ZENSHIN 2007/04/02(No2289 p08)
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労農連帯・国際連帯の旗のもと1450人結集 三里塚に韓国から民主労総ソウル本部のコジョンファン前本部長も駆けつけた。市東さんの農地を守り抜き、北延伸を阻止することを誓った(3月25日 成田市東峰)=記事6面
週刊『前進』(2289号1面1)(2007/04/02 )
改憲投票法案絶対阻止を
杉並・相模原を最先頭に統一地方選決戦勝利へ
青年労働者と学生の闘う力で革命やり新しい社会つくろう
新入生のみなさんへ 全学連委員長 織田陽介
学生のみなさん。とりわけ新入生のみなさん。この私のアピールを読んで即座に革命に人生かける決意をして欲しい。全学連(全日本学生自治会総連合)は、現代世界が激動期を迎えた喜びを胸に呼びかけずにはいられない。待ちに待った革命情勢の到来だ。この腐りきった資本主義社会をぶっつぶし、新しい社会につくりかえる時がきた。その力は青年労働者と学生の中にこそある。21世紀に生きる私たち学生は、「戦後レジームからの脱却」を叫んで戦争に突き進む安倍政権に対し改憲阻止の300万学生ゼネストを宣言しようじゃないか。
「労働運動の力で革命やろう」と宣言した3・18全世界一斉デモ。写真中央が織田委員長(3月18日 東京・銀座)
「労働運動の力で革命を!」
労働運動の力で革命やろう。
3月18日、この鮮烈なスローガンが全世界に向けて発せられた。2003年3月20日のイラク開戦から4年の全世界一斉デモに、東京・日比谷野外音楽堂に2070人の労働者・学生・農民が集まった。私たち学生と青年労働者は「ついに革命の時代が来た!」という確信にあふれて、全世界に革命を呼びかけたのです。
「港湾労働者やトラック・鉄道運転士、航空パイロットは、この国を停止させる力を持っており、戦争を即時停止させる力がある」。これは今年1月27日のサンフランシスコでの反戦集会で1万人の拍手喝采をあびた、ILWU(国際港湾倉庫労働組合)のクラレンス・トーマスさんの発言だ。
韓国の労働者は20万人のゼネラルストライキに立ち、文字どおり街を止めてしまった。フランスでは昨年春、労働者と学生300万人がゼネストを起こし、国会を通った初期雇用契約法(26歳以下の若者をいつでも解雇できる制度)を撤回させた。
世界の労働者が自分の持っている本当の力に気付き始めた。生産や流通のすべてを担う労働者は本来、戦争を止め、社会を変える力も持っている。労働者が団結して闘えば必ず勝てる。
改憲と戦争、格差社会の現実。私たち学生の未来はやみに覆われているかのように言われ、こうした現実を受け入れなければならないかのような社会の雰囲気。こんなものは全部ウソだ。
労働者が立ち上がった時に歴史は動く。労働者とともに学生は立ち上がる時だ。私たちが生まれたこの時代は絶望の時代などではない。自分のこの手で世界を変えることのできる、最高に胸躍る時代だ。隣の仲間がともに資本主義社会を打ち倒すかけがえのない仲間だと気づいた時、自分の本当の力が解き放たれる。仲間と団結して立ち上がれば、それが革命の開始だ。
私の人生―闘ってきた軌跡
私は05年の9月、廃寮攻撃を受けていた東北大学有朋寮の寮生として寮に立てこもった。
寮生活はたくさんのものを教えてくれた。金や名誉や学歴よりも仲間が大事だ。たとえ相手が大学当局や国家権力でも間違っていることは間違っている。そう闘う中に、もっとも人間らしく、誇り高く生きる人生がある。
その寮に対して機動隊導入の強制執行を決定する判決が下った。奨学金取り消しなど寮生の弱みに付けこんで退寮を強要する大学当局の団結破壊のやり方。人間として絶対にやってはならないことを教授を名乗る連中が頭をひねってやる。腐りきった大学の姿だ。
出ていった仲間の無念さ。普段は「命をかけて」とか軽はずみには言わない。だが、この時は、6人の仲間とともに自然に人生をかけた。
この闘いの中で三里塚闘争に出会った。当時は「寮に機動隊が来れば負けだ」と本気で悩んでいた。寮を守るために条件を飲んだり、権力に頭を垂れる運動も多い。どう闘えばいいのか。三里塚闘争が教えてくれた。「国家権力がやっていることは間違っている。俺たちは一歩も引かない」――当然のことを主張し誇り高く闘おうと。
この時のことは忘れない。法律や国家権力への従属を拒否し、自分の信念と正義を貫く決意をした。初めて自分の足で立った、そんな解放感を味わった。そんな7人の寮生の決意が街頭を席巻した。世の中は怒りで埋め尽くされていることを知った。たくさんの労働者が自分の身銭を切ってカンパや米を差し入れた。首切りや民営化、戦争を進める国家権力や資本家連中への怒りが7人の寮生と結びついていった。
もう迷うことなどなかった。暴力的な廃寮でも何でもやってみろ。その時はすべての東北大生、全国の学生・労働者の怒りを解き放つ時だ。よりましな支配を支配階級にお願いすることが答えではない。寮を武器に、支配階級の支配そのものを終わらせる反乱を開始する――これが俺たちの答えだ。
結果、大学当局は強制執行に踏み切れず、一・二審後の強制執行を阻止した。最高裁判決後の昨年12月16日、大学当局は寮生のいない間にコソコソと強制執行に踏み切った。寮生の気迫に大学当局は最後まで勝てなかった。
自分の中に国家権力を圧倒し、世界を変える力がある。寮は確かになくなった。しかし、私は革命家として革命への不動の確信に満ちてしまった。
法政大学の闘いを見て欲しい。逮捕や退学処分を受けても正義を貫いている。昨年5月19日、退学者が大学職員にたたき出されそうなところを300人の学生が駆けつけて阻止した。自分の隣の学生がかけがえのない仲間であり、わずか5人の学生が一歩も引かずに闘った時、これにこたえた。
この世の中を変革していく力は地位や名誉、学歴にあるのではなく、仲間と団結することにこそある。学生は立ち上がる――そう確信できた時に自分が変わった。
法政大学では40人の逮捕を打ち破って1千人の集会が行われ、もはや大学理事会に従う学生はいない。学生が大学の主人公として登場したのだ。革命運動は最高だ。革命運動の中でこそ本当の自分の力を知ることができる。本当の仲間を得ることができる。
学生のみなさん。もうこんな社会は終わりにしよう。自分とともに革命に人生をかけてほしい。学生が立ち上がれば、労働者も立ち上がる。全国の大学で反乱を開始しよう。
団結して資本と闘う
この社会は「格差社会」ではない。階級社会だ。労働者は、資本家がもうける限りにおいてしか仕事にありつけない。働くものはもうけることがなく、もうけるものは働かない。
家もなくネットカフェに寝泊まりする日雇いの青年労働者、働いても食っていけないワーキングプアの現実。日本経団連の会長をやっている御手洗が経営するキヤノンでは、偽装請負が横行している。製造業で働く労働者の7割が退職金も年金もない、いつクビになるかわからない非正規労働者だ。
キヤノンが批判されてとった対応策が「3年契約の社員」にすることだ。3年? どこまで俺たちをなめているのか。安倍や御手洗はこうした現実を「当然」と開き直っている。
支配階級は公的負債1000兆円の赤字を抱え、国家が危機だから自治体労働者200万人をワーキングプアにすると宣言した。上等だ。膨大な青年・学生を、革命なしには生きられない存在に追いやったことこそ、革命情勢の到来なのだ。
「会社がなくなったら労働者は生きられない」といううそっぱちで労働者はクビを切られ、仲間のクビを認めさせられている。しかし労働者の本当の力はそんなものではない。
動労千葉(JRの運転士の労働組合)は次のように訴えている。
「社会を動かしているのは労働者だ。労働者が働かなければ社会は1ミリたりとも動かない。資本家階級は労働者がいなければ1円だって金もうけできない。だが労働組合は資本家などいなくてもこの社会を動かすことができる。資本家なんて邪魔なんだ」
労働者が本当の自分の力に気付くこと、そして団結して資本と闘うこと――それが革命だ。
改憲攻撃と革命情勢の到来
今すぐブッシュと安倍を倒し、戦争を終わらせよう。イラクではすでに65万人が殺されたとも報じられている。
イラクで残虐なクラスター爆弾が使われている。親爆弾の中の300個の小型の爆弾が爆発すると鉄の破片が「鉄の雨」となって地上に降り注ぐ。鉄の破片が子どもの内臓などに食い込み、命を奪う。破片は子どもには抜けない複雑な形に設計されている。しかも1、2割が不発弾として残る仕組みになっている。拾って遊ぼうとした子どもが虐殺されている。かわいいリボンがついたものまである。
「低コストでどれだけの命を奪うか」――こういう戦争をブッシュは「正義の戦争」とぬかしている。劣化ウラン弾による放射能汚染は進み、白血病で子どもたちが命を奪われている。インターネットで見ることができる。写真一枚でもイラクの子どもの奪われた命を直視して欲しい。これが65万人だ。
それだけではない。「イラク復興支援基金」なるものは米副大統領チェイニーお抱えの大企業資本家連中が詐欺や予算水増し、不正請求によってすべて使い果たした。その揚げ句、こうした大企業は復興事業すら放棄し、電気・上下水道などの復興すらままならないまま、もうけるだけもうけて去った。これを侵略と言わずになんというのか。こういうあり方を帝国主義と呼ぶのではないのか。
今こそ戦争を止める時だ。ブッシュの戦争は大破産している。あまりの不正義さに圧倒的多数の住民がイラク武装勢力を支持・支援し、米軍を圧倒している。イラク現地での脱走米兵は5000人をこえ、イラク戦費は日本の国家予算をはるかにこえて米財政を圧迫している。帰還兵が再度の出兵を拒否し、全米では大デモがまき起こっている。
日本の安倍政権はどうか。安倍は、この秋までに日米の朝鮮侵略戦争計画5055を実施可能な計画にまとめるとしている。日本列島を米軍の出撃基地とするために、日本の空港・港湾・運輸・医療などあらゆる労働者を強制的に戦争に動員しようとしている。
ブッシュとともに「軍事同盟強化」をうたって、改憲と戦争を唯一の道とする安倍政権などは、発足した時点で終了しているのだ。
改憲攻撃とは何か。実際に社会を動かしている労働者が、安倍を倒して戦争を止める、つまり革命以外に生きられないところに立たされることだ。労働者が立ち上がり、社会の主人公として登場する革命情勢の到来だ。
昨年11月5日、日韓米4900人の労働者が日比谷に集まり、労働者の国際連帯で朝鮮侵略戦争を止めようと誓った。世界の労働者はひとつだ。愛国心や北朝鮮バッシングをぶっとばし、国際連帯を貫いた時、戦争を止めることは絶対にできる。
300万学生のゼネストを
みんなに考えてほしい。大学とは何か。就職予備校なのか?
格差社会の現実を批判することもないまま「資格をとれ。競争に勝ちぬけ」と学生に強制する、こんなしょうもないものが大学なのか。改憲のための国民投票法案を国会で支持するものが教授を名乗っている。
大学とはもっと誇り高くなければならない。国家権力に頭を垂れるものであってはならない。労働者階級が権力を取ることを支持し、ともに闘い、未来を切り開く機関でなければならない。全学連は、大学で反乱を起こし、大学を学生の手に取り戻し、大学の誇りを取り戻す。
これまで大学は、1950年の朝鮮戦争前のレッドパージ反対の全学連ゼネストで大学自治を守りぬき、絶えず改憲阻止の砦(とりで)となってきた。自治会も立て看板もサークルの自由も許さない今日の激しい攻撃は、改憲攻撃そのものだ。
生産現場を労働者がストライキをして取り戻すように、学生は改憲阻止を掲げて大学を占拠しよう。労働者と学生がゼネストを起こした時が、戦争を止め、革命を達成する時だ。
学生は決意しよう。法政大学のように闘おう。数人の仲間で一歩も引かずに闘えば、全学生が応えて立ち上がる。それが300万学生ゼネストだ。となりの仲間がともに革命まで人生をともにするかけがえのない仲間だ。これをあなたが実感できた時、勝負ありだ。世界革命の旗高く、意気軒高と最高の大学生活に踏み出そう。
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週刊『前進』(2289号2面1)(2007/04/02 )
全国一斉学力テストに反撃を
非協力・抵抗闘争を貫こう
北海道教組への攻撃許すな
4月24日、文部科学省は、全国すべての小学校6年生、中学校3年生を対象に「全国学力・学習状況調査」(以下、全国一斉学テと略)を実施しようとしている。〈学テ体制〉ともいうべき国家統制システムを始動させる攻撃であり、通常国会での教育4法改悪阻止、改憲のための国民投票法案粉砕と並ぶ重要な闘争課題だ。日教組本部の闘争放棄の中で、北海道教組は各支部に非協力闘争を指示、これへの弾圧・処分が画策されるなど、激突情勢が煮詰まっている。全国全職場で、非協力・抵抗闘争を組織して改悪教基法体制を打ち破ろう。
学校教育の反動的国家統制システム
いまなぜ、全国一斉学テなのか。安倍首相は『美しい国へ』で次のように言っている。「全国学力調査を実施、その結果を公表すべきではないか。学力調査の結果が悪い学校には支援措置を講じ、それでも改善が見られない場合は、教員の入れ替えなど強制的措置を行えるようにする」。また下村官房副長官は「水準を満たさない学校と不適格教師は退場してもらう」(『中央公論』06年11月号)と述べている。日教組解体の狙いがあけすけに公言されている。
(写真 昨年12月の教基法改悪阻止闘争。この闘いを引き継ぎ、全国一斉学テ反対、教育4法案改悪阻止へ闘おう【国会前】)
改悪教基法は、国家が国民の持つべき「資質」を法定(2条)し、「義務教育の水準確保と実施」を国と自治体の責任とする(5条3項)。国に「教育に関する施策を総合的に策定、実施」する権限を(16条2項)、政府に教育振興基本計画の策定権限を付与し(17条1項)、地方公共団体にそれを「参酌(さんしゃく)」した計画策定の努力義務を課す(同2項)。内閣→文科省→自治体→学校というトップダウン方式で「国家戦略としての教育改革」を推進する仕組みの枢軸に位置付けられているのが全国一斉学テだ。
「教育課程の改善」のための「調査」なら、全員を対象にやる必要などない。文科省のリーフレットが「背景」としてあげている「義務教育の質を保障する仕組みの構築の要請」にこそ、実は中心的眼目がある。学テ強行を突破口に目指されているのは、〈国が目標を設定し、その達成を自治体・学校に競わせ、結果を評価し、問題校には改善措置を勧告する〉という実に反動的な国家統制システムなのだ。
学校序列化と階級別教育への大再編
05年の中教審答申は、「義務教育の質の保障のための国家戦略」として「全国的な学力調査の実施」をうちだしたが、ここではまだしも「学校間の序列化や過度な競争につながらないよう十分な配慮が必要である」としていた。ところが全国一斉学テの実施要領では、「説明責任」の名のもとに、公表を市町村教委と学校の判断に委ねる抜け道を用意した。これによって学校別・市町村別ランキングができあがることになる。
1961年から66年まで行われた全国一斉学テは、「学テあって教育なし」という状況を生み出し、成績を人為的に引き上げる不正行為も続出した。学校選択制やバウチャー制(生徒獲得数に応じた予算配分)など市場原理・競争原理の導入と一体で進められる新たな全国一斉学テの弊害は、その比ではない。
学校選択制を導入し、都と区のテスト結果を学校ごとの一覧表にして公表している東京都足立区では、成績上位校に生徒が集中し、授業は「過去問」に明け暮れている。区教委は、学テの成績に応じて4ランクに分けて学校予算を配分する方針を発表、抗議の殺到の中で撤回に追い込まれたが、テスト結果で予算に差をつける方針は変えようとしていない。
学テの学校別結果公表と学校選択制が結びつけば、小中学校の序列化が一気に進行していく。さらにバウチャー制が導入されれば、困難を抱えた児童・生徒が集中する学校は、教育条件も劣悪化し、切り捨てられていく。
誰が、なんのために、こんな教育改革を進めようとしているのか。日本経団連は、「義務教育改革についての提言」(06年4月)で「学校選択制の全国的導入」「学校評価・教員評価の実施」「教育の受け手の選択を反映した学校への予算配分の実現」の3点セットを提言し、学テの成績を含む詳細な学校評価の項目を掲げた。
学校別の結果公表を強力に働きかけてきたのは、規制改革・民間開放推進会議だ。第2次答申(05年12月)では、「学校選択のための情報公開・評価の徹底」として「教員評価に資するなど調査を実効あるものとするためには、悉皆(しっかい=残らず、全員)的に実施し、学校に関する情報公開の一環として学校ごとに結果を公表する必要がある」と言い、第3次答申(06年12月)でも「学校ごとの結果公表」を念押ししてきた。
ブルジョアジーは、いまや一般的な「学力向上」など欲していない。教基法改悪で義務教育年限規定が削除されるや、「世界を考える京都座会」は、義務教育を4年とし、「読み・書き・算数・道徳」に絞り込めとさっそく提案している。労働法制を解体し労働者のワーキングプア化を進めるブルジョアジーは、安上がりの階級別教育をもくろんでいる。全国一斉学力テストは、日帝ブルジョアジーによる労働者階級への攻撃なのだ。
個人情報握り徴兵制を準備
国語と算数・数学のテストと合わせて、学習環境、生活慣習、学習意欲についての「質問紙調査」も行われる。「学習塾に通っていますか」「家には本が何冊ありますか」(予備調査質問紙)など、家庭の文化的環境や経済状況を聞き出す質問項目が並んでいる。
テストの回収・採点・集計・分析は、ベネッセコーポレーションとNTTデータに委託される。実施を民間企業・受験産業に丸投げし、成績もプライバシーも売り渡す。すでにテストの丸投げが先取りされている東京では、教材業者から母親に「お宅のお子さんの都の中の順位を教えましょうか」という電話がかかってくるという。
それ以上に問題なのは、家庭状況も含む個人情報を国家・行政権力が一元的に把握し管理することだ。家庭状況が困難な子どもをピックアップして自衛隊に勧誘しようという狙いが見え見えであり、徴兵制の準備でもある。アメリカでは、NCLB法(おちこぼれゼロ法)で高校生の軍への入隊促進が補助金付きで学校に課せられ、軍の募兵官が貧困家庭の生徒を奨学金を餌(えさ)に勧誘している。学テは、子どもたちを競争に駆りたて序列化し、差別・選別するばかりか、戦場に送りだしていく攻撃でもあるのだ。
職場の団結を固め闘う日教組再生へ
