ZENSHIN 2006/11/06(No2269 p06)

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第2269号の目次

ハンスト団と日教組デモ隊が熱いエール 26日夜 国会前=関連記事2面

1面の画像
(1面)
11・5日比谷 教育基本法改悪絶対阻止・安倍政権打倒へ
闘う労働者の総結集を
日米韓労働者国際連帯の力で北朝鮮への侵略戦争とめよう
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日教組集会 壇上に駆け上がり弾劾
闘う方針なき「非常事態宣言」 組合員みなぎる決意(10月26日)
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日程 記事を読む  
(2面)
繰り返さぬぞ絶対に ルポ 教育労働者の現場(3)
教育基本法の改悪阻止! 全国の職場から国会へ
業績評価との闘いB 「評価票」提出拒否を貫く
職場抵抗闘争の復権がカギ
記事を読む  
闘う3労組と国会闘争の高揚を11・5大結集へ
教基法改悪を必ず阻む  国会前 日ごとに増える人の波
記事を読む  
発言 本部はストで闘え(日比谷野音) ハンストに大反響(国会前の被処分者) 記事を読む  
全国で“共謀”広がる
シール投票で圧倒的「否決」  1億2千万共謀の日(10月22日)
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教基法改悪案を廃案へ  11・5集会に日教組再生の展望が 記事を読む  
(3面)
闘う3労組と国会闘争の高揚を11・5大結集へ
関西 “闘いをもって活路開く”
国鉄闘争勝利へ大集会(投稿/関西合同労組 I・S)(10月13日)
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東京 教基法改悪と共謀罪つぶせ  2戦線が共闘デモ(10月22日) 記事を読む  
3労組が国会闘争(10月24日) 記事を読む  
国労弾圧公判 しらを切る笹原証人追及
“警備要請はしていない”と見えすいたうそ
次回は高嶋元国労委員長の尋問に(10月18日)
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〈焦点〉 船舶検査活動の概要が判明  「臨検」は戦争の始まりだ 記事を読む  
〈焦点〉 連合と民主党が共同宣言  4大産別決戦の解体狙う 記事を読む  
(4面)
10・20 法政大 処分撤回へ500人が集会
回答拒否の平林総長に怒り  59クラスでスト決議(10月20日)
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織田全学連委員長が11・5へアピール
10・20国会前で熱烈な訴え
安倍政権ぶっ倒し戦争を止めるのは俺だ、あんただ(10月20日)
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シール投票で学生の7割が9条改憲反対
山形大学 朝比奈昇(10月10〜13日)
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医療・福祉労働者の訴え
社会保障解体を許すな 11・5に1000人の隊列を(辰川健)
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2006年日誌 10月18日〜24日
「核保有論議は大事」と麻生  教育再生会議が第1回会合
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(5面)
嘉手納第2ゲートに迫る
PAC3反対県民大会 “沖縄を戦場にするな”(10月21日)
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新基地は造らせない  糸数勝利で県政奪還 記事を読む  
三里塚 NAAの市東さん提訴弾劾  新たな土地強奪攻撃許すな 記事を読む  
国連決議を賛美する日共  帝国主義の戦争発動に加担
北朝鮮非難大合唱に屈し 制裁の実施を安倍に要求
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(6面)
団結ひろば 投稿コーナー
米軍は来るな!日米共同訓練反対で集会 新潟 増田信一
戦争狙う北朝鮮制裁に反対し街宣に参加 岡山 木の根健吉
改憲阻止闘争の先頭に郵政労働者は立つ 非常勤郵政労働者 坂田陽一
「自立支援法」撤廃へ「再チャレンジ」する 北信越 深沢亨平
派遣労働者の実態の中に青年反乱が胎動 東京 原田達也
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水嶋控訴審第1回公判 検察主張は大破綻
“直ちに控訴棄却せよ”(10月24日)
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さいたまで沖縄集会  平良さん 辺野古と星野を語る(10月15日) 記事を読む  
07星野カレンダー 好評発売中  絵・星野文昭 詩・星野暁子 記事を読む  
星野さんとともに
71年7月仮処分執行で農民放送塔を死守  元三里塚現闘 大島一平
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日程 星野文昭さんを取り戻そう 沖縄−星野11・25全国集会 記事を読む  

週刊『前進』(2269号1面1)(2006/11/06)

 11・5日比谷 教育基本法改悪絶対阻止・安倍政権打倒へ

 闘う労働者の総結集を

 日米韓労働者国際連帯の力で北朝鮮への侵略戦争とめよう

ハンスト団と日教組デモ隊が熱いエール 26日夜 国会前=関連記事2面

 戦争と格差拡大が労働者を襲っている。いまや青年労働者の2人に1人は非正規雇用。夢も希望も奪われている。安倍政権は北朝鮮への侵略戦争に前のめりに突撃している。国会では、教育基本法の改悪案の強行突破が狙われている。中川昭一政調会長は「デモをする教員は免許剥奪だ」と労組破壊の思惑を隠さない。子どもを戦場に送る愛国心教育などやれるか。労働者の食えない現実と戦争に対する怒りは満ちている。職場では生きるためのギリギリの闘いが始まり、職場−国会では教育労働者の命がけの闘いがある。この歴史的な胎動を労働者階級の勝利へ。11・5日比谷野音に総結集しよう。

 3労組は最も戦闘的な組合

 労働者の団結。社会の主人公としての誇り。
 既成の労働運動がこの二つを投げ捨てて久しい。11月5日(日)に東京・日比谷野外音楽堂で開催される11・5労働者集会は、この二つを労働者の手に取り戻し、労働運動の現状を現場の力で変革するための集会だ。
 連合や全労連の労働運動とはまったく違う、現場労働者による現場労働者のための集会だ。
 何が違うのか。
 既成の労働組合運動は現場の組合員の力に依拠して闘うことを放棄し、「労働者は勝てない」と思い込んでいる。この敗北主義の思想を覆すのが11・5労働者集会だ。
 呼びかけているのは、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合港合同、国鉄千葉動力車労働組合の3労組。いずれも資本と国家権力のあらゆる攻撃・弾圧に抗して闘い、勝利してきた。労働者が本当に団結して闘えば負けないことを実証してきた労働組合だ。
 関生支部は、関西の生コン労働者を中心にした産業別労働組合だ。生コン業界の95%は労働者数50人以下の零細。大資本の安値競争の攻撃で倒産の危機に直面する。これと対決し、労働者の雇用と労働条件を守るために大手ゼネコン・セメントメーカーとの対等な取引条件などをかちとる産業政策運動を闘ってきた。(この正当な労働組合の活動に対し「強要未遂」「威力業務妨害」などのデッチあげで2年で4回執行部が逮捕された)。イラク戦争に反対してストライキも闘った。
 港合同は大阪市港区に本部を置く、広範囲にわたる地域合同労組だ。企業の倒産攻撃に対し、労働者による自主生産をもって団結権を維持・防衛してきた。労働基本権・団結権の死守を掲げ、「企業の塀をこえて」地域における正規・非正規労働者の組織化を営々と闘い抜いている。
 動労千葉は、JRの運転士とエンジニアの労働組合。1987年、当時の中曽根政権が「戦後政治の総決算」をかけて仕掛けた国鉄分割・民営化に対して、国鉄内の労組の中で唯一、2波のストライキで闘った。40人の解雇者を出しながらも団結を守り抜いた。
 4月の幕張事故の解雇策動を粉砕し、仲間を守り抜いた。レール破断を告発し、スピードダウンの反合理化・運転保安闘争を闘っている。それは資本と労働者のどちらが職場の主人公かの職場支配権をかけた闘いだ。職場・生産点での組合員の闘いに依拠して1047名闘争を原則的に闘う。
 どの組合も、現場の組合員に依拠して、団結の力で情勢を切り開いていく労働組合観で闘ってきた。資本と国家権力のどんな攻撃にも、労働者が団結して闘えば敵を揺るがすことを示してきた。ときには全員クビを覚悟で闘い、権力の弾圧に体を張って闘い、これを実証してきた。日本の原則的階級的労働運動の「勝利性」を体現している。これこそが今一番労働者の闘いに必要なのだ。
 「労働者は社会の主人公」「労働者には社会を変革する力がある」「一人ひとりの労働者が決定的」「労働者はひとつ」――この労働組合運動の根本思想を指し示す集会だ。あらゆる労働者運動の中に11月労働者集会派を形成して闘おう。職場の仲間を信頼し、それに依拠して闘う労働組合運動を始めよう。それこそが既成の労働運動の現状を現場から変革する。

 米韓の労働者がやってくる

 3労組に共鳴し、連帯するために韓国から民主労総ソウル地域本部、米国からILWUとAMFAがやって来る。
 民主労総は、組合員80万人の韓国最大のナショナルセンターだ。1日13時間超、日曜日もない十代の女性労働者の過酷な搾取を告発し「われわれは機械ではない」と焼身自殺したチョンテイルの遺志をつぎ、1995年に創立された。
 韓国では、97年の通貨危機から始まった一大資本攻勢で非正規職が全労働者の6割を超える。韓国の労働者は「労働者は一つ」を掲げて正規と非正規の壁を打ち破る団結と闘いを組織している。11月には40万人が参加する「世の中を変えるゼネスト」を計画している。
 米国のILWU(国際港湾倉庫労働組合)は、米西海岸の港湾労働者を中心とする労働組合だ。1934年のゼネストで西海岸すべての港湾の単一の協約を獲得し、組合が労働者の配置に決定的影響力を持つ。ランク&ファイル(一般組合員)の討論と闘いを重視する労働組合である。
 特に来日するローカル10は、最も戦闘的伝統を持つ支部で、イラク戦争後、サンフランシスコ湾オークランド港の軍需物資輸送阻止を闘った。
 AMFA(航空整備士労働組合)は、米国の7つの航空会社の整備士の労働組合だ。ノースウェスト航空の組合員4400人の半数の解雇、賃金25%カットの攻撃に抗し、昨年8月から14カ月間ストライキを続けている。スト破りで経営側に寝返ったのは1割足らず。大半の組合員の団結を守り抜いて驚異的な長期ストを闘っている。
 この集会に闘う教育労働者が大挙合流する。9月21日、予防訴訟裁判で「日の丸・君が代の斉唱義務なし」の勝利判決が出た。あらゆる重圧をはねのけて貫いた戦争協力拒否の職場闘争が切り開いた力だ。労働者がすべてをかけて決起したとき、分岐を生み、社会問題にもなる。共感と連帯を獲得し、勝利を切り開くのだ。学校現場の闘いと団結こそが国会闘争を爆発させる力だ。
 既成の労組幹部は「闘っても勝てない」「世の中を変える力はない」と考え、現場の労働者を信用せずに裏切ってきた。
 この集会は逆だ。
 全国から仲間を裏切らない、原則的に闘う労働者が集まる。「労働者は勝利できる。社会の真の主人公。社会を変革する力がある」――この思想をあらゆる労働者の闘いに貫くために、ほかでもなくこの集会が決定的なのだ。

 戦争の元凶はブッシュと安倍だ

 戦争を欲しているのは安倍とブッシュら帝国主義の政策決定者である。安倍政権はすでに対北朝鮮の独自制裁を発動。海上自衛隊による北朝鮮船舶の検査にも踏み込もうとしている。初の周辺事態の認定も狙う。
 船舶検査は戦争行為そのものである。
 01年末に海上保安庁が国籍不明の外国船を「不審船」だとして銃撃・撃沈して15人の乗員を殺害した事件があった。これが船舶検査だ。
 周辺事態を認定すれば、次は「反撃」が予想される「武力攻撃予測事態」となる。有事法制の発動に必ず行き着く。
 米帝がすでに発表している作戦計画5027こそ米韓連合軍が準備する対北朝鮮の戦争シナリオそのものだ。北朝鮮が戦争準備をしていると断定して、米韓連合軍が北朝鮮に侵攻・占領するプランである。
 安倍政権は今、日米枢軸のもと北朝鮮への侵略戦争に突撃している。集団的自衛権も解禁して米軍と一緒に戦争をしようとしている。この中で教基法改悪や共謀罪、防衛庁「省」昇格法案、国民投票法案を一挙に成立させようとしている。
 安倍政権を倒さなければ、青年労働者や学生は戦場へ送られ、侵略の銃を持たされるのだ。
 戦争の元凶は帝国主義にある。何よりもアメリカ帝国主義が01年の9・11以来、イラク、アフガンで泥沼の侵略戦争を続けている。イラン、北朝鮮も「悪の枢軸」だと決め付け、全世界に戦火を拡大しようとしている。
 米帝は最大の戦争国家だが、同時に世界の帝国主義国の中でもっとも貧富の格差が激しい。5千万人の労働者とその家族が医療保険に入れない。
 米国及び国際帝国主義こそが世界を暴力的に支配し、抑圧し、収奪している。これに対する人民の抵抗を圧殺し、資源や市場を独占するために侵略戦争をしているのだ。
 イラク戦争で米軍は、3千人近い戦死者が出ている。民間の戦争請負会社の傭兵も加えれば倍以上だ。新兵募集が困難になった米軍は、貧困家庭の高校生や移民労働者を奨学金や市民権で勧誘している。貧しい労働者や移民労働者が侵略戦争に動員され、イラク人民の生命を奪っているのだ。
 日本も同じだ。
 小泉―安倍政権のもとで、青年労働者の2人に1人は非正規雇用労働者だ。トヨタやキヤノン、松下などの大企業が偽装請負で時給1千円、保険も年金もなし、労災の責任もとらずに青年労働者を過酷に搾取している。
 日本経団連の御手洗会長は、キヤノンの偽装請負を告発されてなんと言ったか。
 「法律に無理がある。見直してほしい」
 偽装請負を居直り、資本ではなく法律が悪いというのだ。偽装請負が合法になるよう法律を変えろと主張しているのだ。
 安倍政権は、こういう吸血鬼のような資本家の政府であり、この連中が憲法を変えて戦争を始めようとしているのだ。

 軍需物資や荷役の拒否へ

 だが、労働者はいつまでも黙って従わない。
 動労千葉のように鉄道労働者が軍需物資輸送を拒否してストライキで闘ったらどうなる。ILWUのように港湾労働者が荷役を拒否したらどうなるのか。
 労働者が戦争を拒否すれば戦争は1日も継続できないのだ。労働者にこそ戦争を止める力がある。日韓米の労働者が一堂に会することの意義がここにある。同時に、北朝鮮が核で帝国主義の脅威に対抗することの誤まりもここにある。
 今日の資本主義社会の中で労働者は、資本家の利潤を生み出し、兵士になるためだけに生かされている。人間として扱われていない。「労働者はモノではない」と人間として叫びをあげよう。これこそが労働者解放の道であり、社会を変革する力を生む。労働者は団結すれば資本家なしで生きていける。これこそが資本の労働者支配と戦争を打ち破る力なのだ。
 11・5集会は、労働者が自らの力を自覚し、6千万労働者、世界の労働者とつながって「革命」を起こす集会なのだ。闘う労働者はこぞって総結集しよう。

