ZENSHIN 2005/08/01(No2208
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週刊『前進』(2208号1面1)(2005/08/01)
7・31革共同政治集会に大結集を
杉並を最先頭に全国各地域で戦争教科書を絶対阻止しよう
8月広島・長崎反戦反核行動へ
大詰めの「つくる会」教科書採択阻止の闘いを徹底的に闘いぬき、戦後60年の8・6広島−8・9長崎反戦反核大行動、8・15反戦闘争に立ち上がろう。とりわけ、小泉の8・15靖国神社参拝の策動に対して、中国・朝鮮人民の闘いと連帯し、日本の労働者階級の弾劾の闘いを爆発させなければならない。国鉄決戦を先頭に4大産別決戦の前進をかちとり、11月労働者総決起へ進撃しよう。郵政民営化法案を粉砕しよう。共謀罪を廃案に追いこもう。闘いはまさに正念場である。今年前半期の都議選闘争を頂点とする闘いの地平を確認し、全党が打って一丸となって05年後半決戦に突入するために、7・31東西革共同政治集会に大結集しよう。
第1章 「つくる会」の教科書は靖国参拝と一体だ
7・7ロンドン同時爆破ゲリラ戦は、帝国主義、とりわけイラク侵略戦争を継続する米英日枢軸に対するムスリム人民、被抑圧民族人民の積もり積もった怒りの爆発であり、同時に帝国主義国の労働者人民に対する厳しい糾弾のアピールとしてもあった。それは民族解放・革命戦争の一定の情勢のもとでの特殊的・極限的形態である。
われわれは何よりも米英日帝がイラクで展開しているすさまじい人民大虐殺戦争、侵略戦争をこそ弾劾し、イラク撤兵へ闘わなければならない。
日本共産党スターリン主義が「卑劣な犯罪行為を糾弾する」などと声明したことは、帝国主義者どもの「反テロ」キャンペーンに唱和することであり、断じて許されない。また、カクマルは直ちに「ブッシュ帝国によるロンドン地下鉄バス爆破謀略」と叫んで、爆破ゲリラに対する反動的非難の大合唱に加わった。
イラク情勢は、民族解放・革命戦争が対米軍、対イラク警察・治安部隊、さらには対シーア派(対スンニ派)などの内容、形態で一層激化し、内戦化している。そこには、軍事占領を永続化するしか「出口」も見えない米英日帝の泥沼的、絶望的危機がさらけ出されている。
一方、北朝鮮侵略戦争情勢は、6者協議の7月26日再開の決定、ライス米国務長官の日中韓訪問、ソウルでの日米韓協議などの形で動き始めている。米帝は、6者協議の成果がなければ年内で協議を打ち切り、次は国連安保理付託などの強硬策をとろうとしている。北朝鮮・中国侵略戦争は、いよいよ歴史的に切迫していると言える。
こうした外に向かっての侵略戦争の攻撃に対応して、内に向かっての階級戦争の情勢はいよいよ激烈になってきている。
「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史・公民教科書(扶桑社版)の採択を阻止する闘いは、東京・杉並を始め全国各地で激しく展開されている。その一方で、栃木県大田原市で市町村教委としては初めて「つくる会」教科書が採択され、次いで茨城県大洗町では、水戸市など14市町村で構成する採択地区協議会の決定に同意せず、あくまでも「つくる会」教科書を使おうとする策動も起こっている。
「つくる会」教科書は、新たなアジア侵略戦争に向かって労働者人民を動員していくための侵略戦争賛美・肯定の教科書であり、階級的な運動、思想、組織を一掃しようとする攻撃であって、ここで敗退し屈服することはできない。都議選決戦の地平を引き継ぎ、7・27〜8・4杉並区教委包囲の闘いを頂点に全国で「つくる会」教科書採択阻止の闘いに全力で決起し、採択を絶対に阻止しよう。
この攻撃に対する闘いと一体のものとして、靖国神社参拝をめぐる8・15の激突に勝ち抜かなければならない。あくまでも「8月15日参拝」を強行しようとしている小泉に対して、中国、韓国の人民の怒りの声は一層高まっている。
8・15闘争へ
だが靖国参拝推進派は、これをも逆テコにして「中国の内政干渉に屈せずに断固公約どおり8月15日の参拝を貫徹せよ」という排外主義的要求運動を強めている。これ自体が戦争にまで行き着くしかないような非和解的な対立である。小泉の靖国参拝強行に対して8・15闘争をもって大反撃しなければならない。
靖国神社とは、侵略戦争で国家と天皇のために命をささげよ、死ねば靖国に「神」として祭ってもらえる、それが日本人としての「喜び」であると強制する施設であり、戦争動員の国家装置なのだ。
また改憲攻撃においては、9条に「自衛軍」を明記し、前文に「天皇とともに歴史を刻んできた」とする天皇中心史観をうたうなど、決定的な改悪案を盛り込んだ自民党改憲要綱案が発表された。これをもとに自民党は、7月15日の北海道・札幌を皮切りに全国10カ所で「タウンミーティング」を行い、改憲機運を盛り上げようとしている。
日本経団連は、すでに今年1月の提言で9条2項の破棄、集団的自衛権の明記を提唱している。さらに、これに呼応するように連合は、7月14日の中執会議で9条2項改悪に言及した「見解」案を発表、10月の大会で決定しようとしている。自民党新憲法起草委員会事務局次長の舛添要一は、「自民党が草案をつくれば、他党もついてくる。ここ1、2年が勝負」とうそぶいている。改憲攻撃をめぐっても事態は重大段階に入った。
教育基本法改悪は、今国会では見送られたが、ここでも焦点は「愛国心」だ。「国のために命を投げ出す教育」がめざされているのだ。改憲粉砕・教基法改悪阻止決戦へ、05年後半からいよいよ全力で闘う体制を築こう。
第2章 団結して国鉄闘争の勝利を切り開こう
日帝の攻撃に対する闘いの陣形として、画期的な闘いがかちとられた。日比谷野外音楽堂で開かれた7・15全国集会は、国鉄分割・民営化以降、1047名の解雇撤回闘争として最大の成功をかちとった。国労闘争団、全動労争議団、動労千葉争議団がそろって壇上に並び、大同団結して、1047名解雇撤回までともに闘うことを5800人の参加者全体で確認した。
これまで鉄建公団訴訟を不屈に闘ってきたこと、JR尼崎事故に直面し「戦争と民営化(労組破壊)」の攻撃に対する怒りと危機感が広がったこと、動労千葉が原則的な労働組合運動を貫き、「闘いなくして安全なし」の精神で安全運転行動に決起していることが、闘う労働者を突き動かしているのだ。分割・民営化攻撃と闘う中にこそ労働者の未来があり、安全を守る道もあるのだということが圧倒的に確認された。
この闘いは、国労酒田・革同一派と日本共産党・全労連が全面的に妨害してくる中で、それをはね返してかちとられた。闘う統一戦線の中にこそ労働運動の未来がある。逆にそれに敵対する全労連内には、闘う勢力とそれを抑圧する勢力との亀裂が当然にも拡大する。またそれは、JR総連カクマルを追いつめ、解体していく闘いでもある。
ガイドライン・有事法制や改憲に反対する陸・海・空・港湾労組20団体の陣形、教育基本法改悪に反対する学者4氏の呼びかけによる闘いの陣形に加えて、国鉄1047名闘争陣形は、労働者階級の闘いにとって決定的な意味を持ってきている。
今年の1〜3月「日の丸・君が代」強制拒否の闘い、4〜7月「つくる会」教科書採択阻止の闘い、そして3・20反戦闘争、5・7教基法改悪阻止の闘い、7・15国鉄集会のそれぞれの勝利の地平を踏まえ、11月労働者総決起に向かって勇躍闘いぬこう。
郵政民営化阻止の闘いは、決定的な正念場にある。わずか5票差での衆院通過、参院でも反対が広がるなど、支配階級の分裂をさらけ出しているが、日帝ブルジョアジーとしては何がなんでも郵政民営化を貫こうとしていることを直視しなければならない。公務員労働者の資格を奪い、大量首切りを強行することは、日帝・小泉=奥田の基本路線であり、どんなに動揺や反対があってもここにしか延命の道はないとして、小泉は強行しようとしているのだ。これとの階級的対決に焦点があるのだ。
このように郵政民営化とは、戦争と民営化(労組破壊)攻撃であり、小泉=奥田の構造改革路線の最先端の攻撃である。民営化の果てにはJR尼崎事故があることをはっきりさせ、全逓労働者の巨大な闘いを爆発させよう。
国鉄、教労、自治体、全逓の4大産別決戦での前進をかちとろう。
第3章 11月労働者総決起に向けての重要な闘争
7・24杉並大集会から7・27〜8・4杉並区教育委員会包囲の「つくる会」教科書採択阻止闘争を全力で闘い、休む間もなく8・6広島、8・9長崎の反戦反核闘争へ進撃しよう。
今年の8・6〜8・9闘争は、被爆60年の闘いであり、きわめて重要である。11月労働者総決起に向かって意義ある闘いである。青年労働者、学生はこの闘いの先頭で奮闘しよう。
また、8・15闘争は、小泉の靖国神社参拝を阻止する闘いであると同時に、国際連帯の闘いである。
沖縄では、都市型戦闘訓練施設でのグリーンベレーの実弾射撃訓練の強行開始に対して、金武町民を先頭に19日、1万人の県民集会が開かれ、怒りを爆発させた。稲嶺県知事が参加せざるをえないほど、怒りのマグマは沸騰している。
何よりも辺野古における新基地建設阻止の海陸での実力阻止闘争が闘いぬかれている。また、神奈川・座間でも米陸軍第1軍団司令部移転に反対する闘いが爆発している。沖縄を先頭に、米軍大再編を阻止する闘いを巻き起こそう。
三里塚における暫定滑走路の「北延伸」の攻撃は、破産した日帝・空港会社の絶望的な農民殺しの攻撃である。大反撃をたたきつけなければならない。
共謀罪廃案に
戦時下階級闘争、とりわけ7・7ロンドン同時爆破ゲリラ戦の情勢のもとで、国家権力の治安弾圧体制も一変している。ニューヨーク、ロンドンに並ぶ米英日枢軸の中心の一つである東京に「君臨」するファシスト石原は、首都での怒りのゲリラの現実性に震え上がりながら、「テロ対策」と言えば何でもできるとばかりに「憲法の基本条項を無視し」「人身も拘束もする」などとうそぶいている。
そして現実に、東京・江戸川区役所にビラまきに行った2人の同志を「公務執行妨害」なるデッチあげで逮捕する暴挙に出たのだ。この戦時下治安弾圧を断じて許さず反撃しよう。
共謀罪は、現代の治安維持法であり、思想取締法である。革命党弾圧法であり、労働組合、労働運動圧殺の攻撃である。ハンストを始めとする反撃で追いつめている。会期末、もうひと踏ん張りしてなんとしても廃案に追いこもう。
05年前半の闘いを総括し、後半に向かっての戦闘態勢を打ち固めるため東西の革共同政治集会への大結集、大成功をかちとろう。
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週刊『前進』(2208号1面2)(2005/08/01)
1047名闘争 国鉄集会に6千人 解雇撤回に向け大同団結
7月15日、日比谷野外音楽堂で「国鉄労働者1047名の解雇撤回!原告団・闘争団・争議団を励ます7・15全国集会」が開かれ、会場を埋める5800人が結集した。この集会は国鉄闘争を支えてきた21人の学者・文化人・ジャーナリストらの呼びかけのもと、同集会運営委員会が主催した。1047名の大同団結を実現した集会は、熱気に満ちて闘いぬかれた。
(5面に関連記事)
国労本部の道はたどらない
1047名当該の国労闘争団、全動労争議団、動労千葉争議団が壇上に勢ぞろいすると、会場は大きな拍手と歓声に包まれた。
鉄建公団訴訟原告団(国労闘争団)の酒井直昭さんが、鉄建公団訴訟について「勝利判決しかないと確信する」と述べた上で、「残念ながら国労はどんどん変質を大きくしている」「私たちは、国労が坂道を転がり始めたようなことには絶対にならない。仮に不当判決が出されても、おれたちは闘う」と言い切った。
動労千葉争議団の高石正博さんは動労千葉の安全運転行動について触れ、「こういう闘いでJR会社を追い込むことが、私たちが現場に戻れる最後の手段だ」と断言した。
鉄道運輸機構訴訟原告団(国労闘争団)の鈴木孝さん、全動労争議団家族の渡部雅子さんが、勝利まで闘う決意を表明した。
1047名の解雇撤回と尼崎事故弾劾の闘いを、分割・民営化体制打倒の闘いとして一体的に推し進めることに、国鉄闘争勝利の道がある。7・15は、これを鮮明に指し示したのだ。
集会は尼崎事故の犠牲者への黙祷(もくとう)から始まった。主催者あいさつをした呼びかけ人の山口孝・明治大学名誉教授は、「昨年の4・13集会、12・1集会をはるかに超える大集会として開催することができた」と集会の成功を確認した。国労闘争団・全動労争議団・動労千葉争議団は、幾多の反動を打ち破り、ともに鉄建公団訴訟を闘う中で統一陣形を固めている。それが集会の大高揚に結びついたのだ。
山口さんはまた、「この集会を準備する過程で、権力、制度、派閥のしばりを超えて、自由に、知性的に真実を見つめ、共同の闘いを進めようとする労働組合、労働者、市民と交流することができた」「労働運動、市民活動の新しい潮流がつくられつつある胎動を感じた」と発言した。集会は、全労連本部の一部幹部や国労本部の、動労千葉排除を狙う妨害をはねのけて闘われた。この攻防を経て、労働運動の新しい流れは確実に形成された。
呼びかけ人の鎌田慧、伊藤誠、下山房雄、芹澤寿良、立山学、塚本健、戸塚秀夫、師岡武男の各氏が、国鉄闘争にかけた思いを語り、1047名闘争の勝利を訴えた。ジャーナリストの斎藤貴男さんが「JR福知山線事故と1047名解雇問題」と題して報告し、「今日の戦争・差別・監視の社会のルーツは国鉄分割・民営化。それは郵政、教職員、自治体労働者にも及んでいる。私たちの手で平和・平等な社会を築こう」と強調した。
集会にはイギリスRMT(鉄道海運労組)のトニー・ドナヘイ委員長が駆けつけ、「民営化に国境はない。皆さんの闘いには国際労働運動の利害がかかっている」と連帯を表明した。
尼崎事故に至った民営化への根源的な怒りが、集会への大結集につながった。それは、全世界で民営化と立ち向かう労働者の国際連帯をつくり出している。
鉄建公団訴訟主任代理人の加藤晋介弁護士は、「反動化司法の中でも鉄建公団訴訟には勝機がある」とした上で、「問題は、仮に負けたらどうしようということではない。一片の判決など痛くもかゆくもない運動をつくることだ」「かつて労働者は団結するだけで刑事罰にさらされた。それを破って打ち立てられてきたのが労働運動だ」と提起した。これは、JR採用差別事件で98年5月28日に東京地裁が下した反動判決に屈し、転向を深めてきた国労本部への痛烈な批判だ。
集会アピールを呼びかけ人の芹澤寿良・高知短期大学名誉教授が読み上げ、満場の拍手で確認された。集会の集約をした国労高崎地本の中村宗一委員長は、多数のJRの現場労働者が結集していることを報告し、動労千葉、建交労鉄道本部、国労の順に起立を求めた。JRの現場労働者の大結集は、国鉄闘争の新たな高揚を示している。
集会後、参加者5800人が新橋を経て日比谷公園に戻るデモに出た。「JR福知山線の大惨事を繰り返すな」「1047名の解雇を撤回しろ」のシュプレヒコールがこだました。
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週刊『前進』(2208号2面1)(2005/08/01)
「今度戦争する時は負けないと誓う」
西村発言こそ靖国参拝の本質
「近い将来」の戦争に青年の動員狙う「つくる会」教科書
「つくる会」教科書採択をめぐる闘いがいよいよ大詰めの決戦局面に入っている。7月13日に栃木県の大田原市で「つくる会」教科書が採択され、重大な情勢を迎えている。「つくる会」が全国で10%の採択をめざすための重要な採択区と位置づけている杉並区では8月4日の臨時教育委員会で教科書採択が行われる。いよいよ闘いの正念場だ。日帝が新たなアジア侵略戦争に突入するための攻撃である「つくる会」教科書採択を全力をあげて阻止しよう。
侵略戦争の居直り
