ZENSHIN 2007/07/02(No2301 p08)
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週刊『前進』(2301号1面1)(2007/07/02 )
安倍自公政権ぶっ飛ばせ
「自治労や日教組はハローワークへ」(中川秀直)
公務員大リストラと労組破壊に全労働者階級の怒りの総反撃を
沖縄平和市民連絡会や沖縄労組交流センターなどが安倍の戦没者追悼式への出席を弾劾。「直ちに帰れ」「教科書の書き換えを許さないぞ」とシュプレヒコール(6月23日 沖縄県糸満市)=記事7面
不明年金と介護保険(コムスン)問題での労働者階級人民の怒りに、安倍政権はどん詰まりの危機だ。安倍や日本経団連・御手洗らブルジョアジーは、自らが負うべき年金破綻(はたん)の全責任を公務員労働者になすりつけ、自治労つぶしに延命の一切をかけている。だが自治労本部などの体制内労働運動指導部は、一層の屈服を深めている。もう我慢できない! これが現場労働者の叫びだ。青年労働者と学生を先頭に、「この国はすでに破産している。労働者に権力をよこせ」という闘いを、今こそ突きつける時だ。この夏から秋へ、安倍自公政権を打倒し、戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃を階級的労働運動の断固たる前進で粉砕しよう。
体制内労働運動うち破ろう
6月20日、安倍政権は教育4法改悪案とイラク派兵延長法案を強行成立させた。さらに国会会期を12日間延長し、28―29日には社会保険庁解体法案、年金特例法案、国家公務員法改悪案をも力ずくで採決、成立させた。安倍と御手洗は今、戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃にとことん突っ走らなければ日本帝国主義自身がもたない、滅びてしまうというすさまじい危機感に突き動かされている。
そして労働者の安倍政権への怒りの爆発をそらすために、「社保庁のガンとゴミを一掃する」(安倍)とか、「自治労や日教組はハローワークに行ってもらう」(中川秀直自民党幹事長)などと叫び、一切の攻撃を公務員労働者へのバッシングと大リストラ、自治労・日教組破壊に集中してきている。
だが、マスコミを総動員した公務員労働者・労働組合への攻撃によって安倍らが現在の危機をのりきれると考えているなら、大間違いだ。起きているのは、日帝国家が「国家」としてもはや機能しなくなっているということだ。破綻は年金と介護だけではない。医療、福祉、教育、すべてが崩壊し始めている。さらにこの6月から住民税が一挙に大増税となり、労働者人民の家庭を直撃している。資本家階級が労働者階級を食わせていくことも、人民の「生存権」をぎりぎり保障することすらもできなくなっているのだ。
今や安倍政権による戦争・改憲と民営化攻撃への怒りが、あらゆるところから火を噴いている。沖縄では、沖縄戦での日本軍による「集団自決」強制の記述が教科書から削除されたことへの激しい怒りが広がった。6月22日には沖縄県議会が検定意見の撤回を求める決議を満場一致で採択した。翌23日に安倍は、恥知らずにも沖縄現地の戦没者追悼式に参列した上、教科書検定は「(文科省の)審議会が学術的観点から検討している」と撤回拒否の意志を表明して、全県民の憤激を買った。
6月26日にはアメリカで、米下院外交委員会が日本軍軍隊慰安婦問題に関する謝罪要求決議を賛成39対反対2の大差で可決した。中国侵略戦争と第2次大戦で日帝軍隊が犯した極悪の戦争犯罪を、「軍の関与はなかった」と開き直る安倍政権を弾劾し、日本政府の明確な謝罪を求める決議だ。その背景には、今回の「米朝協議」で米帝が朝鮮半島政策からの日帝外しに動き出していることにも示される、対日争闘戦の激化がある。さらには安倍が「戦後レジームからの脱却」を掲げて「大日本帝国」復活への道を公然と進み始めたことへの、アジア人民を始めとする全世界での高まる危機感がある。
安倍ら日帝支配階級は、帝国主義間争闘戦の非和解的激化と国内労働者支配の破綻のもとで、もはや後のないがけっぷちに追いつめられている。安倍は『美しい国へ』の中で「社会の不安定化は暴動を誘発し、革命にまで発展することもありうる」と言っているが、安倍が最も恐怖するその情勢がまさに今、到来している。だからこそますます戦争・改憲に突進し、そのためにも労働者階級の団結破壊、労働組合つぶしに一切をかけてきているのだ。
だが安倍のこの間の危機と暴走は、安倍政権を倒す最大のチャンスの到来だ。この情勢の中でもし今、自治労100万、日教組30万がゼネストに立ち上がったら、その瞬間に安倍など吹っ飛ぶのだ。そして4大産別を先頭に6千万労働者の総決起で、資本家階級の支配そのものを打倒していく闘いへの決定的な突撃路が切り開かれる。
にもかかわらず、この重大な時に、自治労本部など既成の体制内労働運動は何をやっているのか! 労組破壊攻撃と闘うどころか、逆に従来の組合を自ら解体し、当局・資本と癒着した御用組合に改編する道を歩んでいる。自治労の自己解体と「地域公共サービス労組連合会」結成の路線、全逓(JPU)大会での全郵政との組織統合方針は、その最たるものだ。日教組本部、国労本部も裏切りを深めている。この腐った体制内労働運動を打倒し、組合を現場労働者の手に取り戻すことが当面する決定的課題だ。ここでの巨大な前進を今こそ、全力で切り開こう。
年金・介護破綻の元凶は日帝
今日の不明年金問題は、安倍との激突の一番の焦点だ。安倍政権と自民党は、これを自治労つぶしのテコに転化して参院選をのりきろうと、実に盗っ人たけだけしい攻撃を強めている。
6月25日、村瀬社会保険庁長官は「消えた年金」問題の「責任をとる」と称し、社会保険庁の全職員に夏季一時金の返納を要求した。26日には塩崎官房長官が、返納に応じない職員は社保庁解体後に新設される「日本年金機構」に再雇用しないと宣言した。社会保険庁に働く労働者の「怠慢」が年金記録不備の原因だなどというファシスト的なデマで、労働組合に不明年金問題の責任を押しつけてきたのだ。
だがこれに対し、自治労最強の労組といわれてきた協会派の拠点・全国社保労組(旧国費評議会)の執行部は、「重く受け止め、積極的に応じるべきと考える」と全面降伏を表明した。共産党系の全厚生労組も抗議の声すら上げていない。なんという無残な屈服か! 帝国主義の戦後発展を前提に、そのおこぼれの獲得と議会をつうじた改良に終始してきた体制内労働運動では、もはやこの危機の時代にまったく闘えないことがはっきりした。
年金破綻の全責任は、歴代の自民党政権と、巨額の年金積立金を長期にわたって食い物にしてきた高級官僚と資本家階級にある。それを現場の公務員労働者に責任を転嫁するなど、もってのほかである。断じて許せない。
戦後の日帝は社会保障制度を、労働者階級の反乱と革命を予防し、支配の安定を図る手段と位置づけてきた。年金制度はその柱としてあったのだ。
だからそれは、労働者の退職後の生活を本気で支えようとするものでは最初からなかった。政府はその管理する巨額の年金積立金を財政投融資や株式市場などでの投機資金として運用し、そこに銀行やゼネコンなど大資本が群がって、さんざん甘い汁を吸ってきたのが実態だ。だがバブル崩壊後、それらは膨大な不良債権と株式の運用損に転化した。そのツケをすべて労働者に回し、逆に支払不能を公然と居直り、国はもう年金に責任を持たないと言い出したのが、小泉=奥田―安倍=御手洗路線なのだ。
政府・日帝ブルジョアジーと反動マスコミは今、こぞって「官より民がまし」と大宣伝し、社会保険庁を解体して民営化すれば全問題があたかも解決するかのように言っている。冗談ではない! 「民」は「官」よりもっとウルトラに悪なのだ。「民」こそ悪党である。いま話題の食肉偽装事件を見よ。あのミートホープ社のやったことは何ら特別なことではない。トヨタやキヤノンを始めとする日帝の大企業はすべて、あらゆる脱法・違法行為や詐欺的手口をも平然と使って、経済全体の低迷の中でも巨額の利益をはじき出してきたではないか。
公的部門の民営化とは、こんなハイエナのような資本家に、労働者人民の生存のかかった年金や福祉の領域を新たなエサとして差し出す政策だ。政府と財界が結託し、一層大がかりな国家的詐欺をたくらむ以外の何ものでもない。介護保険でのコムスンの不正請求事件がすでにそのことを示しているではないか。しかもこのコムスン=グッドウィルは、国が労働者人民から強制徴収した介護保険料にたかって不正に利益を上げただけでなく、そこに働く派遣労働者の劣悪な賃金からも、さらにピンはねしていたのだ。
安倍政権による社保庁解体と公務員労働者攻撃・自治労つぶしは、資本による一層無制限の搾取と収奪に全社会をたたきこむ攻撃である。同時に、それ自身が超重大な改憲攻撃だ。自民党幹事長の中川は、「戦後レジームからの脱却」とは自治労と日教組の解体であり、80年代の中曽根による国鉄分割・民営化以来進めてきたことを最終的に完成させるものだと公言している。まさに安倍や中川は、改憲を強行し、戦後の統治形態を反革命的に転覆していくためにこそ、4大産別労組の解体を絶対に必要としているのだ。
逆にここで、国鉄分割・民営化時の動労千葉のような、団結した階級的で原則的な闘いを4大産別のすべてでやりぬくならば、全情勢は革命的にぬりかえられる。その歴史的な転換点にいま、日本の階級闘争は完全にさしかかっているのである。
団結の強化・拡大と職場闘争
勝利を切り開くかぎは、労働者階級の不屈の職場闘争にあり、労働者の団結の圧倒的な拡大・強化にある。
安倍政権をここまで追いつめてきた決定的な力は何か。動労千葉の反合・運転保安闘争や、館山運転区・木更津支区廃止攻撃との9カ月間にわたる闘いの勝利であり、教育労働者による「日の丸・君が代」強制拒否の不起立闘争の処分を恐れぬ不屈の発展である。そして安倍と日帝への最大の痛打となったものこそ、3・18日比谷野音集会・銀座デモから6・9代々木公園集会・渋谷デモへと闘いぬかれてきた、この間の青年労働者と学生を先頭とした鮮烈な新たな闘いの発展だった。
働いてもワーキングプアを強制されている2千万人のロストジェネレーションと呼ばれる青年たちの中から、労働者を人間として扱わないこの腐りきった資本主義社会を革命によって転覆し変革しよう、「労働運動の力で革命をやろう」という叫びが、ついに沸き起こってきたことに、日帝支配階級は心底から恐怖にうち震えている。
国会でどんな法律が通ろうと、労働者が現場で政府・当局や資本の言いなりになることを拒否し続けるなら、そんなものは何の強制力も持たない。職場を握っているのは労働者だ。労働者が正規・非正規を始めとするあらゆる差別・分断支配の壁を内側から破り、労働者階級として一つに団結し、その団結によって自らの職場を支配する。ここにこそ戦争と改憲を実力で阻止する巨大な力が生まれてくるのだ。
こうした階級的団結の形成を阻んできたのが、階級対立をあいまいにし、資本や権力との妥協を前提とする体制内労働運動の存在である。青年労働者を先頭に、3・18―6・9の闘いを発展させ、この体制内労働運動の壁をぶち破り、職場に不抜の団結を形成する闘いの嵐のような発展をつくりだすことが今、切実に求められている。権力・資本と闘うには、その前に立ちはだかる体制内労働運動との激突、党派闘争が、どこでも不可避となるのだ。
職場・生産点で、ひるむことなくそうした闘いをやりぬいてこそ、階級的労働運動路線の全面的な推進の道が開ける。そして日帝・安倍=御手洗の戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃を、日帝打倒のプロレタリア革命に転化することのできる階級的主体が、大きく形成できるのである。
この7〜8月から今秋へ、4大産別を軸に、青年労働者を先頭として、全職場で権力・資本と対決し、体制内労働運動を打破して、猛然と階級的労働運動の実践に突入しよう。
7・29東西革共同政治集会に圧倒的に結集しよう。
8・6―8・9ヒロシマ・ナガサキ反戦反核闘争と8・15闘争を、11月を見据えて大成功させよう。
三里塚、沖縄、法政大などをめぐる激しい決戦攻防に勝ちぬこう。
何よりも、これら闘いの一切を、11月1万人総決起の一点から逆規定し、計画・設定してやりぬこう。
最後に、夏期一時金カンパ闘争こそは、その勝利を開く決定的な土台となる闘いだ。革命を実現するために新たな決意で闘う革共同への圧倒的なカンパを心から訴えます。
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週刊『前進』(2301号1面2)(2007/07/02 )
法政大 “学友会廃止許さぬ”
平林打倒を訴え総長室デモ
「学友会廃止? そんなもの徹底弾劾だ。学生をないがしろにするにもほどがある。デモで学長室へ押し掛けよう!」
6月28日、法大生は第4波法大デモに立った。学友会廃止を一方的に宣言し、学生の団結を根こそぎ奪おうとする総長・平林への大反撃だ。
この日も、不当きわまる正門閉鎖、キャンパス中央封鎖を強行した法大当局。しかし、弾圧にひるむどころか、平林による大学私物化に対して、法大生の怒りは沸点に達しようとしている。
校舎入り口に陣取ったガードマンや学生部職員は憔悴(しょうすい)しきった表情だ。この間の闘いの前進と6・9渋谷デモの高揚に恐怖した国家権力は、私服と制服警官による厳戒態勢を敷き、門前集会の圧殺を策動した。法大当局と権力は、新井君、友部君を起訴し、学内集会を封殺しても、陸続と決起する法大生に戦々恐々としているのだ。
集会では、被処分者が次々に発言した。「学生部は個別にサークルを呼び出して分断し、廃止を強行しようとしている。こんなものはみんなで拒否すれば破産だ」「法大は革命情勢だ。分割・民営化に対してストライキで闘い、団結を守り抜いた動労千葉のように闘おう。敵よりも一日長く闘えば勝ちだ。法大の来年のポスターからは『自由と進歩』が削除された。これほど分かりやすいことはない。打倒するのは今だ」「平林と学生部長・安東は今年度で任期切れ。なんとか学友会をつぶそうと焦っている。しかし昨日、200人の法大生が廃止反対の集会を行った。団結すれば勝てる時が来ている」
さらに2人の新入生が「法大当局は度が過ぎている。ストライキをやるしかない。大学を名乗りたいなら学生に自由を寄こせ」「大学がなぜ知の最高学府なのか。日常では得られない、反社会的な知識さえ得られるからではないのか。法大は大学としてのあり方に立ち戻るべきだ」と訴えた。
織田陽介全学連委員長も「学友会廃止阻止だけでは満足できない。学生に大学の権力を寄こせ。もはや平林に頭を下げるような運動ではダメだ。団結して権力を取ろうとなった時にさらなる団結が生まれ、勝利する」と圧倒的なアジテーションを行った。
「平林は学生が団結して闘うことを恐れている。学生にこそ力がある。確信をもって闘おう」とアピールしデモに出発。総長室デモは市ケ谷では恒例となり、沿道から多くの声援が送られた。途中、社保庁解体や郵政民営化を弾劾し、「闘わない組合執行部ナンセンス! 労働者と学生の力で革命やろう!」と連帯の声を送った。
法大はまさに革命前夜。「学友会廃止宣言に対しストライキをやるべきだ」という学生も出てきている。法大生の怒りは爆発寸前だ。3・18−6・9が示したように、職場・キャンパスで革命を訴え団結を拡大することが決定的だ。いざ、学友会廃止阻止、2学友奪還、平林打倒へ闘おう!
