ZENSHIN 2004/12/27(No2180
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週刊『前進』(2180号1面1)(2004/12/27)
教労を先頭に05年決戦へ
11・7国際連帯の地平を発展させ勝利開こう
ブッシュ=小泉枢軸を粉砕し世界戦争の道を阻止しよう
「経労委報告」と徹底対決せよ
小泉政権と日本経団連・奥田による戦争と大失業の攻撃は、ますます野放図なまでに激化している。12月9日のイラク派兵延長に続き、10日には新「防衛計画の大綱」が決定された。小泉と奥田はついに、米帝ブッシュ政権と結託して果てしない侵略戦争―世界戦争の道にのめり込む決断をした。そしてこの戦争・改憲の攻撃と一体のものとして、労働者階級への大失業と民営化・労組破壊、社会保障解体、大増税の攻撃をしかけている。労働者階級の戦争と生活破壊への怒りを根底から解き放つことこそが、この全攻撃を打ち砕く唯一の道だ。11・7集会に結実したランク・アンド・ファイル(現場労働者)の決起をさらに拡大し、4大産別決戦勝利へ進撃しよう。闘いの爆発に恐怖する日本共産党中央やファシスト・カクマルの敵対を打ち破り、05年決戦の勝利を切り開こう。
第1章 安保政策を根本的に転換する新防衛大綱
12月9日のイラク派兵延長ならびに、10日の新防衛大綱と中期防という二つの閣議決定は、日本が再び国を挙げての戦争に本格的に突き進むことを宣言した歴史的大攻撃である。闘う労働者階級はこれを断じて許さず、戦争と改憲を実力で阻止し、社会を根本から変革するために猛然と立ち上がらなければならない。
小泉政権は、米帝ブッシュと一体となってイラク侵略戦争にどこまでものめり込むとともに、この戦争を全中東へ拡大し、さらに北朝鮮・中国侵略戦争へと突き進んでいくことを決断した。これは、日本帝国主義が米帝ブッシュの世界戦争政策のもとに米英日枢軸を形成し、むきだしの軍事力による世界の再分割戦にうって出るという決断だ。
帝国主義が二つの陣営に分裂して世界の資源・市場・勢力圏の強奪戦を展開し、ついには世界戦争へと突き進む。それは同時に帝国主義国による侵略と虐殺と征服のための戦争がいたるところで強行され、これに対する被抑圧民族人民の命がけの民族解放・革命戦争が噴出していく過程である。まさに今、イラクで起きていることはその始まりだ。日帝・小泉はブッシュとともに、世界戦争の過程に突入したのだ。
そのことを示すのが新防衛大綱である。そこでは「我が国の安全保障の目標」として、「日本防衛」と並び「国際的な安全保障環境を改善し、我が国に危害が及ばないようにする」ことが初めて掲げられた。「中東から東アジアに至る地域」が特に重要として、その「安定化」に努めるとしている。そして海外派兵を「国土防衛」と並ぶ自衛隊の主任務とし、どんな事態にも即応できる「多機能で弾力的な実効性のある防衛力」の整備を打ち出した。そこにはミサイル防衛(MD)の推進や、陸上自衛隊を再編して「中央即応集団」という名の5千人規模の日本版特殊部隊を創設する方針が含まれている。
この新大綱とともに出された中期防衛力整備計画(05〜09年度)では、長距離・大量輸送能力の確保とともに、敵基地攻撃能力の保有へ向けた重大な踏み込みが行われた。また細田官房長官は、新大綱の発表とあわせて、武器輸出を禁じた武器輸出3原則の事実上の撤廃を打ち出した。
これは米帝ブッシュがやっているように「世界の安定」と称して他国に先制的にどしどし戦争をしかけるということだ。そのために一層の大軍拡をやり、自衛隊を完全な帝国主義侵略軍隊にしていくということである。その突破口が自衛隊イラク派兵の延長だ。
小泉政権のもとで日本は今や、戦争と改憲への決定的な曲がり角をついに回った。このことは極右勢力の登場を導き、排外主義・好戦主義の大洪水を呼び起こすのだ。すでに北朝鮮の反人民的な拉致問題を口実に制裁発動をという排外主義が吹き荒れている。これに対し、野党は全面的に唱和し総屈服を深めている。
11・7に結集した日米韓労働者階級の国際的に団結した力だけが、この状況を打ち破ることができるのだ。世界を変え、日本を変える力はここにある。
第2章 「攻めのリストラ」を経労委報告で再宣言
こうした〈外への侵略戦争〉と同時に〈内への階級戦争〉の攻撃もますます激しくなっている。
12月14日、日本経団連は05年版経営労働政策委員会報告を発表し、「攻めのリストラ」推進をあらためてむきだしに宣言した。首切り・賃下げと全労働者の不安定雇用化をさらに徹底的に推し進めるということである。春闘は「すでに終焉(しゅうえん)した」と言い切り、定期昇給の廃止を宣言。また、教基法改悪を推し進めることを公然とうたった。さらに「労働条件決定は労使自治が基本」と言い、労組幹部を抱き込んで合意すればどんな劣悪な労働条件も押し付けられるとし、労働法制の全面解体を主張している。
加えて、大増税攻撃がついに本格的に始まった。12月15日、自民・公明両党は、所得税の20%、個人住民税の15%を一律に税額から差し引くとしてきた定率減税を05年度にはそれぞれ10%、7・5%に半減すると決定した。06年度には減税自体を廃止する。年収125万円以下の低所得高齢者に対する非課税措置をも撤廃し、フリーターへの徴税も強化する。そして07年度には消費税率の大幅アップへ踏み込むのだ。
金融資本・巨大独占資本の救済のために巨額の国家財政を湯水のように注ぎ込む一方で、膨れ上がる財政赤字のツケをすべて労働者人民に露骨に押し付けようというのだ。これは結局、戦費調達のための増税につぐ増税に行き着く。
だがこんな攻撃に労働者階級がこのまま黙っていると思ったら大間違いだ。怒りは全社会に充満し、闘いの芽はあらゆるところに噴き出している。だからこそ日帝は、治安弾圧の強化や労組破壊に必死で突き進んでいるのだ。
必要なのは、労働者階級の団結した闘いだ。労働運動の現状を変革し、労働組合の闘う力をよみがえらせることだ。この中にこそ、全社会を変革するアルキメデスのテコがある。11・7労働者集会は、そのことを決定的に示したのだ。
東京のある教育労働者は、集会で得た確信を次のように語っている。
「今、本当に分岐が始まっています。誰が本当に闘う者なのか、誰にとってもすぐにわかる時代が来ています。『何を言うか』ではなく『何をするか』が問われている。そして本気で闘おうとしている人たちは、今までの枠組みを越えて一つになりつつある」(前号4面)
まさに「労働者の団結した闘いこそが生活と権利を守り、戦争を止める力」(11・7集会アピール)だ。そのためには、11・7で誓い合ったランク・アンド・ファイル運動を、4大産別を先頭に本気で全国の職場で大々的に巻き起こして闘っていくことだ。そして戦争と闘い、資本の攻撃と闘う労働者階級の歴史的な大統一行動を、国際的にも国内的にも一層巨大につくりだして闘うことだ。
「日の丸・君が代」被処分者・被解雇者の不屈の闘いと国鉄1047名闘争はその最先頭に立つものだ。全労働者の力でこれを守り、支え、連合支配を揺るがす大闘争へと発展させていこう。教労を先頭に、4大産別を軸として05年決戦へ突き進もう。
第3章 カクマル「告訴」運動を絶対に粉砕しよう
カクマルと日本共産党中央は、11・7が切り開いた闘いの前進に恐怖し敵対して、実に卑劣な闘争破壊に出てきている。とりわけカクマルが開始した「告訴・告発」運動は、都の教育労働者が闘いとってきた「日の丸・君が代」不起立闘争の地平を破壊し、来春の卒・入学式闘争つぶしを狙った大反動だ。
カクマルは、不起立闘争を呼びかけることは「弾圧・処分引き出しを自己目的化した挑発者の扇動」であるなどと、機関紙やビラでわめいている。その本音は、“不起立闘争はハミダシだ”“職務命令には従い起立・斉唱せよ”ということだ。「不起立をすれば処分するぞ」という10・23通達の脅しに屈服し、不起立闘争を二度と爆発させないためにのみ「告訴」運動で闘い全体をねじまげ、破壊しようとしているのだ。
そこにあるのは、闘っても権力には勝てないという権力万能神話であり、労働者階級の自己解放闘争への徹底した蔑視(べっし)と否定である。権力と闘わず、逆にその先兵となってカクマルだけが生き残るという腐敗しきった反労働者的思想である。国鉄分割・民営化に際し、カクマル組織の温存のために当局の先兵となって国労・動労千葉つぶしに全力を挙げた大罪を断じて忘れるな。
カクマルによる「告訴」運動の反革命的な狙いを暴き、粉砕して、被処分者の団結を軸に来春卒・入学式闘争の04年を上回る大爆発を闘いとろう。東京を先頭に全国の教育労働者の大決起、全労働者階級の総力を挙げた決起で「日の丸・君が代」攻撃をズタズタにし、教育基本法改悪阻止・改憲阻止への巨大な展望を切り開こう。
沖縄・辺野古では、名護新基地建設を実力で阻止する命がけの海上攻防が続いている。これは、日米帝の世界戦争政策とその最先端で真っ向から激突し、粉砕していく闘いだ。沖縄現地の不屈の闘いを全力で支え、ともに闘おう。
圧倒的な年末カンパ達成を
05年決戦の勝利をかちとるために、革共同は、すべての労働者に圧倒的な年末一時金カンパを訴える。今こそ革共同の旗のもとに結集しよう。青年労働者はマルクス主義青年労働者同盟に結集し、ともにプロレタリア革命へ闘おう。
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週刊『前進』(2180号1面2)(2004/12/27)
ワールドアクション 派兵延長を弾劾
沖縄・辺野古と連動し “自衛隊撤兵”の渋谷デモ
12月11日夕、STOP WAR!WORLD ACTIONが、「ファルージャ大虐殺弾劾! 自衛隊は撤退しろ!」を訴えて渋谷・宮下公園でリレートークを行い、渋谷をピースウオークで一周した。自衛隊イラク派兵延長の閣議決定に怒り、どこに行けばデモをやっているか調べて来た渋谷在住の高齢者を始め、250人が集まった。
実行委の代表は、「小泉政権は『テロに屈しない』という言葉でこの国を侵略戦争に突入させている。『自爆テロ』はイラク人民の抵抗闘争であり、イスラムのパルチザンだ。失業や沖縄への基地押しつけに反対しよう。イラク人民と連帯し、辺野古で新たな基地建設と闘っている人びととともに侵略戦争を打ち砕こう」と力強く提起した。
リレートークではさまざまな課題がさまざまな立場から提起された。埼玉の女性は、「新しい歴史教科書をつくる会」の高橋史朗を埼玉県教育委員に任命しようとする動きを阻止したいと、集会、県庁前座り込みへの結集を呼びかけた。法政大学の学生は自治活動、サークル活動を破壊する学生会館の閉鎖・解体を弾劾し「学生の力で教育と大学を変えていこう」とアピール。神奈川県藤沢市の青年は「戦争非協力を貫くための武器として“無防備地域宣言”を進めています。ぜひ協力を」。
「とめよう戦争!隊員家族と元自衛官連絡会」の青年は、「腹わたが煮えくり返っている。だからといって私たちはあきらめない。たとえ延長が決められても即時撤退をかちとるぞ!」と叫んだ。そうだ! 参加者は渋谷の街に繰り出した。
会社員など飛び入りが続出した。「私たちイスラムは皆デモに出たいと思っているが、日本の入管は怖い。でもきょうはがまんできずにデモしました。また来ます」とバングラデシュの男性が語った。
ピースウオークは再び宮下公園へ、「戦争と大失業を生み出しているのは小泉政権だ。団結して闘い、戦争とめよう!」とこぶしを突き上げた。
12・9国会行動
自衛隊のイラク派兵延長閣議決定が行われた9日、ワールドアクションの呼びかけで閣議決定反対の国会前行動が行われた。
ファルージャ大虐殺を物資輸送で支援し、イラク民衆の自衛隊撤退の声を踏みにじる小泉政権を絶対に許さないという思いで多くの人が集まった。「テレビで知り、国会前に行けば誰かいると思って来ました」と、静岡から駆けつけた女性もいた。ビラの受け取りも良い。労働者は派兵延長に反対なのだ。名護新基地建設阻止の国会座り込み参加者と一緒にシュプレヒコールを国会にたたきつけた。
その場に、辺野古にいる学生から「今ヤグラの上にいます」という連絡が入った。ファルージャ虐殺の主力部隊は沖縄から出撃した5千人の海兵隊だ。派兵延長は沖縄の基地強化であり、自衛隊撤退と米軍基地撤去は一体の闘いだ。
午後、内閣府に派兵延長中止を申し入れた。ワールドアクション、隊員家族と元自衛官連絡会が申入書を読み上げ、「復興支援は大ウソだ! 派兵延長はさらなる侵略だ!」と徹底的に弾劾した。
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週刊『前進』(2180号1面3)(2004/12/27)
年末一時金カンパ いま一度訴えます
『前進』読者、支持者の皆さん、同志の皆さん。年末一時金の支給時期にあたり、革共同へのカンパをいま一度、心からお願いします。
2004年、革共同は闘う労働者とともに大いに闘い、前進を切り開いてきました。
革共同が年明け早々発した、「3月20日、東京・日比谷10万人行動で戦争を止め、世の中を変えよう」という鮮烈な行動提起は、すべての政治潮流の共同の方針となりました。
動労千葉の04春闘における3波のストライキを推進軸に、陸・海・空・港湾労組20団体や百万人署名運動などとともに闘いの広がりをつくりだすことによって、6万人の労働者民衆の大結集が実現されました。政党や上部団体の違いを超えた画期的な大統一戦線の実現は、連合結成以来の「長い反動期」に風穴を開け反転攻勢の始まりを告げ知らせるものでした。
この中で、「長い反動期」を打ち破るもう一つの闘いがまき起こりました。それは、卒業式の「日の丸・君が代」強制に対する、数百人の東京の教育労働者の不起立・不服従の闘いです。処分も辞さず、戦争協力を拒否したこの教育労働者による現場実力闘争の復権の闘いは、ついにこじ開けられた連合支配を食い破る突破口、階級的労働運動再生の号砲でした。
さらに4・13国鉄闘争支援大集会において、国労闘争団、全動労争議団、動労千葉争議団の画期的な大同団結が実現しました。
この前進に襲いかかったのが、日本共産党でした。本年1月の第23回大会で、階級闘争の放逐を核心とする綱領改定を行った日本共産党にとって、資本主義・帝国主義を打倒して体制変革を追求する階級的労働運動の本格的発展は、自己の死を意味するからです。
11・7労働者集会は04年に特筆すべき闘いをやり遂げた二つの闘争主体が集会の2本柱として屹立(きつりつ)することによって、04年に切り開かれた階級闘争の最良の地平を集大成するものとなりました。一つはアメリカ・プロレタリア革命の夜明けを雷鳴のように告げ知らせたMWM運動と、これをリードしたILWU、もう一つは連合支配についに本格的な風穴を開けた教育労働者たちです。
来る05年決戦は、この11・7集会の地平を全面発展させることによって、小泉構造改革、「戦争と民営化」―労働組合解体攻撃の全面発動と対決し、これを粉砕する壮絶な闘いになります。
「外への侵略戦争と内への階級戦争」によって、一切の犠牲を労働者人民に押しつけることによってしか生き延びられない資本主義・帝国主義を打倒し、労働者階級の輝かしい未来を切り開くためには、労働者階級に敵対する存在に成り果てた日本共産党をのりこえる、本物の労働者の政党が必要です。革共同は全力で必要な変革をやり遂げ、労働者階級の負託に百パーセントこたえうる政党に生まれ変わる決意です。ぜひ共同の闘いとしてこの事業を担ってください。この事業に投資してください。最大限のカンパを寄せられることを、心より訴えます。
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週刊『前進』(2180号2面1)(2004/12/27)
不起立闘争つぶしに走るカクマル
権力への「告訴・告発」運動は“職務命令には従え”の大反動
これは党派間の争いではない
カクマルの「告訴・告発」運動は、日に日に反労働者的本質が暴かれ、大衆的批判が高まっている。追いつめられたカクマルは凶暴な正体をむき出しにして、被処分者や闘う人びとにまとわりつき、脅しと嫌がらせを強めている。12月12日には教労カクマルが、被処分者の会など3者の事務局会議に押しかけたことが明らかになり、怒りと批判が高まっている。カクマルの攻撃の矛先は、都知事・石原や横山教育長ではなく、不起立闘争を闘う労働者に向けられている。闘う教育労働者の皆さん! 告発人や賛同人に名を連ねる弁護士、各界の皆さん! カクマルの「告訴」運動が不起立闘争を敵視し、被処分者の闘いと団結を破壊する運動であることをはっきりと見抜き、「告訴・告発」運動からきっぱりと手を引こう。これは党派間の争いではない。労働者にとって何が正義で、何が正しい運動・路線であるかの闘いだ。カクマルの敵対・妨害を粉砕し、来春の卒・入学式闘争の大爆発で石原・都教委を打倒しよう。
「ハミダシ、挑発者」と不起立者を攻撃
カクマルは被処分者の会を始めとする3者の団結と闘いに恐怖し、それを破壊しようとしているのだ。とりわけ11・7労働者集会に被処分者が多数結集し、日米韓労働者との階級的団結が強くうち固められたことを憎悪し、この闘いを押しつぶそうとしている。絶対に許せない。
