ZENSHIN 2007/09/03(No2309 p08)
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週刊『前進』(2309号1面1)(2007/09/03 )
安倍改造内閣打倒!秋期大攻勢へ
体制内労働運動を打ち破り青年・学生の怒りの総反乱を
団結し民営化絶対阻止へ闘おう
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(写真 日教組、自治労大会でビラまき 全国労組交流センターの労働者は日教組大会【写真上、8月27日 東京】と自治労大会【写真下、8月28日 岩手】で11月集会への結集を訴えた=詳報次号) |
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合港合同、国鉄千葉動力車労働組合の3労組が呼びかける11・4全国労働者総決起集会に向けた2カ月の闘いを、1万人結集の実現に向け、労働者階級の歴史的命運をかけて闘いぬこう。07年11月は、核心的にはプロレタリア世界革命の現実性が日々激しく成熟するただ中での闘いであり、1万人結集は、革命をめざすこの歴史的瞬間に革命の現実性を現実の革命に転化するための、決定的血路を切り開く闘いとしてある。プロレタリア革命・世界革命の歴史的帰趨(きすう)の一切がこれにかかっている。1万人結集実現に向け、退路を絶ち、まなじりを決して進撃しよう。
安倍改造内閣の絶望的危機
現代帝国主義は死の苦悶にのたうちまわっている。基軸帝国主義である米帝のイラク侵略戦争での決定的敗勢と、米住宅バブルの崩壊・世界金融危機が重なり、帝国主義世界体制がその基本矛盾を爆発させ、そのもとで革命的情勢が世界的に一挙に成熟しつつある。帝国主義は、もはや歴史的な一社会を形成し、存続していく生命力を持ってはいない。しかし、帝国主義はどんなに破産し、腐敗・腐朽し、混迷・分裂を深めようと、自ら世界支配の座を放棄することはない。帝国主義ブルジョアジーは、国内階級戦争と国際的な侵略戦争へのあがきと攻撃を強め、必死に延命しようとするのだ。
歴史的に帝国主義の「最弱の環」として存在する日帝は、世界金融危機に直撃され、かつ帝国主義間(大国間)争闘戦の重圧にあえいでいる。この間、日本の労働者階級は、一方的な資本攻勢の嵐と体制内労働運動の指導部の裏切りの中で、非常な困難を強いられてきた。しかし、参院選の結果が突きだしたことは、日帝ブルジョアジーへの労働者の階級的怒りの巨大さである。同時に、労働者は階級的覚醒を急激に強め、階級的自己解放・プロレタリア革命へと決定的決起を開始している。その先端には、青年労働者・学生の「労働運動の力で革命をやろう」「学生は団結しよう。労働者とともに革命をやろう」という、階級的自己解放の闘いが激しく脈打っている。
日帝・安倍は、8月27日に内閣・自民党役員の改造人事を行ったが、それは日帝の絶望的危機を打開するどころか、逆にますます深めるものでしかない。「戦後レジームからの脱却」「戦前への回帰」という反動的飛躍を行うにはあまりにも内外の危機は深く、その路線・政策は破産しているのだ。だが安倍は、ただただ支配階級としての激しい危機感と権力欲だけは持っている。だからこそ参院選惨敗を居直りつつ、派閥の領袖(りょうしゅう)や、ゴリゴリの極右改憲主義者たちをかき集めて改造人事を行い、戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃をさらに強めようとあがいているのだ。
安倍は「新しい内閣は、実際に着実に美しい国づくりに向けて政策を実行していく『政策実行内閣』だ」と言う。しかしそこには、改憲・戦争攻撃と同時に、労働者階級の団結を解体し、むき出しの階級支配で圧殺するしかない帝国主義・資本主義の末期的危機が示されている。またそれが労働者階級の決起を参院選以上に激しく巻き起こすことへの根底的恐怖がある。まさに安倍政権は、戦後革命の原点に回帰した「反革命クーデターかプロレタリア革命か」の前夜情勢にのたうちまわっているのだ。
階級的労働運動路線を今こそ徹底的に推進し、職場・生産点での労働組合をめぐる攻防に勝利し、労働者の革命的拠点をつくりだすことこそが死活的である。戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃をプロレタリア革命に転化すること、すなわち革命的情勢を白熱的なプロレタリア革命の爆発そのものへと現実化するために闘いぬこう。
帝国主義打倒へ革命の時代
基軸帝国主義・米帝の危機と没落は急激に進行している。これが帝国主義世界体制を根底的危機と崩壊にたたき込んでいる。そしてその割れ目から、労働者階級と被抑圧民族人民の革命的決起が次々と爆発している。革命的情勢が今や日々成熟してきている。
米住宅バブルの崩壊、サブプライムローンの焦げ付きと住宅ローン会社の破綻(はたん)から、欧米での金融市場の信用収縮に至る8月以来の過程は帝国主義の破滅的危機を劇的に明らかにした。しかも新自由主義とグローバリズムのもとで、住宅ローン債権が複雑な金融商品に組み込まれ、世界のどこにいくらあり、どこから危機が爆発するか、誰にも分らない。それがさらに信用不安・信用収縮を拡大する。現在の金融危機は、このような21世紀の新たな型の金融危機だ。「投資銀行はここ5〜6年間、生ゴミをきれいな箱に詰めて売るというビジネスで収益を確保してきた」(経済関係者)というのが、まさに暴かれた実態だ。
帝国主義世界経済は74―75年世界同時恐慌によって完全に行き詰まった。それを、一方で米帝に世界の資金を集中させ、ITバブルや住宅バブルなど人為的に投機に投機を重ねることによって延命してきた。他方で、レーガン、サッチャー、中曽根以来の労働組合破壊と徹底的な労働者階級からの収奪を極限的に行うことで生きのびた。労働者から賃金、仕事、福祉、生活や命すら奪う一方で、その金で経済のグローバル化などと言って、自分たちで制御できない金融システムを生み出し、しかもバブル崩壊―ドル暴落と世界大恐慌の危機と背中合わせで、マネーゲームに興じてきた。暴かれたのは資本主義の完全に腐り果てた姿だ。こんなものは直ちに労働者階級の手で打倒される以外にないものだ。
また同時に、イラク侵略戦争も絶望的に泥沼化し、米帝は敗勢・敗北を極めている。それがブッシュの政治的・体制的危機に完全に転化している。米軍の死者は、イラク新戦略による増派以降も増え続け、共和党内からも撤退論が噴出している。ブッシュは拒否権発動という強権に訴えない限り、派兵継続ができない危機だ。さらにマリキ政権は閣僚の半数が不在で、占領統治そのものも完全に崩壊している。
労働者階級の怒りと反乱が始まっている
こうした中で、今や資本主義を打倒する階級である労働者階級の、国際的大反乱が始まり、一個の軍勢として完全に登場してきている。
イラクでは、米帝の圧力で米英石油メジャーにイラク石油の略奪をほしいままにさせる新石油法が閣議決定された。だがこれに対し、約3万人の労働者で組織するイラク石油労組連合(IFOU)が新石油法を「米英メジャーによる新たな植民地的収奪」としてストライキに立ち上がった。マリキ政権は弾圧に踏み切ろうとしたが、スト現場に派遣されたイラク国軍は闘いの正義性に労働者を排除できない。イラク労働者階級の闘いが、イラク占領統治と米帝ブッシュを追いつめている。
アメリカの労働運動は歴史上「第2の高揚局面」を迎え、フランスではサルコジの内政改革に反撃して、ゼネストと大デモが闘われようとしている。韓国流通資本・イーランドに対する非正規職の女性労働者たちの職場占拠闘争は「『労働者は一つだ』の叫びがどれほど勇気を要するか/身をもって証言する彼女たちはどんな花よりも尊い」という、労働者階級としての誇りに満ちた闘いとして継続している。日本においても、参院選で示された労働者階級・農民の怒りと大反乱が、この全世界の闘いと合流し、一つになり、帝国主義打倒までさらに激しく爆発していくことは間違いない。
11月大集会の死活的な意義
体制内労働運動と最後的に決別し、それを根底的にのりこえて、階級的潮流としての労働運動・労働組合運動を職場・生産点から本格的につくりだすこと。ここにこそ11月集会に向かっての実践の最も決定的な核心がある。
07年11月集会への1万人結集とは、革命的情勢の急接近が体制内か体制打倒かを非和解的に突きつける中での、労働者階級の生死をかけた攻防としてある。それは体制内派との激突をとおして、階級の指導部を生み出し、2000万人の青年労働者、6000万人の労働者階級全体を獲得し、日本革命と世界革命を主体的に一挙に引き寄せる支配階級との大党派闘争なのだ。
労働者のギリギリの生存権すらも否定し、労働者を「ゴミ」扱いする安倍政権と御手洗ら資本家連中に、頭を垂れ、折り合いをつける体制内労働運動がどうして労働者階級の団結をつくりだすことができるか! 逆にこれを弾劾し、闘うことこそが唯一、団結をつくりだすのだ。労働者階級の怒りはいたるところで充満し、職場・学園で一人でも断固として立ち上がれば、一挙に闘いが燃え広がる時代が、今まさに訪れているのだ。
すでに闘いは始まっている。「労働運動の力で革命をやろう」を掲げて3・18―6・9の集会・デモを闘いぬいた青年労働者・学生が、職場・生産点で体制内労働運動と激突し、弾圧や処分を恐れぬ闘いに決起することによって団結を拡大している。
8・6広島で不起立を呼びかけた青年労働者は、自分の決意を次のように語った。「闘えずに我慢する団結じゃなくて、闘ってこその団結を俺はつくりたいと思います」「不起立して気づいたことがあります。それまではビクビクしていました。でも座った瞬間、この闘う気持ちよさ。ほんとびっくりしたんですけども、うわぁと開けたんです。自分も生きているって感じられたんです」と。また当局・組合一体となった弾圧と闘う青年労働者は、「職場で資本と非和解に闘う中で、仲間を信じる、そして信じられる力を身につけてきた」とも語っている。
ここに貫かれているものは何か。それは仲間への、そして労働者階級への絶大な信頼だ。「弾圧こそチャンス」と言い切れる核心がここにある。そして自分が資本と非和解で闘い、労働者としての生き方を貫いてこそ、本当に仲間を信じることができるし、自己解放的に決起できる。むしろ資本や体制内労働運動の支配を意識的にぶち破ってこそ、処分・弾圧を恐れぬ闘いを貫ける。自分が闘わないで屈服していることを、「労働者は闘っても勝てない」と労働者階級の責任にして合理化する体制内労働運動指導部をぶち破る実践が荒々しく開始されているのだ。この闘いに絶対に続こう!
職場・学園からの1万人決起の条件は、今や満ちあふれている。参院選に示された怒りがある。「日の丸・君が代」不起立闘争を闘う教育労働者、ボーナス返納を拒否する社会保険庁労働者1000人の闘いなど、どれもクビをかけた闘いが始まっている。何よりも大恐慌情勢への突入は、2000万人のロストジェネレーションの世代のみならず、全労働者階級をより一層の労働地獄にたたきこむものとなる。労働者階級の怒りがますます深く、ますます激しく爆発していくことは不可避だ。帝国主義は、もはやこれを押しとどめることは絶対にできない。
労働者階級の決起を確信し、まず自分自身が立つことだ。4大産別を先頭に、職場・学園で断固勝負しよう。
07年11月労働者集会とは、また同時に4大産別を先頭とする6000万労働者、2000万の青年労働者、さらに全国300万学生の中に、動労千葉のように闘う一大潮流をつくりだし、階級の指導部を次々と生み出し、闘う労働組合のナショナルセンターを展望する闘いである。
そして同時にそれは、日米韓の労働運動の革命的潮流が国境を越えて団結し、国際的な単一の軍勢となって、21世紀のプロレタリア世界革命を決定的に切り開く闘いでもあるのだ。
『俺鉄3』から学び尽くそう
ここにおいて、労働者学習センター発行の『俺たちは鉄路に生きる3』は、動労千葉労働運動を実践し、11月1万人結集に向けて闘いぬいていくうえで、現場活動家の宝のような実践的教訓にあふれている。
全編をつうじて、動労千葉が確立してきた反合・運転保安闘争路線が、今、労働運動に問われている課題を打開するための核心的な指針として、しかも33人もの組合員、OB組合員の実践的経験と教訓として語られている。
一方で、新自由主義政策のもと交通・運輸、教育、医療・福祉などあらゆる分野で、資本の飽くなき利潤追求の結果、「生命」「安全」「事故」問題が噴出している。そして職場は滅茶苦茶にされている。他方で、既成労働運動は一線を越えた屈服を進行させ、資本・当局と一体になって労働者に矛盾を集中する役割を果たしている。
この中で動労千葉が確立してきた反合・運転保安闘争は、労働者の団結をつくり、体制内労働運動をのりこえて労働組合運動をよみがえらせる、極めて豊かで具体的・実践的教訓を提起する。
反合・運転保安闘争は、事故と安全をめぐって、労働者と資本は非和解的な対立関係にあることをあいまいさなく鮮明にさせた。この資本との非和解性こそ労働者の階級的団結の出発点だ。そして「事故」という組合員の切実な課題をとおして、労働組合の団結を具体的・実践的につくりだしてきたのである。“職場の怒りを体現し、現場の視点を絶対に失わない感覚が重要な原点”として語られている。
とりわけその核心には、運転保安の闘いを反合理化闘争として闘い、組合員の団結を守りぬくことで、合理化と闘えず団結を崩されてきた体制内労働運動の限界を完全に突破し、闘う路線を確立してきたということがある。
まさにそこから、「職種が違おうと、どんな条件の差があろうと、動労千葉のような闘いはできる」と確信できる。この『俺たちは鉄路に生きる3』から学び尽くし、実践し、11月1万人結集の決定的な武器としよう。
さらに9月11日に開会する臨時国会は決定的だ。「対テロ特措法」延長を絶対に許すな。11月1日期限切れに向けた延長阻止の闘いは、11月集会への闘いと一体であり、国際連帯闘争としても決定的だ。憲法審査会の発足・審議を阻止し、改憲阻止決戦を攻勢的・進攻的に切り開こう。
9・15〜17全学連大会の歴史的成功へ学生は全力で進撃しよう。
さらに9・29ワーカーズアクション
池袋の集会・デモに総決起しよう。これは処分を恐れぬ闘いと団結で郵政民営化をぶっ飛ばす決戦と一体であり、かつ11月への最大最高の総決起集会である。この成否に11月1万人結集の実現もかかっているのだ。
沖縄戦での軍の「集団自決」強制をめぐる教科書検定意見撤回へ、9・29沖縄県民大会を大爆発させよう。
マル青労同、マル学同の各1000人建設をかけて11月へ進撃しよう!
