ZENSHIN 2008/02/25(No2332 p06)

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第2332号の目次

“すべての基地を撤去せよ!”米兵による少女暴行事件を糾弾し、沖縄民権の会、沖縄−本土をむすぶ労組連絡会の呼びかけでアメリカ大使館、防衛省への抗議行動が闘われた(2月19日 防衛省)=記事5面

1面の画像
(1面)
3・16全世界大デモへ
イージス艦の漁民虐殺弾劾する
労働者の団結で戦争を阻もう
記事を読む  
3・16全世界一斉デモへ
青年労働者は訴えるA
民間労働者(関西)佐野夏美
現場の力で職場変えたい
記事を読む  
日程 3月16日(日)全国各地の方針 記事を読む  
(2面)
“1047名闘争を原点で再構築”
国鉄・春闘集会400人の熱気
田中動労千葉委員長が勝利へ展望(2月17日)
記事を読む  
“必ず勝利する”国鉄労働者の決意(要旨)(2月17日) 記事を読む  
“3・16デモへ”青年労働者の発言(要旨)(2月17日) 記事を読む  
“首切りに加担するのか!”
根津さん先頭に都教委追及
「トレーナー処分」再び阻止(2月21日)
記事を読む  
『動労千葉』28発行
団結の路線を学ぼう
記事を読む  
資本攻勢&労働日誌2008 2・1〜2・14
公務員制度改革で報告書提出
記事を読む  
(3面)
不起立闘争で職場に団結を 全国からのアピール
戦争協力拒否!40秒間のストへ
不起立闘争爆発かちとり団結と職場闘争再構築を
神奈川の教育労働者が訴え
記事を読む  
北島区議が土曜議会弾劾
杉並「区役所土日開庁」阻止へ(2月16日)
記事を読む  
電機連合中央委情宣の教訓
マイクアジに大きな反響
体制内運動食い破る“闘いの芽”
電機労働者 高取 要(1月24、25日)
記事を読む  
〈焦点〉 イラク3分割支配狙う米帝
スンニ派「評議会」が“両刃の剣”に
記事を読む  
(4面)
08〈団結・ストライキ春闘〉へ
職場闘争で団結をうち固め3・16ワーカーズアクションに結集を
革共同中央労働者組織委員会
記事を読む  
08年度政府予算案批判
GDP超える累積財政赤字 革命以外に解決の道はない
社会保障解体と消費増税狙う福田
記事を読む  
(5面)
沖縄米海兵隊少女暴行事件 この怒りを3・16反戦デモへ
2・16杉並 沖縄―本土結び労働者集会
行動の時は今だ! 労組連絡会を結成(2月16日)
記事を読む  
“基地撤去しかない”
米大使館・防衛省に抗議(2月19日)
記事を読む  
沖縄で緊急女性集会
行動する女たちの会など30団体
「今度は20万人の県民大会」(2月19日)
記事を読む  
死すべきは基地 労働者ではない 全駐労スト報告 〈上〉
16年ぶりの全国統一スト 労働者の自己解放性示す
普通の青年労働者が1日で指導部に
記事を読む  
日誌 2008年2月13日〜19日
沖縄で米海兵隊員の逮捕次々/海自イージス艦が漁船に衝突
記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
“30分前に気づいていた”
漁船撃沈に3・16で反撃を
軍事行動を最優先させ直進続けたイージス艦
記事を読む  
“ラッセンは帰れ”
長崎港の軍事使用に怒り(2月15日)
記事を読む  
法大クラス討論弾圧 “革命を訴えて何が悪い!”
2・18初公判 内田君が怒りの陳述(2月18日)
記事を読む  
日程 3・11東京高裁に集まろう! 記事を読む  

週刊『前進』(2332号1面1)(2008/02/25 )

 3・16全世界大デモへ

 イージス艦の漁民虐殺弾劾する

 労働者の団結で戦争を阻もう

 動労千葉が呼びかけた2・17労働者集会は400人を超える熱気あふれる大結集でかちとられた。階級的労働運動の白熱的実践と塩川一派打倒の闘いが、労働者の自己解放的な決起を呼び起こしている。時代の基調は革命だ。08春闘をストライキで闘い、3・16全世界一斉デモの首都圏5000人―全国1万人結集をかちとろう!
(写真 熱気あふれる2・17労働者集会を終えて動労千葉を先頭にデモ。「解雇撤回! 春闘勝利!」の声が響き渡った【2月17日 水道橋】=記事2面

 米兵の少女暴行事件を許すな

 3・16全世界一斉デモで、米・日帝国主義によるアフガニスタン・イラク侵略戦争に怒りを爆発させよう。「核開発」とか「テロ支援」を口実とした米帝のイラン空爆策動を断固阻止しよう。
 アフガニスタンではタリバンが完全に復活し、米帝・NATO軍を追いつめている。アフガニスタン侵略戦争をめぐる米欧帝国主義の分裂・抗争も激しく進行している。
 米帝のイラク軍事占領も完全に危機だ。アルカイダを始め、ムスリム人民の米軍や治安部隊へのゲリラ戦争が、不屈に爆発し続けている。その一方で、イラクの石油労働者組合は、油田・採掘施設、パイプライン、精製所などの生産点を握ってストライキで闘い、外国資本をたたき出し、民営化を阻止してきた。それが米帝のイラク軍事占領を根底から破産させている。米帝は、このストライキやデモに立ち上がったイラク労働者を攻撃し労働組合指導者を暗殺するなど、闘う労働運動を圧殺しようとしてきた。
 この米軍と一体で日帝は、航空自衛隊が米兵や武器・弾薬をバグダッドに輸送し、海上自衛隊が米艦船に燃料を補給して、米帝・多国籍軍のイラク侵略戦争を支えている。断じて許せない!
 闘うイラクの労働者と人民への空爆を絶対に許すな! 帝国主義の侵略戦争を止められるのは労働者の団結した力だ。全世界の労働者が連帯し、3・16のストとデモに決起して、帝国主義の強盗戦争をぶっ止めよう!
3・16大デモの爆発で、沖縄の米兵による少女暴行事件と海自イージス艦「あたご」による漁船・清徳丸への衝突、漁民虐殺に怒りをたたきつけよう。戦争のための日米安保体制を労働者の団結と決起で粉砕しよう。

 軍事が最優先

 基地があるから、イラク・アフガニスタン侵略戦争が激化しているから、事件・事故が起きるのだ。沖縄を始めすべての米軍基地を撤去せよ!
 「綱紀粛正」などの問題ではない。少女暴行事件後も米兵による飲酒運転や住居侵入、女性暴行など本当に許せない事件が起きている。もう我慢がならない。辺野古基地建設など絶対阻止だ。労働者が団結して闘えば戦争も基地も止められる。沖縄の怒り、全駐労ストに続こう。
 2月19日未明、海自の最新鋭イージス艦「あたご」が漁船に激突して転覆させ漁民父子を虐殺する大事件が起きた。「あたご」はハワイでの対空ミサイル戦闘訓練から帰る途中で軍事行動をしていた。だから漁船を30分前に発見しながら自動操舵(そうだ)を続け、回避行動をとらずに直進して激突した。軍事優先で、漁船など無視し沈没させて当然というのか。これこそ帝国主義軍隊の正体だ(6面参照)。
 福田政権は「自爆テロだったらどうするのか」「危機管理がなっていない」などと言っている。漁民の命より軍隊と戦争体制の方が大事だと言うのだ。しかも、今や日帝・福田政権は、自衛隊海外派兵恒久法の制定や戦争体制の構築、そして改憲攻撃にますます突き進もうとしている。
 帝国主義軍隊は労働者人民を守らない。これが沖縄戦の教訓だ。すべての基地を撤去せよ。米軍再編攻撃を許すな。自衛隊はイラクとインド洋から撤退せよ。3・16大デモで戦争・改憲に突き進む福田政権に怒りをたたきつけ、打倒しよう!
(写真 “すべての基地を撤去せよ!”米兵による少女暴行事件を糾弾し、沖縄民権の会、沖縄−本土をむすぶ労組連絡会の呼びかけでアメリカ大使館、防衛省への抗議行動が闘われた【2月19日 アメリカ大使館前】=記事5面

 国際連帯闘争

 3・16全世界一斉デモは、全世界の労働者階級と被抑圧民族プロレタリアート人民が団結し、最末期帝国主義を打倒するために、一斉蜂起に立ち上がる国際連帯闘争だ。
 イラク戦争の5年間で最末期帝国主義の破局的危機は深まり、世界の労働者階級は革命によってしか生きられない現実にたたき込まれてきた。
 サブプライムローンの破綻(はたん)を引き金にして、世界金融大恐慌が爆発し始めている。年初以来の世界的な株暴落で、時価総額で650兆円が吹き飛んだ。証券も国債も紙幣も紙くずになる時代が来ているのだ。
 帝国主義には、世界金融大恐慌を回避する手段などない。帝国主義は、底なしの危機を爆発させながら、帝国主義間(大国間)の相互絶滅戦的な死闘を繰り広げ、世界戦争に突き進んでいる。そして、その一切の犠牲と矛盾を労働者階級に強制する国内階級戦争を激化させてきている。

 貧困化と戦争

 イラク戦争のこの5年間、米帝は軍事費を増大させ、教育と医療を切り捨ててきた。貧しくて大学に行けない青年、卒業しても学資ローンの返済で圧迫される青年、健康保険がないために医者にかかれない人びと、失業し生活苦から消費者金融に頼らざるを得ない多重債務者、生活が破壊されアメリカで働かざるを得ない移民労働者などを膨大に生み出してきた。米農務省でさえ「アメリカで『飢餓状態』を経験した人は3510万人、全人口の12%」などと言っている。イラク戦争を続けるアメリカ社会は大崩壊している!
 しかもブッシュ政権は、「学費を国防総省が負担する」「職業訓練を受けられ、退役後は自由に仕事を選べる」「医療保険に入れる」「市民権を取得できる」などと言って、青年労働者や学生を軍隊に入れ、次々とイラクに派兵してきた。
 だが、貧困から抜け出すために軍隊に入り、イラクに行った青年労働者や学生を待っていたのは「戦争での死か、より一層の貧困か」だった。入隊しても学費は一部しか保証されず、大学を卒業しても仕事がない。軍の給料も年間200万円以下の貧困ラインだ。医療保険を得るどころか、イラクで負傷し、病気になり、膨大な治療費を要求される。仕事や家も失い、米国内のホームレス350万人の3分の1はイラク帰還兵だ。

 希望は革命!

 「希望は戦争」などではなかった! 帝国主義者どもは、青年労働者や学生を貧困にたたき込み、戦争に引きずり込んで使い捨てにしてきた。もはや青年労働者や学生にとっては、革命以外に生きる道がないのだ。
 このアメリカ社会の現実は、全世界の労働者階級が直面していることとまったく同じだ。「新自由主義」の攻撃は、世界の労働者を貧困と戦争にたたき込んできたのだ。
 だが他方で、イラク戦争5年間で、世界の労働者は一つに団結しようと闘ってきた。アメリカではストライキが激発し、1930年代以来の労働運動の第2の高揚期に突入した。ドイツ、フランス、イギリスでも、ゼネストが闘われている。国鉄分割・民営化という新自由主義攻撃に勝利してきた動労千葉が、アメリカや韓国の闘う労働組合と結合して、世界の労働運動を力強く牽引(けんいん)している。
 3・16全世界一斉デモこそ、昨年の11・4労働者集会で始まった「世界革命への5700人の団結」を、全世界に拡大していく闘いだ。団結した労働者の力と闘いこそが社会を変革し、歴史をつくる。3・16大デモから世界革命に突き進もう!

 08春闘は<ストライキ春闘〉だ

 さらに3・16全世界一斉デモは、08春闘の最大の決戦場だ。労働者が団結して闘ったら勝てる時代が来た。資本や体制内労働運動と激突し、闘う労働組合を歴史の最前線に登場させよう。ストライキを闘って3・16に職場から大結集しよう。
 08春闘はストライキ春闘であり組織拡大春闘だ。動労千葉や、北海道教職員組合、全駐労の偉大なストライキに続こう。賃下げ、首切り、労働強化、年金破壊への怒りを爆発させよう! 国鉄・教労・全逓・自治体の4大産別の労働者は、労働者階級の最先頭で08春闘を闘い、3・16大結集運動の先頭に立とう!

 平成採獲得を

 08年は分割・民営化以来のJR体制が全面崩壊する年になる。動労千葉の勝利性が、すべての国鉄労働者を獲得する時代が来た。平成採の青年労働者は、JR資本とJR総連に怒りを爆発させて立ち上がろう!
 08年の「日の丸・君が代」不起立闘争は、根津公子さんの不当解雇を狙う都教委に対する実力闘争として開始された。日教組30万組合員は、不起立闘争で団結し、日教組本部を打倒しよう!
 郵政民営化による合理化・長時間労働を職場の団結でぶっ飛ばせ! 今でも人員が足りないのに2万4千人の削減など論外だ。生産性向上を掲げ屈服・転向するJP労組中央を打倒しよう!
 財政難を口実とした民営化攻撃と自治体労働者の大量首切り、社会保障の切り捨てなど断じて許さない。財政赤字は自治体労働者の責任ではない。労働者の命と生活を保障しない国家など倒して当然だ。北教組のように断固ストで闘おう。
 青年労働者はマルクス主義青年労働者同盟に、学生はマルクス主義学生同盟に結集し、3・16全世界一斉デモにともに立ち上がろう。法大決戦の大爆発をかちとり、そこから3・16大結集へ!

 3・30三里塚へ

 3・16全世界一斉デモの巨大な爆発から、労農同盟―プロレタリア革命勝利への決意も固く3・30三里塚全国闘争に総決起しよう。革命運動から脱落・逃亡して革共同と労働者階級に敵対する塩川一派を打倒しよう!

