ZENSHIN 2006/03/27(No2239
p06)
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週刊『前進』(2239号1面1)(2006/03/27)
3・14法政大弾圧に嵐の反撃を
動労千葉ストと不起立闘争から教基法改悪阻止・改憲粉砕へ!
3・26三里塚に総結集しよう
(写真 06春闘貫徹へ各支部の代表が決意を表明【3月16日 千葉市民会館】)
29人の学生を不当にも逮捕した3・14法政大弾圧への怒りを猛然と爆発させ、非常の決意をもって3月大攻勢を貫徹しよう。日帝・小泉、国家権力・ブルジョアジーとの激烈な死闘戦に勝ち抜き、4大産別決戦・改憲阻止決戦の高揚を切り開こう。ここに06〜07年決戦の、日本革命の、成否がかかっている。一人の活動家・革命家の命がけの決起が階級情勢全体を揺さぶり、一点の火花が燎原(りょうげん)の炎となる。百人への弾圧が万の決起をつくり出す。そうした革命的激動情勢をわれわれはついにたぐりよせつつある。3・14弾圧は、数十万、数百万の学生、青年労働者の怒りをかき立て、解き放たずにはおかない。完全黙秘を貫く学生を先頭に、改憲阻止ゼネスト貫徹へと進む全学連とともに闘おう。3・14弾圧に嵐の反撃をたたきつけ、4大産別決戦勝利と改憲阻止に立とう。
第1章 卒業式闘争の爆発と反合・運転保安春闘
1〜2月の4大産別攻防に勝ち抜いて開始された3月大攻勢は、労働者階級の根底的な怒りの総決起として闘われている。「日の丸・君が代」不起立闘争の拡大、動労千葉の反合・運転保安春闘、そして3・5沖縄県民大会3万5千の結集と3・12岩国住民投票でたたきつけられた米軍再編への巨大な「ノー」。
現実の階級闘争の大地で巻き起こっている壮大な階級的・大衆的行動は、日帝・小泉と腐敗しきった翼賛国会を丸ごと空中に吹き飛ばす勢いで発展している。この日本労働者階級の歴史的な反転攻勢の始まりへの日帝権力の恐怖こそ、3・14弾圧の本質である。
3月卒業式の「日の丸・君が代」決戦においては、都高教を先頭として全国で昨年を上回る不起立決起がかちとられている。3年におよぶ「10・23通達」との激しい攻防を貫いてきた現場の組合員の中から、「処分なんか恐れない」という教育労働者が続々と生み出された。そして、クビをもかけて闘うという教育労働者が現れたとたん、「10・23通達」はその「効力」を失ったのである。当初、ファシスト的居丈高さをもって教育労働者に襲いかかった石原・都教委は不屈の決起によって危機を深め、「10・23通達」体制は破綻(はたん)し、今や完全崩壊の過程に入った。
「10・23通達」の破綻という現実を突きつけられた都教委は、3月13日、不起立4回目の教育労働者に「停職1カ月」の処分を出し、また「生徒への指導徹底」を迫る新たな通達を出した。だがこれは完全に敗勢に立たされた都教委の絶望的あがきである。「闘えば勝てる」という手ごたえを多くの教育労働者はつかみ、さらなる闘いに決起しようとしている。
この不起立闘争と一体のものとして動労千葉の反合・運転保安春闘、3・10からの安全運転闘争、3・16〜18の72時間ストライキが爆発した。この動労千葉の闘いは06春闘の閉塞(へいそく)を革命的に打ち破り、全労働者階級の支持と共感を生み出している。動労千葉の決起に自分たちの未来をかけ、動労千葉とともに闘おうという労働者を無数に生み出している。
安全運転闘争は、労働者にとって大変困難で厳しい闘いだ。組合員一人ひとりがそれぞれの運転席を職場とし、背面からの管理職による監視・圧殺体制と対峙しぬいて、10`減速を貫徹するのである。その緊張は想像を絶するものがある。全組合員の団結と総力決起でこそ貫徹できる闘いだ。安全運転闘争は、まさに命がけの死闘による「資本への専制的侵害」(労働者による職場・生産点の実力支配)なのだ。
JR当局は、動労千葉の安全運転闘争を圧殺しようと、実に1000人もの職制を動員した。なぜか。動労千葉の闘いが、JR全体の労働者を、日本の労働者階級全体を一挙に獲得する現実性をもっているからだ。動労千葉はこのことに腹の底から確信をもって団結し、決起している。この動労千葉の真に偉大な闘いを感動をもって全労働者階級に伝え、あらゆる職場・組合から動労千葉を支援し、連帯する行動に立とう。全産別・職場で「動労千葉派」を拡大し、労働組
合権力獲得に挑戦しよう。
第2章 体制危機深め凶暴化するブッシュと小泉
日帝・小泉は、労働者階級の怒りの総反乱の開始を前に危機を深めながら、暴力的な強行突破で押し渡ろうとしている。行政改革推進法案と市場化テスト法案、医療制度改革法案、教育基本法改悪案、国民投票法案、さらに共謀罪法案、入管法改悪案などの大反動法案すべてを6月の国会会期末までに通すことをもくろんでいる。しかし日帝・小泉に何か成算があるわけではまったくない。帝国主義の破局的危機の切迫に激しく駆り立てられ、必死にあがいているのだ。
何よりも米帝の経済・政治・軍事の全面にわたる危機の進行である。米経常赤字(大半が貿易赤字)はついに8000億jを突破し、前年比20・5%増の8049億4500万j(約95兆円)に達した。06会計年度(05年10月〜06年9月)の財政赤字も4230億j(約50兆円)と過去最悪の見通しである。米帝の赤字は、海外からの資金流入(日、中の貿易黒字と石油高騰で膨張した中東マネー)によって穴埋めされている。バケツの底が抜けたように「双子の赤字」を垂れ流す米帝から、海外資金が逃げ出し始めたら、あっという間にドル暴落―米帝経済崩壊・世界大恐慌に転落してゆく。この米帝の破局的危機が、一般教書演説とQDR(4年ごとの国防政策見直し)、米軍再編攻撃として、米帝ブッシュの世界戦争政策をエスカレートさせている。
こうした情勢の中で、日帝はますます帝国主義の「最弱の環」としての姿をあらわにしている。経済的には1000兆円を超える国・地方の累積赤字を抱え、金利もこれ以上緩和しようのない異常なゼロ金利が続く。再び恐慌の激化に直面した場合には財政も金融もまったく対応できない状態だ。5年間におよんだ前代未聞の量的緩和政策は解除したものの、わずかの金利上昇で民間企業も財政も激烈なショックを引き起こすきわめて脆弱(ぜいじゃく)な構造を抱えたままである(1000兆円の債務の利子は、金利が1%上がっただけで10兆円増)。米帝バブルと中国バブルの同時崩壊は不可避だ。そうなった時、日帝経済は完全に破滅し、何をどう削ろうとも財政再建など絶対に不可能である。
だが結局のところ、日帝・小泉、ブルジョアジーにとって、日米枢軸論で米帝ブッシュの世界戦争政策とどこまでも一体化していく以外に、生き残る道はない。だからこそ労働組合と階級的団結を完全に解体し、改憲と米軍再編の強行で対中国・北朝鮮の侵略戦争に参戦し、世界戦争へと突き進もうとしている。そのために必要な戦費は医療、介護、年金、社会保障の解体、大増税、大量首切りでまかなおうというのだ。米帝ブッシュもまったく同じことをやっている。
このような帝国主義と労働者階級との「共存」はもはや絶対に不可能である。この帝国主義の存続を前提とする限り労働者は、賃下げ・首切りも、増税も社会保障の解体も、基地も米軍再編も改憲も全部認めさせられるしかない。あげくの果てにリストラや事故で命を奪われ、侵略と戦争の手先にされて殺されるのだ。
労働者階級が生きる道は、帝国主義打倒を掲げ、団結して闘うことだ。その道に踏み出した瞬間に動労千葉のように明るい展望を切り開くことができる。
第3章 4大産別決戦・改憲阻止闘争の大前進を
3月大攻勢から4月へ向かって闘う方針は、3・14弾圧への嵐のような大反撃を組織しつつ、4大産別決戦、改憲阻止決戦をとことん発展させることである。
何よりも不起立者・被処分者を先頭に、闘う現場組合員の力で連合指導部を打倒し、教育基本法改悪を阻止する日教組30万の総決起体制をつくり出そう。3・21日教組臨大を改悪教基法案・国民投票法案国会提出阻止の総決起大会としてかちとり、3・31日比谷野音集会への大結集を実現しよう。05年都議選以来の杉並の闘いは、ついに「つくる会」を空中分解の危機に追い詰め、杉並の納冨教育長を辞任に追い込んだ。4月からの「つくる会」教科書使用を絶対に許すな。
資本と徹底的に闘い、「労働者階級こそが天下を取るべし」とする動労千葉労働運動が、国鉄戦線の、日本労働運動全体の主流派に躍り出る時が来ている。動労千葉のような闘う組合を「過激派」として排除し、資本と国家権力の手先となった労働代官どもが大きな顔をしてきた時代は、完全に終わらせなくてはならない。4・4国鉄大集会と4・25尼崎事故1周年に向かって、国鉄闘争をめぐる大党派闘争に勝ち抜き、国鉄決戦勝利と日本労働運動の革命的分岐・大再編を今こそ実現しよう。5・27裁判闘争を国労本部打倒の闘いとして闘い抜こう。
行革推進法案・市場化テスト法案―大民営化・公務員大量首切りとの対決は、改憲・戦争に向けた国家改造攻撃との闘いであり、帝国主義打倒の立場に立ってこそ初めて貫徹できる。自治体労働者の民営化阻止、賃下げ・首切り絶対反対の闘いは、そのまま日帝打倒の闘いであり、全労働者階級の利害がかかった決戦だ。沖縄を始め自治体労働者は米軍再編粉砕・改憲阻止の先頭に立とう。
「郵政民営化」を掲げた日帝・小泉の反革命的正体がますますあらわになり、小泉への怒りと怨嗟(えんさ)の声は、全労働者階級の中にますます満ちあふれている。今こそ全逓労働者こそが小泉打倒の反転攻勢の先頭に立ち、職場から大反乱を組織する時だ。
4大産別決戦と固く結合し、3・19闘争をもって大衆的な改憲阻止決戦の火ぶたが切られた。憲法闘争を一層前進させよう。3・5沖縄県民大会、3・12岩国住民投票圧勝の力をさらに拡大し、米軍再編粉砕、安保・沖縄闘争と改憲阻止闘争の大合流、一体的な爆発をかちとろう。
闘争開始40周年を迎える三里塚闘争は、新たな輝きを放っている。「闘えば勝てる」―この階級闘争の真理をかくも鮮やかに示している闘いはない。米軍再編、辺野古の新基地建設、有事体制づくりの攻撃において、日帝が最も恐れているのは、「第二、第三の三里塚」の出現である。反対同盟を先頭に全国の闘う労働者人民が共同で築き上げてきたこの不抜の「革命の砦(とりで)」を断固として強化し、守り抜こう。
3・26三里塚現地闘争への大結集を呼びかける。
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週刊『前進』(2239号1面2)(2006/03/27)
法大当局と警察が結託した学生29人不当逮捕弾劾する
弾圧粉砕し改憲阻止ゼネストへ
仕組まれた弾圧
(一)革共同は、3月14日、法政大学における29人の学生の不当逮捕を絶対に許さない! 29人もの学生たちを不当逮捕した警視庁公安部、学生を警察に売り渡した法政大学当局を絶対に許さない!
全国の労働者人民の皆さん、フジテレビがホームページで流しているニュース映像を見てほしい! これを怒りなしに見ることはできない。
号令とともに200人の警視庁公安部の刑事が一斉にキャンパス構内に突っ込んでいく。これは逮捕というより襲撃だ。抗議する学生を6、7人で押さえつけ、羽交い締めにし、足を抱え上げ、問答無用に護送車にぶちこんだのだ。こんなことが、大学キャンパスで許されていいのか!
しかも、警視庁公安部と法政大学は完全に一体だった。警視庁公安部の刑事が200人もあらかじめ待ち構えていたのだ。その上、フジテレビがあらかじめ学内からカメラを構えて弾圧の一部始終を撮影していたのだ。これは百パーセント仕組まれた大弾圧である。絶対に許せない。
立て看・ビラ禁止
(二)学生たちが何をしたというのか? 法政大学が一方的に通告した「立て看規制・ビラ規制」に対して抗議していたのだ。「大学内の立て看板を規制するな!」「ビラまきの自由を守れ!」「憲法の改悪に反対!」と訴えてデモをしていたのだ。まったく当然の主張と行動ではないか。
そもそも「立て看規制・ビラ規制」とは何か? 学生が法政大学内に看板を出し、ビラをまくことを大幅に規制し禁止するということだ。サイズや枚数、期限、署名など、事細かに規制・禁止事項を作っている。要するに、サークル活動を始め、一切の表現活動から政治活動まで、政府や当局を翼賛するもの以外は全部ダメだという戦時型の規制なのだ。
その口実が「美観」なるものである。しかし、大学が「美観を損ねる」と言って実際に名指し攻撃しているのは、「改憲阻止! 国民投票法阻止!」を訴えている立て看板なのだ!