人事考課制度のもとで学テの結果は教員の業績評価にもリンクされる。規制改革会議の第2次答申では、「ある教員の担当する特定の学級単位の特定の科目について、例えば他の教員の担当していた1年前と比べてその集団の学力が向上した、あるいは低下した場合、その貢献と責任は基本的にすべてその教員に帰属すべきものである。学級での教育作業自体が原則としてチームワークではない以上、当該教員の成果を測ることは……あらゆるサービス業と比べて極めて容易」などと言っている。まさに成果主義賃金による団結解体、組合破壊の攻撃だ。
だが、学テ最高裁判決(1976年)も、学テが「学校及び教師による指導要領の遵守(じゅんしゅ)状況を調査し、その結果を教師の勤務評定にも反映させる等して間接にその遵守を強制ないしは促進するために行われた」場合には違法となると言っている。「日の丸・君が代」強制と並ぶ「不当な支配」との闘いとして、新たな全国一斉学テと闘おう。
日教組本部の学テに対する方針は、「阻止」はおろか「反対」でさえなく、実施を前提に「実施状況や結果の公表状況をもとに交渉を行う」とするのみだ。全教本部も、プライバシー保護に問題を切り縮め、解答・回答用紙の氏名を番号にふりかえる作業に組合員を駆り立てるだけだ。
1960年代の学テで、全国一を競い合い、不正行為が最も横行したのは、愛媛と香川だった。勤評闘争で組合を破壊され、学テ闘争をまったく闘えなかった教育労働者は、学校・クラス間競争に駆り立てられ、成績の悪い子どもを欠席させる人権侵害の加害者となったことを銘記しなければならない。弾圧を恐れず、校門前で教室前でピケットをはってテスト強行を阻止した先輩たちの闘いに学んで闘おう。
職場の団結と抵抗こそカギだ。教組の予めの屈服によって隠蔽(いんぺい)されている、県教委→市教委→校長→教職員への職務命令による差別・選別教育の強制という攻撃の本質を暴き出せば、改悪教基法への職場の怒りは必ず爆発する。北教組の非協力闘争に呼応し、全国の職場から非協力・抵抗闘争をつくりだそう。新たな学テ闘争の中から”闘う日教組”を再生しよう。
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週刊『前進』(2289号2面2)(2007/04/02 )
那覇でイラク反戦デモ
主催者が訴え“沖縄の現実を変えよう”
イラク戦争から4年にあたる3月21日、沖縄でイラク反戦の世界一斉行動が取り組まれた。会場となった那覇市・県民ひろばには午後1時過ぎから青年や県内のミュージシャンたちによるライブが行われ、イラク反戦の思いを歌声にのせた。
沖縄でのイラク反戦世界統一行動は、山内徳信、高里鈴代、高良鉄美、桑江テル子、平良修、知花昌一の6氏の呼びかけで行われ、今年で4回目となる。
「イラク戦争から4年! 改憲阻止・あらゆる戦争に反対しよう」と呼びかけられた集会は午後4時30分から始まった。主催者を代表して平良修さんが「沖縄の現実を変えることこそイラクの人びとにこたえる道だ」と訴えた。PAC3ミサイルの嘉手納基地配備・稼動をはじめ、昨年来の沖縄米軍・自衛隊の動向は激しい。この動向こそ、米帝のイラク侵略戦争での敗勢と一層の凶暴化、北朝鮮侵略戦争の衝動が極度に強まっていることを示している。
集会では、行動する女たちの会、沖縄平和市民連絡会、バヤリース労組、万人(ウマンチュ)の力で星野さんを取り戻す会、違憲共闘会議の有銘政夫さんら集会賛同人をはじめ多くの人が発言した。キャンプ・シュワブでの米軍のパラシュート降下訓練に対する闘いの報告などが行われた。また米軍基地再編、辺野古の新基地建設阻止の闘いへの決意が語られた。
イラクからもメッセージが寄せられた。桑江テル子さんが集会(イラク反戦)アピールを読み上げ、イラク人民と連帯し、改憲阻止の運動的発展を切り開くことが全体で確認された。集会の最後に、知花昌一さんが閉会あいさつを行い、「米軍基地再編を許さない。辺野古への基地建設を阻止しよう」と訴えた。
集会後、午後6時から国際通りをデモ行進し、「イラクへの戦争をやめろ! 基地建設反対」の訴えを行った。沿道からも多くの声援が寄せられ、戦闘的なデモを最後までやりきった。
(写真 集会後、国際通りをデモ。反戦と改憲阻止をアピール【3月21日 那覇】)
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週刊『前進』(2289号2面3)(2007/04/02 )
九州大
学友会への弾圧を粉砕
4人全員を不起訴で奪還
「横領」デッチあげ打ち砕く
学友会費横領デッチあげで不当逮捕されていた九州大学の元学友会委員長A君ら4人は、勾留満期の3月27日、全員完全黙秘で釈放された。これはA君を始めとする4人の完全黙秘の闘いと大衆運動の爆発でもぎりとった重大な勝利だ。
3月6日、福岡県警公安3課は、九州大学の学生運動・自治活動と青年労働者の運動をたたきつぶすために、九大学友会の横領事件をデッチあげ、A君らを不当逮捕した。
2002年の3月から03年8月の1年半の間に行われた何十回もの学友会費の入出金のうち、学友会費の口座からの引き出しとA君名義の口座への振り込みが時間的に近いというだけで、それらしく見えるわずか6件の、しかも出入の金額も一致しないものを恣意的にとりだし、あたかも学友会費を「横領」したかのようにデッチあげた。しかも、「実行行為者は誰なのか」の特定もなく、いわば実行行為者のいない共謀共同正犯で4人を逮捕するというデタラメさであった。
そもそも学友会費は、九大の学生たちが自主徴収し、学友会総会を開いて使い道を決め、会計監査もきちんと行われていた。その学友会費の使い道に、国家権力が介入し、弾圧してくること自体が学生自治の侵害である。まさに改憲を先取りした戦前型の政治弾圧であった。
(写真 釈放要求の署名に多くの若者が協力【福岡・天神】)
街宣や激励で大衆的な反撃
こんなデッチあげに負けるわけにはいかない。青年・学生を中心に直ちに3・6九大弾圧救援会が立ち上げられ、連日の街頭宣伝と激励行動が取り組まれた。ビラを読み、訴えを聞いた労働者、学生は、デッチあげ弾圧に怒りを表明した。「福岡県警の裏金づくりこそ立件すべきだ」「鹿児島県警が12人もの人をえん罪に陥れたのと同じだ」「松岡農水相の事務所光熱水費の虚偽報告こそ許せない」などと、多くの労働者市民が積極的に署名・カンパに応じた。
ある高齢の女性は「兄弟3人が戦争で亡くなった。また同じような時代に向かっていると感じる。頑張って下さい」と、わずかな年金からカンパを寄せてくれた。
大衆の怒りに追いつめられた権力は、A君らに対する連日長時間の拷問的取り調べで、うその自白をねつ造しようと凶暴化した。机をたたく、耳元で大声で怒鳴る、肩をつかんで体を激しく揺さぶる、机を押しつけ腹部を圧迫する、額をこづく、トイレに行かせないなどの、実に許せない暴行が行われた。A君らは、権力の凶暴化は焦りの表れであり、今回の弾圧のデッチあげ性と不正義性を示すものだとの確信をますます深めて完全黙秘を貫いた。
“この怒りは革命で晴らす”
4人の奪還後、A君が先頭に立って県政記者クラブでの会見を行った。10社のテレビ・新聞社を前に、今回の弾圧のデッチあげ性を暴き、拷問的取り調べを弾劾しきった。権力発表を鵜呑(うの)みにした弾圧記事を書いた新聞社に深い反省を求めた。A君は自信に満ちて「事件は警察のデッチあげで怒りを感じる」と語った。
同日夜に行われた奪還歓迎会には多くの労働者、学生が高揚感をもって結集した。A君は革命家らしい晴れ晴れとした笑顔であいさつした。
「これは大衆運動の力でもぎりとった勝利、みんなでかちとった勝利です。23日の勾留理由開示公判には青年労働者たちが年休を取って集まり傍聴席を満杯にしてくれた。僕はこれで勝てると確信した。完黙は弾圧を粉砕するためだけでなく、自分の思想性を示す素晴らしい闘いです。国家権力は絶対に許せない。この怒りはこれからの闘いの中で晴らす。革命をやる以外にないとあらためて思う」
そうだ! 人民を弾圧し、戦争する以外に延命できなくなった帝国主義は労働者階級の力で打倒する以外にない。そうした力強い闘いがついに始まったのだ。
法政大学でののべ40人の学生に対するデッチあげ弾圧、関西合同労組日本管検工業分会に対するデッチあげ弾圧の粉砕に続く、3・6九大学友会弾圧での革共同と労働者階級の完勝は、3・18集会の大成功と一体でかちとられたプロレタリア革命に向かっての号砲だ。
全国の闘う仲間の皆さん。どのような権力の弾圧も労働者階級の団結した力で必ず打ち破ることができる。改憲阻止決戦の爆発で革命情勢をたぐりよせよう。
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週刊『前進』(2289号2面4)(2007/04/02 )
『ソリダリティ3号』を広めよう
マル青労同第3回大会報告・決定集
階級的労働運動とは何かを労働者の言葉で力強く展開
3・18デモこそ3回大会の成果
3・18全世界一斉デモが大成功しました。この3・18デモこそ、マル青労同の第3回大会の方針の実践です。ソリダリティ3号は、この歴史的なマル青労同第3回大会の報告・決定集です。
本誌に収録されている「大会あいさつ」では委員長が「(06年11・5)全国労働者総決起集会の中に革命の現実性を見た」と言い、「大会総括」では、書記長が「『労働運動の力で革命をやろう』――マル青労同第3回大会で打ち出したこのスローガンは、私たちが職場・生産点を軸に闘いぬき、日本の、いや全世界の労働者の闘いと結びついてつかみ取った実践的結論です。この呼びかけほどいま、全世界の労働者を鼓舞激励する言葉はないと確信します」と述べています。
マル青労同は第2回大会で、動労千葉の労働運動を、まず第一に職場から実践することを確認し、中央執行委員会を先頭に、これを実践しました。資本との「闘いを通じて人間としての自分自身を取り戻し、仲間に『ともに闘おう』と一歩を踏み出すことで『労働者はひとつ』という真の力に目覚めるのです」。
労働者の自覚した闘いは、マルクス主義を学ぶことを通じて、自らが「労働者階級の一員である」ことに目覚めることにより、より決定的になります。このことが、自治体労働者の実践を通じた学習ノート「マルクス『賃労働と資本』を武器に革命を」で明らかになっています。
「例えば、Aさんの労賃が月給15万円とします。この15万円は……Aさんが運転した電車の本数を示すものでもありません(例え成果給でも)」
つまり、「賃金とは何か? 労働とは? 資本とは?」という議論を通じて、労働者が自らの置かれた社会的位置、すなわち「資本と労働者は徹底的に非和解であり、人間として生きていくためには、労働者は団結して闘う以外にない」ことを学びます。そして労働組合の目的の議論をとおして、自らの歴史的使命を自覚するに至ります。
3・18の闘いはこのような「自覚したプロレタリアート」の運動でした。資本主義の長い歴史は、自分たち自身の力強い「墓掘り人」を生み出し、ブルジョアジーの没落とプロレタリアートの勝利は不可避なのです。
本誌と3・18集会の実践を通じて、『共産党宣言』をなぞっている気分になりました。
「労働運動の力で革命を」に確信
第3号が、第2号と比べて一層深化した内容は「階級的労働運動とは何か」をめぐっての議論だと思います。これは現場労働者の言葉で力強く表現されています。
以下、本誌から少し紹介します。
「『原則を曲げない』ことに確信をもって、現場の労働者の団結を軸にして闘い、分会から支部まで取っていく。そういう中で自分も鍛えられるし、組合を運営していく能力もできてくる」(64n)
「『闘っても勝てない』と言っているやつらをぶっ倒さないと闘えないことを、仲間うちではっきりさせていくことが大切です。その激論によって私たちが強くなって、現場に絶対通じる確信を持てるようになる」(同)
「既成指導部の批判に終始していては、現場労働者は話だけは聞くけど実際にはついて来ない」「だから組織を変えよう。腐った指導部を変えよう。俺たちが執行部を握る」(108n)
「『多くの現場労働者がその気になったら、指令もへったくれもない』のであって、誰にも遠慮することはない」(110n)
体制内労働運動の指導部を打倒することをとおして、労働者が本来持っている力と役割に目覚めていく。資本家と徹底的に闘う。労働者の力で世の中を動かしていく。まさに「労働運動の力で革命をやろう」ということだと思います。すべての読者がぜひ、本誌を広め、活用してください。(KZ)
(編集・マルクス主義青年労働者同盟/発行・蒼星舎/定価800円)
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週刊『前進』(2289号2面5)(2007/04/02 )
日程 国労5・27臨大闘争弾圧公判日程
第74回 4月18日(水)/第75回 5月9日(水)
第76回 5月30日(水)/第77回 6月13日(水)
※いずれも午後1時15分から、東京地裁
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週刊『前進』(2289号3面1)(2007/04/02 )
4月地方選勝利かちとろう
杉並・相模原を先頭に
“杉並民営化許さない”
北島必勝へ事務所開き
4月22日投票の統一地方選決戦が闘われている。東京・杉並区議選の北島邦彦さん、神奈川・相模原市議選の西村あやこさんを始め全国で闘う候補を推し立てて闘い、絶対に勝利をかちとろう。
3月24日、杉並・荻窪で都政を革新する会の北島邦彦事務局長の杉並区議選勝利に向けて事務所開きが行われた。今回の事務所開きは、住民を中心にした昼の部と労働者を中心にした夜の部の2回に分けてもたれた。いずれも盛況で、北島当選に向けて全力で闘い抜くことを誓い合った。
闘う住民多数が駆けつけ
午後2時からの昼の部では、介護と福祉を要求する杉並住民の会など住民多数が駆けつけた。まず地元の区民の音頭でお茶で乾杯した。都政を革新する会の長谷川英憲代表が選挙情勢を報告し、今回は選挙の闘い方を変え、労働者住民とともに闘う議会選挙、議会活動としてやっていくことを表明した。北島邦彦と共に歩む会の区民があいさつに立ち、区民と都革新が互いに力を合わせて闘っていこうという決意をして歩む会をつくったことを報告した。
さらに杉並民営化について、都政を革新する会の会員が、その本質が資本の金もうけのために自治体の事業を市場に投げ出すものであり、サービスの切り捨てであることを介護保険を例に説明した。
あいさつに立った北島事務局長は、「今、世の中の変わり目にある。選挙が厳しくなっているという反面、だからこそ世の中を変えようということが広く受け入れられる状況になっている。今回は民営化の問題を中心的課題としてとりあげる。若い人が将来の生活設計さえたたず、首切り、賃下げされていく状況は絶対に認められない」と語り、ともに闘うことを呼びかけた。
区民から激励の言葉とともに闘う決意が次々と語られた。
(写真 荻窪駅前で民営化問題を語る北島さん【27日】)
闘う労働者が担う選挙に
夜の部は午後6時半から開かれた。東京西部ユニオン、東京労働組合交流センターを始め多くの労働者が駆けつけた。
司会を地元の労働者が行った。東京労組交流センターの代表が、3・18集会を若い労働者・学生が中心に牽引(けんいん)して大高揚したことを報告し、北島さんの当選で今年前半の勝利を決定づけようと訴えた。続いて動労千葉の田中康宏委員長のメッセージが読み上げられた。
都政を革新する会は、3月11日の西部春闘行動の大成功で労働者、労働組合が中心の選挙へと大きな転換がかちとられたと報告、闘う労働者の決起を呼びかけた。
北島邦彦と共に歩む会からは、「山田区長の民営化は私たちの命の問題を商売にするもの。福祉、生活を切り捨てるということ。これは選挙が終わっても闘う。私たちも単に区民ということではなく、みんな労働者、引退された方も労働者です。そういう気持ちで連帯し、一緒に闘っていきたい」との決意が語られた。
西部ユニオンの山本委員長が杉並民営化の問題点を鋭く簡潔に提起し、西部ユニオンが提起した杉並民営化反対署名を大きく集めて勝利していきたいと訴えた。
北島事務局長は、「民営化との闘いで選挙を闘うことは厳しいかと思っていたが、どんどん署名が集まっている。JR尼崎事故や、ふじみ野市のプール事故などで民営化は良いのかという批判が広がっている。介護保険の問題でも民営化反対になっている」と、区民から話しかけられた事例を語りながら、この闘いで勝利できる確信を語った。
労働者や「つくる会教科書」撤回を闘っている区民、部落解放闘争や星野文昭さん救援運動を闘っている区民など、次々と発言が続いた。地区の労働者は「今回は自分が知り合いの家を回って支持を訴える」と決意を語った。
(写真 労働者の仲間に「選挙に勝利してともに議会に乗り込もう」と訴える北島さん【3月24日 荻窪】)
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週刊『前進』(2289号3面2)(2007/04/02 )
“相模原から変えよう”
団結し西村4選勝利を
3月21日、4月統一地方選挙で4選勝利をめざす西村あやこ相模原市議会議員の事務所開きが行われた。にぎわう商店街のほぼ中央に陣取った事務所には「団結すれば変えられる/とめよう戦争・生活破壊」など色とりどりの横断幕が壁いっぱいに張られている。
冒頭、「今の状況を打ち破る力量、気迫、実績を持つ人こそ西村あやこさん。この決定的な時に西村さんを担いで闘えることは幸せだ」「米第1軍団が相模原に来る。軍都相模原からミサイル発射の命令が下される。相模原から反撃し変えていこう」と、さがみはら革新市政をひらく会の代表世話人の吉田義久さん(相模女子大教授)があいさつ。
(写真 小田急相模大野駅前で訴える西村さん【21日】)
12年の実績を引っ提げて4期目の挑戦を決意した西村議員は、「最近ものすごく手ごたえを感じている。憲法を変えるんだと言って首相になった安倍は、5月3日の憲法記念日の前に国民投票法案を通すと言っている。安倍首相にノーの声を突きつけるチャンスとして今度の選挙がある」と訴えた。そして「国の政治と対決しなければ市民の生活は守れない。参院選後には消費税を増税し、併せて企業減税をやると言っている。どこまで主権者である私たちを愚弄するのか。怒りは充満している。皆さんとともにこの選挙戦に勝利したい」ときっぱり。
婦人民主クラブ全国協議会相模原支部の丹治孝子支部長が乾杯の音頭を取った。「お一人おひとりの力をここに結集しましょう。団結して頑張るぞ!」。それぞれ好みのお茶やジュースで乾杯!
