ZENSHIN 2007/04/16(No2291 p06)

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第2291号の目次

「憲法と人権の日弁連をめざす会」が主催した改憲手続き法案阻止の4・11行動。夜のデモに800人余が参加(東京・新橋)=記事2面

1面の画像
(1面)
改憲投票法案 衆院強行採決弾劾!参院決戦へ
北島候補、西村候補を先頭に全国で闘う候補の必勝を
4月統一地方選勝利へ総決起のアピール
記事を読む  
改憲投票法案  国会前に“安倍倒せ”の渦
採決阻止へ渾身の連続決起(4月11、12日)
記事を読む  
本会議採決に怒り爆発13日(4月13日) 記事を読む  
日程 国会闘争スケジュール 記事を読む  
(2面)
大資本への行政の売り渡し労働者の首切りと福祉破壊
「杉並丸ごと民営化」に絶対反対  北島候補必勝へ全力を
記事を読む  
改憲投票法案 弁護士先頭に反対行動
集会とデモ 830人が“戦争の道阻め”(投稿/田中明雄)(4月11日)
記事を読む  
闘う私たちこそ日教組 学校現場からの報告
全校でビラまき3年目  組織された力で闘おう(大阪 羽田博司)
記事を読む  
(3面)
公務員の反対運動禁圧する改憲投票法案阻止に立とう
民営化・公務員制度改革粉砕を(革共同自治体労働者委員会)
記事を読む  
動労西日本 3波のスト打ちぬく  “闘いなくして安全なし” 記事を読む  
韓米FTA妥結弾劾  “労働者・農民に死ねというのか”
タクシー労組員が抗議焼身
記事を読む  
〈焦点〉 米軍再編法案成立阻止しよう  アメとムチで基地を強制 記事を読む  
〈焦点〉 道州制導入うち出した経団連  地方自治解体し改憲狙う 記事を読む  
(4面)
「3・18」で実現した地平を断固支持し発展させよう
階級的労働運動路線について  城戸 通隆
記事を読む  
2007年日誌 4月4日〜10日
国家安保会議法案を閣議決定  茨城県立全高校で道徳必修に
記事を読む  
日程 4・25尼崎事故2周年 労働者総決起集会 記事を読む  
(5面)
沖縄−本土の労働者は一つの階級として団結し闘い抜こう
5・15沖縄闘争の勝利のために  革共同沖縄県委員会
記事を読む  
法政大 「革命」訴え大前進  “新たなサークル弾圧許すな”(法大生/K) 記事を読む  
富山大 弾圧に怒りの反撃  織田全学連委員長講演会が大成功(富山大/N) 記事を読む  
市東さん耕作権裁判へ  4月23日(月)11時〜 千葉地裁 記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー
高校の卒業生として「日の丸・君が代」拒否 関西・卒業生 MA
フロントサービス診断は直ちにやめろ 広島 魚住 徹
「集団自決」は軍命令による強制的集団死 沖縄 草刈史樹>
命を生み出す大地を農地法で奪うとは! 広島 高田二郎
バイオ燃料化は世界の飢餓をひどくする 東京 青井昌人
記事を読む  
高裁判決破棄・無罪確定を
迎賓館・横田爆取裁判 最高裁へ申し入れ(4月5日)
記事を読む  
星野文昭さんに 4・27バースデーカードを届けよう 記事を読む  
星野さんとともに  暁子さんの友人として面会  鎌田 由子 記事を読む  
一億二千共謀の日4
共謀罪現代の治安維持法キョーボーして廃案にしよう
記事を読む  

週刊『前進』(2291号1面1)(2007/04/16 )

 改憲投票法案 衆院強行採決弾劾!参院決戦へ

 北島候補、西村候補を先頭に全国で闘う候補の必勝を

 4月統一地方選勝利へ総決起のアピール

「憲法と人権の日弁連をめざす会」が主催した改憲手続き法案阻止の4・11行動。夜のデモに800人余が参加(東京・新橋)=記事2面

 安倍政権と自民・公明の与党は4月12日、衆院憲法調査特別委員会で、13日には衆院本会議で、改憲投票法案を強行採決した。断じて許しがたい歴史的暴挙である。この法案は公務員労働者や教育労働者の改憲反対運動を禁止・弾圧し、労働組合の団結を解体して、日帝の反革命クーデターとしての改憲を強行するための希代の反人民的悪法だ。与党はさらに参院で、4月27日にも、あるいは5月3日までにも強行採決して成立させるとうそぶいている。衆院での強行採決に怒りを爆発させ、参院決戦に立とう。同時に、何よりも4月22日投票の統一地方選・後半戦で、杉並・相模原を始め全国の闘う候補の絶対勝利をかちとるために、持てる全力を注ごう。

 ファシスト・石原への怒り

  4月8日投票の統一地方選・前半戦の結果が示したことは何か。
 それは帝国主義の最末期の体制的危機の爆発に脅える日帝・安倍=御手洗とブルジョアジーが、戦争・改憲・民営化(労組破壊)と差別主義や排外主義の攻撃を激化させ、首都と全国で労働者人民の怒りを封じ込めるために、総力をあげたということである。特に都知事選はそのことを示した。東京でファシスト石原はけっして「圧勝」したのではない。石原都政は完全に破産して、労働者の石原への怒りは頂点に達していた。まさに「ヨレヨレの勝利」でしかなかったのだ。
 戦争・改憲攻撃の先兵であり、差別主義・排外主義の権化であるファシスト石原への怒り、「日の丸・君が代」強制と重処分への怒り、民営化と労働者の首切りと賃下げ、非正規雇用化と貧困化の攻撃への怒り、高齢者医療など福祉切り捨てへの怒り、東京外郭環状道路やオリンピック招致など大企業のための巨大開発への怒り――これらが労働者人民の中には充満していた。石原都政は我慢できない、変えろ、の声が圧倒的だった。
 しかし石原はファシストである。日帝と安倍=御手洗を先頭とするブルジョアジーは、体制総破産の危機の中で、ファシストを押し立て、「行動力」や「変革」なるものをペテン的に押し出し、激しい危機感のもと差別主義や排外主義をも動員し、全反動を組織したのである。この密集した反革命の前に、既成の一切の体制内勢力が吹き飛ばされてしまった。
 もともと都議会で石原翼賛勢力である民主党は、独自の対立候補を立てられなかったばかりか、最後に浅野史郎を支持したものの、都議会民主党などは石原支持で動いた。連合中央が一体化し、支持する民主党の反労働者性は、都知事選でもきわだっていたのだ。
 だが労働者階級の石原に対する怒りは極点に達している。石原のような腐敗した傲慢不遜(ごうまんふそん)なファシストには、いかなる批判の言葉も通用しない。ファシストを打倒できるのは、労働者と労働組合の団結と闘いへの決起のみである。社会の主人公であり、行政も、教育も、交通も、医療も、福祉も動かしている労働者が、階級的に団結して決起し反乱を起こせば、石原などすぐに吹っ飛ぶのだ。
 だが最大の問題は、既成の体制内労働運動の指導部が完全に屈服して、ファシストとも、民営化攻撃とも闘わないことにある。この腐敗し変質した体制内労働運動を打破し、階級的労働運動の路線のもとに労働者と労働組合が団結して闘うこと、ここにこそ労働者階級の未来があり、勝利があるのだ。4大産別を先頭に、階級的労働運動の創造と前進こそが求められているのだ。
 統一地方選・前半戦の結果を受けて、日本経団連の御手洗は、9日の記者会見で「選挙で当選した地方の首長は、国の方針のもとに地方行革を全面的に行うべきだ」と発言し、また「地域の発展についての政策をさらに広域にしてほしい」と、知事たちに道州制導入の検討を急ぐよう求めた。
 敵の狙いは、地方行革の名のもとに戦争・改憲・民営化(労組破壊)を断行することだ。自治労・日教組を絶滅し、地方自治を解体して、強権的な道州制を敷き、戦争国家を構築することだ。道州制とは改憲であり、反革命クーデターなのだ。労働者階級の団結と決起こそ、これを粉砕する唯一の力である。

写真左 「杉並丸ごと民営化」粉砕を訴える北島邦彦候補(4月10日 荻窪駅前) 写真右 戦争・改憲阻止を訴える西村あやこ候補(4月12日朝 JR相模原駅】)

 安倍=御手洗路線との対決

 4月統一地方選の後半戦は、日帝・安倍=御手洗路線と対決し、改憲と民営化攻撃を粉砕する決定的な戦場だ。とりわけ杉並区議選は、安倍=御手洗の先兵、ファシスト石原および杉並区長・山田宏との大決戦だ。
 全国に先駆けて「つくる会」教科書を採択した山田は、今度は全国の最先端で杉並区の全869事業を「丸ごと民営化」しようとしている。このとんでもない政策は、区の行政を丸ごと大資本に売り渡し、区職員6000人の大量首切りを断行し、福祉を破壊し、保育園、児童館、図書館、高齢者施設、「障害者」施設、介護支援センター、保健所など公的施設をことごとく切り捨てる攻撃である。
 同時にこれは、自治体の労働組合の破壊と、地方自治そのものの解体であり、安倍=御手洗がもくろむ道州制導入と改憲・戦争国家化への布石である。
 「杉並丸ごと民営化」を粉砕する力は、労働者と労働組合が団結して決起することだ。そして区議選で、唯一「絶対反対」を掲げて闘う北島邦彦氏を絶対に当選させることだ。杉並と首都圏の闘う労働者の総力を投入して、何としても北島氏の必勝をかちとろう。
 そして、この杉並と相模原を先頭に、全国で闘う候補の全員当選を絶対に実現しよう。

 反革命クーデター粉砕せよ

 4月9日、選挙結果を受け、安倍は「東京が圧勝でよかった」と言い、塩崎官房長官は「政権の追い風にしなければいけない。重要法案を国会で通すことに全力をあげたい」などと公言した。そして4月12〜13日には、衆院で米軍再編法案の強行と同時に改憲投票法案の強行採決というクーデター的暴挙に走った。
 さらに安倍と与党は、16日から参院で審議入りし、連日7時間審議すれば、5月3日の「憲法記念日」までに成立させることも夢ではないなどとうそぶいている。公明党の犯罪性も天人ともに許しがたい。
 一方で10日、民主党は独自の改憲投票法案修正案を衆院憲法調査特別委に提出した。これは改憲推進勢力である民主党が、7月参院選に向け自民党と「対決姿勢」を装うためだけの反動的なアリバイ策動だ。日本共産党も本質的に法案の中身の改善を要求するのみで、改憲投票法案に絶対反対の立場ではない。
 改憲投票法案を粉砕し、改憲阻止決戦の爆発をつくりだし、侵略戦争と戦争国家化への道を阻止できるのは、自治労や日教組を始め4大産別の現場組合員を先頭とする全国の労働者階級の決起である。闘わない連合や全労連の体制内既成指導部をぶっ飛ばし、労働組合の決起が始まるならば、改憲阻止の壮大な展望が開けるのだ。
 改憲投票法案は、改憲へと一直線でレールを敷く攻撃だ。公務員労働者と教育労働者、さらには労働組合や政治団体の改憲反対運動を禁止、弾圧し、団結と労組を破壊する攻撃だ。メディアを改憲賛成論で制圧していく戒厳令的な攻撃だ。
 この日帝・安倍の改憲強行という反革命クーデターに対決し、4大産別を先頭とする労働者階級の団結と総決起で、絶対阻止の闘いを爆発させよう。戦争と戦争国家への道を、階級的労働運動路線の大衆的スローガンである「労働運動の力で革命をやろう」「革命やって戦争とめよう」の精神と闘いをもって、絶対に粉砕しようではないか。
 安倍による衆院強行採決に怒りを爆発させ、参院決戦で改憲投票法案を葬り去ろう。

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週刊『前進』(2291号1面2)(2007/04/16 )

 改憲投票法案

 国会前に“安倍倒せ”の渦

 採決阻止へ渾身の連続決起

 改憲投票法案の衆院採決が切迫する中で、国会前には連日、労働者・学生・市民がつめかけ、阻止行動が展開された。
 60年安保闘争世代を中心とする「9条改憲阻止の会」は3月20日以来、連日の座り込みとリレーハンストを続行し、国会前の闘いを牽引(けんいん)している。新聞でも報道され、闘いの輪は広がっている。
 また、反戦共同行動委員会は衆院での強行採決を徹底弾劾し、参院での採決阻止へ、4・24、27国会行動を呼びかけている(要項別掲)。全力で決起しよう。

 弁護士先頭に国会行動 11日

 11日、「憲法と人権の日弁連をめざす会」が呼びかけて「改憲手続法の成立を阻もう/4・11行動」が闘いぬかれた。翌12日にも衆院憲法調査特別委での採決が狙われている緊迫情勢のもとで、昼の国会行動には、闘う弁護士を先頭に300人を超える労働者・学生・人民が集まった(夜の集会・デモは2面に投稿記事)。
 正午、国会に隣接する衆院第2議員会館前の歩道には、「戦争反対・九条改憲阻止」の白たすきをかけた弁護士がずらりと並んだ。座り込みを続ける「9条改憲阻止の会」や、労組交流センター、全学連など多くの団体が集まった。
 最初に森川文人弁護士が発言し、「国民投票法という名前自身にごまかしがある。この法律ができたら憲法改悪にまっしぐらに突き進む『改憲手続き法』だ。真実を伝えないマスコミにだまされず、制定を阻もう」と訴えた。
 「9条改憲阻止の会」の蔵田計成事務局長、全金本山労組の長谷武志委員長、平和遺族会全国連絡会代表で「とめよう戦争への道! 百万人署名運動」事務局長の西川重則さん、葉山岳夫弁護士、高山俊吉弁護士らの発言が続いた。
 午後2時からは、同じ場所で反戦共同行動委員会が集会を開いた。織田陽介全学連委員長が基調を提起し、「9条改憲を阻止する力は革命にある。それを実現するのは労働組合だ。社会を動かしているのは労働者だ。ストライキで闘う動労千葉のように闘おう」と訴えた。動労千葉、全金本山労組、東京の教育労働者を始め全国から集まった自治体労働者、全逓労働者、青年労働者らが元気よく発言した。
 最後に全員で国会に向かってシュプレヒコールをあげ、改憲手続法の絶対阻止を誓いあった。

