ZENSHIN 2006/11/20(No2271
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週刊『前進』(2271号1面1)(2006/11/20)
戦争教育と日教組解体狙う教基法改悪案
11・16-17衆院採決阻止せよ
“日教組・自治労壊滅が参院選の争点”
森発言に猛然たる反撃を
米中間選挙でブッシュ大敗
戦争・改憲の安倍打倒へ
闘う3労組共闘のもと4900人が大結集 全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同、動労千葉の3労組が呼びかけた11・5労働者集会。闘う労働運動の再生を誓い、日米韓3国から結集した全参加者が力強くこぶしを突き上げた(日比谷野外音楽堂)=関連記事2、3面
日米韓国際連帯の質的飛躍
日米韓労働者4900人の国境を越えた団結が実現された。労働者自己解放の旗が日比谷野音に高々とひるがえった。米日帝の北朝鮮侵略戦争前夜の緊迫情勢に抗し、侵略戦争阻止へ闘いぬくことを、全参加者が固く誓いあった。
11・5労働者集会は、日本の最も戦闘的な3労組(全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同、国鉄千葉動力車労組)の呼びかけのもと、極めて感動的で高揚感にあふれた闘いとなった。
「改憲・戦争と民営化―労組破壊にたち向かう労働者の国際的団結を!」「たたかう労働組合の全国ネットワークをつくろう!」。この2大スローガンをメインに、今年の11月労働者集会が実現した、かつてない歴史的意義と地平はどういう点にあるだろうか。
第一は、日米韓の労働者国際連帯がさらに質的に飛躍したことだ。動労千葉労働運動の闘いが切り開いている地平が韓国とアメリカの名だたる闘う労働組合からこれまで以上の関心と感動をもって受け止められ、動労千葉に学び、ともに闘うという国際連帯の内実が、質的に変化し、さらに強固に形成された。
とりわけ民主労総ソウル本部は動労千葉から徹底的に学び、また三里塚闘争と労農連帯から学ぶという姿勢できわ立っている。動労千葉と三里塚の闘い、その労農連帯の中に、韓国の運動の勝利をも切り開く道があることを真に実感して、闘う団結を固めあった。
米日帝の北朝鮮侵略戦争前夜の情勢のもとで、帝国主義と闘い、労働者の自己解放をかちとる日米韓の労働運動潮流が、一層強固に登場した。ここには新たなインターナショナルの壮大な展望もある。この歴史的意義は実に大きいものがある。
第二は、日本の労働組合と労働運動が連合・全労連の総屈服をのりこえて、関西生コン支部、港合同、動労千葉という戦闘的な3労組のもとに結集し、団結して、闘う全国ネットの形成へと、さらに力強く踏み出したことだ。しかも今年の11・5集会には教労、国鉄、青年労働者を先頭に、連合・全労連の制動を打ち破り、意識的に職場闘争の実践が拡大され、その成果が結集された。
こうして動労千葉を始め闘う3労組の実践の質が全国に拡大し、拠点をつくり、労働者の団結の砦(とりで)となる。そして「労働組合は共産主義の学校である」(レーニン)ということをあまねく知らしめる。既成指導部の労働者への絶望と抑圧と裏切りを粉砕し、労働者階級への無限の信頼に立って、闘う3労組と日米韓3国連帯のもとに団結と労組的基盤を拡大すること、ここにこそ日本労働者階級の未来はあるのだ。11・5はそれを圧倒的に指し示した。
この11・5の勝利を確認した上で「闘いはいよいよこれからだ」というのが参加者の共通の認識である。11・5の4900人を2倍、3倍に拡大し、1万人の闘う隊列を本当につくり出すことができるならば、日本の階級情勢は革命的に一変する。北朝鮮侵略戦争の前夜情勢下に、革命をめざし、「帝国主義戦争を内乱へ!」のレーニンが実践した闘いを、日本で実現する展望も開ける。
教労、国鉄と青年労働者の決起を先頭に、11・5から階級的労働運動の再生へ大胆な挑戦と進攻を開始しよう。
愛国心・国家介入・市場競争
11・5労働者集会は安倍戦争改憲政権と全面対決し、教育基本法改悪と共謀罪新設攻撃を絶対に阻止する闘いでもあった。まさに国会決戦の真っただ中の闘いだった。
そして翌11・6には、・5集会実行委はアメリカのAMFA(航空整備士労組)、ILWU(国際港湾倉庫労組)や韓国・民主労総とともに国会闘争に立った。これからが教基法改悪阻止・共謀罪粉砕の国会決戦の山場であり本番なのだ。
教基法改悪案をめぐる国会情勢はまったく予断を許さない。与党は「これ以上の引き延ばしは困難」という民主党の妥協を取り込む形で、15日に中央公聴会を入れ、遅くとも16日に特別委、17日に衆院本会議で採決を強行しようとしている。安倍政権の戦争と改憲への歴史的突破口となる教基法改悪の絶対阻止へ、今週、非常の国会決戦に突入しなければならない。
教基法改悪案の反動的な中身の核心は何か。
第一に、「愛国心」の導入による戦争教育への転換だ。政府案には「我が国と郷土を愛する態度」を始め、「公共の精神」「豊かな情操と道徳心」「伝統と文化の尊重」などなど、愛国主義的・国家主義的な「徳目」が並んでいる。教員と子どもたちに国家や「公共」のために命をささげる精神を強制し、たたき込んで、またしても帝国主義の侵略戦争に動員しようとしているのだ。国家の犠牲となれと言っているのだ。
第二に、国家による教育への全面的な介入である。現行教基法第10条は「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきもの」と規定している。だが政府案はこの後半を、教育は「この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきもの」と変えている。それによって改悪後は、教育行政に国家がいくらでも直接介入できることになるのだ。
第三に、教育への市場原理・市場競争の導入である。改悪案は「教育の振興」(第16条、17条)という名のもとに国と地方自治体が学校評価制度や「教育バウチャー制度」などを自由に導入できる規定を新設している。イギリスでサッチャー改革が今や完全に破産し、公教育解体や格差拡大が破滅的に進んだ道を、安倍は20年遅れで後追いし、市場原理を導入して差別・選別のエリート教育に改編しようとしているのだ。
この教基法改悪で日帝と安倍が狙っていることは戦争と改憲である。「お国のために」命をささげる子どもや教師をどんどんつくることだ。そして日米同盟・日米枢軸のもとに北朝鮮侵略戦争から世界戦争に突き進んでいくことだ。労働者階級は、かつて日帝が歩んだこの戦争と破滅への道を、今こそ命をかけても阻み、帝国主義を打倒する時である。
4大産別決戦圧殺狙う政権
さらに、教基法改悪を突破口とする「教育改革」で日帝・安倍がたくらんでいる最大・最深の狙いこそ、日教組解体だ。戦争・改憲と民営化攻撃の前に立ちはだかる最大の勢力は労働者階級と労働組合、とりわけ4大産別の労働組合にほかならないからだ。
自民党総裁選の前から中川秀直政調会長(現幹事長)は、「官公労が次期政権の最大の抵抗勢力」「次期総裁は官公労と対峙する気概が求められる」と公言している。
そして安倍の後見人でもある元首相・森喜朗が10月30日、産経新聞インタビューで「世界から見て普通の国にしよう。それが(安倍さんの)美しい国なんですよ」「だから日教組、自治労を壊滅できるかどうかということが次の参院選の争点だろうね」と言い放った。
それだけではない。この間「核武装論議」の急先鋒となっている自民党政調会長・中川昭一などは、「日本教職員組合の一部活動家は教師の資格はない」「デモで騒音をまき散らす教員は免許はく奪だ」(毎日新聞10・23付)と叫んでいる。また安倍のブレーンで「つくる会」元会長の八木秀次は、「日の丸・君が代」強制を違憲とした東京地裁の9・21判決に大打撃を受けながらも、教基法改悪とりわけ政府案の16条で「法令の縛りがかかり、教職員組合の活動も大きく制約されます」(毎日新聞11・7付)とうそぶいている。
これらの許し難い発言が示すように、日帝・安倍は戦争改憲突撃政権であると同時に、日教組・自治労解体を狙う政権だ。4大産別決戦圧殺政権だ。だから教基法改悪阻止と共謀罪粉砕の闘いには、教育労働者を先頭とする4大産別と全労働者階級の存亡と未来がかかっているのである。
この重大な時にあって、日教組本部を始め連合の既成指導部は、日帝・安倍の前に度し難いまでに総屈服し、闘う方針を出せない。組合が圧殺されようとしている時、命がけでそれと闘わずしてどうするのだ。動労千葉や民主労総のようにストを構え、処分も辞さず闘う中にこそ労働者が生き、かつ勝利する道があるのではないのか。
すでに日教組の現場組合員は本部の総屈服を粉砕して、続々と国会闘争に決起している。9・21勝利判決に意気が上がっている。裏切りの本部を打倒し、日教組を再生する時は今だ。そこに教基法決戦勝利の展望もある。最大の山場は今週だ。全国の職場から津波のように国会前に駆けつけよう。リレーハンストや座り込みを闘おう。
絶対に勝利の展望はある。見よ。小泉・安倍の盟友たるブッシュと共和党は、中間選挙で歴史的大敗を喫した。イラク侵略戦争の直接の責任者、ラムズフェルドはついに更迭された。日本の安倍も盤石ではない。いや危機だ。グラグラだ。
11・5の感動的成功をバネに、国会決戦の大爆発で教基法改悪と共謀罪を絶対に阻止し、安倍政権打倒へ突き進もう。
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週刊『前進』(2271号1面2)(2006/11/20)
国会闘争 ハンスト・座り込み続く
7日夕方500人が集会 渾身の怒り
教育基本法改悪を阻止できるか否かは、この1週間の闘いにかかった。与党は16日に教基法特別委、17日に衆院本会議で改悪案を採決する構えでいる。この緊迫した情勢下、国会前では連日の闘いが取り組まれている。
11月6日、ハンスト団の闘いに11・5集会に参加した米韓の労働者が合流した。(詳報4面)
教基法特別委の審議を直撃してハンスト団が弾劾集会を開催。北海道教組は資金の臨時徴収をして60人が座り込みに決起した。日教組本部の思惑を超え、全国の教育労働者は立ち上がっている。
7日も北海道教組は60人が座り込み、「来週は最大の山場。政府・与党は現場の声を聞け。子どもや教職員の悲鳴を聞け。衆院段階で彼らの企図を完全に粉砕するため闘おう」と訴えた。
午後6時からの「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」の集会には500人が集まり、国会と首相官邸に怒りの声をたたきつけた。
8日、商業新聞各紙が「17日にも衆院通過」と報じる中、国会前はこれまでにも増して怒りと緊迫感に包まれた。午後4時からは2300人が国会を取り巻いた。
この日、仙台、宇都宮、津、名古屋で行われた地方公聴会に対し、それぞれ抗議行動が闘われた。国会前では、公聴会の内容が報告された。教基法は変えるべきと主張する与党参考人に、「どこをどう変えるべきか」と質問すると、なんと「不勉強で分かりません」と答えたという。
教基法改悪の最大の狙いが日教組の解体にあることは明らかだ。だが、採決強行情勢を前に日教組本部は座り込み継続の方針すら出していない。「人も予算も使い果たすまで頑張るべきだ」というのが現場組合員の声だ。日教組本部の屈服を突き破り、教育労働者を先頭に国会前に駆けつけよう。衆院採決をなんとしても阻止しよう。
(写真 教育基本法改悪阻止へ、500人が国会に向けて一斉に怒りのシュプレヒコール。被処分者の会や東京教組の組合員たちも大勢駆けつけた【11月7日】)
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週刊『前進』(2271号1面3)(2006/11/20)
日程
▼教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会
国会前集会 11月14日(火) 18時〜19時
▼破防法・組対法に反対する共同行動
国会前一日行動 11月14日(火)
8時30分〜9時30分 駅頭ビラまき
(地下鉄丸ノ内線・
国会議事堂前駅1番出口集合)
10時〜17時 座り込み
国会前一日行動 11月17日(金)
11時15分〜 日弁連主催の院内集会に
▼都教委包囲・首都圏ネットワーク/
破防法・組対法に反対する共同行動
やめろ!教育基本法改悪 つぶせ!共謀罪
ジョイント行動
11月23日(木) 13時30分開始
京橋プラザ・ホール(中央区銀座1−25)
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週刊『前進』(2271号2面1)(2006/11/20)
闘う動労千葉を中軸に3労組共闘と国際連帯が発展へ
労働者の勝利の路線ここに
11・5集会 国境を越えた団結固く
(写真 呼びかけ3労組を先頭に闘う労働組合が大結集、米韓の代表団とともにデモに出発【日比谷】)
