ZENSHIN 2005/08/22(No2210 p06)

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第2210号の目次
 
1面の画像
(1面)
衆院解散−総選挙の反革命と対決し小泉打倒へ労働者は総決起しよう
教科書・靖国・郵政民営化の攻撃粉砕を
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8・12杉並 「つくる会」歴史教科書採択弾劾
「公民」は大阪書籍 山田区長と区教委に反撃を(本紙・上原祐希)(8月12日)
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(2面)
安全運転行動に大きな反響
動労千葉を支援する会05年総会 田中康宏動労千葉委員長の提起
労働組合の団結こそ核心 11月集会に1万人結集を
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尼崎事故弾劾・鉄建公団訴訟勝利へ総決起態勢固めよう
国労全国大会に向け訴える〔革共同国鉄委員会〕
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国労5・27臨大闘争弾圧公判日程 記事を読む  
(3面)
11月労働者1万人決起の実現へ  東西で革共同集会開く 記事を読む  
郵政民営化法案廃案へ
5000人が集会  交流センターが情宣(8月4日)
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資本攻勢&労働日誌 2005 7・18〜8・5
日本経団連 夏季フォーラムで靖国論議
民主、公務員賃下げ案/連合が92年、石綿規制反対
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(4面)
被爆60年 帝国主義の戦争と核兵器に労働者階級人民の怒り
“小泉の式典参加許さない”
ヒロシマ大行動に3千人  8・6 本物の反核潮流が登場(8月6日)
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デモで小泉直撃  “被爆者英霊化を許すな”(8月6日) 記事を読む  
中・韓・イラクなどから代表  国際連帯の熱気(8月7日)< 記事を読む  
“青年労働者が社会変える”  8・7 広島−沖縄結び集会(8月7日) 記事を読む  
(5面)
被爆60年 帝国主義の戦争と核兵器に労働者階級人民の怒り
“戦争と民営化に対決を”  8・8 長崎反戦大集会開く(8月8日)
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“小泉は出ていけ”  8・9 爆心地公園へデモ(8月9日) 記事を読む  
共謀罪ついに廃案かちとる
各界に拡大した危機感 「現代の治安維持法」に断(8月8日)
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三里塚 「北延伸」正式決定弾劾
地上権めぐり追及  現闘本部裁判 NAA窮地に(7月28日)
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“石原の暴走とめよう”  被処分者先頭に 都教委包囲デモ(7月29日) 記事を読む  
“差別糾弾し生活守る”  全国連婦人部が大会(7月17日、18日) 記事を読む  
日誌'05 7月25日〜8月9日
防衛白書が「中国脅威」強調  自民が改憲草案の条文原案
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(6面)
8・4杉並 戦争教科書の採択押し返す
区教委ゆるがす人間の鎖
区民の怒りが強行を許さず(本紙・上原祐希)(8月4日)
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「免状不実」をデッチあげ  関西でも不当逮捕(8月2日) 記事を読む  
紹介 共産主義者 145号  「つくる会」教科書批判
柏木論文 明治国家礼賛論を切る  並木論文 戦時下の反戦・反核闘争
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団結ひろば 投稿コーナ
「諸君! 謀叛を恐れてはならぬ」 千葉 漠 有人
「継続審議」は区民の怒りの強さを示した 東京 鶴川十三
同じ日ともに闘った星野同志の奪還誓う 東京 久保明夫 ー
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週刊『前進』(2210号1面1)(2005/08/22)

 衆院解散−総選挙の反革命と対決し小泉打倒へ労働者は総決起しよう

 教科書・靖国・郵政民営化の攻撃粉砕を

 

区役所内外に怒りの渦 「つくる会」の歴史教科書が採択された、との知らせに、杉並区役所前に詰めかけた多くの人びとが、激しい弾劾のシュプレヒコールをたたきつけた(8月12日正午過ぎ)

8月12日の東京・杉並区教委による「つくる会」歴史教科書採択の暴挙(別掲記事)を徹底弾劾し、小泉の8・15靖国神社参拝を絶対阻止し、8月闘争を猛然と闘い抜こう。郵政民営化法案が8月8日に参院で否決され廃案となった。これに対し日帝・小泉は即座に衆院解散−9・11総選挙という暴挙に打って出た。これは、戦争と民営化(労組破壊)のための大攻撃であり、労働者階級人民に対する新たな一大反革命である。今こそ猛烈な怒りと危機感を燃やして、小泉打倒に総決起しよう。11月労働者1万人大結集ヘ闘おう。

 第1章 戦争突入と民営化強行を狙う大反動

 帝国主義間争闘戦の激化のもとで、日帝は未曽有(みぞう)の体制的危機と凶暴化を深めている。そして危機の反革命的突破をかけて、日帝・小泉は戦争と民営化(労組破壊)の大攻撃、構造改革路線推進という戦後史上かつてない一大反革命に打って出ている。
 小泉は衆議院を解散した8日夜、誰に会うよりも真っ先に日本経団連=奥田と会合し、郵政民営化−「小泉改革」に無慈悲に突き進むことを両者で確認した。そして小泉は自民党造反議員について「法案に反対した議員は一人も公認しない」「反対派議員のいる全選挙区に対立候補を立てる」と宣言して9・11総選挙に突入した。こうしたやり方で小泉は、自民党の内部から戦後体制的要素を残した勢力を一掃し、安倍らファシスト的極右勢力を軸にして自民党を戦争と民営化(労組破壊)、「つくる会」教科書と靖国参拝を強行する反革命政党につくり変えようとしている。帝国主義の危機の時代に、侵略戦争と、労働者階級に対する上からの内乱的な大攻撃を容赦なく強行できる権力政党として自民党を再編しようとしているのだ。
 武部幹事長は「自民党の中には、これまでどこか体質的に社民的な人たちが結構入っていた。そういう体質を今こそ一掃しないと、これからの激動期をのりきれない」と語っている。まさに、今日、日帝がイラク侵略戦争に参戦し、日米枢軸を形成し、北朝鮮・中国侵略戦争に突き進んでいく上で、自民党をも解体的に再編し、国内階級関係を反革命的につくりかえることが不可欠となっていること、その天王山が郵政民営化攻防であることを敵の側から明らかにしているのだ。この日帝・小泉の危機と凶暴性をはっきりと直視して、全力で小泉打倒、郵政民営化−小泉構造改革粉砕の一大階級決戦に総決起しなければならない。
 何よりも確認しなければならないことは、日帝が陥っている危機の深さ、激しさである。敗戦帝国主義としての制約を突破しきれず、帝国主義間争闘戦での敗勢にあえいでいる。
 だからこそ、憲法9条に示される敗戦帝国主義としての制約を突破し、帝国主義的軍事国家体制を早急に確立し、帝国主義間争闘戦、侵略戦争−世界戦争に勝ちぬく国家体制を確立しようとしているのである。それが「小泉構造改革」であり、「つくる会」教科書の大攻撃である。郵政民営化を突破口とする戦争と民営化(労組破壊)の大攻撃なのである。
 小泉・奥田の経済財政諮問会議は、6月の「骨太方針X」で、「ここ1、2年の構造改革の進展が(日本の経済社会の)成否を決める」と語り、「いよいよ『攻めの改革』に踏み出す」と宣言した。まさに05〜07年過程が、労働者階級の未来を決する一大階級決戦になったのだ。
 そして、その一切の突破口として、「郵政民営化関連法案の成立を期す」としている。郵政民営化攻撃はあらゆる構造改革(公務員制度、行財政、年金、教育など)の突破口であり、これを貫徹・強行する以外に日帝は生き延びられないのだ。しかも、これは日帝の戦後体制、戦後的階級関係、戦後的価値観(平和、人権、民主主義、平等など)のあらゆる戦後民主主義的なものを一掃しない限り、貫徹できないのである。まさに「つくる会」教科書と一体の大攻撃である。
 もしも9・11総選挙で小泉・自民党が勝利すれば、自民党が完全に「つくる会」的な反革命政党に再編され、労働者階級に対する決定的な攻撃を強めてくることは必至である。また、イラク侵略戦争の泥沼化、国連安保理常任理事国入りや6者協議での行き詰まりの突破をかけて、日米安保−米軍再編(トランスフォーメーション)への全面的協力を水路に、戦争国家化の大反革命に出てくるだろう。

 第2章 「小泉改革」粉砕が労働者の生きる道

 だから、絶対に小泉・自民党を何がなんでも打倒しなければならない。そのために9・11総選挙過程でのあらゆる闘いを展開しよう。小泉改革、郵政民営化の恐るべき反革命的狙いを暴露し、労働者人民の怒りを組織し、小泉打倒の一大闘争を巻き起こそう。
 小泉は「改革を止めるな」をスローガンに掲げて総選挙を闘うと公言した。財界やマスコミは「いま、改革しなければ21世紀の日本は立ちゆかなくなる」と叫び、こぞって小泉改革をたたえ、尻押ししている。
 だが、いったい「小泉改革」とは何なのか。彼らはこれをいかにも日本経済や国家財政を立て直す切り札であるかのように言いなしている。だが、日帝が今日陥っている経済・財政の破綻(はたん)的危機は、帝国主義の矛盾と危機の爆発であり、日帝が日帝である限り、本質的に解決不可能である。
 そもそも日帝・金融独占ブルジョアジーこそが、高度成長過程やその後のバブル期、長期不況期をとおして国家財政をさんざん食い物にしてきた元凶ではないか。その連中が今や国家財政の破綻を口実にして「構造改革」や「民営化」を叫び、「年金や医療・社会福祉費を減らせ」「公務員の数を減らせ」「公務員の賃金を下げよ」「痛みに耐えよ」などと言って犠牲を強要しているのだ。
 結局、日帝には国と地方を合わせて1000兆円という天文学的な借金を尋常な方法で解決することなどまったくできない。日帝がとりうる道は、ひとつはインフレーションを激化させて国債を紙くず化してしまうことである(戦時下で可能となるような措置)。もう一つは、反革命的な暴力的手段に訴えて階級闘争を圧殺し、大増税とリストラと社会保障費の大幅削減、各種保険料の大幅引き上げを強行することである。
 いずれにせよ「小泉構造改革」とは、「戦争ができる国家」への反動的改革であり、労働者階級から一切の権利を奪い取り、日帝国家に屈服させ、極限的な犠牲を押しつける攻撃なのだ。さらに、帝国主義戦争で天皇のために死ぬことを価値あることと教える教育改革であり、イラク侵略戦争を拡大し、北朝鮮・中国侵略戦争へ突撃する体制づくりなのだ。
 「小泉改革」と闘い粉砕することこそが、労働者階級人民が生きていく道なのである。

 第3章 民営化は首切りと労働組合の解体だ

 小泉は衆院解散直後の記者会見で、「今回の解散は郵政解散だ。郵政民営化に賛成か反対か、これをはっきりと国民に問いたい」と語った。自民党内の反対派はもとより、民主党も「民営化そのものに反対しているわけではない」などと弁解し屈服している。これで小泉反革命に太刀打ちできるわけがない。
 はっきりさせなければならない。郵政民営化は徹頭徹尾、反労働者的・反人民的であり、完全粉砕あるのみだということを。
 郵政民営化は第一に、郵政労働者27万人(非常勤を含め40万人)を非公務員化し、しかも民営化後の「雇用継続は保証しない」という国鉄型のリストラ・大量首切りである。郵政民営化を前にして、すでに激しい労働強化と人員削減の攻撃が現場労働者に襲いかかっている。
 第二に、全逓労働運動の解体と戦後的な公務員労働運動の根底的な一掃の攻撃である。小泉と奥田は、郵政、公務員、教育、国鉄(JR)の労働者に攻撃を集中し、日本の労働者階級の中で戦後労働運動の成果を最も強く残し、階級的戦闘力を保持している官公労系労働者の労働組合的団結を、戦時下において一挙に全面的に破壊しようとしてきているのである。
 自民党の安倍幹事長代理は、「全逓や労働組合に支持された民主党が改革を妨害し、郵政民営化法案を廃案にした」と労働組合、労働運動への憎悪をあおっている。まさに戦時下にあって、かつてのナチス・ドイツのように労働組合・労働運動を「国家の敵」「国家を危機にさらす元凶」として圧殺する攻撃が決定的に強まっているのだ。
 郵政民営化は第三に、「民」の論理で利潤と効率を最優先し、「深夜勤」に象徴される極限的な強労働・強搾取を一層激化させる攻撃だ。さらには「効率」を基準に地方・過疎地の郵便局などを廃止していく攻撃である。
 第四に、郵貯・簡保の330兆円の膨大な資金を、すべて銀行や生命保険などの金融独占ブルジョアジーと米帝ファンドのえじきとする攻撃である。
 このような小泉改革と郵政民営化攻撃は絶対粉砕あるのみだ。6月に奈良で開かれたJPU(旧全逓)全国大会では、郵政民営化攻撃と郵政公社のアクションプランに、現場組合員の怒りが大爆発した。連合全逓中央(JPU中央)がどんなに腐っていても、職場には怒りと、闘いの意欲が脈打っている。郵政公社と一体となって大リストラ、極限的な労働強化攻撃を推進する連合全逓=JPU中央を打倒し、職場から総反撃に立とう。全逓労働者は職場の団結を打ち固め、物ダメ・ストライキで闘おう!