そもそもこの告訴運動を進めている都高教カクマルは、今春の「日の丸・君が代」不起立闘争に敵対し、卒業式では1人も不起立しなかった。ところが数百人の教育労働者が都高教執行部の屈服方針をはねのけて“山猫スト”的に不起立闘争に決起したことに驚き、あわてて4月入学式でたった1人を座らせて被処分者の陣形に潜り込んだ。
こんな連中が口にしている「『日の丸・君が代』強制反対」など、絶対に「にせもの」だ。カクマルは都教委の03年10・23通達に屈服し、不起立闘争に敵対しているのだ。自ら率先して10・23通達に従いながら、「本部指示に従って起立し屈辱に耐えた」などと、自分たちの裏切りを都高教執行部になすりつけて開き直っている(『解放』8月16日号)。そして逆に、不起立闘争を闘った教育労働者を「組合運動とは別のところで戦闘的闘いをハミダシ的につくりだそうとする一部の傾向」と非難し、その「克服」=破壊を呼びかけているのだ。さらに、今や不起立闘争を「挑発者の扇動」と非難し、憎悪をあらわにしている。(別掲)
表向きは中核派を「批判」する形式をとっているが、カクマルの憎悪は不起立闘争そのものに向けられている。「挑発者」という規定は、何か一般的に考え方や方針が違うということではない。「挑発者」と決めつけた瞬間に、それは力ずくでたたきつぶすべき対象であることを意味するのだ。被処分者に対するカクマルのこの間の脅しや嫌がらせ、まとわりつきは、明白にそうした性格をもっている。
カクマルは、不起立闘争が全国の教労のみならず、産別をこえて多くの労働者に勇気を与え、力を与え、勝利の確信と展望を与えてくれたこと、それが大きな炎となって燃え広がることを予感し、何とか押しとどめようと、凶暴なきばをむきだしにしてきたのだ。
「日の丸」労働運動がカクマルの正体
もともとカクマルは、「日の丸・君が代」に賛成している連中である。別掲の写真と発言はJR総連カクマルの頭目、カクマル副議長・松崎明のものだ。松崎と動労カクマルは1980年代の国鉄分割・民営化攻撃に全面屈服し、20万人首切り合理化、国労・動労千葉破壊の手先となった。
松崎は、87年の国鉄分割・民営化強行の直後に、「組合委員長室に国旗=日の丸がないのはおかしい」と言い、「日の丸」をJR東会社社旗と東労組組合旗との3本セットで自分の机の上に掲げて、日帝権力・資本への忠誠のあかしとした。「日の丸」労働運動――これがカクマルがやっている労働運動の正体だ。
カクマルの「日の丸」労働運動の帰結は侵略戦争協力であり、階級的労働運動の圧殺だ。松崎は、雑誌『創(つくる)』12月号で、新右翼「一水会」顧問の鈴木邦男と対談し、次のように言っている。
「戦争が起これば軍需輸送ということもあり得ますよね。……はっきりしているのは、法律で決まっていることは犯さないということ。労働組合としてははっきりしているわけですよ」
「ここまで世の中が変わってきて、軍需輸送だから断固拒否してストライキなんてことは一言も言ったことないし、そんなことはすべきじゃない……。現段階では労働組合がやるべきこととは違う」
国が侵略戦争をする時は、労働組合は協力するのが当たり前と言っている。ストライキなどやってはならないと言っているのだ。これは陸・海・空・港湾労組20団体の戦争協力拒否の闘いの否定である。
この論理からすれば、教育労働者の戦争協力拒否運動である「日の丸・君が代」不起立闘争は、「労働組合がやるべきことではない」ということになる。「10・23通達には従う」という都高教執行部の屈服方針そのものであり、その全面的擁護である。だから、これをのりこえて闘われた「君が代」不起立は「ハミダシ」であり、「処分・弾圧を引き出すための挑発者の運動」であり、粉砕の対象だというのである。
都高教執行部を批判しているかのポーズをとって、実はカクマルの攻撃の矛先は現場組合員の実力決起、ランク・アンド・ファイル運動に向けられている。
「組合執行部の闘争放棄をのりこえつつ……」などと、さもさものことを言いながら、実際にやることは「本部指示に従って起立し(屈辱に耐え)ろ」(前掲『解放』)ということなのだ。その代わりに、闘っているふりをしながら不起立闘争をつぶすために「告訴・告発」運動をやろうということなのだ。
そもそも脅迫、強要罪とは、脅しに屈せず不起立するのではなく、「強要された」すなわち「脅されたから立って歌った」ことが前提となって、初めて成り立つものだ。それは、教育労働者の人間としての誇りと人生をかけた不起立決起と、まったく相いれないものである。
「告訴・告発」運動は、教育労働者を「被害者からの事情聴取=取り調べ」と称して、ばらばらにして警察・検察の事情聴取の前にさらす。警察・検察がこれを絶好のチャンスとして教育労働者を脅迫して、闘いへの決起を抑えつけるために利用することは火を見るよりも明らかだ。板橋高校の元教員・藤田さんを起訴したのは、立川反戦ビラ入れ弾圧と同じ検事である。出てくるのはこうした治安検事なのだ。彼らに向かって、いったい何を「堂々と意見を述べる」(告訴・告発事務局の文書)というのか。
全労働者の決起で来春不起立闘争へ
日帝のイラク侵略戦争へののめり込み、北朝鮮・中国侵略戦争策動の強まり(戦争遂行体制づくり)の中で、労働運動の存亡をめぐる階級決戦が到来している。教育労働者の「日の丸・君が代」不起立闘争は、その最先端で、労働運動全体の命運をかけて爆発している白熱的攻防点である。今春の教育労働者の決起こそが、今年の日本の労働運動を力強く牽引(けんいん)した。全国の労働者は、この決起に勇気百倍となって、あらゆる反動をのりこえて闘った。それが11・6教基法改悪反対大集会―11・7全国労働者総決起集会=国際連帯闘争の日比谷野音を埋め尽くす大闘争に結実した。
この闘いこそ、教育基本法改悪・改憲攻撃を打ち砕き、日帝の戦争への道を阻み、労働者階級の未来を切り開くのである。
再び訴える。これは党派間の抗争ではない。カクマルの攻撃の矛先は「君が代」不起立闘争と被処分者に向けられているのだ。「告訴・告発」運動を完膚無きまでに粉砕し、来春卒・入学式で「日の丸・君が代」不起立闘争の大爆発を実現しよう。
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組合委員長室に「日の丸」得意げなカクマル松崎明
「ヨーロッパとかアメリカに行くと、組合の委員長室に必ず国旗があるが、なぜ日本にはないんだ。おかしいじゃないか。…国旗を掲げないのが革新なのか」(1987年7月、勝共連合の新聞『世界日報』で)
写真は1994年8月、JR東労組委員長室のカクマル松崎明。机の上には「日の丸」とJR東労組とJR東日本の3本の小旗が並ぶ。(『宝島』94年8月24日号)
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「戦争協力」を誓い、不起立闘争を「ハミダシ」「挑発者」と避難するカクマル
戦争が起これば軍需輸送ということもあり得ますよね。……はっきりしているのは、法律で決まっていることは犯さないということ。労働組合としてははっきりしているわけですよ」(松崎明、『創』12月号)
「組合運動とは別のところで戦闘的闘いをハミダシ的につくりだそうとする一部の傾向をも克服するために努力しよう」(『解放』8月16日号)
(『不起立宣言』なるものを強要しているのだ。これはまさに弾圧・処分引き出しを自己目的化した挑発者の扇動以外のなんであるのか!」「『不起立闘争』方針なるものは……組合員たちに“派手な”闘争形態だけをおしつけるものでしかない」(同12月6日号)
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週刊『前進』(2180号2面2)(2004/12/27)
神奈川県教委の「通知」弾劾
処分への踏み込み許さず 不起立・不服従で闘おう
東京に続いて「不起立処分」狙う神奈川県
首都圏で、東京の「日の丸・君が代」大量処分に続く動きが始まっている。
神奈川県教育委員会は11月30日、早々に来春へ向けて「入学式及び卒業式における国旗の掲揚及び国歌の斉唱ご指導の徹底について(通知)」を各県立学校長あてに発した。
それは、@教職員全員の業務分担を明確に定め、A「斉唱時に教職員は起立」と明記し、B「これまで一部の教職員による式に対する反対行動が見受けられた」から「各学校においては、このようなことのないよう指導の徹底を」として、「教職員が校長の指示に従わない場合や、式を混乱させる等の妨害行動を行った場合には、県教育委員会としては、服務上の責任を問い、厳正に対処していく」と、教職員への懲戒処分に踏み込むことを宣言した。従来、12月に発していたものを11月へと前倒しし、教職員に対する「不起立処分」へと大きく踏み込んだ重大攻撃である。
これに先立つ9月28日、神奈川県の曽根教育長は、自民党の小島県議の質問に答えて、「一部少数の教職員が(国歌斉唱時に)起立しなかったとの報告があった。教職員は、儀式にふさわしい態度や行動を生徒に理解させる立場。起立は当然」と述べ、来春卒・入学式では、起立指導に反した教育労働者に対しては懲戒処分を含めた対応をとると答弁した。
また、「新しい歴史教科書」の採択運動などを行っている神奈川教育正常化連絡協議会が提出した「入学式・卒業式における国旗掲揚及び国歌斉唱の指導の徹底」を求める請願が県議会で採択された。極右勢力と県議、そして教育委員が連携して「日の丸・君が代」を暴力的に強制しようという、東京とまったく同様の攻撃が始まったのだ。
神奈川を「第2の東京」にする反動攻勢を、絶対に許してはならない。
問われているのは、高教組・神教組・地区教組の総反撃である。組織の総力を結集して、通知に対する抗議・撤回闘争に取り組み、不起立・不服従闘争に決起しよう。これまで予定調和的に成り立っていた、県教委との交渉のみに依拠する「神奈川方式」に、今や神通力はない。戦時下での教育基本法改悪攻撃を前にして、「神奈川方式」に幻想を持ち、これに依拠し続けようとすることは、神奈川の教育労働運動を戦争翼賛運動へと変質させることにほかならない。東京の闘いと連帯し、「拒否・不服従・不起立」闘争の組織化を図ることが大切である。
一方、埼玉では県教育委員任命をめぐって、教育労働者を先頭にかつてない広範な労働者階級人民の怒りの決起が始まっている。
「日の丸・君が代」攻撃の核心は日教組破壊
「国家戦略」としての「教育改革」攻撃の核心は、日教組運動の根絶にある。教育労働者を分断・排除(団結破壊)し、管理統制(命令服従システム)の強化を図り、「上からの教育改革」を貫徹しようとしてきた。都教育委員会は、「国旗・国歌の問題は、学校経営上の最大の核心であり、教育改革の成否が問われるものである」と、その本音をあからさまにしている。「教え子を戦場に送るな」の原点と一体のものである「日の丸・君が代」闘争は、日教組運動の第一級の課題である。
ところが、文部省とのパートナー路線を突き進んでいた日教組中央は、95年に「日の丸・君が代」闘争を始めとした「闘争課題5項目」を放棄した。それ以後の10年間、「日の丸・君が代」が大手を振り始め、教育現場の閉塞(へいそく)感は強まり、組織力・団結力は後退を強いられてきた。そして日教組・各教組の「日の丸・君が代」に対する位置づけと方針は歪曲され、「闘わない」論理を正当化するものへと変質を強めている。
それは第一に、教基法改悪反対を言いながらも、具体的な改悪阻止闘争を組織せず、教基法を「読み活(い)かす」運動に切り縮め、一方で文科省に対して「教育振興計画」策定を要求するといった、本末転倒の方針を採っていることである。
すでに改悪教基法の先取り実施が「教育改革」の名で進められ、今や学校現場は多忙化と閉塞感が混在する「荒廃状態」と化している。本当の意味で「読み活かす」ならば、闘争課題5項目を復権させ、職場闘争を強化しなければならない。とりわけ、「日の丸・君が代」強制との闘いは、教基法第10条をめぐる具体的かつ現実的な攻防点だ。
しかし、この間の日教組関連の集会を見るまでもなく、「日の丸・君が代」は一貫して後景化されている。「日の丸・君が代」・教基法闘争をわがものとし得ない日教組中央に、未来を託すわけにはいかない。
第二に、「日の丸・君が代」攻撃の本質が組織破壊攻撃であるにもかかわらず、「個人の思想・良心の自由」にすり替えていることである。ブルジョア民主主義的な「個人の意志」に重点を置いた時、階級的団結と組織的抵抗闘争は成り立たなくなる。現に新自由主義は、「団結形態の解体」と「個への分断」を一体のものとして攻撃を仕掛けてきている。闘うことでしか自由や権利は守れないし、獲得もできない。
第三に、「生徒の思想・良心」問題に論点をすり替えていることである。問われているのは、生徒の前に立ち、生徒を直接指導する教育労働者一人ひとりである。
すでに都教委は、生徒に対する「君が代」斉唱の指導徹底を職務命令をもって実践させようとしている。不起立・不斉唱の生徒がいれば、指導力不足・不適格教師として「処分」され排除されるところにまで、教育労働者は追い込まれてきているのである。
自らが自己解放をかけて拒否・抵抗闘争に立ち上がってこそ、「生徒の思想・良心の自由」も守られるのである。
第四に、「闘わない論」を正当化する論法として、教育実践主義への埋没が、急速に進んでいることだ。
教育労働者(教師)にとって、「教える」とは、「学び考える」とはなんなのか。そういう自問自答や人間的自己解放への契機も持ち得ずに「教える運動」に傾斜していった時、教育労働者は誇りも奪い取られ、階級意識も解体される。教えることは自ら学ぶことであり、不当・不条理なものに対する抵抗闘争なしには成り立たない。
東京の決起と共に戦争協力拒否を貫こう
11・7全国労働者集会に迫力を添えたのは、不起立闘争を闘った東京の教育労働者の登壇とアピールであった。東京で数百人の教育労働者が意気軒高と闘いぬいている。この闘いこそ、教基法改悪・改憲阻止の核心であり、教育労働者の自己解放をかけた戦争協力拒否の闘いである。さらに、日教組を闘う教育労働者の手に取り戻す、ランク・アンド・ファイル運動(現場労働者の手による組合運動)そのものである。
この不起立闘争を「挑発」「ハミダシ」と罵倒(ばとう)し、警察・検察権力を介入させるカクマルの「告訴・告発」運動を粉砕しよう。
すでに非和解的局面に達した今日、これまでの「日の丸・君が代」強制反対運動を徹底的に総括し、不起立・不服従の闘いをつくり出していくことが問われている。東京の闘いに続き、来年春の「日の丸・君が代」闘争を大爆発させよう。この闘いこそが、教基法改悪阻止・改憲阻止の勝利への道筋である。「教え子を戦場に送るな」の原点こそ、教育労働者の自己解放の道であることを誇り高く確認しよう。
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週刊『前進』(2180号2面3)(2004/12/27)
埼玉 教委人事で闘い爆発
「つくる会・高橋」許すな
択狙い上田知事が策動
埼玉県知事・上田清司が、埼玉県教育委員に「新しい歴史教科書をつくる会」元副会長・高橋史朗(明星大学教授)を任命する意向であることが12月6日の新聞報道で明らかになったことから、埼玉県内で、東京に続く教育闘争の激突が始まった。
上田知事は、「市民派」「無党派」を演出しながら当選したが、民主党に在籍した当時から高橋を招いて講演会を開くなど「つくる会」と深い関係にあった。また、西村真悟衆院議員とともに拉致議連の中心メンバーを務め、排外主義・国家主義的扇動、改憲論の先頭に立ってきた。
県知事当選後も、04年10月には、「つくる会」教科書について「修正要求は内政干渉」とか「評価できる」と述べ、県議会与党と一体になって教育基本法改悪促進決議をあげている。
この上田がその本性をむき出しにして、県教育委員に高橋を任命しようとしているのだ。高橋は就任を要請されて退会したというが、それまでは「つくる会」の副会長だった。
高橋はまた、「つくる会」が、日本会議、教科書改善連絡協議会とともに00年4月に設立した「新しい教育基本法を求める会」の事務局長でもある。「市販・新しい歴史教科書」の監修者で、西尾幹二、藤岡信勝と並ぶ扶桑社版歴史教科書採択運動の中心的メンバーである。『私たちの美しい日の丸・君が代』などの著書もあり、勝共連合の『世界日報』などで、性教育・ジェンダーフリーへの攻撃の急先鋒(せんぽう)に立ってきた。
この経歴からも、高橋を埼玉県教育委員に任命する狙いは明白だ。東京に続き、埼玉県で突破することによって、全国的に「日の丸・君が代」強制を強め、教育基本法のない状態をつくり出し、扶桑社版教科書の採択を推し進め、戦後教育を一掃しようということだ。上田知事が、自治体の民営化攻撃、小泉構造改革の先頭に立ち、公務員労働運動解体の先頭に立っているのも同じ目的からだ。
設立総会で上田が祝辞を述べ、高橋がコーディネーターを務めた03年1月発足の「『日本の教育改革』有識者懇談会」(略称・民間教育臨調)は、「趣意書」で次のように言う。
