ZENSHIN 2007/01/15(No2278 p8)

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第2278号の目次

(写真 労農連帯・国際連帯を前進させた06年の勝利を踏まえ、反対同盟は自信に満ちた表情で新年第1波デモに決起【1月7日 成田市】)

1面の画像
(1面)
安倍・御手洗路線に総反撃を
戦争・改憲・労組破壊と対決 07春闘の大爆発かちとろう
動労千葉破壊攻撃を粉砕せよ
米帝のイラク増派・ソマリア空爆弾劾
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三里塚旗開き 農地死守の決意固く  3・25大結集を呼びかけ(1月7日) 記事を読む  
日程 1・28革共同中四国政治集会 記事を読む  
日程 関西新空港反対集会 記事を読む  
おことわり 記事を読む  
(2面)
組織拡大と07春闘へ号砲
動労千葉が団結旗びらき  ”運転区廃止阻む決戦を”(1月6日)
記事を読む  
佐藤芳夫さん偲び連帯の輪  階級的労働運動の再生誓う(12月26日) 記事を読む  
停職処分撤回求め裁判  根津さん河原井さん 不起立貫く思い陳述(12月14日) 記事を読む  
”国労史に汚点残す弾圧”
酒井鉄建公団訴訟原告団長が重要な証言(1月10日)
記事を読む  
資本攻勢&労働日誌 2006 12・13〜12・27
労働法制の改悪へ答申相次ぐ
「労働ビッグバン」へ調査会設置/労組組織率18%
記事を読む  
(3面)
労働法制解体と労組破壊狙う労政審答申に労働者の反撃を
「残業代ゼロ」と労働契約法許すな(12月27日)
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自治労第2次賃金政策を批判する
「職務評価」の導入で平等と団結を破壊する自治労中央(1月31日〜2月1日)
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〈焦点〉 安倍“改憲が参院選の争点”  朝鮮侵略戦争との対決へ 記事を読む  
〈焦点〉 軍事顧問方式で“ベトナム化”  米軍増派に動くブッシュ 記事を読む  
天神峰本部裁判
“拙速裁判許さぬ”  裁判長に建物検証迫る(12月14日)
記事を読む  
(4面)
超大国米帝の没落は帝国主義間争闘戦の死闘化と侵略戦争=世界戦争に行きつく
反帝・反スターリン主義世界革命に労働者の未来
記事を読む  
(6面)
青年労働者を先頭に労組権力を獲得し、連合・全労連指導部の打倒を
階級的労働運動路線の真価かけ革共同各地方委員会はかく闘う〈上〉
記事を読む  
2006年日誌 12月19日〜31日
「釣魚台有事」で日米初演習  フセイン元大統領の死刑強行
記事を読む  
(7面)
改憲と大資本攻勢に反撃を 記事を読む  
入管闘争 日韓米国際連帯闘争の発展を
在日・滞日外国人と連帯し朝鮮侵略戦争を阻止しよう
記事を読む  
(8面)
団結ひろば 投稿コーナー
郵政民営化と闘えるあたりまえの職場に 土井暁彦
私はコンビニで働く非正規職労働者です 広島・民間労働者 河合典子
“労働者の汗に負けないように頑張って!” 愛媛 春野 翔
『東松かわらばん』を地域に配布して51号 東京・江戸川 S
記事を読む  
共謀罪を永久廃案に  労働者の怒りで国会包囲しよう 記事を読む  
日程 ■1・25国会開会日行動 記事を読む  
紹介 『共産主義者』第151号
歴史的な拡大22全総の報告  党の革命と党建設へ活用を
記事を読む  

週刊『前進』(2278号1面1)(2007/01/15 )

 安倍・御手洗路線に総反撃を

 戦争・改憲・労組破壊と対決

 07春闘の大爆発かちとろう

 動労千葉破壊攻撃を粉砕せよ

 米帝のイラク増派・ソマリア空爆弾劾

 この2007年、改憲・朝鮮侵略戦争攻撃、民営化・労組破壊攻撃との一大階級決戦の年を迎えた。われわれは07年新年号で、階級的労働運動路線、労働組合の階級的団結の発展こそがこの攻撃に立ち向かい、帝国主義打倒のプロレタリア革命へ向かう道であることを宣言した。昨年11・5労働者集会はその可能性と突破すべき課題を鮮明にした。この道を突き進もうということだ。安倍・御手洗路線と対決し、改憲阻止闘争の勝利へ全力で立ち上がろう! 動労千葉の館山運転区−木更津支区廃止阻止決戦、「日の丸・君が代」不起立を軸とする教労決戦など、4大産別を先頭に07春闘勝利と1〜3月の闘いにすべての職場でただちに決起しよう!

 労働運動の根絶を狙う日帝

 ブッシュ共和党の06年中間選挙での大敗は、イラク侵略戦争での敗北・敗勢、米住宅バブル崩壊とドル暴落の危機、総じて米帝の没落と体制的危機の激しさを示している。新たな帝国主義間の死闘、帝国主義の侵略戦争と世界戦争への攻撃が激化している。この中で日本帝国主義は、国際帝国主義の中で最も弱い存在へとたたき落とされようとしている。
 安倍・御手洗路線のもとで、07年は労働者階級への攻撃が極限的に激化する。その焦点は戦争と改憲に向かっての4大産別の労働組合の破壊を最大の柱とする全労働運動の根絶攻撃との対決だ。本当に勝負の時である。
 安倍政権は、今通常国会で改憲を焦点にして「教育改革」「公務員制度改革」、戦後労働法制の全面的解体などの悪法を強行しようとしている。日本経団連・御手洗は、07年版日本経団連経労委報告と「1・1御手洗ビジョン」で、1981年に登場し規制緩和・民営化、暴力的組合根絶攻撃を強行したレーガンに学べと5つの改革の具体策(5年間)を19項目にわたって打ち出している。それは、日本帝国主義の「敗戦帝国主義」「最弱の環」としてのすさまじい危機感をむき出しにし、「2010年代初頭までに憲法改正」を真っ向から掲げた。そして、すべてを企業・国家の「競争力」の強化のためとして、規制緩和・民営化攻撃を徹底的に行うと宣言している。
 そして「なかでも重視しなければならないのは、道州制と労働市場改革(労働ビッグバン)である」(1・1御手洗ビジョン)と強調している。年頭会見で任期中の改憲を公言した安倍政権と一体で、改憲=戦争と民営化・規制緩和=労組破壊の攻撃を仕掛けようというのだ。
 御手洗は、そもそも今の格差社会を生み出している最大の元凶である規制緩和・民営化について「公正な競争の結果として経済格差が生じるのは当然」「格差の固定化をもたらさないためには、公正な競争、機会の平等を促進し、何度でも再挑戦の機会が与えられることが重要」などと言い放っている。
 とりわけ日帝が「労働ビッグバン」と呼ぶ労働市場の規制緩和=戦後労働法制の全面解体を叫んでいることは重大だ。そのひとつは、労働契約法制定で就業規則を労働条件とする労働組合否定制度の導入だ。また、労働基準法の労働時間規制を全面撤廃する「エグゼンプション」制度導入や労働者派遣法の大改悪がセットで狙われている。日本経団連が「工場法の時代の遺制を引きずる労働基準法などを抜本的に改革する実りの多いものとなることを強く期待する」と述べているように、労働基準法を解体し、労働者階級を工場法以前の時代にたたき込む武器として使おうというのだ。これは、労働組合の根絶攻撃そのものだ。
 こうした動きは、すでに労働現場で激しく進行している。資本の都合で解雇や出向・配転、不払い残業などやりたい放題やられている。「ワーキングプア」と呼ばれる層が膨大に存在し、年収200万円以下の世帯が2割を超えている。これは労働者にとって耐えがたいものだ。実際、なぜ暴動が起きないのかという声が上がっている。その労働者の激しい怒りを抑えつける先兵の役割を果たしているのが既成の労働組合幹部なのだ。
 動労千葉は、JR東日本の「60歳以降の雇用延長と引き換えに、労働組合が業務外注化に積極的に協力する」というシニア協定の締結を拒否し、5年間の闘いで外注化を阻止し、シニア協定そのものを打破してきた。こうした闘いが求められているのだ。
 安倍・御手洗路線の核心は、労働組合の破壊と労働運動の絶滅にある。これは帝国主義の階級支配が破綻(はたん)に直面し、労働者階級の反乱への恐怖に駆り立てられている中での絶望的な反革命だ。連合や全労連のもとであっても「労働組合」としての基礎的団結形態を残すものであるかぎり、その存在を容認できなくなっているのだ。
 現場から団結を組織し、徹底的に闘いぬくならば、敵は矛盾を爆発させざるを得ない。敵が最も恐れるのは職場からの反乱だ。いまこそあらゆる職場から決起しよう。

 06年動労千葉の闘いの地平

 小泉・奥田−安倍・御手洗による改憲と規制緩和・民営化攻撃の核心は、階級的団結の根絶、労働組合的なものの一掃にある。現場労働者は4大産別を先頭に指導部の屈服に抗して団結を維持し、連合の改憲勢力化を阻んできた。日帝の改憲・戦争攻撃にとって労組的団結の破壊、とりわけ4大産別労組の壊滅が絶対的課題だからだ。
 この攻撃の前に連合・全労連を始め既成労組指導部はことごとく屈服し、腐敗し堕落した姿をさらけ出した。
 昨秋、現場の教育労働者が必死に国会闘争を闘っているさなか、テレビで「つくる会」元会長の八木秀次らに深々と頭を下げ、国会前での座り込みを二度とやらないと誓約した日教組本部の森越委員長。郵政民営化の破綻が明らかになる中で、民営化攻撃の最先兵の役割を果たしている全逓(JPU)幹部。「公務員制度改革」の名による官公労労働組合破壊攻撃に対し、現場の決起を抑えつけることに躍起となる連合自治労幹部、自治労連本部。
 国鉄でも新たな大合理化攻撃、1047名闘争解体攻撃が襲いかかった。JR東日本は車掌業務の外注化に続き、駅業務の全面的な外注化や「ライフサイクル」(全運転士を40歳までに5年間、駅業務に異動させる)、館山運転区廃止を始め大規模な基地統廃合を提案してきた。このなかで国労本部は昨年、JR東日本と出向協定を締結し、謝罪も実損回復もなしにすべての不当労働行為事件を取り下げる「包括和解」にも調印した。国鉄分割・民営化の過程で吹き荒れた未曽有(みぞう)の国家的不当労働行為やその継続、民営化体制のもとでの激しい合理化攻撃のすべてを認めるというのだ。そして「政治解決」と称して1047名解雇撤回闘争の切り捨てに走った。
 動労千葉はこうした団結破壊の攻撃に対して、死活をかけた闘いに立った。06春闘を反合・運転保安春闘と位置づけ、安全運転闘争を当局の監視・弾圧を打ち破って貫き、3波の春闘ストを打ち抜いた。その直後に起きた幕張構内事故をめぐっては、当該運転士に責任を転嫁し動労千葉の組織破壊を狙う攻撃を、日常不断の職場闘争を軸に全組合員の力ではね返した。また国労本部や日共・全労連などの動労千葉排除策動と対決し、政治解決路線による1047名闘争終結策動を弾劾し、1047名当該の団結とJR資本との闘いの中で解雇撤回をかちとることを訴え闘い抜いた。
 既成労働運動指導部の総屈服の中で、動労千葉がその団結を一層強化して闘い、勝利しているのは、反合・運転保安闘争の路線のもとに全組合員が団結しているからだ。
 反合・運転保安闘争路線の核心は、反合理化闘争である。合理化攻撃は賃労働と資本の非和解的対立の中で、資本が利潤を増大するための手段であり、資本と労働者階級の力関係に規定される。同時にそれは、国家の政策として労働者階級に対するイデオロギー攻撃としてある。したがって反合理化闘争は、資本の労働者への侵害に抗して資本と直接激突し、逆に資本を侵害する闘いだ。
 動労千葉の反合・運転保安闘争は、合理化攻撃の具体的な課題に対し、敵の矛盾・弱点である「安全の危機」をついて「攻めの反合闘争」として闘い抜かれている。現場労働者の怒りに依拠し、日常的職場闘争で現場で攻撃をはね返し、職場支配権を労働組合が握り返し、合理化によって奪われた労働条件を現実に奪い返してきた。「資本主義の根幹を揺るがす」反合理化闘争という革命的意義をもっている。反合理化闘争は、直接労働者階級の自己解放=プロレタリア革命に結びついているのだ。
 この動労千葉の闘いの前進を軸に11・5労働者集会が4900人で成功した。同時に、連帯労組関生支部、港合同とともに3組合共闘を強化し、韓国民主労総、アメリカのILWU(国際港湾倉庫労組)、AMFA(航空整備士労組)などの闘う労働組合との国際連帯も新時代の幕を開けた。
 腐敗し転向した既成幹部から組合権力を奪い取り、現場労働者の下からの決起で、闘う労働組合をよみがえらせよう。労働組合のないところには新たに労組を組織しよう。それぞれの産別・地域・職場で反合闘争路線をうち立てて闘おう。第2、第3の動労千葉を無数につくりだすことこそが、階級的労働運動路線の具体的な実践なのだ。

 職場の闘う団結とり戻そう

 第一に、07春闘に全力で決起しよう。
 07春闘は安倍・御手洗の春闘破壊、労働運動根絶攻撃との一大階級決戦だ。07春闘を階級的労働運動の実践として闘い抜こう。この主体的路線的推進軸こそ動労千葉の組織破壊攻撃との闘いだ。
 国鉄分割・民営化から20年、国鉄決戦は第2の分割・民営化攻撃と1047名闘争解体攻撃を焦点とする最大の決戦局面を迎えた。
 JR千葉支社は昨年末、3月18日の「ダイヤ改正」で館山運転区と千葉運転区木更津支区を廃止し、新運輸区を設置する要員提案を行った。基地統廃合攻撃は最大の団結破壊の攻撃だ。すでにJR千葉支社は動労千葉を排除した形で新運輸準備区に5人の東労組組合員を送り込んだ。動労千葉の組合員をバラバラにして、拠点職場をつくらせないということだ。
 4月には駅業務の全面的外注化が強行されようとしている。そして、「ライフサイクル」と称して運転士を駅業務へたらい回しにする攻撃がかけられている。これは乗務員の諸手当をはく奪する攻撃としてもある。
 動労千葉は07春闘を反合運転保安闘争路線のもと、館山運転区−木更津支区廃止絶対反対、「ライフサイクル」白紙撤回を求めてストライキを打ち抜くことを宣言した。これは、ライフサイクルに怒りの声を上げる平成採を獲得する組織拡大春闘でもある。それは同時に、安倍・御手洗による労働運動絶滅攻撃に対する春闘復権の闘いだ。動労千葉の07春闘ストライキとともに、すべての職場で闘おう。動労千葉の物販闘争を強化しよう。
 1047名闘争の帰すうも07春闘にかかっている。「政治解決」路線を粉砕し、国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会運動の大前進をとおして、国労を再生しよう。
 第二に、東京を先頭に卒業式・入学式での「日の丸・君が代」不起立闘争に立とう。教育基本法改悪との闘いの第2ラウンドはこれからだ。
 道州制と公務員制度改革攻撃を自治体職場からの闘いで粉砕しよう。郵政労働者は、破綻している民営化攻撃を物ダメ闘争で粉砕しよう。
 07春闘を、全職場で団結をとりもどす闘いとして決起しよう。青年労働者はその先頭に立とう。
 第三に、教育改革関連法案、国民投票法案、労働法制改悪法案、共謀罪新設法案、公務員制度改革法案などの強行と対決し国会闘争に立とう。
 第四に、杉並を始め統一地方選勝利のための闘いに全力で突入しよう。
 第五に、大決戦に突入した三里塚闘争に総決起しよう。沖縄、北富士、神奈川を先頭に朝鮮侵略戦争のための米軍再編攻撃と闘おう。入間基地(埼玉県)を始め全国でパトリオットV配備阻止の闘いに立とう。
 階級的労働運動路線の前進をとおして、職場に強大な労働者細胞を建設するために闘おう。

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週刊『前進』(2278号1面2)(2007/01/15 )

 三里塚旗開き 農地死守の決意固く

 3・25大結集を呼びかけ

(写真 労農連帯・国際連帯を前進させた06年の勝利を踏まえ、反対同盟は自信に満ちた表情で新年第1波デモに決起【1月7日 成田市】)

 1月7日、三里塚芝山連合空港反対同盟は恒例の団結旗開きを開催し、決戦の07年に打って出る決意と方針を示した。
 この日はまず午前に、新春第1波の三里塚現地デモが意気高く闘いとられた。反対同盟を先頭に120人の労働者、学生が成田市天神峰の開拓組合道路に結集した。なごやかに笑顔で新年のあいさつを交わす中にも、重大決戦の新年を迎えた緊張感が漂っている。
 寒風を突き破り「北延伸攻撃粉砕、農地強奪を許すな」の声を響かせながら、デモ隊は暫定滑走路の「へ」の字誘導路の湾曲に沿って団結街道を北上した。機動隊はデモの勢いをそごうと規制に躍起になったが、参加者はこれを実力ではね返し、国道51号線までのデモ行進を貫徹した。

 労農連帯強め北延伸粉砕へ

 午後1時、成田市内のレストランにおいて旗開きが開催された。参加者は150人に増え会場は熱気にあふれた。司会の伊藤信晴さんの「農地強奪攻撃を改憲阻止と一体の闘いではね返そう」という第一声に続き、鈴木謙太郎さんが反対同盟の「07年闘争宣言」を読み上げた。この中で反対同盟は、昨年の国際連帯・労農連帯の発展に踏まえ、土地取り上げを許さない大運動の拡大と3・25全国集会への大結集を呼びかけた。次に事務局長の北原鉱治さんが「90年間耕作してきた土地を奪おうとは、日本の農政はどこを向いているのか。実力闘争を継承し成田空港を廃港へ追い込もう」と鮮明なアピールを行った。続いて攻撃の矢面に立つ市東孝雄さんが「部落では一人になったが一人なりの闘いをやる。3・25にはかつてのような大結集をお願いします」と訴え、この不動の決意に参加者の熱烈な拍手が送られた。
 本部役員の鈴木幸司さんが「労働者人民が一丸となり、今年を勝負をつける年に!」と呼びかけ、乾杯の音頭をとった。
 動労千葉の田中康宏委員長が最初に連帯のあいさつに立った。ハイテックコリアの労働者がハングルでしたためた「帝国主義戦争から全世界民衆を救う三里塚闘争は必ず勝利します」との巨大な横断幕が、田中委員長から反対同盟に手渡された。そして「この社会はもはや根本的に変革するしかないという思想が確実に広がっている。これは三里塚が訴えてきたことそのものだ。館山運転区、木更津支区廃止攻撃に対しストを構えて闘う」と、労農連帯の固い絆をかけた発言を行った。動労千葉国際連帯委員会の山本弘行さんは、アメリカの航空整備士労組AMFAが決議した市東さんの農地強奪攻撃への弾劾声明を紹介した。
 全関西実行委の松原康彦さんはパネル展企画など関西での三里塚の取り組みを語り、反対同盟顧問弁護団の葉山岳夫弁護士は、違法な土地取り上げ策動を市東さんの闘いが「一撃のもとに粉砕した」06年の経緯を明らかにした。さらに全群馬実行委の小池正男さん、都政を革新する会代表の長谷川英憲さん、全国労組交流センターの入江史郎さん、部落解放同盟全国連合会、婦人民主クラブ全国協議会、全学連の織田陽介委員長、革共同の天田三紀夫書記長らが次々とマイクを握り、07年の決意を語った。天田書記長は「1・1御手洗ビジョン」を強く弾劾し革共同が動労千葉とともに07春闘を闘うことを表明した。
 最後に事務局次長の萩原進さんが発言に立ち、「北延伸」攻撃のデタラメと破産ぶりを的確に暴露しながら「市東さんは法律が守ってくれないのなら自分で自分を守ると言った。そういう時代が来た。三里塚は農民がどのように闘えば生きられるかを示さねばならない。労働者階級の闘いと連帯し、空港廃港へ07年を決定的な年にしよう。3・25に大結集を!」と参加者全員を奮い立たせる檄を発した。
 最後に全員が力強く団結ガンバローを行った。
(写真 韓国労働者の筆による「三里塚勝利」の大横断幕が田中委員長を通じて反対同盟に届けられた)

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週刊『前進』(2278号1面3)(2007/01/15 )

 日程 1・28革共同中四国政治集会

1月28日(日)午前11時半開場、正午開会
ワークピア広島(広島市南区金屋町1−17)
正午〜 ビデオ上映「動労千葉の訪韓報告」
講演 中村孝夫(革共同中央労働者組織委員会)  
「動労千葉労働運動とは何か」 
―反スターリン主義・革命的共産主義にもとづく労働組合運動―
基調報告 革共同中国・四国地方委員会