 第4章 小泉=奥田路線と闘い11月総決起へ

 革共同は戦闘的労働者と連帯して郵政民営化絶対阻止を闘い、05年決戦前半戦を、日帝権力の大弾圧と闘いつつ全力で闘ってきた。この闘いが階級闘争圧殺攻撃をうち破り、労働者階級の決起と流動化を深部からつくり出してきた。
 JR尼崎事故は、民営化攻撃の反人民性をはっきりと突き出した。これに対する動労千葉の安全運転行動は、労働者階級の中に大きな支持と共感をつくりだし、全逓労働者は一層、確信も固く郵政民営化反対に決起した。こうした闘いが翼賛国会に風穴をあけ、自民党の分裂と危機をつくりだす大きなインパクトとなり、法案を廃案に追い込んだのだ。
 「闘えば、必ず粉砕できる!」「これからが正念場だ!」。いま職場には労働者の闘いの息吹、戦闘的エネルギーが生み出されている。まさに日帝・小泉との本格的な階級決戦はいよいよこれからだ。日帝の体制的延命をかけた小泉反革命を粉砕するためには、「今こそ帝国主義を倒す時だ」という、労働者階級の嵐のような階級的総決起が絶対に必要なのだ。
 はっきりと確信を持とう。今日進行している日帝の超反動的資本攻勢、すなわち労働者階級が19世紀以来の血と汗の苦闘をとおしてかちとってきた地平や獲得物を根底から転覆し、労働者の組合的団結や戦闘力を破壊しさろうとする攻撃は、絶対に一方的にのみ進行することはありえないのである。必ず労働者階級の必死の反撃を引き起こし、労働組合の防衛と階級的再生へのうねりをつくり出すのだ。21世紀のプロレタリア革命の勝利を切り開く力がそこに存在しているのである。このことに不動の確信をもって闘おう。
 日帝・小泉の国家主義、愛国主義、排外主義の大攻撃に対して、労働者国際連帯の思想と実践をもって大反撃しよう。労働者を弱肉強食の生存競争に駆り立てようとするあらゆる攻撃を粉砕し、「一人は万人のために。万人は一人のために」の階級的団結の思想と闘いを、力強く前進させていこうではないか。
 8月下旬の自治労大会、国労大会が重大な決戦になった。自治労中央は改憲阻止をまったく闘わず、今大会で改憲容認へ決定的にかじを切ろうとしている。連合・自治労中央の改憲勢力化を許さず、公務員制度改悪・改憲攻撃と真っ向から闘う自治労運動をめざして闘おう。また、国労中央の闘争終結策動を粉砕し、1047名の解雇撤回闘争の勝利をめざして闘おう。
 日帝・小泉の改憲と教育基本法改悪の攻撃、米軍再編と沖縄基地強化の攻撃、米陸軍第1軍団司令部の座間移転や、イラク参戦=派兵継続などの攻撃と断固闘い、労働者階級の反戦闘争を強めよう。
 民主党は、命脈尽きた日帝の延命に手を貸す政党である。改憲を叫び、自衛隊の海外派兵を容認し、「国家公務員人件費の2割削減」(政権公約)を叫んでいる。こんな「第2自民党」に労働者の未来を託すわけにはいかない。
 民主党・日本共産党・社民党では、日帝・小泉=奥田やファシスト石原の大反革命と闘えない。帝国主義打倒の立場に立った路線と闘いのみが唯一、これと対決し勝利できるのだ。
 帝国主義と闘う階級的労働運動の力こそが、小泉・奥田路線を粉砕する最大の力である。労働者階級の未来は、労働運動の戦闘的・階級的再生に一切かかっている。小泉打倒を真っ向から訴えて闘い、全逓、国鉄、教労、自治体の4大産別を軸に、11月労働者1万人総決起をなんとしても実現しよう。その中から、プロレタリア革命に勝利する労働者党の建設を全力でかちとろう。
 本紙夏季特別号を学習し、これを武器に今夏・今秋決戦に勝利しよう。

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週刊『前進』(2210号1面2)(2005/08/22)

 8・12杉並 「つくる会」歴史教科書採択弾劾

 「公民」は大阪書籍 山田区長と区教委に反撃を

 8月12日の杉並区教育委員会臨時会は、「つくる会」歴史教科書(=扶桑社版)の採択を強行した(公民は大阪書籍版を採択)。山田区長と「つくる会」が結託して、区内外からわき起こる「『つくる会』教科書を採択するな!」の声を踏みにじった大暴挙である。採択撤回へ総力で闘おう!(関連記事6面)

 必ず撤回させる

 「こんな採決は絶対認められません。必ず撤回させます」。杉並区教委が「つくる会」歴史教科書を採択した直後、区役所前で抗議集会を開催した「つくる会」の教科書採択に反対する杉並・親の会のメンバーは、きっぱりと宣言した。怒りに震え、次々とマイクを握る区民たち。「こんなのは八百長だ」「子どもたちを二度と戦場に送らせないために闘う」。怒りのシュプレヒコールをたたきつけ、ただちに闘いの新たなラウンドに突入した。
(写真 3万筆もの反対の声を踏みにじって強行された採択を弾劾し、杉並区教委に詰め寄る「親の会」を始めとする人びと)

 反対委員を脅迫

 4日の区教委が「継続審議」を決定すると、「つくる会」は「杉並で採択実現を」とうごめき始めた。まず、4日に「つくる会」教科書を「戦争に向かう教科書」と述べた安本ゆみ教育委員に対し、「つくる会」教科書執筆者の藤岡信勝と八木秀次の2人が連名で「公開質問状」を発した。脅迫行為そのものである。
 さらに「つくる会」ホームページで山田区長・納冨教育長への激励と12日杉並結集を呼びかけ、全国動員で圧力をかけてきたのだ。
 そうして迎えた12日、早朝から「つくる会」教科書に反対する人びとが区役所前に集まった。「扶桑社教科書を支持します」とノボリ旗を立てた右翼勢力も区役所前に陣取った。
 午前8時、親の会が集会を始めると、「つくる会」派が「扶桑社賛成」と大合唱を始める。しかしまったくひるまず、親の会のメンバーは訴えを続けた。
 9時前、第5次署名提出行動を行い、署名は実に2万9912筆になった。
 傍聴希望者は950人を超えた。わずか20人の傍聴が決まると、反対派が多数を占める中で、藤岡信勝も傍聴に入っていった。
 10時過ぎ、歴史教科書の審議が始まった。大蔵雄之助・宮坂公夫の2人が扶桑社版を推す。これに対して安本委員が「『日本の将兵は敢闘精神を発揮してよく戦った』と書くなら、家を失い家族をなくし、食べる物もなく苦しんだ人びとのことも書くべき」と発言。すると宮坂や大蔵が安本委員に攻撃を集中した。
 2時間近い議論をへて、納冨善朗教育長が「あえて順位をつければ、扶桑社が1位」と初めて表明。この一言で、扶桑社を1位に推す委員が3人となり、扶桑社採択が決定された。「歴史は扶桑社を採択」と宣言されると、猛然と抗議と弾劾の声が上がった。
 続く公民教科書の審議では、歴史教科書には計4時間かけたにもかかわらず、ほんの20分で「大阪書籍を採択」と結論を出した。

 山田区長と結託

 4日の審議で扶桑社版が不採択寸前まで追いつめられた山田区長と「つくる会」は1週間、採択強行へ総力を挙げ、“公民はあきらめて歴史だけ押し通す”という方針で臨んだのだ。
 採択後に記者会見を行った杉並・親の会は、「民主主義も何もない。区教委に寄せられた声は『つくる会教科書反対』ばかりなのに、区長の言いなりの教育長の一声で強行された」「来年4月に杉並の中学校に『つくる会』教科書を持ち込ませない闘いにただちに入ります」と表明した。
 杉並区民の必死の闘いにこたえ、「つくる会」教科書採択撤回へ闘おう。
 (本紙・上原祐希)

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週刊『前進』(2210号2面1)(2005/08/22)

 安全運転行動に大きな反響

 動労千葉を支援する会05年総会 田中康宏動労千葉委員長の提起

 労働組合の団結こそ核心 11月集会に1万人結集を

 動労千葉を支援する会は、7月23日に千葉市のDC会館で2005年度の定期総会を開き、動労千葉支援・連帯の闘いを強め、動労千葉に学び、闘う労働組合の新しい潮流運動をつくり出し、会員を拡大することなどの方針を確認した。この総会の場で、「尼崎事故と動労千葉の闘い」と題して、田中康宏委員長が動労千葉からの提起を行った。不当処分をはね返して闘われている安全運転行動の意義を明らかにし、国鉄闘争の勝利と11月労働者集会の大結集を訴える内容だ。その要旨を紹介する。(編集局)

 不当処分弾劾し安全運転を継続

 今年は、国鉄分割・民営化に反対した第1波のストライキから20年になるわけですが、私たちは昨日のような思いで闘っています。あの時から何も思いを変えていない。これも皆さんのご支援のおかげです。
 昨日、支援する会が市川駅でビラをまき、ものすごい反響だったと聞いています。ビラは「市川駅のレールがガタガタになっている」というものです。今朝、市川でビラを受け取った若い女性から電話がありました。ビラを持ってすぐ駅長室に怒鳴り込んだそうです。安全運転行動は、これまでにない反響を呼んでいます。動労千葉がこれほど周りから支援された闘いは結成以来初めてです。
 さて、7月19日から21日に、安全運転行動に対する不当処分が出されました。本部執行部8名に対する「厳重注意」でした。「厳重注意」とは就業規則上で一番低いランクの処分で、しかも現場を処分することができずに、執行部だけの指導責任を問う処分です。もちろん、どんな軽い処分でも満腔(まんこう)の怒りを込めて弾劾しなければいけないのですが、結局、JRはこの処分で墓穴を掘った、社会全体に恥をさらしたと考えています。
 尼崎事故で107人の命が奪われた。それに対して動労千葉がやったことは当たり前の闘いでしかない。回復運転をしないとか、無線で運転の通告があった時には列車を止めてメモをとって受ける、最高速度を厳守しよう、特にレールがひどいところは減速、安全運転をやりなさいということを2カ所やっただけで、遅れは1分程度です。
 つまり、安全そのものを処罰したというのが特徴です。8名が処分されたわけではない。労働組合が安全問題で必要最小限の努力をすることを認めないのですから、「どんなに危険だろうと、会社の命令どおり走っていればいいんだ」という意味を込めた処分です。ここにJR東日本の「安全よりも組合つぶし」「安全よりも営利優先」という腐りきった経営姿勢が一番鮮明に現れています。
 その一方で、今度の処分は、動労千葉の主張し続けてきたことの正当性を満天下に明らかにしました。動労千葉の運転士が出勤すると「あなたのやろうとしている行為は違法行為です。厳重に処罰します」という点呼を受けて乗務することが毎日続いています。2名の管理者が運転台に乗って、後ろで速度メーターをのぞき込んでメモをとって、監視、恫喝するという中で乗務する。もうすでに2カ月ですから、少なくても数千人の管理者を朝の4時ぐらいから夜中の12時過ぎまで動員している。
 その結果の処分が本部執行部8名に対する「厳重注意」ですから、これはどう考えても釣り合いようがない。

 「尼崎事故」は民営化の結果

 ですから、本来なら処分のしようのないものだとJR自身が社会に明らかにしてくれたと思っています。今日、電話をいただいた若い女性の方も「処分された運転士さんがかわいそうです」と言うので、「僕らは大丈夫ですから」と答えておきました。
 動労千葉は一昨日、この処分に対する抗議集会をこの会場を満杯にしてやり、これからも処分が積み重なろうが安全運転行動は断固継続することを全体で確認しました。
 さて、尼崎事故という大変な現実が私たちに突きつけたことは何だったのか。
 原因は数限りなくあります。結局は労働組合の問題です。つまり、労働者の団結がつぶされて、小泉や奥田が市場原理で突っ走る。競争原理で弱い者は全部切り捨てる。これはJR西日本だけの問題でも、JRだけの問題でもない。例えば今、生活保護世帯が100万世帯、143万人、100人に1人以上です。この10年間で無権利の非正規雇用に突き落とされた労働者たちが数百万人。10年前から比べると倍になっている。膨大な労災事故はもちろん、結局、労働組合の団結が破壊された結果、世の中全体がこうなっている。その象徴が尼崎事故です。だからこれに対する闘いは普遍的な意味を持ちます。
 尼崎事故で問われたのは、動労千葉自身でもあったわけです。尼崎事故は国鉄分割・民営化という犯罪的な政策の結果、必然的に行き着いた事故です。マスコミだって多少は批判している。「営利優先が事故を起こした」「安全軽視の経営姿勢が起こした」と。だけど百万遍そう言ったところで物事は一歩でも前進するのか。つまり単なる「口舌の徒」に終わるのかどうかということです。
 ですから、動労千葉としては具体的な行動を起こさなければ労働組合の看板を降ろすしかなくなる、口先で批判することは簡単だが、それだけでは問題は何ひとつ解決しない、という思いで安全運転行動を開始しました。

 「闘いなくして安全なし」掲げ

 その中で動労千葉が掲げてきた「闘いなくして安全なし」というスローガンはこれから先も絶対に変えないスローガンです。
 このスローガンは、炭労という炭鉱の労働者たちが掲げてきたスローガンだった。落盤とか炭塵(たんじん)爆発で、仲間が無数に殺され続けた炭労の仲間たちが、このスローガンを掲げて闘いを起こして団結して本当に強い労働組合に生まれ変わり、「労働組合が危険だと判断した時には労働者は炭坑に下りなくていい」という労働協約をかちとった。その炭労も、あの60年の三池闘争でガタガタに団結を崩された結果、3年後には三池の閉山を免れた三川坑で大炭塵爆発を起こして、500名近い労働者の命が奪われている。
 だから、事故、安全という問題は、労働組合の死か再生かという問題です。そういう重みを持ったスローガンが「闘いなくして安全なし」だということを、あらためて確認しました。戦争と民営化、労組破壊攻撃が社会全体に蔓延(まんえん)していることを考えた時に、かつての三池闘争の時以上の本当に痛切な問題を突きつけています。
 JRの職場の現状ついてですが、世間では、たぶん「日勤教育のように非人間的に労働者を痛めつけて、回復運転に駆り立てるようなことは多少は緩んでいるんだろうな」と見ていると思うんですね。だけど職場で起きていることは逆です。千葉運転区で、25歳のJR東労組の若い運転士が、運転台で携帯電話のメールをやっただけで解雇になりました。尼崎事故以前だったらあり得ない。
 尼崎事故は、分割・民営化政策の大破産です。JRは分割・民営化政策が破産したことを絶対に認めることはできない。その結果、徹底的に労働者を締め付けるという道しか残らない。つまり職場の状況は完全に非和解的になっている。
 これを国家という観点から考えたら、国家としての破産を認められない以上、徹底的に労働組合運動を破壊して、戦争に突き進むというのとまったく同じです。だけど矛盾を抱えているのは向こうの側であり、いつ足元から崩れてもおかしくない。ここには大きな展望が開かれています。

