ZENSHIN 2006/02/13(No2233 p08)

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第2233号の目次

朝霞駐屯地で東部方面隊のイラク派兵を中止するよう申し入れた(1月28日)

1面の画像
(1面)
革共同の2月アピール  今や小泉打倒の時が来た
「日の丸・君が代」不起立 全国で  動労千葉先頭に06春闘の爆発を
郵政民営化貫きJPU臨大へ
記事を読む  
“東部方面隊の派兵 許すな”  朝霞と三里塚でデモ(1月28日) 記事を読む  
(2面)
不起立闘争の継続・強化・拡大へ  「日の丸・君が代」強制拒否闘争 
“東京とともに”合言葉に広島の教育労働者は闘う 川口 梓
記事を読む  
“自分の行動は正しいと確信” 記事を読む  
国労中央委 「鉄建公団訴訟支援」を決定
1047名陣形強化へ  2・16大結集の風穴が開く(1月28日)
記事を読む  
伯備線事故 民営化が元凶だ!
「安全性向上計画」を拒否し反合理化・運転保安春闘を
−動労西日本が緊急声明−(1月26日)
記事を読む  
(3面)
自治労臨大 国民投票法粉砕へ激闘
公務員制度改革容認許さぬ  本部に現場の怒り噴出(1月26、27日)
記事を読む  
怒りの06春闘へ  労働者の貧困化
年収200万円以下が5人に1人
7年連続賃下げで歪み拡大 小泉=奥田路線の破綻あらわ 湯村宏則
記事を読む  
関西 郵政民営化反対で集会  “闘う近畿地本つくろう”(1月29日) 記事を読む  
(4面)
帝国主義の自衛権を承認し改憲阻止の統一戦線に敵対
日本共産党24回大会を批判する
川武信夫
記事を読む  
革共同政治集会 熱気と成功  中四国  九州(1月29日) 記事を読む  
(5面)
革命軍の06年決戦アピール
非合法・非公然体制を強化し日帝・小泉=奥田打倒へ闘う  剣持 武
記事を読む  
(6面)
差別糾弾闘争を復権させ全国連5万人建設かちとれ
解同全国連第15回大会に向けて  全国部落青年戦闘同志会
記事を読む  
保安処分施設中止を
阻止共闘 久里浜病院に申し入れ(1月25日)
記事を読む  
2006年日誌  1月25日〜31日
防衛施設庁審議官らが談合  麻生が天皇の靖国参拝要求
記事を読む  
(7面)
共謀罪法案を廃案へ
戦時型治安弾圧体制構築の中軸をなす共謀罪新設策動 山口秀樹
記事を読む  
有楽町で一斉街宣(1月28日) 記事を読む  
ハマスが選挙で圧勝 パレスチナの重大情勢
包囲重圧強める米欧日帝 問われる戦う路線の堅持〔丹沢 望〕
記事を読む  
(8面)
団結ひろば 投稿コーナー
東京外環道建設計画に反対し地域で闘う 東京・西部 飯沢和久
“自衛隊はイラクに行くな”一点で共闘 東京 長内政美
これは労働者の団結への熱いラブコール 朝霧恒太
記事を読む  
関空反対集会 “軍事使用許さんぞ”
米軍再編と対決しデモ  5月泉佐野市議選へ(1月29日)
記事を読む  
日本原 “実弾射撃やめろ”  立入禁止突破し抗議(1月25、30日) 記事を読む  
コミューン 3月号  連合改憲方針阻め 記事を読む  

週刊『前進』(2233号1面1)(2006/02/13)

革共同の2月アピール 今や小泉打倒の時が来た

 「日の丸・君が代」不起立 全国で

  動労千葉先頭に06春闘の爆発を 郵政民営化貫きJPU臨大へ

 06年は冒頭から日帝・小泉=奥田と労働者階級人民の激突が火を噴いている。戦闘的労働者は1月26、27日の自治労臨時大会と、28日の国労中央委闘争を全力で闘いぬいた。教労・自治体・全逓・国鉄の4大産別決戦が、完全に日帝支配階級の〈戦争・改憲と民営化=労組破壊〉攻撃との激突の戦場となっている。2〜3月の闘いに06年決戦全体の成否がかかっている。2・9−10JPU臨大、2・16国鉄集会、3・21日教組臨大は4大産別決戦の重大な攻防である。教育労働者を先頭に全国で「日の丸・君が代」拒否の卒業式闘争を大爆発させよう。同時に、動労千葉の反合・運転保安闘争を先頭に、06春闘の戦闘的大爆発をかちとることが決定的だ。また行革推進法案、国民投票法案、共謀罪法案、教育基本法改悪との闘いは待ったなしの決戦である。さらに3・5沖縄県民集会を10万人大決起として実現し、全国で米軍再編粉砕の新たな安保・沖縄闘争、反基地闘争を巻き起こそう。

 第1章 帝国主義の矛盾爆発と革命情勢の本格的到来

 この間の階級攻防が示していることは、第一に、帝国主義の危機が全世界で一層深まり、革命的情勢が本格的に到来しつつあることである。
 何よりも、イラク情勢である。ここにおいて米帝は、イラク・中東人民の反帝国主義・民族解放戦争のゲリラ戦に軍事的にも敗北を重ねている。前線兵士の士気は低下しハイテクの巨大な軍隊が消耗を深め、巨額の軍費が米帝の財政危機を加速している。米国内も2200人を超える戦死者、数万人の傷病兵士の帰還によって、3・20のイラク開戦3周年に向かって、反戦闘争が高まっている。
 さらに貧富の差の拡大、失業者や貧困家庭の増大、GMやフォードの経営不振、大リストラなどが吹き荒れ、AMFA(航空整備士労組)やニューヨーク都市交通労働者のストライキなど、米国内はまさに戦時下の内乱的な階級闘争に突入している。
 米帝ブッシュは1月31日、一般教書演説を行った。ブッシュは、危機感をむき出しにして「米国の将来の安全は、圧制の終結にかかっている」「われわれの世代は、断固とした敵との長い戦争の中にいる」と述べ、北朝鮮やイラン、シリアなど5カ国を名指しして、対イラクに続く帝国主義侵略戦争の継続を宣言した。米帝は内外で体制的危機を深めれば深めるほど、国内階級支配の維持のためにも排外主義をあおり立て、侵略戦争にのめり込む以外にないのだ。
 またパレスチナ評議会選挙でのファタハの敗退、ハマスの勝利は、帝国主義の中東支配を根底から揺るがしている。
 韓国・民主労総は、ノムヒョン政権および帝国主義の圧殺攻撃と対決し、存亡をかけた闘いを展開している。
 帝国主義の危機の中で、労働者と被抑圧民族人民の生活と生存をかけた闘いがこうして全世界で爆発しており、帝国主義はこれを絶対に根絶できない。さまざまな紆余(うよ)曲折、試練と困難があろうとも、世界革命の勝利までやむことのない闘いが前進しているのである。

  ライブドアと小泉

 この間の階級攻防が示していることは第二に、日帝・小泉改革の破綻(はたん)が突き出され、小泉を打倒できる情勢が到来していることである。
 日帝・小泉政治の危機と矛盾が、あたかもブルジョア社会の底が抜けたかのように噴出し始めている。JRの大事故の頻発、耐震強度偽装、堀江・ライブドアの巨額の不正行為、米国産牛肉輸入問題、防衛施設庁や成田空港の官製談合など、政・財・官の腐りきった結託が、労働者人民の血税を食い物にし、生活と生存を脅かしている。これこそが帝国主義の腐りきった、末期的な姿なのだ。
 ライブドア問題は、小泉の戦争と民営化・規制緩和の政策が、社会に何をもたらすかを突き出した。ライブドア堀江の「カネこそすべて」は、資本主義の正体そのものではないか。小泉は、この堀江を小泉改革のシンボル、「若者の模範」とはやしたて、競争万能主義をあおりたて、総選挙に利用したのだ。
 その一方で小泉改革は、早朝から深夜まで働いても、生活保護水準以下の賃金しか得られないような低賃金労働者をたくさん生み出した。そうして「格差社会」や「二極化」の進行が、深刻な社会問題となるような状況が生まれてきた。
 だが小泉は、1日の参院予算委で、小泉改革で社会格差が拡大したとの批判に「格差が出るのは悪いことではない。成功者をねたむ風潮は慎まないと社会の発展はない」と開き直った。労働者が首を切られ、病気になろうと飢え死にしようと知ったことではない、金持ち中心の社会で何が悪い、と開き直ったのだ。
 同じことを日本経団連も言っている。労働問題責任者の柴田昌治・副会長(日本ガイシ会長)は「格差があるのが資本主義の原点。連合は二極化とよく言うが、この程度の格差は当然だ。飢えて死ぬような人がたくさん出るのはいけないが、そこまでひどい格差ではない」(朝日新聞1・14付)などと言っている。
 ふざけたことを言うな! 自殺者が年間3万人を超え、栄養失調や病気になっても医者にかかれずに死んでいく労働者、高齢者がたくさん出ているのだ。鉛筆やノートも満足に買えず、給食や修学旅行の費用の援助を受けている子どもたちが、どんどん増えているではないか!
 日帝・検察は、あまりの社会的不公正(資本主義の本性だ)のむき出し化が労働者階級の怒りに火をつけ、プロレタリア革命に転化することへの恐怖におびえて、ライブドアの不正の摘発に踏み切った。そうすることで日帝ブルジョアジーの本体をあくまでもプロレタリア革命から守り抜こうとしているのだ。
 だが、ライブドア堀江の不正など氷山の一角である。トヨタや三菱や三井住友などの独占的な金融資本は、国家権力を最大限に利用して、労働者階級をとことん搾取・収奪し、バブル期をも超える空前の利益を上げている。日本経団連会長・奥田らは、自分たちは潔白であるかのように言っているが、とんでもない。彼らこそ、労働者人民の血と汗を搾り取る大悪党だ。権力を持つ大資本家は政治家を使って、自分たちに有利なように法律をねじ曲げ、利益をむさぼっているのだ。
 小泉や日帝・資本家どもへの怒りを、今こそ大爆発させようではないか。帝国主義への怒りを大結集し、労働運動の圧倒的強化で大反撃に立とう。
 労働者は、資本のもとで仲間と競争するのではなく、ともに団結して資本家に立ち向かってこそ未来がある。労働者を人間とも思わず奴隷的に搾取しこき使う帝国主義と徹底的に対決し、その打倒をめざす闘いにこそ、青年・学生、労働者の未来がある。このことを鮮明にアピールして仲間を広げよう。そのことができるのは、動労千葉などの闘う労組を先頭とする「11月労働者集会」派だけである。

 第2章 公務員制度改革と改憲に全面屈服の連合中央

 この間の階級攻防が示していることは第三に、4大産別決戦が日帝・小泉と真っ向から激突する闘いであり、労働運動の未来を決める最大の決戦場だということである。革共同の新指導路線とそのもとでの4大産別決戦方針が、完全に現在の階級攻防の核心をとらえており、鋭い攻撃性をもっていることが、1月攻防でいよいよ鮮明となった。

  中曽根・森発言は重大

 そのことを敵の側から明らかにしているのは、『文芸春秋』12月号での自民党の中曽根・森発言だ。ここで中曽根は「国鉄民営化は、国鉄労組を崩壊させました。国鉄労組の崩壊は総評の崩壊、つまり社会党崩壊につながります。……もちろん私はそれを認識して実行に移しました」と、実に許せない発言をまた繰り返している。それを受けて森が「(郵政民営化は)全逓、全郵政にかかわることです」「連合の左派中心勢力は、日教組と自治労の二つです。この二つがつぶれたら、民主党は大きく変化せざるを得ません」と述べている。
 要するに中曽根と森は、一連の攻撃の狙いが、4大産別労組の破壊・解体にあることをあけすけに述べているのだ。
 国家的不当労働行為を自認する発言であり、実に許せない。だがこれは、全逓や自治労、日教組などの4大産別から闘いが巻き起こることを、日帝権力・自民党がどれほど恐れているかを示している。労組中央をどれほど腐敗・堕落させて権力の懐に抱き込もうとも、現場組合員は健在である。こうした組合を残している限り、いつ戦闘化するかもしれない。国家権力機構内の労働者の団結体の存在は日帝支配階級にとって「獅子(しし)身中の虫」である。改憲・戦争に突き進むためには4大産別労組の解体が不可欠であるとして、政府・自民党は決戦的な攻撃に出てきているのだ。
 4大産別の労働者は、日帝の労組破壊攻撃を絶対に許してはならない。現場労働者の下からの総決起で、腐敗した労組中央執行部を打倒し、闘う労働組合につくりかえよう。改憲阻止闘争の勝利もまた、この攻防にかかっている。

  1・19連合中執会議

 この間の階級攻防が示していることは第四に、連合中央と日共スターリン主義の反労働者性を大衆的に暴露し、その闘争破壊策動を粉砕することが、絶対に不可欠だということである。
 連合は、今年の最大の決戦課題である公務員制度改革の攻撃に完全に屈服し、その先兵に転落した。公務員の総人件費削減に反対してきたこれまでの方針を大転換し、政府の「行政改革の重要方針」を大筋で承認し、1月16日から政府との政労協議を再開した。当然、岡部自治労委員長(連合副会長)も加わっている。「協議の行方によっては、自ら削減案を打ち出すことも検討する」としている。労働組合の自殺行為に等しい裏切りだ。
 さらに1月19日に開いた中央執行委員会で、改憲への決定的な攻撃である「国民投票法案」について、「早急に、民主党とも協議しながら具体的な対応を図っていく」と意思統一した。民主党はすでに国民投票法案賛成−9条改憲賛成の立場で自公両党と協議している。したがって「民主党とも協議しながら」とは、連合が国民投票法案に、民主党とともに賛成するということにほかならない。それは9条改憲賛成に向かっての決定的なステップである。
 同時に公務員制度改革についても政労協議の再開を確認し、今通常国会に提出される行政改革推進法案や市場化テスト法案など、公務員労働者に対する重大なリストラと労組破壊攻撃に全面屈服する方針を確認しているのである。
 日本共産党の「赤旗」1月20日付号は、この1・19連合中執の決定を報道して、まるで連合が「7・14改憲見解」を引っ込めたかのように報道しているが、それは誤りであり、連合の裏切り方針のとんでもない美化である。連合が国民投票法案の推進を決めたことは、「7・14改憲見解」の線で自治労中央も日教組中央も突き進め、組合内の反対運動を押さえつけろと、号令をかけているのだ。
 森越日教組委員長(連合会長代行)や岡部自治労委員長は、当然にも連合中執メンバーである。彼らがこうした国民投票法案や公務員制度改革に関する中執決定に賛成し、これを組合員に押しつけようとしているのである。この裏切りは絶対に許せない。
 連合中央は日本経団連の先兵となってリストラ、賃金制度改悪、労働条件の切り下げ、スト圧殺に全面協力してきた。
 「国際競争力」論をあおり立て、労働者に競争して働くことを強制し、過労死や自殺者が続発するまでの長時間過密労働に駆り立てているのは連合中央だ。

  統一戦線破壊の日共

 また日本共産党スターリン主義の反労働者的な分裂策動も断じて許せない。米帝ブッシュ、日帝・小泉の世界戦争への攻撃と闘うことが労働者階級の重要な課題となっている時に、24回党大会で「平和をめざす流れが地球的規模で発展している」というとんでもない武装解除の米帝・日帝美化論を振りまき、「自衛戦争賛成」「自衛隊承認」によって米日帝の北朝鮮・中国侵略戦争の動きを擁護し、改憲阻止闘争の統一戦線の敵対者・破壊者として登場している。
 だが、これには日共内部からも怒りと批判の声が上がっている。不破議長が退陣して党的求心力を一層失った日共・志位−市田体制は、早くも内部から動揺と危機を深めている。日共スターリン主義の反革命的影響力を階級闘争から一掃し、闘う労働運動を再生・発展させることをとおして、多くの戦闘的労働者を革共同のもとに結集しよう。その重大な情勢が到来しているのである。

 第3章 4大産別決戦軸に改憲阻止・米軍再編粉砕へ

 この2〜3月、4大産別決戦の勝利へ総力で闘おう。
 1・26〜27自治労臨大闘争は、公務員制度改革が国民投票法・改憲と直結しており、それゆえ自治体労働運動をめぐる攻防が教労と並ぶ4大産別決戦の中心的闘いであることを突き出した。
 自治体労働者は、1月自治労臨大の闘いの地平を発展させ、公務員制度改革粉砕・改憲粉砕へ闘おう。今国会での行政改革推進法案、市場化テスト法案などの反動諸法案を絶対に粉砕しよう。
 4大産別決戦の最先端の闘いが、「日の丸・君が代」不起立闘争である。
 1日には教育基本法与党検討会も再開され、法案提出に向けての調整を進めるとしている。「日の丸・君が代」強制阻止の闘いは、この憲法改悪・教基法改悪を阻止する最前線の闘いであり、日教組をつくりかえ、職場支配権を確立する労働運動そのものである。
 処分されても首をかけて階級的正義を貫く教育労働者の闘いは、労働運動の進むべき道をはっきりと示している。2〜3月卒業式闘争に決起しよう。全国で数千、数万人の教育労働者が不起立で闘いぬくならば、改憲など完全に吹っ飛ばすことができる。
 全逓労働者は「郵政民営化絶対反対」を掲げ、2・9〜10JPU臨大(日本青年館)に総結集して闘おう。JPU菰田(こもだ)執行部は、郵政民営化法が成立したことをもって完全に屈服し、「現実を冷静に受け止め」(大会議案)などと現場組合員の怒りの決起に戦々恐々としている。そして、アクションプラン2の大合理化を受け入れ、「働こう」運動を強制し、改憲にも全面屈服しようとしているのだ。菰田執行部を組合員の怒りで打倒しよう。職場での団結を打ち固め、超勤拒否、物ダメ・ストライキの実現に向かって、職場生産点での闘いをつくりあげよう。
 「階級的原則を貫いて、組合の団結を大切にして闘えば、必ず勝利の展望が開かれる」。この固い信念で国鉄分割・民営化攻撃に対して組織の存亡をかけてストライキを打ち抜き、団結を保持してきた動労千葉の闘いを教訓化し、それを郵政職場で実践しよう。
 公共部門の民営化の最初は、20年前の国鉄分割・民営化だった。20万人の国鉄労働者が首を切られた。だが、その国鉄戦線で、動労千葉と国労の戦闘的労働者が絶対に屈服しないで20年間闘い続けることによって、強制配転者の運転職場復帰などの勝利を次々にかちとり、今やついに反転攻勢の時を迎えつつある。
 分割・民営化の矛盾が悲惨な死亡事故として続発している中で、動労千葉の反合・運転保安闘争はJR資本の安全無視をぶち破る大勝利を切り開いている。そうした中で2・16国鉄労働者大集会が、初めて1047名総体の統一陣形でかちとられる。大結集し1047名闘争の勝利へ新たな戦闘宣言を発しよう。5・27国労臨大闘争弾圧を粉砕し、動労千葉の反合・運転保安春闘と連帯し、大幅賃上げ要求を掲げて06春闘を戦闘的に闘いとろう。闘えば勝てる! 国鉄闘争の前進は、4大産別決戦の勝利の展望を明々と照らし出している。

  国民投票法案粉砕へ

 改憲闘争の発展は待ったなしである。攻撃の核心が9条2項(戦力不保持、交戦権否認)の破棄にあり、労働者人民を侵略戦争に動員するための改憲であることをとことん暴いて、国民投票法案粉砕を改憲阻止闘争そのものとして闘おう。
 敵階級にとって改憲は国論二分的な状況で僅差(きんさ)で可決・成立ということではだめなのである。そこで日帝は、国民投票法案による公務員の運動禁止や公務員制度改革などによって、4大産別労組を解体し、改憲反対闘争の労組的基盤を解体することに全力を挙げている。日共スターリン主義の制動をうち破り、9条改憲阻止の一点で広範な統一戦線を形成し、絶対に改憲を阻もう。
 思想弾圧、労働運動弾圧、革命党弾圧の治安立法=共謀罪を粉砕しよう。

  3・5県民大会爆発を

 相模原で自衛隊の移駐を阻止する勝利の展望をこじ開けつつある。岩国では米空母艦載機の岩国移駐反対の市民の意思を住民投票で示す全市的な取り組みが進んでいる。そして、沖縄では3・5県民大会で米軍再編、辺野古崎への新基地建設反対の怒りの総決起がかちとられようとしている。米軍再編・日米安保粉砕へ、全国で反戦・反基地闘争を闘おう。
 帝国主義が危機にあえぎ、戦争と民営化(労組破壊)に深々とのめり込んでいる情勢は、一面では党と労働者階級にとって、厳しい試練ではある。だが他面では、プロレタリア革命の現実性が生き生きと働き始める情勢なのである。反帝国主義・反スターリン主義世界革命、その一環としての日本プロレタリア革命という革共同の革命戦略・路線が、真価を発揮するときが来たのだ。労働者階級の自己解放闘争の革命的な爆発力を確信して前進しよう。
 『前進』を労働者階級の中に圧倒的に拡大しよう。今こそ、闘う青年・学生、すべての労働者、労組活動家は革共同に総結集し、プロレタリア革命に勝利する労働者党をともに建設しよう。

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週刊『前進』(2233号1面2)(2006/02/13)

