ZENSHIN 2007/03/05(No2285 p08)

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第2285号の目次

(写真 教育労働者を激励してビラをまく都政を革新する会・北島邦彦さんら【3月2日都立西高校前】)

1面の画像
(1面)
労働者の団結で安倍倒せ
3・18日比谷 イラク反戦・改憲投票法案粉砕を
労働運動の力で革命やろう
既成の労組指導部打倒して  労働者は戦争を止められる
記事を読む  
3・18日比谷野音へ  全世界一斉デモメッセージ C
青年は革命を欲している  医療労働者 天谷みゆき
記事を読む  
日程 3・25全国総決起集会 記事を読む  
(2面)
改憲投票法案粉砕を
公務員の反対運動を禁止し 日教組・自治労の壊滅を狙う
4大産別決戦の力で改憲とめよう
記事を読む  
都立高校卒業式 “みんなで不起立を”
連帯のビラまきスタート(3月1日)
記事を読む  
「君が代」伴奏職務命令合憲  最高裁判決を弾劾する(2月27日) 記事を読む  
「君が代不起立」 東京上映会  根津さんらの訴えに共感(2月23日) 記事を読む  
07春闘勝利!各地で集会(2月23、27日) 記事を読む  
関西合同労組への不当弾圧  全員不起訴で奪還
弾圧はね返した団結の力(関西合同労組/K)(2月28日)
記事を読む  
(3面)
「労働契約法」絶対粉砕へ  労働組合の抹殺が狙いだ  湯村宏則 記事を読む  
“過労死は自己責任”
労政審委員 奥谷禮子の許せぬ暴言
記事を読む  
『動労千葉』27発行  07春闘を闘う指針に 記事を読む  
“3・18で歴史の転換を”  2・26実行委で熱い議論(2月26日) 記事を読む  
法政大 法学部生A君に退学処分  怒りの大反撃に立て(2月19日) 記事を読む  
「日本は同質的な国…」  伊吹発言を弾劾する(2月25日) 記事を読む  
(4面)
東峰の森伐採阻止へ
2・25三里塚 怒りの緊急闘争に170人
“3・25大結集で反撃”誓う(2月25日)
記事を読む  
NAAがフェンス工事  「命の森」奪う暴挙許すな(2月26日) 記事を読む  
天神峰本部裁判 空港会社の虚偽暴く
北原さんらを証人に申請(2月22日)
記事を読む  
郵政民営化粉砕! 闘いはこれから
民営化に殺されてたまるか
団結づくりの闘いを始める(東北・全逓労働者 春原浩哉)
記事を読む  
中国・無錫松下電池でスト  カドミウム被害補償を要求
生産ラインをすべて止める(河北恵一)
記事を読む  
2007年日誌 2月21日〜27日
「テロ謀議罪」へ共謀罪を変更  イラク駐留英軍1600人撤退へ
記事を読む  
(5面)
米帝の虐殺・掃討作戦許すな  3・18イラク反戦大デモへ  丹沢 望 記事を読む  
「工場法以前に戻せ」と叫ぶ 安倍・御手洗を倒そう
●『イギリスにおける労働者階級の状態』に学ぶ(上)
1部屋に15〜20人が生活  昼も夜もない極限的労働(田島俊昭)
記事を読む  
新刊紹介 コミューン 4月号  青年労働者の現実 記事を読む  
(6面)
9条改憲・朝鮮侵略戦争と対決し闘う革共同の建設をかちとろう
「党の革命」1周年にあたって  革共同書記長 天田 三紀夫
記事を読む  
(7面)
日帝自衛隊の解体と獲得へ  3.21小牧闘争へ決起しよう
防衛省昇格と日帝の戦争国家化(革共同反軍闘争委員会)
記事を読む  
(8面)
団結ひろば 投稿コーナー
「日の丸・君が代」強制許さないと申し入れ 東京・東部 西尾岳彦
教育再生会議で葛西が労組破壊する暴言 T
バス業界の規制緩和が大事故を起こした 千葉 土田研吾
友人たちよ。真実に目覚め、共に立とう 兵庫 在日反骨魂
映画『麦の穂をゆらす風』に描かれた時代 東京 内村研二
記事を読む  
即時抗告棄却許すな  星野同志を必ず執行停止に(2月26日) 記事を読む  
刑事裁判への   「被害者参加」導入阻止を
「推定無罪」の大原則破壊有罪と決めつけて重罰に
記事を読む  
会場使用許可取り消し攻撃
東京地裁と高裁は認めず(2月27日、3月1日)
記事を読む  
原子力空母 レーガン寄港に抗議  佐世保で1200人集会 記事を読む  
日程 ◆共謀罪新設阻止国会前闘争 記事を読む  
日程 2007年3・8国際婦人デー集会 記事を読む  

週刊『前進』(2285号1面1)(2007/03/05 )

 労働者の団結で安倍倒せ

 3・18日比谷 イラク反戦・改憲投票法案粉砕を

(写真 運転区廃止絶対阻止へ闘い進む 館山運転区・木更津支区廃止反対を訴え、動労千葉の組合員は千葉駅前での宣伝行動に立った【2月27日】)

 帝国主義の侵略戦争、失業・貧困・搾取と抑圧に対し、3月18日、「労働運動の力で革命をやろう」と訴えて首都を揺るがすデモをやろう。世界の労働者を鼓舞激励する闘いを日本でやろう。動労千葉は、労働者の団結を命がけで守り抜くストに立ちます。全国の教育労働者が「日の丸・君が代」不起立の40秒のストを闘います。石原都政による朝鮮総連への日比谷野音使用許可取り消し策動に対する怒りと闘いは、朝鮮侵略戦争を阻止し、共通の敵=安倍・石原を打倒するまで終わることはありません。労働者階級の団結は闘いの中でこそ強化されるのです。処分を恐れず、クビをかけ、労働者の誇りを取り戻して資本・国家権力と激突して闘う姿は、必ず全世界の労働者の魂を揺り動かします。03年3月の帝国主義のイラク侵略戦争開始から4年を迎える3月18日、アメリカ、イギリス、イタリア、韓国など全世界でイラク反戦の一斉デモが闘われます。いま日本の労働者が立ち上がれば世界が変わります。3・18に向かう私たちはそういう決定的位置にいるのです。

全世界が連帯して大デモ

 労働運動の力で革命やろう

 既成の労組指導部打倒して

 昨年の11・5労働者集会で私たちは、労働者に世の中を変える力があることをつかみました。
 参加した米国の代表団は「労働者が権力をとる時代がきた。11・5のような集会をアメリカでもやろう」と言い、韓国の民主労総ソウル本部は「参加した労働者がみんな元気になった」とゼネストに突入しました。
 米国の労働者は50万人のイラク反戦集会をやる力を持っています。民主労総は80万人の組合員を擁し、ストライキで社会をストップさせる世界最強の労働組合です。その彼らも11・5集会に参加して価値観が変わったのです。「日本にすごい労働運動がある」と。
 それは「団結して闘えば労働者は絶対に勝てる」という原則をどんな困難な状況でも曲げずに貫いているからです。労働者の本当の勝利は、闘うことによって職場に団結をつくり、資本との力関係を変えていくことにあるのです。
 労働組合が闘わなければ、私たち労働者は「自分だけは生き残りたい」と資本家や国家権力にすがって競争させられ、バラバラにされてしまいます。労働者がバラバラにされたら最後は戦争です。しかし、逆に職場で団結すれば革命です。労働者の団結の拡大こそが社会を変え、革命を起こす根本的な力なのです。
 日本にはこうした闘いを実践し、世界の労働組合が注目する動労千葉、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械港合同の闘いがあります。全金本山があり、教育労働者の闘いがあります。しかし、彼らはけっして特別ではないのです。私たち労働者一人ひとりにこうした力があるのです。
 国鉄、教労、全逓、自治体の4大産別を先頭に、既成の体制内労働運動の屈服と裏切りを打破し、自分と隣の仲間の力に確信を持って闘えば絶対に労働者は勝てます。

 革命的な情勢

 私たち労働者にとって革命的な情勢が訪れています。イラク侵略戦争の泥沼化がブッシュと安倍を危機にたたきこんでいます。これに対してブッシュも安倍も世界戦争以外に「回答」がないのです。
 敵の危機と攻撃の激しさこそが世界中の労働者の階級意識を呼び覚まし、階級としてひとつにさせるのです。とりわけ日本に革命の展望があります。世界の帝国主義の中で、日本の支配者こそ最も追いつめられているからです。
 「日本の財政は先進国中最悪の状態になっている」(日本経団連の御手洗会長)。1千兆円の借金がどれほど日本の支配階級を追いつめているか。米欧帝国主義とのアジア勢力圏化をめぐる死闘の中で、日本帝国主義は改憲と戦争、労働者への犠牲転嫁と格差の拡大へ向かう以外ありません。その安倍・御手洗路線に労働者の怒りが爆発しています。
 支配階級は労働者なしにはやっていけません。合理化・民営化・規制緩和、非正規雇用の拡大で、徹底して労働者の怒りを増幅させながら、労働者に生産を行わせる以外にない。一見強大に見える敵も、労働者の反乱が起これば一日たりとも持たないのです。
 非正規雇用の拡大を見るまでもなく、現代の日本資本主義の搾取の最大の対象は青年労働者です。青年労働者こそが資本主義の根本から覆し、歴史を変える決定的存在になるのです。青年労働者が職場で闘うことが革命と直結する決定的位置をもっているのです。
 全国の学校には「教え子を再び戦場に送るな」という教育労働者の組合が存在し、「日の丸・君が代」強制を拒否しています。全国の自治体には改憲反対の組合員が百数十万人も存在する。国鉄1047名闘争の解体なしに改憲はできません。郵政労働者の闘いが民営化を破綻(はたん)に追い込んでいます。この4大産別の労働者の闘いが安倍・御手洗を根底から揺さぶっているのです。

 革命の主体

 これほど支配階級が危機にあるにもかかわらずどうして倒れないのか。
 既成労組指導部が労働者の革命への決起を抑えつけているからです。ここに私たちの飛躍が問われています。こういう腐った幹部を打ち倒して、私たちが指導部になる決意を固め、「革命をやる」労働組合を取り戻さなければなりません。
 私たち労働者は救済の対象ではなく革命の主体です。偽装請負の青年労働者が11・5労働者集会に参加し次のように言いました。「野音を全部占領するぐらい派遣労働者を集めたい。日本の会社を止めたい。私たちの力を認めさせましょう」「闘わなければ派遣労働者は生きてけない。だから革命が必要!」
 革命とは、労働者が人間として解放されることです。いま競争に勝っても次の競争が待っている。労働すればするほど労働者が貧しくなり、賃金と引き替えにどんどん人間性を奪われる。「革命をやろう」とは、私たち自身が賃金奴隷の鎖を引きちぎり、人間性を取り戻すことなのです。
 この鎖を断ち切るために労働者は団結しよう。それは同時に「会社や国家がないと労働者は生きていけない」と言って労働組合の力を低める体制内労働運動と徹底的に闘うことと一体です。
 資本主義社会では、自分だけ成り上がろうとか他人よりよい生活をしたいと考える労働者もいます。しかし「ゼニカネだけで動く人間にはなりたくない」という気持ちも絶対にあります。
 労働者はこの葛藤(かっとう)の中から労働組合のもとに団結し、仲間ととともに闘っていく度合いに応じて「仲間を大事にしよう」という人間らしさを取り戻すのです。「一人はみんなのために、みんなは一人のために」「一人の首切りも許さない」――資本と非和解的に闘う中で労働者はこうしたことを学び、身につけます。
 労働者は、職種、賃金、雇用形態によって表面上はさまざまに見えます。しかし、「消耗品」のように扱われる現状はどこの職場でも同じです。「労働者と資本は非和解」なのです。闘いの中で「労働者は団結すれば資本の支配なしに生きていくことができる」ことに確信を持ちます。 労働者は、組合に団結して闘うことで資本による分断をのりこえ、職場を越え、国境を越えた団結が大きくなればなるほど全世界を獲得する存在なのです。これが労働者の勝利性なのです。
 だから私たちの手で闘う労働組合をよみがえらせよう。既成労組指導部は、これほど労働者の怒りがあるのに「革命をやろう」とは絶対に呼びかけません。こんなやつらを打倒し、労働組合を現場労働者の手に取り戻そう。体制内労働運動を突き破る青年労働者の反乱が職場で確実に起こり始めています。

 3・18に全国から総結集を

  労働者は戦争を止められる

 私たちが求める労働運動の本当の成果はカネやモノではありません。直接の成果が思うように上がらないこともある。直接の成果よりも、闘いの中で人間的な団結がいかに広がったかが重要です。この労働者の団結が資本主義を転覆して労働者が社会を運営していける基礎になるのです。
 動労千葉の中野洋前委員長は次のように語っています。
 「労働組合運動の中で労働者階級は自分たちが権力を握ったときの能力を身につけることができる。動労千葉でいえば列車を動かす能力です。『これだけの列車を動かすのに何両の電車、何人の運転士が必要か』、すべてを労働組合が分かっている。だからJR当局がいなくても、千葉の電車はすべて動労千葉が動かすことができる」
 これが団結した労働者=労働組合の力です。本来、工場を動かすのも運搬も販売も教育もすべて労働者がやっていることです。この社会は労働者にしか動かせません。資本家は労働者が命令に従っている限りにおいてのみ「支配者」として存在できるのです。
 その上、支配階級は資本主義がつくり出した膨大な生産力をもはや人間社会の発展のために使うことはできません。
 いま動労千葉のストライキがどうして乗客や地域住民に支持されているのか。鉄道を資本のもうけのために使い、安全を切り捨て、もうからない路線を廃止しているJR資本と闘っているからです。労働組合が闘うことによって、資本主義の生み出した巨大な生産力を労働者のために、人間社会の発展のために使うことができるのです。

 革命の現実性

 「貧しい労働者が増えれば革命になる」(安倍首相)「格差をなくすには共産主義しかない」 (奥田前経団連会長)
 いまや敵の側が革命の現実性を感じおびえているのに、私たちが革命を訴えない方が不自然です。資本主義が危機にあり、これほど攻撃が激化する中で、それをかわすことは無理です。労働組合が「資本と一体となって経営を発展させる」などと言っていたら労働者は生きていけません。
 青年労働者はこうした現実をつかみ始めています。戦争も現実の問題として感じています。
 「どうしたら変えられるのか。労働者は勝てるのか」。知りたいのはそのことなのです。イラク反戦4周年を迎え、どこの集会に行っても「労働運動の力で革命をやろう」と訴えるところはありません。「労組の旗を掲げたら人が集まらない」「ブッシュや安倍にイラクからの撤退を求めよう」――どの勢力も戦争と貧困の根本原因から逃げているのです。労働者の力に確信を持っていないのです。
 「労働者には国を停止させる力がある。戦争を即時停止させる力がある」(ILWU=国際港湾倉庫労働組合のクラレンス・トーマス氏)「労働者が団結して頑張れば革命を起こせると言われて感動した」――これが青年労働者の思いです。革命こそが私たち労働者階級の要求であり、実践方針そのものなのです。
 社会を揺り動かす労働者の3月大行動をさらに推し進めよう。安倍政権は5月3日までに改憲投票法案を与党単独でも採決すると言っています。核心は、公務員・教育労働者の改憲反対運動禁止です。改憲投票法案阻止は安倍打倒の闘いそのものです。
 この法案は民主党の支持でようやく成り立っているにすぎない。自治労中央委員会では現場組合員から本部の民主党支持に激しい怒りが噴出しました。自治体労働者、教育労働者を先頭に改憲投票法案、教育免許更新制、共謀罪新設を阻止する国会闘争に立とう。労働法制改悪を阻止しよう。ここに改憲阻止の展望があります。
 三里塚では反対同盟農民の農地取り上げに反撃が始まってます。労働者と農民が立ち上がれば革命です。3・25全国集会に駆けつけよう。全国から3・18日比谷野音に総結集し、歴史の転換点となる集会を実現しよう。

 

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週刊『前進』(2285号1面2)(2007/03/05 )

 3・18日比谷野音へ

 全世界一斉デモメッセージ C

 青年は革命を欲している

 医療労働者 天谷みゆき

 今や医療現場は生存権を守る機関ではなくなった。命を守るはずの医療労働者が、自分の命も守れずに過労死している。労働組合が闘わないからだ! 医療機関は患者の生活費から生活できなくなるほど金をまきあげる機関に成り果てた。体制内労働運動が革命をしないで資本家と折り合いをつけてきたからだ!
 医療労働者は命を守るのが仕事だ。命を守るとは幸せに生きるために闘うということ。資本主義のもとで人間は幸せには生きられない。戦争はどんな病原菌や癌(がん)よりも悪性だ。当然、医療労働者は資本主義との折り合いなどつけることなく、ましてや戦争を担うのではなく革命の先頭に立つ! 処方せんがなくとも、保険が通らなくとも、医療労働者の当然の任務。資本家どもが労働者階級に革命をさせないための装置として設けてきた「生存権」さえ維持できないのだから、労働者階級が革命をやって当然だ!
 職場で「革命から逆規定して労働運動をつくり直そう」と訴えて、こんなに通じる時代はない。労働運動に革命を持ち込むなとか、党派闘争するなとか、ズッコケたことをぬかすやつは、革命の意味も主体もわかっていない。
 私たちはたった今、資本主義の末期症状にあえぐ帝国主義体制の中にいる。体制内労働運動は奥田・御手洗と共犯して、青年労働者の半分を非正規にした。青年を資本家に売りとばし、殺してきたのだ。偽装請負の事実だって連合・高木は百も承知で黙ってきた! これまで体制内労働運動が「これこそ労働者を守るかぎ」とうそをつき、必死にしがみついてきた資本主義との折り合いなど、今や「これこそ労働者を殺す毒」だとハッキリした。体制内労働運動では青年は殺される。行き着く先は侵略戦争を担わされる。今こそ階級的労働運動の出番です!
 労働者階級こそが世界を実際に動かしているんだ。支配者(資本家)は労働者が命令に従っている限りにおいてのみ支配者(資本家)でいられるに過ぎない。だから労働者階級は国も戦争も止める力を、革命する力を持っている。
 この事実を青年は知る権利がある。帝国主義のこの時代に青年には革命を呼びかける義務が、そして呼びかけられる権利がある! 決定的なのは、青年が革命を欲しているということだ。青年は革命をやらねば一生奴隷のままで殺される。
 「青年がイケイケドンドンで『革命をアジればいい』と思って浮かれてる」って? ハァ? 革命は青年が最も欲する闘争方針なんですけどっ!
 信じられないなら試しに青年に革命を呼びかけてみて欲しい。隣の青年に「こんなことを言っても引いちゃうかな」と適当なところで折り合いをつける関係は、資本主義体制と折り合いをつける根源なんだよ。だって、私と相手の間にある壁をぶっ壊してつながるのが団結だぜぇ。だから本気になって革命を語って欲しい。それをせずに「革命なんて言ったって通じないよ」「労働運動は革命をするためのものじゃない」とか言う、革命を組織する足かせになるような自称「革命家」など、労働者階級の持つ力を信じられずに闘いを抑えつけてくる体制内労働運動のダラ幹もろともぶっ飛ばすぞ、コラッ!
 3・18、資本家階級はクビを洗って待ってろ。青年労働者・学生は、職場に、学園に、この社会に充満する怒りに徹底的に火をつけ、革命を組織する! 青年はこの闘争で、支配の鎖以外に失うものなど何もない!