「つくる会」教科書の攻撃が激化していることは、日帝が実際に戦争に突入しようとしていることを背景にしている。すでに日帝は04年1月以来イラクに自衛隊を派兵し、米帝のイラク侵略戦争の一角を担っている。しかも、米帝が次は北朝鮮・中国侵略戦争に突入しようとしている中で日帝がこれに全面的に参戦するために、「つくる会」教科書採択の攻撃をかけており、小泉首相の靖国神社参拝の攻撃がかけられているのである。米帝ブッシュの世界戦争路線と日帝のイラク参戦、日米枢軸形成のもとで、今や日本はまさに戦時下にあるのだ。
こうした中で、日帝の政治家たちによる戦争の扇動がますます激しくなっている。民主党衆議院議員の西村真悟は7月7日の小泉の靖国参拝を支持する集会で「靖国に参拝することによって、今度戦争をする時は断じて負けないという誓いを新たにしなければいけない。近い将来、わが国は戦争を受けて立たなければならないこともあり得る。その場所は東シナ海(ママ)、台湾海峡だ。その時は勝たなければならず、ここが我が国の生命線であります」と中国侵略戦争をあおりたて、そのための靖国参拝であることを広言している。
西村はまた、6月24日に放送された日本テレビの「ニュース プラス1」での討論で自分の主張の重要な部分がカットされたとしてそれをホームページに掲載している。そこで西村は「我が国は、侵略戦争をしたわけではないし、不法な植民地支配をしたのでもない」「日露戦争後の朝鮮半島に独立の道はあり得ない」「国際法上、侵略戦争か否かをきめるのは、当該戦争をしている国」「我が国は一度も自ら遂行する戦争を侵略戦争と決めたことはなく自存自衛の為の戦争であるというのが我が国の表明した戦争」などと主張している。西村は帝国主義強盗の論理をずうずうしく叫び立てているのだ。
日帝が行った台湾や朝鮮、中国東北部の植民地支配は1_たりとも正当性のない植民地支配であり、帝国主義強盗そのものの行為である。そして中国への全面的な侵略戦争から東南アジア全域へと侵略戦争を拡大していったのだ。
だが西村は“侵略戦争かどうかは侵略している国が決めることだ。日本は侵略戦争だと言ったことはない”と盗人猛々しく主張する。こんな論理が労働者人民や侵略されたアジア人民に通用するわけがない。
実は西村の主張は、靖国神社の本質そのものである。「つくる会」の名誉会長である西尾幹二も、「一旦緩急あるとき後につづく日本人は起ち上がります、という誓いのために先人の霊に参拝するのであって、もう二度と戦争をしないために参拝するのではない。平和のためというのは間違いだ」と言っている。このように靖国神社の本質とは日帝が再び戦争をするために労働者人民に命を投げ出させるためにあるのだ。単なる慰霊施設などではない。日帝が再び戦争をするためにかつての侵略戦争、帝国主義戦争を完全に居直り、再びのお国のために命をささげよと侵略戦争に動員する国家機関なのだ。
「靖国」=「つくる会」
したがって、「つくる会」の主張と靖国神社の主張は基本的に同じ内容だ。
例えば、朝鮮併合について「つくる会」教科書は「日本政府は、日本の安全と満州(ママ)の権益を防衛するために、韓国併合が必要であると考えた」と日本の安全のために必要だったと主張している。一方、靖国神社も「日本の生命線」として同様の主張をしている。
日中戦争についても「つくる会」教科書が「満州事変」を「日本に対しても、日本商品をボイコットし、日本人を襲撃する排日運動が活発になった」と中国人民の排日運動が日帝の侵略戦争の原因だったかのように言って正当化し、靖国神社も「日本の権益が締め出され、排日デモが次々」「邦人(ママ)が少々危険にさらされてもじっと我慢しておればよかったのであろうか」と侵略戦争を正当化している。
さらに「つくる会」教科書も靖国神社も、日帝の太平洋戦争への突入について「自存自営の戦争だった」と正当化し、「アジア解放のためだった」と描こうとしている。「つくる会」教科書では「アジアの人々を奮い立たせた日本の行動」とか「日本を解放軍としてむかえたインドネシアの人々」などとコラムを載せている。しかし、日帝は朝鮮で、中国で、台湾で、アジア各国で民族解放のために闘う人びとを虐殺し、残虐な拷問を加え、子どもまでも「大きくなったら八路軍になる」と言って虐殺したのだ。2000万人ものアジア人民を虐殺して侵略戦争を凶行しておきながら、平然と「アジア解放のためだった」などとデマを並べ立てるのである。
“お国のために死ね”
「つくる会」教科書はこうした戦争に向けて、子どもたちに“国のために命を投げ出せ”と教え込もうとしている。「つくる会」の公民教科書で「国防の義務」をコラムとして載せ、「憲法で国民に国を守る義務を課している国は多い」「国民の崇高な義務」と国のために命を投げ出す思想を植え付けようとしている。歴史教科書では伊藤博文の人物コラムで「国家を思う心」を強調し、武士道についてもわざわざ1ページを割いて「武士道とは死ぬことと見つけたり」という言葉を引用して国のために死ぬ考えを持たせようとしている。
しかも重要なことは、こうした「つくる会」のファシスト運動は、今や一部の極反動右翼分子が行っているだけではないということである。日帝中枢がこれを全面的に推進している。ブルジョアジーが資金を提供し、政府・文科省がバックアップしてファシスト石原都知事や山田区長が先頭に立って推進している。杉並を初めとして全国で「つくる会」教科書を採択させようと策動しているのだ。しかも、「日の丸・君が代」攻撃で、教育労働者の運動を解体して全面屈服させ、強権的職場支配で戦争教育を行わせようとしている。
日帝は「つくる会」教科書の強制によって学校教育から子どもたちに戦争イデオロギーをたたき込む攻撃にでてきている。幼い子どもたちに毎日の授業で「つくる会」教科書で教え込むことによって子どもたちに国家主義・民族主義を植え付け、国のために命を投げ出す人間に仕立て上げようとしている。
このように子どもたちに戦争イデオロギーを植え付けようとする「つくる会」教科書は、従って日帝が過去に行った他に類例を見ないような凶暴な侵略戦争を正しいものと逆転させる以外にない。そこで「歴史は科学ではない」「過去のできごとを知ることでもない」「過去の人が何を考えて行動したかだ」などと言いながら、過去に日帝が侵略戦争を遂行し合理化するために行ったデマ宣伝をあたかも事実であるかのように歴史をうそで塗り固めようとしているのだ。
「つくる会」教科書がうそとデマ、歪曲に満ち満ちていることは彼らの「自虐史観」という言い方に明白に示されている。同時に、この言い方の中に「つくる会」教科書攻撃の暴力性が現れている。この主張は、日帝にとって都合の悪いことを言っては(教えては)ならないとして歴史から抹殺する。
実際に、南京大虐殺に象徴される日本軍が行ったアジア人民の大虐殺や軍隊慰安婦の強制、強制連行、731細菌戦、三光作戦による殺し尽くし、焼き尽くし、奪い尽くすという残虐行為が教科書から抹殺されようとしている。
これらの事実は、それが語られただけで「つくる会」などの戦争の正当化を木っ端みじんにうち砕くものである。朝鮮や中国、フィリピン、インドネシア、オランダなどの若い女性を拉致して慰安所に監禁して兵士の性奴隷にした事実は、日帝の侵略戦争が史上類例を見ない残虐で非人間的な蛮行であることを暴き出すのである。だからこそ日帝ブルジョアジーや「つくる会」のファシストどもはこの事実を教科書から抹殺することに全力をあげてきたのである。
「つくる会」は日帝のアジア侵略戦争、太平洋戦争が「自存自衛」の戦争だったとねじ曲げる。だが朝鮮や中国が日帝の存立を脅かしていたわけではまったない。事実は、日帝が資本主義・帝国主義という体制の本質からくる危機にのたうち回り、その危機をアジア諸国を侵略することによって、またロシアや米英と帝国主義戦争を行うことで乗り切ろうとしたということなのである。要するに、侵略戦争、帝国主義戦争いがいの何ものでもなかったのだ。
現に今、米帝ブッシュがやっていることを見よ。イラクは米帝にとって現実の脅威でもなく、「9・11」に関係なかったにもかかわらず、「大量破壊兵器」問題をデッチあげて暴力的に侵略戦争に突入した。それは米帝自身が戦争によって石油を奪い、世界支配を再編する以外に危機を乗り切ることができなかったからなのだ。
こうした帝国主義の基本矛盾の戦争としての爆発に対してそれを解決する道は労働者人民の闘いで帝国主義を打倒し、全人類解放の未来社会を建設するために闘うことだ。「つくる会」教科書採択を杉並を始め全国で阻止しよう。
「村山富市元首相の謝罪談話を前提にして、靖国神社で不戦の誓いをしてはならない。靖国に参拝することによって、今度戦争をする時は断じて負けないという誓いを新たにしなければいけない。近い将来、わが国は戦争を受けて立たなければならないこともあり得る。その場所は東シナ海(ママ)、台湾海峡だ。その時は勝たなければならず、ここが我が国の生命線であります。そのために靖国神社を忘れてはならない」(7月7日)
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週刊『前進』(2208号2面2)(2005/08/01)
日教組大会 “委員長は発言撤回せよ” 被処分者らビラまき
7月18〜20日、日教組第93回定期大会が東京・永田町の社会文化会館で開かれた。
初日の朝、社会文化会館前には、東京の「日の丸・君が代」被処分者を先頭に多くの日教組組合員が駆けつけて、代議員・傍聴者にビラを手渡した。「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会は、「日教組は『日の丸・君が代』強制反対の全国闘争の再構築を!」と訴えた。「石原・横山・中村都教委の暴走をとめよう!都教委包囲首都圏ネットワーク」は、7月29日に行う都教委包囲デモへの参加を呼びかけた。
また「日教組・森越委員長の右翼との対談に抗議し、発言の撤回と謝罪を要求します」という組合員の共同声明も配られた。森越委員長が雑誌『論座』6月号で新右翼「一水会」の鈴木邦男と対談し、「『歌うな』とか『掲げるな』と言うのはその人たちの思想信条を害することになる」「『君が代』というのは、非常に平和な内容の歌」などと許しがたい主張をしていることに抗議し、撤回を求めるものである。共同声明に連署する組合員は続々と増えているという。
被処分者らとともに、全国労組交流センター教育労働者部会に結集する日教組組合員も「闘う日教組運動を職場から再建しよう!」と題したビラを配布した。
被処分者ら十数人が社文そばでビラまきを始めると、機動隊が「排除!」と叫びながら襲いかかってきた。「日教組本部の要請なのか」と問うと、麹町署の私服刑事が「そうだ。われわれだけの判断では(排除は)できない」と返答。盾で押され力ずくで信号を渡らされ、200bほど離れた交差点に排除されたが、警察と日教組本部の暴挙を徹底弾劾して、ビラまきをやりぬいた。
大会では森越委員長が冒頭あいさつで、「憲法は不磨の大典ではない」と論憲路線を打ち出した。さらに7月初めに日本経団連が主催する研究会で発言したことを自慢して、「この間、日教組委員長として様々な立場の人と対談する機会に恵まれました。立場の違う人たちにも通じる言葉を持つことなくして、説得できる論理展開なくして、組織の再生はありません」と発言した。『論座』発言に怒る組合員に対する真っ向からの居直りである。他方で教育基本法改悪問題や「つくる会」教科書には一言も触れず、闘いを放棄することを公言しているのだ。
大会には138本の修正案が提出された。また本部方針案の「卒業式・入学式などでの『国旗・国歌』の扱いについては、99年『国旗・国歌』法制定時の政府見解をもとにとりくむ」の個所に批判が集中し、「99年政府見解では闘えない」「75年見解(=「『日の丸』『君が代』に対する日教組の統一見解」)にもとづいた闘いを展開すべきだ」という意見が出された。組合員の怒りに押され、本部は「75年見解を変えるものではない」と答弁せざるをえなかった。
改憲勢力へと転落の道をひた走る日教組本部を徹底弾劾しよう。全国で「つくる会」教科書採択を阻み、「日の丸・君が代」闘争、教育基本法改悪阻止闘争を断固押し広げていこう。
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週刊『前進』(2208号2面3)(2005/08/01)
「君が代」処分研修弾劾行動 “反省などするものか”
被処分者の怒り、都を圧倒
「今年も勝ちきったぞ」「私たちは反省などしない」「『再発』するぞ」。7月21日、東京都教育委員会が今春卒・入学式における「日の丸・君が代」闘争被処分者51人を対象に強行した「再発防止研修」の会場前には、勝利感に満ちた被処分者の笑顔があふれた。被処分者に反省と転向を強要するための研修は、都教委の思惑とは裏腹に、被処分者が都教委に怒りをたたきつけ徹底追及する、さながら“被処分者総決起集会”の場と化した。
「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会は、朝9時から全水道会館で総決起集会を開催した。都高教や東京教組の組合員も大挙駆けつけた。
9時半、研修会場・東京都総合技術教育センター前に被処分者が登場。入り口にいる都教委職員を「思想・信条に踏み込む研修は認められない」「研修では質問にきちんと答えよ」などと追及するが、職員は「ここでは答えない」の一点ばり。「60年前と同じ戦争協力の歴史を繰り返すのか」「あなたはナチスのアイヒマンと同じだ」と怒りの声が飛び交い、シュプレヒコールの中を被処分者が堂々と入場していった。
研修会場に入ると、被処分者はただちに都教委職員に質問を矢継ぎ早にたたきつけ、徹底追及した。答えもせずに「写真撮影・録画・録音は禁止」等々の「注意事項」を読み上げる職員に、「なぜ録音を禁止するのか」「研修内容への質問に答えよ」の声が飛ぶ。都教委職員はそのままマイクを取って「講義」を始めるが、激しい怒りの声にかき消され、聞き取ることもできない。配布された講義レジュメは、1年前の研修のレジュメとまったく同じものである。「東京地裁ですら“繰り返し同一内容の研修を受けさせることは違憲違法”と決定したんだぞ! まさに違憲・違法の研修じゃないか」。次々と手を挙げ発言、鋭い追及が続き、1時間の「講義」を終えた職員は逃げ帰るように会場を後にした。続いて「受講報告書」に記入を求められるが、「こんな講義で報告書が書けるか」と弾劾の声が途切れない。誰一人として「反省文」を書くこともなく闘いぬいた。
研修を終えた被処分者は「教育労働者の誇り、譲れない思いを貫いた」「都教委は誰にも聞こえない『講義』をボソボソ行っただけ。奴隷的拘束だ」「今になって涙が出てきた。一人ひとりがとても重たい存在なのに、虫けらのように扱われて悔しい」と訴えた。
午後2時からも研修が行われたが、冒頭、都教委が「ゼッケンをはずせ」と要求したことを30分以上も弾劾するなど、激しい追及が続いた。「受講報告書」は、不当な研修を批判する声で埋まった。終了後、被処分者は「『私たちは奴隷ではない』『再発するぞ』という人間の声をたたきつけてきた」「この2時間の屈辱を闘いのエネルギーとしていく」と表明した。
今研修をめぐっては7月7日、研修を発令された教育労働者が研修取消・執行停止を求めて東京地裁に提訴した。地裁は7月15日、執行停止請求の却下を決定したものの、「研修が……内心の自由に踏み込み、著しい精神的苦痛を与える程度に至るものであるならば……教職員の権利を不当に侵害するものと判断される余地はある」(民事19部決定)などとした。被処分者は9月に予定される「専門研修」(減給以上の被処分者が対象)の執行停止請求を行うなど、さらに攻勢に打って出ようとしている。
この闘いの大高揚は、都教委のあらゆる暴圧を突き破って「日の丸・君が代」闘争がさらに大きく発展していくことを確信させた。この道を進もう!
