ZENSHIN 2007/12/10(No2323 p06)
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週刊『前進』(2323号1面1)(2007/12/10 )
帝国主義の危機を世界革命へ
階級的労働運動の実践を真一文字に白熱的に貫こう
対テロ給油新法阻止・福田打倒を
イラク侵略戦争を始めとする帝国主義の暴虐な支配に対して、労働者階級は全世界で怒りを爆発させ、闘いに立ち上がっている。分断をのりこえ、11・4労働者集会のようにひとつに団結すれば、帝国主義を打倒できる情勢が来ている。今こそ絶望的危機を深める帝国主義を打倒し、プロレタリア世界革命の勝利へ進撃しよう。そのためにはまず、自分の職場で闘いを起こすことだ。階級的労働運動路線の実践に真一文字に突入しよう。そして資本家に屈服する体制内労働運動を打倒し、主流派に躍り出よう。動労千葉のように闘い、日本の労働運動に革命を起こそう。それがプロレタリア革命の勝利の道だ。
全世界で階級闘争が激化
帝国主義はどん詰まりの危機を深めている。何よりも第2次大戦以来、世界の帝国主義を支えてきた基軸国=アメリカ帝国主義があらゆる意味で没落を深め、政治的・経済的にボロボロ化している。サブプライムローン(低所得者向け住宅ローン)問題を引き金とする金融危機は全世界に波及し、世界金融大恐慌を引き起こそうとしている。ドルの暴落、石油と穀物価格の高騰など、世界経済は大崩壊に向かっている。
これに対して、アメリカの労働者階級は、体制内労働運動指導部を突き破る勢いをもって闘いに立ち上がっている。ドイツでもフランスでも労働者のストライキ、暴動が頻発している。イラク・中東、アジア・アフリカ・南アメリカでも労働者階級は、帝国主義の新自由主義政策による支配の強化、侵略戦争と植民地主義に対して反乱の火の手を上げている。帝国主義の世界支配は至るところで破綻(はたん)を広げているのだ。
米欧日の帝国主義は、危機を深めれば深めるほどますます凶暴化し、帝国主義間争闘戦を激化させ、生き残りをかけて侵略戦争と帝国主義間戦争に突入していく以外にない。同時に国内の労働者階級への矛盾と犠牲の押しつけを、今以上に強める以外にない。本当に労働者階級は、帝国主義打倒に決起しなければ生きていけない時代を迎えているのだ。
敵の凶暴化は、彼らの強さを示すものではまったくない。死滅していく過程の悪あがきだ。帝国主義とは、死滅しつつある資本主義であり、プロレタリア社会主義革命の前夜である。労働者階級が体制内労働運動を打倒し、階級的戦闘力を回復して立ち上がった途端に全情勢がひっくり返る。そのくらい帝国主義の危機は深いのだ。
守屋と防衛省の汚職事件は、日本帝国主義の底知れぬ腐敗と危機を示している。新自由主義のもとで政・財・官のすべてが腐っているのだ。資本家は労働者を不安定雇用にたたき込み、賃下げと長時間労働で利益を上げている。このために労務災害や過労死、自殺者が続出している。生活保護を打ち切られて餓死する労働者すら出ている。医療・介護・年金など社会保障の切り捨てで、多くの高齢者が病気にかかっても医者にかかれず、「静かに」殺されている。こんな現実は、本当に我慢がならない。
その一方で資本家や政治家、高級官僚どもはグルになって税金に群がり、山分けし、さらなる悪だくみを重ねている。まともなやり方で利益が上がらなくなった銀行や金融会社は、貧困層をターゲットにして詐欺的なやり方で労働者の収入を巻き上げ、破産させて路頭に放り出している。資本家は戦争を起こし、兵器ビジネスで金もうけしている。このように今の帝国主義は、地球上の数十億の労働者を犠牲にして延命しているのだ。
体制内労働運動ぶっ倒せ
だが、こんなやり方がいつまでも通用すると思ったら大間違いだ。資本主義の矛盾は至るところで噴出し、危機を拡大している。何よりも全世界で労働者階級の怒りに火がついている。「こんな社会は一日も早くひっくり返し、戦争も失業も、搾取も差別もない社会をつくろう」は全世界の労働者の声、願いだ。
労働者階級こそ世界革命の主体である。階級的労働運動こそ、世界を変える力だ。その闘いの素晴らしさは、11・4労働者集会の大結集、日米韓労働者の国際連帯が示している。この闘いを大きく発展させよう。
崩れゆく帝国主義を必死で支えているのが連合中央、全労連中央など体制内労働運動だ。連合は10月の定期大会に、なんと福田首相や舛添厚労相を来賓に呼び、あいさつさせた。福田・舛添こそ、公務員リストラや教育基本法改悪など労働者階級を攻撃している張本人ではないか! 自治労本部、日教組本部はなぜこれに怒らないのか。
11月28日、連合幹部は福田首相と「政労会見」を持った。この場で福田は、連合や民主党を巻き込んだ「国民会議」の設置を提唱した。これは、国家の危機を救うために労働組合はもっと協力せよと、連合を深々と抱き込むためのものだ。連合・高木はこれに積極的に賛成し、福田から民主党との仲介役を頼まれると、「分かりました」と応じたのである。
10月にJPU(全逓)と全郵政が合同してJP労組を結成した。JP労組は、組合の綱領・運動目標に「生産性運動の推進、左右の全体主義排除、企業の成長・発展に寄与」を掲げた。まさに第2次世界大戦の時、侵略戦争に協力した「産業報国会」運動そのものだ。全逓中央はここまで変質、屈服したのだ。
自治労本部も日教組本部も、民営化や賃下げ、リストラ、「日の丸・君が代」強制や労組破壊との闘いを放棄している。また「11月集会」派の前進に恐怖し、闘う労働者を処分したり、弾圧したりしている。国労本部は、闘う組合員を警察に売り渡し、今や「解雇撤回」を投げ捨て、「4者・4団体」路線で国鉄1047名闘争の幕引きを図っている。
こういう体制内労働運動こそ、労働者が革命に立ち上がることを妨害し、権力・資本に対する奴隷的な屈服を強制してきたのだ。倒れかかった帝国主義を必死になって支えてきたのだ。
動労千葉の田中康宏委員長は次のように言っている。「日教組は30万人、自治労は100万人の労働者を組織しています。国労もまだ1万人はいる。労働者が持つ本来の力が本当に無駄にされています。このような現実が通用してしまっているのは、労働組合が政府や資本に屈服しているからです。なんとしても労働運動の変革をかちとらなければなりません」
本当にそのとおりだ。「帝国主義との闘争は、それが日和見主義に対する闘争と不可分に結びついていないならば、ひとつの空疎で虚偽な空文句にすぎない」(レーニン『帝国主義論』)のである。そして、革命的情勢の急接近の中で、労働者階級の怒りの決起で体制内労働運動を打倒できる時が来ている。動労千葉型の労働運動、階級的労働運動をひたすら実践し、労働運動の世界に革命を起こそう。労働運動の力で革命をやろう。
動労千葉の闘いに続こう
21世紀になって時代は大きく転換した。動労千葉は田中委員長体制のもとで、帝国主義の体制危機と、戦争と資本攻勢の激化を見据え、これからの時代にどう闘うかの徹底討論と意思一致を行った。そして、「これまでの労働運動のあり方ではもう通用しない」という認識のもとに、闘う路線を確立していった。
動労千葉は、JRの分割・民営化の破綻が、レール破断・尼崎事故などとして爆発したことに対して「反合・運転保安闘争」路線を再確立して闘った。その中で団結を固め、組織破壊攻撃を一つひとつはね返して勝利してきた。そして今、JR東労組の労資結託体制を打ち破る組織拡大決戦に総決起している。動労千葉発行の『俺たちは鉄路に生きる3』は、この田中体制6年間の激闘の記録だ。そこには、自己解放性にあふれた動労千葉組合員の生き生きとした闘いの姿がいっぱい描かれている。どの産別・職場でも共有できる闘いの教訓がたくさん詰まっている。この闘いに徹底的に学び、職場闘争を実践しよう。
侵略戦争参戦法の制定阻め
帝国主義間争闘戦の激化の中で、日帝は「最弱の環」として危機を深めている。だからこそ福田政権は、小泉・安倍を超える大反動に出る以外にない。
国会では対テロ給油新法案成立への攻撃を強めている。1月中旬まで国会会期を再延長し、参院が議決をしない場合でも衆院の3分の2をもって再可決し、成立させようとしている。対テロ給油新法は日帝のアフガニスタン・イラク戦争参戦法だ。さらに米帝がイランへの軍事攻撃を準備している中で、この侵略戦争を支えるためにも、日帝は新法を必要としているのだ。「イランが核兵器開発」のウソが暴かれているがブッシュは「イランは今も危険」と戦争を狙っている。12月国会闘争に総決起し、新法の制定を絶対に阻止しよう。
あらゆる解党主義、党破壊策動を打ち砕こう。階級的労働運動路線のもと、マル青労同、マル学同1000人建設を軸に、プロレタリア革命に勝利する労働者党の圧倒的建設をかちとろう。冬期一時金カンパ決戦に総決起しよう。
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週刊『前進』(2323号1面2)(2007/12/10 )
防衛省に抗議行動
沖縄民権の会と3合同労組
“辺野古新基地建設やめよ”
守屋前防衛事務次官の汚職事件で防衛省への怒りが広がり、「対テロ給油新法案」をめぐる国会攻防が緊迫する12月6日、沖縄民権の会と3合同労組(福祉労働者連帯ユニオン、東京西部ユニオン、なんぶユニオン)が呼びかけた防衛省抗議行動が闘われた。
午後1時すぎ、防衛省の正門前には各組合の真っ赤なのぼり、「労働者の力で沖縄をとりもどそう!」の横断幕を持って15人の労働者が街頭宣伝を始めた。「戦争利権にむらがる守屋と山田洋行の癒着は氷山の一角にすぎない! 労働者の怒りで防衛省を解体するぞ」の声が響きわたった。「守屋こそ辺野古新基地建設の張本人だ。沖縄の労働者人民を食い物にして私腹を肥やしてきたのが守屋だ。戦争利権に群がる防衛官僚、大企業を労働者は絶対に許さない! 労働者の怒りで防衛省を解体するぞ」
沖縄民権の会の座覇光子さんは、「教科書検定意見撤回を求めて9・29県民大会に12万人が集まった。これは、“戦争は二度とあってはならない。『集団自決』を繰り返してはならない”という、沖縄から本土へのラブコールです。この沖縄の声にこたえ、戦争を引き起こさないために防衛省の悪事をたたきつぶそう」と訴えた。
在本土の沖縄出身の労働者も、「労働者の力で防衛省を解体するぞ。米軍基地で働く全駐労のストライキを断固支持する。防衛省は米軍再編をやめ、全駐労の要求を百パーセント実現せよ」と怒りを込めてアピールした。
部落解放同盟全国連合会杉並支部は辺野古新基地建設の白紙撤回を要求し、沖縄とともに闘う決意を語った。
午後2時、沖縄民権の会の抗議文、3労組の請願書を読み上げ、応対に出てきた事務官に手渡した。さらに全員で「防衛省を解体するぞ! 防衛汚職の全容を明らかにせよ! 給油新法案を撤回せよ! 辺野古新基地建設を白紙撤回せよ! 教科書検定意見撤回まで闘うぞ」と怒りを込めてシュプレヒコールをたたきつけた。
【写真】 防衛省(左)正門前で労働者が請願書を読み上げる(12月6日 東京・市谷)
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週刊『前進』(2323号1面3)(2007/12/10 )
沖縄戦教科書記述 検定撤回へ集会
居直る文科省に怒り
12月3日夜、東京・千代田区の九段会館で「沖縄戦教科書検定意見撤回を求める全国集会」(主催/東京沖縄県人会、大江・岩波沖縄戦裁判を支援し沖縄の真実を広める首都圏の会)が1000人の参加で開かれた。沖縄キリスト教短大名誉教授・金城重明さんが渡嘉敷島での「集団自決(強制集団死)」の体験を証言、「私は死の恐怖は感じなかった。あったのは生き残ったらどうしようという生への恐怖だった」と語った。
教科書検定意見撤回と記述回復まで闘うことを決議した。沖縄高教組の松田寛委員長が、「体験者の傷口を否定するでたらめな審議会を許せない。全国の仲間と沖縄の130万県民が一丸となって頑張ろう」と団結ガンバローの音頭をとった。
翌4日午前、「沖縄戦の歴史歪曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会」など3団体と沖縄県選出の国会議員らが文部科学省を訪ね、検定意見の撤回を求めた。