(写真 大学を私物化する平林への怒りを燃やし、学友会廃止阻止を訴えて総長室デモに立った法大生【6月28日 市ケ谷キャンパス前】)
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週刊『前進』(2301号1面3)(2007/07/02 )
危機深める安倍打倒へ 圧倒的カンパ訴えます
夏季一時金の支給期にあたり、すべての『前進』読者、友人、闘う仲間の皆さんに熱烈に訴えます。
今こそ、危機に立ち絶望的に凶暴化する安倍政権を労働者階級の底力で徹底的に粉砕しよう。
「改憲で美しい国をつくる」などと言い放つ安倍の化けの皮は今、急速にはがれています。6月19、20日、安倍政権は参議院の委員会と本会議で教育4法改悪案、イラク派兵延長法案を強行採決しました。さらに安倍は、参院選目前になって国会会期を強引に延長し、社会保険庁解体法案・年金特例法案と国家公務員法改悪案の強行成立を狙っています。この安倍政権への労働者の怒りと怨嗟(えんさ)の声は日増しに高まり、事態の根底的転覆を求めて渦巻いています。
3・18日比谷野音集会と銀座デモで「革命」を訴え鮮烈に登場した青年労働者と学生は、4大産別を始めとした職場や学園で権力・資本と闘い、体制内労働運動との激しい党派闘争をやりぬき、再び6・9代々木公園に結集し渋谷を揺るがす大デモに立ちました。
時代を切り裂く3・18−6・9の新たなうねりの中から、階級的労働運動を実践する若い革命的指導部が続々と生まれています。4大産別の労働者を先頭に、正規・非正規の壁を越え、プロレタリア革命の普遍的課題を担う革命家として「労働運動の力で革命をやろう」と烈々たる決意を明らかにし、職場における闘いを貫いています。
この決意と闘いこそ、戦後革命期の日本労働者階級が身をもって実践した闘いにつながっています。1945年の敗戦直後、日本の労働者階級はまぎれもなく革命権力をその手につかみかけていたのです。安倍=御手洗、日帝ブルジョアジーは、この再来に根底から震え上がり、労働組合の解体、とりわけ自治労・日教組の解体に向けて総力で襲いかかってきています。
しかし、労働者階級には戦後革命期以来の脈々たる闘いがあり、動労千葉に継承され体現されている階級的労働運動の魂、3労組共闘と日米韓3カ国連帯へと発展した階級的労働運動の新潮流の力があります。
「教育、年金という公共サービスを自治労・日教組の支配から解放する」(中川自民党幹事長)「社保庁のガンとゴミを一掃する」(安倍)と公言する安倍政権と日帝ブルジョアジーには何の未来もないことをたたきつけよう。
その共同の決意を込めた圧倒的な夏期カンパを、ぜひとも集中して下さい。
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週刊『前進』(2301号1面4)(2007/07/02 )
日程 7・29東西革共同政治集会
7・29東西革共同政治集会
基調報告 「階級的労働運動路線の全面的な推進で、戦争・改憲攻撃をプロレタリア革命に転化しよう」
東京
7月29日(日)午前11時30分開場
豊島公会堂(豊島区東池袋1−19−1)
基調報告者 高原洋三
関西
7月29日(日)正午開場 1時開会
尼崎市立労働福祉会館(尼崎市東難波町4−18−32)
基調報告者 革共同書記長 天田三紀夫
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週刊『前進』(2301号2面1)(2007/07/02 )
自治労破壊攻撃うち破れ
公務員労働者200万人の首切り狙う安倍と中川
6月29〜30日、国公務員法改悪案、社会保険庁解体法案が参院で強行採決され、成立した。国家公務員法改悪案は参院内閣委で採決されず、「中間報告」が参院本会議に送られ、強行採決された。とてつもない暴挙だ。日帝・安倍政権は、教育4法、社保庁解体・民営化、国公法改悪―公務員制度改革などの強行で自治労・日教組を壊滅しなければ、戦争と改憲、すなわち「戦後レジームからの脱却」がなしえないと考えているのだ(別掲「中川秀直発言」参照)。職場に渦巻く怒りを解き放ち、自治労本部など体制内労働運動を打破し、階級的労働運動で反撃しよう。
■人材バンク
改悪国家公務員法と地方公務員法改悪案(衆院で審議中)は、ともに能力・実績主義と再就職規制を主要な内容としているが、公務員制度改革はそれにとどまらない。「全体パッケージ」として「行政組織の職員の採用、能力開発、昇進、退職などの相互に関連した人事管理制度全体に変革をもたらす」(「公務員制度改革について」4月24日閣議決定)。政府は秋にも@専門スタッフ職の実現A公募制度の導入B官民交流の抜本的拡大C定年延長――など、公務員制度の総合的な改革を推進する国家公務員法改革基本法案を提出しようとしている。
こうした公務員制度改革の目的は「美しい国」をつくる担い手としての公務員づくり(「公務員制度改革について」)であり、「国益を第一とする公務員像の実現」(経済財政諮問会議民間議員の「公務員制度の更なる改革への論点」5月28日)であり、改憲攻撃そのものである。
今回の国家公務員法改悪の第一は、能力・実績主義の導入だ。@「人事評価に基づく人事管理の原則」を打ち立て、A「能力本位の任用制度の確立」によって採用や昇任、転任、降任を決め、Bそのための「新たな人事評価制度を構築する」としている。さらにC「分限事由の明確化」をつうじて分限免職を無制限にしようとしている。
第二は再就職規制だ。@各省庁職員であった者について、営利企業や非営利法人への出身省庁による再就職あっせんを禁止し、内閣府に設置する官民人材交流センター(人材バンク)に再就職あっせんを一元化するとしている。またA「現職職員の求職活動やB退職職員の働きかけを規制し、C「再就職情報の内閣による一元管理」、D「離職後2年間の再就職の事前承認制の廃止」をうたっている。新たな「天下り自由化」だ。(本紙2299号参照)
■評価制度
問題は、人事評価制度に基づく能力・実績主義の導入である。職員の任用、給与(賃金)などの人事管理が原則として採用試験の種類や年次にとらわれることなく(キャリア制度や年功序列の廃止)、人事評価に基づいて行われる。
だが、「公平な評価基準」を設けて能力や実績を判定することなど絶対不可能だ。恣意(しい)的評価を基にした人事管理は、一方では事実上「T種キャリア特権制度」=特権的高級官僚制度の維持・合法化にしかならず、他方では、年功序列の廃止、競争と分断、差別と抑圧の激化・拡大、労働組合の衰退と解体への道を開く。これに拍車をかけるのが分限(免職)の拡大だ。
分限事由として、これまでの「勤務実績がよくない場合」という規定の前に「人事評価又は勤務の状況に照らして」を付け加え、人事評価次第で恣意的に職員を首にできる制度に改める。
安倍政権は、33万人の国家公務員のうち出先機関の半数、10万人を削減せよという5月25日の御手洗日本経団連会長ら経済財政諮問会議の民間議員の提言にこたえ、公務員200万人首切りをめざす市場化テスト、道州制導入―地方自治制度解体の攻撃を現実化しようとしているのだ。
他方、連合のもとで国公連合、自治労、日教組などでつくる公務労協・公務員制度改革対策本部(福田国公連合委員長が本部長、岡部自治労委員長と森越日教組委員長が副本部長)は、「民主的な公務員制度改革」なるものを求める立場だ。そして「評価制度が未整備のまま能力・実績主義の人事管理が見切り発車された」などと評価制度の整備を要求する。(全労連、国公労連、自治労連、全教もほぼ同じ)
人事評価に基づく能力・実績主義の導入は、労働者を分断し団結を破壊する攻撃だ。これに対し絶対反対の立場を貫いて闘う以外に、労働者階級の利益を守ることはできない。体制内労働運動を打破して闘おう。
■労働基本権
労働組合側が要求してきた労働基本権回復の問題は、国家公務員法改悪案にはまったく言及されていない。これについて公務労協は「到底容認できない」という見解を述べているが、政府の行政改革推進本部専門調査会に労組代表が加わって協議すれば労働基本権が回復できると考えることこそ間違いだ。労働基本権は、労働組合運動の闘いを資本と国家、支配階級が抑え込めなくなった時にしか与えられない。闘いを放棄して政労協議で労働基本権が与えられても、そのときは闘えない労働組合しか残っていないのだ。
体制内労働運動はすでに破産している。帝国主義打倒―プロレタリア革命をめざす階級的労働運動をつくり出し、反撃しよう。
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自治労・日教組解体を叫ぶ中川秀直自民党幹事長
自治労や日教組もハローワークへ(6月3日/自民党富山県連大会)
社会保険庁でいったん退職する人も全員ハローワークに行ってもらいます。また今度の教育3法で、子どもたちをしっかり指導できない先生は教員免許更新制で教壇を去ってもらうことにした。こういう方々も全部ハローワークに行ってもらう。国民や年金加入者たちに冷たく当たった職員はハローワークに行ってもらう。
今回の改革は、最後の牙城(6月13日/自民党全国政調会長会議)
われわれ自民党は、みなさんと一緒に国鉄、電電公社等々の公務員改革を進めてきた。いよいよ今回の改革は、最後の牙城(がじょう)である。教育再生も含めて、自治労、日教組という諸君から、公共サービスを、正しい国民の手に取り戻す改革でもあろうと考えている。
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週刊『前進』(2301号2面2)(2007/07/02 )
「賃金の自主的返納」で労働者の魂売り渡すな
年金問題 責任の一切は政府にある
安倍政権は29日、参院本会議で社保庁解体法案と年金特例法案を押し通した。安倍政権は、「消えた年金」問題の責任をすべて社会保険庁の労働者に押しつけ、卑劣な居直りを決め込もうとしている。
25日、村瀬社会保険庁長官は、同庁の全職員に6月賞与の一部を自主返納するよう求める方針を打ち出した。村瀬自身も賞与の全額を返納し、安倍首相、塩崎官房長官、柳沢厚労相も賞与の一部を返納すると発表した。
塩崎は、「社保庁職員がボーナス返上に応じるかどうかは、社保庁解体後に新設される日本年金機構への採否の判断基準になる」と言い放っている。「自主返納」の名目で、実際には社保庁の全労働者に賃金減額を強制するということだ。
こんな理不尽なやり方があるか! 全職員を対象とした賃金減額になど、何の正当性もない。だから安倍らは「自主返納」というでたらめな手段に訴えたのだ。このようなやり方で安倍政権への人民の怒りを公務員労働者に向けさせ、公務員労組の解体に一気に突き進もうとしているのだ。
そもそも、「消えた年金」問題に社保庁労働者の責任は一切ない。国家は、労働者から膨大な年金保険料を取り立てながら、まともに年金を支給するつもりなどなかったのだ。歴代自民党政権は、年金制度改悪のたびに「不明年金」が発生することを知りながら、放置し続けてきたのだ。一切の責任は政府と資本家階級にある。
ところが、自治労傘下の全国社会保険職員労組執行部は、「残業や休日出勤に積極的に応じる」としたことに続き、26日には早々と「ボーナスの自主的返上に積極的に応じるべきだ」とのコメントを出した。これが労働組合のとる態度か! 組合員を襲うバッシングに体を張って立ち向かい、理不尽きわまる攻撃から組合員を守りぬくことこそ労働組合の任務ではないか。彼らは、社保庁の労働者を公務員バッシングの集中砲火のただ中に裸でたたき出したのだ。
官民の分断をこえて反撃を
これは、社会保険庁の労働者を裏切るだけでなく、すべての労働者を資本のえじきに差し出す裏切りだ。今や労働者の3人に1人は非正規雇用である。ワーキングプア状態を強いられた膨大な労働者が、資本による非人間的扱いにどれほどの悔しさをかみしめ、激しい怒りを燃やしていることか。
小泉「構造改革」以来、支配階級は不安定雇用労働者の怒りを公務員労働者に向けさせ、官民の労働者を分断することに躍起となってきた。だが今日、不安定雇用労働者の怒りはそんな形でごまかすことができないほどに膨れあがり、その怒りは安倍・御手洗、資本家階級そのものと、その恥ずべき手先に転落した既成労組指導部に向かっている。
そのただ中で安倍は、前代未聞の「賃金自主返上」の攻撃に着手した。安倍はこうして、全資本家階級に対し”労働組合などこうしてたたきのめせ”と号令をかけ、率先垂範して見せている。
自民党がやり玉に挙げる「オンライン端末を45分操作したら15分は操作しない時間を設ける」などの覚書にしても、厚労省が定めた労働衛生管理ガイドラインに基づくものだ。その協約さえ、すでに「労使合意」のもとに破棄された。
こうした事態が民間労働者に何をもたらすのかは明らかだ。社保庁の労働者に対する攻撃は、不安定雇用労働者を始めとする民間労働者にとっては、自らに襲いかかる我慢のならない資本の圧制・横暴と完全に重なって映っている。
敵の攻撃に全力で立ち向かってこそ、官民の分断をのりこえ、民営化=労組破壊への全労働者の怒りを解き放ち、安倍政権打倒の総反撃をこじ開けることができるのだ。
退路を断って闘えば勝てる
社保庁解体攻撃は、全員解雇・選別再雇用という手法においても、労組絶滅という目的においても、国鉄分割・民営化とまったく同じだ。
一点、異なるのは、ワーキングプア状態を強いられた青年労働者の反乱が開始され、「労働運動の力で革命を」を掲げた階級的労働運動の潮流が台頭し、安倍政権に対する怒りが巨大に燃え広がる中で、こうした攻撃が仕掛けられているということだ。
だからこそ、これに対しては、国鉄分割・民営化に2波のストで立ち向かい団結を守りぬいた動労千葉のように、退路を断って闘う以外にない。ひとたび公務員労働者がその道を決断した時、安倍改憲政権打倒への労働者階級の壮大な決起を切り開くことはできるのだ。「賃金返上」を拒否し、社保庁分割・民営化阻止へ闘いぬこう。
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週刊『前進』(2301号2面3)(2007/07/02 )
JPU大会 ”菰田打倒し闘う団結を”
全郵政との統合に現場の怒り
「現場は誰もが全郵政との組織統合に反対なんだ。代議員は現場の声を裏切るな!」
第63回全逓(JPU)大会初日の6月19日、会場となった沖縄県・那覇市民会館の前で、労組交流センター全逓労働者部会の労働者が次々とマイクを握り、声を限りに訴えた。大会代議員や傍聴者へのビラも、1枚1枚に真剣さを込めて手渡された。
「中央本部の抑圧に縛られる時代は終わりました。今日ここから、職場の怒りに依拠して、闘う団結をつくろう」(労組交流センタービラ)
この日は、闘う全逓労働者を先頭に朝7時から宣伝活動を行い、10時からは労組交流センターが呼びかけた会場包囲のデモが行われ、約40人が参加した。
「郵政民営化絶対反対!」「全逓労働運動の解体を許さないぞ!」「沖縄の労働者と連帯して闘うぞ!」
シュプレヒコールが那覇市民会館や与儀公園周辺に響き渡り、隣接する郵便局やNTTの労働者、道行く市民が数多く注目していた。
12時30分から会場前で抗議集会が行われた。冒頭、地元沖縄のNTT労働者が「民営化攻撃と対決する4大産別の闘いが、すべての労働者階級の未来を決める。体制内労働運動と対決して闘おう」とあいさつした。また8人の分会員の解雇攻撃と闘い地労委での勝利命令をかちとった関西合同労組関西トランスポート分会の労働者、4・28反処分裁判闘争の勝利判決をかちとった4・28被免職者が次々と連帯のあいさつを述べた。
4・28反処分闘争の全面勝利判決は、すべての闘う全逓労働者を勇気づけ、民営化攻撃の最先兵に成り下がった連合全逓中央を完全に追い詰めている。会場前で4・28被免職者が職場復帰の報告を行うと、本部の執行委員が「金返せ、どろぼう」などと悪罵(あくば)を投げかけてきた。「ふざけるな!」――会場前は怒りと怒号に包まれた。78年反マル生越年闘争は組合の方針で闘った全逓史上最大の物ダメ闘争であり、この闘いへの組合としての全面的な財政支援は当たり前のことだ。それを一方的に切り捨て、今度はその「金」を返せとは何という言い草か。この暴言にこそ、全郵政との組織統合とは何なのか、そして全逓中央がいかに焦っているのかが示されている。
全国の労働者が職場での闘いを踏まえJPU本部への激しい怒りを次々と表明し、菰田委員長に対する申入書を読み上げた。申し入れは全郵政との組織統合について全組合員の信を問うこと、4・28反処分闘争を放棄したことについて謝罪すること、そして非常勤労働者の本務化と増員要求の3点である。
(写真 「全郵政への吸収合併を許さないぞ!」。全逓労働運動の解体に突き進むJPU本部を弾劾し、現場労働者の怒りのデモが大会会場を包囲 【6月19日 那覇市】)
原則貫き下から組合変える
闘う全逓労働者は2日目、3日目も朝から宣伝活動を行い、青年労働者を先頭に「1票投票で本部原案を否決しよう」と訴えた。(発言別掲)
