ZENSHIN 2006/12/04(No2273
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週刊『前進』(2273号1面1)(2006/12/04)
教基法改悪阻止・共謀罪粉砕
12・1緊急行動へ
日教組解体の攻撃うち破り
国会決戦で安倍打倒を
労働者階級の闘いの高揚
日帝・安倍は、衆院で教育基本法改悪案の単独採決を強行した。教育労働者を始めとする圧倒的な労働者人民の反対の意思を踏みにじる、絶対に許されない暴挙だ。
(写真 教基法の改悪をとめよう!全国連絡会が国会前集会。参院決戦に突入し「必ず廃案に追い込む」と誓った【11月21日 衆院第2議員会館前】)
さらに安倍は、参院での強行突破と成立を狙っている。11月22日から参院特別委で改悪案の審議が始まった。同時に安倍は共謀罪の採決強行や防衛庁「省」昇格法案の成立もたくらんでいる。
だがこの間、労働者人民の教基法改悪阻止の決意と闘いはかつてなく高揚してきた。10月以来、国会前と職場を交流させる形で、リレーハンストと座り込みを軸に、連日、国会闘争が展開されてきた。また11・5労働者集会は、教育労働者を先頭に、全産別の労働者の教基法決戦への総決起としても、圧倒的な結集をもって闘われた。
いよいよ決戦本番。参院決戦に全力で立とう。国会前に全国の職場からどんどん駆け付けよう。12月1日に反戦共同行動委員会は、教基法改悪阻止・共謀罪粉砕の緊急集会とデモを行う。全力で結集し成功させよう。
衆院段階での教基法改悪阻止闘争は、共謀罪と闘う陣形と統一戦線を組みながら、国会前に連日、数百数千の規模で全国から労働者人民が続々と詰めかけた。「日の丸・君が代」被処分者を先頭としたリレーハンストと座り込みが、国会闘争のベースキャンプとなり求心力となった。
さらに11・5労働者集会の4900人を始め、10・26日教組緊急集会に8500人、11・12全国連絡会集会に8000人などの形でも労働者の怒りが大高揚し、16日の衆院本会議強行採決時には、夕方5000人が国会を包囲した。
この間、全国の教育労働者の怒りは、日教組本部の度し難い裏切りと屈服を突き破り、のりこえて爆発してきた。国会前や日比谷野音集会には、全国から現場の教育労働者が続々と主体的に結集した。そこには日教組の階級的再生への芽が存在している。
教基法決戦に勝利するためには、日教組の階級的再生をかちとることが不可欠の基礎であり、水路だ。今やそのことがはっきりした。現場組合員の分会からの決起で、裏切り指導部を打倒し、日教組の再生をかちとること、それこそが教基法改悪絶対阻止、日帝・安倍の教育改革攻撃粉砕の闘いに勝利する道だ。
全国の職場から国会に駆けつけ、野党の屈服・妥協を許さず、衆院段階の闘いを上回る国会闘争の爆発で、改悪案の採決を粉砕しよう。日帝と安倍にもまったく余裕はない。勝てる展望は絶対にある。一切は教育労働者を先頭とした労働者階級の国会闘争の爆発にかかっている。
日帝・安倍を教基法改悪と改憲、集団的自衛権行使など、戦後史を転覆する攻撃に突き動かしているものは、米・日帝国主義の北朝鮮侵略戦争の切迫だ。また、そのためにこそ安倍は、日教組・自治労を始めとした4大産別の労働運動の解体、そして階級闘争そのものの絶滅に必死になっているのである。
闘う日教組の再生かけて
ところが、こうした中で国労東日本本部は、JR東日本との間に出向・配転差別事件や国労バッジ事件など計61件について、「包括和解」に応じた。これは国鉄1047名闘争を売り渡す最悪の裏切りだ。腐敗した国労本部の打倒と国労再生をかけて、第2次国鉄闘争を闘うべき時が来た。
一方、元首相の森喜朗は日教組・自治労の壊滅を公言し、「つくる会」元会長の八木秀次は、教基法改正の眼目は「左派系教職員組合の影響力を排除し」、教職員に「法令遵守」を強制することだとうそぶいている。
だが敵が日教組壊滅を公言しているのに、日教組本部はなお「パートナー路線」にしがみつき、組合の命運をかけて教基法改悪と闘おうとはまったくしていない。日教組の未来、階級的再生は、組合員自身の決起にかかっている。
日教組再生に向け、どのように闘うべきだろうか。分割・民営化攻撃とストで対決し、今も勝利して闘い続ける動労千葉に、その手本がある。
動労千葉労働運動は第一に、マルクス主義=労働者自己解放の思想を実践してきた運動だ。賃労働と資本の非和解性、この階級的立場を基礎に据えた労働運動である。これこそ本来の労働運動の基本原則なのである。
第二に、階級的団結の強化・前進を総括軸にした労働運動である。帝国主義打倒の労働運動という立場があって、このような闘いができた。そして分割・民営化攻撃と闘えた。資本主義擁護の体制内労働運動では闘うことができなかった。
第三に、労働者の階級性、自己解放性を信頼し、それに全面的に依拠して闘う労働運動だ。ここに類まれな団結をつくり出した根拠がある。
第四に、70年闘争など反戦・政治闘争や労農連帯を不屈に闘ってきた労働運動であり、同時に労働者国際主義の立場を貫いてきた運動である。
実に動労千葉は40年にわたってこの原則を実践し、その正しさを証明してきた。
動労千葉はこうした原則的立場から、職場で直面する反合・運転保安などあらゆる課題を職場闘争として闘ってきた。
11・5労働者集会は、米日帝の北朝鮮侵略戦争切迫情勢下で、日本の戦闘的労働組合である関西生コン支部、港合同、動労千葉など3労組が呼びかけ、闘う労働組合の全国ネットワークをつくっていく決定的な集会だった。そして11・22ゼネストの先頭で闘う韓国の民主労総ソウル本部や、アメリカのILWU(国際港湾倉庫労組)、AMFA(航空整備士労組)など世界の最も戦闘的な労組が合流した、日米韓国際連帯集会でもあった。
闘う3労組陣形のもとで、韓国やアメリカの闘う労組が動労千葉と連帯し、ともに学び、労働運動の勝利を切り開こうとしている。このことに動労千葉の比類のない地平が示されているのだ。
戦争と革命の時代、革命的情勢が急接近する時代の勝利の労働運動路線こそ、動労千葉労働運動であり、その実践だ。
11・5労働者集会の階級的地平に立ち、屈服と裏切りの日教組本部打倒と日教組再生をかけ、教基法改悪絶対阻止の国会決戦に総決起しよう。
侵略戦争の切迫と対決を
戦争と改憲の安倍政権はきわめて凶暴ではあるが、日帝を取り巻く情勢は絶望的危機にある。
日帝・小泉―安倍は日米同盟・日米枢軸のもとイラク侵略戦争に参戦してきた。だがその盟友・米帝ブッシュは、イラクで泥沼の危機にあえぎ、中間選挙で大敗した。アメリカ労働者階級にノーを突きつけられた。これは日帝・安倍政権にとって大変な打撃である。
ブッシュはアフガニスタン・イラク侵略戦争で世界戦争過程へとのめり込んだが、米帝の没落と世界支配の崩壊は、この過程で一挙に進んだ。
帝国主義は米帝を先頭に、相互の争闘戦を一層激化させながら、世界戦争という破壊と破滅の道に突き進んでいる。そして、こうした中で米帝は日帝との枢軸関係のもとで、中国スターリン主義を取り込み、それと連携して、北朝鮮スターリン主義への体制崩壊の攻撃と侵略戦争発動に向け動き出した。6者協議に北朝鮮を引き出す策動は、北朝鮮侵略戦争への国際的環境づくりそのものだ。
北朝鮮の核実験を口実とした米日帝の侵略戦争突入策動に対し、日米韓国際連帯と世界革命の闘いをもって、今こそ全力で対決すべき時だ。
安倍が教基法改悪を急ぎ、07年7月参院選以降改憲攻撃を本格化させ、集団的自衛権行使や核武装論議を容認し、「官公労」―日教組・自治労壊滅に全力を挙げているのは、北朝鮮侵略戦争を米帝と一体になってやろうとしているからだ。
教基法決戦は、戦争・改憲の攻撃と闘い、日教組再生をかちとり、安倍を打倒する全労働者階級の死活的な闘いだ。戦争教育と戦争動員、日教組・自治労―4大産別の労組と闘いを壊滅しようという日帝・安倍の攻撃に今こそ大反撃しよう。
12・1緊急闘争に立とう。職場・学園から国会決戦に総決起し、教基法改悪阻止・共謀罪粉砕、安倍打倒をかちとろう。
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週刊『前進』(2273号1面2)(2006/12/04)
教基法改悪と共謀罪つぶせ 国会終盤攻防へ
2団体が銀座をデモ
11月23日、都教委包囲首都圏ネットワークと破防法・組対法に反対する共同行動の共催で「やめろ!教育基本法改悪/つぶせ!共謀罪/11・23ジョイント行動」が、京橋プラザ区民館(東京)で開かれ250人を超える参加者が集まった。
2団体による集会は10月22日に続き2度目。すべての発言に、臨時国会闘争でつかんだ力強い手ごたえ、参院での教基法改悪絶対阻止への決意と展望がみなぎった。そして、週明けから激化する国会攻防への総決起を誓いあう集会になった。
共同行動の石橋新一さんの開会あいさつに続き、集会前半は「つぶせ!共謀罪トーク」。関東学院大学教授の宮本弘典さんの講演に続き、日弁連の山下幸夫弁護士、「表現者の会」の林克明さん、動労千葉の滝口誠さん、靖国・天皇制問題情報センターの星山京子さんが発言した。
山下弁護士は「政府のウソが次々明らかになっている。彼らはこうした共謀罪の問題点に答えられないから審議に入れない。だから審議入り、即採決強行を狙っている」と強く警戒を呼びかけた。滝口さんは「11月労働者集会の全国オルグで全国の闘いに触れ、今後の教基法改悪反対闘争の爆発を確信した。来春の不起立闘争をともに闘おう」と訴えた。
後半は「やめろ!教基法改悪トーク」。
まず「東京の教育現場からの反撃」と題し、杉並区教組、新宿区教組、品川区教組の代表が、石原―都教委のもとでの学校現場の現実を怒りを込めて暴露し、教基法改悪など絶対に許してはならないと訴えた。
「日の丸・君が代」予防訴訟の原告団が9・21勝利判決について報告。さらに国会前ハンストについて、呼びかけ人であり被処分者の教育労働者が「リレーハンストは全国から国会に駆けつける人びとの拠点となり、審議をどんどん遅らせる闘いに成長した。残り1カ月、一人ひとりが最大限の闘いを」と訴えた。
集会のまとめを都教委包囲ネットの見城赳樹さんが提起し、参加者は休日でにぎわう銀座の大通りへデモに出た。
12・1緊急闘争、12月3日(日)の「一億二千万共謀の日3」行動(東京は正午から有楽町マリオン前リレーアピール)に決起しよう。
(写真 鮮やかな横断幕と元気なコールに沿道の人も大注目【11月23日 銀座】)
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週刊『前進』(2273号1面3)(2006/12/04)
”私たちは必ず勝つ”
11・21 国会前集会決意新た
11月21日午後6時、教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会が主催する国会前集会が行われた。野党が翌22日から参院での審議に応じると報じられる緊迫した状況の中、東京・首都圏の教育労働者を先頭に300人が集まり、「闘いはこれから。なんとしても廃案に」と固く誓い合った。
集会では、東京の「日の丸・君が代」被処分者が多く発言した。「君が代」伴奏拒否で戒告処分を受け、さらに前任校の卒業式で「自分で判断し行動を」と述べたら「指導」処分とされた音楽専科の女性教員は、「教基法をつぶそうとしている人たちは9・21判決にとても焦っている。もう一度自分の足場を固めていこう。教基法がつぶされた後の学校を残して教員をやめていくわけにはいかない」と述べた。
不起立を理由に嘱託採用を拒まれた男性は、9・21判決を受けて都教委に「採用しろ」と申し入れを行っていることを報告。予防訴訟をすすめる会の代表は、都が控訴したにもかかわらず、提出期限までに控訴趣意書を提出できない惨状にいたっていることを報告した。国会前リレーハンストを呼びかけた被処分者は、「自分の子どもを戦場に送りたいと思う親などいない。改悪の内容をきちっと説明し、絶対に変えてはいけないと訴えれば、多くの人たちは平和勢力であり、われわれは多数派です。絶対に私たちは勝てる、廃案にできる」と力強く訴えた。
全国連絡会呼びかけ人の小森陽一さんは「衆院段階の闘いの結果、多くの人が危機意識を持っている。街頭では改悪反対署名に列ができている」と述べ、改悪阻止へ闘おうと呼びかけた。
夜7時の集会終了時間まで、職場から駆けつけてくる教育労働者が絶えない。集会後は首相官邸前に移動して、安倍に大きなシュプレヒコールをたたきつけた。
国会闘争を闘ってきた人はみな「私たちは負けてはいない。改悪反対運動は大きく広がっている」と確信を持っている。改悪阻止へ闘おう。
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週刊『前進』(2273号1面4)(2006/12/04)
世界革命の勝利へ革共同にカンパを
日帝・安倍が北朝鮮侵略戦争に踏み出そうとしています。労働者を食えなくして戦争に駆り立てるなどというブルジョアジーの手口に乗せられてたまるか! 皆さん! 06〜07年の巨大な階級決戦の爆発へ全力で奮闘する革共同に、絶大な年末一時金カンパを寄せてください。
教育労働者を始めとする労働者・学生は、北海道、九州から、そして沖縄からも駆けつけて1カ月間に及ぶ国会闘争を闘いぬき、参院段階でのより大きな闘いに踏み出しています。教育基本法の改悪とは全労働者人民への戦争動員=改憲の攻撃であり、日教組を始めとする労働組合解体、絶滅の攻撃です。「憲法の世界でも、刑法の世界でも、労働法の世界でも、200年以上歴史の歯車を逆転させるような攻撃が一斉に襲いかかっている」のです。
いま闘わないでいつ闘うのか! 「北朝鮮侵略戦争を阻止しよう! 改憲を許すな! 安倍を倒せ!」を掲げて11・5労働者集会が実現した”労働者の階級的団結の力”こそが国会闘争に火を着け、11〜12月の攻防を切り開いたのです。
11・5の訴えの核心は”革命をやろう!”ということです。労働組合は、労働者階級の解放、賃金制度(賃労働と資本の階級的搾取関係)の最終的廃止のために、また、すべての被抑圧人民の解放のために闘うものです。
ところが、労働組合の課題から労働者階級の全面的な自己解放と体制変革の問題を切り捨て、遠ざけて、「労働者は闘っても勝てない」という思想が幅を利かせています。
しかし、動労千葉労働運動と3労組共闘の発展は、マルクスとレーニンの労働組合論の正しさを立証しています。革命的コミンテルンの出発とも言えるような国際連帯をつくり出しています。労働者階級の怒りを正しく表現しなければなりません。階級的な怒りを階級的な怒りとしてたたきつけなかったら、闘いが腐っていくのは当然です。
革共同は今、党の革命を推進し、労働者階級の自己解放闘争と動労千葉労働運動−4大産別決戦を基軸にすえた新指導路線のもとに、労働運動・労働組合運動の実践と、党を本物の労働者党として建設する闘いに全力をあげています。
世界革命の波が激しく打ち寄せてきています。安倍政権は、その成立と同時に瓦解(がかい)を開始したのです。戦争と改憲を阻止するために、労働者階級の党を建設するために、圧倒的なカンパをお願いします。
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週刊『前進』(2273号1面5)(2006/12/04)
11・5パンフの活用を
11・5集会実行委員会から『全国労働者総決起集会報告集』が発行されました。11・5集会の全発言、日米韓労働者交流のつどい、6日の国会闘争、ハイテックRCDコリア日本販売法人抗議行動、三里塚反対同盟との交流など満載です。このパンフを労働組合、労働者に広げましょう!