 “東部方面隊の派兵 許すな” 朝霞と三里塚でデモ

 1月28日、陸自東部方面隊のイラク派兵に反対する闘いが朝霞と三里塚で圧倒的に闘い抜かれた。

 朝霞

 陸上自衛隊東部方面隊の司令部が存在する陸自朝霞駐屯地に対して、抗議デモと派兵中止の申し入れが、約200人の労働者市民の結集で行われた。
 朝10時から、朝霞駐屯地の最寄り駅にあたる東武東上線和光市駅南口に集まってフリートークが行われた。昨年から「止めよう戦争! 埼玉県連絡会」や、「止めよう戦争! 隊員家族と元自衛官連絡会」が陸自への請願・申し入れ、和光市駅頭街宣を行ってきたが、抗議行動をやろうという実行委員会が組織されるまでに広がったものだ。
 フリートークを聞きながら通る市民の反応は良い。署名の呼びかけに40分程度で50人近くの市民が応じた。クラスの半分近くが自衛官の子どもたちという学校もある街だからだろう。
 11時からデモに出発した。市街を抜け、自衛隊の官舎にさしかかる。元自衛官の小多基実夫さんが宣伝カーのマイクを握って自衛官と家族に呼びかける。「小泉首相は先日、関西で、今回の派兵で自衛官に犠牲が出ることは覚悟している、と言いました。本当に許せません。小泉は、危険な所だから自衛官に行ってもらうと言うが、イラクが危険な所になったのは、自衛隊を占領軍として派兵したからです。災害救援とはわけが違います」。
 1500人近くが居住する官舎の窓には、デモ隊を見ている家族の姿も見える。デモ隊は、「自衛官よ、命を粗末にするな!」という大文字のメッセージボードを掲げた。「自衛官のみなさん! 労働者とともに立ちあがろう」とデモ隊が呼びかけた。
 この官舎では昨年8月末、男性自衛官が自殺した。その数年前にも自衛官の飛び降り自殺があった。
 デモ隊は、基地内に届くシュプレヒコールを繰り返しながら、朝霞駐屯地の朝霞門に到着、ここで請願・申し入れ行動を行った。実行委員会代表が請願文と要望書を読み上げ、「要望書は自衛官一人ひとりに渡して下さい」と申し添えて渡した。その後、「止めよう戦争! 隊員家族と元自衛官連絡会」と「止めよう戦争への道! 百万人署名運動」などが請願文を読み上げ、百万人署名運動は1337筆の署名を提出した。
 抗議行動の翌29日、反対運動を避けるようにして、練馬駐屯地で隊旗授与式が行われ、その日の夕方、第1陣が羽田空港から派兵された。
 小泉は、「5月には英豪軍とともに撤退する」などと言い出しているが、それほどイラク現地情勢が深刻な泥沼状態にあるのだ。さらに即時撤退を求めて、自衛官への呼びかけを継続しよう。
 (投稿・O)
(写真 朝霞駐屯地で東部方面隊のイラク派兵を中止するよう申し入れた【1月28日】)

 三里塚

 1月28日「成田空港からの自衛隊イラク派兵阻止」を掲げ、三里塚芝山連合空港反対同盟主催の集会とデモが、成田市で闘いとられ、120人の労農学が結集した。
 この日の集会場は、85年10・20戦闘以来21年ぶりの三里塚第一公園だ。
 伊藤信晴さんの司会で集会が始まり、北原鉱治事務局長が発言に立った。
 「21年ぶりの集会でここに立ち、時代の変化を感じて感無量だ。61年前は戦争一色の時代だった。天皇制によって国民が総動員され、アジアの人びと2千万人を死に至らしめた歴史を振り返る時、自衛隊が成田空港からイラクに出兵することなど絶対に許せない」
 次に成田市民の会の伊藤全明さんが、「発端はブッシュが大量破壊兵器を口実に戦争をしかけたことだ。先の大戦で死の苦しみを強いられたわれわれはイラク派兵を許さない」と発言した。
 続いて動労千葉の滝口誠特別執行委員が、JRで相次ぐ大事故を民営化による安全崩壊の結果として弾劾し、3月春闘への決意を表明した。婦人民主クラブ全国協議会代表の西村綾子・相模原市議は、相模原市での米軍再編との闘いを報告、また都政を革新する会の北島邦彦事務局長は、杉並区での「つくる会教科書」撤回運動を報告した。内海佑一全学連副委員長は、学生の力で85年10・20戦闘をも超える闘いを実現する、と決意表明した。
 集会後、反対同盟を先頭に市内デモに出発した。出兵阻止と暫定滑走路北延伸攻撃粉砕の宣伝カーからの訴えかけは、三里塚地域すみずみに響き渡った。戸外でデモを見守る人も多い。
 派兵部隊は、29日に羽田空港からこっそりとイラクへ出発した。反対運動の力が、成田出兵を断念させたのだ。反対同盟の闘魂にこたえ、3・26現地集会に全国から総結集しよう。
(写真 市東さん【左】、北原さん【右】を先頭に三里塚第一公園からデモ【1月28日】)

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週刊『前進』(2233号2面1)(2006/02/13)

 不起立闘争の継続・強化・拡大へ

 「日の丸・君が代」強制拒否闘争 

  “東京とともに”合言葉に広島の教育労働者は闘う

 06年春、いよいよ階級決戦最大の勝負の時を迎えた。ヒロシマの教育労働者は処分を恐れず「戦争教育絶対反対、『日の丸・君が代』強制拒否=不起立・不服従闘争の継続・強化・拡大」の闘いに職場の仲間とともに総決起する。動労千葉労働運動の実践者として、退路を断って立ち上がる。

 教育現場荒廃させた元凶に責任とらせる

 教育現場は今や労働監獄だ。広島では、これまで取り組んできた平和教育・解放教育とはまったく逆の教育を強要されることへの絶望感から自ら命を絶った仲間を始め、勤務中に生徒や保護者の目の前で突然亡くなったり、毎夜遅くまで勤務が続き朝家族が起こしに行った時にはすでに冷たくなっていた人など、現職死亡が相次いでいる。ニトロ(心臓発作時の薬)を口に含んで授業に赴く人、自分が過労死した時のために時間外勤務の時間を克明に記録している人、研究発表会の前日まで連日夜10時まで働かされ続けたために流産した人。さらに多くの通院・入院・病気休職・早期若年退職せざるを得なかった仲間がいる。まさに誰がいつ死んでも不思議でないほど、今の学校現場は教育労働者の生存と生活そのものを脅かし、疲弊と死を強制する地獄に激変しているのだ。こんな学校にしたのは誰だ!
 98年以来の文部省(当時)の「是正指導」によって、「日の丸・君が代」の強制を始め、あらゆる権利剥奪(はくだつ)と管理強化が激しく進んでいる。職場・組合の団結破壊を狙った人事評価制度―校長の立てた学校目標に対する自己目標と自己評価(自己申告書)の強制、週案の記入・提出の強制。そして、人事評価とリンクした査定給(差別賃金)導入の攻撃が襲いかかっている。
 また「研究指定校」「一校一研究」と称して公開授業・研究発表会の強制、さらに年度当初の超忙しい時期に「シラバス」という名の年間指導計画の作成に数十時間費やさざるを得ないという矛盾。研究発表会における指導案は何回も書き直しを命じられる。揚げ句の果てには、研究会の実践報告集の量の厚さを競い合う。教育委員会の学校訪問時には近隣校の教頭がクッキーを焼き、その味を競い合う。教育委員会から2人来校するというのでスリッパ2足をそろえていたところ、3人来校してスリッパが不足し、教頭を目の前でしかり飛ばした校長など、おごり高ぶる教育行政と阿諛追従(あゆついしょう)に走る管理職どもによって、おぞましい光景が日常的に繰り返されている。
 このような教育現場の破壊を許すことは絶対にできない。その元凶・張本人に今こそ責任を取らせなければいけない。「まどえ!」(広島弁で「償え」という意味)。積年の恨み、晴らしてやる! 「まどえ!」
 元凶は日帝そのものであり、小泉=奥田の戦争・改憲と民営化(労組破壊)の攻撃だ。「是正指導」以来の反動教育行政によるヒロシマ教育つぶし=平和教育・解放教育つぶし=日教組(広教組・広高教組)つぶしの攻撃によって、教育現場が破壊されてきた。
 それだけではない。この現実をつくり出したいま一方の元凶は、職場闘争を圧殺してきた日教組本部だ。日教組本部は95年パートナー路線以来、文部省の協力者に転向し、職場闘争5項目(「日の丸・君が代」強制反対、主任制反対、官製研修反対、教育課程の自主編成、職員会議の最高議決機関化)を投げ捨てた。「日の丸・君が代」強制に対して「職務命令が出たら従え」「処分されても支援しない」と公言して恥じない組合指導部こそが、ヒロシマ教育つぶし攻撃をますますのさばらせ、教育労働者にあらゆる犠牲と困難を押しつけているのだ。
 労働組合とは、闘うことをとおして団結を強めるものだ。職場の仲間たちは、闘いの中で深めた絆(きずな)で組合加入を図ってきたのである。組合として守り強化する道は、「教え子を再び戦場に送るな」という日教組のスローガンを実践することにある。
 今や学校現場には、吹きすさぶ反動と組合指導部の裏切りに対する激しい怒りが渦巻き、闘いを求める声が充満している。命を奪われ、病気休職、早期退職を余儀なくされた多くの仲間の無念をそそぐ時が来た。「今に見ておれ」と歯を食いしばって頑張ってきた現場の教育労働者が団結して、反転攻勢―日教組再生の主人公として力強く登場する時がついに来たのだ。

 不起立闘争が日教組の改憲勢力化阻んだ

 05年の「日の丸・君が代」闘争は、東京の仲間の不起立闘争を頂点に全国に拡大して高揚し、全反動に痛打を浴びせた。
 それは東京・杉並を頂点とする「つくる会」教科書採択阻止闘争として引き継がれている。
 また、05年都高教7月定期大会では闘う方針(修正動議)が可決され、連合執行部に事実上の不信任を突きつけた。東京の教育労働者は石原・都教委との対決を貫きつつ、8・6ヒロシマ大行動―全国教育労働者交流会に全力で駆けつけ、11・6全国労働者集会に合流した。東京・広島の闘う教育労働者の血盟が固く結ばれた。
 広島では「東京とともに闘おう」を合言葉に、広教組・高教組組合員のべ45人(卒業式30人+入学式15人)が不起立で闘った。青年部の仲間が続々と決起し、不起立闘争の拡大を牽引(けんいん)した。それと一体で〈白バラ・コサージュ〉〈ピース・リボン〉〈退場〉〈年休行使〉などの創意工夫をこらして、分会ぐるみ・職場ぐるみの不服従闘争が200人を超えて広範に展開された。高校生・中学生も不起立で反撃し、多くの労働者・市民が保護者として来賓として不起立を闘いぬいた。
 「是正指導」以来7年の苦闘に耐えてきた広島の教育労働者は、04年春の東京の教育労働者300人の闘いに励まされ、「05年こそ東京の仲間とともに」の思いを込めて決起し、反転攻勢の第一歩を切り開いた。
 この闘いの勝利の核心は、組合の路線をめぐる激突に現場の労働者がかちぬいたことである。日教組本部の転向=改憲路線に身も心も一体化した組合指導部の闘争圧殺策動を、「動労千葉のように闘えば必ず勝てる」と団結した現場の力ではね返したのだ。岡山・香川など中四国各県でも教育労働者の不起立・不服従の闘いが拡大した。鳥取では、1人の教育労働者の決起に40人の高校生が呼応して不起立した。
 05年「日の丸・君が代」闘争は、現場教育労働者の実力闘争を復権した。「闘う日教組」再生への新たな胎動が始まった。それが日教組の7月全国大会で改憲路線への反動的転換を阻止し、連合の改憲勢力化を阻む力となった。日本のすべての労働者が自己解放をかけて改憲を阻止し、侵略戦争絶対阻止を貫く闘いへ発展した。その力が11・6労働者集会の4600人の結集に結実したのである。

 職場の団結を基礎に全国で総決起しよう

 「ひとりの力は小さいかもしれません。しかし、決して無力ではありません。一人がまず始めなければゼロであり、無です」
 これは「ヒロシマ平和カレンダー」に掲載された原爆資料館前館長の高橋昭博さんの言葉である。ヒロシマの教育労働者は被爆者の怒りを全身で受けとめ、今春「日の丸・君が代」決戦に総決起する。全反動と対決し、不起立・不服従の継続・強化・拡大を渾身(こんしん)の決起で切り開く。権利を奪われ、体をむしばまれ、命までも奪われる教育現場の現実を、06年「日の丸・君が代」決戦で根底から覆そう。
 06年「日の丸・君が代」決戦は、教育基本法改悪阻止・改憲阻止の成否を決する闘いだ。日教組を先頭に4大産別の労働組合を戦争と改憲阻止の最強の砦(とりで)として再生しよう。既成野党と連合・全労連の裏切りと敵対をはねのけ、現場労働者が主人公となって闘いを組織しよう。日教組の戦闘的・階級的再生がここにかかっている。「日の丸・君が代」闘争を全国統一闘争として闘おう!
 私たちは、どんなことが待ち受けていようとも「七転び八起き」の精神で団結して闘いぬき、必ずや小泉=奥田を「七転八倒」させるであろう。ヒロシマの教育労働者は、動労千葉の「闘いなくして安全なし」の闘いに徹底的に学び、「闘いなくして教育なし」「闘いなくして平和なし」を合言葉に総決起する。
 全国の教育労働者のみなさん! 職場の団結を基礎にして、全国・全労働者の団結、労働組合の連帯の力で、06年「日の丸・君が代」闘争を全国統一闘争で闘おうではありませんか!
 〔川口 梓〕

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週刊『前進』(2233号2面2)(2006/02/13)

 “自分の行動は正しいと確信”

 

 東京の「日の丸・君が代」被処分者3人に対し、昨年7月「再発防止研修」時のゼッケン着用や「受講拒否」を口実とした再度の「再発防止研修」が強行された。冷たい雨をものともせず被処分者らが会場前で都教委を弾劾した。研修終了後、受講した被処分者は「自分の行動は正しいと確信を深めた」と話した(2月1日 水道橋)

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週刊『前進』(2233号2面3)(2006/02/13)

 国労中央委 「鉄建公団訴訟支援」を決定

 1047名陣形強化へ 2・16大結集の風穴が開く

 1月28日の国労第176回拡大中央委員会は、国鉄1047名闘争が大きな発展過程に突入したことを指し示した。国鉄闘争への内部からの破壊策動を重ねてきた国労本部の反動は、ついに大崩壊に至ろうとしている。中央委員会で国労本部は、「鉄建公団訴訟支援」の方針を掲げざるを得なくなった。2・16総決起集会を大成功させ、国鉄闘争こそ小泉=奥田体制打倒、改憲阻止の決戦の最先頭に立つ時が来た。
 国鉄闘争は国鉄分割・民営化以来19年の闘いを経て、ついに1047名全体を糾合しての統一陣形を生み出した。国労闘争団の鉄建公団訴訟原告団、鉄道運輸機構訴訟原告団と全動労争議団の原告団、動労千葉争議団の原告団に、国労闘争団全国連絡会議が加わって、この5者の共催のもとに2・16総決起集会が開かれる。鉄建公団訴訟を軸に形づくられてきた1047名の統一陣形は、「未提訴闘争団」をも巻き込んで、いよいよ解雇撤回・JR復帰に向けての巨大な歩みを開始した。
 昨年の7・15全国集会以来、1047名の大同団結に向けて大きなうねりが始まった。この中で国労本部は、今中央委員会に「2・16集会を中心とする大衆行動に総力をあげて取り組む」「鉄建公団訴訟等に対して、傍聴など可能な支援を行っていく」とした「当面の闘争方針案」を提案するところに追い込まれた。
 これまで国労本部は、鉄建公団訴訟原告への統制処分を強行し、生活援助金の支給を凍結するなど、鉄建公団訴訟に対するあらゆる敵対と妨害を繰り返してきた。さらには、鉄建公団訴訟原告への統制処分手続きを決定した02年5月27日の国労臨時大会で抗議のビラまき・説得活動を行った国労組合員を、警察に売り渡す暴挙にまで手を染めた。国労本部に居座るチャレンジ一派や上村革同は、こうした裏切りを貫くことで、国家権力やJR資本からその存在を認められてきたのである。
 その国労本部が、鉄建公団訴訟支援を中央委員会決定とし、2・16集会への動員指令を下ろしている。これはきわめて重大な事態である。小泉政権は、自治労、JPU(全逓)、日教組を改憲路線に転向させ、連合総体を改憲翼賛勢力に引き入れようと全力を挙げている。そのためにも国鉄闘争を跡形もなく粉砕しようと、これまで執拗(しつよう)な攻撃をかけてきた。これに国労内部から呼応してきた反動の一角が大きく崩壊し始めたのだ。
 自治労臨大を皮切りに4大産別が激しい決戦攻防に入った今、2・16集会の成功は「日の丸・君が代」強制と闘う教育労働者の決起と並び、階級闘争を根底から激変させるものになる。
 この情勢を切り開いたのは、あらゆる苦難に耐えてきた1047名の闘い、とりわけ鉄建公団訴訟原告団の闘いだ。9・15判決は、解雇撤回を否定し、わずか500万円の慰謝料しか認めず、1047名陣形を破壊しようとした反動判決だったが、国鉄が不当労働行為を行った事実は認定した。統制処分に屈せず訴訟を貫いた原告団の闘いが、国家的不当労働行為をやみに葬り去ろうとした国家権力とJR資本の策動を打ち破ったのだ。これが国労本部の裏切りを暴き、彼らの言う「政治解決」なるものの虚構と破綻(はたん)を突きつけた。
 さらに、動労千葉の反合・運転保安闘争が1047名の統一陣形形成の原動力になった。JR体制は尼崎事故、羽越線事故、伯備線事故と重大事故を立て続けに引き起こしている。これに対する動労千葉の闘いの圧倒的な正義性は、今や誰も否定できない。「動労千葉排除」の策動は打ち破られ、1047名全体の団結を求める声は、いかなる反動によっても抑えることができなくなった。
 また、国労5・27臨大闘争弾圧に対する粘り強い闘いが、国労本部の警察権力との癒着・結託を鋭く暴き出している。
 これらの闘いによって、国労弁護団は中央委に姿も見せず混乱を露呈し、国労本部は反動を正面から貫けない窮地に陥ったのだ。

 「リセット完了」と裏切り居直る

 中央委員会では、佐藤勝雄委員長が「(この間の組織の混乱の収拾へ)これですべてリセットいたしました」と言い放った。だが、国労本部は、これまでの敵対・裏切りの数々を何も自己批判してはいない。「総団結」「大同団結」の美辞麗句で自己の免罪を要求し、居直りを決め込もうとしているのだ。国労本部に「リセット完了」などと言わせておくわけにはいかない。国鉄闘争勝利のためには、闘争団を統制処分し、組合員を警察に売った現執行部を打倒して、闘う組合員が執行部を握らなければならない。権力や資本からの独立は、労働組合の存立にかかわる原則だからだ。
 佐藤委員長はまた、JR東日本における昇進差別事件の和解について「労使間に信頼関係を築くことによって大きな前進を獲得することができる」と自己賛美し、「和解は……株式市場においても好感をもって受けとめられています」とまで言ってのけた。まさにチャレンジ路線そのものだ。
 質疑・討論では、チャレンジや上村革同もこぞって「2・16集会と1047名の大同団結を歓迎する」と発言した。中央委員会前日に開かれた全国代表者会議で、彼らは「動労千葉争議団が名を連ねる2・16集会に国労がなぜ取り組むのか」と叫び立てたという。だが、彼らもそれを中央委員会であからさまに口にすることはできなかった。
 他方、高崎地本や東京地本・新橋支部、北海道本部・旭川地区本部の中央委員などが、「本部は鉄建公団訴訟原告団への扱いを反省すべきだ」「組織として行わなかった裁判に取り組んだ原告団に敬意を表し、その総括をすべきだ」「処分されながら訴訟に打って出たことで9・15判決が出た。本部はけじめをつけるべきだ」と論陣を張った。また、国労本部が言う「新たな訴訟」についても、鉄建公団への地位確認を求める訴訟として早急に提起すべきことを主張した。
 集約答弁で吉田進書記長は、「新たな訴訟の最終決断は7月の全国大会」「全国大会までの間は国会対策、政治対策に全力を挙げる」と言い張った。本部方針はあくまで「9・15判決を機に政治解決を図る」というものであり、1047名全体を敗北必至の政治解決=和解路線に引き入れようというのが、彼らの狙いなのである。

 国労5・27弾圧粉砕を軸に

 JR体制は重大事故を続発させ、安全を根底から崩壊させている。中央委員会では、これが小泉政権による規制緩和とJRによる大合理化=人員削減の結果であることを誰もが口にした。問われているのは労働組合としての闘う路線である。反合・運転保安闘争を闘い、JR資本に真っ向から立ち向かうことこそ、労働組合がとるべき道だ。
 ところが佐藤委員長は「労使の信頼関係」を叫び立て、上村革同は「労使安全会議をリードした」と自己の裏切りを吹聴した。だが、資本との闘いを放棄して安全を守れるはずがない。それは羽越線事故や伯備線事故が示している。
 動労千葉は06春闘を「反合・運転保安春闘」として闘いぬく方針だ。安全確立へ労働組合としてどう闘うか、職場から徹底した議論を起こし、動労千葉とともに06春闘に立ち上がろう。
 2・16集会を現場組合員の力で成功させよう。ここから国労と日本労働運動の階級的再生は始まる。4大産別決戦の土台をなす国鉄闘争は、4党合意以来の苦闘を経て、ついにその道をこじ開けた。だが、闘争団を統制処分にかけ、組合員を売り渡した現国労執行部を打ち倒してこそ、勝利の路線は確定できる。その軸は5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いだ。国労中央委の攻防は、国労再生に向けた決戦の火ぶたを切った。

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週刊『前進』(2233号2面4)(2006/02/13)

 伯備線事故 民営化が元凶だ!

 「安全性向上計画」を拒否し反合理化・運転保安春闘を

 −動労西日本が緊急声明−

 1月24日、JR西日本の伯備線で3人の保線労働者が特急列車にはねられ死亡する重大事故が発生した(前号既報)。これに対して動労西日本が発した緊急声明を同労組の了承を得て転載し紹介します。(編集局)

 緊急声明

 1月24日午後1時20分頃、鳥取県江府町武庫のJR伯備線根雨−武庫間で保線作業中のJR西日本・米子保線区所属の労働者7人のうち4人が、岡山発出雲市行き下り特急電車「スーパーやくも9号」にはねられ、3人が死亡し、1名の労働者が負傷するという触車死亡事故が発生した。JR西日本は一切の責任を現場責任者の労働者に押しつけようとしている。動労西日本は満腔の怒りをもってJR西日本を弾劾する!

