ZENSHIN 2007/08/06(No2306 p10)
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週刊『前進』(2306号1面1)(2007/08/06 )
居直る安倍をぶっ倒せ
労働者の根底的怒りの爆発を今秋11月総決起へ転化しよう
あらゆる職場に闘う団結を
東西で革共同集会が大成功【写真左】890人が結集した東京集会(豊島公会堂) 【写真右】370人が集まった関西集会(尼崎市立労働福祉会館)=記事2面
7月29日投開票の参院選で、安倍自民党(与党)は大敗した。事前の予想をはるかに超える歴史的惨敗だ。これは安倍の「戦後レジームからの脱却」「美しい国」を掲げた極右的な戦争と改憲の攻撃、小泉―安倍と続いてきた構造改革路線=新自由主義政策による民営化・規制緩和と労組破壊、無慈悲な非正規雇用化と貧困化の攻撃に対する、労働者階級人民の根底からの怒りの爆発の結果である。しかし安倍は、どん詰まりの危機に追い詰められながらも、参院選敗北を居直り、政権にしがみついて、戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃をさらに推し進めようとしている。二重、三重に許しがたい。労働者階級人民は日帝・安倍と安倍=御手洗路線に、さらに激しい怒りを爆発させ、安倍打倒、日帝打倒の革命的激闘へと勇躍突入すべき時だ。階級的労働運動の発展と11月労働者集会1万人結集の実現の中にこそ、勝利の巨大な展望がある。
自民が歴史的惨敗
参院選の結果は、きわめてドラスティックで衝撃的なものであった。
各政党の今回の改選議席と新たな獲得議席数をみると、自民党64→37、公明党12→8、民主党32→60、日本共産党5→3、社民党3→2である。この結果の核心は、安倍与党である自民党と公明党の惨憺(さんたん)たる敗北ということである。
特に自民党は、都市部で労働者階級の意識的な投票行動が、安倍政権打倒へ動いただけでなく(参院選全体の確定投票率は58・64%だった)、地方・農村部でも、自民党の構造改革路線による農業・農民切り捨ての農政に対する怒りが、農民の反乱として組織され、伝統的な自民党地盤が地滑り的に崩壊して惨敗した。全体の勝敗のカギを握る29の1人区で、自民党は実に6勝23敗。東北の1人区4県と四国の全4県ではすべて敗けた。
こうして自民党は、改選後の参院勢力が83議席に激減し、公明党を合わせても参院で過半数を大きく割った。参院で自民党が80議席台に落ち込んだのは、実に1955年の結党以来、初めてのことである。
他方、民主党は選挙区・比例区を合わせ、過去最高の60議席を獲得し、参院で初めて第1党になった。しかしこれは本質的に、労働者階級の民主党への積極的支持や期待ではない。自民党(と公明党)に対する激しい怒りと批判が、力のある本格的な労働者党の未形成の中で、差し当たって最大野党の民主党に集中したのだ。労働者階級は民主党への幻想は基本的に持っていない。
また、日本共産党と社民党の一層の凋落(ちょうらく)も、はっきりと突き出された。特に反労働者性をいよいよ強める日本共産党は、労働者人民の安倍自民党に対する怒りがこれだけ激しく爆発している中で、その怒りと要求を吸収することがまったくできなかった。とりわけ首都・東京で維持し続けてきた1議席を失ってしまった。
「構造改革」と改憲
参院選での自民党惨敗によって、日帝ブルジョアジーは、すさまじい政治的・体制的な危機にたたき込まれている。
そもそも今回の参院選投票を目前に、帝国主義世界経済は、7月26日のニューヨーク株式市場の急落を発端として日本、アジア、欧州へと連鎖する株価急落(今年3度目)に痛撃された。これは米住宅バブルの崩壊の中で、低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)の「どこまで波及するか底が知れない」という焦げ付き多発を契機とする大幅下落だ。ここにはドル暴落と世界大恐慌の現実性が突き出されている。
また日帝は国際帝国主義の「最弱の環」であり、今回の事態に直撃され、株価も景気も「米経済頼み」という危機を露呈した。しかも今や日米争闘戦が根底的に激化している。
こうした中で日帝ブルジョアジーは、参院選での労働者階級の怒りの激しさと自民党惨敗の結果に戦慄(せんりつ)し、安倍支持を絶叫している。日本経団連会長・御手洗が「引き続き改革路線を進めてほしい。改革のスピードを頓挫(とんざ)させず目標を完遂してもらいたい」と発言したのを始め、こぞって「構造改革の継続を」「政局を混迷させるな」「政治は安定が重要」などと、安倍続投支持を大合唱している。
こうしたブルジョアジーの動向を背景に、安倍は選挙での惨敗を厚顔にも居直った。「私たちが進めてきた基本路線は理解いただいた」「私の美しい国づくりはスタートしたばかり、責任を果たすのが私の使命」などとうそぶいて、退陣を拒否した。しかし自民党には安倍に代わる政治家もいなければ、「抗争するエネルギー」も残ってはいない。
こうした中で、昨年来、教育基本法改悪や改憲投票法を強引に成立させてきた安倍は、あくまで政権に居座り、安倍=御手洗路線のもとに「美しい国」づくりを進め、戦争・改憲をやりぬくと言っているのだ。また小泉以来の構造改革路線を推進し、民営化と労組破壊、非正規雇用化と貧困や格差拡大の政策を続けると言っているのだ。
巨大な階級的激動
だが、こんな安倍と日帝ブルジョアジーの居直りと反労働者的政策を、労働者人民は絶対に容認しない。参院選に表現された労働者や農民の怒りと要求は、人間らしく生き、生活するための、根底的なものである。
労働者の怒りは不明年金問題や、閣僚の不正事務所費問題だけではない。労働者をこれほどの非正規雇用化・貧困化と格差拡大にたたき込んでいる小泉―安倍の構造改革路線そのものへの怒り、「美しい国」と称する戦争と改憲、戦前型の「大日本帝国」復活の攻撃への怒りなのだ。安倍を打倒し、日本帝国主義を打倒して革命をやるまで、この怒りは収まらない。そうした根底的怒りに、今や火がついた。主体的にも革命的情勢が急速に成熟してきている。巨大な政治的・階級的激動と激突情勢が、今や荒々しく始まったのだ。
しかも労働者階級は、小沢民主党にも本質的に幻想を持っていない。そもそも小沢民主党は、もう一つの帝国主義的ブルジョア政党であり、改憲や構造改革推進の政党である。また連合指導部はこの民主党と完全に一体だ。彼らは腐敗し改憲勢力と化した体制内労働運動とその指導部そのものなのだ。
だが労働者人民は、参院選の結果に「ざまを見ろ」「してやったり」と意気上がっている。闘いと勝利への機運が高まっている。この情勢をさらに促進し、発展させよう。労働者階級は、今こそ小沢民主党や、連合、全労連などの体制内労働運動とその指導部を打倒し、のりこえて、安倍打倒、日帝打倒へと前進しようではないか。
職場・工場にビラを
居直る安倍を打倒し、引きずり降ろすことができるのは、労働者階級の闘う団結と闘いだ。今や体制内労働運動では、帝国主義の攻撃とまったく闘うことができない。階級的労働運動を職場・生産点で実践する闘いこそが死活的である。
われわれは帝国主義の最末期の体制的危機とそこから繰り出される戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃に、この07年前半戦において階級的労働運動路線をもって全力対決し、闘いぬいてきた。それは圧倒的に有効で正しかった。
動労千葉(3労組共闘)の闘い。そしてそこから学んだ青年労働者と学生を先頭とする3・18―6・9の「労働運動の力で革命をやろう」の新たな挑戦。それを軸に、今年前半の闘いを全力で切り開いてきた。そのことで今日の急速に成熟する革命的情勢に、力強く「かみ合う」ことができたのである。
今こそ参院選が生み出したすさまじい階級的な激突情勢に、階級的労働運動路線の大躍進と11月労働者集会の1万人結集をもって、さらに大きなスケールで切り込んでいく時だ。11月1万人結集の力で安倍と日帝を倒すのだ。敵のどん詰まりの危機は、労働者階級の勝利のチャンスである。
あらゆる職場、地域、街頭、キャンパスで、青年・学生の決起と団結をつくり出そう。社会保険庁の労働者を始め、4大産別の労働者、すべての産別の労働者に、11月総決起を訴えよう。キヤノンやシャープなどの工場の非正規職労働者に、どんどんビラを入れよう。
青年労働者と学生を先頭に、8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争と8・15靖国・国際連帯闘争の爆発で安倍打倒の火柱を上げ、今秋11月へと真一文字に進撃しよう!
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週刊『前進』(2306号1面2)(2007/08/06 )
安倍の靖国参拝阻止を
8・158時半 法大正門前からデモへ
安倍の8・15靖国神社参拝を粉砕しよう。8月15日当日、午前8時半に法政大学正門前(市ケ谷キャンパス、JR飯田橋駅もしくは市ケ谷駅から徒歩10分)に結集して靖国までの実力デモに決起しよう(主催/反戦共同行動委員会)。青年労働者と学生を先頭に右翼との激突を恐れず戦闘的デモを闘おう。
参院選の歴史的大敗という形で、安倍の〈改憲と戦争、民営化と規制緩和、労組破壊〉攻撃に対し、労働者の決定的なノーが突きつけられた。安倍打倒のチャンス到来だ。労働者の怒りが表面化し、意識は活性化し、行動的になっている。
どんづまりの危機に追いつめられながら参院選惨敗を居直り、政権にしがみつく安倍政権と強搾取に血道をあげる資本に対する労働者階級の激しい怒りと闘いを職場で組織しよう。
(写真 小泉の靖国参拝に対し、青年労働者・学生を先頭に神社に肉薄した昨年8月15日のデモ)
新たな戦争のための攻撃だ
日本帝国主義の支配階級には安倍に代わる人物はいない。結局、古色蒼然(そうぜん)たる復古主義的なセンスを持つ安倍という人物を首相として続けさせる以外に、危機に立つ日帝には選択肢がないのだ。参院選後の安倍続投はそのことを鮮明に示した。
国内的な危機に加えて国際的には、日米争闘戦の激化の中で米下院が日本軍軍隊慰安婦問題について日本の首相が公式に謝罪するよう求める決議を採択した。今秋には中国の胡錦涛国家主席の訪日が予定され、国際的な注目と批判が一段と強まっている。
こうした情勢の中でも安倍首相を始めとする閣僚や国会議員は靖国参拝の策動をあくまでも追求している。反革命的に靖国参拝を強行突破してくる可能性は大いにある。真っ向から激突して、粉砕する以外にないのだ。
靖国神社とは何か。朝鮮・中国―アジアを侵略し、植民地支配した日本帝国主義の15年戦争で、侵略戦争に動員され戦死した兵士の死を意味あるものとしてたたえる施設だ。国家と天皇の名において、侵略戦争で犬死することを名誉の死として顕彰する装置なのだ。
靖国神社の復権は、安倍の「戦後レジームからの脱却」「美しい国」路線の中枢なのだ。教育基本法の改悪や教員免許更新制で教育労働者を支配して愛国心教育をさせることと一体だ。憲法を変えて、自衛隊を軍隊として侵略戦争をやらせるためにも絶対に必要なのだ。
靖国神社の問題とは、単に過去の侵略戦争をめぐる問題ではない。日帝がその激しい危機の中で新しい侵略戦争、帝国主義戦争に向かっており、新しい戦死者を出すことを想定した労働者階級に対する現在的な攻撃なのである。
8・15労働者の集いに合流を
同日午後には、第13回8・15労働者・市民のつどいが開催される(主催/同実行委員会=要項3面)。
憲法と人権の日弁連をめざす会代表の高山俊吉弁護士が「戦後革命と憲法」と題して講演する。韓国からは民主労総ソウル地域本部が来日して報告を行う。湯浅誠さん(NPO法人自立生活サポートセンター・もやい事務局長)が「〈貧困〉は自己責任じゃない」と題して講演。毎年大好評の松元ヒロさんのコントも準備されている。
労働者の闘いの現場からは、動労千葉の田中康宏委員長や「君が代不起立」に対する停職6カ月処分と闘う都立養護学校教員の根津公子さんらの発言が予定されている。
安倍の靖国参拝阻止のデモを戦闘的に貫徹し、8・15労働者・市民の集いに大合流しよう。
今秋、安倍打倒の臨時国会闘争と結合して、職場・生産点で体制内労働運動との激突を恐れず貫き、職場の団結を拡大して仲間を獲得し、11月労働者集会1万人結集に向け全力で闘い抜こう。
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週刊『前進』(2306号1面3)(2007/08/06 )
紙面案内
階級的労働運動路線の全面的な推進で戦争・改憲攻撃をプロレタリア革命に転化しよう 高原洋三 7〜9面
階級的労働運動路線のもと7・7思想の革命的再確立を 2007年7月テーゼ 10面
■東西で革共同集会/飛躍の時代へ 2面
■社会保険庁の労働者に訴えます 3面
■日教組・自治労大会へアピール 4・5面
■柏崎刈羽原発/被曝労働拒否を 6面
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週刊『前進』(2306号1面4)(2007/08/06 )
日程 8・8〜9長崎反戦反核闘争
■8・9長崎反戦反核闘争日程
主催/8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会
8月8日(水)
◎長崎市内大情宣行動
午後1時半〜3時半/市内アーケード中心部
◎反戦反核長崎集会
午後6時/長崎県勤労福祉会館中会議室(長崎市桜町9―6、長崎電軌「公会堂前」)
8月9日(木)
◎長崎原爆朝鮮人犠牲者追悼早朝集会へ参加
(主催/長崎朝鮮人の人権を守る会)
午前7時半/松山公園(長崎市松山町、長崎電軌「松山町」)
◎祈念式典糾弾・安倍来長弾劾デモ
午前10時/城栄公園(長崎市城栄町、長崎電軌「松山町」)
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週刊『前進』(2306号1面5)(2007/08/06 )
おことわり
本号は夏季特別号(10n)として8月6日付で発行し、8月13日号は休刊します。次号は8月20日に発行します。
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週刊『前進』(2306号2面1)(2007/08/06 )
7・29東西革共同集会 階級的労働運動の発展と革命へ
東京 若き革命家が次々登壇
革共運動の飛躍の時代到来
東京集会には豊島公会堂を埋める890人が集まった。青年労働者と学生を先頭とした現場での実践・格闘を土台に、新たな、若々しい革命的共産主義運動の姿をくっきりと浮かび上がらせた画歴史的な集会となった。
(写真 若さと熱気があふれる集会の最後に全体でインターナショナルを斉唱し、11月労働者集会1万人決起に向けた確かな団結をうち固めた【7月29日 豊島公会堂】)
11月1万人決起の大方針
革共同政治局を代表して高原洋三同志が、「階級的労働運動路線の全面的な推進で、戦争・改憲攻撃をプロレタリア革命に転化しよう」と題して集会の基調を提起した。
高原同志は、07年前半を振り返り、@革命的存在としての労働者階級の決定的措定こそ、大きな前進をもたらしたこと、A階級的労働運動路線の前進にとっての動労千葉の春闘(ストライキ)決起の巨大な意義、B青年労働者・学生の闘いが、プロレタリア革命への戦略的前進に向けて巨大な一歩を踏み出したこと、C4月統一地方選の勝利の決定的意義、D米軍再編粉砕、三里塚、沖縄闘争の前進について述べた。そして“21世紀革命がプロレタリア自己解放闘争であり、その真の主体は労働者階級である”という革命的認識を、党細胞と労働者階級の大地に力強く打ち立ててきた過程として07年前半戦を総括。さらに、大激動に突入した内外情勢、11月集会への1万人結集を柱とする当面する課題を提起した(本号第2部に全文を掲載)。参加者は圧倒的な拍手でこたえ、8月から11月への総決起に向けた決意を固めた。
11月1万人決起への特別アピールに立った中央労働者組織委員会の大原武史同志は、「帝国主義の激しい危機への突入の中で、間違いなく労働者階級人民はものすごい闘いに立ちあがる。11月日比谷に、日本労働者階級の中で最も戦闘的で、闘う気概を持ち、1千人、2千人という労働者を率いて敵とわたりあう階級の指導部を1万人集めよう。こうした階級的指導者を形成したとき初めて決戦は決戦たりうる。革命党としての飛躍をかけ11月1万人決起へ総決起しよう」と熱く訴えた。
労働者同志が熱く決意表明
集会は、記録ビデオ「2007年前半の闘い」上映から始まった。
3・18―6・9闘争の先頭に立った青年労働者・学生の発言で会場の熱気はさらに高まった。
法政大の学生は、「法大決戦の中で不抜の革命家が次々と生み出されている。弾圧こそチャンスだ」と言い切った。東北大の学生は、「自治会選挙で真正面から革命を訴えて勝利した。いま“団結”“革命”が流行語になっている」と発言。自治体の青年労働者は、「体制内労働運動の指導部による弾圧と現場の仲間がガンガン闘っている」と報告した。合同労組を結成した青年は、「僕たちも労働運動できるんだとワクワクしてきた。ある高齢者は『爆弾をもって国会に突っ込みたい』と言っていた。目の前で内乱が始まっている」と語った。
マル青労同の代表は、社保庁労働者への攻撃に激しい怒りをたたきつけ、「11月集会を呼びかける3労組は日々勝利している。沸き上がる労働者の怒りをここにつなげれば必ず勝利できる」と述べた。職場・学園での激闘の中から台頭してきた若き革命家たちの姿の中に、革命的共産主義運動の発展が鮮やかに示された。
デッチあげ無期攻撃と闘う星野文昭同志、4・27法大弾圧で逮捕・起訴された新井拓同志の獄中メッセージの紹介(別掲)に続き、いよいよ4大産別の労働者の決意表明だ。
「今日の基調報告を全職場で実践し抜く」(国労)、「10月1日を過ぎても郵政民営化絶対反対を貫いて闘う」(全逓)、「教労の仲間の訪米をとおして“世界の労働者はひとつ”だと実感した。1万人結集はまったく可能だ」(教労)、「06〜07年自治労解体攻撃に腹の底から怒りを爆発させ、職場から決起をかちとる」(自治労)、「ランク&ファイルの労働者が職場支配権を握って闘おう。JRの青年労働者の大反乱をつくる」(動労総連合)。
集会では、部落解放同盟全国連合会狭山支部、沖縄民権の会代表の座覇光子さん、三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治さん、市東孝雄さん、萩原進さんから連帯アピールを受けた。北富士の天野美恵さんからメッセージが寄せられた。萩原さんは「“青年労働者の力で革命をおこそう”の闘いに農民階級も加わる。労農連帯の闘いをさらに強めよう。10・7三里塚現地集会へ大結集を」と檄を発した。
最後に決意表明に立った織田陽介全学連委員長は、「動労千葉の路線を一切割り引かずに提起すれば必ず6千万労働者を獲得できる。本気の活動家を1万人集めよう。全員が自分の職場や大学で本気の仲間をつくるために真剣に格闘しよう。“いよいよ労働者の時代が来た!”と時代を語ろう」と呼びかけた。
東京集会は、11月1万人結集へ、そして戦争・改憲攻撃をプロレタリア革命に転化する第1歩の集会として圧倒的成功をかちとった。
(写真 三里塚闘争の新たな発展段階に突入した反対同盟農民がそろって登壇し、“われわれ農民階級も革命の隊列に”と訴えた【7月29日】)
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週刊『前進』(2306号2面2)(2007/08/06 )
7・29東西革共同集会 階級的労働運動の発展と革命へ
関西 “階級の党”へ飛躍誓う
不当弾圧粉砕への決意固く
「選挙では何も変わらない。労働者階級の闘いで決着をつけよう」「激動の中に階級的労働運動路線をもって躍り込み、マル青労同1千人とマル学同1千人建設、11月1万人結集を実現しよう」
与党の歴史的惨敗となった参院選投票日、兵庫県尼崎市において関西革共同集会が開催され370人が結集し、高らかな戦闘宣言が発せられた。
(写真 「戦争・改憲攻撃をプロレタリア革命に転化しよう」―天田書記長は関西集会で高らかに宣言した【7月29日 尼崎市立労働福祉会館】)
昨年の「党の革命」とその後の激烈な路線論争を経て、革共同、とりわけ関西の党が生まれ変わったことを実感する画歴史的な集会となった。
集会の重要な意義は、第一に、旧世代をのり越える青年労働者・学生の決起が、集会全体のムードを一変させたことだ。
カンパアピールに立ったマル青労同の女性同志は「青年労働者の分断を排して団結を固め、今こそ『党の革命』の貫徹へ総決起しよう」と檄を発した。決意表明を行ったマル青労同の同志は「青年・学生の決起にこそ革命の未来がある。革共同の任務は青年・学生の闘いを勝利させることにある」と激しく訴えた。全学連の原田幸一郎書記長の決意表明とともに、07年前半決戦を青年労働者と学生が最先頭で闘い抜いてきた自信に満ちた発言だ。革命の時代の新しい主役の登場は、党と階級闘争の変革を否応なしに問うものだ。
第二に、「産業廃棄物処理」を口実とした国家権力・大阪府警公安3課による大弾圧に対して、階級的労働運動の力で粉砕すると宣言した。
この弾圧は、部落解放運動と、闘う医療拠点の絶滅攻撃であり、階級そのものへの攻撃である。これとの闘いは戦争・改憲、民営化攻撃との巨大な激突点だ。完黙・非転向を軸にして闘った時、階級闘争の激化へと必ず転化できる。まさに階級的労働運動路線の真価が発揮される闘いだ。
革共同弾圧対策部の同志は、「完黙は党の専売特許ではない。完黙の思想を階級の仲間のものに」と勝利の展望を提起した。また当該病院の労組執行部の同志は、「地域医療を担ってきた誇りをかけて闘う」と決意表明した。
第三に、階級的労働運動路線を貫いた今春統一地方選挙決戦の勝利を引き継ぎ、今秋の東大阪市議選の展望と決意が鮮明に提起された。
八尾市議会議員・末光道正さん、高槻市議会議員・小西弘泰さんの報告と連帯あいさつを受け、革共同大阪府委員会の同志は「参院選後の激動情勢に階級的労働運動路線で躍り込む。全国連の拠点支部に責任をとる単一の党の建設をめざして闘う」と東大阪市議選の意義を訴えた。決戦の先頭に立つ東大阪市議・阪口克己さんは「荒本の統一、労働者階級の登場をかけて闘う。荒本や部落解放運動の代表だけでなく、共産主義者としての飛躍をかけて断固闘う」と決意を表明した。
第四に、4大産別を先頭に全産別の労働者が階級的労働運動路線に基づく実践方針を提起した。
自治体の女性労働者は「社会保険庁労働者への攻撃や地方自治解体攻撃に屈服する自治労中央への怒りをもって、職場に強大な党を建設する」と決意を語った。全逓労働者は、階級的労働運動路線を貫き「民営化絶対反対を掲げて闘う」とアピール。教育労働者は、関西における教育労働運動の歴史的総括を踏まえ、階級的労働運動路線で闘おうと訴えた。また国鉄労働者は、5・27臨大闘争弾圧との闘いを軸に、11月集会への結集を勝ちとる決意を表した。
合同労組の労働者は、関西合同労組日本管検分会への弾圧との闘いや関西トランスポート分会の闘いの勝利を踏まえ、首都圏での闘いと連帯して闘うことを訴えた。
「党の革命」の推進へ団結
天田三紀夫書記長の基調報告は、以上のすべてを貫く階級的労働運動路線の勝利性を全面的に明らかにし、以下の点を強調した。
@今回の弾圧は日帝・安倍政権による戦争・改憲、民営化・労組破壊攻撃そのものであり、階級的労働運動路線と労働者階級の団結を基軸に全人民の力で粉砕する。A動労千葉の闘いや青年労働者・学生の闘いの圧倒的登場を軸として、07年前半戦は「情勢とかみ合うことができた」と総括できる。B「党の革命」とは5月テーゼ以来の路線的決着点を求める闘いであり、労働者細胞を軸とした階級的指導部形成に突き進もう。C階級情勢は革命的情勢の急接近の情勢にある。Dマル青労同1千名・マル学同1千名建設、11月1万人結集でプロレタリア革命に進撃しよう。
集会では星野文昭同志、三里塚反対同盟・北原鉱治さん、三里塚決戦勝利全関西実行委員会の永井満さんからのメッセージが紹介された。
全体が路線的確信に満ちあふれ、夏秋決戦から11月労働者集会へ、強固な党的団結を打ち固める集会として大成功した。
(写真 党の革命的な再生を実感し参加者はこぶしに力を込めシュプレヒコール【7月29日】)
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週刊『前進』(2306号2面3)(2007/08/06 )
革共同集会 獄中同志メッセージ
弾圧覆し未来開け 星野文昭 同志
本日の参議院選挙において、新たな戦前に向かって暴走する安倍に対して、圧倒的な不信任が示されると思います。それは、小泉・安倍がつくりだしている、戦争と生活破壊への圧倒的な怒りの表明です。
しかし私たちは、支配階級自身が、自らの新たな戦前への道が決して労働者人民の支持を得られないことを知っているからこそ、労働者人民の抵抗を抑え、マスコミで世論操作をし、改憲賛成が投票数の過半であれば、賛成が全体の少数であっても通す改憲法というクーデターに手をかけていることを見据えなければならない。
同時に私たちは、そこに帝国主義が歴史的生命力を失っている危機を見なければならない。
すでに人類が人間的に生活できる程の生産力を創出しながら、もはや、それを資本の利潤獲得のために動かそうとすれば、それが過剰資本・生産力の重圧となって、帝国主義・ブルジョアジー同士が市場・勢力圏等をめぐって食うか食われるかの争闘戦をやる以外になく、強権と排外差別主義で抵抗を分断・圧殺して、戦争と生活破壊へ犠牲を集中する道に踏み出している。
