ZENSHIN 2004/09/27(No2167 p06)

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第2167号の目次


宜野湾市、沖縄国際大学などが呼びかけ市内71団体が実行委を構成。3万人が集まった宜野湾市民大会(9月12日 沖国大)

1面の画像
(1面)
米軍大再編・沖縄基地強化−世界戦争に突き進む ブッシュ・小泉を打倒しよう
米労働組合のMWM(ミリオン・ワーカー・マーチ)と連帯し10−11月労働者大行動を闘おう
郵政民営化・公務員制度改悪粉砕を
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ヘリ墜落糾弾・普天間早期返還 宜野湾市民大会に3万人
「辺野古」再考も決議 沖縄の怒り 大爆発(9月12日)
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(2面)
07年郵政分割・民営化絶対阻止へ
公社・生田と一体で大量首切り進めるJPU中央打倒しよう
11月集会へ全逓労働者の大隊列を 革共同全逓委員会
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(3面)
公務員制度の大改悪を阻止しよう 連合の屈服のりこえ04秋闘へ
大幅な賃金引き下げを狙い能力給導入で団結破壊策す
11月労働者大行動で反撃を
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都労連、秋闘総決起へ 大幅賃上げ要求し2千人(9月14日) 記事を読む  
全逓4・28闘争 関西で勝利報告集会
原告2人招き団結固める(投稿/関西 全逓労働者M)(8月29日)
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『教育労働者の戦争協力拒否宣言』を読んで
教育改革つぶさに検証 画期的な日教組運動史
(投稿) 神奈川・中学校教員 浅井かおる
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(4面)
農地強奪粉砕・3700メートル滑走路阻止
10・10三里塚全国総決起集会へ
成田からの自衛隊派兵阻止 現闘本部裁判支援の全国大運動を 江波敏之
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三里塚闘争の新たな発展へ 10・10全国集会へ総結集を
反対同盟が全国に呼びかけ
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“裁判自体が間違い” 現闘本部裁判 NAA答弁できず(9月9日) 記事を読む  
日誌'04 9月7日〜14日
大量破壊兵器「発見」を断念  自衛隊海外派兵を「本来任務」に
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(5面)
どこまで沖縄を犠牲にするのか
日帝・小泉=稲嶺体制打倒へ 巨大な階級決戦が始まった  革共同沖縄県委員会
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ペテン的「着工」に怒り
辺野古 連日、海上抗議で調査阻む  “海上基地建設を白紙撤回せよ”
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防衛施設庁に抗議  9・9東京(9月9日) 記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
JOC臨界事故から5年
労働者の虐殺を居直り核開発政策進める日帝(河東耕二)
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福嶋同志は無実だ 一日も早く奪還しよう(4)  10万人署名運動
働きかければ大きな反響 3被告無罪を勝利の力に(不当な長期勾留を許すな! 十万人保釈署名運動事務局 内藤雄二)
記事を読む  
公判日程 記事を読む  

週刊『前進』(2167号1面1)(2004/09/27)

米軍大再編・沖縄基地強化−世界戦争に突き進む ブッシュ・小泉を打倒しよう
 米労働組合のMWM(ミリオン・ワーカー・マーチ)と連帯し10−11月労働者大行動を闘おう
 郵政民営化・公務員制度改悪粉砕を


宜野湾市、沖縄国際大学などが呼びかけ市内71団体が実行委を構成。3万人が集まった宜野湾市民大会(9月12日 沖国大)

 9月3日、全日本建設運輸連帯労働組合・関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合・港合同、国鉄千葉動力車労働組合の3組合が「11・7全国労働者総決起集会」の実行委員会を開催し、集会名称、スローガンなどを決定し、全国に呼びかけを発した(前号既報)。今年7回目になる3労組呼びかけの11月労働者集会の号令が発せられた。「たたかう労働組合の全国ネットワークをつくろう!」「大失業と戦争にたち向かう労働者の国際的団結を!」をメインスローガンに据えたこの呼びかけにこたえ、その成功のために全力で立ち上がろう。日本帝国主義・小泉政権と日本経団連・奥田の侵略戦争と資本攻勢に対するすべての労働者の怒りを総結集し、10〜11月労働者大行動へ進撃しよう。普天間基地即時閉鎖・撤去と名護新基地ボーリング調査阻止の闘いと結合して闘いぬこう。

 第1章 改憲への攻撃加速する日米首脳会談

 帝国主義の体制はどん詰まりの危機に陥っている。全世界で侵略戦争と資本攻勢(民営化)の攻撃がいよいよ激化している。
 7月の参議院選挙で惨敗した小泉は、9月10日に郵政民営化の閣議決定を強行し、続いて13日からブラジル訪問を始め、日米首脳会談、国連総会演説など、23日までの長期外遊に出発した。とりわけ21日の日米首脳会談は重要である。これは何よりも11月大統領選挙に向かってのブッシュ応援である。イラク人民の大反撃によってイラク侵略戦争の泥沼化を深め、国内では労働者階級の総反撃を受けている中で、ブッシュにとって日本の後ろ盾が支えになっている。共和党大会での大統領候補受諾演説でブッシュは日本との同盟関係を特筆して強調した。
 パウエル米国務長官は議会証言で「(イラクの大量破壊兵器の)いかなる備蓄も発見されなかった。発見することはないだろう」と語った。なんという恥知らずか。米帝がイラク侵略戦争に突入する「大義」として掲げた唯一最大の根拠がなかったと自ら告白したのだ。そのために何万人のイラク人民が殺されたことだろうか。また自国民が1千人も死んでいるのだ。
 そして、小泉はこの「大量破壊兵器」のウソをブッシュとともに繰り返し強調し、イラク侵略戦争支持、自衛隊のイラク派兵の根拠にしてきたのだ。パウエル証言でそれが完全に崩壊したことを何と言い繕うのか。この一事を見ただけで、今回の日米首脳会談の犯罪性は明らかだ。
 さらに米軍のトランスフォーメーション(米軍の世界的再編)の一環として、在日米軍基地を強化し、アジアのハブ基地にしようとしている。これは、沖縄基地を削減したり基地負担を軽減したりするものではまったくなく、むしろ嘉手納基地と下地島空港を日米(米軍と自衛隊)の共同使用とするなど、日米一体化の動きが報じられている。明らかに、米帝は北朝鮮侵略戦争(さらには中国侵略戦争)を具体的な射程に入れて臨戦態勢をつくろうとしており、日帝もまたこれに積極的・主体的に対応しようとしている。
 こうした中で、米帝の側から日本に対し、「集団的自衛権」が行使できるように改憲を促す発言が相次いで行われた。集団的自衛権とは、日本が直接にはなんら武力攻撃を受けていない時でも、同盟を結んでいる米帝が世界各地で行う侵略戦争に自衛隊が参戦し、米軍と一体となって武力行使できるということだ。
 これに対して日帝は、日米同盟の強化を改憲と戦争国家化を強行していく最大のテコとして、日本の側からも積極的に推し進めようとしている。小泉は今回の訪米中に国連演説を行い、国連安全保障理事会の常任理事国入りの希望を表明する。したがって、それは憲法改悪を国際的に意思表示するものでもある。
 連合・笹森が繰り返し「憲法9条改正」発言を行っていることは、この日米帝の動向に呼応するものであり、絶対に許せない。
 また、有事法制の具体的発動に向かって、政府は9月7日、160の公共機関と民間企業を「指定公共機関」に指定、労働者の戦争動員に向かって一歩を踏み出した。
 小泉の日米同盟強化、改憲への攻撃は、同時に沖縄に対する一層の犠牲の強要と一体のものである。米軍ヘリ墜落事故に対する小泉政権の対応は沖縄人民の大きな怒りを呼んでいる。それは9・12宜野湾市民大会に3万人が集まり、「ヘリ基地撤去・基地閉鎖」を掲げたことに示された。市民大会の参加者は、小泉政権と稲嶺知事が進める「辺野古への移設」に明確に反対した。さらに9月25日(土)午後6時から、基地の県内移設を許さない県民会議(山内徳信代表)主催で「普天間基地の県内移設に反対し県知事に政策転換を求める県民大会」が那覇・県庁前広場で開かれる。全力で成功させよう。
 辺野古での連日のボーリング調査阻止闘争がまさに命がけで闘われ、金武町での都市型ゲリラ訓練施設建設に対する町ぐるみの闘いが展開されている。この熱い闘いを自らのものとして闘いぬこう。

