ZENSHIN 2006/10/02(No2264
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週刊『前進』(2264号1面1)(2006/10/02)
安倍打倒の国会決戦へ
「日の丸・君が代」強制は違憲
予防訴訟での勝利判決バネに 教基法改悪絶対阻止を
「日の丸・君が代」を強制する03年10・23都教委通達は「違憲・違法」だとする画期的な判決が9月21日、東京地裁で出された。都立校の教育労働者401人が都教育委員会を相手取り、起立や斉唱・ピアノ伴奏の義務が存在しないことの確認を求めた予防訴訟の判決で、難波孝一裁判長は原告側の主張を全面的に認め、「思想・良心の自由を侵害する」憲法違反の通達を断罪した。きわめて真っ当な判決だ。この圧倒的な勝利判決をバネに、教育基本法改悪阻止を最大のテーマとする臨時国会決戦に突入し、安倍新政権と真っ向から対決して闘おう。教基法改悪阻止、共謀罪新設粉砕、安倍打倒の臨時国会冒頭の9・26国会闘争に立ち、11・5全国労働者総決起集会に攻め上ろう。(写真は21日、喜びにわく東京地裁前)
不起立闘争の勝利と正義性
都知事・ファシスト石原と都教委は「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について」と題する10・23通達において、都立学校の各校長に「国旗に向かって起立し、国歌を斉唱」「ピアノ伴奏等により行う」「こうした職務命令に従わない場合は服務上の責任を問われることを教職員に周知」などを義務づけ、これに従わず不起立やピアノ伴奏拒否などで闘った教員を3年間に延べ約350人も懲戒処分した。
(写真は21日、喜びにわく東京地裁前)
判決では、「国旗掲揚、国歌斉唱に反対する者も少なからずおり、このような主義主張を持つ者の思想・良心の自由も、他者の権利を侵害するなど公共の福祉に反しない限り、憲法上保護に値する権利。起立や斉唱の義務を課すことは思想・良心の自由を侵害する」と判断した。
この東京地裁判決は、何よりも「職場からの戦争協力拒否闘争」として不起立で決起してきた教育労働者の正義性を認定し、教基法改悪阻止闘争に弾みをつけるものだ。この判決は、闘う教育労働者が処分の恫喝に屈せず、自己の信念を貫いてかちとった不起立闘争が引き出したものである。
戒告、減給、停職処分、度重なる再発防止研修の攻撃にさらされ、それでも屈せず、意気軒高と正義を貫いてきた労働者魂が押し開いたのだ。そして、闘えば必ず展望が切り開かれることを全労働者に示したのだ。
判決は、「通達や都教委の一連の指導は、教職員に対し、一方的な一定の理論や観念を生徒に教え込むことを強制することに等しく、教育基本法10条1項で定めた『不当な支配』に該当し違法」と指摘した。
現行教基法第10条は、「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである」と、国家権力による教育への支配介入を排している。判決は都教委通達がこれに違反すると指摘している。そしてこれこそが、今回の教基法改悪策動で抹殺されようとしている条項なのだ。
教基法改悪は、いわば10・23通達を全国的に教育のすべての領域で徹底し、教育労働者の闘いを押しつぶすという攻撃である。「日の丸・君が代」を学校行事において強制し、それに従わない教育労働者は処分するという攻撃は、教育を命令と服従の関係に転換するものであり、権力による統制に委ねよということである。つまり10・23通達は教基法改悪の先取りとしてあったのだ。
こんな攻撃が全国を覆おうとしている時、「都教委通達は違憲」の判決が出たことは、決定的な勝利である。これは東京を突破口に、石原・都教委に続き全国で強制と命令の教育を徹底させようとしている安倍新政権に対する痛打である。
「日の丸・君が代」強制と闘わず、教基法改悪にも反対しない日教組中央を弾劾し、のりこえて教基法改悪反対の職場からの闘いを巻き起こし、日教組再生をかけて国会闘争を大爆発させていくチャンスが到来した。
「教え子を再び戦場に送るな」という戦後教育の原点に立ち返り、今こそ教基法改悪阻止に立ち上がろう。これは教育労働者の課題であると同時に、全労働者階級の切迫した任務である。
徴兵制導入と戦争狙う安倍
9月20日の自民党総裁選挙で安倍晋三が新総裁に選出された。今週26日に召集される臨時国会で安倍新内閣が発足することが確実となった。安倍は「5年間で新憲法を作る」と改憲の意思を公言し、臨時国会の最大の課題として教育基本法改悪を実現することを掲げている。戦後史上、最悪の極右・国家主義者の登場である。同時にそれは、このような極右政治家を登場させる以外にない日帝ブルジョアジーの深い体制的危機を物語っている。
安倍は小泉内閣の官房長官として「拉致問題」や「ミサイル・核開発」問題を口実に北朝鮮に対する制裁策動や排外主義を主導し、新政権の樹立後には「拉致問題」担当大臣を置くなどの構想を明らかにしている。今回、北朝鮮への金融制裁を発動したのも安倍である。現憲法のもとでも集団的自衛権の行使はできると公言し、日本版NSC(国家安全保障会議)の設置を画策し、北朝鮮・中国侵略戦争に向かって現実的な行動を起こそうとしている。
安倍が「教育改革」を次期政権の重大テーマに据えているのは、北朝鮮・中国侵略戦争に向かって、進んで国のために命を差し出す若者をつくるためである。著書『美しい国へ』でも、その構想を明らかにし、この間の総裁選過程でも強調してきた。例えば、大学入学を9月にして、高校卒業後半年間を「ボランティア」の期間とするという構想は、徴兵制の導入を狙ったものであり、戦争中の「勤労奉仕」と同じく、国家のために命を投げ出して働けという大攻撃である。
教基法改悪は改憲の突破口
教育基本法改悪は、今や日本帝国主義ブルジョアジーの緊急の要求になっている。昨年1月に日本経団連は、「憲法改正」の提言と同時に「教育改革」提言を発表、改憲と教育基本法改悪をセットで要求した。
「提言」は、冒頭に「教育は国の発展の基盤である」とうたい、教育の主体は教育を受ける者という戦後教育の建前を否定し、国のための教育を正面から押し出している。そして「国際競争に勝ち抜く」ことを教育の目的とし、そのために愛国心と「公共の精神」を培い、公教育の民営化と差別・選別教育を推奨している。さらに「国が教育内容の方向を示す」ことの重要性を述べ、日教組を解体する目的をあからさまに示している。
要するに憲法9条も教基法も、一握りのブルジョアジーの利益のために桎梏(しっこく)になっているから一刻も早く改正しろと迫っているのである。
教基法改悪の狙いは、「人格の完成」とか「個人の価値の尊重」などの現行法から180度転換し、「国家の、国家による、国家のための」教育に根本的に変えることにある。戦前の「教育勅語」と同じものにしようとしているのだ。
教育の目的に「わが国と郷土を愛する態度を養う」という語句を入れたのも、国のための教育に変えるということであり、それは究極的には「国のために命を投げ出す子どもを育てる」ところに行き着く。
また、教基法改悪は、格差社会を拡大再生産するものだ。教育に競争原理を持ち込み、資本の参入を自由化する。教育バウチャー制度や学校選択制によって、また学力テストによって、能力主義による差別・選別を推し進める。規制緩和、民営化、構造改革が教育の隅々まで貫徹し、日本社会の二極化が極限的に進行することになる。
日教組の再生かけて闘う時
そして教基法改悪の最大の狙いは、日教組、すなわち教育労働者の組合的団結体を解体するというところにある。戦争国家化を進めるために、教育労働者が労働組合のもとに団結して行動すること自体を一掃しようとしているのだ。
教員免許更新制の08年度からの導入計画は、国鉄分割・民営化と同じく「いったん全員解雇・選別再雇用」と同じ発想であり、日教組を解体・一掃する攻撃である。
安倍政権は「最大の抵抗勢力は官公労」と、自治労、日教組、全逓、国鉄の4大産別に対する攻撃をかけてこようとしている。公務員は国家の下僕であり国家の意思を体現すべき存在であって、組合的団結をもって国の政策にたてつくなど許せない、ということだ。国労や全逓、日教組や自治労も、指導部は今やグラグラであり、屈服姿勢を強めている。日帝権力は教基法改悪をもって一気に日教組解体に踏み込もうとしているのだ。
これを打ち破るのは、教育労働者の現場からの闘いだ。東京の「日の丸・君が代」被処分者が勝利をかちとったように、また動労千葉の労働者が職場闘争で処分をはね返しているように、全国で職場からの闘いに立ち上がろう。
日教組解体という教基法改悪の狙いをしっかりと見据え、職場からの大衆的な反撃をつくり出し、国会へ職場から駆けつけよう。その力で、教基法改悪攻撃を逆に30万日教組の階級的再生の闘いに転化しよう。この闘いは教育労働者の自己解放闘争であり、その団結をかちとる闘いである。
教基法改悪阻止と共謀罪絶対廃案の国会決戦を闘いぬき、11・5全国労働者総決起集会の成功を切り開こう。
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週刊『前進』(2264号1面2)(2006/10/02)
成田北延伸 着工阻止で緊急闘争
市東さん「私は引き下がらない」
9月17日、成田市東峰の開拓組合道路において三里塚芝山連合空港反対同盟主催の「北延伸着工阻止」緊急現地闘争が闘われた。急きょ呼びかけられたにもかかわらず、緊迫する着工情勢の中で230人の労働者・学生がかけつけた。
(写真 「農地強奪許さぬ」と市東さん先頭にデモ【9月17日 成田市十余三)
冒頭、司会の伊藤信晴さんが「北延伸の認可・着工は生活破壊の国家犯罪/直ちに中止し暫定滑走路閉鎖せよ!」と題した弾劾声明を読み上げ、集会が始まった。
最初に事務局長の北原鉱治さんが発言に立ち「14日の農業会議において、日本の農民の将来を踏みにじる決定が出された。三里塚40年の闘いの正義を確信し、北延伸粉砕へ総決起を」と訴えた。本部役員の鈴木幸司さんは「反対同盟40年の闘いの真骨頂を見せつけてやろうじゃないか」と檄(げき)を飛ばした。
市東孝雄さんは全身の怒りで農業会議での不当な決定を弾劾した。「農民を守るべき農地法が私を守ってくれないのなら自分で守る。1億8千万もらって農業をやめて出ていけという話を誰が認められるか。私は絶対に引き下がるわけにいかない」と厳しい表情で決意を述べ、参加者が大きな拍手でこたえた。
事務局次長の萩原進さんは「この攻撃は市東さんをつぶすのが狙い。自ら農民として空港問題と向き合い闘っているこの姿は、何ものにも代えられない。北延伸工事はすべて不正義だ。この現実を知らしめ全国の共感を呼び起こそう。10・8に大結集を!」と訴えた。
続いて成田の平和を守る市民の会の伊藤全明さんが発言した。「私も農家で市東さんの気持ちがよくわかる。農地改革で地主・小作の関係が変わり、農民は社会の基本である食料生産に誇りを持てるようになった。その農民の気持ちを理解しない土地取り上げは実に遺憾だ」と弾劾した。
関西からは新空港反対東灘区住民の会事務局長の松原康彦さんがかけつけ、神戸で久しぶりの三里塚集会が開催され、岩山鉄塔決戦(77年)や10・20戦闘(85年)を知らない若い参加者が三里塚闘争に初めて触れ熱い共感を示したことを生き生きと報告した。さらに動労千葉の滝口誠さん、部落解放同盟全国連合会、婦人民主クラブ全国協議会、全学連の織田陽介委員長らが、反対同盟の渾身(こんしん)の闘いにこたえて立ち上がる決意を述べた。
反対同盟を先頭にデモに出発。団結街道を北上し、「へ」の字誘導路を走行するジェット機を右に、作物が育っている市東さんの畑を左に見ながらデモ隊は進んだ。「この畑を奪われてなるものか!」。参加者は心底からの怒りをたぎらせた。突如機動隊が「部隊規制!」などと叫んでデモ隊に襲いかかった。先頭に立って歩いていた市東さん、萩原さんは、盾を素手ではね返し鋭く抗議。農地強奪攻撃への怒りを身をもって示し、成田クリーンパークまでのデモを貫徹した。
北延伸をめぐる攻防は現地で火を噴いている。10・8全国総決起集会は着工情勢下での決戦だ。反対同盟の呼びかけにこたえ全力で結集しよう。
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週刊『前進』(2264号1面3)(2006/10/02)
法政大 第2ラウンド突入
学生100人が安東学生部長追及
9月20日、後期開講日を迎えた法大キャンパスで、退学処分・停学処分を受けた学生を先頭にして、学生100人が安東学生部長を取り囲み、徹底追及する闘いに決起した。不当処分撤回までやむことのない法大決戦“第2ラウンド”がうなりをあげて始まった。
この日は、被処分者を先頭とする法大生、全都・全国から集まった学生、法大弾圧救援会、OB会が情宣活動を行った。昼休みには、被処分者の学生が断固キャンパス中央に登場した。
「1年間の停学、しかもキャンパスに入ったら退学。こんなふざけた処分がありますか! 自分はこんな処分には従わない。キャンパスで闘い続けます」という被処分者のアピールが、すごい迫力でキャンパスに響き渡る。授業を終えた学生が集まりあちこちで討論の輪が広がる。
たまりかねて安東学生部長が、学生部職員やガードマンを引き連れて妨害に出てきた。しかし安東は、たちまち集まってきた法大生100人ほどに取り囲まれ、その場は安東徹底追及の場に転化した。
(写真 被処分者を先頭に安東学生部長を追及する法大生。制服を着ているのは法大当局が雇ったガードマン【9月20日 法政大学市ヶ谷キャンパス】)
追及に防戦一方の安東学生部長
被処分者の学生が、「処分の理由は大学の業務妨害だというが、私たちは業務妨害などしていない。どんな妨害をしたのか言って見ろ!」とマイクを突きつける。安東は「とにかく出ていきなさい」としか言えない。ガードマンの陰に隠れて、防戦一方だ。「安東、答えろ!」「何か言え!」とヤジが飛ぶ。その場は安東を裁く“人民裁判”さながらの状況になる。安東は、追及に青ざめ、携帯電話で話すふりをして逃亡!