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3・25三里塚現地へ

「東峰の森」伐採策動に反対同盟が怒りのデモ(2月25日 成田市)

週刊『前進』(2285号1面3)(2007/03/05 )

 日程 3・25全国総決起集会

暫定滑走路北延伸阻止 市東さんの農地を守ろう
憲法改悪絶対反対 軍事基地化阻止
 3・25全国総決起集会
3月25日(日)正午 成田市天神峰 反対同盟員所有地
主催/三里塚芝山連合空港反対同盟

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週刊『前進』(2285号2面1)(2007/03/05 )

 改憲投票法案粉砕を

 公務員の反対運動を禁止し 日教組・自治労の壊滅を狙う

 4大産別決戦の力で改憲とめよう

 安倍政権は5月3日の憲法記念日までに改憲投票法案を成立させようとしている。「任期中の改憲を目指す」と公言する安倍政権にとって、今国会での法案成立は絶対的なリミットだ。この間、自民党の中川秀直幹事長や二階俊博国会対策委員長は、「野党が審議に応じなければ与党単独でも採決する」と繰り返し発言している。与党の狙いは3月中にも法案を衆院通過させることにある。
 他方、民主党はここに来て「十分時間をかけて審議していく」と言い始めた。だがそれは、参院選をにらんだ政治的駆け引きでしかない。すでに昨年末、民主党は与党と法案の修正について基本的な合意に達している。
 この法案が、さしたる議論もないまま国会を素通りすることなど、断じて許してはならない。
 3・18全世界一斉デモは、こうした攻撃と労働者階級が総力で対決する決定的な闘いだ。4大産別を先頭とする労働者階級こそ、改憲を阻み、戦争を止める力を有している。全世界の労働者とともに、日本の労働者階級は3・18日比谷野音に結集して、反撃の火の手を上げよう。

 労組の運動に刑罰の適用も

 改憲投票法案の最大の核心は、公務員労働者と教育労働者の改憲反対運動を暴力的に鎮圧することにある。
 与党の改憲投票法案では、公務員は「その地位を利用して国民投票運動をすることができない」ものとされ、教育者については「学校の児童、生徒及び学生に対する教育上の地位を利用して国民投票運動をすることができない」とされている。
 要は、公務員や教員には、改憲反対の演説会、集会、デモ、出版・宣伝活動などが一切禁止されるということだ。教員の場合、授業や講義で改憲反対の学説・意見を述べることもできなくなる。
 そこに貫かれているのは、日教組と自治労を壊滅に追い込むという支配階級の強烈な意志だ。安倍政権は日教組中央や自治労中央の屈服を見透かしつつ、公務員制度改革や教員免許更新制の導入と一体をなすものとして、この法案を押し通そうと策している。
 攻撃の矛先は、公務員や教員にとどまらない。与党案に盛り込まれた「組織的多数人買収罪」や「利益誘導罪」は、組織により多数の投票人に改憲案に反対・賛成の勧誘をし、金銭や物品を提供した場合の罰則を定めている。これが標的にしているのは、まさに労働組合による改憲反対運動だ。労組が改憲反対集会に組合員を動員し、動員費を出せば、それは犯罪になるということだ。
 与党と民主党との修正合意で、民主党は公務員・教員の運動禁止規定と組織的多数人買収罪を受け入れた。これは、もともとの民主党案にはなかったものだ。他方、与党の側は公務員・教員が国民投票運動禁止規定に違反した場合の罰則規定を取り下げた。だが自民党は、「罰則は設けなくても、公務員法制上の懲戒処分で対応することが十分に可能」と国会であけすけに述べている。

 労働者の怒りを恐れる安倍

 この修正合意がなされた12月14日は、改悪教育基本法が成立した前日だ。国会前には教基法改悪に反対する多数の労働者が詰めかけていた。その闘いの中で、日教組の現場組合員は、裏切りを深める森越執行部への憤激を強めていた。
 この状況を前にして、改憲投票法案に罰則を残したままでは労働者の決起がさらに促されることを、安倍は恐れたのだ。他方で、4大産別の労組を解体しなければ改憲への道は開けないから、公務員・教員の改憲反対運動禁止規定を民主党にのませたのだ。
 だがそれは、安倍の改憲プランは日教組中央や自治労中央による現場組合員への抑圧を前提にしたものでしかないということだ。4大産別で現場労働者が既成指導部を打ち倒し、階級的労働運動を再生させれば、改憲攻撃は根底から崩れる。
 安倍は、労働者階級の巨大な怒りにおびえている。改憲案を審議・作成する権限を持つ憲法審査会を衆参両院に設置し、合同審査も可能とした与党案は、7月の参院選結果がどうなろうと、強引に改憲を進めることをも意図したものだ。まさに、改憲投票法案の審議・成立・発効に至るすべての過程が、実質的な改憲そのものとして進行しようとしているのだ。
 だが、それは必ず労働者階級の巨大な決起を引き起こす。3・18全世界一斉デモは、その突破口をこじ開ける闘いだ。

 労組解体攻撃と改憲は一体

 日本経団連は、御手洗ビジョンで「2010年代初頭までに憲法改正を目指す」と公然と打ち出した。それは「経済や社会のシステム、そしてその根底にある教育や国・地方のあり方、憲法などの変革」を「広義のイノベーション」として押し出し、それに「果敢に取り組む」と叫んでいる。
 日本経団連は、05年1月の提言「わが国の基本問題を考える−これからの日本を展望して−」で9条改憲を公然と唱えるに至った。それから2年後に出された御手洗ビジョンで、経団連はその道筋をさらにリアルに設定し、「労働ビッグバン」を柱とした戦後階級関係の根本的な転覆と一体のものとして、9条改憲を貫こうとしているのだ。
 安倍が叫ぶ「戦後レジーム(体制)からの脱却」も、その意味は同じだ。戦争放棄を定めた憲法9条を頂点とする戦後体制の根底には、労働者の階級的団結の承認=団結権の保障がある。9条改憲は、団結権否定と対をなす攻撃だ。
 公務員と教員に対する改憲反対運動禁止規定が、公務員労働者からの争議権はく奪を前提にしたものであることは明らかだ。現在、国家公務員法や地方公務員法、公職選挙法によって公務員労働者の政治活動が禁止されていることも、労働基本権否認の体制と一体をなしている。これ自体が許しがたいことだ。
 官公労の労働者は、朝鮮戦争を前にした1948年、GHQのもとで政令201号によって争議権を奪われた。これに続く国家公務員法の改悪と公労法、地方公務員法の制定で、争議権はく奪とともに政治活動禁止が法制化された。それは同時に、定員法による大量首切りが官公労労働者を襲い、レッドパージのあらしが官民問わず全産別に吹き荒れた時代だった。支配階級が戦争を決断した時、労組破壊の攻撃は極限的に激化する。
 以来、公務員労働者の労働基本権奪還は、戦後労働運動の重大な攻防点の一つになってきた。そうした闘いの中で、政治活動禁止規定の発動は阻まれてきた。安倍は、こうして形づくられてきた戦後の階級関係を、今や支配階級の側から清算しようとしているのだ。
 安倍は、自治労・日教組を壊滅しない限り、改憲と戦争の攻撃を貫けないことを明確に自覚している。その狙いは、国家の統治機構の中に労働組合が存在すること自体を否定し、労組を解体し尽くすことにある。
 改憲が階級攻防の焦点になる時代とは、文字どおり戦争か革命かが問題になる時代だ。現に、米帝は泥沼の危機に陥りながらも、残虐きわまるイラク侵略戦争にのめり込んでいる。安倍は、そのブッシュと手を組み朝鮮侵略戦争に突き進もうと狙っている。
 だが、全世界の労働者は戦争と民営化の攻撃に反撃の火の手を上げ始めた。日本の労働者もまた、安倍・御手洗への怒りをたぎらせている。

 既成指導部は改憲派に転向

 こうした闘いに背を向けて、自治労中央や日教組中央は急速に改憲推進派に転落しつつある。改憲投票法案制定の一方の旗頭となった民主党を支持していることこそ、彼らが改憲派に転じたことの何よりの証拠だ。
 だが、既成指導部の一線を越えた裏切りと転向は、他方で青年労働者を先頭とした階級的労働運動の潮流を力強く台頭させている。現場労働者が体制内労働運動を打倒して階級的労働運動を復権させ、巨大な反撃に転じる時代が訪れている。
 資本が労働者を徹底的に貧困に突き落とし、改憲を強行して侵略戦争に動員しようとするならば、労働者階級の回答はプロレタリア世界革命以外にない。
 3・18全世界一斉デモに立ち、安倍政権もろとも改憲投票法案を粉砕し葬り去ろう。

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週刊『前進』(2285号2面2)(2007/03/05 )

 都立高校卒業式 “みんなで不起立を”

 連帯のビラまきスタート

 3月1日、東京の都立高校の卒業式が始まった。全国労組交流センターは「許さない!改悪教基法/今年こそみんなで不起立を」と題したビラを発行し、各校の門前で配っている。
 今年の卒業式は、何よりも教育基本法の改悪後初の卒業式である。しかも安倍政権は、教育再生会議報告をもとに改悪教基法関連法案を今通常国会に提出しようとしている。攻撃の核心は、教員免許更新制の導入だ。教育労働者を不安定雇用化して、闘う教育労働者を学校現場から締め出そうというのである。
 しかし現場には教育労働者の怒りがあふれている。日教組・森越執行部の裏切りを突き破って闘われた教基法改悪反対運動を引き継いで闘おうという息吹が満ちている。
 「日の丸・君が代」不起立闘争こそ、改悪教基法の実動化を阻む闘いである。職場から「戦争協力絶対拒否」の抵抗闘争を巻き起こし、改悪教基法を無力化しよう。
 また今年の卒業式は、予防訴訟の9・21勝利判決後初の卒業式でもある。9・21判決に追いつめられた都教委は、「昨年と同様に職務命令を出せ」と各校の校長を必死で締め上げているが、校長が職務命令を発した学校では、労働者が「職務命令は違憲だ」「職務命令を出すな」という反撃の声を次々とたたきつけ、職務命令書の受け取り拒否や突き返す闘いなどが取り組まれている。
 またこうした中で、「今年は不起立します」と宣言する教育労働者も登場している。
 今春卒・入学式で「日の丸・君が代」不起立闘争を拡大しよう。東京・首都圏の労働者は、教育労働者の闘いに連帯して、産別を越えてビラまきに駆けつけよう。
(写真 教育労働者を激励してビラをまく都政を革新する会・北島邦彦さんら【3月2日都立西高校前】)

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週刊『前進』(2285号2面3)(2007/03/05 )

 「君が代」伴奏職務命令合憲

 最高裁判決を弾劾する

 東京の小学校入学式での「君が代」伴奏を拒否した教育労働者が処分撤回を求めて闘っていた裁判闘争で、最高裁第3小法廷は2月27日、原告の上告を棄却し、処分は妥当とする反動判決を下した。
 原告は、東京の小学校で働く音楽専科の教育労働者。1999年4月、日野市の小学校の入学式で「君が代」をピアノ伴奏するよう命じられたが、職務命令を拒否して伴奏を行わなかった。そのため戒告処分を受けた。これに対して、何の理由も述べずに”「君が代」伴奏を強制する職務命令は、憲法19条(思想・良心の自由)を侵害するものではない”とした超反動判決は、誰一人納得させることができない。
 最高裁判決で特徴的なことは、@全員一致で判決を下すことができず、多数意見(4人)と少数意見(1人)に分かれたこと、A藤田裁判官の反対意見が「斉唱への協力を強制することが、当人の信念・信条に対する直接的抑圧となることは明白」「こういった信念・信条は、自由主義・個人主義の見地から評価し得る」などとして、高裁判決を破棄し差し戻すべきとしたことだ。
 最高裁という帝国主義国家権力の中枢において、「日の丸・君が代」強制をめぐって動揺と分裂が生まれているのだ。処分を辞さずに伴奏拒否を貫いた闘いが、「10・23都教委通達」に対する3年間の不起立闘争と結びついて、「日の丸・君が代」問題を改憲・戦争との闘いの焦点にいよいよ押し上げているのだ。
 最高裁がこの時期に判決を下した意図ははっきりしている。卒業式における不起立をなんとしても封じようと必死なのである。教育労働者の不屈の闘いは、日帝・支配階級を完全に追いつめている。
 勝負はこの春だ。卒・入学式を断固闘いぬこう。

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週刊『前進』(2285号2面4)(2007/03/05 )

 「君が代不起立」 東京上映会

 根津さんらの訴えに共感

 2月23日、中野ゼロ小ホールでビデオ『君が代不起立』(ビデオプレス制作)の東京大上映会が開かれた。卒業式や入学式で「日の丸・君が代」不起立を貫いた教育労働者の闘いを活写したドキュメンタリー作品の上映に加え、「出演者」である根津公子さん(停職3カ月の処分を受けた)と河原井純子さん(停職1カ月)が350人の参加者に直接訴えた。
 都教委は03年「10・23通達」により、学校行事で「日の丸・君が代」起立・斉唱を問答無用に強制した。しかし、多くの教育労働者が内心の葛藤(かっとう)を伴いながらも「間違ったことには従えない」と不起立を貫いた。この作品は、その教育労働者を主人公に、不服従を決意し実行したことが警察、地域の住民まで含めた反動・弾圧を生み出したことを記録した。重圧のもとでも信念を貫いた心情を丹念なインタビューで引き出しながら、闘いを貫いたことで教え子など多くの人たちに共感が拡大していく過程を描いた。
 この中で根津さんは、自らが属する労働組合から「組合は組合員の生活を守るためのものだから、処分を招くようなことはできない」と不起立闘争を方針化できないとされたことを、怒りを持って語っている。闘えなくされた現在の労働組合を象徴するシーンとして、非常に印象的である。全編を見終わった参加者は、惜しみない拍手を送った。
 続いて根津公子さん、河原井純子さんらが壇上に並び、ディスカッションが行われた。
 根津さんは「おかしいことをおかしいと言えなくなったら怖い社会だ。都教委は『君が代』を”踏み絵”にする。だがそれに応じて私が私でなくなることに我慢ができない。だから不起立した」と述べ、「一歩踏み出す中で得るものがたくさんあった」と、門前闘争での生徒との感動的な出会いを語った。最後に「自分の気持ちに正直に不起立を貫きましょう」と、目前の卒業式での行動を熱く呼びかけた。
 河原井さんは「強制はおかしいという思いは共通のものだったはず。今はまだ不起立しても命までは取られないが、”変だ”ということを見過ごすと、やがて命まで取られる状況がつくられる。一人ひとりが『ノー』と言うことがとても大事です」と訴えた。
 またビデオ制作者の松原明さんの「本来こうした課題は労働組合が取り組むべきこと」という発言に、会場から「そうだ!」の声が呼応した。
 教育労働者の心からの声を受けとめ、間近に迫った卒業式での「日の丸・君が代」強制との闘いへの確信を深めた。
(写真 「自分の気持ちに正直に不起立を貫きましょう」と訴える根津さん【2月23日中野ゼロ】)

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週刊『前進』(2285号2面5)(2007/03/05 )

 関西合同労組への不当弾圧

 全員不起訴で奪還

 弾圧はね返した団結の力

 兵庫県警は2月7日、関西合同労働組合日本管検工業分会の5人の仲間を「詐欺・雇用保険法違反」容疑で逮捕するという大弾圧を行いました。関西合同労組は全国の仲間に支援を呼びかけるとともに、22日間にわたる兵庫県警・神戸地検との組織をあげた闘いを貫徹し、2月28日に起訴を許さず全員を奪還しました。この場をお借りして、支援していただいた皆さんにお礼を申し上げます。
 逮捕理由の「詐欺・雇用保険法違反」は、まったくのデッチあげです。
 日本管検分会の仲間たちは03年12月25日、突然、会社の倒産と従業員の全員解雇を言い渡されました。組合はこの「倒産」は組合破壊を目的とした不当労働行為であると判断し、争議に突入しました。
 この争議は、組合が04年1月5日に大阪府労働委員会に会社存続と解雇撤回を求める救済申し立てを行い、05年3月18日に破産管財人および会社と和解するまで続けられました。すなわち日本管検工業分会の仲間たちが失業給付を受給していた期間は争議の真っ最中であり、みんなが必死になって戻るべき職場を維持しながら、会社の再建・再開と全員の解雇撤回を社長に要求して頑張っていたのです。
 会社から1円の賃金も支払われない中で職場を維持するのは並大抵のことではありません。分会の仲間たちは、職場の維持のために退職金や貯金などの有り金をはたきました。その上この活動からはまったく収入を得ることができない中で、自分の家族の生活費にもこと欠く状態でした。雇用保険の仮給付制度がなければ、争議を継続することは不可能でした。
 今度の弾圧は、倒産争議の生命線である雇用保険の仮給付制度を非合法化するものです。こんな弾圧がまかり通れば、労働者は「倒産・解雇」に対してはそれがどんなに不当なものでも黙って泣き寝入りするしかなくなります。こんな不当弾圧は絶対に許せません。
 兵庫県警の狙いは組合つぶしです。兵庫県警の高田巡査部長は、逮捕された仲間の留守宅に押しかけ、家族に対して「組合はご主人の金を全部巻き上げている」などという根も葉もないウソを並べ立てて、組合への不信をあおり、「組合をつぶすために逮捕したんだ」とはっきり言っていました。会社倒産でも分会をつぶせなかったので、今度は警察の弾圧でつぶしてやろうとしたのです。
 しかし1年間にわたる倒産争議を闘い抜き、今日まで自主生産闘争を貫いてきた分会の団結は、警察の不当逮捕や長期勾留によってもいささかも揺らぐことはありませんでした。全員が取り調べに対して黙秘を貫きました。家族も組合と一体となって応援して、この弾圧を粉砕したのです。
 今回の闘いをとおして、あらためて争議をくぐってきた労働者の団結の強さを実感するとともに、この団結があればどんな困難も突破できると確信しました。
 (関西合同労組/K)
(写真 多くの支援の労働者とともに弾圧弾劾の声を上げる関西合同労組【2月21日神戸地検前】)
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週刊『前進』(2285号2面6)(2007/03/05 )

 07春闘勝利!各地で集会

 東京南部 3・18に集まろう 職場闘争を元気に報告

 2月23日、「07春闘勝利! 南部労働者集会」が、会場いっぱいに集まった労働者によって熱烈にかちとられました。
 集会は、国労・品川事業所分会委員長の「07春闘と改憲阻止の闘い」という問題提起、「日の丸・君が代」強制と闘う都立高校現場からの訴えから始まりました。国鉄1047名闘争、そして教基法闘争の高揚を引き継ぐ「日の丸・君が代」強制拒否の闘いは、安倍・御手洗路線を揺るがす闘いです。「日の丸・君が代」被処分者は、改悪教基法闘争の第2ラウンドとして、処分撤回の訴訟、教育改悪3法阻止の国会闘争を訴え、卒業式をめぐる攻防や超過労働強制の実態などを怒りを込めて報告しました。
 地域の仲間が都立高校長への申し入れを報告。どの校長も昨年の9・21予防訴訟判決の追及を恐れて逃げ回っています。
 民営化や団結破壊と闘う郵政や自治体の労働者、民間各単組の07春闘・職場闘争報告など、青年労働者の闘争意欲あふれる元気のいい発言が全体をけん引しました。
 三里塚芝山連合空港反対同盟からメッセージが寄せられ「私たちはともに資本・権力と闘う同盟軍。改憲と戦争の道を阻む戦列を整えよう」の訴えに胸を熱くしました。
 最後になんぶユニオンの青年執行委員が方針を提起。@「日の丸・君が代」強制反対の校長申し入れと卒・入学式当日の行動、A改憲投票法案、教育改悪法案、労働法制改悪阻止の国会闘争、B3・18イラク反戦日比谷大集会への取り組みを確認し、団結ガンバローを行いました。(上写真)
 (南部労働者 市川寛志)

 東京東部 動労千葉と共に春闘を 不起立に連帯誓う

 2月27日、「東京東部労働者交流集会」が60人の地域の仲間の参加で開かれました。冒頭、85年分割・民営化反対ストから昨年の安全運転闘争に至る動労千葉の闘いをまとめたインパクトのあるビデオを上映しました。
 主催者の提起に続いて、「国鉄」「教育労働者」のステージ。動労千葉・佐藤正和新小岩支部長の「3・18ダイヤ改正にストライキで闘う」という力強い決意表明。鉄建公団訴訟原告団・酒井直昭団長からは「1047名の総体的解決を」とあいさつを受けました。
 教育労働者からは「日の丸・君が代」を強制する校長の職務命令と対決する現場攻防が報告されました。「地下水もマグマも確実に増幅している」「闘いこそが展望と希望を生み出す」「戦争協力拒否をかけて不起立を闘う」との訴えに、連帯して闘うことを誓い合いました。(下写真)
 職場報告では正規・非常勤の違いを越えて団結をつくり出す闘い、「昼休み時間に連日、職場討議をしている」報告、ダラ幹と対決して役員選挙に立つ決意表明、地域を巻き込んだ解雇撤回闘争などが報告されました。
 昨秋、教基法改悪に居ても立ってもいられず国会に駆けつけたという青年は「職場の自分のロッカーにビラを張って仲間に訴えている」と発言。参加者はみな「職場闘争はどこでもできる」と勇気づけられました。
 最後に風雲急を告げる三里塚からのアピールを受け、3月18日に日比谷野音に結集することを訴えて締めくくりました。
 (東部労働者 山崎聡)