国民投票法案は大学教員の改憲反対の発言を禁圧しようとしている。だからこんな悪法に対して大学こそ率先して反対すべきではないのか。ところが、まさに国民投票法案が国会に上程されようとしている時に、法政大学は、学生からわき起こる改憲阻止の声をたたきつぶす側に回ったのだ。
学徒出陣への道
(三)法大当局はホームページで「法政大学内のルールに反した立看板の撤去反対を叫び、全学連を名乗る学外者が昨日より警告を無視して学内への侵入を繰り返したため、本日警察の出動を要請しました」などと言っている。
ここで当局は、立て看板の撤去に反対を叫んだことをもって警察に差し出したと、自らはっきりと認めている。学外者の何が問題だというのか。法大生だろうが、全学連の学生だろうが、ビラ規制・立て看板規制が重大な政治弾圧だから、「これはファシズムだ」と反対しているのだ。
今や法政大学は国家権力に完全に屈服し、大学として完全に死んだ。再び学徒出陣の道を歩み始めた。
(四)3・14法大弾圧の根底には、中国・北朝鮮侵略戦争にのめり込んでいくしかない日帝・小泉の危機がある。だから労働者人民を中国侵略戦争に総動員するために、戦時型の政治弾圧を次々と発動しているのだ。「日の丸・君が代」反対ビラまきや自衛隊官舎へのビラまき、早稲田大学構内でのビラに対する弾圧などがそれだ。そして今、改憲のための国民投票法案や共謀罪などの治安立法を今国会で次々に成立させようとしている。
同時に、3・14弾圧の根底には日本階級闘争の巨大なうねりがある。3・16〜18ストを頂点とする動労千葉の反合・運転保安闘争があり、「日の丸・君が代」不起立闘争があり、3・5沖縄県民大会や3・12岩国市の住民投票がある。そして国民投票法案粉砕・改憲阻止の06年決戦がある。
学生を釈放せよ
(五)3・14法政大弾圧に、歴史的な階級決戦の開始に対する国家権力の側の危機と恐怖をはっきりと見て取れる。そこには、学生運動の爆発への恐怖、改憲阻止の全国学生300万人ゼネスト方針への恐怖があるのだ。
法大生を先頭とする全国学生とともに、3・14弾圧に嵐の反撃をたたきつけ、キャンパスを国民投票法案阻止・改憲阻止の決戦のるつぼにたたき込み、弾圧を逆にチャンスとして、法政大学から全国ゼネストを大爆発させようではないか。
不当逮捕された29人の学生は完全黙秘・非転向で闘っている。一日も早い学生の奪還をかちとるために、支援・激励の大運動をつくりだそう。法政大・警視庁に抗議をたたきつけよう。
◇
■抗議先
警視庁公安一課
(03)3581−4321
麹町警察署
(03)3234−0110
法政大学総務部
(03)3264−9200
法政大学学生部
(03)3264−9471
4面関連記事
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週刊『前進』(2239号1面3)(2006/03/27)
スト突入の総決起集会
動労千葉は3月10日から全線区で貫徹されている安全運転闘争(減速闘争)に続いて16日、旅客全組合員が春闘ストライキに突入した。総決起集会では、反合・運転保安確立に向け最後まで闘う決意と団結を固めあった(3月16日 千葉市民会館)=記事2面
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週刊『前進』(2239号2面1)(2006/03/27)
動労千葉 旅客全組合員がストに突入
反合・運転保安確立かけて
動労千葉は3月16日正午から、旅客全組合員を対象に18日までのストライキに突入した。3月10日からの全線区での安全運転闘争と13日の幕張支部での半日ストに続き、動労千葉は大幅賃上げ獲得と反合・運転保安確立、1047名の解雇撤回を掲げて06春闘山場の決戦に入った。これは大事故を続発させるJR体制=分割・民営化体制に痛打を与え、小泉=奥田による春闘圧殺攻撃を打ち破り、戦争と改憲、民営化と労組破壊の攻撃に反撃する労働者階級の壮大な決起の突破口を押し開く闘いだ。
3・16千葉団結し06春闘勝利を誓う
動労千葉は16日夕、千葉市民会館で「06春闘勝利、反合・運転保安確立、1047名闘争勝利スト貫徹総決起集会」を開催した。ストに突入した組合員を始め、動労千葉を支援する会や共闘の労働者が会場に続々と結集した。ストに突入した組合員の顔は皆、自信に満ち、底抜けに明るい。10日からの安全運転闘争に始まる闘いは、JR資本を翻弄し確実に打撃を与えている。それに確かな手ごたえを感じているからだ。
(写真 06春闘貫徹へ各支部の代表が決意を表明【3月16日 千葉市民会館】)
繁沢敬一副委員長が開会を宣言し、「JRの安全は風前のともしびだ。かろうじてわれわれの闘いが安全を守っている。安全運転闘争に対しJRは本社・支社の課員を監視につけたが、われわれは断固闘いぬいてきた。そして今日の闘いに上りつめた」と発言した。
田中康宏委員長があいさつに立ち、「尼崎事故では107名、羽越線事故では5名、伯備線事故では3名の労働者が命を奪われた。今回の闘いは動労千葉が労働組合であるための闘いだ。われわれが鉄道で働き続けるための闘いだ」と切り出した。そして、成田エクスプレスを東京−成田空港間53分で走らせているJR東日本を弾劾し、「これは尼崎事故と同じだ。これ以上、大惨事を起こさせてはならない」と訴えた。
また、「『官から民へ』というかけ声で、労働者はどこまで突き落とされたのか。5世帯に1世帯が年収200万円以下だ。この現状になんで怒りの声を上げないのか。団結が欠けているのが一番の問題だ。このことをわれわれは6千万の労働者に訴えたい。労働者が立ち上がれば社会は変わる」と声を強めた。
さらに、幕張車両センターの業務縮小や錦糸町派出廃止との闘いに触れ、「最後までストライキを貫徹しよう」と呼びかけた。
長田敏之書記長が基調報告を行い、特に団結強化と組織拡大を強調して、「団結しないとわれわれは生きていけない。一日でも団結が緩んだらやられてしまう。平成採をわれわれの戦線に迎えることができるかどうかで今後が決まる」と組合員の奮起を促した。
1047名の一人である高石正博執行委員が「2・16は1047名が一堂に会して集会を持った。1047名が勝利すれば世の中は変わる」と述べ、4・4全国集会への結集を訴えた。
連帯のあいさつで動労水戸の国分勝之委員長が「17日から18日まで動労水戸はストライキに入る」と高らかに宣言、「時代はわれわれのもの、勝利はわれわれのものだ」と断言した。
三里塚空港反対同盟の北原鉱治事務局長は、「安全運転のために立ち上がった動労千葉のストを全面支援し、労農連帯のきずなをさらに深める」と述べ、変わらぬ共闘を誓った。
動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長が安全運転闘争激励行動について報告し、「動労千葉の運転士は当局を圧倒している」と組合員の奮闘をたたえた。
「日の丸・君が代」強制に不起立を貫き不当な処分を受けた教育労働者は、「不起立する仲間は増えている。敵が見え、闘い方が分かると楽しくなる。多くの組合は処分を恐れているが、処分は勲章だ。動労千葉を目標に闘い、働く者が喜べる社会をつくろう」と元気いっぱいに発言した。
集会には鉄建公団訴訟原告団の酒井直昭団長のメッセージが寄せられた。また動労西日本がこの日、山陽本線・五日市駅(広島県)でストに立ったことが報告された。
組合員の歓声を受けて各支部代表が壇上に並び、それぞれにスト貫徹と組織拡大への決意を表明した。
君塚正治副委員長が閉会のあいさつをし、「動労千葉の闘いは国際連帯を切り開いている。われわれの闘いは時代の波に合ってきた」と訴えた。
動労千葉はJR貨物の賃金回答を見据え、22、23日を山場としたさらなる闘いも構えている。この集会で動労千葉は団結を一段と固め、06春闘を最後まで貫徹する態勢を築き上げた。
職制の監視体制と対決し10キロ減速闘争を貫徹
3月10日始発時から、動労千葉は全線区で安全運転闘争に立ち上がった。最高速度の10`ダウンを柱とするこの闘いは、安全無視のJRに痛打を与えている。
(写真 職制に取り囲まれ成田エクスプレスに乗り込む組合員を支援する会の労働者が激励【3月10日 東京駅】)
JR東日本は9日、「会社の持つ運行管理権を奪う違法な争議行為を行った国鉄千葉動力車労働組合の組合員に対しては、厳重に対処せざるをえないことを警告する」とした千葉支社長名の警告文を各職場に掲示した。そして10日から連日、動労千葉の運転士1人に2人の職制を張り付け、運転台に乗り込んで監視・現認体制をとっている。
だが、動労千葉の組合員はこうした卑劣な恫喝に屈せず、毅然(きぜん)と安全運転闘争を貫いている。
動労千葉を支援する会は10日に東京駅、12日に千葉駅で動労千葉の運転士を激励する行動に立った。笑顔で運転席に向かう組合員の余裕ある態度と、うつむき顔をこわばらせる職制の表情の対比は鮮明だ。誰に正義があるのかは、そこにもはっきりと示されている。
JRによる無謀なスピードアップと業務の外注化で鉄路の安全は崩壊の危機にさらされている。成田エクスプレスの130`運転中止などの反合・運転保安要求は、安全を守るための切実で最低限の要求だ。労働組合の闘いによってしか、資本に安全を強制することはできない。動労千葉は反合・運転保安闘争を闘って団結を築いてきた組合だ。その原点に立ち返り、動労千葉の組合員は真剣な討議を重ねて今回の安全運転闘争方針を確立した。その結束力と闘いが、JRを徹底的に追い詰めたのだ。
(写真 ストを終え職場に向かう幕張支部の組合員。立ちはだかる職制を弾劾【3月13日 幕張車両センター】)
支援する会はまた連日、各駅頭で動労千葉の闘いへの支援を訴えるビラまき行動に立っている。
13日には幕張支部が出勤時から正午までのストライキを貫徹した。JR東日本は3月18日のダイヤ改定を機に、動労千葉の拠点をなす幕張車両センターの業務縮小と錦糸町派出廃止を強行しようとしている。これに抗議してストに立った幕張支部の組合員は、DC会館に集まり「午後から職場に戻って動労千葉の正しさを訴え、組織拡大につなげよう」と意思統一。昼過ぎに幕張車両センター庁舎前に結集してシュプレヒコールを上げ、堂々と職場に復帰した。
JR東日本は、動労千葉のきわめて切実な反合・運転保安要求をことごとく拒んだ上、賃上げ要求に対しても16日、わずか600円の回答を出してきた。東労組は即座に妥結した。これに怒りを燃え立たせ、動労千葉は16日正午、3日間のストライキに突入した。
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週刊『前進』(2239号2面2)(2006/03/27)
動労千葉ストを突破口に06年国鉄決戦の勝利開け
06年は国鉄闘争の勝利を切り開くべき決戦の年だ。その突破口は、動労千葉の反合・運転保安春闘によってこじ開けられた。4・4集会を成功させ、国鉄闘争の発展を切り開こう。
3月16日、動労千葉は満を持して旅客全組合員によるストライキに突入した。大幅賃上げ獲得と並び、反合・運転保安確立を掲げたストライキは、重大事故を続発させるJR体制と根本的に対決する闘いだ。
安全崩壊させた「完全民営化」
民営化・規制緩和が安全の解体に直結することは、尼崎事故、羽越線事故、伯備線事故で明白になった。にもかかわらず小泉政権は、郵政民営化法の強行に続いて行革推進法案と市場化テスト法案を国会に提出し、公共部門の大民営化−公務員労働者の大量首切りへと突き進んでいる。
小泉=奥田路線のもとで貧富の差は拡大し、労働者には徹底した無権利化・不安定雇用化が強いられている。資本は空前の利益を上げながら、今春闘でも一律賃上げを拒みぬいた。JR西日本に至っては、「大事故を起こした企業としての信頼回復」を口実にベアを拒否している。わずか500円ないし1000円の賃上げを回答した企業でも、それはあくまで労働者分断を貫くための方策だ。
小泉は民営化・規制緩和や労働法制の改悪で資本に搾取の自由を与える一方、これに対する労働者の反乱を鎮圧するために共謀罪の新設を始めとした治安弾圧攻撃を強めている。
こうした攻撃と真っ向から対決して、動労千葉は春闘ストに立ち上がった。
JRの大事故は国鉄分割・民営化の破産を突き出している。JR東日本は01年の「完全民営化」(政府保有株の全面民間売却)を機に中期経営計画「ニューフロンティア21」を打ち出した。そこでは駅空間を利用した金もうけが会社の第一の課題とされ、鉄道事業は二の次となった。「株主の利益」が一切の評価基準とされ、鉄道の安全と技術体系は急速に崩壊した。
01年以来、JR東日本は約8千人の要員削減を強行し、総人件費を850億円も削り込んだ。修繕費は約330億円も削られた。この5年間の経常利益増1152億円のほとんどが、人件費と安全投資の削減によってもたらされたのだ。
その切り札になったのが「メンテナンス体制の再構築」と称する設備部門の全面的な外注化だった。これにより約3300人の労働者がJR本体から追われ、下請け会社への出向を強いられた。また、「車両メンテナンス近代化第V期計画」で検修区・工場の統廃合が強行された。これらに伴い、車両や線路の検査周期は大幅に延伸された。
その一方で無謀なスピードアップが行われ、レールを激しく損傷させる軽量化車両が導入された。これがレール破断という恐るべき事態を続発させている。
ところがJR東日本は、昨年策定された中期経営構想「ニューフロンティア2008」で「激しい競争」「コストダウンの徹底」を強調し、今度は車掌や駅業務などの大幅な外注化に踏み込んできた。
3月ダイヤ改定では、グリーン車の車掌業務を日本レストランに委託し、千葉支社管内だけでも117人もの要員を削減しようとしている。車掌も駅も安全を担う基幹的業務だ。羽越線事故への反省もなく、さらなる安全解体に突き進むJRと、動労千葉は真っ向から対決しているのだ。
JRにへつらう国労佐藤執行部
労働組合が闘わなければ安全は絶対に守れない。
だが、国労本部の上村革同やチャレンジ一派は、春闘ストを放棄するばかりか、JR体制護持の立場をあらわにしつつある。
国労西日本本部の上村革同は、尼崎事故後、「日勤教育は否定しない」と言い放ち、事故責任を労働者に転嫁するJR資本と完全に同調した。彼らはJR連合と一緒に「労使安全会議」を推進し、今や「労使の信頼なくして安全なし」とまで言い立てている。
国労東日本本部のチャレンジ一派も「責任追及より事故原因の解明を」と唱え始めた。これはJR総連のスローガンと同じだ。