今こそ私たちは、生産の一切を担う労働者の国境を越え団結した力、あらゆる差別分断をのりこえた労働者と人民大衆の連帯した力で、この帝国主義を葬り、すべての人間が、その人間的なもののすべてを解き放って生きる社会の実現をめざして、あきらめを払拭(ふっしょく)し、困難を乗り越え、自らの力、労働者人民の力を信じ、自己解放・人間解放の歩みを大きく着実に積みあげていく時です。
こうした未来を閉ざすために星野無期があること、星野無期を許さず覆すことが私たちの未来を開くために不可欠であること、このことに改めて向き合い、星野無期始めあらゆる弾圧をすべての労働者人民の力で覆し、はね返して、解放の未来を、それを開く力を、さらに豊かに力強くつくり出していきましょう。
支配階級が、私の無実を百も承知で嘘の供述をデッチあげて無期を強い続け、妻と自由に会うことも、母と生前に会うことさえ奪っている。そのことによって、沖縄差別を開き直って新基地をつくり、戦争へ向かい、女性の7割、若者の半分を非正規雇用とし、さらに9割を非正規雇用とし、徹底的に労働者人民に犠牲を集中して生きのびようとしている。このことを一日たりとも許さない、という強い意志と力を養い、あらゆる分断をのりこえ、力をひとつに人間的未来へと闘い抜きましょう。
絵画展・詩画集で新たに広がる注目と共感を土台に、星野奪還へ、再審・仮釈による一日も早い解放へ、ともに闘い抜きましょう。
(71年11・14沖縄「返還」協定批准阻止・渋谷暴動闘争戦士 徳島刑務所在監)
不抜の闘う団結を 新井 拓 同志
まず今回の革共同集会が参院選と同じ日に行われている事に空気が入っています。「労働者は選挙の一票なんかじゃない! 社会の主人公だ! だから一緒に革命やろう! 革共同に結集して、革命の主人公になろう!」。このよびかけこそが今労働者階級にとって、最も必要なものだと思うからです。
安倍は労働者の激しい怒りに追い詰められています。であるがゆえにすべてを労働者・労働組合の責任にして、自治労・日教組つぶしによって延命しようとしています。この安倍と労働者階級の間に、妥協の余地などない! まさしく革命情勢の到来です。階級的労働運動路線の出番であり、1人の革共同が全情勢を変える瞬間です。3・18―6・9でつくり出した革命家の不抜の団結を、全国の職場・キャンパスでつくり出そう。
法大決戦は、2010年の改憲発議粉砕に向けた、3年間決戦の火柱のひとつとなりました。私と友部くんの裁判闘争は、法大当局と司法権力の憎しみと攻撃を一身に受け、これとの非和解的な激突なしに、一歩も進まない状況に緒戦からなっています。獄内外貫いた団結でこれを打ち破りながら前進しています。まさに改憲阻止決戦です。
学生戦線、救対の同志たち、そして全法大生と固く団結して裁判闘争を闘い抜き、必ず再びみなさんの前に登場します。「裁判闘争を支える会」への参加、よろしくお願いします。
(4・27法大弾圧被告 東京拘置所在監)
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週刊『前進』(2306号2面4)(2007/08/06 )
7・17〜7・27
経団連がEPA・道州制で提言
●中央省庁の公務員4人に1人「日々雇い」 霞が関の中央省庁で非常勤の公務員として働く人が1万3143人いることが、国家公務員一般労働組合の調査で分かった。中央省庁の公務員数は約4万人で、4人に1人は非常勤が占めることになる。(17日)
●銀行員、13年連続で減少 全国の銀行の行員が、07年3月末時点で約28万2000人となり13年連続で減少。全国銀行協会のまとめで分かった。(17日)
●将来の賃金「不安」7割強 労働政策研究・研修機構が発表した調査結果によると、正社員への不安や悩みの調査では、73.2%が「将来の賃金水準」を挙げてトップだった。(17日)
●JR東労組、「浦和事件」で有罪判決 JR東日本の運転士を脅して労組脱退や退職に追い込んだ(「浦和事件」)として、強要罪に問われたJR東労組の組合員ら7人に東京地裁は有罪を言い渡した。(18日)
●「君が代」不起立訴訟で不当判決 都教委が「君が代」不起立の被処分者に命じた再発防止研修に対し、被処分者137人が、処分の取り消しなどを求めて東京地裁に起こした裁判で、東京地裁は原告の請求を棄却する不当判決を言い渡した。(19日)
●自動車業界、全社が生産休止 自動車部品大手リケンの柏崎工場が新潟県中越沖地震で被災したことを受け、完成車メーカー12社すべてが生産を見合わせる事態となった。(19日)
●ハローワーク市場化テスト、渋谷と墨田で実施 柳沢厚労相は東京の渋谷と墨田のハローワークで、市場化テストを実施すると発表した。(24日)
●<日本経団連>夏季セミナー 日本経団連の「東富士夏季フォーラム」が27日まで行われた。教育やEPA(経済連携協定)、道州制導入の3課題について論議し、「東富士アピール2007」を発表(要旨別掲)。大分県出身の御手洗会長は「九州は面積や人口、GDPがオランダに近い」と、九州での道州制の導入を求めた。(26日)
●東京都教委、また「つくる会」教科書採択 東京都教育委員会は、都立中高一貫校5校で08年度から使う歴史と公民の教科書として、扶桑社版の「つくる会」教科書を採択した。(26日)
●<日本郵政>民営化後の役員内定 郵政民営化の準備企画会社である日本郵政は10月の民営化後の役員を内定した。グループ全体で延べ33人の取締役のうち旧郵政省出身者は1人(27日)
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日本経団連「東富士アピール2007」要旨
われわれは、「希望の国 日本」を創りあげることを目指し、中長期的課題である「教育」「経済連携協定」「道州制」について、……多面的な観点から精力的な討議を行った。
1.教育
……克己心や公徳心を備えた子供を幼児期から育成する。
2.経済連携協定(EPA)
……ダイナミズムにあふれたアジア諸国とのEPAネットワークをスピード感をもって構築。
3.道州制
道州制の導入は、国のありかたから国民の意識や生活までを根本から変革する「究極の構造改革」である。
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週刊『前進』(2306号3面1)(2007/08/06 )
民営化への巨大な怒りが安倍を惨敗に追い込んだ
社会保険庁の労働者に訴えます
居直る安倍に引導渡すのは私たち労働者の団結と闘い
「社保庁解体・職員解雇」「自治労・日教組壊滅」を叫んだ安倍自公政権は、参院選で大敗を喫した。民営化路線の大破産を告げる歴史的事態だ。86年の衆参同日選挙で、中曽根は国鉄改革断行を唱えて圧勝した。05年の総選挙で小泉は郵政民営化を掲げて巨大与党を形成した。だが今回、社会保険庁の労働者に攻撃を集中することで延命を図った安倍の手法は完全に裏目に出た。公務員バッシングと民営化の絶叫で与党が喝采を博する時代は、もはやかなたに過ぎ去った。
20年来の暗雲きり裂く
公務員をやり玉に挙げ、怠け者であるかのように言い立てて民営化を強行する自民党の政策は、すべての労働者から権利を奪い、「ワーキングプア」状態にたたき込んできたことと一体のものだった。そのことを労働者は、身にしみて思い知らされてきた。非正規雇用は3割を超え、年収200万円にも満たない低賃金で、日夜、長時間労働にこき使われる耐え難い状態に膨大な労働者が追い込まれている。結婚もできず、子どももつくれない青年労働者の現状は、社会が社会として成り立たなくなっているということだ。
この現実への労働者の巨大な怒りが、安倍を大敗に追い込んだのだ。
国鉄分割・民営化以来20年、公務員労働者を覆っていた暗雲はついに切り裂かれた。社保庁労働者を「ゴミ」だの「がん」だのとののしってきた安倍政権に、今こそ胸を張って怒りをたたきつける時が来た。
参院選で大敗してなお、安倍は辞任を拒んでいる。安倍は、顔を引きつらせながらも「(安倍の)基本路線については多くの国民のみなさまに理解していただいている」と強弁した。「戦後レジームからの脱却」を掲げ、改憲に突き進むことができるのは自分しかいないと言いたいのだ。日本経団連を始めとした財界も、「引き続き改革路線を進めてほしい」と必死で安倍をかばっている。構造改革を強行し、労働ビッグバンでこれまで以上に労働者から権利をはぎ取り、貧困に突き落とす以外に、資本が生き延びる道はない。だから、どこまでも安倍を支えようとしているのだ。
安倍にとどめを刺すのは、労働者階級自身の闘いだ。誰かが私たちに代わって安倍を倒してくれるわけではない。
選挙で大勝した民主党も、政権公約(マニフェスト)にはっきりと「社会保険庁の廃止・解体」を掲げ、「行政のムダを徹底的になくす」と公務員労働者の首切りを唱えている。何よりも民主党は、小沢代表を先頭に一貫して改憲を叫んできた政党だ。彼らは、政権が目の前に近づけば近づくほど、自民党と同様の公務員バッシングで資本家の歓心を買おうとするだろう。こんな民主党に私たちの未来をゆだねるわけにはいかない。
責任は政府にこそある
年金記録問題の責任は労働者には一切ない。記録に不備があることは、何十年も前から社保庁当局には分かっていたことだ。にもかかわらず、「支給開始時に再計算すればいい」などという業務処理のやり方を労働者に命じてきたのは、社保庁当局自身だ。度重なる年金制度改悪で膨大な入力作業が発生しても、人員を増やしもせず、無理な作業を命じてきたのは当局だ。アルバイトを雇ってその場をしのぐ当局のやり方で、間違いが発生しないわけがない。
それを今になってどうして「記録に不備があるのは労働者が働かないからだ」などと言われなければならないのか。
年金業務・社会保険庁監視等委員会の委員長に収まったJR東海会長の葛西敬之は、「腐乱の限りを尽くしてきた社会保険庁」「次々と明らかにされる規律の乱れ」などと得手勝手な悪罵(あくば)を社保庁労働者に投げつけている。だが、「労働者が働かないから支給されるべき年金が出なくなった」などというのは完全なデマだ。そもそも葛西は、年金資金を食い物にしてリニア鉄道事業に金をつぎ込ませてきた張本人ではないか。年金問題に責任を負うべきなのは、まさにこうした連中だ。
ところが、全国社会保険職員労組執行部は、組合員の雇用を守るためと称して、積極的にボーナスを返上し、サービス残業や休日出勤にも応じようと言っている。労使が結託して決めたこんな方針のもとでは、労働者は絶対に浮かばれない。
労働者が怠けているから年金記録問題が発生したわけではないことは、現場の労働者なら誰もが分かっていることだ。にもかかわらず、ボーナスの返上に応じたりしたら、ありもしない責任をなすりつけられるだけだ。安倍の策略に自らはまるべきではない。労働者の誇りを投げ捨てるこんな執行部の方針に、もう黙って従うことはできない。今からでも遅くはない。ボーナス返上を拒否しよう。
怒りを行動に転じよう
安倍が狙っているのは社保庁職員を全員解雇し、選別再雇用することだ。誰を採用し、誰の首を切るかは、採用名簿を作成する当局の意のままになる。
労働者にとって、職を奪われるのはきわめて深刻な事態だ。だが、労働者が本当の苦況にたたき込まれるのは、労組執行部が敵の攻撃に屈服し、労働者が当局による選別の嵐の中に無抵抗のままたたき出された時なのだ。「仲間をけ落とさなければ新機構に採用されない」とお互いが疑心暗鬼になり、職場の団結が破壊され、一人ひとりが徹底的に分断された時、地獄のような状況が現れてしまう。
逆に、労働者が団結を固め、分断を許さずに闘えば、敵の攻撃は必ず破綻(はたん)点をさらけ出し、次の展望が見えてくる。
国鉄分割・民営化にストライキで立ち向かった動労千葉の闘いは、そのことを実証している。国鉄分割・民営化で30万人いた国鉄労働者は20万人に削られた。つまり3人に1人が確実にクビになることは誰もが分かっていた。その中で動労千葉はストライキに立った。まさにクビをかけたストライキだった。しかし、その闘いを貫くことで動労千葉は一層の団結を打ち鍛え、今日も意気高くJR資本と闘いぬいている。
動労千葉の組合員がストライキに立ったのは、「国鉄赤字は労働者が怠けているからだ」というデマが社会を覆い、国鉄労働者はその子どもまでもが袋だたきにされる状況に我慢できなかったからだ。労働者の誇りをどこまでも踏みにじる政府と資本のデマを許せなかったからだ。こんな理不尽な攻撃が、なんの反撃もなくまかり通ることなど、断じて認められなかったからだ。
動労千葉のクビをかけたストライキは、状況を一変させた。国労組合員をけ落として自分だけ生き残ろうとした旧動労カクマルは、怒りに燃える動労千葉には手出しができなくなった。その結果、動労千葉は40人の解雇者を出したとはいえ、団結を保ったままJR会社になだれ込んだ。
労働者の階級的怒りに立脚した闘いは、必ず次の展望を切り開く。なぜなら、社会を動かしているのは労働者だからだ。
年金業務を日々回しているのも、一人ひとりの社保庁の労働者だ。その力を安倍はなめている。
安倍政権はもはやグラグラだ。そんな安倍に頭を垂れろと言う腐敗した労組執行部ともども、安倍政権など労働者の怒りで吹き飛ばしてしまおう。間違っていることは間違っているとおおっぴらに言える状況が開かれたのだ。
団結した労働者の力でこの社会を変え、自分たちが主人公の社会をつくろう。ともに手を携えて闘おう。
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週刊『前進』(2306号3面2)(2007/08/06 )
“職場で闘い11月へ”
第1回実行委 労働運動復権への熱気
7月28日、東京都内で11月労働者集会に向かっての第1回実行委員会が開かれ、90人を超える労組役員・活動家、大衆団体の代表らが参加した。
今年の労働者集会は11月4日(日)に東京・日比谷野外音楽堂で開かれる。通算10回目となる節目の集会をかつてない内容と規模で成功させ、労働運動復権の起爆剤にしようと、呼びかけ3労組は例年以上に気合いが入っている。第1回実行委員会を昨年より1カ月早く開き、闘いをスタートさせた。
司会を動労千葉の長田敏之書記長が行った。動労千葉が組織拡大に全力で取り組んでいることを語り、11月集会と労働運動復権にかけた動労千葉の熱い思いを表明して議事に入った。
(写真 職場闘争の強化と11月集会の大結集へ向け熱烈に討論した第1回実行委【7月28日 東京都内】)
初めに呼びかけ3労組からの提起が行われた。全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部の高英男副委員長は、「大阪府警は5月に4人の役員、組合員を不当逮捕した。05年の弾圧から数えて5回目だ。だが、弾圧で逆に鍛えられている。7・1反弾圧闘争には2000人が大結集した」「11月集会は1万という数字ではなく、全国各地で闘っている仲間が1万人集まることが重要だ。そういう議論をぜひやってほしい」と呼びかけた。
全国金属機械港合同の辻岡尚執行委員は、「中曽根の『国労解体』発言について大阪府労委に不当労働行為の救済を申し立て闘ってきたが、7月3日に却下決定が出された。中労委に再審査を求めている」「各地の労働者が自分の職場・地域の闘いをひっさげて11月に結集すれば、ものすごい力になる」と力説した。
動労千葉の田中康宏委員長は、安倍−御手洗路線のもとで戦争・改憲、格差社会、労組破壊の攻撃は強まっているが、だからこそ労働者の怒りは高まり、労働運動の再生のチャンスが到来していると訴えた。
そして11・4集会を、@10周年にあたり、「自らの職場で闘いに立ち上がり、全国各地域に闘う労働組合の共同センター、労働学校を網の目のように組織しよう」のアピールを発する、A改憲阻止に向けたすべての闘う労働者・労働組合の総決起の場とする、B国際連帯のこれまでの地平をさらに大きく発展させる――ことを提起した。
提起を受け、熱気ある討論が展開された。全逓、教労、自治労、医療、合同労組、全学連などが現場の闘いを報告し、意見を述べた。「今までの発想では1万は集まらない。縮こまっていたら新たな激動情勢に対応できない。大胆な運動展開を」(教労)、「安倍のゴミ発言はすべての労働者に向けられている。怒りを抑えられず朝の職場で10分間、『怒ろう』と仲間に訴えた。職場闘争で怒りを組織し団結を固めよう」(自治体)と発言が続いた。
多くの発言者が、闘いを抑えつける連合や自治労、日教組などの既成労組幹部、体制内労働運動への怒りを表明した。
最後に3組合がまとめを提起。田中委員長は職場・地域に無数の実行委員会をつくり大結集運動を広げようと訴えた。
11・4労働者集会は、参院選での自民党大敗を受け、階級的大激動のもとでかつてない重大な集会となった。3労組の呼びかけにこたえ全国で職場闘争を巻き起こそう。その総結集の場として11・4労働者集会の1万人結集を闘いとろう。
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週刊『前進』(2306号3面3)(2007/08/06 )
米住宅融資焦げ付きと株急落
ドル暴落・大恐慌の現実性
7月26日のニューヨーク市場を発端に、東京を始めとして世界中で株価が急落した。ニューヨークでは一時はパニック的な売りとなった。ダウ平均株価は7月19日には史上最高値をつけていたが、わずか1週間のうちに700j、約5・2%もの下げを記録した。最大要因は、米住宅バブル崩壊が今や不良債権の表面化と信用不安の局面に入っていることにある。
住宅バブル崩壊は、昨春からの住宅販売や住宅投資の大幅減少として始まった。秋から今年にかけて、信用力の低い層を対象とした高金利型のサブプライムローンで、返済が焦げつきだした。4月以降、サブプライムローンの債権を担保にした証券(住宅ローン担保証券)、さらにはその住宅ローン担保証券を組み入れた複雑な仕組みの証券の相場が急落した。住宅ローン担保証券の発行額は約5・8兆j(約696兆円)で、米国債発行残高の4・46兆j(約535兆円)を上回る(07年1月)。住宅ローン債権の6割もが証券化されている。それほどの規模を持つ証券の価格が急落し始めたのだ。
このため、この担保証券を持つ金融機関が大損をこうむっている。6月には、証券大手ベアー・スターンズ傘下のヘッジファンド2社が損失を出して実質破綻(はたん)した。このファンドへの投資家は出資金合計15・7億j(約1800億円)のほぼ全部を失った。米国では住宅ローン債権が証券化されているから、その担保証券の急落と損失という形をとっているが、本質は返済焦げつきによる債権者側の損失、つまり不良債権化だ。金融機関や投資家がサブプライム関連で抱える損失は最大で1000億j(約12兆円)との試算もある。この額は日本のバブル崩壊当初の銀行の不良債権予測に匹敵する。日本と同じように、米住宅バブル崩壊がついに金融機関の不良債権の爆発という新局面に入ったのだ。
このため、米金融市場には信用不安が高まり、投資マネーがリスクを嫌って株式市場からより安全な米国債市場に逃げ出している。「質への逃避」だ。この間の株式相場を押し上げてきたM&A関連の資金調達も中止や延期が相次いでいる。低金利の日本で資金を取り入れて米国や世界で運用する「円借り取引」も解消する動きが出ている。米国だけでなく世界的な信用不安が始まりつつある。
日本と比べてより深刻なのは、この住宅ローン担保証券のうち一番劣悪な種類の証券では、投機的なヘッジファンドが受け皿となっていることだ。ヘッジファンドが保有する住宅ローン担保証券残高は2000億jを超えており、うち1割が破損するだけで200億j(約2・4兆円)もの損失となる。しかも、ニューヨーク株式市場の売買高のうち約5割がヘッジファンドによる取引だ。世界の金融機関から投資されているのに、銀行と違ってヘッジファンドはなんの規制もない。その破壊度は恐るべきものとなるだろう。
このように、29年恐慌を上回る大恐慌とドル暴落は、ますます現実味を持ちつつある。世界革命の好機が確実に到来してきている。
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週刊『前進』(2306号3面4)(2007/08/06 )
社保庁解体叫ぶJR東海・葛西
民営化攻撃の破産に焦り
参院選で安倍は惨敗した。その安倍を必死に支えようとしているのが財界だ。参院選投票日を前にした7月23日、読売新聞に掲載されたJR東海会長・葛西敬之の論説は、「毅然(きぜん)として国会の会期を延長し、『日本年金機構法』を成立させ……『年金時効特例法』を急遽(きゅうきょ)定めた安倍政権の危機対処能力は評価に値する」と述べている。
だが、安倍は年金問題の責任を社会保険庁の労働者に押しつけ、民営化・労組破壊により凶暴に突き進もうとしたからこそ、労働者の怒りに迎え撃たれたのだ。
読売の論説で葛西は、社会保険庁について「ここまで腐敗した組織を再生させるのは不可能」と述べ、「社会保険庁を廃止、分割しても現在の職員がそのまま移行するようでは、改革の効果は上がるまい。全ての職員は新機構による新規採用とし、現職のうち勤務成績の良い者だけが新規採用にあずかれる仕組みとすべきだ」と言い放っている。
葛西は国鉄分割・民営化の「実績」をひけらかして教育再生会議の委員になり、今また年金業務・社会保険庁監視等委員会の委員長に収まった。彼は、国鉄分割・民営化の司令塔だったかつての国鉄再建監理委員会委員長の亀井正夫に自らをなぞらえ、社保庁労働者に「親方日の丸」「職場規律の乱れ」と得手勝手な非難を投げつけている。住友電工会長でもあった亀井が国鉄を食い物にして国鉄赤字を生み出した張本人だったのと同じように、葛西は年金資金を食い物にしてリニア鉄道事業に金をつぎ込ませた張本人だ。こんな連中に限って、労働者に一切の責任を押しつけて恥じないのだ。
葛西は民営化の旗手のように振る舞うが、国家財政の補助がなければ一日として成り立たないのがJRだ。国鉄分割・民営化時に28兆円だった旧国鉄債務は、増えこそすれ一向に減ってはいない。
もはや民営化路線の破産は明らかだ。国鉄分割・民営化の帰結は107人の命を奪った尼崎事故だった。葛西は「国鉄の職場管理が最悪の当時……現場管理者たち(非組合員)、穏健な労組に加入している職員たち……が私生活を顧みず、列車運行を守っていた」とうそぶく。だが、労組が闘いを放棄した瞬間に重大事故が立て続けに起きたのだ。「穏健な労組」こそ事故の最大の共犯者だ。
国鉄時代、無事故を誇った東海道新幹線は、2度にわたりJR東海社員の飛び込み自殺でストップした。極限的合理化で労働者を死に追い込み続けているのは、葛西その人だ。この期に及んで葛西が社保庁労働者に牙(きば)をむくことなど断じて許せない。
動労千葉は不屈の闘いを貫き、1047名闘争も継続されている。その1047名闘争が階級的原則に立ち返るならば、社保庁を始めとする公務員労働者の怒りを引き出し、労働者階級総体の壮大な反撃を切り開くことができる。その時、中曽根以来の国鉄改革と小泉−安倍の構造改革は永遠に「未完」のまま終わり、労働者の闘いにより打ち砕かれるだろう。
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週刊『前進』(2306号3面5)(2007/08/06 )
日程 第13回 8・15労働者・市民の集い
改憲、靖国、貧困――国益と排外に憲法は屈するのか
第13回 8・15労働者・市民の集い
8月15日(水)正午開場、午後1時開会
なかのZERO小ホール(JR中野駅南口下車、新宿方向へ6分)
講演 湯浅誠さん(NPO法人自立生活サポートセンター・もやい事務局長) 「〈貧困>は自己責任じゃない」
コント 松元ヒロさん「俺はブルジョア」
講演 高山俊吉さん(憲法と人権の日弁連をめざす会代表) 「戦後革命と憲法」
報告 民主労総ソウル地域本部「非正規職撤廃に向けて闘う韓国労働者」/富田晋さん
(沖縄・辺野古から)「海に座る」/西川重則さん(平和遺族会全国連絡会代表)「改憲国会の現場」/田中康宏さん(動労千葉委員長)「団結の復権」/根津公子さん(「君が代不起立」に対する停職6カ月処分と闘う都立養護学校教員)/織田陽介さん(全学連委員長)
主催 戦後50年を問う8・15労働者・市民の集い全国統一実行委員会
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週刊『前進』(2306号4面1)(2007/08/06 )
8・27−2 9日教組大会へのアピール
闘いを裏切る本部を打倒し「不起立」軸に日教組再生へ
革共同教育労働者委員会
労働者人民の怒りの大爆発が参院選で自民党を歴史的大敗にたたき込んだ。労働者階級は、安倍政権に不信任を、構造改革路線にノーをつきつけた。安倍は、グラグラになりながらも、改憲と教育再生を進めるために政権に居座ると宣言した。安倍への怒りがいよいよ高まるなかで、唯一、安倍を擁護し改革継続を求めているのが財界だ。そして連合は、安倍退陣を求めず「労組のエゴを出せば国民の批判が強まる」と民主党の言いなりになると表明している。
階級情勢の核心問題はいよいよ鮮明になった。安倍打倒・改憲粉砕へ、求められているのは、職場生産点から改憲・戦争、民営化、労組破壊攻撃と闘う階級的労働運動の潮流の登場だ。教基法改悪国会の山場に敵前逃亡を開始し、改憲投票法・教育4法闘争から完全逃亡した日教組本部をいまこそ打倒し、日教組運動の階級的再生をかちとろう。
(写真 「君が代」で不起立を貫いた教育労働者への「再発防止研修」に怒りが爆発【7月23日 水道橋】)
国鉄分割・民営化と同じ攻撃との対決
日教組第95回定期大会は、第二の国鉄分割・民営化とも言うべき自治労・日教組解体攻撃が全面的に開始された超重大情勢の中で開催されようとしている。
