ZENSHIN 2005/07/25(No2207 p06)

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第2207号の目次

「つくる会」教科書採択反対署名が続々集まる(7月13日 杉並区役所前)

1面の画像
(1面)
つくる会教科書 杉並で採択絶対阻止を
「靖国に参拝し今度戦争する時は負けないと誓う」と叫ぶ西村真悟
労働運動弾圧の共謀罪廃案へ
記事を読む  
保護者先頭に区教委抗議  8月4日が採択阻止の決戦(7月13日) 記事を読む  
共謀罪粉砕 ハンスト決行(7月12〜14日) 記事を読む  
(2面)
「つくる会」教科書 採択阻止へ最大の正念場
「戦争への罪悪感」一掃図る  財界・政府・自民が共同で推進
記事を読む  
共謀罪 国会前、危機感広がる  “現代の治維法に反対”(7月12〜14日) 記事を読む  
7・31革共同集会の成功へ
都議選決戦の地平ひき継ぎ11月労働者総決起へ進もう
記事を読む  
本物の労働者党建設へ 闘う革共同にカンパを 記事を読む  
(3面)
自民党が「要綱案」 「自衛軍」保持へ9条改憲
地球規模で軍事力行使狙う  「つくる会」教科書と一体(7月7日)
記事を読む  
7・7ロンドンで同時爆破ゲリラ
帝国主義の侵略戦争と虐殺に被抑圧民族人民の怒りが爆発(7月7日)
記事を読む  
「日の丸・君が代」不起立・伴奏拒否
7・21に“再発防止研修”  被処分者と共に反撃を
記事を読む  
韓国の米軍基地を包囲(7月10日) 記事を読む  
(4面)
被爆60年 今度こそ侵略戦争を阻止する
小泉の式典参加許すな  全国被爆者青年同盟から訴え
記事を読む  
新たな反核の潮流を  全国統一実行委が呼びかけ 記事を読む  
“戦争の流れ止めよう”
関空反対現地闘争 初の軍事使用を糾弾(7月10日)
記事を読む  
日誌'05 7月6日〜12日
自民党が「憲法改正要綱案」  ロンドンで同時爆破ゲリラ
記事を読む  
(5面)
郵政分割・民営化法案を労働者の力で葬り去れ
合理化の嵐に怒り爆発
JPU大会 現場の声は“民営化阻止”  革共同全逓委員会(6月22、23日)
記事を読む  
三里塚闘争 暫定滑走路「北延伸」阻止を
反対同盟との血盟かけ闘おう
記事を読む  
電機連合中央打倒へ  労組交流センター 長野大会にビラ入れ(7月7、8日) 記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
「障害者自立支援法案」 衆院委強行採決に怒り
議場騒然 “廃案まで闘うぞ”(投稿/海野 萌)(7月13日)
記事を読む  
区役所ビラまきなどで 3同志を不当逮捕
戦時下の弾圧激化許すな(7月13日)
記事を読む  
大野康平弁護士を悼む  革共同関西地方委員会 記事を読む  
寝屋川弾圧 勝利の意義
正当な権利守る闘いでデッチあげ弾圧を粉砕
記事を読む  
党学校 『賃金・価格・利潤』 −学習の感想−
賃金制度廃止への力つくる M・F
記事を読む  

週刊『前進』(2207号1面1)(2005/07/25)

 つくる会教科書 杉並で採択絶対阻止を

 「靖国に参拝し今度戦争する時は負けないと誓う」と叫ぶ西村真悟

 労働運動弾圧の共謀罪廃案へ

 「都議選決戦の歴史的地平を発展させ、11月労働者総決起へ前進しよう」。これが05年後半戦に向けたこの7〜8月闘争の基本的な大方針である。このスローガンのもと、危機を深める日帝権力が戦時下で都議選後も一層強めてきている治安弾圧と対決しつつ、何よりも7月杉並大行動に総決起し、杉並を先頭に全国・全地域で「つくる会」教科書採択を絶対に阻止するために闘おう。同時に被爆60年の8月広島・長崎反戦反核行動に全国から総力結集しよう。そして戦後60年の8・15集会を小泉の靖国参拝攻撃と対決する闘いとしてかちとろう。新指導路線のもと、都議選決戦が切り開いたものは実に感動的、画期的であった。それを組織的に打ち固め、発展させ、11月へ進もう。夏期一時金カンパと機関紙拡大の闘いに全力で取り組もう。7・31東西革共同政治集会を圧倒的に成功させよう。

 第1章 区民の闘いと大衆運動創造した都議選

 91年のソ連スターリン主義崩壊以降の帝国主義は、今やその基本矛盾を全面的に爆発させ、世界戦争・世界大恐慌の奈落の底へ坂道を転げ落ちつつある。イラク侵略戦争の泥沼化と継続・激化の上に、米・日帝国主義による北朝鮮・中国侵略戦争が、現実的に切迫してきている。
 この中でイラクでの民族解放・革命戦争の不屈の激化・発展を始め、全世界で労働者階級、被抑圧民族人民の帝国主義に対する根底からの怒りと闘いが爆発し、革命的情勢が急接近してきている。7月7日にはロンドンで帝国主義へのムスリム人民・被抑圧民族人民の積もり積もった極限的な怒りが同時爆破ゲリラとして炸裂(さくれつ)し、サミットを直撃した。
 革共同はこうした大情勢の中で、4月以降、新指導路線のもと新たな革命的議会主義の闘いに挑戦した。長谷川英憲氏を押し立て、「つくる会」教科書採択絶対阻止を訴え、全党・全人民が総蜂起して、今次都議選決戦を闘ったのである。それは労働者党を建設し、プロレタリア革命の勝利を現実的にたぐり寄せるための路線である新指導路線の実践そのものであった。
 革共同は今次都議選を、階級的労働運動の前進を必死に切り開き、労働者階級の組織的獲得を目指しつつ、大衆運動と階級的激動をつくり出し、そのただ中で選挙戦に勝利していくという、革命党としての本来的な新たな闘いに挑戦し、持てる力を投入して全力で闘いぬいた。
 確かに得票結果は大変厳しいものだった。しかしこの闘いは画期的な地平を創造した。宣伝・扇動の革命を基礎として、「つくる会」教科書採択阻止の大衆運動においても、階級的労働運動の前進への踏み込みにおいても、区民の自主的・自己解放的決起という点でも、われわれは貴重で、かけがえのない経験と地平を獲得した。この道を進み、都議選決戦が切り開いた地平を発展させれば、新指導路線も、11月労働者総決起への闘いも、爆発的に前進するという確信を手にしたのだ。
 革共同と日本の闘う労働者は、この地平に立ち、直ちに05年11月労働者総決起を、階級的労働運動と日米韓国際連帯の飛躍的発展の大舞台としてかちとるために、勇躍進撃を開始しなければならない。

 戦争と階級闘争絶滅の攻撃

 課題の第一は、何よりも杉並を最先頭に「つくる会」教科書の採択を絶対阻止することである。
 「つくる会」教科書は戦争攻撃である。北朝鮮・中国―アジア侵略戦争への突入と国民総動員の攻撃である。革命党と労働者階級に突きつけられた反革命の刃(やいば)であり、労働運動・労働組合を始め、一切の階級闘争、階級的組織を絶滅する攻撃である。この教科書が採択され、来年から使われるなら、実際の改憲攻撃を飛び越えて、一気に「改憲後」の情勢に突入し、アジアへの侵略戦争が本当に始まる。今この時に闘って阻止しなかったら、決定的に遅いのだ。
 「つくる会」のファシストどもは、今や日帝ブルジョアジーと政府・文科省の全面的バックアップを受け、都知事・石原や杉並区長・山田を最先兵として東京・杉並を始め全国各地でこの戦争教科書を採択するために躍起となっている。都道府県レベルでも05年に入って全国15県議会で自民・公明(一部は民主)の賛成により請願が採択されている。7月13日には栃木県大田原市で「つくる会」教科書が市町村教委では初めて採択された。容易ならざる情勢だ。
 「つくる会」勢力は戦後の教科書を「コミンテルン史観」「東京裁判史観」「自虐史観」の「反日」「亡国」の教科書だなどと攻撃し、日清・日露以来の侵略戦争・帝国主義戦争を全面的に美化し肯定する。歴史観としても科学的・階級的・マルクス主義的な正しい歴史観を憎悪・否定し、70年三島反革命や教基法改悪の「天皇を中心とした日本の歴史・文化・伝統」という主張に沿って、「万世一系」の事実上の皇国史観と弱肉強食の戦争肯定イデオロギーに、教科書内容を塗り替えている。
 これは単に過去の侵略戦争の美化・肯定ではない。新たな戦争、明日の北朝鮮・中国―アジア侵略戦争への国民総動員攻撃なのだ。小泉や石原の盟友・ファシスト西村真悟(民主党衆院議員)は、7月7日の小泉靖国参拝を支持する集会で「靖国に参拝することによって、今度戦争をする時は断じて負けないという誓いを新たにしないといけない」「近い将来、わが国は戦争を受けて立たねばならないことも大いにありうる」、その場所は「東シナ海(ママ)と台湾海峡」だ、「ここがわが国の生命線であります」と公言している。
 これは西村個人の「暴言」にとどまらない。まさに「近い将来」、日帝は日米枢軸のもとで北朝鮮・中国―アジアに、とりわけ中国に本格的侵略戦争を開始しようとしているのだ。ファシスト石原が「尖閣諸島に自衛隊を派兵せよ」「アメリカを巻き込んで三峡ダムも北京も破壊せよ」「中国を分裂国家にし、支配せよ」と叫んでいるのも、米日帝の北朝鮮・中国侵略戦争の扇動なのだ。

 第2章 「死ねば靖国の神になる」の戦争動員装置

 小泉が今年、8・15靖国参拝を強行しようとしていることは「つくる会」教科書と一対の攻撃である。靖国神社は「天皇の忠臣」と「国家のための戦いで死んだ人」「賊軍と戦って死んだ人」「外国と戦って死んだ人」をまつる神社であり、「死ねば靖国の神になる」と称して、天皇と日帝国家のために喜んで命をささげることを要求する、侵略戦争への国民動員の装置なのだ。小泉が中国や韓国との外交関係を壊してまで靖国参拝にこだわるのは、まさに「近い将来」、北朝鮮・中国への侵略戦争を構えているからである。
 「つくる会」教科書や靖国問題に示される日帝の異様な凶暴性は、帝国主義の絶望的な体制的危機と破産にその根拠がある。日帝はもはや労働者階級を食わせていくことができなくなった。国家と地方自治体の財政赤字も1000兆円に達し、破局寸前だ。福祉も介護も保障できない。この帝国主義が延命するために、労働者人民に賃下げ・大失業と民営化(労組破壊)と社会保障制度解体を強制し、外に向かっては北朝鮮・中国侵略戦争とアジア勢力圏化に突進している。
 われわれはこれに対し、帝国主義打倒とプロレタリア世界革命の立場を一層鮮明にし、階級的労働運動と国際連帯の前進をかちとり、自国帝国主義の侵略戦争を内乱に転化する闘いの発展をもって対決する。「つくる会」教科書採択絶対阻止はそのための階級的死活がかかった闘い、教基法改悪粉砕・改憲阻止への突破口をなす闘いである。
 都議選決戦が創出した大衆運動と杉並区民の決起をさらに発展させ、日本共産党の敵対を許さず、「つくる会」絶対阻止の7月杉並大行動に総決起しよう。杉並・親の会などが呼びかける7・24大集会、7・27と8・4の区教委包囲の「人間の鎖」行動、そして署名運動の拡大の力をもって、絶対に勝利しよう。全国で採択を阻止しよう。

 第3章 11月労働者総決起へ4大産別軸に前進を

 課題の第二は、都議選決戦に現場労働者の主体的で力強い決起がかちとられた地平に立ち、国鉄を先頭に4大産別と全産別で、階級的労働運動の前進を切り開くことだ。
 4大産別は7・18〜20日教組大会を始め7〜8月は大決戦となる。産別の枠を越えて「つくる会」教科書攻撃と闘い、日教組・自治労の改憲勢力化を阻むために総決起しよう。特に1047名闘争の不抜の陣形を打ち固める7・15全国集会を突破口に、国鉄決戦がいよいよ重大化する。動労千葉は安全運転行動と組織拡大に突入している。
 小泉が反革命的な改革路線の目玉として、自民党内の分裂をも辞さず強行突破しようとしている郵政民営化は、郵政労働者27万人余(非常勤を含め40万人)を非公務員化し、リストラと大量首切りを推進し、全逓労働運動を解体する攻撃だ。郵貯・簡保の350兆円を金融独占ブルジョアジーが私物化する攻撃でもある。闘う全逓労働者を先頭に物ダメとストライキで決定的反撃に立とう。

 8月ヒロシマ−ナガサキへ

 課題の第三は、被爆60年の8・6ヒロシマ―8・9ナガサキ反戦反核大行動に、青年労働者を先頭として全国から総結集することだ。これは既成原水禁運動をのりこえ、帝国主義の侵略戦争・世界戦争と対決する闘いである。さらに戦後60年の8・15国際連帯集会を小泉の靖国参拝攻撃と対決し大成功させよう。これらは11月労働者総決起に向けて大きな橋頭保をなす重要闘争だ。 
 課題の第四は、7月12日に衆院法務委員会で本格審議入りした共謀罪新設攻撃を絶対に粉砕することだ。共謀罪は03年5月に国会が批准した「国際組織犯罪防止条約」を根拠に、615種の「犯罪」について実行行為がなくても相談や協議をしただけで最高5年の懲役(または禁固)にできる極悪の治安弾圧立法だ。しかも実行前に自首すれば減刑・免訴される。これは密告やスパイの奨励だ。
 また自民党が出した修正案には「準備のためにする行為」が構成要件にあり、戦前の改悪治安維持法の「結社の目的遂行の為にする行為」(目的遂行罪)と同じく、弾圧が無制限に拡大される。戦時下で革命党はもとより労働運動・市民運動を根こそぎ弾圧する、この現代の治安維持法を必ず廃案に追い込もう。
 三里塚闘争も「北延伸」攻撃が切迫し、決戦である。断固、反撃しよう。
 課題の第五は、都議選決戦の成果を労働者党の組織建設へと打ち固めていくために、夏期一時金カンパ決戦に全力で決起することだ。同時に職場・大学・街頭で機関紙拡大闘争に進攻的に取り組もう。
 7・31東西革共同政治集会に総結集し、05年後半決戦へ全党・全人民の怒濤(どとう)の進撃をかちとろう。

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週刊『前進』(2207号1面2)(2005/07/25)

 保護者先頭に区教委抗議 8月4日が採択阻止の決戦

 7月13日の杉並区教育委員会で中学校教科書採択の臨時教育委員会が8月4日に決まった。この日が、子どもたちを戦場に送る「つくる会」教科書の採択を阻むかどうかの大決戦だ。
 13日正午前から、杉並区役所前には「『つくる会』の教科書採択に反対する杉並・親の会」を中心に多くの人びとが詰めかけた。都政を革新する会も長谷川英憲代表を先頭に、「つくる会」教科書採択阻止の宣伝活動を行い、大きな注目を集め、多くの支援者との交流の場となった。「栃木県の大田原市で『つくる会』教科書採択がきょう決められようとしている」というニュースに危機感と怒りが高まった。しかも教育委員の1人が外国に視察に行っているのにわざわざこの日を選んで決めるという。
 昼休みのビラまき・署名活動では、子どもを抱いた母親、戦争体験者の男性、若い女性、サラリーマン、親子3人連れなど、署名する人がひっきりなしに続いた。署名を集める人を囲んで討論の輪もできた。戦争賛美の教科書を絶対許さないという熱気があふれた。
 ハンドマイクで訴える女性は、「つくる会」教科書が戦争賛美そのものであることを暴き、「この教科書を絶対に子どもたちに渡すことはできない」と決意を語った。さらに改憲攻撃を弾劾し、「学校では先生は自由に授業ができない。内心の自由を話しただけで厳重注意され、『日の丸・君が代』で座っていたら処分される。そんな恐ろしい世の中になっている」と戦争攻撃の激しさを訴えた。「『つくる会』教科書はどうしても阻みたい。署名をお願いします。採択日には区役所に集まってください」と呼びかけた。
 「障害者」の男性など集まった人びとが次々とマイクを握って「つくる会」教科書採択阻止のために署名を訴えた。元教育労働者は学校現場での攻撃を明らかにし、「戦後教育を壊し、戦争に持っていこうとする教科書を許すわけにはいかない」と訴えた。元マスコミ労働者は、「つくる会」教科書を杉並区を突破口に全国で10%採択させようと狙っていることに対して、「杉並区で止めれば全国で止められます」とさらに闘うことを呼びかけた。
 午後2時からの教育委員会は、議題の最後に教育委員会の日程を決め、教科書採択の臨時教育委員会を8月4日に行うことを決めた。しかし、採択にかかわる経過の説明もまったくなされず、反対署名や申し入れなどが多数行われていることも触れられないままだ。教育委員会の会議は、まともな検討や討論がまったく行われていないことをさらけ出すものだった。特に「杉並区中学レスキュー隊」を8月5日に発足させ、生徒に戦時動員訓練を強制しようとしていることに傍聴後、怒りの声があがった。
 これに先立って午後1時過ぎ、親の会は杉並区教委の委員長と教育長に対して申し入れを行った。親の会は「改悪された採択要綱の撤回」などを求めた申入書を読み上げ、手渡した。
 杉並での闘いは東京・全国を決する焦点となった。アジアを始め世界の労働者も注目している。8月4日の採択阻止へ、全力で闘おう。7月24日(日)午後2時・セシオン杉並大ホール(杉並区梅里)で開かれる「絶対使わせない!『つくる会』教科書7・24杉並集会」(同実行委主催)に集まろう。
 (本紙・柿坂信二)
(写真 「つくる会」教科書採択反対署名が続々集まる【7月13日 杉並区役所前】)

