ZENSHIN 2006/12/18(No2275
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週刊『前進』(2275号1面1)(2006/12/18)
教基法改悪案の参院採決絶対阻止!
12・14〜15 全国結集で国会包囲を
国境越えた労働者の連帯が未来開く
労働運動の闘う新潮流先頭に日帝・安倍打倒へ攻め上ろう
労働者の団結の力が採決強行を止めている
連日1千人を超える労働者が全国から続々と結集し、怒りの声を上げた(12月8日 国会前)
動労千葉の田中委員長は、反戦共同行動委員会の12・1緊急行動の基調提起で「国鉄分割・民営化を忘れるな」と訴えた。20年前の分割・民営化は、日帝・中曽根が「戦後政治の総決算」の名のもとに国労と総評を解体し、改憲・戦争国家体制を構築しようとする大攻撃だった。今日、参院で最大の攻防局面にある教育基本法改悪の攻撃は、それをも超える日帝・安倍の労組破壊の階級決戦攻撃としてある。安倍は教基法改悪で日教組を壊滅し、愛国心教育=戦争教育を強制して、戦争と改憲へと国家の舵(かじ)を切ろうとしている。だが今や安倍政権は危機だ。打倒できる。12月14―15日、闘う新潮流を先頭に、全国から労働者階級人民は国会前に総結集しよう。教基法改悪案採決阻止・安倍政権打倒へ攻め上ろう。
“森越日教組委員長解任を”
日帝・安倍政権と自民・公明の与党による参院での教基法改悪案の12月7日、8日強行採決の策動は、国会闘争で断固として押し返された。
4日の地方公聴会に続き、6日には静岡、甲府で公聴会が開かれ、残る中央公聴会開催問題や安倍の東アジアサミット訪問スケジュールをはさんで、15日の会期末ぎりぎりの大攻防となった。政府・与党は1週間程度の会期延長をも策動している。だが労働者階級が総決起すれば勝てる情勢が切り開かれている。
日教組傘下の教育労働者を軸に、国会前には連日、怒りと危機感に燃えた労働者階級人民、在日朝鮮人民が、数百、数千の規模で駆けつけ、リレーハンストと座り込みを中心に闘っている。全国でも札幌の1万人、福岡の7千人を始め、衆院段階の決起を上回る闘いが起きている。教基法改悪と日教組壊滅攻撃に対する教育労働者の怒りはすさまじい。
ところが日教組本部と森越康雄委員長は、この組合員たちの怒りと危機感を踏みにじり、完全に裏切っている。日帝・安倍が愛国心教育=戦争教育の国家的強制と日教組壊滅に全力をあげているのに、時間内職場集会やストライキはおろか、全力での国会動員や座り込み闘争も、まったく提起していない。戦後4度目の「非常事態宣言」も完全なアリバイだ。
とりわけ許し難いことに森越は、11月25日のテレビ朝日「朝まで生テレビ」に出演し、決戦のまっ最中に屈服と闘争放棄の恥ずべき姿をさらした。「つくる会」元会長で「日本教育再生機構」理事長の極右ファシスト・八木秀次らが、教育労働者の国会前での座り込みを非難し、「みっともない話」「教室に戻ってもらいたい」などと責め立てたことに対し、森越はなんと「すみません、先週で(座り込みは)やめました」と謝罪したのだ。さらに「でも今も毎日やっている」と畳み掛けられ、「あれはうちの人たちではないんです」と弁明したのだ。
極右やファシストどもへのこのぶざまな屈服と土下座。こんなことがいったい許せるか。こんな人物に日教組の指導と組合員の運命を任せられるか。断じて否だ。
直ちに辞任・解任を要求し、新たな闘う執行部を選出し、教基法決戦を闘う体制をつくる必要がある。職場から、分会・支部・単組から、森越発言弾劾、辞任・解任要求をあげ、日教組本部に突きつけよう。国会前でも、集会やハンストや座り込みの中でも、森越発言弾劾、森越辞任・解任の要求を吹き上げていこう。それが教育労働者の団結を発展させ、決戦勝利を切り開くのだ。
“国鉄分割・民営化忘れるな”
敵の側は、日帝ブルジョアジーと国家による全面的な教育支配、日教組解体、愛国心教育=戦争教育の強制のために、教基法改悪に全力をあげてきている。これに対して日教組中央本部・森越体制では、まったく闘えない。日教組・森越体制打倒、闘う日教組の再生をかちとることこそが、この決戦に勝利する道だ。
元首相の森喜朗は「日教組、自治労を壊滅できるかどうかということが次の参院選の争点だろうね」と公言している。森は日教組・自治労壊滅を掲げて国政選挙をやると言っている。これは日教組を始め4大産別の労働組合を絶滅しなければならないと言っているのだ。教基法決戦はこれと対決する歴史的な階級決戦なのである。
「国鉄分割・民営化を忘れるな」。分割・民営化は国労を解体し、総評を解体する攻撃だった。動労のカクマル・松崎は闘う前に中曽根の攻撃の先兵となり、労働者の犠牲の上にファシストとして延命し、国労・民同は分割・民営化にイデオロギー的にも路線的にも闘えず、24万人の大労組が4万人に切り崩された。唯一、動労千葉が階級的・路線的に分割・民営化と対決し、2波のストライキを打ちぬいた。そして今も、反合・運転保安を軸に階級的労働運動を発展させ闘っている。
国労が分割・民営化と闘えなかったのは、総評の民同労働運動だからだ。資本主義の存続を前提とした体制内の労働運動だからだ。マルクスが『賃金・価格・利潤』の決議案で結論づけているように、労働組合が「労働者階級の究極的解放」「賃金制度の最終的廃止」のために闘う階級的労働運動であってこそ、資本主義・帝国主義が体制延命をかけて繰り出してくる攻撃と闘える。労働者の生活も賃金も階級的利益も守れるのだ。
民営化とはイギリスのサッチャーが公言したように、労組を破壊し社会主義を一掃する攻撃だ。これと闘うには、資本主義・帝国主義を打倒する質をもった階級的労働運動でなければ、勝利できない。教基法改悪との闘いは、まさに国鉄分割・民営化粉砕と同じ質をもった決戦なのだ。
日教組本部が教基法改悪攻撃にかくも無残に屈服し、30万組合員を裏切っているのは、その本質が総評以来の民同労働運動、体制内の改良運動であり、階級的労働運動ではないからだ。だから帝国主義の「最弱の環」として体制破産の危機にあえぐ日帝・安倍が、戦争と改憲と民営化(労組破壊)をやらなければ「国が滅ぶ」と叫んでかけてきている攻撃に、対決できないのだ。森越弾劾・日教組本部打倒、日教組再生は教基法決戦勝利の死活的課題である。
ブッシュ・安倍の絶望的危機
日本で最も戦闘的な3労組である動労千葉、関西地区生コン支部、港合同が教基法決戦のただ中で呼びかけ開催された11・5労働者集会は、どういう闘いだったのか。
11・5にこそ、総評・民同労働運動の屈服と破産を突き破り、連合・全労連をのりこえる階級的労働運動の結集がある。ランク&ファイル運動の真の実践、闘う新潮流の全国ネットワークの基礎がある。日米韓の労働者国際連帯がある。つまりそこには労働者自己解放、プロレタリア世界革命の未来がある。
このことに圧倒的な確信を持ってさらなる挑戦を開始することこそ、教基法決戦に勝利し、教労と国鉄を先頭に4大産別決戦・改憲阻止決戦を大爆発させていく道だ。
イラク情勢を基底に帝国主義の危機が爆発している。ブッシュの米帝の没落、世界支配の崩壊が深まっている。中国、ロシアをも巻き込んで帝国主義間争闘戦が激化し、北朝鮮への米日帝の侵略戦争策動を最先端として、世界戦争への過程が激しく進行している。
こうした中で日帝は帝国主義の「最弱の環」だ。その危機の突破をめぐって支配階級が分裂し、安倍政権は求心力が低下し、内閣支持率は軒並み10〜16ポイントも急落した。安倍を打倒して教基法決戦―参院決戦に勝利する展望は大いにある。
一切の結論は、日教組30万組合員の職場からの総決起を先頭に、全国・全産別の労働者と青年・学生が、渾身(こんしん)の力を発揮して国会決戦に立つことだ。12・14―15が最大の勝負となった。階級的労働運動の新潮流こそが、教基法改悪案採決阻止・安倍打倒の先頭で決起しよう。
この闘いのただ中で、11・29法政大弾圧を粉砕し、不当逮捕の3学生を奪還しよう。学生運動の躍進を切り開こう。同時にマル青労同の強大な建設に全力をあげよう。
さらに最後に、日本革命勝利への死活をかけて、年末一時金カンパ闘争と機関紙拡大(党建設)に総決起することを訴えます。
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週刊『前進』(2275号1面2)(2006/12/18)
国会前は怒りの渦
ハンスト 闘いの拠点に
「森越はクビだ!」。8日夜には日教組緊急中央集会が日比谷野外音楽堂で開かれ、全国から1万2000人の教育労働者が結集し、森越への怒りの声があふれた。会場には「森越はクビだ!」「闘うわれわれが日教組だ!」の横断幕が掲げられ、森越委員長発言はヤジと怒号に包まれた。集会後参加者は国会デモに立ち、国会前で座り込みを続けるハンスト者と熱いエールを交換した。
8日昼、国会前は怒りの座り込みで埋め尽くされた。反戦共同行動委の集会では、動労千葉の後藤俊哉特別執行委員が、連帯労組関西地区生コン支部・港合同・動労千葉の3労組呼びかけによる11・5集会実行委員会主催の12・14国会闘争への結集を呼びかけ、「ここまで採決を止めているのは労働者の団結の力だ。14日は今日を倍する結集を」と檄(げき)を飛ばした。また、東京の被処分者を始めとした12・8年休闘争委員会の教育労働者が一斉に年休をとり、議員面会所集会と安倍首相への申し入れを取り組んだ。
参院での闘いが最大の山場を迎える中、国会前は日を追うごとに熱気を帯び、ハンスト者を中心とした闘いの輪が広がっている。日教組本部の屈服・無方針と、森越委員長の全面屈服発言に現場の怒りが渦巻いた。
北海道教組は、7日からは350人の大動員で朝から座り込んでいる。東京教組や都高教、千葉高教組なども独自の座り込み方針を出した。こうした中、8日にも採決を狙っていた安倍政権の策動は押し返されている。
5日は、午後6時からの「教育基本法改悪をとめよう全国連絡会」主催の集会に教育労働者を先頭に2000人が集まった。6日の「ヒューマンチェーン(人間の鎖)」には3500人が参加し、国会は労働者の怒りによって包囲された。
何よりも東京の被処分者が軸となったハンスト団が、闘いの拠点となっている。自民党議員や八木秀次など右翼による座り込み行動への誹謗(ひぼう)中傷が相次いでいるが、それは逆に怒りの火に油を注いでいる。
7日に神奈川から駆けつけた県立高校の教育労働者は、「私の分会で『教育基本法改悪反対運動強化と、日教組・森越委員長の辞任を求める分会決議』をあげた。私たち現場労働者こそが日教組。分会決議を全国に広げて、弾劾行動に立とう」と力強く訴えた。動労千葉の滝口誠特別執行委員は「教育基本法改悪との闘いは職場での団結を打ち固めて闘うことが核心。来年3月の不起立の闘いは重大な決戦となった。森越のような委員長をいただいていたら負けてしまう。怒りを全国に拡大して、委員長を引きずり降ろそう」と確信をもって訴えた。
いよいよ14−15日が決戦中の決戦だ。年休をとり、仲間を組織して全国から国会前に押し寄せよう。教基法改悪案の参院採決を絶対阻止しよう!