安倍政権は、改憲攻撃の成否を日教組・自治労解体にすえ、社保庁解体をその見せしめとして強行しようとしている。職員全員を解雇し、処分歴のある職員や賞与返上に応じない職員は再雇用しないという国鉄分割・民営化型の首切り攻撃だ。教基法改悪に続いて教育4法改悪を強行した安倍政権が、教員免許更新制度や指導力改善研修をテコにして、愛国心教育を踏み絵とする大量首切りを狙っていることは明らかだ。
95回定期大会議案は、1面に「教え子を再び戦場に送るな」を久々に掲げ、「結成60年を節目に、あらためて『平和と教育』の原点にたちかえり」「護憲・平和運動を継続・強化する」といったペテン的文言も散見される。だが、議案書に掲載されているのは、国会デモに決起した組合員ではなく神本みえ子の3枚の写真だ。要するに、組合員を神本参院選に動員するためのリップサービスでしかないのだ。
運動方針案は、「戦争と貧困のない世界」と称して「東アジア共同体の構築」を主張し、「格差社会の解消」を民主党による「政権交代」に求めている。帝国主義体制の支柱として自らを売り込む連合・民主党路線そのものだ。「社会的パートナーシップ関係にもとづく教育行政と日教組との協議をさらに強化する」「教育行政に対して開かれた場で『社会的対話』を一層求める」と、破産したパートナー路線を取り繕おうとしている。
青年労働者の人間的尊厳と生存をかけた怒りの反乱が、体制の根底的変革を求める闘いとして始まっている。闘ってこそ、教員バッシングは打ち破れるのだ。ところが連合指導部は、格差社会やワーキングプア問題を語りながら、一切の闘いを放棄することで階級分断攻撃を許し、安倍政権の延命に手を貸している。
「憲法調査会の動向を注視し、憲法改悪を許さない取り組みを強化する」というが、国民投票法附則11条での「政治的行為」による規制について何も語らないのは、組織的反対運動をあらかじめ放棄していることを意味する。また、「職場討議資料3」で、平和基本法=自衛隊合憲論の具体的内容に踏み込むことをほのめかしている。
差別賃金や免許更新制との闘い放棄
最大の問題は、教育4法改悪が強行され、主幹教諭など中間管理職の設置、免許更新制度、指導力改善研修制度が具体化されようとしているときに、これと闘う方針が一切ないことだ。主任制闘争のように、都道府県段階・市町村段階の条例・規則改悪阻止を闘い、職場で迎え撃つ態勢を整えていくことこそ求められている。ところが、日教組本部は、法案審議の最中から新職の「財政的裏付け」や免許更新講習の費用負担の交渉に踏み込み、これらの攻撃を自ら積極的に推進しようとしている。
評価制度・査定昇給を「納得と合意」と容認し、「新職・新級」では「『新しい職』を配置するよう求める」「主幹・指導教諭に適用される新級創設をめざして取り組む」と、差別分断賃金を積極的に要求する歴史的裏切り方針をうちだしている。主幹教諭について、「服務監督権限を持たないことを明確にし」などと言っているが、すでに設置されている東京の主幹は、「担当する校務について所属職員を監督する」中間管理職である。都教委は、6月に管理運営規則を改悪し、「特に高度の知識又は経験を必要とする教諭の職」として主任教諭を設置した。職場を分断し、職員会議を解体し、上意下達の指揮命令系統をつくりだす攻撃は、対決・阻止あるのみだ。
免許更新制についてはどうか。法は、認定講習の内容や修了要件は国が政令で定めるとし、文科省に選別基準を委ねている。認定講習の実施主体は、主として教職大学院となるが、都道府県教委が直接やる場合もあるという。認定講習の最初と終わりを教育行政が直轄で行い、「君が代」斉唱で始めることも予想される。まず、受講を免除するかどうかで選別が行われ、認定講習の修了認定(筆記・実地試験)や教育行政によるその確認という、二重三重の選別・排除の仕組みを設けている。
教育公務員特例法に「指導力改善研修」と研修後の措置としての分限免職が規定されたことも重大だ。指導力不足教員に認定されれば1年後には分限免職=免状剥奪(はくだつ)とされる。
09年度から始まろうとしている数千数万人規模の首切り攻撃に対して、なんと、運動方針案では「制度設計や具体的内容に関し意見反映に取り組む」というのみだ。
愛国心強制と選別解雇の容認許すな
学校教育法に「国を愛する態度の育成」が義務教育の目標に掲げられたことで、学習指導要領改訂と教科書検定をつうじて、愛国心教育が画次元的に強化されようとしている。にもかかわらず、運動方針案には、愛国心・戦争教育の強制と闘う立場がまったく欠落している。原爆肯定の久間発言に対するヒロシマ・ナガサキの怒り、沖縄戦の史実抹殺に対するオキナワの怒りの先頭に教育労働者が立っている。だが本部は、この怒りと力に依拠して文科省を徹底追及しようとしていない。
国旗・国歌については、「99年政府見解をもとに取り組む」と言う。職務命令も処分も、「指導」の名による子どもへの強制も認めるということだ。
いまや、あいまいさなく問題をはっきりさせなければならない。388人に達する東京の被処分者、首をかけて不起立を闘う組合員を見殺しにする日教組本部は、愛国心教育を拒否する教員の免許更新制による選別解雇をも容認しているのだ。「免許更新したいなら、『君が代』を歌え、愛国心教育をやれ」と言い出すのは時間の問題なのだ。
国鉄分割・民営化攻撃と同じ試練が待ったなしで突き付けられている。断固としてこの試練を受けて立ち、第二第三の動労千葉をつくりだそう。いま問われているのは、自らが職場で闘いをつくりだすことで、連合執行部の闘争圧殺者としての正体を暴き出し、打倒することだ。分会権力を握り、単組権力奪取にむけて先制的攻勢的に前進しよう。
根津さん解雇許さぬ闘いを
こうした攻撃を見すえたとき、東京を最大の戦場に闘われている「日の丸・君が代」不起立闘争の戦略的意義はいよいよ明らかだ。
免職にいたる累積加重処分、嘱託採用拒否は、「君が代」を踏み絵とする闘う組合員の排除攻撃だった。これに対して、東京の教育労働者は、4年間にわたって組織的抵抗闘争を継続し、処分撤回闘争を組合方針におしあげ、組合解体攻撃をうち破ってきた。愛国心教育を踏み絵とする免許更新制による日教組解体攻撃を先制的にうち破ってきているのだ。
その先頭に立っているのが、首を覚悟で不起立を貫く根津さんの闘いだ。根津公子さんの決意をすべての闘う教育労働者のものとし、根津さんを「解雇させない」闘いを不起立闘争として組織していくとき、〈免許更新制に対する首をかけたストライキ〉への道が切り開かれる。
教育労働が日常的に監視され、全教科で愛国心教育が強制されていく中で、全校的行事である卒入学式闘争は、職場の団結で戦争教育を拒否する闘いとしてますます重要となる。日教組解体攻撃粉砕、階級的労働運動をつくりだす推進軸として不起立闘争をあらためて位置付けて08年卒業式闘争に向おう。
「日の丸・君が代」被処分者がNEA(全米教育協会)大会に参加し、米軍による高校生の募兵と闘うアメリカの教育労働者やストライキによる解雇者との感動的な交流をかちとってきた。NEAの左派は、「根津さんを解雇させない」署名や決議に取り組もうとしている。不起立闘争は、海を渡り、戦争協力を拒否する教育労働者の国際連帯の闘いへと発展しているのだ。
闘う教育労働者が11月労働者集会に合流することこそ、日教組運動の階級的再生の最大の原動力だ。日教組本部打倒を掲げて95回定期大会を闘い、11・4教労1千人結集へと進撃しよう。
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週刊『前進』(2306号4面2)(2007/08/06 )
関トラ分会中労委闘争 組合員 怒りの証言
郵政公社の使用者性暴く
7月27日午後、関西合同労組関西トランスポート(関トラ)分会の中央労働委員会闘争が闘われ、6月19日の第1回調査に続いて組合側の審問がありました。首都圏のマル青労同や、全逓(JPU)、合同労組の仲間が多数傍聴に駆けつけてくれました。
(写真 審問終了後、傍聴した労働者に一層の支援を訴える関トラの労働者【7月27日 中労委】)
関トラの闘いとは、加古川郵便局で郵便小包配達の委託業務を行っていた労働者が、05年3月に関西合同労組に加入し、関西トランスポート分会を結成しましたが、関西トランスポート会社と加古川郵便局が結託して、分会結成からわずか2カ月足らずの05年5月25日、組合員全員に解雇を通告し、1カ月後の6月30日に解雇を強行しました。これに対し解雇撤回を求めている闘いです。
関トラは小包1個105円という完全出来高払い制で、1日12時間以上の長時間労働を強制し、荷物が少なければ丸1日働いても2千円にしかならない状態でした。
解雇撤回の仮処分裁判は2人を「労働者」、2人を「請負」と分断する判決でしたが、今年の3月に出された兵庫県労働委員会の命令は、4人全員の労働者性を認め、現職相当職の提示と賃金支払い(バックペイ)を認める画期的な命令でした。しかし、不当解雇の真犯人である加古川郵便局・郵政公社の使用者性は認めませんでした。
中労委では、この郵便局・公社の使用者性をめぐる争いが最大の焦点です。今回、審問に立った2人の組合員は、以下のような新たな証言を行い、郵政公社の使用者性を暴ききりました。
@関トラに雇用される前に雇用されていた請負業者の時に、ゆうメイトの身分でありながら、一部小包配送請負を同時に行っていたこと。A郵便局の指揮命令でその日の小包の種類や物量が変わること(偽装請負そのもの)。B地労委の勝利命令後、関トラの経営陣の田中一族は郵便配送業務を切り離し、全員が役員を降り、本社を移転したこと。さらに切り離した新会社の株を買い取ったと称する新社長と副社長が郵便局出身者で、副社長は三田郵便局の労務出身であること。
郵便局の労担出身者らが新会社の株を買い取り社長と副社長になるとは、ふざけるなということです。
この関トラ分会の闘いは、10月に迫った郵政民営化と闘うJPU本務労働者に圧倒的な注目を浴びています。連帯・共闘も大きく発展しつつあります。だからこそ、郵政公社・加古川郵便局は関トラの闘いを圧殺しようと必死なのです。このことが今回の審問で明らかになりました。
朝日新聞で「偽装請負問題」をスクープした記者も注目し、傍聴に来てくれました。今、ワーキングプアと呼ばれる非正規雇用人口は2000万人とも言われています。青年や女性は2人に1人です。キヤノンやトヨタ、松下などの独占資本は、偽装請負で戦後最高の利益を上げています。この非正規雇用の中から若者の決起が始まっています。彼らの決起を支え、受け皿をつくる闘いは、日本帝国主義の搾取構造の根幹を突き崩す闘いとなると思います。
関トラの闘いを郵政民営化反対の闘い、不安定雇用化と闘う青年労働者の闘いの火種とするように闘って行きます。
8月には社前座り込み闘争を行います。不当解雇2周年闘争もやります。9月28日には地位確認裁判の判決が出ます。どんな判決であろうと、組合と分会は、勝利めざしてがんばります。全国の皆さん、郵便局でのビラ配布(関西合同労組ホームページからダウンロードできます)など、ご支援よろしくお願いします。
(投稿/関西合同労組K・T)
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週刊『前進』(2306号4面3)(2007/08/06 )
7・28三里塚 怒りの東峰デモ
市東さん、堂本知事を提訴
”耕作権解除は許さない”
7月28日、成田市東峰で三里塚芝山連合空港反対同盟の主催による三里塚現地闘争が行われ、労働者・学生100人が結集した。
(写真 「市東さんの農地取り上げを絶対に許さない」 反対同盟は日帝・安倍政権への怒りをたぎらせてデモに立ち上がり、10・7現地全国集会への総決起を確認した【7月28日 成田市東峰】)
伐採され削り取られた東峰の森が、目の前に見える。新誘導路建設のためのフェンスは一層傍若無人に張り巡らされている。荒涼とした風景の中で、集会場の萩原進さんの畑は、豊穣(ほうじょう)な黒い土に陽光を浴びた作物が青々と育ち、「空港阻止」の農民の不動の意志を示している。
司会の伊藤信晴さんが口火を切り、「アジアゲートウェイ構想は、日帝の空港政策の破綻(はたん)をあらわにしながら成田空港をアジア侵略の拠点とする攻撃だ。北延伸を粉砕しよう」と呼びかけた。
事務局長の北原鉱治さんは、「日本各地で農地が、森林が消されようとしている。全国の農民が”三里塚とともに進まねば未来はない”との思いで合流しつつある。われわれは再び力による対決を辞さない」と闘いの姿勢を鮮明にした。
事務局次長の萩原進さんが発言した。「赤城農相が中国で日本の米を売れるというパフォーマンスをやってたが、冗談じゃない! 森を切り、水資源を破壊し、農地を破壊しているのは誰だ。明日の参院選では民衆の怒りが爆発すると確信する。そして真にこの社会を変革するのはここに集まった三里塚勢力しかいない。口では『環境派』などと称している堂本千葉県知事をこの場に引きすえ、土を口に押し込んでやるくらい徹底的に責任を追及する」と火を噴くように怒りを語った。
市東孝雄さんは、自らの耕作地に対する耕作権解除を許可した堂本知事を、顧問弁護団とともに提訴したことを報告し「皆さんも一緒に闘ってください」と力強く呼びかけた。
動労千葉特別執行委員の滝口誠さんはNAA(成田空港会社)の森中新社長がテレビで「農民の方々がもう反対してもしょうがないという気持ちを持つために、対話する」と言い放ったことを怒りをこめて弾劾し、11月労働者集会1万人結集こそが労働者の反撃であることを明らかにした。
全学連副委員長の内海佑一君は、法大弾圧裁判の第1回公判闘争を報告し、三里塚と連帯して11月1万人結集へと進撃する全学連の若々しい決意を表明した。
集会の最後に、鈴木謙太郎さんが団結ガンバローの音頭をとり、デモに出発した。強い日差しのもとで飛行直下の東峰部落を横断し、天神峰の団結街道を北上し、現地闘争本部建物隣の市東さんの耕作地までのデモを行った。
午後からは反対同盟の恒例行事「海辺の集い」が九十九里海岸で開かれた。連日の闘いの中で張りつめた緊張をこの時ばかりは少しゆるめて、反対同盟と支援の人びとはふるまわれたごちそうに舌鼓を打ち、親睦(しんぼく)を深めた。最後に反対同盟の歌を斉唱し、団結ガンバローで気勢を上げ、明日からの闘いへ向けて団結を固め合う一日となった。
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週刊『前進』(2306号4面4)(2007/08/06 )
反対同盟パンフ読もう
三里塚現地大結集の力に
反対同盟が「いま、三里塚農民から青年労働者・学生、働く仲間の皆さんに訴える」と題したパンフレットを発行した。「三里塚闘争とは何か」という問いへの答えがすべてここにある。41年の実力闘争を貫いた歴史、軍事空港としての成田、暫定滑走路北延伸と市東さんへの農地取り上げ攻撃、農家の頭上40bにジェット機を飛ばす国家犯罪……。これらが反対同盟員の生の声を交えて語られる。今、日本帝国主義の農業破壊、農家つぶしの攻撃に立ち向かい、三里塚は日本農民の先頭で闘っている。そして労働者階級に「ともに革命へ手を携えて進もう」と訴えている。
この熱い呼びかけにこたえ、パンフを読み、広め、現地大結集へ活用しよう。(B5判 16n 頒価100円)
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週刊『前進』(2306号4面5)(2007/08/06 )
7月25日〜31日
「集団自決、軍が命令」と証言
米下院 慰安婦問題で謝罪要求決議
●米下院、F22輸出禁止を可決 米下院歳出委員会は、日本が次期主力戦闘機(FX)の候補として考えている最新鋭ステルス戦闘機F22ラプターの外国への売却を禁止する条項を含んだ08年度国防歳出法案を可決した。(25日)
●県民大会を要請 沖縄戦の「集団自決」から日本軍関与の記述を削除した高校歴史教科書の検定問題で、沖縄県子ども会育成連絡協議会など5団体が沖縄県議会に検定意見の撤回を求める県民大会の開催を要請した。県民大会実行委員会は8月から全県下で署名活動を展開する方針を決めた。仲井間知事は27日の定例記者会見で「テーマそのものが県民大会になじむかどうか、個人的に少し考えてみたい」と消極的な考えを示した。(25日)
●米ヘリ墜落の壁保存へ 沖縄国際大学で04年8月に米軍ヘリが墜落・激突し、黒焦げになった旧本館の壁の一部を現場付近に建てて保存する案が理事会で報告された。周辺にモニュメントも設置し、壁の写真や説明文などを掲げる。(25日)
●「集団自決、軍が命令」 沖縄戦で住民に「集団自決」を命令したように書かれて名誉を傷つけられたとして、元軍人らが岩波新書『沖縄ノート』著者の大江健三郎氏と岩波書店に出版差し止めなどを求めた訴訟の初の証人尋問が大阪地裁であった。集団自決が起きた座間味島で聞き取り調査を続ける研究家の宮城晴美さんが「自決用の手投げ弾を与えられた住民もおり、軍の命令はあった」と述べた。(27日)
●海水24d、放射線区域に 新潟県中越沖地震で被災した東京電力柏崎刈羽原発のタービン建屋内で、冷却用の海水を循環させるゴム製の配管が損傷し、海水約24dが施設内に流れ込んでいたことがわかった。東京電力は30日、原発で観測した地震の揺れの強さとしては「世界最大ではないか」として、設計時の想定を大幅に上回ったと発表した。(27日)
●参院選で自民が歴史的大敗 第21回参院議員選挙が投開票された。自民党は改選の64議席から37議席に減らし、89年に宇野首相が退陣した過去最低の36議席に匹敵する歴史的大敗となった。非改選を含む与党の議席は過半数を割り込んだ。安倍首相は続投を表明。自民、公明両党は安倍を支持する方針を正式に決めた。(29日)
●原爆症不認定で国が敗訴 広島市や長崎市で被爆し、がんなどを発症したにもかかわらず、原爆症の認定申請を却下されたのは違法だとして、熊本県内の被爆者21人が国に却下の取り消しと損害賠償を求めた訴訟で熊本地裁は、原告の病状と被爆の因果関係を認め、19人の却下処分を取り消した。賠償請求は認めなかった。(30日)
●米下院が慰安婦決議 米下院本会議は、日本軍軍隊慰安婦問題について公式に謝罪するよう求める決議を採択した。決議は「旧日本軍が若い女性に性的な奴隷状態を強制した歴史的な責任」を日本政府が「明確な形で公式に」認め、日本の首相が謝罪声明を出すよう求める内容。(30日)
●「テロ特措法に反対する」 民主党の小沢代表は、秋の臨時国会で焦点となる、インド洋に展開する米艦隊を自衛隊が後方支援するためのテロ対策特別措置法改正案への対応策について「今までわれわれが主張したとおりだ。反対したのに、賛成というわけがない」と政府案に反対する考えを表明した。(31日)
●防衛相、振興事業の凍結を示唆 小池防衛相は、07年度の沖縄北部振興事業について、配分に関する条件を満たすかどうか「判断していきたい」として予算執行凍結の可能性を示唆した。(31日)
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週刊『前進』(2306号5面1)(2007/08/06 )
8・28-31 自治労大会へのアピール
自治労本部打倒-11月結集へ
社保庁解体反対の階級決戦を
革共同自治体労働者委員会
自治体労働者の怒りの決起始まる
7・29参院選での「自民党の歴史的大敗」が示していることは何か。
「戦後レジームからの脱却」を掲げた安倍政権の反動攻勢、超低賃金・福祉解体の攻撃は労働者人民の生活・生存を脅かし、地方の荒廃を加速させ、労働者階級総体の意識を激変させた。労働者階級は根底的な現状変革を求めて安倍打倒の怒りの投票行動に踏み切った。安倍・御手洗はガタガタだ。帝国主義の危機はかつてなく深い。革命か改憲クーデターかをかけた階級的激突の過程が火ぶたを切ったのだ。
安倍・自民党は昨秋早々から「社保庁パンフ」をばらまき、参院選を自治労・日教組撲滅選挙に仕立てようとしてきた。社保庁を始め公務員労働者を「ゴミ」「がん」呼ばわりした上、「社会保険庁徹底解体・職員解雇」を参院選公約に掲げて挑戦してきた。これに対して全国の労働者、とりわけ自治労組合員の怒りが爆発した。それが自治労組織内候補・相原久美子50万票(比例区民主最高得票)や自治労出身・又市征治22万票(比例区社民最高得票)の投票行動として現れた。
労働者階級は安倍政権にNOをたたきつけ、自治労・日教組壊滅戦略に大きな打撃を与えた。立ち止まることなく、今度は階級の実力闘争で安倍を打倒しなければならない。ところが自治労・岡部委員長は、相原勝利を「二大政党政治に向けた大きな第一歩」「政治・政策能力が今以上に必要」と総括した。自治労組合員と労働者の怒りの矛先が自分たちに向き、決起の弁が開くことを恐れ、闘いを体制内に抑え込もうと必死なのだ。
労働者階級は本質的に89年総評解散・連合結成以来の決着をつける闘いを準備しつつある。民主党ともども連合の制動と支配を下から吹き飛ばす歴史的決起がこれから始まるのだ。
決戦の合図は鳴った。社保労組本部を弾劾して立ち上がる組合員が現れ、11月集会陣形と結合し始めた。この情勢と、動労千葉の闘い、3・18―6・9の闘いが切り開いた07年前半期の地平とは完全にかみ合っている。職場生産点に革命の火が付き始めている。革命的情勢の波が職場と地域に押し寄せつつある。こうした階級の怒りを爆発的に発展させられるか否か、勝負は11月1万人大結集にかかっている。
今夏・今秋、4大産別を火点に労働運動をめぐって戦後史を画する大再編情勢が到来する。07年は自治体労働者委員会にとって千載一遇のチャンスだ。マル青労同の同志ととともに自治体青年労働者の11月大結集運動をつくりだそう。
3単産組織統合は自治労の最終的死
こうした参院選後情勢の中で8・28〜31自治労第79回定期大会(盛岡)が開催される。盛岡大会を自治労本部打倒、革命をめざす自治労運動の飛躍をかけた歴史的決戦としよう。盛岡大会決戦に向かう自治体労働者の任務は何か。
第一に、社会保険庁解体絶対反対の階級決戦ののろしを上げることだ。
07年後半戦は紛れもなく自治体労働者をめぐる階級決戦となる。社会保険庁解体絶対反対の闘いの爆発こそ、日本階級闘争の流れを左右し、革命をめざす自治労運動をつくり出す。
国鉄分割・民営化決戦での動労千葉の闘いから20年、郵政民営化絶対反対の闘い、教育労働者の「日の丸・君が代」不起立闘争で挑戦し切り開いてきた全地平を継承・発展させ、社会保険庁解体絶対反対の闘いを切り開こう。この闘いを全国の自治労組合員の中に持ち込み、巨大な分岐をつくり出そう。
自治労本部と傘下の社会保険職員労組指導部は、安倍政権の自治労壊滅攻撃、社会保険庁バッシングの嵐に屈し、「ネガティブキャンペーンには飛び込まない」などと称して、社会保険庁の労働者の利益・権利を売り渡す大裏切りを働いた。彼らはこれを「雇用を守る方針だ」と言い放っている。彼らが守ろうとしているのは、社会保険庁とダラ幹の労使結託体制であり、現場の労働者の階級的利益や団結ではない。組合員に一時金返納を促し、過労死に追い込む労働強化を認めた。このような所業が労働組合の存在意義を崩壊させ、労働組合への不信を増大させているのだ。
これこそ自治労本部の路線が行き着いた先だ。資本・当局との闘いや階級闘争的要素の一切を投げ捨てる連合―民主党路線、「質の高い公共サービス」運動、自治労解散・3単産組織統合方針――これらが必然的にもたらしているものだ。
こんな裏切りを許したら、民営化攻撃の激化の中で、あらゆる職場の労働者に同じ裏切り方針が強要される。全産別の階級関係をも破壊してしまう。現場の団結と利害、労働者階級の未来をかけて、自治労本部打倒のうねりをつくり出そう。
第二に、自治労解散・3単産組織統合方針に絶対反対しよう。
自治労本部は第3号議案「第2次組織強化・拡大のための推進計画(案)」において「組合員数は、2000年を境に急激な減少傾向が続いている」「職場に進行しつつある組合離れ」「組織率の低下はもはや看過できない」「組合が一挙に崩壊する危険性」などと絶望を語っている。
こうした中で本部は「新しい産別組織」「新しいアイデンティティ」を掲げて自治労、都市交、全水道の地公3単産組織統合による「地域公共サービス労働組合連合会」(2010年に完全統一体に移行するための組織)を発足させる。だがこれは自治労の解散であり、自治労運動の総評的要素の最後的一掃である。本部は現実に、単組や現評など現場の組合活動の弱体化や現場の参加の排除を画策している。
地域公共サービス労働組合連合会の組織と理念は、05年に総務省が出した「地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針」「分権型社会における自治体経営の刷新戦略」の「新たな公共」概念に完全に対応している。自治労本部は日帝ブルジョアジーの意に従い、体制内的延命を泣訴しているのだ。
それは本部方針全体を貫いている。帝国主義打倒の革命抜きの「くらしを支える公共サービスの質を高め、社会的責任を果たす自治労運動をつくる」方針(第1号議案第1章U)や「地域のセーフティネットを拡充する労働組合運動を構築」する方針(同)は、産業報国会化しか意味しない。
改憲・戦争への道「平和基本法」運動
第三に、「平和基本法」制定運動の開始を絶対に許してはならない。
それは、小沢・民主党の改憲路線と合致した、労働組合による9条改憲運動の本格的開始であり、自治体労働者の戦争動員運動である。
自治労本部は「憲法の前文および第9条を堅持するとの基本的立場」を逆手にとり、「憲法の積極的平和主義理念を現実化するために」「『人間の安全保障』確立の取り組み」と称して、自治労−自治体労働者を「国連を軸とした」「安全保障体制」の後方に組み込む運動を展開しようとしている(第1号議案第2章9)。これは連合「安保基本法」案、小沢・横路「国連待機軍」構想と何ら変わらない。