「改めて我が国の光輝ある歴史と伝統に基づく教育理念の再構築と、それに伴う教育政策の改正に鋭意取り組まなければなりません。……教育界における戦後は、遺憾ながら未だに清算されておらず、その歪みが無気力を蔓延(まんえん)させています。米国の占領行政の一環として制定された教育基本法を基盤とする戦後教育の諸慣行が、さまざまな破綻(はたん)をもたらしていることに、国民の多数が憂慮を募らせています」
こんなやつらに教育をじゅうりんさせるわけにはいかない。
しかし、それは彼らの強さの現れではない。「つくる会」が推進してきた運動の危機がある。愛媛、和歌山、東京などの一部学校で扶桑社版教科書が採択されたとはいえ、圧倒的少数でしかない。だから、扶桑社は教科書分野では採算割れの状態が続いており、もし05年の教科書採択で採択率の決定的増加がなければ撤退を余儀なくされる。
この危機ゆえに、教科書採択を控えたこの時期に、上田が「古くからの友人」と呼んではばからない高橋を、中立性を求められる教育委員に任命するという、とんでもない露骨な地位利用、利益誘導をたくらんだのだ。教育基本法10条や地方教育行政の組織および運営に関する法律(4条、11条、13条)を真っ向から否定するものだ。
抗議電話が殺到、6百人が大集会
この策動は、労働者市民の激しい危機感と闘いの意欲を生み出すものとなっている。新聞が報道した6日直後から県庁には抗議の電話、ファックスが殺到し、反対が賛成を圧倒した。埼玉高教組、埼玉教組(日教組)、埼高教、埼玉県教組(全教)も直ちに抗議の申し入れを行い、市民団体も、百万人署名運動の賛同者などが母体になって前回の教科書採択闘争を闘った「あぶない教科書をやめて市民の会」などが緊急に抗議声明を発し、9日には「任命阻止ネット」という共同行動が発足した。10日から県庁前座り込み、連日の県庁ビラまき、駅頭ビラまき、集会企画も始まった。知事への直接面談を求め、20日県議会最終日の人事提案に対して県庁包囲デモが計画されている。
12日にさいたま市内で行われた「教育基本法の改悪をゆるさない埼玉の集い」には主催者の予想を超える600人余りが結集し会場をあふれた。昨年12・23教基法改悪阻止集会から11・6―7闘争を経て、教組の違いを超えた広範な統一戦線の発展を誰もが実感した。「闘える」という活気と自信が生まれた。高橋任命問題は逆に、闘いに火をつけてしまったのだ。
社・共既成指導部が事実上崩壊している中で、明確な司令塔がなく、経験ある労組役員、活動家も少ないが、この激しい流動の中から県内の教育労働者の新しい闘いとその指導部が生み出されてくるに違いない。
任命権が知事にある中で予断は許されない。しかし、はじかれたように闘いが始まった中で、結果がどうであれ、この闘いは、05年卒・入学式の攻防から教基法改悪案国会提出、そして教科書採択の攻防に発展していくことは不可避だ。
パートナー路線に抑えこまれてきた教育労働者も、「国のために死ねと教えるのか」というギリギリの問いかけの中から、勤評闘争に匹敵するような闘いへと必ずや立ち上がる。東京に続いて、埼玉からも闘いは始まった。勝利しよう。
〔16日、批判に押されて上田知事は特別秘書をつうじて、「監修者である高橋氏は教科書の採定には関与しない。外れる」と回答してきた。しかし、県議会内の「つくる会」知事派議員からの巻き返しのせいか、その4時間後に特別秘書は前言を全面撤回。20日、県議会最終日に人事案件を出すことも決定になった〕
(投稿・埼玉県A)
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週刊『前進』(2180号3面1)(2004/12/27)
11・7集会の感動を語る
闘う意欲あふれる集会 民営化阻止決戦へバネ 関東B県の全逓労働者の討論
関東B県の全逓労働者は、郵政分割・民営化攻撃と郵政公社の合理化攻撃が激化する中で、11・7集会に昨年を大きく上回る結集を実現した。その感想と職場での闘いについて語り合った。
闘う集会はここしかない
Aさん「闘う集会はもうここしかないなという感じだよね。戦闘性、闘う意欲にあふれた集会だった。組合の集会は、春闘にしても秋闘にしても、闘う気のない集会ばかりだから。『万国の労働者団結せよ』を体現している。韓国でもアメリカでも攻撃がすさまじくて、生活が苦しくても、元気で頑張っている。発言した人たちも、攻撃されているけれど、みんな元気だ。教育労働者は処分を受けてもへこたれていない。だから、僕らも職場でへこたれずに頑張っていこうという気持ちになるよね」
Bさん「当局に対する怒り、不満はどこにもある。その怒りを結集し、民営化阻止の方向に向けることが今後の課題になる。11・7集会に向けて、郵便局にビラ入れをやってくれて、見た人は、おれに『行くのか』と言ってくる。集会は、やはり今までより活気のある集会だった。子どもを連れて行ったけど、帰ってから、家族に『どうだったの』と聞かれて、『戦争反対』と言う。ちゃんと見ている。家族をオルグして連れて行くのも重要じゃないか。郵政民営化攻撃を家族全体が受けるわけだから。『日の丸・君が代』反対で壇上に上がった先生方は、よく頑張ったと思う。全金本山闘争が勝利に近づいていることは、青年部時代から物販を支えてきたので非常にうれしかった」
Cさん「何年か、動労千葉、関西生コン、港合同の3組合が中心になって集会が行われていたことは知っていたけど、初めて参加しました。僕は、かつて参加した集会が威勢はいいけれど暗いイメージがあったけれど、今回は行って良かった。誘いを受けて、いちおう休暇はとっていたけど、どうしようかなと思っていたら、僕の局でもビラ入れがされた。そしたら、若い組合員が『ビラを配っていたけれど、どうするの?』と言うから、『暇だったら行こうかなと思っている』と言ったら、『じゃあ一緒に行きましょうよ』と言われて、別の職場に移った人も誘って参加しました。やっぱりアメリカや韓国の労働者が頑張っている。僕は、アメリカも韓国も国家が反動的だから、労働者もそうかな、というイメージを持っていたけど、とんでもない。尊敬しなくちゃいけない労働者だと思いました」
米韓労働者とつながり勇気
Dさん「現実に職場では厳しい関係にありますが、集会に行って元気づけられるというのは事実ですね。職場では、組合運動になかなか理解が深まらない中で、あの集会に行くと、自分よりもっと厳しいところで闘っている人が来ているわけだから、そういった面では勇気づけられる。現場に戻ると、また厳しいのですが、国際連帯が関係者の皆さんの努力によって現実化しつつあるのはすごいなと思う。特に、アメリカは労働運動があるのかと思うぐらいの国なので、そういった国の人たちとつながったことが、元気の出る契機になったと思います」
Eさん「今まで労働運動というのは国内だけのものかなと思っていたんですけど、前回と今回、韓国とアメリカでも頑張っていることがすごくよく分かった。ある程度理解をしてからでないと、いきなり連れて行くと、みんな引いちゃうんじゃないかなという思いが自分の中にある。自分も最初に行った時に、日比谷野音の周りに私服警官がいっぱいいて『本当かよ』と思った。でも、勉強会とかをやり、労働運動の大切さが分かれば、理解してくれるんじゃないか。“組合運動に本腰を入れてやれ”と言われているようで、有意義な集会だったと思います」
Cさん「かつて、中曽根の時のように日本帝国主義の反動的な攻撃がかけられても、まだ総評が健在だったり、全逓も含めて、官公労の中では権利も守られていた部分があったけれど、それがなくなった状態だから、今までは偏ったように見られていた集会が結集軸になったという印象がありました。発言の中では、国労の運動はあまり知らなかったけれど、闘争団の問題で逮捕された国労5・27臨大闘争弾圧で、被告の家族が支えているのが印象に残った。弾圧されたけれど、すごく幸せな、家族愛があるんじゃないかなと思いました。
もっと職場で積極的に声をかければ、10人ぐらいは参加してくれる人がいる。権力との関係でちゅうちょしていた部分があったけれど、大衆的に防衛されている。集会に行ったから不利益をこうむるということがなければ、もっと積極的に参加できる。3組合の主催でも、党派の一定の戦略はあると思いますが、唯我独尊的にならずに運動してほしいと思います。集会に参加して、僕としては、今日の集まりにも前向きに参加しています。そういう気持ちを大切にしていきたいと思います。10年ぶりぐらいにインターナショナルを歌った。入局して新入組合員歓迎会をやってくれた時にインターナショナルを初めて聞いたけど、やっぱりあれを歌うといいですね。頑張ろうという気持ちになる。11月集会で初めて知る人が多いと思う」
Fさん「職場の仲間を何人か連れて行くつもりでいたけど、組織化できなかったことは、総括しなければいけない。組合の機関を動かさなければいけない。集会には久々に出たので、空気が入るものがありました。それをどういうふうに職場の運動につなげていくのかが課題です」
職場の団結を強め権力取る
Gさん「来年の1月2日は年賀の配達がある。73年の年末闘争をやって74年から2日は休みだったのに、休配がなくなる。国際連帯は大事だけれど、隣で仕事をしている労働者と団結することを大事にしていきたいと思う」
Cさん「『分割・民営化に反対』というのは、僕たちの職場、労働条件を防衛するためだけど、JPUも公社も、『郵便局の全国ネットワークを守ろう』としか言わない。それは否定しないけれど、郵政官僚と特定局長と組合の専従役員のための運動になっている。現場は毎日、超勤や非番の買い上げで、そんなのどうでもいいやという気になっている面もあります」
Aさん「当局の攻撃に対して、連合全逓(JPU)中央本部のあり方では、労働条件や首を守れない。それに対決する仲間づくりを頑張ってきた。その成果が見えてきた。うちの職場では、当局の攻撃に対する怒りが強い。職場でJPS(郵政版トヨタ方式)のセルワゴン方式が始まった。今まで道順組立を座ってやっていたのを立ち作業でやらせる。ある労働者が、ひざが悪いという診断書を提出して、座らせろと要求した。組合に対する不満も高まっている。全逓中央がわれわれを無視できないような力をつけることが重要です。われわれが力をつければ、“死語”になっているストライキだとか物ダメも可能になると思う。開始された仲間づくり、運動づくりを強力に推し進めて、07年までの過程で力をつけたい。われわれが組合役員になり、権力をとることが求められているよね」
Cさん「指導部をとらなければいけないというのは、そのとおりです。ロシア革命だってボルシェビキが工場の権力を握ったからできた。動労千葉も中野さんたちが執行部をとったからできたわけでしょう」
Aさん「11・7集会は数が増えて、誘えば来るということが立証された。だから、運動が広がる素地はある。頑張りましょう」
ランク&ファイル運動で組合と世の中変える 関東 自治体労働者 奥山賢さん、豊田義彦さん
11・7の元気が組合内に波及
――集会の感想をお願いします。
奥山さん「11・7労働者集会に大結集することで組合も職場も変えていこうと訴えたんで、集会が失敗したらどうしようという気持ちもありました。でも過去最大の3600人。自治労傘下の単組も北海道から沖縄まで、所によっては県本部決定で参加しました。自治労の中でランク・アンド・ファイル運動が始まった。まずはいい気分です」
豊田さん「アメリカのILWU(国際港湾倉庫労働組合)とか韓国の民主労総の話を直接聞けたのが良かった。迫力が全然違う。アメリカのMWM(百万人労働者行進)運動や韓国でゼネストをやっている人たちが日本に来て演説していることの迫力を感じた。だいぶ刺激になりましたね」
奥山さん「一緒に集会に参加した仲間は例外なく人が変わったようになって、ものすごく気合いが入って、元気になって、組合内に波及効果をもたらしていますね。
今回参加した人は、大きな合理化問題を抱えている職場の人たちです。私も現業ですけど、民営化に直面している。現業は、結構強いというイメージがありますが、民営化攻撃が半端じゃない中で、組合全体が縮こまって守りに入っている。組合本部は、雇用を守るためには異動や民間委託そのものは拒否できないという論理です。多くの組合員はあきらめムードになっている。だけど、少なからずそれに疑問を持っている人たちもいる。そういう人たちが来た」
豊田さん「自分の所は、組合役員をやっていた人が『今のままじゃだめだ。変えていかなければならない』と危機感を持って訴えてきた。今回初めて参加した人は、組合や職場の現状を変えなければいけない、だけど何をしていいか分からないという思いで、さらに周りの人を誘って集会に参加した。周りに頑張っている人がいる。それに刺激された。
一組合員からすると、自治労の役員たちは調子のいいことばっかり言っているけど、いざ自分の職場が狙われた時に何もしてくれないんじゃないか、という不信感がある。だけど多くの組合員は、今の自治労はおかしいなと思っていても、それを表現しきれない。
だけど11・7集会はストレートに言う。合理化はおかしいとか、正直に言える集会だと思うんです。分かりやすい。ところが自治労の集会になると遠回しな雰囲気になる。自治労も一応『合理化反対』とか言っているけど良く分からない。それを組合ではっきり言うと逆に変な目で見られる」
――国際連帯についての感想はどうですか。
豊田さん「アメリカや韓国の闘いは本当にすごい。韓国では自治体の労働者も含めてゼネストに入っている。それを組織していく力がどこにあるのか、僕は興味を引かれた。日本にも陸海空港湾労組20団体の闘いがありますが、アメリカでもILWUはイラク戦争反対で本当に港を止める。
労働組合がそういう闘いをすることは当たり前の権利のはずなのに、日本ではいつからこんなふうになってしまったのかと感じる。やればできるんじゃないかという気持ちになる集会でしたね」
奥山さん「ILWUという小さな組合が象のようなAFL―CIO(米労働総同盟―産別会議)にランク・アンド・ファイル運動で挑む姿にイメージがわきました。さしあたり少数でも、労働組合を変え、世の中を変えていくことが本格的に始まったんだなと。MWMと動労千葉や私たちが目指しているものは本当に一つ。私自身の課題としてもっとやっていきたい」
11・7参加者が大会で修正案
奥山さん「単組の定期大会が11・7集会の後にあったんですよ。数年で職場がなくなるか組合そのものがなくなるかという時に、民営化反対の言葉が一言もないんですよ。組合員全体が不安になっている時に全然闘う方針がない。それなら11・7集会の参加者を中心に有志で修正案を出そう、と自然になった。闘う方針を出せと要求した。
僕は正直言って、本部にいい加減な答弁でごまかされたり、恫喝されたりしたら反論できないで終わりかな、と思ったりもした。実際に、本部は『本部案と修正案は同じだから、原案を修正する必要はない』とか言って逃げたんですけど、当人たちは『役人みたいなことを言うな』と言って頑張った。本部案そのものは覆せなかったけど、懸案事項については再討議をすることを確約させた。
ある職場の組合員は、民間委託絶対反対で闘えと修正案を出したんですけど、『その修正案は、あなたの個人の意見でしょ』みたいなことを執行部が言うわけですよ。それに対して職場の過半数の署名を集めて修正案に携えて出した。それで執行部は一言も言えなくなった。その人は職場を回って、ふだん話をしない人にも声をかけて署名を集めた。それが大事だと思う。
その人に『集会どうだった』と聞いたら、『あそこの人たちは、みんな熱いよね』『自分たちは個人参加という形だったんで、ちょっと寂しい。組合として来たい』と言ってました」
――11・7集会に参加した人が自分の組合や自治労・連合を変えていこうということですね。
豊田さん「組合本部が当局より先に合理化などの提案をしている。今いる人が60歳まで働けるようにと、自ら削減を提案している。それで確認書をとっても、またそれを変えようという話が出てくる」
奥山さん「労働協約って力関係で成り立っているじゃないですか。大事なことは確認書の中身じゃなくて、やりとりの中で当局もやっぱり組合の出方を見ると思うんですよ。組合が当局の要求をなんでも飲むような体質だったら、次はもっと大きな合理化とか、確認書もほごにされると思う。逆に確認書が一枚も取れなくても、組合が本気で反撃する力を示せば、プラスの方向に作用する。階級闘争ですから、力関係を見せていくことだと思う」
豊田さん「ああいう提案を組合から出すと終わりだね。攻撃が次々と来る」
奥山さん「その合理化提案は決まったんですか?」
豊田さん「それは撤回させた。怒った人たちがいっぱいいて、動員もだいぶボイコットした。その中で修正案を出すことになった。こんな合理化提案を出したらどうなっても知らないぞ、こっちにも考えがあると。結果的には修正案を執行部が自ら取り入れた。その時、先頭になった人たちが11・7集会に参加した」
青年労働者を組織する時
――青年労働者については?
