ZENSHIN 2007/01/22(No2279 p06)
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週刊『前進』(2279号1面1)(2007/01/22 )
9条改憲阻止・イラク自衛隊撤兵・春闘勝利! 3月大行動の爆発へ進撃を
動労千葉への組織破壊粉砕と「日の丸・君が代」不起立闘争へ
労働法制大改悪を阻止しよう
動労千葉、拠点破壊攻撃に怒りの総決起行動
動労千葉は「館山運転区・木更津支区廃止絶対反対」を掲げ総決起行動に立った。JR千葉支社への抗議行動後、組合員は千葉駅前で春闘勝利へこぶしを挙げた(1月16日)=記事2面
安倍首相の「美しい国」と日本経団連・御手洗会長の「希望の国」。この二つの「国」は同じものであり、とんでもない「国」である。御手洗の「希望の国」とは、これまでをはるかに上回る強搾取で労働者階級が丸ごとワーキングプア化するような恐るべき社会をつくり出すことだ。安倍の「美しい国」とは、憲法9条を破棄して1930年代のような侵略戦争・世界戦争に再び国家をあげて突入するということだ。この安倍・御手洗路線こそ、帝国主義の最末期の危機にあえぐ日帝ブルジョアジーの、生き延びるためには何でもするという絶望的なあがきである。労働者階級と人民は、安倍・御手洗路線と全面対決し、9条改憲阻止、イラク自衛隊即時撤兵、春闘勝利の3月大行動に全力で進撃しよう。
安倍・御手洗と全面対決
1月1日に発表された御手洗ビジョンは、米帝の没落を引き金とする帝国主義の末期的な危機と各帝国主義間の死闘が激化する中で、日帝ブルジョアジーの延命の一切を、労働運動根絶と改憲=戦争にかけると宣言したものである。御手洗は、そこで掲げた「希望の国」とは「強い国」のことだと言っている。日本を再び、労働者人民を強権によって支配し、他国を武力で征服した戦前の「大日本帝国」のような国にしていくことこそが狙いなのだ。
そのために、労働者階級への階級戦争に全体重をかけてうって出ることを真っ向から宣言している。米帝が80年代に「強いアメリカの復興」を掲げて強行したレーガン反革命と同じことを、日本でもやると叫んでいる。レーガンは、労働組合運動の暴力的な破壊を土台に規制緩和・民営化の歴史的な一大資本攻勢を展開し、競争原理をふりかざして、米社会をむきだしの弱肉強食社会に変えた。労働者階級を一大リストラ・賃下げと極限的な強搾取・強労働の地獄にたたき込み、それによって得た資本収益の増強を武器に、米帝は対外争闘戦、91年湾岸戦争に始まるイラク・中東侵略戦争へと突き進んだのだ。
トヨタやキヤノンを始め、日帝の大企業も、95年以来の終身雇用制解体・非正規雇用化の推進によって今日、空前の収益を上げている。それは労働者階級への徹底的な搾取と貧困の強制によって得た結果である。
だがそれでもまだ足りないと御手洗は言うのだ。帝国主義の最弱の環である日帝が、激化する世界再分割戦に勝ちぬくには、「労働ビッグバン」の名のもとに、国内の労働者階級全体をもはや生存が不可能という水準まで追い込んで、そこからもっと巨額の超過利潤をしぼりとる。そしてそれを原資に、朝鮮侵略戦争を始めとする新たな帝国主義侵略戦争とアジアの分割・再支配にのりだすということだ。
そのために御手洗ビジョンは、日本経団連の07年版経労委報告と一体の規制緩和・民営化攻撃、とりわけ戦後労働法制の全面解体の攻撃を打ち出すと同時に、「2010年代初頭までに憲法改正の実現をめざす」と言い放っている。さらに「教育の再生」をも正面課題に掲げ、学校だけでなく企業や一般社会でも日常的に「日の丸」掲揚・「君が代」斉唱を実施して、子どもたちに愛国心、国家への忠誠心をたたき込めと叫んでいる。
改憲が参院選で争点化する
安倍政権もまた、この御手洗ビジョンと歩調を合わせて改憲・戦争と民営化攻撃に突き進む方針をいよいよ明確にした。
安倍は年頭会見で「私の内閣で憲法改正を目指す」「参院選の争点にする」と宣言した。防衛省を発足させ、ブッシュ政権のイラク大量増派を直ちに支持し、12日にはNATO理事会で「今や日本人は自衛隊が海外で活動することをためらわない」と演説した。
ブッシュのイラク増派は、米軍の大量投入によるファルージャ型のむきだしのせん滅戦=大虐殺によってバグダッドの軍事的平定を狙うものである。米国内からも激しい反対が噴出する中で、日帝・安倍はこの虐殺路線を全面支持し、日米枢軸を強化し、自衛隊の海外派兵と参戦を拡大していくと宣言したのだ。同時に、朝鮮半島有事の日米共同作戦計画を具体化し、自衛隊が米軍と完全に一体となって朝鮮侵略戦争にのりだす準備を進めている。
さらに安倍は、小泉の「骨太の方針」を引き継ぎつつも、「成長戦略」の名で、御手洗の提唱する日本版レーガノミクスを全面的に実行に移そうとしている。
だが労働者は、不正義の侵略戦争に何の疑問もなく動員される存在でもなければ、資本家階級がほしいままに踏みつぶせる存在では断じてない。労働者こそは、この社会の本当の主人公である。すでに労働現場には資本の専制支配への怒りが充満し、「暴動を起こせないのか」という声がいたる所で上がっている。既成の労働組合幹部が資本・当局の手先となってこの怒りを抑え込む側に回っていることが、闘いの大爆発を阻んでいるにすぎないのだ。
そもそも、帝国主義の生命力はとっくに尽きており、その階級支配・世界支配は完全に破産している。今日のイラクをめぐる情勢は、レーガン反革命が生んだ「強いアメリカ」が今や、全面破産と体制的危機爆発の渦中に突入したことを示している。この帝国主義を、今こそ打ち倒す時代がきているのだ。
安倍・御手洗の登場と、その凶暴だが絶望的な攻撃の開始は、逆に労働者階級にとって革命への決定的なチャンスの到来だ。青年労働者と学生を先頭とする3月大行動の爆発を突破口に、07年をその歴史的転換点として闘おう。
6千万労働者の反乱を
3月大行動を当面の頂点とした、07春闘とイラク反戦、改憲阻止、そして通常国会をめぐる闘いは、この安倍・御手洗路線との全面対決の決戦だ。最大の核心は、連合や全労連中央の逃亡と裏切りを粉砕して、誰が6千万労働者の怒りに火をつけるのかということだ。闘う労働者・労働組合の団結と階級的決起が勝負を決める。
1月25日開会の通常国会には、昨年からの継続審議となっている@国民投票法案とA共謀罪新設法案に加え、B教員免許更新制導入を始め、教育基本法改悪に実効性を持たせるための関連33法案、C労働法制の大改悪にかかわる諸法案とD公務員制度改革法案が提出される。中でも国民投票法案は改憲への直接の突破口であり、自民党の中川秀直幹事長と公明党の太田明宏代表は、5月3日の憲法記念日までに成立を目指すと宣言した。
これら5大悪法のすべてが改憲・戦争と一体の攻撃としてある。その最大の照準は、4大産別を始めとする労働組合の破壊と労働運動の根絶・一掃に向けられている。中川は通常国会は再び「教育国会になる」と言い、政府・自民党は「日教組と自治労の壊滅」を昨年以上に声高に叫んでいる。これに対して、何よりもまず07春闘、イラク反戦、改憲阻止を軸とした3月大行動で、労働者人民の巨大な反撃をたたきつけよう。
その軸となる闘いは、まず第一に動労千葉の春闘ストライキへの決起と、連帯労組関西地区生コン支部、港合同、動労千葉の3労組共闘の春闘決起の闘いである。
国鉄分割・民営化から20年を迎えて、日帝はあらためて、動労千葉の破壊と国鉄1047名闘争解体に全労働運動圧殺攻撃の成否をかけて襲いかかってきた。館山運転区と木更津支区を廃止する基地統廃合攻撃は、動労千葉の拠点職場を破壊することを狙った最大の組織破壊攻撃だ。駅業務の全面外注化、「ライフサイクル」という名の運転職場の大合理化攻撃が、これに続こうとしている。動労千葉は、反合・運転保安闘争路線のもと、ストライキでこれへの総反撃に立つことを宣言し、すでに全力を挙げた決戦に入った。
この動労千葉の闘いは同時に、1047名闘争の「政治解決」路線を粉砕して国鉄闘争の継続発展をかちとる闘いである。また平成採の青年労働者を獲得する組織拡大闘争でもある。そして重要なことは、この闘いが安倍・御手洗による春闘圧殺・労働運動絶滅攻撃を職場生産点から実力ではね返し、春闘を復権するものとして闘われようとしていることだ。
第二の軸は、今春卒業式・入学式での教育労働者の「日の丸・君が代」不起立闘争である。昨年の教基法改悪阻止決戦は、日教組本部打倒、闘う日教組再生への巨大な突破口を開いた。その原動力になったものこそ、都教委の03年10・23通達に対する都の教育労働者の「日の丸・君が代」強制拒否の偉大な不起立闘争である。教基法決戦の第2ラウンドはこれからだ。通常国会での山のような関連諸法案の成立と、その学校現場への貫徹をめぐる闘いはまさにこれから始まるのだ。
今春「日の丸・君が代」闘争は、まさに昨年の教基法決戦を直接に引き継ぎ、改悪教基法の粉砕そのものをかけた決戦となる。そのかぎは、過去3年間を上回る全都・全国での不起立闘争の大爆発にある。それは、職場支配権を労働者の手に決定的に取り戻し、職場を戦争教育阻止の闘いの砦(とりで)に変える闘いそのものだ。昨秋9・21判決を武器に、不当な職務命令を断固拒否し、不起立・不服従の闘いを全国で爆発させよう。
第三は、労働契約法制を始めとする「労働ビッグバン」と称してかけられている労働法制大改悪との徹底対決である。
国民投票法案の成立許すな
第四に、国民投票法案を5月3日の憲法記念日までに成立させるという自公と民主党の反動的策動を粉砕し、9条改憲阻止の闘いを大爆発させることである。
第五に、全世界的なイラク反戦の闘いの高揚と連帯し、米・英・日帝国主義のイラク侵略戦争阻止、自衛隊即時撤兵の闘いを、今年こそ全力でつくり出すことだ。
以上のすべての闘いを集約するのが9条改憲阻止、イラク自衛隊即時撤兵、春闘勝利を掲げた3月大行動だ。日帝・安倍政権打倒、安倍・御手洗路線粉砕、07年決戦勝利に向け、青年労働者と学生を先頭に、3月大行動の爆発へと進撃しよう。
これと一体の闘いとして、4月統一地方選勝利への闘いを推進しよう。
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週刊『前進』(2279号1面2)(2007/01/22 )
米日帝が朝鮮侵略戦争計画
「机上」から「実戦」へ
労働者は戦争協力拒否を
日米両政府が、朝鮮侵略戦争発動のために戦争計画の具体化へ本格的に動き出した。昨年12月、自衛隊の統合幕僚副長や在日米軍副司令官など日米の制服組を中心とした共同計画検討委員会(BPC)が作業を始めた。
しかも「米政府の強い要望」で07年秋までに戦争計画を完成することで合意していることは重大だ。今や米日帝国主義による「朝鮮侵略戦争前夜」というべき切迫した情勢に入っている。改憲と労組絶滅に突き進む安倍政権のすべての攻撃はこの朝鮮侵略戦争をめぐる動きと一体で進む。
日韓米3国労働者の国境を越えた団結と闘いで、米日帝の朝鮮侵略戦争を絶対に阻止しよう。
すでに日米両政府は、02年に概念計画「5055」と呼ばれる戦争計画に合意し署名していた。しかしこれは項目ごとの方針、必要な施設数などが大まかに書かれているだけで発動可能なレベルにまで煮詰まったものではなかった。今回の作業で、これを米軍と自衛隊の具体的な役割分担、出撃拠点となる基地や空港・港湾の指定、労働者の戦争動員規模にいたるまで詳細に決め、発動可能な作戦計画「5055」に格上げする。
計画の具体化にあたっては、米韓が作成した作戦計画「5027」(百万人の犠牲者が出ると想定)や北朝鮮の体制崩壊を想定した同「5029」などに基づく米軍の部隊展開と連動して作業を進める。また、「敵基地攻撃やミサイル防衛などを想定した図上演習の実施も含めて計画を具体化する」としている。アメリカ・日本・韓国の3軍が一体となった恐るべき戦争計画、日米帝の朝鮮半島侵攻体制づくりが進められているのだ。
成田・関西空港が出撃基地に
検討作業は、きわめて詳細な点にまでいたる。戦争計画の具体的進展に沿った米軍と自衛隊の役割分担、自衛隊による補給活動(米軍への後方支援)、基地や原発など警備対象のリストアップ、軍事利用する民間空港・港湾の指定、警察や地方自治体・民間労働者の動員規模なども含めた計画づくりになる。
例えば、空港・港湾については「深度」「荷役能力」「駐機場の面積」「給油・保管能力」、医療では負傷米兵を治療するために「提供する病院名」「ベッド数」「必要な医薬品類」にいたるまで、こと細かに決める。
米軍側はすでに設備面から「成田、羽田、関西、新千歳、福岡」など30カ所前後の空港・港湾の名前をあげ、今春から現地調査を始めることまで要求している。
この間、民間空港や港湾への米軍・自衛隊の入港が激増している。「緊急着陸」や「防災訓練」などさまざまに理由付けしているが、これらはすべて共同作戦計画の具体化作業の一環だったのだ。またこの間、武力攻撃事態法・国民保護法に基づいて全国の地方自治体と指定公共機関で進められている「国民保護計画」の策定と訓練もすべて連動している。
日米両政府は、難民対策や、韓国に在住・滞在している日本人、米民間人の退避計画づくりも同時に進める。また、ミサイル防衛では、自衛隊が今年3月から2010年にかけてパトリオット3(PAC3)16基、スタンダードミサイル3(SM3)搭載のイージス艦4隻を配備する。在日米軍も夏までにSM3搭載のイージス艦を5隻まで増やす。
米日帝は、北朝鮮の体制崩壊の危機もにらみながら、金正日体制を転覆する侵略戦争を先制的に発動し、帝国主義による朝鮮半島の直接的な再支配(再植民地化)へ決定的に踏み込もうとしている。日帝・安倍政権は、自前の侵略戦争を遂行できる国家への飛躍をもかけて第2次朝鮮戦争参戦へと向かっている。
日韓米労働者の力で阻止を
しかし、日本の労働者階級、朝鮮・中国・アジアの労働者階級人民はこんな戦争を絶対に許さない。現実にも日帝の朝鮮侵略戦争への突進は、その帝国主義としての脆弱(ぜいじゃく)性をさらに徹底的に暴き出し、戦後革命期以来の壮大な階級決戦情勢を引き寄せるものとなるのだ。
沖縄人民のパトリオット搬入実力阻止闘争に続こう! 職場を基礎に戦争協力拒否闘争をまきおこし、朝鮮侵略戦争を絶対阻止しよう!