労資結託して事故の真因を覆い隠し、責任をすべて労働者に押しつけて、自己の保身を図ってきたのがJR総連カクマルだ。その後を追うチャレンジに組合員を守れるはずがない。
さらに、国労中央委員会で佐藤勝雄委員長は「究極の安全をめざし、事故原因の解明を優先する安全第一の企業文化を構築する」と発言した。これは「ニューフロンティア2008」や「05年度JR東日本グループ経営計画」での会社の言い回しとぴったり重なる。こうして国労本部はJRにおもねり、闘いを求めるJR本体組合員を徹底的に抑圧すると資本に誓った。
1047名闘争をめぐっても、国労本部は敵階級との対決から逃げた「政治的全面的解決」を唱えている。4党合意の総括を拒否した彼らは、またも1047名闘争を敗北に追いやろうと策しているのだ。
闘争団への統制処分を貫徹するため、国労本部は5・27臨大闘争弾圧を仕組んで組合員を権力に売り渡した。その責任は重大だ。
国鉄闘争は2・16集会で1047名の大同団結を形成し、新たな発展を遂げている。4月4日には学者・文化人ら36人の呼びかけでさらに大きな集会が開かれる。これは国鉄闘争と「日の丸・君が代」不起立闘争が結合した大集会になる。
1047名の解雇撤回は、当該が結束を固めるとともに、JR資本と真正面から激突するJR本体の闘いと結合してこそ実現できる。動労千葉の春闘ストは勝利の方向を示している。日共中央や全労連の一部勢力による動労千葉排除の策動を許さず、闘う統一戦線を力強く発展させ、4・4集会を勝利の路線を確立する場として成功させよう。
動労千葉とともに06春闘を最後まで闘おう。ここに国鉄闘争勝利の道がある。
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週刊『前進』(2239号2面3)(2006/03/27)
1・19連合中執決定を『解放』が特筆し賛美 カクマルは今も民営化の先兵
路線的展望喪失で、危機を深めるカクマルは、06春闘過程でもそのファシスト的で反労働者的な正体をさらけ出している。
カクマルの「2・12労働者総決起集会」での「カクマル代表の特別アピール」の中で、もっともらしく「公務員制度改革」や「労働法制の改悪」を強調するような言辞を並べた後、次のように発言した。
「かの『大勲位』中曽根は、『文芸春秋』十二月号の座談会で、国鉄民営化は『総評・国鉄労組の壊滅を狙って』やった、と誇らしげに自画自賛し、これに応えて森喜朗は、……『公務員制度改革』の狙いを明け透けに語っている。こうした自民党『長老』の言辞のなかに、政府・支配階級の狙いは明瞭にしめされているではないか」(『解放』3月13日付)
中曽根と松崎が結託し攻撃
だが、カクマルの口からこんな言葉が発せられるとは、破廉恥の極みである。
1980年代の中曽根の国鉄分割・民営化は、「総評・国鉄労組の壊滅を狙って」やった憲法違反の国家的不当労働行為であり、こんなことを堂々と開き直り、自慢する中曽根は絶対に許すことはできない。しかし、ほかならないカクマルこそがこの国鉄分割・民営化攻撃の最大の張本人、中曽根の一番の共犯者なのだ。国鉄分割・民営化は、当時の動労を牛耳っていたカクマル松崎明の協力なしにはまったく成り立たないものだった。
中曽根の国鉄分割・民営化に関する発言は、今回が初めてではない。『アエラ』96年12月30日付でも、昨年11月20日のNHK総合テレビでも、中曽根は同じ趣旨の発言をしている。
このような狙いを労働組合の側から明確に公言し、実行したのがカクマル松崎である。右翼雑誌『正論』86年10月号で、松崎は、「昨日の友は今日の敵」なるタイトルで、「国労を潰(つぶ)し、総評を解体する」と、今日の中曽根と同じ表現で総評からの脱退(86年7月)の目的を端的に表現している。
しかも、言葉だけでなく、具体的に分割・民営化のためにありとあらゆることをやって、実践的に国労破壊、総評破壊、国鉄労働者の大量首切りに力を尽くしたのだ。
動労(JR総連)カクマルは、2波のストライキで分割・民営化阻止を貫いて闘った動労千葉に対して襲いかかり、当局と一体となってあらゆる卑劣な攻撃を展開した。
(写真 中曽根発言に言及するカクマル代表【『解放』1909号】)
民営化協力を居直った黒田
カクマルが中曽根の「戦後政治の総決算」の頂点をなす国鉄分割・民営化攻撃の先兵になったことは、戦後日本労働運動史上最大の階級的裏切りである。
カクマルは、この松崎の裏切りをペテン的な形であるが、彼らの機関紙上で明確に承認している。
『解放』930号(86年8月4日付)1面トップ論文で、総評大会で代議員から動労の裏切りに対する批判が噴出したのは動労への「排外主義的な攻撃」であるとし、動労が「総評大会からの退場と総評脱退という道を選択した」と客観主義的な表現で擁護した。さらに「動力車労働組合の戦闘的労働運動は、まさにここにおいて明確に終焉(しゅうえん)し、動力車労働組合の歴史的使命は尽きた」と苦し紛れに言って分割・民営化に率先協力していく道を進むのは正しいと開き直ったのだ。
現実にカクマル黒田は、この松崎の分割・民営化への率先協力を「ネオ・ファシズム下の労働運動」として積極的に推進した。02年についにカクマル中央派とJR総連は分裂したが、その後も黒田カクマルは、JR総連の原点である分割・民営化協力について、一切批判したことはない。
JR総連を「闘う労働組合」と称揚
しかも、今日においても、カクマルはファシスト組合であるJR総連をことあるごとに持ち上げているのだ。その最近のカクマルの決定的な犯罪的行為こそが、今年1月19日の連合中執会議決定を賛美していることである。
『解放』2月6日付に、「『7・14見解』決定断念に追い込む」という見出しで、カクマルは1・19連合中執決定を大々的に報じている。「7・14見解」は、改憲に踏み込んだ連合見解であるが、カクマルはそれを1月19日に中執決定させず、「現段階では控える」としたことを特筆大書し、「わが革命的・戦闘的労働者の下からの闘い」がそれを実現した、JR総連などの多くの労組本部が連合本部に突きつけた、と書き立てている。
だが、1・19中執決定は、労働者階級にとって、果たして評価できるものなのか。この決定は、「7・14見解」は「現段階では控える」としているが、それを放棄したものではなく、その決定に向けての布石を打つ中身なのだ。
何よりもそこでは、改憲のための国民投票法案を容認・推進するとともに、@「質の高い公共サービス」論をもって、公務員労働者への大民営化・労組破壊攻撃を全面的に受け入れ、A成果主義・能力主義を率先して推し進め、公務員労働者の賃金・人事制度の大改悪を受け入れようとしている。Bさらに以上をとおして、「国家に奉仕する労働者」として、戦争と改憲に公務員労働者を動員しようとしているのである。
この反動的な1・19決定は、日教組臨時大会議案などに反映され、自治労、日教組の改憲勢力化を促すものとなっているのだ。そして、これが2・14日本経団連の「国家の競争力強化をめざした『攻めの行政改革』の実現を求める」提言と、呼応しあっているのである。日帝ブルジョアジーの「改革」要求、改憲要求に連動する形で1・19連合中執決定があるという恐るべき事態を直視しなければならない。
ところが、カクマルは、この決定を称揚することで、JR総連が闘う勢力であるかのように描き出しているのである。それは、カクマルが国鉄分割・民営化以来、決定的に日帝ブルジョアジーの軍門に下り、民営化攻撃の手先となっているからである。
だから、1・19連合中執決定を正反対に描き出すのである。それが今日も、覆い隠すことのできないカクマルの反革命的本質である。今こそ、カクマルを労働運動から一掃し、打倒し、国鉄を始め4大産別決戦の勝利へ前進しよう。
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週刊『前進』(2239号3面1)(2006/03/27)
教基法改悪阻止3・31全国集会(日比谷野音)へ
戦争動員狙い「愛国心」明記 第10条「不当な支配」を逆転
3・21日教組臨大で闘いののろしを
自民・公明両党は3月9日、教育基本法改悪案の今国会提出に合意した。武部自民党幹事長は「結論を出す時期に来ている。今国会で成立させる」と反動的決意を語り、小泉首相も「やると決めた以上、与党間で早く最終案をまとめる必要がある」と強調している。改悪法案の最終案は「最後の詰めの段階」(与党検討会の大島理森座長)と言われる。国民投票法案とともに国会提出は秒読み段階だ。絶対に今国会への提出―成立を許してはならない。闘争態勢を強め、日教組中央の屈服を粉砕し、3・21日教組臨時大会を教基法改悪阻止の一大戦闘宣言を発する歴史的大会にしなければならない。そして3・31全国集会―国会デモ(要項1面)に総決起しよう。
与党は今国会提出と成立の方針を固めた
国家権力による組合つぶしに屈服し、戦前のように再び教育を戦争の道具として、教え子を戦場に送ってしまうのか。それとも、戦争と改憲につながる一切の攻撃を打ち砕き、労働者の階級的団結を強めて帝国主義を打倒し、戦争の根源を断ち切るのか。そのことが今、「日の丸・君が代」攻防と教基法攻防の中で問われている。卒業式の「君が代」不起立闘争の全国的高揚を引き継いで、教基法改悪阻止闘争を全国で爆発させよう。
(写真 停職1カ月の重処分を受けた教育労働者とともに都教委を弾劾してシュプレヒコール【3月13日水道橋】)
政府・自民党は、今国会で教基法改悪を行うために卑劣な反動的キャンペーンを繰り広げている。「ポスト小泉」の第1候補と言われる安倍官房長官は、恥知らずにも「ライブドア事件の原因は規制緩和と言われるが、教育が悪いからだ」などと言っている。そして「自分の損得を超えた気持ちをしっかり教えていくことがホリエモンのような青年を生み出さないことにつながる」「(教基法には)『国を愛する心を涵養(かんよう)する教育』をしっかり書き込みたい」などと言って、今国会での教基法改悪を強く主張している。
資本家の利潤追求を擁護し、弱肉強食を礼賛して堀江を「改革」のシンボルとして担ぎ回った者たちが、今度はその腐敗と犯罪をすべて戦後教育と日教組が生み出したものと責任転嫁しているのだ。本当に許すことができない。切迫する教基法改悪攻撃の粉砕に向け闘おう
教基法改悪は、戦後教育を解体し、教育を〈人権尊重、平和のための教育〉から〈国家への奉仕、戦争のための教育〉に転換させるものである。日帝のため、天皇のために侵略戦争におもむき、命を投げ出す人間を大量につくり出す攻撃である。そのために日教組運動を最後的に解体しようとしている。
04年6月に出された与党中間報告によると、改悪案は現行教基法の前文を全面的に書き換えるとともに、現行法全11条を18項目に再編する。
戦争への反省かなぐり捨て
その狙いは、第一に教育の目的・目標の反動的大転換である。前文や第1条で規定する「平和」や「個人の尊厳」という目標を全部削り、愛国心や国家への奉仕に変えようとしている。
まず、現行教基法の前文の「われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである」という部分を削除する。
この削除は、かつての侵略戦争への反省を完全に投げ捨てることである。戦争放棄による「世界の平和と人類の福祉への貢献」や民主主義を教育の目標から一掃するものであり、憲法改悪の先取り攻撃である。
さらに、現行教基法は前文や第1条で「個人の尊厳」「個人の価値」の尊重をうたっており、「国民の育成」には「平和的な国家及び社会の形成者として」という限定を付けている。ところが、改悪案は「国民の育成」こそが教育の目的だと押し出している。「人格の完成」はお題目化している。「教育の目標」として「公共の精神の重視」「伝統文化の尊重」「郷土と国を愛し」などを掲げ(「個人の尊厳」「個人の価値」はまったく登場しない)、国家と個人の関係を大逆転させているのだ。
「伝統文化の尊重」「郷土と国を愛す」の名のもとに「日の丸・君が代」が強制され、天皇崇拝が強制される。平和教育や個性・人間性尊重の教育などは徹底的に排斥されるのだ。
第二に、「権利としての教育」を否定し、教育を受けることを国家に対する義務とすることだ。
現行教基法の第3条「すべて国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならない……」から「すべて」「ひとしく」を削除し、教育上の平等を否定し、能力主義の差別・選別教育を正当化している。
また、現行教基法の第5条「男女は、互いに敬重し、協力し合わなければならない……」を全文削除することで、男女平等をも一掃しようとしている。
第三に、重大なのは教基法第10条(教育行政)の趣旨を完全に逆転させようとしていることである。
これは、現行教基法の「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきものである」の「教育は」を「教育行政は」とする改悪であるが、こうすることによって、その意味するところを百八十度転換させてしまう。
現行教基法の第10条は、かつて日帝国家が軍国主義教育を進め、暗黒の戦争と破滅に至ったことへの反省から、国家権力が教育内容に介入し支配することを禁止する規定である。ところが改悪案はこれを逆転させて、国家による教育への支配・介入を正当化する。そしてこれに対する日教組や教育労働運動の抵抗を逆に「不当な支配・介入」として排除し、日教組運動を弾圧する根拠規定にしてしまおうとしている。
以上のように、戦後憲法のもとで平和教育の実践や差別と闘う教育のよりどころとなってきた教育基本法が戦争教育の強制と日教組解体の凶器へと百八十度転換しようとしているのだ。
闘う日教組の再生をかけ団結して闘おう
教基法改悪を強く主張する自民党・森喜朗は「連合の左系中心勢力は、日教組と自治労の二つです。この二つがつぶれたら、民主党は大きく変化せざるを得ません」と述べている(『文芸春秋』昨年12月号)。
これほどあからさまに政府・自民党が「日教組をつぶす」と公言している時に、日教組は抗議の声ひとつ上げず、ますますパートナー路線にしがみついている。森越康雄委員長は、3・5付朝日新聞で「協調路線に変えて得をしたのは文科省だけではないか」と記者に問われて、そのことを完全に認めた上で「そろそろ現場にも果実を返してくれよといいたい」などと哀願している始末だ。情けないではないか。ここでは教基法改悪への怒りや反対の立場は一言も語られていない。
日教組中央は腐りきっている。現場からの闘いで、闘う日教組を再生しよう。日教組臨大を戦闘的にかちとり、3・31全国集会に総結集しよう。