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週刊『前進』(2332号1面2)(2008/02/25 )

 3・16全世界一斉デモへ

 青年労働者は訴えるA

 民間労働者(関西)佐野夏美

 現場の力で職場変えたい

 私は、現場で働く労働者を踏みつけてもうける会社のやり方も、抗議する労働者の声を握りつぶす御用組合の労働者支配も許せない。現場労働者の団結で職場を変えたい。労働者を搾取することでしか成り立たないこの社会を、私たちの団結と行動で変えよう。
 私の職場は、人が減らされて作業がまったく間に合わない。こんな状況を生み出しておいて、会社は売り上げが悪いのを労働者のせいにします。
 そして、会社での勤務実態や職場環境について聞かれたら「何も問題ない」と答えろ、とウソまで強要します。
 何が「休みも取れているし、残業もほとんどありません」だ! 何が「仕事が回らないは言いわけにならない」だ!
 私の同僚は精神的に追いつめられて辞めていきました。先輩は毎日4時間以上の残業で家庭崩壊状態になっています。これだけ犠牲を押し付けておいて、身体を壊した労働者のことを「(辞めてくれて)正直ラッキー」などと笑って話している連中に頭を下げ続ける必要はもうない。
 極度の人員削減、労働強化、商品買い取りの強制、異動強要、労組対策……。資本家は利潤を上げるためにあらゆる手段を使って、どこまでも労働者を使いきる。労働者が働いて生み出した利潤を吸い上げておいて、何が「ボーナスに感謝しよう」だ! 
 偉そうにもうけている社長や重役連中には、労働者がいなかったら1秒たりとも職場を回すことはできない。職場を成り立たせているのは間違いなく私たち現場の労働者です。
 こんな腐りきった資本家たちを支えているのが御用組合です。労働組合を名乗りながら資本と一体で「売り上げの向上」を叫び、矛盾を抱えた労働者の声は握りつぶして、会社に通報する――こんな会社の出先機関でしかない労組が今の社会にはいっぱいあります。
連合は、労働組合でありながら「労使は運命共同体」「生産性向上に尽力する」と、資本家に永遠の忠誠を誓っています。
 だけど、労働者は資本家と運命共同体なんかじゃない。資本家の利潤はすべて労働者が生み出したものを奪い取って成り立っている。
 連合や御用組合が労働者の代表面をしている限り、労働者の声はかき消され、職場の団結はつぶされる。
 今こそ労働者は闘って本物の団結をつくろう。資本の奴隷になることを強制するやつらから労働組合を奪い返そう!
 関西では、3・16実行委員会を開き、その議論の中で、「ストライキ・ネットワーク」をつくろうということになりました。職場闘争をとおして体制内労働運動をぶち破り、ストライキの中軸を担う労働者の団結をつくろう。本当に戦争をぶっ止め、革命をやる2000人を3・16ワーカーズアクション・カンサイに結集させよう!

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週刊『前進』(2332号1面3)(2008/02/25 )

 日程 3月16日(日)全国各地の方針

【仙台】
 ワーカーズアクションin仙台
午後1時から
仙台市勾当台公園・グリーンハウス前
集会後、仙台市内を大デモ
【東海】
 3・16 春闘勝利! 東海総決起集会
午後1時半〜 名古屋市教育館
(地下鉄東山線、名城線「栄」駅下車)
集会終了後、栄中心街をデモ
呼びかけ/東海合同労組
【富山】
 ワーカーズアクションin富山
正午から 富山市民プラザ前
集会後、デモ
【関西】 
 ワーカーズアクション・カンサイ
午後2時集合 4時からデモ
大阪・扇町公園
(地下鉄堺筋線・扇町・JR環状線・天満) 
【岡山】 
 ワーカーズアクションin岡山
正午から 石山公園(岡山市民会館北側)
【広島】 
 ワーカーズアクションin広島
午後1時 原爆ドーム前 2時半からデモ
【福岡】
 福岡レジスタンス3・16行動
12時半〜午後2時 学習会
「イラク戦争はどこにいくのか?」
午後2時〜3時半 天神一斉街頭宣伝
主催/福岡レジスタンス

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週刊『前進』(2332号2面1)(2008/02/25 )

 “1047名闘争を原点で再構築”

 国鉄・春闘集会400人の熱気

 田中動労千葉委員長が勝利へ展望

 激動の08春闘、第2次国鉄決戦が音を立てて始まった! 動労千葉が主催した2・17労働者集会は、そのことを力強く実感させる熱気あふれる集会になった。1047名を始めとする国鉄労働者にJR不採用が宣告された87年2月16日から21年。あらゆるところから噴出を始めた労働者の怒りのマグマと結びつき、1047名闘争はいよいよ勝利への反転攻勢の時を迎えた。
 東京・水道橋の全水道会館には「会場の床が抜けるほど」(発言者)の労働者・学生が集まった。演壇のまわりや通路という通路にぎっしりと参加者が座り込み、それでも入りきれない人が廊下にあふれ出し、参加者は400人を超えた。
 基調を提起した田中康宏委員長は、まず集会開催の経過について、「動労千葉として『2・16』に独自に集会を呼びかけたのは初めて。この日だけは解雇撤回の一点で1047名全体が団結して一緒に運動を進めたいという思いで、独自集会は呼びかけてこなかった。しかし今、4者・4団体のもとで1047名の団結が踏みにじられ1047名闘争は重大な岐路にある。動労千葉は当事者として、絶対に負けられないという決意を込めて今日の集会を呼びかけた」と述べた。
 そして田中委員長は、“資本主義体制の終わりの始まり”とも言える時代の巨大な変化、08年がJR体制の大転換の年になることを明らかにした上で、「国鉄分割・民営化は戦後最大の労働運動解体攻撃であり、日本における新自由主義攻撃の出発点をなしている。われわれ自身が一から日本の労働運動をつくりかえる努力なしに1047名闘争の勝利はない。動労千葉がここまで来れたのは、労働者の団結というただ一点に依拠して闘ってきたからだ。今こそ1047名闘争を原点に返って再構築しよう。1047名闘争を先頭に4大産別の労働者が結集し、非正規職で苦闘する労働者が結集する。こうやって闘う労働運動の再生をつくり出す中で1047名の解雇撤回を絶対に実現しよう」と訴え、1047名闘争が本来持っている無限の可能性、勝利の展望を明らかにした。
(写真 「闘う労働運動の再生に1047名闘争の勝利がある」と田中委員長が基調提起。演壇うめた青年ら参加者は熱心に聞き入った【2月17日 東京・水道橋】)

 不起立闘争の拡大で団結を

 続いて、教労・全逓・自治体の労働者が特別報告に立った。東京教組の労働者は「『日の丸・君が代』拒否は、内心の自由じゃなく戦争の問題そのもの。“不起立の拡大で団結”の一点で闘う」と卒業式・入学式闘争を目前にした固い決意を表明。神奈川の教育労働者は「日教組本部は、教研集会の会場が借りられなかったとしか言ってないが、社文会館を押さえていたそうだ。やる気がなかったんだ! 日教組中央打倒のために組合権力を取る」と宣言した。
 全逓労働者は「当局はさらに2万4千人を削減すると現場をなめたことを言っている。都市部でも郵便局の統廃合、首切り攻撃が始まっている。3・16を統廃合絶対反対の総決起集会として闘う」と述べた。
 関西の自治体労働者は「本部ダラ幹と自分たちはどこが違うのか、公然とやりあって仲間に見せていく。そこから職場闘争、職場からの改憲阻止闘争をつくっていく」と語った。
 いよいよ当該である動労千葉争議団の高石正博さん、秋田闘争団の小玉忠憲さん、さらに動労水戸の石井真一委員長、国労5・27臨大闘争弾圧被告の富田益行さんが登壇。国鉄分割・民営化以来20年余の万感の思いと勝利への決意を込めた感動的な発言が続いた(要旨別掲)。高石さんは「1047名闘争は国家的不当労働行為を問う闘い」と述べ、小玉さんは「勝てるチャンスが来ている」と訴えた。
 集会の最後に、体制内指導部と激突しながら職場での闘いを開始した5人の青年労働者が決意を表明(要旨別掲)。職場闘争報告と3・16デモへの大結集を呼びかけた。
 連帯のあいさつでは、動労千葉鉄道運輸機構訴訟弁護団の佐藤昭夫弁護士、三里塚反対同盟の伊藤信晴さん、憲法と人権の日弁連をめざす会の西村正治弁護士、動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長が次々と登壇し連帯と決意を表明した。
 また、全日建運輸連帯労組関生支部の武谷新吾執行委員が関西から駆けつけ、武建一委員長のメッセージを読み上げた。
 集会後、参加者はデモに出発。「解雇撤回! 春闘勝利!」のコールが都心に響き渡った。
(写真 熱気の集会をかちとり、1047名解雇撤回、08春闘勝利、3・16大結集へむけて“団結ガンバロー!”)

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週刊『前進』(2332号2面2)(2008/02/25 )

 “3・16デモへ”青年労働者の発言(要旨)

●Sさん(医療) 職場に動労千葉派で登場したら、組合の執行部が動労千葉とともに集会を呼びかけたという理由で組合権を停止した。しかしそんなことをされても意味はない。私は闘いをやめないから。
 今、職場にチャンスがきている。過激派キャンペーンで職場の労働者が、私たちが正しく執行部が抑圧物だとわかってしまった。「労働基準監督署を呼んで会社をつぶす気か」という資本家の恫喝に、「つぶれろ! 
そんな病院」と職場の労働者が言い出した。実力行使で闘う。
●Kさん(合同労組) 去年、2回におよぶ解雇強要を団体交渉で見事、撤回させた。職場では組合づくりにむかって闘っている。うちの会社は金融機関。サブプライムローン問題で、ますます雇用・生活の問題で苦しくなってくる。経営者連中は圧倒的に高い報酬をもらって公私混同を省みないやり方をしている。社員の団結づくりにむけてがんばっていきたい。
●Nさん(民間) 08春闘の勝利は、組合員が団結しストライキで闘う以外にない。組合の行事に社長が招かれた。委員長は「売り上げをあげなければ会社に要求できない」と発言し、社長は「自分のやり方に文句がある方はやめていただいて結構だ」と。ふざけるな。後日、仲間とともに組合本部を追及した。委員長は「動労千葉を持ち込むな。方針に従え」と08春闘を適当な所で折り合いをつけるつもりだ。そんな方針に従えるか。本部を打倒し、自分たちの方針で団結して闘う。
●Fさん(自治体) 労組の書記です。去年、賃金カットと人事評価制度に絶対反対で決起した。体制内執行部は自分に雇い止めの攻撃をかけてきた。先週から雇い止め撤回署名を始め、呼びかけ人が60人近く集まっている。現業の若い仲間が「Fさんらの闘いはやっぱり正しい。絶対にぶれないで団結して最後まで闘おう」と、職場からほぼ全員の署名を集めてくれた。僕たちの闘いと主張にみんな近づいてきている。本当に確信もって闘っていく。大衆団交にこだわり団結かちとる。
●Tさん(金属) この1年、賃金カットと闘ってきた。結果的には受け入れたが、組合で激しい討論をしながら、職場の団結でこの状況をのりこえようと進んできた。賃金カット後、初の08春闘で組合員はストライキを求めている。自分がなぜ執行部にいるのかが問われた。「労働組合は組合員のものじゃないか」と執行委員会でストライキを提起し、スト配置が決まった。これからストを組織する闘いに入り、3・16闘争に合流する。

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週刊『前進』(2332号2面3)(2008/02/25 )

 “必ず勝利する”国鉄労働者の決意(要旨)

 国家的不当労働行為を糾す闘い  動労千葉争議団 高石正博さん

 私たちの闘いの目的は何だったのか。国家的不当労働行為を問い、自分たちの名誉回復のために闘いを開始したのではないか。4者・4団体は、05年の9・15判決で初めて金額が提示されて以来、方向性が変わってしまっている。「政治解決」の名のもとに原則を掃き捨て、自分たちが金をもらえば終わりという状況になっている。9・15判決も全動労判決も、僕には不当労働行為に対して金が出ているという文面にはどうしてもとれない。国鉄分割・民営化と同じような形で国が攻めてきたときの歯止めとして僕らは闘ってきた。動労千葉は自分たちが闘ってきた以上は何かを残したいという思いを今でも持っている。ご支援をよろしくお願いします。

 ここに私が立ってることが勝利 秋田闘争団鉄道運輸機構訴訟原告 小玉忠憲さん

 今日の集会は私にとって歴史的な日。国鉄分割・民営化から二十数年を経て、動労千葉は見事に闘いの旗を振り、私自身もここでこうやってあいさつしている。このことが何よりの大勝利だ。
 JR東日本の株主は、3分の1がハゲタカファンド、3分の1が4大メガバンクだ。こういう株主連中のもうけのために尼崎事故があり、われわれの解雇があるんだ。敵ははっきりしてる。ブルジョアジーが敵なんだ!
 JR体制はガタガタだ。JR総連も最後の年貢の納め時を迎えている。平成採の労働者は、本当にがまんがならないと思っている。この中で動労千葉が、再びストライキに立ち上がろうとしている。ここで国労の組合員が闘わないでいつ闘うのか。いま闘えば平成採の労働者が結集してくることは間違いない。そのことをとおして1047名の解雇撤回は必ず実現できる。原則を曲げないで、動労千葉のように徹底的に闘う。そうすれば闘いは必ず勝利する。

 5・27から全国キャラバンに 国労5・27臨大闘争弾圧被告団長 富田益行さん

 大阪での全動労判決報告集会で、全動労の原告は「20年の闘いがたったの550万円なのか。私が求めていた『所属組合による差別、解雇』は認めてない。勝利判決でもなんでもない」と発言した。2月に神戸で48時間のハンストに入った鉄建公団訴訟原告も「私の譲れない要求は解雇撤回」とはっきり言っている。大阪でも3月下旬に原告団がハンストに入り、最終日に関生支部、港合同を始めとする関西支援共闘会議が大集会をやる。
 02年の国労5・27臨大で私が組合員に訴えたことは「JRで働く組合員は、JR資本と徹底的に闘え!」ということ。JR本体の国労組合員が資本ととことん闘ってこそ1047名闘争は勝利する。国労本部は、国労解体へどんどん走っている。解雇撤回闘争を投げ捨てることと国労解体が一体で進んでいる。“闘う国労をわれわれの手で絶対につくってやるんだ”という決意で5・27被告団は闘う。
 尼崎事故3周年の闘争を闘い、被告団は5月27日を期して全国キャラバンに打って出る。

 職場から新たな闘いまきおこす 動労水戸委員長 石井真一さん

 国労解体、動労千葉解体、動労水戸解体という敵の方針は一ミリも変わってない。それに対して謝ったり、「国鉄分割・民営化反対を降ろす」「闘争団を切り捨てる」って言ったって絶対に許してくれないんだよ。団結を固めて闘う以外にない。動労水戸もずっと不当労働行為を続けられ、俺は今でもそば屋でそばを売ってるし、辻川は売店をやっている。他の仲間もベンディングなどに強制配転されてきた。だけど「水戸に動労千葉をつくるんだ」という決意で闘い抜いてきた。
 昨年、運転士登用差別裁判で東京地裁で勝利し、2月27日に高裁判決を迎える。すでにベンディングから原職に戻った組合員は職場で労働運動を始めている。裁判に勝って職場に戻り、常磐線をぶっ止める闘いをやる。

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週刊『前進』(2332号2面4)(2008/02/25 )

 “首切りに加担するのか!”