◆11・5集会実行委発行/B5判54n/頒価500円
◆注文先千葉市中央区要町2−8DC会館/TEL 043-222-7207/FAX 043-224-7197/E-mail:doro-chiba@doro-chiba.org
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週刊『前進』(2273号1面6)(2006/12/04)
日程 教育基本法改悪絶対阻止
共謀罪新設を許さない
12・1緊急行動
と き 12月1日(金)午後6時
ところ YMCAアジア青少年センター
SPACE Y(スペースワイ)ホール
(千代田区猿楽町2−5−5)
基調報告 国鉄千葉動力車労働組合
闘う教育労働者の決意表明など
*集会後、デモ行進を行います。
主催 反戦共同行動委員会
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週刊『前進』(2273号2面1)(2006/12/04)
JRに身を売った国労本部を5・27弾圧粉砕を軸に打ち倒せ
12・10「許さない会」集会に結集しよう
「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」は12月10日、東京・文京区民センターで全国集会を開催する。安倍改憲政権が教労、国鉄、全逓、自治体の4大産別労組に対する絶滅攻撃に乗り出す中で、国鉄1047名闘争を解体し、JR労働者を全面的に資本の制圧下に置く攻撃も激しく進行し始めた。闘争団員への統制処分に反対した国労組合員を公安警察に差し出した国労本部は、今またこれらの攻撃の手先として立ち現れている。こうした裏切り者を打ち倒し、国労の階級的再生を実現して、新たな決戦局面を迎えた国鉄闘争に勝利するため、この集会への参加を心から訴える。
4大産別解体攻撃と対決する基軸的闘い
「許さない会」が主催する12・10全国集会を成功させることは、今日の階級攻防の中で決定的な位置を持つ。それは、教育基本法改悪の衆院強行採決を徹底弾劾し、国会前で、職場で大運動をつくり出して、参院で教基法改悪を絶対に阻む力を生み出すものになる。
その力で、日帝・安倍政権の4大産別労組・労働運動の解体攻撃を粉砕し、国鉄決戦と教基法決戦を先頭とする4大産別決戦に勝利し、安倍政権打倒、改憲阻止の大運動を巻き起こそう。
日帝・安倍政権が、今国会で教基法改悪や共謀罪などの反動諸法案の成立を狙っているのは、帝国主義の未曽有(みぞう)の危機のもとで、米帝とともに朝鮮侵略戦争に突入しつつ、改憲を推し進めるためだ。
元首相の森は、「教育改革とは社会構造全体を変えることだ。一番の問題は知事だ。知事は必ず自治労と日教組と妥協する。だから日教組・自治労を壊滅できるかどうかが次の参院選の争点だ」と、4大産別労働組合の解体とともに、戦後地方自治制度を解体し、「道州制」を切り口に戦争国家への改造をめざすと公言している。
安倍政権の教基法改悪攻撃の狙いは、愛国心教育=戦争教育であり、日教組を解体することにある。安倍政権は、この教基法改悪=日教組解体攻撃を切り口に4大産別を先端とする労働組合解体攻撃を激化させている。
だからこそ4大産別決戦全体の存亡を決する教基法攻防に勝利しよう。国鉄決戦の煮詰まりは、このような激しい教基法改悪−国会攻防を直接的な背景としている。今や4大産別決戦の土台をなす国鉄闘争は、教労と並ぶ階級決戦の大火点にあるのだ。
11・5労働者集会がかちとった労働者階級の圧倒的な高揚と活性化、国会前を埋め尽くした数千人の労働者の決起を始め、全国で数万、十数万の教基法改悪阻止の決起が始まっている。この力をさらに爆発させ、朝鮮侵略戦争情勢が引き寄せる革命的情勢の急接近下で、教基法攻防にかちぬきつつ、4大産別で職場闘争を闘い、職場支配権を握り、労働組合権力を獲得していこう。それがプロレタリア革命の関門を押し開くのだ。
出向協定締結と包括和解で最悪の裏切り
安倍政権の教基法改悪・4大産別解体攻撃が激化しつつある中で、その柱をなすものとしてJR資本による国労(JR内のすべての労組)解体攻撃が新たな段階に突入した。
JR東日本は、9月に1000人削減の駅業務委託外注化と2000人規模の契約社員導入計画(07年4月実施)を打ち出し、10月には「ライフサイクルの深度化」と称して首都圏7支社の40歳以下の運転士全員を5年間駅業務につける攻撃(07年10月実施)を提案してきた。動労千葉に対しては、館山運転区と千葉運転区木更津支区廃止の基地統廃合など、組合破壊攻撃をむき出しにしてきている。
こうしたJR東日本の大攻撃に対して、国労東日本本部は10月11日、JR東日本と出向協定を締結し、11月6日には出向・配転事件や国労バッジ事件をめぐる不当労働行為案件について「包括和解」に調印した。そして国労本部は、「残るは採用差別事件だけ」として、1047名闘争解体にJR資本と一体となって乗り出してきたのだ。
国鉄分割・民営化以来、数々の不当労働行為を繰り返してきたJRと、「謝罪なし、原状回復なし、実損回復なし」の包括和解に調印することは、職場での抵抗を根絶やしにし、1047名闘争を最後的に清算して、20年間の闘いを敵に売り渡す、国鉄闘争史上最悪の裏切り行為である。4党合意受諾以上の屈服であり、国労本部がJR総連と同じ役割を果たすに等しい裏切りだ。
国労5・27臨大闘争弾圧は、今日のこうした国労本部の裏切りと転向の先取りだった。
断じて許すことはできない。国労共闘は、職場の怒りを代表して、国労本部弾劾に決起した。今こそ国労本部打倒、国労再生の闘いに決起すべき時なのだ。
駅業務の委託化や「ライフサイクル深度化」の攻撃、そして出向協定と包括和解による国労本部のこれへの全面屈服は、JR労働運動を全面的に資本のもとに制圧する決定的な攻撃が動き出したことを意味している。国鉄分割・民営化体制=JR体制の破産があらわとなり、JR資本とJR総連カクマルとの結託体制の矛盾が全面的に爆発する中で、JRは国鉄闘争の最終的な解体を狙うとともに、敵の側に残された国鉄分割・民営化の「負の遺産」も清算しようと狙っている。だが、これらの攻撃は、JR総連の抑圧下に置かれている労働者を含むすべてのJR労働者が、動労千葉や闘う国労組合員とともに総決起する情勢をもつくり出している。
動労千葉の闘いは、敵の大破産を突き、職場を基礎にストライキ闘争を爆発させ、1047名の解雇撤回闘争を死守している。その闘いの質は、教労を始め4大産別の闘いに浸透し、国際連帯闘争にまで発展している。
この動労千葉の闘いを先頭に、国労組合員とJRの全労働者は、JRの攻撃と断固対決して闘おう。絶対反対の団結を固めよう。そして、1047名解雇撤回の原則を掲げぬき、その立場から鉄建公団訴訟を推し進めることである。
今こそ11・5の成果をバネに、07春闘にむかって4大産別決戦の先頭に立って闘い、教育労働者の教基法・改憲決戦への決起と一体化して、07年階級決戦を勝利的に切り開いていくことが必要なのだ。これは明らかに勝利できる闘いだ。動労千葉を先頭に、闘う国鉄労働者の総決起をなんとしてもかちとろう。
国労の再生へ「許さない会」運動の発展を
5・27臨大闘争弾圧裁判闘争は、この8月に弁護側立証が始まった。被告らを直接、国家権力に売り渡した酒田充前国労本部委員長を始め、4党合意過程の歴代委員長らを証人として法廷で徹底的に追及した。今後、11月29日の公判では篠崎信一氏(前新橋支部委員長)、12月20日には高橋義則氏(元国労本部委員長)、さらに酒井直昭氏(鉄建公団訴訟原告団長)の証言が予定されている。これによって裁判闘争は被告の無罪獲得へ大きく前進していく。
5・27臨大闘争弾圧で国労本部は4大産別決戦の土台をなす国鉄闘争を自ら破壊しようとした。だから、この弾圧を打ち破ることが、国労本部打倒−国労再生の道とともに4大産別決戦の大きな発展を切り開くのだ。
国労5・27臨大闘争弾圧裁判に絶対勝利しよう。そのために傍聴闘争を大いに組織しよう。そして、「許さない会」運動の本格的な発展をつくり出そう。支援運動の発展なしに裁判闘争の勝利はない。「許さない会」運動を国労の再生、闘う労働運動の再生そのものとして闘おう。
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週刊『前進』(2273号2面2)(2006/12/04)
教基法改悪阻止
全国リレーキャラバンへ 沖教組・高教組が出発式
沖縄県知事選投開票日の翌日、11月20日、沖教組・高教組の教育基本法改悪阻止のキャラバン行動出発式が那覇市の県庁前広場で行われた。沖教組の組合員は「昨日の県知事選の結果は残念だったけれど、気持ちを切り替えて頑張っていきましょう」と新たな闘いへの決意を語ってくれた。
(写真 沖縄県知事選での糸数候補惜敗の悔しさを闘いに転化し、沖教組・高教組は教基法改悪阻止のキャラバン行動に出発した【11月20日 那覇市】)
出発式の司会を高教組の兼島教文部長が行い、主催者あいさつを松田高教組委員長が行った。松田さんは、「道徳・規範」を語る安倍政権がタウンミーティングでやらせ質問までさせて教基法改悪を強行することは許せないと弾劾。「人格の完成をうたう教基法が改悪されたら、教育は国民のものから国家のものになり、教育を受ける権利は強制に変えられる。今日から全国キャラバンを開始し、明日、鹿児島に引き継ぐが、沖縄でも12月まで行動し、教基法改悪を絶対に阻止しよう」と訴えた。
決意表明として中下沖教組書記長が発言に立ち、「気持ちを切り替えて頑張っていこう。教基法が改悪されたら子どもたちに犠牲が及ぶ。憲法改悪から戦争への道を許してはならない。あきらめない限り私たちは負けない。沖縄から教基法改悪阻止の大きな波をつくっていこう」と訴えた。
高教組の福元書記長は、いじめ問題・単位未履修問題・やらせ問題が発覚する中で、16日に自公政権が教基法改悪案を衆院で強行採決したことに怒りを燃やし、「沖教組・高教組は沖縄からアピール行動に立ち上がろう」と呼びかけた。そして、「教え子を戦場に送らないと約60年前に制定された教基法は、教育は国ではなく国民に責任を負うとされており、教基法は権力に制限を加えて国民を守っているものであることを県民にアピールしよう」と強調した。最後に、「鉄血勤皇隊やひめゆり学徒隊などの歴史が示している国策のための教育で、教え子を戦場に送らないために声を上げよう」と訴えた。
まとめのあいさつと団結ガンバローは大浜沖教組委員長。「参議院で廃案に追いこもう」と訴え、全体でこぶしを上げて出発式を終えた。
夕方からの名護・美浜(北谷)・那覇での集会への参加が呼びかけられ、「執行部だけでなく現場の教職員がマイクをとって教基法改悪阻止を県民に訴えよう」という訴えがなされた。
集会終了後、3台の宣伝カーに沖教組・高教組の執行部が乗り込み、全島のキャラバン行動に出発。「今日は3台の宣伝カーで全島を回ってくるよ」と笑顔で県庁前を出発した。
夕方の那覇市県庁前広場での街頭宣伝には、多くの沖教組・高教組組合員が駆けつけた。「変えてはいけない 教育基本法」「義務教育があぶない」と書かれたのぼり旗が林立し、リレートークが行われた。松田高教組委員長、大浜沖教組委員長が口々に「鉄血勤皇隊、女子学徒隊の歴史を繰り返してはならない」「参議院段階での闘いを強め、教基法改悪案を廃案に」と訴えた。
沖教組那覇支部の組合員や中下沖教組書記長もマイクをとって切々と訴えた。市民団体代表として「とめよう戦争への道!百万人署名運動・沖縄の会」にもマイクが回され、沖教組・高教組と連帯して教基法改悪阻止をともに闘う決意を表明した。
翌21日も全島を宣伝カーが駆けめぐり、県庁前での街頭宣伝が行われた。
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週刊『前進』(2273号2面3)(2006/12/04)
教育の国家支配と日教組解体
教基法10条改悪に核心的な狙い
“法律による教育行政は不当な支配にならない”
文科省・伊吹の答弁に反撃を
安倍政権は教育基本法改悪案を衆院で強行採決し、11月17日より参院審議を開始した。攻防の最大の焦点は10条の「不当な支配」に絞られた。教育労働者を先頭とした国会前の闘いの爆発が問題をはっきりさせたのだ。ここであらためて衆院および参院での審議の核心的部分を暴露・批判し、教基法改悪の絶対阻止へ総決起を訴える。
不起立決起に大打撃を受け
11月15日、伊吹文科相は総括質疑の中で次のように述べた。
「旭川学力テスト最高裁判決、9・21『日の丸・君が代』予防訴訟判決などに見られるように、これまで教育権の解釈が混乱してきた。しかし、教基法の改正で、法律に基づく教育行政は『不当な支配』にあたらないことが明確にされた。教育委員会は特定の組合に属している人たちにこのことを分かってもらわねばならない」
この答弁の意味することは何か。それは教基法改悪の最大の狙いが現行10条の否定にあり、これによって日教組労働運動を壊滅すると宣言したということだ。
旭川学テ最高裁判決とは、1961年から66年まで実施された全国一斉の学力テストが、「必要かつ合理的」な範囲を超えた教育行政による教育内容・方法への介入であり、教基法第10条1項に違反するとした判決である。弾圧や処分を恐れぬ日教組の総力を挙げた学力テスト阻止の闘いが、この判決を引き出したのである。
さらに9・21予防訴訟判決は、東京都が出した03年10・23通達による「日の丸・君が代」の強制が「教基法10条1項所定の不当な支配に該当する」から違法だと断定し、違法な通達や職務命令に従う義務はない、としたものだ。これは3年にわたって約350人の教育労働者があらゆる恫喝や処分にも屈せずに、「日の丸・君が代」強制に対して不起立・不伴奏で闘い抜いてかちとった判決である。
