ZENSHIN 2006/07/10(No2253 p08)

ホームページへ週刊『前進』月刊『コミューン』季刊『共産主義者』週刊『三里塚』出版物案内販売書店案内連絡先English

第2253号の目次

 「平林、出てこい!」総長室に向けて怒りのシュプレヒコールをたたきつけるデモ隊(6月26日 千代田区・法大九段校舎前)

1面の画像
(1面)
革共同の7月アピール  職場・街頭から改憲阻止を
青年労働者と学生を先頭に 夏秋に向け決戦態勢を築こう
7・30革共同集会−8月広島・長崎へ
記事を読む  
法政大3学生を奪還 法学部 退学処分を4度阻む(6月26、30日) 記事を読む  
(2面)
〈焦点〉 陸自イラク撤退の大ペテン  空自は軍事行動を拡大へ 記事を読む  
〈焦点〉 「テポドン2」口実に臨戦態勢  先制攻撃をも狙う米日帝 記事を読む  
都電荒川線事故 全責任は都交通局にある
安全策放棄と人員削減が原因  運転士に責任転嫁の石原許すな
記事を読む  
都立高入学式被処分者 処分撤回へ審査請求
研修発令にさらなる怒り(6月29日)
記事を読む  
労働者人民にはゼロ金利強い 村上ファンドへの投資で巨利
福井日銀総裁と小泉の打倒を
記事を読む  
(3面)
教基法 臨時国会で廃案に  「愛国心」教育は戦争の道
夏の闘いが勝負! 全国で創意的な運動を
記事を読む  
[対角線] 毒まんじゅうはごめん 民主党案の「愛国心」 記事を読む  
9条改憲阻止の大運動へ 労働者の壮大な決起を
圧倒的な夏期カンパのお願い
記事を読む  
推測だけの目撃証言  国労弾圧公判 事実示され証人が自認(6月21日) 記事を読む  
キヤノン御手洗の正体
セル生産方式で強搾取  労働者の2/3が削減された!
記事を読む  
(4面)
「北延伸」阻止の新たな決戦へ
東京で三里塚集会開く  6・25 40年の闘いの勝利を確信(6月25日)
記事を読む  
6・24〜25 戸村一作彫刻展 福島菊次郎写真展
度胆抜く戸村作品 新たな飛躍に活力(6月24、25日)
記事を読む  
民法で「一坪」を強奪
NAAの所有認定 反動判決に怒りの控訴(6月28日)
記事を読む  
萩原さん、市東さんの産直じゃがいも 記事を読む  
3人の学友取り戻せ  「看板・ビラ規制」実力粉砕へ 記事を読む  
(5面)
8・6ヒロシマ−ナガサキへ
教育基本法改悪・改憲阻止、今秋闘争大爆発の跳躍台に  藤野 隆広
記事を読む  
実行委が呼びかけ
憲法の改悪をとめよう!  被爆61周年 8・6ヒロシマ大行動
記事を読む  
新刊紹介 コミューン 8月号  民主労総の闘争史 記事を読む  
(6面)
06年7・7アピール 蘆溝橋事件から69年にあたって
戦時入管体制を打ち破り日帝の戦争政策と闘おう  佐久間 祐
記事を読む  
6・23「慰霊の日」 “沖縄に再び戦争を強いるな”
小泉の式典出席を弾劾  靖国訴訟原告団とともに(6月23日)
記事を読む  
2006年日誌 6月21日〜27日
「ミサイル防衛」で交換公文  パトリオット嘉手納配備へ
記事を読む  
(7面)
共謀罪 さらに闘い広げ臨時国会で葬ろう
「現代の治安維持法」を阻む 国会闘争勝利の教訓は何か
改憲阻止決戦へ大きな展望  立花 茂
記事を読む  
杉並区議会 住民の戦争動員許さぬ
結柴区議「国民保護計画」を追及(6月22日)
記事を読む  
介護と福祉 住民の会 “誇らかに生きる”
高齢者の怒りと決意(6月25日)
記事を読む  
拡大する「病者」の隔離と収容
医療観察法施行から1年 7・12弾劾デモへ
記事を読む  
(8面)
団結ひろば 投稿コーナー
 ワールドカップ使い「愛国心」をあおる罪 千葉・青年労働者 小倉 優
 1日も早く獄壁こえ星野さんを取り戻そう 岡山星野文昭さんを救う会 永瀬幸子
 プロレタリア革命の主人公は労働者! 兵庫 恒川るい
 安心メールより 弾圧を繰り返しても新たな怒り生み出す 20代 男性
 6・15国会前、新旧のゼンガクレンが交歓 東京 風間春治
記事を読む  
激動の世界 パレスチナ 軍事監獄うち破る闘い
イスラエル ハマス圧殺狙いガザ大侵攻(丹沢 望)
記事を読む  
激動の世界 チェチェン ロシアが大統領暗殺  特殊部隊が拷問施設(藤沢明彦) 記事を読む  

週刊『前進』(2253号1面1)(2006/07/10)

革共同の7月アピール 革共同の7月アピール

 職場・街頭から改憲阻止を

 青年労働者と学生を先頭に 夏秋に向け決戦態勢を築こう

 7・30革共同集会−8月広島・長崎へ

 通常国会は、会期延長できず6月18日に閉会した。政局は9月自民党総裁選−小泉後継体制に向けて本格的に動き出した。06年前半の「日の丸・君が代」不起立闘争、動労千葉の反合・運転保安闘争、そして5〜6月国会闘争の偉大な勝利的地平を継承し発展させ、青年労働者と学生を先頭に夏秋の闘いの戦闘態勢を築き、11月の階級的総決起に向け断固進撃すべき時だ。この7月、9条改憲阻止の大運動に立ち上がろう。8・6広島−8・9長崎と8・15靖国闘争へ進もう。7・30東西革共同政治集会を大成功させよう。そして、こうした戦後最大級の政治決戦の最先端に、法大闘争の戦闘的、大衆的大爆発をもって学生運動が躍り出た。6月国会闘争と6・15法大決戦は重大な階級的地平を切り開いたのだ。革共同は、すべての労働者人民の皆さんに、夏秋から11月へ、改憲阻止決戦と4大産別決戦を、一体のものとして全力で闘うことを訴える。労働者人民の決起を絶対的に信頼し、非妥協・不退転の決意で闘うならば、必ず勝てる。巨大な大衆的決起は可能である。今こそ職場・街頭・キャンパスで9条改憲阻止の大運動を巻き起こそう。

 第1章 衆院「3分の2議席」を打ち破った労働者の力

 06年通常国会は、共謀罪法案に加えて、教育基本法改悪案、国民投票法案、さらに防衛庁「省」昇格法案など改憲攻撃の「本丸」をなす法案が立て続けに提出された戦後政治史を画する反動国会となった。共謀罪は現代の治安維持法、究極の団結禁止法であり、教育基本法の全面改悪は侵略戦争に賛成しこれを担う「国民」づくりの攻撃である。国民投票法は、改憲反対運動を禁圧する改憲クーデター法であり、防衛庁「省」昇格法は自衛隊を名実ともに軍隊とし、海外派兵をその本来任務とする9条改憲の先取りである。そのすべてが改憲の先制攻撃である。
 だが、これらの反動法案に対して労働者階級は国会闘争を頂点に総力で闘いぬき、その結果、これらの反動法案を不成立・継続審議にたたき込んだ。小泉は衆院で300を超える議席をもちながらも、会期延長して強行採決をすることができなかった。小泉は会期延長して共謀罪や教育基本法改悪を強行することが労働者人民の怒りを根底的に爆発させ、自民党や日帝そのものを打倒する闘いに発展していくことを恐れたのである。会期延長を阻止した根底的な力は労働者階級人民の闘いにこそあったのだ。
 まず何よりも共謀罪粉砕の国会内外での粘り強い闘いの展開である。過去二度も廃案となった共謀罪法案を今度こそは成立させると、政府・与党は背水の陣で臨んできた。しかし、急速に拡大した反対運動の力で、5・19強行採決を阻止し、6・2の民主党案丸のみという奇策を許さず完全に阻止するという偉大な勝利をかちとった。この闘いは政府・与党の国会戦略を破綻(はたん)させ、反動法案を臨時国会に先送りする原動力となったのである。
 もう一つは教基法改悪絶対反対の教育労働者の力強い闘いであり、それが共謀罪闘争と大きく合流していったことである。教基法改悪反対の教育労働者の闘いは、自民党案と、より反動的な民主党案の撤回を求めて不屈に貫徹された。各地の集会も北海道3千人、広島2千人、大分4千人など大きく高揚している。日教組の下からの戦闘的決起が始まっているのである。「日の丸・君が代」不起立闘争と「つくる会」教科書との闘いの発展が、こうした闘いの根底的力となってきたのだ。

 動労千葉の職場闘争

 そしてこうした労働者階級の闘いの土台には、「闘いなくして安全なし」をスローガンに反合・安全運転闘争を不屈に貫いている動労千葉の存在と闘いがあった。動労千葉は「幕張構内事故」への処分攻撃を今日まで粉砕する素晴らしい職場闘争を日々闘いぬいている。1年365日、職場支配権をかけて闘いぬいてきた地平が切り開いたものだ。こうした階級闘争の大地の上で、労働者階級の闘いは巨大な一個の軍勢となって、敵階級を追い詰めてきたのである。
 しかしその一方で小泉政権は、大幅な負担増で高齢者から医療を奪う医療制度改悪を強行し、また行政改革推進法・公共サービス効率化法を成立させた。日帝は、日教組とともに「護憲平和」運動の中心部隊をなす自治労の解体に向けた攻撃を激化させている。敵階級の改憲戦略は日教組、自治労を総屈服させ解体することにすえられている。この攻撃に対して、今日の小沢民主党と連合の動向はきわめて危機的で反動的だ。
 連合は、小沢民主党の「対決」型国会戦略と歩調を合わせ、「反転攻勢」と称して労働者の闘いを抑えつけ、一切を参院選へ流し込むことを狙っている。自治労本部は5月中央委員会で組織内候補の民主党一本化を打ち出した。日教組本部は「護憲運動に組織の総力を」と言いながら、民主党の組織内支援を早々に打ち出し闘争放棄を決め込もうとしている。6・15連合中央集会は、連合高木と民主党小沢が並んで檄(げき)を飛ばすという反動的な“興奮”が支配した。
 改憲阻止決戦の核心は、連合の改憲勢力化をめぐる攻防である。特にこの7月、改憲阻止の大運動に総決起することが決定的に重要だ。とりわけ秋の臨時国会は改憲攻撃との大激突である。労働者階級は、民主党の正体を徹底的に暴き、連合支配をぶち破って、改憲阻止の独自の対決軸を断固として確立していかなければならない。改憲をめぐる攻防は、ただ階級闘争の烈火の中でしか決することはできないのだ。
 革共同は労働者階級の前衛として、改憲阻止決戦を4大産別決戦と結合し、全力で闘うことを誓う。

 第2章 法大を先頭に学生運動が改憲阻止へ躍り出た

 学生運動の大爆発が開始された。6月15日の法大生1千人集会と300人の国会デモは、改憲阻止300万学生ゼネストの突破口を確実に押し開いた。今や、安東学生部長を始め大学当局はキャンパスを逃げ回り、学生は次々と自己解放的に立ち上がり始めている。6・15の闘いは、90年代後半からの自治会解体攻撃、04年学生会館解体、そしてこの間の「立て看、ビラ規制」という学生運動の全面的圧殺策動に対する根本からの大反撃だ。革命的激動期にふさわしい学生運動の爆発の時代をこじ開けたことに労働者人民は歓呼の声をあげている。
 本紙前号のマル学同法大支部アピールが鮮明に示しているように、6・15闘争の爆発の根源的力は、キャンパスに充満する学生大衆の広範な怒りである。「警視庁公安にせよ、平林総長・安東学生部長にせよ、やつらは、われわれ学生をあまりにもなめくさっている。ムチでたたけばおとなしく従う存在だと決めてかかっている。退学処分撤回や、改憲阻止や、教育基本法改悪阻止などは、一部の学生が呼号しているにすぎないと最初から思い込んでいる」。国家や資本の奴隷になってたまるか! この人間的怒りが闘いを求めて充満しているのだ。
 しかし、これだけでは闘いは爆発しない。学生大衆は、幾度も弾圧を受け、退学処分や自宅謹慎処分を受けている学友が、何を訴え、どう闘っているか、まさにその生きざまに注目しているのだ。被処分者を始めとする闘う法大生が一歩も引かず対決し、全身全霊をかけて闘っていることが、キャンパスから新しい活動家、闘う主体を次々に生み出していく最深の根拠なのだ。さらに全面的な宣伝・扇動、敵は誰なのかを鮮明にさせるアジテーションが決起の土台を支えたのである。こうして法大キャンパスは国家権力と反動当局の重圧下に置かれながら、なお自己解放的空間を確保しているのである。
 本格的な改憲阻止決戦へ突き進もうとする労働者階級にとって重要なことは、これから法大型の激突は必ずあらゆる職場・生産点で無数に生起するということだ。なぜなら敵階級は闘いと団結や組織をことごとく粉砕することなしに改憲などできないからだ。逆に、闘う人民の側からすれば、法大決戦のような闘いを一つひとつ全力で勝ち抜いていくことの中にのみ改憲阻止の道があるということだ。大衆の怒りと決起に絶対的信頼をもち、彼らの階級意識を高める宣伝・扇動を行い、どんな弾圧も恐れず闘いの先頭に立って闘いぬくならば、絶対に勝利することはできるということである。闘う法大生と連帯し、処分撤回・改憲阻止ゼネストへ突き進もう。職場、街頭で9条改憲阻止の大運動を起こそう。

 第3章 愛国主義・排外主義の扇動に階級的な反撃を

 内外情勢は激動の一途をたどっている。米帝の世界支配はいたるところで大きな破綻をきたしている。イラク人民の戦いで米帝の侵略戦争は泥沼に追い込まれ、米軍死者は2500人を超えた。イラク駐留米軍による人民虐殺が次々に暴かれ、ブッシュは決定的に追い詰められている。
 しかし、米帝はイラクから撤収できない。それどころか逆に陸軍・海兵隊の増派を決め、どこまでもイラクに駐留し戦争と占領を続けようとしている。危機に立つ米帝ブッシュは、危機を深めれば深めるほど、ますます凶暴化して泥沼的に世界戦争へのめり込んでいくしかないのだ。その矛先は、今やイランと北朝鮮(中国)に向けられている。
 小泉の陸自イラク撤退は大ペテンだ。空自の任務はますます拡大する。バグダッドとアルビルへの米軍物資の空輸拡大は米帝のイラク侵略戦争を最大限に支える行為だ。そしてこれに伴って海外派兵を特措法ではなく恒久法でという動きが加速している。自民党次期総裁候補一番手の安倍晋三は、恒久法制定の積極推進論者である。
 イラン核問題で国連安保理常任理事国とドイツの6カ国が提示した「包括的見返り案」や、北朝鮮の「テポドン2」発射実験問題を騒ぎ立てての北朝鮮に対する米・日帝国主義のすさまじい戦争挑発、対北朝鮮排外主義の扇動は、危機の帝国主義がイラクに続いてイランと北朝鮮に侵略戦争を拡大しようとする世界戦争攻撃そのものなのである。
 このような中で、日本帝国主義は経済・財政で大破綻し、軍事外交上の歴史的弱点を露呈し、破滅へのきりもみ状態に突入している。だが、日帝がそこからの脱出を求める動きは、労働者人民にとってきわめて反動的で凶暴な攻撃とならざるをえないのである。
 政府・与党は参院選への影響に戦慄(せんりつ)しつつも06年「骨太方針」で社会保障目的税として消費税の大増税に踏み出そうとしている。
 日本経団連の新会長に就任した御手洗は「INNOVATE日本」を掲げ、奥田路線を反動的に引き継ぐ姿勢をあらわにした。「公平な競争の結果として経済的な格差が生じることは当然。格差は問題というより、むしろ経済活力の源」と言い放ち、小泉構造改革の5年で「格差社会」という階級対立が一挙に激化したことを居直り、むしろこれこそ資本主義の原理、原動力だと強弁した。だが、小泉構造改革−民営化・規制緩和こそが堀江ライブドア問題、村上ファンド問題、福井日銀総裁問題を生み出したことを、今やすべての労働者人民は自覚し、根底的怒りを爆発させているのである。
 6月13日に厚生労働省が打ち出した「労働契約法・時間法制見直し」案は、労働組合の役割を否定し、労働者の団結権を解体することを核心に据えた、戦後労働法制の全面的解体攻撃である。改憲攻撃の先取りである。米帝のホワイトカラー・エグゼンプションにならって「自律的労働制度」(労働時間や残業代の適用を受けない労働者を膨大につくる制度)と解雇の金銭和解を打ち出した。労働者と労働組合の階級的総反撃が求められている。
 そして日帝・小泉の排外主義と「愛国心」=ナショナリズムを扇動する攻撃が決定的に激化している。これに屈服し、階級性を解体されたら一挙に戦争と改憲への道は掃き清められる。北朝鮮・中国−アジア侵略戦争への攻撃に労働者階級の巨大な反撃をたたきつけなければならない。

 当面する闘いの方針

 06年前半の闘いの歴史的勝利の地平から夏秋決戦−11月総決起に向け、当面する闘いの方針は何か。
 第一は、憲法闘争としての憲法闘争に全力で決起し、職場・街頭・キャンパスで9条改憲阻止の大運動をつくり出すことだ。大々的な署名運動を軸に4大産別決戦と固く結合して、改憲阻止闘争を圧倒的に創造しよう。
 第二は、8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争に教育労働者、青年労働者を先頭として総決起することだ。
 第三は、小泉の8・15靖国神社参拝の動きを断じて許さず、8・15靖国闘争の爆発をかちとることだ。
 第四は、北朝鮮・中国侵略戦争と改憲のための米軍再編の攻撃と徹底対決し、新たな安保・沖縄闘争、全国反戦反基地闘争に立つことだ。
 その一環として成田空港の「北延伸」着工阻止、軍事空港化粉砕の三里塚闘争に決起しよう。7・9関西新空港闘争を闘おう。
 第五は、7・30東西革共同政治集会を労働者の結集を軸に大成功させ、夏秋決戦−11月総決起へ進撃することだ。
 その上で、以上の闘いを支える土台として、労働者党建設に今こそ全力で取り組もう。とりわけ夏期一時金カンパ闘争と機関紙拡大の闘いに勝利することを心から訴えたい。

7・30東西革共同政治集会

改憲阻止! 戦争と民営化攻撃粉砕へ
11月労働者1万人決起を実現しよう!