文科省の布村審議官は「最近の学術状況に照らして教科書調査官が原案を作成し、審議会が学問的見地から審議した。検定は間違っていない。撤回は考えていない」と拒絶。ここに至ってなお沖縄の声を踏みにじるのか! 怒りが爆発した。
10月末〜11月上旬に6社8冊の教科書記述の訂正申請が出されている。検定意見の撤回と記述回復へ闘おう。
【写真】 検定意見撤回・記述回復へ全員で闘う決意を固めた(12月3日 東京・九段会館)
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週刊『前進』(2323号1面4)(2007/12/10 )
圧倒的な冬期カンパで08年決戦に進撃しよう
08年決戦の勝利を切り開くために、皆さんの全力のカンパを革共同に寄せて下さい。獄中33年の星野同志を必ず取り戻す誓いをこめて、カンパの集中を訴えます。
07年、革共同は、「階級的労働運動路線で21世紀の日本革命を切り開く」という、本紙新年号の提起を全力で実践してきました。それが11・4日比谷で、労働者階級の怒りを組織した「世界革命への5700の団結」として結実しました。
革命は、最も現実的で明快な答えです。体制内労働運動と体制内左翼が圧殺してきたこの真理が、いま最も分かりやすく提起されています。資本主義社会の存続を前提にして未来を描くことなど、もはや不可能なのです。
見てください。革命前夜の澎湃(ほうはい)たる決起、反乱が巻き起こっています。イラク侵略戦争は米帝ブッシュを底なし沼に引きずり込み、アメリカと世界に労働者階級の反乱が広がっています。韓国・民主労総の11月闘争、フランスでのゼネストと青年の暴動、ドイツ史上最大規模の鉄道スト。そして9・29沖縄12万人の決起と全駐労・基地労働者のストライキ。
このプロレタリア革命運動の真ん中に、国鉄分割・民営化攻撃を打ち砕いて勝利した動労千葉があります。民営化攻撃は、こんにち帝国主義の基本政策となっている国際労働者階級への大反革命です。これと組織の存亡をかけて対決し勝利してきた動労千葉(動労千葉派)が、労働運動の国際的潮流になったのです。
サブプライムローン問題を引き金にして世界金融大恐慌が現実に迫っています。帝国主義の戦後世界体制が根底から崩壊しつつあるのです。これから帝国主義間で相互絶滅戦が激化し、戦争が労働者階級への攻撃として爆発していく情勢です。資本は労働者の生活と生存、雇用と労働を徹底的につぶして生き残りを図ります。体制内労働運動は資本の支配を支える柱へますます変質していきます。
階級情勢のこの激しさが、日和見主義・解党主義を粉砕する「党の革命」の徹底的な推進を求めています。「星野同志奪還」が世界の労働者階級の共同のスローガンになろうとしている時代に、完黙・非転向の原則の解体と権力への投降を、断じて許すわけにはいきません。
革命は青年の事業です。階級的労働運動路線のもとで、青年・学生が革命に生きる決意を固め、生き生きと闘っています。革共同は皆さんとともに勝利します。絶大なカンパを寄せて下さい。
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週刊『前進』(2323号2面1)(2007/12/10 )
空前の不起立闘争まき起こそう
08年3月卒業式こそが決戦 団結固め闘う日教組再生へ
革命的共産主義者同盟教育労働者委員会
11・4労働者集会は、世界革命への展望を指し示した。全国の教育労働者は、「日の丸・君が代」不起立闘争を貫く潮流を形成しつつこの集会に結集した。われわれに問われたのは、不起立闘争の組織化に本格的に踏み出すことであり、これを教育労働者の自己解放闘争、階級的団結を拡大する戦争協力拒否闘争として闘う路線を確立することであった。その自己変革をかけて、11・4は闘われた。その地平の上に、08年3月卒業式で不起立闘争の爆発をかちとるべき決戦の時が来た。
【写真】 11・4集会で壇上に並んだ教育労働者。根津公子さんが処分を恐れず闘うことを宣言した
世界革命の展望示した11・4
11・4全国労働者総決起集会は、日比谷野音を埋め尽くす5700人の結集と銀座を解放区と化す戦闘的デモとして大爆発をかちとった。
9・29県民大会12万人の爆発を切り開いた沖縄高教組が、日教組本部や平和フォーラムの制動を打ち破って11・4労働者集会に合流した。全国の教育労働者は、根津公子さん・河原井純子さんを解雇させない闘いを「君が代」不起立として闘う潮流をつくり出しながら、11・4に結集していった。
「不起立行動は、アメリカや韓国の闘いともつながる教育現場の戦争協力拒否の闘い」との免職=解雇も恐れず不起立を貫く根津さんのアピールと、東京・全国の被処分者・不起立者の登壇は、08年不起立闘争の爆発への戦闘宣言となった。広教組の青年部員は「私は革命をめざす教育労働者です」と堂々と宣言し、「体制の鎖から自分を解き放つ」自己解放闘争として不起立闘争を闘う決意を高らかに表明した。
日米韓3カ国の国際連帯闘争は、国際帝国主義の新自由主義と戦争の攻撃と闘う階級的団結として発展し、まさに世界革命の展望を豊かに指し示している。
特筆すべきは、11・4労働者集会に、アメリカ・UTLA(ロサンゼルス統一教組)からCAMS(校内の軍国主義に反対する連合)の闘いを展開しているアーリーン・イノウエさん、グレゴリー・ソティアさん、韓国・民主労総ソウル本部から全教組ソウル支部政治委員長のチョヒジュさんが参加し、日米韓の教育労働者の交流と連帯が実現したことである。
11・4集会前日の3日に行われた日米教育労働者の国際連帯交流集会は、「日の丸・君が代」不起立闘争と軍募兵官追い出し闘争という日米帝国主義足下の教育労働者の戦争協力拒否闘争が合流し団結を固める場となった。まさに〈教育労働者には戦争を止める力がある>〈労働者の団結の力が社会を変える>ことを確信した交流集会だった。ここでわれわれがつかんだ確信と展望こそ、戦争と革命の時代の教育労働運動をつくり出していく最大の糧である。
11・4の成果を打ち固め、08年春の不起立闘争の巨大な爆発をかちとろう。
自己変革かけた実践に突入
教育労働者委員会においても、総括の最大の核心問題は、〈体制内労働運動との決別と階級的労働運動の実践への突入>というテーマである。
03年「10・23都教委通達」に対する04年の東京の不起立闘争の爆発を受けて、われわれは、不起立闘争の拡大を戦略的課題にすえきり、教育基本法改悪阻止闘争の高揚と、闘う日教組再生運動の前進を切り開いてきた。教基法改悪阻止闘争の総括をめぐって、職場における党としての独自の闘いとしての不起立闘争の意義と11月労働者集会の位置をあらためて鮮明にしてきた。
しかし、革命的情勢の急接近下の07年階級攻防の展開の中で、われわれには新たな飛躍と転換が問われた。国鉄分割・民営化攻撃に全員が首をかけて立ち向かってストライキを闘いぬいた動労千葉の闘い、「労働運動の力で革命をやろう」を掲げた闘いを職場生産点で果敢に実践する青年労働者の闘いに学び、体制内労働運動と決別し、資本・権力との非和解的対決を貫いて階級的団結をつくり出していく実践への突入が待ったなしとなったのである。
東京の不起立闘争に対する累積加重処分は、「次は免職=解雇」という段階に立ちいたった。これに対して根津公子さん・河原井純子さんは「不起立を貫く」と敢然と宣言している。この闘いとともに闘いぬくのかどうかをめぐって、われわれ自身の労働者革命家としての立場と実践があらためてあいまいさなく突きつけられたのである。
根津さん・河原井さんとともに不起立闘争を組織する闘いは、首をかけても守りぬくべき階級的団結をつくり出していく闘いであり、日教組の階級的再生をかちとる最先端の闘いなのである。
他方、被処分者の運動が裁判闘争依存主義に陥り、闘いを制動する動きが表面化してきていた。最大の焦点である東京における不起立闘争の組織化に、党として本格的に踏み出すことが問われた。個人の「思想・良心の自由」の問題ではなく、教育労働者の自己解放闘争として闘う思想、職場の団結を拡大する戦争協力拒否闘争として、階級的労働運動として不起立闘争を闘う路線の鮮明化が求められたのである。
こうした転換と飛躍をかちとりつつ、不起立闘争を公然と呼びかけ、組織しながら11・4への結集をかちとっていった。それは、激しい党派闘争の過程であり、動と反動とがせめぎあう中で日々自己変革が迫られる過程であった。
「君が代」不起立闘争はNEA(全米教育協会)全国大会に持ち込まれ、アメリカの軍募兵官追い出し闘争との合流が実現した。動労千葉の国際連帯の地平の上に、多忙化を極める職場の現実と格闘しつつ訪米した教育労働者(不起立被処分者)の決断と飛躍が切り開いたものである。
11・4集会に昨年を上回る教育労働者の結集を実現したとはいえ、1千人結集の目標からすれば、結果はもちろん満足すべきものではない。しかし、参加した教組が来春の不起立闘争方針を組織として決定するなど、11・4結集運動は、不起立闘争の巨大な発展の力をただちに生み出しているのである。
階級的労働運動路線にいよいよ確信を深め、拠点建設、階級指導部としての細胞建設を本格的に進めていこう。
労働者総反乱の時代始まる
08年春の不起立闘争は、かつて経験したことのない革命的激動下の闘いとなった。米帝のイラク・アフガニスタン侵略戦争は泥沼と化し、イラン・パキスタン、さらに北朝鮮への侵略戦争の拡大が画策されている。サブプライムローンの破綻(はたん)は、ドル暴落と世界金融恐慌を切迫させ、住宅差し押さえで労働者を路頭に放り出し、物価上昇が労働者階級人民の生活を直撃している。戦争によってしか生き延びられない帝国主義、労働者を食わせていけない資本主義の末期的姿が示されている。
日本階級闘争は、戦後革命期以来の激動に突入した。参院選での自民党の歴史的大敗は、労働者階級人民の総反乱の開始を告げ知らせた。沖縄県民大会12万人の決起は、沖縄からの「革命」の始まりである。自治労や教組が中軸になって実現した、事実上のゼネストと言うべき島ぐるみの決起である。
日帝の改憲戦略は吹き飛び、構造改革は途絶し、海自はインド洋から撤退に追い込まれ、統治の空白が生まれている。まさに職場生産点と街頭の闘いで決着をつけるべき時なのだ。大連立や政界再編による改憲への巻き返しをぶっ飛ばし、ゼネストと巨万の労働者人民による国会包囲から日帝打倒に攻め上る攻勢的な改憲粉砕闘争こそ求められている。
体制内労働運動を打倒して4大産別の職場生産点の闘いが爆発し、戦争政治への沖縄の怒り、青年労働者の「生きさせろ」の怒りと闘いに結合した時、巨万の労働者階級の総反乱の道が切り開かれる。小泉・安倍政権が強行してきた戦争・改憲、民営化・労組破壊の攻撃を根底から打ち破る闘いに打って出よう。
改悪教基法体制うち破ろう
いよいよ「10・23通達」から5年目の卒業式を迎える。今年は「卒業式と入学式において」ではなく、卒業式こそが決定的な勝負の時である。根津公子さんは、卒業式における不起立をもって懲戒免職処分の攻撃が突きつけられている。3月卒業式において、昨年までをも大きく超える不起立闘争をたたきつけ、「根津さんを解雇しようものなら、全都・全国の教育労働者は総反乱をもってこたえる」ことを都教委と日帝・文科省に突きつけてやろう。
「10・23通達」とは、教育労働者や生徒個々人の「内心の自由を奪う」だけのものではない。石原・都教委がここ数年強行してきたありとあらゆる管理強化と極限的多忙化攻撃の頂点に立ち、都高教組合員が職場につくり上げてきた団結をずたずたに破壊し、職場支配権を完全に奪い去ることこそ、「10・23通達」攻撃の核心である。日教組の現場組合員の団結と抵抗をたたきつぶさなければ戦争教育など貫徹できないことを一番よく知っているのは石原・都教委であり文科省なのだ。
だからこそ「10・23通達」に打ち勝つ道とは、職場に団結をつくり出し、その力で不起立闘争を闘いぬくことにある。不起立闘争を闘って団結を強化・拡大することで都高教つぶし・日教組つぶしを打ち破り、「闘う都高教」「闘う日教組」をまったく新たに再生することである。08年春、東京と全国でこれまでをはるかに超える不起立闘争を巻き起こそう!