同時に本部は、国民保護計画を「安心・安全の確保に向けて、地域の連携や協力を推進するための計画へと転換をはか」る方針を打ち出している。これは「祖国防衛」に名を借りた日帝の朝鮮・中国侵略戦争参戦と自治体労働者の戦争動員の論理にほかならない。絶対に粉砕しよう。
さらに、社会保険庁解体―労組壊滅の攻撃を突破口とする日帝の戦争・改憲・国家大改造攻撃と対決しよう。改憲攻撃とはクーデター、すなわち上からの内乱による統治形態の転換攻撃だ。社保庁解体は、公務員制度改革、改憲と戦後地方自治解体=道州制導入、戦争国家まで行き着く。
戦後憲法体制は、戦後地方自治を一断面とし、戦後教育制度、社会保障制度と一体である。その解体攻撃が民営化・規制緩和、全公務の市場化・民営化として始まっている。戦後、労働者が生活してきた職場と社会のあり方を日々掘り崩し、労働者の存在、意識すら激変させている。
しかし、結局、この社会を動かしているのは労働者だ。参院選はこの決定的地点からの労働者の怒りの噴出だ。労働者の団結、抵抗がある限り、敵の攻撃は絶対に貫徹しない。4大産別労働組合運動への敵階級の階級的報復・絶滅の攻撃を打ち砕き、3年間の改憲阻止決戦を大爆発させよう。
第四に、階級的原則を貫き、賃金闘争を闘おう。07人勧を闘おう。
本部は「総合的な生活改善と賃金闘争の再構築」(第1号議案第2章1)において、「連合の個別賃金要求(同一職種銘柄)方式を踏まえ……同一価値労働・同一賃金の原則に基づく仕事(職務)の価値に対応した賃金の確立」なる方針を打ち出している。
労働組合自らが賃金闘争の階級的原則を破壊し、職務評価を導入し、賃金格差をつくり、職場の分断と団結破壊を招き寄せているのだ。
日帝は、能力・実績主義の導入を突破口に、公務員制度改悪を全面的に貫徹し、分限免職攻撃をやり、道州制導入まで考えている(渡辺行革相インタビュー=週刊東洋経済07年7月14日号)。自治労本部の能力・実績主義容認は許し難い。徹底的に弾劾し、闘おう。
動労千葉のように闘おう
第五に、市場化テストによる自治体丸ごと民営化攻撃と対決しよう。
杉並の闘いを突破口に、動労千葉の闘い、『俺たちは鉄路に生きる3』に実践的に学び、職場に渦巻く資本・当局への怒りを組織し、団結をよみがえらせよう。
最後に、一切の鍵(かぎ)は、自治体労働者委員会の団結、11月潮流の団結である。この力を核に、自治労本部を打倒する空前の産別隊列を実現し、11月1万人大結集決戦に勝利しよう。
まず、われわれ革命的労働者が「情勢」に負けず、革命的時代認識を持ち、共産主義者の執念、目的意識性を貫いて決起しよう。「党の革命」、3・18―6・9の青年労働者の闘いの地平に学び、現場組合員との格闘、体制内労働運動との対決を開始しよう。職場闘争の開始から組合権力獲得に踏み込もう。何よりももう一人の自分、階級的組織者をつくり出すために決定的な挑戦をしよう。この闘いをつうじてのみ11月集会の大結集と勝利は切り開かれる。マル青労同1千人建設のために自治体労働者委員会は最先頭で決起する。
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週刊『前進』(2306号5面2)(2007/08/06 )
相模原市議 西村綾子さんに聞く
道州制と一体「政令指定都市」
闘う労働者・労組とともに反撃
今春、「国の悪政にノー!と言える市政を」「改憲を進める安倍政権を倒そう」と訴えて当選、4期目の相模原市議会に乗り込んだ西村綾子議員(婦人民主クラブ全国協議会代表)に、労働運動、地域運動と結んだ革命的議員活動について語っていただいた。(編集局)
(写真右 キャンプ座間への米陸軍第1軍団移転に反対しデモに立つ【6月16日 座間】)
世界は今
米軍再編推進法では、在日米軍への協力の度合いに応じて再編交付金を4段階とする。そして言うことを聞く自治体には公共事業への補助金もチラつかせる。地方自治体と市民をお金の力で屈服させようとする暴挙ですよ。
5月18日には沖縄の名護市辺野古での新基地建設のための「現況調査」に対して、なんと自衛隊を出動させました。しかも、その掃海母艦「ぶんご」は横須賀から出航しています。私たちの地域、基地を抱えた相模原と、この国の動きとは密接に関係しています。
世界はどうでしょうか? アメリカでは住宅バブルが崩壊し、経済危機は世界的です。だからアメリカは石油や天然ガス、市場獲得のためのイラク侵略戦争をやめることができない。そればかりか、「次はイランだ、中国だ」と言っているわけです。
でも世界の労働者はけっしてあきらめてはいません。アメリカではオークランドで5月19日に労働者諸団体の統一行動で軍事物資の移送を阻止しました。韓国でも非正規職労働者は職場を占拠して闘っています。
戦争と民営化の攻撃に世界各地で労働者階級が団結して立ち上がっている、これが今の世界です。この時代認識をしっかりと持って現実に立ち向かっていかなければならないと考えます。
米軍再編
相模原市は基地の街として70年、戦前から今まで基地あるために苦しんできました。それが、今回の日米軍事再編によって米陸軍第1軍団司令部がキャンプ座間に来るという攻撃が出てきました。08年移転を前に6月中にも、第1軍団の先遣隊とハンビーというイラク戦争に何万台も投入されている軽装甲車が300台搬入されるという報道があり、これはなんとしても阻止しなければと緊張して構えました。
戦車の前に身を投げ出しても阻止すると言っていた小川市長が3月に亡くなりました。その市長の方針を受け継ぐと加山俊夫市長は言っていますが、相模総合補給廠(しょう)の一部返還の前にぐらぐらです。一部返還の代わりに押し付けられる基地強化は承知できる話ではない。今でも、厚木基地のNLPやDLP、キャンプ座間のヘリの爆音公害が度々の抗議にもかかわらず、むしろ激しくなっています。戦争・基地と生活は非和解関係だと、第3次訴訟を上回る第4次訴訟が準備されています。
ベトナム戦争の真っただ中、相模原での戦車阻止闘争に参加したのが、私が反戦運動を始めるきっかけでした。神奈川県下はもとより関東全域の労働者が主体となったその闘いは、地下壕(ごう)を掘って戦っていたベトナム人民にも届いて、彼らを勇気付けていたと後から聞きました。
「道州制」
年間の自殺者が3万人とか、3人に1人が非正規雇用で年収も200万円以下、このような現実は相模原も無縁ではありません。国の借金が1千兆円、相模原市でもほぼ1年分の予算に匹敵する市債などの借金があります。市民格差の増大も大問題になっています。
その相模原市では今、政令指定都市をめざす動きが既成事実のように進められています。私はこの動きが、政府・財界が打ち出している「道州制」と連動していると考えています。相模原市は「中核市」の現在も総務省派遣官僚が市の財政部長ですが、政令指定都市になるともっと官庁からの派遣が増えると予想されます。基地の街が中央直轄となった時、地方自治法1条で「住民の福祉の増進を図ることを基本とする」と定めた地方自治は完全に破壊されます。
政令指定都市に移行した場合、1000から1500の業務が県から市に移管になるといわれています。市業務が統合・廃止、職員定数減となり、公務員のリストラが行われることは明らかです。これは国の200万公務員削減方針とも関連しています。
財界が出している道州制導入に向けた提言によると、国の役割は外交・防衛など国家としての存立にかかわるものや、司法、通貨政策、マクロ的な経済政策、さらに国家の競争力を左右する科学技術政策、資源・エネルギー政策などとなっています。そして、社会保障や雇用政策、中小企業政策や農業政策は地方でとなっている。当然、財政もです。この「究極の構造改革」を2015年までに導入すべきだと提言しています。
自治体は、憲法体系のもとで戦争をしない国家を前提として自治権限を持ってきました。「地方分権」と言いながら、国の下請け機関に成り下がるわけにはいきません。
安倍打倒
道州制攻撃と一体で進められる政令指定都市について、私は自治体で働く公務員労働者や教育労働者、福祉労働者など、労働組合、労働者とともに反撃していきたいと考えています。地方自治の根幹を握っているのはやはり労働者です。
3月18日と6月9日、青年労働者たちが、「労働運動の力で革命をやろう」と訴えてデモをしました。私もこのデモに参加し、青年・学生の意気を感じました。
労働者に社会を変える力がある、闘う議員と労働者の団結で社会を変える時だと実感しています。怒りの声を上げて行動する労働者、労働組合と連携した議会活動を貫いていきます。
参院選での自民惨敗は労働者民衆による安倍政権打倒の意思表示です。民主党への投票では収束できない怒りが渦巻いています。いずれにしろ末期的な危機にある安倍政権はさらに凶暴になるほかありません。この政権の危機を労働者民衆にとっての好機ととらえて政権打倒の攻勢に出ることが肝心です。
8月10日には横須賀で原子力空母阻止のデモをやります。11月には1万人の人垣をつくって、この社会を動かしているのが誰なのかをはっきりと示しましょう。
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週刊『前進』(2306号5面3)(2007/08/06 )
俺たちは鉄路に生きる3
国鉄分割・民営化20年 動労千葉の闘い 監修/中野洋
現場活動家が語る動労千葉
分割・民営化20年の闘いに誇り
33人が生き生きと語る
「動労千葉はなぜ明るく、誇りも高く闘うことができるのか」「どうしたら動労千葉のような労働組合をつくることができるのか」――この問いに答える絶好の書が発行された。労働者学習センターの『俺たちは鉄路に生きる3――国鉄分割・民営化20年 動労千葉の闘い』(中野洋前委員長監修)である。
(写真左 発行/労働者学習センター 300n 1500円)
@反合・運転保安闘争の復権をかけて―新執行部6年の闘い、A”第2の分割・民営化攻撃”に抗して―現場からの闘いの報告、B解雇撤回をめざしてJR本体の仲間とともに―国鉄分割・民営化攻撃と40人の被解雇者の闘い、C動労千葉の団結はいかにつくられたか、の4部構成。
動労千葉が田中委員長体制を確立して以降の6年は、シニア制度・外注化との闘い、尼崎事故と安全運転闘争、幕張構内事故闘争、館山運転区・木更津支区廃止反対闘争など、激闘に次ぐ激闘の日々だった。それは同時に、動労千葉を始め3労組が呼びかける11月労働者集会と「闘う労働組合の全国ネットワークをつくろう」という運動が飛躍的に前進した過程であり、米韓の闘う労働組合との国際連帯闘争が一気に広がった過程である。
この動労千葉の激闘を、合わせて33人の組合員・OB組合員が座談会やインタビュー、講演で生き生きと語っている。
(写真右 「館山運転区廃止絶対反対!」。庁舎前で区長抗議行動に立つ【2月4日】)
徹底討論でつくる団結
「動労千葉のような労働運動をやろう」と言われる。しかし、単なるスローガンとして掲げていても意味はない。問題は職場で実践することだ。
この本では、組合員の言葉をとおして「動労千葉の労働運動」の実態をリアルに知ることができる。だから「どうやって職場に団結をつくり出すのか?」というヒントがいっぱい詰まっている。
何よりも「動労千葉の組合員も同じ労働者だ。できることから始めよう。一歩を踏み出そう」と勇気がわいてくる。
例えば、組合員と徹底討論して団結をつくり上げていく格闘である。
「この過程の闘いをやってみてしみじみ思ったけど、当局や他労組を相手にしているより、自分の組合員を相手にするほうがしんどいね」(103n)。館山運転区廃止反対闘争を先頭で担った館山支部長の言葉だ。同じテーマが、さまざまな場面で語られる。
運転区廃止で職場がなくなる。通勤に2時間以上かかる職場に飛ばされたくないという不安の中で、「異動希望一本書き」をやりぬけるか。
シニア制度で、動労千葉組合員であり続ければ再雇用の道は奪われる。動労千葉を続けるのか、再雇用の道を選ぶのか。
運転台に職制2人が乗り込み一挙手一投足を監視される中で、最高速度をダウンする安全運転闘争を貫徹できるのか。
こうした問題に直面して、組合員と徹底討論を重ねる役員たちの格闘。
「一切の総括軸を団結の拡大に置く」組合運動とはどういうものかを実感するところである。
団結して闘えば勝てる
中野前委員長は「発刊にあたって」の中でこう語っている。「労働組合が時代の最前線に登場する時が来ています。……動労千葉の具体的な闘いを知ってもらうことをとおして、『職種が違おうと、どんな条件の差があろうと、動労千葉のような闘いを始めることはできる』『団結して闘うことによってこそ、労働者の未来は切り開かれる』ことを示したかった」
今年4月、国鉄分割・民営化から20年たった。分割・民営化の最大の狙いであった国鉄労働運動つぶしを打ち破った動労千葉の闘いは「日本の労働者はけっして負けていない」こと、「労働者は団結して闘えば必ず勝てる」ことを示している。
敵が労働運動を根絶して9条改憲に進もうとしている今こそ、闘う労働運動をつくり出す絶好のチャンスだ! 07年11・4労働者集会に1万人の労働者を結集し、自民党惨敗の情勢にかみ込む力ある労働運動を登場させよう。そのために本書をあらゆる産別の労働者に届けよう。
(上原祐希)
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週刊『前進』(2306号6面1)(2007/08/06 )
火葬場の戦争協力の計画に反撃しよう 自治体労働者 土田研吾
新潟地震の被害は日を追うごとに拡大し、中でも原発事故はチェルノブイリ事故の一歩手前というべき大事故。
こうした中、全国で「防災体制の見直し」が言われ、私の市では新たに「防災計画」の増補版が配布されている。
自分の職場(火葬場)に関するものを見ると、@大規模災害の時には市営体育館や火葬場が臨時遺体安置場になる、A場合によっては近隣の市の火葬場とも連携して火葬業務に当たる、Bそれでもさばけない時は、寺院などに土葬し、適当な時期に掘り起こして火葬すること、C近くの河川敷に臨時ヘリポートをつくり、そこから遺体の搬入もありうる、などと書かれている。これは明らかに自衛隊法103条(有事の時は、24時間たたなくても火葬できる。墓地でなくても埋葬できる)に対応している。つまり、それほど多くの死傷者を想定する戦争計画が進んでいる。
火葬場の「危機管理論」とは、95年の阪神大震災時に自衛隊の車両が先導して死傷者を他府県の火葬場に搬送したことが教訓化されたものだ。
だが「防災」計画を実行するのは自治体労働者である。極限的に少ない人数でこんな業務を行うのはそもそも不可能だ。現場の火葬担当者(「火葬夫」「火夫」などの呼称は差別的な側面が強く、今に至るも正式な名称がない)や霊柩(れいきゅう)車の運転手が団結して業務を拒否すれば、こんな計画は紙くずだ。戦争協力拒否・改憲阻止の最前線の職場だ。
同時に火葬場は全国で民営化の対象に挙がっている施設でもある。業務の特殊性ゆえに「採算」がとりにくいので、すごい勢いで民営化は進んでいる。川崎市では稼働中の公営霊柩車が民間業者に売却されてしまっている。闘いなくして、火葬場の直営は守られない。
火葬場で働いていると、死は平等だが、死に方は階級格差があることをひしひしと感じる。死者に「もっと頑張って闘ってくれ」とささやかれる。「防災」を口実にする有事体制づくりを許さずに闘っていきたい。
青年労働者が朗読劇で被告人質問を再現 東京・東部 相馬 修
7月26日夕、亀戸のカメリアプラザにおいて「東京東部国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」結成4周年集会が開催され、36名の仲間が参加した。
司会の自治体労働者が「今社会保険庁の労働者にかけられている攻撃は分割・民営化の時に国鉄労働者にかけられた攻撃と同じもの。1047名闘争に対する弾圧であった5・27弾圧の無罪をかちとるために本集会を成功させましょう」と開会あいさつを行った。
事務局が基調提起を行った。社会保険庁労働者へのバッシングは「国鉄労使=国賊」論以上にすさまじいが、だからこそ20年にわたる1047名闘争の持っている位置は決定的に大きい。動労千葉のように闘えば安倍や自民党を打倒するのみならず、日本の社会をひっくり返すような闘いに転化することができる。国労5・27臨大闘争弾圧の無罪・国労再生の闘いが重要だと強調した。
大口昭彦弁護士が講演し、1047名闘争が動労千葉を排除した4者4団体の和解路線で進行していることの問題点を指摘、そのような運動は早晩破産すると喝破した。弁護団も80回に及ぶ大裁判になるとは予想しなかったが、司法改悪の流れに抗する裁判闘争としても決定的だと力強く語った。
被告の羽廣憲さんは国労本部が自らの組合員、解雇者を警察に売り渡した弾圧への怒りをあらわにするとともに、自らの力量をも超える運動をつくり上げて無罪をかちとることを宣言した。
動労千葉新小岩支部、教労、都庁職の労働者の連帯アピールの後、「障害者」の介護ヘルパーの2名の青年労働者が橘日出夫被告の被告人質問の一部をシナリオにした朗読劇を行った。
無罪・国労再生、階級的労働運動の再生と創造のために闘う決意を固めた集会だった。
民営化がバラ色か?!NTT労働者の怒り 関西 荒井千波
先日NTTがインターネットに関するアンケートに答えてほしいと訪問してきました。60歳少し手前の労働者でした。話をするうち、民営化されたことへの恨みや後悔などを生の声として聞くことができました。
「民営化がバラ色のように言われて信じたんだ」「電話局だったところ、閉鎖されているでしょ? 私たち、机どころか、帰る事務所もないんです」「仕事もたらい回し。クビになった人も、残ったわれわれも、両方とも地獄です」
ああ、これが民営化と闘わなかった労組の職場の、労働者の紛れもない生の声なんだ、と、闘う方針を出さなかった労組への怒りがふつふつと沸いてきました。
この目の前の人にどんな役に立つか分からないけれど、「解雇・賃下げ・サービス残業・いじめ等、悩まず電話相談を」と大書された地域合同労組のビラを渡さずにはおれませんでした。「こういうのが必要なんですよ……」と、少し遅かったよ……と嘆いているような声で、しかし食い入るように読んで持って帰られました。
公務員制度改革から民営化へ、どんどん布石が打たれています。議会録のことで役所に電話をかけた際、「あなたも労働者なら分かるでしょ」と言ったら、「私は行政マンです」とわざわざ労働者であることを否定するのです。階級形成はやはり闘う労組や革命党の力が無かったら生まれてこないモノなのか、と思いました。このままでは「ヤミカラキャンペーン」、社保庁をはじめとする「お役所仕事キャンペーン」に勝てません。
今ほど闘う労組が求められている時はありません。とりわけ4大産別の闘う労働者同志の登場が、労働者の階級性を呼び覚まし、民営化阻止の真の闘いへと発展するカギだと思いました。
8・4-6ヒロシマへ参加を訴え街頭宣伝 広島 川久保真希人
8・6ヒロシマ大行動、8・4全国青年労働者交流集会に向け街宣を行いました。青年労働者がなかなか参加できない中、多くの学生が参加しハンドマイクを握り「団結して革命しよう!」と訴え、チラシを配布してくれました。チラシは2時間で300枚ほど受けとってもらえました。
学生の街宣を聞いて、近づいてきて今の職場・労働現場に怒りを語る派遣労働者、「戦争・改憲のことだけでなくて、生活保護カットされた怒りも話してくれよ」と訴える高齢者、一旦はビラを受け取らず通り過ぎたものの、引き返してきて「おお若者いいこと言ってるじゃんって思ってね。引き返してきたんよ。若者がんばれっ!」と熱くエールを送ってくださり、チラシを何枚か受けとり、「他の若者にも配るからね〜」と元気よくお別れした女性労働者がいたり……と。
街宣の終わりには、警察権力が何かとちょっかいを出してくる中、「団結ガンバロー」で締めていると、外国人らしき青年がいっしょに「ガンバロー!」。「どこから来たの?」と不十分な英語で話しかけると「IWAKUNI」と答えてくれました。そして「海兵隊員だよ」と。
別の日には、労組交流センターの公開講座に民間の青年労働者が飛び入り参加。彼は、「今の時代はたいへんな岐路にあると思う。何かしなければいけない、何かしたい、と思っていたので参加しました。職場で出てくる『自己責任』ということばに疑問・怒りを感じています」と語っていました。彼は8・4全国青年労働者交流集会に参加しますと言ってくれました。
多くの若者が現状に疑問や怒りを持ちながら、それを解決してくれるものは何なのかと悩み模索しています。今集会が彼らの結集軸になり、自己解放され、ともに革命する大切な労働者の1人として決起してくれることを期待し、また街宣・職場訪問・集会実行委員会……とがんばっていこうと思います。
続発する事件・事故新基地は造らせない 沖縄 林 晴一
寛容と受容度の高い、おおらかなウチナンチューも受容限度のMAXを飛び越え、許せないものがあります。
沖縄で最近起こった米兵・米軍関係の事件・事故を拾い上げると、嘉手納基地へのパトリオットミサイル配備、ドラム缶200本のオイル漏れ、F22戦闘爆撃機の配備策動、普天間・嘉手納基地の連続的な早朝・深夜の殺人的爆音、読谷漁港への運搬車両落下、水陸両用車の国道事故、それに伴って米兵が民間地域で銃口を向ける事件、北部訓練場(東村高江)での枯れ葉剤(ダイオキシン)散布、米軍基地内でのタクシー強盗、米軍属の空気銃発砲による民間人負傷事件、学校施設内への装甲車侵入、大型ヘリの沖縄国際大学本部校舎墜落炎上事故での氏名不詳による起訴猶予など、エトセトラ。
辺野古では那覇防衛施設局は自ら課した海上・海中での作業要領――天然記念物のジュゴンの生態に配慮するため、日没・日の出前後1時間は作業をしないという取り決め――を自らかなぐり捨て、深夜・早朝に日本軍=海上自衛隊掃海母艦「ぶんご」まで投入して、環境アセス法を無視した違法な「事前調査」を現在も強行しています。
東村(ひがしそん)高江では、垂直離着陸固定翼機オスプレイ配備に向けたヘリパッド建設阻止の闘いを高江区民150人を先頭にゲート前座り込みを行っています。
しかし那覇防衛施設局は、私たちの手薄な時間帯を狙い、早朝5時から建設資材搬入のための道路造りに柵(さく)を設け、重機械を2台運び入れました。高江区民はそれでも1台の重機搬入を座り込みで阻止しています。
米軍は「銃剣とブルドーザー」で有無を言わせず沖縄人から土地を強奪して軍事基地を建設しました。しかし、ウチナンチューはこの50余年間は新基地は一つも造らせてはいません。
暑中見舞いを獄中の同志に出しましょう 吉島 光
夏です。皆さん、獄中の星野文昭さん、法政大の2学生さんに涼しそうな葉書を出しましょう。職場のこと、町のこと、何を食べたかなど具体的な日常が獄中に届くと、きっと喜ばれます。小さなことも、失敗談も、好評の星野詩画集の感想なども、どうでしょうか。
星野さんは8月6日で獄中33年目に入ります。誰もが「一日も早く取り戻そう」と誓っています。暑中見舞いはその実践のチャンスです。
かつて鉄格子に毎日、みそ汁を塗り付けて獄を破ったという話があります。私たちの葉書が「みそ汁の一滴、一滴」になるとすれば、毎日でも出したくなります。
1950年代、国労破壊のためにデッチあげられた松川事件では、職場、学校、結核病棟など、全国に800の救援会ができ、実に5万通の郵便物がやりとりされて奪還の大きな力になっています。まさに階級の団結力です。(『松川事件と人間』あゆみ出版)
酷暑の懲役工場で20年の労役。面会で星野さんは、「今は、外のほうが大変ですから。青年はネットカフェで『生きさせろ!』と叫んでいる。辺野古は自衛艦まで来ている」と、獄壁を越えて必死に階級をつかもうとし、階級の一員として獄中から団結のトンネルを掘ろうとしています。
国際的にもパレスチナの長期囚、グアンタナモの政治犯、韓国、アメリカなどなど「政治犯の解放」は階級闘争の焦点です。日本の私たちも、星野さんと2人の学生さんの存在をとおして、世界中の政治犯を抱える階級闘争、学生運動と本質的に結合しています。8・6ヒロシマ、11月国際労働者集会を実現して政治犯の解放を実現していきましょう。
“生きさせろ!”は農民の叫びでもある 三里塚 北里一枝
雨宮処凛著『生きさせろ!』。今話題の本なので、読んだ人も多いと思います。著者は75年生まれの32歳。『生きさせろ!』に至る前は自傷行為、オーバードース(薬の飲み過ぎ)を繰り返すフリーターでした。
彼女はこの本の中で、“自己責任”の名のもとに孤立し、追い詰められている若者たちに、悪いのはあなたではない、人を人として扱わなくなった資本主義に「生きさせろ!」という反撃を開始しよう、と呼びかけています。
なぜ、こんなことになったのか? その点も明快に語られています。
「95年、日経連が明確に宣言したからだ。これからは働く人を三つの階層に分け、多くの人を使い捨ての激安労働力にして、死なない程度のエサで生かそう、と。国内に『奴隷』を作ろうという構想だ。この状況は10年以上前から用意されていたのである」
私は、55年生まれで、高度経済成長期、一億総中流といわれた労働者家庭で育ちました。学生の時に三里塚に来て、以来31年、幸いにもこれまでの人生で、衣食住の心配だけはせずに過ごしてくることができました。
農民には、農地があればどんな状況の中でも、飢えることはないというしたたかさがあります。加えて三里塚農民には、対権力闘争を勝ち抜いてきた自信と誇りがあります。
しかし日本経団連は、もう日本に農業はいらないと宣言しました。作れば作るほど赤字が膨れ上がる米農家、一家心中に追い込まれた青森のりんご農家の現状が、そのことを端的に示しています
“生きさせろ!”は農民の叫びでもあります。労農連帯で安部、御手洗を倒そう!