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週刊『前進』(2208号2面4)(2005/08/01)
板橋高校裁判 威力業務妨害のデッチあげ明白
04年3月の都立板橋高校卒業式をめぐって「威力業務妨害罪」で起訴された藤田勝久さん(同校元教員)の裁判闘争が、デッチあげの完全粉砕へ力強く闘いぬかれている。
第3回公判(5月30日)
・第4回公判(6月21日)では、板橋高卒業式に出席した都教委指導主事(当時)の鯨岡広隆の証人尋問が行われた。第5回公判(7月19日)では、鯨岡が板橋高卒業式の式開会前から式終了後まで録音したICレコーダーの音声データをめぐって弁護団が意見陳述を行い、その後音声データを法廷で再生した。
このICレコーダーの音声データは、藤田さんが卒業式を「威力により妨害した」とする検察側の“唯一の証拠”とも言えるものである。しかし徹底した追及をとおして、その証拠をまったく逆に、藤田さんの無実を明らかにするものへと追い込んでいる。
藤田さんは式開会前に保護者らに「日の丸・君が代」強制の記事が載った週刊誌のコピーを配布し、「国歌斉唱の時に教職員は立って歌わないと処分されます。国歌斉唱の時は、できたら着席をお願いします」などと訴えた。録音された音声データでは、配布や訴えを行った時、教頭らが藤田さんを制止したりしていないこと、つまり制動を振り切って訴えを続けたような事実は存在しないことが明らかになった。さらに実際に式が始まったのは開会予定時間の2分後程度であり、藤田さんの訴えが式の進行に混乱を与えたという事実が存在しないことも明らかになった。(他校の卒業式の音声データでは、開式が3〜4分遅れている)。
藤田さんの無罪戦取へ向けて、さらに支援を広げよう。第6回公判は9月8日(木)板橋高校・北爪校長の証人尋問、第7回公判は9月29日(木)板橋高校・田中教頭の証人尋問が行われる。いずれも東京地裁104法廷、午後1時半から。傍聴に駆けつけ、大法廷を埋めつくそう。
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週刊『前進』(2208号2面5)(2005/08/01)
新しい闘いに挑戦する革共同に熱いカンパを
すべての労働者、支持者、『前進』読者のみなさん。
ついに始まった革共同の新しい闘いに、さらに多くの一時金カンパを訴えます。
革共同は今次都議選で「労働者階級の実体的獲得をめざした大衆運動の爆発の力で、選挙闘争に勝利していく」という、まったく新しい、しかしもっとも本来的な闘いに挑戦しました。結果は7977票の支持で敗北でした。しかしこれまでのどの選挙闘争よりも価値ある闘いを実現したことを報告することができます。
私たちは、1〜3月「日の丸・君が代」決戦と、その直接の発展として教科書闘争と都議選決戦を一体で闘いました。そして今、「つくる会」教科書絶対阻止の闘いを断固として貫き、ここから一直線に11月労働者総決起の道に進もうとしてます。
文字どおりの戦時下への突入のなかで、日帝・国家権力の弾圧が激化しています。都議選以前、そして直後からくり返されるデッチあげ逮捕や不当な家宅捜索などの弾圧は革共同が開始した新しい闘いに対する権力の恐怖を示しています。
また戦時下への突入は、日本共産党スターリン主義や、「市民派」と称する右派社民などのなだれうつ転向を引き起こしました。これに対して、断固として非転向を貫くだけでなく、あくまで労働者階級の決起によって勝利を実現しようとする革共同の闘いは、すべての反動勢力の恐怖の的になったのです。
今回の都議選で日共スターリン主義は革共同や都革新に対して激しい攻撃を行いました。彼らは選挙後さらに反戦闘争をめぐって、国鉄1047名闘争をめぐって、また教基法闘争をめぐって、さらには教科書闘争をめぐって、統一戦線を破壊する攻撃に出ています。
こうした分断と破壊を見事に突破して実現されたのが7・15国鉄大集会5800人の大結集でした。闘う人民は本当に闘う統一戦線を求めているのです。それを提起し実現できるのも非転向で闘いぬいている革共同だけなのです。
帝国主義サミットを痛撃した、ロンドンでの7・7ゲリラ戦と、サミット包囲の1万人デモ。そしてなによりイラク・アフガニスタンでのゲリラ戦争の一層の爆発のなかで、日帝・小泉がまたも狙うイラクへの派兵延長に対して、イラク人民の怒りのゲリラが爆発するのは不可避です。
自治労や日教組など4大産別を始めとした労働戦線の改憲勢力化と断固対決し、これを組合員の力で転覆する闘いがいま早急に求められています。
相次ぐ首切り、リストラ、賃下げ攻撃と日々闘っている労働者のみなさん。賃金制度そのものをなくす、資本主義・帝国主義そのものをうち倒す絶好のチャンスが到来しています。
革共同とともにその道を切り開きましょう。絶大なカンパをあらためてお願いするものです。
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週刊『前進』(2208号3面1)(2005/08/01)
共謀罪 7月末衆院委採決阻止を
思想そのものを弾圧対象とした現代の治安維持法
労組と革命党の破壊を狙う
思想・信条を処罰する現代の治安維持法=「共謀罪」が7月12日の衆院法務委員会で実質審議入りした。政府・法務省・自民党は、ほとんど審議もしないままに7月26日の法務委員会で採決の強行すら狙っており、事態は緊迫している。連日国会前で闘う「破防法・組対法に反対する共同行動」を先頭に、衆院法務委での強行採決を阻止し、廃案に追い込むために全力で闘おう。
実行行為なくても「相談」だけで逮捕
共謀罪は、大変な悪法である。この法案は、03年に一度提出されて廃案になったが、04年に再度「犯罪の国際化および組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」の一部として国会に提出された。
共謀罪の条文は、組織的犯罪対策法の第6条(組織的な殺人等の予備)の項目の次に、「第6条の2(組織的な犯罪の共謀)」を追加=新設するという形式を取っている。条文は以下のようなものである。
「次の各号に掲げる罪に当たる行為で、団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を共謀した者は、当該各号に定める刑に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、または免除する。
@死刑または無期もしくは長期10年を超える懲役もしくは禁固の刑が定められている罪
5年以下の懲役または禁固
A長期4年以上10年以下の懲役または禁固の刑が定められている罪
2年以下の懲役または禁固」
これは、「事件」(現刑法の違法行為)が何も発生していなくても、国家権力が「組織的に共謀した」と決めつければ、相談しただけで犯罪として処罰できるということである。近代刑法は、何らかの行為があり、結果が発生したことをもって処罰の対象としているのに対して、共謀罪は思想そのものを処罰の対象とし、言論や思想の段階で革命党や労働組合そして市民運動を弾圧できるようにするものであり、恐るべき予防反革命立法である。
労働基本権も完全に踏みにじる悪法
政府は、「『国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約』(以下「条約」と略)の批准のために国内法の整備が必要である」と共謀罪法案の提出の理由を説明している。
国連が00年末に採択した「条約」は、パレスチナ人民の民族解放闘争の圧殺を狙って、米帝主導で採択したものであり、徹頭徹尾、反動的で反革命的な代物である。この国際条約の批准のために国内法を整備するということ自体が、被抑圧民族人民の反帝国主義・民族解放闘争と、帝国主義国労働者階級の闘いに敵対し、その連帯・合流を妨害するものである。絶対に認められない。
ところが日本政府が国会提出した共謀罪法案は、この「条約」をもこえる極反動立法なのである。すなわち、「条約」第3条では、適用範囲を「性質上越境的なものであり、かつ組織的な犯罪集団が関与するもの」としているのに対して、政府提出の共謀罪法案では、「越境性」と「犯罪集団の関与」の二つの要件が抜け落ちているのである。つまり、共謀罪法案は、「条約」批准に必要な枠をも大きくこえて、日本政府独自の治安弾圧立法(現代の治安維持法)として、すべての団体の活動を対象に、615種(政府答弁)の広範な罪種に対して共謀罪を設けるものである。
これは新しくひとつ「罪種(犯罪の種類)」が増えるというようなものではなくて、実質的に刑法の全体(総則)が変わるということであり、実行行為を処罰の対象とする近代刑法の理念を根底から覆すものである。
二人以上の「話し合い」であれば、どのような団体でも適用対象となるので、「単独犯」以外全部に当てはまる。夫婦間の会話すら、共謀罪の対象となるのだ。
共謀罪は、革命党の組織と活動に弾圧を加えるものであり、また、労働組合・争議団活動の弾圧に用いられる危険性が極めて高い。憲法上保障された労働基本権(団結権、団体交渉権、争議権)が完全に踏みにじられる。たとえば、別表のようなケースに共謀罪の適用が可能なのである。
この間、労働運動・労働争議へのまったく不当な刑事弾圧が続いている。関西生コン弾圧や解同全国連寝屋川支部弾圧(完全無罪判決が確定)、さらに腐敗した組合幹部を弾圧の手先とする02年5・27国労臨大闘争弾圧などであり、これらは共謀罪を先取りした弾圧である。このような労働運動への大弾圧を絶対に粉砕しよう。
事前に「自首」すれば刑を軽減・免除
共謀罪にはまた、「実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、または免除する」という重大な規定がある。初めて日本の刑法体系に本格的に導入されるものだ。国家権力が裏切りや転向強要を奨励し、果てはスパイ分子を送り込んで、デッチあげで一網打尽的に革命党や労働組合、団体を壊滅することを狙っているのだ。
同時に引き起こされることは、警察の捜査手法の大転換だ。組織的な共謀を処罰するということは、人びとの日常会話や電話・メールの内容そのものを取り締まりの対象とすることである。そのために警察は、私服刑事を大増員し、日常的な尾行・張り込み・盗聴などを徹底的に強めることになるのは確実だ。警察社会・密告社会・監視社会をもたらすものだ。どうして、こんな悪法を許せるだろうか。
日帝が、国際条約の枠をもこえて、615もの罪種を対象に「実行」のはるか以前の「話し合い」段階で弾圧しようとしてきているのは、日帝がイラク侵略戦争に参戦し、さらに北朝鮮・中国侵略戦争に突き進んでいるからだ。
日帝は戦時下において、革命党および労働組合・市民団体の闘いを、日帝の危機を拡大しプロレタリア革命につながるものとして恐れている。だからこれから本格化する危機と革命的激動の時代の入り口において、まだ芽のうちに、労働者階級の団結体をつぶしてしまおうとしているのである。
絶対に負けられない。この間、「共謀罪は問題がある」ことが新聞、週刊誌などでも報道され始めている。社会的な関心も高まり、国会議員も「共謀罪反対」の声を上げ始めている。衆院法務委員会が開かれる7月26日(火)には、正午から衆院第2議員会館前で昼集会が闘われる。さらに同日夜には国会議員が呼びかけて、「『共謀罪』に反対する超党派国会議員と市民の集い」が開かれる(午後6時半、星陵会館)。ともに闘おう。
日帝の凶暴な攻撃=共謀罪を粉砕し、労働者階級の闘いの前進をかちとろう。「つくる会」教科書採択阻止の闘いと一体で、共謀罪制定絶対阻止に立ち上がろう。
労働組合のこんな正当な話し合いも「共謀罪」の弾圧対象になる!
