ZENSHIN 2005/04/18(No2194 p06)

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第2194号の目次
 
1面の画像
(1面)
侵略戦争を「解放戦争」と美化し肯定する 「つくる会」教科書合格弾劾
東京・杉並で採択を絶対阻止し日帝の最先兵=石原・山田打倒へ
6月都議選を全力で闘おう
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「つくる会」教科書の恐るべき内容
天皇・国家への献身を要求 改憲と「国防義務」うたう
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(2面)
労働者は6月都議選に総決起を
全逓を先頭に郵政民営化阻止と4大産別決戦の前進かちとろう  革共同中央労働者組織委員会
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4・29労働者集会よびかけ  動労千葉 戦争・民営化に反対し 記事を読む  
資本攻勢&労働日誌 2005 3・18〜4・4
郵政民営化の強行へ法案骨子
市場化テストへ規制改革計画/小田急バスがスト
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(3面)
郵政民営化法案骨子決定 物ダメ・ストで総反撃を
大量首切りと活動家パージ 小泉への怒り爆発させよう
JPU中央を打倒し闘う時だ
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“不当処分撤回せよ”  都立校卒業式 被処分者が審査請求(4月5日) 記事を読む  
私はなぜ不起立したか  都立校・被処分者の訴え
“戦争の世の中にしたくない”(4月5日)
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卒業式のビラまき “妨害は言論弾圧”  弁護士が報告の会見(3月31日) 記事を読む  
「日の丸・君が代」強制拒否 広島からの報告
卒業式で不起立30人  「職務命令には従え」をのりこえ
11人の不当処分に直ちに反撃(投稿/川口梓)
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(4面)
中部方面隊 第6次イラク派兵阻止  独島・釣魚台略奪と一体の攻撃
米日枢軸の侵略戦争拡大=世界戦争への突進と対決を  革共同関西地方委員会
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佐世保 46隻目のインド洋派兵  ゆうだち出港を弾劾(3月31日) 記事を読む  
キルギス政変の実態
巨万の民衆運動が政権転覆 暫定政権は帝国主義が頼り(藤沢明彦)
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日誌'05 3月30日〜4月5日
自民新憲法起草委が「要綱」  米ヘリ部隊が普天間に帰還
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(5面)
辺野古新基地建設阻止貫き普天間即時・無条件撤去へ
5・15沖縄闘争に立とう  革共同沖縄県委員会
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中国領・釣魚台略奪許すな  抗日デモに立つ中国人民 記事を読む  
海兵隊部隊 イラク帰還に怒り
“普天間基地閉鎖せよ”  宜野湾市で450人がデモ(4月1日)
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民主労総 非正規職悪法阻止へ  ゼネストに18万人(4月1日) 記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー
サービス診断やめよと動労西日本がスト 広島 岸本一志
自己負担6倍に拡大精神医療改悪許すな 「精神障害者」 T・G
「昭和天皇記念館」に抗議の申し入れ行動 東京・三多摩 中原一朗
 全金本山闘争 勝利の感動 「仁義があってほかの道を選ばなかった」 新潟 川瀬哲夫
全金本山闘争 勝利の感動 『前進』の記事に感激闘いのモデル示す 東京・民間労働者 柴田正美
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つぶせ改憲・司法改悪・共謀罪  戦時下の司法反動と闘う 記事を読む  
介護全国ネット “ヘルパーを奪うな”  改悪阻止へ厚労省交渉(3月30日) 記事を読む  
保安処分施設 下総精神医療センターに中止を要求
医療観察法即時撤廃を(3月25日)
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週刊『前進』(2194号1面1)(2005/04/18)

 侵略戦争を「解放戦争」と美化し肯定する 「つくる会」教科書合格弾劾

 東京・杉並で採択を絶対阻止し日帝の最先兵=石原・山田打倒へ

 6月都議選を全力で闘おう

 4月5日、「新しい歴史教科書をつくる会」の中学校歴史と公民の教科書が文部科学省によって検定合格となった。この重大事態と真っ向から対決し、闘う朝鮮・中国・アジア人民と連帯して、採択阻止の闘いに決起しよう。ファシスト石原は、山田区長を先兵に、杉並で「つくる会」教科書の採択を強行しようとしている。杉並が階級的激突の最大の焦点になった。一切を「つくる会」教科書採択阻止の闘いに絞り上げ、ここで勝利することによってのみ、教育基本法改悪阻止・改憲阻止闘争の爆発、郵政民営化攻撃粉砕を始めとする4大産別決戦の勝利、そして6月都議会議員選挙の勝利を切り開くことができる。3月の「日の丸・君が代」強制拒否の闘い、動労千葉のスト、3・20イラク反戦国際共同行動の勝利の地平に立って、長谷川英憲氏を押し立て6月都議選へ総決起しよう。

 第1章 「日の丸・君が代」闘争の勝利の地平

 まず3月決戦の勝利、すなわち「日の丸・君が代」強制拒否の卒業式闘争、動労千葉の春闘スト、3・20国際共同行動の大爆発の地平をしっかり確認しよう。
 特に3月の「日の丸・君が代」闘争が勝利的に打ちぬかれたことは決定的に重要だ。ファシスト石原と都教委の攻撃をはね返して全都の都立校で50人以上が卒業式で不起立を貫き、4月7日を軸に入学式でもさらに不起立闘争を敢行したことは絶大な意義がある。
 昨春の300人もの不起立で追いつめられた都教委は「徹底的につぶさないと禍根が残る」と称して、大量不当処分とあらゆる包囲・圧殺策動と弾圧をもって攻撃を加えてきた。この攻撃をはね返して、闘いとられたのだ。
 すでに03年3・20イラク侵略戦争開戦をもって日本階級闘争は戦時下の階級闘争に突入した。その中で石原的ファシスト分子が東京都庁と都教育委員会を牛耳り、03年10・23都教委通達で戦争教育の強制を開始してきた。校長の職務命令が、労働者階級への戦争協力の業務命令の教育版として打ち出されてきたのだ。昨年に続き、さらに不屈に不起立闘争を爆発させることが問われていた。ここで後退したら敵はさらに十歩も百歩も踏み込んで攻撃してくることは明白だった。
 この攻撃に都高教執行部は屈服方針を出し、日本共産党スターリン主義は処分を恐れて抑え込みに走り、カクマルに至っては「不起立は挑発」「ハミダシ」だとまでののしって、闘いの爆発を恐れ、敵対した。
 こんな厳しい状況の中で重圧をはねのけて断固として不起立の闘いが貫かれたことの意義は実に巨大である。この教育労働者の不屈の決起と連帯して、労組交流センターや全学連のビラまきが、権力の弾圧を大衆的に打ち破って闘いぬかれた。権力の異様な弾圧との対決は、大きな社会問題となり、階級闘争の最焦点としての「日の丸・君が代」決戦を鮮明化させた。
 この闘いと結合して、昨年の11・7労働者国際連帯闘争の地平を発展させ3・17〜19動労千葉ストライキがかちとられたことは決定的である。これは、3・20行動に階級的心棒を入れた。レール破断などをめぐる運転保安闘争としても、賃闘・反リストラの闘いとしても、04春闘を引き継ぐ偉大な勝利としてかちとられた。さらに11・7労働者集会の3者共闘の一翼である関西生コン支部への2次にわたる弾圧に対する反撃、3者共闘防衛の闘いでもあった。そして何よりも闘う教育労働者の「日の丸・君が代」決戦に対する階級的連帯行動であった。
 また、この過程で全金本山闘争の34年間の不屈の闘いの完全勝利・全員原職復帰が確定したことも特筆すべきことである。動労千葉のスト、全金本山の勝利は、労働組合の原則的で階級的な決起だけが、労働者の勝利の道であることを鮮明に教えるものだった。
 そして、3・20イラク反戦の国際共同行動が日比谷野音に6000人を超える労働者人民を結集して闘いとられた。これらの勝利の地平に立って進撃しよう。

 第2章 朝鮮・中国人民の決起と国際連帯を

 内外の大情勢と小泉=奥田路線の強行の中で、これに対する闘いの突破口はどこにあるかを確認しよう。
 ブッシュ就任演説と2月の一般教書演説は「自由の拡大」「圧制の打倒」を掲げて世界戦争路線を突き進む宣言であり、1月の小泉の施政方針演説は、それに呼応して日米枢軸路線を確認するものだった。2・19日米安保協議委員会(2プラス2)での「共通戦略目標」の合意と米軍大再編(トランスフォーメーション)の策定方針は、日米が共同してイラク侵略戦争の継続・激化と北朝鮮・中国侵略戦争に向かって突き進もうとしていることを示した。それは沖縄基地をさらに強化し、全土を侵略基地化する攻撃だ。
 また、1月18日の日本経団連による「わが国の基本問題を考える」提言と「教育提言」は、ブルジョアジーが前面に立って、改憲、教育基本法改悪、集団的自衛権を叫んでいるもので、日帝がもはや危機を深めて余裕がまったくないことを表明した大攻撃だ。
 こうした中で、4月5日、文部科学省は06年度から使用する中学校教科書の検定合格を発表した。これは01年に続いて、日帝の侵略戦争の歴史を公然と開き直り天皇を中心とする歴史を描き出す「新しい歴史教科書をつくる会」の扶桑社版の歴史と公民の教科書を合格とするとんでもない攻撃であり、絶対に許せない。小泉や中山文科相は、この教科書と歴史認識を共有しこれで行くことを完全に肯定したのだ。日帝の侵略戦争と天皇制の歴史を開き直り合理化する教科書が日本国家のお墨付きを得て学校に持ち込まれることであり、重大な事態である。
 これは、日帝による朝鮮領土・独島(「竹島」)略奪攻撃に対する怒り、小泉の靖国神社公式参拝に対する怒りと結びついて、全朝鮮人民の巨大な怒りの的となっている。
 中国でも「つくる会」教科書や、日本の国連安保理常任理事国入りに反対する大衆的な激しい闘争が各地で爆発している。すでに戦時下に突入した中で、日帝が日米枢軸のもと、北朝鮮・中国侵略戦争に向かって突き進みつつあることに朝鮮・中国人民の大反撃が巻き起こっているのだ。日本プロレタリアートの闘いの最大の援軍である。戦後60年、教基法改悪・改憲に突き進む日帝に対する闘いとして、これをめぐる闘いを最大の対決軸としなければならない。
 日帝の朝鮮・台湾植民地支配と中国・アジア侵略戦争によって、2000万人以上のアジア人民を殺し、筆舌に尽くせぬ惨禍を強制してきた。そして国内では暗黒の天皇制白色テロルと戦争動員で310万人もの労働者人民の犠牲をもたらした。われわれは、これを絶対に繰り返してはならないことをあらためて誓い、自衛隊イラク派兵をもってすでに開始されている新しい「15年戦争」を推進するための「つくる会」教科書採択を何がなんでも粉砕しなければならない。

 第3章 杉並は小泉=奥田路線と闘う決戦場

 帝国主義の完全な行き詰まり、世界戦争過程への突入の中で、ファシストの登場に対する闘いの勝利の道が、都議選決戦にかかったことを確認しよう。逆に、ここで勝利するならば、ファシスト石原打倒の突破口が開かれ、石原を最悪の先兵とする日帝・小泉=奥田路線を粉砕し、日帝打倒の道が開かれる。
 1〜3月決戦を引き継ぎ、激化・発展させ、ファシスト石原を打倒する闘いに今から全力で決起しよう。その絶好の戦場が杉並で都政を革新する会の長谷川英憲氏を押し立てた6月都議会議員選挙(7月3日投票)の決戦である。
 1〜3月「日の丸・君が代」決戦は、ファシスト石原による10・23都教委通達の白色テロル攻撃(天皇制テロルの一形態)、戦争教育の強要攻撃に対する、教育労働者を先頭にした断固たる反撃だった。石原打倒闘争の意義をもつ闘いだ。
 小泉=奥田のもとでの侵略戦争への参戦拡大、日帝の帝国主義的戦争国家化の攻撃のファシスト的先兵こそ、石原であり山田ら石原一派である。地方自治体の「権力」者の立場を活用(利用)し、先行的にファシスト的攻撃を仕掛けて日本労働者階級の戦闘力を解体しようとする石原の攻撃に、闘う教育労働者はひるまず立ち向かい、そうすることで、この石原ファシストとの全面対決にこそ今日の階級闘争、小泉=奥田との対決の突破口があることを明らかにした。
 石原は、「日の丸・君が代」を振り回し、「天皇」を押し出し、「国家」を押し出して、教育を戦争のための教育に変えることを強要し、再び新しい「15年戦争」を推進しようとしているのだ。だが、3月決戦は、労働者階級がそのような石原的もくろみを許さないことを宣言したのであり、その闘いが貫徹される時、いかに多くの人びとが立ち上がってくるかを明らかにしたのである。
 6月都議選は、05〜07年の3カ年決戦の今後の展開にとって決定的意味を持つ準国政選挙級の大選挙である。この都議選は、石原による戦争と民営化、社会保障制度解体のファシスト的攻撃との決戦として、3〜4月「日の丸・君が代」決戦の継続・激化の決戦攻防として、ファシスト石原打倒を都議選的にかちとるか否かの決戦なのだ。
 われわれは、排外主義をあおり戦争への道を突進するファシスト石原とその先兵=山田杉並区長に対して、帝国主義戦争と戦後の過程で殺され、踏みにじられてきた日本の労働者階級の体の中からほとばしるような怒りをもって反撃していかなければならない。
 石原=山田らとの決戦は、結局腐りきった日本帝国主義というひとつの社会体制との激突なのである。帝国主義が行き詰まり、その延命の道を戦争と民営化と社会保障制度解体でのりきろうとする際に、結局石原的なファシストに頼らざるを得ないのだ。石原は今や帝国主義にとって、異端で外れた存在ではない。石原こそが最も強力に小泉=奥田路線を実践する最大の先兵になったのである。
 今、労働者階級の中にふつふつとわき上がってきている階級的怒りを踏まえ、帝国主義打倒・プロレタリア革命の道をひたすら進むことが唯一の階級的で人間的な道である。この都政を牛耳って中国・北朝鮮への侵略戦争をあおる石原の毒々しいエネルギーを革命の思想で打ち砕く以外に、帝国主義の戦争攻撃を打ち破る道はない。
 この石原との最大の対決軸は、「つくる会」教科書の杉並区における採択を絶対に許さない闘いである。杉並では、4年前の前回以上に、反動山田区長のもとで「つくる会」教科書採択の動きが現実化しており、杉並区が採択阻止の最大の戦場になっている。
 4年前、杉並の先進的区民の大衆的な闘いが「つくる会」教科書採択を阻んだことは、韓国を始め国際的に知られている。その杉並で再び阻止することができるかどうかが、文字どおりアジア人民の注視の的になっているのだ。
 この「つくる会」教科書採択をめぐる攻防の最大の焦点となっている杉並で、ファシスト石原を許さず、石原の先兵として特攻隊を賛美し「つくる会」教科書採択をもくろむ山田区長を石原と串刺しに打倒することが、切実に求められているのだ。杉並で巨大な大衆闘争を巻き起こし、石原=山田を打倒しよう。
 杉並は今や4〜6月の日本階級闘争の最大の焦点となった。これは全党全組織を挙げた決戦であり、すべての闘う労働者人民の決戦である。ここで勝ち抜いて都議会に風穴を開けた時、ファシスト石原打倒と、すべての闘いの勝利の展望は開かれる。逆に、ここで不十分にしか闘えず、一敗地にまみれた時はわれわれはファシストによって一気に圧殺され、世界戦争の道を許してしまうのだ。そうしたのるかそるかの決戦として、都議選決戦に一切を投入しよう。
 「つくる会」教科書採択阻止の闘いを軸に、都議選決戦勝利を切り開こう。

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週刊『前進』(2194号1面2)(2005/04/18)

 「つくる会」教科書の恐るべき内容

 天皇・国家への献身を要求 改憲と「国防義務」うたう

 侵略と植民地支配を正当化

 ファシスト団体「新しい歴史教科書をつくる会」の扶桑社版「歴史」「公民」教科書は、日本帝国主義の侵略戦争の歴史と天皇制を賛美し、子どもたちに「国家のため、天皇のために命をささげよ」と教え込む教科書である。きわめて偏狭で大国主義的な愛国心をあおり、アジア諸国・人民を「劣った国・民族」と見下し、差別と排外主義を子どもたちに植え付けようとしている。絶対にたたきつぶさなければならない。
 何よりも「つくる会」の「歴史」教科書は、日本帝国主義が明治期以来1945年の敗戦に至るまで強行した、朝鮮・中国・アジア人民に対する、筆舌に尽くしがたい残虐な侵略戦争と植民地支配の歴史を美化し、開き直っている。2000万人以上のアジア人民を虐殺した歴史的事実を隠蔽(いんぺい)しごまかし、その戦争で日本人民も310万人以上が殺され、数千万人が家族を破壊され、貧困な暮らしを強いられた事実を否定している。
 しかもあろうことか「国家・公・天皇のために犠牲になることは尊いこと」などという、支配階級に都合のよい価値観を、労働者人民に押しつけている。

