ZENSHIN 2006/03/06(No2236
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週刊『前進』(2236号1面1)(2006/03/06)
卒業式闘争 全国で不起立を貫こう
「日の丸・君が代」強制反対は戦争協力拒否の偉大な闘いだ
動労千葉3月春闘ストと連帯を
2月16日、国鉄1047名闘争の勝利へ向けた画期的な大同団結の集会が、会場をあふれる2500人の大結集をもってかちとられた。分割・民営化以来19年目にして被解雇者全員がついに一つに団結し、新たな闘いを全国に呼びかけたのだ。この地平をふまえ、4大産別決戦の大前進を今こそぐいぐいと切り開いていく時だ。その最大の突破口こそ「日の丸・君が代」不起立=戦争協力拒否を断固として貫く3月卒業式闘争の大爆発だ。退路を断った不起立闘争に文字どおり一切をかけて総決起しよう。すでに闘う教育労働者は、決戦の本番を迎え、腹の底からの決意を固めて全国で続々と立ち上がっている。動労千葉はこれと固く連帯し、反合・運転保安の06春闘ストに立つ。沖縄では3・5県民大会が開催される。3月闘争を全力をあげてぶちぬき、改憲阻止への巨大な扉を押し開こう。
第1章 処分を恐れぬ決起が始まる
1〜2月の闘いは、4大産別のすべてにおいて重要な前進をかちとった。連合中執会議は、05年の闘いが切り開いた地平への大反動として、改憲への国民投票法案に賛成し公務員制度改革攻撃に全面屈服する1・19見解を打ち出してきた。これに対して、自治労臨大やJPU(全逓)臨大で現場労働者の激しい怒りがたたきつけられ、2・5集会では教育労働者による06年不起立闘争への断固とした戦闘宣言が発せられた。
さらに2・16集会の大成功は、階級的労働運動の再生にとって決定的な地平を開いた。国鉄分割・民営化以来の全矛盾が、相次ぐJR事故として爆発している真っただ中で、分割・民営化体制を根底から覆す国鉄労働者の新たな闘いがあらゆる妨害を打ち破って開始された。それは同時に、「日の丸・君が代」被処分者の闘いと国鉄1047名闘争の大合流を生み出すものとなっている。教労決戦と国鉄決戦のこの結合は、労働者階級の帝国主義への怒りを解き放ち、全情勢の流れを変える巨大な位置をもっている。
いよいよこの2月下旬から3月、「日の丸・君が代」決戦が本番を迎える。ここで東京都の教育労働者を先頭に、不起立闘争が全都・全国で次々と火を噴く情勢が生み出されるならば、危機に立つ日帝・小泉政権に大打撃を加えることができる。小泉を打倒し、改憲を阻止し、戦争と民営化攻撃を粉砕していく一大突破口が切り開かれる。まさに、今春卒業式闘争の爆発の一点に、他の全産別の闘いの死活もかかっているのだ。すべての闘う労働者人民はこの3月、他の一切を投げ打って、「日の丸・君が代」不起立闘争の勝利のために教育労働者とともに総力決起しよう。
今春卒・入学式での不起立闘争は、03年10・23通達以来のファシスト石原・都教委との攻防に革命的決着をつける闘いである。同時に、日帝の改憲と戦争攻撃推進の全政治プランを大破産に追い込む決定打となる闘いだ。それは何よりも、日本の階級闘争がすでに戦時下に突入した中での、きわめて具体的で鋭い形をとった労働者階級の戦争協力拒否闘争である。しかも日教組本部の裏切りをのりこえて、一人ひとりの教育労働者の現場からの、退路を断った命がけの決起として闘われているのだ。これが日帝を心底から恐怖させ、追いつめていく最大の原動力となっている。
昨年の不起立で停職処分を受けた教育労働者は、2・5集会で「戦争協力拒否は私たちの義務だ。どんな処分を受けても生徒に自分の生き方を伝える」と語り、闘うことで逆に「自分が獲得するものはたくさんある」「一緒に不起立をしましょう」と、不動の確信をもって呼びかけた。この訴えは今や教育労働者のみならず、すべての闘う労働者の魂を打つものとなって全国に波及している。都教委による停職・免職処分を絶対に許さないための署名運動も始まった。
この東京を先頭に、神奈川、大阪、奈良、広島、福岡を始めとして全国で続々と不起立宣言がかちとられている。分会ぐるみの決起が拡大してきている。
不起立は、時間で言えばわずか40秒間のストライキだ。しかしその現場労働者の一見小さな、だがしたたかな不屈の反乱が、文字どおり日帝の屋台骨をゆるがす情勢が到来している。それが日教組30万の巨大な決起へと発展したとき、敵の側はもはや処分などまったく不可能な状態にたたき込まれるのだ。すでに05年の闘いが都教委をぐらぐらに追いつめていることをみよ。この闘いを拡大すれば絶対に勝てる。このことをすべての教育労働者に訴え、さらに地域ぐるみの決起で闘いを支えよう。
「日の丸・君が代」不起立闘争の爆発は、アジアや中東の人民からも注目されている。日本の人民が「日の丸・君が代」の前にひれ伏すことは、ドイツの人民がナチスの旗を再び打ち振ることと同じ意味をもつ。だからこそ絶対に許せないのだ。だが、日帝が第2次大戦後の制約をかなぐり捨てて再び凶暴な侵略帝国主義への道を公然と歩み始めたその足元で、二度と侵略戦争を許さないという日本の労働者階級の歴史的な実力決起がついに、こうした形をとって開始されたのだ。このことが全世界に与える衝撃の大きさを圧倒的な誇りをもって確認し、04年、05年をはるかに上回る大闘争をつくりだそう。
この「日の丸・君が代」闘争と固く結合した闘いとして、東京・杉並での「つくる会」教科書採択撤回・4月使用開始阻止の闘いを大爆発させよう。ファシスト石原の先兵・山田区長による、不正を告発した教育労働者への卑劣な処分攻撃を断じて許さず、当該の労働者と教組の闘いを絶対に守り、支えぬこう。
さらに3・21日教組臨時大会、3・31教育基本法改悪阻止の全国集会・国会闘争へと攻めのぼろう。
第2章 安全運転闘争に全組合員が
動労千葉は、「日の丸・君が代」不起立闘争と連帯し、06春闘を反合・運転保安春闘として、全組合員による安全運転闘争と3月ストライキに決起する方針を決定した。
動労千葉は昨年、尼崎事故に対して反合・運転保安闘争を100日間にわたって闘いぬき、数百カ所のレール交換や強制配転者の検修区復帰をかちとるなどの偉大な勝利を実現してきた。だがJRの危機と腐敗はますます深まり、羽越線・伯備線事故を続出させる一方で、3月ダイヤ改正を契機にこれまで以上に激しい大合理化・要員削減の攻撃に出ようとしている。これに対して動労千葉は、「闘いなくして安全なし」を掲げ、JRのみならず、郵政を始めとした日帝の民営化・労組破壊攻撃全体を正面から打ち破るために、死活をかけた闘いに立ち上がろうとしているのだ。
動労千葉のこの決起は同時に、教育労働者の不起立闘争に固く連帯し、改憲阻止への決定的な位置をもつ闘いである。また関西生コン支部への弾圧にみられるような密集する反動をはね返し、06春闘全体を前進させ、昨年来の闘いが切り開いた地平をさらに押し広げるものだ。そして何よりも、2・16集会が実現した1047名の大同団結をさらに強化し、その最先頭で、国鉄闘争の歴史的勝利を実力で切り開く闘いだ。
首都圏の全労働者人民に動労千葉への支援を訴え、昨年を上回る勢いで、スト勝利のためにともに総決起しよう。韓国では、民主労総傘下の全国鉄道労組が民営化阻止、列車の安全確保と非正規職撤廃を掲げて3月1日から全面ストに突入しようとしている。アメリカでも現場労働者が、労働貴族化した既成指導部をのりこえ、まったく新たな戦闘的闘いに次々と立ち上がっている。動労千葉の闘いは、偉大な国際連帯闘争でもある。
さらに、5・27臨大闘争弾圧裁判の勝利へ向かって今こそ猛然と突き進もう。闘う国労組合員の権力への売り渡しを依然として居直り続ける国労本部に大衆的弾劾と批判をつきつけ、謝罪と撤回を要求して闘おう。JR総連打倒へ進撃しよう。
国鉄と教労を軸に4大産別決戦の圧倒的な前進をかちとり、06春闘の大前進をかちとろう。
第3章 3・5沖縄県民大会成功へ
こうした闘いに追いつめられ、小泉「構造改革」の全矛盾の噴出と政治支配の危機にあえぐ日帝は、それゆえにより凶暴化し、改憲への国民投票法案、教育基本法改悪案の今国会提出を狙い、共謀罪や公務員制度改革攻撃を何がなんでも押し通すことを狙っている。
さらに、改憲攻撃と一体のものとして、米軍再編の3月末最終報告をもって、日米安保の大改変と沖縄の軍事要塞化、座間や横須賀をはじめとする全国の基地強化を労働者人民に押しつけようとしてきている。
「日の丸・君が代」不起立闘争と動労千葉春闘ストは、これと真っ向から対決する闘いだ。
同時に、次の二つの闘いが今こそきわめて重要である。一つは、3・5沖縄県民大会に始まる沖縄闘争と全国の反戦反基地闘争の新たな全人民的な爆発で、米軍再編攻撃を粉砕することだ。いま一つは、1・19連合中執見解に示される連合の改憲勢力化への一層悪質な策動を、4大産別を先頭とする下からの決起によって徹底的に粉砕し、連合中央を打倒することだ。
米軍再編攻撃の核心は、日米安保体制を、全世界への侵略戦争・世界戦争を展開できる日米の帝国主義軍事同盟へと名実ともに変質させることにある。直接には北朝鮮・中国への侵略戦争発動のために、米軍と自衛隊を一体化し、全国の基地を再編・強化し、とりわけ沖縄をこれまで以上に米軍の恒久的な軍事要塞として、「戦場の島」として確保しようとするものだ。これに対して沖縄県民は、これこそ第2の沖縄戦への道であるとして激しい怒りをたたきつけ、名護新基地建設絶対阻止を柱に島ぐるみ的大闘争に立ち上がる決意を固めている。
沖縄・宜野湾市で開かれる3・5県民大会は、その突破口を開く決定的な闘いだ。本土の労働者人民も沖縄現地の闘いに結集し米軍再編粉砕へ総決起しよう。さらに座間で、相模原で、横須賀で、岩国で、全国各地で反戦反基地闘争の強力な発展をつくりだそう。
イラク開戦から3年の現実は、米英日帝国主義によるイラク侵略戦争の犯罪的な正体を白日のもとにさらしている。集会実行委員会が主催するイラク撤兵、改憲阻止の3・19東京集会にともに結集して闘おう。
さらに3・26三里塚集会に全国から総結集しよう。
日帝・小泉政権は、改憲への水路をこじあけるために、連合と民主党を取り込んで国民投票法案の制定へ全力で動き出している。だが労働者階級の中には、9条改憲への危機感と怒りが高まっている。2月3日、海員組合と全国港湾は憲法改悪反対の共同声明を発表し、「戦火の海に船員は二度と行かない」「軍事荷役はやらない」と、戦争協力絶対拒否の断固とした闘争宣言を行った。続く2月9日には、陸海空港湾労組20団体が声明を発し、それぞれの立場の垣根を越えて広範な共同行動に立ち上がり、改憲への動きを止めようと訴えた。
この海員組合と全国港湾の声明、20労組の声明は、日本共産党と全労連中央のスターリン主義者による統一戦線へのセクト主義的な破壊と敵対の策動をはねのけ、闘う大同団結を全労働者に呼びかけるものとしての意義をもっている。まさに、いま必要なのは労働者階級が団結して敵に立ち向かっていくことだ。これらの呼びかけにこたえ、闘う労働組合を軸にした9条改憲阻止の巨大な統一戦線をつくりだして闘おう。
部落解放同盟全国連合会の第15回全国大会の成功をともにかちとろう。
3月の連続する大闘争を、青年労働者と学生の今春闘争への一大決起を実現して全力で闘おう。
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週刊『前進』(2236号1面2)(2006/03/06)
2・19横浜 米軍再編粉砕へデモ 労組が結集 3月大闘争を宣言
米軍再編・基地強化反対2・19横浜集会は、大通り公園に2000人の労組と市民団体が結集し、米軍再編3月最終報告粉砕の集会・デモとして意気高く闘われた。座間、厚木、相模原、横須賀の連続的な闘いから県都・横浜に攻めのぼり、横浜防衛施設庁を弾劾する長蛇のデモが実現された。
(写真 「米軍再編・基地強化反対」を掲げ力強くデモする2000人の参加者【2月19日 横浜】)
集会に先立ち沖縄音楽などのイベントが行われ、3月5日の10万人県民大会と連帯する闘いとなった。
集会は、加藤・神奈川平和運動センター事務局長の司会で始まった。主催者あいさつに立った共同代表であり横浜市教職員組合の山田委員長は、「9・11事件以降、アメリカの世界戦略と日米同盟は大きく変わろうとしている。日本の防衛費は2000年から05年で26兆円、国民1人当たり20万円を超すという巨額です」「米陸軍第1軍団司令部は、横浜ノースドックから国道16号で、相模補給廠(しょう)に数万人の軍隊と物資を運送する。危険極まりない。安保条約の極東の範囲を越え、中東と世界へ戦争する米軍再編を絶対に撤回させよう」と檄を飛ばした。
続いて活動報告として、「基地撤去をめざす県中央共闘会議」の岡本副代表は「昨年の2・19キャンプ座間包囲闘争を始め毎月闘争をおこしてきた。相模補給廠の一部返還の情報は反対闘争を弱めようとするものだ。第1軍団の移転こそ最大の問題だ。空母艦載機の岩国移転によっても厚木基地周辺の騒音はまったく変わらないまま、それを岩国に拡大させるだけだ。3・12キャンプ座間闘争を3千人規模で実現しよう」と訴えた。
池子米軍住宅増設反対横浜市民連絡会議の代表は、中田横浜市長が「どこに何を配備するかは国が決めること。そこに口を挟むつもりはない」などと発言し米軍住宅建設受け入れを表明したことを弾劾し、「住宅建設こそ基地の恒久化であり、許さない」と横浜の闘いを広げる報告を行った。
連合神奈川からのメッセージ、政党と議員の発言と紹介が続いた。沖縄のヘリ基地建設反対協議会・代表委員の安次富浩さんが連帯メッセージを寄せた。「私たちの粘り強い闘いが、動くはずがないと言われた辺野古沖新基地建設計画を、海の藻くずに追いやった」「しかし、今回の沿岸案では特措法の導入も示唆しており、21世紀初頭の琉球処分、沖縄差別と言えます」「島ぐるみの闘いで米軍再編を海の藻くずにさせるまで奮闘します」という力強い檄が、全体の熱い拍手で確認された。
集会後、県庁舎前を通るコースで力強いデモが打ち抜かれた。
この日の闘いは、県内各地の基地闘争の蓄積の上に、県の中心・横浜で開催することで情報労連など民間の多くの労組員も参加した。そして、3・5沖縄県民大会、3・12キャンプ座
間大闘争、3・12岩国住民投票闘争への代表の派遣などを確認し、米軍再編粉砕の3月闘争を全国的に大爆発させる闘いとして大成功した。労組交流センターはともに闘いぬき、国民投票法案反対と、卒入学式闘争への総決起を訴えた。
3月12日には「米軍再編・基地強化反対! 3・12行動 座間・相模原」行動が行われる。(要項4面)
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週刊『前進』(2236号1面3)(2006/03/06)
“黙っていたら百年先も基地の街” 相模原
米軍の相模補給廠への自衛隊移駐阻止の闘いは1月29日、相模原市自治会連合会のデモとして大きく実現された。労働組合と市民団体の連続的闘争の積み上げから、市議会と市長あげての取り組みとなり、市人口の3分の1を超える21万人の反対署名、屋内集会、10万枚の反対ハガキ運動、ビデオ作成、横断幕の書き換えなどの上で、ついに戦後初めて433で構成される自治会連合会の基地外周2`の怒りのデモとなった。
相模原市は「基地の下で70年、もう我慢の限界」「黙っていたら100年先も基地の街」のスローガンで覆われている。
これは米陸軍第1軍団司令部の座間移転が明らかになって以降の3年間、県央共闘会議を構成する労働組合と市民団体が、基地包囲行動や座り込み行動、連月闘争を少数から積みあげてきたことの成果である。