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週刊『前進』(2279号1面3)(2007/01/22 )
日程 1・28革共同中四国政治集会
1月28日(日)午前11時半開場、正午開会
ワークピア広島(広島市南区金屋町1−17)
ビデオ上映「動労千葉の訪韓報告」
講演 中村孝夫(革共同中央労働者組織委員会)
「動労千葉労働運動とは何か」
―反スターリン主義・革命的共産主義にもとづく労働組合運動―
基調報告 革共同中国・四国地方委員会
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週刊『前進』(2279号2面1)(2007/01/22 )
動労千葉 スト配置し決戦に突入
1・16総行動 “館山・木更津基地廃止許さぬ”
組織破壊攻撃に怒り
動労千葉は1月16日、「館山運転区・木更津支区廃止絶対反対! 内房線切り捨て反対!」を掲げ総決起行動―集会とJR千葉支社抗議闘争に立ち上がった。3月18日の「ダイヤ改正」まで2カ月、この日からストライキを配置して徹底抗戦の構えで春闘総決起の闘争態勢に入った。
「館山運転区・木更津支区廃止を許さないぞ!」「動労千葉はストライキで闘うぞ!」
動労千葉の団結破壊、組織破壊を狙う基地廃止攻撃を、絶対に粉砕する。決起集会をかちとりゼッケンに身を固めた組合員と支援170人は、JR千葉支社前に結集し腹の底から怒りをたたきつけた。千葉市街の夜空にシュプレヒコールがとどろいた。
JR東の卑劣な拠点つぶし
午後6時、DC会館に続々と組合員が集まり、集会が始まった。
冒頭、基調提起に立った田中康宏委員長はまず、攻撃の現状を怒りを込めて報告した。
「私は、はらわたの煮えくりかえる思いで新年を迎えた。当局は12月25日、木更津運輸準備区に東労組の運転士4人を送り込んだ。1月22日にはさらに6人が赴任する。いま現場で働いている組合員をまったく無視し、希望調査すらやる前に、こんな卑劣なことをやっている。そして『もう枠がない』と館山・木更津の組合員に選別攻撃を加え、団結を破壊してバラバラにしようと狙っているんだ」
さらに「内房線の中間点にある木更津に新運輸区をつくることに合理性など何ひとつない。目的は、ただただ動労千葉弱体化と内房線切り捨てにある」と、基地統廃合のでたらめさ、人を人とも思わぬJR当局に怒りをたたきつけた。
そして田中委員長は、当面する闘いについて、「勝負は現場の力だ。館山支部・木更津支部が現場から徹底非妥協の闘いをつくり、全支部が思いをひとつに決起すれば、逆に動労千葉の団結をもっと強化することができる」「運転士を駅にタライ回しするライフサイクル、基地統廃合、駅業務外注化は、全JR労働者の問題であり、日本の全労働者が受けている攻撃の最先端だ。改憲や『労働ビッグバン』と言われる中で、労働者が生きていけない現実が始まっている。全労働者の先頭に立つ気概で現場から反撃を開始しよう。第2陣の運転士送り込み、線見訓練、不当な配転通知、そして3・18ダイ改に対して、ストライキを配置して闘おう。この闘いの中で組織拡大を実現しよう」と提起した。組合員は提起された方針を満場の拍手で確認した。
続いて、4月の勝浦市議選に立つ水野正美議員(動労千葉元副委員長)が「動労千葉の団結はいかにしてつくられたか」と題して講演を行った。
(写真 館山支部、木更津支部の組合員が前列に立ち、団結ガンバローのこぶしを挙げて運転区廃止阻止の決戦に立つ決意を固めた【1月16日 DC会館】)
深い感銘を与えた水野講演
水野さんは、闘いの経過を躍動感あふれる語り口でふり返りながら、「動労千葉は『義理・人情で仲間意識が強い』と言われる。確かにその通りだが、それは一面だ。動労千葉の最大の強さは路線の正義性にある。中野顧問は『人は理屈だけじゃ動かない。だけど理論がないと運動にならない』とよく言います。執行部が全体状況をきちんと組合員に伝え、とことん議論する。大変厳しい闘いだったから何度も執行部で激論になった。しかし、最終的に路線を決定したら、そのもとに全員が結束して闘った。この動労千葉の闘いの歴史、気風を継承してほしい」と、動労千葉労働運動の核心を提起した。
そして、「敵は、職場をつぶせばなんとかなると思っているが大間違いだ。勝浦運転区は廃止されたが、動労千葉の組織と闘いは脈々と受け継がれた。団結を固めて闘い抜けば、新たな闘いの芽が生まれ、動労千葉はさらに大きく発展する」と現場への期待を込めて講演を締めくくった。
最後に、基地廃止攻撃の当該である館山支部の堀江秀明支部長、木更津支部の佐野正幸支部長が決戦の最先頭に立つ決意を表明。銚子支部の渡辺靖正支部長は、ライフサイクル反対の支部独自ビラ配布など組織拡大への取り組みを報告した。
最後に館山支部・木更津支部の組合員が前に勢ぞろいし、団結ガンバローで気勢を上げ、参加者はJR千葉支社抗議行動に向かった。
(写真 JR東日本千葉支社前で運転区廃止攻撃に怒りの声をたたきつける動労千葉組合員【1月16日】)---------------------------------------------------
週刊『前進』(2279号2面2)(2007/01/22 )
1・27国労中央委に向け訴える
1047名闘争の存亡かけJRに屈した執行部打倒を
07年は労働者階級の命運を決する決戦の時となった。だが、その軸をなすべき国鉄1047名闘争は、今や危急存亡の危機にある。国労本部は1月27日の国労第177回拡大中央委員会で、1047名闘争の解体とJR本体の闘いの圧殺に向けて最後の舵(かじ)を切ろうとしている。この策動を許さず、今中央委員会を安倍・御手洗路線と対決する階級的労働運動として国労を再生させる、現場組合員の総決起の場としなければならない。
JRと「信頼関係」などありえるか!
国鉄分割・民営化体制が根本的な破産を遂げる中で、支配階級はこれを国労と動労千葉の壊滅によってのりきろうと策している。これに呼応した国労本部は、「分割・民営化20年の節目に不採用問題の政治的解決を」と叫び、1047名闘争を内側から解体するために全力を挙げ始めた。
本部委員長の佐藤勝雄は、「JR東日本と国労との間の『全面和解』……によって、将来に向けて正常な労使関係を作り上げる一歩が踏み出されました」「そのことによって、労使間に対等な信頼関係を築くことができ」たとうそぶいている(国鉄新聞1・3付)。
1047名の首を切り、数限りない不当労働行為をほしいままにしてきた国家権力とJR資本は、国労組合員にとって絶対に相入れない敵ではないか。国労組合員とJRとの間に、いったいどんな「信頼関係」があると言うのか。
昨年12月5日、国労本部は鉄道運輸機構を相手に訴訟を起こした。だがそれは、あらかじめ「和解・取り下げ」を前提にしたものでしかない。国労本部はこの訴訟提起により、「裁判上の和解のヘゲモニーを本部がとった」と言いなしている。
鉄建公団訴訟原告を統制処分にかけ、それに反対した組合員を5・27臨大闘争弾圧で警察権力に売り渡し、鉄建公団訴訟を妨害してきたのは、ほかならぬ国労本部だ。その彼らが訴訟を起こしたのは、1047名全体を屈辱的「和解」に引き込むことだけが目的だ。
だからこそ国労本部は、動労千葉を排除して1047名連絡会を解体し、「4者・4団体」の枠組みで解雇撤回を投げ捨てた「政治解決」を1047名に強いようとしているのだ。
労働運動史上最悪の裏切り
昨年秋、東日本エリア本部は出向協定締結と包括和解調印という暴挙に走った。西日本本部も総合労働協約を締結し、資本の懐に深々と飛び込んだ。これらは労働運動史上、最悪の裏切りだ。
国鉄闘争は、連合支配を打ち破る労働者の闘いの基軸をなしている。だから、膨大な労働者がそこに希望を託し、限りない支援をしてきたのだ。ところが国労本部は、これに背を向け、JR資本に総屈服を誓った。
JR体制の破産は、大事故の続発であらわになった。さらにJRは、極限的な合理化の結果、要員不足と人員構成の歪みという矛盾に突き当たっている。その突破を図るためにJR東日本が打ち出したのが、07年4月に実施される駅業務の外注化・駅員の関連会社への出向強制・契約社員の大量導入と、10月から強行されようとしている「ライフサイクルの深度化」=首都圏7支社の40歳以下の全運転士を駅に強制配転する計画だ。
国労東日本エリア本部は、この攻撃を前にそそくさと出向協定を結び、組合員に出向を強いることに踏み込んだ。さらに、包括和解で謝罪も実損回復もないまま不当労働行為案件をすべて取り下げ、JRにもろ手を挙げて投降したのだ。
こうした屈服を突いて、JR東日本は3・18ダイヤ改定を機に電車区・車掌区を統廃合する大合理化に突っ込んできた。千葉支社における館山運転区・千葉運転区木更津支区の廃止を始め、国労職場でも津田沼車掌区や三鷹車掌区などの廃止がたくらまれている。
JRに身を売り、こうした攻撃を促進する国労本部は、現場組合員の手で打倒する以外にない。
資本の手先に転じ改憲促進する本部
労働運動の軸心をなす国鉄闘争を自ら解体しようとする国労本部の策動は、安倍・御手洗による改憲攻撃を促進するものとならざるを得ない。
安倍は「私の内閣で憲法改正を目指す」と述べ、日本経団連も1月1日公表の「希望の国・日本」(御手洗ビジョン)で、「2010年代初頭までに憲法改正の実現を目指す」と公言した。
その背後にあるのは、帝国主義の絶望的危機に対するブルジョアジーのいらだちだ。米帝は、イラク侵略戦争が一層泥沼化する中で米軍2万人以上の増派を決めた。その中でブッシュと安倍は、朝鮮侵略戦争への衝動をますます強めている。
御手洗ビジョンはまた、「公正な競争の結果としての経済的な受益の違いは経済活力の源泉として是認される」と言い放ち、最優先課題として労働市場改革(労働ビッグバン)を挙げ、労働法制の抜本改悪を突破口に労働者を一層の競争に駆り立て、搾取を強めることを打ち出している。
その攻撃の核心は、何よりも労組の解体にある。御手洗ビジョンはその意図を、「レーガン大統領が掲げた『強いアメリカの復興』のメッセージは、暗闇に射し込む一条の光だった」と御手洗自身の言葉であけすけに述べている。暴力的な労組破壊を強行したレーガンに学ぶことこそ、資本にとって唯一の延命策だというのである。
そのレーガンと手を携えて登場した中曽根が、全体重をかけて強行したものこそ国鉄分割・民営化だった。それは、今日に至る一大資本攻勢の出発点であり、改憲の野望を秘めた第一級の国策だったのだ。
これに最前線で立ちはだかり、改憲を阻んできたのは国鉄1047名闘争だ。だからこそ敵階級は、この闘いが労働者の壮大な決起の導火線になることを恐れている。教育基本法改悪をめぐる昨秋の国会攻防は、そのことをかいま見せたのだ。
こうした国鉄闘争の歴史的位置を、国労組合員の誇りにかけて鮮明にさせなければならない。国労は、全労働者の先頭で安倍・御手洗路線と対決する使命を負っている。
動労千葉と連帯し合理化阻む春闘へ
07春闘は労働者階級の命運を決する決戦だ。
動労千葉は、館山運転区・千葉運転区木更津支区廃止阻止の07春闘に組織の総力を挙げて立ち上がっている。
すでにJR東日本は、二つの運転区を廃止して新設される木更津運輸区の準備区に、動労千葉を排除したまま東労組組合員を送り込んでいる。1月16日の総決起集会で動労千葉は、東労組組合員による線見訓練に対し、指名ストも辞さず対決することを宣言した。
「ライフサイクル深度化」と称する運転士の駅への強制配転攻撃が、青年労働者の資本=カクマル結託体制への反乱を促すことも確実だ。動労千葉は、07春闘を組織拡大春闘として構えている。
JR東日本がメンテナンス部門の全面外注化にのりだしてきて以来、動労千葉は合理化推進条項と抱き合わせのシニア協定の締結を拒否し、この攻撃に敢然と立ち向かった。定年を迎えた組合員の再雇用の場が奪われる厳しい事態に直面しつつも、動労千葉は不屈の闘いを貫き、外注先会社の人員を確保できない状態にJRを追い込んだ。これにより、千葉支社管内での検修・構内外注化を全面的に阻んだのだ。
少人数の組合であっても、JRと根底的に対決すれば勝利できる。動労千葉はそれを実証した。国労組合員に同様の力がないはずはない。闘っても無駄というあきらめに陥ってはならないのだ。
問題は、資本と対決する確固たる路線と、組合員を信頼して闘いの方針を真っ向から提起できる指導部が存在するかどうかだ。国労本部は、組合員に信を置かず、資本や権力に容認されなければ国労は存続できないという敗北思想に陥り、相次ぐ裏切りを重ねてきた。
だが労働者は、仲間と団結して資本と対決することによって、生活を守り、奪い去られた人間的誇りを取り戻すことができるのだ。闘いをとおしてこそ、労働者は社会の主人公としての自らの力に目覚め、団結することのかけがえのなさに確信を深めていくのだ。
