ZENSHIN 2007/03/26(No2288 p06)

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第2288号の目次

(写真 青年労働者・学生先頭に解放的デモ 3・18イラク反戦4周年集会の大高揚を受け都心へ進撃【日比谷公園出口)=記事2面

1面の画像
(1面)
統一地方選勝利・石原打倒を
全世界一斉デモの大爆発から改憲投票法案阻止へと進もう
民営化攻撃粉砕、帝国主義を倒せ
記事を読む  
国会闘争 3・22公聴会強行を弾劾
連続ハンスト座り込みに突入(3月20日)
記事を読む  
法政大学 無期停学処分許すな(3月20日) 記事を読む  
(2面)
革命は青年が最も欲している闘い
3・18日比谷 労働者には戦争をとめる力がある
記事を読む  
3・17大阪 イラク反戦国際行動
梅田へデモ行進(3月17日)
記事を読む  
AP通信が世界に3・18日比谷を配信(3月18日) 記事を読む  
(3面)
労働者の階級的な力が解き放たれた
動労千葉 春闘スト打ち抜く
9カ月の組織攻防に勝利
“最強木更津支部”旗揚げ(本紙・沢井 隆)(3月17〜19日)
記事を読む  
“ベアゼロ打ち破れ”
貨物協議会が総決起集会(3月20日)
記事を読む  
“安倍に一矢を”  動労連帯高崎スト(3月18、19日) 記事を読む  
イラク反戦4周年闘争 全世界で反戦デモ
ワシントン 寒波つき5万人結集
記事を読む  
欧州エアバス 数万人が一斉スト
3・16 戦時下の労働者反乱(藤沢明彦)
記事を読む  
07春闘超低額回答許すな  トヨタでわずか1000円
春闘解体に動く連合中央打倒を
記事を読む  
(4面)
共謀罪“修正案”ぶっとばせ
「テロ等謀議罪」に名称変更  治安弾圧法の正体偽装
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東京 「戦争と治安」で討論会
反撃の陣形固める(投稿/迎賓館・横田爆取弾圧裁判被告団・板垣宏)(3月17日)
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志賀原発 臨界事故隠し許すな  すべての原発を停止せよ 記事を読む  
階級的労働運動の前進へ
労働者党の建設を推進し07年改憲阻止決戦闘おう(川中充久)
記事を読む  
2007年日誌 3月14日〜20日
イラク開戦後の民間死者6万  公聴会開催を与党が単独決議
記事を読む  
(5面)
免許更新制で闘う教員排除
全教科で「愛国心」教育狙う  教育関連4法改悪を阻もう
記事を読む  
全逓4・28被免職者 28年ぶりに職場復帰
勝利バネに民営化粉砕へ
記事を読む  
阻止しよう!改憲投票法  8・15実行委が討論集会開く(3月10日) 記事を読む  
闘う弁護士が呼びかけ  4・11に改憲反対行動 記事を読む  
東京「日の丸・君が代」闘争  もう処分はやめろ!
3・30抗議行動へ  新たな不起立が広がる
記事を読む  
資本攻勢&労働日誌 2007  3・7〜3・17
労働契約法案などを国会提出
記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー
アメリカ争議に連帯お礼のメールに感動 東京 松木 広
「民営化、いい」と言う人はまったくいない 東京・三多摩 中原一朗
青年労働者の提起に涙が止まらなかった 千葉 千林雪江
『前進』編集局と読者の交流会やりました 青年 どきんちゃん
記事を読む  
星野同志への刑の執行停止 特別抗告の棄却弾劾
星野奪還大運動の飛躍へ(3月14日)
記事を読む  
辺野古からの報告  “人間問う闘い” インタビュー
地元から基地建設を糾す(聞き手/大津五郎)
記事を読む  
紹介 『共産主義者』152号
革命論を鮮明に階級的労働運動路線提起した木崎論文
記事を読む  
日程 水嶋控訴審第2回公判 記事を読む  

週刊『前進』(2288号1面1)(2007/03/26 )

 統一地方選勝利・石原打倒を

 全世界一斉デモの大爆発から改憲投票法案阻止へと進もう

 民営化攻撃粉砕、帝国主義を倒せ

(写真 青年労働者・学生先頭に解放的デモ 3・18イラク反戦4周年集会の大高揚を受け都心へ進撃【日比谷公園出口)=記事2面)

 3・18イラク反戦4周年の集会・デモは、昨年11月の日韓米国際連帯集会をひきつぎ、「労働運動の力で革命をやろう!」を全世界に訴え、その実践を開始する歴史的集会となった。動労千葉の春闘スト、教育労働者の「日の丸・君が代」不起立決起、そして3・25三里塚闘争に至る3月大行動の前進は、日帝・安倍政権に痛打を浴びせた。この地平をふまえ、今こそ日帝・安倍政権打倒、戦争・改憲・民営化攻撃粉砕の4〜5月闘争に総決起しよう。改憲投票法案の4月衆院通過策動を絶対に許すな。4月統一地方選挙はこの4〜5月の最大の決戦だ。とりわけ首都・東京での闘いは、安倍の最先兵=ファシスト石原の打倒をかけた決戦だ。杉並を先頭に、今こそ労働者階級の怒りを根底から解き放ち、必勝をかちとろう。

 労働者の階級的決起の開始

 安倍政権とそれを支える御手洗・日本経団連=日帝ブルジョアジーの政治的・経済的危機はますます深まっている。
 昨年9月の政権発足以来、安倍は「戦後レジーム(体制)からの脱却」を掲げ、自分の任期中に改憲を実現すると宣言して、労働者階級への全面的な攻撃に出てきた。それは、御手洗を先頭とする日帝ブルジョアジーが生き残るために、労働者階級を資本と国家の完全な奴隷にして、再びアジア侵略戦争に動員しようと狙うものであった。
 これに対して労働者階級の決定的な反撃が開始された。昨年11・5労働者集会の大高揚と教育基本法改悪阻止の国会決戦の爆発、これを引き継ぐ今年1〜3月の闘いの爆発である。その核心は、帝国主義に屈服した体制内労働運動を打倒し、のりこえて、労働者の階級的団結とその持つ巨大な力をよみがえらせていく闘いの飛躍的な前進にあった。
 3月17〜19日の3日間にわたって闘われた動労千葉の春闘ストは、その先頭に立つ闘いだ。動労千葉の組織破壊を狙った攻撃は、労働組合の原則を貫いた闘いによって、完全に粉砕された。これと並んで教育労働者の3月卒業式闘争が、改悪教基法を現場から実力で打ち破る闘いとして爆発した。とりわけ東京での「日の丸・君が代」強制粉砕の闘いは、昨年を上回る不起立決起をもって、安倍と石原に大打撃を与えている。
 そして最も重要なのが3・18の青年労働者の決起だ。青年の半分が非正規雇用にされ、偽装請負やダブルジョブを強いられる中で、青年労働者はもはやこの資本主義・帝国主義の支配を革命によって転覆しなければ生きていけない現実に投げこまれている。この青年労働者が「労働運動の力で革命をやろう!」と全世界に呼びかけを発し、今や職場で街頭で、自己自身を変革して闘いの最先頭に立ち始めた。安倍や御手洗を倒す革命の力はここにこそある。
 労働者階級が本当に怒りを爆発させ、闘わない既成の体制内労働運動を打破し、団結して決起すれば、戦争も改憲も阻止できるし、この社会を根本的に変革できるのだ。このことに圧倒的な確信を持ち始めた。その呼びかけが労働者を大衆的にとらえつつある。3・18全世界一斉デモの大爆発の地平から、4〜5月の決戦へ断固としてうって出ていこう。
 4月統一地方選挙は、安倍・御手洗との激突の当面する最大の決戦場だ。その焦点は首都・東京である。
 革共同はこの首都決戦を、ファシスト石原とその最先兵=杉並区長・山田を打倒する闘いとして、すべての闘う労働者人民とともに、杉並区議選に都政を革新する会の北島邦彦さんを推し立てて闘う。さらに相模原市議・西村あやこさんの4選必勝を始め、全国で労働者階級の利害を真に代表する候補者の全員当選をかちとるために、全力をあげて闘いぬく決意である。

 ファシスト石原打倒する力

 ファシスト石原は都知事の座についてからの8年、何をやってきたのか。「東京から日本を変える」「憲法など踏み破る」と公言し、日帝の戦争・改憲と民営化・労組破壊攻撃の文字どおりの反革命突撃隊として行動してきた。傲慢(ごうまん)きわまる態度で排外主義・差別主義を公然とあおり、何よりも「つくる会」などのファシストどもによって都の教育行政を支配し、戦争教育への大転換を力ずくで強制しようとしてきた。さらに小泉「構造改革」攻撃と一体化し、その最先兵となって規制緩和・民営化攻撃を全国に先がけて強行し、都民の生活を破壊してきた。東京全体を一握りの金融独占資本・大資本の食い物にする政治を、あくどく繰り広げてきたのである。
 とりわけ石原による公共施設の民営化は、労働者の首切りと福祉切り捨てを徹底して推し進めると同時に、公共事業を丸ごと大銀行や大企業による利権あさりと投機の対象に変えていくものであった。投資した資本家がどれだけの利益をそこから引き出すかということだけが、都の行う事業の最大目的となったのだ。その結果は、労働者の極度の低賃金化のはてしない進行であり、他方では利用料の大幅引き上げや増税による都民からのあくどい収奪だ。今日の日本社会を覆うワーキングプア、貧困の拡大と、その対極にある大企業の巨額の利益は、まさに石原都政のもとでこそ最も鋭く集中的に生み出されている。
 この石原政治を、これ以上のさばらせるわけには断じていかない! もう許せない! これは今や、圧倒的な労働者人民の声だ。労働者階級の心底からの怒りの大決起で、安倍政権もろとも今こそ石原を打倒しなければならない。
 その石原打倒の真の最大の力は、階級的労働運動の前進にある。資本とも権力とも闘わない、民主党などの野党、既成の連合や全労連などの体制内労働運動を打破し、労働者と労働組合が石原打倒に決起することだ。その最先端を切り開くものこそ、杉並での民営化攻撃粉砕闘争と区議選勝利の闘いなのだ。

 杉並・山田の民営化粉砕へ

 杉並の山田区政は安倍や石原の最も悪質な先兵として、一昨年の「つくる会」教科書の採択を全国の先頭に立って強行した。そして今日、杉並区の全業務を丸ごと民営化する大攻撃に出ている。その数は869にのぼる。保育園、児童館、図書館、高齢者施設、介護支援センター、保健所、公園や区民施設の管理など、そのすべてが民間資本に丸投げされようとしている。儲(もう)からない公的事業はことごとく切り捨てることが前提とされている。
 この結果は、まず第一に区の労働者6千人からその職場を一挙に奪うものになる。正規・非正規を問わず、すでに民間委託や公設民営に移行している職場を含めて、全員が解雇の対象になる。事業を請け負った民間会社の労働者も、徹底した人員・コスト削減のもとで、それまでよりもっと低賃金・強労働の劣悪な労働条件を強いられることになる。その結果は、まったくの安全無視でJRの尼崎事故や埼玉のプール事故のような大事故につながることは必至である。
 さらに第二に、福祉・医療や社会保障の無慈悲な解体、切り捨てである。民営化した資本の利益を最優先で保障するために手数料や利用料を高額化し、これまで無料だったものも有料にする。北海道夕張市では、病院も学校も廃止され、住民負担が一気に何倍にもなり、もはや生きていけないという声が上がっている。山田は、これと同じことを全事業の民営化で杉並区民に強制しようとしているのだ。
 この山田の民営化計画は、実は安倍や御手洗がこれから推し進めようとしている攻撃を真っ先に先取りする攻撃だ。自治体労働者200万人の首切りと、戦後の地方自治制度の解体と道州制導入への突破口を開くものである。9条改憲・戦争国家化攻撃とも完全に一体の政策としてある。
 4月杉並区議選は、民営化攻撃を粉砕し、山田を打倒し、ファシスト石原を打倒する闘いそのものである。求められているのは既成の闘わない体制内労働運動を打破して、労働者と労働組合が階級的に決起することだ。民営化粉砕を正面から訴えて闘おう。全労働者、闘う杉並区民の力で区議選に勝利しよう。

 9条改憲絶対阻止へ闘おう

 4月統一地方選挙の勝利と一体のものとして、この4〜5月の改憲投票法案絶対粉砕・9条改憲阻止の闘いがある。改憲投票法案は、「改憲へ一直線」のレールを敷くための法案だ。その核心は公務員労働者や教育労働者の運動禁止を始め、労働組合による改憲阻止闘争の圧殺にある。これ自体が憲法96条を破壊する、改憲攻撃そのものである。
 安倍と政府・与党は「5月3日までに成立」の目標が破産に追い込まれる中で、4月中旬の衆院通過を狙っている。これに対し、闘う弁護士により改憲投票法案粉砕の4・11行動などが呼びかけられ、国会闘争も開始された。統一地方選勝利の闘いと一体のものとして、改憲投票法案の衆院採決強行策動を絶対に阻止しよう。
 さらに教員免許更新制導入を始めとする教育関連4法改悪案の国会提出を粉砕しよう。労働法制大改悪、共謀罪新設を阻止しよう。米軍再編関連法案、公務員制度改悪関連法案など、すべての反動法案を葬り去るために闘おう。4月統一地方選に勝利し、4〜6月国会闘争の大爆発へ進撃していこう。

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週刊『前進』(2288号1面2)(2007/03/26 )