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週刊『前進』(2278号1面4)(2007/01/15 )

 日程 関西新空港反対集会

8月関空2期阻止・陸上ルート絶対反対!関空の軍事使用反対!
関西新空港反対集会
1月28日(日)午後2時開会
りんくう公園夕日の見える丘
(泉佐野市/りんくうタウン駅下車)
主催/大阪湾岸住民4団体(泉州・淡路・明石・東灘)、関西反戦共同行動委員会

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週刊『前進』(2278号1面5)(2007/01/15 )

 おことわり

 本紙の発行日はこの間、実際の発行日より1週間先の日付としてきましたが、本号から実売日の日付とします。

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週刊『前進』(2278号2面1)(2007/01/15 )

 組織拡大と07春闘へ号砲

 動労千葉が団結旗びらき

 

 ”運転区廃止阻む決戦を”

 動労千葉は1月6日、07年の団結旗開きをDC会館で開催した。会場からあふれんばかりの組合員、共闘関係者、青年労働者・学生が参加し、活気に満ちて盛会となった。田中康宏委員長はこの場で、すでに激しい攻防が始まっている館山運転区・木更津支区廃止攻撃と対決し、組織の存亡をかけた3カ月決戦に突入することを宣言した。

 組織の存亡かけ

  冒頭、君塚正治副委員長が「旗を開いたからには戦闘モードで闘っていこう」と開会あいさつ。
 続いて田中委員長が、大決戦突入への決意を込めてあいさつに立った。
 田中委員長はまず今日の情勢について、「07年は、戦争の危機が現実となり、改憲攻撃が本格的に始まる年になる。社会のあり方そのものが壊れ、労働者の生存権そのものが覆されようとしている」と提起した。
 そして、「JRをめぐっても民営化の矛盾が噴き出し、労働者への激しい攻撃が始まっている。3・18ダイヤ改正で、私たちの団結の砦である館山運転区、木更津支区という二つの職場が廃止攻撃にあっています。これは組織の存亡にかかわる攻撃です」と攻防の焦点を明らかにした。
 また、「JR千葉支社は『館山運転区は、木更津、蘇我、鴨川、千葉転にバラバラになる』と平然と言っている。すでに、動労千葉館山支部を破壊するために、東労組の運転士が館山に送り込まれている。動労千葉組合員が多数を占める職場を絶対につくらない、これが攻撃の意図であることがはっきりした。早ければ1月から闘争が始まる。この闘いは、地域切り捨てとの闘いでもあります。今の社会のあり方に対する、動労千葉の団結をかけた徹底抗戦の闘いです」と呼びかけた。
(写真 全参加者が肩を組みインターナショナルを斉唱。冒頭から激しい決戦に突入した07年を動労千葉とともに闘いぬく決意を固めた【1月6日 DC会館】)

 原則曲げず闘う

 さらに田中委員長は、「今年の最大の課題は、本格的な組織拡大への挑戦だ。『ライフサイクル』でタライ回しにされる平成採の労働者は激しい怒りを表明している。4月1日からは駅業務の全面民営化が始まる。1047名闘争も正念場を迎えている。この中で、職場の労働者の目線に立ち、一緒に悩み、苦しみ、一緒に進む、原則を曲げない当たり前の労働組合が必ず求められる」と提起した。
 そして、「07春闘の課題は、何よりも館山運転区・木更津支区廃止絶対反対春闘であり、第2に『ライフサイクル』白紙撤回を求めてストライキを打ち抜く組織拡大春闘です。改憲攻撃の本格的な開始、戦後労働法制の抜本的な解体攻撃と対決し、労働運動の存在価値をかけた春闘復権の闘いとして07春闘を全力で闘おう」と熱く訴えた。

 動労千葉と共に

 旗開きには、県内労組を始め多くの共闘関係者がかけつけた。
 三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長が「動労千葉が韓国の労働者代表と三里塚を訪れ、すばらしい国際的交流ができた。三里塚は勝利するまで闘い抜く」と連帯の言葉を述べた。
 動労千葉顧問弁護団長の葉山岳夫さんに続き、勝浦市議の水野正美元副委員長、1047名闘争当該であり御宿町議の中村俊六郎さんが4月勝浦市議選、9月御宿町議選の勝利に向けてあいさつした。家族会・動労千葉OB会の発言、鏡開きに続いて、中野洋前委員長の音頭で乾杯。
 第2部では、最初に三里塚反対同盟の萩原進さん、市東孝雄さんが登壇。続いて基地廃止絶対反対の戦闘的決意を館山支部、木更津支部の代表が述べた。動労千葉争議団の高石正博さんは「あくまで1047名解雇撤回を軸に闘う」と発言。動労水戸、ス労自主、自治労の青年労働者、婦人民主クラブ全国協、部落解放同盟全国連、反戦兵士と連帯する会、都政を革新する会、動労千葉を支援する会などの来賓あいさつが続いた。
 ビンゴ大会で会場全体が大いに盛り上がり、最後に千葉運転区支部、幕張支部、千葉機関区支部が決意表明。本部を代表して長田敏之書記長が、「動労千葉は闘って団結を守り抜いてきた。これが動労千葉の原点。3月ダイ改に向け、執行部は先頭で闘う」と述べた。
 動労千葉は旗開きでの戦闘宣言に基づいて12日、争議行為の予告通知を厚生労働省に行い、07春闘に突入した。
(写真 07年の新たな闘いへ、田中康宏委員長と佐藤正子家族会会長が小槌を手に鏡開き)

 

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週刊『前進』(2278号2面2)(2007/01/15 )

 佐藤芳夫さん偲び連帯の輪

 階級的労働運動の再生誓う

 12月26日、故佐藤芳夫さんを偲(しの)ぶ会が江東区総合区民センターで行われた。労働者解放のために人生をかけて闘いぬいた佐藤芳夫さんは、11月25日、78歳の生涯を全うし永眠された。
 佐藤さんを偲ぶ会は、最後まで階級的労働運動の再生に命を燃やし続けた佐藤さんの遺志を引き継ごうと入江史郎、設楽清嗣、中野洋、二瓶久勝、林充孝、小嶋武志、田中康宏、西村卓司、根岸敏文、樋口篤三の各氏の呼びかけで開かれた。
 動労千葉委員長の田中康宏さんが追悼の言葉を述べ、「動労千葉が佐藤さんと親しくつきあい始めたのは三里塚ジェット燃料貨車輸送阻止闘争からだった。以来、動労本部からの分離独立の過程で、佐藤さんは動労千葉を限りなく支援してくれた」「国鉄分割・民営化の結果、総評が解体に追い込まれ、私たちは現場から闘う労働運動を組織するために労組交流センターを結成した。その時、佐藤さんは中野洋前委員長とともに代表運営委員を引き受けた。佐藤さんは動労千葉にとって、ともに闘う同志だった」と故人の足跡を振り返った。
(写真 佐藤芳夫さんの遺志を継ぐ思いを込めて黙祷をささげた【12月26日 江東区総合区民センター】)
 特に、労組交流センター結成に際して佐藤さんが、資本主義を擁護する右翼勢力の連合と、現場の闘いを抑圧する全労連を厳しく批判するとともに、「総評労働運動の発展・継承という路線にも反対する。原則を捨て、日本の労働運動を駄目にしたのは総評だ。帝国主義に反対する階級的労働運動をいかに構築するのかを真剣に考えてほしい」と提起したことを紹介し、今こそその遺志を引き継ぎ闘う時だと言葉を結んだ。
 全造船石川島分会の代表が、分会を襲った全造船からの脱退攻撃に対して、職場で最先頭に立ち反撃の闘いを展開した、ありし日の佐藤さんの姿を振り返った。全労活(全国労働組合活動家連絡会議)で佐藤さんと活動をともにした樋口篤三さんは、「年をとると左から右に転向する組合活動家が多い中で、彼は右から左に行った。生涯一労働者を貫いた人生だった」と佐藤さんの人柄をしのんだ。
 インターナショナルが流れる中、全参加者が佐藤さんの遺影に花をささげ、佐藤さんに別れを告げた。佐藤さんのお連れ合いの定子さんとご子息が、故人の思い出を語るとともに参加者にお礼の言葉を述べた。
 献杯の音頭を全労協全国一般東京労組副委員長の根岸敏文さんがとり、全参加者が杯を傾けた。
 オリジン電気労組の二瓶久勝さんや動労水戸委員長の石井真一さん、全金本山労組書記次長の中野七郎さんらがそれぞれに、佐藤さんの教えを受けて闘い続けてきたことを語った。
 労組交流センター代表運営委員でス労自主委員長の入江史郎さんが「佐藤さんがやりたかったことは、ここにいる仲間とともに労働運動をつくることだった」と閉会の言葉を述べ、故人の遺志を引き継いで階級的労働運動の再生へ奮闘することを誓いあった。

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週刊『前進』(2278号2面3)(2007/01/15 )

 停職処分撤回求め裁判

 根津さん河原井さん 不起立貫く思い陳述

 「日の丸・君が代」不起立により停職処分を受けた東京の教育労働者、中学校で働く根津公子さんと都立「障害児」学校で働く河原井純子さんの2人が処分取り消しを求めた裁判が、教基法改悪案成立の前日、12月14日に東京地裁で始まった。
 東京都教育委員会の03年「10・23通達」以降、多くの教育労働者が「日の丸・君が代」強制に反対して闘いぬき、不当処分への反撃が闘われている。異様なまでの累積加重処分攻撃の中、根津公子さんには06年3月の卒業式における不起立に対して停職3カ月、河原井純子さんには06年1月の周年行事での不起立で停職1カ月の処分攻撃が加えられた。
 第1回法廷では、都庁前の朝ビラと都教委への申し入れ行動から駆けつけた人たち、また国会前から駆けつけた教育労働者も含めて約40人が傍聴した。
 法廷では、根津さん、河原井さんがそれぞれ意見陳述を行った。根津さんは、05年3月の卒業式で「君が代」の途中まで起立した時のことを語り、「その時私の脳裏には、銃剣を突けと上官から命令された初年兵の姿が浮かびました。まるで『お前は突くのか』と言われているよう。その後悔から、『もううそはやめよう。道理ある行動をしていこう』と決意しました」と訴えた。
 河原井さんは「知的障害児」施設で3年、養護学校で32年間、働いてきた経験を語り、「『障害』があってもなくてもともに生きていける学校や社会の実現のために創意工夫しながらはぐくんできた教育実践を、たった1枚の『職務命令書』で手放すわけにはいきません。10・23通達は、人権無視、差別の絶対化、人間のロボット化、教育の完全破壊以外の何物でもありません」と訴えた。
 この翌日、教基法改悪が強行されたが、法廷後の集会での2人の発言は、改悪教基法下での闘いの方向を示している。「私はけっしてあきらめない。9・21判決を判決で終わらせない。今の職場で今度の卒業式をみんなでどう迎えるかということが私の課題です」(河原井さん)、「次はみんなで座るんだということがなければ、9・21判決の意味がない。来年3月の卒業式には『座る』という形で判決の喜びを表わしあいたいと、みんなに呼びかけています」(根津さん)。今春「日の丸・君が代」不起立闘争こそ、この2人の決起にこたえ、全国の教育労働者が改悪教基法に対する巨大な抵抗をたたきつける闘いだ。
 都教委は「停職処分は6カ月まで」と公言している。停職の先には免職=解雇しかないということだ。「日の丸・君が代」による免職=解雇が現実のものとなろうとしている。「河原井さん・根津さんらの『君が代』解雇をさせない会」は、「職務命令を出すな。これ以上の処分をするな」と全国署名運動を開始している。支援の輪を大きく広げ、2人の停職・免職を絶対に阻もう。
 12月16日、多田謡子反権力人権賞が石川一雄さん、救援連絡センターとともに根津さんに贈られた。また根津さん、河原井さんを始めとする教育労働者の闘いのドキュメントビデオ「君が代不起立」が完成した。上映会が全国で始まり、東京では2月23日に中野ゼロで開催される。
 次回第2回法廷は2月8日(木)午後1時10分から東京地裁710号法廷で開かれる。仲間とともに傍聴に集まり、今春「日の丸・君が代」闘争の爆発をかちとろう。

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週刊『前進』(2278号2面4)(2007/01/15 )

 ”国労史に汚点残す弾圧”

 酒井鉄建公団訴訟原告団長が重要な証言

  国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第69回公判が1月10日、東京地裁刑事第10部(青柳勤裁判長)で行われ、鉄建公団訴訟原告団の酒井直昭団長が証言に立った。
 この弾圧は、鉄建公団訴訟原告の闘争団員らへの査問手続きが決定された02年5月27日の国労大会に際し、本部方針に抗議してビラまき・説得活動を行った国労組合員の行動が「暴力行為」にデッチあげられたものだ。その大会で統制処分の対象とされた酒井さんの証言は、被告の行動の正当性を明らかにするきわめて重要なものになった。
 大口昭彦弁護人がまず、闘争団の生活と闘争について質問した。酒井さんは、苦しい生活を強いられつつも、労働者としての権利や名誉を回復するために営々と闘い続けてきた経過を語った。
 01年1月27日、国労本部は機動隊の制圧下に置かれた大会を強行し、解雇撤回闘争を投げ捨てる4党合意の受け入れを決定した。酒井さんは、その日に「闘う闘争団」を立ち上げた事実を述べ、「4党合意は不採用問題の解決につながらない。本部の方針に唯々諾々(いいだくだく)と従えないので、自ら方針と体制をつくって闘い始めた」と証言した。
 その1年後の02年1月28日、闘う闘争団を中心に鉄建公団訴訟が起こされた。酒井さんは、この訴訟に対して国労本部が卑劣な妨害を重ねたことを怒りを込めて弾劾した。国労本部は訴訟の原告に裁判の取り下げを迫り、生活援助金の支給も凍結し、物販活動からの排除も強行した。そうした妨害行為の最たるものが、鉄建公団訴訟原告22人への統制処分だった。
 ところが、酒井さんらへの統制処分が03年に大会決定された直後、査問委員会の副議長だった寺内寿夫・元国労本部書記長は、北海道で国労を分裂させ脱退する暴挙に走った。これについて酒井さんは、「自己保身のために4党合意を進めた幹部連中は、国労の指導者として不適格だ」と怒りを込めて証言した。
 弁護団の質問は、1047名闘争の現状に及んだ。酒井さんは、「4党合意の総括がなければ、本部と信頼関係を持って一緒に闘うことにはならない」と明言した。
(写真 証言を終え、弁護団とともに傍聴した人びとの前で思いを語る酒井さん【1月10日】)

 5・27裁判は決定的局面に

 大口弁護人が「本件弾圧事件をどう思うか」と端的に質問すると、酒井さんは「原告団も5・27大会の中止を本部に要求していた」と述べた上で、「大会での押し合いへし合いはありえる。むしろ一部の役員で物事を決めて強行する方が暴力的だ。組合員を逮捕させるのは本部役員としてとるべき行動ではない。国労の歴史に大変な汚点を残した」と言い切った。
 佐藤昭夫弁護団長が尋問を引き継ぎ、「原告団も国労共闘も、臨大中止を求めた趣旨は同じでは」と質問した。酒井さんは「組合員として本部方針に反対した気持ちは同じ」と答えた。
 本件被告らが不当逮捕された直後の02年11月の定期大会で、酒井さんは吉田進・現本部書記長から「君も中核派と言われているよ」と言われたことがあるという。
 富田益行被告が質問し、「新橋支部前委員長の篠崎信一さんは『タリバン』と言われ、酒井さんは『中核派』と言われた。そういうやり方とこの裁判での検事の主張は似ているのでは」と尋ねた。酒井さんは、根拠のない本部派のデマを弾劾した上、「この裁判も行為ではなく思想を裁く明治時代の発想に近い」と検察側に怒りを向けた。
 検察官が、「中核派が闘争団の一部を取り込んで国労大会で演壇占拠した」という彼らの主張に沿う証言を引き出そうと反対尋問を試みた。その末、「中核派が闘争団と同じ主張をしていることを迷惑と思わなかったか」と質問し、酒井さんに「それはない」と一蹴された。
 次回公判は稚内闘争団の木山誠二さんと労組交流センター代表運営委員の入江史郎さんが証言に立つ。傍聴に集まろう。

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週刊『前進』(2278号2面5)(2007/01/15 )

資本攻勢&労働日誌 2006 12・13〜12・27

 労働法制の改悪へ答申相次ぐ

 「労働ビッグバン」へ調査会設置/労組組織率18%

●春闘のJC集中回答日は3月14日に IMF・JC(金属労協)が戦術委員会を開き、春闘の集中回答日を3月14日にすることを確認した。(12月13日)
●請負労働者に「指揮命令」3割も 連合の調査では、請負労働者を使っている企業の約3割が請負労働者に対して指揮命令していることが分かった。(15日)
●零細企業でパート比率最高に 
厚労省が従業員4人以上の事業所を対象にパート比率を調べたところ、前年比0.9ポイント上昇の26.9%と過去最高だった。(16日)
●日本経団連が経労委報告 日本経団連は、経営側の春闘指針となる07年版経営労働政策委員会報告(経労委報告)を発表。(19日)
●「労働ビッグバン」へ調査会設置 経済財政諮問会議は「労働市場改革専門調査会」を設置すると発表した。会長には諮問会議議員の八代尚宏・国際基督教大学教授が就任する。「労働ビッグバン」に向けた調査会だ。(20日)
●労組組織率18.2%に低下 厚労省は06年労働組合基礎調査の結果を発表した。06年6月30日現在の労働組合員数は1004万人(前年比1.0%減)、推定組織率は18.2%(同0.5ポイント低下)。(21日)
●規制改革・民間開放会議が答申
 政府の規制改革・民間開放推進会議が「第3次答申」を決定。「労働契約法制の整備」「労働時間法制の見直し(労働時間規制の適用除外)」「派遣労働規制の見直し」などを主張。(25日)
●05年度の派遣労働者数は前年度比39.2%増 厚労省は労働者派遣事業の05年度事業報告の集計結果を発表。派遣労働者数は約255万人で前年度比12.4%増加。常用換算の派遣労働者数は約124万人で前年度比39.2%の増加。(26日)
●11月の完全失業率4.0% 総務省統計局発表の労働力調査では、11月の完全失業率は4.0%で前月に比べ0.1ポイント低下。厚労省発表の一般職業紹介状況によると、11月の有効求人倍率は1.06倍で前月と同水準だった。(26日)
●組合員の残業時間が増加 連合発表の「連合生活アンケート」によると、06年6月の組合員の残業時間は平均23.3時間で02年以来増え続けている。(26日)
●労政審が相次ぎ答申 労政審は、@「今後の労働契約法制、労働時間法制の在り方」、A「今後の最低賃金制度の在り方」についてそれぞれ厚労相に答申した。また、B「今後のパートタイム労働対策について」を建議。さらに、同審議会の職業安定分科会雇用保険部会は、C「雇用保険法の改正に向けた最終報告」をまとめ、1月9日に職業安定分科会に報告した。これらを受けて厚労省は通常国会に法案を提出する。(27日)=要旨別掲

 労働法制改悪に関連する諸答申

@「今後の労働契約法制、労働時間法制の在り方」答申
・労働契約法の新設
 労働法制解体のため民法的新法を創設
・労基法の改悪
 「日本版エグゼンプション」を導入
A「今後の最低賃金制度の在り方」答申
・最低賃金法の改定
 都道府県の地域別最賃決定に際して地域の生活保護の支給額に配慮
B「今後のパートタイム労働対策」建議
・パートタイム労働法の改定
 「パートタイム労働者と通常の労働者との均衡ある処遇の確保」
C「雇用保険法の改正に向けた最終報告」
・雇用保険法の改定
 労使負担の保険料率を賃金の1.6%から1.2%に引き下げ、国庫負担も半減

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週刊『前進』(2278号3面1)(2007/01/15 )