 根津さん先頭に都教委追及

 「トレーナー処分」再び阻止

 「君が代」強制に不起立で闘う根津公子さん(南大沢学園養護学校)に対する「トレーナー処分」策動を再び阻止したぞ! 2月21日夕、都庁前に集まった労働者・市民には勝利感があふれた。
 根津さんが学校で作業衣として着ているトレーナーに「OBJECTION HINOMARU KIMIGAYO(日の丸・君が代に異議あり)」との文字プリントがあることを口実に、校長は職務専念義務違反、職務命令違反をデッチあげて都教委に報告した。「卒業式前の首切りなど絶対に許さない」と、2月20、21日の両日、根津さんを先頭に怒りに燃えた人びとが、抗議行動を行った。
 20日午後、先週に続いて根津さんが公開質問状への誠意ある回答を求めて都庁・教育庁を訪れたことに対し、都教委はまたしても職員を多数動員して廊下に阻止線を張った。根津さんと支援の人びと50人をエレベーター前から一歩も中に入れない構えだ。抗議に対し職員は「管理上問題がある」「ケースバイケースで対応する」などと言い放った。「私を中に入れない理由を言ってみなさい!」。根津さんの弾劾に直面し、職員は押し黙って時間を稼いだ末に、退庁時間を口実に、警備員を前面に立ててその場から逃亡してしまった。なんという無責任! 根津さんと支援者は廊下が消灯になっても徹底抗戦の構えを崩さず、夜の8時まで座り込んで闘いぬいた。
 翌21日は朝8時から多くの人びとが都庁前に集まり、ビラを配りマイクを握り「トレーナー処分阻止」を全力で訴えた。9時半からは都教委の定例会が開かれ、根津さん始め20人が傍聴に入ったが、「懲戒処分」問題に入るところで非公開になり前回同様に退出を強制された。
 当事者である根津さんに一言の反論の機会も与えず処分を審議するというのか。絶対に認められない。根津さんを先頭に50人もの人びとが前日に続いて詰めかけた。職員は最初から大勢で威圧的に立ちふさがり、かたくなに「中に入れさせない、聞く耳持たない」という態度だ。
 だが根津さんの怒りの叫びと理を尽くした訴えは、個々の職員の心臓を射抜く鋭さだ。
 「ここに立ってじゃましているということは私の首切りに積極的に加担するというのか。それが自分の仕事だと、誇りを持って言えるのか。“こんなことに手を貸すことはできない”と上司に向かって今こそ言うべきではないか。答えてごらんなさい!」
 押し黙り自信喪失し、うつむく職員たち。どちらに正義があるかは明らかだ。
 この日、根津さんは、自分への懲戒処分・停職処分に対する取り消し訴訟の原告として、裁判所と都庁を2往復して終日闘いぬいた。そして「トレーナー処分」問題を都教委定例会の審議に乗せることを再び阻止した。
 支援に駆けつけた人はのべ150人に上った。その背後には全国・全世界の支援の声がある。根津さんとともに卒業式「君が代」不起立を貫こう。根津さんへの解雇攻撃を粉砕しよう。
(写真 「こんな首切り許したら次はあなた方がやられるのよ!」と迫る根津さんに職員はうつむくのみ【2月21日 都庁】)

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週刊『前進』(2332号2面5)(2008/02/25 )

 『動労千葉』28発行

 団結の路線を学ぼう

 動労千葉が、機関誌『動労千葉28』を発行した。主な内容は、1月27〜28日に行われた全支部活動者研修会での講演である。
 田中康宏委員長が「闘う労働組合を時代の最前線に登場させよう――資本主義体制の破局と、動労千葉20年の闘いの地平」と題して講演し、長田敏之書記長が「JRをめぐる情勢と08春闘―組織拡大闘争方針」を提起している。動労千葉が08春闘を闘う時代認識と路線・方針を提起したものだ。
 田中委員長は07年の11・4集会を頂点とする闘いを総括し、アメリカを始めとする帝国主義体制の破局という情勢を語る。そして動労千葉がなぜ国鉄分割・民営化攻撃=「新自由主義」攻撃と闘えたのかを問い直し、「労働運動の原則を守り抜く闘いを貫いた―マルクス主義の立場」だったからだと言う。
 長田書記長は、第2の分割・民営化攻撃との闘いの成果を明らかにし、08年が1047名闘争、革マル結託体制、ライフサイクル(運転士の駅へのタライまわし)などで大転換の年になることを説き明かす。そして「組織拡大闘争春闘」を第一の柱にし、大幅賃上げを始めとする春闘の課題を提起する。
 講演後の参加者の感想は、組織拡大への意欲に満ちたものが多く、“こうして動労千葉の団結がつくられているのだ”ということが分かり、興味深い。
 また、1047名の当該の高石正博さんと中村俊六郎さんの座談会は、4者・4団体による「政治解決路線」を舌鋒(ぜっぽう)鋭く批判している。
 動労千葉労働運動を学び、春闘の指針とする格好の書である。
 (頒価600円)
◆注文先・動労千葉/千葉市中央区要町2−8 DC会館
TEL043−222−7207 FAX043−224−7197
Eメール doro-chiba@doro-chiba.org

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週刊『前進』(2332号2面6)(2008/02/25 )

 資本攻勢&労働日誌2008 2・1〜2・14

 公務員制度改革で報告書提出

JR総連とJR連合が3000円のベア要求 JR総連とJR連合はそれぞれ中央委員会を開き、各3000円のベアを求める春闘方針を決めた。(1日)
自治労、社保庁非常勤の全国団体設立 自治労は社会保険庁の非常勤労組でつくる労働組合「社会保険庁非常勤職員労働組合全国協議会」を結成。社保庁解体で約4800人の非常勤職員が職場を失うと言われている。(1日)
関生支部組合員に公訴棄却の判決 団体交渉の際の行為をめぐる裁判で関西地区生コン支部関係者4被告の判決公判が大阪地裁であり、1人は「有効な告訴がない」として公訴棄却となった。他は無罪と有罪の判決。(4日)
公務員制度改革懇談会が報告書 「公務員制度の総合的な改革に関する懇談会」は報告書を福田首相に提出した。連合はこれを評価する談話を発表した。(5日)=要旨別掲
私鉄総連が春闘方針 私鉄総連は拡大中央委員会を開き08春闘方針を決めた。定昇相当分とは別に3500円のベアを要求する。(5日)
基幹労連が春闘方針 基幹労連は中央委員会を開き春闘方針を決定。統一要求として向こう2年間で1人月額3000円の賃金改善要求。(6日)
兵庫県、職員給与を平均8%削減 兵庫県は、08年度の職員給与を本給換算で平均8%削減することで県職員労働組合などと妥結した。(6日)
「君が代」不起立嘱託裁判で反動判決 「日の丸・君が代」不起立で東京都教育委員会が嘱託再雇用を拒否した裁判で、東京地裁が原告の主張をことごとく退ける反動判決。(7日)
教員の残業手当(教職調整額)見直しへ 文科省は、公立小中学校の教員給与に、時間外勤務手当を導入する方向で検討に入った。現在は、給与月額の4%を残業分とみなした「教職調整額」が一律支給されているが、それを改める方針だ。(9日)
NTT労組がベア要求見送り NTT労組は中央委員会を開き、ベア要求を見送る方針を正式決定。(13日)
自動車の大手労組が要求提出 自動車総連の大手12労組が「08年総合生活改善」の要求書を会社側に提出。トヨタ、日産などの賃金改善要求はほとんどが前年同額となった。(13日)
電機大手労組が2000円要求 電機大手各社の労働組合は今春闘の要求を会社側に提出。労組側の賃金改善要求は前年と同じ2000円。(14日)

 公務員制度改革懇談会の報告書(要旨)

 福田首相に報告書を提出。政府はこれを受けて、「国家公務員制度改革基本法案」(仮称)を策定し、3月にも国会に提出する方針。
・「国家戦略スタッフ」の創設
 各府省の立場を超えて、内閣の国家的重要政策の企画立案を行う
・「内閣人事庁」(仮称)の創設
 人事を一元管理する
・「ワークライフバランス」
・「キャリア・システムの廃止」
 連合は「労働基本権の付与については専門調査会の報告を尊重する」と明記されたことを評価するとしたが、政府は17日、「労働基本権付与」について5年後に先送りする方針を固めた。

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週刊『前進』(2332号3面1)(2008/02/25 )

 不起立闘争で職場に団結を 全国からのアピール

 戦争協力拒否!40秒間のストへ

 不起立闘争爆発かちとり団結と職場闘争再構築を

 神奈川の教育労働者が訴え

 職場で怒りを組織する

 私は、今春の卒業式・入学式における「日の丸・君が代」攻撃に対し、不起立を自分一人で闘うのではなく、職場の仲間に呼びかけて闘うことを断固として宣言する!
 なぜ、仲間に呼びかけての不起立なのか。それは、戦争協力拒否を貫くというだけでなく、不起立をとおして労働者の本来的共同体(仲間と場所)である組合の団結を奪い返さなくてはならないからです。団結の力こそが、私たち教育労働者を取り巻く状況に対する怒りの反撃の闘いのみならず、労働者が主人公となる社会を実現する自己解放の闘いを勝利させる源だからです。
 そもそも不起立は、私を取り巻く現実に対する怒りの決起です。隣の同僚とゆっくり話をする時間どころか休憩時間も満足に取れず、しかも部活動などで土、日もない無限定の超過勤務に追いやられ、精神的にも肉体的にもボロボロになりながらも生徒たちと向き合っている――これが私であり、仲間の置かれている状況です。
 しかも、資本主義社会の諸矛盾から学校で起こるさまざまな問題の一切は現場の責任とされ、それを口実とする上からの相次ぐ「教育改革」攻撃――2学期制や入試改革など――への対応に振り回され、私たちは一層疲弊させられています。
 その上、人事評価、総括教諭、査定昇給、揚げ句の果ては免許更新制と、私たちを競争に追い立て、職場の団結を破壊し、差別と分断をもたらす攻撃が矢継ぎ早にかけられています。
 また、改悪教基法体制下で「日の丸・君が代」愛国心教育をとおして、子どもたちを国家のために死ねる人間に育てる「死の手配師」の役割を負わされようとしています。
 冗談じゃない! こんなことを許せるか! 闘わなければ、私たちや子どもたちの未来は奪われ、文字どおり「殺されて」しまいます。だから怒りの不起立なんだ!
 不起立の闘いは戦争を拒否する、改憲を阻止する闘いであり、また、最大の団結破壊攻撃でもある「日の丸・君が代」強制攻撃と徹底的に対峙・対決する闘いです。私は仲間とともに「40秒間のストライキ」を闘い抜くぞ!

 闘う日教組を取り戻せ

 もちろん、職場では様々な不満が渦巻き、もうやっていられない!という思いを皆が持っています。しかし、それが闘いとして組織されることはありません。なぜなら、組合指導部は、この間の攻撃に対して、「情勢が厳しい」「絶対反対は白紙委任を与えることになる」などと口実を設けて職場の怒りを抑え込む立場=体制内労働運動を推進しているからです。その結果、職場の団結はバラバラに解体され、労働者が獲得してきた陣地を次々に奪われています。
 ふざけるな! 労働者には何の責任もない! 労働者は職場の主人公だ! 既成指導部がやらなければ、私が仲間を組織する! だから不起立なんだ! この立場をはっきりさせて闘いぬけば、必ず職場の怒りに火がつき、闘いは爆発します。闘いをとおして団結は守られ、強まります。強化された団結は、既成指導部を打倒する闘い=組合権力奪取の基盤となります。
 また、こうした闘いは、右翼・国家権力に屈して全国教研の全体会を中止し、根津さんらの教研分科会レポートに修正・削除・取り下げを強制して組合員を権力に売り渡すばかりでなく、戦争への道を掃き清める最悪の反革命となった日教組本部を打倒し、闘う日教組を私たちの手に取り戻すことにもつながります。私たちが日教組なんだ! だから、怒りの不起立なんだ!
 また不起立闘争は、400人近い被処分者を出しながら不屈に闘い続けている東京の教育労働者との連帯をかけた闘いです。何よりも職場への屈服攻撃としてある「日の丸・君が代」強制に対して最先端で闘っている根津さん、河原井さんの解雇を阻止することにつながります。だから、個人の「良心」からの不起立なんかでなく、労働者の階級的団結をかけた不起立なんだ!

