ZENSHIN 2005/06/20(No2202
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週刊『前進』(2202号1面1)(2005/06/20)
都議選で長谷川英憲氏の必勝かちとり 「つくる会」教科書絶対阻止を
「俺に何の責任がある」と居直る石原を労働者の決起で打倒せよ
全国から闘う力を杉並へ
かけよる区民と握手
高円寺駅前で演説する長谷川英憲氏に区民が駆け寄った。「石原知事に挑戦状」を掲げた訴えは、多くの区民の共感を呼び始めた(6月6日)
都議選必勝と「つくる会」教科書採択阻止をかけた6月蜂起戦は、世界史的な意義と大きさをもった闘いである。これは従来の選挙戦ではない。かつて経験したことのないような政治闘争であり、60年闘争・70年闘争型の巨大な政治的階級的決戦である。この勝敗に革共同と日本労働者階級の命運がかかっている。教基法改悪・改憲阻止を軸とした05―07年の壮大なスケールの階級決戦の帰すうがかかっている。今こそ戦争賛美の「つくる会」教科書採択阻止とファシスト石原打倒の大衆運動を全力で爆発させ、その力でオール与党体制の腐敗した都議会に長谷川英憲氏を送り込み、都議会を刷新するのだ。そして長谷川氏の都議選勝利で「つくる会」教科書採択阻止と石原都政打倒の展望も開くのだ。全国のあらゆる闘う力を根こそぎ東京・杉並に結集しよう。6月蜂起戦に全力で勝利しよう。
第1章 “ファシスト石原!お前がやめろ”のヤジ
日帝ブルジョアジーと小泉=奥田体制の凶悪な先兵として都政を強権的に牛耳ってきた石原=浜渦(石原の側近中の側近の副知事)のファシスト独裁が、ついに崩壊を開始した。
浜渦問題の根底には石原ファシスト都政が推進してきた戦争・民営化と福祉破壊の攻撃がある。民営化された都社会福祉総合学院をめぐる自民・公明と石原=浜渦の利権争い、人事抗争がある。その内部矛盾がついに爆発し、浜渦は辞任に追い込まれた。
石原と浜渦は一体である。浜渦なき石原はあり得ない。しかし首都の権力を握る石原ファシストは、労働者階級人民の力で打倒されない限り、自ら権力の座を放棄することはない。浜渦辞任を余儀なくされつつも石原は、自民・公明と民主が石原の責任は追及せず、辞任も要求しないことをいいことに、ごう然と居直りと延命を開始した。
6月3日の記者会見で石原は、都政の混乱も自分の責任も「ありませんね。何の責任があるのか」とうそぶいた。浜渦更迭と特別職5人の辞任という異常事態にもかかわらず、「私、辞める意思なんか毛頭ないね」と開き直った。週1〜2日しか登庁しないことについても「毎日同じ机に座っていることが能じゃないだろ」とうそぶき、浜渦を「余人をもって替え難い」などとあらためて全面的に擁護した。
さらに許し難いことは、「自分の責任でメンバーを一新」などと言いつつ浜渦と連帯責任のある大塚、竹花の2副知事を留任させ、特に「ヒトラー」と呼ばれる「日の丸・君が代」強制の張本人=横山教育長を副知事に横滑りさせようとしていることだ。そして後任の教育長には危機管理監の中村を持ってきた。
都労連の労働者を先頭に、全都・全国の労働者人民はファシスト石原の恥ずべき居直りと延命策動に、徹底反撃しなければならない。首都・東京の権力がファシストに握られている現実に、怒りと危機感を爆発させる時だ。
すでに闘いは「石原知事に挑戦状」を真っ向から掲げ闘う長谷川氏を先頭に、杉並から開始されている。6月1日の都議会初日には、所信表明で浜渦問題にも自らの責任にも一言も触れない石原に、傍聴席から「知事の責任はどうなっているんだ!」と激しいヤジが飛び、「ファシスト石原お前がやめろ」と大書された紙が掲げられた。これに痛撃された石原と浜渦は、議会が終わるや報道陣の追跡を振り切って一目散に逃走した。内部崩壊を開始した石原ファシスト独裁打倒の火ぶたは切られたのだ。
第2章 民営化・福祉破壊と中国への戦争の扇動
石原ファシスト都政とは戦争と民営化と福祉破壊である。石原は知事就任直後に「公共事業なんてみんな民営化したらいいんだ」「病院も含めて、民営化できるものはすべて民営化を考える」と言明した。03年7月には日経新聞で「都の行政がやる最大の福祉は治安維持である」と公言している。この言葉どおりに石原は介護、医療、保育、交通などの諸部門で民営化・民託化をどしどし進め、労働組合・労働運動の抑圧・破壊を狙うと同時に、社会保障と福祉全般を切り捨ててきた。
「民間委譲」や「民営方式の導入」を含むこの石原の民営化・福祉破壊攻撃によって、今や@都立病院は半分に統廃合され(地域医療の破壊)、A高齢者、児童、「障害者」への都立の福祉施設が廃止され、B「認証保育所制度」の導入で福祉としての保育=認可保育所制度も解体されつつある。石原はヒトラーと同類のファシストとして「障害者」や女性への差別主義の固まりだが、これらの福祉破壊は石原都政の一つの本質をなす攻撃なのだ。
他方で石原は、米日帝の北朝鮮・中国侵略戦争の凶悪な先兵として戦争を扇動してきた。石原・浜渦・横山が一体で推進した「日の丸・君が代」強制や、都立養護学校、中高一貫校への「つくる会」教科書の導入こそ、子どもたちを再び戦場に送り出す攻撃そのものだ。そして石原は週1〜2日しか登庁せずに、大半の時間をマスコミでの反動的パフォーマンスやインタビューに費やし、特に中国への戦争と排外主義をあおってきたのだ。
『週刊文春』5月5・12日特大号や『諸君』『文藝春秋』などで石原はいったい何を公言しているか。「今こそ尖閣諸島に自衛隊を派兵せよ」「北京五輪を断固ボイコットせよ」「アメリカを日本の対中国戦略に巻き込むべきだ」「米軍の巡航ミサイルで三峡ダムも北京も破壊される」「中国を分裂国家にし、分裂した各地域に狙いを定めて進出せよ」。これはまさに米日帝が一体となって中国と戦争しろということだ。
こんなことを現職の都知事が公然と扇動している。それを都議会で自公民はもとより、日本共産党も「市民派」も何ひとつ問題にしない。帝国主義の基本矛盾が爆発し、世界戦争の時代、新たな「15年戦争」の時代がすでに始まっている中で、石原のこうしたとんでもない言動が「救国」や「国家再生」のありうべき道として容認される情勢が、今や眼前にある。資本主義・帝国主義を徹底的に批判して打倒する思想と闘いなしには、これと対決することはできないのだ。
今こそ石原に真っ向から「挑戦状」をたたきつけ、オール与党体制に風穴をあけ、崩壊を開始した石原ファシスト都政を打倒するために、長谷川氏を何としても都議会に送り出さなければならない。
第3章 戦争賛美教科書との闘いは6月が勝負だ
来春から使用される中学教科書の「見本本」が完成し、各教育委員会や学校に送られ、8月末(杉並は8月上旬)を期限とする採択作業がいよいよスタートした。「つくる会」教科書採択阻止の闘いは、完全に6月が決戦である。
「つくる会」は全国で10〜20%、東京で50%、愛媛で100%の展望があるなどと内部確認し、東京・杉並を最焦点に反革命的攻勢をかけてきている。小泉政権も中山文科相や町村外相が「戦争を美化していない」「バランスがとれている」などと称揚し、マスコミも産経や読売が「つくる会」教科書を必死に尻押ししている。この情勢に怒りと危機感を爆発させ、杉並で石原の先兵=山田区長と納冨教育長の採択策動を断固阻止しよう。長谷川氏を当選させれば阻止できる。
4―5月の杉並での闘いは「つくる会」教科書採択阻止を最大の階級決戦に押し上げた。80%以上の区民が教科書問題を認識し、20%=10万人の区民がすでに「つくる会」教科書採択反対の立場だ。区議会文教委や教育委員会をめぐる長谷川氏と新城・結柴区議の闘い、山田区長追及の闘いが、決定的な情勢を開きつつある。6・2杉並大集会は多くの教育労働者や保護者の結集により大成功し、中国の新華社によって世界に配信された。闘いはさらに6・22教育委員会闘争に向け日本・韓国の国際連帯の闘いとしても発展していこうとしている。
「つくる会」派は「戦争を賛美し肯定する教科書」という批判に対し、「賛美していない」と釈明する。ここが敵の弱点である。しかし「つくる会」教科書こそ日清・日露以来の侵略戦争・帝国主義戦争を「自存自衛」の戦争、「アジア解放」の戦争と美化・正当化し、日本海海戦や彼らが「大東亜戦争」と呼ぶアジア・太平洋戦争を、「世界の海戦史に残る驚異的な勝利」だとか「緒戦の勝利はめざましかった」「国民はよく戦った」などと最大限に称揚する教科書なのだ。
しかも歴史が科学であることを否定して、古代の奴隷制はもとより封建制度(農奴制)や資本主義という規定も追放し、「天皇の地位は皇室の血すじにもとづいて代々受けつがれた」と皇国史観に等しい天皇中心史観のデマゴギーで日本史を描く。そして第1条「大日本帝国は万世一系の天皇之を統治す」、第3条「天皇は神聖にして侵すべからず」が象徴する大日本帝国憲法を「聞きしにまさる良憲法」などと美化し、戦後の日本国憲法は本質的に否定するとんでもない教科書なのだ。
「つくる会」会長で公民教科書の執筆者である八木秀次が「保守主義の政治リーダー」として首相にと「待望」する石原は、「戦争こそは社会の原理」「戦争というものは、好きとか嫌いとかといった生理的な感情とは別の次元で、やらなければならない時がある」(『「父」なくして国立たず』)と、弱肉強食の覇権主義・帝国主義を称揚する。実にこれこそ戦争を美化し、肯定し、今後も戦争をやるべきだとする「つくる会」教科書のイデオロギーそのものではないか。
6・22の教育委員会闘争へ
「つくる会」教科書は「お国のために命をささげよ」と子どもたちを再び戦場に送る大攻撃だ。こんな教育が行われたら労働運動も学生運動も反戦運動も、一切が成り立たない。それはあらゆる階級闘争の圧殺の上に、日帝が再びアジア侵略戦争と世界戦争の泥沼にのめり込んでいく暗黒と破滅の道である。
「つくる会」教科書採択阻止とファシスト石原打倒の都議選決戦に、本当に革共同と日本労働者階級の未来、05―07年階級決戦の興廃がかかっている。全国の攻防の最大の焦点、東京・杉並で絶対に勝たなければならない。石原の戦争と民営化攻撃をまったく批判せず、「つくる会」教科書採択阻止も訴えない日共や、福士議員など「市民派」では絶対にダメだ。彼らは労働者の代表ではない。石原に真っ向から挑戦し、オール与党体制の都議会に風穴をあける長谷川氏こそが、今必要なのだ。
6月蜂起戦に全国の闘う力を極限的に結集しよう。杉並で「つくる会」教科書採択阻止の大運動を巻き起こそう。6・22教育委員会闘争を大爆発させよう。その力で都議選に勝とう。それがファシスト石原・山田を打倒し、8月上旬採択を断固阻止する道だ。
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週刊『前進』(2202号1面2)(2005/06/20)
オール与党の都議会刷新へ
長谷川氏が高円寺で訴え “石原と闘う議員を”
長谷川英憲氏(都政を革新する会代表)は、「石原知事に挑戦状」を掲げ、都議選勝利をめざして連日、全力で闘っている。高円寺駅前での訴えを紹介します。(抜粋、編集局)
都議選の重大争点は何か
いよいよ東京都議会議員選挙が24日から始まります。杉並からは私を含めて12人が名乗りを上げています。2007年まで国政選挙がありませんから、今度の都議選はこれからの日本の行方を決する重大な選挙です。
私は皆さんに、まず何よりも、ぐらぐらになり始めた石原都政、戦争と民営化と福祉破壊の道を強引に進めてきた石原都政を徹底的に断罪し、真っ向から対決して闘う候補を今度の都議選で選ぶよう訴えます。
今度の都議選の重大課題は、戦争を正しいことと教える「つくる会」教科書の採択を阻むことです。杉並では山田区長が採択制度の改悪を行い、5人の教育委員の密室審理で「つくる会」教科書を採択しようとしています。この教科書を阻むことは、今度の都議選の重要な争点です。
「つくる会」教科書の採択を阻み、子どもたちの未来を守るために、この長谷川英憲を皆さんの力で都議会に送りだしていただくことが決定的に重要だと考えます。そうすれば、「つくる会」教科書の採択を阻むことは必ず可能です。
山田区長が「つくる会」教科書を採択しようとしていると言うと、区民の方から、「山田区長は改革派ではないのか。そんなことをするとは思えない」と言われたりします。
しかし、皆さん。山田区長はとんだ食わせものです。区長選に立候補した時は、住民基本台帳ネットワークに反対しておりました。また、大気汚染をもたらす井草の不燃ごみ中継所にも反対していました。ところが、区長になったとたんに、両方とも公約を投げ捨て、住民基本台帳ネットワークに賛成し、今では、裁判で国や都のネットワークにつなげてくださいと言いだす始末です。ごみの中継所についても、まったく同じです。この山田区長がたくらむ「つくる会」教科書の採択を住民、労働者の手で阻んでいきましょう。
さて今、東京都政が上を下への大混乱に陥っています。石原都知事が進めてきた戦争と福祉切り捨て、民営化の中で、そこでの利権と権力をめぐって自民党や石原知事・浜渦副知事らが争ったのです。これはすべて石原都知事に責任があります。そして、与党の自民党、公明党の責任でもあります。
露呈した都政の腐敗と危機
しかも石原は、浜渦問題を完全に居直り、責任をとって辞めたはずの横山教育長を筆頭副知事に据えようとしています。この横山は都の職員からヒトラーと呼ばれている人物であり、これまで以上に凶暴なファシスト支配を築こうとしているのです。責任をとって辞めた人物が昇進するようなことがあってよいのでしょうか。この石原の開き直りは「つくる会」教科書を何がなんでも採択させようとするものにほかなりません。
6月1日から都議会が開かれました。初日、私も石原知事がどんな発言をするのか、傍聴に行きました。しかし、石原知事は浜渦問題について、なんの責任ある発言もしなかったのです。たまりかねて傍聴席から「自分の責任はどうした」「辞めるべきは石原だ」という厳しい弾劾のヤジが飛び、議場は騒然となりました。この石原知事の卑劣な責任逃れの態度、特別職の5人のクビをすげ替えて、自分だけは生き延びようというのは、本当に卑怯きわまる態度ではありませんか。石原知事の即時辞任を要求します。
それに許し難いのは、都議会の現状です。日本共産党も含めて都議会は、この石原の新人事を容認してしまっているのです。本当に腐りきっています。都議会の根本的な刷新が絶対に必要です。
議会の中での腐りきったなれ合いや虚偽を徹底的に暴いて、今の都議会の腐りきった現実を訴えて、労働者階級人民とともに闘う議員がひとりでもいれば、都議会を変えることはまったく可能です。
私は、かつて1989年から4年間、都議会議員として闘いました。その時、言論の自由を奪う拡声器規制条例が都議会に提案されました。私は議会の演壇で、それこそマイクを握って反対を徹底的に訴えました。衛視が飛びかかってきて私を議場から排除するまで、私はこの条例に反対する演説をやり抜きました。そういう闘いをやる議員が今、絶対に必要なのです。
また今回はっきりしたことは、石原都知事は1週間にたった2日しか都庁に出てきていない。しかも都庁に来た時もたかだか3時間ぐらいしかいないということです。
労働者や中小零細業者は毎日毎日、朝から晩まで働いている。それでも食うや食わずの生活だ。都民の税金の中から月に300万円も懐に入れている石原知事が都庁に出てこないというのはいったい何なのか。本当に怒りに堪えません。
石原辞めさせ都政取り戻せ
この石原知事を許してきた与党も本当に問題です。私が都議会に乗り込み、今の腐りきった都議会の現状を必ず、皆さんと一緒に改革し、都政を、都議会を都民の手に取りもどす闘いを必ずやり抜く決意です。
ぜひ、皆さんの力を都政を革新する会にお寄せ下さい。杉並から東京を変えましょう。杉並から日本のあり方を変えましょう。
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週刊『前進』(2202号2面1)(2005/06/20)
都革新、山田区長を追及 杉並区議会
6月6日から杉並区議会第2回定例会が開始され、都政を革新する会は6日に結柴誠一区議が、8日に新城節子区議が一般質問に立った。強権的に「つくる会」教科書の採択を強行しようとする山田宏区長の策動を厳しく弾劾し、徹底的に追いつめた。結柴区議、新城区議は、山田区長の日本海海戦を祝う発言や沖縄戦での日本軍による住民虐殺を教科書から抹殺しようとする策動を弾劾した。ファシスト石原の先兵として「つくる会」教科書採択を狙う山田区長も納冨教育長も質問にまともに答えることができず、卑劣に逃げ回った。2人の質問にまともに答えることもできずに「つくる会」教科書採択を強行しようとする策動を絶対に許してはならない。
“絶対採択させない” 結柴区議 山田のウソを暴く
6日、結柴区議は一般質問でまず区長の政治姿勢を追及し、日本文化チャンネル桜など「つくる会」教科書推進団体が後援する日露戦争の勝利を記念する集会での山田の講演を弾劾した。山田は、「つくる会」教科書を引き写しにしながら、「日露戦争は、ロシアの脅威から日本の独立、朝鮮の独立を守るためのやむにやまれぬ戦いであった」「日韓併合は、日本の安全と満州の権益を防衛するためだった」と朝鮮植民地化を居直った。この朝鮮植民地化策動について結柴区議は激しく弾劾した。そして日露戦争で一握りの財閥の利益のために12万人の戦死者を始め日本人民が犠牲になったことを問いただした。
