ZENSHIN 2007/03/19(No2287 p06)
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週刊『前進』(2287号1面1)(2007/03/19 )
青年労働者先頭に警察・右翼圧倒し都心デモ
次は3・25三里塚全国闘争だ
イラク反戦4周年日米韓国際連帯
“革命やって戦争とめよう”
改憲投票法案阻止へ闘いを宣言
イラク侵略戦争の開戦から4周年の3月18日、米韓を始め全世界の闘い、動労千葉のストと連帯して、東京・日比谷野音でイラク反戦集会とデモが行われた(実行委呼びかけ)。青年労働者・学生を先頭に全国から2070人が結集した。「革命やって戦争とめよう」という確認のもと、集会後、権力・右翼の妨害を粉砕して都心デモを打ちぬいた。次は3・25三里塚闘争だ(2面にアピールと要項)。全国から総結集しよう。
イラク開戦から4年。あのとき初めて反戦デモに参加した青年労働者たちが職場や街頭で闘いを開始し仲間を組織した。
会場の演壇後方には「労働運動のチカラで革命やろう」という真っ赤な横断幕が掲げられた。その前で、青年労働者・学生が次々と力強く発言した。
「職場を回しているのは労働者という自覚を持てない労働組合はダメ」(自治体労働者)
「現職死亡で死んだ仲間よりも労使関係が大事なのか。悪循環を断ち切るためには革命しかない」(全逓労働者)
「一番許せないのは闘う方針を出さない組合。外注化と人員削減にまったく反対しない。引きずり下ろして現場の力に依拠した組合をつくる」(都労連労働者)
「不当労働行為を認める画期的な勝利命令をかちとった。風穴を開けた。団結して正規・非正規の壁を打ち破ろう」(関西合同労組・関西トランスポート分会)
「ベトナム戦争の時、全軍労がB52を止めた。労働者には基地を停止する力がある」(辺野古で闘う青年労働者)
「40人の逮捕をすべて粉砕した。弾圧は敵の危機の現れ。彼らは自分の墓を掘っている」(退学処分を受けた法大生)
(写真 “ブッシュと安倍たおせ”とどろく イラク侵略戦争・軍事占領を許さず帝国主義打倒へ。3・18集会全参加者が心をひとつにしてインターナショナルを斉唱【日比谷野音】)
“労働運動の力で革命やろう”
集会は「きょうは侵略戦争を終わらせ、ブッシュと安倍を倒す日です」という織田陽介全学連委員長の開会あいさつで始まった。
まず動労千葉の清水匠執行委員が、前日から闘っているストライキを報告した。「労働者の団結を取り戻し、闘いの隊列を」と11月労働者集会の1万人結集を訴えた。
都立高校の教育労働者は、卒業式で昨年を上回る「日の丸・君が代」不起立者が決起していることを報告した。闘いを抑えつける日教組本部を弾劾。自分の4月の誕生日には「さようなら石原、安倍を」と呼びかけた。
憲法と人権の日弁連をめざす会の森川文人弁護士は、改憲一直線の道をつくる国民投票法案の阻止を提起。「権力者は焦っている。逆に私たちにとってはチャンス」として革命家チェ・ゲバラの言葉を引用し、訴えた。
福祉労働者が組合結成を報告。「労働者が世界を動かす力を持っている。団結すれば職場も世界も変えられる。勉強して議論して労働組合をつくった」と語った。
医療労働者が、基調となる2007年3・18アピールを発した。
「労働者こそ社会を動かしている。ひとつに団結したら、支配の鎖を引きちぎれる。労働運動の力で革命をやろう」「青年労働者に怒りが充満している。資本家は、青年の半分を非正規雇用にし、偽装請負やダブルジョブを強いてきた。体制内労働運動こそ青年を売り飛ばし、殺してきた。革命は、青年が最も欲する闘争方針です。労働者階級の時代が来た。ちゅうちょなく革命を」
農民を代表して、三里塚芝山連合空港反対同盟がズラリと登壇した。事務局長の北原鉱治さん、敷地内の市東孝雄さん、萩原進さんが労農連帯を表明し3・25闘争への大結集を呼びかけた。
とめよう戦争への道!百万人署名運動の川添順一さんは「百万の署名を集め、革命を組織する」と決意を語った。
12000日の闘いで解雇撤回・職場復帰した全金本山労働組合は、さらに3年の再雇用をかちとったと報告。全金本山の旗を職場に掲げ続けると宣言した。
国労5・27臨大闘争弾圧被告の羽廣憲さんは「国労本部の弾圧は、逆にわれわれの武器になる。裁判で国労本部の腐敗を暴き、打倒する」と力強く語った。
全逓労働者がまとめを提起した。「革命は労働運動の真の要求・実践です。壁を壊して、仲間を、行動を組織しよう」
解放感あふれ銀座をデモ
青年労働者と学生が先頭でデモに出発した。「労働者の力で安倍を倒せ」「資本家はゴミ箱へ」――メッセージボードや旗、のぼりを林立させて、銀座を行進した。
途中、右翼の宣伝カーが突入してきて怒号と弾劾の声が入り交じり、周辺は騒然とした状態に。妨害をうち破り、銀座中の注目を集めてデモは打ちぬかれた。
「主張がストレートで良かった」「こんなデモは初めて■やってやるぜ」「ひとりの力は微力だけど、団結すればすごい力になる」。集会もデモも初めての人の感想だ。
「あの日から革命が始まった」――後世の歴史にそう記されるに違いない、歴史的集会だった。
3・25三里塚闘争を闘い、改憲投票法案絶対粉砕と統一地方選勝利を軸に4−5月闘争に進撃しよう。(次号に続報)
(写真 青年を先頭に怒りのデモが爆発。銀座に「解放区」が出現した)
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週刊『前進』(2287号1面2)(2007/03/19 )
動労千葉 基地廃止に怒りのスト
“組織攻防戦に勝利した”
(写真 スト貫徹総決起集会には会場の通路までぎっしり埋める組合員と支援が結集。 動労千葉は一糸乱れぬストライキで鉄の団結を示した【3月17日 千葉市】)
動労千葉は3月17日から19日までの3日間、JR東日本所属の全組合員を対象とした春闘ストを打ち抜いた。
17日午後から各職場で順次ストライキに突入した組合員は、午後6時から千葉市文化センターで開かれた07春闘スト貫徹総決起集会に続々と集まってきた。支援する会、多くの青年労働者・学生も駆けつけた。会場は300人の参加者でぎっしり埋め尽くされ、熱気にあふれかえった。
激励が続々と
あいさつに立った田中康宏委員長は「今回のストライキは、館山運転区・木更津支区廃止という許しがたい組織破壊攻撃への、動労千葉の怒りの回答だ」と、多くの組合員が首をかけ、血と汗を流して守り抜いてきたかけがえのない団結の砦(とりで)への破壊攻撃にあらためて激しい怒りを表明した。
そして「館山・木更津の両支部の一糸乱れぬ団結を基礎に、ありとあらゆる闘いを展開し、不当配転を完全に粉砕した。この闘いをとおして動労千葉は一皮むけて、さらに強い組合に生まれ変わった」と、9カ月にわたる組織攻防戦に勝利したことを高らかに宣言した。
集会には三里塚反対同盟の北原鉱治事務局長、動労千葉家族会も激励に訪れた。
各支部代表の発言では「スト破りは絶対にできません」と当局の動員を断固拒否して頑張っている平成採の青年労働者の闘いが紹介された。また千葉駅頭街宣で「よくぞストに立ってくれた」と動労千葉を激励する声、差し入れなどが無数に寄せられていることも報告された。動労千葉本部には、ストへの抗議電話は一本もなく、寄せられているのは激励の電話やメールばかりだという。
“最強支部に”
ストライキ2日目の18日には、午前に館山支部臨時大会を開いて支部解散を確認するとともに、午後には木更津市内で“新生”木更津支部の臨時大会が開催された。
木更津支部は、館山運転区から異動した組合員が合流して組合員が倍増、佐野正幸支部長を先頭とする新たな執行体制をうち立てた。新設される木更津運輸区に乗り込む強固な体制を打ち固め“木更津支部を動労千葉最強の支部にしよう”と全参加者が誓い合った。臨時大会の最後にあいさつに立った佐野支部長は「新しい職場の実権を握っていく」と、スト直後から始まる新たな攻防の先頭に立つ決意を表明した。
原則貫き勝利
動労千葉の3日間にわたる春闘ストライキは、この間の激しい組織攻防戦の勝利を宣言し打ち固める闘いとして、堂々と打ち抜かれた。
JR当局による館山運転区・木更津支区廃止提案から9カ月。二つの拠点職場を丸ごと廃止するという攻撃は、けっして生やさしいものではない。だが動労千葉は、最大の組織破壊攻撃を完全にはね返し、逆に組合員の結束をいっそう打ち鍛え、不当配転をはね返す大きな勝利をもぎり取った。職場の団結を基礎に据えきり、原則を貫きとおして闘えば、必ず展望が開けることを、現実の闘いをとおしてあらためて実証したのだ。
動労千葉の闘いに続こう。自分の職場で、動労千葉のように闘おう。
(写真 “職場の実権は俺たちが握る”木更津支部臨時大会で新執行体制を確立し新たな攻防へ【3月18日 木更津市】)
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週刊『前進』(2287号1面3)(2007/03/19 )
おことわり
3・18闘争と動労千葉ストの報道特別号として、発行を遅らせました。
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週刊『前進』(2287号2面1)(2007/03/19 )
3・25三里塚へ 市東さんの農地守れ!
三里塚反対同盟の訴え(下)
攻防は今が山場だ 事務局次長 萩原進さん
市東さんの農地強奪の策動、東峰の森伐採、クリーンパークの埋め立てなど矢継ぎ早にかけられてきた攻撃は、どれもNAA(成田空港会社)が北延伸を完成させると言っている09年に照準を合わせている。しかし、もし彼らの思いどおりにできたとしても、空港は「理想」とはほど遠い一層ぶざまな姿になるだけだ。東峰の森をつぶしてできる誘導路は、滑走路を2度も横切る曲がりくねった第二の「への字誘導路」になる。結局、反対同盟、反対派農家をつぶさないとどうにもならないことを敵も知っている。だからあせっている。ここに勝機がある。
空港会社の利益のために農地をつぶす。このやり方に今の日本の農政が象徴されている。食料、土地、自然環境……人が生きていく上で守らなければならないことより企業の利益が優先するのか。われわれのやっていることの方が数段上の「公共性」をもっている。
しかも成田空港は今、軍事空港として本格的に使われようとしている。アメリカはイラク占領が失敗し、北朝鮮に対しては直接軍事的に手を出すゆとりがなくて「協議」という形になったが、その分日本が先兵になって排外主義をあおり、ミサイル配備計画など日米共同で侵略態勢に入った。
そのとき成田空港は兵たん基地として決定的役割を果たすことになる。戦争が起きたとき、自治体労働者は、運輸労働者は、どうするのか。動労千葉の運転士がジェット燃料を運ばされたときと同じことがすべての労働者に突きつけられる。
こうした中で日本の農業がまさに丸ごと切り捨てられようとしている。支配階級・財界はもう小手先のごまかしではなく、農地法を撤廃し、農業委員会も廃止し、300万戸農家は十数万戸まで減らし、食糧自給率なんかどうでもいい、アジアから収奪すればいいと開き直っている。労働者の首切り、賃下げ、非正規化と一体で農民にも「死ね」というに等しい攻撃が始まった。だからこそ、分断されてきた労働者と農民が手を結んで闘うことなしに勝利することはできない。
同時に、労働者の闘いも、農民の闘いも、反戦の闘いも、日本だけでは勝利できない。国際連帯を強固にし拡大することだ。昨年をふまえ今年はさらに強めたい。
三里塚現地の攻防は今が山場だ。この3月は春闘、改憲阻止の闘いも正念場を迎えている。3・18全世界反戦の闘いと3・25三里塚闘争は一体だ。3・25大結集を心から呼びかけます。
一坪絶対に譲らぬ 本部役員 鈴木幸司さん
3月8日、私ら夫婦が所有する一坪共有地の裁判が千葉地裁で始まった。県の企業庁はこの駒井野の共有地について、反対運動をやめた人間から持ち分を買いあさり、私にも売れと迫ってきたが、きっぱり拒否した。そうしたら裁判に訴えられた。冗談じゃない。違法をやってるのはどっちだ。一坪は空港建設を阻止するための運動であり、私はその筋を通しているだけだ。
2月19日には市東さんの耕作権裁判を傍聴したが、だいたい裁判所というのは信用できない。千葉地裁では、反対同盟が民事、刑事、行政訴訟など数限りない裁判を闘ったが、大半が国や空港公団(空港会社)とグルの不当判決の山だった。「空港の公共性」の一言で片づけられてきた。
だが市東裁判は「よく闘った」だけでは済まされない。実際に勝利して農地強奪を阻む以外にない。市東さんへの攻撃は市東さんだけのことじゃない。一人ひとりが自分自身の闘いとして取り組むべき問題だ。
反対同盟は日本農民の代表として、政府の農業切り捨て攻撃と闘う覚悟だ。300万戸を40万戸に減らすと言ったと思ったら、今度はそれを14万戸にするだって! 農業は人間生活の根本だ。それをないがしろにしたら必ず報いが来る。
東峰の森の伐採工事が始められた。かつて萩原さんのお父さんやお母さんからも話を聞いたけど、森はここで農業を続ける者には命の次くらいに大事な存在なんだ。それを空港づくりのために切ってしまえなどという連中を絶対許さない。
もう、今は戦時みたいなものだな。成田も米軍が優先使用するために、この春にも調査に来る。3・25は労働者と農民が固く連帯して闘う場だ。大結集をお願いします。
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週刊『前進』(2287号2面2)(2007/03/19 )
農地法での土地強奪許すな
三里塚は戦争・改憲阻止の闘い
労農連帯の旗高く現地へ
朝鮮侵略戦争の歴史的切迫と改憲攻撃の急激な煮詰まりのなかで、昨年春から三里塚闘争への常軌を逸した攻撃が続いている。反対同盟・市東孝雄さんへの農地取り上げ決定(1月29日、松岡農水大臣)の本質は、動労千葉や法大生にかけられている攻撃とまったく同質の、理屈抜きの「三里塚つぶし」だ。米軍再編、教育基本法改悪、労働法制の解体攻撃、改憲投票法案と、矢継ぎ早に襲いかかる改憲攻撃の中で、革命の拠点をめぐるつぶすかつぶされるかの攻防が始まっているのだ。
わが革共同は、日帝権力との40年にわたる非和解的な闘いを、三里塚農民たちと苦楽をともにして担ってきた革命党としての責任において、反対同盟との血盟を断固として果たしきる決意だ。
3・25三里塚全国集会は、労働者・農民・学生が、市東さんを始め反対同盟農民の闘いを本当に守りぬける陣形を復活できるかどうかの試金石だ。3・18世界一斉デモの巨大な力を、死力を尽くして3・25三里塚現地に結集しよう!
