ZENSHIN 2007/12/03(No2322 p08)
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週刊『前進』(2322号1面1)(2007/12/03 )
青年労働者が階級の指導部となり 世界革命に勝利する党の建設を
マルクス主義青年労働者同盟のアピール
11・4は世界革命の出発点
フランスのゼネスト、民主労総のストライキ、全駐労スト、9・29沖縄12万決起――資本・国家権力、体制内労働運動と激突し、私たち労働者は生き生きと闘っています。「団結した労働者の闘いこそが社会を変革し、歴史をつくる力だ」というただその一点に依拠して闘おう――この11・4集会アピールこそ、労働者の生きる道です。
私たちは11・4をもって世界革命に向けた新たな闘いを開始しました。「労働者が国境を越えて団結すれば、この社会を変えることができる」「デモはものすごく解放的だった。1万人−10万人になれば権力の制動はきかない」「次は1万人を集めて革命をやりましょう」。これが11・4集会とデモを打ち抜いた青年労働者の感想です。一方で、世界中の資本家、国家権力、体制内労働運動指導部の誰が胸を張って資本主義社会の展望を語れるのか。ブッシュも福田も御手洗も、もはや、誰ひとり資本主義の展望を語れる者はいません。サブプライムローン危機によるドル暴落―世界大恐慌の到来に脅え、もはや打つ手がなく、市場は大混乱しています。昨日まで「無力だ」と思わされていた私たち青年労働者が、この情勢において革命の主体として登場したことが決定的なのです。
革命を成し遂げられるか否かは、「労働者の団結した闘いこそが社会を変革する力だ」と、労働者と労働組合を決定的に位置付け、自分のすべてをかけて仲間を組織していく、そうした革命の指導部が何人いるかで決まるのです。口では「革命」と言いながら、戦争か革命かの情勢が実際に迫った時には絶対に職場で革命をストレートに訴えない。あるいは「暴力革命」を言いながら、実際にデモが戦闘化したら「今は労働者が立ち上がる情勢ではない」と真っ先に敵対する。これまでこうした体制内指導部が労働者の革命への決起を押さえつけてきたのです。
ふざけるんじゃない! 革命は労働者のものだ。青年労働者のものだ。革命は労働者自己解放の事業なのです。労働者が怒りに燃えて決起した時、誰がなんと言おうとそれが革命の始まりなのです。こうした体制内指導部をぶっ飛ばして自分たちが革命の指導部になり、先頭で闘う。これが階級的労働運動路線の核心であり、11・4集会が世界革命に向けた闘いの開始だと言える最大の根拠です。
労働者を食わせていくこともできなくなった資本家階級の時代は、もう終わりです。労働者が革命をやろう! 権力をとろう! 資本家であろうが国家権力であろうが体制内指導部であろうが、11・4から開始された世界革命の闘いに敵対し邪魔をするヤツらは全部ぶっ飛ばして、労働者の団結した力で新しい社会をつくろう!
革命にともに生きよう
すべての青年労働者とりわけ11・4集会とデモの先頭に立った青年労働者に訴えたい。「マルクス主義青年労働者同盟に加盟して、革命にともに生きよう! 11・4集会をさらに発展させ、産別や国境を越えた1万人、10万人、100万人の労働者の団結をつくりだす闘いの先頭に立とう!」
いま、資本主義社会は本当に腐りきっています。サブプライムローンの破綻(はたん)を見てください。アメリカという世界の基軸国が低所得者に高利の住宅ローンを貸し付け、それを無数の債権にして世界中に売りさばくというマネーゲームでしか成り立たない現実です。しかも世界中の資本家どもは世界経済を混乱に陥れた揚げ句、なんの解決策も打ち出せていません。支配階級失格です。
世界経済がどうなろうと構わず、各国のブルジョアジーは利益を争って、今度は石油にマネーが流れている。住宅でもうからなくなったら今度は石油。住宅も石油も労働者の生活のため、社会の発展のために使うのではなく、ブルジョアジーにとっては投機の対象でしかない。その結果、石油価格は高騰し、すべてのツケは労働者に回ってきているではないか。それだけではなく、各国のブルジョアジーが市場を争って侵略戦争を拡大させている。どこまで労働者を貧困にたたき込めばいいのか。どこまで労働者を犠牲にして生き延びればいいのか。こんな社会は腐っている! 間違っている!
本来この社会をつくっているのは労働者です。資本家は一切働かない。しかし、私たちは労働すればするほど貧しくなり、人間性が奪われていく。この社会のすべての富を生産しながら、自らは住むところもろくに与えられず、満足に食うこともできない。労働者階級こそ社会の主人公であるにもかかわらず、資本主義社会では労働者がつくり出した商品やカネが人間を支配している。こんな転倒した社会を、マルクスは徹底的に批判しました。
私たち労働者が「生きさせろ」と賃金奴隷である自己を否定する怒りと闘いこそ、私たちがいう革命の核心なのです。
いまやドル安は止まらず、株価が下がることにブルジョアジーは脅えながら生きています。資本主義社会が生み出したカネや株がなんの価値もなくなろうとしています。資本家にはこの現実を解決する能力はありません。戦争によってすべてぶっ壊す以外にないのです。資本主義社会はもはや限界です。資本主義社会が生み出した生産力を人類の発展のために使うことができるのは、労働者の団結した力だけなのです。資本家を打倒し、国家権力を打ち倒し、この社会を終わらせ、新しい社会を建設できるのは、社会の主人公である労働者の団結だけなのです。
労働運動の力で革命やろう
そのためには闘う労働運動をよみがえらせることです。資本主義を否定する労働者の団結をつくることです。「私たちが社会の主人公だ」「私たちが職場を動かしている」。このマルクス主義の核心が私たち青年労働者の心を揺り動かしています。職場で資本家と非和解で闘い、「職場を、工場を動かしているのは労働者だ」と闘うことから労働者の団結はつくられる。私たちの職場闘争は職場の支配権を資本から奪い返し、労働運動の力で革命をやる闘いです。
マル青労同は「処分を恐れぬ闘いで労働者の団結をつくろう」と訴えて闘って勝利してきました。「会社あっての労働者、国家あっての労働者」という資本家や国家権力。「処分され、解雇されたら闘えない」と言って現場労働者の闘いを圧殺してきた体制内執行部。私たちがかちとった勝利は、この支配と徹底的に闘って自らを資本の奴隷につなぎとめてきた鎖を引きちぎったことです。資本や組合本部から処分を受けてもなお闘いぬく青年労働者たちは、実に生き生きとしています。体制内労働運動執行部にとって代わって闘う方針をどんどん出しています。
中でも教労・自治体・全逓・国鉄の4大産別の青年労働者たちが体制内執行部と対決し、労働者階級の指導部として登場したことは実に重大です。特に郵政民営化と対決しぬいた全逓労働者の闘いは決定的です。
民営化との闘いは、国鉄の分割・民営化がそうであったように、単なるひとつの攻撃ではありません。日本帝国主義の体制瓦解(がかい)的危機の中で、民営化・合理化を徹底して行う以外に帝国主義が生き残る道はないということです。自民党政府と御手洗経団連が「骨太方針Z」で打ち出した「労働生産性の伸びの1・5倍化」目標は、ブルジョアジーがつくり出した1000兆円もの借金を全部労働者に押し付けるというとてつもない労働強化であり、犠牲の転嫁です。それは、労働者の誇り、団結を徹底的に解体して労働者を屈服させ、資本の奴隷としなければ貫徹できないものです。だからすさまじい労働組合破壊攻撃になり、激しい労働組合バッシング、公務員バッシングになります。
重要なのはこれに対する怒りです。「労働者に対する責任転嫁は許さない! 責任の一切は資本・当局、国家権力にある」という怒りです。これが4大産別決戦に勝利する土台です。
しかし、そうは言っても職場では超勤までして働いている現実がありました。郵政職場では、「超勤しないと配達先に迷惑がかかる。仲間に迷惑がかかる」と。しかし、闘う青年労働者は「当局のいうサービスのために仕事をやることが『労働者の誇り』ではない。要員不足は当局の合理化の責任だ。仕事を夜遅くまで仲間と一緒にやることが『団結』ではない。超過勤務拒否をやろう」と仲間に訴えて闘いました。ここに全逓労働者の決起の重要性があります。自分自身の体制内的なあり方から決別したのです。夜遅くまで超勤をしている現実は、資本や当局の賃金奴隷となっているだけだ、本来「労働者と資本家は非和解なのだ」という原則に立ち返ったのです。この全逓労働者の決起に感動した青年労働者がいま、あらゆる産別で資本との実力闘争を開始しているのです。
超過勤務拒否闘争とは、こうした賃労働と資本の関係をぶった切って、労働者の誇りと団結を取り戻す闘いです。年末の超勤拒否闘争をもって民営化に全面的に反撃しよう。
動労千葉の闘いから学んで
全世界で労働者の実力決起が始まっています。〈改憲・戦争と民営化・労組破壊〉の攻撃は必ず労働者の怒りの決起をつくり出します。いよいよ階級的労働運動が、歴史の前面に躍り出る時代の到来です。マル青労同1000人建設とは、こうした労働者の決起をプロレタリア世界革命へと組織していく指導部建設です。それは階級的労働運動の指導部になっていくことです。
そのかぎは、「反合理化・運転保安闘争路線を確立し国鉄分割・民営化攻撃に勝利した」動労千葉の労働運動から徹底的に学ぶことです。国鉄分割・民営化とは74〜75年恐慌を転換点とする帝国主義の新自由主義的政策の中で起こった攻撃です。帝国主義の危機の中で支配階級は、プロレタリア革命を回避するためにとってきたあらゆる政策を投げ捨て、搾取の極限的強化と戦争に突き進むために労働組合破壊に全力を挙げてきたのです。こうした中で国鉄分割・民営化の強行=国鉄労働運動つぶしの攻撃がありました。動労千葉はこれと徹底的に闘い、団結をうち固め、世界的に見ても唯一勝利している労働組合なのです。動労千葉のように闘うことこそ、いまの〈改憲・戦争と民営化・労組破壊〉攻撃に勝利する唯一の道です。
核心は、動労千葉の指導部がマルクス主義で武装されていることです。「労働者が本気になった時には、世の中を変える力を持っている。労働者が団結したときに絶対に勝てる」。こうしたマルクス主義が指導部の土台に座っていることによって、どんなに困難な状況でも原則を貫き、組合員とも激しく討論しながら団結を形成できる。ここに動労千葉の強さがあります。結集している組合員は、普通の労働者です。あらかじめ特別なものがあるわけではない。しかし、指導調整会議では執行部内で路線をめぐる激しい討論を行い、マルクス主義を真正面から復権する労働学校を開催し、全支部活動者研修会では世界情勢から時代認識をしっかり展開する。こうした強烈な目的意識性の中で、動労千葉の指導部が労働運動全体を指導できるような「階級の指導部」になっているのです。
マル青労同は、結成以来「マルクス主義を学習し実践しよう」「職場に闘う労働運動をつくりだそう」という2本柱をうち立てて闘ってきました。この2本柱を徹底的に推し進めることで、動労千葉のような労働運動をあらゆる職場でつくり出すことは絶対にできます。マル青労同1000人建設と1万人労働者集会の実現は、完全に一体なのです。11・4集会の成功をさらに発展させ、マル青労同1000人建設に突き進もう。世界革命に勝利する労働者党の建設をかちとろう! すべての青年労働者はマル青労同に結集し、ともに闘おう!
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全駐労が第2波ストライキ 格差給・語学手当廃止など大幅賃下げ攻撃に全駐労(全駐留軍労働組合)は11月30日、11・21ストに続き全国で第2波ストに決起。〔上〕沖縄県浦添市のキャンプ・キンザー城間ゲート前。〔下〕神奈川県横須賀市の米海軍横須賀基地三笠ゲート前=関連4面
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労働契約法の成立に怒り 11月28日、「闘う合同労組全国交流会」が国会前で怒りの抗議=記事2面
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週刊『前進』(2322号1面2)(2007/12/03 )
10・17法大弾圧で少年鑑別所送致のA君を「不処分」で奪還
新井君・友部君の保釈に続いて、法大決戦を闘う学生はまたも奪還の勝利をかちとった。11月29日、10・17法大クラス討論弾圧で不当逮捕されたA君を奪還した。
A君は10月17日、法大学内で「クラス討論をした」という理由で「建造物侵入」をデッチあげられ不当逮捕された。A君は完全黙秘・非転向を闘いぬき、23日間の闘いに勝利した。恐れをなした国家権力は、A君が「少年」という理由で少年鑑別所に送致した。A君は、21日間の鑑別所での転向強要の攻撃にも断固勝利した。
いよいよ11月29日、家裁の審判の日を迎えた。警察は少年院送致、検察は検察逆送・起訴を狙っていたが、家庭裁判所は不処分を決定した。不処分とは、事実上の不起訴・釈放である。
A君奪還は、弾圧が百パーセントでたらめであることを、A君の44日間の不屈・非転向の闘いをもって証明した。国家権力の弾圧の狙いを、獄内外を貫く団結した力で粉砕した大勝利だ。
あと1人だ。10・17弾圧で逮捕された3人のうち1人が起訴され、東京拘置所で獄中闘争を闘っている。直ちに奪還しよう。法大闘争の永続的発展をかちとろう。
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週刊『前進』(2322号1面3)(2007/12/03 )
日程 国労5・27臨大闘争弾圧を許すな12・9全国集会
無罪獲得・国労再生・1047名解雇撤回へ2008年こそ正念場!