教科書採択の問題では、石原知事、横山教育長を支えに「つくる会」教科書採択のために教育委員会を牛耳る山田区政を追及した。5月17日の文教委員会での追及で明らかになった採択制度の変更を文教委員会に報告しなかった問題について、議会無視の責任を追及し、議会承認のない規則の撤回を要求した。また、9月4日の総合防災訓練が、山田区長の指示により、全学校を対象に、生徒・保護者・教職員に参加を強制して行われようとしていることに対し、武力攻撃事態法、国民保護法による戦争動員訓練であることを暴いて問いただした。
結柴区議の質問に対して山田区長は日露戦争が「アジア解放に役立った」との答弁を繰り返した。傍聴席から怒りのヤジがまき起こり、議場の結柴、新城両区議も「朝鮮・中国を植民地化して何がアジア解放だ」と激しく弾劾した。
教科書問題では納冨教育長は答弁から逃げ、代わりに答弁した教育委員会事務局次長が採択制度変更は「適正に処理された」と述べ、教育委員会が「つくる会」系団体を後援したことの不公正については何も答えず、居直りの答弁に終始した。
結柴区議は再質問でさらに激しく山田区長を追いつめた。日帝が朝鮮を植民地化した事実を突きつけて、「アジア解放のため」などというウソをうち砕いた。フランスで開発された火薬を「日本の文明力」などと主張するウソも事実をあげてうち砕いた。
「つくる会」教科書がインドのネール首相の言葉の前半だけを引用し、日帝の戦争が強盗戦争だったことを述べたその後半部を消し去っていることを弾劾した。結柴区議は、「私たちの子どもたちに再び侵略の銃をとらせるためではないのか。絶対に許さない」と机をたたきながら激しい怒りをたたきつけた。
山田区長は「日本は朝鮮の独立を願った」と事実を百八十度ねじ曲げたウソを繰り返した。また教科書問題で区側が議会に「報告した」と答えたのに対し、新城区議から「ウソを言うな」と激しい糾弾の声が飛んだ。
結柴区議の質問によって山田区長、納冨教育長が労働者人民の声を完全に無視して「つくる会」教科書を採択しようとしていることがいよいよ明白になった。
“日本軍が住民虐殺” 新城区議 沖縄戦の真実問う
8日、都政を革新する会の新城節子区議が一般質問を行った。新城区議は、「つくる会」がその教科書で「軍隊慰安婦や南京大虐殺は抹殺した。次は沖縄戦だ」とし、藤岡信勝らが現地調査に行き研究集会を開いたことを追及し、山田区長の沖縄戦に対する認識を問いただした。
さらに山田区長の教育行政を批判し、「現場教職員の意向をまったく無視し、トップダウン方式で強権的に進められている」と「区長命令による教育行政」を弾劾した。現実には教育基本法第10条に違反して山田区長の強権的指揮で「つくる会」教科書採択が進められていることを弾劾した。
「つくる会」教科書採択の策動のカギをなす納冨教育長の歴史認識を追及し、「つくる会」教科書が「日本の緒戦の勝利は東南アジアやインドの人々に独立の希望と勇気をはぐくんだ」としていることについて見解をただした。沖縄戦については、日本軍の強制による集団死やスパイ容疑デッチあげによる住民虐殺の具体的な数をあげ、「軍隊は自国の住民を守らず」住民を虐殺したことを突きつけ、教育長の歴史認識をただした。
「つくる会」教科書の憲法に関する記述で、大日本帝国憲法を「民主的」としていることに対し、明治憲法は天皇主権であり、民主主義とは相入れないこと、42年6月から43年夏まででも134人の牧師や教師が逮捕され、75人もの人が獄死した事実をあげ、そのペテンを暴いた。そして公民教科書で日本国憲法が「押しつけられた」としていることについては、労働運動や民主化を求める革命的動向に対し、天皇制を守るために支配階級の判断として現憲法を採用したことを明らかにした。また「つくる会」教科書が「国防の義務」を説いていることは「子どもたちを戦争に誘導するものだ」と弾劾した。
新城区議はさらに、教育委員会が「チャンネル桜」を後援したことについて教科書採択の公平・公正に反することを弾劾し、取り消しを要求した。
この新城区議の質問に追いつめられ、山田区長は答弁に立つことができなかった。納冨教育長も答弁に立つことすらできず、破産をさらけ出した。
新城区議は再質問で、教育委員会のチャンネル桜後援問題で、チャンネル桜が他の教科書を攻撃するために配布しているビラをかざしながら、教育委員会がチャンネル桜を後援し「つくる会」の先兵となっていることを暴いた。しかも納冨教育長は、前日の7日には「つくる会」系議員である松浦に「審議を非公開にすべきである。外の圧力に負けないでほしい」などと質問させ、それには答えているのだ。「つくる会」教科書採択を何がなんでも強行しようとしている山田や納冨は、結柴、新城両議員の質問に追いつめられ、逃げまくって破産をさらした。
この現実を区民に知らせ、教育委員会を包囲する大衆的怒りで「つくる会」教科書採択を絶対阻止しよう。都議選で長谷川氏の当選を絶対にかちとろう。
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週刊『前進』(2202号2面2)(2005/06/20)
延命狙う石原打倒を
「横山副知事」の開き直り人事
戦争教育貫徹の策動許せない
長谷川氏「挑戦状」の本番
東京都議会は6月7日、浜渦武生副知事の更迭問題に伴い、石原知事が提出した副知事など6人の特別職の新人事案を承認した。副知事4人のうち浜渦ほか1人と、出納長の計3人を解任。空席となる副知事ポストのうちの一つには、なんと横山洋吉教育長を昇格させ、筆頭副知事とする。横山の後任の教育長には中村正彦危機管理監をもってくるという、とんでもない反革命人事である。
しかも浜渦については、6月23日付で発動される人事を特別に1カ月遅らせ、7月22日まで現職にすえおくことになっている。
新たに副知事に任命された横山は、筆頭副知事として浜渦に代わって、浜渦が掌握していた業務のほとんどをいったんすべて引き継ぐという。さらに浜渦が最終的に辞職して新体制が正式に発足したあとは、総務・都市整備・建設・港湾の4局を自己の管轄分野とするほか、教育・選挙管理・人事の3委員会との連絡をも担当するという。
これは、浜渦問題として暴露された、石原と浜渦・横山による腐り切ったファシスト的な独裁政治を何ひとつ変えるものではない。逆に、横山に浜渦の分も含めた新たな巨大な権限を与えることで、崩壊しかかったファシスト独裁の必死の延命と一層の再編強化に突っ走るものだ。浜渦と一体となって都政を暴力的に支配してきた張本人である石原と横山が、自らの責任を平然と居直り、全権力を再掌握して労働者階級に猛然と襲いかかろうとしているのだ。断じて許すことはできない。
石原と横山が全攻撃の元凶
石原は、その腹心中の腹心であった浜渦が打倒されたことに大打撃を受けてぐらぐらになりながら、あくまで開き直り、「東京から日本を変える」というそのファシスト戦略を何がなんでも推し進めるために、あがきにあがいている。日本を戦争国家・戦争社会に塗り替えるために、小泉=奥田の「構造改革」攻撃をその最先端で実行に移そうとしている。その中でも、最大の体重をかけて臨んでいるのが教育改革攻撃だ。
石原は、石原―浜渦副知事―横山教育長体制のもとで、「心の東京革命」を叫んできた。それは、「教育の危機」=「日本の国家的危機」を叫び、憲法と教育基本法の改悪に先んじて、戦後教育の全面破壊と教職員組合の解体に乗り出し、戦争教育への大転換を力ずくで推し進めようとするものだった。
そのために、「悪しき平等主義」の打破と称して資本のむきだしの競争原理を学校に導入し、差別・選別化を徹底的に推進した。都立の中高一貫校の創設、定時制の統廃合、都立大学の強引な解体と首都大学東京の創設などはその一環である。他方では、「日の丸・君が代」強制の03年10・23通達に典型的に示されるように、学校行事を戦前同様の天皇と国家への忠誠儀式に無理やりつくりかえようとする、きわめて暴力的な攻撃をしかけてきた。
そして、これらの攻撃と連動して01年以来、「つくる会」の歴史と公民教科書の全国に先駆けての採択を狙ってきた。01年には杉並を先頭とした反対運動の爆発によって一般の中学校での採択が阻止される中で、都教委が採択権を持つ都立養護学校での採択を強行した。04年には、都が設立した初の中高一貫校で「つくる会」教科書を採択した。そしてこの05年、杉並区の山田区長を最先兵に、杉並を始め全都の50%で「つくる会」教科書採択を強行しようと策動してきたのだ。
その先頭に立ってきたのが都教委を牛耳る横山であり、石原・浜渦・横山の三位一体の体制であった。石原のもとで人事と財政の全権を握っていた浜渦が、横山・都教委の暴走を全面的に支えてきたのである。その一角が崩れる中で、石原と横山は、そのファシスト的本質をむきだしにして、ますます危機感と焦りに満ちた攻撃に突き進もうとしている。横山を浜渦に代わる筆頭副知事とし、横山の後任の教育長には危機管理監から中村を昇格させ、教育と治安を結合して、労働者人民の戦争教科書反対の声をしゃにむに圧殺して進むことを目指している。
石原と横山はすでに、05年度の施策として、「心の東京革命教育推進プラン」の完全実施を打ち出している。07年度から都立高校の授業に都独自の教科として「日本の伝統・文化」を加え、また「奉仕活動」を必修にしようとしている。さらに、「東京教師養成塾」の04年度開設に続いて、教員研修のための「東京教師道場」の06年度開設を打ち出した。これらは、教育労働者の組合的団結を破壊しその階級性を圧殺する攻撃と一体であり、「つくる会」教科書の反革命イデオロギーでゴリゴリに武装した教師集団の育成を狙うものである。
だが、浜渦の失脚と石原都政の崩壊の開始は、石原と横山、そして彼らの存在を最大のよりどころとしてきた「つくる会」そのものを絶望的な危機に追いつめている。これらファシスト勢力の焦りと凶暴化こそ、彼らを決定的に打倒するチャンスなのだ。その最も凶悪でかつ最弱の環が、杉並の山田区長―納冨教育長体制だ。
6・22杉並区教育委員会に「絶対反対」の声を届けて、「つくる会」教科書採択を絶対阻止しよう。
腐った都議会 今こそ変革を
同時に、今や6月24日に告示される東京都議選が、石原・横山との最大最高の激突の場となった。都議会の腐り切った現状こそ、石原・浜渦・横山の暴政を一貫して支え、その開き直りと延命を許してきた元凶だ。浜渦との薄汚い利権争いを展開し、結局は石原との密室の取引に応じた自民党と公明党、石原との癒着をさらけ出した民主党は、石原と同罪だ。さらに日本共産党や「市民派」も、石原の居直りに当初はヤジ一つ飛ばさず沈黙を守り、都民の怒りの爆発にあわてて口先だけの「反対」をアリバイ的に表明したにすぎない。そこに石原と本気で対決し、打倒する意思などまったくない。
都議会をめぐるこの一切の腐敗し切った茶番劇と、石原・横山による新たな反革命攻撃への突進に、労働者階級の根底的な怒りを今こそたたきつける時だ。「石原知事に挑戦状!」を真っ向から掲げて闘う長谷川英憲氏を、すべての先進的杉並区民と全都の闘う労働者の総力で必ずや都議会に送り出そう。長谷川氏の当選こそ、杉並での「つくる会」教科書採択攻撃にとどめを刺し、石原・横山体制打倒の巨大な突破口を開くのだ。あらゆる力をふりしぼって闘おう。
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週刊『前進』(2202号2面3)(2005/06/20)
「君が代」起立居直る福士議員
“式次第に従う”のは当然か
「つくる会」教科書の採択をめぐる激突は、全政党・全政治勢力にその態度を鋭く迫るものとなっている。だが石原・横山への完全な翼賛議会に転落している都議会には、この教科書攻撃と闘う議員は一人もいない。日本共産党や「市民派」も、「つくる会」教科書採択反対を言わず、闘争課題から外している。今次都議選に杉並から立候補を予定している12人のうち、「つくる会」教科書採択絶対阻止を真っ向から訴えて闘っているのは、都政を革新する会の長谷川英憲氏ただ一人だ。
言行不一致への批判に居直り
こうした中で、すべての闘う労働者と杉並区民が許すことのできない、驚くようなことが発生した。杉並選出の都議会議員で「100%市民派」を名乗る福士敬子(よしこ)議員が、自分のホームページで、今春3月の小中学校卒業式に来賓として出席した際、「君が代」の起立・斉唱の指示に何の抗議もせず従ったことを認め、それへの批判に居直ったのである。
福士議員はそこで、「私は、冠婚葬祭に出席した場合は、神式、仏式、キリスト教いずれも、その式次第に従ってきた。それが無節操と言われれば仕方がない。同様に式典に出席するからには、式次第に従う」と、自分が起立したことを認めて、何も問題はないように言っている。だがこんな弁明が認められるだろうか。
卒・入学式での「日の丸・君が代」強制の「式次第」は、世の中の冠婚葬祭の式次第などとはその性格が根本的に異なる。都教委の03年10・23通達は、卒・入学式を戦前同様の軍国主義強制の場につくりかえ、そのことによって子どもたちの成長を祝う式典を踏みにじるものだった。だからこそ多くの教育労働者がその職をかけ、人生をかけて、必死の思いでこの「式次第」への抗議と、全力を挙げた粉砕の闘いに立ち上がったのだ。
そもそも福士議員は、2月6日に日本教育会館で行われた集会で、処分を受けた教育労働者に「エールを送ります」というメッセージを寄せていた。したがって、卒業式の当日には、闘う教育労働者とともに「日の丸・君が代」強制に抗議して闘うはずだと誰もが思っていた。しかも、教育労働者が重い処分を受けるのとは違い、議員は起立しなくても何の処分も受けはしない。むしろそうした立場だからこそ、闘う教育労働者を激励するためにも、率先して不起立で闘うことが求められていたはずだ。
闘う教育労働者への「連帯」を言葉の上では語るのに、実際にはまったく逆の行動をとる。この言行不一致に厳しい批判が浴びせられるのは当然ではないか。もし彼女が本当に処分された教育労働者に連帯すると言うのなら、批判を謙虚に受け止めて反省すべきなのである。ところが福士議員は、自己の誤りを認めず開き直ったばかりか、「日の丸・君が代」攻撃と闘う意思など最初から持っていないことをあからさまに告白したのである。
処分攻撃に加担 「日の丸」も賛成
福士敬子議員のこの居直りは、あらゆる意味で絶対に許すことができない。
第一に、「式典に出席するからには、式次第に従う」と言うが、これは、式次第には従うのが当然で、従わないのはおかしいと主張するものではないか。すなわち、10・23通達には従うべきで、従わない不起立者への処分は当然だと言っているにも等しいのだ。
いったい福士議員は、不起立で闘った教育労働者がどんな思いで「式次第」に従うことを拒否したか、一度でも真剣に考えてみたことがあるのだろうか。その一人ひとりが、ここで屈服すれば自らの階級的・人間的良心を捨てて再び教え子を戦場に送る側に立つことになると考え、ぎりぎりまで悩んで行動に決起した。そのことが分かっていたらこんなことを言えるはずがない。福士議員が当然のように起立し、それをこのように居直ることは、不起立した教育労働者に対する都教委の処分に実質的に加担するものだ。これを裏切りと言わずに何と言うのか。
第二に、福士議員は「アイツが立った、座った」の議論はナンセンスと言う。しかし、ここで問題にされているのは議員の行動である。しかも彼女は都議会の文教委員だ。議員が立ったか座ったかは、その影響力を考える時、小さな問題では断じてない。
さらに彼女は「それよりも、侵略戦争を行ってきた日本の歴史を正直に子どもたちに伝え、二度と同じあやまちを犯さない人々を育てるべきだと思う」と言う。だが5・7教基法改悪反対集会で大内裕和さんが発言したように、今春の不起立闘争は「教育現場からの貴重な戦争協力拒否の運動」であった。この闘いに背を向けたところでこんな理屈は成り立たない。そもそも、それならなぜ「つくる会」教科書に反対しないのか! 「つくる会」教科書に反対署名もしないで、よくもこんなことが言えるものだ。
第三に、「君が代」には反対だが「日の丸」は変える必要がないと「日の丸」賛成を公言したことも重大だ。「日の丸」が帝国主義戦争に人びとを駆り立てる旗であることを百も承知しながら、“この旗を変えると戦争の歴史が忘れられる”などという支離滅裂な理由で擁護する。小泉による靖国参拝の合理化とまったく同じ論理ではないか。
“裏切りの自由”を認めよと主張
第四に、福士議員は「日の丸・君が代で、右翼系のみならず、左翼系の人々も他人を監視し、誹謗(ひぼう)中傷を始めた」と言い、「今後も思想の押し付けには反対していきたい。人権と自由を守るために」などと言っている。この言い方も実に許しがたい。
ここで彼女が言っているのは、起立したことへの批判は「思想の押し付け」だということだ。闘う教育労働者を支持するかのようなポーズをとりながら、いざとなると裏切る自由を認めろと言っているのだ。そしてその裏切りを弾劾するのは“個人の思想・信条の自由に対する侵害”だと主張しているのだ。
だが、福士議員は現職の都議である。ただの個人ではない。自己に投票した多くの労働者や住民の声と思いを代表して行動することが求められている存在だ。その言動が労働者人民から注目され、検証されるのは当たり前ではないのか。にもかかわらず彼女は、それを「監視」だと言い、言ったことと実際にやることが違うと指摘されたら「誹謗中傷」だなどと反発する。他者からの批判とまともに向きあおうとしないのだ。福士敬子という人は議員としてのみならず、人間としてもあまりに不誠実であると言わなくてはならない。