豊田さん「指定管理者制度や独立法人化などが制度として出てきている。それに対して組合としてどう闘うのか見えない。『労働条件の変更を伴う部分については交渉事項だけど、民営化そのものは当局の管理運営事項だから、組合は反対できない』とも言う。
人事評価制度も、誰もがおかしいと思っている。だけど組合は『いくら反対しても導入されるから、当局任せにせずに、組合の考え方を入れさせるために積極的に関与する』と言う。これには若い人はみな怒っていますよね。『自治労本部はより良い有事法制論』とも皮肉ってますよ。
『質の良い公共サービスを提供しよう』というのも僕は分からない。商品だから質を良くすればよく売れると、自ら競争の世界に入っていく。その結果が市場化テスト、官民競争入札」
奥山さん「民営化と戦争の動きが激しい中で、若い人たちは例外なく本当にどうしたらいいかと考えています。そういう中で悲観的になったり、保守的になる部分は少なからずある。
僕は、時期が来たら自発的に立ち上がると考えていた時もあるけど、今は違います。世の中が右傾化する中で、組合も反動的になっていきます。やっぱり今いる僕らが組合の中で声を上げていかなくてはいけない。そのことで労働組合を変え、世の中全体を変えることができると思います。青年労働者に声をかけて討論する関係は、やる気になればできる。若い人ほど真剣に考えている。40歳代後半から上の人はなんとか定年までやれるかもしれないけど、それより下の世代は職場も組合もなくなるという時期に来ていますから、今がやる時だと思います」
――最後に決意を。
豊田さん「民営化攻撃は、現業労働者が最大のターゲットです。現業労働者の権利をつぶせば労働組合がつぶれると。だから現業をつぶすためにいろいろな制度をつくった。現業労働者として、自分の闘いとしてやらなきゃいけない。私の組合でも現業の組合員が一番怒っている。現業労働者が頑張らないとつぶれるという意識を広め、取り組みを強めていきたい」
奥山さん「動があれば反動もあり、みんな悩み苦しみながら、時には孤立しながらやっています。マルクスの『共産党宣言』に『労働者革命の第一歩はプロレタリアートを支配階級へ高めることである』と書いてあるけど、それをやっていくのは、ものすごく大変なんだなと実感しています。
民営化問題はやはり階級闘争の問題だと思うんですね。だから自治体労働者だけじゃなくて、すべての労働者との連帯を広げていかない限り勝てないと思う。自治労は『21世紀宣言』以来、民営化反対の旗を降ろしています。だからこそ下からのランク・アンド・ファイルの闘いが大事だと思う。それを実現しているのは動労千葉であり、11・7集会だと思う。だから労働者なら誰でも共感できる。根っこは階級闘争。この闘いを世の中全体に広げていくことが大事だと思う」
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週刊『前進』(2180号3面2)(2004/12/27)
拘束12時間で生活破壊
1ネット方式導入について 全逓集配労働者に聞く
「やめてほしい」が職場の声
郵便職場で、「集配ネットワークの高度化」の一環として、10月17日から「1(ワン)ネット」方式の試行が始まった。10時間労働(拘束11〜12時間)の導入で8時間労働制を解体するものだ。その実態を試行局である東京・芝郵便局の集配労働者に聞いた。(編集局)
1人の労働者が全郵便物を配達
――集配の1ネットが試行されました。東京の芝局と荻窪局ですね。
荻窪は集配の一部で、芝は集配の全課が対象です。今まで、通常、速達、書留とか郵便の種類によって別々に配達していたのを、小包を含めて全部の郵便物について、1人の集配労働者が配達や集荷をする。公社が言うには、「効率良く高品質な集荷」「効果的な営業」をやり、「外務員が担当区域の業務に責任を持って、弾力的に運営する」ことを目的としています。
――軽四輪で配達すると聞いていますが。
芝では短時間職員、ゆうメイト(非常勤)も含めて94区ある。94台の四輪をそろえるわけにもいかず、バイクでやらざるを得ない。バイクの方が効率的で機動性もある。能率的にも、四輪で通配(通常配達)はできない。当局はビジネス地域を四輪でやらせようとしていますが、現状では効率的に動いていません。
組合活動も社会生活も奪われる
――10時間勤務で拘束11時間から12時間ですね。
芝は拘束12時間です。勤務は三つあり、@7時30分から19時30分、A8時から20時、B8時30分から20時30分。8時からは、試行から3週間目で新設した。
勤務日は、ほかには何もできない。組合活動だとか集会への参加もできなくなる。飲み会や忘年会もしづらくなる。コミュニケーションをとる中で仲間意識や団結をつくっていたけれど、それができなくなった。若い人の場合、共働きだと、子どもの送り迎えができなくなる。
遠距離通勤で1時間半かかると、往復で3時間。拘束12時間で、15時間。家にいる時間、寝る時間は9時間しかない。勤務の間は寝るだけの生活になります。一家の団らんもできない。地域や学校の付き合いもできなくなり、社会生活が破壊されます。集配労働者は長く拘束されるのに慣れていない。その面で精神的ストレスや苦痛を感じます。職場の声は「3月で1ネットをやめてほしい」というのが圧倒的です。
――仕事はどう変わっていますか。
今までは通常と書留を併配していましたが、速達も小包も配達する。1週間に4日仕事に出て、週休1、非番2。その要員を確保するために、大口(オフィスビルなど)配達を専門にやる要員がなくなった。大口も持っていかなければならないから、バイクでは積めなくなる。実際には、非効率的です。
スタート時に欠員を埋める約束だったけど、ゆうメイトは集まらないし、本務者を増やしたけれど、長期休業とか早期退職で定着しない。年休がとりづらくなっています。
芝の場合は、完全なビジネス地域と、ビジネス地域と住宅地の混合地域があり、混合地域は仕事が大変です。夜間再配達が多くて30分くらい遅れて残業になる。場所によって仕事のアンバランスがある。これから、営業や集荷、小包が増えると厳しくなる。
休憩・休息時間も変更した。7時30分からの勤務の午後の2回目の休憩・休息時間が当初は15時52分〜17時だった。2回目の配達に15時ぐらいに出発するけれど、1時間では配達が終わらない。それで16時22分〜17時30分に変更した。これでも無理という所もある。
――短時間やゆうメイトの人たちは。
短時間は、8時30分からの勤務だったのを7時30分から11時30分までにした。翌朝郵便を10時までに配達させるためですが、11時30分までに配達が終わらず残業になる。短時間の人は、午後から違う仕事をやる。夜の仕事をしている人も多いし、主婦が多い。子どもを学校に送り出してから仕事に出てくることができなくて、辞める人もいる。
組合でアンケートをとって、当局にぶつけて、何がなんでも翌朝を配達しなくてもいいということになったけれど、なかなか「いや」とは言えない。
――ほかに問題点は。
1号便を配達できずに持って戻った場合、その中には速達も入っている。次の便だと15時過ぎになり、サービスダウンです。
当局と同じ考え方のJPU中央
――公社の狙いは何です
か。ヤマトや佐川の「セールスドライバー」のようにするということですか。
そうです。それで、営業に対応できない人を切り捨てる。郵便の減少が著しいから「物流産業にシフトを移さないと生き残れない」と。組合(JPU)も同じ考え方です。
中央本部のオルグが来た時、「ヤマトや佐川と競争して、困るのは現場の労働者同士だ。本来ならヤマトの労組と横の連携をとるべきだ。自分たちだけが生き残ればいいという企業防衛に走ると、権利を投げ捨て、合理化や労働強化、人減らしに応じざるを得なくなる」と話したら、ムッとしていました。
――民営化については。
雇用さえ安定すればいいと思うけれど、民営化に伴って首切りが行われる。JRと同じように過疎地の局がなくなる。それに対する世論づくりをしなければならない。JRでも国民の財産が売られた。国民にとっては利益はない。「人材活用センター構想」も出ている。許してはなりません。
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週刊『前進』(2180号3面3)(2004/12/27)
12・1〜12・14
日本経団連が05年経労委報告
金属労協またベア否定/労組組織率29年連続減
●1047名解雇撤回で集会 「国鉄労働者1047名の解雇撤回・鉄建公団訴訟勝利12・1全国集会」が日比谷野音で開かれ、国労闘争団、全動労争議団、動労千葉争議団を先頭に4300人が参加。(1日)
●金属労協の春闘方針 IMF・JC(金属労協)は協議委員会を開き、「05年闘争の推進」を機関決定。企業業績が改善しているにもかかわらず3年連続で統一ベア要求を放棄した。(2日)
●笹森が小泉と会談 笹森連合会長が小泉首相と会談。笹森は公務員制度改革関連法案について来年の通常国会中も政府との協議を継続することを提案。(5日)
●国際自由労連世界大会 ICFTU(国際自由労連)世界大会が10日まで宮崎で開催。(5日)
●能力等級制を導入へ 政府は公務員制度改革について、能力・実績主義の「能力等級制」を法案提出に先行して試験的に導入する方針を固めた。(5日)
●日本経団連が郵政民営化で提言 日本経団連は「郵政民営化の着実な実現を望む」と題する提言を発表。民営化の意義として「公務員数の縮減」をあげた。(6日)
●経済団体、介護保険制度改悪で共同意見書 日本経団連と日本商工会議所、経済同友会、関西経済連合会が「今次介護保険制度改革に関する共同意見」を発表。給付削減を強調。(7日)
●財界首脳、武器輸出見直しを評価 小泉政権による武器輸出3原則の見直しの発表を受け、経済3団体トップはそろって歓迎コメントを発表した。(10日)
●女性の坑内労働の解禁検討 女性の就労が労働基準法上、唯一禁止されているトンネルや鉱山での坑内労働について、厚労省は技術的、管理的な業務を中心に法改正の検討を始めた。11月16日の日本経団連の要望を受けた。(11日)
●若年層で派遣労働者が増加 内閣府は「若年層で増加する派遣労働者」と題するレポートを発表。15〜34歳の若年層で増加が顕著になっている。(13日)
●日本経団連「経労委」報告を発表 日本経団連は来春闘に臨む経営側の基本方針となる「05年版経営労働政策委員会(経労委)報告」発表。(14日)=概要別掲
●政策課題で労使トップが協議 連合と日本経団連は首脳懇談会を開く。社会保障改革に関して労資協力で意見が一致。(14日)
●日本経団連社会保障解体提言 日本経団連は「財政の持続可能性確保に関する提言〜活力溢れる未来を育むために」を発表。社会保障費の抑制を提案。(14日)
●労組組織率、前年比0.4ポイント低下 厚労省は、04年労働組合基礎調査の結果を発表。今年6月末現在の推定組織率は19.2%で前年比0.4ポイント減、29年連続低下。(14日)
05年版日本経団連経労委報告の概要
・東アジア自由経済圏の強調
日本はシンガポール、メキシコと自由貿易協定を締結したが、その動きは諸外国に比べて鈍い。
・社会保障制度の解体を主張
社会保障は、税制・財政とあわせて一体的改革を行う。消費税率引き上げを。
・有期雇用の全面推進
「正社員」「非正社員」という呼び名も、「長期雇用従業員」「有期雇用従業員」に改める。
・ベアという用語も否定
定昇を廃止。「ベア」の言葉をやめ、今後は「賃金改定」の名称にすべき。
・労働法制の全面解体を主張
ホワイトカラー・エグゼンプション(労働時間規制の適用除外)導入、労働者派遣法の規制撤廃、産別最賃の廃止。
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週刊『前進』(2180号4面1)(2004/12/27)
収用委再建を粉砕しよう
堂本千葉県知事は農民圧殺の先兵
成田空港の侵略基地化許すな
動労千葉など3労組が呼びかけた11・7労働者集会は大成功を収め、日米韓労働者の国際連帯と階級的団結が大きく前進した。イラク侵略戦争と大失業、民営化、労組破壊の攻撃に、闘う労組の防衛と強化、国際連帯の力で反撃していくことが確認された。こうした労働者階級と連帯して前進する三里塚闘争は04年の前半、大きな勝利をかちとった。北側延伸計画の脅し、市東孝雄さんの小作地強奪の攻撃、天神峰現闘本部撤去・明け渡しの提訴などをことごとく打ち砕いた。これに対して、政府・国土交通省、空港会社は千葉県・堂本暁子知事を先兵に、三里塚闘争の管制高地の破壊に出てきた。12月8日に強行された堂本知事による千葉県収用委員会の再建の大反動攻撃である。反対同盟は決意を明らかにし、千葉県収用委粉砕・暫定滑走路の2500b化阻止、成田空港の軍事基地化阻止へ闘いぬいている。
勝利をかちとった04年の三里塚闘争
成田国際空港株式会社は04年に三つの危機に直面した。第一が国内の他空港との激しい競争に勝ち抜くことである。05年2月には中部国際空港が開港し、航空貨物を中心に需要が大幅にシフトすると言われている。トヨタ自動車、シャープ、デンソー自動車部品など業界の大手が貨物の拠点を中部空港に移動させることを表明した。20%程度の減貨は避けられないと言われている。
09年には羽田空港の4本目の滑走路が開港して国際線化し、年3万回の需要が成田から奪われようとしている。
さらに第二に、韓国・仁川空港、中国・浦東(上海)空港、同・香港空港などとのアジアの拠点空港をめぐる生き残り戦が激化し、成田は欠陥滑走路や世界一高い着陸料のため敗退の危機にさらされている。
その結果第三に、07年とされる株式上場が危うくなってきたのだ。
以上の危機を克服するため、空港会社・黒野匡彦社長は03年暮れに暫定滑走路の2500b化を打ち出し、なりふりかまわぬ攻撃に出てきた。
ひとつが、北側延伸計画の再度の強調による脅しである。03年12月26日、黒野総裁は記者会見で「2500b化は必ず実現しなければいけない課題。数カ月で決断する」と語った。反対同盟はこれに対して北側延伸は「脅しのための脅し」に過ぎないことを見抜き、計画そのものの非現実性、荒唐無稽(むけい)ぶりを科学的に指摘・暴露し、黒野総裁による脅しを一蹴した。
二つは、03年12月24日に発表された天神峰現闘本部、市東孝雄さんの小作地、野戦病院、岩山団結小屋の底地買収と明け渡し、小作契約解除の要求である。特に現闘本部と市東さんの畑は暫定滑走路の誘導路を「へ」の字に曲げている当の土地である。何としても強奪したいとの衝動から、通常ではありえない攻撃に訴えてきた。そして、現闘本部については3月12日に明け渡しを求める民事提訴を行った。