11・5労働者集会は、東京・日比谷野音に4900人が結集し、戦闘的にかちとられた(前号速報)。全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械港合同、動労千葉の3労組の呼びかけにこたえ、帝国主義の戦争と民営化・労組破壊と徹底対決し、労働者階級の未来をかけて、闘う労働者が大結集した。本紙記者の解説記事と、主な発言(要旨)を紹介します。(編集局)
熱気と感動の集会
集会には、11・15ゼネスト貫徹に向かって日々激闘の渦中にある韓国・民主労総ソウル本部からも、またアメリカのILWU(国際港湾倉庫労組)や、1年を超える長期ストを継続中のAMFA(航空整備士労組)からも、闘う労働者が数十人も参加した。
会場には、解放感と明るさがあふれていた。資本家階級の攻撃は激しく、労働者階級が直面する現実は厳しいが、集会は絶望感や無力感とはまったく無縁だった。
それはなぜか。共通の階級敵と闘う労働者階級の、国境を越えた熱い同志的連帯感、団結がそこにはあるからだ。そして、勝利の路線と展望があるからだ。
集会は多くの感動と熱気の中でかちとられた。闘う3労組の団結と、日米韓の国際連帯は、豊かな内実をもって質的にも一層発展した。その推進力となったものは、階級的・戦闘的な動労千葉の闘いであった。
集会では日韓米の労働者が次々と闘いを報告し決意を述べた。どの発言者も労働者自己解放への情熱と階級的連帯感にあふれ、心に残るものだった。
この集会は、最大の山場にある教育基本法改悪を絶対に阻止する総決起集会としてもかちとられた。「日の丸・君が代」不当処分と闘う2人の教育労働者の「処分を恐れずに闘う」との決意表明は、全参加者を奮い立たせた。
国鉄1047名の解雇撤回闘争を闘う労働者の発言には、国労本部の裏切り=「包括和解」策動への怒りがあふれ、解雇撤回までとことん闘う闘志がみなぎっていた。
青年のリレートークは、連合の労働者支配をうち破る青年の決起が、必ず階級的・戦闘的な労働運動の再生と発展の時代を切り開くだろうことを確信させた。
「国境廃止」を宣言
アメリカでも韓国でも労働者は勝利の路線を求めて苦闘している。だからこそILWUもAMFAも民主労総も、熾烈な階級攻防、ストライキ闘争の渦中にありながら、闘う日本の労働組合との連帯を求めて訪日した。動労千葉を始め3労組の闘いから学び、それを自分たちの力にしようという意欲にあふれていた。
AMFAのジョセフ・プリスコさんは、「世界中の労働者は、使用者の組合破壊の試みを打ち砕くために『一つの握り拳』となって立ち上がらなければなりません」と労働者国際連帯の必要性を強調した。
民主労総ソウル本部のキムチャンソプさんは、「われわれ労働者は国境を廃止します。戦争に反対し、平和をかちとるための労働者の闘いに国境は存在しません。新自由主義に反対し、労働者・農民の生存権をかちとるために国境を廃止します」と宣言した。
民主労総の労働者は、労働者集会の前々日、三里塚を訪れ、成田空港の闘いの現場を歩き、三里塚反対同盟と交流した。翌日には動労千葉の闘いの歴史を、田中委員長から聞く学習会を開いた。
民主労総の労働者は、動労千葉と三里塚農民が原則を曲げずに数十年間も団結して闘い、勝利の展望を切り開いていることに感銘を受けた、と感想を語った。動労千葉と三里塚の闘いから学んだものを韓国に持ち帰り、自分たちの闘いの武器にしようとしている。日米韓労働者の国際連帯は、こうした相互の学び合い、経験交流の中で、真に力あるものに発展しつつある。
(写真 デモ行進の先頭に立つ韓国とアメリカの代表団。組合旗を林立させて都心を貫いた大デモに沿道からは圧倒的注目が集まった【銀座・数寄屋橋】)
動労千葉の吸引力
集会が示したものは、3労組共闘とりわけ動労千葉の闘いの普遍性、勝利性とその吸引力だ。組合員の団結を最も大切にし、どんな困難と試練の中にあっても階級的原則を貫いて長期強靱(きょうじん)に闘う動労千葉。この動労千葉のように闘いぬくならば、必ず組合破壊攻撃をはねのけ勝利できるという確信が、闘う労働者の中に広がってきている。
動労千葉の長田敏之書記長は、「今何よりも求められているのは、自らの持つ力と可能性を自覚し、社会のすべてを動かしているのは労働者であるという誇りを取り戻すこと」「われわれ労働者階級こそ、歴史をつくり、社会を変革する主体であると真っ向から宣言し(よう)」(11・5アピール)と訴えた。これは、連合や全労連の労働運動が投げ捨て、裏切っている点を鋭く突き出している。階級的労働運動の再生の核心はここにある。
動労千葉と3労組の闘いの路線と思想、勝利の展望を、今まで以上の情熱と執念をもって全国・全世界の労働者階級に訴え、壮大な労働者階級の戦闘的決起をつくり出さなければならない。会場の熱気に包まれながら、そのことを強く思った。
青年の決起広がる
青年のリレートークで自治労の労働者は、次のように発言した。
「1年間の攻撃から学んだことは、組合活動を現場に取り戻す必要があるということ。組合活動は一部の執行部が代行主義的にやるものではない」「みなが一緒になって団体交渉をやることで、組合員としての自覚と、『自分たちが職場をまわしているんだ』という実感が生まれ、そこに団結が生まれる」
”若者の組合離れ”などといわれるが、それは連合系労組に典型的なように、労働組合を一部幹部が独占し、労働者の決起を抑えつけているからだ。青年が「組合はわれわれのものだ」と下から決起した時、労働組合は本来の荒々しい、階級的団結体としての威力を発揮する。
11・5労働者集会は、そうした青年労働者の進撃がいよいよ始まったことを告げ知らせた。
(本紙・畑田治)
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週刊『前進』(2271号2面2)(2006/11/20)
闘う動労千葉を中軸に3労組共闘と国際連帯が発展へ
11・5集会 「日の丸・君が代」処分撤回へ
国会を包囲し安倍討ち取る 「日の丸・君が代」被処分者
予防訴訟の9・21判決は、画期的な勝利判決です。3年間で350人の不起立・不服従の闘いが生み出され、組合の方針をも変えながら闘っています。都立高校の教職員1万5千人のたった3%に満たない仲間の闘いがこの勝利をもたらしました。少人数でも闘えば勝てるという決定的証拠です。判決そのものはただの紙切れでしかありません。生かすも殺すも、私たちが不起立・不服従の闘いを発展させ、実力で勝利をもぎとることにかかっています。
教基法改悪は、教育の機会均等を奪い、格差社会を固定化し、愛国心を強制し、社会の矛盾を戦争で解決するために、安倍改憲内閣にとって成立させなければならない法案。逆に言えば脆弱(ぜいじゃく)な脇腹です。あと1週間審理を遅らせれば、廃案も見えてきます。処分を恐れずに闘えば安倍内閣をも打ち倒すことができる。国会を包囲し、安倍内閣を討ち取ろうではありませんか。
一人でも多く不起立行動に 「日の丸・君が代」被処分者
9・21判決を聞いたとき、本当に信じられなかった。うれしかった。しばらく興奮から覚めませんでした。あの判決で、都教委の違憲・違法性、私たちの不起立の合憲性がはっきりした。来年3月、今度は私たちがこの判決にどうこたえるかが問われています。
控訴した都教委にとっては本当にたまらないことだと思います。これほどいい戦術はないわけです。みんなでまわりの人に呼びかけ、誘いながら、一人でも多く、不起立行動に立ちましょう。それが私たちの社会的責任と感じています。
もちろん私も来年3月、停職6カ月を覚悟して不起立をします。そのとき、都教委が停職6カ月を出せるかどうか。どういう判決を出すか予測しながら、でも、もしかしたら停職6カ月は出せないんじゃないか。ましてや免職は出せないんじゃないかと踏んでいます。闘いが大きくなれば免職は出せない。そうなれば「10・23通達」は事実上、廃棄されたものとなるわけです。みんなでそうしていきましょう。
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週刊『前進』(2271号2面3)(2006/11/20)
闘う動労千葉を中軸に3労組共闘と国際連帯が発展へ
11・5集会 1047名解雇撤回を
「解雇撤回」の原則を貫く動労千葉争議団 高石正博さん
1047名の解雇撤回闘争は今、重大な岐路に立っています。「政治決着」の名のもとに闘いを放棄し、解雇撤回を取り下げて政府・自民党に「解決」を願いでるという運動の側からの一方的な譲歩が進められています。動労千葉争議団は、解雇撤回を取り下げた「統一要求」に名を連ねることはできない。国労闘争団の中からも怒りの声が上がっています。資本や政府と闘わずに解雇撤回ができると考えるのは絶対に間違いです。
1047名闘争はすべての労働者の団結の中心になれる闘いであり、日本のすべての労働者の未来をかけた闘い、日本労働運動の再生をかけた闘いです。「国鉄分割・民営化でお座敷を綺麗にして立派な憲法を安置する」と言った中曽根の狙いからすれば、今も決着をつけさせていない私たちの闘いは、今日まで憲法改悪をおしとどめてきた力でもあります。だから絶対に譲れません。
私たちはこの間の闘いをとおして、どんなに困難な時も、労働者の力を信頼し、団結を守りぬいて闘えば必ず展望は開かれることを学びました。私も60歳を超えましたが、解雇撤回の勝利をかちとる日まで、全国の仲間たちと固く連帯して闘いぬきます。
全面屈服和解絶対に許さぬ 国労5・27臨大闘争弾圧被告団 富田益行さん
裁判開始以来3年10カ月。無罪獲得に向けて勝利的に前進してきています。私たちを直接、国家権力・警察に売り渡した酒田元国労本部委員長(事件当時=東京地本委員長)を始め、「4党合意」過程の歴代の委員長3人の証人採用をかちとりました。
裁かれるべきは、私たちではありません。国家権力と国労本部です。JR職場は、尼崎事故を始め事故に次ぐ事故の連続です。このままでは、労働者の命も乗客の安全も守れません。「闘いなくして、安全なし」。この安全闘争の復権は同時に1047名解雇撤回闘争に通ずるものです。
私たちを国家権力に売り渡した国労本部は、分割・民営化以来、東日本で起こった出向・配転・国労バッジの不当労働行為61件、のべ2万名にも及ぶ仲裁命令を「包括和解」と称してドブに投げ捨てようとしています。「謝罪なし、実損回復なし、解決金なし」の、まさに全面屈服和解です。この和解攻撃は1047名を解体する攻撃とも一体です。闘う国労の再生に向けて1047名解雇撤回・不当労働行為根絶・JR安全闘争に、ここに結集した国労組合員、5・27被告は先頭に立ちます。
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週刊『前進』(2271号2面4)(2006/11/20)
闘う動労千葉を中軸に3労組共闘と国際連帯が発展へ
11・5集会 「中曽根発言」地労委闘争へ 全国金属機械労働組合港合同執行委員 辻岡尚さん
なぜ、われわれ港合同がこのように大上段から昨年11月20日の中曽根不当労働行為発言を問題にし、責任追及をしようとするのか。この責任追及の闘いがなければ、団結権は「画に描いた餅(もち)」となり、労働運動の後退の中で、われわれ自らもまた団結権の核心的理念、すなわち団結権侵害とは断固として闘わなければならないという理念までも投げ捨てることになるからです。
中曽根発言は何を目的としたのか。明確に昨年の9・15鉄建公団訴訟の判決に向けられたものであります。96年の『アエラ』発言が全国の労働委員会に対して向けられたように、中曽根発言は、9・15判決を無力化しようという狙いがあったのは明らかではないかと考えています。
中曽根発言にこそ敵の弱点、政府の弱点がある。だから今こそ、われわれは、政府の政治的な責任、不当労働行為責任を追及しなければならない。ここにこそ国鉄闘争の勝機があると考えます。すべての仲間と力をあわせ、この中曽根発言追及の闘いをさらに強化することを訴えます。
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週刊『前進』(2271号2面5)(2006/11/20)
闘う動労千葉を中軸に3労組共闘と国際連帯が発展へ
11・5集会 決意表明
●連帯労組関西地区生コン支部執行委員/西山直洋さん
私たちにかけられた弾圧の意図は、関西地区生コン支部の武建一委員長を長期勾留し、われわれの進める産業政策運動をストップさせることにあります。9月22日には第4次弾圧で、武委員長が4回目の逮捕をされました。かなり卑劣なマスコミの報道がされていますが、私たちはこんな攻撃にひるむことなく弾圧をはね返す決意です。
安倍内閣は、小泉政権を引き継ぎ、国民・労働者の生活権まで脅かす政策を遂行しています。教基法改悪、共謀罪反対闘争には私たちも数度国会前に駆けつけました。
11月9日より訪韓し、韓国の生コン・ダンプ・建設労働者とともにゼネストを支援していくつもりです。韓国でも日本でも言われている言葉「最後まで闘えば必ず勝利する」、この言葉をもって闘っていく決意です。