 労働法制解体と労組破壊狙う労政審答申に労働者の反撃を

 「残業代ゼロ」と労働契約法許すな

 12月27日、厚生労働省の諮問機関である労働政策審議会は、労働契約法制と労働時間法制について答申を行った。厚労省はこれを受け、パート労働法など他の案件とともに早ければ2月にも国会に法案を提出すると言われている。
 その中身は、大部分のホワイトカラー労働者から残業代を奪い、過労死を強制する「日本版エグゼンプション」導入と、戦後労働法制解体を狙う労働契約法制の創設だ。
 答申は怒りなしには読めない。全体に流れているのは労組否定の立場である。答申には「近年、就業形態・就業意識の多様化等が進み、労働者ごとに個別に労働条件が決定・変更される場合が増え」とある。だが労働者が個別に分断されているからこそ団結しなければならないのではないのか。こんな議論に付き合っている労働側委員の連合ダラ幹どもはまったく許しがたい。
●労働時間法制
 労働時間法制については、@「自由度の高い働き方にふさわしい制度の創設」で、「一定の要件を満たすホワイトカラー労働者について、……労働時間に関する一律的な規定の適用を除外する」と8時間労働制の解体そのものを宣言している。
 A長時間労働抑止のためと宣伝された「残業代割増賃金率引き上げ」は使用者側に屈服・譲歩して骨抜きになった。
 Bさらに企画業務型裁量労働制の要件を緩和し、野放図な拡大に道を開こうとしている。
●労働契約法制
 労働契約法制については、@今までなかった労働契約法という法律をつくることそのものが大攻撃である。戦後労働法制は労組法を基礎にしており、労基法も労働組合の存在を前提にしている。ところが労働契約法は個別ばらばらの労働者が資本家と雇用契約を結び、労働し、解雇されることを前提にしている。そこには労働組合が一切存在しない。これは、団結権否定の新たな法体系をつくろうということにほかならない。
 A資本家が一方的に決定する就業規則の変更・改悪がそのまま労働条件の変更に直結する方法を法文に何とか入れようとしている。
 B解雇の金銭解決制度を「引き続き検討する」としている。
●御手洗ビジョン
 1月1日発表の「御手洗ビジョン」は、安倍・御手洗路線の宣言だが、改憲・戦争攻撃とともに「労働市場改革」を重要な柱にしている。
 その中身は、「労働者派遣、請負労働、確定拠出年金に関する規制改革などを行う。また、有期雇用契約の拡大、裁量労働制、ホワイトカラー・エグゼンプションの推進などにより、多様な働き方を可能にする」というもので、御用学者・八代が主張する「労働ビッグバン」そのものだ。
 今回の答申には「御手洗ビジョン」の重点項目が入っており、その突破口なのだ。
●戦争攻撃と一体
 米日帝の朝鮮侵略戦争が切迫している現在、労働者階級にとって安倍・御手洗の「労働ビッグバン」との対決が問われている。だが連合中央・民主党や全労連中央・日本共産党は労働契約法を認め、改憲と戦争国家化に真正面から反対しない。
 安倍・御手洗は労働組合を一掃し、戦後労働法制を解体することで労働者階級を工場法以前、労働運動発生以前の無権利なばらばらの個人に解体しようとしている。それ抜きに改憲も資本攻勢も、何よりも朝鮮侵略戦争突入の攻撃も貫徹できないことが昨秋の教基法決戦で明らかになったからだ。
 だから安倍・中川は「官公労が最大の抵抗勢力」と叫び、自治労・日教組などの絶滅、4大産別決戦解体の一大攻撃を仕掛けてきている。
 だがこの攻撃は逆に敵の危機と弱点を示している。自公は「日本版エグゼンプション」への労働者の怒りの爆発の中で参議院選を前にグラグラしている。怒りは野に満ち闘いは始まっている。4大産別を軸に労働契約法制絶対反対、労働法制解体反対の巨大な渦を巻き起こし、改憲・戦争国家化攻撃を打ち砕こう。

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週刊『前進』(2278号3面2)(2007/01/15 )

 自治労第2次賃金政策を批判する

 「職務評価」の導入で平等と団結を破壊する自治労中央

 自治労は、1月31日〜2月1日の第133回中央委員会(東京)で公務員制度改革、地公3単産統合、第2次賃金政策、07春闘方針などについて決めようとしている。なかでも第78回定期大会(さいたま)で組織討議案とし、今中央委員会で組織決定しようとしている第2次賃金政策は、賃金闘争の原則を解体し、職務評価を導入し、能力・実績主義を推進し、組合内に差別・分断を持ち込み、団結を破壊するものである。
 改憲と戦争国家化へ自治労・日教組の壊滅を公言する安倍政権に、自治労本部は完全屈服しているのだ。政労協議への埋没で破産し、「良い社会をつくる公共サービス」キャンペーンで帝国主義的労働運動に転落し、戦争協力と改憲勢力化に向かう自治労本部を現場組合員の怒りと力で打倒し自治体労働運動を革命的階級的に再生させよう。

 年功型賃金めぐる攻防の本質は何か

 資本主義のもとにおいて労働者がめざすべき「理想・最良の賃金体系」というものはありえない。どのような賃金体系(賃金制度)も、その本質は搾取体系であり、「理想的な搾取のされ方」などというものはないからだ。
 労働者は賃金闘争において常に一律大幅賃上げと賃金体系改悪阻止を追求する。競争と差別を排除し、団結と平等と闘争力の強化をめざす。これは賃金闘争において常に念頭におくべき原則であり、きわめてリアルな実践指針だ。事実、賃金闘争の歴史は、「食えない賃金」を打破し、「団結できない賃金」を食い破る歴史だったのであり、「理想的賃金体系」を追求してきたわけではまったくない。
 1946年の電産型賃金(注)や1952年の全自型賃金(注)、定期昇給制度のない賃金体系、完全な同一労働・同一賃金である関西地区生コン産業型の賃金、職務・職階給を食い破る通し号俸制――「どれが一番良い」というようなことではない。いずれも、資本攻勢との一進一退の長い攻防の中で、賃金引き上げと、平等と団結をつくり出すために職場闘争や産別闘争を闘った所産にほかならない。
 自治体労働者は、職務・職階給を食い破り、「わたり」運用を駆使し、「平等賃金・団結賃金」を求めて闘ってきた。「誰もが一律昇給し、競争しない」と支配階級が憎悪するような賃金体系に持ち込んできた。これが戦後の公務員賃金闘争の大きな闘争目標であり到達地平であった。ここに「年功型賃金」解体をめぐる攻防の核心がある。
 ここから「卑怯(ひきょう)にも退却」(マルクス『賃金・価格・利潤』)し、「資本家の意思・命令を受け入れ」(同)ようというのが、「年功型賃金から職務型・職種型賃金へ」を唱える者どもの本質だ。
(写真 マイナス人勧など賃下げに反対して闘われた都労連の第3波賃金確定闘争【06年10月13日 都庁前】)

 資本攻勢の激しさ理由に屈服に走る

 1997年「自治労賃金政策案」は、総評の「生活保障給」「同一労働・同一賃金」を「2大原則」として堅持・継承するという論法で、「同一価値労働・同一賃金」を打ち出した。それは、労働組合の側から職務評価に踏み込み、労働組合の名においてさまざまな職務のランク付けを行うことを意味した。しかしまだ「職務給貫徹をめぐる攻防」に言及し、「労働力の価値」という表現も用い、「職種間職務評価比較基準は今後の課題」としていた。
 2003年「自治労賃金政策骨子案」は、もはや戦後労働運動の継承・発展ではなく、「敵の言葉」で語られた方針に一変した。賃金を「労働力の価値」ではなく「仕事の対価」と規定し、「情勢の変化に対応するために新たに策定した」として「ヘイシステム」「JOES」などのブルジョア職務評価手法を肯定的に紹介した(注)。これは2003年連合評価委員会報告で打ち出した「年功型賃金から職務型・職種型賃金への移行」を自治労において貫こうとするものだった。
 2006年「自治労第2次賃金政策(組織討議案)」は、「2大原則の具体化」と称して、後戻りできないかたちでブルジョア職務評価の全面導入を宣言した。ここでは「資本攻勢が激しいから労働組合自らの手で公務員賃金に職務評価を導入しよう」と提案している。
 支配階級は、数百万官公部門での年功型賃金の解体を、さらなる資本攻勢のための、そして公務員労働運動解体のための、不可欠の攻撃としてしかけてきている。労働者は、官民一体、常勤・非常勤一体で「資本攻勢の激しさ」と闘わなければならない。ところが自治労本部はそれと逆に、「資本攻勢の激しさ」を理由に、闘わずして白旗を掲げ、自らを分断し評価づけし賃金格差をつくり出そうとしている。

 自治労本部が自ら賃金格差を要求?!

 菅家功・自治労本部企画部長は昨年6月の社会政策学会大会で、「自治労賃金政策検討委員会は、同一価値労働・同一賃金原則が貫徹される賃金制度を展望し、職務評価手法の一つであるJOESを活用して自治体の職務分析を行った」などと報告している。
 「同一価値労働・同一賃金」は、差別賃金の現実を食い破るための有効な要求たりうることはあっても、その「価値の大小」を誰がどのように「評価」するのかという点に踏み込むや否や、際限のない分断と格差をもたらす。このことをリアルに見すえなくてはならない。
 資本・当局によるさまざまな「評価」の強行は、許しがたい攻撃ではあるが、その矛盾を突きまくり、職場・単組・産別で怒りと要求、反撃と行動を組織し、闘いの前進と団結の強化に転化することは可能だ。敵の攻撃は、反撃している限りにおいて、なんら恐れるに足らない。
 だが、労働組合がさまざまな仕事の状況をあげ、「これは価値が大きい」だの「あれは小さい」だのと評価し始めれば、そして「価値の差異」を「賃金格差」として要求したり交渉・協議するようになってしまえば、労働者はどうやって要求や怒りや団結を維持していくのか。
 さらに、「職務評価」にのめりこめば、能力評価や業績評価と闘うことはできなくなる。「仕事の価値の違いによる賃金格差」を承認・推進しておいて、どうして「人事評価の賃金反映」にだけは反対できるといえるのか。現場活動家が評価制度導入のせめてもの歯止めにしようとしている「4原則2要件」(注)も、一刻も早く「具体化して実現すべき」ものに転化される。
 職務評価手法の例として「職務の期待成果」「最終成果に与える影響」「裁量責任度」「業績責任度」などのおぞましい指標が肯定的に引用されている。この言葉から、労働強化や労働災害、退職強要や在職死亡、労働者階級の非業の死や怨嗟(えんさ)の声を連想できない感性とは何なのか。このようなものが福祉、医療、清掃、用務職場や生活保護、徴税事務に持ち込まれたら、どのような「評価」がされるだろうか。
 そもそも公務における「成果」なるものは階級性に満ち満ちたものだ。税財政は、どの階級からどれだけ収奪し、どの階級にどれだけ再配分するのかという、赤裸々な階級闘争そのものだからだ。たとえば、生活保護事務における成果とは、困っている人をさがし出して一人でも多く保護することなのか、それとも就労を強要し保護を打ち切ることなのか。すべての事務事業の「評価」には階級性が貫かれているのだ。

 原則的な賃金闘争こそ団結を強める

 低賃金を打破し、団結を強化するために、労働者は「職務の価値評価」など求めたためしはない。
 清掃労働者が特勤手当をもぎとってきたのは、用務員や給食調理員のほうが「価値が低い」からではない。病棟看護師が保育所や保健所の看護師より上位号俸なのは、後者が「価値が低い」からではない。低賃金を打破するために、さまざまな職場・職域で、さまざまな理由を掲げて、過重労働への再生産費用加算をもぎりとってきたのだ。用務員も高所手当などをかちとり、道路維持作業員も日額旅費などをかちとり、単組や現業評議会のもとに団結しながら、それぞれ必死に低賃金を打破し、実質賃金を引き上げてきたのだ。
 その基底には、完全通し号俸制ににじり寄るような「わたり」運用や、前歴換算・年齢別最低保障などをとおして、団結賃金に一歩でも半歩でも近づく闘いがある。こうした賃金闘争と賃金思想を根底から覆し、職種に「価値の格差」を要求することは、どれほどの混乱と不団結をつくり出すだろうか。
 自治労第2次賃金政策は職務評価導入、能力・実績主義容認で差別と分断を強め、平等と団結を破壊する。今中央委員会で徹底弾劾し、白紙撤回させよう。
 公務員賃金破壊はさらなる資本攻勢への突破口だ。公務員賃金闘争を労働者階級全体の低賃金打破・賃金体系改悪阻止の先頭で闘おう。
〔川上憲一〕
 電産型賃金 電産労組が「生存権」を掲げて1946年に打ち出した、8割以上を生活保障給とする賃金体系。戦後賃金闘争に大きな影響を与えた。
 全自型賃金 全自動車日産分会が1952年に「最低生活保障と同一労働同一賃金の統一」の原則を掲げ、徹底的に資本の査定を排除しようとした。
 ヘイシステム アメリカの主要企業の75%が導入している評価手法で、労働負荷よりも成果責任を重視し、労働者の資本への隷属をいっそう強化するもの。
 JOES 「100種類の職務評価を250万円で請け負う」というリクルートグループの労務コンサルタント会社のシステム商品で、約1万2千社が導入している。
 4原則2要件 自治労は、人事を受け入れる基準として、「公平・公正性、透明性、客観性、納得性」の4原則と、「苦情処理制度の整備、労働組合の関与」の2要件を挙げている。

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週刊『前進』(2278号3面3)(2007/01/15 )

焦点 安倍“改憲が参院選の争点”

 朝鮮侵略戦争との対決へ

 07年冒頭から、安倍政権との全面的激突が始まっている。
 首相の安倍は1月4日の年頭の記者会見で、「私の内閣で憲法改正を目指していきたいということを参院選でも訴えたい」と述べ、改憲を参院選の争点にすることを宣言した。
 安倍は支持率の急落にあえいでいるが、そうであればあるほど一層凶暴化し、参院選前に国民投票法案を成立させ、参院選で改憲を焦点にすることで、民主党・連合を完全に改憲勢力として取り込んで9条改憲に一気に突っ走ろうとしているのだ。
 この会見の中で安倍は集団的自衛権行使についての解釈見直しにも言及し、「防衛省移行記念式典」(9日)では、「いかなる場合が憲法で禁止されている集団的自衛権の行使に該当するのか、個別具体的な事例に則して研究を進めていく」と強調している。
 背後にあるのは米・日帝国主義による朝鮮侵略戦争の決断である。昨年の12月、日米両政府は「朝鮮半島有事とそれが日本有事に発展する場合を想定」し、港湾・空域の使用や後方支援活動などの詳細部分を詰めた「共同作戦計画」づくりを始めた。97年9月以来の「10年越しの課題」(政府関係者)というこの計画は、朝鮮侵略戦争をこれまでの「概念計画」というレベルから、具体的実施マニュアルにまで引き上げるものだ。日米両政府は、この「共同作戦計画」を07年秋までに完成させる、としている。
 07年決戦は朝鮮侵略戦争の超切迫情勢の中で、9条改憲をめぐる安倍政権との全面激突となる。民主党・連合中央の完全屈服を徹底的に断罪し、労働者人民の中に「9条を変えるな」と警鐘を乱打して闘おう。
 安倍はこの年頭会見の中で、「教育再生が最重要課題だ」とも言っている。最大の狙いは日教組の解体であり、そのための教員免許更新制の導入である。自民党の中川秀直幹事長も「教育国会になる。教師には子どもに安全な教室を提供する義務があり、それができないなら教壇を去るべきだ」(5日)などと講演で述べた。これは「日の丸・君が代」不起立に決起する教育労働者を「不適格教員」としてパージし、教員免許更新制の導入をもって日教組の組合的団結を完全にたたき折るという宣言にほかならない。
 中川はさらに講演で、5月までに公務員制度改革大綱をとりまとめ、「官、公分野で民間並みの合理化、リストラを進める」(6日)などと言っている。自治労の解体に全面的に乗り出すことを宣言しているのである。
 まさに「外への侵略戦争、内への階級戦争」が一体のものとして労働者階級に襲いかかってきている。最大の焦点は4大産別であり、日教組・自治労解体攻撃を粉砕する闘いである。労働者の現場からの闘いで、既成指導部をのりこえ、打倒して、労働組合の戦闘的再生をかちとることが死活的に求められている。
 安倍の年頭会見と真っ向から対決し、米・日帝国主義の朝鮮侵略戦争を国際的内乱で絶対に阻止しよう。

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週刊『前進』(2278号3面4)(2007/01/15 )

焦点 軍事顧問方式で“ベトナム化”

 米軍増派に動くブッシュ

 1月10日、米帝ブッシュはイラク新戦略を発表し、2万人のイラク米軍増派を宣言した。その大半、5個旅団をバグダッドに配備し、掃討作戦を実施するという。イラク駐留米軍の兵力は現在の14万人から16万人になる。
 これに合わせてイラク治安部隊も今後1カ月半の間に3個旅団を首都バグダッドに追加展開することで、かいらいイラク政府マリキ首相とブッシュが合意している。
 また新戦略は、イラク全土の治安権限を11月までにイラク治安部隊に移譲する方針だ。権限移譲で米軍撤退への前提を築き、米軍の増派が際限なき戦線拡大ではないことを示し、増派に反対する民主党の批判をかわすのが狙いだ。だが、治安権限の移譲はイラク側の自立とはほど遠い。後方支援や米軍顧問のイラク部隊組み入れで米軍の関与は拡大する。
 2万人増派は1カ月に1個旅団の割合で実施され、イラク治安部隊では治安を維持できなくなっている首都バグダッドと西部アンバル州に配置される予定だという。
 イラクは、北部のクルド人地域、南部のシーア派地域、西部のスンニ派地域に事実上分割されているが、首都一帯はシーア、スンニ両派間の最も激しい抗争の舞台となっている。米帝のかいらいマリキ政権を維持するためには首都の治安強化が不可欠だが、イラク治安部隊の単独の力ではできず、米軍の増派が必要となったのだ。
 すでにマリキ政府は1月8日、首都全域の治安強化作戦の実施を発表し、翌9日、米軍の支援を受けたイラク治安部隊がハイファ通り周辺のスンニ派武装勢力拠点に対する掃討作戦を強行し、50人を殺害した。米帝イラク新戦略の先取り実施そのものだ。
 イラク新戦略は、先のイラク研究グループ(ISG)の勧告に沿い、イラク駐留米軍をイラク治安部隊・警察に組み入れ、イラク人兵士・警察官を訓練・研修する顧問活動を強めることをうたっている。この顧問団が反米武装勢力に対して治安・掃討作戦を展開する。イラク米軍増派とは顧問団の増員・拡大のことであり、米軍の戦線拡大、駐留長期化、敗北・敗勢なのである。
 顧問団方式は、かつてベトナム侵略戦争で米軍の敗勢と増派の限界を取り繕うために行われ、米帝のベトナム敗退につながった。イラク戦争でもベトナム戦争と同様の結果となるのは必至だ。
 米軍増派とイラク治安部隊によるスンニ派武装勢力掃討作戦の強化はスンニ派勢力の反撃を引き出す。治安部隊に入り込んだシーア派民兵組織は今後も統制をはずれてスンニ派市民への報復的テロルを仕掛けるだろう。内戦はますます激烈化する。米軍増派、顧問団増強による治安回復はありえない。一層の増派が要求されても、米軍のこれ以上の増派は困難だ。アフガニスタン侵略戦争が長期化し、ソマリアでも戦端が開かれ、朝鮮侵略戦争が切迫している。
 イラクの泥沼にはまり込んだ米帝ブッシュの「勝利」などありえない。米帝(日帝)軍隊のイラク即時撤退へ今こそ闘う時である。

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週刊『前進』(2278号3面5)(2007/01/15 )

 天神峰本部裁判

 “拙速裁判許さぬ”

 裁判長に建物検証迫る

 12月14日、千葉地裁において天神峰現闘本部裁判の第14回口頭弁論が開かれた。
 この間の進行をめぐる協議の中で仲戸川裁判長は、現闘本部の建物の構造図と写真を確認し「木造建物が現に存在している」と認めた。これは原告である成田空港会社(NAA)による「登記された木造建物は登記のない鉄骨建物に解体・吸収された(存在しない)」という主張と明らかに食い違っている。
 だがこの日の口頭弁論で裁判長は、「建物に対抗力があるかどうかだけが問題。現地の検証は不要」「構造などについての人証は不要」とかたくなな態度に終始し、スピード審理を押し通そうとした。顧問弁護団はあくまで「建物の検証は客観的に有効であり必要だ」と強く迫った。
 終了後、弁護士会館において記者会見が開かれ葉山岳夫弁護士が解説した。「建物の存在は認めたといっても、推測に基づいた判断ではダメだ。あくまで検証を求める」
 事務局長の北原鉱治さんは、「裁判所は何を恐れているのか。私がガイドするから現地を見ろと言いたい」と述べた。
 続く「支援する会」の例会で、代表の戸村義弘さんがあいさつに立った。「大新聞が三里塚の現実を一行も報道しないことに憤慨している。農が亡びれば国が滅びる」
 本部役員の鈴木幸司さんは、「労働者階級の団結の力で勝利しよう」と訴えた。続いて事務局次長の萩原進さんが、「本部の存在がへの字誘導路の存在を規定している中で、この裁判に勝つことが市東さんの励みとなり、北延伸攻撃との闘いで決定的だ」と支援者の奮起を促した。
 反対同盟の決意を受けて、群馬の世話人である青柳晃玄さんが、「反対同盟の鮮明な主張で裁判長は建物の存在を認めた。だが拙速裁判を狙っており油断できない」と警鐘を鳴らした。また関西実行委の松原康彦さんは「パネル展、ビデオ『大地の乱』上映、野菜直売などを各地で連続して企画し、三里塚への取り組みを強める」と報告した。次回の法廷は2月22日、全力で集まろう。
(写真 裁判後の記者会見で北原事務局長が裁判長の拙速審理を批判【06年12月14日 千葉市・弁護士会館】)

