で立ち上がろう! プロレタリア世界革命の勝利をここからともに切り開こう!
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週刊『前進』(2334号5面2)(2008/03/10 )
辺野古からの報告
続発する米軍犯罪に怒り 仲井真は基地建設の先兵
辺野古で米兵が民家に侵入
2月18日、地元紙の1面に衝撃的な事件が掲載された。当日未明、辺野古に隣接するキャンプ・シュワブ所属の21歳の米海兵隊員が泥酔し、辺野古区の民家に侵入、現行犯逮捕されたというのだ。2月10日に米兵による女子中学生暴行事件が引き起こされ、沖縄中が怒りに包まれている渦中での事件だった。
「今まで沖縄県民は何度苦汁を飲まされてきたことか! 何度地獄を見せれば米軍は気が済むのか! 米軍基地は沖縄からすべて撤去すべき時だ。沖縄が怒るのは今しかない!」。翌日、キャンプ・シュワブのゲート前で開催された抗議集会には辺野古の命を守る会のオジイ・オバアたちもかけつけ、代表してマイクを握ったオジイは怒りを米軍にぶつけた。
辺野古でも、米兵犯罪は実は何度も繰りかえされてきた。1978年には強盗に入った米兵によって50代の女性がブロックで撲殺される事件も起こっている。
侵略の軍隊は「綱紀粛正」などありえない! 実際、今回の暴行事件を受けて在沖米軍は直後に全部隊に「倫理教育」を施したばかりだった。にもかかわらず、辺野古の事件は起き、17日には在沖米陸軍伍長がホテル内で21歳のフィリピン人女性を暴行するという事件を起こしている。
長期にわたるアフガニスタンやイラクへの侵略戦争は確実に沖縄に赴任する米兵を人間的に堕落・腐敗させ「人殺しの機械」へと変えていく。基地内で「冷徹な殺人方法」について徹底的に体と精神にたたきこまれた米兵が、ゲートを一歩出た途端に「良き隣人」に変わることなど不可能だ。
(写真 新基地建設を阻む辺野古海辺の”テント村”)
島ぐるみ闘争恐れる仲井真
今回の一連の米兵犯罪によって見えてきたことがひとつある。米軍再編を推進し、辺野古に新基地を建設しようとしている米軍や政府はもとより、その先兵である仲井真知事やとりまきの沖縄の首長たち、振興策に群がる企業の連中は、この事件を契機に再び「島ぐるみ」闘争に火がつき、辺野古の基地建設が再び三たび粉砕されるのではないかとびくびくしているということだ。
特に仲井真は事件の一報を聞くや「普天間移設に影響することはない」と発言し、基地撤去を要求する世論を「極端な暴論」と言いなし県民の怒りを買っている。被害者の安否と米軍への怒りよりも新基地建設の行く末の方が大事だと自己暴露してしまった。
「9・29に続いて県民大会を開催せよ」という沖縄人民の当然の要求が米軍再編と日本政府、仲井真県政をぎりぎりと締め上げているのだ。続発する米軍犯罪への怒りは、必ず辺野古新基地建設を阻止する闘いへと発展していくに違いない。
環境アセスをめぐる攻防
現在、辺野古の新基地建設=沿岸案強行策動は環境影響評価(アセスメント)の入り口である方法書の受理をめぐる攻防の段階に入っている。
沖縄県環境影響評価審査会の追加資料の協議が終了し、防衛局に提出する意見書が2月29日にまとめられた。
仲井真県政は「普天間基地の3年以内の閉鎖状態」(「閉鎖」であって撤去ではないのに注意!)を掲げている。島袋名護市長は沿岸案合意後も基地本体の沖合移動を要望し続けている。両者は一見、日帝・防衛省と辺野古沿岸案をめぐって対立しているかのように振る舞ってきた。
日帝・福田政権もまた名護市を振興策の給付対象からいったん外すなどの「恫喝」も行ってきた。しかし、実際には仲井真県政も島袋市長も1年にわたって辺野古沖=大浦湾全域で行われている法律違反の「現況調査」を黙認し、目の前に迫ったアセスについても容認する姿勢を崩していない。
昨年8月、日帝・防衛省は県の合意を得ないまま、辺野古に関するアセスの方法書を一方的に送り付けた。海上自衛隊まで導入した辺野古における現況調査の強行に続き、「沖縄県の同意があろうがなかろうが、力ずくでも基地建設を貫徹する」という日帝の強硬姿勢が全面化した。