 第2章 戦争と資本攻勢に全世界で闘争激化

 ブッシュの足元では今、アメリカ労働者階級がブッシュ打倒へ総決起しつつある。8月末のニューヨークでの共和党大会に対する50万人の大デモを引き継いで、10・17MWM(ミリオン・ワーカー・マーチ)が呼びかけられている。これは、首都ワシントンDCで労働者100万人の大行進を行おうとするものだ。
 9月1日に行われたAFL―CIO(アメリカ労働総同盟・産別会議)などの集会では、4万人の参加者を前に映画『リーサル・ウエポン』シリーズで有名な俳優ダニー・グローバーが発言し、「労働者は常に闘いをリードしてきた。決定的な局面には労働者がいたのだ。ランク&ファイル(現場)の労働者は、われわれの町のバックボーンだ」と語り、さらに「10月17日に労働者はワシントンで行進しよう」と呼びかけ、大きな拍手を受けた。AFL―CIO執行部がMWM禁止指令を出し、それをめぐってMWM側から激しい批判が行われているただ中で、この発言が行われたことは重要だ。
 また、9・11直後のブッシュの戦争決議案にただ一人反対した国会議員であるバーバラ・リー下院議員がMWMに賛同し、MWMのTシャツでレーバーデー集会に参加した。このように、MWMへの動きは大衆的なうねりを呼んでいる。
 世界最大の郵便労組APWU(33万人)が8月の大会でMWMへの賛同を決議した。ニューヨーク市の市職員などのAFSCME37地区協(12万5千人)も賛同した。国際帝国主義の総本山であるアメリカで、階級的労働運動の新たな潮流が太い一本の流れとなり、歴史的な登場を果たそうとしているのだ。ブッシュ打倒へ、10・17MWMに連帯して闘おう。
 韓国でも民主労総が激化する資本攻勢と不屈に闘い、さらにイラク撤兵、韓日FTA(自由貿易協定)阻止の闘いに全力で立ち上がっている。FTAとは、帝国主義による勢力圏化を推し進め、韓国の労働者や農民に対する搾取と収奪を一層強めるものだ。
 今や、アメリカでも韓国でも、全世界でも、多くの労働者が帝国主義の戦争と資本攻勢(とりわけ民営化攻撃)に反対し、被抑圧民族との連帯を掲げ、新たな階級的団結を求めて続々と立ち上がっている。11月労働者集会は、この国際的うねりに呼応し、日本の地に階級的労働運動の新潮流の旗を確固としてうちたてる集会だ。闘う3労組の発した呼びかけをあらゆる労働組合にもちこみ、青年労働者を先頭に、「日本の労働運動を変えよう」という大運動をつくりだそう。

 第3章 民営化攻撃を破る4大産別決戦へ

 小泉政権は9月10日の郵政民営化の閣議決定をもってついに、全逓労働運動の全面解体、労働者28万人に対する大量首切りの攻撃にうって出た。07年4月の民営化開始時点で、郵政公社を純粋持ち株会社のもとに、@窓口ネットワーク会社A郵便事業会社B郵便貯金会社C郵便保険(簡易保険)会社の四つに分社化する。同時にすべての郵政公社職員から国家公務員の身分を奪い、いったん全員解雇・再雇用による大量首切りを強行し、労組活動家をパージして労働組合を徹底的に破壊し解体するというものである。国鉄分割・民営化やNTTでの大合理化を集大成してさらにエスカレートさせた攻撃だ。絶対に許すことはできない。
 これに対して今やJPU(日本郵政公社労働組合)に名称変更した連合全逓中央は、およそ闘いを組織するどころか、郵政公社・生田総裁との「労使パートナー」宣言のもとで実質的な民営化攻撃を進めている。この連合全逓=JPU中央を怒りを込めて打倒し、民営化絶対阻止へ、全逓労働運動の再生をかけて立ち上がろう。
 全逓4・28反処分裁判の高裁逆転勝利が示したように、労働者が階級的原則を貫いて不屈に闘うならば、どんな攻撃もはね返すことは必ずできる。また動労千葉の闘いが身をもって示しているように、闘って活路を開くという立場に立ち、職場の総団結をつくりだして闘えば、分社化・民営化の攻撃を逆に大破産させることは必ずできるのだ。敵が真に恐れているのは、第2の動労千葉が生み出されることだ。このことに圧倒的な確信をもって闘おう。
 小泉=奥田路線の攻撃との激突は、教労、全逓、自治体、国鉄の4大産別のすべてにわたってますます激しく火を噴いている。教労では、「日の丸・君が代」被処分者の屈服と転向を狙った「再発防止研修」を、都教委を逆包囲する闘いによって次々と破産に追い込んでいる。教育基本法改悪阻止への総決起の呼びかけも発せられた。自治体労働者をめぐっては、自治体への「三位一体改革」と一体となった民営化攻撃、公務員制度改革の攻撃が強まる中で、都労連を先頭に、自治労つぶしを許さず、闘う自治労の再生へ向けた反撃の闘いが始まっている。
 国鉄決戦はさらに重大な情勢に突入した。国労大会での酒田・革同執行部の裏切りとペテンが暴かれる中で、追いつめられた革同指導部はとんでもない暴挙に走っている。9月13日、国労西日本の上村委員長ら革同は、JR連合・西労組と合同で「イラク鉄道復興・人道支援会議」を結成した。外務省との協力のもとで、侵略戦争継続下のイラクで破壊された鉄道の「復興」に当たるという。イラクに出兵した自衛隊と同様、米英軍の完全な手先となって軍事占領の一翼を担うものにほかならない。
 日本共産党はここまで腐敗したかと多くの労働者が驚きと怒りを持って受け止めている。帝国主義への戦争協力の公然たる担い手に転落した革同指導部と日共中央を弾劾し、酒田・革同体制を打倒して国労再生をかちとろう。
 これらの一切を11月労働者集会の大成功へと結実させ、その力ですべての闘いの前進と勝利を押し開こう。マル青労同1000人建設の勝利をかちとろう。
 10・10三里塚集会に全国から集まろう。

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週刊『前進』(2167号1面2)(2004/09/27)

ヘリ墜落糾弾・普天間早期返還 宜野湾市民大会に3万人
 「辺野古」再考も決議 沖縄の怒り 大爆発

 9月12日の日曜日、台風順延となった1週間前とはうって変わった炎天下、「沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落に抗議し、普天間飛行場の早期返還を求める宜野湾市民大会」(主催・同実行委員会)が、沖国大グラウンドで開かれた。開会の午後2時を待たず早くも午前中から参加者が集まり、主催者目標1万人の3倍、3万人の大結集が実現した。市内14区の青年会がエイサーの旗頭(大のぼり)を立てて入場、沖国大の学生たちもゼミごとに参加するなど、文字どおりの市民総決起大会となった。
 開会直後の午後2時18分、8月13日のヘリ墜落時刻にはサイレンが鳴り、平和への願いを込めた200羽の鳩が大空に放たれた。
 実行委員長の伊波洋一宜野湾市長は、「本日の市民大会は米軍飛行を止め、普天間基地の閉鎖を求める市民大会」だと宣言、「『世界で一番危険な基地』である普天間基地をなぜ国は放置し続けるのか。駐留米軍の負担を沖縄県民だけに押しつけようとしているからだ」と批判し、「普天間基地の危険性を無視し、困難な県内移設を押しつけて県民を対立させ、基地問題の解決を長期化させようとしている」と普天間基地の辺野古移設反対を表明。「稲嶺知事に言いたい。宜野湾市民の声をしっかり受け止めてほしい。もはや普天間の危険の除去のために辺野古移設の促進などと言うべきではない」と弾劾した。そして、「取り返しのつかない重大事故が再び起こらないようにするため、ともに立ち上がり普天間基地の返還を実現しよう」と全参加者に呼びかけた。
 宜野湾市議会の伊佐敏夫議長は、米軍が墜落現場周辺を占拠し、抗議の中で同型機の飛行再開に踏み切るなど、「県民を愚弄(ぐろう)する行為であり、国家主権を踏みにじる行為だ」と糾弾した。沖国大の渡久地朝明学長は「受忍限度を超えている。大学関係者の生存が危機にさらされ、日米地位協定によって大学の自治が侵された」と怒り、大学機能の回復や恒久的飛行停止を要求した。
 続いて被災者や小・中・高校生、沖国大生、婦人連合会、老人クラブ連合会、青年連合会の代表など12人が次々とアピールした。志真志小6年の島袋洋奨君は「事故はもう二度と起こってほしくない。未来は私たちの手でつくるんだ」。事故現場前のマンションに住む2人の中学生、嘉数中3年の内原理沙さん、木村なつみさんは、「生まれた時から基地があり、ヘリや戦闘機が頭上を飛ぶのは当たり前だと思っていたが、この事故で私は『沖縄に基地は必要ない』と思った」「日本中の人たちが、この抗議行動に興味を持ち、この事故を自分のこととして受け止めてほしい」。中部商業高校2年の比嘉由梨恵さんは「私は普天間基地の辺野古への移設に反対だ。基地という爆弾のたらい回しでしかない。移設ではなく沖縄からの完全撤去、返還を願う」ときっぱり。沖国大2年の新膳裕治さんは「沖縄の基地負担は限界。事故から出てきた率直な思いは、沖縄の置かれた立場に対する屈辱感と、日米地位協定への憤りだ」。
 市民決議案が提案され、下の6点の要求が全参加者の総意として決議された。@被害の徹底調査と事故原因を明らかにし、すべての被害に対する謝罪と完全補償を早急に実施すること、Aすべての米軍機の民間地上空での飛行を直ちに中止すること、Bヘリ基地としての運用を中止すること、C危険極まりない普天間飛行場を早期返還すること、DSACO合意を見直し、辺野古沖への移設を再考すること、E日米地位協定を抜本的に見直すこと。
 最後に3万人余の団結ガンバローが響き渡った。
 那覇防衛施設局によるボーリング調査強行との攻防が続く名護市辺野古からは命を守る会、ヘリ基地反対協など100人以上が参加、米陸軍の都市型戦闘訓練施設建設阻止を闘う金武町民も駆けつけた。沖縄の怒りが一つとなり、小泉政権・稲嶺県政へと向かう構図が鮮明となった。

