ZENSHIN 2007/02/26(No2284 p06)

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第2284号の目次


(写真 1月27日のワシントン50万人デモは、現場労働者が牽引した。写真はニューヨークからやって来たSEIU【全米サービス従業員組合】ローカル1199の労働者)

1面の画像
(1面)
動労千葉のストに連帯し戦争・改憲-民営化粉砕へ
3・18大集会に全国から総結集しよう
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3・18日比谷野音へ
全世界一斉デモメッセージ(3)
労組のダラ幹を打ち倒し  交通労働者 石井優太
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3・25三里塚全国集会 反対同盟が招請状
市東さんの農地守ろう  成田の軍事基地化許すな
記事を読む  
3・17〜18イラク反戦
“ブッシュを倒せ”  アメリカ先頭にデモ計画
記事を読む  
(2面)
動労千葉定期委
“職場闘争強化とストで闘う”
基地廃止に徹底抗戦
全支部非協力闘争体制へ(2月18日)
記事を読む  
労組破壊-改憲攻撃うち破れ  3・4春闘集会に総結集を 記事を読む  
“組織統合は組合の死”
全逓中央委に情宣とデモ  民営化推進の本部倒せ(2月15日)
記事を読む  
4・28闘争  これが闘う全逓の原点だ
最高裁勝利! 職場から反撃を(2月13日)
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資本攻勢&労働日誌2007  2・5〜2・15
JPU中央が全郵政に土下座
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(3面)
改悪教基法に不起立で反撃を
広島の教育労働者は闘う
現場の力で日教組再生へ
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関西地区生コン支部 不当判決に反撃しよう
争議絶滅狙う弾圧許すな
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国労5・27弾圧裁判  “本部の不当性は明白”
闘争団員が怒りの証言(2月14日)
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〈焦点〉  改憲投票法案成立狙う自公民  4大産別先頭に阻止へ 記事を読む  
(4面)
農地法で土地収用 市東さんの農地守れ
攻撃の背景は何か(斉田猛)
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耕作権裁判 「この不正を告発する」
市東孝雄さんが怒りの陳述(2月19日)
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「東峰の森」伐採許さぬ 3・25全国集会へ
NAAが住民に通告 「2月27日から開始」
前日に現地調査と交流会
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2007年日誌 2月14日〜20日
米帝がイラン空爆計画を策定  「アーミテージ・リポート」公表
記事を読む  
(5面)
米軍再編粉砕・朝鮮侵略戦争阻止を
V字案・振興策への屈服許さず辺野古新基地建設阻止しよう
4・28-5・15安保・沖縄闘争の課題  革共同沖縄県委員会
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辺野古からの報告
「事前調査」との攻防運動主体が問われる(大津五郎)(1月15日)
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名護で降下訓練海上阻止行動
“沖縄から出撃するな”
米兵とボート囲み抗議(投稿/佐和田由子)(2月13日)
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(6面)
団結ひろば 投稿コーナー
イラク派兵拒否したワタダ中尉の闘い 東京 北上昌人
マルクスは誰に団結を呼びかけているか 青年 春川みよ
インチキな介護保険制度はすでに崩壊に 千葉 井上星
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“星野さんを母の待つ札幌へ”
家族らが渋谷で訴え  署名呼びかけに若者共感
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星野さんとともに  共に再審勝利へ
東拘から20年目の面会星野同志を取り戻すまで
富山保信(2006年12月4日)
記事を読む  
第二東京弁護士会  “どうする憲法9条”投票法案問う集会(2月15日) 記事を読む  
朝鮮総連への大弾圧許すな  在日人民との階級的連帯を 記事を読む  
日程 ◆共謀罪新設阻止国会前闘争
◆戦争と治安管理に反対するシンポジウムV
記事を読む  

週刊『前進』(2284号1面1)(2007/02/26 )

 動労千葉のストに連帯し戦争・改憲-民営化粉砕へ

 3・18大集会に全国から総結集しよう

 改憲投票法案をめぐる攻防が本格的に始まる中、07春闘は労働組合の存立をかけた一大決戦となった。日帝・安倍政権は、国鉄・教労・全逓・自治体の4大産別労組の解体に攻撃の焦点を据え、9条改憲への突破口を暴力的に押し開こうと狙っている。こうした攻防の最先端で、動労千葉は館山運転区・木更津支区廃止絶対反対の決戦に立っている。組合の拠点破壊攻撃を許さず、真っ向からJRに立ち向かい、労働組合の団結を堅持し闘っているのである。この動労千葉と連帯し、ともに闘い、イラク開戦4周年の3・18全世界一斉デモに全国の職場から総結集しよう。

 拠点職場破壊を絶対許さない

 JR東日本は、3・18ダイヤ改定を機に館山運転区と千葉運転区木更津支区の廃止を強行しようと策している。その狙いは、動労千葉の拠点をなす二つの職場を廃止し、組合員をばらばらに配転して、動労千葉の団結を破壊することにある。
 これに対し動労千葉は、2月18日の定期委員会で07春闘決戦段階の方針を確定した。運転区廃止絶対反対を掲げ、組合員の強固な団結を打ち固めることがこの闘いの核心だ。動労千葉は、二つの運転区に所属する組合員に対して不当な配転通知がなされた場合、ストライキを含む反撃に即座に入る体制を構えている。最大の山場は、3月18日のダイヤ改定時だ。
 すでに館山支部は、休日勤務を拒否する非協力闘争に入っている。動労千葉は、団交での当局の回答いかんでは、この闘いをさらに拡大・強化する方針だ。
 昨春闘で動労千葉は、全線区を対象に最高速度を10`ダウンする安全運転闘争を貫徹した。これに対しJR当局は、運転席に2人の管理者を乗り込ませ、動労千葉の運転士を監視・恫喝する闘争破壊に乗り出してきた。その中で安全運転闘争を貫くためには、組合員一人ひとりが腹の底から決意を固めて当局と対峙しぬくことが求められた。
 今春闘での非協力闘争は、これをも超える闘いだ。極限的に人員が削減されたJR職場では、ささいなトラブルや事故であっても勤務変更は頻繁に生じる。この中での非協力闘争は、組合員一人ひとりが根底的に当局と対決しなければ貫徹できない。動労千葉は、2運転区での徹底した当局追及行動を重ねつつ、こうした闘いを貫くことで、組合員の不抜の団結を固めようとしているのだ。

 分割・民営化体制は大破綻

 国鉄分割・民営化体制は今や完全に破産をあらわにした。107人の労働者の命を奪った尼崎事故を始め、続発する重大事故は、その極限的な現れだ。
 これに加えてJRは、第2の分割・民営化攻撃の新段階と言うべき大合理化に乗り出してきた。その柱は、駅業務の外注化と、「ライフサイクル深度化」と称する40歳以下の運転士の駅への強制異動計画だ。その背後には、JRが分割・民営化以来強行してきた極限的な人員削減の結果、人員構成がゆがみ、首都圏での駅要員が大幅に不足しているという事態がある。これを強行突破するために打ち出されたのが、これらのプランだ。
 だが、昨年強行されたグリーン車車掌の外注化は、車掌業務担当の契約社員が次々と仕事を見限って退職する状況に陥っている。駅業務の外注化も、外注先会社に要員が確保できず、4月実施とされた当初計画は実現の見通しが立っていない。
 資本の都合で運転士をたらい回しにする「ライフサイクル深度化」に対しても、平成採の運転士の怒りが噴出し始めた。
 資本によるすさまじい大合理化が、逆に資本の危機を生みだしているということだ。これらの攻撃は、労働者が抵抗しないことを前提に成り立っているものにすぎない。そこには必ず破綻(はたん)点がある。
 このことを実証したのが、01年以来の動労千葉の闘いだ。設備部門の外注化が始まった01年、JR東日本は、外注化・合理化の推進を認めることと引き換えに、定年後の組合員を関連会社に再雇用するというシニア協定の締結を動労千葉に迫った。しかし動労千葉は合理化絶対反対を貫き、シニア協定を拒否しぬいた。それは、定年を迎えた組合員が雇用の場を奪われることになる困難な選択だった。だが、その結果、JRは外注先会社に人員を確保できなくなり、JR千葉支社管内での検修部門の外注化は阻止された。
 今やJRは、輸送業務の根幹をなす駅や運転士に対しても大合理化攻撃の手を伸ばしている。それは、国鉄分割・民営化から20年を経て、ついにJR体制が脇腹のあまさをさらけ出したということだ。労働者が闘えば勝てる時代が訪れたのだ。
 だからこそJR資本は、分割・民営化体制を護持するために動労千葉の組織破壊を狙う凶暴な攻撃を仕掛けている。また、国労本部を手先として、1047名闘争解体の攻撃を強めている。
 だが、労働者が不抜の団結を固めてこれと対決すれば、敵の攻撃はその墓穴に転化する。1047名の解雇撤回闘争勝利の展望も、こうした闘いの中にある。
 同時に動労千葉は、07春闘を組織拡大春闘として闘いぬいている。JR資本とJR総連の結託体制を打破し、JR労働運動を根底から塗り替える時が来ているのだ。
 動労千葉が呼びかける3・4春闘総決起集会は、館山運転区・木更津支区廃止絶対阻止の闘いであり、国鉄闘争勝利を軸に全労働者階級の勝利を切り開く闘いだ。

 階級的労働運動の再生今こそ

 全逓4・28被免職者は27年の闘いを経て解雇撤回の勝利を手にした。全金本山労組は34年の闘いを貫いて職場復帰を実現した。労働者は、原則を曲げず、敵階級に屈することなく闘えば、必ず勝利することができる。
 まして今日、帝国主義は出口のない危機にある。日本経団連の御手洗が「イノベーション」「成長重視」を叫んで労働者を一層の貧困にたたき落とそうとしているのも、改憲と愛国心を唱えて戦争の道に突き進もうとしているのも、資本の支配がもはやこれまでの形では成り立たなくなっているからだ。
 膨大な労働者が年収200万円にも満たない低賃金でこき使われ、細切れの雇用契約を強いられて、絶えず失業の不安にさいなまれている。派遣、偽装請負、偽装出向が横行する中で、自分の雇用主さえ定かでないまま、一方的に権利を奪い取られている。こんな現実がまかり通って、社会が社会として成り立つはずがない。資本主義、帝国主義は体制として完全に破産している。
 労働者がこんな状態を強いられているのは、ひとえに既存の体制内労働運動が労働者の怒りと闘いを抑圧しているからだ。労働者が生存を確保し、誇りを持って生きるためには、階級的労働運動を再生する以外にない。帝国主義を打倒し、革命をやる以外にない。
 資本の圧制に怒りを持つ一人の労働者が職場で仲間を組織し、団結を固め、既成の労働運動指導部を吹き飛ばして闘いを開始した時、資本の支配は崩壊を始める。
 敵階級は労働者の力を恐れている。だから安倍・御手洗は、とりわけ4大産別の労働組合に攻撃の的を絞り、その絶滅に躍起となっている。たとえ今日それらの労組が連合の支配下にあろうとも、現場の労働者には本来、資本や国家権力と闘う力がある。
 教育基本法改悪をめぐる昨年の国会闘争は、そのただ中から森越体制打倒の闘う潮流を形成し、日教組再生の展望を指し示した。改悪教基法下で「日の丸・君が代」不起立闘争を不屈に貫徹すれば、この情勢はさらに大きく押し開かれる。
 こうした4大産別決戦の最先端で、動労千葉は07春闘を闘いぬいている。それは、現場組合員に徹底的に依拠した闘いだからこそ、時代を切り開く力を持っている。

 3労組共闘の一層の発展を

 この動労千葉の闘いは、民営化・規制緩和、労組破壊の攻撃に立ち向かう全世界の労働者に指針と展望を与えている。動労千葉、関西生コン支部、港合同という闘う3労組が呼びかけた昨年の11・5労働者集会は、日韓米労働者の国際連帯を圧倒的に発展させた。
 韓国でもアメリカでも、動労千葉と連帯した階級的労働運動の潮流が、体制内労働運動と激しくぶつかりながら台頭を始めている。全世界で労働者は反撃の火の手を上げている。その流れが、イラク開戦4周年の3月17〜18日、全世界で反戦デモの先頭に立つ。
 日本でこれに呼応する闘いは、3・18だ。動労千葉は、07春闘を貫徹することによってこれを力強く牽引(けんいん)しつつある。
 この春の階級的労働運動潮流の結集点は3・18日比谷野音だ。11月労働者集会をともに闘ったすべての人びとが、その組織者となって闘おう。
 青年・学生の清新な力を切っ先に、全労働者が団結し、戦争を止め、世界を変えるために、3・18日比谷野音に全国から総結集しよう。

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週刊『前進』(2284号1面2)(2007/02/26 )

 3・18日比谷野音へ

 全世界一斉デモメッセージ(3)

 労組のダラ幹を打ち倒し

 交通労働者 石井優太

 今、どこの現場でも労働者は怒ってます! はっきり言って革命情勢です。今、労働者に正しい展望を示すことができれば、本当に世の中を動かす大きなチカラをつくり出せるはずです。
 その展望を示すのは、本来ならば労働組合のはずです。しかし今の労働組合幹部は資本・当局と結託して労働者を押さえ付ける側にまわっています。あんな奴(やつ)らにいつまでも職場を任せていてはいけません! ダラ幹どもをうち倒し、今こそ闘う労働者が労働運動の先頭に立とうではありませんか!
 私の職場では、体調不良を押して休日出勤した仲間が心筋梗塞(こうそく)で倒れて亡くなりました。このような悲劇はもはやどこの職場でも起きうる状況になっています。
 なぜ現場の労働者はここまで追い込まれるのか? それは労働組合がまったく闘わないからです。闘わないから現場の労働者の団結はバラバラにされ、資本・当局による労働強化の攻撃に無防備にさらされているのです。動労千葉が国鉄分割・民営化の大攻撃にストライキで闘ったように、労働組合は闘ってこそ労働者の団結を守ることができるのです。
 連合を始めとする既成の労働運動には、労働者のための将来展望などありません。せめて「帝国主義の奴隷として生き延びる」というものでしかないのです。だから、9条改憲にも戦争にも本気で反対できるはずがありません。
 それどころか、「組織を守るため」と称して自ら労働者に重労働を課して、資本に労働力を安売りしているのです。こんな腐った労働運動・労働組合ダラ幹は、安倍政権や御手洗・日本経団連と同じく、打倒する以外にありません!
 今必要なのは、職場・労働組合から、あらゆるしがらみを越えて闘う労働者が圧倒的に団結することです。そしてこの団結を生み出すのは、それぞれの職場でまじめに働くわれわれ労働者の資本・当局、そして腐った労働組合ダラ幹に対する怒りです。
 今こそわれわれ闘う労働者が3・18集会への参加を職場で訴え、労働運動の先頭に立とうではありませんか!
 イラク戦争はアメリカ帝国主義の延命のために全世界の労働者を犠牲にするものでした。しかしそのイラク政策は、ブッシュ政権がすでに認めているとおり完全に失敗し、破綻(はたん)しています。
 その米帝のイラク政策に安倍政権がかたくなに追従しているのは、そうしなければ日本帝国主義が延命できないからです。そうであるならば、われわれ労働者が安倍政権と日本帝国主義にとどめを刺そうではありませんか!
 労働者の勝利の展望は労働者の闘いの中にしかありません。イラク反戦4周年の3・18全世界一斉デモに立ち上がり、社会の主人公として躍り出ましょう!