伊吹発言はこうした最高裁や東京地裁判決を真っ向から否定し、逆に教基法をつくりかえて2度とこんな判決は出させないというものだ。卒業式や入学式での「日の丸・君が代」の実施を定めた学習指導要領は「法律の一部である」(伊吹)と強弁し、「法に基づく職務命令は違法でない」として「日の丸・君が代」不起立の根絶を宣言した。そのことを「特定の組合」すなわち日教組に突きつけ、日教組の完全な転向を迫っている。
さらに11月22日の参院審議で伊吹は、政府案に残された「不当な支配」とは「国会で決められた法律と違うことを、特定のグループ、団体が行う場合を『不当な支配』と言っている」と公言した。これは「不当な支配」の意味を180度逆転させ、組合の闘いを「不当な支配」として弾圧していくことを宣言したものだ。
「愛国心」教育を押しつける
そもそも教基法第10条の「不当な支配に服することなく」という文言は、戦前、国家が教育現場を完全に支配し、教育を侵略戦争への国家総動員の道具としたことに対する否定から生まれたものである。教育行政の「不当な支配」を禁じ、教育の自主性をうたったものだ。
安倍政権はここをひっくり返して、「国家のための、国家権力による教育」につくりかえようとしている。まさに愛国心教育の強制と一体のものとして、この10条の転覆がもくろまれている。それが「教育再生」の核心にある。
15日の衆院審議で安倍は、「教員の資質向上が必要であり、教員には『自己の崇高な使命を深く自覚』してもらわなければならない。具体的には免許更新制、現職教員の研修の充実、優秀教員の表彰、メリハリのある給与体系がある」などと答弁している。
免許更新制とは国家権力による教育労働者への「踏み絵」であり、闘う教育労働者を「不適格」として放逐するものだ。これを現職教員にも適用し、「研修の充実」と称して徹底して屈服を迫るというのだ。他方でより従順な教育労働者を表彰し、賃金に格差をつけて労働者を完全に分断することを宣言している。
教基法改悪と同時に、一挙に教育現場にこうした攻撃が襲いかかってくる。逆に教基法10条をめぐる攻防に組合的団結をうち固めて総力で闘うならば、安倍の「教育再生」攻撃全体をはね返すことができる。
その最先端の闘いが「日の丸・君が代」強制に対する不起立決起であり、職場支配権をめぐる闘いである。11月22日の参院審議で安倍は、「政治闘争の一環として、国旗の掲揚や国歌の斉唱が行われないのは問題だ」と不起立決起への憎悪をむき出しにした。
来年3月の「日の丸・君が代」不起立の決起が爆発的に広がり、これが教育労働者のみならず全労働者階級の怒りと結びつくことを死ぬほど恐れているのだ。そのすべての力を参院決戦にたたきつけよう。12・1緊急闘争に総決起しよう。
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週刊『前進』(2273号2面4)(2006/12/04)
発言
絶対廃案にできる
国会前と23日の集会で
●東京「日の丸・君が代」被処分者Fさん 沖縄県知事選では全国一失業率が高い中、利益誘導に負けずに30万票をとった。安倍は戦争できる国をつくろうとしている。私も子どもがいるが、誰が自分の子どもを戦場に送りたいだろうか。改悪内容を知らせ、変えてはいけないと訴えれば、多くの人が平和勢力でありわれわれが多数派。私たちは絶対勝てる、廃案にできる。(21日 国会前)
●東京・杉並区教組Hさん 今年4月から「つくる会」教科書が中学校に入った。校長・教頭が授業を監視し、教科書を開かなければ「教科書を使っていない」と問題にする。組合役員は区外異動させられ、組合事務所からも追い出し攻撃。しかし私たちは居座り続けます。(23日 共謀罪・教基法ジョイント行動)
●「日の丸・君が代」強制反対・予防訴訟原告Nさん 9・21判決は東京の教職員が処分を恐れず果敢に闘いぬいてかちとったものだ。軍服を着た右翼が以前から日教組大会や教研を妨害してきたが、今はその右翼がネクタイ姿で首相の座にいる。ナチスの歴史を繰り返すものだ。(同)
●東京「日の丸・君が代」被処分者・リレーハンスト呼びかけ人Wさん
リレーハンストを始めて国会前に闘争拠点ができて、全国の人たちが駆けつけてくれた。こうした闘いが衆院採決を遅らせた。参院でもリレーハンストを続け、最後まで闘います。(同)
●東京の小学校元教員Kさん 教基法10条は戦前の国家による教育支配の反省の上に生まれた。10条を変えたら、資本の都合のいい教育ができるし、愛国心教育もやりたいようにできる。許してはならない。(同)
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週刊『前進』(2273号2面5)(2006/12/04)
鉄建公団訴訟
控訴審が始まる
原告2人が堂々と意見陳述
解雇撤回へ新たな闘い
国鉄闘争が大きな分岐を迎える中、11月20日、鉄建公団訴訟の控訴審が東京高裁で始まった。
法廷では原告代理人の4人の弁護士が控訴理由の概略を述べ、不当労働行為を認定しながら解雇撤回を認めなかった05年9・15東京地裁判決を批判した。原告の藤保文夫さんと佐藤昭一さんが意見を述べ、藤保さんは駅員として誠実に職務に携わってきたのにJR不採用となった事実を切々と訴え、佐藤さんは「6カ月以上または2回以上の停職処分を受けた者は不採用」とされた採用基準の恣意性を暴き出した。
他方、鉄道運輸機構の代理人は、1審判決が命じた500万円の慰謝料を「不当に高額」といいなし、「国是であった国鉄分割・民営化に反対した原告らが不採用となったのは当然」という暴論を並べ立てて、原告や傍聴者の怒りを買った。
安倍政権のもと、鉄道運輸機構や政府・JRはあらためてこうした姿勢をむき出しにして1047名闘争の圧殺をもくろんでいる。
同日夕、東京しごとセンターで行われた裁判報告集会で、主任代理人の加藤晋介弁護士は「裁判は戦闘モードに入った」と強調し、酒井直昭原告団長は「原告団と支援で活路を開く以外にない」と決意を述べた。
集会では、「新たな訴訟」を起こそうとしない国労本部への怒りが語られた。国鉄闘争に問われているのは、「政治解決」路線と決別し、裏切りを深める国労本部を打ち倒して、JR資本と真正面から対決することだ。安倍改憲政権と立ち向かい、1047名の解雇撤回へ闘おう。
(写真 控訴審に入った鉄建公団訴訟に勝ちぬく決意を確認しあった裁判報告集会【11月20日 東京】)
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週刊『前進』(2273号3面1)(2006/12/04)
郵政民営化粉砕! 闘いはこれから
2ネット破綻で新規採用へ
敵の弱点は労働者の存在
郵政公社の突然の一般職新規採用(全国2100人)の発表は、JPS(郵政版トヨタ方式)の破綻(はたん)宣言だ。
今年春から全国で実施を予定していた2ネット方式(*)は、労働条件が劣悪でゆうメイトが集まらず、半分の地方で実施できずにきた。実施した地方でもゆうメイトが思うようにそろわない。
本務者も、この間賃下げ、労働強化、営業の強制などで病気になったり、早期退職に追い込まれる人が続出。現在でも要員不足の声が全国から上がっている中で、当局は万策尽きて新規採用に踏み切ったのだ。
すでに郵政公社は「集配拠点の再編」を実施し、人員削減とサービスの切り捨てを進めている。しかし郵政民営化の弱点ははっきりした。それは「労働者の存在」そのものだ! 本務者、非常勤労働者の団結があれば民営化を粉砕できる。
JPS破綻は日増しに深刻
四国においてもJPSの破綻が進んでいる。私の職場は四国でも最大規模の職場の一つだ。当局は、今年2月から2ネット方式を導入した。それ以来、作業日報で毎日の細かな仕事内容の報告を強要してきた。9月に入って「集配の作業量調査を実施したい」と言ってきた。聞けば作業日報の内容とほぼ同じだ。
当局の言い分は、これまでの調査は正確ではない、つまり時間前着手や休憩時間の返上、サービス超勤をなかったことにし、労働基準法どおりに作業が終了したことにしてきたが、実際の時間が知りたいということだ。
二つの問題がある。一つは勤務時間管理のデタラメさを当局自身が認めたということだ。「労基法を守れ」と何度も組合が申し入れたのに、それを無視し、労基法違反を奨励してきた。もう一つはそういう実態を知りながら長期間ウソの作業日報を職員に提出させてきたことだ。作業日報は一体今までどのように扱われてきたのか。労基法違反を含む大変な問題だ。
私は支部に対して「この問題を追及すればJPSを破綻に追い込める。職場集会を開いて組合員の意見を集約し、『作業量調査』の中止を求めよう。労働組合の存在を示すチャンス、組合員も乗ってくれる」とオルグしたが、支部役員はど真ん中のストライクを見逃してしまった。直後の10月29日付の朝日新聞トップにJPSの惨憺(さんたん)たる現状が暴露され社会問題になってきただけになおさら悔しい。
ただでさえ深刻な要員不足の中で、2ネット導入以来初めての年末繁忙期を迎える。職員に対する「お歳暮小包」「年賀状」などの営業の尻たたきは年々激しくなり、役職ごとに売り上げノルマが課され、「お歳暮小包1人50個、年賀状1人1万枚売れ!」と号令がかけられている。JPSの中央の幹部がしばしば職場視察に訪れ、気に入らないことがあると怒鳴り散らす。怒鳴られた管理者の中には「ぶちくらしてやろかと思う」とこぼす人もいるくらいだ。
闘う全逓再生現場の怒りで
現場の管理者でさえJPSにどうしようもない怒りを感じている。ましてや現場の労働者は言うに及ばず。特にゆうメイトへの矛盾の集中は限度を超えている。その中でJPUの幹部だけが今もせっせと郵政公社の機嫌を取り、JPS推進の旗を振り続けている。
先日、隣の支部の職場集会に四国地本の役員が参加し、現場組合員の不満、怒り、要求を聞いて帰った。時間がたっても何の連絡も来ないので、職場集会に参加していた分会役員が「どうなっているのか?」と問い合わせると、地本役員は「どんな問題があるのか?」と逆に聞いたそうだ。分会役員は「あなたは私の横で何を聞いていたのか!」と怒りをぶつけた。
地本役員の実態がこれだ! ましてや離籍専従がほとんどで、職場のことを知らない(知ろうともしない)中央本部役員に何がわかるというのか! 全国の怒りを一つにまとめ上げ、ストライキを打てる組合が今本当に必要だ。現場の労働者はそれを求めている。
青年の主体的決起が始まる
05年2月、愛媛の二つの自治労単組の主催で動労千葉の中野顧問を招いた春闘集会を開いた。この集会は全逓にとっても大きな転機となった。初めて参加した青年労働者が集会後の交流会の場で、「全逓は今日の集会の主催者に加われず情けなかった。春に花見を主催するので自治労の皆さんを呼びます」と約束、主催者に加わっていない別の組合役員にも「夏にビアガーデンに呼んでよ」と話をつけた。
私たちは活動家が一人ひとりの個人を対象に「オルグ」をしてきた。彼は「労働組合」として「労働組合」に呼びかけた。頭をガツンと殴られたような気分だ。考えてみたら彼の発想が当たり前。私のあり方は非常に貧相だと気がついた。
約1カ月後の花見は大成功。8・6ヒロシマや11月労働者集会への動員は青年を中心に飛躍的に増え、参加も主体的になってきた。
現場の思い、怒り、要求をそのまま組合の要求にすれば、それが一番力になる。多くの仲間が動労千葉の労働運動とふれあい、影響を受けながら主体的に行動を始めている。11月労働者集会に参加した若い仲間は「口で不満を言うだけではだめだ。直接要求をぶつけよう。行動しよう!」と言い始めた。学習をやるという課題も抱えつつ、破綻を始めた郵政民営化、JPSを全国の仲間とともに粉砕する決意だ。
(愛媛・全逓労働者H)
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*2ネット方式 配達業務を〈受け箱配達と対面配達〉に分け、それぞれを非常勤職員(ゆうメイト)と本務者が主に配達するやり方。
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週刊『前進』(2273号3面2)(2006/12/04)
沖縄知事選-総括と戦闘宣言
労働組合を階級的に再生し
新基地建設阻止・安倍打倒へ
悔しさをバネに前進しよう
糸数慶子氏の当選をめざして全力で闘った11月19日の沖縄県知事選挙は、惜敗という非常に残念な結果となった。得票数は糸数慶子30万9985票、仲井真弘多34万7303票。投票率は64・54%である。
辺野古新基地建設を始めとする米軍再編問題、教育基本法改悪との攻防の真っただ中で、この沖縄県知事選挙は安倍政権の存亡をも規定する大政治決戦であった。また8年前、大田県知事体制を力ずくで粉砕して成立した日帝・稲嶺県知事体制の破綻(はたん)、振興策神話の崩壊など、日帝、現県政の側が徹底的に窮地に追い詰められた状況の中で、これを打倒できる政治状況、可能性に満ちた選挙だった。
それゆえに、この闘いに勝つことができなかったことは、労働者階級人民にとって大きな痛手であり、また残念の一言ですまされない課題をわれわれに突きつけている。
同時にそれ以上に重要なことは、結果を真っ向から見据え、それが示す階級的真実をつかみとるならば、ここから勝利の展望を切り開くことができる、ということである。
今回の県知事選から以下のことをつかみとり、狭い意味での県知事選にとどまらず沖縄における階級闘争を抜本的に変革しよう。
第1章 総力投入してきた日帝政府と力勝負
沖縄県知事選が教えている階級的真実は何か。
最も核心的なことは、労働者階級こそがこの社会を動かし、価値を生産している主人公であり、この社会の主人公たる労働者階級の基本的団結組織である労働組合が本当の階級的団結を取り戻し、力をつけ、闘い(県知事選)の本隊に座ること、これ以外に帝国主義の全体重をかけた沖縄に対する攻撃を跳ね返し勝利する道はない、県知事選に勝利することはできない――ここにこそ労働者人民の確固とした未来はあるのだ、ということである。