 国会闘争 3・22公聴会強行を弾劾

 連続ハンスト座り込みに突入

 改憲投票法案を絶対阻止する闘いは重大情勢を迎えている。国会前には連日、労働者人民が詰めかけて闘いが開始された。
 イラク開戦4周年を期して3月20日からは、60年安保闘争世代を中心とする「9条改憲阻止の会」が衆議院議員会館前でリレーハンスト・座り込みを始めた。70年安保・沖縄、大学闘争を闘った世代も加わっている。5月3日まで30日間のリレーハンスト・座り込みを計画している。初日のこの日は反戦共同行動委員会や、百万人署名運動の人びともともに座り込んだ。
 参加者は、代わる代わるマイクを握り、安倍・自民党政権への怒りと、改憲阻止の思いを語った。千葉県館山市から来た女性は、「ここ10年間で地域間格差が一段と進んだ。路線バスが夜7時台で終わってしまう。若い人には仕事がない。その上の憲法改悪。なんとかしなくてはと思い、駆けつけた」と語った。
 昼休み集会では、闘う弁護士たちが駆けつけ、ともに闘う決意を表明した。「改憲手続法はクーデター法案だ。一切の改憲反対の言論・運動をつぶしてしまおうとしている」「公務員と教育者の運動禁止、組織的多数人買収・利益誘導罪、有料広告の野放しなどは、改憲反対運動を抑えつけ、日本経団連など改憲勢力に圧倒的に有利な法案だ」「だが、民衆が団結して声を上げれば阻止できる。ともに闘おう」と口々に訴えた。とりわけ4・11行動への参加を呼びかけた。
 22日には、国会での中央公聴会の強行に対して、怒りの弾劾行動が闘われた。
 与党は同日、民主党などの屈服を突いて、28日に新潟と大阪で地方公聴会を、4月5日に2度目の中央公聴会を開くことを決めた。これをもって「審議は尽くした」として12日に衆院特別委で採決、翌13日に衆院本会議で採決を強行しようとしている。許しがたい。
 重大情勢だ。国会前に駆けつけ、絶対阻止の行動を闘おう。全国各地で改憲投票法案の反人民的な狙いを暴き、署名・宣伝活動・集会・デモをやり抜き、反対の声を広げよう。
 4月11日には、「憲法と人権の日弁連をめざす会」が呼びかけて、正午から国会前行動、夜の集会と「1000名デモ」が行われる(5面に案内)。ともに闘い、なんとしても阻止しよう。
(写真 国会前で改憲投票法案阻止へ労働者人民の闘いが始まった。60年・70年闘争世代の人びとは「ハンスト宣言」を掲げて座り込んだ【3月20日】)

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週刊『前進』(2288号1面3)(2007/03/26 )

 法政大学 無期停学処分許すな

 法政大学平林総長、法学部当局は3月20日付で、法学部生K君に「無期限停学」の重処分を通知した。2月19日の法学部生T君への退学処分決定に続く暴挙だ。絶対に許せない!
 法学部教授会はK君が「停学中であるにもかかわらずくり返し学内に立ち入った」ことを処分の理由としている。
 ふざけるな!
 法大当局は、警察を引き入れて29人の学生を逮捕させた06年3・14弾圧を発端に、闘う法大生に対して退学・停学などの処分を乱発した。だが法大生は、06年6月15日の1千人集会を頂点にキャンパスを解放区として闘い、当局のもくろみは完全に打ち砕かれた。
 追いつめられた平林総長は、さらなる弾圧の拡大に訴えたが、こんなものは学生の怒りの火に油を注ぐだけだ。
 K君はただちに弾劾声明を発し、平林体制打倒まで断固闘うと宣言している。不当処分に猛然たる抗議を集中しよう!

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週刊『前進』(2288号2面1)(2007/03/26 )

 革命は青年が最も欲している闘い

 3・18日比谷 労働者には戦争をとめる力がある

 3月18日に行われた「イラク反戦4周年/憲法改悪阻止/ブッシュと安倍をたおせ/3・18全世界一斉デモ」には、全国から東京・日比谷野外音楽堂に2070人が結集した。先頭で牽引(けんいん)した青年労働者・学生が「労働者には戦争を止める力がある」「革命は青年労働者の最も欲する闘争方針」と宣言した。銀座デモも大高揚し、右翼・権力を圧倒した。集会の主な発言を紹介する。(前号既報)
(写真 集会の最後にインターナショナルを斉唱する参加者)

 集会アピール(要旨) 世界は革命情勢だ

 03年3月のイラク戦争開戦当時、「戦争反対」のデモが世界中で起きましたが戦争を止めることができなかった。
 しかし、戦争を必要としている支配者・資本家階級に決定的な打撃を与える闘いが起きました。
 アメリカ西海岸一帯の港湾の労働組合と地域住民が、軍需物資を運ばせないためのストライキと実力闘争に立ち上がったのです。日本でも動労千葉がストライキに立ち、そして戦争協力拒否を宣言しました。韓国では非正規雇用撤廃を闘う民主労総のゼネストに、イラク戦争反対が合流し、闘いが爆発しました。
 彼らは、連絡も取り合っていないのに同じことを言っていました。
 ▼戦争を必要としているのは資本家だけ。
 ▼戦争は、自分の国内の労働者階級からさらに搾り取り、それでも「文句を言うな」と従わせようとする労働者階級への攻撃と一体。
 ▼侵略戦争を担わされるのは労働者。労働者が戦争につながるあらゆる労働を拒否したら戦争なんかできない。
 ▼ストと実力闘争で労働者は自分たちの持っている力を知る。闘う労働組合は労働者が持つ力を教えることができる。
 ――彼らの闘いと、そこに貫かれる「自分たち労働者階級こそ社会の主人公だ」という主体性は、絶望の労働者だった私に希望の光を照らしました。
 そうだ。労働者こそこの世界を動かしている。資本家は、私たち労働者が命令に従っている限りにおいてのみ支配者でいられるにすぎない。労働者階級が一つに団結したら支配の鎖を自分たちの手で引きちぎることができる。そう教えてくれたのです。だから、ただちに闘いを開始しました。
 そこからが本当の闘いです。資本家からの弾圧との闘い。資本と折り合いをつけようとする組合幹部との闘い。そして「革命をやろう」と、なかなか隣の労働者にストレートに訴えられない自分との闘いです。
 いまハッキリと分かります。私と相手との間の壁を必死になって必死になってぶっ壊してつながるのが団結です。闘いの中で強くなっていくのが団結です。その団結の広がりこそが勝利です。そして、団結の究極の拡大が革命です。
 それは、労働者階級が支配者の命令に従わざるを得ない関係を根本から変えるということです。労働者階級が自分たちで考え、自分たちで社会を運営し、自分たちの労働によって、自分たちが生きていける。
 労働者階級には革命をする力があるんです。だから、労働運動の力で革命をやろう。それしか戦争を止めることはできないし、私たち全世界の労働者階級は解放されることはない。
 世界は革命情勢です!
 アメリカでは、1千万人の移民労働者がメーデーで街を止めました。そして先日、50万人のイラク反戦の闘いがたんなる「戦争反対」ではなく「自分たち労働者の手で戦争を止めよう。労働者は国を、戦争を止めることができる」というまさに革命を組織する闘いがぶち抜かれました。
 そして、たった今、動労千葉がストライキをぶち抜いています。
 教育労働者が教育基本法改悪後初めての卒業式で「君が代」斉唱時の不起立闘争を展開しています。東京都の10・23通達を紙切れ同然にしたのは現場の教育労働者の不起立闘争でした。
 ところが、闘争方針を出すはずの日教組本部が闘う教育労働者に敵対している。闘う教育労働者は、これをチャンスだと言いました。「自分たち闘う現場労働者が日教組だ。私たちに執行部をやらせろ」と決定的な闘いが開始されました。
 青年労働者に怒りが充満しています。
 資本家どもは、青年の半分を非正規雇用にし、偽装請負やダブルジョブを強いてきました。それでも食べていけない青年に「青年はやる気がない」とまるで青年が悪いかのように宣伝してきたのです。
 ふざけるな!
 こんな腐った資本家と、体制内労働運動が折り合いをつけ、闘わないからこんなことがまかり通るんだ。連合の高木なんか、偽装請負の事実を知っていて黙ってきたんです。体制内労働運動こそ、青年を売り飛ばし、殺してきたんだ。
 青年はそのことを知れば必ず怒ります。それは資本主義と折り合いをつけない労働運動、つまり革命をやる労働運動こそが青年の必要とする闘いだということです。
 革命は、青年が最も欲する闘争方針です。
 資本主義は、もう末期の末期、1ミリたりとも折り合いがつけられない。ここに確信を持って、資本との折り合いをどこかでつける労働運動を、私たちは革命をする労働運動にただちに変えていかねばなりません。
 いよいよ労働者階級の時代が来た。私たちはちゅうちょなく革命をしよう。世界の労働者とともに労働者階級自身の力で支配の鎖を引きちぎろう。われわれ労働者階級は、支配の鎖以外に失うものはない。

 闘いの報告 昨年上回る不起立

 ◎館山運転区・木更津支区廃止阻止でストライキを闘う動労千葉の清水匠執行委員
 動労千葉はストに立ちました。館山運転区、木更津支区の廃止と闘い抜いてきました。当局は職場を廃止して職場の団結と伝統を破壊しようと躍起になってきました。
 今日、館山支部は残念ながら解散大会を行いましたが、そのまま木更津で新生・木更津支部を立ち上げ、闘いの伝統を守りながら、今後も闘い抜きます。動労千葉は敵の団結破壊を断固としてはね返し、これからも闘い抜いていきます。
 分割・民営化は安全問題という形で完全に崩壊しています。要員問題が大きく浮上しています。しかし、現場で労働者が団結する中からしか闘いを巻き起こすことはできません。東労組のようにこれにくみし、先兵になっても民営化の問題はけっして解決できません。
 いよいよ世界は、革命が現実味を帯びる時代に突入しています。労働者の団結を取り戻し、労働者の闘う隊列をつくりだす絶好の機会が到来しています。今年の11月労働者集会に1万人の結集を呼びかけます。
 ◎「日の丸・君が代」強制と不起立で闘う都高教組合員
 いま東京の教育はどんどん破壊されています。石原の強権教育行政によって、「日の丸・君が代」の強制と不当処分、それに象徴される上意下達の非民主的な学校経営が強いられています。早期退職や病休者、体調不良者、少なくない自死者も現れている。
 私は高校生に民主主義を強く語ってきました。自分の頭で考えて、適切な批判精神を持ち、他人に頼るのではなくて、自分が主人公として生きていこうと。
 そんな中、やむにやまれぬ気持ちで、昨年を上回る不起立者が現在出ています。まだ数校の高校も残っていますし、義務制の学校もこれから卒業式を迎えます。それ以外にもさまざまな工夫をこらして闘われています。
 当たり前のことを言うことが、いま難しい。行政に頭を押さえつけられて、偏ったマスコミに横から揺さぶられて、さらに日教組を始め闘わない組合の執行部によって足まで引っ張られている。
 がんじがらめの中で発言し続けていくことは本当に大変です。投げやりになるときもありますが挫折したら終わりです。4月には「さようなら石原」、そして夏には「さようなら安倍」をぜひ実現したい。
 ◎司法改革と闘う憲法と人権の日弁連をめざす会の森川文人弁護士
 改憲手続き法(国民投票法案)の問題点で何よりも重要なのは、これが改憲に一直線の道をつくる点です。なぜこれほどまで権力はむき出しにやってくるのか。
 それは彼らが焦っているからです。これはチャンスです。この情勢をどのように生きるか。それが問われていると思います。ゲバラの言葉を引用したいと思います。
 「本当の革命家は、大いなる愛情に導かれている。愛のない本当の革命家なんて考えられない」
 われわれの愛とは何か。労働者の愛とは連帯であり、革命です。
 われわれは、けっして少数派ではありません。外には花粉症でもないのにマスクの怪しい男たちが待っている。何か後ろめたいことがあるのか。彼らこそ少数派です。われわれは多数派です。
 ゲバラは「打撃は絶え間なく続けなければならない」とも言ってます。次は4・11。弁護士が主催です。ぜひ参加を。

 決意表明 現場が求めているのは闘う方針/仲間を、団結を、行動を組織しよう

 ◎職場を動すのは労働者という労働組合に(自治体労働者)
 賃金カットの白紙撤回へ、私たち現場労働者は、抗議集会、団体交渉に結集し、署名を集めて闘ってきました。しかし結局、組合指導部がトップ会談で白紙撤回方針を条件闘争に転換させ、妥結してしまいました。現場組合員から怒りの追及の声があがりました。
 一部執行部が「給料が支払われなくなったら困るだろう。このままでは財政再建団体に陥る」と当局と同じような説明をし始めたのです。現場の組合員と執行部の間に大きな差を感じました。もっと現場の声を反映させ、こんな社会ではダメだ、ともに闘おうという原則的姿勢を貫いて欲しかった。世の中、職場を動かしているのは労働者だという自覚を持てない労働組合ではいけない。
 体制内労働運動はもういりません。執行部におまかせという組合員の姿勢も変えなければなりません。一人ひとりが主体となって仲間を信じ、団結して職場で労働運動を展開しよう。
 ◎職場の仲間の命より労使関係が大事なのか!(全逓労働者)
 郵政現場は、リストラと非常勤化で民営化前から大混乱しています。超過勤務なしでは仕事が回らない。タダ働きは当たり前。給料は安い。少しミスをすればクビだと怒鳴られる。
 職場で現職死亡が出ました。職場で団結を生み出し、死者を出さない職場をつくる――それしかないと考え、訴えました。多くの組合員が理解してくれました。
 当局はゆうメイトの募集をする一方で「仕事ができない」という理由で雇い止めをする。こんなやり方は許せない。
 現場労働者を仕事づけにして闘わせない、闘う労働者を職場からたたき出す――これが民営化の本当の狙いです。これに組合執行部が完全に屈服し、お先棒を担いでいる。「仲間は仕事に殺された」と訴えたら「理由も分からないのにそんなことを言うな」と制動をかけてきました。職場の仲間の命より労使関係が大事だという立場の指導部を私は絶対に許さない。
 郵政民営化はすでに破綻しています。仕事をしていればそれはすぐに分かります。労働者が破綻しているものを強制される筋合いはありません。この社会は労働者が主人公です。それをすべての労働者が理解し、闘い始めたときに、安倍・御手洗をぶっ飛ばせる。
 ◎合理化攻撃と闘う方針出せない組合は許せない(都労連労働者)
 当局が外注化や人員削減を発表しました。「安全最優先」と言いながら現場をバラバラにして安全を崩壊させる当局の矛盾だらけのやり方は絶対に許せません。
 しかしもっと許せないのは、この合理化攻撃に対して闘う方針をまったく出せない組合です。「公営を維持するもの」と評価し、まったく反対しません。「公営を守る」と言えば現場の組合員を納得させられると思っているのか。
 現場では、現職死亡が出るほど合理化が進んでいます。仲間が殺されてまで仕方がないとは誰も思いません。いま、現場が求めているのは闘う方針です。
 そもそも方針を決めるのに現場の声を聞いたことがない。怒りが爆発することが分かっているからです。こんな指導部のもとでは団結できるはずがない。引きずり降ろさなければダメです。現場の組合員の力に依拠した労働組合にするために一歩を踏み出したい。
◎まとめ 仲間を、団結を、行動を組織する(全逓労働者)
 本日、あらゆる職場で共通の敵と闘う私たちは、日比谷野外音楽堂に集まりました。全世界でイラク反戦を闘う労働者とつながりました。そして「革命をやろう」という宣言を発したのです。
 情勢は「戦争か革命か」という時代に入っています。職場でも戦争を現実のものとして感じています。生活は苦しくなっても良くはならない。もはや小手先の条件闘争は通用しない。
 だから革命なのです。
 革命は労働者階級の真の要求であり、真の実践方針そのものです。ここから革命に進む第一歩につなげようではないですか。
 私たちにとって革命とは何か。それは自己変革です。反戦闘争は誰がやるのか、革命は誰がやるのか、労働者みんなです。本当の自分の壁をぶち破る決意をこの場でしたい。いまやるべきことは仲間を組織し、団結を組織し、行動を組織することです。
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 取材メモ 革命の現実性を見た