場がなごむ中、応援の言葉が次々に寄せられた。「母親としてだけじゃなくて、本当にパワーがあってすごいんです」と息子さん。8年間、議会傍聴を続けてきたという男性は「戦争反対の議員が必要」と推薦の弁。「介護保険に反対して闘う議員が必要」「9条改悪反対を信念をもって頑張ってくれる人」「議員は代弁してくれる人じゃない。自分もこう闘うからあやこさんも頑張ってくれというつながりを広げたい」「国民投票法案は国民を欺く手段、断固阻止したい」――みんなの思い、闘いが西村さんとつながる。4選必勝を誓い合い、具体的活動を確認後、ただちに地元の小田急相模原駅前と小田急相模大野駅前での街頭宣伝に向かった。
マイクを握った西村市議は、「『女性は子どもを産む機械』だという厚生労働大臣が、どうして私たちの暮らしを守るでしょうか」「こんな安倍政権は倒すしかない。この社会の9割を超える労働者が行動し、発言した時に社会を変えることができる」と呼びかけた。
(写真 「選挙戦を舞台に安倍にノーを突きつける時」と語る西村あやこさん【3月21日 相模原】)
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週刊『前進』(2289号3面3)(2007/04/02 )
ゆうメイトが全面勝利
「年休不払い」を粉砕
〈投稿〉非常勤郵政労働者 坂田陽一
年休を欠勤扱い
郵便局で、非常勤職員(ゆうメイト)が申請し受理された年末年始の年休が、事後に「承欠」(欠勤)扱いにされるという事態があった。当初出勤簿に年休印が押されていたものが後に改ざんされたという悪質な例もある。分かっているだけで、不払いがあったのは4人(早勤2名、深夜勤2名)総計24日分にものぼる。給与支払日となって初めて事実が発覚し、労組支部でも窓口交渉でこの問題を取り上げたが、当局は不誠実な対応に終始。
3月6日には当該非常勤らがスキル評価への不服申し立ての中で直接管理者を追及し、「年休扱いになっている人もいる」「事前に年休にできないという話はなかった」「労基法違反の年休権侵害だ」と、申請分の年休扱いと追給を求めた。ところが当局は、10日に「年休にできない」と回答してきた。
不信を極めた非常勤は言った。「3月いっぱいで辞める。次の職場が決まらなくてもいい。もう辞めるんだからスキルの苦情相談も取り下げる」
彼の言葉を聞いた最年少の同僚は、当局への怒りに肩を震わせ、目に涙を浮かべた。
こんなふざけた当局の対応で、仲間を退職に追いやってたまるか! 私はこの間、彼と、休憩に食い込んだ分の未払い闘争、欠員放置糾弾の物ダメ・ストライキ(本紙第2279号「”物ダメなくして増員なし”ゆうメイト怒りの行動」)、そしてスキル評価に対する不服申し立てをともに闘ってきた。けっして私ひとりで闘えたことではない。仲間がいたからできたことで、そして彼はその最先頭で闘ってきた。彼は現場で管理職と対峙してロッカー設置を求めたり、小包区分台の更改を実現させたりしてきた。そんな彼が当局の理不尽な対応で退職に追いやられるなんて、絶対に許せなかった……。
労基署、違法認定
12日、労基署への相談の中で「事前連絡もなく欠勤扱いにするのは、労基法が認めている『時季変更』(注)とは言えず、労基法違反は明らかだ」との判断が示された。労組も同日、団体交渉の中で早急な年休処理と追給を再度求めた。
再三、年休扱いにすることを不法に拒んでいた当局も、ようやく15日になって深夜勤1名に郵便課長が謝罪、6日分を3月給与とともに追給することを確約した。おかしいことをおかしいと言い、あきらめなかった彼の闘いが、非常勤労働者を軽んじ労基法をも平然と無視する当局の横暴を打ち破ったのだ! 彼の勝利をすべての非常勤の勝利として受けとめ、ぜひともに喜びたい。
また、深夜勤以外にも年休不払いがあると交渉や非常勤自身の追及の中で指摘してきたが、当局はこの期に及んで対応しなかった。20日に、不払い該当者全員に対応しなければあらためて労基署および支社に通告すると警告し、早勤者2名に11日分の年休処理・追給が確約された。
これで3名について、年休処理・追給がなされることになった。当局の権利侵害を黙認せず、怒りを胸に公然と決起して闘った非常勤がついに全面勝利をかちとったのだ! 今回の勝利は、非常勤も人であり、労働者である、そのことを闘って認めさせた。
闘って団結守る
年休不払いに抗議の退職を決意した彼は、追給を認めさせ、雇用更新の書類を提出した。「出しましたよ」。笑顔だった。電話で知らせを聞いた同僚は一様に喜んだ。年休不払いを粉砕し、賃金を支払わせたことも大きな勝利だったと思う。でも、彼の闘いが彼の雇用と職場の団結を守った、それが数字には表せない一番の成果だったのかもしれない。
3月21日、大阪で「全国ゆうメイト集会」が開かれ50人が参加、全国の非常勤が闘う決意を表明した。民営化攻撃の渦中にある郵政職場は、半数以上が非常勤となっている。非常勤労働者の扱いは郵政職場と郵政労働運動の将来を握っている。闘えば勝てる、このことをともに確認しあって本務者も非常勤も、人として、労働者として生きられる郵政職場をともにつくり出そう! 職場と社会を、労働者と労働者階級の手に取り戻そう!
時季変更 労働基準法第39条の4に、「使用者は……有給休暇を労働者の請求する時季(時と季節)に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合には、他の時季にこれを与えることができる」とあって、前者を労働者の「時季指定権」、後者を使用者の「時季変更権」と言う。
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週刊『前進』(2289号3面4)(2007/04/02 )
4・11改憲阻止行動へ
改憲阻止! 力をあわせて新たな時代を拓こう
憲法と人権の日弁連をめざす会代表 弁護士 高山俊吉
「憲法と人権の日弁連をめざす会」(代表/高山俊吉弁護士)が主催して、「改憲手続法の成立を阻もう/4・11行動」が行われる。この行動への高山代表のアピールをビラより転載します。(編集局)
改憲の狙いは、9条を変え、特に9条2項をつぶしてこの国をいつでも戦争を始められる国に改造することにある。その手順を定める国民投票法はいかに偽装の論を立てようと、紛うかたなく改憲手続き法だ。
日本国憲法は、あの戦争によってアジアを中心に2000万人の人々を殺戮(さつりく)した痛恨の反省に立ち、二度と蛮行をくり返さないことを諸国民に誓約し、その証(あかし)として制定した現行憲法である。改憲は、諸国民を裏切り、その誓約を一方的に破棄する暴挙そのものだ。
私たちの先の世代が侵略戦争を阻止し得なかったことを、そしてそれがどれほどに罪深い「不作為」であったかということを、もう一度思い起こそう。私は、反戦を闘い弾圧に抗して権力と闘った私の父母を思い返す。「すまなかった」ではすまない。私たちにはくり返してはならないことがある。
労働者や市民や学生の皆さん。私たちの行動は新たな時代を拓(ひら)く創造の闘いだ。弁護士や研究者の皆さん。憲法9条はどうあっても私たちの揺るがぬ指導標ではないか。
私たちがこのときなすべきこと、それはたった一つ、「戦争阻止」の決起。新たな地平をめざし、みんなで力をあわせよう!
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4・11行動要項
@4月11日(水)正午から国会前行動。
A午後6時半から東京・霞が関の弁護士会館2階講堂「クレオ」で集会を開催。講師は東大教授の高橋哲哉さん(ちくま新書『靖国問題』著者)。「公務員、教育者」の現場からのアピールも。
Bその後、午後7時半から「1000名デモ」。
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週刊『前進』(2289号3面5)(2007/04/02 )
改憲投票法案与党“修正案”
「政治活動の禁止」復活
自民党・公明党は、3月27日、改憲投票法案の「与党修正案」を衆院憲法調査特別委員会に提出した。改憲投票法案絶対阻止の闘いは重大な決戦局面に入った。
22日には中央公聴会が強行され、さらに衆院特別委員会は28日に新潟・大阪で地方公聴会を、また4月5日に2度目の中央公聴会を開くことを決めた。これで与党は「審議は尽くした」と強弁し、4月12日に衆院特別委で、翌13日には本会議での採決強行を狙っている。本当に許しがたい。
「政治的行為の制限」が復活
今回の「与党修正案」は、大半は与党と民主党が昨年12月に合意した修正案を踏襲している。
その上で、今回変更された最大の事項は、現行の国家公務員法・地方公務員法の「政治的行為の制限」条項を「国民投票には適用しない」としていたこれまでの合意を撤回し、改憲投票法案からこの「適用除外」の条文を削ったことだ。そして3年以内に「政治的行為の制限」のあり方を再検討するとの「付則」を、与党修正案にほんの申し訳として書き込んだ。
他方「公務員等」や「教育者」がその「地位を利用」して改憲反対運動を行うことを禁止し、違反した場合は行政処分(懲戒処分)はあるが刑事罰の対象とはしない(「罰則」は設けない)としてきた与野党の修正案は、変更しなかった。その代わりに「適用除外」としていた公務員の「政治的行為の制限」を、国民投票にも適用する方針を再浮上させたのだ。
そもそも民主党との共同修正が破産した段階で、自民党内では極右の中川昭一政調会長らを先頭に「自治労や日教組に、改憲反対で自由に活動させるわけにはいかない」という、露骨な自治労や日教組への敵意、組合つぶしを狙った意見が噴出した。こうした中で「罰則」復活が策動されたが、公明党は統一地方選挙や参院選挙を前に、ペテン的な態度をとって復活に反対。その結果、国民投票への「政治活動の制限」の「適用を除外する」とした条文を法案から削るということことで、自公が折り合ったのである。
露骨な自治労・日教組つぶし
今や、改憲投票法案の核心的狙いが公務員労働者・教育労働者の改憲反対運動の禁止・弾圧にあり、自治労や日教組の団結破壊、組織壊滅にあることが、明らかになった。これに対し自治労や日教組を始め4大産別の労働者を先頭にした労働者階級の改憲投票法案阻止の闘いへの決起こそが、改憲阻止決戦の爆発・勝利を切り開くのである。
以上のことから余りにも明らかだが、改憲投票法案の第一の最大の反動的狙いは、「公務員等」と「教育者」の改憲反対運動を禁止し徹底的に弾圧する点にある。
日帝・自民党が最も恐れているのは、中川政調会長らの発言が示すように、自治労や日教組を先頭とした現場労働者が改憲反対運動に決起することだ。だからこそそれを弾圧するために、自公与党は公務員労働者の「政治的行為の制限」を復活させたのである。
第二の反動的狙いは、労働組合や諸政治団体の改憲反対運動への弾圧だ。そのための条項が「組織的多数人買収及び利益誘導罪」の新設である。労働組合や市民団体が改憲反対のワッペンやパンフレットを配布したり、労働組合が改憲反対集会への動員費や弁当を支給することなどが、ことごとく弾圧の対象になる。とんでもない労働組合弾圧法なのだ。
第三の反動的狙いは、大政党と改憲推進派による「国民投票広報協議会」を司令塔とするマスメディアの制圧、独占である。特に国民投票の2週間前からは、改憲案と政党の意見は無料でマスコミ宣伝ができるのに、一般の改憲反対運動の広告は一切禁止される。これはまさにメディアを制圧した”改憲戒厳令”である。
第四の反動的狙いは、「国会法の一部改正」による衆参両院での「憲法審査会」と「合同審査会」の設置だ。これは改憲投票法が施行されるまでの3年間に、与野党が改憲案を審査会ですり合わせ、「3分の2の壁」を突破して、衆参で改憲案を発議するためのクーデター的策動なのである。
改憲投票法案推進する江橋崇
民主党は、4月9日をメドに改憲投票・民主党案を提出予定だと言っている。基本は与党案とまったく同じだ。これを連合はもとより自治労本部も日教組本部も支持している。現場の労働組合員へのとんでもない裏切り行為だ。
中でも許しがたいのは平和フォーラム代表の江橋崇法大教授である。江橋は3月22日の中央公聴会になんと公明党の公述人として登場し、改憲投票法案積極推進論を述べたのである。
江橋は驚くべきことに、「改正にたどりつくために『合同審査会』にたどりついたことは実に見事」と、衆参両院で3分の2以上をとり改憲を発議することの困難を「合同審査会」がクリアしている、護憲派がこれは2院制原則に反するというが、私はこれにくみしない、などと公述したのだ。
江橋はさらに「国権の最高機関である国会で3分の2以上で発議された以上、賛成に力点が置かれるのは当然」と、国民投票広報協議会が改憲案を一方的にたれ流すことに賛成とも言った。
こんなとんでもない人物が平和フォーラム代表なのだ。既成の体制内労働運動の指導部の腐敗・堕落を打ち破り、4大産別の現場労働者を先頭とした総決起で、改憲投票法案を絶対に阻止せよ。改憲阻止決戦の本格的爆発をつくりだそう。
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週刊『前進』(2289号4面1)(2007/04/02 )
新入生歓迎特集
革命は青年・学生の権利全世界を獲得しよう
全国大学からのアピール
改憲阻止学生ゼネストへ
学生の手に大学取り戻そう
法政大で1000人が集会 大学当局の処分攻撃と学生自治圧殺、警察の弾圧に怒りを爆発させ1000人の学生が当局を追及(06年6月15日 法政大)
『前進』を初めて手にした新入生のみなさん! これから、みなさんが大学生活を送る数年間は、まちがいなく歴史の行方を決める激動の時代になります。世界中で、そしてこの日本で、青年労働者・学生が革命を掲げて続々とたちあがり始めています。とことんまで腐り果てた資本主義―帝国主義を打倒する大チャンスがついにやってきたのです。マルクス主義学生同盟の各大学支部から、新入生歓迎の熱烈なアピールを送ります。革命は青年学生の権利だ!マルクス主義を武器に、ともに全世界を獲得しよう!(マルクス主義学生同盟中核派)
法政大 法大は革命の学校 全学ストで平林総長を倒せ
新入生のみなさん! 革命の学校=法政大学で一緒に革命をやろう!
法大で、戦争と格差社会の元凶=日本帝国主義と非妥協的に闘う素晴らしさを実感してほしい。仲間を拡大して敵をうち破ることの痛快さ、学生が続々と決起し大学を制圧していく解放感を感じてほしい!
法大の闘いは、不屈の革命家を次々と生み出している。法大は革命運動の最先端であり、革命と反革命が最も激しく激突している大学だ。法大をプロレタリア革命の砦(とりで)にするのか、安倍首相や平林総長などのファシストが制圧するのかで、革命の成否が決まる。法大生はもとより全国の学生も法大に駆けつけ、ともに闘おう!