 大きな成果上げ若い仲間が結集

 闘いは大きな成果を切り開いています。去年以来2年間、2回のストライキと2回の安全運転闘争で千葉支社管内の総計20`のレール交換を確認し、大変な勢いで工事が始まっていますけれども、「闘いなくして安全なし」だということを再度確認しました。
 レールを交換させたところで、根本は解決がつかない、業務の全面的外注化をやめさせなければ成果とも言えないと考えていたんですが、7月15日の1047名闘争の集会の時に、立山学さんというJRの安全問題を追及して本も出している人に、「委員長、これはすごいことなんですよ」と言われました。「これはイギリスの国労だってできなかったことですよ」と言うんです。
 イギリスの国労(RMT=鉄道海運労組)の委員長があいさつに来ていましたけど、イギリスでは民営化された結果、レールが折れて脱線・転覆事故が起きて、何十人という死者を出す大事故を繰り返した。その結果、民営化された鉄道会社は、損害賠償に堪えきれず倒産した。今、再国有化という問題になっている。その過程で、RMTは民営化で徹底的に団結を破壊されたが、息を吹き返して、200万人をロンドンに集めた反戦集会などを組織した中心になった。つまりイギリスの戦闘的労働運動の牽引(けんいん)車になっているんですが、実際には自分たちの闘いでレールの交換をさせることはできなかった。
 それと、もう一つはこの闘いの渦中で19歳の若い仲間が動労千葉に結集したことです。7月21日の集会に本人も来てくれ、明るく歓迎しましたけれども、やはり労働者の気持ちが動いている。19歳ですから級が一番下で、動労千葉に入ったら賃金が上がらないことを承知で、腹を決めて来たということはすごいことです。「給料よりも仲間が大事ですから」と言ってくれた、その思いに僕ら自身が大きな責任を負ったわけですから、絶対にこんなJR体制を打破して「給料を上げてやるからな」と約束もしましたから、これに続く流れを絶対につくりたいと考えています。
 労働者は損得で動くんじゃないんです。動労千葉にいたら処分もされる。配転もされる。それを百も承知で来てくれた。労働者は、仲間を蹴落としたって一銭でも賃金がほしいという思いも持っているはずです。だけど胸を張って生きるためには命をかけるというのも労働者です。僕らがどっちを引き出せるのかということだと、新組合員の加入から感じました。
 それともう一つは、ものすごい反響の闘争になったことです。これを否定できる労働組合はどこもなくなった。だから「動労千葉は過激派だ」と言われてきたイメージが、これで一新されたと思いますから、全力で11月集会に結集していきたいと思っています。

 国鉄労働運動の危機とチャンス

 1047名闘争も含めた国鉄、JRにおける労働運動の現状についてです。
 実際上は大変な危機にあります。国労も、JR総連、JR連合、あらゆる労働組合がなすすべなく展望を失っています。例えば国労も、4党合意などでチャレンジグループや共産党の幹部たちが、ゴリゴリ反動的に突っ走っていたころはまだしもだったんです。そういうものすら一切なくなっている。東労組もそうです。カクマル的にゴリゴリと、逆らう人間を徹底的に「反組織分子」なんてやっていたころはまだしも、何の方針もなくなっている。労働組合の崩壊過程が全部で起きている。帝国主義の危機という情勢で、あらゆる勢力がふるいにかけられて分岐するという状況の中で、自分で瓦解(がかい)し始めている。
 しかし、国鉄労働運動の再生ということを考えた時に、一回全部崩壊しなかったら、再生しない。その意味で国鉄、JRの労働運動が新しい一歩を踏み出すのかどうか、解体されて分割・民営化は成功だったと言って終わるのか、本当に新しい芽が出るのかというところにいよいよ来たと感じています。ここにはすごく大きな可能性がある。
 こういう状況の背景にあるのは何なのか。それは「国鉄分割・民営化の総決算」という状況です。再来年4月で分割・民営化20年です。結局、政府の側も決着をつけなければいけない。国鉄分割・民営化反対闘争は今でも延々と続いている。動労千葉も小さいながら存在している。つまり決着がつかなかった。20年を見すえて、完全に決着をつけるということを始めています。だから国労東日本エリア本部とJR東日本が和解することが起きている。和解して国労を完全に連合化する。分割・民営化の時につぶしきれなかった労働組合をつぶすということです。国労も東労組も、1047名闘争も、もちろん動労千葉も、全部つぶすということです。
 今、郵政民営化の問題で自民党は大変な危機に陥っている。だけどあれを突破口にして、国、地方自治体のあらゆる業務を全部民営化する。弱肉強食の世の中にたたき込んで、労働組合を破壊する。行政権力機構の中に労働組合の存在なんか認めないということをやる時に、国鉄分割・民営化反対闘争が1047名闘争という形で継続していることを認めるはずがない。
 動労千葉はこんな小さな力で、皆さんの支援を受けながらここにいるということは、考えてみたら本当に大きなことじゃないか。ここが結集軸になって国鉄労働運動を再生することは、不可能じゃないと実感するんです。そういう危機とチャンスがせめぎ合っている中で、動労千葉はこれまでの闘いの旗を絶対に譲らずに頑張り続けたいとあらためて決意したい。

 1047名の団結に展望が

 焦点の1047名闘争ですが、7月15日に国労闘争団、動労千葉争議団、全動労争議団の3争議団の団結を中心にして、日比谷野外音楽堂で5800名が集まって、大きな闘いの成功をかちとりました。実はそれまで、口先では1047名の団結と言いながら、「動労千葉排除」だった。これは国労闘争団の中にもあった。あるいは共産党系、全労連などは露骨にやっていた。動労千葉としては柔軟かつ非妥協的に「被解雇者が団結すること以外に勝利の展望はないじゃないですか」という論争を続けてきて、去年の12月の集会では、集会が開会されて、まだ楽屋裏でそういうことをやっていたんです。その時に「千葉動労とは一緒にできない」と言う人たちがいて、周りから「いい加減にしろ」と、動労千葉についてくれる関係になった。
 だけど今回の集会は、中心になった呼びかけ人の人たちが「動労千葉の言うことはまったく正しい」と言う。同じことが、例えば教育基本法改悪反対の統一戦線の中で起きています。陸海空港湾20労組でも同じことが起きている。われわれの言っていることは正論です。「ナショナルセンターの枠を越えて団結しよう」と言っていることが社会を動かし始めている。
 つまり激しい分岐の中から新しいものが生まれ出ようとしている情勢です。今度の尼崎事故反対闘争もそうです。小泉「骨太方針」は、公務員労働運動解体ですけれども、敵の側はぐらぐらで、郵政民営化法案が通らなければ自民党が崩壊し、民主党も割れますから、大政界再編が起きる。われわれはそこまで闘いを前進させてきた。言ってきたことが通用し始める時代に来たということです。
 最後に、11月労働者集会に1万人を集めることを訴えたい。1047名、20労組、教育基本法改悪反対、そして11月集会勢力と、日比谷野音に1万人ぐらいずつ集められる勢力が四つ集まったらこれは相乗効果で、10万人ぐらいで都心デモをやって小泉政権を倒そうぜ、というところまで今日、私たちの闘いは来ているんじゃないかということを最後に訴えます。

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週刊『前進』(2210号2面2)(2005/08/22)

 尼崎事故弾劾・鉄建公団訴訟勝利へ総決起態勢固めよう

 国労全国大会に向け訴える

 8月30、31日、熱海ニューフジヤホテルで開かれる国労第73回定期全国大会は、尼崎事故後、初めての大会であり、鉄建公団訴訟判決を前にした重大な大会だ。それは人事大会でもある。今次大会には、総選挙に打って出た小泉の戦争と民営化(労組破壊)攻撃と対決し、尼崎事故を引き起こしたJR体制への怒りを結集して、1047名の解雇撤回と分割・民営化体制打倒の闘う方針を確立することが求められている。だが、民営化反対を投げ捨てた国労本部は、闘う方針を何ひとつ提起せず、1047名闘争に公然と敵対している。裏切り執行部を打倒し、今大会を国労再生に向けた組合員の総決起の場としよう。その力で11月労働者総決起へ突き進もう。

 戦争と民営化めぐる決戦はさらに白熱化

 運転士と乗客107人の命を奪った尼崎事故は、民営化攻撃が労働者階級に何をもたらすのかをまざまざと示している。
 尼崎事故を機に、小泉政権が進める戦争と民営化(労組破壊)攻撃への労働者階級の怒りはふつふつとたぎり始めた。8月8日の郵政民営化法案の参院否決という情勢の基底に、こうした事態があることは間違いない。だが小泉は、自民党分裂の危機を逆手にとり、一大民営化攻撃を貫徹するために衆院解散−総選挙の反革命に訴えてきた。尼崎事故のような大惨事を何度繰り返そうと、小泉改革を押し貫く以外に日帝の延命の道はない。だから奥田・日本経団連もマスコミもこぞって、「改革を後退させるな」と小泉を全力で後押ししているのだ。
 小泉は、総選挙の過程で自民党内反対派や野党勢力を圧伏し、それをとおして労働者階級の闘いを根絶しようと狙っている。それは、日帝がイラク侵略戦争を継続・激化・拡大し、北朝鮮−中国侵略戦争をも決断していることと一対をなす。だから小泉の攻撃は、かつてなく凶暴なものとなっている。小泉は敗戦60年の8月15日に靖国公式参拝を強行する構えでいる。
 郵政民営化法案の否決に先立つ8月4日、「つくる会」教科書をめぐり全国的な焦点となっている杉並区で、労働者・市民の重包囲の中、区教委は中学校社会科教科書の採択を見送った。「つくる会」一派は、巻き返しをかけてあらゆる反革命策動を繰り広げている。階級闘争は、動と反動が死力を尽くして争う激烈な決戦過程に突入した。
 05年決戦は、戦争と民営化を許すのか否かをかけた大攻防として、一挙に白熱化したのである。
 だからこそ労働者階級が自らの階級的利害を真っ向から掲げて立ち上がることが必要なのだ。階級的激動情勢の進展は、他方で労働者階級の主体的危機を鋭く突き出している。
 連合は7月14日の中央執行委員会で露骨な改憲方針を打ち出した。彼らは、連合最大の単産である自治労を改憲派に転向させ、10月連合大会で改憲方針を押し通そうと策している。それは労働者階級総体を侵略翼賛体制に組み伏せようとする、ただならない攻撃だ。これを許したら、労働者階級は再び侵略戦争に動員されてしまうのだ。11月1万人大結集を実現し、この大反動を根底から打ち破らなければならない。
 4大産別の先頭で国鉄労働運動がどこに向かうかに、労働者階級の命運がかかっている。国鉄闘争は民営化絶対反対の旗幟(きし)も鮮明に、小泉の反動的突進に真っ向から立ち向かうべき位置にある。分割・民営化以来19年、これと不屈に闘いぬいてきた国鉄闘争が、今ほど真価を問われる時はない。

 安全運転行動貫く動労千葉に続く闘いを

 動労千葉は、尼崎事故から1カ月の5月25日を期して安全運転行動に立ち上がった。回復運転はしない、危険個所では減速する、無線通告は停車して受ける、などの行動は、安全のために運転士がなすべき基本的事柄を実践するということにほかならない。
 だが、JR東日本はこれに対して延べ数千人の管理者を動員し、運転室に乗り込んで闘いを圧殺しようとたくらんだ。そして、動労千葉の本部執行部8人に「厳重注意」の不当きわまる処分を下したのだ。だが、動労千葉はこれに屈せず、今も安全運転行動を貫いている。この闘いの渦中で、「平成採」の青年労働者が東労組と決別し動労千葉に結集した。
 JR資本には、“尼崎事故を教訓に労務政策を改めよう”などという姿勢はさらさらない。尼崎事故が分割・民営化政策の破産を突き出したからこそ、JR資本は分割・民営化体制を護持するために、闘う労働組合を解体し、労働者の抵抗を押しつぶそうと全力を挙げているのだ。
 そのJR資本との「労使協議」で安全を守ることなど断じてできない。「闘いなくして安全なし」は絶対的な真理である。だから今次国労大会で、動労千葉に続く闘いの方針を打ち立てることが必要なのである。
 だが国労本部は、尼崎事故で窮地に立ったJRの救済者に転じることで、「労使正常化」を図ろうと夢想している。それは、労働者の命を資本に差し出す断じて許しがたい裏切りだ。

 『前衛』で上村がJR体制への屈服を表明

 その最先兵こそ、西日本エリア本部委員長の上村ら反動革同だ。彼らは「イラク鉄道復興支援」運動で帝国主義の侵略戦争の手先となることを決断し、さらに「分割・民営化は尼崎事故の原因ではない」と言い切ることで、JR体制への最後的な屈服を表明した。
 日本共産党中央委員会機関誌の『前衛』8月号に掲載された上村のインタビューは、彼らの裏切りを示して余りある。そこで上村は、「利益優先・安全軽視のJR西日本の企業体質……を変えることが必要ですが、たとえそこまでいかなくても、今回の事故は回避できたはずだ」と述べている。つまり、“JR体制のもとでも事故は防げた”と言うのである。これほどあからさまなJR体制賛美の言辞がほかにあろうか。
 上村はまた、「私たちは……『日勤教育』そのものを否定するのではなく、再発防止のための教育は必要であると考えます」と強調している。本来、労働組合は“運転士に責任は一切ない”という立場に立ちきり、資本の事故責任を徹底追及すべきである。それ以外に労働者の命と安全を守ることはできないからだ。「日勤教育を否定しない」と言い張る上村は、“事故の責任は労働者にある”という資本の言い分に根本的に屈しているのだ。
 その上村が、「今回の事故で私自身、これまで国労組合員としていったい何をしてきたのかと考えさせられました。労働組合として、本来のチェック機能をもっと発揮できたのではないかと責任を痛感しています」とうそぶいている。何が「責任を痛感」だ! 上村革同が最先頭で強行した4党合意路線こそ、JRの極限的な合理化を促進し、強権的労務管理を勢いづかせ、尼崎事故への最後の引き金を引いたのだ。
 日共中央は、『前衛』誌上で上村に恥ずべき居直りを展開させることで、その裏切り・転向を全面的に容認した。7・15集会を妨害した全労連中央一部幹部の策動とともに、日共中央は労働者階級の統一を妨げ、闘いを抑圧するスターリン主義反革命としての正体をむき出しにしたのだ。
 東日本エリアのチャレンジ一派も上村革同に追随し、JRとの屈辱的「和解」を求めて動いている。分割・民営化20年を前に「国鉄改革の総決算」を唱える権力・資本に呼応して、国鉄闘争を内部から破壊しようとしているのだ。
 今日の情勢下で、戦争と民営化(労組破壊)の攻撃に階級的に反撃する路線を持たない者たちは、敵階級の手先へと急速に転落するほかにない。国労本部は、「最高決議機関で決定した方針を逸脱した別方針・別行動等は団結を阻害する最大の要因であり、早期に克服されなければならない」(運動方針案)と絶叫し、鉄建公団訴訟への敵対を強めている。敵と通じて敗訴を願う腐敗の極致だ。