 衆院特別委の採決弾劾 12日

 衆院特別委での採決が予測された12日、労働者人民は朝から続々と国会前につめかけ阻止行動を展開した。午前中から集会とシュプレヒコールを繰り返した。衆院第2議員会館前の歩道では全国労組交流センターの「国会闘争速報」が手渡され、「絶対阻止」を訴えた。
 午後6時過ぎ、採決強行が伝えられると国会前は怒りの渦となった。集まった人びとは一斉に弾劾の声をあげ、一時は車道にまで押し出て抗議し、警備の警官を押し返した。

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週刊『前進』(2291号1面3)(2007/04/16 )

 本会議採決に怒り爆発13日

「採決強行弾劾! 安倍政権を倒すぞ!」改憲投票法案の衆院本会議採決に怒りのシュプレヒコールがこだました(4月13日 国会前)

 「前日の特別委に続き、与党は衆院本会議で採決を強行する構えだ。絶対に許せない」
 13日、午前中から続々と国会前に人びとが結集し、動労千葉、全学連を始め旗・のぼりが林立した。そして統一地方選の闘いのただ中にある杉並区議候補の北島邦彦さん、相模原市議の西村綾子さんも駆けつけた。国会内での動向が伝えられるたび、怒りのシュプレヒコールが上がり、「改憲投票法をここで阻止しなければ」の張りつめた空気がみなぎった。
 午後2時20分ごろ、衆院本会議での採決強行の報が伝えられると国会前の怒りはピークに達した。「採決弾劾! 安倍政権を打倒するぞ!」
 座り込み・ハンストを続けてきた「9条改憲阻止の会」のメンバーがマイクを握り、「議事堂の中では向こうが多数を取っていても、全国の民衆は憲法第9条の改悪に心から反対だ。引き続き闘いを発展させ、改憲阻止の大きなうねりをつくろう」とアピールした。

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週刊『前進』(2291号1面4)(2007/04/16 )

日程 国会闘争スケジュール

4・24第4波国会闘争
24日(火)午前10時〜午後5時 国会前
4・27第5波国会闘争
27日(金)午前10時〜午後5時 国会前
改憲投票法案反対集会
4月27日(金)午後6時半
文京区民センター(地下鉄春日駅すぐ)
主催 反戦共同行動委員会

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週刊『前進』(2291号2面1)(2007/04/16 )

 大資本への行政の売り渡し労働者の首切りと福祉破壊

 「杉並丸ごと民営化」に絶対反対

 北島候補必勝へ全力を

 今回の杉並区議選の最大の争点は、山田区長が昨年から進めている「杉並行政サービス民間事業化提案制度」だ。「白紙撤回」を掲げて立候補した北島邦彦候補を必ず当選させよう。
 「杉並行政サービス民間事業化提案制度」は、杉並区の869あるすべての事業を民営化の対象とするものだ。
(写真 昼休み時間帯の区役所前で区の職員や住民に「杉並丸ごと民営化反対」を訴える北島邦彦候補【4月11日 杉並区】)
 杉並丸ごと民営化は第一に、年間2700億円を超える予算規模の杉並区の事務事業を丸ごと大企業や銀行の利潤の対象とするものだ。
 第二に、「公務員は優遇されている」「働かない」というバッシングで労働者を悪者に仕立て上げ、労働組合を破壊し、首を切り、低賃金・非正規雇用化するものだ。
 第三に、福祉や社会保障は資本の利潤を生む事業になった瞬間に変質する。本質的にはもはや福祉ではない。介護保険が典型だ。措置制度から金を出して買うサービスになり、金持ちだけが恩恵を受けるようになった。
 民営化の正体は、国鉄分割・民営化を検討するとはっきりする。
 分割・民営化の理由とされた国鉄の巨額の赤字は、自民党と大企業・大銀行がつくったものだ。当時の国鉄赤字は40兆円近く。青函トンネルや瀬戸大橋の費用もすべて上乗せされていた。
 高度経済成長が終わって日本経済が行き詰まる中で田中角栄は「日本列島改造論」をぶち上げ、全国に新幹線や高速道路を野放図に建設した。国鉄は自民党政治家による選挙区への利益誘導型公共事業の象徴だった。
 ところがそれを逆に「国鉄労働者が仕事もしないでさぼっているから赤字になった」と大宣伝し、民営化を強行したのだ。その過程で40万人の国鉄労働者うち半数約20万人が職場を追われた。地域の住民にとって切実な路線も「赤字」を理由に暴力的に廃止され、無人駅化やワンマン化も進んだ。
 そして、国鉄の持つ駅前の一等地が放出され、そこに大銀行やゼネコンが殺到し、80年代後半から空前のバブル経済に突入していったのだ。
 同時に、「戦後政治の総決算」を掲げて82年に首相になった中曽根は、国鉄分割・民営化によって、戦後労働運動の中軸であった国鉄労働運動を解体し、改憲と教育改革に踏み込もうとした。
 中曽根とまったく同じことを山田区長は狙っている。資本の救済と労組破壊が核心にある。同時に「新しい歴史教科書をつくる会」や改憲の攻撃と一体である。すでに杉並では民営化によって大企業が「濡れ手に粟(あわ)」でぼろもうけしている。杉並公会堂だ。
 杉並公会堂は、まだ十分に利用できたにもかかわらず、民間資金活用(PFI)方式によって建て替えられた。銀行から260億円を超える資金を調達し、大手ゼネコン大林組が設立した「杉並公会堂株式会社」によって進められた。
 その結果はどうか。
 区は33年間サービス購入料として毎年9億円を支払うことになった。しかも33年後には20億円近くで公会堂を買い戻す。物価や金利の上昇も考慮すると500億円近くの区の出費になるとも言われている。
 公会堂の稼働率がどうであれ区の支払いは確実に続く。大林組や銀行の利潤や配当は確実だ。ノーリスク。まさに「濡れ手に粟」である。
 旧公会堂にあった中小の会議室はなくなり、音楽ホールの利用料は十数万円になった。旧公会堂で働いていた労働者はそっくり入れ替えられた。大企業には巨額の利益誘導を行い、労働者から職場を奪った。区民は安価な施設を使えず、30年以上にわたる巨大な負担だけが押し付けられる。

 大企業の独占

 山田区長は市場原理を礼賛する。だが、全国の自治体の民営化の実態は、全国展開する大企業による独占・寡占だ。
 給食業務では、シダックス、フジ産業などの大企業が全国の学校給食へどんどん進出し、地元業者が入り込む余地はほとんどない。保育園ではベネッセ、ピジョン、コンビがビッグ3を形成している。
 いまや7兆円市場となった介護事業では大手のコムスンとニチイ学館、ジャパンケアサービスのトップ3の寡占だ。介護を食いものにするこの3社は連日、不正請求や事業所の不正取得でマスコミをにぎわしている。
 世界各地で水道民営化によって住民が必要な水などを入手できなくなる事態が起きている。
 ボリビアでは10年前、「サービスが良くなり、料金が下がる」という大宣伝で水道が民営化された。数百万jの価値がある水道施設を米ベクテル社の子会社が2万jで落札した。数週間後、この会社は、月収60jの最低賃金で生活する家庭に収入の25%に及ぶ膨大な料金値上げを課した。怒った住民暴動でベクテル社は事業を撤退し、大統領は失脚に追い込まれた。
 世界中の水道の民営化では米・仏の巨大多国籍企業の数社が独占している。民営化された国で水道水が安くなった事例はない。
 このように自治体の民営化は容易に大企業による寡占・独占に行き着く。結局、資金や情報が豊富で、独占的な地位を持つ大銀行と大企業の利権あさり、投機の対象になるのだ。しかも、大企業が破格値での落札を繰り返し、地域で独占してしまった場合には競争はなくなる。
 他方で、資本がもうからない事業は廃止。もしくはNPO(非営利組織)に無責任に丸投げされる。ボランティアという形で時給500円未満で労働法も適用されない、労働者ならざる労働者としてこき使われるケースも多い。
 杉並区は「区民自らが地域社会に貢献する人材・協働の担い手として活躍していただく」として「すぎなみ地域大学」なるものを開設。「公共サービス起業講座」「学校図書館スタッフ養成講座」などの講座を開いている。
 働き方の多様化とか協働と称して、就職できない青年労働者や高齢者、女性を超低賃金で働かせることを狙っている。

 反合理化闘争で職場支配権を

 民営化は、職場の過酷な合理化をもたらす。民間企業は7〜8割の経費で落札し、さらにそこから利潤を搾り出す。必要な要員は削られ、人件費を減らすために有期雇用や派遣労働が多用される。正規雇用も賃金が高いベテラン労働者が忌避される。
 その結果、職場の労働者の技術の蓄積や熟練は期待できなくなる。ほとんどの場合、アルバイトでもできるようなマニュアル的、ルーティンワーク的な労働になる。要員不足や経験不足のために労働強化と長時間労働に陥る。それらがもたらすものは何か。
 JRでは民営化後も徹底した要員削減、労働強化、技術力養成の放棄が続いた。87年に東日本で7万1800人いた労働者が04年には4万7620人に削減された。外注化によって技術継承されなくなった。現場は切り捨てられ、安全を守る原則が崩壊した。その結果が05年尼崎事故や羽越線事故なのだ。
 民営化された区の事業所では「運営主体が変わるたびに労働条件が変わり、1年契約になった」と怒りの声がある。「仕事がまともにまわらない」「あまりに多忙で多くの人が定年前に辞める」など、山田区長に対する怒りが充満している。必要なのは労働組合のもとで団結して闘う方針なのだ。
 山田区長は、現場の労働者を悪者にして民営化を強行しようとしているのだ。帝国主義の危機の中で、山田区長は大資本の救済者として、労働者階級に対する階級戦争として民営化を進めているのだ。
 分割・民営化当時、動労千葉の組合員には不安もあったがそれ以上に怒りがあった。運転士の仕事は人命を運ぶという手抜きができる仕事ではない。勤務は不規則で正月も盆もない。それを「さぼってばかりで国鉄をダメにした」と言われたことにものすごい怒りをもっていた。この怒りに依拠し「闘いでしか団結は守れない」と全員クビを覚悟して2波のストライキに立ち上がったのだ。
 民営化と労働者階級の利害は正反対、非和解である。よりましな民営化や中間的な立場はない。民営化とは、資本の利益のために労働者の首を切り、非正規雇用にする、福祉や社会保障を切り捨てることなのだ。山田区長こそ格差社会やワーキングプアを生み出している張本人だ。
 あらゆる職場で民営化阻止の闘いを巻き起こそう。人員削減や労働強化などの職場の合理化と徹底的に闘おう。住民支配や戦争協力のための労働を拒否しよう。職場を回すのは現場の労働者だ。職場支配権を当局から奪い返す職場闘争に立とう。組合員の怒りに依拠せず、民営化と本気で闘わない労組幹部から労働組合を取り戻そう。

 労働者の誇り

  自治体丸ごとの民営化は、労働組合が屈服しなければ貫徹できない。労働者の誇りや職場を武器に団結して闘えば必ず勝利できる。民営化反対のストを闘った動労千葉は組合と職場を守り抜き、いまも誇り高く闘っている。当該の労働組合が闘いの中心に座れば、地域の労働組合や住民も含めた大統一戦線を生み出せる。北島邦彦候補を民営化反対の議員として杉並区議会に送ろう。
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 誰でもできる選挙活動

 東京都杉並区議選、神奈川県相模原市議選は22日投票まで残り1週間となりました。北島邦彦、西村あやこ両候補の当選へ全国の同志、支持者、読者の決起を訴えます。
◎選挙区内在住者に支持の訴えを
 選挙区の友人、知人、親類に支持を働きかけて下さい。名簿を選挙本部に集中して下さい。労働組合や職場、趣味のサークルなどで支持を訴えて下さい。通勤や買い物途中でも顔見知りの人に会ったら声をかけて下さい。別の用事で訪問した相手に投票を訴えることは「個々面接」として公選法で認められています。
◎紹介はがきを書いて下さい
 選挙区の友人、知人の住所と名前を公選はがきに書いて両候補を推薦して下さい。選対事務所に必要な枚数を申し込み、記入したはがきを必ずもう一度事務所に戻して下さい。公選はがきは、選対がまとめて差し出したものだけが有効です。
◎電話での訴えを
 電話での支持要請はぎりぎりまで自由にできます。選挙区の友人、知人、親類に電話で支持を訴えて下さい。知っている人からの直接の電話は確実に支持に結びつきます。
◎演説会にかけつけよう
 街頭での訴えは、闘う候補の勢いを示します。毎日の駅頭・街頭での演説会にかけつけて下さい。
◎選挙事務所
 電話かけなど事務所仕事はたくさんあります。
◆北島邦彦事務所
 杉並区荻窪4−13−15
 (03−5347−4055)
◆西村あやこ事務所
 相模原市相模台2−3−5
 (рO42−741−3701)

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週刊『前進』(2291号2面2)(2007/04/16 )

 改憲投票法案 弁護士先頭に反対行動

 集会とデモ 830人が“戦争の道阻め”