法大生は、次に藤村副学生部長にマイクを向けた。「仮処分裁判では『3月14日に逮捕されたことは退学処分の理由ではない』と言っているが、話が変わっているじゃないか!」と追及すると、藤村は「裁判の場で明らかにする」とだけ言って逃げた。「学生の前で言えないのか!」と追及されても何も言えない。法大当局はグラグラだ。正門前にたむろする公安刑事どもも一指も触れられない。逃亡する学生部に対して、被処分者が「退学処分撤回まで闘う」と宣言すると、学生から大きな拍手がおこった。
完全に圧倒され、追いつめられた法大当局は、即日「このような行為が繰り返される場合には、法的手段に訴える」などという不当な「告示」を出してきた。またもや警察に売り渡すというのか! 法大当局は、もはや警察暴力以外に頼るものがないのだ。
学生が団結して闘えば勝てる! 法大開講日の闘いはこのことを示した。被処分者の学生は、不退転で退学処分・停学処分撤回まで闘う決意を、自らの行動で示した。法大当局のさらなる弾圧策動を粉砕し、処分撤回をかちとろう!
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週刊『前進』(2264号2面1)(2006/10/02)
5・27裁判 酒田国労前委員長がついに法廷に
9・27傍聴闘争に結集を
国労の再生かけた重大攻防
国鉄1047名闘争が重大な岐路に立つ中で、国労5・27臨大闘争弾圧裁判は国労再生に向けての重大な勝利を切り開いた。前回公判で酒田充・前国労本部委員長と笹原助雄・現国労東京地本書記長の証人喚問が決定され、次回の第64回公判は酒田証人に対する尋問が行われる。公判闘争は、国労本部と公安警察によって仕組まれたこの弾圧の核心点を解明する最も重要な攻防に入った。公判は9月27日(水)午後1時15分から。国労組合員を先頭に傍聴闘争に結集しよう。
公安刑事に電話し逮捕を要請
02年5月27日、国労本部は鉄建公団訴訟原告を査問にかけるための臨時大会を強行した。これに先立つ02年4月、自民党らは鉄建公団訴訟原告の国労からの除名などを求める与党3党声明を国労に突きつけていた。
この日、大会会場の社会文化会館周辺は機動隊によって制圧された。だからこの弾圧で被告とされた国労組合員らは、大会準備本部関係者が宿泊するホテル前に赴き、ビラを配布して抗議の声を上げたのだ。ところが国労本部派は、ビラを持つ被告たちを3列縦隊で突破し、大会会場に向かう貸切バスに強引に乗り込んだ。そこで生じた多少のもみ合いが、国労本部と公安警察の手によって「暴力行為」に仕立て上げられたのだ。
当時、東京地本委員長だった酒田は、この大会の準備本部委員長の任にあった。この弾圧は、酒田委員長ら当時の東京地本幹部によって周到に仕組まれたものと言って間違いない。彼らは反対派組合員を告訴するためには「証拠」が必要だと申し合わせ、大会の全過程をビデオ撮影することを決めていた。その役割を担ったのが、鈴木勉・東京地本法対部長(当時)だ。彼は、3列縦隊でホテルを出発するや、いち早く貸切バスに乗り込み、酒田の指示でビデオ撮影を開始した。そのビデオテープは、この裁判で検察側の最も重要な物証となっている。
ところが、図らずもそのビデオテープには、バス車内から公安刑事に携帯電話をかけ、反対派組合員の逮捕を求める酒田自身の声(別掲)が録音されていた。
また、この裁判で「被害者」と称して出廷した石井勝幸・国労本部会計監査員は、酒田に東京地本事務所近くの喫茶店「ルノアール」に呼び出され、そこで公安刑事に引き合わされて、「被害届」を出すように説得された事実を証言した。
本来、労働組合の指導部であれば、組合内部の問題に警察が介入しようとすることを全力で阻もうとするはずだ。資本と国家権力からの独立こそ、労働組合の団結にとって絶対的な基盤をなすからだ。ところが酒田は、積極的に公安警察と結託し、その力を借りて反対派を鎮圧し、執行部に居座ろうとした。それはまさに、国労を警察労働運動に転落させる暴挙と言うほかにない。
大会に機動隊導入した張本人
国鉄分割・民営化は、国鉄労働運動の壊滅を意図して強行された国家的不当労働行為にほかならない。国労闘争団ら1047名の被解雇者は、こうした敵階級のもくろみによって首を切られ、路頭に放り出されたのだ。
国鉄1047名闘争は、こうして行われた国鉄分割・民営化に対する闘いだ。ところが国労本部は、国鉄分割・民営化を遂行した張本人の政府・与党にすがって「JR不採用問題の政治的解決」を図ろうとした。それは、必然的に敗北をもたらす路線だった。
00年5月、国労本部は「(JR不採用問題について)JRに法的責任がないことを臨時大会で決定せよ」と迫る4党合意(当時の与党3党と社民党の合意)を受け入れた。それは、国労が解雇撤回闘争を投げ捨てることを意味していた。だから、4党合意の受け入れを承認するために開かれた00年7月1日の臨大で、闘争団員は根底的な怒りを噴出させたのだ。闘争団を先頭に闘う国労組合員が演壇に駆け上がる中で、大会は休会に追い込まれた。その後の2回の大会でも、4党合意受け入れの方針は採決できなかった。
この状況を反動的に覆したのが、00年12月の「東京地本6項目見解」だった。そこには「続開大会成功のため、妨害勢力に対して毅然(きぜん)たる態度をとり万全を期す」と書かれ、反対派組合員に対する「法的措置」さえ予告されていた。これに基づき、酒田を始めとする東京地本執行部は、大会準備地本として01年1月27日の大会に1300人もの機動隊を導入した。反対派を排除した「戒厳令下」の大会で、国労本部はようやく4党合意受諾の方針採決にこぎ着けた。
それ以降の国労大会は、ことごとく機動隊の制圧下に置かれた。これを一貫して主導したのも酒田である。国労幹部と公安警察の結託は、ここから急速に深まった。
だが、こうした国労本部の裏切りも、闘争団の不屈の意思をくじくことはできなかった。02年1月、闘う闘争団員は国労本部の裏切りに抗し、鉄建公団(旧国鉄清算事業団−現鉄道運輸機構)を相手に解雇撤回を求める訴訟を提起した。
これに業を煮やした自民党は、鉄建公団訴訟原告を除名するよう国労本部に命じ、これに屈した本部は5・27臨大を急きょ招集した。解雇された仲間を自民党に言われるままに国労からも排除する――こんなことが許されていいはずがない。被告とされた国労組合員が必死に本部弾劾の声を上げたのは当然だった。
4党合意受諾の必然的な結果
この弾圧は、国労本部の「政治解決」路線の結果として引き起こされた。このことの根底的な総括が、今また鋭く問われている。組合幹部が被解雇者を含む組合員を警察に差し出したことは、絶対にあいまいにできない問題だ。
これまで鉄建公団訴訟を支えてきた勢力の一部は、国労本部と手を組んで「年内政治解決」を唱えている。ここには重大な危機がある。
弾圧に加担した国労幹部は、労働者にとって最もかけがえのない階級的団結を根本から破壊する暴挙に手を染めたのだ。これを容認して、どうして国家的不当労働行為を打ち破り、国鉄闘争に勝利することができるのか。国鉄闘争は、JR資本と国家権力に真っ向から立ち向かう闘いだ。
5・27臨大闘争弾圧被告団は、不屈の闘いを貫いてついに国労再生の血路をこじ開けた。この闘いに続こう。9・27公判を機に、国労再生のうねりをつくり出そう。
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鈴木ビデオに録音されていた酒田の声
「中核がね、あの……バスに乗ろうとするのを……逮捕できないですかね。……ええ、グリーンホテルです。淡路町ですよ、淡路町。ええ、淡路町2丁目、千代田区の。ええ、あの、このね、あの、110番したんですけどね、ちょっと見てるだけなんですよ。ちょっと、あの、要請してあるんですけどね、われわれはね。あの、暴力、中核、中核が暴力振るっているもんですから。ええ、はい、よろしく」
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週刊『前進』(2264号2面2)(2006/10/02)
9・15集会 “解雇撤回”が闘争団の思い
国鉄闘争は岐路に
鉄建公団訴訟の1審判決から1年を迎えた9月15日、鉄建公団訴訟原告団と国鉄闘争共闘会議の呼びかけのもと、社会文化会館で「9・15中央集会」が開かれた。この集会は、国鉄闘争がきわめて危機的な状況にあることを印象づけた。
主催者としてあいさつした国鉄闘争共闘会議の二瓶久勝議長は、「これまでを数倍する大衆運動がないと解決しない」と言いつつも、根拠も示さずに「年内政治解決」を強調した。
国労本部の吉田進書記長も集会に招かれ発言したが、その内容は「解決を妨害する勢力には毅然たる対応をする」というものだった。これまで国労本部は、原則的に闘おうとする者に「解決の妨害者」という反動的非難を絶えず投げつけてきた。その行き着いた先こそ、国労組合員を警察に売り渡した国労5・27臨大闘争弾圧だ。吉田書記長に対して、会場からは「弾圧に加担したことはどうなんだ」と痛烈なヤジが飛んだ。
建交労本部の佐藤陵一委員長も、「大きな共同が必要」と述べつつ「テロ賛美勢力を許さない強い姿勢を」と発言した。それは、動労千葉の排除をたくらむ全労連の一部幹部が、常々口にしてきた言葉そのままだ。
この集会のスローガンに掲げられた「1047名の人権回復」は、4党合意受諾に際して国労本部が唱えた「人道的解決」とも相通じる。
これに先立つ14日、国労、建交労、国鉄闘争支援中央共闘、国鉄闘争共闘会議の4者は、鉄道運輸機構に「解決に当たっての具体的要求」を提出した。そこには、鉄道運輸機構やJR各社、JR関連会社での雇用確保や年金回復の要求はあるが、解雇撤回要求は意識的に消し去られている。
(写真 鉄道運輸機構・国鉄清算事業本部前で解雇撤回の決意を語る勤労干葉争議団の高石さん【9月15日】)
鉄建公団に怒り
しかし、鉄建公団訴訟に立った闘争団員の思いは、あくまで解雇撤回を実現し、1047名闘争に勝利することにある。9・15を前に闘われた連帯ロード2006などの取り組みも、一人ひとりの闘争団員のこうした情熱に支えられていたはずだ。人生をかけて20年もの闘いを貫いてきた闘争団員が、敗北必至の「政治解決」路線に甘んじることなど断じてない。
集会に先立ち、1047名連絡会は15日昼に国交省前で、夕方には鉄道運輸機構・国鉄清算事業本部前での行動に立った。東京総行動を展開中の労働組合もここに合流した。鉄建公団訴訟原告団、鉄道運輸機構訴訟原告団、全動労争議団、動労千葉争議団、国労闘争団全国代表者会議の各代表が発言に立ち、動労千葉争議団の高石正博さんは、11・5労働者集会への結集を訴えた。
鉄建公団訴訟は、国労本部の裏切りに抗して、闘争団があくまで解雇撤回を貫く闘いの旗を打ち立てたことに歴史的な意義がある。こうして闘う闘争団を先頭とした現場組合員は、4党合意の受諾以来、全面破産をさらけ出した国労本部に取って代わり、国鉄闘争の指導部となるほかないところに踏み出したのだ。
敗北の道拒もう
ところが今、鉄建公団訴訟を支えてきた勢力の一部は、国労本部と手を携えて「年内政治解決」を唱え、国鉄闘争をみすみす敗北に導く誤りに迷い込んでいる。
国鉄1047名闘争は、国鉄分割・民営化によって首を切られた1047名の解雇撤回を求める闘いだ。それはもともと、国鉄分割・民営化体制=JR体制との真正面からの激突を含んでいる。1047名の解雇撤回を実現するためには、動労千葉のように職場からJR資本と対決することが不可欠である。
しかも今、支配階級は改憲を第一の公約に掲げる安倍政権を誕生させ、本格的な改憲攻撃に突き進んできた。国鉄分割・民営化で改憲への道を掃き清めようとした中曽根以来の攻撃を阻んできたのは、1047名闘争の不屈の展開と、それを支える膨大な労働者の隊列にほかならない。国鉄闘争は、本来、改憲攻撃と対決する労働者階級の闘いの中心軸となる可能性を持っている。
全世界で労働運動は既成指導部の制動を突き破る新たな高揚を開始している。国鉄闘争の勝利もこの流れと結合することによって切り開かれる。鉄建公団訴訟をJR資本との闘いや改憲阻止の闘いから切り離してはならない。11・5労働者集会に結集し、国鉄闘争勝利の道をこじ開けよう。
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週刊『前進』(2264号2面3)(2006/10/02)
北朝鮮への金融制裁弾劾する
戦争と体制転覆を狙う安倍
日帝・小泉政権は9月19日、北朝鮮の15企業・1個人に対して金融制裁措置を発動した。これは7月15日の国連安保理での北朝鮮非難決議に続き、北朝鮮スターリン主義のそれ自身は反人民的な政策を絶好の口実に、金正日政権を徹底的に追い詰め、軍事的に挑発し、北朝鮮侵略戦争を準備する、許すことのできない暴挙である。
制裁措置の内容は、預金の引き出しや海外送金を許可制にし、事実上、資産を凍結するものである。制裁対象とされた企業は「大量破壊兵器開発と関係している」としてリストアップされたが、貿易会社や海運会社、銀行、化学メーカーのほかに病院も含まれている。日帝は、04年に経済制裁ができるように「外国為替及び外国貿易法(外為法)」を改悪したが、これが今回、北朝鮮に対して初めて発動された。
政府はすでに北朝鮮のミサイル実験を口実に、7月から万景峰(マンギョンボン)号の半年間入港禁止などの制裁を実施している。これに加えて今回、制裁をさらに強化したのである。
重大なことは、今回の経済制裁もまた、安倍の主導で強行されたことだ。安倍は、アメリカが金融制裁の対象としている12企業・1個人に加え、日本独自で新たに3企業を追加した。