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週刊『前進』(2309号1面2)(2007/09/03 )
9・29ワーカーズアクション第1回実行委員会
資本に今こそ逆襲を
白熱討論 “弾圧は団結のチャンス”
8月27日、「9・29ワーカーズアクション
in 池袋」の第1回実行委員会が開催された。(写真)
まず、事務局の青年労働者が基調を提起した。
「資本の恫喝、組合本部の制動をはねのけて、青年労働者が職場や街頭で始めた総反乱が労働者の怒りと結びつき、安倍・御手洗を追い詰めている。今こそみんなで逆襲を始めよう。『資本家の時代は終わった。労働者に権力をよこせ』――これが9・29集会の核心だ。”資本と非和解で闘えば弾圧が団結のチャンスになる”と言い切り、仲間の決起を信じて闘おう」
この提起を受け、次々と青年労働者や学生が発言に立った。
「私たちが資本と非和解で闘い正義を貫くことによって、弾圧をかけてくる向こうの不正義がみんなに分かる。資本の支配に労働者が従うことによってしかこの社会は成り立たない。その支配と非和解で闘うことだけがこの社会を変える力だ」
「会社と組合が一緒になって処分と解雇攻撃をかけてきた。だけど逆に一緒に闘う仲間がすごく増えてきた。自分が解雇になってもこの闘いは続くと確信する」
「広島の闘いをとおして、引っ張られる側から革命を牽引(けんいん)する側に回りたいなって思った」
「今もとらわれている2人の学生を奪還する闘いが11月労働者集会への結集の大きな力になる」
どの発言者も職場・キャンパスや街頭での激しい闘いをとおして、団結して闘うことのすばらしさを実感していた。
最後に織田陽介全学連委員長がまとめを行った。「時代観で勝負しよう。支配のやり方をめぐって支配階級が分裂し、崩壊を始めている。この時こそ世界を揺るがす闘いをやろう。私たちが開き直り百パーセント怒ればいいんです」
資本や当局への怒りをたたきつけ、一切のあいまいさをぶっ飛ばして職場に革命的分岐をまきおこそう。それが9・29の大成功から11月1万人結集を実現するカギだ。
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週刊『前進』(2309号2面1)(2007/09/03 )
東大阪市議選 さかぐち候補の必勝へ
階級的労働運動路線と7月テーゼで団結を固めて総決起しよう
革共同東大阪地区委員会
9月23日に投票日を迎える東大阪市議選は、定数46(前回から4減)に59人が立候補予定の大激戦となった。すでに選挙戦は最終盤戦に突入し、部落解放同盟全国連合会荒本支部や労働組合を先頭に総力をあげた決起が始まっている。しかし勝敗はギリギリの攻防にある。階級的労働運動路線と07年7月テーゼの真価をかけて、絶対当選のために総決起しよう。
さかぐち克己候補(46歳)
東大阪市議会議員/東大阪国保と健康を守る会事務局長/反戦・反核、平和と暮らしを守る東大阪市民の会事務局長/住民医療と診療所を守る会顧問/関西合同労組大阪東部支部顧問/部落解放同盟全国連合会荒本支部支部長
「6・13弾圧」はね返し革命の旗掲げ登場する
この選挙戦は、7月参議院選を引き継ぎ、プロレタリア革命を切り開いていく闘いである。7月参議院選において、労働者階級人民の「生きさせろ」という抑えがたい怒りが噴出した。それは労働者階級が、もはや改良ではなく革命を、護憲ではなく革命を求めていることをはっきりと突き出した。自公与党を歴史的惨敗に追いやった、若者を先頭にした労働者の民主党への投票は、安倍打倒の意志表示でありその行動の始まりである。
東大阪市議選は、さかぐち克己議員(候補)を先頭にして、地区党(革共同)がこの情勢に切り込み、本物の革命に転化していく闘いである。階級的労働運動を主軸としたプロレタリア革命の隊列を鮮烈に登場させ、真っ向から革命を呼びかける闘いなのである。それゆえ、この選挙戦は、11月1万人結集の決定的一翼をなすものだ。
日帝・国家権力はこの選挙の持つ意味を誰よりも自覚して、選挙戦そのものを壊滅させようとして「6・13弾圧」に踏み込んできた。これは全国連荒本支部を解体し、荒本支部と党との団結を破壊し、そして党そのものを解体しようとする大弾圧であった。
このなかで問われているのは、真っ正面からプロレタリア革命の旗印を掲げて登場するということである。階級的労働運動路線を打ち立て、本物のマルクス主義の党として登場するということだ。弾圧との闘い、選挙戦を立ち上げる過程そのものが、こうした主体的な変革をギリギリと問う過程であった。
だが「負けてたまるか」「勝つためなら何でもやる」という階級的執念が、困難をのりこえる武器となった。そして、弾圧との闘いと選挙戦を立ち上げる渦中で、党と階級の主体的団結をうち固め、単一の意志(路線)を形成するために自覚的に闘い、単一の党として自らをうち立てつつある。
こうして、この選挙は、単一の地区党(革共同)が、部落解放運動をめぐる日帝・国家権力との激しい攻防、高齢者の生きる権利をかけた闘いなど、全階級的な課題を引き受け、その勝利に指導責任をとる歴史的な闘いとなっている。階級的労働運動を土台として、全体を一個の階級的団結のもとに融合させ、その力で選挙の勝利をもぎりとる道筋が切りひらかれているのだ。
こうしてわれわれはなんとか情勢に間に合い、空前の激戦を制して勝利できる戦闘的確信に燃えている。だが、問題は時間との闘いである。本当に時間がたりない。勝利をかちとるために、全党の同志、全国の支持者の総決起と熱いご支援を心から訴える。
選挙戦の政治的柱は民営化反対である。
東大阪市の日本共産党・長尾市長はいまや安倍の先兵となって、民営化攻撃を推し進めている。文字どおり「ゆりかごから墓場まで」、市を丸ごと民営化するすさまじさだ。
東大阪丸ごと民営化と対決
この民営化プランはもともと前市長によってつくられたものであり、長尾は市長選においてこの民営化プランに反対して当選した。ところが、長尾は市長になったとたんに民営化プランを「尊重し、実行する」と言い、前自民党市長でさえ実行できなかったことをごりごりと推し進めているのだ。ここにこそ日本共産党の本質が示されている。
民営化攻撃は公務員制度改革をテコとする地方自治解体攻撃と一体で襲いかかっている。安倍は「戦後レジームからの脱却」を掲げ、地方自治を解体し道州制を導入しようとしている。改憲攻撃そのものだ。
また、民営化攻撃は労働組合の団結を破壊する。東大阪市の場合、05年4167人の職員を5年間で3491人に減らすという。なんと6人に1人がクビなのだ。そして期限付任用職員など不安定雇用の労働者にドンドン置き換えている。他方で、ライン職とスタッフ職のいわゆる「複線型人事制度」の導入が検討されている。民間委託の場合も契約は基本的に3年。その都度委託料が見直され、労働者全体を食えなくしていくのだ。
長尾市長は「お金がない高齢者は早く死ね」という本質がよりむき出しとなった後期高齢者医療制度(来年4月から開始)にも賛成し、率先して推進している。
民営化反対か、推進か――これこそが東大阪市議選の本当の争点であり、労働者階級と全住民の選択の軸である。同和事業全廃=部落差別攻撃も民営化の一環であり、その水路なのだ。この意味で、この選挙は「民営化反対のさかぐち対民営化賛成の全候補」という構図の闘いであり、1対58の闘いなのだ。
だが、ここにこそ勝利の原動力がある。労働者階級の「生きさせろ」という根源的な怒りの矛先と「打倒したい」という対象こそ、民営化の攻撃そのものだからだ。
労働組合が先頭に立ち平和診療所廃止を阻め
こうした民営化攻撃の本質を最も鋭く示すものこそ、荒本平和診療所廃止攻撃である。地域医療の拠点となって荒本と周辺地域住民の命と健康を守りぬいてきた診療所に対して、長尾市長は今年3月にいきなり補助金を打ち切り、事務長と看護師を暴力的に引き揚げた。命を預かる職場だということもまったく配慮しない、命さえ平然と切り捨てるやり方だ。
長尾市長は、あろうことかこれを「同和のムダ使いをなくした」自分の業績だと強調している。部落差別の扇動をテコとして民営化を強行しようとする差別主義そのものである。
だが、これに対して、全国連荒本支部とともに荒本平和診療所労組が真っ向から立ちはだかっている。95年、当時の清水市長は近くに新たな市立病院が建設されたのを理由に診療所を廃止しようとした。このとき診療所労組が結成され、「住民医療と診療所を守る会」(守る会)の住民とともに廃止攻撃を阻止し、自分たちの力で今日まで守りぬいてきた。
今回、長尾市政との闘いの中で、若い青年労働者が労組委員長を引き受けて決起し、荒本支部、守る会とともに闘いが開始された。診療所廃止反対の署名はまたたく間に3000筆が集まった。市長との話し合いを求める労組や守る会に対して、市行政は門前払い、2度目には「警察を呼ぶぞ」と脅してきた。
だが、「絶対にひっくり返してやる」と、闘いの中で労働者、労働組合は日々鍛えられ団結をうち固めてきた。診療所労組を支え、ともに闘おうと、関西合同労組、八尾北医療センター労組、教育労働者、自治体現業などの労働者が結束し始めている。そして、この労働運動の勢力が「労働者と一緒に地域医療と診療所を守り、介護や医療制度改悪と闘う議員が絶対に必要だ」「この選挙は自分自身の選挙だ」と、選挙闘争全体の土台、推進軸となる勢力へと成長しつつある。
(写真 【上】事務所開きで選挙戦にかけた熱い決意を語るさかぐち克己候補。【下】駆けつけた支持者はこぶしを突き上げ必勝を誓い合った【8月19日 東大阪市】)
荒本支部・国健会の奮闘にこたえて最終盤戦へ
今や、選挙戦は終盤戦に突入している。残り3週間は、一日一日が蜂起の過程である。
全国連荒本支部は、長尾市長を先兵とした全国連絶滅=荒本支部の解体という攻撃に対して、この選挙を「村の議席を守る」というあり方を超えて、「荒本支部による村の完全な統一で長尾市政を打倒する」ものとして位置づけ闘っている。そして、延べ30カ所にものぼる村内での「さかぐち囲む会」の開催、3波にわたる村内練り歩き、全力で住民オルグなどに立ち上がっている。
「東大阪国保と健康を守る会」(国健会)は、7月14日の総会において、安倍政権による改憲と社会保障切り捨ての政治と対決し、「もうあれこれの減免や制度改革やない」「革命をやろう」と熱烈に宣言し、国健会の存亡をかけて選挙を闘うことを決定した。そして、連日の街頭宣伝、ビラまきオルグなど、猛暑をものともせず体力の限界をも超えて決起し、選対本部全体を限りなく鼓舞し激励している。
8月19日には、さかぐち事務所の事務所開きが行われた。8月21日からは、市内7カ所の会場において、今回で実に25回目を数える「反戦親子映画会」が「反戦・反核、平和と暮らしを守る東大阪市民の会」によって開催された。9月2日には、選挙戦の全勢力を結集して、「いまこそ悪政にとどめを!」東大阪大行動が取り組まれ、労働組合を主軸として、荒本支部、国健会など全勢力が一体となって終盤戦を闘いぬく戦闘宣言が発せられた。
だが、勝敗の一切は当選の二文字にかかっている。そのために、みなぎる階級的戦闘性を発揮しなければならない。労働組合、荒本支部、国健会の奮闘にこたえ、今こそ党の総力をあげてともに勝利をかちとるために総決起しよう。
八尾市議選の勝利は、東大阪市議選の勝利でこそ完遂する。荒本支部という全国連の大拠点、解放運動の全国情勢を決する攻防の軸点をなす巨大な領域を単一の地区委員会が背負う。マルクス主義の党、本物の革命党になるということだ。「党の革命」のひとつの到達点として、断固として勝利を闘いとろう。
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週刊『前進』(2309号2面2)(2007/09/03 )
闘う全逓の再生へ 全国の職場からの報告A
10・1民営化−10・22全逓解体に反撃しよう
東京 完全に潮目は変わったぞ 民営化絶対反対を貫こう
中郵の銀座移転攻撃と対決
10月民営化へ向かう中で、職場の矛盾は一層深まっています。現在でも全国で約1万5000人の要員不足で、まともな業務運行もままならない状況にあります。
そんな中で強行されようとしている民営化とは、私たちから公務員の身分保障を奪うことによって、リストラ社会をさらに加速させるということです。だから民営化攻撃とはすべての労働者にかけられた攻撃であり、青年労働者の仲間をさらなる非正規雇用と貧困にたたき込む攻撃です。「生きさせろ」の叫びにこたえる闘いは、郵政民営化絶対反対を職場で貫き闘うということです。
10月1日をどういう構えで迎えるのかということが重要です。闘いの宣言を発しなければ、多忙化の中で自分たち自身も日常に流されてしまいます。これまで代議員選でわれわれに一票を投じてくれた組合員に対し、ここでこそどう責任をとるのかということです。最後まで原則を貫く闘いをやって10・1民営化を迎え撃とう。
(写真 東京中央郵便局【東京駅南口】)
全逓中郵支部破壊する攻撃
民営化を前にして、東京中央郵便局の高層ビル化にともなう移転計画が出ています。2008年3月以降、東京中郵の郵便機能を銀座郵便局に移す、というものです。大阪中郵とともに駅前の一等地を「高度利用する」というのが名目です。
これはまず何より、政府・安倍の意をくんだ全逓中郵支部への組織破壊攻撃そのものです。
全逓運動の中には「天下の中郵」と言われてきた歴史があります。1947年2・1ゼネストにのぼり詰める過程、当時の全逓の中央闘争委員会の全体会議は、青年行動隊が傍聴者として会場をびっしり取り巻き、右派と左派がゼネストをやるか、中止するのかの大論争になっていました。この中で、ある中央闘争委員が「この闘いで、世界の労働者が正義と自由と権利のために闘っていることを知ってくれるなら、私は喜んで死んでいく」と発言。この発言が会場の空気を変えて、採決の結果、スト決行が56対16の圧倒的多数で決定されたのです。青年行動隊は「全逓はやるぞ」と飛び出し、国労の中央闘争委員会の会議の会場に駆けつけたのです。
この闘いの中軸を担ったのが全逓中郵なのです。その後も全逓中郵の支部大会は、「全国大会に次ぐ決議機関」と言われてきました。全逓会館を埋め尽くす代議員や傍聴者をつねに出すほどの組織だったのです。
政府・安倍は民営化攻撃によって、全逓中郵の闘いとその歴史までも消し去りたいのです。まさに労組解体の攻撃です。
組合的団結で現場の反撃を
二つ目にこの計画は、民営化すると同時に局舎を高層ビルにして、不動産業でボロ儲(もう)けしようということです。そのために、本来業務であったはずの郵便事業はよそでやれ、ということです。これによる業務混乱は間違いありません。「10・1以降もサービスは維持します」などと30億円も使って全戸配布している冊子の内容はまったくのウソです。
これまでも公社は「民営化を進めるためには、国民に気づかれないようにどうやってサービスを低下させるかだ」と公言してきました。これが移転計画にはっきりと現れています。東京中郵は、ビジネス街、官庁街にあって、それらの機能を維持する分野を引き受けてきました。これを頭から否定し、働く労働者の誇りすら奪うものです。
この移転を許せば、いったい職場や組合的団結はどうなってしまうのか。ここで一人ひとりがバラバラにされたら敵の思うつぼです。ここでどれだけ団結して反撃できるかがカギです。
JPU本部は移転計画を認めています。今回の参院選でも民主党支持に組合員を組織しておきながら、その民主党が「民営化凍結法案」を出したら、「あれは民主党のパフォーマンスだ」と笑っているだけなのです。
これまでもJPU中央の裏切りによって、どれだけ現場の組合員は痛みを受けてきたのか。人事交流という名の強制配転攻撃に始まり、効率化という名のもとでのアクションプランを始めとする人員削減などあらゆる合理化が「組合主導」とさえ言える形でやられてきました。現場組合員の怒りは渦巻いています。しかし、立ち上がれば当局と一体となった体制内指導部による弾圧にさらされる、という中で汲々(きゅうきゅう)としていたのです。
しかし完全に潮目は変わりました。JPU本部が民営化や東京中郵の移転を認めようが、自民党を惨敗に追い込んだ労働者大衆の声は「民営化反対」なのです。2年前の10月21日、渋谷の宮下公園で発した私たちの体制内労働運動との決別宣言が、ついに労働者全体の怒りと結びついて敵を追い詰めているのです。世論はわれわれ現場に味方しています。東京中郵で働く現場の仲間とともに、「銀座移転反対」を東京の全逓労働者全体の声として10・22臨時全国大会で訴えよう。
最後に、小泉改革とそれを引き継ぐ安倍政権に現場からの怒りをたたきつけて、積年の恨みを晴らしたい。現場の怒りの集約点を11・4全国労働者総決起集会に結びつけたい。そして首都・東京で1万人の怒りのデモをやるぞ!
