ZENSHIN 2007/01/29(No2280 p06)

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第2280号の目次

 

1面の画像
(1面)
改憲狙う国民投票法案成立阻止を
春闘貫徹・イラク反戦・三里塚勝利
3月大行動爆発へ攻め上ろう
教育3法案粉砕・安倍政権打倒へ
記事を読む  
国会決戦へ火ぶた 共謀罪などと全面対決(1月25日) 記事を読む  
”朝鮮侵略戦争計画やめよ”
防衛省に申し入れ  反戦共同と全学連
記事を読む  
(2面)
動労千葉春闘ストに連帯を
館山運転区木更津支区 基地廃止攻撃に総反撃
“最大の組織攻防を闘う”
記事を読む  
市場化テスト-民営化阻止へ
現場から絶対反対運動を  強力な職場細胞をつくろう
記事を読む  
“スト構え春闘に立つ”  動労連帯高崎が旗びらき(1月24日) 記事を読む  
資本攻勢&労働日誌 2007  1・1〜1・18
“公務員改革が参院選の争点”
記事を読む  
日程 国労5・27臨大闘争弾圧公判日程 記事を読む  
(3面)
日の丸・君が代強制拒否! 全国で不起立貫こう
教基法決戦 勝負はこれからだ
職場の団結と怒り基礎に森越打倒・日教組再生へ
記事を読む  
都教委包囲・首都圏ネットが2・3に総決起集会 記事を読む  
「労働契約法」を粉砕しよう
残業代ゼロと過労死の促進 WEに労働者の総反乱を(湯村宏則)
記事を読む  
〈焦点〉 地方自治の解体と戦争国家化  「道州制」導入との対決を 記事を読む  
〈焦点〉 米帝ブッシュがソマリア空爆  ムスリム勢力の壊滅狙い 記事を読む  
(4面)
07年の階級的・組織的課題は何か
階級的労働運動路線を鮮明に体制内労働運動からの決別へ
革共同中央労働者組織委員会 大原武史
記事を読む  
(5面)
図説 動労千葉3労組共闘を先頭に07春闘へ
”こんな資本主義は倒すしかない”
記事を読む  
岩国 東広島 日米合同訓練に抗議  朝鮮侵略戦争を想定(1月16日) 記事を読む  
2007年日誌 1月17日〜23日
名護市が沖合1800b修正案  安倍「共謀罪の成立」を指示
記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー
“職場ではすべてが力関係で決まる” 東京 内田奈緒
“健康で戦争に行ける人しか生きられない” 「障がい者」 菊地久子
伊丹駐屯地に「ヤマサクラ51」の中止を要求 兵庫 Q
12・9もんじゅ全国集会をともに闘って 北陸 立川 泉
記事を読む  
2万余増派で虐殺拡大とバグダッドの制圧を狙う
米帝ブッシュのイラク新戦略
記事を読む  
GAKKOU 党学校通信  レーニン『国家と革命』 記事を読む  
星野さんとともに
20歳、共に闘った“圧殺の森”(高崎経済大学闘争)
“必ず取り戻すからな”
群馬星野文昭さんの再審を実現する会 伊藤成雄
記事を読む  

週刊『前進』(2280号1面1)(2007/01/29 )

 改憲狙う国民投票法案成立阻止を

 春闘貫徹・イラク反戦・三里塚勝利

 3月大行動爆発へ攻め上ろう

 教育3法案粉砕・安倍政権打倒へ

 

(写真 国会開会日、゙安倍を倒すぞ”と戦闘宣言
闘う労働者学生は朝からビラまき、座り込み、集会を行い、国会決戦の火ぶたを切った。警察の妨害をはねのけ、国会に向けて怒りのシュプレヒコール【1月25日 国会前】)

米帝ブッシュ政権が日・英を始めとする帝国主義の「有志連合」を組織して強行した03年3・20イラク開戦から4年。今年3月は、あらゆる意味で大決戦だ。3・18を頂点とする3月大行動の爆発に、この1〜3月(4月)の闘いの一切を集約して、青年労働者・学生を最先頭に、労働者階級と人民の総決起をかちとることを熱烈に訴える。3月大行動の課題は、07春闘勝利、イラク反戦・自衛隊即時撤兵、教育3法改悪阻止、国民投票法案粉砕・改憲阻止、そして三里塚決戦勝利である。昨年の11・5労働者集会を引き継ぐ闘う新潮流の3月大行動の爆発に、07年決戦の勝利はもちろん、プロレタリア日本革命・世界革命の未来もかかっている。21世紀革命の戦略的総路線としてある階級的労働運動路線の真価をかけ闘おう。

 米帝の世界支配の破綻

 改憲狙う国民投票法案成立阻止を春闘貫徹・イラク反戦・三里塚勝利3月大行動爆発へ攻め上ろう教育3法案粉砕・安倍政権打倒へ米帝の世界支配の破綻
 過ぐる06年は、内外情勢の展開においても戦後史を画期する年だった。
 唯一の超大国にして基軸帝国主義である米帝の歴史的没落の深まりは、帝国主義間争闘戦を死闘戦化させ、帝国主義的侵略戦争から世界戦争への過程をさらに進めた。この中で反帝・反スターリン主義世界革命の現実性が開示され、労働者階級人民の未来は、唯一、帝国主義の打倒にこそあることが、いよいよはっきりしてきた。3月大行動を闘うにあたって、まずこの点をあらためてしっかりと確認したい。
 今日の国際情勢を規定する最大の指標は、米帝の没落である。すなわち、一方では米帝のイラク侵略戦争での敗北・敗勢と、それをもろに受けたブッシュ・共和党の中間選挙での大敗北、他方では、それと表裏をなす事態として、米帝の世界支配の崩壊的危機の進行と米経済の住宅バブルの崩壊、自動車産業などでの衰退・没落という、米帝にとって真に恐るべき事態が激しく進展した。 
 しかも、こうした米帝危機の歴史的な深まりという事態を根底で規定しているものこそ、全世界の労働者と被抑圧民族人民の、米帝を始め帝国主義への積もりに積もった怒りと闘いの爆発だ。とりわけイラク人民・ムスリム人民の反米・反帝国主義の民族解放戦争の激発と米帝足下の労働者階級の反戦・反ブッシュの怒りと決起だ。そこには世界革命の炎がめらめらと燃えている。
 では、こうしてイラクで侵略戦争の泥沼化にあえぎ、唯一の超大国としての力の限界と支配の破綻(はたん)に陥った米帝は、体制の延命を求めてどこに向かうのか。それは、一方で市場・資源・勢力圏と世界支配をめぐる帝国主義間の争闘戦を、ロシア・中国をも巻き込む死闘戦として徹底的に激化させる方向であり、他方で結局は、帝国主義的侵略戦争・世界戦争へと、ますますのめり込んでいかざるをえないということだ。
 この国際情勢の中で、帝国主義の「最弱の環」としての姿をあらわにしているのが日帝だ。戦後的発展と戦後体制の終焉(しゅうえん)、敗戦帝国主義としての歴史的制約、帝国主義的勢力圏の未形成など、「死の苦悶(くもん)」にあえぎつつ七転八倒している。
 だからこそ日帝・安倍政権は、「戦後体制からの脱却」を叫んで改憲に突き進み、日米枢軸を形成して朝鮮侵略戦争参戦を策動し、安倍・御手洗路線のもとに愛国心の強制と一大資本攻勢を労働者階級に振りかざしてきているのだ。
 3月大行動は、この米帝ブッシュと日帝・安倍に反撃し、日帝支配階級・金融独占ブルジョアジーの反動的総路線である安倍・御手洗路線と全面対決する、巨大な政治経済闘争である。9条改憲阻止闘争の開始である。11月労働者集会に結集した闘う新潮流が、青年労働者・学生を先頭に全力で総決起し、07年決戦の勝利を開こう。

 階級的労働運動の実践

 動労千葉への組織破壊粉砕

 3月大行動の第一の課題は、07春闘勝利だ。今年の春闘は安倍・御手洗路線(1・1御手洗ビジョンと07年版経労委報告)のもとでの日帝の戦争・改憲と愛国心の攻撃、「成長重視」や「労働ビッグバン」や民営化・規制緩和を叫んでの春闘と戦後労働法制の解体、労組破壊の攻撃と全面対決する春闘である。動労千葉と3労組共闘を軸に、体制内労働運動との決別・打倒をかけ、階級的労働運動の実践として全力で闘うことが求められている。
 07春闘の主体的・路線的な推進軸は、動労千葉への組織破壊攻撃を粉砕する闘いだ。JR千葉支社は「3・18ダイヤ改正」で館山運転区と木更津支区を廃止し、新運輸区を設置しようとしている。すでに動労千葉を排除する形で運輸準備区に5人の東労組組合員を送り込んだ。基地統廃合の攻撃は最大の団結破壊、組合破壊である。朝鮮侵略戦争前夜に動労千葉の拠点職場をつぶすという、露骨きわまる攻撃を絶対に粉砕しなければならない。 
 動労千葉は反合・運転保安闘争路線のもと、館山運転区・木更津支区廃止絶対反対、「ライフサイクル」白紙撤回を求めてストライキを打ち、春闘を全力で闘おうとしている。
 この闘いを最先端に、4大産別を始めとする全産別・職場で、安倍・御手洗の労働運動根絶、春闘圧殺、戦後労働法制解体の攻撃を打ち破る闘いに総決起していこう。

 全国で不起立闘争の貫徹を

 07春闘勝利と一体の、4大産別決戦のもう一つの重要課題は、卒業式・入学式での「日の丸・君が代」強制を拒否する不起立闘争を、東京を先頭に全国で闘うことだ。
 不起立闘争は、改悪教基法を粉砕していく第2ラウンドの攻防であり、「教育再生会議」第1報告を振りかざし、通常国会を「教育国会」にすると公言する安倍の戦争・愛国心教育や、教員免許更新制導入を始めとする教育3法改悪案を粉砕する決戦だ。3年間の不起立闘争の不屈の地平と、昨年9・21の「日の丸・君が代強制は違憲」とした予防訴訟の勝利判決をバネに、全国の全職場で不起立を貫こう。

 イラク侵略戦争の残虐性

 3月大行動の第二の課題は、イラク反戦と自衛隊即時撤兵だ。イラクでこれだけ絶望的に追い詰められながらブッシュは、侵略戦争をあくまでも居直り、2万1千人余の増派を強行した。バグダッドを中心にスンニ派武装勢力などへの掃討作戦を強化している。他方で、米軍へのイラク人民の怒りに満ちた武装闘争も一層激化している。
 国連集計では06年だけでイラクにおける民間人の死者は、実に3万4452人(バグダッドの身元不明遺体が1万6867体!)、負傷者は3万6685人にのぼる。加えて法的手続き抜きの拘束者も3万842人に達する。侵略戦争と軍事占領でイラクをこんな虐殺と内戦の修羅場に追い込んだのは、米帝である。イラク侵略戦争の不当性、不正義牲、残虐性は極まっている。これが革命で打倒する以外にない帝国主義というものだ。
 米帝ブッシュのこんな戦争を日帝・安倍は最も強く支持している。自衛隊(空自)を派兵し続け、米軍の軍事作戦を支えている。米帝ブッシュと日帝・安倍への怒りと糾弾を新たに爆発させ、3月大行動に立とう。

 改憲阻止闘争の本番へ

 3月大行動の第三の課題は、国民投票法案粉砕・改憲阻止だ。安倍政権の最大の反革命的使命は改憲である。安倍は「7月参院選で改憲を最大の争点にする」と宣言し、1月25日に開会した通常国会で、改憲のための国民投票法案を最優先で成立させようとしている。すでに自民党・中川秀直幹事長と公明党・太田昭宏代表は、「5月3日の憲法記念日までに成立させる」と公言している。
 国民投票法は改憲への決定的突破口をなすが、その最大の問題は公務員労働者や教育労働者の改憲反対運動を禁止し、弾圧する点にある。なんと公務員や教育者は改憲反対の運動も闘いもできないのだ。その上で大政党や財界など金のある者は、マスコミ広告を駆使して改憲のための大宣伝をし、改憲へと社会を誘導することができる。とんでもない法律だ。
 しかも重大な問題は、民主党がこの国民投票法案の今国会成立に賛成しようとしていることだ。参院選への影響を避けると称して、鳩山由紀夫幹事長らは3月衆院可決、4月参院成立すら公言している。改憲政党・民主党のこの屈服と反革命性は、断じて許し難い。
 改憲阻止決戦は完全に本番を迎えた。国民投票法案粉砕は、何よりも4大産別決戦の課題である。自治労・日教組を始め公務員労働者、教育労働者こそが最大の当該だ。3月大行動の先頭で決起し、改憲阻止決戦を本格的に開始しよう。

 軍事空港化と闘う三里塚

 3月大行動の第四の課題は、三里塚決戦勝利の闘いだ。三里塚は暫定滑走路の北延伸阻止と、敷地内・天神峰の市東孝雄さんへの農地法を使った土地取り上げ粉砕をめぐり、完全な決戦に入っている。
 三里塚は06年、労農連帯と国際連帯で新たな地平を開いた。米日帝の朝鮮侵略戦争切迫情勢の中で、沖縄・米軍再編攻撃と並んで成田空港の軍事使用が現実の問題となっている。イラク反戦、朝鮮侵略戦争阻止と固く結合し、3月大行動の柱に三里塚闘争をすえて闘おう。3・25現地闘争への総決起を訴えたい。 
 この1〜3月過程を、一点、3月大行動の爆発へと集約して闘い、その力で杉並、相模原、高槻を始めとした統一地方選の勝利、さらに07年決戦勝利へと攻め上ろう。

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週刊『前進』(2280号1面2)(2007/01/29 )

 国会決戦へ火ぶた

 共謀罪などと全面対決

 1月25日、通常国会が開会した。この日、闘う労働者人民は朝から午後まで国会周辺で闘いを展開し、07年国会決戦の火ぶたを切った。
 今国会には超反動法案が目白押しだ。何よりも安倍政権は、民主党をも引き込んで、国民投票法案の5月連休前成立を狙っている。改憲に向かっての決定的な攻撃だ。さらに教員免許更新制や教育委員会制度改悪のための教育3法改悪案、公務員制度改革法案、米軍再編法案、共謀罪新設法案や労働法制改悪案などだ。
 だが、労働者人民の側には怒りとファイトがみなぎっている。昨秋の国会前での連日の激戦をも超える熱気と闘いで反動法案を全部粉砕しようと、やる気十分だ。