石原と闘わない「市民派」の正体
福士議員は「100%市民派」を名乗り、「一人でもNO!」を掲げ、オール与党の都議会の中で、浜渦の副知事就任時に「ただ一人反対した」ことを自慢してきた。だが実際には、文教委員会に所属しながら「日の丸・君が代」を議会で問題にすることもせず、「つくる会」教科書とも闘わない。石原のファシスト都政を、「私は反石原ではない」「石原さんには面白いところもある」と擁護さえしてきた。
教育労働者を苦しめる石原のどこが「面白い」のか。石原が10・23通達で貫いているファシスト的な労働者圧殺の政策は、石原の全施策に貫かれている。それを「面白い」と言う福士議員の立場と感性は、労働者階級の怒りや闘いとはあまりにもかけ離れている。
すべての杉並区民のみなさん、都高教を始めとする都の教育労働者、都労連の労働者のみなさんに心から訴えたい。「日の丸・君が代」強制や「つくる会」教科書攻撃と本気で闘わない議員がどうして戦争や改憲攻撃と闘えるのか。ファシスト石原と闘わない議員、闘えない議員に、私たちの未来を託せるのか。そんな議員にはもはや退場してもらって、本物の労働者階級の代表を都議会に送り込むべき時が来ているのだ。
都政を革新する会の長谷川英憲氏こそ、全労働者の最先頭で、何ものも恐れず闘う決意と力をもった唯一の人だ。今こそ長谷川氏を都議会に送り出そう。
(卒業式で起立・斉唱命令に従ったことへの、福士敬子議員のホームページ上での弁明。6月2日付)
▼「私も……国歌は変えるべきだと思った。しかし、日の丸を変えると、すべてを忘れやすい日本では、日の丸の旗を使って人々を戦争にかりたてた歴史も忘れられるのではと心配した」
▼「私は、冠婚葬祭に出席した場合は、神式、仏式、キリスト教いずれも、その式次第に従ってきた。それが無節操と言われれば仕方がない。同様に式典に出席するからには、式次第に従う」
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週刊『前進』(2202号2面4)(2005/06/20)
杉並区役所前で座り込み
杉並区議会の第2回定例会(6月議会)開会日の6月6日、杉並区役所前には「つくる会」教科書の採択に反対する区民が集まり、座り込みと署名・宣伝活動を行った。(写真)
署名の呼びかけが始まると、あちこちでチラシを受け取って話し込む人の輪ができた。乳児を抱いた若い夫婦、小中学生の子どもを持つ母親、部活仲間と一緒の中学生、戦争を体験した世代、あらゆる世代の人が「つくる会」教科書に危機感を持っている。昼食休憩の労働者が行きにチラシを受け取り、帰り際に「読んだ。署名するよ」と応じていく。知人から署名を集めて届けた教育労働者もいた。
区役所前座り込み行動は、議会閉会日の6月17日まで連日、昼休みに行われる。次回教育委員会は6月22日。
「『つくる会』教科書を採択するな!」の大きな声で杉並区教委を包囲しよう。反対署名を集めよう。連日、区役所前に駆けつけよう。
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週刊『前進』(2202号3面1)(2005/06/20)
“介護の長谷川”を都議会へ
“介護保健改悪阻止を”
高齢者と共に闘いの先頭に
介護保険法の改悪法案がすでに5月10日に衆議院を通過し、参議院に送られている。改悪に向かって重大な状況である。介護が必要な大半の高齢者から介護を奪うこの改悪を許したら、文字どおり高齢者の命が奪われる。この介護保険法改悪を許さないためにも「介護の長谷川」として高齢者の介護のために闘ってきた長谷川英憲氏を都議会に送り出すことが重要になっている。長谷川氏の実績は他の追随を許さない。都議会議員選挙で長谷川氏を当選させ、介護保険法改悪を阻止しよう。
他の追随許さない実績
都政を革新する会の長谷川英憲代表は、「必要な人に必要な介護を」「介護は全額公費負担で」を掲げ、介護保険制度に真っ向から反対して闘ってきた。介護と福祉を要求する杉並住民の会の高齢者とともに、杉並区交渉や厚生労働省との交渉を重ね、高齢者の介護の権利を守るために闘ってきた。
この杉並住民の会の運動は、高齢者自身が主体となった住民の運動として画期的な意義を持っており、それをともに担ってきた長谷川氏は「介護の長谷川」として多くの杉並区民に知られている。
さらに杉並区の高齢者の運動は、大阪の高槻や東大阪、八尾、泉佐野の各市、広島、神奈川など全国各地の運動と結びつき、「介護保険に異議あり、全国ネットワーク」として発展している。そしてこの“命のネットワーク”が高齢者の生きる希望をつくり出してきた。
長谷川氏はこの全国ネットワークの事務局長としても活躍している。こうした全国の高齢者の運動は、高齢者から介護を奪う厚労省の政策に待ったをかける大きな力となってきた。介護保険法改悪案に対してもそれを阻む力となっている。
介護保険制度は、国が福祉政策に対する責任を投げ捨て、金のない高齢者から介護を奪う政策にほかならない。介護保険制度は、高齢者の介護にかかる費用を介護保険料という形で高齢者を始めとした労働者人民の負担に転嫁した。
これによって収入の少ない多くの高齢者が生活できない状態に追いやられた。しかも、介護が必要になっても多額の利用料の自己負担があるために、介護が受けられない、あるいは受ける介護を制限せざるを得ないという状態が強制された。その結果、全国各地で孤独死や心中などの悲惨な事件が激増する事態になったのである。
介護保険制度導入に対して長谷川氏が指摘してきた事態がその通りになった。ところがこの介護保険制度導入に対して真っ向から反対した候補は長谷川氏ただ一人であった。日本共産党を含む他の全候補は、「介護の社会化」だとか、「家族の負担軽減」「サービスを自由に選択」などのデマ宣伝によって介護保険を推進してきた。そして介護保険の現実が明らかになり、厚労省がさらに改悪を強行しようとしているにもかかわらず、これに沈黙して容認しているのである。
今回の都議選で長谷川英憲氏が勝利することが、介護保険法改悪を阻止する決定的な力となる。介護保険廃止への大きな道を切り開く。そして長谷川氏の都議選勝利は、日帝・厚労省の先兵として福祉破壊を推し進める石原ファシズム都政を打倒していく力となるのである。
では今回の介護保険法改悪でどのようなことが決められようとしているのか。
今回の制度改悪のポイントは、@予防給付を新設して従来の「要支援」「要介護1」の7〜8割の人から生活援助介護のヘルパー派遣を奪う、A施設入所者の居住費、食費を自己負担化する、B数年かけて現在のヘルパー1級、2級資格を廃止し、介護福祉士に一本化する。ケアマネージャーの資格を5年ごとの更新制にし、研修を義務化する、C保険料の年金からの天引きを遺族年金・障害年金に拡大する、などである。
厚労省は、「介護保険に異議あり、全国ネットワーク」の厚労省交渉で要支援、要介護1の高齢者も「ヘルパー派遣を受けられるようにする」と発言したが、実際にはそのための十分な措置は何もとられていない。あくまでも「経過措置」として一定期間は何らかのヘルパー派遣を受けられるようにするというものに過ぎない。結局、その経過措置が切れれば、掃除や炊事、洗濯、買い物などのヘルパー派遣は受けられなくなる。介護が必要になった高齢者が生きていく上で、こうした掃除や炊事、洗濯といった家事援助の介護はなくてはならない基本的なものなのだ。これを奪うことは「死ね」というに等しいことなのだ。
厚労省は、「介護予防」という名目で「筋力トレーニング」を導入し、それによって要介護度が改善するかのように宣伝してきた。だがモデル事業の結果を見れば、要介護度が改善した人は44・1%にすぎず、16・3%が悪化している。
さらに新予防給付による施設の入所制限と居住費・食費の全額自己負担化はきわめて深刻な問題である。
入所制限によって要介護2以上でないと施設には入れなくなる。6・6%の人が追い出されることになるのである。
また厚労省は、低所得者には「負担限度額」を設定し、「基準額」から「負担限度額」を引いた額を介護保険から給付するとしているが、老人保健施設や介護療養型施設で6割強を占める住民税本人非課税以外には負担軽減はない。また、老年者控除や年金控除などの廃止、縮小によって住民税非課税から課税になれば、負担軽減措置は適用されなくなる。
必要な介護が奪われる
介護保険法改悪法案は、「改正の趣旨」として「持続可能な介護保険制度を構築するとともに、高齢者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができる社会の実現に資するため」と主張している。ここで言われている「尊厳」とは、「尊厳死」=「安楽死」の「尊厳」であることは明白である。人間は高齢になることによって自分の肉体的な能力では自立した日常生活を営むことが困難になってくる。だからこそ日常生活を支えるための介護が必要なのである。
ところが、ここで言っていることは「自立した日常生活ができない」のは「尊厳が損なわれた」状態だということである。そして、法案で「介護予防」が強調されるのはまさにそうした考えに基づいており、そういう人のために金を使う必要はないという考え方なのだ。「尊厳を保つ」という美名のもとに高齢者を死に追いやる政策を絶対に許してはならない。
長谷川氏の都議選勝利で介護保険制度大改悪を阻止しよう。
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週刊『前進』(2202号3面2)(2005/06/20)
「軍の強要なかった」と強弁し沖縄戦の歴史の転倒図る藤岡
「つくる会」一派の策動うち砕こう
6月4日、「新しい歴史教科書をつくる会」の副会長である藤岡信勝が主宰する「自由主義史観研究会」が、東京で「緊急集会・沖縄戦集団自決の真相を知ろう」なる集会を開いた。彼らはそこで「日本軍による『沖縄戦集団自決強要事件』の虚構を一切の教科書・教材から削除することを求める決議」を行った。
藤岡らは「教科書から従軍慰安婦の記述を一掃した、次は沖縄戦だ」と叫んで、「沖縄プロジェクト」を立ち上げ、5月には沖縄の渡嘉敷島などの「現地調査」を行い、その結果をもってこの集会を開いたのである。
日帝の15年戦争(中国・アジア侵略戦争と対米英帝戦争)を「自存自衛の戦争」と開き直り、美化してきた「つくる会」一派は、帝国主義戦争の悲惨さと残虐さの一方の極致である沖縄戦の評価の逆転を図るために踏み込んできたのである。これは「沖縄戦を二度と繰り返してはならない」と誓ってきた戦後の日本人民の思いを覆し、再び「戦争への国民動員」を図る攻撃である。怒りを込めて粉砕しなければならない。
藤岡らは、「沖縄戦での集団自決は軍の命令によるものではない」「命じたのは村の幹部であるのに、戦後援護法で遺族年金を受け取るために軍命ということにしたのだ」「そのために虚構がつくられ、日本軍と軍人の名誉が汚された」と主張する。
藤岡らは、当時の沖縄が行政も含めて完全に軍の支配下にあったこと、当時の人びとが「生きて虜囚の辱めを受けず(捕虜になるなら死ねということ)」という「戦陣訓」のもとに、皇民化教育(天皇のために命をささげる思想教育)が徹底していたことなどをすべて無視している。住民は、国と軍の方針によって「集団自決」以外に選択肢がないところに追い込まれていたのだ。沖縄における「集団自決」は、直接間接に軍によって強いられたもの以外の何ものでもなかった。
そもそも藤岡らは、守備隊長による軍命があったかどうかに問題を切り縮め、沖縄戦がどんな戦争であったかをけっして語らない。「集団自決」がどんなに非人間的で残酷なものか、また母親が小さいわが子を手に掛けて殺す、というむごたらしいことが、なぜ、どんな風に、どんな条件のもとで行われたかを見すえようとしない。
また、渡嘉敷島と座間味島の2カ所でだけ集団自決があったかのように語って、日本軍が読谷村のチビチリガマや本島南部の至る所で住民を「集団自決」に追い込んでいった事実を抹殺している。
住民を集団自決に追い込んだ軍
「つくる会」歴史教科書での沖縄戦の記述は、わずか3行である。
「4月、米軍は沖縄本島に上陸し、日本軍の死者9万4千人、一般住民の死者も約9万4千人を出す戦闘の末、2か月半のちに沖縄を占領した」
これは日本軍に軍要員として動員された沖縄の住民をも軍人として計算した数字であり、実際には軍よりもはるかに多い住民(当時の沖縄県民45万人の3分の1の113万人)が死んだことを隠すために、「日本軍」と「一般住民」の死者同数と書き換えているのだ。卑劣なやり口だ。
教科書ではこのような3行に圧縮しつつ、藤岡らが試みた「模擬授業」では、この「座間味、渡嘉敷では軍命はなかった」ことのみを異様にクローズアップさせることで沖縄戦全体の授業に換えている。
だが、沖縄戦とは何か。日本軍が太平洋諸島で敗退しフィリピンでも敗退し、米軍が日本本土に迫ってくる中で、日本帝国主義は「国体(天皇制)護持」のための捨て石とし、「本土防衛」の時間稼ぎとして、住民を道連れにして沖縄を戦場にする道を選んだ。すでに誰が見ても敗北は必至だったが、日本軍は島ぐるみ玉砕の方針で臨んだ。その意味で沖縄戦全体が、住民に「集団自決」を強制する戦争だったのである。
「集団自決」の強要だけでなく、軍による住民の住居、壕(ごう)からの追い出し、食料の強奪、スパイ呼ばわりしての虐殺など、「友軍」=日本軍の残酷さは、ことごとく日本軍がとった沖縄戦方針の貫徹として行われたものだ。
「命どぅ宝」の教訓の抹殺狙う
藤岡らは、沖縄戦の歴史の歪曲によって、沖縄の人民が悲惨な体験から学んだ「命(ぬち)どぅ宝」(戦争のため、天皇のために命を投げ出してはならない。命こそ宝だ)の思想を根底から打ち砕こうとしている。それは新たな帝国主義侵略戦争の時代の始まりの中で、「命どぅ宝」という教訓が、支配階級にとって決定的足かせになっていることを物語っている。
藤岡らが沖縄戦の問題に踏み込んできた動機は、第一に「日本軍の不名誉をそそぐ」こと、第二に「集団自決=玉砕=お国のために犠牲をささげることは素晴らしい」ことだと押し出すところにある。一方では、軍隊に対する人民の不信感があってはこれからの戦争ができない。なんとしても沖縄戦の日本軍は正しかったことにする。軍隊は住民を守らなかったどころか道連れにし、虐殺まで行ったことを否定し、「集団自決」は住民自身の自発的な行為だったと美化する。とんでもない攻撃である。
「つくる会」一派の策動を許すならば、教科書は際限なく歴史をゆがめ、帝国主義の戦争に命を投げ出すことを美徳とする価値観を植え付けるものになっていく。それは再び沖縄戦を繰り返すことにつながる。
杉並における「つくる会」教科書採択を絶対に阻止しなければならない。そのために長谷川英憲氏の当選をかちとらなければならない。勝利まで頑張ろう。
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週刊『前進』(2202号3面3)(2005/06/20)
日露戦争の真実をゆがめる山田杉並区長を糾弾する
投稿・中川慎一
5月22日に「セシオン杉並」で、杉並区教育委員会とチャンネル桜などが後援して「家族で学ぼう近現代史」と呼びかけた『「日本海大海戦」(69年・東宝)上映会』が行われました。この時に山田宏・杉並区長が実に20分間にわたる発言をしましたが、私はこのあまりにデタラメな内容こそが、杉並で「つくる会」教科書採択を強行しようとしていることの先取り攻撃だと、怒りを新たにしました。
●「朝鮮独立を支えようとした」と大ウソ
山田区長は冒頭から「東京裁判史観の押しつけ」「以前の歴史を現在の人間の価値観で判断することほど危険なことはない」と強調して、「明治維新以来……日本が朝鮮半島について何度も何度もいろんな意味で朝鮮の独立を支えようと」「下関条約で朝鮮の独立を清国に認めさせて」と、絶句するようなデタラメを言った上で、「(ロシアが「満州」と朝鮮半島を勢力下に置こうとするので)やむにやまれず1904年、明治37年に日露戦争とあいなったわけです」として、日本軍が日本海海戦でいかに素晴らしい戦いをしたかを礼賛しました。
いわく「海軍は白兵戦はないわけですから、近代兵器ですから……当時、日本の文明力、日本の知識水準というのがいかに高いかということを世界に示した」「下瀬火薬が日本で開発されていました。それが膨大な影響を与えました。それまでの砲弾は鉄板に穴が開くだけでしたが、下瀬火薬は甲板に塗ってある塗料に全部火がついていきました。この下瀬火薬によってそれ以後のイギリスが海軍の建造方法を変えていった」と、史実をねじ曲げた上で、史上初の帝国主義間戦争であり、朝鮮を植民地支配しようとする戦争であった日露戦争への賛美を繰り返しました。
●天皇制を救った東京裁判
さらに、発言の後半は闘う議員への攻撃に終始。「(議会には日本共産党よりも)左よりの議員が2人いるんですけれども、名前は言わないんですけれども」と新城議員・けしば議員への憎しみをあけすけに示し、「その人たちが、区長が大東亜戦争という言葉を使ったのは聖戦観を意味しているというものだから……1951年にマッカーサーがアメリカの議会で証言をして……日本の戦争というのは主に安全保障のために戦ったものだと……敵の大将が証言しているんです」などと発言しました。