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週刊『前進』(2278号4面1)(2007/01/15 )

 超大国米帝の没落は帝国主義間争闘戦の死闘化と侵略戦争=世界戦争に行きつく

 反帝・反スターリン主義世界革命に労働者の未来

 はじめに

 アメリカ帝国主義のイラク侵略戦争の敗北・敗勢、その深刻化はとどめようもなく進行している。それは米帝国主義に大きな打撃を与え、その没落を激しく促進している。06年11月の米中間選挙はその政治的表現であり、この結果自体が米帝をさらに没落と混迷にたたき込むものとなっている。
 このような情勢の展開を根底で規定しているものは、全世界の労働者階級人民の怒りと闘いである。とりわけ、イラク人民を先頭とするムスリム人民の反米・反帝国主義の民族解放・革命戦争の不屈の展開である。また帝国主義国の、とりわけ米帝直下のプロレタリアート人民の反戦の意識であり闘いである。
 このイラク侵略戦争への怒りと闘いは、米帝・国際帝国主義による後進国・新植民地主義体制諸国に対する収奪・搾取・略奪(帝国主義的超過利潤のあくなき追求)への怒りと一体である。そして何よりも決定的なものは、1980年代の米のレーガン、英のサッチャー政権以来の歴史的な大資本攻勢のもとでの搾取の極限的激化に対する労働者階級のつもりにつもった怒りが、今や臨界点にまで高まってきていることである。この、侵略戦争への怒りと憤りと、労働者階級を「工場法以前」的な世界にたたき込んででも自らの利益追求にひた走る資本への怒りと憤りは、今やアメリカ本土を始め全世界のプロレタリアート人民の中で高まり、渦巻いている。
 しかし、帝国主義という存在は国際プロレタリアートの世界革命、今日的には反帝国主義・反スターリン主義のプロレタリア世界革命によって打倒されないかぎり、どこまでも凶暴化し、非人間的に腐り果て、戦争や搾取・収奪や弾圧のかぎりを尽くしても延命をとげていこうとあがきまわる。
 その観点からみるとき、イラク侵略戦争の敗北・敗勢にのたうちまわり、唯一の超大国としての力の限界・支配の破綻(はたん)に陥った米帝国主義が、反動的反革命的な延命を求めて動く方向は何か。端的にいえば、帝国主義世界〔列強と大国的世界(中・ロを含む)〕における帝国主義間争闘戦である。それは一面では国際的な大企業・独占体間の激烈な争闘戦・競争戦・独占的再編の嵐である。他面では世界的な石油・諸資源の独占的支配をめぐる、あるいは地政学的支配権をめぐる激しい争いである。そして、基本的には侵略戦争への突入である。
 経済争闘戦の死闘的展開とその一環としての侵略戦争政策の駆使が、超大国米帝の没落の中で生じてくることを、国際プロレタリアート、その一隊としての日本のプロレタリアートは、07年冒頭という時点でしっかりと銘記しなければならない。
 この国際的すう勢の中で、国際帝国主義の最弱の環としての日帝の姿はますます鮮明になってきている。日帝は戦後の経済大国化をなしとげたとはいえ、敗戦帝国主義の歴史的現実の重みのもとで七転八倒している。日帝・安倍政権はこのため改憲をふりかざし、朝鮮侵略戦争への参戦をめざす政策を推進するとともに、小泉政権以来の「骨太の方針」と新たな07年1・1御手洗ビジョンをベースにしつつ、参院選のりきりをもかけて、いわゆる「成長戦略」なるものでこの情勢に対応しようとしている。
 以上の全体的なスケッチをふまえて、今日の世界情勢をめぐるいくつかの重要事項について若干の確認をしていきたい。

 〔T〕 イラク侵略戦争の敗北・敗勢が米帝の没落と危機を促進

 まず、イラク情勢について、巨大な戦略的変動が起こっていることをおさえることが重要である。
 何よりも、06年11月の米中間選挙の結果の米帝にとっての重大性・打撃性である。米帝のイラク侵略戦争がイラク人民の不屈の抵抗闘争の前に決定的な敗北と敗勢に追い込まれ、その泥沼的内戦化への突入が鮮明になったこと、その中で米本土の労働者階級人民の怒りと不満が圧倒的に強まったことが中間選挙の根底を規定したのだ。
 もちろん、米国の今日の階級的現実に規定されて、選挙の選択肢は共和党か民主党かに絞り上げられている。民主党は帝国主義的ブルジョア政党であって、イラク政策の根底的転換をなしとげられるような存在ではまったくない。しかし、共和党が圧倒的に支配していた上下両院で民主党が多数派へとのしあがったことは、ブッシュ政権とそのイラク政策への全人民的ノーのつきつけを基礎とするものであって、ブッシュ政権ひいては米帝そのものに決定的打撃を与えるものとなった。

 米軍のイラク占領こそ内戦の元凶

 この結果、ブッシュはラムズフェルドを更迭し、米超党派の「イラク研究グループ」(ISG)の一員でもあったゲーツを新国防長官にすえた。そして12月6日には、ISGの提言報告書が鳴り物入りで出された。この提言報告書についてきっぱりとした階級的判断を下すことがきわめて重要である。これはイラク侵略戦争の敗北・敗勢を認めながら、その現実のもとで、米帝が侵略戦争をさらに継続・激化していくための政策提言でしかない。
 第一に、この提言の最もペテン的なところは、「イラクの状況は深刻で悪化している」「回復できるかどうか確信はもてない」などと言っていることだ。これは戦況判断でしかない。米帝のイラク侵略戦争が石油のための、中東の帝国主義的支配のための不正義の侵略戦争であったことがなんら確認されていない。開戦時、フセイン政権の「大量破壊兵器の保持」や「フセイン政権とアルカイダは結びついている」という断罪が行われ、戦争強行の合理化論として全世界にキャンペーンされた。この二つのことはまったく事実無根であったことが公式に確認され暴露されているにもかかわらずだ。
 そこでは、ブッシュが戦争正当化のために掲げた「イラクの民主化」「中東の民主化」という政策こそが、まさに今日のイラクにおける帝国主義占領下の泥沼的内戦という恐るべき事態を引き起こしている原因であることが、まったくおさえられていない。そもそも「イラクの民主化」などと言うが、第2次大戦後の植民地解放闘争の嵐のような発展の中で成立した独立国家・イラクに対して、帝国主義的超大国がその軍事力にものをいわせて侵攻・侵略して打倒し、占領下に自己の望むような政権(本質的にかいらい政権でしかない)をデッチあげることが正当化できることなのか。
 米帝・米軍は、その巨大な軍事力でフセイン政権を打倒した上で、「民主化」の名のもとに米占領下で「移行政府」や「正式政府」のための議会選挙なるものをしゃにむに推進しようとした。だがこれは、実際上は、つくり出されるかいらい政権の主導権をシーア派(とくにシスターニ派)に与えるということであった。また、米軍とシーア派の支援のもとでの「クルド自治政府」樹立の道を示すことで、クルド人をアメリカのプランの手先として巻き込むことであった。すなわち、スンニ派を排除して、スンニ派の怒りの爆発に対して米帝(とシーア派など)がスンニ派武装勢力のせん滅戦にうって出ることを意味していた。
 このことは、スンニ派地区ファルージャへの米軍によるせん滅戦が何よりもよく示している。とくに06年1月のファルージャ攻撃では、国民議会選挙の直前まですさまじいせん滅戦を繰り広げたのである。
 ISG提言は米帝のイラク侵略戦争がまさにこのようなものであることに何の言及もなく、「暴力の原因はスンニ派武装勢力、国際テロ組織アルカイダ、シーア派民兵など。大部分はスンニ派武装勢力による」などと言っている。そして、今日の内戦化もスンニ派の武装闘争などの挑発によるものであるかのようにキャンペーンしている。だが現実には イラク治安部隊の中にシーア派民兵のバドル軍団やマフディ軍などが入りこみ、米軍と連携した治安部隊としてスンニ派に対する拉致・テロルをほしいままに遂行していることが基底にあることは、今日、明白になっているのである。バグダッドでは毎月2千〜3千人の不明死体が死体安置所にもちこまれているが、その大半はシーア派民兵による対スンニ派のテロルの結果なのだ。だが「拉致があった」と言えば、それは自動的にスンニ派の仕業とされてきたのである。
 だがここで、誤解のないように言っておけば、革共同はシーア派民兵の行動をあげつらうことに主眼をおいてはいない。こうした内戦へと追い込んだのはまさに米帝のイラク侵略戦争とその遂行のやり方そのものであったということである。また、あえていえば米帝・米軍は、情勢が変われば今度はシーア派(民兵)をイランの手先として大せん滅戦をしかけることすら辞さない存在だということだ。

 侵略戦争の継続がISG提言の本質

 ISG提言はその出発点において、イラク情勢についてデタラメな判断をしている。したがって、この提言が米軍占領下の内戦というイラクの現状を打開することなどできるわけもない。さらに、ISG提言で重要な点として、次の二つのことが言われている。
 ひとつは、「米国はイラン・シリアと直接交渉し、イラク問題と地域の他の問題に関与させる」ということである。しかし、これは米帝にとって不可能に近いものではないか。米帝はイランやシリアに大きな見返りを与えるとでもいうのか。それは不可能だ。イランはさらに強化されて中東全体に大きな発言権をもつことになる。あるいは米帝がイラン・シリアを猛烈に脅迫して強制するというのか。しかし、それはイラクでの攻防が全中東に拡大することでしかない。
 いまひとつは、「米国は大規模な駐留を無期限に約束すべきではない。大部分の部隊は08年第1四半期までに撤退可能だ。米軍将校(顧問・教官役)をイラク軍(治安部隊)の中隊レベルにまで組み込む」と言っていること。これは悪名高き軍事顧問団方式そのものではないか。この組み込みチームの人員をいまの4千人から2万人にするとも言っている。また、これと同じ文脈で、米国防総省はイラク国家警察と国境警察、米司法省はイラク内務省下の警察の訓練任務を指揮する、そのための要員を組み込むと言っている。まさにこれは帝国主義国による植民地政府のコントロールの方式の一形態そのものではないか。
 以上の簡単な検討からしても、ISG提言の本質が、米帝がイラクでの敗北・敗勢の中でなおかつ侵略戦争を継続し、所期の目的を完遂しようとするブッシュ政権を助ける役割を果たす点にあることは明白であろう。

 新たな大量増派へ動き出すブッシュ

 ISG提言の本質はこのようなものだが、ISG提言が「イラクの状況は悪化している」「回復できるかどうか確信をもてない」としていることは、米帝にさらに追撃的な大打撃を与えるものとなることもまた事実だ。一言でいえば、唯一の超大国としての、帝国主義の基軸としての米帝国主義が、その世界支配と国内支配において今や根底から動揺し始めたことを鋭く示すものとなっている。
 イラク侵略戦争で敗北と敗勢に陥り、その泥沼から抜け出すにも抜け出せない。この米帝の現実は、戦後帝国主義体制の歴史の中で、ベトナム戦争敗北以上のダメージを米帝が受けるということである。米帝の二大政党レベルでの政争がこれからどんな過程をたどるにせよ、この歴史的危機と破綻からの出口は帝国主義間争闘戦の未曽有(みぞう)の激化と侵略戦争のさらなる拡大以外にない。実際にもブッシュは1月10日、イラク新政策を発表し、そこで米軍2万人の新たな増派を決定しさえしている。またそれは、国内階級戦争におけるファシスト的暴力支配の登場を含むすさまじい政治攻勢・資本攻勢の展開となるということである。
 イラク情勢をめぐって、最後にがっちり確認しておきたいことは、今こそ国際プロレタリアートは、米帝のイラク侵略戦争が本当に不当・不正の残虐きわまりない戦争であり、こんな戦争を続けるのが帝国主義というものであるなら、そんなものはこの地上から一掃されるべきだ、と声を大にして全世界で一斉に蜂起すべきだということである。
 この怒りと糾弾は今や日本で、朝鮮で、米国で、全世界で、巨万の人々の心を必ずとらえることができる。この戦争の不当性、不正義性、許されない残虐性を火の言葉で暴露すべき時が来た。
 また、それが全世界をぐらりと揺るがす力となる時が来たということである。世界情勢はまさにここで根底的に変動しつつあることを確信しよう。

 〔U〕 アメリカ経済の住宅バブルの崩壊のもつ歴史的な重大性

 米帝はイラクで敗北と敗勢に落ち込んでいるだけではない。アメリカ経済自体の危機と破綻も今や画歴史的段階へと突入しつつある。これは対外的には帝国主義間争闘戦と戦争、対内的には恐るべき階級攻勢・資本攻勢の展開となっていく。
 米帝は唯一の超大国としての危機をのりきり、巻き返すために戦争政策へとのめり込んだのであるが、ブッシュ政権がその戦争政策の土台としたのは米経済のバブル的展開であった。しかし今やイラクでの危機の未曽有の深まりとまさに表裏一体のものとして、この米バブル経済がついに破綻し大崩壊を開始するにいたっている。
 具体的には米国での住宅バブルがついに崩壊し始めたのである。これは決して住宅産業という一産業でのバブルとその崩壊ということではない。

 ブッシュ恐慌対策が生んだバブル

 歴史的にみれば、アメリカ経済は00〜01年の過程で、ITバブルの崩壊という形で29年型の大恐慌に突入しようとしていた。これに対して01年に登場したブッシュ政権は、レーガン以来の超反動的な労働・経済政策を継続・激化させていった。
 すなわち、労働者階級が19世紀以来、ロシア革命以来、あるいは1930年代のニューディール以来、歴史的にかちとってきた労働組合を軸とする諸権利や社会保障政策を破壊し廃棄して、資本が規制緩和のもとに利潤・独占的超過利潤を求めて自由にふるまい、労働者階級の組合的団結を破壊し、けた外れのリストラを強行し、非正規雇用労働者を膨大につくり出すことを続行していった。そしてひとにぎりのブルジョアジーとそれに連なる階層のみが肥え太り、他方では労働者階級の膨大な部分が日々の食生活にも事欠くような貧困のもとにあえぐ現実をつくり出してきた。
 ブッシュ政権はこういうレーガン以来の階級支配の反動的再編を推進しつつ、その上にたって空前の恐慌対策を強行した。すなわち、ひとつは超低金利政策(これは03〜04年にはついにFFレートが1%というところまでいった)を行った。いまひとつは大企業・金融独占ブルジョアジーへの超大型減税を強行した。またこの際ブッシュは、ドル本位制的現実にあぐらをかいて、いわゆる三つ子の赤字(貿易赤字・経常赤字・財政赤字)の天文学的膨張を平然と無視して上記の政策を強行したのだ。
 この結果つくり出されたのがアメリカ経済のバブル化であった。具体的には住宅バブルの形態をとってそれは進行した。この政策は、レーガン反革命による労働市場の大変更と労働組合破壊下で、総額賃金が大幅に圧縮されて搾取率が強まり、労働分配率がどんどん下がるという現実なしには、大インフレを引き起こすものとなって直ちに破産するようなものであった。アメリカの労働者階級はこの現実への怒りをたぎらせ、また先端的に激しく闘いつつも、全体として既成のAFL・CIO(米国労働総同盟・産別会議)的な超ダラ幹の組合支配を打ち破れずに苦闘してきた。この上にたって初めて、ブッシュは空前の恐慌対策としての経済財政政策を遂行できたのである。
 そして米経済は一定のGDP成長を見せ始め、03〜04年頃から住宅ブームを引き起こし、それはついには住宅バブルへと転化した。住宅市場が投機の対象となり、投資としての住宅建設が広範に行われていったのである。また住宅の持ち主にとっては、住宅価格の上昇分を担保に新しくローンを組むことを可能にするホームエクィティローンなるものが大々的に普及し、いわば借金をどんどんする形で個人消費が拡大していった。このような住宅建設や個人消費の拡大のもとで、ついには経済全体において設備投資の拡大さえ引き起こされ、GDPを拡大するものとなっていったのである。
 しかしこのブームはバブル化し、投機性をますます強め、経済のインフレ化などを媒介に景気の大後退を引き起こす危機を深めていった。このためFRB(米連邦準備制度理事会)は金利を事実上のゼロ金利(マイナス金利)から次第に上げ、5・25%にまで引き上げていった。だが住宅バブルはせいぜい3%前後の金利(事実上インフレ率と同じくらい)のもとで成り立つものとしてあったので、金利の上昇は結局、バブル崩壊への引き金を引くものとなった。

 昨年夏以降の住宅市場の急激な崩壊

 06年1月以来、住宅バブルの収縮過程はじりじりと進行していたが、8月以降急激に加速度的に収縮(パンク)していった。
 8月には住宅販売数が急減し始め、住宅販売価格も下落度を強めた。8月には1・7%減、9月には2・3%減となった。急激な値崩れである。8月の中古住宅の売れ残りは総計392万戸(7・5カ月分の販売戸数に相当する大きさ)となり、9月の住宅着工数は前年同月比マイナス27%というドラスティックな減少幅となった。GDP統計での住宅関連投資は、06年1〜3月6・4%減、4〜6月9・8%減、7〜9月17・4%減と急激に縮小していった。これらの数字は、きわめて激烈な市場の崩壊が生じたこと以外の何ものも意味しない。
 ホームエクィティローンの残高の前年比伸び率は、04年のバブルピーク時の44・2%増から、06年9月にはたったの1%増となった。これが個人消費の減退に及ぼす影響は明白であろう。
 住宅ブームがGDP成長全体にとっては1・5%分の成長増加をもたらしているとされてきた。また雇用増加の2〜3割が住宅関連産業であったとされてきた。実際に米のGDP成長率は06年の年初(5・6%)をピークに、06年4〜6月期には2・6%、7〜9月期には1・6%とどんどん減速している。下落の最大の要因は住宅関連投資の低下である。
 住宅バブルの完全な崩壊は、アメリカ経済全体のバブルの崩壊となる。さらには中国経済・日本経済・EU経済などにも甚大な影響をこれから与えていくものとなる。米の住宅バブルがついに崩壊したということを絶対に過小評価してはならない。
 アメリカ経済に限っても、個人消費の減退は自動車産業などにも巨大なインパクトを与える。米経済の減退は不可避である。そしてそれは米経済のバブルに依拠して対米輸出を拡大し、それを基礎に経済の浮揚を図ってきた中国・アジア諸国、そして日本に決定的なインパクトを与えるものとなる。