 共謀罪阻止へ11度目の決戦

 共謀罪阻止を闘う「破防法・組対法に反対する共同行動」は、朝から国会近くの地下鉄出入り口でビラをまき、出勤する労働者にアピールした。共同行動は足かけ5年、10回の国会にまたがって共謀罪成立を阻止してきた。今回が11回目の国会だ。今年こそ最大の決戦だと、決意も新たに闘いに立った。
 10時ごろから衆議院議員会館前で、結集してきた労働者・学生が続々と座り込みに入った。昨秋の闘いに打撃を受けた日帝権力・警視庁は、多数の警官を動員し妨害してきたが、闘う労働者人民は怒りを倍加させ警官を追い返した。
 正午から破防法・組対法に反対する共同行動の決起集会が開かれた。この時、隊列は140人にふくれあがっていた。
 共同行動事務局は、安倍首相が「共謀罪の今国会成立」を指示したことを徹底弾劾し、戦争に向かって人民の団結と闘いを禁圧しようとする共謀罪を今国会で絶対に廃案に追い込もうと訴えた。保安処分新設と闘う医師、弁護士、労働者、不当処分と闘う法大生らが次々と発言し、闘う決意をうち固めた。
 この日の参院本会議で参院憲法調査特別委を野党の反対の中で可決したことを弾劾する。
 (写真 闘いの高揚を恐れ一段と弾圧を強める警察と対決し、反戦共同行動委の集会をかちとった【国会前】)

反戦共同行動が決起集会

 続いて午後1時過ぎから反戦共同行動委員会の決起集会が開かれた。東京反戦共同行動委員会の三角忠代表が主催者あいさつを行い、「本日の異様なまでの警察の弾圧は、権力がどれほど国会前の闘いを恐れているかを示している。この怒りを安倍政権打倒の闘いとして爆発させよう。07年を意気高く闘おう」と戦闘宣言を発した。
 全学連の織田陽介委員長が基調報告を行った。織田委員長は、「安倍の支持率が下がり、”そのまんまショック”もあって、自民党は一層危機を深めている。労働者とともにわれわれが断固闘えば勝利できる。今や革命の時代だ。労働者・学生が世の中を変えるときだ」と力強く呼びかけた。そして、国際・国内情勢のポイントと安倍政権の攻撃の方向を全面的に明らかにし、「3・18イラク開戦4周年闘争を全力で闘い、あらゆる反動法案の粉砕へ総決起しよう」と訴えた。
 この後、JR資本による組合破壊攻撃と真っ向から闘う動労千葉の労働者、4月統一地方選に立候補する「都政を革新する会」の北島邦彦さん、教育労働者、婦人民主クラブ全国協議会、部落解放同盟全国連合会、法大の学生らがマイクを握り、決意を表明した。

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週刊『前進』(2280号1面3)(2007/01/29 )

 ”朝鮮侵略戦争計画やめよ”

 防衛省に申し入れ

 反戦共同と全学連

 憲法9条を完全に踏みにじって1月9日に「防衛省」が発足した。25日、東京反戦共同行動委員会と全学連は、約20人で東京・市谷の防衛省に抗議・申し入れを行った。「とめよう戦争!隊員家族と元自衛官連絡会」の会員も参加した。
 3時過ぎ、抗議団が正門前に着くと門前は物々しい警戒だ。防衛省は人民の怒りの爆発におびえている。
 防衛省職員を前にして早速、三角忠代表が申入書を読み上げた。@朝鮮侵略戦争のための戦争計画「5055」をただちに廃止せよAパトリオット3の入間基地(埼玉)配備を中止せよ――の2点を要求した。
 続いて全学連の織田陽介委員長が「防衛省発足弾劾。入間基地へのPAC3配備阻止。自衛隊兵士のみなさんに呼びかける。革命をもって戦争を止めよう!」と、戦闘的な申入書を読み上げ、職員に手渡した。
(写真 織田全学連委員長が防衛省職員【左端)に向かって申入書を読み上げた。「自衛隊兵士は労働者階級の一員としてともに闘おう」と隊員にも呼びかけた【1月25日 東京・市谷の防衛省正門】)

 

 

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週刊『前進』(2280号2面1)(2007/01/29 )

 動労千葉春闘ストに連帯を

 館山運転区木更津支区 基地廃止攻撃に総反撃

 “最大の組織攻防を闘う”

 動労千葉は館山運転区・木更津支区廃止攻撃を「JR発足以来、最大の組織攻防戦」と位置づけ、渾身(こんしん)のストライキを配置して決戦に入った。この攻撃は、文字どおり動労千葉という労働組合の解体・絶滅を狙う攻撃であり、安倍・御手洗路線のもとでの労働運動根絶攻撃、4大産別解体攻撃の最大の焦点だ。全力で支援、防衛、連帯の闘いに立とう。

 動労千葉破壊の露骨な攻撃

 館山運転区、千葉運転区木更津支区は、JR内房線、久留里線などの運転士が働く職場だ。いずれも動労千葉組合員が過半数を握っている。JR千葉支社は3月18日のダイヤ改正を期して、この二つの運転区を廃止し、木更津に新しい運輸区をつくろうとしている。
 国鉄分割・民営化攻撃以降、国鉄当局―JR資本は「スト絶滅」を叫んで成田運転区、勝浦運転区、佐倉機関区という伝統ある3つの動労千葉の拠点職場を廃止し、大拠点であった津田沼運転区、新小岩機関区などに対しても執拗なまでの業務移管(業務縮小)―統廃合攻撃を加えてきた。JR資本は、館山・木更津の運転区を廃止し、動労千葉が過半数を握っている職場をなんとしても消滅させようとしているのだ。
 二つの職場は、そこで働く労働者にとって生活の基盤そのものであり、動労千葉が血と汗を流して築き上げてきた団結の砦だ。労働組合にとって拠点職場を丸ごと奪い去られるというのはほんとうに大変なことだ。
 内房線の中間にある木更津に新運輸区をつくることに合理性など何ひとつない。ただただ動労千葉破壊だけが目的だ。
 すでにJR千葉支社は「館山の運転士は、木更津、鴨川、千葉、蘇我にバラバラになる」と公言している。館山に住む組合員は、館山―千葉、館山―鴨川などの長距離通勤を強いられる。卑劣にも館山・木更津の組合員への希望調査の前から、新設される木更津運輸区の準備区に東労組の運転士を送り込み、訓練を始めている。東労組の運転士を先行的にどんどん木更津に送り込み、「もう枠がない」と組合員に揺さぶりをかけ、団結を破壊しようというのだ。
 同時に、運転区廃止は地方切り捨て攻撃そのものだ。JR東日本は、内房線の木更津・君津以南は「もうからないから」と将来的には切り捨てようとしている。だから木更津に新運輸区をつくるという発想が出てくるのだ。館山市では「旅館がバタバタ倒れ、自治体財政が破綻(はたん)しかねない」という深刻な危機感が噴き出している。
(写真 決起集会の最後に前列に勢ぞろいし、決戦の先頭に立つ決意を示す館山支部、木更津支部の組合員【1月16日 動労千葉総決起行動】)

 新段階の第2の分割・民営化

 館山運転区・木更津支区廃止は、07年度から始まるJR東日本のさらなる大合理化の始まりだ。
 JR東日本は@館山・木更津に続いて、銚子運転区、蘇我運輸区京葉派出、千葉運転区、千葉車掌区、成田車掌区などの基地統廃合を画策している。国労職場でも津田沼車掌区、三鷹車掌区の廃止が狙われている。A今年4月から、駅業務の丸投げ的な外注化攻撃が始まる。小規模駅では「一括委託」、大規模駅では大幅な契約社員導入が始まる。B要員不足問題の深刻化の中で「ライフサイクルの深度化」と称して運転士を駅にタライ回しし、破綻の尻ぬぐいをさせようとしている(首都圏7支社で07年10月実施を狙う)。動労千葉は、この大合理化計画を「第2の分割・民営化攻撃の新段階」ととらえている。この大合理化を貫徹するためにもJR資本は動労千葉解体攻撃に拍車をかけているのだ。
 JR東日本は01年に始めた「ニューフロンティア21」で、「ステーション・ルネッサンス」と称して駅空間を使った金もうけに走るとともに、労働条件や賃金、雇用のあり方などを全部ひっくり返し、全面的外注化をすすめた。5年間でJR資本は駅、保線・電力などの設備部門、車両検査・構内入換、車掌など鉄道輸送の根幹業務にまで外注化を広げた。JR東日本では01年〜06年の5年で年間人件費が850億円も削られ、年間メンテナンスコストは350億円も削られている!
 架線や信号機の故障、車両故障が頻発し、ブレーキの効かない車両を検査手配することもなく平気で運行させ続けるなど、JR資本の安全感覚の崩壊は末期的だ。05年の尼崎事故、羽越線事故、06年の伯備線事故、止まらないレール破断などは、民営化という犯罪的施策の引き起こした必然的結果なのだ。
 安倍・御手洗路線とは、国鉄分割・民営化攻撃と、その後のJR資本のやり方を全社会におし広げ、より全面的・徹底的に貫徹しようとするものだ。館山運転区・木更津支区廃止との闘いは、4大産別労組根絶攻撃との最先端の攻防であり、安倍・御手洗路線との対決の焦点だ。そして、国労本部の「政治解決」路線のもとで存亡の危機にある国鉄1047名闘争の現状を突破し、全国鉄労働者に奮起を呼びかける闘いなのだ。

 “合理化絶対反対”路線で

 1月16日の総決起行動をもって動労千葉は、基地統廃合絶対反対を掲げ総力決戦態勢に入った。
 合理化は、労働強化と安全破壊をもたらし、常に労働組合と団結を破壊する攻撃として襲いかかる。合理化絶対反対で闘うということは、資本主義を否定するに等しい。だから、かつてはどの労働組合も「合理化反対」を掲げていたが、資本の合理化攻撃に本当に闘いぬけた労働組合はほとんど存在しない。
 動労千葉は、JR資本との非和解的対決=階級的立場に立ちきり、合理化に対して絶対反対を貫いてきた。そして階級的団結の強化を総括軸に据え、嵐のような組織破壊攻撃に勝ちぬいてきた。安全問題を「資本のアキレス腱(けん)」ととらえ、「明日はわが身」という切実な職場の危機感、怒りと執行部が結びつき、事故問題と安全問題を闘いの方針として、奪われた労働条件を奪い返す反合理化闘争を実現してきた。その基礎は、資本との闘いの日常的戦場である職場闘争、ストライキを頂点とする実力闘争だ。組合員の力を信頼し、そこに徹底的に依拠して闘う労働運動を貫いてきたのだ。
 ここにおいて動労千葉は総評労働運動、民同労働運動の破産を乗り越え突き破ってきた。こうしてうち固めた階級的団結を土台にして、首をかけて三里塚ジェット燃料貨車輸送阻止の労農連帯ストを闘い、闘う労働組合の全国ネットワークを呼びかけ、日韓米労働者の国境を越えた国際連帯を実現してきた。 
 この動労千葉の反合・運転保安闘争路線には、すさまじい資本攻勢が吹き荒れる時代にいかに状況を打開するのか、どうやって団結をつくっていくのか、いま労働組合に何が必要なのか、こうしたことが全部詰まっている。動労千葉は「労働者には社会を変え、革命をやる力がある」ということを現実の闘いで実証してきたのだ。
 JR資本がさらけ出している破綻的現実は、労働者階級の側から国鉄分割・民営化攻撃に歴史的決着をつけるべき時が来たことを告げている。
 動労千葉は、基地統廃合絶対反対の闘いの中でより団結を固め、組織拡大にうって出ようとしている。動労千葉と連帯し07春闘を闘おう。昨年の安全運転闘争時を上回る最大級の支援・防衛・連帯の闘いを繰り広げよう。

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週刊『前進』(2280号2面2)(2007/01/29 )

 市場化テスト-民営化阻止へ

 現場から絶対反対運動を

 強力な職場細胞をつくろう

 公務員200万人を首切り

 

自治労第133回中央委員会に際し、闘う自治労組合員・自治体労働者に訴える。市場化テスト―民営化攻撃に反撃しよう。市場化テストの導入は、今までの民間委託やPFI(私的資金活用)、指定管理者制度の限界を取り払い、政府・自治体の事務事業を全面的に民営化する攻撃だ。市場化テストの導入で正規の公務員が200万人削減され首を切られる。
 安倍・御手洗は、民営化・規制緩和、教育改革、公務員制度改革、道州制などで自治労・日教組を壊滅し、戦争と改憲へ突き進もうとしている。絶対に許せない。
 政府は市場化テストの目的を「公共サービスの質の向上と効率化(経費・人員の節減)」と説明する。労働強化、賃下げ、首切りということだ。「質の高い公共サービス」キャンペーンや労使協議は闘いの妨害だ。
 全国の自治労組合員は現場から反撃の闘いを巻き起こそう。各職場で当局の動向をつかみ、職場闘争を組織しよう。その中で強固な職場細胞を建設し、組合権力を握り、自治労を階級的労働運動へつくり変えよう。

 

 

 全事業民営化を狙う杉並区

 市場化テスト法は行革推進法とともに昨年5月に成立し、7月に施行された。政府省庁への市場化テスト導入は、二つの先行事業のほか、内閣府の官民競争入札等監理委員会が対象事業の選定作業として進めている。監理委は昨年末、30種の対象事業を決めた。その上で「不断の見直し」により公的事務事業を廃止し、民間に置き換えようとしている。
 自治体では首長の判断で市場化テスト導入が決まる。全国で対象事業の選定、官民競争入札などが始まっている。
 東京・杉並区の山田宏区長は、これまでの学校給食、保育園などの民託・民営化をふまえ、また団塊世代の大量退職、地方交付税の漸減などを理由に、市場化テストによる全面的な行政改革・民営化を強行しようとしている。
 杉並区は昨年、区の全事務事業869を市場化テストの対象事業として公表し(表)、民間事業者から提案を受け、審査・選定された事業者が事務事業を担う制度として「(仮称)杉並行政サービス民間事業化提案制度」を作ることを決め、杉並区市場化提案制度検討委員会を設けた。
 07年度に本格的な提案募集を行い、08年度から本格的に事業を実施する方針だ(図)。07年度はモデル的に事業を実施する。先行実施のモデル事業としての区政情報誌発行と南荻窪図書館運営業務委託には民間事業者が選ばれた。そのほかは自由提案型モデル事業と共同検討型モデル事業に分けられ、民間から提案を受け、検討委員会の中に設置する審査会が審査・選定し、07年度から民間が事業を実施する。モデル事業には44件の提案が株式会社やNPO法人から提出された。全国最先頭の大民営化攻撃だ。