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週刊『前進』(2306号6面2)(2007/08/06 )
柏崎刈羽原発 被曝労働拒否を
無数の損傷 大量の放射能
全原発と核燃を停止・廃絶せよ
7月16日の新潟中越沿岸地震がもたらした柏崎刈羽(かりわ)原発内の驚くべき事実がさらに明らかになってきている。
(写真 原子炉が揺れ、水流出 07-7-16 10:11:23)
1号機の原子炉圧力容器の放射能を帯びた水が作業フロアにあふれ出た――東京電力はこのことを隠していたが、野党調査団に対し初めて認めた。1号機は地震発生時は定期検査中で、原子炉内の核燃料はすぐ隣の使用済み核燃料貯蔵プールにクレーンで移されていた。その移動のために同プールと原子炉圧力容器をつなぐ水路が開けられ、圧力容器のふたも開いたままになっていた。
3号機の核燃料貯蔵プールの水面が大きく波打ち、水が囲いを越えて床に広がるモニター映像(写真)が公開された。
これと同じ現象が他の号機でも起こった。そして同時に原子炉も激しく揺れ動いたのだ。放射能が詰まった燃料棒、核分裂連鎖反応を調整する制御棒、そして冷却水が流れる配管などがどうなっているのか、いまだ判明していない。
3号機の貯蔵プールにはプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料が入っていた。危険この上ないプルサーマル計画は、刈羽村の住民投票で拒否され、MOX燃料1680本が未使用で貯蔵されたままになっていた。地震によってMOX燃料の被覆管が破損すれば、より重大な放射能被害をもたらす。
6号機では、原子炉と燃料貯蔵プールの真上を行き来する天井クレーンの動力継ぎ手が破断した。「落下しなかったから安全上の大きな問題はなかった」と経済産業省原子力安全・保安院は言うが、これこそ「強盗の居直り」の論理そのものではないか。重さ310dのクレーンが落下すれば、燃料棒や原子炉圧力容器などの機器破壊、放射能の放出や臨界事故のおそれが十分あった。
ダクトから外に放射能放出
東電は、7号機の主排気筒から、ヨウ素131・133・135、コバルト60、クロム51が放出されたことを認めた。地震の揺れでつなぎ目がずれたダクト(空気を導く管路)が、各号機でたくさん発見されている。これらは放射能で汚染された空気を外へ排出するために主排気筒に送るものだ。このダクトからもヨウ素などの放射能が大気中へ放出された可能性が強い。
100万`ワット級原発では、各種ポンプが360台、モーターが1300台、弁が3万台、計器類が1万個、部品総数は1000万個、冷却水などの大小配管の総延長が170`メートルもある。その8倍の膨大な機器・部品類を抱えているのが柏崎刈羽原発だ。
今回の地震で目には見えない変形やねじれが多くの機器・配管に生じたことは間違いない。原発は小さな部品の傷、故障でも大事故につながる危険性をはらんでいる。設計上の想定の2・5倍にも達する地震が原発プラントを襲い、チェルノブイリ級大惨事寸前の被害を与えていることがはっきりした。柏崎刈羽原発は廃炉以外にないのだ。
東電・保安院が運転再開策動
だが、東電は、労働者にいまだ箝口(かんこう)令を敷き、被曝(ひばく)労働を強制して現場の証拠隠滅に必死になりながら、マスコミを報道管制して「原発の損傷はたいしたことはない」とデマ宣伝を繰り広げている。そして副社長の武黒(たけくろ)一郎を「現地駐在」として派遣し、新潟県・柏崎市・刈羽村の地元自治体への懐柔工作などの運転再開策動を本格的に開始した。
また原子力安全・保安院は、極悪の御用学者・斑目(まだらめ)春樹を調査対策委員会の委員長にすえ、放射能放出、機器損壊、労働者被曝の真相究明を封殺し、東電の運転再開の強行突破の道筋をつけようとしている。
「災害に強い安全な原発」(武黒)などあるわけがない。それが今回はっきりと証明されたではないか。東電・経産省保安院の運転再開策動をたたきつぶそう。
一切の責任は、核武装と金もうけのために「活断層はない」「原発=安全」と大ウソをつき、地元住民の反対の声を国家暴力と金で踏みにじって原発建設・稼働を強行してきた日帝国家権力・資本家階級・御用学者にある。さらにこれと一心同体で「原子力の平和利用」に賛成し、被曝労働の事実を無視・抹殺する許しがたい反労働者行為に手を染めてきた連合・全労連の体制内労働運動にある。
東電は、7月31日のプラント情報で、「地震発生後のけが人は計10人。放射線による被ばくはなし」と記している。事務本館では天井が落下し、死者が出たかもしれないほどのすさまじい破壊。地震時、原発中枢の中央制御室の状況はどうだったのか、なんら発表していない。現場では放射能を帯びた水が大量にあふれ出し、たまり、あるいは階下へ流れ、そこに居合わせたり後に点検・除去清掃作業をした労働者は被曝している。東電の「被ばくなし」というのはデタラメである。
被曝を強制し労働者をつぶす被曝労働と原発は労働者階級に害悪しかもたらさない。運転再開阻止・永久廃炉のかぎは、電力労働者を先頭にした労働者階級が握っている。
労働者人民と相いれない
現在、日本列島は地震活動期に入っている。全国の55基の原発、高速増殖炉「もんじゅ」と六ケ所再処理工場などは、ほとんどが活断層の真上や間近に建てられている。1986年のチェルノブイリのような大事故がこれらのどの核施設で起こってもおかしくない。プレート境界型の巨大地震の発生が予測されている浜岡原発が特に危険だ。このことが今回、はっきりと突きつけられたのだ。
原発・核燃サイクル施設が動き、そしていったん事故が起これば、労働者人民は被曝し殺されていくだけである。被曝を前提・不可避とする原発・核燃は労働者階級人民と絶対に相いれないのである。
安倍自公政権は、柏崎刈羽原発事故で核武装の根幹をなす核燃サイクル計画推進の総破産の危機にたたき込まれ、さらに参院選で大敗北を喫した。一層凶暴化し、改憲と核武装へ突進する日帝を、労働者階級人民の怒りの総結集で徹底的に追い詰め打倒する闘いに立ち上がろう。体制内労働運動を打ち破って戦争・改憲・核惨事への道を断固拒否し、階級的労働運動の力で革命と核廃絶をかちとろう。
東電・保安院の運転再開策動を絶対に許すな! すべての原発・核燃をただちに運転停止し永久廃絶せよ!
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【抗議先】
◎東京電力社長・勝俣恒久 東京都千代田区内幸町1−1−3 TEL代表03-4216-1111
◎経済産業省原子力安全・保安院長・薦田(こもだ)康久 千代田区霞が関1―3―1 TEL代表03-3501-1511
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週刊『前進』(2306号6面3)(2007/08/06 )
大阪・高槻 完黙・非転向で2人を奪還
医療拠点への弾圧うち破る
8月1日、「廃棄物処理法違反」のデッチあげで7月11日に不当逮捕されていた、高槻市の富田町病院とうえだ下田部(しもたなべ)病院の病院職員2人の奪還をかちとった。
大阪府警公安3課は、労働者医療・地域医療の拠点をつぶす目的で、7月8日に不当捜索、11日不当逮捕、さらには病院理事長への執拗(しつよう)な呼び出し攻撃や家宅捜索と、許しがたい攻撃を加えてきた。保健所の立ち入り検査でもなんら問題は指摘されておらず、「廃棄物処理法違反」は完全なデッチあげである。
逮捕された2人の病院職員は、不当な逮捕・勾留に対して怒りの完黙・非転向で闘いぬいた。労組、病院、地域住民は、連日の抗議・激励行動に決起し、「仲間の病院職員を返せ」と闘った。
こうして大阪府警と大阪地検を追い詰め、20日間もの不当勾留を跳ね返して釈放をかちとったのだ。労働者医療の破壊を狙った大弾圧を、団結した力で完全に跳ね返した大勝利である。
参議院選挙での自民党大敗が示すとおり、日帝・安倍政権の危機は極限に達している。「戦争・改憲、民営化・労組破壊」攻撃に怒る労働者階級の巨大な反乱が始まったのだ。年金・介護の崩壊、首切り・リストラと低賃金・非正規雇用の増大、貧困の拡大――こんな帝国主義のもとでは生きられないと、青年労働者、学生を先頭に、11月労働者集会へ向かう闘いのうねりが始まっている。
今回の弾圧は、これに恐怖する日帝・安倍政権の焦りに満ちた凶暴な攻撃にほかならない。
どんなに理不尽で反階級的な国家権力の弾圧でも、完黙・非転向の貫徹と労働者階級の団結の拡大で闘いぬけば、絶対に打ち破ることができる。今回の奪還はそれを証明した。
階級的労働運動路線の前進をかちとり、11月労働者集会へ、巨大な労働者階級の隊列をつくり出そう。
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週刊『前進』(2306号7面1)(2007/08/06 )
11月総決起へ驀進を
階級的労働運動路線の全面的な推進で、戦争・改憲攻撃をプロレタリア革命に転化しよう
7・29革共同政治集会基調報告 高原 洋三
(写真 6・9ワーカーズアクション。解放的なデモは革命の新たな出発点だ【渋谷】)
T 労働者階級人民の革命的決起の扉を開いた07年前半の闘い
7・29参院選は、21世紀の冒頭における革命的激動への歴史的大転換の画期をなした。「自民党の歴史的惨敗」「民主党の参院第一党」という結果は、戦後史がいくつか通過した政治史的大変転とはまったく異なる巨大な階級的地殻変動である。
そこには労働者階級のかつてない根源的な怒りの噴出がある。安倍現政権はもとより、その反人民的正体が暴かれた小泉構造改革と、それ以来の戦争・改憲と民営化・労組破壊攻撃、そして帝国主義・資本主義の体制そのものへの労働者階級のつもりにつもった憤激の爆発があるのだ。またそこには自民党農政への農民の耐えがたい怒りの総反乱がある。これらが巨大な塊となり、怒濤(どとう)のような行動へと駆り立てたのだ。したがってそれは一過性のものではない。革命的情勢の決定的成熟にいたる陸続とした労働者階級人民の革命的決起の始まりなのである。
安倍は徹底的に居直り、政権に居座っている。そして経済3団体・日帝ブルジョアジーは、こぞって安倍支持を絶叫している。安倍・御手洗は参院選にすさまじい打撃を受けながら、こうする以外に延命の道はない。まさに最末期の帝国主義の姿である。そうして安倍・御手洗はますます絶望的に戦争・改憲と民営化・労組破壊に突進していく。それは階級闘争を一層荒々しい原野にひきすえ、まさに革命的情勢をとことんまで成熟させるのである。
この激動を民主党は収斂(しゅうれん)できないばかりか、直ちに反動の牙を労働者階級にむいてくるのは明白である。今や次の革命的激闘のゴングが鳴らされている。すべての攻防は、労働者階級のさらなる激しい怒りの反乱と無数の団結の力によって決せられる。11月労働者集会こそ、この巨大な階級的うねりを、階級的労働運動の推進による1万の労働者の団結によってプロレタリア革命へと発展させる、巨大な世界史的意義をもった闘いとなっているのだ。
2007年の今、「労働者階級の解放は、労働者階級自身の事業でなければならない」という1864年の第1インターナショナル規約の宣言が、広く深く激しくよみがえっている。人類の抑圧からの最終的解放が、団結し組織されたプロレタリアートの階級闘争であることが、21世紀の冒頭、再び歴史に決定的に刻印されている。さらにスターリン主義や社会民主主義などという、ロシア革命から世界革命への飛躍を暗転させた反動のくびきを、ついに断ち切る新たな偉大な階級的潮流が胎動している。
党と階級は、帝国主義・資本主義の打倒を一刻といえども遅らせてはならないのである。この不退転の血路を切り開くのは、まさに11月集会の1万人結集である。
(1)革命的情勢の急接近に党と階級の実践がかみ合った!
今こそ、一切の行動を11月1万人の総決起から逆規定し、党と階級の総決起をかちとろう。そのためにも、07年前半戦の勝利の地平を徹底的に打ち固めようではないか。
07年前半戦の攻防の偉大な地平は、第一に、革命的情勢の成熟過程が始まり、これに党と階級の実践が、決定的に「かみ合った」ということなのである。
07年の前半戦において、革命的情勢は全世界にわきおこり、はてしなく拡大している。だが革命的情勢の急接近とは、革命的情勢をそういうものとして真っ向からとらえきり、それを革命に転化しようとする党的執念と情熱から本当に始まる。そこでは同時に、革命の主体である労働者階級の措定と組織化、その決起へのマルクス主義的な絶対的確信が決定的な土台となる。さらには労働者階級の日常的現実と苦闘、その中に渦巻く根源的怒りと結びつく、激しく地をはうような主体的実践こそが求められる。階級的労働運動路線の真髄とはこのようなものである。
「プロレタリアートは、苦難を背負う階級であるだけにとどまらない。プロレタリアートがおかれている恥ずべき経済的地位そのものが逆らいがたい力で彼らを前へおしすすめ、自己の終極的解放のために闘わせる」(レーニン『エンゲルス』)
このような革命的存在である労働者階級が今、大きく躍動を始めている。07年前半決戦における階級的労働運動の激闘は、革命的情勢の急接近と立ち向かい、まさに革命の戦略的準備としてその力強い前進を開始している。
レーニンはまた、革命的情勢を現実の革命に転化するのは、この情勢に「強力な革命的大衆行動をおこす革命的階級の能力がむすびつく」(『第2インターナショナルの崩壊』)場合であると言っている。それはプロレタリア自己解放の思想に徹底的に立ち切り、労働者階級の大地の中から革命的能力を持った革命的主体を形成することにある。それがプロレタリア革命をかちとる決定的で最短の道筋である。
革命的主体の形成とは「階級の革命的指導部」建設である。階級的労働運動路線の主体的党的推進の基軸とは、労働者細胞から生まれ出た階級の指導部の形成なのである。
「階級の指導部形成」をとおして、職場生産点に深々と根づいた強大な労働者細胞建設と、労働組合運動の実践による職場生産点からの階級的団結の強化・拡大の、一個二重の闘いが飛躍的におしすすめられ、実践的にも統一される。
革命的情勢の急接近という情勢のもとで次々と生まれる革命的指導部の形成は、闘う労働組合を強化すると同時に、それと一体となった深く広大な労働者細胞建設によって統一された〈党・労働組合・ソビエト〉の建設をかちとり、プロレタリア革命を圧倒的に準備するのである。
マルクス主義青年労働者同盟1000人とマルクス主義学生同盟1000人の強大な建設は、まさに「階級の指導部建設」そのものである。そこに革命の圧倒的現実性が存在する。したがって、そこにこそ11月1万人結集の最も戦略的な核心がある。
この階級的労働運動路線は、革命的情勢への急接近があらゆる党派を存亡の危機にさらす中で、ひるみやたじろぎをのりこえ、自らの血みどろの変革と飛躍をかけ、きたるべき革命への党的戦略的準備として決断したものだ。この階級的労働運動路線への全面的ふみきりを可能にしたものこそ、「党の革命」である。階級的労働運動の実践という飛躍のために、その桎梏(しっこく)を打倒したことの中に「党の革命」の決定的意義があるのだ。
07年前半決戦の実践は党と階級の歴史的地平であり、ここにおいて金字塔的に闘いとられたものが中央労働者組織委員会・全国会議の開催である。これこそ党史においても初めて本格的にかちとられた歴史的会議であり、07年前半戦の最大の成果といって過言ではない。そこでは、激しい党内闘争をとおした党の一致の闘いによる全党の歴史的変革と飛躍の主体的課題を、階級的労働運動路線の全面的推進と、労働者細胞が生み出す全国的な階級の指導部建設として鮮明化させた。
そこでの労働者細胞、労働者同志が発するプロレタリア独裁的激しさと徹底性、根底性は、本物の労働者党への党の主体的変革、党の階級移行を強力に促している。革命的情勢を革命に転化する闘いの巨大さと激しさ、日帝権力との対決構造(体制内労働運動との対決も含む)の非和解性の革命的反映である。この激しさと徹底性・根底性こそがめざましい変革性をもつ。ここに「党の革命」と階級的労働運動路線の真骨頂があり、そこに革命の展望をはっきりと確信できるのだ。これにひるむものに党的未来をつかむことはできない。この全国会議の基調報告(大原武史同志)と特別報告(松丘静司同志)の提起に全身全霊をかけて向かいあい、自己の変革をかけて主体化し、直ちに実践を開始しよう。
(2)11月への戦略的前進開いた動労千葉の春闘スト決起
第二に、07年前半戦の階級的労働運動の戦略的前進にとって、動労千葉の春闘(ストライキ)決起は巨大な意義をもっている。それは全労働者にとって、07年前半の突破口と勝利の土台である。同時に07年11月に「勝負する」戦略的土台をもつくりだした。
そこには、権力・資本が一体となって4大産別の土台をなす国鉄戦線と動労千葉の圧殺・解体に総力を投入した反動的狙いの大きさを、決定的に打ち破る実に偉大な全階級的勝利がある。それは11月集会1万人決起にむかって、4大産別を先頭とする6000万労働者、2000万の青年労働者の中に動労千葉労働運動が本格的に内在化し、階級的潮流として国内的に、さらに国際的にも形成していく扉を開く意義をもったものである。
動労千葉の春闘決起は、この間の反合・運転保安闘争における資本との全面的対決の決定的地平をふまえ、むきだしの動労千葉圧殺である館山・木更津の基地廃止攻撃を、職場生産点の組合的団結の強化を総括軸とする闘いによって徹底的に粉砕した。
11月集会へのプロセスは、職場生産点をめぐり、権力・資本、体制内労働運動の大反動との激突となって進行する。階級的労働運動路線の全面的推進を、職場生産点を総括軸にして本格的全面的におしすすめようとするとき、動労千葉の闘いを真に自己の実践的飛躍と変革の闘いの中に内在化しなければならない。今こそ、動労千葉から真剣に学ぼう。
動労千葉が春闘決起において圧倒的に示した闘いの戦略性、土台性、普遍性は、動労千葉の2波のストライキを頂点とする分割・民営化反対闘争、動労千葉の路線的柱を形成する反合・運転保安闘争などでつちかってきた「団結の強化・拡大を総括軸にする」闘いである。この団結論こそ、階級的労働運動を職場生産点で実践し、11月集会をかちとる核心をなすのである。
第一に、動労千葉の団結は、資本と闘う原則を絶対に譲らず、徹底的に貫徹する中でつくられてきた。とくに反合理化・運転保安闘争における資本との非和解的な対決、「絶対反対」論によって団結が死守されたのである。
第二に、路線の正義性による団結の形成である。時代認識と大衆の英知への依拠が路線をつくりだす。それを実践と経験によってねりあげ理論化し、その習熟と闘いの連続という路線形成の過程をとおして、団結が強化されているのである。
第三に、マルクス主義による団結である。動労千葉はマルクス主義の労働学校を団結の場にしてきた。
第四に、団結によって、革命的な階級の指導部をつくりだしている。「中野委員長はわれわれの世代がつくりだした指導者だ」(水野正美氏)と語るように、団結が指導部をつくり、革命的指導部が団結をつくっている。
動労千葉は現在、反合・運転保安闘争、1047名解雇撤回闘争、そして組織拡大の大方針を掲げて11月へ勇躍うって出ている。
動労千葉に続こうと闘いぬいている4大産別の闘い、とりわけ教労の闘いの07年前半の戦略的前進は、「日の丸・君が代」不起立闘争、さらに教育基本法改悪阻止闘争に続く教育4法改悪阻止闘争と、闘いの炎を広げている。それは11月にむかって、巨大な潮流へと発展しようとしている。
教労を先頭とする4大産別の組合権力への挑戦は、第二の動労千葉への必死の闘いであり、その壁と試練をのりこえ、体制内労働運動を打倒する階級的労働運動路線の飛躍の環として、不抜の前進を押し開くのである。
(3)青年労働者・学生の革命の主体としての圧倒的な登場
第三に、動労千葉の闘いを土台とし、動労千葉とともに革命的情勢の急接近そのものを促進し、プロレタリア革命への巨大な戦略的前進への第一歩をふみだしたのは、青年労働者・学生の闘いである。それは11月集会の階級的主力としての圧倒的登場である。3・18と6・9を頂点として、5・3大阪、5月沖縄闘争、さらに6月国会闘争などの諸闘争への政治的決起と街頭デモンストレーションの戦闘的実現をかちとった。
青年労働者・学生は、職場・生産点(学園)で資本・権力とそれにくみする体制内派指導部との厳しい死闘をくりひろげ、動労千葉型の労働運動を切り開くために必死に闘いぬいている。重要なのは、この職場生産点(学園)からの実践と苦闘にあくまで主体的に立脚しつつ、3・18の歴史的総決起が行われたということである。
〈労働運動の力で革命をやろう〉〈学生は団結しよう。労働者とともに革命をやろう〉のスローガンは、衝撃と感動をもって日本階級闘争の現場をかけめぐっている。この「労働運動の力で革命をやろう」という提起によって、革命的情勢への急接近という情勢に最も鋭く「かみあい」、そして間に合うことができたと確信できる。この革命的スローガンは日々その説得力を増している。3・18と6・9では、街頭デモの自己解放的決起によってその波及力を高めている。
今日、帝国主義・資本主義への怒りが数千万の青年・学生に革命的階級意識として生成されつつある。職場生産点(学園)で真剣に活動することで、最も根底的なところで時代をとらえ、青年労働者・学生の階級的意識と深くかかわることができる。今や青年労働者・学生は資本主義社会への怒りをたぎらせ、その転覆・打倒へむけて限りなく団結を求めている。どんなに激しい弾圧、処分、首切り、また組合統制の反動攻撃があったとしても、それにひるまない階級的決起と団結が広がっている。そこにはマルクス主義があり、その実践があることで、無限の自己解放のエネルギーが生みだされているのだ。
したがってそこには、階級的労働運動路線のもとでの改憲阻止闘争への政治的・階級的決起の今日的実現形態がある。それは党として改憲阻止決戦の展望と創造的発展の道をはっきりと切り開いたといえるのである。改憲阻止決戦の新しい主体に青年労働者・学生の軍勢がはっきりと屹立(きつりつ)し、登場した。こうして改憲阻止決戦は、革命かクーデターかをかけたすさまじい規模の階級的激突を不可避とするプロセスに突入したのである。
〈階級的労働運動路線の全面的な推進で戦争・改憲攻撃をプロレタリア革命に転化しよう〉という革共同の路線は、戦争・改憲に対して生産点からのストライキ、デモへの決起で闘い、ついには労働者階級のゼネストと国会を包囲する戦闘的階級的な巨万のデモンストレーションを組織して闘いぬくことである。それはプロレタリア革命そのものの展望を切り開くものである。07年前半をとおして闘われた国会闘争は、共謀罪攻防、教育4法案、そして改憲投票法案との攻防において、階級的労働運動路線のもとで、職場生産点とまさに直結する政治闘争のひとつの決定的形態をつくりだしている。労働者階級のゼネストと国会包囲デモが一体化する萌芽的形態が始まっているのである。