国労5・27臨大闘争弾圧を許すな12・9全国集会
12月9日(日)午後1時半
かつしかシンフォニーヒルズ(京成「青砥」または「立石」下車)
主催/国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会
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週刊『前進』(2322号1面4)(2007/12/03 )
日程 12・15三里塚現地闘争
12・15三里塚現地闘争
12月15日(土)午後1時30分
三里塚現地
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週刊『前進』(2322号2面1)(2007/12/03 )
国労5・27臨大弾圧 許さない会12・9集会へ
国鉄闘争勝利の路線確立を
弾圧粉砕し国労再生かちとろう
国鉄闘争が重大な岐路に立つ中、国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会は12月9日、かつしかシンフォニーヒルズで全国集会を開催する(要項1面)。裁判闘争の前進と「許さない会」運動の発展の中から、4者・4団体路線に代わる1047名闘争勝利の路線を確立し、またJR資本と対決するJR本体の決起をつくりだすものとして、この集会は決定的な位置を持っている。国鉄闘争勝利の道を鮮明にし、国労5・27臨大闘争弾圧を粉砕するために、12・9集会に全力で結集しよう。
無罪獲得へ正念場の闘い
5・27臨大闘争弾圧裁判は、被告の無罪獲得に向けて正念場の攻防の渦中にある。今年5月から始まった被告人質問は、02年5月27日の国労臨時大会におけるビラまき・説得活動の正当性と、この弾圧に手を染めた国労本部と公安警察の絶対的な不正義性を、被告自らが全面的に立証しきる闘いだ。12月5日の第85回公判からは、富田益行被告団長への被告人質問に入る。
5・27臨大闘争弾圧は、1047名闘争にかけられた空前の刑事弾圧だ。02年5月27日、国労本部は臨時大会を開いて、鉄建公団訴訟に立った国労闘争団員を統制処分手続きにかけることを強行決定した。これに対し、国労組合員や国鉄闘争支援者は臨大当日、大会代議員や国労本部役員、会場係などに本部方針粉砕を訴え、抗議のビラまき・説得活動を展開した。あろうことか国労本部と公安警察は、それを「暴力行為」に仕立て上げてこの弾圧をかけてきたのだ。
国労本部は、「証拠」となるビデオテープを進んで公安警察に提出し、本部派組合員に「被害届」を出させて検察側証人とさせるなど、この弾圧に積極的に加担した。
被告とされた国労組合員らは、1年3カ月に及ぶ不当な長期勾留を強いられた。だが、彼らはそれに屈することなく完全黙秘・非転向を貫き通し、5年にわたる裁判闘争を闘い抜いている。
公判闘争は、国労本部と公安警察の癒着・結託を白日のもとに暴き出した。5・27臨大当日の被告たちの行動は、国労組合員としての正当な組合活動だったことも、具体的な立証を重ねる中で完全に明白になった。
JR社員である5人の被告にとっては、有罪判決を許せば解雇される危険もある。被告たちはこれを見据えつつ、なんとしても無罪をもぎり取る最終盤の攻防戦を総力を挙げて展開している。
【写真】 11・4全国労働者総決起集会に結集しデモに出た国労5・27臨大闘争弾圧被告とその家族たち
4者・4団体の敗北路線粉砕を
5・27臨大闘争弾圧との闘いは今、国労再生という点においても、また1047名闘争勝利という点においても、かつてない最大の決戦局面を迎えている。
国労闘争団全国連絡会議、鉄建公団訴訟原告団、鉄道運輸機構訴訟原告団、全動労争議団の4者と、国労、建交労、国鉄闘争支援中央共闘、国鉄闘争共闘会議の4団体は、鉄道運輸機構(旧国鉄清算事業団)に提出した「解決に向けた具体的要求」から解雇撤回を消し去った。
鉄建公団訴訟原告団の指導的位置にある人びとからも、「大詰めの局面を迎えている。ここで決断をしなければ来年、次回はない」「階級闘争の決着ではなく、労働争議の決着である。だから解雇撤回が入っていないと言われるが、労働争議として具体的要求になっている」「『20年のけじめを付けなければならない闘い』であり、解決の中身が出たときに判断するということではない。それでは来年、次も頑張るということになる」という主張が公然と現れた。
これは、“ゼロ回答でもいいから丸のみして今年中に闘争を終わらせたい”という意味にしか受け取れない。なんの根拠もなく「大詰めの局面」を唱え、すぐにでも相手から「解決案」が出されるかのような言辞をもてあそび、それをのむかどうかが最大の問題であるかのように言い張ること自体、闘争終結願望によって生み出された幻想と言うほかにない。これこそ、4党合意の時の国労本部の姿勢と寸分も違わないではないか。
「階級闘争ではなく労働争議だから解雇撤回がなくてもいい」などという理屈も成り立たない。そもそも、階級闘争でない労働争議などありえない。あらゆる労働争議は倒すか倒されるかをかけた資本との激烈な攻防だ。1047名闘争は、国家が総力を挙げて展開した首切りと真正面から対決する労働争議であり、だからこそそれは階級闘争の最前線に位置する闘いなのだ。
“敵よりも1日長く”を貫くべきだ
5・27臨大闘争弾圧被告たちは、裁判闘争を総力で闘いつつ、国労本部を打倒して国労の階級的再生をかちとることを、心の底から訴えている。4者・4団体路線を粉砕し、1047名闘争を解雇撤回の原点に立ち返らせようと声を強めて呼びかけている。
それはまさしく、5・27臨大当日、被告たちが渾身(こんしん)の力を込めて「奴隷の道を拒否せよ」と訴えたことを、今この時において貫く闘いだ。
被告たちが5・27臨大で闘争団員への統制処分に反対し、国労本部に満身の怒りをたたきつけたのは、まさに“1047名の解雇撤回”という国鉄闘争の原点を貫き通すためだった。
自らの人生をかけて弾圧に立ち向かってきた被告たちの闘いは、鉄建公団訴訟とあいまって4党合意を破産に追い込んできた。ところが今日、国労本部によって統制処分にかけられた鉄建公団訴訟原告団の中から、解雇撤回・JR復帰を投げ捨て、それを自ら否定する動きが生まれてきた。
振り返れば1047名闘争は、闘いを内部から突き崩そうとする者との熾烈(しれつ)な攻防の連続だった。1047名闘争の不屈の展開は、こうした攻防に勝ちぬくことをとおして、確実に敵を追いつめてきた。にもかかわらず、味方の疲弊のみを強調し、闘争の早期終結を唱えることは、20年の苦闘を無にするものにほかならない。“敵よりも1日長く”を貫けるかどうかが、今ほど鋭く問われている時はほかにない。
解雇撤回の闘いを主体的に担ってきた鉄建公団訴訟原告団自身に、解雇撤回を否定させようとするのが4者・4団体路線だ。1047名闘争解体の最後の企てとも言うべきこの路線を打ち破った時、1047名闘争は勝利に向かって真一文字に突き進むに違いない。
分割・民営化に断を下す時
日本の労働者階級は今、革命に向けての突撃路をわが手で確実にこじ開けている。
11・4労働者集会に結集した5700人の隊列は、連合や全労連の体制内労働運動を打ち破り、階級的労働運動をよみがえらせる巨大な突破口を切り開いた。日米韓の労働者は国際的な団結を打ち固め、世界革命へと進む単一の軍勢を形成した。ワーキングプアに突き落とされた青年労働者は、公然と革命を掲げて階級闘争の最前線に躍り出た。日本労働運動と日本革命の成否を決する国鉄・全逓・自治体・教労の4大産別のただ中から、長らくそれを支配してきた体制内労働運動と真っ向から対決する勢力が登場した。
11・4労働者集会には、動労千葉と並んで国労組合員も大挙結集した。4者・4団体路線と真っ向から対決し、1047名闘争を原則に立ち返らせようと奮闘する鉄建公団訴訟原告や、国労バッジ着用への不当処分と闘う組合員らが、国労の再生をかけて11・4集会を主体的に担いぬいた。隔離職場への不当配属と闘う組合員は、分会決定で11・4に結集した。これらの軸心に、5・27臨大闘争弾圧被告が立っている。
国労本部の抑圧をはねのけ、1047名闘争を不屈に貫くとともに、職場からJR資本に立ち向かう、新たな闘いの機運がみなぎり始めたのだ。
改憲阻んできた国鉄闘争の位置
今や国鉄分割・民営化以来の一切に決着をつけるべき時が来た。
1980年代、レーガンやサッチャーにならって、新自由主義的な労組絶滅政策を掲げて登場したのが中曽根だった。中曽根を先頭に強行された国鉄分割・民営化は、今日の〈戦争・改憲と民営化・労組破壊>の攻撃のさきがけをなしていた。分割・民営化を前にして中曽根は、「行政改革でお座敷をきれいにして立派な憲法を安置する」と言い放った。
1047名闘争と動労千葉の闘いは、こうした敵の野望の前に敢然と立ちはだかってきた。反合・運転保安闘争路線を基軸にJR体制下でJR資本と日常不断に対決し、団結を打ち鍛えてきた動労千葉は、「国鉄分割・民営化との闘いに勝利した」と言い切る地平を闘いとっている。
中曽根以来の民営化路線を全面的に貫徹しようとたくらんだ小泉−安倍の「構造改革」も、労働者の巨大な怒りに迎え撃たれた。参院選での自公の惨敗と安倍のぶざまな辞任は、労働者階級の反転攻勢が始まったことを告げ知らせている。労組を組み敷き産業報国会化しようとした敵の狙いは崩れ、9・29沖縄の12万人決起や全駐労の統一ストライキに示されるように、連合支配を食い破る労働者の新たな闘いが巻き起こり始めたのだ。
今や帝国主義の危機はとどまるところを知らない。サブプライムローン問題に端を発した金融恐慌−世界恐慌への突入は、帝国主義を末期的危機に突き落としている。労働者階級が帝国主義を打倒する時が到来した。
体制内労働運動打倒の最先端に
こうした闘いの先頭に立ち、これらを真に糾合する力を持っているのが国鉄闘争だ。分割・民営化以来20年の闘いは、闘う者と裏切り者を峻別(しゅんべつ)した。国鉄労働運動は、最も激しい党派闘争のるつぼであり、その帰趨(きすう)は労働運動全体の命運を決する位置にある。
組合員の怒りに押されて表看板には「分割・民営化反対」を掲げつつ、その実、政治権力にすがる以外になんの方針も持ち得なかった国労本部は、4党合意を機に連合路線へと一挙に突っ走った。その過程で彼らは、組合員の権力への売り渡しという、労働運動史上最悪の暴挙に手を染めた。これが体制内労働運動の帰結だったのだ。
5・27臨大闘争弾圧被告は、これと真っ向から対決してきた。だから彼らの存在は、一切のあいまいさを許さず、国鉄闘争を敗北に追いやろうとする者たちの裏切りを撃ち続けている。被告の闘いは、動労千葉と並んで国鉄闘争勝利の路線を指し示しているのだ。
今やJR体制は崩壊の時を迎えている。尼崎事故を典型とする安全の崩壊はとどまらず、極限的な合理化・外注化は人員問題の矛盾を激化させている。何よりも、JR資本とJR総連カクマルの結託体制が崩れつつあることは重大な情勢だ。平成採の青年労働者のJR資本への怒りを抑え込んでいた最後の留め金が、ついに外れ始めたのだ。
解雇撤回を貫き、動労千葉とともにJR体制と真正面から闘おう。そこに1047名闘争勝利の道はある。12・9集会に結集し、国鉄闘争勝利の路線を打ち立てよう。
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週刊『前進』(2322号2面2)(2007/12/03 )
春闘解体する連合基本構想
差別・分断賃金を容認し「分け前」を資本に哀願
8年連続賃下げに爆発する怒り
連合は11月1〜2日に「2008春季生活闘争中央討論集会」を開き、08春闘の基本構想案について討議した。連合はこれを踏まえ、12月4日の中央委員会で春闘方針を正式決定する。
労働者階級への資本攻勢はすさまじい。8年連続で年間給与総額が下がり続けている。しかも貧富の格差は拡大し、年収200万円以下が1千万人を超えている。そして正社員はどんどん派遣・パートに切り替えられ、今や労働者の3分の1が非正規雇用だ。特に青年では5割だ。一方、社会保障は給付削減と、負担増加の連続だ。その対極でトヨタが営業利益2兆円を超えるなど資本はぼろもうけを続けている。さらに原油価格は高騰し、ガソリン代、電気代、食料品など値上げの大波が襲いかかろうとしている。
いったい、こんなことが許されていいのか。こんな社会が長続きするのか。「生きさせろ」という労働者階級の怒りのすさまじさは11・4労働者集会への青年労働者の決起とデモの大爆発として示された。
この労働者階級の怒りは、08春闘の爆発となって一気に噴き出すに違いない。その予兆は、手当削減=賃金切り下げに対する全駐労の16年ぶりの全国統一ストライキの爆発や、10%賃下げに対する東京都の特区連労働者の闘いの高揚に示されている。
まさに経済的要求そのものをめぐって闘いが爆発する局面を迎えているのだ。
非正規労働者の闘いの封殺狙う
討論集会で連合の高木会長は、春闘方針について「@これまでの労働者の努力に対する相応の配分を求め、A長すぎる労働時間を是正する手段として割増率の引き上げを行う必要がある。Bまた、パート労働者等の非正規労働者の処遇改善にも、力を合わせて積極的に取り組む必要性がある」などと発言した。これこそ春闘解体方針だ。
そもそも、「労働者の努力に対する相応の配分」とはなんたる言いぐさか。資本家に「分け前」を要求する路線そのものであり、賃上げは闘ってこそ獲得できるという春闘の原点の否定だ。こんなことでは断末魔の危機にあえぐ資本に対して労働者階級の要求を貫き通すことはできない。
一律大幅賃上げを放棄し、三六協定を形骸化させ、不払い残業の横行を許している連合中央の語る「残業代割増率」アップなどアリバイにもならない。これこそ賃金闘争を放棄するための言いわけなのだ。
闘わない連合中央の主張する非正規労働者の処遇改善も、UIゼンセン同盟に見られるように非正規労働者の闘いをあらかじめ封殺しようとするものでしかない。
一律大幅賃上げを掲げて闘おう
連合中央が賃金闘争を否定するために用いる「賃金改善」なる言いぐさを粉砕し、一律大幅賃上げを掲げて闘おう。
連合中央は00〜01年のITバブル崩壊以降、賃上げ要求を放棄してきた。だが景気が一定回復する中で賃上げ要求放棄を続けられなくなり、06春闘からは「賃上げ」に替えて「賃金改善」と言い出した。
その本質は一律賃上げの否定だ。06春闘でのシャープの35歳の労働者だけの賃上げとか、富士重工の係長級に限定した賃上げなどのように、ごく一部の労働者の賃上げで団結を解体しようとする資本の攻撃への屈服だ。
討論では「労使の話し合いを経ても、回答が不十分な場合は、連合には、団体行動の指導をお願いしたい」とストライキを含む実力闘争を求める声が上がった。まさに、連合内部にも闘いのマグマは渦巻いている。
08春闘では、戦後革命期の賃金闘争の復権が求められている。11・4集会の地平を引き継ぎ、体制内労働運動を打倒し、08春闘へ怒濤(どとう)の進撃を開始しよう。
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週刊『前進』(2322号2面3)(2007/12/03 )
労働契約法の成立弾劾
合同労組全国交流会 国会前で抗議を貫く
戦後労働法制の解体を狙う「労働ビッグバン」の突破口をなす労働契約法案が、民主党・連合の裏切りによって11月27日の参議院厚生労働委員会で可決され、翌28日の本会議で可決・成立した。徹底的に弾劾する。
「闘う合同労組全国交流会」は28日の本会議当日、国会前に登場して労働契約法の成立阻止を最後の最後まで訴えた。
この日朝から国会前に東京西部ユニオン、なんぶユニオン、福祉労働者連帯ユニオン、群馬合同労組、茨城県地域連帯労組、国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会の労働者が結集し、採決阻止を訴えるビラまき活動に決起した。
午前の本会議での可決・成立が伝わると怒りの声が巻き起こった。昼休みには弾劾集会を開催し、すべての参加者が発言、労働契約法の本質を暴露すると同時に、成立を徹底弾劾した。この日は午後の参議院本会議で対テロ給油新法案の審議入りが行われたが、それをも許さない闘いとして貫かれた。
13、20日に続く「全国交流会」の連続決起は、2年間にわたって厚生労働省交渉を行い、学習会を開催してその結果をパンフレットにするなど、闘いを営々と積み重ねてきた蓄積をいかんなく発揮した闘いだった。
絶対反対を貫く動労千葉派として闘いを蓄積してきたことで、「全国交流会」の労働者は、労働契約法が成立したとしても「闘いはこれから」との気迫に燃え、「一切の決着は職場闘争でつけるぞ」との確信で直ちに闘いを開始している。
集会最後のシュプレヒコールでは、国会見学の小学生たちに向けて「子どもたちの未来を守り抜くぞ」と力を込めて呼びかけると、子どもたちもともにこぶしを突き上げる場面があった。
労働組合の弾圧狙う悪法
今回成立した労働契約法は、戦後労働法制を解体し、労働組合運動の弾圧を狙う悪法である。
労働契約法は、資本の横暴を罰則で取り締まる労働基準法や労働組合法とはまったく別の、民法の法体系としてつくられている。そこでは、資本のどんなでたらめも「契約自由」の原則で許されることになる。
今回最大の問題になっている〈就業規則の変更による労働条件の不利益変更>にその反動性は露骨に現れている。資本が好き勝手に変更・改悪できる就業規則の内容が「合理的であれば」、そのまま労働契約の内容になるなどというでたらめが許せるか。
しかも何が合理的かは資本と裁判所が決めるのであって、労働者はあらかじめ排除されている。
長年の闘いの結果かちとられた判例では、「変更は高度の合理性が必要」となっている。にもかかわらず、今回成立した法では「高度」の2文字が削除され、資本の横暴を許している。
さらに現在の判例では、労働条件切り下げのためには「代償措置・労働条件などの改善」が必要とされているが、それも削られた。その上、「他の労働組合又は従業員の対応」を見極めることという要件も落とされている。体制内労働組合さえ合意すれば、合同労組などの少数派組合は無視していいというのだ。これこそ労働組合運動つぶしそのものだ。
労働契約法は、「ねじれ国会」で初めて成立した法律となった。連合は事務局長声明で「労働契約法は、小さな形で誕生した。……その充実・強化を求める取り組みを進めていく」などと言い、政府・自民党の「小さく生んで大きく育てる」という反動的主張とまったく同じことをうそぶいている。連合中央の裏切りを許さず、職場闘争の勝利で労働契約法を吹き飛ばそう。
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週刊『前進』(2322号2面4)(2007/12/03 )
11・12〜11・21
全駐労が16年ぶりの全国スト
●日本経団連が政党政策評価結果を公表 日本経団連は、自民党と民主党に対する07年の政策評価結果を公表した。自民は前年とほぼ同じだが、民主は「政策の方向性で一致しないものが多い」(御手洗会長)として前年より低い評価となった。(12日)
●「物価上昇」の実感が急増 連合総研が発表した「第14回勤労者短観」調査によると、過去1年で物価が上がったと勤労者の約7割が感じている。この割合は調査を開始した01年10月以降最も高く、今後1年で「上がる」との予想も77%。(13日)=要旨別掲
●08春闘は3月第3週がヤマ場に 金属労協(IMF・JC)は「08年闘争シンポジウム」を開催。あいさつした中村委員長(電機連合委員長)は、春闘のヤマ場は3月の第3週(12日)になる見込みだと述べた。(14日)
●経団連、優先課題として消費税率引き上げを財務省に要請 日本経団連と財務省は意見交換会を開いた。経団連側からは財政再建を優先し消費税率引き上げを求める意見が出た。(15日)
●「基地従業員の給与高い」と石破防衛相 石破防衛相は基地従業員の給与水準について、「沖縄で労働しておられる(他の)方々と比べて高い」と述べ、各種手当削減に踏み込む姿勢をあらわにした。(20日)
●「日本年金機構」は全国9ブロックに 社会保険庁は「日本年金機構」の地方機関の組織改革案を公表。都道府県単位の社会保険事務局(47カ所)を9ブロックに再編する。(20日)
●政府税制調査会が消費税率の引き上げを提言 政府税制調査会は「抜本的な税制改革に向けた基本的考え方」と題する答申をとりまとめた。社会保障制度の財源を消費税の引き上げでまかなうべきだと明記した。(20日)
●全駐労が全国統一第1波スト 全駐留軍労働組合(約1万6000人)は、防衛省による給与・手当削減提案に反対し始業時から4時間のストに入った。全国規模のストは16年ぶり。(21日)
●自民党財革研が「消費税率10%化」を提言 自民党の財政改革研究会は、社会保障の財源として消費税率を10%程度まで引き上げる必要があるとする報告書をまとめた。(21日)
●社保庁の退職者が過去最悪ペース 社会保険庁で、自己都合により退職する正規職員が、今年4〜9月の半年間だけで昨年度の1年分に匹敵する317人に上っている。(21日)
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連合総研「第14回勤労者短観」の概要
●景気の現状・見通しは悪化の様相。物価上昇感が強まっている。
景気悪くなった 21.4%(+9.5ポイント)
景気悪くなる 28.7%(+11.9ポイント)
物価上がった 69.3%(+32.2ポイント)
物価上がる 77.4%(+23.2ポイント)
●約4人に1人が週50時間以上の長時間労働。
週50時間以上60時間未満 15.5%
週60時間以上 10.7%
合計 26.2%
●約2人に1人が1年前よりストレスが増大。男性30歳代などで高い値。
ストレスが「かなり増えた」「やや増えた」は計48.3%、「やや減った」は7.3%、「かなり減った」は2.7%。
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週刊『前進』(2322号3面1)(2007/12/03 )
東京・特区連の賃金確定闘争 9%賃下げふざけるな
改悪提案は白紙撤回だ
現業労働者の団結で反撃を
東京・特区連(特別区職員労働組合連合会)の賃金確定闘争が激しい攻防になっています。東京労組交流センター自治体労働者部会が11月26日に発行したビラを紹介します。(編集局)
特別区―23区で働くすべての自治体労働者の皆さん! 区長会は21日、07賃金確定闘争最終盤の団体交渉の場で、業務職給料表の改悪案を提示してきました。
その内容は、平均9・0%(最大10・8%)の給料月額の引き下げを行うというのです。
しかもこれに、地域手当の13%から14・5%の引き上げに伴い、同額を基本給から差し引くというのです。さらに、「退職金の中膨れの解消」という名目で、中途採用がほとんどの現業を狙い撃ちした最大2カ月の退職金カット!
ふざけるな!