 イラク戦争の開始から4年。日比谷野音に「労働運動の力で革命やろう」の叫びがこだました。3・18闘争の意義は果てしなく大きい。
 いまや青年労働者の半数が非正規雇用。今夜寝る場所がない。明日仕事があるか分からない。労働者の暮らしは毎年悪化し、地位が不安定になる。底ぬけに社会が荒廃していく時代は戦後日本で誰も経験したことがない。安倍政権は戦後レジーム打破を叫び、改憲と戦争の道をひた走る。
 もはや革命以外に出口がない。3・18はそういう時代に入ったことを鮮烈に示した。20世紀初頭のロシアでは、帝政打倒の革命が大衆の共通要求だった。レーニンのボルシェビキだけでなくブルジョア政党から農民の党も革命を綱領に掲げていた。そういう時代が再び来たということだ。
 大衆行動の場で革命を掲げて初めて真実の世界が見えた。3・18を牽引した青年労働者は、革命とは何か、革命の主体は誰かを問いかけた。その答えは明らかになったのではないか。
 労働者は露骨に「商品」として徹底的に買いたたかれ、超長時間酷使され、競争とノルマに追い立てられる。正規・非正規関係ない。もはや青年労働者にとってこんな社会は必要ない。
 「革命」を真正面から言い切る青年労働者を生み出したのは、徹底した職場闘争の実践だ。労働者の階級性を信用せず、資本主義と折り合いをつける既成労組幹部と徹底的に闘い、仲間と格闘する中でつかんだ。3・18は自然発生的に組織されたわけではない。
 3・18には、国鉄分割・民営化と闘い、20年後もストを貫徹して合流した動労千葉、権力万能神話を40年の実力闘争で破ってきた三里塚反対同盟、「一人の首切りも許さない」を34年貫いて職場に戻った全金本山労組など、体制内運動を現実にのりこえてきた闘いが存在感を示した。
 革命は労働者階級の真の要求・実践だ。必要なのは自己変革。われわれ自身の壁を破ることだ。(本紙・片瀬涼)
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 訂正
 前号1面の全金本山労働組合の長谷武志委員長の発言で「さらに3年の再雇用をかちとった」とあるのは「和解協定をこえて再雇用を認めさせた。さらにこれを1年、2年、3年と再雇用を認めさせる闘いが残っている」の誤りでした。おわびし、訂正します。

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週刊『前進』(2288号2面2)(2007/03/26 )

 3・17大阪 イラク反戦国際行動

 梅田へデモ行進

 関西の労働者や学生、市民ら200人が3月17日、大阪の扇町公園でイラク反戦国際共同行動を行った。
 スローガンは「イラク戦争4周年弾劾」「ブッシュと安倍を倒せ」「世界の労働者の団結で戦争をとめよう」「憲法改悪阻止!9条を変えるな」「憲法改悪のための国民投票法案反対」。
 司会のA&U大阪の青年が開会を宣言。主催者を代表して「とめよう戦争への道!百万人署名運動関西連絡会」呼びかけ人の梶原義行さんがあいさつした。
 侵略戦争を4年間以上継続しているブッシュ、安倍を徹底的に弾劾し、憲法改悪を絶対阻止する決意を明らかにした。国民投票法案は、改憲推進のための言論弾圧・戒厳令法だ、阻止しようと呼びかけた。
 次に米国の反戦団体ANSWERから寄せられた連帯のメッセージを司会が読み上げた。
 続いて各団体がアピール。
 大阪市の日雇い労働者3000人の住民票の強権的な削除に反対する署名活動を扇町公園で行って闘争に合流した日本人民委員会が訴えた。
 関西合同労働組合日本管検工業分会は分会の全員が参加し、デッチあげ弾圧を完全に粉砕し、職場復帰をかちとり意気軒高と闘い抜いていると報告した。分会への支援カンパを司会が訴え、4万円集まった。
 全学連が翌日の東京・日比谷野外音楽堂での3・18全世界一斉デモを訴えた。百万人署名運動北摂連絡会、とめよう戦争!隊員家族と元自衛官連絡会、「日の丸・君が代」不起立を闘う教育労働者がアピールした。
 集会のまとめを百万人署名運動奈良県連絡会世話人の藤原好雄さんが行い、元気に梅田までのデモ行進に出発した。
 ドラムを持った青年労働者らを先頭にしたにぎやかで戦闘的なデモは沿道の注目を集め、大阪一の繁華街の梅田に集まった労働者に「ブッシュと安倍を倒せ」「世界の労働者の団結で戦争をとめよう」などと強烈に訴え、国民投票法案を暴露するビラを配布した。
 デモ終了後、3・22中央公聴会弾劾闘争などの闘争が提起され、改憲阻止闘争を強力につくり出すことを確認した。 
(写真 梅田までのデモで「ブッシュと安倍を倒せ」「労働者の団結で戦争をとめよう」と訴えた【3月17日 大阪】)

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週刊『前進』(2288号2面3)(2007/03/26 )

 AP通信が世界に3・18日比谷を配信

 AP通信が3・18日比谷を全世界に配信した。YAHOO!NEWS(写真)やインターナショナルヘラルドトリビューン(電子版)、ヘラルド朝日紙が写真や記事を載せている。「労働運動の力で革命をやろう」というスローガンが掲げられたことも紹介された。韓国のインターネットメディア「チャムセサン」も動労千葉のストと3・18日比谷を詳しく報道している

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週刊『前進』(2288号3面1)(2007/03/26 )

 労働者の階級的な力が解き放たれた

 動労千葉 春闘スト打ち抜く

 9カ月の組織攻防に勝利

 “最強木更津支部”旗揚げ

 動労千葉は3月17日から19日、館山運転区・木更津支区廃止攻撃への怒りの春闘ストライキを打ち抜いた。かけがえのない団結の砦(とりで)を丸ごと奪い去る大攻撃に対して動労千葉は、館山支部・木更津支部の揺るぎない団結を基礎に徹底抗戦を貫き、鉄の団結を一層打ち鍛えた。ここに労働者と労働組合が本来持っている力が鮮やかに示されている。(本紙・沢井 隆)
(写真 壇上に並んだ館山支部・木更津支部の組合員に「父ちゃんガンバレ」と寄せ書きされた檄布が家族会から贈られた【3月17日 春闘スト貫徹総決起集会】)

 “職場の実権は俺たちが握る”

 春闘ストのクライマックスは、18日に開催された館山支部、木更津支部の臨時大会だ。
 午前、館山支部は支部全員が集まって解散大会を開き、怒りと悔しさをバネに新たな闘いに打って出る決意を固めた。
 そして午後、場所を木更津市内に移し、木更津新運輸区での闘いにむけて木更津支部臨時大会が開かれた。館山支部の組合員も全員が合流した。
 「新しい職場の実権は俺(おれ)たちが握る」
 最も強く印象に残ったのは“新生”木更津支部の先頭に立った佐野正幸支部長の自信に満ちたあいさつだった。ここに、昨年7月の基地廃止提案から9カ月間に及んだ組織攻防戦での動労千葉の勝利が凝縮している。
 臨時大会のあいさつで田中康宏委員長は、「二つの拠点職場廃止の最大の狙いが動労千葉の団結破壊にある以上、最強の木更津支部、鴨川支部をつくることがわれわれの回答だ」と訴えた。
 長年勤務してきた職場を丸ごと奪われ、仲間がバラバラに配転されるという中で、組合員の間にさまざまな動揺が走っても当たり前だ。しかし館山支部・木更津支部は、徹底した討論を積み重ね、一糸乱れぬ団結でこの攻撃に立ち向かった。
 この当該職場の団結を基礎に、動労千葉は縦横無尽に闘いを展開した。あらゆる地元団体を回り、職場で連日の抗議闘争、休日勤務拒否闘争をたたきつけた。春闘山場の2月末の団交では“当局の回答いかんで、翌日から非協力闘争、指名ストに突入するぞ”と通告し徹底抗戦を貫いた。
 こうした動労千葉の力勝負の闘いを前に、居丈高な対応を続けていたJR千葉支社はガラッと態度を変え、「配転については、本人の希望を尊重する」と異例の回答をせざるを得なかった。ある館山支部の組合員は「今回は奇跡だよね」と語った。不当配転攻撃を完全にはね返したのだ。
 極限的な人員削減で、JRの現場はどこもギリギリで回っている。敵の側こそ危機であり、破綻(はたん)しているのだ。闘うことで初めて、そのことが見えてくる。職場の団結さえ揺るがなければ、どんな闘いだってやれる。原則を曲げずに闘えば必ず勝利できる。そのことをあらためて強く感じさせられた。
 動労千葉の9カ月間にわたる闘いが示したもう一つの大きな教訓は、労働組合が本来持っている力の大きさだ。

 動労千葉が怒りの結集軸に

 この数年間で館山の街からは、東京電力の営業所、気象庁の測候所、法務局、NTT、JR保線区など、公的な職場がどんどん撤退しているという。莫大(ばくだい)な利益を上げながら、「もうからないから」と内房線を切り捨てるJR東日本への怒りは強い。
 館山市や南房総市の市長、観光協会、旅館組合、商工会議所など、主だった地元団体はすべて動労千葉の館山運転区廃止反対闘争を支持した。昨年9月24日の地域集会では保守系の市長まで「やはり民営化はまちがいだった」と発言している。格差が急速に拡大し、地方切り捨てが強まる中で、このままでは野垂れ死にするしかない現実があるのだ。数年前までは、動労千葉がストライキを打つたびに観光協会は抗議文を持ってきたという。しかし07春闘ストライキは、地元の圧倒的な支持を受けた。JR当局は孤立をきわめた。時代が根底から変わってきているのだ。
 腐りきった労働組合の存在によって、こうした怒りの声が分散させられ破壊されている。
 しかし本物の労働組合が中軸に座ったとき、わき上がる怒りを解き放ち、一つにつなげ、社会を根底から変えることはまったく可能だ。
 動労千葉の闘いは、こうした労働組合が本来もっている力の大きさをまざまざと示した。

 青年労働者の反乱が始まる

 スト拠点となった各職場では「スト破りをやるな! 動労千葉とともに闘おう」という他労組の組合員に対する真剣なオルグが展開された。そして「スト破りなんか絶対にできない」と、多くの平成採の青年労働者が当局の動員を拒否して闘った。
 JR当局は、スト目前の17日朝まで動員に奔走し、最後には業務命令を出すしかないところまで追い込まれた。これもかつてない事態だ。
 4月から駅業務の全面外注化が始まり、10月からは運転士の駅への強制配転(「ライフサイクルの深度化」)が始まろうとしている。将棋の駒のように職場をたらい回しされ、矛盾のしりぬぐいをさせられる青年労働者の怒りは爆発寸前だ。
 JR体制はあらゆる面から矛盾と破綻をさらけ出している。こうした中で、動労千葉の基地廃止絶対反対の闘いと春闘ストライキは、したたかな威力を発揮した。

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週刊『前進』(2288号3面2)(2007/03/26 )

 “ベアゼロ打ち破れ”

 貨物協議会が総決起集会

 動労千葉は3月20日、「07春闘勝利! ベアゼロ打破!」を掲げて貨物協議会総決起集会を千葉市民会館で開催した。
 20日は賃上げ要求に対するJR貨物会社の回答日にあたり、君塚正治副委員長が集会後に対当局交渉に臨むという山場での集会となった。
 貨物会社は昨年まで7年連続のベアゼロを強行、しかも慢性的欠員が続き、貨物の労働者は就業規則に定められた休日さえ取ることができず、いったんダイヤが乱れれば2泊3日の乗務を強いられるようなとんでもない状況にある。人件費削減のためにベアゼロ、期末手当削減、諸手当削減とならんで新規採用まで削減した結果が、こんな事態を生んでいるのだ。
 集会では、この現状への怒りの発言が続いた。大竹哲治貨物協議会議長の主催者あいさつ、君塚副委員長の交渉報告に続いて、田中康宏委員長があいさつ。「ベアゼロも欠員問題も、95年日経連プロジェクト報告路線のもとで政策的に強行されている攻撃だ。会社と結託し、これを許してきたのがJR総連・日貨労だ」と怒りを表明、「日貨労解体・組織拡大に打って出よう」と訴えた。
 清水匠貨物協事務局長は基調報告で、要員問題で破綻をきわめる貨物会社の状態を全面的に明らかにし、この危機と矛盾の根源は、貨物会社に一切の矛盾をしわ寄せしてきた国鉄分割・民営化そのものにあること、分割・民営化体制打倒―組織拡大こそが勝利の道だと提起した。
(写真 各支部の決意表明では、現場に矛盾を集中する貨物会社への怒りが相次いだ【3月20日 千葉市】)