 貿易赤字の拡大とドル暴落の切迫

 ここで、基軸帝国主義としての米帝の存在にとって、またドル体制の維持という生命線にとって決定的な意義をもつ三つの赤字について、やはり簡単にせよおさえておく必要がある。
 米貿易収支の天文学的レベルの赤字は、04年に総額6113億j、05年に7167億j、06年1〜10月には6434億j(これは前年同期比としては史上最高)と、06年においてもさらに拡大している。本来ならこんな巨大な貿易赤字は許されないが、米帝は唯一の超大国という帝国主義的「実力」においてドル本位制的にふるまっているため、これを放置できている。そして米帝当局者は国際的資金循環をとおしてオイルダラーがEU経由で流れ込み、中国・アジアや日本の巨大な貿易黒字が対米証券投資などとして還流し、資本収支を含めた国際収支のバランスを保持できているかぎり、何の問題もないといって合理化している。
 また米帝は、グローバリズムの名のもとに世界をWTO(世界貿易機関)体制や各種の自由貿易地域・FTA(自由貿易協定)の網の中に組み込み、そこに巨大なスケールでの直接投資や金融的間接投資を行って、安い労働力からの超過利潤の搾取や金融的収奪などを遂行している。そしてそこから膨大な額の果実を米本国に送金することによって、国家としての経済の基礎を支えている。
 しかしながらこれは、基軸帝国主義である米帝が、一部の金融・エネルギー部門や航空宇宙産業・軍事産業部門などで国際的優位を確保しているとはいえ、重要な工業的産業的基盤を空洞化・弱体化させつつ、金融資本的な対外直接投資・間接投資などによって世界を収奪しつつ延命していくというような姿であり、やはり帝国主義の末期の形態である。
 しかもそのグローバルな資金の流動は、あまりにも多くの不安定要因を伴っている。とりわけ今日、世界の金融市場を時々刻々電子のスピードで飛び交って利ざやを巧みに集中するいわゆるヘッジファンドの動きは、それが想像をこえる大きさで行われていることを考えるとき、そのもつ破壊性・破綻性はあまりにも大きい。
 ヘッジファンドの大破綻は実はすでに始まっている。06年9月には米ヘッジファンドのアマランス・アドバイザーズの大破綻が生じている。この破綻は商品取引、具体的には天然ガスの先物取引での天然ガス価格の暴落のため、ファンドの運用資金95億j(1・1兆円)の内約60億j(約7千億円)を損失してしまったことに端を発する。この損失規模は98年の、巨大な世界金融危機の引き金を引いた米LTCM(ロングターム・キャピタル・マネジメント)の大損失以来のものだ。
 この天然ガス価格の暴落とアマランスの大破綻のショックは、他のヘッジファンドの商品先物投資からの後退を引き起こしている。原油の1バレル78j台から60〜50j台への下落などもその流れの中で生じている。
 そして皮肉なことに、これが巨額なヘッジファンド的投機資金のニューヨーク株式市場への流れ込みをつくり出し、時ならぬニューヨーク・ダウの株高(史上最高のくり返し)をつくり出している。しかしこれは、米と世界の株式市場の大混乱の引き金を引くものとなる可能性が増大しているということだ。まさに帝国主義の寄生性・腐朽性を絵に描いたような現実が生まれているといわなければならない。
 貿易収支の天文学的赤字の果てしもない行進は絶対にいつまでも続くことはない。必ずドル暴落の大崩壊の局面をつくり出す。帝国主義の危機と末期症状がここまできていることについて、国際プロレタリアートはしっかりと自覚し、世界革命戦取への決意を新たにしなければならない。
 財政収支については省略するが、経済が不況に向かえば米財政収支は一挙に再び恐るべき勢いで悪化していく。そうでなくても米当局者自身、07年から10年にかけて再び悪化することを自己確認している。

 リストラの嵐との一大決戦期の到来

 米帝国主義の危機は個別企業・独占体のレベルにおいても深刻化しつつある。住宅バブル崩壊と国際争闘戦での敗北のため、減産・工場閉鎖・リストラの嵐がアメリカの労働者階級に襲いかかろうとしている。新たな階級決戦の局面が到来し始めているのだ。
 昨秋発表された米大企業の7〜9月期決算では、500社平均で当期利益が20%上昇したとされ、それを材料にニューヨーク株式市場が史上最高値を更新している。しかしこれはリストラ効果をベースにし、それに住宅バブルや原油価格高騰のもとで暴利をむさぼってきた素材産業・金融業・エネルギー産業などが全体を引っ張っている中で生じた結果である。このすう勢は住宅バブルの崩壊ですでに根本が揺らいでしまっている。
 むしろはっきりしてきているのは、住宅バブル崩壊、米のバブル経済の全体的崩壊の巨大な重圧が深まっていく過程が、同時に、国内的=国際的な独占体間の激しい争闘戦の激化と結合していく過程となってきていることである。なかでも米帝にとって依然として重要な基軸的産業の一角をなしている自動車産業は、今日、未曽有の危機に陥っている。
 06年9月にはまず、フォードが大リストラ計画を公表した。06年10月から07年3月にかけてホワイトカラー1万4千人の削減を行う。フォードの全ホワイトカラー労働者の3分の1にもあたる大削減だ。また06年1月に発表していた工場労働者3万人の削減計画についても、4年前倒しして08年までに実施すると変更した。これはフォードの米国内シェアが20%台から16%台に急落したことを理由にあげている。
 9月にはさらにクライスラーも、06年下期の生産を10%減産することを発表した。すでにGM(ゼネラル・モーターズ)とフォードも06年10〜12月期の10〜20%減産を発表している。これはトヨタ・ホンダなどとの市場分割戦での敗北・敗勢が著しいためである。10月にはGMが、7〜9月期決算が1億1500万jの当期赤字となったと発表。これでGMは4〜6月期、7〜9月期と連続して赤字決算となる。
 また9月初めには米国の半導体産業の最大手のインテルが、07年中に労働者の1割強、1万500人を削減すると発表した。これはAMD社とのシェア争いでインテルの独占力が崩されてきていることへの対応としてうちだされている。
 これらはバブル経済の崩壊の進行の中で、国内的・国際的な争闘戦に敗北したり敗勢に陥っている企業・独占体の危機がまず表面化したものとしてある。これから米経済全体の不況化の重圧が強まる中で、こうしたリストラ攻撃はさらに全体化していくことが不可避となっている。

 米産業の没落衰退と争闘戦は不可避

 ここで次の点をしっかり確認しておくことが重要である。マクロ経済レベルでの貿易赤字のあまりの巨額化、国際資金循環のあまりのアクロバット性は、本質的にドル暴落として、米帝を軸とした戦後帝国主義経済体制の根底的瓦解(がかい)の危機を現実化する。そこにおいて、アメリカ自動車産業(それに代表されるアメリカ工業)が今日陥っている危機はあまりにも深刻だということである。このままの状況が進行すればアメリカの自動車産業の没落・衰退という恐るべき事態となりかねない。
 米帝のイラクでの敗北・敗勢、それを受けた米中間選挙でのブッシュ・共和党の大敗北と表裏をなす事態として、このようなことが進行している。これはアメリカ帝国主義の基軸国・超大国としての危機そのものである。
 われわれはこの事態から、米帝のなりふりかまわぬ反撃、保護主義・排外主義まるだしのすさまじい巻き返しが始まること、戦争・貿易戦争・通商戦争、総じて帝国主義間(大国間)の争闘戦激化の時代への突入が不可避であることをがっちりとおさえていくことが必要である。米中間選挙に続いて08年の次期大統領選で民主党が勝利するなら、この通商戦争―争闘戦は一段と激化していくことは必至である。

 〔V〕 米・EU・日帝ならびに中・ロの存亡かけた争闘戦と分割戦

 米帝のイラク侵略戦争の敗北・敗勢の深化、米国経済のバブルの大崩壊、そしてますます巨大化する貿易赤字とドル暴落の危機――この中で、米の帝国主義的独占ブルジョアジーはこれから未曽有の激しさで帝間争闘戦に全力をあげることは間違いない。
 今日、世界帝国主義は、90年代初めのソ連スターリン主義崩壊後に成立した米帝を圧倒的基軸とする帝国主義世界体制に、資本主義化政策にのめり込む解体したスターリン主義国・ロシアや残存スターリン主義・中国が組み込まれてから十数年を経てきている。だが今や、基軸国米帝の没落と危機のもとで、帝国主義間(中・ロを含む大国間)の国家間争闘戦やその基盤としての大独占体間の死闘戦がかつてないスケールで爆発する時代へと突入するということである。
 しかもそれは、中国の独特の形での「資本主義化政策」(本質としてのスターリン主義は根本的には変わらないままの)が進行する中で、巨大な中国市場が世界市場に参入し、さらにはBRICs(中国のほか、ブラジル、ロシア、インド)という形での巨大な新興市場が参入するということの中で進行するのである。
 こうした中で、資本と商品の輸出市場をめぐって、石油などの天然資源の独占的支配権をめぐって、また安価な労働力の支配・確保をめぐって、政府と民間独占体の全体を巻き込むすさまじい分割・再編戦争、争闘戦となることは明らかである。
 このすさまじい独占体間の相互せん滅戦と国家間の帝間争闘戦は、不可避に帝国主義的侵略戦争へと発展する。イラク侵略戦争、アフガニスタン侵略戦争はその始まりである。イラン(中東)侵略戦争、朝鮮侵略戦争の危機は一段と深刻化しつつある。
 この〈戦闘〉で米帝が好戦的にふるまうことは明らかだが、EU(独仏英などの諸国)も日帝も、また大国としての中国・ロシアも、それぞれに自己の存否をかけてこの争闘戦・分割戦に突入する。いや、せざるをえない。

 ドイツ経済の成長の背後にある危機

 EUはそれ自体、経済的排他性をもつブロックであり、米帝の激烈な争闘戦圧力への一定の対抗力として形成されてはいる。しかし、経済ブロックというものに閉じこもるだけでは本質的には行きづまる。そもそも成長しえない。今日のEU(EU内の諸帝国主義)はまさにその意味でひとつの転換点にある。
 確かにEUはドルに対する一定のユーロ圏としての相対性をもち、ドイツ経済の一定の成長をテコにして、06年4〜6月期には3・6%増、7〜9月期には2・0%増などのプラス成長をとげている。だが、この成長の牽引(けんいん)力となったドイツ経済をみても決して順風満帆ではない。
 ドイツが経済的不況から05〜06年に2〜3%の成長へと転じることができたのはまず、輸出の拡大による。これは米バブル経済のもとでの世界経済のバブル化の流れに沿ったものであるとともに、EU拡大に伴って経済の東方拡大をなしとげ、安い労働力を搾取する新工場進出などをどしどし進めたことによる。また、国内に流入する外国人労働力を低賃金・強労働のもとにおき、リストラを強行して利潤をむさぼってきたからにほかならない。さらに、財政赤字3%以下というEU間の協約を破棄して、財政赤字拡大による景気の刺激を行ったことによる。
 しかしこれでは労働者階級の賃金は抑圧され、個人消費の拡大力などは弱体化したままである。また、生産拠点の東方進出はドイツ国内の産業的空洞化を伴い、国際競争力の低下が懸念される状態となる。法人税収の減少も生じている。さらにドイツでも少子高齢化が日本以上に進行し、このため社会保障費は当然にも拡大する。
 このような現実に直面して、ドイツ・メルケル政権は日本とほとんど同じような政策を打ち出している。「財政再建」「税制改革」「社会保障制度改革」「イノベーション」である。しかし、ドイツ政府がどうもがこうと、今日の末期の帝国主義のもとでは失業率は10%台を続けているし、個人消費は成長力を失い、財政赤字は拡大している。結局は日本の消費税にあたる付加価値税を3%増やして07年より19%とすることになっている。
 EUの牽引力でありEUの基軸帝国主義としてのドイツのこのような現実は、結局、EUをして外に向かっての膨張戦略へと向かわせている。

 対外膨張に向かうEUの新通商戦略

 こうした背景のもとで、EUの指導部である欧州委員会は06年10月にEUの新通商戦略をうちだした。これは第一にインド・ASEAN・韓国とのFTA締結を急ぐことを決定した。第二に新通商戦略の最重要の環として対中国新戦略を確認した。EUとして連携してEU企業の対中国参入を促進・援助していくこととしたのである。
 ちなみに、EUはすでに中国との貿易関係を強めている。中国の06年1〜9月の輸出入合計は1兆2726億jだが、貿易相手国の順位は次のようになっている。
 第一位 EU(輸出入合計1944億j、前年同期比23・9%増)
 第二位 米(輸出入合計1915億j、前年同期比24・8%増)
 第三位 日本(輸出入合計1509億j、前年同期比12・8%増)
 帝国主義的戦後発展が行きづまり、経済のバブル化を繰り返す中で延命している今日の最末期帝国主義にとって対外膨張は不可避であり、アジアとりわけ中国市場あるいはBRICs市場こそは、文字通り生命線となってきているといえる。このため、国際的競争戦、資本と商品の市場分割戦に勝ちぬき、工場立地・生産拠点移転などをとおして勢力圏を形成していくことは、帝国主義諸国にとってまさに死活的な事柄になりつつある。
 そして、この過程で、安い資源とりわけ安い労働力を独占的に支配し、搾取し、収奪し、超過利潤を莫大(ばくだい)に積み上げていくことが帝国主義的生き残り戦争に勝ちぬく道となってきている。そして、この世界の労働力市場に生じている歴史的大変動の波にのって、帝国主義本国のプロレタリアートの「賃労働と資本」の関係をギリギリの生理学的最低賃金の重石によって支配していくことを、ブルジョアジーは狙っているのだ。
 日帝・安倍政権の狙っていることもこうした米帝・EU帝諸国の動きと対応している。日帝は帝国主義の最弱の環であるがゆえに、その攻撃は最も苛烈(かれつ)なものとなってきている。
 安倍は「骨太の方針Y」を基礎にして、自治労・教労など4大産別の労働者のリストラ・首切り、社会保障制度の根底的破壊、地方自治制度の帝国主義的侵略戦争体制への大変革(道州制導入など)を狙うとともに、07年の参院選をも狙って「成長戦略」なるものを今や圧倒的に押し出している。この「成長戦略」は、帝国主義間争闘戦の激化に対して国際競争力を飛躍的に強めるために、大独占企業への企業減税を惜しみなく行おうとするものだ。とりわけ対中・対アジアの帝間争闘戦に勝ちぬくための政策である。世界市場争奪戦に勝ちぬくことで一切が解決するという、きわめて帝国主義的政策であり、対外膨張政策、戦争政策そのものである。それは、現実の米日帝の朝鮮侵略戦争策動と百パーセント一体のものである。

 巨大な独占体間の国際・国内的死闘

 次に、今日の国家間の争闘戦の基盤となっているのは、巨大な帝国主義的独占体間の国際的=国内的なすさまじい死闘戦、市場分割戦、合併・再編の嵐の荒れまくる情勢であるということを確認しておきたい。
 簡単にいくつかの重要産業での動きをみておこう。
 @自動車産業では、米国内市場をめぐって歴史上かつてない市場分割戦が生じている。日帝のトヨタ、ホンダ、日産、スズキなどの対米進出はアメリカのGM、フォード、クライスラーの足元を大きく突き崩している。逆に後者は大幅な減益となり、工場閉鎖やリストラを迫られることになった。
 トヨタは06年9月に「08年に980万台」という計画を発表し、GMをぬいて世界第一位の自動車会社となることを宣言するにいたった。また06年7月には、GMと日産・ルノーとの提携交渉が大々的に発表された。これは様々な要因からひとまず不成立となったが、全世界に衝撃を与えた。
 自動車産業は世界規模の産業であり、世界市場の制圧をめぐる死闘を繰り広げているが、今日最大の激戦地となっているのは中国市場である。中国の現地の自動車(「汽車」といわれる)会社との合弁形式で中国進出が行われている。中国側もこの外資導入の形態をとおして自前の技術力を獲得し、それを自国の安価な労働力と結びつけて自動車産業を確立し、国内市場のみならず世界市場にのりだすことも展望していると言われている。
 A電機産業でも激しい死闘が展開されている。日帝はかつて世界のトップを走ったこともあるが、一時期敗勢をかこっていた。今日では電子機器の素材・原材料分野、例えば液晶パネルなどで盛り返している。ここでは日本のシャープや韓国のLGフィリップスやサムスン電子などが世界の先頭に立っている。これに対して06年12月、米日韓の司法当局が価格カルテルの疑いで韓国企業への調査に入った。これは明らかに米司法当局が、米帝企業の利害にそって独占体間の死闘に介入を開始したことを示している。日本のシャープなど10社にも近く行われるという。
 B鉄鋼でも国際的スケールの再編と死闘が展開されつつある。06年にオランダのシタルスチール(世界最大の鉄鋼企業)がルクセンブルクのアルセロールを買収し、アルセロール・シタルを形成した。超大企業の出現である。この力の前に、脅威にかられた日本の新日鉄と韓国のポスコ、新日鉄と中国の宝鋼集団という三者の間で、資本提携の合意が一挙に進められた。また、06年12月には英鉄鋼大手コーラスがインドのタタール・スチールへの身売り合意を撤回し、ブラジルの大手CSNの買収に応ずることを決めた。すさまじい合併・買収・再編という独占体間競争の時代に突入したのだ。
 C航空機産業その他ほとんどの産業分野でも、このような国際的スケールの合併・再編、市場分割戦、争闘戦が繰り広げられつつある。
 D帝国主義国が他の帝国主義国などにどんどん直接投資を行うこと、とりわけ外国企業が自社株を使用して合併・吸収(M&A)を行うことが07年5月から日本でも解禁となる。日帝は実は外国資本の直接投資の形態での自由な参入をこれまで拒否してきた。これについて日本経団連はやはり依然として恐怖し、何らかの制限を加えていくことを政府に要請している。これも国際間の資本競争の現実の一局面をなしている。

 労働者階級の団結こそ勝利への道

 問題は、こうした動きが労働者階級にとって何を意味するかということである。
 中国を始めとしたBRICs諸国という巨大な新興市場が参入する中での帝国主義間争闘戦の進行は、世界的労働市場の側面からみれば、一方で、帝国主義の前に巨大な安価な労働力市場が開かれることを意味している。他方では、その力を背景に帝国主義国の労働市場にさらにすさまじいリストラと規制緩和の嵐が吹きすさぶことを意味している。
 この現実を基礎に、今や日帝を始め世界の帝国主義ブルジョア階級は、戦後革命期以来の、あるいはロシア革命とニューディール以来の、さらには19世紀以来の労働者階級の闘いが獲得してきた諸権利や様々な階級的力関係を一挙に奪いとり、工場法以前ともいうべき状況へと逆転させる動きを一斉に強めてきているのである。
 重要なことは、この攻撃が帝国主義の危機=「国家・企業の危機」というイデオロギーをもって労働者階級に強制されようとしていることである。まさにこの「国際競争に勝つため」という帝国主義ブルジョアジーの論理とイデオロギーが、これからますます激しくプロレタリアートに襲いかかってくるということだ。
 これに対して、国際的階級としての労働者階級は、「賃労働と資本」の利害の非和解性の原点に立ち、労働者に国境はないこと、企業防衛や祖国防衛の観点は帝国主義戦争への道を導くものでしかないことをはっきりさせて闘うことである。政府・資本が流す国際争闘戦の論理を峻拒(しゅんきょ)し、労働者の階級的団結をつくりだし、労働者階級の力で生活と権利を守り、労働者自身を資本の鉄鎖から根本的に解放するために、自ら断固として決起していくということである。まさに06年11・5集会アピールの精神で闘うことが、唯一の勝利の道である。

 〔W〕 米日帝国主義の朝鮮侵略戦争突入情勢の切迫と対決しよう

 帝国主義の危機の深化、帝間争闘戦の激化の中で、帝国主義侵略戦争の拡大・激化の動きはますます深まり、その速度はかつてなく速まっている。行きつくところは帝国主義世界戦争である。プロレタリア世界革命か、それとも帝国主義のもとでの世界戦争か、として問題は立てられている。

 民族解放・革命戦争が中東全域に拡大

 今やイラク侵略戦争におけるイラク人民の民族解放・革命戦争の発展は、アフガニスタン情勢に決定的な変化を与えている。タリバンは今やほとんど完全に復活している。決定的なメルクマールはパキスタン政府と国境地帯の武装勢力とが昨秋、和平協定に合意したことである。これはアフガニスタンでの反政府ゲリラ勢力にとって聖域が生まれつつあることを意味している。アフガニスタン侵略戦争もまた敗北と敗勢にたたき込まれる可能性が増大している。
 アフガニスタンの戦争で重要なことは、これが今や米帝の戦争から米帝とEU諸帝国主義との連合の戦争へ転化していることである。イギリス・フランスのみならず、ドイツもがNATOの旗のもとで侵略戦争の戦略的担い手になってきている。今やドイツ帝国主義は侵略戦争の本格的部隊として登場しつつある。この重大性をおさえないといけない。
 イランをめぐる情勢もますます激しいものとなっている。イラクでの米帝の敗北はイランの立場を強めている。国連決議をテコにしてイランに重圧を加えているが、米帝を始めとする帝国主義の、石油のために中東を支配する戦略は、反米反帝の自主独立の旗を掲げるイランの存在をフセイン同様に圧殺していく以外に結局は成り立たない。表面上のあらゆる外交術策は、このすう勢をひっくり返すものなどになりえようもない。一種の時間かせぎでしかない。
 イスラエルとレバノン、パレスチナをめぐる情勢も、イスラエルによる米帝を背景としたパレスチナ解放闘争圧殺攻撃のあくどさがすべての悪の根源となっている。06年にレバノンで「敗北」したイスラエルは、パレスチナでハマス政権を承認せず、経済封鎖することで、ファタハとハマスの内戦をけしかけている。この内戦的危機の諸現象を口実としてイスラエルはハマス攻撃の戦争に突入し、それへのハマスの反撃を口実にパレスチナ(ガザ)に介入し、結局はハマスの背後のレバノンの武装勢力をたたくとして、レバノンに再侵略する計画であることは明らかである。