(写真 「森越はクビだ!」。日教組集会は森越委員長を弾劾する場に【12月8日 日比谷野外音楽堂】)
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週刊『前進』(2275号1面3)(2006/12/18)
世界革命の実現めざし闘う革共同にカンパを
すべての労働者・学生・市民の皆さん。革共同は冬の一時金カンパを心から訴えます。
11・5労働者集会は、4900人の結集をかちとり、3労組共闘、3国連帯をより一層深化させました。
民主労総は三里塚反対同盟と交流し、「動労千葉の労働運動を学びたい」と学習会をし階級的労働運動と労農同盟を貫く動労千葉の歴史と路線への共感と確信を表明しました。
米国の労働者も、組合員の団結を固めるために動労千葉からどん欲に学ぼうとしています。社会の崩壊が始まっている米国から、ILWU(国際港湾倉庫労組)もAMFA(航空整備士労組)も自らの命運をかけて日本に来たのです。
日米韓の労働者は国境を廃止することを宣言し、闘う階級として団結し、路線的に完全に一致し、この道をどこまでも不屈に進むことを誓いあいました。青年労働者、学生など若い力がそれを推進しています。
この路線で1万人が決意を固めれば社会を変えることができます。4900人という地平をなんとしても1万人までもっていくために、われわれは今、新たな決意を固めています。
社会を200年逆戻りさせない限り、ブルジョア社会は崩壊するというまでに帝国主義は末期的段階を迎えています。革命的情勢です。これまでどおりのやり方では敵は労働者を支配できない。しかし必要なことは革共同自身がもっともっと変わることだと思っています。もっともっと労働者の中に入り、彼らと苦悩をともにし、血みどろ汗みどろになって情勢を切り開いていくことだと思います。日米韓労働者との共同闘争として世界革命をたぐりよせることに本格的に着手します。
やらせ問題、いじめ問題、一切の元凶は日帝にあります。格差社会をつくり出し、競争をあおりたて、社会保障制度を解体し、労働者の生活を破壊しつくす日本社会が「美しい国」なのか。「恥ずかしい国」ではないのか。そんな国をどうして愛せようか。国境廃止を宣言した労働者にとって愛国心など必要ない。破産したこの日帝を本当に葬り去らなければならない。
その一切の力は職場での労働者の闘いにあります。職場からの闘いのうねりは職場支配権の問題であり、プロレタリア独裁の問題です。このことに不動の確信を持ち革共同は闘います。闘う労働者にとことん依拠して闘う以外にないのが革命です。人生をかけた決戦に人生をかけた圧倒的なカンパを寄せられるようお願いします。
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週刊『前進』(2275号2面1)(2006/12/18)
教基法改悪案共謀罪法案阻止へ
12・1東京 反戦共同が緊急行動
教育労働者怒りの発言 “森越委員長はクビだ”
国会情勢が最大の山場を迎える中、反戦共同行動委員会が呼びかけた12・1緊急行動が意気高く闘われた。青年労働者を先頭にしたデモは街頭を席巻し、「労働者の力で教育基本法改悪・共謀罪を止めるぞ!」「国会闘争にともに立とう!」「安倍を打倒しよう!」の声が響き渡った。
(写真 教基法改悪をめぐる国会情勢が緊迫する中、反戦共同行動は職場から階級的団結を固め反撃に立つことを確認した【12月1日 東京)
会場のYMCAアジア青少年センター(千代田区)には、終日行動が展開された国会から、仕事を終えて職場から、300人を超える労働者・学生が駆けつけた。
司会は動労千葉特別執行委員の滝口誠さん。集会の冒頭、韓国・民主労総の闘いを伝えるビデオが上映された。連帯あいさつとして、破防法・組対法に反対する共同行動の石橋新一さんが発言、とめよう戦争への道!百万人署名運動事務局長の西川重則さんのメッセージが代読された。
石橋さんは、「共謀罪をめぐって第2の攻防の正念場に入っている。10回の国会にわたって闘い密室での採決強行を基本的に打ち破ってきた。この力が悪質な治安法体系の導入を打ち破っている。警察に共謀罪などという武器を絶対に渡してはならない」と述べた。
基調報告を行った動労千葉の田中康宏委員長は、教基法改悪攻撃の核心が何よりも日教組の解体にあることを明らかにし「国鉄分割・民営化を忘れるな!」と声を大にして訴えた。そして、日教組本部・国労本部の裏切りを弾劾し、職場の怒りと階級的団結の力で、既成労働運動を根底からつくりかえていくことこそ、情勢を切り開いていく最重要の任務だと提起した。(要旨別掲)
婦人民主クラブ全国協の鶴田久子さんのカンパアピールに続いて、労働者・学生が決意表明。
関東の教育労働者が発言した。「労働監獄とも言える学校現場の状況の中で、教育労働者は全国で闘い始めている。なのに日教組の委員長は何をしているのか! 8500人が集まった集会を呼びかけておいて、自らは海外視察と称して敵前逃亡。『朝まで生テレビ』で右翼に国会闘争を突き上げられ『すいません。もうしません』と言った。ふざけるな! こんな委員長、聞いたことがない。お前は首だ! 絶対に解任要求を出す。われわれの闘いはけっして小さくない。『40秒の不起立』が安倍を震撼(しんかん)させている」。
怒りと決意がほとばしる発言に、参加者から何度も「そうだ!」と共感の声が上がった。
大阪からも「昼まで授業をやって、新幹線で国会闘争に駆けつけた」と教育労働者が発言し、関西での闘いの大きな広がりを報告した。
全逓の青年労働者は「労働者は闘っても勝てないと思っている執行部から、組織破壊者とレッテルを張られてきたが、1年間、職場闘争で切り開いてきたものは大きい。職場からの闘いで勝負していく」と述べた。
重大情勢に突入した国鉄闘争について国鉄労働者が「改憲攻撃の中で国鉄闘争を絶滅する攻撃が始まっている。しかし敵に余裕があるわけではない。JRでは、安全問題だけでなく要員削減の矛盾も爆発している。5・27臨大闘争弾圧裁判勝利へ12・10集会に結集を。国労の旗を国会前に立てる」と決意表明した。
自治体労働者は「自治労が最大のターゲットになっている。ここまで労働者がめちゃくちゃに蹂躙(じゅうりん)される時代があったか。職場で闘う力をつくり出すことが求められる。原点に帰って闘う」と訴えた。
全学連の織田陽介委員長が登壇し、11月29日の3学生不当逮捕を怒りを込めて報告。「今年40人目の逮捕、とんでもないデッチあげだ。半年間でここまで法大当局を追いつめてきた。今こそ腹の底からの怒りを爆発させる時だ」と訴えた。
東京反戦共同行動委の三角忠代表が集会のまとめと行動提起を行い、参加者は元気に街頭デモに打って出た。
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週刊『前進』(2275号2面2)(2006/12/18)
日教組解体が攻撃の核心
動労千葉 田中委員長の基調報告
歴史の分かれ目に立って、われわれがなすべきことは何なのか、この情勢をどう見て、情勢を変えるために何をすべきなのかを明らかにすることが今日の集会の目的ではないかと思います。
教基法改悪攻撃の最大の核心は、日教組の解体・根絶にあります。森元首相は「来年の参院選の最大の争点は日教組・自治労壊滅」と公言しています。
私は、国鉄分割・民営化反対闘争を闘ってきた立場から、いま一度「国鉄分割・民営化を忘れるな!」と言いたい。動労千葉があそこでストに立ち上がったのは、この攻撃に首をかけて立ち上がらなかったら根本的に団結を破壊されてつぶされると判断したからです。そして私たちは勝利し、団結を固めて、この場にいます。
しかし、日教組本部の森越委員長は、来週教基法改悪案が通るかもしれないという時に、テレビで八木に「すいません」「もう国会闘争はやりません」と謝っている。これが日教組本部の現実です。
他方、教基法改悪、改憲情勢と一体で重大な事態が起きている。国鉄をめぐる包括和解問題です。1047名の解雇撤回闘争を切り捨て、地面に頭をこすりつけるように土下座している。国労という伝統ある労働組合が解体されるという戦後労働運動史における重大な事件です。
これひとつ見ても、小手先の対応で今の労働運動の変革ができるわけがないことは明らかです。
11・5労働者集会は、大きな成功をかちとることができました。集会も、これまでになく良かったという多くの声を聞きました。
もし1万人を結集できていたら、教育基本法改悪を阻止できる展望を切り開けたと思います。11月集会はそういう重大な位置を占めていた。教育基本法改悪阻止闘争が盛り上がっている中で、11月集会の位置はますます高まっています。
11月集会の切り開いてきたもの、その画期的意味について、私自身、米韓との交流を通じてあらためて確信しました。
至るところに格差社会、戦争・改憲への危機感、怒りが渦巻いています。問題は、こうした怒りと闘いの核となる労働者の闘いと団結がないことです。これがあれば世の中は一気に変わる。こうしたことが世界中で現に起きているではありませんか。
日教組、自治労、国鉄、全逓を始め、本当にランク・アンド・ファイル(現場組合員)から、一人ひとりの階級的な怒りと団結を一からつくって職場からの階級的闘いをつくる――このことがわれわれの重大な任務として提起されている。
もし、こういう闘いを実現できたら、僕らは時代と正面からがっぷり四つに組んで、安倍を打倒し、社会を根本から変革できる。教基法、防衛「省」法案、共謀罪、国民投票法案……ありとあらゆる課題がある。しかし、時代をわれわれが握る道がある、それが11・5集会だということをあらためて確認したいと思います。
来週は文字どおりの決戦です。12月6〜8日は、全力で国会前に結集をお願いします。そして「こうすれば勝てるんだ」ということを声を大にして訴えてほしい。今年いっぱいを全力で闘いぬき、07年を勝利の年にしよう。
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週刊『前進』(2275号2面3)(2006/12/18)
発言
“森越弾劾決議を”
渦巻く日教組本部への怒り
●神奈川県立高校の教育労働者Sさん 改悪の狙いは教育労働者の戦争動員であり、日教組を解体すること。にもかかわらず日教組委員長は、全国から集まり必死の思いで闘っている仲間に対して「あれはうちの人ではない」とまで言った。私の分会では昨日、「教育基本法改悪反対運動強化と、日教組・森越委員長の辞任を求める分会決議」を上げた。組合の本部を突き上げ、日教組中央に対する弾劾行動を起こしたい。私たち現場労働者こそが日教組。いくら教基法が改悪されようが、戦争協力を求められようが、絶対に許さない現場の団結した力をつくろう。分会決議を全国に広げて弾劾行動に立とう。今日・明日、現場から仲間を引き連れて闘いぬき、闘う日教組をつくっていこう。(7日)
●大阪・元教育労働者Kさん 森越委員長は国会前の座り込みを「すみません、もうやりません」などと言っているが、今日も多くの教育労働者がここで座り込んでいる。現場が超多忙な状況にある中での私たちの切実な思いを日教組本部にぶつけて闘おう。(6日)
●都高教・被処分者Uさん 権利は放っておいたら奪われてしまう。声に出し闘わなければ権利も守れない。そして組織の指示に従っただけの闘いではダメだ。下から突き上げ、組織の指示を超える運動が実を結ぶ。全力で闘おう。(7日)
●千葉・元教育労働者Sさん 公聴会では、法案に反対する声や慎重審議を求める発言ばかり。こんな法案は撤回するのが筋ではないか。すでに日本はイラク戦争に加担し、教え子を戦場に送ってしまっている。教基法改悪は「戦後体制を脱却する」というクーデターだ。この時に運動の中心に座るべきものが撤退しているのは何ということか。「教え子を戦場に送るな」というスローガンは何だったのか。この1週間、すべてをかけよう。(6日)
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週刊『前進』(2275号2面4)(2006/12/18)
“密室公聴会やめろ
新潟、神戸、長野など 会場前で激しく弾劾
(写真 【左】長野での公聴会弾劾闘争 【右】神戸では会場を取り巻くデモ)
安倍政権は12月4日に新潟、長野、神戸、徳島で、6日には甲府、静岡で参院教育基本法特別委員会の地方公聴会を強行した。これに対し、各地で弾劾闘争が闘われた。
新潟の公聴会では、4人の公述人のうち3人が反対意見を表明した。会場のホテルオークラ新潟前には、新潟県教組や新潟県労連、平和運動センター、「とめよう戦争への道!百万人署名運動新潟県推進委員会」、新潟労組交流センターなど100人近い人びとが集まって抗議の声を上げた。行動の妨害を試みる警察に、集まった人びとの教基法改悪への怒りはますます高まった。労組交流センターなど9団体・個人が、「密室での公聴会を中止し強行採決をするな」と求め、参院事務局に請願書を手渡した。
長野では、「とめよう戦争への道!百万人署名運動・長野」や長野県教組の組合員など40人が、公聴会会場のホテル・メトロポリタン長野の正面に陣取って抗議行動を展開した。百万人署名運動・長野や北陸から駆けつけた北陸労組交流センターなどが教基法改悪反対、公聴会中止を求めて申入書を手渡した。
神戸の公聴会では、4人の公述人全員が反対または慎重審議を求める意見を述べた。会場のホテルオークラ前には、「みんなでとめよう!教基法改悪・全関西の集い実行委員会」、元教職員ひょうごネット、「とめよう戦争への道!百万人署名運動兵庫県連絡会」、兵庫県教組組合員や憲法改悪反対を闘う団体、東灘区住民の会、関西合同労組など約100人が駆けつけた。8時半過ぎ、抗議申し入れ代表団を送り出した。ホテル側と警察にいったん阻まれたものの、ホテル入り口で5団体が申し入れを行った。その後、全体で会場周辺を2度にわたりデモ行進し、ホテル正門前で密室の公聴会を弾劾する怒りの声を上げ、午後からの徳島公聴会闘争に向かう仲間を送り出した。
徳島での公聴会に対しては、地元の労組・平和団体が会場に面した徳島駅前で抗議行動を終日繰り広げた。関西や岡山からも百万人署名運動や労組、住民団体、学生団体が駆けつけ、行動をともにした。会場のホテル前で諸団体が公聴会の中止を求める申し入れをし、「教基法改悪反対」の声を鳴り響かせた。傍聴に入った人は「聞く耳持たぬ公聴会だった」と憤りの感想をもらした。
甲府での公聴会に対しては山梨県高教組や全労連、百万人署名運動など約60人が抗議行動を展開した。
静岡での公聴会にも、宣伝カーを使っての抗議行動が取り組まれた。
大阪で緊急集会
12月6日、「みんなでとめよう!教育基本法改悪・全関西の集い実行委員会」の呼びかけで大阪・中之島の中央公会堂で緊急集会が行われた。神戸公聴会・徳島公聴会闘争の報告と国会情勢についての提起がなされ、12・2若者たちの国会行動に参加した学生などがスピーチを行った。その後、梅田までのイルミネーションデモに立ち上がり、解散地ではデモ隊は100人に膨らんだ。