 際限なく事務事業廃止

 市場化テストで何が問題になるのか。第一に公務員労働者の首切りだ。
 官民競争入札の結果、民間業者が落札し、事務事業を担うことになれば、当然にも政府・自治体のそれは廃止され、定数削減、職員は過員となり、配置転換、民間派遣、分限免職、解雇の対象となる。国家公務員法第78条、地方公務員法第28条がその法的根拠だ。
 臨時・非常勤職員は真っ先に解雇の対象となる。正規職員も例外ではない。正規・非正規の職員が団結して職場と労働条件を守るために立ち上がることが求められる。
 政府の「公共サービス改革基本方針」では、国家公務員が民間へ転籍し、再び官に戻る場合、退職金の通算規定が適用される特定退職制度が設けられている。これは「任命権者の要請に応じて」退職した国家公務員の場合に限られる。自らの希望で転籍した場合、公務職場に戻れず、特定退職制度は適用されない。地方公務員の場合も、民間への移行は解雇にあたり、特定退職制度はない。もちろん「特定退職制度や不利益補償があれば転籍、民営化もOK」などとは言えない。
 公務員を辞めて民間に転籍した後は、公務員並みの雇用保障はない。同一の民間事業者が落札し続ける保障はなく、入札で負けた民間業者の労働者は過員となる。落札しても事業に失敗して倒産したら、労働者は失業だ。また転籍した後の会社での処遇、異動までは法律に規定されていないので、どのような職場に回され、どのような労働条件で働くことになるか、分からない。
 第二に、職場の団結の破壊、組合破壊だ。
 当局は、行政組織に私的資本の経営管理手法(NPM行革)を導入し、労働者間に競争と分断を持ち込んでくる。競争原理を働かせて「公共サービスの質的向上」と「効率化」「コスト削減」を図れと圧力をかけてくる。住民を行政サービスの顧客と見たて、顧客のニーズを満たせと要求してくる。そしてコスト削減の「成果」を上げた職員を能力主義的・成果主義的に評価し、差別的に優遇し、競争をあおり、団結を破壊するのだ。横浜の中田宏市長がそのよい例だ。

 闘って雇用を守り団結強化

 市場化テストに対して自治労東京都本部は、@労使合意なしには実施させないA公共サービスのあり方を検討し、(官民の)ベストミックスで「新しい公共」を構築するB導入する場合は分限特例条例の整備、特別退職制度の新設、転籍に伴う不利益の補償、再任用の整備、セーフティネットの整備を求める――と言っている。
 @労使合意の強調は、市場化テスト導入絶対反対を掲げた大衆的職場闘争を展開しないということだ。A「質の高い公共サービス」キャンペーンや「ベストミックス」論は労使協働論、階級協調主義だ。体制打倒ぬきの「新しい公共」などナンセンスのきわみだ。B転籍後の労働条件の確保など敗北主義だ。
 国営・公営(政府・自治体)のもとにあろうと、民営・私営(資本)のもとにあろうと、「闘うことによってのみ雇用は守られる。組合の団結こそが勝利への道」だ。
 組合幹部の代行主義と労使協議路線は屈服と敗北、団結の自己解体しかもたらさない。職場闘争は資本・当局の階級支配による人間性蹂躙(じゅうりん)に対する労働者の自己解放闘争だ。職場闘争を大衆的に闘い、職場の団結を打ち固め、自治労本部派をぶっ飛ばすのだ。その力で支部・単組などの労働組合権力を握り、自治労の階級的確立をかちとろう。階級的労働運動づくりのかぎは職場細胞建設だ。マルクス主義で武装して闘おう。
 (小田保)

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週刊『前進』(2280号2面3)(2007/01/29 )

 “スト構え春闘に立つ”

 動労連帯高崎が旗びらき

 動労連帯高崎は1月24日、熊谷市内で第23回定期総会と07年団結旗びらきを開催した。
 動労連帯高崎は、国鉄分割・民営化を目前にした86年11月に結成され、動労総連合に合流した。それから20年を経た07年は、まさに決戦の年だ。その情勢を反映し、旗びらきは地元の労組や共闘団体など、例年になく多数の支援者が集まった。
 あいさつに立った和田山繁委員長は、国鉄分割・民営化攻撃のただ中で動労本部とたもとを分かち組合を結成した経緯を振り返った。そして、JR総連が分裂の危機にあることを指摘し、「1047名闘争が続いているのは、国鉄分割・民営化にまだ決着がついていないということだ」と述べ、「07年こそ、動労連帯高崎結成の原点を貫く時だ」と強調した。
 また、JRの大合理化により安全の崩壊が進んでいる事態を怒りを込めて弾劾した。動労連帯高崎の組合員が働く籠原(かごはら)運輸区でも、安全設備を改善せずに列車増発や列車編成の長大化、新型車両の導入が強行された結果、列車の切り離し・連結作業は大変、危険なものになっているという。
 こうした現実に対し、和田山委員長は「今年は3月ダイヤ改正に対しストライキを構えて闘う」と戦闘宣言を発した。
 元教育労働者で解雇撤回闘争を闘い、動労連帯高崎を長年支援してきた青柳晃玄さんが乾杯の音頭をとった。熊谷地区労や国労高崎地本熊谷支部、国労闘争団員、埼玉と群馬の労組交流センターなど共闘団体のあいさつが続いた。
 決意を述べた各組合員は、解雇を覚悟して組合を結成した当時を思い起こしつつ、仲間を裏切らず、原則を曲げずに闘ってきた20年にかけて、今春闘をストライキで闘う意思を明らかにした。
 こうして動労連帯高崎は07年の決戦を闘う態勢を打ち固めた。
(写真 和田山委員長の音頭で団結ガンバロー。07春闘への決意を固めた【1月24日 熊谷市内】)

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週刊『前進』(2280号2面4)(2007/01/29 )

資本攻勢&労働日誌 2007 1・1〜1・18

 “公務員改革が参院選の争点”

経団連が「御手洗ビジョン」発表 日本経団連は、今後10年間に目指す方向を述べた「希望の国、日本(御手洗ビジョン)」を発表。(1日)
自公でWE反対論 公明党の太田代表が、日本版ホワイトカラー・エグゼンプション(WE)に事実上反対を表明。自民党の丹羽総務会長も法案提出に慎重な考えを示した。(4日)
中川、「公務員改革を参院選争点に」発言 自民党の中川秀直幹事長は、「5月ごろまでに公務員制度改革大綱をまとめ、参院選で問いたい」と述べ、公務員制度改革を7月の参院選の争点の一つにする考えを明らかにした。(6日)
日本経団連、優先政策10項目発表 日本経団連は、政治献金を行う際の目安となる「優先政策事項」10項目を発表した。労働関係ではWE導入などを掲げている。さらに法人実効税率(現在約40%)の「30%を目標に引き下げ」を初めて明記したほか、道州制、教育改革、憲法改正などについて踏み込んでいる。(10日)
経団連・連合がトップ会談 日本経団連の「労使フォーラム」が開かれ、御手洗会長は、「賃金水準を一律に引き上げる余地はない」と述べた。一方、高木連合会長は、「経営側に(賃上げ)原資を出していただくよう要求する」とお願いに終始した。(11日)
自動車総連が中央委員会 自動車総連は中央委員会を開き、昨年以上に賃金のベアなども含めた賃金改善に取り組む姿勢を打ち出した。(11日)
大卒の就職内定率改善 今春卒業予定の大学生の就職内定率が前年同期比2.2ポイント増の79.6%に。厚労、文科両省のまとめで分かった。(12日)
安倍がWE国会提出断念発言 安倍首相はWE導入について「今の段階では理解を得られていない」と述べ、国会提出断念を明らかに。(16日)
電力総連、賃上げ要求6年ぶり 全国電力関連産業労働組合総連合(電力総連)は今春1人2000円以上の賃上げを要求する方針を固めた。賃上げ要求は01年以来6年ぶり。(16日)
JAMは2500円要求 JAMは中央委員会を開き、07春闘で「ベアなど賃金改善2500円以上を要求する」との方針を決めた。(17日)
経済財政諮問会議が新中期方針 経済財政諮問会議が、新中期方針「日本経済の進路と戦略」を決めた。(18日)=要旨別掲

 「日本経済の進路と戦略」の概要

・はじめに
 今後、我が国が目指すのは「美しい国」であり…「創造と成長」の実現。
・労働市場の抜本的改革
@労働契約に関するルールの明確化、時間に縛られないホワイトカラーの働き方など、関連制度の見直し。(労働契約法制とWEの導入)
A円滑な職探しや転職を容易にするための環境を整備する。職業紹介や人材育成・職業訓練の機能を強化する。
B正規・非正規間の賃金などにおける処遇の均衡を目指す。(均等ではないことに注意。差別の固定化である)
C専門的・技術的分野の外国人労働者の受入れ

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週刊『前進』(2280号2面5)(2007/01/29 )

 日程 国労5・27臨大闘争弾圧公判日程

 第70回 1月31日(水)/第71回 2月14日(水)
 第72回 3月6日(火)/第73回 3月28日(水)
 ※いずれも午後1時15分から、東京地裁

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週刊『前進』(2280号3面1)(2007/01/29 )

 日の丸・君が代強制拒否! 全国で不起立貫こう

 教基法決戦 勝負はこれからだ

 職場の団結と怒り基礎に森越打倒・日教組再生へ

 12月15日の教育基本法改悪案の成立、12月22日の施行を受けて、改悪教育基本法と全面激突する最初の決戦の時が来た。3〜4月卒業式・入学式における「日の丸・君が代」不起立闘争を、改悪教育基本法に真っ向から「ノー」をたたきつける組織的抵抗闘争として闘いぬこう。東京を先頭に全国で、30万日教組組合員の「日の丸・君が代」不起立闘争を巻き起こそう。

 労働者の戦争動員体制は全く未完成

 全世界の労働者をカネと軍事力で支配してきたアメリカ帝国主義の没落が激しく進み、帝国主義の死闘戦の時代、朝鮮侵略戦争が切迫している。この中で日本帝国主義は、国際帝国主義の中で最も弱い存在にたたき落とされている。安倍の戦争・改憲攻撃の凶暴性は、独自で侵略戦争を遂行できる国家体制をつくらなければ帝国主義として生き延びることもできない現実に締め上げられているがゆえのものだ。
 他方、日本経団連会長・御手洗は1月1日に発表した「御手洗ビジョン」で、労働者への全面攻撃を宣言した。とりわけ労働ビッグバンで労働者を工場法以前の時代にたたき込もうとしていることは重大だ。
 日帝の最大の弱点は、現場労働者を戦争に動員する体制がまったく確立できていないことにある。そのことはとりわけ教育現場においてははっきりしている。教育基本法改悪を押し通したといっても、いまだ教育労働者の「教え子を戦場に送るな」という熱い思いはまったくつぶされていない。教育労働者の抵抗を完全に封じて、日教組の存在そのものをたたきつぶすことなしに、戦争教育を貫徹することなど絶対にできないのである。
 元首相・森喜朗の「日教組、自治労を壊滅できるかどうかが次の参院選の争点」という言葉に象徴されるように、07年決戦の焦点は、依然として自治労や日教組など4大産別の労働組合の壊滅を許すのか否かにある。
 安倍政権は、確かに法律としては改悪教育基本法を成立させた。しかし昨秋の闘いは、最大の狙いであった教育労働者の抵抗闘争をたたきつぶすことには失敗したままの法改悪を強制した。
 いよいよ教育基本法改悪との闘いの第2ラウンドが始まる。意気高く07年の闘いに躍り出ようではないか。
(写真 衆院本会議の教基法改悪採決強行に対し被処分者先頭に怒りの講義【2006年11月16日 国会前】)

 本部の屈服こえて闘われた国会闘争

 03年3月の中教審答申から3年半あまり、とりわけ昨秋臨時国会における教育基本法改悪阻止闘争は、教育労働運動においてまったく新たな段階を開いた。一言で言えば、日教組本部の制動を突き破って、帝国主義と対決する教育労働者の荒々しい闘いが始まったということである。
 教基法改悪阻止闘争は、日教組本部がつくり出したものではない。日教組本部は、まったく逆に闘いに制動をかけた。春の改悪案提出に際しては、政府案以上に愛国主義を押し出した民主党の「日本国教育基本法法案」に承認を与えた。
 秋の臨時国会の衆院段階では数十人規模の座り込みを行ったが、その行動が日々戦闘化することに最も震え上がったのは日教組本部だった。国会行動を行うとガス抜きのつもりであっても組合員は本気で闘ってしまう――この現実に震え上がった日教組本部は、以後一切の行動を放棄した。
 10月26日に発した「非常事態宣言」も行動方針はゼロで、参院段階では座り込みを行わないことを決定。さらに森越は11月25日の「朝まで生テレビ」では、「つくる会」元会長の八木らに座り込みを弾劾され、「すみません。先週で(座り込みは)やめました」「あれはうちの人たちではありません」と謝罪するところにまで行き着いた。
 このような中で日教組本部の裏切りを突き破って改悪阻止闘争をつくり出してきたのは、何よりも11月労働者集会に結集する教育労働者を始め、階級的労働運動をつくり出そうと奮闘する勢力だった。その中心に、「闘う日教組の再生」へ向けて闘う教育労働者の存在があった。4900人が結集した11・5労働者集会こそ、教基法改悪を打ち砕く最大の力だった。
 また、東京の「日の丸・君が代」被処分者の闘いは決定的だった。03年「10・23通達」以来3年間、職場で「戦争協力拒否」を貫いた不起立闘争は、教基法改悪反対運動をつくり出す大きな力となった。北海道から沖縄まで全国各地で数十万人の改悪反対闘争をつくり出してきた。
 国会闘争においては、東京の被処分者が呼びかけて10月17日にスタートした「リレーハンスト&座り込み行動」が国会前に闘いの拠点を築いた。連日、ハンスト団を中心に各地の教育労働者が駆けつけ、日教組本部の屈服を突き破って闘う新たな教育労働者集団を登場させたのだ。その闘いが、終盤には連日数千人の労働者・市民が国会前に駆けつけるという情勢をつくり出した。
 教基法改悪阻止闘争の高揚をとおしてはっきりしたのは、日教組本部の組合員支配を突き破らなければ、教育労働者はもはや一歩も前進できないということだ。「闘う日教組を再生しなければ、私たち教育労働者は生きていけない!」――この課題を鮮明に突き出したこと、こうした自覚を強烈に持った教育労働者集団を大量に生みだしたことこそ、教基法闘争が切り開いた地平なのだ。