こうして党としての革共同は、今やプロレタリア革命そのものを、真っ向からけれんみなく提起し、それにそって全面的に宣伝・扇動すべき時が来たと確信しなければならない。すなわち、レーニンが革命的情勢における「三つの義務」の第一に挙げた宣伝・扇動の闘いに、本格的、死活的に着手すべき時が来たということである。まさに11月決起への全党の飛躍の環はここにあるというべきである。それは革命党にとって、宣伝・扇動のみならず、作風や活動形態や会議のあり方など、根底的で全面的な自己脱皮と飛躍を伴うものでもある。
これは階級闘争の平和的発展期から戦時下の革命的激動期、すなわち革命的情勢の急接近下への転換であり、日本階級闘争にとっても、党としても、実は未経験なのである。だが確認できるのは、党と階級にとって、革命そのものを宣伝・扇動するのはまったく当然で本来的なことだということである。マルクス主義者として、またプロレタリア革命をめざすものとして、ついにその時がきた、と全人生・全人格をかけて革命を訴える喜びに奮い立つことである。「労働運動の力で革命を」の青年労働者の訴えから、党は、この革命へのみずみずしさ、ひたむきさを本当に教えられ、学ばなければならないのだ。
今日、法政大を先頭とする若き全学連の闘いは、新たな時代の学生運動の不滅の台頭である。そこから学生革命家がきら星のごとく生まれている。ここにいたって法政大弾圧は、闘いの糧でしかない。そこには帝国主義の支配を根底から突き破る21世紀の「妖怪」が出現しているのだ。
(4)「党の革命」を貫き勝利した4月統一地方選挙の意義
4月の統一地方選挙闘争を、3・18の地平を発展させ、階級的労働運動路線の路線的実践的確立として、真の革命的議会主義を貫いて勝利したことの意義ははかりしれない。4月統一地方選挙は、これまでの選挙闘争の歪みを厳しく糾し、のりこえる闘いとして、まさに「党の革命」そのものであった。
議会と選挙は、帝国主義ブルジョア社会の思想的物質的支配が最も徹底的につらぬかれ、帝国主義国家権力の反動と強権が最も徹底的に集中する牙城である。帝国主義とブルジョアジーはここに階級支配の要(かなめ)を置くがゆえに、ブルジョア的腐敗と害毒にもまたとことんまみれており、その腐敗と害毒によって平和的で中間的な抵抗など飲みつくしてしまうのである。レーニン以来の革命的議会主義は、だからこそこれに敢然と挑戦したのである。
しかし、そこには党のすさまじい飛躍と変革が求められる。カクマル・権力との内戦的死闘をへて、5月テーゼでの革命的転換以来の党の革命的議会主義は、この点がまったくあいまいであったのだ。議会と選挙をめぐるブルジョア権力の思想的政治的支配からけっして自由ではなかったばかりか、むしろ議員を始めとしてその支配に浸食され、明け渡してきたとさえいえる現実となっていったのである。革命的議会主義こそ、ブルジョアジーの思想的政治的支配に対して、プロレタリア階級の意識的闘いを徹底的に対置しなければならない。そうしなければ、あえていえば最も無残に党は屈服・解体されてしまうのである。帝国主義の危機が深まり、革命的情勢が切迫する中で、革命的議会主義と選挙闘争にこそ、断崖(だんがい)絶壁からの「党の革命」が熾烈(しれつ)に求められたのである。
今統一地方選挙は、これまでの革命的議会主義を突破する闘いが求められたのであり、それは党と階級の生死を決する闘いとなったのである。結柴・新城の2名の階級的犯罪性の核心は、この闘いからの逃亡と敵対にある。その結果、結柴・新城はそれまでのブルジョア支配による浸食、汚染、腐敗を開き直り、私党化グループに公然とくみし、ブルジョア支配への党の屈服の継続、さらには党の転向と解体を強要する反動に転落したのである。
この現実を「党の革命」として根底的に突破する唯一の道として、われわれは、選挙闘争を階級的労働運動の推進そのものとして闘うことに踏み切ったのである。帝国主義・資本主義の議会・選挙によるブルジョア支配を根底から意識的に打ち破るために、労働者階級の根源的戦闘性をより意識的に引き出し、労働者階級との血のかよった結びつきをかちとり、その解放的決起に徹底的に依拠して闘う道を選択したのである。
それは、選挙闘争を党と階級の自己解放的決起へと一変させた。とくに決定的なのは、3・18の「労働運動の力で革命を」のスローガンが選挙闘争そのものの場で真っ向から打ち出され、それは労働者階級人民の中に水が砂にしみわたるように浸透していった。しかもここで、杉並での丸ごと民営化攻撃との対決を全面的に打ち出したことは決定的であった。まさに民営化こそ、帝国主義・資本主義の体制的死重のかかった攻撃である。労働者階級を首切り・リストラ、低賃金の塗炭の苦しみにたたきこむ攻撃であると同時に、改憲・戦争攻撃をはらみ、労組絶滅を貫くものである。まさに革命そのものが問題となる攻撃であり、その主体である労働者階級の存亡を決するものである。
このような選挙闘争の革命的展開は、階級的労働運動の路線的実践的確立となるとともに、労働者細胞を基礎にした地区党建設の自己変革的・自己解放的前進を決定的におしすすめた。西部地区党は苦闘の中から、ついに労働者党としての出発点をつかみ、よみがえったのである。そして今や、革命的議会主義のこのような変革的確立のすべては、11月決起へと大きく集約されなければならない。
(5)三里塚・沖縄、米軍再編粉砕闘争の新たな発展の始まり
三里塚闘争、沖縄闘争、米軍再編粉砕の反戦反基地闘争は、階級的労働運動路線と一体となり、まさに労働者階級の闘いとしての大前進をつくりだしている。
米・日帝国主義による朝鮮侵略戦争突入体制の構築である米軍再編は、沖縄と相模原(座間)を先頭に、横須賀、岩国、佐世保などの日本の全基地で進められている。この攻撃と一体のものとして、三里塚闘争の圧殺を狙う画歴史的な攻撃が、市東さんの農地の問答無用の取り上げ、東峰の森の伐採攻撃として襲いかかっている。
この攻撃は同時に、今日の日帝による農業の全面破壊・農民の丸ごと切り捨てという国家的大攻撃の最先端である。農地改革以来の戦後史を反革命的に転覆する改憲攻撃そのものである。40年の三里塚闘争の中でも最大の決戦の到来に対し、反対同盟は、農地取り上げの大攻撃と闘う農民群像を生みだし、不屈に闘っている。労農連帯の偉大な闘いが開始されたのだ。
沖縄は米軍再編下の辺野古の闘いを同時に自衛隊との対決として闘いぬいている。沖縄戦での日本軍による住民への自死強要の事実抹殺の教科書検定への激しい怒りは、沖縄労働運動の新しい胎動をもたらしている。それは戦後沖縄闘争を画する怒りの総決起となっている。
これらの闘いを先端に、沖縄闘争は階級的労働運動路線のもとで、きわめて変革的な路線的戦略的前進をかちとっている。沖縄の労働者こそ沖縄闘争の最大の階級的主体であり、プロレタリア日本革命の主体なのである。在本土沖縄戦線はこの沖縄現地の闘いの発展と結合し、6・23集会で、階級的労働運動の先頭に立つ変革的総決起をかちとった。
PAC3攻撃や小牧基地の現実と対決し、反軍闘争が新たに開始された。
これらすべての力を一路、11月決起の力へと転じて闘っていこう。
U 命脈の尽き果てた帝国主義は革命によって倒す以外にない
死滅しつつある資本主義である帝国主義は、今や政治・経済・社会体制のすべてにおいてその根元から腐り、音を立てて崩壊している。だが帝国主義はどんなにその命脈が尽き果てたとしても自ら退くことはない。反対にあくなき利潤追求のためなら、世界が滅亡しても自らの延命を優先させる。
新潟中越沖地震と柏崎刈羽原発事故は、このことを白日のもとに暴いた。起きている事態は自然災害ではない。帝国主義はその破綻(はたん)をすべて労働者におしつけ、被曝(ひばく)の汚水にまみれさせている。また他方では、社保庁と自治労の労働者に年金破綻のすべての責任を転嫁し、袋だたきにして葬り去ろうとしている。
この資本主義・帝国主義の、どこまでも人間的尊厳と誇りを踏みつぶすおぞましい階級支配に対して、労働者階級は激しい怒りをたぎらせ、反転攻勢にうって出ようとしている。この攻防を11月決起へと導く帰趨(きすう)を決めるのは、闘う労働者と労働組合の団結と、階級的時代認識である。
階級的労働運動路線にとって、労働者階級の革命的時代認識を獲得することは路線形成と路線的実践の土台であり、階級的団結の強化の武器である。反対に連合・全労連など体制内労働運動は打倒対象を曇らせ、時代認識から労働者を一切遮断し、そのことをもって階級的な団結をおさえつけている。 階級的な時代認識とは、労働者階級は生きんがためには「資本家の時代は終わった。労働者に権力をよこせ」という立場をはっきりさせることだ。この立場を抜きに、今日、いかなる意味でも労働運動(革命運動)の前進はありえない。階級的労働運動の推進とは、時代認識の宣伝・扇動、学習をとおして、帝国主義・資本主義打倒のプロレタリア革命と共産主義社会の建設を真正面から訴え、労働者の階級意識の自覚と階級的団結をかちとっていくことにある。
米帝の没落の進行とドル暴落情勢の切迫
第一に、今日、最も決定的なのは、戦後世界体制の圧倒的基軸国であったアメリカ帝国主義の没落が急速に進行していることである。貿易収支・経常収支・財政収支という三つの巨額な赤字がますます悪化しており、それは世界市場へのドルたれ流し構造をつくり、世界経済のバブル化からインフレを起こす巨大なメカニズムをつくってしまっている。これは、各国のドルによる外貨準備高の天文学的肥大化という異常な国際資金循環のもとで、いよいよドル暴落の爆発という破滅を引き寄せている。
決定的なのは住宅バブルの崩壊である。住宅バブルは、01年のITバブルの崩壊による29年型大恐慌爆発の危機を、ブッシュの空前の大減税と歴史的低金利によってバブルを強引に復活させることで先延ばししたものである。この結果、米経済全体の浮揚・バブル化は05年まで続いたが、これが一挙に崩壊しているのだ。今やGDP統計の落ち込みとともに、サブプライムローン(低所得者向け住宅ローン)の焦げつき、差し押さえなどの急増によって株価の世界的な急落がひきおこされている。ヘッジファンドの危機とともに、世界経済はその崩壊の分水嶺(ぶんすいれい)をこえ、米帝経済を底無しの没落へたたきこんでいる。
イラク情勢は、1月新戦略以降の米軍増派が大破綻し、米帝は完全に出口を失うものとなっている。新戦略はゲリラ戦争の恒常化と米軍死者の激増を引き起こし、もはや侵略戦争としての完全敗北をもたらしている。
イラクの敗北・敗勢は全中東・全世界に波及し、地殻変動をうみだしつつある。アフガニスタン、パレスチナ、レバノン、パキスタン情勢も含んだ中東全体での米帝支配の雪崩を打つような壊滅的破綻が引き起こされている。
重要なのは、この破綻が国内階級支配の崩壊的危機に直結し、すさまじい労働者の大反乱が、1930年代以来の「第二の大高揚」(ネクストアップサージ)として起こっていることである。米国の労働者階級は、1980年代初頭を画期とする階級攻撃の激化によって、貧困の拡大と格差社会の激烈な進展の中にある。それは規制緩和・民営化、労組破壊、社会福祉の解体、社会保障の削減、大企業への大減税という、新自由主義の国内階級戦争ともいうべき政策がもたらしたものである。まさに本質的にプロレタリア世界革命の現実性の圧倒的な開示がそこにある。
帝国主義間争闘戦の侵略戦争への転化
第二に、この米帝の没落は、帝国主義間(大国間)の新たな争闘戦を歴史的に激化させている。今日、帝国主義間争闘戦は、多国籍化時代をこえる自動車産業、鉄鋼産業、航空産業などの巨大独占間の国際的争闘戦となっている。さらに買収・合併(M&A)、WTO(世界貿易機関)の新ラウンド交渉やFTA(自由貿易協定)・EPA(経済連携協定)締結をめぐり、さらに石油・天然ガスなど資源、領土をめぐる争闘戦と勢力圏抗争が激化している。
そして今や、この帝国主義間争闘戦の侵略戦争への転化が音をたてて進行している。イラク情勢に続いて、北朝鮮をめぐる6者協議などでの一定の時間かせぎを経ながら、本質的には米日帝の北朝鮮侵略戦争に不可逆的に踏み込んでいるのだ。
これらの新たな帝国主義間争闘戦の激化こそ、労働者階級にとって今ひとつの重大な時代認識である。帝国主義は世界市場をめぐる争闘戦的死闘に突入する中で、新植民地主義体制諸国の労働者への強搾取・収奪から得る超過利潤の強奪を強め、また帝国主義的民族主義・排外主義を扇動して、国内の労働者をねじふせる資本攻勢を極限的に激化させている。またそうした国内階級支配による経済基盤をもって対外争闘戦にのりだし、帝国主義侵略戦争に一層のめりこんでいる。
その意味で、帝国主義間争闘戦とは侵略戦争への強行に行き着くと同時に、対外的にも国内的にも帝国主義ブルジョアジーによる労働者階級への階級戦争としてどこまでも遂行される。そして労働者階級の革命的内乱による総反撃を不可避とする。
決定的なのは、日帝が帝国主義間の争闘戦において圧倒的に孤立し、遅れをとり、はじきとばされる危機にあることだ。
「最弱の環」日帝への怒りの反乱の始まり
第三に、したがって日本帝国主義こそ帝国主義の最弱の環であることを階級的に暴くことである。今や、日帝のこの危機が国内階級支配の決定的破綻に転化し、3000万青年・学生、6000万労働者の怒りの総反乱になっているのである。
日帝ブルジョアジーは今日、「いざなぎ越え景気」とか「日本経済は筋肉質になった」と言っているが、その正体は海外へのすさまじい争闘戦的輸出と権益の拡大によるものであるとともに、労働者階級への首切り・リストラ、非正規雇用化、低賃金、強労働によるものである。実際には、帝国主義としての根源的な危機と脆弱(ぜいじゃく)性に震え上っているのだ。いくつかの特徴的指標をあげよう。
第一に、日帝の国家財政の破綻である。それは日帝にとって帝国主義国家としての解体となる。ここからすさまじい労働者階級への攻撃の激化がおこっている。日本の国家的借金残高は、07年6月25日発表で843兆3786億円、GDP総額の1・6倍である。この破産的事態から、公務員人件費の大幅削減、社会福祉の大幅カットが叫ばれている。だがこの天文学的赤字はひとえに日帝ブルジョアジーが生み出したものだ。日帝の金融独占資本が恐慌のりきりのために国家財政を平気で食い物にして延命し、そのツケを全部労働者におしつけ、むしりとり、その危機や破綻をすべて労働者階級への攻撃の口実としてきたのだ。
第二に、労働者階級への徹底した低賃金攻撃である。日本の労働者の賃金は、独占大企業どもが「史上最高の利益」をあげる一方で、まったく不当に減らされつづけている。この現実は、資本のあくなき利益追求と労働組合の解体攻撃ゆえのことである。同時にそれに屈服している体制内労働運動の裏切りがあるからだ。だが、そこには賃労働と資本の関係がまともに成りたたず、労働者階級をかかえ込み食わせていくこと、衣食住を与えていくことなどができなくなってきているという、資本主義の根本的破綻の現実がある。
第三に、年金問題である。年金問題は賃金問題としての本質がある。年金とは、労働者階級が生涯生きていく生存権の問題である。本来、政府と資本が全額負担すべきものであるのを強制徴収されている。これを返す気などさらさらなく、本質的にまきあげたものを国家が勝手に使い(もともとは軍事費にしてきた)、この絶望的穴を埋める財源を消費税の増税とした上で、定率減税撤廃や住民税値上げによる再々度の強奪をしているのだ。
しかも安倍と日帝ブルジョアジー・御手洗は、これを全部、社会保険庁や自治体の労働者や労働組合の責任にしている。なんということか。労働者に対して何が「ゴミ」だ。もはや彼らは支配階級として、まともに社会を組織していくことができなくなっているのだ。労働者は人間として生きていくためには資本主義とその政府をぶっ倒す以外にない。このことを本当に全力で暴露すれば、6000万労働者はひとりも残らず革命に立ち上がるはずなのだ。
V 11月総決起を労働者階級の改憲阻止への総蜂起の起点に
改憲情勢は、今秋の臨時国会をもめぐって激しい攻防と激突となり、11月1万人決起はその最焦点となる。この中で日帝・安倍と御手洗の「戦後レジームからの脱却」という戦争・改憲攻撃を真っ向からみすえ、暴露することが、今日最も重大である。
改憲の行き着く先は「大日本帝国」の復活
安倍は、改憲投票法の成立に続いて憲法審査会を設置し、2010年までに一挙に改憲の強行に踏み込もうとしている。その中で、安倍のいう「戦後レジームからの脱却」を最もストレートに示すのが5月3日に出された超党派の極右議員による「新憲法大綱案」である。
その主な内容は、@天皇の国家元首化、A9条2項の全面削除と集団的自衛権行使の明記、自衛隊の「防衛軍」化、首相の非常措置権、「国防の責務」の規定、B基本的人権の「制約原理」の明確化、「公教育に対する国家の責務」、C地方自治解体と道州制導入、D「国益条項」の設置、E憲法改正をスムーズにする、などである。その一字一句が恐るべき戦前回帰であり、戦争の言葉である。それは「大日本帝国憲法の歴史的意義をふまえつつ」とあるように、戦前型の「大日本帝国」=明治憲法体制の復活であり、15年戦争へ歴史の歯車を引き戻すものである。
これはたんに極右のアナクロニズムではけっしてない。この点で安倍らは本気であり、これとブルジョアジーは完全に一体である。だからこそ参院選大敗北にもかかわらず、この改憲を掲げることで安倍は政権の座に居座り続け、それをブルジョアジーは支持しているのだ。
プロレタリア革命への恐怖に基づく攻撃
改憲攻撃は、現実の戦争への突入とほとんど同時一体である。全面改憲の主張は、実体的、具体的には帝国主義としての統治形態の全面的転換を貫徹することになる。「戦後レジームの脱却」とは、まさにこの戦争国家への統治形態の転換であり、それは本質的には戦前の大日本帝国憲法のもとでの天皇制国家の復活以外にない。安倍を筆頭とした「つくる会」や「日本会議」の面々による明治国家の賛美こそ、戦争・改憲攻撃の反革命的核心である。
それは支配階級にとって、戦前の明治国家以来のプロレタリア革命への恐怖を内包した、どこまでも反革命クーデター以外のなにものでもない。だが労働者階級にとっては、明治期から戦後革命期にいたる日本労働者階級人民の連綿とつづく「内乱の時代」への回帰であり、まさにプロレタリア革命の時代の到来なのである。
明治国家は、明治維新による徳川幕藩体制の政治的再編をへて、天皇制絶対主義の国家として歴史的に形成された。そもそも明治維新は幕藩体制のもとでの農民一揆を始めとする巨大な人民の反乱を伴っていたが、明治国家の形成はその内乱の鎮圧に次ぐ鎮圧の歴史でもあった。ここで、遅れて世界史に登場した日本のブルジョアジーと支配階級は、1871年パリ・コミューンのプロレタリア蜂起に衝撃を受け、あらかじめ労働者への恐怖と予防反革命で武装し構えてきた存在であった。
半封建的な土地貴族とブルジョアジーの均衡の上に立つ天皇制絶対主義国家は、19世紀末から日本資本主義・帝国主義の形成・発展の中で、労働者階級の登場に対抗するブルジョア的変質の過程に席をゆずり、天皇制ボナパルティズム国家に転化する。この国家はプロレタリア革命への恐怖を内的契機とした恐るべき強権的・専制的支配と、アジアへの恒常的な侵略戦争の体制であり、15年戦争―第2次世界大戦へと突き進んだ末に、1945年の敗戦をもって破滅し、崩壊した。
天皇制ボナパルティズム国家の崩壊によって、戦前、1930年代の半ばまで連綿と続いた労働者階級人民と日本帝国主義との階級的・内乱的激突は、ついに戦後革命の歴史的爆発となって解き放たれた。それは明らかに労働者階級にとって、戦前の階級闘争の血みどろの継承であった。戦後革命は敗北したが、それは同時に労働者階級への妥協の産物としての戦後憲法体制を形成するものとなったのだ。
したがって、「戦後レジームからの脱却」を掲げた改憲による統治形態の転換とは、支配階級にとっても被支配階級にとっても、内乱と革命が再び問題となる情勢への突入である。
いまひとつ重要なことは、日帝がそこに、「帝国主義の最弱の環」という現実の突破をかけてきていることである。
戦前の日帝は、実際にはその階級的本質においてきわめて脆弱なものであった。戦争と搾取が極限的に絶え間なく継続した結果、労働者階級人民の不屈の決起が連綿と続き、同時に朝鮮・中国・アジア人民の侵略戦争への絶えざる民族解放的抵抗と怒りをまきおこした。この歴史的現実こそ、日帝の「最弱の環」を根底で規定し続けている。
戦後の日帝は、アジア人民との関係において侵略責任・戦争責任をまったくとらず、そして日本労働者階級との関係においても何ひとつ決着がついたわけではない。そして今日、日帝が完全に行き詰まる中での「戦前への回帰」は、アジア諸国からの激しい反発と怒りによる日帝のすさまじい孤立化と、内外の革命的激動に火をつけるものでしかない。しかし日帝はそれ以外に帝国主義として延命できないのだ。改憲攻撃そのものに、日本帝国主義の危機の極致と最末期の姿があることを見抜かなければならない。
地方自治解体・民営化・労働組合破壊は一体
改憲攻撃が4大産別の解体攻撃と一体なのは、そこにプロレタリア革命への恐怖と圧殺を最初からはらんでいるからである。自治労・日教組壊滅を始めとする労組解体攻撃には、それが体制内労働運動であろうがなかろうが、革命の圧殺が貫かれている。この認識と立場をもってしか、4大産別決戦にかちぬくことはできない。
戦争・改憲攻撃の決定的な柱に、公務員制度改革をテコとする地方自治解体攻撃がある。改憲攻撃における統治形態の転換とは戦後地方自治の解体であり、道州制導入の攻撃である。
戦後の地方自治制度は旧内務省支配を解体した。その上に9条を始めとする憲法も、戦後教育制度も、のちに社会保障制度も成り立ってきた。改憲攻撃はこの地方自治体を解体し、戦後教育を圧殺し、社会保障制度を解体する攻撃と一体である。地方自治解体との闘いは4大産別決戦の基軸であり、改憲阻止決戦そのものである。
この地方自治制度解体攻撃と完全に表裏一体なのが民営化攻撃である。この攻防もまた改憲に直結し、革命に直結している。民営化攻撃には、資本主義・帝国主義の危機と破綻の絶望的突破がかかっている。民営化・規制緩和とは、従来の賃労働と資本の関係を破壊し、むきだしの階級圧殺へと労働者支配を転換していく攻撃であり、実体的には労働者の団結破壊・労働組合解体として貫徹されていく。
今日の労働法制改悪攻撃が、「工場法以前」という一個のイデオロギー攻撃として出されているのは、まさにその反革命的本質からくるものだ。さらにそこには、帝国主義の危機がもたらすプロレタリア革命への恐怖があるからだ。
戦争・改憲と民営化攻撃には、そのような攻撃をしかけざるをえない帝国主義の末期的危機がある。そこには労働者の団結への恐怖、革命への恐怖を契機とする「革命の圧殺」攻撃という本質がある。言い換えれば、労働者階級の団結によるプロレタリア革命の決定的チャンスの到来である。
戦争・改憲攻撃はけっして敵権力によって一方的にのみ進行するわけではない。逆に敵階級こそが破綻と混迷に陥り、脆弱な本質をもっているのであり、この危機の深さゆえに支配階級自身の分裂をも引き起こすのである。それは、労働者階級の不屈の団結と決起で、敵階級を打倒する一斉蜂起の勝利の条件をつくりだすプロセスである。階級的労働運動路線を推進する党は、階級とともに、革命に必ず決起して、勝利していくことができるのだ。
W 体制内労働運動との対決貫き青年労働者を先頭に11月へ!