だが、チャレンジや革同は、組合員を見くびることで労働組合の原則を投げ捨て、団結を根底から破壊してきたのだ。組合員を踏みにじり、資本の庇護(ひご)のもとで自己保身を図る現執行部に、もはや組合員の人生をゆだねてはならない。
国鉄分割・民営化に決着をつける決戦の時が来た。だからこそ、裏切りを深める国労本部への組合員の怒りを結集し、今中央委員会を国労の階級的再生をかけた一大決戦としなければならない。
解雇撤回・JR復帰を掲げぬき、動労千葉排除の策動を許さず、1047名闘争を貫こう。JR資本と対決するJR本体の闘いを復権し、これと固く結合することの中に1047名闘争の勝利はある。5・27臨大闘争弾圧を粉砕し、職場からJR体制への無数の抵抗を組織し、動労千葉と連帯して07春闘を闘おう。
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週刊『前進』(2279号2面3)(2007/01/22 )
中川“憲法記念日までに成立”
国民投票法案が重大決戦
安倍政権は1月17日の自民党大会で、07年の運動方針の柱に「国民投票法案の早期成立」を盛り込んだ。これに先だって中川秀直幹事長は、「(国民投票法案は)5月3日の憲法記念日までに必ず成立させ、与野党間で憲法論議を始めたい」(12日)とぶち上げている。これに呼応して、公明党の太田代表も「5月3日までに成立を」(13日)と叫んでいる。
国民投票法案を直ちに成立させることは、日帝ブルジョアジーの強力な階級意志である。日本経団連・御手洗は『希望の国・日本』の中で「2010年代初頭までに憲法改正の実現をめざす」と提言した。これに続いて1月10日には、日本経団連の政党評価の基準となる優先政策事項の見直しを発表し、その中に改憲のための国民投票法案の早期成立を新たに盛り込んだ。「法案成立に躊躇(ちゅうちょ)する政党には金を出さない」という意思表示だ。
こうしたブルジョアジーの意図を受け、民主党もまた国民投票法案の早期成立へ一気に動き出している。民主党・鳩山幹事長は、「参院選のことを考えれば成立は早い方がいい」(10日)として、通常国会に与野党の共同修正案を提出するための党内調整に入ることを明言した。
重大な情勢だ。にもかかわらず社・共も労組指導部も闘争を放棄し、闘いの方針すら出していない。日本共産党などは「国民投票で多数をとればいい」などというとんでもない誤った認識と屈服ぶりだ。
国民投票法案とは単なる改憲のための手続き法ではない。そこには「公務員等・教育者の地位利用による国民投票運動の禁止」が盛り込まれ、違反者には公務員は最高2年、教員は最高1年の禁固という重罰が適用される。「地位利用」などいくらでも権力者によって解釈され、デッチあげの口実とされる。要するに国民投票で社会全体を戒厳令下におき、労働組合を始め一切の改憲反対運動をたたきつぶすのが狙いだ。その脅しをもって日教組や自治労を改憲勢力として取り込もうとしている。教員免許更新制や公務員制度改革と一体の労組解体攻撃なのだ。
広告放送については、原案にあったメディア規制は「なくした」と言いながら、大政党や財力があるものがいくらでも宣伝洪水をまき散らすことができる仕組みになっている。与党と財界が大キャンペーンをはって、社会を改憲一色に染め上げる狙いだ。
また法案では、国会法を改定し衆参両院に改憲案審議のための憲法審査会を常設し、さらに両者の合同審査会を設けるとしている。この合同審査会が各院に改憲を勧告する。民主党の改憲推進の急先鋒(せんぽう)である枝野などは、「改憲原案の作成は合同審査会の小委員会で」(11月16日)と発言している。改憲のためのプロジェクトチームを自・公・民で立ち上げ、原案作成から改憲の発議、そして国民投票へと一直線に突き進もうとしているのだ。
改憲阻止の最大の山場が到来した。日教組や自治労など4大産別を先頭に、国民投票法案阻止の大運動を直ちにまきおこそう。
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週刊『前進』(2279号2面4)(2007/01/22 )
戦争国家への転換を狙う安倍
戦後史を画す防衛省発足
1月9日、防衛省が発足した。戦力の不保持をうたった憲法に違反することから、内閣府の外局としての「庁」という一段下に置かれていた防衛庁が、独立した省に格上げされたのだ。それと同時に自衛隊法が改悪され、海外派兵任務が「付随的任務」から「本来任務」に格上げされた。
これは単に形式の問題ではない。日帝が米帝とともに本格的に戦争に参加するための決定的な転換であり、何よりも朝鮮侵略戦争態勢づくりである。憲法改悪を先取りして日帝の戦争国家体制への決定的な転換が行われたのだ。
省移行記念式典で首相・安倍は「省昇格で国防と国際社会の平和に取り組むわが国の姿勢を明確にすることができた。戦後レジーム(体制)から脱却し、新たな国造りを行うための基礎、大きな第一歩となる」と述べ、集団的自衛権行使についても検討を進めることを明言した。日帝が敗戦帝国主義としての戦後的制約を全面的に突破し、戦争に突入していくことを公然と宣言したのだ。
省昇格を受けて防衛省は、日米防衛協力課と米軍再編調整官を新設した。これは朝鮮侵略戦争に向けた態勢を構築し、戦争準備を進めるためのものだ。しかも米側との調整を防衛省が実質的に進めていくことをも意味しており、外務省と防衛省の関係の大きな変化をもたらすものである。この点でも防衛省への昇格によって、日帝国家のあり方の大きな転換が行われたということである。
また、自衛隊の海外活動(派兵)が本来任務とされたことも極めて重大である。海外派兵された自衛隊の活動内容が大きく変化し、実際の戦闘行動に突入することを意味しているからだ。防衛相の初の来客となった元米国務副長官のアーミテージは、「自衛隊が汚れた仕事をしないという人はもはやいないだろう」と、自衛隊が米軍とともに人民虐殺の戦争を担う期待を表明した。
海外派兵が本来任務となったことを受けて7月に期限が切れるイラク特措法の期限延長が表明され、安倍首相は海外派兵恒久法を制定する姿勢を明確にしている。
またこれは、自衛官にとって海外派兵は「志願」によるものだったのが、命令=強制に基づくものに変わることを意味している。これまでも建前は「志願」であっても、自衛隊内の諸関係で半ば強制的に「志願」させられてきた。だが、その次元を完全に超えて、一方的命令によって海外派兵が強制される。それは、軍法会議を必然的に伴うことになる。すでに自民党の新憲法草案でも軍事裁判所の設置が掲げられている。
イラクに派兵された陸上自衛隊の隊員のうち7人が心的外傷後ストレス症候群で自殺したと伝えられている。「汚れた仕事」で戦場に立つ自衛官に不安と動揺が広がるのは不可避であり、今こそ広範な反戦闘争で自衛隊を包囲・解体し、兵士を労働者階級の側に獲得する時だ。自衛隊をイラクから直ちに全面的に撤退させ、米日帝の朝鮮侵略戦争を絶対に阻止しなければならない。
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週刊『前進』(2279号3面1)(2007/01/22 )
安倍=御手洗の戦争・改憲自治労壊滅攻撃と対決を
公務員制度改革反対! 市場化テスト阻止!
自治労中央委 現場の怒りで本部包囲へ
1月31日〜2月1日、東京・日本青年館で開催される自治労第133回中央委員会を職場の怒りで包囲しよう。安倍=御手洗の自治労壊滅攻撃に闘わずして屈服し、改憲勢力化を策動する自治労本部をぶっ飛ばし、闘う自治労、階級的労働運動をつくり出すときだ。職場からの怒りと団結で民営化―公務員制度改革攻撃を粉砕しよう。動労千葉の館山運転区・木更津支区廃止攻撃との闘い、教育労働者の不起立闘争と連帯し、07春闘の高揚で安倍政権打倒へ反転攻勢を切り開こう。
(写真 自治労第78回大会の会場前で「現場の力で改憲を阻止しよう」と訴える組合員ら【06年8月24日】)
公務員200万人の首切り攻撃
自治労中央委員会に際して、闘う自治体労働者は第一に、日帝・安倍=御手洗路線、自治労壊滅攻撃と真正面から対決し闘う立場を確立しなければならない。
帝国主義の国際争闘戦の死闘的展開、米帝のイラク敗勢、朝鮮侵略戦争と世界戦争の切迫、これに対するプロレタリアート人民の国際的な反撃、民族解放闘争の中で、世界帝国主義の最弱の環・日帝は、安倍政権と御手洗・日本経団連とが一体になって改憲・戦争と民営化・規制緩和=労組破壊の攻撃を決定的に強めている。
安倍首相は1月4日の年頭記者会見で改悪教育基本法と社会保険庁改革の関連法案を1月25日からの通常国会で成立させる考えを示し、任期中の改憲を公言した。政府・自民党は昨年来、教育改革、社保庁改革、公務員制度改革を「3本の矢」と名付けて参院選の争点にするとし、自治労・日教組の壊滅に国家権力の全体重をかけている。
現に06年5月に成立した行政改革推進法と公共サービス効率化法(市場化テスト法)は、各自治体が生き残りをかけて公務員労働者への賃下げ・首切り、労組破壊の攻撃を競い合う構造をつくり出している。
市場化テストの導入で400万人のうち「200万人近い公務員の仕事が民間に移される」(06年12月9日付週刊東洋経済)。95年日経連プロジェクト報告が打ち出した”9割の労働者の非正規雇用化”の攻撃は公務員労働者にも襲いかかる。
07年1・1御手洗ビジョン「希望の国、日本」は、「行財政改革」の一環として公務員制度改革を進めるとし、市町村大合併に続いて2015年をめどに「道州制の導入」をめざすとうたい、「憲法改正」を目標に掲げている。
安倍=御手洗は、民営化、道州制の攻撃で自治体労働運動の解体、自治体労働者の階級意識の根絶、国家に忠誠を誓う官吏への改造をなしとげ、日本を戦争国家にしようとしているのだ。
しかし、自治体労働者が戦争国家化攻撃、公務員制度改革攻撃、民営化攻撃と真っ向から対決し、職場から闘う団結をもって登場・反撃するとき、すべての労働者の怒りを解き放つ起爆剤となり、社会を揺るがす労働運動の反転攻勢を切り開くことができる。昨秋の教育基本法改悪阻止・国会闘争は日教組本部の制動を超えて高揚し、安倍政権を危機に陥れた。自治体労働者自身の決起で安倍=御手洗路線を粉砕しよう。
夕張市で起きている事態を見よ。同市の「財政破綻(はたん)」は帝国主義国家、日本政府に一切の責任がある。断じて自治体労働者や地域の労働者・住民に責任はない。しかし同市の自治体労働者は、給与の30%カット、退職金の段階的大幅引き下げの攻撃の中、すでに3分の1が職場を追われ、さらに85%が退職を強制されようとしている。「断崖(だんがい)絶壁に追い込まれ、海へ飛び込むか、銃で撃たれるかの選択を迫られている状態です」と30代後半の自治体労働者が悲痛な叫びを上げている。
夕張市を始め全国で「財政再建」を名目にした賃下げや人員削減、市場化テストなど民営化攻撃が吹き荒れている。労働組合の真価が問われている。闘う自治労、階級的労働運動の形成・発展が求められる情勢が到来した。ところが自治労本部は敵の攻撃の前に全面屈服してしまっている。
3単産統合は自治労解散だ
自治労中央委員会に際して、闘う自治体労働者は第二に、安倍=御手洗の自治労壊滅攻撃への自治労本部の歴史的な屈服を弾劾しなければならない。
自治労本部は昨年来、公務労協の中心組織として「労働基本権の回復」を売りに、政府に頭を垂れて政労協議路線を推進してきた。しかし、安倍政権下で基本権回復はほとんどほごにされ、破産寸前だ。政府は労働基本権回復をえさに自治労を政労協議に引き込み、公務員制度改革を認めさせようとしてきただけだ。
本部の政労協議路線のもと、秋闘では、ほとんどの県本部・単組執行部が当局の攻撃に闘わずして屈服し、頭を下げて「労使協議」の枠を維持したことのみを「成果」としている。
労組幹部による政労協議・労使協議路線を粉砕し、組合員自身による職場闘争を活性化させ、実力(ストライキ)で闘う組合につくり変えなければ自治労に未来はない。
他方、自治労本部は07春闘を公務労協による「良い社会をつくる公共サービスを考える研究会」(神野研究会)最終報告(注)に基づくキャンペーン一色に塗りつぶそうとしている。
この報告は、自治労壊滅、首切り・賃下げ攻撃への完全屈服を隠蔽し、転向を合理化、路線化するためのものだ。彼らは「対案」「メッセージ」を出さないと「いくら正論を吐いても世論には受けいれられない」(公務労協)などと言う。労働者の怒りの決起への絶望と負け犬根性である。
「最終報告」の階級的性格は、副題の「財政再建主義を超え、有効に機能する『ほどよい政府』を」(!)を見ただけで明らかだ。自治体労働者が労働者階級として闘うことを否定する「全体の奉仕者」論をも展開している。