(写真 総長室へ抗議デモ【3月14日 法政大】)
弾圧の激化は革命の好機だ
昨年は法大で、ファシストどもをなぎ倒し、革命を開始した年だった。警察は法大学生運動に弾圧を集中し、昨年だけで40人もの学生を法大キャンパスで逮捕した。
しかし、弾圧の激化は革命のチャンスだ。一歩も引かずに闘うことで、闘う仲間が次々生まれた。弾圧と闘うことで仲間への信頼は強まり、闘う団結も強まった。
すべては3・14法大弾圧から始まった。昨年3月14日、法大総長・平林千牧は、200人もの私服警察官を法大キャンパスに突入させ、立て看板の撤去に抗議した学生29人全員を不当逮捕させた。法大から革命運動を一掃することを狙った警察と平林総長による、組織的計画的な前代未聞の大弾圧だった。
しかし29人全員の完全黙秘・非転向の闘い、全国の労働者・学生の闘いで、29人全員が不起訴で釈放の大勝利をかちとった。団結して闘えば勝てることを示したのだ。
平林総長は、3・14法大弾圧で大敗北したにもかかわらず、5人の法大生を退学処分や停学処分にして、闘う法大生の追放を狙った。平林は、立て看板・ビラまき・演説・クラス討論・キャンパス集会・学生部への申し入れなどを、すべて「違法」「授業妨害」「業務妨害」と決めつけ、退学処分・停学処分や警察導入の口実としたのだ。
そして暴力ガードマンを雇ってビラまきや演説を妨害し、処分を受けた学生に許しがたい暴行を加えた。さらに警視庁の私服警察官をすべての門に配備させ、闘う学生の入構を警察とガードマンが妨害した。学内警察=大久保廣宣(通称ルンゲ)に学生動向を監視させ、大久保に暴行事件まで捏造(ねつぞう)させて学生を逮捕させる茶番劇までやった。ビラまきのためにキャンパスに入構した学生を建造物侵入容疑で何度も逮捕した。
平林総長は警察とガードマンの暴力で法大を支配し、自由のない「監獄大学」をつくり、法大生の闘いを圧殺しようとした。ファシストが法大を支配し、法大生を資本の奴隷にし、戦争へと引きずり込もうとしたのだ。
だが平林総長の狙いは完全に破産し、逆に法大生の怒りの決起に火をつけた。退学処分や停学処分を受けた学生は、逮捕を恐れず学内に突入、ビラまきや演説など平林総長が「違法」としたすべてを実力でかちとった。不当処分を受けた学生の不屈の闘いに、法大生が続いた。非妥協で闘う学生が存在することで、法大生の敵が平林総長や安倍政権であることが鮮明になった。
法大生が依拠したのは法律ではなく学生の団結した力だ。「表現の自由」は与えられるのではなく、闘いによってかちとった。法大生は、くり返される不当逮捕、不当処分や、監獄のような法大の現状、サークル活動や自主法政祭に対する規制、戦争や格差社会への怒りを爆発させた。
昨年6月15日には1千人の学生でキャンパスを埋めつくす大集会を闘った。300〜500人規模のキャンパス大集会を毎月のように闘った。集会弾圧に出てきた学生部長・安東祐希を500人の法大生が包囲・追及し「安東はクビ!」を宣言した。59クラスでスト決議をあげた。学内警察=大久保を追及して学外にたたき出した。平林総長は、野球部優勝祝勝会では「平林帰れ!」の大合唱をたたきつけられ、卒業式では「千牧! 学館返せ!」と卒業生の怒りの声をぶつけられた。
学生こそ大学の主人公だ!
法大生の不屈の闘いは「監獄のような法大」をうち砕き、平林総長打倒に突き進んでいる。法大の闘いは、労働運動の力で革命をやろうとする青年労働者の闘いと結合し革命に向かっている。
学生には大学を変える力がある! 労働者と学生が団結すれば社会も変えられる! 法大の主人公は法大生だ! 全学ストライキをともに闘い、ファシスト=平林総長を法大からたたき出そう! 法大生が法大を革命的に支配し、労働者階級とともに革命を実現する大学へと塗り替えよう!
東北大 有朋寮決戦に勝利! 全大学にマル学同旗を
東北大の学生は今年、全学ストライキにむけて突き進む。3・18日比谷大集会に参加した学友が革命を決意し、マル学同に続々と結集している。
新入生のみなさん! 私たちとともに大学を学生の手に取り戻し、革命を起こそう。
東北大学生運動は、常に日本階級闘争の最前線で闘い抜いてきた。全国学生の先頭で戦争と大学法人化に反対する全学ストを闘い(00年)、有朋(ゆうほう)寮廃寮化攻撃、学生自治会つぶしと闘い抜いてきた。その中で織田陽介全学連委員長を始め、数々の全国学生運動のリーダーを生み出してきた。
また東北大学生運動は、仙台の地で34年にわたる争議に勝利した全金本山労働組合との労学連帯を貫いてきた。「一人の首切りも許さない」という全金本山労組の闘いをとおして労働者階級の無限の力、プロレタリア自己解放の思想=マルクス主義を学んできた。
われわれは06年、有朋寮決戦に勝利したことを高らかに宣言する。
01年9月の一方的「廃寮決定」は、学生が団結して自主的に運営する寮そのものを奪い去る攻撃だった。有朋寮生を先頭に全学生が決起し、学内署名は3千筆を超えた。これに対して当局は、有朋寮廃寮化と闘うF君に無期停学処分を強行(昨年12月まで実に3年10カ月間!)し、学生の怒りを押さえ込もうとした。
この暴挙に対しても、さらなる怒りが当局を包囲した。追い詰められた当局は、寮の明け渡し裁判をおこし、最後には警察・ガードマン数百人で暴力的に寮生たたき出しを強行、しかも抗議した寮生を不当逮捕した。まさに戦時下そのものだ。
だがこんな攻撃で学生を屈服させることなどできない。逆に東北大生は有朋寮決戦をとおしてきたるべきサークル決戦、廃寮―食堂廃止、学生自治会つぶしに立ち向かう団結をガッチリと固めた。勝負はこれからだ。
学生と帝国主義とは非和解だ。日本経団連会長の御手洗は、大学を「国際競争力の拠点」「国家総動員の要(かなめ)」と言って侵略戦争の拠点にしようとしている。帝国主義の奴隷として侵略の先兵になるのか、帝国主義打倒の革命か。このことが全学生に曖昧(あいまい)さなく問われている。われわれは奴隷の道を断固拒否する。
東北大は今年、いよいよ決戦本番に突入する。全学生の総反乱―全学ストをたたきつける。安倍―御手洗と、その先兵=吉本前学長―井上現学長体制を絶対打倒する。東北地域の全大学にマル学同の真紅の旗を打ち立て、全国学生ゼネストの突破口を切り開こう。
京都大 京大を「革命の砦」に 資本主義に未来はない
新入生のみなさん! 京都大学でともに生き、ともに闘おう!
3月18日、東京・日比谷に「革命」の2文字が掲げられ、全国から2070人が結集した。全世界で「労働者の力で戦争をとめよう」という巨万のデモが起こっている。世界は革命情勢だ! 戦争と大失業をぶっ飛ばし、団結して闘って勝てる時代がついにやってきた! 革命の主人公はわれわれだ。そして新入生のみなさん一人ひとりだ!
07年、すべての京大生は改憲阻止ゼネストに立とう! 京大教授・中西輝政など安倍政権中枢の極右ファシストどもが大学を拠点とし、思うさま極右活動にいそしんでいる。中西は授業で「日本の核武装は当然」「北朝鮮に制裁を加えろ」などという主張を開陳し、学生決起の抑圧に全力をあげている。本当に腐りきっている! 中西は、安倍政権のブレーンとなり、かつて京大が戦争に協力した歴史を繰り返そうとしている最悪の右翼・ファシスト教授だ。
この現実は、戦争と搾取によってしか生きられない安倍政権や資本家どもによってつくり出されている。教育再生会議などで検討されている「大学での愛国心教育の実施」「奉仕活動の義務化」「卒業の厳格化」などは、大学をただただ企業や国益に奉仕させ、国際競争に勝ち抜くための戦力づくりの場所に変えるためのものだ。それ以外に大学や学生の存在価値は認めない、自由な大学生活や自治を主張するなどもってのほかということだ。
しかし、やつらにはとんでもない弱点がある。資本家や官僚など、所詮(しょせん)は一握りの人間、圧倒的少数派でしかない。社会を実際に動かしているのは労働者階級だ。全世界でこの労働者階級がものすごい闘いを爆発させている。革命の主体である労働者階級こそ「多数派」であり、闘うことこそ「時代の主流派」だ。
「(京大は)自由の学風」と口先で唱える京大総長・尾池も悪質だ。学生に幻想を振りまき、階級対立を隠蔽(いんぺい)しているに過ぎない。革命か、ファシズムか。今の時代は、中途半端な思想など求められていないのだ。
マルクス主義で、京大を塗り替えよう! 戦争と大失業の時代を切り裂き、青年・学生の未来を指し示しているのはマルクス主義以外にない。反動的教授どもを打倒しつくし、京大をマルクス主義の砦にしよう!
新入生のみなさん! ともに革命に生きよう!労働者階級を食わせていけなくなった資本主義体制に未来はない。新入生一人ひとりが革命の主人公だ! ともに闘おう!
富山大 自治圧殺を許さない 学生規則など紙くずに
富山大学では3月13日、大学ロックアウトと学長の「集会禁止命令」を打ち破って全国集会をやり抜き、「学生規則は紙くずになった!」と宣言した。
富山大学当局はこの間、法政大学当局のまねをしてめちゃくちゃな学生運動つぶしの攻撃をかけている。06年3月、学生に秘密で「学生規則」を制定した。立て看板もビラも、集会をやることさえも学長の許可がなければ禁止にした。学長は団体の解散命令までできる。学生団体は、すべていったん「非公認」とし、選別して「公認団体」とする。何よりも「特定の政治団体の主張を助長・普及する活動の禁止」なる条文で、改憲に反対する運動を一切禁止した。
これは大学の死だ。
戦争と改憲に突き進む安倍政権と日本経団連・御手洗らは今、大学への競争的資金配分で、大学どうしを激烈な競争にたたき込み、「学生をいかに資本家に商品として売り込むか」を大学間で競わせている。富山大学当局・西頭学長は、こうした安倍・御手洗の路線でとことん突っ走ることを決断したのだ。
こんな大学は徹底的にぶっ壊して、根本的につくりかえるしかない!
さらに富山大当局は昨年10月、「特定の政治団体の主張を助長した」からと学生自治会の非公認を一方的に決定、「3月末までに自治会室を明け渡せ」と通告してきた。
しかしこの攻撃で学生運動は鎮圧されたのか?
まったく否だ。それどころか富山大学当局は逆に、法大型の荒々しい学生運動を登場させてしまった。集会破壊のための3月13日の大学ロックアウトは、逆に学生の怒りを爆発させ、検問体制を一瞬で崩壊させた。大学の主人公は学生だということがはっきりしたのだ。
いま大学当局は自治会室取り上げにとどまらず、サークル団体の新歓も禁止、大学祭もやらせない、休講措置も出さないと言っている。
大学当局よ、いくらでも攻撃するがいい。ますます学生の怒りをかき立て、学生運動が発展するだけだ。「新歓が禁止」というなら実力でやり抜く。休講措置が出ないなら全学ストライキで大学祭を開催する。自治会室明け渡しは学生の団結で実力阻止する。これが学生の回答だ。これから「学生規則」を実際に紙くずにしていく闘いが始まるのだ。
世界は革命情勢だ。米バブル経済の崩壊とドル大暴落、世界恐慌は不可避だ。安倍もブッシュも戦争に突き進むしかない。資本主義は、もはや社会としては破綻(はたん)している。
戦後革命期の荒々しい闘いの中で、私たちの先輩は全国の大学にどんどん自治会を建設していった。いま富山大学と全国大学で始まっている闘いは、この闘いのラセン的復活だ。
新入生の皆さん! 労働者階級とともに革命をめざす学生運動をいっしょにやろう。
(写真 大学当局の不当なロックアウトをうち破って学内に突入。学内デモから市内デモに出た【3月13日 富山大】)
広島大 核戦争をとめよう ブッシュと安倍許さぬ
新入生のみなさん! 私たちは、この革命的大激動の時代をみなさんとともに生き、学び、闘うことができることを心から喜びたい。
3月18日、日比谷野外音楽堂。イラク侵略戦争開戦から4年目のこの日、私たちは「ブッシュと安倍たおせ!」「労働運動の力で革命やろう」と掲げて大集会・大デモをやった。
これは単なる「戦争反対」じゃない。戦争を引き起こす社会そのものを、安倍やブッシュもろとも革命でぶっ飛ばし、社会を動かしている労働者こそが権力をとろうと掲げて、圧倒的注目を集めながら首都のど真ん中を練り歩いた。
デモの先頭に立ったのは青年と学生だ。広島大からも多くの学生が駆けつけ「革命の現実性を見た」「本当に行って良かった」と感想を語った。
私たち被爆地ヒロシマに学ぶ学生は、ブッシュや安倍のような核戦争の火付け人どもを絶対に許さない。こいつらの狙う核戦争を絶対にぶっ止める決意だ。
安倍は「原爆を持つのは憲法上問題ない」と公言する、根っからの核武装論者だ。核とはブッシュや安倍のような帝国主義者どもが必要とするものであり、労働者階級には必要ないものだ。帝国主義を打倒するプロレタリア革命だけが、本当に核戦争を止め、核をなくすことができる。3・18集会とデモは、その展望を開いた。私たちは、被爆地ヒロシマから全世界に向けて反戦反核闘争の火柱を上げ、革命勝利まで闘う決意だ。
今、本当に危機なのはブッシュや安倍の方であり、その背後にいる資本家階級だ。にもかかわらず資本家どもは、労働者に犠牲を押しつけ、戦争をやってでも延命しようともがいているわけだ。
こうした中で、大学では「学生の間にキャリアを身につけろ」「無償で奉仕活動をやれ」と、学生を企業のための従順な奴隷にする思想がはびこっている。あるいはファシストどもが「このままでは日本は滅びるぞ、それでもいいのか」「若者はお国のために命を投げ出せ」等々と金切り声を上げている。
彼らの言っていることは、結局のところ資本家階級のつかの間の延命のために「若者は死ね」「犠牲になれ」「資本の奴隷になれ」ということでしかない。
こういう絶望の思想を根底からぶち破り、労働者階級が革命に勝利して新しい社会を築くための思想―それがマルクス主義だ。新入生は、マルクス主義をぜひ学ぼう!
最後に、訴えたい。
これから私たちみんなでかちとる革命のために、キミという一人の存在が本当に決定的だ。キミの決起こそが歴史を動かすんだ。広島大でも新しい仲間が次々と立ち上がっている。キミもともに革命に立ち上がろう!
九州大 学友会総会が成功 弾圧粉砕し決起始まる
日帝国家権力は3月6日、九州大学の学生自治組織=学友会の圧殺を狙い、元学友会委員長のA君らを「学友会費横領」容疑をデッチあげて不当逮捕した。この弾圧は、青年労働者と学生が力強く前進を開始していることに対する日帝国家権力の恐怖の現れだ。
しかし、こんな弾圧で闘いがつぶせると思ったら大まちがいだ。九大生はこんな卑劣な弾圧に断じて屈することなく、福岡の労働者とともに3・6弾圧粉砕の闘いに決起した。獄中の完黙・非転向の闘いと固く結んで、連日の警察署への弾劾・激励行動や、街頭宣伝に立ち上がった。
追いつめられた警察はA君らに対して、机を押し付ける、耳元で怒鳴る、額を小突くなどの拷問的取り調べを行った。外の激励行動に対しても車をたたくなどの暴力的本性をあらわにし、ますますこの弾圧がデッチあげ政治弾圧であることを万人の前に証明した。
九州での闘いは、弾圧にひるむことなく、逆に圧倒的に前進している。この闘いの過程で、福岡の青年労働者とともに3・18日比谷集会に決起し、「労働運動で革命をやろう」を合言葉に、革命に向かっての新たな闘いを開始した。さらに当局と警察権力によるさまざまな学生自治介入を粉砕し、3月学友会総会をかちとった。こうした闘い全体の力で警察権力を追いつめ、この不当弾圧を完全粉砕し、全員の奪還をかちとったのだ。
九大当局は、大学の統合・移転を機に、安倍・御手洗路線を最先頭で体現する大学として、反動的再編を進めている。「九大を実験場に」を合言葉に、資本が利潤追求のために大学を食い物にし、帝国主義間の勢力圏争奪と侵略戦争に貢献する大学へとつくりかえようとしている。
そのためにも、大学当局と警察権力はこの数年間、九大の学生自治圧殺策動をくり広げてきたのだ。今回の弾圧もその一環だ。
しかし、学生の怒りは高まり、決起は始まっている。当局実施のアンケートでさえ、8割以上の学生が、学生無視の大学移転に怒りを表明している。学生を資本と国家の奴隷にしていく大学のあり方に、学生の怒りが大爆発することは不可避だ。3・6九大弾圧粉砕の闘いと学友会総会の成功は、九大生の爆発的決起の始まりだ。法大で始まった決起は、九大でも始まりつつある。
九州大学の闘う学生は、改憲阻止全国300万学生ゼネストの一翼を担い抜く決意だ。
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週刊『前進』(2289号5面1)(2007/04/02 )
新入生歓迎特集
革命は青年・学生の権利全世界を獲得しよう
命脈尽きた帝国主義の打倒を
マルクス主義を復権し労働者と共にプロレタリア革命へ!