特区連は撤回を求め、21日の交渉は決裂しました。交渉のあとの拡大闘争委員会では、「白紙撤回を」「中途半端な妥協、妥結はありえない」などの意見が次々と出されています。
区長会は、ぎりぎりになってこの提案を行っておきながら、「各自治体の第4定例会に条例案を出したい。一番早く議会が終わる区は30日。その前に決着を」と特区連を恫喝しています。本当に許せません。
改悪案によって大幅な賃下げをうけるのは現業労働者です。職場討議する時間も与えず、現場の怒りが噴出する前に賃下げを行おうとしているのです。この労働者をなめきった態度が許せません。
しかも区長会は、“現給保障だからいいだろう”という態度です。
しかし、地域手当を年々拡大し、4年後には18%にまでしようとしています。毎年基本給が減り、地域手当が拡大すると実質的賃下げです。現給保障されても今回提案された給料月額にいくまで一切昇給はなく、すでにほとんどの自治体で新規採用がない中で、年齢が高くなっているため大多数の現業労働者が定年まで賃上げどころか、水準は下がっていくのです。
さらに、各区で開始されようとしている成果主義賃金(もちろん私たちは、現場に分断を持ち込む成果主義賃金は絶対反対です)で、仮にA、B評価を受けても、それが給与に反映されることはないのです。「現場の意欲を引き出すために成果主義を」と言いながら、この態度です。
【写真】 特区連の11・19総決起集会(江戸川区)
ねらいは区職の労働運動つぶし
ではなぜ、このように現業労働者に攻撃を集中してきているのでしょうか。最大の狙いは労働組合の団結を破壊するためです。現業・非現業ともに闘ってきた各区職労の団結破壊です。
そして、現業労働者にとっては低賃金化です。
小泉構造改革以来「小さな政府」「官から民へ」の掛け声のもと、公務員労働者が勝ち取ってきた権利をことごとく奪い去っていく攻撃が吹き荒れてきました。
民営化で職場を奪う。事故がおこれば現場の責任にする。
そして、社会保険庁の労働者に「年金問題破綻」の責任をすべてかぶせ、一時金の自主返納を強制したのです。
こんな攻撃にもう黙っているわけにはいきません!
自民党は今年の参議院選挙の前に、「自治労、日教組を壊滅する」「日教組・自治労には、ハローワークに行ってもらう」と宣言し、200万人の公務員労働者の首切りを宣言しました。
政府がいま強力に推し進めている民営化と、現業の大幅賃下げの攻撃は一体の動きです。200万人もの公務員労働者の首を切り、ワーキングプアにたたき落とす攻撃が全面的に始まっているのです。
(左 交流センター自治体労働者部会のビラ
) 全国で仲間が次つぎと実力決起を始めている!全駐労のストライキに続こう!
先の参議院選挙では、社会保障費の大幅削減、格差の拡大、年収200万〜300万円のワーキングプア、自民党の農業切り捨てなどの現実に対して怒りが爆発し、自民党は大敗しました。経済はサブプライムローンの破綻でガタガタになり、株価は下がり、資本家階級はあせりにあせっています。
全国の社会保険庁の労働者約1000人は、一時金の自主返納を断固拒否して闘っています。
沖縄では9月29日、来年4月から全国の高校で使用される教科書で「集団自決に軍の関与があったことを削除する」文科省の検定意見撤回を求める県民集会が12万人の結集で行われ、各教科書会社が削除した部分の書き換えを申請するという動きになっています。この闘いは、沖縄高教組を先頭に、自治労沖縄県職など労働組合の力が生み出したものです。
11月21日には、米軍基地で働く日本人従業員への賃金カット(格差給=基本給の10%カットなど)に反対し、全駐労が16年ぶり(沖縄では11年ぶり)に全国統一4時間ストライキを決行しました。27日の団体交渉で満足のいく回答がない場合、30日に第2波の8時間全国統一ストライキをかまえ、それでも解決しない場合、12月にはリレーストライキを準備しています。
20年前の国鉄分割・民営化攻撃に「絶対反対!」を掲げてストライキを打ち抜いた国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)は、いまも固い団結をまもりぬいてJR職場の闘いをリードし続けています。
この動労千葉などが全国の労働者に「闘う労働組合の全国ネットワークをつくろう!」と呼びかけ、連合・全労連などの既成指導部の屈服を乗りこえる、闘う現場労働者の新たな全国潮流が大きく登場を開始しています。
労働者が団結して闘えば、世の中は変えられます!
私たちも、団結した労働者の力を区長会にたたきつけ、やつらに思い知らせてやろうじゃありませんか! 23区の労働者が次々とストに突入して闘えば、「9%賃下げ」というナメきった提案など一発でぶっ飛ばすことができます。
次の交渉の山場は28日夕方。
時間はありませんが、特区連執行部の安易な妥協を絶対に許さず、要請行動、座り込みなどストライキを含むあらゆる実力行使の戦術を駆使し、9%賃下げ提案の「白紙撤回」を勝ち取り、労働組合の団結を強化しましょう。
(11月26日)
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週刊『前進』(2322号3面2)(2007/12/03 )
フランス 交通スト10日間貫く
サルコジと労働者が激突
収拾後も一部でストを続行
仏国鉄(SNCF)とパリ交通公団(RATP)、仏電力公社(EDF)、仏ガス公社(EGF)の労働者が11月13〜22日、交通・エネルギー関係の重労働者の年金「特別制度」を廃止するサルコジ政権の改革案撤回を求めて10日間のストライキを打ち抜いた。
11月20日、公立学校教員、税関、電信電話、郵便、自治体、公立医療機関、司法機関など公務員が24時間ストで交通ストに連帯した。学生も85大学中50大学、150の高校で校舎を封鎖・占拠して闘っている。労働者、学生は20日、全国70万人の街頭デモに決起した。
ところが労組指導部は22日、サルコジ政権が「特別制度」廃止の改革案の骨子を維持しつつ、退職前給与や一時金を引き上げると持ちかけ、家計の購買力の向上についての改善策を検討する意向を示したことを見て、スト収拾を決めた。
これを受けて22日に全仏で開かれた各職場の総会(AG)のほとんどが仕事に復帰することを決めたが、パリのリヨン駅など、スト続行を決めたAGもあった。23日、鉄道労働者の10%、1万4千人がストを続けた。スト参加運転士は2%しか仕事に復帰しなかった。車掌や転轍(てんてつ)士がストを続け、列車を止めた。23日の回復状況はSNCFが7割、RATPは8割だ。ランク・アンド・ファイルの抵抗で全面復旧は翌週に持ち越した。
【写真上】11月20日、フランス南西部トゥールーズで労働者がサルコジ打倒、公務員削減反対のデモ
【写真下】11月22日、大学を資本に売り渡す「大学の自由と責任法」の撤回を求めて学生がパリでデモ
サルコジ改革に強烈な反撃
10日間のストは、シラク政権を同じ年金特別制度改革断念に追いやった1995年の3週間の公務員スト以来の規模だ。経営側は1日4億ユーロ(約640億円)の経済的損失をこうむった。サルコジ政権が奉仕する仏経団連(MEDEF)のパリゾ議長は「仏経済の破局だ。地震だ」と悲鳴を上げ、「ストのコストは計り知れない。フランスへの投資をあきらめた投資家はどれだけ多いことか」と嘆いた。
サルコジは「一歩も引かない」と強気のポーズをとっているが、自らの路線を容易には貫徹できない現実をつきつけられた。サルコジは資本の利害をむきだしにした新自由主義政策を次々打ち出している。「もっと働きもっと稼ごう」のペテン、公務員大幅削減、民営化、「解雇の自由」導入、賃金引き下げ、35時間労働制解体、スト破りのための最小限サービス維持法、「大学の自由と責任法」によるフランス版大学法人化などだ。他方、EUのヘゲモニーを対独対抗的に求めて対米協調に踏み出し、イランに戦争重圧をかけ、中国の取り込みを図るなど、仏帝の延命をかけた瀬戸際政策を展開している。
このサルコジに労働者階級は職場・生産点でストを武器に真っ向から反撃し、その戦闘力、団結力を見せつけた(移民系少年らは全国で暴動を始めた)。それにもかかわらず労組指導部は、公務員労働者たたきの反動的世論の高まりとスト参加率の低下を理由に、特別制度廃止を受け入れ、スト収拾を決め、3者協議に応じた。交渉決裂の場合、クリスマス前にストを行うとも言っているが、組合員の離反を恐れているのだ。
95年に特別制度廃止を阻止した公務員の3週間スト、06年の若者雇用制度(CPE)を撤回させた学生らの2度にわたる300万人デモを導いた最大の要因は、「絶対反対」「白紙撤回」を掲げ続け、日々団結を固めて政府と非妥協的に真正面から対決したことにある。今回はCGTや仏民主労働連盟(CFDT)など主要労組指導部が当初から3者協議を提案、裏切りを準備していた。体制内化を深める労組指導部へのランク・アンド・ファイル(現場労働者)の怒りは深い。体制内派指導部打倒、階級的労働運動再生は世界の労働者階級の共通の課題となっている。
(藤沢明彦)
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週刊『前進』(2322号3面3)(2007/12/03 )
11・4集会に参加して
来春の不起立闘争貫徹へ集会でパワーをもらった
香川 教育労働者 杉原正樹
「過去」ではなく「未来」への集会
11・4労働者集会に参加した仲間の感想やエピソードを紹介します。
11・4のデモをしながらのある二人の会話。一人は前日の3日に、護憲大会実行委などが主催した「武力で平和はつくれない! 11・3市民集会」にも参加した人。「護憲大会ではこれまでの政治勢力の組み合わせの話ばかり言っていた。それではなんの力も生まれない。同じ日比谷野音で集会をし、同じコースをデモ行進したが、一言で言えばそれは『過去』。過去の政治勢力の組み合わせを変えようとするだけのもの。11・4は『未来』だ。社会を変革するエネルギー、これからの時代を切り開くパワーを感じる」
それを聞いていた別の仲間が「『過去』と『未来』か! そして、明日からまた、職場に帰って『現実』に戻るのか!」と言うと、「その現実を変えよう。今日の集会やデモはそれを見事に明らかにした。われわれは未来に生きよう」。
また、別な仲間。銀座通りいっぱいに広がったデモの先頭の方を見てきて、「先頭では、青年労働者と韓米日の仲間と動労千葉が機動隊とぶつかっている。それが『自由な空間』、この解放区をつくっている」。民間労組の仲間は、「これは革命前夜だ!」と解放感に満ちたデモをしました。
銀座で通行する人の多くが、携帯でデモの写真を撮っているのを見てうれしくなり、通行する人たちの会話に耳を傾けると、「すごーい! こんなの初めて!」。それに対して「写真を撮るより、一緒にやる方がもっとすごいですよ」。
“職場でも負ける気しなくなった”
その民間の仲間は、帰ってすぐに集会とデモの報告のビラをつくりました。そのタイトルにも「革命前夜」と書いてありました。さらに、そのパワーで職場闘争を闘い、上司と激突。「あまりにも元気の出る集会とデモのせいで、やってしまった!」と苦笑い。「しかし、職場での労働強化に反対する闘いだから、近いうちにやろうと思っていた。あのデモを体験し、負ける気がしなくなった」
また別の仲間は、初めての人とともに参加しました。その人は「職場で声をかけた。若い仲間がそれにこたえてくれた。力が百倍出る。結集が1万人に届かなかったことは悔しいし、毎年一緒に参加していた人が今年は参加できなかったりして、自分も目標を達成できていない。悔しさもわき上がってくる。来年はもっと多くの仲間とともに、あのような集会とデモをやりたい」。
根津さんの不屈の闘いに続く
職場の仲間の自己解放の力を信頼し、それを引き出すために闘い抜くこと、これは、実際には大変なことです。しかし、その力があのような11・4の集会とデモになりました。あらためて、これに確信を持ちました。職場闘争であのデモのような闘いをすれば、自由な空間が生まれるのです。
11月3日の教育労働者国際連帯集会の中で、アーリーン・イノウエさんは言いました。「活動することをとおして“私ってすごいかも”と思えてきました」。不起立闘争を闘う広島の教育労働者は言いました。「不起立すれば気持ちいい。とても自己解放的だってことです。それで組合を変えていきたい。戦争を止める力が労働組合や現場の労働者にはある」
不起立闘争は教育労働者にとって、戦争協力拒否宣言です。同時に、職場で団結をつくり出す闘いです。11・4での解放感を職場でこそつくりたい。解雇攻撃を恐れず不起立闘争を貫くと宣言している根津公子さんの闘いに続き、来春の不起立闘争に決起します。
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週刊『前進』(2322号3面4)(2007/12/03 )
入国時の指紋採取制度が施行
治安弾圧と分断支配狙う
11月20日、日本に入国するすべての外国人に指紋採取と顔写真撮影を義務付ける制度が施行された。昨年5月に制定された新入管法は成立後20日で施行されていたが、この新制度については特別に1年6カ月以内に施行とされていた。この制度は、日帝が「テロの未然防止に関する行動計画」の中で打ち出したもので、「テロ対策」を名目にすればなんでも通せるとばかりに、この新入管法を強引に成立させた。しかも「US―VISIT」プログラムで日米共通の仕様となっており、日米帝が一体となって、すべての人民を「テロリスト」として対象化し差別・選別するものである。世界的規模で入管体制の強化が進行しているが、入国者すべてから指紋を採取するのは米国と日本だけだ。
指紋採取・顔写真撮影の新制度は第一に、営々たる指紋押捺拒否闘争の地平を踏みにじり、再び指紋押捺制度を復活させたのであり、断じて許すことはできない。指紋押捺制度は在日朝鮮人・中国人をはじめとする在日・滞日外国人と日本の労働者階級人民との共同の闘いで、2000年に全廃を実現している。日帝は、こうした闘いを踏みにじり、たった7年で再び指紋制度を復活させたのだ。
第二に、この制度は、施行と前後してASEANとのEPA(経済連携協定)が締結されたことに示されるように、日帝の新たなアジア侵略と一体の攻撃である。日帝・御手洗の東アジア自由経済圏構想=第二の大東亜共栄圏構築攻撃の中で、アジア人労働者を、資本の都合に合わせて導入し、治安管理する制度なのだ。
さらに第三に、日米帝国主義が「テロリスト」と勝手に認定し、リストアップしてきわめて恣意(しい)的に入国を阻止することが現実的に引き起こされる。01年9・11以降直ちにこの制度を導入したアメリカでは許しがたい人権侵害が起きている。また、先の民主労総の労働者大会に参加しようとした訪韓団の中で、出国を差し止められたことがあった。これも根拠は米帝の「テロリスト」リストだ。労働者階級の国際的な連帯・共同の闘いの前進を阻むことをもくろんでいるのだ。
第四に、この制度は、在日外国人の中に差別・分断を生み出す制度だ。在日朝鮮人・中国人の場合、その歴史的存在ゆえに家族の中で在留資格が異なる場合も多いのだが、そうした現実を無視し指紋を採取しようというのである。
この制度と同時に、日本人および特別永住者に対しては、指紋を登録した人についてのみ入国審査官のいる窓口を通らずに出入国できる「自動化ゲート」も導入されたことは重大だ。迅速化、便利化の名のもとに将来的にはすべての人々から指紋を採取する狙いをはらんでいる。
日帝は年間700万にも及ぶ指紋を半永久的に保存することを国会答弁で明らかにしてきた。テロ対策と称して、戦争準備を推し進める日帝が、指紋採取と顔写真の制度をもって、在日・滞日外国人をはじめすべての労働者人民に襲いかかっているのだ。在日・滞日外国人と連帯し、指紋採取・顔写真撮影を廃止に追い込もう!