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週刊『前進』(2167号2面1)(2004/09/27)

07年郵政分割・民営化絶対阻止へ
公社・生田と一体で大量首切り進めるJPU中央打倒しよう
 11月集会へ全逓労働者の大隊列を
 革共同全逓委員会

 「民営化基本方針」閣議決定に一大階級決戦を宣言する

「基本方針」のポイント
●経営の自由度の拡大
●民間企業と同様の納税義務
●郵便のユニバーサルサービスの提供義務
●職員は民営化時に国家公務員の身分を離れる
 日本帝国主義・小泉政権は、9月10日の経済財政諮問会議と臨時閣議で、「郵政民営化の基本方針」(別掲参照)を決定した。小泉政権は自民党・与党の了承も得ないままに閣議決定するという強硬手段に訴えた。郵政民営化攻撃に日本帝国主義と自己の政権の命運をかけた激しい意志を示している。小泉は、直ちに関連法案の策定を進め、05年通常国会に提出しようとしている。
 07年4月の民営化当初の経営形態については、麻生総務相や郵政公社の生田総裁らが主張していた「単一会社でスタート」という案を小泉は退け、当初から「純粋持ち株会社のもとに、窓口ネットワーク会社、郵便事業会社、郵便貯金会社、郵便保険(簡易保険)会社に分社化する」という方針を強行決定した。
 何よりも重大なのは、全逓労働者を始めとしたすべての郵政公社職員が、07年4月の民営化と同時に「国家公務員の身分を離れ」、非公務員化されるということだ。郵政民営化攻撃は国鉄分割・民営化やNTT大合理化などを集大成した大攻撃であり、〈いったん全員解雇・選別再採用〉をとおした大量首切りと活動家パージ、労働組合破壊が最大の狙いであることが完全に明らかになった。
 革共同全逓委員会は、全逓労働者と全労働者階級・労働組合の未来をかけて、〈07年郵政分割・民営化絶対阻止〉の一大階級決戦を断固として宣言する。
 小泉、竹中(経済財政・金融相)や奥田(日本経団連会長)らの民営化攻撃のもとで、もともと「民営化論者」である生田は、完全に民営化を受け入れ、前提にして、現在の「アクションプラン」に基づく大リストラ攻撃を一層エスカレートさせた「アクションプラン・フェーズU」を今秋にも策定しようとしている。
 連合全逓中央は、6月の第59回大会で戦闘的伝統を引き継ぐ全逓の名称を捨て去り、JPU(日本郵政公社労働組合)に名称変更した。そのJPU中央の菰田(こもだ)委員長らは、全郵政とともに小泉首相に「公開質問状」を提出した。だが、郵政公社・生田との「労使パートナー」宣言のもとで、民営化攻撃を推進しているのが連合全逓中央なのだ。
 菰田らとともに労働監獄と首切り容認の奴隷の道を進むのか、それとも民営化絶対阻止を掲げて全逓労働運動を再生させ、社会の主人公である労働者階級として生きるのか。今、われわれ全逓労働者には、このように歴史と人生をかけた選択が問われているのである。なんとしても、民営化攻撃を打ち破る職場の団結を打ち固めて総反撃に立ち上がろう。
 04年後半〜05年〜07年の過程は、教育基本法改悪―9条改憲攻撃とともに「骨太方針W」による民営化攻撃などに対する全産別にわたる大決戦である。昨年来の労働運動をめぐる〈分岐・流動・再編・高揚〉情勢のもとで、全逓労働者の壮大な決起は絶対に可能である。小泉・奥田―生田の民営化攻撃とJPU中央=労働貴族どもへの怒りを爆発させ、職場に脈々と生き続ける“全逓魂”を今こそ発揮し、民営化阻止決戦を闘いぬこう。
 その勝利の突破口は、6月30日の4・28反処分裁判の高裁逆転勝利判決で切り開かれている。4・28反処分闘争を完全に投げ捨てて以来の連合全逓の十数年の路線転換と屈服を打ち破り、78越年反マル生実力闘争を上回る全逓労働者の壮大な決起を実現しよう。そうすれば、必ずや郵政民営化を阻止することはできる。
 戦争と民営化に反対する全世界の労働者階級、闘うイラク・中東人民を始めとした被抑圧民族人民と連帯し、11・7全国労働者総決起集会(日比谷野音)に、〈郵政分割・民営化絶対阻止、全逓労働運動の階級的再生〉の旗を高々と掲げて、全逓労働者の大隊列を登場させよう。それこそ、この決戦の成否を決するのだ。

 小泉=奥田の「骨太方針」と闘う最前線に立つ全逓決戦

 日帝・小泉政権は、参院選での敗北にもかかわらず、むしろ危機であるからこそ、奥田・経団連など日帝ブルジョアジーの強力な支持のもとで、小泉=奥田路線として「外への侵略戦争、内への階級戦争」を激化させざるをえない。
 そのために「骨太方針W」の「官から民へ」「国から地方へ」の攻撃の軸に、小泉が「改革の本丸」とうたってきた郵政民営化をあらためて位置づけた。この攻撃の貫徹なしには、公務員制度改悪、三位一体改革、公務部門の民営化、市町村合併などの攻撃を押し貫くことができないからだ。
 郵政民営化は、日帝の財政・金融・物流など経済社会の大転換をはらむ「明治以来の大改革」であり、特定郵便局長会をバックにした郵政族を中心とした従来の自民党支配の危機をはらむ問題であるがゆえに、日帝権力・ブルジョアジー内部の意思統一も容易ではなく、激しい危機と矛盾をかかえている。
 また、350兆円に上る郵貯・簡保資金は140兆円が国債で運用され、国債発行残高の4分の1を占めている。郵貯・簡保はもともと戦争財源の確保のためにつくられたものだ。「公的部門に流れていた資金を民間部門に流し、国民の貯蓄を経済の活性化につなげる」という名のもとで郵貯・簡保を民営化することは、今日の国家財政の破綻(はたん)的危機の中で激しい危機と矛盾をもたらす。それが今後いかなる経過をたどろうとも、日帝は戦争財源に利用しようとしている。また、年金などの社会保障制度の解体とともに消費税などの大増税を強行し、労働者人民からの大収奪、犠牲転嫁を強めようとしている。この点でも郵政民営化は、全労働者人民に襲いかかる攻撃なのだ。
 帝国主義の攻撃は、あえて言えば経済的整合性がなくても、政治=経済攻勢として貫くのであり、郵政民営化攻撃は、そのような質を持った帝国主義による激しい攻撃なのである。
 小泉=奥田路線とは、アメリカやEUなどとの帝国主義間争闘戦が激化する中で、危機に立つ日帝ブルジョアジーの存亡をかけた政治=経済攻勢、経済=政治攻勢であり、一大資本攻勢である。「新自由主義」による「弱肉強食」「優勝劣敗」の社会に転換し、一握りのブルジョアジーどもが生き残るために、イラク侵略戦争参戦の継続・激化・拡大、さらに北朝鮮(中国)侵略戦争に米帝と競合・共同して参戦を狙い、それと一体のものとして「東アジア自由経済圏」構想の実現に向かって本格的に突進し始めている。
 奥田は、こうした政治=経済攻勢を貫徹するために、小泉政権との一体化を進めると同時に、労働組合としての労働組合をたたきつぶし、新たな産業報国会にしようとしている。03年「奥田ビジョン」―04年「経営労働政策委員会報告」で打ち出した資本攻勢=労働組合解体攻撃を全面的に貫こうとしているのだ。
 戦時下においては、労働者の戦争協力・戦争動員が本格的に問われ、とりわけ、労働組合の存立をめぐる大決戦になる。9月7日、小泉政権は、有事法制の「国民保護法」に基づく「指定公共機関」を発表した。交通・運輸、通信、医療、放送などとともに、郵政公社も指定された。それらはすべて民営化を始めとした激しい資本攻勢にさらされている。国家への協力を強制しながら、民営化することは矛盾的であるが、それによって労働組合的団結を解体して戦争に動員することに核心的な狙いがあるのだ。