しかし反対同盟はこれらをことごとく打ち破った。天神峰現闘本部の提訴については真っ向から受けて立ち、裁判闘争を支援する会の運動を大々的に開始した。法廷でも「成田治安法で封鎖されている建物の撤去がいかに可能なのか」「実現不可能な執行を求める訴えには利益がない」として提訴却下を求め、反論に窮する空港会社側を追いつめている。
市東さんの小作権をめぐってもただちに反撃のキャンペーンを開始、県農業会議を使った小作権強制解除の申請を断念させた。こうして攻撃が次々とはね返される状態を中村徹前公団総裁は「切迫した状況」(毎日新聞12月10日付)と表現した。
前代未聞!秘密裏に収用委員を任命
こうした04年の三里塚闘争の前進に対する大反動として展開されてきたのが堂本知事による収用委員会再建の暴挙である。この暴挙は政府・国交省、空港会社の意を受けたものだった。
収用委員会の再建は、三里塚闘争の勝利の管制高地に手をかけることでその前進を食い止めようという凶暴な攻撃である。
千葉県収用委員会は1988年10月に、農地強奪への人民の抗議の嵐の中で崩壊した。空港公団は当時、同年春から二期工事用地への土地収用法適用を公言、これを受けて県知事は中断していた収用審理再開の準備を始めた。運輸省(現国交省)は、事業認定の失効時期(告示から20年目)が翌89年に迫り、最後の賭けにうってでたのである。
これに対して反対同盟と全国の労働者人民は、千葉県及び収用委に対する猛然たる抗議闘争に立ち上がった。収用委員会には「農地強奪に手を貸すな!」の声が殺到した。それでも政府・公団、県・収用委の態度は変わらず「強制収用は既定の事実」という姿勢をむき出しにした。
こうした事態のなかで、ついに収用委会長に対する9・21せん滅戦闘が炸裂(さくれつ)した。収用委員会は全員が辞任に追い込まれ、以後16年にわたって県収用委は完全に空白状態となった。権力機関の一角が、労農学の実力闘争によって切り落とされ、それが16年間もつづくという三里塚の偉大な勝利の地平がかちとられた。三里塚は国家の暴力支配が及ばない空間となった。「三里塚はパリコンミューンだ」という歴史家の故羽仁五郎氏の指摘が端緒的に示されたのだ。彼らは勝利の核心に挑みかかることで成果に傷をつけ、闘争を動揺させようとしているのだ。
堂本知事による収用委再建はこうした獲得物に対する挑戦であり、闘争破壊である。
しかもこうした重大攻撃である収用委員の再任命を堂本知事は秘密会(非公開)で行うことを求めた。千葉県議会史上初めての事態だ。そもそも収用委員会という第三者機関は行政権力からの独立を建前とし、権力の乱用をチェックし、被収用者の権利を守るものとされている。その委員が秘密会で選ばれるというのでは民主主義的建前すら放棄したと言うべきである。家や土地という権利者の人生そのものとも言うべき大切な財産を強権で奪う機関の委員を、名前や経歴も公表しないで任命したのだ。
今後の収用委の審理自体も非公開、秘密会となる。収用される人間にとって見れば、家や畑を誰が決めたのかも分からない収用手続きで奪われるのだ。戦前にもなかったような暴挙だ。
さらに収用法に基づく事業認定(収用適格事業としての認定)に関して、堂本知事とその意を受けたマスコミは悪質なデマキャンペーンを行い、収用法の恫喝力を使って三里塚農民を脅そうとしている。堂本知事は「収用委員会を再建しても成田には適用しない」「成田では話し合いの原則を守る」などとくり返している。これは三里塚実力闘争による反撃の矛先をかわし、その一方で農民を脅迫する悪らつなデマ宣伝だ。
堂本発言は「成田には収用法が適用できるけども政策として適用しない」、逆に言えば「状況次第では適用の可能性は否定しない」とすごんでいるのである。しかし、成田空港建設にかかわる事業認定はあらゆる意味で失効・消滅している。以下の経過で何重にもわたって失効した。
事業認定は失効し強制収用不可能に
(1)そもそも事業認定をめぐっては、告示から10年目の1979年12月16日、「買受(かいうけ)権=元の地主が買い戻す権利が発生した」(土地収用法第106条)ことによって失効した。79年12月以降に仮に強制収用したとしても買受権が発生して元の地主が買い戻すことができるから収用自体が無意味となり事業認定は失効したのだ。
しかし、収用法の所管官庁である当時の建設省はこれを認めず「20年経過するまでは事業認定は失効しない」(末沢勝喜計画局総務課長=当時)と強弁した。
(2)それでも空港反対農民の抵抗闘争によって2期工事は進まず用地問題で暗礁に乗り上げた。そして国が主張した期限の89年12月16日も過ぎてしまった。要するに国自身の主張によっても事業認定は15年前に失効したのだ。
(3)さらに民法167条は債権(収用裁決請求権も債権の一部)および財産権の消滅時効について定めており、「債権であれば10年、債権でない財産権であれば20年で債権は消滅する」と規定している。民法の消滅時効の規定からしても早ければ79年12月、遅くとも89年12月16日には効力を失ったのだ。
(4)そして空港公団は93年6月に収用裁決申請を取り下げ、事業認定の失効が確定した。なぜなら収用裁決の申請を事業認定の告示から1年以内に行わなければ事業認定は失効すると収用法は規定している(29条)。つまり告示から24年もたって取り下げられた裁決申請はもはや1年以内に申請できるはずもなく、ここでも事業認定は失効した。
当時のマスコミも「土地収用法に基づく国の『事業認定』は自動的に失効」(毎日新聞93年6月16日付)、「申請取り下げによって空港の事業認定は自動的に失効する」(読売新聞同6月17日付)などと事業認定は失効したことを確認した。
(5)また、最高裁も反対同盟が起こした収用権限不存在確認訴訟の判決の中で、請求は棄却したものの事業認定の失効は認めた。
以上の(1)から(5)の事実が成田空港に係わる事業認定の失効を証明している。土地の強制収用は法的にも不可能になったのだ。
ところが、県も国もマスコミも事業認定失効の事実については一言も語らず、塗り隠すことであわよくば空港反対農民をだまし動揺させ、屈服させようとしているのだ。
そして収用委員会による脅しという極め付きの人権無視を、堂本知事は来春の知事選で千葉県自民党の推薦をとるための裏取引として行った。「市民派」は真っ赤なウソ、その政治姿勢は自民党以上に自民党的である。自分の選挙のために県議会の秘密会開催、収用委員会の委員と審理の非公開などという前代未聞の暴挙に手を染めた堂本知事を許してはならない。
「他の公共事業が進まないから収用委が必要だ」という堂本知事の弁解もデマゴギーである。県内の公共事業(鉄道や自動車道)の遅れが強調されているが、収用委の崩壊を導いた沼田武・前千葉県知事の「公共事業は話し合いによって十分に対応可能だ」という反省の弁をくつがえす暴言でもある。
あたかも「公共事業」を金科玉条のように主張しているが、買収に抵抗する地権者は、大半が事業そのものへの批判として反対しているのだ。赤字団体へ転落寸前の千葉県財政にもかかわらず、バブル期的発想で次々と開発政策を展開する堂本県政に大きな批判が起きている。「公共事業への土地売却拒否」は堂本政治への批判だ。収用委再建はこうした人民の正当な公共事業批判を力で押しつぶす意味をもっている。
その上で、統治権力として民主主義を尊重するなら「事業の遅れ」は受け入れるべき問題である。「経済効率とスピード」だけを優先し、地権者無視の強制収用がくり返されてきた現実を、三里塚闘争は根源的に批判してきた。三里塚闘争は国家の暴力行使に対して、強制収用機関たる収用委を解体するという形で、未来社会に通じるラジカルな問題をも提起してきたのである。
「公共のため」をかたって収用委再建への批判をごまかそうとする堂本知事を許してはならない。
有事法制発動攻撃との闘いの最前線
反戦闘争の観点から見て決定的な問題は、収用委員会の再建を有事法制による軍事基地のための徴発の切り口にしようとしていることである。
イラク戦争の泥沼化、朝鮮侵略戦争の切迫によって、有事法制の発動=戦時体制への転換が日程に上っている。
成田空港を、政府は米軍に対して“朝鮮有事”の際に兵站(へいたん)基地として提供することを約束している。有事法制(米軍支援法、交通・通信利用法など)の決定的かつ主要な柱の一つは強権的な土地収用だ。収用委を実力で崩壊させ、成田の土地収用を不可能にした三里塚闘争の地平は、それ自体が侵略戦争に対する革命的反乱の芽を秘めている。三里塚闘争はこの有事体制の根幹を揺るがしており、収用委員会の再建はこうした三里塚闘争の管制高地に対する真っ向からの挑戦だ。
最強の反戦・反権力の砦を破壊することで、軍事徴発に対する抵抗を全国規模で鎮圧する攻撃だ。〈戦争と資本攻勢〉と対決して闘うすべての労働者が収用委再建攻撃と闘う三里塚闘争に立ち上がろう。
韓国では民主労総(全国民主労働組合総連盟)と全農(全国農民会総連盟)の熱い労農連帯がかちとられ、コメ輸入自由化反対、日韓FTA(自由貿易協定)阻止などで共同闘争が発展している。今こそ三里塚を先頭とした農民と労働者との共同闘争を実現し発展させる時である。
千葉県堂本知事に告ぐ。収用委再建は絶対に許されない。この三里塚闘争への悪らつな挑戦を、三里塚農民と全国の労農学は断固として受けて立つだろう。就任した委員たちは、三里塚闘争の流血の歴史を顧みよ。自分たちの行為がどれほど農民・人民の命と尊厳を踏みにじるものであるかを自覚し、直ちに辞任せよ! 全国の労農学は収用委再建と対決する05年三里塚決戦に進撃しよう。
〔斉田 猛〕
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週刊『前進』(2180号4面2)(2004/12/27)
北富士 “イラク派兵やめろ”
サマワ模擬訓練に抗議
12月13日、自衛隊北富士演習場のサマワ模擬訓練施設でイラク人民虐殺の侵略訓練が再び開始されることに対し、忍草母の会、忍草国有入会地守る会の緊急の呼びかけにこたえ山梨を始め首都圏から緊急に演習阻止の闘いに決起した。
自衛隊は、小泉政権の9日の自衛隊イラク派兵延長閣議決定を受けて演習通告をしてきた。地元住民との演習場使用協定を踏みにじってわずか3日前に通告してきたのだ。この暴挙への激しい怒りに燃えて申し入れ行動を貫いた。
午前11時、梨ケ原廠舎(しょうしゃ)前に結集し、申し入れ行動を開始した。忍草母の会の天野美恵事務局長が「サマワ宿営地施設のところは忍草の入会地です。貸した覚えはないのに何回も訓練をやっている」と激しく弾劾した。
申し入れでは、国有入会地守る会の天野豊徳会長が申入書を読み上げた。サマワ宿営地模擬施設の撤去と自衛隊のイラク即時撤退、北富士への海兵隊の移転を含む在日米軍基地強化・再編反対を申し入れた。
婦人民主クラブ全国協議会、百万人署名運動・郡内地区連絡会、全学連などが申入書を読み上げ、サマワ模擬施設訓練の中止とイラク即時撤退を要求し、怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。
訓練中止要請せよ 県庁に申し入れ
忍草母の会と忍草国有入会地守る会は13日、自衛隊への申し入れに続いて山梨県庁を訪れ、山本山梨県知事への申し入れを行った。
国有入会地守る会の天野豊徳会長が申入書を読み上げ、県が政府・自衛隊にサマワ模擬施設での訓練中止を求めるよう要求した。さらに、使用協定に違反して3日前の通知での訓練を許していることを激しく弾劾し、知事の回答を必ず伝えるよう約束させた。
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週刊『前進』(2180号4面3)(2004/12/27)
派兵延長に各地で反撃
関西
12月11日、大阪で「派兵期間延長弾劾!第3師団派兵阻止 12・11全関西集会」とデモを行いました。この闘争は、9日の自衛隊イラク派兵1年延長の閣議決定を弾劾する緊急行動として、百万人署名運動・関西連絡会が呼びかけたものです。150人が結集し、土曜の夜の大阪・梅田の繁華街で、自衛隊即時撤退・イラク戦争反対を市民にアピールしました。
集会では、米軍のファルージャ大虐殺への怒り、そして自衛隊がその米軍とともにイラク人民虐殺に手を染め、また自らも死を強制されていく、そのための派兵延長を絶対に許せない思いがあふれました。
「とめよう戦争!隊員家族と元自衛官連絡会」の方は、仲間である自衛官を戦場に送るな、と強く訴えました。「反戦・福祉議員ネット」の国賀祥司泉佐野市議は、10月のアメリカMWMに参加し世界中の労働者の思いはひとつであることを実感した、国際連帯を求めて闘うことが小泉・ブッシュを打倒していく道であると訴えました。昨年3月の開戦時に米領事館前で座り込みを続けた在日朝鮮人からは、「イラクから撤退を!」と力強い訴えがありました。
「辺野古に基地を絶対つくらせない会」は、海上ヤグラをめぐる実力攻防の現状を報告し、「沖縄を孤立させてはならない、すべての職場や地域に辺野古の闘いを持ち込んでほしい」と訴えました。
集会後、梅田の繁華街をデモ行進、沿道の注目は圧倒的でした。
(投稿/R・T)
中四国
小泉政権によるイラクへの自衛隊派兵延長閣議決定にたいして、中四国では、11日広島、12日岡山と連続デモが行われた。
12月11日、止めよう戦争への道!百万人署名運動広島県連絡会が主催して、自衛隊のイラク占領1年延長の閣議決定を弾劾し、陸上自衛隊第13旅団の広島・海田基地からのイラク出兵阻止を訴える集会とデモが行われた。
午後3時半、広島県内各地から「被爆地ヒロシマから占領軍を派兵させるな」と怒りに燃える闘う仲間が続々原爆ドーム前に結集して来た。
広大生の司会で集会は開かれ、冒頭、闘う教育労働者は「東京―広島の闘いを結合し、3〜4月『日の丸・君が代』強制との闘いで教育基本法の改悪を阻止する。これが戦争を止める力です」と訴えた。全国被爆者青年同盟の中島委員長をはじめすべての発言者が、自衛隊派兵延長と新防衛大綱は日帝のアジア侵略への道であり絶対に許してはならない、自衛隊を一日も早く撤退させようと訴えた。
市内デモはドラムでリズムを取り、「自衛隊を撤退させよう」「小泉、おまえはもういらない」と軽快だが怒りにあふれたコールでアーケード街を進んだ。
翌12日には岡山で、百万人署名運動岡山県連絡会が主催するデモが岡山市の目貫き通り表町で行われた。雨天をついて参加した労働者・学生は「派兵延長反対!日本原、三軒屋駐屯地からの自衛隊派兵を止めよう!」と訴えた。(写真)
また、四国・松山でも百万人署名運動による街頭宣伝と、自衛隊松山駐屯地への申し入れが行われた。