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週刊『前進』(2207号1面3)(2005/07/25)

 共謀罪粉砕 ハンスト決行

「会話やメールが罪にされる/現代の治安維持法=共謀罪は廃案に!」などと呼びかけた国会前ハンスト闘争は、3日間・54時間にわたり闘いぬかれ、見事に貫徹された。国会内外に大きなインパクトを与え、廃案の現実性も見えてきた。今からが“強行採決か廃案か”の最後の力勝負となる。拡大する労働者人民の危機感と怒りを共謀罪廃案の一点にしぼりあげ、全力で廃案に追い込もう!(写真は7月14日)=関連記事2面

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週刊『前進』(2207号2面1)(2005/07/25)

「つくる会」教科書 採択阻止へ最大の正念場 「戦争への罪悪感」一掃図る

 財界・政府・自民が共同で推進

 「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史・公民教科書は、日本帝国主義が再び侵略戦争に労働者人民を総動員していくための攻撃である。13日、栃木県大田原市で、市町村教育委員会では全国で初めて、「つくる会」の歴史・公民教科書が採択された。攻防はいよいよ激化している。杉並区を先頭に全国で「つくる会」教科書採択絶対阻止に立ち上がろう。

  経団連提言や自民改憲案と全く同じ

 「つくる会」教科書攻撃の背景にあるものは、世界史的激動のもとでの日本帝国主義の激しい危機感、焦燥感である。帝国主義の戦後的延命・発展が完全に行き詰まり、日帝は帝国主義間の激しい争闘戦、つぶし合いの中で、生き残れるか否かという巨大な壁にぶつかっている。このために、なりふり構わず戦後的な制約を突破し、自国民を政治的・イデオロギー的に再組織し、再び対外(侵略)戦争ができる国家に転換しようと必死なのである。
 「つくる会」教科書は、そのための大攻撃であり、日帝が国家総力戦体制を築き、国民を戦争に総動員していくための大攻撃である。「有事立法攻撃の学校版」だ。それゆえ、これは「日の丸・君が代」強制と一体であり、教育基本法改悪・憲法改悪の先取りである。また、天皇制テロルのすさまじい暴力性をもって学校と地域から、闘う労働者を一掃する言論・思想弾圧と一体である。教育労働者に対する不当処分、卒業式ビラまきでの逮捕、「共謀罪」制定など、それはすでに始まっている。
 左の表は、「つくる会」教科書攻撃が、ひとにぎりの民間ファシスト勢力の部分的な攻撃などではなく、日本帝国主義の総力を挙げた攻撃であることを示すものだ。
 「つくる会」教科書の内容は、日本経団連の1・18提言「わが国の基本問題を考える」や、7月7日に発表された自民党の改憲要綱案と完全に一致している。改憲(9条)や「国民の権利と義務」、「天皇制」の問題など、日帝が今、戦争国家に転換するために突破しようとしている重大テーマにおいて、「つくる会」教科書は日帝支配階級の意図を体現して、教育・学校の場で正面突破の大攻撃をかけてきているのだ。
 実際、日本の財界は資金その他で「つくる会」の活動を全面的にバックアップし、政府・自民党は安倍幹事長代理や中山文科相や町村外相が「バランスのとれた教科書」などと「つくる会」教科書を露骨にもちあげ、自民党地方議員の総決起集会などを開いて「つくる会」を全面的に支援している。また文部科学省や各地の教育委員会が、採択制度や教科書選定基準を「つくる会」教科書が有利になるように改悪している。
 このように、「つくる会」教科書攻撃は、今や日帝支配階級の総力を挙げた、労働者階級に対する戦争動員と階級闘争圧殺の攻撃なのである。日帝支配階級は、「つくる会」教科書を全国で大量に採択させることで戦前・戦中の「国定教科書」のような位置に押し上げ、他社の教科書を駆逐・一掃し、さらには小学校から高校まで「つくる会」教科書攻撃を拡大することを狙っている。「つくる会」はすでに小学校社会、中学地理・国語・英語の教科書づくりもプラン化している。絶対に許してはならない。

  労働者人民の闘いは一切抹殺された

  日帝は、戦争に対する「国民」的価値観を転倒させようとしている。その核心は、帝国主義の侵略戦争、帝国主義強盗どもの国家間戦争を「国家防衛のための正義の戦争」と全面的に美化し、戦争への罪悪感を一掃することである。「戦争は国家間の生存競争であり、未来永劫(えいごう)なくならないもの。日本国家の繁栄のために戦争をしなければならないし、お国のために命をささげ、靖国神社にまつられることは日本人として名誉なことだ」という価値観に転換させようとしているのだ。
 そのことを端的に示しているのが、「つくる会」歴史教科書のコラムの次の記述である。
 「●戦争への罪悪感/GHQは、占領直後から……言論に対するきびしい検閲を行った。また、日本の戦争がいかに不当なものであったかを、マスメディアを通じて宣伝した。こうした宣伝は、東京裁判と並んで、日本人の自国の戦争に対する罪悪感をつちかい、戦後の日本人の歴史に対する見方に影響をあたえた」
 ここでは、アジア太平洋戦争において、日本帝国主義とその軍隊が、2000万人ものアジア人民を虐殺し、アジアの資源・物資・食料を略奪するなど、侵略戦争と植民地支配を行ったこと、日本労働者人民も戦争に駆り出され、悲惨な体験を強制されたことを完全に抹殺し、「戦争への罪悪感はGHQが植え付けたものだ」などと完全に開き直っている。人民の中にある「戦争への罪悪感」の一掃を図っているのだ。
 また、「つくる会」教科書には支配権力の不正・暴虐と闘ってきた労働者人民・被抑圧民衆の闘いの歴史が、まったく記されていない。歴史の主体は日本の国家と、それを担う天皇・支配階級であるとして、階級支配や階級対立、階級闘争の存在そのものが抹殺されている。戦後革命期の労働者階級の闘いや、アジア・世界の民族解放闘争の歴史的高揚など、まったく書かれていない。
 このように「つくる会」教科書は、日本帝国主義支配階級の戦争と階級闘争圧殺の意図を露骨に体現した極悪の政治文書であり、全面的粉砕あるのみだ。
 「つくる会」教科書採択阻止を闘い、闘うアジア・ムスリム人民と連帯して、戦争に突き進む日本帝国主義を打倒しよう。

 (表)財界・自民党と「つくる会」教科書は一体 その狙いは、人民の侵略戦争動員だ!

  日本経団連提言(今年1月) 自民憲法改正要綱案(今年7月) 「つくる会」教科書(05年版)
憲法改悪(軍隊保持と海外派兵の明記) 「戦力の不保持」(9条2項)は現実から乖離。自衛隊の保持を明確にし、国際平和に寄与する活動に貢献できることを明示すべき。集団的自衛権を行使できる旨を明記すべき。 自衛のために自衛軍を保持する。自衛軍は国際の平和と安定に寄与することができる。
(集団的自衛権を認める)
自衛権は国際法上、主権国家に認められた権利であり、自衛隊の位置づけが不明瞭ならば、憲法の規定自体を変えるべきという意見もある。
 集団的自衛権を行使できると解釈を変えるべきだという主張もある。(公民)
国民の義務 無責任な利己主義が蔓延しつつある。「公(おおやけ)」を担う気概が失われている。権利と義務は表裏一体であることを教育の中でも強調すべき。 個人の権利には義務が伴い、自由には責任が伴う。「公共の福祉」概念はあいまいなのでこれをやめ、国家の安全と社会秩序を維持する概念として明確に記述する。 【教育勅語の礼賛】非常時には国のために尽くす姿勢など、近代日本人の人格の背骨をなす。(歴史)
【「国防の義務」】
憲法で国民に国を守る義務を課している国は多い。(公民)
愛国心・天皇制 自国の伝統・文化・歴史を学ぶことを通じて国を愛しむ心を持つことは、国際人として不可欠の要件であるが、戦後、これらの教育は遠ざけられてきた。
 教基法を見直し、戦後の教育に不十分だった日本の伝統・文化・歴史にかかわる教育を充実させること。
【宗教教育】自然や生命に対する畏敬の念を育むこと。
現行憲法に欠けている日本の国土、自然、歴史、文化など、国の生成発展についての記述を加え、国民が誇りうる前文とする。
 日本国民は和の精神をもって国の繁栄を図り、国民統合の象徴たる天皇とともに歴史を刻んできた。
 一定の宗教的活動に国や地方自治体が参加することは許容される。
【大日本帝国憲法を称賛】
 私たちの先祖の、たゆまぬ努力の上に、世界で最も安全で豊かな今日の日本がある(歴史)
 天皇の権威は、国家が危機を迎えたときには、国民の気持ちをまとめ上げる大きなよりどころともなってきた。(公民)
深く自国の歴史と伝統を学んでほしい。(歴史)

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週刊『前進』(2207号2面2)(2005/07/25)

 共謀罪 国会前、危機感広がる “現代の治維法に反対” 

 共謀罪を新設する法案が衆議院法務委員会で本格審議に突入した7月12日、「破防法・組対法に反対する共同行動」は国会前で14日までの3日間のハンスト闘争に入った。
 共謀罪の即時廃案を要求する「ハンスト決行中!」のビラを国会前で配布、「何もしなくても『会話だけでタイホ』という共謀罪の法案が、いよいよこの7月にも衆院強行採決かという、まさに決戦のただ中にあります」などと書かれたビラを国会議員を始めほぼ全員が受け取っていく。共謀罪に対する警戒感、反対運動に対する共感は確実に広がっている。
 昼に開かれたハンスト突入集会は、6人のハンスト者を囲み、約70人が集まった。まず共同行動の事務局が共謀罪をめぐる現状と展望について提起した。共同行動による国会前ハンストが破防法団体適用を阻んだ95年以来4回目だと語り、「共謀罪絶対阻止を訴え続ける拠点として翼賛国会に切り込もう。共謀罪を絶対に廃案にしよう」と闘いの意義を訴えた。
 午前中の法務委員会を傍聴した人が与党の質問について、「労組と市民団体、一般の国民には適用されないんですよね」と聞いて、南野法相が「そうだ」と肯定する茶番であったことを報告、「怒りをもって弾劾」した。
 憲法と人権の日弁連をめざす会の武内更一弁護士は「条約が通ったから共謀罪をつくるというが、この国には憲法がある。違憲の共謀罪は認められない。政府の行為に逆らう者、抵抗する者を排除しようとするのが共謀罪だ。現代の治安維持法である共謀罪は絶対に認められない」と訴えた。
 初日からハンストに入った5人が決意を表明。全国精神病者集団の山本さんは、「悔しいが医療観察法が15日施行になる。今国会で審議されている障害者自立支援法案で障害者は地域で生きることができなくなる」と指摘した。ハンスト座り込みの両わきには「障害者自立支援法案」に反対する「障害者」たちが続々と集まっていた。
 翌13日の2日目、7人がハンストを闘った。この日、日本基督教団の小田原紀雄牧師もハンストに合流した。午後4時すぎ、衆院厚生労働委員会で「障害者自立支援法案」が強行採決された。国会前に詰めかけた1000人の「障害者」とともに弾劾のシュプレヒコールをあげた。
 14日午後5時、3日間にわたり54時間のハンストを貫徹したハンスト者を先頭に総括集会が行われた。ハンスト者が次々と発言に立ち、共謀罪法案廃案に向けた国会議員とマスコミへの呼びかけで大きな成果を上げたことを報告した。7月13日の朝日新聞には「共謀罪に異論反論」の見出しで共謀罪法案の国会論議が紹介された。社会的関心が一気に高まってきたのだ。
 ハンストを貫徹した共同行動の事務局から、衆院法務委員会での強行採決を阻止し、延長国会の会期末で廃案に追い込むための行動方針が提起され、その中で「共謀罪に反対する超党派国会議員と市民の集い(別掲)」への参加が呼びかけられた。この呼びかけにこたえ全力で参加しよう。

@院内集会
 7月21日(木)12時から13時
 衆議院第2議員会館 第1会議室

A市民集会
 7月26日(火)18時半から20時半
 星陵会館(永田町駅6番出口徒歩3分)
 発言 超党派国会議員・表現者・法律家ほか
呼びかけ人(50音順)
稲見哲男(衆議院議員)、井上哲士(参議院議員)
糸数慶子(参議院議員)、喜納昌吉(参議院議員)
近藤正道(参議院議員)、佐々木秀典(衆議院議員)
辻恵(衆議院議員)、仁比聡平(参議院議員)
福島みずほ(参議院議員)、松岡徹(参議院議員)
松野信夫(衆議院議員)、円より子(参議院議員)
 (2005年7月13日現在)

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週刊『前進』(2207号2面3)(2005/07/25)

 7・31革共同集会の成功へ

 都議選決戦の地平ひき継ぎ11月労働者総決起へ進もう

 教科書闘争貫き闘った都議選

 3月「日の丸・君が代」決戦から4〜7月「つくる会」教科書阻止決戦を闘い、杉並都議選決戦を闘いぬいてきたすべての同志諸君、闘うすべての労働者・学生の皆さん。戦時下の階級闘争、階級的激突情勢がいよいよ激しく煮詰まり、息次ぐ間もない政治戦・組織戦が展開されているただ中で、05年後半戦への決定的なテコとなる7・31東西革共同政治集会への結集を呼びかけます。
 革共同は、「つくる会」教科書阻止決戦と完全に一体のものとして東京都議選決戦を闘いぬきました。それは今の情勢の中で、日帝ブルジョアジー、奥田や小泉と真に対決できる階級的力を形成し、戦争と民営化攻撃、改憲攻撃への反撃をつくり出していくために、絶対に必要な闘いでした。革共同は、新指導路線下の新たな革命的議会主義の闘いとして、労働者党建設の立場からこの決戦を闘いました。「つくる会」教科書採択阻止の大衆闘争の爆発を軸に選挙戦を一個の政治的大衆闘争として設定し、渾身(こんしん)の決起で闘いました。3月「日の丸・君が代」決戦を動労千葉ストライキと結合して打ち抜いたことによって、4〜6月は一個の決戦として切り開かれました。その空間の中で、長谷川英憲氏を先頭に「つくる会」教科書採択阻止・ファシスト石原打倒を掲げ、帝国主義批判を徹底的に貫き、労働者党員の決起でこの選挙戦を闘いぬく条件が形成されました。杉並は白熱した階級的激突の戦場となりました。
 これに対して、「つくる会」のファシスト反革命勢力、自民党・公明党・民主党からスターリン主義者や右翼社民=「市民派」まであらゆる勢力が、長谷川の登場を阻止するために必死になりました。われわれはすべての反動を相手にたじろぐことなく闘いましたが、選挙戦の結果は、長谷川英憲7977票(10位)で厳しい敗北でした。
 しかしわれわれは、この選挙戦の中で確実に次につながるものをつかみました。この闘い方を発展させることによって、必ず勝利を実現することができる確信をつかみました。現在の組織力量をリアルに見据えつつ、大衆闘争の発展を党派選択に結びつけ、革命的議会主義を正しく貫徹していくための闘い方がどのようなものであるかを全党員の経験として総括し、確実な前進を開始しています。

