ZENSHIN 2007/10/15(No2315 p06)

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第2315号の目次

労農連帯の旗高く10・7三里塚に1460人が結集 集会に結集した労働者・農民・学生は「市東さんの農地を守り抜くぞ!」とこぶしを突き上げ、1カ月後に迫った11・4集会への決起を誓い合った(10月7日 成田市東峰)=記事4面

1面の画像
(1面)
11・4の力で福田打倒を
沖縄―本土を貫く団結うち固め階級的労働運動の発展かちとれ
対テロ新法を絶対阻止しよう
記事を読む  
10・5ワンデーアクション
アメリカで連帯行動  “「君が代」解雇するな”(10月5日)
記事を読む  
(2面)
11・4集会1万人結集へ4大産別の労働者は先頭に立とう
11月教育労働者の大結集こそ来春不起立闘争の勝利を開く
革共同教育労働者委員会
記事を読む  
「君が代」解雇を許さない
都庁前一日行動 “不起立を貫く”と宣言(10月5日)
記事を読む  
都庁前での教育労働者の発言(10月5日) 記事を読む  
“覚悟決め闘う”と根津さん  再発防止研修に反撃(10月4日) 記事を読む  
11・4集会第3回実行委
1万人実現へ熱気  残り1カ月の総力戦誓う(10月6日)
記事を読む  
(3面)
11・4集会1万人結集へ4大産別の労働者は先頭に立とう
10・22全逓解散=JP労組結成許すな
組織統合は産業報国会だ  生産性運動に殺されてたまるか!
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全逓労働者の決意
民営化絶対反対貫き新作業服は着ません(仙台/今井弘章)
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社保庁労働者に訴える 記事を読む  
社保庁の労働者のメール  思い代弁したビラ正直うれしかった 記事を読む  
10・8国鉄集会 “解雇撤回の原則堅持を”
4者・4団体路線は間違いだ(10月8日)
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国労5・27臨大闘争弾圧公判日程 記事を読む  
(4面)
10・7三里塚 労農連帯の絆固め「農地死守」誓う
北延伸・農地強奪に反撃
動労千葉が11・4呼びかけ(10月7日)
記事を読む  
敷地内・市東さんの発言  買収に負けず大根つくる(10月7日) 記事を読む  
法大 “学友会廃止”に怒りのデモ  崩壊寸前の平林体制打倒へ(10月5日) 記事を読む  
2007年日誌 10月3日〜9日
小沢「政権を取れば部隊参加」  政府が北朝鮮制裁を半年延長
記事を読む  
(5面)
世界革命の展望開く11・4集会
07年7月テーゼで武装し1万人結集へ総力決起を  五十嵐茂生
記事を読む  
関西トランスポート  解雇無効の勝利判決
神戸地裁 全員の労働者性を認める(投稿/関西合同労組T・K)(9月28日)
記事を読む  
イギリス 郵便労働者が全国スト
4万人首切り合理化に反対(藤沢明彦)(10月4日〜10日)
記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー
11・4へ闘い進む 感動的な9・30WAin広島 広大 柳下麻衣
11・4へ闘い進む 青年が牽引したWAin岡山 岡山 喜多見渓
11・4へ闘い進む 出た!『団結パンチ』第3号 学生 村雨省吾
11・4へ闘い進む 職場の仲間と初の三里塚! 東京・青年労働者 辻中徹夫
闘う動労千葉の提起に学ぶ 岐阜 松本開
根津さん囲み熱気みなぎる 東京・三多摩 熊谷伸吉
国際連帯の木が巨大に成長 東京 杉山博史
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10・5横浜 かながわ労働者総行動  11月大結集へデモ(10月5日) 記事を読む  
9・29沖縄県民大会に参加して
教科書と新基地阻止 全沖縄の怒りが結合  沖縄・名護 大津五郎
参加者の声
記事を読む  

週刊『前進』(2315号1面1)(2007/10/15 )

 11・4の力で福田打倒を

 沖縄―本土を貫く団結うち固め階級的労働運動の発展かちとれ

 対テロ新法を絶対阻止しよう

労農連帯の旗高く10・7三里塚に1460人が結集 集会に結集した労働者・農民・学生は「市東さんの農地を守り抜くぞ!」とこぶしを突き上げ、1カ月後に迫った11・4集会への決起を誓い合った(10月7日 成田市東峰)=記事4面

 帝国主義を倒す時が来た。帝国主義を倒さなければ生きられない時代が来た。これは青年労働者の心からの叫びであり、すべての労働者人民の切実な声になっている。9月29日の沖縄の12万人の決起は情勢をさらに革命的に塗り替えた。崩壊のふちに立たされながら延命を求めて必死にあがく日帝とその国家に対して、沖縄と本土の全労働者階級がひとつに団結して真っ向から戦(いくさ)を挑む時代がやってきたのだ。闘う3労組が呼びかける11・4労働者集会への1万人大結集を絶対に実現しよう。革命はこの1万人から始まる。一切を11・4の勝利にかけきって闘おう。

 革命的情勢が深まっている

 米帝のイラク侵略戦争における敗勢、サブプライムローン危機の爆発によって、アメリカ帝国主義を基軸とする戦後世界体制は音を立てて崩壊を始めている。世界経済は明白にドル暴落―世界恐慌に向かっている。
 これは、最末期の帝国主義の断末魔の悲鳴であり、世界革命の絶好のチャンスの到来だ。プロレタリア革命勝利に向かって階級的労働運動をいまこそ大前進させよう。その決定的飛躍点が、全日建運輸連帯労組関西生コン支部、全国金属機械港合同、動労千葉の3組合が呼びかける11・4集会への1万人結集だ。
 サブプライムローン問題に端を発する金融危機に対し、米FRB(米連邦準備理事会)は「生産と雇用の深刻かつ広範な弱体化」を招きかねないと4年ぶりにフェデラルファンド(FF)金利を下げたが、金融危機は深まるばかりだ。
 07年末までに高い金利への改定期を迎える変動金利ローンは、総額で820億jもある。この多くは債務不履行となる危険性が大きいと言われ、すでにこの間、住宅ローン延滞率が急激に上がっている。これから2年間で差し押さえられる住宅物件は200万件におよび、5千〜6千億j(57兆5000億円〜69兆円)が債務不履行になると予測されている。すでに膨大な労働者が住宅を奪われ、ローン地獄に突き落とされている。
 低所得層の労働者に住宅を売りつけ、無理やり拡大してきた住宅市場がサブプライムローンの破綻(はたん)とともに急激に縮小し、住宅価格が下落している。信用収縮が起き、短期市場へのFRBの巨額の融資にもかかわらず、銀行の資金繰りが苦しくなっている。アメリカの実体経済への影響も始まった。
 米金融危機は世界に波及している。フランスの金融最大手BNPパリバの危機、イギリスでの銀行取り付けに続き、世界の巨大16銀行の一つスイスの金融大手UBSが40億スイスフラン(約4000億円)の評価損を計上し、グループ全体も赤字に転落、破綻の危機に瀕(ひん)している。
 29年恐慌を上回る世界恐慌、金融恐慌は完全に不可避だ。これは帝国主義間の争闘戦を激化させ全世界を帝国主義戦争、世界戦争にたたきこむ。
 資本主義の歴史的生命力は、もはや尽きはてている。労働者階級にとっては待ち望んでいた決定的情勢の到来だ。労働者が社会の主人公となる新しい社会を建設し、ロシア革命の偉業を完遂するときがついに来たのだ。

 4大産別が階級的激突点だ

 安倍は労働者階級の怒りでぶっ飛ばされ、自滅し、敗走した。日帝ブルジョアジーの屋台骨が決定的にへし折れた。
 その上に立つ福田政権はきわめて脆弱(ぜいじゃく)だ。議会制的にはかろうじて成立しているが、階級的労働運動の力で打倒し決着をつけなければならない。
 福田は、打倒された小泉―安倍路線の継承をうたっている。首相就任後初の所信表明演説でも、民営化、歳入・歳出一体改革、公務員制度改革、「教育改革」、社会保障制度解体、道州制導入など4大産別労組の解体を基軸にすえている。4大産別攻防こそが最大の階級的激突点となり、ここでの勝負になる。
 福田は民主党・連合の取り込みに全力をあげている。体制内労働運動が帝国主義の最後の救済者として登場してくる革命前夜の情勢になっている。体制内労働運動を階級的労働運動の力で打ち破ることが、革命に勝利する決定的カギとなる。
 福田は、改憲を安倍のようにむきだしに叫びたてないが、戦争・改憲、民営化攻撃を安倍以上に貫こうとしている。イラク、アフガニスタン侵略戦争を遂行する米軍支援のための給油継続の新法をなんとしても通過させようとしている。絶対に許せない。対テロ新法案絶対阻止・給油継続を阻止しよう。
 一方、民主党・小沢は、「給油継続は違憲」としながらも、国連決議に基づく国際治安支援部隊(ISAF)への自衛隊派遣を主張している。これはアフガニスタン侵略戦争の地上戦闘に陸上自衛隊を派兵しようというとんでもないものだ。連合中央はこの小沢を支持し、改憲勢力に転落しているのだ。11・4集会は、こうした日帝の侵略戦争継続を粉砕し、福田政権を打倒する闘いだ。
 絶対に許せないのが、あたかも社会保険庁の労働者全員が年金保険料を横領しているかのようにまくしたてる厚生労働相・舛添だ。舛添こそ、6兆円もの年金保険金を利権目当てに流用=横領した自民党政治家・高級官僚の一味ではないか。お前こそ責任をとって刑務所に行け!
 連合や全労連の腐りきった組合幹部たちが、労働者の怒りを必死に抑えこんでいるから、こんなデタラメきわまりない攻撃がまかりとおっているのだ。今こそ動労千葉のように闘うときだ。

 1万結集で革命の展望開け

 4大産別を始めとして激突的な職場闘争が開始され、職場の仲間に巨大なインパクトを与え始めている。この中に、11月1万人結集の現実性が鮮明に示されている。
 全逓労働者は、10・1民営化絶対阻止を掲げて超勤拒否の闘いに続々と決起した。郵政職場はいま、極限的な要員削減で、連日4〜5時間もの殺人的超過勤務が強制されている。しかし、この現実に怒りをたぎらせつつも、「仲間や配達先に迷惑がかかる」と超勤して仕事をこなしてきた現実があった。闘う全逓労働者は、”こんなものは資本の奴隷になってるだけだ。労働者の誇りでも何でもない!”と言いきり、これまでの自分自身との決別をもかけて、すさまじい重圧を突き破って超勤拒否の闘いに決起した。資本・当局と労働者は絶対に相入れないことを徹底的にはっきりさせ、奴隷の鎖をみずからぶった切る闘いが始まったのだ。すさまじい合理化攻撃の中、すべての産別で問われている闘いがここにある!
 闘う教育労働者は、「不起立闘争は、教育労働者として、人間として職場にあり続けるための闘いであり、本物の団結を生み出す闘いだ。不起立拡大で団結しよう」(9・29集会発言)と宣言し、新たな闘いに入っている。10月5日の「君が代」解雇をさせないワンデーアクションは、日本とアメリカを貫く国際連帯闘争として画期的成功をかちとった。
 国鉄戦線でも、解雇撤回の原則を投げ捨てて1047名闘争の絞殺に走る4者・4団体路線を打破し、11・4集会への国鉄労働者・闘争団員の大結集で展望を決定的にこじ開ける闘いに入った。自治体でも体制内労働運動指導部と激しくぶつかりながら〈民営化・労組破壊〉に対する反撃が始まった。
 9・29ワーカーズアクションでは、仕事を求めて上京した青年が街頭宣伝に出会い、ビラを受け取って「ここにおれのことが書いてある!」と感動して、即座にデモに合流し11月集会への参加を決めた。われわれが開始した闘いは、相手の人生観を劇的に変え、労働者としての誇りと怒りを呼び覚まし、展望を示す力をもっている。これこそが11・4集会のもっている巨大な可能性なのだ。
 職場にも街頭にも、資本・当局・体制内労働運動指導部に対する怒りが激しく渦巻いている。あらゆる産別で、激突的な闘いが始まっている。しかし、それがまだ11・4集会へと組織化されきっていない。一切合切を11・4集会へと集約し、ここで日本革命の展望を決定的にこじ開ける目的意識性、革命家の執念が決定的に重要だ。
 われわれが先頭に立ち、もっともっと激しく怒りを爆発させよう。腐敗し、破産しきった体制内労働運動指導部に代わって、どんどん闘う方針を打ち出そう。単なる「反対派」「批判者」にとどまることは、もはや許されない。われわれが自らの職場で階級の指導部としてぶっ立った時、一気に情勢は激変し、職場に渦巻く怒りは、資本・当局、連合・全労連幹部などに対して嵐のように解き放たれていく。
 11月集会まで残り20日間だ。一切の退路を絶ち、1万人結集をなんとしても実現するために、ともに人生をかけて勝負しよう。

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週刊『前進』(2315号1面2)(2007/10/15 )

 10・5ワンデーアクション

 アメリカで連帯行動

 “「君が代」解雇するな”