仲井真知事は当初はアセス手続きを「保留」したが、結局はアセスに応じる表明を行い、「日帝・防衛省の基地づくりの先兵」であることを明確にした。
もともと仲井真は沖縄ブルジョアジーの代表であるとともにゴリゴリの基地必要論者である。「防衛意識の高揚」「自衛隊への支援」を目的に各地域につくられている「防衛協会」の県代表まで務めている。「米軍再編は一刻も早く進められるべき」が口癖の知事だ。こんなやからは基地建設計画ともども打倒しなければならない。
(大津五郎)
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週刊『前進』(2334号5面3)(2008/03/10 )
死すべきは基地労働者ではない 全駐労スト報告〈下〉
沖縄闘争の飛躍の鍵握る基地労働者
労働者の階級的力は不滅 一切は労組指導部の問題
階級的力を発揮
全駐労は現在連合傘下にあり、民主党支持労組である。この全駐労がこのたびの大規模なストに立ち上がったことには重要な意味、意義がある。
すでに紹介したように、沖縄においても全軍労時代の闘いを経験した労働者はほぼ退職し、世代が完全に入れ替わっている。今日ではむしろ若い労働者が多い。連合指導部のもとで、戦後日本の労働運動が闘い取ってきたものが次々と投げ捨てられ、こうした組合の中でストを知らない世代が膨大になってきている。しかしこのことは労働組合自体がダメになり、これが意味のないものになってきているということなどではまったくない。
連合指導部、体制内派、資本の手先と化した労働貴族どもが機関を牛耳っているからといって、その中にいる労働者が右へならえでそれに同質化することなど絶対にない。嵐が吹きすさび気温が下がったからといって、労働者の血が凍ってしまったり、冬眠するなどということはないのだ。
たとえどんなに腐った連合ダラ幹どもが抑圧、統制しようとも、労働者の階級的力(組織された力・階級的団結、自己解放能力)を押さえ込むことなどできない。労働者が労働者である限り、本質的にもつ階級性を失うことはありえない。
一切は階級の指導部の問題だ。全駐労ストはそのことを教えている。それは同時に、革命的情勢への突入と、労働者の嵐のような決起の予兆でもある。
(写真 毒ガス撤去・AMMO闘争の現場で、マルクス主義の古典を読む全軍労牧港支部青年部の労働者【1971年】)
塩川一派の本質
こうした労働者のもつ本質的な力と決起を百パーセント否定するまでに転落してしまったのが塩川一派だ。その最も核心的な本質は、労働者(労働者階級)への根底的不信と絶望にある。国鉄分割・民営化攻撃を起点に、激烈をきわめた日帝の新自由主義に基づく労働者階級への団結破壊、階級性の解体攻撃に、実は自らが完全に打ちのめされ、マルクス主義的な思想的土台を突き崩されてしまったのだ。
このマルクス主義の立脚点に立てば、新自由主義攻撃(非正規雇用労働者問題)の核心が、労働者階級の団結をバラバラに分断し、あわよくばその「仲たがい」にまで持っていって階級性を破壊しようとするところにあることは明らかだ。塩川一派はこの日帝の攻撃、今日的ブルジョア・イデオロギーを「左」から補佐する以外の何ものでもない。
全島決起の中軸
このレポートの最後に、今後の沖縄闘争の前進にとっての全駐労ストの意味を考えたい。
戦後沖縄闘争を最も根本的なところで規定してきたのは全軍労(全駐労)である。米軍基地を職場としている基地労働者こそ、沖縄を沖縄たらしめている日米安保体制とその実体である米軍基地、すなわち戦後と今日の沖縄問題を直接的に体現している存在である。
基地労働者にとって米軍基地の撤去とは職場と仕事がなくなるということである。その米軍基地撤去を基地労働者が掲げて闘うとは、日米安保体制をなくすということ以外にない。基地労働という存在そのもの、あるいは基地労働を必要とするこの(沖縄)社会のあり方を根本から転覆する、そういう立場だ。
全軍労結成以来、常に基地労働者はこの問題・課題に揺さぶられ続けてきた。そして沖縄の基地労働者の闘いの歴史は、ここを階級的に突破しようとしてきたものだったのだ。