こうした闘いの高まりの中で、1月に入るや小泉政権と防衛庁は、「中央即応連隊の移駐の一時先送り」「基地の一部返還を米政府に要求」などと、こそくな悪あがきの政治を行い始めた。しかし、これは、闘えば勝てる状況をつくりだしたということである。
相模原の闘いは、沖縄の普天間基地撤去・辺野古新基地建設阻止の闘いと一体である。2〜3月、私たちは戦争協力拒否、反戦・反基地闘争を改憲阻止闘争と一体で闘いぬく。
(投稿/神奈川・山西孝平)
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週刊『前進』(2236号1面4)(2006/03/06)
日程 3・5沖縄県民総決起大会
知事権限を奪う特措法制定反対
普天間基地の頭越し・沿岸案に反対する
3・5沖縄県民総決起大会
3月5日(日)午後3時〜5時
午後3時〜平和イベント
午後4時〜総決起大会
宜野湾市海浜公園多目的広場
主催/普天間基地の頭越し・沿岸案に反対する沖縄県民総決起大会実行委員会
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週刊『前進』(2236号2面1)(2006/03/06)
動労千葉 改憲と対決し06春闘へ団結
2・19定期委 3月ダイ改時にスト配置
総力で安全運転闘争へ 基地統廃合計画の中止要求
動労千葉は2月19日、DC会館で第54回定期委員会を開催した。決定された06春闘決戦段階の闘いの配置は、以下のとおりだ。
(写真 動労千葉は、3月反合・運転保安春闘に全組合員が総決起する方針と態勢を固めた【2月19日 DC会館】)
(1)春闘の山場を3月ダイヤ改定時(3月18日)に設定し、3月16〜18日にストライキを配置する、(2)最大の攻防の焦点である幕張車両センター縮小・錦糸町派出廃止、京葉運輸区廃止・蘇我運輸区新設などの基地統廃合計画については、3月上・中旬での第一波ストの配置も含め、中止を求める、(3)3月上旬から安全運転闘争を配置し、反合・運転保安要求の実現をめざす、(4)JR貨物における大幅賃上げ獲得−ベアゼロ回答打破、新賃金制度導入阻止に向け貨物を中心とした闘いを配置する、(5)3月16日午後6時から千葉市民会館で「06春闘勝利、反合・運転保安確立、動労千葉総決起集会」を開催する。
改憲と民営化に立ち向かう
あいさつに立った田中康宏委員長は、「改憲情勢といかに立ち向かうのかが06春闘の一番の課題だ」と切り出し、「改憲をめぐって労働運動に激しい分岐が起きている。カギを握っているのは労働者の闘いだ。自治労100万人、日教組30万人を含め、労働者が立ち上がれば改憲はできない。労働者は退路を断って闘う時が来た」と訴えた。
また、今春闘が郵政民営化を始めとする大民営化攻撃のただ中で闘われることを強調し、「日本経団連の経労委報告は企業こそ社会の主人公と言っている。だが、労働者こそ社会の主人公だ。『官から民へ』という小泉のデマキャンペーンが労働者を貧困に突き落としている。これに労働者が気づいた時、状況は一変する」と述べ、民営化−非正規職化攻撃との闘いと、現場労働者の力で労組幹部の腐ったあり方をひっくり返す闘いが、全世界の労働者の共通の課題となっていると提起した。
さらに、大激動情勢に入ったJR情勢に触れ、「分割・民営化の矛盾が安全の崩壊になって噴き出している。何が一番危機的か。この現状に対して労働組合が声を上げなくなっていることだ。安全はわれわれが闘って資本に強制する以外にない」と声を強めた。そして、幕張車両センター縮小や蘇我運輸区新設、グリーン車担当車掌の外注化、駅の全面外注化などの攻撃を第2の分割・民営化攻撃の新段階ととらえ、総力対決を訴えた。また、1047名が大同団結した2・16集会のインパクトの大きさに触れ、JR資本とJR総連の結託体制が崩壊の危機にある中で反撃が始まっていることを明らかにした。
そして、動労千葉の原点に立ち返って反合・運転保安闘争を闘い、この中で全組合員が組織拡大の闘いに打って出ることを訴え、「06春闘で労働運動の再生が始まったと言える闘いをしよう」と呼びかけた。
繁沢敬一副委員長による経過報告、長田敏之書記長による方針提案を受けて真剣な討論が交わされ、組合員が一丸となって反合・運転保安春闘に総決起する不動の決意を固めあった。
反合・運転保安確立を掲げて
動労千葉は今春闘で、大幅賃上げ獲得や1047名の原職復帰、運転士登用差別粉砕を始めとした不当労働行為根絶の春闘要求のほかに、全面的な反合・運転保安要求を掲げている。JRが鉄道の安全を根底から崩壊させている中で、在来線130`運転の中止やボルスタレス台車の製造・投入の中止、レール破断の徹底した原因究明、メンテナンス近代化計画の中止などの反合・運転保安要求は、いずれも現場の実態に根ざした切実なものだ。
JR東日本は、3月18日のダイヤ改定を機に、幕張車両センターの業務縮小と錦糸町派出の廃止を強行し、さらには京葉運輸区廃止−蘇我運輸区新設の攻撃に踏み込もうとしている。これらは、動労千葉の組織破壊を狙うものであり、安全崩壊を一層促進するものになる。このただならぬ攻撃と組織の存亡をかけて対決するため、動労千葉はダイヤ改定を迎え撃つ形で今春闘の山場を設定した。これは民間大手の賃金集中回答日とも完全に重なった。
さらに動労千葉は、3月からの安全運転闘争を構えている。昨年、尼崎事故1カ月を期しての安全運転闘争に対し、JR東日本は延べ数千人の管理者を動員して運転室に乗り込み、本部執行部8人に「厳重注意」の不当処分を下して圧殺を図った。こうした攻撃との全面激突を覚悟し、動労千葉は再び安全運転闘争を総力で貫こうとしている。
動労千葉の反合・運転保安春闘は、資本と連合幹部による春闘圧殺攻撃を打ち破り、労働者の抑えがたい怒りを解き放つものになる。動労千葉とともに春闘に立ち、改憲に向かう小泉政権を打ち倒そう。
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週刊『前進』(2236号2面2)(2006/03/06)
2・16国鉄集会 闘う大同団結 労働運動に大衝撃
2月16日の「JR採用差別事件の勝利解決をめざす! 1047名闘争団、争議団、原告団2・16総決起集会」の大成功(記事前号)は、国鉄闘争と日本労働運動に巨大な衝撃を与えている。国鉄分割・民営化から19年目にして成った被解雇者1047名の大同団結は、解雇撤回・JR復帰に向けての大きな突破口をこじ開けた。国鉄闘争に自らの命運を重ね、国鉄闘争を支えてきた多くの労働者がここに勝利の展望を見いだしている。
2・16集会では、被解雇者がそれぞれに1047名の団結の重要性を強調した。動労千葉争議団の高石正博さんが「1047名が一堂に会しスタートに立った。1047名はどうしても団結しなければいけない」と述べた気持ちは、全参加者の共通の思いだ。
国労闘争団全国連絡会議を巻き込んだ1047名の統一陣形が形成される中で、鉄建公団訴訟への敵対と妨害を重ねてきた国労本部も、従来の姿勢のままでは立ちゆかないところに追い込まれている。
統制処分と弾圧加担居直る発言
2月18日付の北海道新聞は、国労本部の吉田進書記長が次のように発言したと報じている。「(4党合意について)今振り返ると、強引に決めた手法が民主的でなかったと言われてもやむを得ない。この合意形成は手続きとして不十分な点があったと思う。少なくとも今後は、当事者の理解なしに合意形成を進めることはない」
このように言いながらも、吉田書記長は鉄建公団訴訟原告への統制処分について謝罪も反省もしていない。昨年8月の定期大会で闘争団員22人に対する権利停止処分の「解除」が決定されたが、その際、国労本部は中央執行委員会を開いて「統制処分はやむを得ない措置だった」とあらためて確認している。今日に至るも、この中執決定は取り消されてはいない。
何よりも、吉田書記長は酒田充前委員長と並んで、国労5・27臨大闘争弾圧を仕組んだ中心人物である。国労本部は02年5月27日の臨時大会で、鉄建公団訴訟原告を査問にかけることを強引に決定した。これに反対し、ビラまき・説得活動に立った組合員を、吉田書記長ら国労幹部は警察権力に平然と差し出したのだ。5・27臨大闘争弾圧裁判で検察側証人として出廷した長野地本の国労組合員は、口々に「吉田書記長から被害届を警察に出すように言われた」と証言している。組合員を警察に売り渡した国労本部の行為は、最悪の団結破壊にほかならない。
国労組合員がこの弾圧で不当逮捕された直後、国労本部は警察の発表そのままに、ビラまき・説得活動を「中核派が暴行を加えた5・27暴力事件」と言いなす11・11本部声明を出し、「(保釈要求などの)署名等の活動に対して間違って協力することがないよう組合員に徹底を図ること」とした指示55号を下ろした。これについても国労本部は、被告の再三の要求を無視し、撤回を拒んでいる。
4党合意受諾の決定過程が非民主的だったと言うのであれば、01年1月27日の続開大会以来、国労本部が大会のたびに警察機動隊を導入してきたことはどうなのか。国家暴力に依存して反対意見を封殺してきたやり方こそが5・27臨大闘争弾圧を引き起こしたのだ。
1月28日の国労拡大中央委員会で、佐藤勝雄委員長は「(組織混乱の収拾へ)これですべてリセットいたしました」と発言した。だが、闘争団への統制処分と弾圧加担を居直り続ける限り「リセット完了」とはならない。吉田書記長ら国労本部は、真摯(しんし)に自己批判し、進退を組合員にゆだねるべきだ。それは国労が真に団結を回復するための不可欠の条件だ。
4党合意路線の全面的な総括を
2・16を経て、1047名は大同団結し、解雇撤回に向けて大きな一歩を踏み出した。この闘いに勝利するために必要なのは4党合意路線の全面的な総括だ。
中曽根がことあるごとに明言しているように、国鉄分割・民営化は、国鉄労働運動の壊滅を目的に、国家の総力を挙げて仕掛けられた不当労働行為だった。ところが、4党合意を受け入れた国労本部は、国家的不当労働行為の主体である政府・与党にすがって採用差別問題の「解決」を図ろうとした。この転倒した姿勢こそ、国労本部が敵階級の理不尽な要求をすべて受け入れ、ついには闘争団の統制処分や弾圧加担に行き着いた根本的な原因だった。
国鉄闘争は、国家的不当労働行為を徹底的に追及し、1047名の解雇撤回・JR復帰を求める闘いだ。その勝利の条件は成熟しつつある。JR体制は安全の崩壊という形で分割・民営化の矛盾をあらわにしている。JR資本とJR総連の結託体制も崩壊寸前だ。このJR体制と職場生産点から対決し、それを基礎に鉄建公団訴訟を駆使して闘えば、1047名闘争の勝利は引き寄せられる。
こうした闘いを貫く中で、敵の側が音を上げて和解を求めてくることもあるだろう。だが、こちらが和解を自己目的化した途端、自分で闘いの手を縛り、敵に付け入るすきを与えてしまうのだ。国労本部は今もなお、「政治解決」の妨げになるとして鉄道運輸機構(旧鉄建公団)への訴訟をためらっている。1047名の一人ひとり、国労組合員の一人ひとりが主体的に決断し、国労本部をのりこえて進んでこそ、1047名と国労の団結を深めることができるのだ。
動労千葉は3月反合・運転保安春闘に立つ。動労千葉とともに春闘を闘おう。日共・全労連の反動の粉砕、1047名の解雇撤回闘争とJR本体の闘いの合流に勝利の道は存在する。
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週刊『前進』(2236号2面3)(2006/03/06)
国労弾圧公判 “議題も知らず会場警備” 検察証人が自認
2月22日、東京地裁刑事第10部(青柳勤裁判長)で国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第53回公判が開かれ、「被害者」と称して出廷した国労長野地本中南信支部・松本運輸区分会組織部長(事件当時)の黒執(くろとり)光久証人への尋問に入った。
冒頭、国労闘争団・鉄道運輸機構訴訟の主任代理人でもある萱野一樹弁護人が意見を述べた。2・16集会が1047名の大同団結のもと大成功を収め、翌日、吉田進・国労本部書記長が4党合意受諾決定について「強引に決めた手法が民主的でなかった」と発言した事実に触れ、「闘争団員への統制処分の誤りと、統制処分に反対した被告の行動の正当性はこれによっても明らかだ」と断言した。
続いて大口昭彦弁護人が、前回まで証人として出廷していた久保田清一証人が検察官の主尋問に答え「00年7・1臨大で中核派が壇上に上がり大会を流会にした」と述べた部分の証拠排除を申し立てた。これは事実に反するだけでなく、「長野地本の平山芳夫副委員長から聞いた」という伝聞証言にすぎない。青柳裁判長は証拠排除についての判断を留保した。
黒執証人は、検察官の主尋問に答え、被告にバスから引き下ろされた、チラシの束で顔をはたかれた、ヘッドロックをかけられたと言い募り、「松崎博己被告が長野地本の池田久幸・東北信支部委員長にひざ蹴りしているところを見た」とも断言した。そして検察官に誘導され、「厳正な処罰を求める」と言い放った。
佐藤昭夫弁護団長が反対尋問に立った。黒執証人は、分会の組織部長として自ら02年5・27臨大の会場警備の役割を引き受けたという。ところが彼は、この大会で何が議題とされたかも「詳しく覚えていない」と言うのである。
5・27臨大は、鉄建公団訴訟の圧殺を求める与党3党声明に応じ、国労本部が鉄建公団訴訟原告の査問を強行決定した大会だ。ところが黒執証人は、与党3党声明についても「覚えていない」と証言した。佐藤弁護団長が「議案の内容も知らないで大会を開くという立場をとったのか」と追及したが、証人は「私はただの会場係ですから」と居直った。
“一票投票では反対票入れた”
大口弁護人の尋問で、さらに驚くべき証言が飛び出した。黒執証人は、00年9月に行われた4党合意の賛否を問う一票投票に際し、「納得できなかったから反対票を入れた」と述べた。その彼が、5・27臨大の時点では闘争団の命運に何の関心も示さず、ひたすら大会強行のために振る舞ったのだ。ここに、組合員の主体性を徹底的に圧殺してきた吉田書記長支配下の長野地本のあり方が示されている。証人は警察への被害届提出に先だち、吉田書記長から地本事務所に呼ばれ、被害届を出すよう言われた事実も認めた。次回も黒執証人への弁護側反対尋問が続く。8被告の無罪獲得へ、傍聴闘争を強めよう。
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週刊『前進』(2236号2面4)(2006/03/06)
民主労総 3・1鉄道ゼネスト
「鉄道の商業化を中断し、公共性を強化せよ」
韓国の全国鉄道労働組合は3・1全面ストライキを予告し闘っている。鉄道民営化阻止と列車運行の安全を脅かす外注化拡大阻止、雇用安定保障、67人の解雇者の復職と2万人に達する鉄道非正規職労働者への差別撤廃が主な要求だ。
鉄道労組は2・18テグ地下鉄惨事3周年集会の後、21日から安全運行などの順法闘争に入った。鉄道、貨物、タクシーとともに運輸共闘を宣言したソウル地下鉄労組も3・1全面ストを決定。強大な運輸ゼネストが爆発しようとしている。
新執行部を選出した民主労総は、2月25日に全国労働者大会を開き3月闘争に向かう。金属労組を始め、非正規職労組が極限的な闘いを続けている。
ノムヒョン政権との総力闘争に立つ韓国・民主労総と熱く連帯し、闘う動労千葉とともに06春闘へ!
