ZENSHIN 2007/08/20(No2307 p06)
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週刊『前進』(2307号1面1)(2007/08/20 )
対テロ特措法延長・憲法審査会設置阻止を
安倍打倒・11月大結集運動へ
自治労大会日教組大会 改憲勢力化を阻止しよう
青年・学生先頭に“内乱型デモ” 8・6ヒロシマ大行動のデモで青年労働者を不当逮捕しようとした警察に千人の怒りが爆発。実力で仲間を奪還した(広島市金座街)=関連記事2、3面
参院選での安倍政権の大敗と危機は全情勢を一変させた。日帝の戦後の労働者支配がついに雪崩をうって崩壊し、政治危機・体制危機が大爆発していく時代が始まった。この革命的情勢の急接近を現実の革命に転化するために今、何が必要か。帝国主義の打倒をめざして闘う労働者階級の戦闘的隊列が、体制内労働運動の壁をぶち破って、今こそ全情勢の決定要因として躍り出ていくことである。それが11月労働者集会への1万人結集だ。07年前半戦に続いて8・6〜8・9、8・15闘争を闘いぬいた地平の上に、一切を11月の勝利の一点にかけて総決起しよう。革命への扉をここで絶対にこじあけよう。
参院選と階級的激動への突入
参院選の結果が示したものは何か。日本の階級情勢が、戦後革命期以来の大激動期、大激突期に突入したということだ。
自民党(与党)の史上空前の惨敗はもはや、安倍政権への怒りの爆発にとどまらない。地方・農村での自民党の伝統的な支持基盤の崩壊を始め、これまでの自民党支配を支えてきたあらゆる枠組みがふっとんだことを意味している。戦後革命の敗北以来半世紀をこえて続いてきた、戦後のブルジョア議会(議会制民主主義的統治形態)を通じた日帝ブルジョアジーによる国内支配が、ついに大崩壊を始めたのだ。
そこには、95年日経連プロジェクト報告以来、小泉構造改革以来の日帝の全攻撃に対する、6000万労働者階級のつもりにつもった怒りの爆発がある。とりわけ2000万青年労働者の「生きさせろ!」という叫びがある。さらに安倍・御手洗による戦争・改憲と民営化攻撃の一環としての農業・農民圧殺攻撃に対する、農民の歴史的な総反乱の開始がある。地方の切り捨てや社会保障の解体に対する全国の人民の、もうがまんできないという怒りがある。
民主党への票の流れはこの総反乱の、さしあたりの表現にすぎない。日本共産党や社民党の没落は逆に、労働者階級人民の怒りがもはや体制内の改良ではなく根底的な社会変革、革命を求めていることを示している。これは内乱の始まりであり、そのほんの序の口だ。現に日帝支配階級は、これから始まる一層の革命的大激突への恐怖におびえている。
さらに、参院選の直前から始まり、ますます深刻化している世界的な株価急落・信用不安は、ドル暴落と世界大恐慌の危機をいよいよ刻一刻と切迫させている(5面参照)。米の住宅バブルの崩壊がサブプライムローンを始め住宅ローンの不良債権化からヘッジファンドや金融機関の世界的な危機に発展し、信用の収縮を引き起こし、ドル暴落と世界金融恐慌へと向かい始めたのだ。これは日帝を直撃し、国家的破滅へとたたき込むものだ。
資本主義・帝国主義の命脈はもう完全に尽きた。このことがあらゆる意味ではっきりした。だが帝国主義は帝国主義である限り、自ら退陣などしない。御手洗・日本経団連を始め日帝の大ブルジョアジーはグラグラの安倍政権を必死に支え、「改革をやめるな」と絶叫している。現在の彼らには、危機に立てば立つほど、戦争・改憲と民営化・労組破壊に一切をかけて突進する以外に選択の余地はない。最後は帝国主義戦争・核戦争で大量の人民を虐殺してでも自らの延命を追い求める。それが帝国主義というものの本質だ。
今や、戦後体制はすでに実質的に崩壊した。労働者階級による国家権力の奪取=プロレタリア革命か、支配階級による反革命クーデターか、そのどちらか以外に決着のつかない過程が本格的に始まったのである。
このことは、左右を問わず、戦後体制に依拠してきたすべての党派の完全な破産をつきつける。支配階級の分裂と危機が深まる中で、安倍の掲げる「美しい国」=「大日本帝国の復活」を求める極右的・ファシスト的な潮流が、より公然と台頭してくることは不可避である。これに対して、本質的に第二ブルジョア政党である小沢民主党はもとより、社民・共産などの既成政党や連合・全労連などの体制内労働運動は、何ひとつ対決できず果てしない屈服を深める以外ない。むしろ労働者階級の決起に対する圧殺者として立ち現れてくることになる。
だが労働者階級は、賃金奴隷の鎖を断ち切るために団結して立ち上がるや否や、階級としてのその本質にもとづいて、自らの解放に必要なすべてのことを急速に学んでいく。闘いの中で闘いを学び、自己変革と飛躍をかちとり、帝国主義と闘う全人民をそのもとに結集して、革命に勝利し新社会を建設する主体へと成長していくのだ。
その一切のかぎは、職場生産点で、体制内労働運動の壁をぶち破って、資本・権力との非和解的激突を開始していくことにある。その中であらゆるブルジョア支配、差別分断支配を打ち破って階級的団結を不断に強化し、いたるところに闘いの拠点をつくりだしていくことが決定的である。権力奪取の一斉武装蜂起に勝利する土台は、この階級的団結の拡大にある。まさに「団結の究極の拡大が革命」なのだ。
11月1万人結集とは、こうした労働者階級の職場での団結形成をその中心で担う組織者が、1万人の規模で日比谷野音に結集するということだ。日本階級闘争が革命的大激動期に突入した中で、体制内労働運動を打倒し、のりこえる新たな階級の指導部が公然と姿を現すということである。動労千葉、全日建運輸連帯関生支部、全国金属機械港合同の3労組共闘の発展の上に、闘う労働組合のナショナルセンターを打ち立てていく出発点を築くものだ。その意味で昨年までの11月集会とも画然と違う、巨大な意義をもっている。
しかもそれは同時に国際連帯集会である。日米韓の労働運動の最も戦闘的で革命的な潮流が国境を越えて団結し、国際的な単一の軍勢となって、プロレタリア世界革命に向けた歩みをこの面でも本格的に開始するのだ。11月1万人結集実現の中にこそ、階級的労働運動路線の大前進と飛躍のすべてがある。ここで歴史を画する勝利を必ず切り開こう。
職場生産点で闘い切り開こう
11月1万人結集の実現のために第一に必要なことは、4大産別決戦を軸に、職場生産点での闘いの前進を今こそ圧倒的に切り開くことだ。参院選後の情勢を労働運動再生のチャンスとして、全国・全産別で職場闘争を巻き起こそう。
それは同時に、体制内労働運動との激突を不可避とする。資本・権力の攻撃を頭を低くしてかわそうとしたり、現体制と「折り合いをつける」道を探ろうとするやり方はもう通用しない。それでは労働者のぎりぎりの生存権すら守れない。だがこのことを徹底的にはっきりさせ、「資本家階級の支配を打ち倒そう。労働者こそ社会の主人公だ」と6000万労働者に呼びかけて闘うなら、戦後革命期に匹敵する巨万の決起は必ず生み出される。
すでに怒りは充満している。問題はこの怒りに火をつけ、職場で仁王立ちして立ち上がる者が一人でもいるかどうかだ。われわれ自身が「その一人」になり切るかどうかだ。まさに今、わが同志一人ひとりの「党の革命」こそが問われている。ここで本当に決起しよう。自己の決断と飛躍をかけて踏み出そう。
8・27〜29日教組大会、8・28〜31自治労大会をめぐる決戦を、この精神で断固ぶちぬいていこう。クビをかけて闘う被処分者の決起に連帯し、不起立闘争を全国に拡大しよう。社会保険庁労働者を「ゴミ」と言いなして押しつぶす攻撃に、全公務員労働者・自治体労働者の尊厳をかけた怒りの猛反撃をたたきつけよう。闘わない本部を打倒しよう。日教組つぶし、自治労つぶしをはね返す道はここにある。またこの闘い自身が改憲阻止の決戦そのものだ。
さらに全逓決戦は今こそ正念場だ。郵政民営化絶対阻止の旗をいよいよ高く掲げ、全職場での蜂起的決起をかちとろう。
裏切りに裏切りを重ねる国労本部を断じて許さず、動労千葉を先頭に、国鉄労働運動の革命的再生へ闘おう。
4大産別決戦を先頭に、これと一体のものとして、合同労組の闘いを始め全国全職場での闘いを前進させよう。労働者学習センターから新たに刊行された『俺たちは鉄路に生きる3――国鉄分割・民営化20年 動労千葉の闘い』は、そのための実に豊かな実践的指針と教訓だ。『俺鉄3』に徹底的に学び、実践しよう。
第二に必要なことは、この職場での闘いの前進と結合して、危機を深める安倍政権の打倒と改憲阻止決戦の大爆発へ向け、労働者階級を中心に一大人民決起をつくりだして闘いぬくことだ。
11月1日に期限切れを迎える対テロ特措法の延長を絶対阻止する闘いは、この点でとりわけ決定的だ。安倍政権の危機と支配階級の分裂が進む中で、この闘いに勝利し、自衛隊の撤兵を実力でもぎとることはまったく可能だ。
いまひとつの焦点は、臨時国会での憲法審査会設置を粉砕する闘いだ。改憲阻止・侵略戦争阻止の一大政治闘争を組織し、11月1万人結集をその頂点として闘いとろう。
「集団自決」に関する教科書検定意見の撤回を求める9・23沖縄県民大会が決定された。実行委は95年の県民大会を超える大結集を実現し、撤回まで闘い続けるとしている。連帯して闘おう。
10・7三里塚全国闘争に決起しよう。
第三に、何よりも青年の大決起が一切を決するということだ。闘う青年労働者と学生が、それぞれ1000を超える巨大な隊列で11月集会に大合流することが日本革命の成否を決める。3・18、6・9に続き9・29ワーカーズアクションが呼びかけられている。大成功をかちとろう。9月全学連大会を成功させよう。
本紙夏季特別号高原論文と「2007年7月テーゼ」で打ち出した思想と路線のもと、今秋決戦勝利へ一丸となって進撃しよう。
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週刊『前進』(2307号1面2)(2007/08/20 )
8・15 靖国神社にデモで肉薄
“戦争の道許さない” 日韓の労働者が連帯
靖国神社に隣接する法大正門前に結集した労働者・学生が靖国参拝阻止と安倍打倒の決意を次々述べた(8月15日)
安倍首相の靖国神社参拝阻止のデモが8月15日午前、反戦共同行動委員会の呼びかけで闘われた。韓国から民主労総ソウル地域本部のメンバー2人も合流し、「靖国神社粉砕」のコールで右翼も蹴散らす戦闘的なデモを貫徹した。
安倍来れず
朝からの猛暑の中、靖国神社に隣接する法政大学の正門前に労働者や学生が結集した。都政を革新する会の北島邦彦・杉並区議の司会で参拝阻止の決意表明が続いた。
全学連の織田陽介委員長が基調を提起。40人を超える学生が逮捕され、2人の学友が起訴された法大キャンパスを前に熱烈にアジテーションを行った。「参院選に示される労働者の怒りの爆発の中で安倍は参拝できず、危機感を募らせた右翼が結集している。すべての反動を打ち破り、労働運動の力で革命やろう」
動労千葉の川崎昌浩執行委員が闘いの決意表明と連帯のあいさつに立った。「労働者の力で革命・社会変革をやろう。ストレートな訴えが通じる時代が来た」と、11・4労働者集会に闘う労働者1万人を結集させ、その力で安倍を打倒しようと呼びかけた。
パクスンヒ事務処長が熱い国際連帯のあいさつを行った。「戦争で利益を得るのは帝国主義。被害を被るのは労働者」と韓国でも日増しに高まる戦争反対の声とノムヒョン政権への怒りを紹介し、「資本主義断罪の闘いを地域・業種・国境を越えた連帯で闘おう」と訴えた。
東京労組交流センター、部落解放同盟全国連合会の青年労働者、婦人民主クラブ全国協の決意表明が続き、東京反戦共同行動委員会の三角忠代表の行動提起を受けて、デモに出発した。
右翼を撃退
決意表明が続く中、数人の右翼が闘争破壊のために突撃を狙った。だが「安倍もろとも靖国神社をぶっつぶすぞ」「労働運動の力で革命やるぞ」の戦闘的雰囲気に右翼の突撃は空叫びに。飯田橋駅まで靖国神社方向に進み、その後防衛省近くまでのデモを貫徹した。
朝鮮・中国−アジアを侵略した日本帝国主義の15年戦争の敗戦から62年のこの日、政治危機を深める安倍首相は靖国神社を参拝することができなかった。参院選での歴史的大敗で改憲と新たな戦争への攻撃は決定的な後退を強いられたのだ。
だが他方で小泉前首相や超党派の国会議員でつくる「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の反動国会議員46人が参拝。閣僚では安倍の意を汲み高市沖縄担当相のみが「参拝しない」という前言を卑劣にも当日になって覆し、コソコソと参拝を強行した。
安倍政権の改憲と戦争の攻撃に対し、高まる労働者の怒りを組織して、11・4労働者集会1万人結集を実現し、安倍を打倒しよう。
(写真 強烈な日差しの中、動労千葉の田中委員長とソウル本部のパク事務処長を先頭にデモは戦闘的に進んだ【市谷】)
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週刊『前進』(2307号2面1)(2007/08/20 )
久間発言-原発事故に怒り“日帝打倒”“安倍打倒”労働者の闘う熱気
8・6広島 ヒロシマ大行動に2500人
核兵器と原発の廃絶誓う
青年・学生を先頭に金座街デモ
ヒロシマ大行動の集会に参加し気合いを入れる2500人の労働者(8月6日 広島県立体育館小アリーナ)
被爆62周年の8月6日広島、9日長崎で、反戦反核闘争が全国からの大結集で闘われた。参院選での安倍の惨敗という階級的激動期への突入の中、”労働者の団結こそが核と戦争を止める”という訴えが多くの労働者の怒りと結びついた。この高揚を11月労働者集会の1万人結集へとつなげよう。