これはクーデターだ!
市東さんの農地を、農地法によって奪うとした1・29農水相決定(昨年9・21知事決定の追認)は、法のねじまげという次元を超えた法の転覆、反革命クーデターだ。
農地法とは、第2次大戦後の戦後革命期に、農民たちが膨大な小作争議を背景に、「法の目的」として耕作者の権利保護を明記させた法律だ。小作人の同意なき農地の売買は無効とはっきり書かれている。それゆえ、いま農業つぶしを進める資本家たちが目の敵(かたき)にして「廃止」を叫んでいるのである。90年間の耕作実績を持つ市東さんの農地を、この農地法で収用することなど到底不可能なのだ。
そもそも「伝家の宝刀」土地収用法で、40年間何をやっても取れなかった農地だ。土地収用法の効力も失効した(89年12月)。だから、強制収用を背景に尊大な脅迫を常としてきた政府・運輸省(現国交省)が、収用法の失効以後16年、一転してもみ手の買収攻撃に没入してきたのだ。
ところが政府・空港会社(100%政府出資)は昨年7月、市東さんの農地を、あろうことか農地法で奪う「申請」を出した。そして、わずか半年で、当事者に反論の機会も与えず、一度の現場調査も審理もないまま、一片の紙切れで政府レベルの収用決定に持ち込んだ。「三里塚をつぶす」という結論ありきの、むきだしの国家意志だ。
朝鮮侵略戦争とめる砦
三里塚闘争は、戦争を阻止しうる規模の労働者人民の階級的な力が、歴史的に蓄積している砦(とりで)だ。
1971年の強制代執行阻止闘争以後、成田空港は「国策」でありながら農家と農地の強制収用が不可能になった。88年に石原慎太郎運輸相(当時)が17年ぶりに強制収用に手を付けたが、権力機関である千葉県収用委員会が人民の怒りに包囲されて崩壊、以後16年間も機能停止に追い込まれた。国家権力の発動を文字どおり粉砕したのだ。
この巨大な地平を支えている力は、動労千葉との労農連帯を軸に形成されてきた広範な人民の結集力だ。圧倒的な人びとが「国策」と対峙する三里塚農民の抵抗を支持した。ゆえに”国策・ナリタ”は40年を経た現在も未完のままなのだ。
改憲攻撃と同時に激しい三里塚つぶしが始まったことには理由があるのである。
この成田空港が、朝鮮侵略戦争情勢において、米軍の戦争体制の7〜8割を占める兵たん・補給部門の中心的基地になろうとしている。
日米政府は「朝鮮有事の日米共同作戦計画5055」を、秋までに具体化する作業に入った(朝日1月4日付、読売1月5日付)。その最大の懸案事項は「成田空港など民間空港・港湾の使用問題」(同)である。
地上軍だけで50万人規模の兵員受け入れ、宿泊と糧食の問題、貨物処理能力、航空機の整備能力、医療施設の確保、兵員と物資の移動手段の確保等々。さらに「警備体制」から「対空ミサイルの設置場所」まで問題になっている(日経96年4月20日付)。91年の湾岸戦争でも、米軍が使ったサウジアラビアの拠点空港・港湾が真っ先に相手からの攻撃目標となった。空港・港湾とはそういう戦略拠点なのだ。
決定的な問題は、この成田空港を機能させている労働者や関係自治体職員などの戦時強制動員だ。成田市は昨年10月、成田空港と関連施設、地域を文字どおりの国家総動員体制に組み込む「成田市国民保護計画」を提出した。これは空港全体が米軍管理下に置かれる問題と重なり、日米交渉の「最大のハードルになっている」(読売・前出)という。
ここで現場労働者に戦争協力拒否が広がれば、戦時基地としての機能は根底から揺らぐ。なにしろ成田空港は、動労千葉を先頭に強力な反戦派労働者・農民に包囲されているのだ。三里塚闘争を水路に全国の労働者の闘いが合流するならば、戦争体制は内側から崩壊し、国家の存立を揺るがす治安問題に発展する。
共謀罪の導入など治安弾圧体制の反動的強化が、猛烈に進められている決定的な理由のひとつはここにあるのだ。
農民は革命を担う主体
“改憲攻撃としての三里塚つぶし”には、農民切り捨てというもう一つの柱がある。
「農地法による農地取り上げ」という無法の背景には、日帝ブルジョアジーの延命をかけた民営化路線と低賃金化、それと一体の新農業政策=農民切り捨ての決断があった。新農政の柱は「戦後農地法の廃止」で、現在約300万戸の農家を2015年までに「14万経営体」に再編するとしている(日本経済調査協議会の農業最終提言、昨年5月)。9割の農地を農民から取り上げる計画だ。実現手段として「農地優遇税制の廃止」にも着手するとしている。
帝国主義間争闘戦の末期状態(WTO体制やEPA等)において世界市場で日帝・資本が生き残るために、国内の農業をほぼ完全に放棄することを決断したのだ。「トヨタが生き残るために俺ら農民を犠牲にするということ」(萩原進さん)だ。日本経団連の調査機関である日経調は、戦後民主主義を形成した戦後農地改革の理念と実体(自作農主義と耕作者の権利保護)を転覆すると言い切った。農地取り上げが全農民を対象にした国策となったのである。
また新農政は「食糧安全保障」を「戦時法制上の問題」とし、その担保を「海外からの農産物輸入」に置き換えるとも公言した。これは戦前と同じ「海外食糧基地」構想だ。食糧問題を、軍事力の海外展開で担保するというのだ。
農地法廃止=「第2の農地改革」(経済財政諮問会議)、すなわち戦後革命期以来の全面的な農地強奪政策は、教育基本法改悪、労働法制の解体と並ぶ改憲攻撃の一方の支柱をなす。反対同盟農民は3・25三里塚集会で、全農民の死活にかかわる課題として新農政反対の特別アピールを発し、その立場から市東さんの農地取り上げ反対運動への全国的取り組みを要請するとしている。
300万農家の反乱は不可避だ。それは革命以外に出口のない問題だ。闘いのカギは、労働者と農民が分断されている現実を打ち破り、労農同盟の隊列を強力に打ち立てることにある。農民は、帝国主義と資本の収奪にさらされ、これと非和解的に闘う以外に生きられない。農民は、まさに農民であるがゆえに、帝国主義の時代において労働者階級とともに革命を担うべき主体なのである(レーニン)。これを完全に否定し、三里塚闘争に敵対してきたのが反革命カクマルだった。
「民営化反対」と「農民切り捨て反対」は表裏一体の闘いだ。労農同盟の固い隊列で改憲阻止・日帝打倒へ進撃しよう!
市東さんの農地を死守しよう! 北延伸攻撃粉砕・暫定滑走路閉鎖を闘い取ろう! 反対同盟を先頭に3・25三里塚全国集会に圧倒的な結集をかちとろう!
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週刊『前進』(2287号2面3)(2007/03/19 )
全国から総結集を 全関西実行委代表世話人 淡路町空港反対同盟代表 永井満さん
国・空港会社は法を守り市東さんの農地強奪やめよ
2月19日、三里塚反対同盟の市東孝雄さんの農地を空港用地のために取り上げようとする裁判の第1回公判が千葉地裁で開かれ、私も傍聴しました。祖父の代から3代、90年にわたって営々と耕作してきた農地を突如、「不法耕作」呼ばわりして、空港用地に明け渡せという訴えを成田空港会社(NAA)が起こしたのです。
それに先立って、市東孝雄さんの農地を空港用地に転用する手続きを成田市の農業委員会、千葉県の農業会議が承認し、堂本知事が許可しました。さらにこの許可の取り消しを求めた市東さんの請求を1月29日、農水省松岡大臣が却下しました。これに勢いを得て空港会社が「耕作地明け渡し」裁判を起こしたものです。
NAAの違法
ここに至るまでに、NAAはいくつもの違法を犯しています。農地法では、地主が農地を第三者に売る際には、耕作者に知らせ、同意を得ることを定めています。耕作者が知らない間に土地が他に転売されることがないためです。空港会社は、1988年にこっそり旧地主から用地を取得していました。市東さんはそれから十数年の間、旧地主に地代を払い続け、地主も知らぬ顔をして受け取っていたのです。さらに、農地を転用する手続きは10年以内に行わないと「時効」となります。これに気づいた空港会社は「03年12月に取得した」とウソの申告をし、農業委員会も知事も、それを知りながら許可しているのです。こんな無法・不法を押し通した上、市東孝雄さんが耕作を続けているのは「不法耕作にあたる」といって立ち退き裁判を起こしたのです。
祖父から3代、90年にわたって営々と耕作を続けてきた市東孝雄さんは、今こうして農地を取り上げられ、追い出されようとしています。土地収用法でも取り上げられなかった土地を、もともと農地と耕作者を守るための「農地法」を悪用して取り上げようとするこのNAAの違法・無法に目をつむり、成田市も千葉県も、そして農水省もこれを容認しました。そして今、裁判所が市東さんを「違法耕作者」として裁こうとしています。これが、この国の指導者が言う「美しい国」の実態です。
農業委を傍聴
昨年9月、この件を審議した千葉県農業委員会を私は傍聴しました。真剣な協議がなされることを期待しましたが、何の質疑も議論もなされず、委員長の「御異議ございませんか」の問いに全委員「異議なし」ということであっという間に市東さんの農地を空港用地に転用することが承認されました。だれか一人でも、「これは農地法に違反しているのではないか」と異議をはさめば、これは通らなかったでしょう。しかし、正義に立つただ一人の委員もその中にはいませんでした。その審議の中で成田市の担当者が「市東さんに対しては1億5000万円もの補償金を用意している。これは市東さんの収入の150年分に当たる金額です」と言いました。金さえ払えば文句はないだろう、と言わんばかりのこの言葉に市東さん本人はもちろん、傍聴していた人たちから轟々(ごうごう)の非難の声が上がりました。
さらに、2月25日、空港会社は東峰地区の住民との間に何度も交わした約束や覚書を破り捨て、誘導路建設のために東峰の森を伐採する工事を開始しました。
国と空港会社、その前身の空港公団は、反対同盟や地区住民との約束をことごとく破り捨て、自ら定めた法律さえ踏みにじって滑走路北延伸を強行、さらに南側にも延長して4000b滑走路の建設を画策しています。
彼らの真の狙いが、成田を有事の際の米軍と自衛隊の兵たん基地として使用できる空港とするため工事を急いでいることは明らかです。米軍の再編や自衛隊の強化を急ぐ「有事体制」づくりの重要な一環として拡張整備が急がれていることは明白です。「三里塚の闘い」は今、改憲↓戦争への道を突っ走ろうとする権力者の意図を阻止し、平和を守り抜く重要な闘いとなっています。
三里塚が原点
思えば三里塚40年の闘いは、その発端から今に至るまで、国・公団・空港会社の無法不法と対決し、これを許さない闘いでした。これを正義の闘いと言わずして何と言いましょうか。三里塚反対同盟は一貫して、非妥協・不屈・実力闘争を掲げ闘い抜いてきました。そして私たち全国の市民・住民・労働者・学生がこの闘いに共感し、共に闘ってきました。今、関西で闘われているさまざまな闘いも、この三里塚を共に闘う中から始まったといっても過言ではありません。
三里塚は今、その闘いの真価を問われる重大な局面に遭遇しています。反対同盟はその40年の闘いをかけて反撃に立ち上がっています。来る3月25日に全国総決起集会を開き、国・空港会社の無法に断固立ち上がるよう呼びかけています。一人でも多くの仲間が現地に駆けつけ、市東孝雄さんや萩原進さんたちのはらわたが煮えくりかえるような怒りをわが怒りとし、ともに闘い抜く決意を打ち固めようではありませんか。総決起・総参加を訴える次第です。
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週刊『前進』(2287号2面4)(2007/03/19 )
やったぞ勝利命令
県労働委”解雇は無効”
関西合同労組関トラ分会
兵庫県労働委員会は2月23日、滑ヨ西トランスポートが私たち関西合同労組の組合員を05年6月30日をもって解雇したのは、組合つぶしの不当労働行為であり無効であるという命令を出しました。
私たちは加古川郵便局で郵便小包配達の委託業務を行っていた労働者です。私たちを雇用していた関西トランスポートは、小包1個105円という完全出来高払い制で1日12時間以上の長時間労働を強いていました。荷物が少なければ丸1日働いても2千円にしかならないときもありました。