昨年の9・29県民大会もそうだが、戦後の沖縄における闘いの歴史の中で幾度かの島ぐるみ決起、「全島ゼネスト」的決起がある。それが本当の「ゼネスト」となるかどうかは、常に全軍労・基地労働者がその帰趨(きすう)を握ってきたのである。
1995年の米軍基地撤去の大闘争の時、日帝はその全面的な圧殺攻撃の中で、基地労働者がこの闘いの軸に座ることだけはなんとしても阻止することを大きな視座に据えていた。そしてかけてきた攻撃が、沖駐労の結成と全駐労への組織破壊・分裂の攻撃である。
これを先兵として、日帝は、古くて新しいイデオロギー攻撃、すなわち「基地の撤去は基地労働者の仕事を奪う」論を全力で展開した。「全駐労は職場なくせ運動をやっている」「基地は必要、基地労働に誇りを」などとの主張に連合指導部は「古くて新しい大動揺」をしたが、しかし全駐労総体としては沖駐労の組織破壊攻撃を完全にはね返し粉砕した。
この地平の上に、07年のストライキをうちぬいて巨大な飛躍を実現した基地労働者の存在は、昨年9・29県民大会と一体となって、沖縄闘争全体の革命的、階級的飛躍にとって決定的な位置をもっており、それは必ずや「日本革命の火薬庫」の信管となっていくだろう。(石川清一)
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週刊『前進』(2334号6面1)(2008/03/10 )
連合集会で漁民虐殺弾劾すべきだと発言 宮城・自治労 原井努
2月22日、地域の連合の春闘集会に参加しました。私は集会宣言(案)にイージス艦の漁船衝突・漁民虐殺弾劾の記述が一言もないことに「これでいいのか?」と思い、採択のときに手を挙げて、その記述を入れるべきだと発言しました。壇上にいた連合の議長(私の組合の委員長なのですが)は「あいさつの中で言ったから」と言い訳します。「それならなおのこと入れるべきです。沖縄の少女暴行事件なども起こっているではないですか?」と言うと「いいから黙っていろ」とどなられました。ひるまず、「私は入れるべきだと思います」ときっぱり述べて発言を終えました。司会が「ここにいるみんなは同じ気持ちですから」とまとめ、集会は終わりました。
発言して自分の思想をつらぬいたと思い、スッキリした気持ちです。事件への怒りがあったので発言できました。数十名の私の組合の仲間がこのやりとりを聞いていました。3・16大闘争へ向けての職場チラシにもこのことを書き、労働組合の原点は戦争反対ではないかと訴えています。
白熱的討論で準備し労組越えた団結実現 東京・北部 飯沢和久
2月21日、「怒りの春闘・東京北部討論集会」が開かれ、60人が参加しました。
動労千葉労働運動をめざす地域の四つの労組が共同で開催してきた春闘集会ですが、今年、中身が一新しました。「地区労をめざすのなら、発言者だけでなく、労組を越えて交流・団結できるものにしたい」。実行委員会での青年の提起に突き上げられ、白熱的な論議が1カ月以上続きました。
集会は、最初から9グループに分けて進み、自己紹介や職場の話に花が咲きました。そして基調報告。@新自由主義は資本主義の崩壊だ。A資本からの「アメ」目当てに労働者の団結に制動をかける労組ではなく、資本との非和解を貫く労組につくりかえよう。B地域の団結軸となれる産別を超えた「地区労」建設に挑戦しよう。C春闘の総括軸を団結に置き、3・16闘争に職場から立ち上がろう。以上4点をめぐって再びグループ討論。
「体制内労働運動って何だ?」「民営化・規制緩和が元凶だ!」など、論議が大盛り上がり。職場報告では、医療・交通・福祉など五つの職場から青年たちが春闘の決意を述べました。各労組で練りに練ったものでした。教育労働者による「石原の『日の丸・君が代』強制に対しては、全員が不起立するのが一番有効だ」という提起に一同うなずき、動労千葉の物販強化や階級的労働運動の取り組みとしての百万人署名の訴えなど、参加者全体が自分の課題としてとらえました。
一つの集会で、これだけ職場を超えて団結できるという経験は初めて。労働者は職場で怒り、団結を求めています。資本と折り合いをつけない労働運動の登場がすごい求心力を持つと思います。団結を固めて前進中です! さあ、3・16へ!