日帝はこの間、北朝鮮と取引している日本のメーカーや商社に対しても、ココム違反などを口実に摘発・弾圧を強めている。このような圧力で北朝鮮との貿易・交通を細らせ、さらには途絶させ、北朝鮮スターリン主義・金正日体制の危機を一層拡大しようとしているのである。
経済制裁は、戦争の第1段階だ。「相手に反省と政策変更を迫る外交的圧力として当然」などとする主張を徹底的に粉砕しなければならない。
1991年の湾岸戦争後、イラクには10年以上も国連の経済制裁が実施された。イラク国内では食糧もなくなり、「化学兵器の材料になる」という口実で、医薬品や消毒薬も入らなくなった。こうして老人や子どもたち、病人が、治療も受けられず、飢えと寒さと病気で何十万人も殺されていったことを忘れてはならない。米帝・米軍はこうしてイラクの経済力を弱体化させ、疲弊させ、その上でフセイン政権転覆、石油資源略奪のために03年3月、イラク侵略戦争−全面占領に突き進んだ。日帝が北朝鮮への経済制裁によってつくり出そうとしている事態もこのようなものだ。
実際、安倍は、帝国主義の重圧により北朝鮮人民が飢餓で困窮していることを十分に知っており、そのことをチャンスとして今回、経済制裁に踏み込んだのである。安倍は『美しい国へ』で次のように言っている。
「いまや(北朝鮮の)生活の困窮は、中間階層である動揺階層にまでおよんでおり、制裁は効果を発揮しやすい状況になっている。……貿易、送金の停止や船の入港禁止は、権力の中枢に確実に打撃を与える」
安倍はこううそぶいて北朝鮮人民を一層の飢餓・貧困の中に追いやると同時に、イラクでしたように北朝鮮の政権を転覆しようとしている。
安倍新政権は、小泉以上の超反動として登場しようとしている。「5年以内の改憲」「戦後レジームからの脱却」を叫び、教基法改悪など反動法案の臨時国会での成立を狙い、さらに国家安全保障会議(日本版NSC)の創設、集団的自衛権の行使、拉致問題担当大臣の新設などを進めようとしている。この一つひとつが、北朝鮮・中国侵略戦争体制づくりだ。
だが、一方で、全世界で労働者階級と被抑圧民族人民の闘いが爆発し、帝国主義の支配を至るところで破綻(はたん)させている。労働者階級が団結して闘えば、帝国主義を打倒できる情勢が到来しているのだ。
経済制裁を弾劾し、日帝の北朝鮮侵略戦争を絶対に阻止しよう。闘う朝鮮・中国・アジア人民と連帯し、安倍打倒、米軍再編粉砕・改憲阻止の闘いを大爆発させよう。
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週刊『前進』(2264号2面4)(2006/10/02)
11・5へ結集を訴え
3労組が「共同ニュース」
全日建運輸連帯労働組合関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合港合同、国鉄千葉動力車労働組合は、11・5全国労働者総決起集会に向けて「共同闘争ニュース」bRを発行した。労働運動に問われる課題と闘う労働運動の再生を訴えている。11・5集会の組織化に活用しよう。
注文先/集会事務局・動労千葉 千葉市中央区要町2―8DC会館
рO43−222―7207/ 043−224−7197
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週刊『前進』(2264号2面5)(2006/10/02)
9・4〜9・13
偽装請負防止へ厚労省が指示
市場化テストへ実施方針/149郵便局が無集配局に
●厚労省が偽装請負防止を指示 厚生労働省は、都道府県労働局長に対し、偽装請負の防止・解消を図るとして監督指導の強化を指示した。(4日)=要旨別掲
●トヨタ下請けがベトナム人を不正雇用 トヨタ自動車の下請け企業23社が、外国人技能実習生のベトナム人約200人を最低賃金以下で働かせていたことなどが分かった。(4日)
●市場化テストで閣議決定 政府は閣議で「市場化テスト」の実施方法を決定。07年度から社会保険庁の国民年金保険料収納事業、ハローワークの「人材銀行」、「キャリア交流プラザ」、「雇用失業情勢の厳しい地域の求人開拓」の各事業、統計調査、登記、雇用・能力開発機構の「アビリティガーデン」での職業訓練、「私のしごと館」での職業体験事業など9事業で実施。うち5事業は今年11月までに入札の手続きを始める。対象事業は年内にも追加する見通し。(5日)
●金属労協が大会 金属労協(JC)は定期大会を開き、2年間の運動方針を採択。「大くくり職種別賃金」と称する個別賃金方式の強化を打ち出した。(5日)
●基幹労連が大会 基幹労連は8日まで定期大会を開き、向こう2年間の運動方針を決定。2年サイクル運動を徹底させ、来春闘は取り組まないとした。(7日)
●自動車総連が大会 自動車総連は8日まで大会を開き、向こう2年間の運動方針を採択。総労働時間1800時間台の実現を方針化。自動車総連傘下の労働者の総労働時間は他産別と比べ60〜100時間多い。来春闘は取り組む。(7日)
●07年度の各府省の定員は実質純減要求に 総務省は07年度各府省の「機構・定員等の要求状況」をまとめた。増員要求は7649人、減員が7280人で差し引き369人の増だが、11月に配置転換による追加の純減要求(728人)が見込まれ実質359人の純減要求。(8日)
●郵便局再編で149局を無集配郵便局に 日本郵政公社は、来年の郵政民営化・分社化に向け、郵便局の再編を今月11日から始めると発表。第1弾として11県内の149郵便局を窓口業務だけを行う無集配郵便局に転換する。(8日)
●労政審に厚労省がたたき台 労働政策審議会の労働条件分科会が開かれ、厚労省側が今後の議論のたたき台を示した。たたき台は素案から数値目標を削ったが、労働契約法に「解雇の金銭解決制度」を盛り込むことや、「自律的労働時間制度」の創設など主要な論点は残した。(11日)
●UIゼンセン同盟が大会 UIゼンセン同盟が14日まで大会。役員に落合会長(前会長代行)、島田書記長らを選出。高木前会長は連合会長に専念。(13日)
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厚生労働省「偽装請負に対する当面の取組について」(要旨)
厚生労働省は、いわゆる偽装請負が少なからず見られるとし、全国の都道府県労働局に通達を出した。
通達は、偽装請負が事業主の安全管理責任をあいまいにし、労災の温床となっていることを指摘。偽装請負の工場内で死亡労災などが発生した場合、工場主に対して労働安全衛生法に基づく処分をするほか、派遣元の請負事業者にも、事業停止命令や事業許可の取り消しなどの処分をすることを明記。また違反を繰り返す派遣元は行政処分等の措置を取る。
偽装請負が発覚した場合、事業主やメーカーに全事業所の自主点検を行わせ、その結果を労働局に報告させる。
これまで取り締まりの重点を置いてきた製造業に加え、運送業など他の業種に対しても指導を徹底する。
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週刊『前進』(2264号3面1)(2006/10/02)
教育労働者は国会前へ
日教組本部の敵前逃亡を弾劾し職場から教基法改悪阻止決戦を
革共同教育労働者委員会
9月21日、03年「10・23都教委通達」の違憲・違法性を争った予防訴訟の判決で、原告の教育労働者の訴えを全面的に認める完全勝利がかちとられた。画期的勝利だ。この勝利をバネに、教育労働者は国会闘争に総決起しよう! 教基法改悪を「最重点課題とする」安倍政権の狙いは日教組の解体だ。民主党にすり寄り、教基法改悪と改憲推進を組合員に飲ませようとする日教組本部を現場の闘いで打倒し、闘う日教組を取り戻そう。全国から、波状的に国会決戦に駆けつけよう。
日教組解体を狙う安倍政権との対決
安倍政権が誕生し、いよいよ臨時国会闘争が始まろうとしている。安倍は、12月15月まで81日間の会期を確保し、教育基本法改悪案を何がなんでも成立させようとしている。中教審答申以来4年越しで闘われてきた教基法改悪をめぐる攻防は、ここに最大の正念場を迎えた。
政府案は、愛国心・国防教育を教員の法的義務とする(2条5項、5条3項、6条2項)一方、現行法10条を解体し、教育施策の策定と実施を国家・行政権力の権限と明記している(5条3項、16条、17条)。教育は戦争教育、国民精神総動員教育に改変される。教員の教育権限は完全に否定され、平和教育など自主編成は違法行為とされる。戦争教育を拒否する教員は「不適格教員」「指導力不足教員」として免許更新制で首にされる。教員統制と聖職者教師づくりが進められる。
そればかりではない。安倍は、首相に就任するや直属の諮問会議を設置し、通常国会への関連法案提出の準備にとりかかろうとしている。「国の監査官が学校運営や生徒指導を評価し、問題校は文科相が教職員入れ替えや民間移管を命ずる」学校評価制度、「テスト結果を公表し、成績が改善しない学校は教員の入れ替えを強制的に行う」全国学力調査、さらには教育バウチャー(利用券)制度、国立大学9月入学・奉仕活動義務づけの制度などを一気呵成(いっきかせい)に導入しようというのだ。
教基法改悪は、何よりも日教組解体攻撃である。次期幹事長と目される自民党政調会長の中川秀直は、「安倍政権の最大の抵抗勢力は官公労」「日教組のあらゆる抵抗に対峙し、荒廃した教育の再生をはかる」と公言している。改憲突撃内閣=安倍の最重点政策は自治労、日教組の解体なのだ。
(写真 「『日の丸・君が代』処分を許さないぞ!」−被処分者に連帯して教育労働者と支援者がシュプレヒコール【9月15日 水道橋】)
現場組合員の手に日教組を取り戻せ
まさに日教組運動の存亡が問われている。ところが、9月14日の全国代表者会議で打ち出された日教組本部の教基法闘争の方針は、敵前逃亡としか言いようのない代物だ。全国集会の設定は、後の祭りとなる可能性が高い11月25日であり、10月の行動は、「教育改革シンポジウム」と「調査会設置要求」署名の提出行動だけだ。極めつけは、「審議の進捗(しんちょく)状況に応じ4日間程度の座りこみを計画する」というアリバイまるだしの言い草だ。「教育対話集会」も「できるだけ小さな規模の集会を数多く実施する」と、意図的に闘いを分散させようとしている。5月の国会闘争の高揚に動転し、自民党・文科省の恫喝にひれ伏してむきだしの制動に転じているのだ。
それだけではない。今や本部は、日教組解体攻撃の激しさに震え上がり、日本経団連提言(05年1・18)の言う職能団体として延命する方向に踏み込み始めている。
10月18日に開催される第147回中央委議案では、教基法改悪とセットの学校評価、学力テスト、教員免許更新制、指導要領改訂などの攻撃に「提言」「意見反映」で対応するとして反対・抵抗闘争を早々と放棄し、教研集会のあり方も見直すという。
許しがたいのは、公務員・教員バッシングに完全に屈服し、「公教育に対する信頼性の確保からも職場における『同僚性』にたった相互の検証を喚起」するなどと言って、「指導力不足教員」「不適格教員」の摘発運動を推進しようとしていることだ。
賃金方針では、「学校運営組織の見直しと新しい『職』の創設、新しい『級』を設けることにより、給与構造の見直しに伴う中高年齢層の昇給カーブ是正を実現する…賃金方針確立」と、「主幹」「総括教諭」「首席・指導教諭」などの中間管理職設置を推進する方針を公然と打ち出した。さらに、「勤務実績の給与への反映については拙速な導入に反対(=時間をかければ賛成)の立場で取り組む」と、新勤評による差別賃金も推進する方針だ。勤評闘争、主任制闘争の成果を最後的に投げ捨てるものだ。
平和・民主主義では、「護憲運動」の文言は残しつつ「平和・人権・環境・共生」に加えて「安全」をキーワードに盛り込ませ、「中間報告その2」で打ち出した平和基本法制定方針を進めようとしている。国民投票法案も「規制措置が緩和された」などと美化し、「国民的議論が熟せば賛成」のスタンスである。
「戦後民主主義と教育の危機状況の回避にむけて」と称しつつ、こうして一切の闘いを、来年の4月統一地方選挙と7月参院選へと流し込み、小沢・民主党支持に組合員を動員しようとしているのだ。
ふざけるな! 小沢が発表した「基本理念・基本政策」は、市場原理の徹底と民営化攻撃、日米同盟強化と国連軍参加、「憲法には非常事態規定がない」とする改憲推進など、「安倍政治への対抗軸」どころか戦争と民営化攻撃を競うものだ。小沢は、安倍の向こうを張って「人づくりから国づくりへ」と、六つの公約のトップに教育改革を掲げ、「日本国教育基本法の制定」を打ち出している。安倍も小沢も教育労働者の不倶戴天(ふぐたいてん)の敵だ。
組合員は、こんな転向路線を断じて認めない。臨時国会闘争の爆発で政府案も民主党案も廃案に追い込み、改憲翼賛体制に労働組合を組み込む連合路線に断を下そう。今こそ現場組合員の手に日教組を奪い返そう。
(写真 教育労働者の国会行動が教育基本法改悪をストップさせてきた【6月2日】)
安倍打倒・改憲阻止の突破口を開こう
教基法改悪阻止へ、渾身(こんしん)の力を振り絞って闘おう。今、労働者として闘わずして、どうして子どもたちへの責任が果たせるだろうか。数千数万の教育労働者が職場闘争を組織して国会に駆けつけることが世論も動かすのだ。
1958年9月15日に行われた勤評闘争初の全国統一ストライキ直後の世論調査は、スト反対7割、勤評反対5割という数字を示した。弾圧を浴び、世論から袋だたきにされながらも闘いをやめない教育労働者の姿こそが、勤評問題を全労働者人民の課題に押し上げたのだ。
教基法改悪阻止の成否は、国会闘争の爆発にかかっている。各県・支部で日教組本部の敵前逃亡を徹底弾劾し、上京方針をもぎりとろう。首都圏の教育労働者は、多忙化・管理強化をはね返し、職場から国会に駆けつけよう。