深田 力
写真 学生・青年が先頭に立った3・18イラク反戦4周年集会(日比谷野音)
新入生のみなさん! 世界は今、革命情勢に向かっています。イラク侵略戦争の泥沼にのめり込むブッシュ、それに加担し憲法9条を破棄しようとする安倍、そして全世界で首切りと民営化を進める資本家階級(ブルジョアジー)に対して、労働者階級(プロレタリアート)の激しい怒りが巻き起こり、歴史的な反撃のうねりが始まっています。血わき肉躍る時代の到来です。私たち自身が歴史の主人公となり、革命をやろう!
「革命やろう」全世界に発信
「われわれ労働者は国境を廃止します。戦争に反対し、平和を守るための労働者の闘いに国境は存在しません。国境をのりこえる苛烈(かれつ)な連帯闘争で、労働者・農民が真の主人公となる世の中をつくります」(韓国民主労総ソウル地域本部・キムチャンソプ副本部長)。「いま何よりも求められているのは、自らの持つ力と可能性を自覚し、社会のすべてを動かしているのは労働者であるという誇りを取り戻すことです。われわれ労働者階級こそ、歴史をつくり、社会を変革する主体であると真っ向から宣言しなければなりません」(動労千葉・長田敏之書記長)
昨年11月5日、東京・日比谷野外音楽堂に国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)、全国金属機械労組・港合同、全日建運輸連帯労組・関西地区生コン支部の3労組の呼びかけにこたえて4900人の労働者・学生・農民が集まり、資本主義・帝国主義の打倒を高らかに宣言しました。ここに世界最強の労働組合である韓国・民主労総と、ブッシュのイラク侵略と闘うILWU(国際港湾倉庫労組)も合流し、労働者国際連帯の旗が感動的に打ち立てられました。
1月27日の全米反戦行動の中では、11・5集会にも参加したILWUローカル10のクラレンス・トーマスさんが「港湾・陸運・航空労働者には、この国を停止させる力がある。戦争を即時停止させる力がある」と発言して、拍手喝采(かっさい)を浴びました。
3月17〜18日には、イラク反戦4周年の全世界一斉反戦行動が闘われました。日本では、日比谷野外音楽堂に2070人の労働者・学生が集まり、「労働運動の力で革命をやろう!」「革命やって戦争を止めよう!」と叫んで都心を席巻するデモを闘いぬきました。この行動はインターネットをとおして全世界に報じられ、「Revolution!」の声が駆けめぐりました。
3・18集会の情熱は、集会アピールに凝縮されています。
「団結の究極の拡大が革命です。それは、労働者階級が支配者の命令に従わざるをえない関係を根本から変えるということです。労働者階級が自分たちで考え、自分たちで社会を運営し、自分たちの労働によって自分たちが生きていくということ。本当の意味で生きていくために必要な当たり前の労働を、生きていく行為として行う。そういう社会に自分たちの団結でつくり変えることができるということです。だから、労働運動の力で革命をやろう!」
そしてこの闘いと一体のものとして、組織破壊・民営化攻撃と対決する動労千葉の感動的なストライキ闘争が打ち抜かれました。
資本主義体制は今や完全に破産
新入生のみなさん。資本主義の破産的な惨状を直視してほしい。「戦後最長の好景気」などと言われるが、空前のぼろもうけをしているのは社会のごく一部の資本家だけ。ボーナスも賃上げもない非正規労働者が全労働者の3分の1を超え、15〜24歳では半数以上です。大学を卒業しても半数近くが就職できない。賃金は10年近く低下し続け、「格差社会」「ワーキングプア」という言葉が当たり前のように使われています。
社会にはモノがあふれているのに、食べていけない人びとが膨大に生み出されている。大学でも、隣の仲間と競争させられるばかり。こんな現実に妥協し、安倍や資本家に奉仕していくのが、果たして人間的な生き方なのでしょうか。
他方、イラク侵略戦争は4年以上も続き、数十万人のイラク民衆が殺されています。中東石油の強奪という支配者どもの利益のための殺人が、平然と続けられています。
そして安倍は、日本も早く憲法9条を破棄し、 「国益」のための自衛隊出兵を急げと叫んでいます。国外での侵略戦争、国内での大首切りによって、青年が未来に希望を抱いて生きていくことも困難になっています。
これらの根っこはすべて同じです。資本家階級は自分たちの延命のために戦争を必要とし、その前に立ちはだかる労働者の団結を破壊しようとしています。労働者の団結した力を否定し、私たちに絶望とあきらめを植えつけようとしています。
こんな社会はもう終わっている! 資本主義社会はもうメルトダウンしている。そして労働者の闘いが始まっている。すなわち革命の現実性が迫っているのです。
社会変革の主体は労働者だ
では社会を変革する力はどこにあるのか? それは労働者の団結した行動にあります。資本主義を革命で打倒してどうするのか? それは労働者が主人公の社会主義社会をつくることです。マルクス・エンゲルスは『共産党宣言』(1848年)の中で、労働者階級を「資本主義の墓掘り人」「資本主義打倒のために武器をとる人びと」と規定しました。
なぜ労働者には世界を変える力があるのか? それは、資本主義社会において生産のすべてを担っている存在であり、同時に最も抑圧されている存在だからです。
資本主義社会では、資本家が生産手段を独占し、利潤追求を動機に生産が行われています。人間と人間の関係は、カネを媒介にした商品と商品の関係におとしめられています。労働者は労働力(労働する能力)を商品として売ることによってしか生きていけず、資本家は労働者の労働から膨大な利潤(剰余価値)をせしめています。労働者に賃金として支払われるのは労働の一部分にすぎず、残りは「不払い労働=剰余労働」として資本の利潤になっています。労働者がどれだけ命を削って働こうとも、それは資本の力を強めるだけであり、自分自身をますます貧しくさせ、資本に隷属させるだけです。
資本主義社会においては、すべての生産を担う労働者が賃金奴隷にされている。資本家階級が労働者階級を支配しているのです。軍隊や警察は、この階級支配を維持するための暴力機構です。
資本家が労働者を食わせられなくなった以上、労働者の団結した行動でこの資本主義の搾取のシステムを爆破しよう。労働者が生産手段を握り社会を運営していくこと以外に、いかなる矛盾も解決できません。労働者はその力を持っています。
動労千葉の中野洋前委員長は、著書『甦る労働組合』(1995年刊)で次のように述べています。「賃労働は資本を前提とするわけだ。資本があってはじめて労働はあるわけだ。資本がなくなった場合には賃労働はなくなってしまうわけだ。だけど、逆に言うと資本も賃労働を前提としている」(49n)
だから、「『労働者を食わしていけないような資本はただちにやめろ』という構えに立つということだ。つまり労働者は『俺たちがやってやる』と。これは重要な点だと思う。『労働者をこんな低賃金で、結局食わしていけないようだったらもうお前らやめろ』『俺たちがやってやる』『そういう構えになろうぜ』ということが大切だ。そして『労働者を食わしていけないのはお前らのやり方が悪いんだから、俺たちが代わってやると。やめなさい』という考え方を対置すべきだと思っている。つまりこれほど過酷で、食ってすらいけないような賃労働を強制する資本から自らを解放するためには、資本制を廃止し、労働者がとって代わるということだ」(同49〜50n)。
それが可能な根拠はどこにあるのか。「それは労働者が生産を握っているからだ。経営者、資本が握っているわけではない。われわれが握っている。どんなすごいものでも結局労働者が作っている。だからできると思う。社会主義とはそういうことだ」(同50n)
労働者の究極的な勝利は不可避
労働者の力で世界を変革する、革命をやる、そして労働者自身が自己を解放していく――それがマルクス主義です。
『共産党宣言』にはマルクスとエンゲルスの革命への烈々たるパトスが凝縮されています。「プロレタリアートだけが真に革命的な階級である」「ブルジョアジーの没落とプロレタリアートの勝利は、いずれも不可避である」(第1章)、そして「共産主義者は、自分たちの見解と意図を隠すことを軽蔑(けいべつ)する。共産主義者は、自分たちの目的が、これまでのいっさいの社会秩序の暴力的転覆によってしか達成されえないことを、公然と宣言する。支配階級よ、共産主義革命のまえに震えあがるがよい! プロレタリアは、この革命において鉄鎖以外に失うものは何もない。プロレタリアが獲得すべきは全世界である。万国のプロレタリア、団結せよ!」(第4章)。
資本主義の擁護者をぶっ飛ばせ
しかし、これだけ社会に怒りが満ち、変革と革命の機運が高まっているにもかかわらず、私たちを資本主義の枠内に縛りつけようというふざけきった連中がいます。それが既成の労働組合の堕落した幹部たちであり、大学にもはびこるブルジョア学者たちであり、日本共産党です。
彼らは資本主義を否定せず、むしろ資本主義をうまく「改良」すれば社会は発展するという幻想をあおっています。ましてや体を張って戦争をぶっ止めようという気概もありません。
現状を肯定し容認することしかできないブルジョアイデオロギーには何の未練もありません。すべての学生は、マルクス主義と『共産党宣言』を武器にして革命に立ち上がろう!
革命は唯一の人間的な行為
「われわれの学説は教条(ドグマ)ではなくて、行動の指針である――エンゲルスは自分について、また彼の著名な友人について、こう語った」(レーニン「マルクス主義の歴史的発展の若干の特質について」)
私たちは今の世界について「勉強」したいのでもなければ、「おしゃべり」したいのでもありません。マルクス主義を武器として、自分自身の力で革命をやりたいのです。
そして、革命運動こそ現存する体制の一切の否定であり、これまでの自分からの跳躍であり、人間的・主体的決起です。革命は、人間が人間性を回復していく最も本源的な行為です。プロレタリア革命に決起することによって、人類史の積極的な担い手となろう。今すぐ革命家になろう!
「商品交換の法則に従って、契約を履行するのとは違って、革命運動は、自分の意志のみにもとづく、意識的行為である。何人も他人に革命を強制することは出来ないが、労働者には無限の革命の自由がある。そして革命は、人間の社会を変革する闘いであり、無限の創造性をもった行為である。革命によってうちたてられる新しい社会、人間労働を自由に行使し、人間としての可能性を何の制約もなく発揮する社会が、いかに巨大な可能性を秘めているかについて、われわれ疎外された社会に形成された人間には、十分想像することさえ出来ない。しかし、強制された行為と人間の意思にもとづく行動がいかに決定的な差をもつかは、われわれが闘争の中で感ずる、あの不思議な緊張・充実感・闘志・創意性の中に、わずかに予測することが出来る。そして、自由な人間がつくる人間の社会が、人が人を買い、支配するこの社会といかに違ったものかは、闘いの中で感ずる、あの同志愛・共感・連帯・自己犠牲の中に、かすかに感知できる。革命は、疎外された社会におけるただ一つの人間的行為であり、自分の人間としての生き方である」(陶山健一著『反戦派労働運動』73〜74n。1969年刊)
(写真 韓国の学生とともに民主労総ソウル本部の烈士精神継承集会に参加した全学連【06年11月11日】)
階級的労働運動に学んで闘おう
私たちはゼロから闘いをつくろうとしているのではありません。キャンパスに、そして全国に、怒り闘う無数の仲間がいます。韓国でアメリカで、全世界で闘いを開始した労働者のうねりが巻き起こっています。
何よりも日本の労働者には、戦後革命期や60年安保闘争、70年安保・沖縄闘争(反戦青年委員会運動)を始めとする輝かしい闘いの歴史があります。そして階級的労働運動のすべてが現在の動労千葉の労働運動の中に凝縮されています。34年間も不屈に闘いぬいて解雇を撤回させた全金本山労組もあります。この中に生きたマルクス主義があります。そして、偉大な闘いの中にくめども尽きない教訓があります。階級的労働運動に学び連帯して闘おう。
全国学生のみなさん! とりわけ新入生のみなさん! 激動の07年決戦、プロレタリア革命を目指してともに闘おう! われとわが手で世界を変えてやろう!
マルクス主義学生同盟・中核派に結集して、ともに闘おう!