 裏切り執行部打倒し国労の階級的再生へ

 7・15日比谷野音集会を転機に、国鉄闘争は新たな高揚期に突入した。1047名の大同団結と、尼崎事故弾劾のJR本隊の決起こそ、国鉄闘争の勝利を押し開く。国鉄闘争はついに勝利の大道を見いだしたのだ。7・15への5800人の大結集は、国鉄闘争が戦争と民営化(労組破壊)攻撃に立ち向かう基軸的位置にあることを鮮明にした。
 7・15はまた、国労本部の凋落(ちょうらく)を突き出した。国鉄闘争の主導権を握っているのは、当該を先頭とする7・15勢力である。酒田・吉田・革同ら現執行部は、国労組織を食い物にし、利権をあさることしか眼中にない。こんな執行部は一刻も早く打ち倒さなければならない。
 何よりも彼らは、闘争団切り捨てに反対する国労組合員を警察権力に売り渡して執行部を奪いとったやからなのだ。5・27臨大闘争弾圧裁判はすでに43回の公判を重ねた。公安警察と結託し弾圧を仕組んだ酒田・吉田・鈴木らの所業は、毎回の公判ごとに暴き出されている。「許さない会」運動を押し広げ、国労再生の突破口をこじ開けよう。
 国鉄闘争は、9月15日の鉄建公団訴訟判決を前に、正念場にさしかかった。勝利判決戦取へ総力で闘おう。折しも9・15に向かう過程は総選挙と完全に重なった。1047名闘争は、民営化攻撃を根源から撃ち続ける闘いだ。民営化攻撃にのめり込む小泉と激突し、攻勢的に闘ってこそ国鉄闘争の勝利はある。
 JR体制とそれに屈した執行部への現場の怒りを結集し、国労再生をかけて今次大会決戦を闘おう。11月労働者総決起に向け、動労千葉に続く不抜の大隊列を国労の中から生み出そう。
 〔革共同国鉄委員会〕

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週刊『前進』(2210号2面3)(2005/08/22)

 国労5・27臨大闘争弾圧公判日程

第44回 8月23日(火)/第45回 9月7日(水)
第46回 9月28日(水)/第47回 10月19日(水)
※いずれも午後1時15分から、東京地裁

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週刊『前進』(2210号3面1)(2005/08/22)

 11月労働者1万人決起の実現へ 東西で革共同集会開く

 7月31日、東京と大阪において革共同政治集会が開催された。「つくる会」教科書採択阻止=都議選決戦の総括を深め、新指導路線のもとに革命的労働者党としての飛躍をかけて11月労働者総決起を実現する強固な一致の場として、両集会は意気高くかちとられた。

 東京 都議選=教科書闘争を総括 8千票核に労働者組織化へ

 東京の革共同政治集会は世田谷区民会館で開かれ、860人が参加した。都議選闘争=教科書闘争を総括・発展させ、11月に労働者1万人の決起をかちとる決意を打ち固めた。

 8月採択阻止へ大闘争訴え

 革共同の天田三紀夫書記長が「日米韓国際連帯の旗高く、都議選決戦の地平を発展させ、11月1万人結集へ驀進(ばくしん)しよう」と題して基調報告を提起した。天田書記長は8月4日に杉並で「つくる会」教科書採択阻止の大闘争に決起することを訴えた。
 次に基調報告の本題に入り、第一に都議選闘争の総括を提起。「『つくる会』教科書採択阻止の闘いを基軸に都議選闘争を闘い、労働運動の前進のために闘い、7977票をかちとった。これは新指導路線の実践だ。8千人が侵略の歴史への反省の上に立ち、国策の戦争に反対したことは偉大だ。動労千葉に続く労働組合づくりに成功すれば負けない。現場労働者の決起で拠点づくりの展望をつかんだ」と核心点を示した。
 第二に、世界情勢と国際階級闘争の現段階を明らかにした。「米英日がイラクで無差別虐殺を続ける限り、帝国主義国内でゲリラ戦が起こり、民族解放闘争が爆発する」と米帝のイラク支配の破産を指摘した。
 次に今日の米帝の経済危機、階級支配の危機を明らかにした。「AFL−CIO(米労働総同盟産別会議)の大分裂は米帝の労働者支配の破産だ。労組官僚をランク・アンド・ファイルが揺さぶっている」。さらに日帝の中国再侵略を弾劾した。
 また「米帝がトランスフォーメーションを進め、日米安保協が中国を『共通戦略目標』とした。日本経団連は『東アジア自由経済圏』構想を打ち出した。日米安保に賛成し、自衛権を承認し、安保基本法を制定するという連合の7・14『見解案』は奥田との一体化だ」と批判した。
 第三に、「日本の労働者階級は帝国主義の侵略戦争に対して帝国主義を打倒する内乱をたたきつけよう」と総路線を提起した。当面する杉並での採択阻止の闘い、8・6広島−8・9長崎、8・15小泉靖国参拝阻止の闘い、改憲阻止、沖縄新基地建設阻止の闘いなどとともに、特に三里塚北延伸阻止へ@援農A天神峰裁判闘争B10・9大結集C労働運動の発展の闘争方針を提起した。
 第四に、「11月1万人結集は党建設そのもの。都議選での支持者7977人が組織者になる闘いを」と党建設の指針を提起した。
 天田書記長の力強く確信に満ちた基調報告に参加者は圧倒的な拍手でこたえ、支持を明らかにした。

 労働組合拠点作り進めよう

 集会は今年前半の激戦を活写したビデオの上映で始まった。開会宣言の後、三里塚芝山連合空港反対同盟の鈴木幸司さんと伊藤信晴さんが連帯のあいさつを行った。鈴木さんは「労働者とともに団結して闘えば必ず勝つ。私は、死ねば靖国に祭られると教育され、戦争に行った。それを繰り返す『つくる会』教科書を許さない」と語った。伊藤さんは天神峰裁判への支援を訴え、暫定滑走路北延伸を粉砕する決意を述べた。
 次に北富士・忍草国有入会地守る会の天野豊徳会長が「皆さんとともに自衛隊のサマワ模擬訓練施設への抗議行動に立ち上がってきた。まだまだ闘い、入会地を守る」と語った。
 さらに部落解放同盟全国連合会狭山支部の井田一郎書記長が寝屋川支部弾圧粉砕と2月20日の狭山支部結成を報告、石川一雄さんとともに狭山第3次再審闘争を闘うと宣言した。
 基調報告を受け、都議選を候補者として先頭で闘った長谷川英憲氏が登壇した。「7977票を財産に必ずリベンジを果たす」と力強く表明、「『つくる会』教科書採択を阻止し、杉並で労働組合運動を発展させる。11月労働者1万人決起へ組織する」と新たな決意を述べた。続いて東京西部地区委員会の同志が都議選闘争の継続として「つくる会」教科書採択阻止へ8月4日杉並区役所を包囲しようと呼びかけた。
 共謀罪新設と闘ってきた同志は「衆院で審議がストップした。継続審議を許さず廃案に追い込もう。共謀罪は集会参加だけで最高5年の懲役とする破防法以上の弾圧法である。革命党、労働組合をつぶす現代の治安維持法だ。廃案しかない」と強調した。金山克巳同志が獄中30年、無期懲役と闘う星野同志の奪還のために革共同は総決起しようとアピールした。革共同救対部の同志は戦時下治安弾圧との闘いを訴えた。
 次に4大産別の各委員会の代表が報告。教労委員会の同志は「『つくる会』教科書の採択を杉並で阻止し、全国で1%以下にしよう。労働者を組織し、都議選闘争の実践的総括として11月労働者1万人決起をかちとろう」と訴えた。自治体労働者委員会の同志は、自治体民営化攻撃を弾劾した上で、「8月下旬の自治労大会で改憲方針を決めようとする自治労本部を許さず大会代議員として闘う」と決意を述べた。
 全逓委員会の同志は「都議選闘争は労働者組織化の新たな出発点を築いた。『郵政民営化を撃つ!』(岩本正治・中野洋共著、労働者学習センター発行)を武器に11月労働者総決起へ進む」と宣言した。国鉄委員会の同志は「尼崎事故を徹底弾劾する。動労千葉は安全運転行動を貫徹し、青年労働者を獲得した。7・15国鉄集会は1047名闘争の新たな発展を画した。国鉄労働者は11月1万人結集へ最先頭で闘う」と決意を述べた。
 最後に3同志が決意表明を行った。マルクス主義青年労働者同盟の北川修同志は「都議選闘争を闘い、団結を強化した。8・6広島での青年労働者交流集会を成功させ、11月へのばねにしたい」と述べた。関東「障害者」解放委員会の同志は「『障害者』には生きる権利がないとする『障害者自立支援法案』を廃案にする。『障害者』解放をかけ11月労働者総決起に合流する」と述べた。全学連の内海佑一副委員長は「全学連は『つくる会』教科書採択阻止、11月1万人結集へ総決起する。広島・長崎、沖縄、三里塚を最先頭で闘い、9月全学連大会を成功させる」と決意表明した。

 関西 新指導路線下の闘いに確信 4大産別決戦の課題を提起

 関西の革共同政治集会は、大阪・浪速区民センターに430人を結集して開催された。今岡透同志の「都議選決戦の歴史的地平を発展させ、11月労働者総決起へ前進しよう」と題する基調報告を中軸にして、昨年の革共同政治集会基調報告における徹底一致に基づいてこの1年間新指導路線を実践してきた4大産別を始めとした労働者同志の生き生きとした報告と決意の表明が行われた。参加者全体が腹の底からの確信をもって都議選決戦の真剣な総括と新指導路線の深化で一致し、その実践として4大産別における階級的労働運動の前進、11月労働者総決起を確認した。
 05年前半戦の激戦激闘を振り返るビデオ上映の後、司会を務めるマル青労同の同志の「7・7ゲリラ戦闘として炸裂(さくれつ)したムスリム人民の怒りの決起にこたえて戦時下の階級的労働運動の爆発で革命的情勢をたぐり寄せよう」という力強い開会宣言で集会は始まった。
 冒頭、連帯のあいさつを受けた。まず、三里塚決戦勝利全関西実行委員会と大阪湾岸住民団体を代表して東灘区住民の会の松原康彦さんが「成田空港北側延伸攻撃を粉砕し、三里塚闘争の完全勝利を実現しよう。9・28関西三里塚集会から10・9三里塚現地闘争へ。来年2・16の神戸空港開港を阻止するために9・11神戸空港粉砕闘争へ」と訴えた。続いて革命的議員団を代表し森田充二高槻市議が「とことん階級性を貫いて4大産別攻防の先頭で闘う。私たち議員を労働者階級の武器として活用してほしい」と発言した。次に、部落解放同盟全国連合会の中田潔書記長が「石川さんの命がけの決意にこたえて狭山第3次再審闘争に総決起しよう。全国連14回大会で確認した差別徹底糾弾闘争方針の正しさは寝屋川弾圧を粉砕した大勝利に明らかだ」と発言。さらに寝屋川弾圧の元被告である全国連寝屋川支部の3人が壇上に立って完全勝利の報告を行い、割れんばかりの拍手が会場全体から送られた。
 三里塚芝山連合空港反対同盟、北富士忍草母の会、被災地雇用と生活要求者組合代表の長谷川正夫さんからのメッセージを司会が紹介した後、マル青労同とマル学同中核派の代表からのアピールが行われた。マル青労同の代表は、「青年労働者が直面している問題は、マルクス主義でしか解明できないし、革命によってしか解決しない。マル青労同1千人建設は新指導路線の要。革共同のすべての同志がこの大事業をともに担ってほしい」と訴えた。マル学同中核派の代表は、戦争と民営化攻撃が国立大学法人化として大学に波及しており、それと対決する新たな学生運動の高揚が到来していることを、京大の「つくる会」教授・中西輝政追放の闘いなどを報告して明らかにした。
 次に、集会は各産別委員会代表の発言に移った。郵政職場で働く民間青年労働者の争議報告の後、発言に立った全逓委員会の代表は「公務員身分の剥奪(はくだつ)による全逓労働運動の解体という点で支配階級は一致している。国会での議論をぶっ飛ばす全逓労働者の物ダメ・ストライキの実力決起を必ず闘いとる」と烈々たる決意を明らかにした。続いて自治体労働者委員会の代表が職場における攻防を生き生きと報告し、「11月労働者総決起に向けて、とことん現場にこだわり、『現場に方針あり』を合言葉に闘う」と決意を述べた。次に教労委員会の代表が、切迫する「つくる会」教科書採択の動きに対する緊急闘争方針を提起するとともに、激しい「日の丸・君が代」攻防の勝利を土台に教労の同志全員が腹をくくり、団結して、教労委員会を一から建設してきた闘いがあったことを報告した。
 国鉄委員会の代表は、5・27臨大闘争弾圧との闘いの地平の大きさを明らかにすると共に、尼崎事故の問題に触れ、動労千葉の運転保安闘争の決定的意義を明らかにし、関西の国鉄委員会の同志たちもまた6・26尼崎集会を出発点に職場闘争を開始したことを明らかにした。また、大会代議員選挙闘争の報告がなされ、圧倒的な拍手を受けた。さらに、医療産別の代表から、民営化攻撃との攻防の最先端で裁判闘争を闘ってきた報告が行われた。最後に、民間産別の代表は、自らのストライキ決起を報告し、たった1人でもストライキをやって職場と地域全体を大きく揺るがすことができるという確信あふれる発言を行った。

 “関西2千人の決起を!”

 カンパアピールを挟んで、いよいよ今岡透同志の基調報告が始まった。今岡同志は、@都議選決戦を▼「つくる会」教科書を中心テーマにしたこと▼労働組合・労働運動の基盤▼全党総決起という三つの基本的視座から総括し、課題と方針を明らかにした。A次に、4大産別決戦の全体構造を明らかにし、4大産別それぞれの課題を鮮明に提起した。Bまた、新指導路線をさらに発展させるために、戦時下の階級闘争を闘う労働者階級の課題と革共同が直面する労働者党建設の課題を明確にした。Cさらに、新指導路線下での諸戦線の課題を踏み込んで提起した。Dそして、党建設の課題を機関紙拡大闘争とマル青労同建設としてしぼり上げて明確にした。E基調報告のすべてを貫く実践的結論として、11月に関西から2千人の労働者決起を実現するという大方針が提起された。
 今岡同志の基調報告は、割れんばかりの拍手で全参加者から支持された。この基調報告を受けた在本土沖縄戦線の同志と全学連の同志の決意表明に会場は大きな拍手に包まれ、インターナショナルが高らかに響き渡った。

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週刊『前進』(2210号3面2)(2005/08/22)

 郵政民営化法案廃案へ 5000人が集会 交流センターが情宣

 8月4日、郵便局ファンの会が主催し、JPU(全逓)、全郵政、全特(全国特定郵便局長会)が参加する「郵政民営化法案の否決・廃案をめざす中央総決起集会」が5千人の結集で開かれた。8月2日の連合主催の緊急中央総決起集会に続き、労組交流センター全逓労働者部会の闘う労働者は日比谷野音前に展開し、ビラ配布情宣を行った。
 「民営化絶対反対」「物ダメ・ストで闘おう」と訴えるビラが一人ひとりに手渡され、『郵政民営化を撃つ!』(岩本正治・中野洋共著、労働者学習センター発行)も次々と売れた。
 JPU中央本部の裏切りと屈服を打ち破り、現場組合員の戦闘的決起の勢いは日増しに高まっていった。この日も、本部の動員指令を上回る数の組合員が各地本・支部・分会から結集した。この力で、連合JPU中央本部の制動を突破し、郵政分割・民営化攻撃を最後的に葬り去るまで闘いぬこう。