 不起立闘争拡大し「一片の紙切れ」に

 「国鉄分割・民営化の教訓を忘れるな」。教基法改悪が強行された今、教育労働者に問われているのはまさにこのことである。動労千葉は分割・民営化に反対して2波のストライキで闘いぬき、分割・民営化後も「分割・民営化反対闘争」を継続・発展させてきた。JR体制と全面激突して職場・生産点から闘いながら、国鉄1047名の解雇撤回闘争を闘いぬいてきた。分割・民営化から実に20年たつ今も動労千葉絶滅攻撃をうち破り、階級的労働運動を築く中心に座って大きな前進をかちとっている。
 動労千葉の闘いに続き、「教育基本法改悪反対闘争」を断固として継続・発展させよう。日教組の中に階級的労働運動の潮流を大きく築き、その力で改悪教基法体制を食い破り、日教組絶滅攻撃をうち破ろう。
 そのための最大の焦点が、今春「日の丸・君が代」闘争である。
 改悪教基法とは、政府・文科省が学校現場を完全に制圧し、教育労働者が戦争教育を担う帝国主義の先兵にならない限り貫徹できないものだ。職場抵抗闘争こそ、教育労働者の戦争協力拒否闘争の先端攻防である。
 日教組30万組合員が「戦争教育を絶対拒否する」組織的抵抗闘争に立ち上がり、改悪教基法を「一片の紙切れ」にしてみせようではないか。
 東京では「10・23通達」から4年めの卒・入学式を迎える。東京ではこの3年間、345人の戒告、減給、そして停職処分まで出されながらも屈せず闘い続け、ついには「クビをかけて闘う」という労働者を生み出した。その闘いが、昨年9月21日の予防訴訟の完全勝利判決をかちとった。
 東京の教育労働者を先頭に、過去3年間を上回る職務命令拒否闘争をつくり出そう。
 改悪教基法下での「日の丸・君が代」不起立闘争は、既成の日教組指導部との対決なしには成立しない。「改悪教基法に歯向かわない」と誓約した日教組本部の制動・妨害との激突をとおして、初めて不起立闘争の前進・発展は実現されるのだ。

 通常国会闘争へ攻め上ろう

 あらゆる職場で既成の日教組指導部との分岐、思想的・路線的決別を意識的につくり出し、不起立闘争を巻き起こそう。その力で、分会・支部・単組で闘う日教組の再生の闘いを進めよう。組合を組合員の手に奪い返し、闘う日教組を再生しよう。
 安倍政権は通常国会に改悪教基法を具体化するための33の関連法改悪案を提出しようとしている。中でも教員免許更新制が最大の焦点だ。教員免許更新制は、「3年間は条件付き採用、その後は5年ごとに免許更新」とすることで、教育労働者を実質上は非正規雇用として、国家の教育政策に従わない者は即刻クビに追い込むものである。
 今春「日の丸・君が代」不起立闘争で、闘う日教組の再生へ全国の教育労働者の総反乱を巻き起こし、教基法関連法案阻止の国会闘争に攻め上ろう。

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週刊『前進』(2280号3面2)(2007/01/29 )

 都教委包囲・首都圏ネットが2・3に総決起集会

 2月3日(土)午後6時、東京・水道橋の日本教育会館一ツ橋ホールで「日の丸・君が代」強制攻撃と闘う「07・2・3総決起集会」が開かれる。主催は「石原・中村都教委の暴走をとめよう!都教委包囲・首都圏ネット」。昨年国会前での教基法改悪阻止闘争を引き継ぎ、3〜4月卒入学式での不起立へ向け、闘う教育労働者、被処分者、被解雇者が発言を予定している。こぞって参加しよう。

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週刊『前進』(2280号3面3)(2007/01/29 )

 「労働契約法」を粉砕しよう

 残業代ゼロと過労死の促進 WEに労働者の総反乱を

 厚労省が改悪法案要綱諮問

 1月25日の通常国会開会日、厚生労働省は労働政策審議会の労働条件分科会に、昨年12月27日の答申に基づいて労働契約法案と労働基準法改悪案の法案要綱を諮問した。
 その内容は、労働者階級の怒りの反撃の中で安倍首相自らいったん見送りを表明した「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」(以下WE)を「自己管理型労働制」と名前だけを変えて導入を図るとともに、団結権否定の労働契約法制からなっている。法案の国会提出を絶対に許すな。
 今通常国会は、国民投票法案などとともに、戦後労働法体系の解体を狙う反動諸法案が一斉に国会に提出され、まさに「労働法国会」(柳沢厚労相)となった。
 WEへの労働者階級の怒りの爆発はすでに始まっている。労働法制解体攻撃に対する全労働者階級の怒りの総反撃を組織しよう。それは改憲と戦争国家化攻撃反対の闘いをよりスケール大きく爆発させる道になる。
 国会には、に見るように五つの法案が「パッケージ」として提出されようとしている。

 戦後労働法制解体の大攻撃

 (1)労働契約法の創設そのものが大攻撃である。
 なぜ今回、「60年に一度の大改革」と言われるのか。それは、労働契約法制という戦後の労働法体系を転覆するまったく異質な法律体系を創設しようとする点にある。
 戦後労働法制は、戦後憲法に先立って45年に制定された労働組合法を出発点にしている。日本では、この法律によって初めて団結権が法的に認められることになった。
 47年制定の労働基準法は、36協定などを見れば明らかなように、労働組合の存在と一体的なものだ。労基法も単なる労働者保護法ではないのだ。
 ところが、労働契約法制とは、“労組の組織率が低下している中で、個別の労働者が資本と結ぶ労働契約を規定する法律が整備されていないことが労使紛争の原因”などという口実で、従来の労働法制とは別に、民法の特別法として労働契約法を作ろうとするものだ。
 だが、労働契約法を「解雇制限法」にできるのではないかと夢想し、「役に立つ労働契約法」を要求する動きがある。しかし労基法から離れた「解雇制限」などあり得ない。本質的には「解雇自由」になるのだ。同時に解雇を許さないのは現場の闘いが基軸である。闘わないで法律に頼る弱さを敵は突いてきているのだ。
 現に25日に出された法案要綱には、就業規則の役割を強化する項目が入っている。賃金制度や勤務時間などの労働条件を資本が労働者にとって不利益な形に変更しようとする時、資本が一方的に変更できる就業規則の変更ですむとしている。このように労働契約法は労働組合の存在を無視したものなのだ。
 (2)労働基準法の改悪については、まったく許しがたい。日本版WEの導入は8時間労働制の解体を核心とする「残業代ゼロ法」であり、「過労死促進法」である。さらに中小企業での企画型裁量労働制の要件緩和や、現在の労基法でも8時間労働制の適用除外になっている管理監督者の範囲拡大など、WE導入とセットで8時間労働制を徹底解体しようとしている。
 (3)パートタイム労働法は、パートの均等待遇をめざすとしてWEの交換条件のように言われているが、まったくのペテンだ。パート労働者を三つに分類し、1%にも満たない「通常労働者と同視すべきパート労働者」の均等待遇を要求するのみである。これでは、非正規雇用を固定化し、正規雇用の労働条件を切り崩すものになる。
 (4)雇用保険法も、国庫負担の半減を打ち出しており、失業問題への国家の責任を放棄しようとするものである。

 安倍・御手洗路線粉砕を!

 

このような戦後史を画する大反動攻撃がなぜ今かけられているのか。その背後に日帝のすさまじい危機がある。
 1月1日に発表された「御手洗ビジョン」は、「グローバル化」、とりわけ中国を始めとしたBRICs諸国の巨大な新興市場が資本主義世界に組み込まれ、帝国主義間争闘戦が一層激化している中で、敗戦帝国主義・日帝の必死の延命策であり、まさに安倍・御手洗路線と呼ぶべきものだ。
 それは、改憲と戦争国家化を軸にアジアでの勢力圏形成を追求すると同時に、「労働ビッグバン」、すなわち労組破壊を軸に、労働者階級が戦後革命期以来、あるいはロシア革命とニューディール以来獲得してきた諸権利を一挙に奪い取り、非正規雇用化し、生理的最低賃金にまで賃下げして争闘戦に勝ちぬこうというものだ。労働者階級を工場法以前の状況にたたき込むものだ。
 このような攻撃を貫徹するためにも、団結権を保障した戦後労働法制の全面解体が問題になっているのだ。だがこれは必ず労働者階級の怒りの総反撃を呼び起こす。WEをめぐる支配階級の分裂と動揺は革命の現実性を明々と示している。
 戦争か革命かが真正面から問題になる時代が来ている。労働者階級が「国境を越えた団結」を形成し、世界革命によって帝国主義・資本主義を打倒する時代が来た。労働法制解体攻撃との闘いをその跳躍点としよう。
 (湯村宏則)
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 国会提出が狙われている労働法制改悪案

@労働契約法制
・就業規則の役割を強化
 就業規則の変更で労働契約の変更が可能になる
・労働基準監督官による監督指導は行わない
・労基法の条文の一部を労働契約法に移行する
A労働基準法改悪案
・「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」導入
・残業代の割増賃金率の引き上げ
・企画業務型裁量労働制の要件を緩和
・管理監督者の範囲の拡大
Bパート労働法改悪案
・「通常の労働者と同視すべき短時間労働者」
 差別的取り扱い禁止(1%以下しかいない)
・「職務同一短時間労働者」
 賃金について正社員と同一にする努力義務
・その他のパート労働者
 賃金について「均衡」の努力義務(同一ではない)
C雇用保険法改悪案
・保険料を賃金の1.6%から1.2%に引き下げ
・国庫負担を半減
D最低賃金法改定案
・都道府県地域別最賃決定時に生活保護支給額に配慮

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週刊『前進』(2280号3面4)(2007/01/29 )

焦点 地方自治の解体と戦争国家化

「道州制」導入との対決を

 日本経団連・御手洗会長は1月1日の「希望の国、日本」で奥田ビジョン(03年1月1日)を引き継いで道州制の導入を提起した。
 道州制は地方自治と自治労を解体し、侵略戦争とアジア勢力圏化のための戦争国家を造る攻撃だ。
 小泉・奥田は「官から民へ」「国から地方へ」をスローガンに戦争・改憲、地方分権改革、民営化・労組破壊の攻撃を進めた。そのもとで06年初めに政府の地方制度調査会が道州制導入を求める答申を出した。その骨子は「全国9―13の道州と300の基礎自治体」だ。06年までの大合併で市町村は約1800に減った。
 これを受けて出された御手洗ビジョンは、労働ビッグバン―大資本攻勢で労働組合運動を圧殺し、改憲と戦争、国際競争力の強化で帝国主義間争闘戦に勝ちぬこうとする日帝ブルジョアジーの総路線である。この中に国際競争力をもつ広域経済圏として道州制の導入が位置づけられている。
 御手洗ビジョンは、10年後の地方体制=道州制を「自立的な市町村と道州への再編成」として描いている。市町村は900程度に統合され、都道府県も10程度の道州(人口1千万人程度)に再編される。国から道州へ、都道府県から市町村への権限移譲が大幅に進められる。市町村は住民に身近な行政を行う。道州は広域的な行政課題として、@国公立大学、研究機関などの再編、企業との連携A複数の観光資源を組み合わせた観光振興B社会資本の整備・維持・更新Cリサイクルなど広域的循環型社会の構築――を受け持つ。
 御手洗も奥田と同様、EUと重ね合わせて、国際競争力をもつ道州が直接アジア諸国と連携し、その上に日本の中央政府が立つ東アジア共同体をイメージしている。
 もともと道州制は戦前、海外植民地をもつ日帝が侵略戦争遂行の機動性を確保するための国家体制として構想された。内政を道州に任せ、国は防衛と外交、治安を担う。この国が「大東亜共栄圏」の中央政府となることを夢想した。
 戦後の道州制諸案、地方制度調査会答申、御手洗ビジョンには以下の4点が共通する。@権限も規模も巨大化した地方政府=道州をつくり、内政の諸課題をそこに移行し、国の役割を防衛・外交・出入国管理・通貨などの国家的存続にかかわる重要事項に特化する。それによって戦争遂行のための国家の機動性を確保する。A広域行政需要を理由に省庁が設けている地方事務所を道州に移行させ、重複事務を整理し、新たな中央集権国家に移行する。B各省庁が縦割りで自治体関係部局を統制するシステムを道州に統合する。C市町村合併による基礎的自治体の規模を府県による補完を必要としないくらいの大きさにする。ABCで地方公務員を大幅に削減する。
 御手洗と安倍は、道州制の導入と改憲で地方自治制度を解体し、民営化と公務員制度改革、道州制で公務員200万人の首を切り、自治労・日教組―4大産別労働運動を解体した上に、資本の意思を直接実行する大統領的な首相が独裁権力をふるう戦争国家を出現させようとしている。安倍・御手洗路線と対決しよう。

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週刊『前進』(2280号3面5)(2007/01/29 )