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週刊『前進』(2269号1面2)(2006/11/06)

 日教組集会 壇上に駆け上がり弾劾

 闘う方針なき「非常事態宣言」 組合員みなぎる決意

 10月26日夕、「教育基本法改悪阻止!10・26日教組緊急中央行動」が日比谷野外音楽堂で行われた。全国から結集した組合員は8500人。「なんとしても改悪を阻もう」という熱い思いが結集し、野音の会場外にも人があふれかえった。
 しかし集会冒頭の主催者あいさつは森越委員長ではなく高橋副委員長だった。「森越はどこに行った」「委員長は何をしているんだ」。会場からヤジが飛ぶ。業を煮やした組合員が壇上に駆け上り司会に詰め寄った。日政連の民主党議員が発言する間、「なぜ森越がいないんだ」「ストライキ方針を出して闘え」「戦争につながるんだぞ」。鋭い声が飛び交う。
 組合員と日教組本部の激突が続く中、中村書記長が「森越委員長は参加できない」と告白した。なんと海外出張中という。「外国に行っている時か」。怒りが倍加する。しかも中村は教基法改悪を阻むための行動方針を何一つ提起しない。闘いを求めて全国から集まった組合員を前に、なんという裏切りか!
 最後に「非常事態宣言」が読み上げられたが、闘う方針なき非常事態宣言が空しく響く。「団結ガンバロー」では手を挙げることもできず怒りの表情を浮かべる組合員が少なくなかった。
 請願デモでは、リレーハンストを続ける東京の被処分者たちが国会前でデモ隊列を迎えた。デモ隊は「頑張れ」「絶対阻止しよう」と熱い声援を送り、手を振ってこたえた。組合員は本部にはヤジをたたきつけ、ハンスト団には熱いエールを送って、「自分たちこそ日教組」の誇りを持って闘おうとしている。
 本部がいかに無方針であろうが、「非常事態宣言」は組合員を抑圧してきた本部の制動を取り払い、全国の組合員が改悪阻止へ爆発的に決起を開始した。いざ、国会闘争へ!(2面に演壇に駆け上った組合員の声
(写真 「森越委員長の逃亡は許せん」。怒った組合員が日教組本部役員に詰め寄った【日比谷野音】)

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週刊『前進』(2269号1面3)(2006/11/06)

 日程

▼教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会
 ◎国会前集会 10月31日(火)18〜19時
        11月7日(火)18〜19時
 ◎教育基本法の改悪をとめよう11・12全国集会
  11月12日(日)13時〜日比谷野音
▼教育基本法改悪反対国会前座り込み
  11月9日(木)まで
  日教組/午後1〜4時 東京教組/4〜6時
▼反戦共同行動委員会の国会集中行動
       10月31日(火)8時半〜終日
 (国会前はいずれも衆院第2議員会館前)

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週刊『前進』(2269号2面1)(2006/11/06)

 繰り返さぬぞ絶対に ルポ 教育労働者の現場(3)

 教育基本法の改悪阻止! 全国の職場から国会へ

 業績評価との闘いB 「評価票」提出拒否を貫く

 職場抵抗闘争の復権がカギ

 職務命令に抗して 宮城

 宮城県では、今年度導入された「教職員評価制度」をめぐって、闘いが起こっている。「評価票」(=自己申告書)の提出拒否者に処分を出させてはならないと、大きな反撃がたたきつけられたのだ。
 県下の小学校で働く古川貴志さんは、試行期間だった04年度・05年度、教職員が提出することになった評価票を記入せずに提出した。今年4月からいよいよ制度が本格実施となったが、評価票への記入は拒否した。すると校長が8月に、期日を指定して「評価票を提出せよ」と職務命令を出してきたのだ。
 古川さんは言う。「校長も教育委員会も、みな『この制度はよくない』と言う。『だけど、決まったんだから従え』。こんなおかしいことはありません。教職員評価制度は、一人ひとりの穏やかな生活を破壊していくもの。そんなものに負けずに、自分の言葉で、まっすぐ暮らしていきたい」
 古川さんらは、職務命令によって懲戒処分が出ることに反対しようと、「宮城県教委にあなたの声を寄せてください」と呼びかけた。その呼びかけにこたえて、宮城県下の労働者を始め多くの労働者が、産別を越え、地域を越えて、「職務命令を出すな」「処分をするな」という声を県教委に寄せた。大衆的な反撃が広がる中、教育委員会は古川さんらへの処分を今も出すことができていない。

 仲間に広がる共感 福岡

 福岡でも昨年度、教育労働者に対する「人事評価制度」の試行実施が始まった。
 教員一人ひとりが、@管理職との面談をつうじて「何を期待され、何をなすべきか」を自覚して年度の自己目標を設定し、A目標達成に向けて主体的に活動し、B年度末に自己評価を行い、C面談の後、管理職による「業績評価」が行われるというものだ。評価は他県の多くと同様「S・A・B・C・D」の5段階で評価される。
 福岡の小学校で働く篠田達郎さんは、「教育委員会は『評価を人事に反映する』と言っているので、評価結果で異動が決まりかねません。今はまだ賃金には反映されていませんが、そういう方向性を含んでいることは間違いないですね」と語る。
 組合本部は「教育委員会に『賃金に反映させない』と言わせた」ということを理由にして、「各人の希望を尊重して目標を設定し、自己目標を提出しよう」という屈服方針を打ち出した。
 しかし篠田さんは、自己評価の提出も、校長との面談も拒否した。さらに市内のほかの学校にも「目標管理システムに反対しよう」とビラをまいた。職場の同僚にも「こんなものが制度化されれば、その評価が人事や賃金に反映されることになる。教育基本法が改悪されたら、『愛国心の評価はどうしますか』と変わっていくことになるんだ」と訴えている。校長とやり合う姿を同僚が注目している。みんな、本音では書きたくないのだ。
 「教育基本法が改悪され、憲法も改悪されたら、教育現場はどうなるのか。自分自身のためだけに言っているんじゃない。3年後、5年後を考えてほしい」。篠田さんの訴えに、同僚は真剣に耳を傾ける。
 昨年度、福岡市内では提出拒否者が数十人にのぼった。そのため、今年度は教育労働者の中から「書かなくてよかったの?」「出さなくていいなら、出したくない」という声が大きくなってきた。その声に押されて、今年度は校長が「提出しろ」と強く言うこともできなくなっている。篠田さんは「今年は、提出しない人が昨年よりも増えている可能性が高いです」と言う。
 東京の「予防訴訟」が勝利判決をかちとった翌日の9月22日の朝、篠田さんも職場に行くと周りの人に「やったね!」と声をかけられた。福岡では、国旗・国歌法制定に先だって「日の丸・君が代」強制が吹き荒れた。その中で組合本部は、それまで掲げてきた「3ない運動」(立たない、歌わない、演奏しない)のうち、「立たない」方針を投げ捨てた。この屈服方針を弾劾して不起立を続ける篠田さんに、同僚は期待を寄せている。
 篠田さんの職場では9・21判決をめぐって会話が続いた。「今の教育基本法に照らせば、実は勝って当たり前。当たり前のことが当たり前でなくなっている現実を許しちゃいけん」と言う人。「この判決で、ますます『やっぱり教育基本法を改正しなければ』って言ってくるだろうね」と言う人。「勝利判決を、教育基本法改悪を阻む闘いの力にしなければ、と痛感します。私も国会前に駆けつけて闘います」と篠田さんは語る。

 本部の屈服を突き破り

 日教組本部は10月26日、教育基本法改悪阻止へ「非常事態宣言」を発した。しかし、改悪を阻むための具体的な方針は何ひとつ打ち出さないという、許しがたい裏切りを働いている。
 日教組が過去に「非常事態宣言」を発した勤評闘争・主任制闘争において、全国の教育労働者は、勤評・主任制を制度化させない闘いを職場からの実力闘争で闘いぬいた。その復権が今こそ求められている。
 新たな勤評=業績評価制度と対決し、教育労働者の団結した力で職場実力闘争を復権しよう。日教組本部の総屈服を突き破る現場組合員の闘いを巻き起こそう。
 (大西晶/文中の名前はすべて仮名)
(写真 改憲と教基法に反対し宮教組・宮高教組など3800人が結集【9月30日 仙台】)

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週刊『前進』(2269号2面2)(2006/11/06)

 闘う3労組と国会闘争の高揚を11・5大結集へ

 教基法改悪を必ず阻む

 国会前 日ごとに増える人の波

 教育基本法の改悪を阻もうと、教育労働者のものすごい決起が始まった。東京の「日の丸・君が代」被処分者を中心とする「リレーハンスト&座り込み行動を実行する有志」が10月17日に座り込みを始めて以降、暑い日も暴風雨の日も、1日も欠かさず行動は続いている。座り込む人の数は倍々で増えている。教育労働者が年休をとってハンストに立ったことが衝撃を与え、国会前に駆けつけてくる人を続々と生み出している。
(写真 リレーハンストを続ける東京の「日の丸・君が代」被処分者を始めとする教育労働者と、全国に日教組組合員が大合流【10月26日 衆院第2議員会館前】
●10月23日(月)
 強い雨と風が続く中、「日の丸・君が代」不起立を貫いて停職1カ月の処分を受けた都立「障害児」学校で働くKさんがハンストに突入。兵庫、宮城、奈良からも教育労働者が駆けつけた。
 03年の「10・23都教委通達」からちょうど3年目を迎えたこの日、うれしいニュースが飛び込んできた。北海道で01年、「君が代」強制を拒否して戒告処分を受けた労働者について、道人事委が「処分取り消し」を決定した。東京の「予防訴訟」9・21判決に続く大きな勝利だ。教育労働者のねばり強い職場抵抗闘争が確実に敵を追いつめていることを実感する。
 日教組は100人が座り込み。16時からは東京教組の座り込みが続き、東京の教育労働者が職場から続々と駆けつける。16時半からは、教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会が主催する院内集会も行われ、140人が参加した。
●24日(火)
 引き続く強い雨風にも負けず、3人の教育労働者がハンストを闘う。正午からは、ハンスト&座り込み行動と共謀罪反対共同行動のジョイント集会に、60人が参加した。
 13時からの日教組の座り込みには、北海道教組が50人余の隊列で登場した。春の通常国会でも独自行動に立ち上がった北教組が、またも日教組の闘いを引っ張っている。
 18時からは、教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会が主催する国会前集会が行われ、350人が参加した。終日、衆院第2議員会館前は人の波で埋めつくされた。
●25日(水)
 停職3カ月という重処分に負けずに闘いぬく東京の中学校教員Nさんがハンストに参加した。日教組の座り込みは13時からだが、午前中から大分県教組と北教組の座り込みがハンスト団の両隣に陣取る。
 この日午前、衆院教育基本法特別委員会の審議が再開、政府案・民主党案それぞれの趣旨説明が行われ10分で終了した。座り込み参加者に、ますます気迫がみなぎる。
 13時から日教組の座り込みが始まると、教基法改悪阻止の座り込み参加者は200人を超えた。国労闘争団、夕方から東京教組も加わり、国会前は完全に制圧された。
●26日(木)
 ハンスト8日目の26日は、日教組の「緊急1万人集会」の日。座り込みは国労を合わせついに800人に。北海道からはさらに250人が上京、計300人の大部隊だ。国会前は端から端まで二重・三重の人垣で埋まる。東京の被処分者・被解雇者に加え、大阪の高校で働く教育労働者もハンストに突入した。
 現場組合員の真剣な思いが各地で執行部を動かし始めた。「教基法改悪まで認めたら終わり」、これが現場の声だ。その声に押されて動員した組合執行部が、今では日教組本部指令の何倍を動員したかを誇りあう。
 「リレーハンスト&座り込み行動を実行する有志」は、日教組集会の後まで座り込みを続けた。日教組組合員が国会議員面会所まで請願デモでやってくる。
 「私たちは東京の被処分者・被解雇者です。とにかくできることから始めようと、ハンストに立ち上がりました。闘えば必ず仲間は増えます。そして闘えば必ず教基法改悪は阻めます。全国の日教組組合員のみなさん、頑張りましょう!」
 熱い訴えに、みなが手を振り、声援を送ってエールを交換した。
 これから1週間が最大の山場だ。国会を包囲して廃案に追い込もう。
(写真 「教育基本法変えるな!」の歌に、ハンスト中の労働者が大きな声援と拍手を送った【10月26日】)

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週刊『前進』(2269号2面3)(2006/11/06)

発言 発言 本部はストで闘え(日比谷野音) ハンストに大反響(国会前の被処分者)

 本部はストで闘え 日比谷野音

◎Tさん 平日の集会設定で、組合員はすごいしんどい思いで東京に来ているんです。なのに、森越委員長は逃げている。「総力を挙げて闘う」と言うが、闘う方針は何もない。こんな日教組本部は弾劾せざるをえない。
◎Mさん こんな大事な時に森越が外国に行っていること自体が裏切り行為だし、組合員を愚弄(ぐろう)しています。戦後最大の攻撃を阻むため、組合員は全国から駆けつけました。委員長は国会前で命がけでハンストぐらいすべきです。
◎Sさん 1万人に動員をかけた当人が海外に行っているなんて、冗談じゃない。森越は、全国の教育労働者が結集してくることを喜ばないのか。
◎Nさん 75年以来の「非常事態宣言」を出したのに、なぜ委員長が先頭で闘わないのか。逃亡です。「非常事態宣言」とはイコールストライキ方針のはず。やっぱり日教組本部は文科省とのパートナーシップ路線だ。勝利は労働者の力でもぎりとるしかない。
◎Nさん 今日は午前中は授業をやった後に東京に来た。明日も朝一番の電車で戻って3時間目から授業。それでも改悪を阻みたいから駆けつけたのに。日教組本部は闘いを求める組合員の思いにこたえてほしい。