 公務員攻撃の突破口

 それはまた、95年日経連「新時代の『日本的経営』」報告で打ち出された終身雇用制・年功賃金制解体の攻撃を全面的に貫徹するものだ。かつてない体制的危機に陥った帝国主義は、労働者階級への搾取・収奪を強めて生き延びる以外にない。さらに、激化する帝国主義間争闘戦に勝ちぬく体制をつくらなければならない。そのために、小泉の「構造改革」攻撃の核心に、戦後憲法(および教育基本法、労働法制)の改悪と終身雇用制を解体することを据えているのだ。
 この攻撃は、公務員労働者を除外してはあり得ない。8月の04年人事院勧告で打ち出した「査定昇給」と「地域別賃金」、さらに今秋臨時国会で狙われている公務員制度改悪関連法案(能力等級制など)で、公務員の終身雇用制・年功賃金制解体攻撃に決定的に踏み込んでいる。また、規制改革・民間開放推進会議は、「官業」のあらゆる部門を民間開放せよと叫んでいる。郵政民営化攻撃はそれらと一体の攻撃であり、最先端の攻撃なのである。
 国家公務員(自衛隊員も含む)の3分の1弱を占める27万人余の郵政労働者をそのままにしては、公務員労働運動の解体攻撃は貫徹できない。
 したがって、どんなに破綻的であろうとも、郵政民営化攻撃が後戻りのない攻撃として始まったものとして、はっきりと見据えて闘わなければならない。

 経営形態変更と非公務員化で首切りと労組破壊を狙う

 「郵政民営化の基本方針」は、冒頭に確認したように07年4月の民営化時点で4分社化し、移行期間を経て、最終的に17年までに完全民営化するとしている。
 その核心は、郵政労働者27万人余を非公務員化するということにある。国鉄分割・民営化型の〈いったん全員解雇・選別再採用方式〉を本質的にも実体的にも貫こうとしているのである。戦後労働運動の全歴史が教えているように、いかなる意味でも、「経営形態の変更」とは、労働者に対する大量首切りと合理化、そして、労働者的団結と労働運動の破壊の攻撃として襲いかかるのだ。
 「基本方針」では、公社・生田の主張を入れ、07年4月時点での分社化について「情報システムの観点から可能かどうか、年内に結論を得る」としているが、いずれにしても分社化は不可避であり、さらに郵便事業以外の3社の地域分割の検討が打ち出され、郵便局の統廃合とコンビニ化なども必至である。
 特に「非公務員化」が重大である。公務員の身分保障(本人の意に反して降任、免職されない)を剥奪(はくだつ)することは大量首切りのためなのだ。
 「基本方針」では「雇用のあり方」について次のように言っている。
 「(ア)民営化の時点で現に郵政公社の職員である者は、新会社の設立とともに国家公務員の身分を離れ、新会社の職員となる。(イ)人材の確保や勤労意欲・経営努力を促進する措置の導入等、待遇のあり方について制度設計の中で工夫する。(ウ)職員のモラール(士気)と労使関係の安定に配慮する」
 また、「基本方針」には盛り込まれなかったが、「素案」では「職員の新会社参加の意向調査を実施し、希望者に対して再就職先の斡旋(あっせん)を行う」方針が打ち出されていた。
 「再就職斡旋」は国鉄分割・民営化の時にも行われた。分割・民営化以前は、まだ自治体や郵政などの公的部門への再就職は行われたが、清算事業団での再就職斡旋は、首切りと同義であった。今日の官民にわたるリストラ攻撃のあらしの中で、まともな再就職先などあり得ない。「意向調査」の名のもとに退職を強要する事実上の首切り攻撃が、民営化を前に強行されるということだ。
 今年3月、郵便内務のアウトソーシングによる「余剰人員」を「人材活用センター」に送るという国鉄分割・民営化の時と名前まで同じ施策が「真っ向サービス」と称して極秘裏に提示されたのだ。
 また、郵貯と簡保のうち、07年4月の民営化前の政府保証の付いた旧勘定を保有する機関として「公社承継法人」を創設することが打ち出されたが、これは「素案」では「公社清算法人」となっていた。8月31日の経財諮問会議で、麻生総務相が「『清算法人』という言葉の持つ意味、ニュアンスは国鉄清算事業団とほぼ同じ。『希望者に対して再就職先の斡旋を行う』というと、いったん解雇というようにとられる」と発言しているが、これは、まさに国鉄分割・民営化と同様の攻撃が準備されていることを示している。
 「民営化時点で独立した会社ごとに経営が成り立つ人員の適正規模に近づけておく必要があるのではないか」(8・23付日経新聞社説)という主張も出されている。新たに設置される経営委員会(仮称)が新会社の定員を決め、あふれた人員を「余剰人員」として、選別不採用にすることもあり得るということだ。
 また、「待遇のあり方」については、すでに導入された能力主義賃金制度をさらに抜本的に改悪するということである。大多数の労働者には大幅賃下げをもたらすのだ。
 「労使関係の安定に配慮」という文言など、労働者にとっては何の意味もない。麻生や生田も労働組合との関係を重視する発言を繰り返しているが、このことは、JPU中央や全郵政中央との「労使合意」のもとで人員削減や新会社への振り分けなどを進めようとしているということだ。
 日帝は国鉄分割・民営化やNTT大合理化の手法を教訓化し、その集大成としての攻撃を労働組合の抵抗を完全にねじ伏せた上で強行しようとしているのだ。

 国鉄分割・民営の教訓

 国鉄の場合は、87年4月に6旅客会社と貨物会社などに分割され、7600人余の不採用者が清算事業団送りにされ、清算事業団から90年に1047人が解雇された。JRに採用された労働者は、国鉄に退職届を出してJRに採用されるという形態をとった。しかも、国鉄分割・民営化攻撃の総体としては、「20万人首切り」と言うべき大量首切り攻撃であった。第2臨調基本答申(82年)以降、分割・民営化まで40万人から20万人に削減されたのだ。それは、新規採用停止による「自然減」と「希望退職」という名の退職強要がほとんどである。
 日帝国家権力は、動労カクマル(現在のJR総連)などを先兵にして、分割・民営化に反対する国労・動労千葉などに対して「雇用安定協約の破棄」を脅しにして首切りの恫喝をかけ、さらには、「余剰人員」とされた労働者を職場から追い出し「人材活用センター」に送り込んだ。この中で200人もの自殺者を出した。こうした激しい国家的不当労働行為と言われる大攻撃の中で退職に追い込む事実上の首切り攻撃をかけたのだ。
 全逓を始め、全電通、自治労、日教組などの産別の中央は「国労のようになるな」を合言葉に連合になだれ込み、屈服と転向を遂げている。全電通―NTT労組は連合路線の先頭に立ち、さらに自治労や日教組も連合路線のもとで次々と屈服・転向を重ね、日教組の文科省との「パートナー路線」や自治労の「21世紀宣言」=「労使協働路線」にのめり込んでいる。
 だが、国鉄分割・民営化に対する闘いの総括は、「闘ったから敗北した」ことにあるのではない。逆に、国労は「分割・民営化反対」を掲げながら、現場労働者の苦闘にもかかわらず、実際には一戦も交えなかったことによって、組織の激減という事態をもたらしたのだ。
 それに対して、動労千葉は85〜86年の2波のストライキを闘い、28人の公労法解雇と12人の清算事業団送りを強制されたが、組織の団結を維持し、今日まで闘いぬいている。さらに、国労も4万人の組織が残り、全動労、動労千葉とともに1047名の被解雇者を先頭にして闘い続けている。それが、JR総連とJR資本との結託体制の崩壊的な危機をもたらしているのである。

 NTT型の大合理化

 電電公社の民営化は85年であったが、組織も35万人の労働者もそのまま新会社=NTTに引き継がれた。だが、その後の攻撃はすさまじい。99年には初の純粋持ち株会社方式を導入し、東西地域会社と長距離・国際会社などに分社化し、NTTグループ全体で20万人余に削減されている。さらに、02年には東西地域会社とその子会社であるME(電話設備の保守部門など)の労働者10万人を対象にして、51歳以上の労働者はいったん退職させて30%もの賃金ダウンで地域別子会社(アウトソーシング=OS会社)に再雇用するという大合理化を強行した。この過程で、1万人以上の労働者が「希望退職」で職場を去った。このような労働条件の不利益変更は、労働者の同意なしにはできない。しかし、NTT労組が合意することによって初めて、この攻撃は可能になった。一方で、本人が拒否する限り、強制することはできなかった。

