ZENSHIN 2004/11/15(No2174
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週刊『前進』(2174号1面1)(2004/11/15)
11・7全国労働者集会 国際連帯の熱い躍動 ブッシュ・小泉打倒へ団結
日本のMWM(百万人労働者行進)運動の出発点に
日比谷に“インターナショナル”轟く
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3600人が闘う全国ネットワークを誓う
壇上に並んだアメリカILWU、韓国・民主労総の労働者と会場が一体となって、韓国の労働歌「鉄の労働者」で「律動」(11月7日 東京・日比谷野音)
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「イラク戦争をやめろ! 占領をやめろ! 今すぐ軍隊を撤退させろ!」と書かれたILWUの横断幕を先頭に元気にデモに出発した日米韓の労働者 |
2004年11月7日は、日本労働運動と国際労働運動の新たな一ページを開く歴史的な日となった。全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合港合同、国鉄千葉動力車労働組合の3労組の呼びかけで開催された「たたかう労働組合の全国ネットワークをつくろう! 大失業と戦争にたち向かう労働者の国際的団結を! 11・7全国労働者総決起集会」は、東京・日比谷野外音楽堂を埋める3600人余りの労働者人民の結集で、素晴らしい感動的な集会として大成功した。
韓国・民主労総、アメリカ・ILWU(国際港湾倉庫労組)の代表を迎えて、アメリカの10・17MWM(百万人労働者行進)を引き継ぎ、お互いが激励し合う日米韓の国際連帯集会となった。その固い絆(きずな)は、資本の手先となった既成の労働運動を覆す、闘う新潮流をつくり出そうという意欲にあふれたランク・アンド・ファイル(現場労働者)の団結だ。148労組・団体の賛同は、その本格的な始まりだ。体制変革を希求しプロレタリア革命に向かう、日本におけるMWMの実現に向けた第一歩を踏み出したのだ。
韓米の発言に満場の大喝采
集会は、港合同と教育労働者の若く元気な司会で活気にあふれて進行した。港合同の辻岡尚執行委員による開会あいさつに始まり、中盤の韓米労働者からの発言で最高潮に達した。(主な発言の要旨別掲)
韓国からは民主労総ソウル地域本部事務処長のパクサンユンさん、同じく組織部長のムンムンジュさんの2人、アメリカからは、ILWUローカル10ビジネスエージェントのジャック・ヘイマンさん、ローカル10執行委員のドワイト・サンダースさん、ローカル19執行委員のマイケル・ホードさん、ローカル19のトッド・ウィークスさん、ローカル34でMWM事務局長のキース・シャンクリンさん、MWM事務局のキャシー・シャンクリンさんの6人が登壇した。
韓国の労働歌「鉄の労働者」に合わせて政府や資本家を両手で槍や刀をつくって突く動作をする「律動」は、国際連帯の熱い躍動感を会場全体に広げた。
パクサンユンさんは、盧武鉉(ノムヒョン)政権が、派遣労働を拡大し非正規職を拡大する法案を推進していることに対して、全組合員の賛否投票でゼネスト闘争を組織化していること、韓日FTA(自由貿易交渉)に対して今月初めに日本遠征闘争を行ったことなどを報告し、「全世界の労働者の国際連帯万歳! 闘争(トゥジェン)!」とこぶしを上げた。
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壇上には右翼石原と都教委による「日の丸・君が代」不当処分の被処分者の会、被解雇者の会の約20人が並び、熱烈に連帯のあいさつを行った |
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縄行動団が登壇して闘う決意を表明、さらに名護市の海上ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表からの海上新基地建設阻止を訴えるメッセージを代読した
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アメリカからは3人が発言し、MWMに訪米した動労千葉との「最もラディカルな組合」同士の姉妹兄弟の関係を強調した。
ジャック・ヘイマンさんは、アメリカ西海岸の港湾労働者のたぐいまれな戦闘的闘いを誇り高く語り、日本での「日の丸・君が代」の強制や「共謀罪」にも触れ、「内に向けての戦争と外へ向けての戦争」との闘いを訴えた。日本語で「万国の労働者団結せよ!」と呼びかけた。マイケル・ホードさんは05年に再び日本とアメリカで合流することを訴えた。キース・シャンクリンさんは、AFL―CIO(米労働総同盟・産別会議)の妨害に抗してかちとられたMWMの意義を明らかにした。
参加者はスタンディングオべーションでこたえた。
カンパアピールを看護師の女性が行い、100万円近いカンパが寄せられた。ゼネストに向け闘う民主労総に送られた。
基調報告を動労千葉の田中康宏委員長が提起し、「労働者の国際的団結で、小泉―ブッシュ―ノムヒョンを打倒しよう」と呼びかけた。
「君が代」被処分者らが登壇
「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会と被解雇者の会からの特別報告は、今春の東京での決起の歴史的な意義を実感させた。20人近い教育労働者が登壇し、被処分者の代表は英語を交えながら熱烈に国際連帯をアピール。そして、アメリカの労働者とTシャツを交換した。
全金本山労組の長谷武志委員長は、30年余の争議の完全勝利を目前にして「近いうちに職場に全金本山の旗を立てる」と宣言した。
イラク派兵費用差し止め訴訟原告の全日建運輸連帯労組近畿地区トラック支部委員長の川村賢市さん、米MWMに参加した労働者の報告が続いた。
決意表明では、国労5・27臨大闘争弾圧の8被告と家族が登壇し、松崎博己被告団長が国労再生への熱烈な決意を語り、家族の東理恵さんが支援を訴えた。また、自治体労働者が民営化攻撃との闘い、賃金確定闘争を闘う決意を語った。
連帯のあいさつでは、国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会の佐藤昭夫さん、憲法と人権の日弁連をめざす会事務局長の武内更一さん、とめよう戦争への道!百万人署名運動事務局次長の小田原紀雄さんが発言。
沖縄行動団の約20人が登壇し、海上ヘリ基地反対協議会共同代表の安次富浩さんのメッセージを読み上げ、名護・辺野古の決死の闘いとの共闘を訴えた。命を守る会代表の金城祐治さん、参議院議員の糸数慶子さんからもメッセージが寄せられた。闘う国労闘争団、国鉄闘争共闘会議、鉄建公団訴訟原告団のそれぞれの代表からのメッセージが届けられた。
動労千葉の長田敏之書記長が「04年11・7アピール」を提案。動労千葉の関道利共闘部長の行動提起、関西生コン支部の武谷新吾執行委員の閉会あいさつ、インターナショナル斉唱、動労千葉の君塚正治副委員長の発声による団結ガンバローで集会を終了。
ILWUの横断幕を先頭に「ノー・ウォー!」の掛け声高く銀座に向けてのデモに出発した。
この熱気を直ちに全国に広め、05年の壮大な闘いに向け労働者を組織しよう。
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週刊『前進』(2174号1面2)(2004/11/15)
韓国から
11月労働者大会とゼネストへと闘う
民主労総ソウル地域本部事務処長 パクサンユンさん
労働兄弟姉妹のみなさん。戦争と失業、資本の世界化攻撃と闘う同志のみなさん。昨年に続いて同志たちとお会いできることをうれしく思います。
今、世界は、全体的な保守反動化傾向の中で、帝国主義国家の野蛮な戦争と、資本による労働者民衆に対する攻撃が強まっています。日本でも、大統領選挙が行われたアメリカでも、こうした保守反動化の傾向は同じです。皮肉にも保守反動勢力によって左翼政府だと攻撃されている韓国でも事情は同じです。
ノムヒョン政府は昨年から労働法の改悪を推進し、今年、こうした攻撃は一層強まっています。その代表的なものこそ「派遣労働者の保護に関する法律」です。現在26業種に限定されている派遣業種を、事実上全業種に拡大するという内容です。悪名高い中間搾取の制度であり、現代版奴隷制度である派遣法は、資本の要求を全面的に受け入れたものです。そしてこの法案は、日本の労働法改悪をそのまま模倣したものです。また、非正規職労働者を保護するとの美名のもと、逆に非正規職労働者を大量生産する法案も同時に推進されています。
この法案が通過したら、数年後には明らかに韓国の全労働者の大部分が非正規職労働者の身になります。民主労総は、全組合員の賛否投票をはじめ組織の命運をかけてゼネスト闘争を組織化しています。そして来週、史上最大規模の全国労働者大会を実現するため努力しています。
また、資本の利益にしかならない韓日FTAを阻止するため闘っています。日本政府と韓国政府は、05年の締結を目標に、秘密裏に交渉を進めています。部分的に明らかになっている交渉内容を見ると、労働組合を攻撃し、労働者の基本的な権利を剥奪(はくだつ)する内容に満ちています。民主労総は闘争団を組んで日本遠征闘争を行いました。日本遠征闘争に際しては、動労千葉をはじめ日本の同志が物心両面にわたって支えてくださいました。
民主労総は、それぞれの国で吹き荒れている労働者に対する攻撃と民営化攻撃を阻止し、資本の利益のためだけに推進されるFTAなど世界化攻撃を阻止する闘いが重要だと考えます。そのためには、内に向かっては階級的労働運動の団結を図り、外に向かっては労働者の国際連帯を実現することが必要です。この場は、そうした意志を、日本、アメリカ、韓国の労働者が確認する意義深い場だと考えます。資本の攻撃を粉砕するため、それぞれの国で階級的に団結して闘いましょう。そして労働者の国際連帯を強めましょう。
特に、韓半島は軍事的緊張と戦争の可能性が高まっている地域です。日本とアメリカの資本が、政府の保守反動化攻撃が、状況を一層悪くしています。戦争に反対し、平和を守るためにも、労働者の国際連帯が強められる必要があります。戦争を阻むため、日韓米労働者の国際連帯を強化しましょう。
労働運動の階級的団結万歳! 全世界の労働者の国際連帯万歳!
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週刊『前進』(2174号1面3)(2004/11/15)
アメリカから
内への戦争と外への戦争との闘いを
ILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル10ビジネスエージェント ジャック・ヘイマンさん
姉妹兄弟のみなさん。民営化と闘う運輸労働者の仲間とすべての労働者のみなさん。
この集会には、先月ワシントンの百万人労働者行進を闘った日本の労働者が参加しています。百万人労働者行進は、反労働者的な政府の政策とイラクでの帝国主義的戦争に反対する労働者の独立した政治的運動でした。私たちは、資本主義的なグローバリゼーションの政治的中心であるワシントンで抗議行動を行うことが重要だと思いました。大企業のための民主・共和の両党は、資本家を代弁しており、けっして労働者を代弁してはいないからです。
ILWUローカル10の創立原則は次のように述べている。「われわれは、労働者階級の組織と行動の統一が、組織され統合された資本の攻撃から労働者の基本的諸権利を守るために必要不可欠であるということを、われわれの経験をとおして確認する」と。
私たちは今、二重の攻撃を受ける危機に直面しています。一つは経営者からの攻撃です。経営者は民営化と組合破壊のための「自由貿易」協定をもって攻撃しています。もう一つは資本の私的な護衛として立ちふるまう世界中の諸政府からの攻撃です。裁判所は労働者の首切りを法律の名で強制し、警察はピケット・ラインを破り、労働者の抗議行動に襲いかかり、議会は、労働者が反撃できないように手を縛る法律を通過させている。すべて私企業や資本主義を守るため、「国家安全保障」のため、という理由です。
日本では「共謀罪」、アメリカでは「愛国者法」やタフト・ハートレー奴隷労働法と呼ばれる法律です。目的は同じです。
西海岸の港湾労働者は、このことを02年の協約闘争をつうじて理解しました。ブッシュ政権は、協約交渉の期間中に職場での闘いに立つならばドックを占拠すると脅してきました。そして、民主党の上院議員ファインシュタインは、タフト・ハートレー法を適用すべきであると、ブッシュに要求した。経営者の要求する協約を組合にのませるために彼らが協力していることを示しています。これらは、アメリカのイラク戦争・占領の6カ月前に起こっています。労働者は二つの戦線の戦いに直面しています。内に向けての戦争と外へ向けての戦争です。
労働運動の危機の中で、豊かな工業諸国の何百万もの労働者が健康保険もなく、職もない。ホームレスがますます増えています。
アメリカの学校では民営化が進行しています。日本では、生徒や教師に「日の丸」に向かって起立し、天皇の歌「君が代」を歌うことを強制することで、学校を日本の再軍事化の道具とする攻撃が激化しています。日本の自衛隊は、ブッシュの「有志連合」に参加し、イラクに展開し、石油利権を防衛している。日本帝国主義の再建への道を敷いているのです。
労働者は国際的な労働者の連帯行動をつうじて団結することで、このような攻撃から自分たちを守ることができます。
今年、われわれは大きな勝利をかちとりました。03年4月7日、オークランド港で反戦デモが闘われた。「テロとの戦い」の名目で、機動隊が数十人のデモ隊と港湾労働者を「非致命的武器」で襲撃した。私自身、組合員を襲撃から守ろうとして逮捕された。この襲撃は、国連人権委員会によって弾劾され、政府は、このオークランド25に対する起訴を取り下げた。われわれは、逆にオークランド警察を告訴しています。
『俺たちは鉄路に生きる』という本の中で、中野洋さんは、「いろんなことを言う人間がいる。『動労千葉とは付き合わない方がいいですよ。あそこはラディカルですよ』と。いいじゃないですか。言わせておけば。ILWUローカル10はアメリカでは一番ラディカルな組合ですよ。アメリカの最もラディカルな組合と日本の最もラディカルな組合が一緒になっちゃった」と言っています。
中野さんのわが組合への称賛に、ここでお礼を申し上げたい。協力してともに闘っていきましょう。
労働組合を破壊する民営化反対! 運輸労働者、全世界の労働者の国際連帯万歳! 万国の労働者団結せよ!
