ZENSHIN 2006/09/18(No2262 p06)

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第2262号の目次
1面の画像
(1面)
戦争と天皇制攻撃強める  “安倍改憲政権”の打倒へ
教基法改悪阻止・共謀罪粉砕  臨時国会闘争に全力決起を
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11月大結集へ 課題と展望  動労千葉・田中康宏委員長に聞く
職場で格闘し一から作り上げる
改憲の安倍との大勝負  こんな社会は労働者が倒す
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三里塚 「北延伸」着工粉砕せよ  9・17緊急現地闘争に立とう 記事を読む  
(2面)
1047名闘争貫徹へ正念場の決戦
「政治解決」路線を打ち破り 闘争解体の危機突破しよう
処分攻撃を阻んでいる 動労千葉に連帯して
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国労弾圧公判 酒田前国労委員長が次回証人に
検事の異議封じ喚問を決定  国労再生へ重大局面開く(9月6日)
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資本攻勢&労働日誌 2006 8・21〜9・1
日本経団連 消費税アップを要望へ
労政審が審議再開/全県で地域別最賃引き上げに
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「安全」敵視の処分は不当  動労千葉が労委に申し立て(9月4日) 記事を読む  
(3面)
改憲阻止の旗高く 9・23労働者集会へ
動労千葉の呼びかけに応え  青年労働者を先頭に 職場から大結集を
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杉並 中学生を戦争訓練動員
「防災の日」に反撃(投稿 SK)(9月3日)
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関西生コン デッチあげ有罪判決弾劾
全日建運輸連帯労組が抗議(8月24日)
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関西生コン弾圧裁判を傍聴して  関西 K・M(8月24日) 記事を読む  
 〈焦点〉 防衛庁「省」昇格法案の狙い
 侵略軍化と改憲の先取り
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〈焦点〉 ベトナム人200人を違法に雇用
トヨタが超低賃金で搾取
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(4面)
共謀罪 永久に廃案に  安倍打倒、改憲阻止の突破口
臨時国会攻防に総決起を
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9・24北富士集会へ  地元農民が結集を呼びかけ 記事を読む  
三里塚反対同盟 10・8全国集会へ招請状
北延伸着工阻止へ決意
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婦民全国協 総会開く  “女性が改憲阻止の先頭に” 記事を読む  
2006年日誌 8月30日〜9月5日
安倍が「新憲法法制定」を公約  都の防災訓練に米軍初参加
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(5面)
国際連帯こそ勝利の力  ILWUローカル10 職場支配権めぐり激闘 記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー
安倍の来広を弾劾し「打倒」訴えビラまき 全学連 秋原道子 8・6広島で示した団結の力を11月へ! 広島 医療労働者 板垣保志 「若さが売り」の安倍が恐れる青年の反乱 中四国 T 「格差社会」賞賛する御手洗を批判する 兵庫県 吉村隆生 北千住「防災訓練」で暴行刑事を徹底追及 東京 大泉順一朗
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政治警察強化策す安倍  戦時下の治安弾圧うち砕け(山口秀樹) 記事を読む  
紹介  ■パレスチナの怒り
丹沢 望著 前進社ブックレット 400円+税
ムスリム人民の闘いの歴史と現在学ぶ上で最適の一冊
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週刊『前進』(2262号1面1)(2006/09/18)

 戦争と天皇制攻撃強める

 “安倍改憲政権”の打倒へ

 教基法改悪阻止・共謀罪粉砕

 臨時国会闘争に全力決起を

 9月20日の自民党総裁選で極右・国家主義者の安倍が選出され、26日召集の臨時国会で“安倍改憲政権”が登場しようとしている。これは戦後の歴史を戦争へと大転換させる重大事態だ。直後から国会審議も始まる。国会闘争に総決起し、教育基本法改悪案、共謀罪新設法案、国民投票法案、防衛庁「省」昇格法案を絶対に阻止し、安倍を打倒しよう。同時に、暫定滑走路の北延伸9月着工阻止へ、9・17三里塚現地闘争に立とう。9・14〜16全学連大会を全国300万学生ゼネストに向け大成功させよう。9・23改憲阻止労働者集会の成功をかちとり、11・5労働者集会1万人大結集へ全力で突き進もう。

 戦争国家化へ歴史画す 「戦後体制からの脱却」

 安倍は、9月1日、広島市で記者会見し、自民党総裁選への立候補を表明した。同時に発表された政権公約は、安倍政権の戦後史を画する超反動性を示すものである。
 安倍は「新たな国づくり」「保守の再構築」という位置づけのもと、政策の柱として改憲=新憲法制定と「教育改革」を真っ向から打ち出し、それを「戦後体制からの脱却」と銘うっている。
 「戦後体制からの脱却」とは、戦後憲法体制を反革命的に転覆し、国家主義者やファシストがのさばる戦前型の「天皇の国」を再現し、侵略戦争―世界戦争への戦争国家体制を構築するという大攻撃だ。時あたかも安倍政権の登場を前に、秋篠宮の男児誕生を契機とする「男系男子」「万世一系」という天皇制・天皇制イデオロギー攻撃の大キャンペーンが巻き起こされている。この日帝と安倍の反動的策動を断じて許してはならない。
 安倍は著書『美しい国へ』で、戦後憲法前文に連合国への「詫(わ)び証文」「妙にへりくだった、いじましい文言」だと悪罵(あくば)を投げつけている。憲法9条については、米占領軍が「自国の安全を守る戦争まで放棄させようとした」「戦力はもちろん交戦権までも認めるべきではないとした」「独立国の要件を奪った」と憤懣(ふんまん)をぶつけ、米占領軍のもとでの戦後憲法は“国辱だ”とまで言っている。
 安倍はまた、「国の骨格は、日本国民自らの手で、白地からつくりださなければならない」と、昨年10月28日に発表した自民党新憲法草案の前文さえ、早くも書き直すと公言している。
 安倍は改憲には「大変高いハードルがあり、そう簡単なことではない」と言いつつ、「まずは国民投票法の成立をめざしたい」と明言している。容易ならざる情勢だ。
 また安倍は教育改革に関する公約として、首相直属の「教育改革推進会議」の設置、教員免許更新制、学校評価制度、学校教育での社会体験活動の義務化などをあげた。その狙いは、日帝が戦争と帝国主義間争闘戦に勝ち抜くための愛国心強制とエリート教育に大転換し、国家主義で教育を塗り固めることだ。
 その最大の突破口として教育基本法の改悪がある。9月3日の自民党東北ブロック大会で、「大切なのは教育基本法の改正だ」と述べ、臨時国会では教基法改悪法案を最優先すると強調した。
 安倍は『美しい国へ』において、「教育の目的は志ある国民を育て、品格ある国家をつくること」にあると言いつつ、「戦後日本は、60年前の戦争の原因と敗戦の理由をひたすら国家主義に求めた。その結果、戦後の日本人の心性のどこかに、国家=悪という方程式がビルトインされてしまった」と嘆いている。
 戦前の教育勅語のもとでの教育は、すべての人民を天皇に忠実な臣民として育て、国や天皇のために侵略戦争に動員することが目的だった。
 だが戦後の教育基本法は教育勅語の国家主義教育を否定して、「個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期する」ことを前文に明記した。そして「教育は、不当な支配に服することなく」と、国家による教育への介入を禁じた。この教育基本法に、安倍は反革命的な憎しみを抱いている。
 結局、安倍が理想とする「志ある国民」とは、特攻隊のように国のために命を投げ出す人間のことだ。「品格ある国家」とは戦前の大日本帝国のことだ。まさに戦前の大日本帝国は、天皇を頂点に明治憲法と軍人勅諭・教育勅語を持つ「神の国」だった。
 この国が帝国主義諸列強との争闘戦を激化させながら、アジア植民地化と侵略戦争に突き進み、アジア人民2000万人を虐殺し、日本人民310万人を死に追いやった。安倍はこの戦争の歴史を美化し、また新たに繰り返そうというのだ。
 断じて許しがたい。教基法改悪を阻止し、安倍を打倒しよう。

 日本版NSCの設置で大統領型の権力を狙う

 さらに安倍は、政権公約で「世界とアジアのための日米同盟」強化、日米双方が「ともに汗をかく」体制の確立を掲げた。具体的には日本版NSC(国家安全保障会議)の設置である。これは絶大な権限が集中する大統領型の統治形態への転換を図り、首相官邸と米ホワイトハウスとを直結して定期的な戦略対話を行い、日米同盟を米英同盟並みの「血を流す」同盟に格上げしようとするものだ。そのために、9条改憲を待たず、日米両軍の共同作戦を可能にしようとしている。
 そのために防衛庁を「省」に昇格させるとともに、海外派兵を自衛隊の本来任務に格上げし、さらに海外派兵の恒久法をも提出しようとしている。同時に集団的自衛権に関する政府の憲法解釈を変更し、日米共同作戦へと一気に突入しようと狙っている。
 また安倍は、北朝鮮のミサイル問題で国連制裁決議を先頭に立って画策し、持論の「敵基地攻撃論」を唱えた。02年の早大講演では「核兵器の使用は違憲ではない」「大陸間弾道弾も憲法上問題ない」と公言している。
 靖国神社参拝をめぐっては、小泉と同じく「行くか行かないかは外国から指図されるものであってはならない」と主張、中国や韓国の屈服を要求して、排外主義的な強硬路線を鮮明にした。
 安倍にはかつての侵略戦争への反省などかけらもない。東京裁判を否定し、A級戦犯の戦争責任も認めない。日帝の犯した過去の戦争犯罪を居直り、反省や謝罪は“自虐史観”と攻撃する。これが「闘う政治家」で「国のために命を捨てる」という安倍の正体だ。
 安倍は根っからの極右・国家主義者で、「つくる会」派である。安倍の一番のブレーンは、中西輝政、八木秀次、西尾幹二、西岡力、岡崎久彦ら、「つくる会」や拉致問題での「救う会」の札付きの右翼分子たちだ。
 このような安倍が政権を握ることは、戦後史の大転換である。絶望的な体制的危機の日帝ブルジョアジーは、今や極右の安倍を選択しようとしているのだ。だがそれは、危機を一層激化させずにはおかない。

 「官公労」に攻撃が集中 4大産別決戦で対決を

 他方で安倍は、小泉改革が労働者に激しい生活破壊として襲いかかっている現実を居直り、その継続を宣言している。
 自民党の中川政調会長は「次期政権の最大の抵抗勢力は官公労」と公言し、4大産別と公務員労働者への大々的な賃下げ、首切り、労組破壊の攻撃を強めようとしている。日帝・支配階級にとって、動労千葉の組織破壊を始めとした4大産別の労働運動の解体・一掃なくして、改憲も戦争体制もないからだ。
 4大産別を中軸に労働者の団結と組織は維持されており、何よりも国鉄において動労千葉の労働運動が存在し、分割・民営化体制と対決し、反合・運転保安闘争を闘っている。その闘いが推進力となって、国鉄1047名闘争が今もなお継続されている。4大産別の既成指導部は今や改憲勢力に移行したが、そのもとにいる労働者は断じて屈服してはいない。この4大産別と動労千葉の存在と闘いを解体することなしに、安倍は改憲攻撃を貫けないのだ。
 しかも安倍は、60年安保も70年安保も経験しておらず、荒々しい階級的激闘にもまれたことがない。極右で凶暴ではあるが本質的に脆弱(ぜいじゃく)な政治家だ。
 安倍の祖父・岸信介が経験した60年闘争を超える階級的激突がもたらす革命の鉄火に投げ込み、安倍を打倒しよう。
 労働者階級と人民は、今秋11月総決起に向け、改憲阻止決戦と4大産別決戦を固く結合して闘おう。動労千葉労働運動から学び、実践し、4大産別を先頭に職場闘争を闘い、職場の仲間を組織し、連合や全労連の既成指導部を打ち破って前進しよう。労組権力に断固挑戦し、荒々しい階級的激突を切り開こう。
 安倍への怒りと危機感は全国に充満している。むしろチャンスだ。今秋臨時国会闘争の爆発で、教基法改悪案、共謀罪新設法案、国民投票法案、防衛庁「省」昇格法案を絶対に阻止しよう。
 9条改憲阻止の闘いを職場・学園・地域で発展させよう。青年労働者を先頭として9・23改憲阻止労働者集会の成功をかちとることが、決定的に重要である。それを突破口に、11・5労働者集会の1万人大結集へさらに全力で進撃しよう。

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週刊『前進』(2262号1面2)(2006/09/18)

 11月大結集へ 課題と展望

 動労千葉・田中康宏委員長に聞く

 職場で格闘し一から作り上げる

 改憲の安倍との大勝負

 こんな社会は労働者が倒す

(写真 春闘ストライキを打ち抜き、就労前にシュプレヒコールをあげる【3月13日 幕張車両センター】)

 改憲を掲げた「安倍政権」の登場、改憲・戦争と民営化―労組破壊の攻撃が激化する中で、11・5全国労働者総決起集会の位置はいよいよ重大なものになっている。1万人結集の実現にむけた課題と展望について、動労千葉の田中康宏委員長にうかがった。(編集局)

写真 動労千葉・田中康宏委員長 自分の足元で組織

 ――いよいよ11月労働者集会まで2カ月を切りました。
 11月労働者集会は今年で9回目です。もう10年になるということです。この間、3労組の間で、この運動をどうやって発展させていくのかについて、かなり突っ込んだ討議をしてきました。
 この集会は、実は大変な集会です。闘う労働組合の全国的なネットワークをつくろう、労働運動を再生させようと言っているわけですから。敵はもちろん資本・権力なわけですし、連合や全労連から見れば僕らはゾウとアリみたいなものです。その中で、このことを10年言い続けてきました。あらゆる運動が衰退してきている中、じわじわとはいえ広げてきているのは画期的ですが、今の状況を見た時、それだけでいいのかという問題は厳然としてあります。
 闘う労働運動の再生、全国ネットワークを作ろうということには誰も反対しません。実際、かつてはいろんな人たちがこれをやっていたが全部やめてしまった。なぜか。これは大変なことなんです。何か「ふわり」と闘う労働運動ができるなんてことはあり得ない。自分の職場で格闘して、格闘して一からつくり上げていく――その総和が闘う労働運動になるということだと思うんです。
 ぜひとも訴えたいことは、闘う労働運動が自分の足元と別のところにあるとは絶対に思わないでほしいということです。大失業時代や格差社会というのは、われわれの周りにある一般的な現実ではなく自分の職場にあるわけです。自治労だろうと全逓だろうと非正規職だろうと、労働者が食っていけない現実というのは自分の職場にある、つまり自分の職場の仲間を組織するということなんです。それ以外に「こんな現実がある、ひどい」「資本主義はダメだ」と言っていても労働者は組織できない。
 職場で本当の団結を組織するということをけっして甘く見ないでほしい。そして、この闘いで状況を打開できるということに確信を持ってほしいと思うんです。