05年3月、私たちは「せめて人間らしい生活がしたい」という思いから関西合同労組に加入し、関西トランスポート分会を結成して、会社に団体交渉を申し入れました。ところが関西トランスポートと加古川郵便局は結託して、分会結成からわずか2カ月足らずの05年5月25日、組合員全員に解雇を通告し、1カ月後の6月30日に解雇を強行したのです。
私たちはこの不当解雇に対して、労働委員会に救済を申し立てました。郵便局や会社は、私たちを「個人請負業者」と決めつけ「解雇ではない、契約をうちきっただけ」と不当解雇を居直り続けていました。
多くの郵便局の小包配達で、「個人業者」とされた配達員が、労働者としての権利を一切奪われ、労基法違反、最低賃金法違反の労働条件で働かされています。そして郵便局の都合で簡単に首を切られているのです。
こうした「偽装請負」の実態を告発した私たちの労働委員会闘争に、全国から支援や激励の声や寄せられました。そしてついに兵庫県労働委は、会社や郵便局の主張をしりぞけ、私たち組合員全員は労働者であり解雇は無効だと認めたのです。
今回の労働委員会命令は、私たちの解雇撤回闘争勝利への大きな一歩前進となりました。私たちは3月12日に、関西トランスポートに団体交渉の申し入れを行い、神戸市西区の本社前で原職復帰を求めて座り込み開始しました。会社は最初、「命令には従わない」などと不届きなことをうそぶいていましたが、連日の行動に打撃を受けて「話し合いはします」と態度を変えてきました。
今回の命令では、残念ながら郵便局の責任は不問に付されてしまいました。しかし、「ゆうパック」の無理な値下げやサービス向上が、「偽装請負」による極端な低賃金と長時間労働を横行させていたことはまぎれもない事実です。どう言い逃れしようと、郵便局の責任は免れません。
これまでご支援いただいた皆さん。どうもありがとうございました。闘いはこれからが本番です。私たちは解雇撤回・原職復帰まで闘い抜きます。今後ともご支援をお願いします。
(関西合同労働組合T)
(写真 “原職復帰させよ! 謝罪しろ!”関西トランスポート本社に抗議行動【3月12日 神戸市】)
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週刊『前進』(2287号3面1)(2007/03/19 )
東京西部春闘集会
“世の中変えよう”とデモ
ユニオン青年部先頭に
3月11日、東京・杉並で「本気で春闘/世の中変えよう/3・11春闘行動」が闘われました。東京西部ユニオンと西部労組交流センターの呼びかけに応え130人が結集し、集会―デモ―駅頭宣伝―交流会と、終日熱気あふれる春闘行動となりました。
西部ユニオンは、動労千葉のような闘う労働組合をめざし4年半前に結成。資本と徹底的に闘う労働相談・労働争議から始まり、職場での仲間づくりと組合づくりへの転換を経て、「労働組合の力で世の中を変えよう。労働者が主人公の世の中をつくろう」と闘ってきました。組合員は50人を超え、分会と青年部もできました。今回の春闘行動は、このユニオンが初めて地域に呼びかけたものでした。
集会は杉並産業商工会館で行われ、ユニオン青年部のフレッシュな開会宣言で始まりました。自治体労働者の主催者あいさつに続き、市東さんへの農地強奪と闘う三里塚反対同盟農民、卒業式の「日の丸・君が代」強制と闘う教育労働者(別掲)、春闘ストを直前にした動労千葉からの連帯の発言が行われました。
ユニオン委員長は基調提起の中で「資本と労働者の非和解性がむき出しになっている今、労働者が生きるためには闘う労働組合をつくって資本と徹底的に闘い、労働者が主人公となる世の中をつくるしかない。安倍・御手洗と徹底対決し、山田区長の杉並丸ごと民営化を絶対阻止しよう」と訴えました。
集会のハイライトは、ユニオンの闘う労働者10人の登壇。3日前交通事故を理由に解雇通告され、翌日の団交で撤回をかちとった運輸労働者。親資本を地労委に引きずり出し不当配転撤回を闘う港湾労働者。定年後再雇用拒否と闘う港湾労働者。不当な賃金カット・組合差別と闘う青年労働者。ユニオンに入って初めて有給休暇を取った青年労働者。事業所の統廃合に対して組合づくりをすすめる労働者。組合として団結し、激しい攻撃と闘う労働者の力強い姿と解放性は会場を圧しました。
前日結成されたばかりの福祉労働者連帯ユニオンなどからの報告に続き、都政を革新する会・北島邦彦さんが区議選を闘う決意を表明。「つくる会」教科書と闘う親の会や百万人署名運動、部落解放同盟全国連、星野救援運動などから闘いの決意が語られました。
いよいよデモに出発。にぎやかなリズムと「本気で春闘、世の中変えよう」のコールが阿佐谷周辺に響き渡りました。
東京西部の地に、ついに労働者階級の本格的な闘いの火柱を打ち立てた画期的な春闘行動でした。(投稿/A・東京西部ユニオン組合員)
(写真 杉並区役所前で山田区長による”まるごと民営化”や「つくる会」教科書への抗議をたたきつけ、阿佐ケ谷駅に向かってデモ行進【3月11日】)
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週刊『前進』(2287号3面2)(2007/03/19 )
確信もって座った
西部集会・教育労働者の発言
●Hさん/昨日の卒業式で自らの思想・信条の自由に従って不起立しました。去年までは休暇という形で逃げていましたが、今年は9・21判決もあり確信をもって座りました。それでも都教委は処分してくると思います。これから新しい闘いに入ります。
●Uさん/03年の通達が出されて以降、本当にし烈な闘いが現場で闘われています。組合の執行部からは「やめてほしい」と言われていますが、連綿と不起立が続いています。
学校現場では、逆らう者は処分し排除する、担任をさせない、退職後は再雇用もしないという攻撃がかけられている。これは教職員を戦争協力させようとする石原都政の意向によるものです。そして都教委が常軌を逸した通達・通知を出しまくって学校現場を締めつけている。当たり前の人たちがもう我慢できない、という状況にある。
私たちの闘いは「立たない」という静かな、しかし数を重ねれば停職というギリギリの選択の闘いです。03年の通達を撤回させるまでこの闘いは続く。多くの労働者に訴え、連帯した労働者の力でこの攻撃をはね返そう。職場での闘いを闘いながらそれをひとつにして大きな運動をつくっていきたい。
●Iさん/昨日の卒業式で3年の担任だった人が1人座りました。再雇用がなくなる、ということで前の日に悩んでいましたが、何としても一度は不起立したい、そのためには自分の担任の生徒を送り出す時が一番だ、と言って座りました。
私は今回は受付に回されてしまいましたが、04年以降、3回座り2回処分を受けています。受付や警備に回され卒業式や入学式に出られず、生徒たちを送ることも迎えることもできない、こんなことはもうやりきれないという思いです。
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週刊『前進』(2287号3面3)(2007/03/19 )
大阪 続々と不起立貫く
改悪教基法と全面対決
(写真 「日の丸・君が代」強制許さぬ 東京都立高の卒業式では、「日の丸・君が代」強制を拒否して不起立を貫く教育労働者が続々と登場している。写真は式当日に門前でビラを配布して教育労働者を激励する労組交流センター【3月13日 篠崎高校】)
改悪教育基本法下での初めての卒業式が、大阪府立高校で2月23日から始まりました。教育労働者は、さまざまな圧力や攻撃と対決し、次々と不起立を貫いています。
教育労働者の闘いに連帯して、「みんなで不起立を!」と訴える「すわって示そう戦争反対!」実行委員会のビラが、労働者・住民によって広範に配布されています。45校以上の高校で配布され、改悪教育基本法を打ち破る闘いが力強く開始されました。
昨年、関西からも多くの教育労働者が何度も国会に駆けつけ、教基法改悪反対闘争を闘いぬきました。闘いぬいた高揚感と、一方で今の日教組・森越執行部のもとでは「教え子を再び戦場に送ることになってしまう」という危機感と悔しさから、「闘いの本番は今から。闘うわれわれこそ日教組だ」と身構え、今年の卒業式での「日の丸・君が代」強制との闘い・不起立闘争が力強く開始されたのです。厳しい処分のもと、職をかけて闘う東京の教育労働者との連帯をかけ、大阪で不起立闘争を貫いています。
大阪府教育委員会は、公式の場では、卒業式の「日の丸・君が代」について「昨年どおり」と言いながら、裏では校長に相当圧力をかけています。年休を取ってビラを配布した教育労働者に校長が圧力を加えるなど、「日の丸・君が代」強制に抵抗する教育労働者への攻撃も強まっています。またビラまきに対してしつこく妨害する高校が増え、警察に通報した学校も出てきました。
こうした中、ほとんどの教職員が不起立をした高校があります。組合でビラをまいたり、職員会議での確認を覆そうとする校長と何回も対決して職場の団結ではね返したり、「座るために」意識的に式場に入ってくる教職員が昨年より増えています。また式の予行練習で「『日の丸・君が代』にはいろいろな考え方があるので、起立・斉唱については自分で判断してください」と説明した高校もいくつもあります。
安倍政権は、教員免許更新制の導入など改悪教基法関連法案を今国会に提出しようとしています。しかし教育労働者の中には改悪教基法に対する怒りがあふれ、「再び侵略戦争の手先になることは絶対にできない。ここは引けない!」の思いが脈打っています。教育労働者が団結して闘えば、校長や教育委員会や文科省・政府に思うようにさせない力関係をつくり出すことは可能です。
日教組を解体して侵略戦争に突入しようとする安倍政権に対して、職場から組合運動を復権し、森越執行部を打倒し日教組を再生させ、改憲阻止闘争に攻め上ろう。
(投稿/大阪・K)
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週刊『前進』(2287号3面4)(2007/03/19 )
広島で春闘集会
闘う組合づくりへ熱気
産別の枠をこえて団結
「全世界でイラク反戦4周年、3・18世界一斉デモがかちとられようとしている。プレ11月集会として3月大行動に立ち上がろう!」――開会あいさつに立った仲間が呼びかけた。広島県労組交流センター主催の3・3広島春闘集会は70人が結集し、熱気にあふれた集会となった。(写真)
昨年の11・5労働者集会のビデオ上映の後、基調報告を行った教労部会の仲間は「世界的な大激動を迎えている。今こそ労働運動の力で革命をやろう。日本の労働運動を階級的労働運動につくりなおそう。その手本が動労千葉の闘いだ。マルクス主義=労働者自己解放の思想を実践し、体制内労働運動と決別し打倒して闘おう」と提起し、不起立闘争に向けた自らの職場での実践の報告を交え闘う方向を示した。
広島連帯ユニオンの労働者が「安倍・御手洗の労働ビッグバン路線をきる」と題して問題提起を行い、「これは、労働3権・労働3法のもとでの労資関係を根本から破壊する戦後労働法制の絶滅攻撃であり、労働組合の解体攻撃だ。労働者の団結を取り戻し帝国主義を倒す立場に立った時、初めて闘いの展望は開ける」と鮮明に提起した。
4大産別の労働者を先頭に次々と闘いの報告が行われた。広教組の労働者は、東京の闘いに連帯して「日の丸・君が代」不起立を貫く決意を明らかにした。そして「職場で病死する仲間がふえている現実こそ日教組パートナー路線の結果だ。昨秋の国会闘争に対する森越委員長の発言を許してはならない」と訴えた。
国鉄決戦を闘う国労の労働者は「闘いなくして安全なし、ストライキで闘わないと安全は確保できない」と訴え、動労西日本の労働者は「たった1人の反乱だが、闘いは1人から始まる」とストライキの決意を述べた。
自治労の労働者は「賃金制度の改悪で賃金が激減しても組合は何も問題にしない。できることをどんどんやって組合を変えていきたい」と決意を語った。
全逓労働者は「4・28闘争の勝利は不屈の職場闘争の結果だ。闘わない執行部を打倒して民営化を破産に追い込む」と決意を明らかにした。
民間からは、広島連帯ユニオン、高陽第一診療所労組、女性労働者が発言に立ち、経営者による様々な分断をのりこえ労働組合の闘う団結を取り戻そうと訴えた。
この春闘集会は、司会をつとめた広島連帯ユニオンの労働者を始め、発言者の半数が青年労働者だった。教育労働者の「日の丸・君が代」不起立の闘い、ストライキで闘う国鉄決戦を先頭に、全職場で春闘を闘おう。その先頭に立つのは青年労働者だ!