デモ解散後、駅前陸橋で宣伝活動中だった「日本軍性奴隷問題の解決を求める会・大阪」の人たちと合流して宣伝活動を行った。曽根崎警察署の妨害にもかかわらず、職場から駆けつけた仲間たちも合流し、午後8時には約150人が大阪駅前陸橋上で「ヒューマンチェーン おおさか」を行い、参議院での強行採決絶対阻止を、通行する市民に訴えた。
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週刊『前進』(2275号2面5)(2006/12/18)
総合労働協約の締結を策し裏切りを深める国労東日本本部
JRと対決し国鉄闘争勝利へ
国鉄闘争は今や重大な決戦局面を迎えている。国労東日本本部−国労本部は、出向協定締結と包括和解調印でJR資本に最終的に屈服した。それは、国労を自ら解体に追い込む国鉄闘争史上最悪の裏切りだ。さらに国労東日本本部はJR東日本との「総合労働協約」締結を策している。彼らの裏切りは歯止めを失った。国労本部を打倒し、国労を階級的に再生させることは急務である。「政治解決」の名による1047名闘争解体の策動を許さず、解雇撤回闘争とJR本体の闘いを結びつけ、1047名闘争に勝利しよう。JR資本との対決を貫く動労千葉とともに国鉄闘争勝利の突破口を押し開こう。
安倍政権による4大産別(教労、国鉄、全逓、自治体)労組への絶滅攻撃は、再び国鉄闘争を階級闘争の一大火点に押し上げている。
今や安倍政権は北朝鮮侵略戦争への突入をもくろんでいる。教育基本法改悪を突破口に改憲への道を押し開き、本格的な戦争国家への改造に突き進もうと策している。他方で、労働法制改悪をテコに一層の「格差社会」に労働者をたたき込み、搾取と収奪を極限まで強めようとしているのだ。
この攻撃は、労働組合を解体しなければ貫けない。その矢面に立たされているのが4大産別の労働組合だ。元首相の森は「日教組・自治労壊滅が次の参院選の争点」と言い放ち、文科相の伊吹は教基法改悪の最大の狙いが日教組解体にあることを隠そうともしない。自民党政調会長の中川は「デモで騒音をまき散らす教員は免許はく奪」と叫び立てた。敵の攻撃の照準は、4大産別労組の絶滅に当てられている。これへの死活をかけた反撃が必要なのだ。
かつて、国鉄分割・民営化を前に当時の首相・中曽根は「(国鉄改革を始めとする)行政改革でお座敷をきれいにして立派な憲法を安置する」と豪語した。それ以来の支配階級の改憲の野望を、根底で阻止してきたのが1047名の解雇撤回闘争だ。
だからこそ、教基法改悪と並んで、国鉄1047名闘争解体の攻撃が再び激化し始めたのだ。これとの攻防は、「第2次国鉄決戦」と言うべき一大決戦である。
総合労働協約は「労使共同宣言」
今や国労本部−国労東日本本部はJR資本の先兵へと完全に転落した。国労本部は、「不採用問題の政治解決」の名で1047名闘争の内部からの解体を策し、JR本体の闘いを自ら圧殺しようとたくらんでいる。
JR東日本は、駅業務の一括委託による1000人の大合理化と、40歳以下の運転士の駅への強制異動計画を打ち出した。これに屈した国労東日本本部は、10月11日、出向協定を締結し、続く11月6日には出向・配転事件や国労バッジ事件など61事件で包括和解に調印した。それは、JR資本への最終的な屈服を誓う、断じて許しがたい裏切りだ。
包括和解の調印に際し、国労東日本本部の伊藤秀樹委員長は、JR東日本の取締役らを前に「今後は、健全で良好な労使関係の確立に向け、2本のレールのように労使双方が真正面に向かい合い、時には対立し、時には交わることの繰り返しによって労使双方の信頼を築き上げることで、未来を志向した健全で良好な労使関係が確立される」と述べて頭を垂れた。こんな言いぐさは、JR総連=カクマル・松崎の「労使はニアリーイコール」論といったいどこが違うのか。
さらに国労東日本本部は、JR東日本との「総合労働協約」締結をも策している。JRにおいて「総合労働協約」とは、会社の就業規則をそのまま労働協約にするということだ。こんなものは「労使共同宣言」にほかならない。
もともと労働協約は、労働組合の団結と闘いを基礎にして、就業規則を上回る労働条件を資本に強いるために結ばれるものだ。ところが就業規則をそのまま労働協約化したら、労働組合は資本が一方的に定める労働条件に文句も言わず従うほかになくなる。それは、職場における一切の抵抗を根絶やしにし、資本に全面的な職場支配権を譲り渡すだけでなく、組合幹部が組合員に「合理化・出向に従え」と強制するものになるのである。
1047名闘争の解体策す本部
JR本体の闘いは、1047名闘争の絶対的な土台をなしている。それを根こそぎ解体しようと策する国労東日本本部−国労本部が、1047名闘争への敵対者であることも明白だ。
国労本部は12月5日、鉄道運輸機構を相手にJR不採用問題で損害賠償請求訴訟を起こした。そこでは、地位確認(解雇撤回)の請求があらかじめ投げ捨てられている。
訴訟提起に当たり記者会見した国労本部役員は、「政治的解決の状況が生まれれば取り下げも視野に入れる」とあけすけに語っている。始めから「取り下げ」を前提にして起こされる裁判とは何なのか。国労本部にとってこの裁判は、鉄建公団訴訟を妨害し、闘争団全体を敗北必至の「政治解決」の泥沼に引き入れるための道具としてのみ位置づけられているということだ。
動労千葉と共に勝利切り開こう
だが、階級的原則に立って決然と闘えば勝てる情勢は訪れている。安倍政権の凶悪な攻撃に対し、教育労働者を始め数千の労働者が連日、国会を取り巻き不屈に闘いを貫いている。労働時間規制撤廃を始めとする労働法制改悪に対する労働者の怒りも激しく噴出し始めた。これらの闘いと結びついてこそ、国鉄闘争の勝利もある。
JR体制もまた、事故を続発させ、限度を超えた要員削減による矛盾にぶちあたり、カクマル支配が崩壊の危機にさらされる中で全面破産を露呈し始めた。何より、「ライフサイクルの深度化」攻撃が、平成採の青年労働者の資本=カクマル結託体制への反乱を促すことは明らかだ。
こうした敵の矛盾を突き、反合・運転保安闘争の路線を基軸にJR資本と真正面から対決しているのが動労千葉だ。職場からの闘いを基礎にストライキを貫き、1047名の解雇撤回の原則を死守する動労千葉の闘いこそ、国鉄闘争勝利の展望を指し示している。
動労千葉が全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部や全国金属機械港合同とともに呼びかけた11・5労働者集会は、労働者階級の圧倒的な高揚を生み出し、階級的労働運動再生に向けての号砲を打ち鳴らした。それはまた、戦争と民営化に立ち向かう日米韓労働者階級の国際連帯を一層発展させたのだ。
国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いも、国労再生への血路を粘り強くこじ開けつつある。現場組合員を踏みにじる国労本部を打倒しよう。
勝てる闘いをあきらめや沈黙で自ら敗北に追いやってはならない。新たな戦闘宣言を発し国鉄闘争勝利へ不屈に闘おう。
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週刊『前進』(2275号3面1)(2006/12/18)
自治体労働運動の破壊許すな
大阪・京都・奈良・兵庫などで
部落差別テコに大合理化
現業労働者は反撃の先頭へ
関西では、日教組解体攻撃と並び、自治労−自治体労働運動と部落解放運動への激しい解体攻撃が吹き荒れている。桝本・京都市長の「(職員不祥事は)同和地区出身者の優先雇用という構造的問題」という差別発言(7月27日)は、その最たるものだ。大阪市、京都市、奈良市、神戸市、八尾市、宝塚市と、激化する攻撃に対して、現業労働者は反撃の先頭に立とう。
(写真 行政当局は融和利権腐敗をついて部落差別をあおり、マスコミを使って自治体労働者へ攻撃を強めている。10月の朝日新聞【東京版】)
「同和優先雇用」の歴史と実態は何か
1960年代、都市化に伴いゴミ問題が深刻化し、大阪市は大量の低賃金労働者を求めて九州にまで募集をかけた。しかし、ある旧産炭地を例にとれば、800人の炭鉱離職者のうちわずか5人しか応募しなかった。あまりに低賃金だったからだ。
資本主義的生産にとっても、住民生活にとっても、毎日のゴミ収集はなくてはならないものだ。なくてはならない仕事を低賃金で片付けようとした当局は、万事休すに陥った。そこで目をつけたのが、就労を求める被差別部落の労働者だった。60年代だけでなく、80年代には「バブル期で応募者がいない中で、ゴミ収集ができない事態」(京都市長)に突き当たっていたのだ。
現業差別との粘り強い闘い
戦前の地方公務職場は勅任官、奏任官、判任官、雇員、傭人(ようにん)、人足、人夫と分断され、賃金格差は十数倍にも及んだ。戦後も、現業労働者の賃金は物件費から支払われ、「お前らを雇うのは、油や殺虫剤のリッター買いと同じ」などと面罵(めんば)された。
清掃労働者は、汚水を浴びウジにまみれながら大八車を引き、詰所にはシャワーもなく、ゴミ臭を帯びたままの通勤を強いられた。
そして、請負から本務化、臨職から正職化、作業服を要求し、洗身設備や休憩室を要求し、収集車3人乗車を要求し、過積載防止や労災防止を要求し、定年まで安心して働ける労働形態と職場環境を要求し、「人よこせ、人の来る賃金よこせ」と、人員増と低賃金打破を一体で闘った。道路・土木・下水・公園・港湾などの現業労働者も同様であり、学校給食調理員はPTA雇いなどの状態から本務化を闘いとっていった。
中途採用の現業労働者は、差別賃金撤廃・賃金表統合だけでは低賃金を打破できない。@初任給格付け改善、A前歴換算改善、B年齢別最低保障制度確立など、わたり運用とともに、低賃金・差別賃金体系である年功型賃金を食い破り、粘り強く闘われている。
闘い取った現業公務員採用
同和対策は、長年の部落差別に対するほんのささやかな国家賠償の一部であり、差別を再生産せず根絶していくための施策を、行政の責務と課したものだ。上下水道、住環境、狭隘(きょうあい)な路地の改善、衛生医療、教育・保育の保障、そして就労の保障は、不十分とはいえ当然の権利としてかちとられてきた。それは「恩恵」や「特権」のように与えられてきたものでは断じてない。部落大衆の粘り強く、激しい対行政要求闘争がなければ一歩も進まなかった。現業公務員への採用もその一環としてかちとってきたのだ。
ところが今や「優先雇用」どころか、何年間にもわたる不採用と、要員不足を逆手にとった「労働強化か民間委託か」の攻撃が全現業職場を覆っている。この大合理化攻撃を強行するために、許しがたい部落差別が扇動されているのだ。
根底に職場支配権を巡るせめぎ合い
京都市では、「覚醒(かくせい)剤だ」「賭博(とばく)だ」と、さもさもらしく暴き立てた挙げ句、市長はすべてを「同和優先枠が問題」と部落差別にまとめ上げた。奈良市では、「5年間で8日しか働いていない」「病休中に入札・談合」などの「長期病欠」キャンペーンが連日展開された。
奈良市の現業職場は、8年間にわたって新規採用がなく、要員不足と労働強化の中で05年度1年で7人(組合員の1%以上!)が在職死亡する事態となっている。
「長期病欠」キャンペーンは10月18日に始まった。現業統一闘争の山場、団体交渉の前日、1時間ストライキ配置日の前々日だ。敵は、解同本部派支部長でもある当該職員を生けにえに、「人員不足は長期病欠のせい」であるかのように描き出し、公務員攻撃と部落差別を一体であおりたてようとした。
京都市でも奈良市でも当局がとっくに掌握しているような「職場秩序崩壊」「不祥事」が、あたかもスクープでもあるかのように報道された。「職場秩序」を問題にしながら、任命権者や管理職の管理責任ではなく、当該労働者が「部落出身者であり、同和優先採用である」ことだけを声高にあげつらい、部落差別がふりまかれている。
「とっくに知っているくせに、なんで今やねん!」という職場の声は、当局が日常的な「職場規律の乱れ」を放置・容認・促進していることへの怒りでもある。
“どうせ民営に”と乱れ放置
数年で入れ替わる管理職にとって清掃職場とは「早上がりしようが、中抜けしようが、どうでもよい。どうせ民営化される職場を、本気で立て直すつもりはない」というものでしかない。
民間委託とは、低賃金・不安定・無権利の労働力を追い求め買いたたくということだ。当局は常に「清掃労働者なんかもっと低賃金でよい、もっと不安定でよい、もっと無権利でよい」と見なしている。だから清掃職場をまともに組織するつもりもなく、当局なりの「職場規律」すら放棄している。敵があげつらう諸事実は、自らの現業差別の所産なのだ。
今回、敵は、「5年間で8日の出勤」だとか、「勤務中にシャブ」だのと極端な事例の暴露で攻撃の火ぶたを切った。しかしこのもくろみは、けっして成功していない。労働者は、階級的警戒心と労働組合への求心力を強め、職場支配権をめぐる攻勢に打って出る。自治労「現業活性化」方針を根底的にのりこえる、反合理化闘争と職場支配権をめぐる闘いが真価を発揮すべき時だ。ブルジョア的規律の崩壊を促進し、プロレタリア的規律を打ち立てよう。
自治体労働者・部落大衆と共に決起を
関・大阪市長は、「同和行政を特別扱いしない」と、繰り返し発言している。飛鳥問題(今年5月に解同本部派大阪府連飛鳥支部長が業務上横領容疑で逮捕された事件)で暴露されたことは何か。長年の部落差別に対するほんのささやかな償いすらも、部落大衆のもとには届かず、解放行政推進にも寄与せず、行政が育成した融和利権ボスに流れ込んでいたということだ。市長は土下座して部落大衆に謝罪し、直ちに解放行政を充実・強化させるべき出来事ではないか。ところが、自ら育成した融和利権ボスの腐敗をあげつらって、「要求する部落大衆に非がある」と言わんばかりの開き直りのデマ宣伝を繰り返している。
「まるで“消防車が走るから火事が起きる”と言わんばかりの暴論だ」と対行政交渉でも怒りが爆発した。同対審答申レベルの責務すら果たすことなく放棄して、融和利権ボスを育成して部落支配をたくらみ、部落大衆の要求を抑え込み、挙げ句に「特別政策はやらない」などと開き直っているのだ。
八尾市安中地区でも融和利権ボスの逮捕をテコにして「同和施策見直し」提言が11月28日に出された。この検討会副委員長を務めた民暴専門の弁護士が、奈良市の「同和施策見直し」の検討委員にも就任し、11月30日に初会合がもたれた。
大阪市では、松下某なる元府警刑事部長・組織犯罪対策室長の音頭取りで、11月29日に「24事業の打ち切り・廃止」の最終報告書が出された。やつらは、ヤクザの経済的締めつけと同じ手法、同じ感覚で解放運動と部落大衆に敵対しようとしているのだ。この差別行政を許すな!