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週刊『前進』(2239号3面2)(2006/03/27)
「停職1ヵ月」許すな
創立30周年式典「君が代」不起立 直ちに処分撤回へ
東京都教育委員会は3月13日、1月に行われた都立養護学校の創立30周年記念式典で「君が代」斉唱時に不起立を貫いた教育労働者Aさんに対して、停職1カ月の処分を発令した。03年「10・23都教委通達」以後、4度目の不起立を闘ったAさんへの処分だ。
被処分者の会などの呼びかけにこたえて、早朝から処分発令場所である水道橋の都総合技術教育センターに40人以上の労働者・市民が集まり、不当極まりない重処分に抗議した。処分の発令を受けてセンター前に出てきたAさんは、直ちにマイクを握って不当処分を弾劾した。(発言別掲)
「日の丸・君が代」闘争をめぐる停職処分は、昨年入学式において不起立した中学校の教育労働者に続いて2人目。これほどの重処分は、全国の「日の丸・君が代」処分においても類例を見ない。「君が代」斉唱時に40秒間、静かに着席して抵抗の意思を示した行為をもって、教育労働者を教壇から引きはがす処分とされたのだ。徹底弾劾して処分撤回へともに闘おう。
都教委が理不尽極まりない不当処分を乱発してもなお、今春卒業式において不起立で闘う教育労働者はさらに大きく広がっている。都教委がどんな手段を使おうと、10・23通達から3年目の不起立闘争をもはや封じることはできない。
教育労働者の誇りをかけて闘い続けるAさんを始めとする被処分者の闘いに連なり、義務制の卒業式、そして4月入学式で、不起立闘争をさらに拡大しよう。
「必ず都教委動かす」
●Aさんの発言 停職1カ月とはあまりにも重すぎる処分なので、都教委に「私は子どもの人権と私の人権を守る行為をしただけです。すぐに人事委員会に提訴します」と話して出てきました。東京の処分の重さは他に例を見ません。広島では5回の不起立で戒告処分、千葉では厳重注意です。昨年4月に福岡地裁は「思想・良心の自由を甚だしく奪う職務命令に対しては、それに抗する自由を認めるべき」として、減給処分を取り消す判決を出しました。10・23通達以後4回の不起立で停職1カ月とは明らかに違憲・違法です。
今、とても元気でさわやかです。闘いは楽しく元気にやらないと続きません。昨日、国際婦人デー集会に老若男女が集まって、いろいろな足元の闘いを確認しあいました。そこに20代の若者たちが多くいて、私は「まだまだ私たちの闘いはあきらめなくていいんだなあ」と元気と勇気をもらいました。
今だからこそ、本当に一人ひとりとつながっていきたい。それが大きな大きなうねりになって、都教委という象を必ず動かすことを信じています。
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週刊『前進』(2239号3面3)(2006/03/27)
生徒起立「徹底を」 都教委、都立高校長に新通達
10・23通達もろとも粉砕へ
東京都教育委員会・中村正彦教育長は3月13日、新たな通達「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の指導について(通達)」を発した。「校長は自らの権限と責任において、学習指導要領に基づき適正に児童・生徒を指導することを、教職員に徹底するよう通達する」と記されている。教育労働者に生徒指導――「日の丸・君が代」起立・斉唱――を徹底的にやれと命令する通達である。
11日夜に都立の定時制高校で行われた卒業式で十数人の卒業生の大半が「君が代」斉唱時に不起立したことへの対応を協議した都教委は、13日夕方から「臨時校長連絡会」を開き、全都立校の校長に通達を発出したのだ。
03年「10・23通達」以来、実に2年5カ月ぶりに発出されたこの新通達は、教育労働者の不起立闘争がいよいよ拡大し、生徒にも広がり始めたことに追いつめられた都教委の最後のあがきである。「10・23通達」もろとも新通達を打ち破り、不起立闘争を断固やりぬこう。
この通達は、昨年12月8日の東京都議会第4回定例会における中村教育長の答弁に端を発している。自民党古賀俊昭都議の質問に対して、中村が「卒業式において学級の生徒の多くが起立しない事態が起こった場合、他の学校の卒業式で同様の事態が発生するのを防ぐため、生徒を適正に指導する旨の通達を速やかに発出する」と答えたのだ。
この答弁自身、通達を直ちに出すわけでもなく、“不起立が起こったら出す”というものだ。教育労働者がこの言葉に震え上がり、不起立闘争を自己規制することにこそ狙いがあったのだ。
しかし、こんなものにおびえて生徒指導をする教育労働者など誰ひとりとしていなかった。そして卒業式において教育労働者とともに高校生も断固として不起立を貫いている。都教委・中村は、ますます拡大する不起立闘争に追いつめられ、新通達を出さざるをえない事態に追い込まれたのだ。
新通達は、新たな不起立者の続出、都庁職員の派遣による監視=現認態勢の崩壊など、10・23通達を突き崩す闘いの発展に恐怖した都教委のあがきである。生徒への「日の丸・君が代」の強制、「国のために命を投げ出す青年づくり」がファシスト石原都知事の狙いであることを自ら暴露した都教委に抗議を集中しよう。
このような都教委の最後のあがきを打ち破って、堂々と不起立闘争を闘いぬこう。勝利の展望は完全に切り開かれている。今春卒業式・入学式闘争の爆発で10・23通達もろとも新通達を最後的に粉砕しよう。
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週刊『前進』(2239号3面4)(2006/03/27)
杉並 納冨教育長辞任に追い込む 新城区議「教科書撤回し責任とれ」
3月14日の杉並区議会予算特別委員会で、都政を革新する会の新城節子区議が納冨善朗杉並区教育長の辞任問題を追及した。納冨教育長辞任が「つくる会」教科書採択に対する労働者人民の怒りの声と採択撤回へ向けた闘いに追いつめられたものであることが明らかになった。
また、新城区議が「つくる会」の八木秀次・藤岡信勝解任問題を追及するや、納冨教育長はまったく答えることができず、その打撃感をあらわにした。
この日、質問に立った新城区議は、納冨教育長自身が「任期いっぱい務めるのが責任」と言いながら任期途中で辞める理由をただした。
納冨教育長は当初、「すでにお答えした」として回答を拒否しようとしたが、新城区議は、保護者や教員が採択撤回に立ち上がっていること、勇気ある教員の調査報告書書き換えの告発で採択手続きの不正が暴かれ、報復処分攻撃に対しても逆に都教委・区教委への怒りが拡大していることを突きつけた。
納冨教育長は、「新教育ビジョンの中で教育の内容、質に切り込んでいく時に、今までの自分の資質では追いつかないと率直に感じる」「新しいプロジェクトにあった人材に切り替えた方がいい」という説明で事態の本質を隠そうとしてきた。その一方で「能力は潤沢にある」などと虚勢を張った。
しかし、追いつめられた納冨教育長は、「新城区議のせいかもしれない」などと言い出し、「つくる会」教科書採択以降「辞任せよ」と言われた日付を挙げるという醜態をさらした。
新城区議は「責任をとれと言ったのだ。『つくる会』教科書採択を撤回してから辞任せよ」と追撃した。
さらに新城区議は、「つくる会」が会長の八木、副会長の藤岡という教科書代表執筆者が解任されたことを取り上げ、「このような教科書を採択したことを反省すべきではないか」、歴史を歪曲し差別をあおる教科書を使わせるのかと追及した。納冨教育長は、「教科書採択は昨年8月12日に終わったことです」とひたすら逃げた。どこまで卑劣なのか。絶対に許すわけにはいかない。
(写真 3月14日の杉並区議会予算特別委員会で納冨教育長【左後ろ向き】を追及する新城区議)
後任の井出(都教育庁指導部長)も許さない
新城区議はさらに、山田宏区長が新たな教育長に都教委のもとで教育労働者への処分を執行してきた都教育庁指導部長の井出隆安を任命しようとしていることを弾劾した。山田区長は追いつめられ、反動的巻き返しに全力を挙げてきている。4月からの「つくる会」歴史教科書使用に向けて、反動攻撃をかけてきているのだ。
この問題をめぐっては、杉並区教育委員会が3月6日に非公開で行われたことが明らかになっている。慌てて教育委員会を開き、納冨教育長辞任の承認を強行したのである。巻き返しのための超反動的人事を強行しようとしている山田区長の焦りに駆られた姿が如実に示されている。
全都の教育労働者を先頭とする不起立決起で「10・23通達」はボロボロになっている。しかし、この3年、400人以上の教育労働者を処分し、その手を血で染めている井出を絶対に許すことはできない。杉並の「つくる会」教科書採択撤回の闘いは重大な決戦局面を迎えている。17日の井出都教育庁指導部長の杉並区教育長任命を阻止する闘い、22日の杉並区教育委員会闘争に決起し、なんとしても「つくる会」教科書採択を撤回させよう。「日の丸・君が代」闘争と完全に一体化させて全力で闘おう。教育基本法改悪・改憲阻止、闘う日教組再生をかけて闘おう。
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週刊『前進』(2239号3面5)(2006/03/27)
「つくる会」崩壊の危機 八木・藤岡を解任、西尾は脱会
杉並での激突の総括で内紛
「日の丸・君が代」不起立闘争の爆発と杉並の教科書闘争の不屈の発展は、石原・都教委とそれを支えてきたファシスト勢力を重大な危機にたたき込んでいる。何よりも、「新しい歴史教科書をつくる会」をついに組織崩壊のふちに追いつめるに至っている。
(写真 昨年7月27日の杉並区教委包囲デモ。この力が今「つくる会」を窮地に追い込んでいる)
「つくる会」のホームページや産経新聞などの報道によれば、昨年9月以降、杉並での教科書採択の総括などをめぐって「つくる会」の内部で激しい紛争が発生し、今年に入ってそれまでの執行部が総瓦解(がかい)するという決定的な事態に発展した。
2月27日の理事会で「つくる会」会長の八木秀次と副会長の藤岡信勝、事務局長の宮崎正治に対する解任決議がそろって採択された。いずれも激論の末に、八木は6対5、藤岡は7対4の多数決で解任が決定されたのである。八木はその後の声明で、解任は「受け入れることができない」「返す返すも無念」と泣き言を並べ立て、「とき至り、私が必要とされるようになった暁には再び運動の先頭に立つ所存」とわめいている。
これに先立つ1月の理事会では、「つくる会」の初代会長であり名誉会長に就任していた西尾幹二が、八木らとの対立の中で辞任した。西尾はインターネット上でそのいきさつを公表し、「つくる会」への絶望を告白し、今後は「つくる会」を脱会して一切の関係を絶つと宣言した。
「つくる会」は西尾と藤岡の2人が呼びかけて創立されたものだ。そして八木と藤岡はそれぞれ、「つくる会」の公民教科書と歴史教科書の代表執筆者だ。この創立者・執筆者が全員、辞任もしくは解任となったということは、「つくる会」の大破産を示すものである。「つくる会」というファシスト組織のもつ根本的な不正義性と反人民性、それゆえの積もり積もった危機と腐敗が内紛として爆発したものだ。その反革命の正体が労働者人民の断固とした闘いで明るみに引きずり出されることにより、ついに組織の自壊、自滅の時を迎えたのだ。
この危機爆発の引き金を引いたのは、昨年の教科書採択をめぐる東京・杉並での激突である。
「つくる会」は当初「全国で10%、東京で50%の採択をめざす」と豪語していた。そして都知事石原と一体のファシスト山田を区長とする杉並をその最大の突破口として、全体重をかけた攻撃をしかけてきた。これに対して、闘う杉並区民や教育労働者を先頭に労働者人民の真っ向からの怒りの反撃がたたきつけられた。「つくる会」派は不正と無法の限りを尽くしてかろうじて「歴史」教科書の採択を強行したが、その戦略は大破産し、全国での採択率は「歴史」が0・39%、「公民」が0・19%という惨敗に終わった。
昨年9月、この敗北の総括をめぐって「つくる会」の内紛が始まった。そこで藤岡らは「左翼集団に対する適切な反撃」を組織できなかったことに最大の敗因があるとした。藤岡はとりわけ杉並での攻防に言及して、労働者人民の区役所包囲に対抗する右翼側の大動員の組織化に立ち遅れたことや、反対派の教育委員への個人攻撃を早い段階から開始しなかったことを問題視し、この「攻撃性の欠如」を克服せよと強力に主張したという。要するに、もっとむきだしのファシスト暴力をふるって反対派を徹底的にたたきつぶさなければ採択の拡大はもはや困難とみているのだ。
そして、誰に敗北の責任を押しつけるかをめぐって激しいののしり合いが繰り広げられ、「つくる会」内での分裂・対立が拡大し、収拾不能となって組織崩壊の瀬戸際まで来たというのが事の真相なのである。まさに、杉並での教科書決戦とその後の採択撤回を求める不屈の闘いが、今や「つくる会」を打倒する決定的な情勢を切り開いたのだ。
教科書採択は撤回以外ない
何よりも、「つくる会」教科書の代表執筆者であった八木と藤岡の解任は、彼らが作った教科書が「つくる会」自身の手によって破産を宣告されたことを示している。
西尾はその脱会声明の中で、05年版の「つくる会」の歴史教科書が、西尾が執筆した旧版を、西尾自身には何の討論も連絡もなしに勝手に大幅に書き換えたものであることを明らかにした。「つくる会」教科書とは、戦争賛美のために歴史の真実をねじ曲げているだけでなく、その作成過程も実に無責任ででたらめなものなのだ。こんな教科書を採択し使用するなど、あらゆる意味で許されない。杉並での4月使用開始を粉砕し、白紙撤回を絶対にかちとろう。「つくる会」の完全打倒へ突き進もう。
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週刊『前進』(2239号4面1)(2006/03/27)
差別糾弾闘争強化・拡大と5万人組織建設の実現へ
解同全国連、第15回大会開く 5・21狭山総決起へ決意
“生きる権利かけ実力で闘う”
部落解放同盟全国連合会(全国連)第15回全国大会が3月5日に兵庫県・西宮市民会館で、6日に東大阪市・荒本人権文化センターで開かれ、全国連同盟員、連帯して闘う労働者・学生ら1100人が集まった。大阪・寝屋川支部弾圧に対する完全勝利、兵庫・播州赤穂支部の新加盟など05年の前進と勝利を確認、06年、差別糾弾闘争、狭山第3次再審闘争、5万人組織建設を飛躍的に前進させることを決意した。
生活地獄には“米騒動”を!