沖縄の「記述回復・検定撤回」の闘いは、90年代後半以来の「つくる会」勢力の歴史教科書攻撃から教基法改悪にいたる流れを根底からひっくり返していく巨大な突破口である。沖高教組の決起に続き、08年春の「日の丸・君が代」不起立闘争で、改悪教基法を打ち破る闘いを開始しよう。学習指導要領改訂による「国旗・国歌」条項の改悪、09年教員免許更新制導入を不起立闘争でぶっ飛ばそう。
11・4集会に参加したイノウエさん、ソティアさんらは12月14日、UTLA・CAMS主催で「『君が代』不起立」上映会と11・3〜4の報告集会を開催する。不起立闘争と募兵官追い出し闘争が相互に励まし合い、NEA本部と日教組本部を揺るがす闘いへと発展しようとしている。戦争協力拒否の国際連帯のさらなる発展をかけて、08年不起立闘争の巨大な爆発をかちとちろう。
改悪教基法体制の支柱としての姿をあらわにしつつある日教組の森越執行部は、「君が代」解雇に反対する署名に取り組むことを拒否したばかりか、あろうことか、首をかけて「教え子を再び戦場に送らない」を貫く組合員を切り捨て、解雇攻撃の前に差し出そうとしている。全国の現場組合員の日教組本部への憤激を巻き起こそう。
3月卒業式において、根津さん・河原井さんとともに巨大な不起立闘争の爆発をかちとり、日教組本部を打倒しよう。
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週刊『前進』(2323号2面2)(2007/12/10 )
「11・4」「訪韓」ビデオ完成
動労千葉制作の「11・4全国労働者総決起集会」「訪韓報告」の二つのビデオ(DVD)が完成した。
「07年11月」は階級闘争が国際的規模で量質ともに歴史的な飛躍をなした時として、その場に立ち会った興奮を伴い、後々まで記憶されるだろう。
日比谷野音を埋めた闘う労働者の声援と喝采、日韓米労働者の力強い発言、国家権力の規制を破って銀座を解放区に変えた実力デモ、民主労総大会での熱い連帯、放水の圧力をはねのけて響きわたる「非正規職撤廃!」の叫び、ハイテクRCDコリアの職場訪問での心温まる交流―これらのハイライトシーンがふんだんに盛り込まれた映像記録である。
11月大結集運動を広めるため、2作品を一体として積極的な活用をお勧めしたい。どちらも頒価500円。
◆申込先 動労千葉/千葉市中央区要町2―8DC会館/TEL 043―222―7207/FAX 043―224―7197
/E-mail doro-chiba@doro-chiba.org
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週刊『前進』(2323号2面3)(2007/12/10 )
市東さん耕作権裁判 “境界確認もせず”
NAAの資料はデタラメ
12月3日、千葉地裁で市東孝雄さん耕作権裁判の第5回弁論が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟を始め、100人もの人びとが傍聴のため朝から並んだ。
今回またも、原告NAA(成田空港会社)側のデタラメでずさんな主張が明るみに出された。
原告は書面資料として、旧地主の相続人からの聞き取り調査報告書、隣接地の地主の妻からの聞き取り調査書、さらに70年代の収用裁決申請書、明け渡し裁決申請書を提出してきた。「市東家が境界線を越えて空港公団が買収した隣接地にまで耕作を及ぼしている」と言いたいわけだ。
だが、まず69年3月の買収当時の資料が何ひとつない。そして当時の耕作権者であった市東東市さん(孝雄さんの父)との境界確認が行われていなかったことを認めつつ、「当時は空港反対運動が激しかったため、境界確認を行えるような状況ではなかった」と弁解している。しかも二つの「聞き取り報告書」は本人の署名も押印もない。
これでは何の証拠にもならない。NAAが航空写真や地図を示して「境界線はこうだった」などと強引に言わせたことは明らかだ。しかも、境界確認をしていないことを反対運動のせいにするとは卑劣極まりない。NAAによる畑の位置・形状の特定は、なんら根拠のないインチキなものということだ。
また、後者二つの申請書は、所有権・賃借権の権利者としての市東東市さんの名前が削除されているという、デタラメなものである。
弁論終了後の記者会見で反対同盟顧問弁護団は独自の土地測量をすでに行い、こうしたNAAのすでにボロボロの言い分を徹底粉砕することを明らかにした。市東孝雄さんは、「今年はNAAから訴えられたが、こちらからも訴えた。今後も支援を頂き、全力で闘う」と決意を表した。
続いて行われた報告集会においては反対同盟事務局長の北原鉱治さん、本部役員の鈴木幸司さん、事務局次長の萩原進さんが裁判の勝利と12・15現地闘争への結集を強く訴えた。傍聴にかけつけた群馬の青柳晃玄さん、関西の松原康彦さん、動労千葉の後藤俊哉さん、都政を革新する会の長谷川英憲さん、相模原市議の西村綾子さんらが、それぞれ地元での闘いを報告しながらともに闘う決意を述べた。
次回の日程は08年3月3日となったが、1月15日には市東さんが原告となっている農地取り上げ違憲訴訟(行政訴訟)の第2回弁論が開かれる。傍聴にかけつけよう。
【写真】 市東さんが記者会見で「農地を守りぬく」と鮮明な決意(12月3日 千葉)
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週刊『前進』(2323号2面4)(2007/12/10 )
職場闘争圧殺の本部に怒り
国労5・27弾圧裁判 被告がJRの安全破壊暴く
12月5日、国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第85回公判が東京地裁刑事第10部(青柳勤裁判長)で開かれた。この日の公判から富田益行被告団長への被告人質問に入った。
この弾圧は、鉄建公団訴訟に立った闘争団員を統制処分にかけるため、国労本部が02年5月27日に開いた臨時全国大会に際し、抗議のビラまき・説得活動に立った国労組合員らが「暴力行為」をデッチあげられて逮捕・起訴されたものだ。
大口昭彦弁護人が質問に立ち、「どういう気持ちで5・27臨大のビラまき・説得活動に臨んだのか」と聞くと、富田被告は「国労本部が闘争団を切り捨てるのは絶対に許せなかった」と述べるとともに、「5・27臨大で国労が1047名の解雇を認めれば、JRの営利至上主義も認めることになる。国労は安全破壊、団結破壊に対して職場闘争をまったく闘えなくなる。そのことを訴えたかった」と断言した。
葉山岳夫弁護人に答えて富田被告は、国鉄時代、新幹線総局大阪保線所で土木の仕事に携わっていたが、国鉄分割・民営化に際してJR西日本に採用されたものの、西明石駅近くの通称「幽霊部屋」と呼ばれる隔離職場に押し込められ、5年間、駐車場づくりなどをやらされたと述べた。
「JRはなぜあなた方を排除したのか」と聞く弁護団に、富田被告は「営利至上主義のJRにするため、労働者の命と権利を守って闘う者、安全闘争を闘う者が排除された」と答えた。1047名も、JRに採用されながら隔離職場に不当配属された国労組合員も、その点は同じであり、「JR内で安全問題を追及して闘うことが1047名を職場に取り戻すことにつながる」と富田被告は強調した。
闘争団を切り捨てることは、職場における反合理化闘争の圧殺をも意味する。だから被告たちは5・27臨大当日、「闘争団を切り捨てるな」と必死になって訴えたのだ。
富田被告はまた、国鉄分割・民営化によっていかに鉄道の安全が損なわれていったかを体験に基づき具体的に展開した。
国鉄時代の1977年、助役に命じられて現場調査のため新幹線走行中の線路内に立ち入った国労組合員ら2人が、列車にひき殺される事故が発生した。国労分会は直ちに抗議集会を開き、連日の団交を繰り返して、「列車走行中は線路内に入らない」ことを当局に認めさせた。その確認が交わされるまでの約60日間、新幹線大阪保線所管内の線路検査と補修はストップし、京都−新大阪間で新幹線は90`までスピードダウンせざるをえなくなった。しかし、国鉄分割・民営化を前に、こうした協約はことごとく破棄されたという。
05年4月の尼崎事故についても、富田被告は次の事実を暴いてJRへの怒りをあらわにした。あの事故で電車が脱線したカーブは、もっと緩やかなものにできたが、そのためには新たな用地買収が必要となり、その出費を惜しんだJR西日本は、規定に反する急カーブを造ったという。このことが、あの大惨事を引き起こしたのだ。
現場の保線労働者の視点でJRの安全破壊を告発し、命と安全を守る闘いを営々と貫いてきた現場組合員の闘争史を語る富田被告の言葉に、裁判官も身を乗り出して聞き入った。検察側もその迫力に圧倒され、一言の異議も出せなかった。
5・27臨大闘争弾圧裁判は国鉄分割・民営化そのものを撃ち、これに屈した国労本部の裏切りを全面的に暴く闘いになっている。被告の無罪獲得へ裁判傍聴に集まろう。
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週刊『前進』(2323号2面5)(2007/12/10 )
部落解放東日本共闘総会へ
部落解放東日本共闘会議から、第16回総会への参加の呼びかけが発せられましたので、以下に掲載します。これにこたえ、革命的部落解放闘争の発展を切り開こう。
(編集局)
◆
部落解放東日本共闘会議に結集するみなさん。日夜のご奮闘に心から敬意を表します。
部落解放東日本共闘会議は、来る12月16日(日)、第16回総会を下記の通り開催します。
11・4労働者集会は、5700人の大結集、そして銀座・数寄屋橋一帯を解放区と化した戦闘的デモの警察権力を圧倒する迫力として、解放感と戦闘性にあふれた労働者の総決起集会としてかちとられました。参加しただれもが、労働者の階級的団結こそが、資本と国家権力の支配を打ち破る無限の力であることを確信しました。
今解放共闘の16回総会は、「階級的労働運動の力で社会を変える」時代が到来したことを自らのものとし、このことを真っ正面に掲げて闘いとりましょう。
体制的危機を深め、そこからの脱出を求めてあがく日本帝国主義は、戦争と民営化・労組破壊、生きる権利さえ奪う、部落解放運動絶滅攻撃を激しくかけてきています。改憲攻撃と一体です。安倍政権のもとで狭山担当に据えられた東京高裁・門野裁判長体制は狭山闘争の解体攻撃そのものです。
今総会で、07年の闘いの総括を鮮明にし、11・4が発した「労働者はひとつ、団結して闘い、必ず勝利しよう」を08年の闘いの柱としてかちとりましょう。階級的団結をかちとる共同闘争をつくり上げていきましょう。「事実調べ・証拠開示」、狭山第3次再審をかちとろう。改憲阻止の大闘争に立とう。
解放共闘に結集するみなさん。第16回総会へのご参加を心から訴え、ご案内とします。
2007年11月23日
部落解放東日本共闘会議
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週刊『前進』(2323号3面1)(2007/12/10 )
超勤拒否で開いた歴史的地平
体制内労働運動との激突貫き郵政民営化攻撃の核心を砕く
革命的共産主義者同盟全逓委員会
闘う全逓労働者は、超勤拒否を始めとする実力決起で、10・1民営化と10・22全逓解散=全郵政との組織統合を迎え撃った。郵政民営化攻撃は、闘う現場労働者とその実力決起を圧殺できなかった。ここに民営化攻撃の最大の破綻(はたん)点を作り出した。この闘いの中から全国の全逓労働者は意気軒高と11月労働者集会に総決起した。パンク必死の年賀を前に、11月結集運動の地平を確認し、いよいよ民営化攻撃を破産にたたき込む正念場となった年末繁忙期を闘いぬこう。
【写真】 闘う全逓労働者は、JPU臨時大会に対して怒りのデモに決起(10月22日、東京・高輪)
「一人の決起が必ず職場変える」と決意
全逓戦線は、10・1民営化を前にし9月、すべての勢力が総屈服する状況に対し、「このままですますものか」「国鉄分割・民営化に対して、唯一ストライキで闘うことで団結を強化した動労千葉に学んできたことを実践する時が今だ」「一人の決起が必ず職場を変える」、こうした真剣な討議を経て、われわれの独自の方針として、全国の拠点職場で超勤拒否を打ちぬいた。
この職場闘争は、処分を恐れず、体制内労働運動=全逓本部との激突をとおして敢然と打ちぬかれ、11月結集運動の本道を実践し、11・4日比谷5700名の団結の一翼を形成することで、郵政民営化攻撃=全逓労働運動解体攻撃を核心において粉砕したのだ。
「悩んだが、当局の締めつけや組合の体たらくに対する反撃をと思い、超勤拒否を1週間闘っている。分会は『超勤拒否に賛同しないように』と言うためだけに職場集会を開いた。こんな分会や支部をたたき直したい」「超勤拒否で職場の環境が一変した。闘いは中途半端だとなめられる。トコトン闘って初めて力関係が逆転できる。始まった職場の分岐の一切を11・4集会につなげよう」(9・28「郵政民営化絶対反対」集会での全逓労働者の発言)
「当局は、処分攻撃で闘いをつぶそうと即決処分をしてきましたが、われわれは処分など恐れていないので断固貫徹しました。敵は、処分の恫喝と体制内組合を使った重圧でしか闘いをつぶすことができないのです。解雇・処分を恐れず、体制内組合の重圧と対決すれば、闘いはできるし勝利することができるのです」(11・4集会での全逓労働者の発言)
11月結集運動は、ついに全逓労働運動における階級的労働運動としての歴史的1ページを開いたのだ。
郵政労働者の敵=JP労組本部倒せ
革命によってしか生きることができない青年労働者、「生きさせろ」世代が2000万という規模で生み出されている現実こそ、帝国主義の崩壊情勢、革命的情勢そのものだ。
サブプライムローン破綻による金融危機は全世界を覆い、恐慌前夜のなかで帝国主義は本性丸出しに労働者階級への強搾取と団結破壊と世界戦争を一切の延命策にしようとしている。
日本帝国主義もまた、他帝国主義との争闘戦の敗勢のなかで、戦争=改憲と民営化攻撃を4大産別の解体攻撃をとおして推し進めようとしてきた。しかし、中曽根以来の、小泉・安倍・福田と続く「新自由主義政策」のもとでの「改革」の破綻が、参院選の大敗として突きつけられるなかでぐらぐらになっている。それは、労働者階級の根底的な怒りが渦巻き噴き出ようとしていること、プロレタリア革命への恐怖なのである。
9・29沖縄12万人の階級的決起は、プロレタリア革命が現実の問題であることを示した。10・1民営化を前にした9・29沖縄の闘いは、闘う全逓労働者の超勤拒否闘争と一体であり、その勝利性を指し示す最大の援軍であった。職場生産点から階級的労働運動を実践に移す、決定的なチャンス到来の情勢であった。
過労死、自殺が続出する状況
郵政民営化を前に、職場は強労働と強搾取、権利はく奪と団結破壊の攻撃が吹き荒れていた。2〜4日連続する泊まり深夜勤によって病休者が激増、100人以上が現職死亡=過労死、100人以上が自殺に追い込まれた。退職に追い込まれた労働者は万を超え、民営化時には、全国で1万5千人の定員割れを起こすほどになっていた。
大幅な欠員状態が慢性化し、連日3〜4時間の超勤は当たり前。14万人いた集配課と郵便課の正規職労働者が半分にされ、無権利・低賃金の非常勤労働者に置き換えられていた。この過酷な現実を生みだしたのは、単に資本による激烈な攻撃だけが起因ではない。闘いを放棄し、闘いを抑え込むことを方針化し、百パーセント民営化に賛成し積極的に推進してきた連合JPU(全逓)本部こそがつくり出したものなのだ。