山田区長は、あたかも東京裁判によって不当な戦争犯罪の押しつけがあったかのように言いますが、事実はまったく逆です。第2次世界大戦の枢軸国である、日本・イタリア・ドイツに限っても、イタリアでは、ムッソリーニは街頭でパルチザンと市民の手によって処刑、イタリア王室は国外追放されて現在もなおイタリアの地を踏めないでいます。ドイツではヒットラーは自殺。戦犯の追及は今もなお続いています。「東京裁判」は「人民裁判」を阻止して設置されたもので、これによって、天皇を始めとした戦争犯罪人と戦犯企業のほとんどが「免罪」されて戦後を生き延びることができたのです。
マッカーサー証言は、その時に米軍が苦境に陥り、日本を全土基地化すること抜きにはいかなかった朝鮮戦争を無視しては語れません。日本を再軍備化することに根強い不安のあったアメリカ世論を「説得」するためのものでもありました。「つくる会」歴史教科書でさえ、「占領政策の転換」と書いています。
●「日本海海戦―日本の文明力示した」のウソ
山田区長は発言の中で軍艦や兵器をいちいち上げて日本が独自に開発したかのように錯覚させる発言をしていますがすべてウソです。日本海海戦で「活躍」した軍艦は、日清戦争で奪い取った賠償金の中から約1億3926万円をあてて、例えば東郷平八郎の乗った旗艦「三笠」はイギリスのヴィッカース社から買ったものです。一番新しい装甲巡洋艦「春日」「日進」にいたってはアルゼンチンがイタリアで建造していたのを日本が金にあかせて買いあさったものです。
山田区長は「それまでの砲弾は鉄板に穴が開くだけだった」と言いますが、これは「つくる会」教科書でさえ、日露戦争の442年前の薩英戦争の時にすでに「イギリスの砲弾は内部に火薬が詰められていて……威力は1000倍」と書いてあるほどのデタラメです。
下瀬火薬とは、海軍技師下瀬雅充(まさちか)が開発したことに由来するものですが、その実体はピクリン酸です。これ自身は下瀬が着目する3年前の1885年にフランスで爆薬として採用されていました。それを下瀬が砲弾に詰める方法を考案したものです。
さらに、日本海海戦で使用された兵器に「伊集院信管」があります。(後の伊集院五郎元帥が開発)これも非常に鋭敏な信管で、ロシア軍艦のワイヤーやロープに触れただけで爆発、「戦果」(被害)を拡大しました。一方、これは扱いが危険な兵器だということでもあります。
実際に旗艦「三笠」はこの未熟な兵器で自爆しました。「日比谷焼き討ち事件」数日後の9月11日、佐世保軍港に帰ったところで、艦内弾薬庫の下瀬火薬が誘爆し爆沈・着底して、即死者だけでも339人。死傷者は699人。日本海海戦の日本軍死者総数110人をはるかに上回る大変な大惨事でした。
こうして見てくる時に浮かび上がるのは、1902年、日露戦争準備のための八甲田山の雪中行軍で、199人の兵士を人体実験のように扱って殺した事件です。区長はこういう史実は隠しているのです。
「下瀬火薬が……それ以後のイギリス海軍の建造方法を変え」は言語道断。日露戦争後のイギリス軍艦が世界に「軍艦の革命」を起こしたのは事実です。今でも「超ド級の投手」などと普通名詞になって使われているように、1906年に完成した戦艦ドレッドノートの出現は、ほかの軍艦をすべて旧式にしましたが、これは「日本の知的水準」とまったく無関係です。
●山田区長が隠している日露戦争
日本海海戦ももちろん日露戦争の事実の一つですが、ここでも山田区長の発言はウソと虚飾に満ちたものです。では「区長が語らなかった日露戦争」を考えてみましょう。
@日露戦争は帝国主義の侵略戦争そのもの。
日露戦争は、どれほどごまかして言っても世界史上初の帝国主義間戦争であり、朝鮮を植民地支配しようとする日本の侵略戦争です。「日本は明治維新以来、朝鮮の独立を支えようと……日露戦争をした」という区長の発言は空前のデマで、絶対に許せません。
A山田区長はなぜ「203高地」を語らないのか?
区長も「つくる会」教科書も犠牲者の数を語りません。日露戦争の死者12万人の多くは「203高地」を始めとした陸戦ででした。日本の歴史で初めて民衆が経験した戦争による死者の数です。「日比谷焼き討ち事件」は排外主義的に組織されたものでしたが、それでも、戒厳令にまでいく激しさの深部に多くの犠牲者を生み出したことに対する民衆の怒りがあります。「日露戦争の累々(るいるい)たる死体の山」という事実から区長は逃げているのです。
B山田区長はなぜ与謝野晶子を語らないのか?
日露戦争に対して日本の反戦気運は大きく高まり、「平民新聞」は交戦国のロシア社会民主党に「労働者階級は互いに敵ではなく、両国の軍国主義こそ共同の敵」と呼びかけました。ロシア社会民主党の機関紙「イスクラ」がこれにこたえ国際反戦闘争が生まれています。そして、当時を代表する文化人の与謝野晶子・内村鑑三・幸徳秋水などの闘いも巻き起こっていますが、区長はこれらに一切触れていません。戦後もますます強まる労働者民衆の闘いに追いつめられて、政府は1910年の大逆事件弾圧を凶行するのです。
C山田区長はなぜ戦艦ポチョムキンを語らないか?
山田区長は「日本海海戦の勝利が与えた世界的影響は大きすぎる」と言いますが、その最大の影響とも言える「戦艦ポチョムキンの反乱」と、05年のロシア革命のことは語りません。
●「つくる会」教科書の採択阻止、長谷川当選を
このように、山田区長の5・22発言は事実をねじ曲げてウソで塗り固めた絶対に認められないものです。発言の撤回と、「つくる会」教科書の採択阻止を求めて闘いを巻き起こそう。長谷川英憲さんの都議当選をかちとりましょう。
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週刊『前進』(2202号3面4)(2005/06/20)
教科書・都議選決戦へ圧倒的な大カンパを
全国の同志の皆さん。すべての『前進』読者の皆さん。
夏期一時金支給期にあたり、革共同より教科書=都議選決戦絶対勝利のための圧倒的なカンパを訴えます。
戦後60年の今年、「新しい歴史教科書をつくる会」教科書の採択をめぐる攻防と都議選の闘いが日帝の「戦争と民営化」、改憲攻撃と対決する最大の激突点となりました。現在東京において教科書=都議選の闘いが改憲決戦=戦後最大の階級決戦そのものとして激しく闘われています。
杉並区長=山田は、都知事ファシスト石原の先兵として反動区政を行い、石原−山田の背後では、小泉首相、奥田日本経団連会長が、「戦争と民営化」を推進しています。こうした石原=山田体制、小泉=奥田路線のもと、杉並で「つくる会」教科書の採択が策動されているのです。
「つくる会」会長の八木秀次は、構造改革=民営化と靖国問題は一体だと言い、「国家」のために「構造改革の痛み」=労働者のリストラ・首切り、労組解体を受け入れるべきだと主張する人物です。さらに八木は、サッチャー、レーガンのやった民営化の核心は「『精神革命』を起こすための手段」であり、「社会主義者やリベラル勢力の駆逐」に意義があったとも強調しています。したがって、この八木=「つくる会」作成の教科書採択は、小泉=奥田路線、石原=山田体制を推進することと一体であることは明白です。
「戦争と民営化」と対決し、改憲攻撃を粉砕する05年最大の攻防は、東京・杉並での「つくる会」教科書採択を阻止する闘いです。教育労働者運動を始めとする4大産別決戦、11月労働者集会の実現は一点教科書決戦の勝敗にかかりました。
同時に、石原ファシスト体制へ労働者人民の怒りが爆発し、そのファシスト独裁体制が音をたてて崩壊し始めました。ファシスト=石原は危機乗り切りのため、浜渦副知事を外して横山教育長を副知事にすえようとしています。こうした延命策動を許しているのは、都議会がオール与党化しているからにほかなりません。
今ほど、「つくる会」教科書採択を阻止し、ファシスト石原打倒を実現する革命的議員が必要な時はありません。
長谷川英憲氏は、「つくる会」教科書に反対し、オール与党化した都議会で石原と対決できる唯一の予定候補者です。
革共同は、都政を革新する会、東京・全国の労働者階級とともに全力で都議選を闘い、必ず勝利をかちとります。
都議選投票日は7月3日です。夏期一時金支給期と重なります。教科書=都議選必勝のために、10万円単位のカンパをぜひともお願いします。
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週刊『前進』(2202号4面1)(2005/06/20)
在本土沖縄青年運動の発展を
沖縄戦から60年 反戦の決意
辺野古と一体の闘い貫こう
革共同関西沖縄闘争委員会
「つくる会」藤岡らが沖縄戦の真実を隠蔽
今年は沖縄戦、8・6―9「広島・長崎」、8・15日帝敗戦60周年である。朝鮮・中国―アジア人民はこの時を日帝の再びの侵略戦争に対する激しい怒りと日帝打倒の闘いで迎えた。
階級対決の最も鋭い現在の焦点は、石原のもとでの杉並における「つくる会」教科書採択をめぐる攻防であり、都議選決戦である。「つくる会」の藤岡信勝らファシスト勢力は、日帝のアジア侵略戦争と対米戦争、そしてその最終敗北局面における沖縄戦を、民族と国家(天皇制)が生き残るための偉大な戦争であったと美化し、沖縄における日本軍による住民虐殺や集団自決の強制をなかったものにし、新たな侵略戦争を扇動している。絶対に許してはならない。都議選決戦で長谷川英憲氏の当選をかちとり、杉並での「つくる会」教科書採択を阻止しよう。
戦後沖縄人民は不屈に基地と闘ってきた
2005年は、沖縄「返還」から33年、そして沖縄戦から60年である。沖縄戦、天皇メッセージによる米帝への沖縄売り渡し、米軍による直接の軍事支配―アジア侵略出撃基地化、「銃剣とブルドーザー」による土地取り上げに対する伊江島を先頭とした土地闘争、あらゆる権利剥奪(はくだつ)に対する公務員労働者を軸とした粘り強い権利獲得の闘いなど、米軍政との命をかけた闘いとして沖縄の戦後は出発した。
沖縄人民にとっての60年とは、米軍と日帝に対する直接的で連続的な対峙と血のにじむような闘いの過程であった。戦後民主主義的権利や戦後憲法からさえも切断された中で、人間的な生存のための権利を血を流して奪い返してきた歴史である。
日帝の沖縄差別・分断支配は、戦後、米帝の軍事支配への売り渡しとして貫徹された。それは本土と沖縄の階級闘争の分断でもあった。沖縄人民は、孤立させられた中にあっても日本労働者階級人民との連帯・結合を求めて本土復帰闘争を闘った。
しかし、戦後革命期の闘いをスターリン主義の裏切りによって貫徹できなかった日本階級闘争は、日帝が沖縄を売り渡し「独立」(戦後復興)を実現していく過程と60年安保闘争において、沖縄闘争を戦略的課題としてはっきり位置づけることができなかった。
70年安保・沖縄決戦において、沖縄闘争が日帝打倒の水路として日本労働者階級人民の闘いの中に位置づけられた。本土―沖縄の階級的闘いの結合・合流は、沖縄の本土復帰闘争の革命論的な意義を正面からとらえ、武装した労働者・学生の決起を実現した革命的左翼の「沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」の闘いをとおして切り開かれた。
72年5月15日の「返還」後、5・15体制下の沖縄は、実質的な米軍支配の継続=米帝のアジア侵略の軍事的かなめとして、また同時に日帝の差別・分断・抑圧政策とアジア侵略の拠点としての役割を強制されてきた。自衛隊派兵、天皇訪沖、米軍基地の再編・強化の中で沖縄の労働者人民は営々たる闘いを貫いてきた。
沖縄戦を経験してきた沖縄労働者人民は、沖縄が朝鮮侵略戦争、ベトナム侵略戦争から今日のイラク侵略戦争まで、一貫して前線拠点とされていることへの痛苦な思いをもって、この60年間、幾度もの全島的全人民的決起で闘ってきた。
沖縄の闘いは、人民の生活と存在自体が丸ごと帝国主義の軍事と結合されているために、不断に実力闘争とならざるをえない。日帝と米帝の軍事的な物質力と対峙して、孤立・分断の中でも闘いが継続・発展してきているのは、日本の労働者階級に対する信頼と、帝国主義に対して最終的に勝利できるという揺るぎない確信があるからである。その根底にあるのは沖縄戦の教訓だ。
日本帝国主義は、沖縄を「琉球処分」によって武力で統合し、天皇制暴力で徹底した差別政策と皇民化教育を貫徹することをとおして形成された。また日本帝国主義は沖縄人民をアジア侵略の先兵として動員することをとおして帝国主義として展開した。その行き着いた先が沖縄差別の極致としての沖縄戦であった。
沖縄戦では、沖縄一般住民13万人以上、日本軍6万6千人、沖縄出身軍属約2万8千人、合計約22万人以上が死亡。それに朝鮮人軍夫と軍隊慰安婦の犠牲者多数。また米軍死者は約1万2千人。沖縄県民は当時の沖縄県内人口のほぼ3人に1人が死を強制された。
それは、日帝の敗戦が確実になる中で、天皇制を護持するためだけの「捨て石」作戦であり、住民を巻き添えに時間稼ぎすることを唯一の目的にした最悪の戦争であった。
沖縄県民は、「鉄の暴風」の中をさまよわされたあげく、「友軍」である日本軍にスパイとして殺されたり、「集団自決」を強要されるなどした。それは悲惨な20世紀の戦争史においても類例を見ない残酷な戦争であった。
忘れてならないのは、沖縄に強制連行されてきた1万人以上といわれる朝鮮人軍夫や朝鮮人軍隊慰安婦たちが犠牲にされたことだ。沖縄には朝鮮人軍隊慰安婦が強制連行されてきていた(51カ所確認)。こうした事実を沖縄戦の歴史として正しく学ばなければならない。二度とこのような戦争を繰り返してはならない。
米日枢軸下の米軍再編・基地強化粉砕を
いわゆるトランスフォーメーション=米軍大再編とは、米ソ対決時代の米帝軍事体制を大きく転換し、米帝が今日の高度化した軍事力を全面的に活用して世界戦争計画を展開するためのものである。米帝は、イラク侵略戦争をどこまでも拡大すると同時に、最終的には中国を転覆する戦争体制をとろうとしている。これが今の在日米軍再編の内容である。この中で沖縄米軍基地が決定的位置を占めることになる。
米帝のイラク侵略戦争に対するイラク人民の不屈の民族解放戦争は、このような米帝の世界戦争計画を破綻(はたん)的な状態にたたき込んでいる。米軍再編との闘いはこれから改憲阻止決戦と一体となって本格的激突段階に入る。今、辺野古=普天間闘争を始めとした沖縄の闘い、下地島空港や嘉手納基地をめぐる闘い、日本労働者階級人民の米軍大再編との闘いが、従来の安保・沖縄闘争の枠をも越えた階級決戦的な意味をもって発展しようとしている。
日帝は、この中で独島(「竹島」)、釣魚台(「尖閣列島」)をめぐる領土略奪、資源略奪の攻撃に入っている。ファシスト石原は「釣魚台に自衛隊を置き、中国を軍事的にたたけ」とわめいている。これに対して朝鮮・中国人民の反日帝・抗日決起を先頭にした激しい糾弾と根底的な怒りが爆発している。
沖縄の労働者人民は、中国から沖縄を守ると言わんばかりの日帝の領土問題での扇動に対して、中国人民・朝鮮人民の日帝糾弾の決起と連帯して、日帝の戦争挑発政策を粉砕し、国際主義的連帯をつくりだしていかなければならない。
労働者階級と共に沖縄闘争を切り開こう
辺野古の闘いは、普天間基地の「県内移設」=SACO最終合意を粉砕し、日帝の沖縄政策を破綻にたたき込み、沖縄基地の全面的撤去の展望を切り開く素晴らしい闘いとして発展してきた。
現地実力闘争の強靱(きょうじん)な展開が全国的な新たな沖縄闘争の展望を切り開いている。これをとおして本土で沖縄闘争を闘う陣形が形成されている。これまでにない形で、単なる「支援」にとどまらない主体的な決意あふれる闘争として闘われている。この中で日本労働者階級人民の新たな沖縄闘争への決起が確実に始まりつつある。決戦の現地にはせ参じるとともに本土・全国における沖縄闘争の発展を切り開こう。
在本土沖縄出身者はこの情勢の中で立ち上がりつつある。在本土沖縄出身者は、日帝の沖縄差別政策・分断支配の中から生きるために本土に渡り、親きょうだいの生活と闘いを支え続けてきた。戦前も戦後も、本土への出稼ぎとともに移民労働者の送金が沖縄人民の生活と闘いを支えてきた。
また、在本土沖縄出身者は、本土社会において労働者階級人民の一員として階級的課題の先頭に立ち、また立たざるを得ない存在として闘ってきた。戦前、労働運動の先頭に立った松本三益や井之口政雄らの闘い、戦後の沖縄闘争学生委員会や沖縄青年委員会、全国沖縄青年委員会の闘いがそうである。
在本土の沖縄出身者は、もうひとつの沖縄闘争の主体、沖縄の現実と結びつき本土で沖縄闘争を「貫く」主体である。労働者階級人民の中にあって絶えず沖縄闘争への決起を訴える主体、存在である。
沖縄闘争は、辺野古=普天間問題を焦点に最大の決戦に突入している。現地と一体の闘いを全力で巻き起こそう。「つくる会」教科書採択をめぐる攻防、石原との対決、何よりも都議選決戦を、4大産別決戦を始め労働運動、労働組合運動と結合して闘おう。
在本土沖縄人民は、日本労働者階級人民の最先頭で闘おう。革共同は、日帝の沖縄差別と抑圧に怒り、悩み、闘いへの水路を求めている在本土沖縄出身者に呼びかける。日帝を打倒し、世界革命を実現する党、沖縄闘争に勝利する路線と力を持った革共同に結集してともに闘おう。
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週刊『前進』(2202号4面2)(2005/06/20)
郵政民営化絶対阻止 職場から反撃を
闘う本部を今こそつくろう
JPU全国大会へ 全逓労働者の訴え 東北 大石田 登
JPU(日本郵政公社労組、旧全逓)の全国大会(6月22―23日、奈良)を前に、現場組合員が全国の仲間に訴えを発しました。(編集局)
“もういい加減にしろ!”