 この5年間の勝利

 ――厳しい攻撃との対決の中から強固な団結を形成してきた動労千葉の闘いの教訓を聞かせて下さい。
 私が委員長になってから5年になります。5年前というのは「第2の分割・民営化攻撃」との闘いを始めた時でした。業務のあらゆる領域を外注化する。駅、検査修繕、保線、電力、信号通信業務、車掌……要するにすべての労働者を基本的に全部放り出して非正規雇用化する。こういう攻撃が始まった時です。
 以降5年間、いつも元気な顔をしていますが、実際は悪戦苦闘の連続でした。けれども、20年前に国鉄分割・民営化攻撃をはね返したのと同じように、この5年間、基本的に勝利してきたと考えています。
 この間の動労千葉の闘いは、シニア制度―業務外注化との闘いから始まりました。業務の外注化と言っても簡単にいかない。だからJRは実に卑劣な形で攻撃を掛けてきました。
 年金の支給年齢が引き上げられることになり、雇用が延長されなかったら食っていけないという現実を逆手にとって、「業務の外注化を労働組合が積極的に推進しろ」と言ってきた。そうすれば、その組合に所属する労働者に限って60歳以降も雇用するというわけです。
 結論は「こんな協定のめるか」ということではっきりしていた。しかし悩みました。拒否すればうちの組合員は、動労千葉であるというだけで全員60歳で首になるわけですから。
 だから「こんなものは絶対にのめないんだ」という議論をくり返し、くり返し、くり返しやりました。実際、定年を間近にして泣く泣く脱退していく人も出た。しかし「どういう思いで分割・民営化と首をかけて闘ってきたのか」「労働者の誇りはどこにいったんだ」という激しい議論を重ねて、それから4年目、5年目には一人も脱退者が出なくなった。
 労働者を信頼するというのはそういうことなんです。始めたときは気が重かったですよ。すぐに展望なんか出ない中で、とにかく必死になって議論をする。だけどその結果、千葉だけ業務外注化を止めたわけです。
 JR総連は真っ先にこれをのんで、「再雇用されるのは東労組の組合員だけだ」というビラを毎日、洪水のようにまいた。国労も全部屈服して、動労千葉だけが残った。国労は中心が保線なんですが、これが翌年全面外注化ですよ。全部出向に出された。
 千葉では外注化を止めただけじゃなく、人が足りなくなって強制配転者を戻さざるをえなくなった。もちろんこれだってすんなり行ったわけじゃない。16日間ストライキを続けて、ついに「参った」と言わせて戻さざるをえなくさせたんです。
 しかもこの過程で、レール破断とか尼崎事故が起きた。だから僕らは譲らないで闘うことができた。厳しいから組合員からは強硬論も出れば泣き言も出る。しかしここで引いたら動労千葉の団結だって終わりになるから、必死になって組合員と格闘しました。
 ある時、組合員の中から弱音がバーっと出た時「何言ってんだ!」って言ったんですよ。「尼崎事故を他人事と思っているだろう」「107名が死んでるんだよ」って。「今出している安全運転闘争の方針なんて10`ダウンだから、せいぜい遅れても3〜4分。自分の職場でこんな事故が起きたら『こんな甘い方針出すのか』ってみんな怒ってるはずだ。何を泣き言言ってんだ。仲間が死んでから闘うのか、死ぬ前に闘うのか」って言ったんです。苦しいことも楽しいこともあったけど、組合員がケンカしながら頑張ってくれて勝利することができました。
 つまり、資本と闘うのは当たり前。闘う団結は、組合員を本当に信頼して組合員と激しく格闘しなかったらできないということです。その結果がどこまで資本と闘えるかということになる。
 ――さらに4月の幕張車両センターでの事故をめぐって,ものすごい職場闘争が展開されています。
 当初、懲戒免職ということが言われ、ストを構えて反撃に立って5カ月間処分が出ていない。これ自体が前代未聞です。特に、事故が起きた職場はこの間外注化を止めている職場で、当局はここぞとばかりに数カ月がかりで徹底的に幕張支部破壊攻撃に入りました。本社あげて、毎日25人の管理職が来て職場に圧力をかける。助役・管理者は業務命令の出し方まで訓練された。
 これを全部はね返しました。結局、千葉支社との間で「問題があったのは管理体系でした。現場には一切問題はありませんでした」と言わせるまでやりました。おそらく処分は出るでしょう。しかし、この闘争は勝ったと僕は思っています。団結は強まったし、組合員が本当に闘う気になった。これで勝ちだ、と。
 こうして5年間全力でやってきて私が確信を持ったことは、こういう闘いの継続の上に闘う労働組合の全国ネットワークはあるということです。
 そういうことも含めて3労組で議論してきたことは、職場での闘いなしに勝負にならないということでした。

写真 動労千葉・田中康宏委員長 体制の行き詰まり

 ――いよいよ改憲を掲げて安倍政権が登場しようとしています。
 北朝鮮のミサイル実験を口実に、排外主義・国家主義が洪水のように浴びせられています。小泉の8・15靖国神社公式参拝が強行され、それをめぐって加藤紘一宅が右翼に焼き討ちされた。そして、ほぼ安倍政権がこの9月に誕生する。
 本当にかつての時代の後を追っかけていると思えてなりません。1930年、当時の首相だった浜口雄幸が東京駅で狙撃され、その後、5・15事件から社会が一気に反動的な流れにのまれていく過程があった。今度の加藤紘一宅の焼き討ちなんか、自民党は抗議声明一つ出さない。靖国に反対したんだから当然だという雰囲気ですよ。容易ならざる時代だと言わざるをえません。靖国参拝をめぐる天皇発言をめぐっても支配階級の中が完全に分裂している。
 私は安倍とは同世代の人間です。ほんとに勝負しないといけない。あんなやつに負けていられるかという気持ちです。改憲を掲げ、自衛隊海外派兵の恒久法まで作ると言っている。アメリカのイラク侵略戦争や、イスラエルのレバノン侵略戦争と同じことを自衛隊がやるということです。
 憲法改悪の問題は、単に一つの反動法案ということではない。国の基本法ですから。憲法順守義務がある政府や議会が、憲法の根本を変えるなどということは法律上は絶対にできない。これは本質的にクーデターなわけです。
 国民投票法案は、公務員・教育者・全逓労働者も含めて改憲反対の運動を禁止するものです。9月末から始まる臨時国会には、この国民投票法案を始め、教基法改悪案、共謀罪新設、防衛庁「省」昇格法案など改憲にむけた反動法案がすべて出てくる。冒頭から大変な激突です。間違いなく日本の労働者の未来をかけた勝負になります。
 憲法改悪をめぐる闘いは、労働者階級と、憲法を変えて戦争に突き進もうとする支配階級が、真正面からぶつかるということです。日本の労働者は戦後大変な闘いに立ち上がった。しかし2・1ゼネストがつぶされて決着がつかなかった。だから一方で、天皇制を象徴天皇制という形で持っている。もう一方で、憲法9条をもっている。いわば妥協の産物です。
 もう一度、こういう一大階級決戦が問われている。そういう力を持たないといけない。
 ――他方で「格差社会」と言われる現実が激しく進んでいます。
 OECD(経済協力開発機構)が7月20日に出した報告では、日本はOECD加盟国で米国に次ぐ第2位の貧困大国になっている。厚生労働省の労働経済白書では、10年間で460万人の正規雇用が失われたと言っている。それにとって代わったのがまったく無権利の620万人のパート、フリーターなど超低賃金の非正規職労働者です。
 日経連は、95年に労働者の9割を非正規雇用化するという「新時代の日本的経営」を出し、その方向で労働法制改悪、規制緩和、民営化などの攻撃を推し進めてきました。その結果が今の格差社会です。
 要するに資本主義体制は根本的に行き詰まっているということです。もう飯を食わせることすらできなくなっている。
 しかし、本格的な攻撃はこれからです。公務員制度改革、医療制度改革、増税、年金などすべての面で攻撃がかけられようとしています。文字どおり食っていけなくなります。
 つまり、社会の土台が根本的に変わってきているんです。当然、労働者の意識も変わる。それを国家主義・排外主義の側に組織されるのか、それとも、こんな社会は倒さなきゃいけないというふうに組織するのか。それが11月集会の背景にある情勢です。重要なことは、ここからどういう可能性が生まれているのかということです。

 全世界で闘い爆発

 300万人の決起で初期雇用契約法を粉砕したフランスの闘い、あれは労働者が本当に社会の主人公として登場した瞬間です。国会で通った法案をゼネストとデモで粉砕しちゃったわけだから。
 何よりも韓国の民主労総は数波のゼネストで非正規職法を必死に食い止めている。アメリカの移民法粉砕の1千万人決起もそうです。あるいは南米のデモのスローガンは11月集会と同じで「民営化・規制緩和で俺たちは殺される」です。そうやって次々と親米政権を覆し、南米はほとんどが反米政権になっている。
 つまり今、全世界で新しい動きが始まっているということです。
 この間、AFL―CIO(アメリカ労働総同盟・産別会議)会長のスウィニーが日本に来て、連合の集会で発言しました。「とにかくアメリカの現実はひどい。社会の雪崩現象がいつ起こってもおかしくない」と言っている。つまり、労働者が総決起してしまう、もうAFL―CIOの支配が事実上崩壊してしまっている、連合は同じ失敗を繰り返さないでくれ、と言っているんです。
 清掃労働者を組織しているSEIU(サービス従業員国際労働組合)がヒスパニックの労働者を一番組織している。なのに移民法を認めてしまった。こんな裏切りを蹴破って1千万人が決起して街を止めた。アメリカの既成労働運動は実質的に打倒されている。これがいま起こっていることです。日本の労働者も絶対に無縁じゃないんです。
 そして、スウィニーの講演の結論は、「だから中間選挙で民主党を絶対に勝たせないといけない」、それしか労働者の怒りを押しとどめる術(すべ)はないと言っている。これは連合の言っていることと同じです。
 自治労本部、日教組本部は今、来年の参院選で民主党を勝たせようと全力をあげています。しかし民主党は、明白に改憲を唱える政党です。支配階級は、自治体、教労、全逓、国鉄の4つの産別に、今も戦後労働運動の階級的闘いが脈打っていることを容認できなくなっています。だから4大産別の労働組合の階級性を解体し、改憲容認に転落させる攻撃が激しく襲いかかっているのです。
 これは、労組の存亡をかけた闘いであるとともに、改憲阻止決戦そのものです。「日の丸・君が代」不起立闘争を始め、自治労でも全逓でも本部の裏切りに対する怒りが激しく渦巻いている。これから本格的激突が始まる。6千万労働者の未来のかかった大決戦です。
(写真 日米韓の労働者4600人が結集した昨年の11月労働者集会。デモの先頭は田中委員長【05年11月6日】)

 退路を断って闘う

  ――11月集会のいま一つの焦点が国鉄1047名闘争だと3労組で議論されたそうですが。
 国労大会で佐藤委員長は、政治解決にむけて4党合意関係者に一人ずつ会って「おわび」して回ったとわざわざ大会あいさつで言っている。まさに4党合意と同じ轍(てつ)を踏んでいる。
 問題は、これに国鉄闘争支援共闘会議や鉄建公団訴訟団などが乗ってしまっていることです。自分たちは4党合意を押しつけられ、統制処分を食らって金まで止められたんだ、「おわび」をするなら1047名に対しておわびしろと言うべきなんですよ。
 しかし、闘う闘争団までこうなっているのは、やはり、この状況を食い破って力関係を変えることへの絶望があると思うんです。これまでの枠の中で考えたら、もうこれ以上いかない、苦しいという中から政府にお願いしようというところに転落してしまう。
 しかし、上層部はこういう状況だけど、実際に解雇されて20年間頑張って闘い抜いてきた仲間たちはそんなことを認めるわけないんです。僕らはそこに確信を持っています。だから絶対に分岐が起きる。今度の11月集会は、そういうものを作り上げる集会にしたい。
 国鉄分割・民営化をもう一度思い起こしてほしい。これで総評・社会党をつぶして新憲法を安置するというのが敵の方針だったわけです。1047名が頑張ってきたことが改憲をここまで押しとどめてきたんです。今が勝負、これから本当に1047名闘争が輝いてくる時になんで引くんだ。そんなことは絶対にさせちゃいけない。動労千葉も1047名の一員ですから、そうさせないために訴えていきたい。
 ――青年労働者と学生の生き生きとした闘いが始まっています。
 可能性が無限大に広がっている。1万人結集を実現しよう、そういう情勢が目の前にあるわけです。全世界の労働者が立ち上がっている、変わって来ている。日本の労働者も僕らのやり方次第で必ず立ち上がる。
 こういう歴史の転換点で、その状況を必死になってつかめなかったらその組織や運動、労働者はダメになる。なんとしても1万人結集を実現しようではないですか。
 時代の可能性を敏感に感じてほしい。確かに血なまぐさいことが起きていますが、その中で可能性を感じるということです。
 例えば、「ここに来れば団結が学べるから」と言って動労千葉の労働学校に若い人たちが続々と来てくれている。20歳の若い女性が初参加して「体が震えるほど感動しました。労働者が団結できるなんて思っても見なかった」って、ビックリマークが五つぐらいついた感想文を出している。これはもう、世の中変わってきてるってことなんです。そのことに本当に確信を持って職場で組織してほしい。3労組も動労千葉も退路を断って11月1万人に向かって頑張りますので、よろしくお願いします。

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たたかう労働組合の全国ネットワークをつくろう!/改憲・戦争と民営化―労組破壊にたち向う労働者の国際的団結を!