(深田力=ふかだちから/東北大学工学部学生。東北大学有朋寮元委員長。06年3・14法大弾圧、同年12・16有朋寮明け渡し・封鎖強制執行の際に不当逮捕されたが、非転向を貫いて釈放をかちとった)
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週刊『前進』(2289号5面2)(2007/04/02 )
コミューン 5月号
米帝の隣国で革命
06年6月、メキシコで教育労働者組合を軸にした評議会が南部オアハカ州の州政府を打倒し、5カ月間も州を支配した。11月の大弾圧でいったん敗退したが、再起し、今も労働組合を軸にした巨大デモが闘われている。
石油・天然ガスが豊富な隣のチアパス州では、サパティスタ革命軍が1994年に蜂起して以来、闘い続けている。
アメリカ帝国主義は、イラクでの敗勢に続き、かつて「合州国の裏庭」と言われた中南米の支配崩壊にあえいでいる。
特集の第1章は、メキシコの労働者階級が既成の官製労働運動を打ち破り、労働者が主役の革命を大前進させていることを述べる。
第2章は、米帝の国内支配と中南米支配が一体的に行われてきた構造の崩壊を解明する。中南米全域での労働者階級の大決起は、血塗られた反革命を担ってきたAFL―CIOの正体を暴露した。この闘いと連帯して、米国内の職場の一般組合員の闘いを基盤にする階級的労働運動は、体制内左派の既成労働運動改善運動をのりこえ、帝国主義労働運動打倒の闘いを進めている。
翻訳資料は、アーミテージ報告改訂版。米帝のアジア政策、対日政策に関する重要資料である。少なくとも今後数年間のアジア情勢を規定する内容をもつ必読文献である。今回は前半を翻訳。
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週刊『前進』(2289号6面1)(2007/04/02 )
3・25三里塚 “市東さんの農地を守りぬこう”
北延伸阻止・“東峰の森”伐採許さぬ
民主労総ソウル本部が参加
軍事空港化・改憲阻止の最前線
3・25三里塚現地闘争は、時おり激しさを増す風雨を突き、全国から駆けつけた労農学人民1450人の結集で、意気高くかちとられた。また韓国民主労総の2人の同志が駆けつけ、熱烈な連帯を表明した。反対同盟の「農地死守・実力闘争」「軍事空港粉砕」の闘いの原点は、今日ますます真価を発揮している。07年改憲阻止・安倍打倒の闘いは、三里塚から大きく燃えさかろうとしている。
(写真 結集した労農学1450人を前に基調報告する萩原進事務局次長【3月25日 三里塚】)
農作物にとってはまさに恵みの雨。ぬれた土が大地の温かさを伝える。3月25日正午、天神峰の市東孝雄さんの畑で三里塚芝山連合空港反対同盟主催の集会が、伊藤信晴さんと宮本麻子さんの司会で始まった。
本部役員の鈴木幸司さんが「40年以上闘って反対同盟は揺るぎもしない。われわれは必ず勝つ。さまざまな攻撃がかけられているが、安倍をノックアウトしよう」と開会宣言を行った。
北原鉱治事務局長が主催者あいさつに立った。「風雪に耐えた三里塚は健在だ。今年の秋にも米軍が成田を視察し、軍の配置を検討する。第2次大戦と同じ状況が現れている。成田空港の軍事使用を許さず、実力で闘おう」
「農業つぶしを絶対に許さぬ」
萩原進事務局次長が、力強く基調報告を行った。「農業つぶし、農民切り捨ての攻撃は一線を超えた。財界は300万戸農家の9割をつぶすことをもくろみ、『コメの値段を下げれば賃金も下げられる』と言い放っている。戦後民衆がかちとってきた権利が次々と剥奪(はくだつ)されようとしている。その象徴が今の三里塚だ。市東さんの農地を農地法で取り上げる攻撃を許していいのか。労働者への攻撃と農民切り捨ての新農政は表裏一体だ。成田空港が米軍の出撃拠点となれば、自治体労働者、運輸労働者に戦争動員がかけられる」「三里塚のように闘うことが勝利の方程式。この間反対同盟は労働者の中に分け入り、春闘の熱気の中で、三里塚を訴えてきた。労農連帯、国際連帯の力をさらに発展させ、秋の10・7全国集会には今日を倍する結集を実現しよう」
(写真 デモ出発直後、先頭の反対同盟に機動隊が不当弾圧! 怒りに燃えて反撃する反対同盟【東峰】)
三里塚闘争の新たな発展の方向と決意を示す萩原事務局次長の提起に、参加者は沸き立った。
労働者との連帯を希求する熱い呼びかけにこたえて、反対同盟と「車の両輪」として闘ってきた動労千葉の田中康宏委員長が、そして韓国民主労総ソウル本部のコジョンファンさん(前本部長)とパクソンニョルさん(公務員労組ソウル本部対外局長)が演壇に上がり、ひときわ大きな拍手がわき起こった。
田中委員長は「動労千葉は館山運転区、木更津支区という闘いの拠点をつぶす攻撃に対しストライキで立ち上がった。残念ながらこの二つの廃止をとめることはできなかったが、組合員は晴れ晴れとした顔で闘いぬき、団結は飛躍的に強化された。資本が生き延びるために農民・労働者を殺す、こんな矛盾に満ちた社会をひっくり返すしかない。労働者がこの社会を動かしている。その力を確信し、立ち上がろう!」と気迫あふれる訴えを行った。
続いてコジョンファンさんが、三里塚闘争への連帯アピールを熱烈に行い、参加者と「トゥジェン(闘争)!」のコールを交わしあった。(発言別掲)
萩原富夫さんが、AMFA(アメリカ航空整備士労組)ローカル9、沖縄反戦地主の知花昌一さん、北富士の天野美恵さんからの連帯メッセージを読み上げた。
ここで教育労働者が発言に立った。「三里塚に来るのは大学生だった十代以来。昨日“予習”のためDVD『三里塚―大地の乱』を見て、死してなお空港を阻む大木よねさんの闘いに涙した。私も一切妥協せず、春の卒業式で『君が代』不起立を貫いた。校長は『職務命令だ。会場の外に出ろ』と叫んだが私は会場内にとどまって断固不起立した。闘わない日教組本部は腐っている。戦争をやらなければ生き延びられない帝国主義の打倒へ、妥協せず、楽しく闘っていこう」
続いて「とめよう戦争!隊員家族と元自衛官連絡会」の代表が埼玉県の空自入間基地へのミサイルPAC3搬入阻止を訴えた。
天神峰の市東孝雄さんが登壇し、「農民を守るはずの農地法で農地を奪うとは」と怒りを表明、「農業つぶしと労働問題は根っこは同じ。労農連帯で闘うことだ」と呼びかけた。(発言別掲)
続いて「市東さんの農地取り上げに反対する会」の伊藤全明さん、三角忠さんが、反対する会へこぞって入会することを呼びかけた。
ここで事務局の鈴木謙太郎さんが、「農業切り捨て反対!三里塚から日本の全農民に訴える」と題した特別アピールを読み上げた。(別掲)
(写真左から 北原鉱治さん、萩原 進さん、鈴木幸司さん)
“三里塚裁判に支援・傍聴を”
次に天神峰現闘本部裁判の訴えとして、関西の「裁判を支える会」代表世話人である永井満さんが裁判報告を行い、「一人でも多く傍聴しカンパの集中を」と熱く訴えた。
顧問弁護団は葉山岳夫弁護士、一瀬敬一郎弁護士、浅野史生弁護士の3人が登壇し、代表して葉山弁護士が「裁判所に正しい判決を出させるのは私たちの力だ。一人でも多く傍聴を」と呼びかけた。
婦人行動隊の鈴木加代子さんが東峰の森伐採攻撃を強く弾劾してカンパアピール、21万8千円あまりが集まった。
住民団体・共闘団体からは関西の山本善偉さん、泉佐野市議会議員の国賀祥司さん、部落解放同盟全国連合会、都政を革新する会の北島邦彦事務局長、婦人民主クラブ全国協議会、闘う「障害者」が、三里塚とともに闘う決意を表明した。
全学連の織田陽介委員長は赤地に白で「革命」と大書した巨大横断幕(3・18日比谷野音を飾った)を伴い登壇、「革命の二文字が大衆の心をつかむ時代が到来した。300万農民の総反乱と一体となって労働者と学生は今から革命を始めよう!」と鮮烈な発言。
「集会宣言」を太郎良陽一さんが読み上げ、野平聰一さんが力強くスローガン採択とガンバロー三唱を行った。
「暫定滑走路北延伸粉砕/東峰の森破壊を許さない!」と書かれた横断幕を持った反対同盟を先頭にデモ行進に出発した。警察・機動隊は出発早々から暴力的に襲いかかってきたが、反対同盟の怒りの進撃の前にものの見事にけ散らされた。
(写真 動労千葉を先頭にデモする反戦共同行動委員会)
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週刊『前進』(2289号6面2)(2007/04/02 )
反戦・農地死守貫く
敷地内・天神峰 市東孝雄さん
昨年7月の北延伸決定以降、私の耕作地問題、東峰の森伐採など新たな攻撃が激化しています。2月19日に空港会社が、90年間耕してきた農地が不法耕作だと明け渡し要求をしてきました。その不法を告発するために裁判所に陳情しました。
大臣の決定を覆すのは簡単ではありませんが、反対する会の運動が大きくなり、3千人くらい会員が集まればどうにかなる。皆様に一人でも多く賛同人になっていただきたいと思います。
農民を守るはずの農地法で農地を奪うとは。今国は農業つぶしに出てきた。農業生産物に関税がかけられなければ食糧自給率が今の40%から12%になる。ひどい話です。
格差社会の中で労働者の皆さんも、低賃金のひどい状況におかれていると思いますが、農業つぶしと労働問題は根っこはひとつです。“トヨタ栄えて農滅ぶ”では困る。農と食は人間の命にとって一番大事です。労農が連帯し闘うことです。
何よりも、40年前からの反対同盟の原則、戦争反対・農地死守が正しかったことが現実になった。農地を守るとともに、軍事空港阻止の闘いとして闘い続けます。
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週刊『前進』(2289号6面3)(2007/04/02 )
●特別アピール
農業切り捨て反対 三里塚から日本の全農民に訴える
政府・財界はいま、「貿易の完全自由化」のために国内の農業を全滅させようとしている。コメも野菜も畜産も全部輸入に置き換えるという。財界は、全国300万戸の農家の9割以上をつぶすと言い放った。これは日本の耕作地の9割を資本家が取り上げることにほかならない。農水省の試算でも、日本の食糧自給率は12%まで下がる。最後の砦(とりで)=コメの生産も壊滅する。
「FTA・自由貿易協定」を推進しているのは財界だ。自動車を海外に輸出するために、国内の農業を外国に明け渡す。一人勝ちの財界がさらにもうけるために、農業と農民を丸ごと犠牲にする。これがFTAの正体である。
国内の農業が壊滅すれば食の安全は崩壊する。財界は「コメの値段が下がれば賃金も下げられる」と公言している。また、海外の食糧を確保するために軍隊をだせと言い出した。戦前のアジア侵略と同じではないか。
市東さんの農地を農地法で取り上げるという攻撃の背後で、このような国家的規模の農業つぶしが進んでいる。労働者の生活が圧迫されている現実と農業破壊は表裏一体である。
反対同盟は、日本農民の名において市東さんの農地を守るために闘い抜く。そしてこの闘いを、すべての農民と労働者の共通の課題として取り組むことを強く訴える。
2007年3月25日
三里塚芝山連合空港反対同盟
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週刊『前進』(2289号6面4)(2007/04/02 )
●民主労総ソウル本部の連帯発言
三里塚闘争に大きな感動心から連帯しともに進む
(写真 民主労総ソウル本部のコジョンファン前本部長【中央)とパクソンニョルさん(左】)
暴力と戦争に反対し、大切な土地の価値を守るために日本全域から集まられた農民・労働者姉妹兄弟の同志の皆さん、こんにちは。民主労総ソウル地域本部の組合員の、闘いと連帯の気持ちを込めてごあいさつ申し上げます。トゥジェン!
同志の皆さん、同志たちも3・18国際反戦行動の集会を成功させたと韓国のメディアをとおして聞きました。同志たちを誇らしく思います。韓国でも3月17日、国際反戦行動の集会を闘いました。やはり世界の民衆は戦争に反対しているということを、私たちは行動で示しました。
昨年、私たち民主労総ソウル本部は、代表団を派遣して三里塚反対同盟農民の闘いと暮らしの現場を直接確認しました。多くの組合員が参加できたわけではありませんが、参加した組合員は、三里塚での闘いを知り、大きな感動を受けて帰ることができました。
アメリカによって侵略戦争用の軍事空港として使用されるだろうと予見した知恵、命を惜しまず壮絶な闘いを繰り広げた勇気、そして、戦争に反対し平和を守るための闘いにとっては労働者も農民も違いはないということを示した連帯の精神を、私たちは学ぶことができました。
ここ韓国でも、米帝国主義者たちの侵略戦争策動と、これに歩調を合わせようとするノムヒョン資本家政権は、三里塚の状況と酷似しているピョンテク米軍基地という不幸をつくりだしました。
すでに朝鮮戦争の際、米軍によって強制移住させられ、荒れ地に捨てられたことのあるピョンテクの農民たちは、半世紀の間、その土地を耕し、肥沃(ひよく)な大地に変えましたが、再び戦争基地建設を理由に、大切な農地を失うことになりました。
ノムヒョン政権は、鋭く研いだ盾と鎮圧棒を振り回す数千の警察機動隊、重装備と棒で身を固めた軍隊を動員し、平和を守るために集まった農民と労働者、学生を踏みにじりました。そうしてついに平和の土地を奪ってしまいました。われわれは敗北しましたが、ピョンテク農民の、戦争と暴力に抵抗し、平和を守るための闘いを経験したことにより、三里塚農地を守るための闘いがどれほど大切で偉大かを、心の底から理解することができました。
全国から集まられた闘う同志の皆さん! 米帝国主義から平和を守り、戦争に反対する闘いに国境と階級はありえません。同じ場所で闘うことはできませんが、私たち民主労総ソウル本部も、大切な土地の価値を守るための三里塚農民の闘いに心から連帯の精神を込めてともに進もうと思います。トゥジェン!
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週刊『前進』(2289号6面5)(2007/04/02 )
民主労総と固い絆
市東さん宅で交流会
(写真 労農国際連帯を誓い合った交流会【25日 天神峰】)
3月25日、デモの後、市東孝雄さん宅で民主労総ソウル本部の2人を囲んで反対同盟と動労千葉の交流会が行われた。
北原事務局長が歓迎のあいさつを行い、「機会があれば私も皆さんが闘っている韓国を訪問したい」と表明した。
コジョンファンさんは、「三里塚の皆さんこそ烈士であり、闘士だ」と敬意を表し、「自分も農民の子。曽祖父は東学農民戦争の闘士だった」と応じた。パクソンニョルさんは「なぜ三里塚は41年も闘えたのか。信じられない」と次々質問、和やかな交流となった。
最後に動労千葉の滝口誠さんの音頭で「団結ガンバロー!」。
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週刊『前進』(2289号6面6)(2007/04/02 )
3月21日〜27日
辺野古で4月から「事前調査」
BMDで「緊急対処要領」決定
●イラク作戦「初期段階」 ペース米統合参謀本部議長は、米軍増派による対イラク作戦は「きわめて初期の段階にある」として、米軍の撤退期限の設定をあらためて拒否した。(21日)
●東電が78年に臨界事故 東京電力の福島第1原発3号機(福島県)で78年、定期検査中に制御棒5本が脱落し、核分裂反応が連鎖的に続く臨界事故が起きていた可能性が高い、と東京電力が発表した。約7時間半も制御不能の臨界が続く深刻な事態だったとみられる。東電は「当時は報告を義務づける法令がなく、国や県に報告していなかった」としている。(22日)
●BMD緊急要領を決定 弾道ミサイル防衛(BMD)システムの「緊急対処要領」が閣議決定され、緊急時に現場指揮官の判断で迎撃できる要件が明文化された。自民党は「兆候を察知しないと対処できないのなら意味がない」として、日米の連携やBMD法制のあり方などを再検討するプロジェクトチームの設置を決めた。(23日)
●国民投票法、「地位利用」に罰則復活を策動 国民投票法案をめぐり、自民党の衆院憲法調査委員会理事らがいったん削除で合意していた公務員・教育者の「地位を利用した」投票運動への罰則規定を復活させたいと公明党に申し入れたが、公明党の反対で撤回した。
27日、投票年齢を「18歳以上」とするなどの与党修正案を衆院憲法調査特別委に提出した。(23日)
●岩国市議会、艦載機移転容認を可決 在日米軍再編に伴う米軍岩国基地(山口県岩国市)への空母艦載機移転問題について、岩国市議会は本会議で艦載機移転を事実上容認する決議案を22対11の賛成多数で可決した。(23日)
●イラク撤退法案可決 米下院は本会議で、08年8月31日までにイラク駐留米軍を撤退させることを求めた法案を賛成多数で可決した。ブッシュ米大統領は拒否権を行使する意向を表明した。(23日)
●米軍横田基地で有害物質漏れ90件
米軍横田基地(東京都)やその関連施設で99〜06年の7年間に、ジェット燃料など米国内で規制対象になっている有害物質の流出事故が計90件起き、総量は最大で約10万5千gに達していることが分かった。このうち地元自治体に事故の発生が伝えられたのは1件だけ。朝日新聞が報じた。(24日)
●普天間移設、4月から事前調査 防衛省は、沖縄県の米海兵隊普天間飛行場の代替施設建設地となるキャンプ・シュワブ沿岸部(名護市)の環境現況調査を4月に始める方針を決めた。県に書類を提出する正式な環境アセスメントではなく、非公式な事前調査の形を取る。(24日)
●下村官房副長官「軍の強制なし」 下村官房副長官は、日本軍軍隊慰安婦をめぐる河野官房長官談話について「直接的な軍の関与はなかったというふうに私は認識している」と述べ、強制連行などの直接的な軍の関与を否定した。(26日)
●自衛官6人をネパールへ派遣 政府は、国連平和維持活動(PKO)協力法に基づき、国連安全保障理事会が設立を決議した国連ネパール支援団(UNMIN)に自衛官6人を派遣することを閣議決定した。6人は非武装の陸上自衛官などで、派遣期間は来年3月までの1年間。防衛省昇格で海外活動が自衛隊の本来任務となってからの海外派遣は初めて。(27日)
●教員免許法を閣議決定 政府は教育関連3法案のうち、教員免許の更新制度導入を盛り込んだ教員免許法改悪案を閣議決定。自民党は、教育3法を審議する特別委員会を衆院に設置する方針を決めた。(27日)
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週刊『前進』(2289号7面1)(2007/04/02 )
統一地方選決戦勝利へ
労働者の首切りと住民の生活破壊山田区政の全事業民営化と対決へ
都革新・北島必勝で粉砕を
杉並区議選の最大の政策テーマは「杉並丸ごと民営化」阻止だ。山田区長は869事業すべての民営化構想を進めている。これは安倍と石原の民営化政策を最先端で強行しようとする攻撃だ。労働組合の団結と職場を守る闘いを基軸に、地域の労組、住民とともに闘えば必ず阻止できる。民営化との闘いに向け、杉並民営化構想の正体、石原都政下での都の民営化の実態、財政再建団体に転落した夕張市の現実、動労千葉の外注化阻止闘争の教訓をつかみ、闘いを進めよう。
自治体を資本に売り渡し
区の事業を丸ごと民営化する。これが「杉並行政サービス民間事業化制度(仮称)」の狙いだ。
同制度は、杉並区の869ある全事務事業について、実施内容が分かる資料を公表し、民間事業者(企業やNPO)から民営化に向けた事業提案を受けるというものだ。
869事業は、まちづくり、防災、環境、健康・地域福祉・医療・保険年金、子育て支援、高齢者福祉、「障害者」福祉、学校教育、区政経営など11分野にわたる。文字どおり区が行う事業すべてが対象だ。
4月1日から、区が指定する先行実施型モデル事業として、区政情報誌(「くらしのガイド」)の発行と南荻窪図書館の業務委託が始まる。さらに民間から提案を受けたモデル事業として、債権管理回収業務、公園便所や公衆便所の維持管理などの3事業が決定した。