 国境越えて広がる闘い

 さらに、不起立闘争は国境を越えた反戦闘争としての普遍性を持っています。そのことは、昨年不起立を闘った神奈川の教育労働者が訪米した際、戦時下のアメリカで学校から募兵官を追い出す運動を展開しているCAMS(校内の軍国主義に反対する連合)の闘いと瞬間的に連帯できたことでもはっきりしています。不起立の闘いは、全世界で戦争反対を闘う教育労働者の国際連帯をつくり出しています。だから、不起立なんだ!
 最後に確認したい。私たち労働者を「生きられない」状況に追いやっているのは誰なのか。その張本人は、投機化・バブル化した資本主義です。トヨタを始めとする大企業が史上最高の利益を上げる一方、労働者は非正規雇用や「ワーキングプア」と呼ばれる人びとの拡大に見られるように、低賃金・長時間労働のもと、生活はもちろん、身体そのものが破壊される状況にたたき込まれています。この現実を変えるには、労働者の組織された力で資本主義を打倒する以外にありません。そのためにはまず、知らず知らずのうちに眠り込まされている自分の怒りと労働者の誇りに火をつける!管理職や当局とやり合う!だから、職場の支配権を取り戻すための不起立なんだ!
 全国の教育労働者の皆さん! 学校現場の主人公は、私たち一人ひとりの教育労働者です。日教組は私たち組合員のものです。そのことをはっきりさせるために、黙っていない! 不起立から始めよう! 不起立を宣言しよう! 仲間に訴えよう。職場の団結を強化し、職場闘争を再建しよう! 闘う組合を、職場の団結で取り戻そう!
 〔高畑義郎〕

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週刊『前進』(2332号3面2)(2008/02/25 )

 北島区議が土曜議会弾劾

 杉並「区役所土日開庁」阻止へ

 東京・杉並区の2月16日「土曜議会」開催に対して、北島邦彦杉並区議を先頭に西部ユニオン、西部労組交流センター、都政を革新する会は「土曜議会反対・土日開庁反対」を掲げて闘った。
 東京23区では今年4月からの品川区役所での日曜一部開庁攻撃があり、杉並の山田区長はさらに上をいく区役所の土日開庁を08年9月から予定している。そしてそれに向かって与党会派が軸になって区議会の土曜開催を強行したのだ。
 区役所の土日開庁攻撃は、山田区長の「杉並丸ごと民営化」攻撃の一環だ。直接には、区に働く労働者(正規・非正規含め)から休日を奪い、労働日が4割も増えるのに、要員は増やさない、代休も結局は人手不足で確保できないという「月月火水木金金」の労働強化だ。長時間・過重労働を課し、労働者的結束や団結を奪い取る攻撃だ。正規職員の削減、非正規職への置き換え、区業務の民営化に道を開き、自治体業務を資本の利潤追求の具にしてしまう攻撃だ。日本経団連の「生産性向上1・5倍化」そのものだ。
 当日、北島議員は区議会場前で「土曜議会を拒否する」演説とビラまきを行い、議会に臨んだ。区議会議長の「初めての土曜議会で傍聴人も多数来ている」との開会あいさつに対して挙手し、「土曜区議会に反対。抗議のため退席する」と宣言し、議席を立った。傍聴者も、壇上に立った山田区長を圧する「土曜議会反対。直ちにやめろ」などの怒りのヤジで北島議員の決起に応えた。
 議場退席後、再び「土曜議会反対・土日開庁反対」の宣伝を行った。北島議員は終日「座り込み」を貫徹し、夜の「沖縄と本土むすぶ労働者集会」に合流した。
 07年4月区議選で北島議員を先頭に杉並の労働者は、「杉並丸ごと民営化絶対反対」を掲げて闘い勝利し、その後も闘い続けてきた。民営化攻撃とは、資本が「公」の資産=労働者・区民の資産を奪い、食い尽くし、生き残ろうとするものであり、それは戦争・改憲・道州制導入、公務員200万人首切り攻撃だ。しかし、それらの攻撃は、労働者階級の階級意識や反戦意識、階級的団結を粉砕しない限り貫徹しないのだ。
 北島議員の議場での「意見表明」と抗議の退席は、帝国主義、山田区長の労働強化、権利剥奪(はくだつ)、団結破壊、非正規職化、民営化の新自由主義攻撃と対決して、労働運動の本来的躍動と革命性を取り戻そうという呼びかけと連帯行動だ。
 「土曜議会」反対の実力闘争はそうした闘いの地平を切り開いた。「土日開庁」による労働強化に怒る区の労働現場と一体となって杉並丸ごと民営化絶対反対を掲げて闘っていこう。
(写真 杉並区議会場前で「土曜議会拒否」を訴える北島杉並区議と労働者【2月16日】)

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週刊『前進』(2332号3面3)(2008/02/25 )

 電機連合中央委情宣の教訓

 マイクアジに大きな反響

 体制内運動食い破る“闘いの芽”

 電機労働者 高取 要

 中央委参加者に熱烈に訴え

 われわれ全国労組交流センターは、去る1月24〜25日に横浜市内のパシフィコ横浜で開催された電機連合第94回中央委員会に向け、JR桜木町駅前でビラまきとマイクを使った情宣活動に決起した。そして電機連合の08春闘方針を徹底的に打ち砕くべく、参加の中央委員・傍聴者に職場からの闘いをもって決起することを訴えた。
 「08春闘をストライキで闘おう!」と大書されたビラを一人ひとりに声をかけながら手渡し、受け取らなければ追っ掛けていき、「君はそんなことで職場を組織できるのか」と突きつけた。
 さらにマイクを使って2時間にわたり、春闘を闘う主体は組合員であり、闘いの場は職場であることを強調しつつ、以下のように訴え続けた。
 「職場に帰れば、闘いを牽引(けんいん)しなくてはならない執行委員であることを片時も忘れず、電機連合ダラ幹の方針を押しつけるのではなく、職場の組合員と一体となって、自らの組合の要求をつくり、ストライキをもって闘うべきだ」
 「電機連合の中執や、みなさんの先輩の執行部は中曽根の『国鉄分割・民営化』に賛成し、かつてともに闘ってきた国鉄労働者をも裏切ってきた。動労千葉は2波のストライキをもってこの攻撃をはね返し、現在も反合・安全闘争をストライキをもって闘っている」
 中央委員や傍聴者は、会場に向かう時と、食事での往復の3回にわたって、「組合員を裏切るな。組合員は春闘の主体だ。『春討』でなく春闘であることを忘れるな。春闘は資本との妥協の場ではなく、闘いの場であることの原点に立ち返り、電機労働者の輝かしいストライキの歴史を、今こそ再生しようではないか」との呼びかけに、3度目にはビラを手にせざるをえない状況になっていった。
 電機連合の前身である電機労連は1953年の設立時の文書で、「必ず闘争は勝利するものであることが職場大衆の一人ひとりにまで浸透するように努力し、企業の枠内闘争におちいることなく、電機労連の闘争によって闘わなければならないことを徹底的に大衆宣伝し闘争しよう」と、賃金闘争への闘争方針を出し、「生産技術の向上ならびに能率増進」ついて労働組合が語ることは論外としてきた。この、電機労連発足時の闘う姿勢に立ち返り、08春闘を大幅賃上げと、差別・分断・格差の拡大を打ち破る闘いにすることを呼びかけた。
(写真 1月24日の電機連合中央委員会の初日に横浜市の桜木町駅前で行った情宣は大反響を起こした)

 電機労働者もストで闘った

 電機労連は60年安保・三池闘争においては政治ストライキを構え、春闘においてはストをもって闘ったが、その後、大会ごとに民主的労働運動の名をもって右旋回を繰り返した。そして、1964年には「労働運動の新潮流」と銘打って、日本の民間産別の闘いを体制内化させてきたIMF・JC(国際金属労連・日本協議会=金属労協)の旗振り人になり下がって以降、雪だるまのように権力と資本との癒着という汚物を巻き込みながら、現在では、日本帝国主義の翼賛体制の中軸に居座り、連合に事務局長を出すなど極悪の体制内労働運動の推進者・先兵になっている。
 資本の先兵となって組合員を押さえつけている体制内労働運動にとってもっとも信頼がおけるのは、権力であり資本である。だからこそ竪山元電機労連委員長に続き、岩山元電機連合委員長が昨年11月に敵階級からの「ご褒美」として叙勲されたのではないのか。
 当日ともに決起した電機現場で苦闘する青年労働者が、電機連合本部への怒りをあらわにし、参加した中央委員・傍聴者に、「この電機連合を、闘う電機連合に再生することができるのは、みなさんの労働者階級としての不退転の闘いだ」と、連帯を求めて身を震わせながら訴え続けた。

 “組合員が主体だ”に賛同続々

 われわれの呼びかけへの反応は、ささやかであったとはいえ、参加した中央委員・傍聴者16人が感想・意見を知らせてくれた。今までのビラまきでは5〜6人から「よく頑張っているね、ビラは読ませてもらったよ」との反応であったものが、3倍に増えた。しかもその内容は、今までのように単にビラまきをねぎらうようなものではなく、それはまさに体制内労働運動を内部から食い破ろうとする“闘いの芽”があることを確信させるものであった。
 「今までのビラだけでなく、今回のようにガンガンやられると、聞かざるを得ないし、あなただけでなく、若い者がマイクをとっている姿勢は、職場の若い者に見習わせたいよ」
 「国鉄分割・民営化について電機連合が賛成したことは初めて知った。電機連合はわれわれ中小だけでなく、他の組合まで裏切っていたなど絶対に許せない! おれも電機連合の一員であると思うと恥ずかしい限りだ」
 「『組合員が闘いの主体だ、職場の仲間を信頼しろ、要求はみんなでつくり、獲得に向けてストライキで闘え』には、心臓に刃(やいば)を突きつけられた気持ちだったよ」
 「『要求は組合員の声をたたき台に、みんなでつくりみんなで闘え』には、おれもギャフンときたぜ。まるでおれに言われている気がしたから」
 「若い人が動労千葉のようにストライキで闘えと呼びかけていたが、動労千葉が今もストライキで闘っていることは初めて知ったよ。若い人が立ち上がったのはさすがだな」
 「長野や大分の大会にビラまきに来ただけで感激していたが、今日は呼びかけに感動したし、おれも青年部時代に立ち返らなければと思わされた。これからもいろいろ教えてよ」
 これらの声が1日目の夜から寄せられてきた。
 この成果を、闘いに向けて組織するため、『俺たちは鉄路に生きる3』の職場闘争の教訓を血肉化し、4大産別にかけられている組織解体・民営化攻撃に対し、民間労働運動の徹底的な闘いをもってともに闘いぬくとともに、改憲・戦争国家化攻撃を、これの補完物に成り下がった体制内労働運動や、階級闘争への敵対・解体に走った塩川一派を完全に打ち砕くことをもって勝利させよう。
 そして青年労働者・学生の「生きさせろ」「労働運動の力で革命をやろう」の質をすべての労働者の中に持ち込み、3・16イラク反戦5周年・全世界一斉デモの圧倒的な勝利を跳躍点に、11月1万人結集に向けて階級的実践を日常化しよう。
 それをバネに電機労働者の“闘う砦(とりで)”を打ち立て、電機産業で働く220万余の労働者に向かって階級的労働運動路線を敷きつめていくことで、われわれの呼びかけに応えてくれた電機労働者に応えていきたい。

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週刊『前進』(2332号3面4)(2008/02/25 )

焦点 イラク3分割支配狙う米帝

 スンニ派「評議会」が“両刃の剣”に

●米軍育成のスンニ派武装組織
 タリバンの復活と大攻勢によって、米帝・NATO軍が追い詰められ、米欧の亀裂と争闘戦が深まっているアフガニスタンに続いて、イラクでも米帝・多国籍軍の侵略戦争の危機と泥沼化が、新たに深刻化している。米帝ブッシュが昨年1月に開始したイラク「新戦略」と3万人以上の米軍増派のもとで、米軍が対アルカイダ掃討作戦のために武器と資金を供与し、アンバル州などで育成してきたスンニ派部族の武装勢力が、「内戦」の新たな火種になると同時に、米軍にとって「両刃の剣」と化してきているのだ。
 もとより米帝ブッシュがイラク侵略戦争の絶望的な敗北・敗勢の中で発動した「新戦略」なるものは、米軍の死者続出や「内戦」の激化を根本的に打開するものでも、米帝のかいらいであるマリキ政権の崩壊的危機を食い止めるものでもなく、初めから破綻(はたん)的なものだった。しかし米帝は昨年9月以降、それまで毎月100人以上と急増していた米軍死者や、侵略戦争下の「内戦」で毎月2〜3千人に上ったイラク民間人の死者が半減し、「治安の安定化」が実現したと宣伝してきた。
 だがそれは、3万人以上の米軍増派によりシーア派への軍事的恫喝と一定の武力行使を行い、またシリアとイランへの軍事重圧(イスラエルによる昨年9月のシリア空爆)を強めてきた一方で、反米ゲリラの有力拠点だったアンバル州とバグダッド周辺のスンニ派部族支配層に武器と資金を与えて武装させ、アルカイダ掃討作戦に動員してきたことによる、一時的な「安定」と均衡に過ぎなかった。
●戦術的に撤退したアルカイダ
 米帝の狙いは、反米で共闘していたアンバル州のスンニ派部族とアルカイダ系スンニ派武装勢力の分断であり、米軍が買収して育成した部族武装勢力を対アルカイダ攻撃に協力させることだった。確かにこの危機的政策は、一時的に一定の効果を生み、アンバル州やバグダッド周辺を追われたアルカイダは、北部や中部地域への戦術的撤退を余儀なくされ、米軍死者なども減少したのである。
 ところが、この「覚醒(かくせい)評議会」と呼ばれるスンニ派部族の武装勢力が、今や8万人に膨れ上がり、米帝・多国籍軍にとってイラク侵略戦争の新たな危機、矛盾に転化しつつある。対アルカイダで米軍により武装されたこのスンニ派組織の矛先が、シーア派の牛耳るイラク警察や治安部隊などにも向かい始めたからだ。
 「覚醒評議会」なるものは、アルカイダにとっては当然にも「裏切り者」であり、これへの攻撃を激化させている。昨年9月には評議会を率いていた部族長が爆弾ゲリラで暗殺された。今年1月には、アルカイダの息子3人を評議会に殺された母親が、自爆ゲリラ戦闘に決起するという事態も起きた。評議会の拠点や検問所への攻撃が連日のように発生している。またこれが評議会と米軍・治安部隊との間の矛盾を爆発させている。さらには米軍が部分的にでも撤退したり、評議会への武器と資金の提供が続かなくなれば、この部族的組織は反米にも転化する。
 米帝はかつてアフガニスタンで、旧ソ連軍を撃退するために、地元部族に武器を与えて武装させ、動員した。だが米軍の援助が途絶えると、彼らはタリバンに結集して闘ったり、アラブ各国からやってきていたイスラムの「聖戦士」たちは、ビンラディンのように、アルカイダを結成して、米帝・米軍と戦うようになった。イラクで米軍は、かつての危機的で反人民的な政策を、また繰り返しているのである。
●3・16イラク反戦の大デモへ
 危機と没落を深める米帝は、イラクに現在の15万人規模の米軍を送り続けることは困難だ。しかしイラクの石油略奪と植民地的支配は、米帝が帝国主義である限り決して手放すことができない。
 それゆえ現在、米帝がヒラリーなど民主党も含めて選択しつつある基本政策は、イラクへの半永久的な軍事占領であり、米帝の軍事力なしには存立できない分裂国家的(3分割)支配への策動である。さらにはイラク侵略戦争の危機を、イランへの侵略戦争の拡大=イラン爆撃で突破する攻撃だ。それは、対アフガニスタン・対イラク開戦で歴史的に始まった世界戦争の過程への、より一層ののめり込みということである。
 日帝・自衛隊は、この米帝・多国籍軍のイラク侵略戦争に参戦し、英帝などとともに直接的に支えている。陸自は撤退したが、航空自衛隊がバグダッドへ米兵や武器・弾薬を連日、ピストン輸送している。インド洋派兵で、アフガニスタン侵略戦争と同時にイラク侵略戦争を実質的に「後方支援」している。
 今や国際帝国主義は、米サブプライム危機の爆発を引き金とした世界金融大恐慌の現実化の中で、分裂化・ブロック化を深め、争闘戦を激化させ、国内階級戦争と侵略戦争―世界戦争に突き進んでいる。
 この帝国主義に対して、全世界で労働者階級の反撃と、イラクを先頭とする被抑圧民族プロレタリアート人民の民族解放・革命戦争がたたきつけられている。イラク反戦5周年の3・16全世界一斉デモこそは、プロレタリア世界革命をたぐり寄せる国際連帯の決定的な闘いである。