そもそも現代社会における議会と選挙は、ブルジョア民主主義という虚偽のイデオロギー、虚構を本質とした階級支配の道具である。そのもとでは議会・選挙は階級支配、階級関係を超越した絶対的民主主義の人民の意志決定機関などではまったくない。だから県知事選がブルジョアジーとの力対力の権力闘争そのものとなるのである。
しかし同時に、議会・選挙は、その時の労働者人民の階級的形成、階級的団結の成熟度のバロメーターであり、ここに現在の沖縄の労働者人民の正確な姿が映し出されてくるのである。
沖縄の県知事選も、沖縄における階級闘争そのものであり、沖縄の労働者階級が労働組合のもとに団結し、その本隊的力のもとに労働者階級以外の諸階層、諸人民を結集して、沖縄の資本家、根本的にはその背後にある日本政府、日本帝国主義と闘っているのである。
(写真 11月18日、糸数候補支持を訴え沖縄平和運動センターの労働者700人が那覇新都心から国際通りを経て県庁前広場へ)
労働組合、労働者が分断され、競う
この選挙闘争を実際に誰が闘い、競っていたのか。それは全部沖縄の労働者なのだ。その一方は糸数・革新陣営を構成していた労働組合、労働者である。他方は、建設業を始めとする労働組合など存在しない(させない)企業の労働者たち(彼らは企業の業務命令、仕事として選挙活動を強制された!)、連合沖縄に席を置きながら「選挙は別」と称して労働組合の旗を企業の旗に持ち替えて仲井真の集票活動に組織として全力を挙げる沖縄電力(仲井真の企業)や石油などの旧同盟系労組である。この両者の激突であった。
さらに、仲井真には政府と国家権力が全面的にバックにつき、そのもとで金やあらゆる物質力が投入されると同時に、違法な選挙活動が野放し状態にされた。労組のない企業では、業務命令で仕事中に組織的に「期日前投票」に行くことが強制された。それも「仲井真」と書いたかどうかのチェックを伴うという違法そのものだったが、権力はまったく見て見ぬふりをした。
この期日前投票は、なんと投票総数の10%、11万票を超える。この間の沖縄における大きな選挙では、この期日前投票で積み上げた票で保守が勝つという構造になっている。その対極で権力は、自治労、教労に対しては公務員の選挙活動制限を前面に出し、徹底的に威迫を加えて、その動きを封じようとした。
このように県知事選は力対力の勝負であり、その結果は階級的力関係、階級闘争の構図の反映であり、この基盤的力関係とせめぎ合いからけっして自由ではあり得なかった。
では、日帝の沖縄支配政策、その体制としての現沖縄県政を打倒し、選挙に勝つためにはどうすればよいのか。労働組合を階級的に再生し、その指導力を形成することこそが王道であり、ここが勝利の核心点だ。それは沖縄戦後史を動かしてきた伝統、原動力を再生させようということでもある。
もはや勝つ気概も力も喪失した既成政党のあれこれの組み合わせなどに勝利の要点はない。候補者問題のジグザグから1カ月前の滑り込み的な糸数候補決定の顛末(てんまつ)に至る、この一連の県知事選過程を見た場合、彼らは完全なる疎外物、百害あって一利なしの存在になり果てている。
とりわけ民主党と下地=「そうぞう」は、階級的見地からみれば「内部攪乱(かくらん)のための敵の回し者」的な役割しか果たしていない。小沢や鳩山が今次県知事選で沖縄に足を運んだ分だけ票は逃げたのだ。
全面降伏か内乱か問う米軍再編問題
次に、以上のことと通底していることだが、今次県知事選の最大・最高の焦点、米軍基地再編問題は、「国家と革命」を問う問題であり、これと根底的に対決できる路線が求められていた、ということである。
その路線を形成、貫徹できる主体は労働者階級以外にない。普天間基地移設・辺野古新基地建設攻撃において日帝・政府は、「沖縄の全面屈服と奴隷的服従以外ない!」との態度を一ミリたりとも後退させていない。“全面降伏かそれとも内乱か”を突きつけているのである。
「振興策は(基地受け入れの)出来高払い」(高市沖縄担当相)、「パトリオット配備を沖縄県民は喜ぶべき」(久間防衛庁長官)との発言は、完全に植民地に対する宗主国の態度、あるいは沖縄戦時の日本軍の県民への態度である。
確かにこの日帝・政府(小泉―安倍)の沖縄政策への怒りは高まっている。同時にこれとの路線的対決は、ヒューマニズムだけではけっして勝てない。敵は完全に居直り、むしろ完全に「内乱を起こすのか」という恫喝を背後にもって労働者階級人民に屈服を迫っているのである。
そして沖縄の側においても、沖縄の企業と自民党、そして転向知識人などは、奴隷的屈服を逆に居直り的な「強み」として(「基地、戦争、政府の施しを飯の種にするしかないのだから、基地を受け入れて何の文句があるか」と平気で言ってしまうような)押し出すことで一線を越えている。今回の県知事選における仲井真の主張は、「基地問題より沖縄の失業問題。完全失業率を『本土並み』に」の一本だったが、その本質は日帝・政府に対する恐怖を起点にした奴隷根性と事大主義である。
こうした日帝・政府の沖縄支配の全体、根本と全面対決する路線、安倍政権もろとも日本帝国主義を打倒する綱領的路線を沖縄の労働者人民は求めていたのだ。革共同の「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」のスローガンは、こうした沖縄闘争勝利の路線を指し示している。
「基地問題か、沖縄の失業問題か」というようなぺてん的な主張を、しかし金にものを言わせた物量動員でファシスト的に扇動しまくった仲井真に動揺し委縮して、同次元の底の浅いレベルで「経済政策」を打ち出して支持を得ようとする既成左翼のヘゲモニーのもとでは、権力闘争である県知事選は勝てなかったということだ。
基地問題と沖縄の失業問題は、日本帝国主義の沖縄(差別)政策のメダルの裏表なのだ。しかも大失業状態を強制している沖縄の資本家の頭目・仲井真が「基地問題より失業問題」などということ自体が許し難い。この階級的怒りを爆発させることと米軍再編に対する怒りを解き放つことは一体であり、それは労働者階級、労働組合によって初めて可能となる。
労組が教基法改悪反対キャラバンへ
日帝・安倍政権は、沖縄県知事選挙の結果をもって直ちに辺野古新基地建設・政府沿岸案(V字型滑走路)強行へと動き出した。予想されたこととはいえ、仲井真は当選翌日、選挙でペテン的に打ち出していた「政府沿岸案反対」をなし崩しに打ち消し始めた。
沖縄県知事選挙はものごとをはっきりさせた。沖縄の労働者階級、労働組合の階級的・自己解放的決起以外に勝利の道はない! 米軍再編・辺野古新基地建設など絶対にできるわけがない。あくまで日帝・安倍政権が新基地建設を強行するならば、沖縄の労働者階級人民の実力の反撃がたたきつけられ、沖縄が「基地の島」から「日本革命の火薬庫」に転化する速度が速まるだけである。
県知事選を闘った労働者たちは、「県知事選挙敗北で打ちひしがれている余裕などない」と直ちに戦闘的に決起している。選挙翌日の20日、沖教組、沖縄高教組は教基法改悪反対全島キャラバンに出発した。
県知事選の敗北を断固階級的にのりこえて11・5日米韓3国連帯労働者集会の地平に立ち、敵の回し者・民主党、労働者階級の裏切り者・連合ダラ幹をぶっ飛ばして、日帝・安倍政権打倒、教基法改悪粉砕決戦に総決起しよう。革共同沖縄県委員会は、今次県知事選を粉骨砕身、全力で闘った労働者、6000万日本労働者階級とともに日帝・安倍政権打倒と基地撤去に向けて新たな決起を断固開始する。
〔革共同沖縄 県委員会〕
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週刊『前進』(2273号3面3)(2006/12/04)
APECで初の日米首脳会談
“対北朝鮮で連携を強化”
11月18日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)出席のためにベトナム訪問中の安倍がブッシュとの初の首脳会談に臨んだ。
会談では「世界とアジアのための日米同盟」の方針を確認し、北朝鮮に対する包囲網づくりで連携を強める姿勢を明らかにした。また「北朝鮮の核保有は断じて容認できない」「(6者協議で日米中韓ロの)5者が協力して北朝鮮の非核化に向けて具体的に動き出すことが重要だ」と確認した。
日米帝は今回のAPEC過程を対北朝鮮経済制裁―船舶検査(臨検)―侵略戦争発動への地ならしと位置づけた。日米首脳はそれぞれ他の諸国首脳とも会談し、最終的には議長声明で北朝鮮による7月のミサイル発射と10月の「核実験」を「明白な脅威」として「強い懸念」を表明させた。国連安保理決議の「完全な実施」が必要だとも認めさせ、北朝鮮の核放棄と6者協議の早期再開を求めるとも言わせた。
だが、すでにその極右体質と教育基本法改悪のごり押し、核武装議論容認、タウンミーティングやらせ質問発覚などで危機を深める安倍政権が最大の頼みとする米帝ブッシュは、中間選挙で敗北し政策展開力を衰退させている。米帝のイラク危機と没落、世界支配の破産はきわめて深刻である。
だが日帝・安倍には、この米帝ブッシュとの日米同盟のもとに米軍再編―日米軍事一体化を進めるしか戦争国家への道がない。日米首脳はミサイル防衛(MD)―日米軍事協力を加速させることで合意した。イラク戦争でも「任務を終えずに撤退することはない」と言うブッシュを安倍は支持した。安倍は「ブッシュ大統領がどんな状態になってもついていくしかない」(外務省幹部)のだ。
日米帝は互いの「信頼関係」を演出するが、アジア太平洋地域での経済圏構築をめぐり対立している。安倍は、ブッシュのAPEC21カ国・地域による自由貿易協定(FTA)締結の提案を支持せざるを得なかった。しかし、日帝は今春すでに東南アジア諸国連合(ASEAN)、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドとの計16カ国による東アジアEPA(経済連携協定)構想を発表し、10月、16カ国に正式に提案している。これが実現すれば国内総生産(GDP)の域内総額は約6兆jとなる。欧州連合(EU)の約13兆j、北米自由貿易協定(NAFTA)の約14兆jに並ぶ大経済圏だ。日帝はアジア太平洋において米帝を排除した自由貿易圏をつくろうとしているのだ。
米帝は「太平洋の真ん中に線を引くのか」と不快感を示した。農産物貿易が障害となりそうな米帝との交渉を避け、貿易量が急増する東アジア諸国とのFTA締結を優先する日帝の戦略は、練り直しを迫られようとしている。
また日米帝は、急速に工業化し台頭する巨大人口国家、中国、インドの取り込みをめぐっても対立と衝突を不可避としている。
本質的に帝国主義間争闘戦を激化させつつ、日米枢軸のもとで北朝鮮侵略戦争に突き進むブッシュと安倍を打倒するために闘おう。
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週刊『前進』(2273号3面4)(2006/12/04)
安倍政権が狙う税制大改悪
大企業減税と消費税増税
大資本の税負担をより一層減らし、それを労働者人民に転嫁する、許し難い税制改悪が「成長重視路線」の名のもとに進められようとしている。
安倍政権発足と同時にメンバーを一新した政府税制調査会は、11月7日に総会を開き、07年度税制「改正」に向けた議論を開始した。12月初旬に税制「改正」案を答申する方針だ。新会長は「企業減税」を持論とする御用学者、本間正明・大阪大学教授だ。小泉のもとで経済財政諮問会議の民間議員だった。本間は法人税の実効税率(国税と地方税の合計)を「現在の約40%から30%台にどうもっていくかが課題だ」と述べている。
総会では、安倍が「わが国経済の国際競争力を強化するための税制改革を議論してもらいたい」と述べた。日本経団連の要求をそっくり受け入れ、実現しようとしているのだ。
日本経団連は03年初めの「活力と魅力溢(あふ)れる日本をめざして」(奥田ビジョン)で、法人税について「日本企業の国際競争力を高める観点から、地方税を含めた実効税率を大幅に引き下げていくべきである」と主張し、毎年企業減税を要求し続けてきた。
その減額分を安倍は、公務員のリストラと社会保障費の大幅削減、そして消費税の大増税で穴埋めしようとしている。
「最大の抵抗勢力は官公労」と述べた中川秀直・自民党幹事長は、再び「安倍政権のもとでは、民間のリストラから公務員のリストラの段階を迎えている」(11月8日)と公言し、攻撃を強めている。これは「自治労、日教組の壊滅」(森元首相)攻撃と一体だ。
安倍政権は当面「安易な増税策に頼らず」と言っているが、「歳出削減」を錦の御旗にして公務員リストラと社会保障費削減を進め、その上で来年の参院選後に一挙に消費税の大増税に突き進もうと狙っている。消費税について奥田ビジョンは「21世紀における基幹となる税目として機能するようにしていく必要がある」と言って、なんと18%もの税率を主張している。
振り返れば、法人税(国税分のみ)が40%から30%に引き下げられた89年度―99年度で、法人税収は19兆円から11兆円にまで減り、企業は8兆円も納税を免れた。そのツケは、89年から導入された消費税という形ですべて労働者人民に回された。この税制大改悪は、国鉄分割・民営化と総評解散―連合結成という労働運動の帝国主義的再編と対応している。
労働者階級の賃下げと非正規雇用化を大きな要因として大企業は空前の利益を上げている。日帝・安倍政権は、この上さらに企業減税で資本家階級を潤し、労働者人民に一切の負担を押しつけ、帝国主義間の争闘戦と侵略戦争に労働者人民を動員しようとしているのである。本当に許し難いことだ。
労働者はもはや闘わなければ生きられない。連合の屈服を突き破り、日帝・安倍政権を打倒する力を持った階級的な労働運動の再生が急務だ。
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週刊『前進』(2273号4面1)(2006/12/04)