 闘えば攻撃は破綻へ

 郵政民営化は、こうした国鉄分割・民営化やNTTの大合理化と同様の、あるいはそれをも上回る大合理化攻撃として襲いかかろうとしているのである。
 こうした国鉄やNTTの例を見るならば、その攻撃は、労働組合の裏切り者や労働貴族どもを手先にしてしか、攻撃は貫徹できないということだ。
 国労民同も全電通―NTT労組の民同も、国家権力・資本の攻撃の激しさに対して徹底的に対決できず、屈服と転向の道を歩んだ。しかし、動労千葉は「去るも地獄、残るも地獄」「闘って活路を開く以外にない」という指導部の決断のもとで、組合員の総団結をつくりあげて闘ったからこそ、現在の勝利的地平を獲得することができた。動労千葉労働運動から学ぶべきことは、このことである。
 こうして国鉄分割・民営化反対闘争が続いている中で、日帝は全逓、自治労、教労に対して、国鉄型の攻撃を強行してきた。国鉄決戦があらためて4大産別決戦の軸に座り、それと並ぶ全逓決戦として郵政民営化阻止の闘いがあるのだ。
 全逓労働運動は、60年代以来の大合理化攻撃に対する青年労働者を先頭とした闘いによって「権利の全逓」と言われた闘いをつくりあげ、78越年反マル生実力闘争を始めとした戦闘的闘いを実現してきた。今こそ、この全逓労働運動の戦闘的伝統をよみがえらせて闘う時が来たのである。

 JPU菰田体制こそ弱点だ全逓再生へ組合権力獲得を

 この激烈な郵政民営化攻撃に対して、「民営化対応」の名のもとに屈服し、生田とともに実質上の民営化攻撃を進めているのが、JPU菰田体制である。第59回大会で、生田はあらためて、「労使のパートナーシップ宣言」を行い、「組合との深い信頼関係」を強調した。そして、アクションプランへの協力に「感謝」を表明し、「強い経営基盤の整備」をうたい、「アクションプラン・フェーズU」の論議を提起したのだ。
 この間のアクションプランに基づく攻撃は、03年4月から05年3月までに1万7000人を削減する攻撃だが、それがさらに加速されるということだ。
 今、現に行われている攻撃によって、現場はすでにすさまじい労働実態にある。何よりも、今年2月に導入された「深夜勤」は、10時間の深夜勤を最大で連続4日間も続けるもので、すでに多数の現職死亡が続出している。
 また、JPS(郵政版トヨタ方式)により、スタンディングワーク(立ち作業)が強制され、「生産性向上」とは名ばかりの労働強化が進み、それが全国1000局に拡大された。
 郵便外務(集配)には、「集配ネットワークの高度化」と称して、例えば大都市では、「1ネット方式」が導入される。1人の集配労働者が配達(通常、速達、書留、小包)、集荷、営業のすべてを担い、そのためにバイクに代わり軽四自動車を使用し、10時間労働(拘束12時間)が強制される。
 さらに、郵便内務では、本務者の削減と非常勤化を一層進め、さらに「内務事務のアウトソーシング」により、「余剰人員」を「人材活用センター」に送り込む攻撃が準備されているのだ。
 また、郵便小包は11月からのローソンでの取り扱いを決定し、小包分野でのシェア拡大や国際物流事業への進出を狙っているが、それらは「ヤマト運輸との競争に勝つ」などと称した大合理化攻撃として襲いかかるのだ。
 この8月には、東京や近畿で、組織破壊を狙った大規模な「人事交流」=強制配転が発令された。断じて許すことはできない。
 さらに、輸送部門に競争入札を導入するとともに、「運賃引き下げ」を強制し、一切の矛盾を日逓労働者に押しつけている。鹿児島逓送の全員解雇や相次ぐ早期退職の強制と人員削減、そして8月から8%の大幅賃金カット。相次ぐ賃下げで1人あたり年間100万円の減収になるという。
 これに対するJPU中央の方針は、公社の施策をすべて全面的に受け入れ、推進する方針だ。「未来づくり宣言」は、労働者性を解体し、新たな「生産性向上運動」に労働者を駆り立てるための、労働組合の自己解体宣言である。「雇用確保から雇用創出へ」、あるいは「複合型労働力構成」の名のもとに、本務者の削減と非常勤化を推進することを宣言している。「なんのための組合か」という組合員の怒りが渦巻いている。大会では菰田委員長、難波書記長らの新役員に対して、最大4分の1近くの不信任がたたきつけられているのである。
 連合全逓中央は、4月に全郵政とともに「郵政事業に関する労組政策協議会」を立ち上げ、「郵政民営化反対」と言っているが、実際は民営化推進である。
 9・1付で出されたJPUの「郵政民営化の基本方針(素案)に対する考え方」では、「『民営化ありき』の郵政民営化議論に反対」「仮に再度の見直しが必要とされる場合でも、中期経営計画の1期4年間の経営実績を見た上で検討すべき」などとするもので、郵政民営化絶対反対ではないのだ。「非公務員化」に対しても「効率的運営に努力している」とし、「行政サービスの窓口」としての機能を発揮すべき(これは市町村合併などの自治体合理化を前提とした攻撃だ)だから「公務員身分」が必要だと言うのみで、それが首切り攻撃であることをまったく弾劾していない。しかも「素案」で提起された「職員の意向調査と再就職斡旋」については一言も触れていない。つまり、大量退職=首切りを進めることには合意しているのだ。
 国鉄分割・民営化と同様の攻撃であることをJPU中央は完全に知り尽くし、生田らと合意した上で、組合員にはひた隠しにしてきたということなのだ。断じて許すことはできない。生田との「パートナー」=労使運命共同体路線、「民営化対応」=「経営基盤の確立」を推進するJPU菰田体制を打倒することが急務である。彼らは、組合員を徹底的に犠牲にした上で、労働貴族どもの延命と利権確保だけは図ろうとしているのだ。だが、それは彼らの墓穴を掘るものでしかない。国鉄分割・民営化攻撃におけるJR総連のように、菰田体制こそ郵政民営化攻撃の最大の弱点となるのだ。
 職場の団結を打ち固め、小泉と公社、JPU中央への大反撃を組織することで、必ず攻撃を破綻させることができる。このことを全組合員に訴え、菰田体制を打倒し、闘う全逓労働者が分会、総分会、支部から全逓の組合権力を奪取することをとおして、実際に現場で闘いをつくり出すことが求められている。

 4・28高裁逆転勝利判決を総反撃ののろしに闘おう!

 こうした攻撃のさなかでかちとられた4・28反処分裁判の高裁逆転勝利判決は、全逓労働者の闘う力をよみがえらせつつある。78越年反マル生闘争は、マル生(生産性向上)の名による全逓つぶしに対して、全逓中央の指令に基づいて闘われた。青年労働者を先頭に全国で強力な物ダメ闘争を展開した。75年のスト権スト(国鉄を中心とした公労協の統一スト)以降では最大の全国的争議だ。それはまた、その闘いを担った青年労働者を懲戒免職にすることで、自らの指導責任を問われずに路線転換を図っていく全逓指導部=民同の破産の出発点でもあった。この処分の不当性が裁判でも明らかにされたことは、郵政当局と連合全逓中央に大打撃を与えている。
 そして当時の闘いを担った世代の新たな闘いの意欲を生み出し、同時に、青年労働者にも勇気を与えている。4・28反処分闘争世代と青年労働者が、新たなマル生攻撃とも言うべき今日の攻撃のもとで、ともに生き闘うことが可能な時代がついに訪れたのである。特に青年労働者にとっては、労働者こそが社会の主人公であるというマルクス主義と労働組合運動の復権というテーマが、実に新鮮で、これからの人生を労働者階級の中心部隊としてプロレタリア革命の実現に捧げる、層としての決起が可能な時が来ている。また、「日々雇用」で劣悪な労働条件のもとで働く非常勤の青年労働者にとっても、それは同じである。青年労働者の獲得と非常勤労働者の組織化は重要な課題である。
 そのために、全逓委員会は、今こそ〈新指導路線〉を推進し、労働組合論の革命論的確立の立場に立って、全逓委員会の改革と圧倒的強化をかちとる。
 全逓民同や協会派の破産と転向は、彼らがあくまでも体制内労働運動でしかなかったからである。そして、今や完全に当局の手先になるところまで転落している。日本共産党もまた、「資本主義の枠内での民主的改革」論で、「労働者階級」の言葉すら投げ捨てた。さらにカクマルは、絶対に「郵政民営化阻止」を言わず、「大リストラ反対」と言いながら、国鉄分割・民営化に率先協力した松崎の道を歩もうとしているのである。
 わが全逓委員会は、労働者階級の真の解放、すなわち戦争も搾取もない社会をつくるためにはプロレタリア革命―プロレタリア独裁が必要であり、そのために労働組合が果たすべき役割が決定的に重要であることをあらためてはっきりさせて闘う。特に、郵政事業という基幹産業を担うわれわれ全逓労働者の果たすべき役割はきわめて大きい。その壮大な展望と革命的ロマンをもって、全逓労働者は革共同全逓委員会に加盟し、闘おう。青年労働者はマル青労同に入って闘おう。