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週刊『前進』(2332号4面1)(2008/02/25 )

 08〈団結・ストライキ春闘〉へ

 職場闘争で団結をうち固め3・16ワーカーズアクションに結集を

 革共同中央労働者組織委員会

 全国の仲間の皆さん! 闘う労働者の皆さん! 動労千葉が主催する「1047名の解雇撤回、08春闘勝利、2・17労働者集会」は、圧倒的な結集と高揚、熱い団結感と闘う気運がみなぎる中でかちとられた。国鉄を始めとする闘う労働者から、ストライキの報告や決意が次々となされた。08春闘の火ぶたはすでに切られた。動労千葉は『日刊動労千葉』2月19日付号で「3月ダイ改阻止へストライキで闘いぬこう!」と号令を発した。動労千葉を先頭に4大産別決戦を推し進め、08春闘を<団結・ストライキ春闘〉として断固闘いぬこう。職場闘争を爆発させ、資本・当局・体制内労組指導部への怒りを解き放ち、職場の仲間と団結を固め、ストライキに立ちあがろう。職場からの闘いで生み出された怒りと団結、闘う気運をもって3・16イラク開戦5周年ワーカーズ・アクションに大結集しよう。
(写真 2・17労働者集会の大結集・大成功をかちとり、動労千葉を先頭に熱気あふれるデモを打ちぬいた【東京】)

 不起立・イラク反戦と一体で

 資本家階級が心底恐れているものこそ、われわれ労働者階級の団結とストライキだ。だからこそやつらは、春闘を逆手にとって、われわれの中に分断のくさびを打ち込もうとしている。職場での団結さえバラバラにすればストライキなどできないからだ。だったらわれわれの回答はただひとつ。とことん団結・ストライキ春闘として08春闘を闘いぬこうではないか。
 考えてもみてほしい。全国の労働者が同じ時期に、労働者階級の怒りの要求を掲げて一斉に立ちあがることの意味とその威力を。資本家階級は、われわれが思っている以上にこのことを強烈に恐れている。だからこそ「春闘ではなく春討を」などと言って丸め込もうとしているのだ。
 しかし資本家どもよ。われわれにはおまえたちと話し合って一致点が見いだせることなどひとつもない。今春闘におけるわれわれの獲得目標は、大幅一律賃上げ、民営化絶対反対、労組破壊粉砕―労働者階級の団結拡大である。そのために、断固「闘う春闘」として、ストライキ春闘として08春闘を闘いぬくのだ。
 08春闘は卒・入学式の「君が代」不起立闘争のまっただ中で闘われる。不起立闘争は、教育労働者の誇りをかけて、戦争につながる労働を断固拒否する闘いであり、40秒間のストライキだ。この不起立闘争が毎年不屈に闘われていることはすごいことだ。
 そしてこの闘いは、北教組の1万5千人1・30終業前1時間ストを生み出した。北教組は一昨年の教育基本法改悪阻止闘争の先頭に立った組合であり、今回のストは、労働組合として団結した力で打ち抜いた巨大な不起立闘争と言っても過言ではない。査定昇給制度の導入に反対して闘われた今回のストは、賃金をとおした分断攻撃に対する怒りの決起であり、24年ぶりの1時間ストである。スト経験のない若い組合員も多数加わった。
 今やストライキは、労働者の切実かつ現実的な方針である。「ストライキをやっても何もとれない」などと言って労働者の怒りを押しとどめようとする体制内指導部の屈服したあり方は、ストを打ち抜くことで実現した団結と解放感という事実でもってたちどころに粉砕された。昨年11月の全駐労のストを見よ。沖縄では11年ぶり、全国では16年ぶりのストであるにもかかわらず、青年労働者が、先輩の経験を受け継ぎ、ピケの先頭に立った。ストライキをとおして短時日のうちに労働者階級としての成長と自己変革をとげた。赤旗を振りスクラムを組む青年労働者の誇り高き顔を見よ。この一点でストは勝利しているのだ。また、昨年の9・29沖縄県民決起は、沖縄高教組・自治労が牽引(けんいん)した怒りの全島ゼネストとも言えるのだ。
 さらに08春闘を、全世界の労働者階級との団結を固める春闘として実現しよう。最末期帝国主義のあがきである新自由主義攻撃により、生きていくことすらできなくなっている全世界の労働者が、怒りの反撃を開始している。新自由主義との闘い、民営化・規制緩和による生活破壊、団結破壊、戦争との闘いが全世界の労働者の共通の課題となっている。
 重要なことは、日本における新自由主義攻撃の突破口である国鉄分割・民営化攻撃に対し、85〜86年の2波のストライキで闘って団結を固め、今も断固意気軒高と闘っている動労千葉を軸に、国際連帯が急速に拡大していることだ。ここに世界革命の現実性がある。3・16イラク開戦5周年ワーカーズ・アクションへの全国1万人決起を、全世界の労働者と団結した春闘闘争として実現しよう。
 「団結した労働者は絶対負けない」「団結こそ労働者の生きる道」「団結の究極の拡大が革命だ」(それぞれ米・韓・日労働者のスローガン)。世界の労働者が真に欲しているものこそ、階級としての団結だ。

 大幅一律賃上げをかちとれ

 さらに、春闘において賃上げ闘争を徹底的に重視する必要がある。われわれはこれを、労働者が生きてゆくための命の要求として闘うとともに、団結を固める武器として闘うのだ。
 資本家階級の賃金攻撃の核心は、労働者の中に徹底的に分断を持ち込む攻撃だ。
 日本経団連の08年版「経営労働政策委員会報告」(経労委報告)は「生産性を基軸とした人件費管理と賃金・評価制度の再構築」を掲げている。「生産性」を基準にした成果給賃金制度の強行によって労働者をバラバラに分断することを狙っているのだ。
 資本家階級は同時に、こうした分断をとおして総額人件費を徹底的に削減しようとしている。資本が生き延びるためなら労働者の暮らしや命などどうなってもいいという攻撃だ。
 経労委報告に対し、マスコミは「賃上げを容認した」などと評しているが、そんなことはどこにも書いていない。書かれているのは「生産性に応じた総額人件費管理」である。さらに「賃金決定の視点」として「グローバル競争の視点」を掲げている。世界的な資本主義経済の崩壊の中、「国際競争」に打ち勝つために賃金を際限なく切り下げるということだ。資本の本性をむき出しにした新自由主義の徹底的貫徹ということである。
 現実問題として総額人件費の削減は進行している。厚生労働省の07年の統計調査によると、パートも含めた労働者全体の月間給与総額は前年より0・7%減っている。総額が減少するのは3年ぶりという。その一方で残業代は増えている。また、正社員の所定内賃金が前年比0・1%増えているのに対し、パート労働者は0・7%減っている。労働者同士を競わせ、また、正規雇用労働者と非正規雇用労働者を分断することをとおして総額人件費の徹底削減を貫徹しようとしているのである。
 したがって、賃金闘争におけるわれわれの方針は鮮明だ。われわれは、カネをえさにした資本家どもの卑劣な分断攻撃の前にひれ伏すことを拒否する。自分のわずかばかりの賃上げのために仲間を蹴落とすような卑屈なあり方を断固拒否する。「世の中を動かしているのは私たちだ」という労働者の誇りをもって、堂々と「生きるための賃金をよこせ」と大幅賃上げを要求する。労働者の団結をあくまでも守り、固めるために、一律賃上げを掲げて闘う。ここには微塵(みじん)の例外もない。例外を設けた時点で団結にヒビが入ってしまう。われわれの要求は<絶対大幅一律賃上げ〉あるのみだ。

 体制内労働運動を打ち破り

 昨年12月、特区連(特別区職員労働組合連合会。東京23特別区の各区職労の連合)執行部は、07賃金確定闘争の中で区長会が提案してきた「現業職給料表平均9%削減」を、現場の闘いを一切組織することなくのんでしまった。現業職と一般職の同一給料表という、これまでの闘いの成果が踏みにじられるという歴史的な分断・団結破壊攻撃だ。
 現業職を先頭に現場は怒りに燃え、闘う気運に満ちていた。自分たちの問題であるにもかかわらず交渉当事者から外されている現業労働者たちは、「区長室に押しかけよう」「座り込みはできないか」と闘いを訴えた。しかし特区連執行部は「今後の交渉に悪影響を与える」と現場の闘いを抑え込んだ揚げ句、屈服し、「断腸の思い」だが「ギリギリの到達点」だとして組合員に屈服を強制した。しかし特区連執行部による闘いの圧殺を打ち破って各区で創造的な闘いがくりひろげられた。
 冗談ではない。われわれの怒りをこんな言い訳で抑えられると思ったら大間違いだ。いや、これは言い訳どころではなく、資本・当局と一体となってわれわれに屈服を迫る攻撃だ。
 東京都の現業労働者は今、「妥結」という既成事実に屈服することなく、怒りの反撃を開始している。体制内指導部のもとにいる全国の労働者は、同様の怒りを今ふつふつとたぎらせている。今春闘は、全労働者のこの怒りを一挙に解き放つ闘いの場だ。
 さらに今春闘において体制内指導部は、全国の労働者が団結し、資本に立ち向かって総決起してゆく闘いを解体し、「賃上げによる内需拡大」などと称して生産性向上運動に労働者を動員しようとしている。ここには労働者の怒りや誇りはまったくない。現場労働者自身の闘いでもって賃労働と資本のくびきを打ち砕き、労働者階級の解放をかちとっていく立場は微塵もない。あるのはただただ資本の延命を請い願い、そのために消費の場においても労働者から徹底的に搾り取るという腐りきった姿だ。労働者を永遠に資本のくびきに縛りつけておこうとしているのだ。これでは経労委報告が叫びたてる「企業の盛衰と従業員の生活は表裏一体の関係」「企業は、労使の運命共同体」という主張となんら変わらない。実際、連合中央は「連合もこうした認識を否定するつもりはない」と唱和している。
 しかし考えてもみよ。体制の安定のために賃上げをしようにも、それができないところに資本主義は追いつめられているのだ。だからこそなりふり構わず新自由主義攻撃に突き進み、労働者の生活保障やあらゆる社会的連帯を解体の対象にして襲いかかってきているのだ。
 アメリカ帝国主義の最後の延命策であったサブプライムローンがついに破綻(はたん)し、ドル暴落、株価暴落が全世界の資本を震え上がらせている。この中で闘われるわれわれの08春闘の賃闘スローガンは、「絶対大幅一律賃上げ」であり、この「絶対」をとことん貫くならば、それは資本主義と根本において対立する、革命に向けた団結のスローガンとなるのだ。

 動労千葉「組織拡大春闘」へ

 最後に訴える。08春闘に勝利する一切の土台は職場闘争の白熱的実践だ。重要なことは、われわれが階級的労働運動路線の白熱的実践に踏み切ったのと軌を一にして一挙に情勢が切り開かれていることだ。動労千葉の闘いが切り開いた「絶対反対」の闘いを軸とする「階級的団結」の力こそが、革命情勢を一挙にたぐり寄せているのだ。
 全逓労働者は、郵政民営化の既成事実に屈することなく、「民営化絶対反対」の旗を掲げて、超勤拒否など職場闘争で大合理化攻撃と闘い抜いている。
 動労千葉は、今春闘を「組織拡大春闘」と位置づけ、平成採獲得の闘いを推進している。JR資本―JR総連結託体制が崩壊しつつある中、第2次国鉄決戦勝利の鍵は動労千葉の組織拡大だ。
 全国の仲間の皆さん! 職場の仲間との団結にとことんこだわり、その力をもってストライキに立ちあがろう。資本による分断攻撃の中、隣の同僚との団結をつくりだすことは容易なことではない。しかし、だからこそそこにプロレタリア自己解放の無限の力が秘められているのだ。動労千葉の、そして全駐労、北教組の組合員の顔がそのことを生き生きと物語っている。
 われわれがめざすものは、単なる総評時代の春闘の復活などではなく、革命情勢の接近における新たな春闘の開始だ。08春闘を「日本のプロレタリア革命はここから始まった」と言えるような闘いにしよう。全国各地で闘われる3・16ワーカーズアクションへの1万人決起をかちとろう!