債権管理回収業務は、奨学資金や母子福祉資金の未償還者に対する電話・文書・訪問での督促業務。露骨に言えば取り立てである。
事業廃止や職員の請負会社も
この民営化構想は、昨年4月に設置された「杉並区市場化提案制度検討委員会」で議論されてきた。シンクタンク「構想日本」や首都大学東京の教授、株式会社ベネッセスタイルケアの社員などの委員が7人。どんな議論がされているか。要注目の発言を紹介したい。
◎事業の廃止も
「今回の市場化提案制度には、不要(な事業)という選択肢は入ってくるのでしょうか……完全に民間に移行、予算から完全に手を離すことも含めて今後議論がされていくのか」「当然それはありうる……ある意味では完全民営化」
完全民営化と事業の廃止を議論。区の事業を民間資本に売り渡し、行政の責任もすべて放棄するということだ。
◎職員の解雇・転籍
「民間に任せたときに……人の部分、浮いた部分は、結局ほかに回すだけでいいのか」「場合によっては、民に出したものに対して、職員の希望があれば民間に移る可能性も考えていい」
解雇や民間への転籍などに繰り返し言及しているのだ。
◎地域住民の負担
「店のすぐ真ん前の区道の舗装を自前でやるとか……少しの補助しかありません……それは商店にとって自分のイメージアップになるし、ブランド価値を高める」
商店街などの地域振興も自己責任になる。
◎資本のもうけが最優先
「スポーツセンターにレストランだとかバーを全部併設した場合、施設の償却費がないと、民間事業者にとっては非常にバラエティーに富んだサービスが提供できる」
民間事業者にとってのメリットだけを強調している。
◎金持ち優先
「パスポートの申請業務の値段を変えて、……普通の申請料より高い料金(で)……早くすぐに発行……収入が増えるから、全体的にサービス水準がよくなってくる」
高い料金を出した者には、よりよいサービスと露骨に語っている。
◎職員による請負会社
「職員が提案をしてあえて役所を飛び出しながら事業化をする……窓口業務だとかいくつかの専門的な業務は……事業化の視点から見た場合には、それなりのノウハウが必要になる」「窓口業務は、定年前に……どんどん外へ出しちゃうような仕組みをつくると同時に、一部の経験者が窓口なんとか会社をつくって全部受託する……何人かを引き連れて出ていってしまおうとか。それを受け皿にする」
職員に業務請負会社をつくらせて、職場を奪わせる構想だ。ビジネスチャンスだと扇動している。
保育園や図書館で先行的に実施
山田区長は「10年間で職員1千人削減」を公約に掲げて当選した人物だ。この8年で職員定数は700人削減された。
01年3月から始まったスマートすぎなみ計画は、10年で職員定数を1千人削減する計画だ。これに対応して「民営化・民間委託等の指針」「指定管理者制度導入指針」がつくられ、すでに区の業務の民営化は激しく進行している。
保育所、図書館、スポーツセンターに指定管理者制度を導入。知的障害者援護施設、高齢者在宅サービスセンター、特別養護老人ホームを民営化している。
成田図書館・阿佐谷図書館は大手書店の丸善が指定管理者に選定された。上井草スポーツセンターはフィットネスクラブ運営会社ティップネスの関連会社が請け負う。
04年4月から高井戸保育園、06年4月から高円寺北と荻窪北保育園が民間事業者により管理運営されている。高円寺北保育園はコンビウィズ株式会社が指定管理者だ。今後10年間で計11園に指定管理者制度を導入する計画となっている。
区の説明では、高井戸保育園で04年度2億2800万円の予定経費が1億6400万円、71%にに減少したという。民間事業者である以上、さらにそこから利益が必要となる。労働者の非正規化や低賃金化が容易に想像できる。
コンビウィズの求人情報では正社員の保育士で月給16万5千〜18万円、パートは時給800〜850円。コンビウィズが指定管理者となった別の保育園では2年後に残った保育士は3人だけ。
運営上の事故や保護者の苦情要望、日常の施設管理等については、一義的には運営事業者に責任があるとされている。将来的には完全民営化=私立保育園にすることも検討されている。
(写真 〔左〕丸善が指定管理者となった阿佐谷図書館 〔右〕民間会社が指定管理者の高円寺北保育園)
医療・福祉壊した石原都政
石原慎太郎・都知事は「東京から日本を変える」と公言し、就任以来8年間、改憲・戦争、民営化・労組破壊の攻撃のファシスト突撃隊としての役割を果たしてきた。「憲法を破棄する」「都には教育基本法はない」とうそぶき、差別主義的・排外主義的な言動を意識的に繰り返し、教育への支配を強め戦争教育への大転換を推進した。
石原都政は、90年代に破産した「世界都市=東京」構想を再び持ち出し、小泉「構造改革」路線と一体化して、「財政再建」「福祉改革」を掲げ、全国自治体に先駆けて規制緩和・民営化、リストラ・大量首切り、労組破壊、福祉破壊の攻撃を強行してきた。
石原都政は第1期、美濃部都政以来築かれてきた福祉の解体と民営化に乗り出した。@福祉への市場原理・「競い合い」の導入A措置制度の縮減、「選択」「契約」の導入B「自立」名による現金給付制度の廃止・縮減C都立福祉施設の民営化D社会福祉法人施設への補助金の削減E認可保育所への補助金の削減と「認証保育制度」の導入――を始めたのだ。
シルバーパス有料化を皮切りに03年に老人福祉手当を廃止、07年に老人医療費助成を全廃した。「障害者」への諸手当、医療費助成も縮減。児童・母子・婦人施設、「障害者」施設、福祉施設を次々と統廃合し、独立行政法人化、民間移譲=民営化を進めた。
石原都政は第2期、都の財政・行政・予算の「構造改革」の一環として福祉・医療改革を進めた。そのために「最小のコストで最大のサービスを目指す」をうたい文句に都の職員の削減と賃金・労働条件の切り下げを強行した。
都立病院などを全面的に統廃合
都の外郭団体である東京都社会福祉事業団への補助金を削減、民間の社会福祉法人との競争にたたき込んだ。また都立福祉施設の廃止・民営化を一層推進した。
新たにPFI(民間資金の活用)方式の導入も決めた。これは、民間=私的資本を公的事業に投下させて利潤を追求させる政策だ。資本には用地の無償利用権も与える。福祉・医療以外の目的による施設利用も認める。すべてが資本のもうけの場となる。
都は「行政サービスの見直し」として▼民間委託の拡大▼事業の民間移譲、民営方式▼公の施設管理の民間開放▼都民・NPO(非営利団体)との協働――などの民営化方針を出した。
都立病院については、▼16病院から8病院へ統廃合▼3病院へのPFIの導入▼3病院の都保健医療公社への移管▼豊島病院と老人医療センターの統合・民営化――などの方針が打ち出された(豊島病院は民営化も区移管も反対運動の結果、頓挫)。その後、指定管理者制度の導入の対象とされたものもある。病院公社化の過程で職員の大幅削減、労働強化、賃金引き下げが強行された。
都の事業所の廃止・縮小計画の対象はすべて福祉・医療施設だった。老人ホームや「障害者」施設、都立看護専門学校や保健所が廃止・縮小・再編された。
そして現在、石原は3期目の都政を目指している。その構想は昨年12月、都の「10年後の東京――東京が変わる」で示された。2016年東京オリンピック招致に絡めて、破綻した臨海副都心開発を再開し、首都圏3環状道路を建設して、年来の構想である「環状メガロポリス」―「世界都市=東京」を実現しようとしている。
石原はメガプロジェクトへの公共投資で金融資本を潤わせ、東京全体を一握りの巨大金融資本、多国籍企業化した大資本の食い物に提供しようとしているのだ。
石原3選が労働者の生活と環境にどんなに破壊的に作用するかは計り知れない。安倍・御手洗―石原―山田の戦争・民営化攻撃を打ち砕こう。
労働者は団結して闘おう
山田区長の杉並丸ごと民営化構想は、端的に言って、半数の職員を職場から追放する攻撃だ。
山田区長は著書『前人木を植え、後人涼を楽しむ/杉並改革手帖』で次のように書いている。
「職員数そのものの削減こそが重要なのである。職員数を減らせば、賢い職員のことなので『これは役所でやって、これは民間でやってもらおう』と考えていく」
そして現場労働者を徹底攻撃する。「全国民が公務員で競争のない旧ソ連のような国家体制の下で作られた製品やサービスの劣悪さに比べ、適正な利潤を認めた日本など、民間企業を主体とする社会が生んだ製品やサービスが総じて優秀だったことは証明されている」と、現場の労働者をこき下ろし、誇りを奪い、リストラや非正規雇用化を狙っているのだ。
山田区長は、杉並区役所を「行政の小売店」に例え、自らを店長と称して品質やコストを語る。その思考は資本家そのものである。住民を消費者・客ととらえ、金払いの良い住民が良い客というわけだ。
そして「区役所いつでも電話サービス」のように業務の24時間365日化を進める。給食の民間委託の反対に対しては「公務労働の職場を固守しようという勢力と、それに結びついている政治グループの政治闘争」などと悪罵(あくば)を投げつける。
ふざけるな。自治体労働者は賃金労働者だ。自分の職場を固守して何が悪いのか。
現場の労働者の誇りや団結が破壊され、職場を奪われた時に、行政業務は資本の利潤の対象となり、福祉は切り捨てられ、安全が崩壊する。
外注化粉砕した動労千葉の闘い
だが自治体職場の丸ごと民営化は、現場の労働者、労働組合が屈しない限り貫徹できない。検修業務の外注化を阻止した動労千葉の闘いがそれを実証している。
JRは01年の完全民営化を契機に、5年間で鉄道部門6千人を削減する大合理化計画を打ち出した。その柱は業務の外部委託だ。
これを実際に進めるには、外注会社に要員を確保できるかどうかが問題になる。誰でも仕事ができるわけではない。結局、要員の確保は、出向や定年退職者の再雇用で置き換える以外にない。
それは労働組合の屈服と協力なしにはできない。JR総連・東労組はこれを率先推進し、国労は一戦も構えず、設備関係の職場は丸投げ的に外注化され、保線の労働者の3分の2が出向となった。
動労千葉も問われた。定年後の組合員を再雇用するとしたシニア協定を拒否すれば、組合員は再雇用先を奪われる。しかし、協定を締結すれば職場を外注会社に売り渡すことになる。
定年間際に組合を脱退する組合員も出た。「後輩から職場を取ってもいいのか」という血のにじむような必死のオルグが続いた。最後には組合に残ることを決断する組合員が増え、地労委で勝利命令もかちとった。
職場でも闘った。超勤を拒否し、合理化案の矛盾をついて、作業をていねいに行うことを労働者の誇りをかけた闘いと位置づけた。業務が勤務時間内に終わらない状況が生まれた。外注化を前提に要員補充を拒む当局を徹底的に追及した。
こうしてJRは外注会社に労働者を確保できなくなり、千葉支社は検修・構内業務の外注化を提案できなくなった。のちには強制配転者の原職復帰も実現した。
労働者抜きに職場は1ミリも動かない。杉並民営化の核心問題もここにある。労働組合のもとで労働者の誇りと団結を守り抜いて闘えば、民営化攻撃は必ず打ち破れる。職場を武器にして闘おう。これが動労千葉の闘いの教訓である。
(写真 動労千葉は団結を固め拠点職場廃止の攻撃に立ち向かった【2月4日 館山運転区前】)
労働者の誇りと職場を武器に!
全国の自治体で民営化がもたらす事故やトラブルが続出している。
市営プールで小学生が吸水口に吸い込まれ死亡した埼玉県ふじみ野市。運営業務は下請け会社に丸投げされ、ずさんな管理が事故をもたらした。ある市営プールを管理する会社は「より多くの人に平等に使ってもらう」と「障害者」の水泳教室を拒否。ほかにも労働基準法違反、不明金・着服……。現場の労働が破壊された結果である。
民営化を労働者全体に対する非正規雇用化、低賃金化、強労働の攻撃ととらえる労働者は多い。
「病気の年休さえ校長は認めない。夜中の1時まで残業することも。こういう状況を広げちゃダメ」(教育労働者)
「(区の業務を)さまざまな会社が請け負い、低賃金・劣悪な労働条件に憤りを感じる」(区の委託会社の労働者)
「首切りと非正規雇用化には絶対反対」(雇用保険も払わない職場で働く女性労働者)
「最初は給料もいいがそのうちひどくなる。勤務体系も細切れになる」(元保育士)
現場の労働者が正規・非正規の壁を越えて労働組合のもとに団結し、地域の労働組合、住民と共闘し、あくまで絶対拒否で職場を武器に闘うことが勝利の道だ。
動労千葉は、館山・木更津の職場廃止の攻撃に対し、職場闘争を基軸に闘い、ローカル線・地域切り捨て反対を掲げて自治体や商工会、観光協会も獲得した。
社会の主人公は労働者だ。職場を回すのも労働者である。ここに依拠して闘おう。動労千葉のように闘おう。これこそが民営化阻止の展望だ。
夕張市に続き民営化進める攻撃うち破れ
財政再建団体に移行した夕張市の現実に自治体民営化の実像が露骨に示されている。
同市は24年度までの18年間、実質的に国の管理下で約353億円の赤字解消をするという。市職員の賃金は3割カット、退職金は実質4分の1になる。職員の半数152人が3月末で退職する。住民生活に必要な最小限の事業以外は原則廃止。市総合病院を含め5病院は民間化。人工透析治療はできない。住民税などはアップ、各種施設利用料も50%値上げされる。
市の事業や施設の管理運営は無責任に投げ出される。かろうじて存続が決まったある地域集会所は、委託料なしで町内会が運営する。除雪費がゼロになり、ボランティアの作業でしのぐ。無料のゴミ収集も有料化。閉鎖された観光施設では、第3セクターの破産で職を失った館長がアルバイトの形で館内清掃、除雪、点検業務を行っている。
これが「全国で最高の住民負担、最低水準の住民サービス」と言われる夕張市の実態だ。
他方で「再建請負」と称して一もうけをたくらむ資本がいる。道内観光業大手の加森観光は、夕張市が保有するスキー場やホテル、遊園地など大半の観光施設の運営を一括受託した。経営計画では初年度から黒字を見込んでいるという。
職員の人員削減と大幅な賃下げ
北海道の各自治体で大幅賃下げと人員削減の攻撃が強烈に進む。
栗山町は181人の職員を2015年度までに3分の1近く減らす方針だ。歌志内市は129人の職員を11年度までに97人に減らし、賃金を3割削減する。民間企業の整理解雇に相当する「分限免職」も辞さない方針という。
赤平市は4月から職員の賃金を平均15%削減、10月からは57歳以上の賃金を3割カットする。退職金も減額後の給与をもとに算出することになる。士別市では、平均7・4%の賃金削減で職員組合と合意した。上砂川町は4月から賃金2割カットを柱とした財政健全化計画案を発表した。
安全切り捨てがガス事故を誘発
北見市で1月、3人の死者を出したガス漏れ事故が起きた。
北見市のガス事業関連施設は昨年4月、破格の安値で北海道ガス(北ガス)に譲渡されていた。
事業譲渡を審査した北見市の選定委員会の議論は初めから譲渡ありきだったという。北見のガス事業関連施設の資産は約25億円。だが、市は北ガスの希望価格どおり2億4600万円で譲渡した。北ガスが老朽管取り替え費用などを負担するとはいえ破格の安値だ。
北見市と北ガスが交わした契約書には、「北見市は、本件ガス事業に隠れた瑕疵(かし)があっても、北ガスに対し、瑕疵担保責任を負わないものとする」と書かれている。譲渡後、なんらかの問題が発覚しても、北見市は賠償責任などを負わないという意味だ。他方で北ガスは、老朽化を承知しながら市場確保を焦った。安全よりも経済的な思惑が優先した。
自治体労働者を職場から追放し、低賃金の非正規雇用労働者に置き換える。現場労働者の労働が徹底的に軽んじられ、資本の利潤が最優先。住民に必要な事業は金次第。無責任の揚げ句、安全崩壊で大事故に――これが自治体民営化の正体だ。
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週刊『前進』(2289号7面2)(2007/04/02 )
北島邦彦さんの街頭演説から
山田区長が進める全事業民営化計画には絶対反対です。
私が民営化という言葉を聞くとまず第一に思い浮かべるのは、20年前の国鉄分割・民営化です。20万人の国鉄労働者が首を切られ、膨大な資産が大資本にたたき売りされました。その結果が、一昨年、JR西日本の尼崎での脱線転覆事故です。107人の乗客・乗員が犠牲になりました。「民間企業だから利益を上げて何が悪い」という形で安全運行は二の次、三の次にされ、この事故が起きたのです。107人は民営化によって殺されたと言っても過言ではありません。
こういうことは地方自治体の民営化の中でも起きないのか。昨年、埼玉県ふじみ野市のプールで小学生の女の子がおぼれて死ぬ悲惨な事故が起きました。市営プールの経営を民間に丸投げし、その民間企業もさらに孫請けに出す無責任な管理運営状況で、設備のメンテナンスはおざなりにされていました。
山田区長がやろうとしている丸ごと民営化によって、区で働く6千人の労働者の首が切られることになります。すでに区で働く労働者の3人に1人は、パート、アルバイト、嘱託などの非正規職の職員です。一部の職種は民間に委託されています。
今、若者の48%は非正規労働者です。派遣、契約、請負、いつ首を切られるか分からない不安定な雇用のもとで、劣悪な労働条件を強いられています。
労働者の首切りを率先してやっているのが山田区長です。都政を革新する会・北島邦彦は、労働者の権利を守り、首切りを許さない立場から、杉並丸ごと民営化計画に絶対反対です。
区から仕事を受けた民間企業で働く労働者は、いつでも使い捨てにできる雇用形態を強いられ、賃金はぎりぎりまで引き下げられ、人減らしによって劣悪な労働条件で働かされるようになります。
住民にとっては手数料のアップが考えられます。4月から南荻窪図書館が民営化されることになっていますが、有料の図書カードを購入しなければ本を借りられないことにもなりかねません。
山田区長の杉並丸ごと民営化計画を白紙撤回に追い込もうではありませんか。
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週刊『前進』(2289号8面1)(2007/04/02 )
“駅こそ安全の要”とストライキ闘いぬく 広島・動労西日本 大江照己
動労西日本は3月19日、広島の五日市駅(山陽本線)で「駅こそ安全の要(かなめ)だ」と訴え、動労総連合の統一ストとしてストライキを闘いました。
JR西日本は3月15日の団体交渉で、人件費削減の合理化を一層推進すると明らかにしました。私は、我慢の限界を超えた要員合理化に反対し、運転保安死守、フロントサービス診断廃止、踏切の安全対策を訴えてストに立ち上がりました。
合理化と組合差別の結果、尼崎事故を起こしたJR西日本は、その反省もしていません。伯備線事故に続き、昨年11月には津山線で、線路脇の斜面から巨大な岩石が落下し、レールが損傷して列車が脱線転覆する事故が発生しています。
山陽本線では、踏切の多さやダイヤの複雑化により、人身事故や列車の遅れが恒常化しています。踏切と信号機が連動している「鈴が峯踏切」での構造的な列車の遅れを動労西日本が追及しても、JR西日本は市民のモラルの問題にすり替えるだけで、安全確保の要求を受け入れません。
現場では、所属組合を理由にベテラン労働者を本来業務から外し、会社にとって都合のいい「イエスマン」を昇格させ、駅係員は短期雇用の契約社員で間に合わせています。契約社員だけになった時間帯に事故が発生した場合は、まったくお手上げ状態です。契約社員の劣悪な労働条件を一刻も早く改善し、即刻正社員化するべきです。
ニコニコ顔を労働者に強制して死傷事故を起こすより、一人の犠牲者も出さない鉄道輸送を提供するのがJRの使命だし、私たち国鉄労働者の責任です。
私は、もうけ第一主義に走るJR西日本に対し、安全に必要な要員の配置を求め、乗客の生命と財産を守るためにストライキを闘いました。
労働者の団結と国際連帯の力で安倍・御手洗体制を打倒し、労働者の社会をつくろう。職場と地域の仲間とともに闘います。握手!