 

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週刊『前進』(2285号3面1)(2007/03/05 )

 「労働契約法」絶対粉砕へ

 労働組合の抹殺が狙いだ

 湯村宏則

 安倍・御手洗の労働組合抹殺攻撃との決戦が到来した。安倍政権は、「残業代ゼロ法案」「過労死促進法案」への怒りの爆発を前に、日本版ホワイトカラー・エグゼンプション(WE)の今国会提出を断念した。だが、「労働ビッグバン」の突破口であり、労働組合の抹殺を狙う労働契約法案を、労基法改悪案とともに3月中旬までに国会に提出しようとしている。これとの闘いは改憲投票法案粉砕の闘いとともに改憲決戦そのものだ。すでに国会に提出されている労働法制改悪諸法案を粉砕しよう。動労千葉を先頭に07春闘の爆発と3・18闘争の高揚のただ中で、労働契約法案の国会提出を絶対に阻止しよう。

 「労働ビッグバン」の突破口

 安倍内閣は2月9日に雇用保険法、13日に雇用対策法と地域雇用開発促進法、パート労働法の改悪法案を閣議決定し、国会に提出した。すでに本紙で暴露しているようにこれらの諸法案はワーキングプアの現実を促進するとんでもない悪法だ。これらは予算関連法案だとして、予算案とともに3月中旬までに採決を強行する構えだという。
 残る労働基準法改悪案と労働契約法新設法案については、WEへの労働者階級の怒りが爆発し、恐れをなした与党が分裂したこともあって法案化作業が遅れている。
 1月下旬に厚労省は自公の一部の反対を押し切ってWE新設を盛り込んだ労基法改悪と労働契約法新設の法案要綱を労働政策審議会に諮問した。
 2月2日に労政審は、@WEの新設と、A裁量労働制の規制緩和については労働側が、B残業代の割増しについては経営側が反対していることを明記した異例の答申を行った。ただ労働契約法については、連合出身の労働側委員が「労働契約法は小さな法律になった。不満で不十分だが条件をつけつつ、いたし方ない」などと言って受け入れてしまった。
 このように法案作成段階にいたっても政労資の意見がまとまらないという異例の事態を前にして2月6日、安倍首相は自公の政調会長と会談し、WE断念を確認の上、柳沢厚労相にその旨を指示した。これで労働基準法の改悪案と労働契約法新設法案は3月中旬までに閣議決定の上、国会に提出される予定だという。
 この安倍の判断は、WEを後回しにしても労働契約法と改憲投票法、教育三法を参院選の前に何がなんでも成立させようという非常の決意を示している。特に、労働契約法新設は安倍・御手洗路線の核心的攻撃である「労働ビッグバン」の突破口をなすものだ。
 安倍や御手洗、八代尚宏(国際基督教大学教授)や、奥谷禮子(人材派遣会社ザ・アール社長)などが唱える「労働ビッグバン」とは、帝国主義間の争闘戦の激烈化の中で日本資本主義・日本帝国主義が生き残るために労働法制を全面解体し、労働者階級を死ぬまでトコトンこき使おうというものだ。
 労働者を奴隷化させる「労働ビッグバン」の具体化には、@解雇の金銭解決を含む労働契約法の新設、A8時間労働制を撤廃するWEの導入、B派遣を例外とする現行派遣法の抜本改悪が必要だと言われている。@は首切り自由、Aは死ぬまで働け、Bは一生不安定雇用でいろ、ということだ。
 Bの”一生派遣”というのは八代が強調していて悪名高いが、まだ日帝・厚労省は認めていない。@とAを厚労省は実現しようとしたが、Aは断念し、参院選後を狙うとなった。
 このように見てくると労働契約法新設はまさに「労働ビッグバン」の突破口そのものだ。

 就業規則で労働協約を否定

 2月2日に労政審が答申した労働契約法案の要綱は以下の内容だ。
 厚労省が狙っていた首切り自由のための「解雇の金銭解決」はいったん見送りになった。「就業規則の役割強化」が今回のポイントだ。
 では「就業規則の役割強化」とは一体何か。
 それは資本家が一方的に決めることが出来る就業規則の変更で、労働者の労働条件を一括して改悪できるというものだ。こんなことが許されれば、労働組合の存在意義はなくなってしまう。”労働協約は労働契約や就業規則に優先する”とした労組法や労基法を否定し、労働基本権を根本的に否定するとんでもない悪法である。
 法案要綱(表参照)を整理すると、@原則上は労使の合意抜きに、就業規則の変更で労働者に不利益に労働条件を変更出来ない、Aただし、(1)変更後の就業規則を労働者に周知させ、(2)就業規則の変更が「合理的」ならば、変更後の就業規則の内容が労働契約になる。
 「合理的」の要件は、「a労働者の受ける不利益の程度、b労働条件の変更の必要性、c変更後の就業規則の内容の相当性、d労働組合等との交渉の状況、eその他の事情」というものだ。
 @の「原則合意抜きに変更できない」は、Aがある以上、単なる建前でしかない。実際には、労働組合とある程度交渉すれば、後は裁判所が「合理的」と判断することで、労組との合意抜きの就業規則の改悪であっても、自動的に労働契約の変更となる。だが、裁判所が判断する「合理性」など、なんの歯止めにもならない。労資が対立している以上、超階級的な「合理性」など存在しない。資本にとっての「合理性」が存在するだけである。
 しかも現実の方がすでに進行している。JRにおいてはJR総連やJR連合などがすでにJR当局と締結し、国労東日本エリア本部も締結しようとしている「総合労働協約」は、就業規則の内容を労働協約としてそのまま認めようというものだ。これだと、”労働協約は労働契約や就業規則に優先する”とした労組法や労基法の原理を踏みにじる労働契約法の先取りそのものではないか。JPU中央も、郵政民営化を前に全郵政との統合の中で、労働運動の原則を完全に投げ捨て、日本郵政会社が作成中の就業規則をそのまま丸のみしようとしている。
 もちろん法案要綱では「就業規則が法令又は労働協約に反する場合には、当該反する部分については(就業規則の優位)は適用しない」と一応なっている。だが既成労働運動の屈服した現実の前ではこの規定も意味がない。労働協約の否定が法律で大手を振って規定されようとしている。
 現在は、悪らつな経営者が労働者との合意なしに労働基準監督署に改悪した就業規則を持ち込んだ時、監督官から「あとでもめることもある」と忠告されることもあるが、それもなくなってしまうということだ。
 まさに「法律は現実の追認」である。腐りきった既成労働運動指導部を労働契約法もろともぶっ飛ばし、階級的労働運動の復権をかちとろう。

 労働組合運動の根幹を破壊

 

労働契約法の成立をいったん許せば「解雇の金銭解決制度」や、労働組合否定の「常設の労使委員会制度」などが次に狙われる。だからこそ絶対にここで阻止しなければならない。
 安倍・御手洗は、4大産別を先頭にする労働者の団結を解体することなしに改憲も「労働ビッグバン」も貫徹できない。
 そのためには、労働者が団結すること、団結して闘うことそのものを否定する必要に迫られている。まさに、戦後憲法と労働法制の解体を正面課題としてきているのだ。
 日帝にとって、労働契約法こそ、戦後労働法制解体の決め手だ。現に経団連は、05年「経労委報告」で「労働契約法制は……工場法の時代の遺制を引きずる労働基準法などの関係法令を、今日の環境にふさわしいものに抜本的に改革する実りの多いものとなることを強く期待する」と決定的言辞を吐いている。
 資本家との契約は労働運動の原点である。
 マルクスが『労働組合、その過去・現在および未来』(表参照)で指摘するように、労働者は団結して資本家と交渉することで初めて少しでもましな労働条件を資本に強制することができる。この行為を法的に追認したものが、労組法や労基法の規定する労働協約の優位性なのだ。
 さらに言えば、賃労働は、奴隷主や封建領主の搾取とは違う「自由」な形式のもとで、階級的本質を隠蔽(いんぺい)しつつ搾取する形態だ。だから、平等な契約という言葉そのものに階級支配がはらまれているのだ。労働者は団結し、資本に労働協約を強制する以外、限りなく労働条件を切り下げられることになる。労組が闘いを放棄した結果生じているワーキングプアの現実は、そのことを鮮明に物語っているではないか。
 ところが労働契約法は労働組合の組織率の低下を口実に、個別の労使関係を規定する契約法が必要だとして、現在の労働法制とは別の労働契約法制なる法体系を創設し、労基法、労組法を破壊して労働契約法に移し入れようとしている。こんな手口で労働者の団結権そのものが破壊されようとしているのだ。このことに警鐘を乱打したい。
 この歴史的な大攻撃の出発点は、85年の国鉄分割・民営化の閣議決定と労働者派遣法の成立だ。まさにレーガン・サッチャー・中曽根の規制緩和=労組破壊攻撃による階級支配の転換攻撃が、95年の日経連「新時代の『日本的経営』」を経て決定的に激化し、安倍・御手洗路線による改憲と労組破壊・戦争国家化攻撃にまで行き着いた。
 だが、この国鉄分割・民営化攻撃との激突を通して動労千葉を先頭とする階級的労働運動の新しい潮流が生き生きと活動を開始している。
 労働者階級の怒りは地に満ちている。屈服と破産を深める既成労働運動指導部を打倒し、広範な労働者の怒りと結びつき、闘う労働運動の新潮流をつくり出そう。その荒々しい息吹の中で労働契約法新設を絶対に粉砕しよう。

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 『労働組合、その過去・現在および未来』(マルクス)

 資本は集積された社会的力であるが、労働者は自分の労働力を自由にしうるにすぎない。だから資本と労働との間の契約は、けっして、公正な諸条件にもとづくことはできない。
 労働組合は、もともと、労働者たちを少なくともまったくの奴隷の状態以上に引き上げるような契約条件を獲得するために、この競争をなくしようとする・または少なくとも緩和しようとする・労働者たちの自然発生的な企図から生じた。

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 労働契約法案要綱の要旨

第4 労働契約の成立及び変更
1 労働契約の成立
(1)労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。
2 労働契約の内容の変更
(1)労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更できる。
(2)使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することは出来ないものとする。ただし、(3)による場合は、この限りではない。
(3)使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによる。

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週刊『前進』(2285号3面2)(2007/03/05 )

 “過労死は自己責任”

 労政審委員 奥谷禮子の許せぬ暴言

 「さらなる長時間労働、過労死を招くという反発がありますが、だいたい経営者は、過労死するまで働けなんて言いませんからね。過労死を含めて、これは自己管理だと私は思います」(『週刊東洋経済』1・13付)
 これは、労働政策審議会の労働条件分科会委員で、「労働ビッグバン」の積極的推進論者である奥谷禮子が語った言葉である。「労働時間規制をなくせば過労死が増える」という反対論に対して反論したものだ。
 さらに奥谷はWE推進の立場から「祝日もいっさいなくすべきだ」「労働基準監督署も不要」と言い放ち、「(過労死を)他人の責任にするのは労働者を甘やかしすぎ」「労働組合が労働者を甘やかしている」などと発言している。
 奥谷は小泉前首相のブレーンとして政府の審議会委員を歴任してきた。郵政民営化を最先頭で推進してきたのもこの人物であり、前トヨタ自動車会長の奥田らとともに日本郵政株式会社の社外取締役である。まさに安倍・御手洗路線の先兵の役割を演じている。
 奥谷は人材派遣会社「ザ・アール」の社長だが、この会社は郵政公社の研修や資格試験を一手に引き受けている。郵政労働者に星なしから1つ星〜3つ星までのレッテルを張り、賃金格差の査定を独占的に行って、ぼろもうけしているのだ。
 奥谷こそ派遣労働者の賃金をピンハネするだけでなく、郵政労働者の非正規雇用化を推し進め、要員不足の矛盾をすべて現場労働者に押しつけて、多くの郵政労働者を過労死に追いやっている張本人である。その奥谷が経営者の過労死責任ををごう然と否定し、”過労死は自己責任”などと居直ることなど絶対に許すことはできない。
 労働者を路頭に放り出し、その一切を「労働者の自己責任」とする、これこそ資本家の本性であり本音なのだ。
 この奥谷発言こそ「労働ビッグバン」の行き着く先を鮮明に示している。労働者は死ぬまでこき使われ、あげくの果てに「自己管理が足りなかった」「自己責任だ」などと切り捨てられるのだ。「労働ビッグバン」は粉砕するしかない。

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週刊『前進』(2285号3面3)(2007/03/05 )

 『動労千葉』27発行

 07春闘を闘う指針に

 動労千葉が機関誌『動労千葉27』を発行した。1月28〜29日に行った全支部活動者研修会での講演が掲載されている。タイトルは「労働者の力で時代を拓(ひら)け!―動労千葉の新たな挑戦―」である。
 館山運転区・木更津支区廃止攻撃をめぐる攻防のさなかで、まず田中康宏委員長が、時代認識とともに動労千葉の団結の原点を明らかにしている。長田敏之書記長は、07春闘方針を全面的に提起。鈴木達夫弁護士が改憲とそのための国民投票法案粉砕を訴えている。「御手洗ビジョン」の抜粋などもあり、07春闘を闘う武器となる。
◆注文先・動労千葉/千葉市中央区要町2-8DC会館 
TEL 043-222-7207 FAX 043-224-7197
(写真 動労千葉機関誌編集委員会発行/頒価600円)

 

 

 

 

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週刊『前進』(2285号3面4)(2007/03/05 )

 法政大 法学部生A君に退学処分

 怒りの大反撃に立て

 2月19日、法政大学・平林総長は、1月に停学処分が明けたばかりの法学部生A君に対する退学処分を強行した。絶対に許せない。満こうの怒りをこめて弾劾する! 
 平林総長は、A君の退学処分の理由として、「貴君は、2006年11月26日、本学職員に暴行を加え」た、などと言っている。いったい、昨年の3・14法大弾圧以来、私たちに対して暴行を加え続けてきたのは、警察権力、法大教職員、ガードマンではないか!
 そもそも学生部職員は、平林総長の手先として、被処分者の監視・嫌がらせ・弾圧を行ってきた張本人である。学生のためとうそぶき、ビラ・立て看板規制、学生団体の解体策動、学祭の規制を行ってきた極悪の職員である。
 本当の処分理由は3・14以来、彼が法政大キャンパスで不屈・非妥協で闘い続けていることにある。「退学処分通知」では、事情聴取の場で「貴君からは反省の言葉は得られませんでした」などと言っている。要するに、彼に屈服を迫り、闘う主体を折ることが大学当局の狙いなのだ。
 A君は、7月14日に停学6カ月の不当処分を受け、07年1月14日に停学期間が終了した。その2日後の1月16日、大学当局はA君に事情聴取を行うと通知した。昨年の11月末の件をわざわざ、停学期間が終了した後になって問題にしてきたのだ。まさに、A君を法大からたたき出すという政治目的以外の何ものでもない。
 われわれは、平林総長、退学処分決定を行った法学部教授会、加担した法大職員を絶対に許さない。退学処分撤回に向けてトコトン闘うことを宣言する。平林総長よ、首を洗って待っていろ!
 しかし今回の退学処分は、A君を三里塚農民や動労千葉組合員のような闘う主体へと成長させた。法大当局は、A君に処分恫喝を加え、「反省」という名の屈服を迫った。だがA君はこの処分恫喝をはねのけ、「首をかけて闘う」「もはや、団結以外に失うものは何もない」と宣言したのだ。この時点で、不屈に闘うA君は大勝利している!
 平林総長は、総長選挙の廃止決定を3月にも強行しようとしているが、それによる教職員の反乱は不可避だ。
 自らの金もうけのために法政一高の土地を長谷工に100億円で売り渡したことに対して、地域住民が怒りの決起を始めている。平林総長こそ、四面楚歌である!
 まさにA君への退学処分決定こそ、平林総長が絶望的に追いつめられた結果にほかならない。
 われわれは、退学処分撤回の大闘争をたたきつける! 全国の闘う仲間のみなさん、法政大学の闘いはこれからです! 平林総長−安倍打倒へともに闘おう!

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週刊『前進』(2285号3面5)(2007/03/05 )

 “3・18で歴史の転換を”

 2・26実行委で熱い議論

 2月26日、都内で3・18全世界一斉デモに向け2回目の実行委員会が開催され熱い議論が交わされた。(写真)
 冒頭、青年労働者が「労働運動の力で革命をやろう。それは労働者階級が社会を動かしているし世の中を変える主体だという思想を取り戻すことだ。労働者を救済の対象としか見ない既成の労働組合のあり方を変えよう。一人の決起が全体を揺るがす時代なんだ」と力強く訴えた。そして「安倍は支配が崩壊していく恐怖を感じている。戦争が起きている根本原因である資本主義の世の中を私たち労働者階級の手で変えてやろう。3・18集会を歴史の転換点にしよう」と提起した。
 動労千葉の労働者から春闘決戦のアピールが行われた後、会場全体から真剣な意見が続出した。
 「職場でビラをまいたら、組合執行部に『革命を出すのはどうか』と反対された。だけど職場の仲間に『労働者が団結してがんばれば革命を起こせるということに感動した』と励まされ、2人で組合をつくり変える闘いを始めている」
 「学生団体に3・18を真っ向から持ち込んで論議を始めている。オブラートに包まず、この時代にどう闘うべきかと真剣に訴えれば必ず獲得することができる」
 「自分たちが職場を牛耳っていると自覚した労働者が日比谷に1万人集まり、その1万人が職場で訴え出したら戦争なんて、できっこない。革命しよう、って私たちが言い切れば通用するんだ」
 誰もが自分の実践を踏まえ、壁をのりこえて闘う中でつかんだ確信を熱く語った。ある青年労働者は「革命って何? 私は全世界的な革命じゃなきゃダメだと思う。革命と職場を変えるってことは一緒なの?」と全体に問題を投げかけ、議論はさらに熱く進んだ。
 織田全学連委員長が「動労千葉が国際連帯をつくってきたことの中身が今、全世界で花開こうとしている。この時代観を語ろう。そして3・18で安倍を打倒しよう。議論して激突し、本物の団結を取りもどそう」と訴え、行動方針を確認して締めくくった。

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週刊『前進』(2285号3面6)(2007/03/05 )

 「日本は同質的な国…」

 伊吹発言を弾劾する

 伊吹文明文部科学相が2月25日、長崎県長与町で開かれた自民党の支部大会で講演し、次のような暴言を吐いた。
 @「大和民族が日本の国を統治してきたことは歴史的に間違いない事実。きわめて同質的な国」「悠久の歴史の中で、日本は日本人がずっと治めてきた」
 A(改悪教基法に「公共の精神を尊び」という文言を加えたのは)「日本がこれまで個人の立場を重視しすぎたため」。「毎日バターばかり食べていれば、皆さんはメタボリック症候群(内臓脂肪症候群)になる。人権だけを食べ過ぎれば日本社会は『人権メタボリック症候群』になる」
 伊吹の講演は「教育再生の現状と展望」と題して行われた。言っていることは百パーセント、デタラメである。そして、重大なことは、その内容が極右ファシスト団体「新しい歴史教科書をつくる会」のイデオロギーそのものであり、改憲と戦争のイデオロギーだということである。伊吹は、この超反動的な国家主義イデオロギーをもって、「教育改革」を改憲と戦争に向かって推し進めようとしているのだ。
 しかも安倍首相は、この伊吹発言について、「とくに問題だと思わない」と全面肯定した。
 生産力も交通も発達していない「悠久(ゆうきゅう=想像もつかないほどの遠い過去)」の昔から、日本に統一国家(国家権力)が存在していたかのようにいうのは、完全なデッチあげである。そんな主張は、明治の天皇制国家になってから、支配階級が自らの支配を正当性化し「根拠」づけるためにデッチあげた「神話」でしかない。
 また、古代から今日に至るまで、全時代を通じて、さまざまな民族が海を越えて北方(ユーラシア大陸)や朝鮮半島、中国、また南方から日本列島に渡来し、古来から日本に在住する民族と融合してきた。そうして今日に至っている。「日本民族」というのも、歴史的にはそのようなものだ。そうした事実を否定し、まるで古来から純粋な「日本民族」というものがあって、それが「日本を統治してきた」ということも、天皇制と日本帝国主義を美化し、その支配を正当化するためのデマゴギーである。
 何よりも伊吹の主張は、日本帝国主義によるアイヌ民族への虐殺・迫害、「琉球処分」などの沖縄差別、朝鮮・中国・アジアへの侵略戦争と植民地支配、そのもとでの「皇民化政策」すなわち「創氏改名」や日本語の強制、天皇崇拝の強制などの歴史をすべて開き直るものでしかない。本当に許せない暴言だ。
 そして、「きわめて同質的な国」と強調することをもって、在日朝鮮・中国・アジア人民、在日・滞日外国人を「異質のもの」として排除し差別・抑圧することを正当化しようとするものだ。
 またAの「人権」発言は、人権抑圧を繰り返している日帝の恥知らずな開き直りだ。賃下げ・リストラ、長時間過密労働で、労働者階級は日々、生きる権利を破壊され、「障害者」・高齢者は大変な苦難を強いられている。在日・滞日外国人は、入管体制のもとで、さまざまな人権侵害を受けているではないか。こんな発言は到底許せない。
 伊吹発言は、日帝の朝鮮侵略戦争と改憲のためのイデオロギー攻撃だ。安倍政権は「女性は子どもを産む機械」と発言した柳沢厚労相を始め、反人民性を極めている。支持率は30%台に下落し、政治危機を深めている。怒りを爆発させ、階級的労働運動の大前進で反撃しよう。3・18闘争の高揚で吹き飛ばそう。