10・22、全郵政と統合してできたJP労組は、その綱領で「生産性運動を推進する」「事業人としての立場」と、資本と一体であることを隠そうともしていない。まさに現代の産業報国会そのものだ。
しかしわれわれは、こうした労使一体の「働こう」運動の現状こそ、敵の攻撃の強さではなく破綻であり、敵の最弱の環こそ、現場組合員から決定的に遊離した連合JP労組本部にあることを現実の闘いのなかからつかみ取った。
そもそもJP労組本部は、労働者の闘いなど起こるわけがないと思っており、当局に忠誠を誓うことに労組として延命できる道があると考えている徹頭徹尾反労働者的存在であり、郵政労働者にとって労働組合の名をもって労働者を地獄に導こうとする最大の敵だ。
だからこそ、郵政労働者は必ず本部打倒の闘いに決起するし、9月超勤拒否闘争は、まさに本部打倒の闘いとして貫かれたのだ。
マル青労同に学び退路を断った実践
昨年来からの全逓のマル青労同の同志による職場闘争の開始と体制内民同執行部との激突に真剣に学び、それをすべての職場で実践することが問われた。
新年号提起以来、職場において、動労千葉労働運動(資本との闘いにおいて、原則を曲げないで、団結を総括軸におく闘い)を実践することが問われていた。すなわち現実の職場状況は、今までのあり方、反本部のたんなる左からの批判だけでは、現場労働者の信頼を受けられる状況ではまったくなかった。分会権力があっても、「民同の補完物」では、まったく闘えない状況であった。革命家として、マル青労同の「労働運動の力で革命を」の退路を断った立場と実践がまったなしに問われたのだ。
まず職場において個人ビラを定期的に発行することから始めた。ビラで郵政民営化絶対反対を提起する以上、本当に職場に闘いを起こす責任があいまいさなく問われた。
そして郵政民営化絶対反対の路線的正しさを確信することに全力をあげた。このスローガンの階級的立場を確固とするために、マル青労同が掲げるマルクス主義獲得のフラクション・労働学校が決定的な土台となっていった。
こうして階級的労働運動を実践に移すことの決定的意義をつかんでいった。職場の現実と全身で格闘する日々の実践のなかから、階級の指導部としての能力を身につけていったのだ。同時にそれは、全国単一の労働者党における指導部の登場を意味していたのだ。
動労千葉労働運動の橋頭堡が職場に
革命的情勢の急接近のなかで帝国主義の全体重をかけた、4大産別解体攻撃に対して、各々の職場で闘える方針は、動労千葉を軸とした11月1万人結集以外にないことは明らかであった。
問われていたのは、ひとつの職場にかけられた団結破壊=分断支配の攻撃は、実は非正規や正規をこえ、産別や地域をこえ、国境をこえた、帝国主義世界体制による全一体の階級解体の大攻撃であるということ。これと対決するには、ひとつの職場からの反撃を労働者階級として全一体となった団結した闘いへと高めることなしに勝ちぬけないこと。この動労千葉が切り開いた闘いを一人ひとりの職場で実践すること、それが11月1万人結集方針であった。
だからこそ自分の職場、生産点で闘うことが決定的となるのだ。動労千葉派は一人であっても、全国、全世界と階級としてひとつにつながっており、そこでの階級的な闘いが1万となって結集すれば、もはや、資本家階級はお手上げ、完全におしまいになるからだ。「労働運動の力で革命をやろう」は非常に現実的な職場闘争方針であり、職場における革命方針なのだ。
われわれは、07年の激闘をとおして、小なりとはいえ、ついに動労千葉労働運動の橋頭堡(きょうとうほ)を郵政職場に打ち立てることに成功したといえる。4大産別においてこそ、動労千葉労働運動の真価が発揮されるのだ。
年賀をぶっ飛ばし超勤拒否で闘おう
11月26日、9月末の超勤拒否闘争への即決処分を下してきた当局は、2日目の超勤拒否への2回目の不当処分を加えてきた。これは、社長・西川が商業新聞紙上で、「今年のように、年賀が元旦に配達できなかったことを来年は絶対に繰り返さない」とけたたましく叫んでいるように、年末繁忙期における超勤拒否を絶対に許さないとする予防反革命にほかならない。同時に、一人の処分を恐れぬ闘いが、全国的影響をもっており、どこの職場においても同じ怒りが渦巻いていることへの恐怖の表れなのだ。
郵政当局は11月30日、「2年間で2万4千人10%強削減」を発表した。2カ月前まで、労使一体で「民営化されても雇用は守られる」などと大合唱していた責任はどうなるのか。われわれが繰り返し暴露してきたように民営化とは首切りであり、団結破壊であることが明白となっているではないか。
断固として呼びかける。10人に1人を首切りし、4時間〜5時間の超勤を常態化させ、過労死に追い込もうとしているのは、西川社長を始めとした管理者とそれと一体となったJP労組本部であることがはっきりした。財務内容などに労働者の責任は一切ない。労働者は奴隷ではない。首切りや強労働から自らの生命と生活を守ることのどこが悪いのか。それでなぜ処分されなければならないのか。もう我慢はできない。
黙っていたら殺される。年賀がぶっ飛ぼうとも、超勤拒否で闘おう。その一切の原因をつくり出した当局とJP労組本部に責任をとらせよう。
具体的要求は、はっきりしている。「増員と非正規職の本務化をただちに実施せよ」だ。
郵政民営化は第1年から破綻している。しかし資本主義は打倒しないかぎり、あくまでも労働者階級をさらに搾取し、団結破壊によって延命しようとする体制なのだ。
職場の主人公は労働者であることを実際に貫く闘いを実践に移そう。「団結の究極の拡大が革命」であることを実践に移そう。マル青労同1000名建設の先頭で闘うことを全逓委員会の結語としよう。それが来年11月1万人結集への道だ。
年末繁忙期を戦闘的に勝ちぬき、08年民営化絶対粉砕へばく進しよう。
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週刊『前進』(2323号3面2)(2007/12/10 )
全駐労第2波スト 赤旗が基地ゲート制圧
沖縄 労働者に自信と誇り
実質的に24時間のストライキ
全駐労の全国統一第1波ストライキ(11・21)、第2波ストライキ(11・30)の支援にかけつけて、労働者がストライキに立ち上がることのすばらしさを実感しました。
11月30日の全駐労第2波全国統一ストライキは、第1波の4時間ストを超える8時間ストとして打ち抜かれました。それぞれの労働者が就業時間から8時間のストライキに突入するということで、実質的には24時間ストライキとなります。
第1波ストライキも解放感あふれる闘いでしたが、第2波ストライキはそれを上まわりました。
まず、結集人数がすごい。組合役員は早朝5〜6時から結集。主要なゲートには8時間ストライキに備えて各支部のテントが設置され万全の体制。前日までぐずついていた天気も、ストライキの成功を後押しするかのように久々に晴れわたり、次々と労働者が結集してくる。空軍支部が嘉手納基地第1ゲート前に1300人、マリン支部がキャンプ・フォスター消防ゲート前(第3ゲート)に600人、ズケラン支部がキャンプ・キンザー(牧港補給基地)城間ゲート前に1200人の組合員を結集して抗議集会を開催。そして第1波ストライキよりも戦術をアップした闘いを展開していました。ほかにも合計40の米軍基地のゲートには、すべて全駐労の赤旗がたなびき、ピケが張られました。
マリン支部ストライキの拠点ゲートであるキャンプ・フォスター第3ゲート。支部旗だけでなく分会旗も林立し、ゲート中央には「全駐労マリン支部警備分会」の旗がたなびく。普段は拳銃を携行し、基地のゲートの「警備」の仕事に就いている警備支部の労働者が、ひとたびストライキ突入となれば「全駐労」と書かれた赤はちまき・腕章で身を固め、分会旗を翻してストライキ防衛のピケの先頭に立っている。非組合員の車がゲートから基地内に入ろうとすると赤旗を車の前にかざして車を止めてストライキへの合流を呼びかける。この戦術は第1波ストライキでは行われていませんでした。
女性労働者の組合員はビニールの敷物や簡易折り畳みイスを準備してさながら「ピクニック気分」。長丁場の8時間ストライキを貫徹する意気込みが伝わってきます。
【写真】 11月30日、全駐労は第2波ストに決起(沖縄県浦添市のキャンプ・キンザー城間ゲート前)
反動吹き飛ばす自己解放性
ズケラン支部を中心としたキャンプ・キンザー城間ゲート前。大型バスをチャーターして、あるいはそれぞれの交通手段で、次々と組合員が結集してくる。宣伝カーから流れてくる音楽はなんと「インターナショナル」! そのほかにも労働歌が流され、雰囲気はどんどん戦闘的になってくる。
組合員にはシュプレヒコール案が配布され、青年労働者の音頭でシュプレヒコールを繰り返す。始めは突き上げる握り拳もバラバラだったシュプレヒコールが、だんだん一体となり、力強さを増してくる。最後は全参加者の拳がピシッとそろい、ピケ隊の気持ちが一つにまとまっていくようでした。
何しろ地本としても11年ぶりのストライキ。ましてやこれだけの規模のストは、青年労働者は当然にも初めての経験のはずです。しかし多くの青年労働者が今回のストの先頭で奮闘していました。一方で年輩の労働者は、全軍労時代の先輩が血を流してかちとってきた権利を明け渡してなるものかという気迫を感じさせます。世代を超えた労働者が今回のストでひとつになっていく。
何よりもストに参加している労働者一人ひとりの自信と誇りに満ちあふれた顔、顔、顔。たとえ労組幹部が連合路線のもと民主党支持を打ち出したとしても、「そんなの関係ねー」。労働者がストライキに立ち上がったら、そういう反動を吹き飛ばしてその自己解放性を爆発的に開示させる。労働者がストに立ち上がることのすばらしさを一人ひとりの組合員がその闘いで、表情で、全身で表現していました。その雰囲気は70年「復帰」闘争時の全軍労ストを想起させるものだそうです。
労働者の団結が世の中変える
沖縄の労働者階級の本体中の本体、中心部隊である基地労働者が2波の実力ストに立ち上がった意義は絶大です。21世紀の沖縄の労働運動に「ストライキ」を復権させたのが基地労働者であるということ、そのストが、傲慢不遜(ごうまんふそん)に振る舞い暴言を吐いた防衛大臣・石破を追いつめていること。そして何よりも基地労働者自身がストライキという闘いを「経験」してしまったこと。労働者が労働組合の旗のもとに団結してストに立ち上がった時に、社会を揺り動かし変革していく可能性と現実性を持っていることを、今回の全駐労ストは全沖縄の労働者に指し示したのです。
沖縄の階級闘争は革命的な情勢に完全に突入しました。教科書検定問題で高教組・沖教組や自治労が、そして今回ついに基地労働者=全駐労が立ち上がった。沖縄の労働者階級の闘いこそが沖縄の歴史を創造し社会を変革する主人公であることに確信をもって、階級的労働運動路線のもと、「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」の闘いを今こそ大きく発展させていこう。
(沖縄 上原哲也)
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週刊『前進』(2323号3面3)(2007/12/10 )
防衛省・守屋汚職事件 米軍再編の隠蔽狙う検察
前防衛事務次官・守屋武昌の軍需専門商社・山田洋行との癒着・贈収賄事件は、沖縄の辺野古新基地建設を始め米軍再編全体に関わっていることが明らかになった。山田洋行の元専務だった宮崎元信が昨年9月に設立した軍需商社「日本ミライズ」が、米軍再編関連でグアムの基地建設や辺野古新基地建設で巨額の資金に群がり、それを守屋が推進することによって、ばく大な金を懐にしていたのだ。
辺野古新基地建設は、昨年5月に日米政府間で「V字沿岸案」で合意したが、地元自治体は騒音軽減のために「建設場所を南西の沖合にずらしてほしい」と要請した。これに対して守屋は、「一体、何なんだ!」と地元自治体関係者らを大声で恫喝し、V字沿岸案を力ずくで押し通そうとしてきた。日米帝にとって朝鮮侵略戦争や対中国の侵略戦争体制構築のために辺野古新基地建設を早急に進める目的と同時に、守屋自身にとっても基地建設のばく大な利権を手にするためには早く建設を進めたいということだったのだ。
辺野古新基地建設は、普天間基地の返還、地元の負担軽減を掲げて進められてきたが、実際の目的は米軍再編=朝鮮侵略戦争のためであって、基地の強化・拡大以外の何ものでもない。V字沿岸案は2本の滑走路を持った巨大基地の建設であり、もともと米軍が狙っていた計画を、あたかも沖縄人民の要求をくみ入れるかのような装いをとって推進しようというものである。辺野古新基地建設によって、キャンプ・シュワブ一帯に基地機能の集中した巨大な基地ができるのであり、現在の普天間基地をはるかに上回る機能が発揮されるようになるのだ。
また、グアムの基地建設では、沖縄海兵隊員8千人のグアム移転や米軍住宅の建設など総額で3兆円規模の費用がかかる。日本ミライズは、グアムの基地建設工事を請け負う米ゼネコンの下請け企業に入り、建設コンサルタント業務を獲得する計画であった。日本ミライズはこれで100億円近い利益を見込んでいたのだ。
●訴追の対象を3件に絞る
米軍再編のための予算はミサイル誤誘導装置などに比べるとはるかに巨大である。ところが東京地検は防衛利権をめぐる刑事責任追及をミサイル誤誘導装置、生物剤検知装置、次世代護衛艦エンジンの3事件に絞っていることが明らかになっている。明らかに事態の全容が労働者人民の前に明らかになるのを阻止し、日帝・福田政権の中枢に波及すること、何よりも米軍再編自身をめぐる問題へと波及することを全力で食い止めようとしているのだ。
守屋の証人喚問の中で、元防衛庁長官の久間と額賀が東京・神田の料亭で行われたジェームズ・アワー元米国防総省日本部長を囲む宴席に守屋や宮崎らと同席していたとの証言が出た。日帝は、これに対する追及を全力で押しつぶそうとしており、アワーをマスコミに登場させて、同席したことを否定させた。民主党は、額賀財務相と守屋に対する証人喚問を12月3日に行うことを決定していたが、30日の参院財政金融委員会理事懇談会で喚問の中止に合意した。
これは何よりも守屋汚職問題で米軍再編が停止するかもしれないという危機に直面した米日帝が、証人喚問で事態がさらに明らかになることを恐れ、全力で隠蔽(いんぺい)を図っているということである。守屋、宮崎らの刑事訴追も影響の少ない3件だけに止め、米軍再編に支障を来さないためである。防衛省汚職問題が連日報道をにぎわしている一方で、日帝政府中枢の腐敗や、何よりも米軍再編をめぐる汚職がうやむやにされようとしているのだ。
●戦争で暴利むさぼる資本
戦争・軍事関連予算は、人民から税金として搾り取った金で支配者たちが帝国主義国家の軍備増強を進め、資本がそこでばく大な利益を上げると同時に、ブルジョア政治家どもがその金に群がっていく基本構造がある。その根幹は、資本が戦争によって資源などを強奪し、そのために帝国主義が他国を侵略し、勢力圏を構築し、覇権を確立していくことにある。こうした戦争で多くの人民が虐殺されていく一方で、資本はこの戦争でばく大な利益を上げていくのだ。