(写真 五日市駅での決起集会【3月19日 広島市】)
教研集会で「40秒間のストライキ」呼びかけ 教育労働者 大前春子
昨年末の教育基本法改悪を、全国の組合員はどう受け止めているのか……。そんな思いを胸に、2月10〜12日に大分県で開催された日教組全国教研に参加した。前夜の県教組の打ち合わせでは教文部長が、翌日の全体会について「ヤジなどないよう、整然と行動していただきたい。万が一そういうことがあれば、最悪の場合は退場もある。12月8日の日教組集会で壇上に上がる(?)などのことがあり、それがホームページ上で喧伝(けんでん)されている。内部分裂を招く行為には日教組として毅然(きぜん)と対応したい」と「注意」した。12月8日に「森越はクビだ」の横断幕を掲げた組合員の決起に日教組指導部は圧倒され、明らかに恐れているのだ。
全体会の基調報告に立った日教組の中村書記長は開口一番、「持ち時間は15分間でしたが、『時間がおしているので15秒で』と言われました」と。冗談かと思った。スローガン「平和を守り真実をつらぬく民主教育の確立」と、テーマ「子どもの権利条約・憲法の理念を生かす社会を――人権・平和・環境・共生の教育をすすめよう」を読み上げて、ホントに15秒で終わっちゃった!
「平和」も「真実」もずっと向こうの雲の彼方へ隠れてしまった!
分科会では発言できた。「東京や北海道など激しい攻撃を受けている地区への支援は、それぞれが現場で闘うこと。教基法が改悪されて最初の闘いは、今度の卒業式と入学式です。ここで座ることが『強制は違憲』とした9・21判決を紙切れにしないことになる。東京の根津さんや河原井さんは『次は免職』と言われながら踏ん張っている。ほかではまだ大した処分が出ていない。たった40秒間、座りませんか? それが東京や北教組の力になるし、私たちの力にもなる。40秒間のストライキ、全国のみなさんに呼びかけます」。(うわっ! これってカミングアウトじゃん!)
東京や北海道からは真剣な発言が続いた。「日の丸・君が代」で処分を受けた東京教組の組合員は「あきらめないで言い続ける。闘う仲間を見捨てない。そういう組合が大事だ。今度の卒・入学式には、9・21判決をテコに全国でもなんらかの動きを。私たちはけっして黙らない」と発言。北教組の組合員は、教基法改悪後のこの春の卒業式が非常に重要だと訴え、「ここで抵抗の意志を示すことがこの先を左右する。日本中でなんらかの意志を表明しよう!」と全国に呼びかけた。
教基法改悪阻止を全力で闘った全国の組合員は、教基法が改悪されたことに少しもめげてはいない。国会前に結集したあの団結の力で、今後現場に襲いかかってくるあらゆる攻撃に立ち向かおうという気運にあふれ、参加者が闘う元気を持ち帰ることができた。
「どうしても革命やりたい」が参加者の思い 長野・民間労働者 都住真
まず、3・18集会は単なる「イラク反戦集会」ではない。また、いわゆる「護憲集会」でもない。この集会のスローガンは「労働運動の力で革命をやろう!」である。
実際、9条改憲阻止の運動をやってきて、若者のホームレス化である「ネットカフェ難民」。腐りきった資本主義社会の象徴である「格差社会」。このような現実を目のあたりにして、ほんとうの意味で9条を守る、いや、戦争も差別も貧困もない世界をつくるためには、どうしても「革命」をやりたい! これがこの集会に参加した人たちの思いである。
当然、天皇制右翼の妨害は激しかった。会場周辺には街宣車が取り囲み、大音量で集会妨害を図ってきた。そして、デモ行進になって、ついに私たち学生・青年労働者の怒りが爆発した。右翼とデモ隊との激しい応酬。警察とのぶつかり合い。
そうだ。これは、この日本社会の縮図なのだ。所詮(しょせん)「自由」とか「民主主義」など、この程度でしかないのだ。
私はこの集会の一週間後に三里塚(成田空港工事予定地、現地農民が工事を阻止している)へ行く。また、この日本社会の縮図を見てこようと思う。そして「反戦活動家」を脱皮して「革命家」になろうと思う。
みなさん、ともに闘いましょう。
外環道の「凍結」解除で石原に怒りの抗議 東京 飯沢和久
「外環道はいらなーい!」「石原都政を倒そう!」。都知事選告示を前にした3月16日、都庁前にシュプレヒコールが響きわたった。(写真)
この日、都庁の都市計画審議会で、住民の反対で40年間計画が「凍結」されてきた東京外郭環状道路(外環)の大深度地下方式への計画変更手続きが可決された。それに対して、外環沿線の住民計80人が都庁前で抗議の集会を開いた。
3選をめざす石原都知事は、「東京オリンピック招致は、3環状道路建設の引き金になる」「環状線建設の起爆剤に」と公言している。なんと露骨な言いぐさか! 一部のゼネコンのボロもうけのために、6兆円以上かけて外環道・圏央道などの建設を強行しようというのだ。それは、自動車公害をまきちらし、回復不能なまでに生活環境・自然環境を荒らし、数多くの住居を強制移転に追い込むものだ。
石原と言えば、黒い粉塵(じん)が詰まったペットボトルを振りかざして「ディーゼル車NO」論を展開してみせたイメージが強いが、裏でやっていることはこれだ!選挙前のどさくさまぎれに、外環の「凍結」解除を強行することを絶対に許すことはできない。
この日の都庁前行動は、国交省・東京都との「話し合い」におちいっている反対運動一部幹部の制動をうち破って、住民共同での初めての直接行動として闘われた。都政を革新する会の北島邦彦さんは「外環道は、石原が進める軍都東京づくりの『血管』」と核心点について発言した。
参加した女性は、「これまで政治には縁遠かったし、石原さんはいい人だと思っていた。ずいぶん見方が変わった」と語ってくれた。地域での署名運動に立ち上がるなかで、住民の意識がガンガン変わり、地域が強い団結でつながっていく。労働者階級の本来の力に目覚めるかのようだ。
今度の都知事選で、労働者階級が期待できる候補など一人もいない。政治を変える根本的な力は、労働者自身の行動だ。青梅街道インターチェンジ立ち退き絶対阻止に立ち上がった練馬や杉並の住民の姿に、ファシスト石原打倒の展望をつかんだ。
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週刊『前進』(2289号8面2)(2007/04/02 )
埼玉・入間基地 連夜の阻止行動
“PAC3配備許さない”
航空自衛隊入間基地(埼玉)に配備されるパトリオットPAC3ミサイルの対処要領が3月23日に閣議決定され、29日に入間に搬入するとの報道が流れた。
“朝鮮侵略戦争のためのPAC3配備反対! 沖縄人民の闘いと連帯し入間基地配備を阻止するぞ”。 昨年12月以来、配備反対闘争を重ねてきた「パトリオットVはいらない!入間基地行動実行委員会」が搬入阻止闘争を呼びかけた。
29日未明
夜陰にまぎれての搬入が予想される中、28日午後6時から基地正門前での監視行動に入る。深夜にかけ、労働者や学生が次々と駆けつける。地元の実行委の各団体、「さやま市民の会」や「とめよう戦争! 隊員家族と元自衛官連絡会」、全学連、婦人民主クラブ全国協、労組交流センターなども参加した。
29日午前2時半、機動隊の大型バス3台が姿を現し、基地前に緊張が走った。その後も、午前4時に基地前に機動隊車両が配備されるなど、緊迫の中で朝を迎える。
6時半、実行委員会が「すでに交通が混雑する時間になった。今日の搬入はない」と判断、29日夜の正門前再結集を呼びかけた。参加者は初日の勝利を確認し、「配備を阻止するぞ」と力強くシュプレヒコールをあげた。
30日未明
29日夜、基地正門前は「入間をミサイルの街にするな」などと書かれたボードを掲げた座り込みの場となった。
夜半からの雨が降り続く30日午前4時半、少し離れて待機していた警察部隊が一斉に正門前に押し寄せ、座り込み参加者を左右に排除してきた。
「入間基地へのPAC3配備反対!」「朝鮮侵略のための配備を許さないぞ!」「米軍を守るだけのミサイル配備を阻止するぞ!」――怒りのシュプレヒコールが続く。反戦自衛官の小多基実夫さんがマイクを握り、門の内側に立つ自衛官たちに“ともに反対の声をあげよう”と呼びかけた。
4時50分すぎ、大型トレーラーのライトが、先導する警備車両の後から近づいてきた。シュプレヒコールの声が高まる。灰色の巨大トレーラーの運転士は、緊張顔の青年労働者だ。参加者は5時15分ころまで、基地に入っていく10台のトレーラーに怒りのシュプレヒコールを浴びせ続けた。
首都圏から全国に闘いをひろげよう 反戦自衛官・小多基実夫さん(談)
阻止行動終了後、座り込みに連日参加した反戦自衛官の小多基実夫さんに話をうかがった。(編集局)
◇
米空軍嘉手納基地への配備に続いて、自衛隊として初の具体的なミサイル防衛の動きであり、本土へのPAC3配備も初めて。これから年内、首都圏に次々と配備される過程に入ります。
今回の入間基地配備阻止行動で、昨年10月の沖縄での闘いをつないだ。この闘いを首都圏全部に広げ、さらに中部、関西、九州、浜松など全国に広げたい。こうやって目の前で朝鮮侵略戦争体制が動き出したわけだから、もう黙っていられない。政府が配備を1年前倒しして急いだところに、朝鮮侵略戦争の切迫性があらわれている。本気の闘いをやらないといけない。
自衛隊員の多くは、北朝鮮や中国のミサイルに対する迎撃ミサイルということで「非常に防衛的な装備だ」と教えられている。しかし、日米政府が撃つようにしむけるから撃ってくるんです。
PAC3は、発射機やレーダーを移動させて使うものだから、これから外に出ての展開訓練が始まる。横田基地に行ったり朝霞駐屯地に行ったりして、組み立て・撤収の訓練が行われる。反対運動が弱かったら、毎月のように出てくる。公道をミサイルを積んだトレーラーが日常的に走るようになる。だから一歩も引けない。
この空自入間基地からは、今もイラクに派兵されている。今国会では、イラク特措法の2年延長が問題になる。その上、この基地に朝鮮侵略戦争の兵器も配備されるということで、入間の隊員は緊張している。われわれも、首都圏ではここを軸に大きな運動に取り組んでいかなければならないと思っています。
◆地対空誘導弾パトリオット(PAC3)
ミサイル防衛の主要装備で、射程20q程度。政府は入間基地のほか年内に武山(神奈川)、霞ケ浦(茨城)、習志野(千葉)に、2010年度までに関西、中部、九州北部、北海道・青森、沖縄の空自基地への配備を計画。入間基地配備のPAC3展開予定地として、政府中枢や大企業本社が集中する永田町・霞ケ関に近い皇居前広場、日比谷公園なども検討されている。
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週刊『前進』(2289号8面3)(2007/04/02 )
辺野古からの報告
インタビュー 海人の思い(上)
“海はひとつだからね”
2月13日、辺野古沖の米軍のパラシュート降下訓練を阻止する抗議闘争で久しぶりにウミンチュ(海人=漁師)のCさん(62歳)と再会した。
ボーリング調査阻止の海上行動の際に、Cさんは国頭村から北部地域のウミンチュに呼びかけ、漁船団をくりだして応援に駆けつけて阻止行動の先頭で闘った。
黒光りする肌に首から下は30代かと思わせる堂々たる筋肉質の体格、目にはいつもの微笑みがあった。シンボルのウエスタンブーツも健在だ。
☆
――ボーリング阻止闘争の頃はCさんも漁をやめて辺野古に毎日通っていました。今はどうお過ごしですか?
「今は毎日漁に出れて幸せだね。海上阻止行動の際には漁に行きたくても行けなかった。それが一番つらかったね。ボーリング用の単管に船をくくりつけて辺野古の海を眺めていると、魚やイカが泳いでいるのが見えるわけさ。辺野古の海は透き通っているからね。『ああ、今日漁に出たら大漁だろうなあ』とか思ってしまうわけよ。元々海が好きだからウミンチュになったんだけど、辺野古にかかわる前は正直『今日は漁に出たくねえなあ』という日もありましたよ。漁をサボっちゃう日も時々あった。でも今はそういう気持ちはまったくわいてこなくなった。漁に出て魚がとれると、1匹1匹にありがとうと感謝の気持ちがわいてくるようになったよ」
――国頭村の地元で何か反応はありますか?
「最初、俺が辺野古に通い始めた時、地元のウミンチュ仲間は『あんたの気持ちはわかるけど、あんまりよそのことに首突っ込まない方がいいんじゃないの』という反応が大半だったかなあ。俺はいつも『よその問題じゃないさ。辺野古に基地ができて、辺野古の海が埋め立てられたら潮の流れや廃棄物垂れ流しの被害はこっちにも出てくるんだ。海はひとつだからね。だから俺達の漁場を守るのと同じだ』と言ってきた。でもボーリング調査が実際に止まって、計画が白紙になった時に『Cさん、あんた本当に建設計画止めちゃったなあ。すごいね』と一目おかれるようになっちゃった。地域じゃ、ちょっとしたヒーローですよ」(笑)
☆
海上阻止行動の際、辺野古のウミンチュなどが作業船を防衛施設局にチャーターすることで、反対行動と心ならずも対峙することになった。
私が今も鮮明に覚えているのは、作業船に乗った辺野古の漁師が「ここの漁業権は俺達のもんだ。おまえらよそ者はでていけ!」と、ヤグラにしがみついて阻止行動を闘う参加者に罵声を浴びせていた時のことだ。
Cさんが阻止船で仁王立ちになって「あんたは漁業権をわかっていない。漁業権は魚を捕る権利とともに、魚たちを守る義務があるんだ。この人達はあんたの代わりに海を守ってくれているんだから、感謝しないといけないよ」と喝破したことがあった。
それまで、こちらを挑発するように毎日怒鳴り散らしていた作業船のウミンチュは、これ以降おとなしくなってしまった。
☆
――この日を境に、海上攻防の力関係が変わったなあと感じましたね?
「当時、辺野古のウミンチュたちも海の上では施設局に雇われているから彼らの手前、脅したり、作業推進のふりをするけど、1日の作業が終わって陸にあがったら『お疲れさん。今日は何もなくてよかったさ』とおやつの残りを投げてよこしたりしたもんです。心の根っこでは同じウミンチュ同士ですから、お互い憎からず思っていたはずよね」(続く)
(聞き手/大津五郎)
(写真 56隻の船でキャンプ・シュワブに迫る大海上デモを闘った【05年12月23日 名護市大浦湾】)
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週刊『前進』(2289号8面4)(2007/04/02 )
GAKKOU 党学校通信
第7期党学校を終えて
学習と実践の統一が必要 F
第7期党学校をとおして、学習と実践を統一していく必要を強く感じています。
『国家と革命』を学んで、労働者階級は自らの労働組合運動(―自己解放の闘い)―労働運動を土台とし、共産主義社会の実現へ向かって闘うということに強いインパクトを受けました。
理論的にも実践的にも、労働者階級の現実の労働運動の発展・拡大は、分業の止揚(肉体労働と精神労働の分裂の止揚)、生命的欲求としての労働―その労働時間の短縮(生産力の高度化)、階級の廃絶・国家の死滅へ向かいます。
私は、共産主義の闘いの土台は、いま私たちの目の前にある労働組合・労働運動が、地区党を媒介として、国家権力―資本の攻撃と闘うことにあると感じています。
党学校に参加して、党員、共産主義者としての姿勢を大いに学ぶことができました。
革命から逆規定した実践を H
マルクスの『共産党宣言』、レーニン『国家と革命』をとおして、パリ・コミューンの歴史的意義を熟考し、「唯一の変更」問題や、レーニンのプロレタリア独裁規定の内容を検討した。ここに共産主義の根幹が打ち出されている。
「資本主義の発展は……ほんとうに〈すべての人>が国家統治に参加できる前提条件をつくりだす」(レーニン)
今日的には、職場(社民とスターリン主義の崩壊と腐敗の中での党派闘争)支配権を闘いとるためには、思想闘争を正面から出してはじめて、勝利できるのではないか。
反帝・反スターリン主義運動は、思想闘争を豊かにしていくこと、組合運動を党建設的に闘うことの中で大きく前進する。そのためには、『国家と革命』の内容を徹底的に主体化すること、大量の共産主義者を生みだす闘いを、革命から逆規定して実践する必要があると思います。
党全体の歩みと一体のものとして党学校の闘いがある。この1年は印象深いものとなった。
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