●全金本山労働組合執行委員長/長谷武志さん
私たちは34年にわたり闘いぬき、勝利しました。05年3月16日は、青柳さんが解雇されてから1万2410日目の朝、「1人の首切りも許さない」のスローガンが実現した朝でした。
この度、『本山闘争12000日』と題する記録を刊行しました。数々の反動判決をはね返し、最高裁の敗訴確定を覆して解雇撤回・原職就労をかちとったことは、「戦後政治の総決算」攻撃に風穴を開け、全国の労働組合の力を示しました。勝利の展望は、あらかじめ保証されているわけではない。資本・権力の攻撃に怒って闘う、その中からこそつくられるものです。国鉄1047名の解雇撤回を取り下げて「政治決着」をはかる動きは残念でなりません。厳しいときこそ原点に返って闘おう。
●全逓(JPU)の青年労働者
昨年、この場で郵政民営化絶対反対、小泉政権打倒の先頭で闘うことを決意し、今日まで職場で闘ってきました。最大の攻防は既成指導部との闘いでした。彼らは「労働者は闘っても勝てない」「労働者には世の中を変える力はない」と本気で思っている。だから闘いを開始する者への反動として現れます。その反動を突き破る中でつかんだことは、「現場の仲間を信じて裏切らなければ、必ず勝利の展望がある」ということです。
ついに私の職場でも、反動管理者を数十人が取り囲み、追及行動が始まっています。毎日が職場闘争になっています。郵政当局は、現場から闘いが始まったことに戦々恐々とし始めています。民営化はまだ決着がついていません。決着の場は職場・生産点にあります。”闘う全逓”は健全だということを態度で示そうではありませんか。
●仙台市職員労働組合/神保美彦さん
10月末、産経新聞のインタビューで、森元首相が「来年の参議院選挙の最大の争点は、日教組と自治労を壊滅することだ」と発言しています。この1年間が勝負です。戦争に協力しない、民営化を許さない闘いを、全国300万の自治体労働者が闘い抜きたい。
安倍や森は、自治体労働者をなめきっている。いつまでも政府や当局の言いなりになると思うな。自治体労働者が団結して闘えば、戦争を止め、民営化や首切り、労働者住民の命・生活を奪う攻撃と闘い、勝てると思います。
●茨城県地域連帯労働組合副委員長/岩澤仁志さん
安倍が進める激しい攻撃は、全労働者の団結の条件を急速に形成しています。今こそ正規雇用と非正規雇用、組織労働者と未組織労働者の分断を打ち破らなければなりません。その決定的テコが合同労組です。
すべての職場に闘う労働組合をつくりましょう。規制緩和攻撃の中、製造業でも生産の主力がパート・派遣などに移りつつあります。連合・高木会長は「パート労働者の権利を守る」と称し、パート労働者を囲い込もうと必死です。しかし、連合・高木こそ、改憲攻撃推進の張本人です。憲法が改悪され、基本的人権が奪われたなら、パート労働者や派遣労働者の権利も守れない。連合中央の分断攻撃をのりこえ、団結した力をつくろう。
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週刊『前進』(2271号3面1)(2006/11/20)
闘う動労千葉を中軸に3労組共闘と国際連帯が発展へ
11・5集会 “青年の力で組合取り戻す” リレートーク
(写真 集会の最後に日米韓3カ国の発言者が全員登壇、固くスクラムを組んでインターナショナルを歌う【11月5日 日比谷野音】)
執行部の裏切りは許せない 東京交通労組労働者
この間の東交執行部の裏切りは、絶対に許せません。東交執行部は、バス部門への賃下げ提案に完全に屈服し、新採の仲間の10%賃下げに合意しました。執行部自らが、組織分断を進めているのです。執行部は「民営化を避けるために仕方がない」と組合員を黙らせようとしています。
民営化の目的は労組破壊であり、労働組合が分断・弱体化された先にあるのが民営化にほかなりません。公営を守るためと称して、人員・賃金・労働条件を売り渡し、組合に分断を持ち込む執行部は、民営化を推進するに等しい裏切り者です。
それだけではありません。執行部は、今年6月の都電荒川線追突事故についても、当局と完全に同じ側に立って、運転士に責任を押しつけています。労働条件も守らない、組合員も守らない、当局の手先になって組合員を説き伏せるだけの労働組合など、もはや労働組合ではありません。本当の労働組合の姿を取り戻すために東交青年労働者は最先頭で闘います。
現場こそ組合活動の主人公 自治体労働者
今、私の県では、自治体労働者に対し、当局から全職員5%賃金カットの攻撃がかけられています。私たちは、財政運営の失敗を職員に責任転嫁するカット提案には断固反対し、白紙撤回を求めて闘っていきます。
そのためにまず、全組合員の怒りの声を結集し、圧倒的多数の署名を当局に突きつけ、賃下げ提案をはね返すと同時に、組合指導部に闘う組合員の声を突きつけ、本気で闘う姿勢を追求していきます。
私がこの1年間足らずの間に学んだことは、まず、組合活動を現場に取り戻す必要があるということです。組合活動は一部の執行部が代行主義的にやるものではありません。自分とみんなが一緒になって、主体となってやる、みんなと現場で団体交渉をやるということから、自分は組合員なんだ、自分たちが職場をまわしているんだという実感が生まれ、そこに団結が生まれる。現場の団結が、戦争を止め、あらゆる攻撃を止めることができるのです。ともにがんばりましょう。
正規も非正規も職場の仲間 関西合同労組・関西 トランスポート分会
私たちは、劣悪な労働条件を改善しようと労働組合を立ち上げ、闘ってきました。しかしながら、私たちの組合をつぶすために、会社と郵便局が結託をして、私たちを全員解雇してきました。私たちはこの不当解雇撤回の決意をし、郵便局でのストライキ、就労闘争、裁判、労働委員会と闘ってきました。
この闘いに、多くの地域の仲間や、「支援をするな」という近畿地本の制動を打ち破り、「同じ職場で働く仲間なんだ」と全逓加古川分会の仲間も、ともに闘ってくれています。非正規雇用労働者の闘いにとって、正規雇用労働者がともに闘ってくれることは、大きな力となっています。
この間、闘われてきた労働委員会闘争は、年明け1月に命令が出る予定です。分会では、勝利をかちとるために、署名活動を決意しました。より多くの署名で労働組合の連帯、労働者の団結を示し、勝利命令をかちとりたいと思いますので、ご協力お願いします。
現場の組合員は怒っている 広教組青年部労働者
教育基本法の改悪が来週にも重大な局面を迎えています。こういう中で、全国の突き上げでやっと日教組が、主任制闘争以来の「非常事態宣言」を発し、10月26日に日比谷野音1万人集会の指示を出しました。日教組の要請30人に対して広島からは108人、さらに北海道300人、三重160人と、「いよいよ決戦だ」と私たちは駆けつけてきました。
しかし、ここに来てみると、当の森越委員長の姿は見当たりません。「森越委員長はどうしたんだ!」の声が突きあがりました。
自民党の中川政調会長が日教組を名指しで、「デモで騒音を撒き散らす教員は免許はく奪だ」と宣言しています。組合存亡の危機なのに委員長が海外出張しているようでは、家が火事の時に海外旅行しているようなものです。
組合員は怒っています。なんとかしたいと思っています。私たちは「お国のための教育」は絶対にしない。組合員自身の手で非常事態宣言を発し、政府案・民主党案もろとも廃案に追い込みます。
戦争国家づくり阻む先頭に 自治体労働者
私は港の中をパトロールする船の船長をしている現業労働者です。10月20日、私たちの働く川崎港に、海上自衛隊の輸送艦「しもきた」が入港しました。戦車揚陸艦やヘリ空母と呼ばれる海上自衛隊最大の艦船で、テロ対策特措法にもとづきインド洋にも派遣された軍艦です。その入港の目的は「防災訓練」ということでしたが、実際は有事を想定した軍事訓練、自衛隊のPR、そして陸・海・空・港湾労組20団体に結集し、港湾の軍事利用反対を訴えている私たちの職場を狙った入港の実績づくりです。
自治体労働者が声をあげていかなければ、全国の港や空港が米軍や自衛隊の基地にされてしまいます。私たち港湾で働く自治体労働者は、その先頭に立って闘っていこうと思います。
すべての労働者が連帯して、空港や港湾の軍事利用反対、戦争協力拒否の闘いを強めていきましょう。
戦争ではなく革命が必要だ 東北大学 織田陽介さん
戦争なんて止めちゃえばいいんです。安倍なんて、ぶっ倒しちゃえばいいんですよ。本日、日本と韓国の学生が握手を交わし、この日この場所から全世界の学生に、北朝鮮への侵略戦争を絶対に止めてやろう、世界革命に学生こそ立とうというアピールを発したい。
私は今年、法政大学の戦争反対の立て看板撤去に抗議したということで2回逮捕されました。これが教基法改悪の内容です。法大では、逮捕された学生のうち3人が退学処分、2人が停学処分になっています。中川昭一が「デモをする日教組組合員はクビだ」と言っていますが、同じことが大学で起こっている。
しかし、学生を怒らせれば怒らせるほど、革命の日は近づきます。停学・退学処分撤回の法政大学の59のストライキ決議がそれを示しています。私たちに必要なのは戦争ではありません。革命です。愛国心ではありません。国際連帯です。学生は全世界の労働者とともに闘います。
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週刊『前進』(2271号3面2)(2006/11/20)
闘う動労千葉を中軸に3労組共闘と国際連帯が発展へ
11・5集会 連帯のあいさつ
団結権と憲法破壊狙う弾圧 国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会発起人代表 佐藤昭夫さん
国鉄分割・民営化こそ権力の側が戦後の平和憲法破壊を狙って仕掛けた団結破壊でした。
昨2005年11月20日NHKで、中曽根康弘は「国鉄労働組合っていうのは総評の中心だから、いずれこれを崩壊させなきゃいかんと。それで国鉄の民営化を真剣にやった。国鉄の民営化ができたら国鉄労働組合は崩壊し、総評が崩壊し、社会党が崩壊した」と言っている。
これはもう、政府が法律を使って、団結権保障の憲法を直接侵害する、まさに国家的不当労働行為です。それが、平和憲法破壊の道筋としてもくろまれ、現在まで小泉・安倍に引き続く戦争内閣として推し進められています。
総評は崩壊し国労執行部は変質したが、この誤りを正そうとする反対運動は残った。本件被告人らの行動は、まさにそれであります。「許さない会」も、さまざまな闘いの一翼を担い、国鉄闘争の勝利、そしてわれわれの共同の闘いの終極的勝利までけっして闘いをやめないということを申し上げ、連帯のあいさつとします。
改憲・戦争、司法改悪に反撃 憲法と人権の日弁連をめざす会代表 高山俊吉さん
北朝鮮の核実験は、戦争勢力の本性を一気にさらけ出しました。われわれは正真正銘の戦争勢力を見間違ってはならない。アメリカと日本が今、北東アジアで「悪の枢軸」をつくっている。
教基法改悪、国民投票法、防衛「省」昇格法、共謀罪など改憲に向かう動きと連携しながら司法改悪が進んでいる。司法支援センターなるものによる国営弁護士づくり、破滅的な増員による弁護士破壊、裁判員制度による司法への国民総動員です。しかし、それらの野望に対して全国の弁護士は勝利的に闘っています。
私の後ろに、あるいは後ろではなく前かもしれない、日弁連2万2000人の弁護士のちょうど4分の1、5500人の仲間がいることをご報告します。
私は、このほど『裁判員制度はいらない』(講談社刊)を出しました。「裁判員制度はいらない!大運動」もついに発足しました。すべての闘う勢力が団結し、連帯して、そのもてる力を使い切って戦争反対の勢いを決定的にしましょう。
参院選までに70万の署名を とめよう戦争への道!百万人署名運動事務局次長 小田原紀雄さん
暑いさなかのキャラバン行動をとおして「憲法を変えるな」という署名は東京事務局に入手したものだけで10万筆を超えました。まだ手元には無いけれど、すでに15万を超え、20万筆にのぼる署名を手にしています。
労働者のみなさんは、生産点における日々の血の出るような地道な闘いが要請されるだろうし、そのことをとおしてこそ大きな闘いに結びつくのだと思います。しかし、いよいよの政治決戦状況の中では、これまでも労働者が労働組合を先頭として街頭に繰り出すことによって、大きな力を発揮してきたし最終的に政治状況を変えてきた。
来年の参院選挙までに70万筆の署名を手にし、参院選以降の改憲策動の中で、その闘いの中心に進んでゆきたい。
そのためにも、今日参加された5千人の方が、10人ずつでも100人ずつでも集めてくだされば100万筆を確実に超えるということをぜひお考えいただきたい。本当の意味で、いよいよのところに来た。断固とした闘いで、みなさんとともに勝ち抜きたい。がんばりましょう。
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週刊『前進』(2271号3面3)(2006/11/20)
闘う動労千葉を中軸に3労組共闘と国際連帯が発展へ