 ハンストに大反響 国会前の被処分者

◎東京都立「障害児」学校で働くKさん 私は30余年、学校でずっと「『男らしく・女らしく』ではなく、自分らしく生きよう」と語ってきました。それを打ち砕いたのが「10・23通達」。今、憲法改悪が教育基本法の改悪から始まろうとしています。しかし、平和も教育からつくっていくことができるはず。頑張りましょう。(23日)
◎東京の中学校教員Nさん 教育基本法が改悪されたら、教育の主体は教育を受ける子どもたちではなく、教育行政になってしまいます。気にくわない教員は一気に免職にもできることになる。子どもたちを戦争に追いやることもできる。こんなことは、どうしてもとめなければ。教基法改悪の先取りが「日の丸・君が代」強制です。日教組は方針に「日の丸・君が代」強制反対、処分をするな、ということを入れてほしい。(25日)
◎大阪府立高の教育労働者Iさん 10月22日、大阪で行った教基法改悪反対集会に350人が集まった。一番注目されたのは、国会前ハンストに参加した人の報告でした。これから国会闘争に行く教育労働者十数人が登壇して、決意を述べた。私の職場では、国会前ハンストの写真をカラーコピーで張り出したら大反響。国会前と職場をつなぎ改悪阻止へ闘います。(26日)

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週刊『前進』(2269号2面4)(2006/11/06)

 全国で“共謀”広がる

 シール投票で圧倒的「否決」

 1億2千万共謀の日

 10月22日、「1億2千万共謀の日U」が全国各地で取り組まれた。6月10日に続き2度目、さらに取り組みが広がった。
 東京・秋葉原駅前(写真)や千葉、静岡ではシール投票が行われた。この間、各地で実施された全国シール投票はこの日で締め切られ、投票総数2045票、共謀罪反対1599票(78%)、賛成121票(6%)の圧倒的多数で否決!
 このほか、銀座でのチンドンパレード、広島・原爆ドーム前での教基法改悪反対ハンスト、「インドカレーを食べて共謀しよう」企画、フリーター共謀をはじめ愛知、大阪、福岡など、全国に「共謀」が広がった。
 夕方には東京で教育基本法改悪と共謀罪に反対するジョイントデモが大高揚(記事3面)、翌23日には、東京で「共謀の日記念」ピアノコンサートも大成功した。

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週刊『前進』(2269号2面5)(2006/11/06)

 教基法改悪案を廃案へ

 11・5集会に日教組再生の展望が

 被処分者の闘いが組合員の怒り解き放つ

 教育基本法改悪阻止へ今こそ30万日教組組合員の総決起をかちとろう。日教組本部の「非常事態宣言」をのりこえ、教育労働者自身の真の「非常事態宣言」を発して闘おう。それは、11・5労働者集会への教育労働者の大結集だ。
 日教組本部が当初うち出した国会闘争方針は、国会前座り込みは「4日間程度」、全国集会は「11月下旬」、各地域集会も「できるだけ少人数で」などというふざけきったものだった。衆院段階の闘いを完全に放棄し、神本美恵子参院選に組合員を駆り出すためのみの設定であった。
 だが、広教組有志の原爆ドーム前座り込み、被処分者らの国会前「リレーハンスト&座り込み」など、現場組合員は組合指示を待たず次々と自主的な決起を開始した。大分県教組単独の国会前座り込みや東京教組の独自の座り込み闘争など各県教組が動きだした。全教・全労連も明治公園に2万7千人を集めた。こうした中で、日教組も1万人の国会デモをうち出さざるをえなくなった。
 345名の被処分者の闘いから、教育基本法改悪阻止、日教組再生の闘いが始まった。そして、3年間の不起立闘争がもぎりとった9・21予防訴訟勝利判決が号砲となり全国の日教組組合員の怒りを解き放ったのだ。
 参院選の民主党支援に闘いを流し込む連合路線は断じて許されない。しかし、万規模の大衆行動は、本部の思惑を超えた闘いの戦闘化を生み、さらなる巨大な闘いを要求する。
 「闘う日教組再生」のスローガンを現実のものとするときがきた。国会闘争の高揚を職場に還流し、職場抵抗闘争の再生をかちとることがカギだ。石原・安倍に決定的痛打を与えた被処分者の闘いを、今こそすべての日教組組合員のものとしよう。不起立闘争が10・23通達を紙切れにしてしまったように、日教組30万が団結して闘えば、改悪教基法案もただの紙切れと化すのだ。
 11・5労働者集会は、自治労、全逓を始め、すべての産別のランクアンドファイル運動が合流し、連合の改憲勢力化をうち破る総決起の場だ。職場生産点から戦争・改憲と民営化、労組破壊と闘う労働運動をつくりだそう。

 教育再生会議設置の狙いは日教組の解体

 安倍は、中川昭一、山谷えり子、下村博文ら、歴史教科書攻撃やジェンダーバッシングの急先鋒をつとめてきた盟友を党と首相官邸の要職に配置した。10月18日に発足した教育再生会議は、首相官邸主導で、文科省や中教審を飛び越えて免許更新制や学校の外部評価などの教育改革を進めるという。現場教員も教育専門家も排除した委員構成といい、3カ月で中間報告、1年後に最終報告という暴走ぶりといい、まさに「不当な支配」そのものである。
 免許更新制は、「指導力不足教員の排除を目的としない」「有効期限10年、更新時に認定講習受講を義務付ける」とした中教審答申をも覆し、改悪教基法をテコに愛国心教育を拒否する教員の首切り制度とするのが狙いだ。日教組組合員の国会闘争に大打撃を受けた自民党の中川昭一政調会長は、「デモで騒音をまき散らす教員は免許剥奪(はくだつ)だ」とわめいている。
 学力テストの成績や国家監察によって「廃校措置や教職員の強制的入れ替えを行う」という外部評価も、まさに分割・民営化型の首切り攻撃だ。
 「文科省の影響力を排除する」「教職員組合を切り崩す」と公言されているとおり、その狙いは文科省もろとも日教組を解体することである。「つくる会」前会長の八木秀次率いる日本教育再生機構も「日教組『排除』」を叫び、政府を突き上げている(『VOICE』11月号)。
 「つくる会」勢力に教育を牛耳らせてなるものか。安倍改憲政権を倒すか、日教組が解体されるかの決戦の火ぶたが切られたのだ。
 いよいよ日教組運動にも国鉄分割・民営化と同じ試練が問われる時が来た。動労千葉は、分割・民営化に2波のストライキで立ち向かい、第2の分割・民営化攻撃に対しても唯一外注化を阻止し、反合・運転保安闘争でJR資本を追いつめている。その核心は、指導部が労働者をトコトン信頼し、決定的場面で原則的方針を決断して、階級的団結の強化をかちとってきたことにある。

 3労組に学び戦時下に闘う教労運動を

 「教え子を再び戦場に送らない」教育労働者の自己解放性を信頼し、これにトコトン依拠して、闘う路線と方針をうち立てることが求められている。民営化攻撃も刑事弾圧も倒産攻撃ものりこえて闘い続けてきた連帯ユニオン関西生コン支部・港合同・動労千葉の3労組に学び、戦争の時代に通用する教育労働運動をつくりだそう。
 北朝鮮核実験を口実に日米帝国主義の朝鮮侵略戦争策動が強まっている。周辺事態法の発動とは、日本が戦時体制に入り、自治体を始めとした労働者の戦争動員が始まるということだ。船舶検査・臨検を引き金に、いつ戦争が始まってもおかしくない情勢に入っているのだ。
 国会では全会一致で北朝鮮非難決議が採択され、日本共産党は国連決議を手放しで賛美、愛国主義・排外主義キャンペーンが吹き荒れている。だが、労働者階級人民の怒りと危機感は噴出しつつある。パトリオット搬入を阻止した沖縄の闘いは、労働組合による戦争反対の実力決起だ。
 「北朝鮮の核実験に対し国民は一致団結し安倍政権を支えなければならない」(中川政調会長)などという非常時の論理を、労働者階級の組織された行動でぶち破ろう。職場生産点における日常的な資本との闘いこそ戦争協力拒否の力だ。
 韓国・民主労総、ILWU(国際港湾倉庫労組)を始め、戦争当事国の闘う労働組合の国際的団結にこそ侵略戦争阻止の力が宿っている。

 組合員総決起で国会に連日押しかけよう

 教基法改悪阻止は、戦時下の愛国主義・排外主義と対峙し、安倍改憲政権打倒の最前線をなす闘いだ。いまこそ教育労働者が歴史を動かす主人公として登場するときだ。
 11・5全国労働者総決起集会に闘う教育労働者は総結集しよう。教育労働者の闘いを全労働者階級の闘いへと転じていく場が11・5集会だ。1万人大結集の力で教育基本法の改悪をとめよう! 11・12全国集会を大成功させよう。
 連日連夜、日比谷野音を満杯にし、国会に押しかける情勢をつくりだそう。会期末の12月15日まで死力を振り絞って闘い、政府案・民主党案を必ず廃案に追い込もう。

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週刊『前進』(2269号3面1)(2006/11/06)

 闘う3労組と国会闘争の高揚を11・5大結集へ

 関西 “闘いをもって活路開く”

 国鉄闘争勝利へ大集会

 10月13日、大阪・港区民センター大ホールで、9・15判決1周年を期して国鉄闘争関西集会が開かれ(鉄建公団訴訟原告団と国鉄闘争支援関西共闘会議準備会の呼びかけ)、400人の大結集で大成功しました。床に座る人が大勢出るほどの大盛況でした。
 司会の全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の武谷さんが、「本集会を起点に国鉄闘争をさらに支援し、日本労働運動を再生させたい」と述べました。

 鉄建公団訴訟の原告が決意

 鉄建公団訴訟原告団九州協議会事務局長の牛島さんが、集会に参加した原告を紹介し、控訴審への決意を次のように語りました。「昨年の9・15判決は、裁判所が初めて一部不当労働行為を認めた。だが、金だけ支払って和解しなさいという納得のいかない判決だ。裁判闘争だけではなく、大衆闘争で鉄道運輸機構を攻め上げる。JRと政府の責任を追及しぬく」
 熊本闘争団の家族は、「皆さんの応援があり20年間闘ってきた。たくさんの支援のおかげで闘い続け、生きているんだと思った時に心の奧底から闘う赤い火が燃え上がりました。納得できる判決を目指して一生懸命闘いたい」と述べ、熱い拍手を浴びました。
 鉄建公団訴訟弁護団長を務める佐藤昭夫さんが講演し、「国労本部は、鉄建公団訴訟原告を権利停止処分にし、これに反対した国労組合員を弾圧して、訴訟を妨害してきた。ところが国鉄が不当労働行為をやったという事実を認めた9・15判決が出ると態度を一変させ自分たちも訴訟をやろうとしている。だがそれは解雇有効を前提に『金だけくれ』というものだ。これは解雇撤回・原職復帰の闘いの足を引っ張るものだ」と国労本部を批判。また、「中曽根は『総評の中心だから国労をつぶさなきゃいかん』と言って分割・民営化をした。憲法28条の団結権保障への直接的侵害だ。9条改憲をやるためには労働者階級の団結権を破壊する必要がある。それが中曽根の戦後政治の総決算、国鉄分割・民営化だ」と弾劾しました。
 国労臨大闘争弾圧家族会がカンパを訴え、動労千葉からのメッセージが紹介されました。
写真 壇上には連帯労組関生支部と港合同の旗が掲げられ、関西合同労組も多数参加し、国鉄1047名闘争勝利と関生弾圧粉砕を誓い合った【10月13日 大阪】)

 関生支部から反弾圧を訴え

 5・27臨大闘争弾圧被告が発言に立ち、「5・27裁判はデッチあげ弾圧の首謀者の証人喚問を次々とかちとっている。鉄建公団訴訟と5・27裁判は一体だ。一刻も早く1047名闘争を終わらせたいという国労本部の邪悪な意図に屈せず、解雇撤回を掲げて闘おう」と訴えました。
 また「国労西日本本部は労使安全会議にからめとられているが、関西の被告は独自に尼崎事故現場の調査を行い、線路等級が2級線であるにもかかわらず3級線のまま復旧したことを告発した。これに対しJR資本は処分しようとしたが粉砕した」と報告し、「鉄建公団訴訟の仲間は、安全闘争を闘うためにJRに戻ると言っている。JRの国労組合員こそが資本と対決し、解雇撤回闘争を闘おう。11・5集会に1万人が結集すれば、大きく労働運動を動かせる。世の中を変えよう」と熱く呼びかけました。
 関生支部の高副委員長は、反弾圧の闘いを訴えて「9月22日の第4次弾圧について、すべてのマスコミが暴力団との利権構造があるかのような報道をしているが、贈賄などという事実はない」と発言した。
 「武委員長が勾留されている間、生コン業界の運動は停滞していた。だが、この半年間の奮闘で、今春闘では5労組が統一し、5けたの有額回答が出るまでは妥結しない闘いをやっている。10、11月は攻防の山場。越年を覚悟して闘う。生コン支部が闘う姿勢を堅持すれば、5労組が団結して勝利できると確信している」
 最後に「1047名の解雇と関生支部への弾圧は連動している。あらゆる勢力が連帯し、団結権は徹底して守る、権力弾圧には徹底して反撃する戦線をつくりたい」と力強く訴えました。

 港合同が中曽根発言を弾劾

 国鉄臨職解雇撤回闘争の当該は「87年の国鉄分割・民営化の地ならしとして6000人の臨時雇用員が解雇された。中曽根と国鉄は虫けらのように私たちを解雇し、わずかばかりの退職金すらピンハネした。正規雇用労働者が非正規雇用労働者の権利確保のために闘うことは、自己の権利確保と表裏一体だ。国家的不当労働行為の過程で生じたすべての争議の勝利のために、現自民党政権の責任を追及しよう。11月に新たな訴訟を起こす」と述べました。
 全国金属機械労組港合同の大和田事務局長は、「中曽根発言を不当労働行為として労働委員会に提訴することを考えている。闘争団や国鉄臨職や港合同などが、よってたかって攻め立てていく。敵の弱点を見いだすためのさまざまな調査をしたが、国鉄分割・民営化の国会審議の中で、実は国労をつぶすことが目的だと政府は自白している。中曽根発言は逆にわれわれに武器を与えた。先人は『闘争をもって団結を求むれば、すなわち団結存す。妥協をもって団結求むれば、団結滅ぶ』と言った。われわれは闘いをもって活路を切り開く。中曽根発言弾劾の闘いで国鉄闘争のさらなる強化を」と熱烈に訴え、会場から賛同の拍手が沸き起こりました。
 最後に、港合同の辻岡執行委員が集会のまとめを提起し、団結ガンバローで熱気あふれる集会を終えました。
 (投稿/関西合同労組 I・S)