(投稿/広島県労組交流センター・上村洋司)
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週刊『前進』(2287号3面5)(2007/03/19 )
国際婦人デー集会
“みんなで革命を”
青年労働者が熱い訴え
3月11日、「こんな世の中もう許せない!/私たちが革命をおこそう/仲間をつくろう/団結しよう」と呼びかけた3・8国際婦人デー集会が東京・文京区民センターで開かれ、130人が結集した。婦人民主クラブ全国協議会の会員とゆうメイトの青年労働者が司会を務め、はじけるような解放感あふれる集会となった。
卒業式の渦中の教育労働者2人が発言した。東京の被処分者は「卒業式で4回目の不起立をします」と宣言。「どんな時もイエス・ノーをはっきり言って自分らしく生きよう。10・23通達は全身でノー、だから不起立なんです。ある人が『お金や物は3秒でなくなるが人のつながりはなくならない』と言いました。私は多くの人とつながりたい」と語った。
昨年12月の日教組集会で「森越はクビだ」の横断幕を掲げた女性労働者は「私の今年の目標は式場に入ることでした」と、卒業式会場から排除しようとする校長らと激突して闘いぬいた不起立闘争をリアルに語った。
青年労働者が「真剣なよびかけ」を提起した。「@労働者は資本主義と折り合いをつけられなくなった。イラクでは65万人が殺され、私たちは食っていけない。なぜ怒っちゃいけないのか! A世界を動かしているのは労働者だ。労働者が団結すれば絶対に勝てる。B資本と折り合いをつける体制内労働運動では労働者は生きていけない。C有事法制が通った時、動労千葉の労働者が『命令が出ても従わない』と言うのを聞き、団結が広がることが勝利なんだと分かった。D今、世界は革命情勢。世界中で労働者が立ち上がっている。日本でも『日の丸・君が代』不起立があり、動労千葉が闘っている。非正規雇用の労働者も組合をつくり闘っている。E労働運動の力で革命をやろう。革命から逆規定して労働運動をつくり直そう。青年労働者を売り飛ばしてきたのは体制内労働運動です。現場闘争で団結をつくり枠を突破する、これが革命です。3・18で闘う力をつなげ、みんなで革命を起こそう」――熱烈な訴えが全参加者を獲得した。
集会後半はリレートーク。三里塚反対同盟婦人行動隊の宮本麻子さん、動労千葉家族会の佐藤正子会長、「つくる会」の教科書採択に反対する杉並親の会、介護保険制度に反対し公的介護・福祉を求める女たちの会から婦民全国協の会員がアピール。さらに法政大学の被処分者、派遣労働者や解雇撤回を闘う出版労働者、自治体労働者も発言。圧巻は労組に入って闘う偽装請負の労働者だ。「夜勤専門で正社員と同じ作業をしている。寮費2万7千円、水道・光熱費が9千円も引かれる。有給がとれることも知らなかった」「こんな汚い世の中を変えたい。革命を起こすために団結しよう」。力強い訴えに満場の拍手が送られた。
柳沢厚労相弾劾決議案が採択され、全国労組交流センターの長谷川ユキ女性部長が行動方針を提起し、団結ガンバロー。
(写真 130人が集まり“私たちが革命をおこそう”と宣言した国際婦人デー集会【3月11日 東京】)
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週刊『前進』(2287号3面6)(2007/03/19 )
世界的株暴落と大恐慌の危機
米バブル崩壊が新段階に
2月末からの世界同時株暴落は、現在の帝国主義がかかえる危機性を浮き彫りにしている。当面どうなろうと、必ず世界大恐慌とドル暴落に向かっていく。
株暴落の最大の要因は、米住宅バブル崩壊が第2段階に入ったことにある。昨春からの住宅販売や住宅投資の大幅減少が第1段階。それが今や、住宅ローンの返済の焦げつき、ローンを貸し出している住宅金融会社の破綻(はたん)という新しい段階に進んだ。
昨年末から、信用力の低い人を対象とした高金利型のサブプライムローンで、焦げつきが増加している。ローンが返済できずに物件の差し押さえに至ったのがすでに126万件に及ぶ。従来、住宅ローン債権は、フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)が住宅金融会社から買い取ることで、リスクが分散されてきた。しかし2月に、フレディマックがこの買い取りを停止した。このため、焦げつきの影響が住宅金融会社に集中し、その破綻が相次いでいる。昨年末から3月初めで破綻した貸出業者は25社で、年内に100社が破綻するとの予測もある。大手銀行も多額の住宅ローン債権を抱えており、今後必ず金融市場全体に波及していく。
しかし、これで済むわけではない。この間、米家計は住宅ローンを借り増して消費を拡大してきた。ところが住宅価格は昨年1・1%上昇にとどまり、今年は29年大恐慌以来の年間下落となる見通しだ。必ず消費は崩れざるをえない。さらに、この間の株高が家計を底上げしてきたが、株価が急落していけば、不動産と株の同時暴落という日本のバブル崩壊と同じになっていく。それはアメリカと世界を大恐慌に引きずりこむ。
また、今回の世界株安は初めて中国・上海発となった。貿易黒字の膨張によって中国の外貨準備は1兆jを超えた。しかも人民元の上昇を抑えるために、元売り・ドル買い介入が続いている。これらの結果、過剰資金が不動産と株に向かい、巨大なバブルが生じている。今回の株価急落ぐらいではバブルは収まっていない。
中国の外貨準備は米国債の購入に充てられ、それによってドルの信認が保たれている。中国バブルが本格的に崩れれば、ドルの暴落と世界大恐慌を引き起こす。
さらに、今回の株暴落の最大の主役とも言えるのは日本経済だ。日本経済の浮揚は超低金利に支えられている。ゼロ金利政策は解除されたが、依然として歴史的な低金利だ。米欧のヘッジファンドなどがその低金利の円を借り、金利の高い国に投資する「円借り取引」が拡大してきた。それが国外でのバブルを助長している。日本の超低金利が世界にバブルを輸出し、そのバブル崩壊で日本経済が大打撃を受ける構図だ。
日本経済が一定浮揚しているのは、米国・中国向け輸出の増加による。米・中経済が崩れれば日本経済はひとたまりもない。しかも円安によって国際的な価格競争力が上がっており、少しでも円高に転換すると輸出減退、収益激減となる。日帝こそ、帝国主義の中の「最弱の環」であることがあらためて明白となった。
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週刊『前進』(2287号3面7)(2007/03/19 )
安倍が教育4法の改悪を指示
愛国心と日教組解体狙う
昨年強行された改悪教育基本法を具体化するための教育関連4法の改悪案が、今月中にも国会に提出されようとしている。
3月10日、中教審が「教育基本法の改正を受けて緊急に必要とされる教育制度の改正について」の答申をまとめ、伊吹文科相に提出した。2月6日の審議要請からたった1カ月、30時間の審議で出したこの答申を受け、安倍は今月中の法案提出を指示した。
改悪しようとしているのは教員免許法、教育公務員特例法、学校教育法、地方教育行政法の四つ。
まず教員免許法と教育公務員特例法の改悪で、これまで生涯有効だった教員免許を有効期限10年とし、期限が切れる前に講習を受けて「明確な認定基準」にもとづいて修了認定を受けなければ更新されないものとする。この「認定」により、「不適格教員」を排除しようというのだ。さらに、「指導が不適切な教員」を研修所送りにした上で、分限免職処分とした者は教員免許状も剥奪(はくだつ)する。すでに都道府県ごとに「指導力不足等教員制度」(東京)などの制度がつくられてきたが、これを法律で定めて実効力を持たせるものだ。この2法の改悪で、「日の丸・君が代」闘争を闘う教育労働者を始め、戦争教育に歯向かう教育労働者のクビを片っ端から切ろうとしている。
学校教育法改悪の中身は二つある。一つは愛国心教育の徹底である。改悪教基法第2条で新たに盛り込まれた「教育の目標」にもとづき、学校教育法の小・中学校の目標規定に「規範意識」や「伝統と文化を尊重」「我が国と郷土を愛する態度」などを書き加える。これをテコに学習指導要領を改悪し、全教科で愛国心教育を強制しようとしている。
もう一つは副校長、主幹、指導教諭の新設である。教育労働者は主任制導入から30年たっても、主任を中間管理職とすることを阻み続けている。この労働者の団結を破壊し、上意下達の職場支配体制をつくりあげなければ、戦争教育はまったく貫徹できないからだ。
地方教育行政法の改悪では、文科相が各教育委員会に対して「是正要求」、さらには強制力を持つ「指示」を出すことができると明記する。教職員組合が職場支配権を保持している自治体に国が直接介入し、弾圧する攻撃である。
いずれも改悪教基法を学校現場に貫徹するためのものだが、核心は日教組組合員の排除、日教組絶滅である。処分を恐れず「日の丸・君が代」強制に立ち向かう教育労働者、教基法改悪に反対し日教組本部の制動を突き破って全国から国会前に駆けつけた教育労働者――この教育労働者の団結を破壊しなければ、戦争のための教育に転換することなどけっしてできない。安倍はこの現実に脅えているがゆえに、これだけ凶暴な攻撃に出てきたのだ。
「日の丸・君が代」闘争こそ、改悪教基法を無力化し、教育関連法改悪を阻止する闘いだ。クビをもかけて闘いぬく東京の教育労働者に続いて不起立闘争を大きく広げ、国会闘争に立ち上がろう。
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週刊『前進』(2287号4面1)(2007/03/19 )
統一地方選決戦の勝利かちとろう
杉並 北島邦彦さん 労働者階級の利害貫き山田区長の民営化阻む
4月統一地方選挙は改憲を狙う安倍政権との重大な決戦だ。杉並区議選に立つ北島邦彦さん、相模原市議選に立つ西村あやこさんから、この決戦を闘いぬく決意が寄せられた。(編集局)
革命的議会主義の真価をかけて杉並区議選に勝利しなければなりません。「党の革命」によって露呈した杉並の選挙闘争・議会闘争のゆがみを総括・克服するために勝利します。原点に戻り、革命的議会主義を日本階級闘争の大地によみがえらせたいと思います。
革命に向かって一筋に突き進んでいくための議会活動・議員活動を貫きます。徹底的にプロレタリア革命の利害に立ちきる革命的議員は、労働者階級が革命勝利のために自らの武器として議会に送り込む槍(やり)の穂先です。いや、労働者階級は革命的議員とともに議会に乗り込み、帝国主義の階級支配の本性を暴露し、階級支配そのものをぶち壊していくために闘います。
この階級的使命を没却し、革命に絶望し、労働者階級の根底的決起への確信を失った時、ブルジョア議会主義に身も心も染まる底なしの腐敗が生じます。権力へのとどまるところない屈服も始まります。革命的議会主義の復権は、こうした腐敗・転向と徹底的に闘い粉砕する中にしかありません。今回の杉並区議選の勝利も、その闘いに勝ちきることによってのみ実現されると考えます。
安倍・御手洗による改憲、戦争と民営化=労組破壊の大攻撃は、今や全面的に労働者階級に襲いかかっています。労働者の団結を破壊してその闘いを根絶し、憲法9条改悪−朝鮮侵略戦争に日本帝国主義が一気に突き進もうとするきわめて緊迫した情勢です。しかしこの凶暴な攻撃は、いよいよどんづまりにきた日本帝国主義の危機の噴出という事態でもあります。労働者階級の反戦意識をいまだ根絶できていない現実があり、それどころか青年労働者・学生の荒々しい闘いのうねりが始まっています。
このような日本帝国主義の危機の救済者として登場しているのが、ファシスト石原であり、杉並区長のファシスト山田です。山田区長は昨年、杉並区の全事業869をすべて民営化の対象とする「杉並行政サービス民間事業化提案制度」をつくり、それを強行実施し始めました。これは自治体労働者の職場を奪い、とりわけ自治体非正規職労働者のクビ切りに直結します。その事業を請けた民間企業の労働者は、徹底した賃下げと労働強化を強いられます。その結果が、一昨年の107人が命を奪われたJR尼崎事故であり、小学生の命を奪った昨年の埼玉プール事故です。
また、資本の利益を保障するためにあらゆる行政事務に手数料を課し、労働者民衆の生活破壊を極限まで推し進めることになります。さらに、教科書採択事務を「つくる会」を母体にするNPOによって民営化し、「つくる会」教科書採択を確実なものにすることなども容易に考えられます。民営化はファシスト教育=戦争教育とも表裏一体のものとしてあります。
民営化攻撃とは、労働者階級にとってどの側面から見ても絶対に許すことのできないものです。そもそも民営化攻撃は、正規職・非正規職、官公・民間といった労働者階級の差別・分断状況を土壌にして繰り出されるものであり、さらに労働運動を壊滅に追い込んで労働者の団結を破壊する攻撃です。全力で阻止しなければなりません。
その根源的力は労働運動にこそあります。民営化攻撃との闘いをあらゆる労働者の闘いの課題とし、その闘いをともにすることの中に杉並区議選勝利の道筋があります。
杉並の地でも、労働組合交流センターを始め動労千葉の闘いに学んだ新たな労働組合運動が登場しています。3月11日には130人で「本気で春闘/世の中変えよう!」をスローガンに春闘行動が闘われました。杉並区議戦勝利に向けた共同闘争者がすでに存在しているのです。
必勝あるのみです。ともに闘いましょう!