 11・5全国労働者総決起集会

   11月5日(日)正午開会
   東京・日比谷野外音楽堂
呼びかけ 全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部/全国金属機械労働組合港合同/国鉄千葉動力車労働組合

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週刊『前進』(2262号1面3)(2006/09/18)

 三里塚 「北延伸」着工粉砕せよ

 9・17緊急現地闘争に立とう

 9月5日、国交省、成田空港会社、千葉県など関連自治体でつくる「成田空港に関する四者協議会」は、暫定滑走路「北延伸」着工を今月中に強行することを発表した。われわれは満身の怒りをもってこの農民殺しの「北延伸」攻撃を迎え撃ち、着工を実力で粉砕することを宣言する。三里塚芝山連合空港反対同盟は、9月17日に三里塚現地で「北延伸」着工弾劾デモを行うことを急きょ決定した。9・17緊急闘争に全力で決起しよう。
 堂本千葉県知事を筆頭とするこの極悪「四者協議会」は、「騒音問題や発着回数で地元と合意」と打ち出したが、地元中の地元、天神峰・東峰地区の住民は誰一人合意などしていない。これは反対する農家を地上げ屋まがいのやり口でたたき出すための、暴力的着工通告だ。しかしこの攻撃には何ら成算がなく、敵は三里塚40年の闘いに追いつめられている。
 反対同盟との血盟にかけて立ち上がるときは今をおいてほかにない。市東孝雄さんの畑を守れ! 東峰の森破壊を許すな! 9・14千葉県農業会議包囲から9・17緊急現地闘争へ! 10・8全国総決起集会に大結集しよう(要項4面)。決戦の三里塚にかけつけよう!
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「耕作権解除」攻撃粉砕、堂本知事と農業会議は農地強奪申請を却下せよ
 9・14千葉現地闘争
 9月14日(木)午前9時
 千葉市・中央公園(パルコ前)
 主催 三里塚芝山連合空港反対同盟
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 北延伸の国家犯罪を暴け!
 市東孝雄さんの農地を守ろう!
 9・17着工弾劾デモ
 9月17日(日)午後1時30分
 市東さん宅南側開拓道路
 主催 三里塚芝山連合空港反対同盟

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週刊『前進』(2262号2面1)(2006/09/18)

 1047名闘争貫徹へ正念場の決戦

 「政治解決」路線を打ち破り 闘争解体の危機突破しよう

 処分攻撃を阻んでいる 動労千葉に連帯して

 労働者階級の命運をかけた決戦の時が来た。支配階級は改憲を最大の政権公約に掲げる安倍晋三を自民党総裁に就任させ、この秋の臨時国会で教育基本法改悪案、共謀罪新設法案、改憲国民投票法案、防衛庁「省」格上げ法案などの改憲4法案を何としても成立させようと狙っている。安倍は自衛隊の海外派兵を全面解禁する「派兵恒久法」の制定や、憲法解釈を変えて「集団的自衛権」行使を容認すべきことまで唱えている。日本帝国主義が本格的に戦争・改憲に踏み込もうとしている中で、国鉄闘争もその帰趨(きすう)を問われる大きな分岐点に立っている。

 改憲阻止の闘いに立つべき

 鉄建公団訴訟の9・15判決から1年を経て、国鉄1047名闘争は今、重大な危機にある。
(写真 安全運転闘争に対する不当処分を弾劾しJR東日本千葉支社に抗議する動労千葉【5月16日】)
 国労本部の佐藤勝雄委員長は、7月14日の国土交通省への申し入れに際し、同省の官僚を前に「4党合意に際し国労として受け止めることができず、関係者にご迷惑をおかけしたことをおわびする。委員長就任以来、4党合意関係者に直接お会いしておわび申し上げ心を平らにして頂いた」と述べて頭を下げた。これが「政治解決」なるものの正体だ。敵階級にどこまでもはいつくばり、4党合意の復活をこいねがう以外に、国労本部はなんの方針も持ち合わせていない。
 だが、国鉄闘争の最大の危機は、鉄建公団訴訟を支援してきた勢力までが佐藤委員長のこうした姿勢を容認し、国労本部と手を組んで「年内政治解決」を唱えていることにある。
 支配階級が改憲へと突き進んでいるさなかにあって、政治解決などなんの現実性もないことは、誰もが分かっていることではないか。中川政調会長は「次期政権の最大の抵抗勢力は官公労だ」と言ってのけた。民営化攻撃を一層激化させ、全逓(JPU)や日教組、自治労の解体に突き進んでいる敵階級が、1047名闘争を敗北のうちにたたきのめそうと策していることは明らかだ。
 支配階級は今や、全逓や日教組、自治労を改憲勢力に取り込もうと躍起になっている。その水路となっているのが連合中央の「来年の参院選で民主党を勝利させ政権交代を図る」という方針だ。
 国鉄闘争をめぐる事態も、この中で起きている。「政治解決」路線とは、「政府与党の機嫌を損ねるな」と屈服に次ぐ屈服を重ねた末に、国労を改憲勢力に転落させるものにほかならない。その意味でも、鉄建公団訴訟を闘ってきた勢力が、「政治解決」の窓口として民主党への傾斜を深めている事態は、大変な危険をはらんでいると言うほかにない。
 秋の臨時国会は、教基法改悪や共謀罪新設、国民投票法案などをめぐって、労働者階級が巨大な怒りをたたきつけるべき重大な決戦だ。労働者が国会前を怒りで埋め尽くそうとしている時に、ひとり国労だけが「政治解決」を哀願するために政府・与党に頭を下げるのか。それは、国鉄闘争に期待し、そこに自身の未来をかけて支援してきた膨大な労働者に背を向けることではないのか。
 むしろ今、あふれ出しつつある労働者階級の怒りの先頭に国鉄1047名闘争が立ってこそ、解雇撤回を現実に引き寄せることができるのだ。
 国鉄分割・民営化はまさに、国家の総力を挙げた不当労働行為として強行された。20万人の国鉄労働者が職を奪われ、200人もの労働者が自ら命を絶った。その苛烈(かれつ)な攻撃との闘いは、今なお1047名の解雇撤回闘争として継続されている。
 国鉄分割・民営化は、すべての勢力をふるいにかけた。動労カクマルはいち早く敵の手先となって延命することを決断し、国労や動労千葉に反革命的に敵対した。国労本部は、なすすべもなくこの攻撃に翻弄(ほんろう)された。国労が修善寺大会で「分割・民営化反対」を掲げて踏みとどまったのは大きな勝利だったが、分割・民営化と根底的に対決する戦略は確立しえずにきた。
 これに対して動労千葉は、首をかけても労働組合の団結を守りぬくことを決断し、分割・民営化反対の2波のストライキを貫いた。これによって動労千葉は組織を守りぬいたのだ。
 この違いは、組合指導部が組合員と労働者階級を根底から信頼しているかどうかによっている。

 体制内労働運動から脱却を

 民同や日本共産党、社会主義協会派、カクマルに至る全党派は「国家権力や資本が本気になって攻撃をかけてきたら労働者はひとたまりもない」という労働者不信の思想から一歩も抜け出ることができずに破産した。
 支配階級が今また全面的な民営化に突っ込んでいる中で、破産した体制内労働運動を踏み破って進むことが必要なのだ。

 資本との闘いが解雇撤回の基軸

 資本と闘わずに解雇撤回はありえない。ところが国労本部は、資本と真っ向から対決する道を常に回避し続けてきた。
 1047名の清算事業団からの解雇を控えた89年、国労は臨時大会で「全面一括解決要求」を打ち出したが、それはスト権ストへの202億円損害賠償訴訟を採用差別問題と絡めて和解解決に持ち込むものとしてのみ位置づけられた。村山政権の登場以降、国労本部は政治解決路線にのめりみ、98年5・28反動判決後は、自民党の懐に一直線に飛び込んで、国鉄改革法の承認や4党合意の受諾にまで突進した。
 この過程で国労本部は、幾度もむなしい幻想を吹聴し、闘争団員に幻滅を味わわせてきたに違いない。だからこそ闘争団は、国労本部が4党合意受諾という露骨な裏切りに踏み込むや、「私たちの人生を勝手に決めないで下さい」という血叫びを上げたのだ。4党合意をめぐる激烈な攻防の中で、闘争団が鉄建公団訴訟に立つこと決断したのは、もはや国労本部の無責任な思惑にもてあそばれることを拒否し、自らが闘争の主体に躍り出るためではなかったのか。
 そこには、単に「政治解決」に「裁判闘争」を対置したにとどまらない歴史的な意味がある。国労本部の統制処分に屈せず鉄建公団訴訟を貫くことで、闘争団は体制内労働運動と決別する第一歩を踏み出したのだ。
 その道を引き返してはならない。国労本部と同様の発想で、裁判闘争をJR本体の闘いから切り離し、労働者に渦巻く巨大な怒りから切り離して、法廷での勝敗のみに闘いをゆだねてはならない。裁判の結果がどうなろうと、闘いの構えがあれば主体の団結は強化される。また裁判闘争をそう位置づけてこそ、法廷での闘いも前進する。
 今日、大事故の続発という形で分割・民営化の破産に直面し、巨大な矛盾にあえいでいるのは敵の側だ。
 JR東日本が「ニューフロンティア21」を打ち出し、「第2の分割・民営化」攻撃に踏み込んできた時、動労千葉は厳しい決断を迫られた。JR東日本は、合理化推進条項と抱き合わせにしたシニア協定をのまなければ、組合員を定年後、関連会社に再雇用しないという攻撃をかけてきた。だが、動労千葉は、組合内の真剣な討論を重ねてこれをはねのけ、検修・構内の外注化をストップさせて、逆にJR資本に矛盾を強いた。反合・運転保安確立を掲げてのストライキや安全運転闘争、職場における日常的な闘いが敵を追いつめ、JRは幕張車両センター構内事故に対してもいまだに処分を発令できずにいる。こうした闘いと結びついてこそ、1047名闘争の勝利はある。
 他方、4党合意を受け入れた国労本部は、組合員の要求を圧殺してJRの大合理化を容認し、国労の主力をなす保線の外注化と出向強制に対する闘いも放棄した。
 だが、JR本体の国労組合員がチャレンジや革同の反動的指導のもとに制圧されているわけでは断じてない。4党合意のもとで進行した配属差別や昇進昇格差別事件の和解は、JR資本をつけあがらせ、極限的な合理化と安全の解体をどこまでも進行させた。JR本体の国労組合員の怒りもまた、激しく噴出しようとしているのだ。
 鉄建公団訴訟を闘いぬいてきた闘争団には、本来、その怒りを糾合できる力があるはずだ。裏切りを深める現国労執行部を打ち倒し、国労を再生させる力があるはずだ。20年の闘いを貫いてきた闘争団が真剣に改憲阻止闘争を呼びかければ、巨万の労働者が結集する情勢が来ているのだ。国鉄闘争はいよいよその真価を発揮すべき時を迎えている。国労本部や既存のナショナルセンターとの合従連衡(がっしょうれんこう)や数あわせに腐心して、闘いの本筋を見失ってはならない。

 国労再生の風穴は開けられた

 鉄建公団訴訟原告団への統制処分に反対し、闘う国労の旗を守ろうとして国家権力と国労本部による刑事弾圧にさらされた国労5・27臨大闘争弾圧の被告たちは、ついに酒田充・前国労本部委員長の証人喚問を裁判所に決定させる勝利を切り開いた。4党合意以来の一切を総括し、国労を再生させるチャンスは来た。
 この弾圧との闘いは、国労を闘う労働組合によみがえらせようとする現場組合員と国労本部との、最も激烈な攻防点になっている。
 動労千葉など3組合が呼びかける11・5労働者集会は、既存の腐りきった労働組合幹部に成り代わり、現場労働者を中心とした新たな労働運動を生み出すための歴史的決戦だ。動労千葉の反合・運転保安闘争は、アメリカのILWU(国際港湾倉庫労組)やAMFA(航空整備士労組)、韓国の民主労総やイギリスのRMT(鉄道・海運・運輸労組)の熱い共感を呼んでいる。それは、動労千葉の闘いの中に資本と職場で立ち向かう労働者の闘いの普遍性が示されているからだ。
 世界の労働運動は、腐敗した既成指導部をのりこえる現場労働者の根底的な決起の開始を告げ知らせている。その息吹は、国境を越えて日本にも押し寄せつつある。この中にこそ、国鉄闘争の勝利がある。国際連帯のもとに開かれる11・5労働者集会は、1047名闘争の勝利にとっても巨大な位置を持っている。11・5に総結集し、国労を闘う労働組合に塗り替える出発点を築こう。

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週刊『前進』(2262号2面2)(2006/09/18)

 国労弾圧公判 酒田前国労委員長が次回証人に

 検事の異議封じ喚問を決定

 国労再生へ重大局面開く

 9月6日、東京地裁刑事第10部(青柳勤裁判長)で国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第63回公判が開かれた。被告団・弁護団の粘り強い闘いを前に、この日の公判で裁判所はついに酒田充・前国労本部委員長と笹原助雄・現国労東京地本書記長の証人喚問を決定した。次回9月27日の公判は、酒田前委員長の証人尋問となる。無罪獲得と国労再生に向けての重大な勝利が切り開かれたのだ。5・27臨大闘争弾圧裁判は、弁護側立証の冒頭から、最も緊迫した攻防局面に突入した。
 この弾圧は、鉄建公団訴訟を提起した闘争団員への統制処分手続きが強行決定された02年5月27日の国労臨時大会に際し、国労本部の方針に抗議してビラまき・説得活動に立った国労組合員らの行動が「暴力行為」にデッチあげられたものだ。大会会場が機動隊によって制圧される中、被告とされた国労組合員らは、大会準備本部関係者らが宿泊するホテル前に赴き、会場に向かう貸切バスに乗り込む組合員らにビラを配布しようとした。ところが国労本部派は、3列縦隊を組んでビラを受け取らずに被告たちを押しのけ、強行突破を図った。これが原因となって生じた多少のもみ合いが、「暴力行為」に仕立て上げられたのだ。
 この裁判ではすでに、酒田前委員長(事件当時は東京地本委員長)が、貸切バスの車内から公安刑事に携帯電話をかけ、反対派組合員を逮捕するよう要請していた事実が明らかになっている。鈴木勉・東京地本法対部長(当時)が撮影したビデオテープには、公安刑事に電話をかける酒田の声がはっきりと録音されていた。鈴木も、その声が酒田のものであることを法廷で認めた。
 このビデオテープがダビングされ、酒田をつうじて警察の手に渡ったことも、警視庁公安部の遠山文雄巡査部長の証言で明るみに出た。
 さらに、「被害者」と称して出廷した石井勝幸・国労本部会計監査員は、酒田や警視庁公安部の星隆夫警部らから「被害届」を出すように説得された事実を証言した。
 そもそもこの弾圧は、労働組合内部のささいなトラブルを、国労本部と公安警察が「暴力行為」に仕立て上げたものだ。酒田前委員長は事件がねつ造された過程をつぶさに知る最重要の証人だ。