焦点 米帝ブッシュがソマリア空爆

 ムスリム勢力の壊滅狙い

 アフリカのソマリア南部で1月8日、隣国ジブチの米軍基地から発進した米空軍特殊部隊のAC130攻撃機が空爆を行った。狙いは「イスラム法廷会議」壊滅だ。米国防総省は、98年にケニアとタンザニアの米大使館爆破に関与したアルカイダ幹部を標的にしたと説明している。
 空爆で住民に多数の死傷者が出た。米軍は7、9日にも攻撃。住民の証言では最大27人が死亡した。さらに10日、ケニア国境沿いのアルカイダの訓練拠点とされる4カ所を攻撃した。これまで60人以上が死亡したとも言われる。
 イラク戦争の泥沼化、イスラエルのレバノン侵攻の敗北、米国内階級支配の危機、南米で拡大する反米政権……。「世界帝国」の地位が瓦解(がかい)しかねない情勢の中で、ブッシュ政権は「対テロ戦争」と称して全世界へ侵略戦争の拡大を狙っている。
 ソマリアは「アフリカの角」と呼ばれ、アフリカ大陸の東北端に位置する。ジブチ、エチオピア、ケニアと国境を接する。海をはさんで北側にはアラビア半島があり、古くからアラブ商人の貿易ルートになってきた。人口は約830万人。ソマリ族が大半。98%がスンニ派だ。1960年に英伊の分割統治から独立した。
 80年代初頭から反政府武装闘争が激化し、91年にバーレ政権が崩壊、内戦が続いた。内戦中の88年にソマリア沖で巨大石油・ガス田が発見された。米軍は92年、国連の平和執行部隊として内戦に介入するが、翌年には逆に地元武装勢力に包囲され、米兵18人が殺された。市民に遺体を引きずり回され、そのシーンが世界中で放映される事態になった。クリントン政権は撤退を決定した。
 泥沼の内戦の中で91年に結成されたイスラム法廷会議は、武装闘争に加えて、病院や学校への支援を行い、内戦で荒廃した治安を回復する集団として急速に支持を拡大、昨年6月に首都を制圧した。
 法廷会議の首都制圧に危機感を抱いた隣国のエチオピアは昨年12月、ソマリアに軍事侵攻した。エチオピアは、法廷会議の死傷者の中にアラブ人がいたとして、隣国への軍事侵攻ではなく、「テロとの戦い」だと正当化している。
 米帝は、法廷会議をアルカイダの関連組織と決めつけ、エチオピアによる侵攻を一貫して支持してきた。エチオピア軍の侵攻作戦には米軍の特殊部隊がアドバイザーとして参加している。空母アイゼンハワーもソマリア沖へ展開。1月9日にペルシャ湾で日本タンカーと接触事故を起こした原子力潜水艦も、ソマリアへ移動中だったと言われる。こうした中でついに米軍は、エチオピア地上軍と連携し、自ら空爆作戦を展開したのだ。
 首都を奪回した暫定政府は、戒厳令を発令し、全土支配を目指して掃討作戦を続けている。だが治安は悪化し、ゲリラ戦を公言する法廷会議との内戦激化は必至だ。アフガニスタン、イラクと同様、ソマリアに侵略戦争と泥沼の内戦をもたらす帝国主義にこそ一切の問題がある。

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週刊『前進』(2280号4面1)(2007/01/29 )

 07年の階級的・組織的課題は何か

 階級的労働運動路線を鮮明に体制内労働運動からの決別へ

 革共同中央労働者組織委員会 大原武史

 はじめに

 私たちは第22回拡大全国委員会総会において、06年の「党の革命」の本質的地平を明らかにするために、「党は階級そのものである」「党の敗北は階級の敗北であり、階級の敗北は党の敗北である」と宣言しました。
 06年11・5労働者集会は、この「党の革命」から22全総の地平の上に切り開かれたきわめて重大で歴史的で階級的な勝利です。11・5集会は日本革命−世界革命勝利への現実的道筋を開示しました。これは、党と日本労働者階級の最高の歴史的到達点です。11・5集会実行委員会発行の『11・5集会報告集』と動労千葉から出された『訪韓・訪米報告』、さらに『前進』新年号の地平の上に立って、核心的に問題を明らかにしたいと思います。
 11・5集会が1万人に届かず4900人の結集にとどまったことへの厳しい総括は、労働者階級大衆自身の怒り、その意識の急激な変化に対する党自身の立ち遅れを明確にさせることに核心があります。党が労働者自己解放−プロレタリア革命の最後の桎梏(しっこく)と化して粉砕されるのか、それとも階級そのものの党として革命を勝利に導くのかの歴史的分岐をかけた決戦に突入しているということです。これが「党の革命」の全党的貫徹の核心問題です。
 革命的情勢の到来に対する「党の立ち遅れ」は、直接的には11月集会をめぐる路線的不一致として、またこれと表裏一体で教育基本法決戦の総括における不一致として典型的に現れています。根本的には、マルクス主義思想の原理とプロレタリア革命路線における後退と不一致があるということです。
 しかし、この不一致は頭から否定されることではありません。11月集会と教育基本法改悪阻止闘争という、階級の決起と組織化の組織的実践をめぐって起きたことであり、前進の中で不一致が明確になったことそれ自身が決定的に重要なのです。「党の革命」以前は、労働者階級の本格的な獲得や組織化と別のところで一般的一致が確認され、核心的な路線的不一致が隠されてきました。党が階級の党として真に一致し、強力に団結する過程が始まったということです。
 第22回拡大全国委員会総会それ自身が、かつてない一致と団結に基づく圧倒的な高揚感に満ちてかちとられました。その第3報告で明らかにされたことですが、カクマルの逃亡・分裂を生み出した第3回全国委員会総会が、第3回大会を経て70年闘争に至る日本階級闘争の根底的爆発を生み出したように、プロレタリア革命に向けた党の退路を断った団結の形成とその解放性こそが、改憲決戦をめぐる日本階級闘争の激動の最深の震源地となるのです。深く、固く、解放性に満ちあふれた党的団結を形成するために強固な一致をかちとりましょう。
(写真 動労千葉など闘う3労組が呼びかけ、4900人の参加でかちとられた06年11・5全国労働者集会【東京・日比谷野外音楽堂】)

 日本革命―世界革命への道筋を開示した11月集会

 帝国主義の根底的危機を背景とする教基法・改憲決戦は、体制内政党と労働運動の総破産と総翼賛化のもとで、既成指導部のくびきからの労働者階級の急速な離反と覚醒(かくせい)をもたらしています。この中で動労千葉、全日建運輸連帯関西生コン支部、全国金属機械港合同の3労組が11月集会を06年の階級闘争の大地で呼びかけ、成功させたことの階級的地平、到達点について、まずはっきりとさせる必要があります。
 05年末の全金本山労組の34年間にわたる闘争の歴史的勝利の地平も含め、「労働者階級は体制内労働運動を突破したとき初めて、自らの団結を守り、勝利を準備できる」ということを歴史的に実証してきた労働組合が呼びかけていることが決定的なのです。まさに、日本労働者階級の課題と勝利の方向性と路線が、階級自身の到達点としてここに実証的に開示されているのです。教基法決戦の高揚の決定的重要性は、教育労働者の階級的課題もまた、体制内労働運動の支配を突き破らずには、もはや一歩も前進できないことを突き出したことにあります。これを徹底的に明確にし、階級自身の決戦的課題に転化していくことこそ、党の核心的任務であり、改憲決戦を構築することの核心です。さらに、日韓米の闘う労働組合の3カ国連帯は、体制内労働運動の突破という課題が国際階級闘争においても共通の死活的課題であることを鮮明にしました。だからこそ、韓米の闘う労組は、動労千葉と11月集会に彼ら自身の展望を見いだし、必死で学び最大限の位置づけをしているのです。それゆえ党の存在とその思想、路線が注目されているのです。11月集会は紛れもなく新たなインターナショナルの震源地になっています。
 まず、このことを徹底的にはっきりさせる必要があります。党の半世紀にわたる試練と苦闘が、動労千葉を水路にして、ついにこの歴史的で決定的な地平を切り開いたということです。私たちは、血と汗と涙の苦闘の上に日本革命−世界革命に向けた明確な水路と展望をついに切り開いたのです。

 破綻した体制内労働運動の根底的な突破をかけて

 かつて60年代後半から70年代にかけて、学生・青年労働者は、革共同として体制内労働運動の根底的突破、日本階級闘争の戦闘的転換をかけ、退路を断った実力闘争に立ち上がりました。その衝撃は、日本帝国主義を根底から揺さぶり、日本労働運動の右旋回を阻止する原動力になりました。党としての核心課題は、体制内労働運動の限界の突破であり、これを突き破る戦闘的革命的活動家集団の形成にあったのです。そして、70年代においては依然として岩盤の厚かった体制内労働運動が、今や帝国主義体制の根本的危機への突入とともに総破綻(はたん)、総崩壊の状況に突入しているのです。
 他方、私たちは戦後労働運動の核心的勝利者としての動労千葉を軸とした11月集会陣形を擁して、この情勢に臨んでいます。したがって、私たちの現在の階級的任務は、体制内労働運動の崩壊に落胆することでも、最後の幻想を組織することでもありません。労働者階級の自己解放に基づく階級的団結と闘争の力に依拠した党派闘争に断固として立ち上がり、労働者階級自身の組合権力・拠点を強力に樹立していくことにこそあるのです。それ以外に階級は勝利できないということです。
 「党は階級そのものである」という時、こうした階級の死活的課題を党の正面課題として真っ向から据えきらなければなりません。

 不屈に闘う民主労総の実践から学ぼう

 したがって、教育基本法闘争の総括の核心、改憲阻止闘争に向けた階級的核心課題は、体制内労働運動からの決別を根底から組織することであり、4大産別決戦総体の核心もここにあります。党の意識性は、ここに明確に置かれなければなりません。
 また、民間未組織労働者の組織化でも、階級的自己解放と革命に向けた思想的路線的位置づけがなければ、勝利に向けた方針を提起することはできません。プロレタリア革命と労働者階級の分断は、まずもって党の側の思想と路線の問題であることをはっきりさせなければなりません。そうでなければ、革命党の名において労働者階級を体制内に組み敷き、体制を支える最後の役割を担ってしまうことになるのです。
 私たちが今、実践的精神的に範とすべきは民主労総の組織過程です。民主労総に徹底的に学び、組織化に突入せよ!ということです。仲間づくり−数人のグループ化から階級的共同性を形成し、「組合のないところに組合をつくり」「組合のあるところでは既成体制内指導部から組合権力を奪還」し、それを点から線に、線から面へと闘う労組・労働者を軸に地域的・全国的な階級的団結の形成へと結びつけ、反戦政治闘争=体制打倒の主体に階級を組織していくことです。争議がつぶされ解雇されても、なんら終わりではありません。彼らはここからさらに不屈で強靱(きょうじん)な活動家、組織者を生み出しています。民主労総の闘いはこうした教訓に満ちています。
 これを真っ向から学び尽くし、日本階級闘争の大地に生かせるのは、私たちをおいてありません。なぜなら、彼ら自身が明確に、私たちの70年闘争の影響を受けて立ち上がってきたからです。まさに韓国階級闘争と日本階級闘争は一体であり、相互発展的関係にあり、党が解体されなかったことによって歴史的に、そして決定的に結合したということなのです。
 階級を革命と隔絶する体制内労働運動は、解雇されたら基本的に終わりであり、収束させるべきものでしかありませんでした。国労の敗北は、国家体制の転換をかけた攻撃としての国鉄分割・民営化と闘えなかっただけでなく、それゆえにまた1047人の被解雇者を日本階級闘争の戦闘的転換に向けた決定的存在として位置づけられなかったことにもあるのです。国家体制を前提とし協調しようとする彼らに、そのような発想はまったくできません。
 他方、動労千葉は、被解雇者を先頭とする組合員を物販闘争を水路とした全国オルグと位置づけてきました。この全国物販オルグが、階級の全国的組織化に生かされなかったのは、そのように位置づけてこれなかった党の側の問題として、明確に総括されなければなりません。すなわち私党化による不一致によって、動労千葉の物販闘争は全国労働運動の組織化のための決定的武器として位置づけられてこなかったのです。この点でも根本的、意識的な転換を図らなければなりません。
 ここで再確認すべきは、民主労総が実践してきたことは、実は3全総から70年に攻め上った党そのものの実践から学ぼうとしてきたということです。この時代に党が実現した労働者階級の組織化の広さと深さは圧倒的でした。こうして組織した労働者階級を学生に続き安保闘争の主力部隊として突入させたのは、まさに体制内労働運動としての社会党・民同などと決別した強靱な階級の組織者−革命家の強大な部隊を築き上げるためでした。この時代に決起した同志たちには、この継承性が自明のこととして流れています。
 しかし、80年代、90年代と内戦下で時を経るにしたがって、この継承性が薄れてきたことを明確に自覚しなければなりません。それは、この時代から階級性に満ちあふれた党の決定的指導部が生まれてきていないことにも端的に現れています。07年決戦は、階級の党として決定的な指導部を形成していく決戦であることも明確にしなければなりません。こうした意味で、60年、70年を闘った歴戦の古参ボリシェビキ党員の役割と責任は重大です。内戦の最終決着としての日本階級闘争の巨大な爆発をかけてもうひと踏ん張りしてほしいということです。
 また、11月集会の地平を実現した3労組は、体制内労働運動を突き破る核心的陣形です。07年冒頭からこの陣形を全国的に決定的に発展させていくことが重要です。

 階級の急速な意識の転換に党は全力で対応しよう

 11月集会が4900人にとどまったことの総括は、「党の革命」の全面的貫徹を土台に07年初頭の闘いに直ちに貫徹されなければなりません。階級の状態と意識は急速に転換しています。私たちが旧態然とした意識や構えでいては、お話しになりません。党の立ち遅れは、階級大衆に失望され、見捨てられてしまうことを意味します。今や「自民党支持者」であった労働者でさえ「暴動」や「革命」を求め始めています。従前の枠からイメージした春闘などではなく、この07年に昨年の米、仏のような闘いを実現していくことを党として目標にするということです。すでに06年、障害者自立支援法をめぐって「生存権」をかけた実力決起が起き、体制を揺り動かしています。巨大な階級的大衆的行動を巻き起こす以外に、情勢は切り開かれません。
 そのためにはまず、党自身・党員自身が既成の思想、支配から根底的に決別し、階級大衆の自己解放的決起を組織しなければなりません。労働者自己解放の原理を貫徹し、階級の闘い−行動を軸に全人民的決起を組織していくことです。全国各地方・地区で数百数千の大衆的決起を07年初頭から実現しましょう。通常国会に出される法案そのものが、階級大衆の根底的決起と激突の組織化を求めています。その最先頭に立つことこそ共産主義者の任務です。歴史的蓄積の一切をかけて、ひとりの例外もなく階級大衆の行動を組織し、党への獲得へと突き進もうではありませんか。