11・5集会 沖縄行動団のアピール
(写真 壇上に勢ぞろいした沖縄行動団)
「一つの階級」として団結を NTT労働組合 真喜志康彦さん
北朝鮮の核実験を口実とした排外主義の嵐が吹き荒れる中で、沖縄の労働者はこれを吹き飛ばし、10月8日から3日間にわたってパトリオットミサイルの搬入を阻止しました。その先頭で闘ったのは労働組合の労働者でした。この闘いの爆発に対する政府の回答が、10月26日の「P3Cの配備を、沖縄の人に喜んでもらいたい」という久間防衛庁長官の発言です。とんでもありません。
11月19日投票の沖縄県知事選挙は、絶対に勝利しなければならない選挙戦です。私たちは全力で闘います。しかし、それだけでは不十分です。沖縄の労働運動と本土の労働運動が結びついてこそ真の勝利がかちとれるのです。
敵は日米の帝国主義です。この巨大な敵に対して、本土―沖縄の労働者が「一つの階級」として団結する必要があります。労働者は祖国を持たない世界的に一つの階級です。全世界の労働者と連帯する道は、安倍政権の改憲攻撃を阻止し、日本の侵略戦争を絶対に止めることだと思います。
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週刊『前進』(2271号3面4)(2006/11/20)
“労農連帯を学ぶ”
民主労総ソウル本部三里塚と感動の合流
11月3日、韓国の民主労総ソウル本部訪日団は動労千葉の田中康宏委員長の案内で三里塚現地を訪れ、反対同盟と歴史的な合流をかちとった。
(写真 民主労総から贈られた「団結・闘争」のハチマキを締めた反対同盟と、反対同盟が贈った2枚の檄布を持った民主労総、動労千葉が「団結ガンバロー!」【11月3日 千葉】)
今回の三里塚訪問は、民主労総ソウル本部のたっての希望で実現した。「なぜ動労千葉はストライキを闘ってまで三里塚農民に連帯するのか。40年という長期にわたって闘い続けている三里塚闘争から学び、労農連帯とピョンテク闘争の展望をつかみたい」との必死の思いから、一行20人は日本の地に降り立つやいなや天神峰の市東孝雄さん宅にやってきた。
市東さんの畑に立つ監視台から「へ」の字誘導路を見るなど現地調査。宿泊所に移動し、ビデオ「三里塚/大地の乱」を鑑賞したソウル本部のキムチャンソプ副本部長は「ピョンテクも三里塚も農民の人権を守り、戦争に反対する闘いだ。ピョンテクも困難な闘いだが希望も持つことができた」と感動を語った。
夜は反対同盟との交流会が開かれた。
北原鉱治事務局長が、「初めて韓国の皆さんがこの地を訪れてくれた。新たなアジアの平和のために労働者と農民が手を握り、今の体制をひっくり返そう」と歓迎。これにキムチャンソプさんが「私たちは本とビデオで三里塚を知っていましたが、直接現場を見てさらに感動しました。労働者と農民の連帯で戦争を阻む平和を作っていきましょう」と応じた。
続いて萩原進事務局次長が”なぜ40年間、非妥協で国家と闘ってきたか”をテーマに「農民にとって土地は汗と涙と苦労の結晶。人間の正義の心で今日まで40年間闘ってきた」と講義した。
プレゼントを交換し合った後、鈴木幸司さんの音頭で乾杯、緊張気味だった座も和んだ。反対同盟は全員が民主労総から贈られたハチマキを締め、鈴木謙太郎さん、鈴木いとさん、市東孝雄さん、萩原富夫さん、伊藤信晴さんが歓迎の言葉を述べた。
ソウル本部の組合員が次々に発言した。全国公務員労組ソウル本部のオヒョングン組織局長は、「組合事務所を強制閉鎖されて200人もの解雇者の生活をどうするか、『法の中に入ろう』という意見もある。しかし三里塚を見て、原則的に闘うことが生存権を守ることだと確信した」
律動グループ「丹風(タンプン)」の学生たちも「労働者と農民と連帯し、学生が先ぽう的な運動をする。ピョンテクの闘いを必ず勝利するために力を尽くします」と決意を語った。
ソウル本部対外協力局長のハンヒョクさんは、ピョンテクでは水路にコンクリートを流し込み、堀を掘って出入りを妨害していると攻防のすさまじさを紹介し、「三里塚闘争を守るために労働者や学生がストライキで闘っている。現地闘争本部の労働者や学生の闘いが40年の闘いを支えてきたのだと思う」と語った。
萩原進さんの音頭で「団結ガンバロー」を三唱し、11・5労働者集会での再会と国際連帯の深化・発展を誓い合った。
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週刊『前進』(2271号3面5)(2006/11/20)
“職場の団結が核心”
田中委員長 動労千葉の闘い講演
4日午後、民主労総ソウル本部訪日団は、動労千葉の田中康宏委員長を講師に動労千葉労働運動を学習した。
ソウル本部から要請されたテーマは、国鉄分割・民営化と日本の産別労働運動。わずか千人の労働組合が、国鉄分割・民営化攻撃とストで闘い、階級的労働運動を貫いていること、さらに現在、団結して安全運転闘争を展開していることなどを学び、運動の展望を見い出そうというのだ。
田中委員長は冒頭、「日本の労働運動の現状からすれば、僕らの側こそ民主労総の闘いから学ばなければならない」と断って講演を始めた。
戦後労働運動の流れを追い、「47年2・1ゼネストまで上り詰めた戦後革命期の労働運動こそ、日本の誇るべき闘い。それが継承されていないのは、日本共産党の裏切りだ」と指摘した。産別労働運動について「労働組合は産別に組織されるべきだと思うが、問題は職場の支配権を企業がとるのか、労働者がとるのかだ。現場の力が労働運動の原点」と言い切った。
さらに、労働者の権利と団結を解体して非正規職化する今日の攻撃の原型としてあった国鉄分割・民営化に対し動労千葉がいかに闘ったかを報告した。
民主労総から次々と質問が出された。「組合員との一致をどうやってかちとっているのか」「動労千葉の闘いに市民からの支持はあるのか」などなど。田中委員長は、「現場の労働者の顔を見ながら徹底討論で一致をかちとっている。分割・民営化の時は乗務員の詰め所に『オルグ中』と紙を張った机を出して組合員と徹底的に議論した」「5万人の動労(現JR総連)は分割・民営化で資本の手先になったが、全組合員が首をかけて闘った動労千葉は今も団結を維持している」と自信に満ちて語った。
(写真 「トゥジェン(闘争)!」と気合いを入れる【4日 千葉】)
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週刊『前進』(2271号3面6)(2006/11/20)
闘う動労千葉を中軸に3労組共闘と国際連帯が発展へ
11・5集会 デモを終えて交流
闘いのエネルギーに満ち
5日夕、日米韓労働者交流のつどいが開かれた(写真)。3労組を代表して港合同昌一金属支部の木下書記長が「闘う労働組合の全国ネットワークを作ろうと呼びかけて9回目の集会が4900人の参加で大成功した」と歓迎のあいさつ。関西地区生コン支部の高英男副委員長が「今年は英語で乾杯をしましょう。チィアーズ!」と音頭。
民主労総ソウル本部のキムチャンソプさんが、「労働者には国境がないということを今日確認できた。あとは一緒に闘いぬくことだ」と強調、ILWUのクラレンス・トーマスさんが、「労働者は資本家どものテクノロジーをはるかに上回る力を持っている。労働者の魂は国境を越えてつながる。国際主義が労働者の魂なんだ」と応じた。
広島大学病院で研修中のイラク人医師のハナーさんが劣化ウラン弾の被害を訴えた。
三里塚反対同盟の萩原進さんが、市東孝雄さん、鈴木謙太郎さん、伊藤信晴さんと一緒に参加し「成田空港がいかに人民を虐殺する空港であるか、いかに危険な空港か、ノースウエストの闘う労働者にアメリカでも広めていただきたい」と呼びかけ、「日本農民の名において労働者との連帯を求めて勝利まで闘いぬく」と宣言した。
青年労働者の呼びかけで「鉄の労働者」を律動。歌い、躍って、「労働者の団結で世界を変えるぞ!」。インターナショナルを歌い、団結ガンバロー! トゥジェン!
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週刊『前進』(2271号4面1)(2006/11/20)
11・6に国会闘争に立つ
教基法改悪・共謀罪粉砕へ
米韓の労働者が合流
11月6日、ILWU(国際港湾倉庫労働組合)、AMFA(航空整備士労働組合)などアメリカ代表団は、11・5集会実行委の呼びかけのもとに教育基本法改悪反対の国会前ハンスト・座り込み闘争に参加した。
地方からの11・5集会参加者200人や韓国の学生の律動グループも国会前に駆けつけ、全国の闘う教育労働者に合流した。国会前はさながら闘う国際連帯の場となった。
午前11時、実行委の呼びかけで集会が行われた。動労千葉の長田敏之書記長が「11・5集会は、圧倒的な労働者・学生の怒りで成功した。教育基本法の改悪は今週が山場。強行採決情勢の中、国会に怒りの声をぶつけよう。連日のハンストと連帯した闘いをやろう。闘う労働者の国際連帯で戦争への道をストップしよう」と呼びかけた。
これにこたえてAMFAローカル33のテッド・ルードウィッグ委員長が「ノースウエスト航空会社に対し444日目のストライキを敢行している。ストで仕事や家を失う場合もある。でもやめるわけにはいかない。私たちは正しいことをやっているから胸を張って力に訴える」と語り、ハンスト団に「皆さんのストライキを支持します。激励し合いながら闘おう。あなたたちの闘いは私たちの闘いです。私たちは兄弟です」と激励した。
ILWUのジョエル・ショアさんは「米国でも同じように教育が問題になっている。ブッシュは『落ちこぼれを出さない』と言って格差を生み出している。学校を追い出された子どもは真っ先に軍隊に送られる」と暴露。米国の教育現場の衝撃的な現実に思わず息をのむ人もいた。
韓国の学生の律動グループ丹風(タンプン)は、帰国の便を遅らせて合流した。「韓国でも教育改悪の攻撃がある。教員に評価をつける。教員の労働組合が闘いに立ち上がった。大学資本は学生をカネの対象としてしかみない。労働者のゼネストで社会を変革することが必要だ」と訴えた。
海外からの頼もしい連帯に、北教組など全国から結集した教育労働者も勇気倍増。引く手あまたで、いくつもの合唱や談笑の輪ができた。
(写真 日米韓の労働者・学生が教育基本法改悪に反対して国会に向かって怒りのシュプレヒコール【11月6日】)
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週刊『前進』(2271号4面2)(2006/11/20)
民主労総 “復職判決履行せよ”
ハイテク日本法人に抗議
民主労総ソウル本部訪日団は6日午前、金属労組ハイテクRCDコリア支会を先頭に、東京都品川区にあるハイテクRCDコリア(以下ハイテクと略)資本の日本販売法人に対する抗議申し入れに立ち上がった。
(写真 「13名の女性組合員への監視差別を中止せよ」と日韓労働者が資本に抗議【11月6日 品川】)
ハイテク支会は、87年に結成された民主労組で、全員が女性組合員。IMF構造調整と果敢に闘い、99、00、01年には厳しい労働条件を改善させる成果をかちとったが、ハイテク資本は労組破壊のシナリオで弾圧に乗り出した。02年には賃金交渉が妥結に至らず、03年には組合員5人を解雇。作業場にCCTV(監視カメラシステム)を設置し、組合員の生産性・不良率を管理! 5年間に及ぶ絶え間ない弾圧で、組合員13人全員が精神職業病となった。
今年5月、裁判所は、ハイテク資本がCCTVで労組を監視してきたことを「労働組合および労働関係調整法違反」とし、資本に有罪判決を下した。9月13日には国家人権委員会が「労組員に対する差別行為に対する是正勧告案」を出した。
2人の当該組合員を先頭に民主労総ソウル本部のイナムギョン事務処長、動労千葉の川崎昌浩執行委員がハイテクの日本出張所事務室を訪れ、抗議文を手渡した。
応対した取締役は「関係ない」と責任逃れに終始したが、「韓国でこの問題が起きていることについては認識している」と表明。労組側は「労組弾圧を中止し、国家人権委員会の差別是正勧告を直ちに履行せよ。資本の監視差別労組弾圧によって発生したハイテク組合員の精神職業病を認定し、治療を受ける権利を保障せよ」と要求した。
申し入れ後、ソウル本部訪日団と支援の労働者らは、門前での抗議行動に移った。「不当解雇の復職判決を履行せよ!」「13名の女性組合員への監視差別を中止せよ!」とシュプレヒコール。
キムヘジン支会長は、「このように日本の労働者の皆さんと一緒に闘えることは幸せなことだ。労働者の権利をかちとり、健康的に人間らしく生きることができる土台をつくっていきたい。資本は不当にも『復職させよ』という判決を履行しようとしないが、判決自体は私たちが屈服せずに闘ってきた成果だ。これまで以上にこれからも頑張って闘っていく」と力強く訴えた。
キムヒョンソク組織次長は、「今まで連帯という言葉は使ってきたが、それは集会の中でのことであって、実際に闘ったのは今度が初めて。まだまだぎこちなく規模も小さいが、動労千葉の同志たちと、日本の同志たちと連帯できるように、大事な大事な土台ができあがった」と確信を語った。