侵略戦争の泥沼と内戦激化
戦略転換模索も有効策はなし
イラク情勢を制御できぬ米帝
秋原義明
米帝のイラク侵略戦争がますます泥沼化している。10月の米兵の死者は106人に上り、米軍がファルージャ戦闘を展開した04年4月、11月やヘリ墜落で多数の死者が出た05年1月を除いて最大の犠牲となった。イラク人民の民族解放戦争はますます激しくなっている。その一方でシーア派とスンニ派の宗派的対立がさらに深まっており、全面的な内戦に発展している。イラク侵略戦争の完全な行き詰まりの中で米帝ブッシュ政権は中間選挙で大敗し、アメリカの労働者階級からノーを突きつけられた。ブッシュは、ラムズフェルド国防長官を更迭し、戦略転換
の方向性を探っているが、有効な戦略は何も見いだせないのが現実だ。
米軍基地に連夜の攻撃 武装闘争が不屈に発展
イラク人民の民族解放戦争をめぐる戦局的な特徴は、米軍が基地の維持すらも困難な状況に追いつめられていることだ。
10月10日深夜にバグダッド南郊ドーラ地区にあるイラク最大の米空軍基地の弾薬庫が武装勢力に砲撃され爆発した。この爆発で基地内の戦車や装甲戦闘車両が次々と炎上し、米帝は軍事的にも財政的にも多大の損害を被った。夜間は米軍は容易に表に出ることができず、武装勢力が夜ごと周辺からロケット弾やミサイルで攻撃している。
10月末、バスラ宮殿にあるイギリス領事館の職員が連日の砲撃にさらされて安全上の理由からバスラ空港に移動した。領事館職員が逃げ出したことにイギリス軍部隊の中で怒りがわき起こり、領事自身は領事館に残った。こうした事態は、バグダッドの米主要施設のあるグリーンゾーンも含めて占領軍が基地を維持することすら困難な状況に陥っていることを示している。
最近明らかになっていることは、イラク武装勢力がミサイルを独自開発し、しかもその精度を高めていることである。独自開発が持っている重大な意味は、外国からの供給がなくてもいくらでも独自生産したミサイルが使えるということである。しかも、小さな作業場で生産されているので米軍にとって発見がきわめて難しいことである。普通のトラックが覆いをはずせばロケットランチャーに早変わりし、次々とミサイルが発射されていくのである。
イラク武装勢力が開発した装甲貫通力を高めた路肩爆弾が米軍を窮地に追い込み、陸上輸送を危機に落とし込めてきたが、ミサイル開発は米軍をさらに危機に追いつめている。さらに武装勢力の狙撃部隊が米軍の見張りを撃ち抜くことで、米軍は昼間も安易に展開できなくなっているのだ。
10月の米軍死者の増加は、単にラマダン月であったというだけでなく、米軍がバグダッドの治安状況を改善するために軍を増強してバグダッドに投入したことも一つの要因である。犠牲の増加を抑えるために米軍はバグダッドの治安責任のより多くをイラク軍・警察に担わせたが、それが危機を深めた。米軍はグリーンゾーンでさえも毎晩砲撃される状況に陥り、イラク政府要人の動きが捕まれて攻撃される事態が頻発していた。
米軍はこれを転換するために再びバグダッドの制圧に全力を挙げたのだ。ところがそれもまったく事態を改善するものではなかった。米軍の犠牲はさらに増え、その一方でイラク政府も19日に保健省のサファル次官が拉致されたのを始めとして、政府要人が攻撃される事態が相次いでいる。
米帝は、マリキ首相が弱いと非難し、マリキ首相はアメリカが十分な武器を与えないからだと応酬しているが、占領軍の先兵となったカイライ政権をイラク人民はまったく信頼していない。結局米帝は、米軍の軍事力で武装勢力を鎮圧する以外にないが、完全に展望を失っているのだ。
占領協力か解放戦争か 「死の部隊」が拉致暗殺
イラク戦争のもう一つの戦局は、スンニ派住民とシーア派住民との全面的な内戦がまき起こっていることである。バグダッドやバラドなどスンニ派とシーア派が混在する町では、地域の制圧をめぐってそれぞれの住民が砲撃戦を展開する事態にまで発展している。昨日まで良き隣人だった人びと同士が二つに分かれて争う事態の中で、それぞれに全人民総武装という状況に入っている。
こうした宗派間戦争は、今年2月のサマッラのシーア派聖廟の爆破を契機に激化したが、その根本原因は、「死の部隊」の存在を抜きに語ることはできない。イラク警察の中に「死の部隊」と呼ばれる特殊部隊が存在することは、早くから指摘されてきたが、米軍はこの部隊の存在に見て見ぬ振りをし、彼らを使ってイラク武装勢力をたたきつぶそうとする政策を続けてきた。
「死の部隊」は、夜間にスンニ派住民の民家を襲い、男たちを誘拐して拷問して殺す暗殺作戦を繰り返している。朝になると体中に拷問の跡があり、頭に電気ドリルで穴を開けられた数十人の死体が路上に捨てられているという事態が連日起こっている。武装勢力であるというわけではなく、ただスンニ派であるということだけで連行され、殺されている。また、「死の部隊」は、バグダッドに何カ所も秘密の収容所を持っており、そこには数百人のスンニ派住民がとらわれており、激しい拷問を受けている。
これに対しスンニ派の武装勢力も最近ではシーア派の住民に対する自爆戦闘などの攻撃を強めており、全面的な内戦となっている。10月のイラク人の死者は3709人に上っている(国連)。月ごとの集計で過去最悪となった。11月20日の死者100人のうち75人は暗殺によるものだ。
「死の部隊」の実態は、フセイン政権下でイランに亡命していたシーア派のイラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)の軍事部門バドル旅団で、米軍占領とともにイラク国内に戻り、イラク軍・警察の募集で軍や警察に潜り込んだ。イラク警察の7割がバドル旅団だと言われている。
イランに亡命していたシーア派勢力は米軍占領に協力することでイラクの政権を掌握しようと企てた。移行政権から正式政府の樹立に至る過程も米帝の思惑に乗って政権の座に着いた。民族解放勢力は、カイライのイラク軍や警察に、募集の段階から攻撃をしかけた。特に米軍が治安活動をますますイラク警察・イラク軍に担わせるようになって、イラク警察、軍との闘いが戦略的な重要性を持つようになり、戦闘も一層激しくなった。
イラク警察に潜り込んだシーア派の「死の部隊」は、夜間にスンニ派住民の家を襲い男たちを拉致して拷問、虐殺する作戦を強めてきた。遺体を路上にわざと捨てるのは、スンニ派住民の恐怖をあおって彼らを地域から追い出そうという狙いを持っている。これと連動してサドル派のマハディ軍もスンニ派住民への攻撃を強めている。
これに対してスンニ派を中心とした武装勢力がシーア派への自爆戦闘や自動車爆弾などの攻撃に踏み切ったことによって全面的な内戦へと突入していったのである。
イランを「悪の枢軸」と規定し、侵略戦争を狙っている米帝は、イランと結びついたシーア派の民兵組織を容認する意思はない。しかし、イラク占領を貫く上で当面、シーア派の策動を黙認している。イランのウラン濃縮が焦点化した時期にはシーア派への政治的圧力を強めたが、民族解放戦争を鎮圧する必要性から、再びイラク軍・警察と連携して武装勢力鎮圧作戦に乗り出している。あらゆる意味で内戦の激化は侵略戦争を強行した米帝の責任なのだ。
中間選挙大敗で危機へ 部隊増派で一層泥沼化
米帝のイラク侵略戦争の泥沼化で米労働者人民の怒りが高まっており、それを背景に米帝支配階級内の戦争の進め方をめぐる抗争になっている。中間選挙での共和党・ブッシュ政権の敗北がこの抗争に拍車をかけている。
ブッシュは、イラク戦争の進め方に対する批判を抑えるためにラムズフェルドを更迭し、ベーカー元国務長官を中心としたイラク研究グループに新たな戦略の策定を求めた。これを契機に、米国内で戦略論議がまき起こっているが、全面撤退=敗北を受け入れられない米帝にとって、どのような勧告が出たとしても、現実的に有効な方策があるわけではない。
ペース統合参謀本部議長の指示を受けた米軍内部の検討グループが、@増強A規模を縮小した上で長期的に駐留継続B全面撤退、を選択肢として示したといわれるが、結局いったん軍を増強した上で事態を改善し、規模を縮小するという@とAを組み合わせた案が有力とされている。
しかし、実際はこれも現実性がない。単純に米軍を増強しても、武装勢力の動向が掌握されていない以上何もできるわけではなく、いたずらに米軍を動かしても犠牲を増やすだけだ。しかも、米軍の兵力を増強した水準で長期に維持することができなくなっているのだ。そこで数カ月間部隊を増強して事態を改善し、規模を縮小する道を付けようとしているが、そうしてきた結果が今の泥沼にほかならない。
米軍はすでに2万人の増派を決定した。現在イラクには14万4千人の米軍が配備されており、一時期12万人程度に削減されていたものが、徐々に増やされている。アフガニスタンと湾岸を含めれば、25万人の米兵が派兵されている。この米軍に加えて、民間の傭兵が13万人規模で存在しており、イギリスやオーストラリアなどを含めれば30万人の軍隊が投入されている。そこに短期に2万人を増派しても何の戦略的な転換も実現できないことは明白である。これは、侵略戦争の泥沼にさらにのめり込んでいくことでしかない。
こうした中、英帝も重大な政治的危機に陥っている。ブレア首相は退任の時期を前倒しすることを表明せざるをえず、来年にも辞任することが確実になっている。小泉政権以来、米帝ブッシュと枢軸関係を形成し、イラク侵略戦争に参戦してきた日帝と安倍政権にとっても、イラク危機とブッシュの大敗は重大な打撃となっている。
米英日帝は、イラクで敗退した場合の世界史的な打撃の大きさにおののき、ずるずると侵略戦争を拡大してきた。米国内での戦略転換をめぐる論議は、米帝ブルジョアジーの亀裂を拡大している。しかし、米帝はイラクから全面撤退することはできない。イラク人民を始めとした労働者人民の闘い以外に、米帝をイラクからたたき出すことはできない。帝国主義を打倒する以外に労働者・兵士の生きる道はない。
米国防総省の発表でもすでに2867人の米兵が命を落としている。深刻な負傷や病気になった兵士は5万人近くになっている。帰還兵は、帰っても職がなく、あってもきわめて低賃金の不安定雇用が大半だ。一方でイラク人民の死者は65万5千人に上っている(米ジョンズ・ホプキンス大学のバーンハム教授ら研究グループの統計)。
イラク侵略戦争の泥沼化の中で米帝の没落、世界支配の崩壊が深まっている。そして帝国主義は争闘戦を激化させつつ、米帝を先頭に世界戦争に突き進んでいる。世界戦争に世界革命を対置して闘わなければならない。
不屈に闘うイラク人民、ムスリム人民と連帯し、イラク即時撤退、米帝ブッシュと日帝・安倍政権の打倒へ闘おう。
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週刊『前進』(2273号4面2)(2006/12/04)
民主労総 ゼネストに突入
FTA阻止で“民衆総決起”
11月22日、決戦の日は明けた。韓国全土で労働基本権獲得と韓米FTA(自由貿易協定)阻止をスローガンに掲げた民衆総決起が始まった。その先頭で民主労総20万組合員がゼネストに立ち上がった。
午前10時、民主労総は15日の警告ストを引き継いだ8時間の全面ストライキに突入。建設運送労組1万3000人、金属産業連盟131労組10万5203人を先頭にストや年休闘争などに立ち上がり、ゼネスト総計は20万5806人となった。
(写真 韓国で”民衆総決起”と結合しゼネストに立ち上がった民主労総【11月22日 ソウル市庁前広場】)
全教組が決起
全国にさきがけて午後1時、ソウル市庁前広場は7000人の全教組(全国教職員労働組合、組合員8万6287人)で埋まった。大学改革に反対し3週目の同盟休校を闘っている教育大生たちも参加し、「教員評価制阻止と成果給撤廃のための教師決意大会」が始まった。
ノムヒョン政権・教育部は「教育に責任を負う教師らが学生たちの学習権を侵害し不法な集団行動を行うなど容認できない」と、闘う全教組に対する憎悪をむき出しにして弾圧を公言した。この恫喝をはねのけて実現した大結集だった。
民主労働党を支持したことを理由に有罪判決を受け、11月9日に教職を奪われたチャンヘオク全教組委員長は、教育を金もうけの場にしようとする新自由主義攻撃を弾劾し、「私たちは問責、懲戒など恐れない。私たちの闘いでお金ではなく人間が中心となる教育をつくっていこう」とアピールした。
汎国民大会に先立って開かれたゼネスト決意大会では、1万2千人の労働者たちが、@労働法改悪阻止と労使関係民主化立法獲得、A非正規権利保障立法獲得、B韓米FTA交渉阻止、C産業災害保険法全面改革の4大核心要求をかちとることを誓い、「労働基本権と民衆生存権の危機、戦争の危機をのりこえて歴史的責務を果たそう」とするゼネスト決議文を採択した。
午後4時からの「労働基本権獲得、社会両極化解消、韓米FTA阻止第1次汎国民大会」は3万人に膨れ上がった。全国13カ所で20万人を超える労働者・農民・貧民(全国貧民連合)・学生の共同闘争となった。
光州では高速道路占拠闘争の後、光州市庁舎へ突入した。各地で決起した労働者・農民が市・道庁舎へ進撃する闘いとなった。
今後、民主労総は連日4時間ストを続けながら、11・29、12・6の民衆総決起を闘い、国会での非正規職悪法の動向いかんでは無期限ゼネストに突入する。
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週刊『前進』(2273号4面3)(2006/12/04)
アフガニスタン
ゲリラ戦が再高揚
広範な人民の反占領決起
南部・東部でタリバンが攻勢
米英軍を始めとした占領軍の撤退を求めるアフガニスタン人民の解放戦争が激化している。今年に入ってのタリバンの攻撃は月当たり600回で、昨年の月当たり130回から急増している。それも今年5月から劇的に増加してきたのである。5月中旬にカンダハルの西30`にあるパンジバーイ地区でアフガン警察をタリバンが待ち伏せ攻撃し、カンダハルに駐留するカナダ軍兵士が直ちに空爆して80人の市民を虐殺した。