 4月11日、「憲法と人権の日弁連をめざす会」の闘う弁護士が呼びかけて、改憲投票法案阻止の一日行動が闘われた。全国各地から弁護士、労働者、学生、市民が結集し、昼の国会前行動には300人、夕方の集会・デモには830人が参加した。
 昼間の国会行動(記事1面)のあと夕刻6時半から、霞が関の弁護士会館2階講堂「クレオ」で集会が開かれた。
 冒頭、主催者を代表して高山俊吉弁護士が開会あいさつを行った。「明日、強行採決が狙われている。それは安倍政権がいかに追い込まれ危機に立っているかを示している。かつて戦争に反対し闘いに倒れた人たちのことを、今こそ思い起こそう。団結し、悔いのない闘いをやり抜こう」と、会場を埋めた参加者に高らかに呼びかけた。
 メイン講演を、ちくま新書『靖国問題』著者の高橋哲哉さん(東大教授)が行った。高橋さんは国民投票法について「公務員・教育者の運動が規制されるのは大変なこと。私がこのような場で講演もできなくなる」「最低投票率の規定なしは重大。極めて低い賛成票で改憲が行われかねない」と、さまざまな問題点を指摘し、「私は絶対に反対です」ときっぱりと述べた。
 そして、9条改憲の核心的狙いは「新日本軍の立ち上げにある」とズバリと指摘した。さらに、「〈軍隊と宗教(靖国神社)と教育〉の3点セットをもって、政府は『天皇と国家のために命を捧げることが最も価値あることだ』という価値観を国民に植え付け、再び海外で戦争しようとしている」「これは明治維新にも匹敵する重大な歴史の分かれ道だ」と警鐘を鳴らした。
 最後に高橋さんは、「教育勅語不敬事件」で迫害された明治期のキリスト者、内村鑑三の「政治的自由と良心の自由とは……いかなる国においても、かかる試練なくしてはあがなわれざりし」という言葉を紹介して、「状況は厳しいが、自由のために闘った先人のことを思い起こし、試練に立ち向かおう」と呼びかけた。
 続いて、猿田佐世弁護士が国会情勢について報告した。その中で、公聴会では応募者数124人のうち実に108人が国民投票法反対の立場であったこと、にもかかわらず与党は審議をうち切り、12、13日にも衆院通過を狙っていることを訴え、全力の闘いを呼びかけた。
 さらに教育労働者と自治体労働者がアピールした。3月卒業式を「日の丸・君が代」不起立で闘った都立養護学校の労働者は、「都教委は停職1カ月の処分をかけてきた。大変な憤りを感じている。毎日、校門に立って出勤闘争をやっている。私は絶対に屈服しない。国家から身をはがす闘いを最後まで闘う。ともに闘おう」と呼びかけた。
 横浜の自治体労働者は「国民投票法は”改憲地続き法”だ。改憲まで一直線だ。とりわけ教育者・公務員への規制は、労働運動をつぶす攻撃だ。今こそ自治労組合員100万人が立って改憲反対・戦争反対の旗を振ろう。労働組合が立ち上がった時、この情勢をひっくり返せる」と、労働組合を拠点に闘うことを呼びかけた。
 集会の最後に5・19憲法フェスティバルと「裁判員制度はいらない!6・29集会」の訴えが行われた。
 講演と各氏のアピールによって、参加者の意思は固まった。絶対に法案を阻止しようとの決意を込めて、集会後、デモに打って出た。
 「戦争反対・九条改憲阻止」のたすきを掛けた数十人の弁護士を先頭に200人余りの個人参加の市民が続いた。また動労千葉や百万人署名運動など労組・団体が色とりどりの旗をなびかせて、霞が関官庁街から新橋−銀座を総勢800人余りがデモ行進した。
 (投稿/田中明雄)
(写真 「改憲手続法案の絶対阻止」へ、弁護士が呼びかけて開かれた4・11集会。830人が会場を埋めた【東京・弁護士会館】)

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週刊『前進』(2291号2面3)(2007/04/16 )

 闘う私たちこそ日教組 学校現場からの報告

 全校でビラまき3年目

 組織された力で闘おう

 大阪では、今年の府立高校の卒業式に向けて、「すわって示そう戦争反対!」実行委員会を始め、たくさんの労働者・市民が休暇を取るなどして「日の丸・君が代」強制に反対するビラまきをしてくれました。府立高全校を対象としたビラまきは3年目になります。
 教職員(現場の教育労働者)の反応が良かったことが非常にうれしいです。「良心に従い」「責任を持とう」とする人たちが「ご苦労さん」とビラを受け取り、話しかけてくる。また、自分たちもビラをまき、看板を立てるなど、執拗(しつよう)に抵抗している様子が伝わってきます。校内の様子を聞くことができたところも何校かありました。
 生徒の様子は、ビラの受け取りも、式場での起立・不起立の割合も学校によって種々さまざまです。
 楽観的に言えばたとえ一人だけになっても抵抗を続けている人がいることが良く分かりました。
 3年目にあらためて、自分たちの知らなかったところ、ほとんどすべての府立高校でゆるやかに、したたかに、またあるところでは激しく抵抗が続いていることを知りました。この一つひとつの力を、つながりあった階級的な力につくりあげていく必要があります。
 東京の闘いは教育労働者を激励し、全国で闘いが続いています。この卒業式で根津公子さんに停職6カ月を始めとした厳しい処分攻撃がかけられました。
 私たち大阪の教育労働者は、3年前に「なんとかして東京の闘いに連帯していこう」と「不起立宣言」を集めました。「私のひとこと」で関西・全国の連帯をつくってきました。さらに力を尽くして、全国の教育労働者の団結をつくり出し、「日の丸・君が代」強制への不服従・不起立で「免職にさせない」闘いをつくり出していきたいと思います。
 さらに、大阪府下の教育労働者の連帯・団結、直接の闘いのつながりにしていきたいと思います。その役割は本来、労働組合が担うべきものです。労働組合ならできるはずです。残念ですがそうはなっていない。
 これまでの取り組みの中で、みんなで考え討論することを基礎にして運動をつくってきました。このことによって一人ひとりの力が存分に発揮されるようになりました。
 この経験を大切にして、職場から労働組合の闘いを再生していくことにつなげていきたいと考えます。労働組合の力の源泉は職場の労働者の力です。3年間のビラまきをとおして、労働者が職場で闘いを続けていることが分かりました。
 何が必要なのか?
 まずつながりを取り戻すことだと思います。それぞれの職場の状況を知り、交流をする必要があります。そして、ともに考え行動する職場をつくっていくことです。「日の丸・君が代」と執拗に闘う者こそ、互いに連帯し、職場の団結を取り戻す努力をしなければなりません。抵抗を分散する闘いにとどめるのではなく、組織した力として闘えるようにしなければなりません。実はこのことこそ、私たちの職場の非常に多くの労働者が望んでいることなのです。
 大阪でも、いくつかの職場で討論が始まり、それをもとに闘いが始まりました。関西労組交流センター教育労働者部会では、「日の丸・君が代」の問題だけでなく、「評価システム」に対する職場の仲間の怒りを結集し、組合の組織を越えた取り組みが進んでいる様子も報告されています。若い労働者の怒りが根底的なものであることが分かります。
 職場の労働者の話し合いを始めよう。討論し、一緒に行動しよう。各職場の取り組みを交流し、連帯しよう。職場の闘いをもとに、闘う労働組合を再生しよう。
 (大阪 羽田博司)

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週刊『前進』(2291号3面1)(2007/04/16 )

 公務員の反対運動禁圧する改憲投票法案阻止に立とう

 民営化・公務員制度改革粉砕を

 安倍政権は改憲投票法案の衆院通過を強行しようとしている。本格化し始めた道州制導入の攻撃は、戦後地方自治の解体をとおして改憲を推進する狙いを持っている。さらに安倍は、今国会に公務員制度改革法案を提出し、成立させる構えでいる。公務員の身分保障を奪い、公務員労働者の大量首切りを強行しようというのだ。財政再建団体に陥った夕張市の事態は、それを先取りするものだ。杉並区の全事業民営化計画も、労働者と住民を犠牲にして区の事業を資本のえじきに差し出すものにほかならない。杉並区議選を始めとする統一地方選に勝利し、改憲投票法案粉砕へ自治体労働者は総決起しよう。

 体制内労働運動に決別宣言した3・18

 3月18日、イラク反戦4周年闘争は青年労働者を先頭に画期的な集会・デモとして打ち抜かれた。「労働運動の力で革命をやろう」のスローガンは英訳されて全世界に発信された。世界革命の号砲が発せられたのだ。
 「資本と折り合いをつけて、よりましな搾取をして下さいと資本にしっぽを振るような労働運動ではなく、社会のありようを根本から変える闘いを、革命をやろう」という基調報告は、参加した仲間のみならず、全国の労働者にも衝撃をもって迎えられた。
 自治体で闘う青年労働者は、「世の中、職場を動かしているのはわれわれ労働者なんだという自覚を持てない労働組合ではいけない」「体制内労働運動はもういらない。一人ひとりが主体となって仲間を信じ、団結して職場で労働運動を展開していこう」と呼びかけ、全国の自治体労働者の魂を揺り動かした。
 3・18闘争は動労千葉の春闘スト、教育労働者の「日の丸・君が代」不起立決起と一体となり、07春闘を戦闘的に牽引(けんいん)した。
 3・18闘争は、新年号で提起された階級的労働運動路線の実践そのものだ。革共同自治体労働者委員会は、自治労本部に示される体制内労働運動との決別・打倒をかけて3・18闘争を闘いとった。それは、これまでのあり方からの決別であり、自らの壁を突破する闘いだ。「労働運動の力で革命を」のスローガンは、われわれ労働者階級の一人ひとりが革命の主体であることを自覚させた。革命とは労働者階級の自己解放であり、抑圧者、搾取者を打倒することだ。それは国家権力との激突となる。
 3・18はその戦闘宣言を発した。マルクス主義に基づく階級的労働運動を発展させ、自治労本部、自治労連本部に代わる隊列を登場させよう。
 この地平を引き継ぎ、戦争・改憲・民営化・労組破壊粉砕の4〜5月闘争に立とう。統一地方選決戦に勝利し、それを跳躍台に改憲投票法案粉砕の国会闘争へ、自治体労働者は総決起しよう。

 政治活動の禁止が法案の反動的核心

 改憲投票法案は改憲に直結する攻撃だ。労働者階級人民の自由な政治活動を許さず、徹底的な規制と弾圧を加え、改憲阻止の闘いを未然に圧殺する狙いがある。公務員労働者にとっては政治活動の全面禁止が核心だ。
 現在、与党と民主党の改憲投票法案の修正案が国会に提出・審議されている。
 与党の修正案は、現行の国家公務員法・地方公務員法の「政治的行為の制限」条項を復活させている。3年以内に「政治的行為の制限」のあり方を再検討するとした「付則」は、申し訳にすらなっていない。
 また、与党の修正案も民主党の修正案も、ともに「公務員等」や「教育者」が「その地位を利用」して改憲反対運動を行うことを禁止している。「罰則」は設けないというが、行政処分はあり得るという条項はそのままだ。規制の対象は500万人にも及ぶ。
 法案の「公務員等」の「等」は拡大解釈可能だ。「地位を利用して」というのも、いくらでもデッチあげが可能だ。
 現在の国家公務員法と人事院規則の中には公務員の政治活動禁止条項がすでに存在している。それが憲法21条の「集会・結社及び言論・表現の自由」をも完全に踏みにじる内容であるため、本格的な発動は阻止されてきた。しかし、04年になって社会保険庁の労働者がこの禁止条項に違反したとして逮捕・起訴された。1967年の猿払事件以来の弾圧だ。
 改憲投票法案の規制条項がこれと同じ基準で運用されることは確実だ。改憲反対集会やデモへの参加はもちろん、街頭でのビラまきも、署名やカンパ活動も、勤務時間外であってもすべて禁止する。一切の政治的行為を禁圧しようというのだ。
 さらに、報道によれば、自民党は地方公務員法を改悪し、選挙運動などの政治的行為に対し国家公務員法と同様の罰則を設けることを策しているという。公明党と最終調整した上で、議員立法で今国会に提出、成立を目指すと言われている。制限される地方公務員の政治的行為は、@政治目的での寄付金集め、A政党や政治団体の機関紙の発行・編集・配布の援助――などで、国家公務員法、人事院規則と同様の内容だ。罰則は3年以下の懲役または10万円以下の罰金。また地方公務員の政治的行為の制限を、勤務する自治体内だけでなく全国に広げ罰則対象とすることや、教育公務員特例法を改め、教職員の政治的行為にも罰則を科すとされている。

 労組の反対運動を狙い撃ちに

 与党の改憲投票法案は、「組織的多数人買収及び利害誘導罪」を新設し、労働組合の自主的な闘いを禁圧しようとしている。労働組合や市民団体が9条改憲に反対しようと多くの人に呼びかける行為がすべて対象になる。集会で改憲反対のワッペンやパンフレットを配布したら「投票に影響を与えるに足りる」物品の提供と判断され処罰される。自治労などの組合が全国から国会前への総結集を呼びかけ、上京する組合員に動員費を支給すれば「買収」とみなされる。
 しかも実際に行われなくても、労働組合がその所属組合員に対して「直接利害関係を利用して」「誘導」した場合にも罪に問える。申し込みや約束だけで、最高で懲役または禁固3年か、罰金50万円という重罰だ。

 国会前に自治体労働者の大隊列を

 政府・自民党がこの規制にここまでこだわるのは、自治労や日教組を始めとした旧総評・官公労系の労働組合運動を完全にたたきつぶすことが目的だからだ。これらの労働組合・労働者が9条改憲阻止の闘いの中心に座っているからだ。
 改憲とは、戦後民主主義−地方自治の全面的な破壊であり、戦争国家への全面的な転換だ。それには国家権力機構内に労働組合などあってはならないと日帝支配階級は考えている。だからこそ労働組合の闘いが問われているのだ。

 改憲・戦争に加担する自治労中央

 現場には闘いを組織する力が存在する。この重大な時に、連合中央=自治労本部は何と言っているのか。
 2・1自治労中央委員会で採択された当面の闘争方針は「憲法改正と国民投票法案は密接不可分な関係にあるため、国民投票法案を先行して制定することに反対し……廃案をめざす」としている。改憲と一体の論議であれば改憲投票法案は構わないということだ。
 当然にも現場組合員から「憲法改悪反対・反戦を掲げて意思表示を」「自治労本部は改憲阻止の運動の牽引車となるべき。改憲阻止の確かな立場を表明し、具体的な運動の方針を」と明確な反対意見が相次いだ。
 しかし、本部はいまだに改憲投票法案廃案への具体的闘争方針を出さない。民主党と民主党の修正案支持だからだ。
 これこそ体制内労働運動の行き着く先だ。「良質な公共サービス」論で国家に忠誠を誓い、改憲に反対しない、闘いに立ち上がらないことを合理化して、侵略戦争に加担する役割を担おうとしている。
 自治労中央=体制内労働運動派を打倒して、国会前に動労千葉とともに全国の自治体労働者の隊列を登場させよう。
 統一地方選に勝利し、それを突破口に改憲投票法案絶対廃案へともに闘おう。200万公務員首切りの道州制反対、公務員制度改革粉砕、改憲阻止の闘いに立とう。
 〔革共同自治体労働者委員会〕

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週刊『前進』(2291号3面2)(2007/04/16 )

 動労西日本 3波のスト打ちぬく

 “闘いなくして安全なし”