今、私たちは大きな不安を抱える中、毎日過酷にしかも低賃金で働かされています。連日報道される郵政民営化問題。私たちの将来はどうなるのだろうかという不安は、みんな共通のものとなっています。
この間の民営化論議で注目してほしいのは、賛成派にしろ反対派にしろ、民営化後の経営のあり方や郵便貯金・簡易保険の運用、ユニバーサルサービスについて論じるだけで、私たちが一番知りたいこと、つまり職員の雇用問題についてはまったく議論になっていないことです。これは何を意味するのでしょうか。
人員削減については賛成派も反対派も既定路線として認めているということです。そして、中央本部も表面は「民営化反対」と叫んでいますが、本心はまったく反対ではありません。この間の本部の対応を見れば一目瞭然(りょうぜん)です。何よりも「法案成立後は反対を取り下げて条件交渉に入る」という地本委員長の発言がすべてを語っているではありませんか。民営化はあくまで現場労働者の力で跳ね返すべきです。
さて、私たちの職場はどうなっているでしょうか。業務量にまったく追いついていない人員配置がもたらした長時間労働・ただ働きの嵐、殺人的な連続深夜勤務による健康不安、各種手当の削減による賃金低下……。「もういい加減にしてくれ!」 がみんなの合言葉になりつつあります。
「職場と雇用を守るために」という名目で本部がすべてを受け入れ、自ら推進してきた結果が、この労働地獄をもたらしたのではないでしょうか。
働くことにまったく生きがいを感じられなくなり、私たちはロボットや歯車のように、ただ働くだけの存在になり果てている。おかしいと思いませんか?
今こそ私たち現場労働者が立ち上がる時です。考えてみてください。JR尼崎事故のすべての根源は、安全より利益を優先し、過酷な労務管理を現場で行ったことにあります。今、同じことが全国の職場で吹き荒れているではないですか。
特に、郵政ではアクションプランやJPS(郵政版トヨタ方式)といった労働強化施策が強力に展開されています。労働者が真の主人公となる社会をつくらない限り、第二、第三の尼崎事故、そして郵政での重大事故は必ず発生します。現場の実力の闘い以外に、現状に風穴を開けることは不可能です。今こそ、みんなで立ち上がろう! 物ダメ・ストライキを断固として打ち抜こう!
団結し闘えば絶対に勝てる
国内外の情勢に目をむけて見ましょう。今ほど戦争という言葉が現実性をもっている時代は無いんじゃないでしょうか。イラク・北朝鮮の危機的情勢。長期化した自衛隊のイラク派兵、教基法・憲法改悪の動き。すべて、私たちを不安に陥れるものばかりです。
でも、けっして絶望的な状況ばかりではありません。昨年、今年と、東京の卒・入学式で「日の丸・君が代」強制に反対して、延べ300人以上の教育労働者が不起立を貫き、処分を受けても逆にそれを団結の糧として闘っています。また、動労千葉は、今春闘を運転保安闘争と位置付け、ストライキを打ち抜き、労働者市民のかつてない支持を受けました。そして、全金本山労働組合の解雇撤回・原職復帰の闘いが34年間の長期闘争の末、ついに全面勝利をかちとり、3月から職場に復帰しました。
よく「闘ったら負ける」と言って当局と闘おうとせずに、労使協調をめざす組合指導部がいますが、そんなことは全然ありません。闘えば勝てるのです。勝てると信じ、現場の労働者の力を信じることなしに勝利はあり得ないのです。全金本山労組の勝利はそのことをはっきりと示しました。
物ダメ・ストライキで闘う時
では、JPU(全逓)はどうでしょうか? 本部・地本ともども敗北主義に染まった労使協調路線の結果、当局の労働強化などの攻撃が強まり、本部・地本と現場との間に埋めがたい溝が生まれ、組合員同士の意識も分断されて、もはや労働組合と言えない惨状になっています。ただ組合費を取られているだけ。当局の攻撃とはほとんど闘わず、むしろ一緒になって組合員を抑えつける、これで労働組合と言えるでしょうか?
もう我慢の限界です。この悪夢のような現実を呼び込んだ今の本部のみなさんには、さっさと退陣してもらいましょう。闘える本部を現場のみんなの力でつくり上げましょう。現場組合員の血の通った労働運動を今こそ復権させましょう。
私たちは現場の先頭に立って闘うことを誓います。みなさん! 日ごろの怒りをエネルギーにして、みんなで組合を、職場をすべて変えていきましょう!
◇ ◇ ◇
●郵政民営化を阻止するために、物ダメ・ストライキで闘おう!
●人間らしく働ける労働条件をつくるために、物ダメ・ストライキで闘おう!
●開始された戦争と改憲への道を打ち破るために、物ダメ・ストライキで闘おう!
●現場労働者を売り渡す一方の中央本部を、今こそ打倒しよう!
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週刊『前進』(2202号4面3)(2005/06/20)
勝利に希望ふくらむ
横浜で本山闘争報告集会
5月21日、全金本山労組と本山支援神奈川連絡会議に結集する労組・団体の呼びかけで本山闘争勝利神奈川報告集会が横浜市内で80人が参加して開かれた。
会場前面には「道なき道を切り拓き踏み出しつつ激闘34年を乗り越えて、解雇撤回・職場奪還」の集会タイトルが鮮やかに描かれ、壁面に張られた34年間の写真が闘いの歴史を映し出していた。演壇には神奈川における本山闘争の力強い支援者、最良の理解者であった自治労横浜経済支部の矢木歳夫さんの遺影も一緒に参加していた。
冒頭、全金本山労組を代表してあいさつした長谷武志委員長は「現場で組合員と討議し、体を張った実力闘争で闘ってきた」と闘いを振り返り、勝利の報告をした。また、「勝利の教訓を生かし、闘う労働運動を地域へ、全国へ広げていきたい」と「受けた支援を運動で返す」決意を語った。
続いて青柳充書記長が「映画『ドレイ工場』の舞台になった全金日本ロール支部は13年で勝利したが、本山は34年目で勝利した」と経過報告。「いろんな困難も一人ひとりの労働者の感性を大事にしてのりこえてきた」と、団結こそ労働組合の命であることをエピソードを交えて報告した。
自治労横浜経済支部、JAMの仲間、ス労自主労組鶴見支部、国労闘争団、反戦・反差別と闘う神奈川青年労働者共闘、寿日雇労働者組合、全横浜屠場労組が連帯のあいさつを行った。
青年労働者共闘の労働者は「『道なき道を切り拓き』は新労組結成の趣意書にうたわれていたもので、本山闘争は文字どおり労働運動を原則的に実践してきた」とたたえた。
国労闘争団の仲間は「本山の闘いに勇気づけられて自分も闘ってこられた」「1047名闘争の勝利まで体を張って闘う」「尼崎事故は労働組合が職場闘争を原則的に取り組まねば労働者の命まで奪われることを示した」とストライキを背景にした安全点検運動の強化の重要性を訴えた。
JAMの仲間は「『職場に砦を、地域に共闘を、全金属労働者の団結を』『一人の首切りも許さない』と指導したのは当時の全国金属であり、原則的に実践したのは本山の労働者だった」と当時を振り返った。
最後に本山の労働者が近況を話した。34年間の歳月を感じさせないほどハツラツとして大らかだ。「仕事を覚えるのに一生懸命だが、周りの労働者もよく教えてくれる」「まずはきちんと仕事をすることから始めている」「職制からもいつもあいさつされる」「一人の首切りも許さない社会をつくりたい」「争議と出合えて自分が変わり良かった」「争議は家族・身内のオルグから始まった」などと語った。
明るく労働運動への希望が膨らんだ集会だった。
(投稿/神奈川・山田良樹)
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週刊『前進』(2202号4面4)(2005/06/20)
7・10関西新空港闘争へ
住民団体呼びかけ 軍事使用阻止の正念場
大阪湾岸住民4団体と関西反戦共同行動委員会の主催で7・10関西新空港反対闘争が闘われる。呼びかけ文が寄せられたので紹介します。(編集局)
ご案内
闘う仲間のみなさん、7・10関西新空港反対全国集会への参加を呼びかけます。
今年の7・10集会は、例年にもまして重要な闘いになりました。関西新空港が自衛隊によって、初めて公然と軍事使用されました。関空を戦争のための軍事空港にさせないために闘う大きな陣形が必要です。7月10日泉佐野現地に結集されますよう訴えます。
いま関西新空港闘争は、30数年の闘いの中で最も重要な闘いに入ります。小泉政権は、5月7日、14日、22日の3回にわたって自衛隊第6次イラク派兵部隊の出発に関西新空港を使いました。第3師団(伊丹市)で「隊旗授与式」を行った後、関西新空港にバスで移動し、幹部自衛官らが見送る中、迷彩服のまま部隊でチャーター機に乗り込み出発しました。それはまさに軍隊が出兵する儀式そのものです。また4月28日にはチャーター機で貨物を関空から運んでいます。中身を聞いても関空会社は「答えられない」の一点張りです。重火器、弾薬などが運ばれたことは明らかです。まさに有事法制の先取り適用であり、関空の「指定公共機関」の姿なのです。
泉州住民の会は、関空会社、泉佐野市、泉南市、田尻町に抗議に行きました。彼らの言うことは全部同じで「人道復興支援だから軍事使用にあたらない」「貨物は人道復興支援のためのものと理解している」と言うのです。「国が軍事使用を決断したから、その方針に従う」と言っているのです。絶対に許せません。
関空二期事業は、このような軍事使用を全面的に拡大していくためのものであることがますますはっきりしてきました。2期必要論は完全に破綻しています。便数は減り続け、空港はガラガラ、累積赤字は2116億円にもなり、国が90億円も利子補給しても64億円もの赤字です。その上に地盤沈下が止まらず、またもや止水壁工事に150億円もかけるというのです。
それにもかかわらず、小泉政権は今年度予算に530億円も計上しています。関空二期工事を阻止する闘いに起ち上がりましょう。国際連帯として闘いましょう。
つぎに神戸空港の来年2月開港を阻止するために闘いましょう。神戸を侵略拠点にさせないために闘いましょう。
反対同盟と連帯して三里塚闘争に起ち上がりましょう。三里塚闘争こそ、全国の反戦闘争の砦であり、侵略のための軍事空港を阻止する最前線の闘争です。
沖縄・名護市の新基地建設反対闘争を支援、連帯しましょう。地元・辺野古の住民を先頭に昨年4月からボーリング調査を1年以上も阻止して実力で闘っています。沖縄闘争こそ侵略をとめる最前線の闘いです。
世界の民衆と連帯してイラク戦争をとめよう。自衛隊をイラクから即時撤退させよう。
7月10日泉佐野現地に集まって下さい。
2005年6月
大阪湾岸住民4団体(泉州・淡路・明石・東灘)
関西反戦共同行動委員会
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関空二期阻止! 軍事空港化絶対反対!
自衛隊イラク即時撤退!