(横井達也)
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週刊『前進』(2309号2面3)(2007/09/03 )
国労5・27臨大闘争弾圧公判日程
第81回 9月5日(水)/第82回 9月26日(水)
第83回 10月10日(水)/第84回 10月31日(水)
※いずれも午後1時15分から、東京地裁
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週刊『前進』(2309号3面1)(2007/09/03 )
対テロ特措法の延長阻止を
海自はインド洋から撤退せよ
職場から今秋国会闘争に
テロ対策特別措置法(対テロ特措法)延長法案が9月10日前後から開かれる臨時国会の最大の焦点になる。民主党は延長法案反対の姿勢を明らかにしているが、医療や食料支援など民生支援の対案の提出を検討している。安倍政権の対テロ特措法延長を阻むのは労働者の闘いだ。対テロ特措法延長を阻止し、インド洋から自衛隊艦隊を撤退させよう。
(写真 インド洋で給油中の補給艦「とわだ」【右)。後方は警戒に当たる海自護衛艦)
臨時国会の最焦点闘って必ず廃案へ
対テロ特措法は、01年9・11を受けて米帝ブッシュ政権がアフガニスタン侵略戦争に突入したのに対し、日帝が憲法の制約を踏み破って、この侵略戦争に参戦するために強行した法律である。このもとで海上自衛隊はのべ59隻の艦船と1万600人の人員を派兵し、米英など11カ国の艦船に761回にわたって総計48万`リットルの燃料を供給してきた。
小沢・民主党が対テロ特措法の延長に反対姿勢を明らかにしていることから、安倍政権は臨時国会をこの対テロ特措法一本に絞って延長法案を成立させようと焦っている。対テロ特措法延長案をめぐる国会審議は、野党が参議院で過半数を占め、民主党が議長を握っていることから、衆議院で可決されても参議院で時間をかけて審議し、時間切れ廃案に追い込むことは十分可能な状況である。
だが、民主党は、参議院で否決して衆議院に回し、政府・自民党が3分の2以上の賛成を得られるかどうかを見る方針だとも言われており、予断を許さない状況だ。
もともと小沢の戦略は、国連中心主義を掲げながら対米対抗を貫き、日帝を戦争のできる帝国主義として登場させようというもので、労働者人民の立場とは相入れない。労働者人民の決起で対テロ特措法延長法案を阻止することが求められている。
米帝ブッシュ政権は、日本で対テロ特措法の期限切れでインド洋に展開している自衛隊が、派兵の根拠となる法律を失って撤退することに危機感を募らせている。
米政府は、9月8日からオーストラリアで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)でブッシュが安倍に直接要請することを明らかにしている。だが8月8日にシーファー駐日米大使が小沢と会談した際に「英国やパキスタンが参加できなくなる」と説得を試みたが、小沢は「直接的に米軍などの行動を安保理で権威づけする国連決議はない」として反対する姿勢を示している。
安倍政権はこの状況をのりきる見通しをまったく持っていないのだ。
米帝の戦争支える自衛隊の給油作戦
自衛隊がインド洋からの撤退に追い込まれることは、日帝にとって決定的な危機であるだけでなく、米帝にとっても政治的、軍事的に決定的な危機に陥る事態だ。
アフガニスタンではタリバンが大きく勢力を伸ばしており、米・NATO(北大西洋条約機構)軍はタリバンの大部隊に包囲され、圧倒される事態が度重なっている。そのたびに米軍の空爆作戦で英軍などを救出しているが、米軍の無差別空爆で多くのアフガニスタン人民が犠牲になり、人民の怒りが高まっている。
米軍が発表した数でも今年に入って米軍空爆の犠牲になったアフガニスタンの住民は600人を超えており、これはタリバンのゲリラ戦争の巻き添えになった犠牲者の数を大きく超える。
このように無差別空爆に頼ってかろうじて米英軍がアフガニスタンで拠点を維持する中で、自衛隊艦隊がインド洋から撤退することはアフガニスタンでの戦争体制が維持できない危機を意味する。自衛隊が撤退した場合、給油作戦の能力は米軍以外では英軍しかなく、米帝は一層の危機に立たされる。
イラク、アフガニスタン両戦線に地上軍を派兵し参戦している英帝は、両戦線の泥沼化で軍事的危機と政治的危機にあえいでいる。英軍はイラクの戦線から抜け出そうとする動きを強めている。英軍はイラク占領当初、4万人の軍隊を派兵し、四つの州の軍事制圧を担っていた。しかし、すでに三つの州をイラク治安部隊に責任を任せ、バスラについてもイラク政府に権限を委譲する作業を進めている。軍隊の駐留規模も5500人に縮小している。
これに対して米軍のキーン司令官は「英国はイラク南部に十分な兵力を持ったことがない」と批判し、英軍撤退の動きを牽制(けんせい)している。8月27日に新首相のブラウンが、野党の撤退時期をはっきり示せという要求に、「撤退の時期はバスラの状況による」として拒否した。だが、これも撤退するという余地を残したものだ。
米英関係がこれ以上悪化すれば、米帝は世界戦略的にも決定的な打撃を受ける。この中で日帝が自衛隊をインド洋から引き揚げる事態になれば、米帝はまさに瀬戸際に追いつめられる。
世界大恐慌突入情勢の中で、米帝がイラク、アフガニスタンでこれ以上の危機に立てば、帝国主義世界体制全体が崩壊的危機に突入する。今や世界革命に向けた決定的なチャンスが訪れている。臨時国会での対テロ特措法の延長を阻止し、11・4集会の大結集へ奮闘しよう。
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週刊『前進』(2309号3面2)(2007/09/03 )
海自がヘリ空母 「敵地」攻撃も可能
北朝鮮想定し爆弾投下訓練
海上自衛隊が巨大なヘリ空母を建造している。09年3月に就役する予定で8月23日に進水した「ひゅうが」(写真)だ。
近く退役するヘリコプター搭載護衛艦の後継とされる。だが、排水量は約3倍の1万3500d、全長197bの全通甲板を持つ。英国やイタリアが保有する軽空母とほぼ同じ規模だ。まぎれもない「ヘリ空母」だ。2隻目の建造も決まっている。
ヘリコプター3機を搭載できた従来艦に比べ、約4倍のヘリを搭載。実際の能力はそれ以上とも言われる。ヘリ作戦能力を大きく向上させ、高度な指揮通信能力を持ち、洋上での航空作戦ができる。陸自や空自のヘリも運用する。陸自の特殊部隊を載せたヘリや空自の攻撃用ヘリを搭載したこのヘリ空母が朝鮮半島や中国周辺で作戦展開することも可能なのだ。
防衛省は「攻撃型にはあたらない。大規模災害など多用な事態に対応」と言い訳している。だが、これは対外作戦を担う機動部隊の中核であり、侵略戦争用空母だ。
航空自衛隊は6月に、グアム島から240`北方の孤島で500ポンド(約227`)爆弾を投下する訓練を行った。訓練から1カ月後の7月23日のニューヨーク・タイムズ紙の報道で明らかになった。
爆弾投下訓練は、6月10日から23日まで2週間にわたって空自と米空軍が行った日米共同訓練の最終日に実施された。青森県にある三沢基地のF2戦闘機8機などが参加していた。
訓練内容がグアム島から240`離れた孤島への爆弾投下と、そこからの帰還だったため、北朝鮮に爆弾を投下し、帰還するという想定で行われた、と同紙は解説している。
これが安倍の進める「戦後レジームからの脱却」の自衛隊における恐るべき実態なのだ。
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週刊『前進』(2309号3面3)(2007/09/03 )
岩手 自治労青年部総会で宣伝
革命の訴えに手応え
自治労青年部の第52回定期総会が8月26、27日、岩手県民会館で開かれた。東北地方の労働者と東北大学の学生らは、「社会保険庁解体阻止、職員解雇反対」「労働運動の力で革命やろう」を訴え、ビラや6・9ワーカーズアクションの報告集を配布した。
「安倍は年金問題のすべての責任を労働者に押しつけようとしている」「労働者の団結で革命をやろう。生産を握っている労働者が団結すれば勝利できる」「資本や当局と折り合いをつける体制内指導部と闘おう」と訴え、署名や『前進』の販売を行った。
多くの青年部員から「自分も一時金返納はおかしいと思う」「まんが版『俺たちは鉄路に生きる』を読みました」などの反応。6・9報告集がほぼ全員の手にわたり、会場で食い入るように読む青年労働者の姿もあった。翌日も「こういう運動が必要ですね。すごい迫力」との感想も出た。(写真 改憲反対の署名に応じる自治労の青年部員)
2日間で改憲反対の署名が150筆以上、『前進』が14部、『俺たちは鉄路に生きる3』が3部販売された。11月労働者集会1万人結集に向かって大きな扉が切り開かれた。青年労働者は怒り、行動方針を求めている。革命を語り、労働者は必ず勝利することを確信を持って語ろう。東北の自治体労働者は1万人結集の先頭で闘う。ともにがんばろう。
(仙台A)
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週刊『前進』(2309号3面4)(2007/09/03 )
危機と居直り安倍改造内閣 延命を許さず打ち倒せ
8月27日、安倍改造内閣が発足した。参院選惨敗から約1カ月、恥ずべき居直りを決めこんだ安倍政権は政治的求心力を失って迷走を続け、実質的には機能停止状態に陥ってきた。その取り戻しをかけ起死回生を図った内閣改造も、労働者階級人民の怒りを収束するどころか、逆に政治的危機を一層際立たせるものとなった。
8月29日に公表された商業新聞各紙の世論調査でも、安倍の支持率は30%台から40%内外に低迷し、不支持率は50〜60%台、この秋の臨時国会で最大の焦点になる「対テロ特措法」の延長についても、反対が50%を超えた。「安倍は辞めるべきだ」という声も過半数に達している。
参院選に示された安倍自公政権への労働者と農民の巨大な根底的怒りは、収まるどころかいよいよ激しく噴出している。今こそ労働者階級人民の力で、危機と居直りの安倍政権を打倒する時だ。
●「構造改革」路線の大破産
労働者人民は、参院選で安倍の言う「戦後レジームからの脱却」と小泉政権以来の「構造改革」路線に巨大なノーを突きつけた。「構造改革」とは労働者を徹底した格差と貧困に突き落とし、一握りの資本家階級だけを肥え太らせるものであり、また農民と地方を徹底的に切り捨て、生きていけない状態を強制するものであることが、もはやごまかしようもなく明らかになったからだ。このことに対する労働者や農民の怒りは、断じて「一過性」のものではない。
労働者や農民の怒りの大きさに直面した自民党は、自ら参院選の総括として「いまや郡部の防波堤は決壊した。都市部との格差や置き去り感から、地方の反乱というべき猛烈な反発が広がっている」と言わざるを得ない状態だ。
まず今回の内閣改造で、政権のかなめをなす官房長官に自民党の元通産相・与謝野馨が就任した。これは、安倍の掲げる改革路線が、これまでどおりには貫徹できなくなったことを意味する。更迭された塩崎恭久前官房長官や中川秀直前自民党幹事長らが「構造改革によって経済成長を加速させる」と主張し増税をぎりぎりまで回避しようとしてきたのに対して、与謝野は「財政再建重視」を唱え、消費税増税への踏み込みを小泉政権時代から唱えてきた人物だ。その与謝野が新官房長官に座ったことは、「成長力加速」を前面に押し出した骨太方針Zが、早くも破産し、手直しを余儀なくされたということでもある。
とはいえ、日帝にとって小泉以来の新自由主義的な「構造改革」路線の強行以外には、いかなる延命の道もない。だからむしろ「増税も辞さずに財政再建を」と叫ぶ与謝野が内閣を主導することは、消費税大幅アップを始めとする大衆収奪の強化と、公務員労働者への首切り攻撃がより激化することを意味しているのだ。
しかし、それがさらに労働者階級人民の大きな怒りを引き出すことは不可避である。安倍改造内閣は、グラグラになりつつ政治危機を一層爆発させ、労働者人民のますます燃えさかる怒りに迎え撃たれるほかにない運命にある。
●「対テロ特措法」延長阻止を
さらに外相に町村信孝、防衛相に高村正彦を据えた人事は、明らかに「対テロ特措法」延長に向けた超反動的シフトだ。派閥の領袖クラスにこうしたポストをあてがうことで、安倍はなんとしても秋の臨時国会で「対テロ特措法」延長を押し通そうとしている。
これは今秋、労働者階級人民と安倍政権とが大激突する重大テーマだ。この攻撃を阻むのは、労働者階級の闘いだ。労働者階級の団結と闘いだけが、安倍の戦争・改憲の野望に立ちはだかることができるのだ。
小沢民主党は一応は「対テロ特措法」の延長に反対と言っている。だが、そもそも小沢は「国連中心主義」を唱え、国連安保理決議に基づくものなら自衛隊の海外派兵を積極的に推進する立場に立っている。実際にも、彼らは米帝との激突を恐れながら、海上自衛隊による補給活動に代わる新たな「アフガニスタン人道支援」=侵略戦争協力を探り始めている。
こうした情勢の中で、社民党や日本共産党のように「護憲」を唱えるだけでは太刀打ちできないことも、参院選は容赦なく突き出した。侵略戦争をしなければ生き延びられない帝国主義を打ち倒す立場に立ってこそ、労働者階級は安倍の攻撃と対決できるのだ。
●労働者の決起で安倍を倒せ
他方で、安倍は今回の内閣改造に伴って、自民党幹事長に麻生太郎、政調会長に石原伸晃らをあて、自民党執行部を自己の固い支持者で固めた。前総務相の最大の安倍側近・菅義偉は党選挙対策総局長に収まった。これは、明らかに近い将来に不可避な衆院解散・総選挙をにらんだ人事だ。
安倍は、強引に政権に居座りながらも、ひとつ間違えれば解散・総選挙に追い込まれることに身構えている。自民党自身が「次期国政選挙で国民の支持と理解を得ることは極めて困難」(参院選総括委員会)と言うように、それは安倍にとっての命取りになる。
まさに今、帝国主義は体制崩壊の危機に直面している。米住宅バブルの崩壊とサブプライムローンの焦げ付きに端を発した新型金融危機が噴き出す中で、日帝・安倍もどん詰まりの危機にある。
いよいよ労働者階級の力で安倍政権もろとも帝国主義を倒す時代が訪れた。その最大の決戦場は11・4労働者集会だ。職場から怒りの声を上げ、行動を組織し、1万人大結集を絶対に実現しよう。
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週刊『前進』(2309号3面5)(2007/09/03 )
地方自治破壊・200万人首切りと闘う自治体労働者
D闘いを否定する自治労連
職場闘争で組合を変える
階級性否定の「全体の奉仕者」論
「労働運動の力で革命をやろう」という青年労働者・学生が「8月6日は原爆が落とされた悲しむべき日ではなく、真に核を止めるために、社会を変えるために闘いを開始する日です」とアピールしたことに感動した。私たち労働者階級が帝国主義を打倒し、核と戦争をぶっ止める時が到来しているのである。
自治体労働者こそ先頭で革命に決起しよう。安倍政権がなぜ自治体労働者を攻撃するのか。その核心は、統治機構の内部に巨万の労働者が労働組合を結成している事実にある。支配階級は、革命情勢でそれが革命権力に転化してしまうことに恐怖を抱いているのだ。
自治体労働者が階級的労働運動で労働現場を制圧し、帝国主義の統治機構を制圧することができれば、それは帝国主義打倒・プロレタリア革命の拠点に転化する。そのような革命への執念と情熱をもって自らの職場での闘いをこじ開けよう。
(写真 8月22日まで行われた自治労連第29回大会【神戸市)。「全体の奉仕者」論に基づく「民主的な公務員制度」の確立などを主張した)
自治労連運動は体制内主義
自治労連は結成当時、「自治労分裂に反対」という批判に対して、「連合は資本家べったりの労働組合だ。われわれは階級的再生をめざしていく」と正当化した。それから約20年、自治労連のどこに階級的再生の姿があるのか。
彼らは職場闘争を徹底して否定する。「全体の奉仕者」論で当局と自治体労働者の階級関係を否定し、住民へのサービスを説く。職場闘争の問題はほとんど展開しない。
自治労連の労働組合運動とは「要求による団結」である。当局と労組幹部による交渉で「折り合い」をつけ、いくらかのおこぼれで労働組合支配権を維持する徹底した体制内労働組合主義である。