「やったぞ! 仲間を取り戻したぞ!」――若者のデモに襲いかかった機動隊がアーケードで青年労働者を逮捕しようとした時、すべての青年労働者と学生が一体となって街を止め、仲間を奪い返した。団結があればどんな弾圧もはね返せる――誰もが確信した。
8月6日、実行委員会が呼びかける8・6ヒロシマ大行動に全国から2500人が結集し、被爆62周年を迎えた広島で新たな団結をうち固めた。青年労働者と学生の解放感あふれる戦闘的デモには、そのすべてが凝縮されていた。
被爆者が怒りこめ次々発言
広島県立体育館で行われた集会は、正午からヨッシーとジュゴンの家の演奏で始まった。司会を務めた広島大学の学生と女性の青年労働者が「安倍を倒す決意を固める集会にしよう」と宣言し、集会スローガンが読み上げられた。
開会のあいさつに立った栗原君子さんは「被爆者を前に、久間元防衛大臣の『しょうがない』発言はけっして許せない。しっかり団結し、核と戦争をなくすために前進しましょう」と訴えた。
被爆者からの訴えで、栗原真理子さんは、母親である故栗原貞子さんの「提灯デモ」という60年安保闘争をうたった詩を朗読し、「会社や国あっての自分ではない。若い人や働く人が元気を出そう」と呼びかけた。また元第五福竜丸乗組員の大石又七さんは「53年前のビキニ事件は現代につながっていることを知ってほしい」と語った。さらに建交労広島支部委員長の吉田治平さんは「被爆直後、新聞社に入社し原爆報道を書いたが、GHQからピストルを突きつけられ弾圧された。その怒りと悔しさは必ず晴らす」と怒りを込めた。
実行委員会を代表して谷口恭子さんが基調報告を行った。「被爆した労働者の闘いこそ、日本の核武装と憲法9条改悪を阻んできた力だ。労働者が団結すれば核と戦争を止められる。戦争なしには成り立たないこの社会体制をひっくり返すことができる。この集会でそういう団結を固めましょう」と力強く訴えた。
国際連帯では、まず中国の成都から訪日した重慶大爆撃損害賠償第2次原告団が登壇し、「日本政府は重慶大爆撃の被害者に謝罪と賠償を行え」と訴えた。また、韓国原爆2世患友会代表のチョンスッキさんは「日本人と韓国人、2世・3世への差別をのりこえ連帯しよう」と提起。平和市民連帯のカンジェスクさんは「国境を越え民衆レベルの連帯を」と訴えた。イラクからは、自衛隊のイラクからの撤退を求める裁判の原告団であるハッサンさんがアピールし、またフサーム医師のメッセージをセイブ・ザ・イラクチルドレン広島代表の大江厚子さんが読み上げた。
元相模女子大教授の吉田義久さんは「日米が準備している核戦争を阻止するためには革命しかない」と高らかに宣言。沖縄県高教組委員長の松田寛さんは、文科省が沖縄戦での日本軍による「集団自決」強要の事実を教科書から抹殺したことを激しく弾劾し、「95年に匹敵する集会を実現したい」と決意を述べた。ピースリンク広島・岩国・呉世話人の湯浅一郎さんは、岩国・呉基地に対する反対運動を紹介し、「対テロ特措法を廃案に追い込もう」と訴えた。そして広島の青年労働者が「労働者だけが持っている団結の力を、安倍や御手洗に見せつけよう」とカンパアピールを行った。
(写真 炎天下、国家権力の不当な弾圧を打ち破り、戦闘的なデモを闘い抜いて平和公園の資料館下に感動的な合流。この闘いでつかんだ団結の力は、青年労働者・学生をはじめすべての参加者に、革命の勝利を確信させるものとなった【8月6日】)
無数の怒りをつなげ11月へ
圧巻は4大産別を先頭とした労働者からの発言だ。教育労働者として東京の被処分者の根津公子さん、河原井純子さん、広教組青年部の教育労働者が発言した。根津さんは「たとえクビになっても都教委と闘う」と訴え、河原井さんは「『君が代』解雇はすべての教員の問題。解雇をさせない新たなうねりを」と提起した。広教組の労働者は「不起立から始めよう。不起立には労働者を団結させる力がある。不起立には国際連帯の力がある。不起立の闘いにあるあらゆる可能性を引き出して自己解放のために闘う」とアピール。会場は闘う教育労働者に圧倒的な拍手でこたえた。
動労千葉の田中康宏委員長は「参院選での安倍の惨敗は労働者の怒りの噴出だ。11月4日、無数の怒りと可能性を全部つなげる大集会を東京でやろう」と提起。また鉄建公団訴訟九州原告団の羽廣憲さんは、あらゆる分断をのりこえ1047名闘争を貫こうと訴えた。
大反戦旗を掲げて登壇した愛媛県職労の労働者は「社保庁労働者へのバッシングをすべての労働者の団結ではね返そう。民営化こそ悪だ」とアピール。また広島の全逓労働者の大槻豊茂さんは「血と汗でつかみとった協約を勝手に売り渡すJPU本部を打倒し、闘うわれわれの手に執行権を奪い返そう」と訴えた。
広島大学の学生は「絶望ではなく最高に胸躍る時代です。喜びをもって団結を武器に闘おう」と元気いっぱいに宣言した。部落解放同盟全国連広島支部青年部長の金平玲さんが集会アピールを読み上げ、実行委員会事務局長の平岡誠さんが行動方針を提起し、市内へのデモ行進に出発した。
県教委・中電に抗議行動
シュプレヒコールが響き渡るとデモ隊とともにこぶしを突き上げる人、さらに飛び入りで参加する人も次々と現れた。特に金座街から本通りに至るアーケードは、街行く労働者の怒りとデモ隊のコールが完全にひとつになった。
「日の丸・君が代」処分の撤回を求める抗議行動には東京と広島の教育労働者が参加し、「不当な処分は戦争につながる」と県教委を弾劾した。また反戦被爆者の会の下田礼子さんらが、原発事故に関する中国電力への抗議行動を行った。
猛暑の中をデモ行進し平和公園で合流した全国の労働者や学生は、「次は11月労働者集会だ」とともに決起を誓った。
(写真 東京と広島の被処分者が広島県教委に処分撤回を求めた)
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週刊『前進』(2307号2面2)(2007/08/20 )
8・6朝デモ 祈念式典を糾弾
”広島の怒り思い知れ”
6日早朝、8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争統一実行委が呼びかける安倍来広阻止・翼賛式典糾弾のデモが、400人の大結集で闘われた。
デモに先立ち、7時過ぎから東千田公園で集会が行われた。冒頭、病をおして参加した反戦被爆者の会会長の大槻泰生さんが発言に立ち、「今日は戦争へ突き進んでいる安倍との闘いだ。久間発言は絶対に許せない」と怒りを表した。
実行委代表の三角忠さんが「改憲と戦争をわれわれの力で止める」と基調報告。全国被爆者青年同盟の代表が「被爆2世・3世は、被爆者の英霊化を絶対に許さない。ともに安倍を打倒しよう」と戦闘的デモを呼びかけた。
いよいよデモ出発だ。沿道や家の窓から、市民がデモ隊に注目している。鷹野橋電停では、70歳ほどの女性が何度もお辞儀を繰り返し、拍手してデモ隊を励ました。青年労働者先頭に、不当な規制に出てきた機動隊をはね返して、デモ隊は意気高く平和公園に向かった。中国電力本社前では、上関原発建設阻止と島根原発運転停止を掲げて座り込む労働者とエールを交換した。
8時過ぎ、デモ隊はいよいよ元安川沿いの道に入った。対岸では安倍が参加して平和祈念式典が行われている。直線距離で200bもない。
原爆投下時刻の8時15分、デモ隊は立ち止まりシュプレヒコールを繰り返した。「安倍は今すぐ帰れ!」「久間発言を絶対に許さないぞ!」「広島の怒りを思い知れ!」――怒りの声は式典会場を直撃した。
デモの解散地、原爆ドーム前で実行委の入江史郎さんがまとめの発言を行い、ヒロシマ大行動への合流を誓い合った。
(写真 ”安倍は今すぐヒロシマから出てゆけ”――被爆者の思いを踏みにじる安倍の祈念式典出席を徹底的に弾劾し、式典が行われている平和公園の対岸から激しい怒りのシュプレヒコール【8月6日】)
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週刊『前進』(2307号2面3)(2007/08/20 )
”根津さんを解雇させるな”
全国で不起立闘争を
教労先頭に産別集会「11・4」へ熱い討論
8月5日午後、教育、自治体、国鉄、郵政(全逓)、医療・福祉、民間・基幹産業、合同労組の七つの産別の労働者交流集会(各実行委の主催)が、広島市東区民文化センターで行われた。
「うち破ろう!改悪教基法/とめよう!戦争・改憲/教育労働者交流集会」には、全国各地から180人が参加した。
東京で「日の丸・君が代」不起立による停職処分と闘う2人の教育労働者がアピールした。停職6カ月処分のただ中の根津公子さんは、「そこらじゅうに『座る、座る』と大きな声で訴え、全国で不起立闘争を起こしましょう」と切り出した。そして「私は来年3月に免職になる危険性がある。しかし『免職にしたら大変なことになる』と都教委に思わせるような事態を巻き起こせば、免職にはできない。これから6〜7カ月にかかっている。08年3月に04年を上回る不起立を実現し、日教組を突き動かそう。君が代解雇をとめる闘いは『日の丸・君が代』強制と国家主義教育をやめさせる力です。ご協力を」と真剣に訴えた。
6月末まで3カ月の停職処分を受けていた河原井純子さんは、停職期間を活用して全国行脚を行ったことを報告。「『根津さんの解雇を絶対許してはいけない』という思いで全国行脚に出かけました。君が代解雇を阻止できたら、憲法改悪を阻む力と勇気になります」と述べ、「さまざまな集まりで『根津・河原井の問題はけっして2人だけの問題ではない。一人ひとりに課せられた問題』と確認できて、とてもうれしかった。根津さんの君が代解雇を阻みましょう。そのために一人ひとりができることから始めよう」と呼びかけた。
広島の教育労働者が主催者からの問題提起を行い、「ここにいる仲間の力を結集して、日教組・森越委員長を引きずり下ろし、闘う日教組をつくろう。不起立闘争の拡大で根津さんの免職を阻止し、改悪教育基本法を紙切れにしよう。職場闘争に徹底的にこだわり、団結をつくり出して、11月労働者集会に大挙駆けつけよう」と呼びかけた。
「職場の闘いの報告と交流」として「日の丸・君が代」闘争と、評価制度や査定昇給との闘いが各地から報告された。また7月にNEA(全米教育協会)全国大会に参加して「根津さんを解雇させるな」と訴えてきた教育労働者が、アメリカの教育労働者との熱い交流を報告した。
最後に日教組青年部の労働者が次々と職場の闘いの報告と決意を述べ、大きな拍手に包まれた。
参加者は、東京―全国で不起立闘争を巻き起こして根津さんの解雇を阻むこと、闘う日教組を再生するために職場から闘い、11・4労働者集会に教育労働者の大隊列を登場させることを固く誓い合った。
そのほかの各産別集会も、職場で闘う組合をつくり出すために奮闘する青年労働者が多く参加して、11・4集会に1万人の労働者の参加を実現するための熱い議論で盛り上がった。
(写真 全国の教育労働者は新たな闘う団結をうち固めた【8月5日 広島市東区民文化センター】)
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週刊『前進』(2307号2面4)(2007/08/20 )
取材メモ 職場と街頭は一体
今回の8・6ヒロシマを闘ったある青年労働者は次のように感想を語っている。
「デモで仲間が機動隊に持って行かれそうになった。その時の権力への怒り、取り戻した時のうれしさ――平和公園に着いたとき、本当に喜怒哀楽のすべてが噴き出てきた。これが革命なんだ。あの時引きちぎった鎖はまだまだ小さいけれど、革命をやってもっと大きな鎖を引きちぎりたい」
職場闘争を軸においた「労働運動の力で革命をやろう」という闘いが、職場や産別を越えてすべての労働者の団結となり、その怒りと結びついて国家権力と直接ぶつかり合う街頭闘争として発展し始めている。職場闘争こそが巨大な反戦闘争の一切の土台である。この真理が実践をとおして明らかになりつつある。
資本や当局との命がけの攻防をやり抜き、体制内労働運動と対決し激しい職場闘争を闘う中で、多くの「階級の革命的指導部」が生まれてきている。とりわけ「日の丸・君が代」不起立を闘った青年教育労働者の突き抜けた闘いは、参加者全体の感動を呼び、新たな団結を固める原動力となった。
彼はこう語った。「不起立は、現場から始める労働者としての国家・資本との直接対決です。教育労働者の戦争協力拒否闘争です。これに連帯してくれる労働者は全国にめちゃくちゃいっぱいいます」
不起立という40秒のストライキをとおして、すべての労働者に階級的団結を呼びかけ、ともにこの社会をひっくり返したいという真実の叫びだ。これこそ動労千葉労働運動の実践であろう。
11月労働者集会1万人決起とは、この闘いをすべての労働者が実践することだ。4大産別での激しい攻防の一つひとつに食らいつき、団結を総括軸にして闘うことだ。
階級情勢は一変している。参院選で示された労働者の怒りは、もはや逆戻りすることのない根源的な決起だ。民営化と労組破壊の大攻撃に対する、労働者階級全体の反転攻勢がついに地鳴りを上げて始まった。この情勢に確信を持とう。
(本紙/保科俊介)
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週刊『前進』(2307号3面1)(2007/08/20 )
久間発言-原発事故に怒り“日帝打倒”“安倍打倒”労働者の闘う熱気
職場の怒りを団結に
青年労働者集会に300人 11月1万人集会へ
8月4日夕、広島市東区民文化センターで「オキナワとヒロシマを結ぶ全国青年労働者交流集会
HIROSHIMA」が開催された。