米帝は、アフガニスタンに続いてイラクに侵略戦争を拡大し、石油を独占しようとしている。この中で100万人とも言われるイラクの人民が命をなくし、生き残っている人たちも生活できない状態が強いられている。イラク・アフガン侵略戦争は、住宅バブルの崩壊に追い打ちをかける原油高となってアメリカ経済を直撃しているが、米帝はさらにイランに戦争を拡大し、イランの石油を強奪することでのりきろうと狙っているのだ。そのためにブッシュ政権は、イランが核兵器を開発していると騒ぎ立て、戦争準備を急ピッチで進めている。だが、イランが核兵器を開発しているという主張がまったくのウソであったことが暴露されている。米帝の情報機関自身が機密報告でイランが03年に核兵器開発を放棄したと述べていたのだ。それでもブッシュは「イランは今も危険」とし、「すべての選択肢を捨てない」とイラン侵略戦争突入を狙っているのだ。
労働者を、低賃金の非正規雇用に追い込み、過労死続発の強労働を強制しながら、資本家とそれに群がる連中は、さらにぼろもうけをたくらんでいるのだ。今こそ帝国主義を倒そう。労働運動の力で革命をやろう。米軍再編・辺野古新基地建設を阻止しよう。
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週刊『前進』(2323号4面1)(2007/12/10 )
11・4全国労働者集会 総括と決意
来年こそは1万人の結集を
職場で民営化絶対反対貫く/全逓
07年、私たち全逓労働者に問われていることは鮮明だった。民営化絶対反対を掲げて闘うのか、民営化賛成の体制内労働組合のなかに自らが埋没してしまうのかが二者択一で突きつけられていた。問われているのは私たち自身であり、労働者党員の主体的な決起で10・1郵政民営化絶対反対を貫くことであり、職場生産点を自らの戦場にして共産主義者として格闘することだった。まさに決戦の年であった。
全逓労働者にとって、3・18から始まった青年労働者・学生のワーカーズアクションは決定的に重要だった。時代情勢をどうとらえるのか。「生きさせろ! 闘い抜いて生き抜いてやる!」という青年労働者・学生の怒りが、“労働運動の力で革命やろう”というスローガンとして指し示され、青年労働者・学生の団結した行動になった。ここにこそ闘いの展望があることを私たちは確信した。
さらに5月代議員選挙を闘って、6月沖縄全国大会闘争では辺野古現地で基地建設に反対して闘う青年労働者の訴えに目頭が熱くなった。彼は「自分の職場でこそ闘ってほしい。それをつくりだして辺野古に来てほしい」と言った。沖縄の闘いとつながるとは、自らの職場生産点で民営化絶対反対で闘うことだという思いを強くした。
そして私たちは、この過程で動労千葉の闘いの生きた教訓と格闘した。職場での具体的な攻防課題を考えながら、自分だったらどうするかという思いで『俺たちは鉄路に生きる2』『同3』を何度も読んでいった。
07年前半戦を闘い抜いた私たちは、8月後半から郵政民営化絶対反対、全逓(JPU)と全郵政の組織統合反対の闘いを11・4集会1万人決起、マル青労同建設の闘いとして開始した。階級的労働運動路線の実践は、民営化絶対反対を貫く全逓労働者が職場生産点を戦場にする主体的闘いだ。いま立たずしてその後はないという思いだ。職場で闘うということは、分会や支部の役員だから闘うということではない。ひとりの労働者として、民営化攻撃に対する自分自身の怒りをビラと具体的な職場での行動で体現することだ。すでに現場労働者は、「こんなことまで当局からやられて、なぜ組合は闘わないのか」と怒りをあらわに反乱を開始している。
局門前のアジが情勢変えた
8月27日朝の出勤時、局の門前で「私たちは奴隷じゃない! 民営化絶対反対で闘おう」のビラ配りと、ハンドマイクでの「労働運動の力で革命やろう」のアジテーションをし戦闘宣言を発した。私たちの怒りの訴えは、確実に労働者の中に変化をもたらした。私たち自身も変わった。
こうした中で9月12日、仕事中に交通事故や誤配などを起こした労働者に訓戒処分が発令された。処分された労働者だけでなく、みんな怒っている。10数名の怒りの交流会を開いた。みんなの怒りは、当局に対する怒りとともに、闘わない労働組合に対する怒りとして噴出した。「不当な処分だ。絶対許せない」「順法闘争、ストライキで処分撤回だ」「局長の謝罪だ」「闘わない組合執行部を変えろ」などの声があがった。
こうした怒りは、私たちの怒りのビラと行動が引き出したものだ。少数の決断と決起が、職場労働者の分岐を生み出し、処分を逆にバネにして、団結して闘おうという機運が生み出された。資本・当局と労働者は非和解なんだということを貫くことが労働者の団結をつくるんだ。最も激しく過激なことが、最も大衆的な支持を受ける時代が来ていると実感した。
私たちは、9・2ワーカーズアクションin仙台で「局長、お前が配達やってみろ!」と怒りを爆発させ、10・22JPU解散―全郵政との組織統合のための臨時全国大会代議員選挙に決起。9月25日には不当処分粉砕・民営化絶対反対の「超勤拒否宣言」のビラをまき、その日から超勤拒否の闘いに突入した。
この闘いの中から見えてきたことは、共産主義者としての目的意識的な闘いは必ず現場労働者の怒りと結合できるという実感であり、ここで情勢に負けないことが日々の職場の闘いで突きつけられているということである。
私たちは、まだ体制内労働組合をひっくり返すことはできていない。しかし、階級的労働運動が、その闘いをとおして労働者の自己解放的エネルギーを解き放ち、“労働運動の力で革命をやろう”という主体をつくりだすことが可能であることを実践的につかみとるところまで来た。こうした闘いをやり抜いての11・4であった。
民営化との闘いはこれからだ。ともに闘おう。
(東北 岸川幸一)
学校政治破る主体ができた/国鉄
今年の11月集会は、同期入社の国労組合員にターゲットを絞り、仲間と連携して本気になってオルグした。
振り返れば、去年まではまだ「お客さん」として11月集会に来ていた。しかし今年は、本気になってオルグし集会参加をかちとった。オルグした人が会場に来るかどうか、当日は心配で仕方がなかった。会場の入り口に公安警察が大勢たむろしているのを見て、入り口まで来たのに帰ってしまう人だっている。携帯電話で連絡を取って来ていることが分かり、ともに会場に入った時、肩の荷が下りた。
こうなるともう、自分も後戻りできなくなる。
国労の仲間たちは、国労本部主催の集会には行く気がしなくなっているし、実際にほとんど行かない。11・4集会は国労本部主催の集会とは全然違う。この集会に来れば勇気づけられる。実際に集会に来れば、「中核派の集会」ではなくて労働者集会だと分かる。
今までは秋口になると、ああ今年も11月集会があるなと気が重くなった。今年はそうではなかった。去年までは、「動労千葉は素晴らしい。だから動労千葉を応援するために集会に行く」という感じだったが、今年は、「自分たちが動労千葉のように闘おう。そのために集会に行こう。そのために仲間を誘おう」という気持ちになった。
11・4へのオルグ戦をともに担った仲間は、11・4の後に開かれた国労の支部大会で、代議員として公然と本部批判の発言をした。
4者・4団体路線への批判を明確に打ち出すことによって、自らの闘いに自信を持ち、学校政治の重圧に負けずに自分の主張を貫ける主体へと私たち自身が変わってきた。それが11・4を闘い抜いた私たちの大きな成果だ。(東京 岩倉晃)
組合を旗揚げして結集/合同労組
今年の11・4集会は、「よし、オレたちは反撃するぞ! 革命だ!」と心底からつかみ取ることができた集会になりました。それは、集会に参加した仲間、行けなかった仲間、デモに参加した仲間、デモ直前で帰らざるをえなかった仲間のすべてに共通です。
私たち青年労働者は、「労働運動の力で革命を!」のスローガンを3・18集会で登場させました。6・9ワーカーズアクションでは「腐った幹部を倒し、組合を変えるぞ」と、資本と折り合いをつけようとする体制内労働運動を突き破って進むことを宣言しました。
9・29ワーカーズアクションでは、「資本家の時代は終わった。労働者に権力よこせ!」と、11月4日の労働者1万人集会で世の中を変えるぞと闘いを始めました。
東海でも同じです。
11・4では東海合同労組の旗を立てましたが、組合結成までは山あり谷ありでした。
青年労働者や学生の決起を信じず、「革命の空叫びをするな」という声もある中で、5人の労働者が名前を出して10月8日に名古屋で動労千葉集会を実現したのです。動労千葉の滝口誠さんから「9・29で情勢は大きく変わった。沖縄の怒りを引き継いで11月に世の中を変えるデモをやろう」という強いアピールを受け、東海合同労組(レイバーネット・東海)結成をかちとったのです。
私の職場でもある郵政の民営化をめぐっても幾度となく議論になりました。10月1日から4日間、労組交流センターのビラをまきました。自分は非番日に門前でやりましたが、たった1時間で持ってきたビラ50枚がなくなってしまいました。
現場労働者に、民営化は必ず破綻(はたん)することや、JP労組の掲げた「生産性向上への貢献」は“組合の死”である、という訴えが受け入れられたのです。
集配課だけでも、民営化前後の間に10人近くの仲間が職場を去りました。郵便の仕分けをする郵便課も、配達をする集配課も、もともと要員不足ですが、当局はもうけることだけに必死です。
「生産性向上」の名のもとにボロボロになるまで働かせようというのです。そんな現場が放置されているのは労働組合が腐っているからです。
これからどんな反動が待っているかわかりませんが、敵が攻撃するのは、労働者の団結に恐怖しているからです。ハッキリ言えば、攻撃してきた時点で私たちの勝ちです。仲間を信じ、処分・攻撃を恐れず闘っていきます!
私の職場でも、東海合同労組も、闘いを始めたばかりです。11・4で旗を掲げることができただけで満足しているわけではありません。どれだけの東海の闘う労働者が結集するか――ここが核心です。
12月には、東海合同労組の結成報告集会をかちとり、ただちに闘いを始めます。 (東海・郵政労働者 田嶋直人)
これが階級的労働運動路線の力
二乗倍の参加実現 神奈川 坂田 昇
昨年の3名参加から、今年は9名の参加を実現!
飛躍的に参加者をのばすことができた要因として、さまざまな取り組みを行いました。今までは、同じ派遣労働者の仲間に限ってオルグしていたのですが、大胆に正社員の労働組合員に11月集会を呼びかけたことです。
職場は自動車メーカーですが、正規・非正規にかかわらず労働条件の厳しさに差はなく、むしろ正社員であるがゆえに残業や休日出勤に応じざるをえず、時間外手当が生活給となり悪循環を生んでいます。
職場でリーダー的存在である組合員をオルグ(労組交流会のメンバーとの組織的交流を設定することによって)することで御用組合に不満を持つ周辺の労働者を組織化することに成功しました。
また、労働組合に組織されていない地域の労働者を組織化するために、昨年の暮れから始めた『労働講座』でワーキングプア問題を取り上げたところ、倒産争議を闘ったかつての仲間が派遣労働の雇い止めをきっかけに夫婦で集会に参加するということも起こりました。
「ワーカーズアクション」のニュースや昨年の11・5集会のDVDなどを活用することで、大胆にも「革命」が問われているんだというオルグができたし、個人ビラも階級的労働運動路線で展開することにより語りかけていくことができたと思います。
11月集会に参加した彼らとともに、闘う仲間から闘いの組織者に生まれ変わるようがんばりたい。
デモは二重マル! 群馬 中平達也
今年の11・4労働者集会は、「生きさせろ!」と叫びをあげて行動を開始した青年たちと、私たち動労千葉派が合流を開始し、ともに成功をかちとったという点で画期をなすものだったと思います。
力を結集して集会とデモの成功をかちとり、その成功の力でさらにそれぞれが闘いの力を得る−−これこそ運動のあるべき姿です。私と一緒に参加した青年たちの11・4の感想を紹介します。
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今回生まれて初めてデモに参加したわけであるが、想像以上に楽しく有意義なものであったとの実感がある。テレビの前や居酒屋でぐちを言っても世の中はけっして変わらない。実りある言動や行動こそが世界を動かすということは、歴史が証明している。
やはり、「無知は罪」「服従は損」ということは変えようのない真実のように思える。しかし、「勝てば官軍」の風潮がはびこる世の中でおのれを貫くのは正直骨が折れる。実際、自分は社会や会社に溶け込めず、最近は闘う意欲を失いがちになってしまっていた。
そうした中で、なんの因果か労働組合と巡りあうことになったのは、単なる偶然なのだろうか? いずれにせよ、「団結」や「結束」「仲間」「同志」といった、現代では忘れられかけている言葉を思いださせてくれたデモに心から感謝したいと思う。そしてこれからも、格差社会や労働問題の是正に向けて活動を続けていきたいと思う。
(30代男性、初参加者)
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今年の11・4も、世界中のいろんな国から、当然日本中からも、資本や権力と闘い続けている仲間が一同に集まった。“そういう人たちと僕たちはつながっているんだ”ということを確認させてくれるすばらしい集会でした。
デモ行進は圧倒的な解放感で二重マルでした。特に僕は、お祭りには祭囃子(ばやし)が必要と思い太鼓持参で先頭に立ったので格別でした。
(30代男性)
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青年のアピールがよかった。私は労働者ではないけれどつながっているんだと思った。大企業だけが弱いものを踏みつぶしていくような世の中と断固闘っていきたい。
(30代男性、初参加者)
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デモが楽しかった。右翼がどうしようもない、くだらない連中だということがよくわかった。自分もこのままでは希望もない。みんなと一緒に闘っていきたい!
(20代男性、初参加者)
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ほかにも青年の初参加者がたくさんいます。断固この道を進もう!
職場支配権で攻防 千葉・自治体労働者 桐山大介
11・4労働者集会は、カンパニア闘争ではない。それは自治体労働者にとっては、自治体当局、自治労や自治労連指導部との激しい攻防戦を闘いぬく労働組合活動家による団結集会であり、改憲=戦時体制と闘う階級闘争の戦場である。
私たちは労働現場の支配権をめぐる攻防に全力を傾注した。特に、強労働と民営化攻撃、そして労働時間延長問題で職場労働者に決起を呼びかけた。労働者の怒りは拡大し、ビラ1800枚が現場労働者によって、短期間に全職場の労働者に行きわたった。
そして、労組指導部による時間延長などの妥結という裏切りをめぐって、私たちは労働組合運動のあり方を問い、独自ビラで幾度も11・4集会を呼びかけた。さらに、『俺たちは鉄路に生きる3』を武器に現場労働者の組織化に取り組んだ。
その結果、11・4集会には昨年の2倍の動員に達し、11・4後も私たちの課題が鮮明になった。いま、新たな挑戦に奮闘している。
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週刊『前進』(2323号4面2)(2007/12/10 )
岩国 米軍再編に“怒!”