[東京]
 基調報告 革共同書記長 天田三紀夫
 7月30日(日)11時30分開場
 豊島公会堂 豊島区東池袋1−19−1 地図へ

[関西]
 7月30日(日)12時30分開場 午後1時開会
 尼崎労働福祉会館大ホール 地図へ
   阪神尼崎駅下車、北へ700b

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号1面2)(2006/07/10)

 法政大3学生を奪還

 法学部 退学処分を4度阻む

 「平林、出てこい!」総長室に向けて怒りのシュプレヒコールをたたきつけるデモ隊(6月26日 千代田区・法大九段校舎前)

 法政大学で退学処分を受け6月19日に不当逮捕された3人の文学部生は30日、不起訴釈放をかちとった。大勝利だ。
 これに先立ち26日、法学部生2人に対する「退学処分」決定は、またもや阻止された。法学部教授会は、4時間を超える討議でも処分を決定できず、次回教授会に結論を持ち越した。
 この二つの勝利は、法大1千人集会の爆発を始めとする大衆運動の力でかちとった決定的勝利だ。(関連記事4面)
 平林法大総長―安東学生部長らは、警視庁公安部と癒着・結託し、あらんかぎりの策謀で闘う学生の法大からの追放を狙った。公安刑事は19日に逮捕した法学部生(23日に奪還)に対して、「逮捕されたから、お前は退学だ」という暴言まで吐いた。しかし、こうした陰謀は、大衆運動の鉄槌で粉々に粉砕されたのだ。

 「平林打倒!」総長室にデモ

 法学部教授会が行われた26日、多数の法大生、首都圏・全国から駆けつけた学生、法大弾圧救援会、OBなどが集会とデモを行った。15日に続き、多くの学生がキャンパスに集まり、校舎の窓や屋上からも注目した。
 23日に奪還をかちとった法学部の学生が、キャンパス中央に元気に登場し「処分絶対阻止」を訴えた。正門前でも、集まった学生が次々とアピール。都内の学生は「3カ月で37人逮捕はありえない。自由じゃない法政は法政じゃない」「学生ホールにまで警察が入ってきて逮捕するなんて信じられない。大学は学生のものだ」と怒りを込めた発言が続いた。
 闘う法大生は、6・19不当逮捕の責任を追及するために学内デモで学生部に突入。しかし、これまでさんざんビラまきや集会妨害をくり返してきた安東学生部長、学生部の一部反動職員どもは、恐れをなして完全に姿を隠していた。
 結集した学生の怒りは爆発、「安東が逃げまくっているんだったら、自分たちは総長室に行くだけだ」と、総長室のある九段校舎にむかってデモに出発した。九段校舎前では「平林、出てこい」と怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。東郷公園に到着した学生は、再び法大正門前に戻り、法学部教授会での処分阻止を訴え、教授会が終わる7時すぎまでビラまきとアピールを続けた。
 午後7時過ぎ、当該学生が「処分先送り」という結果を正門の仲間に報告、全体で、法学部生への処分完全粉砕、逮捕されている文学部生3人の即時奪還と処分撤回まで闘い抜くことを確認して解散した。

 再度の一斉捜索を弾劾する

 26日以降、東北大、京都大、富山大、法政大、そして前進社本社(29日)、杉並(同)などに対する警視庁公安一課の不当捜索が強行されている。デタラメきわまりない6・19逮捕を口実に、事件と一切関係がない全国大学への捜索をくり返すことがどうして許せるか。日帝・国家権力は、法大決戦の爆発が全国300万学生の改憲阻止ゼネストへ“飛び火”することを死ぬほど恐れ、圧殺に躍起になっているのだ。
 19日に逮捕され、牛込警察署に勾留されたA君に対しては、警視庁の公安刑事どもが「お前の根性をたたき直してやる!」と怒鳴りちらしながら、なんとA君を何日にもわたって立たせたまま取り調べを強行した。
 3人の学生は完黙・非転向を貫き弾圧をはね返した。3学生を奪還した力で、法大平林・安東体制打倒へ、直ちに巨大な闘いにうって出よう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号1面3)(2006/07/10)

 日程

  関空2期07年8月供用開始阻止! 米軍・自衛隊による軍事使用絶対反対!
ごみ有料化反対闘争勝利!

 7・9関西新空港反対全国集会

7月9日(日)午後1時半集合、2時開会
末広公園コミュニティー広場(泉佐野市羽倉崎駅下車2分)
主催 大阪湾岸住民4団体(泉州・淡路・明石・東灘)
   関西反戦共同行動委員会
※集会後、りんくうタウン・マーブルビーチまでデモ

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号2面1)(2006/07/10)

焦点 〈焦点〉 陸自イラク撤退の大ペテン

 空自は軍事行動を拡大へ

 6月25日、陸上自衛隊がサマワの駐屯地からクウェートへの移動を開始した。だがこの陸自の撤退は、自衛隊のイラク派兵が終了に向かうものでは断じてない。まったく逆だ。実際にはその裏で、航空自衛隊がその活動範囲をイラク全土に拡大し、米軍の軍事作戦の一角を直接担うことが、日米両政府の間ですでに決定されている。
 小泉政権が陸自撤退を発表した6月20日、ハドリー米大統領補佐官は、「日本はイラク支援の任務を継続することを明確にしており、空輸活動を拡大する」と明言した。エレリ副報道官も「『撤退』というよりは、活動範囲の変更だ」と語っている。
 米軍はこの間、治安維持の主力にイラク軍を動員してイラク人民との激突の矢面に立たせる一方、バグダッドやラマディなど各地で武装解放勢力への凶暴な掃討作戦を大々的に展開している。04年のファルージャ包囲・住民大虐殺を再び三たび繰り返すような、激しい大作戦だ。そのためには米軍物資と兵員の空輸能力の大幅な強化が不可欠である。この任務を日本の航空自衛隊が全面的に引き受けるのだ。
 これは自衛隊イラク派兵の一大エスカレーションだ。ブッシュと小泉は、陸自のサマワ撤兵をあたかもイラクの「治安の回復」を示す出来事のように大宣伝し、その陰で一層残虐な、イラク人民大虐殺の戦争に突き進もうとしている。この卑劣なペテンを絶対に許してはならない。
 すでに額賀防衛庁長官は、陸自の撤退発表と同時に空自の増派命令を出した。空自はC130輸送機3機と、隊員200人が交代でイラクに出兵し、クウェートからイラク国内への物資・兵員輸送を担当してきた。額賀の発表によれば、それをさらに増強し、かつこれまでイラク南部のバスラとタリルに限定してきた輸送先を、バグダッドや北部のアルビルまで拡大する。さらに小泉は、イラク駐留米軍の大拠点であるアサド空軍基地への輸送も「検討する」と言っている。武装解放勢力によるゲリラ戦争で陸上輸送が困難に陥る中で、空自は侵略戦争の生命線をなす空輸を担おうとしているのだ。
 小泉政権は実は昨年12月の時点で、自衛隊イラク派兵の基本計画を変更し、空自の輸送活動の対象地域をイラク国内24空港のすべてに拡大している。バグダッドへの拡大はその第一歩であり、狙いはイラク全土で展開される米軍の軍事作戦をすべて自衛隊が直接支援できるようにすることだ。自民党の国防・外交・内閣合同部会は、陸自の撤収に伴い、派兵部隊の主任務をこれまでの「人道復興支援」というペテン的な名目から米軍や多国籍軍の「安全確保支援」に変えるという方針も出している。同時に防衛庁の「省」昇格や派兵「恒久法」が狙われている。
 政府・自民党は今や自衛隊を米軍と完全に一体化させ、イラクでの本格的な戦闘行動に突入させようとしているのだ。額賀は恥知らずにも、バグダッドの空港は「非戦闘地域だ」などとうそぶいている。だが日帝・自衛隊が、米帝・米軍とともにイラク人民の激しい怒りの標的となるのは不可避だ。闘うイラク人民と連帯し、空自の派兵拡大を断じて許さず、全自衛隊の即時撤兵へ闘おう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号2面2)(2006/07/10)

焦点 〈焦点〉 「テポドン2」口実に臨戦態勢

 先制攻撃をも狙う米日帝

 アメリカのウイリアム・ペリー元国防長官は、6月22日付のワシントンポスト紙で北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)のいわゆる「テポドン2ミサイル発射実験」について、北朝鮮が発射に踏みきろうとした場合、「米国はミサイルを発射前に破壊すべきだ」と提唱した。ペリーは、「外交的取り組みは失敗した」と位置づけ、「おとなしく見ているわけにはいかない」などと公言している。
 これは米帝が北朝鮮に先制的に攻撃をしかけ、侵略戦争に突入していくべきだとする許しがたい発言である。しかも単なる発言にとどまらず、現実に「北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射実験が行われようとしている」として米日帝が侵略戦争をあおっている中で、米帝がイラクでやったように、実際に戦争に突入するために行われた策動そのものである。
 北朝鮮の「テポドン2」発射実験問題は、6月12日までに米帝が北朝鮮が発射実験を行う可能性があると発表したことからにわかに高まった。「組み立てが完了した」「燃料注入を開始」「完了した」という情報が次々流された。日帝・小泉政権だけでなく、日本のマスコミも大きく騒ぎたてた。安倍官房長官は21日、「撃てばすぐに経済制裁が(検討の)テーブルに乗る」と述べ、北朝鮮に激しい戦争重圧をかけた。実際に、改悪された外為法などによる「経済制裁」は、戦争的手段の発動そのものである。
 一方、米国防総省は、アラスカ州の基地などに配備している迎撃ミサイルを「実戦モード」に切り替え、北朝鮮や日本の近海で警戒にあたっているイージス艦などが「テポドン2」の発射を探知すると、迎撃する態勢にあることが報道された。
 しかし、北朝鮮が「テポドン2」の発射実験をしようとしているという事実そのものがあやふやで、米帝は27日には「衛星写真でみると、現時点で燃料の注入が完了したかどうか定かでない。発射に必要な一定の手続きも終わっておらず、即座に発射できる状況ではない」としてそれを認めた。
 こうした日米帝の動きに対し、北朝鮮スターリン主義は当初、発射実験の可能性を否定せず、20日になって韓成烈(ハンソンリョル)国連次席大使が「危機を解決したければ米朝間で協議を」と発言し、この問題を米朝2国間協議の取り引きに使おうとした。
 米日帝の北朝鮮への侵略戦争の切迫に、北朝鮮スターリン主義は国際的な反戦闘争・階級闘争の爆発で闘うのではなく、ミサイル実験などの反人民的政策で対抗しようとしている。だが帝国主義はそれをも絶好の口実として、北朝鮮「脅威」論や排外主義をあおり、実際に北朝鮮の体制転覆を狙った帝国主義侵略戦争を、イラクに続いてやろうとしているのだ。
 米軍再編と日帝の改憲はそのための攻撃だ。米日帝の北朝鮮・中国侵略戦争阻止へ、改憲攻撃を絶対に粉砕しなければならない。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号2面3)(2006/07/10)

 都電荒川線事故 全責任は都交通局にある

 安全策放棄と人員削減が原因

 運転士に責任転嫁の石原許すな

 6月13日、都電荒川線で試運転中の車両に後続の乗客を乗せた車両が追突し、28人がけがをする事故が起きた。事故当該の運転士への不当処分を絶対に許してはならない。職場の団結で、全組合員の団結と闘いで、処分を粉砕しよう。

 “張り紙”だけの無為無策!

 事故の責任は東京都の交通局にある。
 都交通局は、試運転車両の最後尾の窓ガラスに「試運転中 急ブレーキに注意して下さい」の張り紙を張り付けただけで、試運転の運行計画を後続の運転士に一切伝えず、安全対策をまったく怠っていた。
 ところが、事故直後の記者会見で運行計画を後続の運転士に伝えなかった責任を追及されると、交通局は「これまでもこの方法で事故は起きなかった。路面電車は速度が遅く、運転士が目視でブレーキをかければ止まる」と居直った。
 さらに6月16日の記者会見で、同じことを記者から聞かれた石原都知事は、「連絡体制の整備も必要だが、前の車両が見えたら15`で走るというルールがあるのだから、やらなかった運転手の姿勢態度が問題だ」「原則を守らないずさんな運転」に問題があると、事故の責任をすべて運転士になすりつける暴言を吐いた。
 ふざけるな! 自らの無為無策を運転士の責任にすりかえるな! 当局や石原知事の言葉の中には、営業時間中、しかも午前9時台の過密なダイヤの時間帯に試運転車両を割り込ませ、突然急ブレーキを作動することが、いかに危険であるかという認識がカケラもない。「張り紙」など、アリバイにもならない。
 今回の事故の責任は、あくまでも事前連絡を後続車両の運転士に行うことを怠った交通局当局にある。事前に通知されていたら、後続車両の運転士はその通知を頭に入れて、「前を走る車両が走行途中で急ブレーキをかける」ことを予測することができたのだ。
 東急世田谷線では、試運転のたびに職場全体に文書で通知し、後続の運転士には点呼時に知らせ、急きょ決まった時には運転士に無線で連絡しているという(読売新聞6月14日付)。この措置は最低限の安全策だ。交通局当局が、せめてこれと同じことをやっていたら、今回の事故は防げたのだ。
(写真  「試運転中、急プレーキ」に注意して下さい」と書かれた張り紙だけが都交通局のとった「安全対策」だった!)

 元凶は「チャレンジ2003」

 さらに、今回の荒川線追突事故で明らかになったことは、安全対策を長年にわたり放棄する一方で、ただひたすら人員削減の限りをつくしてきた「チャレンジ2003」の矛盾が爆発した――ということである。
 電車部でも、自動車部でも、技術部でも、欠員が出ようが一切補充してこなかった。予備要員がなくなり、恒常的な欠員状態で、病欠が出れば、「欠車を出すな」と確実に超過勤務を強制される。拘束時間はどんどん延びて、運転士(運転手)の疲へいは極限に達している。
 しかも時間どおり運行しないと当局に怒鳴られ、言い合いが日常茶飯事になっている。
 運転士は運転に集中したいのだが、「ワンマン運転」のため、乗客との対応も余儀なくされる。混雑時は、「運行が遅れていますから」と運転席から手を伸ばして乗客を入り口から車内の奥の方向に押し込むことまでやらなくてはならない。すると今度は「お客への対応が雑だ」「苦情ゼロにしろ」と当局から怒鳴られるのだ。
 こうした状況が交通局のどこの職場でも日常化している。人員削減に伴う労働強化や突然の異動で、「次はおれの番か」と不安に陥り、辞職したり、うつ病に追い込まれたり、過労死させられる職員が急増しており、東交の3月定期大会でも「チャレンジ2003」の弊害として大問題になっている。大会では人員削減に伴う労働強化と拘束時間の延長に対する批判が集中した。新規採用は全組合員の声だ。
 今回の荒川線追突事故で、後続車両の運転士が「(定刻より運行が)遅れている」と独り言を言っていたという状況は、それを象徴している。このエピソードで誰もが思い起こすのが、1年前のJR福知山線の尼崎事故だ。まさに荒川線事故は「第2の尼崎事故」だ。
 尼崎事故の根本原因は国鉄分割・民営化にある。営利優先でひたすらスピードアップし、安全対策を放棄してきたJR当局の姿勢にある。
 だが、その分割・民営化に率先協力し、営利優先にも安全対策の放棄にも一切反対してこなかったJR総連、JR連合、そして国労の指導部も同罪なのだ。
 職場の仲間が殺されたのに、その同僚を犠牲者にも数えず、「死人に口なし」とばかり彼に責任を転嫁しているのが、これらの腐りきった労働組合の幹部どもなのだ。

 動労千葉のように闘おう

 これに対して動労千葉(国鉄千葉動力車労働組合)は、《尼崎事故は、すべての労働組合に、安全を破壊する合理化攻撃と闘ってきたのかどうかを問うている》と問いかけ、「闘いなくして安全なし」を掲げて、1年余りにわたり連日、反合理化・運転保安闘争を闘い抜いてきた。
 そうした闘いの渦中の今年4月6日、JR東日本の幕張車両センターで、車両洗浄のために入れ換えをしていた回送列車がポイントで脱線し、隣の線路に停車していた車両に接触して脱線する事故が起きた。回送列車の運転士は動労千葉の組合員だった。
 JR当局はこれをチャンスに動労千葉をつぶそうと、事故を起こした当該の運転士への解雇処分をちらつかせてきた。
 動労千葉の田中委員長は、「当該運転士への事故責任転嫁を絶対に許してはならない。その闘いを職場からつくりあげることこそが、第2の尼崎事故を許さない闘いだ」と檄を飛ばし、動労千葉は「絶対に事故責任の転嫁を許してはならない。ひとりの仲間を守るためにはストも辞さず、あらゆる手段を使って当該の乗務員を守っていく」という方針で処分を許さない闘いに立ち上がった。
 動労千葉は、この事故が起こったポイント付近について、3年前から「事故が起きやすい危険個所」にあげてATS(列車自動停止装置)の設置を職場交渉のたびに要求してきた。この粘り強い日常的な職場闘争の実践が、当局を追い詰め、ATSの設置を実現させ、事故から3カ月近くたった今もなお、当該の運転士への処分を阻止し続けている。
 荒川線事故もまったく同じだ。合理化・人員削減・労働強化と日々どれだけ対決し、要求し、闘ってきたのかが問われている。まさに「闘いなくして安全なし」なのだ。
 都電荒川線事故の当該運転士に対する不当処分を断じて許してはならない。職場の力を結集し、全組合員が団結を固めて処分を粉砕しよう。動労千葉のように闘おう。動労千葉とともに闘おう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号2面4)(2006/07/10)

 都立高入学式被処分者 処分撤回へ審査請求

 研修発令にさらなる怒り

 4月入学式で「日の丸・君が代」強制に反対して不起立した都立高の被処分者5人全員が、6月29日、処分撤回を求めて東京都人事委員会に不服審査請求を行った。
 03年「10・23都教委通達」後に処分を受け、人事委に提訴して闘う労働者は計二百数十人にのぼった。これほど大規模な処分撤回闘争が展開されていること自身、教育労働者の闘いの勝利を示すものである。3年目の不起立闘争により、「日の丸・君が代」強制攻撃は確実にうち破られつつある。石原・都教委がどんな手を使おうと、もはや教育労働者の誇り高い闘いを封じることはけっしてできない。
 教育基本法改悪案が国会に提出された中でこの闘いが広がっていることは決定的だ。教育現場で戦争協力を拒否する「日の丸・君が代」闘争こそ、教育基本法改悪を阻止する最大の力である。教育労働者が愛国心教育の忠実な担い手とならない限り、改悪教基法は実行力を持たないのだ。
 処分撤回闘争を支援するとともに、教育労働者を先頭に全労働者の教育基本法改悪反対運動を巻き起こそう。

 転向強要の攻撃

 また都教委は6月22日、今春卒・入学式の被処分者のうち退職者以外全員を対象に「服務事故再発防止研修」を7月21日に行うと発令した。
 再発防止研修とは、飲酒運転など「非行」を起こした教育労働者を対象に設けられた制度。その要綱には「被処分者が行った非行に対する反省を促す」「被処分者に、自ら行った非行に関する報告書を作成させる」とある。「日の丸・君が代」被処分者をこの研修の対象とするとは「反省と転向」の強要そのものだ。
 しかし被処分者は一昨年・昨年ともこの研修を、不当処分を下した都教委幹部職員に対して被処分者が怒りをたたきつけ徹底追及する場として闘ってきた。度重なる研修強要によりますます自らの正義に確信を持った労働者集団を生みだしてきたのだ。

 7・21研修弾劾へ

 重大なのは、都教委が都高教の定期大会当日に再発防止研修を設定したということである。
 都高教内部では石原・都教委と闘わない本部に組合員の怒りと不満が募り、この2年間の都高教大会では被処分者らが提出した修正案が何十本も可決された。また東京と全国の「日の丸・君が代」被処分者は今や、闘う日教組の再生をめざす教育労働者の核となっている。石原と都教委はこうした現実に危機感を燃やし、大会当日に研修をぶつけるという卑劣な妨害策に出てきたのだ。
 被処分者の会は”「一人も反省しない! 反省すべきは都教委だ!」を合言葉に行動しよう”と呼びかけている。7月21日午前9時、東京都教職員研修センター前(JR水道橋駅そば)に駆けつけ、都教委に徹底弾劾の声をたたきつけよう!