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週刊『前進』(2174号1面4)(2004/11/15)
おことわり
11・7労働者集会の報道特別号として、発行を遅らせました。
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週刊『前進』(2174号2面1)(2004/11/15)
香田さんを殺したのは小泉だ
自衛隊撤退要求拒否した日帝小泉政権を弾劾する
イラク侵略戦争参戦こそ元凶
10月26日、イラクの武装解放勢力「イラク・アルカイダ機構」が香田証生さんを拘束して48時間以内の自衛隊撤退を要求する映像が流された。この事件は、31日にバグダッドのハイファ地区で香田さんの遺体が発見されるという痛ましい結末を迎えた。この事態の一切の責任は、自衛隊をイラク侵略戦争に参戦させ、イラク人民の自衛隊撤退要求を拒否しさった日帝・小泉政権にある。日帝は、侵略国家への飛躍と石油強奪などの帝国主義的利益のために、香田さんを死に追いやったのだ。小泉政権を怒りを込めて弾劾する。
“早く首を切れ”の態度を露骨に示す
小泉は、映像が公開された知らせが届くと同時に移動中の自衛隊機から「自衛隊は撤退しない」と指示を出し、“処刑されるならされろ”という態度を露骨に示した。これに対しては、4月の日本人5人の拘束事件で解放のために大きな役割を果たしたイラク・イスラム聖職者協会も「小泉首相の態度は、グループに『早く首を切れ!』と言っているようなもの。首相はメンバーを憤慨させた」と批判し、「各方面から解放に向け助力を求められた。しかし、われわれは断った。申し訳ないが、できないからだ」と語っている。
日帝・小泉政権のこの態度は、帝国主義の利益のためには、一方で侵略戦争を強行すること、同時に平然と自国の労働者人民に死を強制することを露骨に示した歴史的な事態である。これが帝国主義なのだ。
小泉は、香田さんが殺害された後、「国際社会と協調し、自衛隊による人道復興支援を行っていくとともに、断固たる姿勢でテロとの戦いを継続する」という声明を出した。そして、米大統領選でのブッシュ再選の確定を受けて、12月14日に期限切れとなる自衛隊イラク派兵を延長することを表明した。
だが「対テロ」を掲げて米帝がやっているイラク侵略戦争とはいったい何なのか。イラクの石油を強奪し、パレスチナを始めとするアラブ、ムスリム人民の闘いを圧殺して中東支配を再編し、戦略的資源である石油の産出地帯・中東を抑えることで、仏独との帝国主義間争闘戦に勝利しようという侵略戦争以外の何ものでもない。イラク侵略戦争で10万人を超えるイラク人民が虐殺されたのだ。しかも、その大半が女性や子どもたちである。
米帝が開戦の口実としてデッチあげた大量破壊兵器はどうだったのか。米政府自身の調査団がイラクに大量破壊兵器がなかったことをついに認めた。イラクが大量破壊兵器を持っているとか核兵器を開発しようとしているとかいう開戦の口実は、最初からデッチあげだったのだ。「テロとの戦い」を掲げた米帝のイラク侵略戦争は、帝国主義的侵略戦争以外の何ものでもないのだ。
日帝・小泉政権は、この暴虐なイラク侵略戦争に自衛隊を派兵し、深々と参戦している。陸自がサマワに駐留し、空自が米軍とその武器弾薬を輸送して占領支配の一角を担うことにより米軍の住民虐殺作戦が可能になっている。まさに闘うイラク人民にとって日本は真正面からの敵なのだ。イラク人民にとって、米軍、自衛隊をせん滅し、たたき出す以外にイラクの解放はないということだ。
闘うイラク人民と連帯して闘おう
ここで重要なことは、イラク・ムスリム人民の日帝と自衛隊に対する憤りはまさに頂点に達しているということ、日本に対する9・11型のゲリラ戦闘がいつたたきつけられてもおかしくない関係になっているということだ。いや、それは始まりつつある。外務省官僚2人が殺害され、橋田信介さんと小川功太郎さんというジャーナリスト2人が殺害された。拘束事件がすでに2件起こっており、そして今回の香田さんの殺害がある。サマワの自衛隊基地に対しては狙い定めた砲撃が連続的に起きている。
香田さんが殺害されたことへのわれわれの衝撃と痛みは、同時に、イラク人民のあまりにも大きな苦しみとあまりにも深い悲しみとそこからの極限的な怒りに一ミリでも思いを寄せることのできるものでなければならない。多くの日本の労働者人民がこの間の経験をとおして、イラク人民に強制された過酷な現実と向かい合おうとしている。そうだ。そこから出てくる実践は自衛隊の即時のイラク撤退を求める大運動だ。
日本人民にとって、闘うイラク人民を真正面から支持し、米日帝のイラク侵略戦争に反対して闘いぬき、自衛隊撤兵、日帝・小泉打倒を闘いとる以外に、イラク人民との真の連帯の道はない。
日帝・小泉がイラクに自衛隊を派兵し、10万人以上のイラク人民を虐殺しておきながら、「人道復興支援」だなどと主張することをどうして許すことができようか。小泉こそイラク人民に対する極悪非道の虐殺者だ。残虐なイラク侵略戦争を「テロとの戦い」などと正当化し、イラク人民を無差別虐殺しているのだ。自分たちが虐殺した10万人については何も言わず、何食わぬ顔で「イラクの人びとのため」などと言うことをどうして許せるか。
自衛隊兵士の皆さん。イラク派兵を拒否して、ともに小泉政権打倒、日帝打倒へ決起しよう。小泉は、自衛隊派兵の期間を何がなんでも延長しようとしており、自衛隊がイラクへ行けば、兵士はイラク人民虐殺に加担させられ、自らもイラク人民の民族解放戦争の爆発の中で死ぬことになる。小泉は、労働者人民の命については一顧だにしておらず、平然とウソとペテンを繰り返し、侵略戦争を拡大しているのだ。今こそ日本の労働者階級人民は日帝・小泉打倒へ総決起しようではないか。
現在のイラクの状況はどうか。米帝はイラク侵略戦争の完全な泥沼化の中で、ますます無差別虐殺を強めている。すでに、イラクの大半の地域で米軍支配が及ばなくなっている。これでは来年1月末に設定した選挙を行えないと、米軍はそうした地域を奪還する戦争に全力を挙げて打って出ている。特にイラク人民の反占領・民族解放戦争の不屈の闘いの象徴となってきたファルージャに対し、海兵隊を主力に全力攻撃に出てきている。
米軍によるイラク占領の戦局を決定的に転換させた4月のファルージャ蜂起に対し、米軍は市内への突入を図った。解放勢力は大きな犠牲を出したが、ついに米軍を撃退した。米軍は、武装解放勢力の強固な拠点となっているファルージャ、ラマディの二つの町を落とす以外に戦局を変えられないとして画策を強めている。特にファルージャに対しては連日連夜の爆撃で住民を無差別虐殺してきたのだ。継続的な激しい爆撃で住民を丸ごと追い出し、全面作戦に出ようとしているのである。
その矢先の10月30日、ファルージャ南部の工業地域から突入しようとした米軍に対して激しい戦闘がたたきつけられ、米兵8人がせん滅され、9人が負傷して米軍は退却した。しかし、米軍はこの全面戦争に出る以外になく、大統領選後にも攻撃を開始しようとしている。
だが、米軍がどんなに激しい攻撃を加えようとも、けっして勝利することはできない。米帝の開戦以来20カ月、米軍が残虐な侵略戦争を強めれば強めるほどイラク人民の民族解放・革命戦争はますます高揚してきた。米軍がどんなにハイテク技術を駆使した兵器を持っていたとしても、米帝の残虐な侵略戦争に対する激しい怒りに燃えたイラク人民の決起は、けっして抑えることはできない。命をなげうったイラク人民の陸続とした決起は、どんなに暴虐な帝国主義の侵略戦争も必ず大破綻(はたん)にたたき込むのだ。
米帝のイラク侵略戦争は、戦争体制そのものをも危機に陥らせている。イラクの前線にいる輸送部隊の19人が「自殺行為だ」として輸送任務を拒否した。米国内では800人の予備役がイラク派兵を拒否している。こうした中で、イラクから帰還する予定だった6500人の兵士が、選挙終了まで帰還を延期されている。米帝がイラク侵略戦争の泥沼の中でさらにのたうち回り、危機を深めていくことは避けられない。
派兵期間の延長を阻む闘いを貫こう
日帝・小泉は、12月14日に迫った自衛隊派兵期限切れを前に、強引に派兵期間を延長し、イラク侵略戦争にさらに深々とのめり込もうとしている。米帝の要請でイギリス軍がバグダッド南部に配置についたように、来年3月に撤退するオランダ軍に代わって自衛隊が直接的戦闘に突っ込んでいくことは必至である。
小泉は、米帝のトランスフォーメーション(米軍再編)にも同意し、北朝鮮―中国侵略戦争に全面参戦しようとしている。小泉はたとえ自衛隊員が何人死ぬことになろうとも、米日枢軸のもとでイラク侵略戦争を遂行することにより、戦争のできる帝国主義へと飛躍し、帝国主義間争闘戦に勝ち抜こうとしているのだ。
侵略戦争に突進する帝国主義の攻撃は、国内の労働者階級に対しては、大失業と首切り、賃下げ、不安定雇用化、社会保障制度の全面解体という形で、まさに「内への階級戦争」として加えられている。帝国主義を打倒する以外に、労働者階級人民の生きる道はない状況に入っているのである。
今、最凶悪の帝国主義・米帝の国内で、労働者階級が世界を変える巨大な力として登場しつつある。10月17日、合わせて350万人の組合員を擁する労働組合が賛同して、百万人労働者行進(MWM)が闘われた。イラク人民の命がけの不屈の決起と連帯し、既成労働運動指導部の妨害をはねのけて、労働者階級がプロレタリア革命の主体として力強く登場しているのだ。日本においても、米韓労働者の代表を迎え、国際連帯の旗を高く掲げた11・7労働者集会が日本のMWMとして大高揚した。
今こそこの腐り果てた帝国主義を打倒して、労働者人民の未来を切り開くチャンスが訪れようとしている。小泉構造改革の攻撃に対し、真正面からの闘いに決起しよう。イラク反戦闘争の大爆発をかちとろう。自衛隊イラク派兵の延長阻止に全力で決起し、小泉政権打倒の闘いを今こそ爆発させよう。
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週刊『前進』(2174号2面2)(2004/11/15)
11・7集会の破壊狙った治安弾圧 沖縄・東京で3人不当逮捕
アパート賃貸借 「詐欺罪」をデッチあげ
辺野古で闘う学生を逮捕
11月2日、東京と沖縄で3人の反戦活動家がデッチあげ逮捕され、都内3カ所のアパートが家宅捜索されるという、警視庁公安部による許しがたい大弾圧が行われた。
警視庁公安部は2日午後6時ころ、沖縄県名護市内で、辺野古現地の座り込み闘争から宿舎に帰ってきた全学連活動家A君を、問答無用の拉致同然のやり方で逮捕した。同時に東京都国立市内のA君のアパートを家宅捜索した。
さらに警視庁公安部は同じころ、東京都中野区内のアパートの一室に、A君の「詐欺罪」容疑の家宅捜索と称して襲いかかり、Bさんを「公務執行妨害」、Cさんを「証拠隠滅」でデッチあげ逮捕しさった。そして、もう1カ所のアパート(新宿区内)を同時に家宅捜索した。
まったく不当な大弾圧であり、怒りをもって徹底弾劾する。
事実無根の「詐欺」容疑
A君は、アパートの賃貸借契約に関して「詐欺罪」をデッチあげられて逮捕された。すなわち「アパートの部屋を借りる際、不動産業者に活動家であることを隠して、だまして部屋を借りた」というのである。
まったくとんでもない、事実無根のデッチあげである。A君がアパートを借りる時に「だました」事実など一切ない。A君は家賃をきちんと支払い、誰に迷惑をかけることもなく普通に生活していた。
さらに言えば、アパートの賃貸借契約をしたことが、どうして財産をだまし取る「詐欺罪」に該当したり、逮捕されたりするのか! 警視庁公安部はただただA君を逮捕・拘束する目的で「詐欺罪」をデッチあげたのである。
だましてドア開けさせ突入
さらに中野区内の住居では、夕方6時すぎ、部屋に女性が「下の階の者ですけど」と言って訪ねてきた。Bさんが応対するためにドアを開けた瞬間に、公安刑事の米本某が1b以上もある長いバールを差し入れ、ドアを閉められないようにした。そしていきなり室内に突進し、Bさんを突き飛ばし、よろけるBさんを別の公安刑事3人がはがいじめにして、室外に暴力的に連れ出したのだ。そして、階段を3段ほど降りた所で押さえ込んだのである。
その後、数分たって、責任者である星隆夫(公安一課係長)が「公妨で逮捕」という指示を出し、Bさんは逮捕された。
これが、Bさんに対する「公務執行妨害」逮捕の実態である。まさに違法・無法の襲撃であり、暴行であり、拘束・拉致以外の何ものでもない。こんなデタラメを絶対に許すことはできない。
また、Bさんとともに部屋にいたCさんは、星隆夫に後ろからはがいじめにされ、「証拠隠滅で逮捕」と告げられた。これまた百パーセントのデッチあげである。
A君への「詐欺罪」がそもそも事実無根である上、A君と無関係な中野区の住居に「詐欺罪」の「証拠」などあるわけがない。
警視庁公安部は2人を逮捕した後、「家宅捜索」なるものを好き勝手に強行し、パソコンなどを違法に押収していったのである。
公安刑事の大声と乱暴狼藉(ろうぜき)ぶりを見ていた近所の住民や商店の人たちから、「警察はひどいことをする」という声が上がった。
反戦運動をしているという理由だけで、警察が憲法や法律なども完全に無視して逮捕や家宅捜索を強行するあり方は、戦前や戦中の治安維持法下の弾圧と同じである。
神奈川では「免状不実」で逮捕
これより前の10月20日には、愛知県名古屋市内で、神奈川県警が反戦活動家Dさんを「免状不実記載」デッチあげで逮捕した。そして今なお勾留している(5日現在)。
逮捕容疑は、Dさんが昨年7月に運転免許証を更新した際に申告した住所が、実際には住んでいないウソの住所だというのである。しかし、これもとんでもない言いがかりだ。Dさんは、住民登録をしたその住所にずっと住んでおり、毎年、所得申告も行い、健康保険証も受け取っていた。そして1回目、2回目の免許更新の際はまったく問題がなかった。どうして3回目には逮捕されることになるのか。
神奈川県警の弾圧の本質は、まさに反戦活動家Dさんに対する政治的な大弾圧である。
Dさんに対する取り調べの中で刑事は、「11・7労働者集会はいっぱい集まりそうだ。集まってくるのを止めることはできない。少なくともおまえ1人は減らせた。今回の弾圧であとどれだけ減らせるか。おれたち公安はおまえたちをつぶすためにあらゆる手段を使う」とうそぶいていた。
この発言に、今回の一連の大弾圧の本質がはっきり示されている。日帝・国家権力は、動労千葉など3労組の呼びかけによる11・7労働者集会が大爆発すること、ここから労働者階級の壮大な国際連帯闘争が発展していく勢いに震え上がり、11・7労働者集会の破壊に全力を挙げてきたのだ。それにしても、なんと卑劣な手口か。
国家権力のデッチあげ弾圧を許すな。警視庁と神奈川県警は無実の4人を直ちに釈放せよ。全人民の力で4人の釈放をかちとろう。
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週刊『前進』(2174号2面3)(2004/11/15)
大阪 国労弾圧粉砕へ集会 被告団・家族会が主催
10月3日、大阪・東淀川勤労者センターで国労5・27臨大闘争弾圧の不当逮捕2カ年を弾劾し、新たな決意を固める集会が行われた。被告団・家族会が主催し120人が集まった。