 伯備線事故は起こるべくして起こった事故だ

 伯備線事故は起こるべくして起こった事故だ。JR西日本は、100`以上で走行する高速列車が通過する線路上で、それも雪で見通しが悪い中、騒音のでる砕石を固める作業を「線路閉鎖」をせずにやらせていた。列車に遅れが出てダイヤが乱れたら作業中止にするべきであり、やむをえない時は見張り員を増員して常時両側に見張り員を配置するべきである。そうした労働者の要求を無視して作業を強制している安全無視のJRの規程が事故を起こしたのだ。
 伯備線は山間でトンネルも多く天候も不安定で列車が遅れやすく、新幹線との乗り継ぎ問題や、単線区間を100`以上で走行させる特急列車によって事故が多発している区間だ。1969年2月13日に触車事故で作業中の労働者6名が死亡し、1998年2月10日には線路巡回中の保線労働者が死亡している。単線区間で列車ダイヤが乱れているのに、特急を100`以上で走行させ、その中で保線作業をさせるなど言語道断である。JRは労働者の命を虫けらのようにしか考えてないのだ。
 また国鉄時代には配置されていた駅の運転取り扱い要員の廃止も事故原因の一つである。国鉄時代は作業責任者は直接駅の運転取り扱い要員に電話をかけて列車の通過を確認してから作業していた。それがJRになって合理化によって駅の運転取り扱い要員が全て廃止された。ローカル線はほとんどが無人駅になった。駅こそ安全運転の要なのに!である。運転指令は米子CTC(運行管理システム)の画面を見て指示しているがそれで安全が確保できるはずがない。この事故は安全無視・営利優先の経営施策を一貫してとりつづけてきたJR西日本にすべての責任がある。昨年の4月25日の尼崎事故、12月25日の羽越線事故と同じく、国鉄分割・民営化にいっさいの原因がある。3人の仲間は、JR西日本によって殺されたのだ!
 87年国鉄分割・民営化と労組破壊のもとで、労働組合つぶしの国家的不当労働行為が行われ、20万人の労働者が首を切られ、200人をこえる仲間が自ら命を絶った。そして、JR体制になって極限的な要員合理化を行い、「安全」が完全に破壊された。不当労働行為を繰り返し労働組合つぶしを最優先し、「安全」など「儲け」にならないと徹底的に排斥してきたのが、JR西日本をはじめとするJR各社である。

 教育で労働者に事故責任をおしつけ、合理化を強行する「安全性向上計画」を拒否しよう

 一切の原因はJR西日本と「安全性向上計画」にある。現在でも保線業務の合理化は極限状態なのに、JR西日本は昨年11月8日、施設関係業務の見直しとして、保線△60名、土木△40名、建築△40名、合計140名にも上る人員削減を提案してきている。これまでJR社員で行ってきた検査業務の責任体制を「事業者認定制度」によって、下請け会社に丸投げしようとするものだ。この提案では、検査業務という安全の根幹を制する業務を、下請けに安い単価で丸投げし、「判断業務」だけJR社員が行うという。担当線区の線路状態を熟知した者が検査業務を行うという体制が廃止されるのだ。国鉄以来、現場に蓄積されてきた鉄道固有の技術力は、この外注化によってバラバラに解体される。そして、下請けから孫請けへと、次々と安全責任が転嫁され、安い下請け単価によって要員の切りつめ、労働強化が下請け・孫請け労働者に強いられていくのだ。まさに伯備線事故が再び繰り返されようとしているのだ。これが「安全性向上計画」の下で行われようとしているのだ。保線だけではない。JR西日本は全職場で要員削減・合理化をすすめている。
 「安全性向上計画」を守らせたら今回のような事故は起きないのか? 否だ! 「安全性向上計画」こそ、JR資本の利潤追求(搾取)の源泉である要員削減、過密ダイヤ、動乗勤改悪、労働強化、外注化など、安全の根幹部分について何ひとつ改善しようとせず、「利潤追求の聖域」として労使一体の下で護持しようとするものだ。「安全を最優先する企業風土」といううたい文句で労働者への「安全教育」を強化し、これによって労働者に安全責任を転嫁し、資本の安全責任を拒否しようとしているのだ。まさに、「安全性向上計画」は「安全性破壊計画」なのだ。利潤追求によって安全を破壊するのが本性の資本と闘わないで、労働者や乗客の命を守ることも安全を確保することもできるはずがないではないか。

 職場から反合理化・運転保安闘争にたとう

 闘いなくして安全なし! 労働者の命を奪い、線路という安全基盤を根底から破壊する、JR西日本資本の施設関係業務の要員削減・外注化攻撃に対して、全職場から闘いをまき起こそう。安全の確立は、労働組合の責務である。われわれが幾度となく訴え、そして闘い続けてきたとおり、そもそも資本主義社会である限り、企業は直接的利益を生まない保安部門への設備投資や保安要員の配置などを軽視、無視し続ける。とくに、現在のように、政府・財界をあげて競争原理が囃し立てられ、弱肉強食の論理で社会全体がローラーをかけられようとしている状況のもとでは尚更のことだ。だからといって、安全を軽視無視することは絶対に許されない。
 労働者の闘いや抵抗や労働組合の闘いがあってはじめて「安全」を資本に強制することができるのだ。その闘いは、鉄道に働く労働者、労働組合の責務だ。労働組合・労働者が階級的に団結していれば、安全を無視した資本の理不尽な命令・指示をはねのけることはできる。
 現に動労千葉は、レール破断と尼崎事故に対して、@無理な回復運転はしない、A制限速度は遵守する、B危険なときは勇気をもって列車を止める、C走行中に運転通告受領券を書かない、Cレール破断区間での減速運転などの運転保安行動を、連日運転席に二人の職制が乗り込んで業務命令を乱発する中で3ケ月間にわたって貫徹し、ついに22`にわたるレール交換を実現し、今も運転保安行動を継続している。
 また、動労千葉は、この5年間の闘いで、検修業務の全面的な外注化攻撃を千葉支社だけは今も阻止し続けるという大きな成果を実現し、この闘いで強制配転者の検修区復帰をかちとり、そして今年、シニア制度による再雇用からの差別攻撃もついに打破した。矛盾をついて、ハラをすえて闘えば、JR体制を揺るがすことができることを具体的に示しているのだ。
 今こそ、職場から反合理化・運転保安闘争を強化しよう。動労西日本は06春闘を「反合・運転保安春闘」として闘う。ともに闘おう!
2006年1月26日
国鉄西日本動力車労働組合

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週刊『前進』(2233号3面1)(2006/02/13)

 自治労臨大 国民投票法粉砕へ激闘

 公務員制度改革容認許さぬ 本部に現場の怒り噴出

 小泉への屈服を狙った臨大

 1月26〜27日、自治労第77回臨時大会が東京・厚生年金会館で開かれた。4大産別の1〜3月臨時大会・中央委員会決戦の皮切りだ。闘う自治体労働者は臨大で、連合中央と結んで自治労を改憲勢力へ転換させようとする自治労中央の策謀を暴露・弾劾し、その破綻(はたん)を満場に突き出した。4大産別をめぐる攻防は改憲攻撃との当面する最大の激突点だ。
 しかし自治労中央本部は、あくまで5月25〜26日中央委員会(新潟県長岡市)で自衛権と戦力を認める平和基本法=改憲方針をまとめ、8月大会(さいたま市)で決定しようとしている。絶対に阻止しよう。自治労組合員の圧倒的多数は改憲反対、戦争反対である。闘う陣形を強化し、1月臨大決戦を突破口に5月中央委〜8月大会決戦を闘い、自治労の改憲勢力化を阻止しよう。自治労を階級的労働運動として再生させよう。
 臨時大会は、地公3単産(自治労、全水道、都市交)の組織統合を目的に掲げて開かれた。だが組織統合は、民営化攻撃と闘わない自治労が組合員数を減らし、影響力を低下させてしまうことを他単産との統合で隠蔽(いんぺい)しようとするものでしかない。
 臨大の最大の狙いは自治労の改憲勢力化なのである。自治労中央は連合路線のもと、小泉の1・20施政方針演説に賛成を表明するために臨大を開いたのだ。
(写真 労組交流センターは自治労臨時大会の代議員に国民投票法案阻止・改憲阻止、公務員制度改革反対、闘う方針を打ち立てようと訴えた【1月26日 東京・厚生年金会館】)

 民営化推進の連合中執決定

 1月16日、連合中央と政府代表との政労協議で、連合は労働基本権協議と引き換えに公務員の定数・総人件費削減、公務員制度改革(能力・成績主義導入、身分保障撤廃など)をのむことを政府に約束した。
 1月19日の連合中執会議は「公共サービス・公務員制度のあり方に関する連合の考え方」を発表し、「有効かつ効率的な政府」「信頼と安心の行政・公共サービス」を掲げて地方自治破壊と民営化への協力を表明、能力・成績主義的人事・賃金制度を提案した。同時に連合中執会議は「国の基本政策に関する連合の見解(案)=7・14見解=の取り扱いについて」を決定した。7・14見解=改憲方針を「3役会のまとめ」として残し、民主党と協議して国民投票法案を推進する方針を提起している。
 1月20日、小泉首相は施政方針演説で今通常国会に国民投票法案、行革推進法案―公務員制度改革、市場化テスト法案を提出すると言明した。小泉政権5年間の矛盾が爆発し、規制改革・民営化路線の大破綻があらわになる中で、小泉=奥田はなおも改憲と戦争、民営化と労組破壊の攻撃をエスカレートさせると宣言したのである。この攻撃の最大の標的が自治労と日教組、国労、全逓の4大産別労働組合なのだ。
 労組交流センター自治体労働者部会は2日間にわたって情宣を展開し、大会討論を牽引(けんいん)した。1日目は、ビラで大会の第2号議案「当面の闘争方針(案)」の「憲法問題への取り組み」(別掲)に批判を集中し、平和基本法制定方針の撤回・削除をかちとり、国民投票法案阻止・改憲阻止、公務員制度改革絶対反対の闘う方針を打ち立てることを訴えた。また経済同友会が昨年11月4日に出した「地方公務員制度改革への10の提言」を全面的に批判し、動労千葉のように闘おうと訴えたリーフレットも配布した。
 大会討論は1日目から白熱化した。香川、岩手、茨城の代議員が地域給、給与削減、査定昇給など給与構造見直しの大攻撃との闘いを訴えた。茨城の代議員は特に指定管理者制度が首切りにつながることを指摘、闘わない本部を厳しく追及した。静岡の代議員は「国民投票法案は憲法9条改悪につながる。法案そのものに反対を」と要求した。
 本部の金田書記長はのらりくらりとした答弁で批判をかわしつつ、国民投票法案については「改憲が日程に上っていない今の段階でその手続き法である国民投票法は必要ない」と述べた。しかし改憲と国民投票法案への怒りも危機感もなく、本部がなんら反対していないことが明らかとなった。また金田書記長は、平和基本法問題について「論議を重ね、5月中央委員会で論議する」と答え、8月大会で最終決定・承認に持ち込むことを示唆した。
 民営化、賃下げ、公務員制度改革と真っ向から対決する方針を提起できない自治労本部は、改憲、戦争ともまともに対決できず、自治労を組合として衰退させている。それを組織統合でごまかそうとしている。自治労を現場からつくりかえ、闘わない自治労本部を打倒しなければならないことが明らかになった。
 2日目の労組交流センターのビラは、特に1・19連合中執決定を鋭く暴露し、この決定に同意した自治労本部中執を連合中央とくし刺しにして批判した。
 1・19連合中執決定の核心は、憲法を始めとする「国の基本政策」にかかわる問題について「さらに検討を深め……その都度対応する」とし、「国民投票法案については民主党とも協議しながら具体的な対応を図っていく」と方針提起していることだ。自治労中央は、改憲に向けてこの連合中執決定を忠実に実行に移そうとしているのである。
 カクマルが「連合の改憲支持方針をついに葬り去った」(1・26ビラ)と「勝利宣言」を発したことは、武装解除を組織する許し難い行為である。「9条『改正』集約せず 連合 加盟労組の批判で変更」と1・19決定を『赤旗』で絶賛した日本共産党スターリン主義も同罪である。

 改憲勢力化絶対阻止しよう

  労組交流センターは、民営化攻撃との闘いの核心として市場化テスト法案絶対反対も呼びかけた。市場化テスト法は、あらゆる職場を丸ごと民間に売り渡す大民営化推進法である。行政職も現業職も職場から追い出され、自治体事務が民間資本の利潤追求の手段に変わる。公共性、安全性はないがしろにされ、労働条件も破壊的なものとなる。
 ところが自治労中央は「質のよい公共サービス」を対置し、「市場化テスト法に雇用の確保を明記せよ」と求める300万署名運動を提起している。市場化テスト法の成立を前提にした屈服方針でしかない。
 大会討論では、このような労組交流センターの暴露、訴えに呼応して代議員が次々と質疑に立ち、本部を追及・弾劾した。
 高知の代議員は地方行革との闘いを宣言し、自治労、日教組をつぶすという『文藝春秋』12月号森発言について本部の見解を求めた。秋田、群馬、福島、愛媛、沖縄、山形の代議員は、地域給、査定昇給・能力実績主義の給与構造見直しに強い反対を表明し、全国統一闘争を訴えた。
 また長野、山形の代議員は「政労協議ではなく、闘って労働基本権をかちとるべきだ」と原則を対置した。秋田の代議員は「ヤミ専」キャンペーンと闘う方針を出せと迫った。
 富山、愛知、山形、新潟、長野、北海道の各代議員が市場化テスト法案、指定管理者制度など民営化との闘いの強化を主張した。
 全国一般評議会の代議員は「連合の『国の基本政策』議論に積極的に参加する余地はあるのか」「国民投票法案が拙速でなければ賛成するのか」と質問した。山形、広島、沖縄の代議員も、改憲と戦争のための国民投票法案に反対した。
 また多くの代議員が、改憲をめざし労組を敵視する前原民主党を支持し続ける自治労本部を弾劾した。
 答弁に立った金田書記長は「連合の国の基本政策検討委との議論を継続する」と述べた。また「この機を逃せば労働基本権の実現はない」と言い、政労協議での公務員制度改革への屈服を正当化した。これらの問題に関しては植本副委員長も同様の答弁をした。金田書記長は「ヤミ専」問題で活動家に屈服を迫り、市場化テスト法案については300万署名運動方針をあくまで押し通した。また植本副委員長は、森発言に関して労働組合として団結を固めて反撃する構えがない姿をさらけ出した。前原民主党支持を明言し、国民投票法案について「拙速だから反対」とし、民主党と協議して国民投票法案がつくられれば賛成することを示唆した。本部答弁は臨大議案と連合中執決定そのままの繰り返しに終始した。
 連合路線のもと、裏切りと屈服を深める自治労中央を弾劾しよう。闘う自治体労働者は、自治労の改憲勢力化・翼賛組合化を阻み、闘う労働運動の新たな潮流をつくりだそう。自治体労働運動の命運をかけて5月中央委に向かって闘い、8月大会決戦の勝利を切り開こう。
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 第2号議案 当面の闘争方針(案)

【憲法問題への取り組み】自民党の「新憲法草案」の発表、憲法改正の世論づくりの動きを注視し、平和基本法についての検討を進め、5月中央委員会をメドに自治労としての考え方をまとめます。また、連合の国の基本政策議論に積極的に参加します。国民投票法案については、拙速な法制定には反対の立場で、自治労国会議員団との協議、協力政党への働きかけなどの国会対策を強めます。

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週刊『前進』(2233号3面2)(2006/02/13)

怒りの06春闘へ  労働者の貧困化

 年収200万円以下が5人に1人

 7年連続賃下げで歪み拡大 小泉=奥田路線の破綻あらわ

図 平均給与の推移 昨年末以降、小泉・奥田による民営化・規制緩和攻撃の破綻(はたん)が、耐震強度偽装問題、羽越線事故、ライブドア問題、伯備線事故、防衛施設庁汚職事件と、全面的に露呈してきている。中でも、「社会の2極化」「格差社会」の現実が小泉政治を象徴するものとしてマスコミでも取り上げられ、一大社会問題になってきている。その根底にあるのは、小泉政権の5年間で激しく進行した労働者階級の貧困化である。賃下げと負担増の挟み撃ちにあい、生活苦にあえぐ労働者階級の怒りが渦を巻いている。4大産別決戦と結合し、「日の丸・君が代」強制拒否の教育労働者の闘い、動労千葉の反合・運転保安闘争を先頭に、06春闘の大爆発をかちとろう。今回は労働者階級の貧困化の実態をさまざまな面から暴露する。
 小泉・奥田による民営化・規制緩和攻撃のもとで激しく進行した労働者階級の貧困化を賃下げの面から見てみよう。
 国税庁が毎年発表する「民間給与実態統計調査」(04年版は05年9月28日に発表)によると、民間企業に働く労働者の平均年収は98年以降04年まで7年間連続して低下している(グラフ参照)
 97年に1人平均467万3千円だったのが、04年には438万8千円にまで低下している。実に28万5千円、率にして6%もの低下である。
 さらに所得別構成比では年収200万円以下の層がこの5年間で全体の18・4%から21・7%に増加し、5人に1人の割合を占めるまでになっている。同時に、年収300万円から1500万円以下までいずれの所得者比率も減少するなど、給与所得者全体の賃金破壊が進行していることを示している。
 男性の場合、年収400万円超500万円以下が一番多く、次いで300万円超400万円以下だが、その差が5年前には1・2ポイントあったものが、0・5ポイントにまで接近してきている。
 女性の場合は5年前には200万円超300万円以下が一番多かったにもかかわらず、04年では100万円超200万円以下が一番多くなっており、特に女性に対する賃金破壊が激しいことが分かる。
 このような民間給与の現実は、公務員、公営企業労働者の賃金へも波及している。人勧の内容は、年度によって一時金の減額であったり、基本給のマイナスであったりとさまざまだが、99年以降公務員のトータルの年収は連続して下がり続けている。

 増大し続ける労働者の負担

図 労働者負担増の軌跡 このように年収が下がり続けているにもかかわらず労働者家庭の負担は増大し続けている。(表参照)
 すでに見たように民間労働者の年収は98年以降、今日まで一貫して下がり続けている。収入が減れば支払う税金も減るのが当然だが、04年にそれが逆転している。03年から04年にかけて給与総額が0・9%減少しているにもかかわらず、税額は3・6%も増大しているのだ。
 その原因は、04年1月に実施された「配偶者特別控除」(38万円)の廃止だ。このような所得税の負担増以外にも酒税、たばこ税、年金保険料、医療費などさまざまな負担が増大してきている。さらには今年には定率減税が半減され、来年度予算案でその全廃が狙われている。
 まさに収入減と負担増のダブルパンチが労働者階級に襲いかかっているのだ。

 アメリカに次ぐ高い貧困率

 次に、OECD(経済協力開発機構、30カ国加盟)が05年2月に公表した「OECD諸国における所得分配と貧困」と題する「OECDワーキング・レポート22」で各国の貧困率を見てみよう。
 このレポートは、可処分所得が全人口の中央値の50%以下しかない者を貧困者と定義し、それをもとに貧困率を計算している。
 この定義による貧困率では日本は15・3%(人口比率)であり、メキシコ(20・3%)、米国(17・1%)、トルコ(15・9%)、アイルランド(15・4%)に次いで5位となっている。いわゆる「先進国」中ではアメリカに次ぐ第2位である。
 年齢階層別の貧困率で見ると、日本のそれはすべての年齢階層で24カ国平均水準を上回っている。特に76歳以上(23・8%、8位)、66〜75歳(19・5%、7位)、51〜65歳(14・4%、3位)、18〜25歳(16・6%、4位)と、若年層および高齢者層における貧困率の高さが目立っている。これは、それぞれの年齢層の失業率の高さに対応している。社会が高齢者と若者を受け入れることができなくなっているのだ。

 修学援助必要な家族が増大

 このように7年連続の賃下げの結果、社会の至るところにゆがみと破綻が噴き出してきている。
 1月3日付の朝日新聞によれば、公立の小中学校で文房具代や給食費、修学旅行費などの援助(修学援助)を受ける児童・生徒の数が04年度までの4年間に4割近くも増えていることが分かった。
 都道府県で最も高いのは大阪府の27・9%で、東京都の24・8%が続く。市区町村別では、東京都足立区が04年度では42・5%と、4割を超えている。
 同区内には受給率が7割に達した小学校もあり、この学校で6年生を担任する男性教員は鉛筆の束と消しゴム、白い紙を持参して授業を始めるという。クラスに数人いるノートや鉛筆を持ってこない児童に渡すためだ。同区の中学校では、3、4時間目に来て給食を食べてまたいなくなる子どももいるという。
 これらの事実は、日本が次の世代を再生産する能力すら喪失しつつあることを衝撃的に示している。

 最低賃金以下の労働者続出

 このような労働者階級総体の貧困化の中で、文字どおり「食えない」労働者が膨大に出てきている。
 埼玉県の小学校に勤務する臨時教員は月収が10万円前後にまで低下したため生活保護を申請、昨年10月認められた。
 タクシー労働者やトラック労働者はすさまじい低賃金労働を強制されており、男性労働者の賃金は全産業平均の6割弱の水準に低下、生活保護水準や地域別最低賃金(時給、東京都714円〜沖縄県など606円。平均665円)を下回る例もあるという。
 タクシー業界では02年に小泉規制緩和の一環として、初乗り料金や新規参入、増車についての規制が緩和され、完全な過当競争に突入した。タクシー労働者の多くが、売り上げに完全比例する「歩合給」の結果、02年以降、賃金は下がり続け、中には手取り月収5万円などと地域別最賃以下の低賃金で働かされている労働者もいる。また、売り上げを伸ばしてなんとか賃金を確保しようと、過労死寸前、交通事故すれすれの危険きわまりない運転を余儀なくされているのが実状だ。「工場法以前」の状態そのものではないか。
 以上見たように、小泉・奥田の5年間の民営化・規制緩和攻撃によって、労働者階級の賃金は下がり続け、負担は増大し続けてきた。その結果、社会が社会として成り立たない事態にまで立ち至っているのだ。今こそ、労働者階級を食わせることができなくなった資本主義・帝国主義を打倒する闘いに立ち上がろう。
(湯村宏則)

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週刊『前進』(2233号3面3)(2006/02/13)

 関西 郵政民営化反対で集会 “闘う近畿地本つくろう”