「特別政策やらない」と暴論
「特別政策はやらない」論は、部落問題にとどまらず、行政の目的や存在意義を根幹から覆すものだ。「加齢に伴う諸困難への『特別政策』をやめる」と言うなら、高齢者福祉は全廃される。「障害者」福祉も、児童福祉も、母子福祉も、不登校対策も、公害防止も、公衆衛生も、難病対策も、生活保護も、就労支援も、借家人保護も、消費者保護も、すべては何らかの「特別政策」ではないか。
「特別」なものは廃止か有料化・民営化してしまえば、残るのは支配階級にとって不可欠な治安と徴税だけだ。関・大阪市長の「特別政策」論は、底知れぬ反動と暗黒だ。
10月10日の大阪市の「同和対策見直し方針(案)」発表に向けて、部落解放同盟全国連合会は9月末より市内全部落と市役所本庁に声明を配布した。10月に入ると、市内各地域で住民集会が開催され、大阪市職・市民支部・民生支部・教育支部は要望書をつきつけた。11月には、青少年施策・老人福祉施策の廃止に反対する数百人規模の集会や、本庁前での「怒りの和太鼓ライブ」などが波状的に取り組まれている。
敵の初期的奇襲性をはね返し、底の底からの怒りと危機感が巻き起こっている。怒りの総決起に転化して闘おう。
日帝・安倍政権による「日教組・自治労の壊滅」(森元首相)宣言と総力で対決しよう。動労千葉の闘いを徹底的に教訓化し、現場組合員の団結を打ち固め、4大産別決戦に勝利しよう。
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週刊『前進』(2275号3面2)(2006/12/18)
連合・高木の「必要」論と対決し
労働契約法に絶対反対を
教育基本法改悪−憲法改悪攻撃と一体のものとして、労働法制解体攻撃が激化している。中心をなすのが労働契約法制と「日本版エグゼンプション(労働時間規制撤廃)」導入の攻撃だ。
(写真 11月6日、合同労組全国交流会の代表団は、厚労省に@労働契約法制の立法化反対、Aホワイトカラー・エグゼンプション導入反対などを申し入れた)
厚労省と大差ない連合中央
まず最初に、この間、連合・高木執行部が労働契約法について、何か「労働者にとってプラスになる」かのような幻想を振りまいていることを弾劾したい。
連合中央のホームページにはこう書いている。「雇用システムや人事管理制度の変化、雇用・就業形態の多様化など、私たち働く者を取り巻く環境は、大きく変化しています。そのため、現在の状況に対応し、また、個別労使紛争を予防し解決できるルールとして労働契約法が必要です」
「雇用・就業形態の多様化」だと! 違法残業をさせられている労働者、リストラされた労働者、派遣や偽装請負で苦しむ労働者のことをどう思っているのだ。
「個別労使紛争を予防し解決できるルール」だと! なぜ労働組合が労使紛争を予防しなくてはならないのか。個別労使紛争に踏み切らざるをえない未組織労働者を支援し、労働組合へと組織するのが筋ではないのか。
このように、連合の考えは厚生労働省官僚と大差ない。連合内部から高木執行部に対するあらゆる幻想をぬぐい去り、労働契約法制絶対反対を貫こう。
労基法破壊の労働契約法制
厚生労働省も連合中央も、労働契約法制があたかも「労働基準法と労働組合法がカバーしていない部分についての法律」であるかのように押し出しているが、これはペテンだ。
今行われようとしていることは、労働者保護法としての労基法と労組法からなる労働法制とは別の法体系である労働契約法制をつくり、そこに労基法と労組法がカバーしてきた部分を移し替え、戦後労働法制を解体しようということだ。
この間の厚生労働省の文書では03年の改悪で導入された労基法第18条の2「解雇権濫用(らんよう)禁止」を労基法から労働契約法に移す案がすでに出されている。
戦後これまでの解雇事件についての労働委員会審理や労働裁判では、労働基準法に「(労働者と資本家は労働条件の)向上を図るように努めなければならない」(第1条)とあるので、資本家の側に「やむをえず解雇せざるをえない理由」を証明する責任があった。逆に資本家が「証明不十分」であれば「解雇無効」となり、争議期間の賃金が労働者に支払われ、原職に復帰できた。
しかし、今狙われている労働契約法の場合は、労働者の側が「解雇してはいけない理由」を証明する責任を負わされ、「証明不十分」であれば「解雇有効」となる。これではこれまでの労働委員会や労働裁判の判例はすべて無意味化されてしまうだろう。
さらに今検討されている労働契約法では、資本家に金銭解雇の権利を与えることで、事実上「金さえ出せば無制限に労働者を解雇できる」法律になろうとしている。
このように、解雇問題一つとってみても、労働契約法が労働者の権利を破壊するものであることは間違いない。
だからわれわれは、連合・高木執行部の「今の労基法・労組法では不十分。だから労働契約法制が必要」というペテンに対して、「労基法・労組法の改悪を許すな。労働法制解体につながる労働契約法には絶対反対!」という立場を貫くことが必要なのだ。
職場の団結に依拠し反撃を
労働法制改悪攻撃は、その始まりから国鉄分割・民営化攻撃と一連の流れになっている。(前号3面参照)
労働法制の改悪に先立ち労働者階級との力関係を転換するような激しい労働組合破壊攻撃があり、そのもとで政府・資本による労働者の権利破壊が進行してきた。まさに労基法に明記された労働者の権利は「絵に描いたもち」状態になってきたのだ。
ところが政府は、資本に労働法制を守らせるのではなく、逆に「現実に法律を合わせろ」という資本の要求を受け入れて労働法制を次々に改悪してきた。
だからこそ反撃の核心は国鉄1047名闘争であり、動労千葉のように闘うことである。労働契約法制を許さないためにも、労働者は動労千葉のように職場の団結に依拠して資本に要求を通すという労働運動の原点に立ち返って反撃していくことが死活的に必要なのだ。
1995年の日経連プロジェクト報告から11年たった今、不安定雇用と強労働に苦しむ青年労働者が動労千葉の労働学校で学び、さらには労組結成へと活性化していることは、そのことを先行的に示している。
すべての闘う労働者は自らを動労千葉労働運動派、国鉄1047名闘争派として押し出し、労働契約法制絶対反対の闘いを新たな団結を形成する水路として徹底的に闘おう。
(司馬達朗)
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週刊『前進』(2275号3面3)(2006/12/18)
防衛庁の「省」昇格法案反対!
侵略派兵と「軍部」の台頭
防衛庁の「省」昇格関連法案が11月30日、衆院安全保障委員会で自民・民主・公明などの賛成で可決され、同日衆院本会議を通過した。衆院安保委での審議時間は、わずか14時間余りだ。12月6日には参院本会議で趣旨説明と質疑が行われ、参院外交防衛委員会での審議に入っている。安倍政権は同法案を11日からの週にも参院本会議で可決・成立させようとしている。
これは単に“看板のつけかえ”どころの話ではない。“戦後的あり方”からの原理的転換、戦争国家に向かう全面攻撃の始まりだ。極右・国家主義の安倍政権のもと、ついに日帝・軍部が表舞台に登場しようとしている。
同法案は、防衛庁を「省」に格上げする防衛庁設置法改悪案、海外派兵を自衛隊の「本来任務」と規定する自衛隊法改悪案がセットになっている。法案が成立すれば防衛庁が「防衛省」に、防衛庁長官は「防衛大臣」になり、主務大臣として予算要求し、法案を閣議に直接かける権限を持つことになる。政府は同法案を今国会で成立させ、来年1月から防衛省を発足させようとしている。
海外派兵の本来任務化は、海外派兵「恒久法」の制定と侵略戦争に直結している。
安倍政権は、軍事・外交政策の当面する優先課題として、日本版NSC(国家安全保障会議)の創設、海外派兵「恒久法」制定、集団的自衛権の解禁を据えている。「恒久法」については、すでに自民党防衛政策検討小委員会(石破茂委員長)で、来年の通常国会への法案提出を狙って検討が進められている。安倍は、自衛隊と米軍の融合・一体化、沖縄・神奈川―日本全土の基地化を進め、集団的自衛権を解除し、改憲に先がけてどんどん実際の戦争に踏み込もうとしている。
独自の予算要求権確保の問題も小さくない。国内兵器メーカーの幹部は、「省になると立場が上がり、予算獲得力は確実に上がる。大いに歓迎」と言っている。軍需産業の肥大化、武器輸出の全面解禁へ向かう動きが一層加速する。また、これまで「専守防衛」といによって抑制されてきた空母や長距離爆撃機など、装備や軍隊の規模、部隊編成の側面からも侵略軍隊化が狙われている。
こうした中で許しがたいのは民主党だ。民主党は法案に賛成するばかりか、「本来任務化に伴う人員、装備の充実が求められている」(前田雄吉、11月28日衆院安全保障委員会)、「集団的自衛権をめぐる解釈見直しはぜひやるべき」「日本が西太平洋でアメリカ軍と一緒に活動していくことも展望し、アメリカ向けミサイルへの迎撃体制を整備していく議論を」(長島昭久、同30日)などと、侵略軍隊化と集団的自衛権解禁をめぐって、久間防衛庁長官や安倍を右から突き上げているのだ。
「防衛省」法案は、改憲や教育基本法改悪・共謀罪新設、労働組合絶滅の攻撃と表裏をなしており、安倍政権が本気で北朝鮮侵略戦争をやろうとしていることを鋭く示している。教基法改悪阻止の闘いと結合し、絶対に成立を阻もう。
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週刊『前進』(2275号3面4)(2006/12/18)
「労働ビッグバン」論議本格化
非正規雇用の拡大を狙う
10月13日、安倍内閣になって最初の経済財政諮問会議で新たに会議のメンバーになった八代尚宏・国際基督教大学教授が言い出した「労働ビッグバン」。その具体的な内容が明らかになってきた。
11月30日の会議で八代や御手洗・日本経団連会長ら民間議員4人が、「複線型でフェアな働き方に−労働ビッグバンと再チャレンジ支援」と題する文書を提出し、安倍も検討を確約した。
そこでは、「関連制度を包括的・抜本的に見直す『労働ビッグバン』が不可欠」などと主張、その上で「労使自治に基づく多様な雇用契約で雇用機会の拡大、仕事と育児の両立、時間に縛られない働き方」とある。つまり、@終身雇用制解体=不安定雇用化を労働組合を屈服させることでさらに全面的に拡大せよ、A8時間労働制を最後的に解体し労働時間規制を全面的に取り払えということだ。
決定的なのは、「過去の社会環境を前提とした現行の労働法制のあり方は適切か」と言っていることだ。現在の労働法制は過去の社会環境を前提としたものでナンセンスだ、小手先の改悪ではなくて抜本的に解体しろという主張だ。まさに労働者階級を工場法以前の状態にたたき込めというのだ。
そして具体的課題として、派遣法の派遣期間の最長3年以内の制限や、それ以降の直接雇用の申し込み義務などの規制を撤廃しろと主張している。
これはキヤノンでの偽装請負を批判された御手洗が、“法制に無理がある。見直しを”と主張した内容そのものである。実際、八代は朝日新聞のインタビューに対して、「派遣を含めた非正社員は1600万人おり、全員を正社員化できるはずがない。非正社員なりに雇用を安定させる」「非現実的な規制をなくすなど、派遣法を抜本改正」するなどと語っている。
こんなことを認めたら不安定雇用で働く青年労働者は結婚することも、子どもを産むこともできず一生不安定雇用のまま生活しなければならない。正規雇用への道は閉ざされ、派遣労働、非正規雇用が固定化され、永久化される。
このように「労働ビッグバン」が意味するものは重大である。それは、現在厚労省が来年の通常国会への提出を狙っている、労基法改悪による「日本版エグゼンプション(労働時間規制撤廃)」の導入や労働契約法制の制定と一体の攻撃だ。まさに、労働者階級が戦後革命の中でかちとった戦後労働法制を全面解体し、労働者階級への階級支配の一大転換を行う以外に日帝が生きていけないことを物語っている。それは、教基法改悪を突破口に4大産別の労働組合運動を解体し、改憲と戦争国家化に突き進む日帝・安倍政権の階級的死活をかけた大攻撃なのだ。
労働法制全面解体の攻撃に対して、合同労組全国交流会の厚労省交渉への決起や、12・5労働法制改悪反対集会への1500人の決起として確実に反撃は始まっている。来年通常国会への労働法制改悪案の国会提出を阻止しよう。日帝の労働法制解体攻撃を彼らの墓穴に転化しよう。
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週刊『前進』(2275号4面1)(2006/12/18)
共謀罪を永久に葬り去ろう
労働者の団結の破壊が狙い
労働運動再生を恐れる安倍