7・10関西新空港反対全国集会
日時/7月10日(日)午後1時半
場所/末広公園コニュニティーひろば(泉佐野市)
主催/大阪湾岸住民4団体
(泉州住民の会・淡路町反対同盟・明石住民の会・東灘区住民の会)
協賛/三里塚芝山連合空港反対同盟
集会後、りんくうタウンまでデモ行進します。
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週刊『前進』(2202号4面5)(2005/06/20)
5月31日〜6月7日
靖国神社が戦犯分祀を拒否
米軍再編「年内最終決着」へ
●多国籍軍、イラク駐留継続 国連安全保障理事会のロイ議長は、イラクでの多国籍軍駐留の継続に安保理が合意したと発表した。安保理は昨年6月の決議で、イラクの政治移行プロセスが終了するまでの多国籍軍駐留に合意し、同時に1年後に多国籍軍の任務を見直すとしていた。(31日)
●韓国漁船めぐり、海上でにらみ合い 対馬沖の日本の排他的経済水域(EEZ)に入った韓国の漁船に、海上保安庁の巡視船艇が強行接舷し、海上保安官2人が乗り移ったが、そのまま逃走、約10`離れた韓国のEEZ内で停船した。漁船引き渡しをめぐり、海保と韓国・海洋警察庁が現場海域でにらみ合いを続けた。2日、漁船側が立ち入り検査を拒否した漁業法違反罪を認める書面を提出。海保は撤収した。韓国漁船の船長らは、海上保安官に殴られたとして、海保を相手取り損害賠償請求訴訟を起こす意向。(31日)
●靖国参拝「慎重に」 河野衆院議長が海部、宮沢、村山、橋本、森の歴代首相5人と会談し、小泉首相の靖国神社参拝について「首相の靖国参拝には慎重にも慎重を重ねるべきだ」との認識で一致した。中曽根、羽田、細川の各元首相とも電話会談。7日に河野が小泉を訪ね、自粛を求めた。(1日)
●小泉、靖国参拝は私的と強調 小泉首相は衆院予算委員会で、靖国神社参拝について「首相の職務ではなく、私の信条から発する参拝に、他の国が干渉すべきでない。自分自身の判断で考える問題だ」と述べた。今年の参拝については、あらためて「いつ行くかは適切に判断する」と語った。(2日)
●都市型訓練施設、移設後も撤去せず 沖縄県金武町にある米軍キャンプ・ハンセンのレンジ4で一部工事を除いて実質的に完成した都市型訓練施設が、レンジ16の代替施設完成後も撤去されず、米海兵隊に引き渡されることを衆院外務委員会で外務省の河相北米局長が明らかにした。(3日)
●アジア安全保障会議 シンガポールで「アジア安全保障会議」が行われ、ラムズフェルド米国防長官は演説で、昨年末に起きたスマトラ沖大地震・津波災害の際の米海軍による救援活動を「米軍変革(トランスフォーメーション)」の成果と強調。大量破壊兵器など「共通の脅威」に向けた同様の変革を日本を含む域内の同盟・友好国軍に促す考えを示した。(4日)
●日米防衛首脳会談 大野防衛庁長官とラムズフェルドが会談し、在日米軍の変革・再編について7月にも中間報告をまとめ、年内に決着させる方向で一致した。(4日)
●A級戦犯の分祀拒否 宗教法人・靖国神社は、与党の一部から実現を求める声が出ているA級戦犯の分祀(ぶんし)について「あり得ない」と表明した。(4日)
●「集団自決」削除を決議 自由主義史観研究会(藤岡信勝代表)が主催する緊急集会「沖縄戦集団自決事件の真相を知ろう」が東京都内で開かれた。座間味、渡嘉敷両島の「集団自決」を例に、「軍命による集団自決はなかった」とする見解を強調し、教科書などに記述された沖縄戦の「集団自決強要」の記述を削除するよう国や教科書会社などに要求していくことを決議した。(4日)
●ミサイル部品開発へ 大野防衛庁長官は、日米共同技術研究を進めているミサイル防衛(MD)の海上配備型迎撃ミサイル(SM3)部品について、06年度から量産、配備を前提とした開発段階に移行する方針を表明した。(5日)
●陸自に国際活動教育隊 防衛庁は、国際協力活動に参加する人材を育成するとして「国連平和維持活動(PKO)センター」の設立を目指す方針を固めた。来年度にも、その前身組織として陸自に「国際活動教育隊」を発足させる。(6日)
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週刊『前進』(2202号5面1)(2005/06/20)
日本経団連4・19提言 首切りと非公務員化狙う
公務員制度改悪と行革推進
労組破壊攻撃打ち破れ
日本経団連(奥田碩会長)が4月19日、「さらなる行政改革の推進に向けて−国家公務員制度改革を中心に−」と題する提言(4・19提言)を発表した。4・19提言は、日本経団連・奥田の〈戦争と民営化(労組破壊)〉の一層の激化を示す恐るべき反動的文書だ。
日帝国家の生き残りが主題
日帝・小泉=奥田は、世界が再び世界戦争のすう勢に入る中で、第2次世界大戦の敗戦帝国主義からの脱却をかけ、〈戦争と民営化(労組破壊)〉の攻撃を激化させている。日本経団連が今年1月18日に発表した「わが国の基本問題を考える−これからの日本を展望して」と「これからの教育の方向性に関する提言」の二つの提言は、日帝ブルジョアジー本流が初めて公然と改憲と戦争国家化へと踏み切った堤防決壊的な大攻撃だ。今回の4・19提言は、この二つの提言での画歴史的な踏み込みをバネに「公務員制度改革」攻撃を新たに打ち出している。
今春以来、「日の丸・君が代」強制、独島と釣魚台の領土略奪策動、「つくる会」教科書、小泉の靖国神社参拝、国連安保理常任理事国入り策動、拉致問題での北朝鮮経済制裁論、これらに対する中国や朝鮮・韓国人民の闘いをめぐり、日本社会の中に恐るべき勢いで国家主義と愛国主義、排外主義が台頭している。労働者階級内部でも分岐と流動、激突が始まっている。
こういう情勢のもとで、4・19提言は、国家主義をむき出しにして、国家権力・機構内の労働者の首切りと民営化、労働組合の絶滅を従来以上に公然と打ち出している。まさに戦時下の階級闘争における一大攻撃だ。「護憲勢力」の中心である自治労、日教組などの公務員労働運動を破壊し、改憲勢力への転向を促す大攻撃でもある。
提言は「T 行政改革の必要性」と「U 国家公務員制度改革に関する基本的な考え方」「補論 地方公共団体における行政改革の推進」で構成されている。
「T 行政改革の必要性」は、「わが国が国家としての活力を今後とも維持し」「国家の競争力を高めていくための戦略・枠組みの確立が、不可欠」だとしている。そして「明治以来、長年にわたり欧米先進諸国に追いつき追い越すことを国是としてきた」ことが「明確な目標」だったとし、一貫して「国家」が主題となり、目標を国家の生き残りとしている。そして、そのために「国家公務員制度」を改革せよと主張している。
具体的には、@縦割り行政の弊害が目立ち、機能不全を引き起こし、A硬直的な公務員制度がネックとなって、行政のスリム化・効率化や大胆な再編がなされにくい――ために環境変化に応じたスピード感のある改革や政策が実現できないと指摘している。
そして日本経済が引き続き活力を維持していくためには、民間の経済活動に対する国の関与を大幅に減らし、@行政システムを支える国家公務員制度の抜本的な改革や、A内閣機能の強化などの課題への取り組みが急務であり、抜本的な改革を迅速かつ継続的に推進し、国家としての競争力を高めていく必要があると主張している。
つまり日本帝国主義が国家としての競争力の維持・向上を図るために、市場原理=弱肉強食の論理を全社会的に徹底し、公務員や国家のあり方すべてを、戦争と大恐慌の時代に対応したものに転換させる必要があると主張しているのだ。
そのために、「公務員制度改革」をとおして公務員労働運動を徹底的に破壊し、公務員労働者の階級意識を一掃して、帝国主義国家を支える公務員に転換させると言うのだ。それは、明治憲法下で天皇大権に基づいて任命され、国家に対し忠順に公務に服した「官吏」になれという攻撃だ。
すなわち、国家のあり方を、戦後的な「平和と民主主義」から帝国主義戦争を遂行できる体制に転換させようとしているのだ。これは教育基本法改悪と改憲攻撃と一体の攻撃であり、「つくる会」教科書が主張する「国家・民族の存亡のために戦争は必要」「国民は国家のために死ぬことができなければならない」という主張とまったく同じ精神に貫かれている。
さらに、提言は「内閣機能を一層強化するなどの見直しを早急に行うことが求められる」と主張している。重要なのは「内閣機能の強化」とは、戦争国家化を独裁的に推し進めるということだ。そして「内閣総理大臣のリーダーシップの最大限発揮に貢献」し、「国益の追求を念頭において、戦略的な政策の企画・立案に専心する」ことなどが国家公務員に求められる役割だと強調している。
身分保障を民間並みに解体
4・19提言は「U 国家公務員制度改革に関する基本的な考え方」で、これまでの政府の「公務員制度改革」の取り組みについて、能力等級制の導入と再就職管理の適正化を柱とする案だけでは不十分と批判し、「公務員に与えられている身分保障や、賃金の下方硬直性、職域年金などにみられる優遇などが……構造改革を阻害する要因となっている」として、@官民間のイコールフッティングの実現、A縦割り行政の弊害排除、B公務への競争原理の導入を提示している。
イコールフッティングとは、競争を行う際の諸条件を平等にするという意味である。つまり、日本経団連は、民間と同じように首切りや賃下げを行うことができる「公務員制度改革」が重要だと強調している。
そして結論的に@総合的な人事評価制度、A身分保障のあり方の見直し、B処遇面における官民のイコールフッティングの確保、C非公務員化の推進などを主張している。
さらに「公務員についても、身分・処遇を聖域視することなく、労働関連法規、労働基本権の見直し、労使関係のあり方などの課題について、その是非を含めて、抜本的かつ早急に検討する必要がある」と言って、公務員の首切り、戦後労働法制の解体、労働組合解体などを呼号している。
また「補論」として、地方行革の推進については、「給与の適正化」が特に重要な事項だとして、地方公務員の給与や諸手当、退職金、年金を含む生涯給与の官民比較を行い、適正化を図る必要があると主張している。
提言は「官僚主導では抜本的改革は困難」だとして日本経団連自身が前面に立って「公務員制度改革」を強力にプッシュし始めた。
骨太方針05で賃下げの方針
4月24日の経済財政諮問会議では、日本経団連の奥田会長ら民間議員が、小泉内閣の重要政策の基本方針として6月下旬に閣議決定する「骨太の方針2005」で公務員の人件費の見直しの明確な方針を打ち出すよう要求。国と地方公務員の数の今後5年間の「純減目標」や給与水準の見直しなどを盛り込んだ「総人件費改革の基本方針」を秋までにつくるよう要求し、了承された。
総務省は、今後5年間で99〜04年の4・6%を上回るペースで地方公務員を減らす目標を掲げている。
人事院も8月の勧告に国家公務員の基本給を一律5%引き下げて、東京などの都市部の職員に「地域手当」を支給する給与改革案を盛り込む予定だ。つまり公務員労働者の賃金に地域格差を設けようとしている。さらに「能力」や「実績」を重視する新たな昇級制度も導入しようとしている。これは「公務員制度改革」を賃金面で先行実施する攻撃だ。さらに地方公務員の賃金水準も国の人事院勧告に準拠して決まるとして、自治体労働者の賃下げも狙っている。
郵政民営化とセットの攻撃
4・19提言は端的に言って、4大産別、特に自治労、日教組、全逓=郵政に対する戦時下の階級決戦的大攻撃である。
この提言は、郵政民営化法案とセットで出されていると言って過言ではない。郵政民営化での非公務員化と大量首切り、活動家パージ、労組破壊・団結解体をにらんで出されている。郵政民営化は、「公務員制度改革」の一大突破口であり、戦時下における労働者支配の転換として打ち出されているのだ。
また、この4・19提言は、4月25日のJR尼崎事故の直前に出されている。この提言のような民営化推進がこの事故を引き起こしたことを徹底弾劾しなければならない。
4・19提言は、「職務遂行能力・実績評価に応じて信賞必罰の人事を行い……事務・事業の廃止縮減や民間委託の推進に合わせた配置転換、さらには、免職等をフレキシブルに行える体制を整える」としている。まさにJR西日本が目指したものである。「免職等をフレキシブルに行える」とは、自由に首切りができるということではないか。
JR尼崎事故の原因は、民営化であり、その責任者は、それを促進してきた日本経団連・奥田であり、小泉、石原らである。
総じて4・19提言の狙いは、日本帝国主義国家の生き残りをかけて戦後体制・戦後的階級関係とその価値観を一掃し、さらに労働者の団結と労働組合を絶滅することにある。「つくる会」教科書粉砕と都議選勝利へ全力で闘おう。4大産別決戦に勝利しよう。
日本経団連4・19提言(骨子)
T 行政改革の必要性
・競争力を高めていくために、行政の関与を大幅に縮減し、市場メカニズムが有効に機能する分野を拡大していく必要がある
・行政コストの徹底的な縮減を通じた歳出の大幅な合理化、スリムで効率的な行政の実現と、民間活力の発揮のための成長戦略とを一体的に講ずる必要がある
・こうした抜本的改革は官僚主導型システムの下では困難
U 国家公務員制度改革に関する基本的な考え方
・国家公務員には@首相のリーダーシップの最大限発揮に貢献する、A国益の追求を念頭において、戦略的な政策の企画・立案に専心する――などが求められる
・@人事評価制度、A身分保障の見直し、B処遇面における官民のイコールフッティングの確保、C非公務員化の推進――などが必要
補論 地方公共団体における行政改革の推進
・特に重要な事項は給与の適正化。給与、諸手当のみならず、退職金、年金などを含む生涯給与の観点から官民比較を行い、適正化を図る必要がある
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週刊『前進』(2202号5面2)(2005/06/20)
自治労の改憲勢力化阻止を
「平和基本法」は9条解体だ
5月26、27日の自治労中央委員会で「自治労『国の基本政策検討委員会(以下、検討委)』報告」(最終報告)が提起された。これは「平和基本法」制定によって憲法9条を解体せよという提案である。8月23〜26日の定期大会(鹿児島市)で、この検討委報告に基づいて改憲案が提出される。日帝がイラク侵略戦争から中国・北朝鮮侵略戦争―世界戦争へ突き進もうとしている今こそ、労働組合は改憲阻止、反戦闘争に総力決起しなければならない。大会で改憲案を葬り、自治労の改憲勢力化を絶対阻止しよう。
「個別的自衛権」で侵略戦争遂行
検討委報告は「平和基本法」制定論の形をとって改憲論を提起している。
第一は@「個別的自衛権」の承認とA自衛隊合憲論への転換である。
報告が繰り返す「前文と9条の堅持」は空言でしかない。@「個別的自衛権」の承認は「自衛」の名による侵略戦争の承認であり、A自衛隊合憲論は侵略戦争を遂行する手段、物質力としての戦力保持の承認である。「平和基本法」制定は9条の1項(戦争放棄、武力不行使)、2項(戦力不保持、交戦権否認)とも破壊する実質改憲なのだ。
そもそも帝国主義は「自衛」(個別的または集団的自衛権)の名で侵略戦争をやってきた。現在も帝国主義である日本が「自衛」の名で武力を行使すれば、それは侵略戦争なのである。憲法制定時、日帝自身がこれを認めていた。
現憲法公布(46年11月)前の46年6月の国会審議で吉田茂首相は、日本共産党の野坂参三議員の質問に答えた。「国家正当防衛権の名による戦争は正当であるとはいえない。近年の戦争の多くは国家正当防衛権の名で行われたることは顕著なる事実である」。これは「自衛戦争」とは実際には侵略戦争だったという意味だ。ここでは、憲法9条は侵略戦争も自衛戦争も、一切の戦争を放棄していると解釈されている。
一方、当時の吉田政権は「(憲法9条の)1項は自衛権を認めているが、2項により自衛権の発動を有効、適切に遂行する手段がない。それゆえ武力侵略に対し自衛権行使もできない」という見解を発表していた。
「自衛権を有していてもそれを行使できない」とは、自衛権の実際上の否定である。権利は行使できなくては権利たりえない。この意味で憲法9条は全体として自衛権をも否定しているのである。
戦後革命情勢と戦後国際関係が日帝政府のこうした見解を強制していた。今日、日帝は改憲攻撃でこの階級関係を覆し、全面的に侵略戦争―世界戦争を行える憲法体制=国家体制をつくろうとしている。
自衛権の承認を「個別的自衛権」に限り、「集団的自衛権」を否認しようとも、「個別的自衛権」の行使として日帝が単独で「自衛」のために武力行使をすれば、それは侵略戦争である。例えば釣魚台や独島を「日本の領土である」と主張し、「自国領土の防衛」と称して自衛隊を派兵すれば、それは「自衛」の名による侵略戦争である。
「最小限防御力」は最大限になる
検討委報告のA自衛隊合憲化と「最小限防御力」の定義は、9条2項の戦力不保持・交戦権否認の破壊である。2項破壊で1項と9条全体が破壊された。
「自治労はこれまで自衛隊は違憲状態にあると認識してきており」「(自衛隊は)憲法上の厳しい制約下におかれ」と報告は述べている。これは自衛隊違憲論の放棄、自衛隊合憲論への転換だ。
報告はまた、憲法の制約下にあり、国際法の「個別的自衛権」を前提にした自衛隊を平和基本法で「最小限防御力」と定義し保持すると言っている。そして「縮小、分割・再編」を提起する。自衛隊をなくすわけではないのだ。また「最小限」とはどの程度か明らかではない。事実上無制限であり、最大限である。