 民営化と一体の「戦争教科書」

 「つくる会」教科書阻止闘争は杉並を焦点に激しく闘われています。選挙戦の敗北を突き抜け、なんとしても杉並における採択を阻止しなければなりません。栃木県大田原市における採択強行の暴挙に対して、杉並での採択阻止で反撃しよう。中国・朝鮮人民の怒りの決起にこたえ、連帯のあかしをかけて阻止しよう。
 この攻撃は、日帝支配階級・ブルジョアジー本体が仕掛けてきている「戦争と民営化」「労働組合絶滅攻撃」の中心軸です。小泉の靖国参拝攻撃や、民主党・西村真悟の「もう一度戦争をやって勝つ」発言、沖縄6・23「慰霊の日」における自衛隊の牛島中将「慰霊祭」のとんでもない動きなどを見る時、改憲=戦争国家化攻撃が一切の階級的なものの絶滅へと襲いかかっていることがわかります。
 小泉は、グラグラになりながらもあくまでも郵政民営化を強行しようとしています。その力で、日教組・自治労を「改憲容認」へと屈服させようとしています。さらに日帝は、7月7日のロンドンにおける超ど級のゲリラ戦の炸裂(さくれつ)を受けて、戦時治安体制のエスカレーション、共謀罪強行に突進しようとしています。

 イラク戦争に広がる人民の怒り

 7・7のロンドン地下鉄・バス同時爆破ゲリラ戦は、イラク・アフガニスタン・中東における米帝・英帝そして日帝などの侵略戦争と虐殺に対するムスリム人民の怒りの反撃であり、帝国主義サミットを事実上粉砕したすさまじい威力の戦いでした。イラクでは、1月の選挙の強行と移行政権のデッチあげによって解決・収束に向かったのではなく、米占領軍の協力者となったシーア派指導部への怒りをも含めて、すさまじい武装闘争が爆発しています。追いつめられた米帝はイラク人民虐殺の凶暴な攻撃を拡大し、まさに泥沼に引き込まれ凶暴化し、無差別虐殺を強行しています。パレスチナ情勢やアフガニスタン情勢も含めて、帝国主義の侵略と虐殺に対するムスリム人民の怒りは極限的に高まっています。
 このゲリラ戦はその怒りを英帝・米帝を先頭とする帝国主義に対してたたきつけたものです。そして同時に、帝国主義国の労働者階級人民がこの侵略と虐殺を許していることに対して、〈帝国主義国の労働者階級人民は侵略戦争・虐殺を止めるためにただちに立ち上がれ〉というギリギリの要求(アピール)を極限的で特殊な形で突きつけたものでもあります。
 自衛隊撤兵、日本のイラク侵略戦争への参戦を止めろという闘いを必死でつくり上げていくことが何よりも問われています。また、米帝のイラク中東戦争体制・世界戦争体制の大エスカレーションである米軍再編を阻止し、日米軍事同盟を揺さぶる闘いを発展させなければなりません。この点でも小泉政権を決定的に追いつめる闘いを爆発させなければなりません。
 根本的には、帝国主義と対決する労働運動の階級的発展と、その力を基礎として本格的な反戦闘争・自国帝国主義打倒の闘いを発展させることです。また、真の国際主義的連帯を組織し、革命を実現できる党の建設をもってこたえるということです。
 こうした全情勢の中で、11月労働者総決起がますます死活的になっています。昨年の素晴らしい国際連帯集会を引き継ぎ、その後の前進のすべてをバネとして、05年11月労働者総決起へ大きなうねりをつくり出しましょう。それこそが一切をこじ開けるかぎです。

 階級的労働運動を前進させよう

 4月のJR尼崎事故は、民営化攻撃がもたらしたものを衝撃的に突き出しました。問題は、闘う労働組合の存在です。労働者階級の階級としての団結そのものをめぐる攻防戦に勝ちぬくことがまさに問われています。
 動労千葉の存在と闘いをかなめとして形成された「3労組共闘」と日韓米の国際連帯は、新たな飛躍と発展が問われる局面を迎えています。とりわけ05年情勢下で、日韓労働者の階級的連帯の発展が問われています。その点からも教科書闘争が死活的です。階級的労働運動の日本における太い柱を打ち立てよう。昨年を倍する大結集に向かって闘いを開始しよう。原則的な党派闘争=柔軟な統一戦線政策を貫徹し、連合傘下の労働者、全労連傘下の労働者、右翼社民=「市民派」的な勢力につなぎ止められている労働者を、帝国主義と闘う大陣形の中に階級的に獲得しよう。革命的な労働者党の建設は、その中で可能となります。
 7〜8月教科書採択阻止決戦を徹底的に闘い抜こう。小泉の靖国参拝を阻止しよう。日帝・小泉体制は、中朝人民の巨大な決起と日本階級闘争、支配階級自身の矛盾、そして帝国主義間の争闘戦の中で、決定的に追いつめられています。11月労働者総決起で小泉を打倒し、05年〜07年階級決戦の血路を開こう。
 7・31東西革共同集会を、そのテコとしてかちとろう。とりわけ青年労働者、学生の大結集を心から呼びかけます。

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週刊『前進』(2207号2面4)(2005/07/25)

 本物の労働者党建設へ 闘う革共同にカンパを

 すべての支持者、『前進』読者のみなさん。 今度の都議選は「つくる会」教科書採択阻止を最大の柱に全党が一丸となって闘い抜きました。多くのみなさんから物心両面にわたる絶大な支援をいただき心から感謝いたします。にもかかわらずみなさんの期待にこたえることができなかったことは、まったくもって残念で悔しい限りです。
 しかし、「つくる会」教科書採択阻止を真っ向から掲げ、大衆運動を巻き起こす中から党派選択を求めていく闘い方は、圧倒的に正しかったと確信します。この闘い方しかなかったし、ここには無限の可能性があります。日本共産党、福士派などは「つくる会」教科書攻撃と闘わないだけでなく、必死に「つくる会」教科書採択阻止を闘う人びとを「暴力集団」呼ばわりして敵対しました。壁は、この未曽有(みぞう)の政党間党派闘争での不十分さ、未熟さでした。われわれはこの点を痛苦にえぐり出し、自らを真の革命党に打ち鍛え、必ずリベンジします。
 「つくる会」教科書採択阻止の闘いは、いまだ最渦中です。一日としてとどまっているわけにいきません。「つくる会」は、日帝・小泉=奥田が生き残るためにはこれしかないものとして採用したファシスト運動です。有事法制などいかに戦争法体系ができたとしても、「お国のために命をささげる」人間をつくらなくては戦争国家は完成しないからです。ついに自衛隊の車列が狙われる事態にまで至ったイラク侵略戦争に、そして北朝鮮・中国に対する侵略戦争に自ら募兵に応じる兵士を育成しようというのです。どんなことがあっても子どもたちに「つくる会」教科書を使わせるわけにいきません。革共同は採択阻止の7月決戦に猛然と決起します。
 7月7日、ロンドンでサミットを直撃するゲリラ戦闘が爆発しました。ブレアやブッシュや小泉がいかに「テロには屈しない」と豪語しようとも、帝国主義が〈戦争と民営化〉攻撃を繰り返す限り、このような事態は避けようがありません。それほどまでに帝国主義は矛盾を深め、一切の犠牲を労働者階級人民に押しつけ、またも全世界で戦争を繰り返そうとしています。命脈の尽きた帝国主義を打倒せずして労働者階級に未来はありません。
 革共同は、本物の共産主義者の党をつくるために、闘う労働者人民に根本的に信頼をおいて闘ってきました。未熟さを克服し、プロレタリア革命に勝利する党への飛躍は、みなさんとともに党を打ち鍛えるしかありません。この選挙戦で教育労働者の決起を始め幾多の成果もかちとってきました。この地平を必ず今秋11月国際連帯集会の大高揚に結実します。
 みなさんの生活の苦しさは重々承知しておりますが、今夏一時金支給時にあたり、これまでにない圧倒的なカンパをお願いします。

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週刊『前進』(2207号3面1)(2005/07/25)

 自民党が「要綱案」 「自衛軍」保持へ9条改憲 地球規模で軍事力行使狙う

 「つくる会」教科書と一体

 自民党新憲法起草委員会(委員長・森前首相)が7月7日、改憲の「要綱案」を発表した。これに基づいて具体的な草案の条文化作業に移り、11月に自民党案を完成させ、その上で他党との調整に入るというのが、自民党のもくろみである。9条2項の破棄と「自衛軍」明記を中心とする改憲の攻撃がいよいよ骨格を現し、具体化の過程に入ったのだ。怒りをもってこの攻撃を迎え撃たなければならない。「つくる会」教科書採択阻止の闘いに勝利することで、この敵の攻撃をはね返そう。

 集団的自衛権認め侵略戦争へ歯止め外す

 自民党の改憲要綱案のポイントは、第一に、「戦争放棄」の章を「安全保障及び非常事態」に改め、「自衛のために自衛軍を保持する。自衛軍は国際の平和と安定に寄与することができる」として、「自衛軍」を明記したことである。
 これは現行憲法第9条2項の「前項(戦争放棄)の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」という文言を破棄するものだ。第1項の「戦争放棄」の条文を無内容化するものである。戦力不保持・交戦権否認というこの第2項があって初めて「戦争放棄」という目標が達成されるという構造になっていたものが、自衛隊を「軍」と位置づけ、戦力の保持とその行使を明記することで、戦争の歯止めを完全に外すことになるのだ。
 したがってそれは「集団的自衛権」の発動を完全に認めるものとなっている。これは、イラク侵略戦争を継続・激化し、中国・朝鮮侵略戦争に突入しようとしている米帝とともに、日帝がどこまでも侵略戦争を遂行する帝国主義軍隊として自衛隊を「自衛軍」にすることを意味している。集団的自衛権とは、具体的現実的には、米軍が攻撃を受けた場合、自国が攻撃されていなくても反撃するという権利のことである。つまり、海外での侵略戦争を進める権利だ。
 「国際の平和と安定に寄与する」と称して、国連PKF(平和維持軍)への参加も、さらに多国籍軍への参加もすべてOKとなるのである。
 9条改憲だけでなく、これは前文においても貫かれる。日本の国家目標として「積極的に世界の平和と諸国民の幸福に貢献する。地球上いずこにおいても圧政や人権侵害を排除するため不断の努力を怠らない」ということがうたわれている。これはまさに米帝ブッシュの就任演説とうり二つで、「圧政の排除」を掲げて世界中どこへでも出ていって戦争を行うことを宣言するものだ。日米枢軸のもとで、日帝軍隊をどこまでも侵略戦争、世界戦争に向かって強化するということだ。
 また、「司法」の章で、「軍事裁判所」が取り上げられ、「下級裁判所としての軍事裁判所は九条改正に伴い設置する」とされている。これは、軍法会議の復活、憲兵隊の復活を意味する重大改悪である。
 結局、日帝・自民党として、改憲の最大の狙いとして「自衛軍」を明記することが据えられているのだ。全力で対決し、この攻撃を粉砕しよう。

 「天皇と共に歴史を刻む」を「前文」に

 第二に、天皇を中心とする国であることを「前文」において徹底的に強調していることである。天皇の「元首化」は見送るとしているが、「前文」を全面的に書き換え、そこに「盛り込むべき要素」として、「日本国民が……国民統合の象徴たる天皇とともに歴史を刻んできたこと」をあげている。
 小委員長の中曽根元首相が主導して作られた「前文」のこの部分に、天皇中心史観、天皇制と天皇制イデオロギーの前面化の意図が示されている。
 これに関連して、「政教分離原則」について次のような重要な文言がある。「政教分離原則は維持すべきだが、一定の宗教的活動に国や地方自治体が参加することは、社会的儀礼や習俗的・文化的行事の範囲内であれば、許容されるものとする」
 これは、靖国神社の国家護持、靖国神社参拝を念頭に置いたものであることは明白だ。自衛隊を自衛軍とし、海外侵略に乗り出す日帝が新たな戦死者をまつるために靖国神社を必要としており、そのためにも改憲を強行しようとしているのである。

 国会の過半数だけで改憲の発議を可能に 

 第三に、「国民の権利及び義務」の章で、「個人の権利には義務が伴い、自由には責任が伴う」として、権力を縛る憲法ではなく、国民を縛る憲法へと、憲法原理の逆転をうたっていることである。
 「公共の福祉」について「国家の安全と社会秩序を維持する概念として明確に記述する」と強調されている。そのために、「公共の福祉」ではなく「公益及び公共の秩序」と言い換えることを提起している。
 そのために現行憲法の11条から40条にわたるさまざまな権利を抑制し、代わりに「国防の責務」や「家庭等を保護する責務」などを追加することが検討されている。
 第四に、「改正規定」について、改憲のハードルを低くするための文言が盛り込まれていることである。現行憲法第96条が「各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し」「この承認には、……(国民投票において)その過半数の賛成を必要とする」とあるのを、「各議院の総議員の過半数の賛成」に緩和する、国民投票における承認の要件は「有効投票の総数の過半数の賛成」とする、としている。つまり、自民党は第1次の改憲に続き、第2次、第3次と次々と改憲を繰り返すことが容易にできるようにこの改正要件の緩和を死活的に追求しているのだ。
 これらはまた、現在攻防の焦点である「つくる会」教科書と一体の内容である。「つくる会」歴史教科書の歴史観、また同公民教科書の考え方が改憲要綱案の中に貫かれている。この改憲要綱案と対決するためにも、「つくる会」教科書の採択を絶対に阻止しなければならない。

●改憲「要綱案」のポイント

○「自衛軍の保持」
○集団的自衛権を容認
○軍事裁判所を設置
○前文に天皇中心の歴史観
○「明治憲法の歴史的意義」を評価
○「個人の権利には義務が伴い、自由には責任が当然伴う」と強調
○「国家の安全と社会秩序を維持する」
○政教分離原則の緩和
○改正手続きの要件の緩和

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週刊『前進』(2207号3面2)(2005/07/25)

 7・7ロンドンで同時爆破ゲリラ

 帝国主義の侵略戦争と虐殺に被抑圧民族人民の怒りが爆発

 帝国主義サミットを直撃

 7月7日、英ロンドンで起こった地下鉄・バス同時爆破ゲリラ(自爆戦闘)はスコットランド・グレンイーグルズで開かれていた帝国主義首脳会議(G8サミット)を直撃し、事実上これを粉砕した。
 この7・7ゲリラ戦は、イラク―アフガニスタン侵略戦争の当事国でありサミット議長国であるイギリスとその首都中心部を標的に定め、サミット開会の時刻に合わせたきわめて意識的な自爆テロ形式の戦闘として行われた。それによって52人以上の死者、数百人の負傷者が出て、ロンドン全域の交通機関が止まった。
 サミット議長のブレア英首相は、サミットの会議を中座し、ロンドンに急行した。サミットの議事は「テロ対策」に終始した。当初の目標として掲げたアフリカ貧困問題と地球温暖化問題のまともな討論すらなしえず(帝国主義による「貧困救済」「環境保持」など不可能である)、サミットは完全に破産した。
 7・7ゲリラ戦は帝国主義のイラク―アフガニスタン−中東侵略戦争、無差別的人民虐殺に対する被抑圧民族人民の積もりに積もったすさまじい怒りを全世界に突きつけた。7・7ゲリラ戦は、米・欧・日帝国主義のイラク―アフガニスタン(中東)侵略戦争・軍事占領がいまだ継続中であり、それとの民族解放・革命戦争が戦われており、イラク―アフガニスタン(中東)にはなんら平和は到来していないことを帝国主義はもちろん、帝国主義国プロレタリアート人民に対しても突きつけた。
 イラクにおいては、今年1月の「選挙」と4月末の「移行政府」成立後も、イラクの首都バグダッドや諸都市で、占領軍である米軍・イラクかいらい軍がゲリラ部隊に対する掃討作戦を展開している。04年のファルージャ包囲・せん滅戦のような苛烈(かれつ)な地上戦が各地で展開されているのである。アフガニスタンでも同様に首都カブールでも山岳地帯でも国際治安部隊とゲリラ部隊との戦争が継続している。
 このような時、米英占領軍と命懸けで戦っているムスリム人民が侵略と虐殺の当事者である帝国主義本土・国内においても必死の反撃戦に立ち上がることは彼らの当然の権利だと言わなければならない。
 7・7ゲリラ戦はサミットを標的とすることによって、英米だけでなく、すべての帝国主義、とりわけ日帝がムスリム人民の攻撃対象であることを示した。日帝もイラクに自衛隊を派兵・駐留させ、アフガニスタン侵略戦争に協力するためにインド洋に艦船を送っている。いつムスリム人民が日本を攻撃しても不思議ではない。アルカイダは米英の次は日本が標的だと警告を発している。