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週刊『前進』(2284号1面3)(2007/02/26 )

 3・25三里塚全国集会 反対同盟が招請状

 市東さんの農地守ろう

 成田の軍事基地化許すな

 三里塚芝山連合空港反対同盟が3・25全国総決起集会の招請状を全国に向けて発した。反対同盟の烈々たる決意にこたえ、3・18を闘い全国から三里塚現地に大結集しよう。(編集局)

 招請状

 改憲攻撃を頂点とする安倍内閣の反動攻撃が本格化するなか、三里塚闘争は40年の闘いの成否を決める決戦に突入しました。農地法で農地を取り上げて、朝鮮有事に成田空港を米軍の兵站(へいたん)基地にする大攻撃に対して、反対同盟は全国の労働者、農民、人民とともに敢然と闘う決意です。この新たな闘いへの突破口を切り開くために、反対同盟は3月25日に全国総決起集会を開催します。みなさんの大結集を訴えます。
 三里塚に対する攻撃は一線を越えました。1月29日、農地取り上げの知事決定を不当とする市東孝雄さんの行政不服審査請求に対して、松岡農水大臣は「請求棄却」を決定しました。これは農地強奪のためのむき出しの国家意志そのものです。
 土地収用法の失効から18年、「一切の強制的手段を放棄する」との政府公約から14年、不屈の闘いに追いつめられた政府権力・空港会社は、ついに農地法で農地を取り上げるという非常手段に訴えてきたのです。旧地主を含めて一度として耕作したことのない者が、親子3代90年耕してきた農地を、こともあろうに農民保護を目的とする農地法で強奪する――戦前と見間違うばかりのこの暴挙が、いったいどこで通用するというのでしょうか。
 地区住民が入会権を持ち、空港会社が重ねて保全を約束した「東峰の森」に対しては、2月26日にも破壊のための道路工事に踏みきることを、空港会社は通告してきました。暫定滑走路北延伸の新誘導路を造るというその計画は、萩原進さんの畑と東峰地区の西側半分を丸ごと空港の中に取り込もうとするものです。上空40メートル飛行に続く国家犯罪というべき暴挙です。
 他方、日米共同の朝鮮戦争作戦計画5055を具体化するために、米軍はこの春にも成田空港周辺の実地調査に入ることが報道されました。朝鮮有事の米軍兵站基地としての軍事的役割が具体的に動き出しています。
 反対同盟は40年間不屈に闘い続けてきました。土地収用法を粉砕し、今なお国策の完成を阻止しています。常軌を逸した踏み込みは、追いつめられた果ての非常手段であり、違法と不当、不正義と矛盾に満ち満ちています。反対同盟は農民としての誇りにかけて、市東孝雄さんの耕作権はく奪攻撃を必ず粉砕します。反戦・反核、反権力の砦(とりで)として、空港の軍事化を絶対に阻止する決意です。
 安倍内閣の改憲攻撃の裏で、戦後の民主化のもう一つの柱としてあった農地改革からの大転換が進行しています。農民切り捨て・農業つぶしの攻撃です。財界は「農業ビッグバン」を叫び、「2015年までに300万農家を14万経営体にすべき」(日経調提言)と主張しています。農地と農家を保護する農地法の廃止すら動き出しているのです。労働者に対する民営化と低賃金の資本攻勢と表裏一体で進行するこの事態こそ、農地法による農地とりあげという市東さんに対する攻撃の底にあるものなのです。
 全国の労働者、農民のみなさん。いま、全世界で戦争とグローバリズムに反対する怒りの決起が巻き起こっています。イラク反戦4周年にあたり3・18全世界一斉デモが闘われます。この闘いに連帯して動労千葉が春闘ストを提起しています。労農連帯の旗を掲げて反対同盟は立ち上がります。その闘いの高揚を引き継ぎ、3・25三里塚へ、全国から総結集するよう呼びかけます。
2007年2月22日
三里塚芝山連合空港反対同盟
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 暫定滑走路北延伸阻止 市東さんの農地を守ろう
 憲法改悪絶対反対 軍事基地化阻止
 3・25全国総決起集会
 3月25日(日)正午 成田市天神峰 反対同盟員所有地
 主催/三里塚芝山連合空港反対同盟
 【会場案内】JR成田、京成成田駅からタクシーで「東峰十字路」まで2千円▼車は成田インターから国道295号線に入り芝山町(空港)方向。日航ホテル手前で小見川県道を小見川方向。「東峰十字路」へ

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週刊『前進』(2284号1面4)(2007/02/26 )

 3・17〜18イラク反戦

 “ブッシュを倒せ”

 アメリカ先頭にデモ計画

 3月17日の全米一斉デモを皮切りに、3月17〜18日、全世界で労働者・学生が一斉にイラク反戦デモに立つ。イラク侵略戦争開戦から4年。いよいよ全世界の労働者が団結し、極悪の戦犯=ブッシュ・安倍・ブレアを打倒するときが来た。
 アメリカでは、3月17日、ワシントンDC憲法公園での大集会、国防総省へのデモが予定されている。憲法公園は、02年10月26日に10万人集会が開かれ、02〜03年イラク開戦をめぐる過程での50万人デモ(全世界2000万人デモ)への出発点となった会場だ。
 このほか、17〜18日、サンフランシスコ、シアトル、ロサンゼルス、シカゴなど全米の主要都市でのデモが呼びかけられている。
 イギリスでは、ブレア政権の崩壊的危機が深まる中、3月の開戦4周年よりも前倒しで、2月24日に反戦連合が全国結集を呼びかけ、大デモがかちとられた。
 イタリアでは、2月17日、駐留米軍基地の拡張に反対して7万人以上がデモに立ち上がった。
 オーストラリア反戦連合は3月17日、シドニーでデモを行う。
 韓国でも3月17日、民主労総を始めとする統一戦線である派兵反対国民行動がソウル都心部のデモを呼びかけている。
 米軍と一体となり、いまだに不正義のイラク駐留を続ける派兵国で一斉にデモが闘われる。
 中東―全世界でイラク開戦4カ年を糾弾するデモが行われる。

 日本のデモは3・18日比谷

 1月27日の全米デモの先頭に立ったILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル10元書記長のクラレンス・トーマスさんは、「労働者には国を止め、戦争を停止させる力がある」と高らかに宣言した。階級的労働運動派が中軸に座ることで、反戦闘争が新たな展望を切り開いている。
 日本での全世界一斉デモは「3・18日比谷」だ。イラク侵略戦争参戦を続ける安倍政権を打倒する大デモを実現しよう。既成労組幹部の制動を打ち破り、職場にどんどん方針を持ち込もう。
(写真 1月27日のワシントン50万人デモは、現場労働者が牽引した。写真はニューヨークからやって来たSEIU【全米サービス従業員組合】ローカル1199の労働者)

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週刊『前進』(2284号2面1)(2007/02/26 )

 動労千葉定期委

 “職場闘争強化とストで闘う”

 基地廃止に徹底抗戦

 全支部非協力闘争体制へ

 動労千葉は2月18日、DC会館で第56回定期委員会を開催した。反合・運転保安闘争路線のもとに団結を打ち固め、ストライキと職場闘争強化を軸にした春闘山場の決戦方針を確立した。組織の存亡をかけた一大闘争に入った動労千葉と連帯し、07春闘―3月大行動に立とう。
 定期委員会で決定された07春闘決戦段階での方針は以下の通りだ。
 @最大の山場を3月18日のダイ改時に設定し、ストライキを配置して要求の解決を求める。Aとくに最大の攻防点となっている館山運転区・木更津支区廃止をめぐる配転の事前通知の段階(3月上旬が予想される)に第1波ストを配置する。不当配転を絶対に許さないために、いついかなる時でもストライキ、非協力闘争に全支部が入れる闘争体制を確立する。BJR貨物の新賃金回答時に大幅賃上げ獲得、ベアゼロ打破、欠員補充などの要求実現に向けて貨物を中心とした第3波ストを配置する。
 また、1047名闘争の危機を原則的立場に立って打開する闘い、「ライフサイクル」提案を基地統廃合問題と並ぶ最重要課題と位置づけて白紙撤回を求めていく闘いもあわせて確認された。
 とりわけ重要なのは、職場での非協力闘争の徹底強化の方針だ。
 館山支部はこの1カ月余り、日常的に強制されてきた休日勤務を拒否するなどの非協力闘争を展開してきた。極限的な人員削減でJR職場はどこもギリギリの状態だ。定期委員会では、当局との団交の結果次第でこの非協力闘争をさらに強化し、状況によっては全支部に拡大して闘うことを決定したのだ。
(写真 各支部から多くの傍聴者も集まり、07春闘の山場を目前に控えた緊張感の中集中した討議が行われた。提起者は長田敏行書記長【2月18日 DC会館】)

 卑劣きわまりない組織破壊

 田中康宏委員長は冒頭あいさつで、「館山には他労組が13人いる。この中には、千葉運転区や蘇我運輸区への異動を希望した人もいたが、当局は全部『木更津希望』に書き換えさせた。どんなことをしても、動労千葉の団結を破壊するということだ」と、当局の卑劣な組織破壊攻撃を激しく弾劾した。そして「半年間の闘いは、確実に当局を追いつめている。内房線沿線には、動労千葉の主張が染みわたっている。残り1カ月が一切を決める。団交の結果によっては、非協力闘争を全支部に拡大する。全支部がまなじりを決して決意を固めてほしい」と訴えた。
 4月に4期目の勝浦市議選に挑戦する水野正美元副委員長、佐藤正子家族会会長のあいさつに続いて、繁沢敬一副委員長が10月の定期大会以降の闘いの経過を、長田敏之書記長が情勢と当面する闘いの方針を提起した。
 本部からの議案提起を受けて討議が始まった。どの発言にも”いよいよ決戦”という緊張感と、半年間の闘いで当局を追いつめてきた確かな手応えが感じられる。館山支部の堀江秀明支部長は「先月から休日勤務拒否に入ったが、思ったより効果があった。区長がまいってるようだ。あと1カ月、全力で闘っていく」と力強く宣言。木更津支部の佐野正幸支部長は「館山支部と連携しながら、闘いの先頭に立つ」と決意表明した。また、基地統廃合にともなう諸矛盾、車両故障や安全問題をめぐっても真剣な質疑が交わされた。
 質問が出された非協力闘争の戦術拡大について答弁に立った長田書記長は「まず戦術拡大ありきではなく過程が重要だ。支部での徹底した討論をとおして一糸乱れぬ行動ができる体制づくりを」「組合差別との闘いや組織拡大も、職場での力関係が勝負を決める」と方針の核心点を強調した。
 総括答弁に立った田中委員長は「非協力闘争の拡大は、所定以外の業務は一切行わないという闘いになる。この間、しょっちゅう電車が乱れている。こうした中で、所定以外の仕事に一切入らない、業務命令が出された場合も各組合員の現場判断で『私はここからストライキに入ります』と拒否を貫く闘いになる。だから万全の意思統一を行ってほしい」と力を込めて提起した。さらに「基地廃止は、われわれの大切な団結の砦(とりで)である職場をめぐる攻防だ。だから職場にこだわって闘う。連日の抗議闘争を展開し、当局が現場に居られなくなるくらい闘おう」「これは、これからの時代に立ち向かえる動労千葉をつくり、これからの当局との力関係をつくっていく闘いだ」と訴えた。
 動労千葉は、館山運転区・木更津支区廃止攻撃絶対反対をとことん貫き、反合・運転保安闘争路線のもとに固く団結して1カ月の大決戦に入った。スト支援の沿線ビラまき、激励行動などに職場の仲間を組織しよう。

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週刊『前進』(2284号2面2)(2007/02/26 )

 労組破壊-改憲攻撃うち破れ

 3・4春闘集会に総結集を

 動労千葉主催の3・4春闘総決起集会に総結集しよう。動労千葉は次のスローガンを掲げ、ストライキを中心に連日職場からの闘いに決起している。
 (1)07春闘勝利! 賃金制度改悪阻止、大幅賃上げ獲得! (2)館山運転区・木更津支区廃止絶対反対! 一切の組織破壊攻撃粉砕! (3)「ライフサイクル」提案白紙撤回! 業務の全面外注化粉砕! (4)闘いなくして安全なし! 二度と尼崎・羽越線事故許すな! 反合・運転保安闘争を発展させ、JR体制を打ち砕こう! (5)1047名解雇撤回! 「政治解決路線」を打破し、原則を守って闘い抜こう! (6)士職登用差別・強制配転、昇進差別粉砕! 一切の不当労働行為を職場から根絶しよう! (7)憲法改悪反対! 労働基本権の解体許すな! 安倍―御手洗体制による改憲と民営化・労組破壊粉砕! (8)全組合員の総行動で、勝浦市議選に勝利しよう! (9)一人ひとりが活動家となって、動労千葉の未来をかけて組織拡大を実現しよう!