冒頭、司会の医療労働者が「参院選で『安倍政権にノー』の答えを出した。今日の集会を、労働者の怒りを11・4全国労働者集会1万人結集に結びつけるための集会としたい」とあいさつした。
続いて呼びかけ人の中四国地方の自治体労働者がそれぞれ発言し「『労働者はうるさい』と言われるぐらい運動を盛り上げよう」「将来像が描けない多くの青年労働者の先頭に立ち、道を照らしていこう」と訴えた。
広島県原爆被害者団体協議会顧問で国労広島地本元執行委員の末宗明登さんが講演した。1943年に国鉄に就職、広島駅構内で被爆した末宗さんは、被爆直後からの国鉄労働運動を語り、「40年の闘いでつかんだ教訓は、どんなに弾圧されても闘うのが労働者だということ。困難な中でも労働者を信頼して闘えば、必ず運動を前に進めることができる」と述べた。
動労千葉幕張支部執行委員の吉野六郎さんは「国鉄分割・民営化の渦中で『国鉄労働者は国賊』と大宣伝されたが、国家権力と全面対決してストライキに立ち上がってスカッとした」と述べ、現在、組織拡大のために奮闘していると報告した。ともに登壇した平成採の青年労働者がきっぱりと決意を表明した。
広教組青年部の労働者が基調報告を行った。「日教組をつぶそうとする安倍の攻撃を正面から受けて立ち堂々と闘う。自分は不起立を貫く。これは自己解放の闘いであり、根津さんを解雇させない闘い。闘わない日教組本部・森越に代わって自分が執行部になる。11・4労働者集会に1万人結集を実現し、闘う労働組合の潮流の登場を示そう。職場で生き生きと闘い団結を広げよう」。確信に満ちた提起に大きな拍手がわいた。
続いて、各地の青年労働者が発言した。関西の自治体労働者は「労働者の力で安倍を引きずり降ろそう。社保庁では千人以上が『ボーナス返上』を拒否している。自治労100万の怒りに火がつこうとしている」と述べた。職員のデッチあげ逮捕と闘った高槻医療福祉労働組合の労働者が、完全黙秘・非転向で奪還した勝利を報告した。
東交の青年労働者は「当局と組合が一体になってつくった合理化提案など絶対認められない。動労千葉のような労働運動をつくり出そう」と発言。九州の合同労組の労働者は、工場閉鎖による全員解雇にストライキで反撃したことを報告し、「達成感でいっぱい。闘いをとおして『団結』の意味が身にしみてわかった」と述べた。
広島の医療労働者は「団交で有給休暇を認めさせ、サービス残業をなくした」と報告。部落出身の青年労働者は「革命なくして部落の解放はない。部落民労働者・一般民労働者が団結して闘おう」と呼びかけた。
東京の全逓労働者は「JPU本部は全郵政との組織統合を決めたが、『生産性向上で企業に尽くす』と掲げる組合など絶対に認めない。『民営化絶対反対』で闘う。職場で闘い始めたら組合幹部は『組織破壊者』のレッテルを張ってきたが、組織が間違った時には絶対反対を貫く」と発言。
当局・労組幹部が一体となった弾圧と激突する医療労働者らが登壇し、「弾圧でますます団結が強まった。展望は革命にあることをはっきりさせて、闘う方向が鮮明になった」「絶対に負ける気がしない」「闘わない労組はもういらない」と口々に表明した。
福祉労働者が閉会あいさつを行い、「暴動が起きてもおかしくないほど労働者の怒りは高まっている。この怒りを選挙に押し込めようとする労組幹部をぶっ飛ばし、11・4集会で政府と資本家に怒りをたたきつけよう」と呼びかけた。全員で「団結ガンバロー」を三唱し、11・4集会1万人結集に突き進む力強い団結がつくられた。
(写真 「11・4日比谷から1万人デモをやろう」と決意【8月4日 広島市東区民文化センター】)
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週刊『前進』(2307号3面2)(2007/08/20 )
労働者の国際連帯を
中・韓・イラクから訴え
8月5日午後、広島市東区民文化センターで「世界の労働者・民衆と団結し、核と戦争をなくそう! 国際連帯集会」(8・6ヒロシマ大行動実行委主催)が開かれ、300人が集まった。
反戦被爆者の会の下田礼子さんの開会あいさつに続き、日本側からの提起として、高陽第一診療所労働組合の労働者が、久間発言など9条改憲に進む動向に警鐘を鳴らし、「労働者民衆の団結が必要」と提起した。
中国の四川省・成都から日本軍重慶大爆撃損害賠償原告団とその支援者が発言した。77歳の蘇良秀(ソ・リョウシュウ)さんは、1941年7月27日の日本軍の無差別爆撃で9人家族のうち6人が即死するという被害を被った。被害者は日本政府の謝罪と賠償を求め東京地裁に提訴しており、ソさんも第2次訴訟を準備していると述べた。
韓国原爆2世患友会代表のチョンスッキさんと平和市民連帯のカンジェスクさんが発言した。チョンさんの両親は広島で被爆し、故郷の慶尚南道・陜川(ハプチョン)に帰った。1966年生まれのチョンさんは「大腿部無血性壊死症」と診断され、被爆2世のための特別法制定運動を続けている。カンさんはハプチョンに平和公園と歴史館を建設するための署名運動に協力を訴えた。
セイブ・ザ・イラクチルドレン広島の大江厚子さんが米軍のイラク侵略を激しく弾劾した。
在日朝鮮人への相次ぐ不当弾圧に抗議して、在日朝鮮民主女性同盟から発言があった。
三里塚芝山連合空港反対同盟の萩原進事務局次長は、41年間農地死守と軍事空港反対で闘っていることをアピールした。
まとめを実行委の平岡誠さんが提起し、「原水禁・核禁会議と連合が一緒に集会を開くが、柏崎原発問題に触れない。それで核がなくなるのか。私たちが核と戦争をなくす運動をつくり出そう」と発言。終了間際にイラクのジャーナリストであるハッサン・アリ・ハッサンさんが到着し、参加者と交流した。大行動の前段集会として大いに盛り上がった。
(写真 韓国・中国・イラク、在日・三里塚とむすぶ共同闘争の展望をつかんだ国際連帯集会【5日午後】)
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週刊『前進』(2307号3面3)(2007/08/20 )
労働運動の強化へ
被爆者解放集会 核戦争と原発なくせ
6日午前9時半からアステールプラザで8・6―8・9全国統一実行委員会主催の「被爆62周年8・6被爆者解放集会」が開かれ、被爆者、被爆2世、3世を始め労働者、学生、市民など200人が結集した。
司会を被爆3世の山根努さんが務めた。初めに韓国原爆2世患友会のチョンスッキ会長が韓国での被爆者支援特別法制定への闘いを報告、日韓の連帯闘争を訴えた。
次に今年81歳になる反戦被爆者の会の大槻泰生会長が発言。「私は原爆後遺症のがんと闘っている。久間防衛相(当時)の『原爆はしょうがない』発言は許せない。戦争はいやだ。再び私たちのような被爆者をつくってはいけない。元気を出してともに頑張ろう」と力の限り訴えた。
続いて8歳で被爆した広島・福島町の安本文子さん、全国被爆者青年同盟の小林初恵さん、被爆3世で部落解放同盟全国連合会青年部の2人が核廃絶を呼びかけた。
8・6―8・9全国統一実行委の三角忠さんが基調報告。「被爆者抹殺・英霊化を策し戦争と改憲を狙う安倍を打倒し、核先制攻撃を不可避とする帝国主義を打倒するのは、われわれ労働者だ。産別固有の課題と被爆者の課題を結びつけて闘おう」と強調し、「原発はプルトニウム(核爆弾)保有の隠れみのだ」と暴露、「東電労働者・下請け労働者と結びついて柏崎刈羽原発運転再開を阻もう」と提起し、9条改憲阻止、国際連帯、11月労働者集会への大結集を訴えた。
解同全国連の中田潔書記長、三里塚反対同盟の萩原進事務局次長、とめよう戦争!隊員家族と自衛官連絡会の三尾雅信代表が決意表明。被爆3世の中島敦史さんが行動方針としてヒロシマ大行動への結集を呼びかけた。
(写真 8・6被爆者解放集会の最前列に陣取る反戦被爆者の会・大槻泰生会長【左】)
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週刊『前進』(2307号3面4)(2007/08/20 )
“労働者と団結を”
革命めざし学生交流集会
5日夕、広島市東区民文化センターに80人の学生が結集し、全国学生交流集会をかちとった。
広島大生の司会で集会は進められた。初めに反戦被爆者の会の下田礼子さんがアピールし、母親が国家総動員法で動員され被爆したこと、戦争への危機感から百万人署名運動に参加したことなどを紹介、「憲法9条を変えさせないため学生さんはぜひ頑張って」と期待を述べた。
中島敦史・全学連副委員長(広島大学)が基調報告を行い、「6千万労働者階級が自分たちの本当の力を自覚したとき革命に勝利できる」と確信をもって訴えた。そして9月全学連大会から11・4労働者集会へ全力で闘うことを呼びかけた。
連帯のアピールとして動労千葉新小岩支部長の佐藤正和さんが、全学連と動労千葉青年部がともに闘った85年10〜11月の闘いを紹介し、「動労千葉は全学連とともに世界を変え、新しい社会をつくる」と述べた。
大阪の自治体の青年労働者は、「労働者は終電まで働かされている。”公務員は怠けている”なんて、許せない」「革命の現実性を自分たちの力でつくろう」と連帯アピールを行った。
続いて東北大の自治会選挙勝利の感動的報告を皮切りに、法大、京大、富山大、広大の学生が生き生きとこの間の闘いを報告し、労働者と固く団結して、革命に向かって全国学生の総決起をかちとる決意を表明した。
最後に織田陽介全学連委員長がまとめを提起し、「今の安倍の攻撃におれたちの怒りをどれだけ燃え立たせるかが勝負だ」「核武装論者の安倍が祈念式典に参加するなんて、絶対に許さない。明日のデモで粉砕しよう」と呼びかけた。全国学生の団結はますます熱く打ち固められた。
(写真 全学連の中島副委員長(左)が基調報告。「労働者とともに革命やろう」と熱気【8月5日】)
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週刊『前進』(2307号3面5)(2007/08/20 )
久間発言-原発事故に怒り“日帝打倒”“安倍打倒”労働者の闘う熱気
8・8長崎 “革命しかない時代だ”
日帝の核武装政策を暴く
8月8日夕、反戦反核長崎集会が、長崎県勤労福祉会館に127人を結集し、熱気にあふれてかちとられた。集会は地元長崎選出の久間防衛大臣(当時)の「原爆はしょうがなかった」発言と中越沖地震での柏崎刈羽原発事故への怒りにあふれた。
8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会事務局長の三角忠さんが主催者あいさつをし、早速パネルディスカッションが行われた。パネリストは元慶応大学助教授の藤田祐幸さん、佐賀県議でプルサーマルと長崎県の100年を考える会の増本亨さん、元相模女子大学教授の吉田義久さん。コーディネーターを核開発に反対する会の渡辺寿子さんが務めた。最初に藤田さんが提起を行い、柏崎刈羽原発事故の重大性を科学的に明らかにし、さらに日本の各原発が活断層の上に建設されており、人類がいまだ経験したことのない大惨事が切迫していることを警告した。
増本さんは、プルサーマル推進のために宣伝されている「リサイクル」や「地球温暖化防止」がまったくデタラメであることを暴き、最も危険な玄海原発のプルサーマルを絶対止めようと闘っていることを報告した。吉田さんは、政府が原発やプルサーマルを進めるのは軍事目的、核武装政策であることを提起し、アメリカが戦後世界支配のために原爆を広島、長崎に投下したことを暴いた。そして日帝も核武装のために平和利用と言って原発を建設していることを明らかにした。
続いて藤田さんがさらに歴史資料をスライドで示しながら、吉田茂や岸信介、佐藤栄作、中曽根康弘らが核武装のために原発政策と宇宙開発を進めたことを明らかにした。これを受け吉田さんが、核廃絶のためにはアメリカの労働者が米帝国主義打倒の革命をやり、日本でも日帝を打倒すること、これが唯一の回答であると訴えた。
「日の丸・君が代」を拒否する教育労働者の連帯アピールとして、東京で不起立を貫き停職3カ月の処分をはねのけ闘う河原井純子さんが発言した。河原井さんは全国行脚の訴えに「河原井、根津の問題は、河原井、根津だけの問題ではなく、私、あなたの問題だということが確認された。だから今何ができるか考えている」という返事が返っていることを報告し、これが戦争への道を止めると提起した。そして河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会への入会と署名への協力を訴えた。
続いて青年労働者が発言に立ち、福岡の合同労組の副執行委員長が「革命しかない時代に入った。核、戦争、格差社会、差別・抑圧の原因である独占金融資本、帝国主義の支配を打倒するしかない。労働者が団結して労働者がひとつになって世界を変えよう」と力強く訴えた。
被爆2世の労働者は、「原爆を落とされたから被爆者がいるわけではない。原爆を造るものがいるから被爆者がいる。だから核の平和利用は絶対にあり得ない」と訴え闘う決意を明らかにした。
現場からの発言では福岡の合同労組の分会委員長が、火災をきっかけとした工場閉鎖攻撃に対して分会を結成して闘い、補償金を出させて勝利的に和解したことを報告した。「闘ってよかったし、団結というものがこんなに大事なものだというのを本当に実感しました」と語った。
動労千葉特別執行委員の後藤俊哉さんは、「動労千葉は小さな組合だが日本一闘っている組合だ」と誇りに満ちて語った。「団結して闘うのが労働者だ。11月4日には全世界の仲間が集まる。1万人を結集しよう」と力強く訴えた。
全学連の代表は、「柏崎原発事故であふれた水を労働者にふかせて被曝(ひばく)させた安倍が長崎に来ることなど絶対に許さない」と、翌日の安倍糾弾デモへの決意を語った。