 動労西日本は07春闘を3波のストライキで闘いぬいた。3・17〜19の動労千葉ストライキと連帯し、「闘いなくして安全なし」を掲げた動労総連合春闘統一ストの一環として、渾身(こんしん)の決起をかちとった。
 3月15日、吹田機関区を拠点に乗務員がストに立った。慢性的な欠員状態が続く中、JR貨物関西支社は昨年の団交で「来年には解消する」と言いながら欠員状態を放置した。とりわけ関西地区の欠員状態は深刻だ。
 現場労働者は年休も取れないばかりか、休日出勤や「無理な変仕業」を強制されてヘトヘトになっている。
 「欠員は重大な安全問題! このままでは重大事故が起きる」と動労西日本はストに立った。
 3月19日には広島・五日市駅で「駅こそ安全のかなめだ」と訴えて第2波ストを貫徹した。
 五日市駅の管内では「蟹原第2踏切」と「鈴峯踏切」が、昨年実施された国土交通省の「踏切交通実態総点検」で、抜本対策の対象に指定されている。動労西日本は踏切の安全対策と駅への必要な要員配置を求めてストに立った。
 さらに、契約社員の劣悪な労働条件を一刻も早く改善し、即刻、正社員にするよう要求した。JR西日本は時給1000円・月収15万円以下という「ワーキングプア」の状態に青年労働者を置いている。また、労働者を分断するフロントサービス診断の即刻中止を申し入れた。
 4月1日、大阪事業所鴫野(しぎの)オフィスで、不当配属と闘う組合員がストに入った。JR西日本は発足以来、この組合員を大阪環状線の野田駅カレーショップ、大正駅臨時売店、大阪駅駐車場、西九条証明写真、学研都市線の鴫野グリーンオフィスと、たらい回しにし続けてきた。
 動労西日本は、88年4月1日の野田駅カレーショップでのストを皮切りに、鉄道本来業務への復帰を求めて闘ってきた。

 尼崎事故居直るJR資本と対決

 労働運動破壊と要員削減の結果が107人の命を奪った尼崎事故だった。それ以降も、羽越線事故、伯備線事故、津山線事故と大きな事故が続発している。
 2月1日、国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会の意見聴取会で、JR西日本の丸尾副社長(鉄道本部長)は、「日勤教育は有益」「ダイヤに無理はない」と発言して尼崎事故の責任を居直った。委員会は異例にも発言の取り消しを求め、遺族・被害者から怒りの声が上がった。動労西日本は、丸尾発言の全面撤回と内外への謝罪を求めて07春闘を闘った。
 動労西日本は87年6月7日、動労本部のカクマル松崎一派の裏切りに抗して結成されて以来、動労総連合の一員として民営化と規制緩和に反対し、運転保安確立を訴えて闘ってきた。「闘いなくして安全なし」を貫いて動労西日本は3波のストを闘いぬいた。
(写真 〔上〕欠員状態を放置するJR貨物に運転士がスト突入【3月15日 大阪・吹田機関区】)
(写真 〔下〕20年続く不当配属に組合員が抗議のスト【4月1日 大阪・鴫野グリーンオフィス】)

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週刊『前進』(2291号3面3)(2007/04/16 )

 韓米FTA妥結弾劾

 “労働者・農民に死ねというのか”

 タクシー労組員が抗議焼身

 「韓米FTA(自由貿易協定)交渉中断! ノムヒョン大統領退陣!」と叫び、一人のタクシー労働者が自らの身に火を放った。4月1日午後3時55分ころ、韓米交渉会場のハイアットホテル正門から50bほどの路上での焼身抗議だった。その人はホセウク氏(56)。ハンドク運輸に勤める民主タクシー連盟組合員、民主労働党員である。
 「崇高な民衆を愚弄(ぐろう)するな。実際に4大先決条件、投資家−国家提訴権(注)、非違反提訴も合意してやり、議題にもないコメを煙幕戦術にして牛肉を輸入するな」などと記された遺書は、「遠くに行っても黙々と粘り強く民主労総とともに働きたい」と結ばれていた。
 労働者焚身(ふんしん)の報は衝撃的に伝わった。ホセウク氏が運ばれたハンガン誠心病院への結集方針が出され、徹夜の闘争が続けられた。 ソウル市庁前で開かれたロウソクデモも2000人に膨れ上がった。誰かが「大統領府に行こう!」「ノムヒョン政権を退陣させよう!」と叫ぶや、大統領府がある青瓦台方向にデモ隊が飛び出し、これを阻止する警察部隊との激突となった。農民たちは、国内各地で大規模な反対デモを闘いぬいていた。
 徹夜闘争で明けた2日、韓米FTA交渉は最終妥結に至った。3月31日の期限を48時間延長、牛肉と自動車を争点に継続された交渉は、ノムヒョン大統領の「政治決断」で妥結したと、メディアは一斉に「執念のリーダーシップ」と持ち上げた。

 資本には自由労農には失業

 韓米FTAは、資本には無限の自由を保障する一方、労働者、農民からは生存権まで奪うものだ。全国農民会総連盟(全農)は、「韓米FTAは、農業基盤の崩壊をこえて、事実上の農業抹殺だ」と弾劾する。”コメは守った”と称して用意された未来はBSE牛肉と遺伝子組み替え食品の流通であり、資本による農業支配なのだ。農地と切り離された農民層が都市に流入、非正規職化、貧困化が拡大する。
 反FTA闘争を労農連帯の闘いとして強化・発展させてきた意義は鮮明だ。
 民主労総全国金属労組は2日、政府報告書を引用し、「韓米FTA締結の結果、製造業で最大6万7806人、最小でも7793人が職を失い、企業でさえ最大1万0074企業、最小775企業が貿易調整支援対象になる」と指摘、「比較的優位と言われる製造業においてさえ構造調整とともに雇用大乱が引き起こされる韓米FTA妥結はただちに無効化されなければならない」「15万金属労組組合員および80万民主労総とともにノムヒョン政権退陣に進む」と反撃を宣言した。
 4月7日、民主労総の韓米FTA妥結無効闘争宣言大会には重体のホセウク氏の回復を願う労働者が続々結集、「私たちが必ず韓米FTAを無効化させる!」と叫んだ。続いて開かれた汎国民運動本部主催の集会でも「韓米FTAがなくなるまで闘争する」と宣言し、デモに出た。韓米FTA粉砕へ、ただちに新たな闘いに踏み出した。
 (室田順子)
(写真 「韓米FTA源泉無効!」を掲げてデモ行進【4月7日 ソウル】)

*注/投資家―国家提訴権(ISD)
 投資家が投資誘致国政府の不当な差別待遇によって金銭的な損害を被った場合、当該国家を相手に訴訟を起こせる制度

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週刊『前進』(2291号3面4)(2007/04/16 )

焦点 米軍再編法案成立阻止しよう

 アメとムチで基地を強制

 日帝・安倍政権は、2月9日に国会提出した米軍再編推進法案(駐留米軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法案)の審議を進め、今国会で成立させようと狙っている。米軍再編法案は、朝鮮侵略戦争に向けた米軍再編を強行するために、関係自治体を交付金などの予算措置で縛り、「アメとムチ」の政策で米軍再編の受け入れを強いようとするものだ。
 具体的には、新たな基地負担を受ける市町村の公共事業に交付金を交付する、特に負担が大きい市町村の公共事業の補助率をかさ上げする、などだ。米軍再編交付金は、@再編の受け入れ、A環境評価の実施、B事業着手、C事業完了の4段階に分け、第1段階では10%、第2段階では30%、第3段階では60%、第4段階で100%交付するというものだ。また、名護市など米軍再編による負担が特に大きな市町村を「再編関連特別地域」に指定し、土地改良や港湾、道路など7項目の公共事業の補助率をかさ上げすることになっている。
 再編交付金というが、それによって利潤を得るのは仕事を請け負う資本だけだ。住民には、基地による事件・事故、騒音被害、環境破壊だけが襲いかかってくる。公共事業の国の負担割合を引き上げるといっても、残りは地元負担で、結局は住民の税負担となるのだ。何よりも、基地が強化され、軍事的位置が高まれば高まるほど、周辺住民が戦争被害を受ける危険は増大する。基地建設は、労働者人民をとことん犠牲にするものにほかならない。
 米軍再編とそれに伴う自衛隊再編は、米日帝の朝鮮侵略戦争のためのものである。米帝は、イラク侵略戦争でイラク人民の戦いを圧殺すれば、朝鮮侵略戦争に突入しようと構えているのだ。6者協議での重油供給や北朝鮮の核施設廃棄の合意も、米帝にとっては朝鮮侵略戦争に向けた時間稼ぎにすぎない。
 米軍再編の焦点となっている沖縄・辺野古でのV字沿岸案による新基地建設は、垂直離着陸機MV22オスプレイ配備を前提としたものだったことが暴かれている。米軍・嘉手納基地や空自・入間基地で開始されたパトリオットPAC3の配備、ミサイル防衛体制も、朝鮮侵略戦争こそがその目的だ。
 日帝も、こうした米帝の朝鮮侵略戦争に共同で参戦するために憲法改悪を強行しようとしている。今国会では、改憲投票法案と米軍再編推進法案が同時に審議されている。このことに示されるように、二つの法案は完全に一体のものであり、朝鮮侵略戦争の戦争態勢づくりである。日帝はすでに武力攻撃事態法など有事関連法を強行成立させ、イラク派兵、自衛隊恒久派兵法強行と戦争体制をつくってきた。それを完成させるためにも改憲攻撃を強行しようとしているのだ。また、「日の丸・君が代」強制や民営化攻撃によって日教組、自治体、全逓(JPU)などに労働組合破壊攻撃を全面的にかけてきているのだ。
 改憲投票法案絶対阻止、教育4法改悪阻止の国会闘争と一体の闘いとして、米軍再編推進法案を絶対に阻止しよう。

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週刊『前進』(2291号3面5)(2007/04/16 )

焦点 道州制導入うち出した経団連

 地方自治解体し改憲狙う

 安倍政権と御手洗・日本経団連は道州制導入に向けた本格的な攻撃を開始した。安倍は今年1月、渡辺喜美道州制担当相のもとに「道州制ビジョン懇談会」を立ち上げた。内閣府に設置された地方分権改革推進委員会も道州制に向けた議論を開始した。
 安倍は「戦後レジームからの脱却という意味においては、国と地方の関係も戦後の今までのやり方を思い切って変えていかなければならない」とうそぶいている。
 これと手を携え、日本経団連は3月28日、「道州制導入に向けた第1次提言」を公表した。その中で経団連は、道州制導入の時期を「2015年度」と明記した。それは、「2010年代初頭までに改憲をめざす」とした1・1御手洗ビジョンと完全に重なる。
 道州制が導入されれば、国の役割は侵略戦争の遂行へと徹底的に純化される。経団連提言は、「国の役割」を「外交、防衛など国家としての存立にかかわるものや、司法、通貨政策やマクロ的な経済政策、国家の競争力を左右する科学技術政策、資源・エネルギー政策など、必要最小限のものに限定すべきである」と言う。競争力強化が一切の基準とされ、社会保障や雇用政策などに、国家はもはや責任をとらないということだ。
 経団連提言のサブタイトルは「究極の構造改革をめざして」となっている。道州制導入は、小泉以来の「構造改革」の集大成と位置づけられている。
 戦後地方自治制度の破壊は、財政再建団体に陥った夕張市で先行的に開始された。夕張市の財政破綻(はたん)は、資本の延命のために自治体が膨大な借金を背負わされた結果だ。だが、安倍政権はそのツケをすべて夕張市の職員と住民に押しつけた。市職員の賃金は3割カット、職員の半数以上が退職に追い込まれた。住民税は引き上げられ、市営病院も民営化された。夕張市は、労働者と住民の犠牲の上に金融資本の支配下に組み敷かれたのだ。
 杉並区の山田区長が強行している「丸ごと民営化」は、国に強制されるのに先んじて、区が自らその事業を大資本に投げ渡し、区で働く労働者に首切り・賃下げを強いて、住民生活を根底から破壊するすさまじい計画だ。
 経団連提言は「(道州制で)公務員数および人件費の削減もあわせて達成することが可能となろう。その結果……多くの優秀な人材が労働市場に流入することとなり、少子化・高齢化の進展で減少する労働力人口の新たな供給源となろう」とあけすけに述べている。「公務員200万をワーキングプアにする」大攻撃にのりだしてきたのだ。自治体労働者の闘いこそがこの攻撃を阻止できる。
 他方で経団連は、「住民がもっぱら自らの利益のみを求めて行動する『権利要求型の社会』は、今後成り立たないことは自明である」と言い放っている。
 杉並区議選を始め統一地方選勝利は、この攻撃に反撃する闘いの突破口となる。自治体労働者を先頭に労働者と住民が団結し、改憲阻止−道州制導入阻止へ闘おう。

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週刊『前進』(2291号4面1)(2007/04/16 )

 「3・18」で実現した地平を断固支持し発展させよう

 階級的労働運動路線について

 城戸 通隆

 3・18イラク反戦4周年の集会・デモのキーワードは、「革命」であった。「労働運動の力で革命をやろう」「労働者の団結の究極の拡大が革命だ」「革命やって戦争とめよう」。基調報告にも、発言にも、デモのコールにも、こういう革命の宣伝・扇動のフレーズが満ちあふれた。青年労働者が心から「革命」を欲しており、それを今、自らの手でやるつもりであるという意志と気概が、集会・デモの全過程に横溢(おういつ)した。「労働運動の力で革命をやろう」は、今や階級的労働運動路線の実践的な大衆的スローガンとして、労働者をとらえ始めた。それはマルクス主義の実践そのものであり、プロレタリア革命運動の勝利に向けた、自己変革と対象変革のリアルな合言葉となりつつある。3・18をもって、日本の労働運動・階級闘争に力強く新しい息吹と胎動が生まれた。3・18が実現した歴史的な地平を断固として支持し、共有し、継続・発展させよう。

 マルクス主義の労働組合論

 07年『前進』新年号の1・1アピールでの階級的労働運動路線の提起は、それまでの03年以来の「新指導路線」の単なる言葉の言い換えではなかった。そこには明らかに路線的前進と質的飛躍がある。
 それは、革共同が06年の「党の革命」とその必死の推進のもとで、11・5労働者集会の成功のために実践し、かつマル青労同の第3回大会をかちとることによって、ついに1991年の5月テーゼ以来、15年にして到達することのできた歴史的地平としてあった。革共同はここに、マルクス主義とプロレタリア革命運動の綱領的路線として、階級的労働運動路線を公然と提起することができるに至ったのである。
 階級的労働運動あるいは階級的労働運動路線について、われわれはけっして軽く考えることはできない。それは労働者階級を革命の主体、プロレタリア自己解放の主体として圧倒的に据えきる運動と路線であり、言葉を換えて言えば、プロレタリア革命運動路線とでも呼ぶべきものでもある。そこにはマルクス主義と革命の一部分ではなく、その全内容が包含されているのである。
 そういうものとして、階級的労働運動路線とは、基軸国・アメリカの没落を頂点とする帝国主義の最末期の体制的危機の爆発と米日帝国主義による朝鮮侵略戦争前夜情勢の切迫、全世界的な革命的情勢の急成熟という中で、革共同にとって、21世紀革命の実現に向かっての死活的な路線の提起としてあったのだ。われわれは戦争か革命かがもろに問われる情勢に間に合ったのである。
 階級的労働運動路線には「プロレタリア革命運動の課題の全体(全体性)が含まれている、そういう大きな概念である」ということは、具体的にはどういうことであろうか。
(写真 「労働運動の力で革命やろう!」の叫びは青年労働者・学生からの欲求として全都に響きわたった【3月18日 日比谷野外音楽堂】)