東京から駆けつけた河村健夫弁護士が、「この事件は4党合意をめぐる国労内部の路線対立であり、裁かれているのは4党合意」と講演した。河村弁護士は、鉄建公団訴訟の弁護団をしていたことからこの弾圧の弁護を引き受けた経緯を語り、国労・全動労・動労千葉が鉄建公団訴訟を始めとする統一行動を取ることの重要性を強く訴えた。
基調報告を富田益行被告団副団長が行い、「弾圧粉砕のキーワードは国労再生。労働組合の原則、国労綱領の原則で闘う。西日本本部の上村がイラク復興支援でJR連合・森と握手した。全分会から反対の声を上げ、闘う国労を再生する」と発言した。
熊本闘争団の仲間が力強く特別報告を行った。「私は24歳で解雇。6年しか働いてない。非常に悔しい。鉄建公団訴訟は一人ひとりが中心になって動き共闘を広げる決意が求められた。本部から生活援助金を打ち切られ、熊本闘争団も非常事態になったが、負けてたまるか、と闘ってきた」
「鉄建公団訴訟に建交労も千葉動労も加わると言っている。闘いによって勝ちを取る。他の組合に影響を与えるから変な解決をしてはいけない」
「訴訟に勝てば鉄建公団の社員になる。しかし、JR九州に帰せという闘いをやる。現場で国労を拡大し、闘う国労をつくって初めて勝利したと言える。最高裁で負けても解雇撤回・JR復帰は譲れない」
主催者あいさつで橘日出夫被告団副団長が、「被告団の勝利と国鉄闘争の勝利は一体のもの。侵略戦争と資本の攻撃と闘う労働運動が主流派になるため11・7に集まろう」と強調した。
被告団と家族会が全員登壇し、小泉伸、東元、原田隆司の各被告が元気に決意を表明した。家族会の小泉鈴美さんが「プロ野球もストで頑張った。闘いのための支援とカンパを」と訴え、原田明美さんが「なんで『闘争団を切り捨てるな』と言ったことがあかんのかと家族会を結成し、夫の正しさが分かった。改憲、教育基本法改悪、イラクに闘争団を派遣する方針まで出ている。無罪まで闘う」と決意を述べた。
会場には被告の職場の仲間たちが駆けつけた。動労千葉からの11・7集会結集を訴えるアピールを家族会が代読した。鶴見駅不当労働行為事件で勝利判決をかちとった国労東京の仲間や京滋地区本部の仲間からもメッセージが寄せられた。
寝屋川弾圧で民事訴訟の全面勝利をかちとった部落解放同盟全国連合会寝屋川支部の飛山利光書記長が連帯のあいさつをした。
全日建運輸連帯関西生コン支部の武谷新吾執行委員と全国金属機械港合同の辻岡尚執行委員が、弾圧との闘いの重要性を訴えた。
この集会に向け、被告団と家族会、現場の国鉄労働者は討論を重ね協力して準備からオルグまでの一切をやりきった。被告団・家族会の団結は一層鍛えられ、闘うエネルギーで参加者が元気になる集会だった。無罪獲得・国労再生・1047名闘争勝利へ頑張ろう。
(投稿/大阪 国鉄労働者K・O)
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週刊『前進』(2174号2面4)(2004/11/15)
10・20〜10・31
連合春闘基本構想 統一ベア要求またも放棄
郵政民営化後、雇用保障せず/健保解体へ奥田提言
●日教組中央委 日教組は中央委員会を開き、教育基本法改悪阻止と義務教育費の国庫負担堅持の方針を決めた。討論では「大衆運動やストを含む運動の提起を」との声も出た。普天間基地即時撤去も決議した。(20日)
●連合が来春闘基本構想 連合は中央執行委員会を開き、「2005年春季生活闘争基本構想」を確認した。UIゼンセン同盟が「連合としてベア要求を掲げるべき」と発言。笹森会長は「全体の統一ベア要求は出さないことになると思う」などと述べた。(21日)
●郵政民営化後の雇用継続は保障せず 日本郵政公社を07年4月に民営化した後の職員の身分や雇用に関する政府原案が明らかに。雇用面では、公社の職員27万人を民営化時に新会社が雇用することを明記する一方、民営化後は一定期間の雇用継続などの保障は行わず、新会社の経営陣の判断にゆだねるとしている。(21日)
●都水道・下水道局「業務手当」廃止で労使合意 東京都の水道・下水道局労働者の賃金に4%が上乗せされている「業務手当」につき、11月から5年間で段階的に廃止する方針で労使合意。(21日)
●奥田が医療費全額本人負担を提案 経済財政諮問会議で奥田日本経団連会長ら民間議員が、軽度医療は全額本人負担にすべきという意見書を提出した。(22日)
●労働弁護団が残業110番 日本労働弁護団が全国の19都道府県で「長時間労働・残業110番」を実施したところ、20〜30歳代を中心に289件の相談が寄せられた。(23日)=要旨別掲
●UFJ銀組合、組合員に一律5万円還付へ UFJ銀行職員組合は、今冬の一時金支給時に合わせて、組合員1人につき一律5万円を組合費から還付する提案をしていることを明らかに。(26日)
●9月の完全失業率4.6% 総務省統計局公表の労働力調査によると、9月の完全失業率は4.6%で前月に比べて0.2ポイント低下。厚労省発表の一般職業紹介状況によると9月の有効求人倍率は0.84倍で、前月を0.01ポイント上回った。(29日)
●介護保険料20歳から徴収 厚労省は介護保険料の徴収対象を20歳以上に拡大する案を社会保障審議会に提示した。(29日)
●中立系労組が改憲阻止集会 中立系労組でつくる憲法改悪反対労組連絡会が、都内で改憲に反対するシンポジウムを開催した。連絡会は中立系労組14組織で構成。幹事団体は航空労組連絡会、全国大学高専教職員組合、全国農業協同組合労働組合連合会、日本新聞労働組合連合。(30日)
●炭労最後の太平洋炭鉱労組解散 太平洋炭鉱労組が臨時大会を開いて解散。炭労も11月19日の拡大臨時大会で解散する。(31日)
労働弁護団の残業110番に寄せられた声
・「ICカードで時間管理しているのに上司が勝手に(残業代を)決めている」
・「終業時間を午後7時30分から9時までに延長し、それに伴い30時間の固定残業代だけを支払うようになった」。ただしその残業代は「基本給と役職手当をカットしてねん出している」
・「土曜に勤務しなければならなくなったがタイムカードを押すなと言われている。給料を10万円カットしておきながら『残業代でかせぎなさい』と言われている」
・労基署の指導で午後7時には帰れるようになったものの、「代わりに早出残業と土曜出勤(残業代の支給なし)をさせられている」
・「月100時間を超える恒常的な残業がある。残業代を請求しても無視される」
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週刊『前進』(2174号3面1)(2004/11/15)
鉄建公団訴訟軸に共闘へ 国労、全動労、動労千葉が登壇
団結まつりスクラム固く
10月31日、「国鉄労働者1047名の解雇撤回、鉄建公団訴訟勝利、戦争と失業NO」を掲げた団結まつりが東京・亀戸中央公園で開かれた。前日から続いた雨も上がり、1万3500人が参加して、それぞれの出店もにぎわった。
今年の団結まつりの特徴は、鉄建公団訴訟を軸とした国労闘争団、全動労争議団、動労千葉争議団の団結に国鉄闘争の勝利があることが、全参加者の共通認識としてしっかりと確認されたことにある。
国鉄闘争共闘会議の二瓶久勝議長が開会あいさつをし、「国鉄闘争はまさに正念場。鉄建公団訴訟には労働運動の大義がある。国鉄闘争は国労966名ではなく1047名の解雇撤回を求める闘いだ。建交労、動労千葉を含めた鉄建公団訴訟原告の統一戦線をつくろう。勝利的に闘い、労働運動の再生を」と訴えた。
まつりの終盤、国労闘争団、全動労争議団、動労千葉争議団が壇上に並んだ。
鉄建公団訴訟原告団の酒井直昭団長は「自らの闘いで勝利したい。12月を山場に勝負をかけよう」と呼びかけた。全動労争議団の渡部謙三副団長は「全動労争議団は新たな訴訟の決意を固めた。さまざまな妨害があるが、必ず近い将来立ち上がる」と表明した。動労千葉争議団の中村俊六郎さんは「1047名の統一が重要だ。3争議団が鉄建公団訴訟で団結し、JR体制に立ち向かおう」と訴えた。なんとしても勝利したいという思いは、組合の違いを超えて共通だ。
弾圧被告らが国労再生訴え
裏切りを深める国労本部と闘う方向も鮮明になった。国労5・27臨大闘争弾圧被告の松崎博己さん、原田隆司さんが佐藤昭夫弁護団長、浅野史生弁護士とともに壇上に立った。佐藤弁護団長は「警察の力を借りて反対派をつぶすのが国労執行部のやり方だ。そこにあるのは闘いをやめて会社との協調組合になりたい願望だけ。皆さんも臨大闘争弾圧を許さない会にかかわっていただきたい」と呼びかけた。松崎さんは「西日本本部は『解雇者はイラクに行け』と言っている。鉄建公団訴訟を妨害する国労本部を打倒し、国労を再生しなければ勝利はない。民営化に対し世界の労働者が立ち上がっている。11・7集会に結集を」と強調した。会場から大きな歓声と拍手がわいた。
国労鶴見駅分会不当労働行為事件当該の3組合員が壇上に並んだ。懲戒解雇と不当配転を撤回させ職場復帰を果たした組合員は、晴れ晴れとした表情で、この勝利が4党合意のもとに屈服的和解を策動する国労本部と対決して実現されたことを報告し、「筋を曲げず闘えば勝てる。闘争団の闘いも勝てないわけがない」と檄を飛ばした。
国鉄闘争と教育労働者の闘いの結びつきも深まった。「日の丸・君が代」強制と闘う被解雇者の会、被処分者の会、予防訴訟原告団、威力業務妨害デッチあげと闘う板橋高校元教員など6人の教育労働者が、石原都政−都教委と闘う不屈の意思を表した。
また、東京清掃労組青年部など多くの労組が登壇し、決意を表明した。
国鉄闘争は全世界の労働者の闘いの一環だ。80人の遠征闘争団を率いて日韓FTA交渉反対闘争を闘う韓国・民主労総のイチャングン国際部長が、「FTAは韓国の労働者だけの問題ではない。日本の労働者の共闘が必要だ」と訴えた。イラク失業労働者組合海外代表のアソ・ジャバールさんは、労組活動を禁圧する米占領軍に抗してILOに提訴したことを報告し、「イラク占領を終わらせ、日本を含む全部隊の撤退を求める」と宣言した。
国鉄闘争は、鉄建公団訴訟を真に1047名の統一した闘いとすることができるのか否かをめぐって、さらに緊迫した攻防に入る。
12・1日比谷へ総結集しよう
12月1日には「国鉄労働者1047名の解雇撤回、政府はILO条約を守れ、鉄建公団訴訟勝利」を掲げて日比谷野外音楽堂での集会が開かれる。国労本部=酒田・革同体制の敵対を許さず、この成功をかちとろう。国鉄闘争勝利の道を切り開こう。
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週刊『前進』(2174号3面2)(2004/11/15)
都労連11・16ストに立とう 賃上げ、一時金要求貫徹を
11月2日、都労連(都庁職、東水労、東交、都教組、都高教、都立大・短大の6単組10万人)は04賃金闘争勝利第4波総決起集会を都庁前で開き、年末一時金3・0カ月分の12月10日支給を要求して11月16日早朝1時間ストを配置した。
都労連は、年末一時金のほか、都人事委員会が「報告」で見送った公民較差の解消などを要求している。都は、一時金要求を検討すると表明したが、「人事給与制度の見直しをさらに強力に推し進めることが人事委員会『報告』の趣旨」と繰り返している。
都労連の04確定闘争の課題は、石原都政の公務員制度改革先取り攻撃を大衆的実力闘争で打ち破り、賃上げを獲得することである。
人勧を打破し実力で闘おう
10月7日、都人事委員会は戦後初めて「勧告なき報告」を出した。月例給・諸手当・特別給を据え置き、「職責や業績などを反映する給与構造ヘの転換」を打ち出した。月例給729円(0・17%)、特別給0・02カ月の公民較差(民間の方が高い)を認めながら是正措置さえ勧告しなかった。人事院や政令指定都市の人事委員会は、給与表の改定を見送った場合も、扶養・住宅手当などの改定を勧告している。これに比して都人事委のやり方は異常である。
都人事委はまた「これからの給与制度・構造の見直し」として、新たな給料表の検討、業績評価に基づく査定昇給への転換、昇格制度の見直し、勤勉手当への業績反映の拡大、職責の違いを反映する給与処遇の見直し、教員給与のあり方の検討などを「具体的な検討課題」として挙げた。
こうした都人事委の04年「勧告なき報告」は、石原都政がめざす人事管理と賃金政策を自ら提起したものとなっている。都人事委は「第三者機関」としての役割を自ら否定したのである。これをいいことに都は団交で「人事委の報告を重く受け止めている」「人事給与制度の見直しをさらに強力に進めるために協議したい」と繰り返し、年功的要素の圧縮、職責給・能力給・業績給への転換を図る意志を示した。
今や人勧打破・実力闘争が正面課題となったのだ。
ところで、10月20日の都労連中央委員会は、人事考課制度について「本人開示と苦情処理システムの導入を要求する」にとどまり、業績評価に基づく給与・処遇制度を事実上認めた。
これは、02年秋闘での妥結、すなわち「特例による給与の削減(03年4月まで4%削減、04年3月まで2%削減)をとりやめる」代わりに「業績評価を賃金にリンクさせる」ことを労使合意したことに始まっている。業績評価の賃金へのリンクは全国の自治体で初めてだった。
賃金削減は一時的措置だが、制度は、いかに極小の措置(下位1%程度の不適格職員の定期昇給を3か月延伸する)であろうと、いったん導入すれば肥大化は不可避だ。4%削減を打ち切るためとはいえ、あまりにも大きな代償であった。
10月28日の都労連6単組代表者会議ではスト批准について足並みが乱れた。都労連の原点である統一要求・統一交渉・統一妥結は危機的様相を呈している。
都側は見透かしたように「55歳昇給停止に関する労使合意(実施にあたっての経過措置)」の破棄や「7級格付けの見直し」を提案してきた。
今こそ11・16ストライキに向け、一致団結して勝負をかける時だ。
小泉=奥田=石原との対決
都労連04秋季確定闘争は小泉=奥田の「骨太方針W」、公務員制度改革を先取りする石原都政の「都庁改革アクションプラン」「財政再建推進プラン」との対決である。ここでの妥結結果はリーディングケースとして全国に波及する。
都人事委の「勧告なき報告」、能力・業績主義強化、「日の丸・君が代」強制の03年10・23横山教育長通達、都立高校改革、部局統廃合、民生、病院、福祉、中央市場の民営化・第3セクター化、水道や交通など公営企業の民営化などの攻撃と対決しよう。
反転攻勢の機運は日々強まっている。清掃労働者は現業調整額廃止に対する休日作業返上などの戦術を駆使して闘っている。水道労働者は業務手当廃止反対の3波にわたるストライキを貫徹した。特区連(特別区職員労組連絡会)は給料表の行(一)横引き廃止反対を掲げて決起している。
教育労働者の「日の丸・君が代」強制に反対する決起から大いに学ぼう。都高教、都教組(ともに都労連構成単組)が10・23通達に屈服して闘いを放棄したにもかかわらず、現場の組合員は、自主的に決起し、闘いを牽引(けんいん)している。典型的なランク・アンド・ファイル(現場労働者)運動だ。組合員一人ひとりが闘いの司令部となって闘えば、必ず石原は打倒できる。このことを11・7全国労働者総決起集会は指し示した。
11月16日のストライキを貫徹し、ファシスト石原都政と対決しよう。都労連を始め全国の公務員労働者は04秋闘に決起しよう!