 法廷を圧した弁護団の陳述

 公判では、前回に続き弁護団の冒頭陳述が行われた。15章に及ぶ弁護団の冒頭陳述は、5・27臨大を強行した国労本部の不当性と、これに反対した被告たちの行動の組合活動としての正当性を、その歴史的背景も含め事実に基づき詳細に論じきった。この弾圧自体、国労本部と国家権力が結託して強行した団結権侵害にほかならない。
 公判は証人採否の手続きに移った。検察側は、酒田証人の採用について「事件の背景事情、警察への通報、事件後の対応などは犯罪の成否に関係ない。証人尋問の必要はない」と述べて抵抗を試みた。一瀬敬一郎主任弁護人がすかさず、「酒田証人は当日、現場にいた。暴行の有無に密接にかかわる」と反論した。
 青柳裁判長は、数分の合議の後に酒田証人の採用を決定した。だが、検察側はしつこく異議を繰り返した。佐藤昭夫弁護団長が立ち上がり、「行為の目的、行為に出たいきさつが重要な判断要素となることは、最高裁判例で確立されている。『本件は単純な暴力事件』という検察官の見方は誤りだ」と声を強めた。裁判長が異議を棄却した後も、検察側は「法廷が糾弾の場にならないように要請する」などと言い張った。
 本件起訴を強行した検察側のもくろみは完全に裏目に出た。被告団・弁護団の不屈の闘いは、ついに国労再生への大きなチャンスをつくりだしたのだ。国労組合員を先頭に、酒田証人尋問が行われる次回公判に結集しよう。被告の無罪獲得へ、さらに闘いを強めよう。

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週刊『前進』(2262号2面3)(2006/09/18)

資本攻勢&労働日誌 2006 8・21〜9・1

 日本経団連 消費税アップを要望へ

 労政審が審議再開/全県で地域別最賃引き上げに

●偽装請負への是正指導最多に 
「偽装請負」と呼ばれる違法な雇用形態について、全国の労働局が05年度に是正指導したのは過去最多の974件に上ることが厚労省のまとめでわかった。(8月21日)
●厚労省が民間主要企業の賃上げ調査 厚労省は06年の「民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況」を発表。集計対象の妥結額の加重平均は5661円、率で1.79%。昨年を額で239円、率で0.08ポイント上回り3年連続のプラス。(21日)
●自治労連が定期大会 自治労連は23日まで定期大会を開き、「改憲と構造改革に対決する」などとした運動方針を決定。(21日)
●自治労が定期大会 自治労が25日まで大会。公務員制度改革への屈服や、来年の参院選挙での民主党支持一本化など、改憲との闘いを放棄する本部方針に批判が相次いだ。同日、「指定管理者制度の導入状況に関する調査」中間報告を発表。(24日)=要旨別掲
●日本経団連が消費税率引き上げの要望へ 日本経団連の御手洗富士夫会長は講演で消費税率の引き上げを政府に求めていく考えを示した。引き上げ幅については「来年1月をめどに取りまとめたい」と述べるにとどめた。(28日)
●7月の完全失業率4.1% 総務省統計局が公表した労働力調査によると7月の完全失業率は4.1%で前月比0.1ポイント低下。厚労省発表の7月の一般職業紹介状況によると、有効求人倍率は1.09倍で前月比で0.01ポイント上回った。(29日)
●JAMが定期大会 JAMは31日まで大会を開き07年度活動方針を決定。「派遣・請負労働の実態ヒアリング調査」の中間報告を発表し請負労働者が正社員数の約45%に達していることを明らかに。31日には「自律的労働時間制度に反対する決議」を採択。(30日)
●経済財政諮問会議の民間議員一新へ 政府は、経済財政諮問会議の民間議員4人を全員退任させる方針を固めた。奥田の後任には、日本経団連会長の御手洗キヤノン会長が就任する。(30日)
●労政審が再開 2カ月間中断していた労働政策審議会労働条件分科会が再開。労働契約法制の厚労省素案は棚上げに。経営側は「ホワイトカラーエグゼンプションについて優先的に議論を」と主張。次回は9月11日。(31日)
●地域別最低賃金は全都道府県で引き上げに 地域別最低賃金の改正に関する審議がすべての都道府県で終了。各都道府県で2〜6円アップしている。(31日)
●請負労働者を直接雇用 徳島県の自動車部品メーカー「光洋シーリングテクノ」は請負会社の労働者約200人のうち59人を直接雇用することを明らかに。JMIUが実態は「偽装請負」だとして直接雇用を求めていた。(9月1日)

 「指定管理者制度の導入状況に関する調査」 (2006年)中間報告概要

 回答のあった1370自治体のうち、指定管理者制度を導入しているのは1075自治体で、導入施設数は4万1110施設。これは施設数全体の15.4%にあたる。
 受託した団体の種類で最も多かったのは、財団法人・社団法人が32.5%(1万3393)で、「株式会社等」は11%(4613)、NPO法人は1.8%(737)。
 導入された施設数では、都市公園が5631施設と最も多く、次いで集会所・コミュニティーセンター(5585)、公営住宅(4890)、高齢者施設(3382)などの順だった。導入自治体数が最も多かったのは高齢者施設だった。
 ただ、従来、自治体が外郭団体などに管理委託してきた施設をみると、外郭団体がそのまま指定管理者になったのが88.4%に上った。

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週刊『前進』(2262号2面4)(2006/09/18)

 「安全」敵視の処分は不当

 動労千葉が労委に申し立て

 動労千葉は、安全運転闘争に対してJR東日本が出した不当な処分の撤回や、争議行為に対する支配介入の禁止などを求めて、9月4日、千葉県労働委員会に救済を申し立てた。
 06春闘で動労千葉は、3月10日から18日にかけて安全運転闘争を展開した。それは、@千葉支社管内のすべての線区で最高速度を10`ダウンする、A回復運転はしない、B構内では制限速度を厳守する、C運転中、危険と認めた時は必ず列車を止める、あるいは速度を落とす――など、運転保安を守るために必要なことを組合の指示のもとに実施するという闘いだった。
 05年4月に起きたJR西日本の尼崎事故は、国鉄分割・民営化によって形成されたJR体制のもとで、鉄道の安全が根本的に崩壊させられている事実を衝撃的に突き出した。JR東日本でも、尼崎事故以前からレール破断が頻発する異常な事態が起きていた。それは、JR東日本が00年に打ち出した「ニューフロンティア21」以来の極限的な合理化、鉄道業務の外注化、人員削減の結果にほかならない。
 動労千葉の安全運転闘争は、事故の危険にたえずさらされている現場の運転士が、自身と乗客の命と安全を守るための当然の闘いだった。ところがJR東日本はこれに対して「会社の運行管理権を奪う違法な争議行為」と非難し、動労千葉組合員が運転する列車の運転台に管理者2人を乗り込ませて監視をするなどの弾圧態勢をとった。そして、事情聴取と称して組合員を呼び出して、組合の決定などについて問いただすなどの不当な介入を行った上で、4月12日以降、本部役員6人に戒告、本部役員1人に訓告、遅れが出た運転士12人に厳重注意の処分を発令した。
 列車に遅れが出たといっても、それは最大で4分15秒にすぎない。戒告や訓告の処分を受けた本部役員に対しては、定期昇給における減俸や夏の一時金のカットという措置までとられている。こうしてJRは、安全よりも組合つぶしに重きを置く、許しがたい姿勢をむき出しにしたのだ。
 闘わなければ労働者の命も安全も守れない。反合・運転保安闘争を貫く動労千葉に続こう。動労千葉は今もなお、幕張車両センター事故に対する重処分策動や、館山運転区・千葉運転区木更津支区廃止攻撃との激しい闘いを貫いている。職場から資本と闘い、闘う労働運動をよみがえらせよう。11・5労働者集会の1万人結集へ、総力で闘いぬこう。

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週刊『前進』(2262号3面1)(2006/09/18)

 改憲阻止の旗高く 9・23労働者集会へ

 動労千葉の呼びかけに応え

 青年労働者を先頭に 職場から大結集を

 政府・自民党は自民党総裁選後の臨時国会を9月26日に開会しようとしている。教育基本法改悪を筆頭に共謀罪、国民投票法案、防衛庁「省」昇格法案など憲法改悪に直結した法案の強行が狙われる今秋臨時国会との対決は、労働者階級にとって死活的な闘いだ。動労千葉が呼びかける「憲法9条改悪阻止! 戦争と民営化―労組破壊攻撃に立ち向かう9・23労働者集会」が開催される。職場・地域から大挙駆けつけ、11・5全国労働者総決起集会の1万人結集へ突き進もう。

 労組・労働者が中心に

 9・23は、新憲法制定を公然と掲げる安倍新政権と真っ向から対決し、「憲法9条改悪阻止」を掲げて労働者が集い、集会とデモを行う日だ。
 今、最も必要なのは、「労働組合と労働者が改憲阻止闘争の中心に躍り出る」ことだ。このことは本来、あまりにも当然のことのはずだ。しかし今、労働組合が労働組合として「改憲反対」の集会やデモを行うことは、まったくと言っていいほどない。戦後の反戦・平和運動の中心を担ってきた自治労本部や日教組本部も、「改憲反対集会」などけっして開かない。それどころか、今年1月19日の連合中執決定にのっとり、「国民投票法案賛成」という形で改憲推進方針へ大転落しようとしている。
 政府・自民党は労働者の反戦・平和意識をたたきつぶすため、自治労・日教組を改憲推進勢力に転向させることに焦点を据えている。そのことは中川自民党政調会長の「次期政権の最大の抵抗勢力は官公労だ」という発言にも明らかだ。自治労本部と日教組本部はこの攻撃に完全屈服した。
 しかし、既成指導部がいかに屈服しようと、現場組合員は圧倒的に「9条改憲絶対反対」の熱い思いを持ち、闘いを求めている。自治労本部・日教組本部は、改憲推進方針を公然と掲げようものなら、現場組合員の怒りで打ち倒されるという圧力にぎりぎりと締め上げられている。ここに敵の致命的な弱点がある。
 今年2月3日、全日本海員組合と全国港湾が「憲法改悪に反対する共同アピール」を発し、「戦火の海に船員は二度と行かない」「軍事荷役はやらない」と宣言した。海員、港湾労働者、鉄道・航空・運輸労働者、医療労働者、教育労働者、自治体労働者――労働者が職場・生産点から戦争協力拒否闘争をまき起こした時、憲法改悪など吹き飛ぶのだ。
 国民投票法案は自治体労働者、教育労働者、全逓労働者の改憲反対運動を禁じるという。そうであれば自治労100万、日教組30万を先頭に、すべての公務員労働者が街頭に出て改憲反対のビラをまき、署名を集めよう。労働者が数万、数十万立ち上がれば何でもできる。改憲案が過半数の賛成を集めることなどありえない。
 労働組合と労働者が自らの力を自覚し、改憲阻止闘争に立ち上がれば、おごり高ぶった安倍など吹き飛ばせるのだ。
 動労千葉が呼びかける9・23労働者集会に結集し、労働者の改憲阻止闘争の突破口を開こう、。

 動労千葉と共に11月へ

  国鉄分割・民営化に対して2波のストライキで真っ向から対決し、今もJR体制と闘い勝利している動労千葉の闘いこそ、多くの労働者の階級的魂を揺さぶり、勝利の展望を指し示している。にもかかわらず、私たちは、既成指導部に失望しながら出口を求め続ける労働者に、動労千葉の闘いの大きさをまだまだ伝えきれていない。
 4月6日に幕張車両センターで起きた事故をめぐり、動労千葉は組合員の運転士本人への責任転嫁を断じて許さず、当局の責任を追及して闘い、事故から5カ月たつ今も処分を阻止している。多くの労働組合にある「闘っても勝てない」という敗北主義を突き破り、勝利の展望を示している。
 この闘いを多くの労働者に伝え、9・23集会への参加を訴えよう。『コミューン』10月号「特集/勝利する動労千葉―職場の闘い」を広め、動労千葉とともに闘うことが自らの勝利をも開く道であることを訴えよう。
 9・23労働者集会に結集し、労働者の力で9条改憲を阻止しよう。青年労働者を先頭に、労働者らしいシュプレヒコールを都心にとどろかせ、11・5全国労働者総決起集会に職場・地域から駆けつけよう。

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 憲法9条改悪阻止! 戦争と民営化−労組破壊攻撃に立ち向かう

 9・23労働者集会

 日時/9月23日(土)午後1時開場・1時30分開始
 場所/文京区民センター 都営地下鉄・春日駅下車すぐ 東京メトロ・後楽園駅下車200メートル JR水道橋駅下車800メートル
 ○基調講演/動労千葉執行委員長・田中康宏
 ○特別報告/「処分粉砕・基地廃止粉砕闘争」動労千葉
 ○発言/9条改悪阻止全国署名の訴え 百万人署名運動事務局
 職場・労組で闘う仲間から 全逓・自治体・国鉄・教育・医療・金属ほか

 

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週刊『前進』(2262号3面2)(2006/09/18)

 杉並 中学生を戦争訓練動員

 「防災の日」に反撃

 9月3日、杉並区は区内小・中67校で、日曜日にもかかわらず午前中の授業を強制し、午後から児童・生徒、保護者・教員をすべて動員する「総合震災訓練」を強行しました。区が策定中の国民保護計画に基づく戦災訓練そのものです。
 旧日産跡地にある桃井原っぱ広場では、井荻中学校から25人の中学生を動員し、担架に乗せた被災者を自衛隊大型ヘリまで搬送する訓練を強行しました。当初計画では「直接搬送はしない」といいながらです。
 都政を革新する会は、8月30日、区職員に戦争協力拒否を呼びかけるとともに、山田区長と教育委員会に訓練中止の申し入れを行いました。
 9月3日当日は、荻窪駅で訓練弾劾の街頭宣伝を行い、訓練会場では参加者に訓練中止のビラを配布。さらに都革新の区議を先頭に監視行動を行い、自衛隊へリコプターに対する弾劾のシュプレヒコールを浴びせ、危機管理室長に抗議をたたきつけました。保護者や区職員からもあちこちで共感の声があがりました。
 これに先立つ8月31日、都革新は三多摩労組交流センターなど3団体とともに、米軍の防災訓練参加に抗議して米軍横田基地に対して申し入れ行動を行いました。
 石原都政、山田区政は「防災」「国民保護」の名で戦争訓練を始めました。さらに戦争賛美・歴史歪曲の「つくる会」歴史教科書採択の全国0・4%の大半が杉並区と東京都です。
 戦争教育と動員訓練の開始に対して、自治体労働者・教育労働者を先頭に、戦争協力拒否の闘いを貫きましょう。杉並区の戦争動員計画である「国民保護計画」の9月原案策定を阻止しましょう。
 (投稿 SK)
(写真 戦場さながらの被災者輸送訓練に中学生を動員【9月3日 杉並】)