 南京大虐殺の史実を隠蔽

 ▼1910年の韓国併合から45年まで続いた日帝の朝鮮植民地支配について「日本の安全と満州の権益を防衛するため」と合理化し、国益のためならば戦争と植民地支配も正当化されるという、すさまじい帝国主義イデオロギーを振りまいている。朝鮮人民に銃剣を突きつけて土地・資源を奪い、言語・文化を奪い、民族性を圧殺した半世紀にわたる植民地化の歴史、強制連行や軍隊慰安婦の事実について、隠蔽し歪曲し正当化しているのである。
 ▼日帝軍隊が中国を侵略し32年に中国東北部にデッチあげた「満州国」について、「五族協和、王道楽土建設のスローガンのもと、日本の重工業の進出などにより経済成長を遂げ」などと徹頭徹尾、美化している。
 ▼日本軍が37年12月に南京を占領し、中国の労働者市民30万人を虐殺し、略奪・放火・強姦などの限りを尽くした南京大虐殺について、本文では記述していない。日本の近現代史を学ぶとき、中国人民との友好と連帯のために胸に刻み込まなければならないこの大残虐事件について、わずかに注の中で「日本軍によって、中国の軍民に多数の死傷者が出た(南京事件)」などと、さらっと触れるだけである。
 しかも、「犠牲者数などの実態については資料の上で疑問点も出され、さまざまな見解があり、今日でも論争が続いている」などと、大虐殺の事実そのものを否定している。
 ▼41年からのアジア侵略戦争(太平洋戦争)を「大東亜戦争」「『自存自衛』のための戦争」と正当化している。のみならず、「アジア解放」のための正義の戦争であったと価値的に転換させている。日本の帝国主義軍隊が資源や食料を略奪し、抵抗する人民を問答無用に虐殺してアジア全域に拡大した侵略戦争を、こともあろうに「アジアの人々を奮い立たせた日本の行動」「インドネシアの人々は日本を解放軍として迎えた」などと正反対に歪曲している。
 教科書検定制度を駆使して文科省は、「指導」と称して他社の教科書にも圧力を加え、全教科書から軍隊慰安婦の記述を一掃した。文科省は、他社の教科書をも「つくる会」の線に並ぶよう誘導したのである。

 「竹島を不法占拠」と強弁

 「つくる会」の「公民」教科書もまた、超反動的な内容に満ちている。
 違憲の自衛隊を百パーセント正当化し、逆に憲法9条を攻撃して「日本国憲法における自衛隊の位置づけが不明瞭ならば、憲法の規定自体を変えるべきであるという意見もある」と改憲論を強調している。また自衛隊の海外派兵をグラビア写真にも載せて手放しで称賛し、各国の憲法を引き合いに出して「国防の義務」を強調している。
 朝鮮領土である独島について、「韓国が不法占拠している竹島」と記述した。文科省が「不法占拠」という言葉を使うように修正させたものだ。
 文科省はまた、日本書籍新社の申請本が「戦後初めて戦地であるイラクに自衛隊が派遣された」と記していたことをやり玉に挙げ、「イラクの中の『非戦闘地域』に」「戦後復興のために派遣された」と修正させた。

 日帝と「つくる会」が一体化

 今や「つくる会」教科書のファシスト思想と運動は、けっして一握りの超右翼団体の運動ではなく、日帝国家権力、支配階級と結びつきつつある。
 日帝は帝国主義間争闘戦の激化の中で、絶体絶命の危機に陥り、侵略戦争にうって出るしか延命の道がなくなっている。「つくる会」やファシスト石原の「自存自衛のためには戦争も必要」「国益のための戦争は正義」という侵略戦争の思想・論理を、日帝自身が必要としているのである。文科省や日本経団連はこの教科書を実質的な「国定教科書」として全国に広げようとしているのだ。絶対に許してはならない。
 東京・杉並を最先頭に、「つくる会」教科書採択絶対阻止の広範な大衆運動を爆発させよう。

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週刊『前進』(2194号2面1)(2005/04/18)

 労働者は6月都議選に総決起を

 全逓を先頭に郵政民営化阻止と4大産別決戦の前進かちとろう

 革共同中央労働者組織委員会

 1〜3月闘争は動と反動が渦巻く中での激しい攻防戦として闘われ、05−07年階級決戦の突破口を押し開いた。しかしそれはまだ助走に過ぎない。05−07年決戦は戦時下における階級決戦である。それは同時に、プロレタリア革命の現実性をたぐり寄せる闘いだ。内外情勢の激動は革共同に一大飛躍を突きつけている。4月5日、文科省は「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書を検定合格させ、ファシスト石原らを先頭に「つくる会」教科書の採択を一挙に拡大しようと全力で乗り出してきた。これと真正面から対決する闘いは、6月都議選と完全に重なった。1〜3月闘争が切り開いた階級的激動情勢をさらに継続・発展させ、05−07年決戦の成否をかけてファシスト石原打倒の6月都議選へ総決起しよう。これが4〜6月の最大の決戦だ。また6月都議選と一体のものとして、郵政民営化阻止を軸に全逓戦線を先頭として4大産別決戦を闘いぬこう。労働運動の階級的再生を労働組合権力への挑戦として貫徹しよう。

 本格的な改憲攻撃に踏みだす日本経団連

 1月20日、ブッシュは就任演説で「自由の拡大」「圧制の打破」を叫びたて、世界に戦争を拡大することを宣言した。泥沼化するイラク侵略戦争にますます深くのめり込む一方で、ブッシュは米軍再編(トランスフォーメーション)を推し進めようとしている。その矛先はイラン、シリア、北朝鮮、中国に向けられている。
 2月の日米安保協議委員会(2プラス2)で日米帝国主義は枢軸関係を形成し、軍事的に一体化して世界戦争に突き進むことを合意した。
 こうした情勢に対応したものが、奥田・日本経団連の改憲案である。1月18日、日本経団連「国の基本問題検討委員会」(三木繁光委員長)は「わが国の基本問題を考える」と題する改憲=国家改造計画案を発表した。そこで日本経団連は、日帝の生き残りのためには“現憲法は足かせだ”として、改憲を含む“政治革命”を主張している。戦後政治と価値観をたたきつぶして、戦争体制をつくろうというのである。
 提言は単刀直入に、日米安保体制の再編と改憲を目指し、憲法第9条2項(戦力不保持)の削除と第96条(改憲要件)の改定を押し出している。本格的な改憲攻撃だ。これに呼応して4月4日、自民党の新憲法起草委員会(委員長・森前首相)が「要綱」を発表した。小泉政権は、改憲のための国民投票法案と国会法改定案を今通常国会に提出する構えでいる。
 日本経団連が同時に発表した「これからの教育の方向性に関する提言」は、戦後教育を転覆し、戦争教育・国家教育の必要性を強調している。つまり“戦争は教育から始めるもの。戦争教育ができない教員は放逐せよ”と叫び日教組を解体しようとしているのだ。
 さらに小泉は、郵政民営化法案の4月国会提出に向けて全力で動き出した。小泉=奥田路線と闘う最大の攻防が始まっている。
 こうした攻撃と重なって、日帝は独島や釣魚台などの領土略奪に露骨に突き進み、「つくる会」教科書で教育現場を制圧し、さらには北朝鮮への経済制裁を叫んで文字どおりの侵略戦争遂行へと急速に動き始めているのである。

 改憲に転じた自治労・日教組

 日本経団連の改憲提言は、連合中央だけでなく自治労中央や日教組中央まで飲み込み始めている。
 連合は昨年、笹森会長が「憲法9条2項削除」を公言することで、事実上、改憲推進に踏みきった。さらに事態は急転し、今や自治労中央や日教組中央も9条改憲へ踏み込みつつある。
 自治労中央は03年、新綱領(21世紀宣言)を強行採決して階級的労働運動を放棄し、その続開大会で直ちに「国の基本政策検討委員会」を立ち上げた。同委員会は今年1月の自治労中央委員会に「論点整理」を提出し、両論併記という形で9条改憲をぶち上げた。3月の「中間報告」に際しては、激論の末、小差で「9条堅持と集団自衛権の放棄」案が改憲案を退けたが、5月中央委員会が再び激突となることは間違いない。中央本部は9条改憲方針を8月定期大会の運動方針に一括して盛り込み、独自に採決することなくそのまま押し通そうとたくらんでいる。
 また日教組は3月の中央委員会で、「憲法論議対策委員会」が「護憲から論憲へ」転換したことを確認した。論憲とは改憲のことにほかならない。日教組中央は「教え子を再び戦場に送るな」の綱領を放棄しようとしているのだ。
 これらの動きが、10月の連合定期大会に向けてさらに加速されることは避けられない。
 自治労や日教組を主軸とする平和フォーラムが、改憲阻止のスローガンを降ろした3・19集会に賛同し、参加したことは、けっして偶然ではないのである。
 日本経団連は、「今日、経営者には、企業活動を通じて、新しい国のかたちをつくり上げていくのだという気概が強く求められている」(05年版経労委報告)と唱え、小泉と一体化して憲法9条2項破棄、集団的自衛権行使、「東アジア自由経済圏」の形成、社会保障制度解体、消費税率18%化などの戦争政策に全力で突っ込んできている。

 4年連続ベアの要求を放棄

 その中でますます激化する労組解体・団結破壊の攻撃に対し、05春闘はこれを打ち破れるか否かをかけた攻防となった。日本経団連はこれまで以上に「春闘終焉(しゅうえん)」論を叫びたて、ベースアップをめぐる労資交渉を一掃することで労働者の階級的団結体としての労働組合を解体しようとたくらんだ。
 東証一部上場企業は2期連続の最高収益を上げている。にもかかわらずベア要求すらしない産別・単組が続出し、資本の一方的な回答がそのまま妥結額となっている。1兆2千億円(1日あたり32億円だ!)の収益を上げるトヨタでも、労組はベア要求を放棄した。いわゆる労働分配率はバブル崩壊後最低の60%を大幅に切っている。かつて資本が唱えた「生産性基準原理」すら消え去った。しかも資本は、定期昇給の一掃にまで踏み込んできた。
 連合の春闘方針は「賃金体系維持分」「賃金カーブ維持分」「賃金構造維持分」などさまざまな表現をとってはいるが、それは自ら定期昇給制度の解体を認めたということだ。連合中央は戦争突入の現実の前にすくみ上がり、「攻めのリストラ」を叫ぶ奥田の脅しに屈して沈黙した。全労連に至っては「経労委報告は賃上げを認めている」「大企業一人勝ちを許さない、との労働者・国民の声を日本経団連も無視できなくなっている」(坂内事務局長談話)などと幻想を振りまき、「企業の社会的責任論」に共鳴して、最大級の資本主義擁護の見解を出すところにまで転落した。
 こうした情勢下で1〜3月闘争は闘われた。その切り開いた地平にしっかりと立ち、特に3月過程を徹底的に総括したい。

 1〜3月闘争の勝利を継続・発展させよう

 1〜3月闘争は、階級的労働運動の再生・春闘再生に向けての巨大な展望をつくり出した。
 第一に、「日の丸・君が代」強制反対闘争に勝ち抜き、その発展を切り開いたことである。
 「日の丸・君が代」は侵略戦争と国家主義・排外主義のシンボルであり、その強制はまさしく戦争動員の攻撃である。ファシスト石原による教育改革と「日の丸・君が代」強制は、教育基本法改悪の先取りであり、経団連「教育提言」の先行的な実行だ。
 これに対して不起立・不斉唱に決起した教育労働者の闘いは、戦争協力拒否の決定的な反撃だった。それは、日米枢軸による世界戦争を最前線で阻止する闘いであり、「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンをぎりぎりのところで守り抜く闘いだった。
 3月30日、東京都教育委員会は不起立を貫いた52人を処分した。しかし直ちに反撃が開始され、闘いの戦線は引き続き拡大している。「日の丸・君が代」拒否闘争は、やむことのない闘いとして、決定的地平をつくり出しているのだ。
 また「教育基本法の改悪をとめよう!5・7集会」には、都労連や都労連傘下の多くの組合が賛同と参加を決定した。処分に加担した都高教指導部は挟撃され始めている。闘う都高教執行部の樹立が今ほど求められている時はない。それは都労連の再生と石原打倒への戦略的環をなしている。
 第二に、動労千葉の春闘ストライキ闘争である。
 3月17〜19日の動労千葉の72時間ストライキは、戦時下において労働組合が進むべき道を明々と照らし出した。何よりもそれは、矛盾と破産を露呈するJR体制を痛撃し、1047名の解雇撤回・JR復帰を軸とする国鉄闘争の突撃路を切り開いている。
 また、レール破断の続発に対して安全対策を求める闘いは、圧倒的な支持と共感を生み出した。「動労千葉のようにストライキで反撃しなければ絞め殺される」と多くの労働者は直観している。この中にこそ、既成労組指導部の闘争放棄の中で苦闘する労働者が、一大反撃へと転じる可能性が秘められている。動労千葉ストライキは、職場実力闘争の復権への巨大な呼びかけになったのである。
 第三に、イラク即時撤兵・改憲阻止を掲げた3・20闘争の高揚である。
 イラク開戦2周年のこの日、「テロも戦争も反対」という誤った反戦平和運動は完全に吹き飛んだ。米、英、韓国を始め世界の反戦闘争は、帝国主義打倒の旗幟(きし)を鮮明に掲げた一斉決起となった。世界の労働者はイラク人民の不屈の民族解放戦争を支持し、ブッシュに追随してイラクに派兵する自国政府への激しい闘いに立ち上がった。共通するスローガンは「軍事占領反対」「派兵軍即時撤収」である。01年9・11以後3年半、世界の反戦運動は既存の平和運動と激突し、分岐・流動・再編過程を経て、ついに帝国主義打倒への新たな高揚へ向かい始めたのだ。
 こうした中で、陸・海・空・港湾労組20団体が改憲阻止を掲げて登場したことは決定的だった。3・19ワールドピースナウ・平和フォーラム集会が改憲阻止をスローガンから降ろして低調な集会となったこととは対照的に、陸・海・空・港湾労組20団体は新たな生命力を獲得したのである。
 さらに、1〜3月闘争をとらえる場合、二つの重大な事態を挙げておかなければならない。
 一つは、全金本山闘争の勝利である。
 全金本山労組34年の闘いの勝利は、深い感動と確信を労働者に与えている。これは、「一人の首切りも許さない」という原則を貫いた点で、また最高裁確定判決を実力で跳ね返した点で、さらに本山闘争支援陣形(それは同時に国鉄闘争支援陣形でもある)の圧倒的高揚をつくり出した点で、実に偉大な勝利である。
 3月16日、解雇を撤回させた全金本山労組の組合員は堂々と本社工場に就労した。「職場に砦(とりで)、地域に共闘を」のスローガンは、この日を再スタートに、今後ますます威力を発揮するだろう。
 それは、「最高裁判決でJR復帰の道は閉ざされた」として闘争終結宣言に走る国労本部を痛撃している。また、全逓4・28闘争の勝利を郵政民営化阻止の決戦へと大きく発展させる道を指し示している。
 今一つは、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部に対する大弾圧への、創造的な反撃の開始である。
 この弾圧は、原則的闘いを貫く関西生コン支部の破壊を狙うものであり、また昨年11・7労働者集会を呼びかけた3労組共闘の陣形を解体しようとする反動である。3労組は一層団結を固めて弾圧に立ち向かっている。国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いや卒業式闘争弾圧との闘いとも結合して、全人民的広がりをもった反撃が開始されている。全国金属機械港合同と動労千葉が呼びかけた反弾圧署名を圧倒的に拡大しよう。
 1〜3月闘争は、昨年11・7労働者集会の勝利の地平をめぐる動と反動が渦巻く中で闘いぬかれた。
 12月には、国鉄闘争をめぐり、国労闘争団、全動労争議団、動労千葉争議団の1047名陣形を破壊する日本共産党中央の策動があった。しかし12・1集会は、動労千葉の排除を狙う策動と真っ向から対決して1047名陣形を守りぬいた。この事態は、日本共産党と全労連内の分岐・流動を一層促進させている。
 さらに「日の丸・君が代」闘争に敵対するカクマルの「告訴・告発」の反革命策動が現れた。11・7集会での「日の丸・君が代」被処分者の登壇は、「日の丸・君が代」闘争が、動労千葉を始めとする闘う労働運動の新潮流と結合し、階級決戦の軸に立つ闘いとして発展しつつあることを鮮明にした。カクマルはこれに恐怖し反革命的に敵対したが、「日の丸・君が代」闘争の高揚と拡大はその思惑を粉砕した。
 襲いかかる反動と対決して1〜3月闘争を闘いぬいたわれわれは、05−07年決戦への挑戦権を握りしめたのである。