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週刊『前進』(2285号4面1)(2007/03/05 )

 東峰の森伐採阻止へ

 2・25三里塚 怒りの緊急闘争に170人

 “3・25大結集で反撃”誓う

(写真左 東峰の森を前にした緊急集会で伐採攻撃阻止の決意を固めた【2月25日 成田市東峰】)
(写真右 デモの先頭に立つ反対同盟の北原鉱治さん、市東孝雄さん、萩原進さん)

 2月25日、三里塚芝山連合空港反対同盟主催の緊急現地集会・デモが行われた。集会場は伐採攻撃が迫る「東峰の森」目の前の萩原進さんの畑だ。住民の生活と営農に欠かせない豊かな森を破壊することなど、絶対に許せない。急を聞いて駆けつけた170人の労働者・学生の表情は、みな怒りに燃えている。
 寒風を突き破って集会が始まった。司会の鈴木謙太郎さんが「空港会社は明日にも伐採のためのフェンス囲いを始めようとしている。断固阻止しよう」と力強い第一声を発した。
 事務局長の北原鉱治さんが「成田と新関西空港の軍事使用を絶対に許さない。森をつぶすということは地元住民に死ねということか! 三里塚は40年の歴史の原点に返って闘う」と述べた。
 事務局次長の萩原進さんは、開拓農民と森との一体の歴史をひもときながら森の伐採がいかにひどい生活破壊かを具体的に説明し、「予定地ではなかったところに誘導路を建設する。こんなでたらめな攻撃が次々とかけられている。市東さんが90年耕作した畑を“不法”呼ばわりされ怒っているように、私も怒っている。工事によって畑に行くにも道を閉鎖され、高い塀に囲まれ、捕虜収容所みたいな中で作業する。こんなことが許せるか。不当・不法の現実を暴き、全国からこの三里塚現地に多くの人を呼び寄せよう」と訴えた。
 農地強奪攻撃の矢面で闘っている市東孝雄さんは、「現闘本部、私の畑、東峰の森と、次々と法を無視したやり方でつぶそうとしている。ならば自分たちは自分たちの“法律”で闘うだけだ」ときっぱり宣言した。
 本部役員の鈴木幸司さんは、「命の次に大事な森を伐採するなど人間として絶対に許せない」と怒りをたたきつけた。
 支援共闘団体からの発言は、動労千葉の後藤俊哉さんが口火を切り、拠点職場破壊の攻撃に対しストライキを構えて闘うことを表明した。関西実行委の松原康彦さんは「森の伐採攻撃は戦争準備と一体だ」と弾劾し、反対同盟とともに闘う決意を表した。婦人民主クラブ全国協議会は3・11国際婦人デー集会への参加を呼びかけ、全学連の織田陽介委員長は「革命へ向かって進む巨大な突破口だ」と3・18全世界一斉デモへの決起を熱烈にアピールした。
 団結ガンバローの後、森に接する北原鉱治さんの一坪共有地まで全体が移動し、「形状変更を禁止する」と大書した看板を立てた。
 反対同盟を先頭に、東峰の森周囲から天神峰の開拓道路までのデモに出発した。「伐採を許さないぞ! 農地強奪を阻止するぞ!」。シュプレヒコールが森の奥深くまで響きわたった。
 参加者全員が、3・25全国集会への大結集で反撃することを固く誓い合った。

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週刊『前進』(2285号4面2)(2007/03/05 )

 NAAがフェンス工事

 「命の森」奪う暴挙許すな

 成田空港会社は2月26日、東峰の森伐採に向けたフェンス設置工事を開始した。ブルドーザーやユンボなど、重機5台を先頭に50人の作業員とガードマンが作業を強行した。この暴挙を満身の怒りで弾劾する。
 東峰の森は地区住民にとってかけがえのない入会林だ。防音、防風、治水、営農、涵養(かんよう)のための命の森だ。このことは空港会社も文書の中で認めていた。その森を伐採することは、東峰区に「死ね」と言うに等しい暴挙である。
 東峰の森は、そもそも空港の敷地に含まれていなかった。空港反対農民が屈服を拒否して闘いを貫いたため、空港会社は暫定滑走路の「北延伸」へと追いつめられた。その結果、空港予定地でも何でもなかった東峰の森を切り倒して、そこに新誘導路を造るという、デタラメきわまる暴挙を余儀なくされたのだ。
 しかもこの工事によって造られる新誘導路は、東峰区を分断し、西側半分を空港の中に取り込む。従来の農道は閉鎖され、萩原進さんが清水の畑(10月集会会場)に行くためには、大きく西側に迂回(うかい)した道を通らざるをえなくなる。飛行直下の農家や出荷場、畑は東西の誘導路にはさまれ陸の孤島にされる。連日の「頭上40bのジェット機飛行」に続く国家犯罪そのものだ。
 空港会社は、過去3度にわたり地区に対して文書で森の保全を確約してきた。それを踏み破り、悪質地上げ屋以上の暴力で東峰区住民に屈服を迫る凶暴な攻撃だ。
 これは、市東孝雄さんの耕作権を取り上げる1・29農水省決定と一体の攻撃だ。反戦・反権力・改憲阻止のとりで=三里塚をつぶす攻撃に対し、今こそ全人民の反撃をたたきつけなければならない。一切は3・25全国集会の爆発にかかっている。労農学の厚い陣形で攻撃をはね返そう。

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週刊『前進』(2285号4面3)(2007/03/05 )

 天神峰本部裁判 空港会社の虚偽暴く

 北原さんらを証人に申請

 2月22日、天神峰現闘本部裁判の第15回口頭弁論が千葉地裁で行われた。
 NAA(成田空港会社)は、天神峰現闘本部建物の土地提供者である反対同盟元副委員長の石橋政次が契約変更に際し「脳梗塞(こうそく)で倒れて意思能力がなかったから契約は成立しない」と強弁してきた。弁護団は、当時病気の石橋を空港公団総裁が訪ねたことが新聞記事になっている事実を突きつけ、NAAの言い分のデタラメさを暴いた。
 さらに弁護団から人証の申請が行われた(北原鉱治事務局長、萩原進事務局次長など7人)。仲戸川裁判長は「7人で12時間は長いから文書で」と早期結審をもくろんで圧力をかけてきたが、葉山岳夫弁護士は「40年の歴史を12時間で語るのは短すぎるくらいだ」ときっぱりと反論した。さらに本部建物の実地検証について言を左右にして回避しようとする裁判長に対し、重ねてその実行を強く要求した。
 終了後、弁護士会館で記者会見と裁判を支援する会の例会が行われた。
 事務局長の北原鉱治さんは「拙速裁判を狙うのは裁判長が追いつめられているということ。三里塚の勝利なくして人民の未来はない」と語った。また本部役員の鈴木幸司さんは「私の一坪共有地も訴えられて裁判が始まる。運動の輪を勝利に結びつけよう」と訴えた。事務局次長の萩原進さんは「闘えば闘うほど底力を発揮し人民の心を動かせるのが三里塚闘争。関西での取り組みでパネル展などが進んでいる。首都東京でも人民の決起を確信して3・25に1千人の決起を実現しよう」と檄(げき)を飛ばした。
 支援団体、各地区世話人からは、動労千葉の滝口誠さん、関西実行委の安藤真一さん、全学連の織田陽介委員長らが発言し、ともに三里塚闘争勝利の決意を共有した。
 3・25全国集会の大高揚をバネに、次回5月10日の裁判に集まろう。

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週刊『前進』(2285号4面4)(2007/03/05 )

 郵政民営化粉砕! 闘いはこれから

 民営化に殺されてたまるか

 団結づくりの闘いを始める

 先日、私の職場で現職死亡がありました。あと数年で定年を迎える労働者です。前日まで働いていた仲間を突然失う悲しみは計り知れないものがありました。周りの仲間も茫然(ぼうぜん)自失の状態でした。
 死んだ原因は仲間はみんな分かっています。どう考えても過労死としか思えません。
 郵便局の現場は慢性的な要員不足です。怒濤(どとう)の勢いで進む非常勤化で、私の職場では本務者は3分の2にまで減りました。
 しかも非常勤は労働条件の厳しさからなかなか定着せず、そのしわ寄せを残った本務者が背負う羽目になっています。特にこの間の年末年始繁忙では、小包を配達するために募集した委託業者が集まらず、小包担当者は軒並み前年をはるかに上回る残業を強いられました。その疲労が蓄積して彼の体を病魔がむしばんだとしか思えないのです。
 私は現場の分会長として、この事態に対してどう対処すべきか悩みました。労災をかちとるべきだという現場の声も上がりました。その中で私が思い至ったのは、労災をかちとったとしても職場の現状をこのままにしているのではまた同じことになるのではないか、大切なのは職場の団結をつくり出すことであり、そのためには現職死亡を出さない職場をつくること、すなわち職場の労働条件改善を本気になってみんなでかちとること、それしかないということです。
 私はこのことを分会の仲間に訴えるべく、ビラをつくり、分会集会を開きました。現職死亡が起きた班では、今回の事態の本質をとらえて、これからは昼休みは局に戻って休もう、と話し合って行動を始めました(つまりそれまで昼も休めないほど忙しかったわけです)。職場をなんとかしようという現場の仲間の思いを分会全体のものとしていかなければならない、そうしなければだめなんだ、と本気で訴えました。多くの組合員が、そのとおりだということで理解してくれました。
 みんなの思いを要求にして当局にぶつける、その間ただ働きを一切やめて、職場の現実、人が足りないという現実をよりはっきりさせる、という方針を立てて闘いを始めました。
 この間はっきりしてきたことがあります。それは、労組既成指導部のどうしようもない腐敗です。現場の状況を無視した運動のあり方です。今の職場の現状をもたらしたのは民営化攻撃以外ありません。民営化というのは、今までの職場のあり方のすべてを破壊して労働者の闘いを押しつぶすためにあり、死んだ仲間は民営化攻撃の犠牲者だと思います。だからこそ労働組合の存在価値が問われるのです。
 しかし、私が職場集会で「彼は今の職場に殺されたんだ」と叫んだところ、支部執行部は「死因もはっきりしないのにそんなことを言うな」と制動をかけました。その本心は、この問題で労使関係が悪化することを恐れたということです。現場の仲間の命より労使関係の安定を重視する、これが今の労組指導部のあり方です。こんなのは絶対におかしい。許すわけにはいきません。
 JPU中央の「いい民営郵政をつくろう」方針が、この状況を招いたのです。労組が民営化推進の方針を持つことの犯罪性がこの中ではっきりしました。
 今の資本主義社会の行き詰まり、それがもたらす矛盾をすべて労働者に押しつける資本家と国家権力。そしてそれに手を貸す労組指導部。このあり方をたたきつぶさなければ労働者に未来はありません。たたきつぶすには現場で労働者の団結をつくりあげていくしかないと思います。この社会は労働者が主人公なのだから。
 「職場を変えて、組合を変えて、そして社会を変えていこう」、この決意を胸にこれからもがんばっていこうと思っています。すべての郵政労働者、いやすべての労働者はともに立ち上がろう!
 (東北・全逓労働者 春原浩哉)
(写真 “仲間を殺したのは民営化と労組指導部だ”全逓労働者が本部を弾劾(2月15日 水道橋))

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週刊『前進』(2285号4面5)(2007/03/05 )

 中国・無錫松下電池でスト

 カドミウム被害補償を要求

 生産ラインをすべて止める

 06年12月、中国江蘇省無錫市にある松下電池の工場「無錫松下電池有限公司」でカドミウム被害が明らかになり、07年1月、工場労働者がストライキに決起した。
 無錫市は中国スターリン主義の「改革・開放」政策の中で、日系資本が集中的に進出している地域である。日系企業は1081社、在留日本人は3000人に上る。
 無錫松下電池は松下電器産業と松下電池工業の出資による海外子会社である。02年から電動工具用のニッケル・カドミウム電池(ニッカド電池)などを生産している。従業員約5100人、カドミウムに携わる労働者は300人だ。
(写真 無錫市政府前に集まり問題の解決を訴える無錫松下電池の労働者たち【1月10日】)

 健康診断データも松下が改ざん

 06年12月10日、テレビや新聞、インターネットで「広東省電池工場で多くの女性労働者が死亡、『障害』のある子どもも」と報道された。
 これを契機に無錫松下電池の一部の労働者が健康診断の結果を公開するよう求めたところ、基準値を超えるカドミウムが体内から検出されていたことが判明した。
 日系企業の進出により無錫地区では一羽の鳥も見かけなくなったと言われている。カドミウムは「イタイイタイ病」などの公害を引き起こす有害物質だ。それを知りつつ松下資本は中国でニッカド電池を生産している。
 07年1月4日夜、健康診断の結果を公表することを求め、第1工場のニッカド生産ラインの労働者約200人がストに突入した。一人の労働者は「長年ここで働いているが、自分の診断結果を見たことがなかった」と言っている。会社側は追い詰められ、06年8月の健康診断結果の一部を労働者たちに見せた。しかしそのデータは会社によって改ざんされていた!
 怒った労働者は、会社に誠意ある補償を求め、1月5日、ニッケル水素電池ラインの作業を中断、ニッカド材料ラインも同日ストライキに合流した。1月8日には1300人がストライキに突入、工場の入り口を8時間封鎖し、生産ラインをすべて停止させた。さらに、会社側のペテン的な回答に怒りを倍加させた労働者300人が、寒風吹きすさぶ中、解決を求めて工場から無錫市共産党委員会、市政府の入り口まで十数`を歩いた。
 これに対する弾圧の先頭に立ったのが地方政府と中華全国総工会(労働組合)だ。会社側は地方政府と結託し、武装警察を派遣して労働者の決起を暴力的に弾圧。1人が入院し、3人の女性労働者が拘束された。

 労働者の命奪う「改革・開放」政策

 無錫松下電池の中国共産党支部と工会は、問題の「責任は労使双方にある」(!)と表明した。こんなものは労働組合でもなんでもない。
 松下電池のカドミウム被害は「中国で3番目の大型の労働者カドミウム被災事件」と言われている。中国では炭鉱を中心にした「産業事故」で1日300人以上、1年に10万人以上が死亡していると報告されている。
 まさに「改革・開放」路線は中国版民営化攻撃であり、そのもとで命さえ奪う極限的な攻撃が労働者(農民)に襲いかかっている。労働者(農民)の怒りは労働者自己解放の闘いとして必ずや中国スターリン主義・胡錦濤政権への怒りとして爆発していくだろう。

 日帝の資本進出への巨大な怒り

 事態の背後には、安倍・御手洗路線のもとでの日帝資本のすさまじい中国侵略の現実がある。
 深刻な不況の中で日本の電機産業は国内の労働者への大リストラと同時に海外投資の大規模な再編を行った。その結果、日本の電機産業は中国に集中し、97年度から03年度にかけて中国における日系電機法人数は2・3倍、従業員数は3・2倍に増えている。
 05年の抗日デモや同年秋の中国東北部におけるキヤノン、東芝でのストに続く今回のストは、日帝の激しい資本進出・海外侵略に対する中国の労働者階級の怒りの大きさを示している。
 日帝の大規模な資本進出、特に公害を「輸出」するようなことは、日本の労働組合の屈服と加担なしにはありえない。
 電機連合中央が04年の大会で打ち出した「第6次産業政策」は、“(工場を)いかに国内にとどまらせるかを追求した従来方針を転換し、「最適国際分業体制の観点」から海外展開の拡大を重視する”と述べている。その上で国内の雇用について、“「生涯一社」を中心とした従来型の長期安定雇用からの転換”を主張している。中国の労働者への徹底的な搾取・収奪を背景に国内でも不安定雇用化を迫る資本と一体化し、その完全な手先になるということだ。
 日帝資本と連合中央こそ、日・中労働者階級人民の共通の打倒対象だ。日米韓の国際連帯を発展させ、中国の労働者と連帯し、階級的労働運動を復権して、日本帝国主義打倒、中国スターリン主義打倒のアジア革命を実現しよう。
 (河北恵一)

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週刊『前進』(2285号4面6)(2007/03/05 )

日誌'07 2月21日〜27日

 「テロ謀議罪」へ共謀罪を変更

 イラク駐留英軍1600人撤退へ

●米副大統領と安倍が会談 安倍首相は、来日したチェイニー米副大統領と首相官邸で会談した。安倍は「米軍再編の着実な実施やミサイル防衛(MD)協力の加速化が必要だ」と語った。(21日)
●英、イラクから1600人撤退 ブレア英首相は、イラク南部に駐留する英軍を段階的に撤退させ、数カ月以内に現在の約7100人から約5500人に削減する方針を下院に報告した。英軍管轄下のバスラ周辺に部隊を派遣しているデンマークも、8月までに部隊を撤退させる方針を表明した。(21日)
●普天間代替で入札公示 那覇防衛施設局は、米軍普天間飛行場代替施設建設に伴う埋め立て工事の施行計画や移築兵舎の建築計画など25件の入札を公示した。環境影響評価(アセスメント)方法書に対する意見概要書のとりまとめ業務も含まれている。3月末に入札が行われる。(21日)
●クラスター爆弾禁止、日本不参加 非人道的だと批判されるクラスター爆弾をめぐり、ノルウェーが呼びかけた国際会議は、08年末までに使用、製造、移動、備蓄を禁止する条約の締結を目指すオスロ宣言を採択し、閉幕した。49カ国の国連機関、NGO(非政府組織)が参加した。このうち日本とポーランド、ルーマニアの3カ国が宣言に加わらない意向を表明した。(23日)
●福地ダムでまた弾薬類 沖縄県東村の福地ダムでペイント弾(塗料弾)など複数の弾薬類が落ちているのをダム管理事務所の職員らが発見した。福地ダムではこれまでに、米軍のペイント弾や照明弾など1万発以上が見つかっている。(23日)
●朝鮮有事の指揮権、12年に韓国へ
 ゲーツ米国防長官と韓国の金章洙(キムジャンス)国防相がワシントンで会談し、米軍が保有している朝鮮半島有事の際の韓国軍の作戦統制(指揮)権を12年4月に韓国側に移管することで合意した。今年7月までに移管に向けた「ロードマップ」を作成し、実施に移していく。(23日)
●日比谷野音の使用を都が取り消し
 東京都は、朝鮮総連の関係団体が主催して3月3日に日比谷野外音楽堂で予定している在日朝鮮人への人権侵害をテーマとする集会の使用承認を取り消すよう管理者に指示した。管理者は同日、承認を取り消し、主催者に通知した。(26日)
●英、アフガン1400人増派 ブラウン英国防相は下院で、アフガニスタン南部へ、夏までに英軍約1400人を増派する方針を明らかにした。(26日)
●イラン爆撃班創設か 米誌『ニューヨーカー』3・4付は、イランに対する爆撃計画を策定する特別計画グループが米国防総省内に創設されたと報じた。ブッシュ大統領の承認から24時間以内に実行可能な計画の立案に当たるという。(25日)
●「テロ等謀議罪」自民部会が了承 「共謀罪」を新設する組織犯罪処罰法などの改正案の修正作業で、自民党法務部会の「条約刑法検討に関する小委員会」は、共謀罪を「テロ等謀議罪」と変更し、対象犯罪を政府案の600以上から123〜155程度に絞り込んだ「修正案要綱骨子」を了承した。(27日)
●「君が代」ピアノ伴奏命令に合憲判決
東京都日野市立小学校の98年の入学式で「君が代」のピアノ伴奏をしなかったとして戒告処分を受けた女性音楽教諭が都教育委員会を相手に処分取り消しを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷は「伴奏を命じた校長の職務命令は、思想・良心の自由を保障する憲法19条に反しない」との初判断を示し、教諭の上告を棄却した。(27日)