集会は、青年労働者の確信に燃えた発言が全体を牽引(けんいん)し、九州の労働者の闘いの力強い前進を示した。
(写真 反戦反核長崎集会には、核武装を進める安倍政権への怒りと革命への熱気があふれた【8月8日 長崎県勤労福祉会館】)
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週刊『前進』(2307号3面6)(2007/08/20 )
8・9早朝 朝鮮人犠牲者を追悼し集会
朝鮮人原爆犠牲者追悼集会で花を捧げる韓国原爆2世患友会のチョン会長(8月9日)
8月9日朝7時半、原爆落下中心地公園にある朝鮮人原爆犠牲者追悼碑の前で「長崎朝鮮人の人権を守る会」主催の「朝鮮人原爆犠牲者追悼早朝集会」が開かれた。広島―長崎反戦反核闘争全国統一実行委も動労千葉を始めこぞって参加した。8・6ヒロシマ大行動で発言した韓国原爆2世患友会のチョンスッキ会長らの姿もあった。
三菱造船を始め軍事産業が集中していた長崎で被爆した朝鮮人は2万人にも達し、うち1万人が死亡。その多くが日帝植民地下の朝鮮半島から強制的に、あるいは生きるすべを求めて長崎に居住していた人びとだった。
原爆投下を「しょうがない」と語った久間前防衛大臣、これを容認し朝鮮侵略戦争へと突き進む安倍政権を打倒しようとあらためて誓う場となった。
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週刊『前進』(2307号3面7)(2007/08/20 )
“安倍倒せ”爆心地デモ
8・9 炎天下、長崎の怒り体現
「安倍政権を打倒するぞ! 久間発言を許さないぞ!」
62年前、長崎に原子爆弾が投下された8月9日午前11時2分、8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会のデモ隊は、安倍が出席する祈念式典会場の平和公園直下で怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。セミしぐれの炎天下、長崎には抑えがたい怒りが充満していた。沿道の労働者がこぶしを突き上げて「安倍打倒!」と唱和し、一人の青年は「安倍なんか打倒しなくちゃだめだ」とデモ隊に呼応し、何度もこぶしを突き上げた。
デモに先立って午前10時すぎ、城栄公園で祈念式典糾弾・安倍来長弾劾集会が始まった。司会の青年労働者が「”祈りの長崎”と言われるが、祈るだけで戦争がなくなるのか。戦争の原因は階級社会にある。帝国主義を打倒する以外にない!」と口火を切った。
福岡の自治体労働者は、「去年、九州は生まれ変わりました。11月労働者集会に結集していくことが第一の課題」と宣言し、8月自治労大会から11月へ職場で闘いぬくことを明らかにした。
国労闘争団員で国労5・27臨大闘争弾圧裁判被告の羽廣憲さんは、8月2、3日の国労大会について「国労本部はもはや闘う労働組合ではない。私たちが闘う国労の旗を振り続け、安倍打倒の先頭に立つ」と断言した。さらにスタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合、福岡の合同労組、広島大学の学生、婦人民主クラブ全国協議会などが次々と決意を表明した。
ス労自主の代表は、今回が15回目の広島・長崎キャラバン闘争であることを報告し、「労働者が労働者らしく生きる、この根本はひとつ。団結して闘おう。長崎から11月労働者集会に向けて精一杯闘っていこう」と呼びかけた。被爆3世の広島大生は、実力デモで安倍を弾劾した8・6広島報告を行い、「長崎で安倍にとどめを刺そう」と熱く訴えた。
婦人民主クラブ全国協議会の鶴田ひさ子事務局長は、「久間発言に柏崎原発、なぜ活断層の上に原発が造られるのか。それは核武装のためだ。労働者の根源的な力を解き放って社会を変えよう」と力を込めた。
最後に、統一実行委事務局長の三角忠さんが、「堂々たる安倍打倒のデモに出よう! 新たな8・9長崎闘争の突破口にしよう」と行動提起。ただちに「安倍打倒」「改憲阻止」のコールでデモに出発した。
(写真 「安倍政権を打倒するぞ! 久間発言を許さないぞ!」の怒りのシュプレヒコールが祈念式典に出席した安倍を直撃【8月9日 長崎・平和公園横】)
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週刊『前進』(2307号4面1)(2007/08/20 )
闘う勢力の断固たる登場を
国労大会 1047名闘争の危機
「4者4団体」路線は敗北の道
8月2〜3日の国労第75回全国大会は、参議院選挙での安倍自公政権の歴史的惨敗の直後に開かれた。安倍惨敗の根底には、国鉄分割・民営化以来20年にわたる民営化、首切り・賃下げ・権利はく奪の攻撃に対する労働者階級の蓄積された怒りがある。今大会に問われていたのは、〈戦争・改憲と民営化・労組破壊>の攻撃を打ち砕く決定的チャンスをとらえ、1047名の解雇撤回をもぎりとる戦闘態勢を打ち固めて、全労働者の先頭で改憲阻止闘争に立つ方針を確立することだった。だが、今大会が示したものは、国労本部はもとより鉄建公団訴訟を闘う勢力もが、すさまじい主体の危機にあるということだ。職場からの闘いで階級的労働運動を再生し、11・4労働者集会への国労組合員の総結集をつくり出すことの中に、この危機を突破する道がある。
(写真 闘う国労組合員や支援者が会場前で本部打倒を訴えビラをまいた【8月2日 静岡県伊東市】)
国労自己解体を策す新執行部
大会冒頭の佐藤勝雄委員長のあいさつは、政府・資本への全面屈服をあらわにするものだった。反合理化や職場闘争の方針は、そこにはかけらもない。
佐藤は、尼崎事故に関する航空・鉄道事故調査委員会の最終報告を「画期的なもの」と賛美した。会社防衛の立場に完全に立ちきったのだ。さらに、昨年秋の国労東日本本部とJR東日本との包括和解について、「政財界各方面にも大きな広がりを見せ、強い共感を呼んでいる」と得意げに語った。国労本部はこうして、JR資本への最後的な投降を表明した。
また、1047名闘争について「4党合意関係者との関係修復」が進んだから「政治解決に向けた動きやすい環境がつくり出され、人道的解決が大きく前進する」と言い立てた。国労本部の言う「政治解決」とは、権力とJR資本にはいつくばることを強要し、敗北させ、闘争団を切り捨てることにほかならない。
国労本部は、改憲阻止闘争の軸になるべき1047名闘争を解体することによって、国労全体を改憲翼賛の道に引き入れようとしているのだ。
単一体の解体を叫ぶチャレンジ
討論では、チャレンジの代議員から「単一体をやめて地域職域別労働組合とすべき」「国労の名称変更も考慮せよ」という発言も飛び出した。彼らは、1047名闘争について「長期化の弊害が出ている」と言い、闘争解体の願望をむき出しにした。
革同は、「4者4団体に国労の主体性をもって臨むべき」と叫び立てた。1047名闘争の解体に向けて、国労本部はより露骨に振る舞えという反動的な要求だ。
より深刻なのは、鉄建公団訴訟を闘う部分が、こうした反動にのみ込まれているということだ。鉄建公団訴訟原告の代議員は、「今こそ解決局面。来年はない。解決のイメージを共有すべきだ」と発言した。闘いの主体自らが闘争終結に向けて動き出したということだ。4党合意に反対してきた勢力は、おしなべて「4者4団体による解決」を求める意見に終始した。
政治解決路線になんの展望もないことは、もはや明白だ。にもかかわらず、これに代わる闘う方針がどの代議員からも出されないことに、1047名闘争の危機がある。
今大会で新たに選出された執行部が、旧執行部に輪をかけて国労と1047名闘争の自己解体に走ることは間違いない。本部委員長に選出された高橋伸二盛岡地本委員長は、新役員あいさつで「政治解決のため国労本部に集中せよ」と叫び立てた。それは、1047名闘争と国労を自滅に導く本部のもとに、闘争団と全組合員を組み伏せるということだ。
新役員の選出では、執行委員の選任をめぐり選挙となった。酒田充元本部委員長とともに警察権力の手先となり、5・27臨大闘争弾圧に率先して加担してきた芝崎辰郎執行委員は落選した。吉田進書記長も退任した。
和解路線に抗し闘争団員が決起
こうした状況に対し、鉄建公団訴訟原告の2人の闘争団員が「4党合意の破棄宣言を行い、一人の首切りも許さない闘いの強化を!」と呼びかけるビラを会場で配布した。ビラには「政府・国交省、JR、運輸機構を追い込むには、幹部の交渉テクニックではなく一人一人の労働者の闘う力を基本とした闘いでなければなりません。反合理化職場抵抗闘争を確立する闘いやストライキで闘う組織づくりが重要です」と記されている。まったくそのとおりだ。
許し難いことに本部は、傍聴席が空いているにもかかわらず2人の闘争団員を傍聴から排除した。だが、2人の叫びは、多数の闘争団員・組合員の気持ちを体現するものだ。この怒りが爆発し、一気に燃え広がる条件は満ちている。破産したJR体制と闘わない本部に組合員が沈黙し続けることなどありえない。
国労再生かけ11・4大結集へ
国労本部が運動方針から「1047名の解雇撤回・JR復帰」を消し去ってすでに久しい。そのもとで、動労千葉を排除した「4者4団体による政治解決」が叫ばれ、安倍政権に「交渉テーブル設置」を哀願する総屈服が進んでいる。これを見透かした国土交通省は、4者4団体の要請に対して、居丈高にも「4党合意破綻(はたん)の総括をしろ」と迫っている。
資本と闘い団結守った動労千葉
政治解決路線とは、JR資本との闘いを放棄し、政権政党に屈服した奴隷の道だ。組合員の団結と闘いに依拠しないこうしたあり方は、敵階級への屈従を重ねることで味方の団結を掘り崩している。
動労千葉は、「1047名の解雇撤回」の原則を守ると同時に、破産をあらわにしたJR体制と日々闘いぬいている。こうした闘いを貫いてきたからこそ、動労千葉は館山運転区・木更津支区廃止という組織壊滅攻撃に「絶対反対」を掲げて立ち向かい、その攻撃を組合の団結の圧倒的強化に転じることができたのだ。これに続いてこそ、1047名闘争の勝利がある。
新旧の国労本部執行部はともに、02年5・27臨大で鉄建公団訴訟原告への査問を決定し、これに反対した組合員を権力に売り渡した国労史上最悪の裏切りについて、居直りを決め込んでいる。
闘う組合員と支援は、本部打倒を呼びかけるビラを会場前で配布した。「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」も会報を組合員に手渡した。豊田電車区の中村幸夫組合員の高裁勝利判決の報告パンフが配られ、国労バッジ処分の撤回を求める署名も呼びかけられた。
5・27臨大闘争弾圧を粉砕する裁判闘争と「許さない会」運動は、国労再生の柱となる闘いだ。この闘いを発展させれば、体制擁護に転落した国労本部を確実に追いつめることができる。
1047名闘争と職場からの決起を緊密に結合し、権力・資本との原則的闘いを貫いて、国労の再生をかちとろう。11・4労働者集会への国労組合員の大結集をつくり出そう。これが勝利を切り開く唯一の闘い方だ。
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週刊『前進』(2307号4面2)(2007/08/20 )
地方自治破壊・200万人首切りと闘う自治体労働者
B体制内労働運動との対決
革命を対置 原則的に闘う
青年が現場からの闘いを牽引
自ら労働者を分断する本部
自治労本部は、現場の労働者に依拠しないばかりか、ともに闘うべき住民・労働者にも依拠できず、資本・当局にこうべを垂れている。「質の高い公共サービス・キャンペーン」で過重労働を強制し、自ら労働者を分断し、団結を破壊する一方、政府の地方自治解体攻撃に加担している。公務員バッシングに屈服して反撃せず、自治体労働者と住民・労働者との対立構造を自ら許している。社保庁解体攻撃への屈服・協力が典型だ。
自治労本部は、資本・当局の自治労解体攻撃とそれに対する現場の怒りが参院選での自民大敗をもたらしたことを十分自覚した上で、8月28〜31日の第79回定期大会(盛岡市)で諸反動方針を決定しようとしている。
大会議案は、現場の闘いを一掃し、資本・当局にひれ伏した指導部が自己保身し延命するためだけの方針となっている。参院選に表れた全国の労働者人民、自治労組合員の激しい怒りや、革命的情勢の急速な接近とはまったくかけ離れている。
いま自治体の現場は、財政難を理由にした極限的な人員削減に加えて、賃下げ、配転・職種変更の攻撃にさらされている。生活保護や介護など福祉の切り捨てを迫られる。その結果、心に病を抱え、退職に追い込まれ、自ら死を選んでしまう仲間が増えている。
ところが体制内労働運動指導部は、この現場の苦悩や怒りを結集して闘おうとしない。闘いの方針を現場の団結に求めようとはしない。
(写真 闘う組合員は自治労中央委員会で本部総退陣を真っ向から訴えた【5月29日 京都市】)
やっても無駄と本音を吐露
彼らは、賃下げ攻撃に対して怒りをもって立ち上がった組合員に「夕張のようになるぞ」と当局と結託して恫喝する。「闘う体制が無い」と開き直り、現場に責任を転嫁する。青年労働者の決起を冷笑し、軽蔑(けいべつ)し、弾圧する。
私のいる単組の指導部は「自治労は所詮官僚の組合だ。これまでの歴史を見たってお上には逆らわないできた。今は昔と違う。この組合はもうだめだ、なくなるよ。やっても無駄だ」とあけすけに言う“分かりやすい”体制内労働運動指導部だ。攻撃が激しくなればなるほど既成指導部の屈服ぶりがあらわになる。こんなやつらは打倒するしかない!