 3つの教組が賛同の決議

 10月5日、都庁前での「君が代」解雇させないワンデーアクションと同日、サンフランシスコでも連帯闘争が行われた。この日は「世界教師デー」だ。不起立闘争が教育労働者の国際連帯の焦点になったのだ。
 アメリカの闘う労働者は「日本の仲間と連帯する」「軍事化阻止! 根津さん、河原井さんに手を出すな!」などのプラカードを掲げ、日本領事館にピケットを張り、抗議申し入れを行った。
 サンフランシスコ市立大学の教職員組合であるAFT2121(アメリカ教員連盟第2121支部、1100人)は執行委員会決議をあげて10・5領事館申し入れに代表団を派遣した。また、日本に調査団を派遣することなども決定した。
 オークランド教育協会(OEA)も決議をあげ10・5行動に参加した。OEAは米軍の新兵募集に学校が協力することを義務づけるNCLB法(「落ちこぼれゼロ」法)に組織をあげて反対している組合だ。
 ロサンゼルス統一教組(UTLA、4万3千人)も10・5行動への賛同を決議した。UTLAもNCLB廃止闘争を推進している。全米で2番目に大きな地域教組であるUTLAがNCLBと闘っていることは、NCLBを容認している教組全国指導部を激しく揺さぶっている。このUTLAが「日の丸・君が代」不起立を闘う日本の教育労働者とともに闘うことを決定したことは、とてつもない意義を持っている。
 地域の150の労組、総組合員数10万人が参加する地区労、サンフランシスコ労組評議会も賛同し、ウォルター・ジョンソン前議長らが10・5行動に参加した。さらに、”再びの日帝のアジア侵略戦争は許さない”とコリアン・アメリカン平和連合と南京大虐殺補償連合が賛同・参加した。
写真】 日本領事館にピケットを張るアメリカの闘う労働者(10月5日 サンフランシスコ)

 11・4労働者集会で大合流

 UTLA内の募兵活動反対組織、CAMS(校内の軍国主義に反対する連合)からは代表世話人のイノウエ氏と副代表のソティア氏が11・4労働者集会に参加する。11月3日には教育労働者交流集会が予定されている。
 多くの教え子が戦場に送られている中で、アメリカの教育労働者は必死に闘っている。その最先端でCAMSが自分の職場から募兵官と対決している。生徒、保護者、地域の労働組合、帰還兵とともに50以上の高校に組織を作り、高校に募兵官が立ち入れない力関係を築いてきた。
 募兵の行き詰まりは米軍弱体化=イラクでの敗北の決定的要因だ。CAMSは、米帝の戦略的弱点を突いているのだ。
 このCAMSだからこそ、日本の不起立闘争の不屈性に感動し、勝利の展望を一瞬にして見いだしたのだ。11・4集会をともに大成功させよう。

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週刊『前進』(2315号2面1)(2007/10/15 )

 11・4集会1万人結集へ4大産別の労働者は先頭に立とう

 11月教育労働者の大結集こそ来春不起立闘争の勝利を開く

 革共同教育労働者委員会

 12万決起実現した沖縄の教組と共に

 教育労働者のみなさん。あと3週間、すべての活動を11・4全国労働者総決起集会に教育労働者を組織することにかけきって、全力疾走しよう。
 11・4労働者集会に1万人結集を実現するための最大のテーマは、教育労働者1000人の大隊列を登場させることである。その実現に、すべての教育労働者の未来と全労働者階級の未来がかかっている。
 「日の丸・君が代」不起立を闘いぬく東京の教育労働者、根津公子さんへの解雇攻撃が切迫している。11・4を「君が代」不起立解雇を許さない1万人の労働者集会としてかちとろう。そして来年3月、空前の不起立闘争をたたきつけよう。
 11・4集会には、アメリカで反募兵官運動を組織する教育労働者が参加することになった。反募兵官運動と「日の丸・君が代」闘争――職場で戦争協力拒否闘争を組織して、教組本部と政権中枢を揺るがしている日米の教育労働者が合流するのだ。こんなすばらしい集会だからこそ、一人でも多くの教育労働者に参加して欲しい。それが、教育労働者の無限のエネルギーを生み出すことは間違いない。
 9・29沖縄県民大会の12万人決起をつくり出したのは、何よりも沖高教組・沖教組の闘いだった。教育労働者の持つ巨大な力に目覚めよう。教育労働者の渾身(こんしん)の訴えと闘いは、東京で100万の労働者の反乱をつくり出す力を持っている。
 1万人集会の実現で、日教組本部の「文科省とのパートナー」路線を吹き飛ばす教育労働者の総反撃を始めよう。

 文科省は歴史偽造の張本人

 9・29沖縄県民大会が空前の12万人決起として爆発した。この闘いは、検定意見の撤回ということでは絶対にとどまらない、革命以外に出口のない闘いの始まりだ。
 そして同日行われたワーカーズアクション
池袋は「資本家の時代は終わった。労働者に権力をよこせ」と宣言した。
 9・29をもって階級情勢は完全に一変した。貧困・格差への怒りと改憲・戦争への労働者の怒りが、根底的な社会変革を求めて動き始めている。全国平均の2倍の失業率の沖縄労働者の怒りは、青年の「生きさせろ」の叫びと一つのものだ。安倍を打倒した力と沖縄の怒りが結びつけば、日帝を打倒できる。
 沖縄戦の真実を抹殺する日帝・文科省をどうして許せるか! 住民を壕(ごう)から追い出し、スパイとして虐殺し、肉親同士の殺し合いまで強いたのが皇軍だ。日帝はこの歴史を抹殺し、海自の軍艦まで投入して辺野古に新基地を建設し、沖縄を永久に軍事監獄にしようとしている。これは「沖縄を再び戦場にする」という宣言だ。
 「新しい歴史教科書をつくる会」勢力は、「自虐史観3点セット」と称して、南京大虐殺、軍隊慰安婦とともに、沖縄戦「集団自決」の教科書記述を変えさせることに全力をあげてきた。05年には大江健三郎氏と岩波書店を被告とする出版禁止・慰謝料請求訴訟を提訴し、「集団自決」を殉国美談にしたてあげようとしてきた。
 そして文科省は「つくる会」教科書執筆者と同じ研究グループの研究者を日本史担当の調査官に任命し、今年3月の高校歴史教科書の検定で「軍の強制」を削除させた。
 「教科書検定制度に政治介入はあってはならない」(渡海文科相)などという言い逃れをどうして許せるか! 「つくる会」勢力と結託した政府・文科省こそ、歴史偽造の張本人だ。
 沖縄の検定撤回・軍強制記述復活の闘いは、90年代後半以来の教科書攻撃への痛烈な反撃であり、改悪教育基本法体制と戦争教育を打ち破る闘いの始まりだ。
 9・29県民大会をつくり上げた沖縄の労働者たちが11・4集会にやってくる。沖縄と本土の労働者の団結で、連合本部・全労連本部の労働者支配を突き破る闘う労働組合運動をつくり出そう。

 不起立闘争で改悪教基法を打ち破れ

 不起立闘争こそ、改悪教基法体制を打ち破り、職場から改憲を阻む闘いだ。職場で仲間を組織し、団結をつくり出し、その力で来年3月、空前の「日の丸・君が代」不起立を巻き起こそう。
 戒告から減給、停職と加重されてきた都教委の不起立処分は、来春、根津公子さんへの解雇攻撃に行き着こうとしている。たった40秒間、6回通算しても4分間座っただけで解雇! こんな暴挙をどうして許せるか。
 教基法改悪を受け、学校教育法の教育目標に「国を愛する態度」が盛り込まれた。来年2月に告示される学習指導要領では、あらゆる教科で「伝統・文化」教育を強調し、特別活動の「国旗・国歌」条項をさらに改悪することが狙われている。09年実施予定の免許更新制は、愛国心教育を踏み絵とする首切り制度を狙ったものだ。
 しかし全都・全国で教育労働者が陸続と不起立闘争に立ち上がった時、こんなものは完全に紙切れになるのだ。
 弾圧・処分を辞さず、戦争につながる教育の権力支配と闘ってきたのが日教組運動の歴史だ。賃金闘争を基軸とし、教育闘争を教育実践に歪曲してきた民同路線のもとでも、連合下のパートナー路線のもとでも、教育労働者の自己解放をかけた闘争力を繰り返し示してきたのが「日の丸・君が代」闘争である。
 そして安倍政権をぶっ飛ばしたのは、全国の日教組組合員が日教組本部の制動を突き破って教基法改悪阻止に総決起し、階級全体の怒りと結合したからだ。その闘いをつくり出したのも、04年以来の不起立闘争だった。
 不起立闘争は、職場における戦争協力拒否闘争だ。処分を辞さずに闘う団結を取り戻す闘いであり、クビをかけて団結を守りぬいてきた動労千葉の労働運動を教育労働者がつくり出していく闘いだ。理不尽な命令に堂々と不服従を宣言し、管理統制に対して団結と抵抗を呼びかけ、職場支配権を奪い返そう。都高教本部を始めとする教組執行部の「職務命令が出たら引く」という方針は、文科省への屈服を現場労働者に強制するものだ。不起立闘争は、腐った教組執行部を打ち倒す闘いなのだ。
 「日の丸・君が代」闘争は、裁判依存主義で決着がつくことなど絶対にありえない、日帝と非和解の闘いである。「日の丸・君が代」闘争の勝利の道はただひとつ、教育労働者が団結を拡大し、さらに全国各地に闘いを広げて全労働者の闘いに押し上げ、来春卒業式で空前の不起立闘争を巻き起こすことである。教育労働者が依拠すべきは、労働者の団結の力以外にないのである。
 根津さん、河原井さんが「クビを覚悟で不起立を貫く」と宣言して教育労働者の総決起を呼びかけている。この闘いこそ、04年以来の不起立闘争がつくり出した最高の地平だ。脅しても屈服しない労働者の闘いが、03年「10・23都教委通達」による処分恫喝を完全に無力にしたのだ。
 「10・23通達」と「つくる会」教科書で改悪教基法を先取りしてきた石原を、来春の大量不起立決起で打ち倒そう!
 根津さん、河原井さんに続く陸続たる不起立決起で、日教組解体と戦争教育を打ち砕こう。11・4集会への教育労働者1000人結集の力で、08年3月の東京・全国の不起立闘争へ突き進もう。

 戦争協力拒否闘争が国境越えて合流

 不起立闘争は、今や海を渡り、「教え子を戦場に送らない」日米教育労働者の共闘をつくりだしている。
 10月5日は、「根津さん、河原井さんを解雇させない」日米共同行動の日となった。都庁は終日、400人を超える労働者・市民・学生の怒りの声で包囲された。
 アメリカではアメリカ教員連盟第2121支部やオークランド教員協会(OEA)が日本領事館抗議行動に立ち上がり、日本の都教委抗議行動に熱烈なメッセージを寄せた。「日本の反戦教師に対する弾圧と解雇を許すな」のアピールへの賛同は、4万3千人のロサンゼルス統一教組(UTLA)、7万人のサンフランシスコ労働者評議会へと広がっている。
 アメリカの高校では、軍の募兵官が高校に入り込み、マイノリティの貧困家庭の高校生を奨学金をえさに軍に勧誘している。「落ちこぼれゼロ法」が格差教育を進め、学校への補助金をテコに生徒の個人情報を軍に提供させている。これに対して、ロサンゼルスの50の高校で募兵活動反対運動を展開しているのが「校内の軍国主義に反対する連合」(CAMS)だ。この運動はUTLAに支援され、次第に全米に広がっている。
 11・4集会に、CAMS世話人のA・イノウエさん、G・ソティアさんが参加する。今年7月に神奈川の「日の丸・君が代」被処分者が訪米し、全米教育協会(NEA)大会会場で「根津さんを解雇するな」の署名を集めていた時、ただちに共感して集めてくれたのがイノウエさんだった。「君が代」不起立の意義は、イラク戦争と闘うアメリカの教育労働者に瞬時に伝わったのだ。
 日米の教育労働者は、帝国主義の延命のための格差教育=戦争教育という共通の課題に直面している。国際連帯の力で戦争教育を打ち破り、戦争をやめさせよう。
 11・4日比谷は、日米の教育労働者の「教え子を戦場に送らない」闘いが合流する歴史的な舞台となった。日教組本部の「お付き合い」国際交流とはまったく異なる、動労千葉とともに闘う教育労働者だけが実現できた画期的な国際連帯集会である。
 11・4労働者集会を新たな不起立闘争の発展の出発点としよう。ランク・アンド・ファイルの国際連帯を糧に、森越執行部を打倒し、闘う日教組の再生へ突き進もう。

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週刊『前進』(2315号2面2)(2007/10/15 )

 「君が代」解雇を許さない

 都庁前一日行動 “不起立を貫く”と宣言

 10月5日、「都教委に『君が代』解雇をさせない! 都庁前One dayアクション」が早朝から夕方までの終日行動として闘われた。河原井さん・根津さんらの「君が代」解雇をさせない会の呼びかけで取り組まれた行動に、この春の不起立で停職6カ月処分を受けた根津公子さんが最先頭で決起し、教育労働者を始め延べ400人の人びとが参加した。
 朝8時、新宿の都庁第一庁舎前でビラまきと宣伝活動が開始された。根津さんがマイクを握り、力強く訴えた。「今本当に決戦の時が来た。闘わなければ教育が都教委の色に染められてしまう。『君が代』処分をストップさせましょう」。都庁へ通勤する労働者に必死の訴えが響き、次々とビラが手渡された。また、東京の教育労働者が来春の卒業式で「君が代」不起立闘争を貫くことを表明する「不起立宣言」を読みあげた。
 9時から第一庁舎前の歩道を参加者で埋めて、リレートークが始まった。教育労働者を先頭に、根津さんに連帯して闘う労組・労働者、また根津さんのかつての教え子や保護者など多彩な人びとが全国から駆けつけ、次々と発言した。またミュージシャンたちが歌と演奏で連帯と抗議のアピールを行い、雰囲気を盛り上げた。同時に、都教委に対する要請行動が行われた。
 組合旗を掲げて参加した動労千葉から田中康宏委員長が発言に立った。「沖縄では沖縄戦の史実を教科書から抹殺する攻撃に怒り、12万人が決起した。教育労働者がその先頭で闘っている。教え子を戦場に送らないという日教組の原点を外した時に、組合は上から腐ってしまう。だが現場に行くほど労働者は健全だ。根津さんの闘いは国際的に共感を呼んでいる。アメリカでは軍の募兵官が高校に入り込むことに対する抗議の闘いが爆発している。まさに『教え子を戦場に送るな』の闘いだ。動労千葉が呼びかける11・4労働者集会に世界の闘う労働者が集まってくる。ともに参加し、反撃の火の手を上げよう!」
 動労千葉を支援する会の山本弘行さんは、全米の教育労働者に「根津さんの解雇を許すな」の声が広がり、サンフランシスコの日本領事館への抗議行動が闘われていることを報告した。
 7月に渡米しNEA(全米教育協会)の大会で根津さん支援を訴えてきた神奈川の教育労働者、根津さんの門前座り込みに参加している東京の教育労働者らが、来春の卒業式で根津さんとともに「君が代」不起立を拡大し、解雇攻撃と闘うことを決意表明した。
 この春の不起立で停職3カ月の処分を受けた河原井純子さんは、終日行動の締めくくりとして「おかしいと思ったことにノーを言うのが私の素朴な教育実践。必ず解雇を阻止しましょう」と発言。集会決議文として「船出」と題した自作の詩を読み上げた。
 夕やみが迫る中、最後に都庁に向けて「河原井さん、根津さんの解雇を許さないぞ」とシュプレヒコールをあげて、新宿の高層ビル群を揺るがした。
【写真】 一日行動の参加者は都教委のある都庁舎に向かって「根津さんを解雇させないぞ」とシュプレヒコールをあげた(10月5日)