 厳しい糾弾のアピール

 「ヨーロッパにおけるアルカイダ聖戦機構秘密組織集団」を名乗るグループがインターネットで7・7ロンドン同時爆破ゲリラの実行声明を発表した。声明は、英帝のアフガニスタン―イラク侵略戦争への報復として7・7同時爆破戦闘を行ったことを明らかにすると同時に英軍のイラクからの即時撤兵を要求している。
 このムスリム武装集団、あるいは英治安当局が特定した4人の英リーズ在住者(死亡)が7・7ゲリラ戦を実行したとは即断できない。しかし7・7ゲリラ戦は、米英日など帝国主義によるイラク、アフガニスタン、パレスチナへの侵略戦争・軍事占領・植民地支配・人民虐殺への被抑圧民族人民・ムスリム人民の積年のやむにやまれぬ怒りの爆発であることは確実だ。
 7・7ゲリラ戦闘は、01年9・11反米ゲリラ戦(国防総省と国際貿易センターへの同時自爆攻撃)、04年3・11スペイン・マドリード同時列車爆破ゲリラ戦闘などに続く特殊的極限的な形態をとった民族解放・革命戦争である。それは、同時に帝国主義国とりわけ侵略戦争当事国プロレタリアート人民への命懸けの糾弾のアピールでもある。
 イラク―アフガニスタン侵略戦争で親・兄弟姉妹・子どもを殺された被抑圧民族人民・ムスリム人民が米・英・日帝国主義にどのような激しい反撃を加えたとしても米英日帝の側に非難する資格はない。
 十数万人のイラク軍民を虐殺した91年湾岸戦争。その後の十数年にわたる対イラク制裁による数十万人のイラクの子どもたちの死。01年10月に始められた米英のアフガニスタン空爆。03年3月に始められた米英のイラク空爆。その後の米英日などによるイラク軍事占領と地上戦。イラクのナジャフ、ファルージャ、カイムなどの都市への米軍の総攻撃と無差別大量虐殺。米帝の支持と援助を背景にしたイスラエルによる02年パレスチナ・ジェニン大虐殺。04年3月のハマスの最高指導者ヤシン師暗殺。
 まさに中東の被抑圧民族人民・ムスリム人民には、20世紀初頭以来の帝国主義の侵略戦争、分割支配、植民地支配、人民虐殺、人間の尊厳の蹂躙(じゅうりん)、資源略奪に対してあらゆる手段で反撃する権利があると言えるのだ。
 したがって、7・7ゲリラのような帝国主義への反撃を日本共産党スターリン主義のように帝国主義と一緒になって単なる「無差別テロ」として非難して済ませることはできない。もしそうした態度を取るならば、労働者階級は帝国主義の侵略と民族抑圧の手先に成り下がってしまう。
 52人の犠牲の責任の一切は米英日を始めとする帝国主義の側にある。帝国主義こそが一切の元凶であり、打倒されなければならない対象なのだ。だが、その上で帝国主義国プロレタリアートは、7・7ゲリラ戦にこめられている帝国主義国プロレタリアートへの糾弾を受け止め、民族解放の決死の反撃にこたえ連帯し、52人の犠牲を自らの問題として引き受け、階級的自己批判と自己解放をかけて自国帝国主義を打倒する闘いに立ち上がらなければならない。
 7月6日、英エディンバラとその近郊では、サミット粉砕を掲げて国際プロレタリアート人民の大規模なデモが闘われた。1万人近いデモ隊がサミット会場周辺を包囲し、阻止線突破を試み、警察機動隊との激突を繰り返した。サミット粉砕闘争は約200人の逮捕をのりこえて闘われた。
 英・戦争阻止連合(SWC)は、7・7ゲリラ戦直後の声明で、「反テロ」を口実にしたムスリム人民への弾圧と排外主義と対決し、ムスリム人民との団結を固め、反戦闘争を闘うことを宣言した。地下鉄やバスの運転士の労組RMTは、日常的に侵略にさらされているイラク人民との団結を強めて闘うことを宣言した。「反テロ」の排外主義をはねのけて階級闘争は貫かれようとしている。

 イラク反戦への総決起を

 英帝ブレアはサミット議事終了後の議長総括で「テロとの戦い」を絶叫した。帝国主義は「テロとの戦い」で「結束」を示した。
 帝国主義(中ロも)は、粉砕されたサミットを逆てこに、全世界で巻き起こるプロレタリアート人民の階級闘争、被抑圧民族人民の民族解放・革命戦争に反革命的に襲いかかり、力ずくで鎮圧することを宣言した。「対テロ戦争」の名でイラク―アフガニスタン侵略戦争・軍事占領とパレスチナ人民虐殺を継続・強化し、世界戦争に突き進むことを決めたのである。
 実際、帝国主義は国内治安弾圧を一層強化しようとしている。米帝ブッシュは「愛国者法」(01年10月制定)で、英帝ブレアは「反テロ法」(00年制定、01年と今年3月に改悪)で、とりわけ01年9・11以後、ムスリム人民を「テロ」容疑で大量・無差別に拘束してきた。日帝・小泉は度重なる入管法・外登法改悪で排外主義攻撃を強め、共謀罪や戦時下の治安弾圧を一気に強めている。
 帝国主義国プロレタリアートは、7・7ゲリラ戦が示したムスリム人民―被抑圧民族人民の怒りと糾弾を階級としての矜持(きょうじ)をもって真っ向から受け止め、米英日帝のイラク―アフガニスタン侵略戦争、朝鮮・中国侵略戦争策動、世界戦争を内乱に転化するために闘わなければならない。

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週刊『前進』(2207号3面3)(2005/07/25)

 「日の丸・君が代」不起立・伴奏拒否 7・21に“再発防止研修”

 被処分者と共に反撃を

 今春卒・入学式で「日の丸・君が代」強制に抗して不起立・伴奏拒否などの行動を貫いた東京の教育労働者51人に対して、東京都教育委員会は7月21日、「服務事故再発防止研修」を強行しようとしている。
 「服務事故再発防止研修」とは、飲酒運転やわいせつ行為などを起こした教育労働者に対する「再発防止」のためとして設置された研修制度である。それを「日の丸・君が代」強制に抗議して起立や伴奏を拒否した教育労働者に適用すること自体、不当である。
 昨年8月の再発防止研修に対して被処分者が執行停止を申し立てた裁判では、東京地裁ですら「何度も繰り返し研修を受けさせるなど……著しい精神的苦痛を与えれば、違憲違法の可能性がある」との判断を示した。その時点ではいわば“実際に研修をやってみないとわからない”として執行停止命令は出さなかったが、すでに昨年来、再発防止研修や校内研修が繰り返され、「何度も繰り返し研修を受けさせる」ことが現実になっている。こんな不当な研修はただちに撤回されるべきものである。
 しかも21日は、昨年の「再発防止研修」の取り消しを求めた請求訴訟の公判日である。都教委はわざわざこの日に研修をぶつけ、抗議行動と裁判闘争をつぶそうと狙っているのだ。
 昨年8月に行われた再発防止研修では、自らの行動に不動の確信を持つ被処分者の迫力が都教委を圧倒し、被処分者が都教委職員を徹底追及する“大衆団交”の場と化した。被処分者の切り崩しを狙った都教委の思惑は完全に破産したのである。昨年の闘いを引き継ぎ、再発防止研修に大反撃をたたきつけよう。
 21日の研修は午前・午後の2回に分かれ、それぞれ9時30分・13時30分から受付を始め、2時間の「基本研修」を実施する。会場は東京都総合技術教育センター(都研。JR水道橋駅すぐ、都立工芸高校隣)。また減給処分以上の処分を受けた者には後日、さらに「専門研修」を実施する。「日の丸・君が代」強制反対・被処分者の会は21日終日、被処分者支援・再発防止研修抗議総決起集会、記者会見、報告集会を設定し参加を呼びかけている。
 7月21日、都研前に駆けつけ抗議の声をたたきつけよう。「再発防止研修」取消請求訴訟第5回公判(14時30分東京地裁集合/15時開廷)にも結集しよう。

 被処分者の会 執行停止申立

 7月7日、都教委ならびに区市教委によって再度発令された不当な研修命令に対し、都立校、小・中学校合わせて30人の教育労働者が執行停止を求めて申し立てを行った。
 被処分者の会は声明を発表し、「(昨年の)『基本研修』は、民間警備員までを導入し、異常な監視下にある空間に被処分者を閉じ込め、無意味な講義の受講と報告書の作成を命じたもので、およそ『研修』の名に値しない実質的な懲罰行為、すなわち被処分者に対する二重の処分行為であったことが明らかになっています。また、減給処分者を対象とする『専門研修』は、密室において1名の被処分者を5名の都教委職員および校長が取り囲んで、繰り返し指導する、JR西日本の『日勤教育』と比すべき不当な内容のものでした」と弾劾し、執行停止命令を下すよう強く求めた。
 また6月27日には、今春入学式の被処分者7人が東京都人事委員会に不服審査請求を行った。被処分者の会の請求人は、合計してのべ203人になった。

 停職に連日の「出勤」で反撃

 都教委は5月27日、都内の中学校で働く教育労働者に対して、「日の丸・君が代」闘争で最も重処分である1カ月の停職処分を発した。しかしこの教育労働者は処分に屈せず、停職とされた5月末から1カ月、連日朝の通学時から夕方の下校時まで学校の正門前に立って、処分の不当性を訴え続けた。門前は生徒や地域住民との討論や交流の場となり、多くの人びとが激励に訪れた。
 6月22日には研究者122人が連名で「2005年4月の入学式における不起立者に対する処分に抗議する研究者声明」を発し、「『停職』を含む厳しい処分を行うことによって、日本国憲法と教育基本法に違反し、あるべき教育から逸脱を続ける東京都教育委員会の行為に強く抗議し、10・23通達に基づくすべての処分を撤回することを要求します」と訴えた。
 処分に屈せず意気軒高と闘いぬく被処分者と連帯して闘おう。

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週刊『前進』(2207号3面4)(2005/07/25)

 韓国の米軍基地を包囲

 「平沢(ピョンテク)米軍基地拡張反対、韓半島戦争反対7・10平和大行進」が7月10日、ソウル南部の平沢市にあるキャンプハンフリー米軍基地で闘われた。8千人以上の労働者市民が参加し、1万人以上の機動隊を圧倒、米軍基地を取り囲む「人間の帯」を完成させた。暴力封鎖と対決し、一部では鉄条網を引き倒した

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週刊『前進』(2207号4面1)(2005/07/25)

 被爆60年 今度こそ侵略戦争を阻止する 小泉の式典参加許すな

 全国被爆者青年同盟から訴え

 全国のみなさん! とりわけ、被爆者、被爆2世、3世のみなさん! 万難を排して、今年の8月6日ヒロシマ、8月9日ナガサキに結集して下さい。
 被爆60周年の今夏8・6−8・9は、日本がこのまま一気に侵略戦争国家に突き進むのか、それともヒロシマ・ナガサキの誓いを文字どおり革命的な行動に転化して、侵略戦争なしには延命できない日本帝国主義を打倒する橋頭堡(きょうとうほ)を築けるのか、誰もが逃れることのできないテーマに直面しています。
 ごまかしのきかない歴史選択の中に、私たちは立たされたのです。小泉−奥田による戦争と民営化(労組破壊)の攻撃は、戦後史のすべてを逆転させる激しいものです。自衛隊のイラク派兵の継続、「日の丸・君が代」強制、教育基本法改悪攻撃、小泉の靖国神社参拝、拉致問題を奇貨とした排外主義の扇動、領土問題をあおっての愛国主義の鼓吹、国民保護法による総動員体制化、改憲が日程にのぼり、共謀罪新設策動、JR尼崎事故の居直り、郵政民営化策動などが矢継ぎ早に打ち出されています。
 攻撃の激しさは、奥田を先頭とする資本家が、日本帝国主義の長期不況、アメリカ帝国主義の経済崩壊の危機の中で、米帝とともに北朝鮮・中国侵略戦争に突入する決断を行ったことを背景にしています。階級闘争は新たな戦時下に突入したのです。
 日本経団連は昨年12月の経労委報告以降、国家と教育に対する提言を発表し、公然と国家のあり方の変更を求めています。奥田ら資本家の求める国家には、労働者の権利−人権のかけらもない。まさに、戦前において土地も人間の命もすべて「天皇陛下」から預かったもので危急存亡の時にはそれを投げ出すのは喜びだとされ、侵略戦争に動員したのと同じ構造をつくり出そうとしています。
 「お国のために」と侵略戦争に駆り出され、朝鮮・中国−アジア人民を殺りくし、揚げ句の果てに原爆で自分もすべてを失ったヒロシマ・ナガサキの負の歴史を日本の労働者階級人民は繰り返させてはなりません。私たち被爆者、被爆2世・3世は、侵略戦争・帝国主義戦争の結果として、原爆の生き地獄を経験し、今もそれを強制されている者として、今度こそ、絶対にアジア侵略戦争を阻止する誓いを高らかに宣言するものです。
 全国のみなさん、被爆地ヒロシマ・ナガサキの「靖国」化と被爆者の英霊化を策する小泉の、祈念式典参加を徹底的に弾劾して闘おうではありませんか。

 闘うイラク人民と連帯し即時撤兵へ

 今夏8・6−8・9闘争の第一の課題は、闘うイラク・ムスリム人民と連帯して、自衛隊の即時撤退をかちとることです。
 イラク人民は、20万人をこえる犠牲者を出しながら懸命に闘っています。米帝の侵略戦争を跳ね返して闘う姿は、ファルージャに対する米軍の「掃討戦」への民族解放戦争の勝利に象徴されています。奢(おご)り高ぶる米軍は一敗地にまみれたのです。
 米軍兵士は、自分が駆り出された戦争の不正義性を戦略的敗退の中で思い知らされ(一説では米軍の戦死者は9千人)、厭戦気分が蔓延(まんえん)し始めています。イラク人民はもとより、自らも被爆する劣化ウラン弾の被害は、米軍内に隊内反乱の萌芽(ほうが)を成長させます。今こそアメリカ労働運動との国際連帯を強め、アメリカ帝国主義打倒の展望を切り開かなければなりません。
 だからこそ、米英と並ぶ参戦国のひとつである日帝・自衛隊を即時撤兵させねばなりません。被爆地広島(呉)と長崎(佐世保)からの自衛隊派兵が許されるはずがない。イラク人民の解放戦争への勇気ある決起に今こそ連帯しよう!
 イラク人民の闘いは、イスラム世界総体の解放闘争の再生をも実現しつつあります。9・11を契機に、帝国主義の新植民地主義支配への根底的決起が開始されたといわねばなりません。スペインに続いてイギリスにたたきつけられたゲリラ戦闘の次の目標は、日本ということの持つ重みを肝に銘じて闘いましょう。
 同時に沖縄闘争として、とりわけ米軍トランスフォーメーション(再編)による沖縄への矛盾の一層の転嫁と闘わなければなりません。さらに、米・日帝は、イラクでの敗北が鮮明になればなるほど、中東そして朝鮮半島・中国へと戦争を拡大させずにはおられません。今日の帝国主義にとって、延命のためには絶対譲れない世界市場がアジアだからです。イラク侵略戦争粉砕と固く結び付けて、朝鮮・中国侵略戦争の策動と対決しましょう。

 戦争教育復活狙う教科書採択阻止を

 第二の課題は、アジア太平洋戦争(15年戦争)を「欧米帝国主義からのアジアの解放のため」だったという戦時中の日帝の主張を私たち労働者人民の子どもに教え込み、戦争と改憲を宣伝・扇動する「つくる会」教科書採択を絶対阻止することです。
 8・6−8・9闘争は「つくる会」教科書を粉砕する闘いでなければなりません。被爆60周年を迎えるヒロシマ・ナガサキにとって、「つくる会」教科書採択を許して、「再び過ちをくり返さない」というヒロシマ・ナガサキの原点は、存在しないのです。
 「つくる会」教科書は、日本が独伊と戦争枢軸を形成したことも、天皇のもとですべての労働者人民が虫けらのように扱われ侵略戦争に動員され、「戦争はもうこりごり」という戦争体験をしたことも、なかったというのです。
 彼らは、ヒロシマ・ナガサキに直結する日米戦争の開戦となった真珠湾攻撃も「アメリカ太平洋艦隊に全滅に近い打撃を与えた」と全面賛美し、この戦争は「自存自衛」の戦争だったというのです。他方で、ヒロシマ・ナガサキの被害には一言も触れず、帝国主義戦争と被爆という根本問題を完全に抹殺しているのです。絶対に許せません。
 一方、小泉政権も「原爆投下の爆心地でも生き延びる人はいた」(石破前防衛庁長官)などと、被爆問題を抹殺し、日本独自の核武装への筋道をつけようとする策動を強めています。高速増殖炉「もんじゅ」再開策動・核燃料サイクル施設本格稼働・プルサーマル計画などの強行策動がそれを証明しています。
 ヒロシマ・ナガサキを蹂躙(じゅうりん)する暴挙を許すことはできません。私たち被爆者、被爆2世・3世は、核と戦争への抑え難い怒りをもって、このファシスト教科書の採択阻止を宣言します。この一カ月を教科書決戦として闘い、8・6−8・9闘争の大成功を実現しましょう。