 郵政民営化絶対反対を貫き、職場攻防を闘い、闘う近畿地本をつくろうと近畿各地で闘う仲間が呼びかけた郵政労働者集会は、1月29日尼崎勤労福祉会館で全国代議員選挙を闘いぬいた成果を引き継ぎ、50人の仲間を結集して成功した。
(写真 全関西から集まった郵政労働者が「郵政民営化絶対反対! JPU中央打倒」を誓う【1月29日 尼崎】)
 集会は、JPU大阪南河内支部執行委員の呼びかけ人あいさつで始まった。「郵政民営化法案は国会を通過したが、民営化反対を貫き、アクションプラン・フェーズ2に反対し、闘う近畿地本をつくろう」と、集会の趣旨を述べた。また昨年の地本の支部オルグでの近畿地本委員長との論戦を紹介。「『新会社に行けるから安心しろ』という地本オルグに対し、『郵政民営化はまず公務員の職を免じる攻撃だ。民営化の後には首切り自由。民営化で労働者は3分の1しかいらなくなる。どうするのか』と反論した。民営化反対か受け入れかで違いがはっきりしてきた。今日の討議を出発点に具体的な闘いの方針を形成しよう。教労、自治労、民間の仲間と団結して闘おう」と提起した。
 続いて国労熊本闘争団の仲間が登壇。86年国労修善寺大会の様子をビデオで紹介し、「闘争団は国鉄分割・民営化に今でも反対して闘っている。郵政の仲間は郵政民営化が決まっても民営化反対の方針を堅持してほしい」「鉄建公団訴訟をして一番よかったことは、みんなが『闘ってよかった』となったことだ。尼崎事故は、民営化=規制緩和、もうけ主義が最大の原因だ。2・16国鉄集会、4・4集会を1047名が大同団結で開催することになった」と、分割・民営化との闘いを貫いてきたことの正しさを明らかにした。
 JPU第61回臨時全国大会の議案書批判を西宮東局の仲間が行った。「職場では、『法案が通ったから民営化後も残りたかったら、もっとがんばらないと民営化会社に行けませんよ』と公然と言われている。職場は地獄。当局のプラン以上にやめざるを得ない状況だ。さらに、集配局の統廃合の攻撃がかかってくる。もといた三田局では三つの集配特定局がすでに廃止されて、すさまじい労働強化がまかり通っている。集配拠点の再編では民営化時点で1000局を廃止、アウトソーシングを全面的にやると言っている。JPUは事業の発展のためと、全面的にこれに賛成している。これが組合方針なのか」と、本部批判と民営化攻撃の実態を明らかにした。そして、「今年は、15日の年賀はがきの当選発表を過ぎても年賀が残っているありさまだ。職場には不満がたまりにたまっている。火がつけば闘いは燎原(りょうげん)の火のように広がる、必要なのはイスクラ(火花)である」と、物ダメ・ストライキの爆発の可能性を確信をもって突き出した提起だった。
 続いて、闘争報告として臨大代議員選挙報告を尼崎局の仲間が行った。今回、兵庫、大阪第5、奈良の3選挙区で立候補し闘いぬいた。大阪・奈良で400票余り、兵庫で1800票を獲得、相当なインパクトを与えた。しかし、1800票の壁を打ち破れていない。第62回横浜大会選挙では当選を期して闘うと決意表明した。
 関西合同労組・関西トランスポート分会の分会長は、「解雇撤回の仮処分裁判で2人は雇用関係、2人は請負という不当判決があった。しかし4人が本訴で闘う。奴隷のようにこき使い切り捨て、生き残るためには戦争、改憲攻撃をかけてくる。敵が非正規雇用で分断しようと、労働者の間には壁はない。団結して闘うしかない」と訴えた。
 昨年9月の尼崎局の支部長の不当配転に対して「郵政の不当労働行為を正す会」を立ち上げた武庫川ユニオン書記長が連帯の発言に立った。「国鉄闘争は、不当解雇反対・民営化反対の旗を掲げ続けたことが今日につながった。JPUがまっとうな組合になる力をつけてくれたらと思い、会をつくった」と、ともに闘う決意を表明した。
 司会の行動提起の後、加古川総分会長が登壇。「集配局の大再編攻撃は、重大な攻撃だ。代議員選挙は満を持して次の6月横浜大会を闘う。しかし、私たちの闘いが敵を追いつめている。闘う近畿地本をつくるために少々の意見の違いをこえて闘おう。小泉の改憲・戦争の攻撃に対して立ち上がろう」と、まとめを行った。
 いよいよ2・9JPU臨大決戦から、横浜大会へと息もつかせぬ決戦過程が始まった。郵政民営化絶対阻止! JPU本部打倒! 職場から物ダメ闘争を巻き起こそう! われわれがその火花となろう。

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週刊『前進』(2233号4面1)(2006/02/13)

 帝国主義の自衛権を承認し改憲阻止の統一戦線に敵対

 日本共産党24回大会を批判する

  川武信夫

 日本共産党は1月11〜14日、第24回党大会を開いた。前大会(04年1月)で、革命の主体である労働者階級を追放した新綱領を決定した日本共産党は、その後の2年間、小泉=奥田体制への屈服路線を徹底化させてきた。その結果が、党内外での矛盾の爆発と不破議長の退陣である。日本共産党の裏切りに次ぐ裏切り、底なしの転向を体現してきた不破体制を引き継ぐ志位委員長のもとで、このスターリン主義者の党には、帝国主義への一層の屈服の道しかない。大会決議と路線は、運動の現実との矛盾をますます激化させる。闘う労働者人民、そして党員大衆からも、激しい怒りと厳しい批判が爆発している。以下、大会決議の核心問題を批判する。

 不破体制の破産と終えん 党組織の危機は一層深刻

 今回の大会での大きな出来事は、長く日本共産党のトップに立ってきた不破哲三が議長を退任し、一常任幹部会員に降りたことである。これは日本共産党の歴史的な危機と破産を表す決定的な事態である。
 不破は、1960年代の宮本顕治書記長体制のもと、いわゆる「自主独立」路線の確立過程で急速に頭角を現し、70年に書記局長に就任、以来三十数年にわたって日本共産党中枢指導部に居座り続けてきた。
 82年に委員長、2000年には議長に就任し、名実ともに第一人者になってきたが、この過程は、世界的なスターリン主義の歴史的破産の進行の中での、居直りと裏切りの歴史であった。ソ連スターリン主義の崩壊に際して、それが世界革命の裏切りと一国社会主義論の必然的な帰結であることを認めず、それが自らの破産にほかならないことを覆い隠して、帝国主義への一層の屈服の路線の中に組織的な延命の道を見出していった。
 特に不破は、マルクス主義の世界革命論、プロレタリア独裁論、プロレタリア自己解放論に完全に敵対し、「科学的社会主義」に関する膨大なペテン的「理論的」作業を行い、党内で他の追随を許さない地位を確立してきた。宮本が実権を失って以後は、完全にワンマン体制として党を牛耳ってきたのだ。だが何十冊の本を著しても、ペテンはペテンである。マルクス主義の背教者としての本性を覆い隠すことはできない。
 この不破体制のもとで、90年代以降の底なしの屈服路線が推進されてきた。98年の「暫定政権(よりまし政権)に入るためには安保廃棄の方針を凍結する」、99年の「国旗・国歌法」制定の提唱、00年の22回大会での「自衛隊の有事活用」方針、「労働者階級の前衛党」から「日本国民の党」に転換した党規約の改定、04年の23回大会での「労働者階級」を一掃した綱領改定などなど。これらすべてが不破の指導のもとで行われてきたのである。
 一言で言えば、不破は「資本主義の枠内での民主的改革」の名のもとに、資本主義の体制を壊さない範囲での改良要求をもって党勢を拡大しようとしてきた。これは、現に帝国主義が危機を深め、外に向かっての侵略戦争と内に向かっての階級戦争を強め、労働者階級に犠牲を集中してきている時に、これを打倒する闘いを抑圧・圧殺する意味をもっていた。
 だが、この路線は、現実には党内に残っている戦闘的な要素をすべて抑圧し、排除するものであるために、逆に党勢を弱体化させ、国政選挙での連戦連敗を結果し、党員数、『赤旗』読者数の激減をもたらすものでしかなかった。今日の党勢の現実そのものが、議会主義政党としての日本共産党の完全な破産を証明していると言える。そして、その責任を明らかにしないまま、不破の退任発表となったのである。
 日本共産党の指導体制として、不破の次が24歳下の志位であるということが、彼らの前途の展望のなさを示している。1950年世代の不破に続く60年安保世代、70年安保世代の指導部がいない、「新日和見主義」の後にやってきた世代の志位しかいないことの危機性である。つまり、60年安保闘争、70年安保闘争の世代は、すべて革命的左翼に席巻されて日共は世代的に陥没しているのだ。だから不破は、無理を承知でその不足を埋めるべく党を引っ張ってきたのである。だが、それもすべて破産したということだ。
 帝国主義打倒のプロレタリア革命に徹底的に反対を貫くことを使命としてきた不破の末路がここにある。日共は、ますます党的求心力を失い、危機を深める。完全に打倒し、のりこえる時だ。日本共産党との闘いの大きな転機がやってきたのだ。

 「世界は平和に向かう」?! 米日帝の戦争政策に屈服

 日本共産党大会決議の第二章は、「二一世紀の世界の構造変化と日本共産党の立場」というタイトルを掲げ、世界は平和に向かいだした、と言っている。この時代認識、世界認識は『赤旗』新年号での渡辺治氏との対談でも、志位がしきりに強調していることである。この「世界の構造変化」とは、「国連憲章にもとづく平和の国際秩序をめざす流れが、地球的規模で希望ある発展(をとげている)」ということである。
 さらに志位は、アメリカ・ブッシュ政権の政策が平和の方向に変わってきたとさえ言っているのだ。すなわち「軍事力一本やりでは対応できない状況に直面して、米国政府のなかに、国際問題を外交交渉によって解決することを模索する動きがおこっている」、それを実証しているのが、北朝鮮の核問題解決のための6カ国協議の継続と米中会談の開催(05年11月)で、「中国との平和共存」を追求し出したと言うのだ。
 どうしてこれが、世界の平和の流れへの構造変化なのか。日本共産党が大会を開いている最中でもその後でも、アメリカ帝国主義のイラク占領とイラク人民虐殺は続いているし、ブッシュは核開発問題をめぐって「イランには戦争も辞さない」と宣言し、「不安定の弧」、とりわけ中国と北朝鮮への侵略戦争の陣形である米軍トランスフォーメーションを、沖縄を重要拠点に強行しつつある。こうした世界戦争への過程が進み、アメリカ労働者人民に対する戦時下の盗聴・監視体制は、ますます強化されつつあるのが現実だ。
 ところが、日本共産党は、ブッシュ政権が「軍事戦略」に代わって「外交戦略」をとりだした、という「リアルな分析」をできるようになったのは、新綱領で「アメリカの独占資本主義体制が将来にわたって帝国主義であると固定的に特徴づけているわけではありません」「また、現在の局面でも一国覇権主義が、いつでもどこでも、アメリカの対外政策の不動の特徴になるという機械的立場に立つものでもありません」(志位報告)ということを明らかにしたからだ、と言う。そして、これが「新しい綱領の帝国主義論の発展」だと言うのだ。これは、アメリカが「帝国主義」でなくなる時が、労働者階級人民の決起=革命によって打倒されることなしに来る、現在でも、アメリカの政策は帝国主義的な覇権主義一本やりというわけではないという、とんでもない議論である。アメリカの労働者人民に、帝国主義打倒の闘いをやめろと言うことだ。
 そもそも帝国主義とは、資本主義の歴史的発展の一段階であり、金融独占資本を物質的社会的基礎として、必然的に世界市場の分割・再分割をめぐる争闘戦が世界戦争にいたる極限性をもって闘われる時代なのである。それを、日本共産党は、政府・支配階級の意思次第で変更できる「政策」としてとらえる、という根本的な帝国主義論のねじ曲げをやって、帝国主義の凶暴性、破壊性をおし隠し、平和的な幻想を労働者人民の間に植え付けようとしてきた。しかも今やそうしたまやかしの帝国主義論そのものさえ「修正」して、そもそもこの世に、帝国主義とか帝国主義による搾取と戦争と侵略がなくなりつつある、というとんでもない議論を、この帝国主義の危機のただ中で、叫び出したのである。
 日本共産党が、世界が平和に向かっていると言うことの、もう一つの根拠は、「世界各地で、国際秩序の新たな担い手として、自主的な地域の平和共同体の動きが発展している」ことであるという。その例として、東南アジア諸国連合(ASEAN)などをあげている。帝国主義支配のもとでなぜ、こうした機構が「自主的な平和共同体」などと言えるのか。それは米日欧の帝国主義が相互に争闘戦を強めつつアジアを侵略し、自らの勢力圏としてつくりあげようとしている「足場」ではないか。
 こうした諸機構を、日本共産党が「国際秩序の新たな担い手」などとして持ち上げる真の意図は、日本経団連・奥田の東アジア自由経済圏構想の後押しを申し出るためだ。

 共闘拒否するセクト主義 11・5声明が党大会決定に

 24回大会決議の何よりも実践的な特徴は、「憲法擁護闘争」において、「国際テロリズムを賛美する集団による妨害を許さないこと」が「党の積極的役割」であると言っていることである。日本共産党は、闘う労働者人民の改憲闘争を始めとする日本階級闘争のさまざまな重要な分野における統一戦線の前進に恐怖し、その破壊に全力をあげることを宣言したのだ。
 改憲阻止闘争は、06年から07年にかけての日本階級闘争の死活をかけた課題である。現在、自民党と日本経団連が一体化して強行しようとしているのは、現憲法の部分的改定などではなく、国家全体を、民主主義のひとかけらもない、徹底したブルジョア独裁国家としてつくり変え、侵略戦争への総動員を思うままにやっていこう、それ以外に日本帝国主義の生き延びる道はない、という階級的意志をもった攻撃だ。言うまでもなく、その焦点は、国家としての軍隊の保持と武力行使を放棄した第9条、とりわけその2項である。
 日本共産党が今回の大会決議で掲げている「憲法改悪反対」の内容は、どんなものか。
 「アメリカの先制攻撃の戦争に参戦するために、自衛隊を『戦争のできる軍隊』にし、日本を『戦争をする国』につくりかえること―ここに憲法九条改変の最大の核心がある」「『アメリカとともに海外で戦争する国づくり』という憲法改定の『正体』」
 日本共産党の改憲論の反動的核心の第一は、「アメリカの先制攻撃の戦争に参戦するため」だから反対と言っていることである。すべては、アメリカのためだから賛成できない、言い換えれば、「日本のための軍隊」「日本のための戦争」なら賛成だ、ということだ。だが、現在の日本の「平和と安全」とは、日本帝国主義のための平和と安全であり、日本のための軍隊、戦争とは、帝国主義の軍隊、帝国主義戦争以外にはありえない。
 9条2項をめぐる攻撃において、日帝が初めて公然と「侵略から我が国を防衛し、国家の平和及び独立及び国民の安全を確保するため、自衛軍を保持する」(自民党新憲法草案)と「自衛軍=軍隊の保持」を明記し、また「帰属する国や社会を愛情と責任感をもって自ら支え守る責務を共有し」(同)と「防衛義務」を打ち出したことを、日本共産党は正面から批判しようとさえしていない。
 それはなぜか。日本共産党自身が、「自衛権承認」「自衛隊の有事活用」論に立っているからだ。日本共産党は、すでに第22回党大会(00年11月)決議で、「憲法九条は、国家の自衛権を否定していない」「必要に迫られた場合には、自衛隊を国民の安全のために活用することは当然である」(同)と打ち出し、9条改憲への屈服を開始していたのだ。このような「アメリカのためでなく日本のために」という日本共産党の立場は、「日本の安全と平和を守るための」「自衛戦争」の名のもとに強行されていく日帝のアジア侵略戦争を排外主義的に容認するものだ。
 「グローバル化の流れというのは避けることのできない流れですけれども、それが覇権主義を押しつける流れではなくて、本当に対等平等の民主的関係を築いていくということを構想することが、じつは日本の経済界、企業にとっても大局的にはプラスになるんです。その最大の資産が九条で、最大の障害物が靖国問題」(新春対談の志位発言)
 なんと日本共産党は、日帝のアジア侵略の推進のために9条を有効に使え、とブルジョアジーに提言しているのだ! これが、日本共産党が今大会で打ち出した改憲運動の本質だ。
 こうした「自衛戦争賛成」「自衛隊承認」の立場に立つ日本共産党は、「憲法改悪を許さない運動」を実際には、どのように推し進めようとしているのか。
 「日本共産党は、憲法改悪反対の一点で国民的多数派を結集する運動、米軍基地強化を許さないたたかいなど、一致する要求で立場の違いをこえた共同をつくりつつ、日米安保条約解消の国民的世論を広げるために奮闘するものである」
 日本共産党にとって、改憲阻止の闘いは、自民党・日本経団連=日本帝国主義ブルジョアジーのアジア侵略戦争へむけた大攻撃、国家の大改造攻撃を、労働者階級人民を中軸に、根本から打ち破る闘いではなく、「国民的多数派」を結集する運動なのだ。
 日本共産党のいう「国民的多数派」の結集とは、資本家階級とともに一緒に進めるものである。
 大会決議は、「わが党は、この運動(九条の会)が、立場の違いをこえて広く発展するように、その一翼をになって積極的な役割をはたす」(第三章)などとしているが、そのすぐ後に、「改憲勢力の『論理』を打ち破り、憲法擁護闘争の大義と展望を明らかにするために、党独自の積極的役割を発揮して奮闘する。国際テロリズムを賛美する集団による妨害を許さないことは、憲法擁護闘争が、国民的・国際的大義をもって発展するうえでも重要である」と叫んでいる。日本共産党のセクト的、党的利害のもとに、「テロ支持」なる口実をつくり上げ、闘う勢力を排除し、統一戦線を破壊し、改憲阻止闘争の発展を押しとどめようとしているのだ。
 05年から06年へかけての日本階級闘争において、「外に向かっての侵略戦争、内に向かっての階級戦争」という日本帝国主義の攻撃の激化に対して、さまざまな産別、職場、学園、地域、戦線、領域で、闘う労働者人民は、既成指導部(連合・全労連などのナショナルセンター、社共などの野党諸政党)の制動を突き破り、壁を打ち崩して、多様な形の統一行動を闘い、統一戦線を形成してきた。「日の丸・君が代」攻撃、「つくる会」教科書との対決において、国鉄1047名闘争において、そしてまた、沖縄・辺野古を先頭とする米軍基地との闘いにおいて、文字どおり「立場の違いをこえて」共通の闘いに合流してきた。
 この流れは、06年において、国鉄鉄建公団訴訟闘争における強力な統一戦線の結成、すでに開始されつつある「日の丸・君が代」闘争において、歴史的な歩みを踏み出しつつある。
 こうした労働者人民の嵐のような闘いの前進に、ブルジョアジー・国家権力とともに震え上がったのが、労働者階級の革命的決起を何よりも恐れるスターリン主義の党=日本共産党だった。とりわけ国鉄戦線において、教育労働者戦線において、その他さまざまな領域での闘いにおいて、闘う部分の合流がかちとられることを、先頭になって妨害してきたのが、日本共産党だった。
 その日本共産党の破壊工作のきわめつきが、昨年の『赤旗』11・5声明だ。「憲法運動は無差別テロ支持勢力にどういう態度をとるべきか」と題したこの声明は、「危険な勢力を共同に加えるわけにはいきません」と言って、運動の分断を図ったのだ。
 しかし、この声明は、現実に小泉=奥田の攻撃と階級的戦闘的大衆的に闘う現場から、手厳しい批判を受けた。また、大会直前に、日本共産党が新社会党からの「政党間共闘」の申し入れさえも拒否したことに対して、弁護士戦線を始め、日共党内からも、激しい抗議の声がたたきつけられている。
 大会決議での統一行動破壊の文言は、昨年11・5声明を「党大会の決定」に高めたものである。
 「自衛権承認」「自衛隊活用」論の日本共産党に、改憲阻止闘争とその統一戦線を解体させてはならない。労働者人民の決起を押さえこもうというスターリン主義党の策動を、闘う労働者人民の力で打ち破り、憲法阻止闘争の勝利をかちとろう。
 日本共産党内外で、闘う統一戦線のために悪戦苦闘する労働者のみなさん。今こそこのような日共指導部と決別し、のりこえて、革共同とともに闘おうではありませんか。

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週刊『前進』(2233号4面2)(2006/02/13)

 革共同政治集会 熱気と成功

 中四国 4大産別決戦先頭に決意 “組合権力への闘い挑む”

 1月29日、広島市のワークピア広島で開催された革共同政治集会に、中国・四国地方各地から250人の労働者・学生が結集し、06年決戦を闘う戦闘宣言を発した。
 集会は、「革命運動に定年はない」と宣言した定年間近の女性労働者の司会で始まり、革共同沖縄県委員会、三里塚芝山連合空港反対同盟、獄中31年の星野文昭同志らのメッセージが紹介された。連帯あいさつでは、反戦被爆者の会の大槻泰生さんが「私が勝つか、小泉・奥田が勝つか。生死をかけて真剣勝負だ」と鮮烈な決意を語った。続いて全国被爆者青年同盟の中島健委員長、部落解放同盟全国連合会の金平通雄共闘部長、闘う国鉄労働者から連帯のあいさつを受けた。
 特別報告に立った柴崎洋一同志は「労働者階級の立場から四つのキーワードで現代世界をとらえよう」と提起した。「帝国主義はもはや労働者を食わすことも働かせることもできない。ライブドア事件、耐震偽装事件などはすべて小泉の『改革』がもたらしたものであり、資本主義の末期の姿である。こんな社会は労働者の力で転覆しよう」と喝破した。
 そして「帝国主義は全世界を戦争にたたき込む以外に延命できない。06〜07年の改憲決戦とは、この帝国主義と労働者階級人民との全面的対決の時だ。歴史的生命力が尽き果てた資本主義をプロレタリア革命で歴史のくずかごに捨て去ろう。すでに、全世界で労働者階級人民、被抑圧諸国人民の世界革命に向かう決起が始まっている。今こそ、退路を断って闘おう」と熱烈に呼びかけた。
 苅田隆一同志が基調報告に立った。まず冒頭、JR伯備線の大事故問題をとりあげ、「分割・民営化による規制撤廃と要員削減こそが事故の本質だ。JR資本と小泉改革による労働者虐殺に対して、革共同は断固たる階級的報復戦を貫徹する!」と宣言した。
 そして11・6労働者集会に結実した05年の闘いを総括し、「動労千葉労働運動を、教労や自治労など4大産別において実践したことが勝利を切り開いた。国家権力と資本の攻撃は“闘わねば殺される”ところにきている。動労千葉が実践している『闘いなくして安全なし』こそ、民営化と闘い、これを打ち破る労働運動だ」と提起した。
 そして「動労千葉労働運動の核心には、マルクス主義に基づくプロレタリア自己解放の思想と革命的精神がある。これが日米韓連帯を生み出したのだ。これこそ新指導路線の豊かさであり、ここにこそ革命的共産主義運動の神髄がある」と訴えた。
 さらに「4大産別決戦を軸に労働者人民の未来をかけて改憲決戦に突入しよう。教労を先頭に1〜3月の『日の丸・君が代』決戦を闘おう。ストライキ突入情勢にある自治労決戦を闘おう。職場生産点での闘いこそが勝負を決する。今こそ、退路を断って決起しよう」と06年の闘いの指針を高らかに提起した。
 労働戦線からのアピールでは、教育労働者委員会の同志が「不起立闘争を貫徹し、組合権力を取る闘いに挑戦する」と宣言。また全逓委員会の同志は「あくまで民営化絶対反対を掲げ、物ダメ・ストライキに立ち上がる」と決意を語った。国鉄委員会の同志は「伯備線で仲間が殺された。動労千葉に学び、職場支配権を確立して闘う。これ以外に勝利の道はない」と熱烈に訴えた。医療・福祉労働者、民間・女性労働者も小泉=奥田路線と対決する鮮明な決意を述べた。
 決意表明では、マルクス主義青年労働者同盟の仲間が「2回大会の成功で1000人建設の展望が切り開かれた。青年労働者はマルクス主義を武器に06年決戦を闘う」と訴えた。そして統一戦線を担う同志、日本原・岩国闘争を闘う同志が改憲決戦や日米安保大再編との闘いの決意を述べた。最後にマルクス主義学生同盟の仲間が「300万学生のゼネストを貫徹する。レーニンのように“自分こそが権力を取ってやる”という魂をもって闘う」と鮮烈な決意を明らかにした。
 参加者は、06年決戦への力強い決意と深い同志的な一体感の中でシュプレヒコールをあげ、インターナショナルを斉唱した。