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週刊『前進』(2210号3面3)(2005/08/22)

資本攻勢&労働日誌 2005  7・18〜8・5

 日本経団連 夏季フォーラムで靖国論議

 民主、公務員賃下げ案/連合が92年、石綿規制反対

日教組大会で論憲路線 日教組は20日まで大会を開いた。森越委員長は「私たちは日本国憲法を『不磨の大典』とする立場には立たない」と述べ、論憲路線を提起した。(7月18日)
奥田が郵政民営化支持発言 日本経団連の関連団体が開いた郵政民営化シンポジウムで、出席した小泉首相に法案成立を願う経済界からエールが相次いだ。特に日本経団連の奥田会長は「何としても成立が望まれる。最大限の力で支援したい」と発言した。(20日)
全教が教研会場許可取り消しで大阪市に抗議 大阪市は全教などの「教育研究全国集会」の全体会場として予定していた大阪市中央体育館の使用許可を19日付で取り消した。全教は撤回を求める東森書記長談話を発表した。(20日)
日本経団連が第4回夏季フォーラムを開催(21日)=要旨別掲
総人件費、最大2割削減 民主が公務員制度改革案 民主党は、国家公務員の総人件費を最大2割削減することを柱とする公務員制度改革案をまとめた。(22日)
地域別最賃改定の目安、4年ぶりに有額 最低賃金審議会は05年度の地域別最低賃金額改定の目安について厚生労働大臣に答申。委員の意見が一致しなかったため、公益委員見解を提示。A〜Cランク3円、Dランク2円の引き上げを示した。引き上げ率は各ランクとも0.4%で、有額の目安は4年ぶり。今後、地方最賃審がこの見解を参考に審議を行う。(26日)
6月の完全失業率4.2% 総務省統計局の労働力調査では、6月の完全失業率は4.2%と前月に比べ0.2ポイント改善。厚労省発表の一般職業紹介状況によると、6月の有効求人倍率は0.96倍で前月を0.02ポイント上回った。(29日)
トヨタ、再雇用65歳に拡大と同時に企業年金制度を改悪 トヨタ自動車は、来年4月からすべての労働者を対象に、定年退職後の再雇用制度で働ける年齢を65歳まで引き上げる方針を明らかにした。同時に、企業年金制度を見直す方針を固めた。固定金利型の確定給付年金を10月をめどに変動金利型に移行する。(29日)
松下電器、一時金に部門間格差 松下電器産業は、事業部門の業績に応じ一時金支給額に差をつける制度を導入したことを明らかにした。今回の措置で総額格差は同一資格の労働者で最大3カ月程度、約100万円に広がる。(31日)
連合、92年に石綿規制法案に反対 旧社会党が「石綿製品規制法」制定を目指していた1992年ごろ、アスベスト(石綿)関連業界の労働組合が「規制は雇用不安を招く恐れがある」と反対し、連合も同調していたことが分かった。これを受け、旧社会党は94年に法制化を断念した。(8月5日)

 日本経団連夏季フォーラムの概要

 日本経団連は21、22の両日、静岡・小山町の経団連ゲストハウスで、第4回東富士夏季フォーラムを開催。「戦後60年―日本の課題と好機」を統一テーマに、自衛隊第1次イラク派兵の番匠幸一郎群長などが参加して、歴史認識、靖国問題などを議論した。
 奥田会長は「戦後60年の節目にもう一度、日本人自身が日本とは何かを突き詰めて考える必要がある」とあいさつ。
 第2セッション「歴史の声を聞く」では、「今後の日本を考える場合、国民はしっかりとした歴史観を持つことが必要だ。高校までの教育カリキュラムや大学での教養課程の見直しが必要」と、教育の反動的転換が主張された。
 小泉首相は22日夜の夕食会に出席、郵政民営化法案成立への努力を表明した。

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週刊『前進』(2210号4面1)(2005/08/22)

 被爆60年 帝国主義の戦争と核兵器に労働者階級人民の怒り

 “小泉の式典参加許さない” ヒロシマ大行動に3千人

 8・6 本物の反核潮流が登場

8・6ヒロシマ大行動 3000人が全国から集まり、戦争・核と改憲と闘うことを誓い合った

 猛暑の中、広島は被爆60年の8月6日を迎えた。「戦争・核と改憲−うち砕け!今この力で」を合言葉に開催された8・6ヒロシマ大行動(同実行委主催)には、昨年を超える3000人が結集し、戦時下における反戦反核運動の新たな潮流の力強い前進を示した。それは同時に被爆者・被爆2世、3世を軸に戦時下の階級闘争を担う労働者人民と、イラク、韓国、中国の闘う人民との大合流の場となった。
 正午すぎ、広島県立総合体育館(小アリーナ)に「ヨッシー&ジュゴンの家」の歌声が響いた。広島大生と広教組の青年労働者の司会で集会は始まった。
 呼びかけ人の栗原君子さんが「小泉政権は戦争のできる人が必要となり、教育基本法改悪や『つくる会』教科書採択を進めている。なんとしても阻止しましょう」と開会あいさつ。「被爆者の訴え」から「世界の反戦・反核運動との連帯」「労働者は戦争動員を許さない!」「反基地・派兵阻止の闘い」「若者たちのヒロシマアピール」まで盛りだくさんな3時間の大集会だった。全参加者が「世界への戦争拡大・核戦略のブッシュ政権と戦争・改憲の小泉政権を、私たちの力でたおそう」(集会アピール)という気概をもって集会を実現した。
 被爆者から「安佐北被爆者友の会」と「福島・郡・小河内地区住宅家賃値上げに反対する住民の会」が渾身(こんしん)の発言を行った。被爆当時4歳だった友の会の山口元さんは、焼け跡で母と妹、祖父を探し歩いた記憶を語り、「小1からの親友が60年たった今がんで苦しんでいる。生きている限り平和を願って核兵器反対、戦争反対です」と力を込めた。住民の会の三浦茂文さんは当時17歳。ほぼ全滅し悲惨を極めた福島町の現実を語った三浦さんは、厚木基地の米軍部隊の岩国への移転などの動きに「瀬戸内海で戦争をする気か」と弾劾した。病院から駆けつけた在日朝鮮人の女性は「こんなに集まっていて安心した。世代をつないでいきたい」と語った。
 今年3月に亡くなった詩人の栗原貞子さんの詩を長女の栗原真理子さんが朗読した。今年、祈念式で被爆者遺族を代表しての献花を拒否した真理子さんは、「断った理由は母の詩の中にあります」と『それでもピース・ヒロシマ』を朗読した。85年の中曽根首相の式典参加を批判した詩だ。「ヒロシマは残酷な都市。日本一戦争好きな男を八月六日に招いて慰霊碑の前でスピーチをさせ……それでもピース、ピース ピース・ヒロシマだ」
 海外ゲストたちが、次々に国際連帯を呼びかけた。イラク・バスラの小児科医フサーム・マフムード・サリッヒさんは、「イラクはまだ戦争の中ですが、私たちの意志が最後には自由に届くことを確信しています。広島は強さと生存の象徴です」と語った。
 韓国からは、平和統一大邱(テグ)市民連帯、挺身隊ハルモニと共にする市民の会など大邱市訪問団15人、「ソウルの原爆被害者および被爆二世患友の問題解決のための共同対策委員会」25人が参加した。平和統一連帯のカンチャンドクさんは「扶桑社教科書は単純な歴史歪曲ではなく、現実の危険だ」「地球村の平和のために反戦反核の旗を高く挙げて連帯しましょう」と呼びかけた。
 中国から重慶大爆撃被害者の羅漢さんと研究者、弁護士など5人が参加した。「日本が史上初めて行った重慶大爆撃の残酷を広く知らせて後の世代に警鐘を鳴らしたい」と訴えた。
 日本の労働者の発言に移った。「戦時下の権力弾圧と闘う労働組合」として、全日本建設運輸連帯労組・関西地区生コン支部の笠井誠青年婦人部長が、委員長以下6人を不当逮捕するという組合つぶし弾圧を怒りを込めて報告。34年間の解雇撤回闘争に勝利した全金本山労組の長谷武志委員長と青柳充書記長が登壇し、「労働運動が闘えなくなった時に戦争は始まる。階級的労働運動を闘い、団結を強めてがんばろう」。
 続いて、東京と広島の闘う教育労働者がずらり並んだ。都高教の「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会共同代表の清川久基さんが「ここであきらめたら戦時下のもの言わぬ教師になってしまう」と奮起を訴え、今春、停職1カ月の処分を受けた東京教組の根津公子さんは「停職中は校門前で座り込んでなぜ不起立したのかを子どもたちに話した。中身の濃い“授業”ができた」「免職は避けたいけれど、この情勢ですので私はやはり闘いたい」と語り、大きな拍手を浴びた。
 広教組の平田仁士さんは「『日の丸・君が代』強制反対を全国統一行動で闘うという今春の闘いを続ければ勝てる。『つくる会』教科書の採択を阻止し、日教組を再生させる決意です」と宣言した。
 鉄建公団訴訟原告団九州連絡会の田島省三事務局次長は、憲法改悪と労組つぶしの民営化を弾劾。動労千葉争議団の高石正博さんは「11・6全国労働者集会を今の世の中をひっくり返していく集会にしよう」と呼びかけた。
 沖縄・辺野古から富田晋さんが「海上で日米両政府の国策を止め続けています。僕たち若い世代が闘いを受け継ぎ、世の中を変える時が来たんです!」。「とめよう戦争!隊員家族と元自衛官連絡会」の坂井忠さん、「ピースリンク広島・呉・岩国」世話人の湯浅一郎さんが闘いの現場から反戦反核を訴えた。
 広島の女子高校生が「言葉だけでは核廃絶はできません。小泉政権を倒し戦争を止めましょう!」、広島大生は「『つくる会』は歴史をごまかしている。歴史から学ぶことのできない連中に未来はまかせられない」ときっぱり。
 東京・杉並区での「つくる会」教科書採択阻止の特別アピールを新城節子杉並区議会文教委員から受けた後、「つくる会」教科書採択阻止の特別決議案、集会アピール案を満場の拍手で採択した。呼びかけ人の吉田良順さん(医師)が閉会あいさつ、平岡誠事務局長の行動方針と団結ガンバローで炎天下に出発した。
 広島県教委前では「『つくる会』教科書の採択を阻止するぞ!」とシュプレヒコールをあげた。デモが本通りから平和公園へ進む中、市民や外国人がどんどん合流した。
 原爆資料館前ではソウルの青年たちが労働歌謡「岩のように」を歌って律動。栗原君子さんが「『つくる会』教科書の採択を止め、元気に闘って来年ヒロシマで会いましょう!」とまとめ、呼びかけ人の由木栄司さん(広島県日中友好協会青年委員会委員長)の音頭で団結ガンバロー!

 各産別が集会

 この日夕、ヒロシマ大行動関連企画の8・6産別労働者交流集会が、教育労働者、国鉄労働者、自治体労働者、民間産別・合同労組、医療・福祉労働者、郵政(全逓)労働者に分かれて開催された。全国の産別労働者の活発な交流と団結を深める場となった。また、8・6ヒロシマと「つくる会」教科書を考える高校生座談会も開かれた。

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週刊『前進』(2210号4面2)(2005/08/22)

 デモで小泉直撃 “被爆者英霊化を許すな”

 6日早朝、8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委主催による、小泉来広弾劾・侵略翼賛の祈念式典糾弾のデモが力強く闘いとられた。
 旧広大キャンパス跡地の東千田公園に全国から労働者・学生200人が結集した。集会では、被爆によるがんと闘う反戦被爆者の会代表の大槻泰生さんがあいさつし「小泉がのうのうと広島にやってくる。私は刺しちがえたい思いだ」と激しい怒りを表明した。三一書房労組委員長の三角忠さんは基調報告で、「日本の核武装化の動きを直視し新たな反核闘争を闘おう」と呼びかけた。全学連と全国被爆者青年同盟による決意表明のあと、大槻さんを先頭にデモに出た。
 原爆が投下された午前8時15分、デモ隊は平和公園の記念式典会場に迫り、怒りのシュプレヒコールが小泉首相を直撃した。「式典出席弾劾!」「被爆者英霊化を許すな!」 
 原爆ドーム前にデモ隊が到着し、スタンダードヴァキューム石油自主労組委員長の入江史郎さんが「イラク侵略情勢下の8・6−8・9の闘いだ。小泉の戦争国家化攻撃をなんとしても今止めよう」と総括を提起した。意気高くデモをやりぬいた参加者は、あらためて帝国主義の核戦争を許さない決意をうち固めた。

 “命の限り戦争と差別と闘う”

 6日午前、被爆者解放集会が広島市内で開かれ、150人が集まった。
 反戦被爆者の会の大槻泰生会長は、「今再びきな臭いにおいが漂っています。『つくる会』教科書というとんでもない代物を、みなさんのお子さん、お孫さんに使わせようとしている」と弾劾した。「命ある限り、戦争と差別と闘う。戦争と労働者は相入れない」と訴え、「みなさん頑張りましょう。ここで頑張らなかったらいつ頑張るのですか」と呼びかけた。
 部落解放同盟全国連合会広島支部の三浦茂文支部長が被爆者からのアピールを行った。三浦さんは福島地区が差別ゆえに周辺よりもひどく壊滅状態になったことを具体的に明らかにした。被青同と解同全国連の被爆2世が被爆の実態を語った。解同全国連広島支部青年部の被爆3世の3人が闘う決意を語った。最後に全国連中央本部の中田潔書記長が行動方針を提起し、核と戦争を許さない決意をうち固めた。

 全国統一実が反戦反核集会

 8月5日夕、「くり返すな!アジア侵略、ヒロシマ・ナガサキ−オキナワ、ビキニを /8・5ヒロシマ反戦反核の集い」が8・6−8・9全国統一実行委員会主催で広島市内で開かれ、140人が集まった。
 基調報告を行った被爆者青年同盟の野田次郎書記長は、小泉来広−式典出席を弾劾し、「侵略翼賛式典弾劾デモを皮切りに闘おう」と呼びかけた。
 二つの特別アピールが行われた。相模女子大教授の吉田義久さんが「米軍再編と世界核戦争の危機」と題して講演、続いて杉並での「つくる会」教科書攻防を新城節子杉並区議が報告。
 さらに来日中のイラクのフサーム医師、重慶大爆撃被害者などが参加してアピールした。
 東京労組交流センター共同代表の中村和憲さん(ス労自主)と、全学連・広島大学の学生が決意表明を行い、最後に三角忠さんがまとめの発言を行って、団結ガンバロー!
 6日夕には、全国学生交流集会が開かれ、活発な論議が行われた。

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週刊『前進』(2210号4面3)(2005/08/22)