多くの組合員は「労働組合費=掛け金」と考えている。だから帝国主義が労働者を食べさせることができなくなり、公務員バッシングや地方自治解体攻撃が激化したとき、どんどん脱退している。今や職場の過半数を維持できず、組合幹部中枢から逃亡者が続出、当局との交渉権すらも風前のともしびだ。
一方で、労働現場での闘いの否定をカバーするために制度政策要求の署名運動が提起される。しかし、それも自治労連が少数分裂組合で、国との交渉権を十分に確保できないため、共産党の国会議員の紹介による話し合いに終わる。
職場にもうんざりするほどの署名用紙が回ってくるが、こうした署名運動は、職場闘争の放棄を意味するので到底受け入れられない。結果的に署名すらも集まらない。ついに執行部は各種署名すら回さなくなっている。
自治労連が風前のともしびになるのも、日本共産党の指導・路線の結果である。社保庁解体攻撃に対して、全労連も現場では組合員個々人で対応と称して「一時金返納」に応じている。断じて許せない。だが自治体労働者は公務員バッシングや民営化攻撃などにけっして納得していない。労働者魂を失ったわけでもない。むしろ労働者階級としての誇りを取り戻し、歴史的使命を自覚したとき、驚くべき組織力と戦闘性を発揮するだろう。
問題は闘う路線と展望であり、階級的労働運動をやり遂げるだけの指導部の形成だ。闘う指導部は労働現場での熱い闘いの渦中で形成される。
職場の支配権をめぐる闘い
労働現場が当局と体制内労働組合による制圧下にあっても、私たちは自らの労働組合運動に生命力を与えてきた。その原動力は、動労千葉に続こうとする階級的潮流の存在と職場闘争の展開にあった。
80〜90年代における国家権力の不当な強制捜査、当局による処分や配転攻撃、組合執行部による過激派キャンペーンや処分攻撃などと、三里塚・動労千葉を結集軸にしてその基礎をつくった階級的潮流は不屈に闘ってきた。どんな弾圧をもはねのけることができたのは、動労千葉労働運動への確信と、そのもとに団結を維持し、労働者に依拠して闘い続けてきたからだ。
こうした実践の教訓から、階級的労働運動路線に基づいて労働現場で闘えば労働組合運動の階級的な再生を必ず成し遂げることができると確信している。
いま自治体職場は地方自治解体攻撃の渦中にある。公務員バッシング=労働組合解体攻撃、民営化攻撃、人事評価攻撃など、闘うべき課題は山積みだ。労働者の怒りも極限的に高まっている。だから、どんな職場でも闘う勇気と情熱があれば、必ず労働者の闘いは火を噴く。しかし逆に、いま労働現場で闘わなければ労働者の怒りは不信と絶望に転化する。その意味で、私たちには「いま、決起する」ことが問われているのである。
職場闘争こそ改憲との闘い
労働現場での労働者の職場支配権が増大すればするほど、政治的な問題や未来社会についての議論が活発になる。それが労働者の政治的な決起へとつながっていく。
参院選での自民党の歴史的大敗は、労働者階級をかつてなく活性化させている。安倍―御手洗がぐらぐらであることを実感している。労働者と農民の怒りの噴出が、戦後の階級支配を崩壊させる政治危機・体制的危機が大爆発していく時代が始まった。戦争と改憲、地方自治解体と労組解体の攻撃への大反撃が開始されたのだ。
自治体労働者の現場での闘いは、改憲攻撃と真っ向から闘うことを意味する。労働者は自ら労働現場で闘うことで最大の力を発揮するのだ。
現場で闘いを巻き起こし、そこから11月労働者集会に1万人の闘う労働者を組織しよう。とりわけ青年労働者の熱烈な決起をかちとろう。体制内労働運動を打倒する階級的労働運動の指導部を飛躍的に誕生させよう。
(関東・伏木紀夫)
〔シリーズ終わり〕
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週刊『前進』(2309号4面1)(2007/09/03 )
動労千葉のように闘って11月1万人結集を絶対実現しよう
これまでのありかたと決別し体制変革の闘いに踏み出そう
田中康宏動労千葉委員長に聞く
11・4全国労働者総決起集会まで、いよいよ残りあと2カ月となった。内外の根底的な激動の中で、11月労働者集会への1万人結集はあらゆる状況を突き動かす決定的なテコとなることは間違いない。呼びかけ3労組(関西生コン支部、港合同、動労千葉)の中心になって奮闘する動労千葉・田中康宏委員長に、動労千葉のこの間の闘いの教訓、11月労働者集会に向けた課題と展望を大いに語っていただいた。(聞き手/本紙・沢井隆)
革命的な時代認識 地殻変動が起きている
――今年の11月集会をとりまく情勢をどう見ておられますか。
いま明らかに地殻変動的に事態が動こうとしています。この時代認識を、あらゆる議論の土台にしないといけない。情勢を正面から見すえ、今どういう飛躍をしなければいけないのかを明確にして、本当に画然とこれまでと違うものとしてわれわれが登場できるかどうかが問われています。
参院選で自民党がボロ負けし、他方、アメリカでは株価が暴落、ドル暴落―世界恐慌という事態が目前に迫っています。世界経済全体がグラグラになり、米欧日の帝国主義が何十兆円という金をつぎ込んでも危機が収まらない。端的に言えば、資本主義―帝国主義体制の末期的な危機ですよ。逆に言えば、歴史的な社会変革の時代が始まっているということです。
参院選について言えば、政策の失敗による一時的な浮き沈みなどじゃまったくないですよね。自民党が結党以来の危機に立ち、支持基盤としての地方の農村地帯、一人区で地滑り的に大敗している。
あるいは政府・自民党は、参院選に向けて徹底的な労組破壊攻撃をやりましたが、誰もそういう扇動に乗らなかった。かといって民主党に期待しているという雰囲気はどこにもない。「とにかく安倍は許せねぇ!」という票がいったん民主党に集中しただけです。
この怒りの声を共産党も社民党もまったく吸収できてない。この間、「構造改革」と言ってやられてきた労働者・農民への激しい攻撃に根底的な怒りが渦巻いている。しかも、これを誰も吸収できない。ここに戦後体制の文字どおりの崩壊が端的に示されています。
改憲攻撃は体制危機の表れ
――青年労働者を先頭に反撃の闘いが始まっています。
「貧困」「格差」問題という形であらわれているように、生きていけないところまで労働者を搾りつくさなければ資本主義体制が延命できなくなっています。「生きさせろ!」ということ自身が闘いのスローガンになっている。社会保障制度や医療など最低限のものが全部崩壊し、地方は切り捨てられ、現実に餓死者すら出ている。3万数千人の自殺が10年間続き、10年で30万人が殺されている。まさに階級戦争です。
労働者の「生きさせろ!」という叫びは、資本主義体制の悲鳴でもあります。労働者にメシを食わせることも、一定の幻想を与えることもできなくなっている。まさに支配が崩壊している。資本主義体制の「終わりの始まり」です。
そして改憲・戦争です。改憲攻撃も、資本主義体制の危機を示すものです。先の国会で改憲投票法案が通って、今度の国会では憲法審査会の設置が問題になる。僕らは改憲攻撃の恐るべき中身を徹底的に暴露していかないといけない。だけどそれだけではまだ半分です。改憲情勢とは、労働者階級がいよいよ社会の主人公として登場する時代が始まったんだということも明らかにしていかないといけない。
何が攻防の焦点か 敵のねらいは団結破壊
――11月集会に求められている課題は。
われわれはこの情勢の中心に座って怒りを組織し、展望を語り、団結を形成していく中心部隊として登場しなければならない。そのためには、われわれ自身がこれまでの延長線上でものを考えることをキッパリと拒否しないといけない。”情勢に負けない”ということが核心問題です。
どっか頭の片隅で「この社会は変わらないんじゃないか」なんて思って、踏み出す前に立ち止まってしまっている。青年労働者が「労働運動の力で革命やろう!」と必死になって叫びを上げていても、「若いうちは元気がいいからなぁ」程度に見ている。こんなもの全部ぬぐい去らなければいけない。
――職場での実践の飛躍が求められています。
まず何よりも、敵の攻撃の矛先をちゃんと見すえることです。
この過程で安倍がやったことは、徹底した労組破壊攻撃です。「労働組合は国民の敵だ!」という大キャンペーンを張り、新聞広告で「全員解雇」を叫びたてて社保労組を攻撃した。日教組バッシングを含めて、労働者の団結破壊に全部の焦点が据えられている。ここに改憲をめぐる核心的攻防もあるわけです。敵は、労働者が団結して反乱し始めることを心底から恐怖しているんです。
どれだけ既成労組の幹部が屈服したって、支配階級の側はまったく信用していないですよ。”こいつらが労働者を支配できる”なんて思っていない。かつて日経連は「労使安定帯」論を主張し、「これがある限り、日本資本主義は多少のことがあっても揺るがない」と豪語したわけです。今は当時以上に労働組合幹部は屈服してますが、そんなものはまったくない。だから、政権政党があんな大キャンペーンを張っている。文字どおりの国家的不当労働行為ですよ。法に触れようがなんだろうが、労働者の団結を根こそぎ破壊するしかないと踏み切っている。
――他方で、青年らが次々と労働組合をつくり始めています。
資本と賃労働の関係がむきだしで全社会に貫徹されている。労働者がとことん無権利状態におかれ、共同性や連帯感がぶち壊され、人間性さえ否定され、未来も希望もうち砕かれている。
こうした中で、マルクス主義がもう一度ものすごい輝きをもってわれわれの前に現れてきています。戦後最悪の無権利状態が逆に、ことの本質を鮮明につかみとれる条件をつくり出している。それ自身が可能性であり、支配の危機そのものですよね。
(写真 8・15靖国闘争。民主労総の同志とともにこぶしをあげる田中康宏委員長【8月15日 東京】)
すべての敵が反乱に恐怖
そもそも、法律に団結権が定められているから労働組合が生まれてきたわけじゃない。労働者が置かれた現実が、必然的に労働者の団結、労働組合を生み出したんです。それを団結権とか争議権として認めさせてきただけの話でね。一方、現状を見れば、名前だけの労働組合はあっても、現実には団結がバラバラに解体されている。膨大な非正規職の労働者は怒りの声さえ奪われています。
こういう情勢になると必ず二つの日和見主義が出てきます。一方では、労働者の団結を職場で回復する困難さに負け、既成労組の枠から一歩も出ずどんどん屈服を深めていく傾向。他方では、自分の職場とは全然別なところで闘争を考える傾向ですよね。両方とも明白なまちがいです。
階級的労働運動とは、資本と非和解的に闘うことです。”資本と労働者は絶対に相いれない”―この立場に立って、本当の階級的団結を回復することです。
この闘いは、否応なく既成労組幹部や体制内的な発想との激突になります。現に今、組合が指定しない集会に参加しただけで統制処分を受けたり、除名や権利停止処分などがいたるところで起きています。自民党、財界、民主党、既成の労組幹部も含めてみんな恐れている。どこかで一点火がついたら、自分たちの支配が根底から崩れる。敵の側は全部、労働者の反乱に恐れをなしているという関係の中に僕たちはいるんですよね。
動労千葉の教訓 危機は団結のチャンス
――動労千葉は、館山運転区・木更津支区廃止反対闘争などをとおしてより強固な団結を実現してきました。
階級的視点が今ほど重要になっている時はありません。一つひとつの攻撃をどう見るかで、結果は天と地ほど変わってくる情勢です。
例えば、01年に始まった「第2の分割・民営化」攻撃以降の動労千葉の6年間の闘いは、大きな成果をかちとり、動労千葉の団結も強化されてきました。だけど6年間を振り返ってみれば、いいことなんか何も起こってない。
業務の全面的外注化は本当に大変な攻撃だし、尼崎事故という激しい現実が突きつけられ、レール破断が続発し、組合員が重大事故を起こし、拠点職場が一挙に二つも廃止される。国鉄1047名解雇撤回闘争が危機に陥り、1047名の団結が破壊され、動労千葉が排除される。すべてが、一つ間違ったら動労千葉の団結がガタガタにされるという質の攻撃です。
だけどこれがチャンスだったんですよ。こういう攻撃があって、これに正面から対決できたから、国際連帯闘争の発展も含めわれわれの予想も超えた地平が実現されている。だから、「危機がチャンス」というのは一般論ではない。動労千葉の6年間の闘いは、そのことを実証してきたと思っています。
そこで問われたことは1ミリの曖昧(あいまい)さもなくこういう攻撃に対決しなければいけないということでした。委員長である自分自身が本当に問われ続けた6年間でした。
だけど一つひとつの攻撃に、現場の組合員の団結を固めて正面から立ち向かうことができた瞬間に、それが新しい地平を切り開くという関係なんだよね。
7月に発刊した『俺たちは鉄路に生きる3』(労働者学習センター発行)は全編が、こうした闘いを直接に担った動労千葉の現場活動家の座談会で構成されています。ぜひ積極的に活用していただければと思います。
「労働者は社会の主人公だ」「労働者階級の解放は労働者自身の事業だ」ということは誰でも言うわけです。問題はそれを、日常的な職場の闘いの中にとことん貫くということです。動労千葉でいえば事故・安全問題などが日々突きつけられ、その瞬間、瞬間に立場が問われるわけです。
結局は、資本との関係をどう見るかです。資本との非和解性を貫くことが、労働者の団結をつくる。体制内労働運動は、みずから労働者の団結を破壊し、労働者の意識を曇らせる役割しか果たしていない。
最も原則的なことが、最も大衆的な時代が来た。もっとも激しく過激なことが、最も大衆的な支持を受けるときが来ているということなんです。そういう時代の転換点なんですよ。
例えば僕は、根津さんが首をかけて決起していることが、本当に日教組再生の決定的展望を示していると思っています。ものごとを、そういう風に見られるのかがものすごく大事になってます。
――この間、「国鉄分割・民営化攻撃を忘れるな」とくり返し訴えてこられました。
国鉄分割・民営化を忘れるな
そのことは、改めて強く訴えたいですね。
いま国鉄分割・民営化型の攻撃が全労働者に襲いかかっています。われわれが教訓としなければならないのは、この攻撃の中で既成労働運動・政党・党派が全部破産・崩壊したということです。いま同じことが、より大規模に社会全体を貫く分岐として起きている。だから、動労千葉が首をかけて闘い、団結を守り抜いたことが、あらためて大きな意味を持ってきていると考えています。
「体制内労働運動との決別」ということは単なる理念の問題として言っているわけじゃない。国鉄分割・民営化攻撃に体制内労働運動が総屈服する中で、20万人もの仲間が首を切られました。いま自治労本部も社保労組の幹部も、ボーナスの自主返上を始め全面屈服しています。「それが再雇用の条件だ」と言われて。だけど、そんなことで問題は済まない。敵は完全に、200万人の公務員労働者をワーキングプアにたたき落とす腹を固めているわけだから。だから「体制内労働運動との決別」ということは死活的な意味を持ってきているんです。
そういう意味でも、国鉄分割・民営化攻撃をめぐって問われた根本問題にわれわれ自身が決着をつける立場から動労千葉の当面する課題を明確にしないといけないし、日本の労働者全体が問われている課題を突き出していく必要があると思っています。
資本と対決し組織の拡大へ
――動労千葉が直面している課題について聞かせて下さい。
動労千葉は、国鉄分割・民営化から20年間の闘いの中で、「路線と原則のもとに団結し、敵の矛盾を徹底的について闘えば十分に闘える」「労働者はそういう力と可能性を持っているんだ」ということを示してきたつもりです。その上でいま動労千葉も、もうひとつ飛躍しなければ、これ以上一歩も前に進めない壁に突き当たっています。
「動労千葉は簡単にはつぶせない」―そういう当局との力関係にはなってます。だけどJR資本は、「動労千葉に新しい組合員を絶対に加入させない。そうすれば定年退職でいずれ消滅する」と見ている。だから、ここだけはどんな手段を使っても阻止する、と。ここに最大の資本の攻撃がある。だから、この資本の攻撃を打ち破って組織拡大を実現することが、敵の攻撃の根幹をうち砕くことになるんです。
これは、日本の労働運動の歴史に前例がない闘いです。「労働組合は、国家をあげた攻撃には立ち向かえない」―これが常識化した既成労働運動の考え方です。国鉄分割・民営化という大攻撃に立ち向かって団結を守っただけじゃなく、さらに組織を拡大したということになれば文字どおり前例がない。これに成功したら想像もつかないような可能性が出てくる。そして、これこそが国鉄分割・民営化攻撃との本当の意味での決着になるんですよね。