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週刊『前進』(2269号3面2)(2006/11/06)

 東京 教基法改悪と共謀罪つぶせ

 2戦線が共闘デモ

 10月22日、都教委包囲首都圏ネットと破防法・組対法に反対する共同行動の共催で、「やめろ!教育基本法改悪/つぶせ!共謀罪/新宿ジョイントデモ」が、250人の参加で意気高く闘われた。集会後、新宿駅の周りをデモ、沿道の多くの若者が注目した。
 首都圏の教育労働者を中心とする都教委包囲首都圏ネットはこの間、学校に「日の丸・君が代」を強制する石原・都教委の03年10・23都教委通達に反対し闘ってきた。また「共同行動」は「共謀罪」法案を粉砕するために国会闘争を始めとしてねばり強く闘ってきた。この2団体が、「力を合わせて悪法をぶっつぶそう」と、画期的な共闘が実現した。
 小雨がぱらつく日曜日の夕、新宿駅そばの柏木公園に、労働者・市民・学生が続々と結集した。
 決起集会の冒頭、主催者を代表して首都圏ネットの見城赳樹さんと、共同行動の石橋新一さんがあいさつした。見城さんは、石原都政下の学校の状況を語り、「都では教基法改悪が先取りされている。教員に対する大量不当処分は許せない」「私たちの力で未来を変えよう。2法案絶対阻止を」と呼びかけた。
 石橋さんは「今日は『共謀の日2』で全国で様々な取り組みが行われている」「教基法改悪が押しつける愛国心と共謀罪は一体だ。戦争の歴史を繰り返すな」と警鐘を鳴らし、「大衆運動の力で悪法を打ち砕こう」と呼びかけた。
 さらに東京地裁の9・21勝利判決をかちとった予防訴訟原告団の代表、ビラまき弾圧の最高裁闘争を闘う立川自衛隊テント村の代表が闘いの報告と決意を表明した。国会前でリレーハンストと座り込みを闘ってきた教育労働者は、「教基法改悪も共謀罪も、どちらも心を縛る法律だ。来週が国会審議の山場。指示待ちではなく、自分ができる最大のことをやり抜こう」と呼びかけた。
 「憲法と人権の日弁連をめざす会」の高山俊吉弁護士が、「弁護士は絶対に戦争に協力しない。闘う弁護士は皆さんとともにある」と熱烈な連帯を表明した。「教基法の改悪を止めよう!全国連絡会」は国会闘争と11・12日比谷野音集会への結集を呼びかけた。
 最後にシンガーソングライターのZAKIさんがギター演奏で「へんな共謀罪」を歌い、集会を盛り上げた。
 デモは新宿駅西口から南口を通って進んだ。「密告社会をつくる共謀罪反対」「君が代処分を撤回しろ」「警察はのさばるな」などのシュプレヒコールが力強く街にこだました。

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週刊『前進』(2269号3面3)(2006/11/06)

 3労組が国会闘争

 10月24日午後、国会前に関西地区生コン支部、港合同、動労千葉の3労組が結集、ハンスト中の教育労働者と肩を並べて教基法改悪と共謀罪に反対する国会闘争を闘った。関生支部はバスで30人が上京し、都内の悪徳大資本への抗議行動の後、合流した。(写真上)

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週刊『前進』(2269号3面4)(2006/11/06)

 国労弾圧公判 しらを切る笹原証人追及

 “警備要請はしていない”と見えすいたうそ

 次回は高嶋元国労委員長の尋問に

 国労5・27臨大闘争弾圧裁判(東京地裁刑事第10部・青柳勤裁判長)は、弁護側立証の重大な山場を迎えている。10月18日の第65回公判は、笹原助雄・現国労東京地本書記長に対する尋問が行われた。
 笹原証人は、02年5月27日の国労臨時大会当時、東京地本財政部長の地位にあり、5・27臨大の準備本部事務局長を務め、大会警備の責任者だった人物だ。
 この弾圧は、鉄建公団訴訟を提起した闘争団員への統制処分手続きが決定された5・27臨大に際し、本部方針に抗議してビラまき・説得活動に立った国労組合員ら8人が不当に逮捕・起訴された弾圧だ。この日の早朝、被告とされた国労組合員らは、大会準備本部関係者が宿泊するホテル前に赴いてビラを配布しようとした。ところが国労本部派はビラを受け取らず、話も聞かず、3列縦隊を組んで被告たちを突破した。その先頭にいたのが笹原だ。これによって生じた多少のもみ合いが「暴力行為」にデッチあげられたのだ。
 一瀬敬一郎主任弁護人が尋問に立ち、まず5・27臨大が開催された経緯について問いただした。この臨大に先立つ02年4月、自民党ら与党は、“5月30日までに臨大を開いて鉄建公団訴訟原告らの闘いを鎮圧せよ”と迫る3与党声明を出していた。一瀬弁護人は「3与党声明に応じて5・27臨大が開かれたのか」と質問すると、証人は「詳しい中身は分からない」と答えて傍聴者をあきれさせた。
 当時、東京地本執行委員だった笹原が、3与党声明を知らないことなどあり得ない。そこで弁護人は、3与党声明を報じた『国鉄新聞』(国労機関紙)を示して詰め寄った。笹原はふてくされたように「ここに書いてあるならそのとおり」と認めるほかなかった。
 一瀬弁護人の質問は、01年1月27日の大会以来、大会会場周辺に1300人もの警察機動隊が配備されたことに移った。「準備本部として警察に警備要請したのか」と追及する弁護人に、笹原は「していない」と言い張った。そこで弁護人は、事件直後の笹原の供述調書に、「1・27大会で初めて大会会場周辺の警備を警察に依頼し、4党合意の受け入れを決定した」と書かれている事実を突きつけた。笹原は気色ばんで「会場内の警備は僕らがやる。公道の警備は警察がやる。それは要請でなく警察がしたことだ」とまくしたてた。だが、機動隊が国労側との打ち合わせもなしに勝手に出動したなどという話は通用しない。弁護人は「警察との打ち合わせに証人は出ているのか」とたたみかけた。笹原は「勤務がない限り出ています」と白状した。
 一瀬弁護人が、「被告たちは、ホテル前であなた方にビラを渡そうとしていたのでは」と質問すると、笹原は「覚えていない」と繰り返した。そこで弁護人は、国鉄闘争支援者が撮影し、杉並で押収されたビデオテープを再生した。そこには、橘日出夫被告が差し出そうとするビラに視線を向ける笹原の姿や、富田益行被告が差し出したビラを右手で跳ね上げ、富田被告にぶつかっていく笹原の動作が映っていた。その映像を突きつけられた笹原は、いらだちもあらわに「これは自分の手かどうか分からない」と言い繕った。
 最後に、富田被告が、「大会会場は機動隊に包囲されていた。私たちはどこで訴えればよかったのか」と追及した。笹原は「職場で代議員に言えばいい。準備本部に言っても仕方ない。準備本部は大会成功のためにやっている」と居直った。
 次回公判は、5・27臨大当時、本部委員長だった高嶋昭一証人への尋問となる。彼は、自民党による支配介入に屈し、闘争団への統制処分を強行した重要な証人だ。傍聴闘争に結集しよう。
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 国労5・27臨大闘争弾圧公判日程
第66回 11月8日(水)/第67回 11月29日(水)
第68回 12月20日(水)/第69回 1月10日(水)
 ※いずれも午後1時15分から、東京地裁

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週刊『前進』(2269号3面5)(2006/11/06)

焦点 船舶検査活動の概要が判明

 「臨検」は戦争の始まりだ

 政府が国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議に基づいて実施を検討している船舶検査活動の概要が10月21日、明らかになった。
 北朝鮮の沿岸部に展開する米軍と連携しながら、海上自衛隊は沖縄南西部と対馬海峡の2つの海域で展開する。それぞれ護衛艦数隻とP3C哨戒機数機を配置して北朝鮮にむかう貨物船を監視、「不審な船舶」について米軍に通報・情報提供する。また、周辺海域上空では、P3Cや空中警戒管制機(AWACS)、E2C早期警戒機も使って上空からの監視にあたる。このほか、米軍艦船への給油などの後方支援も行う。
 「船舶検査が国と国との武力衝突の引き金になるというのは国際的な常識」。これは防衛庁幹部の言葉だ。いったい米・日帝国主義と北朝鮮の、どちらが戦争を仕掛けているのかは、左図を見ればまさに一目瞭然だ。
 周辺事態法に基づく自衛隊の臨検発動のためには、〈周辺事態法に基づく基本計画の策定〉↓〈安全保障会議での「周辺事態」認定〉↓〈基本計画の閣議決定〉のプロセスが必要になる。安倍政権は、アメリカ政府の出方をにらみながら、いつでも臨検に踏み込める準備を整えつつある。
 同時に、現行の周辺事態法では停止要請に従わない船への警告射撃ができず、臨検のための乗船には相手船長の承諾が必要となるなど強制力がないため、強制力を持たせるための特別措置法の検討に入っている。麻生外相は、「当面は現行法で対応し、その間に特措法をやる」と2段構えで進めていくと言っている。
 すでに日帝・自衛隊は、P3Cやイージス艦、AWACSを展開させ、監視体制を圧倒的に強めている。米軍は17日、横須賀から空母キティホークを出航させ日本海に展開している。キティホークは太平洋での3カ月の演習を終え、9月15日に横須賀に帰ったばかりだ。「大規模演習からたったの1カ月で再び出航するのは極めて異例」(自衛隊関係者)の事態だ。
 臨検とは、文字どおり戦争の始まりそのものだ。危機を深める米・日帝国主義は、北朝鮮の核実験をとことん口実に使い、核を含む圧倒的軍事力で包囲し、ついに第3次世界大戦そのものの始まりとなる北朝鮮侵略戦争に踏みこもうとしている。
 アメリカの侵略戦争=核戦争に対して、世界革命の闘いではなく、自ら核開発で対抗する北朝鮮スターリン主義の反人民性は明らかだ。
 武装闘争で米軍の侵略と植民地支配を日々崩壊にたたき込んでいるイラク・中東人民の闘い、そして、戦争と民営化―労組破壊と闘う米日韓を始めとする全世界的な階級的労働運動の台頭の中に、米・日帝国主義の世界戦争への突進を世界革命に転化する現実性が明々と示されている。11・5労働者集会への1万人大結集こそ、われわれ労働者階級の回答だ。

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週刊『前進』(2269号3面6)(2006/11/06)

焦点 連合と民主党が共同宣言

 4大産別決戦の解体狙う

 連合と民主党は10月13日、「ともに生きる社会をつくる」と題する共同宣言に調印した。連合と民主党が基本的な考え方を示す共同宣言に調印したのは初めて。これは、両者の綱領レベルでの一体化が一層進行したことを意味している。だが小沢代表こそ元自民党幹事長であり、労働者階級の敵だ。その民主党にわれわれの運命を委ねることなど絶対にできない。
 この宣言は、▽公正な市場のルール▽安心と信頼の社会保障の確立▽質の高い雇用の確保、多様なライフスタイル▽国際社会の一員として尊敬される国――など八つの柱を列挙している。だが、「公正な市場ルール」とは市場万能主義であり、「安心と信頼の社会保障」とは社会保障切り捨てであり、「多様なライフスタイル」とは不安定雇用の推進であり、「国際社会の一員として尊敬される国」とは国連軍への参加である。まさに、小沢路線そのものだ。
 この共同宣言を前に労働者階級が確認すべきことは、4大産別をめぐる攻防が安倍の登場とともに決戦局面に突入していることだ。
 連合中央は、昨年の7・14見解(「国の基本政策に関する連合の見解案」)で9条改憲と海外派兵容認−安保基本法制定方針へと踏み出そうとした。だが夏の自治労大会での平和基本法制定方針への怒りの爆発と、秋の連合大会の会長選における3分の1の高木批判票の前に、この策動はいったん挫折した。
 ところが、今年の夏、自治労・日教組・全逓などの旧官公労指導部は、日帝の攻撃のあまりの激しさの中で屈服と転向を深め、一連の大会で組合員の怒りを07年参議院選挙での小沢・民主党支持一本化へ流し込もうとした。連合会長高木はこの自治労などの屈服に飛びつき、昨年果たせなかった連合全体の改憲勢力化を狙って共同宣言締結に走ったのだ。
 また、民主党も今年春に最後の選択として小沢を党首にした。その小沢は、連合を抱き込んで改憲勢力化させると同時に、選挙にとことん利用することを一貫して追求してきた。共同宣言こそ小沢路線の帰結なのだ。
 一方、日帝・安倍政権は小泉以上に労組破壊の攻撃に決定的に踏み込もうとしている。戦争と改憲は、戦後の労働組合的団結を解体し、階級関係を一変することなしには不可能だからだ。現に、「最大の抵抗勢力は官公労」と発言した自民党の中川秀直幹事長は、幹事長の直属組織である「官公労・自治労・日教組プロジェクトチーム」なるものを使って、旧官公労の解体を露骨に宣言している。
 このように見てくると、小沢・民主党と安倍・自民党は4大産別の労組をいかに解体するかで競っているにすぎないことが分かる。改憲と戦争への道を突き進み、労働者階級を食えない状態にたたき込んでいる安倍を打倒するのは、連合・民主党路線ではない。彼らが恐れる4大産別決戦を爆発させ、それを軸に6千万労働者階級全体の職場からの総決起をつくり出すことだ。11・5労働者集会1万人決起こそ、その出発点だ。

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週刊『前進』(2269号4面1)(2006/11/06)

 10・20 法政大 処分撤回へ500人が集会

 回答拒否の平林総長に怒り

 59クラスでスト決議

 10月20日、法政大学で「平林総長は退学・停学処分を撤回しろ!」を掲げて、500人の集会と学生部への抗議行動が闘われた。改憲阻止全国学生ゼネストへ向けての突撃路が、ここに切り開かれた。