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週刊『前進』(2262号3面3)(2006/09/18)

 関西生コン デッチあげ有罪判決弾劾

 全日建運輸連帯労組が抗議

 8月24日、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部へのデッチあげ弾圧の判決公判で、1審大阪地裁はまったく許し難い有罪判決を下した。これに対して全日建運輸連帯労組はただちに抗議声明を出し、弾圧を打ち破る新たな決意と全国への支援・連帯を呼びかけている。この抗議声明をホームページより転載し紹介します。(編集局)

 抗議声明

全日本建設運輸連帯労働組合中央執行委員長 長谷川 武久 
全日本建設運輸連帯労働組合近畿地方本部執行委員長  戸田 ひさよし
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部執行委員長  武 建一

 本日午後、大阪地方裁判所(横田信之裁判長)は、政治資金規正法違反事件の判決公判で次のような判決を下した。
 武 建一委員長
罰金50万円及び公民権停止2年間
 戸田ひさよし市議
罰金80万円、追徴360万円及び公民権停止2年間
 関西地区生コン支部
罰金50万円
 戸田ひさよし友の会
罰金30万円及び追徴90万円
 判決は、裁判所が警察と検察の政治的意図に追随した、きわめて不当な内容というほかない。
 連帯労組は誤った司法判断を糾弾するとともに、無罪判決を求めてただちに控訴することを表明するものである。 
 この事件は、関西地区生コン支部が、政治家個人への団体献金を禁じた政治資金規正法に違反して、戸田ひさよし市議(大阪府門真市議。連帯労組近畿地本委員長も兼任)に政治資金を寄付したなどとして、大阪府警が昨年(2005年)12月13日、関西地区生コン支部の武委員長と戸田市議を逮捕。のちに、大阪地検が武委員長、戸田市議のほか、関西地区生コン支部と戸田市議の政治資金管理団体の4者を起訴したもの。2005年1月に始まる一連の関西地区生コン支部事件の第3事件である。
 事件は当初から警察と検察のあからさまな政治的意図をもって仕組まれた。
 武委員長がこの事件で逮捕されたのは、先行する第1事件・第2事件による長期勾留から11カ月ぶりに保釈される許可決定が出て、まさに拘置所を出る寸前(2日前)の日であった。戸田市議の場合も、警察は多数のマスメディアを引き連れ、わざわざ議会質問に備えて市の担当者から説明を受けている時間帯を選んで議員控室を襲い、さらし者にして逮捕した。しかも、両人とも、事前に任意の事情聴取を受けたこともなく、抜き打ち逮捕されたのである。
 故人となった橋本元首相ら自民党の大物政治家が1億円単位のヤミ献金を受け取りながら、逮捕も起訴もされなかった日歯連事件と比べてみれば、逮捕劇の異様さと不当性は明白であった。
 武委員長に対するそもそも不当極まりない長期勾留をさらに引き延ばし、運動と組織に徹底的なダメージを与えること、そして、地域で反戦、平和、福祉の運動の先頭に立つ戸田市議の政治的信頼を傷つけること。まさに「国策捜査」として仕組まれた権力弾圧の一環だったというほかない。
 公判でも警察と検察のストーリーは完全に破たんしていた。たとえば、かれらは関西地区生コン支部が組織として戸田市議に資金提供したと主張し、これを被疑事実としている。しかし実際は、関西地区生コン支部が組織の資金を戸田市議に提供した事実はなく、組合の一般会計資金とは全く別に、組合員有志が集めたカンパを武委員長が代表してまとめて送金した(2回に分けて計90万円)にすぎず、何ら罪にあたるものではないことが明らかになった。
 しかしながら、事実に基づき公正な判断をなすべき大阪地方裁判所は、恥知らずにも警察と検察の政治的意図を優先して有罪判決を下したのである。自らの使命を忘れた裁判所は厳しく糾弾されるべきである。
 私たちが今後、控訴審の場で徹底的にたたかうことはいうまでもない。
 しかし、それだけでは不十分である。
 警察や検察に追随する裁判所の誤った政治的振る舞いが、いかにこの国の民主主義を危機に陥れているか。いま立川反戦ビラまき事件をはじめ、市民の表現の自由や労働組合活動に理不尽な規制を加える不当な司法判断が相次いでいるが、今回の判決もその一環であることに私たちは注意を払いたい。
 したがって、私たちは自らの無罪のためだけにたたかうだけではなく、これら事件で弾圧された人びとやさまざまな運動体と手をつないで、こうした裁判所の姿勢を正す活動をより大きく強く広げていくためにも尽力する決意である。
 2006年8月24日

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週刊『前進』(2262号3面4)(2006/09/18)

 関西生コン弾圧裁判を傍聴して

 関西 K・M

  8月24日、全日本建設運輸連帯労組関西生コン支部に対する「政治資金規正法違反」デッチあげ弾圧裁判の判決公判が大阪地裁大法廷で開かれた。大法廷でも入りきれないほどの組合員と支援の仲間たちが、不当判決ゆるすまじ! と関西全域から駆けつけた。
 判決内容は、関西地区生コン支部武委員長に、罰金50万円及び公民権停止2年間。戸田市議(近畿地本委員長)に、罰金80万円、追徴金360万円及び公民権停止2年間など、全く不当な判決である。
 橋本元首相らの1億円単位のヤミ献金事件では起訴もなく逮捕さえなかった。公判後、当該の両委員長から怒りと闘いの決意表明があった。
 「『組合有志のカンパを集めて組織内議員に渡す』ことを『「違法な政治資金』とするならば、全国の無所属・市民派議員は活動できないではないか」「三権分立ではなく三権がますます一体となってやってきている。歯止めをかけるためにILO提訴も準備している」などなど。そして、直ちに控訴し闘い抜く決意が表明された。
 このデッチあげ判決は、小泉政権・日本経団連が、闘う労働組合を破壊するためにはどんなデタラメなデッチあげを使ってでも弾圧を強行することを示している。まさに3労組共闘が指し示す闘う労働組合の全国ネットワーク形成、11・5全国労働者総決起集会の1万人結集が、この弾圧を根底から打ち砕くものになる。さらに労働者階級の力を結集して弾圧を粉砕していこう。

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週刊『前進』(2262号3面5)(2006/09/18)

焦点 防衛庁「省」昇格法案の狙い

 侵略軍化と改憲の先取り

   たかが「名称変更」ということでは絶対にすまない。
 安倍官房長官は3日、秋の臨時国会で、教育基本法改悪案に加え共謀罪新設法案と防衛庁の「省」昇格関連法案の成立を目指す考えを表明した。公明党が了承したため前回国会の会期末ぎりぎりで提出され、継続審議になっている。
 法案は、防衛庁を「省」に昇格させるとともに、これまで付随業務とされてきた自衛隊の海外活動を「本来任務」とする自衛隊法の改悪案もセットになっている。
 現在、防衛庁は、外務省や財務省などのような独立した「省」ではなく、内閣府の外局である「庁」である。防衛庁長官は防衛庁という組織のトップだが、国防に関する主任大臣は内閣府の長である首相だ。
 「省」昇格で防衛庁長官は防衛大臣となる。法案が成立すれば、主任大臣として、予算の要求や法案の提出、人事などを閣議に直接かける権限を得る。また、有事法制に規定された「武力攻撃事態」の際の「防衛出動」や海上警備行動の承認をえるための閣議開催も直接要求できるようになる。
 自衛隊の指揮監督権や防衛出動の命令などは現行どおり首相権限だが、周辺事態法や対テロ特措法に基づく米軍支援実施の権限は、防衛大臣に移譲される。
 防衛大臣の権限を強め、煩雑な手続きを省いて迅速に米軍支援活動などを展開できるようにする。この間の日米安保の強化や在日米軍再編と一体だ。日米同盟に基づいて、米軍が行う世界中の侵略戦争に自衛隊が恒常的に参戦する体制を構築しようとしているのだ。
 「省」昇格は、防衛庁の長年の”悲願”だった。海外では大半の国が軍事組織を省に位置づけており、戦後的制約下の自衛隊から帝国主義軍隊への飛躍の野望が背景にある。小泉首相は法案の閣議決定に際して「なんで『庁』である必要があったのか。(省への)昇格は当然だ」と述べた。
 上級組織である内閣府の管理を外れることは、実務的な権限や手続きの変更にとどまらず、防衛庁の社会的位置や体質の重大な変更を意味する。憲法9条に制約された自衛隊の戦後社会における「ポジション」への挑戦であり、新憲法制定で自衛隊を正式に軍隊とすることの布石だ。
 また防衛大臣に自衛隊出身者が就任すれば、軍部の利害・意向がストレートに体現される。
 自衛隊を侵略戦争を行える帝国主義軍隊として飛躍させ、憲法9条を先取り的に解体しようとしているのだ。
 自衛隊の海外活動の本来任務への格上げも重大な問題だ。法案は、自衛隊の本来任務を「我が国を防衛すること」と規定している現行の自衛隊法3条に、新たに第2項を加え、「周辺事態への対応」と「国際協力の推進」を追加する。イラク特措法や対テロ特措法によるイラク侵略戦争などへの参戦と米軍支援を第2項に該当する活動とし、自衛隊の本来任務に位置づけるのだ。
 本来任務となることで、自衛官の命令拒否に対して、刑事罰(懲役7年)による弾圧も加わる。
 秋の臨時国会で廃案にしよう。

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週刊『前進』(2262号3面6)(2006/09/18)

焦点 ベトナム人200人を違法に雇用

 トヨタが超低賃金で搾取

 トヨタ自動車の下請け企業23社が法定の最低賃金や時間外割増賃金を守らずに約200人のベトナム人を働かせていたとして、労働基準監督署から労基法違反などで是正勧告を受けた(9月3日付東京新聞)。23社は、いずれもトヨタの2次下請けか3次下請けの企業であり、外国人の技能実習制度を悪用していた。
 1993年に制度がつくられた外国人の技能実習制度は、実際には外国人を「時給300円、使い捨て」の超低賃金労働力として働かせるために使われている場合が多い(8月17日付朝日新聞)。多くの外国人研修・実習生が「逆らえば帰国させる」と脅され、職場離脱しないようにパスポートを取り上げられたり、強制貯金させられたりしている。
 是正勧告を受けたトヨタ系23社は、業種や就労実態を問わず1カ月12万2千円の超低賃金でベトナム人労働者を働かせていた。時間外労働も常態化し、ある企業では1時間1009円以上支払うべきところを、半分以下の450円しか支払っていなかった。未払い賃金の総額は5千万円にのぼる。
 自分のところでこんな悪質な違法行為をやりながら、奥田トヨタ会長(5月まで日本経団連会長)は「受け入れ機関の不正行為に対しては処分を強化する必要があろう」(06年版経労委報告)などと平気な顔で言ってのける。こんな破廉恥がどうして許せようか。
 トヨタ自動車では偽装請負や労災隠しも日常的に行われてきた。請負労働者が大けがをしても労基署に労災の報告をせず、労災保険による休業補償の手続きを行わず、「出勤」扱いにして事故を隠してきた。労災と偽装請負の発覚を免れるためだ。絶対に許せない犯罪行為だ。
 また、国内ばかりではない。海外ではもっと激しい搾取と労組破壊を行っている。フィリピンでは01年3月、フィリピントヨタ労働組合(TMPCWA)の組合員233人を不当解雇した。その後、フィリピン政府と結託して御用組合を育成し、闘う労組つぶしに躍起となっている。今年8月には組合員200人の労働雇用省への抗議行動に対して、50人の警備員が襲いかかり、5発の銃弾を発射、6人に重傷を負わせ21人を不当逮捕した(2日後釈放)。これも全部、日帝政府とトヨタが行わせていることだ。フィリピンの労働者は不屈に闘っている。
 トヨタはこうした暴力支配と偽装請負を始めとする違法不当な手口で内外の労働者にすべての犠牲を押しつけ、年間1兆円もの純利益を搾り取ってきたのだ。
 トヨタは今、膨大なリコール車を出し、違法雇用、過労死、残業代不払い、セクハラ、リコール隠し、不当労働行為など様々な問題を噴出させている。それはトヨタのみならず日本資本主義のとんでもない反労働者的な姿であり、危機と破綻の始まりそのものだ。
 外への侵略戦争と内への階級戦争に突き進む日本帝国主義。これと対決し勝利できるのは職場闘争を軸にした労働者階級の団結と闘いだけである。

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週刊『前進』(2262号4面1)(2006/09/18)

 共謀罪 永久に廃案に

 安倍打倒、改憲阻止の突破口

 臨時国会攻防に総決起を

 共謀罪は、9月末から始まる臨時国会で10度目の国会になる。今度こそ革命党と全人民の総決起で永久に廃案にしなければならない。「美しい国」などと言って、天皇制と改憲、搾取と治安の強化を目指す安倍を誰が許せるのか。共謀罪攻防を安倍の命取りとなる闘いに発展させよう。今秋の共謀罪阻止闘争の爆発を安倍次期政権打倒の決定的な水路にしよう。