国の横暴が1万人の反撃呼ぶ
プログラムの裏の「怒」の文字を参加者全員が頭上に掲げた。1万1千人の労働者、市民、学生が一斉に立ち上がり、岩国の空に向かって怒りのシュプレヒコールをとどろかせた。
米軍再編を受け入れて協力しない自治体には補助金を出さないという「国の仕打ち」に対し、「怒りの1万人集会in錦帯橋」と銘打った集会が12月1日、山口県岩国市の錦川河川敷で開催された。この集会に広島県労組交流センターと全学連の広大生、百万人署名運動の仲間が合流し、ビラまきと署名活動をやりぬき、集会にも参加した。
「地方自治破壊・米軍再編許すな、自治体労働者の怒りの反乱を!」「軍需利権に群がる政官財をたおせ!」「沖縄12万の怒り、全駐労ストにつづこう」「生きさせろ! 福田政権打倒! 労働者の反撃開始」の見出しと沖縄県民大会の写真、さらに感動的な11・4全国労働者集会・デモの写真を使った2500枚のビラが、続々と結集する参加者に吸い取られるように受け取られた。集会場だけでなく、土手や橋の上など周囲は鈴なりの人だかりだ。
米軍戦闘機や自衛隊機の爆音で生活を破壊されている岩国基地直近の川口町に住む老人が「戦争のための憲法9条改悪反対署名」に積極的に協力してくれた。「90ホ ン 以上の騒音に苦しんでいる。住民投票の成果を踏みにじって国の側に賛成した市会議員は撃ち殺してやりたい気持ちだ。あんたらもがんばってくれ」と老人は語った。
9・29沖縄県民大会に続く万余の民衆決起だ。憲法9条改悪と一体の米軍再編の一環として、米海軍空母艦載機59機を岩国基地に移駐する攻撃への怒りは大きい。
イワクニには、敗戦からわずか5年足らずで始まった朝鮮戦争において、当時最大の出撃基地になった米軍岩国基地への根強い反発が存在する。政府による、地元を踏みにじった米艦載機移駐受け入れ―基地強化をきっかけに、その怒りのマグマが噴出した。
空母艦載機移駐の発表後、市議会は全会一致で反対を表明。06年3月には、住民投票で市民の圧倒的多数、有権者全体でも過半数以上の労働者・市民が、基地強化絶対反対の意志を日米政府にたたきつけた。
労働者・農民の怒りによって参院選で打倒された安倍政権を引きついだ福田政権は、この住民投票の結果に恐怖と危機感をつのらせ、その地平をなきものにしようと、「米軍再編を認めない限り、国から地方への補助金は出さない」という暴挙・恫喝(どうかつ)を行ってきた。この国の横暴に屈服して市民を裏切った議員たちや、基地・軍需利権へ群がる私利私欲にかられたやからへの、地元住民や労働者の怒りがどれほど深く激しいものか、今回の1万人集会でその一端を知ることができた。
やっぱり労働運動の団結した力で世界を変えるしかない。これがイワクニでも鮮明になった。
(投稿/広島 向原進一)
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週刊『前進』(2323号4面3)(2007/12/10 )
11月28日〜12月4日
防衛省汚職で守屋前次官逮捕
習志野にPAC3の配備強行
●イラク特措法廃止法案が参院で可決 民主党提出のイラク復興支援特別措置法廃止法案が参院本会議で野党の賛成多数で可決、衆院に送られた。イラクで多国籍軍を輸送支援する航空自衛隊を即時撤退させる内容。(28日)
●守屋前防衛次官を逮捕 防衛省の装備品納入で便宜供与した見返りに、軍需専門商社「山田洋行」元専務から12回で総額約389万円相当のゴルフ旅行の接待を受けたとして、東京地検特捜部が守屋前防衛次官と妻を収賄容疑で逮捕した。(28日)
●カナダ下院で慰安婦決議 カナダ下院は、第2次大戦時の日本軍隊慰安婦問題をめぐり、日本政府に謝罪を求める決議案を全会一致で採択した。法的拘束力はないが、カナダ政府が日本に必要な措置をとるよう求めている。(28日)
●F15再び飛行停止 11月2日の米本国での墜落事故を受け、いったん飛行停止とされた後、26日から飛行を再開していた米空軍嘉手納基地(沖縄県)所属のF15戦闘機について、嘉手納基地は「事故調査で新たな情報が判明した」として再度飛行を停止した。航空機の構造部材の一つ「縦通材」と呼ばれる部分に亀裂が2カ所見つかったことが明らかになった。(28日)
●岸壁はヘリ搭載船用 ケビン・メア在沖米総領事は、米軍普天間飛行場代替施設に設置が検討されている岸壁について「修理する場所へ移すために故障したヘリを乗せるバージ船(荷船)を寄せる岸壁だ。その機能が必要と日米で話し合ってきた」と述べ、燃料輸送用のさん橋とは別に岸壁の設置が日米合意事項であることを明らかにした。(28日)
●習志野にPAC3配備 防衛省は、弾道ミサイル防衛(BMD)のための地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)を航空自衛隊習志野分屯基地(千葉県船橋市)へ配備し始めた。国内でのPAC3配備は今年3月の空自入間基地(埼玉県)に続いて2カ所目。(29日)
●全駐労が再度スト 在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)に関する新特別協定締結協議で日本政府が日本人基地労働者の格差給廃止など諸手当の削減を提案している問題で、全駐労は始業時から8時間、実質的に終日24時間の全国統一ストライキを行った。21日の全国ストに続く2回目。(30日)
●「沖合修正50b」打診 普天間飛行場代替施設について、10月31日に沖縄の仲井真知事と町村官房長官が会談した際、政府案(V字形滑走路)の沖合への移動を求める仲井真知事に対し、町村官房長官が「(移設幅は)50bではどうか」と打診していたことが分かった。知事は「50bではダメだ」と答えた。(30日)
●米報告書「イラン核兵器計画中断」 イランの核兵器開発疑惑に関して、米中央情報局(CIA)など米政府の情報機関が「イランは03年秋から核兵器計画を停止しているとみられる」などとした機密報告書の結論部分を公表した。イラン核問題では10月にブッシュ大統領が「第3次世界大戦を防ぐにはイランの核開発を許してはならない」と発言するなどしてきた。(3日)
●嘉手納で大規模訓練 米軍嘉手納基地を拠点に米空軍と米海兵隊合同の即応訓練が始まった。海兵隊岩国基地(山口県)からFA18戦闘攻撃機約30機と海兵隊約600人が参加。騒音測定器は最高値91・1デシベル(騒々しい工場内に相当)を計測。ロケット弾や模擬弾を装着して飛行する機体や推力増強装置(アフターバーナー)を使用する機体もあった。駐機場で消防車などの緊急車両が出動、一時騒然に。燃料が漏れた可能性もある。(3日)
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週刊『前進』(2323号5面1)(2007/12/10 )
世界は今革命情勢
現代世界は労働者の歴史選択と行動で必ず変革できる
労働者は資本主義を内側から倒す存在
プロレタリア世界革命の時代
【写真】 イタリア(上左)、フランス(上右)、イラク(下)
11月中旬から仏独伊の鉄道―交通労働者を中心とする公務員労働者のゼネストが欧州の階級情勢を揺るがしている。米英日を始めとする国際帝国主義が03年3月に始めたイラク侵略戦争は敗勢の一途だ。イラク―ムスリム人民の英雄的な民族解放戦争によって帝国主義軍隊は4千人を超える戦死者を出している。日本でも帝国主義の戦争と民営化と対決する11・4労働者集会に5700人が結集したのを始め、9・29沖縄県民大会に12万人が集まり、全駐労が16年ぶりの全国統一ストを敢行した。
韓国民主労総の闘い、米階級闘争の第2高揚局面、南米での反米政権の広範な成立――明らかに国際的規模で労働者階級の行動力が復活する歴史的局面に入った。
他方で世界経済は、基軸国である米国において歴史上最大のバブルの崩壊が始まり(住宅サブプライムローン問題)、現代社会の最重要物質である石油の価格はわずか1年足らずで2倍以上の100jに迫り、基軸通貨ドルの暴落、そして1929年を上回る大恐慌がついに現実のものになろうとしている。
世界はどこに向かうのか。今後の歴史を労働者階級の闘いで動かし、自らの手で未来を切り開くのか、それとも帝国主義に翻弄されてみじめな奴隷と戦争の道を行くのか――。世界は労働者の歴史的選択と行動で必ず変革できる。なぜなら労働者階級こそ資本主義の矛盾を内側から打ち破ることができる存在だからだ。「世界は今、革命情勢」と題して、現代世界をどう把握するか、プロレタリア世界革命とは何か、を考えたい。(片瀬涼)
労組解体と民営化・規制緩和 世界を破壊する新自由主義
多くの人が実感するように、世界中で社会矛盾が激化している。戦後革命期や60〜70年代のベトナム戦争時に起こった階級闘争の世界的高揚期などとも根本的に違う。まったく先の見通せない社会矛盾の先鋭化だ。それは資本主義の運動がもたらしているものだ。
非正規雇用、失業、低賃金、長時間労働、強労働、貧困、児童労働、労働組合の解体……利潤をひたすら追求する資本主義の運動は、戦後かつてない惨禍を労働者階級にもたらしている。
米国・欧州・日本・韓国など、どの国の若者も半数が正社員になれない。パートや派遣労働者となっている。若者は、もはや革命以外に将来に展望を描くことができない。世界共通の現象だ。世界的な規模で貧富の差は拡大している。経営者と労働者の所得の比率は30年間で30対1から500対1に拡大した。世界では20億人が1日2ドル(約220円)以下で生活している。
転機は1970年代だった。世界経済は73年に第2次大戦後初めてマイナス成長を記録した。その2年前、米ニクソン大統領は金とドルとの交換停止を宣言していた。ベトナム戦争で苦戦する米帝は、財政赤字とインフレと貿易赤字に苦しんでいたのだ。基軸通貨ドルの地位は凋落(ちょうらく)した。73年には第1次オイル・ショックが起きた。74〜75年の世界恐慌で戦後の高度経済成長は終わった。
帝国主義の基調は70年代、国家独占資本主義政策から新自由主義政策へと大転換した。それは徹底的な労働組合破壊と民営化、規制緩和、やりたい放題の搾取と収奪、そして反動と戦争の大攻撃だった。
そもそも戦後世界は、1929年の世界大恐慌とその後のブロック経済化が世界大戦を招いたことを総括し、事実上唯一の戦勝国である米帝の圧倒的な軍事力や経済力を基軸とするIMF(国際通貨基金)―GATT(関税と貿易に関する一般協定)体制として擬制的に統一された、それなりに安定した世界経済体制をつくり、資本主義の歴史上でも類を見ない高度成長を実現した(特に日本)。
国内的には、国家独占資本主義政策のもと、戦後復興、完全雇用、経済成長、社会福祉を追求し、労働者階級の反乱を未然に防ごうとした。経済の安定のために国家主導の経済計画が重視され、欧州では石炭・鉄鋼・鉄道・電力などの重要産業の国有化や公共事業が重視された。
サッチャーとレーガン
だがすでに述べたように戦後帝国主義の繁栄は永遠には続かなかった。この中で70年代末から登場したのが新自由主義だった。その典型が英国のサッチャー政権、米国のレーガン政権だ。
79年に政権の座についたサッチャー首相は炭坑の閉鎖を宣言した。炭坑労働者の反撃のスト(84〜85年)は1年続くが敗北。英労働運動は重大なダメージをこうむる。こうして電話、航空、鉄鋼、電気、ガス、石油、炭坑、水道、バス、鉄道など無数の国営・公営企業が民営化された。英国で国営企業が占めるGDPの割合は12%から2%以下になった。すべて民間資本に売り飛ばされたのだ。
労働法制が徹底改悪され、社会保障制度の解体、金融ビッグバンなどが実施された。外国資本が導入され、労働者の権利を守る多くの制度や考えを一掃した。
米国では80年にレーガン政権が登場した。81年、全米航空管制官組合(PATCO)のストライキを大統領命令で圧殺し、屈服させたことが決定的だった。レーガンは労働組合を徹底的に攻撃し、米国の労働者階級の賃金は3割も下がった。レーガンは航空機や電気通信、金融にいたるまでの徹底的な規制緩和を行った。さらに投資への優遇税制や金持ちの所得減税(70→28%)など、独占金融資本が利益をあげるために無制限の市場的自由を擁護した。
同時期、日本でも中曽根政権が国鉄―総評労働運動の壊滅を狙う国鉄分割・民営化(87年)攻撃に出た。電電公社と専売公社の民営化も行われた。これに唯一反撃の闘いを展開したのが動労千葉なのだ。
今日の日雇い派遣の出発点になる労働者派遣法ができたのが85年だ。89年の総評解散と連合結成を経て労働者階級への攻撃は進行し、95年日本経団連プロジェクト報告(労働者の9割を非正規雇用にする)を受けて、労働法制の改悪や解雇・リストラが進み、青年労働者の半数が非正規雇用化されるに至った。
レーガン、サッチャー、中曽根の新自由主義攻撃は、労働組合を徹底的に攻撃することで労働者階級の地位の歴史的後退を強制し、公的・社会福祉領域からの国家の撤退=民営化、規制緩和(資本の行動の自由の確保)などを徹底的に推し進めるものだった。
米国では規制緩和で医療保険も徹底的に民営化されている。無保険者には貧血検査で100万円以上請求されるケースもある。無保険者は全米で約4700万人に及ぶ。貧困層は3千万人を超え、若者や母子のホームレスが急増している。
中南米からの移民労働者は年収200万円にも満たない最低賃金で重労働に従事する。貧困家庭や移民の10代の子弟が学資を得るために軍に志願している。アウトソーシング(外部への業務委託、生産拠点の海外移転)でハイテク技術者やホワイトカラーも職を失っている。
新自由主義政策下の不安定な雇用状況での非正規労働者・失業者を総称する「プレカリアート」という言葉が生まれたのはイタリアだ。欧州では若者の失業率は2割を超えている。ドイツでは、新貧困層と呼ばれる月収10万円前後の若者が増え、出稼ぎ外国人や移民の排斥を唱える極右政党が伸張している。欧州全体の傾向でもある。
他方、フランスでは昨年、26歳未満の若者を2年間理由を問わず解雇できる法律に対し、2度にわたる労働組合と学生300万人のデモとスト、暴動が闘われ、撤回に追い込んだ。
【写真】 韓国(左)、日本(右)
貧困と飢餓、経済危機と戦争 金融資本が世界の富を収奪
新自由主義は、全世界を席捲(せっけん)し、破壊の限りを尽くしてきた。その先駆けが中南米だった。
チリへの攻撃が先駆け
73年9・11のチリ・クーデター。米帝の援助で独裁者の地位を得たピノチェトは、公企業や社会福祉を民営化し、外資の直接投資を自由化した。一時は「南米経済の優等生」ともてはやされたが、一部の富裕層と外国資本だけが富を手に入れ、貧富の差が急激に拡大し、国民の大半が貧困に陥った。
中南米の新自由主義化は80年代にさらに加速した。財政赤字や対外債務による超インフレに苦しむアルゼンチンは、IMFと世界銀行の圧力で国営企業や年金などの公共サービスを民営化した。労働法制の柔軟化を一気に進め、外資を導入するために規制を撤廃した。その結果、失業者や非正規労働者が増大し、大量のワーキングプアが生まれた。かつては世界有数の牧畜や小麦輸出で豊かさを誇った。だが現在では賃金が正規雇用の約3割の非正規雇用が全労働者の4割強を占める。人口の半分が貧困層だ。