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週刊『前進』(2288号3面3)(2007/03/26 )

 “安倍に一矢を”

 動労連帯高崎スト

 動労総連合傘下の動労連帯高崎は3月18日、篭原運輸区で2人の組合員が指名ストに立ち、19日までの闘いを貫徹した。
 18日午前9時から、国労熊谷支部事務所前でスト突入集会が開かれた(写真)。あいさつに立った和田山繁委員長は、安倍・御手洗路線のもとで労働者が貧困に突き落とされている現実や、安倍が改憲に突進している現実を指摘し、「小なりといえど、われわれはストライキでこれに一矢報いたい」と戦闘宣言を発した。
 篭原運輸区では、安全設備の改善もせずに新型車両の導入や列車編成の長大化が強行された結果、列車が正面衝突しかねない重大事故も起きている。にもかかわらず入れ替え作業の外注化を策するJR東日本を弾劾して、和田山繁委員長は「安全のためにもストを貫徹する」と強調した。
 ストに立った組合員は、組合結成から20年の今こそ勝負の時だと決意を述べた。国労熊谷支部や熊谷地区労、国労闘争団員を始め、地域の闘う労働組合・労働者の連帯を込めた発言が続いた。
 その後、動労連帯高崎は熊谷駅前で宣伝行動を貫徹し、東京・日比谷野音で開かれた3・18全世界一斉デモに合流した。

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週刊『前進』(2288号3面4)(2007/03/26 )

 イラク反戦4周年闘争 全世界で反戦デモ

 ワシントン 寒波つき5万人結集

  

(写真 【左】「抗議から阻止へ」【3月17日 ワシントン】、【中】3・17ソウル、【右】3・16バグダッド、【下】3・17マドリード)

 イラク戦争4周年の反戦デモは、全世界で大高揚した。ワシントンを始め全米各地、スペイン、イタリア、ハンガリー、オーストラリア、ギリシャ、トルコ、キプロス、南朝鮮・韓国、チリ、スウェーデン、イラクなどで闘われた。
 アメリカでは17日、ANSWER主催で「抗議からレジスタンスへ」を掲げてワシントンで5万人の集会・デモが寒波襲来と当日の雪、風速32bの風の中で闘われた。飛行機も700便が欠航し、数千台の車が動けなくなったにもかかわらず、5万人がリンカーン・メモリアルから国防総省へデモを行った。
 集会には多数のイラク戦争帰還兵を始め現役の兵士やイラクで戦死した兵士の遺族、アメリカのムスリムが参加した。イラクで殺されたニコラス・ベルグさんの父親のマイケル・ベルグさん、息子をイラク戦争で殺されたシンディ・シーハンさんがブッシュの追放を呼びかけた。
 警察は厳重警備を行い、地下鉄やバスで来る人びとを阻止し、参加を妨害し、デモの途中から参加しようとした人も阻止された。各地でも警棒で殴る暴行が行われ、シアトルの南のタコマでは警官隊がデモ隊に催涙弾やゴム弾を撃ち込んだ。
 18日には、ロサンゼルスでもANSWER系デモが5万人、サンフランシスコでも4万人が6車線いっぱいを埋めるデモを行い、ニューヨークでも3万人がデモした。
 16日金曜日には3000人のキリスト教徒グループがホワイトハウスにデモをし、222人が逮捕された。19、20日にはシカゴを始め各地で、17日に天候のためワシントンに行けなかった人びとがデモを行った。
 17日、スペインのマドリードでは40万人が参加、戦争阻止や米軍グアンタナモ収容所の閉鎖を要求し、「マドリード人民はイラク人の味方だ」のスローガンも見られた。さらにバルセロナ2000人、セビリア500人など各地でデモが行われた。
 ヨーロッパでは、ハンガリーのブタペストで数千人のたいまつデモ、トルコのイスタンブールで数千人がデモ、ギリシャのアテネでは6000人が米大使館に抗議デモを行った。
 韓国では2000人がイラク占領の停止とイラク、アフガニスタンからの韓国軍の撤退を要求しデモを行った。大量の機動隊がデモの行く手を阻んだのに対し、実力で南大門から明洞へとデモで進撃した。フィリピン、台湾でもデモが闘われている。
 オーストラリアでは17日、メルボルンで1500人、シドニーで800人、ニューカッスルで200人、パースで400人と各地で抗議デモが闘われた。
 またイラク・バグダッドのサドルシティーで金曜日に、1万人のシーア派住民が米軍基地の開設に抗議して結集し、米軍の撤退を要求してデモを行った。

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週刊『前進』(2288号3面5)(2007/03/26 )

 欧州エアバス 数万人が一斉スト

 3・16 戦時下の労働者反乱

 全欧州で数万人のエアバス労働者が1万人削減計画に抗議してストライキと街頭デモを行った。
 エアバス社は、フランス4300人、ドイツ3700人、イギリス1600人、スペイン400人、合わせて1万人の人員を削減しようとしている(現在5万7千人)。

 3工場閉鎖・売却、50億ユーロ節約

 また全16工場のうち3工場を閉鎖あるいは売却し、3工場への新たな共同投資者を探している。外注化も考えている。
 こうして2010年までに経費を50億ユーロ(1ユーロ=約157円)を節減する方針だ。その上に2011年に20億ユーロ節減しようとしている。さらなる人員削減は不可避だ。
 エアバス社は、2006年の受注数でライバルのボーイング社に2000年以来初めて負けた。A380スーパージャンボの納入が2年も遅れ、補償金48億ユーロを払わざるを得ない。利益が10分の1に収縮した。ドル下落で収入が目減りした。何よりも新機種のA350やA380を製造するには巨大なコストがかかる。この危機の突破をかけた大量首切り攻撃だ。

 欧州労働者の声は皆同じ!

 大量首切り計画の発表直後から労働者は怒りの闘いに決起している。3月1―2日、ドイツとフランスでストライキとデモが闘われた。3月6日はフランスでスト。3月16日は4カ国でストとデモ。ドイツのハンブルクでのデモには2万5000人が立ち上がった。フランスではトゥールーズなど4カ所でデモが行われた。イギリス、スペインでも各工場の所在地でデモが行われた。
 欧州金属労働者連盟は「フランス、ドイツにおける傘下組合の組合員はみな行動に参加した。欧州レベルでは労働者は同じ声で話す」と団結の強固さを誇った。
 ストライキは、エアバスの親会社、巨大軍需産業EADSにも打撃となる。何よりもイラク戦争下の労働者反乱だ。3月17―18日の全世界一斉反戦デモに連帯し連動する行動だ。
 (藤沢明彦)
(写真 パワーエイトというエアバス再建計画=1万人首切りに抗議する労働者【ハンブルク 3月16日】)

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週刊『前進』(2288号3面6)(2007/03/26 )

 07春闘超低額回答許すな

 トヨタでわずか1000円

 春闘解体に動く連合中央打倒を

 07春闘は3月14日に民間金属大手の集中回答が出され、後半戦へと移った。(5面「資本攻勢&労働日誌」参照)
 マスコミは「2年連続賃上げ」とか言っているがとんでもない。史上空前の利益を上げ続けているトヨタで、わずか1000円の回答だ。
 このトヨタの超低額回答に合わせるかのように自動車、電機大手では最大でわずか1000円の賃上げという、本当に労働者階級をなめきった低額回答をダラ幹どもは受け入れてしまった。

 ストを全面否定

 今春闘で重要なことは、連合中央がこの超低額回答を受け入れただけでなく、春闘を解体し、労働運動を新たな産業報国会に変質させる動きが一挙に進行したことだ。
 第一に、各単組が建前としてのストライキすら公然と否定したことだ。
 電機連合は80年春闘での12時間スト以降、まったくストライキを行っていないが、建前上は春闘終盤に「スト回避基準額」を設定し、同額を下回る企業の労組はストを行うことにしてきた。
 だが、今年はスト回避額を下回ってもストライキは行わず、残業と休日出勤の無期限拒否で対応するとした。高木連合会長が会長をしていたUIゼンセン同盟も今春闘でのストライキを放棄した。
 電機連合の中村委員長は、「24時間ストというドスを突きつけて、これ以下の回答は認めないというやり方がいいのか。グローバル化の時代、成熟した労使関係をもっている電機にふさわしい戦術かといえば、そうとはいえない」などとうそぶいている。国益のためにはストライキを全面的に放棄するということだ。
 これは、1937年に日中戦争が始まったまさにその年の10月、全日本労働総同盟が「罷業(=ストライキ)絶滅宣言」を発し、国家権力と資本に「銃後生産力の増進」を誓ったのとまったく同じだ。

 統一闘争を解体

 第二に、春闘の最大の特徴である統一闘争を解体し、労働者階級の団結を破壊していることだ。
 電機の賃上げは500円で、それも一律ベアではない。特定の職種の労働者の額である。他の職種の労働者の賃上げはそれより低い。残りの500円は「賃金体系是正」などと称して諸手当のアップに割り当てるという。これでは、性別・年齢・職種によってまったくばらばらの賃上げになってしまう。団結否定そのものだ。企業ごとの格差も拡大した。松下電器にいたっては、賃上げはゼロで家族手当分として1000円の回答だ。
 中村は、「統一闘争は(今後)難しくなるのではないか。現状に合った闘争をどうするか論議を深めたい」などとこれを完全に容認している。
 これからは中小の春闘だが、今春闘は日帝・安倍=御手洗による4大産別を始めとした労働組合解体攻撃と、それに完全に屈服し迎合した連合中央・大手金属単産ダラ幹どもの許しがたい裏切りを鮮明に突き出した。
 動労千葉を始めとした闘う階級的労働運動を発展させることの中に、労働者の未来はある。

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週刊『前進』(2288号4面1)(2007/03/26 )

 共謀罪“修正案”ぶっとばせ

 「テロ等謀議罪」に名称変更

 治安弾圧法の正体偽装

 自民党法務部会小委員会は、2月27日に共謀罪「修正案要綱骨子(素案)」を発表した。その内容は共謀罪の治安弾圧立法としての本質を少しも変えるものではなく、むしろ一層露骨に押し出すものである。満腔(まんこう)の怒りをもって弾劾する。共謀罪法案は改憲攻撃そのものだ。改憲投票法案、教育4法改悪案とともに絶対に粉砕しよう。
(写真 「共謀罪廃案を!」真剣な提起、報告、討論に参加者は集中した【3月17日 東京・南部労政会館】)

 改憲投票法案と一体の攻撃

 03年3月の国会提出以来、共謀罪は10度の国会でも成立せず、昨秋の臨時国会では審議にすら入れなかった。このままでは廃案になるという危機意識を募らせた自民党法務部会が、なんとしても成立させることを狙って今回、修正案を出してきたのである。「思想弾圧」「表現弾圧」「労働者の団結権侵害」の共謀罪の反労働者性は今や、完全に明らかになっている。共謀罪法案は直ちに廃案にすべきだ。
 共謀罪を強行しようとする背景にあるのは、1月19日に「今国会で共謀罪を成立させる」と指示した安倍の強権政治である。今通常国会には、改憲投票法案や教育4法改悪案、労働法制改悪案と並んで、ゲートキーパー法案(弁護士密告制度)や、被害者を裁判に参加させる報復裁判法案(刑事訴訟法改悪案)、少年法改悪案など反動治安立法が目白押しだ。絶対に阻止しよう。
 自民党修正案は、共謀罪法案の狙いをむしろ明確にしたものである。修正の核心点は以下(1)〜(6)のとおりだ。(1)(2)が新しい修正内容であり、(3)以下は昨年6月に出した「与党最終修正案」と同じである。共謀罪が思想・表現・団結の自由を侵害し、労働者人民の生活と闘いへの警察の介入強化を狙うものであることを明白に示すものだ。
 (1)共謀罪の名称を「テロ等謀議罪」に変える。
 (2)適用対象犯罪を、これまでの「懲役4年を超える重大犯罪」から「テロ犯罪」「薬物犯罪」「銃器等犯罪」「密入国・人身取引等犯罪」「暴力団などの犯罪組織によって実行される恐れのある犯罪」など約130前後に限定する。
 (3)団体の定義を「結合関係の基礎としての共同の目的が『テロ等謀議罪』の対象犯罪等を実行する」団体に限定する。
 (4)共謀の意味を「具体的な謀議を行いこれを共謀したもの」にする。
 (5)共謀には「実行に必要な準備その他の行為」を処罰条件にし、目配せなどでは処罰しない。
 (6)運用上の留意事項として「思想・良心の自由等、憲法の保障する自由・権利の不当な制限の禁止」を明確化する。

 反動的な狙いは一層明白に

 新たな修正点である名称変更は、共謀罪反対の批判と運動が政府与党を相当追い詰めたことの結果ではある。だが、このやり方は1999年、盗聴法を「通信傍受法」と言えとマスコミに強制して一夜にして強行採決した政治手法と同じだ。
 名称変更と対象犯罪の限定は、共謀罪新設の唯一の根拠としてきた国際的(越境)組織犯罪条約の趣旨を大きく逸脱しており、条約批准をたてにして、ほとんど別の法律をつくるに等しい。
 この条約の本質は、国際階級闘争の弾圧であるが、建前はマフィアなどを想定した組織的犯罪の取り締まりであり、「テロ対策」などではまったくないのだ。
 しかも「テロ」の規定は、日本では02年に制定されたカンパ禁止法の「公衆等脅迫目的の犯罪行為」以外にない。これだと、たとえばパレスチナ政権であるハマスの経営する病院へのカンパなどはすべて当てはまる。このように日本でも警察がどうにでも規定できる代物なのである。
 要するに「テロ対策」という名で、労働者人民のあらゆる闘いの鎮圧という目的が前面に出てきたのである。
 しかも、規定されている130前後の罪種の中には、警察が労働運動や反戦闘争の弾圧に使うものがたくさんある。逮捕監禁(団交)、建造物侵入(トイレの落書き)、詐欺(争議の解決金など)、傷害などだ。それらを共謀段階、その前提である謀議の段階で取り締まろうとしている。これが第一の問題である。