全参加者がこぶしを突き上げ、「国境を越えて民族を超えて労働者は一つだ! 一つだ! 一つだ! 連帯闘争でハイテク資本を撲殺せよ! 生存権獲得! トゥジェン(闘争)!」と唱和した。動労千葉の川崎執行委員、関西合同労組の青年労働者がともに闘う決意を語った。
門前での抗議行動は30分にわたった。倉庫の2階から労働者たちがのぞく。周辺を行き来する人びとも話を聞き、「それはひどい」と同情を寄せた。最後に労働歌を歌って「トゥジェン!」。「ワァーッ!」と声を限りに叫んで共同闘争を締めくくった。
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週刊『前進』(2271号4面3)(2006/11/20)
神戸 郵政民営化反対で集会
関西の闘う全逓労働者が団結
怒り充満、闘いはこれから
10月22日、安倍政権の反動諸法案が審議入りし国会情勢が緊迫する中、郵政民営化反対の集会が神戸市で行われ、全逓労働者ら40人が集まった。
集会は、司会の全逓・北大阪支部執行委員が「郵政民営化反対の闘いは実際これから。職場の怒りと不満は爆発寸前。郵政民営化に反対し、教基法改悪という超ど級の攻撃と闘う労働者に合流し、国会闘争を闘いぬこう」とあいさつして始まった。
主催者を代表して大阪・南河内支部の平沼氏が問題提起した。「この集会は、職場の団結で郵政民営化反対を貫く、安倍政権の改憲攻撃と闘う、闘う近畿地本をつくろうの3本のスローガン。現職支部長の強制配転―阪神東支部組織破壊との闘い、兵庫・加古川局の小包請負関トラ分会の不当解雇撤回の闘い、芦屋局の分限免職処分撤回の闘いをサブスローガンに闘おう。郵政民営化反対の闘いはこれから。2ネットは破産、集配拠点の再編で職場は『こんなはずでなかった』となる。郵便業務は破綻(はたん)的で、敵も民営化の見通しがついていない。職場の団結を固め、職場支配権をめぐる闘いに勝利しよう」
阪神東支部の酒井前支部長が「自分の強制配転は絶対許せない。この闘いは不当労働行為を認めない労働運動破壊との闘い。定年まで10年、郵政職場で闘う」と訴えた。
森博行弁護士が「民営化で郵政職場はどうなるのか」と題して講演。持ち株会社の郵政株式会社のもと、4分社においては、現在の「任用」から「雇用」へ、国公法75条から労基法18条へ変わり、労組法が全面適用されるが、リストラと合理化は歯止めがはずれる。争議戦術も採用すべきだと問題提起がなされた。
芦屋局の高見さんが発言。「15年、当局の精神障害を理由とする分限免職と闘っている。神戸地裁の勝利判決が高裁、最高裁でひっくり返されたが、毎月の局前闘争で仲間もできつつある。勝利まで闘う」と決意表明。また人事院が10月に出した「分限処分の指針」が高見さんの大阪高裁逆転不当判決を引用していることを徹底弾劾した。
加古川局の小包請負で関西合同労組関トラ分会の組合結成を理由に不当解雇された辻本分会長が「9月に地労委が結審。来年1月の勝利命令をかちとるために署名活動を始めた。4名の完全復帰へ断固闘う」と述べた。
加古川分会の江渡分会長が「郵政民営化は破綻し始めている。当局は業務の責任を放棄し始め、伊丹局のような『物だまり』が頻繁に起きている。これらの業務破綻の責任を労働者に転嫁するのが敵の狙い。労働者が団結すれば絶対粉砕できる。加古川の要員増員は職場の団結をつくり出す闘い。ここで勝負をかける。さらに本務者と非正規雇用労働者が分断支配をどう突破するのか。関トラの闘いを分会で取り組んだことは正しかった。この職場の力を国会闘争と結合させ、改憲阻止・安倍打倒へ発展させよう」と提起。まとめを尼崎局の相川氏が行った。(関西・全逓委員会)
(写真 職場の団結で郵政民営化反対を貫き、職場支配権をめぐる闘いに勝利しようと決意【10月22日 神戸】)
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週刊『前進』(2271号4面4)(2006/11/20)
教基法 仙台公聴会を弾劾
東北大自治会先頭に
11月8日、教育基本法改悪のための仙台公聴会に対して労働者・学生40人が集会とデモを行い、怒りをたたきつけた。
午前8時半、東北大学片平キャンパスで集会。東北大学学生自治会の学生が「教育基本法を変えることは、森・元首相が言うように、結局は戦争のために社会体制を変えること。採決のためのアリバイ的な公聴会は即刻中止あるのみ」と基調を提起した。
直ちにデモに出発、「教育基本法改悪を阻止しよう」「インチキ公聴会を中止しろ」とシュプレヒコールを上げた。(写真)
公聴会会場の仙台ホテル前で教育労働者や市民と合流し、百万人署名運動・宮城県連絡会と東北大学学生自治会が申し入れを行った。
教育労働者や戦争体験者も加わり、「傍聴も制限されている閉鎖的な公聴会で何を審議するのか」「こうやって国民には隠されて戦争に向かっていった歴史を忘れたのか」と公聴会と安倍政権に弾劾の声を上げた。
(東北大A)
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週刊『前進』(2271号4面5)(2006/11/20)
圧倒的な年末カンパ訴えます
腐り切った日本帝国主義を打倒し 北朝鮮侵略戦争・改憲阻止しよう
11・5全国労働者総決起集会をともに闘ったすべての皆さん。
現代の腐り切った社会体制を革命するためのカンパ、北朝鮮侵略戦争情勢下の教基法改悪―改憲阻止決戦に勝利するための圧倒的な年末一時金カンパを訴えます。
●国境越え4900人が団結
11月5日、東京・日比谷野外音楽堂に約5千人の労働者が集い、ここに米韓の労働組合36人もの訪日団が熱い連帯をもって合流しました。
民主労総は、韓国国会に日本で言えば社民党以上に多くの民主労働党議席を持つ世界最強の労働組合ナショナルセンターです。
アメリカのILWU(国際港湾倉庫労組)とAMFA(航空整備士労組)も、04年10月のMWM(百万人労働者行進)に共同代表を送り、06年メーデーでアメリカ史に残るゼネストや「移民のいない日」を担った米国屈指の労組です。
皆さん、考えてもみてください。米中間選挙や11月中旬からの韓国ゼネストを控えた最も重大なこの時になぜ米韓の労働者が11・5集会に合流したのかを!
それは、韓国の労働者の未来も、全米の労働者の未来も、動労千葉を始め闘う3労組の呼びかけた11月労働者集会の中にあると確信したからこそ、寝袋を持参して海を越えて合流してきたのです。
既成労働運動指導部の「闘っても勝てない」という主張は嘘(うそ)です。動労千葉は、労働者が団結して闘えば必ず活路が開かれることを身をもって示しています。
これは、集会に参加した高教組の労働者が「迷っていたが、他校の教師が飲酒運転で懲戒免職になったのに組合として一言も声を上げられないのに、動労千葉が幕張事故に毅然(きぜん)と闘い勝利しているのを知り、胸が熱くなり、参加した」と語っていることと共通します。
イラクで死亡した3千人の米兵は、みな貧しい労働者の子弟です。大工業都市でさえも4割の工場が倒産し、労働者家族がほうり出され、5千万人以上の人びとが医者にもかかれず、食べるものにも困っています。これが米国の現実です。
一方、韓国政府は9月22日、全国170カ所の全国公務員労組事務所を警察とヤクザで襲撃し、強制閉鎖しました。これに対し、11・5集会で登壇したキムチャンソプ民主労総ソウル地域本部副本部長は「私はこの場で宣言します。戦争に反対し平和を守る労働者の闘いに国境は存在しません。国境を越える連帯闘争で、労働者・農民が主人となる真の世界をつくっていきましょう」と勝利の方針を鮮明に提示しました。
●国際連帯に戦争阻止の力が
11・5集会と長蛇の銀座デモは、労働者の職場からの決起と日米韓国際連帯の結合に戦争を阻止する力があることを示しました。
北朝鮮「核実験」を口実とする安倍のペテンを吹き飛ばそう。すでに2回の原爆投下と2千回以上もの核実験をやっているアメリカに安倍は「抗議」したか? 日本自身が原爆5500発分のプルトニウム44dと核弾道ミサイルに転用できるロケットを持っているではないか。
南北朝鮮人民の皆さん。かつてベトナム戦争で米軍をたたき出したのは核の力ではありません。ベトナム人民の不屈で果敢な民族解放・革命戦争とそれに心を揺さぶられたアメリカと全世界の労働者・学生の国際反戦闘争の力です。日本のベトナム反戦闘争でもデモに3千万人、ストに1千万人が参加し、3万人以上の不当逮捕者が出ました。日本の労働者・学生はベトナム反戦闘争時をはるかに上回る日米南北朝鮮連帯の闘いで朝鮮侵略戦争を阻止します。
●ワーキングプアへの怒り
なぜ、これだけ科学が発達したのに労働者は働いても働いても苦しい生活なのか? 青年の結婚もままならないのか? こんな資本主義社会がいつまで続くのか?
御用学者や連合は「マルクス主義は古い」と言うが、まったく逆です。マルクスは『賃労働と資本』で「資本の5割もの搾取」の秘密を暴きました。今はもっとすごい。トヨタの搾取率は9割です。この搾取の構造を支えているのが連合です。
では、残りの1割は労働者が自由に使えるのか? 05年度の政府一般会計税収約49兆円のうち、企業の払う法人税は約13兆5千億円。残りの過半は労働者の払う所得税・消費税などです。労働者にはさらに社会保険料や国保税・介護保険料などが襲いかかる。安倍は「法人税はさらに2割減」「生活保護は5年で打ち切り」と言い出しました。女性労働者の過半が厚生年金から締め出され、母子家庭の収入は平均世帯の収入の半分です。多くの青年労働者が恐るべき低賃金に苦しんでいます。
こうした極限的な搾取だけが資本主義を延命させている中で、動労千葉の反合理化・運転保安闘争は、この状況を打ち破る理念と実践の闘いとなっています。だからこそ全世界の注目と尊敬を集め、米韓の最も戦闘的な労働組合が「この道をともに闘おう」と11・5集会に参加したのです。11・5集会の中にプロレタリア世界革命の現実性と方向性が鮮明に提起されているのです。
国と地方の借金は1063兆円。完全に「死に体」です。しかし資本主義は、労働者階級が倒さない限り、自然には倒れない。「こんな社会は倒せ」と荒々しく叫ぼう。
11・5集会は労働者階級に力があることを示しました。そのみなぎる勝利感で翌6日から連日、教基法改悪阻止の国会闘争・公聴会闘争、12日日比谷集会へと進撃しています。
現在の攻防は07年統一地方選―参院選はもちろん、今後10年を決します。革共同は必ず勝利します。
●革命勝利へ力あるカンパを
すべての皆さん。今こそ、この闘いに巨額の闘争資金の力を注ぎ込み、勝てる闘いと組織を建設し、社会を変えましょう。その力ある圧倒的なカンパをお願いします。
4大産別(国鉄、自治体、教労、全逓)をはじめ10万円を単位とするカンパの可能な方はそれ以上に、そしてすべての皆さんが職場で地域で声を限りに「改憲と戦争を阻止する、社会を変えるカンパを」と訴え集めてください。
国会前でハンスト中の教育労働者が「自民党は戦後を全部ひっくり返すクーデターをやろうとしている。『その時歴史が動いた』という番組があるが、その時とは今だ。今闘わずしてどうするか」と訴えています。労働者階級は社会の主人公です。主人公の誇りをもって歴史を動かす、人生をかけたカンパ闘争に今こそ立ち上がろう。
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週刊『前進』(2271号4面6)(2006/11/20)
11月1日〜7日
米、岩国周辺に訓練施設要求
安倍「北朝鮮制裁を緩めぬ」
●安倍、制裁解除は「核廃棄後」 安倍首相は、6者協議に関連し、「国連決議は北朝鮮の核の廃棄を求めている。それがなされなければ、国連決議による制裁が緩められることはない」と述べ、6者協議が再開されても国連決議に基づく制裁を継続すべきだとの姿勢を示した。(1日)
●イスラエル軍、ガザ侵攻で10人殺害 イスラエル軍は未明、パレスチナ自治区ガザ北部に侵攻し、ハマスの戦闘員や自治政府警官ら10人を殺害した。イスラエル放送による。(1日)
●米大統領、副大統領・国防長官を「続投させる」 ブッシュ米大統領は、チェイニー副大統領とラムズフェルド国防長官の2人について、自らの任期(09年1月)までの続投を考えていると明言した。(1日)
●NHKへの放送命令を自民党が了承 放送で北朝鮮による拉致問題に留意するよう、NHKに命令するという菅総務相の意向を、自民党の通信・放送産業高度化小委員会が事実上了承した。(2日)
●日本などが北朝鮮人権非難決議案を提出
日本と欧州連合などの35カ国が「拉致問題」を含む北朝鮮の人権状況を非難する決議案を国連総会に提出した。昨年に続き2度目。(2日)
●クラスター爆弾で30年間に1万人が死傷
国際NGO(非政府組織)ハンディキャップ・インターナショナルは、クラスター(集束)爆弾やその不発子爆弾によって過去約30年間に少なくとも1万1千人余が死傷し、今も3300万個の不発子爆弾が処理されずに転がっていると調査報告書で発表した。(2日)