△要求に誠実に対応するまで団体交渉を継続すると決議した→逮捕監禁罪の共謀罪
△親会社・持株会社や取引先、金融機関等に要請行動行い面会を求めることを決めた→強要罪の共謀罪
△労働組合や争議団がビラまきや街頭宣伝の実行を決めた→信用毀損(きそん)や業務妨害罪の共謀罪
△退職金の上積みや解決金の支払いを要求することを決めた→恐喝罪の共謀罪
△労働債権や雇用の確保、事業の存続を図るために事業場を占有したり、一時的に組合管理におくことを決めた→威力業務妨害罪、強制執行行為妨害罪などの共謀罪
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週刊『前進』(2208号3面2)(2005/08/01)
“年収400万円以上は残業手当なくす”
政府・日本経団連が策動 労働時間規制全廃狙う
日本経団連が必死に導入を策動
日帝・小泉=奥田による労働者階級に対する「内への階級戦争」は「外への侵略戦争」と一体でますます激化している。
昨年度の労組法改悪で労働委員会制度解体へ踏み出した日帝は、8時間労働制の全面的解体に踏み出そうとしている。その具体化がアメリカをモデルにしたと称して導入を狙う「ホワイトカラー・エグゼンプション制度」導入策動である。
エグゼンプションとは「適用除外」という意味で、アメリカの「ホワイトカラー・エグゼンプション制度」とは、一定の要件を満たすホワイトカラーについては労働時間規制を適用除外にし、時間外労働への5割の法定割増賃金を払わなくてもよいという制度だ。これ自体とんでもないが、実態はハンバーガーショップの副店長のようなホワイトカラーとはとても言えない低賃金労働者にまで適用され、「使用者が人件費を削減するための手段」だと言われている。これを日本にも導入し、長時間労働と低賃金社会に日本をたたき込もうというのだ。
日本経団連は、昨年12月に発表した05年版労問研報告で、「工場法の時代の遺制を引きずる労働基準法などの関係法令を、今日の環境にふさわしいものに抜本的に改革する」と叫び、労働時間規制が、「日本の企業の国際競争力の維持・強化の阻害要因」だとして労働時間規制の全廃を主張している。そしてその手段として「ホワイトカラー・エグゼンプション」を1ページ使って解説している。
6月21日には「2005年度日本経団連規制改革要望」を公表、「規制改革・民間開放」という名の民営化=労組破壊を一層推進することを政府に要求している。その中でホワイトカラー・エグゼンプション制度の導入を重点項目としている。さらにこの要望書とは別に「ホワイトカラーエグゼンプションに関する提言」を同日に発表した。きわめて異例の事態だ。
日本経団連がこれほどまでに必死になって導入を狙う「ホワイトカラー・エグゼンプション」が導入されるとどうなるのか。
現在、建前化しているとはいえ、1日8時間、週40時間というまがりなりにも残っている労働時間の歯止めは完全になくなってしまう。しかも、現在進行している年俸制や成果主義賃金などの賃金制度改悪と合わさる時、労働時間と賃金の関係も切断され、「残業」という考え方すら否定される。いくら残業してもまったく残業代が出なくなるのだ。それでなくても現在横行している違法な「サービス残業」が合法とされて野放図に拡大し、ただ働きと過労死がますます増え、賃金も下がることになる。
日本経団連は提言の中で労働者が過労死に追いやられてきた「フレックスタイム制」「変形労働時間制」「裁量労働制」では不十分だとあけすけに語っている。これらの制度は、何時間働いても8時間働いたと見なすという、「みなし労働時間制」であり、8時間労働制の名残として休憩、休日、深夜業、年休についての規制が残っているのがよくないなどと言う。休日や深夜業の規制も全部取り払って、文字どおり24時間・365日、死ぬまでこき使おうというのだ。
この攻撃は「ホワイトカラー」にだけかけられるわけではない。日本経団連の提言では年収400万円以上の労働者が対象だ。大部分の工場労働者も対象になる。全労働者が「工場法」以前のように低賃金で一日14時間も16時間も働かされ殺されることになるのだ。
日本経団連の要請を受けて、政府は「規制改革・民間開放推進3カ年計画」(改訂版)を3月25日に閣議決定した。その中で、ホワイトカラー・エグゼンプションについて、昨年度に海外事例調査を行ったとして、05年度から本格的な検討に着手するとしている。これを受けて厚労省は4月28日に「今後の労働時間制度に関する研究会」を発足させ、具体的検討に着手した。このまま行けば、来年の通常国会にも改悪法案が提出されると言われている。まさに闘うのは今だ。
労組破壊を意味する労使委員会
日本経団連の提言では、年収400万円以上の場合は、労使委員会が決議さえすれば、適用除外の対象業務をいくらでも拡大できるとしている。これこそ、労働組合を資本の言いなりになる労使委員会に置き換えようという労組破壊の大攻撃である。労働法制解体攻撃は労組破壊攻撃と一体なのだ。闘う労働組合の復権こそが求められている。
マルクスが『資本論』第1巻第8章の「労働日」で力説しているように、標準労働日を求める闘いは労働者階級にとって賃金闘争とならぶ生き死にのかかった基礎的闘争だ。流血の諸闘争の成果として「工場法」と8時間労働制はある。
労働者階級を食わせることも生きながらえさせることもできなくなった資本主義・帝国主義に断を下せ。「工場法以前に戻せ」と主張する小泉=奥田に怒りを。動労千葉を先頭に闘う労働運動の新潮流をつくり出そう。11月労働者総決起に進撃を開始しよう。
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週刊『前進』(2208号3面3)(2005/08/01)
連合中央とともに9条解体に進む
自治労中央の改憲方針粉砕を
連合中執が9条改憲を提起
自治労中央は、8月23―26日の定期大会(鹿児島)で運動方針案の中に実質9条改憲を意味する「平和基本法」制定方針を盛り込み、可決しようとしている。5月の中央委員会(名古屋)で自治労「国の基本政策検討委員会」(以下、検討委と略)が報告した平和基本法=改憲案を大会で正式決定することを狙っているのだ。
自治労中央は、検討委=諮問会議の報告で改憲案=平和基本法を運動方針化し、自治労を改憲勢力=侵略翼賛勢力へと転向させ、日帝・小泉の改憲と戦争国家化の攻撃に屈服して生き延びようとしているのだ。
自治労中央は連合(笹森清会長)と完全に歩調を合わせている。7月14日、連合は中央執行委員会で「国の基本政策に関する連合の見解(案)」(以下、見解案と略)として9条改憲案を提起した。
見解案は@憲法9条を改正し、詳細を規定するために「安全保障基本法(仮称)」を制定するA憲法9条の改正は行わず、「安全保障基本法」を制定する――と両論を併記している。
見解案は連合会長代行の人見一夫自治労委員長を含む3役会でまとめられた。連合は10月定期大会で見解を承認し、改憲勢力として登場しようとしている。
自治労中央は、この10月連合大会に間に合うように8月自治労大会で連合見解案Aに対応した改憲案=平和基本法の承認に持ち込もうとしているのだ。
連合の改憲勢力化は連合内「左派」の自治労と日教組の動向にかかっている。闘う自治労組合員の総力で自治労中央の改憲策動を打ち砕こう。改憲勢力化は自治労の死だ。自治体労働者は再び「天皇の官吏」となって人民を戦争に動員するのか。断じて否だ。7―8月「つくる会」教科書採択阻止の闘い、8・6―8・9広島・長崎反戦反核闘争に立ち上がり、8月大会で改憲案を否決し、自治労の改憲勢力化を阻止しよう。
平和基本法は実質9条改憲
自治労中央委員会に出された検討委報告は第一に、「T はじめに」の中で「第1に、憲法の基本理念である積極的な平和主義、国民主権、基本的人権の尊重の堅持を求める」と言いながら、すぐその後に「第2に、憲法改正問題については、……議論・検証を行うことを求め、拙速かつ強権的な改正には反対の立場で取り組む」と言っている。自治労中央はけっして「改憲反対」とは言わない。改憲賛成、改憲推進の立場に立っているからだ。
検討委報告は第二に、「W 平和基本法と国際貢献のあり方」の中で「『平和基本法』の制定にあたっては、憲法上の厳しい制約の下におかれ、かつ、国際法上明記されている主権国家の『個別的自衛権』を前提とした『最小限防衛力』を定義し、現在の自衛隊の縮小、分割・再編の道筋を明らかにすべきである」「なお『集団的自衛権』については、日本が国際紛争の解決の手段として、戦争と武力による威嚇や行使を放棄している以上、当然ながら行使できない」と述べている。
最も重要なのは「平和基本法」は「主権国家の『個別的自衛権』を前提と(する)」と言っていることだ。「集団的自衛権」についても「行使できない」と言うが「認めない」とは言っていない。結局、個別的自衛権と集団的自衛権を承認しているのであり、実質的な9条改憲論だ。
「主権国家」とは現実には日帝国家のことだ。この主権国家=日帝国家の個別的あるいは集団的自衛権を認めるということは、日帝が個別的に、あるいは日米が集団的に「自衛」の名で行う侵略戦争=強盗戦争を認めるということだ。「個別的自衛権を前提にした最小限防衛力」も日帝の侵略戦争のための戦力だ。
ところで、現在、日本では「集団的自衛権」の承認は是か非かという議論がなされているが、現実には日帝は日米安保やイラク特措法などで国連憲章51条に規定する「個別的あるいは集団的自衛権」を行使している。集団的自衛権論議は日本の「集団的自衛権」の範囲を問題にしているだけなのだ。例えば日米安保で日本の「防衛」=侵略戦争に米国が米軍を出動させて協力すれば、それは集団的自衛である。イラクなどで米国の「防衛」=侵略戦争に日本の自衛隊が物資・人員・情報の補給・輸送・提供で協力すれば、戦場で戦闘を行わなくても、それは集団的自衛である。したがって、検討委報告(81年政府見解、自民党、民主党なども)の言う「集団的自衛(権)」は無制限の侵略戦争のことなのである。「個別的自衛権」への限定は何の歯止めにもならない。
アジア安保は集団的自衛権
検討委報告は第三に、「U 憲法をめぐる情勢認識」の中で「歴史認識や靖国問題などを背景に、急速な経済発展にともなう対立などもあって、領土問題などをめぐり中国や韓国で反日感情が高まっており、アジアの平和と安全保障にとって憂慮すべき状況」と言っている。
報告は、帝国主義者と一緒になって中国・朝鮮人民の抗日・反日闘争を排外主義的に非難しているのだ。自治労中央にとって中国・朝鮮人民の反日・抗日闘争は、日帝の領土強奪、アジア勢力圏づくりに対する妨害であり、鎮圧・排除すべき対象なのだ。
だが、中国や韓国での反日・抗日闘争は、日帝の国連常任理事国入り、中国領土・釣魚台諸島の略奪、朝鮮領土・独島の略奪、小泉首相の靖国神社参拝、「つくる会」教科書の検定合格など、日帝の中国・朝鮮侵略戦争の動きへの当然の抗議行動だ。それは、いまだ日帝の存在を許している日本の労働者階級への糾弾であり、“日帝打倒のためにともに闘おう”という呼びかけ・援助でもある。
自治労は、中国・朝鮮人民の抗日闘争を支持・連帯して、日帝=自国の侵略戦争と民営化(労組破壊)の攻撃を内乱に転化する闘いを労働者階級に呼びかけて決起すべきなのである。これが真の労働者国際主義である。反戦闘争、資本攻勢との闘いに立ち上がらなければ労組として団結を維持し労働者の生活と権利を守ることもできない。
検討委報告は第四に、「W 平和基本法と国際貢献のあり方」の中で「『平和基本法』(仮称)は、日本の日米2国間路線から国連とアジア重視の外交への政策転換を」「X 日本の外交戦略の転換」の中で「これまでの米国一国依存の外交と安全保障政策を転換し、アジアの一員として地域安全保障の概念をめざさなければならない」と提起している。
国連とは、集団的安全保障の機関として安保理=5大国が「武力行使」すなわち国際帝国主義の侵略戦争を承認し、発動するシステムにほかならない。国連は第2次大戦後、帝国主義のさまざまな侵略戦争を正当化・合法化してきた。
また帝国主義世界体制のもとでは検討委報告の言う国連加盟国の「完全軍縮」とか日帝の「非戦国家」化などありえない。
報告は「アジア重視」として、日米同盟路線をやめてアジアの地域的安全保障をめざすとしている。日帝が対米対抗的に独自のアジア勢力圏をつくることを軍事的に保障する体制をつくろうと言っているのだ。
日帝がめざす「東アジア自由経済圏」は「新大東亜共栄圏」にほかならず、そのためのアジア地域安保体制はアジア人民の民族解放闘争を鎮圧するための軍事機構だ。これこそ典型的な集団的自衛システムだ。何が「集団的自衛権は行使できない」だ。自治労中央―検討委報告は帝国主義の侵略思想そのものだ。
自治労中央は、現場での論議もないままアジア侵略戦争のための改憲案=平和基本法を運動方針案に潜り込ませ、過半数の賛成で可決・決定しようとしている。職場で議論を巻き起こし、中央本部の改憲推進を暴露しよう。闘う自治労組合員の総決起で自治労の改憲勢力化を阻止しよう。
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週刊『前進』(2208号3面4)(2005/08/01)
公安と江戸川区役所が結託 テロ対策を理由に ビラまきでまた逮捕
本紙前号で既報のように、7月13日、江戸川区役所へのビラまきで二人の同志が不当逮捕された。また同日、静岡では「電磁的公正証書原本不実記録・同供用」デッチあげで一同志が不当逮捕された。怒りをこめて徹底的に弾劾する。
そもそも前進社では、この10年、地域ビラ『東松かわら版』を本社周辺地域と江戸川区役所に定期的に配布してきた。区役所でのビラまきは一貫して庁舎内で行い、問題が起きたことは一度も無かった。
ところが7月13日はまったく異様であった。早朝7時半、ビラまき隊の車が江戸川区役所構内駐車場に到着した途端、待ち構えていた区役所総務課長・秋元が駆け寄ってきて「車を停めるな」と叫びだした。A同志は当然のことながら激しく抗議した。ところが秋元は強硬に「区役所に用のない人は車を停めるな」を繰り返し、ビラまきを開始すると「ビラをまくな」「庁舎管理規則に従え」と激しく攻撃してきた。
このようなまったく理不尽な攻撃に、この10年間、一貫して区役所でビラまきを続けてきたA同志が懸命の抗議を続けたのは当然のことである。
さらにA同志は、庁舎内3階の窓から公安刑事が写真を撮っているのを発見し、「なぜ公安を庁舎内に入れるのか」と秋元に抗議していた。
そしてビラまきが終わりに近づいた8時20分、中核派担当の極悪の警視庁公安刑事・星隆夫を先頭に8人前後の公安刑事がA同志に襲いかかり、不当逮捕した。近くにいたB同志がそれに抗議したところ、B同志をも不当逮捕した。
容疑は、A同志が区役所総務課長への公務執行妨害、B同志が公安刑事への公務執行妨害というとんでもないデッチあげ弾圧だ。
事の本質は、公安警察と区当局が結託した最初から意図的で計画的な狙い撃ち弾圧だということだ。「何がなんでも逮捕」ということであり、02年5・27国労臨大闘争弾圧型の攻撃だ。
マスコミは、A同志が「区職員の胸を押した」と書いているが、まったく事実ではない。逮捕を正当化するためのデッチあげだ。
戦時下において、「日の丸・君が代」強制反対から「つくる会」教科書採択阻止闘争へと学校門前や街頭でのビラまきが広範な大衆運動を活性化させている。日帝はこのビラまきを一掃することを狙っている。
石原「憲法無視し人身も拘束」
7月7日、ロンドン同時爆破ゲリラが起きた。翌8日、石原はテロ対策を指示し、警視庁、鉄道そして区市町村をもテロ警戒体制に入れた。記者会見では、テロ対策の一例として、天然痘の病原菌が散布された場合を想定して、「人権なんてものを想定すればどんどん蔓延(まんえん)する」「だから超法規的に、場合によったら憲法の条項も無視する」「人身も拘束するということをしませんとね」とまた憲法破壊の発言をした。これが日帝のテロ対策の本音だ。
このテロ対策とは、具体的には、江戸川区役所と警視庁公安部が結託して憲法を無視して中核派のビラまきを弾圧し、人身を拘束し、政治活動を禁圧することだったのだ。
今回のビラまき弾圧は、戦時下で重要な闘いであるビラまきの禁圧を狙う攻撃だ。徹底的に粉砕し、不当逮捕の同志の即時釈放をかちとろう。
7月19日、警視庁は、区役所ビラまきでの二人逮捕と静岡の一人逮捕を口実として前進社に対する不当な家宅捜索を強行した。まさに戦時下の治安弾圧である。徹底的に反撃しよう。
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週刊『前進』(2208号4面1)(2005/08/01)
原水禁運動解体策す笹森許すな
青年労働者に訴える
階級的労働運動の大登場を
今年8月、広島・長崎の被爆から60年を迎える。帝国主義の2度目の世界戦争(第2次世界大戦)の帰結であった被爆体験に根ざしたヒロシマ・ナガサキの闘いは、戦後日本(と世界)の労働者、労働組合、労働運動にとって決定的な位置と意義を持ってきた。
60年前に原爆を使用した米帝は、現在も核先制攻撃を国家戦略とし、まぎれもない放射能兵器である劣化ウラン弾をイラク全土で大量に使用し、新たな核兵器開発を進めている。世界では今も新たなヒバクシャが生み出され、核戦争の脅威は強まるばかりだ。
01年9・11反米ゲリラとアフガニスタン−イラク侵略戦争の開始は、世界が再び「戦争と革命」の時代を迎えたことを示した。戦争と民営化(労組破壊)の攻撃が労働者階級に襲いかかり、被抑圧民族・人民に差別と抑圧、破壊と虐殺の嵐が逆巻いている。
こうした中で「つくる会」教科書が“国家の生き残りのために戦争が必要”と主張し、改憲と教育基本法改悪の攻撃が激化している。日本は再度の15年戦争の道を突き進んでいる。