春闘らしい春闘集会怒りも笑いも団結で 広島県労組交流センター 上村四郎
3・16世界一斉行動を前にした3月2日、広島市のアステールプラザで広島県労組交流センターの春闘集会を開催し、50人の労働者が集まった。
会場にはさまざまな職場ビラも持ち寄られた。何年も春闘集会はやってきたが、今年は本当にかつてなく「春闘集会らしい春闘集会」となった。血債主義・糾弾主義を一掃したことによって、労働者がものすごく明るく解放的になっている。
青年労働者が3・16への総決起を訴える鮮明な基調提起を行った。動労西日本、広大生協労組の仲間がストで闘う決意を表明。教労の仲間たちは「不起立を40秒のストライキとして闘う」と宣言した。全逓、自治労、医療、電通、医療の仲間が職場闘争報告を行い、3・16への決意を表明した。どの産別、どの職場の矛盾も闘いも、すべて自分の産別、自分の職場のことのように聞こえる。みんなが発言者の顔を見ている。怒りも笑いも全員が同じ。労働者は産別・職場を超えて本当にひとつに団結できる。
集会後、街頭デモへ。「ストライキで闘おう」と叫ぶデモ隊に道行く人の視線が一斉に集まる。
デモの後、3・16を訴える街頭宣伝活動。「みんなで活動するのは楽しいね」と60代の女性労働者も疲れも見せずビラまきを続けた。ある労働者はこの日の集会・デモに感動し5000円カンパを置いていった。3・2に結集した広島県労組交流センターの活動家は職場で団結をつくるために必死に格闘し、3・16ワーカーズアクションin広島へ突き進んでいる。
40年ぶりの春闘大井町デモに歓声上がる 東京・南部 市川寛士
3月1日、実に40年ぶりという春闘大井町デモを解放感いっぱいで行うことができました!
大井町駅前会場にて「08春闘勝利!南部労働者総決起集会」を五十数名の参加でかちとり、団結を固めた後、駅前通りから品川区役所に向かう大井町メインストリートをデモ。わき立つようなコールでアピールしながら練り歩くにぎやかなデモに、おとなも子どもも路上に出てきて手を振ったり、ビラを受け取ったり、コールを唱和したり。みんな怒っているし、闘いを求めている。ストライキやデモでガンガン闘う春闘が復活したことを実感します。
集会は、地元の国労分会と国労5・27臨大闘争弾圧裁判被告、「許さない会」からのアピールと都高教の仲間による特別報告を中心に、なんぶユニオンやス労自主を始め08春闘を職場を拠点に資本・当局と徹底的に闘う労組・労働者の総決起集会となりました。
動労千葉を支援する会、沖縄―本土を結ぶ労組連絡会や部落解放同盟全国連合会品川支部、百万人署名南部連絡会を始め、発言やアピールはすべて怒りと闘いの意志に満ちたものでした。東京各地からユニオン東京合同、東京西部ユニオン、福祉労働者連帯ユニオンなど合同労組の仲間も参加しました。
集会宣言で、全労働者の闘いとして第2次国鉄闘争に総決起すること、08春闘を職場で全力で闘い、団結を固めて3・16渋谷大デモに参加することを確認しました。
3・1春闘集会・デモは、労働者の反乱、労働者の力で世界を変える、南部労働者の新たな闘いの出発点です。大井町デモの興奮から3・16へ!