 国際連帯の旗を掲げ

 最後に、郵政民営化絶対阻止の旗を高々と掲げ、11・7全国労働者総決起集会に全国の全逓労働者が総結集することを訴えたい。11・7は戦争と民営化に反対する全世界の労働者階級との連帯をかけた闘いだ。アメリカの労働者は今、ブッシュ打倒に向けて10・17ミリオン・ワーカー・マーチ(百万人労働者大行進)を闘いとろうとしている。ILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル10などの呼びかけに、世界最大の郵便労組APWU(米郵便労働者組合=33万人)が賛同を決議した。イギリスでは昨年、民営化された郵便会社ロイヤルメールの労働者が賃下げと集配センターの統廃合・人員削減に対して山猫ストを闘い、ブレア政権と対決する新潮流派が台頭している。
 民営化攻撃と対決する世界の郵便労働者と連帯し、11・7に全逓労働者の大隊列を登場させよう。

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週刊『前進』(2167号3面1)(2004/09/27)

公務員制度の大改悪を阻止しよう 連合の屈服のりこえ04秋闘へ
大幅な賃金引き下げを狙い能力給導入で団結破壊策す
 11月労働者大行動で反撃を

 6月に閣議決定された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004」(骨太方針W)は、「『官から民へ』『国から地方へ』の改革により本格的に取り組む」とし、05〜06年度を「重点強化期間」に位置づけ、@郵政民営化、A自治体業務の民営化、B三位一体改革、C市町村合併の4つの柱を示した。これらを推し進めるために「官の改革」が必要だとして、公務員制度改革など5つの方向が打ち出されている。@定員削減計画の前倒しと国・地方の業務の統廃合・民営化、A独立行政法人の整理・縮小と民営化、B総額人件費の抑制と公務員給与の見直し、C公務員賃金の「能力主義」への全面的転換、D抜本的な税制改革――がその内容だ。政府は8月初めに公務員制度改革案の骨子を提示し、秋の臨時国会に関連法案を提出する方針だ。公務員制度改革との攻防は急迫している。連合・公務労協の屈服をのりこえ、全国統一闘争を組織しよう。11・7労働者集会へ自治体労働者の大隊列を登場させよう。

 「地域給与制」導入で全国一律賃金を解体

 8月6日の04年人事院勧告・報告は国家公務員の賃金制度を根底的に転換させるものとなった。それは、「地域給与制」というまったく新しい賃金決定方針を打ち出した。まず全国共通の俸給表の水準を大幅に引き下げ、次に地域別の官民格差を公表し、公務員賃金を「地域に応じた適切な給与」として、最大20%を上限加算に地域手当を支給するというものだ。つまり、あらかじめ20%の格差を前提とした大幅賃下げを強行しようというのである。
 「骨太方針W」は膨大な財政赤字を口実に、国家・地方公務員の総額人件費の大幅な抑制を唱えている。人事院報告は、その具体的方策を打ち出したのだ。
 地域給与制は公務員の全国一律賃金闘争を解体する攻撃だ。こうして国家公務員賃金を徹底して引き下げ、地方自治体もそれに従わせ、さらにはそれを口実に民間賃金も引き下げて官民の労働者をどこまでも分断しようとしているのだ。
 公務員賃金が年功賃金体系のもとにあり、公務員労働者が労組的団結を維持している限り、日経連が95年に打ち出した「新時代の『日本的経営』」路線は貫徹できない。小泉政権は、奥田日本経団連と一体化し、公務員賃金制度の大改悪を突破口に、すべての労働者への全面的な攻撃に打って出ようとしている。公務員の賃金制度改悪に対する闘いは、全労働者階級の団結をめぐる結節環的な攻防課題なのである。

 公務員労働運動の圧殺狙う

 04確定闘争をきわめて重大な歴史的な秋闘として爆発させなければならない。
 今回の人事院報告はなぜ出されたのか。
 「骨太方針W」は、郵政民営化と公務員制度改革の07年実施を明記した。これに基づき、8月3日、規制改革・民間開放推進会議(総合規制改革会議を改組)は、「官製市場の民間開放による『民主導の経済社会の実現』」と題する中間とりまとめを発表した。続く5日には政府行革事務局が「国家公務員制度改革関連法案の骨子」を出し、6日に経済財政諮問会議が「郵政民営化基本方針の骨子」を発表した。
 「民主導の経済社会」とは、労働者を分断し、その団結をことごとく解体した上で、徹底的な低賃金化・無権利化・不安定雇用化を強制し、資本があくなき搾取・収奪を貫く社会である。そのために、郵政民営化を始めとした官公部門の大民営化と公務員労働者への首切り・大幅賃下げの攻撃がもくろまれている。

 郵政民営化と一体で公務員へ歴史的攻撃

 さらに政府は、労働基本権について棚上げしたまま、人事院による賃金・人事管理を改廃し縮小し、内閣直轄とすることを法案化した。これは、公務員から労働基本権を奪った上、その代償措置としての人事院勧告制度さえ破壊しようというすさまじい攻撃だ。
 小泉政権はなぜ焦っているのか。
 経済財政諮問会議が最初に策定した「骨太方針T」(01年6月)の副題は、「新世紀維新が目指すもの――日本経済再生のシナリオ」というものだった。明らかにそれは、日本が崩壊の危機に直面しているという焦燥感に発したものだ。
 「この国のかたち」論として一括されるこの認識は、戦後だけではなく、明治維新以来の近代日本社会そのものの解体、すなわち資本主義が生成・発展・没落の過程を経て、帝国主義の崩壊(打倒)か延命(戦争)かが問題になっていることを背景に打ち出されてきたのである。
 小泉がたくらむ帝国主義国家の金融、財政、行政機構のすべてにわたる再編・改造は、労働者の階級的団結を打ち砕くことによってしか実現できない。だからこそ、組織労働者の中できわめて大きな位置を占める公務員労働運動が最大の標的とされたのである。
 「政治と経済は不即不離の関係にある」として小泉首相と日本経団連の奥田会長が一体となってこれを推し進め、政治=経済攻勢が労働者階級を襲っている。とりわけ「官から民へ」の大民営化攻撃が、郵政、自治体、教育の公務員労働者や医療・福祉労働者に激しく襲いかかっている。
 郵政民営化はその先端に位置し、「三位一体改革」「市町村合併」「公企体の独立行政法人化」と完全にひとつながりになっており、その決着点に公務員制度改革が位置づけられる。

 80年代以来の攻撃の決着点

 80年代、中曽根政権は、改憲と戦争を目標に臨調・行革攻撃を推進し、対ソ対決=帝国主義間争闘戦貫徹の政策にのめり込む中で社会党・総評ブロックの解体を強行した。その切っ先をなしたのが国鉄分割・民営化であった。この攻撃との闘いは、国鉄分割・民営化阻止決戦として動労千葉を先頭に今日まで激しく続いている。
 これを総括し構え直したのが、97年の行財政改革会議の「最終報告」だった。
 これを受けて橋本首相は公務員制度調査会、地方公務員制度調査会も発足させ、両調査会が「能力実績を重視した人事管理制度への転換」を打ち出したのが99年だった。
 さらにこれを受けて、総務庁は人事評価委員会を発足(10月)させ、翌年5月に最終報告を出した。人事院も「能力・実績などの評価・活用に関する研究会」を発足させ(9月)、01年3月に最終報告を出した。その結論はともに「年功序列型人事システムから、能力・実績を重視した賃金制度、人事評価システムへの転換」というものだ。
 これらの動きは99年の周辺事態法、地方分権一括化法、中央省庁等改革基本法の成立と一体のものとして進行した。侵略戦争と国内における階級的団結の圧殺は統治のメダルの両面だ。

 能力給導入で年功賃金解体

 政府が今年8月に打ち出した公務員制度改革案は、@内閣総理大臣の任命による国家戦略スタッフの創設、A人事院機能の縮小と内閣への移行、B労働基本権問題、C三位一体改革・税源移譲・地方交付税の見直し、D市町村合併――など総合的で全面的な攻撃だ。また、公務員賃金と人事管理に能力等級制を導入し、その大改悪を図っている。その核心的な狙いは、公務員労働者の団結の破壊にある。
 具体的な改悪の内容は、次のとおりだ。
 第一に、給与制度については、職務給・号俸による年功序列の賃金・人事制度を廃止する。代わって基本給・職責給・業績給を組み合わせた給与体系と信賞必罰の賃金・人事制度を導入する。
 その内容は、次のようなものだ。
 @基本給は定額部分と能力加算部分とし、能力加算部分は年1回加算する。
 A職位職責給を導入し、年1回の査定で決める。
 B業績給は定額部分と成果加算部分からなり、年2回の査定がある。
 C期末・勤勉・調整手当などは「重複するので」廃止する。
 第二に、人事制度については現行の勤務評定制度を改め、能力評価と業績評価の2本立ての人事評価システムにする。
 @能力評価は管理者による評価基準に沿って行う。
 A業績評価は目標管理制度を導入する。
 第三に、不適格職員の分限免職規定である。
 @10%の「成績不良者」を意図的につくり出す。
 Aその中から「不適格職員」を摘出して厳格な降格処分を課す。
 B研修所でも一定の基準に達しないものは分限免職とする。
 小泉政権はいよいよ、戦後公務員制度の根幹をなしてきた「三種の神器」=年功序列、終身雇用、定期昇給の各制度の解体に本格的に着手してきたのである。