 中・韓・イラクなどから代表 国際連帯の熱気

 8・6ヒロシマ大行動の興奮もさめやらぬ翌7日、大行動実行委員会主催の「8・7国際連帯集会」が広島ロードビル(国労会館)で開かれ、300人が結集した。
 司会を被爆2世の中島健さんが務め、開会のあいさつを元参議院議員の栗原君子さんが行った。
 反戦被爆者の会の下田禮子さんが、「原爆は広島の人びとの心に焼き付いている。戦争は資本主義が必要とするもの。戦争も核もない世の中にするために団結して立ち上がらなければならない」とアピール。
 イラクからの報告として、バスラの小児科医であるフサーム・マフムード・サリッヒさんが、自らが治療にあたった劣化ウラン弾で被ばくしがんになった子どもたちの衝撃的なスライドを上映し、アメリカ帝国主義によるイラク侵略戦争の非人間性を暴露した。
 カナダから、アメリカの原爆製造のためにウラン鉱石を掘ることを強制されて被ばくし、カナダ政府に民族自決を求めて闘っているデネーの代表団と、支援している女優で作家のマリー・クレメンツさんが原爆を告発する詩を朗読した。
 韓国・大邱市から7月25日に来日し、東京・杉並を始め日本全国で「つくる会」教科書の採択阻止を訴えてきた「東アジア平和のための日韓共同日本列島行脚団」の7人の青年がアピールした。団長の女性は「私たちは連帯する中で戦争勢力との闘いに勝てると思っている」と国際連帯の重要性を訴えた。
 中国からの報告として、重慶大爆撃の被害者と研究者が登壇し、重慶大爆撃の被害の大きさをビデオ上映を交えて訴えた。
 元日弁連会長の土屋公献さんが、「本当に平和を守るためには加害者自身の手で真相究明を行い許しを請うこと、国家としての謝罪・賠償が必要」と、日本の戦争犯罪を明らかにすることを訴えた。
 最後に、広島県朝鮮人被爆者協議会の李実根(イシルグン)会長が「きょうを、アジアの人びとが真の仲良しになって戦争へのきな臭いにおいをはねのける力強い誓いの場にしようではありませんか」と閉会のあいさつを行い、感動的な集会を締めくくった。

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週刊『前進』(2210号4面4)(2005/08/22)

 “青年労働者が社会変える” 8・7 広島−沖縄結び集会

 8月7日、広島工業大学広島校舎で「戦後60年/オキナワとヒロシマを結ぶ全国青年労働者交流集会 HIROSHIMA」が開かれ、230人が参加した。
 沖縄・辺野古の闘いを歌った女性労働者のオープニングライブに続き、広島の教育労働者が開会あいさつを行った。「日教組の森越委員長は右翼と対談して『君が代は平和的な歌』と言った。文科省だけでなく右翼とまでパートナーシップをとるのか、と腹立たしい思いでいっぱいです。呉市で4月に開館した大和ミュージアムは、靖国神社の遊就館とまったく同じ。しっかりスクラムを組み、若い力でこの状況を打破しましょう」
 被爆者で医師の肥田舜太郎さんが講演した。「戦後、国立病院の労組副委員長としてストを闘い、レッドパージでクビになった。そのことを誇りに思っています」と切り出した肥田さんは、「8月6日、私が働いていた病院では3人以外みな即死したが、私はたまたま6`離れた村に往診に出かけていて死ななかった」と述べ、直後から被爆者の救護にあたったが、直接被爆していない人が次々亡くなっていった現実を語った。そして「米国内にも2500万人の被ばく者がいる」と内部被ばくの恐ろしさを訴え、最後に「カギを握るのは労働組合。みなさんに平和運動の先頭に立ってほしい」と述べた。
 次に国鉄水戸動力車労働組合前委員長の辻川慎一さんが講演した。「JR尼崎事故で運転士も殺されたが、『死んで当然』と言わんばかりの風潮がある。全国あらゆる職場の労働者がみな極限まで追いつめられている。この現実に怒り、われわれの労働組合をつくろう」と訴え、「資本主義社会の核心は労働力の商品化。人間関係も所有関係のように扱う社会になっている。この現実を覆し、共同性を回復し、全世界の労働者とつながろう。11月労働者集会に結集し、社会を変えよう」と呼びかけた。
 各地から集まった青年労働者が発言した。A県の自治体労働者は「自分の子どもが爆弾に追われることも銃で人を殺すことも耐えられない。全国のみなさんと団結して頑張りたい」と発言。B県の自治体労働者は「公務員が削減され、残業や過労死が強いられている。この現実を改善するために闘いつつ、平和運動を広めていく」と述べた。
 医療現場からは2人が発言。1人めの女性は「反戦運動を闘う人が職場で弾圧されることが許せない。でも全国に多くの仲間がいるから、勝てると確信できます」と語り、人事考課制導入に反対して闘う労働者は「全国の仲間のみなぎる力を受け取って、人事考課導入を阻みます」と述べた。
 不当解雇撤回闘争を闘う青年労働者は「解雇は闘う労働組合をつぶすためのもの。青年労働者の力で戦争のない労働者の社会をつくろう」と訴えた。
 関西の全逓労働者は「郵政民営化攻撃で上からの指示は厳しくなっているが、怖くない。大切な闘う仲間との関係を邪魔させない」と述べ、関東の全逓労働者は「民営化は終身雇用制を解体し、労組を産業報国会に変質させるため。若い僕らこそ職場と世の中を変える主体です。11月集会でまた会おう」と呼びかけた。全国各地の青年労働者の生き生きとした報告と決意に、大きな拍手がわいた。
 「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」呼びかけ人の大内裕和さんが講演し、不適格教員制度や「日の丸・君が代」強制など、教育労働者の抵抗を根絶する攻撃が教基法改悪と連動して進んでいることを弾劾し、「教育基本法改悪反対全国集会を年内に開催します。教基法改悪阻止、日本の戦争国家化阻止へ闘おう」と結んだ。
 最後に東京の教育労働者が「戦争への動きが進んでいるが、それを跳ね返す力も確実に生まれている。戦争につながるすべての動き、民営化、労働組合破壊に反対しよう。団結して闘おう。職場のあらゆる攻撃に職場の核となって闘おう」と訴え、団結ガンバローを三唱した。

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週刊『前進』(2210号5面1)(2005/08/22)

 被爆60年 帝国主義の戦争と核兵器に労働者階級人民の怒り

 “戦争と民営化に対決を” 8・8 長崎反戦大集会開く

 長崎市内の長崎県勤労福祉会館で8日夕、「再び世界戦争にむかう現代世界と対決し、反戦・反核闘争の大爆発をまきおこそう!被爆60周年8・8長崎反戦大集会」(主催・被爆60周年8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会)が開催された。200人が参加した。
 最初に、全国統一実行委員会呼びかけ人の相模原反核市民の会の吉田義久さんが、日帝による重慶無差別爆撃への謝罪と補償を求めて立ち上がった重慶市民の闘いを紹介し、ビデオ「重慶大爆撃」が上映された。
 同じく呼びかけ人の本島等・元長崎市長は「若いときに戦争反対を貫かずに加担した責任があるからこそ若い人たちの力を借りて戦争の問題解決をしたい」と語った。反戦共同行動・福岡代表の石崎昭哲さんは寺山修司の詩を引用しながら「真の反核の闘いは帝国主義打倒の闘いだ」と力強く訴えた。
 続いて、部落解放同盟全国連合会、婦人民主クラブ全国協議会の連帯のあいさつが続き、国労小倉地区闘争団日豊オルグ班、「日の丸・君が代」強制反対の不起立闘争を闘った教育労働者、動労千葉が「労働者は戦争動員を許さない」と力強くアピールした。
 基調報告では「世界は戦争・核戦争に向かって激しく動き始め、小泉政権は戦争と民営化で世界戦争政策を積極的に推進している。帝国主義の危機の中で全世界的なファシスト勢力の登場は日本も例外でない。石原都知事、『つくる会』教科書グループなどファシスト・戦争勢力と対決し、反戦・反核闘争を爆発させよう。自治労や連合の改憲への踏み込みは重大情勢である。労組の転向、改憲・翼賛勢力化と対決し、新たな原水禁運動を」と提起し、「戦争を阻止する力は労働者の階級的団結にある。戦争・核への怒りを帝国主義打倒の闘いへ。全世界の闘う労働者、人民と連帯し、反戦・反核運動を巻き起こそう」と訴えた。
 ジャーナリストの斎藤貴男さんの講演は「戦争・改憲・『つくる会』教科書・石原」のテーマで問題提起。「ことここに至ったら私たちは抵抗する以外にない。そうでなかったら世界を荒らし回る日米の権力者の手先になるだけの運命だ」と核心を話した。
 国際連帯アピールは、沖縄民衆連帯の在日朝鮮人・都裕史(トユサ)さんが韓国での米軍基地撤去闘争、イラク派兵反対闘争の広がりを生き生きと報告し、米軍が駐留する世界の国々から9月に韓国に結集しようとアピールした。長崎被爆者青年同盟のナガサキアピール、全国労働組合交流センター九州地方協議会、全学連の決意表明があり、最後に呼びかけ人のス労自主委員長の入江史郎さんのまとめと団結ガンバローで集会を締めくくった。

 派兵阻止訴え浜の町をデモ

 8日午後2時から長崎市の丸山公園で全国統一実行委員会の主催で総決起集会が開かれた。「被爆60周年8・8〜9戦争と民営化と対決し、反戦・反核闘争に起とう!」の書かれた大きな横断幕が広げられた。
 国労小倉地区闘争団日豊オルグ班の松崎博巳さんが「8・9ナガサキをイラクからの自衛隊撤退、小泉戦争政権打倒、帝国主義を打倒する闘いとしてかちとろう」と訴え、デモ行進に出発した。学生や青年労働者のたたくドラムと「戦争反対。自衛隊はイラクへ行くな。占領軍はイラクを出ていけ」というデモ隊のシュプレヒコールは長崎最大の繁華街・浜の町アーケードを揺るがした。

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週刊『前進』(2210号5面2)(2005/08/22)

 “小泉は出ていけ” 8・9 爆心地公園へデモ

 9日午前、爆心地近くの平和公園で行われた平和祈念式典を糾弾し小泉首相の出席を弾劾する集会と爆心地デモが闘われた。
 まず平和公園直近の天主公園で被爆60周年8・9反戦反核総決起集会が開かれた。最初に部落解放同盟全国連合会の代表が狭山上告棄却28周年を弾劾した。全国統一実行委員会は「福岡県春日基地からの陸自イラク派兵を阻止しよう」と基調提起を行った。
 とめよう戦争への道!百万人署名運動・関西連絡会、とめよう戦争!隊員家族と元自衛官連絡会の三尾雅信さん、ス労自主、婦人民主クラブ全国協議会、首都圏の学生代表、そして福岡県労組交流センターが決意表明を行った。
 三尾さんは、九州からの第7次イラク派兵を前に、8日に陸自のイラク派遣中止を求める要請書を陸自大村駐屯地に提出し、抗議したと報告。自衛隊はイラクから撤退をと訴えた。
 60年前の原爆投下時刻の午前11時2分、デモ隊は記念式典会場の平和公園に向かって「ノーモアヒロシマ、ノーモアナガサキ、ノーモアオキナワ。小泉は長崎から出て行け」とシュプレヒコール。小泉の式典出席を弾劾した。爆心地公園ではデモ行進への飛び入り参加もあり、猛暑の中を意気高く闘い抜いた。

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週刊『前進』(2210号5面3)(2005/08/22)

 共謀罪ついに廃案かちとる 各界に拡大した危機感 「現代の治安維持法」に断

 8月8日、ついに現代の治安維持法である共謀罪法案の廃案をかちとった。
 破防法・組対法に反対する共同行動を先頭に「共謀罪廃案」を掲げて全力で闘い抜き、労組や弁護士、ジャーナリストなど広範な反対運動が広がり、素晴らしい勝利をもぎりとった。この勝利は小泉=奥田の「戦争と民営化」路線を推進するための治安弾圧強化の攻撃に大打撃を与えた。
 6月24日に審議入りし攻防の最大の山場となった7月に入り、破防法・組対法に反対する共同行動は7日に205人で集会を行った。さらに本格審議入りした12日から14日にかけて54時間のハンストに決起した。超党派の国会議員の呼びかけで21日に170人の院内集会、台風の中の26日に200人の反対集会が行われた。28日にはジャーナリスト250人が「『共謀罪』の廃案を求める! 表現者・言論人の緊急共同声明」を発表した。各地の弁護士会も、20日に札幌と滋賀、21日に兵庫、29日には広島、大阪、京都の各弁護士会が一斉に反対声明を出した。
 この一連の闘いが本格審議に入ったとたんに審議をストップさせ、政府を「今国会での成立を断念する」ところまで追い詰めた。
 8月8日、小泉首相は参院本会議で郵政民営化法案を否決され、衆院を解散した。衆院法務委員会で審議中の共謀罪法案は、審議未了のため廃案となった。参院で審議されていた「障害者」自立支援法案も廃案となった。
 しかし法務省は、思想処罰・団結禁止法である共謀罪を戦時下の治安政策の絶対不可欠の要(かなめ)として必要としており、今秋の臨時国会にも再々度の提出を狙っている。このような策動を粉砕するために治安弾圧に反対する巨大な潮流をつくりだそう。

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週刊『前進』(2210号5面4)(2005/08/22)

 三里塚 「北延伸」正式決定弾劾

 地上権めぐり追及 現闘本部裁判 NAA窮地に

 天神峰現闘本部裁判の第7回公判が7月28日、千葉地裁で行われた。最大の争点である地上権をめぐって反対同盟顧問弁護団の厳しい追及が展開された。
 成田空港会社(NAA)は、現闘本部内の木造建物について「その一部が解体され、これを吸収する形で鉄骨造建物が建築されたため、鉄骨造建物の一部となり、独立した建物としては現存しない」と主張している。これに対して反対同盟側は@一部解体の「一部」とはどの部分かA「吸収」とはどのような状態かB「独立性を喪失」の根拠は何か――の釈明を求めた。
 これに対してNAAは、木造建物の東側部分の土間を取り囲む三方の周壁がなくなり、外気分断性を喪失し、それ自体では集会所としての用途に供される状態にはなく、独立性を失ったなどと強弁した。
 しかしNAAの言う周壁は実は壁ではなく、窓や障子戸のことだ。こうしてNAA側は逆に、屋根、柱、礎石のすべてと西側部分の周壁はそっくり残っていることを自認した。木造建物は増築後も集会所として使用され、事務所として日常的に使用されてきた。NAA側は自らを窮地に追い込んだのである。
 裁判後の記者会見で葉山岳夫弁護士は「吸収は民法上にない言葉。いまだに撤去対象物がはっきりしない状態で裁判が進められている。提訴自体が不当だ」と解説した。反対同盟の北原鉱治事務局長は「もう一度、ものの道理について話したい」と現闘本部の建設と増築の経過を説明、NAA側の態度に対し「現実を知りなさい」と断罪した。
 現闘本部裁判を支援する会の例会では代表世話人の戸村義弘さんが「勝負を決めるのは人民の力」と裁判闘争の支援拡大の意義を力説した。
 政府・国交省とNAAは8月4日、暫定滑走路の北延伸計画を正式決定した。この暴挙を徹底弾劾し、北延伸攻撃粉砕・暫定滑走路閉鎖まで闘おう。現闘本部裁判勝利へ支援する会の会員を拡大しよう。次回公判は10月6日午前10時30分。