大会2日目の討論では、23地本の代議員から、慢性的な人員不足問題を始め、民営化攻撃の中で現場に渦巻く矛盾と現場組合員の怒りを体現した発言が相次いだ。しかし、中央本部はこうした声をまったく顧みることなく、むしろ一切を全郵政との組織統合問題に絞り込んだのだ。
「労々間の対立は、職員同士の対立を生み、事業にとっても大きな損失でした。……過去ではなく未来へ、組合員や事業にとって何が大切かを心にとめ、提案した組織統合方針に対して、是非とも満場の信任を要請する」(菰田委員長の大会あいさつ)
この徹底した締めつけによって、3日目の1票投票では本部提案が賛成328票、反対10票という大差で可決された。しかし圧倒的多数の現場労働者は、第2組合の全郵政との組織統合など認めていない。「生産性運動の精神に立脚し、推進する」(大会議案書)ことがますます組合員の団結を破壊し、職場の労働条件を劣悪化させることを現場労働者は身をもって感じている。こんな本部方針が現場で通用するはずがない。
10月民営化「移行」と全郵政との組織統合は、今後さらに巨大な矛盾を現場に生み出す。重要なのは動労千葉が分割・民営化との闘いで示したように、絶対に原則を曲げず、現場労働者の決起に全面的な信頼をおいて闘うことだ。
(写真投票が行われた3日目、「本部案を否決しよう」とビラを配布 【6月21日 那覇市民会館】)
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“闘う全逓の誇り忘れるな” 青年労働者がアピール
大会の3日目、会場前で大会代議員に向けて発せられた全逓の青年労働者の発言を紹介します。 (編集局)
生産性の向上は団結破壊だ 東京 M・S
今、政府が憲法9条を変え、戦争に突き進んでいこうとしている時に労働組合は今のままでいいのか。昨年の臨時大会で私は代議員に立候補しました。その時に「組織の方針に反対しているからお前は組織破壊者だ」とまで言われた。しかし、組合が現場の思いとは逆の方向に向かっている時に、これに体を張って「間違っていることは間違っている」と言わなければ腐ってしまうんだ。
全郵政との組織統合問題で言われていることは生産性向上運動です。こんなことで現場の労働者が団結できるのでしょうか。民営化に向かっている中で企業間が競争し、組合員同士も競争させられる。生産性向上運動は個人個人をバラバラにさせていきます。これと闘ってきたのが全逓労働運動だったはずです。その魂を売り渡すことなど現場は絶対に認められない。だから生産性向上の本部方針は否決する以外ありません。
仲間たちの顔思い浮かべろ 仙台 H・T
「会社がもうかった。それがすばらしい」だって!? ふざけるな! 非常勤の若者の顔を思い浮かべてほしい。彼らは「安価な労働力」なんかじゃない。ともに働く仲間なんだ。民営化攻撃のなかで本務者だって大変な状況に追い込まれている。これまで100万人の仲間が職場を去った。現職死亡も出ている。精神疾患で出てこれない人がどの職場にもいる。こうした状況を、組合方針の名のもとに放置しておいていいのか。だから組織統合は絶対にダメなんだ。
全郵政との組織統合は既成事実化されている、という声もある。しかし既成事実は現場の力ではね返すことができるんだ。職場を支えているのは現場の労働者なんだ。
辺野古の人たちは「労働組合が希望なんだ。労働組合が頑張ってくれたら勝てるんだ」と言ってくれた。何のための沖縄の大会なのか。大会が終わったら全員が辺野古に座り込みに行くべきじゃないのか。これまでどんな時も、赤と青の全逓旗は反戦運動の最先頭にあったんだ。それがおれたちの誇りだったんだ。
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週刊『前進』(2301号2面4)(2007/07/02 )
辺野古の座り込みに合流
6月20日、闘う全逓労働者は名護市辺野古の命を守る会を訪問し、ともに座り込み闘争に参加した(写真)。
ヘリ基地反対協議会共同代表の安次富浩さんは「闘う労働組合は大歓迎です。私も自治労として闘ってきた」と喜びを表し、「辺野古での反対運動に対してなぜ自衛隊が動くのか。もう戦争が始まっているということじゃないか。この状況の中で、民衆の権力に対する怒りが歴史を変えていくんです」と力強く語った。
キャンプシュワブとの境界線の鉄条網を背に、辺野古の闘いを紹介した命を守る会の富田晋さんは「相手が自衛隊を差し向けてくるなら全部反戦自衛官にしてやる。御用組合なんて冗談じゃない。今こそ職場の闘いと辺野古の闘いがつながっていくべきだ。闘う労働組合こそが辺野古にとっての希望の星なんです」と言い切った。
この辺野古現地からのメッセージは、今日の連合全逓中央のおぞましい改憲勢力化を徹底的に断罪している。
今回の大会議案には「平和運動方針」について「原水禁、平和フォーラムなどの活動は新組織に引き継がない」「連合方針に集約する」と明記されている。それは単にあらゆる平和運動から手を引く、というにとどまらない。国民投票法が成立し、改憲決戦の本番に突入している中で、10月に新たに発足しようとしている「JP労組」なるものが、完全な改憲推進団体として登場するということだ。そして「組織方針や運動を逸脱した行動等については内部で整理する」(組織統合検討協議会の中間報告)として、徹底的に改憲反対運動を禁圧するということだ。
辺野古現地での座り込みを行った闘う全逓労働者は、沖縄の闘いの原点にふれ、連合全逓中央を打倒し、闘う労働組合を取り戻す決意を新たにした。
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週刊『前進』(2301号3面1)(2007/07/02 )
沖縄-本土貫く労働者の団結
杉並で6・23沖縄集会
合同労組・民権の会よびかけ
6月23日夕、昼の民営化反対の集会・デモに続いて、「沖縄−本土をむすぶ6・23労働者集会」が東京・杉並で開かれた。3合同労組(東京西部ユニオン、なんぶユニオン、福祉労働者連帯ユニオン)と沖縄民権の会が軸となった6・23実行委員会の呼びかけに、会場を埋め尽くす175人が集まった。
オープニングライブの後、5・15沖縄闘争のビデオ上映。その後、相次いで逝去された命を守る会代表の金城祐治さん、沖縄民権の会の高田普次夫さん(杉並在住)に黙とうをささげた。
(写真 175人が集まり「階級的労働運動と国際連帯の最大の団結の場である11月労働者集会に1万人の仲間を集めよう」と決議【6月23日 阿佐谷】)
新たな陣形で
集会冒頭、司会の西部ユニオンの労働者が、「去年までの沖縄集会とは違い、労働組合が6・23集会を呼びかけた。腐った安倍政権、沖縄と本土の労働者を分断してきた彼らは改憲と朝鮮侵略戦争に向かおうとしている。これと闘わずに沖縄の解放はない。労働者が社会の主人公だ。これを実現することが獲得目標だ」と力強く宣言した。
なんぶユニオンの在本土沖縄出身者が基調報告に立った。「改憲に向かう安倍政権を労働者階級の反撃で打倒しよう」と訴え、「70年安保・沖縄闘争を闘った星野文昭さんは、労働者階級の決起を押しとどめる人質として今も獄中にいる。本土と沖縄の労働者階級がともに闘って星野さんを奪還することで改憲阻止闘争を闘おう」と力説。
続いて、「金城祐治さんの遺志を継いで辺野古の新基地建設絶対阻止を闘う」と宣言し、「6・9県民大会に3500人が結集し、教科書の日本軍による『集団自決』強要の記述削除に沖縄の怒りが集中している。本土でこれに呼応しないで戦争への道を止められるのか! 『つくる会』教科書闘争を引き継いでこの杉並の地から闘おう」と熱く呼びかけた。
「本土でも沖縄でも労働強化が激しい。労働組合が反戦闘争を一緒にやろう。労働組合が在本土沖縄出身者を組織しよう。在本土沖縄出身者が本土と沖縄の労働者階級をつなぐパイプを握っている。ともに頑張りましょう」。参加者が割れるような拍手でこたえた。
特別報告では、動労千葉の清水匠さんが「動労千葉物資販売で沖縄にも行き、自治労や教労などで積極的な取り組みが広がっている。これが同時に民営化や戦争反対を一緒に闘っていく基盤になっていく」と報告。三里塚反対同盟の伊藤信晴さんは「市東さんの農地を農地法で取っていく攻撃は、沖縄への攻撃とつながっている。沖縄・三里塚一体となって勝利していく」と語った。
賛同人・賛同団体から「星野文昭さんを取り戻そう!全国再審連絡会議」の星野暁子さん、部落解放同盟全国連合会杉並支部、「つくる会」の教科書採択に反対する杉並・親の会の会員、北島邦彦杉並区議が沖縄への思いを込めながらそれぞれの闘いを報告した。
沖縄民権の会の座覇光子代表(写真)は、「沖縄の人たちは友軍の日本軍に『集団自決』を強制されて殺された。今、憲法9条と言うけれど、天皇の戦争責任を逃れるために沖縄をアメリカに売り渡して日本の平和は成り立ってきた」と自分の問題として記述削除に抗議することを訴え、「きょうは結ぶ会。手を握ったら離さないで闘っていきましょう」と呼びかけた。
辺野古新基地建設阻止を福祉労働者連帯ユニオンの労働者がアピール、カンパを要請した。
在本土沖縄労働者からのアピールでは感動的な発言が続いた。
沖縄と連動し
70年代に集団就職し、一貫して労働運動を闘ってきた電機労働者は、「当時、沖縄では全軍労が“解雇撤回・基地撤去”を掲げてゼネストを闘っていた。私の闘いも節目節目で沖縄と連動した闘いだった」と語り、「反合闘争と組織拡大闘争を闘ってきた。動労千葉が闘った85年の国鉄分割・民営化反対スト、89年の総評解散の時にも政治的な課題と連動して闘った。95年の日経連報告に対してもこれは雇用破壊だと現場で暴き、組織合戦をやることでリストラをさせなかった」「自分は本土で何をしているんだと悩んだこともあったが、自分のいる場所で闘わないで何をやるのかと生き抜いてきた。攻撃があったから生きてこれた。でなかったらとっくに沖縄に帰っていた。労働者が自分のいる所で仲間をつくって生き生き闘っているというのが、資本にとっては恐怖なんですね」と豪快に語った。
三里塚現地闘争本部で闘う沖縄出身者も発言、全逓の青年労働者が力強く闘う決意を語った。
最後に全国沖縄青年委員会の青年が「ウチナーンチュ・ヤマトンチューは団結しよう。階級的労働運動の力で戦争、改憲を止め、沖縄を奪(と)り還(かえ)そう」との集会決議を確認、団結ガンバローでしめくくった。
在本土沖縄出身者の労働組合・労働運動への組織化を水路にした沖縄−本土を貫く新たな闘いが始まった。
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週刊『前進』(2301号3面2)(2007/07/02 )
6・23杉並 民営化絶対反対で集会
“労働運動の力で反撃を”
区役所まで戦闘的デモ
集会後、「杉並丸ごと民営化絶対反対」を掲げて戦闘的なデモを打ち抜いた。解放的なデモは沿道の注目を集めた(6月23日 阿佐谷)
6月23日昼、杉並区内で、一般合同労組西部ユニオンと東京西部労組交流センターが呼びかけ、実行委員会の主催で「絶対とめよう丸ごと民営化6・23集会」とデモが行われ、区内外から集会には70人、デモには90人が参加し大成功した。
集会で民営化の絶対反対を誓う
集会では山田宏区長が全国の自治体の最先頭で自治体丸ごとの民営化を行おうとすることに対して、正規・非正規、委託や民営の民間労働者が団結して「絶対反対」を貫いて闘えば阻止できる展望が各種の職場報告で明らかになった。
自治体労働者の司会で始まった集会は、自治体労働者の職場報告と、この間いくつもの労働相談を受け、解雇を撤回させるなどの勝利をもぎとっている「なんぶユニオン」からの連帯のあいさつで始まった。
改憲と民営化で講演
その後、自治体問題の研究者が「改憲攻撃と民営化」と題した講演を行った。その中で、改憲攻撃の重要な環としての民営化の本質が、安倍の言う「戦後レジ―ムからの脱却」=統治形態の転換の攻撃であり、全労働者にかけられた攻撃であることが明らかになった。そして、「戦争と民営化」との闘いは労働者階級の国際的共通課題であり、勝利するためには労働者の職場での闘い、労働組合の闘いが決定的であること、もはや「改良や改善」の余地はなく、これまでの折り合いをつける労働運動では太刀打ちできないことが鮮明になった。さらに、真正面から「労働運動の力で革命を」と訴えること、その具体的道筋として民営化阻止の闘いだけが勝利への道であることが明確になった。大いに納得し一層やる気をかきたてられるものだった。
民営化の実態を報告
次いで、杉並区の委託化、民営化が始まっている現場から二つの報告。
一つは清掃事業。東京23区の清掃事業は、06年から都の清掃職員が各区の職員へと身分が移管された(組合つぶしだ)。その上で、杉並区では資源ごみ収集が06年から委託となり、さらにそれが今年4月から安上がりに変えられていることが怒りをもって報告された。委託料の切り下げが激しく行われ、その結果、作業員は半分に削減された上で、回収する地域は倍になるなど、「労働者は半分に、仕事は倍に」にされているありさまだ。細かく外注化や派遣への切り替えが進み、日雇い的な先の見えない雇用形態になっていることが報告された。
二つ目は学校現場。杉並では「つくる会」教科書の押し付けと師範館教員導入に先立って、学校選択制や民間校長など、学校の民営化の先取りが行われている。国鉄分割・民営化の80年代以降、学校警備の機械化による警備員の廃止、、学童擁護員の廃止の攻撃がすでにかけられていたこと、その後、山田スマート計画による給食の民間委託や今日の包括委託という民営化の激しい攻撃がかけられてきたことが暴露された。しかし、その中でも、現場の怒りが爆発し、校長弾劾行動となり、一部委託を阻止した例も紹介された。教職員・現業総体の団結した闘いをつくろうと決意が明らかにされた。
北島区議が議会報告
現場からの報告に続き、4月の統一地方選に「民営化絶対反対・闘う労働組合をつくろう」を掲げ闘い、当選した北島邦彦区議が「丸ごと民営化(杉並区行政サービス民間事業化提案制度)」の最終報告批判と開会中の区議会報告を行った。
北島区議は、山田民営化の特徴は、単なる「安上がり」化ではなく、資本による資本のための自治体業務の食いつぶしであり、労働者の団結つぶしであること。しかし埼玉のプール事故のような危機をはらむことを当局側が恐れていることなどをリアルに報告。そして「来年度本格実施を現場労働者の団結した力で阻止しよう!」と訴えた。
東京西部ユニオンの山本敏昭委員長が、闘いの方針を提起した(「わたしたちの戦闘宣言」参照)。核心は「絶対反対」を貫ければ勝てるということ。しかも様々な立場の違う労働者が団結して闘うことのできるただひとつの方針が「絶対反対」だということ。委託や民営化が進んでも、「絶対反対」の旗を降ろさず闘い続けることが勝利への道であることを動労千葉の闘いを例にして明らかにした。
福祉労働者連帯ユニオンと東京西部ユニオンのいずれも介護福祉に携わる若い労働者が、「コムスンだけの問題ではない。介護保険制度そのものが問題だ」と、民営化による労働者へのしわ寄せとの日々の闘いを紹介し、仲間をつくって闘う決意を率直に表明した。
公安刑事の弾圧を粉砕してデモ
集会後、杉並区役所までのデモに打って出た。公安刑事や杉並署の弾圧をものともせず、片側斜線いっぱいに広がったにぎやかなデモは沿道の注目を集めた。住民が手を振り、「がんばって」と声援をする。これで、民営化は絶対に阻止できるという確信を持った。
熱気ある集会とデモを通じ、「これこそが労働者が現場で闘う姿」だということが実感できる、すがすがしい、楽しい行動だった。
(東京西部労組交流センター・会員K)
(写真 会場いっぱいの参加者を前に北島区議が民営化反対の区議会報告を行った【6月23日 高円寺】)
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週刊『前進』(2301号3面3)(2007/07/02 )
わたしたちの戦闘宣言(「絶対とめよう丸ごと民営化6・23集会」)
私たちはキッパリ言います。
第一に、絶対反対の立場でたたかえば、この攻撃は阻止できます。
第二に、黙っていたら、いつでも首切り、強労働のあげく、団結や人間性を奪われる攻撃です。
第三に、この攻撃は、資本の私物化、もうけのために自治体を売り渡すものです。それは地方自治を壊し、国のかたちを変え、憲法改悪と戦争につながるものです。
第四に、絶対反対でたたかっている多くの仲間と団結し連帯すれば、山田区政の弱点はもっとよく見えてきます。全国の自治体や合同労組のたたかう労働者と手を結んで、正規職員も非常勤も委託や民間労働者も、ひとつに団結して、労働者をモノ扱いする山田杉並区政、労働者同士を競争させ差別して、団結させないように分断する山田区政をぶっとばそう!
物事は、区長や区議会や区役所幹部が決めるのではないのです。現場で働く労働者こそ主人公です。住民も大多数は労働者なのです。労働者が団結して力をもち、権力者にこびへつらうことや頭をたれることをやめて誇らしく団結してたたかおうではありませんか。
わたしたちは、東京西部ユニオンをはじめ地域でたたかう労組や団体、個人のあつまりです。ともにたたかいましょう!