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週刊『前進』(2174号3面3)(2004/11/15)
郵政民営化阻止4・28反処分勝利 全逓労働者が集会
“物ダメ・ストの方針を”
10月25日、東京・南部労政会館で「郵政民営化阻止、4・28反処分闘争勝利/全逓労働者集会」が、全国労組交流センター全逓労働者部会の主催で開かれ、約50人が参加した。
被免職者が原職復帰へ決意
まず、4・28被免職者の神矢努さんが特別報告を行った。6月30日に東京高裁で「懲戒免職処分取り消し」の逆転勝利判決をかちとった当該として、「全逓本部が被免職者を切り捨てても、みんなの力で闘い取った勝利だ」と、誇らかに語った。高裁判決は「争議だから、責任をとるのは幹部であり、一般組合員を処分するのは不合理だ」というものだが、郵政公社は不当にも上告し、その理由として「全逓組合員であっても闘争をやらなくてもいい。指令に従ったのは自己責任だ」と主張している。
神矢さんは、「必ず上告を却下させ、原職に復帰する」と決意を表明。そして25年の闘いを振り返り、「反マル生闘争は現場の力で職場を変えていく闘いだった。当局は現場を狙い撃ちにしてたたきつぶそうとした。組合員資格を奪われ、刑事弾圧もあったが、自力自闘で勝利した。JPUの各分会に支援要請を行ったら、全国からカンパが相次いでいる。JPUは今のままでいいのかということだ。いよいよ民営化攻撃が来る。全逓本隊をダイナミックに動かすきめ細かい運動が必要だ。4・28勝利と職場の闘いを結びつけて闘おう」と呼びかけた。
「郵政民営化といかに闘うか」と題して、元全逓東京国際総分会書記長の岩本正治さんが基調を提起した。「連合全逓(JPU)中央は『民営化対応』の名のもとで民営化を推進している。現場には怒りと不安がある。自分が委員長だったらどういう方針を出すのか。07年郵政分割・民営化絶対阻止の路線を確立した上で、大量首切りを強行しようとしている小泉・奥田―生田(郵政公社総裁)らに対して『物ダメ・ストライキで闘おう』という方針を打ち出すべきだ」と訴えた。
そして、郵政分割・民営化攻撃の狙いが活動家パージと現場の組合的な団結を解体する攻撃であることを暴き、「腐敗・堕落した連合全逓本部をひっくり返すためにも、絶対反対派の闘う陣形をつくろう。『物ダメ・スト』方針は現場の要求とかみ合う」と確信を込めて述べて、11・7集会への総決起を訴えた。
中野動労千葉前委員長が檄
続いて、動労千葉の中野洋前委員長が「国鉄分割・民営化の教訓」について講演した。まず、憲法9条改悪や日米安保を「世界安保」にする攻撃などについて「戦後最大の決戦期が到来した」と述べた上で、アメリカのMWM(ミリオン・ワーカー・マーチ)がランク・アンド・ファイル(現場労働者)の運動として、350万人の労組が賛同して成功したことの画期的な意義を明らかにした。
そして、小泉政権の「骨太方針W」が日教組、自治労、全逓などの国家権力機構内の労働組合を根絶する攻撃であることを暴き、「民営化攻撃とは、官から民になるだけではない。非正規・有期雇用にするものだ」と訴えた。さらに、「国鉄分割・民営化に対して国労は一戦も交えなかったが、動労千葉はストで闘って団結を守った」という教訓を明らかにし、「労働者は団結して闘ってこそ、誇りを持つ。郵政民営化で、国鉄分割・民営化の時のように闘うのか否かで人生が決まる二者択一の時が来る。日本の労働運動は、全逓と国鉄で成り立ってきた。全逓には現場の闘う力がある。闘う労働者が自覚的に闘えば、ほとんどの組合員が決起する。05年の通常国会は、教育基本法と郵政民営化関連法が焦点だ。教育労働者らとともに現場から闘いをつくり上げよう。11・7集会はそのための第一歩だ」と、熱烈に檄を飛ばした。
郵政民営化阻止と11・7集会へ首都圏の全逓労働者の総決起態勢を確立する集会となった。
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週刊『前進』(2174号3面4)(2004/11/15)
「日の丸・君が代」強制する 米長と天皇の発言
10月28日、天皇・皇后主催の秋の園遊会で、東京都教育委員の米長邦雄が、天皇から声をかけられて「日本中の学校で国旗を掲げ、国歌を斉唱させることが私の仕事でございます」と述べ、これに対して天皇が「やはり、強制になるということではないことが望ましい」と述べたと伝えられている。これは今春の「日の丸・君が代」決起に追いつめられた支配階級の危機を示す事態だ。
天皇発言は、「日の丸・君が代」は強制しないでも全国民が唱和するようにすべきだと、支配階級に檄(げき)を飛ばしているのだ。戦争と差別の根源である天皇制、その頂点にある天皇自身がとんでもない天皇制賛美を強制する発言をしているのだ。
この天皇発言について、細田官房長官は「天皇は国政に関する権能を有しないという憲法の趣旨に反することはない」、中山文部科学相は「国旗・国歌については、喜んで自発的に掲揚したり斉唱したりすることが望ましいと述べられたのだと思う」と述べた。
また、東京都で昨年10・23通達によって「日の丸・君が代」を強制し、「君が代」で起立を拒否した教育労働者を大量処分した石原都知事は、「都教委のやっていることは強制じゃない」「国が決めたことを公務員として、義務として行うか行わないかの問題だ」と述べた。
「日の丸・君が代」の強制を日本中に広げることが仕事だと言ってはばからない米長は、ファシスト石原の突撃隊だ。天皇の政治的発言を引き出して利用し、お褒めの言葉を受けようとしたのだ。また、石原は「強制じゃない」などと言うが冗談ではない。立ち上がらなかっただけで懲戒処分にし、再雇用教員に対する合格取り消し・解雇で生活の道を奪うなどすることがどうして強制でないと言えるのか。
この園遊会でのやりとりは、図らずも石原都政と横山教育長、米長ら都教委の超反動性を浮き彫りにした。韓国などでも大きく報道され、「日の丸・君が代」強制が日本の再度の軍国化の攻撃であるとする危機感の強さを示した。
天皇は、イラク侵略戦争下の階級的激突、「日の丸・君が代」反対の決起に追いつめられているのだ。「国旗・国歌法」成立に加担した日本共産党は、この天皇発言を賛美しようとしているが、闘う労働者は、天皇のペテン的な言辞にだまされはしない。侵略戦争への国民総動員のための「日の丸・君が代」強制攻撃をはね返して闘おう。
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週刊『前進』(2174号3面5)(2004/11/15)
教員免許更新制導入へ 文科省が諮問 狙いは活動家の排除
10月20日、中山文科相は中央教育審議会に対して「今後の教員養成・免許制度の在り方について」諮問した。文科省は1年以内に答申を受け、06年度中に法改定を目指すとしている。
核心は教員免許更新制の導入である。教員免許更新制とは、これまで終身有効だった教員免許に一定の期限を設け、更新する制度。その期限は短ければ2年、長くても5年と言われる。期限を迎えて「不適格」と判断されれば教員免許は奪われ、二度と教壇に立つことはできない。「不適格教員」「指導力不足教員」の名で、国家の意のままにならない教育労働者の教員免許を奪い、学校現場から排除するための制度である。
諮問は「現在の教員免許制度については……教員としての全体的な資質能力は必ずしも十分に判断されていない」とし、「教員免許状が教員として必要な資質能力を確実に保証するものとなるようにするとともに、教員一人ひとりが常に緊張感を持って、自己の資質能力の向上のために一層研鑽(けんさん)を積むようにするために」、教員免許更新制が必要と言う。
重大なのは、教員免許更新制が教育基本法改悪と一体であることである。文科相の諮問には「21世紀を切り拓(ひら)く心豊かでたくましい日本人を育成する観点から……教員の果たす役割が極めて重要」とある。昨年3月に中教審が「教育基本法改正」を答申した際に掲げた教育目標とまったく同じ言葉だ。改悪教基法のもとで「教員として必要な資質能力」を確保するための制度が、免許更新制なのである。
教基法の改悪を許せば「教員として必要な資質能力」の概念は一変させられる。すでに99年の旧教員養成審議会第3次答申では、「今後特に教員に求められる具体的資質」として「国家観、個人と国家の関係についての適切な理解」「自国の歴史・文化を理解し尊重する態度」などが強調されていた。杉並独自の教員養成制度「杉並師範塾」は、育てたい教師像として「日本人が本来持っている資質や能力を活かすとともに、我が国の歴史や伝統を尊重し、日本を大切にする教師」を掲げている。国家に忠誠を誓い、国家のための教育を担うか否かで「教員として必要な資質能力」を判断しようというのだ。
近年の教員採用の面接では、「あなたは国歌斉唱時に起立して歌いますか」という質問が公然とされている。教員免許更新制の導入を許せば、「日の丸・君が代」処分が免許はく奪に直結し、国家に忠誠を誓わない教員も、子どもの側に立とうとする教員も、すべて学校現場から一掃されかねないのである。
郵政民営化攻撃の〈いったん全員解雇・選別再採用〉と同様に、教育労働者には免許更新制をもって、活動家の首切りと日教組解体攻撃が襲いかかろうとしている。愛国主義教育を徹底するための教育労働者の「血の入れ替え」を絶対に許してはならない。
事態は急ピッチである。来春「日の丸・君が代」闘争と教育基本法改悪阻止闘争を全力で闘いぬき、教員免許更新制の導入を絶対に阻もう。
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週刊『前進』(2174号3面6)(2004/11/15)
「君が代」被解雇者が集会 “歴史の審判に耐えうる教師に”
裁判を共にすすめる会を設立
10月30日、東京・早稲田奉仕園スコットホール講堂で、「君が代」解雇裁判第2回口頭弁論報告集会が行われた。今年3月の都立高卒業式で「君が代」不起立を理由に嘱託員・講師を解雇された9人が結成した「『日の丸・君が代』不当解雇撤回を求める被解雇者の会」が主催した。あわせて、「『君が代』解雇裁判を共にすすめる会」の設立集会も行われた。
冒頭、予防訴訟をすすめる会、被処分者の会が連帯のあいさつを行った。
集会の第1部は裁判報告集会。解雇撤回を求めて提訴した原告全員が自己紹介をした。全国各地で講演に飛び回っていることが報告され、「戦前の教員がしたことを忘れず、歴史の審判に耐えうる教師でありたい。日本の平和のために役に立ちたい」「これから退職を迎える多くの教職員の生活にかかわる闘い。絶対に負けられない」などの発言が続いた。最後に発言した原告は多くの卒業生から励ましの手紙が届いていると紹介、「これを糧に頑張っていきます」と述べた。
3月30日の不当解雇からこの半年の経過が報告され、裁判の争点を水口洋介弁護士が報告した。
第2部は「『君が代』解雇裁判を共にすすめる会」の設立集会。結成準備を進めてきた教育労働者が経過報告を行い、被解雇者と支援者がともに闘う組織であり、被解雇者の合意を大切にして会を運営するという設立の趣旨が説明された。
当面の活動について、@裁判傍聴の取り組みを広げよう、A「『君が代』解雇裁判の公正な判決を求める要請署名」を広め、数万筆を集めよう、B裁判を多くの人に知らせよう――の3点が提案・確認された。
会場からの活発な発言を受けて、集会を終えた。
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週刊『前進』(2174号4面1)(2004/11/15)
アメリカ大統領選 世界戦争に突進する米帝
ブッシュ再選で大激動必至 階級的激突が始まった
11月2日に行われた米大統領選挙は、大接戦の末に共和党ブッシュが再選された。オハイオ州で暫定票をめぐる決着がまだ付いていなかったにもかかわらず、「国が二分されることへのおそれ」から「国民和解を図る」ため、民主党ケリーは早々と敗北宣言を出した。ブッシュやケリーら支配階級は、戦時下でイラク反戦と貧困層の反乱が加速されることに震え上がったのだ。2期目のブッシュ政権は1期目以上に〈外への侵略戦争と内への階級戦争>の路線をとことん推し進めるだろう。画期的なMWM(百万人労働者行進)を開始したアメリカ労働者階級と連帯し、11・7労働者集会の地平を引き継いで、ブッシュ打倒・小泉打倒へ闘おう。