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週刊『前進』(2315号2面3)(2007/10/15 )

 都庁前での教育労働者の発言

●根津公子さん 東京で「君が代」解雇を許せば全国に広がる。私はこのことに恐れを抱きます。歴史の事実を教えずに、とにかく「立ちなさい、歌いなさい」とたたき込むやり方。都教委は「全員が立って歌えば厳粛な儀式になる。これは無形の教育だ」と言っている。しっかり洗脳するということです。こんなことに加担はできません。
 私は子どもたちにも「起立できない」と話してきました。来春の卒業式でも起立はしません。
 このままでは免職という危険性が強い。「解雇するな」「こんな処分はおかしい」という声を都教委に伝え、「10・23通達」を破棄するよう働きかけてください。
●河原井純子さん 根津さんの「君が代」解雇を絶対に阻止しなければならない、その思い一つで停職3カ月処分の間、全国を行脚してきました。沖縄の県民大会には元気づけられました。
 私は「嫌な時はノーと言ってその場を立ち去っていいんだよ」と生徒に言ってきた。私にとっては03年「10・23通達」は心からノーでした。私はけっしてあきらめません。人と人がつながったら、必ず阻止することができると思っています。
●東京の教育労働者Yさん(小学校) 今日は「来春、根津さんとともに不起立を拡大しよう」というアピールを持って参加しました。「日の丸・君が代」のもとに人びとが戦場に送り出された事実は、私たち教育労働者にとって忘れてはいけないこと。「教え子を戦場に送らない」という教育労働者の原点を守り、一人でも多くの教育労働者に不起立を訴えます。アメリカの教育労働者が11・4集会に来ます。誇りを持って不起立闘争を闘いましょう。「根津さんを解雇したらとんでもないことになる」ことを都教委に見せつけよう。
●東京の教育労働者Kさん(中学校) 私はこの春、不起立で処分を受けました。「君が代」不起立でけっして解雇処分を出させない、という決意です。根津さんは、時代の先端に押し出された時に、その責任を取ろうとした人だ。生徒に心を寄せて良心を貫く人なら、いかなる教員でも、新任の教員でも、不起立はできます。多くの学校教職員に訴えて、来年の春に臨んでいきたい。
●神奈川の教育労働者Sさん(中学校) やりきれない仕事ばかりを強制され自尊心を傷つけられ、それに抵抗できない組合執行部って何なんだ。不起立への処分に抵抗しないでどうする。沖縄の11万人県民大会が事態を動かしている。解雇阻止へ闘いましょう。

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週刊『前進』(2315号2面4)(2007/10/15 )

 “覚悟決め闘う”と根津さん

 再発防止研修に反撃

 都教委によって6カ月の不当な停職処分を受けた根津公子さんら、2人の被処分者に対する再発防止研修が10月4日に行われ、闘う教育労働者や支援者などによる抗議行動が闘われた。
 朝9時30分、会場となった水道橋の研修センター前に怒りのシュプレヒコールが響き渡った。「根津さんへの解雇を許さないぞ」「都教委はいじめ研修をやめろ」――怒りの声がたたきつけられる中、2人の被処分者は研修会場に向かった。
 根津さんに今回の研修日程が通知されたのは、10月1日に停職処分が解けて出勤したその日の朝。校長はなんと開口一番に切りだしたという。
 正午過ぎ、研修を終えて出てきた都高教のIさんは「私がピアノ伴奏を拒否するのは国歌・国旗のことだけではなく、人間としての尊厳にかかわる問題だからです。教員だからこそ職務命令に従うことはできない。皆さんとこの道を歩んでいきたい」と決意を込めて語った。
 また講師や担当者を質問責めにして、予定された時間をはるかにオーバーして闘い抜いた根津さんは、「2人を分離・隔離して4対1で研修を受けさせられた。そして『懲戒免職ありうる。その時には退職金ゼロ、年金減額、2年間教員免許はく奪』というこれまでにない説明をしてきました。私は覚悟は決めていますが、向こうは最終盤戦にさしかかっているなと感じました。これから半年、解雇したら大変なことになるということをどうにか思い知らせてやりましょう」と力強くアピールした。
 根津さんを始め被処分者は、自らの闘いに自信と確信をもち勝利感に満ちている。この闘いに続こう。
【写真】 被処分者と支援者は不当な研修に対し怒りをぶつけた(10月4日 水道橋)

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週刊『前進』(2315号2面5)(2007/10/15 )

 11・4集会第3回実行委

 1万人実現へ熱気

 残り1カ月の総力戦誓う

 10月6日、東京都内で11・4全国労働者総決起集会に向けた第3回実行委員会が開かれた。11・4まで1カ月を切る中、参加者は活発な討論を交わし、残された期間、1万人結集へ総力で闘うことを誓いあった。
 呼びかけ3労組からの提起が行われ、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の高英男副委員長が「闘う労組の共同事業センターと労働相談、労働学校を兼ねた共同センターを各地で生み出せば『闘う労働組合の全国ネットワーク』の本当の意味での始まりになる。その成果を持ち寄れば、1万人をはるかに超える集会になる可能性を秘めている。そうした継続的・日常的取り組みに踏み出したい」と訴えた。
 全国金属機械港合同の辻岡尚執行委員は「参院選後も、御手洗ビジョンに示された財界の方針は一切変わっていない。11月集会へ断固として闘おう」と呼びかけた。
 これを受けて、動労千葉の田中康宏委員長が、「職場で資本と闘い団結をつくるためには、仲間と何十年もつきあい、その人の人生を引き受ける覚悟がいる。そこへの躊躇(ちゅうちょ)がわれわれの運動を壁にぶち当たらせている。『闘う労働組合の全国ネットワーク』を職場・地域につくり出し、労働運動全体に影響力を持つ組織的実態に飛躍できるかどうかが、1万人結集にかかっている」と提起した。
 そして「歴史が動こうとしているという実感を持ってほしい。自治労も全逓も自ら解散の道を選び、1047名闘争も解雇撤回を投げ捨てた。既成の労働運動は時代に通用しなくなっている。われわれは、労働者の団結した力の一点で勝負する労働運動をつくりたい。それが階級的労働運動の原点だ」と訴え、「一人ひとりが集会主催者の立場に立って結集を呼びかけよう。自らが階級的に怒り、原則を曲げず、展望を語ることが組織化のカギだ」と強調した。
 郵政民営化を超勤拒否闘争で迎え撃った全逓労働者を先頭に、熱い討論が交わされた。
 まとめの提起で港合同の辻岡執行委員は、「闘う労組が最前線に登場する時が来た」と述べ、関西生コン支部の高副委員長は「国家はもう中間の道を与えていない。奴隷の道か、血を流して闘うか。中間では生きられないから11・4に結集しようとオルグしよう」と檄(げき)を飛ばした。動労千葉の田中委員長は「戦後最大の労組破壊攻撃だった国鉄分割・民営化に11・4の成功で決着を着ける」と訴えた。
【写真】 討論では、それぞれの職場での実践を踏まえて組織化の課題や方針が語られた(10月6日 東京)

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週刊『前進』(2315号3面1)(2007/10/15 )

 11・4集会1万人結集へ4大産別の労働者は先頭に立とう

 10・22全逓解散=JP労組結成許すな

 組織統合は産業報国会だ

 生産性運動に殺されてたまるか!

 10・22全逓解散、全郵政との組織統合に対し、われわれ全逓労働者は民営化絶対反対を貫いて闘うことを宣言する。
 10・1郵政民営化に対してたたきつけた超勤拒否を始めとした怒りの闘いは、必ず労働者全体の怒りと結合していく。青年労働者が「資本家の時代は終わった。労働者に権力をよこせ!」と職場から決起を始め、階級情勢を激しく突き動かしている。勝利の道筋は、国鉄分割・民営化攻撃との動労千葉の20年の闘いの中にある。資本と労働者は非和解だとはっきりさせ、職場闘争を貫くことが労働者の団結をつくり出すのだ。全逓労働者は今それを実感している。組織統合攻撃と対決し11・4総決起へ突き進もう。

 資本に尽くすJP労組綱領

 10月22日、JPU中央は臨時全国大会を開催してJPUを解散し、全郵政と統合した新組合=日本郵政グループ労働組合(JP労組)を立ち上げようとしている。臨大議案書で出された運動方針案によれば、この新組合こそついに登場した「産業報国会」そのものだ。
 新組合の理念は「友愛・創造・貢献」だ。その意味するものは、労働者は団結して闘うな、会社・資本のために尽くせということだ。さらに組合綱領では「左右の全体主義を排除する」として、階級的なものの根絶・一掃を宣言している。これはまさに労働組合としての自己解体宣言だ。また「産業民主主義の原則に立って生産性運動を推進」を掲げ、階級意識を投げ捨てて国家や資本のために徹底的に尽くすことを宣言している。そして企業の発展とそこでのJP労組の役割を「創成期(07年〜09年)、変革期(10年〜14年)、成長期(15年〜)」として描き出し、徹底的な合理化方針を打ち出している。
 支配階級は労働者人民を食わせられないほど危機に陥っている。1000兆円もの借金地獄と労働者階級の反乱に恐れおののいているのが資本家どもの姿だ。
 この資本家どもが6月に出した「骨太方針Z」では「5年間で生産性1・5倍、3人の仕事を2人でやる」「生産阻害要因の排除」などと言っている。これは労働組合を絶滅し、「生産性向上」をトコトン推し進める宣言だ。JP労組はこの「骨太方針Z」を貫徹するための組織なのだ。
 10・1民営化以降、郵政職場では民営化の破綻(はたん)した現実が明らかとなり、業務は完全にパンク状態だ。現場には連日4〜5時間の超過勤務が強制され、それでも物ダメ状態があらゆる局で生まれている。この破綻した民営化を全面的に支えるためにこそJP労組が登場しようとしている。そのすべての矛盾は現場に押しつけられるのだ。ふざけるな! 「生産性向上」の名のもとで殺されてたまるか!
【写真】 超勤拒否を闘った全国の全逓労働者が三里塚全国集会で登壇し決意表明(10月7日 成田市)

 怒りと誇りを取り戻そう!

 しかしこの産業報国会運動は、超勤拒否闘争を始めとする現場からの闘いで必ず打ち砕くことができる。そもそも職場を回しているのはわれわれ労働者だ。労働者と資本家は非和解的に対立している。労働者の誇りを取り戻して立ち上がった時、こんな支配は一瞬にして吹き飛ばせる。
 国鉄分割・民営化によるJR資本とJR総連との結託体制は、動労千葉の存在と闘いによって破綻しているではないか。全逓労働者が動労千葉のように闘えば必ず勝てる。資本と組合指導部が結託した攻撃に対して、動労千葉の『俺たちは鉄路に生きる3』から徹底的に学び、職場から反撃しよう。正規・非正規の壁をぶち破って闘おう。
 何よりも11・4労働者集会1万人結集の先頭に全逓労働者が立とう。労働者が権力を奪い取る力がここにある。それこそが郵政民営化と組織統合攻撃を打ち砕く力だ。

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週刊『前進』(2315号3面2)(2007/10/15 )

 全逓労働者の決意

 民営化絶対反対貫き新作業服は着ません

 本日より私たちの職場は民営・分社化されます。しかし私は絶対に民営化を認めません。
 民営化に至る過程で職場はどうなったのか。多くの仲間が無念の思いの中、職場を去りました。本当は退職などしたくなかったはずです。労使一体となり、労働条件は少しでも良くなったでしょうか。減員され賃金は下がり続け、労働時間は長くなり、自腹買い取り営業が当然とされ、年休すら取れなくなった。超過勤務が誤配や業務上の間違いの原因にもかかわらず責任だけが求められ叱責(しっせき)される。ただ働きも依然としてなくならない。常に雇用不安に脅かされ、反対の声も上げられない息の詰まるような3年間だったのではないでしょうか。
 果てしない合理化が続く中で、仲間をお互いに思いやる気持ちすらも競争の前に投げ出す。おかしいと思うことさえできなくなる。人間としての心を押しつぶすのが民営化です。良いことなんかあるはずがない。
 本来それと闘うためにある労働組合が「民営化にはならない」と言って労働条件の切り下げに賛成し、民営化賛成に変わってからは「良い会社にする」と言って労働条件を投げ捨ててきました。民営化を認めた労働組合が果たした罪は万死に値します。
 10月22日結成予定のJP労組の目的の第一は、会社のための生産性向上に尽くすことです。「組合員の労働条件改善のため」などとは金輪際言わないということです。おかしいと声を上げる組合員を排除する労働組合とは何なのか。こんなのは労働組合とは呼べない。
 労働組合とは、資本主義社会の中で私たち労働者が闘うことができるただひとつの武器であり、団結のよりどころです。あきらめることなく絶対に組合員の手で闘う労働組合を取り戻そう。
 民営化で一切の縛りが解かれ、職場は加速度的に変えられようとしています。だからこそそれに抵抗する労働組合の闘いが必要なのです。競争にさらされ人間性を奪うような攻撃だからこそ団結する必要があります。反対なら反対だとはっきり行動に示さないかぎり何も変わりません。
 私は本日より民営化反対の意味を込めて、新会社の作業服を着て仕事をすることを拒否します。郵政民営化に賛成していないということをはっきりさせ、現場からの反対の闘いと団結をつくりだすために行動します。
 (仙台/今井弘章)

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週刊『前進』(2315号3面3)(2007/10/15 )

 社保庁労働者に訴える

 舛添厚労大臣こそ政府・高級官僚による6兆円の年金流用の責任を取れ

 舛添や福田をぶっ飛ばせ!
 安倍を倒したくらいじゃ怒りはおさまらない!
 労働者は奴隷じゃない!
 今こそ反撃する時だ!