 被爆者解放・世界戦争阻止に立とう

 第三の課題は、被爆者こそが、戦時下の反戦反核闘争の主人公として、全労働者の隊列の先頭に躍り出ることです。
 今年5月29日、韓国で患友会という、被爆2世を組織し、アメリカを相手取った裁判を計画していた金亨律氏が、母親の被爆に起因する免疫不全で亡くなりました。すでに、肺機能が20%まで衰えていたと言われます。彼は、そうした困難をものともせず「韓国人原爆被害者と原爆2世患友の真相究明および名誉回復のための特別法(仮称)」制定に奔走していた矢先でした。彼も原爆に殺されたのです。彼は、原爆投下への怒り、被爆者を抹殺してきた日米韓の支配者たちへの怒りをたぎらせて闘い、斃(たお)れました。
 彼の闘いの根本には、日帝の強制連行の結果被爆させられた7万人以上の朝鮮人被爆者の存在と怒りがあるのです。私たちは、彼の遺志を受け止め、連帯し、ともに勝利するために闘わねばなりません。
 そのためにも、原爆放射能が遺伝子を破壊することをはっきりさせねばなりません。被爆者の病気と死は、すべて原爆によるものという立場から、国の戦争・被爆責任を追及し、医療と保障を要求し、生き抜き、戦争と抑圧の元凶である帝国主義を打倒することが私たちの使命だと強く自覚しなければなりません。
 「植物や動物での実験的研究で、放射線は遺伝的影響を誘発することが明瞭に示されている。ヒトがこの点で例外であることはなさそうである」という国連科学委員会が総会へ送った報告書(01年)を私たちは怒りなしに読むことはできません。核戦争のモルモットにされることを断固拒否します。国はすべての核開発を直ちに停止し、私たちの身体を治すための調査と医療を行うべきだ。
 核被害者を今もなお大量につくり出し、放置し殺していく帝国主義をこれ以上のさばらせ、延命させてはならない。全国の被爆者、被爆2世・3世の仲間のみなさん、私たちとともに被爆者解放、世界戦争阻止に勇躍決起しよう。
 最後に、被爆者解放は、プロレタリア世界革命の中でしか達成できないことを確認したいと思います。帝国主義戦争の生き証人−核戦争の反人民性を告発してやまない存在であるために、被爆者、被爆2世・3世は、帝国主義体制の下では絶えず抹殺され、差別分断政策によって迫害され続けています。だからこそ、自己解放をとおして人間の全的解放を実現する唯一の世界史的存在である労働者階級の世界革命・共産主義社会実現の中に、自己解放の道を見いだすのです。
 世界(核)戦争の時代が到来した今、プロレタリア国際主義を発揚し、ヒロシマ・ナガサキを原点とする労働組合・労働運動の大発展をかちとりましょう。帝国主義戦争と非和解的存在である被爆者と連帯できる労働組合・労働運動こそ、帝国主義が支配するこの世界を変える力です。
 被爆者を同情と救済の対象としか位置づけられず、「被爆者のようになりたくない」と、帝国主義への請願運動を旨とした既成原水禁運動は、戦時下で翼賛勢力へ転落しています。
 分岐・流動が激しく進行する今こそチャンスです。今春「日の丸・君が代」攻防以来の戦争教育と闘ってきた教労を先頭とする労働運動の地平、都議選の地平を引き継ぎ、原水禁運動を完全にのりこえる新たな労働運動潮流を実現しましょう。8・6ヒロシマ−8・9ナガサキへの総結集を訴えます。ともに闘おう!

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週刊『前進』(2207号4面2)(2005/07/25)

 新たな反核の潮流を 全国統一実行委が呼びかけ

 被爆60年8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会から広島・長崎反戦反核闘争への参加の呼びかけが発せられたので紹介します。(編集局)
     *
 全国の仲間の皆さん!
 被爆60周年目を迎えた今、世界(核)戦争の本格的切迫を前に、危機感と怒りに燃えて「『過ち』をくり返すな!」と叫び、原爆症の身体にむち打ってまで決起する、被爆者の血叫び−核と戦争を絶対に許さないその反戦反核魂にこたえ、ヒロシマ・ナガサキの地への総結集を訴えます。
 イラク侵略の泥沼化の行き着く先は、第2次世界大戦がそうだったように、私たちの生活も未来も命までも奪い尽くす世界戦争・核戦争以外にありません。米ブッシュ政権と日本の小泉政権が推進する、米軍トランスフォーメーション(再編)・安保大改定がたちまちもたらすものは、アジア核戦争です。私たちの手で、しかも、アジアの民衆の上に、ヒロシマ・ナガサキをくり返すことなど、どうしてできようか。
 だが、今日のイラクで米軍がやっていることは何か。少数のレジスタンスを掃討するためと言いながら、新たな核兵器である劣化ウラン弾を大量に使用し、民衆を無差別大量虐殺しているではないか。彼らは、もうすでに、本質的にはヒロシマ・ナガサキを繰り返しているのです。
 現代帝国主義こそがヒロシマ・ナガサキを生み出したのであり、労働者階級がアジア侵略に加担し帝国主義戦争を許したことが、「過ち」だったのです。帝国主義を打倒しない限り、戦争もヒロシマ・ナガサキも繰り返されるのです。今こそ、ヒロシマ・ナガサキの原点にたちかえり、世界(核)戦争に突き進む帝国主義を打倒しましょう。
●小泉「つくる会」のヒロシマ・ナガサキ潰しの大反動を粉砕しよう!
 小泉−日経連会長奥田らは、ヒロシマ・ナガサキの闘いを圧殺するために、二つの大反動に打って出て来ました。
 一つは、ファシスト石原や「新しい歴史教科書をつくる会」(つくる会)の連中を先兵にした、東京・杉並区を突破口とする戦争賛美教科書の採択攻撃と一体の被爆者抹殺攻撃です。彼らは、教科書からオキナワとともに、ヒロシマ・ナガサキの犠牲の記述を削除し、「軍人はもちろん、軍人でなくても、お国のために戦争で死ぬことは名誉なこと」と愛国心・靖国思想を宣伝し、あろうことか、ヒロシマ・ナガサキの地に「つくる会」教科書採択運動をもちこみ、核戦争の犠牲者・生き証人である被爆者に英霊化攻撃を開始したのです。そして、小泉が、これに歩調を合わせ、8・6−8・9祈念式典に乗り込み、靖国思想を鼓吹しようと策動しています。
 もう一つの攻撃は、郵政民営化による労組破壊攻撃がピークを迎えている今、この攻撃と一体となった、既成原水禁運動の完全解体・連合(核禁会議)への吸収です。戦後一貫して、被爆者の反戦反核の魂に肉薄することなく、彼らを同情と救済の対象に貶(おとし)めてきた原水禁運動は、戦時下において、この攻撃に抗する意志も力も持ち合わせていません。原水禁は今夏、国際会議を中止し、アメリカの核を賛美し原発推進を叫ぶ核禁会議と同調し、改憲を叫ぶ連合会長笹森を実行委員長とする戦争翼賛1万人集会への合流を決定しました。原水禁の最後的崩壊の到来です。
 原水協は、戦時下の侵略戦争政策といっさい対決することなく「核廃絶の国際署名運動」へと埋没しています。
 労働者階級がこの暴挙を見過ごすなら、改憲−国民総動員へは一直線です。労働者に英霊などは無縁です。アジア核戦争が切迫する今、ヒロシマ・ナガサキを原点とした被爆者と労働者の連帯した反戦反核の力で、小泉・奥田−「つくる会」派らによるヒロシマ・ナガサキ潰(つぶ)しのファシスト運動を断固粉砕しよう。
●被爆者と連帯し、原水禁に代わる新潮流を!
 被爆者と連帯し、ヒロシマ・ナガサキを原点とする新たな反戦反核運動の潮流こそ、「戦時下階級闘争」の主流とならねばなりません。今春以来、石原らファシストを先兵とした戦争教育攻撃と対決し抜いてきた教育労働者を先頭に、18年間にわたり分割・民営化と対決しストで闘う動労千葉、戦争協力を拒否する20労組、辺野古の海を守り新基地建設を阻む沖縄の民衆、さらに日本の核武装を阻止して闘う青森・六ケ所を始めとする反原発・反核燃運動の仲間たちとも手を結び、闘う労働者民衆を軸に、団結の輪を広げ、既成原水禁運動をのりこえて進もうではありませんか。
 被爆地の広島・長崎から「くり返すな! アジア侵略、ヒロシマ・ナガサキ、オキナワ、ビキニを」と呼びかけよう。そして、新たな「抗日デモ」にたちあがったアジア民衆、ブッシュ打倒を叫ぶ米労働者民衆、民族解放闘争に決起するイラク・ムスリム人民との国際連帯の力を強め、イラク侵略を粉砕し、アジア核戦争阻止へ進撃しよう。
 戦争と圧制の元凶−ブッシュ・小泉打倒へ、8・6−8・9闘争を今秋決戦の一大跳躍台としよう!

 8・6-8・9反戦反核闘争 要綱
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戦争・核と改憲−うち砕け!今この力で
被爆60年 戦争をとめよう!

 8・6ヒロシマ大行動

8月6日(土)12時30分〜
広島県立総合体育館小アリーナ(広島市中区基町4)
▼ヒロシマの被爆者は訴える
▼労働者は戦争動員を許さない 憲法・教育基本法の改悪を阻止しよう!▽「日の丸・君が代」処分とたたかう東京・広島の教育労働者▽解雇撤回、安全運転闘争を闘う国鉄労働者▽有事法と戦争動員を拒否する労働者の決意ほか 
▼被爆地からの派兵、軍都再来をとめよう
▼世界の反戦・反核運動との連帯
 韓国・中国・イラク・アメリカからの代表団 
▼米軍再編と基地撤去をたたかう沖縄から
▼ヒロシマから世界へ−若者のアピール 
デモ行進(15時〜17時)
◎国際連帯集会 
 8月7日(日) 13時〜(12時30開場)
 ロードビル(国労会館) 
▼韓国/日本軍「慰安婦」ハルモニとともにする市民の会▼中国/重慶大爆撃幸存者と研究者▼イラク/フサーム・マフムード・サリッヒ医師▼アメリカ/アサフ・ドラコビッチ博士(劣化ウラン弾を告発する元米陸軍医師)
 以上、主催 8・6ヒロシマ大行動実行委員会

《関連行事》
◎労働者交流集会(教育、国鉄、自治体、郵政、民間・合同労組、医療・福祉) 主催/各実行委員会
8月6日(土)17時開場 アステールプラザほか
◎資料館見学と碑めぐり
8月7日(日)9〜12時 原爆資料館下集合
◎沖縄と広島をむすぶ全国青年労働者交流集会 HIROSHIMA 主催/実行委員会
8月7日(日)13時〜 広島工業大学広島校舎

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 8・6-8・9反戦反核闘争日程

  主催 被爆60周年8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会
8月5日(金)
 ◎ヒロシマ反戦反核の集い
  8月5日(金)午後5時開場
  アステールプラザ・中ホール(広島市中区加古町4−17)
  アピール イラクなどの海外代表、反核・反原発運動代表ほか
8月6日(土)
 ◎小泉来広弾劾!侵略翼賛祈念式典糾弾デモ
  午前7時結集 東千田公園(旧広大本部正門)→平和公園
 ◎核廃絶・被爆者解放集会
  午前9時開場 アステールプラザ・中ホール
  被爆者の被爆証言とアピール
 ◎8・6ヒロシマ大行動へ参加(要項別掲)
 ◇8・6ヒロシマ全国学生交流集会(主催 全日本学生自治会総連合)
  午後5時半開場 東区民文化センター(広島市東区東蟹屋町10−31)
8月8日(月)
 ◎長崎市内・中心地デモ 13時30分集合、14時〜 丸山公園
 ◎被爆60年8・8長崎反戦大集会
  16時30分開場、17時〜 長崎県勤労福祉会館大ホール
  斉藤貴男さん(ジャーナリスト) 韓国・中国から 本島等元長崎市長
8月9日(火)
 ◎長崎原爆朝鮮人犠牲者追悼早朝集会(主催 長崎在日朝鮮人の人権を守る会)
  7時30分〜 爆心地公園
 ◎被爆60周年8・9長崎反戦反核総決起集会 10時〜 天主公園
 ◎祈念式典糾弾、爆心地・長崎市内デモ 10時50分〜

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週刊『前進』(2207号4面4)(2005/07/25)

 “戦争の流れ止めよう” 関空反対現地闘争 初の軍事使用を糾弾

 大阪府泉佐野市の末広公園で7月10日、大阪湾岸住民4団体と関西反戦共同行動委員会の主催、三里塚芝山連合空港反対同盟の協賛で「関空二期阻止! 軍事空港化絶対反対! 自衛隊イラク即時撤退! 7・10関西新空港反対全国集会」が行われた。梅雨空をついて地元からの60人を中心に185人が結集した。
 5月に3回も第6次イラク派兵部隊が関空から飛び立った。自衛隊による初めての軍事使用だ。4月28日には物資も運び出した。関空会社は今年2月には第5次隊の軍事物資輸送を拒否していた。今回は、物資の中身を追及しても「人道支援活動に必要なもの。答える必要はない」と居丈高に回答、情報公開請求には「非開示」と返答した。重火器・弾薬も関空から運び出したということだ。関空の軍事空港化のすさまじいエスカレーションだ。日帝は、「関空は民間空港。軍事使用はしない」という歴代運輸大臣の約束をほごにし、公然と軍事空港として使ったのだ。今回の闘争は、軍事使用に反撃し、関空の軍事空港化、侵略拠点化を許さない闘いだ。
 淡路町空港反対同盟事務局長の安藤眞一さんの司会で集会は始まった。
 主催者あいさつに立った泉州住民の会の森田恒一代表は「戦闘地域であるイラクへの派兵はイラク特措法にも違反している。小泉のインチキ、ウソ、不正、奇弁を絶対粉砕しなければならない」と訴えた。東灘区住民の会の山本善偉代表は「『つくる会』教科書を採択させればかつて私たちが体験した軍国教育が復活する。二度とくりかえしてはいけない」とあいさつ。
 三里塚反対同盟の伊藤信晴さんと神戸空港工事の中止を求める市民の会の讃岐田訓代表が連帯あいさつ。
 伊藤さんは「暫定滑走路延伸をめぐる用地交渉打ち切りの国交省宣言は敗北宣言だ。反対同盟の40年の闘いが国家権力に用地取得を断念させた」「現闘本部裁判が国を追いつめている」と闘いの勝利的前進を確信を込めて語った。
 讃岐田さんは、財源問題や埋め立てによる大阪湾の破壊などマイナス面を何ひとつ解決しないまま神戸空港を開港しようとしていると糾弾し、市の中央病院を空港のそばに移し空港の野戦病院にする計画が戦争企業ベクテル社の企画で進んでいると弾劾した。
 泉州住民の会事務局長の国賀祥司泉佐野市議が基調報告。国賀議員は、関空が軍事使用されたことを弾劾し、米軍への関空と成田空港の提供と国民保護法の指定公共機関の指定は、関空の軍事空港化計画だと暴き「反対闘争の正当性が今ほど明らかになっている時はない」と訴えた。さらに、関空の便数減少、累積赤字、地盤沈下、地元泉佐野市財政の破たんなど関空の危機的現実を暴き、07年2期供用開始阻止を訴えた。
 全学連の学生が「辺野古の闘いを大阪、全国の力で支えよう」と呼びかけた。
 明石住民の会のカンパアピールに続き、南大阪労組交流センター、関西合同労組泉州支部、住民団体、部落解放同盟全国連の荒本支部、婦民全国協、全学連が決意表明を行った。
 泉州住民の会の男性は、戦争ができる国にかじを切る政府を厳しく批判し、「いつも国民主権の旗を振ろう」と呼びかけた。東灘区住民の会の松原康彦さんは、神戸空港工事の中止を求める市民の会から多数参加していることを報告し、開港阻止の決意を述べた。
 関空の軍事使用反対の集会決議を採択し、淡路町空港反対同盟の永井満代表が「30年以上の関空闘争に絶対勝利する。戦争に向かう流れを止める決意を新たに闘おう」とまとめた。
 りんくう公園までのデモに沿道の住民が声援を送った。「関空の軍事使用が始まった。関空からの自衛隊出兵に抗議する。軍事空港化絶対反対」の訴えは注目を浴びた。りんくう公園で沖合に見える関空に向かって「軍事空港粉砕」とシュプレヒコールをあげた。