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号2面5)(2006/07/10)

 労働者人民にはゼロ金利強い村上ファンドへの投資で巨利

 福井日銀総裁と小泉の打倒を

 村上ファンドの村上世彰が証券取引法違反(インサイダー取引)で逮捕・起訴される一方、日銀の福井俊彦総裁らが村上ファンドに投資し巨額の利益を得ていた事実が暴かれた。小泉=奥田路線のもとで戦争と民営化・規制緩和の攻撃を推進してきた主要な人物たちが村上ファンドに群がり、労働者への徹底的な搾取の上に巨富を築いていたのだ。ここには、帝国主義の腐敗が隠しようもなく現れている。

 村上の背後に宮内や牛尾が

 小泉改革は徹頭徹尾、独占的大資本や金融資本の利益と延命のために行われてきたものだった。村上ファンドをめぐる事態は、それを白日のもとにさらした。
 村上が逮捕・起訴されたのは、インサイダー取引が理由だ。村上は、ライブドアの堀江貴文らから、同社がニッポン放送株を買い集めようとしているというインサイダー情報を得て、同社株を買い集め、30億円を超える利益を得て売り抜けた。
 福井総裁は、その村上ファンドに99年、1000万円を投資し、総額で1473万円もの運用益を得たという。年利にしておよそ24%! こんなぼろもうけができるのは、ほんの一握りのブルジョアジーだけだ。
 7年以上も続いたゼロ金利政策のもとで、労働者がなけなしの金を銀行に預けてもほとんど利子は付かない。バブル崩壊以降、家計が失った利子収入は304兆円にもなる。これによって大銀行は不良債権を処理できただけでなく、今やバブル期を超える過去最高の利益を上げている。
 こうした銀行救済策・資本救済策を続けてきた日銀のトップが、うなるようなもうけを懐にしてほくそ笑んでいたのだ。
 しかも、福井総裁の資金はオリックスが管理する「アクティビスト投資事業組合」を通じて村上ファンドに運用委託されていた。オリックス会長の宮内義彦は、規制改革・民間開放推進会議の議長として、民営化・規制緩和の攻撃の最先頭に立ってきた。度重なる労働法制の改悪で労働者の権利を奪い、公務員労働者に理不尽な攻撃を集中させた司令塔こそ、規制改革・民間開放推進会議にほかならない。
 そもそも、村上ファンドの設立にあたって資本金の45%を出資したのはオリックスだ。宮内こそ真の主役だ。また、ウシオ電機も村上ファンドに投資していた。ウシオ電機会長の牛尾治朗は、経済財政諮問会議の民間委員を務めている。
 彼らが村上ファンドを全面支援してきたのは、村上が小泉改革貫徹の突撃隊だったからだ。村上の唱える「株主重視」とは、”株主への配当を増やせ”ということだ。村上は宮内らから得た金で企業の株を買い占め、その企業に徹底したリストラを迫ることをなりわいとしてきた。結局それは、労働者の賃金を徹底的に削り取れということになる。
 だから竹中平蔵総務相らは村上を「革新の旗手」としてもてはやし、大独占は村上ファンドに資金を集中させたのだ。00年の設立時に50億円だった同ファンドの投資資産は、06年3月には4444・6億円に膨らんだ。その83%が海外からの投資とされているが、実際には国内の生保からの金が流れ込んでいるとも言われている。
 官僚もそこに群がった。村上の出身官庁の経済産業省の官僚は、計1000万円を投資して1〜2割の利益を上げていた。村上ファンドの関連会社から秘書給与の肩代わりを受けていた民主党の松井孝治参議院議員も、村上と東大時代の同級生で同省の出身だ。
 民営化・規制緩和で大独占の利益を図ってきた小泉改革は、こうした連中によって推し進められてきたのである。

 世帯の年収は80万円も減少

 それはひとえに、労働者への賃下げと不安定雇用化の上に成り立っていた。「格差社会」と言われるものは、労働者階級への貧困の強制と、その一方での資本家への巨大な富の集中だ。
 厚生労働省が公表した「国民生活基礎調査」によれば、1世帯あたり平均所得金額は96年の661万円から04年の580万円へと8年間で80万円も減少した。04年度の統計で、年収200万円未満の世帯は18・7%に上る。非正規雇用労働者は労働者全体の3割にもなっている。雇用を失う恐怖のもとに長時間過密労働を強いられ、労働者の命も顧みない資本によって労災事故を強制される怒りに耐えない現実が社会を覆っている。
 日本経団連が95年に打ち出した「新時代の『日本的経営』」路線は、小泉政権のもとでこのように全面的に貫かれてきたのである。
 労働者の強搾取によって、資本はますます肥え太っている。例えば、日産自動車の取締役の報酬は、1人平均で年2億3000万円にもなるという。労働者にとって、もはやこんな現実はとうてい我慢がならない。

 福井をかばう経団連・御手洗

 福井日銀総裁に対する労働者の怒りが高まり、辞任を求める声が噴出する中で、福井は「職責を全うしたい」と居直りを決め込み、小泉も「辞任の必要はない」「問題のある行為ではない」と必死に福井をかばっている。日本経団連会長の御手洗冨士夫に至っては、「感情論が行き過ぎて魔女狩り的な結果をもたらすことは避けなければならない」と言い放った。
 こんな暴言が許せるか。小泉や宮内、牛尾や福井らによって首切り・リストラを強いられ、賃金を削られ、権利を奪われてきた労働者が、彼らに怒りの矛先を向けるのは当然のことだ。福井は小泉もろとも労働者の力で今すぐ打倒されなければならないのだ。
 小泉やその後継を狙う政治家たちは、労働者の怒りの大きさにおののいている。だからこそ、公務員労働者への攻撃を集中させ、そこを突破口にすべての労働者から階級的団結を奪い去ろうと躍起になっているのだ。教労、自治体、全逓、国鉄の4大産別決戦は、これと全面的に対決する闘いだ。
 小泉改革で巨大な利益を手にした資本家たちは、ますます深まる帝国主義の危機の中で、延命をかけて侵略戦争と改憲に突き進んでいる。
 こんな現実は覆すべきだ。世界で胎動を始めた労働運動の高揚は、日本にも押し寄せている。共謀罪新設や教育基本法改悪案、改憲のための国民投票法案を採決できないところに追い込んだ通常国会をめぐる闘いは、それをかいま見せた。
 改憲阻止の大決戦を貫き、労働者の力で腐敗しきった日本帝国主義を打ち倒そう。労働者階級の解放=プロレタリア革命へ闘おう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号3面1)(2006/07/10)

 教基法 臨時国会で廃案に

 「愛国心」教育は戦争の道

 夏の闘いが勝負! 全国で創意的な運動を

 通常国会が閉会して教育基本法改悪案は継続審議となり、勝負は臨時国会に持ち越された。
 通常国会終盤、教基法改悪法案に続いて、改憲のための国民投票法案、防衛省昇格法案など、憲法改悪に直結する法案が目白押しで提出された。
 秋の臨時国会は、現代の治安維持法=共謀罪と合わせて、4大反動法案の成立を阻むことができるのかどうかの正念場である。
(写真 教基法の改悪をとめよう!全国集会の後、デモに立った被処分者の会など教育労働者【6月2日 国会前)

 民主取り込み成立狙う小泉

 小泉は通常国会終了を受けて、6月19日の記者会見で、以下のように述べた。「教育基本法案も、国民投票法案も、共謀罪創設も、民主党とそれほど対立点があるとは思っていない。じっくり審議すれば、お互い共通点が出てくる。そういう点を総合的に判断して、延長しないという判断を下した」
 要するに、いずれも憲法改悪に直結する超重大法案であるがゆえに、与野党が対立した構図の中で押し通すのではなく、民主党を抱き込んで挙国一致体制のもとで成立させようとしているのだ。
 実際、自民党は国会閉会を前にして、閉会中に自民、公明、民主の3党で協議会を設置して教基法改悪案の修正協議を行うことを提案した。政府案に民主党案を取り込んで修正して、民主党の賛成をも取り付けて臨時国会で一挙に成立させることを狙っているのだ。
 他方、民主党は、4野党の幹事長・書記局長会談において一致した「教育基本法改正案について与党案と民主党案の両方を廃案にすべきだ」という合意をひるがえし、教育基本法改悪の政府案・民主党案とも継続審議にすることに賛成した。
 条文に「日本を愛する心」「宗教的感性の涵養(かんよう)」を盛り込み、現行法第10条「教育は、不当な支配に服することなく」を削除した民主党案は、政府案をも超える極悪法案である。

 「日本会議」も民主案を称賛

 日本会議は6月18日に開催した総会で、教基法改悪の政府案について「@国を愛する『態度』を『心』に修正する、A『宗教的情操の涵養』を明記する、B教育行政混乱の原因である『不当な支配』の文言を削除する」の3点を要望した決議を採択した。まさに民主党案そのものである。
 日本会議国会議員懇談会会長の平沼赳夫元経産相も、民主党案について「『愛国心』が入っているほか、『宗教的感性の涵養』も盛り込んでいる。なかなか立派だ」と高く評価し、与党側が法案修正に応じるべきだと主張している。
 03年春、武力攻撃事態法など有事関連3法の制定過程を思い起こそう。02年4月の政府案提出に対して陸・海・空・港湾労組20団体を先頭に懸命に反対運動を展開し、1年間は成立させられなかった。しかし03年4月に民主党が「対案」を提出。そのことにより自民・民主の密室の修正協議が行われ、実に9割の国会議員が賛成する中で一挙に押し通されていった。それと同様に今、民主党が教育基本法改悪の極悪の担い手となろうとしている。
 民主党の最大の支持基盤は連合だ。日教組組合員を始めとする全国の教育労働者、そして連合傘下の労働組合と労働者の闘いが決定的である。
 この3カ月間、連合指導部の制動を突き破り、教基法改悪絶対反対の運動を巻き起こし、なんとしても臨時国会における成立を阻もう。

 教育勅語の復活狙う 教基法特別委 民主も自民と同根だ

 通常国会の教育基本法特別委員会の審議では、恐るべきことに、政府・自民党も民主党も、ともに教育基本法の改悪が「教育勅語体制の復活」を目指すものであると露骨に表明している。
 6月2日の特別委の審議を見てみよう。質問に立ったのは民主党衆院議員・大畠章宏である。
 大畠は「敗戦後、教育勅語の内容のどこが悪かったのか検証されないまま、教育基本法の成立に至ってしまった」と提起し、委員の手元に配付した教育勅語の現代訳を読み上げた。そして「今、何が日本人の基本なのかという基本的な考え方が薄れている。教育勅語の中身が検証されていないところに日本の国の混乱がある」と述べた。
 これに応じて小坂文科相は「教育勅語の道徳訓、そういう精神はいつの世にも必要なもの」、安倍官房長官が「私たちの進むべき道、大変すばらしい理念が書いてある」と、いずれも教育勅語を大絶賛した。
 大畠はさらに、敗戦後、連合軍が「教育勅語は朗読してはならない」としたことこそ問題であり、現行教基法は制約された中でつくられたと弾劾。政府案に対して「このような屈辱的な歴史的背景を持つ教育基本法を、なぜ部分修正なのか」と批判し、「独立国家としてどこからも圧力を加えられることなく、まったく新しい教育基本法をつくるべき」と述べ、だから民主党は現行法を廃止する新法として「日本国教育基本法」を提出したと誇った。

 子どもたちを兵士にするな

 教育勅語を賛美する勢力はよく、「夫婦相和し朋友(ほうゆう)相信じ」の個所などを取り上げて「どの時代にも通用するすばらしい道徳」などと語る。だまされてはいけない。教育勅語においては、これらの道徳律はすべて「一旦緩急あれば義勇公に奉じ天壌無窮(てんじょうむきゅう)の皇運を扶翼(ふよく)すべし」のため、「国体」=天皇制国家を守り戦う国民をつくるためだった。子どもたちに「万世一系の天皇を頂点にした『国体』を護持するために命を投げ出すことが使命」とたたき込み、進んで軍隊に入り侵略戦争を担う青年たちをつくりあげることだけが、教育勅語の目的であった。
 そもそも、現在の子どもたちをめぐる諸矛盾を「教育勅語が廃止されたから起きた」などとする暴論は絶対に許せない。資本主義の末期的な危機がもたらしている労働者の生活破壊、政財界の金権腐敗にまみれた現実、差別主義・能力主義教育が子どもたちに強いる荒廃――こうした現実を生み出したのは、お前たちではないか! 
 教育勅語体制の復活を許さないため、教基法の改悪を必ず阻もう。全国で総決起しよう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号3面2)(2006/07/10)

対角線 [対角線] 毒まんじゅうはごめん

 連合はホームページで、「日本国教育基本法(民主党案)の説明を受ける」という記事を載せている。6月7日の第8回政策委員会に民主党・西岡武夫参議院議員を招き、勉強会を開いたというものである。
 西岡こそ自民党・安倍と一緒になって現行教基法と日教組を攻撃し、「愛国心」教育への転換を強く主張してきた人物だ。この西岡が中心になってつくった民主党案は、与党案よりずっと露骨に前文に「日本を愛する心の涵養(かんよう)」をうたっている。
 ところが、連合ホームページではこの「愛国心」のことに一言も触れていない。代わりに民主党案の特徴として挙げているものは、「義務教育の『国の責任』の明確化」とか「現場に近いところで決める教育行政」とか「幼児、高等教育の漸進的無償化」などであり、これを西岡が説明したと報道している。
 なぜ、民主党案の「愛国心」の問題に、連合中央は触れようとしないのか。そのことには固く口を閉ざし、そうして「このまんじゅうは甘くておいしいよ」と言いながら、労働者に毒入りまんじゅうを食わせようとしている。ずるい。
 そもそも民主党議員は国会で、どんな発言をしているか。鳩山由紀夫は衆院本会議で与党案の「他国を尊重し」に難くせをつけて「拉致している北朝鮮をも尊重しろというのか」と叫び、岩国哲人は教基法特別委で「君臣の意見に不一致があっていいのか」と天皇への絶対的忠誠、「教育勅語」の道を説いている始末だ。
 国家が人民に「国を愛せ」と命令する時は戦争をやる時だ。労働者はそのことを直感している。(史)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号3面3)(2006/07/10)

 9条改憲阻止の大運動へ 労働者の壮大な決起を

 圧倒的な夏期カンパのお願い

 すべての同志、支持者、『前進』読者のみなさん!
 労働者を襲う資本攻勢と生活破壊は際限なく進み、帝国主義の世界戦争もさし迫っています。全世界で生存と解放をかけた労働者階級と被抑圧民族の闘いがまき起こり、日本でも改憲をめぐる戦後最大の決戦の時を迎えました。今夏今秋が06〜07年決戦を決します。絶対に負けられないこの決戦期にあたり、革共同は最大級のカンパの集中を訴えます。

 負けられない決戦

 第一に訴えたいことは、今夏今秋がまぎれもなく空前の決戦となったということです。
 今年前半の闘いの勝利と前進は目を見張るものでした。
 03年「10・23都教委通達」以来3年目を迎えた今春、教育労働者は不当な処分に屈せず「日の丸・君が代」強制拒否闘争を闘いぬきました。日教組本部の大裏切りを突き破って闘った教基法改悪阻止の国会闘争は、闘う日教組再生の巨大な闘いとなっています。
 動労千葉の反合・運転保安闘争を先頭に06春闘を闘いぬき、戦争・改憲と民営化・労組破壊をめぐる攻防が4大産別から中小零細、合同労組にいたるまであらゆる職場・生産点で繰り広げられています。「闘いなくして安全なし」が労働組合運動の合い言葉となりました。「春闘は死なず」「労働者の闘いここにあり」です。
 マルクス主義青年労働者同盟に結集する青年労働者は、職場闘争と反戦闘争の先頭で奮闘しています。法政大当局の大量逮捕・退学処分に怒る法大生1千人決起を始め、学生運動はまったく新たな高揚局面に入りました。米軍再編をめぐって沖縄を先頭に全国の反戦・反基地闘争が激しく闘われています。
 通常国会での共謀罪と教基法改悪案の衆院通過を阻止した力は、こうした闘いの爆発に対する小泉政権の恐怖と脆弱(ぜいじゃく)性を示しています。
 法政大弾圧をめぐる連日の激闘、8・6ヒロシマ―8・9ナガサキ、8・15、そして臨時国会闘争と4大産別決戦は、今春以上の激しい闘いとなります。北朝鮮への「テポドン2」キャンペーンを始めとする排外主義扇動を打ち破る宣伝・扇動が圧倒的に必要です。
 すでに改憲阻止闘争は始まっています。この夏秋に勝敗の分岐点があります。戦後最大の決戦を闘う闘争資金が必要です。

 11月1万人結集へ

 第二に、改憲阻止に向かって11月労働者集会1万人結集をかちとるために、これまでの比ではない資金が必要です。
 改憲が問題となるということは、体制が問題となり、革命が問題となるということです。動労千葉のように職場・生産点で資本と真っ向から闘い、労働者の団結を打ち固め、闘う労組権力を打ち立て強化していくことが、4大産別を先頭にあらゆる産別・職場で必要です。労働組合が主軸となった改憲阻止の大統一戦線をつくり上げていく必要があります。
 臨時国会をめぐる激突は、小泉後継政権とともに連合・民主党との闘いとなります。連合・日教組本部が承認した極悪の教基法民主党改悪案や国民投票法案は絶対に許せません。郵政民営化と行政改革、大量の公務員首切りと非正規雇用の拡大は、連合の裏切りと現場の闘いの封じ込め抜きにはありえません。連合本部は、小沢民主党への幻想をあおり、来年の参院選に向けた「反転攻勢」を空叫びして、傘下の労働者を取り込み、改憲勢力化をはかろうとしています。11月労働者1万人結集は、連合路線に対して職場・生産点から総反乱し、闘う労組権力を樹立する闘いです。
 11月1万人結集こそ、07年決戦の展望をつくり出します。全世界の被抑圧民族やムスリム人民の決起、フランスを始めヨーロッパやアメリカ、韓国・民主労総など、全世界で始まった労働者階級の反乱は、けっして一過性の事態ではありません。スターリン主義のくびきをのりこえ、1930年代を超える戦争と革命の時代がついに到来しつつあります。だからこそ、06年11月、闘う労組・労働者の1万人結集が決定的です。

 労働者党の建設を

 第三に、新指導路線と「党の革命」を貫徹して真の労働者党に飛躍するため、空前のカンパを集めることが必要です。
 改憲阻止決戦は、圧倒的多数の労働者の怒りと結びついて、職場細胞を建設し職場・生産点から壮大な闘いをまき起こせるかどうかにかかっています。レーニンが実践した革命党の使命の実践が必要です。プロレタリア革命に勝利するため、革共同は労働者自己解放闘争の原点に立ち返って生まれ変わろうとしています。
 革共同結成以来、60年、70年安保闘争を闘い、国家権力の破防法弾圧、反革命カクマルとの死闘に勝ちぬいてきた私たちは、ついに改憲と戦争、革命をめぐる戦後始まって以来の決戦の時を迎えました。
 まさに、この日のために闘ってきたのです。すべてをかけて決起すべき情勢の到来です。
 多くの皆さんがカンパ闘争に参加し、広く大きく資金を集中してくださるよう、心から呼びかけます。4大産別の労働者の皆さんに、可能な限り10万円単位のカンパを訴えます。すべての皆さんがカンパ闘争をともに担うことを訴えます。
 夏期一時金カンパ闘争を空前の規模で闘いぬき、勇躍と夏秋決戦に突入しましょう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号3面4)(2006/07/10)

 推測だけの目撃証言

 国労弾圧公判 事実示され証人が自認

 6月21日、国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第59回公判が東京地裁刑事第10部(青柳勤裁判長)で開かれた。前回に続き「被害者」と称して出廷した黒執(くろとり)光久証人(事件当時、国労長野地本中南信支部・松本運輸区分会組織部長)への弁護側反対尋問が行われた。
 この弾圧は、鉄建公団訴訟を起こした闘争団員への統制処分の手続きが決定された02年5月27日の国労臨時大会に際し、本部方針に抗議してビラまき・説得活動に立った国労組合員が「暴力行為」をデッチあげられ、不当に起訴されたものだ。国労本部は弾圧に加担し、「証拠」も積極的に差し出した上、組合員を警察に売り渡した。
 国労が真の団結を取り戻すためには、この国労本部を打ち倒すことが必要だ。国鉄闘争は今、鋭い分岐の渦中にある。「政治解決」の名で国鉄闘争を解体しようとする国労本部の策動は、再び強められている。6・16集会も、そうした国労本部の思惑によって設定されたものだった。通常国会の最終盤で、多くの労働者が共謀罪や教基法改悪案、国民投票法案などを廃案に追い込むために全力を挙げているその時に、政府・与党に「JR不採用問題の政治解決」を嘆願すること自体、改憲阻止決戦に背を向けるものと言うほかない。
 この状況を覆す最先端の闘いこそ、5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いだ。

 “遠からず本部は打倒される”

 公判の冒頭、闘争団員の羽廣憲被告が意見を述べ、鉄建公団訴訟原告団の一員として上京行動に参加したことを報告し、国鉄闘争の現局面を明らかにした。特に、6・16集会で国労本部の佐藤勝雄委員長のあいさつに対して鉄建公団訴訟原告からもやじが飛んだ事実を述べて、鉄道運輸機構(旧国鉄清算事業団−鉄建公団)に地位確認(解雇撤回)を求める訴訟を起こそうとしない国労本部の姿勢を弾劾した。
 また、国労バッジ着用者への不当処分に対して組合員有志が申し立てた労働委員会に傍聴参加したことに触れ、「役員は処分に耐えかねて職場でバッジを外したが、JR所属の5人の被告は今もバッジを着けている。組合員の職場での闘いが国労を再生させる」と断言した。この裁判でも、検察側証人となった本部派組合員は、職場では外した国労バッジを法廷では当然のように着けて来る。だが、それはもはや闘いと団結の象徴ではない。検察側証人の中には5・27臨大当日に着けていたバッジを警察に任意提出した者さえいる。
 羽廣被告は、こうした国労本部派の変質を痛烈に批判して、「遠からず国労本部は打倒され、闘う国労に再生される日が来ると信じる」と陳述を結んだ。
 以前の公判で黒執証人は、「松崎博己被告が池田久幸・長野地本東北信支部元委員長にひざげりするのを見た」と述べていた。これを一瀬敬一郎主任弁護人が追及した。
 「ひざげりの時、松崎被告の右手は池田さんの左上半身にあった」「そのまま池田さんは押されていった」と言う証人に、弁護団は事件現場を映した検察側証拠のビデオテープから作成した静止画像写真を突きつけた。そこには、黒執証言によれば「ひざげりの直後の場面」が写っている。だが、その画像からは、松崎被告と池田は離れていたことは明らかだ。松崎被告の手が池田に触れていた事実もない。そのことを突きつけられても、証人は「手が触れていたと思う」と言い張った。すかさず弁護団は「それは推測か」と問いただした。証人は「推測です」と答えるほかになかった。
 公判は7月国労大会後の8月からいよいよ弁護側立証に入る。傍聴を強化し、「許さない会」を拡大して、被告の無罪獲得と国労再生へ闘おう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号3面5)(2006/07/10)

 キヤノン御手洗の正体

 セル生産方式で強搾取

 労働者の2/3が削減された!