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週刊『前進』(2236号2面5)(2006/03/06)
第二東京弁護士会が集会
国民投票法案の問題点検証 “憲法変えるな”
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(写真 (上)第3部パネルディスカッション、(下)会場を埋めた参加者【2月22日 千代田区・イイノホール】) |
東京都千代田区のイイノホールで2月22日、「問題点を検証する!『憲法改正国民投票法案』」集会が開かれました。第二東京弁護士会が主催し、東京弁護士会、第一東京弁護士会、日弁連が共催。平日夕方でしたが610人の参加者で大盛況でした。国民投票法案への関心と危機感の強さを感じました。
第1部は、早稲田大学の水島朝穂教授による基調講演。超党派の憲法調査推進議員連盟の作成した憲法改正国民投票法案を素材に「二つのW、一つのH」をキーワードに、わかりやすく問題点を解説しました。
一つ目のWが「WHO(誰が)」。公務員、教員、外国人の投票運動が禁止される点を指摘。水島氏も大学の授業で言及すれば2年以内の禁固刑になる危険性があると語りました。
続いて「HOW(どのように)」として、@個別か一括かの投票方法、A有効投票だけで「過半数」をカウントした場合、全有権者の20%の賛成で改憲もありうる、B発議から投票までの期間が最短30日の場合もある、Cメディア規制など議論の制約――など4点を指摘しました。
さらに「WHAT(何を変えるのか)」として、憲法改正の限界について言及し、戦力不保持を規定する第9条2項を変更すれば、憲法としての同一性がなくなるので9条改憲はできないことを強調しました。
最後に、隠されたWとして「WHY(なぜ)」改憲なのかを問い続ける必要があると問題提起しました。
第2部は、ビデオレターで、沖縄で戦争体験者の聞き取りを行うカメラマンや南京大虐殺の証言、アフガニスタンで医療や水源確保事業を行う中村哲医師ら各界の「護憲」の声をビデオで紹介しました。
第3部は、第二東京弁護士会の森川文人さんのコーディネイトでパネルディスカッションが行われました。水島教授に加え、朝日新聞編集委員兼論説委員の藤森研氏、作家の朴慶南(パクキョンナム)氏、伊藤塾塾長の伊藤真氏がパネリストとして並びました。
伊藤氏は、全国で憲法についての講演をしている経験から、多くの人が憲法について知らず、憲法は国民が国家権力をしばるもので刑法や民法とは違うこと、「もし攻められたら」「国を守る」という抽象的議論でなく、具体的に改憲で誰が得をするのか考える必要がある、と語りました。
藤森氏は、主要な全国紙と地方紙43紙を分類し、発行部数合計の比率は、おおむね改憲系4割と護憲系6割だと紹介。世論調査での6割が9条改憲に反対という数字とほぼ一致すると指摘しました。
朴氏は、在日朝鮮人2世として、憲法のかやの外に置かれていると感じる、「攻められたらどうする」と言うが、その恐怖を日本に対して感じているのはアジアの人々、在日外国人の側で、9条は二度と日本が侵略戦争をしないという砦(とりで)、憲法を変えないで欲しいと訴えました。
さらに論議が進み、水島氏は教員の運動禁止について、運動と教育の区別はつかない、教育に対する規制であり、議論を遮断(しゃだん)するものと批判しました。藤森氏は、虚偽報道の禁止について、何を虚偽とするかは不明確で、社説で改憲反対を書けば、私的な意見を公器である新聞で発表したとして弾圧されかねないと指摘しました。
伊藤氏は、自由な議論のない国民投票ではプレビシット(為政者の信任投票)になる危険があると指摘。朴氏は、運動がまだバラバラで忸怩(じくじ)たる思いがあると述べました。
議論が進むほどに国民投票案の問題点が浮かびあがりました。一番の問題は、国民投票法案の重大性がまだ広く知られていないことです。改憲を阻むために、この投票法案に反対する議論と運動の強化を痛感しました。
(投稿/楠本和也)
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週刊『前進』(2236号2面6)(2006/03/06)
『動労千葉』No.26発行
06春闘の勝利の武器に
動労千葉は、機関誌『動労千葉No.26』を発行した。1月29〜30日に開催した動労千葉全支部活動者研修会で行われた田中委員長、長田書記長の二つの講演を中心に収録されている。全産別の労働者にとって06春闘を闘うための必携の武器だ。
○申込先 千葉市中央区要町2−8 動労千葉
TEL 043-222-7207 FAX 043-224-7197
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週刊『前進』(2236号2面7)(2006/03/06)
2・2〜2・16
日本経団連「攻めの行政改革」を提言
市場化テスト法案、国会提出/各単産が春闘要求
●富士重労組、係長級に限定し賃金改善要求へ 富士重工業労働組合は今春闘で係長級に絞って賃金改善分を要求する方針を固めた。全組合員のうち賃上げの対象は2割程度の見通し。(2日)
●私鉄総連が春闘方針決定 私鉄総連が拡大中央委員会を開き「一人平均2.1%プラス2000円(賃金改善原資・ベア分)」の賃上げ要求を決めた。設楽委員長は、改憲反対を訴えた。(3日)
●「石綿救済新法」が成立 労災補償対象外のアスベストの被害者などを救済するとした「石綿による健康被害の救済に関する法律」などの関連改正法が3日の参院本会議で可決、成立した。(3日)
●海員組合と全国港湾が改憲反対共同アピール 全日本海員組合と全国港湾労働組合協議会は、改憲反対共同アピールを発表した。(3日)=3面に全文掲載
●郵政民営化による職員振り分けの日程案を提示 日本郵政公社は07年10月の民営・分社化に向けた職員配置の日程案を公社内の労働組合に提示した。(6日)
●全郵政、JPUとの統合を検討 全郵政(全日本郵政労働組合、8万7000人)の中央委員会が開かれ、宮下委員長は07年10月の郵政民営化を控えて、郵政公社内最大労組であるJPU(日本郵政公社労働組合、旧全逓、14万人)との組織統合を検討する方針を明らかにした。(8日)
●JPUが臨大 JPUの臨時全国大会が10日まで開かれ、郵政民営化を承認した。(9日)
●「市場化テスト法案」を国会提出 政府は「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律案(市場化テスト法案)」を閣議決定し、国会に提出した。(10日)
●日本経団連、「攻めの行政改革」を提言 日本経団連は「国家の競争力強化を目指した『攻めの行政改革』の実現を求める」と題する「行政改革」の提言を発表した。(14日)=要旨別掲
●NTT労組、ベア要求見送りを正式決定 NTT労働組合は中央委員会で06年春闘でベア要求を見送ることを正式に決めた。6年連続でベア要求を見送る。(15日)
●自動車、電機の主要労組が要求提出 自動車総連と電機連合傘下の主な労働組合が15〜16日、経営側に要求書を提出した。自動車では、トヨタがベア1000円、日産が「賃金改善原資」7000円を要求。電機では三洋電機を除く主要労組が、月額2000円の「賃金改善」を求める。賃上げ要求は5年ぶり。集中回答日は3月15日。(15日)
●国鉄1047名が団結し初の共同集会 国鉄闘争1047名が所属する5つの団体が「JR採用差別事件の勝利解決をめざす! 総決起集会」を開いた。5団体による共同集会は初めて。(16日)
国家の競争力強化を目指した「攻めの行政改革」の実現を求める(要旨)
・基本的な考え方 わが国が、今後とも発展し続けるためには、活力と多様性に富んだ、世界に際立つ国家を目指す必要がある。……そのためには、官民を問わずあらゆる分野における生産性の向上を図ることが不可欠。
・有識者会議設置 推進法に基づく改革の実施状況をフォローアップし、必要に応じて勧告等を行う監視機関として、民間人主体の権威ある有識者会議を設置。
・行革基本法 日本経済の新たな成長に向けた「攻めの行政改革」の実現のため、行政改革に関する基本法が必要。
・抜本的な公務員制度改革 当会提言「さらなる行政改革の推進に向けて」(2005年4月)で求めた、身分保障の在り方の見直し等を目指した国家公務員法の改正を行う。
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週刊『前進』(2236号3面1)(2006/03/06)
日教組30万の決起で戦争協力拒否を
「日の丸・君が代」強制絶対反対! これは断じて譲れない
不起立で大反撃しよう
いよいよ卒業式シーズンが始まった。東京に先駆けて卒業式が始まる地方では、「日の丸・君が代」強制に対する不起立・不服従の闘いが開始された。新憲法制定のための国民投票法案や教育基本法改悪案が国会に提出されようとしている今、この春こそ勝負の時だ。すべての教育労働者のみなさん。「教え子を再び戦場に送らない」という不動の決意を、今春、体を張った行動で示そうではないか。東京で、全国で、日教組本部の屈服をのりこえ、「日の丸・君が代」不起立闘争をたたきつけよう!
石原・都教委の脅しを無力化させた闘い
03年「10・23都教委通達」から3度目の卒業式を迎えた。04年・05年の闘いは、いかなる処分の乱発にもけっして屈しない誇り高き教育労働者たちを断固として登場させた。そしてこの闘いが東京と全国の教育労働者を限りなく励まし、勇気づけ、今、「いよいよ第2ラウンドだ」「今度は私の出番だ」と、新たに立ち上がる労働者を次々と生み出している。
(写真 「『日の丸・君が代』強制を許さない!2/5総決起集会」では、卒業式で不起立を闘う決意を述べた都高教組合員らに大きな拍手がわいた【日本教育会館】)
思い出してみよう。「10・23通達」後初の卒・入学式を終えた04年4月、都知事・石原は「日の丸・君が代」をめぐって何と言っていたのか。「5年先、10年先になったら、首をすくめて見ている他県はみんな東京のまねをすることになるだろう。それが東京から日本を変えていくことになると私は信じています」(都教育施策連絡会で)。
この石原の願望は果たされたであろうか? まったく逆である。東京の教育労働者の不屈の闘いに加えて、全国の教育労働者が「東京とともに闘おう!」と不起立闘争に立ち上がったことにより、各地の教育委員会は「東京のようにはなりたくない」と悲鳴を上げ始めている。現に、広島市が不起立した労働者に対する処分を見送ったり、大阪府教委が一律の職務命令を否定するなどの動きが生まれている。
また、同じ04年4月の都教育施策連絡会において、都教育委員の鳥海巌(丸紅元会長)は、「(『日の丸・君が代』に反対する教職員を)徹底的につぶしませんと、あとで禍根が残ります。半世紀の間巣くってきたがんですから、痕跡を残しておけば、必ずこれは自然増殖をしていく」と言い放った。
こうして襲いかかってきた都教委と断固闘いぬいたがゆえに、被処分者を先頭にした「日の丸・君が代」闘争は今や、鳥海が言ったとおりにどんどん「増殖」しているではないか!
石原と都教委が「10・23通達」で教育労働者の抵抗を根絶やしにできると確信していたことは間違いない。それこそファシストのおごりというものだ。
そしてこの2年間、都教委は「日の丸・君が代」闘争をたたきつぶすためにあらゆる手だてを使ってきた。戒告処分や減給処分、停職処分まで乱発した。不起立を理由に定年退職時の再雇用を拒否して、「1回でも不起立したら再雇用はないぞ」と恫喝した。さらに被処分者に対して「服務事故再発防止研修」を実施して転向を強要し、反省文の執筆まで強制しようとした。再発防止研修時のゼッケン着用にまでさらなる処分を発令した。
しかし、東京の教育労働者の不屈の抵抗闘争は、石原と都教委の思惑を完全に吹き飛ばした。そしてまったく逆に、「首をかけても闘う」と断固宣言する教育労働者を登場させた。
しかも、処分を恐れない闘いは、「10・23通達」後にまことしやかに流された“3回の処分で免職”といううわさも吹き飛ばし、今や「まだまだ闘える!」という機運を圧倒的につくり出している。脅しとは、労働者が震え上がって抵抗できなくなってこそ威力を発揮するものであり、脅しに屈せず闘いぬいた時には完全に無力になるのである。
都教委はすでに不起立で停職処分まで発令している。不起立闘争を先頭で闘う仲間たちが免職に直面するという、絶対に許せない事態が迫っている。処分のエスカレーションを阻むためにも、不起立闘争を拡大することこそが最大の力だ。団結して闘おう。
教育現場での支配階級との対決が決定的
さらに東京を先頭とする「日の丸・君が代」不起立闘争は、教育基本法改悪・改憲攻撃に対して労働者階級が立ち向かって勝利する道筋を指し示す決定的な闘いとなった。
昨年9月の総選挙で、与党の自公は衆院の3分の2議席を占めた。戦後憲政史上初の事態である。教育基本法改悪も、改憲のための国民投票法も、どんな悪法も成立可能という真に恐るべき事態が現実となった。
だが小泉政権は盤石ではない。本質的に弱体だ。しかも今や小泉政治の矛盾が噴出し、体制瓦解(がかい)の危機である。
そして教育基本法・憲法の改悪をめぐる攻防は、国会の「数の論理」だけで争われるものではない。資本家階級と労働者階級の力関係の中で決せられるものだ。とりわけ、戦争教育への大転換を狙う教育基本法の改悪を阻止するためには、教育現場をめぐる教育労働者と支配階級との激突こそ決定的に重要なのだ。
自公の間では教基法改悪案に盛り込む言葉を「国を愛し」「国を大切にし」のどちらにするかが焦点となっている。いずれにせよ、教基法改悪の核心的狙いは、子どもたちに愛国心をたたき込み、戦争に進んでおもむく青年をつくり出すことだ。
この時、日教組の30万組合員が、全国の学校で「戦争教育の手先にはならない」ときっぱりと宣言して「日の丸・君が代」不起立闘争に立ち上がるならば、教基法改悪策動など一瞬にして吹き飛ぶことは間違いない。教育基本法の条文を変えても、教育労働者の闘いをたたきつぶさなければまったく意味がないことを突きつけるものだからだ。
こうした闘いのために日教組は存在してきたのではないのか。闘いに立ち上がれば、日教組の存在が今ほど光り輝く時はない。
日教組本部の屈服と裏切り弾劾し闘おう
この時、日教組本部が教育基本法改悪阻止のための闘いを何ひとつ起こさないのは、本当に許せない。日教組本部の唯一の要求は、「衆参両院に『教育基本法調査会』を設置し、幅広い議論を行うことを求める」ことだ。「幅広い議論」を経て改悪を進めることを尻押しする運動ではないか。組合員から臨徴を集めながらも、05年度は全国集会を一度もうたず、06年度方針にもない。
日教組本部の屈服と裏切りを徹底弾劾して、現場組合員から教育基本法改悪阻止の闘いを巻き起こそう。その核心は3〜4月の不起立闘争だ。
「日の丸・君が代」強制攻撃の核心的狙いとは、一切の抵抗を根絶やしにすることにある。そして教育労働者の抵抗闘争が根絶やしにされた時には、「戦争に行って、お国のために死ね」と子どもたちを戦場に送る手先になり果てる道しか残らない。こんな生き方は絶対にできない! 一切の戦争協力を拒否して闘いぬこう。
東京の教育労働者のみなさん! 全国の教育労働者のみなさん! 勝負は来年でも再来年でもない。この3月卒業式において、勇気を持って40秒の抵抗闘争を断固闘いぬこう。04年・05年を超える不起立闘争をたたきつけ、日教組30万組合員の決起で、教育基本法改悪・改憲を阻止しよう!