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週刊『前進』(2207号4面5)(2005/07/25)

日誌'05 7月6日〜12日

 自民党が「憲法改正要綱案」

 ロンドンで同時爆破ゲリラ

●残留孤児の訴え棄却 敗戦後に中国に取り残された日本人孤児が、速やかな帰国措置や永住後の自立支援義務を怠ったなどとして国家賠償を求めた集団訴訟の初めての判決が大阪地裁であった。大鷹裁判長は「当時の厚生省が孤児らの訪日調査の実施を遅らせたとはいえず、その時代時代の事情に合わせて帰国後の孤児の自立支援策を立案・実行していた」として請求を全面棄却。(6日)
●英でサミット 英国北部スコットランドのグレンイーグルスで主要国首脳会議(G8サミット)が行われた。「テロ対策に関するG8首脳声明」を採択、議長総括では北朝鮮に6者協議復帰や拉致問題解決を求めることなどが盛り込まれた。(6〜8日)
●英で同時爆破ゲリラ ロンドン中心部の地下鉄やバスで4件の爆発が起きた。死者50人以上、負傷者700人に。(7日)
●「普天間」強制使用4年 米軍用地11施設、地主約3400人を対象にした強制使用手続きに関して、沖縄県収用委員会は、那覇防衛施設局がいずれも10年間の継続使用を申請していたのに対し、普天間飛行場と那覇港湾施設(那覇軍港)については、期間を4年に大幅短縮する裁決を下した。他の施設は5年とした。(7日)
●「空港を造った後、周囲に人が集まった」
 在沖米軍トップのロバート・ブラックマン4軍調整官が沖縄等米軍基地問題議員懇談会(鳩山由紀夫会長)のメンバーと面談した際、普天間飛行場や嘉手納基地について、「何もない場所に空港を造ったのに、その周囲に人が集まってきた」と発言。(7日)
●自民が改憲「要綱案」 自民党新憲法起草委員会が改憲の「要綱案」を発表。9条2項を改正し、自衛のための武力組織を「自衛軍」と名付け、軍隊であることを明確に位置付けた。象徴天皇制を維持することとし、天皇を「元首」とすることを見送った。結党50年の今年11月に新憲法草案発表の予定。(7日)
●「普天間」移設先9月発表 防衛庁首脳は、9月上旬に公表予定の米軍再編案の中間報告について、「普天間飛行場をどこに、何年以内に持っていくかを示したい」と述べ、同飛行場の移設先や移設に要する期間などを明記する方針を明らかにした。(8日)
●在沖海兵隊、ファルージャで掃討作戦に参加 在沖海兵隊第3海兵師団の特殊作戦を任務とする偵察大隊「リーコン」500人が、イラク中部ファルージャで武装勢力の掃討作戦に参加していることが明らかに。(10日)
●「従軍慰安婦はなかった言葉」 中山文科相が福岡市内で講演し、「従軍慰安婦」という言葉が戦時中はなかったことを強調する支援者からのメールを約10分間にわたって読み上げ、「真剣に考えてくれている。ありがたいことだ」と述べた。(10日)
●原燃「不正に溶接」 青森県六ケ所村にある再処理工場の使用済み核燃料貯蔵施設で6月8日に放射性物質を含んだ水が漏れた事故で、日本原燃は、溶接工事が不正に行われステンレス板の接合部に厚さが0・05_しかない部分があったと発表した。(12日)
●日米外相会談 町村外相とライス米国務長官が会談し、北朝鮮の核問題をめぐる6者協議に向け、日米韓3カ国の連携を強化する方針を確認した。ライス長官は、ロンドン同時ゲリラを受け、今後も米国とともに「テロとの戦い」に取り組むよう促した。(12日)
●共謀罪、衆院法務委で審議入り 「共謀罪」の新設などを盛り込んだ組織犯罪処罰法などの改正案が衆院法務委員会で本格審議が始まった。(12日)
●「都市型」訓練強行 沖縄県金武町の米軍キャンプ・ハンセン「レンジ4」の都市型戦闘訓練施設で、米軍が実弾射撃訓練を開始した。(12日)

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週刊『前進』(2207号5面1)(2005/07/25)

 郵政分割・民営化法案を労働者の力で葬り去れ 合理化の嵐に怒り爆発

 JPU大会 現場の声は“民営化阻止”

 革共同全逓委員会

 JPU(日本郵政公社労組、旧全逓)第60回定期全国大会は、郵政民営化国会の真っ最中の6月22、23日に奈良市で開かれ、本部の思惑をも超える“郵政民営化絶対阻止”の大会となった。全国での熱い職場討議を受け、郵政民営化と公社のアクションプラン・フェーズ2に対する怒りが爆発する大会となった。ほとんどの代議員はアクションプラン2に対して絶対反対の意見を表明した。民営化圧力のもとで進む激しい労働強化、リストラ、首切りの恫喝に対して“もう我慢ならない”という声が充満している。奈良大会は、この組合員の怒りの爆発の号砲となった。本部は口先では「民営化反対」を言うが、それはまったくウソだ。自民党郵政族にげたを預け、民営化の先取りであるアクションプラン2に賛成している。さらに改憲勢力に転落し、改憲と民営化の推進者になろうとしている。本部の裏切りはますます鮮明になり、闘う方針を求める現場組合員との決定的対立と亀裂は明らかになった。JPU本部打倒と物ダメ・ストライキを実現しよう。全逓労働者の現場からの総決起で郵政民営化法案を参院で廃案にたたき込もう!

 改憲と民営化推進の中央本部を許さない

 本部はこの大会議案で公然と改憲問題を提案してきた。今年は方針大会ではないと言いながら、情勢の項目で「戦後60年を迎え、依然として戦争状態が続くイラク問題や安全保障問題に加え、憲法改正をめぐる議論が今後の大きな政治課題としてクローズアップされつつあります」ということをこっそりと挿入し、公然と改憲論議を提案した。
 菰田委員長の大会あいさつでは、冒頭部分で「憲法をめぐる論議」を取り上げた。「衆参の憲法調査会が最終報告を取りまとめ、国民投票法案の取り扱いが政治テーマに上るなど、活発な動きを見せている。私たちは、さまざまな動きに惑わされることなく、本質を見極めながら議論をすることが重要」「憲法が果たしてきた平和主義、主権在民と民主主義、基本的人権の尊重、この三大原則を基本に、アジアにおける国際情勢を見極めつつ、連合の中でしっかりと運動を進めていきたい」と、改憲論議を提起しながら、改憲には反対の表明が一言もない。断じて許すことはできない。
 「平和主義」の名のもとで侵略戦争が進められてきた事実は、「つくる会」教科書の歴史観・社会観を見たら明らかだ。07年の改憲情勢をにらんで、これは明確にJPU(全逓)を改憲勢力に転落させようとするものだ。
 日本経団連は今年1月の「わが国の基本問題を考える」で日本の資本がアジアで生き延びるためには軍事力を持たなければならないと、そのために改憲と教育改革と民営化を提案した。それに呼応した連合の動き、日教組・自治労の解体と改憲と民営化への取り込み攻撃。これにJPUも連動しようというものだ。
 事業防衛主義と愛国主義は同根のものだ。菰田委員長―難波書記長体制は、この二つを一体で推進する体制なのだ。「連合の中でしっかりと運動を進めていきたい」とは、憲法9条2項の削除などを提唱する笹森連合会長らの言動を支持するということである。
 これに対して、大会代議員から「平和へのメッセージ」「憲法改悪反対」「平和憲法の堅持に対する運動の強化」の呼びかけとして改憲反対、侵略戦争反対の意見表明がなされた。

 本部と現場は決定的に対立

 郵政民営化については多くの代議員から「民営化断固阻止」「絶対反対」の決意と具体的な取り組みの報告がなされた。大会は終始組合員の郵政民営化絶対阻止の熱い熱気と息吹の中で闘われた。
 しかし、議案書は初めから6月通常国会で民営化法案が通ることを前提に書かれたものだ。その内容も、自民党郵政族の動向と全国特定郵便局長会に期待し、それに対応した民主党にすがるだけのものであり、JPUの労働組合としての闘いの方針がまったくない。民主党の方針はそもそも「現時点では公社化に伴う経営改革の成果を見極めるべき」と、民営化そのものには反対ではないし、「職員の身分については公務員制度改革全体の中で検討していく」というもので、公務員身分の剥奪(はくだつ)には直接触れず、反対の立場を表明していない。
 菰田委員長あいさつでは、民営化が〈いったん全員解雇>の攻撃であることにまったく触れず、「JR事故の原因は民営化だけではない」と民営化の本質を隠そうとした。民営化攻撃は首切りと労働組合の解体である、労働組合がこれと闘わなかったら、民営化されてもされなくても労働者の生活と未来はないのだ。
 2月の中央委員会では、「郵政民営化反対の闘いをもっと取り組め」という怒りの声が全中央委員から出され、これに対して菰田委員長は冒頭あいさつで「私たちは公務員身分や処遇といった利己的な損得で民営化に反対していない」と述べ、実質民営化賛成の立場で組合員の声を踏みにじることを表明している。
 組合員の雇用と処遇(労働条件)を守らない民営化反対論などそもそもあり得ない。現場の組合員は郵政民営化に対して絶対に反対であり、闘う方針を求めている。いったん闘いが始まれば一気に爆発する情勢にある。この情勢はなんら整合性をもって起こっているわけではない。今や本部と現場労働者との決定的亀裂と対立が明らかになった。
 本部からは地域ビラ、民営化反対集会、国会闘争方針が出された。これらはすべて本部の思惑とは裏腹に、組合員大衆の怒りの声が爆発する階梯(かいてい)を開くものだ。

 アクションプラン2に“絶対反対”が噴出

 大会ではまた、アクションプラン・フェーズ2に対する怒りが巻き起こった。
 アクションプランは民営化攻撃の実質的先取りである。2月中央委員会提案を受けて今大会で承認を取り付けようとしてきたアクションプラン・フェーズ2に対して、圧倒的な反対の声が上がった。本部はアクションプラン・フェーズ2に対して「増収増益を柱とした拡大再生産を目指す」「そのための効率化や生産性の向上は避けて通れない」とし、公社の立場とJPU本部の立場は一致していると公言した。“民営化されないために効率化に我慢しろ”と恫喝をかけてきたのだ。しかしその具体的内容が明らかにされるや組合員の圧倒的反対の声が巻き起こったのである。
 代議員の発言を見ても、アクションプラン2全体にについて、「より慎重な判断と対応を」「フェーズ1の評価・反省を明らかにせよ」「要員の確保が急務」「要員政策を確立せよ」「要員問題解決と職場討議の保証を」「十分な準備期間確保が重要」「現場は要員不足で厳しい状況」などの発言が続いた。
 アクションプラン2の具体的な施策については、郵便内務のアウトソーシングに関して、「実施には反対」「試行も含めて行うべきではない」「早急な判断は危険」「きわめて慎重な対応を」「十分な時間と審議が必要」など、ほとんどが反対である。
 10時間2交代勤務についても、「慎重な判断を」「導入すべきではない」「深夜勤の拡大につながり反対」「大きな不安があり慎重な判断を」「組合員の声に答える勤務体系を」「中止を公社に求める」などだ。
 代議員の発言は本部原案を「支持」とは言いつつ、内容的にはほとんどがアクションプラン2に対する不安、怒り、反対意見があふれ出たのである。本部がいくら“民営化圧力に対抗するための健全な経営基盤の確立”を説いても、その中身は膨大な首切り、リストラ、労働条件の切り捨てであることは明らかだ。こんなものに黙っていられるかという声が爆発したのだ。
 アクションプランとは民営化攻撃そのものだ。内務のアウトソーシングによって内務労働者を外務に回し、集中処理局と配達専門局の機能分離、配達デポ、1(ワン)ネット、2(ツー)ネット、そして配達要員の見直しと、こうして玉突き的に「過員」を作り出し、「人材活用センター」に送り込む攻撃だ。深夜勤導入の上に、さらに10時間2交代制を導入することによって、殺人的な労働強化を強制するものだ。まさに「死ね」「いやなら辞めろ」という攻撃であり、民営化へ向けた選別再採用と首切り・人員削減のための攻撃だ。アウトソーシングは不安定雇用化、労働強化という点でも、リストラという意味でも従来の非常勤化とは一線を画する攻撃だ。
 こうしたアクションプラン2を推進する本部への怒りの声が、運動方針に対する2割近くの反対票(329票中52票)として表されたのだ。

 怒りを示した来賓へのヤジ

 職場の声を代表する代議員の発言に先立って来賓のあいさつが行われたが、これに対する代議員、傍聴組合員の反応は現場の声を表している。
 郵政公社総裁・生田は、郵政民営化反対の大会であるにもかかわらず、「民営化反対」の一言も言うことができず「いったい何人殺せば気が済むのか!」というヤジにしどろもどろになった。民営化法案を提出した自民党・公明党の代表には会場から「帰れ!」のヤジが飛び交う。全国特定郵便局長会会長のあいさつには、本部の必死のヤジ禁止令でヤジは出なかったものの参加者からはとことん無視された。
 唯一拍手があったのは、郵便局ファンの会の岡野加穂留会長の「小泉打倒こそが民主主義。労働組合の取り組みも緊張感が欠けている。会場内で決議ばかりしていてはダメ、外に出てデモ(国民にアピール)をすることが必要」という本部への檄(げき)に対してである。
 大会ではさらに、不安定雇用の非常勤労働者の組織化、賃下げ・労働強化・首切り攻撃と闘う輸送部門の報告がなされた。

 小包配達労働者がスト決起

 兵庫・加古川局では小包配達労働者が労働組合を結成しただけで全員解雇というまったく許し難い不当労働行為が行われた。これに対して2波のストライキを闘ったことが会場前で報告された。鹿児島逓送、近畿配達を始め輸送、小包労働者に対する倒産、事業撤退、解雇が相次いでいる。郵便局の中でのストライキは実に二十数年ぶりである。非常勤、不安定雇用労働者、小包・輸送労働者と固く連帯して、物ダメ・ストライキを闘おう!
 さらに会場では、4・28被免職者が、反処分闘争の継続と職場復帰の要請をJPU本部に行った。4・28闘争の息吹で闘う全逓を復権させよう。

 参院での否決・廃案へ物ダメ・ストを闘おう

 郵政民営化法案は、7月5日の衆院本会議で可決されたが、参院での審議は始まったばかりだ。今こそ、労働者の団結と生活の破壊を狙う郵政民営化攻撃を労働者の手で葬り去り、小泉政権を打倒しよう。参院での否決・廃案を絶対にかちとろう。
 今、マスコミでは国会内での自民党の攻防のみが注目され、郵政民営化の本質が自民党の利権争いであるかのように描かれている。
 郵政民営化の狙いは、改憲に向けての労働組合の解体、終身雇用制と労働基本権の解体のための労働者の団結の破壊であり、全逓労働者への〈いったん全員解雇―選別再採用>という大リストラ攻撃である。自民党内の対立は、直接には郵便貯金・保険の350兆円の資金と財政投融資をめぐる利権争いであり、労働者からの収奪を強めるための争いである。
 特定局制度は明治政府が封建的地域支配を人民支配のため利用しながら全国郵便網を築いたものである。世襲制の特定局長制度の解体は全逓労働者の長年の苦闘の中での悲願である。
 小泉改革は、こうした戦後の自民党の利権支配を解体し、本格的に戦争に向かう国家づくりを狙うものである。そのために改憲と教育改革と民営化をやろうとしているのだ。今こそ全逓労働者の総決起で郵政民営化を阻止しよう! 本部を打倒し、物ダメ・ストライキで闘おう! 各支部大会で本部・連合派を打倒し、闘う方針を確立しよう!
 改憲と戦争、社会保障切り捨て・生活破壊と戦争のための郵政民営化法案を粉砕しよう! 労働者の手で参院で廃案に葬り去ろう!
 闘う全逓労働者は、この大会を前後する過程で、東京都議選闘争を全力で闘い抜いた。この闘いの地平を突破口に、「つくる会」教科書採択を阻止し、全逓、国鉄、教労、自治体の4大産別を先頭に階級的労働運動を前進させなければならない。郵政民営化粉砕・小泉政権打倒へ闘う全逓労働者こそ先頭に立とう。
 8・6広島から、戦争・民営化・改憲・労組破壊と闘う11月労働者総決起へ、全逓労働者は猛進撃しよう。労働者学習センター発行の『郵政民営化を撃つ!』の販売運動をさらに進めよう。
 闘う全逓労働者は革共同に結集しよう。

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週刊『前進』(2207号5面2)(2005/07/25)