実際にやることは”民間以上に働いて生き残ろう”という「質の高い公共サービス」運動であり、「ほどよい政府」=民主党政権への交代を願う連合路線そのものだ。
一見、小泉−安倍政権や格差社会を批判しているが、資本主義―帝国主義の体制的破綻という根本問題はまったく設定されていない。スウェーデンやデンマークを理想にした政策を実行すれば、断末魔の危機にあえぐ日本帝国主義が「ほどよい」「福祉国家」になるかのような幻想をふりまいている。資本主義の墓掘り人たる労働者階級の立場とは無縁だ。日帝ブルジョアジーと同じ視点から「社会の危機」「国家の危機」を嘆き、労働組合を「社会の安定帯」、新たな産業報国会に変質させようとしている。
さらに、自治労本部は「新しいアイデンティティ」「新しい産別」を呼号して地公3単産組織統合(自治労、都市交、全水道の統合)を強行しようとしている。地公3単産統合とは、自治労の屈服・転向を隠蔽(いんぺい)するためのものだ。
今中央委員会から8月大会にかけて重大段階に入る。中央本部は戦闘性・階級性を今なお残すすべての県本部・単組に屈服を迫り、改憲勢力化を完成させ、名称・綱領と戦後労働運動の階級的要素を最後的に投げ捨て、2010年完全統一・組織移行―自治労解散を策動しているのだ。
階級的労働運動つくり出せ
安倍=御手洗の攻撃は日本帝国主義の絶望的な危機ゆえの攻撃だ。敵も自治労本部も労働者の怒りの深さを見くびっている。ひとたび職場の怒りに火が付けば必ず打ち破れる。結局、勝負は職場の団結で決まる。それが国鉄分割・民営化阻止決戦の教訓であり、動労千葉労働運動の教訓だ。
国鉄分割・民営化攻撃を前に、労働者の団結の力に依拠できず、絶対反対で決戦に立ち上がれなかったすべての労働組合、指導勢力が事実上、解体・転向に追い込まれた。しかし唯一、動労千葉だけが分割・民営化絶対反対を貫き、ストライキに立ち上がり、職場と組織を守ることができた。今日に至るも動労千葉は団結を堅持し、階級的労働運動を発展させ、国際労働運動に決定的な位置を占めている。
自治労中央委員会に際して、闘う自治体労働者は第三に、自治労本部の屈服方針を粉砕し、今春の闘う方針を確立しなければならない。朝鮮侵略戦争阻止、改憲反対、安倍政権打倒へ、100万自治労組合員の総決起をかちとろう。
まず、安倍=御手洗路線への怒りを爆発させよう。国会闘争方針を確立し、改憲のための国民投票法案、改悪教育基本法関連法案、公務員制度改革法案など反動諸法案を阻止しよう。改憲を公約に掲げる安倍政権を本気でぶっ飛ばす構えと方針を確立した時、自治労壊滅攻撃を粉砕できる。
次に、職場闘争の前進を武器に、公務員制度改革、市場化テスト、民営化攻撃を阻止する全国的職場闘争方針を確立しよう。職場の怒りと団結を組織して闘うことが自治労壊滅攻撃を打ち砕く道であることを訴えよう。
三つめに、怒りも新たに自治労本部の反動的諸方針の撤回をかちとることだ。賃金闘争の原点を破壊し差別・分断をもたらす第2次賃金政策(前号川上論文参照)、地公3単産組織統合―自治労解散方針、「良い社会をつくる公共サービス」運動方針を撤回させよう。
最後に、自治体労働者委員会の団結の強化と飛躍をかけて動労千葉労働運動の総学習と実践に全力をあげることを訴える。
飛躍のカギは、体制内労働運動との根底的決別だ。党の闘いと労働組合運動の統一だ。組合員に依拠した闘いで代行主義的な組合活動を意識的に突破しよう。組合の役員と組合員の関係性にのみ依拠したオルグを超えて、共産主義者として真っ向から革命、自らの生きざまを訴えるオルグに踏み込もう。自らの体制内労働運動的なあり方の打破、革命的自己変革として闘おう。すべての同志が労働者階級の指導部、党の指導部として自らを飛躍させ、その団結体として産別委員会をつくり出そう。
マル青労同の組織化に全力をあげよう。11月集会1万人結集―自治体労働者1500人結集実現から逆規定して意識的な組織戦を開始しよう。07年、革命をめざす自治体労働運動の歴史的な登場をともに切り開こう。
〔革共同自治体労働者委員会〕
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「良い社会をつくる公共サービスを考える研究会」最終報告
提言項目は@脱「格差社会」への公共サービスAライフラインとしての教育の保障と未来投資としての教育の挑戦B構造改革批判の上に立つ都市空間の創造C「誰でも普通に生きられる」社会と安心・安定した個人・家族生活をつくる新しい社会保障へD公共サービスを支える市民社会など
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週刊『前進』(2279号3面2)(2007/01/22 )
佐藤芳夫さんを追悼する
「労働運動の時代だ」胸に刻み
革共同書記長 天田三紀夫
佐藤委員長! 私は現在もあなたをこのようにお呼びする以外に言葉が見つかりません。
私は、1962年の3全総(革共同第3回拡大全国委員総会)路線のもとで63年に石川島播磨重工に入社し、全造船石川島分会で佐藤委員長と数年間組合活動を行うことができたことを、この上なく喜んでいます。
首都のど真ん中で1万人の組合員と一緒に活動できたことは、革命家として最初の貴重な経験でした。数千人が結集する春闘ストライキ突入総決起集会、各工場の構内集会とデモ。党派闘争の大戦場としての代議員大会。その先頭で直立不動で演説する30代前半の佐藤委員長の姿。しかもその背後にあったのは、同盟、日本共産党、社会党、反戦派のすさまじい党派闘争でした。今も昨日のごとく脳裏によみがえってきます。
革共同は、3全総路線のもとで公労協各産別ととともに民間基幹産業に労働者細胞(工場細胞・経営細胞)を創成することに全力をあげました。電機を先頭に、化学、金属、鉄鋼、造船、自動車、電力の中に次々とマル青労同の支部を建設しました。私たちも造船産業の中に、石川島を先頭に三菱横船、鋼管鶴見、浦賀ドック、三菱広機とマル青労同の支部を次々と建設し、この党的力(労働者細胞建設)を基礎に日本型社会民主主義と三菱長崎造船社研との統一戦線を形成して同盟路線と闘いました。
私はその後、新たな地区党建設の任務につくために石川島を去りました。地区党こそ、カクマル黒田が恐怖して革共同から脱落・逃亡・敵対した労働者階級自己解放の地域的団結組織でした。
今も慚愧(ざんき)の念にかられるのは、全造船石川島分会に対して分裂攻撃がかけられた1970年に、私は獄中にいたため、はせ参じてともに闘うことができなかったことです。石川島分会の分裂は、日本共産党が当時の労働局長・荒堀広のもとで同盟路線に屈服したから実現したものでした。他方でこの時、外からは反革命カクマルがマル青労同の同志に襲いかかってきたのです。
しかし佐藤委員長はそれらの攻撃をものともせず闘いぬいて、社会党左派と反戦派の力で第1組合の旗を断固守り抜きました。
私は、労働者同志、学生同志と一体となって反ファシスト解放戦争を組織化しました。職場の労働者同志がファシスト反革命との闘いに次々と決起しました。多くの同志が傷つき、歯を食いしばりながら闘いぬき、現代のナチス=反革命カクマル打倒闘争を実践し、ついに完全に勝利しました。
この現代のナチスとのせん滅戦争は、戦闘的労働運動を防衛する闘いであり、70年安保・沖縄決戦として端緒的に爆発した反戦派労働者を先頭とする労働者階級の武装闘争の継続でした。
その後、佐藤委員長とは、長い歴史を経て再会できました。
佐藤委員長は87年7月、国鉄分割・民営化と大激突して闘った動労千葉の労働学校で講演してくれました。そこで話された「佐藤メモ(活動家心得帖)」の25点には、「動労総連合は『JR』内でただ一つの『あたりまえの労組』、労働者の闘いの砦(とりで)だ」「原則的闘いを抑えては組織拡大はない」「仲間を裏切らないこと、他人のために闘うこと」「闘った結果、階級的団結に役立ったか否かだ」「理由のいかんにかかわらず『一人の労働者の解雇・懲戒処分』反対」「日常の反合闘争の強化」「国際的階級連帯を忘れてはならない」等々、一つひとつの言葉の背後に実践が貫かれています。私はここに労働運動の前進のために闘う佐藤委員長のひたむきな姿勢をあらためて感じました。
佐藤委員長は89年、総評解散・連合結成に反対して闘う労組活動家の全国組織である全国労働組合交流センターの代表に、中野洋氏(動労千葉委員長=当時)の懇請にこたえて就任してくれました。
激動する階級闘争の中で、あなたと鉄の団結の握手を何回交わしたことか。闘病中のあなたを見舞った時、労働運動の指導者の生き様からいかに元気をもらったことか。
逝去する3日前にあなたを見舞い、お話しすることができました。病床から一言一言しぼり出すように、「天田君、これからが闘う労働運動の時代だ」と言われた言葉を、永久に忘れません。
あなたは今、「千の風になって」階級的労働運動の発展を見守ってくれています。
07年、6000万労働者階級が団結し、世界革命に向かって帝国主義(資本主義)体制に断を下す時が到来しました。革共同は労働者階級の自己解放闘争の勝利のために労働者階級と一体となって闘い、労働者階級の解放(全人民の解放)を実現することを心からお誓いして、野辺の送りの言葉とします。
(写真 全国労組交流センター第2回全国総会で発言する故・佐藤芳夫さん【95年2月】)
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週刊『前進』(2279号3面3)(2007/01/22 )
“物ダメなくして増員なし”
ゆうメイト 怒りの行動
〈投稿〉非常勤郵政労働者 坂田陽一
休憩・休息は当然の権利だ
「60分の休憩・休息がとれていないことを知りながら増員しないのはどういうことだ!」
ゆうメイトが当局との意見交換会で局長を追及した。しかし当局は「休憩・休息は職場のルール」と言うだけで増員要求をはねつけてきた。現場には情けなさばかりが残り、慢性的な作業の遅れが続いてきた。
「自分が仕事をできないせいでみんなに迷惑をかけている」、そう言って悩む仲間がいた。過酷な職場状況の中で、職場を去る仲間がいた。定められた休憩・休息の時間は確保しようと提案したが、どうしても業務運行が優先されてしまう。役職者が増員を求めるが当局は何も対処しない…。
そんな中、昨年12月中旬、第1波の闘いに立ち上がった。金曜夜から土曜朝にかけての郵便課での深夜勤務は特に人員が少なく、配達を行う集配課への交付はいつも遅れていた。機械区分を行う作業は通常は6〜7人(それでも足りない!)だが、この曜日は4人。
「機械止めて休もう」「いつまでもやってられるか!」。作業はゆうメイトの手で打ち切られた。人がいないせいで長時間の作業を強いられるなんて冗談じゃない。仲間とともに決められたとおりに休憩をとって、郵便物もいつもどおりに処理した。
四つのうち二つの集配課では、朝8時までに交付されるはずの9ブロックのうち3ブロックは一つも交付されなかった。「休憩・休息はルールだ、それが守れないやつはクビ」と言っていた張本人がやってくる。作業は半分も終わっていない。「なぜこんなに遅いのか」という脅しに対して、仲間が当局の人員不補充を追及し、完全に圧倒した! お互いに競争させられ、作業の遅れの原因をなすりつけ合うなんてまっぴらだ!
区分機が1時間も止まった
アクションプランで本務者削減を進めたため、多くの仕事にゆうメイトが携わるようになっている。当局は「多能工化で誰もがすべての仕事をできるように」などと言うが、実際には特定のゆうメイトに多くの仕事が集中した。それが不公平感を生み、年休を取れない者も出る状況だった。
12月末の第2波闘争で、私たちは当局が言い出した「多能工化」を闘いの武器へと転化した。機械処理に4人しか配置されない中、1人が別の作業に、そしてもう1人が初めての作業に携わり、それを1人が教えることで、2台の区分機のうち1台が1時間完全にストップした。当然にも作業は遅れるが、山積みの到着郵便物を残し、私たちは服務表どおりに休憩をとった。その結果、集配交付のための機械供給開始(郵便物は2度の機械区分を経て配達順に並べられる)は普段よりも1時間も遅れたのだ。
現場で「人がいなくても休憩をとり、その結果を見せつけよう」と意志統一がなされ、つかんだ勝利だ。
区分・配達の流れは総破産
1月になって第3波闘争を打ち抜いた。金曜日夜、郵便物はいつにも増して多く、業務の遅れが予想された。これはチャンス!
またも4人しか配置されない中で、今度は2人が初めての小包処理に回り、それを1人が教える。機械をかける人がいない。止まったままの機械が第3波闘争の開始を告げる!
私たちは配達遅延の認められている広告郵便物もわざと機械区分に回して処理物数を増やした。そのため、休憩開始時点での未処理物数が第2波闘争時の2倍にまでふくらんだ!