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週刊『前進』(2285号5面1)(2007/03/05 )

 米帝の虐殺・掃討作戦許すな

 3・18イラク反戦大デモへ

 丹沢 望

 米帝のイラク侵略戦争は、2月中旬からのバグダッドを中心とした「法の執行作戦」と称する大掃討作戦の開始によって、新たな大虐殺戦争へとエスカレートしている。イラク占領支配の絶望的な危機を、新たな大虐殺戦争によって乗り切ろうとする米帝・ブッシュへの怒りを、今こそ解き放とう。3月18日、イラク侵略戦争開戦4カ年の世界一斉反戦デモをたたきつけ、今こそブッシュと安倍を打倒しよう。
(写真 イギリス軍の撤退を求め10万人がデモに立った【2月24日 ロンドン・トラファルガー広場】)

 イラク情勢は新段階

 2月14日から本格的にバグダッドで開始された掃討作戦は、首都とその周辺の米軍1万5000人に、増派された米兵を含む8000人とイラク治安部隊を加えた総兵力9万人の一大掃討作戦だ。それに先だって13日には、武器や武装部隊の移動を阻止するという名目で、イラン、シリアとの国境が72時間の予定で閉鎖された。
 米軍は2月14日に、バグダッドを10区域に分けて、各地区を順番に大量の部隊で包囲して1区域ごとのシラミつぶし的作戦を実施し始めた。戦車・装甲車・戦闘ヘリ・戦闘爆撃機などを総動員した作戦でバグダッドの武装解放勢力を根絶やしにし、占領支配を貫こうとしている。
 2月の掃討作戦は、スンニ派武装解放勢力の拠点である北部アダミヤ地区と、自動車爆弾や自爆戦闘によって米軍やイラク治安部隊への攻撃が頻繁に行われたバグダッド中心部のカラダ地区で行われている。
 それは、バグダッドの住民に対する大虐殺作戦以外のなにものでもない。厳重に包囲・封鎖した掃討作戦地域に突入した米軍は、武装勢力が潜伏していると見なした場所は、住宅密集地でもかまわず戦闘ヘリや戦闘爆撃機で空爆を加え、住宅もろとも住民を吹き飛ばしている。空爆後の家宅捜索は、ムスリム住民が宗教的理由から忌み嫌う警察犬をあえて先頭にして行い、住宅や家具などを破壊し、少しでも抵抗する人は暴行を加えた上で全員拘束し、拷問で自白を強要している。米軍が武装勢力だとして殺害したり、拘束したと発表した人びとは、ほとんど一般住民であった。
 掃討作戦は外出禁止や車両の使用禁止、商店の閉鎖強要などを伴い、住民は食料や生活必需品を確保することも、病院に行くこともできなくなっている。米軍による一地区の水道や電気の遮断、民家の作戦拠点としての接収と住民の追い出しも、住民の生活を破壊している。
 これらの作戦は当面だけでも数カ月にわたって行われるとされており、バグダッドを徹底的に破壊し、全地区の住民の命を奪う大虐殺作戦以外のなにものでもない。
 これまでのイラク侵略戦争と4年間の占領支配の下で、飢餓や病気の蔓延(まんえん)、掃討作戦や無差別的空爆、内戦の激化(1日当たり千数百人の死者)などによって、65万人以上のイラク人民が殺され、人口の15%に相当する370万人もの人びとが国内外で難民化し生死の境をさまよっている。劣化ウラン弾による放射能被曝(ひばく)や、不発のクラスター爆弾による被害の増大、治安の悪化による経済の極端な衰退、電気、上下水道の破壊、食料危機、医療制度の崩壊による様々な病気の蔓延で、イラク人民は悲惨な状況にたたき込まれている。
 この上にさらに掃討作戦という名の大虐殺戦争を仕掛けている米帝ブッシュの非人間的行為を絶対に許してはならない。

 反撃の武装闘争が爆発

 大掃討作戦に対してイラク人民は新たな怒りを爆発させて決起し始めている。武装解放勢力は、米軍の包囲・せん滅作戦に圧倒されることなく、巧妙に正面激突を避け、掃討作戦のほとんどを空振りに終わらせながら、バグダッド市内におけるゲリラ的反撃戦に打って出ている。武装解放勢力は大掃討作戦が準備され始めた2月初旬からバグダッドでの米軍・イラク治安部隊に対する攻撃や爆弾戦闘を強化した。2月中旬以降は、戒厳体制をうち破ってバグダッド市内で米軍やイラク治安部隊に対する大規模な攻撃や自動車爆弾などによる爆弾攻撃を連続的にたたきつけ、掃討作戦がほとんど効果がないことを示した。
 また2月22日までの1カ月間に米軍の掃討作戦の主軸を成す戦闘ヘリや輸送ヘリなど8機を次々と撃墜し、28人もの米兵を戦死させた。武装解放勢力が新型携帯ミサイルやロケット弾などで戦闘ヘリと輸送ヘリを中心とする米軍の攻撃態勢をうち破ったことは、掃討作戦の遂行に重大な打撃を与えた。米軍はこのため、作戦計画の見直しを迫られている。
 さらには、スンニ派住民に対する無差別虐殺攻撃を行っていた一部のサドル派民兵の拠点も、サドル派民兵たちが掃討作戦に屈服して退去し、防衛体制が薄くなったために、スンニ派の武装解放勢力によって攻撃され破壊された。
 米帝自身も、掃討作戦の成功を大々的に発表することができず、「成否判明まで数カ月かかる」という悲観的見通ししか出せていない。イラク治安部隊は依然として戦力として頼りにならない。量的にも27万7000人の軍隊と警察官が任務についていると言われるが、実態はごく一部しか戦闘任務に投入できない状態だ。
 こうした現状のもとで、2月21日にイラク駐留英軍7000人のうち数週間以内に1500人、年末までに3000人を撤退させるという英帝・ブレアの決定とデンマーク政府によるイラク駐留軍460人の8月までの撤退決定が相次いで出されたことはブッシュに大打撃を与えている。最大の同盟軍であり、米軍とともに戦闘任務を担っていた英軍の撤退の開始は、アフガニスタンへの増派のためとはいえ、米帝の孤立化をいっそう促進するであろう。
 すでに2月末までの5カ月間には、03年3月以降のどの5カ月よりも米兵の戦死者数は多くなっているのであるが、こうした傾向はさらに強まるであろう。

 追い詰められる米軍

 こうした状況下で米帝はいまや完全に追いつめられている。2月2日に出された諸情報機関の機密報告をまとめた「イラク安定の見通し/今後の課題」は、内戦激化の現状を認め、「今後12カ月から18カ月にわたり、治安状況は昨年後半と同様のペースで悪化する」という見通しを示した。したがって米軍がイラクから早期撤退すれば、「イラク治安部隊は生き残れず、近隣国が介入し、民間人の被害も相次ぐ」として占領支配の破綻(はたん)を自認した。
 だが、この危機をどう乗り切るかについては何の展望も打ち出せていない。米帝は「イラク新政策」でイラクへの増派を2万2000人としたが、実際には支援部隊を含めて3万5000人程度を増派する。だが、この程度の増派では、米軍の泥沼的敗勢がどうにもならないことは、大掃討作戦のこれまでの結果から明らかである。それどころか、今後もさらに米兵の死傷者が増大するのは不可避の情勢だ。
 米軍のローテーションでの動員体制も限界に達し、新兵の募集も遅々として進んでいない。脱走兵もすでに1万人を超えるまでに急増し、帰国した兵士の15%が心的外傷後ストレス障害で軍務復帰できないという事態も生じている。さらには、アーレン・ワタダ中尉のように断固として派兵を拒否する軍人も出始め、それを支援する運動も大衆的に拡大する勢いを見せている。
 増派体制も、すでに現地にいる部隊の任務期間の延長や派兵の前倒し実施によってかろうじて維持されているにすぎない。長期にわたって増派体制を維持することは不可能な状態だ。
 しかも、軍事予算は急増し、米財政を圧迫するだけでなく、ドル危機促進の巨大な要因に転化している。アフガニスタンも含めた対テロ戦費は01〜06年で4330億jとなり、政府が見込む07年度以降の3年分を加えると7980億j(約96兆円)に達し、約5〜6000億jとされるベトナム戦費を大幅に上回る巨額となる。
 イラク危機乗り切りのために計画されているイラン攻撃についても、米海軍がペルシャ湾に空母戦闘群を追加配備した一方で、米軍の4〜5人の将軍たちが、ブッシュから攻撃を命じられた場合、辞任すると表明したという。
(写真 撃墜された米軍ヘリの残がい

 米帝中東支配の崩壊

 このようなイラク占領支配の危機は、イランのイラク情勢への介入の強化、アフガニスタンでのタリバン春期攻勢の接近、パレスチナ、レバノンを始めとする中東諸国での民族解放闘争の急速な発展情勢などと絡みあい、米帝の中東支配・石油支配の総崩壊情勢を激しく促進している。
 イラク占領支配の破産が、米帝の中東支配を総崩壊させ、帝国主義としての存立さえ脅かしているからこそ、米帝は必死の形相でイラクでの大掃討作戦やイランへの侵略戦争を通じて巻き返しを図ろうとしているのだ。
 したがって、労働者階級は、米帝のイラク・中東侵略戦争政策の破産の危機を突き、それを粉々に粉砕するならば、米帝ブッシュと共に、ブッシュの戦争政策を全面的に支持する安倍を打倒することができるのだ。
 今こそそれが可能な情勢が到来している。新たな大掃討作戦の開始を前後して、アメリカを始めとする全世界のイラク反戦闘争が新たな質的転換をともなって激化し始めている。

 ブッシュと安倍を倒せ

 アメリカでは1月27日にワシントンで50万人、サンフランシスコで1万人の反戦デモが行われた。これはイラク侵略戦争開戦後最大規模の反戦デモだ。しかもそれは、民主党への幻想やAFL−CIOの制動をうち破る質を持った闘いとして発展し始めている。
 さらにイギリスでは2月24日に、10万人のイラク反戦デモが行われた。これもこの数年間で最大の規模である。ブレアが人民から拒否されているにもかかわらず、さらに戦争を継続しようとしていることに人民の怒りが爆発しているのだ。
 帝国主義による不正義きわまりない侵略戦争への怒り、極限化する国内での激烈な資本攻勢―階級戦争への怒りを解き放ち、3月18日には全世界の労働者、イラク・中東諸国人民と連帯して、イラク侵略戦争開戦4周年の世界一斉反戦デモをたたきつけ、ブッシュと安倍を打倒しよう。

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週刊『前進』(2285号5面2)(2007/03/05 )

 「工場法以前に戻せ」と叫ぶ 安倍・御手洗を倒そう

 ●『イギリスにおける労働者階級の状態』に学ぶ(上)

 1部屋に15〜20人が生活

 昼も夜もない極限的労働

 「ネットカフェ日雇い」「ワーキングプア」が、連日のようにニュースになっている。「日本の労働市場において、帝国主義の歴史上でもまれにみる大変動がいま音を立てて進行している…。膨大な非正規雇用労働者の大群が生み出され、日本資本主義にとって大きな戦略上の柱の一つにすでになって」いる。(本紙2281号4〜5面)
 この攻撃は1995年の日経連プロジェクト報告に始まる。これに拍車をかけたのが2005年日本経団連経労委報告だ。ここでは、「労働契約法制は…工場法の時代の遺制を引きずる労働基準法などの関係法令を、今日の環境にふさわしいものに抜本的に改革する…ことを強く期待したい」(51〜52n)と述べている。今日の「御手洗ビジョン」の原型は、完全にこの中にある。今こそ3・18全世界一斉デモへの総結集で、「工場法以前に戻せ!」と叫ぶ安倍・御手洗を倒そう。
  ◇    ◇
 安倍も御手洗も、非正規雇用労働者の実態調査さえ拒否している。
 なぜか?
 エンゲルスは、『イギリスにおける労働者階級の状態』の冒頭で、この著書がイギリスのすべての労働者をあつかった初めての本だと宣言し、政府や資本どもが労働者階級の状態について1冊の本さえ作らないことについて「もちろん彼らはそんなことはしない。これは彼らが話したがらないことなのだ」と痛烈に批判している。
 エンゲルスは、21カ月にわたる膨大な調査と労働者階級との交流を積み重ねて『イギリスにおける労働者階級の状態』を著した。彼は「社会主義の理論に…不動の基礎をあたえるため…、あらゆる空想や幻想をかたづけるためには、プロレタリアの状態を知ることがどうしても必要なのである」(初版序文)と述べている。われわれが今日、このエンゲルスの闘いに学ぶ意義は大きい。

 労働者の生活

 当時の労働者の生活はどんな状態だったのか。
 @「住」。人口約250万人のロンドンに、ホームレスが5万人、「それより少しまし」な労働者も、1部屋を2世帯で使用するような生活だった。ロンドン塔の東地区には、約13fに1400戸、2795家族、1万2千人が暮らしていた。人口20万人のグラスゴーでは78%がプロレタリア、1部屋に15〜20人の男女が、床に「いくらかのボロを混入したカビだらけの藁(わら)の山」をベッドに寝起きしていた。
 マンチェスターでコレラが流行したことについて、労働者街の衛生調査をした記録によると、6951戸の家(安アパート)のうち2221戸にはトイレがなく、ある家もほとんど使えない。市内の687の街路のうち352街路に、積み重なる汚物とゴミ、よどんだ水たまりがあった。こんな所でも、家賃は容赦なく取り立てられた。
 A「食」。労働者の賃金支払いはたいてい土曜日の夕方だった。『共産党宣言』第1章で、労働者が賃金を受け取った後に家主などが襲いかかる場面が描かれているが、ようやく仕事を終えた労働者が市場に食料を買いに行くのは土曜の夜。安くて良いものはすでに無く、ほとんど腐っている肉や野菜を買った(翌日曜は安息日なので、すべての商店・市場は閉店する)。当時は、石膏(せっこう)粉や石けん工場廃品を混ぜ込んだ小麦粉や砂糖、出がらしを乾かしたお茶、ハカリのごまかしが横行した。
 B「児童と女性の労働」。エンゲルスは「鉱山プロレタリアート」の章で、坑内は非常に暑くほとんど半裸での労働に従事せざるを得ず、男性監督官による女性労働者への暴行が横行していることを弾劾している。
 また、このような状況の中で乳幼児の健康はむしばまれた。「親の長時間労働の間、おとなしくさせるためにジン(焼酎)やアヘンを与える習慣」があり、政府委員会で陳述したある薬剤師は1年間に640`グラム(!)のアヘンチンキを販売したと証言した。
 C「労働時間」。『資本論』第8章労働日でマルクスは、「大工業の誕生以来は、雪崩のように激しい無際限な突進が起きた。風習と自然、年齢と性、昼と夜という限界は、ことごとく粉砕された。古い法規では、農民のように単純だった昼と夜との概念でさえ、まったくあいまい」になったことを明らかにした上で、労働者階級の「反抗の始まり」――標準労働日のための闘争について述べている。1802年から33年までに、議会は5つの労働関係法を成立させたが、その強制的実施や必要な職員のためには1文の支出も議決しなかった。これらの法律は死文のままにとどまった。「1833年の法律以前には、子どもや少年が終夜か、終日か、またはその両方か、どのようにでも随意に働かされたということ。これが事実である」(「工場監督官報告書」1860年)。ましてや成人労働者の労働は野放し状態だった。
 D「賃金」。低賃金のみならず、時計を進め「遅刻」として罰金を差し引くことが横行した。
 こうした過酷な現実の中から、標準労働日のための労働者階級の闘いが始まる。 (つづく)
 (田島俊昭)
(写真 イギリスにおける急速な工業化は、同時に膨大な労働者の階級意識を覚醒させ、闘いへとうながした【1848年4月10日 ロンドンでのチャーチストの示威行動】)
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 『イギリスにおける労働者階級の状態』
 1844年11月から翌45年3月に、当時24歳のエンゲルスが執筆。初版が刊行されたのは45年5月。

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週刊『前進』(2285号5面3)(2007/03/05 )

 コミューン 4月号

 青年労働者の現実

 エンゲルスの「イギリスにおける労働者階級の状態」という本がある。若きエンゲルスがイギリスの当時の労働者の窮乏、劣悪な都市環境、過酷な労働と女性労働、児童虐待、失業の現実を研究し、労働者が置かれている経済的地位が労働者を終局的に自己解放に向かわせることを歴史上初めて語ったものだ。
 特集は、エンゲルスと同じ問題意識に立って「日本の青年労働者の状態」に迫っている。
 第1章は、日雇い派遣労働者のルポなどを題材に、青年労働者の中で急増する派遣・偽装請負など非正規雇用化の実態を明らかしている。搾取のすさまじさに怒りが煮えたぎってくる。
 第2章は、郵政・自治体・教育現場など4大産別で働く青年労働者を取材して、厳しい労働の実態とわき起こる闘いの展望を打ち出している。
 第3章は、労働者が「商品」になる社会を根本から覆そうと、社会の主人公は労働者であり青年労働者にこそ社会を変革する能力、革命の力があると提起している。
 翻訳資料は「米国内の新自由主義経済政策」。アメリカの産業構造の激変と労働者階級の状態の急速な悪化を描いている。筆者サイブスは、アメリカの労働運動活動家で、AFL−CIO(労働総同盟・産業別組合会議)の既成労組官僚の裏切りを追及してきた。

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週刊『前進』(2285号6面1)(2007/03/05 )

 9条改憲・朝鮮侵略戦争と対決し

 闘う革共同の建設をかちとろう

「党の革命」1周年にあたって

 革共同書記長 天田 三紀夫

 T 党の根底的再生訴えた革命的蜂起受けとめて

 2006年3月、「全関西の革共同の同志への緊急アピール」が発せられた。それは、「労働者の怒りを爆発させ、与田・遠山ら私党集団を打倒、一掃しよう!」「私党化を打ち破り、労働者党員が生き生きと活動できる、徹底的に中央集権的で、徹底的に民主的なボリシェビキ党再生のために、与田・遠山を打倒しよう!」「日本革命・世界革命を切り開くため、新指導路線を担う党的実体・党的団結を形成するために、与田・遠山を打倒しよう!」「06年・07年改憲阻止決戦と4大産別決戦(民営化・労組破壊)を闘うことができる党への再生をかけて、与田・遠山を打倒しよう!」と訴え、次のように呼びかけていた。
 「全党・全関西の同志諸君、とりわけ労働者党員諸君! わが関西の党は危急存亡の秋にある。労働者の党、革命の党として生きのびることができるかどうかが問われている。しかも権力の弾圧が切迫している。腐敗の極に達した与田・遠山私党集団を打倒・一掃する『党の革命』をやりぬくことが唯一、党を再生し、権力の弾圧を打ち返す道だ。全労働者党員は命がけで起ち上がろう。この闘いは、全党の革命的変革の出発点となるものであり、革命的な価値創造性に満ちたものだ。中央を始め全国の党の変革が問われている。革命的進攻精神をもった蜂起戦として、私党集団打倒、党の革命的再生の闘いを最後までやりぬこう」