 三里塚闘争 暫定滑走路「北延伸」阻止を

 反対同盟との血盟かけ闘おう

 政府・国交省は成田空港の暫定滑走路(2180b)の北延伸計画を最終的に「決定」しようとしている。北側一雄大臣が1月に「年度内の決着」をNAA(成田空港会社=旧空港公団)に指示してからすでに半年が経過し、4月に東峰区の地権者に対し大臣署名入りの書簡で「(本来計画=南側延伸での)用地交渉に応じなければ北延伸を決定し、交渉を打ち切る」と最後通牒を突きつけてから2カ月にもなる。国交省はその後、反対同盟と地権者農民の激しい怒りに動揺しつつ、結局、国の一方的な都合と農民無視の姿勢をむき出しにしてきた。

 同盟解体狙う絶望的あがき

図 北延伸で滑走路北端から東関道までわずか400メートルに 反対同盟は「暫定滑走路を必ずや閉鎖に追い込む」(東峰区・萩原進さん)と闘いに自信を深めている。
 暫定滑走路の「北延伸」計画は、もともと成田市の空対協など空港利権集団が、縮小した利権を回復しようとした空想的な構想に過ぎなかった。これを現NAAの黒野社長(当時国交省トップの事務次官)が平行滑走路予定地内の農家を脅す目的で具体化させた経緯がある。
 暫定滑走路開港直前の02年4月、国交省審議官が東峰区住民に「用地交渉に応じなければ北延伸する」との脅迫文書を配布、さらに同滑走路開港(同4月)強行後、公団新総裁に就任した黒野が「用地買収と北延伸の両にらみで行く」と敷地内農民を脅迫し始めた。
 黒野総裁の狙いは一点、本来計画(南側延伸)による2500b化だった。それは空港民営化(03年7月からNAA)の絶対条件の一つでもあった。そのため黒野は、「用地交渉が嫌なら北延伸」との脅し文句を振りかざして、反対同盟一坪共有地への強奪提訴(02年12月)、市東孝雄さんの耕作地への底地買収と「解約要求」(03年12月)、野戦病院と岩山団結小屋への「退去要求」(同)、天神峰現闘の撤去・明け渡しを求める提訴(04年3月)などを打ち出してきた。
 黒野はNAA社長就任後、こうした力ずくの攻撃とともに、東峰区の地権者住民に対する執拗(しつよう)な脅迫と屈服強要の工作を重ねてきた。NAAは、破廉恥にも開港を「謝罪」する文書を東峰区にばらまく一方で、恫喝文句として「特別立法による収用」などのうわさをマスコミにリークしたりもした。
 昨年(04年)末から北延伸問題が突然のように具体化したのは、この2〜3年がかりの農家への屈服強要攻撃が最終的に失敗した結果だ。国交省とNAAにとって、北延伸(破壊的な騒音拡大によるたたき出し)が空港反対闘争を破壊する最後の手段となったのだ。
(図 北延伸で滑走路北端から東関道までわずか400メートルに。空港保安施設も滑走路内に食い込み、危険・無謀な計画だ)

 まったく無意味な延伸計画

 しかし「北延伸」計画は、昨年末に国交大臣が事実上の「決定」をNAAに通告してから半年以上も迷走した。理由は北延伸それ自体に意味がないからだ。膨大な無駄金投資なのである。黒野が土壇場で動揺し「話し合い」を強調した理由もここにある。
 北延伸(2500b化)では、うたい文句のジャンボ機は飛べない。連絡誘導路の幅がICAO(国際民間航空機関)の基準以下で湾曲坂道になっており、ジャンボはそもそも滑走路に入れない。02年12月の接触事故も誘導路の「への字」湾曲部で起きた。大型機は論外なのである。
 北延伸のもう一つのうたい文句の「便数を増やす」も不可能だ。地上の管制処理能力はすでに限界で「北延伸」では解決できない。東峰区が更地になって(反対運動の完全な消滅)南側に本来の滑走路計画が完成し、誘導路の核心部が双方向にならない限りどうにもならない。
 さらに致命的な問題は、09年に供用開始となる羽田空港新滑走路との競合だ。これが開業すると、短距離アジア便を中心に成田発着便の少なくとも4分の1、成田暫定滑走路分が丸々羽田に移る。北延伸では暫定滑走路の存在意義自体がなくなる公算が大きい。
 しかも北延伸の工期は最低6年だ(環境アセスと騒音コンター再策定を含む)。06年から着手しても完成は2012年度である。羽田新滑走路の供用から3年後だ。東関道(北延伸後の北端から400b)トンネル化問題に至っては関係者全員が沈黙している。
 「北延伸」に国交省がこだわるもう一つの理由は、07年のNAAの株式上場だ。このままでは上場しても額面割れしかねず、無意味な北延伸でも「2500b化完成」の体裁が必須なのだ。
 株式の売却益は全額国庫(空港整備特別会計)に入る。額面で1500億円といわれる株式上場で、4000〜5000億円の売却益を生むか額面割れかの差は大きい。空港整備特会の支出先の中心は関空救済(2期工事を含む)だ。公明党で堺市出身の北側国交相は関空利権議員の一人である。これも「北延伸」問題の真相の一つだ。

 成田軍事空港化を阻む闘い

 成田空港が有事の米軍用空港となることが日米防衛首脳会談(6月)で合意された。成田空港の有事米軍基地化はすでに日米当局の既定路線だ。アフガニスタンやイラク侵略戦争を見るまでもなく、成田や関空の軍事使用は米軍の侵略戦争体制の中心をなしている。自衛隊のイラク派兵と米軍再編が進む中で、成田の軍事使用が大きく制限されている現状は、日米帝にとって容認できないのだ。成田空港の軍事化を阻止するためにも、暫定滑走路の「北延伸」攻撃と対決しなければならない。
 “頭上40b飛行”という極限的な農民無視に対し、反対同盟を先頭に断固、暫定滑走路を閉鎖に追い込もう。反対同盟農民との40年にわたる血盟にかけて三里塚闘争の歴史的勝利まで闘いぬこう。反対同盟は「北延伸」決定弾劾の現地緊急闘争を呼びかけている。これに全力でこたえよう。

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週刊『前進』(2207号5面3)(2005/07/25)

 電機連合中央打倒へ 労組交流センター 長野大会にビラ入れ

 7月7、8日、長野市長野県民文化センターで開かれた電機連合第53回定期大会の初日、労組交流センターの電機労働者は、代議員と傍聴者に「電機連合中央打倒」を呼びかけるビラまきを行った。
 午後1時からの開会を前に、午前11時過ぎから続々と電機労働者が結集してくる。ビラには「戦争賛美の『つくる会』教科書を使わせるな」「電機連合中央打倒、改憲粉砕へ総決起しよう」「小泉=奥田と電機連合中央のリストラ・賃下げ攻撃許さず、闘う労働組合の再生をかちとろう」の見出しが躍っている。
 電機連合中央の裏切りに怒る参加者はビラに注目、約500枚が吸い込まれるように受け取られた。皆、真剣にビラを見ている。
 この事態にあせった電機連合中央は、露骨なビラまき妨害に出てきた。妨害をはねのけビラまきを貫徹すると、今度は「ビラは受け取らないで下さい」と呼びかけ、ビラを回収しようとするありさまだ。だが、こんな卑劣な弾圧は、電機労働者の反発を招くだけだ。参加者は次々にビラを受け取り、回収を拒否した。わざわざビラをもらいに来る労働者もいた。

 連合会長の座を狙う古賀を痛撃

 電機連合中央の日帝・小泉=奥田路線への加担によって、電機労働者は「内への階級戦争」にさらされている。議案書の「電機労働者の生活と意識」にも、その実態ははっきり表れている。「貯金を取り崩さないと生活できない」層が40代後半では4割弱になっている。また、全体で6割、50歳以上では7割以上の労働者が「今後2〜3年に自分が失業する不安」にさいなまれている。まさに、電機連合中央を打倒することなしに労働者階級は生きていくことができないのだ。
 電機連合中央は「外への侵略戦争」の先兵でもある。彼らは議案書で、「アジア経済圏の拡大による安定的成長を追求する上で、東アジア共同体、さらにはアジア共通通貨の追求も視野にいれたアジアとの共生」が必要だなどと言っている。これこそ、日本経団連・奥田会長が提案する「東アジア自由経済圏」構想とまったく同一であり、今日版の「大東亜共栄圏」そのものではないか。
 小泉=奥田の「東アジア自由経済圏」の結論が今年の1月18日の日本経団連の改憲提言だ。電機連合中央は日本経団連同様、「東アジア共同体」を維持するためには、日本の政治大国化=軍事大国化が必要であり、改憲が必要だと言っているのだ。まさに、「つくる会」と同じ主張だ。
 改憲攻撃の先兵=電機連合の古賀委員長は10月の連合大会で連合会長になろうとしている。これは、日教組、自治労の改憲勢力への転落を受けて連合が改憲方針を確定することを意味する。古賀の連合会長就任を許してはならない。
 電機連合中央を打倒し、動労千葉のような闘う労働組合に再生させよう。

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週刊『前進』(2207号6面1)(2005/07/25)

団結ひろば 投稿コーナー

  区民とともに全力で闘った都議選闘争 東京 永松良二

 当選できなかったことは、かえすがえすも悔しい。7977人が長谷川英憲候補に投票してくれた。その中には一人ひとりの1票にかけた熱い思いと期待があります。「つくる会」教科書採択絶対反対を掲げ、駅頭でのビラまき・署名集めから始まって地域オルグで締めくくった今次選挙でした。区民と一体で全力で闘い抜いたと言いきることができます。
 選挙事務所での懇談会や駅頭・地域などでの人びとから聞いた話こそ決定的に重要でした。徴兵され軍隊内で「しごき」という名の凄惨(せいさん)なリンチを一斉に受けたこと、幼い顔をした特攻隊員が出撃前夜、歩哨兵だった夫のところにやってきて「死にたくない」と言って泣いたこと、軍事火薬工場で勤労奉仕を強制され人体に有害な薬品を吸って気を失ったこと、学校丸ごと数百人規模で杉並から地方へ学童疎開させられたこと、杉並も空襲に遭い焼かれたことや3月の東京大空襲の時は落とされる焼夷(しょうい)弾で地響きが聞こえてきたこと。敗戦直後、街頭で白衣を着てアコーディオンを弾いていた傷病兵が「このような身体にした天皇が憎い」と涙ながらに話しかけてきたこと……。
 こうした区民の戦争体験の話を共有しながら戦争絶対反対、戦争賛美の「つくる会」教科書絶対反対、長谷川必勝の一念でともに選挙戦を闘っていきました。
 入退院の中で激励の声を寄せてくれたり、駅頭で受け取った私たちのビラを持っている区民に働きかけてくれた古くからの支持者、ファシスト石原を痛烈に批判した川柳の創作や事務所の飾り付けに奮闘してくれた親子、選挙事務所におにぎりを毎朝もってきてくれたり掃除をしてくれた近隣の支持者、「本物の指導者として大いに働いて」と自分でつくった推薦文を選挙事務所まで持ってきて知り合いの区民を紹介してくれた元小学校教師など、実に多くの支持者が積極的・自主的に決起したのです。
 お礼のあいさつ回りでは、「残念……、本当にご苦労さまでした。次があるからね」と逆に励まされました。「つくる会」教科書採択阻止のビラまきと署名活動を選挙後も継続していますが、その中ですっかり顔なじみとなった支持者とも会ったりしています。区民とともになんとしても採択を阻止しよう。

  支持者の自発的活動の広がりに手ごたえ 東京 衛藤友規

 「石原知事への挑戦状」を掲げ、戦争賛美の「つくる会」教科書採択阻止!介護保険制度反対を掲げて闘った都議選は絶対に勝ちたかった。「東京から日本を変える」「憲法を命をかけても破る」「はやく中国と戦争をしろ」と叫ぶファシスト石原に対して、都議会にははっきり反対を貫き対決できる議員がいない。この中で、長谷川英憲さんのような革命派が議会にいれば、どれだけ労働者・人民の力になれるかと思えば、絶対に勝ちたかった。
 結果は7977票。多くの区民が、長谷川に、「つくる会」教科書採択阻止のために、ファシスト石原を倒すために投じた票である。今までとは違う重みをもって、この期待にこたえる闘いを今後続けていかなくてはいけない。
 私は、今回の都議選を「つくる会」教科書採択阻止の駅頭での情宣活動と名簿に対するオルグ活動の両方に携わり、4年前の都議選、2年前の区議選とは格段に違う手ごたえを感じた。それは、支持者の中に長谷川さんを当選させるための自発的・自立的な活動が広がったことである。
 都政を革新する会の宣伝とオルグにより、4〜5月「つくる会」の教科書が採択されれば再び過去と同じ戦争の時代になってしまうという危機感が生まれ、5月下旬の浜渦副知事問題によって公然と石原知事を批判して共感が起こる状況がつくりだされたことが大きかった。戦争を止めるために「つくる会」教科書の採択を阻止しようと掲げて訴えてきたことが、情勢とかみあって多くの支持者の中に浸透し、長谷川さんを絶対に当選させなくては、という思いが強くなっていった。
 「こんな教科書が使われたら戦前と同じだ」「戦争絶対反対の議員は長谷川さんしかいない」「6年間も石原知事をのさばらせているのは野党の責任だ。長谷川さんがいないと」「あなたたちの政策は正しい。石原知事に反対している人は多い。その人たちを長谷川さんに入れさせないと」「どこの駅にもあなたたちはいるね。私たちもがんばらないと」と支持者がそれぞれの思いをもち、長谷川当選のために最後の最後まで動いてくれた。
 公選はがきを書くにあたり、支持者の大半は、友人・知人に「告示後に長谷川さんのはがきが届くからよろしくお願いします」と頼んでくれた。近所で長谷川リーフをもって票依頼をしてくれた支持者もいた。告示後、最寄りの駅に長谷川さんが訴えに来ることを知り集まってくれた支持者が、その場で知人に票依頼をしてくれた。子どもと友人を誘い、長谷川さんの駅頭演説を聞きに行った支持者もいた。最終日、長谷川さんが訴えるすべての駅頭に顔を出してくれた支持者もいた。
 皆、戦争の流れを止めるために、「つくる会」教科書を使わせないために、石原知事を倒すために、長谷川さんしかいないと思い、必死に呼びかけ動いてくれた。だからこそ、この結果は残念でたまらない。この思いにこたえきる活動を続けていかなくては。

  「自立支援法案」廃案へ国会闘争を闘う 関西「精神障害者」 T・G

 7月6日、7日と国会闘争を闘いました。「障害者自立支援法廃案」を掲げ、院内集会、国会前座り込み、厚労省交渉、議員回りと充実した2日間でした。厚労省へは精神保健福祉法32条廃止反対の署名の提出でした。微力ですが2000弱の署名を提出し、厚労省を追及しました。
 厚労省はホームヘルプ対象者に対する調査として、「意味不明のことを言う。一人でしゃべったり笑ったりしている。動作や会話がのろい。自分では動かない」という項目を調べるそうです。それに対して「ハイ確かにそうです」と答えないと対象外にされてしまいます。これほど屈辱的なことはかつて聞いたことがありません。厚労省はどういう「精神障害者」像を描いているのか。「無能力者、厄介者、訳の分からないやつ」ということです。まったく許せません。しかも僕のように統合失調症の陰性症状の者にはこれらの項目は当てはまらず、初めから除外されてしまいます。そのことを厚労省にただすと、「部局が違います」「差しさわりがありますから」と答えませんでした。
 32条の質問に入り、「私の場合、月に6000円負担が増える。年金しかない中でどうやって捻出しろと言うのか」と問うと、「奥さんの収入があるでしょう。一つ屋根の下に住んでいる人は家計も一つにするのが普通です」と言うのです。うちでは妻とは会計を別にしているし、一つ屋根の下に住んでいるからといって家計が一緒とはいえません。ましてや「精神障害者」の場合、家族への隷属が大きな問題なのであり、家族主義は「精神障害者」を虐げる思想です。
 自立支援法は「社会ダーウィニズム」であり優生思想です。「適者生存」「優勝劣敗」の思想のもと、社会的に劣ったものとされた人びとを殺していく思想です。「障害者に対する予算は減らす」という自立支援法から、「社会の厄介者は抹殺せよ」として数十万人の「障害者」を虐殺したナチスの思想へは一直線です。法の廃案を求め、最後まで闘います。

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週刊『前進』(2207号6面2)(2005/07/25)

 「障害者自立支援法案」 衆院委強行採決に怒り

 議場騒然 “廃案まで闘うぞ”