私は、現場組合員を置き去りにした賃下げ攻撃への妥結や、人事評価制度の取り組みについて、現場の仲間とともに機関会議で追及し、組合機関紙で展開した。大衆的決起をつくり出そうと、闘いを開始した。
青年労働者は賃下げ攻撃に対し「原則的に闘おう」と立ち上がった。これに対して既成指導部は組合からの除名、雇い止めという攻撃に出た。立ち上がった仲間を攻撃し、取り込みにかかる。こんな犯罪的な体制内指導部は絶対に許せない。
動揺・苦しさ・涙は当然あるが、この情勢で職場の仲間を守るためには闘う以外にないと考え、仲間とともに大衆的に体制内指導部を打倒し、組合権力を現場に取り戻すことを決意した。
既成指導部は資本主義・帝国主義の最末期的な危機を暴露しない。時代認識を現場労働者の前で語ろうとしない。現体制の永遠の存続を願い、体制内化した労働運動を守ることにきゅうきゅうとしている。現場労働者が決起し体制と激突することを恐れているのだ。
人事評価制度と断固闘おう
今年6月末、国家公務員法改悪で、@官民人材センターの設置、A再就職規制、B能力・実績主義の導入――が盛り込まれた。分限制度についても、本人の意に反して降任及び免職ができる場合として、「勤務実績が良くない場合」の前に「人事評価又は勤務の状況を示す事実に照らして」という言葉が加わった。来年1月の通常国会にこれと同じ内容の地公法改悪案が出される見通しだ。
多くの自治体で、出先機関・事務事業の見直し、県から市町村への権限委譲、さらには丸ごと民営化という激しい攻撃が始まっている。その上、安倍は公務員制度改革と道州制導入を強行しようと策している。
人事評価制度は、これらを見越して、自治体の現場に「業績」を持ち込み、目標管理制度によって労働者一人ひとりに資本・当局への屈服・服従を迫る攻撃だ。
ところが体制内指導部は、人事評価制度の法律化を前提に対応方針を出してくる。
私たちには、能力・実績主義と人事評価制度の本質を粘り強く暴露し、大衆的な闘争をどれだけの団結をもって闘えるかが問われている。労働組合としての根本的な態度が問われているのだ。
「ボーナス返納に応じるかどうかは日本年金機構への採否の判断基準になる」という攻撃に対し、一時金返納拒否の闘いに立ち上がる社保庁労働者が現れている!
私たちは、戦争動員を先頭で止める自治体労働者として、人事評価制度に断固反対して闘う。現場労働者の根底にある怒りを抑えつけることはできない。正しい時代認識を持ち、それに基づく闘争方針を打ち立て職場で実践しよう! 動労千葉は常に情勢と時代認識について貪欲(どんよく)に学んでいる。だからこそ労働者としての怒りと強固な団結がある。
「闘えば財政再建団体に陥る」という当局と体制内労働運動指導部の恫喝を大衆的な怒りで粉砕し、体制擁護に革命を対置して闘おう!
自治労盛岡大会で中央本部の反動方針、体制内労働運動とその指導部を打倒し、11月全国労働者集会に職場の怒りを大結集し、自治体労働者千人の隊列を登場させよう!
(関東・森山隆)
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週刊『前進』(2307号4面3)(2007/08/20 )
『海を渡った不起立闘争』
2007・07「日の丸・君が代」被処分者の訪米報告
労働者学習センターが新刊
労働者学習センターが『海を渡った不起立闘争「根津さんを解雇するな」日米教育労働者の交歓』を発行した。「日の丸・君が代」不起立闘争で処分された教育労働者が7月に訪米、NEA(全米教育協会)全国大会に参加して実現した熱い交歓の報告である。
NEAを闘う組合につくり変えるために奮闘するアメリカの教育労働者が「日の丸・君が代」闘争に絶大な共感を寄せたことや、生徒を募兵官に引き渡すことに反対する戦争協力拒否闘争が起きていることがよくわかる。11・4労働者集会へ向けて活用しよう。
(写真 パンフレットB5判 41n頒価 300円)
◆注文先 千葉市中央
区要町2−8DC会館/TEL043−222−7207/FAX043−224−7197/ E-mail:doro-chiba@doro-chiba.org
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週刊『前進』(2307号4面4)(2007/08/20 )
米空母配備阻止へ
横須賀基地にらみ集会
浚渫工事強行に怒り
8月10日、「空母母港化34周年・キティホーク横須賀母港化9周年抗議、原子力空母配備撤回を求める8・10全国集会」が開催され、2300人が結集した。会場の横須賀基地正面のヴェルニー公園には自治労・日教組、さらに水道・交通・港湾・全造船など関東を中心とした労働者が夕方から続々と結集し、組合旗を林立させた。
この日朝から横浜防衛施設局は、08年配備予定の原子力空母の接岸のための浚渫(しゅんせつ)工事を12号バースで開始した。工事の概要は、日本が28億円を負担、水深13bを15bに掘り下げ、範囲は30fに及ぶ。重金属と有害物質などを含むヘドロは三宅島沖に投棄するという。現在でも横須賀湾内では有害物質の影響で骨が変形したハゼが見つかっている。絶対に許してはならない。この土砂投棄に対する横須賀の対岸・千葉の漁民の闘いも始まっている。
集会は参院選挙の自民党の歴史的大敗北、「安全神話」が崩壊した柏崎・刈羽原発大事故という新たな情勢を受けて、横須賀の母港化阻止の意志を一層打ち固める場となった。三浦半島地区労の三影憲一議長の司会で、最初に高校生が「原子力空母配備を自分たちの問題として考えて」とアピールした。さらに主催者の原子力空母の母港問題を考える横須賀市民の会代表の呉東正彦弁護士、平和フォーラム藤本泰成副事務局長、国会議員らが次々と立ち、「竣渫工事の開始に、怒りを込めて本日のデモをかちとろう」「安倍の戦争をする国づくりに、NOが突きつけられた」などの発言が続いた。
安倍政権は、打倒される危機におびえて内閣改造前にと小池防衛大臣を訪米させ、米軍再編への日帝の全面協力をあらためて約束した。キャンプ座間への第1軍団司令部の移転準備チームが今月発足し、実際に相模補給廠(しょう)には「朝鮮半島有事に備えた事前備蓄」として7月から新型車両が搬入されていることが確認された。沖縄・辺野古の巨大基地の建設も強行されようとしている。空母艦載機の岩国移転に向けた攻撃も進んでいる。
集会は「憲法改悪を企て、日米軍事一体化を推進する安倍政権への怒りが参院選で爆発しました。全国の仲間と運動を前進させましょう」とする集会アピールを採択。参加者は、基地ゲート前を通り、横須賀中央駅に向けてデモに出発した。
日本全土を米軍の出撃拠点として強化する米軍再編は、日米安保の決定的強化の攻撃であり、何よりも朝鮮―中国侵略戦争に向けた日米共同の戦争体制づくりだ。それは世界戦争の引き金をも引くものである。戦争をしなければ生きていけない帝国主義を労働者階級の国際的団結で打倒することこそ、基地をなくし戦争をなくす道である。
神奈川労組交流センターは、11・4全国労働者集会への総決起を訴えるビラを参加者に次々と手渡した。労働者・労組が圧倒的に結集したにもかかわらず労働者の集会発言がない中で、自治労と日教組への破壊攻撃に対し労働者が闘う時が来たこと、労働者こそ社会を変える力があることを全力でアピールした。11月総決起への熱い闘いが始まった。
(写真 〔左〕ヴェルニー公園に関東の労働者2300人が組合旗を掲げ結集 〔右〕集会後に基地ゲートへ迫るデモを行った【8月10日 横須賀】)
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週刊『前進』(2307号4面5)(2007/08/20 )
8月1日〜14日
東電柏崎原発の破損は1263件
日米間で「軍事秘密保全協定」
●原発不具合1263件 新潟県中越沖地震で被災した東京電力柏崎刈羽原子力発電所は、地震発生から11日間で天井クレーンの破損など1263件に及ぶ原発内の不具合を確認したと発表した。東電によると、修繕はほとんど進んでいない。(1日)
●米空母、室蘭寄港を打診 米海軍が神奈川県横須賀市にある横須賀基地を事実上の母港とする第7艦隊の空母キティホークについて、この秋、北海道・室蘭港への寄港を計画し、室蘭市に打診していることが分かった。米空母が日本国内の民間港に寄港したのは北海道・小樽港で過去3回あるだけ。小樽以外では初めて。(1日)
●米軍と「放射能漏れ」訓練 神奈川県横須賀市が毎年秋に行ってきた原子力防災訓練に、今秋初めて米海軍が実質的に参加し、原子力空母から放射性物質を含んだ冷却水が漏れたことを想定して行われることが明らかになった。米海軍横須賀基地には08年夏、原子力空母ジョージ・ワシントンが配備される予定。(3日)
●「令状なし盗聴」合法化 米下院は、テロ対策の一環として、裁判所の令状なしに国家安全保障局に通信傍受を認める法案を可決した。上院はすでに可決。ブッシュ大統領の署名を経て成立する。(4日)
●広島、被爆から62年 広島は、被爆から62年を迎えた。広島市の平和記念公園で平和記念式が開かれ、安倍首相も参加した。国内外にいる25万1千人余りの被爆者の平均年齢は74歳を超えた。(6日)
●放射能含む水かぶる 新潟県中越沖地震で被災した東京電力柏崎刈羽原子力発電所は、発生時に1、6号機にいた複数の作業員が、揺れの影響で使用済み核燃料貯蔵プールからあふれ出た放射性物質を含んだ水を体に浴びていたと発表した。(6日)
●米軍車両が高校に侵入 沖縄県うるま市の県立前原高校に米海軍のトラック1台が正門から無断侵入し、敷地内のロータリーを1周した。(6日)
●防衛省、アセス方法書を提出 防衛省は、沖縄県と名護市、宜野座村に対し、米軍普天間飛行場移設に伴う環境影響調査(アセスメント)の方法書を提出し、アセス手続きを開始した。仲井真知事は意見拒否の意向を示した。(7日)
●超党派で県民大会 高校日本史教科書検定で沖縄戦「集団自決」への日本軍の強制などの記述が削除・修正された問題で沖縄県議会は、検定撤回を求める県民大会を超党派で開催することで一致、県議会として大会実行委員会に加わることを決めた。(8日)
●長崎、被爆62年 長崎の被爆から62年を迎えた。長崎市の平和公園で平和記念式典が開かれ、安倍首相も参加した。(9日)
●国産でステルス戦闘機開発へ 防衛省は、来年度防衛費の概算要求で最先端の国産戦闘機技術を結集し、テスト飛行を行う「先進技術実証機」を開発することを決めた。レーダーに映りにくいステルス性と高運動性を持ち、エンジンも国産を使用、5年以内の初飛行を目指す。成功すれば初の純国産戦闘機の開発に移行する。(10日)
●キャンプ・ハンセンに新射撃場 米陸軍が米海兵隊基地キャンプ・ハンセン内レンジ3近くに、米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)限定のライフル専用射撃場を新設すると沖縄県、金武町に通知した。(10日)
●日米が秘密保全協定 麻生外相とシーファー駐日大使が軍事秘密の保全に関する規則を網羅的に定めた「日米軍事情報包括保護協定」(GSOMIA)に署名、発効した。米軍と自衛隊によるミサイル防衛(MD)システム導入などを反映した動き。(10日)
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週刊『前進』(2307号4面6)(2007/08/20 )
日程 国労5・27臨大闘争弾圧公判日程
第81回 9月5日(水)/第82回 9月26日(水)
第83回 10月10日(水)/第84回 10月31日(水)
※いずれも午後1時15分から、東京地裁
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週刊『前進』(2307号5面1)(2007/08/20 )
10・7三里塚現地大集会へ
市東さん農地攻防の現段階
71年以来の農地強奪攻撃 国の三里塚つぶし許すな
赤坂 潤
市東さんの耕作地を「農地法」によって取り上げる成田空港会社(NAA)の申請を、わずか3カ月で実質審理なしに決定に持ち込んだ昨年9月21日の千葉県知事決定から1年。市東さんの耕作地をめぐる攻防は、不当な明け渡し訴訟(06年10月にNAAが市東さんを提訴)で司法権力の常軌を逸する強権的訴訟指揮が行われるなど、この攻撃が法的枠組みを頭から無視した国家意志であることを突き出した。
反対同盟と弁護団は7月27日、堂本千葉県知事を相手取り、9・21知事決定の取り消しを求める新たな行政訴訟に踏み出したが、今後さらに緊張した攻防を強いられることは間違いない。