 ファシスト石原打倒を真っ向から掲げて

 1〜3月闘争は、11・7集会の地平を守り発展させるとともにファシスト石原打倒の展望をつくり出している。「日の丸・君が代」強制拒否の1〜3月教労決戦を継続・発展させ、小泉=奥田の最先兵、ファシスト石原打倒を真っ向から掲げて闘われる6月都議選こそ、4〜6月の最大の階級的政治的決戦である。
 03年「10・23通達」こそ、戦争体制形成に向けてのファシスト石原の最も凶暴な攻撃だった。これに対する教育労働者の決起の根底には、戦争切迫への危機感と怒りがあったのだ。郵政民営化との攻防においても、自治労中央・日教組中央の改憲容認との対決においても、介護・年金など社会保障制度解体との攻防においても、戦争突入情勢と対決しぬく激しさが求められている。
 その一切の成否は、長谷川英憲氏を押し立てての6月都議選決戦にかかっている。それは、ファシスト石原打倒闘争の主戦場である。石原が「つくる会」教科書の採択へと全力を傾けてくることは明白だ。これとの闘いは、4〜6月の最大の攻防となる。とりわけ石原の先兵として反動的突出を開始した山田・杉並区長と対決し、杉並での「つくる会」教科書の採択を阻む闘いは、全国闘争としての位置を持っている。この激闘を勝ち抜いてこそ都議選決戦の勝利がある。
 「教育基本法の改悪をとめよう!5・7集会」に総決起し、教科書闘争・教基法改悪阻止闘争の壮大な発展を切り開こう。
 4年前の教科書闘争は、産経新聞が1面トップで「杉並区で敗北した」と総括したように、杉並区の義務制を先頭に闘われ、完勝した。しかし、すでに戦時下にある今、情勢は一変している。
 だが、朝鮮・中国・アジア人民は「つくる会」教科書を検定合格させた日帝への憤激を爆発させている。それは国連安保理常任理事国入りを狙う日帝の野望に対する怒りと結合し、反日帝の巨大な闘いとなって燃え広がっている。「つくる会」教科書の採択を粉砕し、都議選決戦に勝利することは、日本の労働者階級が朝鮮・中国・アジア人民との国際連帯を発展させ打ち固める闘いなのである。
 4大産別決戦の発展も、石原打倒の都議選に勝利してこそ切り開かれるのだ。

 4大産別での労組破壊狙う

 戦争体制は労組を丸ごと翼賛化させなければ成り立たない。小泉=奥田の攻撃の矛先は、とりわけ教労、全逓、自治労、国鉄の4大産別に向けられている。
 これら旧官公労4大産別は、権力機関内にあって労組的団結を今も守りぬいている。「骨太方針W」が「官から民へ」「官の改革」を言い、日本経団連が「攻めのリストラ」を叫ぶのは、こうした現状への激しい危機感の表れだ。
 そのもとでの大民営化攻撃は、団結破壊と労組解体=戦争翼賛化を狙いとしている。現業労働組合はその形成からして階級的団結を維持してきた。だからそれを公務・行政から追い出した上で、官公労を「役人組合」に変質させようと、小泉=奥田は郵政民営化を突破口に自治体や教育、医療福祉などの職場に攻撃を集中しているのである。
 政府は4月4日、郵政民営化法案の骨子を決定し、4月中にも法案を国会に提出しようと狙っている。6月全逓大会は、郵政民営化阻止派の歴史的飛躍をかけた大決戦である。また7月の日教組大会、8月の自治労大会は、労組の改憲勢力化を阻止し、階級的労働運動の再生に向けてさらなる分岐・流動・再編を推し進める決定的な大会になる。国労大会は、「和解」の名で1047名闘争を圧殺する酒田・革同体制を打倒し、国労の再生をかちとるべき決戦である。
 動労千葉が呼びかける「戦争と民営化に反対する4・29労働者集会」は、4大産別を先頭とする階級的労働運動再生への総決起集会となる。全逓を先頭に全力結集を訴えたい。
 1〜3月闘争を経て、反転攻勢の血路は切り開かれた。戦争と民営化(労組破壊)、社会保障制度解体の攻撃との本格的な攻防を貫き、ファシスト石原打倒の都議選決戦に総決起しよう。全逓を先頭に4大産別決戦を闘いぬこう。
 05−07年決戦勝利の核心は新指導路線の実践と貫徹にある。労働組合の革命論的意義の確立を土台に、4大産別における労働運動・労働組合運動の再生をかけて労働組合権力へ挑戦しよう。都議選必勝を期して奮闘しよう。05−07年決戦の成否を決するのは、この4〜6月闘争である。

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週刊『前進』(2194号2面2)(2005/04/18)

 4・29労働者集会よびかけ

 動労千葉 戦争・民営化に反対し

 戦時下で迎えるメーデーを前に、動労千葉は「戦争と民営化に反対する4・29労働者集会」を呼びかけている。動労千葉が発した「集会への賛同と参加のお願い」を紹介します。(編集局)

戦争と民営化に反対する4・29労働者集会への賛同と参加のお願い

 すべてのたたかう労働者のみなさん!
 歴史は大きな曲がり角にたっています。イラクへの自衛隊派兵、有事立法制定につづき、教育基本法−憲法改悪攻撃が本格的に動きだしています。東京では、「日の丸・君が代」に忠誠を誓わなければ処分という、戦前と寸分違わぬ攻撃が教育労働者にかけられ、小泉政権は改憲のための国民投票法案を今通常国会に上程しようとしています。教育基本法−憲法改悪は戦争への道です。
 米ブッシュ政権は、中東から東アジアに至る「不安定の弧」での戦争を想定した米軍の再編−トランスフォーメーションを進め、全世界に戦争を拡大しようとしています。そして小泉政権は、日米安保を「極東安保」から「世界安保」に飛躍的に強化することで戦略合意を行い、ブッシュ政権と一体となって戦争につき進もうとしています。
 これと一体で、郵政をはじめ、国や地方自治体業務の全面的な民営化攻撃が開始されています。4月にも郵政民営化関連法案が国会に上程されようとしており、さらに「市場化テスト」と称して国、地方自治体のあらゆる業務を競争入札にかけ、民営化してしまおうとする法案までが上程されようとしています。民営化とは、社会の隅々まで弱肉強食の市場原理を貫いて「9割の労働者を非正規雇用化する」という奥田ビジョンを貫徹しようとする攻撃であり、何よりも激しい労働組合破壊攻撃です。
 日本経団連は「労働基準法など工場法時代の遺物だ」と主張し、労働時間法制や労働契約法制の抜本改悪を要求しています。労働者を食い殺す自由を企業に与えよ、というのです。また年金をはじめ、社会保障制度の解体攻撃が激しく進められています。非正規雇用労働者が激増し、生活保護受給世帯がついに百万世帯を超えました。これが小泉や奥田の弱肉強食政策がもたらした現実です。
 とくにこの間のきわだった特徴は、財界の反動的な突出です。日本経団連・奥田は、膨大な意見書を乱発して「憲法9条2項を廃止せよ」「教育基本法を改正せよ」「東アジア自由経済圏の形成と日米安保の強化を外交政策の軸とせよ」「徹底した規制緩和と民営化を断行せよ」と政府に迫っています。
 さらに、北朝鮮への経済制裁の発動や、「靖国参拝」や「独島問題」での中国や韓国への挑発的対応など、排外主義や国家主義が激しく煽りたてられています。また、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への大弾圧、ビラまきへの相次ぐ逮捕攻撃、今国会での共謀罪新設策動、NHK問題に示された報道への露骨な検閲、狭山差別裁判でのだまし打ち的な再審棄却の強行など、いたるところで戦争が増殖しています。
 しかし、政治反動と平和の危機−生活の全てをのみ尽くすような攻撃への怒りの声は満ち、連合や全労連本部の際限のない屈服に抗して、労働運動の再生を求める声は、全国で響き始めています。
 石原都知事の恫喝や組合本部の制動をはね返して「日の丸・君が代」不起立・不斉唱の闘いが全国に大きな波紋を広げ、3・20イラク開戦2周年には、再び全世界で国際的な反戦行動が実現しました。全金本山闘争は34年もの闘いを貫いて歴史的勝利をかちとりました。沖縄では連日の闘いが新基地建設を阻んでいます。
 私たちも05春闘で、安全運転闘争、そして72時間ストライキにたちあがりました。また、昨年11月には、アメリカでのミリオン・ワーカー・マーチや韓国民主労総の闘いと固く連帯して、画期的な労働者の国際連帯集会を実現しました。
 1047名の解雇撤回闘争をめぐっても、「国鉄改革の総決算」攻撃が開始される新たな状況のなかで、鉄建公団訴訟を軸として、三争議団・闘争団が団結する新たな陣形が築かれようとしています。
 今、何よりも求められているのは、戦争と民営化の大攻撃と対決して、労働運動の現状を変革することです。団結をとり戻し、労働組合を甦らせることです。
 私たちは、歴史の巨大な分岐点というべき状況のなかで、闘う労働運動の再生をめざし、表記集会を呼びかけることとしました。多くの皆さまの賛同と参加を心よりお願い申し上げます。
 二〇〇五年三月
[呼びかけ] 国鉄千葉動力車労働組合

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週刊『前進』(2194号2面3)(2005/04/18)

資本攻勢&労働日誌 2005 3・18〜4・4

 郵政民営化の強行へ法案骨子

 市場化テストへ規制改革計画/小田急バスがスト

NTTの一時金前年割れ NTTグループの春闘交渉は6年連続ベアゼロの上、一時金も組合要求より0.1カ月低い4.4カ月(前年4.5カ月)で妥結。(3月18日)
大阪ガス、未払い残業2年で18億円 大阪ガスは03年1月から05年1月までの約2年間に、総額18億3700万円分の未払い残業があったと発表した。(22日)
規制改革・民間開放推進計画の改定を閣議決定 政府は市場化テスト(官民競争入札制度)のモデル事業の実施などを盛り込んだ「規制改革・民間開放推進3か年計画」の改定を閣議決定した。雇用・労働分野では05年度中に「労働者派遣の事前面接の解禁」や「労働時間規制の適用除外の拡大等」を検討することなどが上がっている。(25日)=要旨別掲
社会保障制度見直しへ両院合同会議 年金一元化など社会保障制度の見直しのため、国会内に両院合同会議を設置することで与野党が合意した。秋までに年金改革案をまとめることに。(25日)
小田急バスがスト 私鉄総連関東地方連合会加盟の小田急バス労組が始発からスト突入。(25日)
大阪市労連、162億円削減に同意へ 大阪市労働組合連合会(市労連)は、市が提示した削減効果166億3700万円の「改革案」に対し、予算措置を伴う全9項目のうち8項目計162億200万円の削減に同意する方針を固めた。係長級職員への管理職手当廃止については不同意。市の予算案は29日に成立した。(26日)
住友金属に女性差別で6千万円の賠償判決 女性であることを理由に昇進や賃金で差別を受けたとして、住友金属工業の女性社員ら4人が損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁は計約6300万円の支払いを命じる判決。(28日)
2月の完全失業率0.2ポイント悪化 総務省統計局が公表した労働力調査によると、2月の完全失業率は4.7%と前月比0.2ポイント上昇。厚労省が発表した一般職業紹介状況によると、2月の有効求人倍率は前月と同じ0.91倍だった。(29日)
総務省が新地方行革指針 総務省は、総定員の4.6%以上の削減や「給与の適正化」に向けた「集中改革プラン」の策定などを求める新地方行革指針を各地方自治体に通知した。(29日)
東電で69億円分の未払い残業 東京電力は、昨年6月までの2年間に約69億4800万円分の未払い残業があったと発表。(30日)
三洋電機、昇給凍結 三洋電機は新潟県中越地震による欠損を理由に、昇給の半年間凍結で労資合意したことを明らかに。(31日)
郵政民営化政府案骨子決定 政府は郵政民営化関連法案の骨子を最終決定。4月中の法案提出をめざすとしている。(4月4日)

 「規制改革・民間開放推進3か年計画」(改訂版)の要旨

 05年度中に労働時間や派遣労働の根本的な見直しの検討に着手する。
●労働時間規制を撤廃
 労働時間関係では、@企画業務型裁量労働制の導入手続きにつき、現行の労使委員会の設置義務を廃止し、労使協定だけで導入できるようにする。またAホワイトカラー・イグゼンプション(労働時間規制の適用除外)の導入に乗り出す。
●派遣労働制の全面改悪
 「事前面接の解禁のための条件整備」を挙げ、いずれは医師・看護師などの派遣の解禁も狙っている。事前面接の解禁は、年齢や容姿による差別を助長し、労働者受け入れの決定権を派遣先に持たせるものとなる。また、派遣期間の上限に達した派遣労働者への使用者による「雇用契約の申し込み義務」も見直す。

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週刊『前進』(2194号3面1)(2005/04/18)

 郵政民営化法案骨子決定 物ダメ・ストで総反撃を

 大量首切りと活動家パージ 小泉への怒り爆発させよう

 JPU中央を打倒し闘う時だ

 日帝・小泉政権は4月4日、ついに郵政民営化法案の骨子を正式決定し、発表した。これをもとに詰めの作業を進め、4月中にも法案を国会に提出し、今国会で成立をめざすとしている。いよいよ待ったなしの決戦が到来した。郵政民営化は〈戦争と民営化〉、大リストラ攻撃の中心的な攻撃であり、日帝がイラク侵略戦争に突入している中で、全逓労働運動を最後的に解体しようとする大攻撃である。今こそ屈服を深めるJPU(全逓)中央本部を打倒し、職場の団結を強化して民営化絶対阻止へ総決起しよう。

 4月中の法案国会提出狙う

 小泉は自民党内の反対勢力の足元を完全に見透かし、政権と改革路線の命運をかけて、今国会での民営化法案の成立に向けて、いよいよ決戦に出てきた。
 民営化法案の基本方針は、持ち株会社のもとで、窓口会社、郵便会社、貯金会社、保険会社に4分社化し、10年間で貯金・保険会社の株を完全売却するというものである。
 政府・自民党内でなお駆け引きが続いているが、攻撃の核心は、民営化という経営形態の変更による国家公務員身分の剥奪(はくだつ)にあり、全逓労働運動の最後的な解体にこそあるのだ。郵政民営化は、まさに大量首切りと活動家パージの攻撃である。郵政で働く正規雇用・非正規雇用あわせて40万人の労働者に対する首切り・リストラ攻撃である。その犠牲の上に民営化によって生まれる膨大な郵政利権を日帝ブルジョアジー内で分捕りあっているのだ。
 これが「小泉改革」の目玉とされ、4大産別を始めとする全労働者階級に対する〈戦争と民営化〉の攻撃の突破口に位置づけられているのである。郵政民営化を絶対に阻止し、階級的労働運動の再生の号砲を上げなければならない。

 民営化先取りの大リストラ

 郵政公社総裁・生田は、郵政公社発足後2年間のアクションプラン・フェーズ1に続き、07年3月までに1万人を削減するアクションプラン・フェーズ2を打ち出している。これこそ郵政民営化に「対応」し、それを先取りするものだ。公社の業研資料には「フェーズ1=ホップ、フェーズ2=ステップ、民営化=ジャンプ」と位置づけられている。「1万人削減」というが、その程度で済まないことは、はっきりしている。1万7000人の人員削減を打ち出したアクションプラン・フェーズ1ですら、実際には1万9000人の削減が強行された。今年3月時点での「早期退職」で3千人近い40代、50代の労働者が退職に追い込まれているのだ。
 郵便内務をアウトソーシング(外注化)し、それによって生まれる「余剰人員」を集配外務に強制配転することが打ち出されている。内務での深夜勤の導入に加えて、外務では一人の労働者に配達・集荷・営業などすべての仕事をやらせる10時間労働・11〜12時間拘束の1ネット方式を導入・拡大しようとしている。さらに「効率化勧奨退職」を導入し、「人材活用センター」の設置をたくらんでいる。「いやなら辞めろ」「辞めないなら、辞めるまで人活センター送り」というのだ。まさに国鉄分割・民営化型やNTT型の攻撃を集大成した大量首切りである。
 これに全面屈服し、その推進者になっているのが、JPU(全逓)中央本部である。このアクションプラン・フェーズ2の承認を6月全国大会決定に持ち込もうとしている。委員長・菰田は、読売新聞のインタビューで「郵政も3分の1は削減される」(04年11月6日)と言い放っているのだ。JPU中央は口先だけの「民営化反対」とは裏腹に、「民営化法案が出されたら百八十度転換する」などと平然と言い放っている。実に許せない。