労組つくり職場闘争3・16へ春闘集会 東京・東部 木頭昌之
2月23日東京東部労働者交流集会が、3・16へ向けて熱くかちとられました。
都高教の仲間は、職場闘争をとおして団結を拡大する苦闘の中で、青年が「日の丸・君が代強制はおかしい」と新たに組合に加盟したことを報告。義務制の仲間は、根津さんとともに不起立で石原・都教委を追いつめる決意をキッパリ。東部ユニオンと百万人署名運動から校長への申し入れ行動が報告されました。
続いて、昨年の特別区の現業賃金引き下げに対し区職労働者が体制内特区連指導部を弾劾し現場からのりこえて闘った報告です。
4者・4団体の反動を打ち破り、組織拡大春闘スト態勢の確立へ闘っている動労千葉の報告。
ここで地域で闘う「障害者」が飛び入りでアピール。労働者とともに闘いたいという訴えを共有しました。
新たに東部ユニオンの分会として組合を立ち上げた民間労働者が並び、低賃金で危険な労働に対する怒りで団結して闘うと決意表明。この組合結成の動きを察知した資本が委員長に対して強制配転を通告してきたことが報告されると、全体から怒りの声が上がりました。(その後、強制配転を撤回させた!)
不当な言いがかりで雇い止めにされたパート労働者は、都労委の完全勝利命令を勝ち取ったと報告しました。
最後は青年労働者の登場です。まず闘う交通労働者3人が並んで発言。事故への怒り、体制内指導部への怒り、それを打ち破る職場闘争を闘って、3・16に決起しようと呼びかけました。青年福祉労働者が「『貧困大国アメリカ』に示されている労働者の現実と闘うために3・16に結集しよう」とアピール。
最後に国鉄闘争を闘う仲間が「本集会は職場闘争の上にかちとられた」とまとめ、「団結ガンバロー!」
『しゃにむにGO!!!』初公判報告に爽快感 東北大 N
法大弾圧の獄中通信『しゃにむにGO03!!!』2月号が出ました。今号は「革命に向けた裁判始まる!〜初公判報告特集号〜」と題しています。
感想は何と言ってもあふれんばかりの勝利感ですね。一片のあいまいさもない。初公判を闘い抜いた内田君からの「”4カ月ごしの怒りをたたきつけてやったぞ”という爽快(そうかい)感」「11・4と法大決戦という革命そのものの正義性、勝利性で圧倒した」という確信に満ちた言葉にものすごく空気が入ります。こんなに爽快感・勝利感にあふれた闘いはない。全世界の労働者階級の怒りを体現した闘い、まさに革命裁判だ!
森川文人弁護士のインタビューも圧巻。「こびて『無罪』をとる必要はない。傍聴席とつながって裁判所を押し込んでいきたい」という鮮明な訴えに心から共感です。
他に、10・17弾圧でともに逮捕され練鑑闘争を闘いぬいたS君と、06年11・29弾圧被逮捕者の東北大の仲間からのメッセージもあります。「法大を揺るがした10日間」というS君のメッセージはかなりおもしろい。
最後に「こんな狭い房では怒りがはちきれそうだ」という内田君の資本家・国家権力への激しい怒りは、3・16への檄(げき)そのものです。
みなさん、「しゃにむにGO!!!」をぜひ読んでください。
【3・14法大弾圧救援会発行/1部300円/救援連絡センターまたは「法大弾圧を許さない法大生の会」まで!】
貯金を差し押さえた八尾市役所を猛追及 大阪 生駒潤一
「制度がどうのこうのやない。今晩何を食べたらええんや!」
2月21日、応能応益家賃制度に反対して供託(これまでどおりの家賃を法務局に支払うこと)して闘っている西郡住民と一緒に八尾市役所に押しかけました。八尾市は西郡住民の団結を破壊して公営(改良)住宅からたたき出すために、何と28人の郵便貯金を差し押さえるというとんでもない暴挙に出てきました。ある人は2月15日に振り込まれた2カ月分の年金13万円が16、17日の土日をはさんで18日に全額奪われ通帳がゼロに。ある人は息子さんが結婚資金で貯めていた貯金など120万円が丸ごと奪われた。ふざけんな! 事前通告もなしのこんなやり方が許せるか!