(投稿/M・D)
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週刊『前進』(2180号4面4)(2004/12/27)
12月8日〜14日
国民保護基本指針要旨を発表
新防衛大綱などを閣議決定
●「装備が足りず鉄くずあさり」 クウェートを訪問したラムズフェルド米国防長官に米軍兵士たちから「なぜ、ゴミ捨て場で鉄くずをあさり、車両の装甲をしなくてはいけないのか」と装備不足や駐留長期化について不満がぶつけられた。(8日)
●米軍、下地島を強行使用 在沖海兵隊は、集中豪雨被害に見舞われたフィリピンへ支援物資などを搬送するため、宜野湾市の普天間飛行場からCH46ヘリ3機とKC130空中給油機1機を派遣、伊良部町の下地島空港を給油目的で強行使用した。(8日)
●自衛隊派兵1年延長決定 政府は、臨時閣議を開き、イラクへの自衛隊派兵を1年間延長する基本計画の変更を決定した。(9日)
●「自衛隊入ってサマワで活動すれば」 自民党の武部幹事長が講演で、若者のフリーター増などに関連して「1度自衛隊にでも入ってサマワみたいなところに行って、本当に緊張感を持って地元の皆さん方から感謝されて活動してみると、3カ月ぐらいで瞬く間に変わるのではないか」と語った。(9日)
●新防衛大綱・中期防を決定 政府は、閣議で、今後10年間の安全保障政策の基本指針と防衛力のあり方を示す、新たな「防衛計画の大綱」を決定した。国際テロや弾道ミサイルなど「新たな脅威」への対処を第一に掲げ、「国際的な安全保障環境の改善」に取り組むことを新たな目標に定めた。海外派兵の本格的な態勢を構築するほか、輸送力などの装備を強化する方針を明示した。05年度からの「中期防衛力整備計画」(中期防)も同時に決定した。(10日)
●武器輸出3原則を緩和 政府は、新防衛大綱の閣議決定にあわせ、武器輸出3原則を緩和することを正式に決め、細田官房長官が談話の形で発表した。(10日)
●「自衛隊駐留続けば別種類の抵抗」 サマワで、シーア派ムクタダ・サドル師系の宗教指導者アブドルラザク師は、日本政府の自衛隊駐留1年延長の決定について「1年だけと聞いていた。多国籍軍である以上、占領軍であり、町から撤退すべきだ」「自衛隊に対するわれわれの平和的な抵抗は今後も続ける。平和的な抵抗は別の種類の抵抗に変わるだろう」と述べた。(10日)
●嘉手納高校に弾薬庫から煙 沖縄・嘉手納町の嘉手納高校に、同校の北側に隣接する米軍嘉手納弾薬庫地区で行われた訓練による煙が流れ込んだ。教師や生徒ら約70人が目やのどの痛みを訴え教室外に避難した。(10日)
●朝鮮有事の日米共同作戦 自衛隊と米軍が朝鮮半島有事を想定し、「5055」というコードネームを付けた共同作戦計画を策定、調印していたことが明らかになった。朝鮮半島で戦う米軍への支援と同時に、武装工作員の日本への侵入を想定し、その場合には自衛隊が単独で対処する。新防衛計画大綱も、この作戦計画を前提にしている。(11日)
●都市型施設、抗議200日 米軍キャンプ・ハンセン内で建設が進む都市型戦闘訓練施設への抗議行動を続ける沖縄・金武町伊芸区の住民らが「二百日集会」を同町公会堂前で開いた。約450人が参加した。(11日)
●国民保護基本指針の要旨を発表 政府は、「武力攻撃事態」(日本有事)になった場合に、住民の避難や救援の方法などを定めた「基本指針」の要旨を発表した。6月に成立した国民保護法に基づき、弾道ミサイル攻撃など四つのケースの武力攻撃事態を提示して、避難・救援の方法を示している。来年3月下旬に閣議決定する予定。(14日)
●ミサイル防衛、米と交換公文締結 ミサイル防衛(MD)システムに関して包括的に協力する枠組みを定めた交換公文を町村外相とベーカー米駐日大使が交わした。日本が米国のMD体制に参加する方針を正式に表明するもの。(14日)
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週刊『前進』(2180号5面1)(2004/12/27)
米軍と一体化し海外派兵が主任務に
「新防衛大綱」で日本版先制攻撃戦略に踏み切った小泉
ブッシュ・小泉枢軸への総反撃を
05年決戦へマル学同中核派の決意
12月9日、日本帝国主義・小泉政権は、自衛隊イラク派兵基本計画の1年間延長を閣議決定した。続く10日には、新「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」の閣議決定を強行した。日帝・小泉は、米帝ブッシュと軍事的にも一体化し、日米枢軸を形成して、第3次世界大戦の過程に本格的に突入していくことを宣言したのだ。この日帝の危機と絶望的凶暴化の重大性をすべての労働者・学生に暴露し、05年決戦の大爆発へ猛然と総決起しよう。
イラク派兵の延長で無期限の侵略戦争へ
まず、12・9自衛隊イラク派兵基本計画の閣議決定を徹底的に弾劾する。
第一に、「日本の国益」を前面に押し出し、イラク人民の民族解放・革命戦争圧殺と石油資源略奪のイラク侵略戦争への参戦を正当化していることを絶対に許してはならない。
小泉は、12・9閣議決定後の記者会見で、「大量破壊兵器」の大ウソと10万人を超えるイラク人民の大虐殺を完全に居直り、帝国主義の軍事占領とカイライ政権に対するイラク人民の怒りの大爆発を圧殺することが「わが国の国益にかなう」などと表明した。
しかしイラクに対して米英日帝国主義が行っていることが「民主化」とか「復興支援」などというのはまったくの大ウソだ。その実態は古典的な帝国主義侵略戦争、被抑圧民族抹殺戦争以外の何ものでもない。しかもそれを「ビジネスチャンス」と称して、資本家階級が強盗的に巨額の利益を得ている。労働者階級は、戦争と民営化に突き進む帝国主義を打倒し、労働者を主人とする社会体制の樹立に向けて闘う以外にない。
第二に、イラク派兵延長の決定は、第2期ブッシュ政権の世界戦争戦略に対応した、日帝の側からの日米枢軸形成への決定的踏み切りである。小泉は、12・9記者会見で「アメリカを孤立させてはならない」「日米同盟、国際協調、これが日本の発展、繁栄を確保する道」と言い放った。
11月選挙で再選されたブッシュは、イラク侵略戦争の継続を宣言している。だが、ファルージャの住民を先頭にイラク全土で猛然たる反撃が米軍・占領軍にたたきつけられ、来年1月のイラク総選挙の大破産は確実だ。しかも来年3月のオランダ軍撤退を始めハンガリー、ルーマニア、ポーランドの各政府が次々と撤退を表明し、「有志連合」からの脱落が始まっている。
何より米帝のイラク侵略戦争は、中東石油の独占的支配と全中東地域の勢力圏化をめぐる国際帝国主義の大分裂を引き起こし、米英と独仏の二大陣営間の戦争的対立と抗争を果てしなく激化させている。
こうした中で日帝は、自衛隊イラク派兵の継続を決定した。それは、一応の建前としてきた「国連中心主義」「専守防衛」を最後的に清算し、米英日枢軸によるむき出しの帝国主義戦争への突進を国家意思として決断したということだ。
第三にそれは、自衛隊が米英軍と完全に一体化し、事実上無期限の派兵と侵略戦争に突っ込んでいくことを意味している。
サマワでは、陸上自衛隊が宿営施設の対弾工事や自動小銃の改造を始めている。イラク人民に直接銃口を向け、第2、第3のファルージャ大虐殺に突き進もうとしているのだ。また政府内では、自衛隊員の「戦死」を想定したマスコミ対策のシミュレーションが検討されている。小泉は、自衛隊の帝国主義侵略軍隊化と国内の戦時統制を一気に進めようとしているのだ。
第四に、イラク派兵閣議決定と一体の自民党幹事長・武部の大暴言を粉砕することだ。
武部は、12月9日の都内での講演で「憲法や教育基本法を改正しても簡単に(青少年の状況は)変わらない」「一度自衛隊に入って、サマワみたいなところに行って、緊張感をもって地元に感謝されながら活動したら3カ月で瞬く間に(人間性が)変わるという考え方もある」と言い放った。教育基本法改悪と憲法改悪を強行し、侵略兵士を育成するためにも、青年労働者・学生をイラク侵略戦争に動員しろと言うのだ。
第五に、しかしイラク侵略戦争への全面参戦の先には何の展望もない。米帝を基軸とする戦後世界体制、帝国主義世界体制の全体としての危機と破産は、イラク侵略戦争の泥沼化の中でいよいよ深まっていく。
新基地建設阻止辺野古に行こう
第六に、これへの労働者階級の回答は、闘うイラク人民との連帯、米帝ブッシュ打倒、日帝・小泉=奥田打倒を真っ向から掲げて05年決戦に立つことだ。
米英日帝のイラク侵略戦争の激化と泥沼化に対するイラク人民・ムスリム人民の民族解放・革命戦争の激化・爆発、これと連帯した日米韓を始めとする全世界の労働者階級の闘いは、世界史の行方を規定する。
何より沖縄・辺野古現地で、イラク侵略戦争と真っ向から対決し、新基地建設のボーリング工事を実力阻止する決死の闘いが闘われている。全国学生は直ちに辺野古現地に駆けつけよう。ヘリ基地反対協が主催する12・21「名護市民投票7周年集会」に結集しよう。闘うイラク人民との連帯を貫いて、日米韓労働者階級の国際連帯闘争を大発展させよう。05年決戦の大爆発で米帝ブッシュと日帝・小泉を打倒しよう。
世界戦争と帝国主義の分裂加速する米帝
12月10日に閣議決定された新「防衛大綱」(「新大綱」)と「中期防衛力整備計画」(「中期防」)は、自衛隊イラク派兵の継続・延長と一体であり、日米枢軸を柱とするむき出しの帝国主義的軍事外交政策への決定的踏み切りだ。
11月米大統領選の結果とファルージャ総攻撃での米帝の敗北の意味は重大だ。
それは第一に、米帝がイラク侵略戦争の死の泥沼にはまり込み、さらに「中東民主化」=中東諸国での政権転覆政策の絶望的展開にのめり込むしかないということだ。一つにはイラン、サウジアラビア、シリアなどの政権の「民主化」=米帝支配がストレートに貫徹する体制への暴力的転覆である。二つにはイスラエルによるパレスチナの軍事的圧殺だ。
第二に、第2期ブッシュ政権は、対北朝鮮・対中国侵略戦争の方向を強める。
第三に、全世界的な米軍再編(トランスフォーメーション)の遂行が最後的に確定されたことである。
第四に、米英日枢軸化が一挙に強められる。
米帝の世界戦争計画において、現在進められている米軍トランスフォーメーションはきわめて重大な位置を持っている。
それは第一に、イラク・中東・中央アジアという一大石油資源地帯をめぐって対独仏の争闘戦をはらむ帝国主義的侵略戦争の体制を構築するものである。
第二に、在日・在沖米軍の司令部機能、最前線基地機能を強化し、北朝鮮・中国侵略戦争の体制をより実戦的で機動性・縦深性に満ちたものとして形成することである。
第三は、そのために日米安保の世界安保化と全面的再編を行うことだ。それは、米帝による対イラク・中東(アフリカを含む)、対東アジア、対世界の世界戦争計画の遂行に向けての米英日の帝国主義的枢軸の形成である。とりわけ日帝をこの米英日枢軸にがっちりと組み込むことである。
日米安保を世界安保へ全面再編
この日米安保体制の全面的再編の第一は、米太平洋軍の全司令部の日本への集中である。沖縄−日本全土を出撃拠点に、東アジアから中東・アフリカに至る世界大的な侵略戦争を遂行するための「前線司令部」の構築が狙われている。
具体的には、@米陸軍第1軍団司令部(ワシントン州)の米軍座間基地(神奈川)への移転、A米軍横田基地(東京)の第5空軍司令部をグアムの第13空軍司令部と統合。司令官は横田基地に配属、さらに太平洋軍司令官を現在の海軍大将から空軍大将に変更、Bキャンプ・コートニー(沖縄県具志川市)の第3海兵師団司令部の米軍座間基地への移動である。これらにC太平洋海軍の指揮を執る第7艦隊(司令部=神奈川・横須賀)が加わる。米太平洋軍の陸・海・空・海兵隊の全司令部が東京−神奈川に集中することになる。
第二は、侵略戦争の実動部隊である在日米軍・在韓米軍・太平洋軍の再編・強化だ。とりわけ重大なのは、@「先制攻撃の実行部隊」として、米海軍佐世保基地配備の強襲揚陸艦、トマホークミサイル搭載のイージス艦、攻撃型原子力潜水艦など戦闘艦艇4隻からなる「遠征攻撃群(ESG)」を創設し、A06年までにイージス艦15隻を太平洋と日本海に配備することだ。後者に関してはすでに5隻のイージス艦が配備され、第7艦隊の指揮下に置かれている。また、Bグアムの米軍基地へのB52戦略爆撃機、B2ステルス爆撃機、F22ステルス戦闘機、攻撃型原潜の常駐配備などである。
第三は、米軍と自衛隊の基地共同使用=日米共同作戦体制の強化である。@航空自衛隊が米空軍嘉手納基地(沖縄)を使用する、A空自航空総隊司令部(東京・府中)を米空軍横田基地に移設する、B沖縄・下地島を日米共同訓練場として使用する――ことなどが検討されている。
また、こうした動向と一体的に在韓米軍の戦力増強、態勢強化が急速に進められている。すでに今年3月には米韓合同軍事演習「フォール・イーグル」と戦時増援演習「RSOI」が同時に行われ、8月の米韓合同指揮所演習「ウルチ・フォーカスレンズ」には韓国政府と各自治体も参加している。米本土の部隊による韓国での慣地訓練も実施されている。
これらを受けて米帝は、戦力増強、態勢強化と作戦計画「5027」の再改訂を進めている。「米韓の戦力強化策が計画通り進めば、2007年ごろにはミサイル・砲撃に対する防空態勢と敵陣地を至短時間に制圧できる攻撃能力が整うことになる。また、先制攻撃戦略が成り立ち得る状態になる」(「在韓米軍問題と韓国の自主国防」大串康夫元空将・石川島播磨重工業顧問)。第2期ブッシュ政権下で、米日帝の北朝鮮侵略戦争策動は重大な段階に突入しているのだ。
日帝は朝鮮・中国侵略戦争に全面参戦狙う
日帝はすでにイラク侵略戦争に全面参戦し、新しい「15年戦争」と第3次世界大戦の道に突入している。
日帝は、米帝による米帝主導の枢軸に補完物として取り込まれることにたじろいでいるが、小泉政権は11月の日米審議官級協議で、米軍再編戦略に基本的に同意することを確認した。日帝は世界帝国主義の大分裂の一方の側にくみし、そのことでとてつもない世界戦争に再び突入していくことを事実上決定したのだ。
第一に、「新大綱」をもって、日帝の側から、日米安保の世界安保化と全面的再編、日米枢軸による世界戦争計画を真正面から打ち出したことである。
「新大綱」は、「日米安全保障体制を基調とする日米両国間の緊密な協力関係は、我が国の安全及びアジア太平洋地域の平和と安定のために重要な役割を果たしている」「テロや弾道ミサイル等の新たな脅威や多様な事態の予防や対応のための国際的取組を効果的に進める上でも重要」と打ち出した。これに関して防衛庁長官大野は「新『防衛大綱』のもとでは、世界の平和がわが国の平和に直結するとの認識のもと、単なる『貢献』ではなく、紛争の予防から復興支援に至るまで主体的・積極的に取り組む」と言っている。