 職場から闘いを組織しよう

 今こそJPU中央本部を打倒し、物ダメ・ストライキで闘う時だ。6月全国大会は決定的である。ここに向かって闘う全逓労働者の怒りを組織しよう。相次ぐ現職死亡を生み出している深夜勤の導入を始め、中央本部の数々の裏切りに、現場には怒りが渦まいている。アクションプラン・フェーズ2、さらには郵政民営化そのものを、現場組合員に強制しようとする中央本部を打倒すべき時だ。
 郵政民営化は、労働組合の破壊という目的以外に支配階級的にも統一がとれない政策であり、小泉=奥田路線の最大の弱点にも転化するものである。本部派を打倒し、職場の団結を固め、闘う全逓労働者の怒りを大きく解き放つ時、攻撃は必ず粉砕できる。
 すでに勝利の突破口は切り開かれている。昨年6月、全逓4・28被免職者は78年越年物ダメ闘争に対する懲戒免職処分取り消しの高裁逆転勝利判決をかちとった。この勝利が全国の全逓労働者を限りなく励まし、決起を呼びかけるものとなっている。さらに、全金本山闘争が34年間の闘いによって完全勝利をかちとり、2人の解雇を撤回させ、3月16日に組合員の職場復帰をかちとった。動労千葉は3月春闘ストライキを意気軒高と打ちぬいた。そして東京を先頭に教育労働者たちが、卒業式・入学式で「日の丸・君が代」強制に対して不屈に闘っている。戦時下でますます激化する小泉=奥田の大攻撃に対して、労働者階級の総反撃が始まっているのだ。
 民営化法案の国会提出情勢のもとで、4・28から6月全逓全国大会にいたる過程が、まさしく決戦となっている。全逓労働者こそが4大産別決戦の中軸を担い、その先頭に立って勝利を切り開こう。

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週刊『前進』(2194号3面2)(2005/04/18)

 “不当処分撤回せよ”

 都立校卒業式 被処分者が審査請求

 東京都の「日の丸・君が代」強制に対する教育労働者の力強い反撃が始まった。3月卒業式において「日の丸・君が代」強制に抵抗して不起立闘争を闘い懲戒処分された教育労働者52人のうち都立校の36人が4月5日、処分撤回を求めて都人事委員会に不服審査請求を行った。小・中学校や「障害児」学校の教育労働者も続いて提訴しようとしている。
 5日午後、申立人らは人事委員会に申し立てを行った。昨年の処分の撤回を求めた不服審査請求の公開審理をいまだに始めない人事委に対して「1年間、いったい何をしていたんだ!」と怒りの声が上がった。
 その後、都庁内で記者会見を行った。「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会の事務局長は、「私たちが事情聴取に際して求めた弁護士の立ち会いを都教委は拒否し、事情聴取も行われないまま処分が決定された。入学式を前にした見せしめ的な処分です。1年前の処分をめぐって『1日も早く公開審理を行え』と要求してきたが、1回の審理も行わずに2回目の新たな処分を強行した。本当に許せない」と弾劾した。
 さらに今回の卒業式についてとりわけ3点を強調して弾劾した。「職務命令に『学習指導要領に基づき、適正に生徒を指導する』という項目を付け加え、十数校の卒業式の予行で『君が代』斉唱を練習させるという都立高で初めての事態が起こった。教職員・生徒の内心の自由をまったく踏みにじっている」。2点目に「昨年の被処分者のうち嘱託を希望した5人全員を不合格にした。また被処分者に対する報復的・懲罰的な人事異動が行われている」。3点目に「都立高の門前ビラ配布を都教委、校長、警視庁公安部、所轄警察署が一体となって弾圧し3人が逮捕された。都教委と警察を合わせて十数人が監視にきた学校もある。戦前にもなかったような『戒厳令下』の卒業式だ」。
 そして「憲法・教育基本法を踏みにじり、教職員のみならず市民のビラ配布まで弾圧する戒厳令下の卒業式の不当処分に対して、本日私たちは不服審査請求を行いました。今後、社会的にも大きく訴えて、この闘いの正当性を広めていきたい」ときっぱり表明した。
 続いて被処分者がそれぞれ発言し(左上に要旨)、被処分者の会、被解雇者の会、予防訴訟をすすめる会の3者連名で、「憲法・教育基本法改悪の先取りとしての『日の丸・君が代』強制に反対し、都教委による教育破壊の暴挙を断じて許さず、不当処分撤回まで闘い抜く。何よりもこの国を『戦争ができる国』にしない、『教え子を再び戦場に送らない』ために!」と声明を発表した。
 今春卒業式において、東京の教育労働者は、10・23通達から2年目のあらゆる重圧を突き破って渾身(こんしん)の不起立闘争を貫いた。この闘いをすべての労働者の力で守り、大きく広げよう。誇りも高く闘いぬく教育労働者と連帯して、処分撤回へともに闘おう。

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週刊『前進』(2194号3面3)(2005/04/18)

 私はなぜ不起立したか

 都立校・被処分者の訴え

 “戦争の世の中にしたくない”

 3月卒業式で「日の丸・君が代」不起立闘争を闘いぬいた東京の被処分者の発言を紹介します。(編集部)
(写真は処分が発令された3月31日、文京区の東京都総合技術教育センター前に駆けつけた被処分者の会・被解雇者の会と支援者ら)
◆1回目の処分を受けた都立高教員
 遅まきながら処分を受けました。都教委はここ数年、無茶苦茶な教育施策を行っています。10・23通達がその最たるものです。10・23通達に基づく職務命令によって、憲法で保障された思想・良心の自由を奪い、人間の尊厳を無視した卒業式を強制してきました。この強制を無批判に受け入れた場合には、生徒に基本的人権を語る資格も失うと考え、卒業式に不起立で臨んだ次第です。
 座っている人だけが反対しているわけではありません。ほとんどの同僚は忸怩(じくじ)たる思いで卒・入学式に臨んでいます。
◆処分2回目の都立高教員
 私たちが不起立で抵抗しているから、今は教職員も生徒もほとんど「君が代」を歌っていません。もし私たちが不起立をしなかったら、次には、教職員は必ず歌わなければならなくなり、生徒たちには声量調査がされる。私たちが生徒に対して加害者として「立ちなさい、歌いなさい」という命令を出さなければならなくなる。そのためにも、今回また「立って歌うわけにはいかない」と、抵抗を示しました。
◆処分3回目の「障害児」学校教員
 教育労働者は「再び過ちは繰り返さない」「教え子を戦場に送らない」と歩んできましたが、しかし今、イラクの戦場に行っています。私は自分が教えた子どもたちを殺されたくないし、殺す側にもさせたくありません。今の自分の諸条件の中であれやこれや言っていたら人殺しをさせてしまうんだ、だから踏みとどまるべきだと思いました。
 都内4〜5万人の教員が「1回は座るんだ」とやっていけば、この事態を押しとどめることができます。
(以上、3月30日の記者会見より)
◆処分2回目の都立高教員
 私は「君が代」斉唱の時に、いくら頑張っても立てません。今回の処分は、私の思想・信条が処分されたということです。
 「君が代」の時に座ったため、校長ら3人から事情聴取を受けた高校生もいます。自分も「『君が代』を歌うことはできない」という高校生から相談を受け、式前日、「私も立たない。君は一人ぼっちじゃないんだよ」と約束しました。
 学校の中だけでなく外の人とも手を結んで、今の状況を変えたい。そのために人事委員会審理と裁判に必ず勝つつもりでいます。
◆処分2回目の都立高教員
 なぜ、処分されるのが分かっていたのに不起立したのか。憲法や教育基本法に明らかに違反することには反対の声を上げること、それが歴史から学ぶことだと考えたからです。
 私は世界史を教えています。ドイツのナチズムの歴史の授業で、最後に「なぜこういう事態が起きたのか」を説明します。見逃してはならないのは、「この程度なら我慢できる」「反対の声さえ上げなければ自分の生活は保障できる」といった多くの市民の行動があの結果を招いたことです。したがって、10・23通達以降の状況に対して、たとえ不利益処分を受けてもきちんと反対の声を上げることこそ自分の務めであると考え、あえて今回も不起立の行動をとりました。
 今年は戦後60年です。都教委は、ナチズムや日本の軍国主義の歴史からいったい何を学んでいるのか。よく反省してもらいたいという思いでいっぱいです。
◆処分3回目の「障害児」学校教員
 ただ座っただけで、なぜ減給6カ月もの処分を受けなくちゃいけないのか。大変な憤りを感じています。
 私の友人は、校長に「都教委から『この次不起立したら停職だ。都研に送るぞ』と言われた」と言われました。私は子どもたちとずっと一緒にいたいと思っていますが、自分の良心は手放せません。障害を持った子どもたちが殺されていった戦争中のような世の中に絶対にしたくない。どんなに処分を受けても、良心が抹殺されないよう、きっぱりと抵抗し続けます。
(以上、4月5日の記者会見より)

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週刊『前進』(2194号3面4)(2005/04/18)

 卒業式のビラまき “妨害は言論弾圧”

 弁護士が報告の会見

 3月31日午後、「日の丸・君が代」強制反対の支援弁護活動を行った弁護士の報告会見が、東京・霞が関の弁護士会館で行われた。3月の都立高校卒業式で、市民団体や保護者、労働者らが門前で「日の丸・君が代」強制反対のビラまきを展開した。その際に警察がビラまき妨害に動員された。これに対して有志の弁護士が監視弁護活動を行ったのである。
 会見では冒頭、弁護士が「石原・横山都教委の暴走をとめよう!都教委包囲首都圏ネット」や保護者の要請を受け、有志として監視弁護を行ったことなど、経過報告が行われた。卒業式当日、都立高校54校でのべ70人の弁護士が監視弁護を行った。うち37校で警察官の不当なビラまき妨害が行われたというのだ。
 中でも荒川区内のA高校では、11人もの警察官が組織的に配置され、監視弁護に当たった女性弁護士とビラをまく人びとをビデオやカメラで撮影し、「(ビラまきが)違法かどうかなんて関係ねえんだ」「卒業式なんて関係ねえんだ」などの暴言を浴びせた。当該弁護士は、その実態を写真や録音で示し、「これはもうビラまき妨害などではなく、言論弾圧です。ビラまきを終わった後、『先生もかわいそうだな。いじめられに来たようなものだな』と警察官が言いました。言論弾圧だという自覚があるんです」と怒りを語った。
 さらに会見に先立って、31日午後、荒川署に抗議申し入れが行われた。これを荒川署は「警察官への抗議は受け付けられない」と一方的に拒絶。署長面会どころか20人を超える警察官を配置して弁護士らを門から一歩も入れなかった。
 荒川署での1時間を超えるやりとりを報告した弁護士は、「異常な対応。荒川署に対して抗議するとともに、なんらかの対処を行う」と断言。さらに、「卒業式に国家権力を立ち入らせることは教育への不当な介入であり、教育基本法10条に違反する。さらにビラまき弾圧は、憲法に保障された表現の自由の侵害であり、今や国論二分の『日の丸・君が代』について情報を与えないことは、生徒や教職員の知る権利の侵害だ」と語気強く語った。

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週刊『前進』(2194号3面5)(2005/04/18)

 「日の丸・君が代」強制拒否 広島からの報告

 卒業式で不起立30人

 「職務命令には従え」をのりこえ 11人の不当処分に直ちに反撃

 広島の卒・入学式「日の丸・君が代」強制反対闘争は、ファシスト石原の突出した攻撃と闘う東京の教育労働者と固く連帯し、動労千葉の05春闘72時間スト決起に鼓舞されつつ、教育労働者自身による「戦時下の戦争協力拒否」全国統一闘争の一環として、進攻的戦闘的に闘いとられています。

 「東京と共に」を合言葉に

 密集する反動を実力で打ち破った3月卒業式闘争の高揚は、「日の丸・君が代」闘争を、教育基本法改悪阻止・憲法改悪阻止の戦闘的心棒として永続的発展の地平に押し上げ、戦時下階級決戦の強力な牽引(けんいん)軸へと飛躍させました。
 日帝・小泉=奥田、石原らの「戦争と民営化(労組破壊)」「戦争と改憲」攻撃の全面的エスカレートに全力で階級的反撃をたたきつけ、教労を先頭とする05年の4大産別決戦の勝利の突破口を切り開いているのです。
 広島では、3月卒業式で「日の丸・君が代に起立・斉唱せよ」という職務命令を拒否し、総計30人に及ぶ広島県教組・広島高教組の仲間の不起立闘争が闘われました。とりわけ青年部の仲間が続々と決起し、日教組再生の新しい力が台頭しています。
 この不起立決起と一体となって、「白ばら」「ピースリボン」「退場」「年休」等、創意工夫をこらした分会ぐるみ・職場ぐるみの不服従闘争が広範に展開されました。100人を超える高校生、数十人の中学生も不起立で反撃し、多くの労働者・市民が、保護者として来賓として全県いたるところで不起立を闘いぬきました。
 広島県教委は不起立・不服従が大きく広がったことに大打撃を受けています。今年早々から職務命令の詳細なマニュアルを指示し、重処分の恫喝を繰り返したにもかかわらず、多くの教育労働者が闘いに決起してしまったからです。
 県教委は3月30日、公立小中高、養護学校の教職員6人の戒告、5人の文書訓告、計11人の報復処分を発表しました。翌31日、直ちに被処分者を先頭に抗議と処分撤回の申し入れが行われ、県教委は一時間にわたる弾劾と追及にしどろもどろの弁解に終始しました。
 また、広島市教委は、政令指定都市の権限を反動的にふりかざし、県教委の先兵の役割を演じてきましたが、不起立・不服従の拡大にグラグラになり、処分を出すことができませんでした。「日の丸・君が代」強制の明白な違憲・違法と不正義を自己暴露したのです。
 98年の文部省による「是正指導」から7年間の苦闘を耐えてきた広島の教育労働者は、04年の東京の教育労働者の決起がつくりだした地殻変動の情勢を主体的につかみとり、「東京とともに闘おう」を合言葉に総決起して、反転攻勢の第一歩を切り開きました。度重なる戒告処分、不当配転に屈せず、組合の仲間・労働者階級の力を固く信じて闘いの火を守り抜いてきたからこそ、今日の地平があるのです。この血と汗でとり戻した主導権を握りしめ、さらに前進することを固く決意しています。
 さらに岡山・香川を始め、中四国各県にも不起立・不服従の闘いが拡大しました。鳥取では、1人の教育労働者の決起に40人の高校生が呼応して不起立するというすばらしい決起がかちとられました。初めての不起立にいきなり戒告処分を出すという鳥取県教委の暴挙に、「石原と同じではないか」と怒りの声が噴出しています。

 日教組の屈服路線に怒り

 今年の広島の「日の丸・君が代」強制拒否闘争は、労働組合とは何なのか、どうあるべきかを根底から問う闘いとして、全勢力・全潮流を容赦なくふるいにかけました。それはまさに、階級闘争の分岐・流動から再編・高揚へ向かって前進するダイナミックな過程として進行しました。
 日教組中央の総転向路線に自己保身の道を託す一部右派幹部らの「職務命令に従え」「処分されても救援しない」とする反動的制動に、多くの組合員から猛烈な抗議と批判が巻き起こり、新たな闘いのドラマが始まりました。現場組合員自身が組合と職場の組織化の先頭に立ち、校長交渉を始めとする職場闘争を、創造的に粘り強く繰り広げました。その中で組合の団結と戦闘力が生き生きとよみがえり、その力で不起立・不服従の拡大と発展を切り開いたのです。
 教育労働者の怒りと危機感、闘う意欲と機運の高まりは、戦時下の日教組運動に勝利する展望と路線をもった指導部の確立を激しく求めています。労働組合の革命論的意義の明確化を環として深化・確立された新指導路線の全面的実践こそ、それにこたえる唯一の道なのです。

 8万枚のビラが職場・地域に

 広島の労働者・市民は、教育労働者とともに「日の丸・君が代」強制反対の大運動をつくり出しました。
 昨年11・6教基法改悪阻止集会−11・7労働者集会の直後から「これは自分たちの闘いでもある」という強い思いで結ばれた支援・共闘の闘いが開始されました。そして、その強力な運動的発展の力によって「日の丸・君が代」攻防を全県的な政治焦点に押し上げました。 
 12月以来、広島県教委・市教委・地教委への申し入れが5波、6波と間断なく闘われ、卒業式の直前には教育労働者も年休をとって県教委交渉に参加し、県教委と反動校長に大打撃を与えました。
 なによりも威力を発揮したのは、3月下旬までに8万枚を超えるビラがまかれ、両教組の全職場をはじめ県内の労組と地域に圧倒的に「強制反対」の声が浸透したことでした。
 4大産別を始めとする労働者が、この闘いを牽引しました。こうした中で、2・11教育基本法改悪反対集会は、「日の丸・君が代」強制反対の階級的総決起の場として大成功をおさめたのです。
 卒業式が近づくにつれ、次々に団体・個人の新しいビラが印刷され、全県の学校に配布されていきました。退職教員が卒業生と保護者に訴えたビラや高校生のビラは多くの人びとの胸を打ち、闘いの広がりをつくりだしました。
 各地域では、学校長への申し入れと分会激励行動が地元労組・議員・保護者を先頭に繰り広げられました。そしてこれらの人びとは卒業式当日、保護者として、来賓として、地域住民として、堂々と不起立闘争を闘ったのです。私たち現場の教育労働者は、こうした労働者・市民の熱い闘い、支援と連帯に奮い立ち、渾身の決起でこたえたのです。