 朝鮮戦争発動の動きは分水嶺越えた

 帝国主義の危機の侵略戦争への転化の動きの中で最も重大なものは、北朝鮮スターリン主義の核実験と核保有宣言を口実とした米日帝などによる北朝鮮への侵略戦争(これは同時にあらゆる意味で朝鮮侵略戦争そのもの)の動きである。米帝はこれを、対中国戦略を含むアジアでの米帝支配の強化をかけた戦争として構えている。日帝は日帝として、日米争闘戦の激化の中で、自己の帝国主義的利害をかけてこの米帝の戦争に参戦し、自らの帝国主義的侵略戦争としてそれを戦う構えを強めている。
 この場合、北朝鮮・金正日体制自身の内部崩壊や内部政変の危機が本質的に深まっている中で、中国スターリン主義が北朝鮮の核武装には反対する立場を明らかにして米帝と一定の連携をもって動いているが、いくら中国が動いても、六カ国協議自体はもはや本質的な意味をもたなくなりつつあるといえる。北朝鮮は、根本的に間違った反労働者的な政策であるとはいえ、米帝の体制転覆の重圧、戦争の重圧にスターリニスト的に対抗するには「核保有国」の立場を失うことはできない。表面上どんな合意や協力表明があっても、本質的に受け入れられないのだ。
 しかもすでに二つの点で米帝の動きは分水嶺(れい)を越えている。金融制裁と国連制裁決議である。したがって世界史は朝鮮侵略戦争、第2次朝鮮戦争に向かってすでに動き出しているとみるべきなのだ。
 日帝・安倍政権は「拉致」問題をふりまわしつつ、帝国主義的ナショナリズムと排外主義をあおりたてている。安倍は来たるべき朝鮮侵略戦争に向けて一切の照準を合わせて動いている。教育基本法改悪、防衛省昇格法の成立を手にした安倍は、戦争教育への社会的弁を解き放ち、9条改憲に向かって突き進もうとしている。そして北朝鮮の「拉致」や「核実験」をむしろ絶好の条件として、軍事大国化、日米同盟の枢軸化、独自の核ミサイルの確保などの方向に突き進もうとしている。
 日帝にとってアジアに勢力圏を形成することは、帝国主義間争闘戦上の絶対的命題である。しかしそれは経済力のみでは不可能だ。帝国主義的侵略戦争にうってでて、勝利していくしかない。どんなに絶望的な跳躍でもするしかない。

 安倍政権の改憲への突撃打ち破ろう

 日帝は敗戦帝国主義の現実からの脱出を日米安保同盟をテコとした対米関係の展開をとおして図ろうとしてきたが、逆にそれは帝国主義間争闘戦と日米矛盾の激化という時代の到来の中で、日帝の脆弱点・危機点になっている。日帝はなんとしても自前の侵略戦争のできる国家へと転換しなければ、その帝国主義的利害を守りきれない。しかしそれは米帝の、アジアに地域覇権をうちたてる国家の成立を許さないという基本政策と激突する。それ以上に、憲法、とりわけ第9条という形でつくられた帝国主義戦争への階級的制動を破壊しようとすることは、労働者階級との死活をかけた決戦としてある。
 さらに決定的な事柄は、日帝の15年戦争や明治以来の侵略戦争の歴史に対する総括自体が、戦後の米帝の対スターリン主義の反共同盟の形成・推進の歴史の中であいまいにされ、すりかえられてきたことである。その結果として、日帝と中国・朝鮮・アジア・太平洋諸国のプロレタリアート人民の日帝への怒りと闘いが非和解的に激化してきていることである。
 こうした日帝の戦後的あり方と不可分のものとして、日帝は戦後一貫して韓国や東南アジアを始めとするアジア諸国への経済・貿易関係を強め、帝国主義的再侵略を繰り広げてきた。だが、いまだにアジアにおける勢力圏形成をなしえていない。すでに述べてきたように、今日の世界はまさにすさまじい勢力圏形成とそれをめぐる争闘戦の激化の時代を迎えている。日帝はこの絶望的現実を突破するためにはむきだしの帝国主義的軍事力とその行使をもってする以外にない。しかし、これはまさに戦後国内体制と戦後世界体制の「ベルサイユ体制」「ワイマール体制」の爆破のような本質をもつものである。
 この絶望的な現状の突破のために、今や日帝ブルジョアジーの体内にはすさまじい反革命的エネルギー、帝国主義的ナショナリズム、帝国主義的排外主義が非合理性をむきだしにして噴出し始めるにいたっている。もちろん没落期の帝国主義としての日帝は、超大国・米帝との安保同盟関係を簡単に離脱できるような条件もエネルギーもない。しかし、帝国主義的矛盾の爆発は帝国主義であるかぎり無慈悲に進む。
 安倍政権の基底的本質には明らかにこうした超反動的な「大日本帝国統治」的な志向性が存在する。もちろんこれは一度120パーセント完膚なきまでに破産した歴史的大反動のコースであって、絶望的政策であり本質的に脆弱である。日本の帝国主義ブルジョア階級さえ統一できないものでもある。
 したがって日本のプロレタリアートは、米・朝・中・アジアのプロレタリアート人民と連帯して階級的に決起していくならば、この安倍的反動は必ず決定的に吹き飛ばすことができる。
 今や基本的に、米日帝の朝鮮侵略戦争前夜の切迫した情勢に突入している。日帝の07年からの数年の動きのすべて、政治・経済・社会・イデオロギーのすべては、この米日帝の朝鮮侵略戦争、日本的には日帝の朝鮮侵略戦争をめぐる動きと一体のものとして進む。日本プロレタリアートは11・5の示した方向にそって、07年新年号でうちだした「日韓米3国労働者の国境を越えた団結で米日帝の朝鮮侵略戦争を阻止しよう」のスローガンのもと、今こそ立ち上がっていかなければならない。

 結語

 内外情勢は今や明白に革命的情勢への急接近の情勢となってきている。これはすさまじい戦争と反動の荒れまくる時期の到来であるが、これまでどおりには帝国主義がやっていけなくなってきているということだ。これまでのあり方の大激変の中で、労働者階級もあらゆる形で階級的覚醒(かくせい)を強めていく。帝国主義侵略戦争なども、一時的には帝国主義と権力が排外主義の嵐を利用して強大にみえても、そもそも帝国主義がもはや体制として成り立たなくなってきて一種の混乱と分裂に陥ったことを意味している。
 革共同は、11・5に結集した3国の労働者や3労組共闘の闘う労働者と一体になって、戦争と改憲にむかう階級的動乱期に、労働者階級とともに闘う革命的プロレタリア党として今こそ奮起し、党勢を拡大し前進していこう。何よりも青年労働者と学生の中で始まっている革命的高揚の息吹を真っ向から受けとめ吸収して、21世紀の早期のプロレタリア革命−世界革命の達成をめざして進撃しよう。

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週刊『前進』(2278号6面1)(2007/01/15 )

 青年労働者を先頭に労組権力を獲得し、連合・全労連指導部の打倒を

 階級的労働運動路線の真価かけ革共同各地方委員会はかく闘う〈上〉

(写真 11・5労働者集会に結集した4900人は階級的労働運動の発展を誓った【06年11月5日 東京・日比谷野音】)

 「党の革命」徹底推進し真の革命党へ飛躍する 関西地方委員会

 全党の同志諸君! われわれは昨年、関西地方委員会を牛耳っていた私党集団=与田・遠山一派を打倒し、労働者党員のヘゲモニーによって闘う新たな関西地方委員会の指導体制を確立した。
 与田・遠山一派の本質は、プロレタリアートに対する絶望である。われわれは、革共同の最高指導部の内部からプロレタリア革命に対する綱領的路線的反対派を生み出した痛苦な現実を真正面から見すえ、その階級的自己批判をかけて「党の革命」を徹底的に推進し、真の労働者階級の革命党への飛躍と変革を成し遂げることを誓う。
 06年は日本階級闘争がついに革命的激動を開始したことをはっきりと示した。その第一の現れは朝鮮侵略戦争の切迫である。昨年10月の北朝鮮による核実験の強行を決定的な転換点として、米日帝は朝鮮侵略戦争の発動準備に全力を挙げている。しかし、それは、必ず南北朝鮮人民と日本労働者階級人民の革命的反乱を爆発させる。
 すでにそれは、教育基本法改悪に対する国会闘争の空前の大高揚として開始された。これが革命的激動を示す第二の、そして最大の現れである。この教育基本法改悪阻止決戦の真っただ中でわれわれは、11・5労働者集会に4900人の大結集をかちとり、日韓米労働者階級の国際連帯を深化させ、ついに新たなインターナショナルに向けて歴史的な一歩を踏み出した。
 07年の課題は、開始された革命的反乱を徹底的に推進し、日本帝国主義打倒・日本プロレタリア革命の展望を切り開くことである。
 まず第一に、改悪教基法下における卒業式・入学式の不起立闘争の大衆的爆発をかちとることである。この闘いで07年改憲阻止闘争の発展を断固として切り開こう。次期通常国会は教員免許更新制度導入を始めとする教育改革関連法案との決戦である。さらに安倍政権は国民投票法案の通常国会への提出を公言している。共謀罪の強行を狙っている。昨秋を上回る国会闘争の爆発で断固粉砕しよう。米軍再編攻撃と闘う沖縄・三里塚、関西新空港粉砕の闘いの新たな発展を切り開こう。
 第二に、日本経団連の「御手洗ビジョン」と真っ向から対決する労働者階級人民の総反乱を職場・生産点から徹底的に組織することである。御手洗ビジョンは80年代米帝のレーガノミクスを絶賛し、2010年代の初頭までに改憲を実行すると打ち出した。戦後労働法制の全面解体と大増税によって労働者階級人民を犠牲にしながら、米帝との枢軸的一体化を推進し、朝鮮侵略戦争へ全面突入するための国家大改造を宣言しているのだ。
 しかし、日帝ブルジョアジーが御手洗ビジョンを強行すればするほど、労働者階級人民の生きんがための根底的な闘争が爆発することは不可避である。4大産別(教労・国鉄・全逓・自治体)をめぐる攻防の前進をかちとり、階級的労働運動の発展を実現しよう。
 その勝利の核心は、国鉄分割・民営化攻撃に対して唯一ストライキを貫徹し、日帝ブルジョアジーの階級的労働運動に対する絶滅攻撃を根底から粉砕し続けている動労千葉の存在と闘いの中にある。4大産別を始めとして、あらゆる産別・職場から第二、第三の動労千葉を生みだそう。
 第三に、07年決戦の推進力である青年労働者の組織化に全力を挙げることである。今や青年労働者の5割が非正規雇用にされ、強労働・強搾取にさらされ、将来の展望も奪われている。しかし、彼らの決起は日本帝国主義の階級支配をその土台から揺るがす位置と力を持っている。07年こそマル青労同1千人建設を実現しよう。
 第四に、4月統一地方選、9月東大阪市議選の勝利を断固戦取することである。
 07年は日本革命の展望を開く重大な決戦の年である。関西地方委員会はその先頭に立つ。

 革命に勝利する党へ07年冒頭の決戦に立つ 中国・四国地方委員会

 本物の革命的情勢が到来しようとしている。本物の革命的情勢と本物の革命党が結びつくこと、実はこれが最も困難なことだ。だがこれさえ実現すれば必ず革命は勝利する。われわれは昨年、党の革命によって階級的労働運動路線を守り抜き、本物の革命党、労働者階級の党としての自己変革をかちとり、今、07年決戦の冒頭に立っている。われわれはここに勝利の確信を持つ。
 中国・四国地方委員会は、全党と一体となって党の革命を推し進め、11月集会の主体的総括と22全総報告、新年号アピールをとおして、階級的労働運動路線、動労千葉労働運動での一致を目指して闘ってきた。階級的労働運動を発展させ、青年労働者を獲得し、画期的な国際連帯を実現してきた動労千葉労働運動こそ革命的共産主義運動の歴史的到達地平だ。
 ここに確信を持ち、これをすべての職場、組合へと押し広げていくことこそがプロレタリア革命勝利の唯一の道だ。在日朝鮮・アジア人民、部落民、「障害者」、女性、被爆者・被爆2世・3世――すべての被差別・被抑圧人民、全人民の解放の道だ。このマルクス主義的な路線的・実践的一致をかちとることで党は爆発的な力を発揮する。
 07年こそ改憲・朝鮮侵略戦争か革命かをかけた階級決戦の年だ。
 日本帝国主義支配階級は安倍=御手洗路線のもと、階級戦争を猛然と仕掛けている。安倍は「憲法施行60年の節目の年。戦後レジームから脱却」と述べ、5年以内の改憲を宣言している。しかし、この攻撃の激しさの中に日帝のすさまじい焦り、断崖(だんがい)絶壁の危機が示されている。最末期の死の苦悶(くもん)にのたうち回っているのは帝国主義だ。イラク敗勢、中間選挙でのブッシュ共和党の大敗、限界まで引き延ばしてきたバブル経済の崩壊によってアメリカ帝国主義の没落と危機が一挙に深まっている。この米帝のあがきから帝国主義間争闘戦が画然とエスカレートし、侵略戦争が拡大・激化していく。こうした中で世界帝国主義の「最弱の環」としてのたうち回っているのが日本帝国主義だ。
 労働者階級を食わせることもできず、奴隷状態にたたき込み、ただひたすらむしり取ることで独占体を延命させてきたのが日帝だ。その結果、労働力の再生産構造すら崩壊させ、社会を社会として成り立たせることもできなくなっている。「労働ビッグバンで社会が崩壊する」とブルジョアエコノミストも言わざるをえない。それでも日帝はやるしかないのだ。もう革命しかない。労働者階級がブルジョアジーに取って代わり、自ら支配階級になるしかない。
 日帝ブルジョアジーは、そのことがよくわかっている。このままでは青年労働者を先頭とする労働者階級の怒りの反乱が巻き起こる。だから愛国心であり、差別・排外主義、国家主義であり、帝国主義戦争なのだ。あまりにもわかりやすすぎる。労働者階級をなめるな!
 御手洗は言う。「われわれが進むべき道はけっして平坦(へいたん)ではない。石くれやいばらも多く、痛みも覚悟しなければならない」と。「石くれ」「いばら」とは何か。労働者の団結と闘いのことだ。日教組、自治労を始め4大産別をめぐる労組解体攻撃との闘いこそ日本プロレタリア革命の決戦場だ。われわれは断じてここで引かない。連合指導部を打倒して労働組合権力を獲得し、階級的労働運動をとことん発展させる。
 万余の労働者階級の決起をつくり出そう。何よりも1〜3月「日の丸・君が代」決戦を、闘う日教組の再生をかけて闘い抜く。この闘いこそ改悪教基法を粉砕し、安倍=御手洗路線を核心的に打ち砕く。07春闘を労働ビッグバン・労組破壊攻撃粉砕として闘おう。中国・四国地方委員会は、あらゆる職場、組合に階級的労働運動の旗を打ち立て、11月1万人決起実現へ闘い抜く決意だ。

 労働者の闘いの爆発で新基地建設阻止しよう 沖縄県委員会

 06年は党と階級にとって画期をなす年だった。07年を一言でいえば「立て、飢えたるものよ! いまぞ日は近し」である。戦争か革命かのこの情勢に中間項はない。革共同沖縄県委員会は、「革命」の2文字に向かって猪(しし)のごとく突進する決意である。
 安倍首相は年頭早々、「今こそ改憲を」と言い放った。そのための国民投票法案を今春の通常国会で成立させるとも言っている。安倍は就任時より任期中の改憲実現を公言していたが、この年頭会見は、あらためて労働者階級への挑戦を宣言したものである。2007年は敵の側からも決戦が発せられたのだ。
 われわれは、もとより06〜08年を改憲決戦と位置づけている。この安倍発言を断固受けて立ち、改憲阻止決戦の爆発の中で07年を安倍政権打倒の年としよう。
 沖縄もまた待ったなしの決戦に突入した。07年は、米軍再編と名護新基地建設、基地労働者の大量解雇など、敵の攻撃が矢継ぎ早にかけられる。防衛施設庁は嘉手納基地以南の米軍6施設の返還を1月中に県および関係市町村に説明するとしている。それは基地労働者の解雇が現実味を帯びるということだ。
 マスコミは昨年末、名護新基地の政府建設計画概要を報道した。08年に兵舎工事に着手、2014年12月までに建設工事を終えるとしている。V字形滑走路は1600b、南側進入路が920b、北側が430b、総延長は2900bという長大な計画である。
 さらに12月27日には、滑走路を沖合に100b移動させる試案が防衛施設庁から、年明けには久間防衛庁長官が「滑走路1本でもいい。三者が合意するなら何でもいい」と発言した。「とにかく早く造れ」と言いたい放題である。さらには「北部振興策は(基地建設実行の)出来高払い」などと、県知事や名護市長などの奴隷根性を見透かしたうえで日帝の沖縄県民への差別的、侮蔑(ぶべつ)的態度もきわまっている。
 米軍再編は、安倍・改憲攻撃と一対の日米帝国主義の朝鮮・中国侵略戦争の発動から逆規定された戦争(戦闘)準備そのものである。
 名護新基地建設は、辺野古・命を守る会、二見以北10区の会などの地元住民を先頭に全人民的な海上戦、実力闘争で一昨年中止に追い込んだ。名護新基地建設(普天間基地移設)は沖縄米軍再編の要(かなめ)をなしている。07年名護新基地建設阻止の新たな闘いを、基地労働者の闘いと一体となって、沖縄闘争の本隊、階級の闘いとして爆発させ、名護新基地建設の息の根を止めよう。
 さらに勝利の展望を示しているのは、労働組合がこうした闘いを開始しつつあるということである。パトリオットミサイル配備阻止の3日間にわたる天願桟橋封鎖の闘いは偉大な闘争であった。教育基本法改悪阻止闘争は、国会前の闘いと連動して沖縄でも沖教組・高教組によって連日、街頭宣伝、集会・デモが闘われた。
 沖縄県委員会は、06年の闘いをとおして「党の革命」の核心をつかんだ。それは昨年の11・5全国労働者集会における沖縄行動団の労働者の「階級は一つ」という発言の中にある。また民主労総から学んだことでもある。動労千葉を先頭とする4大産別決戦を沖縄でも断固推進し、あらゆる闘いに労働者階級本隊が躍り出るような情勢をつくり出していきたい。
 07年『前進』新年号は、若き青年労働者と学生の躍動感に満ちあふれている。「日の丸・君が代」被処分者を先頭とする教育労働者の教育基本法改悪阻止闘争は、連合に風穴をあけ闘う日教組を再生する闘いとして大きな確信を与えた。
 沖縄県委員会は07年、「党の革命」をさらに推進し、4大産別決戦に突撃し、そのもとで青年労働者の大決起を組織していくことを年頭の決意としたい。
(写真 高教組・沖教組などの教育基本法改悪法案・防衛庁「省」昇格法案・共謀罪新設法案反対の座り込み【06年12月7日 那覇市】)

 退路を断って再建から躍進へと転じる07年に 九州地方委員会

 07年は安倍=御手洗路線と真っ向から激突する、退路を断った勝負の年だ。その最大の攻防は4大産別決戦を軸とした労働運動・労働組合の壊滅か、階級的労働運動の発展かをかけた真の階級決戦である。
 昨年12月に教育基本法改悪案を強行成立させた安倍は、年頭会見で通常国会での国民投票法案の成立と任期中の改憲を宣言した。日本経団連・御手洗も労働者階級の搾取を無制限に強め、改憲と戦争へと突き進むビジョンを発表した。われわれは、本格的な改憲阻止決戦へと頭から突入しているのだ。しかも日米帝国主義は朝鮮半島有事の共同作戦計画を秋までに完成させるとするなど朝鮮侵略戦争の発動へと具体的に動き始めた。
 根底にあるのは帝国主義の最末期的な危機である。アメリカ帝国主義はイラク侵略戦争の敗北と泥沼化にのたうち回り、破局的な危機と没落の過程に突入している。この米帝危機を震源に、国際帝国主義は階級支配の危機を爆発させながら世界戦争の破局までとことん進むしかない。
 帝国主義を打倒する以外に労働者階級の生きる道はない。すでに全世界で労働者階級人民、被抑圧民族人民の巨大な決起が始まっている。レーニンが闘った時代も、この21世紀においても、プロレタリア革命の現実性は、階級的労働運動の発展と労働者党建設の中にこそある。動労千葉が体現してきた階級的労働運動を発展させ、労働者階級に深く根ざした革命党を建設することこそ、われわれの『何をなすべきか』である。
 革共同は03年以来、21世紀初頭段階で世界革命に挑戦する立場から、階級的労働運動と労働者細胞建設を実践する新指導路線のもとに闘い、革命に勝利する党への自己変革を進めてきた。そして06年、プロレタリア自己解放の党として決定的な変革と再生をかちとった。これは来るべき改憲阻止決戦をプロレタリア革命への転換点とするために避けては通れない自己脱皮の過程であった。
 また06年、われわれは闘う労働者とともに11・5労働者集会を教育基本法改悪阻止の国会闘争の爆発と一体のものとして闘い、動労千葉、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同の3労組共闘を強固にし、階級的労働組合のナショナルセンターの中心軸を打ち立てた。そして日韓米労働者の連帯を深めて現代のコミンテルンの出発点を築いた。7・7路線―「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱へ」の戦略的総路線を貫き、世界革命を実現する水路が切り開かれたのだ。北朝鮮脅威論を始めとする排外主義・差別主義と対決する道は日韓米労働者の国際連帯闘争の発展の中にこそある。
 われわれは、こうした地平に立ってあらためて宣言する。「帝国主義を打倒するチャンスが訪れた! われわれ労働者階級こそが歴史をつくり、社会を変革する主体である」と。
 われわれは百パーセント確信している。改憲阻止決戦はプロレタリア革命への転換点となる。改憲阻止決戦の中で労働者階級の怒りと闘いを根底から爆発させる。階級的労働運動と国際連帯闘争に触れた青年労働者と学生は革命の戦列に圧倒的に合流してくる。
 九州地方委員会は06年の激闘の上に、この07年退路を断って闘い、以下のことを実現する。4大産別決戦を軸に改憲阻止闘争を爆発させ、青年労働者、学生を中心に昨年を一ケタ上回る大衆決起を実現する。教労の「日の丸・君が代」決戦を職場闘争として発展させ、闘う日教組の再生をかちとる。戦闘的学生運動を再建し、不抜の拠点を建設する。九州地方委員会は07年を再建から躍進へと転じる画期的な年とするために一丸となって闘い抜く決意である。