 九州 確信固く06年躍進へ 教労現場から不起立宣言

 革共同九州政治集会が1月29日、福岡市の第5博多偕成ビルで圧倒的成功のうちにかちとられた。
 山野健一郎同志の基調報告、4大産別を始めとした労働者同志の生き生きとした報告と固い決意は、今年の大前進を予感させた。青年労働者と労働組合からの参加と発言が多く、それが集会全体の戦闘的な雰囲気と勝利への決意をつくった。参加者は、発言者の一言一句を聞きもらすまいと集中し、大きな拍手と「よし」「異議なし」の声がわいた。全員が確信をもって4大産別決戦、職場闘争、改憲阻止闘争に立つ決意を固めた。
 冒頭に連帯あいさつを受けた。反戦共同行動・福岡代表の石崎昭哲さん、破防法団体規制に反対する連絡会議、アメリカのイラク攻撃を許さない実行委員会の青柳行信さん、労働争議を闘う二つの労働組合、国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会・九州の手嶋浩一さんと多彩な顔ぶれだ。「政治闘争の先頭で闘う」「ここでやめるわけにはいかない。次の闘いをやる」「命をかけて闘う」という発言が続いた。
 革共同を代表して山野同志が「絶望的危機にのたうち、戦争・改憲、民営化に突き進む日帝・小泉=奥田体制を打倒せよ」と題して基調報告を行った。「『前進』06年新年号の政治局1・1アピールについて、あらためて問題提起を行い、それをめぐって積極的に討議し、06年の階級決戦の性格、課題、使命を鮮明にさせ、戦闘態勢を構築しよう」と訴え、以下4点を提起した。
 第一は、05年の総括である。11・6労働者集会の地平の確信を広めることだ。特に日米韓の国際連帯と動労千葉の闘いの位置と意義を鮮明にすることだ。キーワードは「共産主義的階級的意識」であり、その大量的産出である。11月労働者集会を戦闘的階級的労働運動が総結集し、勝利的に前進するための「組織形態」としてもっと強めよう。さらに、1905年から12年までのレーニンおよびロシア革命の研究をとおして労働組合の革命論的意義をさらに豊かなものにした。
 第二は、内外情勢だ。帝国主義の危機を世界革命に転化する国際連帯闘争の前進局面が切り開かれている。帝国主義の動向、残存スターリン主義の現状、プロレタリアートの状態を世界革命運動を前進させる主体的実践的な立場からつかもう。〈戦争と民営化=労組破壊〉に突き進む日帝・小泉を打倒しよう。時代は、階級的労働組合を軸にした一大統一戦線を切実かつ強烈に求めている。山野同志は、これに成功するならば大衆行動の画期的な高揚をものにできる、と強調した。
 第三は、断固として改憲阻止闘争に立つことだ。
 第四は、4大産別決戦である。すでに06年の帰趨(きすう)を決する緊迫した局面に突入している。課題と方針は鮮明だ。
 山野同志は、エピソードを交え、時には情熱的に、説得力ある基調報告を行った。まったく時間の長さを感じさせないものだった。
 カンパアピールをはさんで決意表明に移った。教育労働者全員が登壇し、「不起立宣言(案)」を発表。会場から大きな歓声が上がり、身を乗り出したり立ち上がったりして拍手した。教育労働者は「日の丸・君が代」強制との闘いに立つ不退転の決意を表明した。昨年の不起立宣言以降の闘いを総括し、職場闘争としての「日の丸・君が代」強制との闘いの意義と勝利を強調した。全員の発言に拍手が鳴りやまなかった。
 自治体労働者は、公務員制度改革絶対反対で闘い抜く決意を述べ、団結を基準に闘い、当局との力関係を変えると力強く語った。国鉄労働者は、国鉄1047名闘争は小泉・奥田との闘いの土台だ、動労千葉のように闘うと決意を述べた。民間の2人の労働者は職場の苦闘を語り、組合結成に向かう闘いの展望を明らかにした。
 決意表明の後半は、部落青年戦闘同志会、女性解放を闘う戦線、全国被爆者青年同盟、マルクス主義青年労働者同盟、マルクス主義学生同盟、革共同九州地方委員会である。4大産別決戦への総決起を表明、渾身(こんしん)の決意を表明した。シュプレヒコールとインターナショナルで集会を締めくくった。

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週刊『前進』(2233号5面1)(2006/02/13)

 革命軍の06年決戦アピール

 非合法・非公然体制を強化し日帝・小泉=奥田打倒へ闘う

  剣持 武

 全党の同志とすべての闘う労働者人民の皆さん。革命軍より06年決戦をともに闘い勝利する連帯のあいさつと決意表明を送ります。05年11・6日米韓労働者集会とマル青労同第2回大会の戦取を核心とする新指導路線の本格的物質化は、06年決戦への巨大な地平を切り開いた。4600人の熱気と団結の力は、民主労総のゼネスト・APEC闘争への動労千葉を中心とした100人の訪韓団の革命的合流とアメリカAMFAローカル9、ILWUローカル10の民主労総ゼネスト支持決議と続き、プロレタリア国際主義の新たな時代の幕開けを告げ知らせた。マルクス、レーニンのプロレタリア世界革命への偉大な事業を引き継ぎ、成就する歴史的歩みを大きく踏み出したのだ。革命軍はこの感動と熱情を全身で受け止め、全員火の玉となって06年決戦へ猛然と進撃する決意を表明します。

 世界革命の激浪の中で労働者と共に決起する

 06年は日本の労働者階級にとって小泉=奥田体制打倒!4大産別決戦勝利!改憲阻止闘争の大爆発をかちとる決定的な闘いの年だ。
 革命軍は、日米韓の闘う労働者の国際的団結と、帝国主義への不退転の闘いに固く連帯し、警察権力の弾圧を突き破り、闘いを妨害し破壊するファシスト・カクマルや日共スターリン主義などの反革命勢力を粉砕して06年決戦へ総決起する。
 本アピールを獄中31年を闘う無実の星野文昭同志に、ともに闘い必ず奪還する決意を込めて送りたい。さらに獄中16年の倉持嘉之同志、国家権力の弾圧と闘う労働組合へ心からの連帯を表明したい。長期のデッチあげ指名手配攻撃と闘う同志に連帯し、弾圧粉砕の勝利をともにかちとることを誓いたい。
 05年の闘いは、新指導路線の本格的爆発と巨大な発展の水路を切り開いた。全党の同志は、年頭から直ちに「日の丸・君が代」決戦へ突入し権力の弾圧と学校当局の妨害をはねのけ、処分恫喝に屈せず決起した教育労働者と生徒・保護者との連帯の道を開き、卒・入学式不起立闘争の大旋風を巻き起こした。この闘いは動労千葉の春闘ストと結合して05年前半戦を牽引(けんいん)する闘いとして爆発した。都議選の年における新指導路線貫徹をかけた党の大きな決断がそこにあったのだ。「日の丸・君が代」闘争で戦取した地平は、「つくる会」教科書採択阻止闘争と都議選を一体のものとして闘う方針を形成し、杉並での採択阻止闘争の爆発と継続をかちとった。この闘いを生み出した力は、新指導路線に基づく労働組合の革命論的意義の明確化と全党総決起による実践的貫徹にあった。
 革命軍は05年決戦の前半から全党の同志と闘う労働者人民と連帯し、防衛・支援・促進の戦いとして決起した。都議選では、国家権力の弾圧を許さず、ファシスト・カクマルの反革命策動に戦争的制動を加える戦いを貫徹した。
 この全党総決起の闘いは、郵政民営化法案のいったん否決という日帝・小泉の未曽有の危機からの8・8〜9・11の大攻撃に対し、11月労働者集会の大爆発で反撃の橋頭保を形成した核心点だ。
 ここで重要なことは、11・6をかちとった3労組共闘と3国連帯の基軸である動労千葉の階級的労働運動の中に、新指導路線の実践的貫徹の真髄があることの確認である。これが「日の丸・君が代」強制反対、「つくる会」教科書採択阻止決戦の爆発と結合し、日教組、自治労、全逓、国労各大会から連合大会での中央本部反対派の決起を呼び起こし、改憲への流れを阻止する力となった。
 日帝・小泉はイラク派兵延長を強行し、米・日帝の中国・北朝鮮侵略戦争体制のための米軍再編計画に基づき、沖縄新基地建設を始め全国基地の再編強化を推進している。小泉は年頭会見で靖国参拝を居直り、アジア人民の弾劾行動を足蹴(あしげ)にし、改憲と日米安保同盟の戦争的強化の道を突き進むことを表明した。郵政民営化に続き公務員制度改革案で官公労労働運動を破壊し、教基法改悪と国民投票法により改憲攻撃を一挙に強め、戦時下での治安体制強化のために共謀罪の成立を狙っている。
 経団連・奥田は、「工場法」以前の労働強化と労働者圧殺を唱え、春闘と労働組合解体攻撃を強行している。奥田は小泉と一体で、戦争・改憲と民営化・労組破壊、社会保障解体、消費増税を始め大衆収奪攻撃を強めようとしている。「闘わなければ生きていけない」という労働者人民の怒りは噴出口を求めて渦巻いている。
 労働者階級の闘いは、民主党、共産党や連合、全労連の裏切りと制動をのりこえて必ず大爆発する。この奔流が11・6勢力と革命的に合流することが決定的なのだ。4大産別を始め全産別で動労千葉労働運動を実践・物質化していくことが、小泉=奥田体制を打倒していく最短、最良の道だ。
 革命軍は、反スターリン主義・革命的共産主義運動の貫徹をかけて、日本帝国主義の革命党破壊、労働運動解体攻撃を、非合法・非公然体制の強化をもって根底において打ち破るために闘う。
 米韓を始め全世界の闘う労働者階級と、闘うイラク・ムスリム人民を先頭にした被抑圧民族人民と連帯し、戦争・改憲と民営化・労組破壊攻撃粉砕、イラク自衛隊撤兵、米軍再編粉砕を掲げ、新たな安保・沖縄闘争の大爆発をかちとろう。その重大な突破口が、06年も「日の丸・君が代」闘争の大爆発だ。
 革命軍は、プロレタリア世界革命の新たな激浪を全身で受け止め、11・6に決起した4600人の労働者とともに06年階級決戦へ総決起する決意である。

 新指導路線の貫徹をかけて総決起した05年

 革命軍にとっての05年総括の核心はどういう点にあるか。
 第一は、全党の同志とともに新指導路線の貫徹をかけて総決起したことである。「日の丸・君が代」闘争と春闘を突破口に、「つくる会」教科書採択阻止・都議選決戦を権力・カクマル・「つくる会」派の妨害を粉砕して闘い抜き、05年を総集約する11・6労働者集会の成功を、結集した4600人とともにかちとった。革命軍は、06年1・1アピールの05年総括提起での一致が、06年決戦を切り開く突撃力となると確信する。
 第二は、05年の戦時下階級闘争において、革命軍は国家権力との死闘に勝利したことである。対権力防衛戦争の勝利は、日帝・権力の治安弾圧体制を根底から打ち破り、無力化させるものだ。戦時下にあって日帝権力は、反戦運動、労働組合運動の破壊、とりわけ革命党の壊滅を目的とする一挙的攻撃を狙っている。それを打ち破る決定的環は、党の非合法・非公然体制の堅持であり、それを徹底的に強化する闘いだ。この勝利が国家権力による革命党と労働者人民の公然拠点と労働組合・市民団体への無制限の破壊攻撃に制動をかけ、根底において突き崩している。革命軍はこの重大な任務を強く自覚し、非合法・非公然体制の堅持と強化の闘いを貫徹した。この中で90年決戦弾圧粉砕の重大な勝利がかちとられた。90年決戦への報復弾圧である2人の同志への15年に渡るデッチあげ指名手配攻撃を粉砕したのである。
 90年決戦は、天皇ヒロヒトの死とアキヒト即位という日帝による天皇制反革命攻撃として全人民に総転向と屈服を迫り、同時に破防法発動による革共同の壊滅と三里塚闘争解体攻撃としてしかけられてきた大攻撃に対し、革命軍を先頭に全党の軍事的政治的決起をもって一年間決戦として戦い抜いた「一個の蜂起戦」であった。その頂点的戦闘である11・12即位儀式粉砕・皇居砲撃に対し、日帝国家権力は恐怖と憎悪に満ちた報復として、2同志に対し「爆取」デッチあげによる指名手配攻撃をかけてきた。これに対し2同志の長期強靱(きょうじん)な不屈の戦闘精神と全党の総力をあげた防衛の闘いで粉砕したのだ。この勝利は警察権力に治安能力の破産を突きつけ、闘う労働者人民に「闘う者に弾圧など無力だ」という勝利感を生み出している。同時に天皇制と天皇制イデオロギー攻撃を血と硝煙で踏みにじり、今日の「つくる会」教科書攻撃などのファシスト運動を根底から粉砕しているのだ。
 第三は、三里塚、沖縄、北富士を始め全国基地闘争と固く連帯し、対権力攻撃態勢を断固堅持して闘い抜いたことである。成田暫定滑走路北延伸攻撃は、航空機の殺人的騒音と公安・機動隊による監視・検問に加え、全国の反戦・反権力の砦である反対同盟に対する新たな破壊攻撃だ。それは日帝の中国・北朝鮮侵略戦争体制づくりそのものである。革命軍は反対同盟との血盟にかけて、警察権力、国交省、成田空港会社などすべての圧殺勢力を実力粉砕する戦闘をいつでも発動できる態勢をもって闘い抜いた。また米軍再編の要である沖縄の新基地建設を始め中国・北朝鮮侵略戦争へ向けた出撃基地化攻撃に対し、辺野古の実力闘争と連帯して闘った。
 三里塚、沖縄の闘いを貫くものは、帝国主義の戦争と人民圧殺攻撃への根底的怒りと、その不正義を糺(ただ)し体を張って阻止していく実力闘争である。これは動労千葉の権力・当局・カクマルと闘う階級的労働運動と連動し、また「日の丸・君が代」不起立の教育労働者、さらに韓国民主労総のストと実力デモに通じるものだ。

 「労働者の中へ」貫きカクマルの危機促進

 革共同は、67年10・8羽田闘争から70年安保・沖縄決戦を闘い「労働者の中へ」の大運動へ突入する時、その反動としてあった権力・カクマルによる二重の反革命に直面した。以降、二重対峙・対カクマル戦として35年間戦い抜き、勝利の地平に立って今、本来の闘いであるこの「労働者の中へ」の闘いに本格的に歩み出している。革命軍は、この戦争を最先頭で戦い、反革命カクマル打倒、三里塚闘争勝利、動労千葉連帯の多くの戦闘を貫徹してきた。反革命のいかなる襲撃にも命をかけて戦いを貫くことで、階級的労働運動、反戦運動、革命党を守り抜くことができたのである。労働者自己解放を貫くための進攻性=戦闘性、根底における実力闘争の精神による突撃性こそ06〜07年決戦勝利のテコであり、党と労働者人民を結びつける決定的環だ。05年、革命軍はこの戦いを非合法・非公然体制強化をもった戦闘陣形で堅持し、強化・発展させた。
 第四は、対カクマル戦争の勝利的前進をかちとったことである。新指導路線による05年闘争の爆発は、カクマル中央派、JR総連カクマルを破産と危機にたたき込み、カクマル両派完全打倒へ向けた戦略的勝利の地平を切り開いた。革命軍は全党の闘いを基礎に、独自の戦いをもって黒田・カクマル中央派の組織的危機をえぐり出し、軍事的打倒の重圧で都議選妨害と大衆闘争破壊策動を封殺し、白色テロ路線の最後的破産を突きつけた。
 松崎・JR総連カクマルは、国鉄の分割・民営化の裏切り的先兵であることがますます全労働者人民の前に明らかとなり、ファシスト労働運動の決定的破産を突きつけられている。労働組合を白色テロで支配してきたファシスト労働運動は、当局との結託体制が崩れ、また中央派との分裂で白色テロ部隊を喪失し、組合支配力を失った。さらにJR総連内部のカクマル嶋田派との分裂の拡大と松崎の組合費横領という腐敗の露呈は、JR総連カクマルによる組合支配の崩壊を進行させている。
 革命軍は、75年3・14本多書記長虐殺の頭目松崎・カクマルの動労千葉への襲撃を絶対に許さない。分割・民営化の先兵に鉄槌(てっつい)を下した戦果と蓄積を、JR総連カクマル打倒の決定的武器とすることを宣告しておく。
 第五は、『前進』を基軸とした組織会議とマルクス主義の学習をテコに、第6回大会−新指導路線を推進する建党・建軍闘争を断固貫徹したことだ。ロシア革命の根底に貫かれていた労働組合の革命論的位置づけを学び、新指導路線の核心を労働者同志とともにしっかりと受けとめてきた。労働者自己解放を実現する立場に立って自己を再確立する闘いを貫いた。この活動は革命軍を細胞的に確立し、共産主義的団結を強め、労働者人民の党の軍隊としての飛躍と強化の源泉となっている。革命軍は、新指導路線を貫く主体として05年を進攻精神で闘い勝利し、06年決戦へ総進撃を開始している。

 黒田哲学が完全破産し分裂・転向・腐敗の極に

(1)カクマル中央派の路線的危機の進行
 革共同は、カクマルとの内戦で歴史的に勝利したことをはっきり確認できる。三十数年間にわたる軍事的せん滅戦とその後の「労働者の中へ」の本格的な闘いは、カクマルを中央派とJR総連派へと分裂させ、JR総連カクマルはさらに松崎本部派と嶋田派へと分裂して腐敗を競っている。新指導路線の貫徹は、ファシスト・カクマルを全戦線から一掃する強烈な打撃となって進んでいる。カクマル中央派は、黒田「教祖」崇拝のもとでカルト化を進め、もはや「左翼」の仮面すら装えなくなった。
 カクマル崩壊の最大の象徴は、黒田が直接指導していた軍事組織の崩壊である。K=K連合(警察=カクマル連合)で擁護されていた北海道から九州に至るカクマル中枢アジトと軍事組織アジトが、権力によって摘発され、指名手配者が逮捕されるに至るや、「権力には勝てない」「非公然体制をこれ以上続けられない」という敗北主義を蔓延(まんえん)させた。指名手配されていた15人の全員が自首し、組織としての転向を権力に誓うに至っている。表向きの口ぶりとはまったく逆に、権力への投降が組織路線として実行されたのだ。しかも、これらの敗北の責任のすべてを軍事中枢・塚原幸村とそのもとの軍事組織員(カクマル内では「特別業務労働組織メンバー」と呼ぶ)に押しつけている。軍事指導の現場が間違ったのであって、党首・黒田は悪くなかったとして責任逃れに走っている。今、カクマルは「塚原批判」と黒田賛美の「歌詠み運動」を満展開させている。外に対しても内に対しても白色暴力で成り立っていたカクマル組織は、白色軍事組織の解体と転向によって組織的生命力を喪失してしまった。このカクマル危機の基底にあるものが、黒田哲学の歴史的破産と帝国主議論もプロレタリア革命論もまったく位置づけられない路線的総破産である。
 カクマル内部通信『解放』新年号は、21世紀を「暗黒の世紀」、「悲惨の21世紀」などと絶望を組織し、また「ブッシュ王朝」「日本の(アメリカ)属国化」「ブッシュの押しつけ改憲」などと言って日帝・小泉を免罪して労働者人民の改憲阻止闘争、日帝打倒への決起に敵対している。「日の丸・君が代」闘争ではカクマルとしての組織的起立方針をもって不起立闘争に敵対し、また「コク・コク(告訴・告発)」運動で闘う教師を弾圧する検事に協力している。
 戦時下の日帝・小泉=奥田に総屈服し、黒田崇拝=歌詠み(大声で唱和)運動でカルト集団化を深めるカクマル中央派を全戦線から一掃し、完全打倒しよう!
(2)横領露呈と分裂のJR総連カクマル
 現在松崎とJR総連カクマル幹部による組合費数千万円横領とハワイ別荘購入問題の腐敗がさらけ出されている。松崎とカクマルによる組合運営の私物化に組合員の怒りを組織し、JR総連カクマル支配を終わらせよう! 分割・民営化の先兵松崎に恥じ多き死を強制しよう。
 JR西日本の尼崎事故での107人の殺人、伯備線事故での4人の労働者殺傷や、年末のJR東日本の羽越線の脱線転覆による5人死亡も、分割・民営化に一切の原因がある。それだけではない。その先兵JR総連・カクマルの組合支配とその犯罪を暴露するものだ。視界のない暴風雪状態に時速100`運行を強制するのは運転士に目をつぶって運行させることだ。地形や風速に熟知した労働者の首を切り、利益第一主義で、安全運行を無視し時刻表厳守を強制してきたJR資本と、それを一体で推進してきた東労組カクマルがすべての元凶だ。今や動労千葉の反合・運転保安闘争が国鉄労働者と労働者人民の共感と支持を高めてきている。中でも動労千葉訪韓団の闘いは、韓国労働運動へのJR総連カクマルの利用主義的「連帯」策動のみじめな破産を突きつけた。
 さらにJR総連カクマルの危機は、松崎派と嶋田派の全国的分裂の拡大として進行している。嶋田派分裂騒動は4年目に入り、新潟、長野、横浜に続き、西労近畿地本、JR九州ユニオンにまで拡大した。東日本内の抗争が全国化し、JR総連の分裂へと拡大している。この中で新潟地本運転士と高崎地本車掌の殴り合いや双方の盗聴非難の泥試合、青年部の抗争が展開されている。JR総連カクマルの松崎派と嶋田派両派の打倒は、国鉄決戦勝利へ向けた必須不可欠の課題だ。革命軍は、国鉄分割・民営化の先兵カクマルせん滅戦の勝利の地平から国鉄決戦勝利へ突き進む決意である。