無論、私たちはそのまま休憩した。機械読みとりできない住所をパソコン入力する作業もいつもどおり行い、作業の遅れをつくった。他の曜日であれば9時過ぎに終了する機械区分は、9時の時点で18ブロックのうち8ブロックが終わっていない! 「超勤できないか?」という問いにも超勤拒否が相次ぐ。
結局、機械処理が終わったのは11時近く。人員不足でどれだけ業務運行に支障をきたすのか、現場労働者の闘いで完全に明らかになった。
物ダメなくして増員なし! これが当局に対する私たちの答えだ。管理者も公社もコストのことしか考えていない。ただ働きで作業が順調に進んでいる限り増員はあり得ない。人がいない中で作業を無理強いすることがどういうことを招くのか、そのことを見せつけなければならない。物ダメ・ストライキ、超勤拒否で敵を追い詰めて初めて増員がかちとられる。
私たちは郵政資本の道具にはならない! すべての労働者が人として働けるよう、私たちゆうメイトは増員を求めて最後まで闘いを貫徹します。
(写真はたまった郵便物)
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週刊『前進』(2279号3面4)(2007/01/22 )
11・5集会ビデオ完成
動労千葉が11・5労働者総決起集会の報告ビデオ(20分)を制作した。
11・5集会は関西生コン支部、港合同、動労千葉の3労組が呼びかけ、戦争と民営化攻撃と闘う労働者4900人が全国から日比谷野音に結集し、韓国民主労総ソウル地域本部代表、米ILWU、AMFA代表が訪れ、国境を越えた連帯のきずなを固く結んだ。
情熱的演説、地鳴りのような拍手と歓声、威風堂々のデモ。集会の見どころが20分という時間に凝縮されている。当日参加できなかった人は必見だが、参加した人も、階級的団結と国際連帯を求めてやまない労働者が大合流した熱い現場に自分がいたことをあらためて実感できる。
07春闘へ向けて、周りの労働者・労組に広めよう。
◆DVD・VHSとも頒価500円
◆申込先 動労千葉/千葉市中央区要町2―8DC会館/TEL 043―222―7207/FAX 043―224―7197
/E-mail doro-chiba@doro-chiba.org
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週刊『前進』(2279号4面1)(2007/01/22 )
階級的労働運動路線の真価かけ
革共同各地方委員会はかく闘う〈下〉
青年労働者・学生を先頭に朝鮮侵略戦争策動と対決し、改憲阻止へ
(写真 安倍政権の教育基本法改悪の参院特別委員会での採決強行に対し議面前に押し寄せた労働者・学生【06年12月14日】)
東北の地に全金本山に続く労組の拠点つくる 東北地方委員会
革共同東北地方委員会は07年、21世紀プロレタリア世界革命実現に向けて階級的労働運動の道を猪突(ちょとつ)猛進する決意だ。
昨年の11・5労働者集会は、日韓米3国の最も戦闘的な労働組合が結集し、帝国主義打倒、労働者階級解放への不抜の団結をつくり出した。動労千葉労働運動を軸とする3国連帯と3労組共闘の発展にこそ帝国主義を打倒し、日本革命−世界革命をかちとる道がある。
動労千葉労働運動こそ、労働組合の原則的闘いと労働者自己解放への無限の信頼が切り開く、真のマルクス主義の実践だ。日米帝国主義の朝鮮侵略戦争発動−世界戦争突入前夜という切迫した情勢下で、この動労千葉労働運動が国際労働運動への大きな影響力を獲得し始めていることは決定的だ。そして、それは、戦後革命期以来の日本労働運動と、革共同の3全総以来の激闘の到達地平でもあるのだ。党の革命をかちとり、「党は階級そのものである」と宣言した革共同は、自らの不統一、不団結を徹底的に総括し、動労千葉労働運動に心底学び、階級的労働運動の実践に一切の退路を断って突入しなければならない。
東北地方委員会は、自らの党の革命をかけ、本山闘争の歴史的勝利を引き継ぎ、東北の地に全金本山労組と並ぶ闘う労働組合の拠点をつくり出すために総決起する。4大産別を先頭に青年労働者を組織し、労働者細胞を建設して労働組合を階級の手に奪い返す。
本山闘争の勝利は「一人の首切りも許さない」という労働組合の原則を貫くことこそが勝利の道であることを実証した。その核心は資本、権力と原則的に闘い抜くとともに、屈服を迫る総評全国金属やあらゆる潮流との激しい路線論争、組織攻防と非妥協的に闘うことで団結を守り抜き、勝利してきたことにある。
1970年代後半、日帝の資本攻勢の激化とIMF・JC=帝国主義労働運動に屈服した総評全国金属は、すべての争議を収拾するために全金本山労組にも「闘いはジリ貧」と屈服を迫った。支援の中にも「職場・生産点に戻るべき」などと、屈服を合理化し、加担する潮流が生まれた。これに対して組合員は徹底した大衆討議で批判し、門前闘争を軸とした実力闘争で団結を固めて反撃した。佐藤満男組合員が組合大会の最中に抗議自殺するというまさに命がけの闘いで、組合権力を裏切り者に奪われることを完全に阻止した。
この熾烈(しれつ)な攻防に勝利して全金本山労組は自らが「闘う全金」の伝統を守り、全国の労働組合にオルグに入って独自の支援を組織した。全国の労働組合がそれに応えた。そして、動労千葉の「きょうだい組合」として東北の新潮流運動の発展を最先頭で切り開き、生み出された階級的労働運動の力で自らの歴史的勝利までもたぐり寄せたのだ。
この実践が今日の革共同に求められている。安倍=御手洗に屈服し、改憲攻撃に屈服する連合・全労連の既成指導部と徹底対決してこそ闘う団結はつくられる。帝国主義労働運動、スターリン主義反革命を打倒し、労働組合を奪い返す闘いの中で労働者と労働組合は階級的魂をとぎすまし、革命的団結で帝国主義打倒へと突き進むのだ。
青年労働者こそその先頭に立つ。教育基本法改悪阻止決戦の中で、マル青労同は新たな同志を迎えた。無数の青年労働者が闘う仲間を求めている。プロレタリア革命の呼びかけを待っている。すべての職場、地域で生きたマルクス主義を実践しよう。
昨年12月16日の東北大有朋寮への卑劣な強制執行襲撃とデッチあげ弾圧は、国家権力の有朋寮決戦への敗北宣言だ。東北大学生運動はさらに階級的怒りを燃え立たせ、井上体制打倒の決意を新たにした。改憲阻止の全国300万学生ゼネストの最先頭で東北の学生運動は闘う。法大決戦勝利をともにかちとる。
党の革命を徹底的に推し進め、9条改憲阻止、安倍政権打倒に総決起しよう。全党の力で星野文昭同志の奪還をかちとろう。東北地方委員会はその最先頭で闘う。
4大産別決戦の爆発で安倍政権と徹底対決を 北海道地方委員会
米日帝国主義の朝鮮侵略戦争が決定的に切迫している。最末期の帝国主義の全矛盾が全面的に爆発しようとしている。しかし、昨年11・5労働者集会が示したように、労働者階級は職場・生産点から立ち上がり、国境を越えて団結することができる。労働者階級には戦争を阻止し、現在の社会を根底から変革する力がある。ここに圧倒的な確信を持ち、北海道地方委員会は、07年を21世紀プロレタリア世界革命実現に向かっての決定的な前進の年とするために総決起する。
日帝・安倍政権は、戦争と改憲の攻撃を強行して、沖縄を始め日本全土を朝鮮侵略戦争の出撃基地とする一方、労働者階級人民を生きていけないぎりぎりのところにたたき込もうとしている。日本を戦争国家に改造する攻撃の突破口として、国鉄・教労・全逓・自治体の国家の基幹部を制する4大産別の労働組合を壊滅しようとしている。日本経団連・御手洗の1・1ビジョンは、こうしたブルジョアジーの本音を表わしている。
だが、昨年の教基法闘争の爆発が示したように、労働者階級人民の巨大な反撃が始まっている。教育基本法改悪は、本格的な改憲攻撃であると同時に、日教組解体攻撃の始まりだ。これに対し、北教組を始め全国の教育労働者が本部の裏切りと制動をはねのけて総決起した。本部を打倒して闘う日教組をよみがえらせ、現場労働者が職場のヘゲモニーを奪還していくならば、法律をいくら変えても教基法改悪攻撃は貫徹できないことを、決起した教育労働者は確信しつつある。
闘う教育労働者の進む道は、動労千葉の闘いが照らし出している。動労千葉は、国鉄分割・民営化攻撃に唯一ストライキで決起し、今なお団結を維持して反合・運転保安闘争を闘いぬいている。総評・民同労働運動の破産をのりこえて、日本の戦後労働運動の戦闘的伝統を継承する道を選んだだけでなく、戦争と民営化の攻撃に対して階級的原則を貫く闘いを発展させ、日韓米労働者の国際連帯の新地平を切り開いている。
この道の出発点から逃亡したカクマルは、国鉄攻撃の手先と化す道を選んだが、JR総連・松崎一派が黒田・中央派から分裂し、そのJR総連もまた分裂を始めるという惨状を呈している。教祖=黒田は、「愛国心」強要の嵐が吹き荒れる中で、国粋主義に転落して惨めな最期を遂げた。
今や日帝の支配の崩壊は至るところから始まっている。「道州制」という言葉が振りまわされる中での北海道経済の切り捨てもその一端だ。夕張市の財政破綻(はたん)は、国と道、金融機関に重大な責任がある。「国に責任はない」として、総務省と高橋道知事が押し付けた「再建計画」は、地方自治体の土台を破壊して絶対に再建させない代物だ。住民負担の最大限の強制、福祉・医療の切り捨てで住民の流出が始まり、生活保護世帯以下の例も出るような給与削減で市の幹部全員、専門職の大半、全体の半分が年度末で退職に追い込まれた。
ここには、「自治労は悪性腫瘍(しゅよう)」(自民党・中川昭一)とする日帝・安倍政権の自治労解体攻撃が背景としてある。夕張市問題は始まりに過ぎない。日豪EPA(経済連携協定)を見ても、北海道の農業の大半を壊滅させても構わないという判断がある。すべて自治体、北海道全体が早晩、夕張市になる。日帝・安倍政権の一切の攻撃に対しては、労働者、住民としての権利を譲らず闘うしかない。その闘いの軸に、階級的労働運動こそが立たなければならない。
わが北海道地方委員会は「党の革命」を推し進め、4大産別決戦を軸に階級的労働運動をいたるところにつくり出すために総決起する。今春「日の丸・君が代」強制と闘う教育労働者とともに昨年を超える教労決戦の爆発を絶対に実現する。
職場で党派闘争を貫き闘う労働組合取り戻す 東海地方委員会
世界情勢は、プロレタリア世界革命の時代の到来を告げ知らせている。革共同は、結党50年のあらゆる艱難(かんなん)辛苦を乗り越えて、この日のために闘ってきた。ついに、世界の労働者階級人民と連帯し、世界革命へ向けて進む時を迎えたのである。
米帝は、全世界の労働者階級人民の闘いによって、イラク侵略戦争の敗北・敗勢へとたたき込まれている。そして、日帝は国際帝国主義の最弱の環としての絶望的危機に直面している。
米帝の延命の道は、帝国主義間争闘戦の激化を基底として、中東におけるさらなる侵略戦争の拡大と朝鮮侵略戦争への突入以外にない。一方、日帝は、争闘戦に勝利するために、アジアを勢力圏化することが絶対的課題であり、そのためには帝国主義的侵略戦争に打って出るしかない。
安倍政権は朝鮮侵略戦争に一切の照準を合わせている。教育基本法改悪、防衛省昇格法などを強行し、9条改憲へと突き進もうとしている。
11・5労働者集会は、この情勢に対する労働者階級の怒りの総決起としてかちとられ、勝利の展望を開いた。まず確認すべきは、日韓米の最も戦闘的な労働組合が、帝国主義打倒・労働者階級解放を掲げて結集し、国境を越えた不抜の団結を闘いとったことである。
次は、4大産別決戦を軸とした改憲阻止決戦への突入をかちとったことだ。06年国会決戦は、動労千葉を始めとする3労組が軸となり、巨大な規模で闘いぬかれ、ついに教基法決戦をめぐる攻防の中から、日教組本部の裏切りを乗り越える決起が陸続と始まるものとなったのである。
さらに特筆すべきは、青年労働者と学生が革共同結党以来の歴史を継承し、実践的に体現し、その中から革命の現実性をつかみとり、その勝利の展望を実感し、06年日本階級闘争の最前線に躍り出たことである。
06年の闘いは、この三つの偉大な地平でプロレタリア革命への道を圧倒的に切り開いた。そしてこの根拠となったのが、党の革命をとおしてかちとられた「党は労働者階級そのものである」の立場であり、これに基づく労働組合と労働運動の階級的再生の闘いだった。
07年は、全情勢が白熱的に前倒しとなり、階級的激突が果てしなく激化・拡大していく過程をたどる。帝国主義の未曽有(みぞう)の戦争と資本攻勢の大反動が吹き荒れるが、労働者の階級的団結をもって総決起するならば、帝国主義世界戦争を国際的内乱に転化する―プロレタリア世界革命の歴史的チャンスとなる。核心問題は、労働組合と労働運動の階級的再生である。安倍=御手洗路線と真正面から激突して闘い、階級的労働運動の潮流を巨大な規模でつくり出すことである。
東海地方委員会は、07年決戦を安倍=御手洗路線と対決し、今年こそ11月1万人結集を実現するために全力で決起する。ここでの核心的テーマは、階級的労働運動の発展へ向けて、職場闘争を推進し、既成指導部との党派闘争を貫徹し、「闘う労働組合を取りもどす」闘いに総決起することである。これを青年労働者と学生の決起を軸に闘いとることだ。
1〜3月「日の丸・君が代」決戦を、改悪教基法との最大の攻防として闘う。2月小牧基地闘争を「航空自衛隊のイラク派兵阻止・空中給油機の配備反対」として全力で闘う。今度の国会闘争をもって改憲阻止決戦は正念場を迎える。百万人署名運動の前進で断固として闘いぬく。そして、07春闘こそ、安倍=御手洗路線との一大激突となる。御手洗ビジョンに対する労働者の怒りは沸騰している。労働者階級の反乱が陸続と起きる情勢を見据え、巨万の決起で闘いぬこう。
青年と学生を組織化し党勢倍増へ全力で闘う 北陸地方委員会
革共同と労働者階級は06年、プロレタリア世界革命に向けて決定的な地平を切り開いた。党の革命と22全総でプロレタリア革命をやり抜く党、労働者階級の党として自己変革・再生した。07年、党の革命を推進し、階級的労働運動路線を実践し、プロレタリア革命への決定的な前進を闘い取ろう。北陸地方委員会は、全国の同志とともにその先頭で闘いぬく。
米帝は、イラク侵略戦争での敗北・敗勢、住宅バブルの崩壊、ドル暴落の切迫の中、破局的な危機爆発と没落の過程に突入した。米帝の世界支配が崩壊を開始し、帝国主義間争闘戦が世界戦争に向けて新たな段階に突入した。とりわけ米日帝の朝鮮侵略戦争の動きは、北朝鮮の核実験・核保有を口実に戦争前夜の緊迫した状況にある。