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筋は通そうと決意 東京・教育労働者は闘う
10・23通達下の3度目の卒業式が迫ってきました。
2月5日の集会で特に感動的だったのは、この間不起立を続け、減給や停職処分を受けている2人の女性労働者の発言でした。そこで呼びかけられた「君が代」解雇をさせない運動の呼びかけは、直ちに形になりスタートしています。「仲間を首にしてはならない」という署名運動は、不起立をなかなか自分自身の行動にできない教育労働者も含めて、全組合員が取り組める闘いです。「不起立解雇」を闘う側から先制的に焦点化することで、都教委の異常な突出ぶりを社会問題化し、都教委の憲法違反、教育基本法無視を万人に訴えることができる決定的な闘いです。今日署名用紙が届いたので、直ちに取り組みを始めます。
その上で私たち教育労働者にとって何より大切なのは、被処分者を孤立させず、全都で不起立闘争を拡大することです。歴史の主人公は労働者だという気概を持って、不起立を貫きたいと思います。
これまでずっと座ってきましたが、昨年4月に異動したばかりの職場で、座ることに躊躇(ちゅうちょ)がなかったかと言えばウソになります。でも起きる事態は引き受けてそこから始めよう、筋は通そうと決意して座りました。「日の丸・君が代」強制反対は、絶対に譲れない闘いだからです。先日の職員会議では「国歌について歴史的背景にふれ、国歌斉唱は強制しない」ということが提案されました。それを今年も続けようという私の発言に、校長は異論を挟めませんでした。これが今も現場の総意なのです。
都教委の都立校に対する現下の強制は、戦争に向けた暴力的な攻撃です。だから「日の丸・君が代」強制反対の職場闘争は、「戦争協力拒否」の組合的団結をつくり出す闘いそのものです。私はその立場を堅持して、不起立闘争を闘いたいと思います。
(A・T)
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週刊『前進』(2236号3面2)(2006/03/06)
“不起立で元気に” 福岡 教基法改悪阻止へ集会
2月11日、教育基本法改悪阻止!実行委員会が主催する「とめよう戦争!許すな改憲!教育基本法改悪阻止!2・11福岡集会」が行われ、「正念場中の正念場が訪れた」「いま闘わなければ次はない」という思いで、教育労働者を中心に80人が参加しました。
7回目となる集会・デモです。実行委員会の集会は、闘いを求める教育労働者、いま行動しなければという思いの人びとにとってかけがえのないものとなっています。呼びかけにこたえ、現場の教育労働者が多数参加しました。
(写真 2・11集会には教育労働者が多数結集し、「日の丸・君が代」強制反対の06年不起立闘争が宣言された【福岡市天神】)
福岡では、昨年「不起立宣言」−不起立闘争が闘われ、続いて「目標管理」攻撃に対する「書かない・提出しない・面談しない」の断固とした闘いが職場でつくり出されています。集会は「闘えば勝利できるぞ!」という意気込みがあふれました。
福岡大学の勝山吉章さんの「なぜ、教育基本法を変えようとするのか?」と題する講演が行われました。勝山さんは、グローバリズムによる世界の変貌(へんぼう)やその中で軍事大国化を進める日本の現状など、教育基本法改悪の背景を話しました。
実行委員会の基調報告は、帝国主義の腐敗を暴き、危機にあえぎ世界戦争で生き延びようとする帝国主義を労働者の力で倒そうと呼びかけました。その最前線の闘いこそ、「日の丸・君が代」強制反対の不起立闘争であることを明らかにし、06年の不起立闘争を力強く宣言しました。昨年の11・6労働者集会の意義を述べ、不起立闘争と一体の闘いとして、闘う日教組の再生、憲法改悪=教育基本法改悪阻止、国民投票法案阻止の闘いを訴えました。
わたり給廃止攻撃を跳ね返し、公務員制度改革絶対反対を闘う自治体労働者の発言、反戦共同行動・福岡の石崎昭哲さん、民間労組、国労闘争団のアピールが行われました。
教育労働者は、改憲−教基法改悪阻止、とりわけ国民投票法案阻止の闘い、執行部選挙戦、「日の丸・君が代」不起立闘争を闘う決意を明らかにしました。特に執行部選挙に立候補する教育労働者が全員登壇し決意を表明した時は、会場は割れんばかりの拍手に包まれました。
まとめと行動提起を教育労働者が力強く確信に満ちて行いました。
「いま戦争国家づくりの総仕上げというべき攻撃が進んでいる。06、07年の2年間は歴史の重みがまったく違う。腹を据えて闘おう。それぞれの個別の闘いと教基法改悪阻止−憲法9条改悪阻止の闘いをつなげよう」と呼びかけ、具体的な行動方針を@「日の丸・君が代」強制に断固反対しようA「書かない・提出しない・面談しない」の闘いで「目標管理」攻撃を根底から打ち破ろう。闘う執行部をつくるために選挙闘争に勝利しようB3・31教育基本法改悪阻止の国会デモに立ち上がろう――と3点提起しました。
集会後、激しく雨が降る中、沿道の人たちにビラを配りながら元気に市内デモを行いました。
2・11集会に参加した教育労働者は「明日の職員会議ではがんばりましょう」と元気いっぱいでした。そして翌日の職員会議で卒業式が論議され、全員が発言し、校長の思惑を粉砕しています。1年前まで管理の厳しさでは福岡市で1〜2位を争う職場だったのですが、不起立闘争が職場を変え、分会員を元気にしています。
(投稿/福岡・教育労働者H)
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週刊『前進』(2236号3面3)(2006/03/06)
百万人署名運動が呼びかけ
イラク撤兵、改憲阻止 3・19芝公園で東京集会
米帝のイラク侵略戦争開始から3周年の3月18〜20日、世界と日本各地でイラク反戦集会・デモが闘われる。その一環として、19日(日)午後2時から東京・芝公園23号地で「イラク反戦国際行動3・19東京集会」とデモが行われる。主催は集会実行委員会(呼びかけ/とめよう戦争への道!百万人署名運動)。
この3年間でイラクの人びとは10万人以上が殺されている。米英日帝国主義はイラク人民の不屈の闘いによって泥沼的な危機を深めながらも、なおも凶暴な侵略戦争を継続している。日帝・小泉政権はイラク派兵法を延長して陸自東部方面隊を送り、空自にイラク国内24空港への軍事輸送を担わせようとしている。絶対に許してはならない。
集会は、自衛隊のイラクからの全面撤退を要求するとともに、米軍再編と改憲攻撃にも反対する闘いとしてかちとられようとしている。呼びかけにこたえて総力で結集しよう。
「20労組」主催 3・25憲法集会
また憲法改悪の攻撃が強まる中で、陸海空港湾労組20団体の主催、憲法改悪反対労組連絡会の協賛で3月25日(土)午後2時から、「憲法と私たちの安全を考えるつどい」が東京・千代田区公会堂(千代田区九段南1−6−17)で開かれる。講演は佐高信氏(評論家)と坂本修氏(弁護士)。ほかに労働組合からの発言が行われる。
陸海空港湾労組20団体は2月9日に発した憲法改悪反対の声明の中で、「(憲法改悪は)日本を『戦争する国』にして海外での戦争ができるようにしようとするもの」であり、そうなれば「さまざまな職種の労働者が強制的に参加させられることになります」「けっして認められるものではありません」と批判している。20労組と連帯して闘おう。
海員・全国港湾がアピール
陸海空港湾労組20団体の構成団体である全日本海員組合と全国港湾労働組合協議会は2月3日、「被害者にも加害者にもならない/平和の海と港こそ私たちの職場です」とする憲法改悪反対共同アピール(別掲)を発表した。
同アピールは「憲法改悪は、有事法制の発動に道を開くもの」と批判し、国民投票法案を「憲法改悪への歩みを具体的に進めるもの」と弾劾している。そして、「国民各層のあらゆる団体と憲法改悪反対の一点で共同し、平和憲法を守り抜くことを呼びかけます」としている。
改憲阻止に向かって、労働組合が大きく動き始めた。連合中央の反動的制動を粉砕して、国民投票法案粉砕・改憲阻止へ闘おう。
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週刊『前進』(2236号3面4)(2006/03/06)
憲法改悪に反対する海員・全国港湾の共同アピール
●被害者にも加害者にもならない
1.2006年は、日本国憲法が誕生して60年を迎えます。この60年の間、日本社会に生きてきた人びとは、この平和憲法のもと戦争によって殺すことも殺されることもなく、また、子どもたちが兵士に取られる心配もなく生きてきました。平和憲法の精神は、わが国に生きるすべての人びとに深く浸透しています。
しかし、平和憲法のもとにあっても、海員は世界で頻発する戦火をくぐり、尊い命を失う悲劇を経験してきました。港湾労働者もまた、朝鮮戦争に駆りだされ、ベトナム戦争に協力させられるという実体験をもっています。だからこそ、二度と戦争体制に組み込まれたくないという思い、平和への希望は切実です。
2.海員・全国港湾は、戦争放棄を明記し基本的人権や国民主権など人類にとって普遍的な価値が込められた憲法の改悪に断固として反対します。
昨年、自民党は自衛隊を自衛軍とするなど9条を軸にした憲法「改正案」を発表しました。さらに小泉首相は、先の通常国会冒頭の施政方針演説のなかで、国民投票法案を「整備されるべきもの」と明言しました。このことは、憲法改悪への歩みを具体的に進めるものです。
●平和の海と港こそ私たちの職場です
3.海員・全国港湾は、先の一連の有事法制審議・成立の過程では、自らの悲惨な戦争体験をもとに命と職場の安全を守る観点から、共同して反対しその廃案を強く訴えてきました。
そして今、米軍基地を抱える自治体が一斉に反発を強めている在日米軍再編計画は自衛隊と米軍との連携強化を目指すものであり、国民的な不安と危惧を生じさせるものです。
これらの動きをみるとき、まさしく憲法改悪は、有事法制の発動に道を開くものです。
4.私たちは、平和憲法の改悪に反対します。むしろ、今こそ平和憲法を高く掲げ、アジアや世界中に広げ、生かすときと考えます。
「戦火の海に船員は二度と行かない」と誓って結成した海員組合と、「軍事荷役はやらない」と決意する全国港湾は、陸・海・空・港湾労組20団体をはじめ、ナショナルセンターの違いを超えてすべての労働組合、宗教者や市民団体、学生、弁護士団体、婦人団体など国民各層のあらゆる団体と憲法改悪反対の一点で共同し、平和憲法を守りぬくことを呼びかけます。
2006年2月3日
全日本海員組合
全国港湾労働組合協議会
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週刊『前進』(2236号3面5)(2006/03/06)
“国民投票法阻止を”
全国労組交流センターが総会 中野洋代表が熱い訴え
全国労組交流センターの第13回定期全国総会が2月4〜5日、神奈川県内で開かれた。昨年の勝利を確認し、06年の4大産別決戦と改憲決戦への総決起を誓う画期的な総会となった。
1日目、入江史郎代表があいさつし、「今日で労組交流センターができてから丸17年目を迎える。動労千葉のすばらしい闘いのもとに昨年の勝利があった。今年は今までの人生をかけた闘いの総決算。心して発言していただきたい」と檄(げき)を飛ばした。
次いで基調提起を辻川慎一事務局長が行い、「昨年は、労働運動にかけてきて自分が何のために闘ってきたのか確信が持てる年だった。11・6から訪韓闘争の地平をはっきりさせることが一切の前提。そのためにも動労千葉の立場に立ちきろう。動労千葉の闘いは、日本労働運動の戦闘的継承、70年闘争の発展か解体かをかけた闘いだった。動労千葉の存在の大きさが韓国に行って初めて分かった。いよいよおれたちの時代だと確信して06年の決戦に臨む。そこで徹底討議、徹底一致して方針を貫徹することが必要」と、議案書の核心点を提起した。
続いて質疑応答に入り、郵政民営化絶対反対を掲げて闘う全逓労働者を皮切りに国鉄、教労、自治体と4大産別の労働者が発言。全国、各産別の労働者の発言が続いた。その中で動労千葉の田中康宏委員長が昨年の闘いの総括を提起し、特に国際連帯の広がりについて詳しく報告した。
1日目の討論のまとめを中野洋代表が提起した。「05年を勝利的に総括しているが、これは交流センター始まって以来のこと。なぜ勝利と言えるのか。05年から07年は歴史的な決戦だと言ってきた。来年07年は、87年の国鉄分割・民営化から20年、敵の矛盾は想像以上だ。都高教の昨年の決起は60数人だったが、これが重要だった。ファシストは抵抗されると弱い。日教組の30万人が全員不起立したら教基法改悪はつぶれる。動労千葉が安全運転行動に職場から立ち上がったから、11月に向かって闘いが盛り上がった。動労千葉と交流センターは一心同体だ」
このまとめを受けて2日目も活発な討議がなされた、その中で三一書房労組の三角忠さんが三一争議勝利の報告と支援に対するお礼の言葉を述べた。
中野代表が2日間の討論をまとめ、闘いの展望を語った。「06年は、小泉=奥田体制の破綻(はたん)が爆発する年。だからこそ敵は凶暴化してくる。自治労臨大含め、4大産別の臨大が1〜3月に集中するのは初めて。連合は1・19中執会議で国民投票法成立を表明した。これは大変な攻撃。これが通ったら半ば改憲されたことになる。だからこそ05年の勝利が大きい。今年は勝負の年だ」と交流センター会員の総力決起を訴えた。
最後に、労組交流センターの飛躍のために常任運営委員を増強した新人事体制を決定した。総会参加者は午後、東京で行われた「日の丸・君が代」強制に反対する集会に合流した。
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週刊『前進』(2236号4面1)(2006/03/06)
全国から3・26三里塚へ
北延伸工事今夏着工阻止を
改憲と戦争突入に向けて 人民闘争の拠点圧殺狙う
三里塚芝山連合空港反対同盟は、3月26日に現地で全国総決起集会を開催することを決定し、全国の労働者人民の総結集を呼びかけている(招請状別掲)。成田空港の閣議決定(1966年7月)から40年、日本帝国主義の凶暴な攻撃に敢然と反対し、不屈に闘い抜いてきた三里塚闘争は、日帝の改憲と戦争突入の攻撃の前に立ちはだかる人民闘争の偉大な拠点だ。反対同盟農民と固く連帯し、迫り来る暫定滑走路北延伸攻撃をはね返すために総力で決起しよう。
一級の国策を40年間阻止する三里塚闘争
「日本の表玄関」を標榜(ひょうぼう)する成田空港は、戦後高度成長期の1966年に3本の滑走路計画をもつ一大国家プロジェクトとしてスタートした。しかし、農民たちの激しい抵抗闘争が巻き起こり、78年の1期暫定開港(A滑走路=4000b)までに12年もの歳月を費やした。さらにここから2本目のB滑走路が暫定滑走路として供用される02年までに24年を要した。滑走路が「暫定」となったのは、用地取得に最終的に失敗し、予定の2500bを2180bに切り縮めて暫定オープンしたからだ。
短くなった暫定滑走路の南端には東峰と天神峰の二つの農村がある。村の約半分が空港(B滑走路)予定地内にあり、用地売却を拒む反対農家が散在する。ここは当初のB滑走路計画のど真ん中に位置していて、村の南側には滑走路の一部(第2ターミナルビルの前)が完成しているが使えない。02年の暫定開港は北側半分の供用なのだ。
この暫定滑走路の供用開始で、滑走路南端にある農家の上空わずか40bにジェット機が行き交う尋常ならざる事態が生まれた。滑走路西側の用地内に食い込んでいる反対同盟員の市東孝雄さん宅には、地上走行のジェット機から猛烈な排ガスが吹き付ける。これらの驚くばかりの人権破壊の現実は、マスコミ報道からほぼ完全に隠されている。
もとよりこのような開港は違法である。航空法は、空港設置が住民の生活環境に破壊的影響を及ぼす事態を禁じている。そもそもこれほどの生活環境破壊は、現行憲法が保障する生存権の剥奪(はくだつ)だ。
NAA(成田空港会社)は、東峰・天神峰の農家が「飛行機を飛ばせば必ず屈服する」と見込んで開港を強行した。「完全空港化」に最も熱心な千葉県の堂本知事は、農家への”説得”で、「ここは人間が住む環境ではない」などと言い放った。「人が住めない」環境を一方的につくり出して移転を強要する−−これが「民主的話し合い」による空港建設の実態だ。
政府と国交省はこれまで公開シンポジウム(91〜93年)などで何度も「過去の一方的な空港建設」を「謝罪」してきた。「地権者の同意なき着工は行わない」とも確約した(円卓会議=94年)。その結末が暫定滑走路供用なのである。農民を虫けらのように扱う現実は、改善されるどころか現在も続いている。
反対同盟と地権者農民の怒りは大きい。彼らは暫定開港の暴挙に対して最後まで屈服と移転を拒み通した。極限的な環境に身をさらして、国家犯罪ともいうべき暫定開港の現実を告発したのである。開港後、NAAの黒野社長はまたしても「謝罪文」を東峰区住民に配布したが(03年5月)、ここまで農民を愚弄(ぐろう)して恥じないNAAに対する農民の怒りはもはや限度を超えている。
「飛ばせば屈服する」との傲慢(ごうまん)な見込みが外れたNAAは窮地に立った。2180bの暫定滑走路(離島空港なみ)は大型機が飛べず、多くの未買収地を残して供用した結果、誘導路も片側通行で「への字」に湾曲するなど欠陥だらけの滑走路となった。無理な開港の結果、オーバーランや誘導路での接触事故、鉢合わせなどの事故が頻発し、予定の便数も増やせず国際空港として使い物にならないことが明白になった。株式上場(現在は国交省が全株保有)予定も、B滑走路の完全化(最低2500b以上の滑走路と誘導路の複線化)が前提なので、当初予定の上場時期(07年)は早くも吹き飛んだ。
NAAと政府、国交省は追いつめられ、昨年8月、暫定滑走路の「北側延伸による2500b化」を一方的に決定した。供用時期は09年度と発表。暫定滑走路計画の決定(99年)と同様に、結局、地元農民は無視された。過去の「謝罪」や「確約」はボロクズのように捨て去られた。
北延伸計画とは、本来計画とは逆の北側に滑走路を延長し、南側の反対農家の上空40bにジャンボ機を飛ばして追い出そうという常軌を逸する暴挙である。現在すでに最高で110デシベルを超え「人の住める環境ではない」(堂本知事)ところに、騒音値が格段に高いジャンボ機を飛ばせばどうなるのか。農民たちに”死刑宣告”を突きつけ、何がなんでも移転を強要する、国家ぐるみの”地上げ”行為だ。
法的手続き無視したトンネル着工の策動