 厚労相・舛添による自治体労働者に対するデマキャンペーンを許すな! 全国労組交流センターの社保庁労働者へのビラを転載します。(編集局)

 舛添、お前が牢屋に行け

 年金記録問題で、その責任を社保庁の現場労働者に転嫁し、「社保庁解体・全員解雇」を叫んだ安倍政権がついに退陣しました。労働者の怒りが安倍を打倒したのです。
 にもかかわらず今度は、舛添厚生労働相がくだらないインチキ・デマキャンペーンをくり返しています。
 舛添は、社保庁発足以来の45年間の横領事件をほじくり返し、「牢屋(ろうや)に入ってもらう」などと言っています。まったくふざけている。現場の労働者が犯罪集団であるかのような印象を与え、年金破綻(はたん)の責任をすべて現場の労働者に転嫁しようとしているのです。
 舛添っ! 年金を食い物にしてきたのはお前ら自民党だろ。そんなことを言うなら歴代の厚生大臣や自民党の国会議員、お前も含めて全員が牢屋行きだ。
 1952年度以降、国民年金と厚生年金の保険料を給付以外に流用した総額は、なんと6兆7878億円に上ると言います。最近、社保庁の資料で明らかになりました。
 その主な内訳は次のとおりです。
・グリーンピアの建設や住宅融資向けの旧年金福祉事業団への出資金に1兆953億円
・福祉施設の整備などに1兆4666億円
・年金相談やシステム経費などに1兆9123億円
 グリーンピアは日本列島改造論を掲げる田中角栄内閣の計画で始まりました。百パーセント自民党と高級官僚の利権です。なんと、全国13カ所でつくられたグリーンピアのうち8カ所が歴代厚生大臣の地元なのです。
 舛添よ! 職員の着服はわずか総額4億円余だ。半世紀も前のささいな事件まで持ち出して「牢屋に行け」というなら、この6兆円の責任をとってお前が牢屋に入れ。ハッキリ言って刑期10万年でも足りない。

 制度破綻は政府の責任

 もっと根本的な問題があります。断言できますが、現場の労働者に責任は一切ない。年金制度を破産させてきたのは、政府・自民党、財界、高級官僚の連中です。
 公的年金の債務超過は500兆円を超えるとも言われています。500兆円という天文学的な金額の財源がまったくあてがないままなのです。国民1人あたり500万円近い額です。こんな額を保険料の値上げや給付切り下げでなんとかするのは不可能です。そんなことをすれば、社会全体がメルトダウンするか、革命です。
 約150兆円あるという積立金も、大銀行やゼネコン救済のために財政投融資として、新幹線や高速道路、橋やダムの建設のために湯水のように投入されてきました。いったいその何割が不良債権になっているのかも分かりません。
 要するに政府・自民党、財界、高級官僚などが国家ぐるみで行ってきた横領・詐欺が、完全に破産状態に入ったということです。その意味では、先ほどの6兆円の年金流用どころの話ではありません。自民党の国会議員や歴代大臣は全員牢屋行きなのです。
 そもそも国と地方の借金は1千兆円を超えています。日本資本主義も国家も、すべて破産しているのです。日本の支配者たちは、何十年も働いてきた労働者に約束した年金を払う能力さえも喪失しているのです。
 40年間保険料を満額支払っても、国民年金だけならわずか月額6万少し。これでは生きていけない。ましてや青年労働者は2人に1人が一生フリーターの時代だ。保険料も払えず、最初から年金制度から切り捨てられている。
 この10年間、日本経団連は「9割の労働者を非正規化する」と宣言し、トヨタやキヤノンなど日本を代表する大企業が保険料の半額負担を避けるために偽装請負や違法派遣を平然と横行させてきた。日本の大企業は、労働者を犠牲にすることで空前の好景気を謳歌(おうか)しているのです。
 こういう社会をつくってきたのは、政府・自民党や財界、高級官僚の連中です。やつらに全責任があるのです。
 やつらに支配者の資格なんかない。ましてや現場の労働者に責任を転嫁するなんて、言語道断です。

 資本と労働者は非和解

 そもそも社保庁は、厚生労働省の外局で、実務処理・事務処理をする現業職場です。年金政策にタッチしていないのです。
 市区町村に委託していた国民年金事務が02年に国に一元化され、窓口が3000自治体から10分の1の数の300社会保険事務所に大幅減となりました。少なく見積もっても2万人以上の自治体職員が行ってきた国民年金の業務を社会保険事務所の労働者がやっているのです。5000万件の年金記録問題も、こうした大量の事務処理を、民間業者に丸投げした中でおこったことは明らかです。
 日常の業務をこなすのも不可能なほどの要員不足の中で、現場の労働者は、膨大な事務処理を必死にこなしてきたのです。しかもこの間、問い合わせが殺到し、臨時相談窓口の開設や電話相談の24時間体制など、殺人的な業務が強制されているのです。
 現場の労働者は、まじめに過労死するほど働かされているのに、自民党や高級官僚は年金保険料をさんざん食い物にしたあげく、その責任を現場の労働者に押し付け、長年、保険料を払ってきた労働者にまともに年金を給付する気なんてないのです。
 こういう連中と現場の労働者の関係は非和解です。
 徹底的に怒りを爆発させよう。
 もう、日本資本主義そのものが破産しているのだから、資本主義や国家にすがって問題解決を考えても仕方がない。私たち労働者は、黙っていたら生きていけない。資本主義や支配者にすがっていたら生きていけない。
 反撃を開始しよう! こんな社会はぶっ飛ばそう!
 ヨーロッパではここ数年、年金問題で公務員労組が百万人単位でゼネストをばんばんやっています。役所や学校、交通機関、郵便局…全部ストップさせて権力者を震撼(しんかん)させています。
 日本でも、これくらいやってやらないと、腹の虫が治まらない。現場労働者の憤りをあいつらに思い知らせてやりたい。
 しかし、自治労中央本部や全国社会保険職員労働組合は、自民党に頭を垂れ、組合員に一時金返納までさせています。
 そもそも支配者たちが年金問題を解決できないのに、こんなくだらない舛添や自民党にすがって、やり過ごすなんて不可能なのです。民主党が政権を握ったって同じです。民主党こそ公務員バッシングの急先鋒(せんぽう)じゃないですか。
 これは社保庁だけの問題ではありません。日本資本主義全体の問題です。社保庁の職場でおきている問題は、日本全国のあらゆる職場でおきている問題です。
 反撃しよう。私たち労働者は奴隷じゃない。私たちは、会社や国家なんかなくても、この社会を、職場を回すことができる誇り高き労働者です。裏でコソコソ協約を結ぶペテン的な反合理化闘争ではなくて、「資本と労働は非和解だ!」と公然と宣言し、実力で職場支配権を当局から奪うような闘いをしよう。「職場を仕切るのは俺(おれ)たちだ!」という闘いこそが労働組合の方針です。

 11・4日比谷に集まろう 

  同じことが80年代の国鉄分割・民営化でありました。国鉄のほとんどの労働組合は総屈服しました。しかし、運転士やエンジニアでつくる国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)は、全員がクビを覚悟して、ストライキで反撃しました。数千人の機動隊が包囲する中で、電車を止めるストライキを堂々と敢行しました。
 生死をともにするような現場の労働者の団結によって組合は守りぬかれ、20年後のいまも元気に闘っています。そういう闘いと団結を私たちの職場でつくろう。
 11月4日、東京の日比谷野外音楽堂で全国労働者総決起集会が行われます。労働者が怒りの反撃を始める日です。既存の連合や全労連とは違う、労働者は、こんなすごいパワーを持つことを示す集会です。
 社保庁職場の怒りがマグマのようになっているのはみなさんがよく知っています。千人以上が一時金返納を拒否しています。怒りを闘いに変えることが必要です。
 ぜひとも11月4日、日比谷野外音楽堂に結集してください。
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 労働者をののしる厚労相・舛添のデマ暴言

 「横領したような連中はきちんと牢屋(ろうや)に入ってもらいます。今からでも刑事告発してやろうかと思って」 (9月4日)
「市町村が一番の伏魔殿。盗っ人は草の根分けても最後の1人まで探し出さないといけない」 (6日)
 「社保庁は信用ならない。市町村の窓口はもっと信用ならない」 (9月29日)
 「目の前に現金があり、借金に追われていたら、とっちゃう」 (10月1日)
 「市町村が(刑事告発を)やらないなら社会保険庁長官の名前で告発することもありうる」 (4日)

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週刊『前進』(2315号3面4)(2007/10/15 )

 社保庁の労働者のメール

 思い代弁したビラ正直うれしかった

 社保庁の労働者から送られてきたビラへの感想メールを紹介します。
 「ビラ読ませて頂きました。正直うれしかったです。ここ数年、わけのわからないうちに国賊みたいにされて、ノイローゼみたくなって薬を服用しながら仕事をしていました。
 自分が子どもの時、へたすりゃ生まれてなかった時の頃の年金記録や年金施設の責任を押し付けられ、私腹を肥やした張本人の自民党の奴(やつ)らはなにも知らない中堅、若手の社保職員を平気で責め立てる……。
 45分働いて15分休むとか、1日5000キータッチとか、文書上のみの協定であって、実際実行してる職員なんか見たことも無いのに、テレビはうそを平気で報道する。
 本当に冗談じゃないです!! もうそろそろ自分の中で限界が近づいてますが、ここを辞めても自分の汚れた履歴書で再就職とかが不利に働きそうで、その事も自分の精神を追い込んでいきます。もう我々は死ぬしかないのでしょうか?
 テレビで政治家やコメンテーターとかを見ると、殺意のあまり体調が悪くなり吐きそうになります。この問題はたくさんの職員の人生をメチャメチャにしました。
 でもこのビラは自分達が日頃思ってることをほとんど代弁してくれていて、読んでいて少し気が楽になりました。
 表面上いかがわしいビラを貰ったという態度をとっている職員もいますが、その割には皆熱心に読んでおり、内心共鳴している人も多いと思います。頑張って下さい」

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週刊『前進』(2315号3面5)(2007/10/15 )

 10・8国鉄集会 “解雇撤回の原則堅持を”

 4者・4団体路線は間違いだ

 10月8日、闘う国労組合員は「1047名解雇撤回、5・27弾圧粉砕、バッジ都労委闘争勝利」「職場・反合闘争の力で国労を再生しよう」をスローガンに、都内で「改憲・民営化と闘う国鉄労働者集会」を開催した。 1047名闘争は今、4者・4団体(注)路線のもとに解雇撤回の原則さえ投げ捨てられる重大な危機にある。これを突破するものこそ11・4集会1万人結集の実現だ。
 集会実行委員会を代表して品川事業所分会の吉野元久さんが発言。「4者・4団体路線を進める人たちは『4党合意の二の舞いはしない』と言うが、すでに4党合意の轍(てつ)を踏んでいる。解雇撤回を捨てて闘いはありえない」「5・27臨大闘争弾圧を忘れるな。この弾圧に手を染めた国労本部が4者・4団体路線を進めている」と指摘し、「動労千葉は原則を貫き、反合・運転保安闘争で団結を固めてきた。同じことを国労組合員の力で実現し、職場・反合闘争に立とう」「1047名闘争を原則に立ち返らせるため、11・4に総決起を」と提起した。
 特別アピールに立った動労千葉の田中康宏委員長は、「4党合意粉砕で必死に頑張ってきた鉄建公団訴訟原告団は、今の運動が間違っていると思うなら、その気持ちをごまかさず表に出してほしい」と問題を投げかけ、「闘う労働運動をつくり出すことで国鉄分割・民営化に決着を着けたい。そのため11・4に1万人結集を」と呼びかけた。
 5・27臨大闘争弾圧被告で鉄建公団訴訟原告でもある羽廣憲さんは、「われわれは国労本部によって権力に売られた。国労本部と一緒に和解の席に着くことは断固拒否する」と言い切った。
 鉄道運輸機構訴訟原告の本州闘争団員は、「4者・4団体は『鉄建公団訴訟の9・15判決を踏まえ解決する』というが、9・15判決は本州闘争団を全部切り捨てている。こんなことは絶対認められない」と声を強めた。
 国労バッジへの不当処分と闘う組合員は、都労委に早期救済命令を求める署名の拡大を訴えた。
 鶴見駅不当労働行為事件で勝利判決をかちとり原職に戻った組合員は、「包括和解で職場闘争が否定され、解雇撤回闘争もつぶされようとしている。原則を堅持し職場から闘いを」と発言した。
 東交の青年労働者が、同じ鉄道労働者として連帯し闘う決意を述べた。
 5・27臨大闘争弾圧裁判の弁護団長を務める佐藤昭夫弁護士が「11・4集会を出発点にさらに共同闘争を広げよう」と呼びかけた。
 新潟駅連合分会の星野文男さんは「4者・4団体路線を批判する分会決議に挑戦しよう。自分の名前でビラを出し、11・4に一人でも多くの仲間を集めよう」と行動方針を提起した。
 注 4者・4団体 国労闘争団全国連絡会議、鉄建公団訴訟原告団、鉄道運輸機構訴訟原告団、全動労争議団の4者と、国労、建交労、国鉄闘争支援中央共闘、国鉄闘争共闘会議の4団体。
【写真】 国鉄闘争の勝利は11・4集会1万人結集にあることを参加者は強く確認した(10月8日 東京)