他方で、最大の労働組合ナショナルセンターの連合の主要産別が軒並み改憲派へ転向しようとしている。連合丸ごとの改憲勢力化が大問題になっている。これと連動して原水禁運動(最大の実体は労働組合)が改憲派への転落と解体・消滅の危機に直面している。
こうした内外情勢に対して、ブッシュの世界(核)戦争戦略と対決し、〈戦争と民営化(労組破壊)〉の小泉=奥田を打倒し、連合の改憲方針をぶっ飛ばして、階級的な労働者の闘いを被爆60年の広島・長崎に登場させることが必要となっている。今年1〜3月の「日の丸・君が代」強制拒否闘争を引き継ぎ、「つくる会」教科書粉砕闘争を大高揚させ、8・6−8・9闘争、とりわけ8・6ヒロシマ大行動の大成功をかちとろう。
本稿では、特に青年労働者に8月広島・長崎の闘いへの決起を呼びかけ、@「ヒロシマ・ナガサキとは何か」をあらためて問い、A新たな核戦争をもたらす現代帝国主義を弾劾・打倒するために、B階級的労働運動とヒロシマ・ナガサキの闘いの新たな発展・高揚をともにつくりだすことを訴えたい。
帝国主義戦争の帰結
被爆とは
まず「被爆とは何か」を被爆の実相や歴史的経過などを材料に考えてみよう。
●被爆の実相
1945年8月6日8時15分、島病院(原爆ドームの近く)の上空580bで人類最初の原爆は爆発した。続いて9日、長崎にも原爆が投下された。
原爆は爆発の瞬間、数百万度という高温の火の玉を生んだ。1秒後には半径200bに膨らみ、約10秒間、上空で輝き、熱線を放射した。爆心地は、3千〜4千度に達し、熱線の直射を受けた人は焼き尽くされ、ほとんどが即死した。爆心地近くでは人が蒸発した。
数十万気圧の圧力は、まず衝撃波と呼ばれる超音速の波動として伝わり、その後に突風が吹いた。直下では圧力30dの衝撃波と秒速400bの突風が吹いた。鉄筋コンクリートのビルもほとんどが全壊した。破壊された建物の天井や壁は、人びとの身体をつぶし、生き埋めにした。爆風は窓ガラスを砕き、破片が体に突き刺さった。
大量の初期放射線(中性子とガンマ線)は、人びとの体を貫通し、細胞や造血器の破壊、臓器の障害、免疫機能の低下、脱毛などの症状を引き起こし、短時間のうちに死亡させた(体外被曝)。
放射線はちりやほこりに付着して広範囲に飛散した。一部は「黒い雨」となり、雨滴に触れた者に放射能障害を与えた。また呼吸、飲水、飲食をつうじて体内に摂取された放射性物質は、アルファ線、ベータ線などを長期にわたって放射した(内部被曝)。被爆者の多くは今も放射線の影響に苦しんでいる。
広島市内には当時約35万人がいた。直後的に約15万人が死んだ。この数字はあくまで推定である。一瞬にして燃え尽き、灰と化してしまった人もいる。川を埋めつくし、海に流された遺体の数は正確には確認できない。現在も約30万人の被爆者が存命している。
●戦争の帰結
原爆投下は、日帝のアジア侵略戦争、アジア・太平洋支配をめぐる日米間の帝国主義戦争の帰結だった。
第2次世界大戦が始まったころから米英独日ソは原爆開発に総力をあげた。結局、圧倒的な経済力と工業力を持つ米国によって初めて原爆は開発された。「マンハッタン計画」と呼ばれた原爆開発計画は、推定20億j(現在の日本円で2兆円)の費用をかけ、最盛時には12万人以上の科学者、軍人・軍属、労働者が開発に従事した。
戦後処理問題を話し合った1945年のヤルタ会談とポツダム会談で、ソ連のスターリン首相は対日参戦を明言した。しかし、原爆実験成功の報を聞いた米トルーマン大統領は、ソ連の対日参戦前に原爆によって戦争を終結させ、ソ連の極東進出を抑え、戦後世界の主導権を確保するために原爆を使用することを決意したのである。
米軍は、原爆を使わなくても本土上陸作戦前に日本が降伏する見通しを持っていた。しかし戦争の早期終結ではなく、米帝が戦後世界で優位に立つためにソ連の参戦前に原爆を実戦で日本に投下し、その「威力」を示すことが必要だったのだ。その威力とは何十万人という人の命を一瞬にして奪うことだった。戦後、米ソは人類を何十回も滅ぼすほどの核開発競争にのめり込んでいった。
●国体護持
同時に被爆は、国体=天皇制の護持のために引き起こされた日帝の重大な戦争犯罪だ。
44年11月には本土空襲が本格化し、日本の敗色は濃厚となっていった。戦局に不安を抱く昭和天皇に対し、近衛文麿元首相が45年2月、敗戦は必至であるとして「国体護持の立場より、憂うべきは敗戦よりも敗戦によって起こる共産革命」として1日も早く戦争終結を準備すべきと進言した。しかし昭和天皇は、もう一度大きな戦果をあげてより有利な講和条約を得たいとして、近衛の意見を退けたのだ。
こうして勝利の見込みのない戦争が続けられた。昭和天皇が自らの戦争責任逃れと自己保身を図るだけのために戦争を継続したため、沖縄戦や原爆投下へと至ったのだ。
●軍都廣島
他方で、被爆は、「軍都廣島」の帰結でもあった。広島は、1894〜95年の日清戦争の時に大本営が置かれてから軍都として発展した。45年には、第2総司令部が置かれ、東京と並んで本土防衛の重要な基地となった。市内には、運輸部本部、糧秣支廠、兵器支廠などの軍関係の施設、あるいは鉄道局、逓信局、財務局などの中央官庁の出先機関や学校が集中した。
この「軍都廣島」は、米軍の第1攻撃目標となった。帝国主義戦争の総力戦の性格は、住民(銃後の労働者)の皆殺しと工業力・生産力の壊滅という原爆の使用に行き着いたのだ。広島・長崎の教訓は、帝国主義戦争は必ず核戦争に行き着くということであり、核と人類は絶対に共存しえないということである。
核先制攻撃狙う米帝
世界戦争
帝国主義戦争の非人間性、非人道性の極致である核兵器の恐怖は、戦後60年を経て減るどころではない。米軍がイラクで劣化ウラン弾を使用し、核先制攻撃の北朝鮮・中国、イラン侵略戦争を狙っている。
イラク侵略戦争で米軍は、約2千dの劣化ウラン弾を使用したと言われる。バグダッドなどの人口密集地域でも大量の劣化ウラン弾の痕跡が発見されている。ファルージャやナジャフでも米軍は掃討作戦での一方的な爆撃で劣化ウラン弾を使用している。
●劣化ウラン弾
劣化ウラン弾は戦車の分厚い装甲を豆腐のように破壊する。劣化ウランは地球上で最も比重が高い金属だ。戦車の装甲に当たった劣化ウラン弾は衝突と摩擦熱で3千〜4千度の高熱を出して装甲を溶かし、戦車内に侵入して激しく燃え、煙草の煙より細かい微粒子となって拡散する。戦車の中は真っ黒になり、中の人間が炭化するほどだ。微粒子となった劣化ウランが鼻や口、皮膚から体内に入り、長期にわたって体内から放射し続ける放射線による「内部被曝」は深刻だ。
91年の湾岸戦争でも米軍は300〜900dの劣化ウラン弾を使用し、その後のイラクでは癌(がん)や白血病が激増した。小児白血病の発症率は湾岸戦争前の4倍。経済制裁で薬がまったく手に入らず、毎日、多くの人、特に子どもたちが死んだ。湾岸戦争に従軍した60万人の米兵のうち実際の戦争で死んだのは約300人だが、帰還後、劣化ウランの影響と見られる湾岸戦争症候群ですでに1万人が死亡した。
劣化ウラン弾は、まぎれもない放射能=核兵器である。米軍が劣化ウラン弾を使用したイラク、アフガニスタン、ボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボでは毎日新たな「ヒバクシャ」が生み出されているのだ。そして相手国のみならず自国の兵士も核で殺している。帝国主義の本性は60年前とまったく変わっていない。
●核先制攻撃
01年9・11後に米帝が打ち出したブッシュ・ドクトリンは、先制攻撃を軸に世界中に侵略戦争を拡大していく世界戦争戦略だ。03年3月に米英軍は、イラクに侵攻し、フセイン政権を倒して、軍事占領した。そして、イラクで破壊と虐殺の限りを尽くしている。
ブッシュ政権は、02年の「核態勢の見直し」(NPR)で、通常兵器と核戦略の統合を打ち出し、新型核兵器の開発を進めてきた。「核による抑止」が目的なら核と通常兵器を組み合わせる必要はまったくない。これは、ソ連崩壊後の米帝による核戦力の独占を背景に、米軍の一方的な核先制攻撃を行うということである。「核態勢の見直し」に基づいて米軍は実際に、太平洋軍などの各地域の統合軍司令官が大統領に戦術核の使用許可を要請できる方針を策定し、核先制攻撃を選択肢に入れている。
今年6月に行われた核拡散防止条約(NPT)会議を前にして米帝は、NPT加盟の非核保有国に対し核兵器を使用しないという4年前の国際的な約束をほごにする方針を決めた。これは、イランや北朝鮮への核先制攻撃の選択肢を温存するということだ。NPT会議は「核廃絶」を誓うどころか、米帝の新たな核戦争宣言の場となった。
こうした米ブッシュ政権による北朝鮮・中国侵略戦争が切迫する国際情勢に対応して、日本では「つくる会」教科書が“国家・国益を守るために戦争は必要。国家の危機の時に国民は国家のために死ぬことができなければならない”と主張している。「つくる会」教科書は敗戦後に墨で塗られた国定教科書の現代版だ。
この戦争教科書を「つくる会」一派のみならず、自民党、財界、小泉政権・文部科学省など日帝総体が推進している。「つくる会」教科書は日帝のイデオロギーそのものであり、日帝の正体だ。新たな核戦争の危機と対決し「つくる会」教科書を粉砕するヒロシマ・ナガサキの闘いが必要だ。
既成原水禁を超えて
改憲阻止
被爆者の存在と闘いは60年間、帝国主義と核を糾弾してきた。被爆者の存在と闘いは、幾度もの核戦争危機と対峙し、帝国主義(日帝)の戦争責任、被爆責任を厳しく追及してきた。
原水禁運動は、54年3月のアメリカの水爆実験による第5福竜丸事件をきっかけに生まれた。「死の灰」を浴びた乗組員が死亡したこの事件は、米ソ対立が激化し、核開発競争が進展する国際情勢を背景に、労働者階級の反戦反核の感情を呼び覚ました。東京・杉並区の女性がスタートさせた原水爆禁止署名運動はまたたくまに全国に広がり、3千万人を突破、これを原動力に翌55年の被爆10年8月6日の広島で第1回原水爆禁止世界大会が開かれた。
原水禁運動は、戦後反戦運動の中軸であり、総評労働運動、とりわけ組合青年部・青年労働者の闘いの決定的な推進力・原動力となってきた。
60年安保闘争時に自民党系が抜け、61年に民社党系が脱退した。その後、ソ連の核実験問題で、日本共産党がソ連の核は「社会主義の核できれいな核だ」と擁護したのに対し、当時の全学連や青年労働者は米ソ核実験反対闘争を闘った。この中で原水禁運動は社会党系と日共系に分裂した。この日共の敵対と、帝国主義とも帝国主義の侵略戦争とも闘えない既成原水禁運動に抗して、青年労働者は職場での戦闘的労働運動と反ダラ幹闘争を闘ってきた。
70年安保・沖縄闘争の中で結成された被爆者青年同盟は、被爆二世の青年が帝国主義と対決する被爆者運動を切り開いた。
被爆60年にしてついに今年の原水禁大会は、海外代表を招く「国際会議」も中止し、連合、核禁会議、原水禁の3団体共催の「被爆60年核兵器廃絶2005平和ヒロシマ大会」に行き着いた。大会実行委代表には連合の笹森会長が座った。笹森は発言者で最も長い15〜20分間の「主催者あいさつ」を行うが、笹森は、集められた1万人の被爆者や労働者を前に改憲を主張し、原水禁運動を改憲派に転落させ、運動を解体しようとしている。核禁会議は旧民社党・同盟系の右翼運動である。「折り鶴平和行進」では、核兵器廃絶ののぼり旗以外は自粛せよという指示が出され、来年の原水禁大会は白紙という状況である。
連合・笹森は、小泉=奥田の〈戦争と民営化〉の大攻撃に呼応して、労働運動と原水禁運動の絞殺者として現れている。笹森の原水禁解体策動、改憲攻撃を絶対に許してはならない。
今夏8・6−8・9の最大の課題は、これに対して4大産別を先頭に、既成原水禁運動の破産と変質を圧倒的にのりこえて、広島・長崎に階級的な労働者の闘いを登場させることだ。「ヒロシマ・ナガサキ」は労働者の階級性の決定的ファクターだ。今こそ青年労働者を先頭に、帝国主義の侵略戦争・世界戦争と核兵器に対決する闘いをつくろう。「つくる会」教科書の採択を阻止しよう。連合・笹森の改憲攻撃を粉砕しよう。青年労働者を先頭に8・6−8・9に全国から総結集し、11月労働者大行動へ闘い抜こう。
8・6-8・9反戦反核闘争 要綱
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戦争・核と改憲−うち砕け!今この力で
被爆60年 戦争をとめよう!
8・6ヒロシマ大行動
8月6日(土)12時30分〜
広島県立総合体育館小アリーナ(広島市中区基町4)
▼ヒロシマの被爆者は訴える
▼労働者は戦争動員を許さない 憲法・教育基本法の改悪を阻止しよう!▽「日の丸・君が代」処分とたたかう東京・広島の教育労働者▽解雇撤回、安全運転闘争を闘う国鉄労働者▽有事法と戦争動員を拒否する労働者の決意ほか
▼被爆地からの派兵、軍都再来をとめよう
▼世界の反戦・反核運動との連帯
韓国・中国・イラク・アメリカからの代表団
▼米軍再編と基地撤去をたたかう沖縄から
▼ヒロシマから世界へ−若者のアピール
デモ行進(15時〜17時)
◎国際連帯集会
8月7日(日) 13時〜(12時30開場)
ロードビル(国労会館)
▼韓国/日本軍「慰安婦」ハルモニとともにする市民の会▼中国/重慶大爆撃幸存者と研究者▼イラク/フサーム・マフムード・サリッヒ医師▼アメリカ/アサフ・ドラコビッチ博士(劣化ウラン弾を告発する元米陸軍医師)
以上、主催 8・6ヒロシマ大行動実行委員会
《関連行事》
◎労働者交流集会(教育、国鉄、自治体、郵政、民間・合同労組、医療・福祉) 主催/各実行委員会
8月6日(土)17時開場 アステールプラザほか
◎資料館見学と碑めぐり
8月7日(日)9〜12時 原爆資料館下集合
◎沖縄と広島をむすぶ全国青年労働者交流集会 HIROSHIMA 主催/実行委員会
8月7日(日)13時〜 広島工業大学広島校舎
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8・6-8・9反戦反核闘争日程
主催 被爆60周年8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会
8月5日(金)
◎ヒロシマ反戦反核の集い
8月5日(金)午後5時開場
アステールプラザ・中ホール(広島市中区加古町4−17)
アピール イラクなどの海外代表、反核・反原発運動代表ほか
8月6日(土)
◎小泉来広弾劾!侵略翼賛祈念式典糾弾デモ
午前7時結集 東千田公園(旧広大本部正門)→平和公園
◎核廃絶・被爆者解放集会
午前9時開場 アステールプラザ・中ホール
被爆者の被爆証言とアピール
◎8・6ヒロシマ大行動へ参加(要項別掲)
◇8・6ヒロシマ全国学生交流集会(主催 全日本学生自治会総連合)
午後5時半開場 東区民文化センター(広島市東区東蟹屋町10−31)
8月8日(月)
◎長崎市内・中心地デモ 13時30分集合、14時〜 丸山公園
◎被爆60年8・8長崎反戦大集会
16時30分開場、17時〜 長崎県勤労福祉会館大ホール
斎藤貴男さん(ジャーナリスト) 韓国・中国から 本島等元長崎市長
8月9日(火)
◎長崎原爆朝鮮人犠牲者追悼早朝集会(主催 長崎在日朝鮮人の人権を守る会)
7時30分〜 爆心地公園
◎被爆60周年8・9長崎反戦反核総決起集会 10時〜 天主公園
◎祈念式典糾弾、爆心地・長崎市内デモ 10時50分〜
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週刊『前進』(2208号4面2)(2005/08/01)
杉並で東京反核集会 “核と人類は共存できない”
7月18日午後、8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会主催の「あらたな核戦争をくいとめよう! 7・18東京集会」が杉並産業商工会館で行われ、130人を超える労働者や区民が参加した。
集会は、原水爆禁止運動発祥の地・杉並から新たな反核のうねりをつくり上げようという熱気、「つくる会」教科書の採択を絶対に阻止する決意、辺野古の新基地建設阻止を体を張って阻んでいる沖縄の闘いがひとつになり、今夏広島・長崎反戦反核闘争への大結集を誓い合う場となった。集会後、主催者に「私も8・6に行きます」と宿泊を申し込む青年労働者や高校生が相次いだ。
集会はヨッシーとジュゴンの家のライブで開始。歌声は会場をひとつにした。
主催者あいさつを呼びかけ人の吉田義久さん(相模女子大教授)が行った。
パネルディスカッションは、まとめ役の鎌仲ひとみさん(映画『ヒバクシャ』監督)の巧みな進行と坂井留吉さん(核燃から漁場を守る会)、松井英介さん(放射線医学者)、大石又七さん(第5福竜丸元乗組員)ら3人のパネリストの発言により、世界を覆う「核(放射能)」の危険な現状を鋭く浮かび上がらせた。
「核燃を孫子の代まで残すわけにはいかない」と地元の青森・六ケ所村で闘う坂井さん。劣化ウラン弾による「体内被曝」を始め放射能の人体への影響と危険性を訴える松井さん。日米両政府による「ビキニ被爆者」抹殺の攻撃と闘い子どもたちに「軍隊を無くすことが核廃絶の道」と語り続ける大石さん。
3人の主張の根っこには「核と人類は絶対に共存できない」という共通点がある。それは帝国主義の侵略戦争(核戦争)を再びくり返さない決意の表れであり、帝国主義を打倒する闘いの原点となっている。
特別報告に立った阿部和子さん(辺野古の海上行動隊、名護市久志在住)は、3月の単管やぐらをめぐる海上攻防戦を語り、那覇防衛施設局と工事業者の悪行を断罪した。座り込みに参加し海上行動隊として頑張り続けてきた自らの体験を振り返り、「ぜひ座り込みに来て下さい」と訴えた。