 今年5月24日に奥田トヨタ会長の後をついで日本経団連の2代目の会長に就任した御手洗キヤノン会長は、なぜ「財界総理」と呼ばれる位置にまで上り詰めたのか。
 キヤノンを、経常利益率を見ればトヨタ自動車を上回ると言われる高収益会社にしたことが、断末魔の経済危機にあえぐ日本帝国主義にとって御手洗を「IT業界初の経団連会長」に押し上げた決定的な理由である。
 キヤノンを高収益企業にした秘密は何か。それは「セル生産方式」と呼ばれるベルトコンベヤー方式に代わる強搾取・強収奪の工場生産方式を率先して確立し、全世界に展開したことだ。

ラインからベルトコンベヤーを取り除き労働者はセル(区画)と呼ばれる作業台で生産する ベルトコンベヤーを撤去

 セル方式とは、バブル崩壊以降、電機業界の組立工程を中心に広がっているベルトコンベヤー生産方式に代わる新しい生産方式である。ラインからベルトコンベヤーを取り除き労働者はセル(区画)と呼ばれる作業台で生産する。労働者と労働者との間隔を詰めて手渡しで生産する。(写真)
 セル方式は、キヤノンのように最初は数人のチームで一つの製品を完成させるが、労働者の習熟度が高まると松下電器のように一人で製品を全部完成させる方式にまで行き着く。いずれも完全な立ち作業で、労働者を酷使する生産方式だ。
 ベルトコンベヤーを中心に配置されたライン生産方式は、20年代のアメリカの自動車産業の勃興(ぼっこう)期にフォードで確立された生産方式であって、分業をとことん推し進めることで大量生産方式を確立した。チャップリンの「モダンタイムズ」の世界である。
 分業と自動化を極限的に推し進める「無人工場」も出現したが、それも万能ではなかった。他方で大部分の工程は依然として労働集約的であり、資本は安い労働力を求めてアジアへ進出し、日本の産業空洞化も問題になった。
 セル生産方式は行き詰まったライン生産方式に代わって労働者の労働力をとことん搾り取る新たな生産方式なのだ。
 セル方式が実際に導入されるとどうなるのか。
 御手洗は新聞社のインタビューに対し、「1年もたつと30人が10人で済むようになる。……実際に減ったのは、派遣会社から来ている外部契約社員です」(東洋経済新報社『御手洗冨士夫 キヤノン流現場主義』)などと、3分の2の派遣労働者の首切りができると得意満面で主張している。
 ライン生産方式だとベルトコンベヤーの速度で生産個数が決まる。ところが、セル生産方式だと、個々のチームないし個人の習熟度で生産個数が決まる。個人の生産数が目に見える形になるため労働者間の競争がとことんあおられ、これと成果主義賃金の導入が重なって、労働者はとことん分断され、強搾取に駆り立てられることになる。
 セル方式の労働者は、いかに生産を上げるか、日夜考える状態になると言われている。まさに、24時間365日、資本に内面世界まで支配されることになるのだ。
 セル生産方式は、職場がIMF−JC(金属労協)の帝国主義的労働運動によって制圧され、団結が解体されていることで初めて可能になる。このような生産方式が長続きするはずはない。

 派遣社員を一貫して搾取

 セル生産を実際に担うのは、低賃金のパートの労働者ないしは外部契約社員と称する派遣労働者である。製造業への労働者の派遣は04年3月の派遣法改悪までは禁止されてきた。それまでは「請負」と称する違法派遣が大手を振ってきた。それを率先して実行し、小泉構造改革の恩恵を一番受けてきたのが御手洗キヤノンである。このような御手洗だからこそ、小泉構造改革を支持し、小泉=奥田路線を継承することを誓っているのだ。
 昨年秋には中国の大連にあるキヤノン大連有限公司で他の日系企業とともに労働者の一大ストライキ闘争が爆発した。
 「格差拡大こそ経済活力の源」などという言葉をはいて、セル生産方式を全世界に展開する御手洗と日本経団連の資本攻勢に徹底対決し闘おう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号4面1)(2006/07/10)

 「北延伸」阻止の新たな決戦へ

 東京で三里塚集会開く

 6・25 40年の闘いの勝利を確信

(写真 上)会場正面に並んだ北原事務局長を始めとするパネリスト、(写真 下)会場からあふれるほどの参加者が集まり、終始集中した討論が行われた【6月25日】)

 6月25日、江東区総合区民センターで、「三里塚闘争40年 歴史と現在(いま)を語る東京集会」が開かれ、会場からあふれる240人が集まった。主催は三里塚芝山連合空港反対同盟。40周年の節目を迎え、米軍再編と改憲攻撃のもとで三里塚が何を訴えるかが非常に注目される中、これまでの形式を打ち破ってかちとられた画期的な集会だった。
 冒頭、この日のために制作されたビデオ作品『三里塚/大地の乱』第一部が上映された。
 反対同盟40年の闘いの歴史が、体を張った実力闘争の連続であったことがあらためて映像で示された。古くからの闘争参加者は自分がいた現場を思い出し、新しい参加者はその激烈さに目を見張った。特に在りし日の戸村一作反対同盟委員長の鮮烈な演説や、強制代執行での大木よねさんの必死の抵抗の姿は見る者すべての胸を打った。
 正面に、反対同盟事務局長の北原鉱治さん、事務局次長の萩原進さん、本部役員の鈴木幸司さん、敷地内の市東孝雄さん、菱田の鈴木謙太郎さん、さらに動労千葉の田中康宏委員長、全関西実行委の永井満さん、反対同盟顧問弁護団の葉山岳夫さんが座り、事務局の伊藤信晴さんの司会で集会が始まった。
 冒頭に、北原さんによる40年の闘争総括を皮切りに、萩原さんが政府の農民無視の政策を、また鈴木幸司さんが成田用水による切り崩し攻撃を弾劾し、再度北原さんが軍事空港としての成田空港建設との闘いを語る――とテーマに分けられた形で発言が続いた。
 さらに田中委員長が81年3月の動労千葉のジェット燃料貨車輸送阻止ストライキをふり返りながら、労農連帯の意義を確認した。また永井さんは関西新空港反対闘争の創成期に三里塚から学んだ闘いの魂を戸村委員長の思い出などを交えて語った。
 会場からは「日の丸・君が代」強制攻撃と闘う教育労働者、71年当時農民放送塔の上で闘った元現闘の労働者、85年10・20決戦を全学連委員長として指導した鎌田雅志さんの発言があった。

 “これが改憲、軍事空港の姿”

 集会後半は再び反対同盟の発言から始まった。市東さんが暫定滑走路建設の過程をたどり、現在自分が受けている騒音被害や事故多発の実態を紹介した。成田空港会社社長・黒野の周辺農家に対する「謝罪文」が伊藤さんによって読み上げられ、その白々しい物言いに参加者の怒りがかき立てられた。鈴木謙太郎さんは暫定滑走路北延伸攻撃の焦点となっている「クリーンパーク」と東峰の森について解説し、さらに現地を徘徊(はいかい)する私服刑事の監視・弾圧の実態を明らかにした。
 会場で実際のジェット機の騒音を再現する実験が行われた上、萩原さんが暫定滑走路離着陸で頭上40bに飛行機を飛ばすことがいかにすさまじい生活破壊かを示し、さらに北延伸によって北部の住民が新たな騒音地域として追い出し攻撃をかけられていることを暴露、「これが改憲であり、これが軍事空港の姿だ。さまざまな理由で足が遠のいていた人を再度立ち上がらせることをふくめて、現地に総決起を」と檄を発した。

 三里塚の闘いを全国各地に

 葉山弁護士は現在かけられている改憲攻撃を明らかにしながら、「国家権力の暴力性と対決してきた三里塚のような闘いを、全国につくることが侵略阻止のカギ」と訴えた。北富士忍草母の会事務局長の天野美恵さんは会場から「自衛隊イラク撤退が決まったのは私たちの闘いの結果。もっと三里塚に大結集を。特に中核派!」と叱咤(しった)激励した。
 会場の若い労働者から「なぜ(敵は空港建設計画を)破産させてはだめなのですか?」との素朴な質問が出され、反対同盟や参加者が懇切丁寧に説明するシーンもあった。最後に、北延伸攻撃との決戦突入を宣言し、敵の出鼻をくじく闘いとして7・2現地闘争への大結集を確認し、集会を終了した。
 長時間の集会ではあったが少しも飽きさせない構成で、発言者と聞き手との生きた交流がその場で行われる三里塚闘争史上でも非常にユニークで、新たな大衆運動的広がりを感じさせる集会となった。
 いよいよ、日帝・成田空港会社との新たな決戦に突入した。7・2全国総決起闘争の勝利から、夏秋の決戦へ! 改憲阻止の壮大な決戦の中で、新たな三里塚大衆運動をまきおこそう!

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号4面2)(2006/07/10)

 6・24〜25 戸村一作彫刻展 福島菊次郎写真展

 度胆抜く戸村作品 新たな飛躍に活力

 6・25集会の会場となった江東区総合区民センターの2階展示ホールで、24日から2日間、戸村一作彫刻展、写真家・福島菊次郎氏の三里塚写真展が開かれ、三里塚闘争の歴史と現在を解説する闘争年譜などのパネルとともに作品が所狭しと展示された。訪れた人びとの関心は高く、足を止め熱心に鑑賞する姿が目立った。
 若い人の中には故・戸村委員長が「彫刻家」でもあったことを知らない者も少なくない。
 戸村委員長は激しい闘争を指導する合間に、国家権力への怒りを創作意欲に転化し鉄の素材にぶつけた。今回出展された「闘う大木よね」などの作品は、絶えず二科展に出品され「お上品な」会員の度肝をぬいたと言われる。
 作品展は集会の成功と一体で、三里塚闘争の新たな飛躍に大きな活力をもたらした。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号4面3)(2006/07/10)

 民法で「一坪」を強奪

 NAAの所有認定 反動判決に怒りの控訴

 6月28日千葉地方裁判所は、成田空港敷地内6カ所の一坪共有地について空港会社(NAA)の取得=土地強奪を認める反動判決を下した。
 反対同盟と顧問弁護団は、直後に記者会見を行い、控訴して徹底的に争うことを明らかにした。(写真)弁護団は、民法を土地収用法代わりに使おうとしていることや、空港を機能させるための事実証拠に基づかない判決を厳しく批判した。反対同盟は、「手前勝手の解釈での土地取り上げは許せない」と怒りを表明した。
 本件訴訟は、国家による唯一の土地強奪法である「土地収用法」が期限切れで失効したため、NAAが苦肉の策として民法をこじつけて持ち出し、提訴に踏み切ったものだ。空港建設のためには何がなんでも一坪共有地を取り上げるという「まず結論ありき」のごり押しである。
 一坪共有地とは空港反対運動のために提供された土地であり、「空港反対」という明確な目的を持った「組合」の合有的共有地であり共同財産である。共有者個人が勝手に分割や売買することはできないのであり、所有権はく奪は民法668条に違反する。これらのことがこの4年間に渡る裁判で疑問の余地なく明らかにされてきた。
 ところがNAAは、前記のような合有的形態の一坪共有地には適用できない民法の「共有物分割」規定をこじつけ、強硬に所有権(共有権)のはく奪を主張、地裁判決はそれを全面的に追認したのである。(しかも、この判決公判に原告NAAの代理人は弾劾を恐れて、全員が欠席し逃亡を決め込んだ!)
 判決は一坪共有地を「組合の合有」と認めない理由として、「土地を十分管理してない」「土地を利用していない」「土地は狭小だ」などと言っている。冗談ではない。共有地を空港で囲い込んで自由に入れなくしておきながら、「管理してない」などとよくも平気で言えるものだ。まさに「狭小な」一坪の土地を武器に理不尽な土地強奪を許さず空港に反対して、民法上の「組合」としての共有関係をつくってきたのが一坪共有化運動だ。こうした事実関係を一切無視し、土地収用法で40年たっても奪えなかったから、今度は民法を使って取り上げようなどという恥知らずな暴挙は、現行憲法の理念に根本から背くものであり、暴力的土地強奪そのものだ。絶対に許すことはできない。
 この反動判決は、暫定滑走路「北延伸」攻撃のまっただ中で下され、天神峰現闘本部裁判や市東さんに対するNAAの天神峰耕作地への「解約要求」と軌を一にしてかけられた攻撃だ。反対同盟つぶしを狙う国家権力の意図を体現して千葉地裁がこの判決を出したことは明らかであり、粉砕あるのみだ。
 6・25東京集会―7・2三里塚現地総決起集会の高揚を引き継ぎ、米軍再編=改憲攻撃を真正面から迎え撃つ反対同盟とともに、三里塚闘争の新たな発展を切りひらこう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号4面4)(2006/07/10)

 萩原さん、市東さんの産直じゃがいも

 

暫定滑走路「北延伸」阻止の決戦に突入した三里塚の萩原進さん、市東孝雄さんが生産した産直じゃがいもの申し込みが行われている。(本紙前号、団結ひろばで紹介)
 1箱10`入り(男爵系「北あかり」5`、メークイン系「トヨシロ」5`)、2000円(送料込み)、発送は7月8日・15日の2回。丹精こめて育てられた栄養満点のじゃがいもで、夏秋決戦に勝利しよう。申し込みは三里塚現地闘争本部まで。

(イラストは、三里塚をたたかう全群馬実行委員会 田島俊昭さんからの投稿)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号4面5)(2006/07/10)

 3人の学友取り戻せ

 「看板・ビラ規制」実力粉砕へ

 6月26日に開かれた法政大学法学部教授会は、またもや2名の法大生に対する退学処分決定をできなかった。4月以来4度目の審議、しかも今回は異例の4時間以上の時間を費やしたにもかかわらず、退学処分の妥当性はおろか、懲戒処分に相当するか否かの見解すら統一できなかった。6・15法大1千人決起をひきつぎ、6・19大弾圧をうち破る画期的勝利だ。
 被処分者5名のうち4名を逮捕した6・19弾圧は、3・14、6・15をも上まわる大弾圧だ。法大1千人決起に痛打された大学当局は、白昼公然と大学に警察権力を引き入れ、キャンパスにいただけの被退学処分者3名を「建造物侵入」で、自宅謹慎者1名(6月23日奪還)を「公務執行妨害」で逮捕させた。これほど露骨な弾圧があるか。闘いの当該を奪い、警察暴力の恫喝で学生決起を抑圧し、教授会にも屈服を強いる卑劣なやり口だ。
(写真 都内と全国から集まった学生は終日、正門前で「処分絶対阻止」を訴えた【6月26日 法政大】)

 次々と自主的な決起が

 しかし19日以降、弾圧には闘いで応える実に感動的な闘いがいたるところで生み出されている。法大キャンパスでは3月以来、延べ37人の学生が逮捕されている。改憲にむかう日帝の全体重をかけた学生運動圧殺攻撃を一身に引き受けた法大生は、その重さを自分たちで吹き飛ばし、実にあっけらかんと警察権力や平林をこきおろし、法学部教授会にむけて思い思いのやり方で決起した。
 キャンパスでは、平林や安東らはもはや総長や学生部長という「権威」のかけらもない。退学処分者を標的に「不審者に注意を」と連日大音量で流す大学の不審者放送に対して、「不審者実験」と称して平林や安東のお面をつけた学生が数多くキャンパスを「徘徊(はいかい)」した。「平林、安東、お前らこそ不審者だ」という創造性あふれるパフォーマンスだ。実に痛快だ。
 また、学友会本部団体を中心に、立て看板でキャンパスを埋め尽くす「立て看祭り」も企画された。学生一人ひとりの「立て看板・ビラまき規制」に対する抵抗が込められている。ついには6・26対総長室デモに向け、クラスから決起宣言が発せられるまでになった。「次は自分たちが闘う番だ」「退学処分が出るようならストライキだ」、こうした思いがクラス、キャンパスのいたるところから確実に生み出されてきている。そして門前には、全国から法大生を激励する学生が連日駆けつけた。
 教授会当日の26日は、奪還された法学部生を中心に、こうした動きが一つになって昼休み集会―総長室デモがたたきつけられた。教授会が開催された80年館前には多くの学生が座り込み闘争に立った。法学部教授会での決定を阻んだ力はここにある。どんな弾圧があろうが「俺たちがなりかわる」という主体が分厚い層として生み出されている。いかなる弾圧によっても抑えられない根底的決起だ。6・15から新たな法大学生運動が確実に始まっている。