教育基本法改悪阻止、共謀罪廃案の闘いは国会最終盤、ぎりぎりの攻防局面に突入した。共謀罪闘争は教基法闘争とジョイント(結合)して労働者階級の闘いの正面課題に押し上げられてきた。10度目の国会に継続された共謀罪法案の審議入りは、政府・与党が教基法改悪案審議のストップを恐れたため、3週間にわたる衆院法務委員会の空転によって阻止されている。教育基本法改悪阻止・共謀罪廃案の大運動をさらに強化し、「現代の治安維持法」=共謀罪を永久に廃案にしよう! この闘いに勝ち、安倍政権を打倒し、改憲を阻止しよう。
(写真 審議入り阻止へ終日の国会行動を闘い、この日の衆院法務委員会は流会に【12月5日 国会前】) 団結・スト禁止法が起源
共謀罪新設の狙いは、労働者の団結、労働組合運動の絶滅にある。
このことを共謀罪の起源から見てみよう。1783年、イギリスの裁判所は、労働者の賃金要求に対して「どれだけ対価を受けて働くかは各人の自由であるが、特定の賃金以下で働かないこと(ストライキ)を申し合わせる(話し合う)のは共同謀議である」と有罪判決を下した。賃上げという具体的要求は正当なものとして認めるが、労働者が団結して要求する行為は認めない、としたのだ。労働者が複数で互いに団結して工場主や資本家に立ち向かっていたこと、その団結の力を資本と国家が何よりも恐れたことを示している。
イギリスでは1799年、1800年に労働者に対する団結禁止法が制定された。フランス革命の影響で急進化するイギリス労働運動に対して労働者の団結やストライキを違法とした。この団結禁止法に法理を与えたのが共謀罪(コンスピラシー)だった。
しかし、労働者の闘いは1824年にその団結禁止法を撤廃させる。 「1818年には、スコットランドの炭鉱労働者の組合は、ゼネラル・ストライキを遂行できるほど強力であった。……1824年に自由な結社の権利を得たときには、これらの組合はたちまちのうちに全イギリスに広がり、強力となった。……これらの組合の目的は……賃金を確定すること、集団をつくり、力として雇い主と交渉すること……賃金を上げること、一つの職業における賃金は、すべてどこでも同じ高さに保つことなどであった」(エンゲルス『イギリスにおける労働者階級の状態』)
イギリスの労働者階級が当時「共謀」と呼ばれ罪とされた団結(権)を飢餓と貧困、奴隷状態の中でいかにかちとったかは、今日、職場闘争を基礎にして労働者の団結をよみがえらせようとする私たちの闘いにとって教訓的だ。
昔から資本家階級の言う「共謀」と労働者の団結はイコールだ。
日本においても、労働者、労働組合は治安維持法や破壊活動防止法の制定に反対して先頭で闘った。治安維持法は、明治憲法下でさえ一度は廃案になり、名前を変えて登場した。破防法は、国会への法案提出までに23回名前を変えざるを得ず、閣議決定されるや否や労闘スト(炭労など民間の労働組合を中心に3波のスト、のべ270万人が参加)に迎え撃たれた。
共謀罪を組織犯罪対策法の一部改悪という形でこっそり持ち込み、619もの罪種に適用するやり方は、敵の弱さの現れであるが、労働者の団結権を侵害し、労働組合を圧殺、思想・信条の自由を破壊する断じて許し難い攻撃だ。
労働組合に適用される
国家権力・資本と闘ってきた連帯労組関西地区生コン支部、港合同、動労千葉、全金本山などの労働組合、宗教者、刑法学者、弁護士は、この共謀罪の本質と凶暴性を見抜き、共謀罪反対運動の先頭に立ってきた。
現在、憲法破壊そのものである教育基本法改悪は、その第10条の解体を核心に日教組絶滅攻撃として仕掛けられている。同様に共謀罪新設も労働者の団結権の侵害として仕掛けられている。
1980年に「戦後政治の総決算」を掲げて登場した中曽根政権は、戦争国家化・改憲の突破口として国鉄分割・民営化、国鉄労働運動壊滅の攻撃に打って出た。これは、日本の労働者階級への重大な団結権侵害の攻撃そのものだった。
動労千葉は唯一ストライキに決起し、団結して組合を守り抜いた。そして今日、その団結した力で団結権を死守し、階級的労働運動を守り抜いている。それは、1047名闘争を牽引(けんいん)し、今や韓国の民主労総やアメリカのILWU(国際港湾倉庫労組)などとの国境を越えた団結をつくり出し、国際階級闘争を牽引している。
また国鉄分割・民営化攻撃の過程で(80〜83年)関生支部にも刑事弾圧が吹き荒れた。▼争議解決の際の解決金取得を「恐喝」▼社長の退陣を要求したら「強要」▼現役右翼が社長になったことを暴露宣伝活動したら「名誉棄損」――とされるなど、当たり前の労働組合活動に弾圧が襲いかかった。関生支部は、これらの弾圧を組合員の団結とその強化で打ち破ってきた。
現在、国家権力は、戦闘的労働運動の破壊と団結権の破壊を狙って、これまで事件化できなかった資本との攻防、組合内部の攻防に次々と介入し、刑事事件化している。それが国労5・27臨大闘争弾圧であり、4度にわたる関生支部弾圧(11月17日、武建一委員長を保釈・奪還)、港合同弾圧、部落解放同盟全国連寝屋川支部弾圧である。
共謀罪法案には目的規定がまったくない。ここに治安維持法以上の恐ろしさがある。いくらでも拡大適用される。「目配せ」でも共謀罪が成り立つという。労働運動弾圧に使われている恐喝、強要、名誉棄損、威力業務妨害などはそのまま、組合の会議や闘争委員会で話しただけで共謀罪となって襲いかかる。
政府答弁は「正当な目的を掲げて活動している政党・労働組合・市民団体には(共謀罪は)適用しない」と言うが、「正当」かどうかを判断するのは警察だ。労働組合運動には刑事罰を科さないとして団結権を保障する憲法体系を破壊して、警察がいっそう労働組合弾圧の前面に出てくるということだ。
共謀罪法案は「話し合う」段階で処罰するものであるから、密告者(スパイ)を作り出すことを明記している。共謀罪新設で警察の捜査手法が全面的に変貌(へんぼう)し、盗聴や監視が強化され、デッチあげが横行するのは、火を見るより明らかだ。戦前の特高警察の復活に道を開くものだ。資本家と警察は、のどから手が出るほど究極の弾圧法規を欲しているのだ。
また共謀罪新設は、労働法制の改悪、労働組合をなきものとする労働契約法制定の攻撃とも一体だ。共謀罪は、労働者の団結、労働組合を絶滅し、そのことをもって思想・表現の自由を破壊し、社会全体を暗黒に引きずり込むものだ。
共謀罪反対運動に決起し、国会闘争に立ち上がっている人びとは、原則的に国家権力・資本と闘ってきた労働組合に信頼を置き始めている。確信を持って闘おう。
うそが暴かれ政府窮地
安倍政権は、ただひたすら共謀罪の強行成立を狙っている。
だが、この間「国際的組織犯罪防止条約を批准するために必要だ」という共謀罪の立法理由は、政府のうそであることが白日のもとにさらされた。この条約の批准のために共謀罪を成立させたのはノルウェーなど2カ国だけだ。批准を促したアメリカでさえ、共謀罪は非常に限定的にしか作られておらず、その旨、留保して条約を批准している。日本政府は共謀罪を作らなくても条約を批准できることを隠し、共謀罪制定を図ってきた。要するに、すべて虚偽でのりきってきたのだ。
最後に、「共謀罪はテロ対策のために必要」(10月13日参院予算委員会)という安倍の発言を徹底的に弾劾する。
帝国主義者が言う「テロ」とは何か。9・11反米ゲリラに示されるように、帝国主義の侵略戦争、民族抑圧、植民地主義支配に対する被抑圧民族人民の民族解放の闘いであり、それと連帯して帝国主義打倒をめざす労働者階級人民の国境を越えた自己解放の闘いだ。帝国主義者の「テロ」という用語は、被抑圧階級の闘いを分断し、圧殺するために使われている。
共謀罪の新設は、帝国主義とその階級支配が危機に陥っていることの証拠にほかならない。
200年以上も昔の資本主義の状態に戻せと言うのか。圧倒的多数の労働者を非正規職とし、若者から職を奪い、外国人労働者を時給300円で搾取し延命を図る資本家階級。社会保障制度を解体し、高齢者、「障害者」から生きる権利を奪い、教育を戦争の道具とし、労働者を戦争に駆り立てる安倍政権。帝国主義者は、資本主義の墓掘り人たる労働者階級の国際的な登場に心底恐怖している。労働者は必ず勝利する。
職場から国会へ駆けつけよう。最後まで闘おう。教基法改悪案、国民投票法案とともに共謀罪法案を永久に葬ろう!
〔吉田まゆ〕
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週刊『前進』(2275号4面2)(2006/12/18)
共謀罪廃案へ “共謀の日V”行動
12月3日、共謀罪新設反対・国際共同署名運動の呼びかけで「1億2千万共謀の日V」が各地で取り組まれた。銀座のマリオン前では、労働者、市民、ジャーナリストがリレートークで「組合などで話合っただけで罪になるのが共謀罪。安倍首相は『テロ対策のため』とのうそが暴かれ、審議抜きのままの強行採決を狙っている」と警鐘乱打。リーフレットを付けた風船は子どもたちに大人気だ。共謀罪反対を訴えるサンタクロースも登場。歌とギター、横断幕のパフォーマンスで銀座中央通りにも登場した。
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週刊『前進』(2275号4面3)(2006/12/18)
阻止共闘が学習会
体罰で人格を破壊
刑法改悪 保安処分新設阻止へ
「処遇困難者専門病棟」新設阻止共闘会議が12月2日、「いよいよ動き出すか? 刑法改悪・保安処分」と題して学習会をもった。「精神病者」を「再犯予測」で閉じ込める医療観察法に反対し、「性犯罪・薬物犯罪」を名目にして保安処分拡大をめざす法務省の刑法改悪案作りを批判した。講師に山下幸夫弁護士、中島直精神科医を招き、40人で開催された。司会は「病者」が務めた。
まず冒頭、事務局の「病者」がこの間の状況を報告。「医療観察法は旧国立系精神科病院で反対の声に包まれているが、東京・松沢病院、大阪・旧中宮病院など自治体病院へその建設計画が拡大している」「医師・看護師数などの劣悪な病院体制を背景に強制医療・隔離治療として始まった精神医療を、『病者』や医療労働者の長年の闘いで一定跳ね返してきた。しかし、再び医療観察法施行を機に電気ショックや体罰を伴う人体実験的な精神療法が公然と推進されている」「法務省の準備する本格的保安処分は、過去に提案された保安処分の一種の『禁絶処分』にも似て『障害者』や『社会に役立たないと見なした者』への断種や去勢を公然と復活させ、差別を拡大する。また実行行為への責任ではなく、予防処分を前面に出した刑法全面改悪への道だ」と指弾し、全力で反対することを訴えた。
(写真 欧米の先例を日本に持ち込むやり方に驚きや怒りが噴出した【12月2日】 東京・芝)
「性犯罪・薬物対策」切り口に
講演に入り、山下弁護士が現在法制審で「刑事施設収容人員適正化(現状は110%の過剰収容)」の名のもとに審議されている様々な対応の中で「再犯予防のための刑期終了後の強制治療プログラム実施や、自立更生保護センター(仮称)への強制施設収容は、いずれも二重罰を課す保安処分新設であり、反対だ」と提起した。さらに「今回は『性犯罪者・薬物犯罪者』を対象にし、そのことで強制治療・隔離も仕方がないといった世論を誘導している。これを許せば『反体制思想も病気、強制治療が必要』と攻撃はさらに拡大する。きちっと反論すべきである」と、保安処分導入攻撃との対決を訴えた。
次に中島精神科医が登壇。医療観察法については「指定入院機関(保安処分施設)の側から退院請求があっても、裁判所が認めず収容が長期化している」「退院者も何人かいるが、それは最初から『治療効果がある』と鑑定で見込んだ人だけ。医療観察法のおかげで退院が早まったわけではない(実際には精神保健福祉法による他の強制入院に移行しただけ)」と賛成論を批判した。
さらに、日本でも今年5月から「性犯罪者」と見なした一部の受刑者や保護観察中の者に本人同意で導入が義務化された「性犯罪者処遇プログラム」の概要が報告された。このプログラムは、刑法改悪案では「受刑中も強制」「刑期終了後も強制」として拡大適用されようとしている。
中島氏は「強制には反対だが本人が希望すれば現状では認めざるを得ない」という意見も強いと報告した。しかし、日本で始まるそのプログラムは、性機能を手術で奪う去勢や薬物による「化学的去勢」はまだ除かれているが、「認知行動療法」と呼ぶ「体罰を使うことを含める精神療法」がメインだ。例えば、何時間も体罰で脅しながら特定場面で人為的に性欲を起こさせ、人格を作り変えようというものだ。まさに調教という人体実験=人格の強制破壊そのものだ。
討論では「認知行動療法」への批判が噴出した。「映画『時計仕掛けのオレンジ』みたいな人格破壊治療は納得いかない」「性犯罪被害者への同情を理由にしてもこの治療はおかしい」「犯罪はもちろん問題だけど犯罪に至る経過こそ問題。少数者差別、いじめ、リストラ、自殺を生む社会こそ問題だ」「『知的障害者』の行動が『性犯罪者』に仕立てられやすくなるのではないか」「行為ではなく目的が性に関すれば『性犯罪』と適用されるように定義もあいまい」などなど。
早ければ来春の刑法改悪・保安処分新設法案提出もありうる。絶対に粉砕しよう!