 労働者の団結破壊が核心

 この攻撃を貫く手段として、能力評価制度の導入がある。能力主義的給与・人事制度は、労働者を分断し、団結を破壊して賃金を切り下げるためのものだ。
 絶対評価(直属の上司の第1次査定)と相対評価(人事部局の第2次査定)などシステムを精緻(せいち)にしたところで、目的は最初から労働者を分断することに置かれている。
 結局この制度は、賃金の支払いをとおした労務管理であり、使用者が自由な解雇や異動の権利を手にすること、ひいては労働者の団結と労働組合を解体することに目的がある。
 公正な人事評価などありえないのだ。「公正な人事評価制度は諸外国を含めてできていない」(奥田日本経団連会長)、「先入観に左右されるか茶坊主を増やすだけ」となり、職場は荒廃する。

 国家への忠誠が評価基準に

 しかし公務員に能力主義給与・人事制度を導入することは、民間とはまったく違った今ひとつの目的がある。公務員や教員の目標は利潤の追求にあるのではない。能力実績の基準・到達度とは何か。行き着くところ、国家に対する忠誠がその基準なのだ。教育労働者に対する「日の丸・君が代」強制ですでに事態は明白になってきた。公務員が戦争動員の先兵になることを公務員制度改革は求めているのだ。
 政府の行革推進本部長を長く務めた野中広務の「メモ」(00年10月)がある。そこで野中は、「なぜ公務員制度改革か」と問い、「行政機構改革だけでは不十分である。国と地方の業務範囲の見直しとともに、公務員の意識改革・行動原理そのものを変えなければならない」としている。福田官房長官(当時)は「公務員制度改革とは公務員に魂を入れる作業」「新しい政府で働く者は新しい公務員でなければならない」と発言している。これは国鉄分割・民営化の「血の入れ替え」とまったく同じ論理だ。

 能力・実績主義認めた自治労中央の裏切り

 こうした動きに対応して連合の公務員連絡会は、00年に「能力・実績を重視した人事管理システムの見直しと新たな人事評価システムについての考え方」(「6・21見解」)を発表している。「21世紀にふさわしい人事・賃金制度の構築は必要」として「4原則・2要件」を条件として能力・実績主義制度を全面的に受け入れることを表明した。これまでの立場を大転換したため、公務員連絡会は錯綜(さくそう)したが、自治労が受け入れを決定し、大筋で決着させられた。
 評価制度導入は、職場に競争を持ち込み、個別化の中で分断を図り、団結を解体するものだ。それは、組合の屈服と解体をとおして初めて実現できる制度だ。さらに一定規模の集団職場でないと競争の意味をもたない。そのためにも市町村合併など一連の制度改革が不可欠になっている。
 7月30日、自治労全国学校集会の冒頭、松村自治労現業局長が「臨時国会で公務員制度改革法案の提出はない」などと述べた直後に、政府は「関連法の骨子」を発表した。「民主的公務員制度改革の実現に向けた取り組み」などという認識の甘さを見透かされ、「与党方針に基づく縮小・収束路線の法案骨子を提示するという政府の対応は言語道断である」(自治労大会宣言)などと自治労中央は泣き言を言っている。
 公務員制度改革をめぐる決戦が急迫している。公務員制度改革関連法案の臨時国会提出を阻止しよう。

 4大産別軸に11月総決起へ

 国鉄分割・民営化は、総評・社会党を解体し、公務員労働運動を絶滅する攻撃だった。しかし動労千葉を先頭に国鉄労働者の闘いがこの攻撃の全面貫徹を阻んでいる。その背後には、430万人の公務員労働者がいる。国鉄支援陣形の中軸をなすのが旧官公労であり、公務員労働組合だ。
 国鉄分割・民営化から17年を経て、日本帝国主義は絶望的危機の中から、国鉄労働運動を解体し、公務員労働運動を絶滅する攻撃を再び激しく仕掛けている。
 国鉄1047名闘争に連帯する闘いを貫いて、自治体労働運動の階級的団結を破壊する攻撃への反撃の突破口を切り開こう。
 全逓労働者は郵政民営化阻止の決戦に突入した。これは、一大民営化攻撃をテコに公務員労働者だけでなく全労働者の団結を破壊しようとする攻撃との最大の激突点をなしている。
 教育労働者も「日の丸・君が代」攻防をとおして決戦の火ぶたを切った。
 自治体労働者には連年の賃下げという全面的な兵糧攻めが始まっている。
 4大産別への激しい資本攻勢の火点で徹底的に闘い抜いてこそ、自治体労働者の階級的団結を維持・発展させることができる。骨太方針Wのもとでの一大民営化攻撃に対し、その標的とされた4大産別がこぞってこれと対決すれば、階級情勢は激変する。「危機は好機」なのである。
 国際連帯を発展させることが必要だ。10月17日の全米MWM(ミリオン・ワーカー・マーチ)は国際反戦闘争として帝国主義打倒の激しい闘いとなって爆発しようとしている。その先頭に、教育、自治体、郵便、鉄道労働者が立っている。国境を越えた連帯と階級的な団結こそ、戦争を最後の言葉とする帝国主義を震撼(しんかん)させているのである。
 11月労働者集会は、帝国主義の侵略戦争と民営化を始めとした一大資本攻勢に、労働者が国際的に連帯し反撃する闘いの場だ。今こそ帝国主義打倒の労働者の総決起として10・17と11月労働者集会への闘いを圧倒的に推し進めよう。国際連帯を強め、帝国主義への反撃ののろしを上げよう。その先頭に真紅の組合旗を翻そうではないか。

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週刊『前進』(2167号3面2)(2004/09/27)

都労連、秋闘総決起へ 大幅賃上げ要求し2千人

 9月14日、04賃金闘争勝利を掲げて都労連第2波総決起集会が東京都庁第2庁舎前で行われ、都労連(東京都労働組合連合会、10万人)傘下6組合の労働者ら2千人が集まった。都労連は、公民格差是正、特別給改善、調整手当本給繰り入れなど大幅賃上げを要求し、団結して闘う決意を全体で示した。東水労は、8月20日の業務手当廃止提案の撤回を求めて、10月に2波のストを配置して総力で闘う決意を打ち固めた。
 8月6日、人事院は基本給、一時金とも据え置くとした給与勧告を出す一方、地域給与や査定昇給の導入などの考え方を打ち出した。5年連続賃下げの上、賃金制度改悪に踏み込もうというのだ。「骨太方針W」に基づく攻撃だ。
 石原都政、都人事委員会は、これを追い風に賃下げと人事考課制度強化、業務手当廃止の攻撃を強めている。10月初めの都人勧に向け、ストを含む闘いで大幅賃上げをかちとろう。

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週刊『前進』(2167号3面3)(2004/09/27)