9・26国会開会日を安倍打倒を宣言する闘いとしよう。「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」の呼びかける10・7、17の国会前集会に駆けつけよう。全国の現場組合員の怒りを総結集し、10・18中央委員会で闘う方針を出させよう。
職場生産点の戦争協力拒否闘争としての「日の丸・君が代」不起立闘争、現場組合員によるその全国闘争化は、都高教を先頭に闘う日教組再生の道を切り開きつつある。
国鉄分割・民営化に匹敵する試練を迎えた今、教育労働運動が指針とすべきは、分割・民営化に2波のストライキで立ち向かい、第2の分割・民営化攻撃とも対決して唯一職場と組合員を守りぬいている動労千葉の闘いだ。
教育労働者の自己解放性を信頼し、団結の力に徹底的に依拠して、原則的に闘うことこそ勝利の道なのだ。
教基法改悪阻止の国会闘争は、安倍打倒・改憲粉砕の最前線であると同時に、連合・民主党路線を打ち破る4大産別決戦の一大突破口だ。日教組を現場組合員の手に奪い返し、自治労も突き動かし、職場生産点の闘いを土台とする改憲阻止決戦を切り開こう。
すべての闘う教育労働者は、11・5全国労働者総決起集会(正午 日比谷野音)に総結集し、闘う労働組合の全国ネットワーク運動に合流しよう。
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週刊『前進』(2264号3面2)(2006/10/02)
再発防止研修 被処分者が質問攻め
都教委弾劾の場へと転化
9月15日、文京区の都教職員研修センターにおいて、今春卒・入学式で「君が代」斉唱時に不起立を貫いた教育労働者に対する「再発防止研修・専門研修」が行われた。専門研修とは、2回以上不起立に決起して、減給以上の処分を受けた労働者が対象である。処分を受けた教育労働者全員が基本研修を強制され、さらにその上に重処分者には課題レポートとこの専門研修が義務づけられているのである。
9月11日の10人に続いて、この日は停職処分を受けた根津公子さん(3カ月)、河原井純子さん(1カ月)を始め4人が対象となった。会場前には早朝より多くの教育労働者や支援者が駆けつけ、不当な研修に対する抗議を行い、研修に向かう4人を激励した。
被処分者を個別に分断し、マンツーマンで「研修」と称した屈服=転向強要を迫ることが目的の専門研修であるが、この間の被処分者を先頭とした粘り強い不屈の闘いが、この敵の攻撃を完全に打ち砕いてきている。
この日も研修を終えた根津さんが「研修内容はまったく情けない。『君が代』で起立することがなぜ教育的なのか説明してほしい、と要求したにもかかわらず、教育委員会はまったく答えられない。私を納得させられなければ私はまた再発してしまうでしょう、と言ったんです。そんなやりとりをしていたら時間が足りませんでした」と力強く報告。「『君が代』を斉唱させることは戦争犯罪につながるから、『起立せよ』という職務命令には従えない、と言ったんです。これに対して何も答えられない都教委は指導力不足です」と都教委を痛烈に批判した。
河原井さんは「都教委は同じことをくり返しているだけ。専門研修などまったく意味のないこと」と専門研修のあり方を一刀両断に切り捨てた。他の被処分者からも「自分が憲法などで学んできたことが、突然『違う』と言われても納得できない」「何度も質問したがそれに答えてくれない。自分を納得させられなければ再発防止にはならない」など、都教委を質問攻めで追い詰めたことが勝利感をもって報告された。
9月11日の10人の闘いに続いて、被処分者に転向を迫る研修が、逆に都教委を弾劾する場になったのである。
「日の丸・君が代」強制と闘う東京の教育労働者の現場からの闘いは、ますます意気高く教育労働者全体を鼓舞している。この力こそ、闘う日教組を再生し、教育基本法改悪を阻止するものだ。東京の教育労働者を先頭に今秋、臨時国会での教育基本法改悪阻止の大決戦に決起しよう。
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週刊『前進』(2264号3面3)(2006/10/02)
ブッシュの「9・11」5周年演説
世界戦争への新たな宣言
米帝ブッシュは、9・11反米ゲリラ戦争5周年の全米向けテレビ演説で、「この戦争はわれわれかイスラム過激派のいずれかが勝利するまで終わらない」と宣言した。さらに記者会見では、「第3次世界大戦」という言葉を再び使用した。
まさに、9・11を契機に米帝が開始したアフガニスタン・イラク侵略戦争は、歴史的には米帝の世界戦争過程への突入を意味した。それは米帝が帝国主義間争闘戦に勝ちぬき、中東石油を独占的に支配し、世界を米帝的に大再編する攻撃としてあるのである。
ブッシュは「第3次世界大戦」という言葉で、米帝の側から、現在のアフガニスタン・イラク侵略戦争が世界戦争への攻撃であることを露骨に告白し、さらに「イスラム過激派」を壊滅するまで戦争は終わらないと、新たな世界戦争の宣言を行ったのである。
ブッシュは特にこの演説で「この戦いは、文明の衝突と呼ばれてきたが、実際に文明のための闘いであり、われわれは自由な国の生活を維持するために闘っているのだ」とも述べ、中東・ムスリム人民全体を敵ととらえて、彼らの戦いを軍事力で制圧しようとしていることを露骨に示した。
この間、ブッシュは「イスラムのファシスト」という表現を何度も使ってきた。「イスラム過激派」ばかりか、ムスリム全体がファシストであり、敵であるというのだ。これに対し全世界でムスリム人民の怒りが巻き起こった。こうした中で、ローマ法王ベネディクト16世が「ムハンマドは武力によって邪悪な宗教を広めた」と発言、ムスリム人民の怒りが今まさに全世界で爆発している。
さらにブッシュは、9・11演説で「イラクでどんなミスを犯してきたとしても、最大の間違いは、われわれが撤退すれば、テロリストはわれわれをほうっておくだろうと考えることだ」と述べた。だが米帝がイラクでやっていることは「ミス」などというものではない。侵略戦争で20万人のイラク人民を虐殺した歴史的犯罪である。しかしブッシュ自身が「ミス」と言わなければならないほど、米帝は今やイラクで危機なのだ。
他方では、米帝の住宅バブルがはじけ、アメリカ経済は大崩壊に突入しようとしている。7月の新築一戸建て住宅販売は前月に比べ4・3%減少した。7月の中古住宅販売は前月比4・1%減少で、前年同月比では11・2%という落ち込みである。この間のアメリカ経済の「成長」を支えた住宅バブルの崩壊は、世界経済全体を揺るがす大問題だ。そして、住宅バブルの崩壊は、すでに商品投機の崩壊などに波及し始めている。90年代以来、各国が恐慌のりきりのための政策を使い果たした上での米帝バブルの崩壊は、まさに世界大恐慌の不可避性を示している。
ブッシュは9月5日に、「テロと戦う国家戦略」を発表した。これは「対テロ戦争」の名による米帝の新たな世界戦争戦略だ。改憲攻撃を振りかざす安倍は、この米帝との日米枢軸を一層強化しようとしている。プロレタリア世界革命の勝利こそ、この帝国主義を打倒できる唯一の道である。
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週刊『前進』(2264号3面4)(2006/10/02)
改憲と国家改造を叫ぶ御手洗
安倍と一体の日本経団連
安倍改憲政権の登場と対応して、財界首脳はまたも露骨に改憲を叫び始めた。9月11日、日本経団連の御手洗冨士夫会長は、記者会見で次のように発言した。
「憲法は国の基本であるので、時代の変化に合わせ、現実に即したものとすればよい。集団的自衛権についても、憲法上、その規定がはっきりしていないので、憲法改正で明確化すべきである」
日本経団連は、昨年1月18日に出した提言「わが国の基本問題を考える−これからの日本を展望して−」で、憲法第9条の破棄を公然と唱えるに至った。日帝ブルジョアジーの本流が改憲を決断し、財界の公の文書でその主張を展開すること自身が、戦後史を画する事態だった。これによって改憲への動きは一挙に加速した。御手洗は、安倍政権を支えつつ、1・18提言路線を一層強力に推し進めようと狙っているのだ。
同提言は、集団的自衛権の行使や「緊急事態への対処」「自衛隊の国際活動の拡大」に関して、安全保障基本法の制定によって「憲法改正を待つことなく、早急に手当てすべき」と述べている。
これは、自民党総裁選を制した極右・国家主義者の安倍晋三の主張とぴったり重なる。安倍は、総裁選の過程で「公海上で日本と米国の艦船がパトロールをしていて、米国が攻撃されても日本は手出しできないのか」として、憲法解釈を変えて集団的自衛権の行使に踏み込むべきだと発言した。
米帝ブッシュはイラク軍事占領を継続・拡大する中、戦争をも構えて対イラン金融制裁に踏み切った。日帝もまた北朝鮮への金融制裁を発動した。日帝資本は、激化する帝国主義間争闘戦の中で、延命の道をアジア勢力圏化に求めている。そのためにも米帝との軍事的一体化を深め、そのもとで北朝鮮・中国侵略戦争にのめり込むほかにない。だが、改憲を第一の政権公約に掲げる安倍の登場は、日帝の対米・対アジア関係において、小泉の靖国参拝が引き起こしたものとは比べものにならない激烈な矛盾を生み出す。
しかもこの攻撃は、日本の労働者階級に対する搾取・収奪の徹底強化と一体のものだ。御手洗は8月28日、日本記者クラブで「希望の国を目指して」と題して講演し、次のように言い放った。
「公正な競争の結果として経済的な格差が生じているとしても、そこで生まれた格差は問題というよりも経済活力の源であり、成果を挙げた者は、むしろ賞賛されるべきである」
5年間の小泉改革で生じた「格差社会」の現実を居直り、それをさらに拡大せよというのだ。02年1−3月期と比べて06年4−6月期の企業の経常利益は86・5%も増大する一方、労働者の給与は1・4%も減少した。資本だけが肥え太る社会こそ、財界にとっての「希望の国」ということだ。
だが、搾取欲をむき出しにする資本に対して、労働者の怒りは必ず爆発する。職場からの闘いと臨時国会決戦を貫いて、御手洗・日本経団連とそれに支えられた安倍政権に反撃をたたきつけよう。
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週刊『前進』(2264号3面5)(2006/10/02)
反戦共同 “国会決戦の先頭に”
三里塚、改憲阻止へ方針
9月18日、約40人が参加して、反戦共同行動委員会全国活動者会議が開かれた。
前半期の闘いを総括し、この秋、自民党・安倍改憲政権と真っ向から対決し、いかに反戦的課題を闘いぬくのか、9月26日から始まる臨時国会闘争と11・5労働者集会の1万人大結集へ向けて、いかに闘うかをめぐって、活発な討議と提案が行われた。
冒頭、滝口誠事務局長が議案の提起を行った。今年前半、通常国会闘争で4大悪法案を阻止し、8月広島・長崎闘争を昨年を超える規模で闘い、8・15靖国闘争を闘いぬいてきたことなどを意気高く総括した。
そして内外情勢を分析し、安倍新政権の登場により日帝の改憲と戦争への攻撃はいよいよ強まること、とりわけ臨時国会闘争を軸とする秋の闘いで反戦共同行動委の使命はますます重大であることを確認した。
その後、重要な闘争課題をめぐり、運動団体などから六つの特別報告があった。9条改憲阻止の百万人署名運動、教基法改悪阻止を闘う教育労働者、共謀罪阻止闘争、三里塚闘争、広島からの8月闘争の報告、相模原の米軍再編粉砕の闘いなど、全体をつうじて階級的激突が深まっていることが浮き彫りになった。この後、活発な討論で反戦共同行動委の今秋の闘いの方針と体制が一層強く打ち固められた。
三里塚現闘と全関西実行委が、暫定滑走路の北延伸工事と市東孝雄さんの農地をめぐって三里塚闘争が歴史的な決戦に突入している、若い世代の三里塚闘争への新たな結集を全力で組織化しようと訴えた。また、辺野古への米軍新基地建設阻止へ、沖縄人民と固く連帯して闘うことが提起された。
まとめを動労千葉の田中康宏委員長が行った。田中委員長は「全世界で未曽有(みぞう)の階級的反乱が広がっている。労働者をとことん組織しよう。生まれ変わる気持ちで、この秋勝負をかけよう。9・26国会開会日闘争から決戦に突入し、反戦・改憲阻止闘争を全力で闘い、一切を11・5労働者集会の大結集に集約しよう」と結んだ。
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週刊『前進』(2264号4面1)(2006/10/02)
この地で農業続ける
三里塚反対同盟 市東孝雄さんの怒りと決意
黒野空港会社社長は卑怯だ
10・8集会に全国から参加を
成田空港の暫定滑走路の北延伸着工が強行された9月15日、三里塚芝山連合空港反対同盟の市東孝雄さんに緊急インタビューを行った。前日、千葉県農業会議は、成田空港会社(NAA)から出されている市東さんの農地の耕作権解除申請を「相当」とする決定を行った。法も道理も踏みにじる「農地強奪」決定の暴挙に、市東さんと反対同盟の怒りは沸騰している。 (本紙・石井良久)
農民切り捨て空港べったりの堂本県政
――昨日の農業会議傍聴の闘いお疲れさまでした。そのときの様子を少し詳しく。
県の農地課の事務局の人間が「この間の説明をする」と言ってやり始めたんだが、それがまるでNAA(空港会社)が書いたような作文を棒読みなんだ。反対同盟も要請文を4回くらい出しているんだが、それには全然ふれず。あくまで空港ありき、「への字誘導路をまっすぐにしなきゃならん」とか。
――1億何千万という話はそこで出てきた。
そう。「今の畑は年間の収益が120万円くらいだろう。空港が提示している補償額が1億8千万円、なんだかんだ換算すると150年分だから市東さんは左うちわで暮らせる」と。本当にふざけた話だ!