2007年6月
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週刊『前進』(2301号3面4)(2007/07/02 )
日帝を埒外にヒルが電撃訪朝
米帝の危機と「米朝対話」
6月21日、6者協議の米主席代表・ヒル国務次官補が電撃的に北朝鮮を訪問し、北朝鮮政府と米朝協議を行った。ソウルの外交通商省での22日の記者会見で、ヒルと韓国の6者協議首席代表は、今回の訪朝を「素晴らしい訪問だった」「困難な任務を成し遂げた」と最大限に自画自賛した。
これに対し、拉致問題を強硬に騒ぎ立て、北朝鮮への排外主義を激化させてきた日帝・安倍政権は埒(らち)外に置かれた衝撃から、「アメリカは焦っている」(麻生外相)、「足元を見られるだけ」(外務省関係者)などと米帝を批判したものの、何も「打つ手なし」の現実をさらけ出した。
ヒル訪朝を受けて、北朝鮮の核施設の停止手順などを協議するため、6者協議の「2月合意」の実施に向けて、国際原子力機関(IAEA)の実務代表団が26日から訪朝した。
「2月合意」は北朝鮮の核放棄の「初期段階の措置」として@寧辺(ニョンビョン)の核施設の停止・封印、AIAEA査察官の北朝鮮派遣を確認している。だが金正日にとって核武装政策は体制維持の命綱だ。その放棄は金体制の崩壊に直結する。だから今後の展開も、けっして米帝の思惑どおりに進まないことは明らかだ。
米帝ブッシュが今日、ライスと国務省の主導で「米朝対話」に傾いている根底には、イラク侵略戦争―中東支配の絶望的危機とブッシュの政権末期的現実がある。
もちろん米帝は、イラクに続いてイラン、北朝鮮などへの侵略戦争の発動という、世界戦争路線を放棄したのではまったくない。米帝にとって可能で最も都合のいいタイミングで、日帝を動員し朝鮮侵略戦争と金正日体制転覆の攻撃に打って出ることは不可避だ。
そこに向けて今、6者協議や米朝2者協議を駆使しつつ、北朝鮮の武装解除と核武装阻止に全力をあげているのである。
だが一方で、北朝鮮の体制的危機は、食料・エネルギー問題や国外亡命者の続出を始めとして、米帝の思惑をもこえる形で進んでいる。スターリン主義の「一国社会主義路線」の破産は、帝国主義による戦争重圧・経済制裁と相まって、北朝鮮の労働者人民を大変な困難に追い込んでいる。
こうした中で米帝は、北朝鮮の体制崩壊が南北朝鮮人民の反帝国主義・革命的統一の闘いに発展することを恐れている。それは韓国をも革命的激動にたたき込み、帝国主義支配を崩壊させるからだ。それを阻止する狙いも、今日の米帝の動きの根底にはある。
今回のヒル訪朝は日帝やロシアを埒外にして行われた。これが象徴するように、北朝鮮をめぐる日・米・ロの争闘戦が深刻化している。米帝は初期措置が終了し「核施設の無能力化」の段階になれば、朝鮮半島の「平和プロセスに関する協議」を、米・中・韓・北朝鮮の4カ国で進めたいとさえ言っている。まさにEU帝国主義をも巻き込んだ争闘戦が北朝鮮をめぐって展開されているのだ。
闘う南北朝鮮人民と連帯し、階級的労働運動の大前進をもって、日帝・安倍打倒、米日帝の朝鮮侵略戦争策動阻止へ闘おう。
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週刊『前進』(2301号3面5)(2007/07/02 )
WTO・G4閣僚会合が決裂
ブロック化の動きを加速
世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)でアメリカ、EU、ブラジル、インドの4カ国・地域(G4)の閣僚会合が19日からドイツ・ポツダムで開かれていたが、21日、農業問題での対立が克服できず、決裂した。そして23日から予定されていた日本、オーストラリアを加えたG6の開催も中止となった。
WTOドーハ・ラウンドは01年11月の交渉開始以来、難航を重ねてきた。一方で自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)という2国間協定が広がり、ブロック化への流れが強まっている。こうした中でWTOによる多角的貿易交渉が決裂したことは、ブロック化の動きを加速する。
G4の交渉では、ブラジル、インドに対し関税大幅引き下げを要求するアメリカと、アメリカの農業補助金削減を求めるブラジル、インドが対立するという構図で、結局アメリカが「他国の市場開放が前提」という主張を押し通し、決裂に至った。インドのナート商工相とブラジルのアモリン外相は「途上国のためのラウンドなのに、先進国は多くの利益を得ようとしている」と強く批判した。
今のところインドのナート商工相も「ラウンドは死んだわけではない」と交渉を続ける意志を示している。しかし、米帝はすでにイラク侵略戦争への突入で、戦争によって帝国主義間・大国間争闘戦に勝ち抜くという道に踏み込んでおり、根本的にWTOを軸とした貿易の枠組みを維持しようという意志を持っていない。さらに毎年続く干ばつと農業危機の中で農業分野での「譲歩」がいっそう難しくなっている。1月にカリフォルニア州を襲った寒波によるオレンジなど農作物の被害は14億jに上り、干ばつ被害も重なり、30年代の『怒りの葡萄(ぶどう)』の状況の再現さえも現実化している。
日帝は、今回のG4に対し日豪を加えたG6の枠組みでの交渉を主張したが、はじき出された。さらにG4の決裂で、一面では農業分野で日帝にとって厳しい内容での合意に至らなかったことに胸をなで下ろした。だが実際はブロック化の動きが加速することや、米、EUとのFTA・EPA交渉が遅れることに、「WTO交渉が停滞すれば、2国間交渉を進めたいとの思いに駆られる国が出ることは容易に予想できる」(甘利明経済産業相)、「大市場国との交渉に遅れると致命傷になりかねない」(経産省幹部)などと、危機感、焦りを深めている。
こうした中で日帝は、一方では国内農業に対する自由化要求にあえぎつつも、他方ではそれを「外圧」として、安倍=御手洗路線のもとで工業・輸出産業の利害を最優先し、農業の「構造改革」=切り捨てを進めようとしている。
しかし、米帝が軍事力による世界再編に乗り出し、独仏を軸に欧州諸国がEUという形で一定のブロックを形成しているのに比べ、日帝の“立ち後れ”は明白だ。敗戦帝国主義としての制約を突破できていない帝国主義の「最弱の環」としての日帝の危機的な姿がここでもさらけ出されている。
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週刊『前進』(2301号4面1)(2007/07/02 )
労働者をなめるんじゃない 怒りと団結で安倍を倒そう
6・9集会から何をつかむか
革命をめざす労働運動の展望
武田拓海
「改憲阻止! 倒せ安倍 倒せ御手洗! 労働者の団結した力で革命やろう」――3・18集会を引き継いで闘われた6・9集会は、〈革命>を実践方針として、闘いぬく展望として、全労働者階級に明らかにしました。安倍・御手洗の〈改憲・戦争と民営化・労働組合つぶし>の攻撃に対して、労働者階級はいかに闘って勝利するのか、集会・デモを先頭で闘い抜いた青年労働者・学生の仲間たちが、職場・学園の実践を通じて明らかにしています。11月1万人のデモをなんとしても実現する立場から6・9集会が生み出したものをつかみとっていきたい。
(写真 「労働者は革命起こすぞ!」「団結して闘おう!」。青年労働者と学生のエネルギッシュなデモに、沿道からも続々と合流【6月9日 渋谷】)
団結を総括軸に職場闘争
安倍・御手洗への労働者の怒りがどれほど深いのか――6・9集会はそのことをはっきりと示しました。渋谷で3車線を占拠して進んだデモは、〈革命>を公然と掲げる、労働運動の「新しい潮流」の登場です。
6・9集会は何より11月1万人結集のイメージを完全につくりました。6・9集会を実現したからこそ私たちは「1万人いたら何ができるのか」と考えることができます。デモの先頭に立った青年労働者・学生の隊列は、ほんの200人足らずでも、警察の弾圧を恐れない戦闘性を持ちました。これが500人、1000人、そして1万人になったらどうなるか。それこそ安倍が恐れている暴動、内乱、革命に向かう力になることは間違いありません。
参加した動労千葉の組合員が、 「『安倍打倒』『革命やろう』のコールに沿道の人びとが反応していた」 「街頭の青年たちが一気に合流してきそうな雰囲気だった」と言い、 「合流してきたら渋谷で暴動が起こる」という雰囲気を感じています。「革命」が多くの労働者の心をつかみ始めています。
今や「革命をやる」ことから考えて議論し、方針を立てなければ、私たちは時代に追いつきません。11月集会に向けて、一人ひとりが、旧来の発想の延長線上で考えるような自分の中にある壁をぶっ壊さなければならないのです。
労働組合攻防が焦点
情勢は労働組合をめぐって大きく動いていくことは間違いありません。とりわけ、大流動過程に突入する自治労・日教組・全逓・国鉄において、大党派闘争に入ります。
安倍・御手洗は、イラク侵略戦争を継続し、自治労・日教組を壊滅して全面的に改憲・朝鮮侵略戦争への道へ突き進もうとしています。連合・全労連の幹部たちは、安倍と御手洗に頭(こうべ)を垂れ、現場組合員の闘いをたたきつぶして戦争と首切りに動員しようとしています。
他方で、戦後体制をすべてぶち壊そうとする安倍・御手洗の攻撃は、青年労働者が生きることそのものを困難な状況にたたき込んでいます。青年労働者は怒り苦しみながら、現状破壊を求めています。
この時、労働者の怒りに単に乗っかるのではなく、この怒りとかみ合って、この怒りをどこに向かって組織するのかということが問題になっています。
労働組合が解体されるのか、労働組合運動を爆発させるのか――この攻防こそが、これからの時代を決する焦点です。6・9集会は、この労働組合をめぐる攻防に絶対に勝ちぬくことを目的意識的に貫いた闘いでした。まさに「労働運動の力で革命をやろう」こそが回答なのです。
6・9集会にいたる過程では、職場・街頭・キャンパスで「戦争か革命か」が文字どおり問われました。そして3・18集会以降、職場で襲いかかった体制内労働運動の大反動や資本・権力の大弾圧に勝ちぬいて1860人が登場しました。ここに1万人実現のカギがあります。この道を進もうではありませんか。
「団結すれば勝てる」
6・9集会は何を実現したのか。
まず何よりも、あらゆる職場・キャンパスで、「団結すれば勝てる」ことにこだわって闘ったことが決定的でした。3・18集会で打ち出した「団結の究極の拡大が革命」を一人ひとりが実践したということです。
「戦争か革命か」という激突は、職場や大学キャンパスの中にある。戦争も革命も、やるのは労働者・学生だ。現状の変革を戦争に求めるのか革命に求めるのか、生き方をめぐって激突した。資本や当局とぶつかり合い、その怒りで団結をつくってきた。その闘いをとおして、「動労千葉のように闘おう」の言葉を、単なるスローガンとして掲げるだけでなく、実践に貫いてきました。
沖縄の労働者が発言しました。 「賃金や労働条件など切実な要求を求める組合員も増えてくる。けれど今の時代、労働者のほんのささやかな要求すら実現することは生やさしいことではありません。だからこそ、組合の団結を強めて闘っていくことに労働者の未来があるのです。このことに確信を持って組合員に向き合うのではなく、逆に組合員の不安につけ込み、分裂させる考え方は許せない。永遠に会社の賃金奴隷の鎖につなぎ止めようとする考え方と闘い、団結を守って闘いたい」
団結を総括軸とする闘い方は、現場で労働運動を実践していればいるほど、簡単なことではない。「このままでは財政が破綻(はたん)し、全員解雇になる。それを避けるためには、賃下げで乗り切るしかない」 「このままでは会社は倒産してしま う」という当局や会社の圧力。そして、組合の中や仲間からも「会社と激突せずに折り合いをつけた方が、物は取れるのではないか」という意見は出てきます。本当に悩んだ時に、どうするかが問われました。
「団結すれば労働者は勝てる。いや、それ以外に労働者の未来はない」という立場を、あくまでも貫く以外にないのです。資本家がキヤノンやトヨタで史上空前の利益を上げているのは、人件費の削減、非正規雇用の拡大ゆえだ。労働者からあくどく搾取して生き延びることこそが資本家の本質であり、これが青年労働者の2人に1人をフリーターに落とし込めている元凶だ。労働者は、自分の生活を守ることだけにとらわれて団結を崩されたら、一生競争させられ、安く買いたたかれ、ますます貧しくなっていく。労働者が「資本家に食わせてもらおう」と考えた瞬間に、資本や当局にいいように使われ、殺されていくのだ。
逆に、6・9集会の発言に共通していたのは、職場で「労働者は革命をやってこの資本主義を終わらせることができる」と訴えたら、「正規と非正規の壁が突破された」ということです。俺たちは奴隷じゃない。社会を動かしているのは労働者だ。職場の団結で、資本と労働者の関係を逆転させることができる。職場で地域で、国境を越えて労働者が団結を広げていくことこそが労働者の勝利だ――これを職場の実践で貫いたことが重要なのです。
11月へ前進しよう!
この闘いをさらに大きく前進させるために、最大の方針が11月集会です。11月集会の呼びかけ3労組は世界最強の組合です。国鉄分割・民営化攻撃に勝ちぬき、ますます団結を固めてJR資本の攻撃に立ちはだかっている動労千葉。大弾圧を打ち破り大手ゼネコンと対決して勝利している関西生コン。港合同は、企業の枠を越えて団結し、倒産により労働組合をつぶすという資本の攻撃に自主生産で対決している組合です。
この3労組の闘いが示していることは「労働者には社会を変える力がある。労働者が団結し組織された力になった時に無限の力を発揮する」ということです。このことを日々の資本との闘いの中で実践している組合です。団結の拡大は革命だという実践は11月集会の中にあります。
体制内労働運動と決別を
「団結の拡大が勝利だ」という立場で闘うと、4大産別決戦の重要性がますますはっきりします。9条改憲阻止が大テーマとなった今、自治労・日教組が改憲阻止の先頭に立った時、改憲反対運動を全労働者の闘いとして爆発させることができる。
自治労・日教組決戦は、6000万人の労働者の団結をいかにつくり出していくかという課題です。安倍は公務員を「ガン」「ゴミ」と言って労働者同士を対立させようとしています。しかし、競争しているのは資本家であり、労働者は本質的に一つの階級です。闘う公務員労働者は6000万労働者の希望の星です。
確かに今の自治労本部や日教組本部に展望はありません。しかし6・9集会にいたる過程で、自治労や日教組の中に「革命家」が生み出され、自治労・日教組つぶしを敢然とはね返す闘いの先頭に立っています。民営化攻撃は、自治体業務や教育を金もうけの手段にした瞬間に必ず破産します。この時、全労働者の利害に立って闘う自治労・日教組組合員の存在は決定的になるのです。
連合・全労連と対決し
私たちがこの闘いを推し進めていけば、それは必ず連合・全労連指導部との対決になります。体制内労働運動との決別の課題です。非正規雇用・失業者をつくり出してきたのは資本だけではない。合理化に屈服してきた連合執行部だ。こういうやつらをぶっ飛ばした時に、労働者は一つになることができるのです。
次のような意見があります。「マルクス主義とか革命とか、考え方には賛成する。しかしそれは、現場にそのまま持ち込んでも通じない」。
これが体制内労働運動の核心です。これは本物のマルクス主義ではないし、本物の革命ではない。
革命やマルクス主義は頭の中で考えるものではありません。現場で闘っている労働者に通じてこそ、初めてマルクス主義です。革命は現場で働いている労働者がやるものです。「労働運動の力で革命をやろう」、これこそがマルクス主義です。
安倍はこう言っています。「社会保険庁には悪しき労働慣行のガンがはびこっている。そうしたことも含めてゴミを一掃する決意だ」「小泉前首相はそういう体制をぶっ壊したが、私はそのかけらも含めて一掃していく」。これが安倍の「戦後レジームからの脱却」だ。社保庁の職員に「ボーナスを返せ」とさらなる搾取まで強制する安倍は許せない。
しかし、これほどの重大攻撃に対して、社会保険庁の労働組合が一戦も交えずに退却し、「労働条件より信頼回復が重要」と言って賞与の返納にまで応じています。一体これは何なのか。社保庁の組合は「社青同・社会主義協会派」の牙城(がじょう)であり、当局と交渉し、ものすごい労働協約をとってきた実績があります。にもかかわらず、指導部の許しがたい屈服は何なのか!