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週刊『前進』(2275号4面4)(2006/12/18)
ゆうメイトのキャリアスタッフ登用
これは新たな身分制度
〈投稿〉非常勤郵政労働者 坂田陽一
10月から全国で12万人いる(8時間雇用に換算)ゆうメイトのうち、わずか1600人ほどを「キャリアスタッフ」として登用する制度が始まりました。郵政労働運動は長い間、本務化闘争(ゆうメイトの正規雇用化の取り組み)を闘ってきました。労働組合の中にも、このキャリアスタッフ制度を、本務化に道を開くものとして受けとめ、制度の存在を肯定する立場から拡充を求める声があります。果たしてこの制度は、ゆうメイトの雇用条件改善につながるのでしょうか。
制度の概要は、スキルレベルが「A習熟度あり」、基礎評価がすべて「できている」などの条件を満たすゆうメイトの中から指名方式で選考、3日間の研修を行ってキャリアスタッフとするものです。待遇面では、一時金(ボーナス)加算が2万円のみで時給も微増にすぎません。キャリアスタッフになれるゆうメイトの対象職種も限られています。そもそもスキル評価自体がA評価が付くようになっておらず、対象時間も「7時間以上。1カ月平均平均20日以上」の者に限られているのです。
12万人中わずか2千人足らずを「キャリアスタッフ」として差別的に登用すること自体が、ゆうメイトの条件改善どころか、職場の仲間としての気持ちをふみにじり、上下関係をつくり出して分断しようとするものです。公社は、制度創設の目的を「処遇の改善」「優秀なゆうメイトを確保する必要」などとしていますが、一部を差別的な「高」待遇とする一方で、雇い止めを視野に競争的な労働強化をはかっていくものにほかなりません。
キャリアスタッフ制度は、あたかも待遇改善であるかのように見せながら、実際は労働環境の改悪を狙った卑劣なものであり、長い間、ゆうメイトや労働組合が求めてきた本務化とはまったく異なることは明らかです。郵産労でもキャリアスタッフ制度拡大を求める本部に対して、「待遇差別」「ごまかしの制度」と現場から怒りの声が突きつけられています。
私の局でもキャリアスタッフが指名されましたが、早くも「仕事がやりづらくなった」「キャリアスタッフになれない自分はこき使われなければならないのか」「いつになってもスキル評価はAランクにならない」「仕事が続けられるのか不安」という声が上がっています。
社会的にも非正規雇用が大きな問題となる中で、公社がなすべきことは希望するゆうメイトに本務者登用への門戸を全面的に開くことであり、キャリアスタッフなる新たな「身分制度」創設ではありません。これは、評価賃金制度導入(2004年)に続く新たなゆうメイト差別施策、労働条件改悪そのものです。
ゆうメイトのみなさん、私たち非常勤職員は賃金においても、雇用制度においても、職場実態においても弱い立場に立たされています。職場に不満があるのに言えない、仕事や雇用のことがよく分からない……。そんな時、労働組合には仲間がいます。労働組合は、法律によっても保障された、労働者のための、労働者による組織であり、働く仲間が団結して当局を相手に労働条件を守り、その改善をかちとっていく組織です。ゆうメイトでも加入することができるのです。私たち労働者は、立場は弱いですが、数の力があります。同じ職場で働く仲間と団結し、生活と権利を守る闘いに一緒に立ち上がりましょう。
(写真 局内での区分作業を行うゆうメイトの労働者。ゆうメイトは全国で12万人)
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週刊『前進』(2275号4面5)(2006/12/18)
11月28日〜12月5日
辺野古V字案で日米が合意
ライス「イラク政策に誤り」
●イラク駐留、1年延長 国連安保理は、米軍などの多国籍軍によるイラク国内の駐留期限を07年末まで1年間延長する決議案を全会一致で採択した。米国や英国、日本など5カ国が提案した。(28日)
●防衛「省」法案が衆院通過 防衛庁の省昇格法案と、自衛隊の海外活動を「本来任務」に格上げする自衛隊法改正案が衆院本会議で自民、公明、民主党などの賛成多数で可決された。民主党はシビリアンコントロールの徹底などを盛り込んだ付帯決議の採択を条件に賛成に回った。(30日)
●PAC3運用部隊が発足 米陸軍パトリオットミサイル(PAC3)の沖縄配備に伴い、同ミサイルを運用する米陸軍部隊の沖縄での発足式が嘉手納基地内で行われた。年内には一部の運用が開始されるとみられる。(30日)
●残留孤児、国に賠償命令 敗戦後、中国東北部からの速やかな帰国措置や永住後の自立支援義務を怠ったとして、兵庫県内に住む残留日本人孤児65人が国家賠償を求めた訴訟の判決で神戸地裁の橋詰裁判長は、原告の請求を認め、61人に総額4億6860万円を支払うよう国に命じた。中国残留日本人孤児をめぐる国賠訴訟で、国に賠償を認めた判決は初めて。(12月1日)
●ライス「政策に誤り」 ライス米国務長官は、米国のイラク政策に「誤り」があったと認めた。訪問先のヨルダンで中東の衛星テレビ「アルアラビーヤ」のインタビューに答えた。具体的な「誤り」には言及せず、「大学に戻った後で過去を見直し、本にしたい」などと述べた。(1日)
●イタリア軍、撤退を完了 イタリア軍は、イラクに駐留する同軍部隊の撤退を完了した。ナシリアに最後の44人が残っていた。イタリアは03年6月から派兵を開始し、最大時約3000人が駐留。これまでに兵士32人が死亡した。(1日)
●米、核実験なしで開発可能 核政策に関する米政府の意思決定機関「核兵器評議会(NWC)」は、次世代の新型核弾頭「信頼性のある代替核弾頭(RRW)」について、核実験を行わなくても開発可能で、米国の核戦略を長期間維持できるとの結論をまとめた。有事に大量生産が可能でコスト効率が高いのが特徴。(1日)
●SACO報告から10年 在沖米軍基地11施設(約5500f)の返還を明示した日米特別行動委員会(SACO)最終報告から満10年を迎えた。安波訓練場やキャンプ桑江の北側部分などが返還されたが、SACO合意の柱となった普天間飛行場の危険性は放置されたまま。(2日)
●普天間移設、「V字」ルートで合意 日米の外務・防衛当局者による審議官級協議が都内で行われ、在日米軍再編の焦点である沖縄県宜野湾市の普天間飛行場の名護市辺野古崎への移設に関するV字形滑走路の建設計画に合意した。日本側は緊急時の双方向着陸は容認しており、米軍機が集落上空を通過する可能性は残された。(4日)
●アナン「イラクは内戦状態」 国連のアナン事務総長は英BBCとのインタビューで、イラクを「内戦状態」と断言した。さらに「一般国民が、残忍な独裁者がいても、今よりもましだったと考えるのは理解できる」と述べた。(4日)
●イラク空自、週4往復が定期便化 航空自衛隊がイラクで行っている空輸支援のルートと運行日程が明らかになった。C130輸送機が1週間に4回、クウェート−イラク間を往復、バグダッドへは週2回運行している。空自は約200人の隊員が輸送支援を続けている。輸送任務には国連関連の支援物資だけでなく、多国籍軍の兵士や物資の空輸も含まれている。(5日)
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週刊『前進』(2275号5面1)(2006/12/18)
合理化の最先兵=JR総連
平成採の青年労働者の決起で カクマル松崎打倒へ
安倍政権による改憲・戦争と4大産別労組解体攻撃に対し、国鉄決戦を土台に反撃に立つべき時が来た。国鉄分割・民営化体制=JR体制は、JR資本とJR総連カクマルとの結託体制の崩壊という形においても、全面破産を露呈した。JR総連・東労組の松崎派と嶋田派への分裂が一層泥沼化する中で、東労組カクマルは松崎体制護持のために、合理化攻撃の先兵へと一層純化しつつある。平成採の青年労働者を先頭に、JR総連打倒へ総決起しよう。
松崎擁護の組織に成り果てた東労組
JR総連第22回定期大会(6月4〜5日)は異様な雰囲気に包まれた。JR九州ユニオン(嶋田派)の離脱問題が焦点化しており、統制委員会の処分がJR九州ユニオンに宣告されることになっていた。大会での処分は先送りにされたが、九州ユニオン代議員への非難が会場を制圧した。
あいさつで小田委員長が「『心の塾』に参加したら松崎さんも来られて、話を聞いた。松崎さんは『自分は改革を進めるにあたって、失敗したら自ら命を絶つと決意して臨んだ』と言われた。感服した。この松崎さんとともに向こう1年皆さんとともに闘う」と述べれば、山下書記長(当時)も「松崎前顧問とともに今後も闘っていく」と決意表明している。
松崎が「命を絶つ決意で臨んだ」という「改革」(=国鉄分割・民営化)とは何だったのか。松崎は事あるごとに、「国鉄改革は鉄道の再生と雇用と生活の安定を求める新しい労働運動の創造であった」などと述べている。だが、20万人を解雇し、200人に及ぶ国鉄労働者を自殺に追い込み、国鉄労働運動の解体を権力・資本とともに強行して、今なお1047名の労働者を路頭にほうり出している元凶は松崎ではないか。松崎は、時の首相・中曽根の言う「国労つぶし→総評解体→社会党解体→改憲」の路線を忠実に実践した奴隷頭である。
それだけではない。民営化は安全の切り捨てに直結する。安全運行の維持に欠かせない検修職場は合理化攻撃にさらされ、超過密ダイヤのもとで連日、運行障害が発生している。JR東日本だけでも05年度の発生件数は1389件に達する。大事故がいつ起きてもおかしくない。
JR東日本会社の掲げる「ニューフロンティア」計画は、鉄道会社を列車運行もできない会社につくり変えることを意味するものだ。このどこに「鉄道の再生」があるのだ。松崎はこの「ニューフロンティア」計画の率先推進を宣言している。松崎の「新しい労働運動の創造」とは、資本の利潤追求に組合員を駆り立て強制するファシスト労働運動以外の何ものでもない。この松崎に「感服した」JR総連の役員も松崎と同罪だ。
採択された「大会宣言」は、「JR総連・東労組の人格的代表者である松崎前顧問への『業務上横領』デッチ上げは政治弾圧であり、『国策捜査』として強行されている。私たちは『反弾圧・総団結』方針のもと、松崎前顧問とともにこの攻撃を打ち砕き、前進する」と述べている。松崎逮捕のXデーに震え上がり、松崎延命を祈願するおぞましい限りのものである。すでにJR総連・東労組は、組合員とは無縁な松崎擁護のための組織に成り果てたのだ。
松崎・嶋田の分裂が新たな段階に突入
松崎派と嶋田派の分裂も決定的段階に入っている。
JR東労組第22回定期大会(6月11〜13日)は、松崎派、嶋田派の激突の場となった。
嶋田派は大会を前に、「JR東労組を良くする会」を結成して攻勢に出た。大会当日、「良くする会」は1900筆の署名簿を添え、制裁中止の「要請書」を本部執行部に提出した。松崎横領問題を徹底的に突く戦術であった。そこには「会計、議事録、その他組合に関するすべての書類」の閲覧要求が明記してあった。「要請書」提出の際に、「今後、情報公開法に基づき、外部監査請求を行う」と本部を恫喝した。ここから財務関係資料の閲覧要請へと戦術をエスカレートさせていく。そして10月には情報公開請求訴訟を起こした。嶋田は『週刊現代』のインタビューで、「悪いことをしたのなら、(松崎が)捕まるのはしかたがない」と吐き捨てている。
大会は冒頭から波乱含みの展開を示したが、長野地本(嶋田派)5人の処分は決定された。これにより東労組本部による嶋田派への粛清的処分は、04年千葉地本、05年横浜地本、06年2月の本部役員辞任8人、そして今回の長野地本となり、徹底して行われている。さらに「要請書」に署名したとして新潟地本5人(全員)、長野地本1人の役員の「専従解除」を決定した。JR総連・東労組の組織分裂は時間の問題となった。東労組本部は嶋田派の「良くする会」を「分派活動」と規定し、明確に解体・打倒の対象としている。
そうした中で7月7日、JR九州ユニオンは第8回定期大会を開催し、JR総連脱退を決定した。分裂は新たな段階に入ったのだ。
「告訴」路線で対抗する嶋田派
本部松崎派の執行権力を使ったつぶし攻撃に対して、嶋田派は権力への「告訴」路線で対抗した。3年半前の「集団暴行事件」を理由に、9月6日、長野地本組合員が松崎派組合員22人を傷害容疑で佐久署に告訴した(10月6日に受理)。そこには、白色暴力支配が日常的に行われているファシスト労働組合の実態が示されている。
一方、「告訴」路線に走る嶋田派の対応は、組合活動に対する権力の介入に道を開くものだ。松崎派、嶋田派ともに、権力と労働者階級の非和解的関係についての感覚すら失っているのだ。このような両派の分裂は、JR総連・東労組が労働組合とは別物の反革命組織に成り果てたことを示している。
合理化攻撃丸のみで松崎の助命嘆願
国鉄分割・民営化の矛盾は、何よりも「安全の崩壊」として現出した。そして今度は「要員問題」となって噴き出そうとしている。
JR東日本は、駅務の全面外注化を07年4月から始めようとしている。この攻撃は、「ニューフロンティア2008における今後の駅のあり方」と「ライフサイクルの深度化について」の二つの攻撃を同時に強行しようとするものだ。
JR東労組はこれを率先推進している。「横領問題」での逮捕の恫喝と『週刊現代』連載問題で窮地に立つ松崎は、JR東日本の清野体制にすり寄り、資本の後ろ盾を得てこれをかわそうとしているのだ。そのためにあらゆる合理化攻撃を丸のみしている。松崎は、労働者の生首を資本に差し出し、見返りに助命を嘆願しているのだ。
「今後の駅のあり方」で単独妥結
05年12月2日、JR東日本は「ニューフロンティア2008における今後の駅のあり方」を提示した。実施日は07年4月1日とされている。これは、駅業務体制の抜本的な変更と業務委託のさらなる拡大を推し進める大合理化案である。特に首都圏5支社(大宮・八王子・横浜・東京・千葉)の大・中・小規模360駅が合理化の対象となる。大・中規模駅には「契約社員」を大幅に配置し、小規模駅は全面外注化するというもので、来年4月時点で約1000人もの駅要員の合理化・削減を強行しようとしている。国労組合員が多数を占める職場を標的に、国鉄労働運動の徹底破壊を狙った攻撃だ。
この提案に対してJR東労組は早々と交渉に入り、率先協力の立場を鮮明にした。06年4月には東労組営業部会・管理部会が「営業職場大集会」を開き、会社提案に沿った内容で意思一致を行った。5月には「今後の駅のあり方に関する申し入れ」なる「合意文書」を会社に提示し、8月11日、JR東労組本部は単独で妥結した。
これに先立つ8月7日、JR東日本と東労組本部は「エリア異動等の実施に関する覚書」を締結した。首都圏の要員不足に対して、わずかな「賃金の特別措置」(インセンティブ)と引き換えに、地方の労働者を首都圏に強制異動させるというものだ。合意に当たって東労組は、「首都圏と地方の要員需給調整のための重要な施策」と言い放っている。
「ライフサイクル深度化」妥結へ
06年10月5日、JR東日本は運転士を対象とした「ライフサイクルの深度化について」なる提示を行った。これは東京・横浜・八王子・大宮・高崎・水戸・千葉の首都圏7支社の運転士職の労働者全員を40歳までに駅に異動させ、駅での5年間勤務後、6〜8割を運転士に復帰させ、残りの2〜4割を駅に配属するというものだ。実施日を07年10月1日と通告するだけで、目的についての具体的説明は一切ない一方的なものだった。
直接の動機は駅の要員不足にある。だから、駅業務の全面外注化と併せて、運転職場から労働者を駅に強制的に配転するというのだ。
分割・民営化攻撃以来、労務政策の焦点は、資本の側で運転職場を支配することにあった。だから当時の動労カクマルと結託して強制配転や「血の入れ替え」、士職登用差別で動労千葉や国労の組合員を運転士から排除することに躍起になってきたのだ。
だが、JRは今や資本にとって分割・民営化の「負の遺産」であるカクマルとの結託体制の清算をも射程に入れ、運転職場を資本の直接支配下に組み込もうとしている。
この会社提案に対して東労組は「趣旨は理解できる」と対応した。それもそのはず、この合理化案を東労組は5年も前に提唱していたのだ。01年6月の定期大会で東労組は、「組織*労働生活ビジョン21」なるものを採択した。これは「ニューフロンティア21」(01年〜05年中期経営構想)に対応した労組の側からの合理化推進宣言だった。その中で「これまでの駅→車掌→運転士のライフスタイルのあり方を検討し、多様なニーズに応えられる体制を実現する」と明記している。
01年6月とは、JR資本が「完全民営化」を前に「第2の分割・民営化」とも言うべき大合理化攻撃にのりだそうとしていた時だ。他方、JR総連カクマルが、中央派カクマルとの分裂で窮地に陥っていた時でもある。松崎JR総連カクマルは、JR東日本の合理化攻撃の先兵へと純化することと引き換えに、「組織*労働生活ビジョン21」を策定したのだ。「07年問題」(=大量退職期)を見据えた、労使結託による裏取引であった。この事実を組合員に隠し、またしても松崎自身の延命を願い、組合員切り捨ての合理化攻撃を進めようとしている。
東労組は07年1月中に本部集約を取りまとめ、今年度中に妥結する構えでいる。
「運転士職に就いた40歳まで」の対象者とは、「平成採」の労働者である。この攻撃に対し、いたるところで「平成採」の怒りが爆発している。闘うJR労働者は、反合・運転保安闘争を貫徹し、階級的労働運動を実践する動労千葉のもとに結集しよう。階級的原則的な闘いでこれらの合理化攻撃を打ち破ろう。松崎JR総連解体の闘いにともに立ち上がろう。
〔矢剣 智〕
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合理化攻撃丸のみするJR東労組
01年6月 定期大会で「組織*労働生活ビジョン21」を宣言
05年12月 JR東日本「ニューフロンティア2008における今後の駅のあり方」提示
06年8月 「エリア異動等の実施に関する覚書」締結
8月 「今後の駅のあり方」単独妥結
10月 JR東日本「ライフサイクルの深度化について」提示
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07年4月 JR東日本、駅務の全面外注化を開始の方針
07年10月 「ライフサイクルの深度化」実施の方針
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週刊『前進』(2275号5面2)(2006/12/18)
韓国民主労総 非正規職悪法成立弾劾! 労働法改悪阻止!