 労働者の団結破壊狙う

 安倍晋三は9月3日、自民党東北ブロック大会で共謀罪法案の成立を教基法改悪・防衛省昇格法案とともに臨時国会で優先させると発言、強行突破の意志を明らかにした。満腔(まんこう)の怒りをもって安倍発言を弾劾する。
 共謀罪法案は、話し合いを処罰するとんでもない思想取り締まり法であり、労働者の団結と民衆の連帯を弾圧する現代の治安維持法そのものだ。
 「まばたきひとつで共謀罪」(国会政府答弁)など、一体どうやって立証するのだ。団体の構成を同じくすることをもって共謀罪の対象とする以外にありえない。
 この共謀罪の骨格は、春の通常国会での6度の採決強行策動の粉砕、4度の与党修正案でもまったく変わっていない。労働者階級の団結破壊こそが共謀罪の狙いである。
 労働者階級の団結の維持・強化は、職場での日常的な闘いとともに、敵・支配者階級との共謀罪をめぐる攻防の中で生きた団結を獲得することにかかっている。
 だからこそ、動労千葉、港合同、関生支部の3組合は、春の通常国会決戦に先頭で決起し、共謀罪の成立を阻止した。3労組の決起に続こう。労働者の団結をめぐる共謀罪攻防を全力で闘い抜き、その力で11・5労働者集会1万人の大結集へ突き進もう。
 共謀罪は破防法と違って、刑罰の対象となる団体を警察が決定するため、政治警察の決定的台頭を呼び起こす。会話を立証する捜査手法を必要とするために、警察による盗聴社会をもたらし、警察が潜入するスパイ社会を生み出す。共謀罪は、議会政党から労働組合・市民団体・報道機関などをすべて支配する警察国家化を狙う悪法だ。
 警察国家の本質は階級闘争への予防反革命であり、その核心は政治警察への大変容である。
 共謀罪との闘いは、イラク戦争下、「外に向かっての侵略戦争、内に向かっての階級戦争」との闘いの攻防の先端で、資本と国家権力・政治警察による抑圧・弾圧からの解放的決起を実現する闘いである。

 審議抜き採決粉砕せよ

 治安維持法が「国体変革」「私有財産制度転覆」という二つの目的を処罰の対象としたのと違い、共謀罪は619の罪種を対象とした「誰にも適用できる法」ゆえに、支配階級の一番恐れる団体とそれに連なる一切の運動・支援者を対象にしていることは明白だ。
 それは革命党=革共同に対する破壊攻撃であり、労働組合やさまざまな自主的な運動体を弾圧の対象とする「団結禁止法」である。
 だからこそ共謀罪法案は、多くの労働者・民衆の反対にあって、昨年6月24日に審議入りしたまま成立できていないのだ。知れば知るほど反対の声が高まり、ブルジョアジー内部の分裂まで引き起こし、階級関係を大きく動かすところまで闘いは進んできた。
 国会闘争で育ち、国会闘争で陣形を拡大していったのが共謀罪阻止闘争である。街頭や労働組合・市民団体の中に入って訴えたことによって、昨年の9・11総選挙後の危機をもはね返す政治情勢・階級関係をつくり上げてきた。5月19日には、採決強行に小泉がたじろくところまできた。共謀罪阻止闘争は、改憲阻止・教基法改悪反対の闘いの柱となって安倍打倒の決定的水路となっている。
 臨時国会を前に、政府・与党は「審議は尽くした」というデマで採決を強行しようとしている。しかも、共謀罪と抱き合わせで衆院法務委員会に提出されているサイバー弾圧法案や強制執行妨害罪の拡大・証人買収罪法案などの重大な治安法案は、ほとんど審議もされていない。
 日帝・安倍は、帝国主義間争闘戦の激化と階級闘争の激動化の中で絶望的で凶暴な攻撃をかけてきている。われわれ労働者人民の側は敵階級の危機感を超える激しい気迫で背水の陣を敷いて決起しなければならない。
 全国の労働者・市民・農民・学生のみなさん。今こそ現代の治安維持法、共謀罪を廃案に追い込もう。破防法や警職法闘争など、これまでのあらゆる治安法反対闘争が階級闘争の突破口となったように、改憲阻止闘争の先端を切って臨時国会での共謀罪反対の闘いに決起しよう。

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週刊『前進』(2262号4面2)(2006/09/18)

 9・24北富士集会へ

 地元農民が結集を呼びかけ

 北富士演習場(山梨県)内で9月24日に行われる北富士総決起集会(要項1面)に向けた、忍草国有入会地守る会の天野豊徳会長と忍草母の会の天野美恵事務局長の訴えを紹介します。(編集局)

 米軍演習とめよう 忍草国有入会地守る会会長 天野豊徳さん

 米軍がイラクへ侵攻して占領して、それに日本が同盟国として参加しているわけですが、自衛隊は、サマワ宿営地を模した施設を使って訓練をして、何回も自衛隊を派遣した。それに抗議してきたわけです。
 模擬施設は撤去されたが、防衛施設庁は私たちの申し入れになんの返事もしてこなかった。無断で演習施設を造り、撤去したが、入会権利者に何も返事をしなかったことは許せない。
 自衛隊は、模擬施設を造るときにあそこが旧陸軍の廠舎(しょうしゃ)跡だと言ったが、そんなことはありません。それは私たちが一番よく知っている。戦争中に私たちが学校でライ麦やそばをまいた所なんですよ。旧陸軍の時は便所と診察施設があっただけです。陸軍は演習に来て終わったら帰っていたから大きな施設はなかった。
 陸自はイラクからは撤退したけれど、中東にはイランの問題があり、アフガニスタンも火がくすぶっているし、戦火が絶えない。植民地時代と同じように強者が弱者を戦争で支配する時代が続いている。極東にしても北朝鮮を問題にしてアメリカが今までにないような米軍再編を進めている。
 米軍再編成で今までより演習場が激しく利用されるのではないかという懸念が大きい。海兵隊の一大隊が日本本土に移転する。東富士に来ることは間違いないでしょう。それから榴(りゅう)弾砲演習だけでなく、小火器も使うと言っている。自治体も認めている。占領軍の時代のように演習場が利用される形に戻る気がする。
 憲法改正も含めて大変な時期に来ました。自衛隊が自衛軍になる。戦争がない平和な世界をと多くの人が願っているのですが、逆の方向に、軍国主義に向いている。
 地元では「富士山を世界遺産に」ということが盛んに話題になっています。世界へどういう内容で宣伝するか知りませんが、演習の様子も一緒にPRしてもらいたい。榴弾砲でもなんでも演習していて、それが世界遺産と共存できるのか。
 この秋の演習はとめなければなりません。みなさん、ぜひ9月24日には演習をやめさせるために、入会地返還のために北富士に来てください。

 農民無視許せない 忍草母の会事務局長 天野美恵さん

 私たちの入会地に無断で造られていたサマワ模擬施設が撤去されました。私たちが闘争し、毎回、大勢の人が集まって申し入れをしてきた結果だと思います。しかし、私たちの要求や申し入れに対して自衛隊、防衛施設庁からなんの返事もないのは、許せない。それは恩賜林組合を中心にして地域の大半の人が入会地を演習場に貸して何も言わないからです。
 恩賜林組合も一応、サマワ模擬施設を撤去するように申し入れをしたが、母の会が闘っているからそうせざるをえなかった。私たちが闘っていなかったらそのままになっていた。
 模擬施設を造るときに旧廠舎地区だと言って造ったわけですが、全部ウソです。演習反対の闘いの時にテントを張ったこともある。なんというウソを言うのか。国が私たち入会農民を無視してなんでもかんでもするというのは許せない。
 次の首相が誰になるかが問題になってますが、安倍が首相になれば絶対に憲法改悪を強行することは間違いない。
 11月には米軍の沖縄移転演習が予定されていますが、小火器も使うと言っている。北富士と東富士はもともと米軍が使っていて、これまでもやっているからということで地元自治体も認めているが、日出生台演習場(大分県)や王城寺原演習場(宮城県)などの地元自治体は認められないと拒否している。それを北富士から始めてよそでも認めさせようとしている。
 移転演習の性格そのものが変わる。砲撃演習だけでなく小火器も含めた総合的な演習が行われることになる。しかも移転演習は日本政府が費用を負担する。今度の闘いは、この小火器を使った移転演習の阻止が中心の課題になります。
 今回は、集会終了後に演習場の高台に上がって演習場全体を見渡してどんなものか見てもらいます。その後、交流会をやってその中で母の会の闘いの話も少ししたい。
 私たちは、梨ケ原入会地を人殺しの演習場ではなく、東京都民の憩いの場所にしようと思っており、入会地を取り戻す闘いを今後もします。そのために生涯かけた闘いを貫いている。9月24日には多くの人に集まってもらって、演習場撤去の闘いをやっていきたい。

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週刊『前進』(2262号4面3)(2006/09/18)

 三里塚反対同盟 10・8全国集会へ招請状

 北延伸着工阻止へ決意

 暫定滑走路の北延伸工事をめぐり緊迫する中、三里塚芝山連合空港反対同盟が10・8全国総決起集会の招請状を全国に向けて発した。着工阻止へ全国から三里塚現地に大結集しよう。(編集局)

 招請状

  全国の闘う仲間のみなさん。自民党新政権が憲法改悪を頂点とする大反動を一気に進めようとするなか、三里塚は暫定滑走路北延伸をめぐる決戦に突入しました。政府・国交省とNAA(成田空港会社)はこの九月中旬にも、延伸計画の認可と着工を強行する構えです。反対同盟はきたる十月八日、全国総決起集会を開催します。農地取り上げに抵抗する四十年の闘いを支えてくださった皆さんの、格段の取り組みを訴えるものです。
 政府の「三里塚潰(つぶ)し」はむき出しです。NAA黒野社長は、北延伸の「〇九年完成」は絶対だと公言し、さる七月、「への字」誘導路に食い込んだ天神峰地区・市東孝雄さんの農地を、あろうことか農地法を違法に使って取り上げようとする申請を千葉県知事に出しました。四十年の闘いで土地収用法が失効した農地を、法の理(ことわり)をねじ曲げて取り上げようというのです。またNAAは東峰区住民との再三の約束をやぶり、住民たちが入会権を持つ「東峰の森」を一方的に伐採し、大型機用の誘導路を新設すると通告しました。何がなんでも農家上空四十メートルにジャンボ機を飛ばし、農家を叩(たた)きだそうという攻撃です。
 これらは明白な国家犯罪です。農家の上空四十メートルにジェット機を飛ばす。大勢の私服警官が農家を二十四時間監視して威圧する。鉄のフェンスで村を覆ってしまう。あげくに無法きわまる農地強奪に手をつける。そして空港北部の騒音下で地区を割って移転を強要する。政府が「いかなる状況においても強制的手段は使わない」(九一年)と公式に確約し、過去の歴史を「謝罪」したのは何だったか。その結末が、憲法が保障する基本的人権をも踏みにじる国家犯罪なのです。私たちは今こそ、地元住民や全国の労働者・学生・市民の力を合わせ、この暫定滑走路「北延伸」の無法を世に問い、政府のもくろみを挫折に追い込む決意です。
 三里塚現地の無法は改憲の先取りです。改憲の目的は戦争のできる国家体制づくりです。それは三里塚のような人民の抵抗運動を二度と許さない攻撃です。小泉政権を引き継ぐ安倍・自民党新体制は、子どもたちに「愛国心」を強制する教育基本法改悪、改憲に反対する運動自体を禁止する「国民投票法案」、人の心を罰する「共謀罪」新設などを、この秋の臨時国会で一気に押し通す構えです。小泉政権以来の「構造改革」で、ごく一握りの大富豪が生まれ、圧倒的多数の者が、働いても働いても報われない社会に変ぼうしています。年間三万人が自殺に追い込まれる社会。「日本に農業はいらない」(日本経団連)と公言する農民切り捨て。これが「構造改革」の正体です。労働者と農民の闘いの指針は鮮明です。
 三里塚は政府の「国策」を四十年間阻んできました。現在もなお軍事空港の完成を阻み続けています。農民と労働者の正義が国家の論理を打ち負かしてきた。それが三里塚闘争です。改憲が通れば国防は「国民の義務」となります。反戦運動は「犯罪」となります。お上に逆らうこと自体が犯罪になる。それが改憲です。いまこそ三里塚の真価が発揮される時です。四十年の闘いで培った労働者と農民の連帯こそ、新しい社会を築く礎です。改憲を阻止するために、三里塚闘争は何としても勝ち抜かなければなりません。北延伸阻止決戦の行方は、すべての労働者人民の未来と一体です。
 全人民の砦(とりで)=三里塚を、北延伸阻止と改憲阻止の歴史的闘いのなかで、すべての皆さんとともに守り抜こうではありませんか。十・八全国集会には、青年労働者・学生諸君を先頭に多くの皆さんが三里塚現地に大挙して参加されることを心から訴えます。
 二〇〇六年九月五日
 三里塚芝山連合空港反対同盟
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暫定滑走路「北延伸」阻止/憲法改悪絶対反対
市東さんの農地を守ろう

 10・8全国総決起集会

日時/10月8日(日)正午
場所/成田市東峰・反対同盟所有地
主催/三里塚芝山連合空港反対同盟

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週刊『前進』(2262号4面4)(2006/09/18)

 婦民全国協 総会開く

 “女性が改憲阻止の先頭に”