厳戒態勢破り“解放空間”が

 この日までに、「退学・停学処分を撤回しろ。撤回しないならストライキだ」という決議は59クラスでかちとられた。また、この日は法大生11人で提出した公開質問状の回答日であった。質問内容は、@何のためにガードマンが配置されているのか、A学内を徘徊(はいかい)する公安らしき男性の正体は何か、B処分を撤回するかどうか――などだ。法大当局がどう回答するかが注目されていた。
 警察権力と平林総長は、集会圧殺のために公安刑事、機動隊や警察車両を法大キャンパスを取り囲むように配置し、学内ガードマンを通常の2倍に増強して各門に配置した。10・20法大集会は、この超厳戒態勢を完全に打ち破ってかちとられた。「平林総長は、退学・停学処分を撤回しろ」という大横断幕や、集会結集を呼びかける立て看板、平林総長の顔写真を張りだした立て看板などで、キャンパス中央は完全に制圧された。その中で、平林総長による退学・停学処分に怒りを持つ学生が続々と結集し、昼休み開始時間と同時に、かつてない集中性と団結がみなぎる中で集会が始まった。
 停学処分を受けた学生が、「平林総長は、学生を人間として扱わない。私たちの闘いは、人間と人間のつながりを取り戻す闘いでもある。私たちに対する処分を許せば、学生を人間扱いしない法大にどんどんなっていく。学生の闘いで処分を撤回させよう」と訴えた。平林総長に公開質問状を提出した学生は、提出行動で人間扱いされなかったことへの怒りを表明し、法大の現状を変えていく決意を表した。退学・停学処分撤回に向けた仮処分裁判の訴訟代理人である鈴木達夫弁護士は、「安倍政権のもとで朝鮮侵略戦争や教育基本法改悪が狙われている。再び学徒出陣を繰り返してはならない。闘いに立ち上がろう」と学生の奮起を促した。
 結集した500人の学生は、発言に大きな拍手を送り、音楽サークルの太鼓が集会の雰囲気を盛り上げた。キャンパスは、法大生による解放空間と化し、さながらストライキ突入集会のようになった。平林総長は、教職員を大量動員しながら、キャンパス中央には誰一人として登場させられなかった。法大の主人公が学生であることは誰の目にも明らかだった。
(写真 警視庁と暴力ガードマンによる超戒厳態勢を打ち破り、昼休み学内集会に500人の学生が結集、学生部追及行動に決起した【10月20日 法政大】)

 安東部長逃亡学生部を追及

 司会が「これから公開質問状の回答を聞きにみんなで学生部に行こう!」と呼びかけると、500人の学生が一斉に学生部に移動した。ところが学生部には、安東学生部長以下主要な学生部職員はまったくおらず、事情を知らない職員だけが取り残されていた。
 私たちが「公開質問状の回答を聞きに来た」というと、その職員は「自分は知らない」の一点張り。学生の怒りが爆発した。「答えろ!」「答えられないなら、安東学生部長を連れてこい!」「学生を無視するな!」という激しいヤジが飛んだ。だが、職員は「答えられない」を繰り返すのみ。まさに「学生の質問に答える必要などない」という当局の学生蔑視(べっし)の態度を示した。同時に、ガードマンの学内配置や、学内を徘徊する公安警察の正体について、回答できなかった。当局=平林総長には正義性がまったくないということだ。質問にも答えられないガードマン配置はもとより、もはや退学・停学処分は完全に無効となった。
 集会は、「公開質問状に回答すらしないで逃亡し、59クラスの決議を踏みにじった平林総長を徹底的に弾劾する。学生をモノ扱いする法大のあり方を全学ストライキで変えよう。今日からいつでもストライキに突入する」とストライキ宣言を発した。
 国会前に移動し、ハンストに立ち上がった教育労働者と連帯して、全国学生総決起集会をかちとった。国会に向かって「朝鮮侵略戦争阻止・教育基本法改悪阻止・安倍政権打倒」のシュプレヒコールをたたきつけて、11・5全国労働者総決起集会への全国学生1千人の登場を確認した。
 10月25日、公開質問状に連記した学生が再び回答を得るために学生部に行った。学生部には安東学生部長がいるにもかかわらず、学生部職員をとおして対応し、「大学として答える必要はない。答える価値がないと大学として判断した」などと言い放った。いったい何様だというのか! しかも、現場の写真を撮ろうとする学生に対して、「写真を撮るな。学生の本分にもとる行為だ。処分の対象だ」などと言うのだ。大学当局に抗議や意見をしたり、質問すること、いや写真を撮ることすらも、「学生の本分にもとり、処分の対象」だというのだ。ふざけるな! これこそ、安倍政権が狙う教育基本法改悪の先取りだ。国家権力や大学当局、資本の奴隷になることが「学生の本分」であり、それに異を唱える学生は処分の対象だということだ。
(写真 公開質問状への回答を求め学生部へ向かう)

 11・5集会に学生1千人を

 だが、10・20法大500人集会は、安倍政権や法大当局の思惑を打ち破り、全国300万学生改憲阻止ゼネストに向けて情勢が大きく動き出したことを示した。
 全国の学友の皆さん! 11・5集会へ学生1千人を登場させ、全国300万学生改憲阻止ゼネストに向かって闘おう!

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週刊『前進』(2269号4面2)(2006/11/06)

 織田全学連委員長が11・5へアピール

 10・20国会前で熱烈な訴え

 安倍政権ぶっ倒し戦争を止めるのは俺だ、あんただ

 全学連・織田陽介委員長は、10・20法政大集会後ただちに国会前にかけつけ、全国300万学生の11・5総決起を熱烈に訴えた。(編集局)
     #
 国連は23日に制裁委員会を開き、対北朝鮮経済制裁の本格的活動の開始を宣言した。経済制裁は戦争の始まりだ。防衛庁の幹部は「船舶検査が国と国との武力衝突の引き金になるというのは国際的な常識だ」と語っている。「北風が追い風」などというふざけた報道の中、自民党は教育基本法改悪案の強行採決へと突き進もうとしている。今立ち上がらずしていつ立つのか。迷っている暇はない。一人の仲間も戦争に行かせてたまるかという学生の団結をつくり出す時だ。そして11・5日比谷1万人決起こそ、6千万労働者と300万学生の回答だ!

 「経済制裁」を絶対に認めない

 核実験を口実に経済制裁? もはや論理もへったくれもない。安倍は国連安保理の対北朝鮮制裁決議を受けて「国際社会は核保有をけっして許さないという強いメッセージを出すことができた」などとぬかしている。
 「国際社会」? いったい誰のことだ。過去に2千回以上の核実験をし、1万発以上の核弾頭を持ち、イラクに2千d以上もの劣化ウラン弾を撃ち込んだアメリカのことか? それとも「核武装の議論をする言論の自由」を主張しだした日本のことか? ブッシュや安倍に国際社会を名乗って正義を語る資格などない。彼らが語れるものはせいぜい「自分だけ核を持っていたい」という腐りきった支配欲のみだ。全世界の労働者・学生が核廃絶を掲げて「ブッシュや安倍こそ核を捨てよ!」と行動に立とう!
 経済制裁? 日本が後方支援? ふざけるんじゃない。日本の学生・労働者はこの経済制裁に一切加担しない。
 イラクで行われてきた経済制裁の現実は何か。医薬品すら「化学兵器の材料になる」などと言われ、風邪や下痢などのなんでもない病気で100万人の子どもたちが死んでいった。苦しむのは民衆のみだ。これ自体がすさまじい虐殺であり、戦争と言ってもいい。餓死者が出ている今の北朝鮮を制裁して北朝鮮の人民がどうなるかなどすぐに想像がつくではないか。こんな経済制裁は絶対に認められない。
 経済制裁は戦争の口実だ。戦争寸前まで行ったキューバ危機も、ベトナム戦争だって、もとをたどれば海上封鎖だ。何よりじゅうたん爆撃をかけて100万人の死者が出ると想定する日米の北朝鮮への侵略戦争計画が毎年のように更新されているではないか! 金正日政権がどんなに悪かろうが、ブッシュにそれを倒す権利など一切ない。ブッシュがやってきたのは不正義の侵略戦争だからだ。倒す権利があるのは北朝鮮の労働者民衆であり、彼らにその力もある。北朝鮮の労働者民衆と連帯して、戦争を狙うブッシュや安倍をぶっ倒すことこそが世界の労働者・学生のなすべき闘いだ。
 とりわけ「反核」というスローガン、ヒロシマ・ナガサキの原爆の地獄の中から生まれ、朝鮮戦争の際に峠三吉が百貨店の屋上から「核を使わせるな」とチラシをまいて闘いとった、人間を解放するスローガンを、安倍が侵略のスローガンとして打ち出したことにどうしても我慢がならない。歴史の真実を愛するものは、残らず立ち上がるときがきた。11月5日、1万人の国会デモで、革命を開始しようじゃないか!

 1万国会デモで革命開始しよう

 安倍は「美しい国へ」などとぬかしているが、彼が語れるのはしょせんこのレベルだ。11月5日労働者集会でアメリカ・韓国・日本の労働者・学生が一堂に会し、国際連帯で世界を変えようと呼びかけるこの時に、「愛国心」とはちゃんちゃらおかしい。「北朝鮮やイラクの人民と戦争をしてこい」だ? 誰が従うか。こんなしょうもないやつらには、労働者・学生の怒濤(どとう)のような闘いをたたきつけて「教育」してやるしかない。なにより支配者どもはぼろぼろだ。どうしようもない危機だ。
 格差社会の現実に対して、あたかも安倍は自然現象であるかのようにいう。しかし金持ちどもがこしらえた富など株やらなんやらで金を右から左に動かして作ったものにすぎない。その資金を労働者のクビを切って作っている。汗を流して働くものが貧困に突き落とされ、働かないものがもうかっている。どこが「公平な競争」なのだ。
 こういう支配者どもが偽装請負で労働者を時給300円で労災保険も無しで働かせ、あげく、偽装という批判に対して「法律が間違っているのだ」(御手洗)とまでほざいている。自分たちの法律も守れない支配者たち。ここまでしないと成り立たない資本主義。
 トヨタ、JRなどの大資本家どもは大学の理事会に入り込み、教育再生会議を構成し、学生を「商品」にするために躍起になっている。法政大の現実を見よ。何が「規範意識を身につける」だ。要は「従え、刃向かうな、逆らったら退学だ、逮捕だ」とやっているにすぎない。教育をここまでおとしめる支配階級にもはや未来はない。現に法政大の学生はガンガン立ち上がっている。

 学生は労働者と団結して闘う

 こんな支配者どもはさっさとお引き取り願おう。とって代わるべきは労働者・学生だ。動労千葉は訴えている。「ついに俺たちの時代が来た!」と。動労千葉は「労働者が戦争協力を拒否すれば戦争は止められる。だから団結して闘おう」と訴えている。仲間をみんなで守る、義理と人情、こういう当たり前の人間の団結が今最も力を発揮する。戦争を止め、社会を変革していくのだ。
 学生にも戦争を止める力がある。そしてこの社会を革命する権利がある。大学を支配しようとする支配者たち、革命に抵抗する支配者たちは、ストライキへ向かう法大の闘い、300万学生の闘いが吹き飛ばす。戦争を止めれるのは俺だ、そしてあんただ。300万の学生だ! 
 だからともに戦争を止めるために立ち上がろう。300万学生の一人ひとりの力が必要だ。あらゆる差別・分断をのりこえて団結しよう。労働者と合流してこの社会を革命しよう。安倍なんかにわれわれの未来を決められてたまるか。韓国の民主労総はゼネストを宣言した。あとは日本のうちら次第だ。労働者と学生が団結した瞬間に戦争への道は吹っ飛ぶ。2006年11月5日、それは戦争を止める日だ! 立ち上がろうぜ!

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週刊『前進』(2269号4面3)(2006/11/06)

 シール投票で学生の7割が9条改憲反対

 山形大学 朝比奈昇

 10月10日から3日間、山形大学において9条改憲の賛否を問うシール投票を行った。昼休み、中庭や教室にボードを持ち込み投票を呼びかけたところ、ほとんどの学生がこれに応じ、9条改憲についての議論があちこちで始まった。学生や若者は政治に無関心だという声を聞くが、まったくそんなことはない。
 さて、結果はどうだったのか。北朝鮮の「核実験」情勢の影響もあるかと思っていたが、9条改憲に賛成38票(22・5%)、保留15票(8・9%)、反対116票(68・6%)と圧倒的に学生は9条改憲に反対だ。ちなみに、改憲反対の割合が高かった学部は、工学部、農学部、教育学部。北朝鮮の核実験情勢で、安倍がこれだけ排外主義をまきちらし戦争に突入していこうとする中で、7割近くの学生が9条改憲に反対していることは、画期的!
 反対の理由は「戦争はどんなことがあっても反対」「戦争に行くようになる」「軍隊を明記するのはよくない」「歯止めがなくなる」など、「9条改憲=戦争」と単純明快だ。一方、賛成の理由は、「ミサイルを撃たれたら最低限の武装は必要」「アメリカに押し付けられた憲法だから、そろそろ変えてもいい」といったもの。
 今回のシール投票で確信したことは、日本の労働者人民・学生は、「9条改憲阻止!」「二度と戦争を繰り返すな!」という断固とした意志を持っていることだ。核戦争まで引き起こすような帝国主義・安倍政権の正体を暴露すれば、すべての人民の怒りの決起は不可避だ。国会前の教育労働者、沖縄人民、法大生の決起に続いて11・5労働者集会に攻め上り、安倍政権を打倒しよう!