 「党の革命」を徹底推進し真に階級的な労働者党へ

 「党の革命」は、党の核心思想と路線をめぐる闘争であり、プロレタリア革命からの後退とブルジョア思想への核心的屈服との闘いです。与田ら腐敗した私党化グループは、プロレタリア革命からの後退という核心をごまかすために、あたかも「指導部間の権力闘争」であるかのように事態を描こうとしてきました。この考え方の毒は、党員が党の主体ではないということと、その裏返しとして党員個々にプロレタリア革命を目指す革命家であることを問わないこと、つまり党をあいまい化することにあります。実際に、彼らのつくり上げてきた組織が党ならざる私党として、国家権力と闘えない組織に転落していたことは実証されています。ここを明確にすることが最も大切です。
 「党の革命」は、党員こそが党の主体であること、それゆえ全党員に真にプロレタリア革命を目指す革命家であるのか否かを峻厳(しゅんげん)に突きつけているのです。この核心を抜かした批判は、批判たりえません。
 したがって、私党化グループの思想的同一性と根本的問題性を明確にしなければなりません。「党の革命」に賛成したからと言って自由ではないのです。基本的には「指導部」等の党的地位を自分の人間的存在に置き換えて、それを絶対化し守ろうとしていることです。資本主義を根底から批判したマルクス主義で言うと「物象化」ということです。自分の人間的存在が「指導部」だとか「議員」だとかに置き換わっているのです。また、このような人びとに付き従っている人びとも、その「指導部」自体を物象化し、偶像化して自分の存在に置き換え、従前のあり方を守ろうとしているのです。要するに、党を生きた階級から切断し、私物化しているということです。
 それと表裏の関係で、彼らには物象化された「党」や「中央」はあっても、党の実体である党内の人間的関係−同志的関係がないということです。同志との関係において自分があるという考え方など、みじんも感じられないということです。したがって現象的には「同志が不在である」こと、これが彼らの第一の特徴です。
 反革命カクマルへの反撃を開始した1971年からのフェーズTであれ、この内戦の発展的決着をかけた1981年からのフェーズUであれ、党の歴史と勝利は同志たちが人生をかけ命をかけて切り開いてきたものです。私たちは、この同志たちとともにあるから党なのです。しかし、彼らには「党中央」と「犠牲者」としての自分はあるが、同志たちはありません。
 党には、さまざまな部署で革命のために人生をかけ、命をかけて闘っている素晴らしい同志がいます。任務が違っても党としてプロレタリア革命に向けて全身全霊をかけてきたという点では一体なのです。
 私党化グループの思想と路線は、この核心的一体性・共同性を解体し、内戦によって強制された分断を固定化することによって党を支配し、党を階級から召還し、党を核心において解体に導こうとしてきたのです。同志の存在なき内戦の総括はありえません。

 誰もが一党員として闘うことが原点だ

 そして第二に、一党員として、一労働者として闘うことがどうして拒絶されることなのか、まったく理解できません。労働者階級に対しては「失うものは鉄鎖のみ」などと言いながら、自らは「指導部」や「議員」であることに異様なまでに執着しているのは何なのか。そもそも、かつての党の議員はどうだったでしょうか。議員の特権を拒否し、一党員としての任務を当然のように貫徹していました。これが党の議員の階級的権威だったのです。恐るべき後退ではないでしょうか。
 私は「一党員」として闘い抜いてきたことを誇りに思っていますし、すべての党員が、本質的に一党員であることに変わりはないのです。
 自らの議員に対する執着を「区民のため」と称して再出馬する動向にあると聞きます。労働者大衆をどこに引き連れていこうとしているのでしょうか。階級大衆を蹂躙(じゅうりん)する根源の帝国主義を打倒する自己解放的革命に組織すること、そして直接的にも「行動」「暴動」が階級大衆の要求になりつつある時、大衆の生存権の危機に付け入り、山田−石原−安倍との激突ではなく、最後の屈服を組織しているのです。「犯罪被害者支援条例」「民営化」への屈服とはそういうことです。革命党の名を語って、決起ではなく屈服を組織してきたということです。これを階級的にはっきりさせなければなりません。階級大衆の自己解放的決起の先頭に立って闘うのではなく、「議員」という地位を守るために階級大衆を体制に売り渡してきたということがその階級的本質です。
 「党の革命」とは、真に階級の党としての自己確立を成し遂げるということであり、それゆえに最も大衆的な党になるということです。労働者階級大衆を選挙闘争の手段として利用するという本質的に外在的なあり方から、自己解放の主体、革命の主体として徹底して位置づけるということです。党は、労働者階級大衆の中にこそ打ち立てられなければならないのです。

 全党員がオルグとなって地区党建設に全力投入を

 3全総は、プロレタリア独裁党の本格的建設の具体的方針である地区党建設をめぐって、カクマルと分裂しました。彼らはレーニン主義を核心的に解体し、帝国主義革命論を否定し、労働者階級をプロレタリア革命から遠ざけるために産別党組織建設に逃げ込んだのです。地区党建設は、マルクス主義の核心を貫き、帝国主義国においてプロレタリア革命を準備するものであり、プロレタリア独裁の今日的場所的貫徹という意識性をもって推進されなければなりません。労働者階級の猛然たる獲得・組織化を軸に、プロレタリア革命に全人民を獲得していく水路こそが地区党です。こうした地区党建設論について、あらためてはっきりさせなければなりません。
 地区党の第一の任務は、労働者細胞建設の強力な推進にあります。あらゆる闘い、政治決戦課題を水路に階級の組織化が全面的に進められなければなりません。これが一切の基軸です。あえて言えば全党員は、政治局員、全国委員を先頭に例外なく、階級を決定的に組織するオルグになるということです。特に東京−首都圏における組織化を決定的に進めるということです。
 私たちには、現代帝国主義論に基づく現代世界の解明と、労働組合運動における核心的勝利の地平という到達点があり、これで武装された不屈の同志たちがいます。私たち以外に労働者階級を自己解放の主体として措定し、勝利の道を提示できる存在はないのです。この歴史的な全地平から階級の全面的組織化に突入するということです。その水路が地区党の建設です。
 さらにこの間、根本的には「5月テーゼ路線」に腹背してきた指導部によって、プロレタリア革命路線のもとに決定的に位置づけられてこなかった「諸戦線」を地区党建設の中に決定的に位置づけるということです。これは「諸戦線」の闘いをプロレタリア革命路線に基づき本格的全面的に発展させようという決断であり、断じて解消論ではありません。この土台には、労働者階級の組織化と一体で戦線運動の豊かな発展を切り開いてきた地区党の実践的地平があります。
 しかし、戦線のそれぞれ固有の困難性や運動的課題、さらには歴史的過程をしっかりと踏まえて推進しなければなりません。マルクス主義の再武装を軸に、地区党組織論−プロ独党建設論を明確にしつつ再配置の勝利を切り開いていかなければなりません。それ自体が革命の準備の根幹にかかわる闘いであり、プロレタリア革命への獲得性をもって貫徹されなければなりません。プロレタリア革命論を全党が再度鮮明にする過程として、しっかりと議論を組織することが重要です。
 また地区党建設は、私党化グループによるプロレタリア革命と党の根本的切断に対する根底的実践的批判として貫徹されるということです。それは同時に、彼らがプロレタリア革命と部落、在日、在本土、「障害者」、女性、反軍などの諸戦線の闘いを切断し、これを敗北に導こうとしてきたことへの根本的批判の貫徹としてあります。地区党のプロ独的建設の強化なしに、階級を軸とした戦線の本格的全面的組織化はできないのです。
 革命を本気で準備しましょう。その水路は地区党建設であり、基軸は細胞建設にあります。

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週刊『前進』(2280号5面1)(2007/01/29 )

図説 動労千葉3労組共闘を先頭に07春闘へ

”こんな資本主義は倒すしかない”

 今や労働者を食わせることもできなくなった日本の資本家どもと総対決し、団結を強化し、生活改善をかちとる春闘の季節がやってきた。
 労働者を襲う資本の攻撃はすさまじい。8年連続の賃下げ、その一方で資本は空前の利益を上げている。なのにサービス残業は増大している。正社員はどんどん派遣・パートに切り替えられ、偽装請負が横行している。今や労働者の3分の1が非正規雇用だ。青年では5割だ。
 社会保障は解体され、負担は増えるばかりだ。日本経団連の御手洗会長は、消費税を7%にしろと言い放ち、他方で企業への税金は減らせと叫んでいる。憲法改悪を要求し、愛国心を強要している。青年労働者を戦争に駆り出そうというのだ。
 安倍・御手洗は日教組・自治労の壊滅を公言してはばからない。また、労働法制の抜本改悪をテコに労働者の団結を破壊し、さらなる貧苦に労働者を突き落とそうとたくらんでいる。
 この現実に連合など既成の労組のダラ幹指導部は闘いを放棄してしまっている。春闘も闘わず、賃上げ率は下がる一方だ。
 この我慢ならない現実に怒る労働者の総反乱が求められている。その展望はどこにあるか。
 それは11・5労働者集会を実現した、動労千葉、港合同、連帯労組関生支部の闘う3労組のように、階級的労働運動を復権して闘うことである。
 動労千葉は、国鉄分割・民営化に対し、解雇者を出しながらもストライキで反撃した。今も、拠点職場廃止の攻撃にストを構えて立ち向かい、団結を維持しぬいている。港合同や連帯労組関生支部の闘いも同じだ。
 労働者は団結してストライキで闘って初めて、資本の横暴を跳ね返して人間的に生きることができる。この社会を根底から覆す力を持つことができる。
 破産した体制内労働運動を打破し、労働組合を再生させよう。組合のない労働者は組合を組織して資本に反撃しよう。07春闘をその出発点にしよう。

 賃金 8年連続で賃下げ

 

 

大企業が史上最大の収益を上げる一方、労働者にはますます低賃金と生活苦が強いられている。
 90年代後半以降、労働者の賃金は年々、減少を続けている。グラフ@は、国税庁の統計をもとに民間労働者の「年間給与総額」の推移を示したものだが、97年をピークに、年間給与総額は8年連続で減少した。97年と比べると、05年は約30万円もの減収となった。
 これに伴い、労働者は年々、生活水準を切り下げざるを得なかった。グラフAは総務省「家計調査」による勤労者世帯の1カ月間の消費支出を示しているが、大きくは97年をピークに消費が減少し続けている。97年と比べると、月々の支出は3万円も減った。
 他方で巨大資本は、3年連続で1兆円以上の利益を上げたトヨタを始め、5年続けて増益となっている。企業の株主配当は、01年度には約4兆5千億円だったが、05年度には約12兆5千億円で、約3倍に増大した。
 資本は、労働者の賃金を大幅に切り下げることにより膨大な収益を上げた。その一端は、グラフBの「労働分配率」の変化にも表れている。日本経団連は「長く低迷していた経済は力強さを取り戻した」と言うが、その内実はこういうことだ。
 労働者を襲う大幅賃下げに、連合中央や全労連中央はどうしてきたか。それはグラフCを見れば明らかだ。60年代には春闘で10%程度の賃上げを毎年実現していた。それが、ここ数年の賃上げ率は2%を切るありさまで、定期昇給分すら確保できていない。
 闘いを抑圧し団結を解体する既成の労働運動指導部のもとでは、労働者の生活は破壊される一方だ。一律大幅賃上げを要求して春闘をストライキで闘おう。

 労働時間 増え続ける残業

 

ここ数年、労働時間は増え続けている。残業を強いられる時間が長くなったからだ。
 厚労省の「毎月勤労統計」をもとにしたグラフDは、製造業における所定外労働(残業)時間が01年以降、増え続けていることを示している。
 賃金に関する統計と照らし合わせると、残業時間は増えているのに、賃金は下がっている。サービス残業の増大もその原因の一つだ。「過労死ライン」と言われる月60時間以上の残業を強いられている労働者の数も増えている。その結果、過労死に追い込まれる労働者も後を絶たない。
 こうした中で、職場の現実は有給休暇の申請もままならないますます厳しいものになっている。
 グラフEは、厚労省の「就労条件総合調査」をもとに、有給休暇の取得日数を示したものだ。95年から一貫して有給取得日数は減り続けている。
 こんな状態で「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」が導入され、労働時間規制が撤廃されれば、何が起こるかは明らかだ。過労死などあってはならない。8時間労働制の解体を許さない闘いは、労働者の生存をかけた切実な課題だ。

 雇用 非正規が3分の1

 

非正規雇用でなければ職に就けない状態が労働者全体を襲っている。
 95年以降、非正規雇用は激増した(グラフF、厚労省の『労働経済白書』のデータによる)。
 95年とは、終身雇用制を解体して9割の労働者を不安定雇用にたたき込むとした日経連のプロジェクト報告が出た年だ。それ以降、資本家たちは正規雇用の労働者のクビを切り、非正規雇用の労働者に置き換えてきた。
 06年には労働者全体の33・2%が非正規雇用になった。特に、青年労働者の場合、その状態は一層激しい。25歳から35歳の労働者の約5割が非正規雇用と言われている。
 80年代に34歳以下だった世代から現在34歳以下の世代に及ぶ膨大な青年労働者が、不安定雇用にたたき込まれてきた(グラフG、『労働経済白書』のデータによる)。
 非正規雇用の場合、雇用が安定していないだけでなく、収入も正規労働者と比べ格段に低い。
 厚労省の「労働者派遣事業の04年度事業報告」によれば、一般労働者派遣事業における平均派遣料金は1日あたり1万5958円だが、派遣労働者が受け取る平均賃金は1万1405円。差し引き4553円(率にして28・5%)も「ピンハネ」されているのだ。
 財務総合政策研究所のレポートによれば、男性正社員の生涯賃金は標準で2億3500万円であるのに対し、男性のフリーターの生涯賃金はその約4分の1の6500万円程度にすぎない。
 こうした現実への青年労働者の怒りは激しく噴出しつつある。青年労働者こそ労働運動の先頭に立ち、この世の中を根底から変革する時代が来ているのだ。

 社会保障 弱者切り捨て・増税

 

小泉・奥田の5年間で、社会保障の解体と大増税の攻撃は激しく進んだ。それは、労働者をますます厳しい生活苦に追い込んでいる。
 上の表に示しているように、この2年ほどの間に保険料は軒並み上がり、社会保障給付は大幅に削られた。これらによる労働者の負担増は、この5年間で12兆円(国民一人あたり10万円)になるとの試算もある。
 今年1月からは、所得税の定率減税が全廃された。労働者からはとことん税金をむしり取る一方で、企業には大幅な減税がなされてきた。84年に43%だった法人税率は、99年には30%にまで引き下げられている。
 社会保障の解体は、労働者の生存を脅かすものになっている。生活保護世帯の急増は、その現れだ。厚労省の調査結果に基づくグラフHは、95年以降、生活保護世帯が激しく増加していることを示している。05年の生活保護世帯は100万世帯を超え、95年の2倍近くになっている。
 このような社会になった結果、自殺者も増えた。グラフIは警察庁の調査結果によるものだが、90年代末以降、自殺者の数は年間3万人を超えている。しかも、「経済生活問題で自殺した者の割合」が、その約4分の1に達しているのだ。
 こうした現実は、資本主義が労働者階級を食わせることができなくなったということだ。もはや支配階級の資格はない。こんな社会は、労働者の団結と闘いで、一刻も早く打倒しなければならない。