これ以降、戦闘がエスカレートした。それによって25人のカナダ軍兵士が死亡した。カナダ軍は9月に入り「メドゥーサ作戦」を発動し、420人のタリバンを殺したと発表した。ヘルモンド州ではイギリス軍基地が34日間に30回もタリバンに攻撃され、防弾チョッキを付けたまま寝なければならず、2人の兵士が死亡した。タリバンの占領軍に対する戦闘はパキスタン国境の東部諸州でも激化しており、米軍自身が今年に入って3倍になっていると発表した。
このように占領軍に対する攻撃が激増しているだけでなく、攻撃はカイライ政権指導者を狙って実行されている。カンダハル州知事や同州の女性省の長官、警察長官、情報長官などが次々と殺されている。
生活できない
このようにタリバンが復活したのは、2001年の米軍の攻撃で故郷の村に逃げて隠れていたタリバンが出てきたというだけではない。5年間の米、NATO軍の占領がアフガニスタン人民の生活を極限的に破壊した結果として、膨大な人民が占領軍からの解放戦争に決起し始めたのだ。米、NATO軍占領は、アフガニスタン人民の生活を全面的に破壊した。米帝のバラ色の宣伝とは裏腹に、電気も水も食料も手に入れるのが困難になっている。こうした中で農民はケシを栽培する以外に生きられなくなっているのだ。アフガニスタンのケシ栽培はこの5年間で大きく増加したが、06年には前年より59%も増加している。まさにアフガニスタン人民は占領軍をたたき出し、解放戦争に勝利する以外に生きる道がないのだ。
無差別の虐殺
米、NATO軍はアフガニスタン人民の決起に対して、焦りを募らせて無差別虐殺でこたえている。この間タリバンは、路肩爆弾や自爆攻撃というイラクの武装勢力が用いている戦術を多く使うようになっている。占領軍はやられてもどこにタリバンがいるか分からないのだ。これに対してNATO軍は無差別空爆で村を破壊している。
たとえば10月24日のカンダハル州のパンジバーイ地区の戦闘でNATO軍はカイライ政権の発表でも30人から80人の市民を虐殺した。その大半は女性や子どもである。だがNATO軍の当初の発表は市民の死者は12人だったというものだ。米、NATO軍の人民への懲罰とも言えるこうした無差別虐殺は、アフガニスタン人民をますます解放戦争へと向かわせており、占領支配は崩壊の危機に瀕している。
現在、アフガニスタンには3万1千人のNATO軍が配備されており、そこには1万2千人の米軍が含まれている。米軍はNATO枠以外に対テロ作戦部隊として1万1千人を配備している。米英軍の現地部隊は早急に増派が必要であると要求している。米軍はイラク配備でひっ迫状態にあり、米帝はNATO軍として北部に展開するドイツ軍などに対して配備区域の制限を取り払って南部や東部に展開するように要求しているが、ドイツは公式には何も表明していない。
米帝の「対テロ戦争」を掲げた侵略戦争は、アフガニスタンでも完全に泥沼に陥っている。
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週刊『前進』(2273号4面4)(2006/12/04)
11月15日〜21日
ブッシュ「北が核放棄で戦争終結」
教基法改悪、衆院で採決強行
●65人に5千円の謝礼 政府主催のタウンミーティングで内閣府が事前に発言を依頼したサクラの質問者に謝礼金を支払っていたと国会で指摘された問題で、塩崎官房長官は記者会見で、02〜04年度の3年間で計65人の「冒頭発言者」に謝礼金を支払っていたことを認めた。(15日)
●教基法改悪、衆院委で採決強行 教育基本法改悪案が、衆院の同法特別委員会で自民、公明両党などの賛成で可決された。民主、共産、社民、国民新の野党4党は「審議は尽くされていない」として採決を欠席した。(15日)
●衆院本会議でも採決強行 教基法改悪案が衆院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決した。参院に送られた。民主、共産、社民、国民新の野党4党は前日の特別委で与党が単独で採決したことに抗議して本会議を欠席した。(16日)
●プルトニウム、商業生産へ 日本原燃は、青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場で、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)粉末製品の製造に入った、と発表した。日本初の商業的なプルトニウム生産となる。MOX製品は同社が計画中のMOX燃料工場で燃料に加工され、普通の原発でプルトニウムを燃やすプルサーマルに使われる予定。(16日)
●イージス駆逐艦、来月6月に増強 在日米海軍司令部(神奈川県横須賀市)は、イージス駆逐艦「マッキャンベル」を来年6月に横須賀基地に配備すると発表した。横須賀を拠点とする米海軍の艦艇は、空母「キティホーク」と旗艦「ブルーリッジ」を除く9隻がすべてイージス艦となる。(17日)
●安倍とブッシュが初会談 アジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会合に出席するためベトナムを訪問中の安倍首相とブッシュ米大統領が初めて会談した。「世界とアジアのための日米同盟」の方針を確認し、北朝鮮に対する包囲網づくりで連携を強める姿勢を確認した。(18日)
●APEC首脳会合開幕 APECの首脳会合がベトナム・ハノイで開催された。北朝鮮の核実験に強い懸念を示し、核放棄への具体的行動を求める口頭の議長声明を発表した。世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の本格的な再開に向けた特別声明を発表。米国が主張するAPEC域内の自由貿易圏(FTAAP)については、来年から研究を始めることで合意した。(18、19日)
●沖縄県知事選、糸数氏惜敗 沖縄県知事選挙が投開票され、自民と公明が擁立した仲井真弘多候補が、民主や共産、社民などが推した糸数慶子候補を破り、初当選した。(19日)
●核放棄なら「平和協定」 ブッシュ米大統領は、ハノイで開かれた米中首脳会談で胡錦涛国家主席に「北朝鮮が核を放棄すれば、朝鮮戦争の終結を公式に宣言することができる」と語った。「朝鮮戦争終結宣言」は、平和協定締結に向けた措置を指すとみられる。(19日)
●「ミサイル防衛は専守防衛」見直し示唆
塩崎官房長官は記者会見で、日本のミサイル防衛(MD)システムを他国の防衛には使わず、集団的自衛権の問題は生じないとした03年の福田官房長官談話について「(政府内の議論の)結果がどうなるかによって談話の見直しかどうかは決まる」と、見直しもあることを述べた。(20日)
●海自潜水艦とタンカー接触 宮崎県日南市油津港の東約50`の海上で、浮上訓練中だった海上自衛隊の練習潜水艦「あさしお」がパナマ船籍のタンカーと接触した。(21日)
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週刊『前進』(2273号5面1)(2006/12/04)
織田陽介全学連委員長の訪韓報告
「労働者はひとつ」と実感
出会うだけで力が生まれる
全学連は11月10日から13日まで、11・5労働者集会に来てくれた民主労総ソウル本部とともに闘う律動隊の学生グループ「丹風」(タンプン)とともに韓国を回り、民主労総の労働者大会に参加し、韓国の学生・労働者と交流してきました。
この報告で訴えたいことは、「労働者はひとつ」ということです。そして動労千葉の労働運動がやはり素晴らしい、世界に誇れる勝利の路線なんだということです。これを読む労働者・学生一人ひとりがこの社会を変える力を持っているということを訴えたい! 今回の訪韓で、全学連の中には教育基本法の改悪なんて一発でぶっ飛ばせる、そういう力が沸き上がってきています。
(写真 韓国の学生とともに、民主労総ソウル本部主催の烈士精神継承集会に参加する【11月11日】)
「まったく同じじゃん!」
私たちは11日の午前中に同徳女子大学を訪れました。総学生会(韓国は学科ごとに学生会が結成されていて総学生会は全学自治会のようなものです)の会長と交流するためです。学生会館は工事中で、別の建物を学生会館として代用しています。なんと学生会館の改修工事を理由に、管理権を学生から当局へと奪い取ろうとしているという。日本での学生寮や学生会館における問題とまったく同じじゃん! 訪韓団一同、驚きながら総学生会室へ。
同徳女子大学では、04年から学生の成績を決定する過程が不透明だとして学生が闘いを開始、学生の作ったプラカードなどを当局が撤去したり、理事会を批判する大学新聞を書く学生を入れ替えたり、それに抗議して自費で新聞を出してまく学生を実力で教員が排除するなどの激しい攻撃。そして10人の学生が本部占拠闘争を闘い、学生会長も含めて無期停学処分を受けました。
非正規職の教職員労働組合をつぶし、今度は総学生会を「不正選挙」「学生会費の不正流用」などとこじつけ非公認化しようとしている。こうした話を聞きながら、訪韓団から何度「同じだ〜」という声が出たか。法政大学の立て看板規制の問題、自治会非公認のやり方! 何か質問はありませんかと言われ、「すべて分かります、質問はないです」と答えてしまったぐらいです。
同徳女子大学は03年に7000人の学生と非正規職組合、教授まで含めて100日間の全学ストを打ち抜いて理事長を倒した歴史を持つ大学です。03年と聞いて法政大の闘いや、有朋寮の闘いを思い、会ったこともない学生が、まったく別の場所で闘っていたのだ、という熱い感動がこみ上げてきました。総学生会長は、「どちらかが勝てば海を越えて影響します。ともに負けない闘いをしよう」と語ってくれました。
同じ敵と闘ってきたんだ!
高麗大本部前でテントを立てて住み闘う退学者委員会との交流で、「法政大学は靖国神社の裏です。最初に抗議に駆けつけます」と停学中の法政大生が話すと、テント内が「おお!」と沸いた。また、全金本山を思い起こすようなキリュン電子の門前で、監視カメラの前で肩を組んでインターナショナルを歌ったときも涙が出そうになった。
確かに場所も違い、会ったこともなかった。しかし、同じ敵と闘ってきた、ともに闘ってきたんだという感動は忘れることができません。もともと労働者はひとつ、すでにひとつなのだ。そして出会うだけですごい力が生まれる。私たちは世界とつながる力がある。この闘いは世界とつながっているんだと。そしてブッシュや安倍やノムヒョンを倒す力があるのだと。「愛国心教育」とはこの国際的に連帯する力を奪う攻撃なんだ! と実感したわけです。この国際連帯の力は安倍なんかに崩されるわけはないのだ!
闘い続ければ勝利できる
ハイテックRCDコリアの争議現場はまるで解放区。工場の入口には組合員が作った「労組弾圧工場」の看板、中には垂れ幕や建物にスローガンをペンキで書いたり。こんな労働者が日本の労働者集会に来てくれていたとは! すごい集会だったとあらためて実感。そういう労働者たちが、動労千葉の田中委員長の話を真剣に聞き、「敵よりも一日長く」と書いた紙を大事そうに受け取った。田中委員長が「みなさんが体も壊していると聞いています」と声をかけると、少し涙を浮かべた組合員たち。笑顔の裏にある苦しさや悔しさ。闘争の長期化とその苦闘の中で動労千葉の長期の闘いに何とか学びたいという思いがあるのです。
思えば自分も全金本山の闘いに出会い、その勝利にも立ち会い、動労千葉とともに闘ってきた。このことがとても大きなことだったと韓国に行って実感し本当に新鮮だった。労働者は団結を打ち固める限り闘い続けることができる、闘い続ければ勝利できる。現場で組織することの大変さに直面しているからこそ、こうした団結の強化を総括軸にした闘いこそもう一度確認すべきだと。丹風の学生たちもキリュン電子の闘いをミュージカルにして大学で公演するなど、労働運動との連帯を掲げて組織化の壁に立ち向かっている。
やはり最後はマルクス主義に行き着くしかない。食堂でいっしょに昼食を取り、飛行機の時間が迫って早く帰らなければならないと告げると、組合員の女性たちが「これ持っていきなさい」とばかりにミカンを手渡してくる。とにかく人情。ミカンを手に持ったままバスに乗ってしまった。
(写真 高麗大学本部前にテントを立てて闘う退学者委員会を全学連の学生が訪問し交流【11月11日 ソウル】)
あげる拳に労働者の誇り
自分としては、確かに民主労総の労働者大会もすごかったと思うが、700人が歩道を埋めた前段集会の非正規職撤廃集会が心に残った。現場労働者たちが本当に生き生きと発言し、歌い、踊り、ともに拳を上げた。現場では本当に苦闘の連続でも、仲間と集会にいけば元気に闘える。言葉は分からなくても一つひとつが「私は労働者だ、文句あるか」という労働者の誇りが表現されていた。その集会で動労千葉が発言した。動労千葉の闘いが今世界を動かそうとしている。
全学連の訪韓を寝る時間を削って支えてくれた丹風の学生たちにはいくら感謝してもし足りない。この歴史的な日韓連帯は、世界革命勝利の日まで続いていくことを帝国主義者どもに宣言して、報告を終わります。
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週刊『前進』(2273号5面2)(2006/12/04)
革共同第22回拡大全国委総会を開催
「党の革命」完遂と労働者党の建設へ新たな力強い歩み
プロレタリア革命に勝利できる党へ再生
革命的共産主義者同盟は、06年秋に、第22回拡大全国委員会総会を日帝権力の戦時下の治安弾圧体制から完全に防衛しぬいて開催し、歴史的な勝利をかちとることに成功した。このことを全国のすべての同盟員と労働者階級人民の皆さんに、大いなる感動と確信をもって報告したい。