「つくる会」教科書の採択に反対する杉並・親の会が緊急アピールを行った。この間の取り組みを紹介し「採択反対署名は7月16日現在で1万8783筆となった。3万筆をめざす」と報告した。また7月24日のセシオン杉並での集会、27日と8月4日の「人間の鎖」で区役所を取り囲む行動を呼びかけた。
連帯のアピールを、戦争と民営化の攻撃とストライキで闘う動労千葉の滝口誠さん(特別執行委員)、とめよう戦争!隊員家族と元自衛官連絡会が行った。
最後に三角忠さん(三一書房労組委員長)が8・6−8・9総決起の行動方針を力強く提起した。
(投稿/M)
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週刊『前進』(2208号4面3)(2005/08/01)
7月12日〜19日
地対空誘導弾を国内生産に
「緊急事態法案」は提出断念
●米、G4案反対を表明 米国のタヒルケリ国務省上級顧問は、国連総会で、国連安保理の常任理事国入りを目指す日本、ドイツなど「4カ国グループ」(G4)の「枠組み決議案」について明確に反対を表明。G4案が採択に付される場合には、反対票を投じるよう同盟国に呼びかけた。(12日)
●緊急事態法案の提出断念 自民党の石破前防衛庁長官、公明党の河合議員、民主党の前原議員が会談し、緊急事態法案の今国会提出を断念することで一致した。(13日)
●「つくる会」教科書、市町村で初採択 栃木県大田原市の教育委員会が来年度から市立中学校で使われる歴史、公民教科書について、「新しい歴史教科書をつくる会」教科書(扶桑社)を1人が外遊で欠席の中、全会一致で採択した。市町村レベルで同教科書が採択されるのは全国で初めて。(13日)
●町村外相が暴言 町村外相は衆院外務委で、21年前に米兵から性暴力を受けた女性が沖縄県の稲嶺知事にあてた手紙について「米軍と自衛隊があるからこそ日本の平和と安全が保たれている側面が、すっぽり抜け落ちている。バランスが取れた考えとは思えない」と女性の訴えを批判した。町村は「報道のバランスが悪い」などと居直り釈明。(13日)
●MDシステムの第3国への輸出容認 大野防衛庁長官は参院外交防衛委員会で、来年度から日米で共同開発を始める次世代ミサイル防衛(MD)システムの迎撃ミサイルについて「場合によっては第三国への供与がありうる」と答弁し、米国が他国に輸出する意向を示した場合、これを容認する考えを示した。(14日)
●連合が改憲の見解案 連合が第24回中央執行委員会で「国の基本政策に関する連合の見解」案を発表した。見解案は@憲法9条を改正し、その上でさらに詳細に規定するために「安全保障基本法(仮称)」のような法律を制定する、A9条改正は行わないが「安保基本法」を制定する――の両論併記。(14日)
●自民が憲法集会 自民党新憲法制定推進本部が札幌市内のホテルで「新憲法−国民の声を聞く集い」を開催した。結党50年の11月に新憲法草案を発表するために全国10カ所でタウンミーティングを開く予定。今回が第1弾。約4千人が参加した。中曽根元首相は基調講演で「自分で自分の憲法をつくり、主体的に動けば、愛国心が生まれ、独立主体の国家が回復する」などと述べた。(15日)
●PAC3国内生産 大野防衛庁長官は、日米がミサイル防衛(MD)システムの地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)を国内でライセンス生産することで合意したことを明らかにした。05年度中に製造元の米ロッキード・マーチン社と三菱重工業がライセンス生産に関する契約を結ぶ見通しで、08年度から配備する予定。(19日)
●沖縄で緊急県民大会 沖縄県金武町の米海兵隊キャンプ・ハンセンに新たに建設された都市型訓練施設で米軍が強行した実弾射撃訓練に抗議する超党派の「緊急抗議県民集会」が開かれた。地元住民ら約9500人が参加し、日米両政府に訓練の即時中止を求めた。基地問題をめぐって保革の枠を超えて抗議集会が開かれるのは、95年10月の県民大会以来。(19日)
●インド洋護衛艦2隻から1隻に 防衛庁は、テロ対策特措法に基づきインド洋に派遣している海上自衛隊部隊の護衛艦を2隻から1隻に減らすと発表した。(19日)
●第7次隊に派兵命令 大野防衛庁長官がイラクへの第7次派遣部隊に派遣命令を出した。派遣部隊は第4師団(司令部・福岡県春日市)を中心に約490人で編成。7月下旬から8月にかけて3波に分けて派兵される。(19日)
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週刊『前進』(2208号5面1)(2005/08/01)
7・15日比谷国鉄集会 3闘争団・争議団の共闘で大高揚
尼崎事故に激しい怒り
鉄建公団訴訟原告団が宣言 “不当判決出ても闘う”
7・15全国集会は、国鉄分割・民営化以降、これと闘う集会としてかつてない成功をかちとった。その原動力は、国鉄闘争の主体である1047名が大同団結し、鉄建公団訴訟を軸に統一陣形を築き上げたことにあった。国鉄闘争は19年目にして、勝利の大道を押し開き始めたのだ。7・15集会はまた、戦争と民営化(労組破壊)攻撃に対決する労働者階級の巨大な統一戦線を形成した。
呼びかけ人の山口孝さんは主催者あいさつで、この日の集会が昨年の4・13集会、12・1集会を超える大成功を収めたことを確認した。これは全参加者の実感だ。呼びかけ人の斎藤貴男さんも、「国労、全動労、動労千葉が結集した。仲間割れしている場合ではない」と強調した。
国労闘争団、全動労争議団、動労千葉争議団の大同団結は、3者がともに鉄建公団訴訟を闘う中でより深められている。これが7・15集会のこれまでを超える成功を生み出したのだ。
妨害策動は打ち破られた
呼びかけ人の一人は集会に向けたメッセージの中で、動労千葉を「団結−交渉−争議という、いまや日本では珍しいことになってしまった労働法教科書通りの動態構造を持つ労働組合」と評価し、「千葉動労を暴力派と非難して排斥する広汎かつ根強い動き」から「諸運動体が解放されることで統一の方向へ突破してほしいと切望・熱望する」と訴えている。
21人の呼びかけ人を始め、集会を組織したすべての人びと、全参加者が、3闘争団・争議団の団結を心から願い、排除と分断をのりこえて、闘いを担いぬいた。7・15が熱気あふれるものとなったのは、1047名こそが闘いの主体であり、1047名の大同団結に解雇撤回の本筋があることを、全参加者が明確につかみ取ったからだった。
全労連本部の一部指導部は、「7・15は黙殺する」としてこの集会を妨害した。国労本部もまたこの集会に敵対した。だが、5800人の大結集は、彼らに痛打を与えている。「1047名の共闘」という譲ることのできない原則を守りぬいてきた動労千葉の闘いが、国鉄闘争の勝利を願う人びとの心をつかみ、妨害策動は打ち破られたのだ。
妨害者との攻防の中で、既成のナショナルセンターの枠を超えた労働運動の清新な流れが台頭した。その解放感が集会を覆い、7・15は勝利の展望を鮮やかに示すものになったのだ。
国鉄闘争は、9月15日の鉄建公団訴訟判決を前に新たな高揚局面を迎えている。鉄建公団訴訟原告団の酒井直昭さんは、「私たちは、98年5月28日、国労が坂道を転がり始めたようには絶対にならない。仮に不当判決が出されてもおれたちは闘う」と言い切った。
その力強い宣言に、5・28反動判決以来の大反動を突き破る大きなうねりが始まったことを、全参加者が感じ取った。4党合意による国鉄闘争解体攻撃に抗して登場した鉄建公団訴訟と、これを軸に形成された1047名の統一陣形は、その歴史的な意義を鮮明にした。9・15の勝訴へ全力で闘えば、勝利の道は必ずこじ開けられるのだ。
国労本部の腐敗と無展望はもはや明白だ。彼らは、1047名の統一陣形のもとに開かれた昨年の4・13集会や12・1集会に対抗集会をぶつけ、妨害に躍起となった。だが今回、彼らはそうした策動もできずに完敗した。国労組合員への制動は効かず、JRの現場組合員がかつてない規模で集会に結集した。
7・15集会の呼びかけ人の多くは、国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会の呼びかけ人とも重なっている。8月国労大会を、警察権力と結託し組合員を売り渡した裏切り者を打倒する決戦としよう。国労再生を突破口に労働運動全体を塗り替えよう。
分割・民営化が事故の元凶
7・15集会はJR尼崎事故と、それを引き起こした民営化への労働者階級の怒りの集約点になった。呼びかけ人の立山学さんは、尼崎事故を「民営分割殺人」と語気を強めて弾劾した。
動労千葉争議団の高石正博さんの発言には、会場から大きな歓声がわいた。JRと真っ向から対決して安全運転行動を貫く動労千葉の闘いは、この集会を根底で支えぬいた。1047名闘争は、JR体制を内側から食い破るJR本隊の決起と固く結合してこそ勝利できる。JRの現場組合員の大結集は、国鉄闘争を覆った暗雲が切り裂かれ始めたことを意味している。
戦争・民営化と対決する軸に
7・15には、都労連が傘下単組の積極的参加を呼びかけ、東京清掃労組や東水労を始め自治体労働者が圧倒的に結集した。集会では、多くの人びとが郵政民営化を弾劾し、イギリスRMT(鉄道海運労組)が連帯と共闘を表明した。
全社会を覆う一大民営化攻撃への反撃の軸に1047名闘争が立ち、それが労働者階級の国際連帯を生み出していることの歴史的意義はきわめて大きい。
7・15が打ち固めた巨大な統一戦線は、改憲や「つくる会」教科書採択の攻撃と立ち向かう労働者階級の橋頭保でもある。呼びかけ人の下山房雄・九州大学名誉教授は「改憲に走る勢力と1047名を解雇し不当労働行為を継続する勢力は同じ。これに打ち勝とう」と力説した。7・15集会には「教育基本法の改悪をとめよう! 全国連絡会」呼びかけ人の大内裕和さんが連帯メッセージを寄せ、共闘を訴えた。
国鉄闘争陣形は、教基法改悪阻止の統一戦線や陸・海・空・港湾労組20団体と重なり、これらを牽引(けんいん)する位置と使命を持っている。07年改憲に突き進む小泉=奥田と全面対決する労働者階級の主体は打ち立てられたのだ。
7・15陣形を支え、さらに強固に打ち固めよう。これを土台に、8月広島・長崎反戦反核闘争、8・15集会から11月労働者総決起へと進撃しよう。
闘争主体からの決意表明
提訴の流れは強まっている 国労闘争団 鉄道運輸機構訴訟原告団 鈴木孝さん
このような盛大な集会を開催していただき、大変勇気づけられています。
7月9日に函館闘争団の仲間がオルグ先の新潟で倒れ、これで解雇当事者34名が解決の日を見ることなく他界しました。こうした不幸な事態に直面するたびに、政府が解決を引き延ばしていることに怒りがこみ上げてきます。
昨年11月30日、国労闘争団有志が鉄道運輸機構を相手に訴訟を行いました。7月12日に第4次の追加提訴が行われ、追加提訴の流れは確実に強まっています。
9月15日の勝利判決をかちとり、一気に解決を迫っていくために、私たち当事者が主体的に運動を展開し、全国の皆さんと闘い続ける決意を申し上げます。
最高裁判決に引き下がれぬ 全動労争議団家族 渡部雅子さん
一昨年12月、たった1票差で私たちの19年の夢を砕く「JRに責任がない」という判決が下りました。しかし私たちはここで負けるわけにはいきません。働く者が当たり前に暮らすこと、私たち家族が安心して暮らせる社会をつくらなければ、どうしてここで引き下がれるでしょうか。
1047名とその家族は、勝利するまで、納得のいく解決ができるまで闘い続ける決意です。そのことが次の世代、子どもたち、孫たちに残せる唯一の財産だと思うからです。皆さんのご支援をお願いします。
JR追い詰め現場にもどる 動労千葉争議団 高石正博さん
私たちも昨年12月に鉄建公団訴訟を開始しました。私たちは国鉄分割・民営化に対し唯一の2波のストライキを闘い、その処分で清算事業団に送られ、解雇されました。1047名の闘いは、集会をやるごとに動員者が増えています。
動労千葉は尼崎事故から1カ月を期して、安全運転行動に入りました。当局の監視のもとで一人ひとりの乗務員が必死になって闘っています。西はあれだけの事故を起こしましたが、東もあちこちで線路は摩耗し、亀裂し、断絶しています。千葉管内でも十数`のレール交換がなされますが、今まで、闘いがなければ線路を直す気もなかった。会社側は、すぐ脱線につながるものではないと退けてきました。
こういう闘いをしながらJR会社を追い込んでいきたい。それが、私たちが現場に戻れる最後の手段だと思います。皆さんの力を借りながら、3組合が最後まで団結して闘うことを決意して、あいさつとします。
不当判決でも俺たちは闘う 国労闘争団 鉄建公団訴訟原告団 酒井直昭さん
87年に1度目の解雇を受けてから18年、清算事業団の解雇から15年が経過しました。長い闘いで国鉄闘争は風化したと言われました。しかし今日のこの会場の熱気を見て、まだまだ私たちの闘争を全国で支えて下さる方が多いということを再認識しました。
私たち295名の裁判は、9月15日が判決の日です。私たちは勝利判決しかないと確信しています。
残念ながら国鉄労働組合は、坂道を転がる雪だるまのようにどんどん変質を大きくしています。私たちは、勝利判決を確信していますけれども、98年5月28日、国労が坂道を転がり始めたようなことには絶対にならない。仮に不当判決が出されても、おれたちは闘う。そういう決意を腹に秘めて、9月15日を迎えたいと思います。
今、原告団は約380名になりました。手を携えてしっかり頑張りたいと思いますので、ご支援をお願いします。
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週刊『前進』(2208号5面2)(2005/08/01)
7・15全国集会アピール(国鉄集会 日比谷野音)
国鉄分割・民営化により、2度も解雇された1047名の国鉄労働者は、19年間の長きにわたる闘いのなかで、精神的、肉体的疲労から34名が他界し、さらに多くの当事者、家族が病気に苦しみながらも、相互の連帯と支援に支えられて人間の尊厳を守る立場を堅持し、不法・不当な解雇の撤回を求めて闘い続けてきている。
この闘いは、一昨年12月の最高裁の1票差多数決の反動的判決、昨年6月の6次に及ぶILO勧告に対する政府の完全無視という状況のなかで、高まる「大同団結」による解決をとの声を背景に、これまでより一歩前進した。
昨年末までに新たに鉄道建設・運輸機構に対する3つの訴訟が提起され、そして3組合に属する4つの原告団による相互の事情を尊重して裁判闘争の勝利をめざす連携関係が生まれたことは運動全体の発展にとって意義あることである。
そのもとで、鉄建公団訴訟が3年間の原告団と弁護団の奮闘のなかで結審し、9月15日の判決日を迎えることとなった。すべての関係者は、この判決が1047名解雇問題の今後に大きな影響をもつと受け止め、重大な関心を寄せている。
一方、4月25日朝、JR西日本福知山線での死者107名、負傷者549名というJR史上最大の大惨事が発生し、日本社会は深刻な衝撃に包まれた。
国鉄分割・民営化と政府の「規制緩和」は、交通事業の根本理念である「安全」を投げ捨て、「利潤追求」最優先の企業体質をあらゆる面で強化した。その下での大規模な人減らし、人権無視の軍隊的労務人事管理、「日勤教育」の強制、労働委員会の命令や裁判所の判決を無視して反復される不当労働行為、職場の自由と民主主義の抑圧、こうしたなかで必然的に発生したものが今回の大惨事であることは明らかである。精神医学者の野田正彰関西学院大学教授は、国鉄解体時に「100人を超える国鉄労働者が自殺し、強制収容所もどきの人活センターに閉じ込められた。今も復職を求める1047人の国鉄マンを無視し続けている。このような国鉄解体の歴史は否認され、働いている人が“無理だ”と言えない会社を造ってきた」と激しい怒りを込めて糾弾している。
大惨事を引き起こしたこうした企業体質と労働者いじめを安易に容認し、交通事業における国民のいのちを守る「安全」の闘いを軽視した労使協調的な労働組合と労使関係にも厳しい社会的批判が相次いでおり、大惨事が国鉄の分割・民営化と無関係ではないとの認識が国民の中に広がっている。
JRに真の安全を取り戻し、「いのち」を守りぬくには、国鉄の「安全第一」を守って闘い、解雇されて19年間、JR復帰を求め続けてきた1047名の地位と名誉を回復させ、職場に人権と民主主義を確立し、労働組合が労働者と国民に信頼されるまともな組織となることが欠かせないことを改めて確認し、広く国民に訴え、闘い続けよう。
鉄建公団訴訟判決まで後2ケ月となった。本集会のこの大きな結集、成功をばねに以下の行動を強め、不当労働行為責任を認めさせた判決をかちとり、1047名闘争を大きく前進させ、勝利をかちとろう。
@1047名の解雇者を闘いの解決まで引き続き激励し、支援することを改めて再確認しよう。
A交通事業の「安全」と国民の「いのち」にとって、労働者の人権と職場の民主主義の保障は不可分であることの宣伝をいたるところで強めよう。
B当面2ケ月後の予断を許さない9・15判決で、不当労働行為責任を認めさせるために、東京地裁への署名活動、要請活動を引き続き強めよう。
C政府、関係省庁、鉄道運輸機構への政府責任による早期解決の要請行動を引き続き強めよう。
D議会(国会、地方議会)、政党への支援、協力要請も同時に強めよう。
E地方、地域における関係労働組合、支援組織へ「大同団結」路線に立つことを申し入れ、宣伝活動を強めよう。
F関西方面を中心に福知山線事故犠牲者家族らのJR西日本への補償等の要求行動を支援し、連帯を強めよう。
G地域住民等の社会的運動と連帯して、JR関係労組の安全点検、安全確保の闘いを支援し、交通事業の安全確立のあらゆる運動に参加しよう。
2005年7月15日
国鉄労働者1047名の解雇撤回!