重要なことは、故・大木よねさんに対する1971年の強制収用以来三十数年ぶりに、国家権力が反対同盟農民に対する強制的な農地収用に踏み出した現実を直視することだ。42年間、国策としての軍事空港建設を阻まれ、空港建設の法的根拠すら失ってしまった日帝支配階級が、事ここに至って三里塚闘争を破壊するために理屈抜きの決戦を仕掛けてきたのだ。
父・東市さん(1914〜99年)の闘いを受け継いだ市東孝雄さんは、昨年6月の政府・空港会社の最後通告的提示(金銭で農地明け渡し=応じなければ農地収用)を一蹴し、「農民を守る法律(農地法)が自分を守らないなら、自分の力で守り抜く!」と、一歩も引かず闘い抜くことを宣言している。40年を超える三里塚闘争を背負って立つ重い決断である。
(写真 7・28現地行動で発言する市東孝雄さん)
反対同盟との血盟をかけて
われわれは、市東さんへの農地収用を何がなんでも粉砕することを誓う。70年前後の強制収用との実力闘争を皮切りに、70年代の二重対峙・対カクマル戦争、そして80年代の二期決戦における激烈な対権力戦争をともに命がけで闘いぬいてきた反対同盟。この反対同盟農民との血盟を果たしきる覚悟が、いままさに問われている。
もとより反対同盟と全国の労働者人民の不屈の闘いによって、私有財産を強制収用する唯一の法である土地収用法は1989年段階で失効し、以後、強制収用の法的根拠は失われた。それ故、政府・空港公団(当時)は、90年代から一転してもみ手の「話し合い」路線に転じ、「公開シンポ・円卓会議」と称して、条件交渉に応じた脱落派との政治談合と買収工作に明け暮れた。
だが農民を愚弄(ぐろう)した彼らの買収工作は失敗に終わった。すると政府は「未来永劫(えいごう)、一切の強制手段を放棄する」「合意なき着工はしない」などのシンポ・円卓会議での公的確約をいとも簡単に投げ捨てた。平行滑走路を「2180b」に切り縮めて本来の滑走路予定地に住む農家の軒先まで一方的に造って02年暫定開港を強行、農家の上空40bにジェット機を飛ばしたのだ。農家を屈服させるために騒音地獄を強制する国家犯罪だ。この国家犯罪の共犯者である県知事は「人が住める環境ではない」と言い放ち移転強要の先頭に立った。国交省は東峰区に「これが買収の最後の機会です」という大臣署名の脅迫状まで送りつけた。
この時政府は、東峰区のたたき出しに成功すれば、残る敷地内の出耕作畑や一坪共有地、神社などの物件をまとめて「緊急の特別立法」で収用する計画だった。(読売02年4月の論説)
40年を超える不屈の闘争史
しかしこれらの攻撃はことごとく失敗した。東峰区と反対同盟の実力決起(01年6月東峰神社決戦。萩原進さん逮捕)を頂点に、地域の空港反対闘争全体が守り抜かれ、東峰地区住民による神社立木伐採裁判も住民側勝訴で決着(神社は村の総有財産と確定)。三里塚闘争の底力を改めて見せつけた。国家の暴力にも負けず、億の札束を一蹴する農民たちが存在する。帝国主義の農民殺しと非妥協的に闘い、労働者人民との連帯の信義を守りぬく農民たちがいるのだ。彼らはついに40年を超える不屈の闘争史を刻んだ。国策としての成田空港建設は、農民たちから引導を渡される寸前まで追いつめられた。
この三里塚闘争の階級的意義は絶大である。農民たちが全国の労働者・学生とともに40年を超える闘いを継承し、警察権力の日常的な圧力をはね返し、なおも戦線を維持している。農民たちが掲げているのは紛れもなく革命の旗だ。こうした闘いが現に存在すること自体が、改憲情勢下で決定的な意味を持つことは言を待たない。
こうして政府・国交省は本性をむき出しにした。動労千葉の拠点破壊攻撃、法政大学への大弾圧など、〈戦争・民営化・労組破壊>=改憲攻撃の全面的開始を合図に、市東孝雄さんへの「農地法による農地収用」攻撃など、昨年春から、なりふり構わない“三里塚つぶし”が始まったのである。
市東さんの農地を死守しよう! 10・7三里塚全国集会への総力結集運動を広く組織しよう。
(写真 政府・空港会社が強奪を狙っている市東さんの農地【3月25日】)
労農連帯闘争の革命的地平
階級的労働運動の発展で新たな三里塚決戦勝利へ
階級的激突の軸に動労千葉と三里塚
市東さん農地問題をはじめとする“三里塚つぶし”は、一方で昨年以来の動労千葉への常軌を逸した組織破壊攻撃と同時に始まった。これは象徴的という以上の歴史的な根拠がある。この両者の攻防こそ、70年代後半から80年代をとおした階級的激突の核心部だったからだ。わが革共同が、革命的情勢の接近に対して真っ向から〈全階級・全人民の一斉武装蜂起>を対置した91年5月テーゼを闘いとることができるかどうかの分岐点がここにあった。
今日、日本国内で革命派を名乗れる政治勢力、政治党派は、75年スト権ストの敗北から87年国鉄分割・民営化〜89年総評解散にいたる総評・民同労働運動の歴史的な大崩壊過程を、権力・反革命との血みどろの激突に勝ち抜いた勢力、党派だけだ。この過程は「戦後政治の総決算」を掲げる中曽根政権の大反動(3公社民営化=戦後労働運動への総攻撃開始、軍事費のGNP1%枠撤廃、教育反動への着手、靖国公式参拝強行、治安警察国家化など)の中で、日本のすべての労働者人民と労働組合、政党、党派が、階級的な立場を問われる過程だった。
とりわけ、民営化攻撃と対決し階級的労働運動を貫く動労千葉とともに進むのかどうか、他方で権力を倒す以外に出口のない三里塚闘争(二期決戦)をともに担う覚悟があるかどうか。すべての勢力はここで容赦なくふるいにかけられた。中曽根「総決算」攻撃の矛先は、最終的に国鉄分割・民営化(86年10月衆院本会議で法案可決)と三里塚二期工事着工(同10月!)に標的が絞られていったが、この両者が文字どおり血を流して闘い、組織と運動を守り抜いた意義は絶大である。
それは現在、日帝支配階級が、朝鮮危機の切迫と米軍再編(全土基地化)の狭間で〈改憲・戦争>の具体的プロセスに踏みだしたにもかかわらず、革命的内乱の核となりうる労働者人民の組織、運動、思想的拠点をいまだ崩せていないという問題だ。これは階級支配の危機が革命に転化するかどうかの核心問題なのである。
78年開港以来の左翼運動の分岐点
三里塚闘争の側からこの過程を総括すると、いくつかの重要な歴史の分岐点が浮かび上がる。
最大の分岐点は1978年の一期暫定開港をめぐる決戦である。日本の労働者階級人民は、70年安保・沖縄決戦(三里塚では強制収用阻止決戦)以後の破防法弾圧と熾烈(しれつ)な二重対峙・対カクマル戦争の渦中で、2万人規模の武装した隊列を三里塚の地に結集し、ふたたび日帝国家権力との総力戦的激突をやり抜いた。警察権力は、完全武装の機動隊で空港内外を固めたにもかかわらず完成したばかりの管制塔が占拠・破壊され(78年3月30日)、世界に発信していた開港予定日は流れ、さらに「出直し」開港日(同5月20日)には航空管制の中枢がゲリラ戦で破壊され、日本中の航空機の運行が完全にストップした。
権力はこの革命的な事態に文字どおり震撼(しんかん)した。管制塔占拠闘争の戦士たちへの長期投獄弾圧を開始、さらにわが革共同への絶滅攻撃ともいうべき戦前型の大弾圧を以後十数年にわたって執拗(しつよう)に展開した。弾圧の目的は一点、「二期決戦をやらせない」だった。
この過程で三里塚闘争陣形は真っ二つに分岐していった。
ひとつは、内閣官房が仕組んだ政治談合を支持・容認する潮流だ。彼らは反対同盟の一部幹部(島寛征ら)の「対政府秘密交渉」(79年6月)を契機に、「対等な話し合い」を掲げて闘争の終結を目指した。83年3月の反対同盟分裂から、最終的に政府と和解する94年「円卓会議最終合意」にいたるこの潮流は、様々な外皮をまとっていたが、本質的な共通綱領は「二期決戦はやらない」であった。〔この分裂は日本の左翼勢力全体を二分する分裂に発展した。本質において、体制とどこかで折り合うか、絶対反対(革命)で闘うかの分裂だった〕
そして他方は、開港阻止決戦に続く二期工事との決戦を本気で決意した現在の反対同盟農民と、それを支持するわが革共同を始めとする革命的党派・勢力である。
われわれは、83年の同盟分裂で改めて反対同盟農民との血盟を誓い、85年蜂起戦(10・20三里塚十字路戦闘〜11・29浅草橋戦闘)〜88年の強制収用攻撃との激突(県収用委員会の解体)〜90年成田治安法決戦(全団結小屋の撤去・封鎖)までの過程を、権力との血みどろの内乱的死闘としてやり抜き、三里塚闘争の砦を守り抜いた。
われわれはこの過程で、反対同盟とともに国家の強制収用(88年)を実力で粉砕した。県収用委員会という権力機関に、以後17年間も空白状態を強制したのである。三里塚の大地が無惨な更地となりコンクリートで覆われてしまうのか、現在の革命的事態(農地と共有地が空港敷地内にいまなお多数存在する)に転ずるかの分岐点であった。ここでの総力戦で農民・人民の側が勝利したのだ。
われわれは満身創痍(そうい)だったが、敵権力はそれ以上にしたたかに打ちのめされた。改めて三里塚は「法と権力」が通用しない政治空間となった。その意義ははかり知れないほど大きい。
この三里塚闘争の管制高地の上に初めて、われわれは〈全階級・全人民の一斉武装蜂起>へ向かう労働者階級の大地に立つ(91年5月テーゼ)ことができたのである。そしてわが戦列には、この日帝支配階級との20年越しの死闘を共有した農民たちが、いまなお闘い続けているのである。
三里塚闘争支えた動労千葉支援陣形
ところで78年の開港阻止決戦を担った2万人を超える労働者・農民・学生・市民の隊列は、71年の三里塚代執行阻止決戦以後、いかにして維持されてきたか? この時期、反対同盟は71年9・16東峰十字路闘争(3警官死亡)に対する空前の大弾圧で傷つき(71年12月〜。のべ115人の青年行動隊員が「殺人罪」で逮捕された)、他方で75年3・14反革命(革共同書記長・本多延嘉同志の暗殺)を頂点とする2重対峙・対カクマル戦争の熾烈な現実があった。
この中で三里塚闘争は、78年開港阻止決戦までに2万人を超える武装した人民の陣形を再建したのだ。その陣形を保証したのは、ほかでもなく「三里塚との労農連帯」を掲げ、ジェット燃料貨車輸送阻止を闘う動労千葉の労働者と、それを支援する全党派を糾合した闘争陣形だった。
反対同盟の故・戸村一作委員長は、開港阻止決戦を控えた77年、千葉市体育館を埋めつくした「動労千葉8・12大集会」で演説。「歴史学者の羽仁五郎氏は『三里塚は現代のパリ・コミューンだ』と言ったが、いま動労の赤旗を眼前にして、いよいよその日が来たと思わざるを得ない。労農コミューンの実現を!」と訴えた。ここに現代革命のリアルな可能性を実感したのは会場に集まった人びとだけではなかった。(パンフ『俺たちは鉄路に生きる』より=78年2月)
日帝権力と反革命カクマル(とりわけ動労カクマル)は、まさにこの革命の現実性に恐怖し、密集した反革命として全人民の前に姿を現した。動労本部は三里塚一期開港の年、78年7月の動労津山大会で、一転して「三里塚と一線を画す」ことを宣言、「貨物安定輸送宣言」に踏み切り、動労千葉への大々的な襲撃を開始した。これを引き金に、日帝支配階級の総力を挙げた国鉄分割・民営化への攻撃が開始され、総評解散・連合結成(89年)にいたる洪水のような労働運動破壊攻撃が始まったのである。
この大反動に抗して、動労千葉が「労農連帯」を真っ向から掲げ、動労本部と決別する79年分離独立をやり抜いた驚異的な決断と勝利は、その後の労働運動の歴史を決するものとなった。ジェット燃料貨車輸送阻止闘争〜国鉄分割・民営化阻止の大ストライキ闘争が、あの80年代の大反動と三里塚二期決戦のただ中で打ち抜かれ、これを幅広い三里塚闘争勢力が支援した。
労農連帯の力強い陣形こそが、国鉄分割・民営化を頂点にしたあらゆる反動・反革命を打ち破り、プロレタリア革命の命綱ともいえる階級的労働運動の心棒を守り抜いたのである。動労千葉と三里塚が「車の両輪」と呼ばれる理由はこの歴史の事実なのだ。
ちなみに国鉄分割・民営化法案の衆院本会議での可決(86年10・28)と三里塚二期工事着工(同10・27)がわずか1日違いで強行されたことは偶然だろうか。94年12月の「国鉄202億円損賠訴訟取り下げ」と同年10月の「円卓会議最終合意」も同時だった。三里塚で脱落派を巻き込んだ政治談合(91〜94年シンポ・円卓会議)に、支配階級が送り込んだ中心人物は、国鉄分割・民営化の中心人物の一人(隅谷三喜男・元国鉄再建監理委員会)だった。両者は表裏一体の攻撃だったのである。総評労働運動を解散に追いこんだ十数年をとおして、日帝支配階級が構えた階級戦争の矛先の中心に動労千葉と三里塚があった。
この両者が、いまなお革命の陣地を守りぬいている現実に日帝支配階級がいら立ち、改憲情勢下で土壇場の決戦を挑んできたことは必然なのだ。
階級的労働運動路線の全面的推進の中で、新しい三里塚闘争の戦略的突破口を開こう! 10月三里塚全国闘争と11月労働者総決起を一体でかちとろう!