日帝は「個別的自衛権」のもとで「必要最小限度の基盤的防衛力」を整備し、世界第2〜3位の強大な軍事力を保有するに至っている。「必要最小限度の基盤的防衛力」と「最小限防御力」とどこが違うのか。
さらに報告は「自衛隊の縮小と分割・再編への道筋を明らかにする」「国民の合意のもとに……段階的縮小を進める」と言う。「縮小」は情勢と世論次第だ。いつどの程度かも分からない。自衛隊は無限に強化・拡大できるのだ。
国連は帝国主義の支配の道具だ
第二は「国際貢献」論による侵略戦争の全面的容認・推進である。
帝国主義のもとでの「国際貢献」とは海外派兵=侵略戦争のことだ。たとえ憲法や国連憲章、国連決議に基づいていようが、帝国主義の侵略戦争なのである。
そもそも国連とは何か。もとは第2次世界大戦=帝国主義世界戦争の一方の帝国主義グループである連合国のことだ。この連合国にもう一方の帝国主義グループ=敗戦国=旧敵国や旧植民地・従属国を加えた世界体制を保障するための世界的集団安全保障体制=軍事機構である。米帝を基軸とし、ソ連、中国などスターリン主義が補完する戦後世界体制を維持・保障するための国際的軍事機構=強制力である。
つまり国連とは帝国主義の世界支配の道具なのである。ソ連スターリン主義の崩壊でその本質が一層明白になった。国連は国際紛争を解決したり国際平和を保障する機関ではない。
例えば、国連は48年に総会でパレスチナ分割決議を強行し、イスラエル建国を認め、数十万人の難民を生み出し、今日に至るパレスチナ問題を引き起こした。50年には、総会決議に基づき「国連軍」を名乗った米軍が北朝鮮・中国軍と戦争し、数百万人を殺した。91年には、国連安保理の武力行使決議に基づき米帝主導の多国籍軍がイラク侵略戦争(湾岸戦争)を行い、イラク軍民十数万人を虐殺した。国連は帝国主義の侵略戦争を合法化する機関なのだ。
帝国主義は、都合が悪い時には国連と安保理を無視する。安保理決議に幾度も違反しているイスラエルは米帝に擁護されている。帝国主義は安保理の武力行使決議なしに幾度も侵略戦争を行ってきた。60〜70年代の米帝のベトナム侵略戦争、99年のNATOのユーゴスラビア空爆、米英帝の01年アフガニスタン侵略戦争と03年イラク侵略戦争など。国連は世界平和に役立たないのだ。
ところが検討委報告は、「憲法前文の積極的平和主義理念は国連憲章の理念および国連による集団安全保障体制の確立と表裏一体である」と最大限に国連を美化し、憲法より国連を上に置いている。帝国主義は国連を使って世界支配すべきだ、日本も国連を使って再分割戦に参戦せよ、と進言している。この文言こそ最大の解釈改憲である。
他方、検討委報告は「非軍事に限定した国際貢献活動を行う」と提起する。その国際貢献活動として「紛争解決や平和構築」「治安警察活動」「PKO参加5原則を満たした非軍事的分野での参加」を挙げ、そのために「非軍事の別組織を創設」せよと言う。かの小沢=横路合意と同じだ。
しかし、「紛争解決後」に展開されるPKO自体が軍事作戦である。ましてや「紛争の解決」「平和構築」は、紛争中のところに部隊を派兵し軍事力で事態を鎮圧する軍事行動である。「治安警察活動」は、アフガニスタンやイラクを見れば分かるように、PKO以上に危険であり、武装組織以外必要とされない。
報告の「非軍事」はまったくの虚言である。帝国主義世界体制のもとではPKOも紛争解決も平和構築もすべて軍事作戦であり、非軍事組織など無用なのだ。
勢力圏づくりのアジア集団安保
第三は「アジア安全保障体制構築」論による「新大東亜共栄圏」構想である。
日帝主導のアジア集団安保体制の構築をうたい、日本経団連の構想する「東アジア自由経済圏」を軍事的に保障することを提案している。日帝の夢想する「アジアの平和の構築」「東アジア自由経済圏」は「新大東亜共栄圏」、帝国主義的アジア集団安保体制=軍事同盟しか意味しない。
また報告は「米国一国依存の外交と安全保障政策の転換」を提起している。日帝は米帝に対抗してアジアの盟主としてアジアの地域安全保障構築を主導すべきだという提言だ。これが労働組合の発想とは驚きだ。
自治労検討委報告は“改憲を待たずに平和基本法制定で実質改憲を進めよ”という提案だ。日本経団連「国の基本問題検討委員会」の「わが国の基本問題を考える」が“改憲を待たずに安全保障法などで集団的自衛権を行使せよ”と提言したのと同じだ。また平和基本法による9条解体は、連合(笹森会長)の提起する9条1項維持・2項改変論への回答であり、10月連合大会で連合を改憲勢力化させるための提案だ。
6〜7月、杉並での「つくる会」教科書採択を阻止し、長谷川英憲氏の都議当選をかちとり、定期大会で改憲案を粉砕しよう。
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週刊『前進』(2202号5面3)(2005/06/20)
国労弾圧公判 “事故への回答は国労再生”
被告が冒頭に意見
6月1日、国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第41回公判が東京地裁刑事第10部(青柳勤裁判長)で開かれた。「被害者」と称する長野地本副委員長の平山芳夫証人への最後の弁護側反対尋問が行われた。
冒頭、富田益行被告がJR尼崎事故と本件の関係について意見を述べた。検事が「本件と関係ない。意見陳述させるべきではない」と異議を出したが、青柳裁判長が却下した。
富田被告は「国鉄分割・民営化は組合破壊を目的に行われた。国労は本来、不当労働行為と闘う団結体だ。しかし本部は5・27臨大を強行し、私たちを警察に売り、闘争団を統制処分にした。こんな執行部に事故責任の追及はできない。動労千葉は安全運転行動に立っている。闘う国労の再生が事故の犠牲者に報いることになる」と断言した。
平山証人らチャレンジ一派は、昇進差別事件の「和解」を口実に、事故糾弾の闘いがJR東日本に波及することをくい止めようとあがいている。JR西日本が事故責任を居直り運行再開に突き進む中で、資本の手先へと完全に転落した国労西日本の革同指導部ともども、もはや彼らを国労役員にとどめてはおけない。被告が証人をにらみ据えた。
萱野一樹弁護人が、5・27臨大当日に被告と証人が交わした問答について問いただした。検察側が証拠提出したビデオには、「こんな大会に防衛隊として行くのか」「全部、自民党から言われて開く大会やないか」と熱を込めて本部派組合員を説得する被告の声とともに、「闘争団に依拠して否決するなら否決すりゃいいじゃないか」と言い放つ平山証人自身の声が残されていたのだ。
02年5・27臨大は、闘争団員への統制処分の手続き開始が決定された大会だった。だから被告は、懸命になって抗議のビラまき・説得活動を展開した。ところが平山証人は、これに対して数の力で闘争団を切り捨てる意思をむき出しにしていたのだ。しかもこの問答は、どう見ても国労組合員同士の会話だ。だが証人は、かたくなに「当時、被告が組合員とは認識していなかった」と言い張った。
平山証人は検察側の主尋問に答え、「羽廣憲被告に押され、松崎博己被告に胸を突かれて押し戻された。それはビデオに映っている」と述べていた。一瀬敬一郎主任弁護人が、ビデオを再生して「松崎被告に突かれた場面」の特定を求めた。だが証人は、質問されるたびに違う場面を指定した。いらだった証人は、ストレートパンチで殴るような動作をしてみせた。
河村健夫弁護人が「捜査段階では『押す』、公判では『突く』と述べ、最後は『殴る』と、だんだんひどくなった」と弾劾した。
検事は証人を救おうと無意味な異議を頻繁に出したが、そのほとんどは却下され、再主尋問も放棄した。
平山証人への5回廷にわたる追及は、労組指導部としての見識も資格も欠くチャレンジの姿を暴露した。
次回公判は、5・27臨大に警備係として動員された長野地本中南信支部組合員の浅川初幸証人への尋問が行われる。公判闘争に結集し、国労再生・8被告の無罪獲得へ闘おう。
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週刊『前進』(2202号5面4)(2005/06/20)
5・23〜6・2
国家公務員最大7%賃下げへ
マレーシアとFTA合意/自殺7年連続3万人超
●奥田経団連会長が小泉支持発言 日本経団連の奥田会長は報道各社のインタビューで、残り1年となる任期中の課題として、小泉首相を継続して後押しする姿勢を示した。(5月23日)=要旨別掲
●8月人勧の全容が明らかに 人事院が8月に勧告する国家公務員の給与構造改革案の全容が明らかになった。人事院はすでに基本給を一律5%程度引き下げる方針を固めているが、30代後半以上の職員については下げ幅を最大で7%まで拡大する方針。さらに支給基準である号俸を現行の4倍に細分化し、賃金差を拡大させる。06年度の実施を目指す。(23日)
●個別紛争の相談件数16万件超 厚労省発表の「04年度の個別労働紛争解決制度の施行状況」によると、全国約300カ所の総合労働相談コーナーに寄せられた個別労働紛争の相談件数は前年度比13.7%増加し、16万件以上に。(23日)
●大手スーパーのパート率過去最高77%に 大手スーパー10社に勤めるパートは05年2月末で合計21万2000人、全従業員に占める比率は77%で、ともに過去最高に。イオンやヨークベニマルはパート比率が80%を超えた。(24日)
●日・マレーシアFTA締結で基本合意 小泉首相はマレーシアのアブドラ首相と都内で会談、自由貿易協定(FTA)を締結することで基本合意。今年12月に署名、06年中の発効を目指す。日本のFTA締結は4カ国目。(25日)
●「フリーター化」などで若年層の所得格差が拡大 内閣府経済社会総合研究所は「フリーターの増加と労働所得格差の拡大」の分析を発表。若年層で所得差拡大のテンポが速いと指摘。フリーター化など非正規雇用の増大の影響が大きいと分析。(25日)
●自治労が平和基本法制定を提起 自治労は27日まで中央委員会を開催。「国の基本政策検討委員会」の最終報告をまとめ、「平和基本法」(仮称)制定を提唱した。(26日)
●首相が国家公務員減を指示 麻生総務相は閣議で05年度からの5年間に国家公務員を10%以上削減するとした新行革大綱の目標の具体化に向け協力を各閣僚に要請。小泉首相も政府を挙げた取り組みを指示した。(27日)
●経済財政諮問会議、骨太の方針骨子案提出 経済財政諮問会議が開かれ、竹中経済財政担当相が「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」(骨太の方針2005)の骨子案を提出。6月下旬に決定の予定。(6月1日)
●自殺者数、昨年も3万人以上 警察庁発表の04年の自殺者数は3万2325人と7年連続で年間3万人台を記録。動機の半数近くを負債や生活苦などの「経済・生活問題」が占めている。(2日)
奥田経団連会長インタビュー発言(要旨)
▼任期があと1年だが、会長としての3年間の評価は
経済財政諮問会議やそれ以外の場で小泉構造改革を後押しできたし、相当な分野で提言もしてきた。政治の問題に手を付けてきたが、昨年は(政党への)寄付総額の下落傾向に歯止めをかけ、反転できたことも有意義だった。
▼構造改革には反対する勢力もある
今、改革をやらないと日本の将来は見渡せない可能性がある。小泉構造改革を一段と進めたい。社会保障制度は一体的に見直すことが大事だ。郵政民営化は官邸が苦戦しているが、国会審議が始まれば、落ちつくところに落ちつくと思う。
もう一つは外交だ。EPA(経済連携協定)を各国と結ぶため、経済関係の方から後押ししたい。
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週刊『前進』(2202号6面1)(2005/06/20)
「つくる会」教科書の採択後を想像すると 兵庫 恒川るい
「つくる会」教科書の問題性は、歴史認識にその核心があることは、よくわかっています。しかし、「つくる会」は、教科書さえ採択させればそれで満足でしょうか。絶対にそんなことはあり得ません。
「つくる会」教科書が万が一採択されたら、その教科書を使っているか、教科書どおりに教えているか、副読本など使って「つくる会」以外の歴史を教えていないか、などの監視を始めるでしょう。教師を縛り、「日の丸・君が代」強制の時のように処分をしろと、校長や教育委員会に迫るでしょう。「日の丸・君が代」拒否で処分され、「つくる会」教科書を使わないから処分され、教師は処分攻撃の嵐(あらし)の中で生徒・児童を教えなければなりません。そうなる前に、今闘いましょう!
教師だけの問題ではありません。すべての保護者の方々にも考えてもらいたい。処分を背景にしなければ教えられない「つくる会」教科書とは何なのか!
来年から「つくる会」教科書が使われるとしたら、その教科書で育った子どもが8年後、9年後には新任教師として、「つくる会」教科書を使って子どもたちを教えることになるかもしれません。
また、杉並で起こっているような、教育長・教育委員に「つくる会」系の人事を敷いて、密室で採択する制度に変更し、何がなんでも「つくる会」教科書の採択をする、この攻撃の中に、本当に恐ろしいものを感じます。民主的な方法を抹殺して、闇(やみ)の中で決まっていく世の中、社会。こんなものを子どもたちの世代が受け継いでも平気ですか?
教科書が採択されてしまえば、「つくる会」は勢いを得ます。次にどこを攻めてくるでしょう! 想像してみてください! そして、今闘いましょう!
思想が処罰される時新たな戦争が始まる 東京 弥富修一
この間パンフや単行本も出版され、「共謀罪」という言葉が世の中に知られ始めています。
共謀罪は労働者民衆の「思想を処罰する治安法」と言われています。「思想を処罰」とはイヤな言葉ですが、頭に浮かんでくるのは治安維持法のことです。
治安維持法は、日帝のアジア侵略戦争推進に大きな役割を果たしました。この悪法は、特定の思想(国体の変革と私有財産制の否定)をもった結社を組織すること、組織への加入を処罰すること(第1条)を軸に、その思想を実現するための実行を協議すること(第2条)、実行を扇動すること(第3条)、犯罪を扇動すること(第4条)、金品を授受すること(第5条)を禁止しました。
さらに日帝は、1928年の3・15弾圧で「逮捕者は共産党員よりもシンパ(支持者)の方が多かった」事態を教訓化し、「目的遂行罪」を第1条に追加しました。この改悪で労働運動、各種のボランティア活動、趣味のサークル、職場の慰安旅行、宗教活動までもがその「思想内容」を問われ弾圧されたのです。
共謀罪はこの治安維持法を上回る悪法です。集団の目的が何であろうと、すべての団体活動(2人以上が集まる場)を対象とし、合意(共謀)段階で弾圧します。労働者民衆の怒りの炎に油を注ぐものでしかありません。今国会、全力で廃案に追い込みましょう。
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週刊『前進』(2202号6面2)(2005/06/20)
学生部長会見に200人
法大 “新施設には部室が必要”
6月1日、法政大学で、新施設についての学生部長会見が行われました。学生部に入りきらない200人を超える学生が集まりました。これは、ここ数年で最大結集です。
5月9日に、法大当局・理事会が、「新施設では会議室の長期利用を認めない。時間ごとのコマ貸しを想定している。荷物を認めない」などと、部室に相当するものを一切造らないという見解を打ち出しました。これに対する学生の怒りが爆発して、学生部長会見を要求し、200人を超える大結集となったのです。
会見では、学生が「5・9理事会見解は認められない。年度更新での会議室の長期利用がなければサークル活動ができない」という意見表明が次々と行われました。
「荷物を置いて長期利用できなければサークル活動はできない」「デスクトップのパソコンを置ける状態でなければサークル活動ができない」「部室が使えなくて、サークル員のコミュニケーションができていない。部員どうしの信頼関係をつくっていくためには、会議室の長期利用が必要」「部室がなくて、個人練習ができず、演奏の質が落ちている」「新入生が10人入ったが、部室がないために、5〜6人の顔しかわからない新入生もいる。サークル員の親睦(しんぼく)のためにも会議室の長期利用は必要」という意見が次々出されました。
学生たちが「会議室の長期利用は絶対に必要。毎年更新する形で良いではないか」と追及したことに対して、学生部長は「まったくそのとおり。毎年、登録手続きする形を考えている。それで大学の他の部局を説得する。私は学生のための外交役。サークル活動をわかっていない人を説得するために、具体例を挙げてほしい。会議室の長期利用に反対している人たちを説得する」と言わざるを得ませんでした。
学生部長が「年度更新による会議室の長期利用」という学生の要求を認め、大学の他の部局を説得するという立場に立たざるを得なかったのは、200人を超える学生の結集の成果です。新施設に部室をかちとるための歴史的な一歩を踏み出したのです。私たち法大生は、学生の団結した力で、新施設に部室をかちとるために闘います。
戦時下階級闘争の中で、警察権力による5・31弾圧など、学生運動に対する弾圧が激化しています(下に関連記事)。しかし、学生の団結した力は、警察による弾圧を跳ね飛ばし、新施設に部室をかちとるためにますます強化されていきます。
法大生は新施設に部室をかちとる闘いをとおして、全国学生運動の歴史的爆発に向かって闘います! ともに闘おう!