 労働組合の革命論的意義

 まず第一に、マルクスが『賃金・価格および利潤』や「労働組合、その過去・現在・未来」(国際労働者協会の決議)で提起しているマルクス主義の革命的な労働組合原論が、確固としてそのベースにあるということだ。
 マルクスが国際労働者協会(第1インターナショナル)で、賃金闘争否定論や改良主義に対決して行った講演である『賃金・価格および利潤』は、きわめて具体的で実践的な著作であり、そこにはマルクス主義の賃金闘争論、労働組合論の核心が提起されている。ここでまずマルクスは、労働組合が労働者階級の基礎的な団結形態であり、資本との闘いに大いに役立つことを確認している。
 そして同時に、資本との「ゲリラ戦的抵抗」に専念するだけでなく、「労働者階級の究極的解放」「賃金制度の究極的廃止」のためのテコとして活用すべきものであることを強調し、そうでないなら労働者の闘いは「全面的に失敗する」と、はっきりと提起している。またこのことと関連してマルクスは、別のところでは「労働組合は社会主義のための学校である」とも言っている。
 だがこれらは、けっして「最大限綱領主義」というようなものでも、革命が白熱的に問題となってくる将来の課題でもない。今現在のきわめて現実的な賃労働と資本の非和解的激突の中で、労働組合が実践し闘わなければならない任務についてのテーゼである。マルクス主義は、労働組合を体制内の改良主義的な運動に限定したり、労働組合を革命運動とは分断し切り離すような思想とは、そもそも無縁なのだ。
 第二に、革共同が04年以来、ロシア革命とレーニンから意識的積極的に学んできた「労働組合の革命論的な意義づけ」が、その基礎にはっきりとある。
 レーニンは、1902年の『なにをなすべきか?』を始めとして、革命運動を開始したその当初から、革命の主体が労働者階級と労働組合であり、党が労働者階級の党であることについて、いささかの曇りもなかった。だから一貫して労働組合の中に細胞や機関紙網を張りめぐらすために闘っている。その上で革命勝利後の『共産主義の左翼空論主義』などでは、労働組合がソビエトと並んでプロレタリア独裁権力を支える決定的な位置と役割をもっていることを意義づけ、強調している。
 さらには、革命後の国内建設での苦闘と論争過程をへる中で、「労働組合は共産主義の学校である」という普遍的な規定を与えるに至った。これは直接には革命勝利後の労働組合規定として打ち出されたものだが、第一で引用したマルクスの言葉と対比してみた時に、革命勝利以前を含めて、プロレタリア革命運動の全過程に当てはまる労働組合規定であることは明白だと言える。
 第三に、日本の戦後労働運動史の徹底的な総括から生み出された路線であり、戦後革命敗北以来の総評・民同労働運動とその破産を根底から革命的にのりこえる路線だということである。すなわち、日本資本主義の戦後発展を前提とし、資本主義・帝国主義打倒のないすべての「体制内労働運動」からの根底的決別とのりこえをかけた路線なのだ。

 動労千葉が体現するもの

 第四に、現実的には何よりも、動労千葉労働運動が階級的労働運動路線を体現した具体的な生きた見本としてある。それこそが階級的労働運動の基軸であり、最先端に位置しているのだ。
 動労千葉労働運動(さらには関西生コン支部、港合同、全金本山)は、もともと総評を出自としながら、国鉄分割・民営化攻撃への総評・民同労働運動の歴史的屈服と破産を戦闘的階級的にのりこえ闘っている。そこに日本労働運動再生の未来、展望がある。この動労千葉労働運動に徹底的に学び、それに続いて、全国に無数の動労千葉を生み出し、労働運動の革命的な圧倒的主流派となっていこうというのが、階級的労働運動路線なのである。
 第五に、階級的労働運動路線は、全国単一の革命党建設の闘いのもとで、帝国主義の差別・分断攻撃や排外主義と闘い、階級的団結と国際主義を回復し、そうしてプロレタリア革命による労働者階級の特殊的階級的な解放をとおして、そこに戦線的・個別的課題をも統一的に包含した全人間的・普遍的解放をかちとっていく革命的路線だ。11月労働者集会が闘いとってきた3カ国国際連帯闘争は「70年7・7自己批判」貫徹の闘いの到達地平そのものなのである。
 以上のような構成をもつ階級的労働運動路線は、労働者階級が歴史と革命の主体として、プロレタリア革命の勝利に向け、政治闘争も、経済闘争も、理論闘争も、一体的に統一的に実践し、推進していく路線である。
 だからそれは、政治闘争(政治決戦)が追放された経済主義的なものなどでは断じてない。逆である。労働者階級が労働運動と職場・生産点を基盤にして、政治闘争に圧倒的に決起していく路線でもあるのだ。また労働組合と労働運動に基盤があれば、どのような政治闘争でも闘い抜くことができるのである。

 戦後労働運動の根底的総括

 戦後革命の敗北以降、総評・民同労働運動は、一方では経済闘争を、現在のわれわれなど、まだまだとても手の届かないくらいに激しく展開した。それと同時に、もう一方では民同左派・社民左派主導の「平和4原則」(全面講和、中立、軍事基地反対、再軍備反対)のもとで、安保や反戦平和などの政治闘争もきわめて激しく大規模に闘ってきた。動労千葉の中野洋前委員長は「戦後の総評労働運動は、良くも悪くも反戦闘争基軸である」(元総評事務局長・岩井章氏との対談)とさえ言っている。
 しかし、ここで決定的なことは、それを指導した勢力と路線・イデオロギーは、民同であり、社会民主主義であったということだ。それは帝国主義の延命と戦後発展を前提とした体制内の労働運動でしかなかった。相当に戦闘的であり、60年の三池闘争や安保闘争を始めとして激しい闘いをやり、組合綱領に「社会主義」を掲げてはいても、あくまでそれは疑似的な「階級性」「戦闘性」であり、真の階級的労働運動路線と言えるものではなかった。
 だからこそ、この体制内の総評・民同労働運動は、日帝の戦後発展過程が終焉(しゅうえん)し、「55年体制」が破産し崩壊した瞬間に、資本・権力と闘えなくなり、行き詰まり、路線的に破産するのである。
 とりわけその最大の転機をなしたものが、80年代中葉の日帝・第二臨調(土光臨調)と中曽根政権による国鉄分割・民営化攻撃であった。これに対して社会党も総評本部・民同も路線的にまったく対決できず、歴史的な屈服と裏切りに走り、それが国労本部の闘わずしての屈服・大崩壊も生み出したのだ。
 また他方では、ファシスト・カクマル=動労カクマル・松崎が日帝・中曽根の先兵となり、大量首切りと国労解体(総評解体)を促進する、天人ともに許さざる反労働者的で犯罪的な役割を果たした。それへの怒りは、今も労働者階級から消えることはない。
 こうして日帝・中曽根の「国労をつぶし総評を解体する」(→社会党も解体)という歴史的な反革命攻撃が貫かれる結果となってしまったのだ。
 これとの対極にあるのが、動労千葉労働運動である。動労千葉は体制内労働運動としての総評・民同の歴史的破産を断固のりこえ、突破して、2波のストライキを打ち抜いた。以来、今日まで勝利の路線的展望をもって、解雇絶対反対と反合・運転保安闘争の旗を高く掲げ、団結を維持し、職場闘争を軸にして闘い続けている。動労千葉こそは、階級的労働運動の輝ける生きた現実形態であり、労働運動の未来を切り開いている存在なのである。

 労働者の決起とロシア革命

 青年労働者と学生の主導により3・18の集会・デモで轟(とどろ)いた「労働運動の力で革命をやろう」という革命の直接的な宣伝・扇動のスローガン、マルクス主義のスローガンを、1917年のロシア革命の歴史と経験、あるいは5月テーゼでの「レーニン的オーソドキシー」の実現ということに照らして考えてみると、どういうことになるであろうか。
 1917年2月革命は、旧暦の2月23日(新暦では3月8日の「国際婦人デー」の日)に、首都ペトログラード・ヴィボルグ地区の繊維工場で働く婦人労働者がストに突入し、周辺の工場労働者に統一ストを呼びかけたことから現実に始まった。それが連日のストの拡大、街頭デモへの繰り出しに発展し、警察や憲兵の弾圧では抑え切れずに鎮圧に出てきた軍隊と対峙する中で、軍隊に分裂が生まれ、反乱が拡大し、ついには労働者のデモと合流するに至った。その瞬間にツァーリの専制権力は崩壊した(わずか5日後の2月28日のことである!)。
 ストとデモのスローガンは、最初は「パン」であり、「平和」が加わり、さらに「専制打倒」が叫ばれるに至った。「パン」も「平和」も、それ自体では革命の要求ではない。しかし戦争で国家権力と支配体制が完全に行きづまり破綻(はたん)している中では、それは専制体制打倒の革命の要求を意味した。こうして現実の革命は、直接には労働者のストとデモから始まった。とりわけ婦人労働者が街頭デモに連日決起し、軍隊と対峙し、兵士と「交流」し、その崩壊を生み出したことが決定的だった。
 以後の労働者の工場占拠や生産管理も、ソビエトの組織化も、さらには武装蜂起=権力奪取と10月革命勝利への道も、ここから動と反動の内乱的激突の中で、嵐のように発生し、発展していったのである。まさに「労働運動の力で革命をやろう」を絵に描いたように、現実の革命は進行したのだ。その階級的基礎には、一貫して労働組合を基盤とした労働者階級の決起と闘いがあった。
 ここでの革命党の重要な教訓は、ボルシェビキは(メンシェビキもだが)、最初はこの事態に立ち遅れたということだ。初めから意識的・計画的にストとデモを組織したわけではなかった。逆にボルシェビキの地区委員会の制止を「無視」し、労働者は決起したのである。レーニンは亡命地・スイスにいた。
 しかし、17年2月革命勃発(ぼっぱつ)の絶対的な基礎には、12年のプラハ協議会の戦取とそれ以降の、日刊の合法的労働者新聞である『プラウダ』などを使った精力的な工場労働者の組織化、機関紙拡大と細胞建設の闘いという下地があった。やはりこれなしには、2月革命とツァーリの打倒はなかったのだ。
 そしてレーニンとボルシェビキに「帝国主義戦争を内乱へ」の革命の立場と路線があったからこそ、レーニンの帰国と「4月テーゼ」の提起による、2月革命以降の内乱的激突とソビエトの多数派工作での勝利と成功もあったのである。
 以上の点と関連してみたとき、「党の革命」1周年の天田三紀夫論文(本紙2285号)は、革命の柱は労働組合であり、革命の基礎に労働者のストとデモがあることを、戦後革命の総括から導く立場からも展開されており、きわめて重要な提起だと言える。

 3全総路線のラセン的発展

 さらに階級的労働運動路線を、故本多延嘉書記長らの主導でかちとられた62年の3全総路線との関係で見ると、どういう位置をもつであろうか。
 3全総路線の核心は、@戦闘的労働運動の防衛と創造、A地区党建設、B機関紙(誌)を軸とした宣伝・扇動の改革――この3点であった。その中でも、とりわけ@が決定的であり、革共同はこの3全総路線(〜3回大会路線)のもとに、そこから脱落・逃亡した黒田=カクマルと断固として対決しながら、60年代後半の闘いから70年決戦の爆発に向かって、労働運動の戦闘的・階級的創造のための生産点での闘いを全力で展開した。反民同・反ダラ幹闘争を精力的に推進し、全国にマル青労同の支部を貪欲(どんよく)に建設し、組合青年部を獲得してきたのである。
 その成果(=精華)こそが、社会的にも「反戦派労働者」「反戦派労働運動」と呼ばれて、70年決戦に大規模に登場した闘う労働者の一大勢力だった。それは確かに、70年決戦への歴史的反革命として立ち現れたファシスト・カクマルとの内戦(二重対峙・対カクマル戦)に突入しなければならなかったことによって、労働運動全体を継続的・戦闘的にすぐにとらえるものとはならなかった。だが、階級的労働運動の壮大な創造を展望して決起したことは明白だった。
 この意味で階級的労働運動路線は、3全総路線(〜3回大会路線)へのラセン的回帰であると同時に、そのラセン的発展をかけた路線であり、壮大な実践である。
 67年10・8羽田闘争を突破口に、学生と反戦派労働者が70年決戦へ嵐のように決起していった闘いが、新たな内容と形態をもって始まったのだ。

 革命準備の闘いと機関紙誌

 「労働運動の力で革命をやろう」と大衆的に表現されている階級的労働運動路線の実践、具体的には、体制内労働運動を打破して職場闘争、細胞建設、組合権力奪取の闘いに挑戦していく場合に、やはり機関紙(誌)が活動の基軸である。ここを曖昧(あいまい)にし揺るがせにすると、党組織は建設できないし、革命に勝利することもできない。
 レーニンとボルシェビキは、プラハ協議会の戦取以降、1912年から新たに高揚を開始したロシアの労働運動、農民運動の中で、日刊の合法的労働者新聞『プラウダ』の拡大に全力を挙げた。そして第1次大戦が勃発した14年夏までのわずか2年半の期間に、全ロシアで約7000あった労働者新聞の「読者会」のうち、『プラウダ』が5600、メンシェビキの機関紙が残りの1400という状態まで、急速に力関係を変えることに成功したのである(『党史』)。
 この労働運動における機関紙網と党細胞建設の基礎があってこそ、1917年2月革命から10月革命における労働者・労働組合の嵐のような決起も、ソビエト結成や武装蜂起の勝利もあったのだ。やはり革命はある日突然にやってくるのではない。当然にも革命党の営々たる準備の闘いの過程があるのである。
 以上のようなボルシェビキの勝利の経験に学ぶなら、われわれは階級的労働運動路線のもとで、職場闘争を闘い、体制内労働運動を打倒して組合権力奪取に挑戦していくと同時に、それと不可分一体の闘いとして労働組合・労働運動の中で、原則的に機関紙を拡大し、フラクションや「読者会」を無数につくり、細胞を建設していかなければならない。
 この労働者細胞建設と機関紙配布網を基礎とする全国単一の党建設こそ、日本帝国主義打倒=革命を引き寄せ準備する闘いなのである。ここにこそプロレタリア革命勝利の道がある。
 (了)