 動労千葉への支援・連帯を

 3・4集会の第一の課題は、国鉄分割・民営化以来の最大の組織破壊攻撃である館山運転区―木更津支区廃止を粉砕し、一層の団結強化と組織拡大へ立ち上がっている動労千葉への支援・連帯の闘いに総決起することである。同時に動労千葉の闘いを先頭に日教組・自治労・全逓・国鉄などの4大産別解体―労組破壊攻撃粉砕の職場からの闘いをつくり出す大きな出発点にしよう。
 3月18日の「ダイヤ改正」で強行しようとしている館山運転区―木更津支区廃止、木更津運輸区新設攻撃は、二つの支部(館山・木更津)の団結を破壊―解体し、四つの職場にバラバラに配転する攻撃である。この組織破壊攻撃を粉砕するためには、廃止攻撃絶対反対路線で全組合員が強固に団結することが求められている。職場集会、総決起集会、千葉支社抗議行動、駅頭宣伝、当局追及行動を連日くり返し、それでも強行する場合、白紙撤回を要求してストライキに立ち上がる。この絶対反対路線を組合員との討論をとおしてねり上げ、確立し、そのもとに団結して闘いぬく。正しい路線―思想のもとでの団結が階級的労働運動の核心である。
 正しい路線―思想とは@労働者階級と資本家階級の非和解性―すべては力関係で決まる、A労働者は社会の主人公であることに誇りをもつ、労働者が団結すれば革命ができる、B労働者には国境はない、この3点を貫くことである。動労千葉は反合・運転保安闘争路線、1047名解雇撤回路線のもとで強固に団結して闘いぬいている。
 4大産別を中心とする労組破壊攻撃は、合理化―規制緩和・民営化、終身雇用制・年功序列賃金体系の破壊、戦後労働法制の解体―労働ビッグバン攻撃、低賃金・長時間労働として襲いかかってきている。
 さし迫る革命的情勢のなかで、プロレタリア革命に向かって労働者階級の党として、労働者細胞を先頭にこの労働組合をめぐる攻防に勝利しなければならない。それは党派闘争をとおして絶対反対路線を確立し、そのもとで組合的団結をかちとることである。

 改憲阻止闘争と一体で闘う

 3・4春闘総決起集会の第二の課題は、動労千葉を先頭とした労組破壊との闘いの前進をかちとり、それを土台に改憲と戦争攻撃に対して総決起することである。
 世界の帝国主義体制の危機がかつてなく激しく進行し、世界情勢は歴史的な大変動期に突入した。その核心は基軸帝国主義である米帝の、イラク侵略戦争の泥沼化による危機と没落である。それは、帝国主義間の争闘戦の激化―世界戦争への突入という情勢であり、米帝による朝鮮侵略戦争の切迫である。この中で日本帝国主義は「最弱の環」として絶望的な破綻(はたん)と危機に追いこまれている。安倍政権と御手洗・日本経団連はこのような国際情勢の重圧の下で絶体絶命的危機に追いこまれながら、戦争と改憲、労組破壊攻撃にうって出てきている。
 このような時代認識を明確にさせるならば、改憲と労組破壊攻撃は一体であり労組破壊との闘いに勝利することなしに改憲阻止闘争はありえないこと、その闘い自体が改憲阻止闘争としての決定的意義をもっていることが明白となる。改憲阻止闘争の出発点は、動労千葉を先頭とした20年前の国鉄分割・民営化反対闘争にあったのである。
 今春の改憲阻止闘争の最大の闘いとして3・18日比谷野音に総決起しよう。動労千葉を先頭に職場から労組破壊攻撃をうち破り、3・4春闘集会を成功させよう。日教組組合員―教育労働者を先頭とした教基法改悪反対闘争の高揚を引き継ぎ、卒業式の「日の丸・君が代」強制反対、不起立闘争に立ち上がろう。その成功のカギは労働者細胞の生き生きとした建設である。
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 館山運転区・木更津支区廃止反対!国鉄1047名解雇撤回!「日の丸・君が代」強制反対!改憲-労働基本権解体攻撃粉砕!
 3・4春闘総決起集会
 3月4日(日)午後1時半〜
 千葉県労働者福祉センター(千葉市中央区千葉港4-4)
 主催/国鉄千葉動力車労働組合

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週刊『前進』(2284号2面3)(2007/02/26 )

 “組織統合は組合の死”

 全逓中央委に情宣とデモ

 民営化推進の本部倒せ

 4・28裁判の最高裁での決定を受け勝利感に沸き立ち全国から駆けつけた労組交流センター全逓労働者部会の労働者は、2月15日、全逓中央委員会へのビラ入れと会場を包囲するデモに決起した。
 午後0時30分、中央委員会の会場となった水道橋の全逓会館前では、交流センターの労働者が4・28被免職者と固い握手を交わして勝利を分かち合い、「現職復帰して全逓をつくりかえるために闘おう」と誓った。
 4・28裁判闘争の勝利は、この闘いを圧殺し続けてきた全逓中央に大打撃を強制した。中央委員会に参加する役員連中は誰もが意気消沈している。ビラを拒否した役員に対して労働者が「ビラを読むこともできないのか!」と激しく詰め寄るが何も反論できない。
 2時から行われる中央委員会に対して、リレートークで次々と労働者が怒りをたたきつけた。
 「自分の職場で仲間が殺された。残業に次ぐ残業が一切の原因だ。しかし組合の役員は個人の問題にすり替えて闘おうともしない。こんな組合のもとで仲間が殺されるのを絶対に許さない」「幹部が自分のことしか考えられなかったら組合はおしまいだ。自分の30年間の闘いと生きざまがこの議案書で否定されることなど認めない」「民営化とは人から職を奪い、人間性を奪うことだ。この民営化を当局と一体で推し進め、転籍・出向を無条件で認める議案書を否決しろ」現場から発せられた一人ひとりの怒りが、腐りきった連合全逓本部を震え上がらせた。
 3時から礫川(れきせん)公園を出発し会場を包囲するデモ行進を行った。「4・28裁判闘争に勝利したぞ」「闘う全逓を再生させるぞ」、シュプレヒコールが水道橋周辺にこだました。
 連合全逓中央は今回の中央委員会で
@民営化後の労働協約について、各会社の就業規則をそのまま労働協約にして、「整理解雇」や出向協定を無条件に受け入れること、
A郵政公社が求める「1企業1組合」路線に完全屈服し、全郵政との組織統合を進めること、
B改憲問題について全面的に連合路線に一本化し、「逸脱した行動等については内部で整理する」として改憲反対派の粛清にのりだすこと、
を方針化した。
 民営化粉砕の職場からの決起をたたきつけ、連合指導部を打倒しよう。
(写真 4・28闘争の勝利を受け、意気高く中央委会場周辺をデモする全逓労働者【2月15日 水道橋】)

 

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週刊『前進』(2284号2面4)(2007/02/26 )

 4・28闘争

 これが闘う全逓の原点だ

 最高裁勝利! 職場から反撃を

 直ちに職場復帰をかちとろう!

 「最高裁で勝訴が確定したぞ!」「闘えば勝てるんだ!」「さあいよいよ原職復帰だ!」
 全国の郵政職場に衝撃的ニュースがかけめぐった。全逓4・28被免職者は、04年6月30日、東京高裁で原告7人全員の懲戒免職処分取り消しの逆転勝利判決をかちとった。郵政公社は上告したが、2月13日、最高裁第三小法廷は「裁判官全員一致」で「本件を上告審として受理しない」と決定し勝訴が確定した。
 4・28反処分裁判の最高裁勝利は、78〜79年の反マル生・越年物ダメ闘争の正義性を貫いてきた不屈の全逓労働者の闘いがかちとった勝利である。郵政分割・民営化を進める郵政当局は、これに大動揺している。何より4・28被免職者を切り捨て、全郵政との組織統合に走る全逓(JPU)中央は顔面蒼白(そうはく)となっている。
 この全逓4・28闘争27年の勝利は、全金本山労組34年目の解雇撤回・職場復帰の勝利、さらに国鉄分割・民営化と闘う動労千葉をはじめとする国鉄労働者の姿と並んで、労働者の不屈の職場闘争は必ず勝利をつかむことができることを示した。相次ぐ労働法制の改悪―団結権・争議権の破壊と闘う全国の労働者を激励し、勇気と確信を新たにする歴史的勝利である。

 全郵政との組織統合を許せるか

 いま全逓中央本部は、全郵政との組織統一を進めている。2月の中央委員会では、6月の第63回大会に向けて組織統合を最優先課題として位置づけている。
 全郵政は昨年7月に組織統合検討に関する申し入れを行ってきた。そこで「全逓(JPU)が過去の運動の総括を行うこと」と言っていることに対して、全逓本部は「郵政関係者に精神的苦痛を与えたことは、歴史的な教訓として自戒の念を禁じえない」と反マル生・越年闘争を全面否定し土下座している。
 反マル生・物ダメ闘争とは、全逓破壊政策としてあった組合差別とマル生(生産性向上運動)攻撃に対して、年賀を止めるという全逓史上最大の闘いとしてあった。これに対し郵政当局は、現場組合員を中心に58人を懲戒免職、3人を解雇、全国で8183人を大量処分した。
 被免職者らは全逓本部の方針で処分取り消しを求め人事院で争うとともに裁判を起こした。しかし連合全逓中央は反処分闘争を裏切り、訴訟を取り下げさせ、被免職者の組合員資格まで奪った。これに対し闘う現場組合員の支援のもと新たな訴訟を開始し、組合員資格についても最高裁まで争って確定させたのだ。
 まさに全逓4・28闘争とは、本部の裏切りに怒り、現在も全逓に残って闘う組合員にとっての労働者的誇りであり、そこに闘う全逓の魂が生き続けている。労働組合の指令のもとに闘い処分された組合員を守るのか否か。それは労働組合としての生き死にのかかった問題であり、労働者の階級的矜持(きょうじ)の問題なのだ。
 今回の組織統合は、「民営化のために統合が必要」とした郵政公社総裁・生田の意をくんだ合併劇である。今後いっさい闘いはしません、争議権が適用になってもストもしませんと誓うものだ。こんなふざけた組合合併が許せるか。
 4・28闘争の勝利は、被免職者とそれを支えぬいてきた闘う現場労働者の勝利である。そしてそれは郵政民営化を推進する郵政公社と郵政株式会社を直撃するものである。同時に民営化と組合統合を進める連合全逓中央と全郵政を直撃している。中央がどんなに腐っても現場労働者は絶対に屈しない。不屈の全逓労働者の闘いが脈々と生きつづける限り、民営化も「一企業一組合」を看板にした組合統合も、その足元を揺るがすものとなる。ここに支配階級とその手先どもの最大の危機と矛盾がある。
 ただちに4・28被免職者の原職復帰をかちとろう。この力で組合統合もろとも郵政分割・民営化を粉砕しよう。今こそ物ダメ・ストライキを復権させるときだ。連合全逓本部を打倒し、闘う全逓をよみがえらせ闘おう。

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週刊『前進』(2284号2面5)(2007/02/26 )

 資本攻勢&労働日誌2007

 2・5〜2・15

 JPU中央が全郵政に土下座

長時間残業の実態 中労委実施の06年賃金事情等総合調査の速報によると、大企業の3社に1社は月100時間以上の残業をする人がいる。(5日)
労組書記長ら逮捕 兵庫県警は、交通労連関西地方総支部生コン産業労働組合(生コン産労)書記長とその家族を業務上横領容疑で逮捕。(5日)
安倍首相、WE見送りを指示 安倍首相は自・公の政調会長と会い、ホワイトカラー・エグゼンプション(WE)を今国会には提出しないことを確認、柳沢厚労相に指示した。(6日)
関西合同労組5人逮捕 兵庫県警は関西合同労組日本管検工業分会の5人の組合員を「雇用保険詐欺罪」の容疑でデッチあげ逮捕した。(7日)
全郵政中央委員会 全郵政が9日まで中央委員会を開催。山口委員長はJPUとの組織統合について、「JPUは旧全逓運動の非を率直に認めるとともに、自らを戒める運動総括を行うとの決断をしている」と述べ、この総括がJPU内に浸透するかどうかを見極めた上、6月には最終的な組織決定を行う考えを明らかにした。(8日)
パート労働法案などを閣議決定 政府は9日に雇用保険法、13日に雇用対策法と地域雇用開発促進法、パート労働法の各改正法案の国会提出について閣議決定した。(9日)
賃金の地域間格差拡大 厚労省発表の06年の賃金構造基本統計調査で、賃金水準が最も高い東京都では平均月収が前年より4900円高い37万5000円に上がったのに対し、最も低い青森県では1100円少ない22万1700円に下がっていることが分かった。(9日)
全逓「4・28免職処分」取り消しが確定(13日)=別掲記事参照
自民党、北海道教組調査で初会合 自民党は、北海道教職員組合が道教委のいじめ実態調査に非協力の方針を打ち出した問題について調査するための初会合を開いた。(14日)
松江市、職員スト1300人処分 松江市は、給与カット提案に反対して、ストライキをした「市職員ユニオン」の役員や組合員の職員1282人を地方公務員法違反に基づいて処分。(14日)
JR総連本部など捜索 警視庁公安部は業務上横領容疑で、JR総連本部などを家宅捜索した。(15日)
JPUの中央委 日本郵政公社労組(JPU)は16日まで中央委員会を開き、全郵政との統合に向けて全面屈服の文章を確認。(15日)=要旨別掲

JPU中央委員会の内容概要

・議案の付属資料6 「私たちの運動を振り返って−そして未来へ−」
 「(全郵政結成)当時の激しい労使対立に加え、組織分裂の衝撃が感情論となって噴出し、全郵政組合員に対する暴力的な行為等、労働運動を逸脱する突出した行為があったことも否めない事実であり率直に反省する」
 「『反マル生越年闘争』のように社会や事業に対し悪影響を及ぼしたこと、そして郵政関係者に精神的な苦痛を与えたこと等は、歴史的な教訓として自戒の念を禁じ得ない」
・運動方針「正式な議決機関に諮ることによって、組織統合の実現に全力をあげる」

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週刊『前進』(2284号3面1)(2007/02/26 )

 改悪教基法に不起立で反撃を

 広島の教育労働者は闘う

 現場の力で日教組再生へ

 自らが核となり団結つくる

(写真 不起立で改悪教基法うち破ろう 日教組全国教研で訴え 2月10〜12日、日教組教育研究全国集会が大分県別府市で開催された。全国労組交流センター教育労働者部会は参加者にビラをまき、「『日の丸・君が代』不起立で改悪教基法を打ち破ろう」と訴えた。ともに国会闘争を闘いぬいた全国の日教組組合員から多くの共感の声が寄せられた。分科会などでは、教基法国会闘争や「日の丸・君が代」闘争の息吹が報告され、大きな反響を呼んだ。)

 今春「日の丸・君が代」不起立闘争で教育基本法闘争の第2ラウンドに突入しよう。改憲投票法案と教員免許更新制を柱とする教育3法改悪案を絶対に阻止し、改悪教育基本法をうち破る日常的な職場闘争に立ち上がろう。
 われわれ広島の教育労働者は、昨秋、教育基本法の改悪をなんとしても阻止したいと本気の闘いをやった。安倍内閣が発足した9月26日の臨時国会開会日には国会前に登場して挑戦状をたたきつけた。それは、その後の数次にわたる国会前集会の先駆けとなった。原爆ドーム前でハンストを闘い、10・26日教組緊急集会では壇上に駆け上がって森越委員長の不在を弾劾した。
 教育基本法改悪阻止闘争の高まりの中で決定的に明らかになったことは、日教組本部の体制内労働運動と根底的に決別し、闘う組合員の手に日教組を取り戻さない限り、闘いの前進は一歩もありえないということだ。職場の団結を基礎に、11月労働者集会に1万人の階級的労働運動派を結集させる力をつくりあげ、その力で組合権力をとる。この闘いを必ずやりきることをわれわれは決意した。
 教育労働者の誇りと魂をかけた現場組合員の怒りと決起は、右翼・八木秀次らに土下座した森越執行部とは断じて相いれない。12・8日教組緊急集会で組合員が掲げた「森越はクビだ!」の横断幕は30万組合員の声であり、執行部は事実上打倒されたのも同然だ。
 今こそ現場労働者の怒りで、闘う日教組を再生させよう。われわれはこれまであった日教組を再生させるのではない。体制内労働運動をのりこえ、階級的労働運動を闘う日教組を再生させるのだ。そのために自らが核となり指導部となって労働者の団結をつくり出そう。「帝国主義に歯向かっても労働者はかなわない」「闘っても無駄」――そんな奴隷の思想を吹き込む奴隷頭、労働代官たちを、労働組合からたたき出そう。