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週刊『前進』(2269号4面4)(2006/11/06)

 医療・福祉労働者の訴え

 社会保障解体を許すな 11・5に1000人の隊列を

 11・5日比谷への1万人の労働者の大結集で、安倍政権打倒の火柱を打ち立てよう。今、国会前では連日、教育労働者を先頭にした労働者の怒りの決起が巻き起こっています。3年間の不起立闘争の実力闘争の息吹がそのまま国会前で脈打っています。現場労働者が日教組本部を打倒し、闘う執行部を取り戻すランク&ファイル運動が爆発しています。

 離職率高まり崩壊の危機に

 改憲阻止闘争の爆発は、職場闘争の荒々しい復権にかかっています。全国の闘う医療・福祉労働者は、社会保障制度解体の嵐を突き破り、11・5日比谷へ1千人の大隊列を登場させるために残る1週間を悔いを残さずに全力で闘い、職場からの決起をつくりだそう。
 現在(06年6月)、全国の医療・福祉労働者数は564万人、日本の全労働者階級6千万人の9%を超え、さらに増大しつつあります。その職場の実態はまさに「格差社会」そのものです。とりわけ介護労働者は50%以上がパートタイムなどの非正規雇用で、離職率が高く、雇用期間は6カ月未満が最も多い。これは、低賃金と過酷な労働条件が原因です。
 医療現場においても労働者派遣法の改悪以降派遣労働者の導入が急速に始まっています。首都圏のある医療職場では、1カ月間で40人の派遣労働者が職場を去った、1日で最大15人が辞めていかざるをえなかった、という恐るべき実態が報告されています。労働者の離職率が高まることによって職場の団結はつくるにつくれない状況になっているのです。
 医療・福祉職場で最も大切であるべき安全が崩壊し、診療報酬の大幅引き下げによって、地域医療も崩壊の危機に見舞われています。まさに医療・福祉労働者にとっては、労働組合の団結を形成することが何よりも切実な課題なのです。「闘う労働組合の全国ネットワークをつくろう!」と3組合(動労千葉、港合同、連帯労組関西生コン支部)が呼びかける11・5への大結集は、死活のかかった闘いです。

 動労千葉に学び安全闘争を

 職場闘争の爆発をつくり出すことなくして、患者・利用者の命も守れません。今こそ職場から団結して反撃に立ち上がろう。動労千葉につながる反合理化・安全闘争を構築するために闘うときです。
 私たち医療・福祉の現場は、直接的に生命を守ることそのものが仕事です。政府・資本がいかにそれを蹂躙(じゅうりん)しようとしているとしても、「安全問題」を否定することはできません。そうした意味で、私たち医療・福祉の労働者は直接的に「動労千葉から学ぶ」ことができます。すなわち、反合理化・安全問題で団結し、闘い、勝利することができる、反合理化・安全闘争路線で大半の職場労働者の支持をかちとることができる、党派闘争に勝ち抜いて労働組合権力を打ち立てることができる、ということです。
 反動的な医労連指導部のように職場闘争を放棄して政府に「安全・安心の医療・福祉」をお願いする方針など断じて成り立たないのです。「団結することなしに医療・福祉労働者は生きられない」、職場闘争で団結を培い、これを基礎として戦争・改憲と民営化攻撃と徹底的に闘おう!

 朝鮮侵略戦争絶対反対掲げ

 社会保障制度解体の大攻撃で明らかなことは、もはや「帝国主義は労働者を食わせられなくなった」ということです。帝国主義の労働者支配は崩壊しているのです。今こそ、こんな帝国主義を労働運動の力で打倒しよう! 職場闘争で医療・福祉職場を「社会保障を帝国主義から奪い返す砦(とりで)」として打ち固めよう。
 医療・福祉労働者にとって改憲阻止決戦は憲法第25条・生存権の解体を許さない闘いです。6千万労働者階級の怒りを体現して、「医療・福祉を奪って戦争をするな!」「医療・福祉労働者は戦争協力を拒否する」――この革命的スローガンを訴えよう!
 11・5へ1千人の医療・福祉労働者の隊列を実現するために全力を尽くそう。「日米帝国主義の朝鮮侵略戦争絶対反対」の大宣伝を職場で繰り広げよう。国連安保理の対北朝鮮制裁決議にも賛成した日本共産党は、まさに戦争翼賛勢力そのものです。われわれの党派性を鮮明に打ち出して職場で今こそ闘おう!
 (辰川健)

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週刊『前進』(2269号4面5)(2006/11/06)

日誌'06 10月18日〜24日

 「核保有論議は大事」と麻生

 教育再生会議が第1回会合

●教育再生会議が初会合 安倍首相が目指す教育改革の具体策を検討する教育再生会議の初会合が開かれた。安倍首相は、課題の第一に「学力の向上を図る方策」を掲げ、教育免許の更新制や外部評価を含めた学校評価制度の導入が必要であると強調した。(18日)
●国会議員84人が靖国参拝 超党派の国会議員でつくる「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の衆参両院の国会議員84人が秋季例大祭中の靖国神社に参拝した。山谷えり子首相補佐官も参拝した。閣僚の参加はなかった。(18日)
●麻生「核保有の議論は大事」 麻生外相は衆院外務委員会で、核保有の議論について「この話をまったくしていないのは多分日本自身であり、他の国はみんなしているのが現実だ。隣の国が持つとなった時に、一つの考え方としていろいろな議論をしておくのは大事だ」と述べた。(18日)
●ブッシュ、ベトナム戦争類似「認める」
 ブッシュ米大統領がテレビのインタビューで、イラク情勢がベトナム戦争の転換点となった1968年のテト攻勢の状況に似ていると認めた。(18日)
●安倍とライスが会談 東京で安倍首相がライス米国務長官と会談。北朝鮮の核実験問題について、安倍は「北朝鮮は国際社会の懸念に答えなければ事態が悪化することを理解すべきだ」と述べ、ライスが「北朝鮮は安全保障環境を変えられると考えてはならない」などと指摘した。(19日)
●中川「北指導者は糖尿病、核攻撃考えるかも」 自民党の中川昭一政調会長は、浜松市での講演で、北朝鮮が核弾頭を搭載した弾道ミサイルで日本を攻撃する可能性について「普通は思わないですが、あの国の指導者は、ごちそうを食べ過ぎて糖尿病ですから、考えてしまうかもしれない」と述べた。(20日)
●PAC3撤回要求し県民大会 地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)の米軍嘉手納基地と同弾薬庫内への強行配備に反対する県民大会が沖縄市野球場前広場で開かれ、1200人が参加。(21日)
●衆院2補選で自民勝利 衆院神奈川16区、大阪9区の補欠選挙が投開票され、ともに自民党が議席を確保した。(22日)
●中川「デモ教員は免許剥奪」 自民党の中川秀直幹事長は毎日新聞で、「日本教職員組合の一部活動家は、自分が納得できないことは何をしてもいい、断固拒否する、では教師の資格はない。集会の自由は憲法上の権利だが、デモで騒音をまき散らす教員に児童・生徒の尊敬を受ける資格はない。免許剥奪(はくだつ)だろう」と述べた。(23日)
●自衛隊派兵恒久法「検討進める」 安倍首相は参院本会議で、自衛隊の海外派兵を可能にする一般法(恒久法)の制定について「国民的議論を十分に踏まえた上で、幅広く検討を進めていく」と述べ、政府として自民党の条文案をもとに検討作業を加速させる考えを強調した。(23日)
●横須賀の原子力防災訓練に米軍参加 米海軍横須賀基地に原子力艦船が寄港中、放射能異常値を検出したとの想定で、原子力防災訓練が神奈川県横須賀市で行われた。米海軍の代表が初めてオブザーバーとして参加した。米海軍は原子力艦で事故は起こりえず安全と主張し、これまで参加を拒んできた。(24日)
●拉致放送、NHKに命令へ 菅義偉総務相は、NHK短波ラジオ国際放送で北朝鮮による拉致問題を重点的に取り上げる命令を11月8日の電波管理審議会(総務相の諮問機関)に諮問する意向を正式に表明した。(24日)

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週刊『前進』(2269号5面1)(2006/11/06)

 嘉手納第2ゲートに迫る

 PAC3反対県民大会 “沖縄を戦場にするな”

 10月21日、沖縄・嘉手納第2ゲート前を埋めつくした1200人の怒りのこぶしが米軍基地に突きつけられた。「パトリオットミサイルの嘉手納配備反対!」「戦争のためのミサイル配備を許さないぞ!」
 いつもは開放され、車が出入りするゲート前には車止めが並べられ、迷彩服の米兵が行く手を阻んだ。続々と到着するデモ隊で第2ゲート前はぎっしりと埋まった。逆にデモ隊が第2ゲートを封鎖し基地機能をストップさせるに至った。宣伝カーの上から平和運動センターの山城博治事務局長がシュプレヒコールの音頭をとる。「ミサイルをただちにアメリカに持って帰れ!」「沖縄を再び戦場にする気か!」
 デモに先立ち、米軍の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の嘉手納基地への配備に反対する県民大会(同実行委主催)が沖縄市野球場前広場で開かれ、労働組合、市民団体、周辺住民など1200人が集まった。
 会場中央には名護新基地建設を阻止し続けている辺野古の命を守る会や二見以北十区の会が陣取り、自治労、沖教組を始め、労組ののぼりが林立した。沖縄労組交流センターも「自力・自闘・連帯」の赤旗をなびかせて参加。「9条を変えるな」の宣伝カーで全島キャラバン中の百万人署名運動は参加者に改憲阻止の署名を訴え、次々と署名に応じていた。
(写真 パトリオット配備を撤回せよ! 嘉手納基地第2ゲート前を怒れる1200人が埋めつくした【10月21日 沖縄市】)

 “日米の暴挙弾劾”

 集会では、主催者を代表して沖縄平和運動センターの崎山嗣幸議長が「PAC3や最新鋭戦闘機の配備ばかりが進んでいる。これが沖縄の基地負担軽減なのか。私たちはミサイルの標的になるような日米の暴挙を断固拒否する」と訴えた。
 地元市町村を代表して東門美津子沖縄市長、野国昌春北谷町長、伊波洋一宜野湾市長、新垣邦男北中城村長が登壇、口々に地元無視の米軍再編と基地強化に対する率直な怒りを表明した。
 社民党、社会大衆党、日本共産党、民主党からの発言の後、決意表明に移った。新嘉手納基地爆音訴訟原告団の仲村清勇団長は「日本政府の沖縄差別政策をこれ以上許しちゃならん」、普天間基地から爆音をなくす訴訟団の島田善次団長も「沖縄の民は立ち上がってほしい。物言わぬ民は滅びるんだ」と訴えた。9月にキャンプシュワブ前で不当逮捕された平和市民連絡会の平良夏芽共同代表は「この沖縄が他国の人びとの命を奪っていく出撃基地の拠点のままであってはならない」と力を込めた。
 11月2日告示−19日投開票の沖縄県知事選予定候補の糸数慶子参議院議員も駆けつけ、「安倍政権が登場して初めての県知事選にぜひ勝利して県政を奪還したい」と決意を語り、満場の拍手を浴びた。(発言要旨別掲)
 PAC3配備に反対する県民大会決議を採択し、10・8〜11PAC3搬入阻止座り込みでも歌われた昆布土地闘争の歌「一坪たりとも渡すまい」をスクラムを組んで歌い、デモに出発した。

 沖縄から安倍政権倒す

 95年少女暴行事件に対して全島(宮古、八重山を含む)10万人が怒りの声を上げた10・21県民大会から11年、米軍再編の嵐を迎え撃つ沖縄は積年の怒りが解き放たれようとしている。米軍天願桟橋前に座り込んでPAC3搬入を阻止した3日間闘争は、北朝鮮の核実験をテコにした排外主義攻撃にひるまず、徹底して日米両政府の戦争政策と対決する沖縄闘争の登場だった。
 この沖縄の怒りを逆なでする政府官僚の暴言が続出した。21日、就任後初めて訪れた沖縄で、高市早苗沖縄担当相は北部振興策と普天間飛行場移設について「まったくリンクしないという表現は当てはまらない」と公言。26日には久間防衛庁長官が「幸い沖縄については米軍がPAC3を置いてくれた。むしろ沖縄の人は喜んでもらいたい」と言い放った。どこまで沖縄を愚弄(ぐろう)するのか!
 「知らないうちに全部決められている。振興策、振興策と、沖縄に恩恵があるかのように言って、裏では新たな基地と引き換えだとは許せません」「ぜひ沖縄の現状を国に訴えられる人を県知事に選びたい」と豊見城在住の女性は語った。那覇在住の年配の男性も「政治を変えないとね。なんで沖縄ばかりがいじめられるのか。パトリオットが抑止力のためであれば東京に持っていけばいい。今度の選挙はしっかりせんといかんですよ」
 糸数慶子氏は、「辺野古V字案を始めすべての新基地建設反対」「普天間基地即時閉鎖、返還、迅速な跡地利用」を掲げ「心ひとつに県政奪還へ」と出馬を表明した。
 11・19沖縄県知事選での糸数氏勝利こそ、戦争と改憲の安倍政権を痛撃する道だ。11・5労働者集会から11・19県知事選勝利へ突き進もう。
(写真 名護市から辺野古の命を守る会、二見以北十区の会も駆けつけ県民大会に参加【10月21日】)

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週刊『前進』(2269号5面2)(2006/11/06)

 新基地は造らせない

 糸数勝利で県政奪還

 沖縄に新しい基地は造らせないという県民の思いとは裏腹に、米軍再編の名のもと安倍政権は、県民の負担軽減を言う一方、抑止力は必要だと矛盾した政策を突きつけています。
 安倍政権が誕生して初めての県民の意志を問う県知事選挙です。皆さんと一緒に勝利をして県政を奪還していきたい。
 パトリオット配備に対し多くの仲間の皆さんが天願桟橋で阻止闘争のために頑張って下さいました。しかし、警察権力は私たちの基本的な人権を踏みにじり、ごぼう抜き。まさに県民の4人に1人が亡くなった沖縄戦を今、繰り返すのかという大変危機的なところに追い込まれています。
 日本の国の誇るべき憲法を変え、そして教育基本法を変えて戦争のできる国へと向かっていく安倍政権の暴挙を、怒りを込めて止めていきたい。この沖縄から今の日本の政治を変えていく、そのことが問われる知事選挙です。私は辺野古V字案による基地押し付けにはっきりノーと言って闘います。
 残り1カ月を切りました。相手予定候補が日本政府の金をふんだんに使った選挙闘争を展開する中で、私たちはウチナンチュの真心と、沖縄のことは沖縄で決めていくという新たな決意を日米両政府に向けていこうではありませんか。
 沖縄に新たな基地を造らせない、そして日本国憲法をしっかり守る、教育基本法を改悪させない、この点でしっかり闘いぬいてまいります。
 50年、100年先まで基地の負の遺産を引き継いでいくのか、本当の意味での平和を沖縄から発信していけるかどうか。皆様と一緒に心を一つにして選挙を勝ち抜き、県政を奪還しましょう。
◎プロフィール
 1947年読谷村に生まれる。読谷高校卒業後にバスガイドに就き、常に平和の視点と自然や文化にスポットを当て沖縄を紹介、平和ガイドのさきがけとなる。◇92年の県議会議員選挙で初当選、以来3期連続当選。◇04年7月参議院選挙・沖縄選挙区で初当選。
 10・1出馬表明で「私は『新基地建設は絶対に許さない』という強い信念のもと、名護市辺野古沿岸域での『V字型滑走路』などの建設に断固反対し、普天間飛行場代替施設の県外・国外移設を強く求めます」と表明。

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週刊『前進』(2269号5面3)(2006/11/06)