――1047名闘争も正念場を迎えています。
国鉄闘争の軸をなしている1047名解雇撤回闘争がこの間、非常な危機に立っています。11月集会にとっても、改憲反対の大闘争をまきおこすこと、貧困と格差をぶっ飛ばす怒りの声を総結集するという大テーマに加え、根津さん解雇問題と1047名闘争の二つはでかいテーマです。
10月郵政民営化や公務員労働者200万人首切り、青年労働者の怒りの決起、改憲に対する危機感の高まり……こうしたすべての問題をつなげて大闘争を展開する立場に立てば、実は1047名闘争にものすごい可能性と展望がいよいよ出てきているんです。だけど、屈服を深める既成労働運動のもとでは結合しようがない。階級的労働運動の立場に立ったとき初めて展望が出てくる。
2カ月間の決戦へ 労働者の怒り総結集を
――11月集会まであと2カ月になりました。
今年は10周年の節目の集会になります。情勢も大きな節目を迎え、まさに天下分け目の集会だと思っています。呼びかけ3労組も本気で構えています。職場・地域から闘いを起こし地域に闘う労働者・労働組合の共同センターをつくろう、全国に無数の労働学校をつくろう、という特別アピールも予定しています。
われわれの前には、可能性がいっぱい見えてきています。例えば教育労働者で言えば、神奈川の教育労働者の訪米をとおして「われわれの訴えは、アメリカの労働者にも通用するんだ」という確信を持って帰ってきた。そして、アメリカの戦闘的教育労働者も11月集会に参加する。他方で日本では、根津さんが本当に腹をくくって闘っている。だったら、前日に教育労働者の総決起集会を開けないかとかね。
民主労総からも、きちんとしたセミナーをやろうと提案されています。8・15集会で民主労総ソウル地域本部の代表と突っ込んだ討論をしたんですが、パクスンヒ事務処長は「労働運動に対する考え方、構え、突き当たっている問題、突破の方向性、全部同じです」と言ってました。労働運動をめぐる状況は違うけれども、お互い必死に闘っているからたちまち一致してしまう。われわれが11月集会で掲げ、目指しているものは、全世界の労働者に完全に通用するものを持っているということに、今回の民主労総との交流をつうじて改めて確信を持ちました。
(写真 昨年の11月労働者集会【06年11月5日 東京・日比谷野外音楽堂】)
“この日のために闘ってきた”
「そういう巨大な可能性を持った集会だ」とずっと言ってきましたが、それがどんどん現実化しつつある。でもそれは、11月に向かって必死になって1万人結集を実現するということがあって初めて成り立つ話です。
労働者の怒りの声を総結集する執念、具体的な行動計画と方針―そういうものが本当に問われている。正しい方針は、労働者を団結させるんです。何よりもこんな腐りきった社会に自分自身がストレートに怒ること、怒りを組織し、展望を語りきることです。
さらに今年の11月集会は、改憲阻止の労働者の総決起大会という性格になります。改憲阻止の展望をこの11月集会でこじ開けなければいけない。
帝国主義の危機と表裏一体で、全世界の労働運動の大高揚が始まっています。とくに注目しているのは、アメリカの「ネクスト・アップサージ」と言われる情勢です。アメリカ帝国主義の足下で、1930年代以来の労働運動の高揚期が始まっている。歴史が動くということですよ。
これ以上煮詰まったいい情勢はない。僕も含めて、30年、40年と運動に関わってきた活動家、あるいは去年からの活動家でもいい。「この日のために自分は闘ってきたんだ」と本気になって、目の色を変えて11月を訴えてほしいと思います。
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週刊『前進』(2309号5面1)(2007/09/03 )
動労千葉のように闘って11月1万人結集を絶対実現しよう
『俺たちは鉄路に生きる3』の核心
解雇を恐れず闘って勝利
現場活動家の生きた証言
館山支部全員で記念撮影。館山運転区は廃止されたが表情は明るい(3月18日 館山運転区庁舎前)
労働者学習センターが発刊した『俺たちは鉄路に生きる3/国鉄分割・民営化20年 動労千葉の闘い』(監修・中野洋)は、11・4労働者集会への大結集を実現する最良の武器である。動労千葉の現場活動家たちの生き生きした闘いを学び、自らの職場実践に生かそう。周りの労働者に広めよう。本稿では、本書発行の意義を考えてみたい。
国鉄分割・民営化に「勝利」宣言 “敵の狙いは失敗した”
国鉄分割・民営化が強行された1987年4月1日から20年たった今日、動労千葉は『俺たちは鉄路に生きる3』の発行をもって、「分割・民営化攻撃に勝利した」と宣言した。この意義は計り知れなく大きい。
中野前委員長は「発刊にあたって」において、「国鉄分割・民営化とは、国家権力が総力を挙げて国鉄労働運動をつぶそうと襲いかかってきた戦後最大の反動攻撃でした」と述べた上で、動労千葉の闘い、国労の存在、1047名闘争の継続について触れ、「これらは、国鉄分割・民営化にかけた政府・自民党や資本家階級の狙いが完全に失敗したことを示しています」「敵の最大の狙いであった『国鉄労働運動つぶし』は破産したということです」(1〜2n)と言い切っている。
このように宣言したことは、ものすごいことである。安倍政権が全労働者に国鉄分割・民営化型の攻撃をかけている今、動労千葉は「解雇を恐れず団結して闘えば、労働者は必ず勝利できる」ことを実証したのだ。
資本家は労働者の生殺与奪を決する絶大な権力者のように振る舞っているけれど、資本家が労働者にできる最大の攻撃は解雇だ。あえて言えばそれ以上のことはできない。動労千葉が分割・民営化反対ストライキに立ち上がる時も「ストをやれば全員クビ」と大宣伝された。しかし組合員は「たとえクビになろうと、こんな攻撃には絶対屈しない」と怒りを燃やして闘いぬいた。その闘いを貫いた時に国鉄当局は、組合員全員の解雇などできなかった。1100人の組合員の首を切れば、総武線の電車は間違いなく止まるからだ。
「資本は賃労働を前提し、賃労働は資本を前提する」(マルクス『賃労働と資本』)。資本は賃金労働者の存在なくして成り立たないのであり、労働者への解雇攻撃の本質は脅しなのだ。解雇を恐れず団結して闘えば、労働者は必ず勝利することができるのだ。
このことを口で言うのは簡単だが、実際に労働者が「解雇されても闘う」腹を固めて闘うのは本当に大変なことだ。しかし動労千葉はそれを実行した。実行したからこそ勝利を実証したのだ。
東京の「日の丸・君が代」闘争において、根津公子さんを先頭に解雇を恐れず不起立を貫く教育労働者が登場している。根津さんに続いて解雇を恐れず不起立を貫く教育労働者が陸続と登場した時、その全員を解雇することなど絶対できない。ここに敵の弱点がある。勝利のカギは不起立闘争の拡大、団結の拡大だ。
すべての労働者が今、吹き荒れる攻撃に立ち向かい勝利する活路は、「動労千葉のように闘う」ことにあるのだ。
底抜けの明るさと誇り高き闘い
『俺たちは鉄路に生きる3』で組合員が語っている豊かな闘いの教訓をつかむために、とにかく本書を手にして読んでほしい。活動家たちの格闘が生の言葉で語られている。一読すれば、動労千葉の組合員の底抜けの明るさや、屈託なく自己解放的に闘っていること、組合員一人ひとりが自立した主体として生き生きと闘いを語っていることが強く印象づけられる。
しかも動労千葉の組合員はけっして泣き言を言わない。この点は被解雇者もJR本体で闘う組合員もまったく同じだ。そしてあらゆる困難をのりこえて闘ってきた自分たちの生き方に誇りを持っている。「この道を歩んだことに誇りを持つ」――公労法解雇者の座談会のタイトルが、そのことを象徴している。
では動労千葉には困難はないのか? とんでもない。この20年間、他のどの労組よりも激しく、動労千葉をたたきつぶすことだけを狙った攻撃にさらされ続けている。
JR体制に躍り込んだ動労千葉は、40人の解雇者を抱えて出発した。これ自身、組織破壊的な大攻撃だ。JRは全員が動労千葉だった拠点職場を、合理性も一切無視して次々廃止(86年成田運転区、95年勝浦運転区、97年佐倉機関区・新小岩機関区、07年館山運転区)。千葉支社管内の運転業務を減らす業務移管も吹き荒れた。
支部執行体制を確立するとまたも配転という、役員を狙い撃ちした強制配転が乱発された。売店や駅への強制配転は長い人は20年以上。昇進・昇格差別は今も続き、青年労働者が主任職になっても動労千葉組合員は昇格しない。賃金は他労組組合員より断然低い。なのに組合費は画然と高い。
新規採用者は全員JR総連に加入させられ、組合員は減るばかり。2000年以降は、第2の分割・民営化攻撃で要員合理化や外注化などが嵐のように吹き荒れてきた。
枚挙にいとまがないほどの攻撃の中で闘っているのが動労千葉だ。
しかし、それでも動労千葉の組合員は明るく誇り高く、勝利の展望を持って、意気軒高と闘いぬいている。
なぜこんな労働組合ができたのか。それを生み出した力はどこにあるのか。
それは、指導思想と路線の勝利である。総評―社会党、日本共産党、カクマル、連合という戦後労働運動の思想・路線の総破産を突き破ったところに動労千葉があることを、本書は示している。
民同の破産突き破った指導思想 労働者の階級性に依拠
核心は何か。労働者こそ革命の主体であるという絶対的な確信である。
中野前委員長は『俺たちは鉄路に生きる2』(03年発刊)の中でこう述べている。「僕は書記長の時から、『民同労働運動を乗り越えるというのはどういうことか』と考えていました。それは根底的には、動労千葉に結集している労働者の階級性、本来労働者が持っている力を掛け値なしに全面的に信頼し、それに依拠して闘うということです」(164n)
労働組合運動とは、その闘いをとおして労働者の持つエネルギーを解き放ち、プロレタリア革命の主体を形成することにこそ最大の意義がある。
しかし戦後長きにわたって労働者を支配してきた民同労働運動は、まったく逆に、労働者の力を資本主義体制の枠内に封じ込める労働運動だった。だから、労働者が革命の主体として闘い始めると、当局をも超える激しさで襲いかかる。これこそ体制内労働運動の核心だ。日共の労働運動もその限りでは同じだ。
こうした社・共既成指導部の組合指導を決定的に突き破る指導思想を確立してきたのが、動労千葉の闘いなのだ。
党を労組の上に置く思想と決別
さらに、労働組合と党(革命党)との関係において「党を労働組合の上に置く」思想と決別した指導思想を確立してきたということである。
「労働組合というのは結局、労働者に依拠する以外に、ほかに何も依拠するものはありません。党派に依拠して労働組合が団結できますか? できません。今の日本の連合のような労働組合は、JR総連も電機連合も、自動車も、鉄鋼も、すべて会社・資本に依拠しています。……会社や資本に依拠している労働組合のもとでは当然にも、労働者が団結することなどありえない」(中野洋著・青年労働者ブックレット2『労働者の団結こそ、時代をきりひらく原動力だ』27n)
しかし現実には、資本に依拠した労働組合だけでなく、「労働組合を党派に依拠させる」思想、「党を労働組合の上に置く」思想が根強く存在してきた。その典型が日共とカクマルである。
日共は党を労働組合より上位に置く。彼らにとっての労働運動とは、日共の票数を伸ばす手段に過ぎない。それゆえ戦後史の中で幾度も「党が生き残るため」に労働者を裏切ってきた。その象徴が1964年「4・8声明」だ。戦後革命期以降初めて公労協が公然と「統一ストライキ」に立ち上がろうとした途端、“せっかく党勢を回復したのに、今ここで闘ったらまた勢力を奪われる”と、国労、全逓、全電通などで猛然とスト破りを組織したのだ。
カクマルも同様だ。カクマルにとって動労の運動はカクマル組織を建設するための手段だった。だから分割・民営化攻撃が襲いかかると、カクマル組織の防衛のために平然と敵の先兵になり果てた。動労カクマルは国労破壊の先兵になっただけでなく、動労の年輩の組合員に対しても嫌がらせを繰り返し、いじめぬいて退職に追い込むなど、歴史上例を見ないほどの労働者の最悪の敵となり果てた。その行き着いた先が今のJR東労組の反労働者的惨状だ。
職場の激闘こそが革命党つくる
「党を労働組合の上に置く」思想と決別した指導思想のもとでつくられてきたのが、動労千葉の労働運動だ。
労働組合は党をつくるための手段ではない。労働組合運動それ自身が、自己解放闘争の主体として労働者の階級形成を推し進め、労働者の階級的団結を徹底的に拡大し、ついには支配権力を握る力を獲得していく決定的な意義を持つものだ。
また、現場が困難に直面した時に先頭に立って闘い、職場の労働者に信頼されるリーダーになることによって、「党」は初めて本物の革命党になることができる。職場における激闘こそが、党を鍛え上げるのである。
組合員の階級性に依拠した労働組合なのか、労働組合を「党の従属物」とするのか――この違いを分割・民営化攻撃は鮮明に突き出した。組合を党づくりの手段としてきた勢力はみな、カクマルも日共も社民も協会派も、分割・民営化とまったく闘えなかった。そして戦後史を決する大攻撃と闘わなかった党派はみな、現下の攻撃とも一切対決できずに破産した姿をさらしている。
団結つくり出す指導部の責任 組合員と共に路線形成
動労千葉元副委員長の水野正美さんは本書で、「動労千葉の団結はいかにつくられたか」という問いに対して、「動労千葉の本当の強さは路線の正義性にある」と答えている。
水野さんが強調しているのは「路線を生み出していく過程が大事」ということであり、その路線を形成する過程での指導部の責任である。「『路線の正義性』と言うと“あらかじめ正しい路線があって、それにみんなが目覚めてやればいい”という印象になるけど、そうじゃない。正しい路線をつくっていく過程が大事」(256n)、「われわれが一番腐心したのは、『組合員が何を考えているのか』ということです。……組合員が闘争の中で鍛えられ、成長していくのときちんと歩調を合わせて、指導部が組合員と一緒に学んで、きちんとした路線を確立してきたということなんです」(258n)
机上でつくり上げた「路線」を現実の労働組合運動にあてはめるのではなく、組合員と討論を積み重ね、その中から路線を形成し、ともに歩んできたということだ。
水野さんは「中野前委員長は上から命令しなかった」とも語っている。「議論と実践の積み重ねをとおして、それをきちんと理論的にまとめあげて、現実の状況を反映した方針を提起するのが彼だった」と。
「路線を提起する側・方針を出す側」と「出された方針にもとづいて動員される組合員」という上意下達の関係ではない。一人ひとりの組合員が主体であり、そうであるからこそ厳しく徹底的に議論する――そういう中でつくられてきたのが動労千葉の団結なのだ。
(写真 「処分された仲間を守りぬくぞ!」幕張構内事故の処分発令に抗議する幕張支部【06年9月29日 幕張構内】)
「たかが労働者されど労働者」
本書で、動労千葉本部の越川執行委員がこう語っている。「若いころに、当時の中野書記長に言われた言葉をよく覚えているんです。青年部の集まりで、中野さんが『お前たちは“たかが労働者”だ。……だけどな、ここに集まっているのはみんな、“されど労働者”なんだよ。お前らが本気になった時には、世の中を変える力を持っている。労働者が団結した時には、絶対に勝てるんだよ』と。感動しましたよ。俺たち労働者が胸を張って生きるようになったら、資本家連中は絶対にやりたい放題なんてできない。だってあいつらは、俺たち労働者が働かなかったら生きていけないんだから。……だから、ほんのちょっとの違いなんだけど、どこの職場でも労働者が胸を張って生きていく、それだけで、俺たちとあいつらの力関係は全然変わる」(181n)
動労千葉の闘いは、労働者の持つ無限のエネルギーと労働組合の持つ無限の可能性を示している。この闘いに私たちは、日本の労働者階級は必ずプロレタリア革命に勝利できるという確信を見ることができる。
労働者の革命的エネルギーを封じ込め、資本・権力の奴隷となることを強いてきた既成指導部の労働者支配に、今こそ終止符を打とう。連合・全労連指導部と激突して、「労働運動の力で革命をやる」労働組合運動を本当につくり出そう。
そのための指針が動労千葉の労働運動だ。本書を学び、全国で職場闘争を巻き起こし、仲間をつくり、11・4労働者集会に1万人の労働者の参加を実現しよう!