 成立後さらに改悪する魂胆

 第二の問題は、対象犯罪に「越境性」という限定をつけることを修正案はあくまで拒否していることである。
 共謀罪は条約刑法ともいうように国際的(越境)組織犯罪条約にもとづく国内法化である。条約はあくまで「国際的・越境性」をもった「組織的犯罪」を取り締まることをもって1990年代後半に準備されたものである。「国際的・越境性」という限定を拒否することは、あらゆる国内の運動を弾圧の対象とする狙いをあらためて示したものだ。
 第三の問題は、修正案を一度成立させてから「当初の条約目的に沿って適用範囲を拡大する」ことが不可避だということである。これは治安立法の常套(じょうとう)手段で、ゲートキーパー法も同様だ。
 この3年間、国会審議で政府・与党は「条約には『懲役4年以上が重大犯罪』と規定しているから、罪種で限定はできない」とかたくなに言ってきたのである。それをあっさり変更している。この間の政府答弁はなんだったのか。
 まずは小さくとも作って、のちのちに拡大してゆくという魂胆が見えすいている。昨年6月2日、細田国対委員長が民主党案を丸呑みしようとした時に、「まずは成立させて、秋に本来の共謀罪に修正すればよい」と自民党を説得に回ったことを忘れてはいけない。
 「現代の治安維持法」=共謀罪は、実行行為ではなくその前の段階、話しただけで罪に問うという新しい刑事罰体系の本格的な導入である。
 自民党修正案をとおして見えるものは、朝鮮侵略戦争の切迫情勢と、改憲攻撃にかけた敵階級の階級意思であり、日帝の政治・経済危機の治安問題化である。共謀罪を絶対に廃案にしよう。

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週刊『前進』(2288号4面2)(2007/03/26 )

 東京 「戦争と治安」で討論会

 反撃の陣形固める

 3月17日、160人が結集して東京・品川区の南部労政会館で「戦争と治安管理に関するシンポジウムV」が開催されました。01年、03年に続き3度目です。
 まず足立昌勝関東学院大学教授からシンポの目的について提起された後、荻野富士夫小樽商科大学教授が「治安維持法と思想動員―歴史から現在を検証する」と題して記念講演を行いました。
 荻野氏は9・11以後の現在が1930年代前半、「満州事変」(中国侵略戦争)後の排外主義熱が高揚した時代、大正デモクラシーが終焉(しゅうえん)しファシズムへと急速に傾斜していく時代と似ていると指摘しました。そして、家永三郎氏の『太平洋戦争』から学ぶとして、当時、排外主義のまん延と治安立法による表現の抑圧、公教育の権力統制が戦争を阻止できなかった原因にあると指摘しました。
 特に、国内では治安維持法により数十人が拷問死させられたが死刑はなかった。しかし、植民地「満州国」では、2000人近い人が死刑(銃殺)にされたと推定される。また公教育の統制は、結局「児童の能力や心理を無視しても」天皇制教育や国民鍛錬をする、学徒動員や勤労動員を行うという形で、「家庭」の役割の強調と学校教育の停止に終わり、教育として崩壊したことを明らかにしました。
 そして現在も東京都の教育委員会を中心としながら新たな教育統制と抑圧が進行しており、これと闘うことの重要さを指摘しました。
 これに続き、シンポ全体の問題提起として「共謀罪を廃案へ」中村順英弁護士(日弁連共謀罪等立法対策ワーキンググループ)、「憲法改悪阻止の課題」武内更一弁護士、「教育『改革』との闘い」見城赴樹氏(都教委包囲・首都圏ネット)、「労働契約法と共謀罪」永嶋靖久弁護士の各報告がなされました。
 また、全逓大崎郵便局の労働者が28年ぶりに最高裁で勝利し3月15日原職復帰をかちとった非常にうれしい特別報告があり、全員の拍手でたたえました。同時に関西生コン支部弾圧被告3人も登壇し、無罪獲得に向けたアピールを行いました。
 この後、以下の4分科会に分かれ、反撃に転じていく進路をみんなで語り合いました。@宮本弘典関東学院大教授らを提起者とした「戦争・治安・思想動員の現在」、A関西生コン支部や法政大学生らが弾圧の実態を報告した「治安管理と弾圧のエスカレーション」、B精神科医の岡田靖雄さんらによる「新たな予防拘禁法?の到来」、C海渡雄一弁護士らが提起した「反”テロ”法と治安管理の国際化」。夜8時まで活発な提起と討論が進められました。
 (投稿/迎賓館・横田爆取弾圧裁判被告団・板垣宏)

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週刊『前進』(2288号4面3)(2007/03/26 )

 志賀原発 臨界事故隠し許すな

 すべての原発を停止せよ

 1999年6月、北陸電力の志賀原発1号機(石川県志賀町、沸騰水型、出力54万`ワット)で、商業軽水炉では世界初の臨界事故が起きていたことが3月15日に分かった。北陸電力は8年間もこの重大事故を報告・公表せずに隠蔽(いんぺい)し対策を放棄してきた。
 事故は同年6月18日午前2時17分過ぎ、定期検査中で運転を停止していた原子炉で、89本ある制御棒のうち3本が制御弁の操作ミスで60a〜150aも落ちたことから始まる。そのため同18分43秒に核反応が始まって臨界状態になった危険を知らせる警報が中央制御室で鳴った。また原子炉自動停止信号が出されたにもかかわらず、制御棒を元に戻す安全装置が正常に作動せずに自動停止できなかった。
 その後、原子炉建屋内で作業員らが手動で調整弁を操作するなどして約15分後の33分にようやく制御棒を元の挿入状態に戻すことができた。定期検査のため原子炉圧力容器や格納容器のふたが開いた状態で15分間も原子炉は臨界状態に達したにもかかわらず、制御不能になり、異常を伝える警報が12回にわたりひっきりなしに鳴るという緊迫した状態だった。
 この3カ月後、東海村JCOの臨界事故が起きたが、志賀原発の事故は一歩間違えば燃料棒の破損、放射能放出、作業中の労働者の被曝・死亡、周辺住民にも被害をもたらす大惨事となるものだった。重大な原子炉緊急停止失敗事故であり、原子炉暴走から炉心融解というスリーマイル島原発事故やチェルノブイリ原発事故のような最悪の事態すら考えられたのだ。
 このように制御棒が抜け落ちる重大事故が、ほかにも東北電力と中部電力、東京電力の計4カ所の原子力発電所で定期検査中に起きていたことがその後、次々と明らかにされた。
 このような電力資本の原発事故とその隠蔽の多発は、日帝の原子力政策と電力自由化政策のもとで引き起こされている。日帝は独自の核武装化を目指し、05年決定の原子力政策大綱では核燃サイクルの推進と「30年以降も総発電電力量の30〜40%程度以上の供給割合を原子力発電が担うことを目指す」と政策目標を掲げている。また95年の電気事業法改悪で電気事業にも資本による競争原理が導入され、00年改悪では区域外の電力会社も含めて新規参入者に対して、需要の約3割を占める大工場や大口需要家に対する電力の販売を自由競争にした。電力会社の生き残りをかけた競争の中で、本州最小規模の北陸電力は、99年8月に出力135・8万KWの志賀原発2号機の工事着工を目前にしていた。
 資本は競争に勝ち抜き利益を得るために労働者に矛盾を押しつけ、安全問題を切り捨てていくのだ。こんな電力資本・帝国主義はぶっ倒すしかない。その立場に立った労働組合・労働者の職場生産点での不断の闘いによってしか安全は守れない。動労千葉のように闘う労働組合を職場につくりだそう。すべての原発を停止させ、廃炉にしよう。

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週刊『前進』(2288号4面4)(2007/03/26 )

 階級的労働運動の前進へ

 労働者党の建設を推進し07年改憲阻止決戦闘おう

 革共同第22回拡大全国委総会は、「党の革命」の第一段階を根底的に総括し、06年11月集会から07〜08年の基本路線を提起し、21世紀世界革命を担う主体へ党を押し上げた(『共産主義者151号』)。その核心は〈党は階級そのものである〉〈階級の敗北は党の敗北であり、党の敗北は階級の敗北である〉との自己認識への到達(第3報告)と、世界革命の現実性と党建設の展望を明らかにしたことである(第1、第2報告)。ここではとりわけ前者の意義について考えたい。

 戦後主体性論争の革命的な継承

 「第3報告」は〈第1章 党は階級そのものである〉で始まる。この核心は、「労働者階級が団結して闘うことがいかに巨大な力を生むか、支配階級を震撼(しんかん)させているか」「動労千葉がそれを実現してみせた」のであり、「この労働者自己解放の力が革命の現実性であり」「革共同だけがその路線を持っている」ということだ。そしてそのことによって、戦後革命と主体性論争という、戦後マルクス主義の原点での歴史的問いかけに、ついに解答を与えきった。
 @既成指導部や、「党の革命」への反対派における、その反動性の核心は「労働者階級への不信」にある。では、日本労働者階級とはどんな存在であるのか?
 それは『改憲攻撃と労働者階級』の大谷一夫論文や「第3報告」で生き生きと再現されているように、戦後革命期の闘いの戦闘性、革命性に体現されている。(さらに「07年1・1アピール」で、「革共同創成の三つの源泉」として50年代後半の闘いを鮮明にさせた。)
 日本の労働者階級は、敗戦直後から朝鮮・中国人民の蜂起的決起に導かれ励まされつつ、生きるために労働組合を結成し、燎原(りょうげん)の火のように生産管理闘争に突き進んだ。46年春と47年2月(2・1スト)、波状的に権力奪取情勢に上りつめた。これに恐怖した日帝支配階級と米帝・GHQ(連合軍総司令部)はブルジョア国家の肉を切る憲法(9条と社会権・労働権)を制定せざるを得なかったのだ。これが日本労働者階級の実力であり、魂である。革共同は、この未完の革命をともに成就するために結成された。
 Aこれは思想的には、戦後主体性論争を継承・発展させることだった。
 丸山眞男著『日本ファシズムの思想と運動』(48年)から始まる主体性論争は、戦前の日本共産党スターリン主義の転向と惨憺(さんたん)たる敗北、その結果としての15年戦争―アジア太平洋戦争への痛苦な反省の上に立って、それを許した主体的責任を問うた。”そのマルクス主義には根本的な欠陥があるのではないか”とするマルクス主義の戦後的再生への模索が始まった。
 なぜ日本の労働者階級が敗北したのか? それは、天皇制白色テロルに屈した党が、階級と命運をともにすることから逃亡し、階級的責任を放棄した瞬間から始まった。逆に言えば、敵の攻撃はこの階級と党との結び目(団結)の破壊に集中された。「靖国」とは、破壊した結び目の「空隙(くうげき)」を結ぶエセ家族的な「死の共同体」思想である。
 主体性論争は、「当時の弾圧下では仕方なかった」「階級的実践と切断して内心の安心立命に閉じこもる」という惰弱さを許さず、「獄中18年の栄光の笑み」で自己批判抜きに再登場しようとした日本共産党を激しく直撃する高さをもっていた。
 いざという瞬間に階級と手を切り、ブルジョア思想に屈従してしまう「マルクス主義」とは何なのか? それは哲学的には主体性(決意や階級的実践)の契機が位置づかない客観主義である。”生産力と生産関係の矛盾を動力として社会は動く、とマルクスは説いている。ならば自分が闘わなくても大勢に影響はない”という、マルクス主義の客観化が転向への道を敷きつめた。
 B戦後主体性論争の革命的継承とは、過去の道徳的断罪ではなく、単なる哲学的批判でもない。日本共産党の敗北の核心にある、スターリン主義によるマルクス主義の根本的破壊との全面的対決ということである。(なお、小ブル観念論者・黒田寛一は、この主体性論争をかすめ取れると錯覚し完全に破産。ファシスト頭目の絶望的な道を歩み、国粋主義を満展開して階級の弾劾の中で最悪の死を遂げた。)

 プロレタリア自己解放の思想

 ここでのマルクス主義の核心は〈プロレタリア自己解放〉である。労働者は社会の主人公であり、その自己解放を唯一の動力・水路として資本主義を打倒し、諸階層とともに全人類を解放していく。この思想と運動こそがマルクス主義だ。
 そこにおいて〈主体〉とは労働者階級であり、階級の組織された団結である。このことを基軸にすえきったときに、帝国主義の階級分断攻撃、排外主義と差別主義を打ち破り、諸戦線的領域における自己解放の究極的勝利の道筋がくっきりと開かれてくるのである。
 Cなお、革共同は第6回大会(01年)で、戦後主体性論争が提起した問題について「革共同の『党活動の三原則』は百パーセントこの領域でのひとつの解なのである」(第6回大会第5報告)と言い切っている。

 動労千葉労働運動の階級的意義

 ここに立つことで、労働運動と党を限りなく一体的な主体としてとらえることができ、戦後階級闘争の立体的叙述に成功した。われわれの運動と闘いの今日的到達点として、動労千葉労働運動の階級的意義をはっきりさせた。これが「第3報告」〈第2章〉である。
 @「党は階級そのもの。階級の敗北は党の敗北であり、党の敗北は階級の敗北である」とは、2度と敗北しない、21世紀革命に必ず勝利する宣言であり、革共同の今日的到達点である。
 だが同時に、このように断言しきるためには、ひとつの断絶的跳躍がある。革共同創成の志が63年3全総〈戦闘的労働運動の防衛と地区党建設〉として全面的に実践され、70年闘争の爆発の中で動労千葉に結実された。この動労千葉労働運動の発展が、03年階級的労働運動路線(新指導路線)として党を獲得し、この動労千葉の実践と〈労働組合の革命論的意義〉を土台とし、「党の革命」をもって初めて切り開き得た地平なのだ。
 A〈第2章〉は「第8節 革共同の歴史的勝利の二つの核心」として、第一に動労千葉労働運動の意義を圧倒的に確認する。ここでの展開は実は『共産党宣言』の論理そのものである。
 『宣言』は階級を主題として、第1章でプロレタリアートの階級闘争が「団結」(労働組合)を生み出し、「政党」を生み出すものとして展開され、第2章では、党を主題にして「共産主義者は階級全体の利害から切り離された利害を持たない」ことをはっきりさせ、第3章以下で他の政党の体制内運動を全面的に批判していく。