私たちの抗議に対して八尾市当局は「差し押さえたのは年金ではない。振り込まれたら預金」「そんなに生活に困っているのなら裁判所に言えば」「供託金をおろして使ったらどうですか」などと言い放ちました。そして「個別の話し合いなら応じます」と脅してきたのです。「あんたら居直り強盗か!」――私も全身が怒りで打ち震えました。
当局の言い分にこの攻撃の狙いははっきり表れています。住民をバラバラに分断して屈服させ、供託という住民の団結の手段を奪い取るということです。供託とはそれほど威力がある闘いです。
この攻撃は逆に西郡住民の団結を固めています。抗議行動の先頭に立ったおばちゃんは「抗議に行ってやっと体の震えが止まった」と言っています。多くの人が2月24日の集会に参加し、「こんなに全国から駆けつけてくれるなんて……。元気が出た。支援には体で返す。11月の仲間が集まるんやから3月16日には扇町に行くで」と語っています。すごい! 西郡から革命が始まった!
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週刊『前進』(2334号6面2)(2008/03/10 )
4・27法大弾圧 “法大当局の悪行暴く”
被告・弁護人が共同で陳述
2月27日、4・27法大弾圧の第13回公判が行われた。前回の公判で検察側立証は終了し、今回から弁護側立証に移る。今回は弁護側の冒頭陳述だ。被告人と弁護人が共同で作成したものを、連名の「冒頭陳述」として交代で読み上げた。これ自身、これまでの裁判闘争の中でも異例のことである。2人の被告が主人公となり、キャンパスでの闘いと一体となって団結を拡大させてきた勝利の地平だ。
冒頭、新井拓君が「これから始まる弁護側立証では、法大当局の悪行とその背景をさらにハッキリさせ、法廷を『革命の演壇』に変え、法大当局を徹底的に断罪する。学生の団結を拡大させる。そのためにこそ被告2人は『被告席』にいるのだということを冒頭、表明したい」と、本公判での弁護側立証の意義を明らかにした。
さらに新井君は、日本帝国主義が「新自由主義」攻撃を激化させていくのと一体で、90年代中盤以降、法大が清成(前法大総長)−平林総長路線として学生の団結破壊を進行させてきたことを明らかにした。法大闘争は、末期帝国主義とそのもとでの大学政策との最先端の激突という歴史的意義をもっている。
次に友部博文君が06年3・14法大弾圧とその後の学生への団結破壊攻撃を、自分自身の経験とこれまでの公判での当局側証言をふまえ、法大当局と国家権力の悪行の数々を暴き、断罪した。いくら安東学生部長らが取り繕おうとも、06年3・14法大弾圧以来の法大生の闘いは、弾圧のたびに団結を強化・拡大させている。これに追いつめられた結果として4・27法大弾圧があったのだ。本弾圧の背景が、ここに完全に明らかになった。
続いて藤田正人・河村健夫の両弁護人が4月27日当日の状況と、そこに至る背景・経緯も含めた法的判断について述べた。今回の弾圧が法大当局による学生への一方的な暴力的排除の中で引き起こされたデッチあげ不当弾圧であることが、余すところなく暴かれた。
以上の冒頭陳述を、検察・裁判官の介入を一切許さずにやりきった。大勝利だ。次回公判は、被退学処分者の内山佳久君が証人として出廷する予定だ。法大当局・国家権力の悪行と資本主義体制を一刀両断し、世界革命を呼びかける。次回公判(3月28日)へも大結集しよう。
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週刊『前進』(2334号6面3)(2008/03/10 )
内田君奪還しよう
“接見禁止を取り消せ”
退学処分者の内山佳久君が証人として出廷する予定だ。法大当局・国家権力の悪行と資本主義体制を一刀両断し、世界革命を呼びかける。次回公判(3月28日)へも大結集しよう。
4・27弾圧裁判闘争はいまだ獄中にいる内田晶理君の闘いと一体だ。内田君には2月18日の初公判後、文書類に加えて物の授受も禁止する接見禁止が決定され、拘置所内での日用品の購入や、お菓子の差し入れができなくなった! 弁護人の抗告の直後、東京地裁が更正決定した。「うっかり間違えた」ではすまない! その後、東京高裁は「被告が無罪を争っているから」という理由で「接見禁止を取り消せ」という弁護人の抗告を却下した。お前ら、人の人生をなんだと思っているんだ! 東京地裁の半田裁判長は今すぐ東京拘置所の内田君の所に行って土下座しろ! そして内田君を保釈しろ! 法大生は、弾圧を団結拡大のチャンスとし、全国の学生・労働者の先頭に立って3・16全世界一斉デモに攻め上る!