大会1日目、「解放歌」を全体で歌う中、全国連の各県連・支部の荊冠旗が入場、壇上に勢ぞろいし、開会が宣言された。
(写真 「解放歌」の歌に乗って入場した荊冠旗が壇上に勢ぞろいし、部落解放同盟全国連第15会大会の開会が宣言された【3月5日 西宮市民会館】)
主催者として瀬川博委員長があいさつに立ち、当日の沖縄県民大会との連帯を込めて、小泉政権の憲法改悪策動や戦争政治との対決、戦時下で激化する部落差別に対する糾弾闘争強化の方針を打ち出し、「部落差別による生活地獄に対して全国連は米騒動のように生きる権利をかけて闘う」と決意を明らかにし、全国連5万人組織建設を訴えた。
大会開催地・西宮市の芦原支部が歓迎のあいさつで「介護保険の廃止、必要な人に必要な介護を」と訴え、住宅家賃の大幅値上げを取り上げ、「生活がよくならないのは国の責任だ」と糾弾闘争を呼びかけた。
来賓として動労千葉の繁沢敬一副委員長、三里塚芝山連合空港反対同盟の伊藤信晴さん、反戦・福祉議員ネットの5人、革命的共産主義者同盟の天田三紀夫書記長、京大部落解放研究会などが紹介された。動労千葉の繁沢副委員長は、反合理化・運転保安闘争、ストライキで闘うと宣言した。伊藤信晴さんは三里塚闘争が40年培った力で北側延伸着工を迎え撃つと決意表明、3月26日の三里塚全国総決起集会への大結集を呼びかけた。
議案提起に入り、まず05年度活動報告案を全国連中央本部の楠木吉秀事務局長が提起した。第14回大会で宣言した差別糾弾闘争の実践と寝屋川弾圧粉砕の完全勝利を土台に、@昨年3・16狭山第2次再審棄却との闘い、大阪・西郡、寝屋川、荒本、茨城、広島、西宮、大学など全国の差別糾弾闘争、A住宅裁判反動判決との闘い、医療・教育・保育などの要求闘争、B労働者階級との共同闘争としての11月労働者集会――など3大闘争を総括、「法などいらない。部落民自己解放の運動を組織して闘おう」と締めくくった。
差別への怒り共有し運動を
続いて06年度運動方針案を中田潔書記長が提起した。中田書記長は初めに、部落解放運動を取り巻く情勢として、天皇制の護持と自由・平等の基本的人権の制限をうたう自民党新憲法草案が部落差別の強化、戦争国家化を狙っていることを暴露、06年は改憲をめぐる激突であると提起した。
(写真 差別糾弾闘争を軸とする3大闘争の推進で新たな結集をかちとり、5万人組織建設への展望を開いた全国連)
次に、部落民の生活と権利を奪う攻撃が強まっているのは、同和対策事業がなくなったからだけではなく、日帝危機と小泉構造改革攻撃の全体に起因していることを明らかにした。
そして「全国連が行った部落差別に関する意識実態調査によっても、部落差別がなくなっていない現実が明らかになった」とし、「部落差別はなくなった」と決めつけて同和対策事業を廃止した政府や行政(自治体)は不当だと弾劾した。また「そのような政府に屈服した解同本部派の糾弾闘争の放棄と『啓発運動』、権力に依存した『人権擁護』運動は、部落解放にはつながらない」と厳しく批判、「糾弾闘争を基軸とする全国連の部落解放運動が必要だ」と強調した。
そして「全国連は部落大衆と向き合い、被差別体験と差別への怒りを共有し、部落民としての自覚をつくり出し、要求闘争を大衆的な差別糾弾闘争として組織しよう」と運動組織化の要諦(ようてい)を示した。
さらに”法期限切れと同時にまったく闘わなくなった解同本部派ではだめだ。全国連に結集しよう”という機運が播州赤穂支部を始めとして全国で高まっていることを紹介した。
最後に「3大闘争の着実な実践をとおして5万人組織建設を成し遂げよう」と呼びかけた。「差別糾弾闘争をもっと強化し量的にも拡大しよう。差別は絶対に許さないという全国連の気概を示そう。権力犯罪、狭山差別裁判との闘いを最大の差別糾弾闘争として闘おう」と熱く訴え、5・21狭山中央闘争への全国総決起を呼びかけた。
瀬川博委員長、中田潔書記長ほか、中央本部の役員人事案が提案された。
狭山闘争の特別アピールを小森勝重・全国連狭山中央闘争本部事務局長が行い、狭山支部の井田一郎書記長が地元の活動で石川一雄さんとの連帯を強めてきたと報告した。全国の青年が登壇し、青年が作った「差別裁判うちくだこう」の替え歌をともに歌った。
播州赤穂支部が加盟 全国連組織拡大へうねり
次に全国連の05年度の運動と組織建設の前進を示す諸報告が行われた。
兵庫・播州赤穂支部結成の報告として、新支部長が全国連に結集した経緯と理由を語った。「(解同本部派の)兵庫県連は暴力団と結びついて、事実の調査や確認会もないままの間違った『差別糾弾闘争』をやっている。それを指摘してもまったくあらためない。兵庫県連の運動は大衆運動になっておらず、利権にまみれているが、全国連は大衆運動の質をもっている。部落解放運動は黎明(れいめい)期を迎えた。播州赤穂支部の結成は、全国連の皆さんとともに闘うという決意の表明です」。長年の熟慮と経験に基づく重みのある選択だ。全国連への強い確信を表明した報告は大きな拍手で迎えられた。
各地の同住連(同和住宅家賃値上げ反対全国連絡協議会)組織の代表が並んだ。今、全国の部落の解放住宅は、国土交通省の指導に基づく応能応益制度の導入で大幅家賃値上げ攻撃にさらされている。元々数千円だった家賃が段階的引き上げで07年4月から約12万円にされる。この大幅値上げは部落差別であり、不当だと訴えた訴訟で、05年は最高裁確定判決を含む反動判決が次々と出され、激闘に次ぐ激闘の年となった。同住連の東口博代表は「国の施策は間違っている」と断罪、団結して昨年以上に闘おうと力強く宣言した。
大阪・八尾市西郡の差別糾弾闘争を闘う人びとが登壇した。西郡では昨年、八尾北医療センターの予算を審議する市議会を傍聴した日本共産党支持者の部落差別発言をめぐる糾弾闘争が闘われた。住民や労組が闘う中で本部派に代わる新しい部落解放運動が必要だという機運が高まっていると報告された。
医療制度改悪で危機にさらされる部落の診療所を守るため「解放医療交流会」が始まったと紹介され、結集が呼びかけられた。
さらに自治体の現業労働組合の活動報告として、清掃職場で闘う労働者が民営化や差別的低賃金、定員削減=職員不補充による合理化=労働強化と闘っていることを報告した。
全国各地での意識調査の取り組みの報告では、兵庫・芦原支部と広島支部の代表が「住宅家賃の大幅値上げ、根強い結婚・就職差別、生活危機などで部落の中に差別への怒りが強まっていることが分かった。部落大衆の意識と結びつき差別と真っ向から対決する運動を」と展望を語った。
1日目のまとめとして村上久義副委員長が「マグマがふつふつとわき上がるような盛り上がりを感じる。全国連組織建設、5・21狭山闘争への結集のためにがんばろう」と述べた。
2日目は、@差別糾弾闘争・狭山闘争、A生活要求闘争、B労働的要求、C共同闘争、D理論闘争――の各分科会が行われ、討論が深められた。最後に全体会議を再開し、全議案・決議案・スローガンを採択した。
全国連の1年間の組織的な前進、新たな結集が感動的に確認され、闘いを放棄した本部派に代わり、全国連が主流派として差別糾弾闘争を基軸とする大衆的な部落解放運動をつくり出そうという気概と展望のあふれる大会となった。
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週刊『前進』(2239号4面2)(2006/03/27)
法政大弾圧に直ちに反撃 “大学・警察の計画的弾圧”
大山全学連前委員長が緊急会見
3月14日の法政大弾圧が強行された同日夕刻、全学連の大山尚行前委員長と一瀬敬一郎弁護士が千代田区霞が関の弁護士会館で緊急の記者会見を行った。織田委員長を始め三役や中央執行委員のほとんどが逮捕されたため急遽(きゅうきょ)大山前委員長による会見となった。
大山前委員長は、立て看板の撤去作業そのものがなかったこと、したがってそれを妨害した事実はないこと、またデモ後、学生は平穏に正門から学内に入り、大学当局もまったく制止していないことから「建造物侵入罪」は百パーセント成立しないことを明らかにした。そして警察発表をうのみにした報道の事実誤認を指摘し、訂正を求めた。特にフジテレビが逮捕の瞬間を撮影・放送したことは、今回の弾圧が大学当局と警察が綿密に計画したものである証拠だと強調した。
さらに続けて、この弾圧は、教育基本法改悪や憲法改正国民投票法案が国会に出される中で、大学内でのビラの配布や看板の設置を禁止し、それに反対する学生を警察に売り渡すという戦前の治安維持法や特高警察のやり方と同じであると厳しく弾劾。必ず29人を取り戻すと語気を強めた。
一瀬弁護士は、大学側が「警察に聞いてくれ」と事実関係を明らかにすることを拒否していることについて、大学側の通報と要請がなければ今回の弾圧はないと大学当局を強く批判した。また改憲に反対する学生の意思表示を警察から守るのではなく、逆に学生を警察に売り渡したと弾劾し、法的な反撃も含め、不当弾圧と闘うことを明らかにした。
(写真 弾圧の真相を明らかにし、法大と警察の計画的弾圧だと弾劾する全学連の大山尚行前委員長【3月14日 弁護士会館】)
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週刊『前進』(2239号4面3)(2006/03/27)
法政大名誉教授・弁護士・出身者 救援会を設立
救援署名・カンパを
3・14法大弾圧から1日も空けずに法政大学の教授や弁護士、法政大出身者によって「29人の学生を釈放しろ!3・14法大弾圧救援会」が直ちに設立された。救援会は学生の釈放を要求する賛同署名を呼びかけ、救援カンパを募っている。今後、不当弾圧粉砕へ、さらに呼びかけ人と賛同人の陣形を拡大し、さまざまな行動を展開する予定。
◎呼びかけ人
吉川経夫(法政大学名誉教授・刑法学者)/葉山岳夫(第二東京弁護士会)/大口昭彦(第二東京弁護士会)/一瀬敬一郎(第二東京弁護士会)/伊藤えりか(法政大学第一法学部自治会元委員長 学生会館学生連盟元理事長)
◎29人の学生の即時釈放を求める賛同署名
名前、所属団体・職業、住所、電話番号、メールアドレスと一言メッセージを添えて郵便・FAXなどで送って下さい。併わせて救援カンパもお願いします。
◎連絡先 29人の学生を釈放しろ!3・14法大弾圧救援会【住所 東京都港区新橋2−8−16石田ビル4階(救援連絡センター気付)/電話 090−4812−7003/FAX 03−3591−3583/E-mail houdaikyuuenkai@yahoo.co.jp】
◎カンパ振込先 三菱東京UFJ銀行 錦糸町駅前支店 普通 3520695 法大弾圧救援会
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週刊『前進』(2239号4面4)(2006/03/27)
仕組まれた弾圧 この映像が決定的証拠
(写真 上左=@、上右=A、下左=B、下右=C)
上の写真は当日午後5時のフジテレビのニュース報道から。逮捕の瞬間を撮影した映像の存在自体が、大学当局と警察が最初から計画的に仕組んだ弾圧だったことを示している。@デモを終えた全学連がまったく平穏にキャンパス内に入っていく。A立て看板の前に座り、シュプレヒコールをした瞬間、約200人の私服警官が突如、一斉にキャンパス内に乱入し、B学生に襲いかかり殴る蹴るの暴行を加えたあげく、C羽交い締めや2〜3人がかりで担いで警察車両に連行し、全員を逮捕した。
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週刊『前進』(2239号4面5)(2006/03/27)
飯田橋で抗議ビラ
法政大当局に批判が噴出
3・14弾圧の翌日、全学連OBらが法政大学の最寄り駅であるJR飯田橋駅前で29人の即時釈放を訴えるビラを配った。前代未聞の政治弾圧に多くの通行人がビラを受け取り、大きな反響があった(写真)。
駅前では立ち止まってビラを読み、さらに詳しい説明を求める人やビラの内容に賛意を示して、「法政大学はここまで堕落したのか」「ビラや看板禁止に抗議の声を上げただけで全員逮捕なんて……」などの声が多数寄せられた。
法政大学周辺では私服警官が徘徊(はいかい)し、最寄り駅での抗議のビラまきに対しても制服警官が執拗(しつよう)に妨害した。ビラを受け取った通行人は「ビラを受け取って何が悪い」と妨害する警官に対し厳重に抗議した。弾圧をはねのけ断固としてビラまきをやり抜いた。
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週刊『前進』(2239号4面6)(2006/03/27)
前日 法大でデモ・集会
徹底闘争を訴え
弾圧があった前日の3月13日、立て看板とビラの禁止に反対する法大生と全国の学生代表が法政大学のキャンパスに集まり、抗議の集会とデモを行った。