――市東さんのこと以外の案件はどういうものですか。
私のことに入る前に昨日は293件の議案がスピード処理されたんだが、ほぼすべてが農転(農地転用)だった。農業会議自体が農民を守るという立場をなくしている。
――つまり農地をマンションや駐車場に転用することをOKすると。
そう。収益が上がらない土地は「二種農地」「三種農地」として右から左へ転用を認めていく。8月の時も330件あった。土地の大小はあるだろうが、年間をとおしたらどれだけの農地が千葉県から消えているか。そういうことを農地課がやり、農業会議が認めている。
一方で堂本知事は、下総の方の農家に行って野菜を手に持って、こんな(笑顔つくって)パフォーマンスしたり。あれも「環境派」とか言っているけど、例の4者協議(9月5日)でも「完全空港化へ」なんて号令をかけているし、完全にNAA・国土交通省と一体だ。
(写真 9・17三里塚緊急現地闘争でデモの先頭を行く市東さん【天神峰】)
私たちの抗議に委員は誰も立てなかった
――で、市東さんの件が20分で「許可相当」、で審議終わりと。
きのう傍聴した人はみな、ほんと怒り心頭だった。私も「当事者が来てるんだ。私に向かってもう一度言ってみろ!」と強く弾劾した。われわれの抗議で委員が誰も立てないで黙ったまま。その場を収めるようなことを誰も言えないわけ。
30分間くらいやり続けて、結局職員やガードマンが出てきて「退場しろ」と。「審議」と言っても2、3質問が出ただけ。それで「再三にわたって市東さんに交渉を申し入れたが拒絶されうんぬん」というわけだが、実際に来たのは1回だけで「葉山先生に任せてるからそっちへ行ってくれ」と追い返した。で、「今後も誠意をもって話し合いをする努力を継続する」とか言ったら、質問した人もそれで「分かりました」って感じで、すぐ引っ込んじゃった。
それで採決して、全会一致で「許可相当」。18年前に親父(故・東市さん)に隠したままで違法な買収・取得をしたこと、向こうの出した図面が実際の耕作地とずれていることなど、全然問題にしないんですよ。
完全無農薬。私には営農の責任がある
――その畑では今はどういうものを作ってますか。
6月ころまでタマネギ、ニンニク、ジャガイモ、今はキャベツ、白菜、ブロッコリー。ニンジンはうまくいかなくてダメにしてしまった。
――農業会議の人たちも農民出身ですよね。そういう苦労を分からないのかと。
全員じゃないだろうが農家でしょう。推薦枠で県議会議員も入っていますが。関西の永井満さんがおっしゃっていたように、「あの中にたった一人でも心ある人がいれば簡単に通すことはできない」。でも現実には全会一致で「金もらって出てけ」と。私たちは完全無農薬でやってるが、そういう作物を提供してきた責任がある。それを「1億8千万やるから」と。あるいは「誘導路が曲がってるから何とかしろ」と。NAAが言うならまだ分かるが、なんで県の農地課がそんなことを前面に出して言うのか。本当に許せない! 私はこの地で農業を続ける。
――千葉県がそこまで空港の手先に成り果てるとは、やはりNAAが手を回していると。
あと国土交通省の差し金もあるでしょうね。それにマスコミも、向こう側の言い分ばかり載せてこちらの主張を取り上げない。どうかと思うよ。
――旧地主の2人は市東さんに無断で公団に土地を売ったことで、多少悪びれたようなところはあるのですか。
全然ないです。Aは「18年前は公団と仮契約しただけ。3年前に本契約した」と言い、Bは「18年前は俺は売ってない。3年前に初めて売った」と言っている。
――つまり18年前に公団は2人から買収してそれを口止めしたが、口裏が合ってない、弁解が矛盾してると。
こっちは全部分かってるんだけどね。それで15年間、何食わぬ顔で親父と私から地代を受け取ってきた。違法そのものだ。それでAは今度の件で、「耕作権は強いから、会社は市東さんから簡単に土地を取れねえだろう」なんてしゃあしゃあと言っている。
3代90年の耕作地守る。応援よろしく
――おじいさん、お父さんと3代90年にわたる耕作地ですが、おじいさんの思い出を。
開拓したあとにちょっとお店をやってたようだ。亡くなったのは私が小学生の時、1963年かな。反対運動が起こる少し前。おっかないおじいちゃんでね。私は悪さばかりしてたから手にお灸(きゅう)やられたり(笑)。親父が戦争から帰ってくるのが遅れたりして、あの土地がうちのにならなかったということなんだが、そういう事情を知っててあれこれやってくる黒野社長は本当に卑怯だよ。口では繰り返し「謝罪します」なんて言いながら。
――もしここに黒野がいたら。
そうだな。頭のてっぺんから足の先まで全部開いて中身を見てみたい。あれだけ何度も頭下げるふりをしておいて、やってることはこれだ。人間としてどういうつくりになってるのか、のぞいてみて確かめたい。『新・桃太郎侍』じゃないけど「天魔不動剣に映りし貴様の姿、鬼に見えたり!」と。(笑)
――同感です。10・8全国総決起集会が近づいてきました。『前進』でも大結集を訴えています。
頑張りますので、応援よろしくお願いします。
(写真 市東さんの水田の脇をデモ隊が、行く。3代90年間、耕し続けた農地は市東さんのものだ【9月17日】)
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週刊『前進』(2264号4面2)(2006/10/02)
全学連大会 織田陽介委員長が檄
■戦争か革命か歴史選択
■全学連が世界を変える
安倍改憲政権をぶっ飛ばす
戦争か革命かの時代です。国会では、改憲政権が誕生しようとしています。三里塚で北延伸工事が着工され、東北大の有朋寮裁判でも最高裁への申請が却下された。沖縄の名護でもついに米軍基地の工事を始めようとしている。
しかし、韓国では17万人の労働者が決起してゼネストで闘っています。フランスでは300万人の学生・労働者がデモに立ち上がり機動隊とバンバンぶつかっています。イラク人民は米軍をたたき出して解放区を作っている。闘って勝利してるんです。こういう闘いをやろうということです。
つまり、戦争か革命かの時代ということだけではなくて、戦争か革命かを選択するのはわれわれ自身だということです。
何よりも「安倍は絶対に許せない!」という怒りを爆発させて闘おう。
今年の前半戦は、改憲攻撃をめぐってたくさんの暴露もやったし、大変な面もあった。しかしこの大変な壁を、安倍が乗り越えてくれているんです。「第2次世界大戦は自衛戦争だ」と言っているやつが、自衛軍をつくると言っているわけでしょ。こんなやつが「愛国心」なんて言っているんですよ。正々堂々と勝負してやろうじゃないか。
退学処分撤回まで闘おう!
法大被処分者のものすごい発言にすべてが詰まっています。法大当局は「停学処分1年、これに従わずキャンパスに入ったら退学」と言っている。絶対に許せない。たくさんの法大生が「1年がまんして大学に残って下さい」と言ってくれている。けれども「そうじゃないんだ。自分たちは勝つために断固として闘うんだ」という決意が語られました。当局の処分に従って屈服して、それで勝てるのかということです。
1千人、1万人で大学を占拠して、処分を決めた学部長や教授会の連中、平林や安東らを全員法大からたたき出して、処分なんか撤回させようじゃありませんか。学生のみんなの力に徹底的に依拠して闘うんだという立場が、この法大生の発言に詰まっている。そして、こういう闘いを前半期にやってきたことが決定的勝利なんです。
法大開講日の9月20日に安倍政権が登場しようとしています。安倍は本当に戦争をやろうとしています。集団的自衛権は、現憲法のままでも行使できると言っている。イラクで米軍と一緒に行動していて、米軍が攻撃されたら自衛隊は黙っていていいのか、一緒になってやるべきじゃないかって言っている。
ここで一歩でも引いたら戦争なんだ。国会闘争と法大決戦は、一つの闘いです。そのことを言葉だけじゃなくて、決意と行動によって示す。そういう闘いを9・20法大開講日からやるということです。
法大決戦の意義が、たくさんの人から語られました。核心は「みんな見ている」ということです。支配階級も見ている、学生も全員見ている。ここで勝つか負けるかを、固唾(かたず)を飲んで見ているんです。ここでわれわれが負けたら当局はどう思いますか。「いける!」と思うでしょ。これが今の法大決戦の核心なんですよ。
この攻防にガンガン勝ち抜いていったら、みんなの大学でも弾圧が始まると思います。「いま弾圧しなかったら爆発が始まっちゃう!」という敵の恐怖が出てくる。もう始まっているかもしれない。富山大では始まってますよね。そういうことが不可避な情勢に入っていきます。
全国のみなさんが、自分の大学で学生がどういう状況にたたき込まれているのかを決定的につかんでほしい。今、自分の大学で起こっていること、これこそが教基法改悪の内容であり改憲攻撃なんです。学生は立ち上がっていいんだ、ストライキやって当然なんだ。全国の学生が、法大がストライキに入ったと知ったらどうなりますか。必ず「やろう」「できる」となります。9・20開講から全力で今秋の闘いに突入しよう。
青年労働者と連帯し11・5へ
帝国主義はボロボロです。1千兆円もの赤字にブルジョアジーは責任取る気なんか全然ない。JRを見て下さい。壊れた線路も直せない。尼崎事故で107人も死んでも何ひとつ責任をとらない。労働者階級にむちゃくちゃな攻撃をかけ、青年労働者はすごい低賃金で働かされている。これが現代社会の姿です。
これに対して闘ってきたのが動労千葉です。動労千葉は団結を固めて、労働者が立ち上がればこんな社会は変えられる、と闘ってきた。安全運転行動を貫きレールを交換させた。JRの代わりにこれを主張して、自分たちで闘いとったんです。
いったい、安倍と動労千葉、どっちに展望があるのか。どっちが社会に責任をとっているのか。11・5全国労働者集会とは何なのか。安倍なのか動労千葉なのか、はっきりさせよう。田中委員長が権力を取っちゃうような闘いを11・5でやろうじゃないですか。世界で闘っている労働者が11月にやって来る。世界の労働者とともに闘って巨大な展望を切り開くのが11・5なんです。
われわれは、3・14法大弾圧を大チャンスに転化して闘ってきた。それは全学連の団結があったからなんです。
世界一の団結で世界を変えよう! これが俺が言いたいことです。田中委員長の講演で「未来は青年のものだ」とありました。断固、これを実行しよう。邪魔なものは全部ぶちこわして前進しよう。未来は、われわれが選択するんだ。全学連が世界を変える。巨大な展望をもって、秋の闘いを突っ走ろう!