 拷問的取り調べやめろ

 法大攻防は、大学を実力で権力やファシストの手から奪い返し、改憲阻止の砦へと本格的に転じる段階に入った。
(写真 処分決定「先送り」の紙をもって仲間のところに駆けつけた当該の法学部生【6月26日】)
 何よりも3学生の不起訴・即時奪還をかちとることだ。3名は、3・14弾圧を理由に退学処分にされ、その退学処分を理由に建造物侵入をデッチあげられている。二重、三重のデッチあげなのだ。
 しかも警察権力は、決起をたたきつぶすため、逮捕されたA君に対し「お前の腐った根性をたたき直してやる」と怒鳴り散らし、机をけり、連日2時間にわたって立ちっぱなしにさせる拷問的取り調べを強行している。
 こうした戦前型の弾圧を要請している平林・安東は絶対に許せない。A君を始めとする完全黙秘・非転向の闘いは、平林・安東と闘う全法大生の思いを体現する最先端の闘いだ。
 同時に3名の奪還は「立て看板・ビラまき規制」そのものを実力で吹き飛ばしていくことと一体だ。「立て看板・ビラまき規制」は戦時下の言論弾圧・思想弾圧そのものであり、同時に、大学当局への屈従を強いる「踏み絵」であった。この「立て看板・ビラまき規制」を粉砕することは、逮捕・退学の一切の前提を爆砕するものとなる。
 歴史を変えてきたのは労働者・学生自身の実際の行動であり、法やイデオロギーではない。言論・表現の自由も長い血のにじむ闘いによってかちとられてきた。こうした闘いを法大でやろうじゃないか。これが改憲阻止決戦だ。法大決戦は「立て看板・ビラまき規制」を粉砕し、3学生を奪還するという勝利をもぎりとる局面に入った。法大当局、警察権力よ! 起訴を強行しようものなら、それは法廷とキャンパスをつらぬいて平林・安東が直接ズタズタにされていくことしか意味しないことを肝に銘じておくがよい。
 改憲へと丸ごとからめとられていくのか、戦争国家化阻止、改憲粉砕・日帝打倒の巨大な爆発に向かうのか、そのことを曖昧(あいまい)さなく決する時が来た。戦後最大の政治決戦の先端に動労千葉、「日の丸・君が代」被処分者と並んで法大決戦が踊り出た。法大決戦と全国学生運動がこの攻防を300万学生ゼネストへと発展させていくことは、改憲阻止・日帝打倒に直結する歴史的闘いだ。東北大、法政大、京都大、富山大と全国大学に家宅捜索が強行されている。大学を戦争大学にするのか改憲阻止の砦とするのかの天王山が法大決戦であることが一層明白になった。
 法大決戦の歴史的勝利をかちとり、全国300万学生の改憲阻止ゼネストへ断固として突き進もう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号5面1)(2006/07/10)

 8・6ヒロシマ−ナガサキへ

 教育基本法改悪・改憲阻止、今秋闘争大爆発の跳躍台に

 藤野隆広

 「ヒロシマ・ナガサキをくり返すな」「教え子を再び戦場に送るな」「二度と赤紙は配らない」――戦後の労働運動や反戦運動が常に掲げてきたスローガンの実践が本当に問われる時代がやってきた。今夏8・6広島―8・9長崎闘争を、反戦・反核の大運動として、同時に、改憲阻止決戦の決定的な闘いとして大成功させよう。教労・全逓・自治体・国鉄の4大産別を先頭に、継続審議となった教育基本法改悪、共謀罪新設、国民投票法案の改憲3法案を粉砕する今秋闘争へ向けた決定的な跳躍台として全国から大結集しよう。

 世界で労働者階級の壮大な決起が始まる

 1945年の敗戦から61年、日本帝国主義・小泉政権は改憲攻撃への本格的な踏み切りのもと、教育基本法改悪、共謀罪新設、国民投票法案の改憲3法案の制定を狙っている。再び国家が教育を支配して子どもに愛国心を強制し、「共謀」の名のもとに労働組合を弾圧し、戦争に反対する者を牢獄に送ろうとしている。戦争放棄と戦力不保持を定める現行憲法を変える国民投票を強行しようとしている。
 日本の労働者階級は重大な歴史の岐路に立っている。「ヒロシマ・ナガサキをくり返すな」「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンは「平和と民主主義の時代」だけに通用する口先だけの言葉なのか。そうではない。帝国主義が再び戦争と破滅の道へ突き進む時代にこそ、その真価が発揮されなければならない。憲法を変えて、再び国家総動員の戦争体制をつくろうとする日本帝国主義を打倒するスローガンとして実践しよう。
 小泉政権は先の国会で明確に改憲と戦争に舵(かじ)を切った。しかし他方で、戦争を本当に止める労働者階級の闘いもまた始まった。
 国家の教育支配―「日の丸・君が代」と愛国心教育の強制に反対して、「教え子を再び戦場に送るな」という教育労働者の全存在をかけた闘いが始まっている。東京では「国に先駆けて教育基本法を改正した」と豪語する石原都知事・都教委と対決する不屈の抵抗闘争が3年にわたって継続され、新たな不起立者が続々と生まれている。
 教育基本法改悪に反対する国会前座り込み闘争は、2波の自主動員で決起した北海道教組の闘いによって戦闘化し、「日の丸・君が代」被処分者も合流、最大で300人を超える連日の闘いに発展した。
 共謀罪法案は6度も採決強行の危機があった。しかし連日の国会前座り込み、労働組合、弁護士、議員、市民団体の反対決議や声明、署名運動などによって、ぎりぎりのところで押し返した。
 戦争体験に基づく怒りと危機感を原点とする60年余の日本の労働者階級の闘いの蓄積が戦争教育や治安維持法の復活を許さない闘いとして爆発したのだ。その結果、小泉・与党は衆院で3分の2を占める独裁的勢力を持つにもかかわらず、3法案の採決を強行できなかったのだ。
 さらに労働者階級の戦争への危機感と一大資本攻勢に対する怒りが結合しようとしている。95年の日経連プロジェクト報告「新時代の『日本的経営』」以来の10年に及ぶ資本攻勢、とりわけ小泉政権の4年余の構造改革路線が労働者の不安定雇用化、低賃金化、労働強化などをもたらした。労働者の階級的怒りは蓄積され、爆発しようとしている。
 職場における1人の不退転の闘いが仲間の決起を生み、国会前のわずか数百人の闘いが国会内外を揺るがし、全国の労働者階級の感動と闘いの機運をつくりだす――日本階級闘争はそういう局面に入ったのだ。
 日本の労働者階級の階級意識は流動化し、分岐する過程に入った。労働者の闘う意欲は活性化している。CPE(初期雇用契約)を葬ったフランス労働者・学生の闘い、米国での移民労働者の100万人デモ――この間の世界の階級闘争の高揚は一国的・局地的なものではない。世界共通の労働者階級の怒りがあるのだ。帝国主義の世界的危機、階級矛盾の先鋭化が労働者の闘いを生みだすのだ。労働者階級の闘いは常にギリギリの所から爆発的に発展していく。
 日本では、連合や全労連などの労働運動の既成指導部の制動を打ち破ることが最大の課題だ。特に連合の1・19中執決定(改憲のための国民投票法案と公務員制度改革を容認する)と、それに基づく自治労や日教組の裏切り方針との対決が決定的だ。そうした闘いとして今春の「日の丸・君が代」不起立闘争、国会攻防があり、国鉄・教労・全逓・自治体の4大産別の闘いがあった。
 国鉄では動労千葉が反合・運転保安闘争の地平の上に幕張構内事故への不当処分を粉砕する素晴らしい職場闘争を貫徹し、JR会社の処分策動を押し返している。6・16国鉄集会では、和解路線を打ち破って国労本部打倒−国労再生の決意がたたきつけられている。
 さらに3万5千人が結集した3・5沖縄県民大会、名護現地の新基地建設を阻む闘い、三里塚、座間、横須賀、相模原、北富士、岩国など――米軍再編と中国・北朝鮮侵略戦争を許さない闘いも地熱を熱くしている。
 法政大1千人決起を先頭に学生運動の歴史的高揚が始まっている。
 日本帝国主義の改憲と戦争、底なしの資本攻勢に対する労働者階級の巨大な闘いが始まろうとしているのだ。今夏8・6広島−8・9長崎闘争を、今春以来の闘いの高揚を引き継ぎ、改憲と戦争を絶対に阻む今秋闘争の跳躍台としよう。

 広島・長崎の惨禍は帝国主義戦争の帰結

 言語に絶する広島・長崎の被爆の惨禍は帝国主義の二度目の世界戦争の帰結であった。広島・長崎に投下されたわずか2発の原子爆弾が一瞬にして二つの都市を壊滅させ、数十万人の生命を奪った。この被爆体験に根ざした広島・長崎の闘いは、戦後の労働者、労働組合運動にとって決定的な位置と意義を持ってきた。
 帝国主義戦争の特徴は、国家資源と労働者を根こそぎ動員する国家総力戦にある。ここから、一撃で敵国の産業と労働者を壊滅できる兵器=原子爆弾の開発が帝国主義の死命を制するものとなった。だから米英独日ソは核兵器の開発に総力をあげたのだ。それは結局、圧倒的な工業力・科学力を持つ米帝によって開発された。米帝は原爆の圧倒的な破壊力をもって、帝国主義戦争に決着をつけたのだ。
 同時に被爆は、日本帝国主義が「国体」=天皇制を護持しようとあがいたために引き起こされたものである。日本の敗戦は必至であったにもかかわらず、昭和天皇は自らの戦争責任逃れと自己保身を図るために「もう少し戦果をあげてから」と言って戦争を継続した。そのために沖縄戦、広島・長崎の被爆に至ったのだ。
 人民の生命はなんと軽んじられていることか。米軍は原爆なしで日本が降伏するという見通しをもっていた。しかし、原爆の「威力」を他帝国主義とソ連スターリン主義に示すために、あえて原爆を使用し、数十万人の生命を奪ったのだ。他方で天皇の自己保身のための戦争継続が、控えめに計算しても数カ月の間に百万人以上の日本人民の生命を奪った。
 核兵器は、通常兵器と違い、敵の戦車や戦闘機ではなく銃後の「戦争継続力」を丸ごと壊滅させることが目的だ。産業と労働者(と家族)がターゲットなのだ。核兵器は、現代の帝国主義戦争が国家資源と産業、労働者を根こそぎ動員することなしには一日も継続できないことから生み出された究極の兵器なのだ。帝国主義の反労働者性をこれほど示すものがあるだろうか。
 「ヒロシマ・ナガサキをくり返すな」は帝国主義と核に対する根本的な糾弾であり、革命をはらむスローガンだ。戦後革命期の闘いや被爆者の闘いは、アジア侵略の破産と対米戦争の敗退、沖縄戦や広島・長崎の被爆という惨禍をもたらした日本帝国主義の存在を問うものだった。日本帝国主義が憲法を変えて再び侵略と戦争の道に進むことを絶対に許してはならない。
 ある被爆者は「原爆で死んだ人の分も9条変えないに投票したい」と語る。最も底からの階級的な怒りの闘いとして、広島・長崎の闘いは、戦後日本の反戦・反核運動の中軸となり、戦後労働運動の重要な原動力となってきた。被爆から61年、改憲と戦争が問題になる中であらためて労働者階級にとって広島・長崎の被爆とは何か、広島・長崎の闘いとは何かを問い直そうではないか。

 青年労働者と学生が最先頭で結集しよう

 第一に、何よりも改憲・教育基本法改悪と闘う8・6広島―8・9長崎反戦・反核闘争として大成功をかちとろう。
 今年の原水禁大会の総会は昨年に続き、連合・核禁会議・原水禁の3団体共催の「被爆61周年核兵器廃絶2006平和ヒロシマ大会」となった。憲法をめぐるスローガンは「憲法9条を活かし、平和基本法をつくろう!」である。
 連合は昨年7月14日に「国の基本政策に関する連合の見解(案)」を中央執行委員会の名で発表した。それは憲法9条を変え、安全保障基本法を制定するという内容だ。この時、集団的自衛権と徴兵制は採用しないとする論議に対し「徴兵制のどこが悪い」と反対したのが現連合会長の高木剛が会長だったUIゼンセン同盟だ。高木は、数千人の被爆者や労働者を前にして何を語るというのか。核禁会議は、旧民社党・同盟系の、核の抑止力を容認し、北朝鮮・中国への排外主義を扇動する右翼運動である。
 「被爆61周年/戦争をとめよう!8・6ヒロシマ大行動」(実行委員会主催)はヒロシマの力で憲法の改悪を止めようと訴えている。教育労働者を先頭に全国から労働者の大結集を呼びかけ、日本帝国主義の改憲と戦争、民営化と労組破壊と対決する広島・長崎闘争として闘おう。
 第二に、小泉の祈念式典への参加−8・15靖国神社参拝を粉砕しよう。
 小泉首相の広島と長崎の平和祈念式典への参加と慰霊碑参拝は8・15靖国神社参拝の露払いであり、ヒロシマ・ナガサキの靖国化、被爆者の英霊化を狙う攻撃だ。
 第三に、米日帝国主義の中国・北朝鮮侵略戦争を許さず闘おう。
 ペリー元米国防長官は6月22日付の米ワシントンポスト紙で北朝鮮の長距離弾道ミサイル「テポドン2号」の発射準備に対して先制攻撃を加えてミサイルを破壊するようブッシュ政権に要求した。新たな核戦争を策する米日帝国主義と対決して闘おう。
 第四に、日帝の核武装化と対決して闘おう。
 福井県の「もんじゅ」の再稼働策動や、青森県の六ケ所核燃料サイクル(ウラン濃縮・核燃料再処理工場)の稼働(アクティブ試験)、原発でプルトニウムを燃料として燃やすプルサーマル計画推進など、日帝は本格的な独自の核武装政策を推し進めている。
 最後に、青年労働者・学生が最先頭で闘うことを訴えたい。歴史的にヒロシマ・ナガサキの闘いは青年労働者・学生の闘いの決定的な推進力・原動力となってきた。
 60年代初め、ソ連スターリン主義の核実験について、日本共産党が「ソ連の核は社会主義の核できれいな核だ」と擁護したのに対し、当時の全学連や青年労働者は米ソ核実験反対闘争を闘った。70年闘争過程では、帝国主義と対決しない既成原水禁運動に抗して、青年労働者は職場での戦闘的労働運動と反ダラ幹闘争を闘ってきた。
 今夏8・6−8・9闘争の最大の課題は、改憲と戦争を阻止する階級的な労働者の闘いを登場させることだ。青年労働者・学生を先頭に全国から総結集しよう。秋の臨時国会闘争と11月労働者大行動へ闘い抜こう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号5面2)(2006/07/10)

 実行委が呼びかけ

 憲法の改悪をとめよう!

 被爆61周年 8・6ヒロシマ大行動

 「憲法の改悪をとめよう!ヒロシマの力で/被爆61周年 戦争をとめよう!8・6ヒロシマ大行動」の呼びかけが実行委員会から発せられた。これにこたえ全国から広島に大結集しよう。(編集局)
 被爆61周年を迎える今年、世界は、米ブッシュ政権がイラク戦争と占領を継続し、さらにイランや朝鮮民主主義人民共和国、中国への圧力を強めて世界へ戦争を拡大しています。劣化ウラン弾使用、小型核兵器の開発、ミサイル防衛構想など、核戦争を含んだものであり、絶対に阻止しなければなりません。また、小泉内閣は、日本をアジア・世界への巨大な前線基地にする米軍再編を進め、戦争国家へとつき進んでいます。そのために靖国神社参拝、教育基本法・憲法改悪攻撃を押し進めているのです。
 そうした今、私たちには、二度とアジア侵略、ヒロシマ・ナガサキ、オキナワを繰り返さない「8・6」が求められています。今年のメインテーマは「憲法」です。第8回目の「8・6ヒロシマ大行動」でヒロシマから憲法改悪を阻止するのろしをあげましょう。
 戦争と生活破壊に対する労働者、市民の怒りは世界で大きなたたかいとなっています。このうねりと連帯して、被爆者と全国、世界の労働者市民が力を合わせて、今年の「8・6ヒロシマ大行動」を成功させましょう!
 8月6日、広島に集まってください。ヒロシマの力で憲法の改悪をとめましょう!

〈呼びかけ人〉

 北西允/広島大学名誉教授 内海隆男/広島の強制連行を調査する会 宇野昌樹/広島市立大学教員 大江厚子/セイブ・ザ・イラクチルドレン広島代表 太田弘/広島沖縄県人会会員 岡本三夫/第九条の会ヒロシマ代表 小武正教/僧侶 栗原君子/元参議院議員 下田礼子/反戦被爆者の会 原田豊己/カトリック広島司教区司祭 平岡誠/三次市市議・とめよう戦争への道!百万人署名運動広島県連絡会事務局長 湯浅一郎/ピースリンク広島・呉・岩国世話人 吉村慎太郎/広島大学教員 李実根/広島県朝鮮人被爆者協議会会長 由木栄司/広島県日本中国友好協会青年委員会委員長 吉田良順/医師 大内裕和/松山大学助教授 鎌仲ひとみ/映画「ヒバクシャ」監督 桑江テル子/うないネット・コザ主宰 佐久川政一/元沖縄大学教授 関千枝子/ジャーナリスト 高橋哲哉/東京大学教授 知花昌一/読谷村村議 西川重則/平和遺族会全国連絡会事務局長・とめよう戦争への道!百万人署名運動事務局長 藤田祐幸/慶応大学助教授 三宅晶子/千葉大学教授 吉田義久/相模女子大学教授(5月20日現在)

〈スローガン〉

◎戦争拡大と核戦略の米ブッシュ、小泉政権をたおそう!
◎イラク占領反対!自衛隊は今すぐ撤退せよ!
◎改憲のための国民投票法案反対!
◎沖縄・岩国をはじめとする米軍再編反対!
◎朝鮮・アジアへの侵略戦争をとめよう!
◎原発推進反対!日本の核武装を許さない!
◎「日の丸・君が代」強制反対!教育基本法の改悪をとめよう!
◎世界の人々と連帯し、戦争と核、差別のない社会をつくろう!
〈要項〉
◎8・6ヒロシマ大行動
(別掲)
◎国際連帯集会
8月5日(土)13〜17時/アステールプラザ(広島市中区加古町4−17)

〈関連行事〉

◎労働者産別交流集会
8月5日(土)18時/アステールプラザなど
主催/集会実行委員会
◎青年労働者交流集会
8月6日(日)18時/アステールプラザ
主催/集会実行委員会
◎学習フィールドワーク
8月7日(月)
▽碑巡りと資料館見学コース(9時〜12時)
▽軍港呉・大和ミュージアムコース
-----------------------------------
 憲法の改悪をとめよう! ヒロシマの力で
 −被爆61周年− 戦争をとめよう!