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週刊『前進』(2322号3面5)(2007/12/03 )
消費税率の10%化策す自民党
大増税に進む福田打倒を
福田政権は消費税の大増税へとかじを切った。自民党の財政改革研究会(会長・与謝野馨前官房長官)は、消費税の税率を2010年代半ばまでに10%に引き上げるという方針を公然とぶちあげた。消費税を倍増するということだ。
政府税制調査会も、20日に出した答申で「社会保障費に関しては……消費税率を引き上げていくことによって賄う」として、消費税アップを明記した。ここ数年、政府税調は消費税増税に触れることを避けてきた。だが、福田政権の登場に伴い、政府税調もこうした姿勢をむき出しにした。
福田は、消費税について「今すぐ上げるという話にならない」とか「来年1年間は(消費税を上げずに)何とかやりくり算段できないか」などという発言を繰り返している。だがそれは、さしあたり来年は消費税増税を回避したいというに過ぎない。大連立構想で小沢・民主党に揺さぶりをかけた福田は、あわよくば民主党を分裂に追い込み、次期総選挙に勝利して直ちに大増税に歩を進めようと策している。そのための準備に、すでに公然と手を着け始めたのだ。
福田が大増税に走るのは、日帝の財政赤字がもはや解決不能な規模に達しているからだ。国の債務残高は07年9月末時点で833兆7千億円に膨らんだ。これほどの赤字は、踏み倒す以外に現実的な解決策などありえない。だが、それは、国家の破産と支配の崩壊を意味するだけでなく、国家に資金を貸し付けている銀行などの金融資本の倒壊にも直結する。
だから福田は、社会保障の解体や公務員労働者の大量首切り・賃下げと地方自治の解体で歳出を大規模に削減し、消費税増税を強行して、すべてのツケを労働者に押しつけようと必死になっている。
安倍政権下で策定された「骨太方針Z」は、2011年までに基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化することを打ち出した。福田は、その実行に本格的に突き進もうと狙っている。
サブプライムローン問題に端を発した金融恐慌−世界恐慌への突入は、今や日帝の財政危機をさらに加速させている。07年度の国税収入は、予算で見積もられていた額より1兆円近くも不足する見通しだ。税収が予算を下回るのは5年ぶりのことだ。
こうした危機に促され、福田は労働者人民の生活を破壊する攻撃にのめり込んできた。
御手洗・日本経団連も、法人税の税率を10%引き下げ、消費税を2%も5%も引き上げろと唱えている。労働者を低賃金・不安定雇用にたたき込んできた資本家どもが、労働者から徹底して税金を巻き上げろと叫んでいるのだ。
福田は消費税増税の目的として「社会保障の安定財源確保」を押し出しているが、それは口実に過ぎない。大規模な資本減税を行うための財源確保がその狙いだ。
膨大な財政赤字は大ブルジョアジーがつくりだしたものだ。労働者人民がその負担を負うべき理由など一切ない。財政赤字にのたうつ帝国主義を、労働者の力で打ち倒すべき時が来ているのだ。
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週刊『前進』(2322号4面1)(2007/12/03 )
沖縄を先頭にピケ貫徹
全駐労ストの意義と展望
賃下げと労組破壊に大反撃
11月21日の全駐労(全駐留軍労働組合)の全国統一第1波ストは、沖縄を先頭に1万6000人の組合員の参加で完璧(かんぺき)に打ち抜かれた。沖縄地区本部は組合員約6500人がストに突入、早朝からの米軍基地ゲートへのピケには組合員の約半分の3000人が結集した。
日帝・福田政権、防衛省の最大の狙いは、「基地の中の労働者の団結形態」である全駐労を壊滅・一掃することにある。在日米軍再編攻撃の核心こそ、全駐労を破壊し、基地労働者をたたき出すことにある。全駐労をめぐる巨大な階級決戦が始まったのだ。われわれは基地労働者と連帯して闘うことを宣言する。
【写真】 沖縄の基地労働者は大幅賃下げ攻撃に対し、全国の先頭でストライキを闘いぬいた(11月21日 キャンプ・フォスター第2ゲート前)
格差給廃止攻撃を許すな
今回の「格差給(注) ・語学手当廃止、退職手当削減」の攻撃は、すでに全社会的に吹き荒れている「民営化・規制緩和・非正規雇用化―労働組合破壊」の全駐労版と言える。これらはすべて生活給そのものであり、その削減(格差給だけで10%の削減!)は基地労働者の生活を直撃する大攻撃である。
日帝・防衛省、財務省は、「国家公務員と比べても優遇されている」などと言っている。しかし事実はまったく逆だ。基地労働者は格差給を含めても国家公務員の賃金の80%というのが現状なのだ。また2兆円とも3兆円とも言われる在日米軍再編にかかわる費用負担を口実として持ち出してきたことも、絶対に許すことはできない。戦争遂行のため、在日米軍再編のために労働者の賃金をカットするなど断じて認めるわけにはいかない。しかも基地労働者の生活給の削減額は年間100億円と言われている。在日米軍再編を行わなければいいだけの話なのだ。
米軍再編下の組合つぶし
今回の攻撃は生活給の削減にとどまらず、その矛先は全駐労という労働組合そのものに向けられている。日帝・福田政権、防衛省の狙いは全駐労を壊滅し、基地の中から労働者を一掃するというところにある。
かつてのベトナム戦争がそうであったように、米軍が戦時体制・臨戦態勢に移るときは、基地内の労働運動への弾圧は不可避となる。また基地機能の戦時体制化にともなう合理化によって労働者の大量解雇は不可避となるのだ。
ここで特に強調したいのは、在日米軍再編に伴い、米軍基地を自衛隊が共同使用するという問題がある。11月13日、キャンプ・ハンセンの陸上自衛隊共同使用について、地元自治体(金武町、宜野座村、恩納村)はこれまでの反対の姿勢を一転させ、受け入れを表明した。米軍再編への協力の度合いに応じて出す「再編交付金」をえさに屈服させたのだ。札束でほおをたたくような卑劣なやり口を絶対に許さない。
問題は〈米軍基地の自衛隊との共同使用=米軍基地の自衛隊管理=基地労働者のたたき出し>ということにある。米軍と違って「自己完結型組織」である自衛隊は労働者を雇用する必要がない。つまり在日米軍再編は基地から労働者をたたき出し、その肩代わりを自衛隊が行うということだ。そのためにまず、全駐労をたたきつぶす攻撃が始まったのである。
ストが労働者の力示した
全駐労は沖縄においても、その執行部は連合派であり、民主党支持労組の重要な単組である。だから日帝・福田政権、防衛省は、「全駐労はもう大したことはできまい」と高をくくって今回の攻撃に踏み切ったと言える。
しかし、労働組合の主人公は一人ひとりの組合員自身である。今回のような攻撃に対して基地労働者がだまって唯々諾々と従うと考えていたとしたら、それこそ日帝が墓穴を掘ったと言える。そして基地労働者はその団結の力を伝家の宝刀=ストライキをもって鮮やかに示した。
沖縄においても、早朝から多くの労働者が指定された米軍基地のゲートに結集してピケを貫徹した。その数約3000人。労働者の顔は自信と誇りに満ちあふれ、ゲート前は「解放区」と化していた。社会の主人公たる労働者は、ストライキに立ち上がったとき、自らの力を本当に自覚するのである。
全駐労沖縄地区本部は地本としては11年ぶりのストライキを見事に打ちぬいた。沖縄労働運動の中心部隊である基地労働者の決起は、9・29県民大会の12万人決起を実現した沖教組・高教組や自治労・マスコミ労の闘いと相呼応した、沖縄労働運動の階級的再生を切り開く決定的な意義をもつ闘いである。在日米軍再編攻撃=沖縄の戦場化・第二の沖縄戦への道を打ち破る沖縄労働者階級の本体中の本体がついに闘いの最前線に躍り出たのだ。
沖縄労働運動の大高揚を
ストライキ前日、石破防衛相は「(所得が低い)沖縄で労働している(一般の)方々と比べたら(基地労働者の給与水準は)高い」と言い放った。しかしこの暴言は基地労働者の闘う決意を一層強固なものにした。「沖縄の労働者の先頭で、全軍労以来の基地労働者の団結の力を示そう」とストライキは貫徹されたのだ。このことが示していることは「基地撤去と基地労働者の雇用問題」という沖縄問題の基本中の基本問題が再びみたび問われる情勢が到来したということである。9・29県民大会12万人決起と全駐労のストライキは、沖縄の階級闘争が文字どおり革命的な激動過程に突入したことを示している。
「沖縄の基地が動くとき、基地労働者が動く」「基地労働者が動くとき、沖縄の労働運動が動く」――この普遍的真理をして日米両帝国主義を震撼(しんかん)せしめよ! 基地労働者=全駐労を先頭に、全沖縄の労働者階級の総決起で在日米軍再編を粉砕しよう!
日本革命の火薬庫=沖縄から世界革命への展望をこじ開けよう!
■格差給
米軍占領下1948年の給与改定で、雇用が不安定であることなど「駐留軍業務の特殊性」から、米軍基地労働者の平均給与を国家公務員に比べ10%上乗せするものとして実施された。政府は「思いやり予算削減」を機に「特殊性は薄れた」として格差給・語学手当廃止、退職手当などの削減を提案してきた。現実には基地労働者の労働条件は、労働基準法など国内法令に違反し、年金・福利厚生などを含め公務員を下回っており、諸手当の削減は生活破壊そのものである。
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週刊『前進』(2322号4面2)(2007/12/03 )
革共同へ絶大な冬期カンパを
階級的労働運動の前進で08年決戦の壮大な勝利へ
5700人は革命の軍勢
すべての皆さん。11・4全国労働者総決起集会とデモは、労働者階級の革命的な力、その解放性をまざまざと示すものとなりました。階級的労働運動を掲げた革命の軍勢が、5700人という規模で登場したのです。9・29沖縄12万人決起をひきつぎ、11・10〜11民主労総の闘い、仏・独の巨大ストライキ闘争と続くプロレタリア世界革命のうねりを、われわれ自身の闘いとして闘いとっていったのです。
07年の闘いは、階級情勢の大きな大きな転換をかちとりました。日本帝国主義の体制的危機と革命的激動は、私たちの予測をも上回るテンポとスケールで進んでいます。来る08年は、07年を超える大決戦となります。革命が迫っているのです。革共同始まって以来の闘争資金が必要です。渾身(こんしん)のカンパを訴えます。
世界革命の時代始まった
11・4集会にUTLA(ロサンゼルス統一教員組合)CAMS(校内の軍国主義に反対する連合)の代表として参加したアーリーン・イノウエさんの報告が2321号の『前進』で紹介されています。
「私たちは、非人間的な状況のもとで、企業の利潤追求のために虐げられている日本、韓国、アメリカの労働者が連帯して、国際的な共闘を実現することができた。農地を奪われる農民、権利の剥奪(はくだつ)と差別に直面している移民や難民の労働者、奴隷のような扱いを受けている労働者たちとともに手を組んだ。これらの人びとと私たちは手を取り合い、スクラムを組んで、東京の繁華街の銀座をデモした」「世界中の民営化、企業買収、軍事力強化に対する闘いは、私たちの連携を互いに強化させる。私たちの闘いはまったく同じである。……国際連帯なのだ!」
11・4に参加して、あるいはその生き生きとした報道に接して心を動かされない労働者はいません。沸き立つような興奮をもって全世界の労働者が決起する世界革命の時代が始まったのです。
最末期を迎えた帝国主義は基本矛盾の爆発に根底から揺らいでいます。米住宅ローンの破たんはとどまるところを知らず、世界同時株価暴落と石油・穀物投機に続いてドル暴落が現実のものとして迫り、世界金融恐慌の危機が現実に進行しています。市場・資源・領土・勢力圏をめぐる帝国主義間の争闘戦が激化し、なりふりかまわぬ侵略戦争が、アフガニスタン、イラク、そしてイラン戦争として爆発しようとしているのです。
こうして再びみたび訪れた帝国主義世界戦争の切迫、階級戦争の暴虐に対して、全世界の労働者階級が歴史的反撃を開始しました。11・4日米韓労働者の国際連帯は、世界革命を現実のものとする決定的な一歩を記すものとなったのです。
闘いの爆発に脅える日帝
日本帝国主義は、帝国主義の最弱の環に転落し、階級矛盾の爆発の中で吹き飛びかねない状況を迎えています。だからこそ、どんなに絶望的であろうと改憲と戦争、民営化と労組破壊の階級戦争攻撃に突進せざるをえないのです。福田自民党と小沢民主党との大連立の動きは、日帝がどれほど絶望的な危機に陥っているかを示したものです。支配階級は、労働者階級の怒りと闘いの爆発に脅えているのです。そのような策動も挫折した今、日帝・福田政権は、小泉―安倍政権をも超える反動的で凶暴な攻撃に突き進むしかありません。
労働者支配の屋台骨が揺らぐなかで、体制内労働運動との激突がくりひろげられています。主戦場は4大産別です。さらに膨大な非正規雇用労働者の反乱が始まっています。
生きさせろ! 労働運動の力で革命をやろう! 労働者に権力をよこせ! 今春の3・18闘争をもって爆発的に闘いとられていった青年労働者・学生の決起、そして動労千葉労働運動の新たな地平が、11・4集会の地平を跳躍台として全国・全世界の闘う労働者の中に大きく広がろうとしているのです。
労働者党として飛躍かけ
11・4の歴史的成功によって、「党の革命」が決定的な段階を迎えました。青年労働者・学生を先頭に、全国で階級的指導部が次々と屹立(きつりつ)・決起し、革命的労働者党としての飛躍を闘いとろうとしています。
自らの壁と殻を破り、体制内労働運動と決別した階級的労働運動を職場生産点からまき起こしていく、そしてこの職場と街頭が結びついていく、確信に満ちた実践が奔流のように始まっているのです。
08年は全世界の労働者階級の偉大な進撃のときとなります。帝国主義の世界支配、労働者支配が崩壊し、世界革命情勢が急速に接近している今、労働者階級が進むべき道は、11・4として端的に示されました。革命的労働者1万人の結集はまったく可能です。
08年の決戦が巨大なものとなればなるほど、必要な闘争資金は膨大なものとなります。08年はすべてをかけても惜しくない決戦です。ここまで現実のものとして迫ってきたプロレタリア世界革命の情勢に限りなく情熱をたぎらせ、渾身の決起をするときです。
今季一時金支給時にあたって、革共同は決戦勝利の並々ならぬ決意を込めて「冬期一時金の圧倒的カンパ」のアピールを発しました。革命勝利の一点で、人生最大最高のカンパを訴えます。
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週刊『前進』(2322号4面3)(2007/12/03 )
横須賀 第1波スト
闘う組合員の総力でピケ
11月21日に闘われた全駐労の全国統一第1波ストライキは、スト破りの妨害分子と真っ向から対決して打ち抜かれ、労働者の団結した力がどれほど巨大で強力かを示しました。横須賀基地(神奈川)のストに支援と激励に駆けつけた2人から寄せられた報告を紹介します。(編集局)
【写真】 「スト破りを許さない!」。組合員は横須賀基地ゲート前に陣取りピケを防衛(11月21日)
前夜に支部を激励 事務所には緊張感と熱気
地域で労働者が立ち上がり、ストライキが打ちぬかれることは決定的に重要なことです。私は、11月16日の団交に先立って、神奈川最大の横須賀支部にあいさつと激励のために訪問しました。米海軍横須賀基地の正面ゲートをにらむ組合事務所の前には、赤い組合旗が翻り、闘いに突入している雰囲気が伝わって来ました。
横須賀支部の杉田委員長は「賃金の10%カットは労働者にとって大変なこと。16日の団交は平行線。第3波まで闘うことになると思う」と決意を語ってくれました。スト突入の時にはピケ支援に駆けつけたいと伝えると、「来てもらえるのですか」とたいへん歓迎されました。
スト前夜の20日、組合事務所に激励に訪れました。この夜はスト準備のため、事務所に組合書記の人たちを残し、組合員は会議やピケ準備に追われていました。ときどき事務所に現れる組合員の顔には緊張と高揚感があり、「スト前夜」の熱が伝わって来ました。この日は夜を徹してゼッケンやプラカードを作り、朝4時のピケに突入したと後日聞きました。
スト当日は4時からピケが張られ、非組への説得活動も含め貫徹されました。正面ゲートでは、三浦半島地区労の労働者も加わって闘われました。米兵の車に同乗したピケライン突破の試みもありましたが、それらすべてを阻止して第1波ストが打ちぬかれました。その中で「越年闘争」の決意も語られています。
「すべてのストライキには革命のヒドラが宿っている!」。この闘いの熱気を教組・自治労など4大産別の職場・分会に持ち込み、「闘いに立ち上がろう!」と訴えていくことが決定的に重要です。ピケットラインに立てば労働者の団結の力がわいてきます。地域の労働者が団結すればこんな社会はひっくり返せると確信できます。
沖縄、横須賀をはじめ全国でともに闘おう!
(神奈川・三浦進)
正面ゲートで攻防 スト破り許さぬ実力闘争
米軍再編攻撃下の全駐労の全国統一ストライキに連帯し、横須賀支部のピケットをともに闘ってきました。
米海軍横須賀基地のピケットは正門ゲートや汐入駅寄りゲートなど3カ所で、寒風の中、早朝午前4時から11時半まで、組合員450人の実力決起で闘いぬかれました。箱崎・田浦など他の全施設でもピケットが配置され、ストライキが貫徹されました。
正面ゲートでは、この日最大の攻防が闘われました。反動分子がピケットを突破しようとして全駐労の組合員に殴りかかってきたのです。一人の組合員が鼻血を出すけがを負いましたが、ピケットラインは揺るがずストは貫徹されました。
ピケットでは執行部や組合員の人から、すばらしい話を聞きました。
「ストは16年ぶりで、経験している人間が少なくて大変でした。準備で明け方までかかって、そのままピケットで立ちっ放しで、さすがに腰が痛くなってきました」
「4時から5時が大変でした。特に正門ゲートは広くて、車や自転車で来るから。突破しようとする自転車が体当たりしてきました」
「でも米軍・自衛隊・防衛省の役人以外は通していません」
組合員がけがを負わされた状況も伝えられました。通行証を見せずに通ろうとする反動分子と押し問答しているうちに、相手が殴りかかってきたとのことです。
「通行証見せないんだよね、奴ら。『なんの権限があるんだ』と言ってくる。だから『権限はありません、お願いしてるだけです。でもストライキは権利ですから、通行証を見せてもらってるんです。通行証を提示してもらわない限り、ピケットを通すわけにはいきません』と言って何時間でも通さないんだ」。スト破りはできない。
支部の書記長が、「弾薬庫・給油施設もピケットが配置されています」「副委員長が全施設のスト点検に入っています」と言うと、組合員がすかさず「副委員長はタイムカードを押しちゃだめだぞ」と突っ込みを入れ、どっと沸きました。
ピケット参加者はとにかく、生き生きしていました。16年ぶりのストで、ピケットを守る労働者はおそらく初めての経験のはずだが、みんな堂々と行動していました。印象的だったのは、「組合員が殴られた」と連絡が入った直後に、小柄な女性労働者が「30日は正面ゲートのピケットに参加させてほしい」と書記長に直談判する姿でした。
全駐労の組合員は第2波、第3波ストを当然と考えて頑張っています。ともに闘いましょう!