 「愛国心」に対置するのは革命だ

 安倍がいくら「美しい国へ」と連呼したところで、1000兆円もの借金を抱え、夕張市どころではない国家的大破たんにあえいでいるのが日本帝国主義だ。日本経団連・御手洗が「日本の衰亡を語り、ことさらに欠点をあげつらい、世を憂うことに何の意味があるだろうか」と言っているように、権力を持って好き勝手にしているように見えるやつらこそ、実は支配の危機に脅え、「残された時間は10年程度」と苦悶(くもん)にあえいでいる。だからこそ教育で愛国心を植えつけ、労働者と資本家の階級対立を覆い隠し、労働者が立ち上がるのを抑え込もうと必死になっているのだ。
 今の現実に目を向ければ、まさに問われているのは革命だ。
 われわれ労働者の生き血を吸っているのは誰だ! 派遣会社に10円単位で人件費切り下げを迫りながら、「いざなぎ景気を超える戦後最長の景気回復」などと言っているのは誰だ! もはや暴動が起こらないほうが不思議だ。安倍自身が「貧しい労働者が増えればやがて革命につながる」と言っているように、最もリアルに今にも革命が起きかねないと恐れ、枕を高くして寝ることもできないのは支配者の側だ! もはや労働者が生きていくにはこの社会を根本的にひっくり返すしかない。「愛国心」に対置するのは「革命」だ。
 安倍や御手洗は自らが生き延びるために戦後労働法制を一掃し、改憲で戦後社会を一変させようと熾烈(しれつ)な攻撃をかけている。
 その攻撃と対決する主戦場はどこか。それは労働組合をめぐる攻防だ。国鉄分割・民営化、郵政民営化、教育基本法改悪、そして今度は「労働契約法」をつくり労働組合を有名無実なものにし、労働組合の存在を解体一掃しようとしている。しかし、彼らが最も恐れているものが、この労働者の団結だ。
 通常国会で安倍が最重要と位置づけている教員免許更新制は、中川昭一が「デモで騒音をまき散らす教師は免許はく奪」と言うように、日教組の活動家を排除して日教組を解体することが最大の狙いだ。教育再生会議の第1次報告は、「中教審が講習を受けるだけで更新されると答申したのは生ぬるい」と言って、「講習受講のみだけで更新するのでなく、厳格な修了認定を」「改善が図られない指導力不足教員は教員免許状を取り上げる」とした。
 国鉄分割・民営化の手法と同じ、いったん全員解雇・選別再雇用ということだ。しかも1回だけでなく数年おきに首切りがやってくる非正規雇用化であり、「踏み絵」による分断攻撃だ。
 「国鉄分割・民営化を忘れるな!」――これこそ今教育労働者が胸に刻まなければならない言葉だ。
 国鉄分割・民営化で学ぶべき教訓はなんだったのか。200人もの自殺者が出る中で、民営化に断固反対してストライキを打ち抜いた動労千葉だけが唯一団結を守り抜き、現在も国鉄1047名闘争の軸となって民営化の国家意思を粉砕している。動労千葉の道を進むことこそ、闘う日教組再生の道だ。日教組30万組合員が「戦争教育を拒否する」組織的抵抗闘争に立ち上がれば、改悪教育基本法を紙切れにし、教育という国家機構の末端から巨大な反乱を起こすことができる。

 一切を決める職場での闘い

 一切を決めるのは職場での闘いと団結である。われわれの諸権利はこれまで、憲法や教育基本法があるから守られてきたのか。そうではない。すべて現場労働者が実力で闘いとってきたのだ。
 勤評闘争、全国学力テスト闘争、主任制闘争など、いずれもストライキをやり、何万人もの処分を出し、裁判をやりながら現場労働者が徹底的に闘って初めて法律がそれなりに生き、労働者の権利が後追い的に承認されてきたに過ぎない。
 「『日の丸・君が代』の強制は違憲・違法」と断じた東京地裁の9・21判決もしかり。憲法が自動的に石原の「10・23通達」を止めたのか? いや、3年間で345人もの戒告・減給・停職を出しながら現場労働者がクビをもかけて闘ったからこそ、「10・23通達」を紙切れにすることができたのだ。3年間にわたる現場の不起立闘争こそ、9・21判決を導き出し、安倍の教育基本法改悪攻撃を核心部で粉砕する闘いとなっているのだ。
 「日の丸・君が代」不起立闘争は個人的な価値観や信念といった「思想・信条の自由」だけの問題ではない。それは、帝国主義を打倒する教育労働者の階級的団結による組織的抵抗闘争となった時に勝利の展望を開くことができる。
 こうした不起立闘争こそ職場支配権を教育労働者の手に奪い返す決定的闘いであり、現場から改悪教基法を葬り去る闘いだ。それは戦争協力を拒否する全労働者に開かれた階級的な闘いだ。そういう戦略的展望の広がりをもった教育労働者の自己解放闘争として、今春の不起立闘争を闘おう。

 闘って労働者の誇り取り戻そう

 

広教組本部は、文科省―県教委による「是正指導」に完全に屈服し、「着席だけが闘いではない」「職務命令が出たら従え」「勝てない争いはしない」と現場の不起立決起を徹底的に抑圧してきた。しかしその結果どうなったのか。職場支配権は校長・管理職に奪われ、意味のない報告書づくり、深夜までの残業に追われ、過労死も続出している。
 これ以上仲間たちの、われわれの命を奪われてたまるか! 現場には「もういい加減にしろ」という怒りが渦巻いている。この怒りを40秒間のストライキ―不起立闘争でとことん解き放とうではないか。
 われわれは国家・資本の奴隷ではない。「国のために死ね」という教育は絶対にしない。教え子を再び戦場に送らない。この日教組組合員としての、教育労働者としての誇りを取り戻し、不起立闘争に決起しよう。ここから闘う広教組、闘う日教組を再生させよう。
 闘う広島の教育労働者は、階級的労働運動の先頭に立つ。

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週刊『前進』(2284号3面2)(2007/02/26 )

 関西地区生コン支部 不当判決に反撃しよう

 争議絶滅狙う弾圧許すな

 1月22日、大阪地裁第12刑事部(川合昌幸裁判長)は、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部の武建一委員長以下5人の執行委員に対して「強要未遂及び威力業務妨害罪」で有罪判決を下した。
 この判決は、大谷・旭光の2社に対して関生支部が行った正当な要求行為について、刑事免責の原則(労組法1条、刑法35条)を反故(ほご)にして犯罪行為と認定したものであり、絶対に容認することができない。とりわけ、武委員長に対して懲役1年8カ月の実刑判決を下したことは、その後の政治資金規正法事件と贈賄容疑事件とともに、労働組合の最高指導部に弾圧を集中して、闘う労働組合を組織丸ごと破壊しようとするものである。
 しかし、このような不当判決で階級的労働運動を闘う労働者がひるむはずがない。関生支部は怒りを新たにして組織内の団結を一層固め、反撃の闘いを開始している。全関西と全国の闘う労働運動の勢力も、関生支部とともに必ずやこの不当判決をうち破るであろう。
 判決当日は、直後の地裁前での報告集会に続いて、関生支部が16時から組合事務所前で「不当判決に抗議する緊急行動」を呼びかけた。全関西から駆けつけた組合員を始め港合同、全港湾、部落解放同盟全国連、関西労組交流センターなどの支援を含めて300人が結集した。有罪を宣告された4人を含む5人の被告・執行委員も登壇して不当判決を弾劾した。その場で武委員長の控訴保釈決定も知らされ、反撃の闘いが始まった。
 すでに全日建連帯労組と関生支部は戦闘的な抗議声明(本紙2281号掲載)を発して不屈の闘いを開始している。その中にも明らかなように、今回の事件は、関生支部による産業政策運動と、闘う労働運動の前進に対して、国家権力・大阪府警がおこなった戦時型治安弾圧であり、何らかの有形力を含む争議を一切許さないとする労働運動絶滅型の攻撃だ。さらに、現場にいもしなかった組合指導部を共謀の主犯だと勝手に推認してデッチあげたものであり、共謀罪の先取り攻撃であるともいわなければならない。
 このような争議行為禁止攻撃に対して、すべての闘う労働組合が総反撃に立ち上がろう。不当弾圧に対しては、あくまで正当な争議行為の貫徹と拡大でこたえよう。07春闘こそ、その闘いの最大の戦場だ。
 日本経団連の御手洗ビジョンと安倍超反動政権による労働運動つぶしと「格差社会」拡大の攻撃に対して、労働者階級の生活を守りぬくことが社会的焦点となっている。労働組合破壊攻撃と闘って労働現場の安全を守りぬくことが尼崎事故以来の焦点となっている。産業政策運動と「シャブコン」告発の取り組みでその先頭に立ってきたのが関生支部だ。闘う動労千葉の3月ストライキを先頭に07春闘に総決起し、連合支配を食い破って総反撃に立ち上がろう。
 関西の地においても、すでに関西合同労組、ス労自主、動労西日本などが春闘ストライキ方針を固め、闘いの準備に入っている。こうした中で、兵庫県警が関西合同労組日本管検工業分会に対して過去の「雇用保険法違反・詐欺罪」容疑をデッチあげて分会員5人を一斉逮捕する暴挙に出た。これは、そもそも職安が認めた雇用保険仮給付の受給を犯罪としたとんでもない不当弾圧であり、関西合同労組成友印刷分会事件と同じ、弾圧のための弾圧だ。
 勾留決定に屈せず闘う組合員とともに、関西の闘う労働者は必ず弾圧をうち破り、関生支部の闘いに連帯し勝利する。ともに闘おう。

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週刊『前進』(2284号3面3)(2007/02/26 )

 国労5・27弾圧裁判

 “本部の不当性は明白”

 闘争団員が怒りの証言

 国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第71回公判が2月14日、東京地裁刑事第10部で開かれ、国労共闘代表の吉野元久さん、稚内闘争団の木山誠二さん、秋田闘争団の小玉忠憲さんが証言に立った。
 この弾圧は、鉄建公団訴訟原告の闘争団員を査問にかけることが決定された02年5月27日の国労臨時大会に際し、抗議のビラまき・説得活動に立った国労組合員らの行動が「暴力行為」にデッチあげられたものだ。
 鉄建公団訴訟原告の木山さんの証言で、弾圧の不当性は鮮明になった。弁護団の質問に答え、木山さんは国労組合員への採用差別や国鉄清算事業団での非人間的扱いを怒りを込めて弾劾した。
 尋問の焦点は、00年7月1日の臨時大会のことに移った。7・1臨大は、4党合意の受け入れを強行決定しようとした国労本部に対し、怒りに燃えた闘争団員らが演壇を占拠し休会となった。
 この事態を検察側は、「中核派は国労共闘を通じ……闘争団の一部を取り込み、演壇を占拠するなどの議事妨害をした」と描いている。この主張をどう思うかと問われた木山さんは、「われわれが息の根を止められようとしていた。7・1の闘いは誰かに言われてやったのではない」ときっぱりと証言した。木山さんは宮坂書記長(当時)を問いつめたい一心で壇上に上がったという。
 また木山さんは、演壇に上がろうとして警備係に突き落とされた事実を明かした。7・1臨大について報じた北海道新聞の写真には、うつぶせの姿勢で落ちていく木山さんの姿が写っていた。
 木山さんは、国鉄清算事業団の管理者に対する傷害事件をデッチあげられたが、不起訴となった経験があるという。
 その体験を踏まえ、本件弾圧をどう思うかと聞かれた木山さんは、「大会でのビラ配布を規制し、組合員を罪に陥れるのは許せない。7・1臨大で私も警備係にやられたが、訴えてはいない。国労本部の不当性ははっきりした」と断言した。
 以前、この裁判に出廷した鈴木勉・東京地本法対部長(当時)は、検察側の主張に沿って「01年10月の定期大会で秋田の代議員が取り囲まれ、小突かれたと聞いている」と証言した。
 これに対し、秋田闘争団の小玉さんは「その事実は一切ない」と述べて鈴木証言を打ち砕いた。
 01年10月当時、秋田地本のチャレンジ一派は、国労からの脱退工作を公然と行っていた。その首謀者だった秋田地本の代議員に対し、小玉さんは大会初日の朝、代議員が泊まったホテル前で「代議員の資格はない」と抗議した。抗議された代議員はそそくさとバスに乗り込み、そこでは何のトラブルも起きていない。
 この大会から帰る列車の中で、小玉さんは当時の秋田地本執行委員から「おれには警察がついている」と言われたという。国労から逃亡したチャレンジ分子と、この弾圧に手を染めた現在の国労本部派は同根だ。
 小玉さんは、「われわれは不当労働行為で汚名を着せられた。黙って引き下がれないから、解雇を撤回させようと自分たちで決めた。誰かに言われて闘っているのではない」と声を強めた。
 前回に続き証言に立った吉野さんに対し、検察側は「国労共闘は三里塚軍事空港反対運動をしている。これは組合活動と関係あるのか」と反対尋問を試みた。吉野さんは「70年代以来、三里塚闘争は国労の青年部運動にとって大きな意味を持っていた。労働者は資本の圧制と闘い、国の抑圧と闘う」と切り返した。
 激しい攻防の渦中にある公判闘争に集まろう。

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週刊『前進』(2284号3面4)(2007/02/26 )

焦点

 改憲投票法案成立狙う自公民

 4大産別先頭に阻止へ

 安倍政権・与党が改憲投票法案(国民投票法案)の5月3日までの成立に向けて「単独採決」も辞さずと叫び、民主党を揺さぶっている。政府・与党は2月14日、同法案の対応を協議し、@5月3日の憲法記念日までの成立を目指すA野党が審議・採決に応じない場合は単独採決することも検討する――との方針を確認した。与党は3月中旬までに衆院を通過させ、4月中に成立させる日程を描いている。
 民主党・小沢代表は「無理やり5月3日までに通さなければならない性格のものではない」と、安易な妥協をしないかのようなポーズをとっているが、実際には昨年12月に与党と法案を共同修正し、99%一致している。もはや自公民とも改憲投票法案成立を前提にしているのだ。残された問題はスケジュールだけとなってきた。
 改憲投票法案は、与党案も民主党案も、改憲推進のための法案であると同時に自治労・日教組―4大産別労働運動つぶしのための法案だ。自公民の策動への労働者階級の怒りを解き放ち、春闘―3・18イラク反戦・全世界一斉デモ―3月大行動、4月国会決戦の大爆発、統一自治体選の勝利をかちとり、改憲投票法案の成立を絶対に阻止しよう。闘いの最大の基盤、主体をなす階級的労働運動を強力につくり出そう。
●公務員・教育者の運動の禁止
 改憲投票法案阻止の闘いを切り開くために決定的に重要なのは、何よりも同法案の「公務員等及び教育者の地位利用による国民投票運動の禁止」条項の対象にされている公務員労働者・教育労働者、自治労・日教組・全逓組合員が総決起することだ。
 ところが自治労の当面の闘争方針は「憲法改正と国民投票法は密接不可分な関係にあるため、国民投票法案を先行して制定することに反対し……廃案をめざす」(2月1日の自治労中央委員会で採択)と一般的に言っているにすぎない。
 日教組本部もひどい。06年3月の日教組臨時大会で決定した当面のとりくみにおいて、「現時点での『与党・国民投票法案』については……国民的議論が不十分であることからも制定に反対する」と言っている。裏を返せば、民主党との協議による修正成立に賛成するということだ
 具体的方針は「国会対策」と3月21日の平和フォーラム集会、5月3日の護憲集会の参加ぐらいだ。独自の闘いは何もない。
 国民投票法案の最大の問題である公務員、教育者の運動禁止規定から意識的に目をそらし、組合員の怒りが爆発しないようにしているのだ。なぜか。本音は改憲投票法案賛成、改憲賛成だからだ。
 それは、連合の自治労・日教組本部が改憲投票法案を提出している改憲派政党の民主党を支持していることに表れている。この民主党の候補として組織内候補を押し立てて7月参院選を闘うことを07年の最大の政治決戦としている彼らに春の改憲投票法案阻止決戦が闘えるはずがない。
 自治労・日教組本部の「国民投票法案反対」が口先だけのものにすぎないことは、すでに昨年の臨時国会での教育基本法改悪、防衛庁「省」昇格法案などとの闘いにおける自治労・日教組本部の態度に示されている。
 自治労本部は1・31―2・1中央委員会で、臨時国会で民主党自治労協力議員が同党の方針を自治労政治方針に優先させ、教基法改悪と防衛庁「省」昇格法案に賛成したことを容認した。本部は自治労組織内議員であっても民主党議員である以上、民主党の方針が自治労の方針に優先すると述べた。
 日教組の森越委員長は昨秋、組合員が教育基本法改悪に反対して国会前で闘った連日の座り込みを「もうやめました」と敵に謝り、自ら招集した日比谷野音の集会を欠席し、闘いの高揚に水を差した。
 いくら組合で「国民投票法案の廃案をめざす」と決めても、自治労・日教組本部にとっては民主党の議会活動の方が優先なのだ。彼らは民主党支持の形をとって改憲投票法案に賛成しているのだ。
●与党案と民主党案は99%同じ
 民主党案と与党案との修正協議によって、両案は昨年12月14日段階で99%まで一致した。
 最大の問題は、両案が@公務員、教育者の地位利用による運動を禁止していること、A「組織的な買収・利害誘導」を処罰するという名目で労働組合や市民団体の運動を弾圧する条項を含んでいること、B改憲推進派によるメディアの完全制圧・支配を可能にしていること、C「国会法の一部改正」で改憲案を作成・発議する権限を持つ憲法審査会の設置を規定していることである。
 民主党は、昨年12月の与党との修正合意で、@Aを法案に盛り込むことに正式に同意する大裏切りを行った。BCについては法案提出時からすでに与党と合意していたのである。
 @Aの狙いは自治労・日教組壊滅と、労働組合による改憲阻止闘争の圧殺にある。
 自公民を合わせれば国会の大多数を占める状態が続けば、Bで改憲の大宣伝が世の中を圧倒することは必至だ。Cで憲法審査会が設置されれば、改憲投票法成立直後から同法施行の3年後までの間に改憲問題が「調査」され、改憲案の作成作業が進められ、法施行時に発議される。改憲投票法案は改憲強行へと直結する法案なのだ。
 改憲投票法案早期成立を狙う自公民に対し、3月大行動の爆発で先制反撃しよう。