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◆北島邦彦さん略歴◆
1959年山口県岩国市生まれ。中央大学法学部を卒業後、広告会社に就職し、労働組合の執行委員に。現在、都政を革新する会事務局長。給食調理員のつれあいとふたり暮し。趣味は映画鑑賞。
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週刊『前進』(2287号4面2)(2007/03/19 )
統一地方選決戦の勝利かちとろう
相模原 西村あやこさん 相模原を朝鮮侵略戦争前線司令部にさせない
4月統一地方選挙は改憲を狙う安倍政権との重大な決戦だ。杉並区議選に立つ北島邦彦さん、相模原市議選に立つ西村あやこさんから、この決戦を闘いぬく決意が寄せられた。(編集局)
4月統一地方選は憲法改悪阻止決戦の戦後最大の激突のただ中で闘われることになりました。安倍首相の言う「戦後レジームからの脱却でめざす美しい国」、御手洗経団連会長の言う「成長重視の希望の国」は、徹頭徹尾、労働組合を破壊し労働者の生活と生存を抹殺しようとする攻撃です。
世界経済の危機と帝国主義間争闘戦の激化の中で、日帝も生き残りをかけて戦前型の戦争国家、国家主義体制に逆戻りさせようとしています。昨年12月、教育基本法改悪、防衛庁の省への昇格を強行して、クーデター的な暴走を始めました。
憲法改悪のための国民投票法案、教育4法の改悪、労働法制の改悪、共謀罪の新設や米軍再編関連法案などの強行突破を狙っていますが、この余裕のなさや焦りに駆られた凶暴なやり方は、まさに労働者階級の怒りと反撃と反乱を恐れている証拠と言えるでしょう。
民営化、規制緩和による賃下げ、リストラ、非正規雇用の拡大、そして増税と社会保障の解体攻撃は、労働者の貧困と格差を拡大し、あらゆる権利をはく奪し改憲・戦争へと突進するものです。
柳沢厚生労働大臣の「女性は子どもを産む機械、子ども2人が健全」などの女性差別発言も、安倍首相の「軍隊慰安婦は強制ではなかった」などの居直り発言も、政財界の腐敗や汚職も反省すらしない傲慢(ごうまん)さは根っこが同じです。もう我慢ならないという怒りのマグマを束ね安倍政権を倒さなくては未来がないと思います。
労働者民衆の力と政府・財界の力とが真っ向から激突し、社会全体を根本的に変える時代です。統一地方選はその階級的回答の場の一つだと思います。7月参議院選挙後には消費税アップと企業減税というのですから、なおのことです。
私は3期12年、「戦争は命をかけてもはばむ」「国の悪政にNO!といえる市政を」「労働者人民と共に闘う議員」をモットーに唯一の革新無所属で奮闘してきました。
相模原は、戦前戦後を通じて基地の街です。ここが今、日米軍事同盟再編強化の大焦点になっています。沖縄を始め全国を不沈空母化する、そして米帝の世界戦争とりわけ朝鮮侵略戦争の前線司令部になる。朝鮮侵略戦争の「作戦計画5055」が、日米共同作業として策定され始めたと言われています。沖縄の反基地・反安保闘争、そして韓国ピョンテクの基地反対闘争などとの真の連帯をかけた具体的な闘いの場所です。安倍政権は再編交付金などという札束で屈服を図ろうとしています。これからが本番です。
介護保険、国保、障害者自立支援法、公務員制度改革というリストラ、民間委託、市場化テストなど、国が決めた悪法が地方議会の承認のもとで条例化され、自治労を解体して強行されようとしています。労働者のための市政には抵抗権が必要です。そして自治体労働者の組合的団結こそがその核心です。
相模原市は今年3月、津久井4町と合併しました。国のコスト削減と中央集権のためであることは明らかです。
さらに国は道州制をも打ち出している中で、相模原市は政令指定都市をめざすとしています。中核市である現在も、総務省派遣官僚が市の財政部長ですが、政令指定都市になるともっと官庁からの派遣が増えると予想されています。軍都ゆえの中央直轄化をさせてはならないと思います。
2007年度予算では増税による市税収入が24%見込まれました。国の借金の肩代わりで臨時財政対策債が膨らんでいます。議会はどうあるべきか、議員はどうあるべきか真価が問われます。
地方分権とは地方自治の破壊そのものです。だからこそ労働者階級の闘いを促進する議員が必要だと痛感します。
世界史的激動と革命的情勢の本格的到来の中で、労働者階級とともに闘い、プロレタリア革命をめざす議員として奮闘する決意です。
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◆西村あやこさん略歴◆
1940年生まれ。高校卒業後、商社勤務。労組婦人部で活動。81年から5年間けんぽく生協の理事長。相模原市議3期12年。婦人民主クラブ全国協代表、さがみはら革新市政をひらく会代表。
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週刊『前進』(2287号4面3)(2007/03/19 )
統一地方選決戦の勝利かちとろう
階級的労働運動路線実践し杉並・北島必勝へ全力決起を
革共同・東京西部地区委員会
統一地方選が、残り5週間に切迫した。西部地区党と東京都委員会は、4月22日の投票日に向けて、北島邦彦予定候補の当選・勝利をめざして全力で闘っている。必勝をかちとろう。
革命的議会主義の原点
07年1・1アピールで打ち出された階級的労働運動路線は、今次統一地方選にかちぬかなければ真に確立できない。首都・東京での闘いは、改憲・戦争・民営化に突き進む安倍・石原・山田と真っ向から対決し打倒する決戦である。この闘いに勝利することをとおして、「労働運動で革命をやろう」ということの現実性が明らかになる。
革共同第22回拡大全国委総会、1・1アピールをとおして、党は革命的議会主義・選挙闘争の根底的総括を行い、「これまでの選挙闘争の中で長期にわたってわれわれ自身の中に積み重ねられてきた、革命的議会主義についてのゆがんだ理解とその変質という痛苦な現実を克服し、原点に戻って再出発する」(1・1アピール)立場から今次統一地方選、とりわけ杉並区議選を闘い抜くことを確認してきた。
革命的議会主義・選挙闘争を(われわれの闘いがすべてそうであるように)党と階級の階級的団結を打ち固め拡大していくために闘うというマルクス主義の立場に立って闘うということだ。
3全総政治局報告は次のように述べている。「日々あくなくつづけられるブルジョア階級の搾取と圧制の実情を具体的に暴露し、ブルジョア的代議政治がこうした搾取と専制をおおいかくすイチジクの葉であることを糾弾するとともに、同時に、労働者の味方のような顔をしながら、そのじつブルジョア階級の搾取と専制に反逆するプロレタリア大衆の闘争を抑圧し、ブルジョア議会への『労働者』議員の進出がプロレタリア解放の道であるかのように欺瞞(ぎまん)するいっさいの『革新』政党を弾劾し、新しい革命的労働者党の創成の必要を訴えるための演壇として、選挙闘争を徹底的に利用する」
この3全総路線、さらに「コミンテルン第2回大会で採択された共産党と議会に関するテーゼ」(1920年)を徹底的に踏まえ、「画然たる転換」をかけて選挙闘争を闘わなければならない。
それは第一に、権力・資本と労働者階級の絶対的非和解性を、議会活動や選挙闘争において、街頭において、より広範に徹底的に暴ききることである。そのことをとおして、労働者自己解放―階級的労働運動の発展をかちとる闘いである。
第二に、こうした闘いは、労働者階級の究極的解放の闘いを阻む「体制内労働運動との決別・打倒」の闘いと一体のものである。
第三に、広範な労働者階級の怒りと結びつくことである。労働者階級の根底的な怒りを革命に向かって獲得するためには、革命的議会主義は不可欠である。そのことを鮮明にして闘うことだ。
第四に、特にコミンテルンテーゼが、「帝国主義的暴力にたいする最も激烈な抗議の形態をとった議会闘争は、とりわけそれが議会外の行動と結びつけられるときには、大衆をめざめさせ、その抵抗をよびおこすための強力な手段となることができる」として、活動の「重心は議会外である」と強調していることを徹底的に実践しなくてはならない。
その上で、「労働運動で革命をやろう」の実践にとって、首都・東京での闘いである点は決定的だ。それはコミンテルンテーゼの「ブルジョア議会を粉砕し、廃止し、その廃墟(はいきょ)のうえに新しい権力、労働者の階級的諸団体、すなわちソビエトの権力を組織しなければならない」という提起を貫く闘いだ。
朝鮮侵略戦争が切迫する一方、プロレタリア世界革命が完全に日程に上った今日、レーニンが『第二インターナショナルの崩壊』で提起した革命党の三つの義務、すなわち@革命的情勢が現存することを大衆に明らかにし、Aプロレタリアートを革命的行動に移らせ、B革命的情勢に応ずる組織をつくり出す――ことを、選挙闘争において貫徹するのである。
2議員の敵対うち破り
昨秋来、西部地区党は、これまでの議会主義・選挙闘争のあり方をめぐり真剣で激しい討論を重ねてきた。その核心は「議会主義・議会活動の歪んだ理解と誤り、選挙闘争のあり方をめぐる根底的総括、党の出直しの問題」だった。「都政を革新する会」の結柴・新城両議員が討議の中で「党としての原則的な責任の取り方としての議員辞職」が俎上(そじょう)にのった途端に討議を拒否し逃亡したのだ。
2人の議員の歪みや転向は、実に恐るべきものであった。「犯罪被害者等支援条例」賛成はその帰結だった。民営化への賛成という反労働者的対応を先端に、2議員は党の路線や階級の利害に背反する行動を積み重ねていた。これらは単にその時点での誤り、判断の間違いでは断じてない。
これらはもとより党の指導が生み出したものであり、特に5月テーゼ以降の党指導部の中の意識的背反がこうした路線的歪みを主要につくり出したことを、痛苦の念をもって自己批判しなくてはならない。その結果、2議員の新指導路線(階級的労働運動路線)反対の立場を生み出し、彼らは反階級的なブルジョア議会主義への転落を深めてしまったのである。
2議員の反動的転落と急速な反動的純化は、まさに「党の革命」反対の立場からの必然的結果だった(2人が「党の革命」直後から反対派を組織していたことが判明している)。
今進行している事態は、2議員が結局は「党の革命」に反対し、階級的労働運動路線に敵対し、その立場から党への敵対と反党活動を行い、区民の中に分裂を持ち込み、昨年12月に都革新を離脱し、「無所属」を名乗り、「党から離れた」「過激派をやめた」「都革新、党に対決する」ことを売りものにして選挙闘争に踏み込んでいるという事実である。都革新の唯一の候補である北島候補を落選させることを目的に選挙活動を行おうというのだ。
2人の議員の許しがたい反党活動と転向・敵対を徹底的に弾劾しなくてはならない。今こそ2人の打倒を徹底的に宣言し、「党の革命」の貫徹をかけ、階級的労働運動路線と1・1アピールをかけて、統一地方選勝利をかちとることを断固として確認したい。これは全党の不抜の団結の闘いである。その際に重要なのは、労働者(区民)の自己解放的決起として、2人の弾劾・打倒をかちとることである。
民営化阻止・山田打倒へ
07年区議選をいかに闘うか。
第一に北島候補の当選を必死で実現することである。
われわれは、今回の区議選を戦争・改憲、民営化・労働者の団結破壊、生活破壊と全面的に対決する選挙戦として攻勢的に闘い、勝利しなくてはならない。安倍・石原・山田と徹底的に闘う選挙戦である。
選挙戦過程が戦争・改憲攻撃との激突になる。それは、朝鮮侵略戦争の切迫、実際に戦争の準備をしている安倍政権に反撃し、改憲投票法案の成立を阻止する闘いである。また、資本の利潤追求を一切とする御手洗ビジョンと対決し、労働者を人間として扱わない社会のあり方を全面的に変えようと訴え、労働者こそ社会の主人公だと訴え共感をかちとり、闘いを呼びかけていく選挙戦として闘う。戦争でしか生き延びることができない今の社会をひっくりかえそう、「労働運動で革命をやろう」と真っ向から訴える選挙戦である。
第二に、西部地区党と都委員会は、これまでの選挙戦からの「画然たる転換」をかけ、勝利をめざして闘っている。何よりも全党総決起で全地区党同志が選挙の配置につき闘うあり方を懸命に創出し、「オルグ団」選挙から全党の「オルグ団」化への転換をめざして闘っている。核心は、選挙闘争に総決起することで団結を固め、団結を拡大していくことにある。