安倍政権は、御手洗ビジョンが打ち出す改憲・侵略戦争攻撃と労働者階級への徹底した搾取・収奪の攻撃を、政権の正面課題に据え、4大産別を始めとした労組破壊の攻撃を、帝国主義体制の最弱の環からの絶望的突破をかけた凶暴さで推し進めている。しかし、御手洗には、今日のアメリカ労働者階級の総決起の開始として破産を突きつけられた80年代レーガンの労働者支配を賞賛するしかないのだ。安倍=御手洗に対する労働者階級の怒りの爆発は不可避だ。
帝国主義を打倒することでしか労働者階級は生きていけない。この腐りきった帝国主義の現実の中に、労働者階級こそ社会の主人公であり、共産主義を実現する根拠がある。プロレタリア世界革命の旗を高く掲げ、安倍=御手洗路線と闘おう。
昨年の11・5労働者集会は、米日帝の朝鮮侵略戦争前夜の緊迫した情勢の中で、日韓米3カ国の労働者の国境を越えた団結で朝鮮侵略戦争を阻止し、帝国主義を打倒し、世界革命を実現していく“現代のコミンテルン”の巨大な出発点をかちとった。
この偉大な地平を切り開いた動労千葉労働運動の歴史と実践の中に階級的労働運動の生きた教訓がある。そこから徹底的に学び、4大産別を先頭にあらゆる職場で動労千葉労働運動が体現する労働者自己解放闘争、階級的労働運動、労働組合の階級的団結強化の実践に、そして労働者細胞建設に党の持てる力の一切を集中し、前進を切り開く。この闘いが持つプロレタリア革命における基軸性、普遍性を明確にし、そのもとにすべての闘いを一体化していく。そしてこの実践の中で真の同志的団結と路線的一致を闘い取る。
07年改憲阻止闘争の大爆発を切り開くために、「日の丸・君が代」不起立闘争を始めとした教労の闘いを軸とした4大産別決戦を闘いぬく。さらにすべての産別・職場で職場闘争を推進し、労働組合権力の獲得を目的意識的に推進する。この闘いにおける青年労働者の生き生きとした闘いは、党の変革と飛躍の起爆剤となっている。青年労働者の闘いに続き、全党員の一人ひとりが、帝国主義の危機の時代に生き、かつ闘う革命家として、プロレタリア革命実現のため不退転の決意で職場闘争に立ち上がり、労働組合権力をめぐる激烈な党派闘争に勝ちぬく闘いへ身を投じよう。
マル学同富山大学支部は07年、富大自治会破壊攻撃を、退路を断った決起で迎え撃つ。そして富大生の大衆的反撃をつくりだし、大学を学生の手に取りもどし、改憲阻止闘争の戦闘的高揚を切り開く。その中で富大支部の建設を成し遂げる。
北陸地方委員会は07年、階級的労働運動路線のもと4大産別の中に、そしてすべての産別・職場・地区に労働者細胞を建設する闘いに総力を挙げて奮闘する。細胞建設を基軸に強固な地区党建設・党勢倍増へ全力で闘いぬく。とりわけ青年労働者と学生の結集を全力で成し遂げる。
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週刊『前進』(2279号4面2)(2007/01/22 )
1月1日〜16日
イラク米軍2万1千人増派
日米が朝鮮有事へ作戦計画
●イラク米兵、死者3千人を突破 03年3月のイラク戦争開戦以来の駐留米軍兵士の死者数が3千人を超えた。(1日)
●日米、有事計画を具体化 日米両政府が、朝鮮半島有事とそれが日本有事に発展する場合を想定し、港湾・空域や後方支援活動などの詳細部分を詰めた「共同作戦計画」づくりを昨年12月から始めたことが明らかになった。日米両政府は02年に「5055」というコードネームをつけた「概念計画」に署名しているが、協力項目ごとに方針や必要な施設数などが書かれている程度。今回の作業は、これを実施可能な「共同作戦計画」に格上げするもの。07年秋の完成を目指す。中台有事での対処計画の検討開始にも基本合意したことも明らかになった。(3日)
●安倍「改憲を参院選の争点に」 安倍首相が年頭記者会見で「憲法改正をぜひ私の内閣で目指していきたい。参院選でも訴えていきたい」と述べた。(4日)
●北朝鮮難民「10万人」 朝鮮半島の有事の際、北朝鮮から10万〜15万人規模の難民が日本に上陸する可能性があると内閣の安全保障会議の関係機関が集計していることが分かった。(4日)
●米軍、名護で早朝に射撃訓練 午前5時半ごろから7時すぎにかけ、沖縄県名護市のキャンプ・シュワブ演習場で、在沖米海兵隊の実弾射撃訓練が断続的に続いた。爆発音を伴う早朝の実弾訓練はめったになく、周辺住民から騒音被害を訴える声が相次いだ。(5日)
●防衛省が発足 防衛庁が「省」に昇格した。自衛隊のイラク派遣などの海外活動も付随的任務から本来任務に格上げされた。安倍首相は記念式典で「戦後レジーム(体制)から脱却し、新たな国造りを行うための第一歩」と位置づけ、集団的自衛権行使の研究を進める考えを表明した。(9日)
●日本船と米原潜が接触 ペルシャ湾のホルムズ海峡南部で米原子力潜水艦ニューポート・ニューズと川崎汽船の大型タンカーが接触した。双方の乗務員にけがはない。原潜に放射能漏れはないという。(9日)
●陸自が路上爆弾で訓練 陸上自衛隊第1混成団(那覇)の不発弾処理隊隊員ら42人が昨年11月、金武町の米軍キャンプ・ハンセンで、米海兵隊がイラクから持ち帰った簡易手製爆弾(路上爆弾)を使って訓練を行っていたことが分かった。(9日)
●F22、嘉手納に配備 米空軍の次期主力機F15戦闘機の後継機となるF22戦闘機12機が2月中に嘉手納基地へ配備されることが分かった。米国外では初の配備。兵員250人も沖縄に移駐する。(9日)
●米軍2万1千人増派 ブッシュ米大統領は、全米向けにテレビ演説し、イラクの現状について「過ちがあった点については、私に責任がある。戦略を変えなければならないのは明らかだ」と述べ、新戦略を発表した。イラク駐留米軍(現兵力約13万人)について、首都バグダッドに1月から段階的に計約2万1千人を増派する。(10日)
●「失敗しても撤退ない」 ゲーツ米国防長官は、イラク新戦略に関して、「イラク側に『今すぐ撤退する』と告げるのは、米国の国益にかなうこととは思えない。イラクで米国が失敗し、敗北した場合を考えるよりも、違う戦略がどう立てられるかを考えたほうがいい」などと述べた。(12日)
●安倍「海外活動ためらわず」 欧州歴訪中の安倍首相は、北大西洋条約機構(NATO)理事会で日本の首相として初めてスピーチし、「国際的な平和と安定のためなら、自衛隊の海外活動をためらわない」との考えを強調した。(12日)
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週刊『前進』(2279号5面1)(2007/01/22 )
障害者自立支援法粉砕を
「障害者」解放闘争
社会保障解体と「障害者」 抹殺狙う日帝打倒しよう
労働者階級とともに革命へ
“戦後世界体制からの脱却”を振りかざして改憲と朝鮮・中国侵略戦争に突進する安倍内閣を「障害者」は労働者とともにその先頭で絶対に打倒しよう。
日本労働者階級は国際労働者階級の一員として、動労千葉が掲げ成し遂げてきた非妥協・不屈の階級的労働運動の実践をいしずえに、3労組共闘・3カ国連帯の11月労働者集会で踏み出した革命的コミンテルン形成への道をその勝利の大道として固く握りしめている。国鉄・教労・全逓・自治体の4大産別の基軸的労働運動における革命的主導権の奪取をめぐる攻防に勝利し、あらゆる産別、民間、未組織、青年労働者との階級的団結をはかり、関東「障害者」解放委員会も労働者階級の先頭で闘うことを宣言する。
日帝の社会保障制度解体攻撃に怒り、勝利を求め新たに闘いに踏み出した「障害者」、差別・排外主義、優生思想で労働者階級の分断をあおりながら戦時的「障害者」抹殺攻撃に踏み込む日帝との闘いに立ちあがっている「障害者」は、今や膨大な数でともに勝利を求め階級的団結を深めようとしている。
(写真 障害者自立支援法への怒りに燃え日比谷公園に集まった1万5千人が国会デモ【06年10月31日】)
既得権を奪い福祉切り捨て
第一に05年制定、06年に施行された障害者自立支援法粉砕の闘いに絶対に勝利することである。
「自立支援法」粉砕の闘いは昨年歴史的な勝利に向かっての地平を獲得した。10月31日の日比谷1万5千人の決起は、法律が成立させられたら闘いは沈静化するというこれまでの運動の限界と弱点を一気に突破し、法が成立し施行されてもなお、いや、むしろ法施行に伴う矛盾が一気に爆発する中で「障害者」自らの生存をかけた地元自治体との攻防を土台に、05年を通して闘いぬかれた自立支援法制定阻止の国会闘争をもはるかに超える規模と戦闘性で爆発している。
障害者自立支援法は、戦後わずかばかりだが既得権としてかちとられてきた公的介護保障を国が「自立・自助」の名のもとに一切放棄し、わずかばかりの補助金拠出と自己負担制に依拠した民間事業への委託、あるいはボランティア動員への転換という形で福祉切り捨て・社会保障解体に走る攻撃だ。この攻撃と死活をかけて闘っている。
施行後、当然にもわき起こる幾多の反対の声に圧倒され上限負担額の2年間の4分の1化等軽減策を出してきたものの、既に「障害者」世帯での無理心中事件も発生している。数年後には保険料強制徴収に移行させて介護保険との統合を狙い、労働者家族への一層の保険料負担増とともに、介護時間の徹底した細分化のもと、「障害者」の生存すらあらかじめには認めないという抹殺を策す悪らつな攻撃として襲いかかってきている。
安倍政権の「骨太方針2006」や、日本経団連会長の御手洗提言=「希望の国、日本」では社会保障の解体を戦略的に掲げ、「経済成長の身のたけにあった社会保障を考えろ」「必要最小限のセーフティネットといえども公的制度に任せる必要はない」「民間委託やボランティアで費用節減をはかれ」と叫びまくっている。財界は日帝が経済圏を持てない帝国主義としてあることの巻き返しを「東アジア自由経済圏」構想の名のもとに必死にアジア侵略の突破をかけ、「経済成長」戦略を侵略戦争発動や内なる階級闘争圧殺・労働運動解体と表裏一体で推し進めてきている。まさに”福祉が欲しければアジア侵略をして日帝の経済成長を支えろ”と脅しているのだ。
「骨太方針2006」では2011年までに社会保障関係費を自然増とは逆行して1・6兆円削減することを掲げた。「後期高齢者医療制度」施行を始めとした医療費削減、年金の一元化による削減、生活保護での母子加算廃止、介護抑制・「障害者」福祉見直し等全般にわたり、大規模削減・消費税アップが策動されている。
障害者自立支援法は戦後の「障害者」福祉を一変させた。福祉は公費、あるいは負担能力に応じた応能負担という建て前から一転して介護利用すべてを商品化させ応益(定率)負担を迫った。介護が必要な人や世帯ほど金銭負担が重くなり、所得が低い人ほど負担が大変になるという逆転現象を起こしたのだ。
また「精神障害・身体障害・知的障害の3障害統合」の名のもとに今までほとんど無料だった精神科通院医療や育成医療、更生医療も応益負担に組み込んだ。しかも介護の商品化は、さしあたっての自立支援給付と完全な民間商品(10割負担)として襲いかかっている。
自立支援給付においては国家の新たな「障害程度区分1〜6度」判定のもと、単価の安い「長時間型介護」を除けば1日に数時間という決められた時間数しか給付しない原則だ。さしあたって区市町村等窓口との必死の抗議・交渉をとおして上乗せで現状に近い介護時間をかちとっている例もあるが、要は自治体交渉の機会すら奪い自立支援給付も縮小させ、自費払いや民間保険等に誘導し、絶望と孤立に追いやろうとする攻撃だ。
事業者の方も事態は深刻だ。新規参入企業というより長年作業所や就労支援、グループホーム等に携わってきた人が事業所を立ち上げざるをえず、利用者の「認定時間×報酬単価」+利用料1割徴収によって経営をまかなわなければならない。しかし報酬単価はきわめて低い(介護保険単価より低い)。
さらにこれまで月単位で数えた利用者の実績数も日単位に変更され運営の不安が襲う。ヘルパー資格の種類や訓練や就労移行支援等で標準利用期間超過に伴う減算を受けたり、利用する「障害者」と事業者・ヘルパー労働者との分断が至るところで仕掛けられている。また作業所で働いた工賃も法施行以降は「訓練や介護を利用した結果」という名目で1割負担がかかり手元に残らないという事態も発生している。給食費、水光熱費負担も2年限りの軽減策もあるが追加負担が始まった。
その上、敷地内にある精神科病院の病棟を「退院支援施設」として看板替えするペテンも自立支援法の中で起こっている。昨年10月の実施を阻んでさらに反対の闘いが続けられている。
昨年10月31日に自立支援法見直し、10月本格施行弾劾を叫び、「障害者」、家族、労働者1万5千人が津波のように日比谷・厚労省前に結集した。「障害者」がまだまだ隔離生活を余儀なくされ、ヘルパー確保に苦闘を強いられていてもなお自立支援法への怒りに燃え行動を起こしたのだ。
「障害者」は病院や隔離生活も含め常に労働者の仲間の一人として至るところで生活して闘おうとしている。安倍政権打倒へともに決起を促そう。
保安処分施設建設の阻止を
第二に保安処分反対闘争の新たな発展を切り開くことだ。
05年施行された医療観察法は「犯罪を犯したとされる精神障害者」に刑法とは別に入院や保護観察付き強制通院を裁判所命令で下す保安処分として先行的に実施されていることを徹底的に弾劾しなければならない。一例では「全治5日」の傷害罪で5年も前の事件にさかのぼって審判や鑑定入院による3カ月収容が行われている(審判結果は未発表)。
「精神障害者に再犯予測が可能」「収容して強制治療が必要」というのは長年「精神障害者」に投げかけられてきた差別であり労働者間の分断である。旧国立系精神科病院や東京・松沢病院、大阪・旧中宮病院で始まりだした保安処分施設建設を地域住民・労働者に働きかけ絶対に中止に追い込もう。
現在、法制審議会は「被収容人員適正化方策に関する部会」で「性犯罪者」「薬物依存犯罪者」を対象に刑罰と保安処分を二重に判決で下す本格的保安処分導入の検討を始めた。「刑期終了後も再犯率が高い」とあおりたて日帝の刑事政策や社会復帰政策の破綻を押し隠し労働者に分断を持ち込もうとしている。
しかし「性犯罪者」の解釈では「性に関連した窃盗や軽犯罪、図書頒布」等も含まれると解釈され、また「人格障害・性格異常」と差別分断的に名付けさえすれば誰でも収容できるとする拡大適用すら狙っている。「活動家=病気」と見立て労働運動・反戦運動の圧殺すら狙っている。戦時的な予防検束であり隔離収容施設内での去勢・断種・人体実験の復活につながる刑法改悪・法案提出策動を絶対に粉砕しなければならない。