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週刊『前進』(2332号4面2)(2008/02/25 )

 08年度政府予算案批判

 GDP超える累積財政赤字 革命以外に解決の道はない

 社会保障解体と消費増税狙う福田

 08年度政府予算案は、巨大な財政赤字という形で日本帝国主義の体制的危機をまざまざと示している。もはや資本主義には財政赤字を解決できない。世界金融大恐慌が本格化する中で、福田政権は09年をめどに消費税の大増税を強行しようとしている。こうして福田は、労働者の生存を奪う一方で、資本には大減税を施そうとしているのだ。予算案もろとも福田政権を葬り去ろう。

 巨大な赤字の元凶こそは政府と大資本

 日帝の財政赤字はすさまじい。08年度政府予算案の新規国債発行額は25・3兆円、歳入の31%を借金に頼る構造だ。しかも、この数字自体がごまかされている。政府は、財政投融資特別会計の準備金から9・8兆円を国債償還に充て、五つの特別会計から余剰金1・9兆円を一般会計に繰り入れる操作をした。これがなければ、国債発行額はさらに12兆円も増えていたのだ。
 膨大な国債発行の結果、国と地方自治体の長期債務残高は08年度末には778兆円に達する見通しだ。これはGDPの148%に相当する。
 こうした財政危機を逆手にとって、福田は社会保障の解体や公務員首切り、大増税に突き進んでいる。だが、財政赤字がここまで膨らんだのは、バブル崩壊以降、膨大な資本救済費が投じられる一方で、大規模な資本減税が行われてきたからだ。国家財政を食い物にしながら、まともに税金も払わない大資本こそ、巨大な財政赤字を生み出した元凶だ。
 国がこれほど大きな借金を抱えているのは、カネを貸した者がいるからだ。貸した側から言えば国債はすべて資産である。国債所有者の約3割は銀行などの民間金融機関だ。97年末からの金融恐慌以降、公的資金の投入で生きながらえた銀行は、その過程で逆に国に膨大なカネを貸し付けるまでに肥え太ったのだ。
 戦後長らく、企業は全体としては常にカネの借り手だった。企業は、家計から借金することで設備投資などに充てる資金を調達してきた。だが、98年度以降、企業はカネの貸し手に転じた。他方、国は最大のカネの借り手になっている。大きく言えば、企業の持つ余剰資金が国に貸し付けられている構造だ。
 こうした銀行と企業の資産は、労働者を徹底的に搾取・収奪することで形成された。財務省の法人企業統計調査によれば、労働者の年間平均給与は98年の387万円から06年の356万円に減少した。同期間に企業が株主に払う配当金は4・4兆円から16・2兆円に増え、内部留保は5・7兆円の赤字から11・9兆円の黒字に転じている。
 支配階級は常に、「財政健全化のために社会保障費を削れ。公務員賃金を削減しろ」と叫び立てる。それは、大資本が国に対して持つ債権を保全するために、一切の負担を労働者人民に押しつけるということだ。
 総額で1000兆円もの借金を抱えた国家など、すでに破産していると言っていい。これほど膨大な借金は「踏み倒す」以外に解決できない。だが、日帝国家はけっしてその道を取りえない。国の借金が踏み倒された時、最も打撃を受けるのは銀行などの大資本だからだ。
 労働者階級が帝国主義を打倒し、自らの権力を打ち立てた時に初めて、国家が大資本から借りた借金を帳消しにできる。それだけが、現実的な財政赤字の解決策だ。
 資本が蓄積した膨大な資産は、もともとはすべて労働者がつくり出したものだ。国債という形をとった資本の資産を没収したとしても、それは、労働者階級自身のものを労働者階級の手に取り戻すだけのことだ。
 支配階級は、国家財政が破綻すれば医療も年金も崩壊すると労働者を恫喝する。確かに、労働者から強制的に徴収された年金保険料などは、財政投融資資金として集中され、国債購入の原資になっている。だが、「社会保障制度を維持するために給付の大幅削減と大増税を受け入れろ」などというのは、資本主義が永遠に続くことを前提にした話だ。
 全人民の生活を十分に成り立たせることのできる生産力はすでにある。労働者階級が生産手段を自らのものとし、生産を共同で管理するようになれば、”過去にいくら保険料を払ったか”などということで高齢者の生存が決まるような関係自体が廃絶される。プロレタリア革命は、社会保障制度自体を不必要なものにするということだ。
 すでに膨大な青年労働者が非正規雇用に突き落とされ、年金や医療保険から排除されている。労働者階級を体制内につなぎ止めるためにつくられた社会保障制度を、帝国主義自らが打ち壊すというならば、労働者階級の回答はプロレタリア革命以外にない。

 日本経団連は消費大増税と資本減税叫ぶ

 福田は1月の施政方針演説で「消費税を含む税体系の抜本的改革について早期に実現を図る必要がある」と叫び立てた。日本経団連も、「国・地方を通じた財政改革に向けて」と題する提言で、2015年度までに消費税の税率を倍増しろと主張している。
 低賃金にあえぐ労働者にとって、こんなことが強行されたら生きていけなくなる。そうでなくても、原油高騰を引き金とする生活必需品の値上がりが、労働者の生活を直撃しているではないか。
 道路特定財源をめぐっても、福田はガソリン税などの暫定税率延長をなんとしても押し貫く姿勢をむき出しにしている。
 福田は「社会保障のために消費税増税が必要」とうそぶくが、それはまったくのペテンだ。消費税増税の直接の狙いは、法人税減税の財源を確保することにある。
 法人税の税率はかつては37・5%だったが、99年に30%に引き下げられた。日本経団連は、08年版経労委報告で「各国による企業活動を活性化するための制度間競争が熾烈(しれつ)なものとなっている。その象徴が法人実効税率の引き下げ競争だ」として、法人税率をさらに約10%引き下げろと叫んでいる。
 アメリカ・ブッシュ政権が打ち出した約1520億j(16・5兆円)の緊急経済対策も、そのうち440億jが企業への減税だ。これが、帝国主義諸国間の資本減税競争に拍車をかけることは間違いない。
 昨年には所得税の定率減税が全廃され、労働者の税負担は一気に重くなった。その上に、消費税増税がのしかかるのだ。

 道州制導入と公務員首切り許さず反撃へ

 消費税増税は道州制導入とも一体のものだ。
 小泉以来の「三位一体改革」で、地方交付税交付金は大幅に削減された。これにより自治体財政は崩壊的危機にある。
 そのため福田は、地方税の法人事業税の一部を国税の地方法人特別税に切り替え、それによる国の税収を09年度以降、財政状態の厳しい自治体に優先的に配分するという方策を打ち出した。
 だが、これも暫定的な措置に過ぎない。本命は地方消費税の増税だ。消費税率5%のうち1%分は自治体の財源になるが、これを増額することで自治体財政をまかなえというのだ。日本経団連は、地方交付税の廃止さえ唱えている。それによる自治体の減収分がそっくり地方消費税に転化されたら、増税の規模はすさまじいものになる。
 また、08年度予算案は国家公務員定数を4122人、地方公務員定数を2・8万人純減することを前提に組まれている。
 その一方、証券優遇税制は2010年まで延長される。これは、株式投資などの収益に課される税金を軽減するもので、本来は06年末に廃止されるはずだった。世界金融大恐慌のただ中で、日帝は再び大規模な資本減税に走ろうとしている。
 これが財政赤字をさらに拡大することは間違いない。すでにその兆しは現れている。07年度補正予算では、税収が当初見積もりに達せず、税収を9160億円減額する修正に追い込まれた。
 こうした危機にあればあるほど、帝国主義は侵略戦争と階級戦争に突き進む。予算案にはインド洋給油活動のための海上自衛隊派遣費が盛り込まれ、治安対策費はサミット警備費を中心に3134億円が計上された。
 福田は、労働者階級の反乱におびえつつも、「成長力強化」「生産性向上」「小さな政府」を必死に貫こうとしているのだ。4大産別を先頭に職場から民営化に反撃しよう。3・16イラク反戦全世界一斉デモに立ち、福田政権を打倒しよう。
 〔岩谷芳之〕

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週刊『前進』(2332号5面1)(2008/02/25 )

 沖縄米海兵隊少女暴行事件 この怒りを3・16反戦デモへ

 2・16杉並 沖縄―本土結び労働者集会

 行動の時は今だ! 労組連絡会を結成

 2月16日夜、「沖縄―本土をむすぶ2・16労働者集会」が東京・杉並の産業商工会館で開かれ、150人の労働者が結集した。呼びかけは沖縄民権の会と沖縄―本土をむすぶ労組連絡会。
 同連絡会は、東京西部ユニオン、なんぶユニオン、福祉労働者連帯ユニオン、東京東部ユニオンの4団体で構成される。この陣形での集会は昨年6・23に初めて開かれ、文科省の検定意見撤回を求める行動に率先して取り組むなどして、9・29県民大会にこたえる闘いの先頭に立ってきた。
 折しも2月10日に米兵による少女暴行事件が発生して怒りが噴出する中、集会はこれを弾劾するシュプレヒコールから始まった。
 基調報告は、なんぶユニオン執行委員の宮里勝博さんから「労働組合に入ろう! ここから生活と権利・反戦平和の闘いは始まる」と題して行われた。宮里さんは、米兵の犯罪について「綱紀粛正などと事件のたびに言うが、米軍の存在自体が元凶。優しい軍隊などあるか」と弾劾、「日米政府打倒まで闘おう」と述べて、2月19日の米大使館と防衛省に対する抗議行動に決起する行動方針を提起した。
 そして、昨年6・23集会以来の闘いの意義を再確認し、米軍新基地建設を絶対に許さない闘いと71年沖縄闘争で無期懲役の獄中にいる星野文昭さんを奪還する闘いを呼びかけた。とりわけ在本土の沖縄出身労働者が本土の労働者とともに決起しようと熱烈に訴えた。
 そして、この集会をもって4労組による「沖縄―本土をむすぶ労組連絡会」を結成することを宣言した。さらに2・17春闘国鉄集会と3・16イラク反戦大闘争への結集を呼びかけた。
 これを受け、教育労働者が「日の丸・君が代」闘争の決意を表明。北島邦彦杉並区議が山田区長の民営化攻撃との闘いを報告、この日初の土曜日の議会開催を強行したことに対して、土日開庁・民営化の攻撃として弾劾の闘いに決起してきたことを明らかにした。部落解放同盟全国連合会杉並支部に続いて、星野暁子さんが星野文昭さんの奪還の闘いを訴えた。
 特別報告として、沖縄民権の会代表の座覇光子さんから「9・29沖縄県民大会はなぜ成功したか」、全国沖縄青年委員会から「階級的労働運動の力で沖縄を奪(と)り還(かえ)そう」が提起された。
 座覇さんは「沖縄だけでは解決しない。労働者階級が全世界で団結して闘わなければならない」と強調、沖縄戦「集団自決」強要の問題も、南京大虐殺や軍隊慰安婦問題と連動して考え、訴えていかなければならないと述べた。また、多摩川河川敷で犬にかまれて殺されたホームレスの知り合いについて語り、「ユニオンを紹介して一人の命をみんなで助ければ死なずに済んだ」と悔やみ、労働者の団結の意義を強調した。
 全国沖青委は、米兵の女子中学生暴行事件について「最初から最後まで被害者を一人の人間・女性として、一個の人格として認めていないこの米兵の姿には、侵略の軍隊の中でいかに人間性が腐っていくか、他者の痛みや怒りを感じとることもできないようになるかがこの上もなく明らかだ」と糾弾し、すべての怒りを3・16闘争へ結集することを訴えた。
 沖縄出身の労働者が発言したのに続き、職場報告と決意表明に立った青年労働者は、職場で組合執行部と対決し、仲間を増やした闘いを報告し、「自分のいるところで闘えば、それが世界につながる」と確信を込めて断言した。
 「沖縄米軍による少女暴行事件弾劾」の緊急決議を採択し、19日にアメリカ大使館と防衛省に対する抗議行動に立ち上がることを確認した。
 怒りを込めて行動に立ち上がる時は今だ、と参加者全員があふれる熱気の中で確信した集会だった。
写真 150人を超える労働者・学生が結集し、事件への怒りが噴出し、熱気に満ちた集会となった【2月16日 東京・杉並】)

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週刊『前進』(2332号5面2)(2008/02/25 )

 “基地撤去しかない”

 米大使館・防衛省に抗議

 沖縄民権の会と沖縄―本土をむすぶ労組連絡会の呼びかけで2月19日、2・16集会の緊急決議を持ってアメリカ大使館と防衛省への抗議行動が行われた。
 労組連絡会、反戦共同行動委員会、婦民全国協など抗議団は「米兵による少女暴行弾劾/米軍基地をすべてなくせ!」の横断幕を持って米大使館正門前に向かった。米大使館を警備していると称する警察官らがその行く手を阻んだ。「ふざけるな! 抗議行動を妨害するな!」「なんでお前らが阻止するんだ!」――怒りが爆発。道行く人びとが注目する中、「どけ! 米軍基地を全部なくせ! 今すぐ撤去せよ!」と叫んだ。
 攻防の末、代表3人が大使館前まで進み、抗議申し入れを行った。労組連絡会の宮里勝博さんは、@沖縄米軍による少女拉致・暴行事件の元凶である米軍基地を沖縄から撤去せよ、A米軍再編による辺野古・高江などへの新基地建設を撤回せよ、B少女及び家族に対するケアと完全補償をせよ、などの要求を突きつけ、「米軍基地を撤去するまで闘うことを宣言する」と結んだ。
 続いて全国沖縄青年委員会が「われわれは米軍や防衛省などにこの事件が解決できるとは思っていない。われわれの回答は沖縄−本土を貫いた労働者階級の団結の力で、侵略の軍隊を包囲し解体することだ」と、3・16イラク反戦世界一斉デモを闘い、団結の力で米軍基地撤去を実現することを力強く宣言した。
 続いて防衛省に移動、部落解放同盟全国連合会杉並支部もかけつけ、1時間におよぶ抗議申し入れを行った。「事件事故をなくすには基地撤去しかない。辺野古の新基地建設も今すぐ白紙撤回すべきだ」と突きつけ、労働者の団結で基地を撤去することを宣言。この日早朝に起こったイージス艦による漁船への衝突に対して厳重に抗議した。
(写真 「辺野古の新基地建設を白紙撤回しろ」と突きつけた【2月19日 防衛省前】)

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週刊『前進』(2332号5面3)(2008/02/25 )