第三に、階級的労働運動路線の実践として闘うことである。とりわけ「杉並区・丸ごと民営化」攻撃との全面的な激突を選挙戦の最大の争点に押し上げ、大衆運動としての爆発を実現していくことである。
杉並・山田が民営化攻撃の先兵となって打ち出している全事業の民営化方針(「杉並行政サービス民間事業化提案制度(仮称)」)は、区で働く全労働者(正規・非正規)の大量首切りであり、低賃金・強労働に落とし込む攻撃であり、同時に住民の福祉・生活を破壊する攻撃である。全労働者の課題として必ずや大闘争に発展する。
山田は「つくる会」教科書の採択や独自の教員養成の「師範館」を立ち上げた根っからの極右ファシストである。教育改革と民営化を掲げて労働者階級の闘いと団結の解体に向けて真っ向から突進しており、安倍・石原の手先そのものである。山田が、戦争・改憲、民営化・労組破壊、生活破壊の先頭に立っていることを暴露し、対決し、打倒することを徹底的に柱に据えて闘う。
この闘いを選挙戦術という狭い枠で考えるのではなく、階級的労働運動路線の実践として年単位の闘いに位置づけ、闘いの高揚を切り開かなくてはならない。すでにこの闘いは開始され、怒りと闘いを求める多くの叫びが上がっている。
第四に、大増税(消費税値上げ)、生活破壊、福祉・介護切り捨て政策と徹底的に対決し、「労働者が中心の社会を新たにつくろう」と訴える選挙戦である。労働者区民自身の自己解放的決起と一体となり、その怒りを組織し、代行主義ではなく労働者自身の決起と議員が一体となって闘うあり方をつくり出す選挙戦である。このことを再度、明確にしたい。
第五に、07年3月大行動―3・18全世界一斉デモの爆発なしに4月選挙闘争の前進も勝利もない。「3・11 本気で春闘/世の中変えよう!西部春闘行動」(130名の集会・デモ)の成功に続き、3・18日比谷に総決起し、その大爆発を実現し、その熱気と大流動の中で4月区議選を白熱的に闘って、勝利をこの手につかもうではないか。ともに闘おう。
階級的労働運動路線の実践として、統一地方選の勝利をかちとろう。
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週刊『前進』(2287号4面4)(2007/03/19 )
3月6日〜13日
日豪が「安保協力」で共同宣言
「集団的自衛権」結論急ぐ安倍
●前補佐官に有罪評決 イラク戦争にからむ米ブッシュ政権高官による米中央情報局(CIA)工作員の身元情報漏洩事件で、司法妨害や偽証などの罪に問われていた、チェイニー副大統領の前首席補佐官ルイス・リビー被告に対し、ワシントン連邦地裁の陪審が起訴された五つの罪状のうち四つで有罪とする評決を出した。(6日)
●MDの緊急対処要領、閣議決定へ 政府は、現場指揮官の判断でミサイル防衛(MD)システムで迎撃するための基準を定めた「緊急対処要領」をまとめた。@ミサイルが発射される疑いがあるA人工衛星名目でロケットなどが発射され、日本に落下する恐れがあるという二つの場合を想定し、あらかじめ「現場指揮官の判断でミサイルを迎撃してもいい」と防衛相が命令できる、としている。(7日)
●「集団的自衛権」の結論急ぐ 安倍首相は記者会見で、集団的自衛権の研究に関して「国民を守る大きな責任がある中で、そんなに時間をかけるべきではない」と、早急に結論を得る考えを示した。(7日)
●東京大空襲で国を提訴 62年前、一夜のうちに約10万人の命が奪われたとされる東京大空襲の被災者や遺族112人が国に総額12億3200万円の損害賠償と謝罪を求める集団訴訟を東京地裁に起こした。空襲被害を受けた民間人としては初の集団訴訟。(9日)
●国の教委関与、両論併記 文部科学相の諮問機関の中央教育審議会が総会を開き、教育関連法案について伊吹文科相に答申した。文科相の教育委員会への指示などについては賛成、反対の両論併記になった。答申を受け政府は教員免許法など4法の改悪案を決定し国会に提出する方針だ。(10日)
●米、イラク増派4700人追加
ブッシュ米大統領は、イラク駐留米軍をさらに最大で約4700人増派すると決定し、ペロシ下院議長に通知した。新たな増派は、武装勢力の拘束を担当する軍警察部隊や、後方支援部隊などから構成され、1月に発表したイラク新戦略に従って投入されつつある戦闘部隊約2万1500人に上積みされる形。(10日)
●PKO訓練施設設立へ 防衛省は、今月発足する陸上自衛隊の国際活動教育隊をさらに発展させ、海自、空自隊員も含めた教育施設「国際平和協力センター」(仮称)を新設する方針を固めた。早ければ数年後に実現する見通し。(11日)
●安倍「憲法記念日前にこだわらぬ」 安倍首相は、国民投票法案を5月3日の憲法記念日までに成立させる方針について「それは一つの象徴だなとの思いもあるが、それは私はそんなにこだわっていない」と述べた。6月23日までの国会会期内の成立を求める姿勢に軌道修正した。(11日)
●イラク帰還兵、3割が「心の病」 イラクとアフガニスタンから帰還した米兵約10万人のうち、25%が心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの精神疾患と診断されたことがカリフォルニア大学サンフランシスコ校などの研究で明らかになった。不適応などを含めると3割に上る。(12日)
●日豪で安保共同宣言 安倍首相は首相官邸で、オーストラリアのハワード首相と会談した。テロ対策や北朝鮮問題などの安全保障面の協力を包括的に強化することで合意し、会談後に「安全保障協力に関する日豪共同宣言」に署名した。日本が米国以外と安全保障面で包括的な共同宣言を出すのは初めて。外務・防衛担当閣僚による定期協議(2プラス2)や、海外での自衛隊と豪軍の協力に関する行動計画を設けることなども盛り込んだ。日米安保条約と異なり相互の防衛は対象外。(13日)
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週刊『前進』(2287号5面1)(2007/03/19 )
3・14反革命から32年 新たな決意
ファシスト労働運動を打倒し階級的労働運動路線の実践へ
すべてを焼き尽くす3・14報復戦に決起
わが革共同のかけがえのない最高指導者だった本多延嘉書記長が、ファシスト反革命・カクマルにより暗殺された1975年の3・14反革命から、32年目を迎えた。
3・14反革命は、先制的内戦戦略―二重対峙・対カクマル戦の総反攻完遂段階の前進に追い詰められたカクマルが、言語に絶する卑劣な手段をもって革命党の党首を虐殺した大逆流であり、一大反革命であった。
われわれはこの事態に遭遇して、怒りにふるえ、3・14を「みすえ、そそぎ、のりこえる」を合言葉に、「すべてか無か」「生か死か」の一大反撃に立ち上がった。学生戦線の同志はもとより、あらゆる産別の多くの闘う労働者同志が退路を断ち、ファシストとの革命的内戦に決起し、党と革命を防衛するために命をかけて戦った。
カクマルのような世界に類例のない邪悪な反革命に対しては、すべてを焼き尽くす激しさと、ファシストどもの度胆を抜く赤色テロル=3・14報復戦の爆発以外に、通用する言葉はなかった。
その嵐のような戦いは、1980年10・30大戦闘(3・14反革命の下手人=学生JAC5人を完全せん滅した戦い)にまで上りつめていった。革共同はこの大勝利を転機に、第一の正面任務を対権力闘争とし、第二の任務を対カクマル戦とすることを決断して、先制的内戦戦略のフェーズTからフェーズUへと移行していったのである。
70年安保・沖縄決戦の大爆発に恐怖したカクマルの歴史的反動としてあった1971年の12・4反革命。それ以来、革共同は先制的内戦戦略のフェーズT・フェーズUの20年にわたるファシスト反革命との戦いに断固決起した。だがその中でも、けっして労働運動・労働組合運動を放棄しはしなかった。なぜならそれは革共同が労働者階級の党であり、プロレタリア革命の党だからだ。
そのための鉄火の試練として、現実には80年代のフェーズUの過程で、決戦に突入した三里塚と両輪をなす闘いとして何よりも動労千葉の闘いを位置づけ、国鉄分割・民営化阻止の闘いを決戦として闘いぬいた。一方で動労カクマル・松崎が中曽根の先兵となり、他方で総評・民同指導部が民営化攻撃と原則的に闘えず屈服する中で、動労千葉は闘いぬき、全産別の労働者も連帯して決起した。動労千葉を自己の分身として、その防衛のために闘ったのである。
(写真 故・本多延嘉書記長)
3全総路線のラセン的発展と新たな挑戦
革共同は今日、「党の革命」を推進し、07年『前進』新年号の1・1アピールとマル青労同のアピール・座談会をもって階級的労働運動路線を提起し、その実践を開始している。「労働運動の力で革命をやろう」が青年労働者の大衆的な合言葉となり、既成の体制内労働運動と決別し、それを打破しながら、職場闘争や細胞建設の闘いと、組合権力への挑戦が始まっている。これは労働運動を革命的に発展させ、地殻変動をつくり出していく歴史的な闘いの開始そのものである。
この新たな画期的地平を生みだした基礎にあるものこそ、動労千葉労働運動である。そしてファシスト・カクマルとの革命的内戦の勝利と、91年5月テーゼ以来のとりわけ労働戦線における党建設の闘い、および党改革の闘いの推進である。さらには、故本多書記長が中心となり指導し切り開いてきた、革共同の3全総・3回大会路線である。そこへのラセン的回帰の闘いと実践である。
故本多書記長こそは、革共同が1957年に創設されて以来、反スターリン主義・革命的共産主義運動のトータリティー(全体性)を体現してきた指導者だった。
日本における反スターリン主義・革命的共産主義運動は、56年のハンガリー革命へのソ連軍の血の弾圧に対する革命的糾弾の闘いをもって開始された。この闘いは、一方で、帝国主義とスターリン主義の現代世界との対決を、自己変革と対象変革の闘いの弁証法的統一として深化・発展させる闘いであり、他方で、トロツキー教条主義やブント(共産主義者同盟)的な左翼スターリン主義=小ブルジョア急進主義との激しい闘争として展開された闘いだった。
革共同は第1次分裂(58年夏)以降、本多書記長の強力なヘゲモニーのもとに、黒田のサークル主義と政治指導からの召還主義をのりこえ、西分派との第2次分裂に勝ち抜き(59年8月)、革共同全国委員会を結成した。それは60年の激動過程を政治闘争と党派闘争の双方で闘いぬいていく党的基礎の確立を意味した。第2次分裂から60年安保、ブント問題、そして62年の3全総(第3回全国委員総会)の過程で、本多書記長の果たした役割は決定的だった。
故本多書記長の決断と主導でかちとられた3全総路線の核心は、戦闘的労働運動の防衛と創造、地区党建設、『前進』を軸とした宣伝・扇動の改革の三つである。この3全総の戦取なしには、革共同のその後の労働運動と階級闘争での飛躍も、3回大会(66年)への道もけっして切り開かれなかった。ところが黒田とカクマルは、これに「労働運動主義」「大衆運動主義」「ブント主義への屈服」などという悪罵(あくば)を投げつけて反発し、革共同から脱落・逃亡したのである。
3全総路線に敵対した黒田とカクマルの本質は、階級闘争と階級的労働運動からの召還主義ということにある。だからこそ黒田とカクマルは、70年安保・沖縄決戦の爆発に大打撃を受け、恐怖して、プロレタリア階級闘争を白色テロルで圧殺するファシスト集団に変質し、反革命に転落したのだ。さらには国鉄分割・民営化の先兵となって延命するという、反階級的裏切り者集団になり下がったのだ。
3全総をかちとった革共同は、さらに本多書記長らの指導のもと、第3回全国大会で反帝国主義・反スターリン主義世界革命の綱領的確立を基本的になしとげ、70年決戦を路線的に準備した。これは黒田の「反帝・反スタ」が東西対立論や容帝・反共主義や「ソ連起動力」論に変質、崩壊していった対極で実現された地平であり、カクマルに壊滅的打撃を与えた。
革共同は60年代、3全総・3回大会路線のもと、第一の最大の任務として〈戦闘的労働運動の防衛と創造>のための闘いに全力をあげた。総評・民同や日本共産党スターリン主義と激しく対決しながら、マル青労同の建設や組合青年部の組織化に力を注いだ。この闘いによって組織された青年労働者の勢力は社会的にも「反戦派労働者」と呼ばれ、70年決戦に圧倒的隊列で登場した。階級的労働運動の巨大な創造を展望しながら、逮捕・投獄も恐れず、武器を持ち果敢に闘った。
だがこれへの歴史的反動として立ち現れ、警察権力と連合して革共同と革命的労働者に襲いかかったのが、反革命カクマルだった。
対カクマル戦勝利と黒田の「恥多き死」!