 全国的反撃の最先頭で闘う

 3月卒業式闘争が爆発したからこそ、4月入学式をめぐって、05年全体の攻防をめぐって、あらゆる反動との激突が開始されています。
 処分に先立ち、今年も本人のまったく希望しない報復的な不当配転が強行されました。しかし、どんな処分も不当配転も、ついに開始された反転攻勢の流れを押し止どめることはできません。
 私たちは、人事委員会闘争、裁判闘争に組合員の総決起を呼びかけ、必ず不当処分の撤回を闘いとる決意です。東京の被処分者の仲間との血盟をさらに打ち固め、全国的反撃の最先頭で決起します。
 今年の「日の丸・君が代」決戦は、教育基本法改悪・憲法改悪の攻撃を打ち破る強烈な第一撃として、小泉・奥田路線打倒、ファシスト石原打倒の決戦の勝利を開く先制打となりました。
 @「日の丸・君が代」強制反対、Aイラク侵略戦争反対、教え子を戦場に送るな、B教基法改悪阻止・改憲阻止、C日教組再生―を柱とする教労決戦は、「日本における『05年』から『17年』革命」の導火線となろうとしています。教労戦線は、郵政民営化阻止を始めとする4大産別決戦の最前線であることを強烈に自覚し、全党・全労働者階級の先頭に立って一層奮起することを決意しています。とりわけ広島の教育労働者は、5・7教育基本法改悪反対全国集会に最大の動員をもって結集し、都議選勝利の突撃路を切り開き、7月の日教組大会に断固進撃します。5月沖縄−8・6ヒロシマを最先頭で牽引し、マルクス主義青年労働者同盟を強固に建設し、その力で11月労働者集会の歴史的大成功へむかって前進することを決意しています。
 (投稿/川口梓)

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週刊『前進』(2194号4面1)(2005/04/18)

 中部方面隊 第6次イラク派兵阻止

 独島・釣魚台略奪と一体の攻撃

 米日枢軸の侵略戦争拡大=世界戦争への突進と対決を

 革共同関西地方委員会

 すべての労働者階級人民の皆さん、とりわけ自衛隊兵士の皆さん! 革共同は重大な決意をもって、イラクへの5月第6次派兵を阻止する闘いに全力で立ち上がることを訴える。第6次派兵は、日米枢軸のもとで日帝の世界戦争参戦へと道を開く。また、自衛隊を泥沼の侵略戦争に投入し、すべての日本の労働者人民に戦争協力を強制するものとなる。それは、日帝が戦後憲法の「制約」を破って、侵略帝国主義に飛躍する決定的転換点だ。島根県議会による朝鮮領土=独島の「略奪宣言」は、この第6次派兵と一体の日帝自身の侵略戦争の宣言だ。イラク人民の闘い、世界の労働者階級の闘いと連帯し、第6次派兵を阻止しよう! 戦争協力を拒否しよう! 自衛隊兵士は出兵命令を拒否し、労働者階級の隊列に合流しよう。

 米軍包囲し孤立させるイラク人民の武装闘争

図 陸上自衛隊のイラク派遣 米帝は、石油資源の強奪と対EUを始めとした帝国主義間争闘戦に勝ち抜くためにイラク侵略戦争を強行した。これは米英日枢軸による世界戦争への突入というべき重大事態である。
 米帝はこの戦争で10万人を超えるイラク人民を虐殺し、劣化ウラン弾、クラスター爆弾、毒ガス兵器などありとあらゆる残虐兵器を使って無差別に人民を虐殺している。人びとを捕らえては、収容所で拷問し、暴行し、虐殺している。これに対して、イラク人民は怒りに燃えて民族解放闘争に決起しているのだ。
 イラク全土で今、占領軍は撤退を余儀なくされ、解放区が広がっている。米帝のイラク侵略戦争は軍事的に破綻(はたん)している。カイライ政権のための国民議会選挙もそれを繕うことはできなかった。
 米帝ブッシュは、イラク侵略戦争の泥沼化と体制的危機に追いつめられ、大統領就任演説、一般教書演説をとおして世界戦争路線の拡大を宣言した。イラクの石油強奪と植民地支配を強行し、中東全域に侵略戦争を拡大し、さらに、中国の体制転覆、対ロシア、対EU(ドイツ、フランス帝国主義)の争闘戦のために、イランや北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)など6カ国を「圧制の前哨」と決めつけ、ここをターゲットに世界再編を進めることが「わが国(米帝)の自由が生き延びる」道であると主張した。
 トランスフォーメーションは、危機に立つ基軸帝国主義・米帝の世界戦争戦略である。「情報通信技術のハイテク化で、戦闘効率を画期的に向上させる。それによって、数・量を重視した冷戦対応型から質を重視した軍事力に転換する」「開戦決定から10日間で戦域に展開させ、次の30日間で増援を入れ戦闘に勝利させ、最後の30日間で主力を撤退、次の紛争・戦争に備える」――これは01年9・11ゲリラ攻撃から急速に現実化し、アフガニスタン侵略戦争、イラク侵略戦争をもって実戦に移された。
 エリック・シンセキ陸軍参謀総長(当時)は、ブッシュの「戦闘終結宣言」(03年5月1日)以降に20万人の米軍兵力が必要と議会で証言した。これに対し、ラムズフェルド国防長官はシンセキの主張を退け、3万人の兵力で十分とした。
 しかし、これは侵略軍に誰も抵抗しない場合にのみ成立する。実際、イラク人民の民族解放をかけた武装闘争によって、この戦略は完全に破産した。米軍は、イラク人民の怒りに包囲され、孤立し、崩壊が始まっている。「有志連合」の崩壊も決定的となった。派兵した38カ国のうち、05年3月現在で、スペイン、オランダを始め16カ国が撤退または撤退中で、4カ国が撤退を予定・計画している。

 北朝鮮・中国侵略戦争狙う

 04年11月、ブッシュと国防総省は「同盟国・協力国の役割の拡大と協力関係の強化」を打ち出した。最大の目的は日帝の動員である。2月19日の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で、日米が枢軸を形成し、世界戦争を進めていくことを「共通の戦略目標」として合意。日米同盟を世界的規模で強化し、日米の「軍事的一体化」を宣言した。
 第一に、中国侵略体制を構築し、その軍事的圧力で中国を屈服させ、北朝鮮と中国の体制転覆を図っていくことを「地域の戦略目標」として歴史上初めて掲げた。日帝は、この情勢を背景に排外主義を激しくあおりつつ東中国海の領土(釣魚台)・資源の略奪、独島の略奪を開始した。防衛庁は、「離島防衛」と称した陸自と米軍の共同訓練、共同対処の方針、「中国による島しょ部に対する侵略」を「新たな脅威」として、「南西諸島有事に」5万5千人の陸上自衛隊と特殊部隊を投入する計画などを打ち出した。今や侵略戦争への画歴史的踏み込みが始まったのだ。
 第二に、「自由の拡大=圧制の打破」なる米帝の侵略戦争と植民地化の戦略を日帝がともに担うことを確認した。これに対応して日帝は、04年12月「新防衛大綱」で自衛隊の本来任務に「海外派遣」を加えた。
 米英日枢軸による世界戦争に日帝・小泉政権は帝国主義としての延命をかけて参戦することを決断した。そして第6次派兵でそれを実戦に移そうとしている。今次派兵で起こる可能性の高い自衛官の戦死をもそのために利用しようとしているのだ。

 資本家階級の戦争への動員や協力を拒否する

 郵政民営化を始め、教育労働者への「日の丸・君が代」強制、大阪市職−市労連に対する「ヤミ・カラ」キャンペーン、全日建連帯労働組合・関西地区生コン支部の労働運動に対するデッチあげ弾圧など、堰(せき)を切ったように反動攻撃、労働者の団結=労働組合・労働組合運動壊滅攻撃が開始されている。とりわけ石原都知事のファシスト政治は、一切の階級的なものをたたきつぶし、差別主義、排外主義で首都と日本全体を戦争動員する突出した攻撃だ。
 この人間的忍耐の限界を超える攻撃は、労働者階級の階級的反乱、怒りの決起を不可避としている。教育労働者の決起が処分・免職の弾圧、反動的制動を超えて広がっているように、戦争に反対し、戦争動員を拒否する、人間の尊厳をかけた決起は不可避である。資本家階級による資本家階級のための侵略戦争に怒り、戦争協力を拒否する労働者階級の闘いの存在は、兵営に隔絶され、侵略軍・占領軍として戦場に駆り出される自衛隊兵士を根底から揺さぶらずにはおかない。
 日帝ブルジョアジーとその政治委員会の「資本家階級の利害のための戦争に命も投げ出せ」という要求に対する憤り、他国のプロレタリアート人民に銃を向けさせられ、またその怒りによって殺されるかもしれないことから、今、兵舎の中は大きく揺れている。元自衛官の「派兵を拒否しよう」という現役兵士への呼びかけは、自衛隊家族、元自衛官を始め、自衛隊を取り巻くさまざまな人に広がり、圧倒的な支持と共感をもった運動として広がっている。この情勢は、戦後、兵士を階級闘争の中から排除してきた既成の労働運動(反戦運動)を根底から変革し、帝国主義軍隊を解体し、兵士を獲得する現実的展望を切り開いている。
 他方、イラクから帰還した自衛隊幹部が、米軍との共同作戦をとおした侵略軍というリアリズムの中から、憲法の「制約」を破る自己運動を展開し、一個の政治勢力として戦時体制づくりを推進する情勢も生まれている。
 番匠・第1次イラク復興支援群長は「安全は与えられるものではなく、自分たちでつくるもの。自衛隊はオランダ軍に守ってもらっていると誤解されている」と言う。
 同支援群の佐藤先遣隊長は「イラクでは襲撃者が住民の中に潜むため、住民や企業の協力が不可欠だ」とし、有事法制の整備も念頭に「日本にゲリラが上陸したときの対処など、自衛隊の国内任務も同じことが言える」と語る。「住民対策」をまったくやれないアメリカ軍の占領より自衛隊の方が成功していると言っているのだ。また、サマワの自衛隊の「住民対策」の活動経験は、日本国内の有事法下で住民=労働者人民の軍事的な制圧と慰撫(いぶ)のために役に立つと言っている。彼は04年12月福知山駐屯地(京都府)司令となってからでも35回講演に回っているという。

 自衛隊兵士に呼びかけよう

 「とめよう戦争!隊員家族と元自衛官連絡会」を先頭とする労働者は、20回を超える中部方面隊の各自衛隊駐屯地・基地への申し入れを行い、自衛官に直接アピールしてきた。労働者人民と自衛隊兵士の交流・交歓を恐れる日帝・小泉は「小泉首相あての請願・申し入れは受け取るな」という「首相官邸からの自衛隊への指示」まで出して妨害した。しかし、自衛官と労働者階級との交流・呼びかけは続く。
 「お兄さんを行かせたくない」と署名したり、「小泉首相は自分が行ったらええんや」と怒りの声も多い。元自衛官が運動に加わったり、自衛隊の近くの住人が参加するなど、「行かせたくない」という多くの声が集まる。また、派兵されるバスの中から手を振る自衛官がいる。目を真っ赤に泣きはらした自衛官がじっと見ている。兵舎の中からじっと聞いている。労働組合の申し入れは特に注目される。集会場の使用許可取り消しも、大衆的抗議ですぐに撤回させた。
 今こそ、労働者のきょうだい・自衛隊兵士に伝えよう。自衛隊兵士は誰のための戦争に駆り出されようとしているのか? 資本家がイラクの石油を奪うためだ! そのために10万人を超えるイラク人民の命を奪った。何万年も放射能汚染に苦しまなければならないほど劣化ウラン弾を撃ち込んだ。ファルージャの町を瓦礫(がれき)の山とし、イラク人民から生産活動を奪い、生活を奪った! なんのためだ? 資本がこの戦争でより肥え太るためにだ! イラクの人民は敵なのか? イラクのレジスタンスは敵なのか? 同じ労働者・きょうだいではないのか。同じ労働者を殺しに行かせるのは誰だ? そいつこそ敵ではないのか! 小泉首相や奥田日本経団連会長ら日本政府と資本家だ! 自衛隊兵士を殺人マシンにするために、尊厳を踏みにじり、兵士をいじめや自殺、犯罪に追いやっている! やつらのための戦争に出兵するのを人間の尊厳にかけて拒否しよう! そして、労働者階級の敵、資本家とその政府=小泉政権を打倒する闘いにともに立ち上がろう。
 第6次派遣隊の派兵を阻止しよう。4月20日からの座り込み、5月派兵時の伊丹闘争に立とう。

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週刊『前進』(2194号4面2)(2005/04/18)

 佐世保 46隻目のインド洋派兵

 ゆうだち出港を弾劾

 3月31日、反戦共同行動・長崎と同・福岡は「護衛艦『ゆうだち』出撃を許すな! アフガニスタン・イラク侵略戦争をとめよう! 自衛隊を撤退させよう!」と、早朝から佐世保現地闘争に決起した。
 今回の護衛艦「ゆうだち」出撃は自衛隊がアフガニスタン、イラクへの侵略戦争にさらに深々と参戦していくものだ。また米軍のトランスフォーメーション下で、佐世保を侵略戦争の拠点としてさらに強化していく攻撃だ。
 01年11月のアフガニスタン侵略戦争への派兵以来、海自艦の派兵は46隻。佐世保基地からのインド洋・アラビア海への派兵は通算16隻。護衛艦「ゆうだち」は02年に続いて2回目の派兵だ。自衛隊によるインド洋・アラビア海での燃料補給は496回、39万5千`リットルに上っている。
 午前10時30分から海自立神桟橋を眼前にする前畑ふ頭で「自衛隊の海外派兵反対!ゆうだち出港反対!佐世保現地集会」が佐世保地区労の主催で開催された。長崎県平和運動センター、県北平和運動センター、長崎地区労、諫早地区労や大村地区労の旗が見える。国労や全水道など地元・佐世保を中心として80人の労働者、学生、市民が集まった。
 佐世保地区労の志方忠雄副議長は、主催者を代表して、「最初の派兵から3年半近くが過ぎ、米軍艦船などへの油の補給に、すでに450億円以上がつぎ込まれている」と指摘。「戦闘行為をやっている米英軍を後方支援することは、日本も多国籍軍の一員であることを認識しなければならない」とあいさつ。
 長崎県平和運動センターの中崎幸夫議長は「日本が戦争へ向かう中で、ビラまきだけで逮捕する、日の丸・君が代強制で処分するというとんでもない攻撃が横行している。戦争のない世界をつくるために頑張らなくてはならない」と呼びかけた。
 今川正美前衆議院議員は「私は港湾労働者と3年がかりで戦争協力といかに対決するかを議論してきた。『国民保護法制』の具体化の中で港湾、航空、鉄道、自治体、医療などあらゆる職場が最前線だ。今こそ戦争協力拒否の闘いを始めよう」と訴えた。
 10時50分、護衛艦「ゆうだち」が立神桟橋を離れると、直ちに抗議の声が上がった。「ゆうだちは出ていくな」「戦争協力反対」「日の丸・君が代強制反対」「小泉内閣打倒」のシュプレヒコールがとどろいた。

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週刊『前進』(2194号4面3)(2005/04/18)

 キルギス政変の実態

 巨万の民衆運動が政権転覆 暫定政権は帝国主義が頼り

 一夜で「革命」 大統領が逃亡

 3月24日、中央アジアのキルギス共和国で民衆運動が爆発し、アカエフ政権が一夜にして崩壊した。議会の不正選挙を追及する民衆運動は、南部諸都市の政府庁舎占拠の後、首都に上り、首都住民と結合して大統領府前に結集し、警察・軍の治安部隊500人を粉砕した。民衆が大統領府に入る前にアカエフ大統領はロシアに逃亡したが、4月4日辞任した。野党のバキエフ元首相が大統領代行に就任し、暫定政権を作った。6月に大統領選を実施する予定だ。
 キルギスで03年のグルジア、04年のウクライナでのような巨万の大衆運動が急速に組織され、政権転覆に至ったのはなぜか。
 第一に、アカエフ政権の腐敗・不正、権力独占への人民の怒りが爆発寸前まで高まっていたからだ。
 14年間の政権期間中にアカエフは腐敗を深めた。特にこの10年、不正操作を含む国民投票による憲法改正を繰り返し、大統領権限を強めてきた。北部出身者で権力を独占し、反対派指導者を投獄してきた。
 民営化や外国からの援助などをつうじて作ったアカエフ一家の財産は、国家予算の3億7千万jを超える。国民の平均年収は300jで、世界最貧国の一角を占める。とりわけ南部の民衆は極貧だ。
 第二に、ペテンにせよ「民主主義」を掲げるアカエフは、強力な弾圧装置をつくっておらず、また断固として強権を発動することをためらったからだ。
 大統領の地位に固執したアカエフは、欧米帝国主義の援助・投資を受けて延命するために穏健派を装おうとした。しかし、たとえ治安出動を命じたとしても、津波のような民衆デモに弱小の治安部隊はかなわなかったことも明らかだ。
 第三に、アカエフ政権の一定の民主化措置のもとで米帝の政府資金や非政府諸組織が入り込み、「民主化」支援の活動を展開することができたからだ。米帝はこれらの物質力をもって民衆運動に介入し、今回の政変を促進した。