 私党化グループ打倒

 関西の労働者同志の革命的蜂起は、与田・遠山らによる不正・腐敗と党組織の私党的再編、「反中央」の扇動、労働者同志への不信と分断の持ち込み、新指導路線への背反の現実を打倒するために、党の根底的な再生を訴えたのである。
 「世界革命への壮大な闘いは、関西での『党の革命』をもって始まる。この闘いの烈火は、蜂起―プロレタリア独裁樹立の労働者革命を担う党への変革を切り開くであろう。その気概に燃えて、全党の同志は革命家魂を発揮して、総決起しよう」(「関西労働者3月蜂起宣言」)
 関西の労働者と常任の蜂起は与田・遠山らを完全に打倒した。それは、関西の指導部のみならず党中央の心臓部を完全に突き刺し射抜いた蜂起としてあった。政治局と全国の組織、全党員へ向けられた決死弾劾の決起であった。この蜂起を受け止めることは、反スターリン主義・革命的共産主義運動50年の歴史と実践を再度全面的な検証の対象にすることを求めた。全党が一度打倒され、根底から生まれ変わることを意味した。それほど階級的で強烈で根底的であった。われわれは断固としてこの労働者同志の蜂起を支持し、連帯し、ともに闘うことを誓った。
 しかし、この3月蜂起をまったく受け止めることができない一部の政治局員が存在した。与田・遠山らにつながるグループである。彼らは、労働者の蜂起に反革命クーデター規定を行い、敵対の言動を繰り返し、分裂行動を開始した。党内の同志的一致をかちとるための路線的激突と討論は、この分裂行動によって打倒闘争に変わった。わが革共同を腐敗させ国家権力と闘えない党に変質させるこの一部政治局員を全面的に打倒しぬく実践こそ、関西の労働者同志との同志的一体感の前提であり、政治局は自らの自己批判の貫徹としてこの闘いをやりぬいた。
 「党の革命」は切り裂かれた現実を止揚し、全国単一の党を建設する第2段階に突入した。しかし、現在も道半ばである。否、この闘いはプロレタリア革命に勝利するまで止むことのない永続した革命である。このことを断固として確認し、「党の革命」1周年に際して革共同の進むべき道、その綱領的路線的深化について、さらに肉薄し鮮明にしていきたい。
 第一は、革共同政治局の中に腐敗・変質した私党化グループの存在を許したことである。このことを全面的に自己批判します。
 私党化グループとは、プロレタリア革命のうえにブルジョア政治をおき、党を私物化し食い物にして国家権力への投降集団、転向集団に変質させようとした目的意識的なグループである。彼らは政治警察のスパイの接近を許し、囲い込み、相互浸透し、関西から始めて革共同全体を国家権力と二度と闘うことができない組織へ変質することを狙っていた。
 しかし、これはあまりにも破廉恥で浅知恵である。世界と日本の階級情勢は圧倒的に前進している。新指導路線の実践は党派的激突となり、動労千葉の闘いを基軸に、3労組共闘を軸点とする日米韓の3カ国国際連帯闘争として一挙に前進した。追いつめられた私党化グループは、彼らを批判する同志の党からの排除を画策し、分派規定、党内権力闘争、暴力的制裁を持ち込んで「粛清・追放」を行おうとした。それは政治局が二分するほどの対立であった。しかし私党化グループは、労働者階級の組織化を絶対に行わず、労働者同志の獲得ができなかった。要するに労働者階級を革命の主体として認めない反マルクス主義グループに純化していたのだ。
 政治局内部の路線論争の発展が私党化グループを追いつめ、動労千葉労働運動(3労組共闘)を軸とする11月労働者集会の国際連帯闘争の発展が彼らの実践への敵対を暴く中で、労働者同志の蜂起がついに彼らを打倒したのである。
 重大な問題は、党中枢の壊滅を狙うまで政治警察の手が伸びてきていたことであった。政治局は全党の同志の力で建設され、維持され、非合法・非公然体制が守られている。この現実にのっかり、私党化グループをとおして党中枢への政治警察の接近を許していたことを、政治局は全党と全労働者階級に心から自己批判します。
 しかし、国家権力のどんな弾圧も党を壊滅させることはできない。それは革命党が労働者階級の献身的で英雄的な闘いを基礎にしているからである。労働者細胞を先頭とする全機関の不断の政治討論と路線討論、党活動の3原則の展開と路線的実践での一致、中央委員会と労働者細胞の日常的結合、これらをかちとることに勝利すれば、政治警察による党のガラス張り化攻撃、スパイ化攻撃は必ず粉砕できる。このことが遮断され私党化を許したことが最大の問題である。革命党が政治警察の攻撃と目的意識的に闘わなければ、中枢から全面的に解体する攻撃にさらされる。この点で、関西の労働者の蜂起は「党と階級を救った」のである。このことをあらためて確認したい。

 綱領的路線的な対立

 第二に、国家権力への投降集団と化していた私党化グループとの闘いは綱領的路線的な対立としてあった。直接的には階級的労働運動路線(新指導路線)の実践の中で、彼らの非実践性、その背後にある労働者階級自己解放闘争への蔑視、絶望が暴き出された。党指導部に絶対あってはならない腐敗した小ブル生活。被差別・被抑圧人民の存在と闘いを労働者階級の闘いと分断し、労働者階級のもとに全国単一党建設を行うことに対する妨害。労働運動から政治闘争を切り離して対置させ、労働運動(労働組合運動)を一段低い活動であるかのように言いなす非マルクス主義の主張。11月労働者集会を最高の政治的経済的決戦として闘うのではなく政治カンパニア動員にすりかえるあり方。労働運動の実践に背反して選挙闘争を異常に強調する体質。
 これらの私党化グループとの闘いは長い年月を要した。この対立は、戦闘的労働運動の発展に対する反革命として登場したファシスト・カクマルとの20年間の内戦を、故本多延嘉書記長の虐殺という75年3・14反革命を断固としてのりこえて闘いぬき、労働運動の荒々しい発展に対応する5月テーゼ路線に踏み出す中で起こったのである。私党化グループの主張と行動は本質的には、5月テーゼ路線のもとでの党と階級の全面的な飛躍に対する拒否と敵対であった。それは、国家権力との死闘からの、階級戦争の大地からの逃亡であり、党破壊行動であった。この路線的不一致と敵対こそが政治警察の介入を許したのだ。
 「党の革命」をさらに徹底的にやりぬき、最末期の帝国主義による侵略と戦争、労働組合破壊攻撃と闘い、日米韓労働者階級の国際連帯を発展させ、日本革命と朝鮮革命・アジア革命を一体的に実現する闘いへと断固として突入することを訴えたい。

 U 「党の革命」1周年迎え突破すべき課題は何か

 (1)帝国主義の破滅的危機の激化と革命的情勢の接近

 階級的労働運動路線(体制内労働運動からの決別)をめぐる路線的一致をかちとる闘いは、きわめて重大な段階に入っている。路線的綱領的高さにおいてなんとしても一致をかちとり、07年階級決戦勝利へ、怒涛(どとう)の進撃をかちとろう! 
 なぜ、これほど激しく路線的一致をめぐる討議がおこっているか。論議が闘わされているのか。それは、党の革命が全同志の一革命家としての生まれ変わりを求めたからであり、現在も求めているからである。その立場から、党の革命の新たな綱領的路線的内容が提示されなければならない。
 重要な問題は、日々刻々、革命的情勢が急接近していることである。米帝を基軸として帝国主義戦後体制が崩壊し、帝国主義間争闘戦が激化し、世界史が侵略戦争・世界戦争過程へ突入していることである。
 帝国主義体制の特異な戦後発展は、1970年代中期を大きな区切りとして基本矛盾の歴史的爆発過程へ突入した。74―75年恐慌は、戦後初の世界同時恐慌であり、主要帝国主義国の戦後発展の行きづまり、過剰資本・過剰生産力状態への突入を意味した。75年の米帝のベトナム侵略戦争敗北は、米帝の没落の決定的開始を意味した。
 80年代の帝国主義は、対スターリン主義対決=帝国主義間争闘戦貫徹政策によって、ベトナム敗北がもたらす体制的危機を軍事的緊張と一大軍拡によって政治的・経済的にのりきろうとした。アメリカのレーガン政権、イギリスのサッチャー政権、日本の中曽根政権の登場である。これらの政権の特徴は、戦後の国家独占資本主義的政策から、資本のむきだしの弱肉強食原理による労働者支配政策への反革命的転換にある。それは、徹底した民営化攻撃をもって労働組合を破壊する全世界的攻撃として展開された。
 90年代には、帝国主義の戦後発展の中でも特異な発展を遂げてきた日本帝国主義が大破綻(はたん)に陥り、帝国主義的没落の道へ突入した。91年のバブル経済の崩壊は、97―98年金融恐慌として火を噴き、「日本発世界大恐慌」が現実化する危機に直面した。
 90年代の帝国主義はまた、米経済の超弩(ど)級のバブルが世界経済をかろうじて支える構造をつくりだした。他方において、EUの単一通貨導入に見られるようにブロック化へ本格的に突入した。EUのブロック化はドイツ帝国主義の主導のもとで行われ、米帝バブルの崩壊、ドル危機の爆発とからんで世界経済の決定的亀裂の拡大へと進むことは不可避であった。
 そして今日、2000年を大きな転換点として、米のバブル経済は大崩壊過程へ突入している。01年のITバブル崩壊に続く06年住宅バブルの崩壊は、歯止めがかからなくなっている。米帝バブルの崩壊は日帝を追いつめている。日帝の国家財政は破綻し、金融政策も破綻している。
 こうしてすべての流れは、帝国主義世界経済の29年型大恐慌への全面的突入と、国際争闘戦のとめどもない激化と世界経済のブロック化へと進んでいる。この帝国主義の危機と矛盾の激化に対し、労働者階級と被抑圧民族人民の積もりに積もった怒りの爆発が始まっている。それはすでに、01年9・11の米帝心臓部に対するムスリム人民の特殊的極限的決起の戦闘として開始された。これに対して米帝は、中東・イラクの石油の独占的支配をかけて、アフガニスタン侵略戦争から03年3月イラク侵略戦争へ全面的に突入した。
 だがイラク侵略戦争の現実は、イラク人民の不屈の武装闘争、アメリカ国内を始め全世界のイラク反戦闘争、南米における反米政権の続出、米軍内部の厭戦(えんせん)意識の拡大と軍隊そのものの危機を生み出し、米帝は今や体制的危機にのたうちまわっている。その政治的表現が06年中間選挙でのブッシュ共和党の大敗北だった。
 基軸帝国主義・米帝の没落が進む中で、中国・ロシアを巻き込みながら国際帝国主義の争闘戦が死闘的に激化し、アフリカ、インド、中央アジア等々での市場分割・再分割戦に突入している。最末期を迎えた帝国主義は、イラク侵略戦争のイランへの拡大を狙い、さらに朝鮮侵略戦争から中国侵略戦争へ突入するための米軍再編を全面的に行っている。
 しかも、この現実を促進している歴史的契機は90年代のスターリン主義の崩壊なのである。スターリン主義の歴史的破産は、本質的に帝国主義対帝国主義の激突として帝国主義の危機と争闘戦を新たな段階に突入させた。それは帝国主義列強による世界の再分割をかけた侵略戦争・世界戦争への歴史的・反動的回帰を意味する。帝国主義は、この世界再分割戦に、崩壊した旧スターリン主義国・ロシアや残存スターリン主義・中国を引き込みながら、争闘戦の死闘化を強めている。帝国主義対帝国主義の死闘化は、基本的に第3次世界大戦へ突き進むしかない。いや、すでに世界史はその過程へ全面的に突入しているのである。

 (2)戦争・改憲・労組破壊の攻撃強める日本帝国主義

 日本帝国主義の改憲攻撃は、憲法を丸ごとつくりかえる攻撃である。9条を解体して「自衛軍」を明記し武力行使を宣言し、「国防の責務」で戦争協力を義務づけ、国家総動員態勢と徴兵制復活、戒厳令の導入、戦前型天皇制の復活をも狙い、基本的人権を全面的に解体する攻撃である。日米帝国主義のイラク侵略戦争突入はこの攻撃を一挙に加速した。安倍政権は昨年の教育基本法改悪に続いて、労働法制を解体し、さらに改憲投票法の制定をもって改憲へと一挙に突き進む反革命クーデターに踏み出そうとしている。
 06年の階級決戦は、これに対して11月労働者集会に結集した動労千葉を始め3労組共闘の闘いを先頭に、教育労働者の不屈の「日の丸・君が代」不起立闘争を土台として、教基法改悪絶対反対の国会闘争の大爆発を実現した。日帝の日教組解体・教育労働運動解体の攻撃に対して、職場から日教組本部の打倒と組合の再生の闘いが開始され、日帝の4大産別解体攻撃との真っ向からの激突が開始されたのである。
 その決着はまだついていないのだ。闘いの拠点、橋頭保を建設し、日教組本部打倒、闘う執行部確立の闘いは日を追って激しく闘われている。改悪教基法の実働化を許すな! 教員免許更新制など教育3法改悪案の成立阻止!「日の丸・君が代」の強制を許すな! 勤務成績による給与・処遇の差別分断反対の闘いが断固として開始されている。
 日本帝国主義の労働者支配の攻撃の激化とその破綻の画期こそ、95年日経連のプロジェクト報告『新時代の日本的経営』であった。年功序列賃金制と終身雇用制の解体政策は、日本労働者階級の中に巨大な革命勢力を生みだした。終身雇用制を解体し、雇用形態を「長期能力活用型」「高度専門能力活用型」「雇用柔軟型」の3つのグループに分ける攻撃は10年後、20代後半から30代後半の世代にまたがる極端な「格差社会」をつくりだした。それは3人に1人の非正規労働者、絶対的貧困層をつくりだし、「ロストジェネレーション」の膨大な労働者層をつくりだした。
 まさに日本帝国主義は自らの墓掘り人を大量につくりだしたのだ。労働条件は工場法以前的状態に叩き込まれ、働く者の権利は帝国主義の分断支配で奪われ、団結を破壊されている膨大な2000万人の青年労働者(労働者階級)をつくりだしたのだ。
 われわれは、ここに日本帝国主義の労働者支配の破綻を見る。そしてこの階級の怒りと結合することである。そのためには、現在の帝国主義の攻撃に対して勝利の方針、団結のあり方を示すことである。この点で戦前、戦後の日本労働者階級の闘い、日本革命運動の歴史を概括してみたい。

 (3)日本労働者階級の戦闘的革命的な闘いの継承へ

 日本労働者階級の戦闘性と革命性を論じる場合に、最も生きた教訓に満ち満ちている闘いは四つあると言える。
 一つは、1917年ロシア10月革命の勝利が突破口となって世界革命の歴史的高揚を迎えた時代の日本階級闘争である。1919年米騒動の爆発から関東大震災にいたる第1次世界大戦後の時期である。
 二つは、第2次帝国主義戦争の終結とともに爆発した戦後革命期における日本、すなわち45年から50年に至る時期の闘いである。この時期は、沖縄の階級闘争史と一体で論じていくことが求められている。
 三つは、戦後世界体制の根底的動揺を基底として、若き革命的共産主義運動が反帝・反スターリン主義の世界革命戦略を綱領的立場として、「沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」の旗をかかげて内乱的死闘の70年代を身をもって切り開いた闘いである。
 四つは、80年を前後した日本労働運動の戦闘的再編をかけて、現在も激しくしのぎを削って闘われている動労千葉を軸とする4大産別、民間(関西生コン、港合同、本山)を先頭とする日本資本主義との激突の歴史である。
 今回は、戦後革命期に焦点をしぼって、そこにおける労働者階級の闘いの核心問題に肉薄したい。
 戦後革命運動の爆発は、北海道夕張炭鉱と常磐炭鉱での朝鮮人労働者のストライキの烽火として開始された。北海道における労働者階級の蜂起は、文字どおり労働者階級の決起の合図であった。炭鉱労働者の決起に始まる日本労働運動は、金属労働者にうけつがれ、京浜工業地帯は新しい夜明けを迎えつつあった。米占領軍は、戦後革命の爆発を上からの改革で鎮静し、かわそうと必死になった。
 しかし当時は――工場の入り口でビラをまき、組合の結成を呼びかけて、内部から一人でも呼応するものがあればたちまちにして組合が組織され、要求が提出され闘争へ突入していった。闘争形態は初期の場合、デモ、サボ、座り込みなどを主としていたが、動揺しつづける資本家階級は、次々と労働者に譲歩し、組合結成と闘争の爆発は、連鎖反応を生み、青年労働者は当時の共産党の周囲に集まっていった――という状況だった。この激闘の嵐の中で重要なのは、工場代表者会議(工場委員会)と生産管理闘争である。
 工場代表者会議は45年12月、神奈川県下の21工場の代表者を集めて開催された。御用組合絶対排撃、共同闘争展開、政党支持の自由を決議して闘われた。この闘いは、神奈川県労働組合協議会結成、東京の城東、城西、さらに関東工場代表者会議へ発展していった。さらに東北、北海道、関西に波及していった。
 生産管理闘争は、45年10月の読売新聞の業務管理=生産管理闘争を契機に、当時の労働組合の主要な闘争戦術になった。読売の労働者は編集局を占拠し、最高闘争委員会を設置し、業務管理を宣言し、自主的に新聞発行を続けた。経営陣は動揺し、組合の経営参加を認めた。京成電鉄の労働者は、無賃運転の断行、「平常運転による収入管理」という業務管理闘争に移行していった。京成の闘いも労働者の全面勝利に終わった。
 詳しく論じることは別の機会にしたいが、生産管理闘争は2・1ストの挫折後も、48年まで全国的に拡大した。そして占領軍との激突となって闘われたのである。
 生産管理は、賃金も支払うことができない資本家に代わって、労働者が生産と経営を奪取することをとおして自らの生存とともに階級的団結をかちとる闘いである。この闘いは、資本家的労務管理がなくても生産主体である労働者の手によって生産が維持されることを全社会に明らかにする。そのことによって、労働者階級こそが社会の主人公であるという階級意識の急速な変革をもたらすとともに、生産手段と労働過程の管理を階級的団結のもとに取り戻すことをとおして、プロレタリア革命の達成と創造に向かわなければならない。
 しかもこの闘いは、不可避に国家権力との全面的な激突となる。全国的単一党のもとに建設される労働者細胞を軸に、生産管理闘争を労働者階級解放闘争の絶対的課題として研究していくことが求められている。
 農民闘争もまた、都市における労働者階級の爆発的闘いと結合しながら同時期に全国的爆発へ向かった。帝国主義戦争の敗北は、国家が流通過程を直接的に掌握した供出・配給制度の食糧管理制度を崩壊させた。46年2月の食料臨時措置令なる緊急勅令は、農民の怒りの火に油を注いだ。46年12月に公布された自作農創設特別措置法と農地調整法改正(第2次農地改革)は、日本帝国主義再建のための物質的基盤を自作農創設による農村支配の安定化の中に見いだし、労働者と農民の分断をつくりだし、労働運動の高揚を徹底的に弾圧する支配階級の意図に貫かれていた。
 戦後革命と在日朝鮮人運動、戦後革命と部落解放運動の総括も、全国単一の革命党建設の立場から全面的な研究と総括を行っていかなければならない。〈党・労働組合・ソビエト〉の立場、労働組合の革命論的意義を明確にする立場から必死で肉薄していこう。
 そのためには、革共同自身の50年間の歴史的総括を徹底的に全面的に行うことが必要である。あまりにもすさまじく、また豊かな経験を、全同志と階級全体の歴史的営為の所産としてとらえ返すということである。
 @前史。戦後革命と日本労働者階級の嵐のような決起。
 A第1期。革共同結成から3全総―3回大会、70年安保・沖縄決戦、反戦派労働運動。沖縄の全軍労反戦派の闘い。
 B第2期。PT・PUの闘い。反戦派労働運動を軸に切り開いた階級闘争の内乱的発展に対して襲いかかったファシスト反革命との闘い。動労千葉の闘いと動労からの分離独立、80年代の国鉄分割・民営化決戦。その勝利のために闘われた労農連帯の三里塚決戦。日本プロレタリア革命へ向けた本格的武装闘争への挑戦と活動。
 C第3期。91年5月テーゼからの15年間の歴史的総括。19全総−20全総−6回大会−新指導路線の路線的一致と実践的一致をかちとる闘いの前進。 
 D第4期。階級的労働運動路線の全面的実践をもって、国際連帯闘争を発展させ、世界プロレタリア革命へ突き進む革共同の突破すべき課題。
 党の革命1周年に際して、これらの課題をはっきりさせて、さらに全面的に深める闘いをやりぬいていきたい。