革共同はこれに対し、戦略的防御―対峙―反攻という段階的発展の戦い方をもって、二重対峙・対カクマル戦=反ファシズム解放戦争に総決起していった。3・14報復戦を頂点に、血を流し、歯を食いしばって闘いぬいた。そしてこのファシストとの戦争に、ついに勝利したのである。
2001年の革共同6回大会は、対カクマル戦の「歴史的大勝利の情勢」を宣言し、カクマルの綱領的・路線的破産、JR総連路線の破産と組織分裂をえぐり出し、カクマル最後の「聖域」たる「黒田哲学」に攻め込み、その観念論的正体を暴き、死を宣告した。
カクマルの危機と腐敗と崩壊は、今日、さらに進行している。見よ。嶋田派との分裂・抗争が全国的に激化し、「平成採」の反乱も拡大するJR総連の中で、今や松崎は腹心の佐藤政雄ともども、数千万から億単位の多額の組合費横領で追及される身だ。3・14反革命の最大の下手人・黒田は、「黒田哲学」への壊滅的批判に一言も反論できないまま、06年6月、恥多き死をとげた。最後は日本礼賛と反米国粋主義・民族主義に転落し、無残な転向者としての姿をさらした。
黒田なきカクマルには、もはや宗教的な黒田崇拝を軸としたカルト集団として、反革命的に延命する以外の道は何も残されていない。
労働運動と革共同の未来切り開く闘い
先制的内戦戦略のフェーズT・フェーズUを戦いぬき、対カクマル戦に勝利した革共同は、91年5月テーゼと6回大会―新指導路線のもとで15年間を闘い、今や「党の革命」を推進し、階級的労働運動路線を打ち立て、実践している。青年労働者を先頭に、「労働運動の力で革命をやろう」と訴え、動労千葉労働運動と国際連帯に学んで、猛然と闘いを開始している。既成の腐敗した体制内労働運動を突き破って闘いを始めている。
日帝・安倍=御手洗路線と激突するこの闘いこそは、故本多書記長の指導で戦取された3全総・3回大会路線をラセン的に発展させる闘いでもある。革共同はここに労働運動・労働組合運動の未来、さらには革共同の未来があると確信する。
「党の革命」のさらなる推進と、4大産別を軸とした階級的労働運動路線の強力な実践は、青年労働者を先頭とした労働者階級の壮大な決起を、必ずや荒々しく解き放ち、プロレタリア革命への歴史の扉をこじ開けるものとなるであろう。
革共同は階級的労働運動路線をさらに断固として実践する。労働組合をとりでとし、陣地として、〈党・労働組合・ソビエト>の革命論的関係を鮮明にし、日米韓の国際連帯を発展させ、「本多精神」を無限に発揚させて、21世紀の反帝・反スターリン主義の世界革命と日本革命・朝鮮革命へと突き進む決意だ。
そのためにこそ、腐敗を極めるJR総連・カクマル松崎のファシスト労働運動を踏みつぶし、打倒して、断固前進する。
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週刊『前進』(2287号5面2)(2007/03/19 )
法政大 総長室へデモ
“3・14弾圧1カ年弾劾”
被処分者にあふれる勝利感
法政大学キャンパスで不当にも学生29人を逮捕した3・14法大弾圧から1年。1年間の激闘の勝利をかみしめ、新たな戦闘宣言を発しようと、3月14日に「3・14弾圧1カ年弾劾」デモを貫徹した。圧倒的勝利感に満ちあふれたデモだった。
この日、100人近い私服刑事が法大周辺に現れた。しかし3・14弾圧をはね返したわれわれにとって、権力の弾圧による脅しなどもはや通用しないのだ!
安東学生部長を始め学生部職員は誰も登場できなかった。正門以外の門をすべて閉め、たった数bだけ開けた正門を警備員に守らせた。私服警備員はキャンパスの片隅でこそこそとビデオを撮ることしかできない。これが今の法大学生運動がつくり出した力関係だ。
デモに先立ち、被処分者5人と闘う法大生が3・14弾圧1カ年を弾劾した。一人ひとりの発言が「3・14」への怒りと1年間の闘いの勝利性を明らかにした。
1年前に逮捕された12時33分ちょうどにデモ出発。総長室のある九段校舎へ向かった。九段校舎の周りを警察100人が取り囲んだが、労働者の圧倒的注目の中、デモは完全に街頭を制圧した。
解散地点の公園で総括集会を行った。1年前に不当逮捕された学生が次々と発言に立ち、それぞれ「3・14」への思いを語った。3・14弾圧をはね返した地平から、「闘って勝てる時代が来た」ことを誰もが感じ取っている発言だった。
3・14法大弾圧とは、9条改憲に向けて学生運動を絶滅するための大弾圧だった。警察官200人を動員し、「立て看板撤去」の名目でその場にいた29人全員を一斉に逮捕。いまだかつてこんな弾圧があっただろうか!
しかしわれわれは一歩も引かなかった。「警察権力とは非和解だ。交わす言葉は何もない」――全員の完全黙秘の闘いが国家権力を追いつめた。3・14弾圧への労働者人民の危機感は強く、ほんの数日で全国を駆けめぐって大救援運動に発展した。弾圧によって全国学生の団結は深まり、29人の「3・14戦士」をつくり出した。全員の不起訴釈放をかちとって弾圧を完全粉砕した勝利は、日本階級闘争の歴史を大きく塗り替えたのだ!
その後の法大決戦は、平林総長の独裁体制から学生の権力を実力で奪い返す闘いだった。退学・停学処分をものともせず、キャンパスを戦場に6・15法大1千人集会を始めとする闘いを実現した。戦時型弾圧をはね返した法大学生運動は、自己解放的な全国学生運動を復権する力となった。
法大決戦はまた、全国の労働者の圧倒的注目の中で、国会闘争や青年労働者の職場闘争の心棒となってきた。全国の大学で新たな「法大型弾圧」に反撃する主体をつくり出し、全国学生運動を大きく前進させてきた。
われわれはこの勝利を新たな出発点に、3〜4月の決戦へと立ち向かっていく。
(投稿/法政大3・14被弾圧者)
(写真 退学・停学処分を受けた法大生が先頭に立って、意気高くデモを闘いぬいた【3月14日 市ケ谷】)
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週刊『前進』(2287号5面3)(2007/03/19 )
富山大 大学封鎖破って集会
“自治会室明け渡し阻む”
3月13日、富山大学で行われた「自治会室明け渡し阻止!/新学則は撤回だ!学生集会」が大勝利をかちとった。富大当局は「学生規則」を理由に学長の集会禁止命令と大学のロックアウトを強行した。しかし学生は不当なロックアウトを粉砕して、堂々と学内集会と構内デモをかちとった。
きっぱりと宣言する。この集会の成功をもって、「学生規則」は一片の紙クズになった!
富大当局は朝から職員と警備員を大動員し、車両も学生も止めて学生証提示を強制する厳戒態勢をとった。私服刑事も学内に潜入している。学生が「検問の理由を言ってみろ!」と追及すると、学生運動つぶしのために富大に送り込まれた田川学生支援課長も何も言えず背を向けて逃げ回る。
「みんなで大学に入ろう」と声が上がり、富大生と全国の学生・労働者が堂々と入構した。職員と警備員は声も出せず突っ立っているだけだ。
40人で集会を始めた。冒頭、自治会委員長が「学生自治会は絶対に守る」と決意を表明。自治会室明け渡し阻止を闘う富大生が「この数カ月の大学当局には怒りしか感じない。学生と労働者の力でこんな大学を変えていこう」と発言。5人の富大生が「3月31日の自治会室明け渡しを断固阻止する」「3・18全世界一斉デモに大結集しよう」と決意を表明した。
東北大や法大、京大、広島大の学生、さらに富大OB、市民、北陸労組交流センターの代表が連帯の発言。「平和を作る富山県連絡会」からメッセージが寄せられた。
学内デモ、学生支援課への抗議、市内デモを行い、「自治会室明け渡し阻止」「西頭学長独裁を打倒するぞ」と訴えた。
団結して闘えば学長独裁も「学生規則」も粉々に吹き飛ばせる。法大決戦で鍛えられた、いかなる弾圧も恐れない学生運動が登場したのだ。
次は3月31日を前後して、自治会室明け渡しを実力で阻止する大決戦だ。再び全力で闘おう。
(投稿/富山大 S)
(写真 「こんな大学を根本から変えよう」。学内デモに続いて市内デモへ立った【3月13日 富山大】)
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週刊『前進』(2287号5面4)(2007/03/19 )
辺野古からの報告
インタビュー“一致団結よね”
1000日を超えた座り込み
いよいよ新基地建設が事前調査という形で再び動き出しつつある。辺野古ではボーリング調査を止めた後も座り込みが続けられている。1月13日にはついに1000日を超えた。政府の圧力をはね返し、米軍再編=新基地建設とねばり強く闘い続ける地元住民の思いを伝えたい。
那覇出身のおばあ、Aさん(88)は辺野古で暮らして50年。「新たな基地を造らせないのが私の辺野古への恩返し」と「命を守る会」で座り込みを続けてきた。
☆
――再び基地建設の動きが強まっていますが。
最近、アメリカでは木を1本切ったら3本植えるくらい自然に気を使うと聞いてびっくりした。なぜ沖縄ではそういう配慮がないのかね。地球は一つでしょう。自然は国家とかに関係なく一つにつながっているわけよ。あっちの自然は守って、こっちは海や森をつぶしてもかまわないというのは間違っているよ。
――政府は「名護市が沖合修正案を要求するならば振興策はゼロだ」と公言していますね。
基地建設に賛成すれば雇用問題が解決するという人がいるけど、おかしいよね。辺野古は50年も前にキャンプ・シュワブを受け入れた結果どうね? 基地と一緒にやってきたけど何も仕事は増えなかったでしょ。辺野古が基地のおかげで豊かになるなら、今ごろ沖縄一栄えているはずよ。補償金だの振興策だのと言っている者たちは、基地で地域が豊かにならないことを自分で証明しているようなものよ。
――辺野古の条件派が国に直接「補償金」を要求する動きもあるようですが?
最初、条件派の住民は「基地に賛成すれば1軒につき迷惑料として国から1億5千万円支払われる。反対運動がそれを妨害している」と私たちを攻め立てた。「夢みたいなことを言っているのかねー。宝くじでもあるまいし」と私たちは笑っていたけどね。
それが今度は300万円に値下げされたわけよ。東京に陳情に行ったみたいよ。情けないね。まるで売れ残った露店のたたき売りね(笑)。
――全国で辺野古のために行動している若い世代にメッセージを。
全国から若者がたくさん来てくれて辺野古を支えてくれているのは本当にありがたいよ。地元の若者にも参加してもらうように私からも一生懸命訴えていくつもり。
勝つためには派閥争いはだめよね。去年のゲート前(キャンプ・シュワブにおける遺跡調査阻止行動)で機動隊が来て、座り込みの人びとに乱暴するのを見て、胸が張り裂けそうになったよ。その時、政党とか団体とか関係なくみんな座り込んで頑張っていた。誰彼なしに手を合わせたくなりましたよ。敵は大きいからね。私らがちょっとしたことでケンカしてはいけない。
☆
「それは辺野古基地建設阻止の一点で力を合わせる。つまり『一致団結』ということですかね。この言葉は労組でよく使うんだけど」と私はAさんに問いかけた。すると探していた言葉が見つかったようにぱっと満面の笑みになった。
「そう! それよね。一致団結よね!」と、何度も心に刻むようにつぶやいた。
(大津五郎)
(写真 座り込みを続けるおばあたち)
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週刊『前進』(2287号6面1)(2007/03/19 )
ビキニデー杉並集会核の犠牲者は労働者 東京 村上千佳
2月25日に杉並で行われたビキニデー集会に参加した(写真上)。あらためて思った。核の犠牲者は労働者なんだ、と。
当日はビキニ沖で被爆した第五福竜丸の乗組員だった大石又七さんのお話を伺った。当時、日本人の3人に1人が反核署名に参加した。多くの人々が核に対する危機感を持って行動した。それなのに53年たった今、核によって同じような危険にさらされている。
この日、ゲストで発言した動労千葉の滝口誠さんの話がすごく印象に残った。事故が起こっても、企業の事故隠しで労働者の命は保証されない。それは電車の運転士も、核施設で働く労働者も同じこと。だからこそ、労働者は連帯して闘うんだ、と。ネットカフェで寝泊まりして生活するしているような若い労働者は、偽装請負の会社で危険だと分かっていても、「職業選択の自由」などなく、必死で命を削って生きている、と滝口さんは紹介した。
鎌仲ひとみ監督の映画「六ケ所村ラプソディー」は、青森県六ケ所村のプルトニウム再処理施設建設によって、地元の人々の生活がどう変わったかを描いている。風評被害で、リンゴ農家や農産物の生産者は大変な生活を強いられている。映画で登場する漁民と大石さんが重なってみえた。核施設で働かざるを得ない苦悩。現実問題として、核は嫌だと思っていても強制される状況がある。
青森県の最低賃金は時給650円。それを思うと、トヨタ自動車などは意識的に「エコエコな生活」とコマーシャルを流しているが、こんな偽善は許せないといつも腹立たしくなる。環境にやさしい生活も金次第の現状があるからだ。
エネルギー問題は資本主義の問題で、反核を訴えるとき、同時に労働者の置かれている生活をどう変えていくのかを語ることこそ、リアリティーのある核廃絶の道だと感じた。
東電が原発データを改ざんし故障を隠す 東京 元村叡
チェルノブイリのような大惨事が日本でいつ起きても不思議でない――それをまた強烈に実感させたのが、この間、明るみに出た東京電力の一連の組織的犯罪だ。
3月2日夕刻、東京・内幸町にある東電本社前で行われた「東京電力の不正・改ざんに怒る市民のネットワーク」主催の抗議行動に参加した。(写真下)