80年代に新自由主義的構造改革の見返りとして世界銀行から融資を受けたメキシコでは、労働者の実質賃金は4〜5割も下落した。国営企業数は82年の1100社から00年には200社にまで減った。労働争議は徹底的に弾圧され、農業開放で膨大な農民が飢餓線上に追いやられた。銀行の8割が外国資本の所有になった。
ボリビアでは、世界銀行の主導で数百万jの価値を持つ水道公社が米ベクテル社の子会社に2万jで売却された。住民の収入の2割に上る料金値上げや供給停止に住民暴動が起き、大統領は失脚した。米企業エンロン(01年破綻)系として民営化されたブエノスアイレスの水道事業は再公営化され、郵便、鉄道も再び公有化された。
中南米では、新自由主義の導入で貧富の差は拡大し、犯罪多発や麻薬汚染や経済危機といった社会問題が頻発した。中南米で反米反新自由主義の政権が次々と誕生する背景は労働者階級と農民の「生きさせろ!」の怒りだ。
アジアでも韓国やインドネシア、インド、バングラデシュなどで新自由主義が導入された。韓国では97年アジア経済危機でIMF管理下に置かれ、大量倒産と失業、財閥解体が起こった。ノムヒョン政権のもとで労働法制の改悪が推進され、現在は労働者の6割が非正規雇用だ。
アフリカを奪い尽くす
アフリカでは、帝国主義列強による分割と植民地支配以来100年以上に及ぶ収奪が新自由主義のもとで一層強まり、それぞれの国に深刻かつ破壊的な諸矛盾を生み出している。内戦と難民、少年兵、エイズ、石油やレアメタルの争奪戦と貧困……
80年代から、世界銀行などが融資を押し付け、その見返りとして、アフリカ諸国に国営企業の民営化や市場開放を求めた。自由貿易の名のもとに補助金などの保護政策によって安価な欧州産の粉ミルクやトマトが流入し、アフリカの農業は大打撃を受けた。アフリカでは総人口の6割が農民でありながら、その農産物の大半が帝国主義国向けであり、食糧自給は崩壊している。
ナイジェリアは、世界第7位の産油国でありながら最貧国の一つだ。欧米諸国が石油利権を得ようと武器や弾薬を供与した。内戦は長期化し、多くの飢餓難民を出した。内戦が終わっても石油の自力開発ができず、ほぼすべての油田の採掘権が国際石油資本に奪われた。
新自由主義が導入された国では、金融独占資本に圧倒的に有利な法律や規制の枠組みがつくられた。労働組合が暴力的に攻撃され、きわめて高い搾取率だ。エネルギーや水道、医薬品、農業など住民のライフラインの領域で多国籍企業が独占的な利益を得ている。
70年代に始まった金融自由化の流れは90年代に加速し、海外投資が世界中で急増した。規制緩和と輸送・通信コストの急速な縮小とあいまって金融市場は巨大化し、世界中の富を集中する手段となった。現在までのさしあたりの「勝利者」は米英帝国主義である。90年代の日本経済は、バブルの崩壊の淵(ふち)に沈み、銀行は巨額の不良債権を抱え、破綻寸前に陥った。
機関投資家や富裕層から大規模な資金を集め、金融派生商品などを活用したさまざまな手法で運用するヘッジファンドなどの投機資金が短期間で流入・流出し、為替市場や株式市場に破壊的な作用を及ぼしてきた。
97年のアジア経済危機では、タイのバーツが暴落し、インドネシア、マレーシア、フィリピン、香港、台湾、シンガポール、韓国に波及した。失業率は韓国で4倍、インドネシアでは10倍になった。国内総生産は急落し、銀行は閉鎖された。韓国の都市貧困層は3倍に増え、全人口の4分の1が貧困状態に陥った。
こうした国々にIMFは市場開放を要求し、資産価値が急落した社会的インフラを格安で売却するよう迫った。資産売却を実行したのは、資本を引き揚げて危機を引き起こしたのと同じ金融機関なのである。
世界金融大恐慌の切迫
起きている事態は、レーニンが弾劾した金融的詐術や独占の利得によって利潤をあげる寄生し腐朽した資本主義そのものである。そのきわめつけがサブプライムローンと石油価格問題だ。
米国ではついに史上最大の住宅バブルの崩壊が始まった。労働者の返済能力を無視した借り入れを可能にする住宅ローン。住宅価格の上昇が永遠に続くことを前提にしなければけっして成り立たない詐欺のような話だ。さらにその住宅ローンを再証券化して世界中で売りさばいてきた。
06年、住宅価格が下落に転ずると貧しい移民労働者らの返済が一挙に焦げ付き、差し押さえの連鎖的な増加が始まった。住宅ローン会社の破綻が相次いだ。金融機関の損失も莫大(ばくだい)だ。200万件が差し押さえの危機にあり、経済損失は最大250兆円と言われる。だが、さらにどこまで膨らむか予測がつかない。
行き先を失ったヘッジファンドや投機筋、産油国の莫大な資金が石油市場に流入し、1バレル=100jの攻防が続く。ヘッジファンドや投資銀行は先物取引で100jで石油を購入する権利を大量に取得。石油価格が100jを超えれば、100jで買った原油を売って大もうけできるため、買いを仕掛けている。その先は破滅しかないことは明白だ。だが犠牲になるのは世界中の労働者や農民だ。
米国―世界経済の失速が始まり、基軸通貨ドルの暴落が切迫している。米国の経常赤字、財政赤字の「双子の赤字」はかつてない規模に拡大している。昨年の経常赤字は8千億jを突破。10年前の6・5倍だ。対米貿易で多額の黒字を稼ぐ中国や日本、産油国などが米国債や株を購入し、資金が米国に還流、米国の巨額の赤字を世界が補う構造が根本的に破綻し始めている。世界金融恐慌・大恐慌の爆発はもはや不可避となっている。
【写真】 米国(左)、メキシコ(右)
資本を打ち破る階級的団結 労働者が世界中で決起開始
レーニンは、帝国主義の政治的特徴として「あらゆる方面にわたる反動と民族的抑圧の強化」(『帝国主義論』)を指摘した。少数独占者のそのほかの住民に対する圧迫は百倍も重く、耐え難いものになる、と批判した。そしてその専横に従わない者を独占者が絞殺する、と弾劾した。この鋭い指摘と批判は、現代帝国主義にそのまま当てはまる。
帝国主義強盗は、石油を独占するためにはどんな不正義の侵略戦争でもする。抵抗者は「テロリスト」として殺す。世界の労働者階級の状態は、使い捨て労働者が典型となり、工場法以前の18世紀の世界に戻っている。金融資本は地球上で収奪と破壊の限りを尽くしている。
世界の現実は、資本主義の運動が生み出す矛盾に満ちている。いまや資本主義は、人間社会の桎梏(しっこく)と化し、その巨大な生産力は破壊力に転化している。現代世界の危機の根源は資本主義の運動にある。最末期の段階の資本主義である帝国主義は、人類に災厄をもたらすだけである。
この先には破局しかないのか? 断じて否である。核心問題は、資本主義の矛盾は、この社会を変革する主体=「資本主義の墓掘り人」(マルクス)としての労働者階級を膨大に生み出しているということだ。
資本主義社会では、人間社会の土台となる生産が資本主義の様式で行われている。生産手段を独占する資本家階級が、自分の労働力以外に何も持たない労働者階級を雇い入れ、その労働によって生産が行われているのだ。だから、この現実社会では、資本が社会の主体となって、社会のすべてを動かしている。ここに現代世界の矛盾があるのだ。
資本主義では、人間社会を成り立たせている労働の担い手である労働者が主人公ではなく、資本の支配のもとで商品となっている。資本主義社会は実は転倒した社会なのだ。労働者が商品となることを拒否し、本来の歴史の主人公として立ち上がった時に、この転倒した社会はひっくり返る。
資本の奴隷となっている賃金労働者が一個の階級として組織され団結して立ち上がって、この転倒した資本主義社会をひっくり返すのがプロレタリア社会主義革命だ。
革命に向かう団結を!
資本の支配を侵害するような闘いを職場で始めよう。革命に向かう団結を職場で組織しよう。これが11・4労働者集会や動労千葉労働運動からつかんだことではないか。
動労千葉は、国鉄分割・民営化や外注化、職場の廃止などの厳しい問題に直面した時、指導部は、一人ひとりの組合員に困難を引き受けて闘うことを提起してきた。徹底的な討論をし、格闘し、指導部も組合員もその中で自己変革と飛躍をしながら、団結をつくってきた。これが資本の運動を打ち破る階級的団結なのだ。
「民営化反対」や「外注化反対」をただのスローガンとして掲げるだけなら大半の労働組合が行う。だが実際に資本の攻撃を打ち破る職場の団結をつくることは本当に困難だ。ここにこそ動労千葉の闘いの真骨頂がある。
11・4労働者集会で実現した日韓米の国際連帯を見て、参加者は「これこそが労働者の力だ」と実感した。韓米から結集した民主労総ソウル本部や、ILWU(国際港湾倉庫労働組合)など米国の闘う労働者は、体制内労働運動と決別し、資本や国家権力と非和解で、労働者の階級的団結にのみ依拠して闘っているからだ。この国際的団結こそ世界革命の現実性そのものなのだ。
労働現場の労働者こそが資本の職場支配を打ち破って、職場や社会の主人公としての誇りやパワーを取り戻す階級的団結をつくろう。資本や権力の許容する範囲を超える団結と闘いを組織しよう。賃労働と資本の関係を否定し、破壊できるのは、資本の運動の内側にいる労働者だけである。労働者階級だけが資本主義の矛盾を止揚できる階級なのである。
帝国主義はこの30年間、延命に次ぐ延命で、もはや延命の道が見いだせない危機に陥っている。他方で、全世界で労働者が生きるために闘っている。米欧日帝国主義で労働者階級の世界的決起が始まった。アジアや中南米でも労働者の階級的結集と闘いが力強く発展している。プロレタリア世界革命を提起する時代が到来したのだ。
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週刊『前進』(2323号6面1)(2007/12/10 )
11・4を闘って 革共同に結集すること決意 東海 森本圭一
私は東海に住む労働者です。東海の仲間と参加した今年の11月集会は「これまでとは何かが違う」と思いました。
渋滞で少しおくれて会場へ、大勢の参加者が詰めかけていたため、私たちは席を探すのに一苦労でした。また、参加者の熱い発言に感動した後は、デモ行進に出発しました。ここでは、警備の警察官や、妨害に来た右翼を跳ね飛ばし、道路中を埋め尽くしました。このようなデモに参加したのは初めてのことだったので、この時の気持ちをうまく言うことはできません。
私は今年で4回目の11月集会参加となりますが、年々参加する労働者の熱気は高まってきていると感じます。
これは政府や資本の横暴によって生まれた格差社会や理不尽な出来事に対する怒りが大きくなってきているからでしょう。この勢いは止まることはないでしょう。
そしてこうした勢いを感じ、また、東海の温かい仲間の勧めもあり、この度、革共同に結集することを決意しました。
現在は、こうした仲間とともに学習会に参加し、手取り足取り一から教えてもらっている最中ですが、これからは今以上に多くの仲間をつくり、多くの人と関係をつくり、労働者のための社会をつくるため頑張っていきたいと考えています。
11・4を闘って 労働者の団結で変えられる 東京北部・交運労働者 柳川 修
秋晴れの中、職場の労組15人で参加しました。
アメリカの港湾倉庫労組・教育労組・韓国の民主労総・動労千葉、参加した皆の熱気で集会は最高潮になり、熱い怒りと固い団結の集会でした。警官隊や公安が待ち構える中、全学連と青年労働者はデモの最前線をつとめ、日比谷公園を出ました。「反戦」「革命」を叫び、警官隊と小競り合いを繰り返しながら内幸町の交差点へ前進しました。
少しデモ行進が止まった時に、デモ隊から仲間が警官隊の奴らに身柄を持って行かれそうになりました。でも広島の8・6デモの時と同じように仲間を守り抜き、団結が一段と強くなりました。
数奇屋橋の交差点ではデモ隊は道いっぱいに広がり、警官隊は規制するのをもうあきらめていました。右翼の街宣車も数台来ましたが、右翼は車外に出ることもできず、これもデモ隊の勝利に終わりました。
労働者が団結すれば社会を変えられるとさらに思いました。
11・4を闘って “同じ問題抱えているんだな” 東京・西部 谷 博史
私は都内でタクシー運転手をやっています。
今年の11月集会に向けて、一歩踏み出して、個人ビラを作り、動労千葉の物販と併せて職場の仲間に呼びかけました。参加は目標に及びませんでしたが、物販の注文も増えて、やってみて分かったことがありました。当たり前のことですが、自分の意識が前向きになっているかどうかで、自分も周りも変わるんだなということです。
「組合は元気がない」「団結していない」「動労千葉と一緒に見られるのは困る」等々、いろんな声を聞きました。でも右から左までいろんな意見があるのが健全ではないでしょうか。
集会は、「世の中を変えていこう」という熱気を強く感じました。その後の交流会では、それぞれの職場の状況が出され、「みんな同じ問題を抱えているんだな」と思いました。新たなパワーをもらい、参加して本当によかったです。
”長時間労働・低賃金という業界の実態をなんとか変えていきたい”
「学習し仲間をつくり、団結をつくる」という日常の地道な実践こそ現実を変えるということを、動労千葉の運動や、この集会から学びました。
私も微力ですが、頑張っていきます。
11・4を闘って 同じ場で呼吸誇りを再獲得 栃木 松岡哲夫
この破局を迎えつつある資本主義の時代、人々は分断され、孤立化され、病気になり、生きるために犯罪を犯し、自殺に追い込まれている時代。こういう時代にあって、これほどの明るさと、勇気と、希望を見いだす集会、そしてデモンストレーション。やはり他のどんな「集会」にもないものが、この11月4日の日比谷にはあったと心からそう思っています。
数多くの、それも韓国、アメリカはもちろん、全世界のたたかう労働者の熱い思いと息吹がギュウギュウに詰まった集会でした。一つひとつの言葉、その発せられる言葉の合間にある「息つぎ」や「間合い」も含めて、そこには各国、各職場、それぞれの現場で苦闘してきた人たちの何ものにも替えがたい”思い”が込められていました。
「その現場」に居合わせ、同じ場所で呼吸し、生の声を掛け合えた者だけが受け取り、得られる感動を私は手にすることができたし、労働者としての誇り、一人の人間としての誇りを再獲得しました。まだ数名でしたが、しかし新たな参加者に来てもらえて、連れて来ることができて、本当に良かったと思います。
日々の現実はけっして甘くありません。しかし、「時には生死をも超えて、一緒にたたかう仲間がいる」ということは、そのこと自身が自分自身の誇りになるということだと思います。そういう一人ひとりの集まりだったからこそ、銀座を解放区にするようなデモも実現できた。
2007年11月、私はもう一度決意を新たにしました。そして来年こそは数百、数千の仲間と共に、この同じ場所で出会うために、数百倍、数千倍の闘いをやり抜こうと思っています。「世界を変える」ために!