NAAと政府、国交省は焦りを隠せない。NAAの黒野社長は昨年末の会見で「06年夏にも着工したい」と公言し、滑走路北端部と交差する国道51号線のトンネルの付け替え工事から着手する意向をうち出した。法的手続きを無視したデタラメな方針だ。
本来、北延伸計画は工事実施計画の変更なので、国土交通大臣への再申請と認可が前提だ。さらに法に基づく環境アセスメント(影響評価)や公聴会などの手続きを経て、初めて工事が可能になる。環境アセスも最低1年間は必要で、公聴会も含めた手続きをすべて終えて実際に着工できるのは早くても来年春以降になる。しかし、NAAはこれらの手続きを無視して今夏〜秋の着工を強行する構えだ。
着工を急ぐ直接の理由は、国道51号線トンネル工事の規模と工期だ。滑走路本体の真下を通る(現在はアプローチエリアの地下)ため、航空機着陸時の重圧に堪える強度構造で全長420bの大規模工事になる。巨大クレーンを林立させる工事だが、航空機が飛ばない夜間だけの工事(夜11時〜朝6時)となる。しかも、昼間はクレーンを撤去し、夜の工事再開時に設置し直すという難題付き。1日の工事時間は実質わずか3〜4時間と見られる。
明らかに、法的手続きを踏んで着工したのでは、「09年供用」に間に合わない。そこでこのトンネル工事を滑走路の認可変更手続きと「切り離し」て、前倒しで工事を強行しようとしているのだ。あからさまな脱法行為である。
この背景には、強力な競争相手となった羽田空港の4本目の滑走路が09年度にオープンする問題もある。羽田空港に再び国際線が復帰し、成田発着の短距離アジア便の大半が羽田に移る趨勢(すうせい)だ。成田の完成が30年以上も遅れた代替策だが、成田の暫定滑走路は存在意義を根本から問われる結果となった。北延伸の完成が羽田よりも遅れると、「成田Bラン不要」論が浮上することは必至だ。40年の歳月をかけた国策事業の最終的な破綻(はたん)である。これだけは政府として絶対に容認できない。
もうひとつ着工強行の決定的な動機がある。反対同盟農民を始めとする空港反対闘争を今度こそ根絶やしにしようとする治安政策の要請だ。NAAと政府、国交省は、全国の住民運動に根強い影響力を持つ三里塚農民の根絶に執念をにじませる。反対同盟とその周辺に対する警察の嫌がらせ行為がエスカレートしているのはその端的な表れだ。
第一級の国策事業を40年間も阻み続ける三里塚闘争は、権力支配の破綻を象徴する存在だ。閣議決定と法を振りかざし、警察力の総力が投入され、なおかつ成田空港は完成できない。反対運動に凝縮したエネルギーは半端ではない。三里塚は今でも権力の暴力支配が及ばない解放区なのだ。
空港建設の最終的破綻へ
改憲攻撃が本格的に始まり、階級対立が先鋭さを増せば増すほど、三里塚のような闘争拠点は、国家支配を崩壊に導く致命傷に転化する。政府と国交省は、暫定滑走路北延伸攻撃が反対闘争を鎮圧する最後の機会と考えている。成田空港建設全体が最終的な破綻に直面しているのだ。
そうした事情を背景に、NAAと国交省は北延伸の最大の難工事といわれる国道51号線トンネル付け替え工事をこの夏〜秋にも前倒しで始めようとしている。このほかにもNAAは、北側進入灯用地を確保するためのゴミ処理場の違法転用(廃棄物処理法の無視)や東峰区住民の生活と不可分の関係にある通称「東峰の森」(県有林)を過去の確約を無視して伐採し、ジャンボ機が通れる誘導路を新設する計画などを打ち出している。
新誘導路用地とされた「東峰の森」は周囲の畑地の保水機能を担い、戦後開拓の時代から防風林や入会的利用のために村人が守ってきた場所だ。NAAは東峰区住民に対し「森を樹林地として整備・育成する」と文書で確約した経緯もある(96年)。新設誘導路設置計画が明らかになった昨年9月以降、NAAはこの問題に沈黙し、一言の弁明もしていない。彼らは東峰神社の立木伐採(暫定開港の前年、村の総有財産である滑走路南端の神社立木を「飛行の邪魔になる」とNAAが盗伐。裁判は住民側が勝訴)と同様に、警察権力によるやみ討ちを策動している。
革共同は、今夏〜秋の北延伸着工阻止決戦を断固として宣言する。われわれは、51号線トンネル付け替え工事を滑走路本体の着工と見なす。ゴミ処理場の転用を含め、NAAと国交省の脱法行為がまかり通るような事態を絶対に容認しない。北延伸工事は09年完成が至上命題であり、1年の遅れが致命傷となる。3・26三里塚全国闘争を突破口に着工阻止に決起しよう。
国家の暴力的政策を粉砕した労農の闘い
40年間にわたり国策事業を阻止し続ける三里塚闘争は、国家の暴力支配が及ばない政治空間でもある。71年の2度の強制収用、78年の1期開港、86年の2期工事着工、88年の強制収用攻撃などの幾多の決戦で、政府は無数の警察・機動隊をくり出して闘いの鎮圧に全力を挙げたが、予定された3本の滑走路は今日に至るもまだ1本半しか供用できていない。
71年の強制収用阻止決戦は、革命的左翼運動が全土を揺るがした70年安保・沖縄闘争の一方の柱として「北総農民反乱」と呼ばれる空前の人民決起を実現した。三里塚の村々は警察官も立ち入ることができない解放区と化した。強制収用の現場周辺で3人の警官が死亡した「東峰十字路事件」では、村じゅうの青年122人がデッチあげ逮捕され、55人が傷害致死罪で起訴される空前の弾圧に見舞われた。それでも農民たちは闘いを継続、反対運動は周辺市町村にも広がり、動労千葉の労働者による燃料輸送阻止闘争などが粘り強く闘いぬかれ、さらに7年間も開港は阻止された。
78年の開港阻止決戦では数万人が北総台地を埋めた。2人の青年・学生が権力に虐殺される激しい闘いの末に、開港を目前にした管制塔が占拠・破壊され、日本全土の航空機が完全に停止する空前の大ゲリラ戦闘が敢行された。開港(Aラン)の既成事実も、闘いを終わらせることができなかった。それどころか三里塚闘争は、以後20年を超える日本階級闘争の武装的発展を牽引(けんいん)する機関車となった。
86年の2期工事着工をめぐる闘いでは、三里塚十字路戦闘(85年10・20=250人もの逮捕をのりこえる激烈な対機動隊せん滅戦闘)や浅草橋戦闘(85年11・29=20万人の首を切った国鉄分割・民営化と闘う国鉄労働者と連帯した大戦闘)などの激烈な闘いが爆発、さらに88年から動き出した強制収用攻撃に対しては、審理再開に動き出した千葉県収用委員会を実力で解体する闘いに勝利し、以後17年間にわたって権力の強制収用機関が存在しない状態に陥る画期的な事態が生まれた。
成田の強制収用は、土地収用法に基づく事業認定(国交相が69年に認可)を根拠にしているが、前記の収用委崩壊中に事業認定の有効期限は最後的に失効し、成田空港は永遠に強制収用ができない状態にたたき込まれた。事業認定の失効は、日本帝国主義始まって以来の出来事だ。
このように三里塚闘争は閣議決定(66年)で決められた国策を40年にわたり阻止し続けているのである。
三里塚闘争が国家の暴力をのりこえ、ここまで大きな力を発揮できた最深の根拠は、労働者階級を先頭に階層を越えた支持と力を結集したことに尽きる。問答無用の農地取り上げに対して、命がけの反乱を開始した農民たちの姿に、その反権力の徹底性に、膨大な数の人びとが自己の未来を重ねて無償の支援を送り、また農民たちとともに戦場に立ち、労農連帯(同盟)の新たな戦線を創造してきた。その先頭に立ったのが動労千葉を始めとする反戦派労働者の隊列であり、全学連の学生だった。
こうして三里塚闘争は、70年安保・沖縄決戦の巨大な地平を、80年代の政治反動期をものりこえて継承・発展させていった。三里塚は革命的左翼活動家の多くが常駐する根拠地ともなり、農民たちと生活をともにしつつ、権力と非和解的に対決し続ける一大政治空間を今日まで綿々と守り抜いてきた。この三里塚闘争の真価は、差し迫る改憲攻撃との階級決戦の中で遺憾なく発揮されるだろう。
改憲阻止闘争と一体の闘い
三里塚闘争はそれ自身が最強の反戦の砦(とりで)だ。そのゆえんは、帝国主義権力との非和解的対決の歴史そのものにある。
国家の戦争は一切の反対運動を許さない。戦時体制は、階級闘争の完全な鎮圧の上に初めて成り立つ。ついに本格的に動き出した改憲攻撃が、国民投票法案が示すとおり、反対派の登場を一切許さない空前の治安攻撃として現れつつあるのも、その本質が戦時体制への突入そのものにあるからだ。改憲との闘いに妥協点はない。攻防の本質として革命の問題、権力の問題が必ず問われる。三里塚闘争が貫いてきた階級闘争としての徹底性があらゆる意味で問われるのも改憲攻撃との闘いの決定的な特徴だ。
また改憲攻撃が動き出した瞬間、日本共産党がスターリン主義としての本質をむき出しにして統一戦線の破壊に動きだした根拠も、改憲攻撃が本質的に革命の問題を提起しているからだ。闘いが前進すればするほど、必ずや彼らは闘いそのものの破壊者として立ち現れるだろう。
三里塚闘争の初期において、権力との激突が現実となった瞬間、日本共産党がなりふり構わぬ闘争破壊者として振る舞った歴史の事実は消せない。三里塚闘争は日共スターリン主義との決別(反対同盟による絶縁声明=67年)を通して、歴史に残る反権力闘争への扉をこじあけたのである。
改憲攻撃開始という情勢は、三里塚闘争の歴史的復権を要請している。現下の暫定滑走路北延伸着工阻止決戦は、労働者人民・青年学生が総力で闘い取るべき課題なのである。
すべての労働者・学生のみなさん! とりわけ青年労働者・学生のみなさん!三里塚闘争の地平を共有し、人民の革命的反乱の時代を切り開こう。
教育労働者を先頭に「日の丸・君が代」の強制拒否の不起立闘争を昨年、一昨年以上に発展・拡大させるために全国で卒業式闘争を大爆発させよう。全国の職場・生産点から階級的、戦闘的労働運動をつくりだそう。全国の職場・学園・地域から改憲反対の一大闘争を巻き起こそう。イラク侵略戦争開戦から3年の3・19イラク反戦闘争、3・26三里塚、3・31教基法改悪・改憲反対全国集会の連続闘争に決起しよう。
反戦の砦を40年間守り抜き、決戦の先頭に立つ反対同盟農民との新たな連帯をつくり出そう。3・26三里塚全国闘争を現地調査〜青年交流会(闘争前日)〜援農行動(闘争翌日)を含む一大三里塚連帯行動としてかちとろう。暫定滑走路北延伸工事の今夏〜秋着工攻撃を断固として阻止しよう。
〔赤坂 潤〕
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週刊『前進』(2236号4面2)(2006/03/06)
現地へ総結集訴えます 三里塚反対同盟が招請状
三里塚芝山連合空港反対同盟が3・26全国総決起集会の招請状を全国に向け発した。暫定滑走路の北延伸工事今夏着工阻止を訴える反対同盟の呼びかけにこたえ、全国から三里塚現地へ結集しよう。(編集局)
全国の闘う仲間のみなさん。改憲攻撃を頂点とする小泉反動との闘いと軌を一にして、三里塚は暫定滑走路北延伸の着工をめぐる決戦に突入しました。この夏にも、国交省は延伸工事に着手する構えです。反対同盟は、三月二十六日に全国総決起集会を開催し着工阻止へと攻め上ります。全国のみなさんの総結集を訴えます。
この夏にも着工が策動されるのは、北延伸の最大の難工事といわれる国道五一号線のトンネル工事です。延伸によって滑走路が空港北側を走る国道五一号線と交差することから、現在のトンネル(十余三トンネル)の北側三〇〜四〇メートルの地点に航空機の重量に耐えられる新トンネルを建設するものです。本来、北延伸は、東峰地区における新誘導路建設とともに、成田空港工事実施計画そのものの変更であることから、国交大臣による計画変更認可をもって初めて工事が可能になります。しかし新トンネルは、現在のトンネルの三倍の全長四二〇メートル、滑走路の重圧に耐える構造にするための大規模工事であり、航空機の飛ばない夜間工事が避けられないことから、通常の工事手順では〇九年供用に間に合いません。そこで工事実施計画の変更認可と切り離し、前倒しで道路工事を強行しようとしているのです。
このトンネル工事は、事実上の北延伸着工です。さらに北側進入灯用地を確保するためのゴミ処理場の違法転用、ジャンボ機が通行可能な誘導路新設のための「東峰の森」破壊など、おいつめられたあげくの無謀な攻撃が策動されているのです。
民家の上空四〇メートルでジャンボ機(大型機)を飛行させるという、常軌を逸した暴挙は断じて許されません。北延伸がもたらすものは、現状一一〇デシベルをはるかにこえる殺人的大騒音です。これによって天神峰・東峰地区から農家を追い出し、平行滑走路の本来計画につなげることを目的にしているのです。悪質地上げ屋まがいの暴挙を、反対同盟は総力ではね返し、空港廃港に追い込む決戦として、この夏・秋を闘いぬく決意です。
戦後を一変させる小泉内閣の反動攻勢に対して、「戦争協力拒否」「教育基本法改悪・改憲阻止」をかけた労働者の決起が始まりました。民営化による労組破壊に対して動労千葉を先頭に春闘が闘われています。沖縄では名護新基地計画に反対する新たな決起が広がっています。労農連帯と反戦の砦=三里塚は、これら全国の闘いと一体です。三里塚の四〇年は「国策」による人権圧殺と軍事空港建設に真っ向から反対し勝利してきました。自衛隊はいまだ、迷彩服を着用して成田空港から出兵することができません。戦争放棄を誓った九条の改悪と、戦後闘い取った人民的権利を奪う改憲は、この三里塚闘争を一掃する攻撃です。北延伸着工阻止の決戦を、戦争のための国家づくりに立ち向かう新たな三里塚闘争として闘いとる決意です。
暫定滑走路の北延伸は、実力抵抗闘争によって追いつめられたあげくの工事計画です。欠陥だらけの計画と減収減益の懸念から〇七年株式上場の先延ばしがすでに確定しました。闘えば必ず勝利できます。不屈の四〇年の地平をもって反対同盟は断言します。天神峰現闘本部裁判などの三里塚裁判支援運動のいっそうの拡大を訴えます。三・二六全国集会は夏・秋の闘いの突破口を切り開く総決起集会です。全国から大結集されるよう切に訴えます。
二〇〇六年二月十九日
三里塚芝山連合空港反対同盟
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国道51号線トンネル工事着工阻止
暫定滑走路北延伸攻撃粉砕
3・26全国総決起集会
【日時】3月26日(日)正午
【会場】成田市天神峰 同盟員所有地
【主催】三里塚芝山連合空港反対同盟
【会場案内】JR成田、京成成田駅からタクシーで「東峰十字路」まで2000円▼車は成田インターから国道295号線に入り芝山町(空港)方向。日航ホテル手前で小見川県道を小見川方向。「東峰十字路」へ
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週刊『前進』(2236号4面3)(2006/03/06)
2月15日〜21日
自衛隊の嘉手納使用を検討
空自司令、下地島配備に言及
●沖縄県知事、沿岸案拒否を強調 沖縄県議会の2月定例会で稲嶺知事が06年度の県政運営方針を表明し、米軍普天間飛行場の移設問題で日米が合意した名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部案を拒絶する考えをあらためて表明した。また、危険性除去の観点から、移設問題と切り離して同飛行場の運用停止などを含めた緊急措置が負担軽減策として最終報告に盛り込まれるよう日米両政府に働き掛ける、とした。(15日)
●空自司令「下地島配備が有効」 航空自衛隊那覇基地の滝脇司令が記者懇談会で「中国の軍事力増強は脅威」と強調、「下地島空港に展開できれば非常に有効だ」と述べ、宮古島市の下地島空港を基地化し、戦闘機部隊を配備するか、一部訓練を移転させることが望ましいとの考えを明らかにした。(15日)
●自民が北朝鮮人権法案を了承 自民党の「北朝鮮による拉致問題対策本部」(本部長・逢沢一郎幹事長代理)が「北朝鮮人権法案」の骨子を了承した。拉致問題など北朝鮮による人権侵害が改善されないと判断した場合の経済制裁発動を政府に義務付けている。(16日)
●新憲法2次草案に意欲 自民党の船田元・憲法調査会長が昨年10月にまとめた同党の新憲法草案について「党内の意見交換で、自民党らしい政策をもう少し折り込むべきだという意見が相当出た」と述べ、2次草案づくりに意欲を示した。(16日)
●自衛隊の嘉手納使用を検討 守屋防衛事務次官は、米軍嘉手納飛行場について「(米軍再編協議で)共同訓練の方向で検討している」と、自衛隊と米軍との共同使用を明言した。また、空自那覇基地所属のF4戦闘機の1個飛行隊を08年度中にF15戦闘機に入れ替える方針を明らかにした。防衛庁首脳が空自那覇基地へのF15の配備を明言したのは初めて。(16日)
●中国の軍事力に脅威「感じてる」と前原 民主党の前原代表は、中国の軍事力について「多くの国民が脅威を感じる。それは事実だと思う」と、「中国脅威論」は世論としてあるとの認識を示した。(17日)
●安倍官房長官、教基法改悪に意欲 安倍官房長官が講演し、教育基本法改正について「与党で最後の調整に入っている。ぜひとも行いたい」と今国会での改正に意欲を示し、改正案に「愛国心」の文言を盛り込む考えを強調した。(17日)
●日米審議官級協議 日米両政府は在日米軍再編をめぐり非公式に外務、防衛当局の審議官級協議を開いた。在沖縄米海兵隊のグアム移転経費の内訳や積算根拠に関し、米側はハワイで21日に行う日米間の事務折衝で提示する考えを伝えた。(18日)
●米軍、下地島使わず 米軍嘉手納基地が沖縄県空港課に対し、宮古島市の下地島空港使用を通知していた件で、米軍側から「空中給油が終了したので空港は使用しない」との連絡が同課に入った。同空港では使用予定時間に労組関係者らが結集し、抗議行動が準備されていた。(19日)
●米、イラン攻撃目標に31カ所 サウジアラビアの有力紙アルワタンは、米国防総省の内部報告などを引用する形で、米国と同盟国がイランの核施設計31カ所を攻撃目標として特定した、と報じた。(19日)
●「沖縄返還」密約否定の政府答弁書を閣議決定 政府は沖縄返還(72年5月)の際に米国が負担すべき土地の原状回復費を日本が肩代わりした密約の存在を吉野文六元外務省アメリカ局長が認めたことについて「日米間の合意は(沖縄返還)協定がすべてである」との答弁書を閣議決定した。密約を否定する政府見解をあらためて確認した。(21日)
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週刊『前進』(2236号4面4)(2006/03/06)
日程 3・12行動in座間・相模原
米軍再編・基地強化反対!