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週刊『前進』(2291号4面2)(2007/04/16 )

日誌'07 4月4日〜10日

 国家安保会議法案を閣議決定

 茨城県立全高校で道徳必修に

●オスプレイ配備を明記 米軍普天間飛行場の沖縄県内移設を確認した1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告の草案で、日米両政府が米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイの代替施設への配備を明記していたことが、米公文書や当時の交渉担当者の証言で判明した。日本が最終局面で反対し、具体的な言及は削除された。オスプレイは今年秋にも米国内で配備される予定だが、何度も墜落事故を起こしており、安全性の懸念が強く指摘されている。(4日)
●杉並の新都立高に「日の丸」 4月に開校した東京都立永福学園養護学校(杉並区)が教室内に「日の丸」を常時掲示することが分かった。校訓や都のシンボルマークとともに、「日の丸」が入っているプレートを、すべての普通教室正面の壁に固定する。(4日)
●集団的自衛権の有識者会議設置へ 安倍首相は、政府が憲法解釈上、行使を禁じている集団的自衛権行使の一部容認へ向け、元外務次官の柳井俊二を座長とする有識者会議を4月中に設置する方針を決めた。(5日)
●国民投票法案、中央公聴会 衆院憲法調査特別委員会は、国民投票法案の中央公聴会を開いた。自民・公明両党は、与党修正案の単独採決に踏み込む構え。(5日)
●国家安保会議法案を閣議決定 政府は、来年4月に国家安全保障会議(JNSC)をつくる関連法案を閣議決定した。安全保障会議(議長・首相)を改組し、首相と外相、防衛相、官房長官で中長期の外交・安全保障戦略を協議する少人数会議を新設することが柱。(6日)
●制御棒故障で偽装工作 発電施設におけるデータ改ざんなどの調査に関連して東京電力は、新たに福島第2原発4号機(福島県)の制御棒駆動装置で国の事前検査を受けず、それを隠すため原子炉メーカーの日立製作所に偽装を依頼した事例があったと発表した。電力会社の偽装工作にメーカーも関与したことが明らかに。(6日)
●教員給与、査定で20%増減 政府の教育再生会議は、ほぼ一律だった公立学校教員の給与を査定によって80〜120%の幅で決められるようにし、新たに「上級教職」をつくるなど、成果を反映させる新制度を提言する方針を固めた。予算を学校の児童・生徒数に応じて配分し、企業や個人が学校に直接寄付できる制度も提言する。(8日)
●石原都知事が3選 第16回統一地方選挙の前半戦が投開票された。13都道県知事選は9人の現職が全員当選した。東京都知事選は石原慎太郎が3選。(8日)
●1万5000人駐留延長へ ブッシュ米政権がイラクで進める米軍増派策の一環として、すでにイラクに派遣されている部隊のうち最大1万5千人を対象に、駐留期間を約4カ月延長して人員不足を補う案が検討されているとCNNが報じた。(9日)
●入学式中にヘリ帰還 韓国などでの海外演習に参加していた米軍第31海兵遠征部隊のヘリ部隊約20機が普天間飛行場に帰還。同飛行場では2月から「主力ヘリ」が不在となっており、約2カ月ぶり。宜野湾市内8小学校で入学式があり、普天間第2小学校では、入学式のさなかに学校上空を飛び、騒音が響いた。(10日)
●茨城の高校で道徳必修化 茨城県教委は今年度から県立高校106校全校で「道徳」を必修化した。都道府県内の全公立高校に義務付けるのは全国で初。授業は1年
生対象で年間35時間。評価は絶対評価ではなく、担当教諭が生徒の心の成長を文章記述で表し、単位を認定する。(10日)

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週刊『前進』(2291号4面3)(2007/04/16 )

 日程 4・25尼崎事故2周年 労働者総決起集会

反合・運転保安闘争勝利! 民営化・規制緩和と闘う
労働者総決起集会
4月25日(水)午後6時開場
千葉市文化センター5F セミナー室
主催/国鉄千葉動力車労働組合

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週刊『前進』(2291号5面1)(2007/04/16 )

 沖縄−本土の労働者は一つの階級として団結し闘い抜こう

 5・15沖縄闘争の勝利のために

 革共同沖縄県委員会

 改憲・国民投票法案をめぐる国会攻防のまっただ中での07年5・15沖縄闘争を全力で闘おう。米軍再編攻撃の最先端、辺野古新基地建設をめぐる闘いは、政府防衛省による「予備調査」が差し迫り、緊迫の度を増している。3月30日の文科省による高校教科書への、沖縄戦時の日本軍による集団自決強要の事実抹殺の指示は沖縄中に怒りを呼びおこしている。このように戦争・改憲攻撃が階級闘争の正面課題となる政治情勢とは、革命が問題となる情勢だ。今こそ「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」の革命的綱領が全人民の闘う路線となるときがやってきた。

 「5・15返還」とは何か

 07年5・15沖縄闘争の勝利に資するために、1972年5・15沖縄「返還」の歴史的意味をふりかえりながら、階級的労働運動路線のもとでの沖縄闘争論、すなわち沖縄奪還綱領の新たな内容について提起したい。「共産主義者」152号掲載の沖縄県委員会論文とあわせて、5・15闘争決起のための路線武装の糧としていきたい。
 5・15とは何か。それは「4・28」とは何か、ということとイコールであり、今日の(安保)沖縄問題を規定する出発点であり、根幹である。
 戦後革命の嵐を乗り切った日本帝国主義は1952年4月28日、サンフランシスコ講和条約をもって独立した。同時にこの日、同条約3条をもって沖縄は正式、法的に日本から切り離され、沖縄戦の継続として軍事占領していた米軍の直轄支配のもとに置かれることとなった。天皇ヒロヒトが沖縄を売り渡し、米帝の支配に供することと引き替えに、日帝は「独立」を得たのである。
 「軍隊と戦争を永久に放棄する」とうたう日本国憲法は、沖縄を日本から切り離してそのラチ外に置き、ここを米帝の戦後アジア軍事支配の要(かなめ)として提供することを核心とした日米安保同盟と一体で成り立っていた。日帝は沖縄を犠牲とすることによって自らは「軍隊を持たない」という仮象をとることを可能にし、戦後帝国主義としての復活をなしとげていく。日帝は、沖縄という自国の領土とそこに住む人間を丸ごと政治(軍事と戦争)の道具として使い、積極的に沖縄をアメリカ帝国主義に売り渡したのである。
 こうして沖縄は72年まで米軍政下におかれ、朝鮮戦争、ベトナム戦争の出撃拠点となるなど米帝のアジア軍事支配の一大軍事拠点(「基地の島」)として形成されてきた。
 戦後の日帝はこのように、一方では沖縄を切り離して帝国主義軍隊と戦争の矛盾・犠牲を集中的に押しつけ、他方では日本国憲法にうたう「軍隊も持たない、戦争もしない国家」という仮象をとった独特の構造をもっている。しかし、実は日帝にとってこのことが帝国主義としての弱点をなしているのだ。
 日帝は、沖縄という、日本全体からみれば地域的には小さい、人口的には少ない一地域(一県)に、国家の存立を左右するような矛盾を一手に負わせて成り立ってきたといえる。例えて言うなら沖縄を支点に逆三角形として立っているという極めて不安定な、もろい構造をなしている。この支点が、すこしでも動けばこの国家はぐらぐらに揺らぐ脆弱(ぜいじゃく)な国家体制であるということだ。それは復帰前も復帰後も変わらない。革共同のいう「沖縄は日本革命の火薬庫である」という規定はそういう意味であり、それは戦後日帝論そのものである。
 72年5・15をめぐる復帰闘争は、歴史的に初めてこうした沖縄問題の階級的本質、すなわちこれが日本帝国主義の固有の解決不能の矛盾であること、沖縄の労働者人民と日本帝国主義の存在そのものが非和解的対立関係にあることを明らかにしたのである。
(写真 職場を武器に基地内ストライキ−デモに立ち、基地を機能停止に追い込んだ全軍労牧港支部5000人の労働者【1973年6月28〜29日】)

 70年決戦と「奪還綱領」

 復帰闘争は、過酷な米軍政支配、「基地の島」としての非人間的な現実に対する沖縄人民の怒りの爆発であり、ひとまずその現実からの解放を日本の施政権下に(「平和主義」「民主主義」「基本的人権」をうたう日本国憲法のもとに)帰ることを要求した歴史的な全県的、全人民的大運動であった。
 ここで押さえておかなければならない重要なことは、復帰闘争の本隊を担ったのは労働組合であり、沖縄の労働者階級であったということだ。
 日本国憲法下の労働3法的権利も米軍政下で丸ごと奪われた中から、労働者が一つひとつ実力で闘い取りつつ職場の支配権、地域の主導権を握り、労働者階級(労働組合)が全人民的なリーダーとしてその政治的進路を指し示し、全体を牽引(けんいん)することによって復帰闘争が「島ぐるみ」の闘いとなっていったのであってけっして逆ではない。その意味では、沖縄の支配層、自民党などが戦後沖縄の歴史をリードしたことは一度もない。彼らは時の権力(例えば復帰前であれば米軍)におもねり、経済的利益を追い求めていただけである。
 こうした復帰闘争は、69年2・4ゼネストを提起するところまで力をつけ、上りつめていった。もはや米軍の直接統治はあらゆる意味で不可能だというところまで沖縄の闘いは到達していった。
 こうして復帰闘争は、沖縄問題の本質と構造を暴き出していった。他国に引き裂かれている一部の領土の人間が、ひとまず形式的には「民族的統合」を要求して全人民的に決起していることを、その国の支配階級がこれを喜ばず、苦々しく思い、恐怖している姿が全面的に暴かれていったのである。
 69年の日米首脳会談での本土復帰決定(沖縄返還政策)は、沖縄県民の復帰要求を逆手にとって、あくまでも日帝の安保政策、日米安保体制(その実体としての沖縄の米軍基地)を県民の基地撤去の要求と闘いから守るためであった。「施政権の返還」とは、わかりやすく言えば、基地撤去を要求する沖縄県民を米軍が直接統治の形式で弾圧、抑圧すれば「火に油」となるゆえに、日帝が直接統治するということだ。
 復帰闘争で掲げられた「日の丸」(当初は「日の丸」を掲げること自身が米軍政の弾圧の対象だった)は、次第に労働組合の赤旗にとって代えられた。沖縄教職員会は、教室の教師であることとともに地域の教師として運動をリードし、自治労―官公労、民間の労働組合の成長とともに米軍基地で働く基地労働者が全軍労を結成し、ついにストライキを打とうとするまでに成長していった。
 こうして沖縄の労働者階級が一つの階級としての力を形成していくことによって、復帰闘争は沖縄の全人民的広がりをもった運動、闘争となり、同時にそれは日帝国家という体制、すなわち沖縄を基地の島・沖縄たらしめている日本帝国主義そのもの、日米安保体制と鋭角的に激突する段階に入った。本土復帰、基地撤去、基本的人権の要求、総じて自分たちを日本国憲法の下に入れよ、差別するなという、それ自体は革命や体制変更の要求ではなくブルジョア民主主義的な要求が、それを本気で実現しようと決起すると国家存立の根本(安保政策)を揺るがし、これと鋭角的に対立するものとなった。沖縄の本土復帰闘争は、日本労働者階級の70年安保・沖縄決戦へと深化・発展していったのだ。
 革共同は戦後世界体制論をふまえ、この本土復帰闘争を真っ向から階級的に受け止めることをとおして、安保・沖縄問題を革命論的に解明し、戦後日帝国家論、日帝打倒の現実的、戦略的な構築をなし遂げた。それが沖縄奪還綱領である。その階級的核心はレーニン帝国主義(段階)論にある。

 階級的労働運動の力で

 復帰闘争は、69年から72年5・15にかけての過程で、「施政権返還」というペテンで体制内に収束させられるのか、それとも日帝国家、体制の壁を突き破って革命に進むのかという段階に突入した。それは同時に体制内労働運動とこれを突き破る階級的闘いとの分岐・衝突に発展していった。
 69年2・4ゼネストはそのことを全面的に開示した。ベトナム戦争のまっただ中、米軍B52爆撃機が嘉手納基地で墜落炎上(68年11月19日)、これにたいする抗議と基地撤去を要求するゼネストが県労協を軸とする県民共闘会議によって提起され、各労組では次々とスト権が確立していった。
 こうした闘争の発展に恐怖する日米帝国主義が全力で圧殺に動いたことだけが問題ではなかった。最も重大な敵は階級の内部にいたのである。既成左翼は「ゼネストを打つと復帰が遅れる。屋良革新県政を窮地に陥らせる。革新県政を守れ」と言ってゼネスト回避に動いた。総評はゼネスト回避のオルグを沖縄に派遣し水をかけてまわった(ここに総評・民同のなんたるかは隠しようもなく明らかだ)。全軍労2万人余は、「ストを打つと全員解雇だ」という米軍による大恫喝を前に苦闘しつつも、これをはねのけゼネストへ合流しようとしていた。
 結局2・4ゼネストそのものは、ダラ幹たちの大衆から隠れた「会議」で回避が決定された。体制内労働運動と体制内議会主義者・既成左翼たちは、労働者階級人民の大衆的決起が体制打倒・革命をとらえ始めるや、それを恐れ、その発展を圧殺するために本性をむき出しにしたのだ。