デモは大学を出発して、JR市ケ谷駅前など法政大学周辺を周回し、「立て看板の規制をするな」「ビラまきの自由を守れ」と訴え大きな注目を集めた。
その後、55年館前に全学連が出している大きな立て看板の前で集会を行い、法政大の学生らが今回の看板・ビラの禁止の攻撃は、@改憲反対運動に対する圧殺、Aサークル活動など自主活動の禁圧、B法大生を無視し、踏みにじる攻撃−−だとして、1ミリの譲歩も認められず、徹底して闘うことを訴えた。
法大当局は多数の教職員を動員して、威圧的に「集会をやめて退去しろ」「従わなければ警察に通報する」と大音量の構内放送をくり返した。副学生部長の教員は「法政大学は改憲反対ではない。反対するわけないだろう」と怒鳴り、改憲に反対してゼネストを呼びかけるなどの言論・表現活動を一切禁止し、全学連の学生を警察に売り渡すことさえ公言した。
(写真 看板・ビラの規制に抗議し、法大キャンパス周辺をデモ行進する全学連【3月13日 千代田区】)
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週刊『前進』(2239号4面7)(2006/03/27)
3月8日〜14日
ブッシュ再び「悪の枢軸」論
日米初のミサイル共同実験
●小泉「譲歩するな」 自民党の山崎安全保障調査会長が小泉首相と会談し、普天間飛行場移設をめぐり、名護市が市議会で許容範囲を図示したことを報告した。小泉はキャンプ・シュワブ沿岸案の修正については「政府案を譲歩すると新しい問題が起こる」「政府案でやってほしい」と否定的な考えをあらためて示した。(8日)
●日米共同ミサイルの実験 米国防総省ミサイル防衛局は、日米共同による初めての海上配備型の次世代迎撃ミサイル(SM3)の実験をハワイ沖で行い、成功したと発表した。(8日)
●小泉、教基法改悪で指示 小泉首相は自民党の武部幹事長と会談し、教育基本法改悪について、「やると決めた以上は、早く与党間で最終案をまとめる必要がある」と述べ、急ぐよう指示した。(9日)
●代用監獄存続法案を閣議決定 政府は未決拘禁者(収容されている容疑者や被告)の処遇などを定めた「刑事収容施設・被収容者処遇法案」を閣議決定した。(10日)
●イランと北朝鮮は「悪の枢軸」再び ブッシュ米大統領がワシントンで行った講演で、イランと北朝鮮の脅威について「以前の演説で悪の枢軸があると言った。これはイランと北朝鮮を含んでいる」と発言、02年の一般教書演説で用いた「悪の枢軸」の表現を再び持ち出した。(10日)
●米軍機訓練、空自基地に分散移転 日米両政府は、ハワイで開いていた在日米軍再編に関する外務、防衛当局による審議官級協議で、嘉手納(沖縄県)、岩国(山口県)、三沢(青森県)の各米軍基地を拠点とする戦闘機訓練を5カ所の航空自衛隊基地に一部分散移転することで基本合意した。横田基地(東京都)の航空管制空域の一部返還でも大筋合意した。(11日)
●9割が艦載機移転に反対、岩国の住民投票 在日米軍再編の中間報告に盛り込まれた厚木基地(神奈川県)から岩国基地への空母艦載機移転の賛否を問う山口県岩国市の住民投票の投開票が行われ、反対が4万3433票と投票総数の9割近くを占めた。投票率は58・68%で、反対は投票有資格者の過半数を超えた。(12日)
●小泉「岩国移転計画の変更考えない」
小泉首相は岩国市の住民投票の結果について「(方針に)変わりありません」と語り、岩国移転計画を変更する考えはないとの認識を示した。(13日)
●「君が代」斉唱、生徒起立徹底を 東京都教育委員会は、「君が代」の起立斉唱について、「生徒への指導を教職員に徹底するよう」命ずる通達を都立高校長らに出した。(13日)
●「自衛隊撤収の状況にない」 谷内外務事務次官が記者会見で、イラク南部サマワに駐留している陸上自衛隊の撤収時期について、イラクでの新政権発足の遅れなどから、撤収判断は先送りせざるを得ないとの考えを示した。(13日)
●中国首相、日中関係改善は「靖国」解決が前提 中国の全国人民代表大会が終わり、温家宝首相は閉幕後の会見で、日中関係について「確実に多くの困難に直面している」と指摘し、原因は日本の指導者の靖国神社参拝にあると述べ、「この問題が解決できなければ、日中関係の順調な発展は難しい」と指摘し、関係改善の前提として靖国問題を改めて提示した。(14日)
●米軍再編、沖縄海兵隊グアム移転費の75%、日本が負担を 米国防総省当局者は、在日米軍再編に伴う沖縄海兵隊のグアム移転費用が総額100億j(約1兆1800億円)に上り、そのうち75%の負担を日本に求める案を日本側に提示したことを明らかにした。(14日)
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週刊『前進』(2239号5面1)(2006/03/27)
住民投票 米軍再編に大きな打撃
90%が艦載機移駐に反対 岩国“基地強化は絶対認めぬ”
3月12日、山口県岩国市で米空母艦載機の厚木基地からの移駐案受け入れの是非を問う住民投票が行われた。投票率は58・68%となり、開票の結果、「受け入れ反対」は43433票に達し、「受け入れ賛成」の5369票の8倍以上になった。反対票がなんと全投票者の約90%を占めたのだ。決定的なのは、受け入れ反対票が全投票有資格者の51・3%を占めたことだ。岩国の全投票有資格者の過半数の住民が、3・5の沖縄県民の決起に連帯して、「基地の強化は認められない」という意思を反対票の投票という行動で示し、地元の積年の怒りを政府にたたきつけたのである。
(左写真 岩国基地の航空写真)
積年の怒り小泉に突きつけ
日米安保の大改定である05年10月29日の「米軍再編中間報告」に対する全国初の住民投票で、「受け入れNO!」の住民の意思が示された。小泉政権は打撃感を隠しようもない状況である。特に、安倍晋三官房長官の地元から「反乱」の火の手が上がったことの意味は大きい。
(写真 基地に隣接する座間公園で2600人が参加し開かれた決起集会【3月12日】)
また、沖縄新基地建設反対の3・5沖縄県民大会が3万5千人の大結集で成功し、「中間報告」に基づく新たな「琉球処分」への怒りのマグマが大爆発を始めた中で、全国の熱い注目にこたえ岩国の住民は鮮明に拒否の意思を示したのだ。
岩国への米軍艦載機移駐の計画が発表されて以来、岩国市と周辺市町村、県境を越えた広島県西部の住民が「住民の会」を結成し、労組も集いなどを繰り返し、「反対」の声を上げてきた。そうした中で、自治体の首長も国に「計画の白紙撤回」を申し入れる情勢であった。しかし、政府と自民党は恫喝と「地元振興策」の懐柔で保守派議員や商工会などを使って分断を持ち込み、住民の声を圧殺しようとしてきた。こうした政府の住民無視のやり方に地元の怒りが渦巻く中、ついに2月7日、岩国市長は住民投票に踏み切ることを発議、3月5日に告示、12日の投票という経過をたどった。
「百万人署名運動広島県連絡会」はこの住民投票成功のために全力を挙げ、連日、労働者・学生・市民が現地行動を行ってきた。昨年10月23日、連合主催の3千人集会に登場して戦闘的に牽引(けんいん)した。1月22日には百万人署名運動広島県連絡会の呼びかけで岩国基地包囲デモが行われた。さらに、地元住民による「住民投票を成功させる会」が発足し、その呼びかけで3月5日に1500人の大結集で「3・12GO!」の人文字が成功した。
百万人署名運動広島県連絡会は、岩国市で連日の全戸ビラ配布を行い、岩国駅頭でのビラ配布や宣伝カーでの投票の呼びかけなどに取り組んだ。広島県西部地区においても「百万人署名運動西部地区連絡会」が住民投票支援を訴えた全戸ビラ配布を行った。
これに対して地元商工会議所など反動派は、「住民投票に反対する会」を結成し、ボイコットを呼びかける宣伝を開始した。”投票率が50%を超えるかどうか”という息詰まる攻防の中、連日街頭で激突が繰り広げられた。しかし、長年にわたって騒音や基地被害に苦しめられてきた岩国市民は、黙っていなかったのである。
期日前投票が10%を超える中で12日の投票日を迎えた。当日朝からの街宣に対して、「もう行ってきたよ」と晴れ晴れと答える人が多い。「朝鮮戦争の時に基地が強化されひどい状況だった」「振興策の条件などと言うが何を考えているのか」と基地への怒りをぶつける人が圧倒的に多い。
沖縄県民の決起に連帯
政府・自民党が地元振興策を使って「基地受け入れ反対」の声を圧殺してきたが、基地の拡大・強化に戦争の切迫を感じ取った労働者人民はこの日、積年の怒りをついに投票行動として爆発させたのである。沖縄県民の怒りの決起とともに、本土の労働者人民が”万”単位で決起を開始した歴史的瞬間である。
小泉政権は、住民投票の結果を受けて「他の自治体への波及が心配」「防衛は国の専権事項、住民投票は越権行為」「合併で投票の効力は消える」「民主主義の乱用」などと困惑を極め、投票結果を無視して強行突破を狙っている。
こうして、「戦争と改憲」に突き進む以外にない日帝・小泉政権に対する反転攻勢の火の手が岩国からも上がったのだ。この決定的勝利を突破口に、沖縄の闘いと連帯し、本土の労働者人民の総決起で米軍再編「最終報告」を粉砕しよう。「とめよう戦争への道!百万人署名運動」が呼びかける3・19イラク反戦国際行動・東京集会に全国から結集しよう! 岩国でも3月19日、連合・平和フォーラムの呼びかけで岩国現地3000人集会と基地包囲の”人間の鎖”が開催される。
この攻防に勝利する道は、自治労・教労を先頭とした労働者階級の総決起にかかっている。3〜4月の「日の丸・君が代」不起立の闘いと一体で、4大産別を始めとした労働者階級の反基地闘争の大爆発をつくり出そう。連合の改憲路線を打ち砕く大きなカギがここにある。沖縄の闘いにこたえ、岩国住民投票の成果を引きつぎ、全国の反基地闘争を爆発させよう。
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週刊『前進』(2239号5面2)(2006/03/27)
座間・相模原 “移転案撤回せよ”
沖縄・岩国と連帯し集会
3月12日、神奈川県の米軍座間基地脇の座間公園で「米軍再編・基地強化反対!3・12行動イン座間・相模原」が開かれた。主催は「米陸軍第1軍団の移駐を歓迎しない会」「原子力空母の母港化に反対し基地のない神奈川をめざす県央共闘会議」「神奈川平和運動センター」がつくる3月行動実行委員会。地元・神奈川の労働者を中心に、自治労や日教組、全逓(JPU)、国労、私鉄・民間の労組、市民団体など全国から2600人が集まり、移転案粉砕へ意気高く集会とデモをかちとった。
(写真 基地に隣接する座間公園で2600人が参加し開かれた決起集会【3月12日】)
米軍再編と日米安保強化の攻撃として、キャンプ座間には、米ワシントン州から陸軍第1軍団司令部の移転と、自衛隊が新たに創設する陸自中央即応集団の司令部の設置が計画されている。また、これと一体の攻撃として、相模総合補給廠(しょう)の運用強化と、そこへの陸自1300人の緊急即応連隊の配備が計画されている。米軍と自衛隊は陸(座間)、海(横須賀)、空(横田)で日米の司令部を一体化し、朝鮮・中国侵略戦争の態勢を決定的に強めようとしているのである。
こうした攻撃を絶対に許さない決意と怒りを込め、また沖縄・岩国の闘いと固く結合して、闘いは戦闘的に打ち抜かれた。
県央共闘の大波修二代表は、学習会や全戸ビラ配布などを積み重ねて、3月5日、11日に基地前座り込み行動を闘ったことを報告した。そして、不当な移駐を阻止するために、これからも市民・県民に広く訴えて、運動を強めていく決意を表明した。
連帯のあいさつで沖縄平和運動センターの山城博治事務局長は、3・5沖縄県民大会が3万5千人の大結集で打ち抜かれたことを報告するとともに、これに打撃を受けた政府が「問題がこじれたら、沖縄への振興策は、なしにしなければならない」などと公言し、県知事の権限まで奪い取って沖縄県民に襲いかかってこようとしていることを徹底的に弾劾した。そして、「次は5万人、10万人を結集し、全国の仲間と連帯して米軍再編をぶっ止めるまで闘う」と力強く決意を述べた。
さらに横浜、厚木の闘いの報告が行われ、山口県平和運動フォーラムの中嶋光雄議長が岩国の住民投票の闘いを報告した。社民党の阿部知子衆院議員は、イラク派兵の自衛隊員3人が帰国後に自殺し、自殺未遂や不眠症で苦しむ隊員がたくさんいることを報告し、米軍再編とイラク派兵に反対しようと呼びかけた。
集会後、プラカードや横断幕、組合旗や色とりどりの旗を掲げて、約3・5`のデモ行進が行われた。正面ゲート前では、新司令部の移転計画の撤回を求める申し入れが行われた。また各団体がゲート前で立ち止まり、「米軍再編を許さないぞ」「移転案を白紙撤回せよ」など怒りのシュプレヒコールを上げた。