 4大産別決戦に勝利し改憲阻止へ進撃しよう 

 06年〜07年過程は、これまでにない歴史的大激動であり、革命的情勢の成熟とそれへの大反動とが織り成す激しいやりあい、文字どおり党と階級をめぐる日帝との激しい決戦=攻防となる。この自覚のもとに革命軍は、以下の任務をはっきり闘いとる決意である。
 第一に、新指導路線で徹底的に一致することである。自らを労働者階級の立場に置き、06年を「日の丸・君が代」闘争と動労千葉春闘を牽引軸とし、小泉=奥田体制打倒、4大産別決戦勝利、改憲阻止闘争のためにともに闘う。とりわけ青年労働者、学生の新たな決起と連帯し、6回大会−新指導路線を貫徹する決意で06年決戦に総決起する。
 第二に、戦時下階級闘争が求める非合法・非公然体制を強固に確立し、敵の攻撃を粉砕して防衛戦争に勝利することである。06〜07年は、革命党の非合法・非公然体制の闘いと真価がますます問われる時代への突入となる。敵の攻撃もこれまでの階級関係を全面的に破壊して進む。日帝権力との闘いに勝ち抜く全党の目的意識的闘いの先頭にたって、革命軍は広大な労働者人民の支援(人民の海)の中で防衛戦争に勝利する。これこそ革命軍の攻撃力を保持し発展させる推進力であり、党と大衆運動、労働組合運動の時間と空間を根底において守り抜く闘いである。自らの非合法・非公然体制を強化し、365日・24時間性を持った戦いとして貫く。中でも非公然体制の生命線である脈管活動の飛躍的強化が決定的環である。
 現代の治安維持法=共謀罪攻撃を粉砕し、権力のハイテク攻撃と全面対決して勝利しよう。
 第三に、4大産別決戦の爆発をともに闘う中で、カクマル完全打倒を実現することである。全産別での決起が、カクマル完全打倒を推し進めている。全党の闘いと革命軍の独自の戦いとが結合して、ファシスト・カクマル完全打倒の攻撃力を強める。カクマルの全情報を集中し、今こそ全産別、全戦線、全学園でカクマルを打倒・放逐しよう!
 第四に、改憲決戦−イラク反戦、沖縄、三里塚、北富士、全国基地闘争と固く連帯し戦闘的に決起する。帝国主義・権力・資本と対決する実力闘争の精神こそ、プロレタリア国際主義と世界革命の真髄である。革命軍は実力闘争の最先端的発動として権力・カクマルとの戦争的死闘を戦い抜き勝利の地平に立っている。06年、改憲阻止闘争、新たな安保・沖縄決戦に総力決起し、最先頭で戦い抜こう。

 「死地に赴く」決意も新たに最先頭で立つ

 第五に、革命軍の精鋭的確立のために闘うことである。
 その一は、部隊の分散と集中を駆使した非公然的な政治会議を戦取し、『前進』読了運動をテコに党活動3原則の闘いと全党一致のための闘いを貫くことである。
 その二は、獄中の星野同志、倉持同志との連帯、とりわけ無実の星野同志の無期獄中闘争と向き合って闘うことである。星野同志に肉薄する完全黙秘・非転向の闘いは、常在戦場の革命軍の基本的心棒だ。再審・奪還闘争の革命的飛躍をかちとろう。またデッチあげ長期指名手配攻撃と闘う同志との連帯も一体的な闘いだ。不屈の革命家魂で闘おう。
 その三は、革命的共産主義者としての成長をかちとる闘いである。マルクス主義学習を粘り強く行い、レーニン・ボルシェビキのロシア革命から労働組合の革命論的意義をつかみとり、プロレタリア革命へ向けた一斉武装蜂起の準備と実践的企てを闘いとることである。学習と実践が革命軍の精鋭的確立の要だ。指導部の変革と若き戦士の決起が結びつく時、膨大な力が生み出されることを確信する。
 最後に、「死地に赴く」決意も新たに革命軍は一丸となって06年決戦に総決起し、全同志の最先頭で闘い抜く決意である。3・14復讐戦貫徹・カクマル完全打倒をかちとろう!

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週刊『前進』(2233号6面1)(2006/02/13)

 差別糾弾闘争を復権させ全国連5万人建設かちとれ

 解同全国連第15回大会に向けて

  全国部落青年戦闘同志会

 帝国主義の戦後世界体制はついに全面的崩壊を開始した。日帝・小泉政権は没落のふちに立ってのたうち回り、新たな戦争国家体制をつくりだすことで延命しようとあがいている。この日帝の戦争と民営化攻撃を粉砕する4大産別決戦を軸とした新指導路線の本格的物質化のたたかいは、同時に国家主義・愛国主義・排外主義・差別主義とのたたかいを労働者階級の重要なテーマとしてあらためてつきだしている。民営化による労働組合の解体と、部落差別を核心とした差別主義による階級的団結の破壊は表裏一体の関係にあるのだ。われわれはこのことをしっかりととらえかえして、部落解放同盟全国連合会(全国連)とともに3月5〜6日の全国連第15回大会の成功をかちとらなければならない。

 全国から部落大衆の根こそぎ結集を

 全国連15回大会の組織化にあたって確認すべき第一の点は、全国連と部落解放運動の歴史的飛躍をかけて部落大衆の画然とした大動員を実現することである。
(写真 「石川さんと連帯し狭山闘争に勝利しよう」と宣言した解同全国連第14回大会【05年3月6日 奈良県文化会館】)
 小泉政権による戦争と民営化・改憲の攻撃は部落大衆には差別の激化と生活破壊、部落解放運動の根絶攻撃となって襲いかかっている。全国連の意識調査によれば「金がない」「(不満は)ありすぎてわからない」「働くところがまったくない」「しんどくて倒れそう」「夫婦の年金あわせても7万。内職は10個つくって何銭の計算。生活できない」「生活保護でなんとか生きている。なくなったらと思うと冷や冷やしている」などのうめき声が全国の部落であがっている。
 2002年の同和対策事業の全廃からすでに4年になる。一般地区を含めた就学援助費の受給率が大阪・東京で4人に1人にもなると報道されたが、解同本部派が有名無実化した大阪の被差別部落を校区とするある学校では7割にもなるところがある。クラスの3分の1が母子・父子世帯という学年も珍しくない。また部落の労働者が9割以上を占める奈良の市従労組では昨年1年間に500人余りの組合員のうち30代を含めてなんと6人もが在職死亡に追い込まれている。人員不補充と強労働の結果だ。いまや小泉政権の戦争と民営化―構造改革攻撃によって部落大衆は生活も家庭も破壊され、教育も、命までも奪われているのだ。
 しかしそれさえまだ始まったばかりである。昨年、全国連とともに同和住宅の家賃値上げに反対して全国で裁判闘争をたたかってきた同和住宅家賃値上げ反対全国連絡会(同住連)に対して反動判決が相次いだ。奈良・橿原と福岡・甘木では最高裁が住民の請求を却下し、敗訴が確定した。法がなくなるとは単に要求の法的根拠がなくなるだけではない。国家権力が法を盾にとって部落大衆の生きるための要求を暴力的に蹂躙(じゅうりん)する時代の始まりなのだ。
 その上に改憲である。自民党の新憲法草案は、言論・表現・結社の自由はもちろん平等原則や生存権などの基本的人権も「公益」や「公の秩序」を理由にして原理的に否定しさっている。実際、与党の教育基本法の改悪案では、教育の機会均等を定めた第3条から「社会的身分、経済的地位又は門地」を削除し、さらにその2項の「国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって修学困難な者に対して、奨学の方法を講じなければならない」についても「経済的理由によって就学困難な者に対して」という点を削除している。これはどういうことか。部落大衆が「差別を撤廃せよ」「人間として扱え」「教育を保障しろ」と要求することそのものを憲法や教育基本法によって否定するということである。天皇の実質的な元首化は部落差別を戦前的レベルに激化させる。「改憲=部落解放運動根絶」であることは明白である。
 本当にたたかわなかったら生きていけない時代が到来した。にもかかわらず、解同本部派は日帝の完全な先兵となり、狭山闘争の解体に腐心し、糾弾闘争をつぶすための「人権擁護法案」の制定を小泉政権と一体になって推進し、全国各地で警察権力への告訴・告発を路線化している。同和対策事業を返上したあげくに部落大衆の切実な生活要求は個別相談に解消するか、まったく放置して切り捨てるか、あるいは暴力団と結託して大衆決起の妨害にあけくれている。いまや解同本部派は完全な帝国主義融和運動に変質した。
 この小泉政権の攻撃と解同本部派の裏切りに対して全国の部落には「もう我慢できない」という怒りが出口を求めて渦巻いている。全国連の同盟員ばかりか本部派の部落大衆でさえ本部派に対して「頼りにならない」「役に立たない」「金だけが目当ての組織だ」などと口々に弾劾の声を上げている。もはや本部派は大衆にとって歴史のくずかごに投げ捨てられたも同然の組織となっているのだ。そのもとで積もりに積もった部落大衆の怒りはいまや爆発寸前となっている。
 言いかえれば、解同本部派を打倒して全国連が部落の権力を奪取する圧倒的条件が存在しているということである。1992年の全国連の創立から今年で15年。われわれはこの歴史的情勢の中で、全国の部落大衆を全国連という部落差別とたたかう単一の全国組織のもとにまるごと糾合する責任を負っている。大会への大動員戦はその実践であり、動員目標を1ミリも値引きすることなく、5万人建設の確実な突破口を切り開くものとしてなんとしても実現しよう。

 差別への怒り組織し闘う階級主体へ

 第二に、そのためには何よりもわれわれのこれまでの活動のあり方を抜本的に変革しなくてはならない。昨年から開始した意識調査活動を全国連とともに全力で推進し、地域の全戸・全階層の人びとと結びついていかなければならない。
 意識調査活動の特徴は、部落差別そのものに対する部落大衆の意識を真正面から聞くところにある。それをふまえて部落民的自覚と階級的自覚を集団的に形成しつつ、3大闘争(差別糾弾闘争、生活要求闘争、階級的共同闘争)に実践的に組織し、全国連への結集をかちとっていくことがわれわれの課題である。
 部落民的自覚の契機となるものは、一つには被差別体験の共同体的共有であり、二つには身分的差別への人間的怒りと人間的尊厳への自覚であり、部落差別の根源たる帝国主義国家と階級支配への怒りであり、三つには部落民自己解放の自覚である。これらの契機を3大闘争の中で実践的につくりだしていくことによって、部落民の革命的主体形成をなしとげるのである。党がこうした部落民的自覚を組織しながら3大闘争をたたかえるかどうかに全国に渦巻く部落大衆の怒りを全国連のもとにひとつに組織的に結集できるかどうかの成否がかかっている。
 すなわち、部落差別に対する部落民の人間的怒りや自己の尊厳への自覚は現にある。それを引き出し、導きながら、たたかう主体を形成しつつ、運動(3大闘争と政治闘争)の形にしていくことがわれわれの課題であり、全国連5万人建設の道筋なのである。水平社宣言の「犠牲者がその烙印(らくいん)を投げ返すときが来たのだ。……吾々(われわれ)がエタであることを誇りうる時が来たのだ。……人の世に熱あれ!人間に光りあれ!」の叫びはこうしたたたかいの中から再びよみがえるのだ。
 この場合にまず被差別体験の共同体的共有こそ一切の出発点となる。意識調査の結果はそのことを完全に明らかにしている。対象者の実に82%が直接・間接の部落差別の経験があると答え、しかもその約半数が結婚差別の経験をしている。結婚差別の場合に特にそうであるが、差別を経験していても言いたくないという人が少なからず存在することを考えれば実際上、ほとんど100%近くが経験しているとみて間違いない。
 その中で語られている被差別体験は以下のようなものである。「川で釣りをしていたら、よく砂をかけられたり、石を投げられた」(35歳)、「同級生が結婚する時に反対されていまも結婚できない」(20代)、「(結婚に反対した)相手の親が死ねと言った」(70歳)、「一般地区を通っているときに○○(部落の地名)やと言って石を投げられた」(69歳)、「(会社で)部落民はこういうところで働かないでドブ掃除かヤクザになれと言われた」(30代)、「息子の友だちが家に遊びに来た時、ご飯を食べさせたら”あんなところで食べたらあかん。汚い”とその親が言った。それから子どもが来ても何も食べさせない」(60代)などである。
 同志諸君はこの差別の現実をどのように受け止めるだろうか。300万の部落大衆が例外なくこうした肺腑(はいふ)をえぐるような部落差別を何度となく経験させられ、いまも24時間365日、こうした差別の刃(やいば)を社会のあらゆる場面でつきつけられて日々生きているのだ。身分的迫害そのものだ。それがどんなに重苦しく、耐えがたいものか!
 しかし同時にこの苛烈(かれつ)な部落差別の現実こそ、一人ひとりの部落大衆の中に部落差別の廃絶を希求する抑えがたい熱情を宿らせずにはおかない。これこそ部落解放闘争の原点である。
 この調査結果はあらためて差別糾弾闘争こそ300万部落民を糾合する根源的たたかいであることを確証させた。にもかかわらずわれわれは今日までこの部落大衆の激しい怒りを本格的に組織することができなかった。それはなぜか。こうした被差別体験を聞き出すことから始めて、それを地域全体の共同体的経験に高めていくことができず、各人の被差別体験を個人的体験に押しとどめてきたからである。その結果、それぞれの苦しさの根源が個人の問題ではなく、身分的差別にあること、したがってそれは自分たちの責任ではなく、国や権力者による部落差別が原因であり、300万部落民が団結してたたかわない限りけっして差別も苦しみもなくならないという、身分的自覚であると同時に階級的な自覚を生みだすことができず、全国連への結集に導くことができなかったのである。このことは本人自身に被差別体験があるにもかかわらず、今日の部落差別の激増の事実を知らないと回答する人が多いことにも示されている。
 以上のことを総括すれば、これまでの戦後部落解放運動は本当の意味で部落大衆の根源的人間的怒りを全社会的に解き放つような差別糾弾闘争をたたかってこなかったということである。それは本部派だけではない。あえて言えば全国連についても言えることである。しかし〈身分的紐帯(ちゅうたい)〉は差別とたたかう中でこそ形成・強化されるのであり、日帝の差別糾弾闘争圧殺の重圧のもとでは、差別を許さないという糾弾闘争が力強くあって初めて一人ひとりの部落大衆は部落民としての誇りを持つことができるし、差別を見抜いて差別とたたかうことができる。逆に糾弾闘争が解体されたら誇りを持つことも、部落民として団結することも、要求を要求として掲げることもできなくされるのである。
 こうした観点から解同本部派のこれまでの「差別糾弾闘争」を総括するならば、それは本質的に行政闘争の圧力手段でしかなく、部落大衆の差別撤廃の要求を差別の根源である帝国主義打倒に向かって発展させていくのではなく、行政施策要求の枠内に反動的に押しとどめる役割を果たしたのである。
 われわれは本部派によってまったく似て非なるものにねじ曲げられてきた差別糾弾闘争を、いまこそ根底から復権しなければならない。それは必ず日帝に対する部落大衆の暴動的内乱的たたかいに発展する。どんな「ささいな」生活にかかわる要求闘争も、こうした差別糾弾闘争としてたたかった時に小泉の戦争と民営化、構造改革攻撃と激突しそれをぶっとばす巨大なたたかいとなって爆発するのである。言いかえれば「自己責任」論や「部落民の側にも非難されるべき点がある」などという帝国主義のペテン的言辞を階級的に粉砕しつくして、部落民の苦しみや困難の一切の原因はあげて帝国主義の部落差別にこそある、という立場にトコトン立つことなしには、差別糾弾闘争はたたかえないのである。
 このたたかいの出発点こそすでに開始した被差別体験の聞き取りであり、その共同体的共有=追体験を集団的にかちとっていくたたかいである。懇談会はそのための当面する組織戦術の環である。このたたかいを拡大し、それを土台として現実のさまざまな差別事件に対する糾弾闘争を組織していかなければならない。
 昨年、全国連は組織の総力をあげた警察権力、行政、資本に対する糾弾闘争によって寝屋川弾圧を完全に粉砕した。糾弾闘争の本格的爆発の突破口は切り開かれた。06年は全国で毎日のように糾弾闘争がたたかわれている情勢をつくりださなければならない。

 狭山第3次再審闘争に決起しよう

 第三に確認すべきことは、この差別糾弾闘争の基軸に狭山闘争をしっかりとすえきることである。
 日帝・小泉政権は昨年3月16日、最高裁をして狭山の第2次再審(特別抗告)を棄却させた。それは同年1月18日の奥田・日本経団連の「わが国の基本問題を考える」(日本経団連の改憲提言)の打ち出しと一体のものである。
 歴史的に狭山闘争をめぐる攻防は一貫して部落解放運動の興廃をかけた日帝との最大の激突点であり、総括点であった。なぜなら、一つには狭山闘争こそ日帝と部落解放闘争との非和解性を万人の前に明らかにし、部落大衆の差別への怒りを日帝打倒の差別糾弾闘争として発展させる決定的水路だったからである。日帝は石川一雄さんを先頭とした部落大衆の不屈のたたかいに圧倒され、差別糾弾闘争に宿る日帝打倒の根源的力に恐怖し、なんとしてもそれを解体しようとして体制的重圧を加えてきた。
 いま一つは1970年代から今日に至る過程において部落差別の洪水を決定的な地点で押しとどめてきたものこそ狭山闘争の全人民的発展であったからである。実際、狭山闘争がその後の部落差別にもとづくデッチあげ事件の続発を断ち切り、部落差別が全社会的に噴き出すことを抑止し、日本の階級闘争が部落差別によってズタズタにされることを阻んできた。
 だからこそ日帝はこの狭山第2次再審請求を棄却することによって、解同本部派を最後的に屈服させるだけでなく、対日帝闘争としての差別糾弾闘争の背骨をへし折り、差別の洪水を引き起こし、それをテコに労働者階級に対する戦争と民営化、改憲の攻撃を一気に激化させようとしたのだ。
 それは「帝国主義体制が危機におちいりつつあり、……社会不安の深刻化が進んでいるとき、一方で帝国主義的民族排外主義がかきたてられ……他方では、国内階級支配構造自体の面でも、その体制的危機を乗り切るために……ことさらに被差別部落民に対する帝国主義の凶悪な差別が強められ、一般民の反動的差別意識がかきたてられ、部落民に対する反革命的差別的襲撃にひきだされ組織されていこうとする」(『内乱と武装の論理』津久井良策著)という現実そのものだ。
 2003年から連続して400件もの差別葉書を本部派の同盟員などに送りつけてきた34歳の差別者は「就職できずにストレスがあった」「被差別部落は自分よりも下であるはずなのに……差別して自分のストレスを解消しようと思った」と述べている。この例に典型的なように、日帝は体制的危機のもとでたえず生起する政治的、社会的不安をあたかも部落民の責任であるかのように差別的に転嫁し、それをテコに労働者人民の圧倒的部分を抑えつけ、搾取を強化し、侵略体制を構築しようとするのである。日帝は石川さんを「殺人犯」にし続けることで「部落=悪の巣」という極悪の差別イデオロギーを全社会的に拡大し、そのことによってこうした部落差別による人民の分断支配をあくまでも徹底的に貫徹しようとしているのである。
 この日帝・小泉政権による狭山差別裁判の強行を打ち砕くことなしには差別糾弾闘争の復権も部落の解放もない。したがってわれわれは、あくまで狭山闘争を差別糾弾闘争の基軸にし、集約軸にして差別糾弾闘争の根源的復権をかちとらなければならない。石川さんはいま不屈の闘志を燃やして第3次再審闘争を準備している。全国連15回大会の圧倒的成功と5・23を突破口にして第3次再審闘争に総決起しよう。

 階級的共同闘争を強固に形成しよう

 第四に、世界革命による共産主義の実現だけが部落の解放を達成できること、さらに労働者階級もまた差別糾弾闘争の一方の主体であることを徹底的にはっきりさせて、階級的共同闘争を発展させよう。
 昨年の11・6労働者集会に参加した部落大衆は誰もがその場に結集した動労千葉を先頭とする3カ国・3労組陣形を核とした国際的な労働者階級の連帯の力の中に部落解放を実現する力があることを確信した。
 全国連の意識調査に対して大多数の部落大衆は「自分も労働者だ」と述べ、「労働組合は必要だ」「労働組合に頑張ってほしい」「かつての国鉄闘争の時のようなたたかいをすれば世の中は変わるのではないか」と回答している。しかしこのように答えている部落大衆のほとんどが労働組合もないような劣悪な職場で働いているのであり、労働者としての要求と権利のためのたたかいは完全に部落大衆自身のたたかいであり、部落大衆自身が労働組合を求めている。
 この部落の8割を占める労働者層は全国連と部落解放闘争にとって最大の大衆的基盤であり、基軸的主体であり、その獲得は一貫した戦略的課題となってきた。すでに被災地神戸の番町地区では青年労働者が地域合同労組に結集してたたかい、解雇を撤回させ、資本の謝罪をかちとった。06年は郵政民営化攻撃に続いて公務員制度改革=自治労つぶしとの全面的な階級決戦の年である。部落の現業労働者を中心にしてこの攻撃をなんとしても打ち破り、11月集会への圧倒的合流を実現しよう。
 また今春の「日の丸・君が代」決戦と教育基本法改悪、改憲攻撃とのたたかいを部落解放闘争の正面テーマとしてとりくむとともに、関生弾圧をはじめとする労働者階級に対する激化する弾圧を粉砕するためにともにたたかおう。
 寝屋川弾圧粉砕闘争の地平を全国の部落に拡大・強化し、発展させ、強固な階級的共同闘争の陣形を形成していかなければならない。ともにたたかおう!
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集会要項
部落解放同盟全国連合会第15回大会
とき  1日目 3月5日(日)
        10時30分開場/正午開会
    2日目 3月6日(月)
        8時30分開場/9時開会
ところ 1日目 西宮市民会館
    2日目 荒本人権文化センター
主催 部落解放同盟全国連合会
   (大阪府東大阪市荒本862―2)