3・12行動in座間・相模原
日時 3月12日(日)午後2時(デモ出発3時)
場所 座間公園(キャンプ座間司令部西側)
小田急線相武台前駅下車 JR相模線相武台下駅下車
デモコース 基地ゲート前〜体育館前〜相武台前駅〜相武台1丁目公園
主催/米軍再編・基地強化反対!3月行動実行委員会
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週刊『前進』(2236号5面1)(2006/03/06)
3年連続で入管法改悪策す
入国審査時に指紋採取 警察と入管当局が連携
戦時入管体制の強化許すな
小泉は1月20日、施政方針演説で「公務員制度改革」を軸とした行政改革の断行と改憲へのむき出しの意図を明らかにした。同時に「増加している外国人犯罪に対処するため入国時に指紋による審査を導入するとともに、警察と入国管理当局の連携を強化して、25万人と推定される不法滞在者を平成20年までに半減することを目指す」と、外国人犯罪の増加を強調し、入管体制の戦時的強化を宣言した。改憲・戦争と民営化=労組破壊の攻撃と排外主義攻撃、入管法改悪策動とは完全に一体である。在日・滞日人民と日本の労働者人民との階級的連帯闘争で攻撃を粉砕しよう。
侵略戦争体制と一体で指紋押捺復活狙う
日帝・法務省は今通常国会で、04年、05年に続いて3年連続の入管法改悪を強行しようとしている。1月10日に明らかになった内容は、@入国審査の際に、特別永住者らを除く外国人の指紋情報と顔画像を取得する、Aテロリストの入国の拒否と強制退去を可能にする、B外国を出発した航空機や船舶に搭乗した乗員・乗客の名簿を日本到着前に提出することを義務付ける、というものだ。(日経新聞)
在日朝鮮人を始めとした闘いによって廃止に追い込まれた「指紋押捺(おうなつ)」を「テロリスト・テロ対策」として復活させようというのだ。指紋押捺制度は徹頭徹尾治安弾圧・管理のためであることは完全に明らかである。
入管法改悪=戦時入管体制の強化は日帝の侵略戦争体制構築そのものとしてある。それは入管法と一体でかけられている次の攻撃を見ればよりはっきりする。
一つは、バイオメトリクス(生体情報認証技術)の導入策動である。その目的として法務省は「上陸審査時に身分事項に関するデータに加えて生体情報との照合を行うことにより偽変造旅券行使者、テロリスト、国際手配された犯罪者等及び要注意外国人(被退去強制者等)の入国を確実に阻止し、テロ・治安対策及び不法就労対策を効果的かつ効率的に行う」ことだとし、「上陸審査時に外国人の指紋情報等の取得等を行うための入管法改正案を平成18年の通常国会に提出すべく所要の検討を進め、バイオメトリクス導入旅券に対応できる機器を……17年度中に導入する」としている。(「平成17年版『出入国管理』=以下、『入管白書』05年9月)
二つには、「テロ対策基本法」の制定攻撃である。日帝はテロを「集団が政治的な目的で計画的に国民を狙って行う暴力行為」と定義し、テロを未然防止するために、テロ組織やテロリストと認定しただけで@一定期間の拘束、A国外への強制退去、B家宅捜索、C通信傍受――などの強制捜査権を行使することを可能にするという(毎日新聞1月7日付)。アメリカの「愛国者法」とまったく同じだ。
ここに日帝の激しい国家意志を見ることができる。共謀罪を制定し徹底的に弾圧し、その上で「テロ対策」の名のもとに国家的な排外主義を扇動し、より治安弾圧体制=戦時入管体制を強化する策動を断じて許してはならない。
「テロの未然防止」を掲げ改悪に次ぐ改悪
「01年9・11反米ゲリラ戦争」以降の入管攻撃は激しい。重要なことは差別主義・排外主義の扇動と一体で、日帝の反動攻撃が入管体制強化として常に先取りされた形で加えられていることである。
04年、05年と入管法改悪が強行された。とりわけ05年入管法改悪は同年12月策定された「テロの未然防止に関する行動計画」に基づくものであり、共謀罪制定攻撃と完全に一体の攻撃である。
04年には、▽「生活実態調査」でどんな在留資格であってもいつでも「在留資格取り消し」にする、▽「不法滞在者」への罰金額の上限を30万円から300万円(10倍!)にする、▽再入国禁止期間も5年から10年へ延長、と改悪された。さらに「60日ルールの撤廃(入国から60日以内しか難民申請を受け付けなかった)」「仮滞在制度創設」「難民審査参与員制度導入」も、「難民認定制度の見直し」ではなく法務大臣の裁量であることにまったく変わりがない。
05年には、▽旅券の偽造とその所持に対する「不正受交付罪」を新設、▽3年以下の懲役または300万円以下の罰金へと重罰化、▽密入国情報を外国の入管当局に提供する改定、航空・船舶会社に乗客の旅券の有効確認を義務付ける、と改悪された。
以上から明らかなように「煮て食おうと焼いて食おうと自由」(1965年 池上努入管局参事官=当時)という日帝の入管政策はまったく変わっていない。いやそれは完全に戦時体制へと再編強化されようとしている。今次入管法改悪は「テロ・ゲリラ対策」の名のもとに、在日・滞日人民を徹底的に治安管理し、そして「不法入国」を〈水際で阻止する〉とともに〈追放=たたき出す〉ことを狙っている。日帝の戦争体制への突入と一体で入管攻撃が一段と強化されていることに激しい危機感をもたなければならない。
日帝の現代版強制連行=外国人労働者政策
こうした入管体制の戦時的再編攻撃は小泉=奥田路線、朝鮮・中国・アジア侵略戦争へ向けた「東アジア経済圏構想」と完全に一体である。
小泉は1月20日の施政方針演説で、「東アジア共同体をめざす、ASEAN地域連合の支援、アジア・太平洋諸国の友好関係の増進、マレーシアをはじめアジア各国との経済連携協定締結をめざす」ことを強調した。すでに日本経団連は奥田ビジョン(03年1月)に続いて「外国人労働者についての提言」(04年4月)を発表している。
小泉=奥田の「東アジア経済圏構想」とは新たな「大東亜共栄圏」構想である。日帝資本にとって都合のいい労働者を、資本の都合のいいように受け入れる(たたき出す)ということであり、戦時下の外国人労働者政策、現代版「強制連行」攻撃である。だからこそ日帝はまず「行動計画」や度重なる入管法改悪によって「不法滞在者」「法外就労者」をたたき出そうとしているのだ。法務省・入管局は03年4月「新宿出張所」(歌舞伎町)を開設したが、『入管白書』には「業務上の理由により公表していません」と住所は記載されていない。まさに〈摘発専門の非公然組織〉だ。事態はここまできている。
4大産別決戦と一体の闘い
いま自治体職場では民営化攻撃(指定管理者制度、市場化テストなど)が吹き荒れている。民営化は労働者の権利を剥奪(はくだつ)し、賃金を引き下げ、そして何よりも自治体労働運動、自治労の解体を狙った攻撃だ。
昨年11月には「規制改革・民間開放推進会議」(議長・宮内義彦オリックス会長)が、地方公共団体の窓口業務の中で戸籍関係(戸籍謄本や住民票)や外国人登録関係(登録原票)業務の市場化テスト・民間開放推進を提言した。これは重大な攻撃だ。
自治体労働者は指紋押捺制度を廃止に追い込んだ在日の闘いに学びつつ、在日の生活と権利の防衛・支援の闘いに決起してきた。日帝の治安弾圧攻撃は激しい。97年には東京都小平市で警察が実に15年以上も登録原票開示を請求し続けた事実が発覚。また2000年には公安調査庁が全国で400人以上の登録原票を請求していた事実が内部告発によって暴露された。
こうした中での民営化攻撃とは自治体労働者の団結を破壊し権利を剥奪するのみならず、戦後の地方自治の担い手として戦争に反対し、外国籍者を含む住民の生活と権利を守る自治体労働者の立場の転換をも意味する。それは「赤紙を配る」天皇の官吏として住民の治安管理、戦争動員の先兵とされていった歴史を繰り返すことだ。
昨年「日の丸・君が代」強制拒否、「つくる会」教科書反対の闘いは在日・滞日人民を限りなく勇気づけ、新たな決起が開始されている。在日・滞日人民は日帝の激しい攻撃の中で日本の労働者人民との階級的結合を求めている。
労組破壊=民営化攻撃を粉砕することは入管体制の戦時的再編=入管法改悪攻撃を粉砕することであり、二つの闘いは完全に一体の闘いなのである。何よりも在日・滞日人民との階級的連帯闘争そのものである。韓国・民主労総は非正規職撤廃闘争とともに外国人労働者との支援・連帯の闘いを、労働者自己解放闘争として闘っている。この闘いに徹底的に学ぼう。今通常国会での入管法改悪を共謀罪とともに粉砕しよう。
〔野田利一〕
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週刊『前進』(2236号5面2)(2006/03/06)
北朝鮮への金融制裁発動 「94年」上回る超緊迫情勢
米日帝の戦争突入阻止へ
ブッシュ政権は、昨年9月に北朝鮮への金融制裁を発動し、激しい圧力を加え続けている。小泉政権も、拉致問題を口実としながら独自の経済制裁発動に踏み出している。1994年の朝鮮侵略戦争切迫情勢を上回る超緊迫情勢が進行していることに警鐘を乱打し、米・日帝国主義の北朝鮮侵略戦争、新たな朝鮮侵略と再植民地化を絶対に阻止しなければならない。
金融制裁で体制崩壊寸前
昨年9月米政府は、マカオの銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)を「資金洗浄の疑いが強い金融機関」に指定、同行と米金融機関の取引停止を発表した。米政府の指定を受けてマカオ政府の管理下に置かれた同行は、北朝鮮関連の全口座を凍結した。その中には北朝鮮の銀行20行、貿易会社11社、9個人の口座が含まれており、凍結された資産の総額は数百万jに上る。10月には米財務省が、大量破壊兵器の部品売買にかかわったとして北朝鮮の8企業に米国との取引禁止・資金凍結を通告して追い打ちをかけた。
北朝鮮側は、アメリカの金融制裁が続く限り6者協議には参加しないと宣言し、昨年11月以来、6者協議はストップしている。北朝鮮外務省は、「米国による金融制裁は、血の流れを断ちきり、わが力を窒息させようとする制度抹殺行為だ」との声明を発表した。1月の金正日の訪中の背後にあるのはこの金融制裁問題である。胡錦濤国家主席からアメリカの金融制裁解除問題を6者協議復帰の条件から切り離すよう求められた際、金正日は「そんなことをしたら、われわれの政府は崩壊する」と拒否したとされている。
ブッシュ政権の一連の措置は、北朝鮮の外貨獲得の術を断ち切り、体制崩壊寸前の危機を生み出している。米国防長官の諮問機関である米国防科学委員会のシュナイダー委員長は、北朝鮮が「(崩壊直前の)1980年代半ばのソ連のような状態に陥っている」と指摘しているほどだ(日経新聞1月20日付)。
北朝鮮側は、表面的には反発を強めながらも、非公式ルートを通じて米政府との交渉を打診し、「偽ドルづくりに関与した者の処罰」まで表明している。
しかし米側は、あくまで「金融制裁は6者協議とは関係ない」と突っぱね、無条件での6者協議復帰を求め続けている。1月中旬には グレーザー米財務副次官補(テロ資金・金融犯罪担当)が香港、マカオを訪問し、BDA以外の銀行にもマネーロンダリングへの規制強化を要請してさらなる圧力をかけている。
対北朝鮮強硬論固める米帝
バーシュボウ駐韓米大使は昨年12月、「北朝鮮のドル紙幣偽造は(国家による他国紙幣偽造としては)ヒトラーが英ポンド紙幣を偽造して以来だ」と演説し、金正日をヒトラーになぞらえる異例の非難をした。2月1日にはヒル米国務次官補(6者協議の米首席代表)が「6者協議が唯一の解決策ではない」と軍事的脅迫を加えた。
米帝は昨年4月、北朝鮮に対して武力行使の警告を発し、北朝鮮爆撃を本気で準備した。すでに深々と北朝鮮国内での情報活動を展開し、毎月平均3千件余りの文書が平壌(ピョンヤン)市内からワシントンに送られているという。北朝鮮軍を一挙に無力化させるために、北朝鮮国内の3万6千カ所の攻撃目標を常時保持し、24時間体制で監視している。
米政権内部は、国務省も含めて「対北強硬論」で固まったと言われている。ブッシュ政権は、軍事重圧と金融制裁で締め上げ、6者協議で「核計画の完全な、検証可能な、不可逆的な廃棄」を突きつけ続け、北朝鮮スターリン主義政権の転覆を射程に入れた総合戦略を発動しているのだ。
小泉も制裁発動へと動く
安倍官房長官は2月16日、日朝政府間協議で拉致問題に進展がなかったと断じ、各省庁に北朝鮮との金融取引の監視強化、朝鮮総連関連施設への固定資産税減免措置の見直しを指示した。自民党・拉致問題対策本部も16日、「北朝鮮人権法案(仮称)」の骨子案を了承し、今国会での成立を目指すとしている。同法案は、特定船舶入港禁止特措法や外為法が規定する措置を発動して経済制裁に踏み切ることを定めている。三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行は、すでにBDAとの取引を停止している。
米帝が呼びかけている大量破壊兵器などの取引を実力で阻止する「拡散に対する安全保障構想(PSI)」には日本も含む15カ国以上が参加し、定期的な軍事演習をくり返している。経済制裁発動は、自衛隊・海上保安庁などが、米軍と一体となり重大な軍事行動へ踏みこむことを意味する。
日本帝国主義は、北朝鮮スターリン主義がかつてない危機に陥っていることをにらみ、日米枢軸のもとで独自の侵略戦争策動を強めているのだ。
事態は重大な局面に入っている。米・日帝国主義の侵略戦争策動は、明白に金正日体制の転覆を射程に入れている。これは実際には、南朝鮮・韓国も含めた朝鮮半島全体への日米両軍の軍事侵攻として展開される。その本質は、新たな帝国主義的侵略、再植民地化そのものだ。この間、米ブッシュ政権と韓国・ノムヒョン政権との間の亀裂と緊張が深まっている根底には、米帝の侵略戦争政策のエスカレーションがある。
新QDR(4年ごとの米戦略見直し)は、中国を戦略的打倒対象として明示したが、さしあたりその矛先は、イランと北朝鮮スターリン主義へと向けられている。泥沼化したイラク侵略戦争の継続・激化・拡大は北朝鮮への侵略戦争発動となっていく。それは同時に、中国を標的とした戦争への突破口となるものだ。
対北朝鮮の排外主義扇動、経済制裁発動を絶対に許すな! 闘う朝鮮人民、アジア人民と連帯し、北朝鮮・中国侵略戦争を阻止しよう!