動労千葉の闘いこそ
動労千葉のように闘うことにこそ唯一の展望があり未来があることを、はっきりさせよう。
「国労をつぶして新憲法をつくる」ことをめざした戦後最大の労働運動解体攻撃であった国鉄分割・民営化に対して、唯一動労千葉だけが闘い、団結を守り抜くことができたのはなぜか。
動労千葉の中野洋前委員長は、著書『俺たちは鉄路に生きる2』の中で、「労働者の階級性、本来持っている力を掛け値なしに全面的に信頼し、それに依拠して闘うこと」「どんなに激しい攻撃の中にも敵の矛盾点があることを見てとること」と言っています。重要なのは、「それでも『国鉄=国賊』と大宣伝される中で、『今が労働者のチャンスだ』ととらえることは簡単なことではなかった」けれど、「マルクス主義的な物の見方を、具体的な闘いの実践の中で貫いてきた」ということです。
他方、日本共産党や社会主義協会派は分割・民営化に闘わずして屈服する道を選んだ。つまり、それまで掲げていた「マルクス主義」が完全に偽物であったことをさらけ出した。本当に資本主義体制を打倒することがテーマになった時に、今まで掲げていた方針を投げ捨ててしまった。ここに階級的労働運動と体制内労働運動の違いがあります。
「原理・原則としては賛成。しかし現場ではいろいろある」と言って、労働者を組織する困難さから逃げるのは、もうやめよう。職場で革命を訴えて労働者を自己解放に向かって組織する闘いに踏み出さなければ、私たちも腐ってしまうのです。
全逓本部は郵政民営化を前にして「生産性向上運動」に身を投じた。自治労本部は「公務員バッシングと闘わないのか」という質問に「ネガティブなことは今はやらない。参院選で民主党を勝たせることだ」と答え、完全に屈服している。しかも労働者に改憲・戦争・合理化を押しつけ、労組解体の先頭に立っている。これが産業報国会への道なのだ。こんな労組本部を打倒しなければ、労働者は生き抜くことはできません。
「革命の指導部」つくろう
体制内労働運動の打倒とは「執行部になって多数派になる」という技術的な問題ではありません。6・9デモの先頭で警察と激突して自分自身と仲間を守り抜いた青年たちは、自らの組合のダラ幹と闘っている労働者です。執行部を批判するだけでなく、自分が執行部になって責任を取るために闘ってきた労働者です。
人間関係を損得勘定にしばり付けたり、仲間を蹴(け)落として自分さえよければいいとする考えを、闘うことによって自分の中からたたき出し、「賃金奴隷としてではなく仲間とともに人間らしく生きよう」 「社会の主人公たらん」として自己変革している仲間たちです。
私たちは、本気で資本と闘い、仲間と格闘し、その中で生まれる喜びや悔しさを共有する中でこそ、人間性を取り戻すことができる。これが団結であり、労働者の解放ということです。体制内労働運動指導部はこのことを真っ向から否定している。だから絶対に許せないのです。
6・9の最大の成果は、どんなに攻撃され弾圧されても仲間を裏切らず、「団結して革命やろう」と仲間を組織していく強靱(きょうじん)な「革命家」が膨大に生みだされたことです。ここに1万人結集の可能性があります。これが階級的労働運動路線です。断固この道を進もう。
そして、11月へ向けて闘う中で、マル青労同1000人建設とマル学同1000人建設を実現しよう。
ロシア革命を指導したレーニンは「労働組合は『共産主義の学校』だ」と言い、「国の経済全体の管理を全労働者の手に移すために欠くことのできない労働者の結合体である」と提起しました。資本家階級との闘争に勝ちぬき、革命を成し遂げるためには、労働者と労働組合を決定的に位置づけ、この思想と運動を壊滅させようとするものと徹底的に闘うことが必要です。そして革命に勝利するための党を、労働者自身の手でつくり出すことが必要です。
資本主義社会を根本から打倒する闘いの先頭に立ち、資本主義の支配の鎖から労働者を解放するために自分のすべてをかけて仲間を組織していく「革命の指導部」が何人いるかで、革命の成否は決まります。そのための必須の課題が、マル青労同とマル学同の1000人建設です。
日本共産党や社会主義協会派、カクマルの敵対・弾圧と対決して6・9集会の成功のために闘いぬいた青年労働者や学生の仲間に、マル青労同、マル学同に加盟してともに革命に生きることを心から訴えます。
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週刊『前進』(2301号5面1)(2007/07/02 )
労働者をなめるんじゃない 怒りと団結で安倍を倒そう
労働組合の歴史的使命は何か
組合は資本と徹底的に闘い賃金奴隷制を廃止する武器
片瀬 涼
労働組合の歴史的使命は何か。安倍政権・自民党は本気で自治労・日教組壊滅の攻撃にうって出てきた。敵が本格的に構えた時に闘えるのはどのような労働運動なのか。マルクス主義の労働運動、階級的労働運動の見地から考察したい。
社会を変える力が宿る労働者自己解放の砦
労働組合は資本と闘い、賃金奴隷制を廃止するための労働者の中心組織だ。いま日本の資本家階級は、賃下げ、非正規雇用、偽装請負、長時間労働、サービス残業……やりたい放題の搾取と抑圧を労働者に強いている。いまこそ労働組合は資本と徹底的に闘うためにあることをハッキリさせよう。資本の側に身を置き、会社の労務担当に成り下がっている体制内労働運動を打倒しよう。
連合・全労連の既成労組指導部のもとで、ほとんどの労働組合が資本による労働者支配の道具になっている。「会社あっての労働組合」「闘っても勝てない」「闘えば会社が他社との競争に負けて倒産する」――これが体制内労働運動のお決まりのセリフだ。彼らは労働者の闘いを抑圧する存在になっている。
組織率が低下しているとはいえ、連合は約700万人の組合員を擁する。日本の主要な産別・企業には労働組合がある。だから多くの職場には形式的には労働者の団結形態がある。だが、その労働組合が会社や当局に支配され、闘わない状態にあるならば、労働者にとっては団結が破壊されているのと同じなのだ。
資本主義社会の中で労働の大半を担い巨大な生産力を現実に作り出しているのは労働者だ。資本家は労働者の生み出す生産力に依存し、それをかすめ取っているだけだ。工場や建設現場で生産に従事し、資源や製品をつくりだすのは労働者だ。製品を運搬するのも労働者だ。医療や福祉を担うのも、行政や学校で働くのも労働者だ。
だが、資本主義社会では、労働者は機械や材料と同じように商品として扱われている。資本家は労働者を必要に応じて購入して、こき使い、搾取する。もうからなくなれば使い捨てにする。労働者は一個の商品として、生産手段を握る資本家に支配されている。ほかの労働者とは商品同士の競争状態に置かれている。
生産の主体的存在であるのに、労働者は、この社会の中ではばらばらに分断され、資本家に支配された状態に置かれている。生産は、生産手段を独占する一握りの資本家の利潤のためだけに行われている。
だが逆に労働組合は、資本主義のもとで分断された労働者同士を結びつける。労働者は、労働組合のもとで団結して資本と闘う中で、主体として新たな社会を建設し、それを運営する能力を形成する。だから労働組合は革命で大きな役割を果たす。
資本主義社会は、労働者が生産手段を使い、労働することで初めて存在できる。これこそが労働者の社会的=階級的力だ。労働組合は、労働者階級のこの階級的力を資本家から奪還し、体現する労働者階級の基礎的な組織なのだ。分断されたままではまったく非力な労働者の力を資本主義社会を転覆するほどの巨大な力に組織する――これこそが労働組合の力であり、歴史的使命なのだ。
誇りと団結取り戻せ
労働組合は、賃金労働者の登場とともにその歴史が始まった。
資本主義勃興期のイギリスの労働者は、自分の肉体を維持できないほど劣悪で不安定な生活と非人間的な待遇を強いられた。労働者は最初、工場や機械そのものが諸悪の根源と考えた。そして工場や機械を破壊した(ラッダイト運動)。
当時は団結自体が犯罪で、労働組合は非合法だった。ラッダイト運動や互助組合・協同組合運動、普通選挙権を要求するチャーチスト運動などの中で、労働者は、官憲の弾圧に抗して、労働者の基礎的、恒常的な資本と闘う組織として労働組合を生み出したのだ。
マルクスは、それまでの労働組合運動を総括し、労働組合を、資本家と闘い、資本主義制度を転覆して労働者の自己解放を実現する革命の中心組織として位置付けた。それを『共産党宣言』第1章で労働者階級の団結の発展として総括し、労働組合を労働者解放の武器として大きな歴史的評価を与えたのだ。
資本と闘う労働者の組織として労働組合をよみがえらせよう。賃金奴隷制を廃止する労働者の階級的武器として労働組合を復権しよう。労働者は救済の対象ではない。自らの階級的力によって社会を変革し、自らの解放を実現するのだ。労働組合の力で資本家階級を打倒して、資本主義社会を転覆しよう。労働者自己解放とすべての人間解放の階級的武器として労働組合を労働者の手に取り戻そう。
支配階級である資本家階級は労働者を団結させないことに全力を注ぐ。なぜなら資本主義的生産力を生み出す労働者階級は実はものすごい階級的力を持っているからだ。労働者が持つ巨大な社会的力を自覚できる労働運動をやろう。労働者が自分に誇りを持ち、労働者が団結すれば社会を変える力を持っていると実感できる労働組合をつくろう。
仲間を信じて闘う団結こそが革命の原動力
安倍政権は「参院選の最大の争点は日教組・自治労の壊滅だ」と公言し、〈国鉄・教労・全逓・自治体〉の4大産別の労働組合の絶滅を狙う。国家機構内にある労働者の団結の解体なしに、「戦後レジームからの脱却」は不可能だ。だから敵の攻撃は半端ではない。頭を引っ込めてやり過ごせるものではない。
戦後革命期や高度成長期の階級矛盾、階級対立とはまた次元が違う。現代の帝国主義世界経済は、アメリカ帝国主義の天文学的な経常赤字・財政赤字と中国スターリン主義の矛盾に満ちた経済成長の上にようやく成り立っているに過ぎない。いつ崩壊してもおかしくない。現代世界は没落期の帝国主義の時代なのだ。
現代世界は、限られたパイをめぐって帝国主義、資本同士が死闘している。イラク侵略戦争は、帝国主義が石油を独占するために始めた古典的な侵略戦争だ。日本帝国主義の支配階級も必死だ。労働者を徹底的に抑圧・支配し、搾取を強め、憲法を変えて侵略戦争にうって出る以外に延命の道がないのだ。
そういう時代認識が必要だ。戦争か革命かが問われる時代が到来したのだ。戦後革命の敗北の上に成り立った55年体制的労働運動=総評労働運動を今こそ階級的にのりこえる労働組合運動が必要だ。
戦後革命期以後の労働運動の中心に座った総評を主導したのは民同左派だ。戦前の労農派マルクス主義の系譜を引き、「階級的労働運動」を標榜(ひょうぼう)した。
総評は最初、朝鮮戦争の勃発直後に反共民同と米占領軍(GHQ)の肝いりでつくられた。だが「教え子を再び戦場に送るな」を掲げた日教組や「平和4原則」を掲げた民同左派が勝利した国労新潟大会などを経て民同左派が主導権を奪い、総評労働運動は「階級的労働運動」と「戦争反対」が基調となった。
(写真 職場の廃止という組織破壊攻撃を全組合員の徹底的な討論と職場闘争でうち破った動労千葉。全支部からの総決起で行った館山運転区庁舎への抗議行動【2月4日 館山市】)
総評労働運動の限界
「マルクス主義者」がリーダーで「階級的労働運動」を標榜した総評労働運動だったが、実際は、資本家階級を革命によって打倒して、労働者階級が権力を握るという本物の階級的労働運動ではなかった。政治的には、国会で社会党の多数派を目指す議会主義だった。経済的にも戦後の経済成長を前提に労働者の分け前を要求する体制内労働運動だった。
だから敵が本格的に構えた決戦の場では必ず敵前逃亡した。
57年、国鉄では戦後革命期を超える規模となった国鉄新潟闘争が闘われた。だが太田薫議長は「三十六計逃げるにしかず」と演説、国家権力が総力で襲い掛かってきた時に闘うのは愚の骨頂だ、逃げるのが一番だと主張した。
「総資本対総労働の対決」と言われた三井三池闘争では、警官1万人と組合側2万人が対峙し、一触即発の事態となったホッパー決戦を前にして太田議長は「このままでは内乱になる」と敵に屈服して、斡旋案(解雇)を受け入れた。
何より国鉄労働運動と総評の解体を狙った国鉄分割・民営化という大攻撃に対して、総評(その中にいた諸党派すべて)は一戦も交えることなく屈服した。「階級的労働運動」を掲げる総評の裏切りは労働者階級に決定的打撃を与えた。総評は解散し、連合の登場を許した。
総評労働運動は結局、国家や資本が本気で攻めてきた時には闘えなかった。資本主義を打倒し、革命をやるという労働運動ではなかったからだ。だから敵の攻撃の中にある危機を見抜けず、勝利の展望を示すことができなかった。
総評労働運動の労働者観は、現場の労働者は鼻の先にニンジンをぶら下げないとついてこないという認識だった。モノ取り労働運動だった。労働者の本来持っている戦闘性や階級性に依拠して闘うことができなかった。これこそが総評労働運動の弱点だった。
向坂派・社会主義協会と社会主義青年同盟(社青同)は70年代に伸張し、総評・社会党の中で大勢力となった。現在も四分五裂しながら、転向して極悪の連合派となった連中から現場で苦闘する活動家まで〈国鉄・全逓・日教組・自治労〉の4大産別にさまざまなかたちで存在し、組合の各級機関を握っている。
国鉄では協会派くずれのチャレンジグループが国労執行部を握り、闘争団を切り捨て、組合財産を山分けして連合へ合流することを一貫して追求している。4党合意に反対してビラをまいた組合員を警察に売り渡すという反階級的犯罪に手を染めるに至った。
自治労最強とも評された全国社会保険職員労働組合(旧国費評議会)は協会派の牙城だ。
「消えた年金」問題で政府・自民党は「社保庁の自治労国費評議会の反合理化闘争が原因」として、国鉄分割・民営化と同じように全責任を社保庁の労働者に転嫁して、年金制度崩壊を居直ろうとしている。
これに対し、社保労組は「緊急事態」として残業や休日出勤を積極的に受け入れ、村瀬長官が全職員に要求した6月賞与の自主返納についても「積極的に応じるべき」とコメントを出した。
自民党は「社会保険庁の職員をいったん退職させて、まじめに仕事をする人だけを再雇用します」(自民党のビラ)と言っている。この大攻撃になす術もなく、現場の労働者を差し出している。100を超える協約はいったい何に依拠していたのか!
革命めざす労働運動
国家権力や資本が本気で構えてきた時に闘える労働組合とはどういう労働組合運動なのか。
会社や当局に依存した労働組合では闘えない。労働組合は労働者以外に依拠するものはない。労働者がこの社会を動かしているという階級的力に依拠した労働運動だけが闘える。資本主義の危機の時代だ。支配能力を喪失した資本家に代わって労働者階級が権力を取るという労働運動が必要だ。
「闘えば会社がつぶれる」という恫喝(どうかつ)には資本の枠をこえる労働者の団結をつくって闘おう。労働者の団結こそが闘いの展望を生み出す。それは団結の拡大が労働者をひとつの階級にし、社会を変革して、自ら運営する革命の能力を形成するからだ。労働組合こそ万国の労働者をひとつの階級に結びつける労働者の基礎的な組織なのだ。
いま青年労働者が一番求めているものは何か。何よりも「人間らしく扱え」という要求だ。労働者の誇りだ。この社会を変革する力を欲しているのだ。革命こそ青年労働者の最も欲する闘争方針だ。
動労千葉は、労働者が団結して、職場支配権を握り続ければ展望を切り開けることを実証してきた。
動労千葉は、組合の拠点職場である館山運転区―木更津支区廃止の攻撃に対しどう闘ったか。全組合員の徹底討論と職場闘争を積み重ねた。そして配転先希望調査で全組合員が「一本書き」(第2希望、第3希望は白紙)をやりぬいた。職場は廃止されたが1人の脱落者を出すこともなく、全員が希望の職場に行き、団結を守りぬいて新たな闘いの拠点職場をつくった。
既成労働運動は、事業所統廃合―強制配転という合理化攻撃に対して、組合幹部と資本の「ボス交」で妥協に終始してきた。だがこうした「妥協」は組合員の中に「強制配転される者」と「されない者」の分断を生み出す。その結果、組合の団結が破壊され、資本につけこまれて、第二組合の結成を許し、組合崩壊へ至るケースが多かった。
動労千葉は、現場組合員の怒りを引き出し、その怒りと闘いに依拠して、原則を貫いて闘うことで団結を貫き、組合を強化してきた。今日の日教組や自治労に対する大攻撃をはね返し、勝利の展望を切り開くのはこの動労千葉労働運動だ。総評労働運動の残滓(ざんし)、体制内労働運動では絶対に闘えない。
青年労働者の反乱を
闘争方針、そしてともに闘う仲間がいれば労働者は必ず立ち上がる。団結して闘って初めて資本と労働者の関係は変わる。闘わなければ現状は何も変わらない。いまの連合・全労連指導部のもとでは一戦も闘わないまま敵の攻撃に敗れるだけだ。
それどころか体制内労働運動は、闘う労働者に対し、「組織破壊者」「挑発分子」と悪罵(あくば)を投げつけ、「団結」の名において闘いを抑制してくる。確かに本気で敵と闘おうという労働者はさしあたり少数者かもしれない。だがどんなに否定しても、労働組合は資本と闘うための労働者の組織なのだ。労働者の解放のための労働者の武器なのだ。
青年労働者の大反乱を起こそう。過酷な搾取を続ける資本、闘う労働者を抑圧する体制内労働運動――資本と既成労組指導部に対する労働者の怒りは満ちている。必要なのは、どんな弾圧にも屈せず、労働者の階級性に依拠して、闘いを貫くことだ。
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週刊『前進』(2301号5面2)(2007/07/02 )
コミューン 8月号
民主労総この1年
ノムヒョン政権は、激しい資本攻勢を繰り出して民主労総解体の攻撃を強めてきた。
第1章では、ノムヒョン政権と闘う民主労総の闘いを明らかにしている。この1年、韓国労総を取り込んだ「労使関係先進化ロードマップ」の合意、非正規職関連法案の成立、ロードマップ関連法案の成立、そして今年4月に韓米FTA交渉の妥結などの一連の大攻撃があった。しかし民主労総に結集する労働者人民は、韓米FTA交渉には全国数十万の農民と結合して闘った。さらに非正規労働者の決起と不屈の長期争議、公共部門で進む非正規職化との闘いとしてKTX女性乗務員や全国公務員労組の闘いがある。今、6月総力闘争として民主労総の非正規悪法完全廃棄の闘いが進んでいる。
第2章は、民主労総内の路線論争、路線闘争の内容をその内部に踏み込んで提起している。韓国の労働者階級が、朝鮮侵略戦争切迫という情勢下で革命党を求めて新たな闘いに進もうとしていることが突き出されている。資料として「06年度民主労総の組織現況」がある。
翻訳資料は、「募兵・徴兵のための国防総省のデータベース」と「募兵官に反対して立ち上がろう」の2本。どちらも米軍による学校内での募兵活動を阻止する観点からの現場レポート。
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週刊『前進』(2301号6面1)(2007/07/02 )
成田空港暫定路 3500b化阻止へ
農民殺しの「航空自由化」
安倍政権もろとも粉砕を
三里塚闘争は「軍事空港阻止」の反戦のとりでとして、労農連帯の具体的実践の場として確固として存在している。
日本帝国主義はこれをつぶすために暫定滑走路北延伸攻撃で襲いかかっている。本来の計画と逆の北側に滑走路を延伸する、矛盾だらけのいびつな工事だ。今やこの暫定滑走路を南側にも延伸して、現に農民が営農している東峰部落をつぶし、滑走路を3500bに延ばそうとする意図を成田空港会社(NAA)は隠そうともしない。われわれはこれを絶対に許さない。
敵意むき出しの森中新社長
安倍首相を議長とする政府の「アジア・ゲートウェイ戦略会議」が5月中旬に最終報告書をまとめた。