「新大綱」は、もはや「憲法の枠内」「専守防衛」を投げ捨て、「日米安保条約の適用範囲」を踏み破っている。日帝による全世界の被抑圧民族と労働者階級への宣戦布告、日帝版先制攻撃戦略そのものだ。
「新大綱」が日帝の教育基本法改悪・憲法改悪への衝動をさらに激化させていくことは必至だ。陸自幕僚の幹部の二等陸佐が「憲法草案」なる改憲案を作成し、自民党憲法調査会の中谷に提出したことは、そのことを鋭く示している。
第二に、「新大綱」はその世界戦争計画の発動対象として「イラク」「中東」「北朝鮮」「中国」を挙げている。対米支援のレベルを超えた日米帝国主義の共通の戦略目標として、これらの残存スターリン主義国家と新植民地主義体制諸国の戦争的転覆と再支配を明確に据えたのである。
そのために、「新大綱」に先立つ小泉の私的諮問機関「安全保障と防衛力に関する懇談会」(座長・荒木浩東京電力顧問、以下「懇談会」)の報告書(10月4日)は、「積極的に日米の戦略的な対話を深め」「両国の役割分担を明確にし」「より効果的な日米協力の枠組みを形成すべき」と提唱している。その具体化として新たな「日米安保共同宣言」や「日米防衛協力の指針」策定の必要性にまで踏み込んでいる。
第三に、「新大綱」は「安全保障の目標」として一つに「我が国に直接脅威が及ぶことを防止し、脅威が及んだ場合にはこれを排除するとともに、その被害を最小化すること」、二つに「国際的な安全保障環境を改善し、我が国に脅威が及ばないようにすること」を掲げている。
特に「脅威の防止」は、米帝が01年9・11を契機にアフガニスタン、イラクへの侵略戦争に踏み切った論理とまったく同じだ。それは日帝版先制攻撃戦略を意味している。
つまり、「国土防衛」と「国際安保環境の改善」(=海外派兵)の名で、帝国主義的侵略戦争を日米安保の世界安保化をとおして全世界的に展開しようとしているのだ。
そこで、海外派兵を自衛隊の「主要な任務」へ格上げするために、自衛隊関連法の改悪案を来年の通常国会に提出するとしている。
しかも、「懇談会」報告は、さらに踏み込んで「その典型的な活動は、内戦や地域紛争状態にある国々で平和を回復し、その平和を維持し、さらには復興から国づくりに至る平和構築を行うこと」「その実現には、自衛隊、文民警察、行政官、ODA関連組織、民間企業、NGOなどさまざまな人材が密接に連携した人的貢献が必要」と言い切った。日帝資本家階級総体の意志として、古典的な帝国主義侵略戦争の遂行とそのための国家総動員を真っ向から打ち出したのだ。
「敵地攻撃能力」保有策す中期防
第四に、弾道ミサイル防衛(MD)システムの構築を方針化したことである。
MDシステムの構築は、対中国侵略戦争の具体的準備であり、本質的にも実体的にも核戦争態勢への重大な踏み切りだ。「新大綱」は、「弾道ミサイル防衛システムの整備を含む必要な体制を確立」「核兵器の脅威については、米国の核抑止力と相まって、このような取組により適切に対応」と明言している。そして、閣議を開かなくてもMDシステムを発動できる法整備を来年の通常国会で進めることを打ち出した。
第五に、MDシステムの日米共同開発・生産を皮切りに「武器輸出3原則」の撤廃に踏み切った。
これは「新大綱」「中期防」と完全に一体のものだ。MD以外の日米共同開発・生産などについても「個別の案件ごとに検討」と事実上の全面解禁に道を開いている。日本経団連の意向を百パーセント方針化し、「3原則撤廃」で軍需産業を中心とする「経済の軍事化」と「産官学の優れた技術の積極的導入」(「中期防」)を急速に進めようとしているのだ。
第六に、「新大綱」は世界大的侵略戦争に向けて「多機能で弾力的な実効性のある防衛力」の構築を掲げ、陸・海・空自衛隊の統合運用と部隊の再編・強化を打ち出したことである。
その一つは、日帝自身の戦争遂行司令部の構築、すなわち@「安全保障会議の機能強化」「真に国家の安全保障政策の中枢となる組織への発展」(「懇談会」報告)、A防衛庁長官直轄の「統合幕僚組織」と「情報本部」の新設だ。
二つは、自衛隊統合運用の具体化として、@「新たな脅威や多様な事態に実効的に対応する体制」A「国際活動に主体的・積極的に対応する体制」B「本格的な侵略事態に備える体制」(「防衛力の在り方検討会議のまとめ」)――に部隊再編を行うとした。
三つは、これらを具体化して、@防衛庁長官直轄の「中央即応集団」(約4800人)を編成し、このもとに「緊急即応連隊」「国際活動教育隊」などを新設、「国際平和協力活動」の計画・訓練・指揮は中央即応集団司令部が一元的に担当する、Aイージス艦4隻と航空管制部隊、地対空誘導弾部隊による「弾道ミサイル防衛部隊」を新設する、B陸自普通科の組織編成を対人戦闘型に改編する、C北部方面隊を中心に「国際任務待機部隊」を創設する、D海上自衛隊は「機動運用部隊」と「地域派出部隊」に再編する、E航空自衛隊は航続距離の長いC−X輸送機24機とKC−767空中給油機8機を導入し輸送力を強化する、F朝鮮半島や中台情勢をにらみ、沖縄の第1混成団と四国の第2混成団を旅団に格上げし、那覇基地のF4要撃戦闘機の1個飛行隊をより戦闘能力に優れた百里基地(茨城)のF15戦闘機部隊と入れ替える、GF15戦闘機を偵察機に転用する、H無人偵察機を導入する――などを挙げている。
第七に、「国と地方公共団体が相互に緊密に連携し、万全の態勢を整える」(「新大綱」)、「日頃から……国民の参加を得て訓練しておくことが必要」(「懇談会」報告)と、労働者階級人民の総動員を打ち出している。
小泉=ブッシュ打倒の05年決戦
05年決戦は、戦争と民営化攻撃のブッシュ・小泉反動枢軸の打倒をかけた決戦である。危機に追いつめられた日帝の絶望的凶暴化と真っ向から対決し、日米韓労働者階級の国際連帯闘争、帝国主義打倒の体制変革闘争の強力な前進をかちとろう。
「日の丸・君が代」強制粉砕と教育基本法改悪阻止の決戦を突破口に、05年1〜3月決戦をイラク侵略戦争阻止・自衛隊撤退、沖縄・名護新基地建設阻止、民営化攻撃粉砕を掲げた日本版MWM=百万人労働者大行動をめざす闘いとして大爆発させよう。法大を先頭に全国学生は05年決戦の最先頭で闘おう。
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週刊『前進』(2180号5面2)(2004/12/27)
抗議船団が作業を阻止
辺野古 “わったー(われわれの)海守ろう”
台風後に再開された沖縄・名護市辺野古での新基地建設阻止の海上攻防は、那覇防衛施設局が雇った業者が暴力をエスカレートさせ、連日、負傷者が出る中で果敢に闘われている。
12月7日、やぐらに登っていた女性が作業船の上に頭から落下して病院に運ばれた。単管(鉄パイプ)の上に不安定な姿勢で立っていた女性の両手を作業員が同時に引きはがしたのだ。
9日、ヘリ基地反対協議会、基地の県内移設に反対する県民会議、辺野古海上基地建設反対弁護団ら15人が那覇防衛施設局に抗議に行った。だが施設局は、「そのような事実はないと聞いている」などと、不誠実な回答に終始した。
この日も早朝から作業員が、作業を阻止しようと単管やぐらに張りついた反対派を襲撃した。4人の作業員に襲いかかられ20分も暴行を受けた男性が腰を痛めて立てなくなり、病院に。
10日には、一度海中に突き落とされた男性がやぐらに登ったところを背後から引っ張られて再度落下、単管に後頭部を打ちつけて意識不明となり、救急車で病院に運ばれた。連日の殺人的暴行に座り込み参加者は激怒し、負けるものかと気迫をみなぎらせている。
週明けの13日、事態は一挙に好転した。午前6時半、宜野座村、国頭村、金武町の漁民たちが漁船9隻で駆けつけ「わったー(われわれの)海を守ろう」などのむしろ旗を掲げて阻止行動に加わった。総勢14隻の抗議船が4カ所の単管やぐらに3隻ずつ張りつき、作業を完全に阻止した。
翌14日、石川市からも2隻の漁船が参加。リーフ内も2bの荒波だったが、早朝から16隻の抗議船でポイントを押さえ、海上座り込みが始まった。午前7時50分、辺野古漁港より作業船が出港、キャンプシュワブの浜でダイバーを乗せて作業再開を狙ったが、抗議船に封鎖されたポイントには近づけなかった。さらに15日も16日も抗議船団は完全阻止態勢で臨み、リーフ内の作業はストップしたままだ。12月のボーリングを止めれば、施設局の年度内計画を完全に吹っ飛ばせる。
闘いは海上だけではない。12月17日現在、辺野古漁港前での座り込みは「2369日(8年)プラス243日」となった。
座り込みテントには、沖縄はもとより全国各地から途切れることなくやってくる。沖縄大学で辺野古の闘いを支援するサークルができたことを新聞が大きく取り上げた。国会前の座り込みで辺野古のことを知り、居ても立ってもいられず駆けつけた青年たちもいる。
集会で集めたカンパでカヌーを寄贈し、乗り手を派遣している市民団体もある。とめよう戦争への道!百万人署名運動も辺野古派遣のための基金を設けて人を送り出している。テント村が本丸として存在してこそ、海上阻止行動を闘うことができる。
名護市民投票7周年の12・21海上デモ・テント村集会に参加しよう。全国から辺野古に駆けつけよう。
基地建設阻止訴え渋谷デモ
12月11日午後、東京・渋谷の宮下公園で名護新基地建設に反対する集会が、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックなどでつくる実行委員会主催で開かれ、250人が集まった。
激闘が続く名護市辺野古から、命を守る会の金城祐治代表、平和市民連絡会の当山栄事務局長の電話でのアピールが会場に届いた。金城さんは、凶暴化した業者による反対派への暴行について怒りを語り、「厳しいけれど、皆さんの支えによってこれまで勝利している」と断言した。
前日まで辺野古で闘った男性や国会前で座り込みを続ける女性らも発言。
辺野古現地の闘いと連帯し、意気高く渋谷一周のデモに出た。沿道から若い女性が「私もダイバーです。きれいな海を守りたい」と激励し、沖縄出身の青年たちも「おれも沖縄、沖縄!」とデモ隊にピースサインを送った。
国会前座り込みを始め、全国で支援の取り組みを強化しよう。
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週刊『前進』(2180号6面1)(2004/12/27)
11・7集会に参加して
11・6-7連続参加で国際連帯の力を知る 関西・青年労働者 N
11・6、11・7両方に参加した。6日は、改憲攻撃に対する闘いが教基法改悪阻止の闘いにこそかかっていることが鮮明にされ、そこへの大きなうねりを生みださんとするものとして大成功したと思う。
11・7は数では11・6に及ばず3600であったが、その場でつくられたエネルギーは、はるかに上回っていると感じた。被処分者の教労の気合いの入った発言にもそれは現れていた。あの力強さはこの中でこそのものであると思う。
11・7は、労働者階級こそが闘いの主役であり、労働者の団結した力こそが敵の攻撃を打ち破っていくことが本当に実感できた。すべての労働者にこの実感を味わってもらいたいと思った。そのためには参加した私たちがさらにうって出ることだと思った。
MWMを打ち抜いたアメリカの労働者の参加がやっぱり決定的だった。彼らは体制変革をはっきり目指してMWMをやり抜き、ともに闘おうと訴えるために来た。11・7は、MWMを受け継いで必死でこたえるものを目指した。この国際連帯の具体的な発展の中に去年より大きな力を生み出すものがあったのだと思う。
ここにともにいるという感じが、11・7の革命的意義について一致する闘いをやり抜き、これまでを超える奮闘の結果としてこのように感動的な中身をつくったのだと思う。
11・7に向かう過程での『前進』の10月アピールや「労働者党員の訴え」がよかった。本当に革命のイメージでもって11・7へ闘っていくことができたことが、このような勝利を切り開いたものと思う。
『前進』11・7報道号街頭売れ行きに驚き 中四国・労働者 太田和代
私たちの地区では、毎月1回『前進』の街頭販売を取り組んでいる。先日は、「自衛隊の派兵延長反対!」の署名を訴えながら11・7日比谷労働者集会の写真がたくさん載っている『前進』を広げて「ぜひ、買って読んでみてください」と声をかけた。なんと、たて続けに4部も売れてしまい、われながら「これは売れるぞ!」とうれしいやら驚くやらという感じであった。
中には、20代の男性で「署名させてください」と自分から協力してくれる人もいた。私はすかさず「この新聞には、アメリカや韓国の労働者の闘いが出ています。11月7日に、一緒に東京でイラク戦争反対、失業反対! の集会をしました」と話した。その青年は「アメリカでも戦争反対の運動があるんですか? ぜひ、読んでみたい」と積極的で、メールアドレスも教えてくれました。
また、年輩の女性は「戦争はいけんよ。小泉さんは、なんでも勝手に決めてしまってほんとに恐ろしい」との意見だった。『前進』を宣伝したが、「目が悪くて読めない」とかで断られてしまった。
この日は、「11・7日比谷集会のことを多くの人に知ってほしい。この号の『前進』はぜひ売りたい」という思いが強かったので、けっこう一生懸命声をかけることができた。
マスコミの報道が「大本営発表」になって久しい今日、世界情勢や労働者の闘いを正しく労働者民衆に知らせることは、大変緊急かつ重要である。今のところ『前進』は週刊だ。「わかりやすく、早く、正しく」を私たち全体の問題としてとらえ、闘いや生き方の指針としてもっともっと多くの労働者民衆に購読してもらえるよう努力したい。
過去のモヤモヤ吹き飛ばす米労働者発言 千葉・福祉労働者 宮崎進一
11月7日は、いつもより早く起きて集会に行きましたが、集会に行く人を誘うのに失敗したのと、過去のイヤな思いがあって、モヤモヤしたかんじで集会に参加しました。
日比谷野音の集会場には、真ん中に千葉の旗があったので、千葉の旗の近くに陣取って座っていたら、あとからあとから集会場に入ってくる人がいて、びっくりしちゃいました。
集会の発言は、みんな元気があって、こっちも元気が出るような発言をしてくれました。
特に、アメリカからの参加者の発言は本当に元気が出るもので、過去のモヤモヤを吹き飛ばしてくれるような発言でした。
自分自身は仲間を誘えなかったけれど、集会に参加して、自分自身の過去のモヤモヤを吹き飛ばしてくれるような元気な発言を聞けて良かったと思います。発言してくれた人に感謝!