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週刊『前進』(2315号3面6)(2007/10/15 )

 国労5・27臨大闘争弾圧公判日程

 第83回 10月31日(水)/第84回 11月14日(水)
 第85回 12月5日(水)/第86回 12月26日(水)
※いずれも午後1時15分から、東京地裁 

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週刊『前進』(2315号4面1)(2007/10/15 )

 10・7三里塚 労農連帯の絆固め「農地死守」誓う

 北延伸・農地強奪に反撃

 動労千葉が11・4呼びかけ

 三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する10・7全国総決起集会は、秋晴れの空のもと、1460人の結集で闘いとられた。安倍政権を退陣に追い込んだ労働者と農民の怒りの結集軸がここにあることを、参加したすべての人が実感した。そして1カ月後に迫った11・4労働者集会1万人結集に向けて、労働者が自らの職場から反乱を開始することを宣言する総決起の場となった。
【写真】 農地死守! むしろ旗を掲げ、三里塚反対同盟を先頭にデモに出発

 初参加の青年が集会に感動

 

反対同盟は、東峰の森伐採など暫定滑走路の北延伸攻撃に日々立ち向かい、連続する裁判闘争を闘いながら、10・7の大結集をめざして全国各地を東奔西走してきた。「市東さんの農地を絶対に奪われてはならない」という呼びかけに心動かされ、全国から労農学が大挙結集した。
 とりわけ多くの青年労働者・学生が初めて三里塚の大地を踏み、自分が生まれるずっと前から闘いぬいてきた反対同盟の農民魂に触れ、衝撃と感動を得た。
 正午から空港に隣接する東峰の萩原進さんの畑で集会が始まった。司会は事務局の伊藤信晴さんと、婦人行動隊の宮本麻子さん。
 本部役員の鈴木幸司さんが開会宣言に立ち、農地強奪をたくらむ国家権力を打倒する闘いに決起することを訴えた。
 事務局長の北原鉱治さんが主催者あいさつを行い、42年の闘いの歴史を踏まえて、「日本はかつての戦争と同じ方を向いている。成田の米軍使用を許さない。自分の未来を三里塚にかけて闘った星野文昭さんが今も獄中におり、徳島刑務所で面会してきた。三里塚の勝利に若者の未来がかかっている。今日を新たな出発点に立ちあがろう」と呼びかけた。
 萩原進事務局次長が基調報告を行った。
 「参院選における自民党の惨敗は、自由化と構造改革、改憲と戦争、貧困と農業破壊に対する人民の総反撃だった。都市における労働者の反乱とともに、地方における農民の怒りが爆発した」と時代の動きをとらえた。そして「戦後の農地解放は全国の農民が血を流して闘いかちとったものだ。その中で農地法もできた。そうして築いてきた農民の権利一切を奪おうとする攻撃がかけられている。労働者の権利もすべて奪われようとしている。このままでは生きられない。労働者と農民とが手を組んで反撃するしかない。そして世界の農民とも連帯する時だ」と呼びかけた。そして「政府は農業分野を明け渡してでも工業製品を輸出し、アジアの市場を制圧し新たな大東亜共栄圏を打ち立てようとしているが、結局は軍事力を強化し改憲へと進むしかない。イラク・アフガンへの侵略に反対し、三里塚を反戦の闘いとして押し上げよう。市東さんの農地を守るために、次の3・30全国集会に今日を倍する人数を集めよう」と熱烈に訴えた。

反対同盟農民が演壇に勢ぞろい、「労農連帯で団結頑張ろう」
天神峰現闘本部の前で怒りのシュプレヒコールをあげる労働者

 現場労働者が総決起を訴え

 三里塚反対同盟と「車の両輪」として闘ってきた動労千葉の田中康宏委員長が、特別報告を行った。
 「定期大会を開催し、平成採の仲間が東労組から動労千葉に結集した。国鉄分割・民営化と最終的決着をつけるため、闘う労働組合が最前線に登場し情勢の主導権を握る時だ。腐りきったこの社会を変えるのは、労働者と農民の団結した力だ」と強く訴えた。さらに怒りの表情をあらわに「国家、大企業、独占資本が生き残るために、農民と労働者が殺されようとしている。こんなことがまかり通っていいのか! バラバラに存在している怒りをひとつにつなげよう。労働者が社会の主人公として登場しよう。11・4に1万人が集まったら社会が変わる。ここに団結すれば勝利できるという場として、11・4大結集を呼びかけてください」と訴えた。
 ここで千葉県の農民がマイクを握り、下がり続ける米価など農民が置かれている厳しい現状をリアルに解説し、市東さんの農地を守る闘いに日本農民全体が合流する展望と、その先頭に自ら立つ決意を表明した。
 続いて鈴木謙太郎さんが「全国の農民・労働者に訴える」と題した特別アピールを読み上げた。農業破壊攻撃に対決し、労働者と農民の固い団結の中軸に三里塚闘争が位置していることが、あらためて鮮明になった。
 農地取り上げの攻撃と日々闘いぬいている市東孝雄さんが登壇すると、会場はひときわ大きな拍手に包まれた(発言要旨別掲)。暴力と脅しとカネで屈服を迫る政府・空港会社への怒りを込めて「私の畑の大根は1億8千万円以上の価値がある」と言い切り、全参加者の胸を打った。
 反対同盟顧問弁護団が壇上に並び、葉山岳夫弁護士が、空港会社による市東さんへの「耕作権解除」の画策や「不法耕作」との提訴が、あらゆる意味で違法であることを徹底的に暴いた。
 続いて現場で闘う労働者が登壇した。郵政民営化と闘う8人の全逓労働者が並び、体制内労働運動指導部の制動をぶっ飛ばして超勤拒否闘争で10・1民営化を迎えうった闘いを報告した。さらに教育労働者が「君が代」不起立を貫く決意を鮮明に表した。現場労働者からの11・4日比谷総決起の訴えは、労働者・農民が固く手を結び前進することに勝利の核心があることを示した。
 沖縄民権の会代表の座覇光子さんは、沖縄県民大会12万人の結集に示された怒りを本土の労働者が共有し、階級全体にかけられた攻撃として闘うことを訴えた。
 無期攻撃と闘う星野文昭同志のつれあいの星野暁子さんは「文昭は三里塚、沖縄とともに闘う道を選んでいる。闘って弾圧を打ち破る日本階級闘争の歴史をつくろう」と呼びかけ、再審・奪還を訴えた。沖縄反戦地主の知花昌一さん、北富士忍草母の会・天野美恵さんのメッセージを、萩原富夫さんが読み上げた。
 「市東さんの農地取り上げに反対する会」の人びとが市東さんとともに登壇し、不法で理不尽な農地取り上げを許さない決意と訴えを行った。

 市東さんの耕作地までデモ

 婦人行動隊の鈴木加代子さんが、自分のブログを紹介しながらカンパアピールを行った。それに続いて住民団体、共闘団体の決意表明が行われた。
 関西新空港に反対する住民団体から永井満さん、山本善偉さん、国賀祥司さんが登壇し、代表して永井さんが「9月28日に市東さんを招いて集会を開いた。三里塚は日本農民全体に力あるメッセージを発している」と連帯を表明した。
 さらに部落解放同盟全国連、都政を革新する会の北島邦彦杉並区議、婦人民主クラブ全国協、闘う「障害者」が次々と農地取り上げ攻撃と闘う発言を行った。
 全学連の織田陽介委員長は、「安倍を打倒したのは三里塚の力だ。自民党支配はもう終わっている。アメリカの教育労働者の闘い、GMの労働者のストライキ、韓国の労働者の闘い、すべてが11・4に向かっている。隣の仲間に俺と一緒に革命をやろうと、むき出しで呼びかけよう。11・4日比谷を動労千葉派、三里塚派が権力党派として躍り出る日にしよう」と訴え、全参加者を奮い立たせた。
 太郎良陽一さんが集会宣言を読み上げ、野平聰一さんのガンバロー三唱で、デモに出発した。
 伐採された東峰の森、延々と続く威圧的に高いフェンス、不自然に曲げられた道路――。デモコースは荒涼とした風景が続く。巨大なジェット機が轟音(ごうおん)を立てて走行し離着陸している。
 だがまさにそこに農民の農地と生活が存在し、空港の建設強行を阻み続けている。デモは東峰部落を通り、市東さん宅前から団結街道を北上して、天神峰現闘本部前を通り、市東さんの耕作地の前まで進んだ。
 豊かな作物が実る畑が目の前に広がった。
 「農地取り上げを許さない!」というシュプレヒコールが北総大地に響きわたった。

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週刊『前進』(2315号4面2)(2007/10/15 )

 敷地内・市東さんの発言

 買収に負けず大根つくる

 いま米の値段がかつての半分になった。オーストラリアとのFTAを進めればさらにその半額の米が入ってくる。農家は食べていくことができません。ほかの穀物、野菜もそうです。政府自民党は農家をつぶし、食えなくなった農家から農地を取り上げる仕組みをつくろうと農地法を改悪しようとしています。
 私の農地問題は、「農地はそれを耕す農民のもの」という基本理念を、空港会社が破ったことから起きたものです。これを成田市農業委員会や、千葉県も許可した。明らかな違法であり、憲法にも違反しています。
 違法なことを今度は農地法を改悪して、大手を振ってできるようにする。それを来年から始めようとしています。私の農地問題は、農業つぶしに苦しむ全国の農家にとっての問題です。
 かつて私のおやじは土地収用法と闘いました。労働者・学生の支援を受けて、これを打ち破って土地収用法を失効させました。その後の買収攻撃にも負けなかった。それを今度は、農地法で農地を取るという、そして法まで変えるという、こんなめちゃくちゃなことはがまんできません。私は闘います。もちろん買収にも負けません。私の畑の大根は、1億8千万円以上の価値がある! 
 沖縄ですごい闘いが起きました。三里塚は「戦争反対、軍事空港阻止」で沖縄とつながっている。戦争動員の国民保護訓練と習志野のミサイル配備も絶対反対です。
 先の参議院選挙で自民党はぼろ負けしました。農民と地方の反乱です。労働者は低賃金で働かされ、若者には職がない、職に就いても食っていけない。農民も労働者も、もうがまんできない。東京、全国でさまざまなデモが起きています。動労千葉との労農連帯を強化し、みなさんとともに最後までがんばります。
 10月30日に、私の農地をめぐって、千葉県知事に対する行政訴訟が始まります。多くの皆さんの傍聴をお願いします。

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週刊『前進』(2315号4面3)(2007/10/15 )

 法大 “学友会廃止”に怒りのデモ

 崩壊寸前の平林体制打倒へ

 10月5日、闘う法大生と全学連は、学友会廃止攻撃への怒りを燃やし、新井君・友部君を直ちに取り戻す決意を込めて第7波法大包囲デモをうちぬいた。
 これに先立って闘われた9・28法大弾圧第3回公判と9・29ワーカーズアクション−沖縄県民大会12万人決起を経て、キャンパスの力関係にも地殻変動が起きている。どんな圧殺体制−大量の公安警察も、数台の機動隊バスも、ガードマンの暴力支配も、今やなんの力ももたない。
 昼休みに入ると、外濠校舎前で被処分者を先頭にして、「逮捕・処分を恐れぬ闘いをやろう!」とのアピールが発せられた。サークル員も発言に立った。「サークル活動もやらせない法大になっている。平林なんか追い出して大学を学生の手に取り戻そう!」のアピールはひときわ注目を浴びた。
 デモに出発し、総長室に怒りのシュプレヒコールをとどろかせた。社会保険事務所と麹町郵便局にさしかかるとそれぞれの労働者に対して民営化粉砕のエールを送った。
 この日は、これまで横柄に登場し、ビデオやメモ帳片手に公安警察気取りでスパイ活動を行ってきた学生部職員・猪脇和夫や百瀬豊は、ついに登場することができなかった。前週の法大弾圧公判で猪脇が撮影した「面割りビデオ」が公開されて、彼らがどれほどの悪行を行ってきたかが暴かれた。それは衝撃と怒りをもって全学に伝わった。「学生部=スパイ活動」が共通認識となる中、学生の怒りが爆発し追及されることを恐れて、彼らは学生の面前から逃亡したのだ。だが、闘う法大生は絶対に猪脇や百瀬を許さない。
 今や平林体制はガタガタだ。3万法大生が全学ストライキに立ち上がって権力をとる時だ。法大当局が3日に開いた学友会つぶしのための「補助金制度の説明会」では、学友会廃止を一方的に通告して逃亡する当局の暴挙に怒りが沸騰した。そして、闘わないサークル団体執行部を乗り越えて法大生の決起が開始された。さらに総長選の廃止をめぐっても、全国紙に「法政大、総長選めぐり紛糾」という記事が載るほど、学内の非和解的対立が明白になった。
 翌6日には、都内で「4・27弾圧を許さない10・6集会」が開かれた。
 被処分者は、この間のキャンパスの激闘を報告。実践の中でつかんだ「闘いなくして弾圧なし、弾圧なくして団結なし」のスローガンを圧倒的に共有した。
 弁護団が公判報告を行った。法大当局が弾圧のためにビデオ撮影していたこと、2人の「暴行」容疑が完全にデッチあげであることを暴き、勝利の展望を語った。
 新井君・友部君奪還の闘いと一体で、11・4労働者集会1万人決起に向かって突き進もう!
【写真】 総長室の前で「平林倒せ」と怒りのこぶし(市谷 10月5日)