首都圏から多くの労働者・市民がかけつけ、次々と抗議文を読み上げ、怒りのシュプレヒコールを東電資本にたたきつけた。私鉄総連の春闘デモの労働者たちと手を振り交わす場面もあった。
検査をごまかすために、水力・火力・原発すべてにわたってデータ改ざんや故障隠しが企業ぐるみで行われていた。
特に福島・柏崎刈羽原発関連の偽造・詐欺は絶対に許せない。炉心溶融防止の「最後の命綱」=緊急炉心冷却装置(ECCS)のポンプが運転不能にもかかわらず、電動機の遮断器を操作して中央制御室表示灯には正常に起動しているかのように装って原子炉を動かす。またポンプの圧力計のゼロ点を移動して圧力指示値を偽造したり、配線をはずして警報が鳴らないように作為して定期検査をパスしている。さらに真っ先に伝えなければならない原子炉の自動緊急停止さえ隠していた。
東電だけでなく全電力資本が、自公政権―原子力安全・保安院と結託してこうした悪質きわまる不正を日常茶飯事のように続けてきていることは間違いない。
同じ日、「放射線発散処罰法案」が閣議決定された。安倍政権・電力資本こそ、原発・核燃稼働を強行してプルトニウムを生産しつつ現場労働者・住民を被曝(ひばく)させ、日本の核武装を狙っている張本人だ。
原発・核燃の一刻も早い運転中止・廃絶を労働者階級の決起でかちとろう。
「左翼用語」使う時は分かりやすい解説を 千葉 露木叡
最近、『前進』を読んでいて思うことは、『前進』の多くの記事は政治学の答案としては、おもしろく勉強になるが、分かりにくくて使いこなせるのか、ということです。
先日も『前進』の読み合わせをした時、「この新聞分かりづらいし、読んでいて疲れる」と言っていた若い女性がいました。
僕が「大衆の前でアジテーションをやって、人を獲得した方が良いのではないか」と言うと、その女性に「アジテーションって何?」と聞かれて、一瞬とまどってしまいました。僕はアジテーションは演説のことだと説明しましたが、僕自身、分かったフリをして左翼用語を使って自己満足に浸っていたのだと痛感しました。
だけど分かったフリをして左翼用語に浸るのは、多くの活動家が陥るワナではないでしょうか。『前進』にもその節がなきにしもあらず。
多くの大衆は右翼と左翼の違いも理解していません。そのような人たちの共感も得て、革命運動をするには、左翼用語を使う時には分かりやすい解説をつけるべきです。
『前進』も政治学の答案としてだけではなく、読んでいて疲れるものではなく、元気の出る文章で、素人にもスッと入るような紙面にしてほしいと思います。そのためにももっと絵などを入れたらどうでしょうか。
それができたら、地力のある中核派の飛躍は十分可能です。
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週刊『前進』(2287号6面2)(2007/03/19 )
解同全国連第16回大会
解放運動つぶしと対決
“実力闘争で住宅守る”
3月3―4日、部落解放同盟全国連合会(全国連)の第16回全国大会が東大阪市・荒本人権文化センターで開かれた。今大会から代議員制に移行し、390人の代議員・傍聴者が集まり、「部落解放運動つぶしを許すな! 憲法改悪絶対反対! たたかう全国連に団結せよ!」と題した2007年度の運動方針を採択し、闘う決意と団結を共同で打ち固めた。
全国連中央本部の瀬川博委員長が主催者あいさつ。「全国連は安倍政権による憲法改悪、全国連解体の大攻撃を絶対に打ち破る。西郡(大阪府八尾市)への給料差し押さえ攻撃、芦原(兵庫県西宮市)への住宅明け渡し攻撃を許さない。荒本支部にも攻撃をかけてきたが、一歩も引かない。全国連は差別攻撃に実力闘争で反撃する。狭山の石川一雄さんとともに第3次狭山再審闘争に立ち上がろう。4月八尾、9月東大阪の市議選に勝利しよう。選挙は部落解放運動つぶし、全国連つぶしとの闘いの最前線、改憲阻止・安倍政権打倒の闘いだ。総決起しよう」と意気高く呼びかけた。
(写真 全国の青年たちが全国連を担うと宣言した【3月3日 東大阪市】)
来賓あいさつを動労千葉の繁沢敬一副委員長、三里塚芝山連合空港反対同盟の伊藤信晴さんが行い、港合同の連帯メッセージが紹介された。
全国連の中田潔書記長が07年度運動方針案の基調の提起に立ち、最初に「16回大会を部落解放闘争の飛躍の年にする」と宣言した。
次に「大阪・京都・奈良における本部派の利権的腐敗や不祥事をめぐって、部落解放運動つぶしのための差別キャンペーンや警察権力の介入が強まっている。本部派は差別への怒りもなく屈服している。行政は、全国連を妨害するために本部派を育成し、甘い汁を吸わせ、彼らに部落大衆を支配させてきた。こうした本部派さえほうっておけなくなったのが小泉―安倍政権だ」と政府・行政と本部派の癒着による支配の危機を暴いた。
そして「安倍政権は、昨年12月に教育基本法を改悪し、さらに改憲と戦争国家をめざして動労千葉―労働運動の新潮流、三里塚、部落解放運動をたたきつぶそうとしている。だが差別と原則的に闘い、部落民の権利・要求のために闘う解放運動は全国連しかない。全国連を安倍らは恐れているのだ」と確信を語った。
こうした認識の上に立って具体的な方針と勝利の展望を提起した。「全国連は長く家賃値上げ反対闘争をやってきた。3―4月、供託者への明け渡し攻撃が始まろうとしている。明け渡し強制執行には、全国動員をかけ、機動隊とやり合ってでも阻止しなければならない」と住宅闘争の決意を促した。
さらに「部落解放運動の生き死にをかけた厳しい時代に突入した。16回大会は、全国連が差別徹底糾弾の立場に立った闘いを貫くことを確認する大会だ。全国連の3大闘争(差別糾弾闘争、要求闘争、共同闘争)論を実践的に深める内容で大会をかちとろう」「69年の同和対策事業特別措置法制定、70年代の狭山差別糾弾闘争は、部落解放運動のがんばりと同時に、ともに歩む反権力・反差別の労働者の闘いによるものだった。安倍の戦争政治と闘う広範な労働者民衆とスクラムを組むことによって部落解放運動は大きく勝利できる。また部落解放運動の勝利が労働者の運動にとって大きな前進の力になる。3大闘争の実践で全国連を5万人組織にすることができる」と提起した。
基調提起を受けて3大闘争に関するより具体的な実践方針として@狭山第3次再審闘争を差別糾弾で闘おうA住宅闘争を守り、明け渡し攻撃に実力反撃しようB労働問題に本格的に取り組もうの三つを提案した。
午後、同住連(同和住宅家賃値上げ反対全国連絡協議会)の東口博世話人ほか広島、大阪の世話人が報告、「応能応益」家賃の不当性、7万円に及ぶ高い家賃への怒りを表明、明け渡し拒否の実力闘争の決意を語った。
次に4月八尾市議選に立候補する末光道正・西郡支部事務局長(八尾北医療センター院長)と9月東大阪市議選で再選をめざす坂口克己・荒本支部支部長が必勝の決意を表明した。
ハイライトは全国の青年数十人の登壇だ。8月全青交への結集をアピール、闘う決意を表明し、全国連の勢いを示した。
2日目は午前、分散会で3テーマの具体的実践方針を深める討論を行った後、全体議事を行い、3分散会の報告、本部答弁、議案採択、新役員あいさつ、決議案・スローガン提案・採択などを行った。分散会の報告として特に「部落民は労働組合に入り、その先頭で闘おう。部落解放運動と労働組合運動とが一体となった闘いを切り開こう。労働学校を開設しよう」と提案された。
中央本部の新役員には瀬川博委員長、村上久義副委員長、中田潔書記長が引き続き選ばれた。
日帝・安倍政権の改憲と戦争、差別、全国連つぶし攻撃に労働者階級とともに糾弾闘争、実力闘争で立ち向かう方針と決意を固めた大会となった。
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週刊『前進』(2287号6面3)(2007/03/19 )
水嶋控訴審第2回公判
直ちに控訴棄却判決を
傍聴に集まろう
3月30日に水嶋裁判控訴審第2回公判(東京高裁第12刑事部・長岡哲次裁判長)が開かれる。河辺義正裁判長が退官したため、新裁判長に水嶋秀樹同志と弁護団が意見陳述し、無実を徹底的に明らかにする。
最大の攻防は、検察官の証拠申請をすべて却下させる闘いだ。検察官は1審無罪判決を覆し、デッチあげを強引に貫こうと、新たに証人を6人、証拠物を7点申請したが、そのすべてが裁判にはまったく無関係なものばかりだ。長岡裁判長は検察官の証拠申請をすべて却下し、直ちに控訴棄却の判決を出すことを要求する。
水嶋同志は無実だ。88年9・21千葉県収用委会長せん滅戦闘には一切関与していない。この真実はすでに1審無罪判決(04年3月17日)で完全に明らかにされた。にもかかわらず検察官はあくまでもデッチあげを貫こうと政治的控訴を強行したのだ。激しい怒りを込めて弾劾する。
「9・21戦闘」のメンバーを自認する転向分子・正井利明が、戦闘の総責任者(正井は「A」と記号で供述)だとして水嶋同志の写真を誤って「特定」したことで、無実の水嶋同志が逮捕・起訴された。
ところが1審法廷で水嶋同志をじっくりと観察した正井は、「Aとは別人である」と繰り返し証言した。これに慌てた検察官は、「A」は正井と最後に別れてから逮捕されるまでの12年間に容貌(ようぼう)が著しく変化したので、正井は水嶋同志を見ても「A」だと分からなかった(容貌の変化論)と主張しデッチあげの破産を居直った。
だが、親しい者なら何十年別れていようと分からないことは断じてない。1審・東京地裁の川口宰護裁判長は、正井と水嶋同志との直接対面をつぶさに見、正井証言を直接聞いて無罪判決を出したのだ。
これに打撃を受けた検察官は、控訴趣意書では正井は水嶋同志を見て「A」だと確信したが、報復を恐れてそうだと言えなかったのだと主張(報復脅威論)している。検察官は事実に立脚することなく、主観的な場当たり的な主張で立証破綻(はたん)を居直って控訴を強行したのだ。
水嶋裁判は明白なデッチあげ裁判である。
第一に「写真特定」。用いられた100枚の写真帳の中で、水嶋同志の写真だけが背景が切り取られ、ピントも合っていない、特異なものだった。ほかにも写真があるにもかかわらず、取調官は「これしかない」と言ってほかの写真を見せなかった。
第二に、逮捕された水嶋同志をマジックミラー越しに見せられた正井は「別人と思う」と供述したにもかかわらず、検察官が起訴を強行したという事実だ。
第三に、裁判においては、水嶋同志が「A」であるか否かが唯一の争点であるにもかかわらず、検察官は、正井と水嶋同志との間に衝立を置き、正井に水嶋同志の姿を見せまいとしたことだ。
そもそも、正井が供述した「A」の身体的特徴は、頭髪の状態も、身長やメガネの有無(視力)も、歯の状態、体つき、しゃべり方も水嶋同志の特徴とはまったく違う。「A」と水嶋同志は完全に別人なのだ。
さらに水嶋同志には明白なアリバイもある。
長岡裁判長は、不正義でデタラメ極まりない控訴を直ちに棄却しなければならない。水嶋同志と弁護団は、検察官のデタラメな主張を百パーセント粉砕する弁護側立証を準備しており、控訴審で必ず無実・無罪を確定させる決意である。
88年9・21戦闘は千葉県収用委員会を解体し、国家権力の暴力支配に風穴を開け、権力による土地強奪と、成田軍事空港の完成をいまだ阻止し続けている偉大な戦闘だ。朝鮮侵略戦争切迫情勢下にあって、日帝はこの現実の転覆に総力をあげているのだ。闘う三里塚反対同盟農民と連帯し、控訴審闘争に絶対に勝利しよう。
3・30裁判傍聴闘争に駆けつけよう。【3月30日(金)午後3時開廷/東京高裁715号法廷】
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週刊『前進』(2287号6面4)(2007/03/19 )
“PAC3配備反対”
空自入間基地デモに100人
3月11日、埼玉県入間市で地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)の配備に反対する集会とデモが行われ、100人を超える人々が参加した。地元入間、狭山を始め県内各地の人びとが呼びかけた行動。
午後1時半から西武線入間市駅近くの公園で開かれた集会では、ミサイル配備への怒りの発言が続き、朝鮮侵略戦争のための攻撃だと明らかにされた。その後、今月末にPAC3配備が計画されている航空自衛隊入間駐屯地に向けデモをした。
駐屯地正門で配備の中止を求める申し入れを行った。官舎の前ではマイクを握った「隊員家族と元自衛官連絡会」の小多基実夫さんが、「私も航空自衛隊のミサイル部隊にいました。だから皆さんの気持ちがよくわかります。PAC3は地域住民を守るものでもなんでもありません。戦争のための基地を守るものです。家族の皆さんも反対の声を上げてください」と熱烈に訴えた。
解散地では、実行委員会から、3月末と言われるPAC3配備日程が明らかになったら緊急連絡を発するので、ぜひ緊急抗議行動に参加してほしいと呼びかけられた。
日帝・防衛省は、入間基地に続いて年内に茨城県の霞ケ浦、千葉県の習志野、神奈川県の武山の各航空自衛隊基地にPAC3配備を強行しようとしている。首都圏を囲むこの配備が、横田・座間・横須賀に集中する米軍と自衛隊の3軍司令部(朝鮮・中国侵略戦争司令基地群)と、政府中枢および天皇(皇居)を防衛するためのものであることは明らかだ。
沖縄・嘉手納基地へのPAC3搬入阻止闘争に続き、入間基地配備・搬入を阻止しよう。入間基地配備に対する抗議行動に立ち上がろう。
(写真 「ミサイルは住民を守らない」と訴えデモ【3月11日 入間市】)
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