 V 階級的労働運動路線の不屈の前進かちとろう

 労働組合めぐる攻防

 今まさに、帝国主義そのものが行きづまり、矛盾が爆発し、労働者階級の労働組合的団結さえ一掃し、労働者階級の生命と生活がおびやかされている。帝国主義・資本主義の打倒、プロレタリア革命によってしか一切の展望が切り開かれなくなっている。今日、労働者階級とその党のなすべきことは、プロレタリア革命(今日的には反帝・反スターリン主義の世界革命と日本革命)に向かって労働者階級の戦闘体制を全力でつくっていくことである。その核心は、さし迫る帝国主義体制の危機をプロレタリア革命に転化していく労働者階級の闘いの先頭に立つこと、労働者細胞(党)を労働者階級の内部に強固にうちたてていくことである。
 しかしその闘いについて考えるとき、危機に立つ帝国主義の攻撃の核心が「戦争・改憲・労組破壊」としてあり、階級闘争論に凝縮していえば、労働者階級の階級的団結の基礎的形態としてプロレタリア革命への前進にとって決定的な戦略的意義をもつ労働組合(運動)をめぐって展開されてくることを、しっかりとおさえることが大切である。いわば階級決戦の核心中の核心が、この労働者階級の基礎的団結形態、革命への出撃の普遍的土台となる存在をめぐるブルジョアジーとプロレタリアートとの死闘として、現実的には存在するということ。このことをしっかりとおさえよう。
 したがって労働者階級がさし迫る革命的情勢の中で、プロレタリア革命に向かって体制をつくりあげていくためには、労働者階級の党としての(生産点に築かれた)労働者基本細胞を先頭に、この労働組合をめぐる攻防において絶対に勝利しなければならない。労働組合を防衛しぬく闘いをとおして、労働者階級とその党は、革命への準備を本格的になしとげていくのだ。
 つまり今日の革共同にとって、革命の切迫情勢に向かってなすべき決定的な任務は、革命に向かって武装されていく動労千葉型労働運動を階級的労働運動としてつくりだし、防衛し、発展させ、全階級化していくことである。新指導路線=階級的労働運動路線とは、まさにこういう現在の階級情勢のなかで、労働者階級とその党がプロレタリア革命に向かって前進していくうえで、この労働組合(運動)をめぐる攻防の階級的意義をおさえた党的=階級的な闘いの戦略的路線だということである。

 党派闘争にかちぬけ

 いまひとつ決定的なエレメントをはっきりさせたい。それはレーニンが『第2インターナショナルの崩壊』等でくり返し論じ、念を押していることである。
 すなわちこの労働組合をめぐる攻防は同時に、帝国主義の時代、ましてやその危機の時代においては、帝国主義体制の存続に自己の党的・組合的・官僚的利害を重ね合わせ、プロレタリア革命に対抗して労働組合(運動)ひいては社会主義の運動そのものを帝国主義的に変質させ、帝国主義の延命の協力者・加担者へとひきずり込む者との闘いになる。一言でいえば、労働者階級とその党は、体制内労働運動ともいうべき者と労働組合(運動)その他をめぐって、激しく徹底的な党派闘争を帝国主義打倒の闘いとの一体的有機的関係の中で闘いぬかなければならない。
 この党派闘争はやはりきわめて厳しいもので、直接的には労働組合の「権力」をめぐって激しく闘われるのである。

 4大産別決戦を軸に

 4大産別決戦は、今や決定的段階に突入している。4大産別への一連の産別的階級的攻撃、あるいは端的に言って経済闘争・権利闘争として闘うべき攻撃に対して、それが労働組合という労働者階級の基礎的団結形態の歴史的一掃の攻撃としてあることをはっきりさせて、まさにプロレタリア革命の命運をかけた闘いとしてこれに反撃していくことは必須の課題である。
 このストレートな生産点での組合の基礎の基礎にかかわる死闘において、動労千葉型、あるいは動労千葉的闘いをめざして階級的死闘をくりひろげることが一切の決定的土台である。このことをはっきりさせることはきわめて重要だ。動労千葉はここで勝つことで強化され、政治的・経済的・イデオロギー的な全面的闘争への力を獲得していっている。
 そしてこの生産点での死闘自体、その土台なしに改憲阻止闘争・反戦闘争も実は発展しえないことをみるとき、それ自体が改憲阻止闘争としての決定的意義をもつことを断固確認することが重要である。と同時に、労働組合自身が階級的激動期の中で、労働者階級にかかわる一切の利害を代表して闘うのは当然である。
 いやそれ以上に、労働者階級は、直接自己を支配する資本への怒りとともに、労働者階級に対する敵階級の階級的反動的な結集体としてのブルジョア国家権力に対して根底から怒り、自己の解放をかけて闘いに決起する力を本来的にもっている(もつことのできる)階級である。したがって敵の戦争・改憲・労働組合破壊の全面的な政治経済攻勢に対して、労働者階級とその党は、プロレタリア革命を目指して、労働組合的団結の強化・発展と労働者細胞建設の闘いを不抜の総括軸としつつ闘っていくことが不可欠であり、必須の義務でさえある。
 この意味では、生産点―労働組合的団結の戦取―労働者党細胞の建設というプロレタリア革命への基本的総括軸をがっちりとすえたうえで、革共同は当面する3・18全世界一斉デモなどの大政治闘争の課題をその先頭で闘うということである。

 W 階級的労働運動を実践し闘う地区党の建設へ

 労働組合が革命の柱

 労働組合は、労働者階級の階級的団結形態であり、労働者階級の組織的中核の砦(とりで)である。このことは、労働運動がマルクス主義で武装されることを必要とし、そのために党が現実の資本との攻防を労働運動の現場で、先頭で、また労働組合と一体で闘うことを要求する。
 階級的労働運動の実践は、プロレタリア革命の基礎なのである。プロレタリアートが本来もっている革命的気迫、革命的階級としての力が存分に発揮され検証され、発展させることができる戦場なのである。
 戦時下の、朝鮮侵略戦争突入前夜情勢のもとでの階級的労働運動をめぐる攻防は、プロレタリア革命を実現する党活動の中心であり、支柱であり、合法的労働組合の陣地を防衛し、〈帝国主義戦争を内乱へ〉の闘いを実現するプロレタリアートの闘いの砦なのである。プロレタリアートがブルジョアジーの専制支配と闘って自らの指導権を確立する闘いは、労働組合に依拠しないでどうして実現できるのか。労働者細胞建設をかちとることで、労働組合はプロレタリア革命の支柱となるのである。
 さらにいえば、階級的労働運動は武装蜂起への基礎である。階級的労働運動が中核となることで、労働者のストライキやデモンストレーションへの決起は、革命党の目的意識性と結合しつつ、プロレタリア革命に向けての絶え間ない発展となる。
 労働組合の権力と、革命党が労働者細胞建設をとおして結びつくことは、新しい型の革命組織、労働者代表ソビエトを結成していく道である。労働者代表ソビエトは、工場労働者の代表から選出され構成される、地域的武装蜂起を闘いとる指導機関である。階級的労働運動の発展は、労働者細胞建設を基礎に徹底的にソビエト建設の展望をもって闘いとられなければならない。
 このように、戦時下階級闘争、侵略戦争突入前夜の階級的労働運動路線は、プロレタリア革命に直結する唯一無二の路線として提起されているのである。

 中央委と細胞の結合

 この階級的労働運動路線を実現することは、闘う地区党建設と一体である。地区党は、拠点労働者細胞を基軸に、当該地域の労働者階級を、労働組合の団結形態に組織化するために闘う。その前進は、激しい党派闘争をとおしてかちとられる。要するに、既成の体制内労働運動と決別したところから、労働者階級を共産主義、マルクス主義の立場で組織することである。
 この点では、反スターリン主義・革命的共産主義運動の半世紀にわたる闘いの到達点をふまえ、戦後階級闘争と戦後労働運動のすべてを総括した実践的立場が重要である。すなわち「党は階級そのものである」という立場から、60年代、PT・PU、90年代の闘いを主体的に総括することが重要なのである。
 この政治過程で最大の歴史的結節環をなすものは、動労千葉労働運動をめぐるファシスト・カクマルとの闘いであり、総評解散・連合結成であり、ソ連スターリン主義の崩壊である。さらには基軸帝国主義・米帝の没落と帝国主義間争闘戦の死闘的激化である。これら一切の帰結は、プロレタリア革命の実現をもはや待ったなしに求めており、その核心として党の革命があるのである。
 朝鮮侵略戦争前夜情勢の中で勝利の情勢を主体的意識的に切り開き、闘いの帰趨(きすう)を決するのは、まず何よりも帝国主義国プロレタリアートの組織された決定的行動以外にありえない。今日の革命情勢の急接近の中であらためてこのことをはっきりさせなければならない。そして、その核心において、党は階級の自己解放の武器としてマルクス主義の思想を貫徹しなければならない。
 組織論的には連合戦線の党ではなく、全国単一の労働者党建設を闘いとらなければならない。
 ここにおいて、地区党の歴史的任務を全党がはっきりさせ、21世紀革命に勝利する地区党建設論として組織論的、革命論的に復権させることが求められている。すなわち、地区党の任務は、労働者階級解放闘争のすべての課題を正面任務とするものに転換しなければならない。また、そうしなければ、労働者階級の自己解放の実現をとおして全人民の解放を実現する共産主義革命を達成することはできない。
 プロレタリア世界革命の勝利をめざし、中央委員会と労働者細胞の結合を基軸に、分断・差別・抑圧のもとにある全労働者階級とプロレタリア家族の解放を主体的に闘いとる地区党、蜂起に勝利する地区党を建設しよう。あらゆる階級的課題を引き受けて立ち、3全総−3回大会路線の地平、PT・PUの前人未踏の経験、5月テーゼから15年間の実践の地平の上で豊富化し、闘いとっていこうではないか。
 地区党の圧倒的建設・強化の方針は、地区党が諸戦線の課題を真っ向から受けとめ学ぶと同時に、諸戦線が階級と結合し、生き生きと発展することによって、プロレタリア革命を実現していくための組織方針である。諸戦線の全指導部は地区党に結集して労働者階級解放闘争の前進のために闘い、そのことが諸戦線の生き生きとした発展と完全に一体であり、国際階級闘争を牽引(けんいん)しつつ全面的に発展させる道であることに、確信をもって闘おう。
 党の革命1周年にあたって、以上のことを訴えたい。 (了)

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週刊『前進』(2285号7面1)(2007/03/05 )

 日帝自衛隊の解体と獲得へ

 3.21小牧闘争へ決起しよう

 防衛省昇格と日帝の戦争国家化

 帝国主義侵略軍隊への飛躍

 日帝・安倍政権は、安倍・御手洗路線のもとに戦争・改憲と民営化=労組破壊の攻撃に全力をあげている。政治危機の激化にあえぎながらも、4大産別を始めとする労組を破壊し、9条改憲を断行して、日米枢軸下で朝鮮侵略戦争に突き進もうとしている。
 こうした状況の中で、旧防衛庁の防衛省への昇格は、日本帝国主義の内外する体制的危機の突破をかけた軍事大国化=戦争国家化への変貌(へんぼう)を意味する象徴的な事態としてあった。防衛庁の省昇格は、直接的には自衛隊の海外派兵を自由にし、それを担う自衛隊員の罰則規定を強化することを目的にしているように見えるが、それだけではない。
 それは自衛隊の改変にとどまらず、日本帝国主義の国家自身が、軍事大国化=戦争国家化に向かって上からクーデター的に(国会実質審議は何もやらず)、実際の戦争に突入すること(サマワ派兵)によって大変貌してゆくという、重大な政治的、軍事的、組織的な結節環になっている。実質的な改憲そのものだ。
 防衛省が発足した07年1月9日、中曽根元首相は「50年の悲願がかなった」と喜び、久間防衛庁長官は感激で涙した。なぜか。それは敗戦帝国主義として米帝によって武装解除されていた日帝が、1950年の朝鮮戦争勃発を契機に日本国内の軍事的空白を埋める治安部隊として出発した自衛隊を、日帝の侵略的・帝国主義的軍隊として、国家の中軸的柱についに位置づけたからだ。
(写真 反戦自衛官の小多基実夫さんを先頭に東京反戦共同行動委が入間基地にミサイルPACV配備反対を申し入れた【2月10日】)

 戦争動員体制形成の中軸に

 ではなぜこれまで日帝の軍隊は、内閣府の一機関である「庁」として位置づけられてきたのか。
 一つは、戦後革命の爆発とその敗北(日本共産党の裏切りによる敗北)、その結果としての戦後民主主義の問題がある。憲法9条に象徴される戦後民主主義に、すなわち戦争と革命をめぐる労働者階級の闘い、階級闘争の力関係に自衛隊は規定されてきたのだ。 
 いま一つは、1945年の米帝による日帝の武装解除以来の日米関係、根底に日米争闘戦の歴史的激化をはらんだ日米同盟=日米安保政策に規定されてきたという面である。日本共産党に典型的な「米帝の戦争に巻き込まれる」論では、今日の情勢にはまったく対応できない。
 日帝の軍事大国化=戦争国家化へ向かっての激しい衝動に対し、米軍は本質的に「ビンのフタ」論(米海兵隊司令官発言)をもって対応してきた。核問題では特にそのことが露骨に表れる。米帝は、日帝とドイツ帝国主義の核武装は絶対に許さないのである。
 さらにもう一つは、アジアとの関係だ。アジア人民の、日帝の侵略と戦争の歴史と政策への激しい怒りと糾弾である。
 防衛庁の省昇格は、以上の三つの問題を突破して、軍事大国化=戦争国家化してゆく政治的、軍事的、法的、組織的橋頭保を、日帝・支配階級が確保したことを意味する。つまり内閣府への日本版NSC(国家安全保障会議)の設置構想(06年末に内閣府に民間人14人の諮問会議が設けられた)、06年3月統合幕僚監部の設置、情報本部の大臣直轄化という一連の流れの頂点に位置するのが、防衛庁の省昇格だ。
 一方では、1950年の朝鮮戦争以降、50年警察予備隊、52年保安隊、54年自衛隊の発足以来、米軍の補助的戦力であった自衛隊は、今やアジアで最大、世界でも第3位の戦力を有する軍隊へと成長してきている。その中で憲法9条は「戦争と武力行使の放棄」「戦力の不保持」「交戦権の否認」を明記しており、日帝の戦争国家化にとって重大な足かせになっている。安倍政権は、教基法改悪に続き9条改憲をブルジョア支配階級の最大の階級的使命として登場してきたのだ。
 改憲阻止決戦で日本の労働者人民に問われていることは、戦争か革命かという問題だ。06年11・5日米韓3国労働者連帯集会の成功や、日教組組合員を先頭とした教基法決戦への決起は、改憲阻止の展望、日本革命・世界革命の展望を切り開いたものといえる。
 今後、軍事面で予想されることは、労働者人民を戦争へと総動員するための「徴兵制」の導入策動、「国家総動員令」の準備策動、軍司令官への「戒厳令」の権限付与、軍法会議・軍刑務所(営倉、重営倉)・憲兵隊の設置などだ。要するに9条改憲攻撃と一体での国家総動員体制の形成である。防衛省はその中軸となり、自衛隊は名実ともに日帝の軍隊として世界に登場することになる。
 防衛庁の省昇格により、これまで内閣総理大臣を通じなければできなかった「国の防衛」を防衛大臣が主任大臣として担う。その内容は、「国防の重要案件」「法律・高級幹部の人事」の閣議への要求、「予算の要求と執行を財務大臣に求める」などの権限強化である。「省」と「庁」では天と地ほどの違いがあることが分かる。
 省昇格で、「重要案件」「法律」「人事」「財政」を、防衛省の意志で行うことができるようになる。これまで内閣府がやっていたことを防衛省が行い、軍事問題=戦争の問題が日帝の最大級の課題、国家の基本政策となってくるのだ。
 軍隊(自衛隊)が政治の表舞台にひとたび登場すれば、けっして後戻りすることはあり得ない。なぜなら日帝という国家の中で、最大の暴力的=軍事的実力をもつのは自衛隊だからだ。日帝のすさまじい危機の中で、その危機のクーデター的突破として打ち出されたのが防衛庁の「省」昇格攻撃の本質だ。

 処罰の脅しで派兵任務強要

 自衛隊法第3条に規定する自衛隊の本来任務は「防衛出動」(罰則7年)である。これを「主たる任務」とし、「国民保護等派遣」「治安出動」(罰則5年)「警護出動」「海上における警備行動」「弾道ミサイル等に対する破壊措置」「災害派遣」「地震防災派遣」「原子力災害派遣」「領空侵犯に対する措置」などが「従たる任務」とされ、自衛隊法8章の「雑則」あるいは附則による「付随的任務」と位置づけてきた。
 これまで「付随的任務」としてきた「国際緊急援助活動」「国際平和協力業務」「テロ対策特措法にもとづく活動」「イラク特措法にもとづく活動」「周辺事態に対し行う活動」が、「本来任務」として行われるようになるのである(06年防衛白書)。
 これは、明らかに海外派兵を恒久法化し、同時にそれを担う自衛隊員に対して防衛出動における罰則、最大7年という法規制をかけ、暴力的に任務をやらせることを目的にしている。侵略戦争出動に反対する自衛官、また動揺する自衛官を法の規制で暴力的に侵略戦争へ動員しようとするとんでもない法改悪である。今現在、航空自衛隊は、C130がイラクに、陸上自衛隊はゴラン高原に、海上自衛隊はインド洋に派兵されている。こうした状況下の法改悪だ。自衛隊員にすさまじい重圧を加えるものである。派兵に反対する心ある自衛隊員に「派兵拒否」を訴えよう。
 さらに06年の北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)のミサイル・核実験後の東アジアにおける軍事動向はすさまじいものがある。
◎8月2日、戦略研フォーラム(瀬島龍三会長)の「策源地攻撃能力保有論」
◎11月9〜15日、太平洋での日米合同演習。自衛艦90隻、航空機170機、米軍は、空母キティホークを中心に艦艇15隻、航空機70機が参加。自衛隊と米第7艦隊が総力をあげた。
◎07年1月4日、日米共同朝鮮侵略計画「5055」の具体化作業の発表。
◎1月12日、NATOでの安倍の海外派兵積極化発言。
◎2月4〜16日、やまさくら51(伊丹)指揮所演習、自衛隊3400人、米軍1400人の幹部・将校が参加。数十万の部隊の参加を想定している。
 2月には嘉手納基地に米空軍最新鋭ステルス戦闘機12機配備、4個目の偵察衛星の打ち上げ、小牧基地(愛知県)にKC767の配備などが予定されている。

 階級決起と一体の反軍闘争

 KC767(1機237億円)は、空中給油機であり、長距離輸送機だ。小牧基地に4機配備することを決定している。この配備は、戦略上の決定的な意味を持っている。全国7カ所にある自衛隊の戦闘機基地(千歳、三沢、百里、小松、築城、新田原、那覇)からの活動が数倍に延びる。すなわち北朝鮮への往復飛行が可能になるのだ。また小牧基地が太平洋側の列島のど真ん中にあるという地政学的位置や、事実上自衛隊の専用基地になっている点、米軍管制の横田空域からはずれている点も重要だ。C130輸送機は、今もイラクへ派兵中である。3・21小牧闘争を全力で闘おう。
 最後に、労働者、学生、元自衛官、そして自衛隊兵士とその家族の皆さんに熱烈に訴えたい。
 米日帝の朝鮮侵略戦争への突入前夜情勢の中で、階級的労働運動の前進とプロレタリア革命が待ったなしで問われている。日帝の軍隊=自衛隊の解体と獲得を目指す反軍闘争は、巨万の労働者の決起、階級的労働運動の発展と一体をなす闘いであり、戦時下階級闘争と日本革命の勝利にとってきわめて重要な課題だ。イラク派兵を拒否した米陸軍第2師団のワタダ中尉のような闘いは、自衛隊でも必ず起きる。それは階級情勢を一変させる力を持っている。
 日帝・安倍と御手洗の戦争・改憲・民営化=労組破壊の攻撃、9条改憲・朝鮮侵略戦争の攻撃を粉砕するために総決起しよう。その一環として反軍闘争に決起しよう。
 (革共同反軍闘争委員会)

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週刊『前進』(2285号8面1)(2007/03/05 )

団結ひろば 投稿コーナー

 「日の丸・君が代」強制許さないと申し入れ 東京・東部 西尾岳彦

 私たちはキャラバン隊を結成し、地域の18の高校に「日の丸・君が代の強制はするな」と申し入れを行い、29の組合分会を訪問・激励しました。
 「申し入れ文」のテーマとして「米軍リクルーター」を取り上げました。アメリカの高校には米軍からリクルーター(募兵官)が派遣され、貧困層の若者をあの手この手でだましてイラクに送っています。
 これこそ安倍・御手洗の「教育改革」が目指すものです。そして、この前に立ちはだかっているものこそが、「日の丸・君が代」拒否を貫く教育労働者にほかならないということです。だから処分など許さないという「申し入れ文」を作成しました。
 何人かの校長は申し入れに一切応じませんでした。自衛隊駐屯地ですら私たちの申し入れを拒否することはないでしょう。まさに兵営のような社会と隔絶された学校です。「9・21判決は都の控訴によって効力を失っている」と不遜(ふそん)なことを言う副校長もいました。
 一方で組合の教育労働者は、「昨日も職員会議で校長を追及しました」「校長はどこかに隠れている」「申し入れはこちらから渡します」「卒業式にはビラをまきにきてください」と、私たちを歓迎してくれました。現場は負けていないし、組合本部が不起立方針を出せば皆が闘うのだと感じました。
 「申し入れ」は簡単にできます。「道場破り」みたいに管理職とやり合えるし、組合の労働者にも喜んでもらえるので、クセになりそうなくらいおもしろいのです。地域の労働者・市民として、戦争教育をする学校、民営化をすすめる行政、首切りと安全無視の資本などに対して攻め込んでいきたいと思いました。