 沖縄で緊急女性集会

 行動する女たちの会など30団体

 「今度は20万人の県民大会」

 沖縄・北谷町のちゃたんニライセンターで2月19日、「『危険な隣人はいらない』緊急女性集会」が30団体の主催で開かれ、320人が参加した。会場を20代から60代までの女性が埋め尽くし、発言に目頭を押さえながらうなずき、繰り返される米軍犯罪への怒りが語られ、行動への決意が会場に充満した。
 「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の桑江テル子さんが司会。主催団体を代表し、沖縄市婦人連合会の比嘉洋子会長が「子どもは家から一歩も外に出るなというのか。子どもになんの罪もない。私たちは基地には入れないが、米軍人は自由に民間地に出入りできる。沖縄戦で苦しめられ、戦後63年間、米軍の事件に苦しめられ、やっと復帰したかと思うとまた軍隊の事件に苦しめられる。基地ある限り不幸と不安は続く。基地撤去を要求する」と時折涙声でこぶしを握り締めながら発言。
 集会開催地の北谷町の野国昌春町長は「根本的には基地をどけてもらうこと」と訴えた。参院議員の糸数慶子さんは抗議要請行動への日本政府の対応に怒りを表明した。
 「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の高里鈴代共同代表が、これまでの米軍犯罪の経過報告と年表に載らない多くの事件があることを語った。「軍の性犯罪が起こると『被害者の女性が悪い』。女性の年齢が低いと『母親が悪い』。米兵が民家に上がりこむと『家のドアが開いていたのが悪い』と非難が起こるが、元凶をなくさねば」と語気を強めて訴え、少女に向かうバッシングを弾劾した。
 地域からは、北谷町砂辺区自治会長の松田正二さんが民間住宅より米軍住宅が多くなる現状を語り、金網の中だけが基地ではない状況を告発。今回の事件も基地外に住む米兵が起こした犯罪だ。沖縄市の東門美津子市長、沖教組中頭支部女性部長の発言が続いた。
 参加者の1分間スピーチは希望者が前にずらりと並びマイクを握る。
 「今回の日本政府の対応は早かったが、それは昨年の県民大会への恐怖。今度は20万人の県民大会を」「辺野古に新基地ができたら事件事故はもっと起こる。辺野古の座り込みに来てください」など、十数人がほとばしる思いを語った。
 アピール文採択後、桑江さんの力強い音頭でシュプレヒコールが行われた。
(写真 繰り返される米軍犯罪に会場の320人の怒りが充満した【2月19日 沖縄・北谷】)

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週刊『前進』(2332号5面4)(2008/02/25 )

 死すべきは基地 労働者ではない 全駐労スト報告 〈上〉

 16年ぶりの全国統一スト 労働者の自己解放性示す

 普通の青年労働者が1日で指導部に

 全駐留軍労働組合(全駐労・全国約2万人)は07年11月21日(4時間)、30日(8時間)と、2波にわたる全国一斉ストライキを打ち抜いた。
 今回のストは、いろいろな意味でわれわれに重要なことを教える。以下の点で実に意義ある闘いだった。
 @連合が労資協調路線のもと、資本の手先化、産業報国会化し、ストライキを放棄して久しい状況の中で、全国規模の統一ストを、しかも2波にわたって敢然と打ち抜いた。そのことが社会的に、とりわけ労働者に与えた影響の大きさ。
 A連合傘下にあり、典型的な民主党支持労組である全駐労が政府(米軍)と徹底対決して大規模なストを打ったことの意味。すなわちストライキが労組、労働者を激変させ、一挙に階級性と戦闘性をつかみ、取り戻していくことを証明した。
 Bまたある意味で最も重要な政治的意味を持ったストであった点。すなわちこのストが米軍再編との闘いであり、米軍再編の本質、それと労働者階級人民との非和解性をも暴露した。
 C沖縄では、07年9・29教科書検定意見撤回要求12万人県民大会の爆発情勢を引き継ぎ、これを階級的に発展させる闘いとしてあった。
 このストライキについて、沖縄での闘いの様子を中心に3回にわたってレポートしたい。第1回目は、ストを闘った基地労働者への取材をもとに、今回のストが基地労働者の自己解放性あふれる力強い闘いだったことを見たい。(石川清一)
(写真 第2波ストに決起した全駐労ズケラン支部の組合員。ゲート前でこぶしをあげた【07年11月30日】)

 大多数が初めて

 全駐労がストを打つのは16年ぶりだ。16年という年月は長い。全国的に沖縄も含めて、地本、支部の執行委員でさえ16年前のストは、1組合員として参加したことがある程度で、ストを指導した経験がある者がほとんどいない。全体的にストライキは初めてという労働者が圧倒的であった。
 しかし、ストは初めての青年労働者(支部執行委員も30歳代が多い)が完璧(かんぺき)にストとピケを貫徹した。基地労働者のピケとは基地のゲート「封鎖」であり、「逆検問」である。米兵・MPと激突・対峙し、スト破りを阻止する実力闘争を全国でやり抜いた。

 職場で徹底討論

 かつて全軍労ストを闘った経験のある基地労働者は、全職場での懇談会を徹底的に積み重ねたことが重要だったと言う。
 今回の政府・防衛省による格差給の廃止=約10%の賃下げ攻撃が、経済的理由・口実による単なる賃下げ攻撃ではなく、米軍再編攻撃から来るものであり、必ず基地労働者の解雇攻撃に行き着くことを暴露し、今これと闘うことの意味を徹底討論していった。
 その結果、次の大決戦に向けての戦略的準備・前哨戦だということ、つまり情勢認識と闘いの路線的展望について労働者と強力に意志一致できたことがスト成功のカギであったと語る。
 それだけに職場懇談会は真剣で、通常を倍する人数の参加があり、時間も倍の夜10時、11時にまで及んだこともあった。労働者から出される端緒的、イロハ的な疑問、不安を一つひとつ丁寧に論議していった。実はその「端緒的、イロハ的な疑問、不安」こそ、労働者と労働組合にとっての本質論議であった。スト権批准投票は95%以上の高率で確立した。

 飛躍した労働者

 ストライキは基地労働者の自信と誇りを高めた。スト権批准投票のやり方、ピケのやり方から、シュプレヒコールのやり方まで、何もかも初めてというストを完璧に打ち抜いたことで自分たちが持つ力を自覚し、次の大決戦を打ち抜くことができるという自信につながっている。
 前述の労働者は「労働者は、若くても、経験がなくても、全部自分でやり方を考え、編み出す。すごい」と、キャンプ・ハンセン第1ゲート(金武町)のピケであった話を感動をもって語った。
 キャンプ・ハンセン第1ゲートに責任者として2、3人ずつ配置された執行委員も30歳代、ストも初めて。ここは数年前、対テロ訓練場建設を阻止するために、地元・伊芸区住民が約1年にわたってピケを張って闘ったところだ。この闘争に地元民として参加していた古参の組合員が、その時の経験から、若い執行委員にどこにどのようにピケを張ったらいいかを手とり足とりで教えた。また拡声器、「スト決行中」の張り紙掲示の板きれなどを近くの公民館から借りてきた。
 「全軍労闘争を知っているとか、組合の役員経験があるとか、まったく関係なかった。ストを本気でやろうとし、ストに突入した瞬間、まったく普通の青年労働者が、次から次へと知恵を出し、力を出し、1日にして何十人、何百人の指導部、活動家が生まれた。まさにストライキ偉大なり、労働者偉大なりだった」
 (つづく)

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週刊『前進』(2332号5面5)(2008/02/25 )

 日誌 2008年2月13日〜19日

 沖縄で米海兵隊員の逮捕次々/海自イージス艦が漁船に衝突

●自民党が派兵恒久法の部会 自民党は、自衛隊の海外派兵を随時可能にする一般法(恒久法)制定を検討する「国際平和協力の一般法に関する合同部会」の初会合を開いた。座長の山崎拓・元幹事長は「憲法解釈も従来の解釈を踏襲することを前提に議論を進めたい」と述べ、集団的自衛権の憲法解釈変更に踏み込まない範囲で策定する考えを示した。(13日)
●秘密保護法制を検討 政府の情報機能強化検討会議(議長・町村官房長官)は、内閣情報調査室に「内閣情報分析官」を新設するなど、首相官邸の情報機能を強化する一方、情報を漏洩(ろうえい)した国家公務員への罰則強化を念頭に、秘密保護法制を検討する方針を決めた。(14日)
●神奈川県、高校日本史必修へ 神奈川県教育委員会は、全県立高校で、「日本史A」「日本史B」、県が独自でつくる郷土史など計4科目から最低1科目の履修を生徒に義務付ける方針を明らかにした。神奈川県の松沢知事ら関東1都9県の知事が日本史必修を文部科学省に求めていたが、新しい指導要領に盛り込まれない見通しとなったため、独自の対応を決めた。(14日)
●岩国市に再編交付金 防衛省は、在日米軍再編に伴う米軍岩国基地(山口県岩国市)への空母艦載機移転をめぐり、岩国市が受け入れを表明した場合、これまで凍結していた新市庁舎の補助金を米軍再編交付金で支給する方針を固めた。(15日)
●サミット周辺飛行禁止 政府は7月に北海道洞爺湖で開かれる主要国首脳会議(G8サミット)の期間中、会場を中心に飛行禁止空域を設定することを決めた。飛行禁止空域は半径約55`とする方向。(17日)
●米海兵隊員の逮捕続く 酒に酔って民家に入り込んだとして、沖縄県警は、在沖米海兵隊の伍長を住居侵入の疑いで現行犯逮捕した。名護市辺野古の女性宅に侵入した疑い。伍長は辺野古に隣接する米軍基地キャンプ・シュワブの所属。(18日)
●イージス艦、漁船と衝突 千葉県南房総市の野島崎の南南西約40`の太平洋で、海上自衛隊のイージス護衛艦「あたご」(基準排水量7750d、全長165b)が、千葉県勝浦市の新勝浦漁協所属のマグロはえ縄漁船清徳丸(7d、同15b)と衝突した。清徳丸は二つに分断され、乗員の漁師の父子が行方不明となった。事故は、あたごが衝突直前に回避行動をとらなかったために起きたとみられ、第3管区海上保安本部(横浜市)が業務上過失往来危険の疑いであたごの艦内を捜索した。(19日)
●米兵に全面外出禁止令 在日米軍は、在沖米海兵隊員が女子中学生を暴行したとされる事件などを受け、当面の間、沖縄と岩国(山口県)の米軍基地所属の米軍人らの基地外への外出を禁止すると発表した。期限は定められていない。(19日)
●空自ヘリ不時着 福岡県志摩町の芥屋(けや)公民館のグラウンドに、航空自衛隊春日基地(同県春日市)「春日ヘリコプター空輸隊」所属の輸送ヘリコプターCH−47Jが着陸した。訓練飛行中に計器の警報が鳴り、点検のため降りたという。乗務員や周辺住民にけが人はない。(19日)
●県民大会の開催を決定 米兵による暴行事件を受け、子ども会育成連絡協議会や婦人連合会など9団体の代表らは超党派の県民大会開催を決め、実行委員会準備会(仮称)を発足させた。今後、知事や県議会、昨年9月の県民大会実行委に加わった22団体などに幅広く参加を呼び掛け、大規模な大会を目指す。会合には、ほかに老人クラブ連合会、高校PTA連合会、高教組、沖教組などの代表が出席。事件への抗議とともに、事件の根源である基地問題に踏み込んだ要求を盛ることで一致した。(19日)

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週刊『前進』(2332号6面1)(2008/02/25 )

団結ひろば 投稿コーナー

 愛知・三重の青年軸に名古屋で3・16WAを 青年労働者 須賀川直哉

 3月16日、全国各地のワーカーズ・アクションと全世界一斉行動に連帯して、名古屋でも「イラク反戦5周年3・16春闘勝利! 東海総決起集会(主催・東海合同労組)」を行います。
 2月9日には準備会議が開かれ、アメリカ領事館までのデモ行進にすることが決まりました。
 先日、愛知・三重の青年労働者4人で、集会を成功させるための会議を行いました。「鳴り物は『リオのカーニバル』調にならないようにしよう」「星条旗を燃やしたらどうか」などと意見が交わされましたが、「デモは街頭の労働者・市民と団結する、ひとつになる」という目的を確認し、そのために「街頭の人たちに『デモ隊と自分たちの思いは同じ』だというものを作ろう」という結論になりました。
 2月19日には、新安城の駅前で東海合同労組が街宣・ビラまきを行いました。そこはトヨタ、三菱をはじめ、デンソー(旧日本電装)など、自動車および自動車関連工場に働く労働者がひっきりなしに乗り降りする駅です。当日も手がかじかむような寒さの中、300枚用意したビラが1時間でなくなってしまう状況でした。
 自動車産業は、航空や造船と同じように容易に軍事産業になりうる産別です。非正規労働者、とりわけ派遣労働者によってかろうじて成り立っている産業です。「軍事協力はしないぞ!」「非正規雇用を撤廃しろ!」「マトモに暮らせる賃金をよこせ!」と掲げ、たった一つの工場でもストライキに立ち上がれば、全国の自動車生産がストップする可能性を秘めています。
 昨年の新潟・中越沖地震で新潟県内にある工場が被災し、トヨタをはじめとした全国のラインが止まりましたが、今度は労働者のストライキで止める番です。
 仲間の青年労働者に訴えながら、彼らと団結し、東海から革命を起こすために3・16集会を成功させようと思います。そのために職場の仲間ともっと団結しよう、職場から集会参加者を出そう、とあらためて思いました。

 渋谷駅前に元気よく登場し街宣で呼吸! 学生 M

 2月19日、渋谷駅前で3・16イラク反戦の街宣を行いました!! お昼の人通りが一番多い時間に学生10人で元気に登場しました! 
 立ち止まってアジテーションに聞き入る人、「許せないですよね?」とマイクを向けると「許せない!」と叫ぶ青年労働者、呼びかけ文のメッセージ欄に「ぶち壊してしまえ!!」と書いた青年、「資本主義をぶち壊して労働者が団結して戦争を止める」という言葉に対して就活中の大学生がウンウンとうなずいたりと、青年労働者・学生の怒りと私たちの街宣の呼吸が始まったという感じになりました。
 フランス人で日本で語学教室の講師をしている労働者は「フランスでは高校のときからストライキをしている。語学教室を数件かけもちしているが給料が低い。3月16日はユニオンの人とつながりたい」と言って呼びかけ人になったり。スウェーデンから日本に留学に来ている2人組の学生は「労働者が団結して資本の支配をぶっとばして戦争を止めましょう」ということに対して「こういう運動を探してたんです!! 実行委員会にも行きます、友だちにもビラを配ります」と言って呼びかけ人にもなり、ビラも数十枚持って帰ってくれました!
 重要なことは、日本の青年労働者も世界の青年労働者も、単なるイラク反戦というフレーズだけではなくて「労働者の力」「労働組合」という言葉に反応していることです。そしてビンビンに行動方針を求めている。3・16が「何か行動したい」「この社会はおかしいんじゃないか!?」と思っている青年労働者と学生の結集軸になっているということです。
 街頭全体と呼吸していくような街宣をやって行こうと参加者で決意を新たに確認しました。

 3・16デモの主人公は若者だけじゃない! 東北・学生 I

 2月20日、御茶ノ水駅前で3・16を呼びかける街頭宣伝を行いました!
 私が「今の社会が許せない!」という率直な怒りをアジると、多くの人は興味を示し、ビラを受け取り、白熱的な議論を展開できました。
 渋谷駅前とは違い、お年寄りも多く、話しをすることができました。この社会が許せないという思いで、年齢関係なくぜひ一緒に行動しましょう! 3・16の主人公は若者だけじゃない! 
 そして何よりも街頭では、「本当に今の社会許せない!」という怒りが渦巻いています。とある男性は「とにかく戦争はやめろ。今度のイージス艦事件をみてもわかるが、軍隊、軍人は市民の財産、生命を守るという思想など持っているわけがない。沖縄戦を見よ」というメッセージを書いてくれました。やはり沖縄での少女暴行事件やイージス艦事件に対する怒りは半端じゃないということがはっきりと伝わってきました。
 77歳の男性は「今の労働組合に不満がある」といいました。まったくそのとおりです! 今の労働組合はどんどん闘えなくなっている。それは本来の労働者の団結の姿ではない。腐った幹部は辞めろ! そういった怒りを3・16に結集させていきましょう。
 3・16は単なる反戦運動ではなく、労働運動の力、ストライキの力で戦争を止める決定的な闘いです。体制内に押しとどめられている怒りを今こそ爆発させよう!!