原告団・闘争団・争議団を励ます7・15全国集会
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週刊『前進』(2208号5面3)(2005/08/01)
国労弾圧公判 “吉田書記長に言われ被害届” 浅川証人が真相白状
7月13日、国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第43回公判が東京地裁刑事第10部(青柳勤裁判長)で開かれた。前回に続き、長野地本中南信支部組合員の浅川初幸証人への弁護側の反対尋問が行われた。
冒頭、佐藤昭夫弁護団長が意見を述べた。検察側は「意見陳述を制限せよ」と異議を出したが、青柳裁判長は棄却した。
佐藤弁護団長は、労働委員会命令に従わない違法行為を重ねるJR東日本が、株主総会で「本社の業務執行に法令違反はない」と居直っている事実や、動労千葉の安全運転行動に処分の脅しをかけている事実を暴き、「JRのこうしたあり方は、国労執行部の裏切りを深めさせた本件弾圧によって助長された」と弾劾して、検察側に公訴の取り下げを強く迫った。
検察官と平山が証人を背面監視
法廷には前々回公判まで尋問を受けていた長野地本の平山芳夫副委員長が姿を見せた。彼は吉田進書記長直系のチャレンジ一派で、地本で唯一の専従役員だ。
尋問に立った浅野史生弁護人はまず、「前回も今回も平山さんが傍聴に来ている。証言にあたって平山さんからアドバイスを受けたのか」と追及した。浅川証人は、証言前に平山副委員長と話し合った事実を認めた。平山副委員長が、浅川証人に真実を言わせまいとして縛りをかけたことは、十分に推測できる。
一瀬敬一郎主任弁護人がすかさず立って、「平山さんが在廷している。また東京地検の検察官が傍聴に入っている。証言内容に影響を及ぼす。2人に退廷を命じていただきたい」と申し立てた。傍聴者の怒りの視線が平山副委員長と傍聴席の検事に集中した。だが不当にも青柳裁判長は申し立てを退けた。平山副委員長らの圧力を受けた浅川証人は、弁護団の尋問が核心部分に入るたびに、「記憶にない」「覚えていない」という返答を繰り返した。
浅川証人は、闘争団への統制処分の手続きが決定された02年5月27日の国労臨時大会に警備係として動員され、臨大当日の朝、宿泊先のホテル前で被告らに「暴行された」として、同年6月23日に「被害届」を警察に出している。
弁護団の追及で、重大な事実が暴かれた。浅川証人は吉田書記長から少なくとも2回、長野駅前の喫茶店に呼び出され、「被害届を出せ」と説得されたというのである。だが、弁護団が吉田書記長の話の内容を具体的に聞こうとすると、証人は途端に言葉を濁した。
彼はまた、被害届を出すことは事前に地本に連絡したと証言した。その理由を聞かれた証人は「組合員だから組織としてやらなければいけない」と返答した。
その後、浅川証人は少なくとも4回、警察、検察から事情聴取を受けている。そのたびに、呼び出しは地本や支部を通じて来たという。また証人は、5・27臨大の数日後、自分が受けた「被害」について文書で報告するよう吉田書記長から指示された事実も認めた。
彼は、被害届を出すことについては「迷っていた」という。その彼が被害届を提出するに至ったのは、地本の組織ぐるみの圧力があったからに違いない。それに屈した証人は、「被告らから謝罪がなかったから」と裏切りを合理化し、弾圧加担に踏み切ったのだ。
「逮捕された者が闘争団員、国労組合員と知ってどう思ったか」という弁護団の問いに、浅川証人は「闘争団の問題が解決しないとJR現場の差別もなくならないと思い、紋別・美幌闘争団を支えてきた。5・27の行動の中に闘争団員、国労組合員がいた。何のためにやってきたのかと悲しくなった」と述べて、涙をぬぐう素振りを見せた。
だが、国労の団結を壊したのは、4党合意を受け入れ、闘争団員を統制処分にかけ、弾圧を仕組んだ酒田充委員長−吉田書記長らではないか。浅川証言は、チャレンジ一派の指導の破産をさらけ出して余りある。
公判闘争を闘いぬいた被告団は、翌々日の7・15全国集会に総力で結集した。
浅川証人への尋問は次回も続く。国労再生をかけて8被告の無罪獲得と許さない会の拡大へ闘いぬこう。
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週刊『前進』(2208号5面4)(2005/08/01)
7・1〜7・15
連合が9条改憲含む見解公表
三洋が国内工場2割閉鎖/世帯所得が7年連続減
●大阪市労連の4人に処分 大阪市労働組合連合会の組合活動家への「ヤミ専従」攻撃で4人が文書訓告処分を受けた。(7月1日)
●松下電器、早期退職1000人募集 松下電器産業が国内の半導体部門の従業員を対象に1000人程度の早期退職を募集していることが分かった。松下は01年以降、約2万6000人の人員削減を実施している。(3日)
●雇用保険基本手当の支給限度額など引き下げ 厚生労働省は、雇用保険法の規定に基づき、給付額を8月1日から変更すると発表。04年度の平均給与額が前年度比で約1.9%低下したため。(4日)
●JPUと全郵政がそろって記者会見 郵政民営化関連法案の衆議院本会議可決を受けて、菰田JPU委員長と宮下全郵政委員長がそろって記者会見をした。(5日)
●三洋電機、1万4000人を人員削減 三洋電機は国内工場の20%を閉鎖・売却し、全世界の社員の15%の1万4000人(国内8000人、海外6000人)を削減する方針を明らかにした。(5日)
●1世帯あたり平均所得、7年連続で減少 厚生労働省が発表した04年国民生活基礎調査によると、03年の1世帯当たりの平均所得は579万7000円で7年連続の減少。生活が「苦しい」と答えた世帯の割合は56%で、01年以降連続して増加している。(6日)
●電機連合大会でベア要求の声 電機連合が8日まで大会を開いた。討論で、日立や東芝、三菱電機の各労組から「なんらかの形でのベアの取り組みは避けて通れない」などの声が出た。また、来賓として参加した連合の笹森会長は、次期連合会長について「古賀委員長が最適任の対象者の一人」と事実上の後継指名。(7日)
●連合が「憲法9条改正も選択肢」の見解 連合は中央執行委員会を開き、憲法9条改正も選択肢にすることなどを盛り込んだ見解を発表した。(14日)=要旨別掲
●アスベストで労働者374人死亡
経産省が関連企業89社を対象に実態調査を行った結果によると、アスベストによる健康被害で死亡した従業員は374人(中皮腫114人、じん肺154人)に上ることが分かった。(15日)
●公務員の「勤務時間の弾力化、多様化」を提言 人事院の研究会は、国家公務員の「勤務時間の弾力化、多様化への提言」を発表した。早出遅出勤務や在宅勤務、育児・介護のための短時間勤務制の検討などを提案。(15日)
●労組の7割、組合員の「心の病」が増加と回答 社会経済生産性本部がアンケート調査の結果を発表。労組の約7割が、この3年間に組合員の「心の病」が増加傾向にあると回答した。年齢層では30代が最も多い。(15日)
「国の基本政策に関する連合の見解」要旨
日本の領土・領空・領海において攻撃が行われ……安全が脅かされている場合、日本は自衛権を発動する。
これにあたっては日米安保条約に基づき、米軍とともに行動する。
「東アジア地域の安全保障の構築のための努力」を今後最重視する。
連合は、自衛隊の現状と……憲法を始めとする法体系との整合性を確保するために、次の2通りの方策があると考える。
@……憲法9条を改正し、その上でさらに詳細を規定するために「安全保障基本法(仮称)」のような法律を制定する
A憲法9条の改正は敢えて行わないが、……「安全保障基本法」を制定する
いわゆる「解釈改憲」については、民主主義国家のあり方として望ましいものではない。
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週刊『前進』(2208号6面1)(2005/08/01)
“訓練やめろ、戦場にするな”
県民集会 沖縄の怒りが大結集
都市型訓練施設 実弾射撃演習を弾劾
沖縄県金武(きん)町の米軍キャンプ・ハンセン内「レンジ4」都市型訓練施設で7月12日から県民の強い反対を無視して実弾射撃演習が強行された。これを弾劾する県民集会(主催・県議会、金武町、同町議会、伊芸区)が19日に金武地区公園で開かれ、地元・伊芸区民を先頭に約1万人が参加した。横暴な在沖米軍とこれを容認する日本政府に対する怒りを爆発させた。集会後、参加者はキャンプ・ハンセン第1ゲート前までデモを敢行し、訓練の即時中止と同基地の全面撤去要求を米日帝にたたきつけた。
台風一過の19日夕、特設スクリーンとスピーカーが設置されたグラウンドには色とりどりの組合旗や団体旗が林立し、参加者は赤いハチマキをしめている。会場最前列には「グリーンベレー訓練断固阻止」と染め抜かれたのぼりやプラカードを持った伊芸区民が勢ぞろいした。辺野古で海上基地建設を阻止している命を守る会とヘリ基地反対協も駆けつけた。
開会が宣言され、県議会議長、金武町議会議長、金武町長の発言に続き、この日まで419日間にもわたって基地ゲート前で早朝抗議行動の先頭に立ってきた池原政文伊芸区長が発言した。「実弾演習場から区の住宅地域まで300b、高速道路から200bしかない。こんな危険な施設が米本国や本土であれば許されますか? なぜ伊芸なら許されるのか!」と訴えた。
伊芸区民、沖縄県民の怒りに追い詰められて参加した稲嶺県知事は、「遺憾」「演習中止に向けて全力を尽くす」など、用意してきた文章を読み上げただけで伊芸区民の「区内の米軍基地全面撤去」要求には最後まで触れなかった。この稲嶺に「本当にやる気があるのか!」と激しい糾弾の声があちこちから飛んだ。
集会後半、伊芸区民の決意表明で会場の熱気は最高潮に達した。
女性代表の伊波さんは、「『二度とイクサユー(戦争の世)にしたくない』と励まし合って凍えるような冬から夏まで早朝行動を闘ってきました。伊芸区の痛みは基地の島の痛み。沖縄の痛みです」と島ぐるみ闘争を呼びかけた。学生代表の高校生は、「伊芸区民は抗議行動のために普通の生活さえできなくなっています」と涙ながらに訴えた。
最後に、@実弾射撃演習場の即時閉鎖・撤去、A金武町伊芸区地域の基地の全面撤去を要求する集会決議が採択された。
陸軍特殊部隊の虐殺訓練場
レンジ16米軍施設の老巧化に伴い、新たにレンジ4に「都市型戦闘訓練施設」の建設が決まり、昨年5月25日に着工された。都市型戦闘訓練施設は、米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)がイラク・ファルージャの大虐殺のような住宅地域での制圧・鎮圧戦闘訓練を実弾を使って行う施設だ。
これに対し住民は、「あまりに民間地域に近すぎる。安心して外にも出られない」と危機感を募らせて反対運動に立ち上がった。
日本政府は妥協案として「元のレンジ16のさらに奥側に代替訓練場を作り次第、レンジ4は閉鎖する」ことで米軍と同意し、住民の怒りをかわそうとした。
しかし代替演習場の安全性もあやしい上に、完成まで5年はかかるとされ、米軍側は完成するまではレンジ4での実弾演習を行うと宣言している。日本政府も「米軍が言うのだから安全性に問題ない」としてきた。その結果、ついに米軍の演習強行に至った。
今回の県民集会は、10万人が集まった95年10・21県民大会、昨年の「ヘリ墜落弾劾! 普天間基地の即時閉鎖」を掲げた3万人の宜野湾市民集会という島ぐるみ闘争の流れを受け継ぎ、沖縄人民の「怒りのマグマ」が、ついに噴き出しつつあることを示した。
今回、稲嶺知事と県政与党会派は口では「イデオロギーを超えて反対する」と言いながら、「このままでは沖縄全体に米軍基地撤去闘争が飛び火する恐れがある」と当初の県民大会構想を規模縮小の県民集会規模に限定しようとした。
実際、決定から開催までわずか3日間の準備期間しか与えず、しかも平日に設定。参加者のための送迎バスも県は出さなかった。
しかし、沖縄人民は「ウチナンチュをなめるのもいいかげんにしろ」「国の安全保障と沖縄の子どもたちの生命のどちらが大事なのだ」「今、反対せねば一生後悔する」と怒りを爆発させて1万人結集を実現した。この夏から秋、米軍再編−沖縄基地問題をめぐる階級激突に火がついたのだ。
米国防総省と首相官邸は参加人数を知ると、米軍再編(トランスフォーメーション)に多大な影響を与えると、真っ青になった。日帝・小泉は完全に立ち往生している。
いま沖縄の怒りは小泉打倒に向かっている。金武町の闘いと名護市辺野古の闘いが一体化し、全島的な闘いとして発展していくのは必至だ。金武町民・伊芸区民と固く団結し、ともに実弾演習場閉鎖に立ち上がろう! 名護新基地建設を阻止する辺野古闘争に今すぐ駆けつけよう!