ここで示されている10の施策の中で真っ先に出されているのが「航空自由化(アジア・オープンスカイ)」と称する航空規制緩和政策である。ここでは関西国際空港、中部国際空港について「国際拠点空港にふさわしく」路線・便数の設定を航空会社の判断にまかせるとしている。これまで国際線の路線開設や増便は政府間交渉で決められていたが、米・EUが協定を結び自由化を急速に進めているのを見て、危機感にかられ政策転換を行ったのである。
そして「民間人から起用を」という官邸の強い圧力で、黒野社長再任をもくろんでいた国交省をねじふせて、NAA新社長に元住友商事副社長の森中小三郎が就いた。
森中は就任にあたり、「命をかけて反対してきた人にも、国民がこれだけ喜んでくれる空港なら協力しよう、と思ってもらえるようにしたい」などと述べ、三里塚闘争に対しむきだしの敵意を表明した。
(写真 市東孝雄さんを先頭にデモする反対同盟【6月16日 東峰】)
農業つぶしのゲートウェイ
危機に立つ安倍政権は、「アジアの成長や活力を取り込む」「アジアとの経済関係強化や人的・知的・文化的交流を進める」などとゲートウェイ構想をアピールしている。その実態は、航空、物流、金融などの分野で民営化、規制緩和を極限まで推進し、特に航空産業の熾烈な生き残り競争の中で、巨大資本の利潤追求を徹底的に進めるものだ。
そして、そのための決定的な攻撃が国際空港の大型化、容量拡大だ。
閣議決定された「骨太方針07」では、「グローバル化改革」の柱として航空自由化(アジア・オープンスカイ)を提唱し、その中で「首都圏空港(成田空港・羽田空港)の容量拡大に向けて、可能な限りの施策を検討する」としている。
これは成田空港については、暫定滑走路の3500b化を強行するということである。
またゲートウェイ構想の中で、農業について「企業家精神を核にした農業の活性化」「農業・食品産業の国際展開」などの”改革”を叫んでいることも見過ごすことはできない。反対同盟が再三警鐘を乱打しているとおり、日帝は貿易自由化と引き替えに農業をつぶし切り捨てる決断を行ったのだ。そうした中で、暫定滑走路3500b化への攻撃が強まっていくことは明らかである。
萩原進さんを始め東峰部落の農民の生活と営農を破壊する「東峰の森」伐採を断じて許すことはできない。反対同盟農民は不屈に闘っている。われわれは市東さんの農地を絶対に守り、労農連帯・国際連帯の力で新たな生命力を得た三里塚闘争をますます発展させ、危機に立つ改憲・安倍政権を航空政策もろとも打倒しよう。夏秋の決戦を全力で闘い勝利しよう。
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週刊『前進』(2301号6面2)(2007/07/02 )
農業問題報告会の提起
農業破壊・農民切り捨て許さぬ労農連帯の闘いを
6・16三里塚現地闘争後に市東孝雄さん宅で、農業問題の報告会が開かれた。そこでの米作農民の講演を以下に紹介します。(編集局)
(写真 参加者は活発な質疑応答を行い農地死守の闘いに確信を深めた【6月16日 天神峰】)
大規模でもやっていけない
農水省や政府は日本の農政を根底から「改革する」と言っているが、その内容は、小さい農家を切り捨て、個人経営だと4f以下は切り捨て、北海道では10f、それから集落営農だと20f、それ以下だと農政の対象にしないとしている。はっきりと数字を出して、300万農家をこの10年間で40万戸にすると。経済界は「そんなのまだまだだ」と言い、企業を参入させ14万経営体にしろと言い出している。
では4f以上の大農家、20f以上の営農組合に展望があるのかと言ったら、まったくそうではない。今の米価は高い時と比べて半分以下、1万円下がっています。コシヒカリが60`で2万3千円くらいでしたけど、去年当たりで1万3千円まできています。1反歩で反当8俵とすれば8万円の値下がりです。これが農家経営を圧迫してる。7町歩以上の規模でも、生産費は10万円以上です。実際去年の私の売り上げが、反当10万円くらい。完全に赤字です。
例えば、1町歩2町歩の小さい農家が採算が取れるような米価であれば、その10倍売れれば、10倍利益が出るわけですね。ところが15町歩でも赤字が出れば、赤字がふくらんで経営を圧迫する。
今、バイオ燃料ということでトウモロコシがエタノール燃料のために買い付けられており、穀物相場が上がり、えさ代が急騰して畜産農家の経営を圧迫している。また、油代が上がってもそれを野菜などの値段に転化できない。
農水省も農業はダメだとは言えなくて「攻めの農業」とか、大規模にすれば何とかなるとか言ってますけれども、全く逆で、むしろ今のままでいけば、兼業農家が残って大規模農家が先につぶれていく。実際に北海道では、つぶれた米農家も出てきている。大規模化すれば農業経営が安定するというのはまったくのデタラメです。
「トヨタ」売り農産物は輸入
ではなぜ今こういう形で「農業改革」なのかと言えば、去年、トヨタが2兆円の利益を出しました。今の争闘戦の中で、もっと利益を上げていくためには国内農業なんか切り捨ててもかまわない、工業製品を世界に売って、その見返りとして安い農産物をどんどん輸入する、農産物価格を安くすれば労賃だって下げられるということです。
昨年の「新農政2006」の中でWTOがうまくいきそうにないという中でEPA(経済連携協定)とかFTA(自由貿易協定)を積極的に進めていくと言っている。もう一つは東アジア食品共同体構想ということで、大きくは関税を取っ払って自由化していくと言われています。
完全に関税が撤廃されて農産物が自由化されれば、日本の食糧自給率が12%になるという試算もあります。日本の農業でいくら50町歩100町歩やっても、オーストラリアなどの4千円や5千円の米に対抗できない。
今回の鳴り物入りの農政改革というものが、規模拡大とか「攻めの農業」とか言いながら、食糧自給率を上げることは完全に放棄して、安い農産物を東南アジアのどこかから持ってくればいいという方向にはっきりと舵(かじ)を切った。それが今回の「担い手新法」に代表される農政改革の意味だと思います。
戦後の農政の流れからいえば、1961年に農業基本法ができて、この61年の農業基本法は、農業も他産業並みの所得を確保するということで農工間の所得格差を是正していくということが第1条にうたわれていた。だが95年に食糧法ができて、99年に新しい農業基本法ができました。この新農業基本法は、一番最初に出てくるのは「食料の安定供給」です。農民の生活、農業なんかはどうでもよく、安い食料をいかに安定的に供給するのかというのが中心の農業基本法になっています。農業問題としてより食糧問題として位置づけている。
全国で農民が決起する状況
戦後の農政の中で今までは米価を安くして、小さな農家はやっていけなくして、規模拡大をさせようとしたが、今回はもっと政策的に強硬に農地を取り上げていこうとしている。農家をやめても農地をなかなか手放さないという現実に対して一般企業や株式会社も農地を持てるようにしようというのです。
そういう中で市東さんに対する「農地法による農地取り上げ」攻撃が出てきたのです。農民の切り捨て、農民の大量首切りがこの十年間で間違いなく始まるし、農産物価格も間違いなく下がってくる。
今、ありとあらゆる農産物が成田空港に運び込まれています。イチゴとか、野菜から、釣りのエサまで。日本は恐らくそういう農産物の最大の輸入国になっている。それをさらにもっと拡大していくという攻撃が、今回かけられてきています。
日本の農業・農民問題を労働者階級としてどう考えていくのか。三里塚と市東さんの問題をとおして考えていただければと思います。農民を組織していくというのはなかなか難しいと思いますが、農民が決起する状況が日本全国あちこちで生まれています。労農連帯を広げ、韓国の農民とも連帯して、農民の闘いをつくっていきましょう。
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週刊『前進』(2301号6面3)(2007/07/02 )
3・25三里塚ビデオ
闘争再現する迫真の映像
ビデオ『3・25三里塚全国総決起集会』がつくられた。攻防の焦点を理解し、三里塚を広く深く労働者階級に押し広げるために大いに活用されたい。
3・25集会・デモの単なる記録ではなく、悪天候を突いて結集した反対同盟始め発言者、参加者の表情、しぐさ、人柄、決意までも活写しクローズアップした映像作品である。特に、耕作し発言し怒りを発する市東さんが、農民の誇りを生き生きと伝える。機動隊の規制を破ってのデモの解放感も格別だ。
民主労総のコジョンファン氏が反対同盟との交流会で自分の思いを語るシーンは、韓国労働者との国際連帯を深める上で必見。
DVD16分、頒価500円、「三里塚/大地の乱」制作委員会。申し込みは三里塚現闘本部。前進社でも取り扱います。
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週刊『前進』(2301号6面4)(2007/07/02 )
八尾市議選勝利の総括
差別の垣根を越えて決起した労働者階級と住民の団結の力
八尾市議選の勝利は、既に大阪府警公安3課による部落解放同盟全国連中田潔書記長と嵩原同志への許すまじきデッチあげ弾圧との死闘に発展しています。弾圧を食い破り9月東大阪市議選に必ず勝利します。そして「党の革命」による単一党建設、階級的労働運動路線の実践で、11月1万人結集を実現することが私たちの回答です。
階級的労働運動路線を実践
私たちは4月統一地方選挙を部落解放同盟全国連合会西郡支部、八尾北命と健康を守る会、八尾北医療センター労組の皆さんとともに末光道正氏を推し立てて闘い、2914票で堂々の当選をかちとりました。
解同本部派現職議員に400票近い差をつけた今回の選挙戦は、生きんがため「パン・土地・平和」を求めて部落大衆を含む労働者・住民が決起する戦時下階級闘争の一端を示しています。労働者住民の要求が、革命を問題にしているのです。
党が拠点職場細胞を軸に階級と結びつき、階級的労働運動路線を選挙戦で実践して必ず勝つ、これが「党の革命」を闘って生み出された私たちの確信でした。そこから@部落解放を階級自身の課題として闘い全国連5万人建設の扉を開く、A八尾北労組を軸に階級的労働運動の展望をつくりだす、B豊かな共産主義の単一党(中央委員会と細胞)として地区党を建設する、という3つの獲得目標を立てました。
「労働者階級こそが真の社会の主人公だ」と自覚した時、階級の廃絶をとおして全人民の解放を実現するプロレタリアートの歴史的使命が生き生きとよみがえり、「連帯し内乱へ」を実現する道が階級的労働運動路線だということが鮮明になりました。「労働者(党員)が主人公」が土台に座った時、党(自分たち)が部落大衆を真に闘う主体として捉えられました。「ここはもともと自分たちのムラだ。約束を守らず出ていけと言うなら土地と家を元通りにして返せ」という西郡の住宅闘争の原点は、その非和解性から根本的解決は革命です。このことが解放運動を党が階級的につかむ軸点ともなりました。
そして「支部・住組が主体で他は支援」に押しとどめず解放運動を階級の課題にしきる鍵が、労働組合の役割を明確にすることでした。労働組合は、労働者の基礎的団結形態です。労働者階級の組織的中心として賃金闘争それ自体を血みどろに闘い、団結を作りだし、賃金奴隷制の廃止と、踏みにじられているすべての人民の解放をめざす組織です。しかし、その指導部が買収されて体制内労働運動が幅を利かせる中で、私たち自身も労働組合を党の一段下に置いていた歪みを自覚するようになりました。
こうして八尾北労組の存在と闘いを土台とし、推進軸にすえる自覚的格闘が選挙戦の全過程を決めたのです。
(写真 選挙戦最終日、練り歩きで「すえみつ」コールが西郡団地をこだました【4月21日】)
解放運動絶滅攻撃打ち破る
元々自分たちの土地や住居を提供し、闘って建てさせたのが改良住宅です。8年前、本部派議員が一夜にして寝返り強行された応能応益家賃制度は、世帯政令月収が20万円以上なら7万円の家賃になり、定職に就いたり共働きの世帯などは出ていくしかありません。ムラを解体・破壊し、解放運動を根絶やしにして差別はなくなったと強弁する攻撃です。
去年12月、最高裁住民側敗訴を盾に市は話し合いの途中、一方的に家賃供託で闘う八尾北職員などの給与差し押さえを強行しました。近傍同種家賃に遅延罰則金5%を上乗せし、切り崩しが激しく襲いかかりました。しかし、革命的情勢と戦時下階級闘争の観点に立てば敵の焦りと闘いの展望が見えてきます。「ここでバラけたら負けだ」と腹が固まり、権力闘争として「ムラの真の代表は誰か」に選挙情勢が成熟していきました。
末光候補は「一向一揆で権力に刃向かった民衆を権力が身分をおとして見せしめにしたのが部落差別の起源で、闘う仲間の分断だ」と、歴史と現在の闘争を重ね合わせて訴えました。積極的に街頭でも真っ向から問いかけました。この根底には労働者階級が社会の全問題を解決する主人公だという信頼と確信がすえられています。そして既成解同の腐敗と裏切りを弾劾し、共産党が差別をあおって分断を持ち込み闘いを破壊する側の勢力だと暴いて、団結と活気がみなぎっていきました。
「世界一当選万歳!」当選の報を聞いた時の労働者・住民の喜びがこの言葉にはぎっしりとつまっています。自分たち自身の力で差別・分断をのり越え、ただ一つの階級的団結を形成し、本部派議員のずっと上で、共産党新人を蹴落として当選し、そのうれしさはたとえようもないのです。
全国連の仲間たちは「本当にうれしい。勇気と自信が湧いてきた」と語っています。解放運動絶滅攻撃を深部でうち破り、全国連5万人建設の扉が大きく解き放たれたのです。
自主運営貫き労組軸に団結
労働者(医者)と患者、部落と一般地域など、あらゆる垣根を越えただ一つの階級的団結が形成された軸を担ったのが労組です。
05年4月大病院売り渡し=民営化か廃止かの攻撃をうち破ってかちとられた八尾北の自主運営は、運営全体に労組が直接責任をとることへの転換でした。そして労組の団結がさらに質的に変革されたのが住宅闘争です。労組の仲間が差し押さえ攻撃をうけ、団結して必死に闘いました。行政に抗議し、ビラをまき、横断幕が放火されてもひるまず作り直し、ムラの中へ団結署名に入り、全国の仲間に闘争支援基金を呼びかけていったのです。
また、守る会は労働者とその家族の地域的存在です。自主運営は守る会の階級性をも解き放ちました。労組を軸に、支部、守る会が一つになって勝利した選挙闘争は、階級的労働運動の拠点、全人民の闘いのとりでに飛躍する自覚を八尾北労組の中に生み出し、その歩みが開始されたといえます。また青年労働者の存在と闘いが具体的に始まったことは重要で大きな特徴です。そして、4大産別を階級的労働運動に獲得していく挑戦権を手にし、非正規職、未組織労働者の組織化の展望も開きました。
八尾市議選は、共産主義者とその党が部落大衆を含む労働者・住民の闘いの拠り所として認知、選択された歴史的闘いとなりました。
党は階級そのものであり、階級の勝利こそ党の勝利といえる地平を全党の力で切り開き、階級的労働運動路線を実践して勝利したと選挙戦を総括できることを、私たちは心の底から誇りに思っています。
革共同大阪府委員会・東大阪地区委員会
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末光道正さんプロフィール
八尾北医療センターは、天然痘が発生しても外への波及を阻止するために地域の中に押し込められ、医療設備もないまま200名の幼い命が奪われるむき出しの差別に怒り、住民が決起して自分たちの手で診療所を作ったのが前身。
末光道正氏は医師として33年前に赴任し、住民の命と健康を守り、これを脅かすあらゆる攻撃と闘ってきた。現在八尾北医療センター院長、部落解放同盟全国連西郡支部事務局長。今回、八尾市議初当選。
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週刊『前進』(2301号6面5)(2007/07/02 )
6月20日〜26日
「君が代解雇」撤回請求を棄却
教科書検定「撤回困難」と安倍
●改悪イラク特措法、教育3法成立 改悪イラク特措法と教育関連3法の改悪案が参院本会議で、与党の賛成多数で可決・成立した。イラク特措法は自衛隊のイラク派遣を2年間延長する。教育3法は学校教育法、地方教育行政法、教員免許法の各改悪法。学校教育法に新たに「我が国と郷土を愛する態度を養う」との「愛国心」表記を盛り込んだ。(20日)
●「君が代」強制に合憲判決 入学式や卒業式で「君が代」を斉唱しなかったことなどを理由に、定年後の再雇用を取り消された東京都立高校の元教諭ら10人が、都を相手取り、再雇用職員としての地位確認などを求めた訴訟の判決が東京地裁であった。佐村裁判長は「起立・斉唱は儀礼的な行為で、思想・良心の自由を侵害するものではない」と述べ、斉唱を命じた職務命令を合憲と判断。再雇用しなかったのは都教委の裁量の範囲内で適法として、請求を却下した。(20日)
●F22、来春に嘉手納再飛来 米太平洋空軍のヘスター司令官が、今年2月から3カ月間嘉手納基地に米国外で初めて一時配備された米空軍の最新鋭戦闘機F22Aラプターについて、来春にもあらためて嘉手納基地に飛来させる可能性を言及した。米軍準機関紙「星条旗」が伝えた。(20日)
●ブッシュ支持率26% 世論調査でブッシュ米大統領の支持率が01年1月の就任以来、過去最低の26%を記録した。不支持率は過去最高の73%。ニューズウィーク誌が発表した。(21日)
●国会会期を12日間延長 参院本会議は、与党の賛成多数で国会の会期を7月5日まで12日間延長した。これにともない参院選の日程は当初予定より1週間遅れ、7月12日公示、29日投票となる。(22日)
●沖縄県議会が検定意見撤回の意見書 高校用の日本史教科書の検定で、沖縄戦の際に日本軍が住民に集団自決を強制したとする記述が削除された問題で、沖縄県議会は検定意見の撤回と記述の回復を求める意見書案を全会一致で可決した。意見書は集団自決について、「日本軍による関与なしに起こりえなかった」としている。(22日)
●「日本側負担3兆円」 ブルース・ライト在日米軍司令官が日本記者クラブで講演し、普天間飛行場移設や在沖米海兵隊のグアム移転など在日米軍再編にかかる日本側の負担額について「260億j(約3兆2200億円)程度」と述べた上で「大きな額と思うだろうが有事や戦争がこの地域で起きた場合、比較にならない額になる。はるかに安く済む」と述べた。(22日)
●教科書検定、「撤回は困難」と安倍 糸満市摩文仁の平和祈念公園で「沖縄全戦没者追悼式」(沖縄県主催)が開かれた。安倍首相も出席した。安倍は記者の質問で、沖縄戦の「集団自決」への軍関与を削除した文部科学省の教科書検定について「これは審議会が学術的観点から検討している」と述べ、検定の撤回は困難との認識をあらためて示した。(23日)
●米軍艦船、与那国に初寄港 在日米海軍佐世保基地(長崎県)を拠点とする掃海艦パトリオットや同ガーディアンが日本最西端の沖縄県・与那国島に寄港した。労組・住民など百人が抗議し、乗組員が一時、下船できなくなった。台湾有事の際に与那国島の港湾を使用することを視野に入れた情報収集とみられる。(24日)
●朝鮮総連本部、競売を申し立て 整理回収機構は、朝鮮総連の中央本部が入る「朝鮮中央会館」(東京都千代田区)の土地と建物に対する強制競売を東京地裁に申し立てたことを明らかにした。(26日)
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週刊『前進』(2301号7面1)(2007/07/02 )
6・23糸満市 安倍訪沖に現地の怒り
弾圧うち破り徹底糾弾
“追悼式参加 絶対許さぬ”
6月23日、安倍首相の来沖に抗議し、戦没者追悼式への参加を弾劾する闘いが沖縄県南部の糸満市摩文仁(まぶに)で闘われた。沖縄平和市民連絡会や沖縄労組交流センターなど、闘う団体、労働者、人士など約100人が決起した。
戦争と改憲、民営化・労組破壊に突き進む安倍政権は、その柱として沖縄の新たな侵略最前線基地化攻撃と沖縄圧殺に踏み出してきている。その安倍が来沖し、追悼式に参加しようとしているのだ。こんなことを許してなるものか!