●米が岩国から180`以内に離着陸訓練施設を要求 米軍厚木基地の空母艦載機の夜間離着陸訓練(NLP)などをめぐり、米国側が恒常的な訓練施設を米軍岩国基地から100カイリ(約180`)以内で選定するよう日本側に要求していることが分かった。(3日)
●国連安保理常任理事国とドイツがイラン制裁案協議を再開 国連安全保障理事会の常任理事国とドイツの6カ国は、イランの核開発問題について、制裁決議案について非公式協議を8日ぶりに再開した。(3日)
●米紙、「対北朝鮮核施設攻撃計画が加速」と報道 米紙ワシントン・タイムズは、複数の国防当局者の話として、米国防総省が北朝鮮の核施設に対する攻撃計画の策定を加速させていると報じた。(3日)
●北朝鮮が「日本、6者協議不参加を」と牽制 北朝鮮の外務省報道官は、6者協議について「日本が6者協議に参加しないならこの上なくよいこと」と日本の不参加を促し、圧力を強める日本を牽制(けんせい)した。(4日)
●イラク・フセイン元大統領に死刑判決
イラクのサダム・フセイン元大統領らを裁くイラク高等法廷は、82年のシーア派村民大量殺害事件で、フセイン被告に求刑どおり死刑の判決を言い渡した。(4日)
●米、辺野古崎V字滑走路の双方向使用を要求 在日米軍再編の焦点である普天間飛行場の名護市辺野古崎への移設計画で、米政府が今年5月の日米合意に含まれなかった周辺集落上空を通過する着陸ルート(2本の滑走路とも双方向で使用)の実現を日本政府に要求していることが分かった。(5日)
●米中間選挙投開票 米国の上下両院議員、州知事などを選ぶ中間選挙の投開票が行われ、ブッシュ政権のイラク戦争政策が影響し、民主党が下院で過半数を奪還、上院も過半数に迫り、接戦となった。(7日)
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週刊『前進』(2271号5面1)(2006/11/20)
「包括和解」調印弾劾する
国労組合員への最悪の裏切り 資本の手先=東日本本部打倒を
11月6日、国労東日本本部とJR東日本は、出向・配転差別事件や国労バッジ事件など計61事件について「包括和解」に調印した。国労本部・国労東日本本部はこれによって国鉄闘争史上、最悪の裏切りを演じ、全面的にJR資本に投降した。国労本部・東日本本部の国労自己解体の策動は、ついに最後の一線を越えたのだ。
和解調印で、中労委や各都県の労働委員会で係争中の計61事件は取り下げられた。和解文書には「双方が健全で良好な労使関係の確立に努力する」と書かれている。JR東日本は、これを盾に職場における一切の抵抗を根絶やしにしようと早速攻撃を開始した。今回の和解条件には国労組合員がこうむった実損の回復やJRによる謝罪の項目は一つもない。こんな「和解」はJRの不当労働行為を勢いづけるものでしかない。
これまでJR東日本は、国労組合員へのあからさまな差別扱いを繰り返しながら、「当社の人事は公平・公正」とうそぶいてきた。今回の和解は、この言い分を全面的に容認するものだ。
4党合意の受け入れで「(採用差別について)JRに法的責任がない」ことを認めた国労本部・国労東日本本部は、ついにこの和解で国鉄分割・民営化以来の一切の不当労働行為について、JRの責任を免罪した。
とりわけ、国労バッジ事件の取り下げは耐え難い屈辱だ。わずか1a四方の国労バッジ着用に対し、JR東日本は「就業規則違反」と言いがかりをつけ、減給や出勤停止の処分を繰り返している。今回の和解に際しても、JRは「バッジ着用は就業規則違反だから謝罪もしないし解決金も払わない」と居直り続けた。このJRと現場組合員との間に和解の余地など一切ない。ところが東日本本部は、JRの「ゼロ回答」を丸のみし、和解調印に走ったのだ。
これまで、バッジ事件では数多くの労働委員会命令が出され、国労勝訴の最高裁判決もかちとられている。バッジ処分に伴う生涯賃金の損失は、多い人では優に1千万円を超えている。徹底的に不当労働行為を追及して闘えば勝てるのに、国労東日本本部は組合員の切実な利益を手前勝手に投げ捨てたのだ。
改憲を推進する極悪の利敵行為
JR東日本は、駅業務の一括委託による1000人の大合理化と、40歳以下の運転士の駅への強制異動計画を打ち出した。これに屈した国労東日本本部は、10月11日、出向協定を締結した。労働組合の名で組合員に出向を強制する歴史的暴挙である。これに続く今回の和解で、国労本部・東日本本部はJR資本の手先に完全に転落し、国鉄1047名闘争破壊の先兵になった。
国労本部が言う「不採用問題の政治解決」とは、1047名闘争の最後的清算をもくろむものだ。今回の和解で国労本部・東日本本部は、JR資本に1047名もJR本体も好きに踏みにじっていい「自由」を与えたのだ。動労千葉を排除して進む「政治解決」は、JRに「もう逆らいません」と忠誠を誓うものにほかならない。
安倍政権は、教育再生会議に国鉄分割・民営化を最先頭で推進したJR東海会長・葛西敬之を入れ、教育基本法改悪と改憲に突き進んでいる。その根幹には、4大産別の労組を絶滅する攻撃がある。森元首相は「日教組と自治労を壊滅させる」と言い放ち、中川自民党政調会長は「デモで騒音をまき散らす教員は免許剥奪」と叫び立てた。北朝鮮侵略戦争の切迫は、この攻撃を一層激化させている。そのさなかに、国労本部・東日本本部は自ら1047名闘争と国労を破壊する最悪の裏切りを演じたのだ。
だが、現場の怒りは必ず激しく噴出する。断じてあきらめてはならない。国労の存亡は、包括和解に根底的な怒りを燃やし、腐りきった国労幹部を打倒する現場組合員の決起にかかっている。
反合・運転保安闘争を闘いぬく動労千葉とともにJR資本に立ち向かおう。11・5集会は、労働組合を現場組合員の手に取り戻す闘いの火柱を上げた。これを受け継ぎ、国鉄闘争を第2次国鉄決戦として闘おう。
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週刊『前進』(2271号5面2)(2006/11/20)
“和解調印中断せよ”
中労委前で終日抗議貫く
中労委で和解調印が強行された11月6日、現場の国労組合員の怒りを体現し、全国から結集した闘う国労組合員は終日、中労委前で座り込みを行い、ハンドマイクを握って抗議の声を上げ続けた。午後2時半、国労幹部や国労弁護団が姿を見せると、国労組合員は彼らに詰め寄り、激しい弾劾をたたきつけた。
午後3時半、中労委の会議室で調査と和解調印が始まった。ハンドマイクを握る国労組合員の声はますます熱を帯びた。「今からでも和解調印を中断せよ」「実損回復も謝罪もない和解は認めない」という怒りの声が和解調印式を直撃した。
この日、和解に納得できない国労組合員30人が、中労委と都労委に当事者追加を申し立てた。これは、国労バッジ着用を理由に実際に処分を受け賃金カットされた組合員が、国労幹部による労働委員会への申し立ての勝手な取り下げを許さないため、自ら申立人となることを求めたものだ。中労委も都労委も、申し立て書を受理せざるを得なかった。だが、中労委と都労委は、本来必要な公益委員会議を開くことなく、不当にもその日のうちにこれらの申し立てを却下した。
前日の5日、国労東日本本部は和解調印に向けて「弁護団、地方本部、申し立て支部代表者会議」を強行した。これに先立ち、闘う国労組合員は国労東日本本部に抗議文を突きつけた。卑劣な言い逃れに終始する高野苗実書記長に怒りをたたきつけ、闘う国労組合員は国労再生の決意を固めて11・5労働者集会に結集した。
(写真 和解を主導してきた中労委の前労働者委員に調印の中断を求める国労組合員ら【11月6日 中労委前】)
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週刊『前進』(2271号5面3)(2006/11/20)
“命かけ闘う時は今だ”
国会前 教基法改悪と連日激闘
教育基本法改悪をめぐって国会前が政治的焦点となっている。4大産別の一角で現場からの根底的決起が始まり、体制を揺るがす労働者階級の闘いが日々前進している。
教育労働者の連日の国会前での発言は血叫びである。「命をかけて闘う時は今だ」「死ぬときはベッドではなくこの石畳」「まだ訴えきれていない人はないか。同窓会名簿、県人会も塗りつぶす」など、その必死さが伝わってくる。毎日数百人が座り込み、ほんの半月の間に幾度も数千人規模の闘争が闘いぬかれている。ここには戦時下の労働運動の展望を切り開く新たな出発点がある。
連日早朝から夜まで国会前に立ち、闘いを学んできた立場から報告していきたい。
(写真 ハンスト者の決意が国会前を熱くしている【11月8日】)
教育現場の我慢は限界だ
第一に、教基法改悪は教育労働者にとっては法律解釈の問題ではなく、教育現場の深刻な現実そのものだ。
毎日生徒に小テストをやらせ、点数データを送ると教育委員会から改善命令が下る。勤務後の家庭訪問を毎日強制されている。いじめがあるとわかっていても、報告業務が膨大にあり、後に回すと校長が“不適格”の恫喝をする。子どもに向き合う時間がまったくない。夏休みを1日もとってないのに年休がとれない……。地域によって色合いは違っても、一様に限界ギリギリのところで教育労働者はふんばっている。全国で毎週約2人の教育労働者が自殺に追い込まれている。「教員も子どもも、この数年で疲れ切っている」という発言は多い。
中でも東京の現実は突出している。職員会議は課題を話し合う場ではなく、教育委員会の通知を校長が報告する場になっている。350人の不起立者はただ「日の丸・君が代」に反対したのではない。何年にもわたって過酷な締めつけがあらゆる現場で行われてきた。その支配が「不起立する自由」、さらに判断し主張する権利さえ奪おうとしてきた。この中に戦争教育の再来を感じとり、意を決して抵抗したのだ。
改悪教基法は、この壮絶な現場に国家権力が公然と介入することを宣言し、教育労働者が抵抗することを不当と断じている。しかもあろうことか「いじめ」「未履修」は「教員の怠慢に原因がある」とし、教基法改悪の口実にさえしようとしている。もう我慢の限界だ。間違いなく最後の一線だ。ここで戦闘的に再生しなければ日教組も終わりだ。この決起の根底性と階級性をつかみ、闘いの先頭に立とう。
権力揺るがす闘いが必要だ
第二に、被処分者を先頭にしてハンスト闘争が開始されたことは教育労働者に大きな衝撃を与えた。この決起が教育労働者全体の怒りと結びつき、まったく新たな胎動が始まったのだ。
確かに1年以上前から多くの県教組・支部レベルで教基法改悪に対する粘り強い取り組みが続けられてきた。全市町村くまなく要請行動をしたり、毎週支部単位のデモを半年以上続けているところもある。地域企画や署名はどこでも全力で取り組まれている。多くの人に事実を知らせ、なんとか流れを変えたいとして頑張ってきた。
しかしそれだけでは勝てない。職場支配権をめぐる闘いに勝ちぬき、権力を揺るがす闘いに立ち上がることが必要なのだ。国会前ハンスト行動がすべての教育労働者に突き出したことはそういうことだ。不起立をもって処分が下され、以来「教育行政からいじめぬかれてきた」(ある被処分者)労働者が、やむにやまれぬ決断として体を張って全国に呼びかけたのだ。
教育労働者に国家の奴隷となることを強制し、異論を述べれば追放する。これを全国に徹底するために教基法改悪に存亡をかけているのが安倍政権だ。この安倍との正面対決の決戦場を国会前にすえて闘ったことが決定的だった。
日教組本部は安倍との対決から逃亡し、逆に現場の怒りを抑え込む側に回っている。この裏切りをぶっ飛ばし、処分を恐れず現場からの直接行動を対置したのが被処分者の闘いであり、ハンスト決起だ。これこそ「戦争協力拒否宣言」だ。このことがすべての教育労働者の魂を揺さぶっている。「国会前闘争の爆発で改悪を阻止する」――これが合言葉だ。ここからが勝負だ。
(K・W)
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週刊『前進』(2271号5面4)(2006/11/20)
発言
政府・与党は 現場の怒り聞け
◎元教育委員・Aさん
今、若い教師たちが管理職に締めつけられ、ビクビクしながら学校に行くのです。私は教員養成の仕事をしていますが、昨年4月に仕事に就いたばかりの教師がたった2週間で自殺した。若い教師が仕事に絶望するような学校でいいのか。
◎多摩教組・Mさん 3年前、組合事務所が右翼に銃撃された。これは、「お国のために死ねる子どもを育てる。そのために教基法改悪を」と言っていた代議士と一体の動きです。「教え子を戦場に送るな」と闘ってきたが、今すでにイラクに出兵している。教基法と憲法が変えられれば、もっと大規模に戦場に送られる。絶対に止めなければ。
◎北海道教組 必死になって闘い、安倍政権を追い込んでいる。厳しいけれどこの闘いで新たな団結が生まれている。今、あらゆるノウハウを教基法改悪阻止のために結集すべき。「止めよう」というこの気持ちはもはや誰にも止められない。政府・与党は現場の声を聞け! 子どもや教職員の悲鳴を聞け!