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週刊『前進』(2210号5面5)(2005/08/22)

 “石原の暴走とめよう” 被処分者先頭に 都教委包囲デモ

 7月29日、「石原・横山・中村都教委の暴走をとめよう!都教委包囲首都圏ネットワーク」主催の都教委包囲デモが行われた。午後3時半、新宿・柏木公園に多くの人びとが集まると、主催者の見城赳樹さんや、「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」呼びかけ人の大内裕和さん・三宅晶子さんらが発言し、ただちにデモに出発した。
 知事室のある都庁第一庁舎が近づくと「ファシスト石原は知事をやめろ」「横山は副知事をやめろ」とひときわ大きな声で訴えた。週2〜3回しか都庁に来ない石原も、この日は定例記者会見のため登庁している。庁舎前では都教委申し入れ行動を行った被処分者らが合流した。続いて都教委のある第二庁舎前で「『日の丸・君が代』不当処分を撤回しろ」「処分撤回まで闘うぞ」と意気高く声を上げ、前日強行された「つくる会」教科書の採択を弾劾した。
 デモ終了後、千駄ケ谷区民館に移動し、6時過ぎから交流集会が始まった。主催者あいさつに立った見城さんは「来春卒・入学式に向け、幅広い労働者の団結をつくり出し、都教委を包囲しよう」と訴えた。
 大内さんは「この闘いは石原ファシストに対する人民戦線だ。『日の丸・君が代』闘争が教基法改悪反対運動とつながり、教基法改悪案の国会提出を阻んでいる。私たちの敵は石原であり自民党・小泉政権だ。日本の戦争国家化を阻止しよう」と訴えた。
 韓国から来日した「東アジア平和のための韓日共同行脚団」は「日本で闘うみなさんに出会えて力を得ました。若い仲間を中心に力いっぱい闘う」と述べた。
 北九州ココロ裁判の原告は、今年4月に「日の丸・君が代」処分の撤回を求めた裁判闘争で減給処分を取り消す福岡地裁判決をかちとったことを報告した。東京で今春、1カ月の停職処分を受けた労働者は、1カ月間の「門前出勤」を報告、「不起立4回目までは免職にはならないことがはっきりしました。納得できないことには服従できないことを示していこう」と呼びかけた。
 被処分者の会の労働者は、7月21日の「再発防止研修」と断固として闘いぬき、翌22日の都高教大会では被処分者らが提出した修正案30本が圧倒的多数で可決されたことを報告した。
 日教組青年部の労働者は「今うちの組合では青年部が一番元気」と闘いを報告した。杉並で「つくる会」教科書採択に反対する女性は、8・4の「人間の鎖」への参加を呼びかけた。
 最後に「つくる会」教科書阻止闘争、教育基本法改悪阻止集会、「日の丸・君が代」強制反対の裁判闘争への参加が確認された。

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週刊『前進』(2210号5面6)(2005/08/22)

 “差別糾弾し生活守る” 全国連婦人部が大会

 部落解放同盟全国連合会の婦人部第14回大会が7月17日〜18日、岐阜県の下呂温泉で開かれ、全国連の各県連・支部の婦人と労組交流センター女性部、婦人民主クラブ全国協などの共闘の女性ら170人が参加した。
 婦人部大会は「寝屋川の勝利につづき差別糾弾闘争で生活と権利を守ろう!」とメインスローガンに示されているとおり、寝屋川弾圧粉砕の闘いの勝利を確認し、差別糾弾闘争に確信をもって邁進(まいしん)することを宣言するものとなった。
 冒頭、3月に急逝された木藤シズ子顧問の追悼が行われ、主催者あいさつで北浦寿恵子婦人部長は、「小泉政権の戦争と民営化と闘い、狭山第3次再審闘争に総決起しよう。寝屋川の勝利のように、正義を貫いて差別徹底糾弾で闘えば必ず勝てる」と訴えた。中田照美副部長は「寝屋川弾圧裁判では4人の完全無罪をかちとるすばらしい成果をかちとりました。婦人が頑張り、支えてきたことを誇りに思います」と語った。
 来賓のあいさつには、婦人民主クラブ全国協と都政を革新する会の新城節子杉並区議が立った。新城さんは都議選に対する支援にお礼を述べ「子どもたちを戦争に駆り出そうとする教科書、明治憲法をたたえ差別を容認する『つくる会』教科書の採択を許さない。採択阻止へ、集会、座り込み、区役所包囲を闘う」と決意を明らかにした。
 大会議事の最初に狭山闘争企画が行われた。全国連婦人部は最高裁の特別抗告棄却に対する怒りも新たに、不屈に闘う石川一雄さんと連帯して第3次再審闘争を闘いぬくことを宣言した。
 続いて、教育問題についてのパネルディスカッションが行われた。2人の婦人が実態を話した後、岩崎喜子事務局長が全国連婦人部が全婦を前に取り組んだアンケートを分析し、「婦人の多くが教育や保育についての不安や悩みを持っている。しかし、そのほとんどが家族、友人・知人だけで話され、支部や婦人部に相談が上げられず運動として取り組めていない。ここを突き破ることが婦人部建設の課題」と提起した。
 さらに、高齢の婦人が教育闘争の教訓、教育労働者が「日の丸・君が代」攻撃以来の学校の現状を報告した。会場からの声を受け全国連中央本部の中田潔書記長が「いろいろな活動を経験している支部や婦人部の役員が、率先して一つの要求を運動に導いていく強力な指導が必要だ。また、地域の親の立ち上がりが教師や学校を変え、教育の反動化を防ぐ大きな力になる。親たちはもっと学校に要求を突きつけていこう。そういう運動を婦人部は意識的に追求していこう」と論議をまとめた。

 教育と保育で地域の団結を

 2日目、四つの分科会と総括集会が行われた。
 第一は「教育・保育」をテーマに、パネルディスカッションでの討論を引き継いで各地からの活発な意見交換のもと、教育・保育をめぐる地域の団結した取り組みをつくりだすことを論議した。
 第二は「狭山闘争、差別糾弾闘争」。第3次再審闘争に向け具体的闘いが提起され、また地域での解同本部派などの反動をのりこえ、地域あげた糾弾闘争をつくりだすための住民への粘り強い働きかけの重要性が語られた。
 第三は住宅家賃値上げ反対闘争を軸に「生活要求闘争」。そして第四は中田書記長による「解放運動入門講座」が行われた。
 全体集会では、2日間の大会のまとめと役員人事、「狭山第3次再審闘争」「要求闘争」「『つくる会』教科書採択阻止、国際反戦行動への総決起」の各決議など議案の採択が行われた。北浦婦人部長(再選)を先頭とする新役員体制が選任された。最後に小林あや子副部長の音頭で団結ガンバローを行って締めくくった。
 イラク戦争下でかけられた寝屋川弾圧、全国連つぶし=部落差別攻撃を打ち破った全国連婦人部は、さらに差別徹底糾弾の闘いを貫く決意を打ち固めた。全国連婦人部と連帯し、狭山第3次再審闘争勝利、「つくる会」教科書採択阻止−小泉政権打倒へ闘おう。

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週刊『前進』(2210号5面7)(2005/08/22)

日誌'05 7月25日〜8月9日

 防衛白書が「中国脅威」強調

 自民が改憲草案の条文原案

●サマワでデモ、「日の丸」燃やす イラク南部サマワで、電力や水の供給、失業問題の改善を求め約500人がデモ。「日本はサマワから去れ」のプラカードを掲げたり、「日の丸」を燃やしたりした。(26日)
●都教委、「つくる会」教科書を採択 都教育委員会は、扶桑社の歴史、公民教科書を来春から東京都立の中高一貫4校と、ろう・養護学校21校で使うことを決めた。都教委は新たに独自の調査項目を設け、全員一致で同社版を高く評価した。対象となる都立学校すべてでの採択となった。(28日)
●第7次イラク派兵 陸上自衛隊の第7次イラク復興支援群の第1陣がサマワに向けて福岡空港からチャーター機で出発した。7次群は北部九州を管轄する第4師団を中心に編成された約500人で、派遣期間は3カ月。(30日)
●米軍ヘリ、海水浴場近くに不時着 神奈川県藤沢市の片瀬海岸の埋め立て地の一角に、米軍厚木基地所属の4人乗りのヘリコプターが不時着した。現場は江の島近くの海水浴場で約50b離れた所には海の家などがあり、海水浴でにぎわっていた。(30日)
●自民が改憲草案条文案 自民党の新憲法起草委員会が新憲法草案の条文案を公表した。現行憲法が制定されてから、主要政党が条文の形で改憲案をまとめたのは初めて。焦点の9条には、「自衛軍」の保持を明記。自衛軍は「国際的に協調して行われる活動」に参加できるとした。(1日)
●戦後60年決議 衆院本会議で「戦後60年決議」を自民、民主、公明、社民の4党の賛成多数で採択した。戦後50年決議で記された「植民地支配」や「侵略的行為」の文言は入らず、同決議を踏まえるとした。(2日)
●防衛白書、中国脅威を強調 大野防衛庁長官は閣議で、05年度版の防衛白書を報告した。中国軍の動向について「核・ミサイル戦力や海空軍力の近代化を推進し、海洋における活動範囲の拡大を図っている」と警戒感を示し、自衛隊は「国際平和協力活動に防衛力をもって取り組む必要がある」を強調した。(2日)
●防衛参事官制度は存続 防衛庁は、自衛隊制服組から見直しを求められていた「防衛参事官制度」について、人数を現在の10人から8人に削減したうえで、制度を維持する方針を決めた。文民統制(シビリアンコントロール)を庁内でも確保するため、文官(背広組)が長官を補佐する防衛参事官制度は当面存続されることとなった。(3日)
●都市型施設、通知なく訓練 沖縄県金武町のキャンプ・ハンセン内「レンジ4」の都市型戦闘訓練施設で米陸軍が実弾射撃訓練を再開した。県や金武町、日本政府に具体的な訓練日の事前通知はなかった。約1万人が参加した県民集会後初めて。(4日)
●防衛施設庁長官を更迭 政府は閣議で、山中昭栄防衛施設庁長官の後任に防衛庁の北原巌男官房長を、後任の官房長に西川徹矢人事教育局長をあてるなどの人事を決めた。在日米軍再配置の日米協議をめぐり、防衛庁と防衛施設庁の間では、沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設問題などで路線対立があり、事実上更迭人事。(5日)
●デモに発砲で1人死亡 サマワで約1500人のデモ隊に警官が発砲し、1人が死亡する事件が起きた。これをきっかけにイラク軍、警察と武装した市民との間で銃撃戦や政党事務所へのロケット砲攻撃が市内各所に拡大し、サマワ総合病院によると市民と警官の計50人が負傷した。(7日)
●郵政法案否決、衆院解散 郵政民営化法案が参院本会議で否決され、小泉首相は臨時閣議で衆院解散を決定し、衆院は同日夜の本会議で解散した。総選挙は30日公示、9月11日投開票と決まった。(8日)

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週刊『前進』(2210号6面1)(2005/08/22)

 8・4杉並 戦争教科書の採択押し返す

 区教委ゆるがす人間の鎖 区民の怒りが強行を許さず

 8月4日の杉並区の臨時教育委員会は、中学校教科書採択で、社会科の3教科(歴史・公民・地理)について異例の「継続審議」とすることを決定した。この日、1千人近い労働者・市民が集まり、「『つくる会』教科書を採択するな!」と区役所を包囲し、「つくる会」の歴史・公民教科書の採択を阻んだのだ。追いつめられた山田区長と区教委は巻き返しに出て、1面報道のように12日、「つくる会」歴史教科書採択を強行した。
 いよいよ採択当日。緊張が走る中、午前10時過ぎから区役所前で集会が始まった。「つくる会」の教科書採択に反対する杉並・親の会のメンバーが次々マイクを握る。「4年前からさまざまな壁をのりこえて運動をつくり出し、団結の力を取り戻してきました」「今回集まった署名は2万6千筆、4年前の約2倍です。4年前は1回だった区役所包囲行動も、今回は3回行うことができました。区教委はこの声を聞くべきです」「日本が中国や韓国を侵略したという歴史の事実は消せない」「『危ない』と言われた採択区で次々『つくる会』教科書が不採択になっている。杉並も不採択に」
 都高教の労働者は「『つくる会教科書が採択されても使わなければいい』というのは甘い考え。今の教育行政は処分、業績評価、賃金、あらゆる力で『教科書どおりに教えろ』と強制してくる。『つくる会』教科書を採択させるわけにはいかない」と訴えた。
 午前11時、区役所前に集まった人びとが手を結び、「人間の鎖」行動を行い、青梅街道側まで長くつながった。さらに高校生や沖縄出身者、動労千葉などの発言が続き、正午、親の会が第4次署名提出行動に向かった。前回の提出行動からわずか1週間で4230筆の反対署名が集まり、計2万5939筆となった。
 開会時間の午後1時を前に傍聴券の抽選が始まった。傍聴希望者は499人、傍聴席はたったの20席。約200人の会議室に審議の音声を流したが、それでも入りきれない人たちが傍聴の拡大を求めて区教委前の廊下に座り込んだ。
 午後1時半、審議が始まった。国語、書写に続いて歴史教科書の審議が始まると、冒頭発言した「つくる会」派の宮坂公夫委員は、「歴史を学ぶことは当時の人びとがどう考えていたのかを学ぶこと」「神話が一番多く出てくるのは扶桑社」「扶桑社以外は、江戸時代の百姓一揆を取り上げていてよくない」「『大東亜戦争』と記すべき」と、言葉遣いまで「つくる会」そのものである。
 大蔵雄之助委員も、「歴史は科学ではない」「大日本帝国憲法は当時としてはよい憲法」「北朝鮮による拉致や日本の伝統・文化についてよく書いているのは扶桑社」などと述べた。
 他の2人の教育委員が、「扶桑社の教科書には世界とのかかわりが少ない」「戦争の被害があまりに少ない」「現場教員が調査報告書で『使いやすい』と評価した教科書にすべき」などの意見を述べたが、その後発言した納冨善朗教育長は明確な態度表明をしない。明らかに区内外で高まる「戦争教科書反対」の声に押されているのだ。
 「つくる会」教科書を押し通すことだけを意図した宮坂・大蔵委員の発言はなんの説得力もない。これに対して「扶桑社の教科書には、戦争に向かうことが書いてある」と厳しい批判の声が上がる。納冨教育長は「どれでもいい」と言いだす始末で、2時間近くたって議論は杉並区で今使っている教科書の採択に向かった。そこで唐突に大蔵委員が「もう1回全社の教科書を読みたい」と言い出して納冨教育長が了解、「社会科3教科は継続審議に」と決定された。あまりに唐突な「継続審議」決定。“扶桑社不採択が決まってしまう”と焦った「つくる会」派の逃げの一手だった。
 ただちに区役所前で報告集会を行った。「さらに反対運動を大きく広げ、12日には完全に不採択とさせよう!」と力強く確認した。
 反対運動の大きな力が、「つくる会」教科書をなんとしても採択しようとする山田区長や一部教育委員の横暴にストップをかけた。「つくる会」教科書を採択した採択区は全国でまだ一つだけ。7月28日の都教委に続き、8月4日に杉並で採択して全国に波及させようとしていた「つくる会」の思惑は頓挫した。