深まる米社会の分裂
今回の大統領選は、米帝がイラクで泥沼的な危機を深めている中で、文字どおりの「戦争下の選挙」として行われた。ブッシュは再選のために巨額の資金と権力(国家暴力)を駆使し、なりふり構わぬ選挙戦を展開した。ブッシュは、ただひたすら「テロの脅威」をあおり、「第2の9・11」におびえる米帝支配階級の危機感を結集する中でキリスト教右派勢力などを総動員した。同時に、大型減税の恒久化を掲げて大企業と金持ち優先を徹底化させ、「オーナーシップ(所有者)社会の実現」というむき出しの弱肉強食イデオロギーを押し出した。そして得票率51%対48%の小差でかろうじて再選された。
まさに今回の大統領選がさらけ出したものは、アメリカ社会の階級的分裂なのである。アメリカ階級闘争の〈分岐・流動・再編・高揚>を決定的に促進しているMWM運動こそ、この大統領選の真の情勢決定要因であったのだ。
一つには、01年9・11反米ゲリラ戦の直撃以降、米帝は侵略戦争の泥沼的拡大の道を突き進んでいる。だが、イラクの戦局は泥沼化し、戦争の不正義性が明白になる中でイラク反戦闘争が爆発し、それがアメリカ支配階級の分裂と動揺をもつくり出してきた。世論調査では民主党ケリー支持者の8割がイラク戦争に反対している。
だが、ケリーは、しょせんブッシュと「同じ穴のむじな」でしかなかった。ケリーはイラク侵略戦争と「対テロ戦争」の必要性を認めた上で、戦争の泥沼化「批判」を対ブッシュの選挙戦術にしたに過ぎない。労働者階級のイラク反戦、米軍即時撤退の願いと相入れない候補者なのだ。
二つには、米帝社会は長期にわたる経済拡大という統計上のペテン的宣伝とは裏腹に、失業者の増大、アウトソーシングによる不安定雇用の拡大、4000万人以上にヘルスケアがないという医療保険制度の崩壊、広範な規模での低賃金、貧困層の拡大とそれに対応できない年金など社会保障制度の欠陥、3600万人の飢え、住宅問題などがあらわとなっているのである。民営化と外注化、規制緩和の推進とNAFTAなど自由貿易協定の展開は、労働者階級への過酷な搾取と収奪を伴って、貧冨の差の拡大を飛躍的に強めている。そして階級闘争鎮圧の武器として反テロの名による愛国者法、労働組合弾圧が駆使されている。
帝国主義アメリカ社会の階級矛盾は、30年代の大恐慌時代に勝るとも劣らない鋭さを帯びてきている。
ブッシュ再選が示すものは、イラク侵略戦争がどれほど泥沼化し、労働者人民を食わせていけなくなろうとも、またブッシュがどれほどでたらめな人物であろうと、米帝支配階級にとって対テロ戦争(=侵略戦争)と階級戦争をとことん進める以外に延命の道はないということだ。
ブッシュ再選でイラク侵略戦争はさらに泥沼化する。帝国主義間争闘戦は非和解的に激化し、ドイツ、フランス帝国主義との分裂は取り戻しのきかないものとなる。ブッシュが公約に掲げた「国際社会には米国への拒否権はない」という論理を米英日枢軸でとことん推し進め、ついには世界戦争へと行き着くしかないのだ。
10月23日のラジオ放送でブッシュは「われわれはグローバルな闘いを続けている。米国は重大な脅威に直面しており、全力を尽くしてその脅威を打倒する」と演説したが、これは朝鮮半島から中東まで、「不安定の弧」の地域で米帝が全面的な侵略戦争に打って出る宣言である。
そしてブッシュと小泉政権は、日米安保同盟を一層の侵略的軍事同盟へ再編しようとしている。ブッシュは3日に行った勝利演説で「アメリカは同盟国とともにテロとの闘いを遂行する」と演説した。「同盟国」とは日本とイギリスのことだ。まさに日帝・小泉政権こそブッシュ政権の世界戦争遂行の最悪の共犯者なのだ。
だが、こうした米日帝のイラク侵略戦争の拡大・激化は必ずイラク人民、ムスリム人民の怒りを激化させ、日米労働者階級の決起の火に油を注ぐものとなる。日米、いや全世界が、階級的な大激動、大激震に突入していくのである。
決起する労働者階級
2期目のブッシュ政権は、アメリカ労働者階級に対して、1期目以上に凶暴で余裕のない、資本家階級の利害をむき出しにした階級戦争を仕掛けてくる。
だが、決定的に重要なことは、ブッシュは内外の危機の深さに実はグラグラなのだ。見よ。困難と弾圧を打ち破って、「ブッシュ打倒! ケリーもノー」を掲げた労働者階級の闘いが、AFL―CIO(アメリカ労働総同盟・産別会議)の妨害を打ち破って、力強く開始されたではないか。「選挙の結果がどうあろうとも、この運動をやめることはけっしてない。私たちには、やるべきことがたくさんある」(クラレンス・トーマスMWM共同議長)。これは労働者自身が主人公となった、力強いアメリカ革命への行進だ。
今こそ「ブッシュ打倒・小泉打倒」へ「支配階級をゴミ箱へ投げ込む」闘いを、日米韓労働者階級が団結して推し進めよう。それが、ブッシュ再選に対する労働者階級の回答だ。
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週刊『前進』(2174号4面2)(2004/11/15)
寺尾判決30年狭山中央闘争 “差別糾弾を貫こう” 特別抗告審勝利へ決起
10月31日、部落解放同盟全国連合会の主催で「寺尾判決30カ年糾弾、特別抗告審勝利、狭山中央闘争」が行われ、不屈に闘う石川一雄さんと固く連帯する全国の部落大衆、解放共闘会議の労働者・学生ら350人が決起した。東京・星陵会館で集会を開いた後、最高裁前を通り四谷までデモ行進を行った。
集会では、東日本解放共闘の山川博康事務局長と動労千葉の繁沢敬一副委員長が連帯あいさつを行った。全国連の狭山現地報告に続き、大阪・寝屋川支部の4被告が弾圧との闘いについて、また東京・杉並支部が特別養護老人ホーム「さんじゅ阿佐ケ谷」差別糾弾闘争について、それぞれ特別報告をした。
全国連中央本部の中田潔書記長が「高松差別裁判糾弾闘争の教訓」と題して講演した。中田書記長は、1933年の高松地方裁判所の差別判決に対して水平社が全国的な糾弾闘争を急速に組織し、爆発させ、勝利したことの意義を確認した上で、この勝利をかちとった水平社が戦争協力と融和主義に陥って敗北したのはなぜかについて解明した。
そして、この高松差別裁判糾弾闘争から学ぶべき教訓として、@部落大衆の根源的な自己解放エネルギーは差別糾弾闘争の中でこそ解き放たれるA全国連の差別糾弾闘争を基軸とする3大闘争路線は、水平社の敗北をのりこえる闘いであるB差別糾弾闘争を部落解放運動の神髄としてつかみ直そう――という3点を提起した。最後に、高松差別裁判糾弾闘争のような大きな陣形をつくり出して狭山闘争の勝利をかちとろう、3大闘争を推進して全国連を大きくしよう、と訴えた。
中田講演に感銘を受け、確信を持った参加者は大きな拍手でこたえた。
次に全国連の楠木吉秀事務局長が狭山・最高裁闘争の報告と方針を提起した。
楠木事務局長は、第2次再審請求・特別抗告審闘争が最大の山場を迎えたことを明らかにし、決戦突入を宣言した。斎藤鑑定で、脅迫状のあて名が万年筆で書かれていたことは完全に証明された。10月29日に脅迫状・封筒の閲覧・謄写に基づく新たな鑑定・補充書と石川一雄さんの上申書が提出された。最高裁に事実調べを行うよう迫り、再審の道を開く局面に入った。しかし、最高裁の特別抗告棄却決定がいつ出るか分からない切迫した段階でもある。ところが解同本部派は「人権侵害救済法」制定の国会闘争を柱にして、狭山闘争を後景化させている。全国連と解放共闘が石川さんとの連帯を強め、最高裁、最高検との決戦に入ることは決定的である。
次に9月27日の最高検への要請行動における最高検側の盗聴を糾弾、伊藤鉄夫検事の文書による釈明・謝罪を要求し、公開質問状を出す方針であることを明らかにした。検察庁が全証拠を開示すること、さもなくば起訴、検事論告のすべてを取り消すことを要求しようと訴えた。さらに、11・7全国労働者集会に全国連が全国結集し、労働者とともに小泉政権を打倒し、戦争と差別の世の中を変えようと呼びかけた。
阪口克己東大阪市議の力強いカンパ・アピールに続いて、茨城県連、同住連(同和住宅家賃値上げ反対全国連絡協議会)、福岡、学生解放研、青年が報告と決意表明を行った。
兵庫で同住連の運動を基に新たに芦原支部を結成したことが報告された。全国の青年たちは、デモ用のプラカードを持って壇上にずらりと並んだ。各支部や解放研が狭山現地の青年に石川さんへの檄布(げきふ)を託した。そして、青年たちが作った「差別裁判うちくだこう」の替え歌を全員で歌った。青年の新たな息吹と躍動の中に狭山闘争勝利の展望が示された。
村上久義副委員長がデモ方針と翌日の対最高裁・最高検要請行動、対国土交通省交渉、11・7労働者集会などの行動方針を提起、団結ガンバローを行った。
デモに決起した全国連と解放共闘は、最高裁前で一斉に最高裁を糾弾、新宿通りを通り、四ツ谷駅近くまで行進した。狭山闘争は重大な決戦局面にある。解同本部派の屈服をのりこえ、狭山差別裁判糾弾闘争を大衆的に爆発させ、最高裁自身による事実調べ、検察庁の全証拠開示をかちとり、再審への道を開こう。
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週刊『前進』(2174号4面3)(2004/11/15)
11・21北富士現地闘争へ サマワ模擬施設派兵訓練阻止を
忍草国有入会地守る会と北富士忍草母の会による「北富士でのイラク派兵訓練と、米海兵隊の北富士移転に反対する11・21北富士現地集会の呼びかけ」が発せられました。(本紙2172号に招請状)
今年3月下旬、自衛隊は地元民には何の相談もなく忍草農民の入会地である北富士演習場梨ケ原に、イラクのサマワ宿営地模擬施設を建設し、そこで派兵予定の自衛隊を訓練して、順次イラクに送るという計画を発表しました。忍草農民の入会地を勝手に16fも囲い込み、イラク人民虐殺の訓練を繰り返すことをどうして許せるでしょうか。
入会地守る会と母の会は、4月9日、計画の即時撤回を防衛庁に求めるよう要請する申し入れを県知事に行いました。派遣部隊の第1回目の訓練を前にして5月30日には現地集会を打ち抜き、第2回訓練に際しては8月30日に県へ申し入れ、8月31日には現地抗議行動を闘いました。不屈に闘いぬく北富士農民と連帯し、サマワ模擬施設撤去・北富士演習場撤去を闘うことが強く求められています。
連日展開されているイラク人民の命がけの抵抗闘争は、米軍をベトナム戦争以上の泥沼に追いつめています。戦争の大義であったはずの大量破壊兵器の存在はウソであったことが明らかになり、スペイン軍の撤退に続き、オランダ軍やポーランド軍が撤退を表明しています。
ところが小泉政権は、12月14日に期限が切れる自衛隊派兵計画の延長を表明し、米軍とともにイラク侵略戦争の主力として登場しようとしています。「テロには屈しない」と言って香田証生さんを見殺しにして平然としています。そして11月下旬にも北富士での3回目のイラク派兵訓練を強行しようとしています。
また米帝ブッシュ政権はイラク戦争の継続と世界支配をかけて世界規模の米軍再編成(トランスフォーメーション)に打って出ています。北朝鮮侵略戦争と中国の転覆を主軸とするこの計画は日米同盟の飛躍的強化、つまり沖縄と全土の基地強化と臨戦態勢構築の攻撃です。小泉政権はこれに積極的に協力し、米帝との協議に入っています。
この中で、沖縄の負担軽減というペテンを使って、沖縄海兵隊の富士への移転計画が浮上しています。かつて朝鮮戦争の時には忍草農民の入会地を強奪し、演習場の中に「朝鮮部落」という名の訓練場を設置し、侵略訓練を繰り返して出兵していきました。闘う沖縄人民と連帯し、この策動を粉砕していかなければなりません。
アメリカではブッシュの戦争と民営化の攻撃に対して戦闘的労働者人民の決起が開始され、10・17MWM(百万人労働者行進)運動として大高揚しています。