(東京・栗原芳樹)
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週刊『前進』(2322号5面1)(2007/12/03 )
世界金融恐慌と革命情勢
底知れぬ住宅バブル崩壊 大不況とドル暴落が切迫
サブプライムローン(低所得者向け住宅ローン)問題は、いよいよ全世界的な金融大恐慌の爆発へと向かいつつある。この問題は、単に米住宅バブルの崩壊の始まりというだけでなく、米帝経済、世界バブル経済の崩壊の始まりであり、巨大な世界史的意味を持つ。1929年の世界恐慌(30年代の大不況−階級的激動から第2次世界大戦へとつながった)をも超える世界金融大恐慌が切迫しているのだ。まさに戦争か革命かの時代への本格的突入の情勢だ。労働者階級の団結の力で帝国主義を打倒し、世界革命に突き進もう。
米欧日の主要金融機関が軒並み巨額の損失を計上
90年代以来の幾度かの金融危機と比べても決定的なことは、欧米帝国主義の中枢の大銀行、証券会社、保険会社が軒並み巨額の損失を出していることだ。
米シティグループは2兆円近くの損失を出し、経営危機を深めている。さらに米バンク・オブ・アメリカ、英HSBC、英バークレイズ、米アメリカン・インターナショナルグループ(AIG)などが多額の損失を公表、日本でもみずほフィナンシャルグループ、野村ホールディングス、三井住友、三菱UFJ、農林中金などが1700億〜数百億円の損失を出した。
米住宅ローン市場での損失が世界中のあらゆる金融商品に波及し、次々と爆発している。しかも問題は主要金融機関が直接抱える損失だけではない。それはまだ事の半分だ。大手金融機関がSIV(投資ビークル)という傘下の別会社で運用していた金融商品の損害が隠されている。これが、これから一挙に表に出てくるのだ。
例えばシティグループは傘下に7社の投資ビークルをもつ。ここが売れなくなった大量の住宅ローン関連商品を抱え、巨額の損失を出している。その資産はシティグループ本体の財務に反映されていない。しかし、いずれシティ本体が損失の穴埋めをせざるを得なくなるのだ。
金融機関や機関投資家が抱える損失額は3千億j(33兆円)〜4千億j(43兆円)とも言われるが、どれだけ膨らむか、実は帝国主義者自身がまったく分からないのだ。経済協力開発機構(OECD)は11月21日発表の報告書で「われわれは状況悪化の途上にある」と述べている。
アメリカ170万労働者世帯が家を失う危機に直面
そもそも米シティグループなど大手の金融機関こそ、低所得の労働者階級にサブプライムローンを詐欺的なやり方で売りつけ、住宅バブルの末期にさらにバブルをあおって、ぼろもうけしてきた張本人だ。このローン債権を証券化して、特にCDO(債務担保証券)といわれるものを大量に作りあげ、全世界に売りまくり、巨額の利益を上げてきたのである。
この結果、逆に主要金融機関自体がサブプライムローンの毒にまみれた証券化商品の海にのみ込まれていったのである。
しかも、金融機関の現在的な巨額損失は、いま広がっている金融危機、経済危機の端緒、始まりにすぎない。サブプライムローンは、今年〜来年にかけて低金利から高金利に移行する。サラ金並みの2ケタの高金利だ。これに失業の嵐も加わって08年末までに170万人の労働者が支払えなくなって家を差し押さえされると予測されている。また、住宅価格の下落で家計が苦しくなり、消費者ローン(クレジットカード)の貸し倒れも急増している。個人消費の落ち込みは必至だ。
住宅販売の減少で住宅関連会社の倒産が相次いでいる。自動車の売り上げも落ちており、ゼネラル・モーターズ(GM)は7〜9月期の売り上げが前年同期比で10%も減少した。この期にGMは390億j(4・4兆円)の巨額の赤字を計上した。赤字の大半はGMの傘下金融会社のサブプライムがらみの損失だが、自動車の売り上げ減少も響いている。クライスラーも売り上げ不振で多くの労働者のクビを切っている。これに対して労働者はストライキで闘っている。
また金融機関は、自己の経営破綻(はたん)の恐怖から、企業向け融資や住宅ローンの審査基準を厳しくしている。「貸し渋り」の動きが広がっているのだ。これがもっと拡大すれば、企業が次々と倒産し、大不況は必至だ。
今ひとつ重大なことは、この間の原油価格・石油価格の急上昇である。住宅バブルが崩壊し、実体経済もついに後退するのは確実な情勢の中で、投機資金が行き場を失って、原油市場に流れ込んでいる。さらに、穀物へも投機資金が流れ込み、価格が高騰している。
原油が1バレル100jを超えるような動きを続けるなら、悪性インフレに火がつく。不況下のインフレだ。そうなれば、金利の引き上げによるインフレの阻止しかなくなるが、それはそれで不況を激化させてしまう。逆に不況への対応として金利を引き下げれば、インフレとドルの大暴落を一層促進することになってしまう。
こうして今やFRB(米連邦準備制度理事会)は金利政策のジレンマをどうすることもできなくなっているのだ。
ドル大暴落の危機が現実のものとなりつつある。この間、ドル価値の下落が進行している。ドルはこれまで金融決済や準備通貨に使われる基軸的通貨の位置を占めてきたが、今やその地位は大きく揺らいでいるのだ。
ドルを保有していてもどんどん減価するばかりなので、この間、各国で外貨準備をドルからユーロに移したり、中東産油国でもドル離れの動きが出ている。こうした動向がドルの価値下落に一層拍車をかけている。完全に悪循環にはまり込んでいる。
米帝を基軸として延命してきた戦後の帝国主義世界経済体制は、その米帝自身の矛盾の爆発によって全面的に瓦解(がかい)する時を迎えているのである。
労働者階級の団結の力で帝国主義を打倒するとき
このことは何をもたらすか。世界経済の大不況化、分裂化とブロック化が進行する。その中で帝国主義間争闘戦は、中国スターリン主義やロシアをも巻き込み、大国間の相互絶滅戦として限りなく激化していく。何よりも米帝は経済的没落を世界の暴力的再編で突破しようと、ますます侵略戦争にのめり込んでいる。
賃下げ、首切り、インフレ、生活破壊、福祉破壊など、労働者を取り巻く状況は格段と厳しくなっている。だがそれは、危機に瀕(ひん)する帝国主義の矛盾の爆発だ。帝国主義とは「死滅しつつある資本主義」であり「プロレタリアートの社会革命の前夜」(レーニン)なのだ。絶望的危機に陥り、死の苦悶(くもん)にのたうっているのは帝国主義者の側だ。
労働者階級は、自分たちの持っている力の大きさを確信して、団結して帝国主義を打倒し、労働者が主人公となる社会をつくろう。
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週刊『前進』(2322号5面2)(2007/12/03 )
危機深めるパキスタン
イランへの侵略戦争拡大狙い ムシャラフ体制維持図る米帝
パキスタン情勢がきわめて緊迫している。11月3日にムシャラフ大統領が国家非常事態宣言を発して憲法停止、戒厳令を発令し、最高裁長官を拘束した。爆発する人民の抗議デモを、軍が暴力的に圧殺する中で緊張が続いてきた。ムシャラフは11月29日、2期目の大統領への就任を強行したが、根本的な危機は何ひとつ解決していない。米帝がアフガニスタン・イラク侵略戦争を強行していることで出撃拠点のパキスタンが体制的危機に陥っているのだ。米帝は、イラン侵略戦争突入のためにムシャラフ体制維持に全力を挙げている。イラン侵略戦争阻止、福田政権の対テロ給油新法制定阻止へ全力で決起しよう。
非常事態宣言で大統領就任
ムシャラフは、1999年にクーデターでシャリフ首相を追放して権力を掌握。2001年6月にはタラル大統領を解任して自ら大統領に就任した。02年に国民投票を実施して大統領任期を5年延長。その任期を終える中でムシャラフは、大統領として居座り続けるために国家非常事態宣言・戒厳令を発動し、人民の怒りの決起を暴力的に弾圧してきたのである。
ムシャラフの国家非常事態宣言に対して、パキスタン人民は怒りの抗議行動に一斉に決起した。非常事態宣言では、最高裁長官解任や放送の禁止も強行された。軍の力で次々と法を踏み破るムシャラフのやり方に怒った弁護士もデモの先頭に立ち、放送を禁止されたテレビ局の職員も立ち上がった。その中で数千人が拘束された。
”陸軍参謀長と大統領を兼務して大統領選挙に立候補するのは違憲だ”という声を押しつぶし、ムシャラフは10月6日に上下両院と4州の州議会議員による大統領選挙を強行した。反対勢力が選挙をボイコットする中、選挙管理委員会の非公式発表でムシャラフが過半数を確保したとされた。しかし最高裁判所は、ムシャラフの立候補資格の有無について結論が出るまで正式発表を控えるよう指示した。また、こうした中で10月18日、水面下でムシャラフとの政権協議を行っていたブット元首相の帰国パレードに対して自爆攻撃が加えられ、150人以上が死亡する事件も起こった。
ムシャラフは、非常事態宣言でチョードリ最高裁長官を解任、ドガル判事を最高裁長官に任命した。そして最高裁は、22日に立候補資格訴訟の最後の1件も棄却し、ムシャラフの大統領当選を確定させた。ムシャラフは28日に軍籍を離れ、29日に大統領として宣誓を強行した。しかし、パキスタンの危機はけっして収まっていない。
パキスタン危機の爆発に、米帝は巨大な衝撃を受けている。米帝はネグロポンテ国務副長官をパキスタンに派遣、17日にムシャラフと会談したのを始め、ブット元首相ら主要な人物と会談した。ムシャラフに軍服を脱がせることと引き替えに、ムシャラフ体制への協力を取り付けようと画策したのだ。米帝は、イラク・アフガニスタン侵略戦争の推進、さらにイランへの侵略戦争突入に向けて、なんとしてもムシャラフ体制を維持しなければならないのだ。
北西地域は事実上の独立国
現在のパキスタン危機の根底には、アフガン侵略戦争の中でムシャラフが米帝の先兵となり、パキスタンが戦争拠点になっていることに対するパキスタン人民の激しい怒りがある。
99年のクーデター当時には、ブット政権やシャリフ政権時代の汚職の蔓延(まんえん)を一掃してくれるのではないかと期待されたムシャラフだが、米帝の侵略戦争の先兵となったことで人民の怒りの標的となっているのだ。
とりわけ、アフガニスタンと同じパシュトゥン人が居住する北西部の地域では人民の怒りは激しい。この地域は、タリバンの出撃拠点になっているということでパキスタン軍が制圧に乗り出したが、逆に撃退された。現在ではパキスタン政府の支配が及ばず、イスラム勢力がイスラム法を適用する事実上の独立国家になっている。他方、アフガニスタンではタリバンが全土の半分以上を制圧し、実効支配している。カルザイ政権の支配は主要都市の中心部にしか及ばない。これと相まって、米帝のアフガン侵略戦争は完全な敗勢に陥っているのだ。
危機に陥っているのはパキスタンの北西部だけではない。他の地域でもイスラム勢力が勢力を伸ばしている。今年の7月には、イスラム勢力が首都イスラマバードのモスクに隣接した神学校(マドラサ)に武器を持って立てこもる事件が発生した。政府は軍を投入して神学校を制圧したが、その後再び神学校には神学生が入っている。
米帝は、イラク・アフガン侵略戦争の泥沼・敗勢を立て直すためにイランに侵略戦争を拡大しようと画策してきた。そのために「イランが核武装しようとしている」とか、「イラクのシーア派武装勢力を支援している」「路肩爆弾を供給している」といった主張を繰り返していた。10月25日にはついにイランに対する追加制裁を発表し、イラン革命防衛隊を「テロ支援組織」に指定。国有銀行などに対する資産凍結、米企業との取引禁止を強行した。
こうして、まさに11月にも米帝がイラン侵略戦争に突入するのではないかという緊迫した状況の中で、パキスタン危機が燃え上がったのだ。
【写真】 ムシャラフの非常事態宣言によるテレビ局の放送禁止に抗議するデモ隊(11月20日)
米帝の中東支配が大破綻へ
米帝のイラン侵略戦争突入はパキスタン情勢でいったん引き延ばされているが、その策動はますます強まっている。米帝は、パキスタンの核がイスラム武装勢力の手に渡るかもしれないという危機の中で、それを放置してイラン侵略戦争に突入するわけにはいかない。イラク・アフガニスタン侵略戦争の敗勢を巻き返すためにも、またパキスタンのイスラム武装勢力を抑えつけるためにも、パキスタンのムシャラフ軍事独裁体制の維持とイラン侵略戦争への突入が米帝にとって不可欠となっている。米帝はまた、サブプライムローン危機の爆発による大恐慌への突入とドル暴落をのりきるためにも、中東における侵略戦争の維持・拡大を必要としているのだ。
米帝のイラン侵略戦争突入は、中東支配の危機を一層激しく爆発させる。米帝は、イスラエルのオルメルト首相とパレスチナ自治政府のアッバス議長を引き込んで中東国際会議を開き、本格的な和平交渉開始で合意したが、これで中東人民の怒りを抑えられると思ったら大間違いだ。
米帝は、1979年のイラン革命の衝撃の中で、レーガン政権以来インドとパキスタンの核武装を容認してきた。それによってインドとパキスタンは98年に相次いで核実験を実施し、核武装するにいたった。また、ソ連をアフガニスタンから追い出すためにパキスタンをアルカイダやタリバンの出撃拠点として位置づけ、パキスタン軍との連携を一層強めてきた。
ところが、米帝のアフガン・イラク侵略戦争の中でパキスタンが体制的危機を深め、米帝の中東支配の危機の新たな発火点となっている。
米帝は当面、来年1月の議会選挙をのりきるため、ムシャラフが不人気で単独では勝ち目がないため、ブット元首相=パキスタン人民党を取り込もうとしている。だが、人民の怒りは一層高まっており、このような策動は破産必至だ。米帝は、まったく先が見えない絶望的な泥沼の中で、凶暴にイラン侵略戦争に突入しようとしている。
日帝・福田政権はこれと一体となり、対テロ給油新法案を強行成立させ、海上自衛隊をインド洋・ペルシャ湾に派兵しようとしている。さらに恒久派兵法の制定をも狙い、戦争のできる帝国主義へ飛躍しようとしているのだ。イラン侵略戦争突入を許すな。対テロ給油新法を絶対に阻止しよう。労働者人民に低賃金・強労働の生きられない状態を強制しながら戦争へと突き進む日帝・福田政権を倒そう。
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週刊『前進』(2322号5面3)(2007/12/03 )
コミューン 1月号
沖縄戦繰り返すな
9月29日の沖縄県民大会は、沖縄戦史実の改ざん攻撃に対する137万沖縄人民の大反撃だった。政府はあの沖縄戦を再び強制しようというのかという怒り、米軍再編・辺野古新基地建設への怒りが爆発した。安倍を打倒した労働者階級の怒りがさらに激しく燃え上がり、日帝打倒へ新しい闘いの時代を開いた。
第1章は、なぜ11万6000人の島ぐるみの決起がかちとれたかに焦点を当てている。沖縄にとって沖縄戦は絶対的に否定の対象であり、論議の余地もない。その原点を文科省は破壊しようとした。その意図は再度の沖縄戦であると人民は見ぬいた。もう絶対許せない、その怒りである。集会写真コーナーがその雰囲気をよく伝えている。
第2章は、9・29県民大会の大爆発が革共同の階級的労働運動路線と沖縄奪還論の正しさを証明していると提起している。「沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」路線が圧倒的に深められている。
第3章は、日帝と「つくる会」を先頭とするこの教科書攻撃の狙いを全面的に暴露し、沖縄における反撃の闘いの地平を明らかにしている。
翻訳資料は、11・4労働者集会で発言したロサンザルス統一教組・CAMS(校内の軍国主義に反対する連合)のアーリーン・イノウエさんとグレゴリー・ソティアさんの感想。
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週刊『前進』(2322号6面1)(2007/12/03 )
300万学生はマル学同に結集しよう
恐慌と戦争の帝国主義倒せ
革命に全人生かける決断をし労働者階級と共に闘いぬこう
革共同中央学生組織委員会
全国300万学生のみなさん! 闘う学生のみなさん! マルクス主義学生同盟中核派に結集して、ともに革命に向かって団結しよう。労働者階級とともに革命を実現しよう。自らの存在を革命的であると自覚し、革命のために団結して闘う仲間の結集体がマル学同だ。マル学同に結集する学生が1000人いれば、革命できる! とりわけ、11・4集会に結集したすべての学生は、300万学生の先陣を切って今すぐマル学同に結集してほしい。
【写真】 11・4集会・デモに全学連は「革命」と大書した横断幕を掲げ、資本主義を倒そうと訴えた。左は法大生の会ののぼり。数寄屋橋交差点を解放区にした
11・4を闘った全学生が歴史動かす決定的存在だ
11・4集会は、世界革命に向けた5700人の団結として闘いとり、青年労働者と学生を先頭にして、銀座の街を解放する戦闘的なデモを闘いとった。資本主義・帝国主義による労働者階級を分断するあらゆる壁をぶち破って、全世界の労働者階級が一つに団結する闘いとしてかちとられた。
11・4集会では、「国境をこえた労働者の団結こそが世界を変える」「労働者が自らの持つ力と可能性を自覚し、誇りと団結を取り戻そう。自らがこれまでのあり方を日々うち砕き、『団結した労働者の闘いこそが社会を変革し、歴史をつくるのだ』という、ただその一点に依拠して闘いぬくことです」(11・4アピール)と宣言した。
「労働者の武器は団結と連帯と闘争です。新自由主義に対抗して闘うわれわれは一つです。闘う世界の労働者は一つです」(民主労総ソウル地域本部副本部長チェジョンジンさん)。帝国主義による新自由主義攻撃は、民営化のもとで労働運動を解体する攻撃として全世界で行われてきた。だが、日本では動労千葉が、国鉄分割・民営化という世界的な新自由主義攻撃とストライキで闘い、打ち破り、勝利してきた。このことが、全世界の闘う労働組合を圧倒的に引きつけ、「闘う世界の労働者は一つ」という国際連帯闘争をつくりだしてきた。階級的労働運動路線という動労千葉労働運動が全世界共通の労働運動として、世界革命に向けた唯一の闘いとして圧倒的に勝利的に確認された。
マルクスが『共産党宣言』の最後に、「万国のプロレタリア、団結せよ!」と訴えた闘いそのものが、11・4で闘いとられているのだ。
11・4集会に結集し、ともに闘った学生は、全員が革命家であり、革命勝利に向けた決定的な存在だ。労働者階級の自己解放性に満ちあふれた集会と戦闘的デモを闘いとったすべての学生は、「革命に人生かける」という決断をしてほしい。
労働者階級自己解放の中に全人民の普遍的な解放がある。学生は、資本主義・帝国主義による学生間の競争と分断を拒否して団結し、労働者階級とともに革命に立ち上がろう。
団結が生きる喜び生み出す
第一に、プロレタリア世界革命に向かって闘うことにこそ最も人間的な生き方があり、革命に向けたマル学同の団結の強化・拡大の中に革命を実現する力がある。
「闘っている今が、人生で一番楽しい」
11・4に向かって、最先頭で闘ってきた同志の言葉だ。
マル学同に結集して闘う学生には、革命に生きる喜び、仲間と苦楽をともにして闘って団結をつくることの人間的な喜びがある。法大キャンパスの監獄のような現実に怒り、クラス討論をやっただけで仲間が逮捕される現実に人間としての当たり前の怒りを爆発させてきた。逮捕を恐れず、仲間とともに法大に突入し、たたき出されても何度でもクラス討論をやって学生と結合しようとする。仲間を逮捕されたときの怒りと悔しさ。取り戻すために獄内外が一体となって闘い、ついに仲間を奪還したときの何にも代え難い喜び。弾圧との闘いの中で団結は強まり、新たな学友が決起していくことの喜び。
一人の学生の渾身(こんしん)の決起が他の学生の決起を引き出し、そのことをとおして鉄の団結を強化・拡大していった。革命に位置づかない学生などいない。300万学生の全員が革命の主体であり、一人の学生が決定的な存在であり、歴史を動かす主体だ。革命をめざす仲間が集まって団結した時に、恐れるものなど何もないのだ。
募兵官をたたき出す闘いをやっているUTLA(ロサンゼルス統一教員組合)CAMS(校内の軍国主義に反対する連合)代表のアーリーン・イノウエさんは、「私ってすごいかも!」と日米韓教育労働者集会で発言した。そうだ。一人ひとりの学生が決定的な存在なのだ。自分たち一人ひとりが持っている力を自覚しよう。同時に仲間が持っている力を認め、革命に向けた団結を形成しよう。
日帝ブルジョアジーは、労働者階級と学生の自己解放の力に恐怖して、団結を破壊しようとする。一人ひとりの存在を低め、労働者や学生を無力感と絶望に浸らせようとする。
警察権力による不当逮捕と取り調べ=転向強要などその最たるものだ。警察権力は、仲間に対する不信を徹底的にあおり、団結を破壊しようとする。逮捕された学友を辱め、低めようとする。警察権力は、腐りきったブルジョア的人間観をぶつけて、団結を破壊しようとし、転向を迫る。だが、闘いの中で信頼関係を形成し、団結してきた学生にとっては、逆に革命への確信と仲間との団結を強化・拡大させるだけだ。
マル学同は、人間を低め、辱めるブルジョア的人間観とはまったく対極にある。マル学同という組織は、個人を圧殺するものではない。マル学同として団結することによって、学生一人ひとりが持っている自己解放的な力は、無限に引き出されるのだ。
06年3・14法大弾圧以来のマル学同の団結は、法大での45人の逮捕、3人の起訴、1人の少年鑑別所送り、4人の退学処分、1人の無期停学処分を逆に団結の強化・拡大へと転じ、不屈の革命家を生み出してきた。闘いの中で、「私ってすごいかも!」という自覚と確信をつくりだし、自己解放的な力が発揮されていった。その中でマル学同はますます団結を強化・拡大していった。
そして、ついに新井君・友部君を奪還した。新井君・友部君の完全黙秘・非転向を貫いた7カ月間の獄中闘争に誰もが感動し、新井君・友部君のように闘おうという決起を生み出していった。その団結した力が、ついに獄壁をぶち破る大勝利をかちとったのだ。
300万学生は、自らのもつ革命的な力を自覚し、マル学同に結集して闘おう!