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週刊『前進』(2315号4面4)(2007/10/15 )

日誌'07 10月3日〜9日

 小沢「政権を取れば部隊参加」

 政府が北朝鮮制裁を半年延長

●6者合意文書を発表 北朝鮮の核問題をめぐる6者協議で議長を務める武大偉・中国外務次官は、非核化に向けた「次の段階」(第2段階)の措置の具体的な内容を定めた合意文書を発表した。年内に三つの核施設を無能力化することや北朝鮮が核を移転しないことを盛り込んだ。米国の主導で2週間以内に専門家チームが訪朝し、3施設の無能力化に着手する。(3日)
●朝鮮戦争終結へ4者協議 平壌を訪問した盧武鉉(ノムヒョン)大統領は、北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記とともに共同宣言「南北関係発展と平和繁栄のための宣言」に署名し、発表した。「休戦状態を終結し、恒久的な平和体制を構築する」とし、「3者または4者の首脳が半島で会談する」とした。南北朝鮮と米中の4者協議の発足を目指したものとみられる。(4日)
●横田基地で5600g燃料漏れ 米軍横田基地(東京都)の給油場で、9月に5600gのジェット燃料が漏れる事故が起きていたことが分かった。事故発生当日、在日米軍から日本政府を通じ地元自治体に通報されたが地元自治体は「基地外への影響がない」として住民に公表していなかった。(5日)
●「11万人集まれば教科書変えられるのか」 中山成彬元文部科学相が自民党文部科学部会・文教制度調査会合同会議で、沖縄戦の集団自決をめぐる教科書検定問題について「11万人が集まれば教科書が変えられるのか。そういう前例を残すことはどうなのか」と述べた。(5日)
●米「給油転用ない」 対テロ特措法に基づき、インド洋で活動する海上自衛隊の補給艦がイラク戦争直前の03年2月、米空母キティホークへ間接的に給油していた問題で、米政府が日本政府に対し、「キティホークが補給を受けた80万ガロンはアフガニスタンでの『不朽の自由作戦』に使用された」との内容で回答していたことが分かった。(5日)
●「核密約」示す米公文書 1972年の沖縄返還後に、米軍が有事に際し核を持ち込むことを認めた「密約」が、69年11月に当時の佐藤首相とニクソン米大統領との首脳会談で取り交わされていたことを裏付ける米政府の公文書が見つかった。日本政府は存在を否定しているが、密約の存在が米側の公文書で初めて明示に裏付けられたことになる。(6日)
●小沢「政権取れば部隊参加」 インド洋で海上自衛隊が行う給油活動をめぐって、民主党の小沢代表が「世界」(岩波書店)11月号で論文を発表。国連決議に基づきアフガニスタンで活動する国際治安支援部隊(ISAF)について「私が政権を取れば、参加を実現したい」と明言した。(9日)
●英、来春3000人削減 ブラウン英首相は、イラク駐留英軍の兵員規模について現在の5500人を来年春から2500人に削減する計画を明らかにした。ブラウンは「英軍の役割は戦闘任務から監視活動に移る」と述べた。(8日)
●北朝鮮制裁を半年延長 政府は、貨客船「万景峰号」など北朝鮮船舶の入港禁止や北朝鮮からの輸入禁止を定めた制裁措置を、13日に期限が切れた後もさらに半年間延長することを決めた。同措置は06年10月に北朝鮮の核実験を受けて閣議決定され、延長は今年4月に続き2度目。(9日)
●洋上給油「違憲でない」 衆院予算委員会で福田首相は、インド洋での海自の給油活動について、「憲法9条が禁じる武力行使に当たらず、憲法に抵触することではない」と述べ、民主党の小沢代表の「違憲」論に反論した。(9日)

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週刊『前進』(2315号5面1)(2007/10/15 )

 世界革命の展望開く11・4集会

 07年7月テーゼで武装し1万人結集へ総力決起を

 五十嵐茂生

 11・4労働者集会に大結集し、階級的労働運動路線の発展と日米韓労働者の国際連帯の力で帝国主義を打倒し、プロレタリア世界革命への突破口を切り開こう。07年7月テーゼで武装し、諸戦線の飛躍をかちとろう。

 革命の主体として労働者が登場した

 労働者人民は積もりにつもった怒りを爆発させ安倍政権を打倒した。現在の情勢の核心は、労働者階級がブルジョア支配の全面的打倒を求め、自らの意思と行動で現状を変革する自己解放への希求にあふれる決起を開始したことだ。
 ブルジョアジーは労働者を虫けらのように扱い、とりわけ青年労働者を正規・非正規に分断し、「ネットカフェ難民」「ワーキングプア」といった耐え難い現実に追い込んだ。しかし、階級対立の非和解性をもはや覆い隠すこともできず、極限的に搾取を激化する以外にないほど資本主義は末期的なのだ。そして、この現実そのものから、「もう我慢ならない。生きさせろ」と叫んで労働者が革命の主体として登場してきたのだ。
 労働者人民の怒りは根底的であり、議会や民主党に収斂(しゅうれん)されるようなものではない。労働者の団結した力、階級闘争こそが、分断された個々の怒りを意識的・自覚的なものへと高め、自己を階級として形成し、革命的情勢を現実の革命へ転化していく力となることを明確にしよう。
 この点で連合、全労連などの体制内労働運動が断末魔にあえぐ資本主義・帝国主義とますます一体化し、労働者を賃金奴隷の鉄鎖につなぎとめる反動的役割をはたしていることを許さず、これと真正面から激突し、ぶっ飛ばしていくことが決定的である。
 1930年代や戦後革命期に匹敵するような激動情勢の扉はすでに開かれているのだ。新たなプロレタリア革命の時代、労働者の時代が到来したことに断固たる確信をもって闘おう。動労千葉を先頭に階級的労働運動の前進をかちとり、4大産別決戦を大爆発させよう。青年労働者・学生を先頭に「労働者に権力をよこせ」と呼びかけた9・29闘争が感動的に打ち抜かれた。安倍打倒から改憲阻止へ、全国から11・4日比谷野音へ総結集しよう。

 労働者自己解放に人間解放の普遍性

 われわれは今、燃え立つ情熱をたぎらせ、革命勝利の確信に満ちあふれている。与田らの小ブル私党化グループを打倒した「党の革命」以来1年半、階級的労働運動路線での一致をかけた党内闘争の非妥協的貫徹は、マルクス主義の人間解放の思想=共産主義の思想を豊かによみがえらせ、全党にみずみずしい革命的自己再生をもたらしている。
 資本主義社会における革命はプロレタリア革命であり、労働者階級自己解放闘争として労働者自身の力で遂行される。
 労働者は、労働力商品として自己の労働力を切り売りする以外に生きていけない、最も非人間化された存在である。だがそれゆえに、「最後の階級社会」としての資本主義を転覆できる唯一の主体である。資本主義に固有の存在である労働者は、自己の解放をとおして私有財産制度を廃絶し、資本主義以前から形成されたあらゆる差別・抑圧諸関係も含めて一切の階級支配を打破する能力をもった歴史的存在である。
 つまり労働者階級の自己解放闘争は、人間が人間を支配する階級社会の歴史に終止符をうち、社会の一切を生み出す人間労働の無限の力を解き放つことを土台にして、人間同士の真に自由で平等な関係に基づく類的共同性を奪還し、共産主義社会への移行を実現していく基軸的原動力であり、人間解放の普遍性を開示していく闘いなのだ。
 また、革命は権力をめぐる壮絶な死闘である。労働者階級が農民をはじめ諸階層人民と合流・結合し、支配階級であるブルジョアジーを打倒して自己権力を樹立することをあいまいにして革命を語ることはできない。
 だが、ブルジョアジーは、どれほど帝国主義の危機が爆発し、グラグラになっても支配階級の座を放棄することはない。世界を極限的搾取と侵略戦争・帝国主義戦争の惨禍にたたき込み、一切の犠牲を労働者と被抑圧民族人民に押しつけ、人類を破滅させても自分だけは生き延びようとするのだ。しかし、労働者階級は、いったん敗北や困難に直面したとしても「血と硝煙」の中から不屈に決起し、人間解放の思想で団結して残虐なブルジョア支配をうち砕き、必ずやプロレタリア革命に勝利する。
 この点で労働者階級の自己変革性を鮮明にすることが重要である。つまり、労働者は階級対立の非和解性の中に存在し、倒すか倒されるかの関係としてブルジョアジーと対峙している。だからこそ、その解放は資本主義の全面的転覆以外になく、その中で階級支配のテコとしての差別・抑圧・分断と必死で格闘し、自己変革につぐ自己変革をやり抜いて被差別・被抑圧人民との間に信頼と団結を作りだし、プロレタリア独裁を形成していくのだ。
 諸戦線で闘う同志はこれまでの闘いを総括し、自らの中にマルクス主義についての弱さが決定的に存在したことを率直に認めなければならない。91年5月テーゼ以来の党内闘争、そして「党の革命」で突き出された核心問題は何か。唯一の革命的階級として労働者階級を措定し、労働者階級自己解放の共産主義的普遍性、自己変革性に確信をもってプロレタリア革命との結合・一体化をかちとっていく中に差別・抑圧からの真の解放の道があるという、マルクス主義の立場に諸戦線が立ちきっていなかったことである。
 与田ら一部指導部は、7・7思想を血債主義・糾弾主義に歪曲し、労働者階級の闘いと被差別・被抑圧人民の闘いが対立物であるかのように描き出し、5月テーゼ路線と単一党建設に敵対してきた。与田らの思想的路線的歪みとそのもとでの私党化−腐敗に対し、労働者同志が蜂起して打倒した。この「党の革命」こそ諸戦線の革命的再生をもたらす最大の援助であることをはっきりさせ、諸戦線の同志は今こそ「党の革命」を自らの闘いとして担い、単一党建設を推進しよう。
 本紙夏期特別号高原論文と07年7月テーゼは、91年5月テーゼ以来、「党の革命」以来の党内闘争をとらえ返し、7・7思想とその実践をマルクス主義人間解放−労働者自己解放闘争における不可欠の一環として鮮明に位置づけた。この提起を真っ向から受け止め、一致して闘おう。
 今日の激動情勢において帝国主義の差別・排外主義攻撃は極限的に激化している。これと全面的に対決して諸戦線の飛躍をかちとろう。動労千葉労働運動に心底学びきることが求められている。青年労働者・学生の決起に続き、階級的労働運動路線を自らの闘いとして実践しよう。被差別・被抑圧人民に向かってプロレタリア革命への合流を呼びかけ、11月労働者集会に大結集し、差別・抑圧・分断の元凶である帝国主義を打倒しよう。

 国際連帯を開いた動労千葉労働運動

 11月労働者集会が日米韓労働者階級の国際連帯闘争として闘われ、切り開かれている地平を主体的にとらえることが決定的に求められている。何よりも動労千葉がマルクス主義の立場で階級的労働運動を実践し、その中で7・7思想を豊かに継承・発展させてきたことである。だからこそ動労千葉は、民主労総ソウル地域本部との連帯・団結を実現し、発展させているのだ。7・7思想の最高の到達地平として11月労働者集会があることをしっかり確認しよう。
 帝国主義は世界支配の形成過程で世界を抑圧民族と被抑圧民族に国家的・民族的に分断し、被抑圧諸国人民に対して植民地支配・侵略戦争においてすさまじい破壊、略奪、虐殺の民族抑圧を加えた。それは戦後も形を変えて新植民地主義支配として基本的に継続されてきた。
 米日帝の朝鮮侵略戦争が迫る今日、帝国主義国のプロレタリアートが被抑圧諸国人民の民族解放闘争に言葉だけでなく実践的に支援・連帯・防衛することが求められており、そこにおいて「抑圧民族のプロレタリアートが被抑圧民族に対して『償う』(レーニン)という思想と立場に立つことが重要」(7月テーゼ)なのである。
 まさに、動労千葉と民主労総ソウル本部はこうした抑圧民族と被抑圧民族の関係としてある。同時に、この両者は労働者階級として団結し、帝国主義による戦争と民営化・労組破壊攻撃との対決という共通の課題を闘っている。ここにはレーニン・ボルシェビキがロシア革命に勝利し、世界革命に向かう過程で必死に格闘した帝国主義における民族・植民地問題に対する今日的な実践的回答がある。つまり、プロレタリア革命は本質的に世界革命としてあり、そこへむかって国際プロレタリアート人民がいかにして帝国主義による抑圧民族と被抑圧民族への分断をうち破り、一体となって闘えるのかという問題である。
 その根幹は、資本主義(帝国主義)はブルジョアジーとプロレタリアートの階級対立を基礎にした最後の階級社会であり、これを転覆するプロレタリア革命によって一切の階級支配を世界的に廃絶することができるというマルクス主義的確信である。プロレタリアートを唯一の革命的階級とし、すべての被支配階級人民はプロレタリアートのもとに団結、連帯し、一緒になって帝国主義と闘うことができるという確信である。そこには被抑圧諸国人民の究極的解放が帝国主義打倒の世界革命にあることがすえられている。
 その上でレーニンは、被抑圧民族が受けてきた民族抑圧の凄惨(せいさん)な歴史的現実を踏まえ、帝国主義抑圧民族が血債的立場に立つことを階級的信義にかかわる責務として明確にし、民族自決の原則をうち立てたのである。また、日本労働者人民と在日朝鮮・中国−アジア人民との連帯、団結をはじめ、帝国主義内部における抑圧民族と被抑圧民族との関係についても本質的に同じことが言える。
 だが、こうしたレーニンとロシア労働者階級の闘いは、スターリン主義によって無残に解体され、世界革命の放棄と一国社会主義へと変質させられてしまった。スターリン主義は労働者自己解放を否定し、暴力的に圧殺して、労働者の上に「党」をおき労働者を革命の付属物にすることをもって、ロシア革命の勝利とその世界革命への発展の道を閉ざしてしまったのだ。また、当時ロシア革命と並んで決定的位置を占めていたドイツ革命が社会民主主義の裏切りによって血の海に沈められたことも、重大な事態であった。
 以来、労働者階級の闘いは全世界ですさまじい苦難の歴史を余儀なくされた。しかし、1930年代や戦後革命期をはじめ帝国主義が繰り返し危機を爆発させる中で、労働者階級は自己解放性を発揮して幾度も決起してきた。その必死の格闘は、スターリン主義と社会民主主義から決別した真の革命的労働者党を建設する闘いを核心としつつ、文字どおりマルクス主義・レーニン主義の復権と実践をかけた労働者階級自身の闘いとして今日まで貫かれている。
 動労千葉の存在と闘いをこのような歴史的過程においてとらえ返すことが重要である。「日本の労働者階級は、スターリン主義と社会民主主義のもとで日帝のアジア侵略・戦争に屈服し敗北してきた結果として、帝国主義的民族排外主義に直接・間接に汚染されてしまった」(07年7月テーゼ)。この苦難に満ちた歴史的現実をなんとしても乗りこえようとする、労働者階級の思想的路線的格闘の精華として動労千葉労働運動があり、その生きた実践として民主労総ソウル本部との国際連帯闘争が生み出されているのだ。
 この闘いこそレーニンとロシア労働者階級が切り開いたプロレタリア世界革命を復権し、勝利させていく道だ。11月集会をまさにそういう闘いとして爆発させよう。