小泉政権は教育基本法と憲法の改悪、賃下げ、首切り、リストラ、社会保障制度解体など、労働者人民への全面的攻撃を激化させています。これと対決する労働者人民の闘いが求められています。韓国の民主労総の闘い、アメリカのMWM運動と連帯する11・7全国労働者総決起集会の成功をかちとり、11・21北富士現地闘争に結集しよう。
(全学連北富士現地闘争本部)
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週刊『前進』(2174号4面4)(2004/11/15)
書評 『中国農村崩壊 農民が田を捨てるとき』 李昌平著(NHK出版2200円+税)
9億農民の惨状告発 党幹部の腐敗の実態
『中国農村崩壊−農民が田を捨てるとき』――タイトルが衝撃的だ。人口13億を擁する中国。うち9億人を占める農民が田を捨てる。農業で食えないとは! 本書は農村・農民の想像以上の惨状を地方の党書記が内部から告発したものだ。
著者の李昌平氏は1963年、湖北省荊州市監利県周河郷の洪湖畔の小さな漁村に生まれた。大学卒業後83年から00年まで、故郷の農村で郷の党書記や県の農村工作部副部長などを歴任した(郷、県とも行政区)。上司の泥をかぶって罷免されるが、99年12月監利県棋盤郷(人口4万人)の党書記に就任した。現在は『中国改革』『改革内参』記者および編集者。
李氏は、2000年3月、崩壊寸前の農村の現状と農民の窮状をを訴えるべく、当時の朱鎔基首相に直訴の手紙を出した。中国政府はこれを取り上げ秘密裏に調査班を派遣、農村の実態を調査した。その後9月、党書記を辞任するまでの記録が本書である。
◇
李氏は朱鎔基への手紙の中で「負担金は『泰山』の如く、負債は『エベレスト』の如く、幹部は『イナゴ』の如く」、農民は借金をしなければ生きていけない状態であり、その原因が過重な負担金にあるとしてその軽減を強く訴えた。
田地の請負負担金は畝(1畝は6・57e)あたり200元で、そのほかに農民は田地を耕すと否とにかかわらず、人頭税(80歳の老人も生まれたばかりの赤ん坊も!)、住宅税などなどを負担しなければならない。人頭税は一人あたり100〜400元くらい。一人の人間と一畝の田地に対し350元くらいを要する。一家5人で8畝を耕すと1年の経済負担金は2500〜3000元(洪水防止や災害復旧、水利などの労働負担金は含まず)。農民は田地を耕して一畝あたり穀物1000斤(1斤は500c)を得ても(1斤を0・4元として)ようやく元が取れるくらいで、80%の農民は損をする。この農民への過重負担金は「耕作者不在↓農地負担金現象↓人頭税負担金増加↓棄農出稼ぎ・長期不在↓負担金徴収不能↓高利貸し運用・やくざによる強制徴収・手数料支払い↓民衆の負担金増加」という悪循環になっていると警告した。
中央政府から派遣された調査班の一人は農民にとって農地は一家伝来の宝物であると思っていたが、農民たちが「土地を要らない。一生要らない」と訴える姿を目の当たりにして想像以上の惨状に衝撃を受ける。「調査報告書」は04年4月中央に提出された。
◇
農村は中国共産党、宗族、黒社会(組織暴力団)の3勢力が統治していると言われている。本書でも、農民に寄生して生きる地方幹部の姿、しかもその幹部が高利貸しの大半を占め農民に借金を強制している姿が暴露されている。「農民の負担金を減らすということは幹部の利益と特権を減らすことである。それゆえ、農民の負担金が高いとわかっていても、誰も政策を執行して農民の負担金を減らそうとはしなかった」。李氏も「大多数の幹部が改革に抵抗」する事態に直面、「今回の改革は改革に手をつけた者が万策尽きて幕になる運命」となり、本人も党書記を辞任することになる。
中国革命の担い手であった農民が極限的状態に置かれている。党書記に就任直後の李昌平氏にかつての同級生たちは訴えた。「謀反を起こすものがいれば、俺(おれ)は諸手を上げて参加するね。投獄も首切りも、屁(へ)でもないさ。俺が失うのは貧困と鎖と卑賤(ひせん)だけ。俺がのどから手が出るほど欲しいのは、平凡な暮らしと自由と尊厳なんだ!」と。
中国の労働者・農民はスターリン主義打倒の第2革命に向かう以外に生きられない。労働者・農民の闘いは「反腐敗」として中国スターリン主義体制そのものへと確実に向かっている。
(河北恵一)
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週刊『前進』(2174号4面5)(2004/11/15)
10月26日〜11月2日
サマワの陸自施設また着弾
イラクで日本人人質が殺害
●イラクで日本人人質 アルカイダに関係があるとされるイラクの武装グループが、福岡県出身の香田証生さんを拉致した映像をウェブサイトに流し、48時間以内に自衛隊を撤退させなければ人質の男性を殺害すると警告した。小泉首相は「自衛隊は撤退しない」と表明した。バグダッド市内で31日未明、首を切断され、星条旗に巻かれた香田さんの遺体が見つかった。(26日)
●武器輸出3原則見直しを「支持」 米国防総省のオベリング・ミサイル防衛局長(空軍中将)は、日米ミサイル防衛(MD)協力に伴う日本の武器輸出3原則見直しについて「強く支持する。(日米が)開発に投資した成果を完全に活用できるからだ」と述べた。(26日)
●「人質の救出に自衛隊活用を」 自民党の亀井静香元政調会長は、小泉首相を官邸に訪ね、イラクでの日本人人質事件について「イラク政府が救出できないなら、サマワに駐留する自衛隊が捜索、救助活動をするべきだ」と求めた。(28日)
●事故同型ヘリ岩国へ 沖国大に墜落したCH53D型ヘリの同型機3機が米軍普天間飛行場から山口県の岩国基地へ飛び立った。飛行中止を求めてきた宜野湾市の伊波市長は「二度と普天間に戻ってくるなと言いたい」と米軍を批判した。(28日)
●辺野古「年内に掘削」方針 那覇防衛施設局の西局長は、米軍普天間飛行場代替施設建設に伴う名護市辺野古のボーリング地質調査について、磁気探査など準備作業を終え次第、機材を設置して年内に海底掘削作業に入る考えを示した。(28日)
●イラク民間人の死者「10万人」 昨年3月の米英軍のイラク侵攻以来、イラクの一般市民の死者は推計10万人以上とする米公衆衛生学者グループの論文が英国の有力医学誌ランセットの電子版で発表された。これまで米英の非政府組織(NGO)「イラク・ボディーカウント」などが報道を基に約1万6千人と推計していた。(29日)
●「教員は命令に従う責務」 28日の園遊会で、米長邦雄東京都教育委員に対して天皇が「(日の丸・君が代は)強制でないことが望ましい」と発言したことに関連して、中山文科相が都教委の処分について「校長や先生は関係法令や職務上の命令に従う責務を負っている。思想や良心の自由が(不起立という)外的行為となって表れる場合は一定の合理的範囲内で制約を受ける」と指摘。(29日)
●稲嶺知事、下地島使用に反対 沖縄県の稲嶺知事は定例記者会見で、町村外相が普天間飛行場の一時移転先として、宮古・下地島空港を暫定使用する可能性の検討を言及したことには「(県が求める)基地負担の軽減から認めることはできない」と述べ、下地島の暫定使用に反対する考えを言明した。(29日)
●サマワ宿営地に再び着弾 イラク南部サマワの陸上自衛隊の宿営地内にロケット弾1発が着弾した後、跳ね上がって荷物保管用のコンテナを貫通した。砲撃により宿営地内の施設が被弾したのは初めて。(31日)
●核燃サイクル維持 国の原子力政策の基本を定めた原子力開発利用長期計画の改定作業をしている原子力委員会の策定会議は、使用済み核燃料を再処理する核燃料サイクル政策を維持する方針を決めた。青森県六ケ所村に建設中の再処理工場は、06年にも操業が始まる見通しになった。(1日)
●小泉、「サマワは依然非戦闘地域」 サマワの陸上自衛隊宿営地でロケット弾が着弾し、施設の一部に初めて被害が出たことについて、小泉首相が「今回の事案により、直ちにサマワ周辺が非戦闘地域の要件を満たさなくなったとは考えていない」と、自衛隊が撤退する必要はないとの考えを述べた。(2日)
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週刊『前進』(2174号5面1)(2004/11/15)
労働者の団結で小泉政権打倒を
奥田ら大資本の利益のために戦争と改憲と民営化の大反動
小泉政権による戦争と大失業の攻撃は、ますます激化している。これを背後で支えているのが、奥田を会長とする日本経団連だ。小泉政権の恐るべき傲慢(ごうまん)さと凶暴性は、まさにこの政権が日帝の大資本の利害をむきだしに貫くものであることを示している。小泉や奥田による労働者階級へのほしいままな攻撃を、もはやこれ以上許しておくことは断じてできない。「全労働者の団結で、小泉反動内閣を打倒しよう!」。11・7集会でのこの宣言を今こそ実行に移すために、猛然と総決起していこう。
第1章 イラク派兵を延長 世界戦争へ日米同盟強化
小泉政権と日本経団連・奥田は今日、イラクへの自衛隊派兵に始まる外へ向かっての侵略戦争と、国内の労働者階級に対する一大資本攻勢=階級戦争を全力で推し進めている。この侵略戦争と階級戦争は、二つにして一つの攻撃だ。9月末に発足した第2次小泉改造内閣は、この攻撃を徹底的に貫こうとするきわめて反人民的な政権だ。
第一に、米帝のイラク侵略戦争が破綻(はたん)し泥沼に陥っている中で、米帝を支えて侵略戦争の一層の激化・拡大にあくまで突き進もうとしていることである。
小泉首相は、「大量破壊兵器の脅威」がまったくのデマであった事実が判明した今も、イラクに戦争をしかけたのは「正しかった」と平然と居直り続けている。そして帝国主義軍隊の暴虐きわまりない軍事占領に対するイラク人民の武装抵抗闘争に敵対し、何があろうと自衛隊は撤退させないと声明した。本年12月14日に期限が切れる派兵期間をさらに1年間延長し、陸自を1千人に増派しようとしている。来年3月に撤退を表明しているオランダ軍に代わって、自衛隊が米英軍と完全に一体となり、占領の前面に登場しようとしているのだ。
2期目の米ブッシュ政権は、イラク人民を始めとする全中東・アラブ人民、ムスリム人民の激しい怒りと憎しみに包囲されながら、イラク人民大虐殺の戦争に一層深々とのめり込もうとしている。この戦争は米英日帝国主義による中東石油資源の略奪のための戦争、徹頭徹尾不正義の侵略戦争だ。だがそのことが明らかになればなるほど米帝は、独仏・EU帝国主義との石油争奪戦に勝ちぬくためにも、この侵略戦争をどこまでも激化・拡大していく以外ない。さらには中東全域の米軍による軍事支配へ、北朝鮮・中国侵略戦争を始めとする新たな世界戦争へと際限なく突き進んでいくものだ。
日帝・小泉政権は今や、この米ブッシュの戦争政策を他の誰よりも率先して支持し、呼応して、ともに侵略戦争を推進する側に回っている。それはもはや「アメリカに追随している」などという次元のものではまったくない。日本自身が帝国主義として、世界市場の再分割のために、米帝の行う侵略戦争、強盗戦争に積極的に参入してその分け前を得ようとするものになっている。
沖縄に一層の基地負担を強要
第二に、この中で日米安保を「世界安保」へと拡大し、それをテコに日帝自身の侵略帝国主義への大転換を強行しようとしていることである。日米安保条約の適用範囲を中東・北アフリカまで広げ、自衛隊が米軍と一体となって戦争に実際に突入する中で、その既成事実をもとに憲法9条を公然と撤廃する改憲へと突き進もうとしている。沖縄はその侵略最前線拠点、半永久的な「基地の島」としてますます強化されるのだ。
この間のブッシュと小泉との互いに「親密な関係」は、世界大恐慌過程への突入と帝国主義間争闘戦の非和解的激化の中で、日本が米英とともに独仏・EUに対抗する「日米英枢軸」とも言うべき新たな帝国主義軍事同盟の形成へと動き出したことを示している。かつての日帝は1929年の世界大恐慌に際し、中国侵略戦争への突入と日独伊3国の軍事ブロックの形成によって生き延びようとし、結局は第2次大戦へと突き進んだ。それと同じような歴史的事態が、今日の帝国主義の危機の中でついに進行し始めたということだ。
このことを示すものが、小泉が好んで口にする「世界の中の日米同盟」というキーワードだ。小泉は、米帝ブッシュがその世界戦争計画のために推進する米軍の世界的再編(トランスフォーメーション)を、日本の安保・防衛政策を転換する契機として位置づけている。