次々と押し寄せるデモ隊の大波に、この日の座間基地はゲートを固く閉ざして打ち震えていた。参加者は米軍再編粉砕、基地撤去まで闘う決意を打ち固めた。
「米軍再編」最終報告が3月下旬にも出されようとしている。これは、日米軍事同盟そのものの大改変であり、米日帝国主義による中国・北朝鮮侵略戦争の戦争態勢づくりである。米軍再編・日米安保大改変を絶対に粉砕しよう。
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週刊『前進』(2239号5面3)(2006/03/27)
米軍再編と闘う沖縄(1)
沖縄から、本土から、米軍の居場所をなくす闘いを
基地・軍隊を許さない行動する女たちの会 桑江テル子さん
――3・5県民大会で女性を代表して登壇した桑江テル子さんは、まず民謡「艦砲ぬ喰え残さー(カンポーヌクェーヌクサー)」の一節を歌った。沖縄戦の体験から〈沖縄人はなべて、艦砲射撃の食い残しだ〉という反戦歌。
桑江 なぜ真っ先に「艦砲ぬ喰え残さー」を歌ったのかと記者にも聞かれましたが、23万人あまりの犠牲者を出したあの戦争から60年間たっているんだよ、60年間も米軍基地を沖縄に押しつけているんだよと強調したかった。そして結論は、もうだまされんぞ、認めるわけにいかんぞ、どんなことがあっても新基地建設は許せんぞ、と。
あと1分あれば、特措法のことを言いたかった。軍用地、土地の取り上げでも、政府は負けそうになるとルールを新しく作るんです。このずるいやり方を追及したかった。さらに1分あれば、思いやり予算のことを言いたかった。
ベトナム戦争後、ドルが下がり、アメリカ経済が落ち込んだ時にアメリカは、基地従業員の健康診断の費用、62億円を日本政府で持ってくれんかと言った。地位協定に照らしても基地従業員の福利厚生費を日本が負担する規定はない。当時、防衛庁長官だった金丸信が”まあアメリカに対する思いやりだ。たった62億じゃないか。出してやれ”と言って始まったのが「思いやり予算」です。翌年、日本政府は特別協定を作り、超法規的に出した62億円を裏付けるために後から法律を作り変えたんです。特措法と同じです。それが今は年間3000億円です。私はこれを黙って許すわけにはいかないんです。
8万5千人が集まった95年の県民大会は、基地の整理・縮小と地位協定の抜本的な改定を求めた。超党派でしたから基地撤去までは言えなかった。じゃ沖縄から整理・縮小して基地はどこに持っていけばいいのか。
大阪へ、東京へ、本土へ持っていってとは言えませんですよ。沖縄の痛みは取り去ってほしいのであって誰かに移してほしいのではないのです。普天間の痛みを辺野古に移してほしくない。同じ理屈なんです。
沖縄は、1952年のサンフランシスコ講和条約の時に27度線で切り離された。そして27年間、アメリカの軍事支配下に置かれた。その27年間に本土にあった基地を沖縄に移したんです。
これを私は政治差別と言うんですが、施政権は返還されて、27度線は消えたけれど、基地はそのまま、自衛隊まで来たんです。核もあるかないか聞いたらノーコメントと言いますからあるんでしょう。沖縄の負担は一向に減らない。施政権返還を逆手に取って、日米の政府は沖縄の基地の固定化を図った。安定して基地の島として使えるように密約を交わしたんです。
だから独立論も出ちゃう。常にだまされ続けて、日本政府は信じられんということにつながっている。沖縄の民衆が本土不信になるのはそういう背景がある。
――米軍再編が進められる中、全国に反基地闘争が拡大している。「じゃあどうすればいいのか」と、桑江さんは全国の闘いに期待を寄せる。
桑江 岩国の住民投票が成功しました。各地でしっかりと闘ってほしいと思うんです。本当に命懸けで、どこでも同じ気持ちで立ち上がって闘ってほしい。ここでもあちらでも跳ね返し、みんな跳ね返して、どこにも米軍の居場所をなくする。
県民大会には3万5千人が集まりました。中部からも北部ヤンバルからもたくさん来た。でも欲を言えば5万人集まって、沖縄全体の意志、力を示したかった。稲嶺知事は沿岸案反対と言っているけれど、海上案なら苦渋の選択だ、あれならいいと今でも言っている。少し修正したらどこかに認めるということになりかねない。ここは追及していかなければいけない。
日米政府は強権的なやり方をまた押しつけてくるのではないかと思うのです。常にアメとムチです。ムチを加えて、時々アメを与える。それは毒入りまんじゅうです。あなたがあたらなくても、子や孫の体が腐っちゃうよ、と。
今後も一緒に頑張っていきたいなと思います。
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週刊『前進』(2239号5面4)(2006/03/27)
反対同盟からアピール 決戦の3・26三里塚へ(下)
破綻した空港建設 事務局次長 萩原進さん
成田空港が乗降客で混雑している映像だけ見せられていたら、三里塚がどうなっているかは分からないだろう。結論から言えば、国策としての成田空港建設は破綻(はたん)している。4000b滑走路1本プラス暫定滑走路という惨めな現実はその象徴だ。三里塚40年の農地死守・実力闘争が、権力と四つに組んで負けていないということだ。
政府・空港公団のやり口は、強制代執行、鉄塔破壊、大木よねの土地の強奪、現闘本部の封鎖等々、国家権力の巨大な暴力と卑劣なだまし討ちだった。人を人とも思わない、民主主義のかけらもない、ただ飛行機を飛ばすことしか考えていない。そのごまかしのために一度は「陳謝」とか口にしながら、今度は飛行機を頭上40bに飛ばして「さあこれでも出ていかないのか。次はジャンボも飛ばしてやるぞ」と、本来予定地でないところまで滑走路を延ばそうとしている。これが北延伸攻撃だ。
ではわれわれは敵に押されているのかといったら、そうではない。北延伸は本来あり得ない選択肢を選ばせた結果とも言える。廃棄物処分場移転、東峰の森伐採、国道51号トンネル付け替え工事、どれひとつとっても向こうにうまくやる展望なんかない。しかも1年や2年でどうにかするなんて絶対に不可能だ。
羽田の新滑走路09年完成、航空業界の争闘戦の熾烈(しれつ)化という中で、成田空港の綱渡り的でデタラメな経営の矛盾が早晩爆発することは疑いない。
三里塚の40年は、労働者、学生、被差別部落、「障害者」、沖縄などと連帯して日帝・国家権力と闘う共同闘争の歴史でもあった。この絆(きずな)をより太くすることが三里塚の勝利の保証でもある。特に沖縄を始め全国の反戦・反基地闘争と固く手を携えて闘うことが米軍再編という攻撃のもとで不可欠だ。
昨年暮れから今年の闘いで、自衛隊の成田からのイラク出兵を阻止した。反戦の砦(とりで)としての三里塚闘争の真骨頂を発揮した。三里塚は権力と闘って勝てる闘いだ。3・26現地闘争への大結集を、特に青年労働者と学生諸君に訴えます。
権力打倒する闘い 本部役員 鈴木幸司さん
反対同盟が40年間闘ってきたことは「すごい」けど、同時に「なんでもない」ことなんだ。闘いは生活の一部だったからね。
われわれは「東峰の森を守ろう」と呼びかけているが、あの森は自然にできたものじゃない。今いる市東孝雄さん、萩原進さんの親らが、荒れた土地を鍬(くわ)一丁で耕して、丹精込めて小さな木を植えて育てあげたんだ。誘導路のために伐採しようなんて、絶対認めるわけにいかないよ。農民の苦労なんて、権力の側にいる連中はこれっぽっちも分からないんだろうな。土地を金に換算して、デマ、脅し、暴力という地上げ屋の手口で農民を追い出そうとしてきた。その旧空港公団の談合、腐敗の一部が明らかにされたが、民間会社になっても体質はまったく変わりない。
毎日のように政治家の不正や汚職が報道されている。政治家、官僚、裁判官――こうした連中が自分たちの地位や権威をふりかざして悪行を行っているのは、本当に腹が立つ。一坪共有地の裁判では私も証人として出廷したが、裁判官の態度は実に尊大で「話は聞いてやった」みたいな感じだった。農民の土地を奪うことに痛みなんか全然感じないらしい。許せないよ。
高齢者、「障害者」に対する福祉切り捨ての攻撃が強まっている。人民の暮らしはもうこのままでは生きていけないところにきた。その一方で天皇一家なんかどれだけ贅沢(ぜいたく)してるんだ。学校の卒業式で「君が代」で立たないと教育労働者を処分だって。まるで戦前にわれわれが受けた「死んだら靖国で会おう」という天皇制教育そのものじゃないか。男系も女系もない。天皇制は廃止!
今こそ戦争に突き進む小泉政権への全国の怒りを3・26三里塚に結集しよう。そして集会やって「はいさようなら」じゃなくて、若者・青年労働者が次々と自分の闘いとして三里塚に決起する状況をつくらなくては。
労働者階級がこの国の政権を取らないと政治は根本的に変わらない。今の権力をぶっ倒したいと思っている人は、みんな三里塚に集まってほしい。3・26はそういう闘いの出発点です。
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週刊『前進』(2239号6面1)(2006/03/27)
既存のマスコミの報道姿勢に強い疑念 九州 白石岳志
私はここ数年、マスコミの報道姿勢に強い疑念を抱いてきました。特に先の衆院解散から総選挙の報道はあまりにもひどかったと思います。
読売、朝日など大手新聞は郵政民営化は正しいと主張しました。郵政民営化が争点であるといわれていた選挙で、このような報道をすれば有権者の多くが影響され、投票結果に多大な影響を与えることはわかりきったことだと思います。
テレビは新聞よりもさらにひどい報道ぶりでした。ワイドショーのように、小泉の放った刺客を中心にする番組は論外ですが、問題はそれだけではありませんでした。
選挙戦になるとニュース番組や特番などで党首討論などを行います。こういった番組で司会者は公正な立場で進行しなければなりません。しかしそれをやらず、えこひいきをしていました。
たとえば、みのもんたは朝の番組で、郵政民営化に反対する野党の代表者たちに激しい罵声(ばせい)を浴びせていました。報道ステーションの古館伊知郎は、野党側が民営化反対の主張をしているのを途中でさえぎり、何の必然性もないのに自分が民営化に賛成であるとその場で表明しました。
テレビの場合は放送法によって公正で中立な報道をしなければならない規定があります。この規定に違反しているのは明らかで、このことを誰も問題にしないのはおかしいと思います。
今回の選挙を通じて、既存のマスメディアがすべて帝国主義国家権力の手先であることが証明されました。小泉内閣は大きな問題をいくつも抱えています。しかし民主党の「メール問題」により、すべて不問に付されたような形になりました。
今後、国家権力を打倒するにあたって、権力と一体になったマスコミの報道は脅威となってくるでしょう。それに負けないためにも『前進』を拡大し、正しい情報を労働者人民に広める必要があると思います。
「すべてのものが階級的である」と学んだ 東北大学 本田 翼
改憲阻止、戦争協力拒否の労働者の闘いが爆発している今、学生にもマルクス・レーニン主義で武装しともに闘うことが求められていると思います。
そこで、私たち東北地方の学生は、マルクス・エンゲルスの『共産党宣言』を学ぼうということで、2月に理論合宿を行いました。農民問題や家族の廃止とはどういうことなのかなど、活発な議論が行われ成功しました。
私は、「今の世の中はすべてのものが階級的である」という、マルクスの階級的なものの見方をつかむことが重要だと思いました。本書の第2章の中には、資本家階級との討論をするところがあります。「財産」「祖国」「家族」など、“ブルジョアイデオロギーをぶった切ることで、労働者を資本家の支配から引きはがし獲得できる!”というマルクスの確信が読み取れます。
階級性をつかみ、労働者階級の革命性に無限の信頼を置くマルクス主義は、本書の刊行から160年がたとうとしている現在でも通用します。いや、むしろ資本主義・帝国主義が経済的にも崩壊しつつあり、同時に昨年の11・6集会が成功し、4大産別の労働者の感動的決起が爆発している今だからこそ、マルクス主義が求められています。
現在、小泉や「つくる会」らによって、より反動的なブルジョアイデオロギーが暴力的に押し付けられています。しかも、それがあたかも階級を超越し、資本家にも労働者にも全人民に共通の利害であるかのような幻想を振りまいています。学生もテレビ、新聞、授業などブルジョアイデオロギーがまん延した中で生きています。その中で、資本家階級に対する怒りを抑えつけられています。
だからこそ、私たちはマルクスがやったように、マルクス主義で武装し、ブルジョアイデオロギーを粉砕して労働者・学生を獲得していくことが重要になっているのだと思います。
これで労働者は帝国主義打倒の団結形成・拡大を! 学生は全国学生を獲得し、改憲阻止ゼネストへ!