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週刊『前進』(2264号4面3)(2006/10/02)
東北大有朋寮 廃寮阻止の決戦へ
最高裁が不当な棄却決定
9月16日、最高裁は東北大生の有朋寮「明け渡し」裁判の「上告受理申し立て」をまったく不当にも棄却した。これにより、仙台高裁による有朋寮「明け渡し」の不当判決が確定した。絶対に許すことができない。
東北大当局による廃寮攻撃と古郡有朋寮委員長への「無期停学」処分は、小泉・安倍が法大学生運動の圧殺、動労千葉破壊に突き進んでいることと一体の大攻撃である。われわれ有朋寮生は、戦時下の寮つぶし・団結破壊を阻止するため、退路を断ち、逮捕・流血を辞さず、人生をかけた大決戦を闘うことを決意する。全国の闘う仲間が、この大決戦へ合流することを訴える。
6月の申し立てからわずか3カ月での棄却決定は、異例の早さである。これは、9・20自民党総裁選での安倍登場、9・26国会開会情勢のもと、闘う法大生に対する退学・停学処分、三里塚農地強奪の大反革命と軌を一にした攻撃である。戦後的階級関係をたたきつぶすことなしに安倍政権は成り立たないのだ。
安倍新政権は、改憲の強行と侵略戦争のために、学生・労働者人民の団結を一刻も早く押しつぶそうと必死の攻撃を掛けてくるだろう。だが、われわれは絶対に屈服しない。東北大当局よ、安倍政権よ。全国学生運動の拠点・東北大学生運動の力に戦慄(せんりつ)せよ。団結して闘えば勝てる。法大、動労千葉、三里塚、そして、強制執行を2度も阻止した有朋寮の闘いがそれを示している。
全国の学友のみなさん! 有朋寮廃寮阻止の決戦をともに闘おう! 10・20法政大集会、11・5労働者集会、そして改憲阻止全国学生ゼネストの革命的突破口が、ここにある。昨年9月、今年4〜5月を上回る闘いで、廃寮阻止・「無期停学」粉砕、改憲阻止へ闘おう! 全国の労働者人民のみなさん。ぜひとも熱烈なカンパをお願いします。(東北大・F)
(写真 昨年9月17日、全国から支援の学生が、集まり、有朋寮で開かれた「強制執行絶対阻止」の全国集会)
【メール】
uforyou@hotmail.com
【HP】
http://uforyou.exblog.jp/
【カンパ振込先】郵便振替「02210-2-61153東北大学有朋寮」
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週刊『前進』(2264号4面4)(2006/10/02)
9月12日〜19日
北朝鮮に「金融制裁」を発動
安倍が政権掌握後の「構想」
●ローマ法王「イスラムは邪悪」 ローマ法王ベネディクト16世が訪問先の母国ドイツの大学で行った講義で、東ローマ帝国皇帝によるイスラム批判に触れ、「(イスラム教開祖の)預言者ムハンマドが新たにもたらしたものを見せてほしい。それは邪悪と残酷だけだ」などとイスラム教が本質的に暴力を容認する宗教であるかのような発言をした。その後、イスラム諸国から怒りの声が相次いでいる。(12日)
●米議会が小泉の靖国参拝を批判 米下院の外交委員会が、日本と近隣諸国との関係に関して公聴会を開き、小泉首相の靖国参拝は「ドイツのヒムラー(ナチスの親衛隊長官)やヘス(ナチス副総統)、ゲーリング(同元帥)の墓に花輪を手向けるのに等しい」などの批判が続出した。(14日)
●安倍、9月入学制を検討 安倍官房長官が、自民党本部で開かれた公開討論会に出席し、国公立大学の入学時期について「世界の大体の学校は9月だ」と語り、9月入学の導入を検討する考えを表明した。その上で「(入学まで)4月から9月までの間に、ボランティア活動をやってもらうことも考える必要がある」と述べ、奉仕活動を義務づける考えも示した。(14日)
●補佐官増強、NSCも 安倍官房長官は、「新しい日本をつくる国民会議」(21世紀臨調)が主催した自民党総裁選の公開討論会で、首相官邸の機能強化に関する構想を明らかにした。現在は2人の首相補佐官を5人に増やし、官僚が就いていた内閣広報官を政治任用にする意向を表明。官邸の安全保障会議を米国の国家安全保障会議(NSC)をモデルにした「日本版NSC」に再編する考えも示した。(15日)
●シュワブ文化財調査、住民の阻止行動で中止 沖縄県の米軍普天間飛行場の代替施設建設に伴う埋蔵文化財調査で、名護市教育委員会は、兵舎移転候補地の調査に着手するためにキャンプ・シュワブを訪れたが、反対派住民の阻止行動により調査を中止した。第1ゲート前では座り込む住民を警官隊が強制排除するなどした。(15日)
●拉致担当相を検討 安倍官房長官が、次期首相に就任した場合、新内閣で北朝鮮による拉致問題で被害者支援などにあたる「拉致問題担当相」の新設を検討する考えを表明した。(18日)
●普天間移設、公表以外の埋め立ても 米軍普天間飛行場の移設問題で、02年に政府と沖縄県で合意した「名護市辺野古沖案」は、埋め立てに必要な箱形のコンクリート基礎を造るため、約34fの作業用地を埋め立てで名護市の大浦湾に建設する計画だったことが分かった。「キャンプ・シュワブ沿岸案」への変更後も作業用地が必要であることに変わりはないという。(18日)
●北朝鮮に金融制裁発動 日本政府は、北朝鮮のメーカーや商社など15企業と1個人を対象に、外為法に基づいて送金停止や資産凍結を行う金融制裁の発動を閣議で了承した。国連安全保障理事会が採択した非難決議を受けた措置。(19日)
●沖縄県知事選、糸数氏が出馬表明 糸数慶子参院議員(無所属)が、民主、共産、社民など野党側からの沖縄県知事選(11月)出馬要請を受諾し、事実上出馬を表明した。自民、公明の与党側は仲井真弘多(なかいまひろかず)前沖縄電力会長がすでに出馬を表明している。(19日)
●タイでクーデター タイでソンティ陸軍司令官をリーダーとする「民主改革評議会」が憲法を停止して全土に戒厳令を布告、「権力を掌握した」と発表した。首都バンコクでは、首相府周辺などに戦車や装甲車が出動している。(19日)
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週刊『前進』(2264号5面1)(2006/10/02)
改憲阻止ゼネストの大方針
国会闘争−法大決戦へ
全学連大会 “安倍政権と全面対決”
全学連新執行部
委員長 織田陽介(東北大・理)
副委員長 内海佑一(法制大・U文)
同 中島敦史(広島大・総合科学)
書記長 原田幸一郎(京都大・法)
全学連第66回定期全国大会が9月14〜16日、東京都内で開催された。法大決戦を始め、爆発的前進を開始した織田全学連の1年間の闘いを総括し、かつてない解放感とエネルギーにあふれた大会として大成功した。大会では、安倍新政権との対決の先頭に立ち、臨時国会闘争と法大決戦を両輪的に爆発させ、11・5全国労働者集会への学生1千人決起、300万全国学生ゼネストへと突き進む決戦方針を確立した。全国の学生は、ただちに秋の決戦に突入している。
(写真 解放感と熱気にあふれ大成功をかちとった全学連大会。最後にインターナショナルを斉唱し団結と決意をうち固めた【9月16日 東京】)
「邪魔なものは全部ぶちこわして前進しよう!世界一の団結で、全学連が世界を変えよう!」
大会3日目のまとめの提起(要旨4面)で織田陽介全学連委員長は、このように力強く檄を発した。革命的展望と勝利感にあふれたこの発言に、大会の歴史的成功がくっきりと示された。3日間をとおしてマイクを奪いあうように次々と発言が飛び出し、大会は熱気にあふれた。
大会の意義は第一に、法大決戦の歴史的位置・路線的意義をあらゆる角度からはっきりさせたことだ。大会では、臨時国会決戦と法大決戦を両輪的に闘い、10・20法大1万人集会をかちとる大方針が決定された。
停学処分を受けた法大生は、「停学1年、しかもキャンパスに入ったら退学という処分は、都教委の10・23通達と同じ。従わなかったらクビ、屈服しろという恫喝だ。絶対に許せない。自分は法大生が大好きなんだ。絶対に勝ちたい。勝つために断固としてキャンパスに入って闘う。動労千葉のように闘って展望を切りひらく」と訴え大きな共感と感動を呼んだ。退学処分を受けた法大生は、「全国の人がこの攻防を固唾をのんで見ている。だから絶対に勝たなければいけない。『フランスのような学生の反乱が日本でも始まった!』ということを告げ知らせる闘いが法大1万人集会と無期限ストだ。自分たちは一歩も引かず闘う。一歩引いたら瞬間に改憲であり、戦争になるということだ」と語った。こうした法大生の発言の中に必要な一切のことが詰まっている。東北大学の学生は、「法大決戦の勝利なしに学生運動の未来はない。徹底してこだわって勝ちに行こう」と熱く訴えた。1年生をはじめ多くの学生が法大現闘団への決起を宣言した。
大会の意義は第二に、安倍政権と対決し、11・5集会1万人結集の先頭に学生が立つことで一致をかちとったことだ。
情勢議案の提起で原田幸一郎副委員長は、「06年秋の決戦は安倍打倒の決戦」と宣言し、安倍の政権公約を全面批判した。そして、「安倍登場は恐るべき攻撃だが、暗黒時代の到来ではない。小泉政権5年間で破綻(はたん)を重ねたあげくに安倍が登場した。安倍は登場の瞬間から破産している。最大の破綻は4大産別の労働運動、とりわけ動労千葉をつぶせないまま改憲攻撃に入ったことだ」と述べた。そして米帝危機、日帝危機の深さを全面的に明らかにすることをとおして「安倍を引きずり出したことはプロレタリアートにとって決定的なチャンスだ」と喝破した。
中島敦史副委員長は、CPE(初期雇用契約)を粉砕したフランスの青年・学生300万人の闘いなど新時代に突入した06年前半を振り返り、@10・20法大1万人集会、A臨時国会決戦への総決起、B11・5労働者集会への学生1千人決起の3つの方針の決定的意義を明らかにした。全員が、安倍打倒の展望を握りしめた。
学生運動の爆発に確信
大会の意義は第三に、法大決戦の総括と、日帝・文科省―大学当局の学生支配の許しがたい現実を明らかにすることで、全国学生ゼネストの展望、不可避性をはっきりさせたことだ。
(写真 全国学生の総力で法大決戦に勝利するぞ! 壇上に並んで決意表明する法大現闘団【9月16日】)
織田委員長は議案提起の中で、学生を人間扱いしない法大の現実、6・15法大1千人集会に至る経過を詳細にたどり、「学生をモノとしか扱わない態度が『学生証チェック』に最も鋭く表れた。言うことを聞かない学生は逮捕・退学、そのためには警察との癒着もいとわない。1千人の学生が決起したのはあまりに当然だ」と述べた。
首都大学東京理事長・高橋宏は、「大学の役割は民間の会社と同じだ。原材料(学生)を仕入れ、加工して製品に仕上げ、卒業証書という保証書をつけて企業へ出す」などと言っている。山折哲雄(国際日本文化研究センター所長)は、教育改革国民会議で「人間は放ったらかしにすると野性化、野獣化する。『飼い慣らし』というのが学校や軍隊の本来の役割」などと言っている。その先頭に立っているのが法大総長・平林なのだ。
多くの学生が、「自分の大学でも活動への妨害が始まっている」「ビラも撒かせない、自治会もない」「暖房の灯油代まで自己負担させる」など学生支配に怒りをたたきつけた。そして「すべての者に規範意識を身につけさせる」「大学入学を9月にして奉仕活動を義務づけさせる」と言う安倍を弾劾した。
内海佑一副委員長は、「6・15の1千人決起、ここに学生の中にいかに凄まじい怒りが渦巻いているかが示されている。安倍政権は、教基法を改悪して全国で同じ攻撃をやろうとしている。全国の大学でも法大と同じような闘いが爆発する。300万全国学生ゼネストはまったく可能だ」と確信に満ちて提起した。
大会では、三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長、北富士忍草母の会の天野美恵事務局長、マルクス主義青年労働者同盟の代表からそれぞれ連帯アピールが行われた。どれも全学連への熱い期待にあふれ、感動的なものだった。
また、大会中に3本の講演が行われた。鈴木達夫弁護士は「今の改憲攻撃はクーデターだ」と分析し、「学生運動は日本民衆の良心の灯台、階級本隊の決起への導火線だ」と改憲攻撃をうちやぶる学生の闘いに期待を寄せた。動労千葉・田中康宏委員長は「学生に心から期待している。革命の権利は青年が握っている。1万人決起の先頭に青年と学生が立って欲しい」と呼びかけた。革命的共産主義者同盟の木崎冴子同志が「革命的激動期に学生はどう学び生きるのか」と題して講演を行った。(要旨別掲)
大会3日目に新たな執行体制を確立し、大会を大成功のうちに終え、全参加者がただちに秋の闘いに突入した。
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週刊『前進』(2264号5面2)(2006/10/02)
木崎冴子同志の講演(要旨)
労働者の闘いと大合流し21世紀革命へ進撃しよう
久しぶりに全学連大会の発言を聞かせていただいて、全学連史上最大の大会である1970年の大会を想起しました。織田委員長が、世界一の団結で勝負しよう、全学連が世界を変えようと自信をもって訴えていました。結集の規模こそ違いますが、織田全学連がその質とスケールにおいては70年を超えていることに本当に感動を覚えました。安倍が世界を獲得しようなんて言えますか。絶対に言えませんよ。
全学連58年の歴史と教訓
今ほど全学連に注目と期待が集まっている時はありません。今年で全学連結成から58年になりますが、ついに日本の階級闘争場裏に、一方では動労千葉を生み出し、他方では織田全学連を生み出していることは日本階級闘争の決定的な管制高地だと思います。
全学連第1回大会は1948年9月に開かれました。戦後革命の真っ只中から戦後の学生運動は登場したのです。以来、大きくは三つの山場、結節環がありました。
まず、結成間もない全学連が50年朝鮮戦争の中で、レッドパージ反対闘争に果敢に決起します。労働組合活動家が1万人を超えて職場から追われる中で、大学の教職員・学生はこれを完全に粉砕します。そして、56年第一次砂川闘争、原潜闘争という大闘争が爆発する激動の中で57年、革共同が結成されます。
二つ目の山場は60年安保闘争です。59年10・30学生ゼネストから11・27国会突入闘争をもって60年安保情勢は激しく火を噴きました。6月15日には全学連の万余の隊列が国会に突入し、東大生・樺美智子さんの虐殺をのりこえて日本階級闘争史に残る闘いを打ち抜きます。ここで特筆すべきことは、全学連運動から日本共産党が完全に脱落し、決定的な決着をたたきつけたことです。スターリン主義と決定的に決別することで、国会突入、安保改定粉砕の命がけの闘いを打ち抜いたのです。