 米帝が民主化を陰で助ける

 議会選挙直前に反対派の新聞「MSN」が建設中の大統領御殿の写真を掲載し、民衆の怒りに火を付けた。この特別号は20万部印刷された。MSN紙は南部の闘いを北部に知らせ、首都総結集を呼びかけた。
 MSN紙は、フリーダムハウス(FH)が運営する新聞印刷所で印刷された。FHは「世界に民主主義と自由を普及させる」とうたうNPO(非営利民間団体)だが、収入の4分の3を米政府の寄付や助成金に負う。事務所はセルビア、ウクライナにもある。キルギスでは03年11月に「新聞印刷所支援センター基金」を創設、新聞発行業務の支援や海外「民主化」動向の情報提供を行ってきた。
 米政府資金は、旧ソ連諸国の資本主義移行を援助する「自由支援法」(02年)から出される。これに基づき米国務省国際開発局(USAID)はキルギスのNPO活動のために04年度に1200万j投じた。05年度は3500万jだ。
 米政府はまた、83年に議会が設立した「米国民主主義基金(NED)」をつうじて民主化プロジェクトを行う民間団体を世界で支援してきた。NEDへの政府助成金は04年度で8000万j、03年度の2倍だ。
 NEDに支援される民主党系の国家民主研究所(NDI)や共和党系の国際共和研究所(IRI)は、市民センターを各地に作り、集会場、政治訓練、非政府系新聞、CNN、インターネットを提供した。
 米政府はキルギスのアメリカン大学のスポンサーだ。学生や非政府組織指導者を米国に留学させてきた。バキエフも米国留学生のひとりだ。米政府はラジオやテレビにも資金提供し、番組を作って全国放送した。メディアは反アカエフキャンペーンを行った。

 民衆運動爆発恐れるロシア

 

キルギスの暫定政権を担う野党は、はっきりした路線・政策を持っていない。ウクライナのユーシェンコやグルジアのサーカシビリのような求心力を持つ指導者も現れていない。この中で豊富な資金を出せる米帝への依存が強まることは不可避だが、エネルギー供給の命脈を握るロシアの影響力も依然として強い。
 しかし、ロシア・プーチンは政権誕生以来の危機を深めている。親米・反プーチンの民衆運動が自国内にも及ぶことを恐れている。実際、キルギス政変直後、隣のベラルーシや連邦内の諸共和国で反政府デモが起こった。プーチンのCIS統合強化政策は行き詰まった。チェチェン侵略戦争の泥沼からも抜け出せない。
 危機にあえぎ戦争に訴える米欧日帝国主義やロシアを打倒し、民族解放とプロレタリア革命をかちとるために闘うことがキルギス人民の勝利の道だ。帝国主義国プロレタリアートは、闘うキルギス人民と連帯して、帝国主義戦争を国際的内乱に転化し、ともに世界革命を切り開くために立ち上がろう。
 (藤沢明彦)

 最近のキルギス

1990 キルギス共産党改革派のアカエフ科学アカデミー総裁、大統領に就任。
1991 キルギス共和国独立宣言。アカエフ、エリツィンとともにソ連共産党保守派クー デターに反対。独立国家共同体に加盟。
1992 経済改革を開始。
1996 国民投票で憲法改革承認。大統領に権限集中、議会権限を縮小。
1998 憲法裁判所、アカエフの大統領3期目を容認。旧ソ連独立国で初のWTO加盟。
1999 イスラム戦士の人質作戦に軍出動。
2000 アカエフ、大統領に再選。不正選挙。
2001 「対テロ」の上海協力機構に加盟。米帝がマナス国際空港に基地開設。
2002 ジャラルアバドのデモで5人死亡。職権濫用罪でクロフ元内務相に懲役10年の判決。5人死亡問題でバキエフ首相辞任。首都で大統領辞任要求デモ、数十人逮捕。
2003 国民投票で憲法改正承認、大統領権限の一部を議会に移譲。アカエフの大統領権 力固め。ロシアがカント空港に基地設置。
2004 反政府諸党が連合。
2005 2月、野党指導者が議会選への立候補を阻止され、抗議行動。3月、第2次議会選後、抗議行動が激化。南部で政府庁舎占拠。首都でデモ拡大、大統領府占拠。アカエフ、ロシアに逃亡。旧議会がバキエフを大統領代行に指名。クロフ釈放。新議会がバキエフ首相を承認。旧議会解散。アカエフがモスクワで大統領辞任。

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週刊『前進』(2194号4面4)(2005/04/18)

日誌'05 3月30日〜4月5日

 自民新憲法起草委が「要綱」

 米ヘリ部隊が普天間に帰還

●米、海外移転を拒否 在日米軍再編をめぐる日米協議で、米側が沖縄県に駐留する海兵隊部隊の国外移転に原則として応じない考えを示していることを政府関係者が明らかにした。(30日)
●「君が代」不起立で52人処分 東京都教育委員会は、今春の卒業式で「君が代」斉唱時に起立を求める個別の職務命令に従わなかったとして、公立学校の教職員52人を戒告・減給処分にしたと発表した。(31日)
●沖縄県、辺野古沖調査1年延長に同意 沖縄県土木建築部は、普天間飛行場代替施設建設で那覇防衛施設局が申請していた名護市辺野古沖でのボーリング地質調査と海象調査のための公共用財産使用協議の期間更新について、1年間の延長に同意した。(31日)
●韓国、日本の常任理事国入りに反対 韓国の金三勲国連大使が日本の国連安全保障理事会の常任理事国入りについて、韓国政府として反対する立場を初めて明らかにし、阻止のため「努力を続ける」と述べた。(1日)
●米ヘリ部隊が普天間に帰還 在沖米軍基地からイラクに派遣されていた米海兵隊の第31海兵遠征部隊(31MEU)のヘリコプター部隊が沖縄県宜野湾市にある米軍普天間飛行場などに帰還した。昨年8月に沖縄国際大学に墜落したCH53D大型輸送ヘリの同型機も含まれている。2日には兵員約1700人が沖縄本島に戻った。(1日)
●象のオリ、政府が代理署名 政府は那覇防衛施設局で、5月末に米軍用地の強制使用期限が切れる沖縄県読谷村の米軍楚辺通信所(象のオリ)の一部土地(知花昌一さん所有)について、使用延長手続きの代理署名を行った。防衛施設局は、4月中にも沖縄県収用委員会に対し、6月以降の土地使用延長を求める裁決申請を行う見通し。(1日)
●日米共同演習に自治体の参加検討 陸上自衛隊は、来年2月に熊本で行われる米陸軍などとの共同図上演習に、九州・沖縄8県の危機管理担当者らを参加させる方向で検討に入った。国民保護の基本指針が3月末に閣議決定されたのを受けたもの。戦闘を目的とする自衛隊の訓練に地方自治体が参加するのは初めて。演習では、弾道ミサイル攻撃など具体的な有事を想定し、住民避難や救援方法を検証するとしている。(2日)
●中国で日本の常任理入り反対デモ 中国広東省深せん市で、日本の国連安保理常任理事国入りに反対する民間団体が集会を開き、参加者が日系スーパーの看板などを壊した。歴史教科書問題も絡み、中国各地で日本製品の不買や撤去の動きが出始めている。四川省成都市では2日、日本の国連安保理常任理事国入りに反対する中国人の若者数十人が日系スーパーを襲撃した。(3日)
●自民新憲法要綱 自民党新憲法起草委員会(森喜朗委員長)の各小委員会が11月の草案策定に向け、憲法改正のポイントとなる要綱を提出した。焦点の9条には@自衛のための自衛軍保持A自衛軍の国際平和への寄与――を盛り込む一方、憲法上は自衛と国際協力のための武力行使に制約を設けず、基本法で規定する考え。また、「文民統制(シビリアンコントロール)」の規定や「国際平和への積極貢献」の明記を求めている。(4日)
●伊江村議会でヘリ部隊移転に反対意見書
沖縄県伊江村議会の臨時議会で、日米両政府間で普天間飛行場のヘリコプター部隊を米軍伊江島補助飛行場に移転する案が検討されている問題に対し「反対する意見書」案を可決した。(4日)
●「つくる会」教科書も合格 文部科学省は、来春から使われる中学校用教科書の検定結果を発表した。「新しい歴史教科書をつくる会」が主導して編集した扶桑社の歴史と公民はいずれも合格した。(5日)

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週刊『前進』(2194号5面1)(2005/04/18)

 辺野古新基地建設阻止貫き普天間即時・無条件撤去へ

 5・15沖縄闘争に立とう

 革共同沖縄県委員会

 沖縄戦終結60周年の節目でもある05年5・15沖縄闘争は、戦時下の日本階級闘争にとってきわめて重要な戦略性をもつ闘いとなった。5・15沖縄闘争への全国からの総決起を呼びかける。2・19日米安保協議委員会(2プラス2)での「戦略合意」をもって、米軍再編(トランスフォーメーション)の一環としての在日米軍再編は実行過程に入った。これに立ちはだかっているのは、沖縄の怒りと闘いを先頭にした日本労働者階級人民の反戦・反基地闘争である。この闘いを、改憲・教育基本法改悪、自衛隊増強・侵略派兵、ファシスト石原らを先頭にした「つくる会」教科書採択の攻撃、日帝の侵略・領土略奪攻撃に反対する闘いと結合し、朝鮮・中国人民と連帯して闘おう。辺野古座り込み1周年の4・17集会を闘い、5・15沖縄闘争を日帝・小泉=奥田とその最先兵ファシスト石原打倒の闘いとして爆発させよう。

 米軍大再編で沖縄は中国侵略の最前線に

 4月2日、イラクへ派遣されファルージャ作戦などを担っていた米海兵隊第31遠征部隊のうち約1700人が沖縄ホワイトビーチに帰還した。これと同時に、普天間基地に海兵隊ヘリ20機が帰還した。在沖米軍司令官は「立派に任務を遂行したヒーローとして彼らを迎えてほしい」と声明を発表した。
 これに対し、宜野湾では、市職労や中部地区労の労働者らと爆音訴訟の会のメンバーら450人が抗議集会・デモを闘った。普天間基地をめぐる状況は昨年8月の墜落事故と同じ構図に再び突入した。
 この日、稲嶺県政は、辺野古沖海域公有水面使用許可の1年延長を決定し、防衛施設庁のボーリング調査攻撃をさらに1年続けさせるための手続きをとった。防衛施設庁は、さしあたり半年の調査工事の延長計画を発表し、辺野古での調査工事強行を狙っている。
 5日には、スーパー固定ブイ(水深25b以上の地点でのボーリング装置)を設置するための作業船が中城湾港を出港し、反対派はこれを迎え撃つ態勢をとった。作業船はその日はいったん帰港した。だが、近日中にもこの巨大なブイの設置をめぐる決戦が避けられない状況となっている。辺野古決戦は新たな段階に突入した。現場はピリピリとした緊張の中にある。
 辺野古での座り込みは、4月19日に1年を迎える。1周年の4・17集会に集まろう。海上阻止船のチャーター代をカンパしよう。

 日米帝が対中軍事対決宣言

 5・15闘争へ向かって第一に重要なことは、2月19日の日米安保協の「戦略合意」で、日米帝が対中軍事対決の推進をはっきりと戦略的に宣言したという事実である。
 日米枢軸で全世界的に侵略戦争を激化させ、帝国主義間争闘戦を世界戦争的規模で展開していく宣言がなされ、その正面敵に中国が据えられるという構図のもとで、北朝鮮・中国侵略戦争への歯車が回り始めた。在日米軍と日米安保(日米軍事同盟)はそのための実体構造として根幹から再編されようとしている。戦後の日米関係はここで決定的に転換するのだ。
 米帝は、世界を支配する帝国主義としての歴史的な根底的危機と現にイラクで開始したことの完全な破綻(はたん)性から、中東のみならず東アジアにおいても本格的な戦争の発動に踏み切るしかない。これとの関係で、また日帝自身の内的な根拠によって、日帝の側も完全に戦争する帝国主義として日米枢軸的に突き進むしかない。2・19の戦略合意は、歴史的な分岐点における帝国主義国家としての進路の決断という意味をもっている。 
 このような踏み切りを行った帝国主義、帝国主義支配階級とどのように闘い、どのように勝利するのか。問題はこのように提起されている。
 昨年および今年の首都東京における3月卒業式(4月入学式)の「日の丸・君が代」決戦は、「つくる会」教科書採択をめぐる階級的激突へと発展しようとしている。
 首都におけるファシスト石原の突出は、まさに日帝が労働者階級人民の抵抗を粉砕して、戦争に乗り出そうとしていることの最も鋭い表現なのだ。対中軍事対決の扇動と釣魚台(ティアオユイタイ。「尖閣諸島」)略奪攻撃の一貫した仕掛け人である石原が首都の権力を握って労働者階級人民に襲いかかっている。
 排外主義に屈して帝国主義の侵略戦争に動員されるのか、それとも侵略戦争を拒否して帝国主義を打倒するのか。5・15沖縄闘争は、米軍基地撤去・米軍再編粉砕を直接のテーマとするが、同時にこうした日帝の戦争国家化・戦争突入、排外主義との最も鋭い対決、日帝対日本労働者階級人民の戦略的総対決の場でもある。

 「負担軽減」はウソだ県内移転、自衛隊増強

 第二は、日帝の沖縄政策が全面的に破綻している中で、沖縄人民の辺野古新基地建設阻止=普天間基地撤去の闘いを全国全人民の闘いとして爆発させ発展させることが今こそ必要だということである。
 日帝・小泉は、米軍再編の協議の中で「沖縄基地の負担軽減」を掲げているが、それは完全なペテンである。日帝が米軍再編を受け入れ、実行・貫徹するためには、地元負担の軽減にも配慮するという形で「沖縄基地の軽減」について言及せざるをえない。また前提として沖縄の反基地闘争をたたきつぶすことが問題になる。沖縄の基地闘争が燃えさかっている中で在日米軍基地全体を強化することが成り立つわけなどないからだ。
 「沖縄の負担軽減」という文句は、大攻撃を貫徹するためのテコとして持ち出されたものでしかない。沖縄の海兵隊が本土に移転するのが既定の事実であるかのようなキャンペーンがなされているが、それは真実ではない。沖縄海兵隊の核心部隊は第31遠征隊であるが、この部隊はあくまでも沖縄にとどまることを追求しているのだ。
 また、普天間基地の移設問題では、日帝は辺野古の破綻という事態にたたき込まれながらも、あくまで県内移設を基本にしているのである。宮古の下地島、伊江島、キャンプ・シュワブ沖の埋め立て、あるいは辺野古の今の位置に浮体工法で滑走路を浮かべる方式への転換など、とにかくあらゆる形で沖縄県内における移設を追求しようとしている。これは米帝の意志でもある。
 米帝は、2月安保協を前後して、はっきりと「もう一つの滑走路(飛行場)を沖縄に」と主張している。
 日帝・小泉がこの難題を「解決」するためにひねり出したのが「自衛隊基地の日米共同使用」という案である。米軍再編の一環として横田基地で追求していることを沖縄でも形式として持ち出そうとしている。
 要するに、沖縄の米軍基地の一定部分を自衛隊管理にして、これを有事にはもちろんだが普段から海兵隊に使用させるというプランである。そうすれば沖縄米軍基地が大幅に減ったことになるというのだ。日帝が考えている「負担軽減」とはこのようなものでしかない。
 防衛庁は普天間基地に関しても、「撤去ではなく滑走路を残して海兵隊の有事使用のために自衛隊が管理する」「普段は使用しないから事故の心配はない」と言い始めている。沖縄海兵隊の機能の一部を本土に移す(分散する)ことが検討されているのは事実だが、それはこうした形で基本機能を沖縄に置き、全体として在沖米軍を強化した上でのことなのである。「米軍再編」は沖縄基地を軽減しない。むしろ逆に沖縄を再び戦場にするのだ。

 沖縄自衛隊の増強が本格化

 この点でどうしてもはっきりさせなければならないのは、沖縄における自衛隊の増強がこの米軍再編の中で本格的になされようとしていることだ。昨年の防衛大綱改定の中で打ち出されているように、日帝は沖縄における陸自の強化を狙っている。
 一つには、宮古・八重山への配備強化(5千人の展開計画)である。これは、2月の「戦略合意」と関連していて、釣魚台略奪や大陸棚資源問題、そして台湾海峡問題を直接ににらんだものである。また東南アジア(マラッカ海峡の「海賊」問題)への展開をもにらんだものである。
 もう一つは、民間地域への米軍機墜落の際に、米軍ではなく自衛隊が出動するという取り決めである(4月2日になされた)。これは、昨年の8・13墜落事故後の処理(一方的な米軍の出動)をめぐる日米協議の中から出てきた方策である。自衛隊が米軍を守るという関係がもっと露骨になるということだ。
 このように日帝・自衛隊は、沖縄での地位と実際の機能を今ここで決定的に強化するために必死になっている。それは、憲法9条改悪を追及すると同時に、米帝と並んで対中国の軍事作戦を担う軍隊への実体的飛躍を追求しているからである。
 日帝の沖縄政策の歴史的破綻の中で、実質的には自衛隊が米軍基地を守る形態がとられようとしているのだ。
 だが自衛隊は、「天皇の軍隊」がそうであったように沖縄人民を守るためではなく、虐殺するために出動する軍隊である。これは昔も今も同じである。
 米軍再編の本質がこのように自衛隊との関係でむき出しになってくるにつれて、日帝と沖縄人民の関係が新たな極限的緊張の中に入っていくのは確実である。それはすでに部分的には始まっている。
 日帝は、中国との軍事的緊張を意識的につくり出しながら、宮古の下地島空港の自衛隊基地化(米軍との共同使用)攻撃と石垣における釣魚台略奪の排外主義攻撃を展開している。
 下地島空港をめぐっては、いったんは下からの労働者人民の決起によってこれは打ち砕かれた(空港施設労と伊良部町職労を中心とした全住民的決起)。だが、日帝はこれを絶対にあきらめない。次の手を打ってくる。
 石垣では、島根県議会の独島問題の条例決議に続いて、石垣市議会で「尖閣諸島の日」を制定する条例案をこの6月までに決議しようとする超反動の攻撃が開始された。これが、ファシスト石原と結託した「つくる会」教科書勢力によってしかけられていることは間違いない。なんとしても粉砕しなければならない。