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週刊『前進』(2233号6面2)(2006/02/13)

 保安処分施設中止を 阻止共闘 久里浜病院に申し入れ

 「処遇困難者専門病棟」新設阻止共闘会議は1月25日、神奈川県横須賀市の独立行政法人久里浜アルコール症センターに対して、保安処分施設開設中止の申し入れを行った。
(写真 「久里浜病院の保安処分施設4月開設に反対しよう」と訴える阻止共闘【1月25日 京浜急行久里浜駅前】)
 旧国立療養所の久里浜アルコール症センターは、「刑罰とは別に、再犯のおそれがなくなるまで裁判官命令の収容を無期限に続ける」という心神喪失等医療観察法のもとでの「精神障害者」への保安処分施設を、4月1日に15床の「暫定病棟」(通常は1施設30床)として開設しようとしている。阻止共闘は「病者」を先頭に丸山勝也院長あてに開設反対の申し入れを行い、さらにこの日開催予定の地元自治会代表などが参加する地域連絡会議に「病者」の反対意見のビラを添付することを申し入れ、了解された。
 同センターでは管理課のN氏が対応。N氏は「医療観察法施設は、国の施設が先に受け入れなければ都道府県立病院が予定どおりやりたがらない」と国の収容施設整備計画の破綻(はたん)ぶりを吐露。しかし国の政策を無批判に受け入れ「意識を失って重大な犯罪を犯した人を裁判所が収容するよう認定するから問題ない」と言い放った。
 法が対象にする「心神喪失」とは「意識があるかないか」ではなく「精神病等で非理弁別が失われた持続的な病状」や酩酊(めいてい)などの一時的な「異常状態」と理解されているものであり、「意識がない」と誇張するのは「病者」への強制入院・強制治療を正当化する差別・無理解の暴言だ。そういう「病者」を裁判所に連行して、事実審理もないままに「法的責任を取れ」と責め立てるのは、医療や手助け・親身な理解が必要な人への対応ではまったくない。
 しかも適用対象は「心神耗弱」(非理弁別の能力が減退している状態)を含み、「病者」なら誰でも対象になりうる。その結果昨年7月の施行から年末まで連日のように141件の審判申し立てが行われ、うち入院決定が41件、強制通院17件、却下と医療観察法以外処遇の3件を除いて、80人近くが鑑定入院で留置並みの拘束下にある。事件は「重大な犯罪」どころか身内げんかや自室放火、「全治5日、1週間の傷害」など「軽微事件」が大半である。にもかかわらずトラブルの一方が「病者」なら確実に「病者」が収容される仕組みなのだ。
 医療観察法施設で3000点という高い診療報酬を与えられた電気ショック(昨年8月2日大臣告示)について問いただすと、N氏は「ここではほとんどやらないし必要ない」と答えたものの、新施設では「国が決めたとおりやる」と居直った。暫定病棟にしても既存病棟を壊してまで国の指示に従い、来年2月には30床新築も完成させようとしている。保安処分施設受け入れを都道府県立病院設置の呼び水とすることは絶対に許されない。自治体病院での開設は、より一層地域密着の保安処分収容を「病者」に強いるものだ。
 昨年12月には愛知・東尾張病院、今年1月には佐賀・肥前病院が15床「暫定病棟」を開設した。2月には30床で富山・北陸病院が開設される。保安処分施設建設撤回、医療観察法廃止の声を全国でさらに強めていこう。

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週刊『前進』(2233号6面3)(2006/02/13)

日誌'06 1月25日〜31日

 防衛施設庁審議官らが談合

 麻生が天皇の靖国参拝要求

●小泉「特措法検討ない」 小泉首相は参院本会議で、在日米軍再編の焦点となっている沖縄県の普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古崎(名護市)への移設問題で、知事の権限を国に移す特別措置法を「現在の状況で検討していることはない」と述べた。(25日)
●沖縄米空軍の深夜外出禁止に 米空軍嘉手納基地は、沖縄にいるすべての空軍要員に対し、28日から夜間外出禁止を行うと発表した。夜間外出禁止は午前0時から同5時まで。期間については現在のところ無期限。(26日)
●タクシー強盗で米兵2人拘束 沖縄県北谷町側の米海兵隊キャンプ瑞慶覧内で1月7日に発生したタクシー強盗事件で、米海兵隊報道部は、2人の米兵を拘束したと発表した。(27日)
●ゴラン高原PKO、半年延長決定 政府は閣議で、イスラエルとシリアの停戦を監視するため、国連平和維持活動(PKO)として中東・ゴラン高原で国連兵力引き離し監視軍(UNDOF)に参加している自衛隊の派遣期間を今年9月30日まで半年間延長することを決めた。(27日)
●天皇の靖国参拝「検討を」と麻生 麻生外相は、首相の靖国神社参拝に関連し「英霊からすると、天皇陛下のために万歳と言ったのであって、首相のために万歳と言ったのはゼロだ。天皇陛下の参拝が一番だ。なんでできなくなったのかと言えば、公人、私人の話からですから。どうすれば解決できるかという話にすれば、答えはいくつか出てくる」と述べた。(28日)
●米軍管制「横田空域」縮小で経済効果190億円 東京、神奈川など関東を中心とする9都県の上空にまたがって、米軍横田基地が航空交通管制の権限を持つ「横田空域」の範囲を4割程度縮小すると、民間航空機の燃料費節減などで年間190億円の経済効果があることが国土交通省の試算で明らかになった。(28日)
●空中給油機移転で米が岩国へ変更を要求 ハワイで行われた在日米軍再編に関する日米審議官級協議で米側が、米海兵隊普天間飛行場のKC130空中給油機12機を海上自衛隊鹿屋基地(鹿屋市)に移転する計画に難色を示し、米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)への変更を求めていたことが分かった。(28日)
●米が自衛隊の治安維持参加を打診 米国ワシントンDCで1月17日に開かれた日米防衛首脳会談でラムズフェルド米国防長官が額賀防衛庁長官に、イラクの治安維持やイラク人部隊の訓練に自衛隊の参加を打診していたことが明らかになった。額賀は「現行法では困難」と回答した。(29日)
●防衛施設庁審議官ら逮捕 防衛施設庁発注の空調設備工事をめぐり、東京地検特捜部は、同庁ナンバー3で技術系トップの技術審議官ら3人を刑法の談合容疑で逮捕し、空調設備メーカーなど関係先を家宅捜索した。防衛施設庁OBの天下り実績を基準に工事配分を決めていた官製談合の疑い。(30日)
●岩国市で住民投票 米軍再編で厚木基地(神奈川県)の米空母艦載機部隊の移転が計画されている岩国基地の地元、岩国市の井原市長は、部隊受け入れの賛否を問う住民投票を3月に実施する方針を固めた。実施されれば、米軍再編をめぐる関係自治体で初めての住民投票。市条例に基づく住民投票は市長の発議で実施できる。井原市長は市町村合併で3月19日に失職するため、その前にあらためて地元の意向をまとめ、国に伝えたい考え。反対が多数となれば日米両政府に大きな打撃を与えることに。(31日)

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週刊『前進』(2233号7面1)(2006/02/13)

 共謀罪法案を廃案へ

 戦時型治安弾圧体制構築の中軸をなす共謀罪新設策動

 治安立法目白押しの今国会

 1月20日、第164回通常国会が6月18日まで150日の会期で開会した。今国会では行革推進法案、医療制度改悪法案、教育基本法改悪法案、米軍再編推進関連法案、防衛庁設置法案、皇室典範改悪案、国民投票法案など憲法改悪に直結する反動法案の提出が予定されている。この中で、新たな治安法として、共謀罪法案を始め、組対法改悪法案(没収・追徴)、少年法改悪法案、刑法一部改悪法案(詐欺着手罪新設)、難民認定・入管法改悪法案(入国時の指紋採取)、代用監獄法案、また、内閣委員会関連では警察官職務執行法改悪法案(職務質問の強制)などの提出が策動されている。治安弾圧体制が一挙に強められようとしているのだ。
 小泉首相は「改革加速が今年の責務」と18日の自民党大会で叫び、「小泉改革」を推し進める決意を示している。だが、1月の冒頭から、耐震強度偽造建築、ライブドア、BSE、防衛施設庁官製談合などの諸問題が露呈し、国会は紛糾を続けている。今や戦争と民営化攻撃の小泉=奥田体制の破産が明らかになったのだ。この激動情勢に対して4大産別を先頭とする2〜3月決戦をたたきつけ、労働者階級の総反撃の火の手をあげよう。
 日帝・小泉政権は、労働者の怒りを国家暴力で抑え込もうと、戦時型の治安弾圧をかけてきている。だが、それにひるむのではなく、政治警察との対決を徹底的に攻勢的に推進することによって、労働者階級の総反撃の活路は大きく切り開かれる。そうした治安弾圧との今日の攻防の要こそ、共謀罪法案をめぐる闘いである。
 共謀罪法案は、破壊活動防止法が革共同を先頭とする闘いで実質上無力化させられた中で、治安維持法や破防法を上回る現代の治安法として労働者人民の前に突き付けられた攻撃である。元警察高級官僚で自民党法務部会長の平沢勝栄は「共謀罪は捜査当局の新たな武器となる」(毎日新聞05年10月7日付)とあけすけに語っている。

 連続する戦時下の逮捕攻撃

 共謀罪新設策動は戦争立法、日帝の戦争国家化動向と一体のものである。
 日帝は、94年米帝の朝鮮侵略戦争危機に対応して97年に日米新ガイドラインを締結し、99年には周辺事態法を成立させ、03年には武力攻撃事態法を始め有事関連法を強行成立させた。帝国主義世界体制の危機が戦争となって爆発する中で、「外への侵略戦争と内への階級戦争」の道を決断した。平和、民主主義、人権といった「戦後的なもの」すべてを粉砕し、労働者人民の権利を根こそぎ奪い、憲法と教育基本法を改悪することは、日帝の延命のために絶対的課題となった。これらの攻撃と一体のものとして90年代中期から激化してきた治安弾圧攻撃を、以下の4つの観点から見ていく。
(1)警察法改悪と警察国家化
 戦前、内務省のもとに組織された国家警察は、治安維持法と特高警察で治安弾圧体制をつくり、あらゆる運動と組織を圧殺した。戦後、この「天皇の警察」は解体されたが、60年安保、70年安保・沖縄闘争の総括をへて警察は強化され、90年代から今日にいたるまで「テロ対策」を呼号しながら、警察力の増強と質的転換が進められた。
 「公務員削減」が4大産別の労組、労働者を攻撃するスローガンとして絶叫されながら、一方警察官は99年以来5年間で1万数千人増強されている。車両のナンバーを瞬時にして読みとるNシステムが大増設され、監視カメラは全国で人が通過したり立ち寄るあらゆる場所に設置されて300万台を超えると推定されている。これに携帯電話のGPS機能と履歴機能の掌握がある。これらは単に機器の設置・使用の問題にとどまらず、警察による運動団体や個人への監視・尾行・張り込み・情報収集活動の強化と一体となって進められたものである。
 さらに「安全で安心な街づくり」などのふれこみで、生活安全条例が東京都を始め全国約1500の自治体で制定されている。住民を警察力の補完として動員しようという、国民保護法制の先取りである。
(2)治安法の成立
 99年の第145通常国会で、組織的犯罪対策3法(盗聴法)、改悪住民基本台帳法、そして同年の臨時国会で団体規制法(第2破防法)が制定された。その後、テロ資金提供等処罰法(カンパ禁止法)、個人情報保護法、心神喪失等医療観察法(保安処分新法)、刑法改悪が強行された。戦後階級闘争の力でこれまでほとんどはね返されてきた治安法規が堰(せき)を切ったように強行された。司法改悪関連諸法とともに治安法の「大立法時代」の幕開けとも言えるものだ。
(3)司法改悪攻撃
 司法改悪の攻撃としては法科大学院法、裁判迅速化法、裁判員法、刑事訴訟法改悪、総合法律支援法などが制定されている。
(4)労働運動と反戦運動に対する相次ぐ逮捕・弾圧(別表参照)
 労働運動への弾圧が、労働法制改悪の進行と一体で強まっている。とりわけ国労組合員8人のビラまき説得活動に対する「暴力行為処罰法違反」を適用しての国労5・27臨大闘争弾圧、そして全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部に対する一連の弾圧を許してはならない。これまで労働運動の中で当然に行われてきたことを、日帝は「犯罪」として摘発し、弾圧するという攻撃に決定的に踏み込んできたのだ。
 そして反戦運動への逮捕・弾圧攻撃が連続してかけられている。特に04年2月27日の「立川テント村」の自衛隊宿舎への反戦ビラ入れに対する逮捕・起訴、1審無罪から東京高裁での逆転有罪判決という事態を決定的に重視しなければならない。ビラ入れというこれまで誰もが行ってきた人民の言論・思想の表現に対する弾圧である。さらに最近では、市民運動・大衆運動の会議にまで公安が威嚇的に監視・張り込みを行う事例も報告されている。
 こうした逮捕・起訴攻撃は、現行法規の野放図な拡大解釈として行われている。共謀罪の制定は、こうしたでたらめな逮捕を「事前」の段階で可能とするのであり、限度のないデッチあげ弾圧の乱発に結びつくことは明らかである。そしてその脅威と圧力で反戦、人権などに取り組む運動を萎縮(いしゅく)させ圧殺を狙う全人民にかけられた攻撃なのだ。その究極の目的は、帝国主義の存在を脅かす革命運動、労働運動を壊滅するところにある。

 政治警察との闘いに勝とう

 われわれは、昨年8・8衆院解散―9・11総選挙を小泉がファシスト的手法を使って強行したクーデターととらえた。これは本質的には、戦後民主主義から戦争体制への統治形態の転換を狙った攻撃である。
 日帝は、平和、人権、民主主義といった「戦後的なもの」を完全に一掃し、国家のもとに人民がひれ伏し犠牲となることを良しとするような新たな戦時体制を構築しようとしている。だからこそ「日の丸・君が代」強制であり、「つくる会教科書」採択であり、靖国神社公式参拝であり、教育基本法改悪であり、憲法改悪なのだ。
 こうした攻撃と呼応して「民間」からも天皇主義、民族排外主義、歴史歪曲運動など、戦後日本の日陰の部分で生息してきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)がうごめき始めている。
 だが、これらのことは日帝支配階級の強さの現れではなく、むしろ弱さの表現である。新たな戦時体制の確立は、労働者の動員なしには完成しない。労働者をどちらが獲得するかが決定的なのだ。日帝がもはや労働者人民をまともに食わせることもできず、戦争と民営化(労組破壊と首切り)攻撃に訴えるしか延命できないとすれば、労働者はそのような国家=帝国主義体制を打倒し自らの力で新たな社会を建設するしかない。このことを粘り強く訴え、共謀罪=現代の治安法との闘いに立ち上がることを呼びかけよう。大胆な統一戦線をさらに押し広げよう。
 同時にこの闘いは、政治警察との死闘を抜きには勝利できない。われわれの運動と生活を警察の監視・弾圧から防衛することは死活のかかった課題である。この間の弾圧に対する基本的な勝利は、完全黙秘・非転向の貫徹によってかちとられている。完黙を単に逮捕時の技術的な対処としてではなく、権力と非和解的に闘いぬく根本思想として、あらゆる闘いに貫こう。
 そして戦時型治安弾圧と闘う革命党はその存在の絶対的な保障として、非合法・非公然体制を防衛しなければならない。度重なるスパイ化攻撃を始め党と運動の壊滅を策する攻撃を1ミリたりとも許さず、弾圧と人権侵害に対する労働者階級の反撃の先頭に立って、革共同は闘う。

 共謀罪を永久に葬り去ろう

  昨年6月に審議入りして以来、共謀罪闘争は広範な共闘陣形として発展してきた。国会前攻防と恒常的街宣行動を軸に、闘いの拠点を築こう。全国で学習会・集会を積み重ね、共謀罪廃案署名運動を強力に推進し、広く反対の声を拡大しよう。岡山・高梁市議会などが共謀罪反対決議を上げている。闘う弁護士の個人・団体からも、切迫した危機感と強い反対の声が上がっている。
 4大産別決戦を現場で闘う労働者が先頭に立ち、共謀罪を永久に葬り去る闘いを全力で推進しよう。
 〔山口秀樹〕
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 この間の主な不当弾圧・逮捕事件

■労働運動
02年10月 国労組合員と支援の10人を「暴力行為等処罰に関する法律違反」で令状逮捕、8人起訴。同年の5・27国労臨時大会でのビラまき・説得活動に対する弾圧。
05年1月13日 全日本建設運輸連帯労組関西生コン支部の武建一委員長をはじめ執行委員4人を「強要未遂」「威力業務妨害」で逮捕、全員起訴。3月9日、武委員長など2人を再逮捕、役員2人を新たに逮捕。さらに12月には「政治資金規正法」違反で大阪門真市議の戸田ひさよし連帯労組近畿地本委員長を逮捕。同時に武委員長も再々逮捕。

■反戦運動
04年2月27日 立川の自衛隊官舎ビラ入れで3人を「住居侵入」で逮捕・起訴。12月、東京地裁八王子支部で無罪判決。05年12月、東京高裁で逆転有罪。上告中。
 3月3日 東京で社会保険庁職員が休日に自宅近くでのビラ配布したことを「国家公務員法違反」として逮捕・起訴。
 11月2日 アパート契約に関する「詐欺罪」で沖縄で1人を、関連で東京で2人を逮捕。
 12月3日 東京都立板橋高校の元教諭が「君が代」斉唱時の着席を呼びかけたことを「威力業務妨害」として在宅起訴。
 12月23日 東京都葛飾区のマンションで共産党の区議会報告を配布していた1人を「住居侵入」で逮捕・起訴。
05年2月7日 福岡で免許証の住所に関する「免状不実記載」で1人を令状逮捕。
 2月21日 東京都杉並区で仮名で宅配便の手続きをしたことを「有印私文書偽造・同行使」として1人を令状逮捕。
 2月28日 東京・JR蒲田駅で「障害者」の介助を拒否した駅員に抗議した1人を「暴行」で逮捕。
 3月4日 東京で居室契約をめぐる「詐欺罪」共犯で1人を令状逮捕。
 3月4日 都立高校の卒業式での「日の丸・君が代」強制に抗議するビラまきで、町田の野津田高校前で2人、同8日、亀有の農産高校前で1人を「建造物侵入」で逮捕。
 5月31日 東京でアパート契約に関する「詐欺罪」で2人を令状逮捕。
 6月23日 免許証更新時の住所に関する「免状不実記載」で1人を令状逮捕。
 7月13日 静岡で住民票に関する「電磁的公正証書原本不実記録・同供用」で1人を令状逮捕。
 7月13日 東京都江戸川区役所でビラをまいていた2人を「公務執行妨害」で逮捕。
 8月4日 東京都杉並区役所前で「つくる会」教科書反対派の1人が賛成派に抗議したところ「暴行」で逮捕。
 8月15日 靖国神社抗議行動で千鳥ケ淵で2人、九段北で4人を「公妨」で逮捕。
 10月7日 「免状不実記載・同行使」で福岡で4人、東京と三里塚で各1人の計6人を令状逮捕。関連で逮捕が相次ぐ。
 10月12日 東京都江戸川区役所前でビラをまいていた1人を「公妨」で逮捕。
 10月15日 米軍厚木基地に隣接するマンションで基地を監視していた3人を「住居侵入」で逮捕。
 10月29日 沖縄市の米軍嘉手納基地前で基地撤去を求めて座り込んでいた僧侶を「公妨」で逮捕。
 11月8日 横浜で集会場申し込みで「有印私文書偽造・同行使」で1人を令状逮捕。
 11月10日 東京で住民登録に関する「電磁的公正証書原本不実記録・同供用」で3人を令状逮捕。
 12月20日 1人が早稲田大学文学部構内でビラをまいたところ教職員が「逮捕」、牛込警察署に引き渡す。
06年1月15日 東京・山谷のデモで1人を「公妨」で逮捕。

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週刊『前進』(2233号7面2)(2006/02/13)

 有楽町で一斉街宣

 1月28日の午後3時から2時間にわたって東京・有楽町のマリオン前で全国統一一斉街宣の一環として、大宣伝活動を行った。主催は、「破防法・組対法に反対する共同行動」と「組対法に反対する全国ネットワーク」。約30人の参加者が、ビラ配りと署名集めを行った。1月20日の国会開会日情宣に続く行動。
 共謀罪反対署名呼びかけ人の一人である山脇晢子弁護士や、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧被告の板垣宏さんなどが次々にマイクを握った。「話し合っただけで罪になる共謀罪反対!」という力のこもった訴えに、多くの人びとが驚きと怒りに燃え、次々と署名した。

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週刊『前進』(2233号7面3)(2006/02/13)

 ハマスが選挙で圧勝 パレスチナの重大情勢

 包囲重圧強める米欧日帝 問われる戦う路線の堅持

 米帝の中東和平策動を痛撃

 1月25日に行われたパレスチナ評議会(国会に相当)議員選挙でイスラム政治勢力のハマス(イスラム抵抗運動)が過半数の議席を獲得したことによって、パレスチナ情勢は新たな激動局面に突入した。
 自爆戦闘を始めとして激しい武装闘争を展開してきたハマスの圧勝は、米帝とイスラエルに衝撃を与え、恐怖にたたき込んでいる。米帝・イスラエルは、自治政府指導部を屈服させて武装解放闘争を放棄させる一方で、すさまじい軍事弾圧でパレスチナ人抹殺攻撃を長期間に渡って展開してきた。にもかかわらず、パレスチナ人民がそれに屈せず、自治政府指導部の屈服と腐敗を弾劾し、米帝・イスラエルと徹底的に対決して戦う決意を鮮明に示したからだ。
 それは米帝の一連の中東「和平」策動と中東戦略を根底から粉砕する破壊力を秘めている。だからこそ米帝とイスラエルは、新たなパレスチナ解放運動破壊攻撃に打って出ようとしている。恐るべき弾圧と苦難の中にありながら、帝国主義の中東支配を打ち砕く闘志をみなぎらせて民族解放・革命戦争を貫徹しようとしているパレスチナ人民と連帯し、今こそ決起しよう。