8日間のゼネスト
実力で民衆総決起かちとる
11月30日午後2時すぎ、韓国国会本会議の開会直後、国会議長が非正規職関連法案の職権上程を強行し、可決・成立した(施行は07年7月)。
民主労総15万ゼネストで29日の法制司法委員会での強行採決を断念せざるを得なかったノムヒョン政権は、議長職権発動に踏み切り、非正規職関連悪法を成立させ、韓米FTA(自由貿易協定)締結に向かって労使関係先進化ロードマップに沿った労働法制改悪へと突き進もうというのだ。
29日から全面ゼネストに突入していた民主労総は、ただちにゼネスト闘争指針4号を発し、非正規関連法案後にノムヒョン政権が狙うロードマップ−労働法制改悪を阻むことを宣言した。
翌12月1日午前4時、全国運送荷役労組貨物連帯組合員1万2000人が全面ストに突入、金属産業連盟を始め10万人に迫るゼネストとなった。
国会では午前9時から環境労働委員会でロードマップ立法化をめぐる審議が始まっていた。国会前を埋めた3000人の労働者は、「労働者の怒りを聞け!」「国会を粉砕しよう!」と国会へ進撃、行く手を阻む装甲車に鉄パイプと角材、竹ざおで激突し、怒りを爆発させた。
4日には全国から1万台のタクシーが国会前に集結、5日には13万人がゼネストを闘った。
そして、第3次民衆総決起闘争が予定された12月6日にはゼネストは15万人に拡大した。ノムヒョン政権は、11・29第2次総決起に続き、またも集会禁止方針で臨んだが、ソウル大学路では約1000人がソウル地域総決起決意大会を開いた。
イジェヨン民主労総ソウル本部首席副本部長は、「1500万労働者は座してやられるのか。この責任を腐り切った政権に問うために、われわれは総決起しなければならない」と檄(げき)を飛ばした。
そして午後4時、1万人の労働者、農民、学生、市民が第3次総決起大会をかちとった。集会後、市内各所で大通りを埋めて「非正規法は無効だ!」「韓米FTA交渉を中断せよ!」「ノムヒョン政権を審判しよう!」と叫びながらデモ行進を展開した。この日、不当にも連行された21人の釈放を要求、闘いは深夜まで続いた。
さらに7〜8日には国会前に2000人が結集、ロードマップ阻止の闘いが徹夜で続いている。
(室田順子)
(写真 ノムヒョン政権の集会禁止を打ち破って1万人余りの労働者、農民、学生、市民がソウル大学路に集結、第3次民衆総決起大会をかちとった【12月6日】)
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週刊『前進』(2275号5面3)(2006/12/18)
外国人労働者との連帯を
研修・実習制度で極限的に搾取・収奪強める日帝資本
「強制連行」し「奴隷労働」
「毎月の基本給は5万5000円。そのうち4万円は強制的に貯金させられ、生活費として支給されるのは1万5000円。残業手当は時給300円」「毎日、朝7時から、夜は10時すぎまで働かされます。休日は月に1度くらい」「工場の敷地内に建てられた寮は古い木造家屋。家の中にすきま風が入り込み、吐く息も白い。彼女たちは2段ベットで寝るときも、ダウンジャケットは身に付けたまま。あまりにも寒さが厳しい夜は、ペットボトルにお湯を満たし、それを抱えて眠るのだという」
これは、『週刊金曜日』06年2月3日号に掲載された「現代の女工哀史―中国人実習生 岐阜の縫製業界ぐるみで酷使」と題した安田浩一氏(ジャーナリスト)のルポである。9月4日付の朝日新聞も、トヨタの下請企業が外国人技能実習生のベトナム人約200人を法定最低賃金さえ支払わず働かせていた事実を暴露している。
今、日本の製造現場では「派遣・請負」の若年労働者と外国人労働者が支えているとさえ言われているように、日本人労働者へのすさまじい搾取と収奪の攻撃とともに、外国人労働者に対してはさらに過酷な現実が強制されている。
特に「外国人研修・技能実習制度」は、日帝・資本による外国人労働者の搾取・収奪制度となっている。時給300円、これでどうやって生きていけというのか!
その現実は本当に許しがたい。パスポートの取り上げ、研修生への違法な時間外労働・休日労働の強制とその手当の不払い、合意の形を取った実質的な強制預貯金(通帳・印鑑の管理)、技能実習生への賃金不払いなどは日常茶飯事だ。さらに生活面でのさまざまな制約も課せられている。「携帯電話の所持禁止」「夜9時以降の外出禁止・外泊禁止」「遠出の外出禁止」という誓約書を書かされたという例もある。さらに、研修生として来日する前に多額の「保証金」を支払わされ、もし研修途中で帰国した場合はその保証金を取り上げられる、という契約まで結ばされている。まさに奴隷労働そのものだ。
かつて日帝が朝鮮・中国・アジア人民に対して行った「強制連行」は、一切の自由を奪い強労働・強搾取で命さえ奪った。「外国人研修・技能実習制度」における外国人労働者の実態とはまさに「現代の強制連行」そのものであり、これが真の資本の姿だ。
(図 技能実習生の賃金は低下の一途をたどっている。97年度は13万円台が最も多かったが、04年度は10万円台が20.7%となり、12万円未満は全体の6割近くを占める)
資本主義=帝国主義の問題
外国人労働者問題とは資本主義=帝国主義問題そのものである。アジア各国から多くの外国人労働者が職を求めて日本に渡航している。それは、本質的には日帝のアジア各国への激しい経済侵略によって生活が破壊され、生きることができなくなっているからだ。
日帝の外国人労働者政策は、大量渡航する外国人労働者に対して、外登法・入管法=入管体制によって治安管理を強め、「法外就労」者を徹底的に退去強制=国外追放することを基本としてきた。その上で「外国人研修・技能実習制度」という枠組みを作り、外国人労働者を一定導入してきた。
「外国人研修制度」は89年の入管法改悪で「研修」という名目で在留資格(1年)が創設されて出発した。93年には、日本の労働力不足を補うために資本の側の要求で「技能実習制度」が導入された。研修後も期限付き(当初は1年、97年には2年に延長)で「労働者」として働き続けることを可能とした。研修である程度技能・技術を身につけさせ、その外国人を直接労働力として日本国内で「活用」する道を開いたのだ。こうして研修1年・技能実習2年、計3年の「研修・技能実習制度」が確立された。
「東アジア自由経済圏」攻撃
日帝の外国人労働者政策は、戦争と民営化の小泉=奥田路線の一環として推進されてきた。
日本経団連は、03年1月「奥田ビジョン」(活力と魅力溢れる日本をめざして)で、労働組合破壊と労働者への搾取・収奪強化とともに「東アジア自由経済圏構想」を打ち出し、これに基づいて04年4月に「外国人受け入れ問題に関する提言」を出した。
「東アジア自由経済圏構想」とは、かつての「大東亜共栄圏」のように日帝が朝鮮・中国・アジアへ侵略し、これを勢力圏化して、資本にとって都合のいいように労働者を受け入れあるいはたたき出すということだ。
日帝は、合理化・民営化攻撃で労組を破壊して労働者階級の権利を剥奪(はくだつ)した上で、日本人労働者の賃金を引き下げると同時に、外国人労働者を「奴隷労働」として受け入れて労働者階級を分断し、その全体から徹底的に搾取・収奪しようとしているのだ。
実際に外国人研修生は、85年1・4万人から04年7・5万人に増加した。中国出身者が一番多くなっている。その占める割合は04年には64・7%に達し、00年から04年までの外国人研修生の増加(2万1310人)のほとんど(98・0%)。
今年5月の入管法改悪は出入国する外国人からの指紋採取とともに、「構造改革特別区域法に規定されている在留資格に関する特例措置等を全国において実施するための規定の整備」を定めた。外国人研修生枠を拡大する攻撃だ。
在留カードで治安管理強化
外国人労働者問題については、政府部内にさまざまな研究組織が作られ「経済財政諮問会議」でも議論されてきた。それをまとめたものが、9月22日に発表された「今後の外国人の受け入れに関する基本的な考え方」(法務省)である。
この中で「外国人の受け入れ拡大は、外国人犯罪や不法滞在者への対策なしにはあり得ず、不法滞在者の大幅な縮減を通じて治安に対する国民の不安を払拭(ふっしょく)し、『世界一安全な国、日本』の復活を実現することが、大多数の善良な外国人を受け入れやすい環境を作るためにも不可欠である」と言っている。やろうとしているのは徹底的な治安管理である。政府は在日も含めたすべての外国人を対象とした「在留カード」新設攻撃を打ち出した。日帝にとってそれがどんなに矛盾的で危機的であったとしても治安管理以外ない。
日帝=資本が唯一共通の敵
正規職と非正規職、日本人労働者と外国人労働者という差別構造――こうした現実があたかも社会の「常識」であるかのような現状を根底から打ち破っていこう。
日本人労働者と在日・滞日人民の敵は一つ、日帝=資本なのである。資本の搾取・収奪、生存そのものを奪う攻撃に対して、外国人労働者は告発したり、労働基準監督署に座り込むなどの闘いを始めている。同じ労働者として、怒りを共有し、労働条件改善や賃上げ要求の職場闘争をともに闘っていくことこそ、排外主義・差別主義の洪水の中で、分断をのりこえ階級的に連帯していく道である。
韓国の民主労総は「非正規職撤廃」を掲げて闘っている。この闘いから学ぼう。
すでにいくつかの地域で外国人労働者の支援・連帯の取り組みが地域合同労組として開始されている。この苦闘や教訓を学び全体化して、4大産別を先頭に中小民間での闘いを全力で推進しよう。
こうした闘いを強化・発展させ、日本人労働者と在日・滞日人民の階級的団結を強化し、「一つの軍勢」として、日帝・安倍政権打倒、朝鮮侵略戦争絶阻止へ全力で闘おう。
(野田利一)
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週刊『前進』(2275号6面1)(2006/12/18)
マンガ『俺たちは鉄路に生きる』を読んで 関西・自治体労働者 N
現場の様子がリアルで、自分の労働組合の様子と重なるところがありました。それは組合員が激しくたくましく人間らしく生きている存在だということでした。
職場で闘う中で、当局に対する怒りと同時に「労働者としての誇り」「動労千葉組合員としての誇り」「仲間を大切にする誇り」がどんどん高くなっていく様が生き生きと伝わってきました。
一番印象に残った場面は、平野運転士の殉職事故がおきてしまったとき、組合員がみんな喪章をつけて当局交渉をおこなった時のことです。「平野をかえせ!」「責任を明確にしろ」と追及し、事故から約1週間後にようやく遮断機が設置されました。
また、中野委員長が千葉鉄局長に料亭に呼び出されたとき、屈するどころか「局長の仕事は分割・民営化をどう推進するかってことじゃないだろう! 大事故を起こさないために頭を痛める、それがあんたの最大の仕事じゃないのか!」というところも「そうそう! 私もそう言いたい!」と心で叫びました。
私たちの組合は毎月、労使による「労働安全衛生委員会」を開いています。会議というより結局、交渉と追及になりますが、今後は本当に体をはった闘いが必要だということです。「闘いなくして安全なし。安全なくして労働なし」がどんなに大切なことなのか、あらためて学びました。
最後に、余談ですが、結婚式を組合主導で、組合旗を掲げてすることに憧(あこが)れてしまいました。
次の発行を楽しみにしています!
またも法大で逮捕に怒りもって抗議電話 中国地方・郵政非常勤労働者 K
またもや法大で「3人逮捕」という許せない弾圧! 一体どこまで私たちの仲間を権力で圧殺すれば気が済むのか! 私は激しい怒りをもって、法大当局へ抗議の電話を行った。
電話に出た担当者は、今回の弾圧を正当化するようなことを言った挙句、最後には「何もやってないことで逮捕は……」という私の言葉に対し、何と「そんな”仮の話”をしたってしょうがないでしょ!」と逆ギレ気味に言う始末。
法大当局よ、何が「仮の話」なんだ! 「何もやっていない」、これこそがまぎれもない事実だ! 自らの非を認めて、今回弾圧された3人、いや、これまでに弾圧されたすべての学生(とその仲間)に謝れ!
「侵略戦争に協力する大学」をつくるために、なりふり構わず私たちの仲間を弾圧しようとも、絶対に屈しないぞ! 絶対に跳ね返してやるぞ!