(注文は労働者学習センター。頒価1500円)
(上原祐希)
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週刊『前進』(2309号5面2)(2007/09/03 )
コミューン 10月号
再び革命期に突入
特集は30年代を超える大激動を迎えたアメリカ労働運動である。
アメリカ帝国主義は、イラク侵略戦争の泥沼化と住宅バブル崩壊、大恐慌への突入という情勢の中で、労働者階級に凶暴な攻撃をしかけてきている。
だが、アメリカの労働者は、戦時下の弾圧と既成労組官僚の抑圧を破り、せきを切ったように巨万の規模で闘いに決起し始めた。
第1章では、昨年3〜5月、1000万人の新移民法反対のデモと職場ボイコットを実現するに至った、アメリカ階級闘争の巨大な前進を見ている。
第2章では、それを二つの工場の職場の闘いをとおして見ている。「許可証なし」移民が働く工場で活動家が強制送還されて労組結成運動が何度も敗北したが、ついに大規模なストライキが決行された。
第3章では、日本の動労千葉を軸にした労働運動の国際連帯の大前進を見ている。06年までのILWUローカル10(国際港湾倉庫労組第10支部)やAMFA(航空整備士労組)との連帯が、学校での募兵と闘うアメリカの教育労働者との連帯に発展している。
翻訳資料は米国防省の年次報告書「中国の軍事力 2007年」(下)である。対中戦争のために中国の軍近代化の戦略的方向を分析している。
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週刊『前進』(2309号6面1)(2007/09/03 )
9・29沖縄 10万人県民大会の成功へ
教科書検定意見を撤回させよう
沖縄-本土労働者の怒りで戦争準備狙う安倍打倒を
革共同沖縄県委員会
(写真 米兵による少女暴行事件に怒り、8万5000人が宜野湾海浜公園に集まり基地撤去を要求した95年10・21沖縄県民大会)
はじめに
「教科書検定意見撤回を求める沖縄県民大会」が9月29日(土)午後3時から宜野湾海浜公園で開催されることが決定し、沖縄では全県挙げての闘いが開始されている。「5万人以上の結集を」を合言葉に全沖縄の怒りが燃え広がっている。
95年10・21の10万人決起が90年代後半の日本階級闘争に大きなインパクトを与えたことを思い出そう。何よりも日帝・安倍政権のもとで進められる「改憲・戦争と民営化、労働組合破壊」の攻撃に対して、21世紀の新たな沖縄闘争がここから開始されようとしている。この闘いは安倍政権を打倒し、改憲阻止決戦を巨大な階級決戦として爆発させていく歴史的突破口となるだろう。
全国から9・29沖縄県民大会へ! そして、11月労働者集会1万人結集の実現へ! 沖縄と日本(本土)の労働者階級の連帯で21世紀プロレタリア革命の勝利へ、今こそまなじりを決して闘いに立ち上がろう!
日本軍が「集団自決」強要 沖縄戦の歴史歪曲は改憲と一体の攻撃だ
3月30日に明らかとなった高校日本史教科書のいわゆる「集団自決」に関する軍の関与を削除した検定意見(注1)は、沖縄の怒りに触れる暴挙であることが日々明らかとなっている。
反撃の闘いは、この教科書で子どもたちに教えなければならない教育労働者から始まった。沖縄県教職員組合(沖教組)、沖縄県高等学校障害児学校教職員組合(高教組)が労働組合として立ち上がった。両組合を軸とする「沖縄戦の歴史歪曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会」(注2)がただちに緊急抗議集会を開き、署名運動や街頭宣伝などを繰り広げた。市町村議会で撤回決議が続々と上がる中、6月9日には那覇・県庁前広場に3500人が結集した県民大会がかちとられた。
この全県的な怒りの爆発は沖縄自民党をもグラグラに揺さぶった。この沖縄の怒りに背けば、自らがぶっ飛ばされるという危機感(7月参院選から来年の県議選)から沖縄自民党も県議会決議に賛成せざるを得なくなり、6・22県議会決議が実現。県議会と全41市町村議会で撤回決議が上がった。にもかかわらず、安倍政権・文部科学省はこの沖縄の要求に耳を貸そうともしなかった。沖縄県議会は異例とも言える再度の撤回決議を突きつけた(7月11日)。
撤回かちとるまで
「検定意見を撤回させる」=「日帝・安倍政権の階級意志を挫折させる」ことを本気になって沖縄の労働者階級人民はやり抜こうとしている。検定結果が明らかになってからわずか半年で、情勢は決定的な局面を迎えつつある。9月中の県民大会開催の意味も実はこの点にある。11月からといわれる教科書印刷期限から逆規定した日程の設定は、「検定意見を撤回させ、記述を元に戻させる」という強烈な目的意識が貫かれているのだ。
この攻撃の核心は、「沖縄戦を二度と再び繰り返してはならない」という戦後沖縄の原点に対する抹殺攻撃であり、沖縄戦に対する戦後沖縄県民の評価の百八十度の転換を強制する攻撃である。つまり沖縄戦とは沖縄県民が「友軍=日本軍」とともに打って一丸となってお国のために命を捧げて闘った聖戦であり、いわゆる「集団自決」も友軍である日本軍の戦闘の足手まといにならないように、県民自らが命を絶った崇高な美しい行為だと歴史をねじ曲げるということなのだ。
このような攻撃に対して戦後62年を経て、多くのいわゆる「集団自決」の生存者が血を吐くような証言を開始している。自らの悲惨な体験とさまざまな地域的なしがらみなどから口を閉ざしてきた遺族たちが、「今回1回限り」という痛切な思いで声を上げ始めたことの中に歴史の真実と階級的真理がはらまれている。
県民大会実行委員会の構成は、95年の10・21県民大会を彷彿(ほうふつ)させる陣形となっている。県知事仲井真も県民大会参加を明言せざるを得なくなった。しかし、いわゆる「超党派」に意味があるのではない。「超党派」を仲井真県政(自公体制)に強制した沖縄の労働者階級人民の怒りと、仲井真県政(自公体制)の危機ということに核心があるのだ。
その上で今回の県民大会の大結集は、仲井真や自公の思惑を超えて闘いを確実に次の段階に押し上げていく。大衆運動の高揚は、さらなる闘いへの意欲と展望と自信を労働者階級人民の中に生み出し、間違いなく日帝と沖縄の労働者階級人民が非和解的に対決するという構造が確定する。しかもこの闘いは明確な決着点を求める闘いである。すなわち「検定意見を撤回し、沖縄戦の記述を元に戻せ」という全県民的な要求を実現するまで、とことん闘いは進まざるを得ない。
一方、日帝・安倍政権はけっして沖縄の要求をのむわけにはいかない。それは安倍政権のいわば「基本路線」の挫折を意味するからだ。安倍は何があっても沖縄の労働者階級人民にひざまずくわけにはいかない。したがって沖縄の労働者階級人民の怒りは一層拡大し燃え広がり、安倍政権と沖縄の労働者階級人民との総対決の構造を生み出していくことになる。
日帝・安倍政権の「戦後レジームからの脱却」=改憲攻撃に対して、沖縄から巨大な反撃ののろしが上がろうとしている。「日本革命の火薬庫=沖縄」に火をつけたのはほかならぬ安倍本人だ。沖縄の怒りを今こそ安倍に思い知らせてやらなければならない。
沖縄を再び戦場にするな 米軍再編と対決する労働者の新たな決起
今日の沖縄は「第2の沖縄戦」前夜とも言うべき情勢である。米軍再編攻撃は紛れもなく米日帝国主義による朝鮮侵略戦争−中国侵略戦争への絶望的な道であり、沖縄を軍事要塞(ようさい)と化して戦場にたたき込む攻撃である。
米軍再編攻撃下の沖縄は、かつて米軍が「銃剣とブルドーザー」で思うがままに基地を建設したかつての歴史を彷彿させる事態が次々と起こっている。県立高等養護学校と前原高校への米軍車両の度重なる侵入。キャンプ・ハンセンには米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)専用の最大射程1200bのライフル用射撃場を道路からわずか500bの距離に新たに整備しようとしている。
その中で辺野古新基地建設攻撃は、日帝・安倍政権のむき出しの国家暴力との全面激突として日々闘いぬかれている。安倍政権は米軍再編法の成立をもって北部振興策の打ち切りを宣言、仲井真県知事と島袋名護市長の全面屈服をしゃにむに推し進めようとしている。辺野古への新基地建設反対の圧倒的な県民世論の中、ペテン的な態度ですり抜けて泥をかぶらないように立ち振る舞う仲井真や島袋に猛然と圧力をかけている。日米が合意した「V字沿岸案」をごり押しし、「交付金ゼロ」を恫喝材料にし、環境アセス法すら無視した事前調査を強行。8月7日には環境影響評価(アセスメント)方法書を一方的に県に送りつけてきた。海上自衛隊まで投入して闘いの圧殺を狙っているのだ。
さらに東村高江区では新たなヘリパッド建設が地元住民の反対を押し切って強行されようとしている。キャンプ・ハンセンでは自衛隊の演習が強行されようとしている。まさに米軍再編によって沖縄は南北に「分断」され、北部は巨大な軍事要塞とされようとしているのである。
「沖縄が再び戦場にされる」
「ここまで沖縄を踏みにじる安倍政権は許せない」という沖縄の労働者階級人民の怒りが日々高まる中で、ついに戦後沖縄の原点に対する抹殺攻撃として教科書検定問題が起こったのである。
この問題は辺野古の闘いと一体である。海上自衛隊が辺野古の海を踏みにじっている中、最後の瞬間まで闘いを挑んだ故金城祐治さんや、今も日々闘いの先頭に立っている「命を守る会」のおじいやおばあの思いはどこにあるのか。それは紛れもなく沖縄戦の実体験であり、「二度と再び戦争を起こしてはならない」という命をかけた血叫びなのだ。
したがって教科書検定意見撤回の闘いは、米軍再編攻撃による沖縄の軍事要塞化と戦場化に対する沖縄の労働者階級人民の怒りの決起であり、米軍再編攻撃そのものを粉砕していく闘いである。
(写真 6・9県民大会は「日本軍の『集団自決』強制を教科書に記述せよ」と教育労働者を先頭に3500人が県庁前を埋めた)
労働者の反撃開始
この闘いの中で沖縄の労働者階級の反転攻勢が開始されている。今回の県民大会を実現にまでこぎ着けたのはまぎれもなく沖縄の労働者階級の闘いである。とりわけ高教組はきわめて目的意識的にこの闘いの中軸に座って闘いを推し進めてきた。
たしかに95年の闘いもその根底には反戦地主の闘いがあり、その反戦地主を支えともに闘ってきたのは労働組合だった。しかし今回は、95年の「革新県政」主導の県民大会とは異なり、仲井真自公県政のもとで、労働者階級と労働組合の目的意識的、組織的な闘いが今日の情勢をつくり出してきた。9・29県民大会はその「超党派」という形式を超えて、沖縄の労働者階級の主導性が貫かれている点において95年の決起を超える歴史的階級的な意義をもっている。だからこそこの闘いは日帝・安倍政権と沖縄の労働者階級人民との全面激突へと発展せざるを得ない。
沖縄の労働運動の戦闘的階級的再生の道が切り開かれつつある。今回の県民大会の成功は、辺野古新基地建設攻撃を最後的に粉砕し、米軍再編攻撃を粉砕する沖縄の労働者階級人民の新たな闘いの開始そのものである。
階級的労働運動の前進で 21世紀の沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒へ
教科書検定意見撤回の闘いは、文字どおり改憲阻止決戦への沖縄と日本(本土)の労働者階級の総決起に向けた号砲であり、この闘いの帰趨(きすう)は労働者階級の闘いにかかっていることをあらためて明確にしなければならない。そして改憲阻止決戦の成否は、労働組合をめぐる攻防、とりわけ今日的には自治労・日教組をめぐる攻防にかかっている。
ここにおいて、日帝・安倍政権による自治労・日教組つぶしの攻撃に対する、沖縄の労働者階級の闘いの路線こそが明確にされなければならない。階級的労働運動路線こそが、21世紀の沖縄闘争の戦略的発展と勝利への道である。
80年代の国鉄分割・民営化攻撃こそ、改憲攻撃の先取りとしてあった。当時の首相・中曽根は「国労をつぶし、総評・社会党を壊滅に追い込むことを明確に意識して国鉄分割・民営化をやった」「行政改革によってお座敷をきれいにして、立派な憲法を床の間に安置する」として国鉄労働運動に襲いかかった。それに対して2波のストライキを始め組合ぐるみの反撃をたたきつけ、国鉄闘争を永続的に発展させてきたのが動労千葉の闘いであった。分割・民営化から20年、動労千葉は今もなお組合の団結を守り抜きJR体制下での闘いを不屈に継続している。
当時沖縄は「日の丸・君が代」攻撃との激闘の過程であった。沖教組・高教組は日教組本部の裏切り的な「指導」のもとで、しかし激しい抵抗闘争を全県民を巻き込みながら繰り広げていた。同時に沖縄の労働者階級は、この攻防の中で国鉄分割・民営化攻撃を同じ労働者階級にかけられた攻撃として見すえ、国鉄闘争との連帯の道を模索していた。
この国鉄分割・民営化攻撃は中曽根が言っていたように、総評解散−連合結成として進んでいった。それは沖縄においては県労協解散−連合沖縄結成として進んだが、沖縄の労働者階級は「連合化」に激しく抵抗した。沖縄カクマルは「国労のようになってもいいのか」と連合沖縄結成に反対する労働者を恫喝して回り、「連合化」の先兵として立ち現れた。だが沖教組から分離した高教組を始め全港湾、マスコミなどは連合非加盟の道を選択した。また自治労内部にも反連合派の多くの労組活動家が存在し、那覇市職労も当初は連合加盟を保留するなど、連合沖縄はその結成当初から大きな矛盾と危機を抱え込むこととなった。
しかし沖縄の労働者階級は以来20年、国鉄闘争との連帯から断ち切られてきた。これこそが72年ペテン的沖縄「返還」体制=「5・15体制」そのものだった。カクマルこそ「5・15体制」の「左の支柱」であり、日帝による沖縄と日本(本土)の労働者階級の分断を支えてきたのだ。
「天下の動労千葉」
今日、ついにこの分断を打ち破る闘いが開始されている。動労千葉の原則的階級的で不屈の闘いが沖縄の労働者階級の魂をとらえつつある。「天下の動労千葉」(沖縄のある産別の労組役員の言葉)の闘いは、心ある沖縄の労働者から圧倒的な注目を実は受けていた。そして何よりも今日の日帝・安倍政権による自治労・日教組つぶし攻撃と沖縄圧殺攻撃に対し、闘う路線と方針を求める沖縄の自治労・教労の労働者が、動労千葉の闘いに注目しともに立ち上がろうとしている。
改憲攻撃の先取りとしてあった国鉄分割・民営化攻撃と闘い勝利し、今日も闘いぬいている動労千葉の存在と闘いが、今日の日帝・安倍政権による「改憲・戦争と民営化、労働組合破壊」攻撃、沖縄圧殺と沖縄労働運動つぶしの攻撃に対する勝利の道しるべとなっている。「職場の主人公は労働者であり、社会を動かしているのは労働者だ」「労働者としての誇りを取り戻し、闘う労働組合をよみがえらせよう」という動労千葉の熱い訴えが、沖縄の労働者階級の魂をとらえつつある。
72年ペテン的沖縄「返還」とそれ以降の「5・15体制」を下から打ち破る、沖縄と日本(本土)の労働者階級の歴史的な連帯がついに開始された。階級的労働運動路線こそが、沖縄と日本(本土)の労働者階級の連帯を生み出し、その中から「5・15体制」を粉砕し、「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」の闘いと勝利の道を切り開くのである。動労千葉が営々と繰り広げてきた階級的な労働運動こそが、労働者階級自身の自己解放をかけた沖縄闘争そのものなのだ。
9・29県民大会を95年の県民大会を上まわる「10万人結集」で大爆発させよう! そして改憲阻止決戦からプロレタリア革命勝利に向かっての日本労働者階級の戦闘宣言の場としよう!
闘う沖縄の労働者は11月労働者集会に結集し、動労千葉とともに階級的労働運動を沖縄の地で復権しよう! 米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒、日本プロレタリア革命の勝利へ、革共同沖縄県委員会に結集してともに闘おう!