 

 

 労働者の声 “生活していけない” 電機連合『電機労働者の生活白書』より

 賃金は上がらず、仕事は過大。最近、家に居る時間がさらに短くなったように思う。せめて、子どもにもう少し手をかけられるようにしたいと考えている。(30代後半男性・営業職)
       ◆
 配偶者控除や扶養手当が数年前からなくなり、3年前から賃金がまったく変わらない。最近、家族が一人増えたが手当がないのは非常に厳しい。世間は少子化への懸念をしているが、これでは少子化への手助けをしているようなもので、矛盾を感じる。(40代前半男性・製造関連職)
       ◆
 裁量労働制度に大きな疑問を感じている。裁量権はほとんど行使できず、サービス残業状態である。職場に裁量労働の適用を外せる雰囲気もなく、常に忙しい職場には適さない制度だ。(30代後半男性・開発設計職)
       ◆
 労働者の立場は最近ますます弱くなっている。パートや契約社員への切り替えも進んでいる。私は定年までもう少しだから我慢できるが、若い人がかわいそうになる。(50代後半女性・製品組立職)
       ◆
 今職場では、安く(人を減らす)、早く(開発期間短縮)、多機能(工数増加)を求められている。かつ、多機種の同時開発にもチャレンジさせられ、身体が持たないところに来ている。家族ともコミュニケーションがとれず、ほとんど母子家庭となっている。家庭と仕事の両立ができるように、職場環境の改善を強く要望したい。(30代前半男性、開発設計職)
       ◆
 正社員が少なすぎる。生産能力以上の仕事は受けるな! 外に仕事を出せ。残業や休日出勤などで、プライベートの時間まで会社に管理されたかねー。(20代後半男性、装置操作職)
       ◆
 ここ数年、会社経営の厳しい状況に組合が協力するということで、賃金、残業手当、出張費、ボーナスが減額されている。その額は非常に大きく、子ども(高校、大学)の教育費を考えると生活していけない。(50代前半男性・開発設計職)
       ◆
 労働組合の存在意義は何ですか。製造現場では非典型雇用者が増えている。ということは、社員は減っているということ。組合は、このように組合員が減少している現状に危機感はあるのですか。会社にものを言えなくなっている労働組合は、あってもないに等しいと思います。(40代後半男性・製造関連職)

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週刊『前進』(2280号5面2)(2007/01/29 )

 岩国 東広島 日米合同訓練に抗議

 朝鮮侵略戦争を想定

 広島反戦共同行動委員会は1月16日、18日まで3日間行われた日米共同警護訓練に対し、岩国基地(山口県)、海田駐屯地(広島市)で抗議行動を行った。
 この訓練は、2月4日から始まる日米合同指揮所演習「ヤマサクラ51」に連動し、作戦計画5055の実動演習そのものだ。「北九州に上陸し、東進してくる仮想敵部隊と山陽方面で戦う」想定で「戦場」として岡山県の日本原演習場が設定されている。また「川上弾薬庫と江田島の秋月弾薬庫がゲリラ・コマンドゥに攻撃された」という想定であり、訓練は朝鮮侵略戦争の準備だ。
 今回の訓練は、米軍と自衛隊が岩国基地で「出陣式」を行い、具体的な訓練を岩国・東広島・江田島の基地・弾薬庫で実施された。陸自第46普通科連隊(海田)から200人、米海兵隊から90人が参加。過去3回の基地警護訓練で最大規模だ。
 まず、開始式が行われる岩国基地に対し、「訓練中止」を申し入れた。海兵隊はまったく対応に出てこない。海自の基地責任者が出てきて「基地は米軍の治外法権、日本ではない(ので住民は抗議するな)」「基地は国有地」と放言。この発言に猛然と怒りの声をたたきつけた。日本軍が大戦末期に農地を半ば強制的に接収して作った軍事基地だ。周辺住民は現在も被害を受けている。その後、岩国駅前で9条改憲反対の署名を集めた。
 続いて海田駐屯地に移動し、実際に米軍と一緒に軍事行動を行う第13旅団の第46普通科連隊に訓練中止を申し入れた。応対した基地警備の責任者は申入書を受け取りすぐ立ち去ろうとする。「被爆地ヒロシマからイラク派兵をどう思うのか」の怒りの声があがった。
(写真 岩国基地の正門前で「日米合同訓練許すな」と訴えた【1月16日 岩国市】)

 川上弾薬庫に申し入れ行動

 同日朝、とめよう戦争への道!百万人署名運動・広島県連絡会が東広島市にある川上弾薬庫で訓練に抗議した。
 川上弾薬庫周辺は警察の警備もなかったが、銃を構えた基地警備は「申入書は受け取れない」とすぐさま警察に通報し、パトカー2台が来た。「あなたたちの職務は米軍を守ることか。ここの弾薬で多くのイラク人が殺されている。事故になれば住民はただでは済まない」と弾劾すると警官は沈黙した。

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週刊『前進』(2280号5面3)(2007/01/29 )

日誌'07 1月17日〜23日

 名護市が沖合1800b修正案

 安倍「共謀罪の成立」を指示

●自民党大会、改憲前面に 自民党が第74回定期大会を開いた。安倍首相は「立党の精神に立ち返って憲法改正に取り組む」と述べ、その前提となる国民投票法案の通常国会での成立に意欲を示した。(17日)
●横須賀で住民投票請求 米海軍横須賀基地への原子力空母の配備に反対する住民らが、配備の是非を問う住民投票条例の制定を求め、市民の有権者3万7858人分の署名を添えた請求書を蒲谷市長に提出した。(17日)
●イラク増派に反対決議案 ブッシュ米大統領が発表したイラクへの米軍増派に対し、民主党のバイデン上院外交委員長、レビン上院軍事委員長、共和党のヘーゲル上院議員の3人がそろって記者会見し、増派に反対する超党派の決議案を発表した。(17日)
●米軍再編法案、交付金を4段階で上積み
 米軍トランスフォーメーションの関係自治体に対する交付金の拡充などを柱とする「駐留軍等再編円滑実施特別措置法案」の全文と運用方針が明らかになった。地方交付税交付金を再編計画の受け入れ、環境影響評価の着手、施設整備の着工、工事完了・運用開始の4段階に分けて上積みする方向。法案は10年間の時限立法。(17日)
●中国が衛星破壊実験 中国が高度約850`の宇宙空間で、弾道ミサイルに搭載した弾頭で老朽化した自国の人工衛星を破壊する実験に成功したと米航空専門誌が報道した。(18日)
●共謀罪成立を指示 共謀罪を創設する組織犯罪処罰法改悪案について、長勢法相は、安倍首相から「今国会で成立を図るよう努力するように」と指示を受けたことを明かした。(19日)
●名護市、修正案を提示 米軍普天間飛行場代替施設の建設計画などを話し合う普天間移設措置協議会が首相官邸で開かれ、名護市の島袋市長は政府案のV字形滑走路を沖合にずらすことを前提に1800b滑走路を容認する修正案を提示した。政府は、2014年の完成を目標に、07年12月に隊舎移設工事の着手を目指す代替施設建設のスケジュールを提示した。(19日)
●米軍機、入試中に騒音 大学入試センター試験実施中の沖縄国際大学の上空を米軍の超大型長距離輸送機C5ギャラクシーが飛行し、激しい騒音が発生した。同大学は、付近上空での飛行を自粛するよう那覇防衛施設局に要請していた。(21日)
●増派第1陣が到着 イラク駐留米軍は、2万1千人のイラク増派部隊の第1陣として、3200人のパラシュート部隊がバグダッドに到着したと発表した。(21日)
●内閣支持39%に 朝日新聞社の全国世論調査によると、安倍内閣の支持率は39%で、前回06年12月調査の47%から続落し、4割を切った。不支持率は37%。安倍首相が今夏の参院選の争点に憲法改正を掲げていることを「妥当だ」とする人は32%、「そう思わない」が48%だった。(23日)
●共和党も反対決議案 共和党のウォーナー前上院軍事委員長を中心とする超党派の議員が記者会見し、イラク増派に対する反対決議案を提出すると表明した。この日発表された世論調査でブッシュの支持率は28%まで落ち込み、過去最低の水準になっている。(22日)
●ブッシュが一般教書演説 ブッシュ米大統領が上下両院合同会議で施政方針を示す一般教書演説を行い、イラクへの米軍増派について「新戦略を機能させるチャンスを与えてほしい。戦地の部隊を支援して欲しい。イラクで失敗すれば将来、悲惨なことになる。米国は失敗してはならない」などと述べた。(23日)

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週刊『前進』(2280号6面1)(2007/01/29 )

団結ひろば 投稿コーナー

 “職場ではすべてが力関係で決まる” 東京 内田奈緒

 鉄道で働く仲間が語り始めた。
 「今週の月曜日に、職場の仲間が脳梗塞(こうそく)で亡くなった。今週の火曜には、隣の職場の仲間が心筋梗塞で亡くなった。こんなに次々と仲間が現職で殺されていく現実は、どうしても許せない」
 彼の唇はわなわなと震えていた。涙がこぼれるのを懸命にこらえているように見えた。
 一人は、一度倒れて病休していたが、職場に復帰する時に、当局が「駅の通常業務に復帰できないのなら辞めてもらう」と言い張り、泊まりの仕事をしていた最中での死亡だったという。
 もう一人は、組合役員をやっていたため、職場の同僚が休みたい時には進んで代わってやって、公休の日まで仕事をしていた中での突然死だったという。
 当局が労働者に強いてきた労働強化が、仲間を死にいたらしめたことは間違いない。しかしそれだけではない。組合が当局と一体化して、合理化提案を次々認めた結果強いられた死だ。
 その時、同席していた動労千葉の組合員が話してくれた。「自分の支部では、2年半前にくも膜下出血で倒れて病休していた仲間が職場に復帰することになった。すぐに運転士に戻るのは大変なので、事務仕事から始めることを当局に認めさせた。職場においてはすべては力関係で決まる。当局が不当な攻撃をかけてきたら『許さないぞ』という顔でにらみつける。それをみんなでやるところから、当局が好き放題できない関係が始まる」
 動労千葉のような労働組合を職場の仲間とつくり出さなければ、労働者は生きられない。自分の足元から闘いをつくり出すことを固く誓った。

 “健康で戦争に行ける人しか生きられない” 「障がい者」 菊地久子

 ぜひ頑張って、国会を、悪法をたたきつぶしてやろう! 本当に今すぐ国会前に駆けつけたい気持ちでいっぱいです。
 私たち「障がい者」は自立支援法の“名”のもとに、今まで闘いの末にかちとった“地域での自立生活”を奪われようとしています。施設からの独立は、「障がい者」が“殺せるものなら殺してみろ!”と闘ってかちとったものだ。それなのに国会ではたった何回かの審議で自立支援法案を可決だよ!
 お年寄りもそうだよ。この間の9条改憲反対の街頭署名の時も“戦争体験者”の2人の方と話になりました。1人の方は「二度と戦争はいけん!」ってすぐ署名してくれた。そばにいたもう1人の方は「そんなもんしたって国会ですぐに決められてしまう」って署名してくれません。3人でしばらく話して、「弱い者は生きてはいけない時代になったね」「健康で戦争できる人しか生きられない時代だよ」って!
 こんな声を、ぜひ広く訴えて下さい。みんなが安心して地域で生き続けていく……当たり前なことを訴えて下さい! 国会闘争頑張って下さい! 私も頑張ります!

 伊丹駐屯地に「ヤマサクラ51」の中止を要求 兵庫 Q

 

2月4日から自衛隊伊丹駐屯地で2週間にわたって行われる日米共同指揮所演習「ヤマサクラ51」に対し、1月21日に地元伊丹・阪神を始め全関西から800人が結集し、演習中止を求める行動に立ち上がった。
 今回の演習は、朝鮮侵略戦争計画を具体化する作戦計画「5055」の発動そのものだ。周辺事態法や国民保護法制をフル活用し、自衛隊・米軍を中心に空港・港湾・医療・自治体など数十万人を動員する戦争計画だ。
 今回の演習には、米軍最精鋭の第1軍団と第3海兵師団の1400人と自衛隊3400人が参加し、最新兵器・コンピューター機器を駆使し、全作戦の指揮を執るというのだ。
 21日午前11時、「とめよう戦争!隊員家族と元自衛官連絡会」や百万人署名運動、関西合同労組などの20人が、自衛隊第3師団に「ヤマサクラ51の中止と、自衛隊のイラクからの完全撤兵」を申し入れた。(写真上)
 午後1時から昆陽池(こやいけ)公園で全体集会が開かれた。結集した労働者・市民を代表して10人がアピール。3番面に登場した元自衛官の三尾政信さん(隊員家族と元自衛官連絡会代表)は、「ここ伊丹で衛生隊で働いていた者として、自衛隊員の仲間に、朝鮮人民に銃を向けてはならないと訴えたい」と語った(写真下)
 また自衛隊員が多数居住する宝塚の教育労働者は、「教育基本法改悪反対のため国会に4回かけつけた。成立させられたのは残念だが愛国心の強制による戦争動員との闘いはこれからが勝負。朝鮮戦争発動の訓練反対に教育現場から立ち上がる」と訴えた。
 滋賀県饗庭野(あいばの)で闘う仲間などの発言の最後に、100人の労組動員で参加した川村賢市さんが、「自衛隊出身者として自衛隊員の本来任務でない海外派兵には絶対反対だ。戦争情勢が迫る中、労働運動にも激しい弾圧があるが、これをはねのけ闘う」と全体を締めくくった。
 デモ行進は3梯団に分かれ、演習地である中部方面総監部(伊丹駐屯地)にむけ力強く出発した。正門前では日米共同演習反対の力いっぱいのシュプレヒコールがたたきつけられた。
 さらに百万人署名運動など30人の仲間は演習の直近の門である総監部西門で中部方面総監部に請願・申し入れ行動に立った。