続いて11月21日、ボクは自衛隊員にどうしても「日本国憲法第16条による請願書」という文章を手渡したくて、北富士闘争に参加しました。デモをしたあと、いよいよ待ちに待った申し入れとなりました。ボクは欲ばって全文読み上げました。
自衛隊員は軍事演習や海外派遣を一切拒否する権利と義務があるということ。自衛隊員が「自衛」すべきものは「国家」ではなく「反戦」であり、税金を殺人の予備である軍事演習に使わないでほしいということ。そして、殺人のための銃や戦車や戦闘機を社会福祉のための車イスなどの福祉器具に変える権利と義務が公務員にあるということ、などが内容の請願文を読みあげ、自衛隊員に手渡しました。
初参加の青年がパワフルなデモに感動 愛媛・全逓労働者 夏井大
3労組共闘から日米韓国際連帯へと大きく飛躍した労働者集会。とりわけ今年は10月17日のMWMの勢いをそのまま集会へ持ち込んでくれたアメリカの労働者の力強い発言が印象に残りました。彼らを含め発言者の多くは、労働者のつながり、世界の労働者の連帯の大切さを訴えていました。
共産党宣言の中で、「資本主義は世界的=国際的な性格を持っている」と学習しました。ということは、資本主義下の労働者の闘いも、やはり世界的=国際的でなければなりません。グローバル化で、雇用や社会保障などの問題は、どの国の労働者にも襲いかかっています。
マルクスが言った「国籍と無関係なプロレタリア階級全体の共通の利益を貫徹すること」、この共産主義者としての立場が今、求められています。
今回の集会へは同じ産別の青年労働者が初めて参加しましたが「熱気あふれる集会で非常に良かった」との感想でした。とりわけ、女性看護師のアピールとパワフルなデモコールには圧倒されていたようでした。
来年はもっと多くの青年労働者と一緒に参加したいと思います。
水戸の「障害者」虐待事件闘争で勝利集会 東京・「視覚障害者」 牧野真
「障害者」解放闘争史上画期的な勝利が記された。3人の「知的障害者」の女性たちが、権力の妨害を打ち破って、虐待の限りを尽くした元の雇用主に民事裁判で勝利したのだ。
ダンボール加工会社で働いていた「障害者」の従業員は、社長赤須を始めとした経営者らによって、賃金もろくに払われずにこき使われ、日常的に負傷させられるほどの暴力やレイプを受け続けていた。彼女たちの必死の告発を、司法、行政機関は握りつぶすために動いた。司法は、この社長の雇用助成金詐欺については取り上げても、「障害者」の従業員の被害はほとんど取り上げようとさえしなかった。
97年3月、そうした水戸地裁の判決に対して、彼女たち、家族、支援者の怒りが爆発し、実力糾弾となった。これに対して権力は、中心的支援者を逮捕し、最も長い人で2年近くの未決勾留を行い、下獄させた。しかし、この実力糾弾をきっかけに、元従業員の彼女たちの自己解放的エネルギーが一層発揮され、赤須を相手取った民事裁判への決起となっていった。こうして、今年3月31日の水戸地裁、7月21日の東京高裁での全面勝利がかちとられたのだ。
12月11日、水戸市民会館には、彼女たち3人と弁護団、支援者が集まった。西村弁護団長は、「この裁判闘争は、赤須のような存在を作り出し許しているこの社会を変えていくための闘いだ」と総括。支援者からも「まだ闘いは半ばである。赤須は賠償金も支払っていない。彼女たちが今後地域で生きていく体制を作っていくのもこれから。ともに頑張って行こう」との発言が続いた。
難病患者へのカクマルの悪罵について 医療労働者 相沢満子
わたしは、病院の看護助手です。介護保険制度が導入されて「社会的入院患者」の追い出しがはじまり、医療制度もつぎつぎ改悪されつづけた結果、いま医療現場は、目の前でたいへんなことになっています。政府の福祉解体政策と、医療行為を「サービス」という名でよび、闘病する患者さんを「顧客」とみたてる利益本意の病院経営と、それにくわえて労働組合運動の後退が、医療現場を荒廃、変質させはじめています。
それだけに、前々号(12月13日付)「投稿欄」で名古屋の難病患者と家族のかたが厳しく告発しておられるカクマル海郷の難病患者への悪罵(あくば)とそれを書きたてるカクマル『解放』にたいする激しい怒りでいっぱいになっています。難病患者をはじめすべての人が必要な医療をうける権利をまもることと医療労働者の労働者としての権利をまもることは一つだと思います。医療労働者の階級的団結と決起が不可欠だということを痛感しています。
カクマル海郷の悪罵は難病患者への「差別と偏見」「憎悪と悪意」にとどまらないと思うのです。「外への侵略戦争、内への階級戦争」の時代に、カクマル・海郷の悪罵は「弱者」にはけ口をもとめ労働者に分断をもちこみ階級的な目をくもらせる敵の手法です。60年安保のあとの全国的な病院ストライキのような労働組合運動の高揚をつくりだすことがすべてのカギだと思います。
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週刊『前進』(2180号6面2)(2004/12/27)
戦時下の治安警察体制
「テロ対策」掲げ人民弾圧
日帝ブルジョアジーと労働者階級人民との全面的な激突が階級戦争として開始され、これまでにない形態での治安弾圧が労働者人民に襲いかかってきている。11月2日、警視庁は11・7労働者集会破壊を狙い、学生1人を「詐欺罪」をデッチあげて不当逮捕し、家宅捜索を強行する中でさらに2人を不当逮捕した。しかし、この不当弾圧への労働者人民の怒りが広がる中で11・7集会が大成功を収めたことで、その狙いは完全に粉砕され、3人は奪還された。
11・7集会は、世界中で吹き荒れる帝国主義の労働運動解体と治安弾圧強化の攻撃を労働者の国際連帯で打ち破ることができるという巨大な展望と出発点を切り開いた。この点に確信を持って闘えば日帝・小泉政権の治安弾圧激化の攻撃も必ず粉砕できる。治安弾圧の激化は日帝・小泉政権の危機感(労働者階級の決起で階級戦争が激化し本格的内戦へ突入することに対する恐怖)の現れなのだ。
不祥事が示す警察の脆弱さ
昨年の裏金づくり問題に続いて、警察の「不祥事」が次々と発覚している。現職警官13人の書類送検と163人の処分を出した兵庫県警の捜査書類偽造事件、警察OBの会社社長に頼まれ3人分の犯罪歴情報を漏らした大阪府警の地方公務員法違反事件、地域課の巡査が下校途中の小学生女児を車で連れ去り逮捕された福岡県警の誘拐事件など枚挙にいとまがない。
このような腐敗した姿こそ、警察権力の脆弱(ぜいじゃく)さを示すものだ。
警察権力は、監獄という暴力装置と武装した警察官により労働者人民を力ずくで弾圧・支配することができるというおごりの上に、すべての民衆を「犯罪予備軍」とみなし日常的に敵視する治安弾圧機関である。階級戦争が激化すればするほど、弾圧機関としての本質が誰にも明らかとなってくる。
ところが、弾圧のための予算や活動内容(スパイ養成や盗聴などの非合法活動)をは非公開にすることから、裏金づくりなどの非合法行為を当然のように行うことになる。さらに警察官を治安弾圧の駒(こま)として使うための統制・締め付けが激化する。この中で、警察官による虚偽報告や情報漏洩(ろうえい)が相次いだり、警察官の数知れぬ「犯罪行為」が横行するのである。
警察権力は、日帝が危機を深め侵略戦争推進のために労働者人民の生活破壊に突き進む中で、「人民支配のかなめ」として強化され、それによって組織的矛盾と腐敗をますます激化させていく。今こそ警察の反人民性を暴いて大衆的怒りで包囲し解体しよう。
戦時的再編へ警察法を改悪
日帝が「反テロ世界戦争」の一環として、自衛隊のイラク派兵や北朝鮮・中国侵略戦争に突き進む中で、治安弾圧体制の強化が警察の「対テロ戦争部隊」への飛躍の動きと連動して進められている。
今春、警察の戦時的再編として警察法が大改悪された。その狙いは、第一に国・警察庁の治安権限を強化し国家警察化を図ったことだ。第二に「国外において……日本国の重大な利益を」守るとして警察の海外侵略を任務に入れたことだ。これは、自衛隊派兵下のイラクで直ちに情報収集活動する狙いがあった。
改悪の具体的内容は、@外事情報部を設置し、「TRT−2(国際テロリズム緊急展開班)派遣、国際諜報活動などを行うA組織犯罪対策部を設置(共謀罪新設を見越したもの)し、国際捜査共助や「情報収集・分析」「組織壊滅の戦略策定」などを行うB「情報技術(サイバー)の分析」など監視体制を強化、サイバー犯罪対策課も設置する――などである。まさに「日本版CIA+FBI」の登場と言っても過言ではない恐るべき組織再編だ。
これを受けて警察庁は、「極左暴力集団は国内最大のテロ組織」と革命党壊滅の意志を宣言した「テロ対策推進要綱」(8月)と、共謀罪新設をみすえ組対法などを積極活用して組織壊滅を狙う「組織犯罪対策要綱」(10月)を打ち出した。これらは、戦時警察法体制をもって被抑圧民族人民への襲撃と革命運動や戦闘的労働運動の非合法化・解体に乗り出すという宣言だ。
今こそ、このような弾圧体制に対し、破防法攻撃に勝利してきた革共同の蓄積が発揮される時だ。
相互監視体制に人民を動員
今、駅や街頭は警察官であふれ、これとともに「安全安心まちづくり」運動など、自治体や地域・職場での監視・相互監視と弾圧の体制が飛躍的に強化されている。
警察主導で、「地域安全安心ステーション」設置や青色灯パトカー、監視カメラ推進など、監視活動への民間動員を積極的に行っている。
石原都政を先頭に自治体行政も警察と結託し、都職員の警察派遣やパトロール隊の組織化、生活安全条例制定や今月の東京都迷惑防止条例改悪(新宿の歌舞伎町に立っているだけで逮捕!)に見られる治安弾圧強化策を矢継ぎ早に打ち出している。
警察・自治体による労働者や地域住民の動員は重大問題だ。「犯罪から地域を守れ」と叫ぶこの体制は、「国を守れ」と称してつくられる侵略戦争動員の有事体制と重なり合う。国民保護法の「民間防衛組織」の主体としてそれら住民組織が想定されていることからもわかるように、「治安と戦争」の体制構築は同質一体なのである。
戦時下の弾圧に勝ち抜こう
日帝・小泉政権は、ムスリム人民の怒りの爆発に恐怖し、今回のイラク派兵延長決定直後の12月10日に「新防衛計画大綱」と「テロの未然防止に関する行動計画」を決定した。
前者では、北朝鮮・中国侵略戦争政策とともに「非国家主体からの脅威」として被抑圧民族のゲリラ戦争や労働者人民の闘争をも「テロ対策」として鎮圧を狙っている。さらに自衛隊と警察などの協力、欧米諸国水準の治安弾圧法体制をつくれと叫んでいる。
後者では、★入国外国人の指紋採取と写真撮影、★旅客機内への警察配備「スカイマーシャル」(年末から)、★外国人名簿提出義務、★顔画像情報入りICチップ旅券導入、★法務省指定テロリストの強制退去、などの実行・法整備に加え、反テロ基本法制定やテロ組織指定制度(革命党狙い撃ちの重大攻撃!)の導入が検討されている。
元警察庁長官山田英雄は警察政策学会提言で、警職法改悪による銃使用緩和・危険人物の一時拘束、破防法改悪、スパイ罪制定、有事警察緊急権、入管・海上保安庁・公安調査庁などの警察への統合といった構想をぶち上げている。
要するに、これらの動きが目指しているのは、アメリカの愛国者法・国土安全保障省新設型の治安弾圧体制を構築するということなのだ。「反テロ」を掲げて一切の戦後憲法的制約を取り払い、社会全体を強権的戦時支配体制へと転換する改憲攻撃そのものである。
労働者人民は、革命党や闘う団結体の根絶・一掃を狙う共謀罪新設法案の審議入りを4度の国会で阻止した。反治安弾圧の闘いをさらに広げよう。「日の丸・君が代」闘争に警察権力を引き込み闘争破壊を策すカクマルの「告訴・告発運動」を徹底粉砕しよう。
公安警察を先頭とした転向強要・スパイ潜入・ガラス張り化などの組織破壊攻撃を粉砕して勝利しよう。
(吉澤夏樹)
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週刊『前進』(2180号6面3)(2004/12/27)
開戦63年 改憲阻止誓い集会
過去を学ぶ大切さ知る
731部隊細菌戦訴訟原告団が参加
1941年12月8日の太平洋戦争開戦から63年目の12月7日、渋谷勤労福祉会館で「戦後50年を問う8・15労働者市民の集い」全国統一実行委員会主催の「記憶と継承のために―アジア・太平洋戦争開戦から63年―重慶、パールハーバー、東京大空襲/国益と排外に憲法は屈するのか12・7集会」が行われた。
圧巻は、この日東京高裁で行われた旧日本軍=皇軍731部隊による細菌戦被害国家賠償訴訟(原告団180人)のために来日されていた原告、証人、支援者が大挙参加され、その息吹に触れ、貴重な訴えをうかがうことができたことだ。
中国語の通訳による要約を介して、西川重則さん(平和遺族会全国連絡会事務局長、とめよう戦争への道!百万人署名運動事務局長)の「重慶、パールハーバー、東京大空襲」と題する講演が行われた。
西川さんは、4月1日から7日にかけて中国の常徳(731部隊細菌戦の実験の場所となり、多くの被害者が出た)と重慶を訪問し、2日には常徳で@4度にわたる小泉首相の靖国神社参拝に対して、Aイラクへの自衛隊派兵に対して、B731部隊細菌戦に対して、C「戦争反対・平和」の四つを柱とする1万人抗議集会に参加された。
その体験を踏まえた講演は、講演前のビデオ上映、そして会場の中国人民からの「歴史の事実を直視し、歴史の真実を尊重すべき」という主張と集会の趣旨への賛同表明とあいまって、自衛隊のイラク派兵延長情勢のもとで、「現在について認識を深め、過去について学ぶ」意義を裏打ちするものとなった。
そして、「マレー半島コタバルへの上陸、パールハーバーをもって開始された日本帝国主義の侵略戦争は、1931年のいわゆる『満州事変』以降延々と続いた中国大陸に対する侵略に引き続くアジア・太平洋戦争というべきもの」であり、「日本帝国主義の重慶大爆撃はゲルニカにつながり、東京大空襲、沖縄、ヒロシマ・ナガサキに帰結する」という訴えは、「歴史の教訓として深く学習し、自らのものとして」「戦争を阻止していく」力を培っていくことへのこの上ない激励となった。
熱気と高揚感に満ちあふれる中で、鈴木達夫弁護士から行われた特別報告「国民投票法案をめぐる諸動向」は、戦争遂行のために国家のあり方の全面的、根本的転換である改憲攻撃が今まさに襲いかかろうとしていること、自民党改憲草案の大綱素案の超反動的な内容を明らかにした。改憲阻止の闘いの第一歩として国民投票法案の国会提出絶対阻止に取り組むこと、真剣に討論を開始することの緊急性を鮮明にする訴えだった。
時宜にかなった提起に全力でこたえることを確認した。有意義で、密度の濃い集会だった。
(さ)
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週刊『前進』(2180号6面4)(2004/12/27)
東日本解放共闘が総会 狭山勝利へ学習講演
差別糾弾の取り組み報告
12月12日、東日本部落解放共闘会議の第13回総会が東京・日本橋浜町で開かれ、東日本の部落解放同盟全国連合会の支部員、労組交流センターの労働者、全学連・解放研の学生ら65人が集まった。重大局面を迎えた狭山特別抗告審闘争を始め05年の闘いに向かって東日本解放共闘の団結と決意を打ち固めた。
初めに東日本共闘会議の中野洋議長の代理として動労千葉の田中康宏委員長が主催者あいさつを行った。田中委員長は、11・7労働者集会がかちとった労働者国際連帯の意義を確認し、全国連とともに戦争と民営化、差別・分断の攻撃と闘う労働運動として、闘う労働組合のネットワークを強化しようと呼びかけた。
狭山現地で闘う全国連同盟員が「狭山特別抗告審闘争に決起しよう」と題して学習講演を行った。「国家権力は狭山事件で、部落の中から犯人を意識的に作り出す方針を決め、石川一雄さんを権力の危機のりきりの犠牲にした。石川さんが脅迫状と封筒を書いていないことを完全に証明する斎藤鑑定は決定的」と確認、その上で「だが、この斎藤鑑定の事実審理、狭山再審のためには、今の社会をひっくり返すような闘いが必要だ。滋賀県・日野町事件の再審請求審では、大津地裁で当時の指紋鑑定人や斎藤鑑定人が証言し、無実が明らかになった。狭山闘争では、権力の差別犯罪を暴ききろう。国家権力との対決として狭山闘争を闘い、勝利しよう」と強調した。
特別報告として、東京での差別糾弾闘争の取り組みが報告された。全国連の支部員A君は、全国連の指導のもとに職場で差別糾弾闘争に立ち上がった。職場の介護施設で入所者が発した差別発言を施設の管理責任問題として取り上げた。数カ月の闘いの結果、施設管理者の謝罪をかちとった。その上に全国連中央本部の中田潔書記長の講演を柱にした「差別・人権研修会」も職場全体でかちとられた。その中で差別事件の原因と背景も解明された。介護保険制度の中で高齢者の生活と権利は破壊されてきた。介護労働者は劣悪な労働条件のもとで働かされてきた。これらの矛盾の爆発として差別事件が起こったのだ。若い労働者たちが当局と交渉し、自ら主体となって研修会をかちとった。労働者階級との共同闘争としての部落解放運動が実践されている。闘いは今後も続く。
東日本解放共闘の山川博康事務局長が総会議案を提起した。05年度の闘いの方針として、まず、11・7集会の地平を確認し、帝国主義打倒に向かって@自衛隊のイラク派兵延長阻止A小泉首相の戦争と民営化の攻撃との対決――の課題を提示した。次に狭山闘争―部落解放闘争の現局面を明らかにし、@石川さんと連帯し狭山特別抗告審闘争に勝利しようA差別糾弾闘争を闘おう――と訴えた。さらに東日本解放共闘の課題として@部落解放運動を労働者階級自らの課題としようA来年1月30日に第4回東京部落解放研究集会をかちとろう――とアピールした。総会議案は圧倒的な拍手で確認された。
東京労組交流センター、動労千葉、婦人民主クラブ全国協関東協議会、都政を革新する会、法大部落解放研、全国連茨城県連、同長野県連、同江戸川支部、同杉並支部、同狭山現地がそれぞれ闘いの決意を表明した。特に茨城県連は、支部員が大衆的に決起し県庁に押しかけ、期限付きながらも県の同和対策事業の継続をかちとったと報告した。
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週刊『前進』(2180号6面5)(2004/12/27)
立川反戦ビラ無罪判決
12月16日、東京地裁八王子支部(長谷川憲一裁判長)は、立川・自衛隊反戦ビラ入れ弾圧の3被告に「刑罰に値する違法性はない」として、完全無罪の判決を行った。戦時下の治安弾圧を粉砕する大勝利だ。
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週刊『前進』(2180号6面6)(2004/12/27)
公判日程
☆迎賓館・横田裁判
福嶋昌男同志裁判
1月18日(火)午後1時15分
2月18日(金)午後1時15分
*東京地方裁判所
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