◎ハンスト決起の退職者
今、競争原理が教育現場に持ち込まれ、「できる子、できない子」が分断されている。戦争が進めば「役に立つ人間、立たない人間」として選別されていくことになる。これでは教育だけでなく社会構造全体が変えられてしまう。こんな「教育再生」は絶対に認められない。
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週刊『前進』(2271号5面5)(2006/11/20)
繰り返さぬぞ絶対に ルポ 教育労働者の現場(5)
教育基本法の改悪阻止! 全国の職場から国会へ
差別・選別を強める学力テストとの闘い
弾圧恐れず職場から反撃を
来年4月24日、41年ぶりに全国一斉学力テストが行われようとしている。文科省の決定で全国の学校に学テを強制すること自体が、教基法10条が禁じた「不当な支配」そのものである。能力主義にもとづく差別・選別教育をエスカレートさせるものだ。
国公私立の小6、中3全員を対象に国語と数学(算数)の「全国学力調査」を行う。全員参加の場合は計240万人規模。実施に約96億円、調査後にとる改善策に約16億円を見込んでいる。小学校はベネッセ、中学校はNTTデータに委託され、この2社は採点・集計・評価まで行う。国家による教育管理のための学テが、同時に大企業をぼろもうけさせるのだ。
テストが教育破壊 東京
東京ではすでに都の学力テストと区の学力テストが並行して行われている。都の学テが小5と中2。区の学テが小学校高学年から中学までほぼ毎学年。区教委は「一人ひとりの学力の伸びを調査するためのもの。学校ごとの比較はしません」と言ってスタートさせたものの、区議会で反動議員が「学力テストの結果を公表しろ」と追及、待ってましたとばかりに公表に踏み切った区もある。
テストの結果は区平均、学校平均、クラス平均で出てくる。学校選択制と相まって、学校間、クラス間で競い合わせる。さらに教員には、その結果をもとに「各教科の授業改善プラン」の提出が課される。教育労働者を常にテスト対策で追い立て、点数を上げるためだけの授業に追い込むものだ。
子どもたちもいつもテスト漬け。東京の小学校で働く大崎香代さんは、「新しい知識を学ぶ暇もない。こんなことでは、考える力を育てることなどできない。どうしてこんなに小さいうちからしりをたたいて『成績、成績』と言うの、と思います」と語る。
東京では今、3分の2以上の小学生が塾に通っている。「ここは下町でまだ少ない方ですが、それでも3分の1が区立以外の中学に進みます」と大崎さんは言う。
中には七つの習い事をしている子どももいる。週2〜3回通う習い事もあり、1日あたり2〜3カ所になる。学校で「先生、今日はおれ、帰ってから習い事が三つだよ」とストレスをぶつける姿に出会う。時間を忘れて遊んだ経験のない子どもたち。しかも親の経済力が子どもの「学力」に直結する社会がつくられている。
学校間で点数競う 広島
広島県の三次(みよし)市では4年前から、小学1年を除く小中の全学年で民間業者による学力テストが始まった。その結果を学校別・学年別に市の広報紙やホームページで公開。テスト結果がただちに教育委員会による校長の評価につながるため、校長は必死だ。昨年には、追いつめられた市立小学校長が答案用紙を改ざんし、点数をアップさせていたことが発覚した。
小学校教員・後藤麻美さんは「平均点より低かった学校は、市教委の指導主事が訪問して『教育方針をもう1回つくり直せ』と命令するんです。とんでもない支配ですよ」と言う。市教委職員が「過去問(過去のテスト問題)をやらせるという方法もありますよ」と言って、暗に「過去問をやれ」と命じたケースもある。
市教委が校長をしばり、校長が教員をしばり、その場しのぎの「点数アップ」だけに奔走させられるという、恐るべき構造ができている。
(写真 11・5労働者集会後、教育労働者がデモ)
矛盾が修学旅行に 奈良
奈良の谷口政和さんが働く中学では、文科省が学テ日程を発表する前から、修学旅行の日程が07年、08年とも4月の第2火曜日に決まっていた。文科省が学テ日程を決定すると、校長が顔面蒼白になって「修学旅行の日程を変更しよう」と言い出し、職場のみんなが怒りを爆発させたという。
「子どもたちにとっては、『ここを間違ったから、今度はここを頑張れ』と返ってくるテストなら、まだ意味がある。でも全国一斉学テは、国にデータを集めるためだけのテスト。子どもたちはモルモット扱いだ」と職場の同僚と議論した。「そんなもののために、なんで修学旅行の日程を変えなければならないのか」
みんなで結束して、08年までの日程の変更は拒んだ。すると校長は「09年からは4月の第2火曜には修学旅行を入れない」と主張。現場はみな「毎年その日にしたらいいやん。沖縄もがら空きで、みんな僕らの修学旅行を歓迎してくれるよ」と話しているという。
かつての学テが社会問題となって中止に追い込まれたのは、教育労働者が処分と弾圧を恐れず闘いぬいたからだ。教育現場の現実は、闘う日教組の再生の死活性を突きつけている。
(大西晶/文中の名前はすべて仮名)
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●学テ反対闘争
かつての全国一斉学力テストは1961年から66年まで実施された。初年度の61年10月26日、日教組は全国各地で、テスト強行のために学校に乗り込んでくる行政職員を校門や教室前で阻止し、岩手9割、福岡8割、高知6割など各県で中止・不完全実施に追い込んだ。これに対する刑事弾圧は、父母や支援の労働者を含めて逮捕者61人、起訴29人に及んだ。
他方、テスト実施に伴い「テスト当日、勉強のできない子どもを欠席させる」「答案を差し替える」などの事態が続発。結局、66年に廃止された。
学テの違法性を真っ正面から争った裁判は、地裁・高裁で「教基法10条違反」とする多くの判決を生み出した。それらの集大成として出された旭川学テ最高裁判決は、「必要かつ合理的」な範囲を超えた教育行政の教育内容・方法への介入は、教基法第10条1項違反となりうると認定した。
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週刊『前進』(2271号6面1)(2006/11/20)
民衆が団結し闘えば時の政府を倒せる 愛媛 山田未来
これまで反戦集会や市民集会に参加しても、「むずかしい」「わからんかった」と否定的な反応だった母。先だって介護をしながらテレビ番組「その時歴史が動いた」で「米騒動」を一緒に見ながら会話が弾んだ。
富山のおばちゃんたちの必死の行動が全国に飛び火して、時の寺内内閣を倒していった歴史が紐解(ひもと)かれていた。投機で米が値上がりし、生きていくことが出来ないことへの不満、怒り。当時のおばちゃん達の思いと現在の彼女の怒り、政権が倒れていく過程と、今の政府への思いが重なったのだと思う。ロシア革命時の赤旗がたなびく労働者のデモの場面では、「あー、わたしも赤旗もたされて……」。
14歳で終戦を迎えた母は、戦後、近くの紡績工場で女工として働いた。労働組合に入って、赤旗を持ってデモをした。労働学校にも参加したそうだ。「何のデモやったか知らんかったけど……」
小学校時分は「歴史」「修身」「理科」の授業は抜けて畑作業を手伝わなければならなかった彼女にとって、歴史は知らないことばかり。彼女がわけもわからずにやってきたことがどういうことだったのかを歴史をふりかえることを通して、その意味をつかんでいっているようだ。
女性差別、部落差別の中、生活に追われながらもこつこつと積み上げてきた老後の蓄えが、どんどん崩れていくことに動揺しきり。遺族年金が下りない、介護料の値上げ、医療費の値上げ。「病院に行く時は死ぬ時さ」と自嘲(じちょう)する日々。「この番組を政府に見せてやりたい」「民衆が団結すれば時の政府も倒れるよ」という母の怒りを背に11月労働者集会を安倍内閣をたおす烽火(のろし)にしたい。
着々と戦争に向かっていることに危機感 広島 落合陽子
2268号「焦点」の読後感想です。
私の理解力からするとまだ高度な言い回しなので辞書を片手に一生懸命理解する努力をしました。そして分かったことは、もう戦争発動の第1段階はすんでいるということ、そして米軍艦船への後方支援、さらに臨検にもっと強制力を持たせるために、特別措置法の成立をもくろんでいる。集団的自衛権行使に道を開こうとしている。これは北朝鮮戦争発動の攻撃そのものだということも。
周辺事態法、集団的自衛権、中国スターリン主義など、分かったようで分からない。説明しなさいといわれてもできません。時間がたてば忘れています。でも着々と戦争に向かっていることはよく伝わってきます。
世間を見回してみると危機感を感じている人がどれだけいるのでしょうか? テレビ、ラジオのニュースでは、いじめで自殺したとか、学校側の受験対策のため単位が足りなくて卒業できない高校生が全国にたくさんいるとか、何年も病欠届けだけで給料をずーっともらい続けていたとか。いけないことには間違いないけど、北朝鮮、核のニュースがあっても、オブラートに包んだような言い方なので、ほうっておいたら大変なことになると気付くような報道のしかたじゃない。他人事のようなどこか遠い所の話に聞こえてきます。
戦争だけは痛い目に遭ってから、体験してからでは遅いのです。大半の国民の知らないところで、気が付かないうちに着々と戦争に向かっているようですね。
権力に逆らう者を人間扱いしない社会 京都大学 N・M
私は、法政大学の現状を聞き、いても立ってもいられなくなり、京大に休学届けを出し、法政大学で連日闘っています。これで約3週間になりますが、京大ではまずありえないことがたくさんありました。
入り口にガードマンが立っていて、「学外者は入れませんよ」と言われる。なぜ? 大学はすべての人に開かれているべきものではないのか! 昼休みには「ビラまき、演説は違法行為である」という放送が連日かかる。まさかここまでの言論弾圧がされているとは!! さらに学生部職員が巡回していて、見つかると速攻で追い出しをくらいます。「警察に突き出すぞ」と言われたことも。断固「ふざけるな!」と言い返してやりましたが、追い出されては再度キャンパス内に進入を繰り返す。このような激しい攻防戦が連日繰り広げられています。
今日はガードマンが私の進入を阻止しようとして、手が私の胸に当たりました。許せません! セクハラだ!
そして私のことを「ビーバーちゃん」と呼んでくるのです。「キツネ」と呼ばれている仲間もいます。法大当局、ガードマンは、自分たちに逆らうものはもはや人間扱いしないのです。動物を調教するかのごとく扱うのです。そう、「ビーバー」の胸には触っても問題ないですからね(怒)!!
これが安倍がつくろうとしている社会そのものなのです。従わないやつは動物扱い、従わないやつは調教する、そのための教基法改悪なのです。こんなものを許しておくわけにはいきません。私は断固闘い続けます。社会の主人公は私たち学生であり、労働者なのです。安倍でも平林総長でもないのです。私は最後の最後まで闘い抜く決意です。みなさんともに頑張りましょう。いざ団結!