 体制内労働運動との決別かけて

 以上の実践的結論として「第3報告」全体でもって、体制内労働運動ときっぱりと決別して階級的労働運動を貫こう、とはっきりさせたことだ。
 @「動労千葉労働運動は理念としては分かるが、体制内労働運動と決別できない」ためらいとの格闘が全力で始まり、青年を軸に、すごいエネルギーが解き放たれ始めている。
 かつて総評は戦闘的に「闘った」。しかしその総結果が今日の「ワーキングプア」ではなかったのか。なぜか? 体制内労働運動方針のために、労働者階級の膨大な怒りとエネルギーが雲散霧消させられたからだ。
 Aレーニンは1912年のプラハ協議会路線(階級的労働運動路線×革命的議会主義×機関紙と労働者細胞建設)でロシア革命への道を切り開いた。そしてここでの最大の問題を「第2インターとの決別」においたがそれは今日も真実だ。
 B労組権力はいま、連合・全労連によって本質的には資本と国家に奪われている。これを労働者階級の手に取り戻すのが「労組権力の奪還」だ。ここで〈党―労働組合―ソビエト〉の絶妙な関係の主体をなす労働者細胞建設の中にこそ、革命とその後の社会建設の道筋と現実性が存在する。
 07年は世界史的な闘いの時となった。日本経団連会長「御手洗ビジョン『希望の国、日本』」は、「残された時間は10年程度に過ぎない」と日本滅亡の危機におびえ、その突破に労働者階級への極限的搾取と労働組合解体を柱とする一大攻撃を宣言し、「憲法改正をめざす」を結論にしている。敵の側から政治と経済を一体化させて攻撃してきているのだ。
 労働者党建設を推進基軸に猛然と07年改憲阻止決戦に決起しよう。青年・学生の力を先頭に、全労働者の団結で戦争を止め、世界を社会を変えるために立ち上がろう。
 (川中充久)

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週刊『前進』(2288号4面5)(2007/03/26 )

日誌'07 3月14日〜20日

 イラク開戦後の民間死者6万

 公聴会開催を与党が単独決議

●イラク特措法、反対69% 朝日新聞が実施した全国世論調査(10、11日)によると、7月に期限が切れるイラク復興支援特別措置法を延長し、イラクへの自衛隊派遣を続けることに「反対」が69%を占めた。「賛成」は19%。イラク戦争の評価は「誤りだった」が75%にのぼった。(15日)
●志賀原発、臨界事故隠しが判明 北陸電力の志賀原発1号機(石川県志賀町)で、99年の定期検査中に、挿入されていた制御棒3本が外れ、停止していた原子炉が一時、核分裂が続く臨界状態になっていたことが分かった。すぐ緊急停止信号が出たが制御棒は元に戻らず、臨界状態は制御棒が戻るまで15分ほど続いた。(15日)
●投票法案の公聴会を与党単独決議 衆院憲法調査特別委員会は、国民投票法案について、法案採決の前提となる22日の中央公聴会の日程を、自民、公明両党の賛成多数で決めた。(15日)
●原子力艦災害も対象 米海軍横須賀基地への原子力空母ジョージ・ワシントン配備に伴う安全対策で、横須賀市と在日米海軍司令部、同横須賀基地司令部が締結する「災害時相互支援協定」に、原子力艦船の事故を対象に含むと明記されたことが分かった。「原子力艦の事故は極めて想定し難い」としてきた米軍がこうした協定を結ぶのは前例がない。(16日)
●F22が緊急着陸 米軍嘉手納基地で、F22Aラプター戦闘機1機の緊急着陸があった。F22の緊急着陸が確認されたのは、2月に同基地に暫定配備されて以来、初めて。(16日)
●PAC3、都内で運用 防衛省は、3月末に国内で初めて航空自衛隊入間基地(埼玉県)に配備する弾道ミサイル防衛(BMD)の地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)について、発射機やレーダー装置などの装備を自衛隊の市ケ谷、練馬駐屯地にも展開する方針を固めた。PAC3には半径約20`という防護範囲の制約があり、首相官邸や国会、中央省庁など首都の防衛のため。(17日)
●北朝鮮資金、全額返還へ 6者協議の米首席代表のヒル国務次官補は、マカオの銀行で凍結されていた北朝鮮関連口座について「できるだけ早く全額を返還することで北朝鮮と合意した」と述べた。(19日)
●イラク特措法2年延長を表明 政府は、航空自衛隊のイラク派遣の根拠法であるイラク特措法について、期限を2年延長する法案を自民党国防関係合同会議で説明し、了承された。安倍首相は「イラクの政治情勢、治安の状況、国際社会の取り組み等を勘案した上で2年間の延長を判断した」と語った。月内に閣議決定方針。(20日)
●米「核の傘」の概要提示要請へ 防衛省は、北朝鮮などの核の脅威に備えるためなどとして、日本が核攻撃を受けたり、核攻撃の脅威にさらされたりした場合、米軍がどのような場面で核兵器使用を判断し、日本側にどう伝達するのか、具体的な概要を示すよう米政府に求める方針を固めた。防衛省は将来、米国の核兵器部隊の運用についても、日本有事における自衛隊と米軍の共同作戦計画に反映させたい意向。(19日)
●イラク開戦から4年 03年のイラク戦争の開始から4年経った。派遣部隊は26カ国約17万7千人。各国駐留軍の累計死者数は、米軍3225人、英軍134人、その他124人。民間死者は、米英NGOイラク・ボディーカウントの推計で、約5万9千〜6万5千人。米CNNの最新の世論調査によると、イラク戦争の展開に「自信がある」との回答は35%。開戦時の83%から4年で48ポイント低下した。(20日)

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週刊『前進』(2288号5面1)(2007/03/26 )

 免許更新制で闘う教員排除

 全教科で「愛国心」教育狙う

 教育関連4法改悪を阻もう

 改悪教育基本法を具体化するための教育関連4法改悪案が、今月30日に閣議決定され、国会に提出されようとしている。安倍政権が政権の最重要課題に掲げる「教育再生」攻撃に真っ向から立ち向かって闘おう。教育労働者を先頭に教基法改悪反対闘争の高揚を引き継ぐ国会闘争に立ち上がり、改憲投票法、労働契約法もろとも成立を阻もう。

 日教組つぶしに大反撃を

 安倍政権は、衆院に特別委を設置して教育関連4法改悪案の審議を急ピッチで進めようとしている。常任の文部科学委員会では審議が週2日に限定されるが、特別委なら定例日にとらわれず審議できるからだ。教基法改悪を押し通したのと同じ方法だ。参院選を前にして6月23日の会期末は延長できない。教育労働者を先頭に国会闘争を巻き起こせば、4法改悪を阻むことは可能だ。
 提出されようとしている4法改悪案の中身を見てみよう。まず、教員免許法と教育公務員特例法の改悪案である。
 (1)これまでは取得したら生涯有効であった教員免許を、これから免許を取得する者のみならず現職教員も含めて10年ごとの更新制とする。国鉄分割・民営化で国鉄労働者に襲いかかった「いったん全員解雇・選別再雇用」が、10年ごとに何度も襲いかかる。しかも「刷新すべき資質能力と講習内容を明示し、それが確実に身に付いたかを適切に判定するための明確な認定基準」をつくる。修了確認を受けられなかった者の免許状は失効し、職を奪われる。
 (2)「指導が不適切な教員」を認定し、研修を受けさせる。研修終了時に「不適切」と認定されたら免職。これは、すでに都道府県ごとにつくられてきた「指導力不足教員」制度などを法律で定めて、より実効性を持たせるものだ。
 (3)分限免職された者は教員免許を剥奪(はくだつ)される。これまでは分限免職されても他の自治体や私立学校に就職できたが、教員免許を奪われたら、生涯教壇に立つことはできない。
 「指導が不適切な教員」として排除の対象となっているのは、「日の丸・君が代」強制に反対するなど、愛国心教育・戦争教育に抵抗する教育労働者だ。
 東京では今、「日の丸・君が代」不起立で1回でも処分を受けた教員は全員、定年退職後の嘱託に採用されない。他方、いわゆるハレンチ事件などで処分を受けた教員でも嘱託に採用されるケースはある。「君が代」不起立で闘う根津公子さんも、家庭科の授業で軍隊慰安婦問題を取り上げたことを理由に「指導力不足等教員」に認定されそうになったことがある。彼らの狙いは、闘う教育労働者の排除だ。
 学校教育法の改悪案では、改悪教基法の〈教育の目標>を踏まえて、義務教育の目標に「規範意識」「国を愛する態度」などを盛り込む。これを学習指導要領の改訂に連動させ、戦争教育・愛国心教育を現場に貫徹しようというのだ。学習指導要領の改訂作業では「形式・内容両面にわたる道徳教育の見直し」「国語、社会、音楽、美術での伝統・文化教育」などが強調されている。愛国心教育や道徳教育を全教科で強制するということだ。義務教育だけでなく幼稚園から高校まで、愛国心と規範意識をたたき込む教育に大転換させるものだ。
 合わせて、副校長、主幹、指導教諭を設置しようとしている。すでに東京では教頭が副校長とされ、主幹も新設され、昨年4月には「職員会議で挙手や採決によって教職員の意思確認を行ってはならない」と指示する通知にまで行き着いている。これらはみな、現場労働者の団結を破壊することが狙いだ。現場から職場支配権を奪い去り、上意下達の職場支配体制をつくろうとしているのだ。

 文科相が教委に直接「指示」

 地方教育行政法の改悪案では、自治体の教育行政に国が直接介入して、教職員組合を弾圧することが狙われている。教育委員会とはそもそも、国家の直轄支配のもとで「国のために命を投げ出せ」とたたき込んだ戦前の教育を否定して確立された、改悪前の教基法10条を具体化するために構想された制度だった。しかし1956年に地教行法が制定され(教育委員の公選制を廃止して任命制に変えた)、文部省→都道府県教委→市町村教委という国家統制の仕組みが作られた。そして今や政権政党や首長の言いなりの教委がほとんどだ。それでも安心できず、自治体の教育行政に国家が直接介入しようとしているのだ。まさに戦争をやる国家に全面転換するための攻撃である。
 今回の改悪案は、直接には文科相に教育委員会への勧告・指示権を持たせるものだ。安倍は文科相の勧告・指示権に関して、以下の内容とするよう指示を出した。@いじめなど児童・生徒の生命、身体の保護のため緊急の場合は、従わなければただちに法違反となる「指示」ができる、A必修科目の未履修など憲法上の「教育を受ける権利」が侵害されている場合は、「指示」に比べて教委に裁量の余地がある「是正要求」ができる。
 その内実はとんでもない。
 自民党は今、「北海道教職員組合問題プロジェクトチーム」を立ち上げて北教組バッシングに躍起になっている。問題にしているのは、昨年12月に道教委が実施した「いじめ調査」に対して、北教組が「調査の中身に問題がある。教員が目を通せない形で集められるのはおかしい」として協力しなかったことだ。こうしたことが、「児童・生徒の生命・身体の保護のため」の名目で、文科相の「指示」により強制されることになる。
 学力テストの強制も同じだ。愛知県犬山市教委は、今年4月24日に行われる全国一斉学力テストに参加しない方針を決定している。北教組も協力しないよう各支部に指示している。こうしたことが「憲法上の教育を受ける権利を侵害するもの」の名目で「是正要求」の対象とされるのだ。
 このように、全国一斉学力テストや「日の丸・君が代」の強制などに反対している教職員組合が職場支配権を保持している自治体に対して国家が介入し、強権で従わせ、教職員組合の非協力闘争・抵抗闘争を違法行為として弾圧することが狙われているのだ。

 国会闘争に駆けつけよう

 攻撃の核心は、日教組組合員を現場から排除することであり、日教組を壊滅することである。教育労働者の団結をばらばらに解体しない限り、改悪教基法にもとづく戦争教育を学校現場に貫徹できないからだ。
 この重大攻撃を前にして、日教組本部は、4法改悪とは一切闘わずに神本美恵子の参院選を唯一の方針にしている。教基法闘争を引き継ぐ闘いを巻き起こし、闘う日教組の再生へ突き進もう。
 核心は、教育労働者の闘う団結を職場からつくり出すことだ。改悪教基法と教育関連4法改悪に対決する闘いを職場から巻き起こそう。新級=新職設置や人事考課制度・業績評価制度、4月の全国一斉学テなどの一つひとつの攻撃に対して、職場の団結を強化することを総括軸に闘いを巻き起し、国会闘争に駆けつけよう。
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 教育4法改悪案の内容(中教審答申より)

教員免許更新制の導入・「指導が不適切な教員」の免職(教員免許法と教育公務員特例法の改悪)
@教員免許更新制の導入(教員免許法の改悪)。教員免許状の有効期間を10年間に。10年ごとに30時間程度の更新講習を受け、修了確認を受けられなかったら免許状は失効。適切に修了認定を行うため明確な認定基準をつくる
A「指導が不適切な教員」に研修を実施。終了時に「指導が不適切」と認定されたら免職(教育公務員特例法の改悪)
B分限免職処分を受けた者の免許状は失効(教員免許法の改悪)

学校の目的・目標の見直しや学校の組織運営体制の確立方策等(学校教育法の改悪)
@学校の目的及び目標の見直し 規範意識/公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画する態度/伝統と文化を尊重/我が国と郷土を愛する態度/家族や家庭の役割/勤労を重んじる態度 など
A学校評価制度の導入
B副校長、主幹、指導教諭を設置
C大学等の履修証明制度