 名護・辺野古の闘いは沖縄闘争のかなめ

 第三は、名護・辺野古の闘いが沖縄におけるすべての基地闘争のかなめの位置にあるということだ。
 辺野古のボーリング調査阻止決戦は、昨年の4月以来、今年の3月までの闘いをとおして、特に、昨年9月に海上における激突が始まってからの画期的な闘いをとおして、日帝の闘争絶滅の攻撃を打ち破っていまだに1本のボーリングも許さない偉大な地平をつくり出している。
 防衛施設庁は、1年間の調査計画の延長を打ち出しているが、しかし、現在つくり出された地平を逆転することは絶対にできない。またそれを絶対に許してはならない。
 この闘いの先頭に立っているのは全国から辺野古のために駆けつけた「普通の若者たち」である。新基地建設案が浮上して以来、9年間にわたり座り込みを続けてきた「命を守る会」。このオジー、オバーに心ひかれ、体を張って闘いに立ち上がってきた青年たちである。これが沖縄の労働者と名護の闘いおよび全国からの支援に支えられて、国家権力との一個の海上戦争を展開し、それを、あらゆる困難を突き抜けて維持しぬいているのである。そこには実にすばらし独特の解放空間が形成されている。 
 こうした構造で、既成指導部を揺さぶり、その制動をはねのけて労働者人民が辺野古を自分の闘いとして闘っていく動きがしっかりと維持され、日帝権力の前に立ちふさがっているのである。
 日帝・国家権力の物量は、人、金、物のすべての面で辺野古の現地を締め上げている。われわれは全力をあげてこれを支えなければならない。辺野古決戦は、これから夏−秋まで本当の決戦局面に突入する。5・15沖縄闘争を、その新たな戦闘宣言としてかちとられなけばならない。

 労働運動の分岐・流動促し青年の総決起を

 第四に、こうした沖縄における、また沖縄をめぐる流動の一切を、労働者階級、労働組合の本質的・現実的な力への盤石の信頼と確信を土台に据えて、その分岐・再編を徹底的に促進する立場で闘うということである。
 確かに日帝・小泉=奥田路線の反革命政治はすさまじい。連合などの屈服と制動の前に人民は苦闘している。だが、労働者階級は沖縄においても確実に力強い胎動を開始している。5・15の普天間基地包囲行動から8・13の普天間基地ヘリ墜落事故1周年の過程で10万人規模の超党派全県民大会を行うという「計画」が持ち上がっている。その根底には、労働者階級人民のマグマのような怒りが爆発寸前にまで高まっている。
 稲嶺知事は、今度は自分も参加してもいいなどと言って、この動きに乗っかろうとしている。稲嶺の尻にくっついて米軍再編の中で実質的基地削減を要求する運動にされるのか、それとも90年代の大田知事を先頭にした運動をのりこえる歴史的な闘いに発展させるのか。それが今現在の分岐・流動・再編の中で問われている。
 5・15沖縄闘争に全国から結集しよう。自治労や日教組が改憲の濁流に飲み込まれるのか、それとも労働者階級の矜持(きょうじ)にかけて帝国主義との対決に進むのか。5・15沖縄闘争は大きな結節環となるであろう。特に全国から結集する青年労働者が、今現在の日帝との対決構造、階級主体の現状や労働者階級の存在と歴史的使命、役割を沖縄という場所でしっかりとつかみ取ることが大事である。
 若々しく荒々しい青年労働者の階級的な闘いと運動をつくり出そう。辺野古で権力と対峙している青年・若者たちを支え、孤立させない大運動をつくり出そう。4・17現地集会を闘い、辺野古決戦に勝利しよう。普天間基地を実力で撤去しよう。ファシスト石原を打倒し、排外主義と対決する国際主義的な闘いを沖縄から全世界に発信しよう。

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週刊『前進』(2194号5面2)(2005/04/18)

 中国領・釣魚台略奪許すな

 抗日デモに立つ中国人民

 「新しい歴史教科書をつくる会」による歴史歪曲教科書の採択阻止、中国領・釣魚台(ティアオユイタイ。「尖閣諸島」)略奪阻止、さらに日帝の国連安全保障理事会常任理事国入り阻止を要求する中国人民の闘いが爆発している。中国人民、とりわけ労働者、青年・学生が先頭になって、「日本は釣魚島から出ていけ。中国に資源を返せ」「過去の歴史を反省していない日本の常任理事国入りに反対」を叫んで立ち上がっているのである。
 この闘いは、歴史歪曲教科書採択阻止、独島(トクト)略奪阻止の闘いに立ち上がっている朝鮮人民と熱く連動する闘いであると同時に、日本の労働者・学生への国際連帯の呼びかけだ。今まさに日朝中労働者人民の共通の課題、日帝打倒を展望した歴史的闘いが始まっているのだ。
 数千人の反日デモ
 四川省成都では4月2日、数十人の青年たちが3時間半にわたりイトーヨーカ堂抗議を闘い、最後には投石に発展した。翌3日には数千人がイトーヨーカ堂への抗議行動を展開した。同日、広東省深せんでも2千人以上が繁華街をデモ行進。広東省広州では街頭署名が行われ、湖南省長沙でも抗議集会が開かれた。
 中国では3月以来、釣魚台防衛に取り組む中国保釣連合会などの民間団体がインターネットで日本の歴史教科書や安保理入りへの反対を呼びかけてきた。常任理事国入り反対署名は1600万人(4月4日現在)に達し、さらに拡大しているという。さらに各地で日本製品撤去の動きが広がっている。
 自衛隊のイラク派兵を強行し、日米枢軸のもとで米帝ブッシュとともに世界戦争へと進む日帝の動向は、日帝の戦争責任居直りと放棄への怒りと結合して、朝鮮・中国・アジア人民の激しい怒りを引き起している。今こそ日朝中人民の共同闘争で小泉政権打倒に立ち上がる時だ。
 「つくる会」教科書
 4月5日、日帝・文部科学省が中学校教科書の検定結果を発表した。ファシスト団体である「新しい歴史教科書をつくる会」主導の歴史と公民の教科書も合格し、朝鮮・中国を先頭に一斉に怒りが噴出している。
 「つくる会」教科書は、朝鮮領土である独島についてグラビアで「わが国固有の領土であるが、……韓国が不法占拠している竹島」、さらに本文で「……北方領土、日本海上の竹島、東シナ海上の尖閣諸島については、それぞれロシア、韓国、中国がその領有を主張し、一部を支配しているが、これらの領土は歴史的にも国際法上もわが国の固有の領土である」と記述している。これは文科省の検定意見に基づいて修正した結果だ。さらに東京書籍が「島根県壱岐諸島の北西に位置する竹島、沖縄県先島諸島の北方に位置する尖閣諸島は、いずれも日本固有の領土」と記載、大阪書籍、日本書籍新社も「竹島」を日本領土とした地図を掲載している。
 これは日帝の領土略奪の意志を教科書検定をとおして徹底し、教育現場を国家主義・愛国主義で覆い尽くそうとする攻撃だ。北朝鮮・中国侵略戦争を決断した日帝が、領土略奪へと激しく踏み込んでいるのだ。
 日帝の侵略の歴史
 釣魚台は、歴史的にも地理的にも、国際法上も中国領であり、無条件に中国人民の主権に帰すべきものである。
 日本帝国主義への歩みはその第一歩から領土略奪だった。1879年「琉球処分」によりかつての琉球王朝を沖縄県として組み込んだ後、94年に日清戦争を仕掛け、その渦中に清国領だと認識していた釣魚台略奪に踏み切る。それが1895年1月14日の釣魚台に標杭を建設することを旨とする閣議決定だった。これにより「正式に領土に編入」したと日帝は主張するが、この歴史事実こそ釣魚台が中国領である証なのだ。
 地理的に見た場合、中国領であることはもっと明白だ。大陸棚の端に位置する釣魚台と八重山諸島との間には「沖縄トラフ」と呼ばれる水深2000bの海溝が横たわっている。だが日帝は大陸棚に眠っている天然ガスなどの資源の略奪を狙っている。すでに沖縄県議会では周辺海域の調査を予算化しようとする動きもある。
 独島略奪宣言というべき島根県議会での「竹島の日」条例成立に続き、石垣市議会に1月14日を「尖閣諸島の日」とする条例案が提出され(3月22日)、6月市議会での成立が狙われている。大浜長照石垣市長は一般質問で「尖閣諸島に上陸したい」と答えた。
 領土問題こそ、侵略戦争と直結した愛国主義・排外主義攻撃そのものである。その先陣を切っているのが東京都知事、ファシスト石原だ。石原は釣魚台略奪の先頭に立つとともに、沖ノ鳥島をめぐっても領土拡大に執念を燃やしている。この石原を打倒できるのは団結し闘う労働者・労働組合の力だ。
 排外主義の嵐を打ち破り、ファシスト石原打倒、「つくる会」教科書採択阻止を真っ向から掲げ、6月都議選に総決起しよう。郵政民営化阻止を軸に4大産別決戦を闘いぬこう。

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週刊『前進』(2194号5面3)(2005/04/18)

 海兵隊部隊 イラク帰還に怒り

 “普天間基地閉鎖せよ”

 宜野湾市で450人がデモ

 4月1日夕、普天間第二小学校グラウンドで「普天間ヘリ部隊は帰ってくるな!市民集会」が開催された。普天間基地から爆音をなくす訴訟団、基地はいらない平和を求める宜野湾市民の会、宜野湾市職員労働組合の3団体が呼びかけた。450人が集まり、この日に強行された普天間所属のヘリ部隊(第31海兵隊遠征部隊)の沖縄への帰還を弾劾し、普天間基地の即時閉鎖を要求した。
 主催者を代表して島田善次さんがあいさつ。普天間基地の爆音や米兵犯罪への怒りもあらわに「もの言わぬ民は滅びる。行動しよう!」と力を込めた。
 伊波洋一宜野湾市長が参加し、「宜野湾市としても、この危険な普天間基地の即時閉鎖のために行動したい」と語った。住民のひとりは「普天間基地の自衛隊への移管などとんでもない。CH53の帰還を許している日米両政府に抗議する」と発言し、13歳の中学生は「私は看護婦さんになった時、私が治した人が戦争で亡くなるのはいやです。平和な沖縄になってほしい」と訴えた。
 辺野古の命を守る会の金城祐治さんは、「普天間がなくならないのは、私たちの運動のせいかと心を痛めております。しかし普天間にも辺野古にもどこにも基地はいらない。普天間の心が辺野古と交わり、希望となりました。私たちの運動で21世紀のうねりを! みんなで頑張りましょう!」とアピールした。沖縄平和運動センターの山城博治事務局長は、「本日は沖縄戦開始(米軍沖縄島上陸)の日。この日に海兵隊ヘリが戻ってくる。市民の力、県民の力でなんとしても追い出そう」と述べた。
 集会決議で「@ヘリ部隊の帰還中止と全米軍機の沖縄撤退、A米軍機などの民間地上空での飛行中止、B普天間基地の早期返還、C県内移設の断念」の4項目が確認された。
 集会終了後、参加者は普天間基地からキャンプ瑞慶覧(すげらん)までデモ行進をした。

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週刊『前進』(2194号5面4)(2005/04/18)

 民主労総 非正規職悪法阻止へ

 ゼネストに18万人

 韓国・民主労総(全国民主労働組合総連盟、組合員62万人)は4月1日、「ゼネスト闘争に勝利し非正規職悪法を粉砕しよう! 非正規職の権利保障立法をかちとろう! 不法派遣を処罰し正規職化せよ!」を掲げたゼネストをかちとった。231労組12万人が4時間のゼネストに突入、4万6千人余が幹部ストなどでストに合流し、総勢18万人の巨大な闘いとなった。
 金属産業連盟は5割を超える10万人がストに入り、現代自動車非正規職労組を始め長期争議中の現場労働者が資本と激突しながら先頭に立った。ノムヒョン(盧武鉉)政権が4月国会で成立をもくろむ非正規職関連法改悪攻撃への先制的な警告ゼネストをたたきつけたのである。

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週刊『前進』(2194号6面1)(2005/04/18)

団結ひろば 投稿コーナー

 サービス診断やめよと動労西日本がスト 広島 岸本一志

 3月28日、動労西日本は動労総連合の一員として、五日市駅(広島市)を拠点に05春闘ストライキに立ち上がりました。18時15分、時限ストに突入した組合員をインターナショナルで迎え、JR五日市駅北口広場でスト突入集会が開催されました。シュプレヒコールの後、ストに突入した組合員が決意を述べました。
 集会には国労広島の組合員、「日の丸・君が代」強制を拒否して闘う教育労働者、広島連帯ユニオン、広島県労組交流センター、部落解放同盟全国連合会、婦人民主クラブ全国協議会など地域から30人を超える仲間が駆けつけました。集会には通勤客も注目し、駅のホームでアピールに聞き入っていました。
 動労西日本は職場アンケートで現場の要求をつかみ、JR西日本の新賃金制度(成果主義の全面導入)の白紙撤回と、駅の窓口で働く仲間を看視・チェックして精神的重圧と労働強化にたたき込む「フロント・サービス診断」の即時中止を求めて、3月7日、JR西日本本社と団体交渉を行いました。しかし、ベアゼロ回答を始めJRの不誠実な対応に団交は決裂し、28日のストに突入しました。
 3月24日には、みぞれの降る中、JR西日本広島支社前で宣伝行動を貫徹し、主要駅(広島、横川、西広島、新井口、五日市、大竹)での朝夕のビラまきを行いました。
 このストライキは、3・20イラク反戦国際共同行動に全力で決起する中で準備され、教育労働者の「日の丸・君が代」強制反対の闘いと固く連帯して闘われました。またそれは職場の仲間の切実な要求を実現するための闘いでした。
 ストを起点に、広島の新たな労働運動の潮流をつくり出していく決意です。

 自己負担6倍に拡大精神医療改悪許すな 「精神障害者」 T・G

 私たち精神保健福祉法32条改悪に反対する有志は3月14日、厚労省に反対署名を提出しました。
 小泉政権は「障害者自立支援法案」を国会に提出しています。これは「障害者」の地域自立生活を破壊する法案です。精神保健福祉法32条の「通院医療費公費負担制度」を大改悪し、「精神障害者」の自己負担を6倍に拡大しようとしています。法が成立すれば10月から施行されます。
 現在は5%の自己負担を10%か30%負担にするのです。世帯単位で住民税、所得税の対象かどうかで細分化します。所得税対象の人が家族にいれば、「障害者」本人が収入がなくとも、また、障害年金しかない低所得者でも30%負担にするというのです。
 例えば「障害者」本人は障害年金のみで妻が働いていて課税されている世帯で医療費全体は月5万円だとします。現在は自己負担は2500円です。新法では来年の10月までは自己負担10%で5千円、10月以降は30%になり月額1万5千円です。1万5千円が全収入の4分の1という「障害者」も少なくありません。
 「重度、医療を継続せねばならない」場合は軽減措置がありますが、厚労省の意図は、保安処分病棟を頂点に地域の診療所まで各医療機関を組み込む上意下達組織を作ることです。厚労省指定医療機関以外では軽減措置を実施できなくし、医療機関の再編を狙い、精神医療を犯罪防止の目的にするものです。今でも大半の医療機関は患者を金もうけの道具としかみなしていません。その中で精神医療改革を目指して闘う「病者」、医療従事者をたたきつぶそうというのです。
 闘いによって医療観察法の施行をぐらつかせ、施行前の改定という異例の事態に追い込んでいます。さらに「障害者自立支援法案」の成立を全「障害者」の実力反撃で粉砕しよう。