(写真は10月20日法大)
シリーズ「繰り返さぬぞ…」に反響あいつぐ 中四国 O・T
2面で始まったシリーズ「繰り返さぬぞ絶対に」は反響があいついでいます。
Aさん、「現場の様子が直(じか)に伝わっていいですね。『前進』が変わり始めたと思うね」
Bさん、「職場で隣の人になかなか伝えられないけど、こういう記事を読むといろいろ連想してアイデアもわきそう」
ぜひ、今後もさらに短文のコラム型の記事を増やしてもらうと、毎週の楽しみが増えそうです。よろしくお願いします。
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週刊『前進』(2271号6面2)(2006/11/20)
11・26北富士闘争に立とう
北朝鮮侵略戦争に向けた
米海兵隊の演習を許すな
11月26日に忍草国有入会地守る会と忍草母の会の呼びかけで米海兵隊実弾演習阻止の北富士現地闘争が闘われる。この北富士闘争は、米日帝の北朝鮮侵略戦争阻止に向けた決定的な闘いである。北朝鮮の「核実験」を口実に、制裁と称して朝鮮侵略戦争に突入しようとしている米日帝の策動を粉砕するために11・26北富士闘争に全力で決起しよう。
小火器演習の狙い
今回の米軍演習は、砲撃訓練だけでなく小火器も使った演習が行われる。これは、この間、沖縄の県道104号越え砲撃演習の本土移転演習として行われていた米海兵隊の演習が、全面的な軍事演習になることを意味している。かつての朝鮮戦争で米軍が演習場内に朝鮮の村落に模した施設をつくって部隊を訓練し、戦場に送りだしたように、米日帝の北朝鮮侵略戦争で北富士を出撃訓練基地として使おうとしているのだ。
しかも、日米政府は同じように本土移転演習が行われている矢臼別、王城寺原、日出生台の各演習場でも小火器を使った訓練を行わせろと要求してきている。それは、もともと米軍演習場でもある北富士・東富士を突破口にして他の三つも全面的な米軍演習場にしていこうということなのだ。
これは、米日帝の朝鮮・中国侵略戦争に向けた米軍再編の重大な一環である。米海兵隊1個大隊の米軍キャンプ富士への移転ももくろまれている。米帝は、北朝鮮をイラク、イランと並ぶ「悪の枢軸」と決めつけ、凶暴な侵略戦争に突入することを決断している。それは中国の台頭を阻止するための侵略戦争に連動するものである。
日出生台を除いて地元自治体が小火器演習を承認しているが、労働者人民の闘いで米海兵隊の砲撃演習を阻止しよう。
北富士は戦後、米軍が旧陸軍演習場を占領接収して米軍基地・演習場とされてきた。特に朝鮮戦争やベトナム戦争の当時は、米軍演習が激化し、地元農民の生活と生存が脅かされた。
忍草農民の命の山
もともと富士の北麓(ほくろく)・梨ケ原は忍草農民の入会地だった。忍草農民は、この入会地・梨ケ原に生活の8割を依存してきたのである。
明治政府は地租改正で入会地を国有地とし、農民から奪った。しかし、入会地を奪われたら生活できない農民は、生きるために様々な形で入会地強奪と闘ってきた。入会権をめぐる農民の闘いは全国各地で激しく闘われたのである。
北富士では、農民の抵抗に追いつめられた政府は、国有地から御料地として天皇の財産に移し、さらに県に払い下げるなどの手段を使って農民の抵抗を抑えつけようとしてきたのである。そして戦争中には、梨ケ原は陸軍演習場に接収された。しかし、忍草農民は陸軍とも交渉して入会を認めさせ、開墾して桑を植えたり、そばを植えたりして入会権を貫いてきた。梨ケ原は忍草農民の命の山なのだ。
米軍が北富士演習場を接収して以後は入会ができなくなり、農民の生活は途端に苦しくなった。しかも米軍の存在によって事件・事故などが多発し、農民の怒りはさらに高まった。こうした中で忍草農民は1955年6月20日、騎馬隊を先頭に演習場に突入し、着弾地を占拠して米軍砲撃演習を阻止した。それ以後、忍草農民は、体を張った実力の闘い、創意をこらした戦術で米軍、防衛施設庁を追いつめてきた。その象徴は、ベトナム戦争が激しく闘われていた67年8月から70年10月にかけての3年3カ月、着弾地に小屋を建てて座り込み、米軍演習を阻止し続けた闘いである。
こうした闘いに対して日帝は、機動隊を導入して力ずくで農民を排除したり、金を使って農民の分裂をはかり、デッチあげの刑事弾圧を狙ったりと、あらゆる弾圧を加えて農民の闘いを圧殺しようとしてきた。しかし、忍草農民はこれに屈することなく、今日まで全力で闘い抜いてきた。
安倍政権の打倒へ
安倍政権は、今国会で教育基本法改悪の強行を狙い、さらに共謀罪法案の成立、憲法改悪へと突き進もうとしている。それは、安倍の「戦後体制からの脱却」という発言に示されているように、日帝の戦後的あり方を根本から変えようということである。そして日帝が戦争のできる国家に大転換することで、米帝とともに北朝鮮・中国侵略戦争へと突入しようとしている。そのためにも日教組、自治労などの労働組合を総屈服させて解体しようとしている。それは、労働者への非正規雇用化に見られるように、労働者人民への攻撃がさらに強まり、生きていけない現実がさらに強まるということだ。
その中で、三里塚や北富士などの農民闘争や反戦・反基地闘争も一切圧殺し、解体しようという攻撃が強められている。しかし、北富士闘争50年の中で築いてきた地平は、しっかりと生きている。忍草農民は、「忍草に入会権あり」の東京地裁判決をかちとっており、さらに休日には入会を認めざるをえない地平をかちとっている。この地平をしっかりと守り抜き闘い抜くことで勝利の展望は切り開かれる。
11・5労働者集会は、日比谷野音に4900人の闘う労働者人民を結集し、大高揚した。日帝、JR当局のあらゆる攻撃と闘い抜いてきた動労千葉労働運動が韓国、アメリカの闘う労働者と結びつき、国際連帯の闘いが力強く発展している。この闘いとしっかりと結合し、闘う中に勝利の展望がある。
北朝鮮・中国侵略戦争のために忍草農民の生活と権利を圧殺する北富士の侵略出撃演習場化を全力で阻止しよう。米軍砲撃演習での小火器使用を絶対許すな。11・26北富士に結集し、海兵隊の実弾演習を阻止しよう。
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要項
米軍の北富士での実弾演習粉砕、梨ケ原国有入会地奪還、北富士演習場撤去
11・26北富士総決起集会
11月26日(日)正午
忍野村忍草・自衛隊北富士駐屯地隣
※集会後、演習場正門までデモ行進
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週刊『前進』(2271号6面3)(2006/11/20)
保安処分施設やめろ
阻止共闘 住民説明会に反対情宣
「処遇困難者専門病棟」新設阻止共闘会議は10月30日、東京・世田谷の都立松沢病院で開催された医療観察法に基づく保安処分施設建設のための住民説明会(同病院体育館)に登場し、建設反対の情宣活動を行った。
午後6時半開始の1時間前から最寄りの京王線八幡山駅でビラをまき始めた。この近辺は松沢病院に通院し生活する「病者」も多く、何人かの「病者」からも活発に意見を求められた。また突然出てきた保安処分施設計画案に驚く住民もいれば、長年住み慣れた人からは「広大な敷地の住民への開放や病院の総合化の方が先」と数々の注文が以前から発せられていた様も垣間見えた。
その後、情宣は松沢病院の正門前に移り、説明会の終わる午後8時半まで続けられた。帰宅する事務や給食、リハビリの職員とも意見交換でき、病院労組の一員も「法律の制定自体から問題ありましたね」と反対の声を聞かせてくれた。
一方、阻止共闘のメンバーも住民説明会に参加し、「松沢に保安処分施設はいらない」とアピールした。すでに「都立病院の改革案」として松沢病院の「精神医療センター」化構想が発表されてはいたが、説明会ではさらにその治安主義的な詳細が明らかとなった。
「5年計画で老朽化した建物の改築」「低層から高層へ」と言いながら、真っ先に来年着手するのは保安処分施設33床だ。しかも1300床から900床へベッド数を減らしながら「精神科急性期医療」を中心に再編するという。「精神科急性期医療」とは「4割以上を3カ月で退院させると診療報酬が高くつく」という点数誘導で、ほとんど薬物による沈静化や電気ショック、個室中心・閉鎖処遇の中で人体実験的な精神療法などを多用する処遇だ。しかも松沢の場合は「他の病院では対応困難な急性期疾患に対応する」と明言し、積極的に各地の「処遇困難者」と呼ぶ「病者」を集め、社会的背景とは無縁に「治療」の名で「病者」への制圧をほどこそうとしている。
さらに「行動障害が著しい急性期認知症患者」に36床、「アルコール・薬物」に48床、医療観察法病棟と合わせて三つを専門的な「精神科特殊医療」として看板を掲げた。とりわけ薬物関連の追加は松沢では初めてであり、現在法制審議会で審議中の「性犯罪者・薬物依存者」と見なした者への新たな保安処分収容が見込まれる施設だ。
また説明会答弁では重大な事実も発覚した。「災害時は『医療観察法患者』はどうなるのか」という住民の質問に「開放するということはありません。閉じ込めますから心配はいりません」と答えたのだ。何たる患者抹殺・「病者」抹殺か! こんな松沢病院当局に全国の「病者」、住民の命が奪われてはならない。
松沢に絶対に医療観察法施設をつくらせてはならない。さらに大阪・旧中宮病院、岡山県立病院など自治体で始まりだした医療観察法施設づくりを絶対に阻止しよう。
(写真 松沢病院に向かって保安処分施設反対と怒りの声をあげる阻止共闘【10月30日 東京・世田谷】)
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週刊『前進』(2271号6面4)(2006/11/20)
紹介
『裁判員制度はいらない』 高山俊吉著 講談社刊定価1300円
「被告人のためではなく 国のための制度」を批判
『裁判員制度はいらない』(高山俊吉著 講談社刊)が出版された。
この本は、2009年5月からスタートする裁判員法の「施行に真っ向から反対する裁判員法全否定の書」である。「国民の司法参加」という口実で、まるで司法を国民の手に取り戻すかのようなレトリックをつかった裁判員制度を全面的に批判した書である。
本書の帯には、「憲法違反の裁判員制度は『軍国主義の一里塚』だ!」と書かれている。そのとおりだ。裁判員制度は、侵略戦争に反対する人びとを、「国民」が裁判所と一緒になって処罰する制度である。基本的人権を柱とする現憲法下の司法制度から、侵略戦争に人民を動員するための司法制度に転換する攻撃である。本書は、裁判員制度について、恐ろしき隣組的治安管理時代の到来であると喝破している。
第1章 拒否すれば処罰
戦前の日本でも、陪審制度が行われたことがあるが、その時も日帝が朝鮮・アジア侵略に全面的に突入していった時代であった。その際には、「一般国民を裁判手続きに参与させれば、法律知識は涵養(かんよう)され裁判に対する理解は増し、裁判制度の運用は一層円滑になる」(『陪審手引』1931年)とその意義を述べている。
今度の裁判員制度の導入では、「一般の国民が、裁判の過程に参加し、裁判内容に国民の健全な社会常識がより反映されることによって、国民の司法に対する理解・支持が深まり、司法はより強固な国民的基盤を得ることができる」(司法審意見書2001年)としている。両者の説明のなんと似通っていることか。ただし、戦前は被告人に選択権があったため陪審を望む者が減少し消滅した。その反省から、裁判員制度では被告人には選択権を与えていない。
侵略戦争に人民を動員するためには、国家の暴力装置(司法)で反対運動を鎮圧する以外にない。その司法に、人民を加担させることこそ、裁判員制度の狙いである。
裁判員は選挙人名簿から無差別に抽出されるが、裁判員に選ばれても辞退できず、拒否すれば処罰される。世論調査では7割の人が「やりたくない」と回答している。本書で、裁判員法は裁判への「赤紙」であり徴用であると弾劾しているのも十分うなずける。
裁判員法は、基本的人権をまったく無視しているが、現行刑事司法に裁判員法が導入されることによって、刑事司法全体に基本的人権の空洞化が一層強まっている。
その一つが、昨年の11月からすでに始まっている「公判前整理手続」である。この手続は、裁判員制度実施ための準備という位置づけがされているが、公開の法廷が始まる前に事実上結審している。最近の殺人未遂事件の例では、公判開始から判決までわずか4回の法廷である。第4回法廷では1日で論告・弁論・判決まで行っている。
その判決文は、ワープロで印字されている。担当した弁護士は、「公判を開始する段階で判決の内容ができあがっており、裁判員が参加する公判は判決文を微修正する余地しかないのではないか」と述懐している。
第2章 被告の権利抹殺
本書では、裁判員制度は「無罪推定」「疑わしきは被告人の利益に」「裁判を受ける権利の保障(反対尋問権の保障など)」「公開の原則」などをことごとく解体して被告人の諸権利を抹殺し、さらに裁判員に対しても1週間など一定期間身柄を拘束して死刑などを含めた「人を裁く」という苦役を強制するなど「違憲のデパート」であると指摘している。まさに、裁判とは名ばかりであり、国家権力による刑罰権の発動に人民も弁護人もお飾りで動員されるだけであるという実態が明らかになりつつある。
筆者の高山氏は弁護士として、「日弁連を改憲阻止の砦(とりで)に」をスローガンに掲げた「憲法と人権の日弁連をめざす会」の代表を務めている。弁護士の使命は、「基本的人権を擁護し、社会正義を実現する」(弁護士法第1条)ことである。戦後の弁護士は、闘う人民と一体となって国家権力の弾圧に抗して、人権擁護のために奮闘し、基本的人権の確立の一端を担ってきた。こうした弁護士の存在意義が奪われ始めている。
被告人の人権を擁護するために強引な裁判所の訴訟指揮に抗議したり、あくまで厳格な証拠に基づく事実認定を求めたり、被告人のための弁護活動を要求すれば、「訴訟遅延を目的とした違法な弁護活動」として弁護士資格が奪われる。麻原弁護団に対して強行された裁判所による「処置請求」も、裁判員法をスムーズに進行させるために昨年11月から施行された改悪刑訴法による攻撃である。裁判員制度は、弁護士(会)の翼賛化と一体の攻撃である。
本書は、法律の素人にもわかりやすく解説している。誰が読んでも裁判員制度の本質がわかるようになっている。戦争に反対するすべての人が本書を読んで、ぜひ裁判員制度の実施を破綻(はたん)させる闘いに立ち上がってほしい。
(村上進一)
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週刊『前進』(2271号6面5)(2006/11/20)
日程 星野文昭さんを取り戻そう
35年目の渋谷で問う
沖縄−星野11・25全国集会
11月25日(土) 東京山手教会
午後1時開場 渋谷公園通り
2時開会 JR・地下鉄渋谷駅
5時閉会 から300b
◎講演 知花昌一 反戦地主/読谷村議
−1972年沖縄本土復帰の内実を問う−
「星野文昭さんは何のために闘ったか」
◎朗読劇 イノセント ◎歌と語り
◎パフォーマンス「KAKOと今」
◇07星野カレンダーなど販売
主催/11・25全国集会実行委員会
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