(写真 指導部の辞任を求めて自治政府にデモするファタハ支持者【1月18日】)

 ハマスはなぜ支持されたか

 ハマスの勝利は圧倒的であった。パレスチナ評議会の総議席132のうち、ハマスは過半数を越える74議席を確保し、ファタハの獲得した議席数45をはるかに上回った。初の評議会選挙参加で、30〜40%の支持率という選挙前の予測を大きく覆した。これによってハマスは議会で単独過半数を占め、首相と内閣員を選出し、「ハマス政府」を形成することが可能になった。
 だが、ハマスの勝利はパレスチナ人民がイラン型のイスラム国家を選択したことを意味しない。中東では最も世俗的で宗教勢力の影響力が弱いと言われるパレスチナ人民がハマスに投票したのは、米帝とイスラエルに屈服して武装解放闘争を放棄し、汚職と腐敗にまみれた旧世代が支配するファタハ主導の自治政府を打倒しなければ民族解放の展望はないと感じているからだ。パレスチナ人民は、イスラエルとパレスチナの相互承認に基づくペテン的な「和平」プロセス推進を拒否し、2000年のインティファーダ以来、60件近くの自爆戦闘を始め激しい武装抵抗闘争を主導してきたハマスが自分たちの闘う意志を代弁しているとして選択したのだ。
 これに対してハマスの指導部は、米帝とイスラエルの攻撃を跳ね返しながら、パレスチナ人民の強烈な闘争意志を受け止める闘争路線の構築を迫られている。米帝やEU帝国主義、日帝などは、ハマスが武装闘争を継続する限りハマス主導の自治政府を承認せず、一切の経済援助を断絶すると脅迫している。現在の自治政府予算の3分の2近くがこれら諸国からの援助であり、これが停止されればすでに失業率30〜40%のパレスチナ経済は一挙に崩壊の危機に直面する。
 これに加え米帝やイスラエルはハマス政府の樹立を阻止するために、武装闘争を継続するならばハマス指導部の暗殺を含めて徹底的な軍事的弾圧を加えることを公言している。またイスラエルは、ハマスとの対話の条件として、@ハマスの武装解除、Aイスラエルせん滅を盛り込んだ綱領の破棄、Bイスラエル・パレスチナ間のすべての合意事項の受諾を明示することなどをあげ、ハマスに屈服を迫っている。
 こうした中で現在、ハマス指導部は予想以上の圧勝にとまどいながらも、公式には武装闘争継続を表明している。しかし他方で、第三者を仲介としたイスラエルとの対話の可能性や長期停戦を示唆し、とりあえず67年の第3次中東戦争以前の領土回復を目指す「現実的方策」の選択も考慮に入れている。米帝とイスラエルからのすさまじい重圧の中でハマスが米帝・イスラエルと対決して闘う路線を堅持できるか否かが問われている。

 若手活動家の決起の始まり

 評議会選挙でのファタハ旧世代指導部の敗北と、選挙後の一部のハマス最高指導部の動揺に対し、両組織内で武装解放闘争を継続する決意を固めている新世代の指導部と活動家が激しい危機感を燃やして決起し始めている。
 26日には、各地域で指導的立場にあるファタハの若手活動家数百人がラマラに結集し、自治政府元首相のクレイの関連会社が、イスラエルによる分離壁建設に関与し利権追求に走るという破廉恥極まりない汚職・腐敗を繰り返していたことを激しく弾劾した。同時に、ファタハの現指導部あてに選挙敗北の責任を問う書簡を送った。これらの若手活動家は、これまで旧世代の指導部を支えて日常活動や選挙活動の中軸を担ってきた部分だと言われており、その反乱は旧世代指導部にとって決定的な打撃となる。
 27日にはガザで数千人のファタハ支持者が現指導部弾劾の大デモを展開し、28日には西岸の自治区のラマラでも数千人のファタハ支持者がデモで自治政府議長府や評議会議場を取り囲み「敗北の原因は執行部の腐敗だ」と弾劾した。また同日、ファタハ系の武装組織のアルアクサ殉教者旅団のメンバー数十人が評議会の建物を占拠し、ファタハ中央委員会の指導者の辞任を要求した。西岸のナブルス・トルカレムなどでも同様のデモが行われた。
 第1次から第3次のインティファーダを闘ったファタハとハマスの新世代の人びとは、米帝やイスラエルの支配と抑圧、民族抹殺政策を粉砕するために真剣に武装解放闘争を展開してきた。その闘いの成果が、パレスチナの伝統的名家などの出身である旧世代指導部の米帝とイスラエルへの屈服政策で破壊されようとしていることに激しい怒りを感じているのだ。
 ファタハの新世代指導部は、米帝とイスラエルに屈服しつつ利権のみを追求する旧世代指導部の打倒なしに、これ以上民族解放闘争の発展はないことをはっきりと認識し、自らがとってかわって指導部に躍り出ようとしていのだ。

 闘う統一戦線の形成がカギ

 またハマスの新世代指導部も、04年の精神的最高指導者ヤシン師とその後をついだランティシ師のイスラエルによる暗殺などの相次ぐ暗殺以後、自爆戦闘を控え、武装解放闘争路線を後退させ始めたムスリム同胞団出身の一部の旧世代指導部に不満を感じている。
 彼らは87年12月に始まる第1次インティファーダ以来、自治政府指導部が放棄した地域の医療、教育、職業訓練活動、弾圧の犠牲者の救済などの活動を基礎にして急速に大衆的基盤を固めながら、ファタハの新世代指導部と連携して対イスラエル武装闘争を組織してきた。また彼らは、旧世代指導部にはパレスチナ社会のイスラム化という方針しかなく、階級社会の解体と真の民族解放を実現するための戦略的展望も方針も持たないことに大きな不満を抱いていた。
 パレスチナ解放闘争の展望は、これらの新世代指導部とその背後にいる膨大な層のインティファーダ経験者が握っている。彼らがパレスチナの解放のためにそれぞれの旧世代指導部の限界をのりこえ、また諸困難を克服して新たな統一戦線を形成し、真の前衛へと飛躍することによってのみパレスチナ解放運動の爆発的発展は可能になる。
 これに対しファタハの旧世代指導部は、自治政府の形成で背景に退いたPLOを再活性化させ、PLOを通じたイスラエルとの対話路線に転換することで危機を乗り切ろうとしている。またハマスやファタハの新世代指導部のもとにある軍事力と対抗するため、アッバス議長のもとにパレスチナ警察・治安機関員6万人を掌握しようとしている。
 だがファタハの旧世代指導部が米帝やイスラエルと連携しながら、パレスチナ解放運動の戦闘的発展に制動をかけようとしても、今回の選挙で突きつけられた人民大衆の怒りはますます強まり、旧世代指導部の打倒が不可避な情勢がいっそう成熟していくであろう。

 パレスチナと連帯し闘おう

 わずかな利権と引き換えに自治政府を屈服させ、ペテン的「和平」プロセスに巻き込むことでパレスチナ解放闘争を鎮静化させ、民族抹殺を推進しようとする米帝とイスラエルの目論見が、ハマスの選挙圧勝とファタハの旧世代指導部の決定的後退を契機とする新たな激動期への突入で全面的に崩壊するのは必至だ。
 米帝とイスラエルに屈服し続けた旧自治政府指導部の没落によって「和平」策動が崩壊する中で危機にあえぐ米帝とイスラエルは、いっそうパレスチナ民族抹殺の攻撃を激化させるであろう。とりわけイスラエルは、シャロンの事実上の死亡とガザ撤退問題をめぐるリクード党の分裂、エジプトの国会議員選挙でのムスリム同胞団の大躍進(15議席から88議席になり第2党となった)という事態の中で、パレスチナ解放運動の高揚に対する激しい危機感からさらに凶暴な攻撃に打って出るであろう。
 だが民族解放を自らの力で闘い取ろうとするパレスチナ人民の熱情は、決して衰退していないことが今回の選挙であらためて鮮明となった。パレスチナ人民は新たな指導部を選択し、そのもとに断固たる武装解放闘争に決起するだろう。旧世代指導部を打倒し、米帝・イスラエルと対決するという二重の困難な闘いに勝利し、パレスチナ人民の闘いはさらに激しく燃え上がるだろう。
 英雄的に闘うパレスチナ人民と連帯し、イラク人民・ムスリム人民と連帯して、今こそ決起しよう。4大産別決戦を軸とする今春決戦の中で、イラク反戦闘争を爆発させ、世界革命へ進撃し闘おう。
 〔丹沢 望〕

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週刊『前進』(2233号8面1)(2006/02/13)

団結ひろば 投稿コーナー

 東京外環道建設計画に反対し地域で闘う 東京・西部 飯沢和久

 私の住む地域は今、石原都知事が進める東京外環道(外郭環状道路)建設計画との闘いのさなかにあります。昨年9月、国土交通省北側大臣と石原都知事が会見を開き、外環道の未着工部分(練馬区大泉〜世田谷区用賀間)の建設計画を発表、あわせて青梅街道などにインターチェンジを設けることをうち出しました。
 この計画は、今から40年前に計画決定され、杉並・練馬などの住民の猛烈な反対運動によって「凍結」されていたものです。今回、高架式計画を変更して大深度の地下トンネル方式にすると言うのですが、これは石原お得意の大ペテンでした。地下40bの大深度方式は技術的に未確立で、危険極まりなく、しかも地下水脈を壊す代物です。しかも、外環本線(国道)は地下と言いながら、実は、その上にも大型地上道路(都道)を建設するというのです。これによって、膨大な住民が立ち退きを強制されます。まさに陰謀です。
 石原都知事は、「異論はどこにでもあるもの」「断固として造る」と、私たちの生活環境、そして善福寺公園など豊かな緑にめぐまれた自然環境を破壊する計画をゴリ押ししようとしているのです。絶対に許せません。
 国も都も財政が破綻(はたん)状態の中、なぜ2兆円もかけて巨大道路建設を進めるのか。石原は「首都圏の交通渋滞や環境改善に大きな影響力を持つ社会資本」と言いますが、これは、けっして労働者住民の車両環境整備という意味ではありません。徹底した大資本救済のためのものです。実際、外環地下トンネル工事で出る膨大な土砂を羽田空港沖合拡張の埋め立てに回すことで、石原がからんだ大手ゼネコンが2倍もうけようとしているという話も聞きます。
 そして何よりも、外環道の本質は、ナチスが進めたアウトバーンと同じく軍用道路だということです。そのことを実感したのが、1月から始まっている自衛隊東部方面隊のイラク派兵です。私も、実際に朝霞駐屯地前での抗議行動に参加してみて、ここから外環道供用区間を使い、湾岸道路を通って成田空港から派兵されることをひしひしと実感しました。外環の南進計画を許せば、第3京浜道路とつながり、朝霞駐屯地と横須賀基地が直結することになります。石原都知事による外環道・圏央道・首都高中央環状線の3環状道路建設計画は、米軍再編と一体で、東京を軍事都市に変貌(へんぼう)させるものです。
 1月28日に杉並区で開かれた国・都主催の外環道について「意見を聴く会」では、善福寺など地元住民を始め100人以上が参加し、「国策の押しつけは絶対に認めない」と声をあげました。けしば誠一区議の鋭い追及には、行政もたじたじでした。
 青梅街道インター予定地住民は、「絶対に土地は売らない」「成田のようになる覚悟があるなら、やれるものならやってみろ」と決意を示し、町内に反対のノボリを林立させています。三里塚で築いてきた勝利の地平が各地での闘いに脈打っていることを実感します。三里塚闘争に学び、連帯し、外環道絶対反対で石原と闘います。

 “自衛隊はイラクに行くな”一点で共闘 東京 長内政美

 1月28日、第9次イラク派兵反対の朝霞行動に参加した。
 陸自は、この2年間で約5千人の隊員をイラクに派兵し、戦後初めて戦場での経験と占領政策の蓄積をしてきた。しかし今回はこれまでの派兵とは違う。英軍やオーストラリア軍は5月撤退を予定し、サマワのパトロール任務はイラク治安部隊へ移管された。サマワで反自衛隊の行動が広がっている。森陸幕長が「今から半年、非常に大きな変動が予想される」と言うように、これまでにない軍事的緊張をはらんでいる。
 今回派兵の東部方面隊は首都防衛部隊であり、陸自で最も重要な位置にある。これから最大の難局を迎える中で、イラク出兵の全蓄積を集約するものとして、東部方面隊に戦場経験を積ませようとしているのだ。
 私は重大な決意を込めて今回の行動に参加した。東武東上線和光市駅の南口ひろばに200人が集合し、フリートークが行われた。ヨッシーとジュゴンの家が演奏し、共同代表である地元議員や弁護士などさまざまな団体、個人が発言した。考えや立場の違いを越えた幅広い統一戦線での取り組みだ。京大生が「同世代の自衛官が戦場に送られ、イラクの人びとを殺し、殺されるかもしれない。大学生が声を上げなくてはダメだ。改憲阻止の花火を打ち上げたい」と勢いのある発言をした。
 デモに出発。朝霞駐屯地の和光官舎が近づくと、反戦自衛官の小多基実夫さんがマイクを握った。「自民党幹事長の武部は『今回、犠牲者が出ることを小泉首相は覚悟している』と言っています。劣化ウランによる被曝も心配です。反対の声を上げてください。一緒に戦争をとめましょう」
 総括集会で共同代表の弁護士が「考えの違いがある中、自衛隊はイラクに行くなという一点でともに闘った。やがて私たちの力は何万倍にもなる」と語ったように派兵と改憲の阻止へ、確かな手ごたえを感じた行動であった。

 これは労働者の団結への熱いラブコール 朝霧恒太

 最近売り出されたヨッシーとジュゴンの家のニューアルバム『闘いのウタ』を聴いた。う〜ん、いいタイトルだ。05年の1年間の闘いのなかで歌われ、生み出されてきた曲たち。私自身、辺野古の海で、国会前で、炎天下の街頭で、そしてソウルで元気いっぱい闘うヨッシーたちを目撃し、一緒に彼らの歌を口ずさんだ。
 私はヨッシーたちの曲にあふれる闘う者たちへのやさしい共感と、尽きない情熱が好きだ。世界を獲得する労働者階級の団結には、それが不可欠だと感じるからだ。
 アルバムの一曲目に収められた『わくわく』には、「とりあえず革命しよう…愛を込めて闘いの唄(うた)」という歌詞がある。うず巻く反動に対抗し、昨年の労働者階級の闘いがつかんだ展望が鋭く体現されていると感じる。団結への熱いラブコールだ。
 サウンドに関して言うと、ストリングスの厚みが増し、ますますアレンジ自体に興味がわく。素人臭さが武器になったのは過去の事だ。リスナーの耳はわがままだから、これからが大変だ。それにしても『ハリケーン』をひっさげて彗星(すいせい)のごとく現れたニューボーカルのターボーの声は素敵だ。ニューオリンズの街を襲ったブッシュの犯罪に突き刺さる。
 最後にリクエスト。民主労総の労働者たちが歌っていたような労働歌を作ってほしい。うれしい時も、悲しい時も、敵に立ち向かう時にも歌えるヤツだ。少し普遍的な歌詞がいいかも知れない。もちろん魂に響く歌は、闘いとともに生み出される。新たな闘いのウタが歌えるように、私も全力で闘います。

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週刊『前進』(2233号8面2)(2006/02/13)

 関空反対集会 “軍事使用許さんぞ”

 米軍再編と対決しデモ 5月泉佐野市議選へ

 1月29日午後、関西新空港反対集会が泉州住民の会など大阪湾岸住民4団体と関西反戦共同行動委員会の主催で、泉佐野市りんくう公園で開かれた。今年は寒風の日が続いたが、この日は晴天で絶好の闘争日和、127人が結集し「米軍による関空の軍事使用は絶対に許さんぞ!」「5月泉佐野市議選に勝利するぞ!」と沖合の関空島に向けて意気高くシュプレヒコールを上げた。
(写真 「米軍の関空軍事使用反対!神戸空港2月開港阻止!」を訴えて泉佐野駅までデモ【1月29日 大阪・泉佐野】)
 小泉政権は周辺事態法を改悪し、米軍が優先的に民間空港・港湾を軍事使用できるようにする、日本全土を軍事基地にする方針であると1月11日の読売新聞が報道した。これは米軍再編の一環として米軍が日本に要求してきたもので、小泉は積極的に応じようとしている。
 この日の闘争は、この小泉の攻撃に対して、即座に地元から反撃する闘いとして開催された。
 集会は安藤眞一淡路町反対同盟事務局長の司会で始まった。最初に主催者あいさつを森田恒一泉州住民の会代表が行った。「昨年5月、関空が自衛隊イラク派兵に軍事使用された。国は『関空は民間空港、軍事使用しません』との約束を破り、次は米軍に使わせようとしている。戦争できる国にしてはいけない」
 次に東灘区住民の会の山本善偉代表が元気な姿で登場、「造る意味のない神戸空港を2月16日に開港しようとしている。12日に反対集会をする。ともに闘おう」とあいさつし、動労千葉からのメッセージが読み上げられた。
 基調報告を国賀祥司泉州住民の会事務局長が行った。読売新聞の報道を取り上げ、「小泉政権が関空を米軍に優先的に軍事使用させることを許すな! 米軍再編は関空を始め日本を一変させる攻撃である。改憲も不可避とする。しかし軍事空港に未来はない。沖縄、全国で闘いは必ず爆発する。アメリカ、韓国から世界に無限に広がる」と確信を込めて訴えた。さらに「関空で財政破綻(はたん)した泉佐野市は、あろうことかゴミ袋まで1枚50円もの有料にするという。説明会で住民が猛烈に反対している。5月市議選に勝利し、空港市政を止めよう」と鮮明な闘う方針を明らかにした。
 カンパアピールを明石住民の会、決意表明を泉州住民の会、東灘区住民の会、部落解放同盟全国連、婦人民主クラブ全国協、全学連が行った。集会決議を泉州住民の会の役員が読み上げた。
 最後に、永井満淡路町空港反対同盟代表がまとめを行った。「1968年に空港反対運動を始めた。軍事空港反対が理由の一つだった。当時は『そんなことはないだろう』という人が多かった。去年でもまだ『軍事使用しない』と言っていたが自衛隊に使われた。どんどんエスカレートしている。私の生まれたころの世相にそっくりだ。この現実を広範に訴えて世論を巻き起こしていこう」
 さあ、デモだ。全員で関空を見下ろせる太鼓橋に上がり、対岸の海空に向かってシュプレヒコールを上げた。「関空2期阻止! 軍事使用許さないぞ! 憲法改悪阻止!」
 部隊は意気高く泉佐野駅前までデモ行進した。沿道では住民が出てきて応援していた。
 1・29集会は成功した。関空軍事使用阻止しよう。5月市議選で国賀祥司事務局長の6選をかちとろう。

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週刊『前進』(2233号8面3)(2006/02/13)

 日本原 “実弾射撃やめろ” 立入禁止突破し抗議

 1月25、30日の両日、日本原演習場東地区(岡山県奈義町)での実弾演習訓練に対し、日本原現地闘争本部と岡山の労働者・学生の白ヘル部隊は、現地実力闘争に決起した。(写真)
 午前6時半、立入禁止線を車に乗ったまま突き抜け、射撃場に向かった。しばらく進むと自衛隊が阻止線を張って構えている。その場で抗議のシュプレヒコールを行い、現闘本部からのアピールを行った。東地区実弾射撃が農民殺しの侵略戦争の準備であることを弾劾した上で、「あなたたちは、侵略戦争のために入隊したのではないはずだ。まして、日米共同演習はイラクのアメリカ軍と同じような殺人マシーンに自衛隊をつくりかえるのが目的だ。そんな軍隊、兵士になっていいのか。反対の意志を示すべきだ」と自衛官たちに訴えた。
 立入禁止時間の午前7時までその場での抗議行動を続けた上で、立入禁止線まで移動、怒りのシュプレヒコールで阻止行動を終了した。
 その後、日米共同演習の中心となる西地区に移動、新設された基本射撃場、市街地戦闘訓練施設の現地調査を行った。
 1月の集中的な東地区での射撃訓練は、明らかに2月19日からとされる日米共同演習に備えたものだ。また、1月中旬には幾度も米軍機と思われるジェット機の低空飛行訓練が日本原上空で強行されている。対北朝鮮・中国侵略戦争に向けて日本原での実戦訓練が飛躍的に強化されようとしている。
 実射阻止の現地闘争から2・11日本原現地闘争を1000人規模で実現し、2月19日からの日米共同演習実力阻止へと日本原現地の闘いは進んでいる。4大産別の労働者がその先頭に立ち、改憲阻止をかけた闘いとして日本原現地闘争に結集しよう。白ヘル部隊はその勝利の実現をめざし、さらに闘いぬく決意である。

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週刊『前進』(2233号8面4)(2006/02/13)

 コミューン 3月号 連合改憲方針阻め

 改憲への動きの最大の焦点は連合の動向である。連合は自治労と日教組を改憲方針に引き込むことに必死であり、両労組の中央は基本的に屈服した。しかし現場労働者がそれを認めていない。そこが攻防の最大の火点となっている。
 第1章は、99年「連合の政治方針」以来の有事立法・イラク派兵・改憲をめぐる連合内の対立・攻防を明らかにした。重要なことはこの過程で自治労中央と日教組中央の変質が大きく進行したことだ。反戦闘争の伝統を持つこの両組合が有事立法賛成・改憲賛成へと転向・屈服を深めた。これを徹底的に弾劾した。
 第2章は、連合「7・14見解」の批判。99年見解をはるかに飛び越えて、日米安保賛美、自衛権の発動と日米安保の発動を一体化させ(集団的自衛権の発動を承認)、国連を名目にして海外派兵を全面承認する内容を徹底的に批判した。
 第3章は、連合7・14見解に対して出された14単産の意見の紹介と批判。連合内の主要産別の改憲をめぐる動向が一目で分かる。問題は7・14見解に全面的に賛成している自治労と日教組だ。資料として7・14見解を載せた。
 翻訳資料は、前号に引き続き「ノースウエスト航空のストライキ」(下)。筆者のピーター・ラシュレフ氏は昨年8月19日以来ストライキを貫徹しているAMFA(航空整備士組合)の闘いをランク&ファイルの立場から徹底的に分析している。

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