〔赤坂 潤〕
【写真】「三里塚空港開港反対・ジェット燃料貨車輸送阻止」を掲げた77年の動労千葉8・12大集会。千葉市民体育館に6千人が結集した
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週刊『前進』(2307号5面2)(2007/08/20 )
サブプライムローン危機
欧州に波及 株急落も連鎖
資金大供給でも動揺やまず
ファンド凍結で信用収縮に
8月初めから、欧州金融市場で米サブプライム(低信用層対象の高金利型)ローン問題が噴出している。欧州の投資家は、06年に米住宅ローン担保証券、およびその担保証券を組み込んだ証券を2420億j(約29兆円)買っている。米国で住宅ローンが焦げついている影響を受け、その担保証券を保有している欧州金融機関が危機を迎え始めた。このため欧州金融市場は信用収縮に陥り、株価は世界的に急落を繰り返している。
8月初め、ドイツ中堅銀行のIKB産業銀行が、サブプライムに絡んだ投資で巨額損失を出した。筆頭株主である政府系のドイツ復興金融公庫が80億ユーロ(約1・3兆円)もの資金支援に乗り出した。ほぼ同時に、フランス最大手でユーロ圏2位のBNPパリバ銀行が、サブプライム関連の投資をしてきた傘下の三つのファンドの償還を凍結した。3ファンドの資産総額は7月27日から8月7日にかけて23%も減った。不安にかられた投資家が換金したためだ。そのため三つのファンドでは、投資家の換金に応じる償還原資が底をついてしまった。
銀行に置き換えて言うと、預金が急激に引き出された結果、もはやそれ以上の預金引き出しに応じるカネがなくなり、業務を停止せざるをえなくなった、ということだ。つまり銀行の預金引き出し(取り付け)と業務停止に等しいことが、ファンドの換金と凍結という形で起きたのだ。
これを受けて、欧州の金融市場は信用収縮に陥った。不安感から資金の出し手はいなくなる一方で、資金繰りに困った金融機関がつなぎ資金の確保に必死になった。銀行間で資金をやりとりするインターバンク市場(日本のコール市場に相当)では金利が急上昇し、株価も急落した。放置すると、資金繰りの悪化から金融機関や企業の破綻(はたん)が続出しかねない状況となった。
これはかつて97年秋、北海道拓殖銀行の破綻、山一証券の廃業の時に日本の金融市場で起きたのと同じだ。あの時は、日本の大銀行すべてが「現ナマを確保せよ」との頭取指令を出していた。信用収縮というのはそれほど深刻だ。欧州市場が8月に直面したのは、そうした金融恐慌寸前の状態にほかならない。
これに対し欧州中央銀行(ECB)は大あわてで、2日間で円換算で25兆円強もの資金を市場に投入した。01年9・11反米ゲリラ戦の際の資金供給をも上回る額だ。FRB(連邦準備制度理事会)と日銀も資金を大量供給し、3日間だけで欧米日合わせて42兆円にも及んだ。これによって銀行間市場はいったんは沈静化しているが、しかし危機の要因も基本構図もなんら変わりない。
住宅担保証券が世界に拡散
今回の欧州の信用収縮によって、米住宅バブル崩壊が持つ破壊性が衝撃的に示された。@住宅ローン債権が証券化されているため、金融危機の最初の現れ方が変わっている。従来は銀行の不良債権として現れた。現在は、住宅ローン担保証券を抱える金融機関の損失と償還凍結や破綻、それによる金融市場の動揺という形をとっている。銀行の不良債権に比べて、リスクが世界のあらゆる金融機関に拡散し、しかも危機の現れ方は予測不可能で突発的になっている。どこにどういう証券が隠れているのか、誰もわからないからだ。
Aしかも、住宅ローン担保証券を組み込んだ複雑な仕組みの証券が取り引きされている。特に原資産や原証券の価格とかけ離れて取り引きされるデリバティブという手法が一般的になっている。だから、住宅ローン絡みの証券は、妥当な価格がいくらなのか市場自体もつかめない。29年大恐慌の時にもこのようなことはない。現代帝国主義はもはや、金融をコントロールすることができなくなってしまったのだ。
Bサブプライムローンの焦げつきによって大損失を抱えた金融機関はすでに現在ですら、ドイツ、オランダ、日本、カナダ、オーストラリア、シンガポールなどにも広がっている。ドイツのIKB産業銀行だけでも、サブプライム関連投資が78億ユーロ(約1・2兆円)にも上る。中国も米住宅ローン担保証券を組み込んだ証券に1000億j(約11・8兆円)も投資している。今後もっと激烈な危機が何度も噴出するのは必至だ。
世界金融恐慌とドル暴落へ
Cドル暴落と世界金融恐慌はますます現実的になった。今後、欧州などの金融機関が保有する住宅ローン担保証券を次々に手放していくと、ドルの信認は急低下する。しかも、それが突発的に大規模に起こりうることが、今回明白になった。
米国では、サブプライム以外の住宅ローンにも焦げつきが波及していきつつある。さらに、すでに消費に頭打ちの兆しが出始めている。
この影響で日本経済は、対米輸出の伸び鈍化から、4〜6月期の実質成長率は0・5%に減速した。今後、住宅ローン借り換えで無理やり増加してきた消費が崩れる時こそ、米経済は本格的な恐慌に入っていく。その時が確実に近づいている。
〔島崎光晴〕
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週刊『前進』(2307号6面1)(2007/08/20 )
8・5広島に結集し郵政労働者交流集会 愛媛 大下隆史
8月5日、広島に全国から闘う郵政労働者40人が結集し交流集会がもたれました。
初めに広島の郵政労働者が歓迎のあいさつ。続いて元郵政労働者の大槻泰生さんが、自らの被爆体験を交えてあいさつを述べました。星野暁子さん、三里塚反対同盟の萩原進さんもあいさつ。
4・28反処分闘争を闘った当該の労働者は「びっくりするような完全勝利でした。仲間がいたから頑張れた28年でした。これからは全国で闘う仲間を支援し、ともに闘います」と力強くアピールしました。
愛媛の労働者から基調提起を受けた後、全国から駆けつけた仲間からの発言が続きました。
「分会ニュースが出せるようになってから職場での信頼関係ができてきた。非常勤労働者の組織化、職場の団結をつくっていくことが課題です」「慢性的な要員不足の中で、やっと増員をかちとりました」「民営化を許さない10・1集会をやることにしました。再度職場の怒りをバネに、現場の闘いをつくり出していきます」「民主党ではダメ。今後労働者や組合が闘う方針を出せば必ず勝てる。今がチャンス。11月集会に向けて頑張っていく。動労千葉労働運動の実現をめざします」
さらに、「職場ではケンカのしっぱなしです。時間前着手、休憩無視は当たり前。こんな状況は我慢できない」「初めて参加しました。全国で闘っている仲間がこんなにいるんだ、とわかって頑張っていく元気をもらいました」
郵政職場では、仕事を回している労働者が正規・非正規で分断され、「生産性向上」「品質管理」「自己責任」など強権的な労務管理の中で、労働者の誇りも人間性も日々破壊されています。
要は資本と非妥協で闘い「労働運動の力で革命をやろう」という立場で闘うのか否か。動労千葉のように原則を曲げずに闘えば必ず民営化攻撃は破産させることができる。現場の団結を固め、闘う全逓の再生をめざして頑張ります。
職場闘争で団結作り自治労大会―11月へ 東京 林田真治
8月5日、広島で自治体労働者全国交流集会が70人の結集で開かれた。地元の自治体労働者が開会のあいさつで「安全神話は崩壊した。愛媛では中央構造線の上に伊方原発が建っている。プルサーマル計画を許さない」と表明、参院選での自民大敗で「自治労は激動の時代に入った。職場闘争で団結を強めよう」と述べた。
労組交流センター自治体労働者部会の労働者が基調報告で「参院選で労働者・農民・地方の怒りが爆発したが、民主―連合も改憲・戦争勢力。怒りを真っ向からぶつけ、職場で運動をつくり、団結を広げ、世界を変えよう」と強調、「社保庁解体・職員解雇攻撃に真っ向から反撃しなければ自治体労働運動は終わりだ」と警鐘を乱打した。
また8月末の自治労第79回定期大会への総決起を訴えた。「大会議案では現業論が極小化している。当局は民営化、外注化で現業労働運動をなくそうとしているのに。自治労本部は仲間が日々殺されている現場の怒りに何もこたえられない」と批判。「労働者は絶対に立ち上がる。『俺たちは鉄路に生きる3』を読もう。ここに確信を持ち、自らを変え、闘おう。自治労大会で何が起こるか分からない。11月4日に千人を超える自治体労働者の結集を」と結んだ。
次に全国各地の自治体労働者が報告と討論。関西の青年労働者は「当局は労働者を虫けら扱いしている。当局の言うことを聞け、生活保護を切れ、と命令してくる。奴隷のように働かされているが、人間らしく生きたい。当局と対決する。闘いを抑圧し組合員を守らない指導部を打倒しよう」と熱く語った。関東の青年労働者は「職場では人が減らされ、仕事が増えるばかり。組合指導部は闘わない。現場がやる以外ない。自治労大会でガツンと言ってやりたい」とみずみずしい決意を述べた。
一時金返納拒否を貫く社保労組の労働者は「マイクロフィルム化時、現場が記録(紙)を残したから年金記録統合もできる」と暴き、「2010年年金機構発足まで2年半勝負する」と語った。
東電労働者は団結し被曝労働拒否しよう 東京 小野正春
8月2日午後4時半から1時間、東京電力本社前で50人余りが柏崎刈羽原発震災に抗議して横断幕を広げ門前集会を開いた。7団体が東電への抗議文を読み上げ、東電センター課長に手渡した。
8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会の三角忠事務局長は「地元住民に謝罪し、原発を一刻も早く閉鎖せよ」と申し入れた。(写真)
集会の最後に、新潟県刈羽出身の菅井益郎國學院大教授が「あの一帯は石油のボーリングによって地盤の構造も良く知られていたのに、東電は断層を消し去り、安全を主張して強引に原発を造った」と怒りを語った。
また、8・6−8・9全国統一実行委は、東京電力労働組合の鈴木登委員長にも以下の申し入れを行った。(以下抜粋)
「私たちは柏崎刈羽原発の運転再開に絶対反対です。……貴労組も加盟している電力総連は、北陸電力の志賀原発2号機運転差し止め訴訟判決について、『万一、原子力発電所に重大な事故があった場合は、最初に被害を受けるのは我々であることから、安全確保を最優先に従事しており、原子力発電所の安全性に問題があるならば就労を拒否する』とホームページに見解を載せています。今がその時ではないですか」「電力労働者が団結して被曝労働を拒否すれば、原発を止め廃絶することができます。組合員と家族、そして日本・アジア・世界の労働者民衆の命を核地獄から守るため、就労拒否の組合方針を実践に移すことを、私たちは同じ労働者として強く要求します」
想像が闘いの原動力沖縄の全基地撤去を 沖縄 林 晴一
辺野古のキャンプシュワブに造られようとしている新基地を、街中にある危険な普天間基地を移設するためだと日本政府は宣伝していますが、うその上にうそを重ねたへ理屈です。キャンプ・シュワブにある弾薬庫+原子力空母の軍港+戦闘爆撃機(F22ステルス機)+垂直離着陸固定翼機(オスプレイ)+1800bV字2本滑走路の最新鋭軍事基地であり、普天間基地の代替施設などではありません。
さらにキャンプ・ハンセン(海兵隊グリーンベレー、象のオリの通信施設配置)+キャンプ・シュワブ+北部訓練場、高江ヘリパッド=沖縄本島北部の巨大軍事基地要塞なのです。
現在、日米帝国主義者は、沖縄の米軍と自衛隊を最前線基地として再編強化・拡大して、わが祖国朝鮮にその銃口を向けているのです。
本土人民は1950年朝鮮戦争(朝鮮民族解放戦争)で「神武景気」で復興し、日本軍=自衛隊を復活させ、韓日条約で南北分断に加担した。ベトナム戦争の軍事特需で繁栄を享受し、アジア人民の血の上に「平和」を謳歌(おうか)してきたのです。常に沖縄人民を踏み続けてきた歴史を忘れてはなりません。
沖縄では軍事大型ヘリコプターが大学構内本部校舎に墜落炎上(奇跡的に民間人の負傷者はなかった)しても、その事故を起こした米兵の名前さえ公表されず、一件落着して終わりました。
今一度想像してください。仮に東京のど真ん中にある日本大学や明治大学に米軍の武装ヘリが墜落炎上したらどうなるでしょうか? 本土の人びとは沖縄がされてきたように黙殺・無関心でいられるでしょうか? 想像が闘いの原動力を産み出す。豊かな感受性と人を思う心で闘いを続け、沖縄の基地を撤去しましょう。本土−沖縄−朝鮮を貫く闘う人びとの友情と連帯で!