三つ目の山場は、70年安保・沖縄闘争です。66年革共同第3回大会で反帝国主義・反スターリン主義世界革命の綱領をうち立てたわれわれは、67年10・8羽田をもって革命をめざす学生運動ののろしをあげました。それ以降、激動の2年7カ月と歴史に記された全学連の大進撃が始まります。69年11月決戦、71年11月決戦を頂点とする70年安保・沖縄決戦は、戦後階級闘争史上の金字塔と言われる大闘争です。
300万学生ゼネストにむかう全学連にとってこの70年闘争の教訓は重要です。
何よりも第一に、ベトナム戦争という世界大戦級の戦争に日本の労働者・学生はどういう態度をとるのか、これが大問題でした。これが当時の150万学生全員に突きつけられた。私も突きつけられました。ベトナム戦争に賛成なのか反対なのか。反対ならば命がけの反戦闘争に立たなくてはいけない。この点にあいまいさはなかったですよ。戦争反対だけど授業に出たい、戦争反対だけど就職はしたい、戦争反対だけど革命運動はできない…こんなのは全部欺瞞(ぎまん)だとはっきりさせていきました。戦争はレーニン主義的原則で革命的内乱に転化する以外にないんです。
第二に、日大闘争、東大闘争に象徴される大学闘争が全国で火を噴く中で、大学闘争を大学闘争に押しとどめることなく、闘いの中から若き革命家を輩出し、「大学を安保粉砕・日帝打倒の砦に」と訴えていった。「大学を革命の砦にしよう」と言った時、数万・数十万の学生が決起したんです。これも重要なことだと思っています。
第三に、党派闘争です。流血の党派闘争を打ち抜くことで、われわれは革共同第3回大会から10・8羽田闘争の路線と革命的精神を死守した。この党派闘争の核心にあったのは、一方では70年安保・沖縄決戦の爆発を本気になって、命がけで闘いとること、他方ではマルクス主義、マルクス主義・レーニン主義を守りぬくことでした。
第四に、大学丸ごとの決起はきわめてオーソドックスな闘いから生み出されたものです。徹底したクラス討論とクラス決議を基礎にすえました。法政大では連日5種類のビラを、朝8時から正門でまき続け、一日中アジテーションを行った。授業のあとは夜遅くまで自宅・下宿オルグにかけずり回った。こうした活動の積み上げが、法政から5千人という規模の隊列を作り出したんです。学生運動の爆発に「特効薬」はない。自分がなぜ全学連運動にかけているのかを値引きすることなく、全エネルギーを注ぎ込んで訴える以外にないわけです。
第五に、労学連帯の力です。革共同の3全総から、65年反戦青年委員会結成を経て、逮捕・流血を恐れない膨大な青年労働者が基幹産別を軸に決起した。学生が先端を切り開き、労働者階級が職場生産点を基礎にして大量の政治的決起をかちとり、労学連帯の巨歩を闘いとったのです。
こうした70年闘争の地平が不可避とした、20年にわたる国家権力・カクマルとの内戦、特にファシスト・カクマルとの死闘戦に全学連は、労働者階級とともに全身全霊を賭して決起しました。そして80年代、世界史的な帝国主義の危機のもとで日帝国家権力は、国鉄分割・民営化攻撃で動労千葉解体を狙い、他方で三里塚闘争の解体を狙う成田空港二期着工攻撃に出てきた。この時、全学連は総力を投入して10・20三里塚決戦、11・29浅草橋戦闘を頂点とする85年蜂起戦に決起し日本階級闘争の偉大な拠点を守り抜いたのです。
こうした58年間にわたる全学連運動の苦難と栄光のすべてが、いま織田全学連に継承され21世紀革命に突き進もうとしているわけです。
本格的な革命情勢の到来
21世紀の初頭、世界は4度目の本格的な世界革命情勢に入っています。1917年ロシア革命、29年世界大恐慌下での30年代の革命情勢、第2次大戦後の戦後革命情勢、そしてこれらすべてを超えた世界史的革命情勢が火を噴いています。
いまや、基軸帝国主義が、国内階級戦争をくり広げながら侵略戦争にうって出ています。この破壊性は第1次大戦、第2次大戦の比ではありません。人類史の滅亡に向かうのか、世界革命をもって人間の人間的解放に向かうのか、完全に歴史の瀬戸際に立っている。しかも2001年「9・11」以来、ムスリム人民・被抑圧民族人民の帝国主義打倒まで止むことのない決起が始まっている。これに呼応して、帝国主義の心臓部からプロレタリアートの団結と行動が荒々しく始まっている。重要なことは、動労千葉がこうした国際労働運動の階級的潮流の中心に位置付いていることです。世界最強の労働組合である韓国・民主労総との不抜の絆を固め、アメリカ労働運動の最左派ILWU(国際港湾倉庫労組)と合流したことは世界の革命運動史上画期をなすことです。
1917年ロシア革命以来、プロレタリア革命の巨波は幾度も到来した。しかしスターリン主義の発生と裏切りが、異様なまでの帝国主義の延命を許してきた。しかし今や、プロレタリア世界革命の全条件が成熟しようとしています。しかも帝国主義の最弱の環=日本帝国主義の足下で、反スターリン主義・革命的共産主義運動が勝ち抜き、6000万プロレタリアートと300万学生が大合流する革命的激動期に入ったのです。
マルクス主義で勝負しよう
最後に訴えたいことは、マルクス主義が爆発的に青年・学生をとらえる時を迎えたということについて不動の確信を持とう、ということです。
マルクス主義とは、プロレタリア自己解放の思想と実践です。マルクスは「共産党宣言」で、「ブルジョアジーの没落とプロレタリアートの勝利は、いずれも不可避である」と宣言しました。これは今、私たちの眼前で音を立てて起こっていることです。
革共同は、今年3月の労働者同志たちによる「党の革命」をとおして「党は階級そのものである」という決定的地平に到達しました。これは、戦後の主体性論争に始まり、スターリン主義の裏切り、それに助けられたブルジョアイデオロギー、そして黒田カクマルとの戦後史的イデオロギー闘争に革命的決着をつけ、回答を与えるものです。ここに21世紀のマルクス主義の無限の発展過程が解き放たれたのです。
革共同は、この地平に立って何としても革命を闘い取ろうとしています。しかしそのためには、全学連の若い同志たちの力を絶対に必要としています。みなさんが、21世紀革命を300万学生ゼネストをもって切り開かれんことを切望して発言を終わります。
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週刊『前進』(2264号5面3)(2006/10/02)
名護新基地 沿岸案着工を実力阻止
「文化財調査」中止させる
名護市辺野古で9月14、15日、新沿岸案への実質的な着工である「文化財調査」を、反対派住民と支援が実力行動で中止に追い込んだ。現地から、臨場感あふれる報告が寄せられた。(編集局)
◇ ◇
15日朝8時から名護市辺野古のキャンプシュワブ第1ゲート、第2ゲート前には反対派住民と支援約40人が集まり、ゲート前を走る車両に目を光らせていた。9時過ぎになると、作業服を着た防衛施設局の職員を乗せ、ワゴン車が何度もゲートを通過しようと試みる。しかし、そのたびにゲート前に並んだ反対派住民と支援に入場を阻止され悔しそうに立ち去る。これが何度も繰り返された。おばぁたちも、炎天下にもかかわらず、椅子に座って闘いを固唾をのんで見守っている。阻止するたびに勝利感と一致団結が深まっていく。
名護警察署の辺野古担当の公安刑事は、「道路交通法違反だ」「道路上に立ちふさがったら今日は逮捕する」とどなり続けている。そして現場の反対派責任者にまとわりつきながら「公妨(公務執行妨害罪)でパクることもできるんだぞ。あんたはもうリストに入っている」などと脅かして、なんとか阻止行動を中止させようと必死だ。
だが、誰一人「基地封鎖」行動にひるむ者はいない。とうとう、いらだった施設局の車両がゲートに突入を試みた。再びピケを張り、そのまま車両前に40人が座り込む。やがて、調査の主体である名護市教育委員会が到着した。ただちにヘリ基地反対協の代表が話し合いを行った。教育委員会は「混乱を避けるために今日は調査を行わない」と確約した。座り込みを続けながら交渉を見守っていた参加者から安どの声があがった。
しかしその時、名護署から指揮官車と機動隊を満載したバスが到着し事態は一変した。示し合わせていたかのように、施設局が「ピケ排除」を名護署に要請するや、機動隊が座り込んだ人びとに襲いかかり、ゴボウ抜きを強行したのだ。
怒号と悲鳴があがる。「市は調査をやらないと言っているのに、何をするんだ!」「施設局と警察は、わざわざもめ事をおこそうというのか!」と次々と怒りの声があがり、負けじと固くスクラムを組む。施設局の車両の下に滑り込み、車両の移動を阻止しようとした参加者もいたが機動隊に引きずり出されてしまった。結局機動隊に守られた施設局の車両は、猛スピードで逃げるようにゲートの中に入った。
今回、逮捕者こそ無かったとはいえ、排除の際に機動隊は、抗議する参加者に柔道技をかけるなどの乱暴狼藉(ろうぜき)の限りをふるった。それをつぶさに見ていた地域の住民は、「警察は住民を守らないで基地を守っているんだねぇ。もう信用できないよ」と怒りを爆発させた。
今回焦点になっている「遺跡調査」は、完全に防衛施設局の主導のもとで行われている。しかも米軍基地内であることを理由に「非公開」にされている。これでは、きちんとした学術調査も期待できないし、新沿岸案着工にむけたアリバイ作りそのものではないか。実力で止めるのは、あまりに当然の行為だ。防衛施設局は、沖縄の統一地方選挙の真っ最中の9月8日に「米軍キャンプシュワブ内の兵舎移転に伴う現況調査の開始」を宣言した。14日からは市教委を引き込み、「遺跡調査」を突破口に「年内現況調査完了、年明けから具体的な兵舎移転工事着手」というプランを貫徹しようとしているのだ。
2日間にわたって調査を実力阻止したとはいえ、今回の機動隊導入・排除は、「反対するなら逮捕する。抗議してもムダだ。屈服しろ」という日帝・小泉政権の沖縄差別に満ちた権力意志の発動である。しかし、こんな弾圧への脅しにひるむほど辺野古闘争はヤワではない。2年間にもわたるボーリング調査阻止闘争で、辺野古闘争陣形はおおいに鍛えられ強くなっている。返り討ちにあうのは日帝=防衛施設局のほうだ。改憲阻止の大闘争と一体で、沖縄・辺野古闘争を闘おう。米軍再編を阻止しよう!
(写真 辺野古闘争で初めての機動隊導入は地元紙でも大きく報じられ政府・防衛施設庁への怒りが高まっている【9月15日付琉球新報夕刊】)
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週刊『前進』(2264号6面1)(2006/10/02)
全学連大会に参加して 「絶対、勝ちにいくぞ」と決意 広島大学 霧島芽路
大会の感想を一言で言うなら、「革命勝利の日は近い。絶対勝ちにいくぞ」という決意を新たにした、ということです。
前半戦勝利の総括と、安倍打倒―法大ゼネストで世界革命に突き進もうと訴える議案の提起は、本当にこの時代に生きるすべての労働者・学生に確信と勇気を与えてくれるものでした。
何より感動したのは、3日間をつうじて法大生を先頭に全国の学生が生き生きと発言に立ったことです。同じ地方の仲間の発言はとりわけうれしかった! 議長として全体を見渡せる場にいたことがとても楽しかった。「今この場で、勝利するための革命家と革命組織が作られようとしている」――そんなことを実感しながら終えた3日間でした。
この秋全学連は、10・20法大決戦をぶち抜き、11・5の爆発を勝ち取って、ゼネスト―世界革命までのぼりつめます。
全学連大会に参加して 10・20法大決戦から11・5へ 東北大学 阿部信行
全学連は、3・14の法政大での大弾圧から激闘の前半期を闘いぬいてきました。その前半の激闘を勝利的に闘い抜いた仲間たちと全学連大会で一堂に会し、最強の団結を打ち固めました!
何よりも決定的なのは、3日間の大会を経て、参加者が年齢や経験に関係なく、この秋安倍との対決の最先頭に立つ主体としてぶっ立ったことです。
処分と闘う法大生の決意表明は本当に圧巻。その発言は、法大・平林体制―安倍に対する底からの怒りと、学生を引きつけてやまない力にあふれており、めちゃめちゃ空気が入りました。全学連は法大決戦に勝利します!
また、講演をした動労千葉・田中委員長は「未来は青年のものであり、革命は青年の権利である!」と熱烈にアピールしました。この言葉は何よりも今全学連大会に結集した一人ひとりのために、そしてすべての青年・学生のためにあります。
この秋、法大決戦を突破口に安倍と真っ向対決し、改憲阻止ゼネストにのぼりつめていきます!
全学連大会に参加して 主体的に参加し楽しかった 河田まりも
率直な感想、楽しかったということ。これですね!! 何が楽しかったって、自分が主体的に参加したってことなんだと思う。発言もしたし、提起もした。私だけではなく、参加している女性全員が積極的に発言したことで”楽しい”という雰囲気が作れた。学生でも青年労働者でも、今、女性の決起が熱い!!
資本主義社会の下で女性は抑圧されているので、女性が決起するということは当たり前なのだ。女性がたくさん決起し始めているということは、いよいよ、この体制をぶっつぶすときがきたということなのだ。
女性のみなさん。ともに立ち上がろう♪
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青年労働者の発言で職員会議と職場一変 広島・教育労働者 宝田恭平
「子どもたちや保護者に直接かかわっているのは現場の担任です! もう少し共通理解を図る時間や協議を求めます!」
職員会議で一人の青年労働者が静寂を断ち切って発言した。
職員会議が管理職の意思伝達の場になっていたこの学校で、管理職に対し「意見」する職員など皆無に等しかった。その日の会議でも、新たに導入される2学期制や全国学力テストなど重大事項について、管理職は淡々と決定事項を報告するだけであった。だが、彼女の発言によりその場の雰囲気が一変した。
なんと、彼女に続いて十数名の職員が今までの怒りをばねに、さまざまな要求を管理職にたたきつけたのだ! 多数派となった現場労働者に管理職は口を挟めなかった。それどころか再度詳しい説明をするに至った。
最後に彼女が「今日の会議で、はじめてみなさんがどのような考えをもっているのかがわかり、今後安心して働ける気分になりました。今後もこのような職員会議でいきましょう!」と発言すると大きな拍手がおきた。
「あんたが言ってくれたけぇ、わしも言えたんよ」「次はうちが一発目に言ってやるけぇね」
みんなの顔が輝いていた。たった一人の行動が職場全体の雰囲気を一変する力をもっている。組合だって社会だって一変できる。その一人になれるなんて! よーし!俺(おれ)もがんばろう!!