【写真】 法大生は今年度9波の法大包囲デモを闘い、平林総長を追いつめてきた(10月19日 九段校舎前)
失うものは何もない。全世界を獲得するため闘おう
第二に、学生は、プロレタリア革命において「鉄鎖以外に失うものは何もない」存在だ。労働者階級とともに全世界を獲得するために立ち上がろうではないか。
そもそも、学生は、革命以外に生きる道などなく、失うものなど何もない存在だ。学生は、努力すれば報われるかのように言われるのは、支配階級がつくりだした幻想だ。
ブルジョアジーや大学当局は、学生が大学で勉強し、単位を取り、資格を身に付ければ、卒業しても何とか生活できるかのような「幻想」をあおっている。学生間に競争・分断を持ち込み、学生を資本主義・帝国主義の奴隷の鎖につなぎとめようとする。
学生が直面している現実はどうか。日帝ブルジョアジーは、”1割の正規雇用と9割の非正規雇用に”(95年日経連プロジェクト報告)などと言って、労働者階級に対して激しい賃下げ、リストラを強行してきた。年収200万円以下が1000万人となり、20代、30代の青年の2人に1人が一生フリーター。正規雇用となっても、超過勤務やサービス残業などを強制され、過労死・過労自殺が増えている。しかも、資本家階級は、「労働生産性の伸び率を1・5倍に」などとぬかしている。資本は、青年労働者を使い捨ての労働力商品として、徹底的に搾取し、収奪しているのだ。ふざけるな! これこそ学生が直面している現実ではないか!
大学当局は、資本の手先となって、学生に対して「資格を取れ!」「スキルを身に付けろ!」「サークル活動などやるな!」と絶叫する。だが、資格を取り、スキルを身に付けても、待っている未来は、資本のための労働力商品として使い捨てにされる道だけだ。資本や大学当局は、学生が本来持っている革命的な力をおとしめ、資本の役に立つかどうか、という価値基準でしか計らない。だから学生を警察に売り渡しても恥じないのだ。
もはや、帝国主義は労働者を食わせることが出来なくなっている。労働者階級の革命に恐怖して、社会保障政策を行ったきたことも全部投げ捨てて、むき出しの資本主義となって労働者階級に襲いかかっている。資本主義・帝国主義などもはや破綻(はたん)している。資本主義が永遠に続くかのように言うのは「幻想」でしかない。
学生は、そんな「幻想」にしがみつく必要などまったくない。学生には、革命をめざしてともに闘う仲間がいて、団結がある。団結に生きることにこそ展望があるのだ。
ブルジョアジーや大学当局は、逮捕や処分という「見せしめ」をもって、学生を資本主義の奴隷の鉄鎖につなぎ止めようとする。だが、しょせんは「見せしめ」でしかない。逮捕や処分に対して、自己解放的に闘う中で、自己の持っている革命的力を自覚し、学生は団結を強化・拡大し、資本主義の奴隷の鉄鎖を引きちぎっていくのだ。
法大当局は、立て看板・ビラまき規制を行い、演説禁止のルールを一方的に決定し、「悪法も法だ。日本は法治国家だ。法律やルールに学生が従うのは義務だ」と言い、逮捕や処分をもって、学生を従わせようとしてきた。法大当局は、資本の手先となって学生の人間的な怒りや叫びを圧殺して、学生を帝国主義の奴隷の鎖につなぎ留めようとしているのだ。
だが、それほど必死になって学生の闘いを圧殺しようとしている中に、帝国主義の破滅的な危機がある。学生が帝国主義や法大の現実に怒りを爆発させて闘いに立ち上がった瞬間、日本帝国主義の階級支配は完全に崩壊するのだ。
「学生は未来の労働者です。学生が仲間と団結して闘うことのおもしろさを覚えた時、資本主義なんて終わりなんです」(東北大学学生、織田陽介さんの11・4集会発言)。
「仲間と団結して闘うことのおもしろさ」を実感する学生が、マル学同に1000人も結集すれば、資本主義なんて終わりだ。学生が競争・分断を拒否して、キャンパスで団結して闘えば、帝国主義による階級支配など崩壊するのだ。
300万学生のみなさん。失うものなど何もないと圧倒的に自覚し、労働者階級とともに全世界を獲得するために革命に立ち上がろう!
帝国主義の破局的危機が世界大恐慌と世界戦争に
第三に、最末期帝国主義の破局的危機が世界金融大恐慌と世界戦争に向かって爆発を開始している。世界革命に勝利する時代が到来した。今こそ革命をやって生きよう。
アメリカのサブプライムローンの破綻が日々激しく進行し、米帝経済だけでなく、全世界のバブル経済を崩壊させ、1929年を上回る世界金融大恐慌が現実のものとなってきている。帝国主義経済の金融的中枢機関をなす大手銀行・大手証券会社などが軒並み、サブプライムローン関連の証券化商品の保有・売買などをとおして巨額の損失を出していることが日々明らかとなっている。これはまだ始まりにすぎない。大手金融機関のサブプライムローンの損失は、これからさらに大幅に膨張し、本格化するのだ。
重大なことは、今日の金融危機の出発点となっている住宅バブルの崩壊がまだ始まったばかりだということだ。住宅市場は急速に収縮し、米帝経済の実体全体を大いに減速化させ、経済のバブル的状況を破綻させていくものとして始まっている。
今やサブプライムローン問題を引き金にして、世界金融大恐慌が現実に到来しつつある。しかも、米帝によるアフガニスタンやイラクに対する侵略戦争の敗退・敗勢は、パキスタンなどにも波及している。米帝はこの危機をのりきるために、イランに侵略戦争を拡大しようとしており、今やイラン侵略戦争への突入前夜という情勢となっている。
資本家の時代は終わった学生は団結し世界革命へ
まさに、帝国主義世界体制の根底的崩壊が始まっている。帝国主義間(大国間)の争闘戦が相互絶滅戦として限りなく激化している。帝国主義は、最末期の帝国主義として破綻し、死の苦悶(くもん)にあえいでいる。膨大な労働者階級の犠牲の上に延命しようとしているのだ。
帝国主義の最弱の環=日本帝国主義は、労働者階級の怒りの決起に直面して体制的危機をますます深めている。防衛省や政治家と軍事専門商社の腐りきった関係は、資本家・政治家・官僚どもの腐りきった姿の一角だ。こいつらが労働者階級を支配し、搾取・収奪して、甘い汁を吸ってきたのだ。こんなやつらは、労働者階級の団結で打倒するのは当然だ。もはや、「資本家の時代は終わった。労働者に権力をよこせ」と言い切って、実際に権力を奪取することが問われているのだ。今や世界革命をかちとることが、全世界の労働者階級の実践的課題となっているのだ。
帝国主義による労働者階級への激しい攻撃が、生きるための労働者階級の怒りの決起を生み出している。フランスでは、労働者階級が資本の先兵サルコジ政権に怒りを爆発させている。交通・エネルギー労働者のストライキが、公務員、教員、学生をまきこんだ無期限ゼネストへと発展している。パリ郊外を始め各地で移民系の若者たちの暴動闘争も闘われている。学生は、フランス版大学法人化攻撃に対し、校舎封鎖・占拠闘争を1カ月にわたって闘っている。ドイツでも史上最大の鉄道ストライキが闘われている。
韓国では、11月10日〜11日に5万人規模の労働者大会が、戦闘警察の厳戒態勢を打ち破って実力で闘いとられた。沖縄では、教科書検定白紙撤回を求める12万人県民大会が爆発し、また沖縄を先頭にして全駐労の全国統一ストライキが闘われている。
その中で、11・4は世界革命への5700人の団結として闘われた。今や全世界の労働者階級の闘いは、世界革命に向けた闘いとして一つになり、世界革命の勝利として一つになる時代が来た。この中で、自らの持つ革命的な力と可能性を自覚した学生がマル学同で団結して闘うことが歴史を動かす力となる。
300万学生のみなさん! 今こそ革命に生きよう! プロレタリア世界革命の勝利を労働者階級とともに闘いとろう!
マル学同に結集し、革命勝利に向かって団結しよう!
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週刊『前進』(2322号6面2)(2007/12/03 )
11月21日〜27日
全駐労、賃下げ阻止へ全国スト
参院、額賀財務大臣の証人喚問を議決
●給油再開「国際社会で生きるため」 福田首相は、訪問先のシンガポールで記者会見し、インド洋の給油活動再開のための補給支援特別措置法案について、「海上給油は、日本の繁栄にとって欠くことのできないひとつの方策だ。日本が国際社会で国際国家として生きていくためのひとつの取り組みだ」などと語った。(21日)
●全駐労が全国統一スト 在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)に関連し、日本政府が提案している日本人基地従業員の格差給(基本給の10%)廃止などに反対し、全駐労は全組合員による全国統一ストライキを実施した。青森、東京、神奈川、広島、山口、長崎の1都5県でストライキが行われた。(21日)
●米軍再編交付金46億円 防衛省は、在日米軍再編に伴う基地負担を受け入れた自治体に支払われる「再編交付金」の07年度の内定額を公表した。対象は在日米軍や自衛隊の12施設がある33市町村で、総額45億円余り。辺野古新基地建設で政府案を受け入れていない沖縄県名護市や米空母艦載機の移転受け入れに反対する山口県岩国市、米陸軍司令部の改編計画に反対する神奈川県座間市など、再編計画の受け入れに同意していない自治体は交付対象からはずされている。(22日)
●嘉手納ラプコン、返還は来年4月以降に
在日米軍が沖縄の本土復帰後も管轄を続け、今年12月をめどに返還されるはずだった沖縄本島周辺空域の航空管制システム「嘉手納ラプコン」の返還時期が、来年4月以降にずれ込む見通しであることが分かった。管制官の訓練の遅れが原因という。(22日)
●インド洋補給艦が帰港 テロ対策特別措置法の期限切れに伴い、インド洋から撤収した海上自衛隊の補給艦「ときわ」が東京・晴海ふ頭に帰港した。6年間の給油活動が終了した。海自は、計11カ国の艦船に794回、計約49万`リットルの燃料を提供した。(23日)
●空自・築城基地拡張へ 防衛省が、福岡県にある航空自衛隊築城基地の拡張に乗り出すことが明らかになった。取得用地は約4fで、滑走路と並行する誘導路の延長と航空燃料タンクの増設が目的。06年5月の在日米軍再編合意に伴い米軍の訓練拠点が移る空自6基地のうち、新たに拡張するのは初めて。「これほど大規模な基地拡張は近年例がない」(同省地方協力局の職員)という。(23日)
●北部振興策、凍結解除へ 政府は、米軍普天間飛行場のキャンプ・シュワブ沿岸部移設問題の打開を目指し、計上されながら凍結されている本年度の「北部振興策」予算100億円を近く執行する方針を固めた。(24日)
●F15が嘉手納で飛行再開 米本国での墜落事故を受け、飛行を停止していた米軍嘉手納基地所属のF15が事故当時の詳細や原因を公表しないまま約3週間ぶりに飛行を再開。嘉手納町屋良では、離陸時に最高で94・6デシベル(騒々しい工場内に相当)の騒音を計測。70デシベル以上の騒音を92回計測した。少なくとも約25機のF15が離陸、うち2機にトラブルが発生するなど、安全面にも疑問を残す結果となった。(26日)
●額賀財務相喚問を議決 参院財政金融委員会は、自民、公明両党が欠席する中、野党だけで額賀財務相と守屋前防衛事務次官の証人喚問を12月3日に行うことを議決した。(27日)
●イラク特措法廃止法案を参院委で可決
民主党提出のイラク復興支援特別措置法廃止法案が参院外交防衛委員会で野党の賛成多数で可決された。イラクで活動する航空自衛隊を即時撤退させる内容。(27日)
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週刊『前進』(2322号7面1)(2007/12/03 )
11・4全国労働者集会 総括と決意
来年こそは1万人の結集を
学校政治打破し分会決定に/国鉄
第1節11月集会派が主役になる時
11・4集会に国鉄労働者は、動労千葉、動労水戸など動労総連合、そして国労共闘も、階級的労働運動の実践の上に大挙して結集した。国労の仲間は自らの闘いに自信を深め、全員が仲間を誘い、主催者の一部になって結集した。昨年に比べ数は1・5倍だった。
11・4に向けて濃密な激しい議論が繰り返された。6月と10月に自分たちの力で集会をやり抜いた。
国鉄1047名闘争における4者・4団体路線との闘いは、8月の国労全国大会を経て、10月の「団結まつり」で正面からの激突となった。原告団に対し、当該の組合員(5・27臨大闘争弾圧被告や鉄建公団訴訟原告)がビラを出し、「組合員を警察に売った本部を許すな」「解雇撤回を投げ捨てるな」と声を限りに訴えた。国労バッジ処分や日勤での草むしり強要と闘う仲間がともに決起した。
5・27臨大闘争弾圧との闘いと動労千葉の闘いが、武器として大きな力を発揮し始めたのだ。自らの闘いに自信を持ち、声を掛け合って結集した。昨年とはまったく違った点だ。
もう一つは、自分の職場で議論を起こし、執行委員会決定などを上げ、ビラを出すなどオーソドックスな組織化をやり抜いた点である。国労のいくつかの分会で挑戦し、大きな成果を上げた。積み重ねてきた日常の闘い、会議の開催と議論の活性化、決定やビラづくりを職場の仲間の力でやり抜いた。
これは、一朝一夕にできないと同時に、腹を固めないとやりきれない。「自分は毎年行ってる。今年は分会旗を持って行きたい」という一言で決まったケースもある。さまざまな矛盾も出るが、それをのりこえ、ついに分会旗が日比谷に、銀座デモではためいた。
職場を中心に、ほかの分会の仲間、家族、OB、さらに青年労働者、あらゆる関係に働きかけた。その仲間が車道いっぱいに広がる解放感あふれるデモを行った。国鉄では、今後も激しい党派闘争が続くが、いよいよ11月集会派が主役になる時が来たと実感することができた。
(東京 蓮見 茂)
既成勢力と激突し結集拡大
「もっと誘えば良かった」「集会もデモも感動的だった。いまの国労中央にはできない集会」「勝ち鬨(どき)をあげよう」。11・4の翌日から国労の職場は、11・4集会の感動でもちきりとなった。
国労A支部における11・4への結集は、通年的な闘いと一体の闘いとして大幅に拡大された。
国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会運動を柱に、「包括和解」で投げ捨てられた職場闘争――9人の仲間のバッジ・都労働委員会闘争――で労働者性を貫いた。そして夏の全国代議員選挙と支部大会で本部―支部に真っ向から批判を加える決起をかちとった。
現場では、JR体制が破綻(はたん)し、極端な要員不足と労働条件の悪化、加えて4党合意の二の舞いの4者・4団体路線など、一つひとつの職場闘争が既成勢力との激突となった。
旧来の学校政治に折り合いをつけるあり方を1人から打破した時、圧倒的な展望が開かれる。いまこそ動労千葉とともに、解雇撤回の1047人闘争と職場からの闘いを両輪にして新たな闘いをつくりだす時だ。
地域で4大産別、産別と職種を超えた団結をつくり出した時、国鉄闘争と教労運動が柱がなることは間違いない。お互いに従来の殻を破ろう。
(関東 青葉滋彰)
「100人結集」への壁は何か?/教労
11・4集会は、歴史的な集会として、ものすごい高揚をつくりだし、闘いとられました。
地域から参加した多くの教育労働者は「本当にデモらしいデモを久しぶりにやった」「分会のみんなに声をかければよかった」「この集会を組織した動労千葉はすごい」「こういう集会・デモだったらまた参加したい」と感想を述べています。
これらは参加した労働者の共通の感想ではないでしょうか。
とりわけ私たち教育労働者にとって今年は決定的でした。7月にアメリカのNEA(全国教育協会)大会に仲間が参加し、「根津・河原井さん署名」がアメリカの教育労働者に持ち込まれ、日米の「教え子を再び戦場に送らない」闘いが感動的に合流しました。さらに韓国の教育労働者チェヒジュさんとも合流し、教育労働者の日米韓連帯が実現したことは決定的なことです。まさに「歴史的団結が形成された」集会と言えます。
この国際連帯は世界革命を担う団結です。この歴史的結集が私たちの手で実現したのだ。
このことを職場や地域の労働者の中に熱く語っていくことがまだまだ不足していたのだといまは思っています。私たちは「日比谷に今年こそ100人の隊列で参加するぞ」と目標を掲げ、昨年の11月以降闘ってきました。仲間の7月訪米は、11・4集会が私たち職場労働者の手でつくられることを示しました。
実際、「かなりいけるぞ」という手ごたえもつかみました。加えて沖縄では「教科書検定」攻撃に対する沖縄の教育労働者の渾身(こんしん)の決起と団結の呼びかけが発せられ、「ゼネスト蜂起」が爆発しました。
このような中で、私たちも職場で個人名や連名のビラを出し、11・4集会への結集を呼びかけました。昨年までと比べて一つ突き抜けた闘いが行われたと思います。そして○○人の職場の仲間とともに11・4に結集できました。しかし同時に、目標に掲げた「100人」にはまだ及ばない悔しさを感じています。
「100人結集」への壁はなんなのか!