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週刊『前進』(2278号6面2)(2007/01/15 )

日誌'06 12月19日〜31日

 「釣魚台有事」で日米初演習

 フセイン元大統領の死刑強行

●米軍、増員に転換 ブッシュ米大統領は、ワシントン・ポスト紙とのインタビューで「陸軍と海兵隊全体を増強する必要がある」と語り、就任したばかりのゲーツ国防長官に米軍全体の兵力増強の具体案をまとめるよう指示したことを明らかにした。(19日)
●ブッシュ「敵が成功」 ブッシュ米大統領は、イラク戦争に関する現状認識として「06年はわが軍の兵士たちとイラクの人びとにとって困難な年だった」「敵は意図的にスンニ派とシーア派の宗派間抗争を扇動する戦略を用い、今年1年のうちは敵が成功をおさめた」と認めた。(20日)
●6者協議が休会 北京で開かれていた北朝鮮の核問題をめぐる6者協議は、議長国の中国が「朝鮮半島の非核化」を確認する議長声明を発表し、再び休会を宣言した。次回協議の開催日程も決まらなかった。(22日)
●キャンプ瑞慶覧内、海軍病院の建設合意
 日米両政府は日米合同委員会で、沖縄県のキャンプ桑江からキャンプ瑞慶覧に移転される海軍病院の建設工事の実施について合意した。防衛施設庁は移設予定地の埋蔵文化財調査が終わり次第、着工する。宜野湾市の伊波市長は病院移設に反対の姿勢。(22日)
●キャンプ・シュワブ3千人増強 米軍普天間飛行場の名護市キャンプ・シュワブ沿岸部への移設に伴い、移駐してくる兵員は約3千人に上ることが分かった。現在の兵員と合わせ、シュワブは航空部隊と水陸両用部隊などを併せ持つ6千人規模の海兵隊の拠点基地となる。防衛施設庁幹部が地元に基地建設計画(マスタープラン)の概要を説明した中で明らかにした。(24日)
●普天間移設の前倒しを検討 米軍普天間飛行場代替施設の建設計画や地域振興策について政府と沖縄県、関係市町村が話し合う「普天間飛行場の移設に係る措置に関する協議会」の第2回会合が開かれた。沖縄県の仲井真知事は代替施設の政府案(V字形滑走路)に反対し、同飛行場を3年以内に閉鎖状態とするよう求めた。久間防衛庁長官は、2014年の移設時期の前倒しを検討する考えを表明し、環境影響評価(アセスメント)の早期実施に県の協力を要望した。(25日)
●フセイン死刑確定 イラク高等法廷は、イスラム教シーア派住民を虐殺した罪で11月、死刑判決を受けたフセイン元大統領の控訴を棄却、死刑が確定したと発表した。4日後の30日、死刑はバグダッドで執行された。米英が主導したイラク戦争の開始から3年半。(26日)
●仲井真「滑走路1本で海側へ」 米軍普天間飛行場代替施設をめぐり仲井真知事は「滑走路を1本にし、海側に出すことが望ましい」との考えを伝えていたことが分かった。防衛庁側も「日米協議で結論が出ているが、その範囲内で修正は可能」との考えを県に非公式に伝えている。(28日)
●「釣魚台有事」で日米初演習 日本が領有権を主張する東中国海の釣魚台(「尖閣諸島」)に中国が武力侵攻し、日米が共同で対処する想定の演習を、海上自衛隊と米海軍が11月に硫黄島(東京都)近海の太平洋上などで実施していたことが分かった。具体的に中国による侵攻を想定した大掛かりなシナリオに基づく日米共同の演習が明らかになったのは初めて。(29日)
●象のオリ返還 SACO(日米特別行動委員会)最終報告で返還合意された沖縄県読谷村の米軍楚辺通信所(象のオリ)と06年7月に大部分が先行返還された読谷補助飛行場の残り部分が、米国から日本に返還された。(31日)

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週刊『前進』(2278号7面1)(2007/01/15 )

 改憲と大資本攻勢に反撃を

 日本経団連は、昨年12月に07年版「経営労働政策委員会報告」を、1月1日に中長期ビジョン「希望の国、日本」(御手洗ビジョン)を発表した。二つの文書とも、「グローバル化」=帝国主義間争闘戦の激化の中で日本帝国主義が存亡の危機を深めていることを支配階級の言葉で語り、労働者階級に対する数々の攻撃を宣言している。特に日帝ブルジョアジーの総路線である御手洗ビジョンは、労働市場改革、愛国心、「2010年代初頭までの憲法改正」を真っ向から打ち出した。労働者階級は、07年を安倍―御手洗の「成長戦略」路線との決戦として闘い抜こう。動労千葉を先頭に階級的労働運動の潮流の大前進をかちとり、プロレタリア革命の勝利に向かって前進しよう。以下、二つの文書の反労働者性を暴く。

 07年版「経営労働政策委員会報告」 「労働市場の大改革」を狙う

 「イノベーション(革新)を切り開く新たな働き方の推進を」と題した07年版経労委報告の中心的内容は、帝国主義間争闘戦の激化にあえぐ支配階級が、危機からの脱出と生き残りをかけて、労働ビッグバン(労働市場の大改革)による「成長戦略」を打ち出したことだ。それは、教基法改悪・改憲攻撃と一体で戦後階級関係の根底的解体を狙うものである。

 存亡の危機叫ぶ

 報告は序文と全4部で構成されている。第1部「企業を取り巻く環境の構造的変化」では、冒頭から、帝国主義間争闘戦に日帝が大きく立ち遅れ、このままでは日帝の未来がないことをあけすけに語っている。「世界経済は、従来の常識をはるかに超えたスピードで構造変化を遂げている」「国境を越えた厳しい競争にさらされるという、かつて、人類が経験したことがない未曽有(みぞう)の変化が生じている」と、日帝がかつてない争闘戦の荒波に直面していることを表明している。
 そして資源獲得競争や、EUやアジアなどでの市場・勢力圏獲得競争で、日本の「存在感は薄く」「対応は後手に回っている」と嘆いている。
 すでに小泉改革のもとで労働者階級人民は、激しい賃下げや労働強化、不安定雇用化、増税、医療・社会保障改悪の攻撃を受け、生活と健康を破壊されている。ところが「報告」は「従来の延長線上の努力では競争力を維持・強化していくことが難しい状況になってきている」と述べ、日本企業が生き延びていくためには、安倍政権のもとで小泉改革以上に激しい「改革」にうって出るべきことを提言しているのである。経労委報告のキーワードは、「国家・企業の競争力」だ。
 第2部「経営と労働の課題」では、労働者階級への攻撃を列挙している。「高コスト体質の改善に取り組むなど、イノベーションに邁進(まいしん)し、競争上の優位性を築いていかなければ、世界市場の中で生き残ることは困難である」としている。核心は人件費コストの削減だ。正社員をどんどん削って、低賃金で無権利の派遣・パートなどの非正規雇用労働者に置き換えるということだ。それを「ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)」などと銘打って、労働者に押しつけようとしている。
 「多様なライフスタイルの実践」とは、多くの労働者を無権利と低賃金に押しとどめ、すさまじい「格差社会」を生み出すものでしかない。それはまた、労働者の階級的団結を解体する攻撃でもある。そうして、労働者を19世紀的状況にたたき落とし、徹底的な搾取・収奪をほしいままにしようというのである。

 「格差は当然だ」

 第3部「企業活動を促進するための環境整備」では、労働時間規制の撤廃や労働契約法制、労働者派遣法改悪など労働関連の規制改革の推進を政府に要求している。大問題化したキヤノンやトヨタ、松下などの「偽装請負」については、「現場の実態に即した(法律の)見直しを行うことを望みたい」と、自分たちの法律違反を開き直っている始末だ。
 さらに、公務員制度改革や企業優遇税制(法人税率の大幅引き下げ)、EPA(経済連携協定)・FTA(自由貿易協定)の締結、「持続可能な社会保障制度の確立」と称する社会保障の切り捨てなどを提言している。
 ここでは、わざわざ「格差問題に対する考え方」の項目をもうけて、「公正な競争の結果として経済的な格差が生じることは当然のこと」と開き直り、「格差の固定化をもたらさないためには、公正な競争、機会の平等を促進し、何度でも再挑戦の機会が与えられることが重要である」などと強弁している。
 何が「公正な競争、機会の平等」か! 多くの労働者が分断され、団結を解体され、資本家の都合で問答無用に首を切られ、路頭にほうり出され、低賃金・過密労働の不安定雇用に追い込まれている。いくつもの仕事を転々とし、あるいは掛け持ちして「食いつないで生きていくことで精いっぱい」という状況に追い込まれている。それを強制しているのは経団連の資本家どもではないか! それを「公正な競争の結果だ」などという開き直りを、どうして許すことができようか!
 第4部「諸課題に対する経営者の姿勢」で、 「激化する国際競争の中では競争力強化が最重要課題であり、賃金水準を一律に引き上げる余地はない」「従業員一律のベースアップはもはやありえない」と、春闘の絶滅を宣言し、賃金制度の改悪(生活給から成果主義賃金への転換)、定期昇給の廃止、人事処遇制度の見直しなどを強調している。
 以上のように07年版経労委報告は、資本家と労働者の階級対立がますます非和解的に激化していること、労働運動が路線的質的に決定的に飛躍すべきことをつきだしている。

 御手洗ビジョン「希望の国、日本」 改憲・愛国心・強搾取を宣言

 御手洗ビジョンは、御手洗冨士夫キヤノン会長が昨年5月に日本経団連会長に就任して以来、初の中長期ビジョンである。2015年度までに実現すべき目標や、そのための今後5年間の政策のあり方を提言している。
 「希望の国、日本」というタイトルからも明らかなとおり、安倍の「美しい国へ」と呼応して、安倍政権と御手洗経団連が一体化して、労働者への階級絶滅攻撃を強めようという狙いが貫かれている。「愛国心」「日の丸・君が代の尊重」「2010年代初頭までに改憲」など、資本家階級が内部に分裂をも引き起こしつつ、しゃにむに極右的反動化に突き進んでいることを示している。

 レーガンを称賛

 御手洗は序文で、自分が在米勤務についていた1980年代にレーガンが登場して「強いアメリカの復興」のメッセージを発し、それが「空前の繁栄」につながったと称賛している。
 闘う航空管制官1万人の首を切り、労働組合の破壊に全力を挙げたレーガン反革命を最大限に賛美し、「これに続け」と叫ぶところに御手洗ビジョンの反動性がはっきりと示されている。同時に、今日アメリカ帝国主義が歴史的没落の道を転げ落ちていることを見るとき、御手洗ビジョンの破産性もまた百パーセント明らかだ。「希望の国、日本」どころか、日本帝国主義の未来もまた、お先真っ暗、「絶望」なのである。
 ビジョンは「はじめに」で次のように言う。「一方には、先行きをさまざまに思い悩み、弊害が最も小さくなる道を進むことを主張するひとびと(弊害重視派)がいる。……他方には、ベストのシナリオにチャレンジするひとびと(成長重視派)がいる」「成長の果実をもって弊害を克服する、これが成長重視派の基本スタンスである」とし、経団連は「成長重視の選択を提言する」と述べている。
 安倍―御手洗が掲げる「成長重視」路線とは何か。それは、トヨタやキヤノン、三菱など日帝を支える巨大独占企業が、他帝国主義の独占体との相互絶滅戦に勝ち抜くこと――これを日帝国家戦略の唯一最大の目標に据えるということだ。そのためには、平気で労働者階級を地獄の苦しみにたたき込み、戦争にも動員するということである。

 「公徳心の涵養」

  御手洗ビジョンは、労働者階級への挑戦的主張を随所で展開している。本当に怒りなしには読めない文書だ。
 例えば「グローバル化はもはや不可逆のプロセス」「弊害をなるべく小さくとどめようとする政策選択は不可能である。目先の利害得失にとらわれて、保護主義的な政策を採れば、国民生活が根底から揺らぐ」などと述べ、〈日本帝国主義と大企業が生き延びていくためには人民は犠牲になって当然だ〉という主張を公然と押し出している。
 また、「結果の平等は、ひとびとの研鑽(けんさん)、努力、勤労の意欲を殺(そ)ぎ、無気力と怠惰を助長する」とか「公正な競争の結果としての経済的な受益の違いは経済活力の源泉として是認される」などと、労働者階級を愚弄し、格差社会を全面的に開き直っている。
 「飢え死にしたくなければ、資本家の言うとおりに文句を言わずに働け」とばかりに、労働者階級に全面屈服を要求しているのだ。
 具体的に、「労働市場改革は、産業の空洞化を避けるためにも待ったなしの課題である」として改革の加速を提唱し、労使は「もはや形骸(けいがい)化した『春闘』や、正規・非正規の区別にとらわれることなく、多様な就労・雇用ニーズへの対応、役割や仕事、業績に応じた人事・報酬制度の整備を進めていかなければならない」などと、連合中央にも一層の屈服、資本の先兵化を要求している。
 また「教育の再生」「公徳心の涵養(かんよう)」を叫び、「教育現場のみならず、官公庁や企業、スポーツイベントなど、社会のさまざまな場面で日常的に国旗を掲げ、国歌を斉唱し、これを尊重する心を確立する」と叫んでいる。これは、「愛国心」を振りかざして労働運動や学生運動、住民運動を解体していくという攻撃である。
 さらに、「2010年代初頭までに憲法改正の実現をめざす」としている。
 ビジョンは最後に、「日本の衰亡を語り、ことさらに欠点をあげつらい、世を憂うことに何の意味があるか」と述べ、「残された時間は10年程度に過ぎない。実りのない議論にふけり、机上の空論に時を費やしている余裕はない」「経団連は成長への道を走り、走り続ける」と反動的な決意表明で結んでいる。
 まさに日帝支配階級は「日本の衰亡」の危機におびえ、労働組合解体を柱とする一大攻撃を宣言したのだ。今こそ、日帝を打倒し、労働者が真の主人公となる社会を建設する時だ。その大展望をもって07春闘に戦闘的に総決起しよう。
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 「御手洗ビジョン」が掲げる優先課題(すべてが労働者階級に対する大資本攻勢)

1.新しい成長エンジンに点火する
 @イノベーションの推進A高度人材の育成B生産性の向上C需要の創出・拡大D金融市場の活性化E環境・エネルギー政策
2.アジアとともに世界を支える
 FWTO体制の維持・強化GFTA/EPA締結促進H経済協力の戦略的な展開
3.政府の役割を再定義する
 I行財政改革(公務員制度改革、民間開放など)J社会保障制度改革K税制改革(2011年度までに消費税率を2%程度引き上げ)
4.道州制、労働市場改革により暮らしを変える
 L道州制の導入(2015年度をめどに)M労働市場改革N少子化対策
5.教育を再生し、社会の絆を固くする
 O教育再生、公徳心の涵養(愛国心、国旗・国歌)PCSR(企業の社会的責任)の展開・企業倫理の徹底Q政治への積極的参画R憲法改正(2010年代初頭までに実現)

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週刊『前進』(2278号7面2)(2007/01/15 )

 入管闘争 日韓米国際連帯闘争の発展を

 在日・滞日外国人と連帯し朝鮮侵略戦争を阻止しよう

 06年、国際連帯闘争は大きな前進を実現した。日韓米の労働組合の戦闘的潮流がその真価を発揮し始めた。とりわけ韓国・民主労総の組織建設的苦闘にこたえる国際連帯の質が求められている。
 われわれは、動労千葉を中軸として11・5労働者集会でかちとった国際連帯闘争の地平を堅持発展させることこそ7・7路線の階級的貫徹であることを明確にさせ、入管闘争をその一環として位置づけ全力で闘っていく決意である。「拉致問題が日本政治の最重要の課題」と公言する安倍政権の反北朝鮮キャンペーンをテコとする排外主義攻撃をはね返す労働者階級の闘いをもっと強力につくり出そう。
(写真 民主労総の全国労働者大会に動労千葉が参加【06年11月12日 ソウル市庁舎前】)

 テロ対策掲げ入管体制強化

 06年は第一に、改憲阻止決戦を全力で闘いぬいた。この闘いは今日的には教基法改悪阻止・共謀罪新設阻止の国会前闘争の高揚として貫かれている。任期中に改憲を実現するとして登場した安倍体制は、まさに改憲突撃内閣そのものである。「戦後体制からの脱却」を掲げ、「美しい国」を目指す安倍体制は、労働者階級が自らの血と汗で築き上げてきた歴史を全面的に否定し、解体しようとする反革命として襲いかかってきている。
 第二に、入管法が3年連続で改悪され、入管体制が本格的な「テロ対策としての外国人政策」として形成されてきており、これに対する闘いを全力で貫いてきた。「犯罪に強い社会のための行動計画」(03年12月)、「テロの未然防止に関する行動計画」(04年12月)に基づく入管体制の抜本的強化として06年通常国会で改悪入管法の成立を強行したのである。新入管法制定とも言うべき内容と本質が、共謀罪と一体の侵略戦争へ向けた治安弾圧攻撃であることが暴露され、改悪攻撃に対する大きな怒りが爆発した。法務省行動実行委員会が請願署名を呼びかけたことを皮切りに、労働者人民の怒りがさまざまな形で噴出した。
 第三に、入管体制の実体として存在する入管収容所に対する闘いを粘り強く推し進めてきた。東日本入国センター(茨城・牛久収容所)、東京・品川収容所、西日本入国センター(大阪・茨木収容所)をめぐる闘いは、具体的には難民(申請者)の支援・防衛の闘いとして日常的に貫かれている。
 第四に、差別と排外主義との日常的闘いの不可欠性をあらためて確認しよう。拉致問題をテコとした反北朝鮮キャンペーンとの対決は、在日朝鮮人の生活と存在そのものを守る闘いでもある。国会前での座り込みに合流した在日朝鮮人民の闘いは、スターリン主義の「内政不干渉」路線をぶち破る動きが始まったことを示している。
 また在日をめぐる国籍条項との闘いは、在日自身の闘いに突き動かされ持久的に闘い抜かれている。
 第五に、戦争責任・戦後補償の闘いは、戦後60年を超え、ますます重要性を増している。日帝が「時効」を盾にして当事者の要求を踏みにじることを許してはならない。
 こうした闘い全体を貫くものとして、国際連帯を実現する闘いを推進してきた。とりわけ韓国・民主労総との連帯闘争は11月労働者集会―労働者大会をテコに一層前進をかちとった。われわれは、民主労総の闘う勢力と固く結合し、国際連帯を全力で推進していこう。