 単一の階級として革命に向けて団結

 74〜75年恐慌によって基本矛盾を爆発させた帝国主義は、80年代以降、「新自由主義」攻撃をもって国内的・対外的に階級戦争を強め、全世界で植民地主義的侵略政策を展開した。労働者階級と被抑圧諸国人民に矛盾と犠牲を強制して自己の延命を図ろうとするものであり、それは今日さらに激化している。労組破壊、労働運動解体がこの攻撃の核心である。
 日本では中曽根の国鉄分割・民営化−総評解体に対して体制内労働運動が総屈服する中、動労千葉が唯一これと対決した。一方、韓国労働者階級は87年労働者大闘争を経て、御用労組=韓国労総から決別して民主労総結成へと突き進んだ。さらに、アメリカ労働者階級はAFL−CIO(アメリカ労働総同盟・産別会議)などの制動をうち破って労働運動の「第2の高揚期」をつくりだした。
 日米韓の労働者階級が米帝のイラク侵略戦争の泥沼化の中で、イラク反戦を媒介に階級として結合し、団結したことは画歴史的なことである。このことをとおしてわれわれは、プロレタリア革命を実現する単一の階級として団結できることを示し、その道を大きく切り開いてきたのだ。
 「労働者階級の特殊的な階級的解放が、同時に全人間の普遍的な解放であること。ここにプロレタリア自己解放闘争の最も重要な核心がある。その意味において今日、ブルジョアジーの支配と闘っているすべての人民の中で労働者階級だけが真に革命的階級である。他の諸階級・諸階層の人民は、労働者階級の解放の中にこそ自らの究極的解放があることを直視し、労働者階級の立場に自らを立たせ、労働者階級と一体となって闘うこと(階級移行すること)によって、プロレタリア革命の一翼を形成するものとなっていくのである」(7月テーゼ)
 この思想と路線を今こそ全面的に実践し、11・4大結集をかちとろう。

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週刊『前進』(2315号5面2)(2007/10/15 )

 関西トランスポート

 解雇無効の勝利判決

 神戸地裁 全員の労働者性を認める

 神戸地方裁判所第6民事部の山本正道裁判官は9月28日、関西トランスポート解雇事件に対して、@4人全員の労働者性を認め、A組合加入を動機とする解雇は無効、Bバックペイと今後毎月の賃金支払い、B旧3役員の組合への慰謝料の支払いを命ずる画期的な勝利判決を下しました。
 裁判官の主文読み上げに対し、原告席の組合員と傍聴の支援は「やった」「よしっ」とガッツポーズと固い握手。組合は勝利集会を開き、判決を掲げて記念写真を撮りました。2年3カ月の闘いが報われ、全員晴れ晴れした顔でした。
 「個人事業主」とされ一片の解約通告で不当解雇されてから2年3カ月、一切の労働者保護法制のらち外とされてきた関トラ分会の労働者は、兵庫県労働委員会の勝利命令に続き、この勝利判決によって、ゆうパック小包配達労働者への「偽装請負」「偽装雇用」による不当解雇を完全にぶち破ったのです。
 05年3月、兵庫県加古川郵便局で小包の配達を受託していた関西トランスポート会社に働く労働者が関西合同労組に結集して組合を結成して闘いを開始しました。しかし郵政公社と関西トランスポート会社は、「委託契約の解約」の通知という卑劣なやりかたで、全員解雇の暴挙に出ました。
 関西トランスポート分会は、ストライキを2波にわたって闘いました。神戸地裁の仮処分決定では、4人の内、2人の労働者性が認められませんでしたが、地方労働委員会では4人全員を労働者と認めました。今回の神戸地裁判決では、地労委に続き4人全員の労働者性を認め、解雇を無効としたのです。さらに取締役を辞任して逃亡した旧経営陣・田中一族についても、損害賠償命令を下しました。しかし、残念ながら、「偽装請負」「偽装雇用」の元凶、加古川郵便局、郵政公社の使用者責任、不当労働行為は認めませんでした。
 「偽装請負」「偽装雇用」が横行する郵便小包配達や運輸労働者の無権利状態や不安定雇用の蔓延(まんえん)に対して、この勝利は画期的な意味を持っています。バイク便運転手に「労働者と認める」という厚労省見解と関トラ判決は、非正規雇用の現状を打ち破る闘いへ武器になります。この勝利は闘う青年労働者へのエールです。
 関トラ分会の仲間は、郵政民営化の初日の10月1日、大阪中央郵便局前に朝から登場して民営化に抗議するJPU本務労働者の闘いに合流しました。約20人が「民営化反対」の横断幕を掲げ、リレートークとビラまきを行いました。
 関トラ分会の闘いは、郵政民営化と闘う本務労働者との共同闘争でもあります。職場の正規・非正規労働者の大きな団結をつくり出し、郵政民営化に反撃していきたいと思います。
 (投稿/関西合同労組T・K)
【写真】 郵政民営化の初日、闘う全逓労働者と大阪中郵前で「民営化反対」の声をあげる関トラ分会(10月1日)

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週刊『前進』(2315号5面3)(2007/10/15 )

 イギリス 郵便労働者が全国スト

 4万人首切り合理化に反対

 イギリスの郵便労働者が11年ぶりに全国ストライキを行っている。13万人の郵便労働者を組織する通信労働者組合(CWU)が郵便事業会社ロイヤル・メールが提示した賃上げ案と合理化計画に反対しているのだ。

 ローリング・スト

 10月4日昼からのストライキは10日の午前3時にいったん終わった。しかし英労働組合会議(TUC)を交えて再開された労使交渉が決裂。労組は次週ローリング・ストを始めると予告した。
 ローリング・ストは、いろいろな職種の労働者が異なった部署で次々と持ち場を離れる。月曜(15日)に国内長距離向け普通仕分け局83局と空港6局で数千人の労働者がストに入る。火曜に配達局1500局と地方仕分け局13局でストを行う。水曜から都市間輸送トラック・バンの運転手4千人が24時間ストに入る。木曜にデータ入力センター3局、ロンドン・ヒースロー空港の世界配送センターの数千人がストに入る。個々の労働者が1日ストをやるだけで最大限の効果が出る。
 ロイヤル・メールは1日に8千万個の郵便物を扱う。この5日間のストで損失は260万ポンド(約6億円/1ポンド=230円)、滞貨は2億個に上り、仕分け局に積み上がっている。今回のストは20年で最大だ。
 多くの企業がロイヤル・メールとの契約をやめて他社との契約に切り替えつつある。政府は、ロイヤル・メールはストを中止しなければ最後の信用と顧客を失うだろうと脅している。だが、これは支配階級の悲鳴でしかない。今回の郵便ストは84〜85年炭鉱ストを想起させる。
【写真】 10月初旬、2度にわたる48時間ストに立ち上がったイギリスの郵便労働者たち

 民営化との闘い

 英郵便労働者の闘いは日本と同様、郵政民営化との対決である。イギリスでは昨年、郵便事業の完全自由化が完了した。ロイヤル・メールは他社との競争でシェアを40%も失った。
 ロイヤル・メールの経営側は、今後5年間の事業計画案の大枠を公表した。3億5千万ポンドの経費節減、企業年金の確定拠出型への転換、従業員持ち株制導入などだ。3月、経営側は2・5%の賃上げと600ポンドの一時金の支給、週末配達の縮小、業務開始時刻の遅延、空いた時間に他の業務を行う労働パターンなどを提示した。
 経営側は、多くの労働者が6時間働いた後の2時間遊んでいるとか、他社の労働者はロイヤル・メールの労働者よりも25%賃金が低いが40%も生産性が高いと主張する。
 組合は賃上げ率が全国平均の賃金上昇率4・1%に達せず、労働が前近代的に強化され、業務縮小案が4万人もの雇用削減をもたらすとして提案を拒否した。交渉が数カ月に及ぶなか、労組は全国ストのスト権投票を実施、8割近くの支持を得て、6月29日と7月12日の2回の24時間全面ストを敢行した。さらに8月初旬までに全国の配達局や仕分け局などで2週間の部分ストを行った。
 ストの影響で滞った郵便物の処理などをめぐって、スコットランドの各都市やロンドン、オックスフォードなど多くの地域で非公認(山猫)ストが闘われた。集配は全国で停滞、一部地域では完全停止した。
 こうした中で9月初めに労使交渉が再開されたが、再び難航し、10月のスト突入に至ったのだ。
 (藤沢明彦)

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週刊『前進』(2315号6面1)(2007/10/15 )

団結ひろば 投稿コーナー

 11・4へ闘い進む 感動的な9・30WAin広島 広大 柳下麻衣

 9月30日、青年労働者・学生を中心とした50人が広島市中央公民館に集まり、11月集会1万人結集に向けた全員の総決起を訴える、力強く感動的な集会を開きました。
 冒頭、9・29ワーカーズアクションin池袋に参加した広大生が開会あいさつ。「12万沖縄労働者階級の歴史的決起と一体でかちとられたワーカーズアクションin池袋を引き継いで、11月集会1万人結集の一翼を広島の青年労働者と学生が断固担おう」と訴えました。
 続いて郵政労働者が特別報告に立ち、翌日からの郵政民営化を迎え撃つ決意を表明しました。
 広島連帯ユニオンの青年労働者が基調報告を行い、「自分の怒りで革命情勢をアジり、動労千葉の闘いを自分の職場・学園で開始しよう」と11月勝利の核心を提起。
 青年労働者からのアピールが本当に感動的でした。「きょうは地域の新しい青年労働者と一緒に来ています」(教育労働者)、「8・6ヒロシマのデモで労働運動が本当に素晴らしいと思った。階級的労働運動のバイブル『俺たちは鉄路に生きる3』を学習し、1万結集へ」(医療労働者)、「すでに○○人、職場から11月集会への参加が決まっています」(医療労働者)、「地域の非正規労働者とともに闘って11月集会までのぼりつめていきたい」(解同全国連青年部)、「まずひとりが動き出すこと。自分の中の壁を打ち壊そう」(国鉄労働者)、「労働者を抑圧する労組指導部は許せない。仲間を引きつけられる楽しいと思える労働組合にしたい」(自治体労働者)。11月集会へ向けた決意が豊かに熱く語られました。
 広大生も渾身(こんしん)のアピール。「全学連大会をへて一人ひとりが生まれ変わった。キャンパスで11月への決起を真剣に訴え、広大に革命的権力を樹立する」
 原爆ドーム前から本通り商店街をデモし、参加者一同腹を固めきりました(写真)。機は熟した。労働者・学生の中に飛びこんでいきたい。

 11・4へ闘い進む 青年が牽引したWAin岡山 岡山 喜多見渓

 10月8日、Workers  Action in岡山が岡山市内で取り組まれ、青年・学生を先頭に30人が結集し、11・4全国労働者総決起集会の1万人決起の一翼を担う決意を全体で固めました。(写真)
 青年労働者の司会で始まった集会で、自治体労働者が、動労千葉派として登場したことに対する組合中央の統制と闘う決意を明らかにし、全逓労働者は、「全郵政との組織統合をねらう全逓本部は許せない」との怒りを示しました。
 かつて全専売で闘った退職労働者は、「やろうと決めたことを実践に移すためにはまず組合中央と闘わなければならなかったが、自分たちは確信をもってやってきた」と、体制内労働運動との対決にのり出した私たちに熱いエールを送りました。
 学生が「弾圧・処分で逆に学生の団結が広がっている。11・4の1万人結集で革命をやろう」と元気よく訴え、最後に登壇したゆうメイトの青年は、「僕たちがストライキに立ち上がれば社会は止まる。社会の主人公は僕たちだ。動労千葉に学んで、自分も闘えることを確信した」と11・4決起を呼びかけました。
 集会の後、メッセージボードを手に市内繁華街のデモ行進。初めてデモ指揮をやる青年労働者を先頭に、集会の企画・運営からデモ行進まで青年労働者・学生のエネルギーが全体を牽引(けんいん)しました。参加者一人ひとりが今度は組織者になって、11・4まで残り4週間の闘いに踏み出しています。