職場での団結を破壊し、仲間・同志で議論する時間さえも破壊している「多忙化攻撃」をぶち破って、職場の闘う団結をなんとしてもつくり出すことです。
組合執行部は、多くの病者を出し、命を削る職場の現状を放置し、無方針状態です。この現実を変える闘いを私たち自身が開始し、職場の団結を私たちの手でつくり出すことです。団結をかちとるためにガンガン議論する。「日の丸・君が代」を真正面から訴え、実践することが重要です。
「しょうがない」という現実への屈服をぶっ飛ばしていく。仲間の訪米は、まさに「多忙化」をぶっ飛ばしてかちとったものです。この闘いに続こう。来年こそ「100人」結集をかちとるぞ。
(神奈川 越野和夫)
組合のあり方で真剣討論/自治体
一人ひとりに訴え組合変革
今年は、昨年までと変わって本当に内実のある取り組みができたと総括しています。11月集会にも1回目から賛同し、結集してきました。昨年の取り組みを総括して、一からやり直す必要があると自覚してこの1年間闘ってきました。
国鉄分割・民営化から20年。自治体労働者は、かつて国鉄労働者がかけられた国家的不当労働行為による解雇攻撃と同様、いやそれ以上とも言える攻撃にさらされています。しかし、自治労中央本部は闘うどころか屈服と転向の道を走り始めました。
今年8月の岩手全国大会では「社会に共感される自治労運動」を方針化し、現場労働者の苦闘や民営化攻撃にさらされる現場のことなどまったくほったらかしです。
大会後、私は、後輩である現委員長と、この状況下で私たちの組合はどのような闘いをすればいいのかと真剣に討論しました。彼から返ってきた言葉は「動労千葉のように闘うことですね」でした。早速、『俺たちは鉄路に生きる3』や中野洋・動労千葉前委員長の本を彼に渡し、読んでもらいました。感想を聞きながら、自治体職場でどうすれば「階級的労働運動」ができるのか討論を始めました。
そして「労働運動の力で社会を変えなければ労働者は生きていけない。労働者が立ち上がれば社会は変えられる」と11・4に本当に主体的に参加しようと訴えました。
また昨年から臨時職員の組織化を始めました。いまや、私たちの職場も4割近くが臨職という現実です。この現実のもとで、正規職員だけの組合では職場支配権を握ることはできません。組合的団結も維持できません。
時給750円のフルタイムで働くワーキングプアを自治体が生み出している現実を労働組合が認めてしまえば、もはや労働組合としては終わりです。正規職だけの既得権だけを守ろうとする傾向は多くの組合員や執行部の中にあります。
私は、このような傾向に対して、すべての労働者の条件、格差社会の現実をなんとかしなければ労働組合の存在意義はないと訴えて、臨職の組織化を組合の方針として確立させ、まだ少数ですが臨職の組合加入を実現するところまできました。
けっして十分ではありませんが、今年はこうした職場での具体的な取り組みを全力でやりぬく中で11・4へのオルグを行ってきました。それが昨年から変革できたところだと思います。
職場の闘いを具体的に進めながら、各職場の組合員一人ひとりに直接訴えることを追求しました。委員長の名前で11・4集会結集を呼びかけるビラをつくりました。現業職場のバス旅行の際には、100人近い仲間全員に、9・29沖縄県民大会を伝える琉球新報を見せて「労働者が立ち上がれば変えられるのです」と訴えました。
組合を上からではなくて、組合員一人ひとりに直接訴え、その中で執行部をも変える取り組みがささやかながらできたと思います。共感してくれた組合員が別の組合員をオルグし、昨年を上回る結集をかちとることができました。
まだすべての職場にオルグできたわけではありません。やり残しもたくさんあります。しかし、今年の取り組みをとおして「労働運動で革命を」という11・4集会の基調に私の組合も近づくことができたと思います。
普通の労働者が普通に考えれば、「いまの社会の体制を変えなければ労働者は生きられない」と思って当たり前なんだということを、私自身も本当に実感しました。
集会の後の戦闘的デモについても、参加者からは銀座のど真ん中を堂々と歩けて非常にすっきりしたとの直後の感想もあり、改めて現場労働者のストレートな感性は素晴らしいと感動しました。
これからが正念場です。動労千葉のように闘う組合運動を、体制内労働運動の制動を打ち破ってどう実践していくのか。課題は山積みです。核心は、組合の中にしっかりとした共産主義者の党を建設する、とりわけ青年労働者を獲得する――このことに尽きる。そのことを肝に銘じて新たな闘いを開始しています。
(関東 宮田幸一)
絶対反対掲げ団結して闘う
11・4の闘いを経て、この激動の1年を振り返りながら、08年に向け引き続き闘う決意を固めているところです。
自治体「財政危機」による賃金カット攻撃に始まり、人事評価制度導入、欠員補充の問題、現業切捨て攻撃に対して決起した、現場労働者の闘いすべてに対する体制内指導部の裏切りとの激突の年でした。
怒りに燃え立ち上がった私たちにさまざまな弾圧があり、仲間内の動揺もありましたが、つい先日行われた組合の定期大会で、ビラまき、多くの怒りの発言、修正動議によって体制内指導部を追い詰め、路線対立をハッキリさせたことは、私たちの闘いが結実した圧倒的な勝利でした。
どこでも共通しているようですが、追い詰められた体制内指導部は形式的手続きや、およそ運動とはかけ離れたまったく中身のない、くだらない理由でもって統制・弾圧してくるのです。
労働者の怒りに依拠せず、その力を信頼せず、組織を私物化し、己の立場の保身にひた走り、「こういう時代だから」「法で決まってしまうから」と、当局と密室で決めたシナリオに持ち込むために、現場労働者を欺き、あきらめを強制することに躍起になっています。
あらゆる産別で体制内指導部の屈服があり、それを労働者へ強制しています。しかし、そんな屈服など絶対に許さない闘いをしましょう。すでに青年労働者の多くの仲間が全国で、現行の法なんかでは生きてはいけない状況へたたき込まれています。実際に多くの労働者の仲間が命を落としているではありませんか。
この状況をひっくり返すことができるのは、やはり労働者に対するあらゆる攻撃に対し「絶対反対」を掲げて、労働者の団結でもって動労千葉のように闘うということなのだと思います。
9・29沖縄、そして11・4の闘いがすべての展望を示していました。全国から結集した怒りが結合し、本当に解放的なデモがかちとられました。「これが僕らの求めている闘いであり、路線なんだ!」と感動し、参加した誰もが労資の力関係を変えることのできる私たち労働者の力と、革命の現実性に確信を持ったのだと思います。ともに闘いましょう。
(関東 兼松幹夫)
【写真】 日比谷野音を出発し銀座・数寄屋橋交差点を解放区にしたデモ
超勤拒否し体制内派と対決/全逓
いままでの11月集会よりも満足感と充実感のある集会でした。
それは、3・18で青年労働者が「労働運動の力で革命をやろう」のスローガンで登場して以降、職場生産点で体制内指導部と対決し、階級的労働運動を実践してきたからです。「労働運動の力で革命をやろう」とする学生と労働者が5700人結集し、階級的団結ができたからです。
4大産別、ましてや全逓労働者の一員として、10・1郵政民営化を何もしないで迎えるわけにはいかないことを決意し、「民営化絶対反対」の立場で「超勤拒否」宣言のビラをまき、9月24日から30日まで1週間の超勤拒否闘争を闘いました。
既成指導部の敵対と、当局の妨害もあり孤立した闘いでした。しかし、職場の仲間は見ています。その後、いままで以上に職場の青年層との会話が弾み、9・29ワーカーズアクションの報告集を渡し、11・4集会への参加を訴えながら、職場の問題点などの話ができるようになりました。
また、昨年から11月集会に参加している職場の青年と、「1万人結集に向けて1人が最低1人を連れて行こう」と話し合い、その青年が自らオルグするようになりました。職場からの数は増えませんでしたが、既成指導部と対決し、職場で闘うことで会話ができ、討論になり、そこから団結が生まれます。
数寄屋橋交差点では、機動隊をサンドイッチ状態にして、一時的に解放区を実現し、労働者の団結を示す大衆的な戦闘的デモが実現できました。
デモの後、青年労働者の交流会に参加しました。「あんなデモ初めて」「労働者は団結すれば革命ができることを実感した」「来年もぜひ参加したい」と感想を語ってくれました。青年労働者に革命の展望を与え、「動労千葉のように闘えば勝てる」「階級的労働運動を実践しよう」という決意のできる集会でした。
いよいよ民営化後初めての年賀繁忙です。いままでも連日2〜4時間の超勤なのに、ゆうメイトが集まらず業務はパンク寸前です。このままでは4時間の超勤が当たり前になるでしょう。生産性向上を叫ぶJP労組と当局の超勤強制を拒否して闘うことが最大の職場闘争です。
(関東 柳下直樹)
こんなデモは初めて参加/合同労組
労働組合?
労働基準法?
労働者決起集会?
学生時代に勉強して以来まったく興味を示すことのないことだった。勤務していた会社から、理不尽な仕打ちを受けるまでは……
私は会社から理不尽な給与の減額をされ、困っている時、ある取引先の方に相談したのがきっかけで組合に加入し、今回の集会、デモにも参加することができた。
集会では自分の知らない所で納得のいかない理不尽なことが横行していること、また表向きは、国民のためにと立案・変更される法規の裏には、一部の人間に都合良い社会がつくられつつあることに気づかされた。今ままったく気にも留めなかった報道・法規・政治・歴史なども、今回の集会に出ることで、より深く考えるようになったように感じる。
またデモにも人生で初めて参加したが、当初は、こんなことをしてもいいか? 道路交通法違反では? でも警察は取り締まらないな――と戸惑いながらも、まわりの同志と気持ちが一緒になって自分たちの主張を大声で叫んでいる時の爽快感は最高だった。
本当にいい体験をさせてもらった。双方とも、自分の人生の中でも、かなり革新的な出来事で一生忘れることができないことになったのは間違いない。
今回の体験から、1人の力では変えることができないことも、こうしてみんなで主張していければきっと変えていけることがあらためて認識させられた。
最後に、会社から給与の減額の件は、組合の方の助言をもとに無事解決することができた。本当に心より感謝したいと思います。ありがとうございました。
(関東 宮西健太郎)
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週刊『前進』(2322号7面2)(2007/12/03 )
PAC3阻止に決起
習志野基地29日未明 機動隊・右翼と激突
千葉県船橋市にある習志野駐屯基地ゲート前で11月29日未明、PAC3配備阻止の激しい実力闘争が行われた。
【写真】PAC3の発射装置を装備した特殊車両の搬入を前にして強制排除を狙う機動隊と激突(11月29日 千葉県船橋市)
航空自衛隊の地上配備型迎撃ミサイルPAC3の発射装置を装備した特殊車両の搬入に対して、ゲート前には100人の労働組合メンバーや議員、市民らが結集し、スクラムを組み、怒りのこぶしを上げ、機動隊や右翼と激突して、数時間に及ぶ実力阻止の闘いを早朝4時過ぎまで闘った。
前日28日の夕刻に初めて「明日未明に搬入」の一報が入った。数日前の読売新聞では来年3月予定とのガセネタ報道。しかし、日付が変わるころには続々とゲート前に闘う労働者が押し寄せ、阻止行動が展開された。
現場には動労千葉や、ちば合同労組、高教組、自治労などの労組員を先頭に、とめよう戦争への道!百万人署名運動やさまざまな市民団体なども多数駆けつけ、「労働者の団結で戦争を止めよう」などと訴えた。
搬入時刻が迫ると、機動隊バスや指揮官車、放水車など数十台が反対派の阻止線を強行突破し、基地に入った。十数分後、ものすごい数の機動隊が闇夜の中で鈍い光をヘルメットに反射させ襲い掛かってきた。
たちまち、ゲート前は騒然とした状況となり、ゲート前の国道は全面ストップ。怒声や抗議、シュプレヒコールが飛び交った。機動隊は乱暴狼藉(ろうぜき)の限りを尽くし、けが人が出て救急車も来る場面も。
許しがたいことに、反対派の部隊が十数b押し出された場所に、警察から連絡を受けたと思われる右翼約100人がゲート前に登場した。「日の丸」を林立した右翼は、街宣カーで「北朝鮮のミサイルから日本を守る自衛隊ガンバレ」などと絶叫する。
警察権力と右翼が一体の自作自演で「激励ムード(?)」の中でのPAC3搬入を演出しようとする許しがたい策動に反対派の怒りのシュプレヒコールが炸裂(さくれつ)した。
今回の習志野基地へのミサイル搬入は、3月の入間基地(埼玉県狭山市)に続く配備だ。首都圏全体をカバーするミサイル防衛(MD)システムと言うが、住民を守るものでは断じてない。
米日帝がなぜミサイル防衛を進めるのか。イラクやアフガニスタンで血塗られた侵略戦争に手を染める日米帝が世界中でさらなる侵略戦争を行うためであることは明白だ。とりわけ北朝鮮と中国をターゲットにした侵略戦争だ。
PAC3配備に合わせて千葉では21日、千葉県と千葉市と国が合同で国民保護共同実動訓練を行っている。県と市に加えて内閣官房や警察庁、自衛隊など104機関、約1300人が参加した。千葉では過去最大の規模だ。労組交流センターは反対のビラを自治体労働者などに配布した。
戦争しか展望のない資本主義社会はもう終わりだ。他方でこの間の全駐労のストは、労働者が働かなければ米軍基地は一日も維持できないことを示した。職場生産点を握る労働者こそが戦争を止めるパワーを持っている。今回の闘いも、動労千葉を始め多くの労働組合の決起があった。職場で資本を打ち破る力と戦争を止める力は同じだと実感した闘いだった。
(投稿/竹原雅人)
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週刊『前進』(2322号8面1)(2007/12/03 )
11・4を闘って 地区党建設の大事な一歩に 相模原 沖田 巡
11・4を経て、1人の女性労働者がマル青労同への加盟を決意しました。私の地区では、11月集会にむけて青年労働者のフラクを開始しました。その討論をとおして私自身が党の路線を本物の信念にしていく中での決起であり、本当に手ごたえがあります。率直にうれしいです。この決起は、まだまだ小さいはじまりかもしれませんが、地区党建設の大事な一歩にしたいと思っています。
党の革命からの約2年は、自分にプロレタリア性を刻印していく苦闘の連続でもありました。でも、はっきりいって路線が鮮明になること、自分が言うべきこと、やるべきことがはっきりすることがどれほど解放的か! そして、この約2年、私はこれまでにないほど多く革命に必要なことを吸収しています。
4月統一地方選から11・4を経て、地区党の団結が強化されています。11月集会後の学習会で、7月テーゼを自らのものにしたいという、労働者党員の意気込みはすごかった。党員一人ひとりの質問・意見をとおして、「『7月テーゼ』が今、革命をやろうとしている私たちに絶対必要なんだ」と実感し、この同志たちとなら革命ができるって思いました。
地区でも全国的な闘いでも、青年労働者から学ぶものは大きかったです。彼らの会議での発言や質問、ビラのための原稿と真剣に向き合うことが私を変えました。
彼らとともに強固なマルクス主義・レーニン主義の党を建設し、世界革命をやります!