警察権力は、抗議団を安倍の通る道路から見えない地点に追いやろうと弾圧してきた。レストランの駐車場に追い込んで拘束し、歩道にも出さない、トイレにも行かせないという理不尽ぶりだ。この許しがたい権力の弾圧に激しい抗議と弾劾がたたきつけられた。
抗議団は、安倍の通過を前に次々と弾劾のアピールを発する。沖縄靖国訴訟原告団の西尾市郎さんや反戦地主の照屋秀傳さんらが次々とマイクを握り、自らの戦争体験などから「沖縄戦の事実を歪曲し、戦争を美化することなど絶対に許さない。辺野古への基地建設を許さない」と安倍の来沖・追悼式参加を徹底弾劾した。
「安倍は沖縄に来るな!」「教科書の書き換え許さんぞ!」「沖縄戦の改ざんを許さんぞ!」「『集団自決』改ざんを許さんぞ!」「日本軍を美化するな!」「基地建設を許さないぞ!」「軍隊派遣を許さないぞ!」「沖縄をなめるな!」「安倍は帰れ!」とシュプレヒコールが続く。
午前11時50分、式典会場に向かう安倍の車がパトカーの先導で通過するのが見えた。抗議団の怒りはさらに最高に高まり「安倍は直ちに帰れ!」「沖縄に来るな!」と声を限りのシュプレヒコールをたたきつけた。
高校教科書の沖縄戦記述を書き換え、「集団自決」において日本軍の強制はなかったとすることで、沖縄戦と日本軍を美化し、沖縄戦の歴史事実そのものを改ざんする。さらに、辺野古に自衛隊の軍艦を投入し、闘争を圧殺して基地建設を強行する。こうした沖縄の侵略戦争最前線基地化を進める安倍が、あの沖縄戦で亡くなった二十数万人の人びとを冒涜(ぼうとく)するために追悼式に出席することなど絶対に許されない。徹底弾劾あるのみだ。
安倍の来沖・追悼式参加を弾劾し、抗議闘争を終えた労働者、人士らは午後からの国際反戦沖縄集会に参加した。
(写真 安倍を徹底糾弾する大横断幕を掲げて迎え撃つ 【6月23日】 糸満市)
国際反戦沖縄集会 県内外から350人参加
第24回「6・23国際反戦沖縄集会」が糸満市米須の「魂魄(こんぱく)の塔」近くで開かれ、県内外から350人が参加した。
はじめに平良修さんが主催者あいさつを行った。平良さんは、「今、戦争状態に入っているという危機感を持つ必要がある。沖縄の闘いが戦争の最大の障害物になっている。戦争に徹底的に反対しよう」とアピールした。
集会は、コンサートや中学生による詩の群読、世界各地や県内の闘争報告など、盛りだくさんの内容で、辺野古への基地建設阻止、教科書改ざんを許さない、戦争反対の誓いを新たにした。
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週刊『前進』(2301号7面2)(2007/07/02 )
法政大 学友会廃止絶対阻止を
団結こそ平林打倒の道だ
法大総長・平林千牧が学友会廃止を一方的に打ち出した。学友会は、第一文化連盟などの学生10団体で構成し、全法大生が加盟する団体だ。平林は、学友会費の代理徴収を今年度で停止し、当局が認めたサークルにだけ「サークル補助金」を出す制度に変えると言っている。法大当局によるサークル直接支配でありサークル全面解体の攻撃だ。ふざけるな! 学友会廃止など許せるか!
昨年の3・14法大弾圧以来の不当逮捕や不当処分の真の狙いは、学友会廃止だったのだ。
法大全学ストライキの決定的なチャンスが到来した。「暴行」容疑でデッチあげ逮捕―不当起訴された新井君・友部君の裁判闘争と一体で、学友会廃止絶対阻止の闘いを爆発させよう。法大全学ストライキに突き進み、11月労働者集会に法大から大結集しよう。マル学同中核派法大支部の圧倒的建設をかちとろう!
(写真 学友会廃止決定の暴挙を弾劾し第4波総長室包囲デモに決起【6月28日 法政大九段校舎前】)
学生の根底的決起への恐怖
学友会廃止にかけた平林の狙いは、第一文化連盟などをつぶして、学生の団結を解体することだ。学友会廃止に対して、団結の強化・拡大を総括軸にして闘おう。
学友会廃止は、安倍政権が掲げる「戦後レジームからの脱却」と一体だ。安倍政権による自治労や日教組などの労働組合解体攻撃と一体だ。戦争・改憲・民営化・増税・福祉解体に突き進む安倍政権にとっては、4大産別を始めとした労働組合を解体し、戦争推進勢力につくりかえなければ、もはや階級支配が成り立たない。法大総長・平林も、第一文化連盟などを解体しなければ法大生を支配することなどできないのだ。
しかも、3・18−6・9で「労働運動の力で革命をやろう」という青年労働者・学生の革命に向けた闘いが始まった。青年労働者は職場で体制内労働運動と激突し、4大産別を先頭にして「全国に動労千葉のような闘う労働組合をつくろう」と闘っている。法大生も3・14法大弾圧を粉砕し、処分撤回闘争を爆発させ、新井君・友部君の不当起訴に対して新入生の決起をかちとってきた。
法大生の決起が始まったことへの根底的な恐怖が、平林を学友会廃止に走らせている。だが、平林は墓穴を掘った。法大生の闘いは、第一文化連盟などの学生団体の革命的再生と結合して、法大全学ストライキの爆発に突き進むのだ。
当局には展望も勝算もない
学友会廃止への学生の怒りが爆発することを恐れる平林は、「サークル補助金制度」なるもので学生の怒りを抑えつけ、だまし、一部サークルを買収しようとしている。さっそく平林は、学友会廃止と「サークル補助金制度」を認めさせるために、全サークルに対してヒアリングを行うと言っている。ヒアリングこそ個別サークルをバラバラに分断しつつ、恫喝と金での取り込みを狙う卑劣きわまりない策動だ。
だが、ここに法大当局の弱点がある。学友会廃止とサークル補助金制度を打ち出しても、学生の協力なしには一歩も前に進まない。法大当局は、サークル活動の実態など何ひとつ分かっていない。サークルから具体的な活動実態を聞かなければ、サークル補助金制度など成り立たないのだ。
全サークルがヒアリングを拒否して団結することが勝利への道だ。平林こそ、なんの展望も勝算もなく学友会廃止を打ち出しているのだ。
もはや資本家階級には社会を運営する力はない。年金制度や介護保険制度は崩壊、食の安全も崩壊、国の借金は過去最高を更新中、青年の2人に1人は一生フリーターなど、資本主義は完全に崩壊している。労働者階級が権力を握る革命が必要だ。
ところが、平林総長は破綻(はたん)した資本主義社会の現実を逆手にとって、「フリーターになりたくなかったら資格を取って差をつけよう」と、学生を競争に駆り立てている。学友会廃止で、ますます学生を授業にしばり付け、資本の奴隷にしようとしている。昨年以来の学生42人の不当逮捕、退学処分・停学処分の乱発、新井君・友部君の不当起訴、集会のたびに正門や中央広場の封鎖、そして学友会の廃止。
法大の主人公は学生なのに、平林の私物になっている。安倍と平林を串刺しにして打倒し、労働者や学生が権力を握るしかない。
学生が法大の権力とろう!
学生が団結して闘えば、平林などぶっとばせる。平林には法大を支配する力などない。逮捕・起訴・処分など、しょせんは見せしめだ。法大生全員を逮捕し、処分することなどできない。闘う学生が50人、100人と生まれるだけで勝利できる。第一文化連盟・二文連(第二文化連盟)・学団連(学生団体連合)に加盟しているサークルが団結するだけで絶対に勝てる。破滅に突き進む平林総長を打倒し、学生が法大の権力を握ろう。
(マルクス主義学生同盟中核派法大支部)
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週刊『前進』(2301号7面3)(2007/07/02 )
沖縄県議会 全会一致で可決
検定撤回求め意見書
“「集団自決」軍関与は事実”
6月22日、沖縄戦での日本軍による「集団自決」命令・強制の事実を高校の歴史教科書から抹殺する文部科学省の検定について沖縄県議会は、今回の検定意見を撤回し記述回復を求める「教科書検定に関する意見書」を全会一致で可決した。
意見書は、検定意見について「沖縄戦における『集団自決』が、日本軍による関与なしに起こり得なかったことは紛れもない事実であり、今回の削除・修正は体験者による数多くの証言を否定しようとするものである」と強く批判。そして「去る大戦で国内唯一の地上戦を体験し、一般県民を含む多くのとおとい生命を失い、筆舌に尽くしがたい犠牲を強いられた県民にとって、今回の削除・修正は到底容認できるものではない」と断じている。
意見書は、衆参両院議長、首相、文科相、沖縄担当相あて。県議会の文教厚生委員長ら代表7人が同日午後に東京に出発し、文科省の審議官を訪ねて意見書を手渡した。
全市町村議会で意見書可決
県議会での意見書可決を受け、県民からは「この件は絶対一歩も譲れない。このようなことを考える文科省は絶対許せない」「教科書を前の記述に戻させるまで、県民一体となって頑張りたい」などの声が相次いだ。
28日には国頭村議会と嘉手納町議会が、同様の意見書を可決した。これで5月14日の豊見城市議会決議を皮切りに、沖縄県内の41市町村すべての議会が意見書を可決したことになる。
すべての市町村議会が歩調をあわせたのは、04年8月の沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故で抗議決議・意見書を可決して以来。
撤回を求める署名も現在までに約13万筆が集まっている。“島ぐるみ”の怒りが安倍政権を追いつめているのだ。
改ざんは文科省が指示した
こうした沖縄の怒りに安倍首相は「(教科書検定は)審議会が学術的観点から検討している」と居直り、検定意見の撤回と記述回復を拒否した。
伊吹文明文科相は「文科省の役人も、私も、安倍総理も一言も口出しできない仕組みで教科書の検定は行われている」と国会で答弁し、責任追及から逃げ回るとともに、検定意見の撤回はできないと居直っている。
しかし22日には、教科書改ざんを文科省の局長・審議官らが指示していた動かぬ証拠(決裁書)も暴露されている。
この決裁書は、教科書調査官がまとめた調査意見書を、所管の初等中等教育局が決裁した内部資料。局長、審議官、課長、教科書調査官などの決裁印があり、教科用図書検定調査審議会に検定意見の内容を事実上指示するものだ。安倍や伊吹らの“第三者の調査審議会が学術的観点から出した検定意見だから政府は口出しできない”なる説明は恥知らずな大うそだ。しかも、今回の検定で日本史を担当した文科省の調査官の一人が、なんと「新しい歴史教科書をつくる会」の関係者だったこともすでに明らかになっている。
歴史教科書の改ざん糾弾の闘いは、“国体護持の捨て石”として筆舌に尽くせぬ沖縄戦の惨禍を強制された沖縄県民の絶対に譲れぬ闘いであり、自衛隊まで投入して新基地建設を狙い、沖縄を侵略戦争の最前線基地にしようとする安倍政権に対する島ぐるみ闘争に発展している。本土―沖縄の労働者が一体となり、検定意見撤回、記述を回復させるまで、さらに闘いを広げよう! 安倍政権を今こそ打倒しよう!