(1)階級的労働運動の前進かけ1万結集を必ず実現しよう
参議院選挙の結果は、まさに階級的激突情勢のはてしない激化を引き起こし、11月労働者集会の戦略的歴史的位置を決定的に押し上げている。革命的情勢の成熟が促進されればされるほど、11月集会1万人決起のもつ一個の階級決戦的意義が深まっている。
そこでは、3労組陣形のもとで、動労千葉を基軸的牽引(けんいん)車とする、全国的な階級的労働運動の職場生産点における推進が最も核心的に求められる。それは昨年11月以来の1年間の職場闘争と、政治闘争への職場からの決起などを決定的に集約する場として、闘う労働者の職場生産点に根づいた団結を労働組合の革命的階級的潮流として強力に拡大していく意義をもつ。そこには革命的情勢の急接近の下での全労働者の普遍的闘い方があり、この環を握り、駆使することで、全階級情勢を主導的に切り開くことができるのだ。
11月への道は、6000万労働者階級、とりわけ2000万青年労働者の全体を獲得しようとする大胆でダイナミックな闘いと、本当に一人ひとりの労働者を地をはうような闘いで獲得しようとする不屈の闘いとが、正しく統一されていくことにある。圧倒的な宣伝・扇動と、職場生産点の一歩一歩の闘いが見事に融合していく闘いに挑戦しようではないか。
職場の闘いが総括軸
11月への進撃を開始するにあたり、階級的労働運動路線を深化させなければならない。
階級的労働運動路線は、労働者階級の職場・生産点からの政治的総決起の闘いを断固措定している。職場生産点の闘いを総括軸として、革命の主体である労働者階級の主体的決起を生産点から切り開く。したがって改憲決戦をこの路線とは別個に、あるいは外側から論じていくという立場ではない。階級的労働運動の全面的推進の内部に改憲決戦を内在化することで、改憲攻撃と最も鋭く対決し、改憲阻止をプロレタリア革命の勝利に転化していく闘いとして貫いていくのである。
レーニンは、「われわれは、資本家階級にたいする労働者階級の闘争が必然的に政治闘争でなければならないことをみるのである」(『社会民主党綱領草案と解説』)と言い、「あらゆる経済闘争は、必然的に政治闘争に転化する」「この一方をも他方をも、切り離しえないように結びつけて、プロレタリアートの単一の階級闘争としなければならない」(『われわれの綱領』)と繰り返している。
07年前半の3・18から6・9への強力な前進は、必然的に全階級的決起・政治的決起となって発展し、11月集会の改憲阻止の決起としての巨大な可能性を押し開いている。改憲決戦の帰趨を決めるものとして、11月1万人集会の成功を戦取することである。
青年・学生の奮起を
階級的労働運動とは、まさに日常的な職場闘争の血みどろの激闘であり、体制内労働運動との死闘であり、組合権力獲得へのすさまじい挑戦である。その一つひとつが「党の革命」=自己変革と自己飛躍の365日の血のにじむ闘いである。このような闘いが11月1万人結集を可能にするのである。
職場生産点(および学園)での死闘を最も先端的に闘い抜いている青年労働者と学生の闘いこそ、11月1万人結集の決定的な推進軸である。07年11月の総括軸に、マル青労同1000人・マル学同1000人の隊列の死力を尽くした戦取をすえなければならない。青年労働者と学生の決起が巨大な層として11月に大合流できるか否かが、日本革命を決する。11月1万人結集の歴史的使命を青年・学生が受けて立ち、あらゆる試練をのりこえて、自ら革命のリーダーとしての飛躍をかけ、11月1万人決起の先頭に立とう。
(2)社保庁解体・労組破壊攻撃に全労働者の怒りの反撃を
年金問題を口実とした社会保険庁解体・自治労破壊攻撃との闘いには革命のヒドラが宿っている。日帝は社保庁の解体に、国鉄分割・民営化以来のすさまじいキャンペーンをもって挑んでいる。この攻撃こそ、現下の日帝危機のもとで、安倍の改憲・戦争と民営化=労組破壊攻撃との対決の最大の矛先である。この歴史的攻撃への総反撃を抜きに、11月への道を切り開くことはできない。
この攻撃は、敵の強さでは断じてない。敵の底知れぬ危機を背景としている。このことを党と労働者階級は絶対に見抜き、確信すべきである。
年金問題の自治労への責任転嫁は、かつての分割・民営化攻撃以上におぞましく、日帝自身の危機と裏腹なキャンペーンである。こんなデタラメなことが通用するのは自治労本部が闘わずして屈服しているからである。体制内労働運動の指導部によって現場労働者の怒りと決起が封殺され、抑圧されているからだ。自治労本部の打倒をかちとらなければならない。
国鉄分割・民営化の際に動労千葉が唯一の回答=反撃としたのは、労働者の誇りと団結によってかちとったストライキである。今回の自治労攻撃に対して、労働者の誇りと団結をもって反撃すれば、国鉄分割・民営化の時以上に資本主義・帝国主義の腐りきった体制を徹底的に暴き、これを打倒してやまない階級的怒りが爆発することは明らかである。労働者の団結と労働組合の力の発揮がこれほど決定的に求められ、労働者階級にとって革命への決起のよびかけがこれほど待ち望まれている時はないのだ。今ほど自治労を始め4大産別の労働者の決起がすごい力をもっていることを立証する時はない。
4大産別での決戦へ
国鉄分割・民営化とは、戦後最大級の反革命攻撃として、国鉄労働運動のみならず全労働組合の解体と、労働運動をめぐる全党派をも解体する攻撃であった。この攻防に動労千葉とともに党もまた生き残り、今日の階級情勢を迎えている意義は巨大なものがある。それから20年、今や分割・民営化は百パーセント完全な破産をとげている。分割・民営化以来の矛盾と破綻点であった安全問題、要員問題、カクマル問題の3点のすべてがJR体制の全面崩壊ともいうべき破産に転じている。
これに対して動労千葉は、07春闘をストライキでかちぬいたうえに、反合・運転保安闘争、国鉄1047名解雇撤回闘争、JR総連解体=組織拡大という、分割・民営化の三つの破綻に全面的に対応しうる、闘う方針をもっている。この動労千葉方針こそ、全国鉄労働者の方針でなければならない。国労の闘う翼はこの方針のもとで国労の死滅の危機をつきぬけ、国労5・27臨大闘争弾圧裁判にかちぬき、今こそ国労本部を打倒しなければならない。
それは同時に民営化・労組破壊と闘う4大産別全体の攻防にかちぬく方針・指針でもある。今日の革命的激動情勢の中で、4大産別決戦の土台として国鉄決戦の意義が再度、鮮明になっている。
教労決戦は、「日の丸・君が代」不起立闘争の職場闘争としての歴史的確立をふまえ、11月集会へ圧倒的な新潮流の形成をかちとろう。改憲勢力化した日教組本部を打倒し、組合権力獲得の闘いにさらに不屈に挑戦し、前進しよう。闘う教育労働者が7月訪米によってNEA(全米教育協会、320万人)の戦闘的翼との固い絆を形成したことは、はかりしれない意義をもっている。国際連帯のいまひとつの柱が大きく屹立した。
全逓攻防について。民営化絶対反対の闘いはまったくこれからである。国鉄分割・民営化をみよ。郵政民営化は必ず破産する。職場の矛盾はこれから激しく爆発する。「絶対反対」論の立場を不屈に堅持し、そこから組み立てた職場的実践に踏み込むことが決定的である。職場闘争は無数に存在する。とくに10・1(民営化)と10・22(組織統合)情勢は、やはり全逓に巨大な転換をもたらす。この情勢を、職場生産点を軸とする闘いで革命的転換に転じ、戦闘的に突き抜け、11月集会へ突進しよう。
(3)体制内派との激突をぬきに階級的潮流の組織化はない
11月への職場闘争の実践にとって、体制内労働運動との闘いの意義はいよいよ決定的である。
戦争攻撃が激化し、革命的情勢が接近するとき、労働運動内部には必ず激しい流動と明確な分岐が、党派闘争として激化する。レーニンはそのとき、労働者の党が戦争を拒否するだけでなく体制の打倒まで闘い抜かないかぎり、それは「彼らの裏切りであり、彼らの政治的死であり、自己の役割の放棄であり、ブルジョアジーのがわへの移行である」(『第2インターナショナルの崩壊』)と弾劾している。今日、体制内労働運動の打倒がきわめて重大なのは、戦争情勢の切迫による革命的情勢の急接近があるからだ。体制内か体制打倒かが非和解的につきつけられ、その選択に労働者階級の生死がかかっているからだ。
体制内労働運動との対決は第一に、職場生産点においては決定的な激突となり、まさに死闘となる。とりわけ組合権力をめぐる激烈な攻防となる。
第二に、それは資本・権力との激突を背後にもった、つぶすかつぶされるかの党派闘争となる。それゆえ体制内労働運動との対決の本質には、資本・権力との死闘が最大の党派闘争としてはらまれている。それは組合員大衆の階級意識の圧倒的な高まりと活性化を引き起こす。労働者階級の党にとって最大限の精力を注ぎ込むべき、激しいがきわめて価値創造的闘いである。
第三に、この死闘の最先端には、必ず青年労働者の闘いがある。青年労働者の職場生産点での決起は、不可避に体制内労働運動との激突となる。そしてこの攻防は、階級の指導部を圧倒的に形成する。
今日、国際的にも国内的にも、労働者階級が勝利するには、労働運動の内部で労働者階級への裏切り者として登場する体制内労働運動と徹底的に対決し、打倒して、労働組合運動内の革命的潮流の組織化に全力を傾けていくことが最重要課題となっている。ロシア革命や1918年ドイツ革命などの革命運動史の教訓からも、そのことは明らかである。
参院選の結果によって激烈に一変した今日の階級情勢のもとで、体制内労働運動との死闘は、その一歩も引かない乾坤一擲(けんこんいってき)の激突が貫徹されるならば、そこでかちとった階級的団結が雷鳴のような波及力で地域と産別の職場生産点に拡大していくのである。ここに、11月に向かっての、党と階級の実践の最も決定的な核心があるのだ。ここでのさらに大きな突破口を、なんとしても開かなければならない。
(4)米韓労働者の新たな決起と国際連帯闘争の巨大な発展
11月集会は、国際連帯闘争をさらに巨大に発展させるものとなる。
07年において決定的なのは、アメリカ労働運動が歴史上の「第二の高揚」の局面を迎えていることである。それは、プロレタリア世界革命への巨大な現実性をついに開示するものといってよい。
この高揚は、戦時下の労働運動の高揚であり、イラク侵略戦争への怒りと貧困と格差社会への怒りが結合した革命的決起である。これは過去のアメリカ労働運動の限界を超えるものである。昨年の移民労働者の巨大な決起がさらに広がろうとしており、この決起を抑圧できない体制内労働運動の危機と破綻があらわになっている。AFL―CIOのスウィーニー体制は瓦解(がかい)し、圧倒的な労働者階級の離反が起こっているのだ。
これは、80年代のレーガンの労働組合解体攻撃によるコンセッション(譲歩)という歴史的後退への反転攻勢であり、この後退を大きく歴史的に打ち破る不屈の闘いが開始されているということである。
かつて日本にも「革命」があった。日本の戦後革命がそうであるが、まさにアメリカ階級闘争にも「革命」があったのだ。それは1920年代から30年代に圧倒的高揚を迎えるアメリカ労働運動の「第一の高揚期」と言われる闘いの爆発である。
1934年5月、太平洋沿岸において、3万5千人の港湾労働者のストライキを先頭とするサンフランシスコ12万7千人全労働者の決起によるゼネストに象徴される、アメリカ労働運動史上最大の、そして世界労働運動の歴史においても屈指の歴史的大高揚は、今日もなおアメリカ労働運動の底流に力強く波打っている。ランク&ファイルとは、この米労働運動の壮絶な歴史につづられた、権力・資本と体制内勢力の二つの反動・激突にかちぬく強固な団結形態である。この闘いが今、アメリカ帝国主義の体制的危機爆発の中でよみがえろうとしてきている。
韓国階級闘争も、世界史的激動の渦中にある。昨年末、ノムヒョン政権は数年来の階級攻防の焦点となってきた非正規職関連法案と労使関係先進化ロードマップの立法化を強行した。民主労総は韓米FTA阻止を労農同盟で闘い、さらに改悪非正規法施行をめぐる激しい攻防へと入った。
7・1改悪非正規法施行の前日、集団解雇の撤回を求めてニューコア・イーランド一般労組共同闘争本部は、職場である量販店の店舗を占拠し、籠城闘争に入った。この闘いはソウルから全国へと広がり、個別企業の労資紛争を超えて、非正規職問題を焦点にした「総資本と総労働の代理戦」となって韓国社会を揺るがす闘いとなった。7月20日には警察部隊が座り込み場に襲いかかり、組合員ら全員を強制連行し解散させる暴挙が行われたが、民主労総ソウル地域本部は翌日、全店舗の売り場封鎖闘争を展開、非正規闘争を継続・発展させようと奮闘している。
この闘いこそ、日米帝国主義による朝鮮侵略戦争を阻む労働者階級の闘いであり、共通の敵に立ち向かう国際連帯闘争の道筋もここにくっきりと指し示されている。
闘う労組を軸として統一戦線形成しよう
11月に向けて、労働運動、9条改憲阻止の百万人署名運動、諸戦線などの全領域で統一戦線をどのように形成し発展させるかが重要になっている。
今日の統一戦線は第一に、徹底的にプロレタリアートの階級的利害に資するものでなければならない。すなわちその中心に、闘う労働組合の存在を統一戦線の主体としてすえることである。3労組共闘と11月の新潮流運動こそ、今日的な統一戦線の最大の中心軸であり、その典型である。
第二に、統一戦線において、時代認識こそが階級的団結の共通の基盤となる。第三に、階級的労働運動の発展の中にこそ、統一戦線とその運動の確固とした基盤と広大なすそ野を形成できる道がある。この中に生きた改憲阻止闘争の展望もあるのである
X プロレタリア革命に勝利する単一の労働者党を建設しよう
(1)5月テーゼの出発点に立ち「党の革命」の継続・発展へ
革命的情勢の急接近において、今こそ革共同は、革命の準備を全力でなしとげなければならない。階級的労働運動路線を全面的に推進し、プロレタリア革命を達成できる単一の労働者の党を建設することだ。
06年の「党の革命」は、党の歴史的危機を労働者細胞の階級的蜂起によって打ち破った闘いである。だが同時に、革共同のプロレタリア党建設の闘いは、91年5月テーゼ以来の連綿とした党内闘争の苦闘と、06年3月の蜂起を決定的画期点としながら、それ以降に首都を中心に全国で進められたいまひとつの重大な「党の革命」として、歴史的継承性と一体性をもって前進しているのである。
そこには労働者細胞が中心となった全国全党の一人ひとりの例外のない自己変革と飛躍がある。そして労働者細胞と中央委員会の労働者細胞を基礎にした再確立と、中央委員会の階級移行のたゆまぬ格闘がある。また真の「党の革命」というべき、苦闘をかちぬいた若き青年・学生同志のみずみずしい革命家としての登場があった。
階級的労働運動路線はこの中で提起され、路線的一致をめぐる激しい党内的格闘が行われた。問題は、「党の革命」は06年の段階に断じてとどまってはならないということである。階級的労働運動路線とは、その実践に「党の革命」が日々貫かれるものだ。そこには、革共同の労働者党建設へむけた党内闘争の苦闘の歴史的継承的推進が求められる。その場合、今日の階級的労働運動路線の綱領的・路線的内容は、91年5月テーゼにすでに革命的に胚胎(はいたい)していることが確認されなければならない。
5月テーゼとは何か。それは70年決戦の歴史的爆発に追いつめられたファシスト・カクマルと日帝権力による革共同絶滅攻撃を20年にわたる内戦の勝利によって粉砕し、90年天皇決戦にかちぬいた地平から、労働者階級の大地に再び飛び込み、革共同を労働者階級の党として本格的に打ち立てようとする一大路線転換であった。
しかもそれは、当時の国際・国内情勢の巨大な激変に革命党として正面から対応しようとするものであった。91年とは、ソ連・東欧のスターリン主義の歴史的崩壊があり、さらに新たな帝国主義侵略戦争が湾岸戦争として開始される中で、戦後世界体制が全面崩壊を遂げようとする時であった。国内的には日帝経済のバブルの崩壊による大破綻、国鉄分割・民営化を切り口とする89年の総評解散・連合結成という、戦後史の巨大な転換を迎えていた。5月テーゼは、革共同がこの世界史的革命的激動期を前にして党の歴史的限界と未達成部分を真剣に見すえ、労働者階級の全階級的一斉蜂起の組織化にむかって、レーニン的オーソドキシーに立脚し、党の継承と歴史的前進を遂げようとするものであった。
とくに決定的なのは、動労千葉の85年以来の国鉄分割・民営化決戦の死闘である。5月テーゼは、この分割・民営化攻撃との一大決戦として、すでに歴史的には提起され、実践を開始していたというべきなのである。それは、革命的激動の時代への闘う労働者階級と労働者細胞の階級的希求、欲求であり、生きた実践のなかで生まれた階級の意志と総意であったのだ。それを受けて革共同が「階級の党」として自己確立するものとして、中央委員会と労働者細胞の一致として打ち出されたものが5月テーゼであった。
5月テーゼのこのような誕生とそのあくなき実践が、新指導路線の実践的貫徹を必然的に求め、また「党の革命」への歴史的根源的力となり、今日、労働者出身の革命的指導部を先頭に強大な労働者細胞を建設していく地平に到達したのである。この5月テーゼの出発点に今こそ徹底的に立ちきり、階級的労働運動路線の全面的発展をかちとらなければならない。
(2)「07年7月テーゼ」で7・7思想の革命的な再確立を
階級的労働運動路線を全面的に推進し、プロレタリア革命に勝利する単一の労働者党建設を推し進めるために、今こそ「7・7思想」を今日的に発展させなければならない。階級的労働運動路線は7・7思想を実践をとおして深化させるものであり、それは同時にプロレタリア自己解放―プロレタリア独裁の党建設を発展させるものである。革共同政治局の「2007年7月テーゼ」(10面に掲載)をふまえ、以下のことを結論的、実践的に確認したい。
もともと「7・7論」には、資本主義・帝国主義と闘う労働者階級とその階級的自己解放闘争としての共産主義が圧倒的に措定されている。7・7論とは共産主義論である。そこには、労働者階級の特殊的解放が全社会的普遍的解放を実現していくという、マルクス主義の原理が徹底的に打ち立てられなくてはならない。
そのうえでとくに重要な確認は、労働者階級自己解放には労働者の自己変革性がはらまれているということである。この労働者階級の自己解放的普遍性と自己変革性を確信することで、プロレタリア独裁と共産主義社会の実現をめざす労働者階級の党を、地区党建設を基礎にした単一の党建設としてかちとることができるのだ。
いまひとつは、7・7思想が11月集会に体現される階級的労働運動のもとでのプロレタリア国際主義として貫かれ、歴史的に発展していることである。革共同の責務は、動労千葉と韓国民主労総ソウル地域本部との国際連帯として築き上げられている生きた7・7思想を、プロレタリア世界革命への道としてさらに強化・発展させることである。
今日、入管戦線、部落解放戦線、在本土沖縄戦線、「障害者」解放戦線、女性解放戦線など諸戦線の闘いが、階級的労働運動路線のもとで7・7思想を実践的に深化させ、新たに飛躍すべきチャンスを迎えていることをしっかりと確認したい。
(3)党建設の最大の核心問題は階級の指導部の建設にある
革共同中央労働者組織委員会・全国会議における大原同志の基調提起は、階級的労働運動路線とその主体的推進の課題を、レーニンの『何をなすべきか』の徹底的な摂取をとおして解明し、その核心が「階級の指導部建設」にあることをうちだしている。
レーニンは、「論集『12年間』の序文」で『なになすべきか』の読み方について、それが労働組合の指導路線をめぐるレーニン主義的党建設論としてあることを明確にしている。その上で、党の団結、堅固および安定性を実現するかぎは職業革命家の組織にあることを明らかにし、その成功の根本条件は労働者階級の組織性にあるとしている。そして職業革命家の組織が労働者階級にあくまで依拠しないならば、その組織は「おもちゃに等しく、冒険で、空看板であるにすぎなかったであろう」と言い切っている。
この点について『なにをなすべきか』は、「党活動の面でインテリゲンツィア革命家と水準を同じくする労働者革命家の養成を助けることが、われわれの第一の最も緊急な義務である」「労働者を革命家に引き上げることを主要な眼目とすべき」とガンガン強調している。労働者の中からどれだけの「職業的に訓練」された革命家をつくりだすのか、階級の指導部をいかに形成するのかに党建設の最大の核心問題があると言っているのだ。
ここに情熱と精力を注ぎ込まずに、「意見の自由」や「民主主義」「公開制」「選挙制」などを形式的にふりまわすことがいかに誤りであるかということだ。あえていえば「党の革命」の一切は、若き労働者革命家の陸続とした形成と、分厚い「階級の指導部」の形成にあるといって過言ではない。ここに革共同の生死と未来がある。それはすでに力強く開始されている。
獄中非転向貫き闘う星野同志取り戻そう
革命的情勢の急接近と階級的労働運動路線の前進は、日帝国家権力による弾圧との激突を不可避とする。革共同は、この国家権力との死闘に全力でかちぬかなければならない。とりわけ完全黙秘・非転向を貫いて闘うことの決定的意義について確認したい。
完黙について、@まず何よりもこれを革共同の党としての絶対的階級的立場として貫徹しなければならない。完黙はけっして技術的対応ではない。また完黙と非転向は一体であり、完黙があってこそ非転向の貫徹がある。それは革命党にとっては絶対的な思想問題である。Aこれは党だけでなく、党と階級が一体になってかちとる闘いである。このことは党の階級への責任そのものであり、階級・大衆との生きた関係、階級的団結の形成に直接かかわることである。B弾圧への反撃は、完黙・非転向と階級的労働運動路線の力で必ず勝利できる。党・階級が敵権力への階級的怒りを燃やし、真に団結して一体となって立ち向かう力があるならば、どんな凶暴な弾圧も粉砕することができる。
この確認は、革共同が幾多の弾圧との闘いをとおして文字どおり血と汗でつかみとってきた歴史的教訓である。これを全党が継承し、さらに日帝権力と闘う全人民の階級的原則として打ち立てることが求められている。
そのことは、獄中33年の星野文昭同志奪還の決意と誓いを打ち固めることと一体である。革共同は星野同志の存在と闘いそのものに、プロレタリア革命の勝利の展望をはっきりと見いだすことができる。だがそれは、われわれが星野同志の奪還を果たすことによって言いうることである。革共同は、星野同志奪還を今にいたるも果たしていないという屈辱から解き放たれていない。この現実をなんとしてものりこえるために今こそ総決起しよう。
「党活動の3原則」の再確立と実践を!