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週刊『前進』(2284号4面1)(2007/02/26 )

 農地法で土地収用 市東さんの農地守れ

 攻撃の背景は何か

 松岡・農林水産大臣による市東孝雄さんへの1・29農地強奪決定(行政不服審査請求への棄却裁決)は、国家権力による法のねじまげという次元を超えた「法の転覆」である。理屈を超えて「三里塚闘争をつぶす」というむきだしの国家意志だ。われわれは、反対同盟との血盟にかけて、この1・29決定に示された三里塚闘争破壊攻撃に反撃するため、全力で立ち上がる。3・25全国集会を何がなんでも成功させなくてはならない。3・18イラク反戦・全世界一斉デモと一体で軍事空港粉砕・改憲阻止の闘いとして爆発させよう。本稿は、三里塚闘争つぶしの背後にある日本帝国主義の農業政策の大転換を明らかにする。日本農業の解体へ暴走し始めた安倍・御手洗路線の現実を暴き、プロレタリア革命の同盟軍としての農民闘争の重要性と労農同盟の意義について提起したい。
(写真 無農薬・有機野菜が栽培されている市東孝雄さんの畑【成田市天神峰】)

 農業・農民切り捨ての新農政

 市東さんの農地は、現憲法下で私有財産を剥奪(はくだつ)する法律の最高位に位置する土地収用法で40年かかっても奪えなかった農地である。収用法が失効に追い込まれ、ほかのどのような法律をもってしても強制的には奪えないことが確定した農地だ。それを法目的が180度逆の農地法で、しかも申請からわずか6カ月で、国の名において「収用」すると決定したのである。
 市東さんへの「農地法による農地取り上げ」という、法律的にはありえない攻撃がなぜまかり通るのか? この攻撃の背後には、日帝ブルジョアジーの延命をかけた戦争・民営化路線と一体の新農業政策=農民切り捨ての決断がある。
 新農政の柱は「農地法の廃止」であり、小規模農家からの半強制的な農地の取り上げ政策だ。戦後民主主義の土台を形成してきた戦後農地改革の理念と実体(自作農主義と耕作者主義)を転覆させようとしている。
 新農政の骨格は、財界(日本経団連、日本商工会議所、経済同友会、日本貿易会)のシンクタンクである日本経済調査協議会(日経調)が昨年5月29日に出した「農業最終提言」として打ち出された。1980年代の中曽根臨調(臨時行政調査会=国鉄分割・民営化の推進母体)以来、20年以上にわたる規制緩和・民営化路線と一体のものとして積み上げてきた農業政策提言を最終的に結論づけたものだ。
 日帝ブルジョアジーは昨年6月、「担い手新法」(品目横断的経営安定対策法)を成立させ、「農地の集約化」(300万農家を40万にリストラ)に向けて補助金全廃の措置に踏み出している。日経調の最終提言は、この担い手新法による農業切り捨てを一層ドラスティックに断行しようとするものだ。これらを称して「農業ビッグバン」と言い出している。
 具体的には次の5点である。
 (1)2015年までに300万戸の農家を14万の経営体に減らす。農家ではなく「経営体」である。現在の家族農業は完全に解体
 (2)14万の経営体が全耕地面積の8〜9割を経営
 (3)戦後農地法を廃止
 (4)食料安全保障は有事法制に組み込む
 (5)食料自給率の達成目標は放棄
 向こう7年で95%の農民をリストラするというすさまじい内容だ。担い手新法は「通過点に過ぎない」と明言した。
 中でも重大なのは、戦後農地制度そのものの抜本的変更に踏み切ったことだ。土地制度の抜本的改変は、歴史的に革命やクーデターが問題になるようなテーマである。
 1960年の農業基本法農政以来、農業政策の柱は低賃金労働力を大量に生み出すことと農地の集約化だったが、後者は40年以上ことごとく失敗してきた。その理由は、農村を保守政権の権力基盤にしたため、戦後農地改革の地平を転覆させることができず、農民から農地を引きはがすことなど不可能だったからだ。
 ところが最終答申は、この問題を強制的に進めるテコとして農地の優遇税制廃止に踏み込んだ。優良経営体以外には、固定資産税や相続税の優遇措置を撤廃して、強制的に農地を手放させる政策である。特に都市に近い農地は、莫大(ばくだい)な固定資産税、相続税が課され、家族農家の多数が農地を手放さざるをえなくなる。
 まさに現代のエンクロージャー(土地囲い込み)=農民追放政策である。「労働ビッグバン」で19世紀の工場法以前に歴史を逆戻りさせ、農業ビッグバンでは16世紀にまで歴史を逆回転させようというのだ。これは、戦後革命の獲得物としてあった「農地改革」の完全な転覆だ。農地法の廃止とは、そういう次元の攻撃なのだ。
 これが安倍政権の「戦後レジームからの脱却」の一方の柱なのだ。このようにして、戦後日本農業を土台から破壊し切り捨てる政策が一気に動き出した。改憲攻撃の実体そのものである。

 自給政策放棄しアジア侵略へ

 さらに重大なのは、食料自給政策自体を放棄し、有事体制としての食料安保を提言していることだ。
 前述の「300万農家を14万経営体に」という方針自体が破産必至だ。「世界を舞台にした攻めの農業」と称して、FTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)の全面展開に対応した競争力のある国内農業を想定しているが、空論に近い。オーストラリアの農家1戸平均面積は日本の2千倍以上=約3千fに及ぶ。「輸出で勝負する攻めの農業」という想定自体成り立たないのだ。
 日経調自身も、成功するとは考えていない。答申の趣旨は「食料は輸入でまかなう」なのだ。さらには、「食料問題は安保問題であり、有事法制の中に明文化すべき」とまで言い切った。
 日帝ブルジョアジーは「国内で作っていては割高になる品目を安定的に輸入できるようにする。それが食料の安全保障政策の基本だ」(06年12月7日付朝日新聞社説)という立場に転換したのだ。本気で日本の農業撲滅を主張しているのだ。そこまでドラスティックに産業構造の変革を決断しないと、「グローバリズム」=帝国主義間争闘戦に立ち遅れ、生き残れない、とすさまじい危機感にかられている。
 これは、東アジア共同体構想と一体となったアジアの食料基地化構想である。すべてを海外に依存する「食料政策」は、自民党の内部に動揺を引き起こしているが、日経調は、日帝支配階級の意志として「アジア食料基地化」の路線を決断したのだ。
 アジアを食料基地にするという以上、いついかなる場合にも食料は絶対確実に確保されなければならず、これはアジア勢力圏化とそれを保障する軍事的飛躍と完全に一体である。
 これは完全に戦前への回帰である。70年前は植民地の朝鮮と台湾が日本の食料基地であった。これと同じ政策を強行しようということなのだ。
 日帝支配階級が決断した新農政=農業切り捨て政策は、まさに憲法を改悪し戦争体制づくりを急ぐ安倍・御手洗路線の一方の柱なのである。
(写真 日豪FTAに反対する農民【北海道 06年12月】)

 三里塚闘争は改憲阻止の闘い

 日帝支配階級が農業政策を放棄する政策に踏み出したことは、階級支配の危機が極点に達していることの表明だ。それは帝国主義の「城内平和」政策の放棄なのである。
 農業政策とは、自然条件や生産条件の特殊性から、工業と比べて必然的に生産性が低くなる農業部門を保護することで、階級支配の動揺を抑え込むための社会政策だ。資本主義のもとでは農業問題の自立的解決ができないことは歴史的にも証明されている。
 日帝支配階級は、その農業分野を切り捨てることを決断した。危機の深さは尋常ではない。農業政策の放棄とは、統治の放棄に等しい。日帝支配階級は現実的な統治能力を喪失したのである。
 市東さんへの耕作権取り上げ―農地法の転覆は、以上のような農業破壊・農民抹殺攻撃を背景に強行されている。だからこそ「農地法による農地取り上げ」という、常識では考えられない攻撃がまかり通っているのである。
 戦後農地法の廃止は、教育基本法改悪、労働法改悪攻撃と並ぶ改憲攻撃の柱のひとつだ。市東さんの農地を守る闘いは、改憲阻止闘争の大きな柱なのだ。

 労働者と農民は革命の同盟軍だ

 日帝支配階級は、本気で日本から農業を抹殺しようと考えている。グローバリズムという名の帝国主義間争闘戦で絶望的に立ち遅れている日帝支配階級は、ただ資本の延命のために、労働者に対する民営化・低賃金の資本攻勢をかつてない規模でかける一方、それと表裏一体の攻撃として農民切り捨て・農業破壊の新農政を決断した。
 「農業のない社会はありえない」「農業のない社会は成り立たない」――これは人類の歴史の真実だが、瀬戸際に追いつめられた日帝ブルジョアジーは、いわば「農業のない社会」という理不尽なことを本気で考えている。
 300万戸の農家―1千万農民は、このような農業切り捨ての中では生きていけなくなる。1千万農民の反乱は不可避である。農業分野=土地制度問題において、革命が現実に問題となるような攻撃が具体的に動き出したのである。
 帝国主義を倒さなければ300万農家の未来はないという問題が突きつけられているのだ。帝国主義との関係で、6千万労働者と完全に同じ境遇に置かれているのだ。労働者と農民が手を携えてプロレタリア革命の同盟軍として闘うことが死活的なのである。
 日本とオーストラリアのFTA、EPAの本格交渉が始まっている。すでに豪州産品に対する関税は農産物を除けばゼロになっており、日本が自動車や電気・電子製品を売る見返りに差し出す生けにえは農産物しかないのが現状だ。
 こうして、乳製品、牛肉、砂糖、小麦など重要品目の関税を撤廃すれば、北海道経済は1兆4千億円もの打撃をこうむり、壊滅すると言われている。ここまであからさまな抹殺宣言を下されて、黙っている農民はいない。総反乱に立ち上がる機運が本格的にみなぎっている。
 北海道では昨年12月12日と1月19日、農民たちが大規模なデモに立ち上がった。ほかの県や市町村でも「農業切り捨て反対決議」が続々と上がっている。まさに日本全国で農民反乱が開始されている。
 重要なのは、労働者と農民の分断を打ち破って団結して闘うことだ。農産物輸入=農業切り捨ての結果、食料品の値段は安くなっているが、それは労働者の賃金を抑えるための政策である。
 「労賃を抑えるための農産物輸入」――まさに農業切り捨てが労働者窮乏化の土台を形づくっている。労働者と農民の利害はひとつ、帝国主義の打倒である。
 〔斉田猛〕

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週刊『前進』(2284号4面2)(2007/02/26 )

 耕作権裁判 「この不正を告発する」

 市東孝雄さんが怒りの陳述

 2月19日、三里塚芝山連合空港反対同盟・市東孝雄さんの耕作権裁判第1回口頭弁論が千葉地裁で開かれた。
 成田空港会社(NAA)によるデタラメ極まりない「不当耕作」なる提訴に対して、これを真っ向から粉砕する法廷での闘いが開始されたのだ。反対同盟と支援者が80人以上結集し、傍聴からあふれた人は廊下に陣取った。
 冒頭に市東さん自身が陳述に立ち、徹底抗戦の姿勢を鮮明にした。
 「空港会社は公団時代から数々の違法を重ねてきましたが、今回も旧地主からの買収時期を偽り、決定をだまし取った。耕作者を守るための法律である農地法を違法に使って、私から強引に農地を取り上げようとしています。私はその不正を告発するためにこの場に臨んでいる」。15分にもわたる堂々の陳述に法廷は圧倒された。続いて顧問弁護団の葉山岳夫弁護士、一瀬敬一郎弁護士が求釈明を行い、NAAが「不法耕作」と特定した場所が畑の現況とも法務局の公図と違っていること、かつて運輸省・空港公団が「土地取得のため強制的手段を取らない」と言明したことなどを挙げ、今回の提訴の矛盾・違法を突きつけた。
 裁判後、弁護士会館で記者会見が開かれた。事務局長の北原鉱治さんは、「こんな理不尽な耕作権剥奪(はくだつ)がまかり通ったら日本列島から農業が消えてしまう。反対同盟は全力で闘う。マスコミはこの真実を伝えよ」と記者に向かって強く訴えかけた。
 続いて行われた報告集会では、まず市東さんが「なぜ自分が訴えられなければならないのか、という強い怒りを感じている。法廷を逆にNAAの不当を暴く場にしてこれからも変わらず闘います」と決意を表し、熱い拍手を浴びた。
 本部役員の鈴木幸司さんが「市東さんだけの問題じゃない。われわれ日本農業従事者すべてにかけられた攻撃として闘い、農地を守ろう」と呼びかけた。
 関西実行委の永井満さんは「市東さんの心中の怒りの大きさはいかばかりか。これを共有して闘う」と固い決意を述べ、関西での三里塚パネル展示会、野菜即売などの企画が進んでいることを報告した。動労千葉の滝口誠さんはJR当局の不当配転攻撃に対して団結を固めストを構えている組合員の闘いを報告し、三里塚闘争への取り組みをさらに強化することを表明した。さらに成田市民の会の伊藤全明さん、議員、農民、産直野菜消費者が、それぞれの立場から農地取り上げの不当に怒り市東さんと連帯する発言を行った。
 事務局員の鈴木謙太郎さんは、東峰の森の伐採攻撃が切迫していることを報告して2月25日の緊急現地闘争を呼びかけ、さらに3・25全国闘争への1千人結集を訴えた。
 最後に事務局次長の萩原進さんが発言に立ち、「今日の陳述は市東さんの血の叫びであり“宣戦布告”だ。現地攻防を闘いながら裁判闘争に取り組み、支援の陣形を拡大しよう。反対同盟は全国を飛び回り3・25全国集会への大結集を呼びかけている」と支援の一層の奮起を促した。
 反対同盟の不動の決意を受け、参加者すべてが3・25総決起を誓い、熱い拍手が響きわたった。
(写真 報告集会を行う反対同盟【千葉市 2月19日】)