「夕凪の街・桜の国」が描く8・6広島 東京・三多摩 中原一朗
「うれしい? 13年たったけど、原爆落とした人は私を見て、『やった!またひとり殺せた』と思うてくれはる?」
公開中の映画「夕凪(ゆうなぎ)の街・桜の国」で、戦後13年たった広島の地で被爆女性・皆実が元安川の土手のアカシアの木に寄り添いながら死んでいく。このセリフは、原爆を落とした側への皮肉に満ちた皆実のモノローグだ。
1945年8月6日。父と妹を捜して地獄と化した広島の街を歩く皆実。何人見殺しにしたかわからない。
成人した皆実は職場の同僚の男性に恋をする。幸せだと思うたび、いとおしかった街を思い出し、すべてを失った日に引き戻される。お前の住む世界はここではない、と誰かの声がする。
「あの日」を生き延びた皆実は、生きている意味を自己に問い続ける。「わかっているのは『死ねばいい』と誰かに思われたということ。思われたのに生き延びているということ」
「あの日」、広島に投下された一発の原子爆弾によって、爆心地にいた労働者・市民、朝鮮人・中国人、米軍捕虜は一瞬にして虐殺された。皆実の弟の妻の京花も、戦後二十数年もたってから原因不明の吐血により亡くなっている。いまも被爆2世、3世が原爆症によって苦しめられている。
安倍よ、久間よ。これでも「原爆投下はしょうがなかった」と言うのか。参院選での自民党の歴史的大敗は、核武装論者の安倍への被爆者を始めとする労働者の怒りの一撃だ。「死ねばいい」労働者などいない。中越沖地震・柏崎刈羽原発事故で、原発を守るためなら労働者など「死ねばいい」と考える安倍・御手洗こそ死すべきだ。
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週刊『前進』(2307号6面2)(2007/08/20 )
改憲・靖国・貧困を問う 8・15労働者・市民のつどい
“今、戦後革命引き継ぐ時”
青年先頭に560人の熱気
(写真 「今、戦後革命期と酷似していないか」と高山弁護士【8月15日 東京】)
敗戦から62年の8月15日、なかのZEROで開催された「8・15労働者・市民のつどい」に参加しました。今年で13回目となるつどいは「改憲・靖国・貧困――国益と排外に憲法は屈するのか」がテーマです。午前中の靖国闘争を引き継ぎ、560人が参加しました。
「憲法と人権の日弁連をめざす会代表」の高山俊吉弁護士の講演がとても素晴らしかった。現代に生きる私たち日本の労働者が戦後革命の闘いを引き継いで、今度こそ危機に立つ帝国主義を打倒する革命をやるぞ、と11・4労働者集会1万人結集に向けて決意のこぶしを握りました。
主催者あいさつをした葉山岳夫弁護士は、参院選での自民党の歴史的惨敗は人民の怒りの行動の始まりだ、と指摘。「労働者の革命で対決しよう」と集会の方向性を明快に打ち出しました。
“労働者は怒っているぞ!”
全学連の織田陽介委員長が午前中の靖国闘争を報告し、「問題は、最左翼のわれわれが本気で怒っているか。隣の労働者は怒っている」と鋭く提起しました。
沖縄・辺野古で新基地建設を阻止している富田晋さんが報告。海自艦まで投入したV字型滑走路の工事着工に「来るなら来い。反戦自衛官にして返してやる」と決意を語りました。教科書の沖縄戦「集団自決」の記述問題で再度、大規模な県民大会を開くことを報告し、県民ぐるみの闘いを教育労働者が牽引(けんいん)していると語りました。辺野古と労働者の力が結びつけば倒せないものはないと力強く語る姿が印象的でした。
NPO法人自立生活サポートセンター・もやい事務局長の湯浅誠さんが「〈貧困〉は自己責任じゃない」と題して講演。
湯浅さんは、ホームレスやネットカフェ難民の相談や支援を続けています。近年は相談が多様化し、若い女性や家族での相談が増えていると指摘し、2世代にわたってホームレスを強いられるなど貧困の現実を具体例をあげて紹介しました。
生活保護の受給率がきわめて低く、捕捉率の調査もしない日本政府。雇用が破壊され、労働組合にもアクセスできない現実。怒る力を奪われた多くの若者。湯浅さんは「貧困の議論が必要」と強調しました。
日本の労働者階級の恐るべき現実の一端にあらためてショックを受けましたが、「社会の本当の主人公は労働者」という実感と現実的な力を取り戻す労働運動の復権が必要だと感じました。
8・15のつどい恒例で毎回大好評の松元ヒロさんのコントは「俺はブルジョア」。文章でうまく再現できませんが安倍首相のものまねでの鋭い風刺に会場が沸きました。
平和遺族会全国連絡会代表の西川重則さんが「改憲国会の現場」と題して国会報告を行いました。国会をつぶさに傍聴してきた経験から、強行採決が繰り返される国会の現状を指弾。「おごれる安倍は退陣せよ」と断罪しました。
高山弁護士の「戦後革命と憲法」と題した講演は感動的でした。読売新聞の記者だったおじの体験を交えながら、敗戦後わずか1カ月たらずのうちに始まった読売争議を言葉豊かに再現。戦争責任追及と生きさせろの要求で生産管理や新聞ゼネストも構えた労働者階級の闘いを生き生きと語りました。
戦後革命の時期は「現在の状況に酷似してないか」と聴衆に問いかけ、「戦後革命の闘いを引き継ぐのはわれらだ」という高山さん自身の決意を交えながらの講演は、若い労働者や学生への鮮烈なメッセージでした。
民主労総ソウル本部迎えて
韓国・民主労総ソウル地域本部からパクスンヒ事務処長、キムヒョンソク組織次長が来日しました。韓国労働者の半数を超す約870万人がいつ解雇されるとも知れない非正規職労働者となっている現実や、最近改悪された非正規職法で、2年以上勤務すれば正規職にする規定を悪用して前日に解雇したり、契約期間を1日にする資本の悪行を断罪しました。
最低賃金ギリギリで殺人的な労働を強いられる大型スーパーの非正規職労働者の売り場レジを止める闘いを報告し、勝利への覚悟を示しました。
動労千葉の田中康宏委員長は「日本の労働者の本当の力が抑え込まれている。組合幹部は腐っているが組合は現場のものだ。労働者は革命を求めている。私たち一人ひとりが可能性を持っている」と「団結の復権」を訴えました。
「君が代」不起立に対する停職6カ月処分と闘う都立養護学校教員の根津公子さんは、「貧困をつくらないと戦争はできない。70〜80年前も同じだった」と述べ、習熟度別授業は、将来の貧困を納得させる教育で、それを補完するのが「日の丸・君が代」の愛国心授業、と語りました。不起立闘争は最低限の闘い、行動で示そう、団結して社会を変えようと訴えました。
最後に集会実行委員会の鈴木達夫弁護士が集会をまとめました。「体制内労働運動はもう命脈が尽きた。妥協しない労働運動をつくろう。高山さんが具体的に語った戦後革命期の実態は、日本の労働者の底力を示している。11・4集会を『生きさせろ』の叫びと職場の怒りと結合して成功させよう」と訴え、先ほどパクスンヒさんが紹介した詩を引用して「人が退路を断って闘いに決起した時、人は花より美しい」の言葉で締めくくりました。
集会後の交流会も約80人が集まり、青年労働者の歌に民主労総も労働歌でこたえ、大いに盛り上がりました。
(投稿/相川里草)
(写真 民主労総ソウル本部のパクスンヒ事務処長【左)とキムヒョンソク組織次長)
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週刊『前進』(2307号6面3)(2007/08/20 )
星野さんとともに
杉並・阿佐谷で絵画展
文昭さんの深い思い知る
都政を革新する会長谷川英憲
7月19日、阿佐谷地域区民センターで星野文昭さんと暁子さんの詩画集が出版されたのを記念した絵画展が開かれた。私は初日のオープニングに参加した。はじめに暁子さんが詩画集から6編の詩を朗読しながら、ふたりの出会い、結婚、再審・釈放を求める闘いの話をした。(写真)
「獄中で文昭さんがどうやって絵を創作されているのか」など、参加者からいろいろの質問が出され、それに暁子さんがていねいに答えていた。また、どうやってこの詩画集を星野救援運動の力にしていくか、意見がはずんだ。誰をも感動させる力をもったこの詩画集をまわりに広げること、「図書館などにもリクエストして置かせるようにしたら」などの意見も出た。私は早速実行したが、どういう結果が出るだろうか。
いつも思うことだが、文昭さんの絵画は誰の心をも和ませる。その力がどこにあるのかを、今度、詩画集への文昭さんのメッセージを読んで納得した。暁子さんへの深い想い、多くの困難をともにのりこえ、支えあって生きていることへの深い感謝と喜びを込め描いているからだ。「生きとし生けるもの全(すべ)てへの共感、感動、賛歌を描いたもの」だからだ。暁子さんの詩がそれに響きあってひとつの宇宙をつくりだす。
これを感じて、私たちはどうするか。無実でありながら33年も投獄し、暁子さんとの間を引き裂き続け、お母さんの死のまくら元にも行かせない権力への激しい怒りである。なんとしても星野文昭さんを奪い返さなければならないという強い思いである。
「生きさせろ」「民営化反対」「戦争・改憲許さない」と澎湃(ほうはい)として沸き起こっている労働者人民の怒りを階級的労働運動の力として爆発させて星野さんを奪い返すのだ。
自分たち自身の隊列を変革し、鍛え、飛躍してこの課題をやり遂げる。そういう時代の始まりのメルクマールにこの詩画集をしよう。
( 『FumiAkiko 詩画集2001-2007』A4変形判 109n1800円■5冊以上は1冊1500円「前進社でも取り扱います」)
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