 不当に逮捕の北島氏を奪還

 この日午前9時過ぎ、都政を革新する会の北島邦彦事務局長が不当逮捕された。区役所前をうろつきビデオ撮影をしていた右翼に北島氏が抗議したところ、警察が突然襲いかかって警察車両に連れ込み、そのまま逮捕したのだ。容疑は「暴行罪」。「つくる会」と警察が一体となった、あまりにもでたらめなデッチあげ弾圧である。裁判所が検察の勾留請求を認めなかったため、北島氏は2日後の6日夕方、釈放された。

 教員が会見で教委の不正暴く

 杉並区教委が教科書調査報告書の書き換えを指示するという重大な不正が明らかになった。歴史教科書8冊の報告を書いた区内の中学教員は「つくる会」教科書の「総合所見」に「適切でない」と記入したところ、区教委指導室から書き換えを指示された。別の教員は「つくる会」教科書について「誤りがある」と記したところ、校長に「“疑問がある”にしてほしい」と指示された。
 杉並区教職員組合(杉教組)は7月27日に記者会見を行い、「このような指示は、教育基本法10条が禁じた不当な強制にあたる」と弾劾し、書き換え指導をやめるよう求める要請書を区教委に提出した。
 (本紙・上原祐希)

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週刊『前進』(2210号6面2)(2005/08/22)

 「免状不実」をデッチあげ 関西でも不当逮捕

 8月2日、京都府警は関西労組交流センターの松田勲代表をまったく不当にも「免状不実記載」の容疑をデッチあげ逮捕した。しかも4日夕刻、京都地裁は10日間の勾留を決定するという暴挙を強行し、5日には準抗告も棄却した。
 松田代表は、数年前に父親を亡くし、京都の実家を相続した。関西労組交流センターの代表として多忙な中、毎週のように実家に帰り、活動を続けてきた。
 その松田代表を、京都府警は京都の実家に住んでいないなどとデッチあげ、その住所で運転免許証を更新したことが「免状不実記載」にあたると言って不当にも逮捕したのだ。
 「つくる会」教科書決戦のただ中、東京・杉並だけでなく、関西でも大阪府八尾市、兵庫県宝塚市で「つくる会」教科書採択が狙われていた。だが、八尾と宝塚では抗議の声で採択が阻止された。この闘いの先頭に立ってきたのが松田代表だ。今回の弾圧は「つくる会」教科書採択攻撃と一体である。絶対にこのデッチあげ攻撃を粉砕し、全国で「つくる会」教科書採択を阻止しよう。松田代表を一日も早く奪還しよう。

 区役所ビラ弾圧釈放かちとる

 7月13日に江戸川区役所でのビラまきに際して、警視庁公安1課と小松川警察署によって「公務執行妨害」をデッチあげられて不当逮捕され、東京地裁により不当にも20日間も勾留されていた前進社本社の2人の同志は、8月3日に釈放をかちとった。

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週刊『前進』(2210号6面3)(2005/08/22)

紹介  共産主義者 145号 「つくる会」教科書批判

 柏木論文 明治国家礼賛論を切る
 並木論文 戦時下の反戦・反核闘争

 参院での郵政民営化法案否決―衆院解散・総選挙という日帝・小泉体制の危機の中で迎えた8・15。小泉を先頭とする「靖国20万人参拝」運動を突破口にアジア侵略への挙国一致が図られようとしている。この攻撃の中心的イデオロギーこそ「つくる会」教科書だ。その採択をめぐる攻防は、日帝の戦争と民営化の攻撃との対決の最焦点になっている。本号は、この情勢に全面的に対応して企画された。

 都議選決戦の積極的地平と教訓を確認する

 巻頭アピールは、革共同が今春全力で闘った東京・杉並における「つくる会」教科書採択阻止の闘いを基軸に据えた都議選決戦の積極的地平と教訓を確認している。それは、帝国主義打倒の闘いの新たな発展を切り開く立場に立ち、世界危機の爆発的な展開と切り結んだ本年前半の激闘を革共同の新指導路線の物質化の視点から総括したものだ。05〜07年教基法改悪・改憲阻止決戦の本格的爆発をかちとり、4大産別を先頭とする階級的労働運動の創成を実現するために、何より11月労働者総決起にとって決定的に重要なアピールである。
 特集企画は「つくる会」教科書のファシスト反革命イデオロギーを根底から粉砕した柏木論文だ。「つくる会」教科書の攻撃は教基法改悪・改憲、戦争国家化の最先端の攻撃である。労働者階級はこの攻撃をいかにとらえ粉砕するのか?
この攻撃を不可避とする日帝の危機を革命に転化する階級的視点を徹底的に貫き、鋭く回答している。
 本論文のポイントを紹介したい。一つは、明治維新・明治国家・明治憲法を賛美した「つくる会」の歴史観に徹底的にメスを入れたこと。資本主義の帝国主義段階への世界史的な推転期に近代化=資本主義化した明治国家は、その後発性ゆえに侵略戦争と国内人民弾圧の血塗られた体制として形成されていった。こうして確立された明治国家体制の特異な姿が天皇制ボナパルティズムと規定される。このことをはっきりさせた時、「欧米列強との必要不可欠な生存競争」として明治以来の対外戦争を描き出す「つくる会」教科書の反革命思想は、徹頭徹尾当時の支配階級のイデオロギーであることが鮮明になる。
 二つ目は、以上に立って1884年の秩父蜂起を頂点とする自由民権運動に代表される人民のダイナミックな闘いの過程を明るみに出し、それらが本格的な日本のプロレタリア階級闘争の勃興(ぼっこう)へと連なっていく歴史を生き生きと復権していることである。そうすることで、日本の労働者人民にとっての近現代史の真実と意味、歴史的課題と階級的責務を明らかにすることに成功している。すなわち柏木論文は、明治国家の行き着いた日露戦争が以降の日帝の方向性を決定的に規定したことを明らかにしている。そしてそこには、対米帝の全面戦争に行き着き完全破局をもって終わる道か、それともプロレタリア革命によって帝国主義を打倒し戦争と破局を拒否する道かの歴史選択がすでに内包されていたと洞察しているのだ。
 柏木論文の後半は、「つくる会」歴史教科書の南京大虐殺と沖縄戦の歴史偽造を取り上げて、彼らのおぞましい手口を粉砕している。さらに、「つくる会」公民教科書が改憲と侵略戦争を政治目的としていることを核心的に批判している。「つくる会」公民教科書は、新たな侵略戦争への精神的総動員を狙って、国家主義・愛国主義をあおり、個人や人権を否定し、“「公」=国家に命をささげよ”と要求する。
 「つくる会教科書」は最初から理屈や道理とは無縁であり、戦後的意識を根こそぎ暴力的に解体しようとする日帝・小泉と奥田らブルジョアジー中枢の大攻撃であり、それとの激突は帝国主義打倒の革命的内乱をたぐり寄せる闘いである。
 反核論文は、米帝の世界核戦争戦略としての米軍再編下、既成原水禁運動の転向の中で迎えた60年目の8・6―8・9闘争の階級的意義を明らかにした。11月労働者総決起との結合に反核闘争勝利の道があることを訴えている。

 日帝の郵政民営化攻撃の本質を突きだす

 紀藤論文は、改憲と戦争国家化をかけた日帝の郵政民営化攻撃の本質を突きだした。現在のブルジョア政局の危機の真の意味をつかみ取るためにぜひ、読み込んでいただきたい。
 芹論文は、小泉=奥田路線下での「つくる会」教科書攻撃と一体となった「大学改革」攻撃を批判した好論文。革命的な学生運動の再生のために必読だ。
 木島論文は、JR総連を失ったカクマルの最後の産別、教労カクマルの路線的全面破産と展望喪失の絶望的状況を鋭くえぐった。
 マルクス主義学習講座は、「レーニン『国家と革命』を学ぶ(下)」。「国家死滅の経済的基礎」に関して共産主義への過渡期=プロレタリア独裁論を、レーニンの革命的実践をとことんとらえ尽くす立場から深化させた革共同の理論的新地平である。

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週刊『前進』(2210号6面4)(2005/08/22)

団結ひろば 投稿コーナー

 「諸君! 謀叛を恐れてはならぬ」 千葉 漠 有人

 1911(明治44)年1月、明治政府はイギリス・アメリカ・フランス各国の社会党の抗議を無視、天皇暗殺の謀議があったとして、いわゆる「大逆事件」なるものをデッチあげ、「首謀者」幸徳秋水をはじめ12名の死刑を執行した。
 このことに抗議して、その8日後、徳冨蘆花(蘇峰の弟。作家。『不如帰』など)が、「謀叛(むほん)論」と題して第一高等学校で講演した。表題の言葉は、この時の演説、「諸君。幸徳君らは時の政府に謀叛人と見なされて殺された。諸君! 謀叛を恐れてはならぬ。自ら謀叛人となることを恐れてはならぬ」から抜いたものである。
 いまサマワでは「日本の自衛隊は帰れ」のデモに見舞われ、「6カ国協議」では相手にされず、国連の常任理事国入り問題でも孤立しつつある。「郵政民営化」問題では、自民党分裂の危機と言われ、小泉内閣は追いつめられている。
 開き直った小泉首相は破れかぶれで何をやり出すか? 「改憲」「教基法」「女帝」問題から「8・15靖国参拝」強行などなど、戦前回帰へ向けて彼らなりの懸案事項を一気に片づけようと暴走することが予測される。
 『前進』2209号の東山整一論文には、まさに「我が意を得たり」だった。いつも私が人に言ったり、書いたりしてきていること、そのものズバリ書かれていて、感動した。特に「国家神道」に触れている点は大事な論点だと思う。「国家神道」とは、言ってみれば「天皇教」だ。「靖国」の復活は「国家神道」の復活であり、「天皇教」の復活そのものだ。だから、「靖国問題を階級闘争の課題に」という指摘はまったく正しいと思う。
 今、この時こそ国民一人ひとりが謀叛人となって立ち上がるべき時ではなかろうか! かつてアメリカの国民詩人とうたわれたウォルト・ホイットマンも「抵抗は十分に、服従は少なく」「一度無条件に服従したら、たちまち完全に奴隷になってしまう」と言っている。
 「抵抗を忘れた国民総奴隷」とならないために!

 「継続審議」は区民の怒りの強さを示した 東京 鶴川十三

 8月4日は朝から杉並区役所前に行った。4月以来、「つくる会」教科書採択の危険を訴えて駅頭ビラまきを繰り返し、都議選の過程でも訴え続けてきた。この日は文字どおりの決戦だった。全国から注目されている中での採択だ。親の会の人びとを始め、区役所前に集まった人びとには、「つくる会」への怒りと危機感と闘志があふれ、緊迫した雰囲気だった。
 その熱気は、5階の傍聴券抽選会場にも持ち込まれた。「つくる会」系の人間も紛れ込んでいるが、圧倒的多数は「こんな戦争賛美の教科書は許さない」と集まってきた人びとだ。抽選に外れ、音声だけ流されるその部屋で「傍聴」する二百数十人のうちに入った。声だけなので、女性委員以外の声は誰なのかさっぱり分からず、もどかしかったが、中身はよく分かった。
 扶桑社を推す2人は、露骨に「つくる会」そのものの論理と思想を満展開する。2人が反対している。中間的な態度をとっているのが納冨教育長だということが分かった。扶桑社を含む3社を挙げて「それぞれ捨てがたい」といい、「どれでもいい」などと言い出す始末。結局、結論が出ず「継続審議」ということになったのだが、扶桑社を採択できなかったのは、区民の「つくる会」教科書採択に対する広範な怒りが高まって無視できない力になったからだ。このことが納冨の言葉の端々からうかがえた。偉大な得点を上げた。この力で、なんとしても採択阻止をかちとりたい。

 同じ日ともに闘った星野同志の奪還誓う 東京 久保明夫 

 7月31日、革共同政治集会に参加した。熱気あふれる集会であった。革共同書記長、天田三紀夫氏の基調報告も内容がすぐれていてわかりやすく、よく理解できた。
 とりわけ印象的だったのは、革共同として無実の「罪」で不当にも30年間という長期にわたり獄につながれている同志、星野文昭氏の奪還に向けて革共同が総決起するというアピールだった。
 星野文昭同志は1971年11月14日渋谷大暴動闘争に決起した。私は高校生であった。「中核」のヘルメットこそかぶっていなかったが、渋谷駅の周辺で「白ヘル軍団」の登場を待っていた。その時、東急デパート方面から突如、「中核派軍団」が現れた。私は確かに中核派の軍団を目にした。11月14日の闘争は生まれて初めて体験した大闘争だった。
 その後、星野同志が逮捕され起訴され獄中にいることはもちろん知っていた。しかし星野同志はまったくの無実、確実に無実なのである。警察・検察・裁判所は、中核派の星野同志を獄壁でもって獄外と隔絶させ、無期懲役という許しがたい弾圧をし続けている。これは「みせしめ」の攻撃である。星野同志も述べている、「理不尽」であると。「無念」であると。すなわちデッチあげなのである。
 私は同じ闘争現場にいたものとして星野文昭同志奪還への決起のアピールに大きくこたえていく。私は「星野再審ニュース」の読者でもあり、微力ながらカンパ要請にもこたえてきた。現在、星野同志の裁判は最高裁での闘いの中にある。われわれにできることは最高裁への再審要請行動である。カンパも必要である。私は1971年の同じ日、星野同志とともに闘ったものとして、星野同志をこのまま獄中にとどめておくわけには絶対にいかない。あらゆる知恵と創意と行動をもって同志星野文昭氏を健康な身体でわれわれのもとに必ず取り戻しましょう。

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