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週刊『前進』(2284号4面3)(2007/02/26 )

 「東峰の森」伐採許さぬ 3・25全国集会へ

 NAAが住民に通告 「2月27日から開始」

 前日に現地調査と交流会

 反対同盟は、日本帝国主義の農民切り捨て攻撃と真っ向から対決し、農民解放闘争の先頭で闘う。そして、地区集会、春闘集会などに積極的に参加し、ともに闘う決意を明らかにしている。この訴えにこたえよう。
 現地攻防では、市東さんの耕作権裁判闘争を徹底的に重視し、成田空港会社(NAA)の無法・非道を法廷の場でも暴ききる闘いをやりぬく。この場合にも法廷外の闘いが法廷内の闘いを完全に支える構造になっていることをはっきりさせよう。
 現闘本部裁判も正念場だ。千葉地裁・仲戸川裁判長の早期結審策動を粉砕し、現闘本部の実地検証をかちとろう。
 NAAは「東峰の森」伐採について「2月27日から開始する」と東峰区に通告してきた。萩原進さんの畑のすぐわきから東峰の森全体を鉄板フェンスで囲み、東峰区の農民の立ち入りを排除して、森を伐採し、新誘導路の建設まで強行しようというのだ。これは、東峰農民の畑や作業所や家を取り囲んで、陸の孤島に追い込み、たたき出す理不尽きわまりない攻撃だ。反対同盟は、東峰区と連帯して全力での反撃を決意し、決起を呼びかけている。
 さらに、成田クリーンパークの違法転用に関しても「覆土による転用」方針が打ち出され、毒物をそのままにした不当で危険な閉鎖が強行されようとしている。そして、2009年開業に向けた北延伸工事自体も、昼夜を分かたず展開されている。
 成田の軍事基地化の攻撃もきわめて実戦的な段階に入った。日米共同作戦計画「5055」の具体化のために、この春にも成田空港に対する現地調査が強行されようとしている。
 日帝・安倍政権は、最強の反戦・反権力の砦(とりで)である三里塚に対して階級的憎悪をむきだしにして、暴力的なたたき出し攻撃に出てきた。これは昨春以来の法政大学学生運動の破壊攻撃、動労千葉の拠点である館山運転区・木更津支区の廃止攻撃と一体だ。
 一切は、昨年の10・8集会を上回る大動員を3・25にかちとり、反対同盟との血盟を果たしぬく闘いにかかっている。前日に行われる現地調査・前夜交流会も活用し、3・25全国総決起集会に大結集しよう。

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週刊『前進』(2284号4面4)(2007/02/26 )

日誌'07 2月14日〜20日

 米帝がイラン空爆計画を策定

 「アーミテージ・リポート」公表

●NHK命令放送「なじまない」 NHKの橋本会長は、総務相によるNHK国際放送への放送命令制度を事実上存続させる法改正案が検討されていることについて「報道機関として自主的な編集権を大事にするということで、命令放送にはなじまない」と話した。(14日)
●学校の評価義務法案 文部科学省は、学校の評価とその公開を法律で義務づける方針を決めた。今国会での提出を目指している学校教育法の改正案に盛り込む予定。評価の項目や方針の具体的な内容は今後、さらに詰める。(14日)
●開戦前「07年には5千人」の楽観論 米軍で中東地域を担当する中央軍が、イラクで戦闘が終了してから遅くとも45カ月後には、駐留兵力が5千人まで削減できるという楽観的なシナリオに基づいて、ホワイトハウスや国防総省への説明用機密資料を作っていたことが分かった。(14日)
●米軍ヘリ2機が不時着 沖縄県金武町のブルービーチ近くの提供施設外の駐車場に米海兵隊のUH1ヒューイ指揮連絡ヘリとAH1Wスーパーコブラ攻撃ヘリの合わせて2機が悪天候のため不時着した。けが人はいない。ヘリは、洋上の強襲揚陸艦エセックスから離陸し、通常の訓練中だった。(14日)
●クラスター爆弾の高不発率を認識 イラク侵略戦争で米軍が、不発弾となる危険性がきわめて高いクラスター爆弾を、その危険性を強く認識しながら使用していたことが米国防総省の文書などで分かった。イラクで使われた1万発を超えるクラスター爆弾の少なくとも2500発以上が、米軍内部で改善や使用削減の必要性が繰り返し指摘された危険な爆弾だった。こうした爆弾の07年時の保有量は450万発(子爆弾6億個)以上に上ると推測される。毎日新聞が報道した。(15日)
●アーミテージリポート続編 アーミテージ元米国務長官ら米国の超党派のアジア専門家が集まり、2020年までのアジア戦略と政策提言をまとめた「アーミテージ・リポート2」が公表された。中国やインドの台頭など新たな動きに対応するため「日米同盟は米国のアジア戦略の中核でなければならない」としてその強化を主張、日本に対して安全保障面での政策に対する自己規制を解除するよう求めている。(16日)
●イラク増派に反対決議 米下院(定数435)は、ブッシュ米大統領が示したイラクへの2万人以上の米軍増派に反対する超党派の決議を、246対182の賛成多数で採択した。与党・共和党議員からは17人が賛成に回った。決議は大統領権限への拘束力がない。(16日)
●嘉手納にF22到着 米空軍の最新鋭ステルス戦闘機F22Aラプター2機が沖縄県の米軍嘉手納基地に飛来、配備された。F22の米国外への配備は嘉手納基地が初めて。翌日も同機8機が飛来、今後も断続的に嘉手納基地に展開するとみられる。(17日)
●自衛官ネパール派遣 政府は、国連平和維持活動(PKO)協力法に基づき、国連ネパール支援団(UNMIN)へ非武装の自衛隊員数人(最大6人)を派遣する方針を決めた。塩崎官房長官が発表した。派遣は3月中旬以降になる見通し。(20日)
●イラン空爆計画を策定 英BBCは、外交筋の話として、米政府がイランの核関連施設だけでなく、主要な軍事施設に大規模な空爆を行う非常事態計画を策定したと報じた。米中央軍司令部はすでにイラン国内の標的を選定。ウラン濃縮施設や原子力発電所に加え、空軍と海軍の基地、各種司令部と攻撃対象はきわめて広い範囲に及ぶという。(19日)

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週刊『前進』(2284号5面1)(2007/02/26 )

 米軍再編粉砕・朝鮮侵略戦争阻止を

 V字案・振興策への屈服許さず辺野古新基地建設阻止しよう

 4・28-5・15安保・沖縄闘争の課題

 革共同沖縄県委員会

(写真 「これ以上基地を沖縄につくらせるな!」県民大会に3万5千人が結集し「辺野古沿岸案反対」の総意を日米政府に突きつけた【06年3月5日 宜野湾市海浜公園】) )

 動労千葉ストライキを先頭とした07春闘、イラク反戦、改憲投票法案・改憲阻止、三里塚闘争勝利を軸に、3・18を頂点とする3月大行動が闘われようとしている。これは日帝・安倍の戦争・改憲と民営化(労組破壊)攻撃への大反撃の闘いだ。この闘いの中で今春の4・28−5・15安保・沖縄闘争は、日帝にとっての致命的弱点、労働者階級にとっての帝国主義打倒に向かって強力な武器としての位置をもっている。階級的労働運動路線の成否をかけ、沖縄−本土の労働者が一つの階級として総団結していくために、米軍再編粉砕、安保・沖縄闘争を全力で闘おう。

 侵略戦争へ動き激化

 日米帝の米軍再編攻撃は、労働者階級人民との鋭角的対立を深めながら、見切り発車、強行突破として推し進められ、それに伴って急激に、沖縄に戦場さながらのキナ臭さがただよってきている。
 その最大の要因は、米帝のイラク敗北情勢、そこからの絶望的巻き返しとしての対北朝鮮(中国)侵略戦争への衝動が異様に強まっていることにある。昨年末から07年新年にかけて、米軍基地の強化、演習の激化、それに伴う事故などが次々と起こり、労働者人民の怒りが高まっている。この間の沖縄の米軍(自衛隊)、基地動向をあげてみると、表のようにすさまじい状況だ。
 これらに先立つ昨年11月に、硫黄島近海で中国領・釣魚台(「尖閣列島」)への中国軍の侵攻を想定し、これを奪還するというきわめて大規模な日米共同演習が行われていたことが明らかとなっている。沖ノ鳥島を釣魚台に、硫黄島を沖縄本島に見立て、海自がイージス艦など90隻、P3C対潜哨戒機など航空機170機などを動員した海自の(別の)演習とセットという、カムフラージュのもとに行われた。これには米空母キティホークなど十数隻も加わっている。このほかにもSACOで合意された自衛隊と米軍の共同演習・訓練が次々と行われている。
 これらは「与那国、八重山、宮古など先島地方に中国軍が上陸してきたらひとたまりもない」という排外主義の大々的なキャンペーンを伴っている。
 このように日米帝は朝鮮侵略戦争の発動へむけた軍事行動を激化させている。同時にそれは「占領軍による傍若無人の振る舞い」以外の何ものでもなく、沖縄の労働者人民の怒りをかきたてている。

 辺野古第2ラウンド

 米軍再編攻撃との闘い、安保・沖縄闘争は、いよいよその大きさを増している。イラク戦争下の在沖米軍の行動に見られるように、今日の沖縄の現実は、「改憲を待たずにすでに戦争を始めようとしている」と言っても過言ではない。
 一方、日(米)帝の必死の反動攻撃に大きく立ちはだかっているのは、改憲を阻止している日本労働者階級の底力である。その中で沖縄の労働者人民の怒りと闘いの存在は大きい。重要なことは、依然として主導権を持っているのは労働者階級人民の側だということだ。その闘いの最基軸は普天間基地の名護・辺野古への移設を阻止する闘いである。辺野古新基地建設阻止の攻防はいよいよ重大局面を迎えた。闘いの大爆発の過程に入る。
 2月9日、安倍政権は米軍再編特別措置法案を閣議決定、国会に提出し、今国会での成立をめざしている。これは日帝・安倍による「戦争のできる国となり戦争へ突入する」ための改憲攻撃の重要な一環である。防衛庁の「省」昇格とともに、日帝・安倍の諸攻撃の中での米軍再編問題の大きさをあらためて確認する必要がある。
 米軍再編全体に総額で1兆円にも達する膨大な予算をつけ、執行に踏み切ることになる。その特徴は、膨大な額であることとともに、米軍再編への自治体の協力(屈服)に対して出される各種振興策(買収費)において「出来高払い」をうたっていることである。基地や部隊の受け入れ度合い、進行に応じて金を段階的に小出しにするというものである。
 今や日帝の手先と化している島袋名護市長や仲井真県知事は、基本的には米軍再編の軸をなす普天間基地の名護・辺野古への移設(政府「半分埋め立て・V字型滑走路」案)に屈服し合意している。しかし「政府案丸のみ」が人民の怒りに火をつけることを恐れ、ペテン的な「修正案」(V字型2本の滑走路を含む政府提案の形状のまま100b〜300b沖合に移動させるというもの)を出した。沖縄人民に差別的、抑圧的に米軍再編、侵略基地要塞化を押し付ける政府に対して、沖縄の人民の気持ちを代弁するかのようなフリをしている。人民の怒りに火がつくこと、全面激突になることをかわそうとしているのだ。(特に現在的には4月統一地方選挙−参議院沖縄補欠選挙、宜野湾市長選挙が仲井真をしばっている)
 これに対しても政府は「米国と正式に合意したものであり、修正はあり得ない」と拒否している。
 このようにして現在、辺野古新基地建設の手続きとしては環境アセスメントに入る段階でストップしている。ペテン、茶番とはいえ沖縄県、名護市との「対立」に対し、政府は、この米軍再編特別措置法をもって「百パーセント政府案をのまなければ振興策は一円も出せない。出せば法律違反である」と言い放ち、まさに札束で島袋や仲井真のほおをたたいている。
 要するに彼らにはまったく余裕はないのだ。何より一片の正義性もない。ここが肝心なところだ。辺野古新基地建設阻止の闘いは、SACOに基づく新基地建設−ボーリング調査阻止海上戦の
完全勝利の上に第2ラウンドに入った。

 巨万労働者の決起で

 

政府は、地元沖縄に対して恫喝一辺倒で辺野古新基地建設、環境アセスへの着手を急いでいる。政府は新基地の完成が8年かかるとし、環境アセスに関しても大幅に短縮して1年、サンゴの調査に関しては本年6月までに終えたいとしている。環境アセスは、本質的にはこの基地建設に法的な大義名分の一つを与えるものとはいえ、あまりにもデタラメなやり方で進められようとしている。
 また政府は、仲井真知事がどんなに拒否しても、法的には環境アセスを拒否できないと脅している。また「環境アセスではない予備調査」として実質的な調査を始め、収集したデータは、環境アセスが正式に着手・完成すればそれに使うとも言っている。まさに法律も何もあったものではない。古今東西、「法」を破る為政者は必ず打倒されるのだ。
 今春、辺野古現地の闘いは完全に激突過程に入る。三里塚の闘いがそうであったように、体を張った実力闘争、ここにこそ一つの重要な勝利の原点がある。なぜか。この命がけの闘いは、人民の心を奥底から揺さぶり、一切の幻想と、日本共産党やカクマルのような労働者人民の味方面をした「まがい物」「抑圧・規制装置」を一瞬にして吹き飛ばし、圧倒的な労働者人民の決起を可能にするからだ。いま一つ重要な勝利の原点は、この現地実力闘争と結びついてこの社会の一切を動かす労働者の決起である。労働者(ゼネスト)は戦争を止める力を持っている。逆説的に言えば、基地を建設する(賃金のために、させられる)のも労働者なのだ。
 命を守る会を先頭に、現地での体を張った闘い、これを十重二十重に包み込む巨万の労働者の決起(現地結集)を実現しよう。それはまた、安倍・御手洗路線と対決し労働組合を階級的に再生する闘いと一体の闘い、相互・相乗発展の関係にある闘いでもある。
 4・28には辺野古新基地建設阻止の第2ラウンドの開始、辺野古現地大結集が呼びかけられている。大挙結集しよう。
 さらに米軍再編特措法は基地労働者の首切りを迫る。沖縄の労働運動の帰趨(きすう)を握る基地労働者がいや応なく決起する。
 米軍再編との闘い、その最先端、辺野古新基地建設阻止闘争は、安保・沖縄闘争の根幹、すなわち日帝打倒の「火薬庫」に火をつける導火線だ。
 3・18を頂点とする3月大行動の爆発を全力でかちとり、4・28辺野古現地闘争から5・15(5・13嘉手納基地包囲闘争)に総決起し、安倍・御手洗の戦争と民営化、改憲攻撃を木っ端みじんに粉砕しよう。