 三里塚 NAAの市東さん提訴弾劾

 新たな土地強奪攻撃許すな

 成田空港会社(NAA)は10月20日、三里塚芝山連合空港反対同盟の市東孝雄さんに対して、土地を「不法耕作している」などとして土地の明け渡しを求める訴訟を千葉地裁に起こした。NAAは市東さんに対して、より一層悪質な農地強奪攻撃をかけてきたのだ。ただちに労働者人民の力で反撃し、北延伸工事もろとも粉砕しなければならない。
 今回NAAが提訴したのは、市東さんの耕作地のうち、先の農地法による「耕作権」解除申請で申請書の記載からはずれていた農地(5700平方b)である。これを「所有権はNAAにある」「同意を得ることなく不法に占有し耕作をつづけている」、だから出ていけ、というのだ。まさに言いがかりに等しい暴挙だ。この耕作地は孝雄さんの父・市東東市さん(故人)が戦後賃借契約してから今日まで56年間耕しつづけてきたものだ。その一貫した耕作の実績によって、耕作権は正当に時効取得(民法第162条)されている。それを「不法」と言いなすNAAのやり口は絶対に許すことができない。農地法を使って農地を強奪する手口に、さらに輪をかけた違法そのものだ。
 NAAは今回も市東さんの農地が誘導路を「へ」の字に曲げ、直線化を妨げていることをことさらに強調し、自分たちの追い出し攻撃を正当化しようとしているが、本末転倒である。
 農民が農地を耕し作物をつくっている場所に侵略してきたのは誰なのか! 国家権力であり空港公団であり、それを丸ごと引き継いだ現在のNAAではないか! 「へ」の字に曲がった誘導路などといういびつなものをわざわざ造り、その既成事実の重みで屈服を迫る。それが通じなければさらに「暫定滑走路北延伸」などという矛盾を重ねる工事を進め、金に飽かして周囲まで底地を買いあさり、なりふり構わず法を悪用してまで農民に対して追い出しの圧力を強める。こんな卑怯(ひきょう)卑劣なやり口を絶対に許すわけには行かない。
 成田空港建設という国策を阻み、戦争に反対する実力闘争の拠点となってきた三里塚闘争。この闘いの砦(とりで)をつぶすために、国家権力とNAAはどんなあくらつな手口をも使うというのだ。三里塚反対同盟はこの違法・不法を全社会に暴き、「農地死守」の闘いを全力で訴えている。その先頭に市東さん自身が立っている。
 新たな農地強奪攻撃を許すな! 「北延伸」工事を粉砕しよう!
    ◇

 〈市東孝雄さんの話〉

 その場所は親父の代から56年間問題なく耕してきたところです。彼ら(NAA)には法律も何もないのか。怒りに堪えない。東峰地区でも森を不法に伐採する動きがある。このようなやり方には誰も屈しないですよ。私も負けない。
 (反対同盟ホームページより)

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週刊『前進』(2269号5面4)(2006/11/06)

 国連決議を賛美する日共

 帝国主義の戦争発動に加担

 北朝鮮非難大合唱に屈し 制裁の実施を安倍に要求

 “非軍事措置”とまやかし

 10月15日、国連安保理において北朝鮮への制裁決議が上げられた直後、日本共産党の志位和夫委員長は次のような談話を発表した。
 「わが党は、北朝鮮の核実験にきびしく抗議するとともに、国際社会が一致協力し、平和的・外交的に問題の解決をはかることを求めてきた。この立場から、非軍事的措置によって事態の解決をめざす国連安保理決議が、全会一致で採択されたことを歓迎する。北朝鮮政府が、この安保理決議の要求をすみやかに受け入れることを強く要求する」
 「わが党は、日本政府に、国連安保理決議を順守し、国際的協調の努力を強めつつ、事態を外交的・平和的に解決するために力をつくすことを、求める」(赤旗10・16付)
 これ以降連日、『赤旗』でこの安保理決議を異様なまでに賛美し続けている。北朝鮮への排外主義的非難の先頭に立ち、ブッシュや安倍に対して「国際社会の一致協力」を求める日本共産党の主張は、戦争の一切の原因が帝国主義の側にあることを押し隠し、米日帝が行おうとしている北朝鮮侵略戦争に労働者人民を屈服させる実に反人民的な主張である。
 そもそも今回の安保理決議が「非軍事的措置」などというのはまったくのまやかしである。
 第一に、今回の決議は日米の両政府が主導し、国連憲章第7章(強制措置を含む経済制裁)を発動するものとして進められた。これを中国やロシアにのませるために、あくまで「7章のもとでの制裁」を貫きつつ、そこに「41条(経済制裁に限定)に基づく」を併記する形をとった。つまりイラクへの侵略戦争の引き金ともなった武力行使に直結する「7章のもとでの制裁」は決議の中にそのまま生きている。これを「41条に基づく決議だから軍事力使用と無関係」などとは絶対に言えないのだ。

 臨検の発動を積極的に推進

 第二に、今回の安保理決議に基づいて日米政府がやろうとしている船舶検査とは何かということだ。それは、北朝鮮に出入りする船舶を対象にして、海上自衛隊が護衛艦数隻やP3C哨戒機数機などを動員し、米海軍と一体となって行う全面的な軍事作戦だ。実際に米帝は「拡散阻止構想」(PSI)なる軍事作戦で、北朝鮮やイランなどへの大量破壊兵器関連物資の移動を阻止するその突破口として今回の船舶検査を強行しようとしている。米帝が進めるPSIには強制乗船や物資押収、乗組員の身柄拘束といった強制措置が含まれ、実施するのは海軍や沿岸警備隊などの軍隊なのである。日共はこれを「北朝鮮制裁に名を借りた軍事行動に何重にも歯止めをかけている」(赤旗10・21付)などと言って積極的に推進する立場に立っているのだ。
 第三に、そもそも国連によるいかなる経済制裁も、帝国主義による侵略戦争発動に直結するものだということだ。
 志位は「国際社会の一致協力」だとか「国際的協調の努力」などと主張するが、アメリカをはじめ国際帝国主義が圧倒的な軍事力で支配し、すでにイラク侵略戦争で世界戦争過程に突入しているのが「国際社会」である。イラク、イラン、北朝鮮を「悪の枢軸」と決めつけ、北朝鮮に対しては朝鮮半島での全面戦争を想定した作戦計画「5027」をもち、その発動のための米軍再編(トランスフォーメーション)をどしどし進めているのがアメリカ帝国主義ではないか。「経済制裁」とはその戦争発動の第1段階なのである。
 それに何よりも「経済制裁」それ自身が、朝鮮人民を飢餓など生きていけない状態ににたたき込んでいくものだ。ある米軍司令官は、アメリカ帝国主義による金融制裁によって飢餓が進み、「北朝鮮の国民は年々小柄になっているようだ」などと得々と述べている(東京新聞9・24付)。日共はこの帝国主義の「経済制裁」を「非軍事だ」と言って全面賛美している。そして本当に許せないことに、万景峰号の入港禁止措置の決議にも賛成に回ったのだ(10月18日、衆院国土交通委)。

 安倍政権との闘いに敵対

 日共は、日帝・安倍政権が米帝とともに日米枢軸をもって北朝鮮侵略戦争を決断し、「経済制裁」の発動態勢に入ったことを称賛している。
 「安保理決議が決めた兵器や装備、核・ミサイル・大量破壊兵器関連物資の移転防止などの措置を厳正に実施するため、日本が非軍事の分野でやるべきことは数多くあります」(赤旗10・20付)
 日共は、「戦後体制からの脱却」を掲げて戦争・改憲と民営化(労組破壊)を推し進める安倍政権がこの経済制裁で突出していることを賛美し、後押ししているのである。
 中川政調会長や麻生外務相らの核武装発言に対しても、「国際社会が一致協力して北朝鮮に核兵器計画を放棄させる努力を強めているとき、日本の核武装論議は、その解決に重大な障害をつくりだす」(赤旗10・20付社説)と主張する。つまり日本の核武装は北朝鮮への安保理決議の強制にとってプラスにならないからやめた方がいい、と忠告している始末だ。そこには自国帝国主義の侵略戦争発動や核武装への踏み込みに対する怒りなどまったく存在しない。
 全世界の労働者階級人民は帝国主義打倒までやむことのない決起をすでに開始している。国境を超えて団結し、戦争と民営化攻撃との非妥協的な闘いに立ち上がっている。日共の主張は、この労働者階級人民の帝国主義に対する怒りと闘いを徹底的に解体し、その団結を破壊し、「闘っても勝てない」という絶望を労働者の中に組織するものだ。
 動労千葉のように最も戦闘的・階級的に闘う労働組合を「労組の仮面をかぶった暴力集団」などと、まったく許せないデマによる中傷をもって闘いを妨害する日本共産党の策動を打ち破り、11・5労働者集会に総結集しよう。

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週刊『前進』(2269号6面1)(2006/11/06)

団結ひろば 投稿コーナー

 米軍は来るな!日米共同訓練反対で集会 新潟 増田信一

 私は、10月15日、新潟県妙高関山演習場ゲート前で開催された「米軍は来るな!日米共同訓練反対県民集会」に新潟労組交流センターのみなさんと参加しました。今回の訓練は、陸自中央即応集団所属予定の第1空挺団350名と、イラクへも派兵された米オレゴン州兵240人との16日から10日間にわたりました。
 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の核実験が発表され、それを口実に日米が国連安保理決議による制裁から侵略戦争の道を切り開こうとする中で、これと対決する重要な集会となりました。
 主催は、社民党系の日米共同訓練反対共闘会議と共産党系の日米共同訓練反対上越地域の会。地元の民間労組、地区労会議をはじめ自治労、教組、全港湾、国労、全農林などの旗が林立し、長野・群馬含めて500人の労働者や住民が結集しました。
 新潟平和センター議長が「いかなる核実験にも反対するが、日米共同訓練による戦争への道を許してはならない」と述べる一方で、共産党は「国連決議に賛成する」と発言しました。
 私は、革共同緊急アピール(「北朝鮮の核実験を口実とした9条改憲と戦争に突進する安倍政権を許すな」)をまいたのですが、もらいに来る労働者が相次ぎました。ビラを読んだ共産党系の女性は「このとおりだよね」と周りに語りかけていました。また教基法改悪反対の国会闘争と11・5労働者集会への参加を訴える労組交流センターのビラもよく読まれていました。今回はデモがなくて残念でしたが、排外主義が吹き荒れる中で、労働組合が中心となって抗議集会が開催されること自体が重要な意義をもっているし、私たちはもっと共に行動し、闘いながら、ビラを持ち込んでいくことが必要です。

 戦争狙う北朝鮮制裁に反対し街宣に参加 岡山 木の根健吉

 10月16日の夕方、岡山駅前で、とめよう戦争への道!百万人署名運動岡山県連絡会代表の野田隆三郎先生がマイクで訴える中、ビラまきに参加しました。訴えは、アメリカの二重基準は許されない! 北朝鮮を追いつめているのはアメリカや日本! アメリカは戦争を狙っている! 戦争で被害を受けるのは日本や朝鮮の人びと! 日米の百分の一の軍事力の北朝鮮が戦争を仕掛けてくることはあり得ない!
 街頭は「テレビの色が世の中の色」と思わされている自分を解きほぐしてくれる。街宣中に何人も、ビラを受けとった人と話し合いになる。「ガンバレヨ」。化石(「お前は日本人か? 非国民?」)に会うことはめずらしい。政府が臨検(貨物検査)する米軍への燃料補給?周辺事態?と戦争をしかけようとしていると訴えたい。
 街宣の前にラジオで倉敷市が市民会館の会場使用許可を取り消したことが報道されていた。在日朝鮮人等の歌劇団公演を、右翼の街宣で混乱が予想されるとしているが、核実験を理由に、何で在日の文化活動が不当に扱われるのか? なんとか倉敷市が撤回して予定どおり公演できることを願っています。

 改憲阻止闘争の先頭に郵政労働者は立つ 非常勤郵政労働者 坂田陽一

 私は郵政労働者として改憲阻止、戦争協力拒否を掲げて、広島、靖国、そして労働者集会の闘いに参加してきた。初めて立候補した組合支部役員選挙でも信任され、職場生産点からの反戦を訴えている。
 私が郵便職場で一番うれしいのは、一人ひとりの心のこもったお手紙を届けられることだ。カワイイ封筒に入った子どもたちのお手紙などを目にするとホッとする。いつの時代になっても郵便屋さんは心と心のかけはしとなって優しさを運ぶ仕事をしなければいけないと思う。
 ところが郵便事業には、大戦時に軍国切手で国威発揚し、侵略戦争を推進した歴史がある。そして今日、北朝鮮に対する送金停止に手を貸し、また新たな戦争協力を始めているのである。
 私が好きなのは心温まるお手紙なのだ。だからその心に差別と排外主義を植えつけ侵略の道具とするような教基法改悪は郵便屋さんだって許せない。憲法を改悪し、郵便屋が赤紙を配るような時代にしてはいけない。郵政労働者として憲法改悪を阻止し、戦争協力を拒否する。
 日本共産党のビラを配布した社会保険庁職員に対する国公法弾圧で不当判決が下された。国民投票法案では郵政公社職員を明示して改憲反対運動圧殺を狙っている。私たち郵政労働者は今、沈黙ではなく、他人まかせでもなく、弾圧を恐れず闘おう。
 国民投票法の攻撃、国公法弾圧をはねのけ、教基法改悪・共謀罪制定を阻止し、安倍政権を打倒し改憲を阻止する。郵政・全逓労働者は闘いの先頭に立とう。

 「自立支援法」撤廃へ「再チャレンジ」する 北信越 深沢亨平

  前代未聞の悪法である「障害者自立支援法」(一部)が施行されて3カ月が過ぎようとしていた6月下旬、市役所の職員が自宅に来て、「厚生労働省からアンケートの依頼が来ているので協力してください」と1枚のプリントと4〜5nほどの冊子を置いていった。
 プリントには「身体障害児・者等実態調査についてのお知らせ」とあり、そこには、「障害者が障害のない人と同等に生活し、活動する社会を目指すノーマライゼーションの理念の下、障害者の自立と社会参加を図るため……」と聞いた風な言葉が並び、「そこで、5年ぶりに、最新の資料を得るため、再び全国調査を行うことといたしました」とあった。
 私はこの文章を読んで腹が立って仕方がなかった。厚生労働省はわれわれ「障害」当事者の実態が分からないのに、「障害者のためだ」と称して障害者自立支援法を強行したことがはっきりしたからだ。
 近ごろ自民党や民主党を中心に改憲論議が盛んになってきている。「我が国の歴史と伝統を重んじ……」という一文を前文に盛り込むというが、日本書紀が書かれた時代から、「障害者」は一貫して差別と排除の対象だった。それがこの国の歴史と伝統だ。今でもそれが何ら変わらない。
 「障害者」と関係者の怒りが大爆発して1万1千人が決起した昨年7月の大行動に続き、成立までの連続国会行動(いったんは廃案に追い込んだ)。われわれ「障害者」があれほど反対したにもかかわらず、通してしまったということは、「障害者」のニーズなんかには目もくれず、ただただ予算削減だけを目的とする国の都合を一方的に「障害者」に押し付けたとしか、他に考えようがない。
 ある「障害者」団体が行った障害者自立支援法に対するアンケートには「障害者自立支援法は障害者に死ねということか」という意見があった。権力者は自分たちが助かるために平気で弱者を犠牲にする、この国は醜い。「美しい国」と言ってはばからない人間のなんと無知で傲慢(ごうまん)で恥知らずなことか。われわれ「障害者」は障害者自立支援法が撤廃されるまで何度でも「再チャレンジ」しよう。