教育委員会の改革(地方教育行政法の改悪)
・児童生徒の生命や身体の保護のため緊急の必要がある場合や、憲法に規定された教育を受ける権利が侵害されている場合は、「是正の要求」に加え、国が地方公共団体に対し指示等を行えるようにする
・国における第三者機関が、学校や教育委員会の活動の評価を行う

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週刊『前進』(2288号5面2)(2007/03/26 )

 全逓4・28被免職者 28年ぶりに職場復帰

 勝利バネに民営化粉砕へ

(写真 現職復帰の場に労組交流センター全逓労働者部会や全金本山労組が駆けつけ、勝利を喜び合った【上・3月15日 大崎局/下・16日 向島局】)

 「28年ぶりに職場復帰をかちとったぞ!」
 全逓4・28被免職者の職場復帰が次々とかちとられている。多くの闘う全逓労働者や支援者が駆けつけ見守る中、歴史的な勝利を決定づける原職復帰が実現したのだ。
 04年6月30日の東京高裁での逆転勝利判決、そして今年2月13日の最高裁での公社側の上告不受理決定によって、当局の処分攻撃は完全に粉砕された。28年に及ぶ被免職者と闘う全逓労働者の現場からの闘いが敵を追い詰め、原職復帰という歴史的勝利をもぎりとったのだ。
 1978年から79年にかけて闘われたマル生攻撃(生産性向上運動)に対する越年物ダメ闘争は、郵政当局による組合つぶし攻撃に職場から反撃し、体制を揺るがす闘いとして全逓労働運動史上最も戦闘的に闘われた。
 この闘いに恐怖した当局は79年4月28日、58人の懲戒免職を含む8000人を超える不当処分を出してきた。この処分に震え上がった全逓中央は完全に路線転換し、連合移行後の91年には反処分闘争の終結と被免職者の組合員権のはく奪という犯罪的な暴挙に出たのだ。
 4・28闘争の勝利は、「10月民営化」を目前にしてその破産が突き出されている郵政公社を直撃している。さらにこの4・28闘争をとことん踏みにじり、全郵政との組織統合をもって闘う全逓の最後的解体に踏み込む連合全逓中央を完全に追い詰めている。
 今回の被免職者の原職復帰の大勝利を新たな出発点として、連合全逓打倒の職場闘争をとことん闘おう。積もりに積もった現場労働者の怒りをたたきつけ、民営化粉砕の一大決戦に立ち上がろう。

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週刊『前進』(2288号5面3)(2007/03/26 )

 阻止しよう!改憲投票法

 8・15実行委が討論集会開く

 3月10日、「戦後50年を問う8・15労働者・市民の集い全国統一実行委員会」主催の「阻止しよう! 改憲投票法案討論集会」が、渋谷勤労福祉会館で行われた。
 まず、百万人署名運動の西川重則事務局長が国会傍聴報告を行い、改憲投票法案の狙いは憲法9条2項の削除にあることを強調、改憲のための投票法案を国際連帯の力で阻止しようと訴えた。
 鈴木達夫弁護士が、弁護士会の闘いを紹介しながら、改憲投票法案の内容を暴露した。まず国会法改正案の重大性を指摘した。憲法96条(憲法改正の手続)では衆参両議院で3分の2の賛成がなければ改憲の発議ができない。この条件をクリアするために、両議院合同の憲法審査会を設置してそれぞれの審査会に「勧告」できるとしている。これは、衆議院の改憲勢力の力で参議院の野党をねじ伏せることを可能とする仕組みだ。また法案が成立すれば、秋の臨時国会から憲法審査会の作業部会で憲法改正の原案に関する「調査」がただちに始まる。
 法案の中身については第一に、公務員・教育者の運動禁止を弾劾した。原案にあった罰則規定を削除したが、行政処分による実質的な公務員・教育者の運動を弾圧する本質は変わらない。自治労・日教組の解体を狙った攻撃である。
 第二に、「組織的多数人買収罪」の新設により、あらゆる労働組合、市民団体の反対運動を弾圧する。例えば労働組合が集会に参加した組合員に交通費を渡しても罰せられると指摘した。
 第三に、マスコミの問題である。有料広告は野放しで、無料広告は国会の広報協議会で規制。マスメディアを改憲派が独占し、無料広告も改憲派が多数を占める広報協議会が細かく規制して、日本中を改憲賛成の大宣伝の洪水にし、反対運動を弾圧するということだ。
 集会のメインとして、大東文化大学助教授で憲法学者の井口秀作さんが講演した。井口さんは、法案は国会法改正とセットにした「憲法改正手続法」であると指摘した。また国民投票で「改憲の是非を問う」とか、「護憲のため」であるかのように言う意見に対しては、法案はあくまで「国会の発議」した改憲案に賛成かどうかを問うのであって、国民投票で否決したからといって護憲派が勝利したことにはならないと説明。また最低投票率を規定しないのは、反対運動を押さえつけて投票にも行けないような状況を想定しているからだと指摘した。
 最後に、憲法と人権の日弁連をめざす会代表の高山俊吉弁護士が、改憲手続法案の成立を阻む4・11行動への総結集を訴えた。
(写真 発言者の提起に熱心に聞き入り、改憲投票法絶対阻止の決意を固めた【3月10日 渋谷勤労福祉会館】)

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週刊『前進』(2288号5面4)(2007/03/26 )

 闘う弁護士が呼びかけ

 4・11に改憲反対行動

 「憲法と人権の日弁連をめざす会」(代表/高山俊吉弁護士)が主催して、「改憲手続法の成立を阻もう/4・11行動」が以下の要領で行われる。
    ◇
 @4月11日(水)正午から国会前行動。
 A午後6時半から東京・霞が関の弁護士会館2階講堂「クレオ」で集会を開催。講師は東大教授の高橋哲哉さん(ちくま新書『靖国問題』著者)。「公務員、教育者」の現場からのアピールも。
 Bその後7時半から「1000名デモ」。
    ◇
 4・11行動は、安倍政権と自・公両党が改憲投票法案を12日に衆院特別委で、13日には本会議で与党単独でも強行採決しようと狙っている緊迫した状況下で、これと真っ向から対決する行動だ。
 「めざす会」は、「自衛軍創設・人権抹殺の改憲に向けた手続法に絶対反対の意思を国会につきつけよう」と、大結集を呼びかけている。

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週刊『前進』(2288号5面5)(2007/03/26 )

 東京「日の丸・君が代」闘争

 もう処分はやめろ!

 3・30抗議行動へ

 新たな不起立が広がる

 改悪教育基本法のもとでの初の卒業式を、全国の教育労働者が誇りも高く闘いぬいている。東京では卒業式における「日の丸・君が代」不起立闘争が大きく広がった。都立高校の卒業式がほぼ終了した3月18日時点で、30人近くが不起立・不伴奏を貫いた。そのうち約20人が初めての不起立である。「障害児」学校や小・中学校の卒業式で、不起立はさらに拡大しようとしている。
 3月19日には、町田市立鶴川第二中学校で働く根津公子さん(昨年の卒業式で停職3カ月処分を受けた)と、都立八王子東養護学校で働く河原井純子さん(同停職1カ月処分)が卒業式を迎え、ともに不起立を貫いた。根津さんの学校では、校長が当日の朝になって、ただひとり根津さんだけに職務命令を発するという異常な状況だった。2人は20日、処分発令の執行停止を求めて東京地裁に提訴した。
 都教委は3月29日の定例会で処分を決定しようとしている。これ以上の重処分を許してはならない。3月30日、「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会が呼びかける、処分発令抗議・該当者激励行動に駆けつけよう。
   ◇  ◇
3月30日(金)午後1時〜総決起集会(全水道会館・水道橋駅下車)/1時30分〜抗議・該当者激励行動(都教職員研修センター前)/4時〜記者会見(全水道会館)

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週刊『前進』(2288号5面6)(2007/03/26 )

資本攻勢&労働日誌 2007 3・7〜3・17

 労働契約法案などを国会提出

関西合同労組関西トランスポート分会に勝利命令(7日)=前号記事参照
男性の結婚率、「正規」と「非正規」で2.5倍差 厚労省は、「21世紀成年者縦断調査」の結果を発表。20〜34歳で仕事をしている独身男性のうちこの3年間に結婚した人の割合は、「正規」が15.2%、「非正規」が6.3%と約2.5倍の開き。また妻が「正規」の場合、「非正規」に比べ子どもが生まれた割合が約2倍に。(7日)
グッドウィルで組合結成 全国ユニオンに加盟する派遣ユニオンは、日雇いのスポット派遣事業の大手グッドウィルに組合結成を通告した。(9日)
労働契約法案などを閣議決定 政府は、労働契約法案、労働基準法改悪案、最低賃金法改悪案を閣議決定し、国会に提出した。(13日)
春闘、金属大手に集中回答 金属労協(IMF・JC)に加盟する大手労組の春闘要求に、経営側の回答が一斉に示された。(14日)=要旨別掲
御手洗の春闘発言 日本経団連の御手洗会長は金属大手回答について「国際競争力や収益力、支払能力などを勘案しつつ、労使で話し合った結果」などと語った。(14日)
大手私鉄、ベアゼロ 私鉄総連加盟の大手私鉄15労組に春闘回答。ベアゼロで、一時金への上積みを示す内容。組合は受け入れる見通し。(15日)
電力が妥結 全国の電力会社の春闘は北陸電力を除く9社が、組合員平均で500円の賃上げを実施することで妥結した。ベアは見送り、30歳以下が中心の若年層に対象を限定した「賃金改善方式」を初めて採用。(15日)
NTT労組が妥結 NTTグループ主要8社の賃上げ交渉は2人以上の子どもを持つ社員の扶養手当の月1000円引き上げで、8年ぶりに月例賃金を実質的に上げることで妥結。(15日)
JRグループが回答 JRグループ3社は今春闘の回答を提示。東海はベア600円で妥結。ベアは6年ぶり。東日本は、900円のベア回答。西日本は6年連続のベアゼロ回答。(15日)
日教組が中央委員会 日教組は、東京で中央委員会を開いた。教育関連法案に阻止方針を掲げず、組合員から批判の声が上がった。(16日)
動労千葉がスト 動労千葉が19日まで3日間のストライキに突入した。(17日)=記事3面
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 金属大手の07春闘妥結状況

自動車労連    
  賃上げ 一時金
トヨタ自動車
1000
5カ月+79万
日産自動車
原資6700
6カ月
ホンダ  
900
6.6カ月
●電機連合
賃上げ 
賃金体系是正
日立
500
10月に見直し
東芝 
500
500
三菱
500
500
NEC
500
500
富士通
500
500
500
0
松下
0
1000
三洋
要求せず
 
ビクター
0
1000
●基幹労連(鉄鋼、造船)    
  中間年のため交渉なし  

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週刊『前進』(2288号6面1)(2007/03/26 )

団結ひろば 投稿コーナー

 アメリカ争議に連帯お礼のメールに感動 東京 松木 広

 「電話をかけ寝てる仲間はたたき起こした。このことを知った仲間もまた、とても驚くと共にたいへん興奮した様子だ」アメリカの労働者からお礼のメールが来ました。ピケラインの仲間にも写真を配ったそうです。
 3月14日の東京労組交流センターと動労千葉、動労千葉を支援する会の連帯行動に参加した時、私はこんなに喜ばれるとは思いもしませんでした。高級金管楽器の製造会社、コーンセルマーの日本代理店、横浜の野中貿易への「スト破り・組合破壊の中止を同社に要請してほしい」という申し入れでした。
 同社は50歳以上の労働者のリストラなどの攻撃をかけています。UAW364という組合のストは1年近くになります。
 野中貿易は最初、インターホン越しに「要請文をポストに入れておけ」という態度でしたが、30人来ていると伝えると驚いて対応に出てきました。(写真上左)
 同じ日、アメリカのブルーダイヤモンド社の東京支社にも行きました(写真上右)。この会社は世界最大のアーモンド会社で、日本が最大市場です。組合がなく、ひどい労働条件のこの会社で、ILWU(国際港湾倉庫労働組合)の組合結成活動が行われています。ILWUは、去年の11月集会で発言されたクラレンス・トーマスさんの組合です。
 会社は、労働者を解雇して労働委員会で違法と裁定されても、また首切りをやっています。しかし日本支社の人は、交流センターの申し入れを本社に伝えると約束しました。ILWU組織局の方から「多大な努力に深く感謝する」と連絡が入りました。
 2社への行動は両方とも初めてですが、国境を越えて気持ちが通じました。職場の闘いは同じ。職場は世界につながっていると実感しました。

 「民営化、いい」と言う人はまったくいない 東京・三多摩 中原一朗

 杉並で「区の全事業民営化反対」の署名運動をしています。「山田区長が区のやっている全事業を民営化しようとしています。それに反対する署名です」と声をかけると多くの人が“何ごとか”と立ち止まる。区民の生活が一番影響を受けるのに、ほとんど区民には知らされていないのだ。
 ちょっと前までのように「民営化? いいんじゃない」という人はまったくいない。「小泉改革」の本質が、首切りと生活破壊に過ぎなかったことが、労働者家族なら痛いほどわかっている。「介護・医療・福祉・教育など、私たちの生活にかかわるすべてのことが、資本の金儲けの道具になってしまいます」と訴えると、聞いてくれた人全員が署名してくれた。
 少女時代に東京大空襲を経験した女性は「戦争賛美の教科書を通した次に、働く人のクビを切るなんて。そんな区長はやめてほしい」と言った。
 また病気の姉を介護している70代の女性は、採算の取れない介護施設は閉鎖されてしまうという私の説明に「これからいったいどうしろというの」と署名してくれた。
 山田の民営化計画が実行されたら、労働者のストレスは高まり、入所している高齢者への虐待は増えるだろう。4月区議選で「9条改憲反対・首切り民営化反対」を貫く北島邦彦氏の当選をかちとらなければならない。
 最後に、三多摩の星野再審署名街宣で出会ったある女性は「最近ほんとに何かしなくちゃいけないと思っている。ブッシュや安倍がのうのうとして、星野さんが獄中にいるような社会は絶対におかしいよ。ひっくり返そうよ」と言っていた。そのとおり! がんばろう。

 青年労働者の提起に涙が止まらなかった 千葉 千林雪江

 やったよ!! そのとおりだよ! 青年労働者の基調提起に私は感動で涙が止まらなかったよ!!
 3・18集会が「世界革命の出発の日だ」と、後世に言えるような日として創り出してくれた感謝の涙でもあるんだよ。
 基調提起というのもシックリこないね。世界革命・日本革命のすばらしいアジテーションだったよ。だって、日比谷野音をうずめた人たち全部を、青年労働者が丸ごと革命派に獲得しきっちゃったんだよ。それだけでなくて、参加者全員が、今日から自分の手で革命に着手しなくっちゃと固く心に誓って全国に散った。そして参加者は、昨日までの自分と、今日からの自分は、3・18を境目にしてガラッと変わってしまった。少なくとも2070人の革命家を青年の革命的アジテーションが生み出した。そのことは、確信をもって言えます。
 新年号の青年労働者座談会で「50人の本気で革命をやろうという青年がいたら、革命を起こせる」と言っていたのは真実です。AさんやB君、あと48人できたら本当に革命をおこせる。それを3・18が創り出してしまったと言っても過言ではありません。それを一番感じ取ったのが、あの消耗しきった権力。顔面蒼白でした。そして右翼です。
 私たち年寄りの仕事は、3・18で革命をやろうと心に誓った人たちに、本当に革命の事業にいっしょになって「着手」させること。「労働運動の力で革命をやる」ことに命をかけられる労働者を次々と創り出すために、私はコヤシになってもいいと思いながら基調提起を聞いていました。
 本当にありがとうね。ともに勝利しよう!