 8・6ヒロシマ大行動

 集会/8月6日(日)12時30分〜15時/広島県立総合体育館小アリーナ(広島市中区基町4−1)
デモ行進/15時〜17時(平和公園散)
 主催/8・6ヒロシマ大行動実行委員会

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号5面3)(2006/07/10)

 コミューン 8月号

 民主労総の闘争史

 昨年11月、民主労総は結成10周年を迎えた。民主労総の10年余はIMF(国際通貨基金)危機による「構造調整」路線と対決して、偉大な団結・闘争を構築してきた歴史であった。それは世界最強の労働運動とうたわれ、韓国ブルジョアジーと世界の帝国主義者を震え上がらせてきた。動労千葉は資本と権力と闘う立場から民主労総との国際連帯を深めてきた。
 第1章では、ノムヒョン政権が韓国資本と帝国主義の利害を貫くものであることを弾劾し、「非正規職改悪法案」と「労使先進化法案」の労組破壊の狙いを暴いている。
 第2章では、今年4月、全国公務員労組14万人の新規加盟をかちとり、非正規職の撤廃を断固として要求し、11−12月ゼネスト方針を掲げる民主労総の戦闘的息吹を伝えている。
 第3章は、非正規職撤廃の先頭に立つ鉄道労組KTX支部女性労働者、長期争議の渦中でタワークレーンや高圧送電塔に籠城(ろうじょう)する非正規職労組の労働者の姿を生き生きと描いている。資料として「民主労総の組織現況」を掲載。
 翻訳資料はQDR(4年ごとの戦力見直し」[下]。「長い戦争」を戦うために、防衛構想の再形成(第4章)、21世紀の総戦力の開発(第5章)、国際的パートナーとの協力(第6章)を展開している。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号6面1)(2006/07/10)

 06年7・7アピール 蘆溝橋事件から69年にあたって

 戦時入管体制を打ち破り日帝の戦争政策と闘おう

 佐久間 祐

 はじめに

 帝国主義の根底的危機が深化している。帝国主義の命脈が尽き果てようとする情勢に突入しているのだ。今や世界のいたるところで、帝国主義の戦後世界支配に対する労働者階級の闘いが爆発している。
 われわれは、革命的情勢の急速な接近に対して、この情勢をわがものとして全存在をかけて闘いぬくことをあらためて誓おうではないか。労働者階級の決起の中にこそ、人民の未来を展望することができるのだ。
 小泉政権は、衆議院における絶対多数をとりながら、この164国会では労働者階級の階級的闘いに恐怖し、共謀罪、教育基本法改悪、国民投票法案などを強行することができなかった。今年前半の国会決戦勝利の地平を堅持、発展させて日帝の改憲攻撃を全面的にはね返す決戦に打って出ようではないか。
 日帝・小泉は、反テロ・キャンペーンと拉致問題を使いながら、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)への排外主義・差別主義を扇動し、労働者階級人民を戦争へと動員しようとしている。その重要な環として、入管体制―外国人管理を大きく転換させてきている。
 日帝の中国侵略戦争の本格的突破口となった盧溝橋事件から69年、70年7・7自己批判(注)から36年目にあたって、われわれはあらためて入管闘争を新指導路線の具体的実践の一環として闘いぬくことを明らかにしたい。日帝・小泉の靖国参拝を許さず、排外主義、愛国主義を吹き飛ばす労働者階級の国際連帯の力で闘いぬこう。

 戦後入管体制転換させた入管法改悪

 164通常国会で改悪入管法が成立した。04年、05年に続く3年連続の改悪は、戦後の入管体制を根底的に転換する歴史を画する攻撃である。小泉は今回の改悪について「主たる目的はテロリスト対策であり、従たる目的が出入国の適正な管理」と公言した。
 これは日帝の改憲・戦争攻撃の進行と一体のものとして「テロの未然防止」を掲げ、外国人を完全に治安管理の対象として据えきるものにほかならない。同時に、日本経団連・奥田路線として明らかになっている外国人労働者導入政策による新たな強制連行の開始を明確にしたものであり断じて許すことはできない。
 今次改悪は第一に、日本に入国する16歳以上の外国人に指紋や顔写真などのバイオメトリクス(個人識別情報)の提供を義務づけた。しかも指紋を含めた個人識別情報は入国管理局がデータベース化し、半永久的に保有し続け、警察などが犯罪捜査の証拠収集の一環として指紋の照合を求めてきた場合には指紋情報を提供するとしている。
 第二に「テロリスト」と認定された者の退去強制事由が新設された。これにより法務大臣が関係省庁(警察庁、公安調査庁など)の意見を聞いてテロリストと認定すれば、法務大臣の裁量によっていつでも自由に退去強制できるというのだ。
 第三に、「退去強制の迅速・円滑化を図るための規定の整備」として、自費出国の場合に第三国出国を認めるとした。これは、この間、難民申請者が仮放免の際に第三国出国を条件にされていることに法的根拠を与えるものである。しかし目的は日本からの退去強制であり、追放政策の強化なのだ。
 第四に、「構造改革特別区域法による特例措置等を全国において実施するための規定の整備」として研修生枠の拡大を打ち出したことである。これは奥田路線による「外国人労働者受け入れ」方針の法制化である。
 ここでは在留期間を「5年を超えることができない」と明記し、「在留資格認定証明書」を義務づけるなどとしている。そして研修生受け入れの規模を、受け入れ機関の常勤職員総数の20分の1と限定していることに対し、同一の業界の場合、複数の法人をひとかたまりとして扱い、研修生を受け入れることができることにしようとしている。
 さらに「自動化ゲート」と呼ばれる「指紋採取制度」を創設しようとしている。「希望者」は入管で指紋登録をすませておくと、機械式ゲートをスピーディーに通過できるというものだ。在日は除くと言いながら、この「自動化ゲート」を水路にして、日本人、外国人を問わず日本に居住するすべての人びとの指紋登録を狙っている。
 しかも、こうした情報が日米同一の企業(アクセンチュア社)によって運用されるのだ。
 今次入管法改悪に対して、労働者人民、とりわけ在日人民の怒りがたたきつけられた。「外登法問題と取り組む全国キリスト教連絡協議会」、アムネスティ・インターナショナル日本支部、民団本部、在日韓国青年会、移住労働者と連帯する全国ネットワークなどが改悪に対する抗議声明などを発し、日弁連は会長声明で警告を発した。緊急の請願署名も取り組まれた。無風の中で成立をもくろんだ狙いは吹き飛ばされ、むしろ、新たな入管闘争の水路をつくったとも言えるのである。
 さらに07年、08年での入管法・外登法改悪策動が明らかになっている。「特別永住者」についてこれまでどおり外登法に基づいて自治体が登録・管理し、新たに来日する外国人は入管局で一元的に管理し、在留期間中の居住地や勤務先の変更などの届け出を義務とする改悪を行おうとしている。そのうえ外国人に「在留カード」を発行し、「不法滞在者」の判別を容易にするというのだ。現在、就労の際、在留資格の確認が義務づけられ、それを履行しなかった雇用主が逮捕されるということも起きている。
 07〜08年の外登法・入管法改悪阻止の闘いの爆発をつくり出すために、今から日本の闘う労働者人民は、在日・滞日外国人と固く結びつき、支援・防衛・連帯の入管闘争を推進しよう。80〜90年代を貫いた指紋押捺拒否闘争の地平をひきつぐ闘いをなんとしても実現させよう。

 実習の名目で進む「現代の強制連行」

 日帝は、これまで「単純労働力の導入は認めない」ということを基本方針としてきた。しかし、少子高齢化の趨勢(すうせい)の中で、日帝の現在の生産力を維持するためには、2050年まで年間60万人にのぼる外国人労働者の労働力を必要としていることが、ECAFE(アジア極東経済委員会)などさまざまな統計資料からも明らかになった。
 奥田・日本経団連が、「東アジア自由経済圏」構想の一環として、外国人労働者の計画的導入を図る方針を打ち出した。
 04年4月に明らかにされた「外国人労働者についての提言」の核心は、東アジア経済圏から日帝資本にとって都合のいい労働者を、資本の都合によって受け入れる、あるいはたたき出すことにある。まさに戦時下の外国人労働者政策、現代の「強制連行」そのものである。
 岐阜市内の縫製工場で働く中国人女性実習生の現実は、まさに現代の「女工哀史」というべきものだ。基本給は5万5000円、そのうち4万円は強制的に貯金させられ、生活費として支給されるのは1万5000円。残業手当は時給300円。朝7時から夜10時すぎまで続く労働、パスポートや貯金通帳は取り上げられ、逃げ道をふさがれ、期限まで酷使され続ける。これが今、われわれの目の前で起きている外国人研修生・実習生の実態だ。
 史上空前の利潤をあげているトヨタ自動車は、季節労働者として下請け、孫請けで日系ブラジル人を間接雇用している。彼らは社会保障からも除外され、労働者的権利からも除外され、資本の思うままに労働力を搾取・収奪されている。日系2世、3世とその家族は職種を問わず入国を認められていることを利用して、トヨタ、ヤマハ、ホンダ、スズキなどの自動車工場に日系ブラジル人の多くが吸収されているのだ。この日系ブラジル人の現実を、アジア全体に押し広げようとするのが奥田路線であり「東アジア経済圏」構想なのだ。
 日帝は徹底した民営化攻撃(民間委託、市場化テスト)によって労働者の権利を剥奪(はくだつ)し、賃金引き下げを行い、その上で外国人労働者を導入して労働者の分断を図り、より一層労働者を無権利状態にたたき込むことを狙っている。
 さらに4月、経済産業省は、今後の中長期の対外経済政策の基本方向として「グローバル経済戦略」を策定した。戦略の視点に「アジアとの共創」を掲げ、東アジア経済圏を日本のイニシアティブで質の高い市場経済圏にするとした。
 しかし、奥田−御手洗路線は今、すでにアジア各地で労働者人民の激しい闘いに直面している。中国・大連キヤノン工場での大ストライキやフィリピン・トヨタ争議に見るように、この間、日系企業での労働者の闘いは次々に爆発している。
 労働者階級こそが、差別・分断をのりこえてアジア人民、在日・滞日人民と階級的に連帯して、労働者的紐帯(ちゅうたい)を強化して闘うことでなければならない。

 排外主義の扇動と対北朝鮮戦争挑発

 日米帝国主義は、米軍再編をテコに、より一層世界を戦争の渦中にたたき込もうとしている。しかし、日米の労働者を始めとして全世界で労働者人民の闘いが高揚し、支配階級を脅かしている。帝国主義者は、こうした危機を排外主義・愛国主義でのりきり、労働者人民を戦争への道に引きずり込もうとしている。
 何よりも、北朝鮮に対する激しい排外主義キャンペーンである。新型ミサイル発射の切迫をあおりながら、北朝鮮の屈服を引き出そうとする日米帝の戦争挑発を許してはならない。
 米日帝の北朝鮮侵略戦争の切迫に対する北朝鮮スターリン主義の対抗的・反人民的政策を、逆に絶好の口実として実際に戦争突入準備を進める米日帝の攻撃に、闘う日朝人民は連帯し反撃しなければならない。
 さらに日帝が、通常国会の終盤において「北朝鮮人権法」を駆け込み的に成立させ、反北朝鮮キャンペーンを一層強化しようとしていることが、北朝鮮の人民にこれまで以上の苦境を強制している。「救う会」などが、経済制裁を要求し続けているが、経済制裁とは戦争の別の言葉であることをはっきりさせなければならない。
 日帝は、朝鮮人・中国人に対する排外主義・差別主義を常に扇動することをとおして挙国一致体制を果たしていこうとしている。これは典型的な例として、関東大震災における朝鮮人・中国人虐殺という歴史的事実を見れば明らかである。
 今日、改憲攻撃そのものが天皇と天皇制イデオロギーへの労働者人民の動員を狙うものとして襲いかかっているが、その対極として存在し続ける在日朝鮮人・中国人に対する日常的な民族差別、排外主義の攻撃が、ポグロム(他民族虐殺)的に展開されていることに危機感を持たなければならない。
 東京都の任用差別と闘いぬいた鄭香均(チョンヒャンギュン)さんが最高裁判決後の記者会見で、在日への差別を温存し続ける日帝を「哀れな国」と発言したことに対して、なんと6000通ものメールなどが殺到し、暴言を浴びせかけたという事実は、帝国主義の危機のもとでの台頭する排外主義攻撃のおぞましさを示していると言える。
 入管闘争を労働者階級自身の闘いの課題として闘いぬくことで、排外主義をはねのけて闘いぬく階級の神髄を形成することができるのだ。

 労働者の国際連帯こそ革命勝利の道

  全世界的規模で労働者の闘いが爆発している。アメリカでは移民労働者を中心にして、今年5月1日、メーデーを復活させ、各地で数百万の規模の闘いを実現した。イギリスで、フランスで、ドイツで、韓国で労働者の闘いは帝国主義ののど元を食い破る勢いで進行している。
 日本では、06年前半、動労千葉の反合・運転保安闘争と教育労働者の「日の丸・君が代」不起立闘争、そして5〜6月国会闘争を中軸に、日帝・小泉の戦争政策と対決して闘いぬいた。帝国主義の戦争と民営化攻撃に対し、日本の労働者階級は国際連帯のもと、4大産別決戦と改憲阻止決戦の大爆発をかちとっていかなければならない。
 われわれは70年7・7集会での中国人青年の告発に真正面から向き合い、7・7路線を確立して闘いぬいてきた。7・7路線の全階級闘争での貫徹やその重要な一環としての入管闘争の推進は、帝国主義国の労働者階級人民が被抑圧諸国人民の民族解放闘争、とりわけ自国帝国主義によって抑圧されている諸国の人民の民族解放闘争に、言葉だけでなく実践的にも連帯し、一個の軍勢としてプロレタリア革命、プロレタリア自己解放の実現をめざして闘うことであり、それは革命的労働者党の国際的義務である。そのためにも入管闘争を水路とする在日・滞日人民の支援・防衛・連帯の闘いは不可欠である。こうした連帯の闘いを推し進める中で、われわれは世界革命を実現する単一の労働者党建設を推進していくのである。
 日米韓の3国連帯として開始された国際連帯の実践から学び、労働者自己解放を闘い取ることが労働者階級の普遍的課題であることをあらためて確認し、入管闘争を新たに構築していくことが求められている。国際連帯の11月労働者総決起を闘いとろう。
 闘うアジア人民−中東・ムスリム人民と連帯し、帝国主義の侵略戦争−世界戦争を国際的内乱−世界革命に転化するために闘おう!

------------------------------------

 7・7自己批判

 1970年の安保・沖縄闘争渦中の7月7日、「7・7盧溝橋33周年・日帝のアジア再侵略阻止人民大集会」(日比谷野音)で華僑青年闘争委員会(華青闘)から日本の闘う人民も差別・排外主義と無縁ではないという告発・糾弾がなされた。これに対して革共同が自己批判した。これを出発点に、帝国主義国の労働者階級が民族排外主義の弱点を見据え克服し、被抑圧国の労働者人民との連帯闘争を必須不可欠の課題としていく「7・7路線」を確立していった。
 (清水丈夫選集第2巻序文、革共同第6回大会報告集下巻など参照)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号6面2)(2006/07/10)

 6・23「慰霊の日」 “沖縄に再び戦争を強いるな”

 小泉の式典出席を弾劾

 靖国訴訟原告団とともに

 6月23日、沖縄靖国訴訟原告団と沖縄平和市民連絡会は小泉首相の沖縄全戦没者追悼式典参加に対し抗議行動を行った。慰霊の日である6月23日、最高裁は小泉首相の靖国参拝の違憲性を問う靖国訴訟に対し、上告を棄却し、靖国参拝を容認するという許しがたい判決を下した。

 摩文仁で迎え撃ち

 

この日、糸満市摩文仁(まぶに)の平和祈念公園の入り口には、警察権力の検問・妨害をはね返して、沖縄靖国訴訟原告団を始め60人以上の人たちが集まった。沖縄労組交流センターの労働者ものぼり旗をもって参加しともに闘った。
 「沖縄に再び戦争を強いるな」「沖縄は基地を拒否する」という横断幕を掲げ、「小泉の式典参加は第二の靖国参拝だ。絶対に許さない」と弾劾。白バイに先導された小泉首相の車列は、この激しい怒りと抗議行動に迎え撃たれた。歓迎のムードなどまったくない。会場周辺は機動隊の厳戒態勢が敷かれ、会場では金属探知機まで設置され、式典に参加した遺族からも怒りと批判の声が上がった。
 抗議集会では、靖国訴訟原告団が「沖縄の戦没者は日本軍に屈辱的な扱いを受け戦後は援護法で靖国に合祀(ごうし)された。許せない」と発言した。また「沖縄に新たな基地の建設をもくろみながら、慰霊祭に来るのは沖縄を冒涜(ぼうとく)するものだ」と、小泉を激しく糾弾した。
 式典の会場内では、小泉首相のあいさつの時に北中城村議会議員の宮城盛光さんがこぶしを突き上げ、抗議の意志を示した。強制退出させられた宮城さんは、「靖国神社に参拝する小泉首相がいくら沖縄戦の犠牲者の冥福を祈っても納得できない。国会では教育基本法の改悪も審議されており、戦争につながる動きになってはいけないとの思いで無言の抗議をした」と語った。式典での宮城さんの小泉首相への抗議は今回で3度目である。
(写真 小泉首相の式典出席を阻もうと平和公園前に集まった人びと【6月23日 糸満市摩文仁】)

 国際反戦沖縄集会

 小泉の式典出席弾劾を闘いぬき、午後1時からの国際反戦沖縄集会に合流した。一坪反戦地主会など実行委員会による集会は「魂魄(こんぱく)の塔」(注)の前で開かれ、多くの人たちが参加した。
 海外からは米軍再編に伴う沖縄海兵隊司令部のグアム移転と闘う先住民、宜野湾市からは伊波洋一市長、靖国訴訟原告団、ヘリパット建設反対を闘う東村・高江住民などが発言に立った。
 読谷村の知花昌一さんは、「象のオリ」の一部返還(知花昌一さんの土地)をかちとったことを報告した。7月31日使用期限切れとなり、8月1日返還となる。日本政府のデタラメな強制使用がついに破産したことを示すものだ。
 また名護市辺野古からこの間の闘いの勝利が報告された。日本政府の沿岸案(X字案)など名護市民の7割以上の人たちが反対している。必ず勝利できるという確信に満ちた発言が行われた。

 米軍再編・改憲阻止

 6月23日、嘉手納基地への地対空誘導弾パトリオット24基の配備と1500人の配属が明らかにされた。米軍再編−辺野古新基地建設(X字案)阻止の決戦に突入しよう。
 この日、空自那覇基地の那覇ヘリコプター部隊が「慰霊の日」と認識しながら、うるま市の勝連分屯地内で射撃訓練を行った。また、陸自第一混成団の藤崎護団長ら約25人の自衛官がこの日早朝、制服姿で第32軍司令官の牛島らを祭った摩文仁の黎明(れいめい)の塔に参拝した。3年連続の暴挙であり、断じて許せない。
 改憲阻止決戦は米軍再編との闘いでもある。改憲阻止−米軍再編反対の大運動を今こそ巻き起こそう!
     ◇
(注)「魂魄の塔」 沖縄戦の最終激戦地だった南部には多くの犠牲者の遺体が残されていた。身元もわからない遺体を県民らが集めて葬った場所に建てられた慰霊碑。毎年6月23日には多くの人びとが参拝に訪れる。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号6面3)(2006/07/10)

日誌'06 6月21日〜27日

 「ミサイル防衛」で交換公文

 パトリオット嘉手納配備へ

●テポドン撃てばすぐに制裁と安倍 安倍官房長官が自民党新人議員らの会で講演し、北朝鮮が長距離弾道ミサイル「テポドン2号」の発射実験準備を進めているとされる問題に関し「撃てばすぐに経済制裁が(検討の)テーブルに乗る」と述べ、北朝鮮を重ねてけん制した。(21日)
●バグダッド空港は「非戦闘地域」と防衛長官 衆院イラク復興支援特別委員会で、額賀防衛庁長官は航空自衛隊が新たに乗り入れるバグダッド空港の治安状況に関し「人員、物資の輸送に極めて重要で、治安も大変重視されているので(イラク復興支援特別措置法で自衛隊の活動地域と定められた)非戦闘地域だ」と述べ、法的な問題はないとの認識を示した。(22日)
●パトリオット嘉手納へ 米軍は外務省に対し、在日米軍再編の日米合意に基づき米軍嘉手納基地へ地対空誘導弾パトリオット・ミサイル(PAC3)24基を配備すると通知した。配備に伴い、6月末から段階的に米陸軍兵員約600人が嘉手納基地に新たに配置される。(22日)
●米、海上ミサイル迎撃実験に成功 米国防総省ミサイル防衛局(MDA)は、イージス巡洋艦「シャイロー」から発射する迎撃ミサイルSM3で、弾道ミサイルから切り離された弾頭の迎撃実験に成功した、と発表した。実験には初めて日本から海上自衛隊のイージス護衛艦「きりしま」が参加し、標的をレーダーで捕捉、追尾する実験を行った。(22日)
●米ペリー元長官「先制攻撃を」 米国のペリー元国防長官は米紙ワシントン・ポストに寄稿し、北朝鮮が発射の動きを見せているとされる「テポドン2」について、北朝鮮が発射に踏み切ろうとした場合、米国はミサイルに限定して攻撃し、発射前に破壊すべきだと提唱した。(22日)
●首相の靖国参拝、原告の敗訴確定 小泉首相の靖国神社参拝をめぐり、大阪府などに住む戦没者遺族ら278人が「憲法の政教分離原則に反する」として首相と国、靖国神社を相手に賠償などを求めた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷は原告の上告を棄却する判決を言い渡した。原告側全面敗訴が確定した。小泉の靖国参拝をめぐる訴訟で最高裁判決は初めて。憲法判断には踏み込まなかった。(23日)
●沖縄全戦没者追悼式に小泉参加 沖縄戦で日本軍の組織的抵抗が終わってから61年を迎え、沖縄県の主催で「沖縄全戦没者追悼式」が行われた。小泉首相も参列した。3年連続5度目。(23日)
●ミサイル防衛で交換公文 麻生外相とシーファー駐日米大使が、次世代ミサイル防衛(MD)の海上配備型迎撃ミサイル(SM3)について共同開発を行うとの交換公文を締結した。同時に、日本が今後9年間に10億〜12億jの経費負担をすることを明記した付属書を交わした。これにより日米両国は、共同技術研究を進めてきた次世代SM3について本年度から共同開発事業に入る。このほか武器輸出を事実上禁じている「武器輸出3原則」の適用外とする条件として米側に厳格管理を求める交換公文も締結した。(23日)
●イラク撤退、陸自が開始 撤退命令が出たイラク南部サマワの陸上自衛隊の宿営地から軽装甲機動車など車両17台を積んだ民間の大型トレーラー十数台が出発した。命令後最初の輸送作業で約450`離れた隣国のクウェートに到着した。(25日)
●小泉首相訪米へ出発 小泉首相が、カナダ、米国を訪問するため政府専用機で羽田空港を出発した。28日にオタワでハーパー・カナダ首相、29日にワシントンでブッシュ米大統領と会談する。(27日)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号7面1)(2006/07/10)