最後に〈会議・機関紙・財政〉という革共同の党活動の3原則について、その強固な確立と愚直な実践をかちとることを訴えたい。革命的激動期において必要なのは、闘いつつ党を建設する闘いに猛然と挑戦し、転換し、習熟することである。とくに機関紙活動のたゆまぬ実践がそこでは飛躍的に求められる。この血みどろ汗みどろの努力が真の労働者党を必ずつくりだすことを圧倒的に確認したい。
07年後半決戦の階級的大激突にかちぬき、11月1万人結集へ、団結して驀進(ばくしん)しよう。
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週刊『前進』(2306号9面2)(2007/08/06 )
コミューン 9月号
拡大EU最新動向
今号の特集は拡大EUの現状を分析している。2007年の第6次拡大によって加盟国を27カ国としたEUは、米帝・日帝と対抗する巨大ブロックを形成するに至った。それは、世界経済の分裂化とブロック化を一挙に推し進めるとともに、世界市場の支配をめぐる米欧日の帝国主義間争闘戦を未曾有の規模で激烈化させる。同時に帝国主義間争闘戦に勝ちぬくために、各国内における労働者階級への資本攻勢、階級戦争を一段と激化させるであろう。
こうした情勢を明らかにするために、特集の第1章では、EU拡大の現状と、それが帝国主義間争闘戦と世界戦争情勢の激化をもたらす重大な要因となっていることを鮮明に描き出している。第2章では拡大EUの主軸であるドイツ帝国主義の新自由主義への転換と、民営化・労組破壊攻撃の実態を暴露し、EU拡大と国内の資本攻勢が一体的に展開されていることを明らかにしている。
翻訳資料は、米国防総省による年次報告「中国の軍事力 2007年」(上)を訳出・掲載した。この報告書は、最近の中国軍の近代化と戦略面での全面転換を強調し、軍事大国化する中国の脅威なるものを異常に強調している。米帝が切迫する対中国侵略戦争にむけて具体的な戦争体制の構築を開始したことを示す文書である。
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週刊『前進』(2306号A面1)(2007/08/06 )
2007年7月テーゼ 労働者階級自己解放と差別・抑圧からの解放
階級的労働運動路線のもと7・7思想の革命的再確立を
革命的共産主義者同盟政治局
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帝国主義の末期的危機が刻一刻と深まり、革命的情勢が急接近している。アメリカ帝国主義のイラク侵略戦争における敗勢は、ドル暴落―世界大恐慌の切迫とともに、帝国主義間争闘戦の新たな世界戦争への転化の情勢をいよいよ促進している。日本帝国主義はこの中で、国際帝国主義の最弱の環として死の苦悶(くもん)にのたうちまわり、イラク派兵に続いて北朝鮮侵略戦争に突入しようと、米軍再編・日米同盟強化、集団的自衛権解禁、9条改憲へ突進している。労働者支配の全面崩壊の危機を戦後憲法体制のクーデター的転覆によってのりきろうと必死になっている。
今や、労働者階級による現体制の根底的な変革、プロレタリア革命が問題となる歴史的情勢が到来した。1946〜47年の戦後革命敗北から60年、日本の労働者階級が資本の支配の転覆と国家権力の奪取を求めて真っ向から団結して立ち上がる時代が再びやってきた。
革共同が07年1・1アピールで確立した階級的労働運動路線は、この新たな革命の時代を迎えて、その担い手である労働者階級の中に革命の指導部と拠点を圧倒的につくりだし、一斉蜂起を本格的に準備していく路線である。それは〈闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ>という、70年闘争時以来打ち立ててきた革共同の綱領的路線を今こそ6000万労働者階級の総決起として物質化していくものである。
われわれは、労働者同志の蜂起を軸とする06年の「党の革命」によって、労働者階級の党としての革共同の根底的な再生・再確立への突破口を切り開き、プロレタリア革命への本格的な挑戦を開始した。それは、革共同を反帝国主義・反スターリン主義=革命的共産主義の党として打ち立てるための、半世紀にわたる苦闘がついに切り開いた歴史的到達点である。60年・70年闘争。それへの大反動としてあった反革命カクマルおよび日帝国家権力との二重の内戦。その勝利の地平の上に、91年5月テーゼをもって開始された本格的な労働者党建設への15年にわたる必死の格闘。そしてこの格闘は、われわれ自身の中にあった一切のあいまいなもの、歪んだものを容赦なくたたき出すことで、党を真に「階級の党」として打ち立てる地平を切り開いたのだ。
この「党の革命」をさらに前進させ、日本革命―世界革命勝利を闘いとっていくために必須不可欠の課題となっているのが、いわゆる「7・7思想」の革命的再確立である。
革共同は70年闘争の中で、在日中国人青年(華僑青年闘争委員会)からの糾弾にこたえて革共同の革命党としての根底的飛躍をかけた自己批判を行った。そしてこの70年7・7自己批判を〈侵略を内乱へ>の総路線の中に核心的思想、魂として貫き通して闘ってきた。日本の労働者階級が、帝国主義とその民族排外主義への屈服によって自らの階級的=国際主義的本質を奪われ、解体されてきた歴史を背負っていること。この負の歴史と現実に労働者階級とその党がしっかりと向き合い、根底から打ち破って、闘うアジア人民・在日アジア人民との間にプロレタリア世界革命勝利に向けた真の同志的連帯を築き上げるために闘うこと。特に日帝の植民地主義的民族抑圧の戦後における継続としてある入管体制粉砕の闘いを、日本の労働者階級自身の日常的闘争課題としていくこと――ここに7・7思想の核心があった。
したがってそれは、帝国主義的民族排外主義との闘いにとどまらず、日帝によるあらゆる差別分断支配を打ち破って、労働者階級の階級としての団結を強化し拡大していく闘いを同時に提起するものであった。部落解放闘争、「障害者」解放闘争、女性解放闘争、さらに沖縄と本土の分断支配を打ち破る闘いなど、帝国主義の差別・抑圧と闘う諸戦線の大きな発展が、7・7思想とその実践の重要な一環として切り開かれてきた。
06年の「党の革命」は、党の中央指導部の中に生み出された恐るべき歪みや腐敗との闘いをとおして、われわれ自身のこの間の実践全体を、マルクス主義の原点に戻って徹底的に検証することを突きつけた。すなわち、マルクス主義とは労働者階級自己解放の思想と運動であり、プロレタリア革命とは労働者階級自身の事業であることが、一切の党活動の基軸に本当にすわっていたのかということである。
そのことは、諸戦線の闘いにおいても例外ではない。とりわけ5月テーゼ以降の15年間で問われ続けてきたことは、「党の革命」で打倒された与田らを始め、5月テーゼの実践を拒否した一部指導部による7・7思想の全面的な歪曲との対決であった。彼らは「日本の労働者は排外主義・差別主義にまみれており、そのままでは革命の主体にはなれない」として、7・7思想を血債主義・糾弾主義へと歪曲して路線化し、5月テーゼ路線と動労千葉労働運動への対抗物とした。
革共同はこれに対し、労働者同志を先頭に、19全総(第5報告)から20全総―6回大会―03年新指導路線―06年の「党の革命」にいたる闘いをとおして、激しい党内闘争を貫いて今日の階級的労働運動路線を闘いとってきたのである。それはまた、諸戦線で闘う同志の、単一の党建設をかちとるための非常な苦闘と一体のものであった。
こうした闘いを経てわれわれは、「党は階級そのものである」(22全総第3報告)と言い切れる地平に到達したのである。その地平の上に立って今、あらためて7・7思想の一面的な誤った理解を一掃し、現代革命勝利の根幹にかかわる問題として7・7思想の今日的な深化と再確立を闘いとることが求められている。革共同政治局はここに、その内容を〈2007年7月テーゼ>として提起し、全党の同志が階級的労働運動路線の貫徹とそのもとでの緒戦線の闘いの大前進をかちとるために、ともに闘いぬくことを訴える。
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7・7思想は、一切の差別・抑圧からの根底的な解放がプロレタリア革命によって初めて可能になることを前提としている。プロレタリア革命とは、労働者階級の自己解放闘争である。まずこの点をはっきりさせなければならない。
資本主義社会とは、労働者階級に対する賃金奴隷制の上に成り立つ社会である。そこでは労働者は、一切の生産手段と生活手段から切り離された労働力商品として、人間ではなく「モノ」として扱われている。労働者階級は自分の労働力を切り売りし、かつその労働が資本を増殖する限りにおいてしか生きることができない。労働者の生産物は、資本が労働者を搾取し支配する力をますます強めるものとなり、その力は一層耐えがたいものとなって労働者に襲いかかってくる。労働者階級は、人間として生きるためにはこの賃労働と資本の関係を革命によって根底から覆し、現在の社会を部分的にではなく全面的に転覆する以外に、どんな意味でも自らの解放をかちとることはできない。
マルクスとエンゲルスは『共産党宣言』において、資本主義社会が近代の労働者階級=プロレタリアートをその「墓掘り人」として生み出したことを明らかにすると同時に、この社会が「最後の階級社会」であり、その転覆はこれまでの一切の階級社会の歴史に終止符を打つものとなることを明らかにした。
すなわちプロレタリアートは、資本主義社会を転覆する革命によって自らの解放を闘いとるだけでなく、そのことによって資本主義以前の階級社会が生み出し資本主義のもとで再生産されてきたあらゆる反人民的な差別的・抑圧的諸関係をも根底から一掃する、世界史的使命をもった階級として登場したことを明確にしたのである。
労働者階級の特殊的な階級的解放が、同時に全人間の普遍的な解放であること。ここにプロレタリア自己解放闘争の最も重要な核心がある。その意味において今日、ブルジョアジーの支配と闘っているすべての人民の中で労働者階級だけが真に革命的階級である。他の諸階級・諸階層の人民は、労働者階級の解放の中にこそ自らの究極的解放があることを直視し、労働者階級の立場に自らを立たせ、労働者階級と一体となって闘うこと(階級移行すること)によって、プロレタリア革命の一翼を形成するものとなっていくのである。
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資本主義の帝国主義段階への突入は、この労働者階級自己解放闘争のもつ世界史的意義をますます明確にするものとなった。
帝国主義は、独占の形成と金融資本による全社会の支配のもとで、労働者階級への搾取を極限的に強めると同時に、農民を始めとする諸階級・諸階層からの徹底した収奪をもその資本蓄積の源泉としていく構造をつくりだした。金融資本とその国家は、自らの支配の貫徹のために、資本主義以前の社会から引き継いできた反動的諸要素をも解体するのではなく逆に積極的に取り込んで、労働者階級への徹底的な分断支配を貫くテコに転化した。民族抑圧や部落差別、「障害者」や女性などに対する差別・抑圧は、帝国主義のもとで再編され一層強化されていった。
とりわけ帝国主義がその世界支配を貫くにあたって、世界を帝国主義的抑圧民族と被抑圧民族とに国家的・民族的に分断したことはきわめて重大な意味をもっていた。帝国主義による植民地・従属国の支配と、その分割・再分割をめぐる帝国主義間争闘戦の展開は、被抑圧民族への民族的抑圧と圧殺の攻撃を史上かつてなかったほどに極限的に強め、これに対する民族解放闘争の一大爆発を生み出したのである。
帝国主義によって全社会的・全世界的に繰り広げられる搾取・収奪・差別・抑圧・破壊・略奪・虐殺などの果てしない激化は、帝国主義が死滅しつつある資本主義であり、プロレタリア革命によって一刻も早く打ち倒すべき時を迎えていることを示すものだ。さらに帝国主義は、その全矛盾を最後は帝国主義戦争(侵略戦争・世界戦争)として爆発させる。これらは、労働者階級に自らの世界史的使命を自覚させると同時に、帝国主義の圧迫と闘うすべての人民に、労働者階級の闘いへの大合流を促すものである。とりわけ民族解放闘争との結合は、世界革命の勝利にとって決定的な位置をもつ。
闘うプロレタリアートはここにおいて、職場生産点における資本との非和解的激突を軸として、地域や産別や国境を越えて労働者階級としてひとつに団結し、その団結の力をもってあらゆる分断支配を実力で打ち破っていく。と同時に、帝国主義への怒りに燃えて続々と立ち上がってくる被抑圧民族人民や被差別人民の闘い、農民など勤労諸階級・諸階層人民の闘いを、プロレタリア世界革命の普遍性・根底性のもとに統一し、これらの闘いとの連帯・結合・一体化を積極的に闘いとりつつ、革命勝利への道を切り開いていくのである。
この連帯・結合を求める闘いは、労働者階級が農民や被差別・被抑圧人民を、ともにプロレタリア革命を担う解放主体であると同時に巨大な援軍として獲得していく闘いである。
だがそれだけではない。労働者階級がプロレタリア独裁権力の樹立をとおして階級社会のあらゆる汚物を一掃し、資本主義社会の転覆の上にまったく新たな新社会(共産主義社会)を建設していく能力を身につけていくために、不可欠な闘いとしての意義をそれは同時にもっている。
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プロレタリア自己解放闘争のこうした本質は、労働者階級が鉄鎖以外に失うもののない階級であるだけでなく、国際的に単一の階級として存在するということの中に、最も鮮明に現れる。プロレタリア革命は本質的に世界革命である。世界史的存在であるプロレタリアートは、自国の資本・権力との闘いを基盤にしながら、自らが労働者階級の国際部隊の一員であることを自覚した時、最も根源的な力を発揮する。それは「労働者階級には世界を変える力がある」という誇りと自覚を一挙に大量に形成し、その力を数十倍にも高めるものとなっていく。
今日、11月労働者集会での日韓米3国の闘う労働者の国際連帯とその発展が切り開いているものは、この意味で決定的に大きい。新たな帝国主義世界戦争へのプロセスがイラク侵略戦争としてすでに開始され、米日帝国主義による朝鮮侵略戦争の危機が強まっている中で、これと真っ向から対決して侵略戦争を内乱に転化する闘いがこのような形で現実に始まったのである。帝国主義的民族排外主義の嵐が吹き荒れ、体制内労働運動が雪崩をうって祖国防衛主義に転落している中にあって、各国の労働運動の最も階級的で戦闘的な潮流が文字どおり国境を越えてひとつに団結し、共通の敵に対してともに立ち向かっていく関係が形成されたのだ。
動労千葉に代表される階級的労働運動の大前進がこうした地平を切り開いた。それは7・7思想が、マルクス主義を実践してきた動労千葉労働運動の中にこそ、最も生きた形で内在化されつつ発展してきた結果であることを確認したい。
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今日、2001年9・11の対米ゲリラ戦争に始まる中東・イスラム諸国人民の民族解放闘争への極限的な決起や、外国人労働者・移民労働者の増大とその闘いの発展は、日本を含む全帝国主義国のプロレタリアートに7・7で問われた問題を一層鋭くつきつけている。われわれは〈侵略を内乱へ>の実践的貫徹=プロレタリア革命の実現をめざして闘う今日の階級的労働運動路線のもとでこそ、7・7思想をあらゆる闘いの中に貫き、その一層豊かな発展をかちとっていかなければならない。
70年7・7自己批判とは何か。それは、日本の労働者階級が戦後革命の敗北後、スターリン主義と社会民主主義の指導下にあって帝国主義的民族排外主義との闘いにうち勝つことができずに屈服を重ねてきたことを、労働者階級の階級的=国際主義的本質が歪曲され疎外され続けてきた姿としてとらえ、根底から突破することを求めるものであった。
その核心は、日本の労働者階級が日帝と闘う時、その日帝とまさに全力で対峙し闘っているアジア人民(在日アジア人民)に対してどのように関わり連帯していくのか、という点にあった。とりわけ在日朝鮮・中国人民が戦後も日帝とその入管体制のもとで、戦前の植民地支配を形を変えて引き継ぐきわめて厳しい差別・抑圧と分断支配下に置かれながら、その中でいかに苦しみかつそれをのりこえて不屈の闘いに立ち上がっているのか。その現実の生活と闘いを、日本の労働者階級が本当につかんで、観念的にではなく実際にその闘いに具体的に連帯してともに闘ってきているのか、ということであった。
そこではまずもって、自らの階級性自体を厳しく検証しなおすことが求められた。すなわち日本の労働者階級は、スターリン主義と社会民主主義のもとで日帝のアジア侵略・戦争に屈服し敗北してきた結果として、帝国主義的民族排外主義に直接・間接に汚染されてきてしまっており、その現実を自己の思想問題として深くとらえ返すことが求められたのである。そしてこの思想問題を自らの力で切開し突破することは、反帝国主義・反スターリン主義の党としての革共同が、スターリン主義との決別をより徹底的にやりぬいて、その革命的共産主義の立場と内容を一層鮮明化させていく闘いとしてあった。
それは言い換えるならば、帝国主義のもとで抑圧民族と被抑圧民族に分裂させられている国際プロレタリアート人民が、帝国主義打倒のプロレタリア世界革命に向かって一体となって決起していくためには何が必要かという問題を突き出すものであった。すなわちそこでは、帝国主義国のプロレタリアートが、被抑圧諸国人民の民族解放闘争、とりわけ自国帝国主義によって抑圧されている諸国人民の解放闘争に、言葉だけではなく実践的にも連帯し、支援し、防衛していくことが決定的意義をもつのである。さらにここにおいて、抑圧民族のプロレタリアートが被抑圧民族に対して「償う」(レーニン)という思想と立場に立つことが重要である。
日帝の侵略と戦争によって言語に絶する苦しみを強いられてきた朝鮮・中国・アジア人民の激しい階級的人間的怒りに、心から肉薄すること。彼らの現実の存在と生活と闘いを知り、その不屈の闘いに学び、ともに闘うこと。抑圧民族=日帝の政府が朝鮮・中国人民に対して加え続けた(今日もなお続けている)侮辱と迫害によって彼らが抱いてきた不信と疑惑を、日本のプロレタリアートがその態度によって、「償い」によって取り除くために闘うこと。これなしにプロレタリア世界革命に向けてのアジア人民との真の連帯を築き上げることはできないということである。
このことは、日本の労働者階級が国際的階級としての自己の本質を奪い返し、確立し、世界革命の勝利に向かってその力を全面的に解き放っていくことと同じ問題である。帝国主義戦争を内乱に転化する際に決定的なかぎを握るのは祖国防衛主義との闘争であり、その思想的核心は階級性の全面的貫徹であるが、そのために不可欠なものが7・7自己批判の立場とその貫徹なのである。
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その場合、これまでわれわれ自身の中にもあった7・7思想の一面的な、誤った理解をきっぱりとのりこえ、克服して進むことがきわめて重要である。
第一に、被差別・被抑圧人民も労働者階級と同様に「革命の主体」であるとして、被差別・被抑圧人民の闘いと労働者階級の自己解放闘争を並列的に扱う傾向の問題である。
差別・抑圧からの解放闘争を考えていく時に最も重要なことは、プロレタリア革命によってこそ初めて、その根本的解決の諸条件が与えられるということである。帝国主義のもとで差別・抑圧されている人民も、そこからの解放を求めて闘うという意味においては解放闘争の主体である。しかしそれは、プロレタリア革命の主体が労働者階級であるということと、同じ次元でとらえることはできない。
プロレタリア革命とは、労働者階級の特殊的解放をとおして全人間の普遍的解放を実現する革命である。被差別・被抑圧人民の闘いが発展すればおのずからプロレタリア革命になるということではけっしてない。それがプロレタリアートによる階級支配の転覆と思想的路線的に固く結びつくものとして闘われた時に、その闘いが実際に革命の一翼を担うものとなっていくのだ。
したがって、被差別・被抑圧人民の存在と闘いを労働者階級の闘いと並列して、両者の「合流」として革命を考えることは間違いである。逆に労働者階級の闘いは、むしろすべてのものにプロレタリア性を刻印し、強制していくことを求める。それは、プロレタリアートの解放は全人間の解放であり、労働者階級だけが唯一、階級社会を止揚した新たな社会を生み出すことができるという、プロレタリア自己解放闘争の本質にもとづいている。
第二に、現実の労働者は差別と排外主義にまみれており、これを徹底的に糾弾して正さないと革命の主体として目覚めることはできないという考え方がある。この糾弾主義の誤りをはっきりさせることである。
資本主義社会のもとでは、労働者階級の階級的な闘いが存在しないところでは、「労働者が最も差別する」という現実も生まれてくる。労働者が侵略戦争に動員されてその手先となることも起こる。しかし労働者階級は、まさに労働者階級であることによって本質的に階級意識に目覚め、自己を変革し、革命に向かって進むことができる力を自己の内側にもっているのだ。そして労働者階級は、賃金奴隷制の転覆を求めて資本との闘いに階級として立ち上がっていった瞬間に、自分自身の中にある汚物をも自ら払いのけつつ闘っていくことが必ずできる階級なのである。
革共同が70年7・7自己批判をやりぬくことができたのは、労働者階級のこの革命的階級としての本質を確信し、そこに絶対の信頼を置くというマルクス主義の立場に立ち切っていたからである。
われわれは、スターリン主義者やカクマルとは違い、「労働者は差別しない」とか「革命をやれば差別は自動的に解消される」などという論には断じて立たない。だからこそ被差別・被抑圧人民の存在と闘いに「学ぶ」という契機を決定的に重視する。だがしかし、7・7思想から「学ぶ」という契機のみを独立させて取り出し、それなしにプロレタリアートは階級性を獲得できないとしていくならば、それはマルクス主義とはまったく別のものに転化する。
〈差別への糾弾と自己批判>を労働者階級の階級的団結形成と切り離して自己目的化していく運動は、労働者階級の本質的な革命性を否定し、労働者階級への絶望を組織していく運動となるしかない。それは7・7思想を根本から歪めるものである。そうした糾弾主義の実践的帰結は、結局はプロレタリアートの革命運動を解体して、資本制社会の転覆と切り離されたところでの「差別なき社会の建設」という、空想を追い求めるものでしかなくなるのだ。
第三に、したがって、差別・抑圧と闘う諸戦線における共産主義者の任務は、党と革命運動の内部において各戦線の利益代表者のようにふるまうことでは断じてない。そうではなくて、各戦線の現場で闘っている人びとの中にプロレタリアートの陣営から入っていって、プロレタリア革命の中にこそ真の解放の道があることを真剣に訴え、労働者階級とともに闘おうと呼びかけることだ。そしてプロレタリア革命との結合・一体化をかちとり革命を勝利させていくという立場から、被差別・被抑圧人民の自己解放闘争それ自身の真に豊かな革命的戦闘的な発展を、ともに全力をあげて闘いとっていくことにある。
例えば、部落民出身の共産主義者は、自己をまず労働者階級解放闘争を闘う主体として徹底的に確立することによって、全部落民の解放を求めて闘う主体としての自己をも真の意味で確立することができるのである。この関係を逆転させて「部落民としての自覚」を一切の出発点に置くことは、部落解放闘争をプロレタリア革命の上に置くものとなり、実際にはプロレタリア革命をも、部落の真の解放をもともに否定するものとなってしまうのだ。
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われわれは、階級的労働運動路線のもとで労働者階級の自己解放闘争を圧倒的に基軸にすえ、その一環として諸戦線の闘いをプロレタリア革命勝利の戦略的一翼に内在的に位置づけて闘う。7・7思想の貫徹を労働者階級の階級的団結形成の重要な柱にすえて、その飛躍的な強化と発展をかちとるとともに、この路線のもとでこそ、諸戦線の闘いの決定的な飛躍と大前進をつくりだす。
革共同を、労働者細胞の建設を基軸に、地区党建設を基礎とした単一の党として建設していくことこそ、そうした闘いの全面的で本格的な発展をかちとる道である。革共同の真の革命党への飛躍をかけて、今こそ本格的な地区党建設へ踏み出そう。
日帝が戦争・改憲と民営化による労組絶滅攻撃に全体重をかけて踏み込む中で、排外主義・差別主義の嵐を打ち破って労働者階級の階級的団結を打ち固めていく闘いは、今や死活的位置をもっている。その実践的貫徹は何よりも、今や帝国主義的民族排外主義・祖国防衛主義に完全屈服し、自らその手先に転じつつある体制内労働運動を4大産別決戦を軸に打倒し、階級的労働運動の大発展をかちとることにある。今秋11月を新たな突破口にして、この道をとことん貫き、プロレタリア革命の勝利に向かって進撃しよう。
闘うアジア人民、中東・イスラム諸国人民を始め全世界で闘う被抑圧民族人民と連帯し、日帝の侵略戦争を内乱に転化する闘いを今こそ決定的に推進しよう。
その闘いを突破口に、全世界の労働者階級と被抑圧民族の団結で、反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命への道を切り開こう。
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