今回の拡大全国委員会総会で革共同は、06年に労働者同志の決死の実力決起によって遂行された「党の革命」のただ中で、その勝利と成果を第一次的に断固として集約すると同時に、「党の革命」のさらなる徹底的な完遂に向かっての組織体制、指導体制を革命的な臨時体制として確立し、プロレタリア日本革命・世界革命を達成することのできる労働者党としての新たな力強い歩みを開始した。何よりもこの点に、過去のいかなる全国委総会とも格段に違う、今回の総会の歴史的意義があった。
さらに、今拡大全国委総会は、「党の革命」の実戦的推進とこの間の新指導路線の前進の中で、特に労働者出身の指導部がその中軸を占める形でかちとられたこと、マルクス主義青年労働者同盟とマルクス主義学生同盟の指導的同志たちが戦闘的に合流したこと、さらに全国単一の革命的労働者党として地方委員会建設の全国的前進の展望をもってかちとられたことなどにおいても、極めて重要な歴史的意義をもっていた。
革共同は開始された「党の革命」をさらに徹底的に推進する。そして、党を労働者階級とともに、プロレタリア日本革命・世界革命に勝利できる革命的な労働者党として再生し、強大に建設していく。その新たな歴史的出発拠点は、ここに打ち立てられたのだ。
政治局から三つの革命的な報告と提起
今回の拡大全国委総会には、革共同政治局から、以下のような三つの革命的な報告が提起された。
第1報告は、天田三紀夫書記長が行った「『党の革命』を徹底的に推進し、11月1万人労働者決起をプロレタリア日本革命の突破口として実現しよう!」である。
第1報告ではまず第一に、01年の革共同第6回全国大会の歴史的意義を積極的に確認すると同時に、その後の突破すべき課題として、新指導路線での実践的一致、理論と実践の革命的統一、全国単一党建設などの問題について鋭角的に提起した。
第二に、06年―07年の新指導路線の前進と改憲阻止決戦の爆発をかちとるために、これまでの革共同の革命的議会主義の全面的総括と、新たな方針形成の死活性について提起した。
第三に、「党の革命」を徹底的に推進するための党建設論の領域において、中央委員会と細胞、全国単一党、地方委員会(地区委員会)の建設論が深化され、新指導路線の本格的・全面的発展に向けた不抜の労働者党建設の基本的方向性を打ち出した。
第四に、新指導路線の前進のための、革共同の理論問題・イデオロギー闘争について、歴史的な継承性を踏まえつつ、その今後の発展の基本的方向性を確認した。
第2報告は、「帝国主義の基本矛盾の全面的爆発と帝国主義的侵略戦争の時代への泥沼的突入」という情勢論の提起である。
帝国主義世界体制の基軸国である米帝のバブル経済の歴史的崩壊(大恐慌・大不況への突入の不可避性)に始まって、「最弱の環」=日帝の体制的危機の激化と階級決戦の展開論にいたる内外情勢の革命的分析は、総会参加者を強烈な時代認識で奮い立たせた。
革共同と労働者階級の闘いの基礎には、マルクス主義とレーニン帝国主義論に立脚した革命的な情勢分析と時代認識がある。第2報告は、11月総決起から06年―07年決戦を闘いぬく基礎を、圧倒的迫力で提起し、確信をもって打ち固めるものとなった。
第3報告は、「党の革命・労働者党建設を決定的推進基軸に、改憲阻止決戦の爆発的高揚を切り開き、11月1万人結集を実現しよう!」という提起である。
「党は階級そのものである」と言い切る
この第3報告は、反スターリン主義・革命的共産主義運動の今日の歴史的な到達地平とその総括の視点についての提起であり、新指導路線のよって立つ基盤を一層鮮明にし、かつ発展させる画期的なものであった。
「反帝国主義・反スターリン主義労働者党を日本階級闘争の大地に打ち立てる闘いは、半世紀にわたる血で血を洗う凄(すさま)じい苦闘を経て、これを根本から否定し、党そのものを内部から、しかも中枢から解体するという最大の歴史的危機を、労働者党員の決死の実力決起によってうち破り、新たな地平を切り開いたのである。労働者党員の決起によって反帝・反スタ党が核心的に死守され、階級自身のマルクス主義党建設に向け、決定的な前進が始まったのだ」
「党はこの闘いを通じてはじめて、『党は階級そのものである』と言い切れる自己認識に到達することができたのだ。そして『階級の敗北は党の敗北であり、党の敗北は階級の敗北である』と明白に言い切ることができるようになった」
第3報告を貫く精神と内容は、日本の戦後階級闘争を主体的に労働者階級自己解放闘争の立場から総括するということであり、それはまた革共同が戦後階級闘争と労働運動の積極的総括者、主体的継承者、具体的実践者となることを意味している。
同時に、それは戦後労働運動の最大・最良の継承者として動労千葉労働運動が存在していることを積極的に確認することであり、またこの立場で一致して、戦後階級闘争・労働運動を総括し、動労千葉労働運動を実践し、4大産別決戦を闘うということである。
こうした立場から、改憲阻止決戦と日帝打倒のプロレタリア独裁論を位置づけた歴史的意義は、きわめて重要であった。
熱烈な徹底的討論と五つの特別決議採択
以上の三つの報告を受け、総会は真摯(しんし)な自己批判・相互批判を含めて、真剣かつ熱烈な同志的連帯感に満ちた討論を行った。それを通して、徹底して労働者自己解放闘争の立場から提起された報告と、「党の革命」がこの間きり開いてきた地平、そして新指導路線と動労千葉労働運動での路線的・実践的一致をかちとることに成功した。
若いマル青労同、マル学同の同志たちも、先輩・古参の同志たちとともに、報告・提起の内容での路線的一致をかちとる闘いを理解し、そのレベルにかみ合った討論と発言を行い、総会全体を牽引しつつ、革共同の未来を担う決意を示した。
総会はさらに、以下の五つの特別決議を全員の圧倒的賛成をもって採択した。
それは、@「党の革命」によって打倒され、また「党の革命」に敵対して逃亡・分裂策動に走った与田、遠山、西島、平田、倉沢に対する「除名決議」と、A「国労5・27臨大闘争裁判勝利を絶対戦取しよう」、B「マル青労同1000名建設にむけて」、C「改憲阻止! 安倍打倒! 法大決戦勝利! 法大ストライキを突破口に、全国学生300万ゼネストをかちとろう!」、D「星野文昭同志の奪還へ総決起しよう」という、当面する重要な闘いについての諸決議である。
また総会には「部落解放闘争の理論的諸問題」が付属文書として提出され、それにそって非常に意義ある提起が行われた。
革共同第22回拡大全国委員会総会は、「党の革命」を断固完遂して、プロレタリア日本革命・世界革命の勝利を切り開く、新たな歴史の始まりとなった。革共同は自らを革命的に再生し、革命を実際にやることのできる労働者党へと、新たな歩みを開始した。
このことを全国のすべての同志と労働者階級人民の皆さんに報告し、同時に革命の勝利までともに前進することを訴えたい。
拡大全国委総会と11・5労働者集会が切り開いた感動的な歴史的地平から、さらに力強く06年―07年決戦に突き進んでいこう。
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週刊『前進』(2273号5面3)(2006/12/04)
法政大学からの報告
警察の潜入を追及
11・5労働者集会には、法政大学を席巻する宣伝・扇動戦を展開し、昨年を超える初参加者が結集しました。この11・5に結集した学友が、退学・停学処分を撤回させる闘いの先頭に立っています。
警察と結託し闘う学生脅迫
法大決戦の爆発に対して、法大当局は必死に弾圧・圧殺策動に出ていますが、逆に大破産しています。先日、学内に潜入している公安警察とおぼしき正体不明の男性が、公開質問状に名前を連ねた学友に、「中核派と一緒にいると仲間だと思われるよ。このままだと退学か、停学になる」と脅迫しました。この人物は、土手にいる公安警察と談笑するなど、完全に公安警察とつながった人間です。こんな人間を「警備員」と称して、学内に導き入れている平林総長の責任は重大です。法大当局は、公安警察を学内に日常的に導き入れ、結託し、闘う学生を恫喝しているのです。
脅迫された学友は、学生部に抗議しました。ところが、学生部職員は「脅迫したわけではない」などと居直ったのです。学友は、直ちに事態の全容を明らかにするビラをキャンパスに配布する闘いに決起しています。弾圧は、闘う学生の団結をますます強めています。平林総長は、事態の全真相を明らかにし、当該学生に謝罪し、この不審人物を今すぐ法大からたたき出せ!
法大当局は、中核派であることや、中核派と一緒にいるだけで退学処分だと言うのです。「大学の業務を妨害したかどうか」など、当局にとってはまったく関係がないのです。まさに、今の腐りきった帝国主義を打倒するために労働者階級とともに闘うという立場に立つだけで、大学からたたき出すと言っているのです。
(写真 11・5全国労働者集会には全国から多くの学生が集まり、「安倍を倒せ!」と力強くデモ)
裁判でも破産する法大当局
実際、退学処分になった3人の文学部生は、6月から地位保全の仮処分裁判を行っていますが、5カ月が経過した今に至るも、法大当局は「誰が、どのような大学の業務を、どのように妨害したのか」という具体的な事実を示すことができていません。
11月になり、法大当局は「証拠」としてビデオテープを提出してきました。ところが、その内容は、4月28日の法大包囲第1波デモや、学生がキャンパスで演説している様子、安東学生部長を500人の学生が取り囲んで追及している様子(5月26日)などであり、「大学の業務を妨害した」と言えるものは一つもありません。しかも、退学処分決定を行った後の映像がほとんどで、処分決定とはまったく関係ない映像です。何よりも、3・14法大弾圧の映像はまったくありません。ここに法大当局の破産性が示されています。まさに、法大当局の側から「大学の業務を妨害した」などという事実などまったく無かったことを証明しているのです。
総長選廃止に教職員が反撃
平林総長は、独裁体制を永続化させるために、総長選挙の廃止を画策してきましたが、教職員の大反撃にあっています。総長選挙廃止問題について、法大当局が教職員組合からの再三にわたる団体交渉要求を拒否してきたことで、教職員組合は東京都労働委員会に「斡旋(あっせん)」申し立ての闘いに入りました。総長選挙廃止反対の教員署名は、教員の7割を超えました。
この署名には、総長選挙廃止に最も反対している職員の人たちは参加していません。「しなかった」のではなく「できなかった」のです。その理由は、当局による「報復人事」が行われるからであり、「職員が仕事の上で萎縮しつつある法政大学の現状は、法政大学の将来にとって看過しえない、きわめて深刻な事態」(教職員組合ニュース)と言われています。
法政大を改憲阻止の砦に!
今や、戦前のように極右ファシストが法大を牛耳り、法大が侵略戦争の先兵になるのか、それとも平林独裁体制を打倒して、改憲阻止・日帝打倒の砦(とりで)にするのかが問われています。いまこそ、教育基本法改悪阻止決戦の歴史的うねりと一体になって、「退学・停学処分を撤回せよ」「総長選挙廃止阻止」で、全法大生が団結して全学ストライキに立ちあがるときです。
敗戦直後、軍国主義の教員を法大からたたき出し、法大を労働者階級の側に奪還したのは学生による全学ストライキでした。いまこそ、戦後革命期や60年、70年を超える法大生の闘いを爆発させ、法大を労働者階級と学生の手に奪還し、労働者階級の「革命」の闘いに合流したいと思います。全学生、全教職員の団結した力で、教育基本法改悪を阻止しよう。
(法政大/井端健介)
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週刊『前進』(2273号6面1)(2006/12/04)
11・12新潟で教基法改悪反対の緊急行動 新潟 川上洋子
教育基本法改悪の衆院の山場を控えて、日比谷野音の全国集会と一体の緊急行動を、11月12日、新潟市内繁華街で行いました。行動を呼びかけたのは、百万人署名運動・新潟と新潟キリスト者平和の会。国会が緊迫する中で、地元でも何かやろうという声にこたえたものです。
しぐれに北風で日中も全く気温が上がらない本当に寒い日でしたが、子どもを連れて座り込み&街頭アピールに参加しました。時間になると続々と人が集まり、総勢25名。呼びかけた人たちも「こんなに集まるとは」と驚き、「寒かったけど、人が集まると元気が出るね」と実感しながらの緊急行動でした。
横断幕やメッセージボードを掲げるだけでなく、一足早くサンタクロースとトナカイも座り込み、注目を集めました。行動に初参加の人も多かったのですが、メッセージボードを持って繁華街を練り歩いたり、マイクを握ったり、思い思いの行動。もっとも感動したのは、若い母親が乳児を抱えながら署名板を持って、道ゆく人に訴える姿でした。この情勢にみんな危機感を持っていることを実感しました。
新潟では、教員組合が教基法改悪反対の具体的闘いを全く呼びかけません。日教組が本気で行動を呼びかけるなら、人民の巨大な怒りの奔流が実現できるのにと残念でなりません。教基法改悪を絶対阻止するために、全国でたたかいましょう。
非正規雇用労働者と4大産別が団結して 広島 大島幸司
全逓労働者と短時間職員や「ゆうメイト」、そして関西合同労組の関西トランスポート分会のような「業務請負」の労働者の闘い、また教育労働者や自治体労働者と養護学校スクールバス民間競争入札攻撃、尼崎養護学校での民間委託問題などは、その典型だと思います。また、国鉄でも動労千葉の仲間が事業の外注化と闘って、これをはね返しています。
逆に4大産別の側から見ても、自らの産別の闘いが重大な歴史的決戦であり、全労働者階級が全力で取り組むべき課題でもあります。今や3分の1にも達した非正規雇用労働者の闘いと結合することが4大産別決戦の勝利のカギのひとつです。
特に、改憲−教育基本法改悪と一体のものである労働契約法制定の策動を労働者階級の団結の力で粉砕していくことが求められていると痛感します!