 共謀罪 さらに闘い広げ臨時国会で葬ろう

 「現代の治安維持法」を阻む 国会闘争勝利の教訓は何か

 改憲阻止決戦へ大きな展望

 立花 茂

 6月18日に終了した第164通常国会でついに共謀罪の成立を阻止した。継続審議になったとはいえ、現代の治安維持法である共謀罪を6度にわたる強行採決攻撃を粉砕して成立させなかったことは、日本階級闘争の歴史に残る金字塔であり、改憲決戦の緒戦の勝利である。教育基本法改悪反対の教育労働者の決起とともに、小泉反動への反転攻勢が始まった。06〜07年決戦の展望をわれわれの側からつかんだのだ。全世界で決起している労働者人民と連帯し、法政大学の学生決起の闘いをさらに押し広げ、改憲阻止へ巨万の日本労働者人民の決起をかちとっていこう。通常国会でぐらぐらになった日帝・法務省をさらに追い詰め、共謀罪を永久に葬り去ろう。

 6回も強行採決を阻止

 今年1月から始まった通常国会決戦は、衆院3分の2の与党勢力でありながら、かつてない危機にあえぐ日帝が、行革推進法や医療制度改悪法の成立を突破口に、国民投票法案・教育基本法改悪法案・共謀罪新設法案成立の強行突破を図ろうとした決定的国会だった。改憲阻止をめぐる攻防が開始された国会だった。
第1回目
 昨年の9・11小泉反革命による自民党圧勝を受けた特別国会においても成立させることが出来ず継続審議になっていた共謀罪法案を日帝は3月末に成立させようと、2月14日に与党修正案を提示してきた。だが、耐震強度偽装事件、ライブドア問題、米国産牛肉問題、防衛施設庁入札談合問題の露呈などで日帝・小泉は政権自身が吹き飛びかねない恐怖を感じて採決を強行できなかった。
第2回目
 次の強行採決情勢は、入管法改悪法案や、代用監獄法案の衆院採決を受けて、自民党が「4月28日の衆院法務委員会採決」を公言して4月21日の法務委員会での審議に突っ込んできた連休直前の一連の攻防である。
 これへの猛然たる反撃がたたきつけられた。4月23日の銀座デモ、25〜27日の54時間ハンスト、25日の「憲法と人権の日弁連をめざす会」主催の集会、26日の超党派国会議員主催の院内集会、夜の日弁連主催の集会と、一連の連続的な闘いは、毎日の闘いが過密とも感じられないほど充実した闘いであった。与党対野党という国会内の政治構造から与党対労働者民衆という対決構造に決定的に転換したのである。この転換を実現したことが今国会での成立を阻止した決定的要因である。

 国会前に熱い闘争空間

第3回、第4回目
 連休明けの5月9日(第3回目)、12日(第4回目)と採決攻防は激化した。会期内成立を追求した与党の攻撃はすさまじかった。だが、連休前後で共謀罪への反対運動と世論は一変した。関西からも連帯ユニオン近畿地本委員長の戸田ひさよし門真市議が国会に登場し、以後法務委員会開催日にあわせて連日のように連帯ユニオン関西地区生コン支部の労働者がバスで駆けつけ、これに港合同も参加し、動労千葉の労働者も合流した。
 国会前は、休暇をとって参加した労働者、争議労働者、フリーター、弁護士、年金生活者、主婦、表現者、ミュージシャン、宗教者、教育者、学生などが共謀罪反対を主張する多彩な政治空間となった。この中から委員会の傍聴者も組織された。これに地方から駆けつけた人びと、反動法案と闘う教育労働者、医療労働者、国鉄労働者、在日外国人、既成労働団体などが合流した。
 国会前に労働者民衆の生きた政治を取り戻し、国会情勢と呼吸することによって、闘う人びとの自発的決起で解放感と政治的躍動感のあふれる場を実現したのである。
第5回目
 委員会審議を重ねて、「あとは採決」という戦術で追い詰めたと判断した与党は、5月19日採決の決意を固めて衆院法務委員会に臨んだ。共謀罪が成立するかどうかのギリギリの闘いが19日の5回目の攻防だった。この日の新聞各紙朝刊は一斉に「今日、共謀罪採決」と報道したほどだった。
 だが委員会は午後1時から3時まで粛々と審議が進められ採決することなく終了した。小泉が、朝の段階で自民党国会対策委員長に「今日の採決中止」を指示したのだ。小泉政権のぐらつきがここにさらけ出された。
第6回目
 6月2日には危機は頂点に達した。前日に国対委員長レベルで与党から民主党に対して、「民主党案丸のみ」というこれまでの審議を一切ひっくり返したデタラメな提案が行われ、民衆の怒りを呼び起こした。
 6月2日当日には、強行採決不可避ということを聞いた労働者民衆が250人あまりも国会前に駆けつけ、終日集会が行われ、採決阻止のビラが国会内外でまかれた。シュプレヒコールは院内にまで届いた。「民主党案丸のみ」というでたらめなやり方への怒りは審議拒否にまで野党を突き上げ、強行採決は労働者民衆の怒りの前に粉砕された。これが6回目の破産である。
与党が断念
 6月5日には他の法案の審議を与党が提案、これが事実上の今国会成立ギブアップ宣言だった。
 6月10日に全国津々浦々で行われた「一億二千万 共謀の日」への取り組みと13日の超党派議員主催の「共謀罪反対集会」はこれにとどめを刺した闘いだった。
 だが、廃案か継続かが最後まで争われ、委員会最終日に与党は6月2日に提案した「民主党案丸のみ」をなかったことにすると宣言、与党再々修正案の提出を確認した。
 こうして、いよいよ、10月初めからという臨時国会は、冒頭からの決戦的な勝負になったのだ。

 教基法改悪阻止と一体

 共謀罪闘争は、「破防法・組対法に反対する共同行動」「組対法に反対する全国ネット」などの一部の先進的運動によってゼロから5年間をかけてつくりあげ、共謀罪の成立を阻止してきた闘いだ。まったく社会的に注目されていない中でゼロからここまで押し上げてきた実践的感覚をまず共有し学ぶ必要がある。
 その上で、与党が3分の2を超える超反動国会で、なぜ成立を阻止できたのかをしっかりと見ておかなければならない。この総括をとおして共謀罪決戦だけでなく、教育基本法改悪阻止決戦と改憲阻止決戦の勝利の展望も見通すことができる。
 第一に、国会闘争の爆発の威力である。
 与党がいかに3分の2を超える議席を持っていたとしても、民主党=連合を巻き込むことなしには、日帝は戦争国家体制を形成することはできない。
 1〜3月の「日の丸・君が代」不起立闘争、動労千葉の反合・運転保安確立を掲げたストライキ闘争を受けて闘われた国会闘争に多くの労働者人民、動労千葉を始め3労組が決起したこと、さらに教育基本法改悪反対闘争に決起した教育労働者などと闘う戦線を共有したことも非常に大きい。このように国会闘争が爆発したことが、根底のところで民主党の裏切りを許さず、与党の成立策動を粉砕した。
 第二に、宣伝・扇動や署名運動を積み重ね、6月2日国会前250人の決起を頂点とする国会闘争を爆発させたことで、共謀罪に反対する広範な社会的な認識が広がったことである。
 昨年6月24日の審議入りとともに商業新聞が一斉に書き出し、今年の連休過程からはテレビが報道するようになった。その背後には「目配せしただけで罪になる」などの宣伝・扇動上の練り上げを行ったことが重要だ。それはマスコミも無視できない力を発揮した。
 共謀罪新設反対署名運動も徹底して取り組まれた。署名数は今や99年の盗聴法反対署名の22万人を超えて35万人に達している。
 では、なぜこのようなことが可能になったか。
 小泉政権のこの5年間で労働者階級の貧困化が一気に進み、「格差社会」と言われるようになった現実に対する労働者階級人民の怒り、アメリカ帝国主義と一体となってイラク侵略戦争に突き進む日本帝国主義の戦争国家化と米軍再編に対する労働者階級人民の怒りと、現代の治安維持法である共謀罪の危険性の訴えとが結びつくことで巨大な決起になったからだ。
 第三に、昨年の総選挙での圧勝を受けて日帝・小泉が実現しようとした改憲攻撃、民主党=連合をも巻き込んだ総翼賛体制を重層的に粉砕したことが、共謀罪を与党が強行できないところに追い込んだのだ。
 だからこそ日帝は民主党=連合をより屈服させようと逆4大産別決戦に打って出てきている。それに対して、自治労本部が民主党単独支持を決定するなど屈服は深まっている。今こそ日教組中央、自治労中央の連合改憲路線への屈服と一体化を下からのランク・アンド・ファイルの決起で打倒しなければならない。
 共謀罪闘争はまさに改憲阻止決戦そのものであり、教育基本法改悪阻止決戦と一体である。今秋国会決戦をとおして、われわれは、来年7月の参院選挙を頂点とした日帝の改憲攻撃の強まりを粉砕する闘いに総決起していかなければならない。
 秋の臨時国会では、冒頭から共謀罪をめぐる決戦になる。今春国会闘争の勝利の教訓を適用して今秋国会決戦の大爆発をかちとろう。そのただ中で11月労働者総決起へ進撃しよう。06〜07年改憲決戦の渦中で今国会闘争で突きつけられた諸課題を早急に獲得していこう。労働者階級が先頭に立って決起すれば共謀罪は永久に廃案に出来るのだ。

---------------------------------

 共謀罪決戦、こうして勝利した

1月20日 第164通常国会開始(9度目の国会)
  28日 以後、毎月有楽町マリオン前で署名・街頭宣伝活動
2月14日 与党「3月末までに成立」を公言
3月9日 院内集会で7000筆余、国会提出。夕方「共謀罪新設反対 国際共同署名運動」主催の「共謀罪を廃案ヘ!大集会」
4月21日 与党「4月28日に採決」を宣言し、審議強行
  23日 「共同行動」主催の銀座デモ
  25日 27日まで、国会前54時間ハンスト
  25日 「憲法と人権の日弁連をめざす会」主催の「改憲と共謀罪に反対する集い」
  26日 日弁連主催「共謀罪に反対する大集会」
  27日 民主党が修正案を提示
  28日 強行採決を阻止
5月9日 3労組が国会前登場。強行採決を阻止
  12日 強行採決を阻止
  19日 マスコミ「今日、共謀罪採決」と報道。小泉の指示で採決中止
6月2日 与党が民主党案丸のみ。国会前250人  が決起。野党が審議拒否
  10日 「一億二千万 共謀の日」。全国各地で取り組み
  13日 超党派議員主催の「共謀罪反対集会」
  18日 通常国会終了。共謀罪継続審議に

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号7面2)(2006/07/10)

 杉並区議会 住民の戦争動員許さぬ

 結柴区議「国民保護計画」を追及

 6月22日、杉並区議会6月議会で都政を革新する会の結柴誠一区議が一般質問に立ち、山田区長が進めている「杉並区国民保護計画」の策定に反対する追及を行った。杉並区は「杉並区国民保護計画」の決定に向けて5月31日に同骨子と同基礎調査報告書を区議会に配布した。
(写真 杉並区議会で「杉並区国民保護計画」を示して追及する結柴区議【6月22日】)
 前号既報のようにこの計画は「敵軍が着上陸し区内に侵攻・占領」とか「弾道ミサイルが荻窪に着弾」「荻窪地下街で化学剤を散布するテロ」などの12の具体的想定によって区職員や住民を動員して戦争訓練を行い、戦争態勢を構築しようとするものだ。
 結柴区議は、区の国民保護計画が「杉並区が攻撃されるとするデマで区民をあおり、朝鮮侵略戦争に職員と区民を動員させるためのもの」「武力攻撃事態対処法に基づいて労働者に侵略戦争への協力を強制し、住民には日常的に戦争訓練をつうじて戦争への国家総動員を図るための計画」だと弾劾した。
 さらに、国民保護計画が米軍再編と一体であることを暴き、追及した。米軍再編は、「中国・北朝鮮、中東さらには全世界に向け、自衛隊が米軍と一体となって出撃し、侵略戦争に突入する」ためのものであり、「計画骨子」と「調査報告書」は、「山田区長による改憲攻撃の先取りであり、憲法9条破壊」の攻撃であることを暴いた。
 しかも、5月30日に開かれた杉並区国民保護協議会に自衛隊はわざわざ迷彩服を着て参加した。この点について結柴区議は、「庁舎内に日常的な戦争の危機をあおることだ」と弾劾し、その目的をただした。
 また骨子に「教育委員会は児童生徒の安全の確保および災害対応能力育成のための教育を行う旨記載する」としており、区が「発展段階に応じて」訓練を行うと表明したことを、高学年生徒の戦争訓練そのものであると怒りをたたきつけた。
 結柴区議はまた、冒頭で教育基本法改悪案に関連して山田区長が憲法、教育基本法を否定し、かつての戦争を「自衛のための戦争だった」と正当化した発言を弾劾した。
 結柴区議の厳しい糾弾に対して山田区長は、何も答えることができず、代わりに答弁に立った危機管理室長は、「米軍再編はアジア太平洋の安全保障と抑止力の維持のために必要」「大規模テロ発生を具体的に想定したことで現実的な退避計画が策定できる」と答え、そのための訓練は「区民の安全安心のためだ」と居直った。傍聴席からも区のペテン的な居直りに激しいヤジが浴びせられた。しかも、教育基本法第10条の「不当な支配に服することなく」について、「特定の勢力、外部からの干渉を防ぐため当時の政府が考えた」のだと180度ねじ曲げた。
 結柴区議は、再質問で基礎調査報告書の図を示しながら「戦争をあおるものではない」などという区の回答のペテンを厳しく追及した。区当局は再びごまかしの答弁を繰り返し、傍聴から激しいヤジが続き、怒りがたたきつけられた。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号7面3)(2006/07/10)

 介護と福祉住民の会 “誇らかに生きる”

 高齢者の怒りと決意

 6月25日、介護と福祉を要求する杉並住民の会の第7回総会が開かれた。総会は、医療制度改悪法が強行される中で高齢者が主体となって福祉の要求を実現していく決意をうち固めた。高齢者に「死ね」と言うに等しい介護・医療の切り捨てが、日帝が再び戦争に突入していくために行われている攻撃であることに怒りがあふれ、憲法9条改悪反対の署名運動に取り組むことを決定した。
(写真 住民の会総会は、介護・医療制度改悪に恕りがあふれ高齢者を先頭に闘う決意を固めた【6月25日 杉並】)
 午後2時過ぎ、住民の会の副代表の司会で総会が開会された。最初に代表あいさつを93歳になる八木ケ谷妙子さんが行った。「生きるんです。生きるためにこの世に命をもらったんです。暗いムードが漂っている。あれはそこのところを忘れてしまったわけです。その人たちがああしろ、こうしろと言っておりますけど、私たちは生きるためにこの世に生まれてきたんだからしっかりと腰を下ろして生きていきましょう。高らかに、誇らかに、しっかり手をつないで生きていくんです」と、知恵と勇気と愛にあふれた宣言を発した。
 来賓のあいさつでは、介護保険に異議あり、全国ネットワークでともに闘う神奈川県民の会の代表が、「今朝の新聞に生活保護費削減の問題が出ていました。小泉政権はどこまで人民をいじめようとするのか」と怒りを表明した。さらに神奈川で起きている高齢者の孤独死などの痛ましい事件を取り上げ、介護保険の廃止を訴えた。
 世田谷で「障害者」の運動を闘う佐野さよ子さんは、障害者自立支援法が4月から実施されて1割の応益負担が強いられたことを、「人として生きるための当たり前のことが、金を払わなければ受けられないというのが自立支援法の本質です」と弾劾した。また、「障害者」の小規模作業所がなくされている実態を明らかにし、「障害者は反乱に立ち上がります」と宣言した。
 1年間の活動報告を副代表の女性が行った。介護保険改悪に反対して厚労省や杉並区との交渉を重ね、介護保険料引き上げに対しても反対署名を繰り広げたこと、医療制度改悪に対して国会前で抗議の座り込みを行ったことなどを報告。今後の取り組みとして介護・医療・年金など高齢者の生きる権利を守るために活動をさらに強めていくことが確認された。さらに「憲法9条を変えるな」の大署名運動に積極的に加わることが提起された。戦争中に勤労奉仕で軍需工場で働かされ、工場が空襲された体験を交えながらの呼びかけに拍手がわき起こった。
 特別アピールでは93歳の女性が、息子さん夫婦がいるからとヘルパー派遣を打ち切られ、要介護1から要支援に下がったからと介護ベッドを取り上げられたことに怒りを表明した。「介護保険に懸念を抱いていたが、案の定だった。ひっくり返すにはどうしたらいいんでしょう」
 続いて、とめよう戦争への道!百万人署名運動事務局の川添順一さんが改憲反対署名を訴えた。
 総会宣言案を会員が読み上げ、大きな拍手で確認した。
 第2部はアトラクションで、住民の会会員の舞踊や若者のパフォーマンス、詩吟、ギターの弾き語りと多彩な企画で和ませた。足の中に金属の支えを埋め込んでいるという会員の踊りは見ている者を感嘆させ、若者はテンポのよい音楽に合わせた激しい動きで会場を大いにわかせた。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号7面4)(2006/07/10)

 拡大する「病者」の隔離と収容

 医療観察法施行から1年 7・12弾劾デモへ

 「精神障害者」を裁判官と精神科医の合議で強制収容にたたきこむ保安処分=医療観察法をなんとしても執行停止・廃止に追い込みたいと思います。心神喪失等医療観察法は昨年7月15日に施行して以来、4月30日現在(最高裁調べ)で、検察官申し立て件数が263件にのぼり、その内、入院決定が110件、通院決定が49件、この法律では取り扱わないものが30件、却下が7件となっています。厚生労働省は「1年で300件以上対象者を出す」と国会で言っていましたが、目を付けた「病者」を隔離・収容しようというたくらみはまさに本当になっているのです。
 しかし事実から言っても国会論議での「殺人・傷害・強盗・強姦・強制わいせつ・放火の重大犯罪に対象を限定する」と言っていたのはまったくのうそであり、全治5日の軽微な傷害とか未遂や5年前の事件への遡及(そきゅう)、自室放火、家族・親族内トラブルなどがほとんどです。
 各地に収容されている「病者」の数も東京・武蔵病院29人、岩手の花巻病院26人、富山の北陸病院16人、愛知の東尾張病院18人、九州の肥前病院12人、神奈川の久里浜病院3人、新潟のさいがた病院2人の計106人にものぼります。
 一方で「スタッフを倍増した濃密な医療」と言いながらも、最も暴力的な電撃痙攣(けいれん)療法(電気ショック)には告示で3000点もの高診療報酬を付けています。厚労省の担当課長補佐も「電気ショックについては有効かつ安全」と居直っています。
 奈良の松籟荘病院をめぐっては地元自治会の抗議デモも起こるほど反対運動も活発ですが、今後も千葉の下総病院、長野の小諸高原病院、岡山の県立岡山病院、三重の榊原病院、広島の賀茂病院、沖縄の琉球病院等に保安処分施設建設・運用を開始しようとしています。
 保安処分施設に入れられると電話が1カ所、看護師詰め所の近くにしかなく、弁護士や親族との面会でも土・日が事実上できないというのが現状です。異議申立をしたくてもできないという風に追いやられます。
 解雇・リストラ、大失業にたたきこみ、福祉を削り、年間3万人以上もの自殺者を出し、さらに「精神病」発病を生み出しておいて、事件を起こしたら医療観察法で半永久的に拘禁する、これが今の社会の実情です。「精神病者」との分断をのりこえて医療観察法撤廃へがんばりましょう!
 (投稿/「精神障害者」今井史朗)
    ◇
医療観察法施行1カ年弾劾デモ
7月12日(水)午前11時半 日比谷公園霞門集合
 正午 ビラまき
 午後1時半 厚労省・法務省へデモ出発
主催 「処遇困難者専門病棟」新設阻止共闘会議