 既成指導部の制動打ち破り

 沖縄の労働者人民は、2・4不発(=既成左翼の制動)にもかかわらず、これをのりこえて前進しつつあった。全軍労では翌70年に当時全軍労の最大人員を擁していた牧港支部において「2・4の悔しさを忘れるな。これを乗り越えよう」を合言葉に青年部(牧青)が結成された。革共同沖縄県委員会は、この激動、激闘のまっただ中、69年に結成された。2・4ゼネスト不発という事態に怒り、悔しさをかみしめていた全軍労、教労、全電通、全逓などの青年労働者、沖縄大、琉球大の先進的学生が大合流してきた。
 こうした沖縄における闘いは、革命的左翼を先頭とする安保粉砕・日帝打倒の方向に向かって、日本全国の70年安保・沖縄決戦の一翼として、すなわち一つの階級として歴史の主人公として登場してきたのであった。
 こうした70年安保・沖縄決戦の爆発が、沖縄においても全国においても総評・民同、既成左翼の体制内的制動をうち破ろうとした瞬間、希代の反革命カクマルの武装襲撃が襲いかかってきた。「反帝・反スタ」「既成左翼を乗り越える」などといって革命的左翼の仮面をかぶりながら、実は「民同の左足」としての政治的本性をあらわした。
 このカクマルがはたしてきた沖縄闘争、日本階級闘争における歴史的な反革命的な役割は許しがたい。革共同は、この反革命カクマルとの内戦に勝利し抜き、2001年革共同第6回大会でカクマルにたいする歴史的勝利を宣言した。
 沖縄現地の闘いから総括すれば、対カクマル戦に勝利したわれわれは、ある意味で70年決戦の到達地平にラセン的に回帰しているともいえる。われわれは、あくまでも日帝打倒の実現のために、階級が階級として団結しゼネストをも打ち抜ける情勢を切り開こうとした。そのためには体制内労働運動、体制内議会主義と決別し、これを打倒する道に敢然と入っていったのだ。カクマルとの長きにわたる戦争は、この日帝打倒、プロレタリア革命勝利の大道を守るのかどうかをかけた闘いだったのである。
 2006年、われわれは労働者階級の決起への絶望を根拠とする腐敗した堆積(たいせき)物を一掃する党の革命を断固として推進し、07年『前進』新年号において革共同本来の思想的、路線的展望を鮮明に提起した。階級的労働運動路線である。「階級は一つ」「階級の階級的団結の基礎的形態=労働組合論」「4大産別決戦論」「動労千葉労働運動論」などの提起によって沖縄奪還綱領は、改憲決戦情勢―米軍再編攻防、すなわち戦時下階級闘争における沖縄奪還綱領、安保・沖縄闘争の今日的、具体的な前進の道筋を完全に明らかにした。
 安保・沖縄こそ日帝の矛盾=弱点、アキレス腱(けん)である。「革命の火薬庫」である。この革命的立場に断固たちきり、帝国主義とその手先どもの分断を乗り越えて、沖縄―本土の労働者が一つの階級として団結すること、ここに勝利の道がある。
 5・15沖縄闘争の爆発をかちとり、辺野古新基地建設阻止・米軍再編粉砕、改憲阻止・安倍政権打倒をかちとろう。

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週刊『前進』(2291号5面2)(2007/04/16 )

 法政大 「革命」訴え大前進

 “新たなサークル弾圧許すな”

 法政大学の新歓決戦が本格的に始まった。被処分者を先頭に、革命を真っ向から掲げて闘い抜いた3・18集会の内容で新入生に強力に訴え、大きな前進を切り開いている。
 新歓第1号のビラは、「革命の学校、法大へようこそ」の大見出しと織田陽介全学連委員長のアピールだ。ビラは圧倒的注目と共感を集め、革命をめぐる論議がドンドン始まっている。
 「労働運動の力で革命をやろう」という訴えは、新入生の意識と確実に噛み合っている。格差社会という言葉は誰もが知っており、憤っている。その中で“ワーキングプアの現実や格差をますます拡大し、青年・学生の未来を奪い、改憲・戦争をやってしか生きられない安倍や御手洗などの帝国主義者、こんなやつらは革命やってぶっ飛ばし、俺たちが社会の主人公になろうじゃないか”――この訴えが新入生を獲得している。
 このことを典型的に示したのが、ある新入生との論議だ。彼は当初“自衛権には賛成”という主張だったが、いまの帝国主義体制の危機と革命の問題として戦争をめぐる論議を徹底して行った。すると彼も、いまの格差社会の問題にものすごい怒りを持っており、資本主義が行き詰まっていることを実感していることがわかった。ただ、「革命は可能なのか」ということが引っかかっていた。それに対して、“革命とは職場、工場を労働組合が握ること。労働者にはそういう力がある。労働者が団結すれば戦争もできない。動労千葉はこのことを実践している。世界は革命の時代に入っている”ということを訴えた。すると彼のほうから「これまで革命とか社会主義のイメージは『すごく冷めた社会になる』という感じに思っていたけど、この間論議して変わってきた」と率直な感想。
 改憲も自衛権の問題も、行き詰まりきった帝国主義体制の問題であり、革命以外に解決の道はない。ここをあいまいにせず自らの立場をはっきりさせて論議し実践したとき、絶対に獲得できる。

 思想弾圧がむき出しに

 3・14法大弾圧から1年余、法大生は、処分も逮捕も恐れず不屈に闘い抜いてきた。そして1000人集会を実現して大学当局をぶっ飛ばし、学生に力があることを自らの闘いで示してきた。こうした中で、「革命をやろう」の訴えが法大を席巻(せっけん)し、新入生にドンドン浸透し始めている。
 このことに追いつめられた法大当局は、「3・14法大弾圧を許さない法大生の会」に加え、サークル本部団体にも加盟している公認サークル9団体を名指しし“暴力的な政治セクトの活動家が入り込んでいることが過去に確認されている”などと書いた文書を出し、サークル活動を破壊する暴挙に出てきた。
 これまで「業務妨害」などを弾圧の口実にしてきた法大当局は、とことん追いつめられ、いよいよ“思想弾圧こそ目的”ということをむき出しにしてきたのだ。
 しかしわれわれは、大学当局によるこの妨害文書が全新入生に配布される中で、むしろ「過激派で何が悪い」とぶっ立って、真っ向から革命でオルグしている。当局の妨害は、革命をめぐる論議と獲得をますます加速させるだけだ。
 法大新歓で改めて実感したことは、3・18集会の内容にこそ、すべての労働者・学生を獲得する力があるということだ。自分のキャンパス・職場で「労働運動の力で革命をやろう」の旗を掲げてどんどん勝負していこう。(法大生/K)
(写真 「革命の学校、法大へようこそ」と題した新入生歓迎第1号のビラに圧倒的な注目と共感が集まった)

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週刊『前進』(2291号5面3)(2007/04/16 )

 富山大 弾圧に怒りの反撃

 織田全学連委員長講演会が大成功

 富山大学学生自治会は自治会室明け渡し攻防に実力で勝ち抜き、今も自治会室を使って通常の自治会活動を行っている。決定的な勝利だ。
 4月7日、当局の「開催禁止」の攻撃をぶち破って、サークル員が中心となって企画した新歓フェスティバルが実力で開催された。その中で、去年に引き続いて全学連委員長の織田陽介君の講演会が断固行われた。織田君は講演の中で真っ向から安倍政権打倒・富大西頭学長体制打倒を訴えた。
 当局は「自治会は存在しない。大学祭も非公認。会費納入の必要はない」という文書を学内中に張りめぐらせているが、こんなものは学生が立ち上がったら関係ないのだ。多くのサークルが無許可を承知で入学式会場に突入し、ビラまき・パンフ配布に決起している。4月11日の授業開始以降、自治会など学生団体の1年生クラスへのクラス入りが授業時間を使って堂々と行われている。
 4月4日には富大当局は反動分子をあおり立てて、立て看板の破壊など自分たちが直接やれないような暴力的な言論弾圧をやらせた。ところが弾圧に怒った寮生など学生10人が駆けつけて、たちまち看板を復旧した。弾圧すればするほど学生は立ちあがるのだ。
 富山大学決戦は改憲と戦争に突き進む安倍・御手洗路線との対決そのものだ。学生の政治活動を禁止する学則制定は、改憲投票法案と同じ改憲攻撃だ。
 滝澤弘富山大学前学長は同窓会の会報で「(05年の富山大学と県内2大学との統合過程の会議で)財界から外部資金を獲得できない学部は全学の発展の障害だ、基礎的学問分野の学部は地方国立大学には必要ない、という意見が出された」と述べている。さらに、ある教員の話では、数年ごとに仕事の継続かクビか決める教員任期制の導入が決定しているという。
 これは氷山の一角に違いない。国立大学の法人化とともに、富山大学の再編・統合は、資本家による大学のクーデター的乗っ取りだったことが完全に明らかになった。
 自治会はおろか、大学祭も文サ連も非公認だと言い、「大学間の競争に勝つために、学則を制定し自治会をつぶして、学生が政治活動に熱中しないよう管理する」と明言している富山大学当局。こいつらに、学生を抑圧すればするほど学生運動が発展するのだと思い知らせなければならない。
 この間の富山大決戦の中で、多くの学生が“自治会への弾圧は、自分が帝国主義社会の中で受けている抑圧と一つにつながっている”と感じて、いままで活動家ではなかった学生が次々と立ち上がっている。学生の中には怒りがあふれている。学生は、自治会弾圧と闘うことは、自分自身の解放の闘いだと感じている。自治会つぶしを全学生の怒りに転化して、富大学生運動は全学ストライキに突き進む。
 (富山大/N)
(写真 学生自治会は学生支援課に対して自治会室明け渡し攻撃への抗議行動に決起【4月3日 富山大】)

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週刊『前進』(2291号5面4)(2007/04/16 )

 市東さん耕作権裁判へ

 4月23日(月)11時〜 千葉地裁

 三里塚芝山連合空港反対同盟・市東孝雄さんの耕作権裁判の第2回口頭弁論が、4月23日に千葉地方裁判所で開かれる。
 成田空港会社は、祖父の代から90年耕してきた市東さんの農地について、農地法による耕作権解約申請を行った上、そこからはずれた部分の土地を「不法耕作」として明け渡し請求を行った。今回の裁判は後者にかかわるものである。
 精魂込めて耕しつづけてきたことを「不法」とは! 絶対に許せない。被告席に立たされた市東さんは第1回口頭弁論で「私は不正を告発するためにこの場に臨んでいる」と怒りを込めて陳述した(本紙前号掲載)。顧問弁護団はこの攻撃の違法性を全面的に明らかにしようとしている。
 三里塚闘争の帰すうが、また労働者階級の同盟軍である日本農民の未来がかかった裁判だ。反対同盟の必死の呼びかけにこたえ、当日全力で傍聴に集まろう。
●傍聴券抽選のため、10時をめどに裁判所前に集まって下さい。

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週刊『前進』(2291号6面1)(2007/04/16 )

団結ひろば 投稿コーナー

 高校の卒業生として「日の丸・君が代」拒否 関西・卒業生 MA

 2月28日、卒業式の予行練習で学校側が威圧してきた。再三、式の厳粛さを損なうとして抗議のため着用していた腕章を外すよう注意を受けたが、私は徹底的に糾弾し拒否を貫いた。
 生徒指導部長からは特定組織の指導を受けているのか追及されたが、回答を拒否、国歌斉唱時にも着席していた。
 私がこの暴挙に強く抗議・追及した結果、副校長2名との直接交渉をかちとり、申し入れを行った。
 これに対する学校側の回答は「@過去から現在に至るまで職務命令の発令はなく、国旗掲揚・国歌斉唱は通達等によるものではない。A戒告、減給等の処分発令実績はなく、起立・斉唱しないことを理由に生徒及び教職員へ不当処分・弾圧を行うことはない。また、今後も行う予定はない」というものだ。
 また「B国旗掲揚・国歌斉唱は『強制』ではなく、『指導』である」として中止要求は拒否された。「現行の高等学校学習指導要領では指導計画の作成と内容の取り扱いについては、『入学式や卒業式などにおいては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導するものとする』とされているので指導を行う。また、起立・斉唱を拒否することは自由である」という。
 C強行するのであれば起立・斉唱することは自由であることを事前に参列者に対し十分周知させよと要求したが、受け入れられなかった。
 さらに、D戦前に日の丸は、日本軍の統治・占領の象徴として用いられ、教育勅語に基づいて天皇崇敬や軍国主義を浸透させる目的で教育の場において使用された経緯があり、精神的苦痛は相当のものだと指摘し、本来卒業式は学習課程を修了した事を認定し、それを祝う式典であって、けっして国家への忠誠を誓い、戦争への協力を宣言する式ではないと要求したが、「検討する」等、あいまいな回答を繰り返すのみだった。
 3月1日、卒業式が行われた。申し入れ結果は反映されず、起立・斉唱の自由の周知も行われないまま、「国旗掲揚・国歌斉唱」の強制という非教育・反教育行為が強行された。周囲へ強く不当性を訴えた結果、私と3学年の生徒及び保護者数名が起立・斉唱を拒否。確認できた範囲では教職員は全員起立していた。
 闘争に決起した私に対する嫌悪感を管理職が現していることを見ると、圧力にけっして屈しないことを知らしめた私の闘いは、戦前教育の復活阻止につながるものであったと確信する。

 フロントサービス診断は直ちにやめろ 広島 魚住 徹

 厚労省の労働政策審議会労働条件分科会の委員でもある人材派遣会社「ザ・アール」の社長・奥谷禮子が「過労死は自己責任。会社は死ぬまで働けとは言っていない」「(過労死を)他人の責任にするのは労働者を甘やかしすぎ」「「労基署も不要」などと放言し、労働者の激しい怒りを買ったことは記憶に新しい。
 この奥谷が日本郵政株式会社の社外取締役に納まり、「接遇道場」なるものを主宰して、郵政労働者に「星幾つ」とランク付けをしていることはよく知られている。
 JR西日本が「駅窓口のサービス向上のため」と称して行っている「フロントサービス診断」を請け負っているのもザ・アールだ。
 これは抜き打ちの覆面調査で、調査員は客を装って来るので駅員にはそれが調査員だとは即座には分からない。その診断結果によって駅がランク付けされ、労働者間の競争があおられ、分断が持ち込まれる。これでは駅員は本来業務に集中できない。安全にも直結する問題だ。
 尼崎事故を居直り、こんなことに熱を上げているのがJRだ。国鉄分割・民営化20年を迎えるこの春、動労西日本は3波のストを貫徹した。広島・五日市駅のストでは、抜本的な安全対策と並んで「フロントサービス診断」の即時中止を要求した。
 安倍・御手洗体制の背後で暗躍する奥谷のような人物を先兵に、労働法制改悪と労働基本権解体の攻撃が吹き荒れている。今こそ、07春闘を突破口に、労働者の命と安全を守り、戦争反対・改憲阻止の闘いに立ち上がろう。