この点で韓国・民主労総の闘いに学び、実践していくことは非常に重要と感じました。民主労総は、非正規−正規雇用を問わず全労働者が職場や地域・産別で結合して団結力を生み出していく闘いを実現しています。特に非正規雇用労働者を「解禁」することに断固反対して粘り強い闘いを展開しています。ここに大いに学びましょう。
さらに、「外国人研修生」や外国人労働者問題が、急速に焦点化しています。とりわけ製造業の現場では、排外主義を生み出す労働者支配がもくろまれています。日本人労働者と外国人労働者は階級的に団結して資本と闘わねばならないと思います。
イラスト Y・S
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11・5労働者集会に参加して 今度は俺たちが登壇して旗を振りたいね 愛媛・全逓労働者 岩村大輔
ワゴン車で無泊3日の2000`。全逓(JPU)の仲間や地域の人たちと参加した労働者集会。以下は車中のやりとりです。
「運転はまかしといてください。ナビは全部頭に入ってますから」
「自分は営業評価『D』ですから。全然営業しないっすから。時間内に正確に配達してのプロですから。結局、労務管理のため。上の言うことをよく聞くかどうかの選別なんで……」
「自分は名札も着けてない。車の運転は大好きだし、配達の仕事が性に合っている。その点ではプロフェッショナルなんで」
「職場は今年の年末繁忙期に破綻する。そうなっても矛盾は全部、職員にふりかかる。誰の責任なのか、はっきりさせんと気がおさまらん」
「JPS(トヨタ方式を導入しているやつら)が視察に来ると、職場の管理者はピリピリ。『ゴミひとつ落とすな!』って感じ」
「ストップウォッチで区分けや順立ての時間を背面で計られた事もある。平均以下とか以上とかで、個人の能力を選別して、競争させようとするやり方に腹が立つ。班で協力して支えあってやっとるのに……」
「集会では、どこも横のつながりを求めていた。『枠を越えて』がみんなからの発信だった」
「やっぱ同じ攻撃を受けているから、どうやって反撃しようかという思いは同じ」
「難民申請の外国人労働者と家族が立ち上がったのはすごかった。フェスティバルに来たみたいな感じでみんな明るかった。彼らが集会に参加しているのは意外やったけど、彼らも労働者の仲間なんだなーという感じでうれしかった」
「壇上に『君が代』不起立の先生たちがズラーと並んでの発言は迫力があった。JPUは1人だったけど」
「彼は職場ですごい闘いを当局と組合幹部を相手に頑張っとるし」
「僕は何もできてないけんなー」
「今度来る時は、俺(おれ)らも全国の仲間とどーんと登壇して、旗をふりたいね」
「そのためには、職場でどんどん闘わないかんね」
「ほうじゃね!」
11・5労働者集会に参加して 労働者を怒らせた事必ず後悔させてやる 東京・会社員 常陸法権
私は初めて労働者総決起集会に参加しましたが、今正に労働者人民は爆発しようとしている。
今、日本社会は支配階級が労働者人民が弱い立場である事を良い事に、平然と法で定められた労働者の当然の権利を奪い取り、支配階級だけが生き残り、苦しめられた労働者人民が年3万人以上の大切な命を自ら絶たざるを得ない状態にされ、又、日本帝国主義政府は国家主義政策による教育を子どもたちに押し付けいじめ、そして自殺をさせている。まだまだ未来があり、これから社会を担っていく子どもたちをもお前たちは殺しているのだ。そんな日本帝国主義政府を私は断じて許すことができません。
私は労働者総決起集会に参加し、改めて労働者階級政治闘争によってのみわれわれ労働者人民の解放が達成できるのだと確信しました。
日本帝国主義政府安倍・小泉・東京都知事石原、待ってろよ! われわれ労働者人民を本気で怒らせ闘うべきではなかったと必ず後悔させてやる。
後、日本共産党諸君に言いたいことがある。志ある人民が一人でもいるのならば共闘しようじゃありませんか! プロレタリア人民は共に戦う仲間を除外などしない。何故ならば私は日本共産党絶対支持者であったからである。
世界人民同志諸君、帝国主義を打倒し、人間として幸せに暮らせ、未来と展望のある社会を共に造りましょう。
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週刊『前進』(2273号6面2)(2006/12/04)
06-08年で党勢の2倍化を
『前進』拡大と職場闘争は一体
原則的な機関紙活動を今こそ
前進経営局
11月労働者集会の感動を職場に還流させよう
11月労働者集会は画期的成功をかちとった。「国境を越え4900人が団結」「労働者自己解放の旗ひるがえる」「北朝鮮侵略戦争前夜に闘い誓う」――『前進』2270号の見出しと日比谷野外音楽堂を埋めつくした大写真は、今年の11月労働者集会がどう闘われたかを示している。労働者が主人公の新しい時代が始まったという感動が参加者全体を包んでいる。闘いの確信を全参加者のものにし、集会参加を働きかけたすべての対象者に広めよう。とりわけ職場の同僚に話そう。
その最良の武器は『前進』だ。11・5集会は11・5を前後する三里塚反対同盟や動労千葉などとの交流会から11・12民主労総労働者大会へと続く国際連帯の闘いであった。さらに連日の教育基本法改悪阻止・共謀罪粉砕の国会闘争の渦中で、その勝利の展望を切り開く集会として闘いとられた。集会にはかつてなく多くの青年労働者と学生が結集し、集会を牽引(けんいん)した。
この一連の闘いに込められた労働者魂を伝える最良の武器が『前進』である。教育基本法改悪阻止闘争はいよいよ参院段階の本番を迎える。闘いの高揚と党派的分岐は一層激化する。
年末まで、教育労働者先頭に国会闘争に職場の労働者を結集し、国会闘争の息吹を職場に還流させ、何としても成立を阻止しよう。11・5闘争の報道から07年新年号まで、『前進』をどれだけ職場に広めることができたかで06年の勝敗が決まる。
『前進』購読の提起に躊躇(ちゅうちょ)がある。もちろん成功も、必ずしもうまくいかなかった例もある。しかし、うまくいかなかった例の中に貴重な教訓があり、継続的アプローチによって、けっしてマイナスにはなっていないという報告もある。11月労働者集会で挑戦した「人生を変える」組織戦とは、機関紙活動の強化が核心にある。この闘いに断固として挑戦し、勝利しよう。
(写真 労働者の戦闘的デモ隊列【11月5日】)
『前進』は職場の団結固める武器
階級的労働組合運動を復権させ、労働組合権力に挑戦するためには、職場闘争を闘い、職場の支配権を資本から奪い取らなければならない。それは決意した一人の闘いから始まる。〈最初のひとり〉になる決意をうち固めるため、そして開始した闘いを発展させるためにも『前進』の購読と拡大が必要である。職場闘争を開始した労働者は、『前進』を職場に拡大している。
職場闘争が闘われて職場の団結が守られ、職場の闘う団結があって職場闘争が闘われる。それを日常的に闘い抜くためには、組合内に現存する資本の意図を体現した反動的な潮流、党派、グループとの党派闘争に勝ち抜かなければならない。そのための最良の武器は『前進』である。
職場の同僚に『前進』を拡大することと職場闘争を闘い抜くことは、職場支配権を確立するための一体的な闘いだ。「『前進』フラクがなければ職場闘争もできない。職場フラクをつくっていたから職場闘争ができた。職場闘争は党派闘争であり、『前進』拡大闘争である」という報告がある。組合権力を目指して、階級的労働運動の路線のもとに職場闘争を闘おうとするから、『前進』を拡大できる。
職場闘争こそ、権力・資本と既成組合指導部が最も恐れているものだ。現場労働者が不服従で決起したら資本の職場支配は一日たりともなりたたない。資本の延命のための労働者分断、格差拡大と絶対的貧困化の攻撃に対して、生きるための命をかけた抗議と闘いが開始されている。この闘いを統一し、職場の闘う団結を固める武器、それが『前進』である。
党の自己変革を進めた3全総のもとでの教訓
革共同は1962年9月の第3回全国委員会総会(3全総)で、社・共に代わる労働者党の建設に向けて本格的に踏み出した。直後に、この闘いからカクマル派が脱落逃亡・敵対し、『前進』は35%減少した。しかし、労働組合運動への取り組みと地区党建設、全学連再建の闘いで、64年9月には回復した。その後増勢に転じ、66年9月には3回大会をかちとり、70年安保・沖縄闘争へと突き進んだ。
3全総から4全総(63年9月)、5全総(64年9月)を経て3回大会に至る4年間の闘いは一直線に進んだのではなかった。
この過程を本多前書記長は次のように述べている。
「同盟の分裂を賭(と)してたたかわれた3全総路線は、われわれを日本労働運動内部にしっかりと定着させる道を切り開いた。といってこれは、たんにわれわれの『党勢』拡大といったものではなく、われわれ自身を日本プロレタリアートのたたかう息吹きと一体化させ、その魂を自己そのものとする自己変革の過程であった。われわれは戦闘的労働者との交通の拡大と戦闘的労働運動の防衛の共同の闘いのために、みずからの左翼空論主義的欠陥を進んで取りのぞいていった」(5全総第3報告『本多延嘉著作選』第6巻)
4全総では次のように総括されている。
「われわれのささやかな職場の既得権を守るための闘いは、資本家階級の意図と最も正面から衝突し、労働者にその階級的存在を直感せしめ、闘うことの意味を感じさせる場となっているのである。これを回避したいかなる思想宣伝も階級意識の強調もニセモノなのである」「われわれ一人ひとりをすぐれた職場での活動家に成長させることによってのみしか、われわれの運動の大衆的前進はありえないのである」
(4全総政治報告『共産主義者』第9号)
そして、機関紙活動については5全総で「『前進』をアカハタ同様労働者が当然読むべき新聞として確立して行くことを始めるべきである」「各地区各細胞においては、機関紙を軸とする党活動の確立と計画的な組織づくりがいっそう強化されるべきである。機関紙が、内部的意志一致のパイプであると同時に、大衆に対する工作の武器、大衆にとっては党(同盟)そのものであること、その配布が、公然活動の中心である」と提起している。
戦闘的労働運動を防衛する闘いは、先輩労働者の経験を誠実に学び、自己の魂として職場闘争を実践する自己変革の過程としてあった。
こうして階級闘争全体の高揚を闘いとり、その中で独自に計画的な機関紙活動を実践して拠点職場、拠点大学を建設し、党勢拡大を実現してきたのである。
党の革命を断固貫徹し新指導路線の実践を
03年に提起された新指導路線は労働組合運動と職場闘争を実践し、職場細胞を建設する闘いである。党の革命はそのためにこそ闘われてきた。今こそ新指導路線を思い切って実践するときだ。
この闘いは、情勢は異なるとはいえ、3全総当時の青年労働者の挑戦と精神においては同じではないだろうか。かつては手本がなく試行錯誤を繰り返し、手さぐりで前進してきた。しかし今は動労千葉労働運動が指針として屹立(きつりつ)している。民同労働運動の敗北をのりこえる実践の教訓は、『俺たちは鉄路に生きる2』に結実している。また勝利した全金本山の34年間の闘いがあり、日本の労働者階級には本山闘争を勝利させた力がある。(『本山闘争12000日』七つ森書館参照)
その核心は労働者を信頼し、孤立と失敗を恐れず職場闘争に挑戦することであり、『前進』を労働者が当然読むべき新聞として職場の同僚に勧めることである。職場の実践で信頼される限り、過激派攻撃を恐れることはない。全国で青年労働者が果敢に挑戦しているこの闘いを全労働者同志が実践しよう。地区党と常任は労働者同志と心を一つにしてその闘いを担い、支えよう。
01年の6回大会以降、地区党改革を進め、労働組合への影響力の拡大と11月集会への大動員を実現し、『前進』4割拡大を実現した地区がある。労働者の根底からの決起が開始され、機関紙を読んでもらいたい対象も続々と出てきている。
01年以降、計画的な拠点建設に挑戦し、拠点職場からの大量動員を軸に11月労働者集会への結集を5年間で3倍に伸ばした地区がある。6回大会と新指導路線は労働組合運動の前進と党勢を飛躍的に拡大する方針である。
学生戦線は、法大決戦と国会闘争の中から学生の根底的決起が開始され、マル学同と『前進』の拡大を実現している。
一方、この過程で停滞・後退してきた組織も少なくない。鍵(かぎ)は党が新指導路線の実践において一致することである。そのとき党建設は飛躍的に拡大する。党の革命は労働運動に全身全霊をかけて決起する革命的バネを与えた。この闘いを断固として推し進めよう。
06〜08年、機関紙拡大闘争を軸に党勢2倍化の闘いを退路を断って戦取しよう。
第一に、党の革命を推進し、労働者党員が根底から決起し、職場闘争と組合権力に挑戦しよう。そして、常任同志が一体となって変革かけて決起しよう。いま立たずしていつ立つのかである。
第二に、熱烈に闘いを求めている青年労働者・学生を重点にすえよう。拡大対象リストを作り、原則的機関紙活動を展開しよう。
第三に、全党員と読者の共同の力で、開始された紙面改革を進め、6000万労働者の新聞を作り上げよう。
第四に、教育基本法改悪阻止・安倍打倒の国会決戦と年末の機関紙拡大・一時金決戦の重なりをチャンスととらえ、高揚感と戦闘性をもってすべてをやり抜こう。安倍極右政権の大反動に負けてなるものか。断固闘い勝利しよう。
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週刊『前進』(2273号6面3)(2006/12/04)
松沢病院 住民説明会 保安処分施設建設に怒り
刑法改悪を阻止しよう
「処遇困難者専門病棟」新設阻止共闘会議は11月16日、東京・世田谷の都立松沢病院における第2回目の「病院改革」住民説明会に登場し、来年度着工予定の医療観察法施設=保安処分施設建設に反対し、新たな刑法改悪・保安処分新設阻止を訴えて情宣を行った。
松沢病院当局と東京都は、1回目の説明会で「精神病者」や地元の医療労働者の反対意見が活発に出されたことにうろたえ、今回は地域を限定し隠密裏に開催し、賛成意見をかき集めて説明会をのりきろうとした。
しかし、住民の反対意見を封殺することはできなかった。当の病院労組も医療観察法に対する反対意見を明らかにしている。「科学的に再犯のおそれが判断できるとは思わない」「精神障害者への差別助長や事実関係が争えないこと、裁判を受ける権利を認めないこと、運用を誤れば(現にそういった事例が出ている)予防拘禁につながることなど、大きな問題を抱えている」「(医療観察法施設建設計画は)指定通院医療機関になることを(松沢病院に)求めていることになる。しかしながら、現状でも東京に移動した後に発病・通報されるケースも多くあることから、地域処遇といった場合の地域について検討が求められる」
「松沢改革」とは、精神科「一般医療」病床を極力減らす一方で、「急性期医療」病床と「特殊医療」(「医療観察法」「薬物・アルコール」「行動障害認知症」の3種類)病床を大幅に増やし、治安的観点から「病者」や医療労働者に強制医療や過酷な業務を押し付けようとするものだ。
特に松沢病院全面改築計画にはPFI(民間資金活用)方式が採用されるため、住民や労組からも私的資本参入への疑問や労働条件改変への異議が唱えられている。
また、精神科「特殊医療」の名を掲げた病棟建設は、刑法改悪・保安処分新設で想定される「刑期終了後の新たな専門施設収容」につながる。
杉浦正健法相(当時)は7月、法制審議会に「性犯罪者・薬物犯罪者」と見なした人へ「判決と一緒に刑事施設とは別の専門施設収容を言い渡せる制度導入」を諮問し、現在法制審分会で2回の審議が行われている。まさに刑罰とは異なる方法での社会防衛の観点からの収容施設建設だ。かつて医療観察法制定で行った「再犯予測」による収容を今度は刑法改悪で行おうとしているのだ。リストラ・首切り・合理化、福祉切り捨てと一体的に進む「精神病者」への治安的収容は、ナチスの収容所大量殺害に道にほかならない。断固反対で闘おう!
(写真 「松沢に保安処分施設はいらない!」と横断幕を掲げ住民説明会参加者にアピールした阻止共闘【11月16日 松沢病院前】)
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学習会 「いよいよ動き出すか? 刑法改悪・保安処分」
講師/山下幸夫弁護士、中島直精神科医
12月2日(土)午後1時
芝公園福祉会館(都営三田線・芝公園駅すぐそば)
主催/「処遇困難者専門病棟」新設阻止共闘会議
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