 『前進』編集局と読者の交流会やりました 青年 どきんちゃん

 先日、編集局のAさんと数人でお茶しました。そのまま機関紙交流会(?)となりました。
 正身は45分ぐらいでしたが、ギッシリ中身はありました。変則勤務な私たちは、真っ昼間にこんなことやってます。
 出てきた意見は/○○を倒せ!など読み始めたときはこわかった/『前進』作ってる人がやさしそうでよかった/固い文体がマッチョ/用語辞典をつくってほしい/部数を増やすには、ぜひ解説なくてもみんなが読める新聞にしてほしい/赤旗や社民の新聞との競争に、見た目で負けないように工夫を/はじめての人でも一人で読めるようになるとオルガナイザーとしての全国政治新聞の力が発揮されると思う/文字で伝えるより写真で伝えて/お便りコーナーを拡げて/自分の産別の記事が出てるとまず読むし、隣の人にも話を持ち出しやすい/元気じゃないと読めない新聞/いつも同じでしょ/「障害者」の記事をたびたびとりあげてくれて、自分も労働者の対象になってるんだなと思ってうれしかった/読めるようになると、テポドンなど大きなニュースの次の週の新聞がどう書くのか待ち遠しい。自分がテレビ見て、混乱して、分断させられようとしてたのを、連帯を貫くことができるようにしてくれた。
 Aさんからは/みんながつくる新聞なので、もっともっと書いてネ/若い人が読み手から、書き手になってほしい/とお話し。
 各地、各職場でも、どんどん編集局をまじえて会合をやるのは、いいと思いました。つくっている人の顔が見えたのは、よかったです。

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週刊『前進』(2288号6面2)(2007/03/26 )

 星野同志への刑の執行停止 特別抗告の棄却弾劾

 星野奪還大運動の飛躍へ

 3月14日、最高裁第3小法廷(堀籠幸男裁判長)は、星野文昭同志の刑の執行停止を求める特別抗告の棄却を決定した。怒りをこめて弾劾する。
 星野同志の母美智恵さんが、昨年末に入院を余儀なくされ、病床から星野同志に会いたいと訴え、星野同志も美智恵さんを見舞いたいと強く願った。家族・親族も、全国「救う会」の支援者も、労働者人民も、生きて親子を会わせたいと熱望した。沖縄闘争を闘って、不当にも32年もの獄中闘争を強いられている星野同志、星野同志をとりもどすために全国の人びとに懸命に訴え続けてきた美智恵さん。この親子を会わせたいという、当たり前の人間的感情を、最高裁は一顧だにせずふみにじった。断じて許すことができない。

 またたく間に全国に広がる

 星野同志を一時的にでも徳島刑務所から出所させろという闘いは、1月23日、星野同志と再審弁護団による東京高等検察庁への「執行停止請求」と、家族による徳島刑務所長への「母を見舞うための外出・外泊申請」から始まった。闘いを開始するや、またたく間に全国に広がっていった。
 「星野文昭さんを救う会」の一人の会員がハンストに立ち上がった。東京高裁前に陣取ったハンストは、リレーハンストとして継続され合計46日間闘い抜かれた。数万枚のビラがまかれ、執行停止をもとめる「上申書」署名は、用紙が置かれた机の前に列ができるほど集まった。東京高検に提出した「上申書」は2278通に上る。国会議員の「要望書」も8通提出した。71年11・14闘争の現場、渋谷・東急本店前でも街宣を繰り広げた。
 星野同志と妻の暁子さん、兄治男さん、弟修三さんが先頭で闘った。沖縄から知花昌一さんが、関西・豊中、徳島などから支援者がかけつけた。東京各地区、神奈川、群馬、埼玉の「救う会」は連日決起した。
 「刑の執行停止」を求める闘いは、文字どおり「星野奪還」闘争であった。2カ月の激闘の地平の上で、さらに「執行停止」を実現するために徹底的に闘おう。この闘いを星野同志奪還闘争の大飛躍に転じていこう。

 即時・無条件に釈放して当然

 星野同志は無実であり、即時・無条件に釈放されて当然だ。にもかかわらず、獄中闘争はすでに32年に及び、判決確定後の「懲役」期間も20年にもなった。入院している母に会うことすら国家は禁じてきている。
 この非人間的で言語道断な弾圧は、日帝・安倍政権の改憲攻撃・戦争国家化攻撃そのものだ。
 日帝は、体制崩壊的危機の中で、治安弾圧体制の戦時型への転換を強行している。刑法改悪で有期の最高刑を30年に引き上げたり、無期懲役の判決が著しく増加しているように、「厳罰化」攻撃が一挙に進行している。また「仮釈放」の数は激減の一途だ。
 この戦争・改憲、労組破壊攻撃との闘いの爆発こそ、星野同志奪還の道だ。再審闘争と救援運動の大前進を闘いとろう。「上申書」署名をあらゆる人たちに訴え、圧倒的に集めよう。

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週刊『前進』(2288号6面3)(2007/03/26 )

 辺野古からの報告

 “人間問う闘い” インタビュー

 地元から基地建設を糾す

 Bさん(64)は基地建設予定地・辺野古の隣にある久志区に住む。海上阻止行動の際には全国の支援とともに過酷なカヌー隊に参加し続けた。
 「地元の誘致派の中には『阻止行動をやっているのはよそ者ばかりだ』と誹謗(ひぼう)する人びともいた。そういう連中に『地元の人間こそ先頭で阻止行動をやるべきでしょう』と示したかったんだ」と屈託なく笑う。
    ☆
 ――新沿岸案の感想は?
 それ以前の米軍再編そのものが問題だと思っているんだ。政府はこれを沖縄の基地の整理・縮小、負担の軽減だと言う。じぁあレンジ10の実弾射撃訓練や久志岳にある廃弾処理場など以前から地元が苦しめられている問題は放置されたままじゃないか。昨年5月から久志岳に迫撃砲弾が打ち込まれ始めた。その上に沿岸案でしょう。どう考えても基地機能の強化でしかない。
 ――前からこの地域は演習ヘリの騒音がひどいと聞きましたが?
 爆音についてはこの地域は無灯火訓練の通り道にされている。無灯火で何も見えないから不気味だよ。今、沿岸案で問題になっている「住宅地域の上を飛ばない」なんて笑ってしまう。今、現に飛んでいるものすら規制できないくせにね。
 ――現在、北部地域が抱える基地被害や騒音問題についてもっと糾弾すべきですね。それが沿岸案批判にもつながる。
 そう。最近の特徴としてはシュワブ沖合に頻繁に揚陸艦が出現するようになった。イラクとの関係だろうね。またAH1型やCH53などのヘリがしょっちゅう飛んで来るようになった。これがものすごくうるさい。これに住民が慣れてしまうことが恐い。米軍はそのためにわざとこの辺にヘリを飛ばしているかもよ。
 ――島袋名護市長が沖合への移動修正案を政府に示したことに市民の怒りが高まっています。
 旧辺野古沖合案が浮上した際に騒音測定のためにCH53ヘリがデモフライト(空中停止運転)をしたことがあったよね。このフライトした位置が今回の市側が移動するように求めている位置とほぼ同じなんだ。この時は最大80 を超えていたそうだ。
 人が静かな生活を営む限界は45 と言われている。80 といえば防音装置を住宅に施さなければとても住めないぐらいうるさいということだ。
 市の修正案がなぜ住民の安全や健康を保障することになるのか。なぜ沖縄だけ、こんなことがまかり通るのか。住宅上空を直接飛ぶかどうかだけに問題を切り縮めるなと言いたい。健康に住めなければ意味がないよ。
 ――いよいよ第2ラウンドが始まりますが、今後の闘いについて一言。
 振興策が米軍再編基金で出来高払いになったでしょう。それまでは基地建設はいいよ、というだけで金が落ちてきた。今後はそうじゃない。「沖縄の人間も政府と一緒に基地建設の推進のために反対派を一緒にやっつけろ」と。「そうでなければ銭も振興策も沖縄には落ちないよ」と言う。
 ――ボーリング調査が実力闘争で粉砕されたことへの政府の総括ですね。
 そうね。交付金で最悪の場合、振興策ほしさに地元の誘致派の住民が反対運動に石を投げて襲いかかってくるという厳しい局面も覚悟しなきゃならんかもな。
   ☆
 最後になぜBさんはそこまで闘えるのか、失礼を承知で聞いてみた。
 「僕はベトナム戦争時代に沖縄で演習した米兵たちが出撃してやらかした虐殺のひどさを忘れない。今はイラクでやっている。これは人間性が問われる闘いだ。人殺しに加担するのはいやだという想像性が大事だろうね」ときっぱり語り、自宅から見える辺野古の海に目を移した。
 (聞き手/大津五郎)

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週刊『前進』(2288号6面4)(2007/03/26 )

新刊紹介 『共産主義者』152号

 革命論を鮮明に階級的労働運動路線提起した木崎論文

 本号は、階級的労働運動の現場実践に役立つもの、特に青年労働者・学生に21世紀革命への決起を深く確信づける内容をめざして企画・編集された。
 安倍・御手洗の戦争と民営化攻撃が4大産別における労働組合運動の解体に焦点をすえて襲いかかっている中で、労働者階級はこの階級決戦をどう闘えば勝てるのか。展望はどこにあり、具体的に職場や地域で何をすればよいのか。この課題にこたえる理論的・実践的格闘の成果である。
 第一に、政治局の1・1アピールと木崎同志の巻頭論文において07年決戦を闘う基本路線を全面的に提起している。
 1・1アピールは、〈党の革命>をへて、ついに革共同がプロレタリア自己解放闘争に徹頭徹尾立脚した〈階級的労働運動路線で21世紀革命実現を>の革命路線を樹立するに至った画期的な論文である。木崎同志はこれをふまえ、実践の最前線に身をおきつづけてきた指導部として、具体的教訓を交えた決戦論・革命論へと高めている。しかも青年労働者・学生に焦点をあて、決起の革命性を確信しきった地点からの総括・方針提起である。ぜひとも、この両論文をセットで読み込んでもらいたい。

 学習会に最適の2つの論文

 第二に、組合活動家はもちろん、広く学習会を組織するための武器として徳井同志の労働契約法批判と秋月同志の帝国主義論学習講座(上)がある。
 徳井論文では、労働契約法の条文解釈的な批判にとどまらず、マルクス主義の基本原理と戦後階級闘争史から問題をとらえ返した。労働契約法が日本階級闘争の戦後的獲得物の一掃をかけた攻撃、階級的攻防に支配階級の側から歴史的決着をつけようとしている大攻撃であることを明らかにし、いかなる改良主義的譲歩もありえず革命的決着しかないことが突きだされている。労働契約法を根底的にとらえたときに、日本の資本家階級がもはや歴史的生命力を喪失しており、労働運動の力で革命をやることだけが現実的なのだということが明白になる。
 さらに秋月同志の学習講座は、レーニン「帝国主義論」の真の革命的威力を復権させた。「帝国主義論」のこれまでの読まれ方を超えて、秋月同志はマルクス主義基本文献学習シリーズ『レーニン「帝国主義論」』(島崎光晴著)の地平をさらに革命的に深化させた。レーニンの主眼はどこまでも労働運動実践にあり、ごく一部の労働代官(日和見主義潮流)を打倒して労働運動の革命的発展をつくりだすことにあったという核心を洗い出した。日和見主義潮流の階級的性格を明らかにし、その彼らを現場労働者の手で打倒することでプロレタリア革命の勝利が一気にたぐり寄せられることを示した。ここに「帝国主義論」の真骨頂があるのだ。しかも秋月同志は今日的データをふんだんに盛り込んで、学習会に最適の平明なテキストに仕上げている。
 第三に、階級的労働運動路線における不可欠の課題として、沖縄闘争および「障害者」解放闘争の論文を掲載した。

 沖縄奪還論の新たな地平

 沖縄県委員会論文は、プロレタリア自己解放闘争をがっちりと総括軸にすえて、沖縄奪還綱領を再構成・再確立した重要論文である。
 また吉沢同志の「障害者自立支援法」批判は、闘争現場からの勝利感に満ちた渾身(こんしん)のアピールである。「障害者」抹殺攻撃の実態がよくわかり、それへの怒りがわき上がってくる。
 本号は盛りだくさんの内容となったが、闘いの前進ゆえである。有意義な活用を期待したい。

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週刊『前進』(2288号6面5)(2007/03/26 )

 日程 水嶋控訴審第2回公判

 3月30日(金)午後3時開廷
 東京高裁715号法廷

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