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週刊『前進』(2208号6面2)(2005/08/01)
“保安処分施行やめろ” 「病者」先頭に厚労省抗議
7月15日正午、医療観察法の施行を弾劾し厚労省・法務省前を「精神病者」を先頭に90人の「障害者」、労働者、市民が埋めつくして抗議のビラまき情宣を行った。「『精神病者』の隔離収容施設反対!」「誰の支持も得られず破綻(はたん)した法は直ちにつぶそう!」と法の即時廃止を強くアピールした。さらに1時45分からは「処遇困難者専門病棟」新設阻止共闘会議呼びかけで厚労省を1周する施行弾劾デモが闘われ70人が参加した。
医療観察法は2年前に国会で与党の突然の強行採決で力ずくで成立させた「精神病者」への保安処分執行法である。しかし2年間の準備期間を経たとはいえ、法の柱である当面8カ所・3年間で24カ所の「指定入院医療機関」としての保安処分施設は全国各地の「精神病者」や地元住民の反対の声に包まれ東京小平市の精神神経センター・武蔵病院でしか完成に間に合っていない。また各都道府県設置の「指定通院医療機関」も「責任を負えない」と候補病院も現れず予定数を下回ったままだ。また保安処分決定を下す「審判」以前に対象者への最高3カ月もの拘束を認めた「鑑定入院」の手続きも未整備のままだ。全国の「精神病者」の反対の声を踏みにじったばかりか、判定機関に動員しようとしている精神科医の団体である精神神経学会や日弁連からも施行の凍結や延期の声明が6月に相次いで出されている。
医療観察法は日帝が長年、刑法に組み込もうとしてきた保安処分新設である。「起こした事件」ではなく、「将来の再犯のおそれ」を要件に無期限の拘禁を認めた。しかもこうした違憲・改憲につながる飛躍を、さし当たっては「精神病者」に限れば許されると説く差別的悪法だ。
「精神病者」は長年、多くの患者が精神保健福祉法をはじめ保護者同意や知事権限によって強制的に入院させられてきた。しかも精神科の医者や看護師数を制限した「医療法の特例」を維持しながら民間資本には金もうけのための患者長期収容を、そして虐待・虐殺を横行させてきた。たとえ通院・離院中でも日常的監視・通報制度のもとで社会的復帰とは無縁の差別迫害が強いられてきた。日帝はこの差別政策を温存しながら「『精神病者』は反社会的で犯罪を犯しやすい」と決めつけ、刑法や精神保健福祉法とは別に「予測で拘禁できる」保安処分の執行を宣言してきたのだ。
保安処分施設は1カ所33室、全個室で監視カメラが付き、外には高さ4bの二重壁と警報センサーが作動する。まさに収容所だ。「二度と犯罪を行わない人格」への改造を呼号し電気ショックや自殺まで追い込んでやまない密室での精神療法など強制治療をくり返す。「早期社会復帰をめざす」とのかけ声はお題目で外出・外泊は親族の葬儀時にほぼ限定されている。まさに社会防衛のための強制治療と拘禁の施設であり、武蔵病院を始め全国の保安処分施設は絶対に解体されなければならない。
「施行日を新たな闘いの開始日としよう!」、デモの終わりに「病者」の司会が訴えた。都道府県立病院の「保安処分施設代用」化を許さず、保安処分=法の白紙撤回まで闘いぬこう。
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週刊『前進』(2208号6面3)(2005/08/01)
“第1軍団は来るな” 座間基地撤去を求め800人
7月17日、「第1軍団は来るな、違法爆音やめろ、在日米軍基地の再編強化は許さない市民行動 座間・相模原」がキャンプ座間そばの谷戸山公園で闘われた。基地撤去を目指す県央共闘会議、移駐を歓迎しない会、神奈川平和運動センターの共催だ。
うだるような暑さの中で、教組、自治労を中心とした組合旗と「第1軍団は来るな、キャンプ座間の再編強化反対」「違法な爆音は許すな、スーパーホーネットは出て行け」「普天間基地を閉鎖しろ、辺野古基地を許すな」の幟(のぼり)が林立した。
県平和運動センター代表は「第1軍団は日本・インド洋・アフリカまで軍隊を動かそうとしている」と発言し、県央共闘会議代表は「米軍は20万の軍隊の再配置を考えているが、その一環として座間への移駐がある。基地周辺住民は被害を被っている。断固抵抗を強めていきたい」と訴えた。沖縄平和運動センターからメッセージが寄せられた。最後に行動提起の中で「9月の日米安保協議委員会で移転を決めようとしているが断固粉砕しよう。10・1にキャンプ座間包囲行動を闘おう」と出された。デモは爆音防止期成同盟を先頭に労組隊列が中軸を担い、百万人署名運動湘北連絡会、婦人民主クラブ全国協議会が続き基地ゲートに向かって元気よく出発した。
第1軍団は約2万人の強力な軍団であり、イラク戦争では北部攻撃をやった。最大15万人に膨れ上がり、在日米軍基地のみならず自衛隊基地をも共用して戦争を遂行しようとしている。また第1軍団司令部は在韓米軍をも統括し、朝鮮・中国侵略戦争を指揮しようとしている。これに対し座間闘争が座間・厚木・横須賀を結んで連月闘争として組まれ、沖縄闘争、韓国の闘いと連帯して強靱(きょうじん)に闘われている。
戦時下でのこのような大衆的な反基地闘争を抑え込もうとして、神奈川県警は公安3課を先頭に今までになく圧力を加えてきた。国家権力の座間闘争への圧殺策動を打ち破ろう。連月闘争は8・27(相武台1丁目公園)、9・11ピースフエスティバル(大和駅西側プロムナード)、10・1闘争として闘われるが、この闘いを爆発させて第1軍団司令部の座間への移転を阻止しよう。
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週刊『前進』(2208号6面4)(2005/08/01)
靖国問題 高橋哲哉著
「次の戦争」動員のためのカラクリを全面的に解明
小泉の靖国神社参拝問題で、国論二分の大激突になり、中国や韓国からも非難の嵐が巻き起こっている。
こうした中で、そもそも靖国問題とは何なのかという関心が全人民的に広がっている。高橋哲哉氏の『靖国問題』は、その全人民的関心の高まりの中で、時宜を得た出版であった。
教育基本法改悪阻止の闘いの4人の学者の呼びかけ人の1人として活躍する高橋氏が、今の小泉の戦争政策の頂点をなしている靖国問題で、広く誰にもわかる形で、靖国問題を解明されたことは、きわめて重要な意義のある仕事である。8月15日に向かって、一読を勧めたい。
「悲哀を幸福に」
まず、著者は靖国神社が戦没者を追悼する=死を悲しむ施設ではなく「顕彰」する=功績を褒めたたえる施設であること、「感情の錬金術」によって、戦死の悲哀を幸福に転化する装置であることを暴き出す。
福沢諭吉が社主を務めた「時事新報」の1895年11月の論説は、日清戦争と台湾戦争(台湾植民地支配に反対した人民の戦いを鎮圧した侵略戦争)で数千人の戦死者を出したことについて、戦死者と遺族に最高の栄誉を与えなければいけないと説いた。著者はこの論説を平易に「翻訳」していて、説得力がある。
「つまり、日清戦争には勝利したものの、東アジアの情勢は緊迫していて、いつまた戦争になるかもしれない。戦争になったら、何に依拠して国を護(まも)るべきなのか。それはまさしく死を恐れずに戦う兵士の精神にほかならず、したがって、その精神を養うことこそ国を護る要諦(ようてい)である。そしてそれを養うためには、可能なかぎりの栄光を戦死者とその遺族に与えて、……戦死することが幸福であると感じさせるようにしなければならない、というのだ」
そのために福沢は、明治天皇が祭主になって、死者の功績を褒めたたえ、その魂を顕彰する勅語を下すことで戦死者とその遺族に栄誉を与えることを提唱し、事実そのようになった。この国家的儀式によって、遺族の悲しみは喜びへ、不幸から幸福へ180度逆のものに転化する。
このカラクリが重要だ。
「国家は、戦争に動員して死に追いやった兵士たちへの『悲しみ』や『悼み』によってではなく、次の戦争への準備のために、彼らに続いて『お国のために死ぬこと』を名誉と考え、進んでみずからを犠牲にする兵士の精神を調達するために戦死者を顕彰するのだ」
日本帝国主義国家は、19世紀末以来の日帝の植民地強奪戦争に従軍し、その中で死んだ兵士の死を「天皇のための死」として褒めたたえ、天皇と国家への反逆を抑え、逆に帰依と服従に転化し絡め取っていった。そこには日本の労働者階級の闘いの政治的・思想的な敗北の問題があると思う。
再び戦時に突入
今日、靖国神社参拝問題が階級闘争の焦点化してきているのは、「次の戦争に動員するための装置」という靖国神社の役割が再び、現実のものとなってきていることを示している。日本社会が戦時下に突入し、朝鮮・中国侵略戦争が米日枢軸のもとに準備され、「次の戦争の戦死者」の問題が、きわめて現実的なテーマとなってきているのだ。
だから、小泉が靖国参拝を開き直って、「不戦の誓いをするために参拝した」という完全なペテンに対して、西村真悟(民主党議員)が、「今度戦争をする時は負けないことを誓うために参拝する」と言っていることが、靖国の本来的な、正統の理解なのだ。
著者は「A級戦犯合祀」の問題に切り縮めてはならないことを強調する。「靖国問題をA級戦犯問題として語ることは、より本質的な歴史認識の問題を見えなくしてしまう効果をもつ」と。A級戦犯に主要な戦争責任を集中することで、昭和天皇が免責された東京裁判の構図と同じだと。
著者のこれらの究明は、突き詰めて考えれば、「次の戦争」のために「靖国神社」を必要とし、諸外国からの抗議も「内政干渉」と言って排斥する国家(天皇を頂く帝国主義国家)の論理と、戦争に駆り立てられて他民族人民を虐殺することも戦場で殺されることも拒否する労働者人民の論理とは、けっして相入れるものではないこと、両者の利害は非和解的に対立しているという結論になるのではないだろうか。
著者は、最後に「靖国問題」の解決の方向について提言しているが、はっきり言って国家の側、靖国神社の側がそれを受け入れることはありえないし、帝国主義国家の打倒まで闘うしかないのである。本書をそのように学び取り、実践することが必要だ思う。
(T)
(ちくま新書 720円)
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週刊『前進』(2208号6面5)(2005/08/01)
兵庫では宝塚が焦点「つくる会」との闘い 宝塚 木村雄一
「つくる会」教科書採択攻撃が、全国で決戦局面に入る中で、関西・兵庫では01年の時以上に宝塚が決定的になっています。それは県議時代から教組運動への攻撃を繰り返してきた渡部が、市長になるや教育長を文部科学省から呼び、旧来の教育委員を再任せず、卒業式には監視のために教育委員会職員を学校に派遣し、そして学校を自由競争原理にたたき込む学校選択制の導入を図ってきたからです。
この一連の攻撃に対し、労働者市民は、04年10月9日の小森陽一講演会の大成功以降持続的な決起を続けています。選択制には、1月の「市民の声を伺う会」に300人がおしかけ、9割方の反対意見をぶつけ、3月答申を阻止しました。卒業式は東京の被処分者を迎えた集会を行い、東京と一体で闘いました。
この広範な決起に驚いた市長らは反撃に出てきました。まず「つくる会」教科書採択のため、反動派の「01年の採択はお粗末であった」という請願を4月末に採択し、その後は市民グループの請願を不採択としたのです。今ひとつは選択制審議に4人の新委員を選び、6月27日の審議会ではその委員らが「学校が自由に選べないのは憲法26条違反」や「通学の安全より選択制が大事」との暴論を、これまでの審議過程を一切無視して展開したのです。
この逆流攻撃にあらためて市民の怒りが結集しつつあります。7月6日には百万人署名運動を中心に「つくる会」教科書反対の集会が80人で開かれ、17日の兵庫県の教科書問題交流会でも宝塚が決戦だとなり、新たな請願や抗議はがきが送付されています。選択制反対には、18日に緊急集会が開かれ怒りの発言が続きました。市議会3会派や全市のPTA協議会でも反対の声が再度広がっています。教職員と保護者らが積み重ねてきた教育を、市長らが選択制と「つくる会」教科書で、「お国のために命を投げ出す子どもをつくる」戦前の国民学校にすることへの怒りが爆発寸前です。
7月25日の学校選択制の審議会(午前10時半)と、7月29日の教育委員会(午後1時45分)が最大の山場です。この場を1月以上の大衆団交の場にする時、「つくる会」教科書も学校選択制も阻止できます。全国からも抗議の声を集中してください。
抗議・要請先 宝塚市東洋町1−1 宝塚市教育委員会 FAX 0797−71−1891
被爆60年・獄中30年星野同志の奪還誓う 中四国 J・K
7月7日付毎日新聞、母親が迫る原爆の猛火の中、助けを求めるわが子に自分でとどめを刺さねばならなかった記事が載っていました。呻吟(しんぎん)は今も続きます。広島では、帝国主義の「戦争を呪う血膿」(峠三吉)が「つくる会」ファシズムの「英霊化」と対峙しています。
「戦時下の8・6」に、被爆者は激しい気迫で既成カウツキー派の裏切りを指弾しています。原爆投下14年前の柳条湖の時、盧溝橋の時、自身が国際労働者と連帯して、職場で自国政府への反対を組織していたら……。そういう被爆した先輩方の、人生の総括をかけた痛苦の自己否定と、その痛苦の分だけ爆発的な自己解放の決起に、何としても合流したいと思います。
とりわけ、日本共産党などとの、職場の獲得的党派闘争は徹底的にやります。戦時下に労働者階級を励まし、助け、行動に移らせるべき前衛党が、戦前は屈服。党中央の獄中転向にまでいたったこと。それがどんな結末をもたらしたのか! どんな「重い」総括でも、反スタ派のエネルギッシュな労働者自己解放の立場なら、必ず突破できると思います。
8月6日(1975年)は、沖縄返還協定阻止・渋谷暴動闘争の星野同志が不当逮捕された日でもあります。以来1万950日。酷暑酷寒、非転向の死闘の毎日です。しかし、獄中は外からの同情、救済の対象ではなく、ともに「闘う主体」です。
沖縄と広島をむすんで闘おうとされておられる輝かしい青年労働者の皆さん。戦前の日本共産党以上の長期獄中転向攻撃を乗り越えて、アジア人民・沖縄人民と本土労働者階級を結ぶべく、人生の半分を獄中で闘っている星野同志を奪還しましょう。マンデラ氏も、韓国良心囚も青年の死闘による階級的力関係の転換で奪還されました。その意味でも「人間をかえせ!」です。
8・6ヒロシマで獄壁を越えて星野同志と一緒にデモをしましょう。
辺野古に座り込んで基地の島の現実知る 東京 土屋光彦
7月12日、沖縄・辺野古の新基地建設阻止の座り込みにNTTの労働者ら3人と参加しました。当日は2639日+450日目の座り込みでした。
座り込み現場と海上行動隊との無線のやりとりを聞きながら、ものすごい緊迫感と臨場感が伝わってきました。この日は、約30人の行動隊が5カ所の単管やぐらに陣取って闘っていました。
現在、工事の請負会社は作業時間帯を二つのパターンに分けて、早朝6時から夕方6時まで作業船を出しているそうです。そのため行動隊は、12時間を超える間、海上のやぐらに上って闘い抜いています。防衛施設局の卑劣ないやがらせをものともせず、連日奮闘する行動隊に心から連帯のエールを送りました。
7月4日には知花昌一さんが単管やぐらに上り、三線(さんしん)を弾きながら「ライブ中継」を無線を通じて行いました。突然、無線から流れてきた歌にほかのやぐらの作業船団の作業員たちも思わず苦笑いをしていたそうです。基地の建設をてこに沖縄の民衆を分断するという小泉政権のやり方に腹の底から怒りがわいてきました。
また、「命を守る会」代表の金城祐治さんが私たちの隣に座り込まれ、お話を聞くこともできました(写真)。
この日、那覇防衛施設局長に対する「単管やぐらの撤去」の申し入れ行動も行われました。代表団からの報告会が行われ、阿部和子さんが「今にも倒れそうなやぐらの撤去を申し入れたが、施設局は『撤去した後、すぐ新しいのを設置します』という対応でした」と弾劾しました。
半日の座り込みでしたが、「ここに来て座り込むだけでも基地の島・沖縄の現実を実感できる」と思いました。
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週刊『前進』(2208号6面6)(2005/08/01)
訂正
前号6面の大野康平弁護士の追悼文中、「74年6月4日大阪市立大学における反革命カクマルせん滅戦闘」とあるのは、「75年6月4日」の誤りでした。編集上のミスです。おわびし訂正します。
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