「国際の安全なしに日本の安全なし」として、海外派兵を国防と並ぶ自衛隊の主任務に引き上げ、「専守防衛」の枠を突破して集団的自衛権行使に公然と踏み出すことを狙っている。
そのために、日米安保を全世界的なスケールでの日米軍事同盟へと押し上げ、沖縄を始めとする基地を再編強化しようとしている。その一切の犠牲をとりわけ沖縄人民に、これまで以上に集中的に押しつけようとしているのだ。
第2章 郵政民営化へ突進 労働組合と社会保障を解体
こうした侵略と戦争への突進と一体のものとして小泉政権が繰り広げているのが、労働者階級人民に対するかつてない全面的な攻撃だ。それは日本の労働者階級が過去半世紀にわたって獲得してきたあらゆる権利を奪い取り、資本のむきだしの弱肉強食の論理のもとに全社会を組み敷いていこうとするものだ。
小泉と奥田が「骨太方針W」として打ち出している攻撃はそうした、これまでの国家と社会のあり方を根本から変えてしまうような、実に激しい攻撃だ。
日帝経済はこの間、政府による巨額の国家財政を投じた恐慌対策と、労働者階級に対するリストラ・賃下げの一大資本攻勢の展開のもとで、恐慌の全面爆発をかろうじて回避してきた。この中で日帝の大独占企業は、トヨタに象徴されるように、人件費の極限的な圧縮=労働者への徹底した搾取と中小・下請けへの矛盾押しつけによって、本年3月には過去最高と言われる利益をはじき出している。
だが奥田や小泉は、激化する帝国主義間争闘戦(それはすでに世界市場の限られたパイをめぐる帝国主義同士の激しい奪い合い、つぶし合いに入っている)に勝ちぬくためにはそれでも不十分として、一層大規模な資本攻勢を国家ぐるみで展開しようとしている。それが郵政民営化を頂点とする大民営化攻撃だ。
この民営化とは、戦後の日帝の発展を支えてきた国家独占資本主義的な諸政策がどうにもならない行きづまりに直面する中で、それを支えてきた公的部門や官業的事業を、日帝の金融資本・大独占資本の直接の利害に沿って全面的に解体・再編しようとするものだ。そしてそれがもたらす一切の矛盾を、社会保障制度の全面解体に示されるように、すべて労働者階級人民にしわ寄せしてのりきろうとする攻撃だ。
これは実際には、日帝にとっても大変な危機と矛盾に満ちたものであり、政策としての合理性などどこにもない。だがしかし小泉政権は、戦後の諸制度、何よりもその根底にある戦後の階級的諸関係を全面的に破壊し覆すために、一切をこの民営化攻撃の成否にかけている。とりわけこの過程で戦後の労働組合と労働運動を最終的に解体し圧殺した上に、戦争への国家総動員体制を作りあげようとしてきている。
小泉政権はすでに、その突破口として、07年4月からの郵政事業4分割・民営化の基本方針を決定した。第2次小泉改造内閣をそのための「突撃内閣」と位置づけ、来年の通常国会に関連法案を提出するとしている。10月の臨時国会で小泉は、「現在、郵政公社には40万人の職員が働いているが、郵政事業は公務員でなければできないのか」と強調した。
このことに明らかなように、小泉の狙いは40万人(非常勤を含む。正規職は28万人)の労働者の大リストラにある。民営化と同時に公務員の身分を剥奪(はくだつ)し、〈いったん全員解雇・選別再雇用>による大量首切りを行おうとしているのだ。そして国鉄分割・民営化で強行したように、この過程で組合の活動家を全員パージして、全逓労働運動を徹底的にたたきつぶそうと狙っている。
この郵政民営化は同時に、国と自治体の事業の全面的な民間委託・民営化、公務員制度改革、教育労働者へのさらなる全面的な攻撃の突破口をも開くものである。それだけではない。資本に無制限の搾取の自由を与えることにより、民間を含めた労働者階級全体を一層の無権利状態にたたき込んでいくものだ。全労働者の9割を不安定雇用化するという95年日経連報告の路線は、これによって初めて全面的に貫かれる。これまでをはるかに上回る大失業と賃金の飢餓的水準への切り下げ、労働強化の地獄が襲いかかるのは明白だ。
さらに重大なことは、社会保障制度の全面解体の攻撃や大増税への攻撃が、民営化と一体となってしかけられていることである。
地方切り捨ての「三位一体改革」
「骨太方針W」は「官から民へ」と並んで「国から地方へ」を掲げ、小泉政権が02年以来打ち出してきた「三位一体改革」という名の地方自治体再編攻撃を推進しようとしている。「三位一体改革」とは、@国が地方自治体に交付する国庫補助金・負担金を大幅に削減し、A地方交付税をも減額するのと引き換えに、B国から地方への税源移譲を行うというものだ。06年度までに総額3兆円の補助金削減を行うとし、全国知事会など地方6団体と中央省庁の間で何をどう削るかをめぐる争いに入っている。
「まず削減ありき」のこの改革は、実際には地方自治体の福祉予算や教育予算を大幅に削減し、社会保障の切り捨てと解体を財政面からも強力に推し進めるものだ。国庫補助金の7割は医療・福祉・介護や義務教育などの経費に充てられてきた。それらをばっさりと削る中で、貧しい自治体を財政破綻に追い込み、市町村合併を大々的に推進し、結局は中央権力の統制下に自治体を、住民への福祉ではなく収奪のための機関、戦争動員の機関へと変えていくものだ。
はっきりしたことは、小泉や奥田はもはや労働者階級の老後の生活や福祉には一切金を出さないと決めたということである。資本が必要なのは従順な労働力だけであり、それ以外は死ね、ということだ。
第3章 行き着く先は地獄 帝国主義打倒こそ課題に
だがこの「骨太方針」に示される小泉構造改革は、日帝が今日陥っている危機を根本的に打開することはけっしてできない。銀行の巨額の不良債権問題も、国と地方を合わせた長期債務残高が750兆円を超える(04年度末見込み)という天文学的な財政危機も、解決どころかますます矛盾が深まっていくだけだ。
しかし、そうであればあるほど小泉は、〈外への侵略戦争と内への階級戦争>の一体的推進にますます全体重をかけていく。これまでのような国家と社会のあり方を一変させ、政治・経済・軍事・外交や国内政策のすべてにわたって、暴力的な解体と再編を行う方向に激しくのめり込んでいく以外ない。これが小泉=奥田路線の本質だ。
改憲攻撃の激化は、日帝の行き着く先が結局は、朝鮮・中国・アジアへの再侵略と新たな世界戦争への絶望的突進以外にないことを示すものである。教育基本法の改悪はその突破口だ。そこでは「個人の尊厳」や「民主主義」や「基本的人権」に代わって、いったんは歴史のくずかごに投げ込まれたはずの、「天皇制国家日本のために死ぬ」ことを最高の美徳とする価値観が再び全人民に強制されてくることになるのだ。
都の教育労働者に対する「日の丸・君が代」の強制と処分の攻撃は、そのことを鋭く突きつけた。起きていることは、戦後憲法体制に対する一種のクーデターにも等しい攻撃だ。日帝はファシスト都知事・石原とそのもとでの都教委の突出を反革命突撃隊として、この攻撃を次は全国に拡大することを狙っている。
また、共謀罪の導入など治安弾圧体制の大エスカレーションが次々と策動されている。
このような小泉や奥田の攻撃に対して労働者階級がとるべき道はただひとつ、資本家階級による支配を覆し、社会の真の主人公である労働者階級こそがこの国の権力を握ることだ。そして全世界の労働者階級、被抑圧民族人民と連帯し、戦争なしに生き延びられなくなった帝国主義を世界的規模で打ち倒すことだ。
すでにアメリカの闘う労働者は、「ブッシュ打倒、ケリーもノー」と叫んでアメリカ社会を根底から変革する闘いに立ち上がった。日本の11・7労働者集会は、教労・全逓・自治体・国鉄の4大産別を先頭に、連合や全労連を下から突き破り、のりこえる、労働運動の闘う新潮流の大きな成長を刻印した。この道を断固として進み、団結を固めて小泉政権打倒への総進撃を開始しよう。闘いの発展に恐怖する権力の治安弾圧を全人民の力で粉砕し、04年から05年へ、さらに巨大な前進を切り開こう。
〔坂本千秋〕
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週刊『前進』(2174号5面2)(2004/11/15)
“福嶋さん取り戻すぞ” 十万人保釈署名運動が集会
十万人保釈署名運動の主催する「未決勾留12年の福嶋さんをとりもどそう!破れ獄壁!迎賓館・横田裁判勝利!今すぐ保釈を10・30集会」が、渋谷勤労福祉会館で行われた。
この集会は10月9日に行われる予定だったが、台風のため延期となり、10月30日に仕切り直して開催された。会場は90人近い参加者で身動きがとれないほどとなり、熱気で包まれた。
初めに主催者を代表して西山勲さんが「未決勾留12年は法治国家にあるまじき異常事態。ブッシュと小泉に対して世界の良識が不満と不安でいっぱいになっている状況下だからこそ後悔しない闘いに立つ」と、なんとしてもこの秋、福嶋昌男さんの保釈をかちとろうと呼びかけた。
福嶋裁判を担当する荒木昭彦弁護人が、「福嶋さんの保釈をめぐる攻防は大変緊迫している。弁護側立証では、唯一の物証とされたメモ類の筆跡が福嶋さんのものではないことを明らかにする鑑定書を提出し、これが、保釈は弁護側立証が終わるまで認めないとしてきた服部悟裁判長(東京地裁刑事第3部)を決定的に追いつめた。そして、ついに服部裁判長は11月16日に保釈許可を出すと言わざるをえませんでした。しかし検察官は直ちに抗告するでしょう。闘いは今や検事の抗告を跳ね返し、高裁での保釈許可をもぎとることに絞られました。弁護団は全力を尽くします。運動の力が裁判所を動かします。よろしくお願いします」と報告した。会場は大きな拍手と歓声でわきかえった。
筆跡鑑定人の書家・石川九楊氏への尋問が終了する11月15日の公判とその後の数日間に、福嶋さん保釈実現がかかっていること、ここに全力を注ぐことが集会参加者全員の決意として打ち固められた。
3月に1審無罪判決をかちとった須賀武敏さん、十亀弘史さん、板垣宏さんの裁判を担当している内山茂樹弁護人は、これまでの裁判闘争を振り返りつつ、控訴審での必勝を訴えた。
講演に立った足立昌勝関東学院大教授は、違憲の爆取で人を裁くことはできないと明言した上で、共謀共同正犯論の批判を行った。それは個人の具体的な行為を特定して裁く近代刑法の原則を破壊し、捜査当局・検察による立証責任を著しく低下させるものだと指摘。実際に、須賀さんたちがいつどこでどのように誰と共謀したかがまったく立証されないままで公判が維持されていることの違憲・違法性を突き出した。
須賀さん、十亀さん、板垣さんが大きな拍手を受けて登壇し、3人を代表して板垣さんが「私たちが保釈されたときに味わったあの喜びを福嶋さんにも味わってほしい。絶対に勝利したい」と決意を述べた。
大阪から参加された精神科医の木村政紘医師による特別報告は、福嶋さんの保釈がこれ以上1日も遅れてはならないことを鮮明にした。木村医師は、福嶋さんが獄中で書いた病状報告を詳細に分析した上で、「福嶋さんにとっては24時間続く無期限の耐え難い苦痛としてあることを、自分に引きつけて想像してほしい。獄中からの報告も、それに耐えながら書いている。これは毎日の拷問です。保釈決定は一度で決めさせなければなりません」と、医師として人間としての怒りに満ちた発言をした。
集会では連帯のアピールとして、救援連絡センターの山中幸男さん、破防法・組対法に反対する共同行動の代表、星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議の星野暁子さんが発言した。共同行動の代表は、共謀罪阻止の国会前ハンストが台風直下で闘われたことを報告した。またヨッシーとジュゴンの家が登場し、反戦歌の演奏と沖縄での闘いの報告を行った。
集会の最後に福嶋さんの弟である福嶋明宏さんが、「次の集会には兄貴がここに来るように頑張りましょう」と訴え締めくくった。
11・15公判闘争に決起しよう。連続闘争で裁判所を追いつめ、この秋、必ずや福嶋さんを取り戻そう。
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週刊『前進』(2174号5面3)(2004/11/15)
韓日FTA阻止!