注1/教科書検定 文部科学省が3月30日、08年度から使う高校用教科書の検定結果を公表。日本史教科書(5社7冊)の「日本軍に『集団自決』を強いられたり……」などの記述を指して「沖縄戦の実態について誤解する恐れがある」として修正を求める初の検定意見がついた。5社ともこの検定意見に従って修正・削除したことが明らかとなった。
注2/「沖縄戦の歴史歪曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会」 05年の青山学院高等部の英語入試問題や「つくる会」教科書の採択や自由主義史観研究会の『沖縄プロジェクト』問題、さらには小中高教科書での沖縄戦の記述の減少など、沖縄戦の実相を歪曲するあらゆる動きに対し、「沖縄戦の歴史歪曲を許さない」という趣旨で06年12月10日に設立。
今回の教科書検定問題で文科省が検定(軍命記述の削除)の根拠とした、渡嘉敷・座間味の元戦隊長(とその遺族)が岩波書店と大江健三郎氏を訴えた裁判で、被告側を支援する活動も行っている。
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週刊『前進』(2309号6面2)(2007/09/03 )
8月21日〜28日
杉並区「教育基本条例」制定へ
安倍内閣改造、防衛相は高村
●イラク首相に不満 ブッシュ米大統領がイラクのマリキ政権について「一般的に言って一定の不満がある。政府が国民の要求を満たすことができなければ、国民は政府を入れ替えるだろう」と語った。(21日)
●ブッシュ「撤退なら悲劇」 ブッシュ大統領が演説で、「ベトナムの教訓の一つは、米撤退の代価は何百万人もの無実の人びとが負う。彼らの苦悩は『ボートピープル(難民)』や『再教育キャンプ』『キリング・フィールド』という新たな用語をもたらした」と強調した。(22日)
●杉並区が「教育基本条例」制定方針 東京都杉並区は、「教育の基本は人づくり」とする、区独自の教育基本条例を制定する方針を決めた。来年度施行を目指すという。同区の教育基本条例等に関する懇談会が提言をまとめた。提言は家庭と地域と行政の役割と責務のほか、就学前教育や郷土愛をはぐくむ政策の充実など、行政が取り組むべきことなどを条例に盛り込むよう求めている。(22日)
●海自の給油、半数は米向け 海上自衛隊がテロ対策特別措置法に基づきインド洋で展開している多国籍軍艦船への無償給油活動のうち、米艦船への給油が6年弱で350回に上り、参加11カ国全体の半数近くを占めることが防衛省の資料で分かった。(23日)
●ヘリ空母が進水式 ヘリコプター11機が搭載可能で海上自衛隊の艦艇では最大級となるヘリ空母の進水式が横浜市で行われた。「ひゅうが」と名付けられた。09年3月に就役予定。197bの全通甲板を持ち、ヘリ3機が同時に発着できるほか、高度な指揮通信機能を備えている。英海軍の軽空母に匹敵する大きさ。(23日)
●高江ヘリ着陸帯の作業開始 那覇防衛施設局は、北部訓練場の一部返還に伴う東村高江ヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)移設で、建設予定地につながる道路の整地作業を始めた。現場には移設に反対する住民ら30人が駆け付け、侵入路入り口前に座り込むなど阻止行動を展開した。翌日、高江住民らが「ヘリパッドいらない」住民の会を結成した。(23日)
●安倍内閣改造 安倍首相が内閣改造を行い、自公両党による安倍改造内閣を発足させた。経済成長戦略に批判的だった与謝野馨・元政調会長を官房長官に起用し、増田寛也・前岩手県知事を総務相に登用。地方重視の姿勢を示した。高村新防衛相はテロ特措法の修正を示唆した。(27日)
●米陸軍新兵応募に230万円のボーナス
米陸軍は7月下旬から、新兵募集の応募者に2万j(約230万円)の緊急ボーナスを支給する制度を導入した。米ワシントン・ポスト紙が報じた。陸軍は、財政年度末の9月までに年8万人の募集目標を掲げるが、親や教師、クラブ活動の監督らが若者に入隊を勧めないため、目標達成が困難になったという。(27日)
●安倍改造内閣、支持33% 安倍内閣の改造を受けて朝日新聞が行った全国緊急世論調査によると、内閣支持率は33%で、過去最低だった参院選直後の26%から上がったが、不支持は53%(前回60%)と引き続き半数を超えた。テロ特措法の延長に「反対」も53%と半数を超えた。(28日)
●F15が未明離陸強行 米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機4機が沖縄の伝統行事・旧盆「ウークイ」翌日、米本国へ向けて離陸した。「安保の見える丘」で騒音を測定した同町によると、午前4時39分に最高値の104・3デシベル(電車通過時の線路脇に相当)を記録。「爆音で眠れず、旧盆が台無しだ」「とてつもない騒音で跳び起きた」など、住民に怒りの声。(28日)
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週刊『前進』(2309号7面1)(2007/09/03 )
全国の大学で嵐の11月大結集運動を
学生1千人結集は絶対できる腹を固め徹底的に闘いぬこう
全学連大会へのアピール 全学連委員長 織田 陽介
11月労働者集会1万人結集、学生1000人結集は絶対にできる。すべての学生は腹を固めて徹底的に闘おう。一人ひとりが大学キャンパスで新井君・友部君のように闘おう。全国大学で11月集会結集運動の嵐を巻き起こそう。全学連大会(要項別掲)にすべての仲間は集まろう。
法大当局の学生支配を団結の力でぶっ飛ばせ
学生は、大学の学生支配に対し公然と闘いを宣言する。7月26日、4・27法大弾圧で不当逮捕・起訴された新井拓君、友部博文君の裁判が始まった。2人の堂々たる意見陳述は法大闘争の勝利そのものだ。新井君は次のように意見を述べた。
「平林(総長)が、法大を金もうけの道具としてどれだけ私物化してきたか。その過程で警察権力とどれだけ汚い癒着を繰り返してきたか。そもそも学生をどう見ているのか! すべてのことを全社会に明らかにし、この腐り切った平林体制の打倒、すなわち革命を呼びかける。これが本裁判の意義である。
私は4月27日の不当逮捕から23日間の転向強要と闘いぬき、3カ月にわたる不当な勾留をのりこえ、さらに裁判所による分離公判強行策動を粉砕して、友部君とともにこの法廷に立っている。これは、いくつもの弾圧をのりこえ、獄壁を越えて団結を拡大してきた法大生の勝利だ。この勝利からさらに、平林体制打倒に向かって裁判闘争を徹底的に闘い抜く決意だ。(中略)法大を法大生の手に取り戻す!」
また、友部君は次のように意見陳述した。
「法政大学と小泉−安倍政権が進めているような路線に未来などない。法政大学も、小泉・安倍政権も、学生や労働者のためになるようなことは何ひとつしていない。(中略)こんな社会だからこそ団結した方が自分自身を守ることができる。こういう社会をいい方向に変えていくには、団結した方がいいのだ。(中略)3・14弾圧について、その不当性を訴えていくことは、人間として尊厳をもって生きていくために絶対に必要なことであるし、この競争と分断で強権的に支配された大学や社会において団結を呼びかけることも必要なことである」
昨年3月14日、29人の学生が法大キャンパスで逮捕されて以来、法大当局は学生を弾圧し続けてきた。停学・退学処分を出し「学外者は出ていけ」とののしり、警察を導入して逮捕させ、ガードマンを使って暴力的にキャンパスからたたき出した。広場を封鎖して集会を妨害し、ついに広場で集会をやらせないために工事を開始した。新たに闘いに立ち上がる学生の顔をビデオで撮影し、「このままじゃ停学か退学になる」「就職もできない」と詰めよった。
法大闘争の中で一人の仲間が命を落とした。4月27日、彼を脅して死に追いやった下手人である副学生部長・藤村に対して新井君はありったけの怒りをたたきつけた。「お前ら人間じゃないよ!」
俺たちはこんな大学当局に絶対に負ける訳にはいかない! すべての仲間のみなさん、法大闘争勝利へ、あらためて激しく執念を燃えたぎらせよう。3万法大生の前でこんな不正義が通用するはずがないからだ!
「今年入った1年生が、闘う学生が10人、50人、100人と増えていけば、弾圧なんてできないと言っている。そのとおりになっていくだろう」(友部君の意見陳述)。法大当局よ、逮捕・退学、やれるものならやってみろ! 大学の主人公である学生が団結した瞬間、大学当局の勝ち目など1ミリもない!
(写真 「今こそ安倍政権を打倒しよう!」靖国神社弾劾デモ出発前に参加者に檄を飛ばす織田陽介全学連委員長【8月15日 法政大学正門前】)
競争をあおる資本の手先
安倍や御手洗経団連会長がわれわれ学生に用意する未来を真っ向から否定しよう。何が「2人に1人が一生フリーター」だ。何が「ニートは戦争に行け」だ。我慢がならない。法大当局はこうした腐りきった社会や支配階級の政策にかけらも抗議しないばかりか、学生のデモを「反社会的行為だ」などとののしった。
ふざけるな。この社会こそ反学生的だ。法大当局は「資格を取って差をつけよう」などと競争をあおり立て、仲間を蹴落とさなければ生きていけない現実に学生をたたき込んだあげく、学生の「労働力商品」としての価値を高めさせる。これは、一定期間働いて技術力の向上した労働者を別の企業に転売しもうける請負企業と何が違うのか。こんなことを「教育」と称して学費までふんだくっている。ここまで転倒したあり方は、学生の意志と行動でひっくり返せる。学生が団結を奪われて従わされている限りの支配にすぎない。
95年の「日経連プロジェクト報告」で資本家階級は、9割の労働者を非正規雇用にすると言っている。そして今、非正規が3割の現状から、さらに激しい競争にたたき込むという。しかし同時に、御手洗は「残された時間は10年程度」、そうしなければ資本主義はもたないと語った。こんな資本主義など、もたなくて結構だ。今こそ学生は団結しよう。競争と分断には団結だ。学生は資本主義の支配機構に成り下がった大学で革命を起こそう。大学から資本主義社会を転覆しよう。
時代は〈戦争か革命か〉帝国主義打倒へ闘う時
参院選では労働者、農民、学生の怒りの爆発で自民党が大敗した。安倍・御手洗の「改革」路線は全否定された。しかし、民主党が勝っても何も変わらない。なぜなら、問われているのは資本主義体制の支配上の政策や資本主義の枠内での「改革」の問題ではないからだ。資本主義が破綻(はたん)し革命が問題になっているからだ。
安倍は「改革なくして成長なし」などと言っている。冗談もほどほどにしてほしい。「改革したって成長なし」の間違いだ。もはや資本主義社会は一歩も成長などしない。4億円の別荘を買ったなどとグッドウィル会長・折口は自慢しているが、すべて派遣業で労働者を低賃金でたたき売り、「データ装備費」やら収奪の限りを尽くした金だ。社会を「成長」させるどころか、労働者の生き血を吸ってもうけの限りを尽くしている。ふざけるな。4億の別荘を建てたのも労働者なら、4億の富を作り出す労働も労働者の力だ。この社会の主人公は労働者だ。この労働者に仕事を与えられないどころか、労働者を殺しまくっている資本家階級に「成長」などと口にする資格などない。
現代は帝国主義段階の資本主義だ。帝国主義とは資本主義の最高の発展段階である。資本は国際的活動によって世界の市場を分割しつくし、資本と銀行は癒着・融合し、この巨大資本はぶつかり合い、市場を分捕り合う。そして@帝国主義は、過剰資本・過剰生産力をどうにも解決できず、また世界経済の分裂化・ブロック化へと突き進み、世界恐慌を引き起こす。すでに今年に入って何度も世界同時株安が起こり、ドル暴落、アメリカ発の世界恐慌の現れが始まった。こうした事態から資本家階級はまったく自由ではない。「成長」などお話にもならない。
Aまた、帝国主義は資源・市場の分捕り合いから世界戦争を不可避とする。それはすでにイラクで、アフガニスタンで開始されている。そして、朝鮮半島、最大の市場の分捕り合いとしての中国侵略戦争に向かってブッシュも安倍もつっこんでいっている。
Bそして、帝国主義は死滅しつつある資本主義であり、世界革命前夜であり、社会主義への過渡だ。「改革」で成長するものがあるとすれば、それは労働者の怒りであり、暴動であり、革命だ。時代は「戦争か革命か」をめぐる内乱の時代なのだ。
労働者と共に革命をやろう
民主党では何も変わらない。では誰が資本家階級に代わって権力をとるのか。それはこの社会の主人公であり、実際にこの社会を動かしている労働者階級だ。
第2次大戦後、日本は戦後革命期に突入、労働者が資本家にとって代われることを証明する「生産管理闘争」が闘われた。生産をせずに隠匿物資を闇で売りさばいて金もうけする資本家にとって代わって労働者が生産を管理した。
京成電鉄の労働者は「賃金5倍即時値上げ」を掲げて闘争に突入した。買い出しの都民で超満員となる「飢餓列車」で「無賃運転」を敢行、さらに「今年中にできるかどうか」と言われていた故障車両の修理をたった3日間でやり遂げて列車本数を増やした。「ガタ電」として有名だった列車を改善し、資本家の生産サボタージュを暴露した。そして労働組合による経営管理に踏み切り、運賃の徴収も組合で開始する。1週間足らずで会社を上回る収入を上げ、経営の実態を把握した。「会社は(5倍の賃上げは)とても無理だというが、なあんだ、それ位の金は半月足らずで出るじゃないか。どうしてやりくりがつかぬというのか分からねえ」。労働者の闘いは8時間労働制や賃金5倍値上げなどをかちとっていった。
読売新聞の労働者たちは、戦争に労働者たちを扇動した戦争責任を追及し、正力社長をたたきだした。自ら新聞発行を開始、「編集第一主義」「読売を民主的な新聞につくりかえる」と宣言し「国民と共に起たん」と新聞で闘いを宣言した。
労働者は社会の主人公だ。団結した労働者には社会を運営する力がある。腐り切った資本家にとって代わるべきは労働者階級だ。
こうした労働者の闘いを受け継いで闘っているのが動労千葉(国鉄千葉動力車労働組合)だ。JR資本の安全コストの削減、相次ぐ大事故とレール破断に対し、「闘いなくして安全なし」と組合が実力行使で速度を制限して闘った。地方ローカル線切り捨てに対しては「内房線は俺たちに任せろ、JR資本はじゃまだ」とストライキで闘った。ここに貫かれているのは「現場を動かしているのは俺たち労働者だ」という誇りと、「資本家の時代は終わった。労働者に権力をよこせ」という革命的な立場だ。
しかし、動労千葉の一番のすごさは、「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために」という団結の核心をどんな状況があろうとも絶対に曲げないことだ。なぜ連合や全労連などの組合執行部は、年間3万人もの自殺者が出ている現状と闘わないのか。法大の学生団体本部は、新井君・友部君の奪還に向けて闘えないのか。資本・当局と非和解的闘いになることを前にして、あたかも「大多数を守るため」と偽って仲間を切り捨てる。危機は自分の中から発生する。キャンパスの学生一人ひとりが、自分の利害を超えて、全学生のため、全労働者のために闘うことができる力を持っていることを信頼できないときに闘えなくなる。真剣に訴えれば必ず立ち上がる、学生は変わるという確信だ。「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために」。この当たり前の団結のスローガンを下ろしたときに、学生を「自分のことしか考えていない」存在におとしめ、誇りと団結を奪うのだ。
動労千葉は国鉄分割・民営化攻撃に対して、85年に全組合員がストライキを闘った。「全国鉄労働者のため、全労働者のために俺たちはクビをかけて闘う」。この闘いでつくられた信頼関係は本物の団結だ。だから動労千葉の闘いは「闘いの総括軸は団結の強化・拡大だ」「結果は後からついてくる」という闘いだ。「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために」。この団結が資本を倒す団結だ。共産主義社会を運営できる団結だ。この団結を拡大することが共産主義運動だ。
動労千葉の闘いに感動した青年労働者たちが「労働運動の力で革命やろう」を掲げて立ち上がった。クビや処分をかけて職場で立ち上がる青年たちは、8・6ヒロシマのデモでは警察が「逮捕する」と仲間に襲いかかったことに対して「仲間を返せ!」と体ごと機動隊にぶつかり、奪い返した。この青年労働者たちの姿は、必ず連合・全労連をひっくり返すと確信するに十分だ。だから学生のスローガンは「労働者とともに革命をやろう」だ。11月労働者集会にはこうやって本気で闘う労働者たちが集まる。学生は11月集会に大結集しよう。闘う労働者とともに未来を切り開こう。
新井君・友部君のように弾圧・処分恐れず闘おう
全学連はあらためて、11月集会への全国学生1000人結集を決意する。一人ひとりが本気になれば絶対に可能だ。全員が逮捕・退学を覚悟で闘おう。つまり新井君・友部君のように闘おうということだ。