「9・15自立支援法撤廃を求める集い」に参加 関西・医療労働者 崎田 希
「自立支援法はひどい。これでは障害者は生きていけなくなる。だけど闘えば生きていける!」と実感させてくれる集会でした。
私の勤務している診療所では、窓口での患者負担を何とか軽くする対策はないかということには、比較的良心的に取り組んできました。しかし、署名用紙を置く以上の運動には何ひとつ取り組めませんでした。
この集会に参加して、それではいけないのだ、必要なのは「自立支援法に対する対策」ではなく「自立支援法撤廃の闘い」なのだ、と思いました。自立支援法で負担の増えるかわいそうな患者さんに、通院医療費公費負担が通るような診断書を書いてあげる、安い後発品を出してあげる、やさしく慰めてあげる、そんなことで自分たちは良心的な医療従事者だと自己満足することなど慈恵医療思想の最たるものだったと反省しています。
患者・「病者」・「障害者」は、医療労働者が庇護(ひご)してあげなければならない存在ではありません。ともに闘っていく仲間以外の何ものでもありません。
集会や抗議行動のある日には、バスを仕立て、スタッフ・患者みんなで闘いに向かう――そんな診療所にしていきたい。
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週刊『前進』(2264号6面2)(2006/10/02)
サイバー弾圧・共謀罪法案 強行採決の策動阻止へ
警察国家・監視社会許すな
今秋臨時国会で、組織的犯罪対策法にたった1条を加えるだけで619の共謀罪が新設されようとしている。戦前・戦中の治安維持法を上回る治安弾圧の嵐の到来を絶対に許してはならない。政府・与党は、国会での法務委員会冒頭(10月10日の週)にも共謀罪の強行採決を画策している。共謀罪決戦は、文字どおり日本階級闘争の生き死にをかけた歴史的闘いとなった。
臨時国会で成立を狙う
改憲を最大の公約に掲げて自民党の新総裁に就いた安倍晋三は、「北朝鮮脅威」論を叫び、アジア・太平洋戦争を「大東亜戦争」と賛美する「つくる会」派であり、札付きの極右天皇主義者である。01年のNHKの「日本軍軍隊慰安婦」問題の番組に事前に介入し大幅に改竄(かいざん)させた言論弾圧の張本人である。小泉政権の構造改革を引き継ぎ、「格差社会」をさらに推進し、人民の抵抗を事前に弾圧し、北朝鮮・中国侵略戦争―世界戦争に突進しようとしている。
安倍の政治手法は強権である。だが、それは労働者民衆の怒りの地雷原に足を踏み入れるのも同然である。共謀罪強行採決策動に労働者階級人民の危機感、怒りが一挙に爆発しようとしている。
安倍が今臨時国会で教育基本法改悪とともに成立を狙っている共謀罪は、実行行為がなくても合意したと警察が見なすと逮捕され、最高5年の懲役を受ける、とんでもない治安弾圧立法だ。
すでに政府・警察庁は、反戦運動・労働運動・住民運動など反政府行動・思想への弾圧網を全国に張り巡らしている。「子どもや高齢者を犯罪から守る」「安全・安心な社会づくり」を呼号し、自治体に「生活安全条例」を制定させ、「自警団」「防犯パトロール」や声かけ運動などをとおして「隣組」を復活させようとしている。また、全国の自治体が国民保護計画を策定し、住民を動員した実動訓練を実施し始めている。総じて侵略戦争への国民総動員体制づくりだ。
だが、労働者とその家族の生活と生命を脅かし破壊しているのは政府・当局・資本家の方だ。
反合理化・運転保安闘争に決起した動労千葉の労働者を処分し、逆に鉄道の安全を脅かしている。高齢者から介護ばかりか医療、年金までもむしり取って命を奪っている。95年日経連プロジェクト報告を画期とし、一連の構造改革をとおして非正規雇用の拡大、大量首切り・合理化、社会保障制度解体の攻撃を強めている。
今やたまりにたまった労働者階級の怒りのマグマが出口を求めて激しく動き始めている。
パソコンデータを盗視
こうした中で日帝支配階級は、労働者階級人民総体を顕在的・潜在的「犯罪者」とみなし、際限なき治安弾圧体制づくりにますます突進している。革命を芽のうちに摘み取ることを必死に追求しているのだ。
従来型の尾行・張り込みに加え、治安弾圧にハイテク技術・装置を導入し、究極的には「聖域なき監視社会」の実現をとおして、労働者の抵抗を一切封じ込めてしまうことを狙っている。
サイバー(コンピュータおよびインターネット関連のこと)犯罪条約締結に対応した国内法整備という形で、サイバー弾圧法案が共謀罪新設法案と抱き合わせで刑法・刑訴法の改悪として今国会に継続審議となっている。これは、電話(携帯電話)やFAX、電子メール(Eメール)など人民のあらゆる情報伝達への無際限の盗聴・盗視へ行き着く危険性をはらむ盗聴法の適用を決定的に促進する。
インターネットは国内・世界各地で文字・映像・音声の情報を一瞬にして伝達・交信することを可能にした。パソコン・携帯電話をインターネットにつないだEメールによる会話のやりとりが今日激増し、一般化してきている。Eメール・ホームページ・ブログなどは、帝国主義の戦争・搾取・抑圧・差別と闘う労働者階級や被抑圧民族人民の国際的・国内的交流・団結・連帯を深め広げる絶好の媒体であり、闘いの有力な武器だ。
支配階級がサイバーを治安弾圧体制に組み込むことを当面の重要目標として出してきた法案がサイバー弾圧法案である。
共謀罪とワンセットで提出されたサイバー弾圧法案には、警察がプロバイダ(インターネット接続サービス業者)にパソコン・インターネット通信の送信元、送信先、通信日時などの通信履歴を90日以内で消去しないよう保全を命令する規定がある。これはコンピューターシステムの手段によって行われるすべての犯罪に適用するとされている。共謀罪が加えられる619の罪も含まれる。
警察権力は、盗聴法を根拠にEメールを丸ごと盗み見ることができる「仮メールボックス」と称する専用装置をすでに全国の警察本部に配備している。この装置を使用すれば、メールの内容以外にも、例えばホームページ閲覧データや検索エンジンでの検索データまで知ることが可能になるという。
サイバー犯罪条約は、通信の記録・内容のリアルタイムでの監視権限、さらには捜査当該コンピューターからアクセス可能な別のコンピューターの押収権限まで与えることを求めている。
現行盗聴法に共謀罪とサイバー弾圧法が加わる時、現憲法の「通信の秘密」「検閲の禁止」という歯止めは、文字どおり吹っ飛び、労働者階級人民の思想・表現への際限なき弾圧に道を開けることになる。
個人の全情報を捕捉
サイバー弾圧とともに警察はハイテク技術を悪用した監視体制を全面的に強化し、「警察の目」としての地域住民の組織化、監視カメラやNシステムなどの設置をさらに大がかりに推し進めている。共謀罪による自首減免条項をもとに組織内潜入をとおした組織破壊工作を狙い、その一方で365日監視体制をつくろうとしている。そうした中でハイテク技術の治安弾圧への応用・商品化が急激に進行しつつある。
日帝権力は「割れ窓」理論(軽微な犯罪の徹底的な取り締まりで犯罪を抑止できるとする考え)を導入し、予防反革命の攻撃に大々的に打って出てきている。労働者人民の一挙手一投足を常時キャッチし、思うがままに弾圧を行えるような方向へと突き進んでいる。
「話し合った」「目配せした」「あうんの呼吸をした」「その場にいた」「新聞やビラを受け取った、読んだ」だけで共謀が成立するというのが日帝権力の考えだ。警察や資本家とその手先どもが共謀罪新設法を手中にした時、これらのケースが大量に現実となるに違いない。
官産学協同のもとで恐るべき「人民監視・監獄社会」づくりが進められつつある。人間の身体的部位の特徴を個人識別の手段とする生体認識(バイオメトリクス)技術は、指紋や掌紋から始まり、監視カメラと結合した自動認識システムの研究・開発によって、今や顔面や静脈、さらには行動パターンにまで踏み込みつつある。
誰がいつどこで誰とどのような行動をしたか、自動的に瞬時に検知し識別するシステムがつくられようとしている。監視カメラで捕捉(ほそく)した人間の画像中からの追跡、性別や年代の推定、さらには足部運動解析による人物同定、全身画像からの人物属性の識別などの研究まで行われている。「プライバシーの保護」をあざ笑うかのように、これらの生体認識装置が空港や地域、職場などに急速に設置され始めているのだ。
社会の毛穴をふさぎ窒息させようとする警察国家の到来を許すな! いかに日帝支配階級が恐怖支配を強めようとも、この社会の生産の根幹を握っている労働者階級の圧倒的多数が団結して立ち上がれば勝利できる。9月26日からの臨時国会闘争に全国から駆けつけ、教基法改悪阻止、共謀罪・サイバー弾圧法案粉砕の大闘争を爆発させ、安倍新政権を打倒しよう。
〔大崎弘志〕
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共謀罪反対闘争日程(臨時国会前半)
9月26日(火)国会開会日闘争
午前8時30分 地下鉄丸の内線国会前駅ビラまき
午前10時 座り込み
正午 昼休み集会
10月3日(火)「さらば!共謀罪10・3集会―戦争と憲法破壊の道を断ち切ろう」
午後6時 星陵会館(永田町・国会裏)
主催/共謀罪反対国際共同署名運動
10月13日(金)国会前闘争
午前8時30分 地下鉄丸の内線国会前駅ビラまき
午前10時 座り込み
正午 昼休み集会
10月18日(水)「共謀罪反対集会」
午後6時 弁護士会館クレオ(霞が関・日比谷公園隣)
主催/日弁連
10月22日(日)「一億二千万 共謀の日U」
主催/共謀罪反対国際共同署名運動
■採決強行の場合、朝から国会前で緊急抗議行動
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週刊『前進』(2264号6面3)(2006/10/02)
星野同志との面会報告
22年ぶりに笑顔と再会
「必ず奪還する」と誓う 金山 克巳
9月13日午後、私は徳島刑務所を訪れ、星野文昭同志と面会しました。
計算すると、最後に東京拘置所で面会してから、実に22年ぶりになります。しかし、人なつっこい笑顔で面会室に入ってきた星野同志と向き合うと、まるで昨日も、その前の日も会っていたような感じがしました。
同行したのは、「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」共同代表の柴田作治郎さんと徳島救う会の仙田哲也さんです。この2人も、「初対面なのに、まるでそんな感じがしない」と語っていました。星野同志の人柄でしょうか。
星野同志は、ライト・ブルーの半袖を着ていました。血色も良く、髪も黒くて、若く見えます。全国の同志や『前進』読者の皆さんは、若い時の写真と自画像から今の星野同志を想像するしかありませんが、あのイメージより、ずっとにこやかだと思ってください。当然ですが、お母さんの美智恵さん、弟の修三さんに良く似ています。修三さんとは、目の垂れ具合がそっくりです。
あいさつを済ますと、この夏、北海道で開かれた全国総会の話題になりました。星野同志は「全国総会の成功で母が元気になりました」と柴田さんにお礼を言いました。「あれだけの支援者が北海道に集まったので、ともすれば孤立しがちな家族たちが力をもらいました」と感謝の言葉を述べました。柴田さんは、エピソードを交えて楽しそうに総会の報告をしていました。
(写真 柴田作治郎共同代表【左】と筆者【9月13日 徳島刑務所前】)
手紙が400通
話題が変わり、手紙のことを質問しました。
これまでに全国から400通ほど届いているそうです。「毎日のように、1、2通は届きます」と星野同志。届いた手紙は受け取ってすぐに読み、寝る前にもう一度読んでいるそうです。「昔からの友人の手紙もうれしいが、新しい人からの手紙もうれしい。手紙が来ると、直接のつながりを感じる」と語っていました。
全国から届いた「かもめーる」は1枚も当たらなかったと星野同志が報告すると、「そんなことがあるのか」と4人とも笑いました。再審のこと、運動のこと、そして、ご家族のこと。30分の面会時間はあっと言う間に過ぎていきました。
「再審闘争を大きく発展させ、星野同志を絶対に奪還する。ともにがんばろう」と誓って、アクリル板越しに手と手を合わせました。最後に面会室のドアが閉まるまで、星野同志は手を振っていました。
差し入れ手続きの後、刑務所を出ると、この中に星野同志が閉じ込められているという実感が胸に迫って来ます。「星野奪還を労働者階級のスローガンとし、必ず彼を取り戻す」と誓って帰路につきました。
6月以来、徳島の救う会の方々、群馬の青柳晃玄さん、関西連絡会の方が面会されてきました。今のところ、面会は月に3回しかできません。しかし、星野同志との交流は確実に拡大しています。
全国から星野同志に手紙を送ってください。
11月25日、東京・渋谷で行われる全国集会に総結集しましょう。
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《手紙のあて先》
〒779―3133
徳島市入田町大久200―1 星野文昭様
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週刊『前進』(2264号6面4)(2006/10/02)
解同全国連長野県大会 “県連1000人組織に”
青年が狭山牽引の決意
9月10日、部落解放同盟全国連の第5回長野県連合会定期大会が長野市で開かれ、長野県連各支部を始め関東各地の全国連支部員や解放共闘の労働者ら78人が参加した。
(写真 上田支部(準)に続き全県に支部をつくる方針を決めた解同全国連長野県連大会【9月10日 長野市】)
初めに、4月7日に亡くなった長野県連二睦(にぼく)支部長の荒井朝治さんの遺影を前に全員で黙祷(もくとう)をささげた。次に、主催者として長野県連の小森勝重委員長が「自民党総裁選に立候補した安倍晋三は、第一に憲法改悪を掲げ、戦争国家をめざしている。安倍政権の戦争と差別の政治と断固闘おう。9月3日、上田で支部準備会が発足した。手作りの運動を組織し、全県下に広げ、長野県連を1千人組織にしよう」と力強くあいさつした。
来賓と共闘団体のあいさつに続き、上田支部準備会結成報告が行われた。「『村のための運動なら協力する』という声があがり、準備会結成に至った。解同本部派のような幹部の利権のための運動ではなく、村の皆の要求に基づき、差別と闘い、生活と権利を守る運動をつくる。1年後に支部大会を開きたい」と展望が語られた。
青年が10月の県連青年部大会へのアピールを行った。「5・21狭山中央闘争に向かっての街頭宣伝で青年が狭山パネルを製作、狭山差別裁判の説明をし、署名を訴え、大きな成果があがった。夏の全国青年交流集会を若者自身で運営し、長野から多数参加した」と報告、「青年部大会で団結を固め、狭山闘争のデモの先頭に立つ」とはつらつと決意表明した。
新たに事務局長となった高見沢浩一さんが05年度活動報告を提案した。上田支部準備会結成で東信地区に初めて全国連の旗が立った意義をふまえて、「『生活と部落差別に関するアンケート』調査で、回答者の67人中56人(84%)が『部落差別の体験がある』と答え、部落解放運動は必要かの問いには約8割が『必要』と答えた。この結果は、村の人たちの思いとは無縁の融和主義、利権にまみれた運動になった解同本部派に代わる部落解放運動が待ち望まれていることを示している。村の団結をつくり直し闘おう」と提起した。
小林あや子書記長が06年度運動方針を提案。ブッシュ、小泉の戦争と差別の政策を弾劾した上で、「アンケート調査に基づき、全国連の手で生活要求闘争を組織し、村の団結をつくり出そう。差別への怒りを引き出し、部落民の自覚を育て、人間としての誇りを取り戻すことが差別糾弾闘争。解同本部派と推進の会の統合による侵略融和運動を蹴散らし、全国連長野県連が主流派になろう。第3次再審請求を行った石川一雄さんと固く連帯して狭山・差別糾弾闘争を徹底的に闘おう。反戦・共同闘争を強めよう」と呼びかけた。
議案を受けて自由討論を行い、各支部、青年部、婦人部、共闘の労働者らが意見を交わした。11・5労働者集会への結集の決意が語られた。
全議案を採択した後、新役員を代表して小森勝重委員長が「財政基盤を固め、狭山・差別糾弾闘争を強め、県連1千人組織をつくろう」と締めくくった。
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