 『蟹工船』に共感する青年労働者と革命を 東京 鎌田雅志

 1月9日の毎日新聞が「08年『格差社会』の希望を問う」というテーマで高橋源一郎と雨宮処凛(かりん)の対談を掲載していた。今、青年・学生が小林多喜二の小説『蟹工船』(1928年)を読んで共感するのだという。小説が描く過酷な労働の状況に青年・学生が自身を重ね合わせて「よく分かる」と。「『蟹工船』がリアルに感じられるほど、今の若い人の労働条件はひどい」と雨宮は指摘している。
 青年たちが『蟹工船』に共感するというのは衝撃だった。蟹工船は、蟹をとって缶詰にする船。小説は、植民地的収奪が行われている北海道の、冬の荒海での奴隷のような過酷極まりない労働を克明に描く。逃亡を企てた者や反抗的な態度をとる者への凄惨(せいさん)な制裁・リンチも出てくる。青年・学生が、これを自分たちの現実として受け止めている。
 2人の対談は、後半で今の青年の労働、貧困と格差の問題に移る。けれども、この小説の一番大事な部分に、この2人は光を当てていない。
 実話に基づくこの小説は、過酷な労働と暴力支配の中から、労働者が団結してストライキに立ち上がって行く様を感動的に描いているのだ。だからこそこの小説が「日本プロレタリア文学の金字塔」と評され、特高の拷問で殺された小林多喜二の代表作にあげられる。
 『蟹工船』を読んで「これは自分のことだ」と感じる青年が、作品の白眉(はくび)である「団結と闘争(ストライキ)」に共感しないわけがない。これこそ08年「格差社会」の希望ではないか!
 団結と闘争・ストライキが青年の魂をとらえる時代が来ている。『蟹工船』に共感する青年・学生に、革命派が働きかければ必ず団結が生まれる。「労働運動の力で革命を! 08春闘をストライキで闘おう!」が青年・学生を獲得する。革命の時代だ。3・16イラク反戦世界一斉デモに立ち上がろう。

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週刊『前進』(2332号6面2)(2008/02/25 )

 “30分前に気づいていた”

 漁船撃沈に3・16で反撃を

 軍事行動を最優先させ直進続けたイージス艦

 2月19日未明、千葉県・房総半島の野島崎沖の太平洋上で、海上自衛隊の最新鋭イージス護衛艦「あたご」が、漁場に向かう新勝浦市漁協(千葉県勝浦市)のマグロはえ縄漁船・清徳丸に激突し、船体を真っ二つにして撃沈するという重大事態が発生した。漁船に乗っていた吉清治夫さん(58)、哲大さん(23)親子は、仲間の漁船などの懸命な捜索にもかかわらず、現在も行方不明のままだ。
 この事件は断じて単なる海難・衝突事故ではない。ミサイル防衛(MD)という日米帝国主義の朝鮮・中国侵略戦争と核先制攻撃のための最先端の兵器であるイージス艦による、「漁船撃沈事件」であり、軍隊による断じて許せない人民虐殺そのものである。腹の底からの怒りを日帝と防衛省・海上自衛隊にたたきつけなければならない。
 当初、石破防衛相は「あたごは2分前に右前方に清徳丸の灯火とみられる緑色の光に気づいた。1分前に漁船だと気づいて回避行動をとったが間に合わなかった」と釈明した。だがこれは真っ赤なウソだった。防衛省自身が、あたごは事故の「12分前」には清徳丸に気づいていたと訂正した。しかも「緑色の光」というのもありえない。二つの船の位置関係から言って、あたごから見えるのは「赤い光」で、これもあたごに回避義務があったことをごまかすための明白なウソだ。
 さらにその後の調査と、仲間の漁船の全地球測位システム(GPS装置)に残った記録や漁協組合長の記者会見などで、一層決定的な事実も判明した。すなわち、あたごは事故の30分も前に漁船団に気づいていたはずであり、にもかかわらず当然の回避措置をとらず、警笛も鳴らさず、多数の船舶が航行するこの海域では普通は考えられない自動操舵(そうだ)を続けたまま直進し、7750dの巨体を7dの清徳丸にぶつけたのだ。
 このことから事態の核心問題は明白だ。最新鋭イージス艦あたごは、昨年11月初旬から今年1月下旬にかけて、ハワイでミサイル発射訓練などを行っており、事故当時はその帰りの軍事行動中であった。だから多数の漁船の存在を認めながら、それを無視し、軍事優先で、自動操舵による直進を傲然(ごうぜん)と強行したのだ。漁船に激突して沈没させ、漁民など死んでもかまわない――それが帝国主義軍隊である自衛隊の基本思想であり、行動方針だということである。かつて住民に「集団自決」を強制した沖縄戦こそは、反人民的な帝国主義軍隊の本当の姿なのだ。
 だから、最新鋭艦であるのに「見張りが不十分だった」とか、「怠慢だ」「たるんでいる」といったマスコミの論評は、問題の本質を何も突いていない。「通報の遅れ」やウソの発表も、まさに軍事行動を秘匿するためのことだったのだ。情報の隠蔽(いんぺい)や操作は、帝国主義軍隊の常套(じょうとう)手段だ。
 日帝はすでにアフガニスタン・イラク侵略戦争に参戦し、さらには米帝と一体で朝鮮・中国侵略戦争をも策動している。そのために米帝に次ぐ5隻ものイージス艦を保持し、ミサイル防衛の強化に全力をあげている。今回の事件は、こうした情勢の中で起こるべくして起こったのだ。沖縄米海兵隊員による少女暴行事件への怒りと結合し、イージス艦による漁民虐殺を徹底弾劾し、労働者階級人民の怒りを爆発させよう。3・16イラク反戦大デモの爆発を日帝にたたきつけよう!

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週刊『前進』(2332号6面3)(2008/02/25 )

 “ラッセンは帰れ”

 長崎港の軍事使用に怒り

 

米イージス艦に向かって「被爆地長崎に来るな!」(2月15日 長崎)

 2月15日、長崎港に米海軍のイージス艦ラッセンが入港した。当初、16日にイージス艦シャイロが入港の予定だったが、それをラッセンに変更、1日に繰り上げて長崎港に入港したのだ。長崎港にはここ3年、毎年米軍艦船が入港している。
 ラッセンは、イージスミサイル防衛システムを備えており、核兵器の搭載も可能である。米軍は一貫して核兵器の搭載の有無については明らかにしておらず、実際に搭載されている可能性さえある。長崎が被爆地であることを百も承知で、核への長崎の怒りを踏みにじり、「核に慣れさせる」ために艦船まで変更して入港を強行したのだ。佐世保に米原子力空母ニミッツが入港したのが2月11日であり、これと一体の暴挙を絶対に許すことはできない。
 ラッセンは、米日帝が今進めているMD(ミサイル防衛)システムの強化のために横須賀に配備された艦船だ。今回の長崎港入港は、今年の佐世保でのSM3(海上発射型迎撃ミサイル)の配備、そして2010年の福岡県の三つの基地へのPAC3(パトリオット迎撃ミサイル)配備と一体の攻撃だ。この点からも徹底弾劾あるのみだ。
 約200人の労働者は、目の前に近づいてくるラッセンに対して「ラッセンは帰れ!」「被爆地長崎に来るな!」とシュプレヒコールを徹底的にたたきつけた。英語のシュプレヒコールも飛んだ。米日によって被爆地長崎は、今や朝鮮・中国・中東への侵略戦争出撃基地として強化されようとしている。許すわけにはいかない!
 MDシステムと「米軍再編」を、全国・全世界の労働者の団結した力によって粉砕しよう! 青年労働者を先頭に、イラク反戦5周年3・16行動に立とう! 

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週刊『前進』(2332号6面4)(2008/02/25 )

 法大クラス討論弾圧 “革命を訴えて何が悪い!”

 2・18初公判 内田君が怒りの陳述

 2月18日、東京地裁で開かれた内田晶理君の初公判(半田靖史裁判長)は、全国の学生と青年労働者が結集し、獄内外一体の闘いとしてかちとられた。
 10・17法大クラス討論弾圧の核心点は何か?
 それは、革命思想を持った学生がキャンパスに入って、11・4労働者集会への結集を呼びかけたら逮捕・起訴するという「現代の治安維持法」のような弾圧だ。大学の中で学生と討論する権利さえ認めない、ブルジョア法的「表現の自由」「思想の自由」すら法政大学キャンパスでは認めないという弾圧だ。そして、「建造物侵入」だけで4カ月も長期勾留するという大弾圧だ。10・17クラス討論弾圧裁判は、「この戦争と大失業の時代に、大学キャンパスで革命を訴えて何が悪い!」と叫び闘う階級裁判だ。ここに「革命」に向けた新たな裁判闘争が始まった!
 内田君は、4カ月ぶりに闘う仲間と法廷の場で合流し、堂々と意見陳述を行った。内田君の意見陳述は、実に怒りに満ちあふれ、なおかつ簡潔明瞭(めいりょう)で、仲間へ向けた熱い団結の思いがこめられたアジテーションであった。
 内田君は冒頭、「今回の建造物侵入事件はデッチあげだ!」と怒りをこめて弾劾した。「11・4集会を呼びかけたことがなぜ犯罪なのだ!」「クラス討論を妨害したのは、安東や学生部職員ではないか!」。そして11・4労働者集会の正義性を展開した。しかし、許しがたいのは検察官だ。「本件と関連性がない」と言って意見陳述をさえぎる検察官。そもそも起訴状に「11・4労働者集会」と書いたのは、検察官お前たちではないか! 内田君は「ふざけるな!」と証言台をたたき、検察官を一喝した。
 最後に内田君は「自分の闘いは、沖縄の怒りとひとつ。そして、無期懲役と闘う星野文昭さんを取り戻す闘いだ」「3・16、11月集会へ向けて闘おう!」と、大アジテーションで締めくくった。傍聴席からは拍手の嵐!
 続いて森川文人弁護士が弁護人意見陳述を始める。「本件被告事件とは何か。それは、一言で言えば政治弾圧であり、革命思想の弾圧である」「本件は、単に、一市民が大学に足を入れたが故に逮捕・起訴されたのではなく、公訴事実及び検察官の釈明でも明らかなとおり、いかに平和的に足を踏み入れようと、大学内に政治的目的を持った人間が、政治的目的を内心に持ち、かつ、政治的な表現行為を行うが故に、足を踏み入れる行為自体を犯罪と断定しているのである」。森川文人弁護士は、革命思想そのものを裁こうとする本件弾圧の本質を徹底的に暴いて怒り、断罪した。
 公判終了後、内田君とエール交換する学生に廷吏が襲いかかり、裁判長が傍聴者全員に「構外退去命令」を発した。裁判所中の警備員が動員され、学生1人につき3人がかりで羽交い締めにして、裁判所の裏口から外へたたき出した。国家とは完全に非和解。この戒厳体制こそ、弾圧のすべてを象徴している。まさに「革命」を掲げて闘う裁判闘争が音を立てて始まった! 仲間たちは、東京地裁に徹底的にシュプレヒコールをたたきつけた。同日夕から内田君奪還総決起集会をかちとった。
(写真 公判後、傍聴に集まった法大生らが弁護団を囲んで内田君奪還の総決起集会を開いた【2月18日】)

 3・16の大爆発へ!

 内田君は何をもって逮捕されたのか? 昨年9・29沖縄で12万人の沖縄人民が決起した。この「沖縄に続こう!」と11・4労働者集会を呼びかけた。沖縄と法大闘争が一体となり、11・4へと合流しようとしていた。ゆえに今回の弾圧があったのだ。この労働者階級の根底的決起に対する「見せしめ」のための弾圧なのである。だから、“獄中の内田君と心をひとつにして、内田君のやったことを今ドンドンやろうじゃないか!”ということだ。内田君奪還の闘いとは、内田君のように闘おうということだ。
 今沖縄で2・10少女暴行事件に対する怒りの決起が始まっている。この怒りで本土−沖縄がひとつになろうとしている。この闘いが3・16だ。キャンパス、職場、街頭で3・16に向けて闘おう!
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 日程
 4・27法大弾圧裁判
第13回公判 2月27日(水)午後1時半開廷
第14回公判 3月28日(金)午後1時半開廷 

 10・17クラス討論弾圧裁判
第2回公判 3月6日(木)午後1時半開廷
  第3回公判 3月25日(火)午後1時半開廷  
◎ともに東京地裁。傍聴は1時間前に集合

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週刊『前進』(2332号6面5)(2008/02/25 )

 日程 3・11東京高裁に集まろう!

 ■福嶋同志控訴審・最終弁論
 3月11日(火)午前10時結集/11時開廷

 ■水嶋同志控訴審・判決公判
 3月11日(火)午後0時半結集/1時開廷

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