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週刊『前進』(2301号7面4)(2007/07/02 )
6・22那覇 教科書改ざん許すな
教労先頭に労組立つ
「慰霊の日」前日の6月22日、沖縄県庁前の県民広場で「沖縄戦の歴史わい曲糾弾! 自衛艦派遣糾弾! 安倍首相の『慰霊の日』式典への参加に反対する緊急集会」が250人の労働者市民の結集で行われた。主催は平和運動センターが呼びかけた6・22集会実行委員会。
沖縄は梅雨も明け、県民広場には強い日差しが降り注ぐ。司会は山城博治平和運動センター事務局長。集会開始に先立って山城さんは「みんなで歌いましょう」と呼びかけ「月桃の花」をアカペラで歌う。
集会はシュプレヒコールで始まった。「沖縄戦の歪曲を許さないぞ!」「安倍首相の来県反対!」の声が県庁前に響き渡った。
主催者あいさつは崎山嗣幸平和運動センター議長。崎山さんは「教科書の改ざんと辺野古への海上自衛艦の派遣は憲法改悪への道だ」と述べ、県民に銃口を向けた自衛隊は日本軍と変わらないと批判、翌日の安倍来沖を弾劾した。
続いて、実行委員団体あいさつとして統一連、ヘリ基地反対協、平和市民連絡会が発言。反対協の安次富浩共同代表は、5月18日の海上自衛艦「ぶんご」投入を批判し辺野古新基地建設を絶対に阻止する決意を表明。城間勝平和市民連絡会共同代表は、「安倍は沖縄戦を『お国のために誠をささげた』と美化しようとしている。このようなことは絶対に許されない」と、翌日の安倍の式典参加を弾劾した。
連帯あいさつは「沖縄戦の歴史歪曲を許さず、沖縄から平和教育を進める会」事務局長の山口剛さん。6月9日の県民大会を受けての文科省への要請行動でも事実を認めようとしない政府の態度を批判し、「23日に安倍が沖縄に来ることは許せない、歴史わい曲を許さないというのは県民の総意だ」と訴えた。
司会の山城さんから、この日の午前中に県議会本会議で検定の撤回を求める決議が全会一致で採択されたこと、直ちに要請団が上京していることが報告された。さらに政党あいさつとして社民、社大、共産、民主の各代表が発言。社民党の渡嘉敷県議は自らの沖縄戦体験を語り、教科書検定への怒りを表明した。
最後に参加者は、アピール文採択、がんばろう三唱を行い安倍政権と闘う決意を固めた。
昼休み時間の緊急集会にもかかわらず、この間歴史教科書改ざん問題で先頭に立ってきた高教組、さらに沖教組、自治労、全駐労、全水道、全港湾など、各労組の旗が県庁前に結集して翌日の安倍の来県への抗議の意志を表明した。
(写真 教科書改ざんを糾弾する島ぐるみの闘いの先頭で、教育労働者を始めとする労働者が立ちあがっている。県庁前での緊急抗議集会 【6月22日】 那覇市)
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週刊『前進』(2301号7面5)(2007/07/02 )
六ケ所再処理工場 稼働阻止へ全国集会
“アクティブ試験やめよ”
6月16日、青森市で「止めよう再処理 全国市民集会」が開催された。地元青森や全国から原発・核燃サイクルに反対する労働者市民が多数参加し、六ケ所再処理工場の稼働を絶対に許さない決意をともにした。
はじめに核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会の平野良一さんが「国と日本原燃は再処理の実験を綱渡りでやってきたが、今度足を踏み外したら大変なことになる。初心にかえって再処理阻止の闘いに取り組んでいきたい」とさらなる闘いを宣言。
報告では原子力資料情報室の澤井正子さんが日立と日本原燃の耐震計算ミスとそのもとでの運転強行を批判。美浜の会の小山英之さんは、プルトニウムが海藻から検出されたことについて「プルトニウム238の比率が高いなら核実験でなく再処理工場からのもの。日本原燃はその内容を公表すべきだ」と指摘した。
次に各地からのアピールが行われた。
8・6広島―8・9長崎反戦反核全国統一実行委代表の三角忠さんは「ABCC―放影研は被爆者をモルモット扱いしてきた。アジア侵略、ヒロシマ・ナガサキ、ビキニをくり返してはならない。核と原子力はどう違うというのか」と提起した。
東北大の学生は「みんなと団結し、核のない社会をつくっていきたい」と元気いっぱいに発言。さらに「核武装の準備が進んでいる。危険な『もんじゅ』運転再開をやめさせよう」(千葉)、「フルMOX燃料の大間原発の許可が目前に迫っている。絶対に動かしてはならない」(函館)、「再処理工場からトリチウムやクリプトンが放出されている。海に空に放射能を流すな」(岩手)などの声が続いた。
(写真 「とめよう!核燃・再処理、日本の核武装を阻もう!」と呼びかけ青森の中心街をデモ行進 【6月16日】 )
地元労組も決起
午後からは、青い森公園で開かれた青森県反核実行委員会などの主催の「六ケ所再処理工場稼働阻止全国集会」に合流。地元の自治労・日教組・全港湾・全林野などの組合員を始め全国から700人を超える労働者市民が参加した。集会後、市内の繁華街をデモ行進し「アクティブ試験再開・本格稼働」絶対阻止を青森市民に力強く訴えた。
調査で怒り倍加
翌17日には六ケ所村でフィールドワークが行われた。
再処理工場正門前に結集した参加者は、放射能拡散調査としてハガキ付風船を一斉に飛ばした。その後、出戸(でと)西方活断層を現地観察。再処理工場や東通(ひがしどおり)原発の下を通る断層とこの活断層は一連の断層群である。「こんな所に最も危険な核施設が!」と一同は驚き、怒りを倍加させた。
再処理工場労働者のプルトニウム体内被曝が始まっている。村内外に膨大な量の放射能が垂れ流され始めている。核燃と闘う地元住民と連帯し、労働者階級の力で再処理工場の稼働、「もんじゅ」運転再開をなんとしても阻止し、日帝の核武装化攻撃を粉砕しよう。
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週刊『前進』(2301号8面1)(2007/07/02 )
火噴き燃えるバイクで配達できるか! 仙台 岡田優一
先月、私の局で配達中にバイクが燃えるという、ちょっと信じられない事故が発生しました。
混合配達(書留や速達、小包を配達する作業)中、バイクを降りてエンジンを切って事業所に行き、戻ってエンジンをかけた瞬間、ブワッと火を噴いて、あっという間にバイクは丸焼けになったそうです(写真)。乗ってた仲間も郵便物も無事だったことが奇跡としか思えません。
今郵便局で私が乗っているバイクも、10年以上使用していて走行距離は8万`になろうとしていますが、これでも普通の部類です。軽四に至っては10万`オーバーは当たり前、他の局では30万`以上走っている車もあります。
当局は、新車を入れようという気が全然ないのです。民営化を控え、「そんなに車両をどんどん更改するな! とにかく走れるうちは使え!」という当局の方針で、ここ数年は壊れたら修理して使っています。おかげでドアとエンジンと給油口の鍵(かぎ)が全部違う車はあるわ、走っている途中で助手席の床が抜けるわ、「これが大切な郵便物を運ぶ車かよ」という話です。
そして、ついにバイクが燃える事故が発生。全国では他に2台ほど燃えたということです。
当局は人損も物損もなかったということで、なんにも対策をしていません。ふざけるな! 組合も参加している安全衛生委員会でも「原因を調査中です」の一言であまり議題にならなかったようです。何のための組合なのでしょうか? 民営化攻撃の中で間違いなく現場の安全が脅かされています。
どこかで聞いた話だと思いませんか? これってJR尼崎事故を生んだ背景じゃないですか。
当局よ、ぼろぼろの車で配達に出て行く現場労働者の気持ちがわかるか! 死人が出てからでは遅いんだ! 今こそ、闘って安全を守るべきだと思います。動労千葉のように、闘って職場の安全を守ろう!
職場の仲間に6・9の報告会をしました 青年労働者 夏丘 梢
6月9日に渋谷で行われたワーカーズアクションを職場の仲間に報告する日を設けた。
不祥事続きの安倍政権について、これ幸いと話題にした。6・9に行けなかった仲間が興味を持って「どうだった?」などと向こうから聞いてくる。手ごたえを感じながら意気揚々と話すことができた。同じ職場の仲間にも報告ビラを手渡すこともできた。これは大きな勝利である。
まだまだ内容については明確に伝えることができなかったし、報告会まで来てくれる人もまばらだった。準備も万端とは言えなかった。それでも、職場の過酷さについては話すこともできたし、聞くこともできた。「組合をつくろう」という発言もできた。
これは6・9の仲間たちの発言があったからこそ、またデモをしたことの達成感から来たものであることは明確である。6・9でこちらがもらった力を、今度はそれぞれの職場に持ち込んでいく。これをやりきってこそ、青年労働者の獲得への一歩が踏み出せるのだ。
全国の皆さん、ともに立ち上がろう! 11月に向けて!
「精神障害者」で悪いか!叫んで生きたい 青年労働者 春川美代
私は「精神障害者」である。はたから見た感じでは分かりにくいし、自分でも、健常者と「障害者」のギリギリのところで、どっちつかずの感じでいつも居心地の悪い思いをしていた。
労働運動をしていても精神の健康な人?とはどこか違う、劣っている自分、すぐ疲れる自分、という劣等感と、同じような苦しみを持つ人はいないのだろうかと、孤独にさいなまれ、仲間ともギクシャクして当たり散らした。
だけど、6・9で聞いた部落解放同盟の人の発言に、私は心打たれた。
部落出身者であることを隠して派遣を続けることだってできた。けど彼は発言の前の日に職場で部落民宣言をしてきた! 公園に響きわたる声で「文句があるか!」と叫んだ。すごくサマになっていてかっこ良かった。
思わず自分に重ねてしまった。私も「『障害者』で悪いか!」と真正面から言う生き方をしたい。ずっと隠れて、健常者に見よう見まねで合わせてきた自分を、解放してやりたいと思った。
「日の丸・君が代」処分に抗議のキャラバン 東京 伊飯雷太
卒・入学式に続いて、地域の高校に「日の丸・君が代」職務命令発動と処分に抗議する「申し入れ」キャラバン行動をしました。
学校側の対応はこの春よりもひどくなっています。校長が不在なので事務に預けた申入書を「校長はこの問題は受け付けない」とわざわざ突っ返した副校長。市民に説明できないことをするな!「不起立は減っていますね」とイヤミを垂れる副校長。お前が処分するからだろ!
ある進学校の美術の先生は、授業中に寝ていた生徒を注意したところ、校長から「受験に必要のない授業は寝ていてもいい」と言われたと怒りまくっていました。
都高教分会と被処分者を激励し、国会行動を呼びかけました。多くの教育労働者が教育4法改悪は日教組壊滅と改憲を狙ったものだという私たちと同じ認識を持ち、危機感を募らせていました。
しかし、国会に行きたくても行けない職場の状況があります。授業のコマ数が増やされ、課外授業などでがんじがらめの上に、分会員を狙い撃ちした配転で団結を守るのも大変だということです。それでも「17時からでも国会に駆けつける」という被処分者を先頭に闘う都高教は本当にすごい組合だと思いました。
都高教本部が「日の丸・君が代」の強制と対決し、被処分者の支援をしてきたならば職場の状況は今とはまったく違っているでしょう。「一人の労働者への攻撃は全体への攻撃」ととらえて反撃すれば都高教も動労千葉のような組合になれるはずだと確信しました。
6・9集会の熱気を伝え、11月の1万人結集に向けてキャラバン行動を続けます。
『5・18法大包囲デモ』気迫と怒りのDVD 東京 田宮龍一
闘いの現場を撮ったビデオでこんなにおもしろいのを他に知らない。DVD『5・18法大包囲デモ』は出色の痛快作だ。
法政大学当局は闘う法大生を警察に売り渡し、退学・無期停学などの重処分をかけたが、この映像を見ると、追いつめられているのはまさに当局だと確信させてくれる。何しろ法大生が抗議の集会・デモを呼びかけたら「このような反社会的行為を許さない」などと告知を出してキャンパス中央を封鎖・立入禁止にしたのだ。前代未聞!
「大学という権威が、なんでそんなセコいことするの?」と誰もが思う。カメラはその当事者たる大学の反動職員の陰湿で後ろめたい表情に焦点を合わせる。それをガンガン追及して意気高くアジテーションする被処分法大生、法大OB、全学連。ビラを真剣に読みアピールに聴き入っている法大生。弾圧の機会をうかがう公安警察・私服刑事の群れ。逃亡して姿を見せない平林総長!
これら全体が織りなす独特の緊張した現場の空気を、ビデオは凝縮して運んでくれる。気迫と怒りにあふれたデモは本作のハイライトだ。
頒価500円。売り上げは起訴された2人の学友への救援カンパになる。多くの人の購入・視聴・上映を勧めたい。問い合わせは3・14法大弾圧を許さない法大生の会、または全学連書記局へ。
労働者の武器は団結とストライキです! 交通労働者 和泉 葵
今の世の中、政治家や他人が変えてくれると思ったら大間違いだ! はたから見ているだけでは、今の世の中は変わらない! 今こそ立ち上がれ労働者!
私は、先日NHKで放送された「その時、歴史は動いた」という番組を見ました。その中で、安保前哨戦と言われる砂川闘争を私は初めて知りました。戦前は日本軍、戦後はアメリカ軍と、10回も国の勝手な理由で農地をいいように使われました。農家の人たちの怒りは爆発し、反対運動を起こしたが、国は力でねじ伏せてくる。
私はその映像を見て、「歴史は繰り返されている。今の辺野古も同じだ!」と思いました。軍隊とは国民を守る組織ではない。自分たちだけでも生き残ろうとする、政治家や資本家たちのための組織だ。日本のこの腐ったところは変わっていない。
私は、喧嘩(けんか)や争い事が嫌いです。当然戦争なんかは、もっと嫌だ! それでも、この世の中を変えていくためには、安倍政権・経団連のような資本家・闘わない労働組合と、私は闘っていきます! 相手の武器は武力行使で、労働者の武器はやはり団結とストライキです! 労働者が働かなければ、国の機能が止まってしまう強力な武器です。
私の好きな言葉に「出来る事だけでいい」という言葉があります。署名・集会・デモ・仲間づくり・仕事……、体は一つしかありません。全部こなすには大変な事です。だから、その時自分の出来る事だけを、今やっています。たとえ小さな行動でも、それを続ける事で大きな成功をもたらすと思ってます。
これから子どもや孫たちを戦争に行かせないためにも、今こそ団結して革命を起こしましょう!
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週刊『前進』(2301号8面2)(2007/07/02 )
「七・七事変」70周年記念メッセージ
星火団よ、共に闘い革命勝利を
在日台僑元日本兵 林 歳徳
過去に梟きょう(きょうきょう)日帝(注1)は、右手に日英同盟3回、左手に日露協約4回を結び、71年間連続、中国・アジアを侵略した。その因果応報で1945年敗戦になった。
現在にその大罪行の反省が無いばかりか、さらに一蓮托生(いちれんたくしょう)の「日米同盟」を結び、アングロサクソン米帝の猟犬として朝鮮戦争とベトナム戦争に協力して得た大もうけで世界第2位の経済大国・軍備大国になった!
この梟きょう日帝をつくった国体は悪名高い侵略立国を国是とした「天皇制日本帝国主義」である。
日帝国民は裸で生まれた時は善良かつ平等であるが、成長過程で天皇制日帝の悪い組織の管理と教育の強制により、善良の日本国民があの凶悪残虐な鬼皇軍になり、平気で罪のない中国人民やアジア人民を大虐殺・強姦・放火したのである。
その鬼皇軍の行為は「上官の命令は朕の命令だ」として行われた。また「天皇は神聖にして侵すべからず」と大日本帝国憲法第3条に明記している。
「天皇制」はきわめて強力な麻酔薬であり、かつ責任逃れの安全弁であるゆえに、過去の侵略指導者たちの免罪符の役割を果たした。この天皇制悪魔の罪刑は「罪不容誅(つみちゅうをいれず)」(注2)である。
この凶悪な天皇制日帝がある限り、アジアに平和は無い。また日本国民も自業自得で真の幸福は得られない。この繰り返しの結果、日帝は必ず天誅で衰滅する!
全国に散在している闘う日本人民〈星火団>が闘うアジア人民と団結して、この美しい日本列島を守り、新鮮で平和的「日本人民共和国」が星火団によって誕生する。その時がアジアの夜明けである! これが日本星火団の任務である。
革命が成功する決め手は、小義〈私利>を捨て、大義〈公利>に密着し、一致団結して人民奉仕に徹し、己を知り、敵を知り、世界を知悉(ちしつ)して臨機応変に闘うことである。
共に闘い、共に闘勝の万歳を大きく高く叫びましょう!
2007年7月7日
林歳徳 89歳記
◎注1 梟きょう日帝 梟(きょう)は母を食う禽(とり)、(きょう)は父を食う獣(けだもの)。故に、梟きょうとは、凶悪亡恩背義人のこと(大修館『漢語林』92年版514n参照)。梟きょう日帝とは、中国文化や文明で育成された日本が成長して、白人帝国と組んで中国を侵略した「凶悪忘恩背義日本帝国主義国家」の略称。
◎注2 罪不容誅 犯した罪が超重大で、殺してもなお足りない大罪。
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週刊『前進』(2301号8面3)(2007/07/02 )
大阪地裁に怒りのデモ
中田書記長ら即時奪還へ
勾留理由開示公判 全国から200人結集
6月21日午前、部落解放同盟全国連合会中央本部の中田潔書記長に対する大阪府警の6・13デッチあげ逮捕を弾劾し、即時奪還をかちとるための勾留理由開示公判が大阪地裁で開かれた。解同全国連を先頭に全関西−全国から200人を超える労働者人民が傍聴闘争に駆けつけ、日帝・国家権力の部落解放運動つぶしの政治的フレームアップ弾圧に対する怒りの総決起を実現した。
大阪地裁は、勾留理由開示公判の法廷をたった24人しか入れない最小の402号法廷にし、弾圧への怒りに燃えて決起した労働者人民から身をそらすことに必死だった。しかし、傍聴券配布場所には200人以上が詰めかけ、実質的な傍聴制限を徹底的に弾劾した。
しかも、破廉恥にも裁判官・井上高和は、弁護人から出された求釈明に対して何ひとつ答えることなく、勾留の「正当性」を強弁するだけであった。
(写真 大阪府警による政治的フレームアップ弾圧に怒りを燃やし、全国から200人を超える労働者人民が結集。大阪地裁を包囲する怒りのデモ【6月21日 大阪】)
弾劾集会を開催
傍聴に入れなかった闘う仲間は、裁判所近くの中之島公園の女神像前広場で「中田書記長奪還! 解放運動つぶしの弾圧粉砕!」を掲げて部落解放運動破壊の政治弾圧を徹底的に弾劾する集会を開催した。
この勾留理由開示公判と集会には、3労組共闘を支える連帯ユニオン関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合港合同、関西合同労組などが結集し、全国・全関西の闘う労働者人民の怒りの大きさを示した。
集会では、当該の全国連荒本支部を先頭に、茨城、広島、山口、埼玉などから結集した全国連各支部が、弾圧粉砕の固い決意を表明した。
関生支部は、今回の弾圧を絶対許さないという決意と、間近に迫った「ええ加減にせぇ!警察・検察・裁判所7・1全関西集会」への決起を呼びかけた。
公判を終えた永嶋靖久弁護士と太田健義弁護士から勾留理由開示公判の報告が行われた。
“即時釈放せよ”
集会後、参加者は、200人を超える大隊列で大阪地裁を一周するデモに立ち上がった。弾圧粉砕と逮捕されている中田書記長、嵩原(たけはら)さんの奪還をアピールするシュプレヒコールをあげて戦闘的なデモを貫徹した。この怒りの反撃は、大阪地裁・大阪府警を直撃、日帝権力に大打撃を与えるものとなった。
大阪府警公安3課による「廃棄物処理法違反」容疑デッチあげによる中田書記長と嵩原同志の不当逮捕は、安倍政権の改憲と戦争のための部落解放運動解体の政治的大弾圧であり、絶対粉砕あるのみだ。
大弾圧粉砕に全国連とともに総決起し、中田書記長らの即時釈放をかちとろう。訂正
本紙前号6面の5・27集会の記事で「『評価システムNOの会』20人が登壇し発言した」とありますが、登壇・発言したのは「新勤評反対訴訟の原告たち」でしたので訂正します。なお、登壇者には「NOの会」の方も含まれていました。
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