 「集団自決」は軍命令による強制的集団死 沖縄 草刈史樹

 先週号の「焦点」で、沖縄のいわゆる「集団自決」(集団死)について、軍による強制の事実を抹殺するという検定意見が高校の日本史の教科書につけられ、記述が修正された問題が取り上げられています。
 かつて1982年、文部省(当時)は、「日本軍による住民虐殺」の記述を全面削除するという暴挙を働き、全県民的な怒りの声の中、記述を復活せざるを得なくなりました。その際に、文部省は、沖縄戦の住民犠牲を記述する場合は、犠牲的精神の発露として住民自ら命を絶った「集団自決」を記述するよう強要したのです。しかし、この「集団自決」こそ、軍の命令による強制的な集団死であることが、多くの体験者や沖縄戦の研究によって明らかにされてきたのです。
 沖教組・高教組は4月3日に抗議文を発表し、「今回の検定結果はまさに『沖縄戦の歴史を歪曲』することで、『戦争のできる国民』を学校からつくり出そうとする動きである」と断罪しています。
 4月6日には、沖教組や高教組などが構成する「沖縄戦の歴史わい曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会」が主催する緊急抗議集会が開かれました。集会では渡嘉敷島の「集団自決」の生き残りの方が証言に立ち、「軍の命令で集合させられ、手榴弾(しゅりゅうだん)が配られた」と、今回の教科書の検定意見に怒りの声を上げていました。
 そこで顔見知りの高教組の組合員さんと話をしました。社会科の先生である彼はかつて久米島で教鞭(きょうべん)をとっていたそうです。そこで久米島の「集団自決」の実相に触れたそうです。「昨年の4月ごろは教育基本法の問題がクローズアップしてきて、今年は教科書問題。また共謀罪の動きなど、ドンドン世の中がおかしな方向に向かっている」と危機感をあらわにし、「全県民的な世論を形成していかなければならない」と語っていました。

 命を生み出す大地を農地法で奪うとは! 広島 高田二郎

 3月25日、初めて三里塚の大地に立ちました。「農地法で農地を奪われようとしている」「有事の際には米軍・日本軍が利用する」その三里塚!
 広い! 実に広い。見渡す限りが農地や雑木林で、山は見えない。重機のない時代に尽力で拓(ひら)いてきた百姓の夢と血まめの手のひら、食うや食わずのその年月は永かったであろう。
 私は三里塚の畑の土に今いる。さわってみる。握りしめてみる。実に軽い。におって、なめてみる。いい味だ。本物の畑の土だ。百姓は畑の土がすべて! 三里塚の土は軽い。天気が良く風があれば飛ぶだろう。雨が降れば粘る。
 この大切な大地を、命を生み出す大地を「農地法で奪う」とは! それも成田空港づくり、有事に軍用に使うために!
じょうだんじゃない。
 私には、米軍に強制収用されてつくられた巨大な沖縄の米軍基地が重なって見える。米軍は沖縄基地から、朝鮮戦争、ベトナム戦争、そして今アフガニスタン、イラクへ侵略攻撃を行っているのだ。絶対許せない。
 私も百姓。この4月から安倍政権により「棄民」にされた零細、小規模の百姓だ。「棄民」にされたが税金はとられる。たまらん。だまってはおれん。そこでだ。三里塚、そして全国の棄民化された百姓が手を結んで、百姓主権をかけて闘おうではないか。国家権力と闘う「百姓主権の会」をつくりたい。三里塚はその司令塔だ。

 バイオ燃料化は世界の飢餓をひどくする 東京 青井昌人

 メキシコの人民がトルティージャの値上げに怒り、各地で抗議デモに立ち上がっています。1月末にはメキシコ市中心部で数万人が抗議デモを行いました。
 トウモロコシの粉を練って焼いたトルティージャは、メキシコ人の主食です。その価格が、ここ3カ月で4割以上、地域によっては6割も上がったのです。
 値上げの原因は、アメリカでバイオ燃料の原料のトウモロコシの需要が高まり、価格が上がっているためです。
 農産物からつくるバイオ燃料は近ごろ、「石油に代わるエネルギーの救世主」「地球にやさしい燃料」と宣伝され、需要が伸びています。アメリカで1年間にバイオ燃料に回されるトウモロコシの量は、世界の1億人が1年間食べられる量です。
 ナタネ油も世界生産量の半分がバイオディーゼル燃料に回されて価格が上がっています。食用油やマーガリン、マヨネーズなどが値上げされそうです。
 世界には、飢餓に苦しむ人が10億人もいます。バイオ燃料による穀物価格の上昇でさらに4億人が飢えると言われています。クルマを走らせるために、たくさんの人間が飢えて、病気になって、死んでいいのか! 戦争で石油が高騰したり、食料の不作が重なったら、事態は一層危機的・破滅的になります。
 ところが、世界の食糧を支配するアメリカなどの巨大な食料会社や商社は、そうした危機をも利用して、穀物価格の上昇で莫大(ばくだい)な利益を上げています。
 こんな腐りきった資本主義の社会に未来はありません。人びとを飢餓に追いやって利益をむさぼる帝国主義を打ち倒し、革命をやって戦争も失業も飢餓もない、働く者が主人公の新しい社会をつくるしかないと本当に思います。

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週刊『前進』(2291号6面2)(2007/04/16 )

 高裁判決破棄・無罪確定を

 迎賓館・横田爆取裁判 最高裁へ申し入れ

 4月5日、「迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会」は最高裁判所に対し、申し入れ行動を闘いました。
 これに先立つ2月13日、弁護団と被告団は上告趣意書を最高裁に出しました。
 私たちは無実です。一審無罪判決は、16年に及ぶ、全力をあげた闘いを経てかちとったものです。それを東京高裁第3刑事部(中川武隆裁判長)は、1回も審理することなく「破棄・差し戻し」という極悪判決を下しました。断じて許すことができません。弁護団と被告団は、この高裁判決を全面的に批判し、私たちの無実をあますところなく明らかにし、「高裁判決破棄・無罪確定」を最高裁に要求したのです。
 上告趣意書提出に続く今回の申し入れ行動は、被告団・家族と「かちとる会」の訴え、さらには全国から寄せられた「無罪を求める上申書」200通を、直接最高裁へ届ける闘いです。
 私たち10名は、満開の桜が咲く内堀通りに沿って最高裁へ向かいました。すると最高裁前では多数の公安刑事が待ち構えていました。最高裁が公正・公平な立場を投げ捨て、警察権力の手先となっている現実に憤りを感じつつ要塞(ようさい)のような最高裁の中へ入りました。
 最初に、「上申書」200通を提出しました。「上申書」には、「無実の人を有罪方向に差し戻す、しかも事実調べもなしに、裁判って一体何なのですか」「無実の4人の超長期勾留をまず反省するのが裁判官の任務ではないか」「裁判官に自浄力があるかどうかが試されている」などの怒りが1枚1枚に込められています。対応した「訟廷上席書記官」に必ず裁判官に届けることを約束させました。
 次いで、「かちとる会」共同代表の西山勲さんが「申入書」を力強い声で読み上げました。
 「『迎賓館・横田事件』の被告とされている須賀武敏、十亀弘史、板垣宏の3氏は無実・無罪です。弁護団と被告団の上告趣意書をしっかりと吟味し、『一審無罪判決を破棄、差し戻す』との控訴審不当判決を棄却し、無罪判決を行われるよう心より要望します。
 日本栽判史上前代未聞と言われる超長期の一審裁判を通して『犯罪の証明がなされていない』と認定された裁判に対し、どうしてただの1回も事実審理をすることなく疑義を差しはさみ、くつがえすことが出来るでしょうか。これはもはや裁判制度そのものを自ら否定し去った暴挙以外のなにものでもありません。
 被告3氏は無実・無罪です。速やかな無罪確定がなされねばなりません。ただちに3氏を被告席から解放すべきです。最高裁第1小法廷の裁判官は東京高裁の不当判決を破棄し、さらに自判によって速やかに無罪を確定されるよう強く申し立てます」

 “私たち3人は無実”

 さらに、被告団から十亀弘史さん、須賀武敏さん、板垣宏がそれぞれ、「私たちは無実・無罪である」「高裁の判決は、メモの恣意(しい)的解釈による一つの可能性にすぎないものを、事実であるとすることによって1審の無罪判決を覆したもの。断じて許されない」「検察官の証拠請求を高裁が全部却下したことは、無罪判決しかなかったはずで、破棄・差し戻したことは証拠裁判主義の否定だ」と高裁判決の反動性を怒りを込めて弾劾し、直ちに高裁判決を破棄するよう最高裁に強く迫りました。
 被告の家族は「冤罪は1人の人間の生涯を左右するだけではない。16年近くも未決勾留され、家族も生活を破壊されてきた。子どもが年に数回それもごく限られた時間しか面会できないような事態の深刻さを最高裁の裁判官は自覚してほしい。鹿児島・志布志事件で明らかなように、警察や検察は無実を百も承知で意図的に犯人に仕立て上げることがある。権力を握っている人間が犯す冤罪は一般の人の犯罪よりも重い。そのことを自覚してまともな裁判を行ってほしい」と切々と訴えました。
 支援者のTさんは「私は、長期の勾留が行われていることを知り、裁判を傍聴してきました。そして、裁判では正義が行われていると思っていましたが、事実はまったく違うということを知らされました。控訴審の判決には驚きました。3人と福嶋さんの無実・無罪を願っています。本当の意味でみんなが喜べる判決にしてください」と思いを語りました。
 不当な高裁判決を覆し、無罪を確定させるために最高裁への闘いを強化しよう。最高裁への「上申書」をドシドシ寄せてください。私たち被告団は、国家権力のデッチあげへの怒りをもって不屈に闘い、必ず勝利します。
 (板垣宏=迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判被告)

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週刊『前進』(2291号6面3)(2007/04/16 )

 星野文昭さんに 4・27バースデーカードを届けよう

 4月27日、無実の星野文昭同志は61歳の誕生日を徳島刑務所で迎える。
 母・美智恵さんは、星野同志の帰りを待ち、今も札幌市内の病院で病気と闘っている。1月以来の闘いを継続し、一時的な「刑の執行停止」によるお見舞いを実現しよう。その上に再審の開始をかちとろう。
 「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」は、誕生日に向けて「バースデーカードを送ろう」と呼びかけている。これにこたえて星野同志を激励し、連帯するカードを送ろう。
 昨年6月、長年にわたる制限を打ち破って、友人面会が実現された。現在までに30人が面会している。文通も可能になった。刑務所からの発信は限られているが(月に5通)、受け取りに制限はない。星野同志のもとには全国から次々に手紙が届き、今年の年賀状は280通に達した。
 71年沖縄返還協定批准阻止・渋谷闘争を闘い、デッチあげ殺人罪で無期懲役刑を受けた星野同志に対する32年もの投獄はまったく不当だ。星野同志は即時・無条件に釈放されて当然である。労働組合を始め、あらゆるところに闘いを広げ、星野闘争を労働者階級全体のものにしよう。その力で星野同志をなんとしても取り戻そう。
 同志の皆さん。『前進』読者の皆さん。星野同志に「バースデーカード」を送り、連帯と激励の声を届けよう。その1枚1枚が彼を取り戻す力になる。星野同志の「刑執行停止」を実現し、再審−無罪をかちとろう。

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週刊『前進』(2291号6面4)(2007/04/16 )

 星野さんとともに

 暁子さんの友人として面会

 鎌田 由子

 3月13日、星野暁子さんと鎌田雅志と私は、星野文昭さんと徳島刑務所で面会しました。
 殺風景な面会室、暁子さんを真ん中に3人が1列に並んで、アクリル板の向こうに文昭さんがやって来るのを待ちました。すると「やあ!」という声とともに文昭さんが登場し、その場の空気は一瞬で明るくなりました。「え!(弟の)修三さんにそっくりですね」と鎌田。“この人知ってる!”という感じです。輝く笑顔の文昭さんが座っていました。
 まずは暁子さんが札幌のお母さんの病状が少しよくなったことなどを話し始めました。その暁子さんをまっすぐに見つめてうなずきながら、「それはよかったね」と文昭さん。「本当にこの1年あらためて暁子と向き合ってきた1年だった」と振り返っていました。
 そんな2人のやりとりに立ち会っていたせいなのか、初めて会ったとは思えないほど、和やかな会話が進みました。今の獄中処遇はどうなっているのか、文昭さんと鎌田の問答となり、いろいろと話は尽きません。
 今回、暁子さんと同じ時代を闘ってきた者として、暁子さんのサポーターとしての面会でした。「私たちは代表として来ました。たくさんの友人たちが全国にいるんです」と話すと、文昭さんはうれしそうでした。
 でも監視下のわずかな時間の面会では、特に夫婦のコミュニケーションは困難です。私も鎌田雅志が85年秋に10・20三里塚と11・29浅草橋で逮捕され、01年2月に出獄するまでの15年ちょっと、東京拘置所、千葉刑務所、そして下獄した府中刑務所へと面会に通いました。話せたようで話せず、結構うまくいったと思っても何かを置き忘れたような気持ちになるものです。暁子さんも獄中結婚して21年、そんな面会に通い続けているのです。
 その夜は徳島の救援会の人たちと交流会を持ちましたが、見渡せば、昨年6月以来の友人面会で文昭さんとの対面を果たした人ばかりでした。その場で文昭さんが61歳になる4月27日の誕生日にバースデーカードを送ろうという話になりました。メロディーカードなども房内での所持はできないけれど、届いたら「一見領置」と言ってまずは見て聞くことができ、希望すれば何度も見ることもできるそうです。
 年賀状に続き、全国からどんどん届けば、支援の広がりを刑務所当局に見せつけることにもなり、何より文昭さんへの激励になります。
 皆さん、4月27日の文昭さんのバースデーに全国からいろいろ工夫したプレゼントを文沼さんに届けましょう。文昭さんとお母さんの再会を実現したい。文昭さんを獄外に取り戻す闘いは今年が勝負です。

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週刊『前進』(2291号6面5)(2007/04/16 )

 一億二千共謀の日4

 共謀罪現代の治安維持法キョーボーして廃案にしよう

 〈実際やったことを処罰する〉から〈話し合いの処罰〉へと日本社会を大転換させる共謀罪法案。憲法に定められた思想・表現の自由や団結権を真っ向から踏みにじるものです。2003年に国会へ初上程されてから2度も廃案になり、3度目の制定策動も反対世論に阻まれ何度も頓挫したにもかかわらず”安倍自公政権は「今通常国会中に共謀罪の法案を成立させる」と宣言。ペテン的な「修正」で世論をだまして成立させ、「現代の治安維持法」復活の突破口を開こうとしています。
 共謀を罪とするということは、私たちのあらゆる話し合いを犯罪視する事であり、仲間どおしが集まる事を取り締まるという事です。であるならば、逆にたくさんの人がみんな共謀してしまえば意味がなくなるじゃないか。共謀ってこんなに簡単にできる! 仲間を広げて団結して共謀罪新設なんかぶっ飛ばしちゃおう! というのが「一億二千万 共謀の日」なのです。(チラシより)
4/28(12時〜JR秋葉原駅中央口)  (12時〜東武東上線朝霞駅前)  (14時半〜有楽町マリオン前リレートーク)

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