11月1〜3日、東京外務省で開かれた日韓FTA(自由貿易協定)第6回政府間交渉に対し韓国から民主労総を軸に「韓日FTA阻止!韓国民衆遠征闘争団」95人が来日、「労働者民衆の生活をがけっぷちに追いやるFTA交渉を今すぐやめろ」と外務省や日本経団連、国会などで抗議行動を繰り広げた。2日夕に日韓連帯集会が宮下公園で開かれ。渋谷を600人がデモ行進(写真)。
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週刊『前進』(2174号5面4)(2004/11/15)
公判日程
☆迎賓館・横田裁判
福嶋昌男同志裁判
11月15日(月)午後1時15分
12月1日(水)午後1時15分
*東京地方裁判所
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週刊『前進』(2174号6面1)(2004/11/15)
11・7 日米韓ランク&ファイルが固い絆 教育労働者先頭に05年総決起へ
アメリカから (つづき)
団結強いみなさんILWUそっくり ILWUローカル19執行委員 マイケル・ホードさん
私は10月16日と17日、ワシントンDCで日本から来た仲間たちに会いました。彼らから、日本で集会が行われると聞き、私はその運動に参加するために日本に行くつもりだと言いました。なぜならあなたたちはILWUとそっくりであり、数は少ないけれども強い団結力を持っているからです。私は、あなたたちの闘いは私の闘いでもあるということを分かってもらい、私の連帯の気持ちを示すために、みなさんとともに今ここにいるわけです。私は来年の集会に参加するために日本にまた来るし他の国々にも行くつもりです。なぜなら世界中の人びとが一つの声としてまとまることが必要だと確信しているからです。すべてのみなさんに愛を込めて。来年を楽しみにしています。 そして、あなたたちの何人かがアメリカの来年10月のMWMに参加することを心から期待しています。
働く人びとが自ら行動起こすべき時 ILWUローカル34/MWM事務局長 キース・シャンクリンさん
10月17日のMWMで私たちは次のように宣言しました。「時は来た。今こそ、働く人びとがその自らの目的のために行動を起こすべき時だ。特権を持つ少数者の権力に屈従するのはもうやめよう。少数者による米国政治意思の独占をやめさせよう。ともに進んで、労働者階級のための社会的、経済的、そして政治的運動を作り上げよう」
健康保険、住宅、まともな学校施設を要求し、大多数の労働者の生活水準破壊と対決し、アメリカを根本的に変えようとするこのランク&ファイル運動は、しかし開始後すぐに、AFL−CIOの指導部と対決する必要に迫られました。
MWMは、大統領選挙の2政党・2候補の公約や政策について、実はその両方が企業や銀行の利害を代表しているということ、内外の労働者に対する階級戦争政策であることを明らかにしました。
MWMは、労働者階級は自らの名において自らの利益を追求しなければならない、と宣言しました。MWMは、人びとが働き、職を探し、生活のために闘っているすべての地域とすべての労組でこの宣言を実行に移します。
MWMに注ぎ込まれたこの力、この見通しこそが、これからのあらゆる困難に打ち勝ち、アメリカ産業労働組合を生み出したかつてのあの偉大な組織力をよみがえらせ、公民権を奪われた人びとに政治的声を与えた、あの歴史的な公民権運動を復権させる最大の原動力となることでしょう。
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週刊『前進』(2174号6面2)(2004/11/15)
開会あいさつ
全国金属機械労働組合港合同 辻岡尚執行委員
本日の集会は小泉政権と日本経団連を始めとする財界の全労働者に対する攻撃、そしてイラク侵略戦争に反対する国際反戦闘争と連帯する国際連帯集会としてかちとられています。
11月全国労働者総決起集会は、今回で7回目を数えます。90年代後半からの激動の時代をともに闘いぬいてきました。
そもそも3労組の呼びかけは互いに産別や歴史は違うけれども、この激動の時代にともに闘う戦闘的な労働組合として、そして拠点的な影響力を発揮するお互いの労働組合として、力を合わせ、反動に抗して闘おうというものでした。
今日、小泉政権は自衛隊の12月増派をすでに決定し、そして改憲策動をますます強めています。
小泉政権は、教育基本法改悪と、郵政民営化を皮切りに、公務員労働者に対する民営化の攻撃を本格化しようとしています。そして労働法制が全面改悪されようとしています。これらは、団結権に対する攻撃です。官公労の権利を守る闘いは、倒産下における闘いの教訓を踏襲しなければなりません。大失業と戦争に立ち向かう労働者の戦闘的団結のさらなる強化をめざして頑張りましょう。
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週刊『前進』(2174号6面3)(2004/11/15)
閉会あいさつ
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部 武谷新吾執行委員
11月3日に日韓FTA交渉に対する闘いに韓国の民主労総とともに決起した仲間が不当に逮捕されました。日韓の仲間による力強い抗議行動に対して、警察権力が弾圧を加え関生支部の執行委員を不当にも逮捕しました。この弾圧は私たち関生支部を狙い撃ちにした弾圧です。これに対して、反撃を訴えるとともに、私たちは仲間の奪還を最後まで闘う決意です。
本集会で多くの問題提起がされたことを確認したいと思います。一つは再選されたブッシュの戦争政策に世界各国の労働者と連帯して 闘いの陣形を作り上げていくこと、二つには日本を戦争をする国へと変え、教育基本法改悪や憲法改悪をもくろむ小泉政権に対して闘う広範な陣形を作り上げていくこと、三つ目には、国労1047名の解雇撤回を始め、団結権破壊の攻撃に対して、闘う労働運動の陣形を全国の地域、職場から作り上げていく決意を確認したいと思います。
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週刊『前進』(2174号6面4)(2004/11/15)
基調報告
国鉄千葉動力車労働組合 田中康宏委員長
労働者階級の新たな運動と歴史つくろう
はじめに
われわれが訴え続けてきたことはただ一点。団結をとり戻そう、社会の主人公としての労働者の誇りをとり戻そう、労働組合を甦らせようということです。資本の手先になった幹部たちをゴミ箱にたたき込んで、労働運動の現状を変革するために立ち上がろう。新たな運動と歴史をつくろう。
ミリオン・ワーカー・マーチの壮大な挑戦
アメリカでも歴史的な挑戦が始まった。10月17日、ワシントンで闘われたミリオン・ワーカー・マーチです。AFL−CIOの腐敗と官僚化に抗し、ランク・アンド・ファイルが歴史をつくると宣言した。帝国主義の最中心国で始まった分岐は全世界の労働運動に計り知れないインパクトを与える闘いの始まりです。
その闘いは小さなローカルの途方もない挑戦から始まった。MWMを呼びかけたのはILWUローカル10という、1934年の大ゼネスト以来の闘いの伝統を守りぬいてきた1200名のローカルです。MWMは、われわれが日本においてつくりあげようと努力してきた運動そのものです。
ゼネストに立ち上がる韓国・民主労総
韓国の民主労総も、非合法下の困難な条件をつき破って主流派に躍りでた。ソウル地域本部はその牽引(けんいん)車です。非正規職関連法案絶対阻止を掲げ、日韓FTA締結阻止に向け、11月にゼネストに立ち上がります。
今日の集会が、ILWUローカル10、民主労総ソウル地域本部を迎え、固い絆(きずな)で結ばれて開催されることは、日本労働運動の再生に向けた巨大な可能性を示しています。
大民営化―非正規雇用化、労組破壊攻撃を阻止しよう
本集会のいくつかの課題を提起します。
第一の課題は、小泉政権と日本経団連・奥田による大民営化攻撃を打ち破る、全国的なネットワークをつくることです。小泉政権は、骨太方針と称して、07年郵政民営化や公務員制度改革を強行しようとしています。民営化とは労働者にとって猛毒以外の何ものでもない。民営化は非正規雇用化であり、労働組合破壊攻撃です。年金制度も医療制度もつぶし民営化する。国会では、労組法改悪や共謀罪新設をめぐる審議が重大な山場を迎えている。
私たち3組合は、中小零細の労働者を組織して、団結権を根幹にすえて倒産攻撃にたち向かい、幾多の争議を闘ってきました。また国鉄分割・民営化攻撃に首をかけてたち向かい、団結を守りぬきました。
国鉄1047名の解雇撤回闘争も新たな飛躍が問われています。
労働者の団結した力で、貪欲な資本家たちの支配に終わりを告げよう。
イラク侵略戦争反対−自衛隊即時撤兵、教育基本法−憲法改悪阻止に向けた大闘争を準備しよう
第二の課題は、教育基本法―憲法改悪攻撃を阻止するために、不一致点は留保し一致点を拡大して大闘争を準備することです。この秋から05年は正念場です。
イラクで、ついに不幸な事件が起きた。一切の責任は小泉政権にある。直ちに自衛隊をイラクから戻せ!
昨年11月の集会は、3・20イラク開戦1周年の画期的な労働者の統一行動を実現する大きな起爆剤となりました。東京を先頭とした全国の教育労働者の決起が、教育基本法−憲法改悪阻止に向けた具体的な展望を示しています。
新たな安保・沖縄闘争をつくりあげよう
第三の課題は、安保・沖縄闘争です。ブッシュ政権は、トランスフォーメーションで、在日米軍基地を強化し、日米安保同盟を「極東安保」から「世界安保」へ質的にエスカレーションさせる。小泉政権は、沖縄をはじめ日本全土を戦争の出撃基地にする。アメリカや韓国の労働者の闘いと結びつくことで沖縄の米軍基地撤去―新基地建設阻止に向けた新たな展望を手にします。第3次安保・沖縄闘争を実現しよう。
労働者の国際的団結で、大失業と戦争の時代にたち向かおう
もう一点、民営化と戦争に反対する闘いは、ひとつの課題であり、全世界の労働者の共通の課題です。その背後にあるのは、戦争をする以外に体制を維持できなくなった資本主義の危機です。労働者を食わすこともできなくなった支配の崩壊です。小泉や奥田は「東アジア自由貿易圏」に延命の道を求めている。労働運動の内部からそれに呼応する部分が生まれている。資本にからめとられた既成の労働運動を現場から覆し、引導を渡す時です。
労働者の国際的団結で、小泉―ブッシュ―ノムヒョンを打倒しよう。闘い続けよう。組織し続けよう。
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熱気にあふれた集会を実現し全員でインターナショナルを斉唱した
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週刊『前進』(2174号6面5)(2004/11/15)
2004年11・7アピール
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すべての発言者が壇上に並びスクラム固く「インターナショナル」を斉唱。海を隔てた日米韓の労働者が心の底から感動をもって階級的連帯のきずなを確認し合った |
歴史は大きな曲がり角にたち、大失業と戦争の時代が到来している。世界の労働者はいま暴風雨のなかにいる。しかし労働者はその嵐のなかから、世界中で怒りのこぶしをあげ、自らがもつ力を自覚して起ちあがろうとしている。今、何よりも求められているのは、労働運動の現状を変革し、労働組合を甦(よみがえ)らせることだ。
アメリカ大統領選挙とブッシュの再選は世界を真っ二つにした。危機にあえぐ世界の支配者たちは激しく利害を衝突させている。今こそ全世界の労働者が団結して起ちあがるときだ。
この1年余りの間にも、イラクへの自衛隊派兵、有事立法の制定など、事態は次々とエスカレートし、日本は再び「戦争をする国」として世界に凶暴な牙を剥こうとしている。そしてついに教育基本法―憲法の改悪に向けた動きが、05年に向けて具体的な政治日程に上ろうとしている。ブッシュと小泉は、在日米軍基地と日米安保同盟を飛躍的に強化しようとしている。
しかし、「日の丸・君が代」の強制に反対して起ちあがった教育労働者の闘いが全国に大きな波紋を広げ、沖縄では基地即時閉鎖―新基地建設中止を求める新たな闘いが燃え上がり、第三次安保・沖縄闘争が本格的に始まろうとしている。われわれは要求する。教育基本法−憲法改悪攻撃をやめろ。自衛隊を直ちにイラクから戻せ。沖縄をはじめとした全ての軍事基地を直ちに撤去しろ。
小泉政権は「骨太方針2004」によって、新たな大民営化攻撃を強行し、社会の隅々にまで弱肉強食の論理を強制しようとしている。「9割の労働者を非正規雇用化する」という奥田ビジョンを貫徹しようというのだ。またこれは徹底した労働組合破壊攻撃に他ならない。郵政民営化、公務員制度改革は、国から地方の末端に至るまで、行政機構、権力機構のなかに労働組合の存在など許さないという攻撃だ。非正規雇用労働者、倒産・解雇が激増し、年収150万円以下の世帯が1割をこえている。さらに社会保障制度の解体攻撃が激しく進められている。
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アクション豊かに数寄屋橋をデモするアメリカILWUの労働者。沿道の市民が圧倒的に注目 |
攻撃の矛先は団結権の破壊・抹殺に向けられ、ついに労働組合法に手がかけられようとしている。相次ぐ刑事弾圧や民事仮処分、損害賠償請求など、団結権・争議権の行使そのものを犯罪視する攻撃がエスカレートし、共謀罪の新設や強制執行妨害罪の改悪など、新たな治安弾圧立法が制定されようとしている。
国鉄1047名の解雇撤回闘争も、闘争に終止符を打とうとする国労本部と、鉄建公団訴訟のもとに1047名の団結を実現しようとする争議団・闘争団が激しく衝突して正念場を迎えている。
しかしわれわれは負けない。怒りの声は満ちている。われわれはあらゆる地域・産別で労働者の団結を組織して起ちあがる。
世界の労働者は今、団結し、連帯して新しい時代を見いだす力をとり戻そうとしている。全世界に戦争と貧困・大失業を強制する、グローバル化という名の帝国主義の支配に抗し、労働者・民衆の闘いの炎が燃え上がっている。アメリカでは、AFL−CIOの制動をくい破って、独立した労働者の運動と歴史をつくりあげる壮大な挑戦―ミリオン・ワーカー・マーチが開始された。韓国・民主労総の仲間たちは、非正規職関連法案や日韓FTAの締結を阻止するために、激しい弾圧に抗して今まさにゼネストに起ちあがろうとしている。われわれの闘いはこれらのすばらしい闘いと結びついたのだ。
日本でも、激しい左右の分岐のなかから、これまでの枠組みを打破する闘う労働運動の新たな胎動が確実に始まっている。本日、われわれは日・米・韓労働者の固い連帯の絆を誓った。今日は、日本におけるミリオン・ワーカー・ムーブメントの出発点だ。民主労総の同志たちが、激しい弾圧や困難をのりこえて今日の闘いを築きあげたように、04年11月7日を日本における労働運動の新たな出発点にしなければならない。一点の火花は燎原(りょうげん)を焼き尽くすのだ。
闘う労働者の思いはひとつだ。労働者の団結した闘いこそが生活と権利を守り、戦争を止める力だ。差別と貧困のない社会をつくりあげるために大同団結しよう。分断と個別撃破を許さず、あらゆる壁をのりこえて闘う統一戦線をつくりだそう。日・米・韓労働者の国境を越えた連帯と共同闘争を発展させ、闘う労働組合の全国ネットワークをつくりあげよう。本集会を出発点に、05春闘に向けて直ちに新たな闘いに挑戦しよう。
2004年11月7日
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週刊『前進』(2174号6面6)(2004/11/15)
前進社不当捜索弾劾
警視庁公安部は労働者集会の大高揚を恐れ、まったく不当にも集会当日の7日午前、「詐欺罪」デッチあげ(2面)を口実に、東京の前進社本社への家宅捜索を行った。権力の集会破壊の政治弾圧を弾劾する。
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