 派遣労働者の実態の中に青年反乱が胎動 東京 原田達也

 私は派遣会社に登録し、しばらく派遣労働に従事しました。倉庫でのピッキング作業、イベント会場での新商品発表会の設営の手伝い、ポスティング(不動産の案内冊子の全戸配布)、駅頭でのティッシュ配布、不動産会社の不動産案内のプラカード持ち等の仕事をしました。
 時給は900円から1000円程度で。残業しなければ実質7時間労働ですから、週5日フルタイムで働いても月に換算すると13〜14万円程度の賃金しか受け取れませんし、その中から源泉徴収分が引かれます。交通費はもちろん支給されませんから、月平均で3万円、あるいはそれ以上の金額が交通費で消えることになります。アパートで独り暮らしの労働者の場合、食費+α程度しか残らず、貯蓄など期待できないでしょう。
 私は倉庫作業に就労する場合が多かったのですが、倉庫は大抵湾岸の工業地帯にあります。このため実際の就労開始時刻の2時間も前に集合しなければならない事業所もあり、「拘束時間」は非常に長いわけです。
 そして送迎バス等で出勤するわけですが、実際の就労開始時刻より40分前に事業所に到着し、エプロン、軍手等の作業衣を準備して待機することになります。この待機時間は無給なわけです。本来この時間は使用者の「指揮・命令」に服しているのですから、「労働時間」として計算されなければなりません。ところが事業者側では、この準備(エプロン、ネームプレート等の配布)を「人足頭」のような派遣会社社員に代行させることで、法の規制をすり抜けようとしている例もありました。
 派遣労働を一つの極限とする労働者の無権利化と、既成労働運動の屈服という事態は、闘う労働者にとって試練かもしれませんが、こうした社会関係の「胎内」で、新たな青年労働者の反乱、階級的労働運動が「孵化(ふか)」しつつあるというのが現下の情勢だろうと思います。
 私は「病み上がり」ですが、場所的に自らの闘いを貫いていくつもりです。11・5労働者集会の成功を心から祈念します。

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週刊『前進』(2269号6面2)(2006/11/06)

 水嶋控訴審第1回公判 検察主張は大破綻

 “直ちに控訴棄却せよ”

 

10月24日、東京高裁第12刑事部(河辺義正裁判長)で、水嶋裁判(88年9・21千葉県収用委会長せん滅戦闘デッチあげ弾圧裁判)の控訴審初公判が開かれた。無実が明白この上ない水嶋秀樹同志への1審無罪判決に対する検察の控訴は許すことができない。午前10時開廷。法廷は控訴棄却を求める友人・知人たちで埋め尽くされた。
 最初に検察官が控訴趣意書を朗読。まったく迫力がない。裁判の唯一の争点は、正井利明証人が当初供述した、9・21戦闘の総責任者「A」が水嶋同志かどうかということだ。正井は1審法廷で水嶋同志と対面した結果、「被告人(水嶋同志)はAとは別人」である旨を繰り返し証言した。デッチあげはすでに破綻(はたん)しているのだ。
 検察官は、控訴趣意書の朗読で、自ら重要な場所と位置づけている茨城県古河(こが)市を「ふるかわ市」と10回以上も言い、失笑を買った。
 続いて、弁護人と水嶋同志の答弁書が圧倒的な説得力で陳述された。初めに主任弁護人が「水嶋さんは紛うかたなき無実・無罪である」ときっぱりと述べ、白を黒と言いくるめる不当な控訴を直ちに棄却するよう迫った。
 さらに弁護人は、1審法廷で水嶋同志を見た正井が「A」と「違うと思う」「同一人物ではないという感じがする」と証言したことを踏まえ、「直接対面による証言こそ、他の何よりも重視されるべきである」と裁判の核心を指摘し、「写真面割りの信用性」を「主要な争点」だとして、核心から逃げようとする検察官の主張を弾劾した。この「写真面割り」こそ、強制と誘導で正井に行わせたものだ。
 また、正井の言う「A」の身体的特徴が水嶋同志とはまったく違う点も丁寧に説き明かされた。
 最後に、水嶋同志自身の答弁書が弁護人によって代読された。水嶋同志は「私は無実です」ときっぱり断言し、アリバイも鮮明に主張。「私は正井と法廷で初めて会った。正井も私を見て『この人は誰だ』という顔をしていた。私は出獄後、30〜40年ぶりに友人たちと再会したが、みんな私だとわかった。旧知の間柄なら会えば絶対にわかるのだ」と怒りをこめて弾劾し、「私をデッチあげた警察・検察を絶対に許さない。高裁は直ちに控訴棄却しろ」と河辺裁判長に迫った。
 次回公判は来年3月30日(金)午後3時。河辺裁判長は東京高裁で最極悪の裁判長だ。逆転有罪判決を狙っていたことは間違いないが、その河辺裁判長ですら自らの定年退官後に次回公判を設置せざるをえなかった。
 いよいよ控訴審が始まった。全力で闘い、必ずや水嶋同志の無実・無罪を確定させよう。

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(写真 原爆ドーム前で21日から30時間ハンストを貫徹した教育労働者を中心に70人が「教基法と憲法の改悪に反対するヒロシマからのアピール行動」の集会【10月22日 広島】)

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週刊『前進』(2269号6面3)(2006/11/06)

 さいたまで沖縄集会

 平良さん 辺野古と星野を語る

 10月15日、さいたま市で「平良悦美さんを囲んで―沖縄・辺野古を語る集い」がありました。星野文昭さんの救援運動をしている「埼玉・星野ネットワーク」が中心になってつくられた実行委員会(9氏の呼びかけ)が主催。約110人もの人びとが駆けつけました。
(写真 沖縄を語る平良悦美さん【10月15日 さいたま】)
 悦美さんは、今年の8月14日、星野さんが1971年11月14日にいた渋谷の現場に自ら立ち、星野さんの無実を確かめたという話から始めました。「沖縄の今日を洞察して闘うことができた星野文昭さんは、沖縄に苦難を背負わせてきた日本人の一人としての重荷を負ってくれている」
 71年11・10沖縄全県ゼネストの日に与儀公園で開かれた10万人集会に、悦美さんは1歳の子をおんぶし、3歳の子を乳母車に乗せ、5歳と8歳の子を連れて参加。この夜、デモ隊との衝突で死亡した山川巡査を助けようとしたのに、「殺人犯」にデッチあげられたのが「埼玉・星野ネット」代表の松永優さんでした。「松永さんは無罪をかちとりましたが、星野さんは無実で32年間も囚(とら)われ続けている」と、星野さんに寄せる思いを語りました。
 悦美さんの真骨頂に触れる思いがしたのは、普天間基地の代替で新しい基地を辺野古に造るという話が持ち上がった時、「基地はダメだということを私の存在で示すチャンスだと思った」というくだりです。
 その悦美さんも、座り込みをやめてくれと言いに来る防衛施設局の後ろに「得体の知れないもの」の姿を感じた時、倒れて病にふせってしまいました。それでも、心配した家族から「欲しいものは?」と聞かれて「(基地建設の)白紙撤回!」と答えたというのですから、筋金入りです。
 最後に、「沖縄130万人が全部反対しても、日本全体では多数決の民主主義の暴力で踏みにじられる。これをどうするか、課題をみなさんに預けます」と、悦美さんは話を締めくくりました。
 開会に際して、今回平良悦美さんを招くことになったいきさつなどを語った松永さんは、悦美さんとその闘いを「物静かな存在感をもった人物」「人間の尊厳を武器にした手作りの闘い」と評しました。
 沖縄・辺野古関連のビデオから悦美さんの登場シーンを中心に主催者が独自に編集した作品も最初に上映されました。
 会場からのアピールでは、辺野古帰りの青年たちでつくる「NO BASE HENOKO TOKYO」(ノーベース辺野古・東京)の若者たちが登場して一気に盛り上がりました。止めよう戦争!埼玉県連絡会、5・27国労臨大弾圧を許さない会・埼玉、百里基地に反対する茨城県民などが次々と発言しました。
 来る11・25星野全国集会へは埼玉からも大挙参加したいと思います。11・25渋谷・東京山手教会に集まりましょう。
 (投稿 鎌田雅志)

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週刊『前進』(2269号6面4)(2006/11/06)

 07星野カレンダー 好評発売中

 絵・星野文昭 詩・星野暁子

 星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議の「07年星野カレンダー」が好評発売中です。星野救援運動を広げるために活用しましょう。
 同会議の注文表に掲載された星野暁子さんのアピールを転載します。
   ☆☆
 夫星野文昭は、今年60歳、獄中32年目を徳島刑務所で迎えています。
 1971年11月14日、文昭は沖縄の心を踏みにじった沖縄返還協定批准に反対する渋谷のデモに参加し、機動隊員1名が死亡したことで、無期懲役刑をかけられました。
 けれど、文昭は無実です。殴打行為をしていた男はきつね色の上下を着ていて、その男が文昭だとされていますが、文昭は水色のブレザーとグレーのズボンをはいており、それは警察の捜査報告書にも記載されています。
 文昭は、この32年を、沖縄の怒りと心を一つに、非転向のたたかいを貫いてきました。
 07年のカレンダーは、文昭が今年制作した8枚の絵と、文昭から私への手紙のカットをデザインしたものと、私が書いた6編の詩で構成されています。絵の具を房の中で使えるように要求するところからはじまった文昭の作品、何もない獄中で、思いを幸せに変えるために描いた作品の心が、あなたの元に届きますように。
 星野暁子
(写真 実りのテラスから、北の大地を眺める)

   ☆☆
◎A4判カラー13枚 中とじブック形式
●1部1200円(5部以上は1部1000円)
*前進社でも扱います

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週刊『前進』(2269号6面5)(2006/11/06)

 星野さんとともに

 71年7月仮処分執行で農民放送塔を死守

 元三里塚現闘 大島一平

 11月5日労働者総決起集会に続いて、11月25日星野全国集会を成功させよう!
 私は今年で57歳になります。星野文昭さんを知っている世代です。1969年当時は、将来は芸術家になりたいと都内の美術学校の彫刻科に通学していました。
 67年に羽田弁天橋で京都大学の山崎博昭君が虐殺されたことや、68年九州の佐世保での原子力空母エンタープライズ寄港阻止闘争、日大闘争、69年1月の東京大学攻防などを田舎で手に汗をしてテレビニュースを見ていましたので、気分は全共闘だったのです。上京後、星野さんらの高崎経済大学の闘いを撮影した『圧殺の森』を見ました。
 友人が全学連の活動家でしたので、法政大学の自治会の看板描きの手伝いなどをしているうちに美術の修行も忘れ、デモ・集会・機動隊との激突の日々という、まるで現代の韓国民主労総の記録映画のシーンのような二十歳の日々でした。
 機動隊との激突で負傷して治療しているときに「三里塚に行かないか」という話があり、下宿を整理して三里塚現地集会に参加したのです。
 反対同盟農民があっせんしてくれた村の公民館で数十人が寝起きして、援農や、代執行を迎え撃つ諸闘争に参加しました。現地闘争本部員として71年を迎えるのです。
 2〜3月の第1次代執行阻止闘争では、宣伝カー担当活動家として反対同盟の戸村一作委員長と行動を共にしていましたので、星野さんと会話する機会はありませんでしたが、援農先の農家で星野さんの人となりは聞いています。
 第1次代執行は1カ月ぐらいの攻防で、1・2・16番地点の農民放送塔が未収用で残りましたが、これは7月仮処分執行で激突します。
 7月、北原鉱治事務局長を先頭にした地下壕(ちかごう)の部隊、農民放送塔・砦(とりで)の防衛隊、周辺の支援部隊が必死の防衛闘争を闘ったのです。
 早朝の空に照明弾が打ち上げられ、古代ローマの重装歩兵のような盾を並べた機動隊と放水警備車、ブルドーザー、ユンボ、クローラーが迫ってきました。激闘が続き、外郭阻止線をぬって支援部隊が近付いてきます。その一つの部隊に若き星野さんもいたのです。
 地下壕は残りましたが、農民放送塔は午後3時に引き倒されます。私はこの攻防で最後までマイクを握って闘った”農民放送塔戦士”です。
 その後、私は十余年間、百余名の統一被告団の事務局として、地方裁判所から最高裁判所までの裁判闘争に従事しましたが、三里塚7月仮処分・第2次代執行阻止闘争で重罪を問われた星野さんを始めとした被告団の反証活動は十分にできませんでした。
 現在、私は動労千葉の組合運動・労働運動に感化され激励されて、建設労働者として生業を得て、建設労働組合運動に参加しています。
 自分だったかもしれないという思いもあり、生きて星野さんの身柄を家族と私たちの側に取り戻したいのです。
 あの時代を青年として共に生きた者は、星野のことを思い起こしてください。語ってください。星野を取り戻そう!

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週刊『前進』(2269号6面6)(2006/11/06)

 日程 星野文昭さんを取り戻そう 沖縄−星野11・25全国集会

  星野文昭さんを取り戻そう 35年目の渋谷で問う
  沖縄−星野11・25全国集会
  11月25日(土) 東京山手教会 
  午後1時開場   渋谷公園通り    
    2時開会   JR・地下鉄渋谷駅 
    5時閉会   から300b     
 ◎講演 知花昌一 反戦地主/読谷村議
  −1972年沖縄本土復帰の内実を問う−
  「星野文昭さんは何のために闘ったか」
 ◎朗読劇 イノセント  ◎歌と語り
 ◎パフォーマンス「KAKOと今」  
  ◇07星野カレンダーなど販売
    主催/11・25全国集会実行委員会

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