 7月13日午後4時20分すぎ、衆議院厚生労働委員会で「障害者自立支援法案」の採決が強行された。満席の傍聴席からは一斉にヤジが飛び、怒号が噴き出した。「こんな採決は無効だ!」「障害者を殺すな!」。議場は騒然となった。しかし誰も傍聴者の怒りを制止することなどできなかった。委員会審議の一切が、「障害者」に応益負担を押しつけ、「障害者」から福祉と医療を奪い、「障害者」の生活と命を切り捨てるためなのだ。
 尾辻厚労相を始め、厚労省役人らの顔は顔面蒼白(そうはく)となっている。反対派議員らは「採決弾劾」のボードを掲げて着席したが、賛成起立多数で可決となった。怒りの声が議場に響いた。
 議員面会所では、モニター画面で審議を注視していた「障害者」たちが「採決弾劾!」と叫ぶ。議面前では「強行採決弾劾」「さいけつだんがい」のメッセージを突きつけ、怒りのシュプレヒコールが続く。「小泉政権は障害者を殺す気か!」「廃案まで闘うぞ!」
 国会前には「障害者」を中心に全国から約1千人が結集していた。雨の中を前夜から100人弱の人びとが徹夜で採決阻止を訴えていた。すでに5月以降、国会前では2波のハンストが闘われ、3波の泊まり込みが闘い続けられてきた。7月5日には日比谷公園で1万人集会も行われた。
 強行採決は、命を張って反対する「障害者」の声を封殺する暴挙であり、徹底的に弾劾する。

 偽造データ発覚

 7月8日の衆院厚生労働委員会の審議で、法案が虚偽のデータに基づいて作られていた決定的事実が明らかになった。厚労省は、なんと精神科通院医療や厚生医療、育成医療の公費負担を受けている人の数を2倍から10倍に水増ししていたのだ。こうした偽造データを使って、「障害者」にかかる医療費が飛躍的に増大しているかのような印象を与え、「応益負担の導入もやむなし」といった結論を社会保障審議会障害者部会で誘導してきたのだ。
 この日の審議でも、最後の質問に立った社民党の阿部知子議員は、「精神科公費負担32条の該当者がどんな所得状況なのかを把握してもいないのに、課税世帯で1〜2割という根拠のない推定で法案を可決するというのか」と食い下がった。塩田部長も尾辻厚労相も、「正確ではない。推定の数字を出さざるをえない」と認めながら、「新制度のもとで把握してきちんとした数字にする」と居直り続けたのである。
 採決後、傍聴団と合流し国会前で総括集会が開かれた。ある車イスの女性は、「初めて傍聴した。粉々にされたようで疲れました。そうは言っても介助がなければ死んでしまう。これからも果てしない闘いになると思うが、がんばりましょう」ときっぱりと語った。
 強行採決の暴挙への怒りは新たな闘いへの出発点となった。法案は7月15日、衆院本会議を通過した。参院で「障害者自立支援法案」をなんとしても廃案にしよう。
 (投稿/海野 萌)

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週刊『前進』(2207号6面3)(2005/07/25)

 区役所ビラまきなどで 3同志を不当逮捕

 戦時下の弾圧激化許すな

 7月13日、東京と静岡でまたしても警察による大弾圧が行われた。
 東京では同日午前8時20分ごろ、江戸川区役所にビラまきに行った前進社本社の2人の同志に対し、警視庁公安1課の星隆夫を先頭とする8人前後の私服刑事が襲いかかり、「公務執行妨害」をデッチあげて不当逮捕した。1人は区役所職員に暴行したとデッチあげられ、もう1人は警察官に暴行したとデッチあげられたが、そんな事実は一切ない。ビラまきをやめさせるための弾圧だ。
 2同志はこの10年間、定期的に発行してきた地域ビラ『東松かわら版』の最新号を、いつものように区の職員や来庁者に配布していただけである。どうして、これで逮捕されなければならないのか。まったく逮捕権の乱用そのものであり、言語道断の戦時下の言論・思想弾圧、ビラまき弾圧である。
 また静岡でも同日朝7時ごろ、静岡県党の同志が居住しているアパートに、静岡県警の私服刑事5〜6人が合いカギを使い、チェーンロックを破壊して襲撃さながらに押し入ってきた。そして1人の同志を住民登録にかかわる「電磁的公正証書原本不実記録・同供用」をデッチあげて逮捕・連行した。さらに、この部屋を朝7時から午後5時まで10時間にわたって13人もの刑事が手当たり次第に不当捜索と現場検証を行い、パソコンや携帯電話、預金通帳、機関紙、ビデオテープ、他党派のビラを含むビラ・文書類など合計226点を押収していった。
 同じ日に強行された二つの大弾圧は、日帝・警察権力の弾圧が戦時下において、革命党の言論や思想、活動を一切許さないとする新たな段階に入ったことを示すものだ。弾圧の根底にあるのは日帝のすさまじい体制的危機と戦争突入情勢である。不当逮捕・捜索を徹底的に弾劾し、3人の同志を直ちに奪還しよう。

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週刊『前進』(2207号6面4)(2005/07/25)

 大野康平弁護士を悼む

 革共同関西地方委員会

 4月30日に急逝された大野康平弁護士を心から追悼します。享年69歳でした。
 大野先生は、1965年4月大阪弁護士会に弁護士登録をされ、68年3月以降、イタイイタイ病訴訟弁護団として一貫して活動され、83年10月提訴のチッソ水俣病関西訴訟の弁護団に参加し弁護団副団長として活動されました。
 大野先生は、この公害病訴訟の闘いの中で、資本と国家権力が癒着一体化した帝国主義社会において、労働者民衆が文字どおり虫けらのごとく扱われている現実と対峙され、この社会への深い人間的怒りをもち、この社会の根底的変革以外に労働者民衆の解放と自由はかちとれないと認識されました。75年6月4日大阪市立大学おける反革命カクマルせん滅戦闘に対するデッチあげ殺人罪弾圧との闘いにおいて、自ら主任弁護人を引き受け、完全無罪判決を戦取する中心的役割を果たされました。その後も関西における国家権力のデッチあげ弾圧との闘いにで、常に革共同の闘いの正義性を確信され、弁護団の中心で活動されました。
 また、90年天皇決戦過程での破防法発動反対運動では、歴史学者の故井上清氏らとともに「自衛隊の海外派兵と治安法に反対する市民連絡会」を立ち上げ、92年のカンボジアPKO派兵阻止小牧現地闘争では、全国の闘う労働者民衆数千人のデモ隊とともに闘われました。94年の朝鮮危機においては、日本の侵略戦争国家への転換の動きに強い危機感を持って新たな形の反戦運動を作り出す必要を強く訴えられました。
 そして、95年の「サリン事件」を口実とした破防法団体適用攻撃に対しては、「破防法・組対法・有事法に反対する実行委員会」を結成し、その代表世話人を引き受けられ、破防法団体適用攻撃を打ち砕く闘い、「国際的組織犯罪条約」批准を口実とした組織的犯罪対策法制定阻止闘争を闘われました。そして、98年6月12日に百万人署名運動・関西連絡会結成集会を中之島公会堂大ホールを埋め尽くす1千人の大集会として成功させ、大野協同法律事務所を百万人署名運動・関西連絡会の連絡先事務所とされました。2000年沖縄サミット反対闘争では、沖縄現地で嘉手納基地包囲行動に参加されました。
 また、毎年の8・6ヒロシマ大行動の呼びかけ人となり、広島現地行動を闘われました。部落解放同盟全国連合会の全国大会に毎年参加され、日帝の「地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」の廃止による解放住宅家賃大幅引き上げ攻撃に対する解放住宅家賃値上げ差し止め訴訟を引き受けられました。
 大野先生の闘いを先頭に百万人署名運動は、その闘いの第一歩を切り開くことができました。しかし、闘いはいまだ途上にあり、自衛隊イラク派兵が強行され、教育基本法改悪・憲法改悪が具体的政治課題として登場しています。
 その中で大野先生が急逝されたことは悲しみに堪えず、残念でなりません。心から哀悼の意を表します。革共同は、大野先生の無念とたぐいまれな戦闘的意志を引き継ぎ、自衛隊のイラクからの撤退をかちとり、憲法改悪・教育基本法改悪の攻撃を打ち砕き、北朝鮮・中国への再びの侵略戦争をなんとしても阻止し、日本帝国主義打倒・世界革命の勝利まで断固として闘い抜くことを誓います。

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週刊『前進』(2207号6面5)(2005/07/25)

 寝屋川弾圧 勝利の意義

 正当な権利守る闘いでデッチあげ弾圧を粉砕

 本紙既報のように、部落解放同盟全国連合会(以下、全国連と略)は、5月25日、大阪地裁において、「恐喝事件」にデッチあげられた寝屋川支部の4人の全員無罪判決をかちとった。検察は控訴できず、全員無罪が最終的に確定した。この勝利は、闘う者すべてに対する、国家権力の治安弾圧を打ち破る画期的勝利である。

 階級的正義の行動

 この勝利の意義の一つめは、4人がやったことは労働者としてのまったく正当な権利に基づく要求と交渉であり、4人は完全に正義であったということを証明した点にある。
 全国連寝屋川支部の島田さんは、2003年2月、印刷会社に正社員として就職した。しかし、3月に入って、仕事中に腰を痛めてしまい、しばらく我慢して働いていたが、1週間後に腰痛がひどくなり、会社に連絡して休んでいた。ところが、わずか3日たって突然、会社の総務課長が島田さんの自宅にまで訪問し、島田さんの労災の訴えをまったく無視して、解雇を言い渡した。
 これに対して島田さんは、労基署と相談の上、寝屋川支部の3人も同行して会社と交渉を行った。その交渉自体は、島田さんの労災の申請を認め、解雇予告手当も支払うことで円満解決していた。
 ところが、5月になって大阪府警公安3課は、これを全国連寝屋川支部への弾圧という目的のために「恐喝事件」にデッチあげ、会社に無理やり「被害届」を出させて、4人を逮捕した。実際に、裁判の中で検察は、「権利もないのに、金をとる目的で、部落差別だと因縁をつけてのりこんだ」「全国連の名刺を出したことが恐喝の構成要件にあたる」という驚くべき主張をした。
 判決は、交渉で何があったかについては、検察側の言い分を不当にも全面的に採用した。しかし、それでも、要求や合意内容が島田さんの労働者としての正当な権利に基づくものであること、交渉において多少言動が荒くなったのは事実としても、あまりに理不尽な会社に対するやむにやまれぬ抗議であったことを認めた。
 また、全国連の役員が交渉に参加したことについても、会社が最初から部落差別を自覚して島田さんを解雇したとは言えないが、部落差別が現に世の中に存在する中で、4人が部落差別ではないかと疑うことには正当な根拠があったと認めた。
 つまり、4人のやったことは、不当な首切りにあった部落民労働者のささやかな権利を守るための階級的正義の取り組みであり、いわゆる「エセ同和」とはわけが違うのだということを明白にした。大阪府警は、今回の弾圧で、あたかも全国連を「エセ同和」と同様にして「全国連罪」とも言うべき罪をデッチあげ、弾圧をほしいままにするたくらみで寝屋川支部に襲いかかってきた。今回の無罪判決・確定が、このたくらみを打ち砕いたことの意義は大きい。

 不屈・非転向の勝利

 二つめに、この弾圧が大阪府警公安3課によるデッチあげであり、権力犯罪であることを暴露し、断罪した点である。
 「被害届」は、警察官が作ったものに会社が署名させられたものであった。労基署や島田さんを治療した医師に対する事情聴取は行われておらず、作業現場の実況見分さえ行っていない。判決文は、これらを指摘して、あまりにも「ずさんな捜査」であったと断罪した。
 だが、これらはけっして「ずさんな捜査」の結果などではない。大阪府警公安3課は、そもそも事件の捜査など眼中になく、4人に対する暴力的な転向強要に終始した。とりわけ70歳に近い滝口さん、伊地知さんに対して、持病の治療すらまともに保障せず、朝から晩まで取り調べ、「運動をやめろ」「20年、30年ぶちこんでやる」「二度と村には帰れないぞ」、果ては「ハゲ、オットセイ」など違法を承知の恫喝や差別暴言の限りを尽くした。
 つまり警察・検察は、初めから全国連つぶしを目的にしたデッチあげのためにのみ、強引に事件をねつ造し、その無理を、「部落解放運動は社会の敵だ」「部落民は何をするかわからない連中」という極悪の差別をまきちらして、裁判所を丸め込むことによって押し通そうとした。
 このペテンが暴かれ、粉砕されたのだ。弾圧された4人は、過去に逮捕歴もなく、初体験であった。しかし、23日間の拷問的取り調べ、7カ月間の勾留、保釈され村に戻っても保釈条件の制約でお互いに顔を合わすこともできないという苦境に、歯をくいしばって耐えぬき、信念を貫いた。
 この4人を支えた寝屋川支部を先頭とする全国連の組織をあげた大衆的反撃、国労臨大弾圧や関西生コン弾圧と闘う労働者との共闘の陣形、こうした大衆的実力闘争の力が権力犯罪を暴いたのだ。階級的正義を曲げず、不屈・非転向で団結して闘えば、国家権力といえども打ち負かすことができる。寝屋川の勝利は、そのことを明らかにしたのだ。

 差別糾弾闘争の力

 三つめに、こうした力を引き出した勝利の原動力はどこにあったのか。それは、ほかでもなく全国連の差別糾弾闘争にあり、弾圧との闘いをとおして生まれた階級的共同闘争にあった。
 全国連は、今年の第14回大会において、戦争の時代を差別糾弾闘争で闘いぬく方針を打ち立てた。
 考えてもみよう。もしも何年か前なら、島田さんのような当然の要求に対して、こんな弾圧はあったであろうか。まさにこれが戦争の時代である。小泉政権がイラクに自衛隊を送り、帝国主義の侵略戦争に参戦した。他方で、リストラ、民営化をどんどん進め、JR尼崎事故のような犠牲を労働者階級に強いている。
 帝国主義の危機の中で、資本家階級だけがぼろもうけをして生き残るために、すべての犠牲を労働者階級に押しつけて、帝国主義戦争に総動員しようというのが小泉の政治である。「つくる会」教科書採択の攻撃はその最たるものである。
 そのために、日帝・国家権力は、革命党や労働組合、部落解放運動への弾圧をほしいままにして、抵抗の根を徹底して絶やすことに血道をあげている。治安弾圧との攻防は戦時下の階級闘争を決する。そのような段階が明らかにやってきた。
 この戦争と弾圧の時代において、全国連は真っ向から差別糾弾闘争で闘う方針を打ち立てた。共同闘争は、差別の根源である国家権力を糾弾し打倒する労働者階級の階級的共同闘争として鮮明にした。
 第14回大会から数カ月、全国連は大きな前進を開始した。戦時下の部落解放運動を差別糾弾闘争を基軸に闘う方針は、この時代の唯一正しい方針であることを寝屋川弾圧に対する勝利は証明した。この道を全国連とともに進もう。

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週刊『前進』(2207号6面6)(2005/07/25)

党学校 『賃金・価格・利潤』 −学習の感想−

 賃金制度廃止への力つくる M・F

 今回一番大事だと思ったことは、賃金という問題を考えていくとき、資本と労働とは階級的非和解的関係だ、という点です。賃金関係とはどういう関係であるのかということが、大事だと思いました。賃金や賃金闘争について見ていくと、資本と労働者階級との非和解的階級関係についてかなりはっきりと理解できたように思います。
 賃上げの闘いは、労働者が「文字どおり」存在するため、生存するために、闘わなければならないものです。資本が絶えず賃金を下げようとすることに対して、生きるために賃上げを闘わなくてはならないし、人間らしく生きるためにも闘わなくてはならない。けれども、賃金さえ上がればそれでいい、というものではまったくない。資本と労働者階級の非和解性ということは、とても重要だと思いました。
 労働者の資本に対する賃上げの闘争は、労働者にとって必要な闘いであるけれども、それだけにとどまっていたら労働力を資本に売らなくては生きられない関係はそのままである。でも、だからと言って、賃金闘争のもつ意義を低めてはいけない。賃上げの闘いは、資本への抵抗の闘いであり、労働者階級が労働者階級として生きるために必要な闘いであり、資本家との闘いである。
 こういった資本との賃金闘争を闘い続けることをとおして、賃金制度そのものの廃止に向かっての力が形成されていくし、そうならなくてはいけない。賃金闘争とは、賃金制度そのものの廃止の闘いも含んだ賃上げの闘いである、と理解しました。
 日常的経済闘争(賃上げとか労働条件をめぐる闘い)を究極的解放からとらえ返しつつ、闘う。つまり、日常的経済闘争は必ず、階級的な大決戦、すなわち権力・支配をめぐる階級対階級の決戦となる。その全面的勝利のためのテコとして、組合的団結の力を使う。そのためにこの団結を発展させる。そして、それは革命を貫徹していくための一切の支えとなる。労働者自身が革命の先頭に立つ、ということです。

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