 「7・7」と労働者の階級形成

 入管闘争は70年安保・沖縄闘争の爆発の過程で、在日朝鮮人・中国人青年の先進的決起を水路にして本格的闘いを開始した。日帝は入管体制の法制的柱として外登法と入管法を置いているが、その入管法は1952年以来入管令のままできていた。日帝にとって入管令を入管法に格上げすることは絶対的な課題であった。しかし69年から72年の過程で4回にわたる法案提出はことごとく粉砕されてきた。在日朝鮮人・中国人の政治的自由を始め一層の差別・抑圧の現実が強まることに対する怒りが爆発し、法案を葬り去ってきたのだ。
 当時は、朝鮮人・中国人の強制送還が乱発され、政治問題に発展していた。台湾出身の陳玉璽氏や中国人青年劉道昌氏などの送還を阻止する闘いは大きな関心を集め、その支援陣形がつくられていった。入管法制定攻撃はこのような強制送還の日常化としてとらえられ、反対の闘いが爆発していったのだ。
 こうした中で1970年に発せられたのが、華僑青年闘争委員会による7・7告発・糾弾であり、10・8決別宣言であった。われわれはこの告発・糾弾に対して、革命党として真摯(しんし)に自己批判し、「闘うアジア人民と連帯し日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ」という戦略的総路線を確立していった。
 以来、7・7路線は具体的には差別・抑圧と闘うさまざまな戦線の形態をとりつつ、戦略的総路線として貫徹されていった。入管戦線はもとより、部落解放戦線、在本土沖縄戦線、「障害者」解放戦線、女性解放戦線などが本格的に形成され、労働者階級の中に存在する被差別・被抑圧の主体を党として組織していくことに踏み出していったのだ。
 革共同は、7・7路線を19全総(1995年)―第6回大会(2001年)をとおして今日的に再確立して闘ってきた。この闘いは、労働者階級の自己解放闘争の理論的深化をかちとるものとして決定的な位置を形成していた。7・7路線とは、端的に言えば、朝鮮人民、中国人民、アジア人民と日本人民が、帝国主義打倒のプロレタリア世界革命(プロレタリア革命と民族解放闘争のプロレタリア自己解放を基軸とする革命的統一)に向かって、真の革命的階級的連帯をかちとっていくための闘いの推進路線である。この路線の具体的実践の一つが国際連帯闘争の推進であることは論をまたない。

 排外主義あおる安倍と対決

 日帝・安倍政権は、差別と排外主義を扇動して、新たな戦争国家へと悪政の限りを尽くしている。安倍と運命共同体として登場したのが奥田路線を引き継ぐ日本経団連・御手洗だ。御手洗は「希望の国」建設を掲げ、東アジア経済圏構想―アジア勢力圏化を推進することの中に日帝ブルジョアジーの延命をかけているのだ。
 しかし安倍・御手洗もまた、国会前の声の背後にある十重二十重の労働者階級の怒りにおびえている。もっともっと隊列を強化し、安倍ののど元に突き刺さるような怒りの鉄槌(てっつい)を振り下ろそう。
 07年の闘いの第一は、国民投票法を始めとする改憲決戦をすべての闘いに貫くことである。安倍は年頭記者会見で改憲問題を参院選の争点とすることを明らかにした。われわれは「9条を変えるな!」を掲げて改憲阻止の闘いを全人民的規模でつくり上げていこう。「戦後体制からの脱却」などと言うのであれば、われわれは戦後革命の決着をつける闘いで日帝・安倍に引導を渡す闘いを爆発させよう。
 第二に、入管法・入管体制をめぐる闘いは、直接的には在留カードの導入に対する闘いだ。「外国人はこの在留カードを首から提げろ」というのだ。常時携帯も何もあったものではない。この在留カードを持参していない外国人は「正規在留外国人」ではない、として日本人総体を外国人監視の行動に動員しようとしているのである。
 さらに昨年11月27日を皮切りに朝鮮総連に対する大弾圧が展開されている。自らの持病のために点滴液を持っていたことを犯罪とし、あろうことか核実験との関連性までも持ち出している。こうしたフレームアップを許さず在日人民自身が闘い抜いている。まさに朝鮮戦争前夜に朝鮮人連盟が解散に追い込まれたような情勢が煮詰まってきているのだ。日帝は国家百年の大計である「在日朝鮮人消滅」に向かって大攻撃をかけてきているのである。入管体制との具体的な闘いを全力でつくり出そう。
 第三に、入管収容所をめぐる闘いは、われわれに多くの民族との出会いをもたらしている。難民として入国した国々の労働者民衆と固く結びついて、難民をめぐる状況を解決するために具体的闘いを進めていこう。
 また、日帝・安倍が経団連・御手洗と一体となって東アジア経済圏構想を推し進め、「美しい国」=「希望の国」としてファシストの手口で労働者階級に襲いかかっている。「外国人労働力の活用」と称して外国人の「強制連行」を推進する安倍・御手洗路線を粉砕しなければならない。外国人労働者問題を階級的労働運動路線の中にしっかり位置づけて闘おう。この点で各地の合同労組運動の中で外国人労働者の生命と権利をめぐる課題に取り組み始めていることは、単一の階級として死活性を持っている。

 革共同を単一の労働者党に

 米日帝国主義の朝鮮侵略戦争超切迫情勢が一層深まっている。米日帝は昨年12月、具体的な「共同作戦計画」づくりに着手した。こうした策動に対して、今こそ入管戦線がその最先頭に躍り出て、在日・滞日外国人と連帯し結合して、日帝の侵略戦争を阻止することをはっきりと決意する。大きな地平を切り開いている国際連帯闘争を、ますます飛躍させていこう。その基軸は、動労千葉労働運動を軸とする階級的労働運動の発展である。
 世界的規模で労働者階級の反撃が開始されている。帝国主義の命脈が尽き果てようとしている今日、われわれは国際主義の旗を高々と掲げて、「闘うアジア人民と連帯し日帝のアジア侵略を内乱に転化する」戦略的総路線を貫徹しよう。革共同を全世界の労働者階級を組織する単一党として闘い取ろう。
 〔革共同入管闘争委員会〕

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週刊『前進』(2278号8面1)(2007/01/15 )

団結ひろば 投稿コーナー

 郵政民営化と闘えるあたりまえの職場に 土井暁彦

 先日、郵便局の人に『前進』に掲載された「ゆうメイトのキャリアスタッフ登用」の投稿記事を紹介しました。その時の話です。
 「郵便局本務もD評価ならボーナスが2万も下がる。痛い」「集配もゆうパック、年賀はがきを売れと、一人何万も買い取らされる。発売直後から金券ショップに年賀はがきが並ぶのはそのため」「ゆうパックや年賀はがきで何万円も払うか、ボーナスで2万円引かれるのか、どっちも同じ? みんなで拒否したい」
 また別な人と。集配若手から「残業代をつけてくれ」と組合に訴えあり。当局が拒否しているわけではないはずなのに……と思い、よくよく話を聞くと「残業をつけると仕事ができないやつだとレッテルを張られる。だから、休みなしで走っている。でも、もう限界」とのこと。
 「民営化が若手をここまで追い詰めている。派手なことはできないが、まず、あたりまえの職場にもどさないといけない。やっぱり職場からだと思う。それが、私のやれること」
 労働者を追い詰める当局。結託するJPU中央。しかし階級は脈々と息づいていました。「耳をそばだてて聞く」とたくさんの闘いの細粒がありました。ともに闘いましょう。

 私はコンビニで働く非正規職労働者です 広島・民間労働者 河合典子

 私はコンビニで週5日、9時から17時まで1日8時間働く非正規職労働者です。
 9時に出勤して朝のシフトの同僚(6時〜9時)と交代するのですが、その人が事情があって出勤できなかった時は、その日の朝6時半ごろ店長から私に電話が掛かってきて、「おはようございます。店長です。7時半に来てもらえますか?」と言われるのです。いつ連絡があるか分からないので、毎朝おびえながら起きるようになり、体にストレスが原因と思われる症状が出たこともありました。
 平日は昼間の従業員が私一人なので、早朝出勤も私が不定期にしなければなりません。その場合6時から7時半までは深夜のシフトの同僚が残されています。
 しかし店長も過酷なシフトの下で働いています。朝6時ごろ店に来て、弁当や惣菜(そうざい)、パック飲料、パン、店の備品を発注しなければなりません。家に帰るのはいつも午前0時ごろです。通勤時間を含めると19時間拘束されています。
 私がいる店は立地的に年末年始やゴールデンウィークは客が少ないので、店長はその時ぐらいは店を閉めたいとこぼしていますが、本社が休業を認めないのです。このことにも市場原理が露骨に表れているのではないでしょうか。
 『前進』には4大産別の記事だけではなく、民間・未組織・非正規職労働者の現状を伝える記事もたくさん載せていただきたいです。そうすれば青年労働者にとってより身近な新聞になると思います。

 “労働者の汗に負けないように頑張って!” 愛媛 春野 翔

 地区で『前進』読者の方たちにアンケートをとりました。回答をいただいた方々の中から、一人の読者の感想を紹介します。
■最近の紙面で、印象に残っている記事は?
 2273号の「闘いはこれから」。問題はいつも小さいところから起きている。この記事を読んでそう思った。
 教育基本法やイラク問題など、大きな視点での問題は大事だと思う。だが、本当に自分たちの生活に重要な問題は、とても小さなところから起きていると思う。その点をよく、この記事は書いてくれている。
 いっそ、1面にでも載せれば、『前進』の読者も自分の置かれた立場というものを深く考えるだろうと思う。いつも、小さな小さな問題から全国的な問題へと変わっていくと思う。その小さな問題を見逃さないこの記事はとても光っている。
■紙面で良くなったとお感じの点があればご意見を。
 「焦点」などは、とても良く分かる文章になっていて読みやすい。いつも楽しく読ませてもらっています。2274号の「成長重視」。クリーンな安倍首相のイメージのウラに、血をにじませた労働者の犠牲を土台に今の資本がなりたっていることがよくわかる記事だと思う。
■掲載してほしい記事とか、紙面改革についてご意見を。
 月に一度くらいは投稿記事の特集と、それに対する『前進』側の意見を載せたりして欲しい。
 地方の労働者にイラク問題に関する記事を書いてもらったりとか(例えばの話です)、目新しいことをどんどんやって欲しい。労働者が読んで納得できるような記事を書き続けて欲しい。
 あと、『前進』記者がわかって当然と思えるような用語でも、新しい労働者には用語がよく分からないまま、記事を読まされる場合が多々ある。時々、用語解説もしてもらえると、みんな有り難いと思うのではないか。
■「前進」への要望があれば寄せて下さい。
 政府は、これから地方を切り捨てようとしています。しかし、『前進』がそうであってはいけない、と思います。
 地方の名もない労働者が、今日も頑張って生きている。その現実を、どうか汗を流して記事にして欲しい。すべての「もと」は名もない労働者たちの「汗」だと思います。
 どうか『前進』も労働者の汗に負けないよう頑張って下さい。心より期待しています。

 『東松かわらばん』を地域に配布して51号 東京・江戸川 S

 この漫画は『東松(とうしょう)かわらばん』第51号(2007年1月号)に掲載されたものです。
 『東松かわらばん』は、前進社本社が東京江戸川区に移転してきた1994年10月から周辺住民の方を中心に、町内会のみなさんに私たちのことを理解していただくためにまき始めました。毎号欠かさず、町内会の全世帯(工場や事業所、保育園なども含む)、江戸川区役所職員と江戸川区職員労働組合、江戸川区長と助役、江戸川区議会議員全員を対象に配布し続けています。
 今号で51号となりましたが、内容はその時の政治情勢や政治課題を中心に、私たちの考えや主張をできるだけやさしく述べる努力をしています。それだけでは堅すぎるので「江戸川区の歴史」をシリーズで書いており、前進社で飼っている犬のゴンタに関する話を「ゴンタのある一日」として毎号欠かさず載せています。これなどは一番楽しみにして読んで下さる方が多いようです。今の江戸川区に関する記事も時々取り上げています。
 今年は、この漫画にあるように改憲阻止を中心テーマに住民のみなさんに訴えていこうと思っています。
 ちなみに『東松かわらばん』のタイトルは、このあたりの町会の「東松一丁目町会」という名前からつけました。

 前進編集局より

 「団結ひろば」への投稿ありがとうございます。さらに多方面からのご意見、ご感想をお寄せください。特に労働現場の実態や闘いの報告、日々の実践の中からの投稿をお待ちしています。

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週刊『前進』(2278号8面2)(2007/01/15 )

 共謀罪を永久廃案に

 労働者の怒りで国会包囲しよう

  1月25日から始まる通常国会は、教基法決戦を闘いぬいた06年の臨時国会闘争に続き、安倍政権の改憲・戦争と民営化=労組破壊の攻撃との大激突となる。この中で先の臨時国会から継続された共謀罪との対決も、重大な決戦となった。共謀罪とは、労働者の団結を一切認めないという団結破壊、労働組合運動解体の攻撃だ。予算案審議後の3月中旬から本格的攻防が始まる。階級的労働運動路線の真価をかけて、春闘決戦に立ち上がるとともに、共謀罪を始め超反動諸法案の攻撃と対決する国会闘争に直ちに決起しなければならない。通常国会決戦で今度こそ共謀罪を廃案にしよう。

 教基法闘争とのジョイント

 先の臨時国会で教基法改悪と防衛省昇格の攻撃を強行した安倍政権は、今度の通常国会で、国民投票法案、教育改革関連法案、労働法制改悪諸法案、共謀罪法案の4大悪法攻撃を柱に、「美しい国」=戦争をする国家へ、反革命的攻撃に突き進もうとしている。
 これらの諸悪法は、それ自身が改憲攻撃そのものである。それと同時に、切迫する朝鮮侵略戦争突入情勢に対応した戦時総動員攻撃であり、一切を治安問題として解決しようという警察国家化の攻撃でもある。どれ一つとっても絶対に見過ごすことはできない。
 昨秋の臨時国会で、共謀罪法案は一度として審議に入れず、実に10度目の国会でも成立を阻止した。それは、教基法改悪反対陣形とのジョイントという、きわめて画期的な大衆的統一戦線の実現の中で、なおかつ、共謀罪がいかに悪法であるかを暴き、政府・与党の狙いに先手を打った闘いで安倍政権を追い詰めていった成果だった。
 そして、05年からの審議の政府答弁がウソと隠蔽(いんぺい)に終始したインチキなものであり、国際的組織犯罪条約に基づく共謀罪を制定した国がノルウェー1国だけということも暴露された。
 共謀罪と闘う陣形は、9月国会開始冒頭から、だんまりを決め込んだ与党を「死んだふり作戦」と暴露し、「瞬間解凍」できる状態に置いたままの審議入り=強行採決策動と断罪し、審議入り阻止を掲げて臨時国会過程を牽引(けんいん)していった。審議入り↓採決強行↓そこで初めて世論が沸き上がるという待ちの政治構図を打ち破り、階級に基盤を置いた運動に徹底的に立脚して闘いぬいた。それを国会にも還流して、国会内外の闘いとして実現していったのである。
 足かけ5年、10度の国会過程での闘いの成果である。それは、阻止という一点で実現した実力闘争の質を有した大衆行動であった。
 これは03年に国会提出される以前から、動労千葉、連帯労組関西生コン支部、港合同の3労組を始めとして、あらゆる労働運動、学生運動、市民運動の中に闘いを持ち込み組織してきた成果と言ってよい。
 すでに反対署名は、99年盗聴法反対闘争の22万筆を超え、40万筆を突破している。「みんなが共謀すれば共謀罪は無力化する」と言って始めた「一億二千万 共謀の日」の行動も3度行い、全民衆の中に広まり始めた。
 だが、臨時国会での共謀罪成立は阻止したが、法案を廃案にしたわけではない。政府・与党は早くも「修正」を狙い、そこに野党を巻き込み、成立させようとしている。
 確かに、この間の闘いによって共謀罪を政府原案では到底通過できないところまで追い詰めてきた。だが、政府与党は一度として廃案を口にしてはいない。共謀罪そのものの骨格を残し、野党をたらしこんで、あくまで強行成立させようとしている。
(写真 「やめろ!教育基本法改悪/つぶせ!共謀罪」の力強いジョイント行動は昨秋臨時国会攻防の大きな力となった【11月23日 銀座】)

 改憲を狙う安倍政権打倒へ

 今通常国会も共謀罪決戦の正念場となった。ここで労働者階級人民が武装解除したら、安倍政権は一挙に攻撃に出てくるだろう。共謀罪こそは、思想・信条の自由、団結権に襲いかかる反革命治安立法であり、労働者の団結を破壊し、労働組合を解体する労働弾圧立法なのであり、「現代の治安維持法」そのものだ。
 労働者階級人民の反対闘争への決起こそが共謀罪を阻止する力となる。われわれの目標は、審議継続でもなく、修正でもない。ただ一点、永久廃案である。
 教基法決戦で、階級的労働運動は本格的決起と発展を開始した。共謀罪反対の声と運動も、教基法改悪反対闘争と結合して初めて、全人民的高揚の展望をつかんだ。安倍政権打倒の戦略的展望をしっかり握っている。
 今度の通常国会で安倍政権は、国民投票法案を突破口とし、教育改革関連法案や労働法制改悪諸法案の強行をもって、改憲へと一気に踏み込もうとしている。改憲阻止決戦がまさに正念場を迎える。
 安倍極右改憲政権打倒へ、共謀罪闘争の陣形こそがその先頭に立とう。共謀罪を永久に廃案へ! 共謀罪闘争に総決起しよう。

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週刊『前進』(2278号8面3)(2007/01/15 )

 日程 ■1・25国会開会日行動

 1月25日(木)午前8時半〜地下鉄丸の内線
 「国会議事堂前駅」前で朝ビラ/午前10時〜
 午後1時 衆院第二議員会館前座り込み
 ☆正午 昼集会
 ■さらば!共謀罪1・26集会
 1月26日(金)午後6時半〜
 東京しごとセンター(東京・飯田橋)
 講演 足立昌勝さん(関東学院大学教授)
 うた ZAKIさん(ミュージシャン)
 主催 破防法・組対法に反対する共同行動

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週刊『前進』(2278号8面4)(2007/01/15 )

新刊紹介『共産主義者』第151号

 歴史的な拡大22全総の報告

 党の革命と党建設へ活用を

 革共同は、06年秋に第22回拡大全国委員会総会を開催した。この拡大22全総は、政治局の三つの報告と五つの特別決議などをめぐって討議し決定した。今回の『共産主義者』151号には、その三つの報告と「与田・遠山・西島・平田・倉沢の除名決議」、そして付属文書「革命的部落解放闘争の理論的諸問題」が掲載されている。
 三つの政治局報告とは、第1報告「党の革命を徹底的に推進し、プロレタリア日本革命に勝利する党を建設しよう」、第2報告「帝国主義の基本矛盾の全面的爆発と侵略戦争の時代への泥沼的突入」、そして第3報告「党の革命・労働者党建設を推進基軸に、11月1万人結集から07年改憲決戦へ」である。

 選挙闘争の総括

 第1報告の意義は、03年新指導路線確立の意義について、それが3全総(革共同第3回全国委員会総会、62年)―3回大会(66年)路線へのラセン的回帰を本格的に求めるものとしてあったことについて、歴史的展開をふまえて踏み込んだ提起をしていることである。60年代には職場を軸にした戦闘的労働運動の取り組みが各産別において実に多彩な機関誌を発行するまでに至っていたことが明らかにされている。当時の革共同―マル青労同が労働運動にどれほど内在化していたのかがあらためて新鮮に浮かび上がる(U章)。
 こうした革共同の労働運動が、内戦の第1段階・第2段階をとおして核心的に守り抜かれ発展させられたものが、動労千葉労働運動にほかならない。
 動労千葉労働運動は、「革命的共産主義の労働運動として、また戦後日本労働運動の真の継承者として存在」しており、その意味において、今や小なりといえども決定的に重要な情勢打開要因として登場している。
 V章は、「選挙闘争の歴史的・全面的総括に向けて」の論述。3全総以来の革共同の革命的議会主義への取り組みを4期に分けて総括し、結論として「原点に帰って07年統一地方選挙へ」向かうことが提起されている。今次統一地方選において、革命的議会主義の本来の姿を復活させ、真に新指導路線(階級的労働運動路線)に基づく選挙戦を遂行するために必読だ。

 全国単一党建設

 「〈党の革命〉論の深化のために」貴重な問題提起が行われているのがW章だ。とりわけ全国単一党の建設は、「旧来の組織形態を維持したままでは実現できない」として「党内民主主義・労働者民主主義の新しい組織形態」の必要性を強調し、そのために「思考的機能、討議的機能、教育的機能を日常的に闘いとること」など「三つの側面からの接近」を提起している。新しい労働者党を自らの手で建設するためにぜひとも体得しなければならない作風だ。
 X章は、21世紀革命を実現する理論的前進の課題を明らかにしている。そのいずれもが党的飛躍にとってきわめて重要であることがわかるだろう。
 第2報告、第3報告について。第2報告は、〈最末期の現代帝国主義についてのプロレタリアートの時代認識〉の確立という立場から学びとってほしい。特に、米帝にとってのイラク侵略戦争での泥沼的敗勢と住宅バブル崩壊の世界史的意義の確認は重要だ。第3報告は、「党は階級そのものである」という提起の深い意味を真に学びとる立場から血肉化してほしい。これによって初めて、戦後日本階級闘争の革命的な総括・継承も可能になる。
 22全総報告・決定集を『前進』新年号とともに徹底的に学習し、07年階級闘争に力強く打って出よう。

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