 8月19、20日、相模原市で婦人民主クラブ全国協議会の第23回全国総会が開催され、全国の会員が集まった。総会の案内に「本総会をもって婦民全国協は改憲阻止の大運動に入る」とあるとおり、2日間の総会は、新たな戦争のための憲法改悪攻撃に対して、女性が地域・職場から立ち上がって阻止していく、豊かな展望を示した。
(写真 「キャンプ座間に日米統合司令部が来ること自体が憲法違反だ」と報告する西村綾子代表【8月19日 相模原】)
 大会1日目、開催地を代表してあいさつした相模原支部の丹治孝子支部長は「自民党の新憲法草案を葬り去ろう」と訴えた。西村綾子代表は「支配の側の危機からくる攻撃は凶暴だが、ある意味ではチャンスと受け止めて立ち上がろう。熱い討論を」と呼びかけた。
 来賓あいさつでは、婦民全国協への熱い期待が伝わった。
 三里塚芝山連合空港反対同盟婦人行動隊の鈴木いとさんは「三里塚は闘いが始まって40年を迎える中で大きな決戦の時を迎えている。軍事空港に反対し、市東孝雄さんの農地取り上げを許さず闘っていく。抗議のファクスをぜひ集中して欲しい」と訴えた。
 北富士忍草母の会の天野美恵事務局長は「こんな時代にしっかりしないでどうする。改憲阻止、米軍再編、基地撤去、来年の相模原市議選はどれも重大な闘い。負けることは許されない」と檄(げき)を飛ばした。動労千葉家族会、部落解放同盟全国連合会、全国労組交流センター女性部も連帯あいさつを行った。
 議案は、今春の教育基本法改悪、共謀罪などをめぐる国会攻防を中心とした1年間の総括、情勢、動労千葉など3労組が呼びかける11・5労働者集会への結集、改憲阻止決戦などの方針が提起された。
 続いて「米軍再編・日米同盟強化と改憲」と題し、相模原市議である西村代表が特別報告を行った。この間の地元の闘いをビデオ上映し、地図などを示しながら詳しく報告した。
 西村代表は、在日米軍再編について「『日米同盟 未来への再編』という正式名称にあるとおり、集団的自衛権の行使はもちろん、範囲も、極東から不安定の弧といわれる中東まで拡大される。実体は世界安保であり、日本が世界戦争に出ていく。キャンプ座間の日米統合司令部が沖縄・韓国・グアムまで指揮する」と指摘。「これ自体が憲法違反。ロードマップ・最終合意の閣議決定は改憲強行の宣言に等しい。しかし、時代は戦前とは違う。闘う労働者、世界の民衆が決起している。沖縄・韓国の民衆と連帯して闘えば勝てる」と喝破した。
 大会2日目は、@民営化攻撃との闘いA自立支援法・介護保険制度との闘いB憲法――の三つのテーマで分科会が行われ、活発な論議が交わされた。
 世代と職場、地域を横断して闘う女性たちの論議は実践的だ。「保育所民営化で、保育労働者、子ども、保護者(労働者)はどうなった?」−−それぞれの立場から意見を出す中で敵の攻撃がはっきり見えてきた。
 「障害者」の自立支援は真っ赤なウソである、介護保険制度も、介護も受けられない福祉解体の大増税攻撃である、という実態が明らかとなった。「障害者」、女性、高齢者への矛盾のしわ寄せ、労働者家族への犠牲の集中が実感される。分断を越えた闘いの方向性も鮮明になった。
 さらに改憲との闘いでは、戦争と戦後階級闘争の高揚を経験し、闘い続けてきた世代の会員が、若い世代に向かって「改憲阻止は護憲ではない。権力と立ち向かう三里塚や北富士のような闘いに踏み込んできた私たちが先頭に立ち、地域にそのすそ野を広げること」ときっぱり確認した。
 2日間をとおして全国の会員が具体的な運動・活動を報告しあい、討議を深め、11・5労働者集会を始め秋の闘いに飛び出すことを誓い合った。

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週刊『前進』(2262号4面5)(2006/09/18)

日誌'06 8月30日〜9月5日

 安倍が「新憲法法制定」を公約

 都の防災訓練に米軍初参加

●米が臨界前核実験 米エネルギー省国家核安全保障局(NNSA)は、米西部ネバダ州の地下核実験場で、臨界前核実験を実施したと発表した。97年の開始から通算で23回目。(30日)
●横須賀市が事前調査に同意 米海軍横須賀基地への原子力空母配備問題で、横須賀市は、横浜防衛施設局が求める停泊岸壁周辺の海底浚渫(しゅんせつ)を行うための事前調査の実施に同意した。これにより08年夏に原子力空母ジョージ・ワシントンを配備する計画がスタートした。(31日)
●ブッシュ「イデオロギーの戦い」 ブッシュ米大統領は、ユタ州で開かれた米国在郷軍人会の大会で演説し、イスラム武装組織について「違いはあっても、外観的には単一の運動として、自分たちの全体主義的なイデオロギーに対抗する考えをテロによって殺す、世界的なネットワークを形成している」と述べ、対テロ戦は「21世紀の行方を決めるイデオロギーの戦い」などと定義した。(31日)
●防災訓練、米軍が初参加 関東大震災から83年のこの日、全国各地で防災訓練が行われた。東京都など8都県市の合同訓練には在日米軍が初めて参加した。(1日)
●安倍が政権公約 安倍官房長官が9月8日告示の自民党総裁選への立候補を正式に表明した。「美しい国、日本。」と題した政権公約では、新しい憲法制定や教育改革を掲げ「戦後レジーム(体制)からの脱却」を打ち出した。(1日)
●ミサイル防衛、迎撃実験に成功 米国防総省は、「地上配備型」のミサイル防衛(MD)システムの重要な迎撃実験に成功したと発表した。このシステムは04年12月と05年2月の実験で相次いで迎撃に失敗していた。今回の実験には標的ミサイル側の「おとり弾頭」などの擬装策は条件に含まれていなかった。(1日)
●イラク人死者、5割増 今年6〜8月の3カ月間で、テロや宗派間対立で出たイラク人の死者数は前期比51%増に及び、全体の攻撃件数も15%増えたと、米国防総省が公開した議会向けの報告書に記載された。(1日)
●イラク陸自、機関銃暴発で報告せず 陸上自衛隊のイラク派遣で04年5月、軽装甲機動車が宿営地を移動中に車載機関銃が暴発し、実弾2発が発射されたにもかかわらず、部隊から防衛庁には報告されなかったことが明らかになった。発射方向によっては隊員や現地雇用者が死傷する恐れがあったという。(2日)
●集団的自衛権の政府見解変更も 安倍官房長官が記者会見で、集団的自衛権について「個別的な具体例についてもう少ししっかりと検討・研究をしていくべきではないか」「現行の(憲法)解釈の中で、あるいは新しい解釈があるのかどうかも含めて検討するべきである」と語った。(5日)
●中曽根が「核問題の検討」を提言 中曽根元首相が会長を務めるシンクタンク「世界平和研究所」は、あるべき日本の未来図を描いた提言「21世紀の国家像」を発表した。提言はポスト小泉政権の発足をにらんだもので、安全保障政策では「将来における国際社会の大変動に備え、核兵器問題の検討を行っていく」よう政府に求めた。また、対外情報機関である「首相直轄の国家情報局」の設置も提唱した。(5日)
●海自艇が機関砲10発誤射 青森県むつ市の海上自衛隊大湊地方総監部第6突堤で、停泊中の海自ミサイル艇3号の20_機関砲から弾10発が誤射された。発射方向には総監部の建物や民家があった。部品交換の作動確認中に誤射があったという。住宅から6bに弾痕がみつかった。(5日)

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週刊『前進』(2262号5面1)(2006/09/18)

 国際連帯こそ勝利の力

 ILWUローカル10 職場支配権めぐり激闘

 安倍政権登場は、歴史を画する大反動だ。だが労働者は職場・生産点を握っている。労働者が団結して闘えば、どんな反動的な政権も政策を実現することはできない。
 その展望を示しているのが動労千葉だ。
 田中委員長が語っているように、動労千葉は、信頼に基づいた組合内での激しい討論を土台に、シニア協定―外注化を阻止し、安全運転闘争を貫いて勝利してきた。そして、幕張車両センター事故後の不当処分攻撃を押し返している。この職場闘争については、『コミューン』10月号が生き生きと描いている。
 動労千葉は、国家の総力をあげた国鉄分割・民営化攻撃と唯一ストで闘い抜いた。
 現在、すべての労働者が、国鉄と同じ民営化・規制緩和=労組破壊の攻撃に直面している。この攻撃は「国際競争力」「国際標準」を振りかざしてかけられている。戦争は、こうした企業防衛主義、祖国防衛主義の上に立って推進される。
 だからこそ労働者は、世界の労働者と血の通った団結をつくっていくことが必要なのだ。
 動労千葉を始め11月集会の主催3労組が職場で闘い、勝利を切り開いていることで、韓国・民主労総、アメリカの戦闘的・階級的な労働運動の11月集会への結集が年ごとに前進している。
 労働者が職場で闘う者同士の国際的な信頼関係を作れば、「国際競争力」論、「祖国防衛」論など吹き飛ばせる。
(写真 サンフランシスコ湾のフェリーで働くILWU船員部門の職場を守る闘いに合流したローカル10の組合員【後方 2006年3月16日】)

 「オークランド25弾圧」に完勝

 今回は、アメリカのILWU(国際港湾倉庫労組)に焦点を絞って、国際連帯の力をみていこう。
 ILWUは、02年の労働協約更改時の闘争に、政府が介入し争議を禁止するタフト・ハートレー法弾圧をかけられた。リッジ国土安全保障省長官が自ら「労働争議はテロを利する」とスピノザILWU本部委員長に電話して圧力をかけた。ILWU本部は屈し、職場支配権をかつてなく後退させた協約を結んだ。
 戦闘的で階級的なランク・アンド・ファイル(現場労働者)の潮流は、02年協約闘争の痛切な教訓として、戦争と正面から闘う立場がないかぎり、労働条件も労組の組織力も守れないことを訴えて、その後の闘いを貫いてきた。
 03年3月20日のイラク戦争の開戦直後、動労千葉は90時間の戦時下春闘ストに決起し、世界の労働者を激励した。そして4月には、ILWUローカル10(第10支部)の拠点、オークランド港に反戦活動家がピケを張った。ローカル10の港湾労働者は、ピケを越えないことによって就労せず、イラク戦争向け物資の荷役をストップした。
 この闘いをオークランド市警は「非致死性弾」の水平撃ちで襲い、反戦活動家と港湾労働者を負傷させ、ローカル10役員のジャック・ヘイマン氏ら25人を逮捕した(オークランド25弾圧)。
 ローカル10を始めとした労働者は、ハイヤリングホール(組合による就労配分制度)を守り、時間内組合集会による港湾封鎖などの闘いを貫いている。今年5月1日には全米1千万人の移民労働者の歴史的な闘争が行われたが、この組織化を担った活動家も、ローカル10とともに闘ってきた労働者が多い。
 メーデー後のローカル10組合員総会では「反戦ストに決起しよう」「全労働者は団結して移民労働者の権利を守ろう」「『港湾の治安』を口実とした海運労働者に対する身元チェック反対」の三つの決議をあげた。
 こうした職場の闘いと結合して裁判闘争を貫いたからこそ、04年4月には25人の起訴を撤回させたのだ。今年3月には、ヘイマン氏らに対して、オークランド市が賠償金支払いの和解を行った。圧倒的な大勝利だ。

 職場を奪う廃港化との対決

 ブッシュ政権は、指導部を屈服させることはできたが、ILWUのランク・アンド・ファイルの戦闘性をつぶすことはできなかった。
 そのためILWUの職場そのものをなくしてしまうことを狙っている。
 メキシコ南部から米中部、カナダに至るスーパーハイウェーの計画が今進行している。これでアジアからの貨物は、アメリカ西海岸の港を使わず、メキシコからアメリカ中央部に運ばれる。税関も電子化でスピードアップされる。
 この西海岸の港湾廃港化の恫喝で、アメリカ帝国主義、資本はILWUにさらに屈服を迫ろうとしているのだ。こうした攻撃に対して戦闘的労働者は、職場で闘い、職場支配権を確立するとともに、メキシコやアジアの労働者との国際的な団結をつくって闘おうとしている。
 ILWUの労働者は、死活をかけて国際連帯を求めている。その呼びかけにこたえ、自分の職場で徹底的に闘い、国際的団結を深めていこう。11月労働者集会への職場からの圧倒的な結集をかちとろう。

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週刊『前進』(2262号6面1)(2006/09/18)

団結ひろば 投稿コーナー

 安倍の来広を弾劾し「打倒」訴えビラまき 全学連 秋原道子

 9月1日、安倍が広島に来て首相出馬を宣言し、平和公園へ「慰霊」をしに行く。絶対に許せない! 排外主義を最先頭で振りまき、改憲を推し進めようとする安倍が被爆地ヒロシマに来るということは、亡くなった被爆者を英霊化し、戦争の道具にすることではないか。ふざけるな! 今まで被爆者に対して帝国主義者は何をやってきたのか?!
 私たち全学連はまず、百万人署名運動広島県連絡会とともに自民党広島県連に乗り込み、申し入れをした。県連の事務所にいたのは、たったの1人。全員、自民党中国ブロック大会に行ってしまっていた。私たちは、申入書を安倍、中川らに渡すように断固要求した。
 その後、私たちは反戦共同行動委員会とともに昼休みの労働者が行き交う本通り商店街に登場。「安倍来広を絶対に許さない! 安倍を打倒しよう!」というビラまきを行った(写真)。全国で初めての安倍打倒のビラだ。「安倍来広を許さない!」の文字を見て受け取る人や、「そのビラがほしい」と言ってくる人がたくさんいた。『前進』は3部売れた。
 全国で”安倍打倒”のスローガンを真っ向から掲げ、街頭で職場でキャンパスでビラまきをやろう! 9月、10月から全国の各大学は秋の決戦を迎える。改憲阻止・安倍打倒のゼネストに向け、突き進むぞ!

 8・6広島で示した団結の力を11月へ! 広島 医療労働者 板垣保志

 8月6日広島、真夏の太陽がジリジリと焼け付く日、61年前に世界最初の原子爆弾が炸裂(さくれつ)した日は今日と同じように暑かったのかなと思いました。
 広島にもう30年も住んでいますが、今年ほど真剣に平和を考え心から願い、団結して行動した日はありませんでした。
 今年の8月6日には全国から3千人もの人びとが「戦争反対、ヒロシマ・ナガサキを繰り返すな」という志の下、広島に結集しました。
 そこには団結した仲間のすばらしさがありました。現在の状況に危機感と矛盾を感じ、自分が何をすべきか一人ひとりが確認しあいました。
 改憲反対のデモが平和都市「ヒロシマ」を練り歩き、仲間と一緒に声を限りに訴え、躍動し、周囲を巻き込みました。
 このデモで国家権力とのぶつかり合いもありましたが、揺るぎない信念があるためにどんな弾圧も跳ね返して進むことができました。その中で私は警官の一人に「あなたは戦争がしたいのか?」と質問をしました。その警官の顔が一瞬こわばりました。その時、人間はどんな人でも平和を望んでいると確信しました。そう思ったらその警官の弾圧に対してさらに反発していました。
 約3`メートルのデモを行った後の爽快(そうかい)感と達成感はこの上ないものでした。周りの仲間たちも同じ思いなのは興奮冷めやらぬ顔を見ればわかりました。
 この団結のエネルギーを11・5全国労働者集会につなげて1万人結集を実現し、一日も早く労働者が社会を動かす世界にしましょう。

 「若さが売り」の安倍が恐れる青年の反乱 中四国 T

 青年Aさんは、『前進』の8・15靖国反対デモの写真を見ながら、「反対デモの一方で、靖国には渋谷系の若い人がたくさん行ってると、朝日新聞(8・23)の連載にありました。日本人は、反省をしないまま3世代も過ぎると、戦争でだまされたことも忘れてしまうのでしょうか?」と感想。
 その時は話せなかったのですが、同世代の愛国心イデオロギーに強い危機感を持っているのだと思います。
 しかし、よく考えてみると……。「52歳の若さ」が売りの安倍こそが一番「疲れ切って」見えませんか?
 青年を食い物にして、生存の危機に追い詰めてきたこと。1000兆円の日本の借金は、青年のこの先30年の「未来」をも奪ってしまっていること。安倍には小泉以上に、フランスの「青年の反乱」への恐怖があります。自分が主導した「格差社会」への絶望があります。これを「教育改革」の愛国心イデオロギーで乗り切ること。それは、果たしてうまくいくでしょうか?
 徹底抗戦する教員がいる。あなたのように危機感を持つ青年も大量に生み出されている。まだ結びついていない仲間がいるはずです。今の職場に徹底的にこだわってみませんか? 一つの流れになると思います。「この300人が1万人になる」。秋の闘いを一緒にやりましょうね!