警視庁による違法な治安弾圧を許さないためにも長谷川英憲氏を都議会に送り出そう!
(投稿・S)
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週刊『前進』(2202号6面3)(2005/06/20)
日帝による略奪策動を許すな
独島(竹島)は朝鮮の領土
朝鮮人民との国際連帯を
米日帝の北朝鮮・中国侵略戦争攻撃の切迫の中で、日本帝国主義・小泉と資本家階級が朝鮮領土・独島(「竹島」)の略奪の攻撃を新たに強めている。日・朝労働者の連帯した闘いで、戦争と排外主義の道である領土略奪の攻撃を粉砕しよう。日本の敗戦60周年、朝鮮人民にとっては解放60周年の今年は、朝鮮植民地化の突破口となった独島略奪の100周年でもある。日本の資本家階級は、アジアを再び排他的な勢力圏として確保しようと動き始めたのである。中国領・釣魚台(「尖閣諸島」)をめぐっては、ファシスト都知事・石原が「尖閣諸島に自衛隊を派兵せよ」と叫んで、対中国の戦争をあおっている。領土問題は、帝国主義が「国家を愛する国民」をつくるための扇動手段となっているのだ。
米日枢軸の侵略戦争が切迫
島根県議会は今年3月16日、2月22日を「竹島の日」とする条例を可決した。翌日、韓国・民主労総は日本の独島略奪に対し、「南北海外の全民族の憤激と糾弾」を表明した。そして、非正規法案国会通過阻止のゼネストを敢行し、日米帝国主義の侵略戦争、領土略奪への全階級的・全民族的な主体的力量を蓄積し、発揮して闘っている。
朝鮮の労働者人民にとって独島は、日帝の侵略の歴史、虐殺の歴史そのものを問う問題なのである。
朝鮮に対して日本帝国主義・資本家階級は、歴史的にも、東アジア勢力圏構築のための「踏み台」=「前進基地」として、搾取、収奪、抑圧をほしいままにしてきた。36年間の朝鮮植民地支配で、創氏改名を強制し、日本語を強制し、神社参拝を強制した。1919年の3・1独立運動を始め、朝鮮人民の独立の意志と闘いを軍事的にたたきつぶしてきた。今日では、日韓投資協定と日韓自由貿易協定を締結するために、日帝は韓国政府に対して労働運動圧殺を要求している。
98年以降のIMF(国際通貨基金)管理下では、米日欧の金融資本の収奪と支配によって失業者が激増し、5年間で労働者の半数以上の800万人が非正規職にされた。
さらに米日帝国主義は、核兵器の先制使用や南北朝鮮人民100万人の殺戮(さつりく)を含む北朝鮮侵略戦争の計画に踏み込んでいる。これに対して民主労総は、国際労働運動の最前衛として、民族分断と北朝鮮侵略戦争を狙う米日帝国主義の打倒と南朝鮮の階級闘争を結びつけて闘っているのである。
日本でも、資本家階級は、労働者の闘いの砦(とりで)である労働組合を破壊し、資本だけが生き残ろうとしている。資本家と資本家政府による侵略戦争、世界戦争への動員攻撃に反対できない労働者、労働組合は、自らの生活も生存も団結も守れない。階級性、人間性をかけて帝国主義の侵略と戦争、略奪の攻撃と闘い、朝鮮・中国の労働者との連帯を築いていかなければならない。
日本の資本家階級は、90年代をとおしてアジアをめぐる争闘戦で敗北してきた。軍事大国化と戦争国家化、米英日枢軸による侵略戦争に突進する以外に生き延びる道はない。独島略奪は、そのための排外主義的動員攻撃のテコとなっている。「つくる会」教科書は、「北方4島」(クリール諸島の南部)や釣魚台とともに、「竹島」領有権問題を大々的にあおり、朝鮮人民・中国人民・アジア人民への差別感と蔑視(べっし)を振りまいている。
日本の労働者は、日本帝国主義・小泉=奥田路線のもとでの侵略戦争への動員を拒否し、自国帝国主義による他国の領土略奪と闘うことが求められている。朝鮮・中国の労働者人民と連帯・共同し、侵略と戦争によってしか生き延びられない日本帝国主義を打倒しなければならない。
(写真と図 独島は韓国で最も東にある総面積0.18平方キロの火山島で、東島(海抜98メートル)、西島(同168メートル)およびその周辺の36の岩島から構成されている。
日露戦争で強制的領土占有
日本の1905年の独島略奪は、朝鮮の植民地支配の突破口となる強制的な領土占有だった。1904年2月に始まった日露戦争は、日帝が大陸への侵略拠点の確保を目的とした最初の帝国主義戦争である。それは朝鮮の支配をめぐる帝国主義間の激突であった。開戦を契機に、日本はソウルを始め朝鮮全土に軍隊を駐屯させた。そして軍事的圧力のもとに、大韓帝国を脅迫し、第1次日韓議定書を結び、土地を軍用地として使用することを認めさせた。
対馬海峡周辺が海上の主戦場となることを見た日本政府は、ロシア極東艦隊との海戦に備えるため、鬱陵島と独島に見張り台の建設を計画し、翌年の1月28日、「漁民の請願」という欺瞞(ぎまん)的な形式を採用して、独島の編入を閣議決定した。しかし、国としては告示せず、2月22日、こっそりと島根県に告示させる。日朝両国人民はもちろん、韓国の支配層にすら告知しなかった。日帝・軍隊の占領下にあった朝鮮人民は、抗議の声すらあげることができなかった。島根県が独島略奪の事実を韓国当局に間接に知らせたのは、1906年3月である。すでに保護国化されていた韓国は、外務省を廃止され、国際的に抗議する手段さえなかった。
日本の決定より5年早い1900年、韓国は大韓帝国勅令41号で鬱陵島を領土と宣言し、郡守を置き、石島(独島)も管轄させている。しかも国際的な意思表示としての意味を持つ官報で、固有領土であることを全世界に公布した。
1877年、明治政府は独島を「版図外ト定ム」(日本の領土ではないと定める)という太政官令を出した。国家事業としての地図の作成のための決定である。近代的「領土」概念が確立した時代に、日本政府が朝鮮領と認めていた証拠であり、1905年の略奪の不当性を暴露する。
江戸時代の官撰図には、伊能忠敬の日本全図(1821年)を含め、独島の記載はない。鎖国政策をとった幕府が日朝漁民の紛争における朝鮮漁民の抗議を受け入れ、1696年に、日本領ではない独島への渡海を禁止したからである。
第2次世界大戦の戦後処理では、ポツダム宣言などで、日本は「暴力及び貪欲により略取した一切の地域」の放棄を受け入れた。朝鮮全土とともに、独島を放棄することは当然とされた。現に1946年に出された二つのGHQ指令は、日本国に含まない諸島の中に独島を明記し、日本漁船が操業できる海域からも独島周辺を外した。
しかしサンフランシスコ講和条約の締結交渉で、日本政府は吉田首相がじきじきに対米ロビー外交を展開し、韓国政府を戦勝国リストから除外させた。そのため韓国政府は、講和条約の草案作成から排除された。
第1次から第5次までの草案に韓国領土と明記されていた独島が、第6次草案では日本領とされる。その後、第7次草案以降では、米政府は日本領土への編入を画策するが、他の連合国が同意せず、どちらの領土かはあいまいにされた。独島の軍事的な価値を熟知する日本政府が「駐韓米軍の空爆演習地に」と誘惑して、米政府が態度を変えたと言われる。
朝鮮戦争と日韓会談の過程でも、日本政府は、独島を一挙に自国領土化しようと画策した。漁民をそそのかして排外主義をあおり、「竹島固有領土論」を猛烈にデマ扇動した。海上保安庁の巡視船が韓国漁民を尋問し、銃撃戦を展開した。
日本側の漁業利権の危機が声高に叫ばれるが、むしろ装備のよい日本の漁船が韓国の領域に入り込んで操業し、韓国の漁民が苦境に立たされる状態が戦後一貫して続いてきた。日本政府は1998年、韓国がIMF管理体制に入った苦境を利用して、日韓漁業協定の破棄を通告した。翌年、本来なら独島と隠岐島の間に引くべき排他的経済専管水域(EEZ)の境界線を、韓国が大幅に譲歩し、独島周辺を中間水域として両国の漁船が操業できるようにした新「日韓漁業協定」が締結された。
21世紀になってから、日本政府は、独島や釣魚台、「北方4島」などの領有権をめぐり、攻勢的な領土「回復」戦略を行使している。「つくる会」の公民教科書は、グラビアに「北方4島」と独島、釣魚台の写真を載せ、「わが国固有の領土」とし、領土略奪のための侵略戦争をけしかけている。
石原の排外主義扇動と対決
日本の資本家階級は、絶望的危機を戦争で「解決する」道に踏み込んだ。
朝鮮・中国人民の闘いは、日帝・日本資本・小泉に対する根源的な怒りの爆発であり、日本の労働者への熱烈な連帯を呼びかけである。日帝・小泉に対する共通の打撃力としての連帯にとどまらず、単一の階級である世界の労働者に対する差別・分断を許さないために闘おう。朝鮮人民への領土略奪と植民地化による抑圧と収奪、日本の労働者に対する侵略戦争への動員を阻止しよう。
石原の差別・排外主義扇動を打ち破り、日・朝・中労働者の国際主義的連帯をかちとろう。石原は、「尖閣」や「沖の鳥島」を使って対中国侵略戦争をあおっている。排外主義、領土略奪要求は、帝国主義の侵略戦争の問題そのものである。領土略奪を強行する時は戦争が始まる時だ。
石原のファシスト的突出は、戦争と民営化(労組破壊)を進める日本帝国主義・小泉=奥田路線の先兵としての行動である。
中国人民の抗日決起を「暴力」と非難する日本共産党は、「竹島は日本領」「尖閣諸島は日本領」「全千島列島が日本領」と言っている。島根県議会での「竹島の日」条例制定の際、ただ一人の共産党県議は、討論も要求せず退場して、採択に協力した。これが日本共産党スターリン主義の民族排外主義的本質である。
また反革命カクマルは、中国人民の抗日闘争を「官許・官製の『反日』運動」「対日排外主義」と罵倒(ばとう)する。中国・朝鮮人民に対する反革命的蔑視である。
朝鮮・中国の労働者と連帯し、杉並での「つくる会」教科書採択を阻止しよう。独島・釣魚台略奪阻止を現下の階級攻防の焦点、教科書闘争として闘おう。排外主義をあおる石原を打倒し、長谷川英憲氏の都議当選をかちとろう。
(別所宏巳)
独島は韓国で最も東にある総面積0・18平方`の火山島で、東島(海抜98b)、西島(同168b)およびその周辺の36の岩島から構成されている。
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週刊『前進』(2202号6面4)(2005/06/20)
辺野古 施設局が金網を撤去
阻止行動の勝利を確信
6月1日、ボーリング調査の請負業者から「ヤグラの金網を撤去したい」と申し入れがあった。この金網は、4月26日未明の夜間作業で海上の三つの単管ヤグラに張りめぐらしたものだ。以来、1カ月余り、反対派は夜間作業の強行を阻止するために海上座り込みを24時間維持して闘い続けてきたのである。
へリ基地反対協は、「撤去は当然。施設局は金網撤去の理由に天候をあげているが、そうじゃない。金網が張られてもはい上がって単管ヤグラへの座り込みを続けた反対派に圧倒され、金網自体が意味をなさなくなったからだ。金網撤去は施設局の敗北宣言だ」と勝利的地平を確認した。
当初、金網撤去作業は2日間で完了との話だったが、翌2日は作業は行われなかった。そうこうするうちに台風4号発生との情報、さらに雷警報発令、海上から引き揚げて陸上待機。3日は台風対策、あわせて金網撤去作業が続行された。しかし、台風対策というならヤグラを撤去すべきだ。
金網が撤去され、24時間態勢の海上座り込みはいったん解除された。しかし、辺野古漁港に隣接したテント村で座り込み、24時間の海上監視態勢で台風接近中も阻止行動は続いた。
台風で海がうねっていた6日午前、辺野古の浜で水陸両用車の軍事訓練が始まった。装甲車14台、100人以上の兵士が乗り込み、次々と海に出て行く。この水陸両用車が宜野座の漁業区域に侵入し、サンゴ礁に衝突し、故障。5台が宜野座村松田の海岸に上陸し、フェンスやガードレールなどを破損するという事態を引き起こした。
他方同日、照屋寛徳、東門美津子両衆院議員、糸数慶子、喜納昌吉両参院議員が那覇防衛施設局を訪ね、@夜間作業の中止A土・日、祝祭日の作業中止B辺野古移設の断念C基地の県内移設反対――などを重ねて要請した。西正典局長は「夜間や祝祭日の作業はその都度判断し、作業を進める」と居直った。
普天間基地の即時閉鎖を
4日にシンガポールで大野防衛庁長官と会談したラムズフェルド米国防長官は、抑止力維持のため在沖米軍基地が重要だと強調した。この席で日米は在日米軍の再編について7月にも中間報告をまとめ、年内決着を図ることで一致した。在沖米軍基地の存続・強化こそが、米軍の世界再編(トランスフォーメーション)のかなめであることは、今やますます明らかになっている。
6月2日、マスコミが「普天間飛行場ヘリ部隊の嘉手納統合が有力/辺野古撤回へ」(6月2日付琉球新報)と報道。普天間飛行場の空中給油機KC130を岩国基地(山口)に移転し、ヘリ部隊を嘉手納飛行場に移すというのだ。さらに、辺野古のキャンプシュワブ基地内に小規模なヘリパッドを建設し、普天間のヘリ部隊を移す案も検討対象となっているという。また8日付東京新聞は「普天間の米海兵隊ヘリ 伊計島への移設検討」と1面トップで報道した。下地島空港を始め次々に候補地が挙がり、各地で住民こぞっての闘いが広がっている。
辺野古現地では、「日本政府は普天間移設先について辺野古がだめなら候補地を県内のどこにするかという話にすり替えている。私たちの要求は普天間基地の即時閉鎖だ。県民の底力で情勢を切り開いていく覚悟で頑張ろう。必要なら何回でも大県民大会を開こう」と怒りもあらわに闘志を固めている。「普天間即時閉鎖・撤去、辺野古移設白紙撤回」こそが全沖縄人民の意志だ。
60年目の6・23を前に沖縄人民の怒りが噴出しようとしている。「軍隊は住民を守らない」という沖縄の歴史的教訓を葬ろうと画策する「つくる会」一派を許さず、闘う沖縄人民とともに辺野古ボーリング調査阻止を闘いぬこう。
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週刊『前進』(2202号6面5)(2005/06/20)
「詐欺罪」デッチあげ
学生運動と都議選を狙った 戦時型弾圧粉砕へ
前号で既報のように警視庁公安1課は5月31日、適正な手続きを経たアパートの賃貸借契約を「詐欺罪」にデッチあげ、東京・中野区内のアパートを不当捜索し全学連の学生1人を不当逮捕、さらに板橋区内で1人を不当逮捕した。
続いて6月2日、山形大学のサークル部室と京都大学熊野寮など全国3カ所、3日に富山大学学生自治会室、4日に東京・杉並の都政を革新する会事務所、6日に東北大学のサークル部室、さらに前進社本社、9日に都革新を支持する区民宅と、「容疑」(詐欺罪)と無関係な所を連続して不当捜索した。
警視庁公安1課を先頭に行われた一連の暴挙を徹底弾劾する。絶対許さない。
今回の弾圧の核心は、国家権力(警察権力)が革命党(革共同)壊滅の攻撃として、戦時型(治安維持法型)弾圧を革共同と労働者人民に開始したことだ。
直接的には学生運動つぶしであると同時に、6月都議選決戦が杉並を最大の攻防点に戦時下の階級闘争として大高揚し始めていることに対する恐怖と反動だ。
都知事ファシスト石原は警視庁を指揮し、「革命的都議を絶対に登場させない」というファシスト的使命感から、長谷川英憲氏と都革新を支持する区民に対する露骨な政治弾圧・都議選弾圧に手を染めた。そして長谷川氏を支援する運動を禁圧するために、都議選決戦を先頭で闘う全学連への暴力的弾圧を開始した。
今回の弾圧への最大の反撃は、杉並で「つくる会」教科書採択を阻止すること、ファシスト石原都知事に挑戦状をたたきつけた長谷川英憲氏を都議会に送り出すことだ。
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