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号8面1)(2006/07/10)

団結ひろば 投稿コーナー

 ワールドカップ使い「愛国心」をあおる罪 千葉・青年労働者 小倉 優

 サッカーというスポーツは楽しいし、ワールドカップのハイレベルの試合を見るのは純粋に興味をひかれる。各国の代表選手には頑張ってほしいと思う。しかし、政府やマスコミのワールドカップを利用して「愛国心」をあおる宣伝には腹が立つ。冷静に考えても勝てるわけがない日本代表を無理やり最強のように報道し、負けた後も、「次は必ず勝つ、奇跡がおこる」などと根拠もなくあおる。「日本代表は弱い」などと言えない状況である。選手に対して「大和魂が足りない」「精神力がない」などと言い、選手のあら探しをし、「日本が負けたのは誰々のせいだ」などと国賊扱いにする。試合前、歌いたくもない「君が代」を歌わされ、選手も気持ちが入らず、負けてしまうのは当然だと思うが。マスコミの罪は大きい。
 スポーツを利用して「愛国心」をあおる。くしくも今回、日本 クロアチア戦の行われたニュルンベルクにはヒトラーが戦意高揚の演説をした場所があるという。そんな場所で恥知らずにも戦争の犯罪者ヒトラーの盟友天皇制(ヒロヒト)をたたえる歌をうたい、侵略の旗「日の丸」をふることは絶対にやってはならない行為である。戦前の軍国主義と変わらず敗戦濃厚にもかかわらず、必ず勝つと扇動するのは、侵略戦争に突き進み、アジア人民を虐殺し、多くの戦死者を出した歴史に似ている。純粋にスポーツを楽しむべきはずの「日本サポーター」の青年労働者が、侵略戦争の旗「日の丸」をふり、「日本代表選手」を応援することに恐ろしさを感じる。
 どんなに政府やマスコミがワールドカップを使い「愛国心」をあおろうとも、私たち労働者はだまされない。敵は「愛国心」を利用して戦争に突き進む帝国主義である。全世界の労働者と本当の意味でスポーツを楽しめる世の中にかえていかなければならない。

 1日も早く獄壁こえ星野さんを取り戻そう 岡山星野文昭さんを救う会 永瀬幸子

 獄中31年、無実の星野文昭さんを取り戻そうと、岡山の救う会総会が開かれました。最初にビデオ上映があり、71年11月14日渋谷闘争の緊迫した様子がくわしく説明されました。
 今回は、埼玉・星野ネットワーク代表の松永優さんが岡山で個展をされていて、総会に駆けつけてくださいました。
 お話を聞いて本当に驚きました。松永さんは当時、紅型(びんがた)の研究で沖縄におられたそうです。その日、71年11月10日、デモと警官隊の衝突で警官1名が死亡しました。群衆の中にいた松永さんは、火炎ビンの炎に包まれた警官を助けようとして、殺人犯にされたそうです。5年かかって高裁で無罪を勝ち取った経験を話され、本土での星野さんの支援の経緯を語られました。
 以前、故古波津英興さんからお聞きしたことを思い起こしながら、本当にいろんな人々が獄中の星野さんとつながり、より大きな運動にしていこうと努力していることを感じました。会場では会員の方に、星野さんの絵はがきやCDを購入していただきました。
 私は星野さんと同時代を反戦平和の闘いに生きてきたひとりとして、1日も早く獄壁をこえて、合流する日を願ってやみません。全国の仲間のみなさんとともに勝利する日までがんばっていこうと思っています。

 プロレタリア革命の主人公は労働者! 兵庫 恒川るい

 先日、初めて会ったたたかう仲間に、「何されているんですか?」と尋ねました。その人は「何をって……」、私「労働者?」、その人「いやあ……」、私「ん? じゃあ常任で活動してはるの?」、その人「いや常任でしたけど、経済的理由で働いてます……」ととっても元気なく言われるんです。私「じゃあ指導部ってこと?」って言うと「そうです!」って元気はつらつ!
 そうなの? 私、労働者の方がずっとカッコイイと思います。だって、プロレタリア革命の主人公ですよね!
 私の知っている人なんか、常任から労働者になった人、何人もいて「どうして労働者になったん?」って聞いたら、「現場に入って行って組織化するほうが楽しいやん」って話してくれました。事実その人たちは、合同労組とかで一生懸命組織化していて、労働争議のこととか、労働者の生活実態とか、ものすごくよく理解されてます。連帯行動で他の労組と一緒にたたかった時に、「非正規で働く人の意見を聞けてすごく良かった。自分たちも正規雇用労働者のことだけじゃなく、非正規の人たちのことも考えなくては」って、その人の存在感がすごく評価されてました。
 私が「経済的な理由で働いています」「指導部です!」ってお話を聞いた人は、結構大手の正規雇用、でも、自分の職場の組織化は手を付けないそうなんです……。どして? もったいな〜い!
 せっかく大手で正規雇用されてるんだから何かやればいいのに。同じ職場にプロレタリア革命の主人公が、いっぱいいるのに。その人たちに何の働きかけもしないなんて、もったいな〜い! 『前進』をどう理解しているのか聞いてみればよかった。『前進』がわかりにくいのかな?
 なんてったって労働者はカッコイイ! 労働者階級が革命の主人公!

 安心メールより 弾圧を繰り返しても新たな怒り生み出す 20代 男性

 またしても警察と法大当局による不当弾圧が繰り返された。
 6月15日、1千人集会が行われた法政大学で、ビラ配りをしていた織田全学連委員長ら4人が警察に不当逮捕された。
 私はこの不当逮捕を、仕事から帰ってインターネットで知ったのだが、もはや怒りを通り越して哀れみさえ感じてしまう。自分の意にそわない者をありとあらゆる手段で弾圧する法大当局と国家権力よ! ここまで怒りの声を踏みにじりたいのか! だが、皆の怒りはそんなものでは決して潰(つい)えない。戦争国家作りに対する怒りに焦り、なりふりかまわず弾圧を繰り返しても、それは新たな怒りを生み出すのだから。
 闘う労働者、学生、市民は今回の不当逮捕を絶対に許さない。すべての弾圧を絶対に許さない。
(写真 法政大1千人集会【6月15日】)

 6・15国会前、新旧のゼンガクレンが交歓 東京 風間春治

 60年安保闘争を闘った全学連のOB・OGの皆さんが呼びかけた先日の6・15国会デモに参加しました。樺美智子さんに思いをはせ、あの日と同じく雨に打たれながら、先輩方と一緒に、9条改憲反対のシュプレヒコールを力一杯あげてきました。このデモには、法政大学から国会デモに出発した現在の全学連の学生たちが合流し、新旧ゼンガクレンの熱い交歓が実現しました。目頭が熱くなるほどの感動をおぼえました。この6・15を報道した『前進』2251号を新潟の知人に送ったところ、さっそく手紙が届きましたので紹介します。
 お便りありがとうございます。皆さんの運動の火は、しあわせと正義と平和を求めている人々には希望のともしびです。その火は決して消してはならぬ火です。その火は、私たちみんなで守り受け継いでゆかねばならぬ、と思っています。
 もし墓参りに帰省なさったら、私のところにもどうぞ寄ってください。
 安吾碑は語らず 夏の海語る
 肺青く染め 梅雨晴の海匂う
 母の手をつなぎ 見とれし海夕焼け

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号8面2)(2006/07/10)

激動の世界 パレスチナ 軍事監獄うち破る闘い

 イスラエル ハマス圧殺狙いガザ大侵攻

 イスラエルによる凶暴で卑劣なパレスチナ人民追放・抹殺の攻撃が再び激化している。とりわけ1月25日のパレスチナ評議会(国会)選挙におけるイスラム政治勢力・ハマスの勝利、3月末のハマス政権成立以降、ガザ地区への軍事侵攻が激化し、ヨルダン川西岸における分離壁建設とユダヤ人入植地建設が加速している。これは、パレスチナ人民の最後的抹殺を明確に意図した攻撃だ。
 こうした攻撃への反撃が6月25日、ハマスら武装勢力によるガザからイスラエル領内への攻撃として行われた。すると27日深夜、イスラエル軍は、25日に捕虜になったイスラエル軍兵士の奪還を口実にガザに大規模侵攻した。昨年9月にガザから撤退して以降初めてだ。イスラエル軍は、空爆に続いて多数の戦車や装甲車を連ねて侵攻し、橋や発電所、ガザ南部ラファにあるハマスの訓練施設などを破壊した。新たなガザでの虐殺戦争の開始を徹底的に弾劾しなければならない。
 われわれは、このようなイスラエルの攻撃の狙いを暴露し、パレスチナ人民の闘いと真に連帯する闘いに今こそ立ち上がろう。

 完全封鎖で生活困難に

 05年9月のガザからのユダヤ人入植者とイスラエル軍の「撤退」以降も、ガザの占領支配は継続されている。ガザと西岸地区との連絡は完全に切断され、ガザへの人と物資の出入りは全面的に制限されている。イスラエル国内でのパレスチナ人の労働も禁止された。水、電気、ガス、港湾、空港の管理も依然としてイスラエルが行っている。失業率は80%にまで上がり、生活は極度に悪化した。まさにガザは巨大な監獄と化した。
 しかも、3月末のハマス政権発足以後、イスラエルは代理徴収した税金をパレスチナ側に渡すことを拒否し、米・EUなどの「援助」も一部の「人道支援」を除いて停止された。
(写真 イスラエルのガザ侵攻とハマス議員・閣僚の逮捕に抗議するパレスチナ人民【6月29日 西岸ラマラ】)

 経済的絞殺の上に軍事侵攻

 こうした経済的絞殺攻撃の上に、イスラエルはガザへの軍事侵攻作戦を繰り返している。06年4月初旬から5月上旬までの5週間に、ガザでイスラエル軍が投下した爆弾は合計5千発を超えた。1日当たり100発以上の爆弾が、ロケット弾で攻撃するパレスチナ武装勢力への報復や、武装勢力の成員への暗殺のために投下された。ガザでは00年秋の第2次インティファーダ開始以来、こうした軍事侵攻作戦で3千人以上の民間人が虐殺されているのだ。
 6月以降軍事作戦は強化された。6月9日にはイスラエル海軍による砲撃でガザ海岸で海水浴をしていたパレスチナ民間人7人が殺された。13日にはガザ市でイスラエル軍がパレスチナ武装勢力の乗った車両を戦闘機からミサイル攻撃、民間人9人を含むパレスチナ人11人を殺害した。同様の攻撃で6月8日から21日までに33人のパレスチナ人が爆殺されている。
 これに対し、ハマスは6月9日、ついに05年2月以来順守してきた停戦を破棄し、イスラエルへの攻撃を再開した。25日には、ガザとエジプトとの境界にあるケレム・シャローム検問所に対し、トンネルを掘って境界を越えたハマスらの武装勢力が攻撃を仕掛け、イスラエル軍兵士2人をせん滅するとともに、1人の兵士を捕虜にするという反撃を行った。この戦闘を契機に、ガザは再びイスラエル軍の大規模侵攻作戦との激突情勢に突入したのだ。

 西岸併合政策の急進展

 他方、西岸地区では、分離壁建設が急ピッチで進められ、都市部を完全に取り囲んでゲットー化、孤立化させる攻撃が強まっている。これまでイスラエル領との境界を中心に建設されていた分離壁は、最近ではヨルダン渓谷地帯を西岸地域から切り離す目的で増設され始めている。
 この攻撃と一体で、新たな入植地が次々と建設され、パレスチナ人民の住居、農地の破壊と追放の攻撃が仕掛けられている。西岸では、昨年ガザで撤去された入植地の50倍近くの面積をもつ入植地がイスラエルに併合されようとしている。
 入植地周辺のパレスチナ住民に対しては、違法入植者たちの凶暴な襲撃が日常的に繰り返されている。ヘブロンのように、この5年間に2万5千人の住民が追放された都市もある。またヨルダン渓谷沿いの南北に延びる地帯を押さえる戦略的要衝であるジェリコでは、3月以来、イスラエル軍が駐留し、入植地拡大工事の警備・防衛に当たり始めている。

 凶暴なイスラエル新政権

 イスラエルはこうした政策を推進するために、3月28日の総選挙で挙国一致的政府を形成した。極右政党リクードを分裂させたシャロンは新たにカディマ(「前進」)という党を結成し総選挙で29議席を確保。カディマの新党首オルメルトは、第2党の労働党(20議席)、アラブ・イスラエル党(10議席)などと連立して政権を掌握した。
 新政府は、「占領地からの一方的撤退」「分離壁による国境の一方的画定」というシャロンの政策を強力に推進する方針を確定した。これは、「パレスチナ人を交渉相手としない」「紛争解決のための『和平』合意を必要としない」「イスラエルの望む所に国境線を引き、西岸の望む地域をすべて併合する」という超反動的なものだ。
 それは、オスロ合意やロードマップなど、これまでの一切の「和平」合意なるものを最後的に放棄し、むきだしの暴力でイスラエルへのパレスチナの土地併合を推進しようとするものだ。「一方的撤退」はごく一部の違法入植地にのみ適用され、実際には、パレスチナ人には、イスラエル建国(1948年)以前にパレスチナと呼ばれていた地域のわずか10%、分離壁で囲まれ相互に孤立させられた土地しか渡さないのだ。こういう凶暴な方針を挙国一致的に決定して推進し始めたということだ。そして米帝は、こうした政策を全面的に承認したのだ。

 卑劣きわまる分断工作

 イスラエルはこの政策を貫徹するために、パレスチナ解放勢力内のハマスとファタハの対立を促進し、内戦化させる卑劣な策動を行っている。
 ハマスは1月25日の第2回パレスチナ評議会選挙で、全132議席の6割近い74議席を獲得した。選挙前に米やEUが、ハマスが政権に参加したら援助を凍結すると宣言し、イスラエルもハマスとの交渉の可能性を否定したにもかかわらず、パレスチナ人民はイスラエルと最もよく闘っているハマスを選んだ。
 米帝は、投票前の数カ月にわたっていくつものプロジェクトに何百万jも投入して、ファタハのために票を金で買う策動を行った。にもかかわらず、ファタハ指導部の腐敗と米帝・イスラエルへの屈服的な「和平」交渉政策に幻滅したパレスチナ人民はハマスを選択した。そのことでどんな困難が予測されようとも闘う決意を鮮明にしたのだ。
 選挙で敗退したアッバス大統領らファタハの一部指導部は、治安警察権のハマス政府への譲渡を拒否し、ここを拠点に巻き返しを図った。アッバスは5月末以降、欧米諸国などからの援助停止がパレスチナ経済を崩壊させているとして、援助再開を実現するために、ハマスに対してミニ・パレスチナ構想=パレスチナ・イスラエル国家共存構想の承認を要求する形をとって「武装解除」「イスラエルの承認」を迫った。
 ハマスが当然にもこれを拒否すると、アッバスは6月10日、ミニ・パレスチナ構想の承認を直接住民投票で問う方針をうちだした。これもハマスが承認しなかったため両者の対立は激化、6月中旬にはついにハマスとアッバス派のパレスチナ治安部隊の大規模な武力衝突が発生した。
 イスラエルはこの対立を激化させるために、なんとファタハの武装部隊に対し、3千丁のM16ライフルと弾丸300万発をヨルダンをつうじて供給した。しかも、その上でオルメルト・イスラエル首相代行はこの件をリークし、ファタハの信頼を傷つけ、ハマスのファタハへの怒りをあおろうとしたのである。
 アッバス派がハマスから政府権力を奪回してイスラエルとの「和平」交渉を再開しようという願望を抱いている限り、イスラエルはこうした卑劣な分裂策動を続けるであろう。
 だが、闘うパレスチナ人民は、イスラエル政府の凶暴で卑劣な攻撃の本質を見抜き、不毛なパレスチナ人同士の内戦を回避しつつパレスチナ解放闘争の新たな発展を必ずや実現するであろう。
 〔丹沢 望〕

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2253号8面3)(2006/07/10)

激動の世界 チェチェン ロシアが大統領暗殺

 特殊部隊が拷問施設

 

6月17日、チェチェン共和国のアブドゥル・ハリム・サドゥラエフ大統領が独立派武装勢力とロシア連邦当局・傀儡(かいらい)チェチェン政府当局との銃撃戦の末、殺害された。ロシア・プーチン政権によるチェチェン大統領暗殺とチェチェン民族虐殺を弾劾する。
 ロシアはこの11年の間にチェチェン共和国の第1代大統領ジョハル・ドゥダエフ、元暫定大統領ゼリムハン・ヤンダルビエフ、第2代大統領アスラン・マスハドフを暗殺した。今度が4人目だ。
 だが、チェチェン人民は後任の大統領にドカ・ウマロフ司令官を、副大統領にシャミリ・バサエフ司令官を指名し、独立を求めてロシアと闘う決意を示した。
 ロシアは、チェチェン領内では4千人の私兵集団を持つ実力者ラムザン・カドゥイロフを傀儡政府の首相に立てて間接支配を試みてきた。しかし依然としてロシア内務省軍が東と西に、ロシア連邦軍が南と北に駐留し軍事占領を続けざるを得ない。ロシアはカドゥイロフを信用しておらず、チェチェン人民も裏切り者カドゥイロフを全然信頼していないからだ。

(写真 独立派が爆破した車を調べる親ロ派当局【6月28日 グロズヌイ】)

 帝国主義が容認

 ロシアの11年に及ぶチェチェン戦争・占領は帝国主義諸国の容認のもとで行われている。帝国主義は、ロシアがチェチェン戦争を「対テロ戦争」と規定することになんら異論がない。米欧日の帝国主義も「対テロ戦争」の名で侵略戦争と国内弾圧を行っているからだ。
 その上でプーチンは、米英仏独伊の帝国主義国首脳と個人的に親しい関係を作り、欧州への天然ガス供給の保証などで籠絡(ろうらく)し、ロシアのチェチェン政策への批判を封じ込めてきた。
 ロシア当局はチェチェンを封鎖し、領内で起きていることを外部に知られないようにしてきた。
 しかし、ジャーナリストと人権活動家は5月29日、ロシアの特殊部隊「オモン」がチェチェンの首都グロズヌイの建物内に住民を無差別に拉致し、監禁・拷問していた証拠を発見し、暴露した。監禁されていた人びとの顔写真と名前も公表した。だが、オモンの部隊は傀儡カドゥイロフ首相の指示で、数日前に建物から撤退していた。
 チェチェンでは、ロシア軍や傀儡政府の将兵らが村を襲撃し、略奪・逮捕・監禁・拷問・虐待・処刑し、あるいは身代金を奪っている。
 苦難をのりこえチェチェン人民はロシアと闘い続けている。そもそも数百年前からチェチェン民族はロシア帝国の侵略・抑圧と闘ってきた。国際プロレタリアートは闘うチェチェン人民と連帯し、ロシアと帝国主義の侵略戦争を内乱に転化しよう。
 (藤沢明彦)

------------------------TOPへ---------------------------