この間の北朝鮮経済制裁動向
04年2月 北朝鮮への送金を制限できるよう外為法を改悪
6月 北朝鮮船舶の入港を制限する「特定船舶入港禁止特別措置法」が成立
05年4月 アメリカが北朝鮮に武力行使の警告。北朝鮮爆撃が寸前の事態に
9月 米政府がマカオの銀行バンコ・デルタ・アジアとの取引停止
10月 米財務省が大量破壊兵器の部品売買にかかわったとして北朝鮮の8企業との取引禁止・資金凍結
11月 整理回収機構が朝鮮総連に対し、628億円の融資返還を求め提訴
11月 日米韓EUがKEDOによる軽水炉建設事業の廃止で合意。解散へ
06年2月 自民党拉致問題対策本部が経済制裁を盛り込んだ北朝鮮人権法案の骨子案。安倍官房長官が朝鮮総連への固定資産税などの減免の見直しを指示
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週刊『前進』(2236号5面3)(2006/03/06)
共謀罪は現代の治安維持法
横浜事件をデッチあげた弾圧の歴史を繰り返すな
現代版治安維持法、思想弾圧・団結禁止法の共謀罪の成立を許すのか、それとも永久に葬り去るのか、歴史的決戦のときが来た。与党の「修正」提示で3月中旬にも衆議院法務委員会で審議再開・強行採決という動きが強まっている。国民投票法案粉砕=改憲阻止の闘いと一体で共謀罪を自民党のペテン的「修正案」もろともたたきつぶそう。
横浜事件再審免訴弾劾する
64年前の1942年から敗戦直前にかけて、雑誌掲載論文を「共産主義の宣伝」、出版記念の集まりを「国体変革等を目的とした結社であるコミンテルンや日本共産党の目的遂行のためにする行為を行った」と治安維持法違反でデッチあげられ、『改造』『中央公論』などの雑誌編集関係者多数が逮捕され、特高警察の残忍きわまりない拷問を受けた思想・言論大弾圧の「横浜事件」。その再審裁判で、2月9日横浜地裁の松尾昭一裁判長は、「免訴」(無罪かどうかの判断をせず、裁判手続を打ち切ること)の判決を下した。
元被告・遺族・弁護団のこれまでの度重なる再審請求に対し司法権力は、敗戦直後の証拠隠滅のための裁判資料の焼却を理由にして門前払いにしてきたが、ようやくこじ開けられた再審の判決にあたっても、旧刑訴法を根拠に元被告人に対する治安維持法適用=有罪判決を擁護し、極悪きわまる警察・検察・司法の国家権力犯罪を免罪した。
権力の拷問・デッチあげ犯罪は、弾圧を告発する証言で明々白々ではないか。「小林多喜二の二の舞いを覚悟しろ」と叫び、「裸にして縛り上げ、正座させた両足の間に太いこん棒を差し込み、膝の上に乗っかり、ロープ、竹刀(しない)、こん棒で全身をひっぱたき」……。このような憎むべき拷問を神奈川県警特高警察が総がかりで加えたのだ。60人以上の逮捕者のうち4人が獄死、2人が出獄直後に死亡という数字が拷問の非道さを物語っている。元被告・遺族たちの怒りがどれほどのものか。この権力犯罪に煮えくりかえる怒りを抑えることができない。
デッチあげ弾圧を指揮した思想検事は、裁判で「貴様たちのしていることは、共産主義の宣伝じゃないか。貴様たちはそれでも日本人か」とわめきながら、拷問によってつくられた虚偽の自白をもとに有罪を求刑し、思想判事は特高警察・思想検事と有無通じて30人に対して有罪判決をうちおろした。
戦後、横浜事件では特別公務員暴行傷害罪で告発された特高警察のうち警部・松下英太郎、警部補・柄沢六治、警部補・森川清造の3人だけ有罪が確定したが投獄されないまま52年に恩赦で放免となっている。
今回の横浜地裁の「免訴」判決は、戦前・戦中の反政府・反体制・反戦の思想・運動などに対する一切の弾圧の犯罪行為の隠蔽(いんぺい)、全面擁護である。元被告の闘いとその遺志を継ぐ遺族たちのねばり強い再審闘争に追いつめられた司法権力の苦し紛れの居直りである。それは同時に、日帝の改憲攻撃の強まり、共謀罪新設の攻撃と完全に連動したものだ。
「検挙・拘束された人7万5681人。警察署内での虐殺80人余。拷問・虐待による獄死114人。病気での獄死1503人」(『告発 戦後の特高官僚』柳河瀬精著。これは政府統計で、実際は植民地だった朝鮮を含めると送検者数は計約10万人、送検されずに拘束された者は国内だけで50万人と言われる)――1925年から45年までの20年間、日帝国家権力は労働者民衆、被抑圧民族人民に対し治安維持法を乱発して暴虐の限りを尽くした。その治安維持法が今「治安維持法以上の悪法」と言われる”共謀罪”という新たな姿をとって再び登場しようとしている。絶対にこれを許してはならない。
白色テロルで刻まれた歴史
帝国主義の鎖の一環を断ちきるプロレタリア社会主義革命として実現され、プロレタリア世界革命の戦略的突破口を切り開いた1917年のロシア革命。この歴史的衝撃は資本家階級を震え上がらせ、労働者階級人民と被抑圧民族人民を奮い立たせた。日本では、米騒動(18年)の一大反乱が巻き起こり、労働運動・農民運動などが大きく高揚していった。また、朝鮮では3・1独立運動(19年)が爆発し、日帝の植民地支配を根底から揺るがした。
革命の現実性を真っ向から突きつけられた日帝支配階級は、「社会主義の実行団体を組織することは今日到底認容すべからざることである」(内務省警保局長・川村竹治)と叫び、革命政党の結成圧殺にやっきとなり、予防反革命としての治安立法の形成に突進していく。過激社会運動取締法案の議会提出。目的規定がなく、あまりに適用範囲が広すぎるという批判を受け廃案となったが、23年の関東大震災直後の緊急勅令(「治安維持の為にする罰則に関する件」)を経て、25年2月に目的規定を明確にした治安維持法案が普通選挙法案と抱き合わせで提出され可決、直ちに5月から施行された。
「国体を変革し又は私有財産制度を否認することを目的として結社を組織し、又は情を知りて之に加入したる者は十年以下の懲役又は禁錮に処す」――これが治安維持法の第1条だ。労働者階級・被抑圧民族人民の解放の思想・運動、マルクス・レーニン主義を「犯罪」と決めつけ、搾取・抑圧・差別、侵略と戦争の元凶である天皇制と資本主義(帝国主義)を批判し、変革する目的で組織・団体をつくり、またこれに参加したとみなせば、最高10年の刑罰を科す。そして第6条には、自首した時は「刑の減軽・免除」という規定があり、権力による裏切りや転向の奨励・強制やスパイ潜入によるデッチあげをとおしての組織・団体の内部からの破壊を狙う。
さらに第7条に「本法施行区域外において罪を犯した者にまた適用」という条文がある。治安維持法が最初に適用されたのは朝鮮独立運動の拠点である「間島地方」(中国東北部)の団体と言われ(25年)、次に朝鮮独立党だった。国内の初適用は26年の京都学連事件で、続いて27年の北海道集産党事件(国鉄名寄駅の鉄道労働者らの地域文化運動に対する弾圧)だった。
死刑・無期と目的遂行罪導入
山東出兵を契機とした中国への軍事侵略の開始、天皇ヒロヒトの11月即位礼の接近の中で、日帝支配階級は塩野季彦(すえひこ)、松坂広政、平田勲ら思想検事の指揮のもとで特高警察を総動員して28年3月15日、全国1道3府27県にわたって日本共産党関連諸団体への大弾圧を行った(検挙者1568人、起訴488人)。治安維持法が大規模に発動され始める中で、同年6月には緊急勅令で同法が大改悪された。組織罪・指導罪への死刑・無期刑の導入(拷問の決定的促進要因)、そして「結社の目的遂行のためにする行為」なるものを対象とした「目的遂行罪」の新設である。
25年提出時点で日帝権力は「治安維持法の定める犯罪はすべて目的罪」と言明しておきながら、成立後は権力にとって便利このうえない「目的遂行罪」を追加したのだ。「今はそうでなくても、究極において結社の目的達成につかえる行為であれば治安維持法違反」というでたらめな拡大解釈をつくりあげ、権力は思想・言論弾圧、事前弾圧を強めていく。
29年の世界恐慌と31年柳条湖事件(日帝軍隊の中国東北部への侵略開始)を画期とした15年侵略戦争突入のなかで、東京市電・地下鉄や東洋モスリン亀戸工場、富士紡川崎工場などの労働者が賃金闘争・ストライキに決起していった。治安弾圧体制を食い破る労働運動の爆発に危機感を募らせた日帝支配階級は、日本労働組合全国協議会(全協)などの外郭団体に治安維持法―目的遂行罪の適用を拡大し弾圧を一段と激化させた(33年だけで4537人が検挙されている)。だが、37年の労働争議は2126件、参加者21万3600人と過去最高に上った。戦時中の37年こそ労働争議の最高の高揚期であったことは特記すべきである。
権力は36年に「思想犯保護観察法」、41年に「新治安維持法」を成立させ、拷問・白色テロルと転向強要・「予防拘禁」をとおして労働者階級人民の抵抗をねじ伏せ、国家総動員を呼号し侵略戦争に突き進んでいった。どこまでも革命・反乱の影におびえる日帝権力は、「日本精神への総入れ替え」をわめき、共産主義とは関係のない宗教団体、小さな研究会・読書会・俳句会などにまで襲いかかり、治安維持法による弾圧を極限的にエスカレートさせた。その行き着いた先が横浜事件にほかならない。
労働運動圧殺法阻止しよう
治安維持法の「目的遂行のためにする行為」を想起させる、共謀罪法案の極めてあいまいな「共謀」「団体」「共同目的」規定、治安維持法の第6条と酷似した共謀罪の「自首減免」条項。治安維持法の自白偏重による拷問の常態化は、形を変えて共謀罪では盗聴の拡大をもたらし、警察の特高化を不可避とする。
そして「治安維持法は現行憲法違反かどうか言えない」と口を濁す南野(のうの)元法務大臣の答弁(05年7月の衆院法務委員会)と「共謀の段階で処罰することが必要」と叫ぶ特高の体質を引き継ぐ警察官僚上がりの自民党法務部会長・平沢勝栄のコメント(毎日新聞05年10月17日付)、さらに「(治安維持法では)自分の思想を話し合うこと自体が互いに啓蒙しているということになり犯罪だった」と居直る横浜事件拷問下手人の元神奈川県警特高警部補の発言(毎日新聞06年2月20日付)……。
共謀罪新設にかけた権力の狙いが、話し合っただけで犯罪とされる現代の治安維持法=共謀罪を中心軸とした戦時治安体制、事前型弾圧体制の本格的確立にあることはますます明らかになってきている。治安維持法の復活を断じて許すな!