 11・4へ闘い進む 出た!『団結パンチ』第3号 学生 村雨省吾

 やっと出ました『団結パンチ』第3号。今回の注目記事は、やっぱり第3回公判の傍聴記ですね。私も傍聴しましたが、こんな痛快な裁判はありませんでした。裁かれているのは、被告席の新井君、友部君ではなく学生部職員・猪脇でした。
 法廷で流されたビデオは、校舎の窓から学生の顔を隠し撮りしているえげつない映像。そして、逮捕前から公安警察に拘束され無抵抗な友部君に、猪脇が「最低なヤツ!」「狂ってるな!」(ママ)と罵詈(ばり)雑言を投げかけている映像でした。これまでくだらないと思っていた法大当局でしたが、人間的にも完全に腐っている! 
公判の最後には裁判官に泣き言を垂れる猪脇。「勝負あった!」と思いました。
 他の記事では、鎌田雅志さんの獄中体験記も含蓄があって読みごたえがありました。
 獄中通信『団結パンチ』の問い合わせ先は、3・14法大弾圧を許さない法大生の会、または救援連絡センター。

 11・4へ闘い進む 職場の仲間と初の三里塚! 東京・青年労働者 辻中徹夫

 10月7日の三里塚の集会は、自分にとっては、特別な日になりました。
 農地を守る闘い。自分の目で見て、肌で感じました。すぐ真上を飛ぶ飛行機、フェンスで囲まれた畑、権力の数、私は圧倒されてしまいました。
 41年闘い続けて、今も権力に負けていない!
命を懸けて闘い続ける意味がわかりました。三里塚に行く前に「大地の乱」のビデオを見ました。人を人として思わない機動隊の暴力! あらゆる手段を使って農地を取り上げる国のやり方に怒りを感じました。
 三里塚・辺野古・砂川・広島・沖縄……闘いは、勉強するだけではダメなんだ! 出来る限り現地に行って参加して、共に闘う事が大切だ!
 仲間の発言を聞いているうちにテンションが上がっていき、「農民・労働者・学生……階級にとらわれず、この国を変えてやると思った仲間が共に闘えば、絶対に今の世の中を変えられる!」と確信しました。
 権力側は、私たちを恐れ万全な体制で来てたみたいだが、「そんなの関係ね〜!」なんて気持ちでデモをやりました。あのデモを笑顔と手拍子で迎えてくれた三里塚の人たちの顔は、忘れられません。
 そして、この三里塚に新たに職場の仲間が参加してくれたのが、すごいうれしかったです。あきらめずに自分の考えを語ってきたことで、仲間が立ち上がってくれたのです。彼も「今日の集会に来て良かった。元気になれたし、この人たちなら信じられる」。その言葉を聞いた時は熱くなってしまいました。
 でも、ここで満足してはダメなのです。職場・地域には、まだ立ち上がれてない人たちが、まだまだたくさんいます。残りわずかだけど、職場で闘い、仲間を増やし、11・4の1万人集会では、私たちの力を見せ付けてやりましょう!

 闘う動労千葉の提起に学ぶ 岐阜 松本開

 10月7日、百万人署名運動・岐阜連絡会主催で「動労千葉の報告集会」が開かれました。
 動労千葉特別執行委員の滝口誠さんから「動労千葉は今の時代をどうとらえ、どう闘おうとしているのか」と題する講演を受けました。その後、参加者の自己紹介や岐阜連絡会から地元での9条改憲反対・署名活動の取り組みなどの報告がありました。
 重要だと思ったのは、現在のように新自由主義政策が吹き荒れる中で同様の問題はあらゆる職種に存在しており、レール破断などに対する安全闘争はあらゆる職場から巻き起こさなければならないことです。また、今の時代に意気軒昂(けんこう)と闘うためには、「帝国主義の危機の時代は、労働者階級にとってチャンスなんだ!」という時代認識でした。
 動労千葉の講演集会は岐阜では初めてだそうですが、11月1万人結集に向けて、岐阜の地からも仲間の労働者とともに参加していくぞ! そんな意気上がる集会でした。

 根津さん囲み熱気みなぎる 東京・三多摩 熊谷伸吉

 10月4日、八王子労政会館で「首切り・賃下げぶっとばせ! 根津さん、河原井さんを解雇させるな! 三多摩労働者集会」が、11月全国労働者集会・三多摩実行委員会主催で開催され、60人が結集しました。
 主催者の金属労働者が「安倍を倒した勢いで、三多摩の労働者の総決起をかちとろう」とあいさつし、「君が代」不起立で停職6カ月の処分を受けた根津公子さんがアピールしました。(写真)
 根津さんは、「10月1日に職場復帰したが、あと半年のカウントダウンだと思っている。教員はほとんど『日の丸・君が代』強制は反対だが、立って歌う。これでは子どもたちはそれが当たり前と思ってしまう。だから私は立てない」「不起立する教員が続々出てこないとこの流れは止まらない」と訴えました。
 根津さんの決意にこたえて、自治体労働者が「新市長によるリストラ攻撃と闘わない組合と対決する」、都高教組合員は「明日の都庁前行動を闘い、アメリカの教育労働者と連帯して11・3〜4集会の高揚をもって、来春解雇をさせない闘いをつくり出す」と発言。
 今年6月結成の合同労組から活気ある報告。バス会社の解雇者が「不当解雇撤回まで闘う」、大手スーパーの清掃労働者は「ビラまきをしたらお客さんから『会社はひどいね』と激励された」、最後に執行委員が「会社に突っ込みたい気持ち。毎日忙しいが充実している」とまとめました。
 医療労働者が「派遣労働者がイジメで雇い止めになった。この問題を取り組まない組合に対し署名を集めて闘ってる」、さらに国鉄労働者、電機労働者、倒産攻撃と対決して闘う金属労働者が決意を語りました。
 最後に、動労千葉の後藤俊哉特別執行委員が「11・4に1万人の労働者を集めよう」と熱烈にアピールしました。
 今あらゆる職場から怒りが噴き上がっています。この怒りを11・4日比谷に集めれば社会が動く。団結ガンバローには、その確信と熱気がみなぎっていました。

 国際連帯の木が巨大に成長 東京 杉山博史

 動労千葉を支援する会のホームページで10月5日にサンフランシスコで闘われた日本領事館前闘争の動画が紹介されています。プラカードには、英語で「国際教師デー/日本の反戦教師に手を出すな」「アメリカの教師は根津公子さん・河原井純子さんとその闘いを支援する」などと書かれています。日本語のプラカードもあります。
 今アメリカでは、日本の「日の丸・君が代」不起立闘争に対する支援が続々と広がっています。AFT2121(サンフランシスコ市立大学教職員組合、1100人)、サンフランシスコ労組評議会(=地区労、10万人)、オークランド教組(2000人)、ロサンゼルス統一教組(4万3000人)などです。
 7月に日本の教育労働者が訪米して訴えてからわずか2〜3カ月でアメリカの闘う労働者の心をつかんでいます。
 しかも11・4には、アメリカで「校内の軍国主義に反対する連合」をつくって「生徒を軍隊に渡さない」闘いを果敢に展開している教育労働者の代表が参加します。韓国の教育労働者も来るそうです。7月の訪米でまかれた種から今、ファシスト石原に立ち向かう巨大な国際連帯の木が成長しています。

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週刊『前進』(2315号6面2)(2007/10/15 )

 10・5横浜 かながわ労働者総行動

 11月大結集へデモ

 11・4全国労働者集会へ、神奈川から大きなうねりが開始された。
 10月5日、神奈川労組交流センターと合同労組かながわ組合員を先頭とする闘う仲間は、1日行動をうちぬいた。
 労働局に対してグッドウィルの二重派遣・賃金未払い問題についての行政責任を追及する申し入れを行い、続いて全面ストを続ける米労組支援の国際連帯闘争として、野中貿易への申し入れを行った。
 続いて開かれた総決起集会では、現場から闘いを開始した労働者が次々と登壇した。
 司会の労働者が「安倍を倒したのはわれわれ労働者の力だ。この力に確信を持とう!」とあいさつ。動労水戸の辻川慎一副委員長が熱のこもった講演を行い、「資本主義は末期だ。すべてを破壊した。ついに革命の時代が到来した。革命を指導する労働運動のリーダーが必要だ。とりわけ青年労働者が鍵(かぎ)を握っている。青年を先頭に11・4へ大結集しよう! 組織化に立ち上がろう!」と訴えた。
 動労千葉の清水匠執行委員は、「平成採2名が動労千葉に加入した」と報告し、これを突破口に組織拡大へ進撃する決意を述べた。
 全逓、自治労、日教組、国労、合同労組の労働者が立ち、「自分たちが変われば、職場は必ず変わる。自分がリーダーになるという立場、決意が必要だ」「自分の職場を闘いの拠点にする」と報告・決意を述べた。
 この後、夜の伊勢佐木町へ向けデモに出発。圧倒的な注目の集まる中で、イセザキモールをぶちぬくデモを貫徹した。
 現場には怒りが充満している。これほどの帝国主義の危機のもとで、体制内労働運動指導部は労働者の闘う力をまったく信じていない。こういう連中にとって代わり、われわれが労働運動を絶対に牽引(けんいん)する。怒りと団結を組織し、11月1万人結集へ進撃するぞ!
 (投稿/立木 尚)
【写真】 「職場から革命おこそう!」(10月5日 横浜)

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週刊『前進』(2315号6面3)(2007/10/15 )

 9・29沖縄県民大会に参加して

 教科書と新基地阻止 全沖縄の怒りが結合

 沖縄・名護 大津五郎

 9月29日、沖縄県民大会に私は辺野古の「命を守る会」と「テント村」の仲間たちと一緒に参加しました。辺野古で長年、新基地建設を阻止しているおじい、おばあたちも「戦世(いくさゆ)を子や孫の世代にくり返してはならない」という辺野古闘争の原点にかけて大勢参加しました。
 辺野古テント村では、大会参加者向けに辺野古闘争への参加を呼びかける1万枚のチラシを用意しました。会場直前、バスは大渋滞で立ち往生。「こうなりゃ会場まで歩きながらチラシをまいて行こう!」とバスを飛び出した。歩いて会場に到着、「辺野古から来ました! ご支援をお願いします!」と呼びかけながら1万枚まききりました。大波のようにやって来る参加者は、辺野古のビラと気づくと我も我もと手を差し出します。沖縄中の怒りと辺野古がしっかりつながっていると感じた瞬間でした。
    ◇
 とにかく老若男女、あらゆる世代が沖縄中から集まりました。そして参加者の集会へのすごい集中力です。12万人もいながら雑談する人がほとんどいない! ものすごい迫力! 教科書改ざんへの怒りがいかに深いかが伝わってきました。
 渡嘉敷島の「集団自決」で生き残った吉川嘉勝さんの発言が始まるとそこかしこで悔し涙をぬぐう姿が見られました。
 後ろに座っていた30代の夫婦の会話に思わず耳を澄ましてしまいました。夫が意を決したように「おれのおばあもよ、ガマ(天然の洞窟)にみんな隠れていたら日本軍がやってきて、出てけ!って追い払われたってよ。そこにいたらみんな助かったかもしれんのに、ガマから追い出されていっぱい流れ弾で死によったってよ! なんで断らんかったの?っておばあに聞いたら、そんなことしたら(日本軍に)殺されたよって」。妻は胸に抱いた赤ちゃんの頭をなでながら聞いていました。
 日帝の侵略戦争の矛盾を差別的にすべておっかぶせられた沖縄戦。そこで命を絶たれた20万人の県民の無念さ、「二度とあのむごい戦争をくり返すまい」という決意を継承する沖縄の人びとの怒りの爆発としてきょうの大会はあるんだなあと実感しました。
    ◇
 帰りのバスの車中で、「守る会」の富田晋さんが「きょうの県民大会は教科書改悪とともに辺野古新基地建設を筆頭に、高江へのヘリパッド新設強行や米軍再編による沖縄への基地押しつけに対する怒りと一体になって爆発したことをしっかりと確認しましょう」と提起すると、おばあたちから「そのとおりだねえ。頼もしいよ」と拍手がわき起こりました。
 また同時刻に東京・池袋で闘われたワーカーズアクションの集会・デモが県民大会との連帯を掲げて成功したことを紹介すると、バス内は拍手で包まれました。
 本土の労働者・学生の闘いに対する期待は高まっています。沖縄県民の歴史的な闘いにこたえる結集を11・4でなんとしても実現しましょう。
【写真】 9・29沖縄県民大会に陣取った命を守る会、二見以北10区の会、ヘリ基地反対協

 参加者の怒りの声

 沖縄戦の教訓は譲れない! 反戦地主 読谷村議会議員 知花昌一さん

  沖縄がなんでこんなに怒っているのか。それは沖縄戦の教訓の一つは軍隊は住民を守らないということ、そして二つめが教育の恐ろしさですよ。この二つの教訓が「日本軍による」という主語が削られることでねじ曲げられようとしている。これは譲れないものだ。
 95年にちょうどここでやった県民大会より多い。すごいよ、沖縄を僕はあらためて見直したよ。見直した!
 右翼も来ている。「つくる会」のようなやつらがビラをまいていたから、「お前ら、恥知らずにこんな所で何をやっているだ。おかしいじゃないか」と一喝してやった。それではぐれてしまったが、10年前と同じに子どもたちもみんなで来ましたよ!
【写真】 反戦地主・読谷村議会議員、知花昌一さん

 

 もうちょいで文科省倒せる 通信労働者 金城幸男さん

 やっと県民一丸となれた。もうちょいだ。もうちょいで文部科学省を倒せる。
 みんな沖縄戦で肉親を殺されている。もちろん戦争で死んだ人もいるが、自国の軍隊に強制的に殺された人も多い。
 きょうはおじい、おばあの参加が多い。僕の母もどこかに来ています。戦争体験者たちは、このままでは死ぬに死ねないですよ。
 あと20年もすれば体験者はいなくなるが、歴史を消し去ることはできない。過ちは過ちとして認め、そこから出発しなければ大変なことになる。

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