卒業式闘争の門前に住民が手紙とカンパ 東京 大芝 智
都立高校の卒業式のビラまきに私も連日決起しました。今年の特徴として、保護者の反応が顕著に分極化してきたことがあげられます。「ご苦労様」と笑顔で声をかけてくれる人、その反対に「あなたは日本人ですか?」と言ったりビラを破り突き返す反動分子がいるという具合です。
その中である高校での忘れられないうれしい出来事がありました。犬を連れて通りがかった近所の住民にビラを渡しました。その人がしばらくたってから来て「これ」と言って白い封筒をくれ、立ち去りました。中になんと2000円のカンパと手紙が入っていました。見知らぬ人の温かいご厚意に本当に感謝の気持ちでいっぱいになりました。その後のビラまきに気合いが入ったのは言うまでもありません。
手紙を紹介します。
「寒いのでどうかお体を大切に。子育てに自信はなかったけど、少し自分で物を考えるようになった時、『君が代』を知らなくって驚かれた。君が代はおすもうの時にかかる音楽とずっと思っていたと言いました。校旗ももちろん日の丸もない学校。学年のシンボルマーク六色がありました。私もそんな中で育ちました。今はそういう学校を選んだこと、本当によかったと思います。ただし、××に反対というのも全く学内にはなかった。考えられる人になって自分で考えなさいということでしょうか。
何の活動もしていない私ですが、このことは新聞の片すみにでもありますと、何か痛い気がします。ふせてしまいたい。
カンパですが、お二人さんへ。寒いので是非あたたかいもの召し上がって下さい。老眼なのに、又メガネがない! もう少し、美しい字はかけるのに……。かぜをひかないようにして下さい」
ビキニデー52周年の東京集会に参加して 吉山 彰
ビキニデー52周年の2・26反核集会が東京・杉並で開かれました。
最初に「自衛隊のイラク派兵と劣化ウラン弾被害」について発言した反戦自衛官の小多基実夫さんは、自衛隊員がイラク派兵を忌避するために万引きをした事件を取り上げ、「重大な派兵拒否であり、氷山の一角だ」と指摘しました。
「浜岡原発に奪われた息子の命」と題した嶋橋美智子さんの話は、実に胸に迫ってくるものでした。かつては「息子が原発産業で働くのはとてもいいこと」と考えていたけど、「年間50_シーベルトまでなら被曝(ひばく)してもいいという会社の説明はウソだった」「息子は中部電力浜岡原発(静岡県)で働き白血病にかかり、毎日毎日苦しみぬいて亡くなった」と。息子さんの労災(労働者災害補償保険)を取ろうとした時、涙金でもみ消そうとした会社に納得できず、反原発・反核の運動に支援を受けながらついに労災を認めさせる中で、原発の本当の危険性を知ったと語り、「平和を守ることが一番大切。原発はやめよう、核はやめよう」と訴えました。
沖縄の知花昌一さんと、核燃サイクルに反対して闘う青森県六ケ所村の坂井留吉さんのメッセージが読み上げられました。
続いて、鎌仲ひとみさん(映画監督)をコーディネーターにして大石又七さん(第五福竜丸元乗組員)と肥田舜太郎さん(被爆医師)の反核対談です。
大石さんは、「日本政府はビキニ事件の政治決着を条件にアメリカから原発技術の供与を受け、ここから日本の原子力が始まった」「ビキニ被爆を契機に杉並から原水禁運動が起こり、日本で3千2百万、世界で6億7千万の署名が集まった」けれど、「政府は核兵器反対運動をつぶす目的で原子力の『平和利用』を押し出した」ことなどを明らかにし、「学校で子どもたちに、『軍隊をなくせば核兵器と戦争をなくすことができる』と話している」と反核・反戦の尽きない闘志を示しました。
広島への原爆投下直後に何千人もの被爆者を診た肥田さんは、高熱・紫斑・脱毛、目・口・鼻からの出血……直接ピカにあっていない人で肉親探しや応援で町に入った人も同じような症状で死んでいったと、60年前の惨状を語り、「体内被曝が一番恐ろしい」と強調しました。「戦争をやろうとしている連中は、2千万人死んでも1億人生き残ればいいと思っている。そういう体制をうち倒さない限り核と軍隊はなくせない」と、ものすごい迫力で提起しました。
その後、春闘を安全運転闘争貫徹のストとして闘っている動労千葉、「つくる会」の教科書採択に反対する杉並・親の会、さらに「日の丸・君が代」強制反対の不起立で停職処分を受けた教育労働者が闘う決意を述べました。
最後に主催者を代表して三一書房労組の三角忠さんが、「被爆61周年の8・6を闘おう。4・9六ケ所再処理工場稼働阻止現地闘争を闘おう」と行動提起をしました。
初の日米共同演習と1週間にわたる攻防 日本原現闘 津山 一
前号で報道されているように、日本原演習場での初めての日米共同演習強行に対し、演習実施中の2月19日から25日まで現地闘争が連日繰り広げられた。
(写真 演習初日の2月19日、共同行動連絡会は演習場内の那岐池土堤に集まり「日米演習阻止!)
今回の共同演習強行の目的は、短期間、小規模でも既成事実を重ね、いずれ日米共同演習による演習場全面使用・長距離りゅう弾砲全面射撃に道を開くための第一歩だった。
しかし、1970年以来、長距離りゅう弾砲実射を阻止し続けてきた日本原だ。今回の1週間攻防は、労農学連帯の地平から労働者人民が断固とした反撃に転ずるなら、日帝・自衛隊と米軍の演習場支配などガラス細工のようにもろいことを実証した。自衛隊広報室は演習初日「無事演習場入りできて安心した」と、人民の反撃に戦々恐々としていることを告白した。
戦時下の軍事演習として農民の生活と権利をじゅうりんし、右翼テロをも動員して労働者人民の戦争協力を進めようという上からの内乱的攻撃は、完全に粉砕された。演習場内で生活する農民たちを完全排除し、労働者人民の反撃を圧殺し、広大な演習場を制圧することなど不可能なのだ。むしろ日本原は、日米侵略軍を労働者人民が包囲し、これを解体する内乱の砦(とりで)として打ち固められつつある。
日本原闘争は、2・11から続く日米共同演習阻止闘争をもって、戦時下の反戦闘争として第2次日本原闘争というべき段階に突入した。この闘いは、米軍再編・安保大改定−自衛軍創設・改憲攻撃粉砕の闘いそのものだ。
さらに今回の闘いは、折しも「日の丸・君が代」強制拒否の教育労働者の決起や、自治労・国鉄など4大産別を始めとした春闘と一体の闘いでもあった。
労働者の戦争協力拒否を貫き、日本原農民との労農学連帯を強め、中国・北朝鮮侵略戦争のための日米共同演習・演習場全面使用阻止の闘いに決起しよう!
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週刊『前進』(2239号6面2)(2006/03/27)
共謀罪廃案へ攻勢を 国際共同署名を推進しよう
「共謀罪」法案は、政府・与党が「最優先で審議して今国会で成立させる」として3月中旬の審議入り、月末までの衆院通過を狙っていたが、野党を修正協議に取り込めず、当面、審議は先送りとなった。
(写真 有楽町マリオン前で署名活動【1月28日】)
だが、政府・自民党は、与党単独での審議強行も狙っており、これを絶対に許さないために、一層の大衆運動の爆発が不可欠である。3・14法政大弾圧を跳ね返すためにも、治安弾圧粉砕と共謀罪立法化阻止の闘いは一体の闘いである。
国際共同署名運動」を推し進め、学習会、街頭宣伝、集会・デモを繰り広げ、現代の治安維持法=共謀罪を絶対に廃案に追い込もう。
「共謀罪」は、実行行為のない段階で2人以上の人が犯罪の共謀をした場合、5年以下の懲役とする新法案である。「重大犯罪」と言っても、殺人や強盗などの特別なケースだけではない。懲役4年以上の罪にあたるなんと619の犯罪に適用される。労働運動や学生運動、大衆運動も全部対象とされるのである。
友人同士、仲間同士で「話し合った」だけで、場合によっては、黙っていてもそこに同席しただけで処罰するという、とんでもない法案である。
たとえば、次のようなケースだ。
▼未払い賃金の支給などを要求して労働組合を結成し、社長との団体交渉を設定した。戦術会議で「社長をカンヅメにして、要求が通るまで徹夜ででも団交を続けよう」と話し合った。→逮捕・監禁の共謀罪
▼話し合いの要求を無視して、高層マンションが着工されることになった。住民たちが集まって「着工時には座り込んで工事用資材の搬入をストップさせよう」と話し合った。→組織的な威力業務妨害の共謀罪
▼節税のための税務相談を行った→脱税の共謀罪
このように、警察が狙いを付ければ、どのようにも「○○罪の共謀」をデッチあげて弾圧することが可能になるのだ。
この場合、実際に行為が行われたかどうかは問題ではない。話し合ったこと自体が犯罪とされるのだ。
修正案で適用が拡大
近代刑法の「実行行為処罰」「罪刑法定主義」の原則すら根本から覆す共謀罪法案に批判が集中すると、政府・自民党は2月14日、野党に修正案を示してきた。この修正案で、さらに共謀罪の狙いを明確にさせたのである。
修正の第1点は、マスコミが「組織犯罪集団に限定」と報じるような内容ではない。警察が活動の目的で団体の性格を判断し、労働組合や政治団体、市民運動団体などを共謀罪の対象とする。しかも卑劣なことに、与党は「別表第1に掲げる罪」などときわめて分かりにくい形で、619の罪だけでなく、懲役3年以下の証人買収罪や公務執行妨害・職務強要罪を新たに追加し、それらを活動の目的とする団体を共謀罪の対象として、団体の定義を拡大したのだ。特に「公務執行妨害罪」を活動の目的とすると、政府や資本に異を唱える運動体はことごとく対象となる。これは「修正」ではなく拡大である。
修正の第2点目も「共謀に係わる犯罪の実行に資する行為が行われた場合において」処罰するというのだが、「資する行為」とは予備以前の、なんら犯罪ではない行為のことである。「資する行為」は治安維持法の「目的遂行のためにする行為」と同類であり、ただの宴会が「共産党再建の秘密会議」とされて弾圧された横浜事件(1942〜45年)もけっして過去のことではないのだ。
思想・表現の自由を奪い取り、団結を禁止する悪法=共謀罪を廃案に追い込むために、総力で闘おう。とりわけ労働者こそが先頭に立たなければならない。
国際共同署名運動が呼びかける3月25日(土)午前11時からの有楽町マリオン前での街頭宣伝・署名活動に参加しよう。
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週刊『前進』(2239号6面3)(2006/03/27)
医療観察法撤廃へ
阻止共闘が厚労省交渉 強制治療の実態を追及
3月8日「処遇困難者専門病棟」新設阻止共闘会議は「精神病者」に対する保安処分新法である医療観察法(「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」)の撤廃を求める厚労省交渉を衆議院第2議員会館で行った。
(写真 厚労省の課長補佐ら4人に「強制治療」の実態を暴き医療観察法の撤廃を要求【3月8日 東京】)
昨年7月の法施行以来、1月末で検察による保安処分審判申し立ては171件に及び、東京・国立武蔵病院(27人)、岩手・花巻病院(21人)、愛知・東尾張病院(11人)、佐賀・肥前病院(4人)の新規保安処分施設に合計63人が収容されている。強制通院も27人に上り、他は「鑑定入院」として民間も含めた精神科病院に留置並みに拘束されている。「『精神病者』に対しては犯罪の予測が可能」「強制治療が必要。それが『障害者』の社会復帰につながる」などと差別とデマをまき散らす医療観察法は絶対に撤廃されなければならない。
この日の交渉で阻止共闘はまず、医療観察法に基づく「強制治療」の中身を弾劾した。施設内で「電気ショック」がほかより5倍も高い保険点数で推奨されていることを追及した。厚労省は「安全性、有効性は実証されている」という居直り答弁。「病者」は「知人は18歳以下の記憶が消えた。何が治療か。人格を暴力で奪うことだ」「副作用やこれまでの死亡事故にどう責任を取るのか」と差別医療の実態を追及した。
次に、「患者の暴力に対処する」と称してチーム連携の対患者格闘技術やトレーナー資格認定制度デッチあげを呼びかける医学書院発行の本『暴力マニュアル』について厚労省の責任を追及した。「出版社の自由の問題で関知しない」と責任を回避する厚労省に対し、「リーダーの合図で3人がかりではがいじめにすることの何が医療か」「閉鎖処遇で暴行され殺されてきたのは『病者』の方だ」と「病者」の怒りは燃え上がった。
さらに「1床でもいい」と改修や代用による数合わせをする施設建設のペテン性を弾劾。施設内処遇についても、土日の弁護士面会を「平日にしてくれ」と制限した事例、公衆電話はなんと1施設1台、しかも看護師の前だけ、売店もないという人権無視の実態を暴露し、問いただした。
また障害者自立支援法制定とともに行われた精神保健福祉法改悪で、指定医以外に12時間の患者拘束を認めた規定や精神保健福祉手帳に「病者」の顔写真を張り付ける改悪の4月施行反対を訴えた。厚労省はどちらも「詳細は未定だが進める方向で検討中」と答弁。
阻止共闘は今後も厚労省を追及し続けること、保安処分粉砕、医療観察法撤廃まで闘いぬくことを確認して1時間の交渉を終えた。全国で保安処分施設建設を阻止しよう。
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週刊『前進』(2239号6面4)(2006/03/27)
『つぶせ!国民投票法案』 憲法問題研究会編 ブックレット 定価400円+税
恐るべき内容暴く 改憲阻止へ活用しよう
昨秋10月28日の自民党新憲法草案の発表を機に、改憲攻撃は一気に実行段階に突入した。その第一弾として、今国会での国民投票法制定が狙われている。小泉・自民党は、民主党を抱き込み与野党合意の形で「憲法改正国民投票法案」の国会提出を行おうとしている。その制定を水路に、9条解体を軸とする現行憲法の全面解体=新憲法の制定へと一挙に突っ走ろうというのだ。
そのような切迫した情勢下にありながら、肝心の国民投票法案とは何かが大衆的にはほとんど知られておらず、多くの人が「単なる手続き法」ぐらいに思っている。なぜなのか。過小評価の主要な責任は、既成野党と連合など労働運動指導部にある。
新刊のブックレット『つぶせ! 国民投票法案』(憲法問題研究会編、現代文化研究所発行)は、このような状況に正面から切り込んでスパッと風穴を開ける実践的な武器だ。これを読めば、改憲への国民投票法案がとんでもない労働者弾圧法であることがわかるだろう。「単なる手続き法」どころか、自民党改憲草案と完全に一体の改憲反対運動絶滅法案であることがはっきりするはずだ。これを助けに、煩雑でわかりにくい法案の中身とその狙いを知ることがまず何よりも大切である。中身を知れば怒りが自ずとわいてくる。
本冊子では、与党の「日本国憲法改正国民投票法案骨子」(事実上の国会提出予定法案、04年)と、その原案になった超党派の「改憲議連」作成の「憲法改正国民投票法案」(いわゆる議連案、01年)への具体的批判に的を絞り、この法案の恐るべき狙いと性格を鋭く、しかもわかりやすく暴き出している。「国民投票運動に関する規制」と「罰則」が法案の中心的な中身だが、「規制」と「罰則」中心の国民投票法とはいったい何であるのか。「手続き法だから問題はない」「決戦はもっと先だ」などと言っていられる事態なのか。本冊子は、こうした疑問に的確に答えてくれる。
一読すれば、「狙いは戒厳令下の9条改憲だ」という副題の意味が納得できるだろう。「小泉政権も自民党も、改憲案が国民の多数の承認を得て成立するとはまるで思っていない」からこそ、「戒厳令的な規制と弾圧を必要としている」のだ。労働者人民の自由な言動を封殺した上で「圧倒的多数の賛成」を演出して戦争国家のための新憲法を制定する――日帝・小泉にとってそれ以外に道はない。
本文中に挿入された何枚かのイラスト・マンガもパンチが効き、本文の中身とよくマッチしていて効果的だ。さらに、資料として法案骨子と議連案の二つが全文掲載されていることも理解の助けになる。
本冊子は、党派やナショナルセンターの違いを超えて労働者と労働組合の中に国民投票法案粉砕・改憲阻止の運動の輪を大きく広げていくための絶好のハンドブックと言えるだろう。今ただちに職場や労働組合にどんどん持ち込んでいこう。学習し使いこなそう。
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