 12・9もんじゅ全国集会をともに闘って 北陸 立川 泉

 06年12月9日、「もんじゅを廃炉へ! 全国集会」が福井県敦賀市白木海岸現地で抗議集会を開き、原子力機構に集会決議を手渡し、午後からは敦賀市街での屋内集会と市内デモを闘いました。小雨の中、全国から850人の労働者、市民、学生が結集しました。
 95年12月8日の「もんじゅ」がナトリウム火災事故で運転を停止して以来11年、その危険性が指摘され、廃炉を求める声が高まっているにもかかわらず、日帝は08年5月の運転再開を目指し、改造工事を強行しています。もんじゅ監視委員会の小林圭二さんは「運転再開は止めるべきだ」と題した講演で長期間停止していた「もんじゅ」の安全性を批判しました。槌田敦さんは「もんじゅ」は核兵器用プルトニウムを製造するための施設であることを怒りを持って明らかにされました。その他、青森県六ケ所の再処理工場撤去や滋賀県余呉町の高レベル放射性廃棄物処分場の誘致反対運動の報告などがなされました。
 今年の「もんじゅ」集会は、06年10月の北朝鮮核実験・核武装宣言を口実にした米日帝の朝鮮侵略戦争の動きが切迫する戦争前夜の緊迫した状況の中、中川政調会長や麻生外相が独自の核武装化を公言し、そして教育基本法改悪阻止決戦の真っただ中で闘われました。労働者の怒りが渦巻き、日教組・自治労を始め多くの労組が組合の旗を持って参加しています。
 富山大学学生自治会、北陸労組交流センター、京滋労組交流センター、関西反戦共同は当日の全行動を闘いぬき、参加した労働者に核兵器製造施設=「もんじゅ」の廃炉へ、そして改憲・教基法改悪阻止、朝鮮侵略戦争阻止、労働組合の階級的再生へともに闘うことを訴えました。

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週刊『前進』(2280号6面2)(2007/01/29 )

 2万余増派で虐殺拡大とバグダッドの制圧を狙う

 米帝ブッシュのイラク新戦略

 米帝ブッシュは、1月10日のイラク新戦略発表以来、イラク植民地支配を貫くために米軍を増派し、軍事作戦を強めている。ブッシュは22日の一般教書演説でもこの方針を強調した。これに対して闘うイラク人民の民族解放・革命戦争がいよいよ激しく燃え上がっており、ブンシュ新戦略は開始早々から破産的様相を呈し、米帝はますます深刻な泥沼に陥っている。

 ペルシャ湾に新空母配備も

 ブッシュ政権のイラク新戦略は、2万1500人の米兵を追加配備し、特にバグダッドを軍事的に制圧して植民地支配を維持しようとする戦争エスカレーション戦略である。イラク占領の泥沼化で昨年の中間選挙で大敗を喫したブッシュ政権は、国内的にもイラク支配のためにも戦略転換を図らなければならない状況に追い詰められた。しかし、超党派のイラク研究グループ(ISG)の勧告を退けて、米軍を削減するのではなく、米軍を追加派兵することによって事態の打開を図る方向を打ち出した。
 ISGの勧告もブッシュの新戦略も米軍をイラク軍・警察に軍事顧問団として組み込んで植民地支配を貫こうとしている点ではまったく変わりがない。しかし、ISGの勧告がイランとシリアを外交的に巻き込んで米帝の植民地支配に協力させ、それによって兵力を削減するとしていたのに対し、ブッシュの新戦略ではイランの影響力を軍事的に排除してイラクの植民地支配を維持しようとしている。
(写真 家を壊され路上で生活するイラク人家族)
 ブッシュが新戦略を発表したその日、米軍はイラク北部のクルド人地区の町アルビルにあるイランの連絡事務所を襲撃し、そこにいた5人のイラン人を、武器を供給してテロを支援したとデッチあげて拘束した。イラン政府やマリキ政権は通常の外交活動をしていただけだと5人の釈放を要求したが、米帝はこれを拒否している。
 ブッシュは1月12日のCBSテレビの「60分」という番組のインタビューでイランのアフマディネジャド大統領を名指しして、「もしわれわれが、おまえのとこの人間がイラクでアメリカ人やイラク人に危害を加えているのを捕まえたら、相手になるからな、分かってるな」と恫喝した。副大統領のチェイニーもFOXニュースで同じような警告を行っている。また米帝は、米中央軍司令官にファロン現太平洋軍司令官を任命した。陸軍や海兵隊からではなく海軍提督を司令官にあてたことは、ペルシャ湾への空母追加配備と一体でイランへの戦争態勢を強めるためである。
 米軍の追加部隊は次々と配備され始めており、すでに作戦も開始されている。特にシーア派・サドル派のマハディ軍に対する攻撃で米軍は、16人の指揮官を含む600人を拘束したと発表した。こうした作戦の中で中心的な指揮官については夜襲をかけて殺害している。またサドル派の報道官も拘束している。
 サドル派は反米の姿勢をとっているが、現実には米軍占領の中で、イラク軍・警察に潜入し、「死の部隊」を形成してスンニ派住民を無差別虐殺して地域から追い出し、権力を握ろうと画策してきた。マリキ政権誕生の過程では、イランとの関係が強いイラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)のジャファリに権力を握らせまいと米帝が策動した際に、サドル派がダワ党のマリキを推してカイライ政権が形成できた。
 しかし、昨年11月30日のヨルダンでのブッシュ・マリキ会談でブッシュは、マリキからサドル派攻撃への承認を取り付けたとされている。サドル派はこれに対して各省の大臣の職務をボイコットしていたが、今回の米軍の攻撃を受けて職務に復帰した。

 米軍への人民の怒りも激化

 米軍はバグダッドのスンニ派地域アダミヤで制圧作戦を行ったが、航空支援を行っていた警備会社ブラックウオーターのヘリがミサイルで撃墜された。20日には米軍ヘリ・ブラックホークが撃墜されたのを含め25人の米兵が死亡した。この日、カルバラでは米軍とイラク軍の基地になっている地方司令官庁舎が武装勢力の攻撃を受け、5人の米兵が死亡した。この間米軍の死者は急激に増えているのだ。
 24日には米帝はバグダッド中心部のハイファ通りとファドル地区にファルージャ型の包囲攻撃を行い、多くの住民を虐殺し、拘束した。米帝はどんなに苦況に陥ってもイラクからけっして撤退しないことをブッシュの新戦略は示している。
 同じCBSの「60分」の番組の中でスコット・ペリー氏から「いい仕事をしてこれなかったことについてイラクの人びとに謝罪しなければならないと思いますか」と聞かれたブッシュは、「それはわれわれがいい仕事をしてないということか、イラク人がいい仕事をしてないということか。われわれはあの国を専制から解放したんだ。私は、イラク人はアメリカ人に感謝すべき大きな恩義があると思っている」と反撃した。
 盗っ人猛々しいにもほどがある。ブッシュが起こした侵略戦争で65万人ものイラク人民が命を落としたのだ(米ジョンズ・ホプキンズ大学とイラクのムスタンシリア大学の共同調査)。無差別空爆を繰り返し、劣化ウラン弾、クラスター爆弾、白リン弾、指向性エネルギー兵器などありとあらゆる兵器で、人民を虐殺してきた。多くのイラク人が家を奪われ、食料も水も満足に手に入らず、その困窮状態はますますひどくなる一方だ。
 ところがブッシュはぬけぬけと「イラク人は感謝しろ」などと要求する。これが極悪非道な帝国主義者の本性なのだ。
 宗派間対立による内戦とイラク人の死者も、米帝がイラクを侵略し、占領していることに根本原因がある。
 現に今われわれの眼前で、日帝の南京大虐殺―中国侵略戦争、ナチスのホロコーストに比すべき暴虐が行われているのだ。この残虐で不正義の侵略戦争を許してはならない。帝国主義の侵略戦争は、国内での労働者階級への攻撃と一体なのだ。労働者が低賃金・強労働、大失業を強制されている。アメリカでは50万人以上の帰還兵がホームレスになっている。
 イラク侵略・植民地支配をあくまで貫こうとする米英日帝を打倒しよう。開戦4周年に当たる3月大行動の大爆発を。

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週刊『前進』(2280号6面3)(2007/01/29 )

GAKKOU 党学校通信 GAKKOU 党学校通信

 レーニン『国家と革命』

 第7期党学校は、労働者階級とその主体性への信頼と確信に貫かれた講義と討論が行われました。参加し続けた同志は、古典を階級的労働運動の“実践の書”ととらえています。『前進』ホームページにも掲載されている「党学校通信」から、受講レポートを転載します。

 ボルシェビキが職場を支配 N

 『国家と革命』は、プロレタリア独裁、暴力革命、武装闘争の思想、考え方を教えてくれる重要な論文です。これは、ボルシェビキが多くの職場で権力を握り、職場支配権を確立している中で書かれました。二重権力状態の中で「一切の権力をソビエトへ」と掲げたレーニンの結論としての権力奪取は、まさに資本との闘いを一切の土台としてあるわけです。このことが、今日われわれが『国家と革命』を読む場合にハッキリさせなければならない留意点だと思います。
 その点では、レーニンが国家論を、プロレタリアートの独裁との関連で展開しているのが大切だと思います。プロレタリアートが軸になって闘う。生産手段を奪取する。それが革命であり、それへの敵対として権力が出てくるという構造。だから、プロレタリア独裁とは、職場での支配を貫徹するということである。議会よりも、街頭よりも、何よりも職場が戦場なんだということ。これぬきにプロ独はあり得ないし、これこそがプロ独なんだということだと思う。だから、「職場闘争なんかできませんよ」という意見は、「革命運動なんかできませんよ」という意見と見ていい。それは、マルクス主義の否定、プロ独の否定、『国家と革命』の思想の否定であると思います。
 今日、資本との闘いは、同時に権力との闘いであるという状況がよりハッキリしてきていると思いますが、資本と権力が直接襲いかかってくるということもあるが、よりそれ以上に厄介なのは、連合、全労連です。つまり、労働者の味方面をして労働者に敵対する組合幹部(労働貴族)との闘いです。この点の重要性、重大性は、すでに『帝国主義論』の学習会で強調されていますが、その点も合わせて『国家と革命』を学び直すということも非常に大切だと思います。
 党の革命の推進の理論的武装として、『国家と革命』『帝国主義論』をそういう立場で学び、職場闘争の古典的バイブルにしたいと思います。

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週刊『前進』(2280号6面4)(2007/01/29 )

  20歳、共に闘った“圧殺の森”(高崎経済大学闘争)

 “必ず取り戻すからな”

 群馬星野文昭さんの再審を実現する会 伊藤成雄

 昨年12月4日、徳島刑務所に行き、星野文昭さんと面会しました。実に23年ぶりに会うことができて、星野さんは、「一番会いたい人に会えた」と迎えてくれました。徳島も冬は寒く、こんなところから一刻も早く取り戻さねば、という気持ちを強くしたものです。
 甘糟義信、富山保信両君と一緒に行き、3人で面会しました。真ん中に座った私の左右から両君が交互に星野さんに獄中処遇について矢継ぎ早に質問し続けました。
 私は、年は取っても星野さんのしぐさ・雰囲気が学生時代と変わらないなと感慨もひとしおでした。
    ☆
 私が星野文昭さんと最初に出会ったのは1966年の秋。場所は高崎経済大学の学生ホールの一室、自治会室か代議員室。あれから40年の歳月が流れ、当時20歳だった私たちは60歳になりました。
 当時、高崎経済大学は市長の大学への不当な介入に対して学生が怒りの決起をしていました。市長による不正入学の強要に対する闘い、私学化に反対する闘い、授業料値上げ反対の闘い。(この闘いは映画『圧殺の森』として描かれました)
 この闘いの渦中に星野さんは高崎経済大学に入学したのです。
 星野さんに会った第一印象は大人の雰囲気をもった優等生です。
 その時は、星野さんは私が責任者をしていた学内サークル、マルクス主義研究会に入りたいとやって来ました。それ以来学内闘争やベトナム反戦闘争など政治闘争についてともに語り、学び、闘ってきました。とにかくまじめで読書家、いつも本を小脇に抱えているイメージは消えません。
 そんな彼が、私たちが退学になって以降も大学内で「自治活動に関する規定」という超反動的な学内規定下で闘いを指導し、69年6月には大学当局に認めさせる自治会執行部選挙を実現し、副委員長に立候補し当選したのです。
 69年の11月決戦、三里塚闘争などに参加し、71年の2、3月の仮処分反対闘争では先頭で闘い、それ以降、三里塚現地に常駐し闘い続けました。 71年7月と9月の三里塚闘争で不当な指名手配を受けながら闘いぬき、沖縄のペテン的な返還協定の批准に反対する闘いの先頭に立ったのです。
    ☆
 71年11・14渋谷の闘いがもっている歴史的位置は今日ますます高まり、輝きを増しています。
 現在、沖縄の米軍基地はますます強化されています。あの沖縄返還協定は、沖縄県民に犠牲を集中する許すことのできないものでした。沖縄現地と本土で決起した労働者、学生の闘いは正義の闘いであったことが明らかになっているのです。
 当時の佐藤内閣は渋谷の闘いに大打撃を受け、その報復として、星野さんに無期懲役という弾圧をかけているのです。絶対に許すことはできません。
 星野さんを取り戻すこと、それは今日改憲に突き進む日帝・安倍内閣との闘いとしても重要なものです。権力の見せしめ的な弾圧を粉砕することなしに闘いの前進はありません。
 面会の最後に私が「必ず取り戻すからな」と言うと、星野さんはうんうんとうなずきました。
 「無実の星野文昭さんを自由の身にせよ」という声を全国で広めていきましょう。私はその先頭で闘っていきます。
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 ◇高崎経済大学闘争
 65年の入試で教授会が、市長・市議などのコネ受験者約100人を不合格にしたことで問題が発覚、学生自治会は全学ストライキで不正入学阻止闘争に入った。67年には期末試験ボイコットの全学ストライキが闘われ、自治会執行部が停学処分となった(その後、15人退学処分)。この闘いのドキュメントが16_映画『圧殺の森−高崎経済大学闘争の記録』(67年/小川紳介監督)。
 ☆写真は映画に登場する20歳の星野文昭さん

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