 教育再生会議で葛西が労組破壊する暴言 T

 教育再生会議のホームページに議事録が出ています。とんでもない発言が並んでいます。
 昨年12月8日の第一分科会(学校再生)では、葛西委員(JR東海会長)が次のように発言しています。「組合員でありながら労務指揮権を執行するというやり方もいいのではないかと思います」「例えば当社では、助役というのは組合員ですけれども、指揮命令権を持っている。学校の中でもそういう管理的業務にあたる人を指定すれば……」「例えば学年主任の人、あるいは学科主任の人を……それは法律的に無理なんですか?」
 まるでJR総連ではないでしょうか。学年主任でもあり、日教組の分会長でもある人が「日の丸・君が代」なども含め職務命令を出す。これでは、分会が労働者側として団結できなくなる。彼らは労働者を下から反動の側に組織する「ファシスト的団結」をめざしているのでしょうか。
 国鉄分割・民営化の手法をそのまま使って、日教組・森越派の屈服を見越して、つくる会と連動したファシスト教員組合につくり変えることをめざしているのでしょうか。まさに、動労千葉の教訓が問われていると実感しました。

 バス業界の規制緩和が大事故を起こした 千葉 土田研吾

 先日、大阪でスキー客を乗せたバスが、「居眠り」によって大事故を起こした。20年ほど前にも三重交通のバスがスキー送迎で死亡事故を起こした。その時は、過労運転と輸入したばかりの外国製2階建てバスの構造が指摘されたが、今ではバス業界をめぐる状況はこの時の比ではない。
 タクシーが規制緩和によって無制限に台数を増やし、「共食い状態」になっているのと同様に、バス業界も規制緩和が激しく進行している。
 特に観光バスへ、それまで個人経営してきたレンタカー会社(いわゆる白バス)が本格的に参入してきたことによって、大手バス会社などは太刀打ちできなくなってしまうほどだ。(例えば東武の観光バスは10年間に観光部門を整理し、今では数台しか残っていない)
 個人経営のバス観光会社が、大手の旅行社と安い契約を繰り返し、「ツアー便」と称して、夜行高速バスを、正規路線業者の半額に近い値段で運行することが常態化している。これは明らかに「脱法行為」である。
 特に指摘したいのは、これら個人経営のバス業者は、「正社員」という概念がなく、仕事がある時だけバス運転士OBやタクシー労働者の「明け番」のアルバイトを「日々雇用」しているケースがほとんどなので、不慮の事故などにはまったく対応できないのだ。
 資本の犠牲はいつも労働者と乗客だ。今回の事故の会社も16歳の無資格の添乗員を「副運転士」として、乗務させていたという。
 こういう状況をみれば、規制緩和と民営化とは、「百害あって一利なし」ということが分かるし、「市場原理」の問題は革命によってしか解決できないとあらためて思う。

 友人たちよ。真実に目覚め、共に立とう 兵庫 在日反骨魂

 在日朝鮮人にとってのポストン、ツールレーク、マンザナールができつつある。
 1941年12月8日、日帝による真珠湾攻撃の直後、ルーズベルトをはじめとする米国の指導部は驚いた。「人間よりも猿に近い」と考えていた黄色人種らに本土攻撃を許してしまったのである。
 特に軍部にとっては大失態であった。彼らは自らに対する責任追及をまぬがれるため、排外意識と人種差別感情をあおりたて西海岸在住の数十万人にのぼる日本人や日系人を砂漠の中の荒野につくった強制収容所に押し込め、過酷な生活を強要したのである。ポストン、ツールレーク、マンザナール等はこれら強制収容所の名である。もちろんこれら日本人や日系人には日帝の軍事攻撃について何の責任も関係もなかった。
 現在の日本と何と似ていることか。「歴史は繰り返す。1度目は悲劇として、2度目は喜劇として」というが、今起こっていることは「2度目の喜劇」以外の何物でもない。拉致問題と核問題をめぐって、対米追随と排外意識や民族差別感情をあおり立てる安倍晋三をはじめとする日帝の極右指導部に対し、北朝鮮は巧みに外交を展開し日帝を相手にせず6カ国協議と対米関係において成果を得ることに成功した。
 本来であれば安倍日帝極右指導部の大失態であるが、かれらは日本における朝鮮人に対する差別感情をあおることで自らの窮地を脱しようとあがいている。祖国の肉親に会いに行く在日老婦人に対して常用している薬を余分に渡したとして医師を逮捕したり、税理士も雇えない在日の零細企業主らの税務相談や税務申告の手助けを行ったとして在日朝鮮人商工会の役職員らを逮捕したというのがそれである。これらは本来微罪というほどもない出来事であって捜査権や逮捕権の濫用(らんよう)にほかならないものである。
 日本の友人達よ。だまされてはいけない。日帝の極右指導部が望んでいるのは拉致問題や核問題の解決なんかではない。彼らはこの国の権力を永久に掌握し、米帝とともに60年前に失敗した朝鮮、アジア侵略を再開したいのだ。それも無辜(むこ)の日本人とアジア人民の犠牲の上で。
 日本の友人達よ。真実に目覚め、共に立ち上がろう。そして血に飢えた米帝と日帝の侵略者どもに正義の鉄槌(てっつい)を下そうではないか。

 映画『麦の穂をゆらす風』に描かれた時代 東京 内村研二

 1920年、アイルランド南部のある駅。占領軍であるイギリス軍が列車に乗り込もうとする。すると車掌が引率の将校に対して、「イギリス軍隊は列車に乗せないことになっていますから」と阻止しようとする。将校は怒って「そんなこと、だれが決めた」とどなる。車掌は「組合が決めたんです」と答える。将校はますます怒って、「労働組合だと?! 責任者を呼んで来い」と命ずる。鉄道労組の組合員である車掌が呼んできたのは運転士である。「指令を出したのは私だ」という運転士を、逆上した将校が殴り倒す。
 これを見ていたアイルランドの一青年は、医者になるためにロンドンへ出ようとしていた予定を投げ捨てて、幼なじみの仲間に合流して、IRA(反英武装闘争を闘う民族解放勢力)に参加する。
 それから数カ月、IRA戦士の一グループが、密告者の手引きでイギリス軍に急襲され、捕らえられる。その獄中で青年は運転士と語り合う。そしてこの鉄道労働者が、1916年ダブリン蜂起の戦士であったことを知る。
 獄中での凄惨(せいさん)な拷問に歯を食いしばってたえる仲間に対して、抵抗運動の同志たちはアイルランドの革命歌、労働歌を歌って激励する。そして、全員が完全黙秘、非転向を貫く。この闘いに感動した兵士の一人(徴募されたアイルランド人)が、警備のすきをついて、戦士たちを逃がす。
 1920年とは、ロシア革命の勝利から3年、朝鮮人民の反日帝決起(3・1蜂起)の翌年である。
 1930年代のスペイン内乱を描いた「大地と自由」、民営化されたイギリス鉄道労働者を描く「ナビゲーター」、アメリカの清掃労働者=メキシコからの移民の闘い、「ブレッド・アンド・ローズ」などをつくってきたケン・ローチ監督は、アイルランド労働者人民の声をつうじて、21世紀の私たちに決起を迫っていると感じた。

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週刊『前進』(2285号8面2)(2007/03/05 )

 会場使用許可取り消し攻撃

 東京地裁と高裁は認めず

 東京都が、在日朝鮮人の集会を禁圧する排外主義的暴挙に出た。徹底的に弾劾し、闘う在日朝鮮人民とともにファシスト石原都政のこの暴挙を粉砕することを宣言する。
 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)が3月3日に東京都立日比谷公園大音楽堂(野音)で開催を予定していた「在日本朝鮮人中央大会」に対し、2月27日、東京都・石原都知事は「右翼の抗議などがあり、混乱が予想される」と使用許可を取り消したのだ。
 これこそ集会・結社の自由を公然と踏みにじる暴挙であり、改憲攻撃の先取りそのもの、戦争への道だ。日帝の先陣を切り、首都・東京から戦争国家をつくろうとするファシスト石原だからこそ、朝鮮総連が開催する中央集会への排外主義的弾圧に打って出たのだ。
 朝鮮総連はただちに反撃に立ち、東京地裁に使用許可取り消しの執行停止を求める仮処分を申し立てた。東京地裁は28日、「開催まであとわずか。(一時停止の)緊急性がある」として使用を認める決定を行ったが、都はこれに即時抗告。3月1日、東京高裁はこの即時抗告を棄却した。
 この間、全国で朝鮮総連関連の弾圧が吹き荒れている。漆間警察庁長官は、「北朝鮮が日本と交渉する気にさせるのが警察庁の仕事。そのためには、北朝鮮の資金源について事件化し、実態を明らかにするのが有効」と言い放ち、その指令下、全国で大々的な弾圧を繰り広げてきた。
 ここには、北朝鮮を拉致問題、核問題で追い詰めつつ、有利な時空をつくり出して侵略戦争に打って出ようという帝国主義の思惑がある。そのために朝鮮総連とそれに連なると見なした在日団体・個人を徹底的にたたき、在日朝鮮人総体を攻撃の的にしているのだ。そのために激発している排外主義的襲撃を見よ。
 この攻撃は、同時に日本の労働者階級人民に向けられたものだ。侵略戦争による延命を決断した日帝・安倍=御手洗は、労働者人民を排外主義に総動員し、在日朝鮮人を始めとする在日人民と分断することで、労働者人民の階級性を解体し、団結を破壊し、侵略戦争を担う「国民」に変えようというのだ。この攻撃と対決し、分断を越えて大合流する時が来た。
 排外主義と対決し、闘う在日朝鮮人の支援・防衛・連帯、朝鮮侵略戦争阻止の共同闘争を大きく進めよう。

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週刊『前進』(2285号8面3)(2007/03/05 )

 即時抗告棄却許すな

 星野同志を必ず執行停止に

 2月26日、東京高裁第12刑事部は、再審弁護団が16日に申し立てた即時抗告を棄却するまったく不当な決定を行った。
 高裁は、星野文昭同志を重病の母・美智恵さんのお見舞いに行かせたいという家族や弁護団の必死の訴えを、「所論が縷々(るる)主張する点」という一言に切り縮めた。決定のどこを読んでも、それ以外に訴えの内容が出てこない。まさに、門前払いに等しい決定である。本当に許せない。
 星野美智恵さんは、今もベッドの上で必死の闘いを続けている。それは、愛する息子・文昭さんとの再会を果たすためだ。1月23日、星野同志と弁護団は東京高等検察庁に刑の執行停止を申し立てたが認められず、2月5日に東京高裁に異議を申し立てた。これも認められず、今回の即時抗告に及んだ。
 決定に先立つ2月19日、弁護団が高裁に家族との面会を申し入れたが、高裁はこれを断った。この日、星野同志の兄、治男さんが札幌から駆けつけ、連れ合いの暁子さんとともに裁判所の門前に立ち、高裁の裁判官は家族の肉声を聞いて判断してほしいと面会を求めていた。そのことを弁護団から告げられてなお高裁は拒否したのだ。

 署名の集中を

 星野同志は、1971年11月14日、沖縄返還協定の批准を阻止するため、渋谷での闘いに決起した。75年に逮捕された後、無期懲役が確定し今日まで32年間、不屈の獄中闘争を続けている。
 星野同志の父・三郎さんは、「文昭と枕を並べて寝たい」と最後まで言いながら、90年9月に亡くなられた。「お母さんには、そういう思いをさせてはならない」というのが全国の支援者の切実な気持ちだ。毎日毎日、全国から署名の入った封筒が届いている。署名の数は、3月2日現在で2500筆を超えた。
 再審弁護団は特別抗告を申し立て、どこまでも闘いぬく方針を固めている。闘いの場は最高裁に移る。全国からさらに署名を集中して、最高裁を圧倒しよう。その力で、星野同志の執行停止をかちとろう。
 獄中の星野同志に激励の手紙を送ろう。星野同志の再審−無罪を労働者階級の力で実現しよう。
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☆星野文昭同志に激励の手紙を送ろう!
 〈あて先〉徳島県徳島市入田町大久200−1
 星野 文昭様

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週刊『前進』(2285号8面4)(2007/03/05 )

 原子力空母 レーガン寄港に抗議

 佐世保で1200人集会

 2月24日から28日にかけて、最新鋭の米原子力空母「ロナルド・レーガン」が佐世保に寄港した。佐世保の労働者は怒りの抗議闘争を闘った。
 24日早朝から続々と労働者や市民団体が佐世保港に集まって、次々と抗議船に乗り込む。その総数22隻。そして午前8時、佐世保港にレーガンが入港しようとするのを、この22隻の抗議船が海上で迎え撃ち、レーガンを追いかけ、陸上にいる100人の労働者とともに怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。
 さらに午後1時30分からの佐世保市内での集会には、佐世保・長崎をはじめ九州の労働者1200人が集まった。戦争情勢の切迫と改憲攻撃の中で、佐世保は沖縄と並ぶ出撃基地になろうとしている。最新鋭の原子力空母の入港に対し、68年のエンタープライズ闘争以来の佐世保の労働者・市民の怒りが激しく渦巻いているのだ。
 佐世保の労働者は、28日まで連日の座り込みなどの闘いに立った。
 今回の米原子力空母の入港は、明らかに朝鮮半島と中国への日米の侵略戦争のための配備である。佐世保はもとより長崎空港や福岡空港、博多湾などの九州各地の港湾・空港は有事の際の出撃空港となろうとしており、さらに北九州の4カ所の自衛隊基地にパトリオットPAC3が配備されようとしている。
 佐世保は、この侵略戦争のために、横須賀に次ぐ原子力空母の母港にされようとしているのだ。昨年5月の米原子力空母「エイブラハム・リンカーン」の入港からわずか10カ月の間に米空母の佐世保入港は3回と連続している。従来は2年に1回であったことを見ると、明らかに準母港化のために既成事実を積み上げようとしているのだ。
 反戦共同行動委員会は24日、労働者の闘いと連帯し抗議闘争と集会に合流し、「米原子力空母の佐世保寄港を許すな!」「ブッシュ・安倍政権を倒そう!」と訴えるビラを全参加者に配布した。
(写真 米原子力空母の佐世保寄港反対を叫び集会に1200人の労働者が結集【2月24日 佐世保】)

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週刊『前進』(2285号8面5)(2007/03/05 )

 刑事裁判への

 「被害者参加」導入阻止を

 「推定無罪」の大原則破壊有罪と決めつけて重罰に

 刑訴法改悪案を国会に提出

 法制審議会は、刑事裁判に「被害者参加制度」を導入することを決定し、長勢甚遠法相に答申した。安倍政権は、これを刑事訴訟法改悪案として今国会に提出し、成立させようとしている。
 「被害者参加制度」とは、被害者、遺族、その代理人弁護士らが、刑事裁判の当事者として、裁判の法廷の中で検察官と並んで座り、被告人や証人への尋問や、「論告・求刑」が行えるという制度だ。さらに、被害者側が刑事裁判手続きの中で被告に損害賠償請求でき、有罪の場合は同じ裁判官が賠償命令を出す「付帯私訴制度」の導入も盛り込まれた。
 新制度への動きは、04年に犯罪被害者等基本法が成立して以降急速に進んだ。「被害者の人権」のための制度であるかのように宣伝されているが、そんなものではまったくない。
 朝鮮侵略戦争切迫情勢の中で、戦時司法への転換を目的とした司法改革攻撃そのものであり、裁判の「迅速・簡便・厳罰」化の道である。絶対に認められない。
 刑事裁判では「推定無罪」が大原則である。国家権力が意のままにデッチあげることを許さないために、逮捕・起訴されても裁判で判決が確定するまでは無罪が推定されているというものだ。この大原則は、裁判官の「予断と偏見」が排され、被告人の黙秘権や基本的人権が十分に保障された上で、被告・弁護側と検察官が対等の立場で闘うことと一体でこそ、貫くことができるのだ。
 被害者・遺族が裁判に参加するということは、裁判の最初から被告人を加害者と決めつけているに等しく、裁判官も最初から「予断」をもって裁判に臨むようになる。これでどうして「公平・公正」な裁判ができるだろうか。

 裁判が被害者の復讐の場に

 被害者・遺族が激しい被害感情や復讐の念をもって証人や被告人に尋問したり、検察官の「論告求刑」とは別に、独自の「論告求刑」を行えば、「厳罰・重罰」判決へ行き着くことは明らかだ。
 この「被害者参加制度」が、裁判員制度と同時に導入されてしまえば、デッチあげであれ起訴されたなら、裁判で争うこともできずに、直ちに重い刑罰を判決されて刑務所にたたきこまれることになる。基本的人権は完全に抹殺され、デッチあげ事件が次々と起きるだろう。
 こんなものは裁判でもなんでもない。基本的人権の保障も「公平・公正」も投げ捨てて、裁判の制度も原理原則も根底から破壊し、国家のむき出しの暴力で裁判をじゅうりんしようとしている。これは、戦後の人民支配の破綻(はたん)の現れであり、戦争と改憲の攻撃そのものである。
 裁判所は、ブルジョア独裁体制を維持するための国家機関であり、国家権力そのものだ。しかし、革共同と労働者階級人民は、権力の弾圧として強制された裁判を階級闘争の戦場そのものに転じて闘ってきた。法廷を国家権力の違憲・違法な弾圧や人権侵害を告発し、安保・沖縄闘争や三里塚闘争や労働運動への不当弾圧を満天下に明らかにする場として闘いとってきた。

 労働者の反撃で改悪阻止を

 また、爆取などの重罪デッチあげ弾圧と不屈に闘いぬき、デッチあげを弾劾して暴き、基本的人権を侵害する国家権力への怒りを爆発させて、裁判闘争を闘いぬいて無罪判決をかちとってきた。
 さらには、戦後一貫して、多くの冤罪事件とねばり強く闘う被弾圧者と弁護士の闘いが綿々と続けられてきた。
 こうした闘いに追い詰められた日帝・安倍政権は、戦後的なあり方のままでは帝国主義支配体制を維持できない危機に瀕(ひん)して、全面的な「戦後体制からの脱却」攻撃を加えてきているのである。
 しかし、こうしたやり方で日帝国家権力が労働者階級人民を支配できるのかといったら、まったくそうではない。不当な人権抹殺や国家のめちゃくちゃな暴力に対し、労働者階級人民は必ず立ち上がって大反撃に打って出る。
 「日の丸・君が代」の強制に対して不起立で闘い、教育基本法の改悪に反対して決起した巨万の教育労働者を見よ。国鉄分割・民営化と闘い、今一層激化する組合破壊攻撃と不屈に闘う動労千葉を見よ。改憲阻止・革命を掲げた青年労働者や学生の生き生きとした決起が始まっている。
 迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判と徹底的に闘い必ず勝利しよう。デッチあげ無期懲役攻撃と人生をかけて闘い続ける星野文昭同志を人民の力で必ず奪還しよう。刑事裁判への被害者参加制度導入を阻止しよう。

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週刊『前進』(2285号8面6)(2007/03/05 )

 日程 ◆共謀罪新設阻止国会前闘争

 3月6日(火)午前8時半〜 国会前情宣
        正午〜午後1時 国会前集会 
 主催 破防法・組対法に反対する共同行動
◆戦争と治安管理に反対するシンポジウムV
 3月17日(土)午後2時
 南部労政会館(大崎駅新東口から300b)
  講師・足立昌勝氏(関東学院大学教授)
      荻野富士夫氏(小樽商科大学教授)ほか 
 主催 実行委員会

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週刊『前進』(2285号8面7)(2007/03/05 )

 日程 2007年3・8国際婦人デー集会

 こんな世の中もう許せない わたしたちが革命をおこそう
3月11日(日)午後1時30分開場
東京・文京区民センター(地下鉄春日駅)
主催/2007年3・8集会実行委員会
連絡先/労働組合交流センター東京女性部
婦人民主クラブ全国協議会・関東ブロック

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