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 最近の沖縄米軍・自衛隊動向

06年12月末 06年10月に反対を押し切って嘉手納基地に搬入されていた米軍の迎撃ミサイルPAC3が稼動開始

07年1月26日 米軍が嘉手納基地で8年ぶりにパラシュート降下訓練。降下訓練は伊江島で行うとのSACO合意に違反と怒りが高まるが、政府は訓練を容認。うるま市津堅島沖でも海上パラシュート降下訓練を実施

1月29日から 在沖陸自第1混成団と米海兵隊が初めての共同訓練。米軍が路肩爆弾への対処などを伝授

1月から2月 米海兵隊普天間基地のヘリ部隊がブッシュの増派方針でイラクへ。フィリピンへの演習派遣も含めヘリのほぼ全機が普天間から出動

2月1日 米軍が伊江島でのパラシュート降下訓練で演習場外(民家から40b)に降下

2月初め 沖縄北部ダム貯水池に米軍が弾薬などを大量投棄

2月10日 米軍の最新鋭戦闘機F22Aの嘉手納基地配備に反対して平和運動センターなど5団体主催で第1ゲート前(封鎖)集会。10、11日は配備見送り

2月13日 米軍がキャンプ・シュワブ―辺野古沖海域で8年ぶりにパラシュート降下訓練。反対派は海上阻止闘争

2月13日 辺野古に隣接する宜野座村の民間地域で武装米兵が銃口を住宅や国道329号線に向けて訓練

2月14日 米軍ヘリ2機が金武町民間地域の駐車場へ不時着

2月17日 嘉手納基地に米軍F22A12機のうち2機が到着。海外初配備、続く18日に8機到着。

 

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週刊『前進』(2284号5面2)(2007/02/26 )

 辺野古からの報告

 「事前調査」との攻防運動主体が問われる

 1月15日、基地建設予定地であるキャンプ・シュワブ内の文化財保護調査が開始された。法律上、文化財の確認と保護が義務づけられているため、防衛施設局は名護市に対して「遺跡の調査を早急に行え」と突っ込んできたのだ。
 調査主体たる名護市教育委員会との4カ月にわたる交渉を経て(写真)反対運動の側は、防衛省からの予算ではなく市の予算でやることや、マスコミ・学者などへの公開制を担保することなど、「条件付き容認」という結論にいたった。事前調査とどのように向き合うかは、今後の辺野古闘争を展望する上で重要だ。

 「反対」を堅持

 今回の文化財調査は防衛省からの調査要請である。また要請文書にも「基地建設前段調査としての文化財調査」とはっきりと記載されている。「文化財の保護」のためではなく、事実上「新基地建設のための露払い」調査になることは不可避だ。反対運動の内部では、容認か反対かをめぐって意見が分かれた。しかし「辺野古・命を守る会」は一貫して「新基地建設につながるものにはいかなるものにも反対」の立場を堅持している。
 一方で今回の遺跡調査をめぐっては、反対運動の中でも「文化財を守るためなら了承すべき」「阻止しても世論の支持を得られない」「法律的に阻止できない」などという意見が出てきた。その最右翼が日本共産党とカクマルである。

 日共をこえて

 辺野古の座り込み行動も「とにかく基地建設を止めるんだ」という体を張った阻止行動が、しだいに県民や全国の支援勢力の共感と連帯をつくりだし、政府がひとつも手を出せなくなるような力関係を強制したのだ。
 問題の大きな核心の一つに警察権力の弾圧との対決がある。昨年9月、文化財保護調査が強行された際、シュワブ基地ゲート前で阻止線を張る人びとに対し機動隊が導入された。国家権力が初めて辺野古闘争に機動隊を登場させ、平良夏芽氏を不当逮捕した。
 このときに地元反対運動内部の共産党などが中心になって反弾圧闘争をネグレクトしたばかりか、「文化財保護調査に反対すると弾圧されるから阻止も反対もしない」という敗北主義に流れていった。また連合内の右派幹部は「逮捕されるような危険な場所には組合員を動員できない」と、これ幸いと辺野古からの撤退をほのめかしている。国家権力との対決は、社・共やカクマルなどの本性をいや応なく暴くことになる。
 政府・防衛省は、基地建設着手に向かって環境影響調査を強行しようとしている。海域の事前調査も別個に実施すると明言している。この事前調査は、環境影響調査の法的手続きを無視した違法なものである。さらに昨年末から非公開でシュワブ基地内の兵舎移転予定区域でのボーリング調査も開始されていたことが公表された。行き詰まった政府は、基地内の手の着けられる部分は進めながら、事前調査のラッシュで基地建設を既成事実化しようとしている。「辺野古新基地建設につながるあるゆる策動を許さない」という「命を守る会」の立場にもう一度深く学び、これらの攻撃と対決する必要がある。   
 (大津五郎)

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週刊『前進』(2284号5面3)(2007/02/26 )

 名護で降下訓練海上阻止行動

 “沖縄から出撃するな”

 米兵とボート囲み抗議

 2月13日、米海兵隊は名護市キャンプ・シュワブ沿岸の大浦湾で地元住民や県・名護市の反対を押し切ってパラシュート降下訓練を強行した。この訓練に対し、普天間基地の辺野古沖合移設を実力阻止した仲間たちが早朝から海上に出て、大攻防戦を展開した。
 名護東海岸の汀間漁港では、辺野古の浜からトレーラーで牽引(けんいん)してきた反対派の船が燃料タンク、ロープ、無線機、メガホンなどを積み込み、「命を守る会」「平和市民連絡会」などののぼりをくくり付け、慌ただしく出港準備。やぐら攻防戦をともに闘った海人(ウミンチュ)も駆けつけ、頼もしい限り。「命を守る会」代表の金城祐治さんらの見守る中、3隻が8時に出港。海上やぐらを撤去させてから1年半ぶりの海上戦にいやが上にも気持ちは高ぶる。瀬嵩の浜で待機していたカヌー4艘(そう)には歴戦のカヌー隊の仲間が乗り、船で牽引。白波を蹴立ていざ、湾の中へ。
 8時半過ぎ、早くもシュワブの浜から3人乗りの米軍の降下兵士回収用ゴムボート4隻と5人乗りの現場本部のゴムボート1隻が海に出てきた。
(写真 降下兵を回収するゴムボートに殺到する抗議船とカヌー【2月13日 大浦湾】)

 沖縄初の海上降下阻止闘争

 降下が近いと上空を見ていると、普天間基地を出発した航空機が現れ、大浦湾上空を旋回後、9時半に後部ハッチから次々と兵員を落としていく。すぐパラシュートが開き風に流され着水。この日は22人が3人と4人に分かれ7回降下した。洋上待機の米軍ゴムボートがその着水地を目指し急行し、降下米兵をボート上に引き上げる。
 海上での降下演習阻止闘争は沖縄で初めてだ。最初は少し離れて抗議の声をあげていたわれわれも、降下の回が重なるごとに上空を眺め、どのあたりに着水するか見当をつけ、降下した米兵めがけ米軍と競うがごとく急行した。ロープで牽引していたカヌーを船から離し、降下米兵と米軍ボートを反対派の船とカヌーで取り囲み抗議。
 日本語と英語で「戦争のための降下訓練許さないぞ」「イラクに行くな」「沖縄から出撃するな」「マリン・ゴーホーム」「新基地建設させないぞ」などと数十aの距離でまくし立てる。メガホンでずっと英語で訴える女性もいる。辺野古沖合案阻止闘争のとき、防衛施設局がチャーターした作業船に反対派のカヌーが群がって阻止した闘いがよみがえる。
 20歳前後の若い兵士たちは、離れて抗議していた時はVサインをしニヤニヤしていたが、間近で抗議されると表情がこわばってくる。なかなかボートに上がれない米兵もいる。故障でエンジンがかからなくなったボートもある。反対派の包囲網から脱出するのに必死の米軍ボート。降下は最初は低空から、後半は高空から行われた。抗議船の船長たちは「空を見ながら操縦するのは初めて」とのこと。
 この演習を繰り返し、イラク・イラン・北朝鮮などの海に武器をもって降り、真っ先に上陸する部隊だろう。寒風吹きすさぶ海上に何時間も海水パンツ1枚、上半身は裸でボートに乗っている兵士もいる。こんな精強な武装兵とイラクの人たちは戦っているのかと思うと、われわれも絶対に負けられない。戦は体力も必要だがそれ以上に正義と執念が勝敗を決する。

 基地建設阻止は沖縄の責任

 この日は海上に約40人、船5隻、カヌー4隻、途中から水上バイクの仲間も駆けつけての緊急闘争。沖縄は戦争のための訓練は許さないことを行動で示した。昼には辺野古の浜で平和運動センターの緊急抗議集会が開かれ、海上阻止隊も参加し、兵士への英語での抗議の様子を報告した。 
 またこの日は辺野古のすぐ沖に停泊した強襲揚陸艦から水陸両用車12台が宜野座村潟原に上陸し、うち1台が故障で干潟に立ち往生した。水陸両用車はよく故障し、普段は米兵が退屈そうにその車両が来るのを待っているが、この日は上陸した迷彩服の米兵たちが近くの国道沿いの民間地の草むらに腹ばいで軽機関銃の銃口を一般車両の通る国道に向けている。実戦そのものの緊迫した態勢だ。
 嘉手納基地でのパラシュート降下訓練や最新鋭のF22ステルス戦闘機配備、県民の水がめのダムに米軍のペイント弾が捨てられていたことなど、今年に入って沖縄の基地強化・演習拡大は、これまでの水準を一挙に超え、実戦演習が昼となく夜となく連日くり広げられている。イラク戦争での米軍の敗勢、だからこそ新たにイランや北朝鮮に戦争を拡大せんとするブッシュの戦略と沖縄は直結しているのを肌で感じる。どんな演習も、新基地建設もさせない。それが沖縄の責任だし、侵略される側の世界の労働者人民とともに生きる道だ、とあらためて実感した海上での一日だった。
 (投稿/佐和田由子)

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週刊『前進』(2284号6面1)(2007/02/26 )

団結ひろば 投稿コーナー

 イラク派兵拒否したワタダ中尉の闘い 東京 北上昌人

 「違法な命令に従うのを拒否することは、国際法と合衆国憲法に基づく義務である」としてイラク派兵を拒否したアーレン・ワタダ中尉の闘いの反響が広がっています。2月7日に開かれた軍法会議は裁判官が審理無効を宣告し、陪審団を解任して打ち切られました。
 法廷後米軍は記者会見で3月以降に再度軍法会議を開廷すると主張しましたが、エリック・セイツ弁護人は、二重処罰の禁止に違反するとして裁判の打ち切りを要求することを表明しました。
 米軍側は、イラク戦争の違法性が法廷で争われることを避けるために1月16日の予備審問では「イラク戦争の違法性を立証するための弁論を行うことそのものを許さない」という決定を下していました。しかし、ワタダ中尉が軍法会議でイラク戦争の違法性を真っ向から問題にしようとしたことに対して、予審での「確認書の認識に誤りがある」として検事側の要求で審理無効という形で裁判を打ち切ったのでした。
 米軍は、公然とイラク派兵を拒否した将校を軍法会議で裁くことができなかったのです。アメリカの戦争に反対する人びとは大きな勝利だと喜んでいます。ここに米帝の弱点がさらけ出されています。偽の証拠をデッチあげて「大量破壊兵器」を口実に侵略戦争に突入したウソが、大きな重しになってきています。
 折しも2月9日に国防総省が、ある部署が「情報活動に不適切に関与した」と発表したことが報道されました。フセイン政権とアルカイダとの関係はないと分かっていたにもかかわらず、ブッシュ政権が国防総省にウソの報告書を出させ、戦争を強行したのです。
 ワタダ中尉の決起は、アメリカの反戦運動を大いに勇気づけました。ワタダ中尉支援の署名には現役兵も1000人以上が名前を連ねているということです。アメリカ労働者階級のイラク反戦闘争が巨大な高揚に向かっています。
 1月27日の全米のイラク反戦闘争を受けて、日本でも3月18日の全世界一斉デモを爆発させましょう。
(写真 1月27日、サンフランシスコのイラク反戦デモにはワタダ中尉支援の横断幕、ブッシュ罷免のプラカードも)

 マルクスは誰に団結を呼びかけているか 青年 春川みよ

 「根本的なこと」
 先日、勉強会で「労働者」という認識の違いについて討論をした。
 自分の立ち位置に関しての話で、私は精神障がい者であるという認識が強く、常から話をしていても健常者の「労働者」よりも、疎外される確率が高いし、真っ先に切り捨てられるという不安を感じていたため、あまり“同等の労働者”というように思っていないという話になった。
 まず労働者になるということが、自分にとってどれだけうれしいことであるか……私は労働者にさえ、なかなかなれない。だからマルクスは私に呼びかけているのではないように思う。「現在働いている労働者」に呼びかけているのだ。というような話をした。
 すると相手の人が「労働者とは、労働力以外に売るものがない、それを売らないと生きていけない人間すべてのことをいうのだ。だから障がい者も部落民も労働者も団結できる、そうでなければ(コメント/労働者の規定が前記のようなものでなかったら)お互いに足を引っ張りあってしまうだろう」と言った時、目からうろこが落ちた。
 一方で自分は自分以外の人々の障がいや困難に対して鈍感であるということも分かっていた。矛盾している(コメント/自分の問題には理解を求め、他の人の問題には理解を示そうとしにくい点のこと)と感じながら、それをどう自分の中で解釈したらいいかということが、単純に一律に動くという行動に対して歯止めをかけていたと思った。

 インチキな介護保険制度はすでに崩壊に 千葉 井上星

 介護保険制度も崩壊の状態になりつつある。当たり前といえば当たり前、グッドウィルのコムスンなどの大手は、これからいかに収奪するかと狙っているのだと思うが、現場の介護従事者の待遇は極端に低く、人員が確保できなくなってきている。
 気持ちだけではとてもやっていられるものではない。フィリピンからの人材受け入れ協定(経済連携協定、EPA)で、千人程度のフィリピン人介護福祉士などを受け入れてすむ問題ではないのだ。やってますと見せるためのインチキを、政府がのうのうとやっていることに怒りを感じます。
 福祉士、ケアヘルパーがどんどんやめ始めているのです。心持ちだけではやっていけないのです。きつく、時間制限のない仕事で、聞いて驚くほどの低報酬です。多分今の介護保険制度では上げられないでしょうね。それでも儲けるところは儲ける仕組みがあり、国家権力者、資本家階級はそれが当然だというのででしょうね。それが言われているところの「再チャレンジ」ですよ。
 「いざなぎ景気」を超えたと言う一方で、相変わらず「不景気」「景気は低迷している」「未だ景気は回復していない」とマスコミは言っている。マスコミも大いに資本主義の申し子だから当たり前ですね。
 言いたいことはいくらでもあるのだけれど。今の連合中央や、全労連中央の幹部はあれは労働者なのですか? カクマルは論外、彼らは何を考えているのですかね。
 さらに、駄目なのが、共産党中央、指導部ですよ。共産主義者だとでも本当に思っているのか。トロツキーは、そしてトロツキストは跳ね上がりもので過激者だとレッテル(のみ)張るが、トロツキーが日和らないで、今で言う超跳ね上がり者であってくれたら、大分状況は変わっていただろうと僕は思っている。
 長年まじめに勉強しても実践してない共産党幹部がいかに多いか。少なくても、マルクス、レーニンをまじめに、真剣に学びなおした上で、今がそれとどう違うのか言ってみなさい。今からでも遅くない、僕に納得できるように展開してくれ。