排外主義による無法行為―倉敷市を追及 岡山 物理重久
朝鮮民主主義人民共和国の核実験などを口実に排外主義が高まる中、倉敷市は、在日朝鮮人の芸術団体「金剛山歌劇団」公演に予定されていた倉敷市民会館の会場使用許可を、極右の「抗議」を理由に取り消した。
倉敷市の行為は、ナチスによる「水晶の夜」、第2次大戦下の米国の日系移民迫害とまったく同じ無法行為だ。(当事者以外の)労働者がいま抗議しなければ、極右に市民権を与えてしまう!
百万人署名運動岡山県連絡会などの9団体は10月20日、倉敷市役所に行き、申し入れ書を手渡し、不当な取り消し処分の撤回を求めた。
公演を妨害する右翼の不当な「抗議」の方こそ糾弾されるべきであるにもかかわらず、それを口実に倉敷市が会場使用許可を取り消したことは絶対に許されない! 外国籍の住民も平等に地方公共団体の提供するサービスを享受する権利を有すると定めた、地方自治法第10条などの現行諸法規にさえも違反する無法行為であると糾弾。
ちなみに倉敷市は、極右団体に対し「(金剛山歌劇団の)後援をしない方針であります」との言質を与えている(多くの自治体も)。
10月24日、取り消し処分の執行停止を求める公演実行委員会側の訴えが岡山地裁に認められ、26日、倉敷公演は予定どおり行われた。
「北朝鮮」の核や拉致問題などを口実にした排外主義を無条件に撃退することが問われている。
11月14日、平良夫妻が星野文昭さんと面会 徳島 T
今年11月14日、徳島刑務所。渋谷闘争から35年目のこの日、沖縄・辺野古で座り込みを続ける平良修さん、悦美さんがご夫婦で、星野文昭さんの面会に来られました。暁子さんとご一緒に面会。
星野再審全国連絡会議の共同代表である平良修さんは「文昭さん、あなたは沖縄の子です。沖縄に来て、私たちと一緒に闘ってください。あなたが1日も早く出れるよう、私たちもいっそう力を入れます」とお話されたそうです。
友人面会は大きな展望を開いています。獄中の文昭さんにあなたも年賀状を書いてください。来年こそ、星野文昭さんを取り戻しましょう。
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週刊『前進』(2275号6面2)(2006/12/18)
11・29法大弾圧 無実の3学生釈放せよ
開示公判 不当勾留を徹底追及
12月7日、東京地裁で11・29法政大弾圧で不当逮捕された学生3人の勾留理由開示公判が行われた。「傷害」「建造物侵入」をデッチあげての政治弾圧に怒る法大生をはじめ、多くの学生・青年労働者がかけつけた。
公判では最初に、不当な勾留決定を下した栗原裁判官がその理由を明らかにした。だが、内容は空疎であり、「3人は退学・停学処分への抗議行動の目的で不法に侵入した」など、検察が作成したデッチあげの「一件記録」をなぞるだけ。検察の言うがままに勾留決定を出しましたと言っているようなものだ。
傍聴席から怒りのヤジが飛び交う中、一瀬敬一郎弁護士が栗原裁判官を鋭く追及していった。
(写真 処分撤回へ法大キャンパスで10・20集会) 裁判官に怒り10人が退廷に
だが栗原裁判官は「釈明しません」「釈明する必要はありません」を連発、さらには「いくら聞いても無駄」とまで言い放った。このふざけきった態度に傍聴者の怒りが爆発。栗原裁判官は次々と「退廷」を連発し、10人を超える傍聴者が暴力的に退廷させられた。
栗原がわずかに答えた内容も本当に最悪だ。まず「建造物侵入」については、検察の一件記録から「不法」と認定した、などと答えている。ふざけるな。大学キャンパスで学生がビラをまいたり、不当な退学・停学処分の撤回を訴えるのは、当然ではないか。一瀬弁護士は、これを「不法」と決めつける栗原裁判官を徹底弾劾した。
さらに3人の内1人は、入構した時刻も特定できず、警備員に警告・制止された事実もない。それなのに、「たまたま他の2人と一緒にいた」というだけで逮捕された。こんなことが許されていいのか。この点に関しても、栗原裁判官は「釈明拒否」だ。「建造物侵入」など完全なデッチあげだ!
さらに、もう一つのデッチあげである「傷害罪」については、「ケガ」をしたという大久保廣宣なる人物がどこの警備員なのか、いつどこで学生とぶつかったのか、「全治一週間」の根拠は何か、など事実認定に関わる基本的事柄に対して、栗原は「釈明する必要はない」と言って一切答えなかった。
「大久保はビデオ撮影していたが、その事実を調査しているか」との問いには、栗原は「ビデオを回していたのは間違いないが、(ぶつかっている)その最中かは分からない」などと、無内容に答えることしかできなかった。
不当逮捕された学生は、大久保に触れてもいない。大久保は、自作自演で転倒し「傷害」をデッチあげようとしたのだ。「全治一週間」も大ウソだ。大久保は、29日当日、法政大正門前で100人の公安警察官と意志一致を行い、デッチあげ逮捕の指揮をしていた。30日、12月1日もキャンパスに現れ、弾圧に抗議する法大生を違法撮影していた。「傷害」など真っ赤な大ウソだ。
一瀬弁護士は、まともに答えない栗原に対して「あなたは裁判官失格だ」「罷免されて当然」と激しく批判した。傍聴席からも「お前は権力の犬だ」というヤジがたたきつけられた。
11月29日以来、法政大キャンパスでは、警視庁公安一課と平林総長体制に対する怒りが爆発している。12月1日には、法大生100人が大久保を徹底追及する闘いに立ちあがった。100人の学生に取り囲まれた大久保は、何も言えずに正門から逃亡した。
12月8日、検察官の請求に基づき、裁判所が5日間(15日まで)の勾留延長を決定した。無実の3人への勾留延長など絶対に許されない。3人をただちに釈放せよ!
全国での不当捜索弾劾する
11・29法政大学での学生3人不当逮捕を口実に、警視庁公安部は12月4日に杉並・都政を革新する会への不当捜索を強行、さらに5日には前進社本社へ、7日には東北大学のサークルボックスや個人宅など、計5カ所への家宅捜索が行われた。徹底的に弾劾し、無実の3人をただちに釈放することを要求する。
そもそも11月29日の逮捕攻撃こそ、警視庁公安部による計画的なデッチあげ弾圧そのものなのだ。100人もの公安刑事があらかじめ待機する中、「法政大学警備員」と称する正体不明の男を使って不当逮捕のためのデッチあげが演じられた。体も触れることなく、自らころんで何が「傷害罪」だ! そして、この不当逮捕を口実にデタラメな家宅捜索に及んだのである。
今回の11・29デッチあげ弾圧は、戦争国家化の先取りそのものだ。米日帝の北朝鮮侵略戦争発動に向けて、法政大学学生運動をつぶすための攻撃なのだ。絶対に許すことはできない。
国会では教育基本法改悪をめぐってまさに正念場の闘いが繰り広げられ、全国から闘う教育労働者を先頭に労働者や学生、市民が続々と駆けつけている。この闘いの粘り強さ、闘いの広がりに恐怖した日帝・警視庁が仕掛けた弾圧こそ、11・29デッチあげ弾圧だ。
しかし、不当逮捕された3人は弾圧に怒りを燃やして完全黙秘で闘いぬいている。弾圧は絶対に打ち破ることができる。
警視庁公安部は一切の悪あがきをやめ、無実の3人を即時釈放せよ。
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週刊『前進』(2275号6面3)(2006/12/18)
11・25全国集会 星野文昭さんのアピール
獄中32年、再審無罪-釈放へ 新たな大きな一歩踏み出す
「星野文昭さんを取り戻そう/沖縄−星野11・25全国集会」(記事前号)に寄せられた星野文昭さんのアピールを紹介します。(編集局)
本日の集会に参加して下さった皆さん。多忙の中、参加してくださったことに、暁子、家族と共に心から感謝しています。
本日の集会を、獄中32年を迎えて、再審無罪−釈放に向かって、新たな大きな一歩を踏み出す集会として、皆さんと共に、ぜひ成功させたいと思っています。
これまで、皆さんに支えられつつ、暁子と一緒に生きる中で、私自身、星野弾圧に立ち向かい、全現実を人間的未来へ根本的に変革していく主体的な力を形成していく以外に、一日一秒も生きていけないという日々を過ごしてきました。しかし、この間、様々なしわ寄せが、特に私自身がやりきれてこなかったことのしわ寄せが暁子に集中し、体調を崩し、それを一緒にのりこえる過程は、私自身がやりきれてこなかったことそのものの克服がつきつけられました。
今、何よりも、裁判で無罪をかちとっていくという点での弱さを克服していきたい。そのことを、また、私や家族に止まらず、すべての人民の未来がかかったものとしてやっていきたい。
それは、運動の中の、星野弾圧の鋭さに対する認識の弱さ、本当にそれと闘い無罪をかちとる方針の弱さ、獄中・家族を守り、共にたたかいぬく体制の弱さを、皆さんと共に根本的に克服していきたい、という意味でもあります。そして、それは、とりもなおさず、全現実を、人が人間として生きていくことのできるように根本的に変革して主体的力を、皆さんと共につくりだしていきたいということでもあります。
私と暁子は今、無実という真実を全面的に出して再審を実現し、同時に、一日も早い釈放をかちとっていきたいと思っています。私の代々木八幡下車の総リーダーとしての任務は、NHK方向に現れた機動隊からデモ隊を守り、速やかに渋谷周辺の大衆と合流し、沖縄返還協定批准阻止の大衆決起を実現することでした。殴打に加わったり、火炎びん投てきを命令することは、その任務から外れ、十字路を外れることになり、やっていません。東急本店前の写真の私の手の紙を巻いた棒は、殴打していればボロボロのはずが、傷一つありません。供述で私であるとされた「きつね色上下」の人物は、上が薄い青、下がグレーの私とは明らかに別人です。これほど無実が明らかである以上、即刻再審を決定すべきなのです。権力が無実を百も承知で無期を強いていることに、心底、怒りを感じます。
70年代、学生、青年労働者をはじめとした日本の人民が、沖縄と連帯し、アジアと連帯して、沖縄に基地を強い、新たな侵略戦争を狙う帝国主義を打ち倒し、人間解放を実現しようという奔流を、集会・デモ禁止、機動隊支配など権力を総動員した圧殺攻撃を打ち破って生み出そうとしていたことを、デッチあげと極刑など、どんな手段を使っても圧殺しようとしたのが、星野無期でした。そして、そうすることで今、より沖縄への差別をむき出しに基地を集中し、それによって日本全体を、教育基本法・憲法改悪を通して、戦争に動員しようとしている。
星野無期を許さないことと、沖縄への基地集中を許さず戦争の道を許さないことは一つです。今、世の中のあらゆる所で、様々な困苦、葛藤、呻吟(しんぎん)の中にあっても、また、そうだからこそ、人間的に生きたいという希求が、蓄積し拡大している。帝国主義が、弱肉強食的に生き延びるために、他国・他民族を敵視し愛国主義を煽って戦争へ突き進む一方、格差社会−生活破壊を強めるという現実を前に、この現実からの人間的解放の思いは、社会の本当の主人公としての労働者人民が国境を越え、分断を越え、つながり、団結を強めることを通して、解き放たれようとしています。
そして、これを圧殺しようとしている星野無期・全ての弾圧を覆し、全世界の労働者人民の団結した力で人間解放をかちとっていく歩みを飛躍させていきましょう。
最後に、獄中32年を生きかちぬいてきた核心は、身を置き共に未来を開く、ということを通して、獄壁をはじめあらゆる分断をのりこえ、つながり、共に全てに立ち向かい未来を開くあり方、内容、力を豊かに創造し、獲得していく、ということにありました。そして、それを本当に可能にしたのは、暁子とつながり、一緒に生き未来を開くということによってでした。そして今、それを新たに積み上げようとしています。そして、そのことの上に、面会、通信が友人にも拡大したことをテコに、全ての皆さんとのつながりを強め、獄中・家族を支えつつ、再審・釈放によって星野無期を覆し、帝国主義が生み出す人類を不幸にする現実を覆し人間解放をかちとるたたかいを強めていきたい、と思っています。
共に頑張りましょう。
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週刊『前進』(2275号6面4)(2006/12/18)
星野さん救う会 広島で結成総会
“1日も早く取り戻そう”
11月19日、全国で16番目になる「広島星野文昭さんを救う会」が結成された。広島YMCAラブリーホールで開かれた結成総会には労働者や学生、市民40人が参加した。
最初に、ビデオ『ある冤罪』が上映された。続いて、準備会の共同代表を、反戦被爆者の会会長の大槻泰生さんとともに引き受けてきた元教育労働者の増上(ますうえ)昭典さんが開会のあいさつを行った。増上さんは、「ヒロシマの教師として被爆問題にかかわった立場から考え、会の結成に行き着いた」と、結成総会にいたる経緯を語った。
獄中の星野文昭さんが結成総会に向けて送ったメッセージを、司会が読み上げた。「広島・長崎の原爆の悲惨に触れることをとおして、戦争・差別・抑圧といった社会矛盾を無くし、人間の人間的解放に自らの人間的解放をかけていこうという、私自身の生き方を形成することになり……特別の感慨があります」と語り、星野さんにとって、ヒロシマが闘いの原点として深く関わっていることが示された。
特別アピールとして全国連絡会議事務局の金山克巳さんより、星野文昭さんのこと、沖縄闘争について、星野裁判と再審の焦点、星野救援運動について、きわめて鮮明な提起がなされ、参加者は星野さんを1日も早く取り戻そうという念を強めた。
フリートークでは、その日行われている沖縄県知事選挙の投票に思いをはせた発言が続いた。
最後に、会則・活動方針・人事体制が採択され、「広島星野文昭さんを救う会」の結成が宣言された。共同代表は、増上昭典さんと大槻泰生さんの2人。ここに、被爆地広島において星野救援運動を広範に取り組んでいく体制が力強くスタートした。
(投稿/広島・太田川真)
(写真 全国16番目の救う会として「広島星野文昭さんを救う会」が発足【11月19日 広島】)
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週刊『前進』(2275号6面5)(2006/12/18)
訂正
前号8面の「朝鮮総連への捜索弾劾」の記事で「在日本朝鮮人総連盟」とあるのは「在日本朝鮮人総連合会」の誤りでした。おわびし、訂正します。
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