「逮捕や処分をいくら強行しても、ガードマンを雇っても、学生と労働者の団結は拡大し続けてきた。平林総長は……この起訴で間違いなく墓穴を掘った。あとはこの裁判と全学ストライキで、この墓穴に放り込み、埋めるだけだ」(新井君の意見陳述)
処分を恐れぬ闘いは必ず本物の団結を拡大する。革命への活路はまさにここにある。弾圧はチャンスだ。断固引き受けて闘おう。
あのブッシュが追いつめられている。米企業のイラク石油産業への参入などを盛り込んだ「石油・ガス法案」をめぐってイラクかいらい政権は分裂。イスラム教スンニ派、シーア派反米指導者ムクタダ・サドル師の勢力、アラウィ元首相率いる世俗派勢力などが閣僚引き揚げを表明、37人中17閣僚がいない状態だ。「マリキ政権はもうすぐ終わりだ」(与党議員)
米下院ではイラク撤退法案が可決された。ブッシュは拒否権を使って支配を維持するが、完全に追いつめられている。イラク人民の闘いと、1930年代に続く「第2の高揚期」を迎えたアメリカ労働運動がひとつになってブッシュを追いつめているのだ。時代は団結の時代だ。こんなすばらしいことがあるだろうか。革命情勢を確認するだけではダメだ。誰が革命をやるのか。青年労働者と俺たち学生だ。自分こそ革命の指導者となって歴史を切り開く。処分がなんだ。腹を固めて徹底的に闘おう。
韓国ではスーパー労働者の非正規職化・外注化に反対して、労働者たちがクビをかけて籠城(ろうじょう)闘争を闘っている。こうした労働者たちが11月労働者集会に参加する。学生は世界革命へ向けて闘う。世界の労働者とともに進む。
全学連大会に結集しよう。「新井君・友部君のように闘おう」。このスローガンを心の底から全員が一致するまでトコトン議論しよう。悩みや苦闘もある。逡巡(しゅんじゅん)もある。だからこそ仲間との団結で突破しよう。
新井君・友部君にかけられた手錠は、300万学生全員にかけられた支配の手錠だ。学生は鉄鎖以外に失うのものなど何もない。全学連は革命家集団として生まれ変わろう。全員がキャンパスで11月集会への嵐を巻き起こそう。
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週刊『前進』(2309号7面2)(2007/09/03 )
軍の募兵官を追放
50校の高校で ロサンゼルスの教組
軍に情報渡す「落ちこぼれゼロ法」
「軍の奨学金で大学に行ける」
「軍に登録するだけでボーナスがもらえる」
校内を募兵官が何人も歩き回り、高校生に声をかける。カウンセリング室の壁には州兵のカレンダー、廊下には陸軍の像がいくつも置かれていた。学校のドアのカギ束にまで、「軍に行こう」と書かれたストラップがついていた。
募兵官は、電話帳に載せていない電話番号も知っていて、高校生の自宅まで電話をかける。繰り返し訪問してくる。
1997年にロサンゼルス東部にあるルーズベルト高校にアーリーン・イノウエさんが赴任した時に見たものは、軍が高校や生徒の家にまでずかずかと踏み込んでいる現実だった。
01年9・11の後、イノウエさんは他の教員や保護者、生徒、帰還兵とともに、募兵官に反対する活動を始めた。
この時期、ブッシュ政権は教育改革と称して「落ちこぼれゼロ法」(NCLB)を作った。全国の中学・高校に学力テストを課し、その成績に応じて補助金を配分する。競争、市場原理で教育の成果をあげようというものだ。
この法律は名称とは逆に、多くの生徒を切り捨てるものだ。アメリカの多くの学校では教師が自腹で教材を買わなければ授業が成り立たないほど財政難だ。この格差が補助金配分でさらに拡大される。
軍にしか希望を見出せない生徒がこうしてつくられてしまう。
また、NCLBは生徒の電話番号などを軍に提供しないと、学校の補助金をカットすると規定している。
このような「教え子を戦場に送る」ことを強いるNCLBに対して、粘り強く闘い、ルーズベルト高校では、03年にイノウエさんを中心にしてCAMS(校内の軍国主義に反対する連合)がつくられていった。また、CAMSは、全米の仲間とともにNNOMY(反軍国主義青年全国ネットワーク)を作った。
そうした闘いの結果、これまで毎日学校にいた募兵官の校内立ち入りが03年からは年4回に制限されるようになった。
イノウエさんが属しているUTLA(ロサンゼルス統一教組、4万3千人)では05年に、インフレ率以下の賃金要求など従来の指導部の屈服方針に反対する潮流が執行部選挙で勝利した。
執行部選勝利で反募兵の戦闘化
これにともなって、募兵官反対闘争も取り組みが活発になり、今ではCAMSは、ロサンゼルス学区の50校の高校を組織するに至っている。
そして、校内からリクルーターを追放しただけでなく、学校近くの募兵事務所まで高校生、保護者、兵士家族が押しかけて封鎖するという闘いが組織されている。
3月19日には、ルーズベルト高校から1ブロック先の所で集会をし、デモで募兵事務所に向かった。警察の弾圧に屈せず、事務所前に滞留して動かないという闘いをやりぬいて、一日中募兵事務所は封鎖された。
(写真 ルーズベルト高校の生徒らの闘いで封鎖された東ロサンゼルス募兵事務所【3月19日】)
兵員不足で米軍は破滅的な危機
募兵反対闘争はアメリカ帝国主義の根幹を揺るがしている。
イラクの戦場では兵士が足りない。兵士の採用基準をカテゴリー4まで下げてもまだ募兵数は目標に達しない。カテゴリー4は軍の適性テスト99点のうち30点以下の層だ。だから任期を何度も延長している。兵士の士気は低下し、抗命や脱走は増加の一途だ。米軍シンクタンクによれば募兵及び再入隊勧誘は「破滅的に衰退」している。
敵は矛盾だらけだ。日本の教育労働者が不起立闘争で労働者の団結を守り、「教え子を戦場に送らない」闘いに勝利できるのと同じように、アメリカの教育労働者は、募兵との闘いで勝利している。労働者の闘いはひとつだ。国際的に団結し、勝利しよう。
(村上和幸)
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週刊『前進』(2309号8面1)(2007/09/03 )
クビをかけて闘えばなんだってできる! 学生 中村真之
「ここまでやられたら、腹を固めて、団結広げて、革命だ」。先日行われた9・29ワーカーズアクション・イン池袋の第1回実行委員会での感想です。まさに、動労千葉が85年に分割・民営化粉砕ストに突入した時の迫力が、今必要なんだなと思いました。
事務局提起(HPに掲載)も圧巻でしたが、職場で資本とダラ幹からの弾圧にひるまず闘う青年労働者の報告は熱かった! “体制内派と折り合いをつけたら奴隷の道、俺たちは闘って生きるんだ”という労働者の誇りが、そこにはありました。同時に、指導部の一歩の後退やあいまいさが、どこまでも資本に身も心も仲間も売り渡すことになる、そういう意味では革命への試練を受けている時代なんだと思いました。
今回はっきりしたのは、クビをかけた闘いこそが体制との決別であり、情勢を切り開くということです。口で言うのは簡単だけど――なんて言っている場合ではない! グラグラになっている支配者どもに引導を渡すチャンス、労働者が権力取る時代が今ではないですか。
私は3・18−6・9の実行委員会では毎回、現場での苦闘・激闘に触れ、何より激しい討論に触れ、毎回奮い立つ思いでした。だからぜひ、あなたも実行委員会に!
その労働者の仲間は、『俺たちは鉄路に生きる3』の読み合わせをしていて「俺たち過激派じゃない、革命派だ」と言ったとのこと。私たち学生も動労千葉精神で武装し全学連大会から9・29池袋で革命家集団になって11・4へ突き進みます。
ギリシャの山火事に見る資本主義の本性 藤谷秀人
ギリシャで大規模な山火事が続いている。当初地球温暖化による大災害として報じられていたが、実はそれだけではなかった。ギリシャの山火事はここ数年、毎年夏に発生しているらしいが、今年の山火事は放火によってこれほどひどいものになったらしいのだ。
放火と聞いていぶかしく思っていたが、実は宅地業者が山林を宅地化する地上げのために放火したというのだ。そのやり方もウサギに灯油をかけ、火をつけて山林に放つというもので、とんでもないやり方だ。テレビ朝日の解説者は「にわかには信じがたいことだ」とコメントしていたが、ちょっと待てよと思った。
日本でも少し前に似たようなことがあちこちであったのではないか。土地バブルの頃、地上げのために暴力団を使って住民を暴力的に追い出したり、家に火をつけて追い出すということまであったではないか。これが資本の姿ではないか。
三里塚では農民を追い出すために農民の農地を守るための農地法を使って土地を取り上げようとする攻撃まで行われている。現に人が住んでいる農家の頭上40bにジェット機を飛ばし、殺人的な爆音で追い出そうとしている。しかもこれは、国策のもとに成田空港会社がやっていることだ。日本政府は空港建設のために農民を機動隊の暴力を使って追い出し、ありとあらゆる暴力的攻撃をかけてきた。実に極悪非道なことである。
ギリシャの山火事では60人を超える人が命を落とし、多くの人が家や車を焼かれ、焼け出されてしまった。政府が、山火事発生当初、何も対策をとらなかったことに人びとの怒りが高まっており、数千人が集まって抗議する事態にもなっている。
この事態に追いつめられたギリシャ政府は、非常事態宣言を出した。この非常事態宣言は、何よりも労働者人民の怒りの決起に対して向けられた弾圧政策なのだ。鎮火や放火犯の逮捕は表向きにすぎない。
「小林一男同志をしのぶ会」に参加して 東京 川手 透
8月、「五平さん」の愛称で呼ばれた小林一男同志が不慮の事故で亡くなって11年、『前進』印刷局出身の仲間が集まって「しのぶ会」を催した。
最初に皆の口から出た言葉は、「墓の中で怒りを爆発させているだろうな」だった。
小林同志は、柏崎出身の生粋の労働者で、柏崎原発反対同盟員として当時を全力で闘い抜き、直後に党に結集し印刷局に赴任した。その時から、「柏崎原発は、活断層の上に造っているんだ。地震が起きたら大事故になる」と常に話していた。
生きていれば柏崎現地に飛んで行き、先頭に立って東電を追及していたに違いない。小さな体に闘志をみなぎらせたその姿が目に浮かぶ。「しのぶ会」に参加した皆からも、そのことが話された。
小林同志は、印刷局在任中も反核闘争を全力で闘っていた。1992年10月26日付『前進』に、六カ所闘争を闘った彼の投稿が載っている。その中で、「何度か現地集会に参加しているが、そのつど怒りと核燃白紙撤回・核武装絶対阻止の思いを新たにし、闘う力がわいてくる」と記している。
柏崎原発事故への彼の怒りは、どれほどのものか。この彼の怒りと闘志を胸に刻み、核廃絶・帝国主義打倒を皆で誓って献杯した。
(写真 ハンストを報じる1980年12月2日付の読売新聞。掲載写真の左端が小林同志)
「日本の裁判は長すぎる」というが本当か? 高倉光雄
先日、NHKニュースを見ていたら、「最高裁の調査で、2年を超える刑事裁判は0・3%であることが分かった」とアナウンサーが言っていました。私は「あれっ」と思い、翌日、新聞で詳しく見ようと思いましたが、どの新聞にも出ていません。そこで、最高裁のホームページを開いたら、簡単にデータが見つかりました。
マスコミは、何かあるとすぐ、「日本の裁判は長すぎる」とキャンペーンを張ります。皆さん、これは本当でしょうか。答えはノーです。最高裁自身が証明しています。
「裁判の迅速化に係る検証結果」(7月13日発表)によると、刑事裁判の平均期間は3・1カ月です。なんと7割以上が3カ月以内に終わっています。これのどこが「長すぎる」のでしょうか。日本では、まともな裁判をやっていないのです。
それなのに、報告は、被告人が無実を訴える「否認事件」にかみつきます。「否認事件」だけをとると、平均は8・9カ月になります。その原因は証人尋問や被告人質問が多すぎるからだ、「公判前整理手続」を実施すれば裁判期間は半分にできる――これが最高裁の本音です。
こんな攻撃を打ち破り、爆取裁判も、国労臨大闘争裁判も、そして法政大学の裁判も、無罪をかちとるまで、とことん闘いぬきましょう。
「米沢の秋−近い未来を想う」 星野文昭同志
(「米沢の秋−近い未来を想う」 星野文昭同志)
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週刊『前進』(2309号8面2)(2007/09/03 )
都庁包囲アクション 都教委の暴走とめよう
根津さん“今が全力出すとき”
(写真左 「不当処分を撤回しろ!」怒りの叫びが都庁舎に突き刺さった【8月27日】)
(写真右 要請団と呼応して都庁舎前では都教委糾弾集会がつづき「解雇許さない」との発言が相次いだ)
8月27日、「処分・処分と暴走する都教委をとめよう!」都庁包囲アクションが、都教委包囲・首都圏ネットの呼びかけで闘われ、教育労働者を先頭に350人が都庁前の集会に結集した。猛暑の中、すでに午後2時から包囲ネットの4台の街宣車が新宿駅周辺を回り、右翼団体の妨害をはねのけながら、「君が代」強制に対して不起立で闘う労働者への処分乱発を続ける都教委を弾劾し、アクションへの参加を呼びかけた。
午後4時に集会が始まり、最初に全員で力強くシュプレヒコール。都庁庁舎に向けて怒りのこぶしを突き上げた。続いて都教委への抗議・要請団を全員の拍手で送り出し、集会が続けられた。被処分者の会、被解雇者の会を始め、教育労働者が次々と発言した。
「君が代」処分と最先頭で闘う根津公子さんがマイクを握った。
「不起立を貫いてきたことで、停職6カ月の処分を受けている。次にやったらクビということを覚悟している。しかし簡単にクビにはさせない。10月から新たに具体的な形で都教委に対する行動を起こす。教え子を戦場に送らないために、今が全力を出すときだ。いっしょに不起立しましょう」と熱く呼びかけた。
続いて、停職3カ月の処分と闘う河原井純子さんが、「全国行脚して北海道へ行き、『君が代』処分への不当を訴えてきた。この解雇攻撃を阻止できたら改憲阻止の礎(いしずえ)になると固く確信する」と訴えた。
また、大阪から参加した教育労働者が処分粉砕の署名を進めていることを報告し、「大阪でも根津さん、河原井さんのように不起立を貫き闘う。東京での根津さん支援の闘いに全力でかけつける」と決意を明らかにした。
集会は2時間にわたり、参加者が次々と立って闘いの報告をし、石原都知事と都教委への弾劾をたたきつけた。要請団が戻ってきて、都職員の木で鼻をくくったような対応が報告されると、一同は大きな怒りに包まれた。「処分を撤回しろ!」「10・23通達を撤回しろ!」とシュプレヒコールが都庁前から新宿のビル群にこだました。
6時半、場所を近くの「西新宿こども館」に移して「後段集会」が開かれた。
松山大学教授の大内裕和さんが講演を行った。「参院選で安倍は惨敗し、地方での自民党支持は崩壊した。青年労働者の怒りが高まり、新しい世代の運動が起こりつつある。石原と対決する東京での闘いが重要だ。根津さんへの解雇攻撃は、個人の問題ではない。来年3月の卒業式が決定的だ。『君が代』強制反対の闘いを今こそ全国に広めよう」
その後参加者の発言が続き、最後に、今年3月の卒業式の「君が代」不起立で処分を受けた教育労働者が、この7月に渡米しNEA(全米教育協会)大会に参加した報告を行った。
「不起立の闘いの意義を訴え、根津さんの解雇を許さない署名を提起すると、アメリカの教育労働者はすぐに理解し次々と応じた。解雇を阻止する最大の力は来年春の卒業式で、私たちが根津さん、河原井さんとともに断固として不起立を貫くことだ」
決意をこめた鮮明なアピールに、参加者から大きな拍手がわいた。
集会決議を採択し、最後にアクションの成功を確認して参加者全員で団結ガンバローを行った。
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週刊『前進』(2309号8面3)(2007/09/03 )
“不当処分を撤回しろ”
都教委に抗議・申し入れ
都庁包囲アクションの参加者を代表し、被処分者の会、被解雇者の会、河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会など7団体8グループが都教委への申し入れを行った。二つの要請団が議会棟へ、他の二つの要請団は都庁第2庁舎の都教委に向かった。
第2庁舎27階では都教委人事部に、10・23通達や不当処分の撤回を求める申し入れが行われた。入口は鉄の鎖で封鎖されドアには「関係者以外立入禁止」の張り紙が張られていた。「これが申し入れに対する回答か!」激しく職員に詰め寄るが、職員は「ご要望があれば教育情報課で承ります」とつぶやくのみ。激しい追及の後、2週間以内の回答を約束させて各団体が申入書を読み上げ、職員に手渡した。
29階では都教委指導部に「個別勧奨退職」などへの抗議が行われた。
(写真 都教委人事部に対して不当処分の撤回を求め申し入れ)
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