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週刊『前進』(2284号6面2)(2007/02/26 )

 “星野さんを母の待つ札幌へ”

 家族らが渋谷で訴え

 署名呼びかけに若者共感

 無期懲役の獄にある無実の星野文昭同志を札幌で闘病中のお母さんと会わせたい。1月23日に東京高等検察庁に申し立てた刑の執行停止(一時的外出・外泊)をめぐる攻防は5週目に入った。星野・全国再審連絡会議の一会員がやむにやまれぬ思いで東京高裁前に駆けつけて始めたハンストは、リレーハンスト・座り込みとなって継続、「上申書」署名も2200筆を超えた。
 執行停止を行わないとした東京高検の決定に対し、再審弁護団は東京高裁に異議を申し立てたが棄却された。弁護団は2月16日に即時抗告、19日には高裁第12刑事部の裁判官との面会を行った。その際、許しがたいことに裁判所は家族との面会を断った。わざわざ札幌から兄・星野治男さんが東京に駆けつけ、18日の渋谷での街頭宣伝に続き、19日には裁判所前に立ち、つれあいの暁子さんとともに懸命に執行停止を訴えていたにもかかわらずだ。
 東京高裁を徹底的に弾劾し、星野同志の執行停止をかちとろう。全国から上申書署名を集中しよう。執行停止をかちとり、お母さんへのお見舞いを実現しよう。
 2月18日、渋谷・東急本店前で星野文昭同志の刑の一時執行停止を求める「上申書」署名の街頭宣伝を行いました。ここに北海道から星野同志の兄・治男さんが駆けつけてくれました。星野暁子さん、徳島、山形からも合流し、総勢14人での渋谷街宣となりました。
 現在、東京高裁前では連日、「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」のリレーハンストと座り込みが行われています。この日は日曜日なので場所を移しての訴えです。あいにくの雨模様だったので、しばらくの間、近くで治男さんから直接、病身の母・美智恵さんの様子を伺うことができました。お母さんは幾分、元気を取り戻していることが分かり、一同ほっとしました。雨も上がったところで、街宣開始です。
(写真 札幌から東京高裁前に駆けつけ、文昭さんの執行停止の実現を訴える星野治男さん【2月19日 東京】)

 こんな冷たい社会は御免だ

 法務省は、「無期の受刑者の場合、刑を一時執行停止したことは今までもないから、今後もない」とかたくなに私たちの要求を拒んでいます。しかし、受刑者も人間です。病身の親を見舞うのは受刑者であっても当然の人間的要求ではないでしょうか。人としての社会的関係の維持というのも受刑者にとっては必要なことだと思います。
 昨年、施行された受刑者処遇法では、処遇の原則として「社会生活に適応する能力の育成を図る」とうたっています。「社会生活に適応する」とは、まずもって受刑者に家族・社会との心温まる良好な関係を築かせることだと思います。法務省はむしろ、受刑者の社会的関係の維持・発展に心血を注がなければならないのではないでしょうか。それなのに、今の法務省の態度は明白に「受刑者(人間)に冷たい」ことを当然視するものです。こんな法務省が威張っている冷たい社会は御免です。
 私たちは人が人として心温かく生きられる社会をなんとしても築き上げなければなりません。非人間的な政策・処遇を続けている法務省を徹底的に弾劾しなければならないと思います。
 ましてや、星野同志は無実でありながら、獄中に32年間も幽閉されているのです。この星野同志の刑の一時執行停止さえも一顧だにしない法務省の冷酷さを絶対に許すことができません。
 渋谷・東急本店前での「病身のお母さんに一目合わせるために、刑の一時執行停止を求める」訴えに地元の人や若者など36人の方が快く応じてくれました。星野治男さんがマイクで訴え、そして、若者たちに署名を訴えている姿が印象的でした。(投稿/三多摩・神藤猛雄)

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週刊『前進』(2284号6面3)(2007/02/26 )

 星野さんとともに

 共に再審勝利へ

 東拘から20年目の面会星野同志を取り戻すまで

 富山保信

 2006年12月4日、徳島刑務所面会室。
 「オオッ」と言ったきり、4人(星野、伊藤、甘糟、富山)ともしばし絶句。互いの間を隔てるアクリル板がなければ、抱き合ってオイオイ泣いてもおかしくない光景でした。
 それにしても長い。いちばん近い時期に会った私ですら、星野さんが1987年に徳島刑務所に移監になる直前に、東京拘置所の面会所に行く通路ですれ違って以来です。私もその時はデッチあげ殺人罪弾圧で東京拘置所にいて、翌年早々に大阪刑務所に移監になりました。あれから20年目だから「こういうかたちで会えるとは」ということばも出てくるはずです。
 じつは、私は73年まで星野さんとは面識がありませんでした。70年の暮れに囚(とら)われた私が、73年の夏に出てきて不在中の闘いを聞かされるうちに、高崎経済大の彼が「星野文昭」なんだと認識し、痛感したのは「彼は私の身代わりであり、分身だ」ということでした。
 これは誇張ではありません。70年当時は、湧き出るように、あふれるように次々と学生が決起し、闘いを展開していました。1人の同志が奪われたら十人、百人の新たな決起をかちとり、闘うというのがあたりまえでした。もちろん、その前提には、獄中の同志に恥じない闘いをやるとともに必ず奪還するということがあるのは言うまでもありません。だから、星野さんを取り戻すまで闘いに終わりはなく、今も続いているのです。
 では、私にとっての「星野さんとともに」とは何かとなれば、やはり再審闘争に勝つということにほかなりません。私は『無実の富山保信さんの再審無罪をかちとる会ニュース』にこう書きました。
 《何度でもくり返しますが、私は無実であり、事件には関与していません。この事実・真実をありのままに訴えたことに対して、おまえは嘘(うそ)つきだと断罪されたのです。これが黙っていられるでしょうか。真実を認めろ、嘘つき呼ばわりを撤回しろということです。単純明快きわりまないことですが、これが出発点であり、帰結点というものではないでしょうか。こちらから望んだ喧嘩(けんか)ではないが、アイデンティティーにかかわることだから、売られた喧嘩はきちんと買って勝たなければなりません。さもなければ、自ら尊厳を否定してしまうというものです。だから、再審無罪の日までたたかいをやめるわけにはいきません。あなただってそうではないでしょうか。……》
 この気持ちは星野さんも同様だと思います。星野さんを取り戻す闘いは、私自身を取り戻す闘いでもあるのです。
 無実という真実に立脚した不屈の闘いで人民の心をとらえ、魂をゆさぶって広範な陣形を形成し、その力でデッチあげ政治弾圧をうち破る富山再審と星野再審はふたつにしてひとつの闘いであり、富山再審の勝利が星野再審の勝利をきりひらきます。富山再審の勝利なくして星野再審の勝利はなく、星野再審の勝利なくして富山再審の勝利もないのです。
 みなさん、ぜひいっしょに闘ってください。
(とみやま・やすのぶ)
◆富山保信同志 1974年10・3全逓潜入カクマル山崎洋一せん滅戦闘を口実にデッチあげ殺人罪で逮捕(75年1月13日)。一審は無罪をかちとったが、二審東京高裁で85年に逆転有罪判決、10年の服役後、95年出獄。現在、再審闘争中。◎無実の富山保信さんの再審無罪をかちとる会
http://www4.ocn.ne.jp/~tomiyama/

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週刊『前進』(2284号6面4)(2007/02/26 )

 第二東京弁護士会

 “どうする憲法9条”投票法案問う集会

 2月15日、第二東京弁護士会の主催(共催・日弁連ほか)で「どうするどうなる憲法9条」と題した集会が東京・イイノホールで行われ、満員の盛況だった。(写真)
 憲法9条と改憲投票法案に関して、各政党の議員が見解を表明した後、東京大学教授の姜尚中(カンサンジュン)さんが、在日朝鮮人の立場から改憲問題について講演した。戦後30年間、東アジアは戦火の中にあったが、沖縄を除く日本は火の粉をかぶらずに来た。しかし90年代以降バックフラッシュが始まり、「大東亜戦争はアジア解放戦争」という歴史感を持つ人が政権の中枢にいることの危険性を指摘し、「平和憲法の精神で外交を行うよう世論の形成を」と訴えた。
 パネルディスカッションでは、中央大学教授の植野妙実子さんが改憲投票法案の問題点を指摘し、衆参合同の憲法審査会を設置する国会法改悪こそ問題であると発言した。ジャーナリストの前田哲男さんは、改憲投票法案は改憲のための準備法であると指摘した。伊藤塾塾長の伊藤真さんは、改憲投票法案の狙いは憲法9条の改悪だと断言した。
 「憲法9条が変えられたらどうなるのか」という問題提起では、姜さんは94年朝鮮危機の時にブッシュ政権が核施設空爆の一歩手前までいったことに触れ、在日は敵国民扱いにされ、「東京がテロの標的になる」などの扇動や拉致問題で一気に世論は変わり、朝鮮侵略戦争に突き進むことに警鐘を鳴らした。各パネリストも人権の剥奪(はくだつ)、兵役の義務化、軍事裁判所の設置、戦死した人を祭る靖国神社と軍国教育の復活が不可避であると弾劾した。
 朝鮮侵略戦争に向け焦る日帝がしゃにむに改憲に突き進んでいることへの危機感を感じた集会だった。3月18日の「イラク反戦4周年集会」に向けて、自治労・教労を始め4大産別の青年労働者を圧倒的に結集させるために闘うことを強く決意した。(投稿 M・S)

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週刊『前進』(2284号6面5)(2007/02/26 )

 朝鮮総連への大弾圧許すな 

 在日人民との階級的連帯を

 昨年11月以降、北京で開催された6者協議と連動し、対北朝鮮戦争政策の一環として、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)に対する政治的な不当弾圧が連続的に強行されている。(本紙2279号参照)

 全国で逮捕・捜索

 1月10日の在日本朝鮮兵庫県商工会ほかへの家宅捜索に続いて、1月28日には大阪府警が、「電磁的公正証書原本不実記録、同供用」という口実のもと、滋賀朝鮮初級学校、朝鮮総連大津支部を始めとする5カ所を強制捜索した。子どもたちが遊ぶ日曜日の朝鮮学校に対して土足で踏み込み、半日も捜索するという暴挙だ。
 1月29日には神奈川県警外事課が、人材派遣会社前社長ら2人を同法違反の疑いで逮捕した。
 2月5日には、札幌地検と北海道警が「所得税法違反」で、ただ一点、朝鮮総連北海道本部の元幹部であったとの理由で、ジンギスカン料理店経営者の在日朝鮮人ら4人を不当逮捕。朝鮮総連北海道本部、商工会、ジンギスカン料理店など約10カ所を家宅捜索した。
 さらに2月6日、兵庫県警は600人の警察官を動員し、兵庫県商工会(3回目だ!)、朝鮮総連兵庫県本部ほかを家宅捜索した。
 1月18日、漆間巌警察庁長官は記者会見で、拉致問題への警察の役割は「北朝鮮の資金源について『ここまでやられるのか』と相手が思うように事件化して、実態を明らかにする」ことだと発言した。昨年からの朝鮮総連への弾圧が総連とその傘下のあらゆる団体を壊滅させる狙いを持った政治的弾圧であることをあけすけに語っている(警察・検察の不当弾圧は総連のみならず、民団へも拡大していることに注意を喚起したい)。
 そして警察権力は、朝鮮総連や商工会があたかも「不正に得た金を北朝鮮に送金している」かのごときデマ情報を意図的にマスコミに流し、排外主義的な扇動を行っている。こんなことを絶対に許してはならない。
 何よりも重大なことは、朝鮮総連への弾圧が、日米帝がいよいよ朝鮮侵略戦争の発動を完全に決断した中で強行されていることだ。一連の弾圧は、日帝・安倍=御手洗による改憲と朝鮮侵略戦争へ向けた攻撃そのものである。
 1996年に梶山官房長官(当時)が「在日朝鮮人は内乱勢力」だと発言した。このことに示されるように、日帝にとって朝鮮総連、さらに在日朝鮮人総体は一貫した治安管理・弾圧の対象なのだ。朝鮮侵略戦争を発動しようとする日帝は、在日朝鮮人民と日本の労働者階級が合流し巨大な反戦運動が巻き起こることを何より恐れているのである。

 直ちに反撃開始

 これに対して直ちに反撃が開始された。1月29日には兵庫県警前で「兵庫県警の不当捜索に抗議する緊急集会」が、2月1日には大阪府警への抗議行動が在日朝鮮人と教育労働者を先頭とする日本の労働者人民が結集して数百人規模で闘い取られた。この決起は、昨年末の国会行動を引き継ぐ決起である。
 いま在日朝鮮人は自らの生活と生存をかけて歴史的な渾身(こんしん)の決起を開始している。3月3日、東京・日比谷野外音楽堂で「3・1人民蜂起88周年、不当政治弾圧糾弾」を掲げた「在日本朝鮮人中央大会」とデモ行進が行われる。
 この決起は日帝・安倍政権に対する真っ向からの反撃の闘いであり、同時に日本の労働者人民への決起と連帯の呼びかけである。
 われわれは今こそ、動労千葉が実践をもって示している階級的労働運動を全力で推進しよう。この闘いこそ、在日人民との階級的な連帯と合流を実現し、朝鮮侵略戦争を阻止する道である。
 3・18を頂点とする3月大行動こそ最大の連帯行動である。全力で闘おう!

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週刊『前進』(2284号6面6)(2007/02/26 )

 日程 ◆共謀罪新設阻止国会前闘争

◆戦争と治安管理に反対するシンポジウムV

◆共謀罪新設阻止国会前闘争

◆2007年3・8国際婦人デー集会
 3月6日(火)午前8時半〜 国会前情宣
        正午〜午後1時 国会前集会 
 主催 破防法・組対法に反対する共同行動
◆戦争と治安管理に反対するシンポジウムV
 3月17日(土)午後2時
 南部労政会館(大崎駅新東口から300b)
 主催 実行委員会
◆2007年3・8国際婦人デー集会
 働きたくても仕事がない 働いたって食ってけない 大増税で侵略戦争 安倍は居直り憲法改悪
 こんな世の中もう許せない私たちが革命おこそう
 3月11日(日)午後1時30分開場
 東京・文京区民センター(地下鉄春日駅)
 主催/労働組合交流センター東京女性部 婦人民主クラブ全国協議会・関東ブロック

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