教育労働者の3〜4月「日の丸・君が代」強制拒否の不起立闘争、動労千葉の春闘ストライキを先頭とした4大産別決戦と固く結合し、労働者階級人民の総力をあげて、革命運動・労働運動圧殺法=共謀罪の今国会成立を阻止し、永久に葬り去ろう。200人の呼びかけで始まった署名運動に全力で取り組もう。3月9日(木)の院内集会と夜の「共謀罪を廃案へ 大集会」に結集しよう。
〔勝岡昌史〕
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共謀罪を廃案へ大集会
3月9日(木)午後6時半
星陵会館(千代田区永田町2−16−2)
共謀罪反対院内集会
3月9日(木)正午
衆院第2議員会館第1会議室
主催 共謀罪新設反対国際共同署名運動
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週刊『前進』(2236号6面1)(2006/03/06)
玄海原発へのプルサーマル導入阻止を! 福岡 佐々木博美
佐賀県玄海町で2月19日、緊急に行われた「プルサーマル計画受け入れ反対佐賀県集会」に参加しました。
現在、玄海町では国と九州電力が進めている玄海原子力発電所へのプルサーマル計画の導入に激しい抗議の声が上がっています。
玄海町は、県の北部に位置し約7千人が暮らす海辺の田舎町です。30年前、1975年に、国と九州電力はここに建設した原発の運転を開始し、相次ぐ事故や地元住民の激しい抗議にもかかわらず、いまだ稼働を続けています。
プルサーマル計画とは、原発の燃料として、これまでの低濃縮ウラン燃料にかわって、MOX燃料(再処理で回収された酸化プルトニウムと天然ウランまたは同じく再処理で回収された減損酸化ウランと混ぜて作った燃料)を軽水炉で使用する計画のことです。
MOX燃料の使用は、制御棒による抑制も著しく困難となり、原発の危険性は一気に増します。また、使い終わったMOX燃料の廃棄物は、運び出す先もその後どうするのかも決まっていません。「環境にやさしい」などといううたい文句で猛毒の核廃棄物は永久に玄海町にたまり続けます。
九州電力は04年5月、佐賀県と玄海町に“2010年までの早い時期に玄海原子力発電所3号機でプルサーマル計画を導入する”という趣旨の説明を行い、国にも「原子炉設置変更許可」を打診しました。
今月7日には古川知事が「プルサーマル計画については安全が確保される」と公言。これを受けて玄海町長は17日、プルサーマル計画を受け入れることを正式に決定しました。
プルサーマル計画を始めとする日帝の核武装政策を断じて許してはなりません。玄海原発へのプルサーマル計画導入を阻止するために闘いましょう。
「日の丸・君が代」押しつけ反対訴えてデモ 千葉 菅原康介
千葉県柏市内で2月11日、「改悪を許すな/2・11『日の丸・君が代』の押し付けに反対する東葛集会」が行われました。講師の渡辺厚子さん(アイム89組合員、「日の丸・君が代」被処分者)が、石原都知事就任以来の経緯を説明して、「生活保守主義・体制従属主義が浸透する中で、不服従を続けることが大事なこと。私の心は国家には奪われない」と結ばれて、今春の卒業式・入学式の現状をお話されました。
フリー討論では、養護学校の現状や、20代・30代の教育労働者との「壁」を越えるための苦闘が出されました。若年層の教育労働者は上からの命令に従順に従うことが多く、労働者の権利を訴えていくことの重要性を感じました。
集会後20人で柏駅西口まで元気良くデモ。「『日の丸・君が代』反対」「憲法改悪反対」を訴えて、ごったがえす駅前でのデモを貫徹。駅前でのデモは数年ぶりのことです。
東葛地区ではいよいよ卒業式・入学式での闘いに入ります。統一戦線の成功と教育労働者の決起をつくりだすことがかぎです。がんばっていきましょう。
怒りの現場―1カ月400時間も働いて 非正規職労働者 安斎 圭
僕は地域のスーパーコンビニと呼ばれている24時間営業の民間のお店で、非正規の夜勤と日勤で働いています。2・10東部労働者集会や2・5教育労働者集会に参加し思ったことは、偽装や粉飾されていない天下りでもなくへつらいもしない、偽りじゃなく正しい自分の生き方を貫き通す姿だということです。とても感動しました。僕の現場、目の前で起きていることを、しゃべりが苦手なので詩に表現しました。
怒りの現場
何カ月も休みも取れず/一カ月 四〇〇時間を越えていた/あの店の店長 倒れたよ/病院に 行くヒマのない/社員は今日も/青い顔で発注ミス/「辛いッス」「休みたいッス」/そんな要求さえ/異端になり/「使えない人間」と/切り捨てていく忙しさ/怒れよ 怒れよ/人間だろ/あっちの店に店員いません/そしたら近所の店員が/ヘルプに行って 欠員補助/一体これで何度目だ/人がいない ボロボロだ/無理な出店 つけは現場/「嫌です」「行きません」/「ムリなんです」/首をかけても/言えばいい/「使えない人間」と/言う人間に 教えてやれ/怒れよ 怒れよ/仲間だろ
沖縄奪還論を掲げて3・5沖縄県民大会へ 東京・定年退職労働者 里中源和
現今こそ沖縄奪還論の正義的必然性を高らかと掲げて闘い抜かねばならない。
69年沖縄県民の本土復帰・基地撤去の闘いは、全島ゼネスト体制を確立する中で、本土人民に沖縄と連帯した闘いが問われた。沖縄闘争の大爆発は、安保粉砕・日帝打倒の明確な戦略的方向性を持った本土における沖縄奪還闘争であり、その一切の成否にかかっていると一点の疑いもなく公言した。70年代沖縄現地の返還協定批准阻止闘争において、沖縄県民に幾十と苦渋を強いてきた国家権力に対して極深の表現として殲滅(せんめつ)戦を貫徹し大爆発させたのであった。日比谷・渋谷の返還協定批准阻止闘争の総力戦は日本労働者階級の責務と尊厳をかけて闘い抜かれた。激動の70年代を組織の存亡を顧みず愚直なまでの階級として沖縄奪還闘争を闘い抜いたこの組織こそが存在価値を持っているのである。
沖縄が復帰して依然として侵略基地は存在しており、日米地位協定の矛盾を鋭く突く中で反基地闘争が激化する。日米安保体制の弱点は沖縄にある。
皆さん考えてみて下さい。沖縄から米軍基地をたたき出されたら米軍はどこにいくのか? 本土に移るのか? 移設したら全国で反戦・反基地闘争として必然的におこりうる。沖縄の基地撤去闘争は日米再編を破綻(はたん)に追い込み、安保体制を揺るがす闘いに発展するのである。
沖縄奪還とは、侵略基地撤去をもって安保体制を粉砕し日帝を打倒する日本革命なしにはありえないのである。沖縄が火薬庫であるゆえんは、すべての矛盾が集中しているからである。
3・5県民大会を巨万の力で大成功をもって辺野古のヘリ基地建設を何としても阻止しよう!
沖縄奪還闘争の普遍的必然的優位性の正しさ故に反革命が牙をむき、権力が襲い掛かり、星野文昭氏を30年余にわたり獄中に閉じ込めているのである。星野氏奪還と沖縄奪還論は一体のものである。何がなんでも星野文昭氏を奪還しよう。いざ3・5沖縄県民大会へ!
最高裁への星野再審署名が9万を超えた 東京・三多摩 神藤猛雄
2月15日、星野文昭さんの再審開始を求める最高裁への請願行動が行われ、私も駆けつけました。正午前に霞が関の東京高裁前に行くと、おつれあいの星野暁子さんや弟の星野修三さん、星野救援運動の人びとが次々に集まってきます。ここで街宣をした後、最高裁に向かう予定です。裁判所の前ということもあって星野さんのことを知っている人が多数いて、快く署名を引き受けてくれます。向こうから進んで署名してくれる人もいました。(写真。右は星野暁子さん)
街宣の後、歩いて最高裁に向かいました。東京高裁から最高裁まで付いてきた公安刑事に抗議し、構内に入りました。用意された一室で応対する書記官に対して、代表者が、全国の救援会の連名による請願書を読み上げました。暁子さんが、きょうで4回目となる請願に対して最高裁はきちんと答えるように訴えました。続いて修三さんが、再審が開始されないのはなぜなのか、家族の立場から強く申し入れました。署名は、この日、2143筆を提出し、全部で9万1233筆に達しました。10万人署名までもう少しです。
裁判所は、ただでさえ再審の扉をなかなか開けようとはしません。まして星野さんは、デッチあげで無期懲役を言い渡された政治犯です。これをうち破るには本当に大きな力が必要です。
現在の星野さんを拘束している確定判決は、重要な段階にさしかかった裁判を、東京高裁が突然打ち切って言い渡したもので、物的な証拠は何ひとつありません。こんなもので、星野さんを30年も獄中に閉じ込めていることは絶対に許すことができません。一日も早い裁判のやり直しを最高裁に決断させなければ、と思います。
無実の身でありながら獄中に囚(とら)われている星野さんを、今年こそは取り戻さなければなりません。裁判の前進と運動の発展でやり遂げましょう。そう固く誓った一日でした。
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週刊『前進』(2236号6面2)(2006/03/06)
必ず無罪出させよう 爆取4被告を先頭に集会
2月18日、迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会主催の「完全無罪をこの手に!2・18集会」が渋谷区勤労福祉会館で開かれ、参加した90人が3・3福嶋昌男さんの判決公判に向けての決意を固めあった。
集会に先立つ1月16日、須賀武敏さん、十亀弘史さん、板垣宏さんの控訴審第1回公判で東京高裁第3刑事部・中川武隆裁判長は検察官の証拠請求をすべて却下し、即日結審した。無罪獲得へ大きな前進をかちとった。この日の集会は、この勝利を踏まえ、3月3日に福嶋さんの無罪判決をかちとるための総決起集会となった。
(写真 爆取デッチあげ弾圧と闘う4被告と家族が3・3福嶋判決公判の無罪勝利を訴えた【2月18日 東京・渋谷】)
集会はまず、昨年4月29日に二つの裁判支援組織が合体した「完全無罪をかちとる会」が発足してから10カ月にわたる闘いをスライド上映で振り返った。
主催者あいさつに立った桜井善作さんは、「4人の無罪確定の闘いは小泉打倒の闘いと地下茎においてしっかりとつながっている。この集会で新しいエネルギーを生み出し、何がなんでも勝利をかちとろう」と檄(げき)を飛ばした。
共謀罪廃案の先頭で闘う組対法・破防法に反対する共同行動、救援連絡センターの山中幸男事務局長、群馬星野さんの再審を実現する会が、連帯のあいさつを行った。
弁護団の発言では、まず3被告の弁護団の藤沢抱一主任弁護人が、1・16公判での勝利性について最高裁の判例をひもといて説明した後、「裁判は終わったわけではない。高裁はより反動的になっている。5月19日の判決公判まで、多くの方々の支援が決定的な力となる。よろしくお願いしたい」と訴えた。
福嶋弁護団を代表して荒木昭彦弁護人が福嶋さんの無実・無罪を力説した。「最終弁論を全力でやり抜き、無罪を確信している。しかし、裁判官は予断と偏見を持っている。最後の最後まで公正な裁判を要求し続けることが重要だ。みんなの力は裁判所を突き動かす。福嶋さんの執念にこたえて最後まで頑張りましょう」と3・3無罪判決へ奮闘を訴えた。
メインゲストの前田朗・造形大学教授が「現代市民社会と監視権力」と題して講演した。「今なぜ共謀罪なのか」と問いかけ、「現在の日本が戦時下にあること、世界の再分割とブロック化が進み、レーニンが提起した帝国主義論の世界が始まっていることをはっきりさせることが必要だ」と説き、「監視社会の進行の中で、私たちが非国民になるしかないとすれば、非国民の平和力を見せてやろう」と締めくくった。
もう一人のメインゲストは、沖電気の不当解雇攻撃と24年間にわたって不屈に闘いぬいている田中哲朗さんのギターの弾き語りとアピール。「解雇は許せないと闘い始めると資本と警察の癒着が、さらには裁判所までが癒着している現実が見えてくる」と、現在の反戦ビラ弾圧や「日の丸・君が代」不起立の先生への処分などの状況に対し、「勇気を持って言うべきことは言い、闘うべき相手とは断固闘うことが重要です。ともに闘いましょう」と熱く語りかけた。
会場から沖縄・辺野古出身の青年が立ち、辺野古の新基地建設反対と3・5県民集会への結集を訴えた。
3・3福嶋判決公判を訴え
4人の被告団が前に並んで闘う決意を語った。まず福嶋さんが、「私は事件には一切関与しておらず、無実だ。検察官の立証を完全に破綻(はたん)に追い込んだ。メモは自分とは無関係であり、メモの筆跡は福嶋のものではないことをはっきりさせて裁判闘争に勝利した」と宣言、「本日の集会の力が無罪判決をかちとる大きな力だ。皆さんとともに勝ちとります」。
板垣さんは控訴審初公判を振り返り、「当日は私たちにしゃべらせないし、退廷するわ拘束するわでどうなることかと感じたが、最後一転、中川を粉砕した。とはいえ、心を引き締め完全無罪へばく進していく」
十亀さんは「私たちは勝って、勝って、勝ちまくってきた。その上で闘いはむしろこれから。やれることを全部やって福嶋さんの無罪判決をかちとり、その勝利から私たちの勝利へと広げ、結びつけていきたい」
須賀さんは「死刑・無期の爆取弾圧と虐待、拷問に屈せず20年間闘いぬき、勝利してきた意義は絶大だ。この勝利は支配階級の戦争と権力犯罪を暴き、粉砕する大きな原動力になる。最後の最後まで闘います」と断固たる決意を示した。
最後に共同代表の西山勲さんが3・3から5・19へ行動提起を行った。
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福嶋判決公判は3月3日(金)午後1時15分開廷。午後1時に傍聴券が配布される。12時40分に東京地裁の玄関前に集まろう。
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週刊『前進』(2236号6面3)(2006/03/06)
広島 「詐欺罪」弾圧 青年労働者を奪還
大衆的反撃ではね返す
2月13日にデッチあげ「詐欺」容疑で逮捕された広島の青年労働者Aさんは、23日午後、10日間の勾留満期を待たずに釈放された。
(写真 「Aさんをただちに釈放せよ」と勾留されている西条警察署に抗議行動【2月19日 東広島市】)
これは2月13日の不当逮捕以来、激しい怒りを燃やしてただちに大衆的な反撃に取り組んだ成果であり、何よりもいわれなき容疑で突然逮捕されたAさんが、怒りを込めて完全黙秘・非転向でこの不当弾圧に立ち向かってかちとった大勝利だ。
また、Aさん逮捕を口実に強行されたAさんの出身大学である広島大学のサークルボックスの家宅捜索は、83年に開始された広島大学移転以来、初の家宅捜索であった。権力による許すことのできない学生自治破壊攻撃だ。
この弾圧は、「日の丸・君が代」強制拒否の教育労働者の不起立闘争に対する予防弾圧であり、まさに戦時下の政治弾圧、共謀罪の先取り攻撃だった。
Aさん奪還の勝利こそ、不当弾圧に絶対に屈しないという労働者階級の回答だ。3〜4月、「日の丸・君が代」強制拒否の闘いと06春闘に猛然と打って出よう。
勾留理由開示で裁判所を追及
釈放2日前の21日、広島簡易裁判所で「詐欺罪」デッチあげ弾圧を弾劾する勾留理由開示公判闘争が闘われた。
開廷してみると傍聴席になんと公安刑事2人が座っていた。怒った傍聴人が追及すると、木田和盛裁判長は、なんと「警備のために必要だと私が判断した」と開き直った。ピリピリとした雰囲気の中、まず裁判長が被疑事実を説明し、さらに「勾留の理由」として「共犯者と共謀して参考人に圧迫を加える可能性がある」「黙秘している」「被疑者は独身で、アルバイトであることから逃亡の恐れがある」などととんでもない暴論を並べ立てた。
これに対して弁護人が求釈明に立ち、「詐欺としての可罰的違法性はない」と鋭く追及した。続く意見表明で弁護人は、「今回の逮捕・勾留は、憲法が保障する『法の下での平等』『思想信条の自由』『結社の自由』のいずれにも違反する。また、本件はいかなる意味でも詐欺罪は成立しない。ただちに釈放すべきである」と裁判長に迫った。
裁判長は、傍聴人に「発言禁止! 退廷!」命令を乱発し、6人を退廷させる強権的訴訟指揮を行った。取り調べと称してAさんに転向強要を迫り、「中核派をやめないと息子さんの将来は台無しになる」などと両親を脅してきた長田検事は、終始うつむき、うちのめされていた。
2月19日には、Aさんが勾留されている西条警察署への抗議行動が闘われた。広島大学の学生を先頭に多くの労働者が結集、1時間近く西条署を取り囲み、宣伝カーから怒りのアジテーションをたたきつけた。
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週刊『前進』(2236号6面4)(2006/03/06)
日弁連が集会
弁護士を警察の「門番」=手先にする制度に反対
共謀罪新設をめぐる天王山の攻防に入る中、2月17日に「共謀罪新設とゲートキーパー立法に反対する市民と弁護士の集い」(主催=日本弁護士連合会、共催=東京弁護士会・第一東京弁護士会・第二東京弁護士会)が都内で開かれた。
最初に、来年の通常国会に政府が提出しようとしているゲートキーパー制度(弁護士による依頼者密告制度)について日弁連対策本部の川端和治弁護士が問題提起した。川端弁護士は、「ゲートキーパー制度とは、マネーロンダリングやテロ資金の疑いがある場合、弁護士が依頼者に知らせずに警察に通報せよというものです。弁護士は警察の『門番』、スパイの役割をさせられ、依頼者との信頼関係は根本的に成り立たなくなります」と危機感をもって訴えた。
続いて、共謀罪の通常国会での審議見通しについて山下幸夫弁護士が報告。民主党、日本共産党、社民党からのあいさつに続いて、ジャーナリストの斎藤貴男さんが発言した。
斎藤さんは、「構造改革とは階層間の格差を拡大することが目的です。外に向かってはアメリカと一緒に戦争をやり、国内では差別と貧困をますます拡大する。テロや犯罪が増える根拠はここにあります。しかもそれを理由に監視社会をつくる――それが共謀罪でありゲートキーパー制度です。私たちは奴隷ではないわけです。人間が人間であるために、二つの法案を止めなければなりません」。
映画監督の森達也さん、一橋大学教授の村岡啓一さん、社民党・福島瑞穂議員が発言。最後に会場から関東学院大教授・足立昌勝さんが発言に立った。
足立さんは「共謀罪新設反対・国際共同署名運動の呼びかけ人としてあいさつします。与党の提示した修正案によっても共謀罪法案の本質的危険性はまったくなくならない。断固として反対しなければなりません」と力強く訴え、「共謀罪を廃案へ/3・9大集会」への参加を呼びかけた。
与党は、修正案をもって民主党に協議を打診し、共謀罪法案の先行審議を求め、3月中旬にも衆院での採決を強行しようとしている。共謀罪法案の問題性は「修正」ではなく廃案によってしか解決しない。廃案に追い込むために取り組みを強めよう。
(投稿/日高 隆)
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