  「格差社会」賞賛する御手洗を批判する 兵庫県 吉村隆生

 日本経団連のホームページに、8月28日の日本記者クラブでの御手洗会長の講演録が掲載されています。私たち「障害者」からすれば以下のところが直接に問題とされるべきでしょう。
 御手洗は「『平等』から『真の公平』への価値観の転換が歴史的必然」だと主張し、「構造改革のひずみとして格差が広がっているという指摘には疑問を感じる」として次のように言います。
 「公正な競争の結果として経済的な格差が生じているとしても、そこで生まれた格差は問題というよりも経済活力の源であり、成果を挙げた者は、むしろ賞賛されるべきであります。そこで必要な手当ては、残念ながら競争に敗れた者に対して、再挑戦の機会が与えられるということであります。/さらに、高齢者やハンディを負った方々のために、安心できるセーフティネットを、NPOやボランティアの方々の力も最大限に活用して整備し、安心を担保することは、社会の責務であると考えます」
 もはや政府の行うセーフティネットは無いということを言いたいのでしょう。支援費制度の時から福祉は契約関係にすりかえられ、自立支援法では福祉の国家保障は廃止されたも同然です。憲法第25条はなきものにされています。
 そういう具体的な点の批判も必要ですが、『前進』には講演録全体として批判を加える論調がどうしても必要と思います。細かなことにつっこむ論調は見受けるのですが。私の方でも時間を見つけて考えてみます。

 北千住「防災訓練」で暴行刑事を徹底追及 東京 大泉順一朗

 9月1日、足立区を中心に行われた「防災訓練」はまさに戦争動員訓練だった。私たちは朝、千住中居町公園からの弾劾デモを行ったが、警察はデモ隊を一歩も荒川河川敷の訓練会場に近づけまいと躍起になって規制に当たっていた。
 デモ解散地で総括集会を行い、私たちデモ参加者は最寄りの北千住駅に向かった。そこで見たものは、駅前広場一帯を使って行われている「避難誘導訓練」だった。高いビルにロープがかけられ、自衛隊が迷彩服で動き回っている。消防職員が人形を担架で運び、小さな子どもたちはお揃いの防災ずきんをかぶせられて集団移動。(写真)
 私たちがそうした状況に足を止めていると、先ほどからあとを付けてきた20人の私服刑事たちが騒ぎ始めた。「帰れ」「出ていけ」とわめき、特に全学連の学生たちを突き飛ばしたり体当たりしている。学生たちは暴力に猛然と抗議し、あたりは騒然となった。
 そのようすを撮っていたこちらのカメラマンに対し、私服刑事の1人が突然平手打ちで顔面を殴打するという暴行を働いた。私はその一部始終を見ていたが、まさに逆上の果ての唐突のビンタだった。幸い大ケガには至らず、カメラマンが大声で追及すると、その暴行デカは、「お前がつばを飛ばすからだ……」などと青ざめた顔で子どもじみた言い訳!
 北千住駅は学生たちの「暴行を認めろ!」「この場で謝罪しろ!」の声が響きわたり、治安訓練はズタズタに「粉砕」されてしまったのだ。

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週刊『前進』(2262号6面2)(2006/09/18)

 政治警察強化策す安倍

 戦時下の治安弾圧うち砕け

 安倍政権登場のもとで治安弾圧との闘いはますます激化しようとしている。階級的労働運動の成否もここにかかっている。この間の共謀罪をめぐる攻防やそこで得た勝利の教訓を振り返り、日帝の戦時型治安政策と真正面から闘うことを、改憲阻止闘争と一体のものとして訴える。

  “安倍改憲政権”下で反動法案が目白押し

 9月下旬に開会される臨時国会は、実質60日の短期であり、改憲のための国民投票法、教育基本法改悪、防衛庁「省」昇格法、米軍再編関係法、法務委関係でも共謀罪、少年法改悪、信託法など、反動法案が目白押しになっている。さらに来春通常国会には、法務委関係で弁護士密告法(ゲートキーパー法)、入管法改悪、刑訴法改悪(附帯私訴、被害者の在廷権)、刑法・刑事訴訟法改悪(社会奉仕命令・保安処分)、人権擁護法、警察官職務執行法改悪、テロ対策基本法など対決法案が控えている。日帝はこの秋、共謀罪を通すことを突破口に、これらすべてを押し通そうとしているのだ。
 極右・国家主義者の安倍晋三は、「改憲」を政権公約に打ち出した初めての首相となろうとしている。その安倍は9月3日、自民党東北ブロック大会で、秋の臨時国会では教育基本法改悪に加えて、共謀罪新設と防衛庁「省」昇格法の成立を目指す考えを表明した。共謀罪法案については「イギリスではテロを未然に防いだ。条約を結んでいる以上、国内法を整備する責任は果たしていくべきだ」と成立を強行する姿勢を見せた。
 安倍は、小泉政権のもとで一挙に激化した戦争政策と治安政策を引き継ぎ、さらに拡大しようとしているのだ。その最初の攻防点が共謀罪決戦である。
 小泉政権は「改革をとめるな」「官から民へ」と絶叫し、民営化と規制緩和によって資本にやりたい放題の搾取をやらせ、労働者民衆を「格差社会」=極度の生活苦に追い込んだ上、「治安の悪化」のデマゴギーで警察力を増強してきた。さらに「対テロ戦争」を掲げる米帝ブッシュに同調してイラク侵略戦争に参戦、人民虐殺に手を貸した。国内では反戦闘争つぶしに躍起になり、立川自衛隊官舎への反戦ビラ入れに対する弾圧など、明らかに戦時下治安政策へと踏み込んだ。
 小泉政権は04年に「テロの未然防止に関する行動計画」を打ち出し、これを国家の戦略的課題として犯罪対策閣僚会議を中心に推進してきた。治安関連で閣僚レベルの会議を発足させたのは戦後初めてだ。
 「行動計画」は米愛国者法にならい、@出入国管理の強化、A外国人宿泊客の本人確認強化、BNBC(核・生物・化学)テロに使用される恐れのある物質の管理の強化、Cテロ資金対策、D重要施設警備、Eテロリスト情報収集能力強化――の6点を「今後速やかに講ずべきテロの未然防止対策」として挙げ、すでに実施に移されているものもある。「テロリスト入国禁止」と年間700万人に達する入国者からの指紋採取と顔写真取得を内容とする入管法改悪案は、今春国会で成立が強行された。来春はさらなる外登法・入管法改悪(外国人を在留カードで一元登録)が画策されている。
 「司法改革」と称する司法制度改悪も進んでいる。職務質問の強制化、「危険人物の一時拘束」などを内容とする警察官職務執行法の改悪も策動されている。
 しかし安倍政権がこうした流れをしゃにむに進めようとしても、思惑どおり進むことはない。

 国会闘争で共謀罪を阻止した勝利の教訓

 共謀罪粉砕闘争は、「破防法・組対法に反対する共同行動」「組対法に反対する全国ネット」などの先進的運動が5年間かけてゼロからつくり上げた闘いだ。今春の通常国会での共謀罪成立阻止の教訓は大きい。
 与党が3分の2を超える議席を持っていたとしても、それだけでは日帝は戦争国家体制を確立することはできない。国会闘争には動労千葉、全日建運輸連帯労組関西生コン支部、港合同を始め労組が次々と組合旗を掲げて決起した。教育基本法改悪に反対して立ち上がった教育労働者との闘う共同戦線が形成され、国会闘争が爆発した。それが民主党の裏切りを許さず翼賛国会化を阻止し、法案成立粉砕の力になったのだ。
 さらに、反対運動は共謀罪制定を「現代の治安維持法」として暴露し、警鐘を鳴らした。6月2日を頂点とする国会前闘争を大高揚させたことで共謀罪に反対する声が一気に広がった。6月24日の審議入りとともにマスコミもこれを無視できなくなり、新聞やテレビでの報道が相次いだ。共謀罪反対署名運動も徹底して取り組まれた。署名数は今や40万筆に達しようとしている。
(写真 国会前の民衆の力が共謀罪を阻止した【6月2日】)

 戦時型弾圧の激化に11月決起で反撃を!

 共謀罪法案は政治警察の台頭を呼び起こした。戦時下治安弾圧がエスカレートし、新たな段階に入っている。その特徴は以下のようなものだ。
 @国労5・27臨大闘争弾圧や全日建運輸連帯労組関西生コン支部弾圧などの労働運動への弾圧。あらかじめ周到に準備され、起訴―裁判を初めから想定した捜査・逮捕が行われた。
 A立川・反戦ビラ入れ弾圧、板橋高校卒業式での「君が代」強制反対への弾圧、社会保険庁職員のビラまきへの国家公務員法違反弾圧、法政大での立て看板撤去への抗議に対する29人の学生逮捕など、思想・信条・表現の自由の侵害、大衆運動への弾圧。ここでは、被逮捕者の完黙・非転向の闘いを基礎に救援活動と大衆運動による原則的な反撃によって不当な勾留を打ち破り、弾圧の意図を根本で粉砕した。
 B「私文書偽造」「事務所使用詐欺」などを口実とした運動組織、団体への弾圧。これらは直接には大規模な家宅捜索を目的としてかけられた。
 フリーハンドを与えたら警察権力が弾圧をどこまでもエスカレートさせることは、戦前の特高警察の歴史が証明している。しかし、激しい政治弾圧は、闘いの前進に対する敵の恐怖の表れであり、労働者人民の大反撃を必ず呼び起こす。
 共謀罪粉砕の闘いは改憲阻止決戦そのものであり、戦時下治安弾圧粉砕の闘いと一体である。秋の臨時国会闘争をばねに11・5労働者集会に総決起しよう。共謀罪新設阻止決戦を闘う中で3労組陣形を強化し、改憲を絶対に阻止しよう。
 (山口秀樹)

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週刊『前進』(2262号6面3)(2006/09/18)

紹介  ■パレスチナの怒り

 丹沢 望著 前進社ブックレット 400円+税

 ムスリム人民の闘いの歴史と現在学ぶ上で最適の一冊

 イスラエルの歴史的な敗北 

 イスラエルは、7月からのレバノン南部とガザへの大規模な侵攻作戦で110人以上の死者と1千人以上の負傷者を出し、歴史的な大敗北を喫した。このレバノン・ガザ侵攻は、イラク侵略戦争の泥沼にあえぐアメリカと、パレスチナ人民のインティファーダ(民衆蜂起)によって体制的危機にたたきこまれているイスラエルが、その危機の打開をかけて行った凶暴な侵略戦争の拡大であった。
 だがそれはまったく裏目に出てしまったのだ。

 インティファーダへの歩み

 まさにこのような歴史的転換点において前進社から緊急に出版されたのが『パレスチナの怒り――100年におよぶ民族解放の闘い』だ。
 この中で、「カラメの戦い」というパレスチナ・アラブ人民にとって忘れられない金字塔のような戦闘が紹介されている。カラメの戦いとは、結成直後のPLO(パレスチナ解放機構)が1968年、ヨルダン川東岸の難民キャンプのカラメにおいて、ヨルダン正規軍との連携のもと300人の戦士で9千人のイスラエル軍を迎え撃ち、撃退してしまったという実に奇跡的な戦闘だ。
 第1次から第3次までの中東戦争での連敗で苦境に追い込まれたパレスチナ人民は、この勝利のあと勇躍、次々と武装解放闘争に決起していく。
 だが、パレスチナ人民の闘いは一気に勝利に向かって上りつめることにはならなかった。アメリカとイスラエルのすさまじい戦争重圧、ソ連スターリン主義の裏切り、そして帝国主義諸国におけるプロレタリア革命の遅延、こうしたことが重なる中、PLOがアメリカ・イスラエルに屈服する道に転落していくからである。
 こうして、80年代初頭から後半にかけてパレスチナ人民は苦難の時代を強いられる。それを鮮やかに切り裂く決定的契機となったのが、87年に開始されたインティファーダだった。それは、重武装のイスラエル占領軍に対して投石によって怒りと抗議の意志を示す大衆的な闘いだった。
 しかも、インティファーダはけっして自然発生的な闘いにとどまらなかった。パレスチナ人民は、インティファーダ開始直後から闘争と生活の全般を指導する「蜂起統一民族指導部」を結成し、まさにコミューン的自治機構を確立して闘っている。『パレスチナの怒り』は、このあたりを実に生き生きと描き出している。

 「9・11」以後の死闘の激化

 00年以降の第3次インティファーダが激化する中、ついに歴史的な01年「9・11」反米ゲリラ戦争が闘われる。これを機に、アメリカ帝国主義はアフガニスタン侵略戦争・イラク侵略戦争に向かい、イスラエルはこれに呼応して「反テロ戦争」としてパレスチナ人民虐殺戦争を決定的にエスカレートさせる。
 だが、アメリカもイスラエルも泥沼に陥り、もがき苦しんでいる。その矛盾の爆発が今回のレバノン侵略戦争とガザへの大規模侵攻だった。
 『パレスチナの怒り』は、80nの中にパレスチナ・ムスリム人民の民族解放闘争の歴史と現在がコンパクトに述べられている画期的なブックレットだ。写真・図表も多く、価格も安いので、職場への持ち込み、学習会での勉強などに最適の教材だ。
 これを大いに活用し、パレスチナ問題、アラブ・中東問題への理解を深めよう。そして、パレスチナ人民・ムスリム人民と連帯して帝国主義打倒へ闘おう。

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