臓器移植法の撤廃へ闘おう
第三に、継続審議となっている「臓器移植法」改悪案の廃案をかちとり、「尊厳死・安楽死」法案提出策動を絶対に粉砕することだ。
「脳死」は「人の死」ではない。救命を待つ患者なのである。「脳死判定」自体もその手順に無呼吸テストなど殺傷行為を含み国際的にもけっして統一基準を示すことのできないつくり話だ。移植自体も他人の臓器を結合させるということは人工的に無菌状態をつくり出し、副作用の危険をかえりみず幾多の感染症を強引に押さえた限りでの生存にほかならない。
結局、臓器移植法でもたらされる現実は保険適用を早々と打ち切り、治療中止に走ることだ。「役立たずは早く死んで人のためになれ」という憎悪にも似た差別・排外主義を「愛の行為」としてたたえ扇動することだ。「障害者」抹殺、労働者の分断攻撃を絶対に許してはならない。
提出された臓器移植法改悪A案は「本人の拒否の意思表明がなければ臓器摘出できる」というウルトラ大改悪であり0歳の小児からも臓器摘出が可能だ。B案は「本人意思」の摘出条件は残しつつも15歳から12歳に摘出年齢を下げ、親族への臓器優先提供も認めている。さらにB案の変形で6歳〜12歳を親族の承諾で摘出OKとするC案も提出が準備されている。これらに対し「脳死判定」や摘出ルールの厳格化の対案で対抗しようとする動きもあるが、あくまで現行法も含めた臓器移植法の撤廃を掲げて闘いぬかなければならない。
さらに「尊厳死・安楽死」法制化を粉砕しよう。本人の事前意思表示があれば「不治・末期」の医者の見立てをゴーサインに人工呼吸器など延命治療の中止(死なせること)を可能とする案が準備されている。「末期」の概念も大幅に拡大解釈され「死期に近い=終末期」という言葉を使い、小児や「精神的末期」も対象に拡大しようとしている。
1939年ナチスのポーランド侵略と一体の「障害者」大量虐殺(ガス室での安楽死計画)を再び呼び起こす「慈悲殺」や「経済的負担の解消としての無益な命の抹殺」が公然と吹き込まれ始めているのだ。
差別・分断攻撃の激化で延命する帝国主義のあがきを絶対に許さないために「障害者」は労働者とともにその先頭で「障害者」解放・日帝打倒、世界革命に向け闘いぬこう。
〔関東「障害者」解放委員会〕
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週刊『前進』(2279号5面2)(2007/01/22 )
法政大 改憲阻止・学生ゼネストへ
不当処分完全撤回を
07年を平林総長打倒の年に
07年、法政大学は1月9日に開講した。闘う法大生は06年の完全勝利の地平を実感しつつ、さらに処分撤回・平林打倒に向け、闘いをぐいぐい前進させている。
停学処分完全解除かちとる
一番大きいのは、学友1名の停学処分が1月14日をもって満期(6カ月)を迎え、処分の完全解除をかちとったことだ。法大当局は、停学処分に屈服しない彼にさらなる処分を下そうと策動していた。そのために「事情聴取」も行っていた。しかし、こうした策動をすべて打ち破っての「停学解除」だ。処分の完全撤回に向かって、大きな前進だ。
15日昼休み、学友が元気にキャンパスに登場した。正門に構えていたガードマンは、彼の入構を妨害しようとしたが、自分がやろうとしたことの間違いを悟り、すぐに身を引いた。学友は直ちにマイクをとり、「いまだなんの反省もない安東学生部長や学生部職員、法学部の教授たちやガードマンの顔を見るのもいやですが、そんなのに負けて大学をやめることなどできません。2007年、平林総長を打倒して、自由で活気のある法政大学を取り戻すまで闘っていきます。全員の処分撤回と復学をかちとります」と決意も鮮明に訴えた。
この時キャンパスで当局が流した、被処分者を名指ししての「退去勧告放送」でも、彼の名前を言うことはできなかった。法大当局の完全な敗北宣言だ。
同じ日の午後には法学部教授会が行われた。前回の教授会では「(法学部2名の追加処分について)次回何らかの提案がある」と言っていたが、今回は処分問題について議題にすらできなかった。法大当局が停学解除を完全に追認したのだ。理不尽な弾圧に、団結して一歩も引かずに闘うことで、停学解除を認めさせたのだ。ムリにムリを重ねてきた法大当局は、完全に分裂し、二重権力状態に入った。
06年の闘いが、独裁権力を狙う平林総長を完全に追いつめてきた。06年、平林総長は法大学生運動圧殺のために3・14弾圧を強行し、のべ40人をデッチあげ逮捕した。さらに総長選挙を廃止して独裁体制をしこうとしていた。ところが学生の一歩も引かない闘いと団結、そして教員の怒りと闘いによってそのことごとくが破産した。
もはや、平林や一部理事が何を言おうが、法大キャンパスではまったく通用しない。平林総長はもとより安東学生部長や学生部職員はまったくキャンパスに出てこない。立て看板を撤去する力もない。被処分者の排除・監視、学生へのデッチあげ弾圧のために導入されたガードマンの志気も下がるばかりだ。デッチあげの張本人・通称「ルンゲ」=大久保廣宣も、たまにキャンパスに現れては学生の追及にあい、走って逃げ去っていく。キャンパスはテスト期間に入っているが、法大生はそんなものに制圧されはしない。キャンパス支配権は学生が握っている。
しかし、だからといって法大生と教職員は、安倍−御手洗の先兵となってビラ・立て看板規制、そしてクラス討論まで弾圧するという学生運動圧殺に踏み込んだ平林総長を絶対に許しはしない。07年、全学ストライキをぶち抜き、最終責任者である平林総長はもちろん、安東学生部長などの学生部の職員、東京警備保障のガードマン、デッチあげの転び屋「ルンゲ」=大久保廣宣など、階級的犯罪に手を染めたすべての関係者に責任をとらせ、打倒する。
(写真 「平林総長打倒」を訴える法大生のビラ) 法大で革命が進行している
すべての皆さん! とりわけ学生の皆さん! 今、法大で進んでいることが革命だ。自分の大学キャンパスで当局の攻撃を真っ向から見すえて一歩も引かず、団結を打ち固めて闘ったとき、当局の攻撃など危機と矛盾に満ち満ちたものであり、膨大な学生の決起に転じることが必ずできる。
動労千葉が職場からやってきたのがそういう闘いだ。かたや日本経団連会長の御手洗はなんと言っているか。「このまま行ったら日本の資本主義は10年しかもたない」と言っているのだ。未来は学生・青年のものだ。07年、「参院選の焦点は改憲」と言い切る安倍に対して、改憲阻止全国学生ゼネストを掲げて突き進もう! 法大生はその先頭に立つ。
(法大生 A)
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週刊『前進』(2279号5面3)(2007/01/22 )
東日本解放共闘が総会
”労働者が解放の主人公に”
12月17日、都内で東日本の部落解放同盟全国連合会の各支部や、共闘の労働団体、市民団体、学生団体など、多数が結集して部落解放東日本共闘会議の第15回総会が開催された。解放共闘が06年の激動の中、11月労働者集会、国会闘争、狭山闘争などを担ったことを総括し、新たな飛躍をかけて07年の決戦に挑む決意を固めた。
「差別裁判打ち砕こう」を合唱した後、動労千葉の田中康宏委員長が主催者としてあいさつに立った。田中委員長は06年の国会闘争を振り返り、「教育基本法の改悪法案が参院を通過したが、われわれには敗北感はない。今この現実を見つめ、何をなすべきか、何から始めるべきかを考える時である」と提起した。また「1万2千人の現場の教育労働者が東京に来て方針を求めている時、日教組本部が裏切ったことは絶対に許せない。部落差別の渦の中で、部落民労働者も、ワーキングプアと呼ばれる労働者も、労働者はみな闘いの方針を求めている。私たちは原点から始めなくてはならない。原点というのは労働組合でいえば職場から。職場から団結して闘いを始めよう」と呼びかけた。
そして「画期的地平を切り開いた70年代の部落解放闘争や労働運動、日比谷を埋め尽くしたあの闘いも、今で言えばランク・アンド・ファイルの闘いだった。かつての狭山集会には無数の労働者、組合の闘いがあった。狭山闘争は今まさに正念場。この現実に立ち向かえる東日本解放共闘会議をつくらなくてはならない」と解放共闘の課題を明らかにした。
部落解放理論センターの沼田芳知さんが「戦時下の部落差別攻撃の本格的始まり、これにどう立ち向かうか」というテーマで講演した。沼田さんは、現在関西で起きている部落差別キャンペーン、差別襲撃は、解放運動つぶしだけでなく自治体労働運動つぶし、医療労働運動つぶしだと弾劾した。その中で現場の労働者の決起が始まり、労働者階級が部落解放闘争のもう一方の主人公として登場してきたことを報告し、解放共闘の闘いの方向性を明らかにした。
山川博康・東日本解放共闘事務局長が06年活動報告と07年方針案を提起し採択を受けた後、各団体と全国連各支部が07年の決意を述べた。石川一雄さんの地元、狭山支部は、埼玉の労組交流センターの仲間とともに合同労組「さいたまユニオン」を昨年結成し、解放共闘運動の新たな一歩を踏み出したと報告した。
若返りの新役員・幹事体制が発表され、07年の闘いが始まった。
(写真 狭山闘争の勝利を期し役員・幹事を若返らせた東日本解放共闘の総会【06年12月17日 東京】)
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週刊『前進』(2279号5面4)(2007/01/22 )
1・28日関西新空港闘争へ
大阪湾岸住民団体が招請状
1月28日の関西新空港反対集会への招請状が主催団体から発せられた。呼びかけにこたえて、関空2期供用開始をめぐって決戦を迎えた泉佐野現地闘争に駆けつけ、ともに闘おう。(編集局)
ご案内
新年おめでとうございます。2007年を勝利の年にするために共に闘いましょう。
昨年は泉佐野市議選へのご支援ありがとうございました。みなさんのお陰で国賀議員は1749票獲得し見事に6選を果たしました。関空の軍事使用と地元犠牲に反対する市民の力が示されたのです。特に、関空赤字を補填(ほてん)するために新田谷市長が、ごみ有料化までやってきたことに市民の怒りは爆発したのです。
また昨年は、安倍改憲政権との闘いが盛りあがりました。教育基本法改悪に反対する闘いは、教育労働者を先頭に何度も国会闘争を闘い、全国で労働者人民が起ち上がりました。安倍政権は12月15日強行採決しましたが、ギリギリまで追いつめました。
今年は、関空2期阻止闘争から憲法改悪阻止闘争を爆発させましょう。安倍政権は本格的な侵略戦争ができる国に「飛躍」しない限り生きていけないという危機に直面しています。それは同時に労働者人民が起ち上がる情勢をつくりだしています。国際連帯闘争が飛躍的に発展しています。労働者人民に国境はありません。この闘いに未来があることが明らかです。
関西新空港闘争は、重要な決戦を迎えています。昨年6月、国土交通省は関空2期供用開始を「8月2日にする」と発表しました。さらに、12月27日に国土交通省は、関空に着陸するルートまで「陸上ルート」にする案を地元に提示しました。98年離陸ルートの陸上ルート強行以上の暴挙です。これは関空を建設するときの約束違反であり、騒音公害を強要するのは確実です。理由は、「羽田−関空便を10分短縮する」「年間13万回を達成する」という、破綻(はたん)した関空2期事業を救済するために、地元住民に犠牲を強要するものです。こんなことは絶対に許せません。
関空は便数と旅客が激減し、この3年間は10〜11万回まで減っています。2期供用開始しても「朝夕の混雑時に着陸にしか使わない」というのです。2期事業はまったく必要ありません。にもかかわらず今年8月2日2期供用開始を決めました。これは朝鮮侵略戦争のための軍事空港建設に他なりません。2月には伊丹で朝鮮侵略戦争のために大規模な日米合同指揮所演習「ヤマサクラ51」が行われようとしており、関空が軍事使用されようとしています。
これらは米軍再編を背景にした沖縄・三里塚などへの攻撃と一体のものです。教基法改悪攻撃に見られたように、改憲=「戦争のできる」国へのクーデター的とも言えるその攻撃は、何の整合性もありません。40年を闘い抜く三里塚反対同盟への北延伸攻撃、市東孝雄さんの耕作地を「農地法」で取り上げようとする暴虐・不法な攻撃などどうして許せるでしょうか。三里塚反対同盟、沖縄、北富士など、安倍政権の戦争政策と闘う人々と共に勝利しましょう。
神戸空港に反対する闘いも、その一つです。神戸港と共に軍事拠点にするために建設し、開港を強行しました。その既成事実を跳ね返し住民は懸命に闘っています。2月18日には開港1周年闘争をやります。共に闘いましょう。
2007年1月
大阪湾岸住民4団体(泉州・淡路・明石・東灘)
関西反戦共同行動委員会
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週刊『前進』(2279号6面1)(2007/01/22 )
法大決戦への労働者の激励と支援に感激 東京 早河 昇
先日、山手線内の駅前で改憲阻止署名の街宣をやりました。そこで、法政大学での闘いを話してカンパを訴えたのですが、ものすごい反響と激励が返ってきました。
戦争を体験したという男性は、「何で大学で言論が規制されているのか! 改憲反対を訴えた学生が退学処分だなんて、レッドパージそのものじゃないか!」と肩を震わせカンパをくれました。
また現場労働者という感じの男性は、「40人不当逮捕されたが、全部不起訴ではね返してきた」「3人への退学処分に対して、1000人の学生が立ち上がって学生部長を追及した」という話に一瞬で共感、5千円札を取り出しました。僕が驚いていると、「いいよ。おれはわかるから。大きい5千円だからな。がんばれよ!」と檄を飛ばしてくれました。
さらにその日、偶然にも法政二高の教員をやっているという男性とも会いました。彼は、「今、高校も本当におかしくなっているけど、大学の方がもっとやばいな。理事が悪いんだ。おれは総長選廃止反対で関わってるけど、高校もこれまで学内で決めていた校長を全部トップダウンで決めようとしていてそれに反対している」と熱く語り、お互い団結してがんばろうとカンパをくれました。
労働者階級がどれだけ安倍の改憲に怒っているか。そして、06年法大決戦が、その先端でどれだけ大きなものを切り開いてきたかということを感動をもって実感させられました。勝利は労働者階級と学生の手にある。07年こそ学生・教職員の全学ストライキで安倍―平林を打倒するぞ!