11・4を闘って 青年の発言に感動しました 山梨 村上文子
11月労働者集会は今年で10回目ですが、今までにない清々しい気持ちで参加できた集会でした。
10・13山梨での集会から11・4までの短い期間でしたが、「自分の中にある壁を乗り越える」新しい闘いに挑戦しました。結果は十分に実っていませんが、活動の過程はささやかですが充実感をもつことができ、自分の中で闘いの蓄積ができた気がします。
集会では、特に若い人たちの発言が印象に残りました。自分の職場の労働条件や権利を守るために、妥協を優先して組合員の決起を抑圧する今の労働組合執行部をのりこえて、経営者や当局と対決し、奮闘していることが分かりました。
その中で、強く心に残っていることは、一人の労働者の「闘うことは確かに大変です。まず、自分自身が変わらなければなりません。労働者はみんな仲間だ。自分は一人ではないと分かった時、困難をのりこえていく力が生まれます。それが団結の力だと思います」という言葉です。
働いていれば、いろいろな要望もあります。しかし、それと向き合うことの困難さから、ついつい胸の中にしまったり、やり過ごしたりしてしまいます。しかし、それでは何も変わりません。やはり声を出すこと。そして、仲間を求めて行動することが大事だと思いました。
闘って、いろいろなことを経験していくこと、「世の中を変えることは、自分自身を変えること」、このことを11・4集会でつかみました。
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“団結して世界が広がった!”
民主労総ソウル本部と来日したイムジョンジェさん。今春、非正規職法施行の前日にソウル・ソンパ区庁で電話案内業務の非正規職を解雇された。「解雇されて世界が広がった。こうして日本にまで来てしまった」と笑った彼女。11月13日、復職勝利!(KM)(写真)
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週刊『前進』(2323号6面2)(2007/12/10 )
無実なのに獄中33年 星野さんを自由に!
新署名運動が始まった
全国集会に460人 再審無罪と釈放求め
12月1日夜、「無実なのに獄中33年/星野さんを自由に!/12・1全国集会」が、東京・四谷区民ホールで開かれた。全国19の救う会の人びとが中心になって460人が集まった。9・29県民大会に示された沖縄の怒りと結んで、一刻も早く星野同志を取り戻そうという意欲に満ちた集会だった。再審無罪と釈放を求める新署名運動を全国で進めよう。
“行動起こそう”
開会のあいさつは、広島・救う会の増上昭典さんが行い、「広島の総会で後2年で獄中から解放する、と宣言したが、その行動を起こすのがきょうの集会だ」と力強く集会の方向性を提起した。
集会では、埼玉の松永優さん(共同代表)がビデオ上映とともに1年間の活動報告。文昭さんの母・美智恵さんの逝去とそれを前後する刑の執行停止を求める闘い、徳島刑務所での友人面会の実現、10万人署名の達成、三つの救う会の結成などの前進をかちとってきたことを確認し、闘いの一層の強化を呼びかけた。
今年新たに立ち上げた東京東部、兵庫、みやぎの各「救う会」代表が登壇し、闘いの報告と決意を述べた。
再審闘争の報告が和久田修弁護士と岩井信弁護士から行われた。弁護団は、星野さんの無実を示す決定的証拠である「服の色」(確定判決では「きつね色の背広」となっているが、星野さんが当日着ていた上着は水色だった)をめぐる攻防などを報告し、再審の扉を開けるために奮闘する決意を表明した。
つれあいの星野暁子さんが11月に韓国民主労総の労働者大会に参加するためにソウルを訪問した様子がビデオで報告された。また、韓国で星野文昭同志奪還の闘いに取り組むという民主労総ソウル本部のイジェヨン本部長のビデオメッセージも映し出された。国境を越えた救援運動への発展が初めてしるされ、会場に大きな感動が広がった。
【写真】 新署名の呼びかけ人が並び08年の星野闘争の発展を誓い合った(12月1日 東京・四谷)
暁子さんが朗読
ギター伴奏で星野暁子さんが詩の朗読と語りを行った。獄中結婚から21年、今年、文昭さんの絵と暁子さんの詩を編んだ詩画集『FumiAkiko』が出版された。そこに収録された詩も含めての朗読だった。「アカバナーの手紙(たより)」で9・29県民大会をうたうとともに、「沖縄の闘いに続かないようにと、文昭に無期の攻撃がかかった」と、権力の弾圧の意味を指摘し、沖縄に基地を押しつける攻撃に対して闘いをともに進めることを呼びかけた。「人生をかけて文昭を取り戻したい。多くの人に文昭の存在と闘いを知ってもらいたい。まだまだやれることはたくさんある」と訴えて、参加者の胸を強く打った。
星野文昭同志からのメッセージが代読された(抜粋別掲)。
沖縄の平良修さん(共同代表)は、辺野古の海で今年の5月に自衛艦「ぶんご」を投入した海上調査に対する闘いや、9・29県民大会のビデオを上映した後、辺野古の新基地建設阻止闘争への決起を訴え、「星野さんを命へと取り戻そう。沖縄を命へと取り戻そう」と結んだ。
新たに始まった「獄中33年、星野文昭さんを自由に! 再審無罪と釈放を求める署名運動」の呼びかけ人がずらっと壇上に並び、一言ずつあいさつと決意を述べた。法政大学の弾圧で長期投獄された新井君と練馬鑑別所から奪還された学生が権力・当局との闘いでの勝利の報告を行った。
家族として暁子さんと弟・修三さん、いとこの誉夫さんがあいさつした。暁子さんは、あらためて「彼は沖縄闘争を闘い、獄中33年間、非転向で闘っている。このことをみんなに見えるように知らせていくことで、大きな前進をかちとりましょう」と力強く訴え、全参加者が気持ちをひとつにした。
閉会のあいさつでは、北海道の柴田作治郎さん(共同代表)が「美智恵さんの存在は大きかった」と語り、執行停止を認めなかった検察庁と裁判所を弾劾した。
集会で示された決意の上に、一刻も早く星野同志の取り戻すために、新たな「再審無罪と釈放を求める署名」に取り組み、救う会運動の輪を広げよう。年末年始、獄中の星野同志に全国から激励の手紙、葉書を集中しよう。
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▼星野同志の闘い
星野文昭同志は、沖縄のペテン的「返還」で「基地の島・沖縄」の永久化を図った1971年の沖縄返還協定批准阻止闘争に立ち上がり(渋谷暴動闘争)、警官1人の死亡に関して殺人罪をデッチあげられた。75年に逮捕され、ねつ造された「目撃証言」を強いられた6人のうち5人が法廷で供述を撤回したにもかかわらず、無期懲役の有罪判決が確定した。獄中33年、現在収監されている徳島刑務所で再審請求の闘いに立っている。
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週刊『前進』(2323号6面3)(2007/12/10 )
星野文昭さんのメッセージ
未来開く第一歩が11・4で始まった
獄中33年になりますが、この間、一日も早く取り戻すための皆さんそれぞれの取り組みに、暁子、家族と共に感謝すると共に、本集会が、本当に取り戻すための取り組みを始める大きな第一歩になることを願ってやみません。
60〜70年、広汎な青年・学生が、それまでの体制内的な制動をうち破って、実に生き生きと自己解放性を解き放ってたちあがりました。そして、71年11月、ついに安保の下での沖縄基地永久化からの解放を沖縄と本土の労働者人民の連帯した力でかちとるたたかいに大きく踏み出し、人間解放への道を一挙に大きく開きました。このことに体制を揺さぶられた支配権力は、この圧殺のために、私の無実を百も承知で冤罪をもってする星野無期を強行しました。
それは、70年を継承し、新たな爆発期を迎えた今日のたたかいへの弾圧であることこそ私たちははっきりさせなければならないと思います。この星野無期を覆すことは、今日のたたかいの未来がかかった全(すべ)ての労働者人民の課題であり、今日のたたかいの発展と労働者人民の力をすばらしく解き放つものです。
星野無期の苛酷(かこく)さは、私たちに死から生への転換と、未来を獲得する絆(きずな)と力を養うことを曖昧(あいまい)さをぬきに突きつけるものでした。そして、それを私たち二人は、様々な葛藤(かっとう)を通してかちとってきました。どこまでも共にあり、共に未来を開いていくこと。どこまでも、人間らしくありたいという思いに依拠して、その思いと力を養っていくこと。また、そのようなものとして全てを尊重し合い、補い助け合って生きる魂と絆と愛を深め豊かにし、それを力に人間的未来を開くために生きていくこと。それが私たちを養っているものです。
そして、そのことはそのまま今日の現実の中で苦闘する労働者人民とどこまでも共にあり、未来を開いていく、ということとしてありました。そのようにして自己解放の希求と力に依拠して自己解放、人間解放の魂と力を共に磨き養っていくことでした。
沖縄9・29−東京11・4によって私たちは明らかに新たな情勢を生み出し、その中でまた星野にとっての新たな情勢を生み出していると思います。(中略)
全ての労働者人民が国境をこえ、あらゆる分断をのりこえて、労働者人民の誇りと団結を、連帯する力を取り戻してこの現実への怒りとたたかう力を解き放って、帝国主義を打ち倒して全ての人間が人間らしく生きる未来を開く第一歩が11・4によって開始され、9・29と一体に、支配の要を、攻撃の要を、逆に私たちのたたかう拠点に転化する挑戦が開始されていると思います。そして、このたたかいと一体に、人間的未来を開くこのたたかいをさらに根底的に解き放つものとして、再審・仮釈による解放をめざした星野闘争の新たな第一歩として、12・1を新たな出発点に始めましょう。(中略)
今日の情勢の高揚と一体に、全国での絵画展・朗読と語り、詩画集、カレンダーなどの一層の広がり、再審・仮釈をめざす新署名と再審そのものの前進を軸とした星野運動のより大衆的な発展を、一人一人の力を解き放ってかちとり、必ず合流しましょう。共に頑張りましょう。
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週刊『前進』(2323号6面4)(2007/12/10 )
迎賓館・横田爆取デッチあげ 12・13控訴審初公判へ
福嶋同志は無実・無罪だ
12月13日、いよいよ福嶋昌男同志の控訴審が始まる。須賀武敏同志、十亀弘史同志、板垣宏同志の3同志の差し戻し審も来年には始まる。4同志の完全無罪獲得に向かっての闘いは新たな段階に突入した。爆取デッチあげ裁判における二つの大反動に対する反撃を開始しよう。12・13控訴審第1回公判に総力で決起しよう。
無実の福嶋同志に対し東京地裁刑事第3部・服部悟裁判長はロケット弾戦闘に対する階級的憎悪をむき出しにして、昨年3月、懲役12年という重刑有罪判決を行った。
これは、04年3月に須賀・十亀・板垣同志がかちとった一審無罪判決に対する国家権力による大反動だった。さらに福嶋同志への有罪判決直後の06年5月には、3同志の控訴審において、「一審無罪判決を破棄し、差し戻す」という不当判決=反動が襲いかかってきた。しかし、4同志は断じてこの大反動にひるむことなく、むしろ「やられたら、倍返し」の精神でこの不正義をうち破って完全無罪をかちとるべく、新たな闘いにうって出ている。
高裁第2刑事部・安廣文夫裁判長は、弁護団が福嶋同志の無実を証明する証拠調べを申請したのに対し、証人調べなどする必要がないと言い放っている。こんな傲岸不遜(ごうがんふそん)な裁判所の態度をぶち破り、福嶋同志の無実を明らかにする証拠・証人尋問をかちとる必要がある。
12年もの超長期裁判そのものが福嶋同志の人権を完全に踏みにじる違憲・違法の裁判である。こんな裁判をわれわれは断じて認めるわけにはいかない。有罪判決など論外だ。国家権力の大反動に対する怒り、16年、12年という超長期裁判と未決勾留に対する怒りを裁判所にたたきつけよう。
「拙速裁判」など断じて許すな。福嶋同志と弁護団が要求するすべての証人・証拠を採用し、一審有罪判決を破棄せよというわれわれの要求を裁判所に認めさせよう。
11・4労働者総決起集会でかちとった5700人の階級的団結の力と4同志の爆取デッチあげ弾圧に対する完黙・非転向の闘いをもってすれば恐れるものなど何もない。ひたすら攻めて攻めまくろう。公判当日、傍聴席を満杯にして第1回公判闘争をともに闘いぬこう。
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福島裁判控訴審
12月13日(木)東京高裁429号法廷/13時30分開廷(12時45分に裁判所傍聴券配布所に集合してください。11時30分より高裁前でビラまき街宣を行います。ぜひ参加を)
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