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4・27法大弾圧裁判
第14回公判 3月28日(金)午後1時半開廷
10・17クラス討論弾圧裁判
第3回公判 3月25日(火)午後1時半開廷
◎ともに東京地裁。傍聴は1時間前に集合
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週刊『前進』(2334号6面4)(2008/03/10 )
2・23小牧-2・29岐阜基地に緊急闘争
空中給油機配備に怒り
2月29日、止めよう戦争への道!百万人署名運動岐阜連絡会の呼びかけにこたえ、航空自衛隊岐阜基地(各務原市)への抗議行動を行いました。
この日は空中給油機KC767の納入式が岐阜基地で行われ、岐阜連絡会、三重連絡会、そして私たち東海合同労組の3団体が基地正門に張りついての申し入れ行動となりました。
戦闘機などの航続距離を飛躍的に増加させる空中給油機の配備は、自衛隊の侵略軍隊化を決定的に進めるものであり、「労働者の団結した力で阻止したい!」との思いで岐阜を中心に8人の仲間が参加しました。
現在小牧基地から航空自衛隊のC130輸送機がイラクに派兵されている中で、さらに小牧基地機能が飛躍的に強化される空中給油機の配備は絶対許せません。C130の航続距離が飛躍的に伸びるだけでなく、空中給油機自身が巨大な兵員輸送機だからです。
29日の1号機の納入を皮切りに今後さらに3機が納入され、新部隊を編成するとしています。PAC3配備が計画されている岐阜基地・小牧基地が一体となって、イラク空爆と北東アジアの侵略拠点としての強化が進められています。今回だけでなく今後も粘り強く地元で闘っていこうとの発言があり、全体で確認して行動を終えました。
私たち東海合同労組は、23日にも小牧基地に対する抗議行動に取り組みました。3月16日には、全世界一斉デモと連帯して名古屋で「イラク反戦5周年・08春闘勝利!」の集会とデモを行います。3月16日は地元の青年労働者、世界の労働者とつながり、大結集を実現します。
(東海合同労組/T)
(写真 イラクにC130輸送機を派兵している小牧基地に東海合同労組を先頭に抗議申し入れ【2月23日 愛知・小牧】)
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週刊『前進』(2334号6面5)(2008/03/10 )
西郡住宅闘争支援基金と緊急1000万円カンパを!
◎西郡住宅闘争 支援基金要項
3月から始まる明け渡し裁判や差し押さえ弾圧など、西郡住宅闘争支援基金の会員になって下さい。無職の方や西郡地域は1口100円から、仕事のある人は1口500円から、半年分か1年分をまとめて、地域や団体で会員分をまとめて納めていただけますようお願いします。
【送り先】郵便局の振替口座。口座名「西郡住宅闘争支援基金」/口座番号00960−4−86671
【連絡先】八尾市桂町6−18−1八尾北医療センター労働組合気付「住宅闘争支援基金事務局」/電話072−991−6332/FAX072−991−6382
※同時に、非常事態なので緊急1千万円カンパを呼びかけています。温かいご支援を心からお願い申し上げます。
西郡住宅闘争支援基金(事務局)/部落解放同盟全国連合会西郡支部/八尾北命と健康を守る会/八尾北医療センター労働組合
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