12周年迎えた被災地に民衆の怒りが集結 関西合同労働組合 K・T
1月14日、神戸市長田で「震災12周年第25回被災地反失業総行動集会」が開かれ、130人が集まった。
「いつまで震災言うてるんや、言われる。でも苦しい! 自分の力が足らんと言うのか!」これが被災者の本当の声だ。
震災で犠牲になった人びとへの黙とうの後、被災地雇用と生活要求者組合の長谷川正夫代表が開会あいさつを行い、「よく生きてこられた。12年間は奪われた権利を必死で奪い返す闘いだった。生存権がテーマだ。生きる権利・働く権利を求めて新たな闘いに立ち上がりたい! 戦争こそ生存権奪う最悪の行為だ!」と新たな要求闘争・行政闘争実現へ怒りと決意を表明した。
粟原富夫・神戸市議が神戸市の産廃処理・リサイクルセンターの汚職事件が闇に葬られようとしていると怒りの報告。
下関市大の池田清教授が記念講演を行い、安倍の『美しい国』は反対から読むと本当の姿が見える、「憎いし苦痛(にくいしくつう)」と、冗談を交えながら神戸市政を徹底的に弾劾した。「神戸市はワーキングプアが2人に1人。兵庫・長田区は生活保護が震災時の4倍になっている。市の跡地を市価より45億円も安く入札させながら、なんで家賃・医療費を払えない被災者の減免に使わないのか。まったく正義というものがない」と述べ、空港や医療産業都市ではなく地域社会が活力のつく方向をめざすべきだとしめくくった。
続いて、新たな差別攻撃に支部を解散してしまった解同本部派を弾劾する部落解放同盟全国連の仲間、「偽装請負」と闘う関西合同労組・関西トランスポート分会の仲間、開港1年目の神戸空港の破産を指摘し、弾劾する神戸空港の中止を求める市民の会の仲間、10年間がんばってきた被災地企業組合のおばちゃんたち、在日に対する入居差別や無年金差別と闘う仲間などが次々に怒りの声を上げた。
12年の被災地共闘・団結の大切さを実感できる集会だった。
(写真 集会途中、沖縄民謡にあわせてカチャーシーを踊る被災地集会の参加者【1月14日 神戸】)
私もアラレみたいに権力に強くありたい 学生 森田萌子
「アラレになりたい」 私は小さい頃、ドクタースランプのアラレちゃんが好きでした。大人になって久しぶりに漫画を読み返しました。そしたら、もっとアラレが好きになったし、改めて何で自分がアラレが好きかがわかりました。
アラレは、自分を倒そうとしていく人たちを、逆にどんどん味方にするんですね。でも本当の敵にはすごいパワーと怒りで倒していくんです。
警察権力に対しても、パトカーにあうたんびに壊している。7巻の時点で300台壊しているんです! 私もアラレちゃんみたいにはっきりとした性格でどんどん人を取り込んでいき、敵には強くありたいです。目標はアラレです。
パレスチナの現実に国境を越えて反対を 東京 村上千佳
パレスチナではイスラエル軍による占領がつづいている。検問で何時間も通行止めを行い(写真上)、病人さえも通さない。長い「分断壁」がどれほど生活を破壊しているか。こうしたことは、イラク・バグダッドでも起きている。
昨年秋、鉄線で囲まれた封鎖区に、数人が実力で突入する闘いが起きた。「占領軍は出ていけ」と飛び込んだ抗議者の中には、イスラエル生まれの少女もいた。突然の出来事に、同じ年頃の女性兵は、思わずうつむく(写真下)。
国境を越え、占領政策に反対していきたい。
教基法改悪反対運動の広がりが財産です 大阪 清川正造
「国会闘争速報」は闘争の現場の雰囲気がわかります。小生も国会に行きたくなり、学習会の仲間と一緒に12月15日の闘争に参加しました。国会前では名前を聞いている60年安保世代の先輩たちが元気に闘っているお姿を拝見し、“若者”はもっと頑張らねばと身をもって教えられた思いです。
教育基本法改悪は残念でしたが、地元で教育労働者とともに闘ってきた反対運動の広がりが財産です。必ず改憲阻止の力につながります。本日も教育基本法改悪に抗議する街頭宣伝をやります。めげずに、“闘いは今から”“闘いはこれから”でやりたいと思います。
〈投稿規定〉
原稿は600字以内。紙面の都合で短くする場合があります。原稿は返却しません。都道府県名または地方名、職業、所属組織・団体、希望のペンネームを添えてください。
あて先は、〒132−0025 東京都江戸川区松江1−12−7 前進編集局「団結ひろば」係
『前進』ホームページの「安心メール」でも受け付けます。
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週刊『前進』(2279号6面2)(2007/01/22 )
相模原 西村市議囲み新春のつどい
4選必勝へ始動
“戦争する政府を倒せ”
1月13日、神奈川県相模原市でさがみはら革新市政をひらく会の“新春のつどい”が開かれた。今年は統一地方選挙の年。婦人民主クラブ全国協議会相模原支部、神奈川労組交流センターを始め市内から多数の労働者・市民がつどい、西村あやこ相模原市議の4選必勝を誓う団結の場となった。
「基地の街から反戦の街へ」「とめよう基地の再編強化/9条改憲に反対!」を呼びかけて年末年始を勢力的に闘い抜いてきた西村議員が、集まってくる労働者、市民一人ひとりを笑顔で迎えた。
開会あいさつを、昨年教育基本法改悪阻止の先頭に立った教育労働者が行った。「闘いはこれから。今春、卒業式・入学式の『日の丸・君が代』強制と闘い、4月には労働者とともに闘う議員である西村あやこさんを4度議会に送ろう」と檄を飛ばした。
新年のあいさつに立った西村さんは、年頭から新聞各紙に朝鮮侵略戦争をめぐる作戦計画などが掲載され、ブッシュは反対を押し切ってイラクに2万人を超す増派を決めたことなどを危機感をもって語り、「ここが正念場の07年。議会の中だけで政治を変えることはできないけれど、労働者や市民の力で議会を変えることができると実感しています。黙っていたら殺されてしまう時代、皆さんとともに闘い、4月の選挙に勝利したい」と決意を語った。
さがみはら革新市政をひらく会の世話人代表である吉田義久相模女子大学教授があいさつし、「アメリカではブッシュの増派に反戦闘争が盛り上がっている。軍都相模原の中枢において反戦運動を起こしていこう。西村さんはこの闘いの担い手。4月選挙に勝利しよう」と訴えた。
すべて持ち寄りというごちそうに舌鼓を打ちながら、参加者が次々とマイクを握った。安倍政権の悪政のもとで今や3人に1人が非正規職労働者という現実への怒りがほとばしる。
倒産闘争をともに闘ったという労働者は、「地元の労働者が現状を変えていくということ。そのためにも自分たちの声を生かしてくれる議員を押し出していこう」。8年間、議会を傍聴して監視してきたという男性は「西村さんはいつも反戦平和。まず市民の身近なところからじゃないかと批判したが、西村さんはめげずに言い続けた。最近はそれも重要だと思っている」と発言。これを引き取って西村議員は「国の政治と地方の政治は連動している。国政で決まったことが地方議会・自治体をとおして実行されていく。『国の悪政にNO!』と言えなければ、平和への思いも市民の暮らしも守れない」と力を込めた。
婦民全国協相模原支部の丹治孝子支部長は、「空前の景気だ、いざなぎ景気だというがうそっぱちだ。私たちに景気がよくなったという実感はない。先進国中、日本が第1位なのは自殺者数。98年から06年に、30万人を超す労働者が政治に殺されたんだ」と暴露し、「1935、36年の時代に似てきている。戦争に突入する前に安倍を倒さなければいけない。これが私たちの生きる姿勢だ」と訴えた。
最後に4月選挙勝利への具体的な行動が呼びかけられ、三三七拍子で全員が心をひとつに選挙戦がスタートした。
(写真 【上】「労働者民衆の力で政治を変えよう」と4月市議選勝利の決意を語る西村あやこ市議【下】職場や地域で闘う支持者が一堂に
【1月13日 相模原】)
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週刊『前進』(2279号6面3)(2007/01/22 )
朝鮮総連に不当な捜索
「税理士法違反」はデッチあげ
侵略戦争前夜に在日を抑圧
朝鮮総連壊滅が弾圧の狙い
1月10日、兵庫県警は警察官300人(!)を動員し「税理士法違反」を口実に在日本朝鮮兵庫県商工会他3カ所への家宅捜索を強行した。兵庫商工会への弾圧は昨年12月5日に続くものであり、まったく不当だ。
昨年11月27日の文京区の朝鮮総連東京都本部への捜索では「薬事法違反」を口実に強行した。75歳の在日朝鮮人女性が昨年5月「万景峰(マンギョンボン)92号」で北朝鮮を訪問する際に、持参しようとした常備薬を近所の医師から購入したことが、「医薬品無許可授与」と「教唆」容疑に当たるというのだ。5月訪朝時には税関検査で問題にもなっていなかったのであり、とんでもないデッチあげだ。マスコミはこれを一斉に取り上げ、「生物兵器に転用可能」「軍用物資調達」などと排外主義的にデマ扇動した。
この弾圧の「異常さ」は際だっている。朝鮮総連東京都本部や兵庫商工会への弾圧は、警察権力を100人から300人も動員するという「常軌を逸した強制捜索」「法の名を借りた権力の濫用(らんよう)」「政治的弾圧」(商工会抗議声明より)であった。
この「異常」さの中にこの間の一連の朝鮮総連弾圧の核心がある。日帝・国家権力は朝鮮総連の壊滅、さらに在日朝鮮人総体の転向・屈服、そして抹殺をも狙っているのである。そのことを示すのが、今回の兵庫商工会への弾圧である。これはこれまでの弾圧からの完全に質的なエスカレーションである。
北朝鮮によるミサイル発射実験や核実験に対して日本政府は制裁決議や経済制裁を発動したが、今回の商工会への弾圧はこれと一体で在日が在日として生きることそのものを許さないという弾圧にほかならない。
商工会は、在日朝鮮人が日本社会で二重三重の差別を受けている中で、その企業権・生活権の擁護、経営相談などを行ってきた。日帝はそれを「税理士法違反」容疑と描き出し、商工会に対する信用と信頼を失墜させ、財政的に徹底的に締め上げ、朝鮮総連という組織、さらには傘下の団体をも一挙に壊滅しようと狙っている。
(写真 不当弾圧や朝鮮学校生徒への暴行に抗議して国会前で座り込む在日朝鮮人の青年たち【12月7日】)
朝鮮侵略戦争の超切迫情勢
朝鮮半島有事を想定した日米共同作戦計画の具体化へ検討が開始されたことが明らかになった(朝日新聞1・4付)。2002年策定の自衛隊と米軍の朝鮮半島有事の戦争計画「5055」を実行可能なレベルに引き上げる、そしてこの作業を今年の秋までに完成することで日米が合意したとされている。
米韓の作戦計画「5027」「5030」などと一体の「5055」の具体化は、日米帝がいよいよ朝鮮侵略戦争の発動を完全に決断していることを示すものだ。戦争計画の具体的な策定それ自身が、激しい対北朝鮮戦争重圧である。
さらに重要なことは、昨年末、政府による新たな北朝鮮制裁強化方針が明らかになったことである(朝日新聞06・12・9付)。この中では「全面的な輸出禁止措置などを検討」「北朝鮮に寄港したすべての船舶の入港禁止」が制裁として加わり、さらに現在、「北朝鮮籍者の原則入国禁止」、「在日北朝鮮当局職員の北朝鮮を渡航先とした再入国の原則禁止」とされている条項を「在日朝鮮人の北朝鮮を渡航先とした再入国の原則禁止」に拡大するという。これが強行されれば朝鮮籍の在日朝鮮人は「祖国」への帰国が永遠に不可能にされてしまう。
1996年夏、梶山官房長官(当時)は、「朝鮮有事」が大量の難民の発生と日本への渡航を生み出し、在日朝鮮人と結合して「日本有事」になると発言した。日帝支配階級は在日人民を「内乱勢力」と見なしており、だからこそ今日の朝鮮侵略戦争の切迫情勢の中、朝鮮総連、在日朝鮮人総体に対する徹底的な弾圧が強行されている。
1949年9月「団体等規正令」によって在日本朝鮮人連盟が解散させられ、翌50年朝鮮戦争が勃発(ぼっぱつ)した。今、この歴史と同じことが起こっている。朝鮮総連への弾圧として、すでに侵略戦争は開始されていることに警鐘を乱打しなくてはならない。
階級的労働運動が連帯の道
昨年11月から12月、国会前に青年を先頭に在日朝鮮人民が結集し、安倍政権の「万景峰号」入港禁止措置に抗議の声を上げた。この闘いは、教育基本法改悪・共謀罪新設阻止に決起した日本の労働者人民と合流し、安倍政権に打撃を強制した。
在日朝鮮人に対する日常的な迫害、暴行が頻発(ひんぱつ)・激化している。在日朝鮮人民は、日本の労働者人民に対して「弾圧は新たな朝鮮人狩りだ。ともに抗議の声を」と必死に訴えている。この呼びかけに心底連帯し、ともに闘っていかなくてはならない。
日帝・安倍政権の「拉致問題の解決なくして国交正常化なし」とは、北朝鮮に対する戦争宣言である。昨年6月に制定された「拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律」(=対北朝鮮制裁法だ!)に基づいて「北朝鮮人権侵害問題啓発週間(毎年12月10日〜16日)」が実施された。川崎市では、「横田めぐみ写真展」の受付や案内に終日、市職員2名が動員された。自治体労働者の戦争動員がこういう形で始まっている。
重要なことは、こうした攻撃が自治体労働者への「公務員制度改革」「市場化テスト」攻撃、教育労働者への「日の丸・君が代」強制、教育基本法改悪、解放教育や民族教育圧殺攻撃を始めとした労働運動破壊攻撃と一体となって加えられていることである。
労働組合は労働者の階級的団結形態であるとともに、差別・抑圧と闘う砦(とりで)なのだ。しかし、今これが連合や全労連によって歪められ逆に労働者を戦争動員する組織となっている。
われわれは今こそ、動労千葉が実践をもって示している本来の労働組合運動を全力で推進しよう。これこそ在日人民との階級的な連帯であり、合流を真に実現し朝鮮侵略戦争を阻止する道だ。
(野田利一)
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週刊『前進』(2279号6面4)(2007/01/22 )
日程 ■1・25共謀罪阻止国会開会日行動、■さらば!共謀罪1・26集会
■1・25共謀罪阻止国会開会日行動
1月25日(木)午前8時半〜地下鉄丸の内線
「国会議事堂前駅」前で朝ビラ/午前10時〜
午後1時 衆院第二議員会館前座り込み
☆正午 昼集会
主催 破防法・組対法に反対する共同行動
■さらば!共謀罪1・26集会
1月26日(金)午後6時半〜
東京しごとセンター(東京・飯田橋)
講演 足立昌勝さん(関東学院大学教授)
うた ZAKIさん(ミュージシャン)
主催 破防法・組対法に反対する共同行動
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