11・4を闘って 俺たちは革命に生きる 東京・学生 雨月道
11月4日の日比谷集会およびデモは、非常に新鮮な雰囲気があり、僕は、空前のデモであるとともに革命の幕開けを感じさせるものであったと感じました。
といっても、僕自身、それ以前の集会やデモは数回しか参加していないわけですが。
しかし、自分にとって、それ以前とは異なる何かしら象徴的なデモでありました。人数はもとより、その場の空気が活力に満ちていて、次から次へ沸き上がるような感覚です。
たぶん、奴隷が解放された瞬間です。
その姿は果たして人間でした。
各々を取り巻くコミュニティーに対する怒りは、それぞれ異なるのですが、その怒りが最終的にたどり着く対象は、同じ。すなわち、アンチ資本主義。
同情してもらうための嘆きではなく、自分と世界の現状からの脱却を自己暗示していたようでした。否、自己暗示にとどまらず、仲間と共にデモる【外部出力】により、団結が成っていました。
あのデモ隊は、微細な磁石の集合体であり、あちらこちらから革命家が集まって、その磁力は強さを増し、しまいには、反対極の国家権力をはねのけるまでに至ったのです。
その事実は、僕たちに大きな自信と確信を与えたのでした。
11・4を闘って 初めて職場の仲間と行った 静岡・交通労働者 松橋 治
集会もデモも、本当に感動的でした。とくに銀座のまん中のあたり、有楽町駅近くを進んで行った時、なんと官憲や右翼のみすぼらしかったこと。孤立した存在にみえました。
職場の労働者の顔も、初めての経験なのに、ニコニコ喜んでいて、皆でその勝利感と解放感を実感しました。彼らも仕事では、低賃金で生活ギリギリなのに、会社からは年じゅう紙ぺらのように扱われ、ちょっと反抗すると、すぐ不当な配置転換や懲戒です。
私は、今回初めて11月集会に職場の仲間を複数連れて行くことができました。今まで街頭署名集めの時やいろいろな場で誘ってはみたけれど今いちでした。
ところが、難しいと思って試みる前にあきらめていた職場だったのに、会社への怒りや御用組合への文句などを話しているうちに、意気が上がって、いっしょに集会へ行くことに話がすすんだのです。それが決まっていよいよ行くとなった時本当にうれしかった。今までは職場仲間にはなかなか言えず、私は家族とだけ行っていたのです。
職場・労働現場の中には不満がいっぱいあり、ふだんからチャンスさえねらっていれば、その機会は必ずあります。ダメだったのは自分がそう思っていただけ。
ちなみにその仲間たちの言った言葉は、「ここの集まりに来てる人は皆会社から痛めつけられて、うらみをもってる人にみえるね。労働者がこうしてたくさん集まってるのは元気がつくのでいいかも。負けない気持ちになるもんね」でした。労働者はきっかけさえあれば必ず立ち上がる、と確信がもてました。
*
最近の『前進』紙面は、(1)11・4の写真がすごかった。迫力があってとてもよかった。大きくてすごくいい。そして何よりも11・5付のに即のったのは素晴らしかった! 拍手かっさいで妻と見ていた。(2)紙面全体にすごい盛り上がりがある。とくに投稿が多いのがいい。投稿は読む方の気持ちをとてもやる気にさせる。皆の努力や迫力のオルグ、とても参考になる。(3)写真の類がとても躍動的、毎週楽しみ。いっしょに参加した人にも見せている。
11・4を闘って テレビよりも反戦デモを 千葉 露木 叡
「エンタの神様」というテレビ番組で「そんなの関係ねえ」という連呼ギャグや「ただただ見ているだけ」というギャグ歌がはやっていた。
私も爆笑してしまった。はやる理由もよく分かる。これらのギャグを私もまねたりした。「マスコミは洗脳装置」と述べていた私自身がテレビに洗脳されてしまったのかもしれない、などと冗談も考えたりする。
政治に期待もしていないし、裏切られたりするから、「そんなの関係ねえ」とか「ただただ見ている」といった態度をとるのも無理からぬ話かもしれない。
しかし、それでも、選挙に行かないのはもったいない。憲法違反をする政治家を落とすために、野党に票を入れることをお勧めする。個人的には、戦争に反対する政治家に票を入れてほしい。誰にも入れたくなければ、白紙で投票するなり、「まともな政治家がいるのかよ」とでも書いて投票すべきであろう。また、最高裁裁判官の国民審査では全員に「×」印を書くのもよい。
しかし、それだけで世の中変わるわけではない。それよりも少々過激かもしれないが反戦デモにでも行くべきである。特に、国際連帯の反戦デモは意義深い。毎年11月、アメリカと韓国から労働者が来日して、東京の日比谷野外音楽堂で国際連帯の労働者集会が行われ、デモもする。
テレビを見ているより楽しいかもしれない。国際連帯の反戦デモが世の中を良くする結晶となり、血流となるからである。
殺戮の基地をなくすため団結して闘おう 「障がい者」 菊池久子
今もなお、朝早くから沖縄で基地建設阻止のために非暴力を貫き、体力の限界の中で闘い続ける仲間たちがいます。“基地はつくらせない”――その想いの中で毎日闘い続ける仲間たちです。大自然の中、名護市辺野古にはジュゴンが、東村(ひがしそん)高江にはヤンバルクイナが……、そして、何も知らない多くの生き物たちが静かな暮らしを営む中で、その生活を“日本政府は壊し、見捨てて”殺戮(さつりく)のための基地建設を強行しています。まったくの報道規制の中で、国民に知らせず実力行使を行っています!!
私たちがつくり上げた沖縄の県民集会を、11・4の銀座でのフランスデモを、“怒りと想いで一つになったあの場面”をもう一度日本政府にぶつけたい! 何度でもぶつけたい!“道いっぱいに広がって歩くデモ隊と笑顔・握手、手をおもいっきり振って共感してくれた歩行者のみんな”あの場面をもう一度!!
殺戮のための基地などいらない! 今こそ、私たちは団結しよう。阻止しよう! 阻止しよう!
辺野古・高江・全世界・この地球から殺戮のための基地をなくすために団結して闘おう!!!
激しく進む米軍再編と11・28守屋逮捕 東京 大森千晶
11月28日、前防衛事務次官の守屋武昌が逮捕された。守屋こそ、小泉政権のもとで有事法制、ミサイル防衛、そして普天間基地移設−辺野古新基地建設の推進者であり、沖縄米軍基地をめぐる巨大利権の中心にいた人物なのだ。
その28日、琉球新報は朝刊の1面トップで「FA18岩国から30機/3日から即応訓練」と報じた。岩国基地からFA18ホーネット30機とともに海兵隊600人が嘉手納にやってきて、嘉手納の海兵隊と合同で12月3日から7日まで即応訓練を行うというのだ。
先立つ26日には嘉手納基地でF15戦闘機の飛行が再開。F15がアメリカのミズーリ州で空中分解するという事故を起こしたのが11月の頭だったが、以来3週間、墜落原因も解明されないまま強行された飛行再開。しかもこの日たちまちトラブル発生! 28日から再度飛行停止措置がとられ、点検したところ2カ所の亀裂が見つかった。住民を巻き込んだ墜落事故がいつ起こっても不思議ではない。
「在日米軍再編への協力度合いに応じて支払われる」とされる再編交付金を餌に金武町、宜野座村、恩納村の首長を取り込んで米軍キャンプ・ハンセンでの陸上自衛隊共同使用を行おうとしている。これも米軍再編だ。
この中で沖縄戦での日本軍による「集団自決(集団死)」強制の歴史抹殺が仕掛けられていたのだ。これこそ、再び沖縄戦を強制しようとする攻撃だ。絶対に容認できないとして立ち上がったのが9・29の12万人決起であり、米軍再編のもとでの賃金カットにストライキで闘っているのが全駐労の労働者だ。
新基地建設阻止の沖縄の闘いに連動した闘いを全国で、とりわけ東京で強化しよう。
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週刊『前進』(2322号8面2)(2007/12/03 )
「共謀罪」阻止へ闘い強化を
労働運動・革命圧殺を許すな
洞爺湖サミット前に
法相・鳩山邦夫は9月、「共謀罪を来年の通常国会の前半までに成立させたい」と、来年の洞爺湖サミット開催前に共謀罪の強行突破をやりぬくことを宣言した。さらに11月、対テロ給油新法案・労働契約法案の衆院採決強行の中で、「テロ対策強化」を叫びたて、外国人入国時の指紋採取・顔写真撮影強制を開始した(改悪入管法施行)。そして今、この鳩山を含む歴代の自民党政権が軍需資本と癒着し、米軍再編・日米安保強化に伴う膨大な軍需利権に群がってきたその一端が発覚した。
戦争と治安弾圧、労組破壊の攻撃を激化させる日帝・福田政権、腐敗しきった最末期の資本主義に対する労働者人民の怒りは、ますます高まっている。革命的情勢の急接近のもとで未曽有(みぞう)の体制的・政治的危機にたたき込まれつつある日帝は、帝国主義の新たな治安弾圧体制の柱としての共謀罪を、「テロ等謀議罪」へと名称変更を画策することで、何がなんでも成立させようとあがいている。
「現代の治安維持法」であり、労働運動・革命運動絞殺法である共謀罪法案を絶対に採決させてはならない。すでに「破防法・組対法に反対する共同行動」は、臨時国会開会日をはじめとして5度の国会闘争、「1億2千万共謀の日」、「共謀広場」の闘いをうちぬいている。11・4の力を引き継ぎ、労働者人民の「共謀罪」阻止の闘いの陣形を一段と強化・拡大し、改憲攻撃もろとも共謀罪にトドメを刺そう。
警察に情報集中狙う
共謀罪法案は、2003年に組対法の一部改訂という形で初めて国会に提出された。労働者人民の長期強靱(きょうじん)な闘いで制定を阻まれているが、政府は一度として断念していない。今臨時国会に継続審議扱いになっている。共謀罪は、労働運動・反戦闘争・学生運動・革命運動つぶし、労働者階級人民の団結破壊、思想・言論弾圧を目的とした「現代の治安維持法」だ。国家権力が「組織的に共謀した」と決めつければ、言論や思想の段階で逮捕できるというとんでもない最凶悪の治安弾圧立法である。
「組織的な共謀」の立証とは、会話(音声情報)や文章(文字情報)を取り締まりの対象とすることだ。労働組合・学生団体・住民団体・政党などの事務所や職場・学園・地域・家庭における会話、そして電話(携帯電話)、メール、さらにビラ・新聞・雑誌・手紙の内容がターゲットとされる。争議で「賃上げ貫徹まで社長を帰さない」と組合で話しただけで、組織的監禁共謀罪が成立し、2年の懲役となる。こうした話し合いだけで最高5年の懲役にできる犯罪類型を、619種つくりあげようというのが共謀罪である。すなわち、労働者人民相互の社会的関係の基礎である情報(発信・伝達・受信)それ自体を犯罪視し、権力の意に沿わないものを選別して弾圧する。
だが、実行以前の話し合いを立証するのは難しく、権力による盗聴・盗み見・尾行・張り込み・スパイ潜入を激化・拡大させ、泳がせ捜査・おとり捜査・司法取引の公然たる導入につながっていく。そして証言を確実とするために、共謀罪には「自首すれば自分だけ刑が免除される」規定が盛り込まれている。労働組合や反戦団体、革命政党などに警察のスパイが潜入し、おとりとなって組合員や活動家をわなにはめ、一網打尽にする。スパイは権力に自首し、無罪放免となる。
さらに見ておかなければならないことは、監視社会を一層急進展させることである。
共謀罪制定攻撃と一体となり、住民基本台帳ネットワーク=国民総背番号制導入や個人情報保護法制定をテコに、情報の収集とデータベース化(蓄積)が加速されはじめた。Nシステム(自動車ナンバー読み取り装置)・監視カメラ・スーパー防犯灯、日本版USビジット、携帯電話・パソコン、Suica(スイカ)・クレジットカード・キャッシュカードなどの電子カード……。これらの情報だけでなく、「防犯パトロール隊」をはじめとした警察主導の地域監視組織からの情報もあわせ、労働者人民の情報を警察に集中するシステムがつくられつつある。また、最近では年金問題を逆手にとって、日帝は、年金・医療・介護情報などについて「国民」全員に統一番号を付けて記録・カード化・身分証明書化する「社会保障番号制」(新たな国民総背番号制)の導入すら画策している。
これら警察権力による自治体・地域・職域への介入・支配攻撃のキーワードが、「安全・安心」「防犯」である。だが、その提唱者の警察自身が、交番警察官による女性銃殺や盗犯係刑事のひったくり、全国の警察署での組織ぐるみの裏金づくり(税金の横領だ)、無数の「デッチあげ」事件、労働運動・反戦闘争などへの弾圧をはじめ、労働者階級人民に対し悪質きわまる権力犯罪を凶行してきているではないか。
日帝支配階級の「安全・安心」論は、労働者階級人民を資本の鉄鎖に永遠に縛りつけ、帝国主義戦争に動員するための虚偽の論理=大政翼賛会運動にほかならない。
支配階級は、「安全・安心」論をふりかざして労働者人民を監視し、労働運動・反戦闘争・革命運動などを弾圧する目的のためにこれらの情報を一手に集め、利用しようとしているのだ。
労働者の力で廃案へ
「自衛軍の保持」「国防の責務」を掲げた改憲攻撃のもとで、「防犯」や「防災」という名の戦争動員体制づくり、戦時動員訓練(軍事と治安弾圧の融合)の攻撃が激化している。
元警察庁長官の山田英雄(現日本戦略研究フォーラム理事)は次のように言う。「戦後の占領政策で、国民には、国家観念は全く無い。特に若い世代の意識に問題がある。私は、全国100個所、1万人ぐらい入れる壮大な合宿所を作る案を持っている。その合宿所で、集団で鍛えて、公を意識させる」(日本戦略研究フォーラム研究会「国家緊急事態と日本の対応」)。
帝国主義戦争への協力を労働者人民に強制し、青年労働者・学生を戦場に送り込むための「愛国心」の絶叫――徴兵制・天皇の軍隊、ヒトラーユーゲント・ナチス突撃隊を想起させる言語道断の発想だ。「安全・安心」論、総合監視体制づくり、現代版隣組としての「防犯パトロール隊」づくりの究極的意図は戦争動員にある。
戦前、内務省がつくった相互監視・密告、労働者人民支配の末端機構、戦争動員・戦時訓練組織の隣組制度には、月1回の「常会」が設けられ、「唯ひとすじに皇国につくす」などの斉唱が参加者に強制された。しかし天皇が生き神であり、それに仕えることが喜びであるなどという荒唐無稽(こうとうむけい)で唾棄(だき)すべきデマゴギーだけでは労働者人民を獲得できるわけはない。特高・憲兵を前面に押し立てた強権支配抜きに戦争動員はありえなかったのだ。日帝の敗戦直後から朝鮮人民の決起に続いて日本の労働者階級人民の蓄積した怒りが爆発し、2・1ゼネストへ向かって怒濤(どとう)のような労働運動の進撃が開始されたことは、このことを証明している。
予防反革命・事前弾圧を狙う共謀罪を粉砕する闘いは、プロレタリア革命をめざす階級的労働運動の生死をかけた闘いそのものである。職場生産点で仲間を組織し、団結をつくり、固め広め、資本・権力と真っ向から闘う新たな闘う労働組合をいたるところにつくることこそが、日帝の共謀罪―監視・密告体制の攻撃を根幹で打ち砕く力となる。11・4の力をもとに職場の闘いを推し進め、対テロ給油新法―共謀罪阻止の国会闘争〈12月11日(火)午前8時半〜午後1時(昼集会)〉に全力で決起しよう。
(勝岡昌史)
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週刊『前進』(2322号8面3)(2007/12/03 )
各地で進む星野救援運動
みやぎ救う会
11・24 19番目が発足
11月24日、「みやぎ星野文昭さんを救う会」が発足しました。紙面を借りて、星野さんにご報告させていただきます。
【写真】 「みやぎ星野文昭さんを救う会」が東北で2番目、全国で19番目の救う会としてスタート(11月24日 仙台)
☆
星野 文昭 様
昨年来、親族以外からも通信できるようになったのに、筆不精なことをお許しください。
宮城にも星野さんを「救う会」をつくろうと決断してから1年がたちました。ようやく結成のご報告ができます。
11月24日、仙台市内で、「みやぎ星野文昭さんを救う会」の結成総会が行われました。1週間前に発足された兵庫に続いて19番目の救う会です。東北では暁子さんの故郷のある山形に続いて二つ目です。
結成総会に先立って、9月29日、沖縄で12万人が決起し、東京・池袋で青年労働者・学生が決起したその日、暁子さんを迎えて初めて仙台で星野集会を開きました。
暁子さんは、「カレンダーに×印をつけて日々をやりすごすのではなく、文昭が一日一日輝いて生きられるよう再審無罪を訴えて闘う」「必ず生きて取り戻す」と穏やかな口調の中に烈々たる決意を込めて訴えました。
この9月の集会で暁子さんの話を聞いた参加者の中から、1人2人と「みやぎ救う会」を主体的に担う会員が生まれてきました。会計や発送を手伝ってくれる人、署名を集める人、ブログを準備する人、カンパしてくれる人。東北大の学生、戦争体験者、弾圧との闘いを勝ち抜いてきた全金本山労組をはじめとする労働者。私がうれしかったのは、職場の同僚が「星野さんたちの生き方に感動したから何かお手伝いしたい」と参加してくれたことです。
労働者には弾圧をはねかえす団結力がある、相手が権力者だろうと(いや、相手が権力者だからこそ!)立ち向かって仲間を取り戻すことの大切さを知っている……これが、私が「救う会」運動を呼びかけはじめて実感したことです。
星野さん。私は85年の三里塚・国鉄決戦のとき鎌田全学連でした。あの決戦前の全学連大会の会場に星野さんの獄中からのメッセージが張り出されていたのを見て、恥じない闘いをしようと決意したことを忘れません。
その85年からだけでも22年。徳島刑務所での医務官らによる暴虐行為を聞くにつけても、一日も早く星野さんを奪還しなければなりません。11・4労働者集会の地平を大きく進めて、来年こそ星野さん奪還の年に!
(青柳葉子)
横浜で救援ライブ “星のふる夜に”
「星のふる夜に」と題する「朗読音楽ライブ」が11月22日夜、横浜のライブハウスで行われた。無実で無期懲役の獄に33年間も捕らわれている星野文昭さんの救援コンサートだ。
21年前に星野さんと獄中結婚した暁子さんが自作の詩を朗読した。共演はミュージシャンの福山竜一さんと丸尾めぐみさん、またオープニングに「えびのから」が、暁子さんの言葉に感銘を受けて作った自作曲「真実はここにある」などを歌った。
暁子さんは、生い立ちや文昭さんとの出会い、2人の歩んだ道などについて語り、詩を朗読した。ギター伴奏が情感を盛り上げた。徳島刑務所での限られた時間の面会などをうたった詩が胸を締め付けた。
福山さんと丸尾さんは「あじさいの花」などを披露したが、暁子さんによる広島の原爆を歌った詩の朗読と演奏とがコラボレートした場面は、心に響いた。場内は息を詰めて聞き入った。
暁子さんは、沖縄の9・29県民大会に触れ、文昭さんたちが沖縄返還協定を弾劾して立ち上がった時に指摘していたとおり、今日も沖縄には基地があり、沖縄戦の歴史がねじ曲げられて、再び戦争の道が迫っていると述べ、沖縄の闘いと結んで文昭さんを取り戻す闘いを、と呼びかけた。
会場には獄中で描かれた絵が飾られ、文昭さんの存在を身近に感じさせた。
これまで暁子さんの詩の朗読は、集会でも何度か聞いているが、今回のようなライブ演奏と一体の試みは初めてだ。多くの人に聞いてほしいと思った。 (高辺智之)
【写真】 ギター伴奏で詩を朗読する星野暁子さん
“自分にうそはつけない”学生 佐々木裕子
11月22日に行われた星野暁子さんの朗読会&ライブに参加しました♪
一番印象に残っているのは、えびのからさんが歌った歌です。文昭さんの展覧会に初めて参加した時をもとに作られた歌で「自分に嘘(うそ)をついていくほうがどんなにつらいでしょう」というフレーズがジーンときました。
無実の星野さんを33年も閉じこめている国家権力。そして今、法政大学で学生にかけられている攻撃。おかしいことにおかしいと声を上げた学生に対して処分をちらつかせ反省文を書けば許してやるという攻撃。
最近、釈放された友部君も、同じ攻撃がかけられ、「こんな大学当局に謝りたくねえ」と言って退学処分を受けた学生です。法政大学で闘うことが獄中の星野さんと連帯すること、そして法政大学で勝利することが星野さんを奪還する闘いだと思って、法政ではっちゃけたいと思います☆
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