 「昭和天皇記念館」に抗議の申し入れ行動 東京・三多摩 中原一朗

とめよう戦争への道!百万人署名運動三多摩連絡会と調布・狛江連絡会は3月26日、東京・立川市の国営昭和記念公園の一角に建設されようとしている「昭和天皇記念館」の「完成」に対する抗議の申し入れ行動に立ちました。
 「昭和天皇記念館」は、昭和聖徳記念財団と国土交通省が「昭和天皇の遺徳(!)を後世に伝える」ためと称して建設するとんでもないものです。
 国土交通省は不当にも申し入れを無視し、公園管理課職員が申し入れを受けました。「自分の祖父母・親兄弟・友人・知人を天皇の軍隊によって虐殺されたアジア人民にとって、昭和天皇ヒロヒトは、怨嗟(えんさ)の対象でこそあれ、『尊敬し』『賛美する』対象ではありません。『昭和天皇記念館』の建設を即刻中止すべきです。日本の『竹島』略奪に抗議する南朝鮮・韓国人民の声に耳を傾けるべきです」
 同日午後、昭和天皇記念館建設阻止団主催の「勝手に完成するな!3・26行動」が立川市内で行われました。「日の丸・君が代」不起立の教育労働者を支援する市民グループなど約50人が参加し、昭和記念公園工事事務所と陸上自衛隊立川駐屯地へデモしました。
 集会には韓国のテレビ局が取材に来て熱心に取材しました。私もインタビューで「『竹島』問題でも日本は朝鮮の植民地支配を完全に居直っている。昭和天皇を記念するということは、新たに戦争をするということだ」と答えました。
 アジア人民が日本の侵略戦争国家化に怒り、闘っています。「昭和天皇記念館」開館阻止へ闘います。

 全金本山闘争 勝利の感動 「仁義があってほかの道を選ばなかった」 新潟 川瀬哲夫

 壇上に並んだ全金本山労組のみなさんは輝いて「いい顔」でした。34年間という途方もない長期の闘いの末、とうとうかちとった解雇撤回、職場復帰。個々の組合員それぞれに語り尽くせない物語があるはずです。短いあいさつに込められた万感の思いを感じて、何度もこみ上げてくるものがありました。
 「入社して仕事を覚える前に争議となり、職場からほうり出された」という人が今や50歳を過ぎている。また、別の組合員は「仁義があってほかの道を選ばなかった」と、一人の首切りも許さない、仲間を裏切れないという労働者の団結心を端的に語っています。「仁義」の発言にはジーンときました。労働組合の闘いに不謹慎というなかれ。労働者の仁義は「一人はみんなのため、みんなは一人のため」という労働者・労働組合の原則を投げ捨てることはできないという意味が込められています。首を切られた仲間と文字どおり生き方、苦楽をともにすることで、本山の労働者はその仁義を貫いたのです。
 新潟で今一番感じているのは、本山物販がいろいろな労組に行き渡っていることです。上部団体の違いや政党支持の違いなどおかまいなし。本山組合員はどこにでも入り込んでいる。たとえ2回3回断られようが「あそこはダメ」と決めつけず、平気でまた次も同じ組合を訪ねる。その執念、戦闘性には脱帽です。私もその姿を見て、全職場に本山物販カタログを持ち込んで、一人も購入者がいない職場でもまた頼みに行くということを続けました。
 各地に築かれた本山支援網は大きな財産です。今、本山労組は職場復帰を果たし、「職場に砦(とりで)を、地域に共闘を」の合言葉で新たな闘いに進んでいます。支援をささやかながら担った者として、地元に築かれた本山支援網を新しい労働運動の潮流づくりへ生かしていくことが今後の自らの任務であると思っています。
 労組解体の攻撃が強まる今、「組合がつぶれるか、会社がつぶれるか」と資本の全体重をかけた攻撃を見事にうち破った全金本山の勝利は、全労働者に大きな励ましとなっています。教訓をあらゆる場で生かしてゆきたいと思います。

 全金本山闘争 勝利の感動 『前進』の記事に感激闘いのモデル示す 東京・民間労働者 柴田正美

 全金本山の記事に感激しました。労働者は、労働組合はどうあるべきかという正しいモデルを示してくれた気がします。今の労働組合は、資本と一蓮托生(いちれんたくしょう)だと言わんばかりに闘いも権利も投げ捨てているところばかりのような気がします。
 私たちのこんな小さな会社でも、人員補充は非正規社員(派遣)で、給与体系は新人事(成果主義)制度というものにほぼなってしまいました。親会社の労働組合の方針や決定事項がスライドして、そのまま子会社の決定になってしまうのですが、「うちの職場にこういう人事制度はそぐわない」と不満が渦巻いています。
 それゆえに、全金本山の記事の「本社工場内に労組の赤旗を掲げる」という一文は、うらやましく、同時にうれしく思いました。

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週刊『前進』(2194号6面2)(2005/04/18)

 つぶせ改憲・司法改悪・共謀罪

 戦時下の司法反動と闘う

 9条改憲に向けて国民投票法案提出の動きが活発化している。小泉政権は、5月の連休明けにも衆参両院の憲法調査会が同法案の審議ができるように国会法を改正しようとしている。改憲阻止決戦の当面最大の山場が到来した。共謀罪法案をめぐる国会審議が労働者階級の反対を押し切って連休前にも始まろうとしている。この情勢下で小泉政権への翼賛化を強める日弁連執行部に反対して、「基本的人権を擁護する」という日弁連の原点を貫く立場から多くの弁護士が立ち上がっている。戦後、弁護士と労働者人民は「共同闘争者」として裁判闘争に取り組んできた。今こそ、その本領を発揮する時だ。闘う弁護士が呼びかける「改憲と司法改悪に反対する4・27大集会」に全力で結集しよう。

 不起立の支援弁護で活躍

 3月卒業式で「日の丸・君が代」強制を拒否し不起立を貫いた53人の教育労働者の決起は、ファシスト石原都知事と都教委を直撃し大打撃を与えた。すべての都立高校の門前で強制反対のビラをまき、3人の不当逮捕という弾圧をはねのけて教育労働者とともに闘いぬいた労働者人民は、その自己解放的決起に大いに鼓舞激励された。
 ファシスト石原都知事と都教委は、事前の「処分」恫喝と当日の警察官と都教委職員の配置で、不起立闘争を圧殺しようとした。9人の警察官、7人の都教委幹部職員が配置された都立高もあった。53人の教育労働者がこのすさまじい弾圧態勢をぶち破って不起立闘争に立ち上がったのだ。
 不起立を貫いたある教育労働者は語っている。
 「生徒には歴史を教え、歴史の学習をつうじて教訓をくみ取るように指導しています。どうしてドイツはナチスの台頭を許したか。国民一人ひとりが、自分にいろんな言い訳を取り繕って、抵抗を避けたからです。ナチスに反対する行動を起こさなかったからです。歴史の教訓は、不合理には反対の行動を起こすことを求めています。私は、歴史を学ぶ者の務めだと思って不起立に踏み切りました」

 強制反対の声が石原を直撃

 この闘いの中で弁護士が大きな役割を果たした。卒業式期間中、監視弁護団として文字どおり東奔西走した。「日の丸・君が代」強制反対の闘いを自らの闘いとして全力で担った。
 また、2月28日、第二東京弁護士会は東京都教育委員会の「国旗掲揚・国歌斉唱」の通達(03年10月23日)の廃止を求める声明を発表した。声明として出されたことで社会的に大きな影響力を持つこととなり、ファシスト石原都知事への痛打となった。
 この声明の特徴は以下の3点である。第一に、「今日においても、日章旗については過去の日本の軍国主義を想起させるものとの主張や、君が代については国民主権と矛盾する天皇制を賛美するものとの解釈などが国民の間に存在している」と述べ、「日の丸」は侵略戦争のシンボル、「君が代」は天皇制を賛美する歌だと明確にしている。その上で、日帝の戦争責任と戦後責任をめぐる議論が未決着である現実を突き出している。
 第二に、「思想・良心の自由は、個人の内面的精神活動のうち最も根元的な自由であり、憲法19条は、その根元的自由を外部からの干渉介入から守るために絶対的に保障しているものである」と述べ、ファシスト石原都知事と都教委の「日の丸・君が代」強制を「起立・斉唱を処分等を背景に教育委員会が求めることは、公権力による強制であり、教職員の思想・良心の自由を侵害する疑いが強く存する」と批判している。
 第三に、当然にも導かれる結論として、「当会は、東京都教育委員会に対し、2003年(平成15年)10月23日付『入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について(通達)』を廃止すること、そして、都立学校の卒業式・入学式において、教職員・児童生徒に国旗への起立・国歌斉唱を強制しないこと、さらに、教職員・児童生徒の不起立・不斉唱を理由として教職員に不利益処分を科さないことを強く求めるものである」と宣言している。
 ファシスト石原都知事と都教委の「日の丸・君が代」強制の攻撃を違憲・違法なものとして断罪し、いかなる処分も無効であることを訴えた実に感動的な声明である。同時に改憲を推進する日帝・小泉政権への痛烈な批判となっている。

 “弁護士は労働者の武器”

 小泉政権による「司法改革」攻撃は、三つの方向から開始された。第一に「国民に開かれた司法」という名のもとで推進された労働者人民の司法制度への動員(統治する側となれという攻撃、具体的には裁判員制度の導入)、第二に「刑事司法の大改悪」(共謀罪の新設)、第三に「弁護士自治の破壊と御用化」(総合法律支援法による「日本司法支援センター」の設置)である。この攻撃の根幹には、日本を「侵略戦争を推進できる凶暴な戦争国家」へと大転換するたくらみがあった。
 日帝のイラク侵略戦争参戦で時代は戦時下へと突入した。この情勢は、日本の階級闘争全体を「戦後憲法体制を全面的に解体する攻撃」の中にたたき込んだ。
 この攻撃を貫徹するための路線として「戦争と民営化(労組破壊)」の小泉=奥田路線が推進されたのだ。ここから、憲法9条を始めとした全面的な改憲、教育基本法改悪、「日の丸・君が代」強制による「愛国心」「忠誠心」の押しつけ、治安の強化などの攻撃が一挙にエスカレートした。当然にも「司法改革」攻撃も激化した。
 さらに、独島や魚釣台などの領土略奪を狙って小泉政権が侵略帝国主義の本性をむき出しにする中、文部科学省は5日、過去の侵略を正当化しているとして中国や韓国などアジア人民から批判されている「新しい歴史教科書をつくる会」編集による扶桑社版教科書を検定で合格させた。アジア民衆の日帝・小泉政権への怒りは高まるばかりだ。
 戦時下への突入は、争議や弾圧を激化させている。その現場で必ず弁護士が闘っている。労働者民衆の闘いがあるところ必ず弁護士の闘いがある。日帝は、もはや労働者人民と弁護士のこのような共闘関係を放置できなくなり、既存の弁護士制度そのものを解体し、「公益」(国家)への奉仕者へと変質させる攻撃に出てきた。これがさらに弁護士の闘いを階級闘争の最前線へと押し上げている。
 その一方で、日弁連執行部は「司法改革」推進の旗振り役に転落している。3月17日には「司法支援センター・フォーラム」を主催した。後援には法務省、総務省、内閣官房、最高裁、協賛には全国知事会、東京都、日本経団連、経済同友会、商工会議所、連合などが名を連ねる。

 改憲阻止と国際連帯の闘い

 今、すべての労働者人民に「戦時下の05年から07年にかけてどのように闘うのか」が問われている。改憲阻止決戦を頂点として小泉=奥田路線をぶっとばす闘いの爆発が求められている。同時に世界の労働者階級との国際連帯が重要となる。弁護士にも同じことが突きつけられている。
 3月26日の「戦争と治安管理に反対するシンポジウムU」で発言に立った高山俊吉弁護士(憲法と人権の日弁連をめざす会代表)は、参加した労働者人民に次のように訴えた。
 「4月27日に『憲法改悪をぶっとばせ!共謀罪…とんでもない!裁判員制度…おかしい』改憲と司法改悪に反対する大集会(午後6時〜弁護士会館2階講堂クレオ)を開きます。この集会は“弁護士も頑張っているから一緒にやりましょう”じゃないのです。闘う弁護士は労働者民衆の武器のはずです。その武器が武器じゃなくなりそうな時には、弁護士をきちんとしたものにすることが労働者民衆自身にとっても闘いだと思うのです。力強い弁護士を持つことが民衆の権利であり、そのことにこたえるのが弁護士の義務です。その弁護士が民衆を斬(き)りつける弁護士となっていこうとしている。それを許さない民衆、労働者、市民の闘いとして、この集会を位置づけてほしい」
 この熱い呼びかけにこたえて、4月27日午後6時に弁護士会館2階講堂クレオに大結集しよう。さらに、破防法・組対法に反対する共同行動が呼びかける4・19共謀罪審議入り阻止国会行動(11時半から昼集会、9時半から16時まで座り込み、ともに衆院第2議員会館前)は重要だ。全力で立ち上がろう。

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週刊『前進』(2194号6面3)(2005/04/18)

 介護全国ネット “ヘルパーを奪うな”

 改悪阻止へ厚労省交渉

 3月30日、介護保険に異議あり全国ネットワークによる厚生労働省交渉が行われた。介護保険改悪案の国会審議が4月1日から始まる緊迫した中で、杉並、高槻、東大阪、泉佐野、神奈川、広島など全国から90人の高齢者が結集し、高齢者から介護を奪う攻撃に対し、激しい怒りを突きつけ厚労省を追いつめた。
 まず、要望項目(要支援・要介護1の人から生活援助介護を奪うな、など)に対して厚労省の回答を求めた。厚労省は、ペテン的な言辞を使いながらもあくまで改悪を強行しようとする回答に終始した。
 高齢者自身が具体的な事例を突きつけて追及した。胃ガンのために胃を全部摘出した人、夫がB型肝炎で難病指定を受けており、妻も心臓疾患と脳血管障害でめまいがある夫婦、糖尿病で網膜症のため目が不自由な男性などが現状を訴え、ヘルパー派遣を奪うなと突きつけた。
 厚労省は「個別の事例には答えられない」「ケアマネが決めること」と逃げ、ケアマネや自治体に責任を転嫁した。全国ネット事務局長の長谷川英憲さんは「あなた方は、お年寄りの意見を聞いていたら介護保険財政に赤字が出て困る、だから要求を抑え込んでヘルパーの派遣を削減し、とるものはとるという発想だ。これ以上やられたら命にかかわるから必死に交渉している」と弾劾した。
 介護と福祉を要求する杉並住民の会の八木ケ谷妙子会長は「私は91歳です。年をとると、努めて動いていますけど訓練によって良くなることはありえない。進行を和らげる程度です。(筋トレで)がんばれでは無理があります。介護を取り上げるということは非常に過酷です」と発言した。
 厚労省は「生活援助がなくなるわけではない」と弁明した。また「生きるために必要なサービスは提供されるべきだ」「高齢者の命を奪うのか」という必死の追及に厚労省は「必要なサービスは提供されます」と答えざるを得なかった。
 改悪案をあくまで押し通す厚労省に怒りが一層わき上がる。同時に地方自治体への追及が重要だ。闘う高齢者を先頭に介護保険改悪を阻止しよう。

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週刊『前進』(2194号6面4)(2005/04/18)

 保安処分施設 下総精神医療センターに中止を要求

 医療観察法即時撤廃を

 「処遇困難者専門病棟」新設阻止共闘会議は3月25日、千葉市の下総精神医療センターに対し、7月施行予定の医療観察法に基づく保安処分施設建設の中止・受け入れ撤回を申し入れた。下総精神医療センターは、裁判官と精神科医の下す「再犯予測」に基づき「精神病者」の隔離拘禁を行う保安処分施設だ。
 申し入れに対し、最初は「院長は回診中」と20分待たせたあげく「院長は出張中」と院長会見を拒否した。しかし、院長に申入書を手渡すことを約束させ、「病者」の思いを伝えた。
 下総では住民説明会がすでに5回行われているが着工のメドは立っていない。しかし、モニター付き30床全個室病棟と3b以上の二重フェンスとセンサー付きの保安灯を外壁に張り巡らせた人権侵害・「病者」差別の図面は完成。厚労省は、地域住民や病院労働者への賛成・協力を取り付けようと、差別的で得手勝手な弁解を重ねている。ある時は「病院だ」と言い、他方では「病者の危険性」をあおり「収容所なみ」と説明する。当該「病者」の声を聞かず、差別をあおって「住民と病院の合意」を認めさせようとしている。
 しかし、保安処分施設着工計画自体も7月施行を前に大きく頓挫している。保安処分推進の不正義性と反対運動の結果だ。政府・与党は当面8カ所予定で応じたのが3施設という少なさに業を煮やし、既存精神病院の代用や開設時の「当該病院の同意」をはずした病院指定方法の見直しを言い始めた。法施行前「改正」を検討する珍案だ。医療観察法は即時撤廃しかない。
 国会では、日精協・日医出身の自民・西島議員らが病院指定の「開設者の同意」は施設開所を妨げると「同意はずし」を要求。西島は「19年の内務省の精神病院設置命令のように命令で開設できないか」と推進を吹聴。既存の精神保健福祉法の措置入院受け入れ病院を「一定期間、保安処分施設として代用」という見直し案も検討されてきた。
 戦時さながらに精神医療に治安的任務を全面的に押し付ける攻撃が始まった。保安処分施設建設阻止、医療観察法即時撤廃、見直し改悪粉砕へ闘おう。

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