全逓4・28闘争 関西で勝利報告集会 原告2人招き団結固める

 8月29日、「4・28裁判勝利報告集会」が兵庫県尼崎市労働福祉会館で67人の全逓の仲間、郵政労働者、支援を集めて開かれました。
 6月30日、東京高裁・江見裁判長は全逓4・28懲戒免職処分を撤回し原職復帰を認める逆転勝利判決を出しました。当該原告の25年間の不屈の闘いに敬意を払い、この勝利をともにするため、関西の労働者が呼びかけ、2人の原告を招いての集会です。
 司会から、27日、近畿で大規模な人事交流=強制配転の内示があり、郵政民営化攻撃の中で職場はますます労働強化と強権支配のもとに置かれていると報告されました。こうした中でかちとった高裁での逆転勝訴は、労働運動に計り知れない意義を持っています。司会の仲間は「25年の闘いに学び、職場に闘う団結を取り戻そう」と訴えました。
 主催者を代表して郵政ユニオン近畿地本の三木委員長、「郵政人権全国連絡会」の阿佐さん、「強制配転に反対する会」の平沼さん(全逓〔JPU〕富田林支部)が発言しました。徳島中郵に勤務する阿佐さんは、現在愛媛に住んでいる原告の黒瀬英之さん(高輪局)と「黒瀬氏を囲んで会」を持ったと報告しました。平沼さんは、全逓近畿地本大会で4・28勝利判決のことが質問されたが地本は一切答えられず、全逓指導部の裏切りが暴かれたと述べ、4・28闘争は組合指令で闘争に参加し懲戒免職された組合員を組合が守らなくていいのかという労働組合の原点を問う闘いだ、勝訴の地平を職場に持ち込み民営化攻撃との闘いをつくり出そうと訴えました。
 当該原告の池田実さんは「判決前夜、『25年ぶりの勝利判決』という新聞記事の夢を見た。でもまさかの勝利でした。25年間、皆さんの支援があったから勝利した。一刻も早く原職復帰をかちとり、地域の郵便局づくりのために頑張りたい。この勝利をバネに皆さんも闘ってほしい」と訴えました。
 同じく原告の神矢努さんは、78越年闘争当時、大崎局入局1年目の26歳で、当時の支部長から直接物ダメのやり方を教わったこと、その支部長は処分されなかったこと、処分が恣意(しい)的でデタラメであること、当時の石井委員長の証言からも処分は階級的報復であることは明らかだと訴えました。そして、全逓による被処分者の切り捨てと弁護団の再編の過程などを振り返りながら、「裁判で復帰させてもらうのではない。最高裁でどのような判断が出ようとも闘って原職復帰をかちとる」と決意を表明しました。
 連帯のあいさつを国労熊本闘争団を始めとした諸団体から受けました。
 最後に「強制配転に反対する会」代表がまとめと団結頑張ろうを行いました。
 (投稿/関西 全逓労働者M)

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週刊『前進』(2167号3面4)(2004/09/27)

『教育労働者の戦争協力拒否宣言』を読んで
教育改革つぶさに検証 画期的な日教組運動史
 (投稿) 神奈川・中学校教員 浅井かおる

 「第二部から読んだほうがいいよ」という勧めに従って、私は第二部から読み始めた。
 教育基本法の改悪、それを露払いに憲法9条に手を着け、一気に戦争国家に持っていこうとする小泉内閣を超反動と見てしまいがちだが、実は敗戦直後から愛国心・天皇制復活(を目指す道徳教育)、再軍備への並々ならぬ意欲が時の権力によって形を変えつつ、ずっと今日まで続いているのだとあらためて示してくれる。そのために労働者の闘いと組織を分裂・解体する攻撃は執拗(しつよう)に繰り返されてきた。
 教育を国家の支配下に奪おうとする攻撃と、それに抗して民衆の間に奪い返そうとする攻防の記録の中から、現在に続く教育労働運動の長く重い歴史が語られる。日教組が誕生し、幾つもの誤謬(ごびゅう)と試行錯誤を繰り返す中から、また大量の被処分者を出しながらも臆(おく)することなく生産点である職場から闘いが積み重ねられ、国家権力と階級的に対峙する視点と運動を確保していく過程は圧巻だ。とりわけ勤務評定反対闘争が、愛媛での高揚から敗北、その教訓に学んだ東京での勝利、和歌山、高知など全国統一ストを貫徹する日教組の闘いには学ぶべきものがあふれている。
 戦後史や戦中・戦後の労働運動史は幾つか目を通したが、確かな階級的視点に裏打ちされた戦後教育労働運動史は初めてだ。敗戦後の日本の混乱の中から、戦時教育をくぐり抜けた教師たちが、自ら子どもたちを戦場へと駆り立てた責任を問い、その反省の上に教壇に立ち、「教え子を再び戦場に送らない」のスローガンを掲げていくまで。日教組の「教師の倫理綱領」の磨き抜かれた項目の数々は素晴らしい。教師は労働者であることをこうもはっきりうたってあるとは。感激するとともに、現状が情けない。
 今、日々の超過勤務の常態化と職場の仲間の忍従の様子を思うと、さまざまな攻撃の中で私たち教師が意識の中でも「子どものため」という教師聖職化攻撃にやられているうえ、絶対評価・二期制・愛国心通知票・心のノート・道徳・人事評価、さらには中学校教職員給与の国庫負担除外など津波のような攻撃にグチさえこぼし合う時間もなく、分断されているなとつくづく思う。
 第一部は、現在が戦時下であることの確認から始まり、「国家戦略としての教育改革」をつぶさに検証する。新自由主義的改革の中身、戦争と差別と監視の社会。教育基本法改悪案が上程される04−05年が“決戦”の年になること、東京の「日の丸・君が代」闘争に立ち上がった教育労働者に続こうと呼びかける。
 労働者はもちろん、子どもとともにある教育労働者の合言葉は「戦争協力拒否」だ。教育基本法の改悪は、私たち教育労働者を国家権力の末端として、再び子どもたちを侵略戦争を担う若者へと「洗脳」する「死の手配師」になれという攻撃だ。また私たち自身も思想・良心・表現の自由などなく、教育課程の自主編成も成り立たない。精神の死が訪れる――そんな事態を拒否し、“闘う職場の組合員こそ日教組である”という本書の訴えにこたえ、今こそ闘いに立とう。“闘う日教組”を私たちの職場と地区教組の闘いで取り戻そう。一握りの資本家が莫大(ばくだい)な利潤を得るための教育などまっぴらだ。(労働者学習センター発行/1500円)

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週刊『前進』(2167号4面1)(2004/09/27)

農地強奪粉砕・3700メートル滑走路阻止 10・10三里塚全国総決起集会へ
 成田からの自衛隊派兵阻止 現闘本部裁判支援の全国大運動を
 江波敏之

 今年4月の空港公団民営化から半年、暫定滑走路の欠陥による経営破綻(はたん)の危機とイラク・有事法制への対応で、成田空港をめぐる情勢は一変した。防衛庁はイラク派兵のために成田空港の軍事使用をくり返し、成田空港会社(NAA)は平行滑走路完成のための現闘本部破壊と新たな農地強奪へと動き出している。この動きは朝鮮・中国侵略戦争を想定した成田空港の軍事化と3700b軍用滑走路建設に直結する。三里塚におけるこの変化は、イラク・沖縄情勢、そして労働運動をめぐる階級攻防と完全に連動している。米軍ヘリ墜落事故と名護新基地建設に対する沖縄の怒りと連帯し、決戦攻防に突入した4大産別の闘いと一体のものとして、10・10三里塚全国集会の大爆発をかちとろう。これを突破口にアメリカの10・17百万人労働者大行進(MWM)との連帯行動、11月労働者大行動に総決起しよう。

 戦時下に突入した三里塚闘争の位置

 アメリカ帝国主義のイラク・中東侵略戦争と帝国主義間争闘戦は、日帝・小泉政権の危機を促進し、階級情勢は大流動を開始した。小泉構造改革は、国鉄労働運動と全逓、自治体、日教組を始めとする官公部門の労働運動解体攻撃であり、この04年秋から05年の階級決戦的攻防となった。
 4大産別をめぐる労働組合解体攻撃との闘いは、同時に、自衛隊のイラク派兵、有事法制、教育基本法改悪、改憲攻撃との激烈な決戦攻防である。
 イラク・中東侵略戦争は完全に泥沼化し、イラク人民の民族解放戦争は、米英日占領軍をたたき出す本格的段階に突入しつつある。だがイラク人民に対する米帝の無差別虐殺はけっして止むことはない。米帝はイラク・中東侵略を絶望的に続けることで戦略資源の石油を制圧し帝国主義間争闘戦をしかけ生き延びようとしているのだ。
 米軍基地の「縮小」と言われる米軍大再編(トランスフォーメーション)は、泥沼化するイラク侵略戦争の兵力を拡充しつつ、同時に北朝鮮・中国侵略戦争に向けた前方展開と緊急展開を可能とする戦力配置の転換である。泥沼化するイラク情勢と米軍再編、日帝の有事法制による戦争動員などの情勢激変は、労働運動と全国の反基地闘争にドラスティックな変化をもたらし、階級攻防を新たな段階に押し上げている。
 米軍ヘリ墜落爆発事故への怒りのさなかの名護でのボーリング調査強行、北富士のサマワ訓練、座間基地への米陸軍第1軍団司令部の移転攻撃、横田・グアムの基地統合、そして成田空港の反復的軍事使用など、各地の基地と関連施設の激変は、これらの反対・撤去闘争を解体破壊する攻撃として、歴史転換的、階級決戦的にかけられている。
 しかし、帝国主義の〈外への侵略戦争と内への階級戦争〉は、労働者階級の根底的な怒りの決起を引き起こす。04年秋から05年の闘いは、労働運動と反戦闘争の命運をかけた大決戦だ。
 三里塚はこれらの攻撃に正面から対峙し、基地撤去を求める沖縄や戦争協力拒否の階級的労働運動とともに、階級攻防の最先端に位置し闘い続けている。三里塚闘争もまた、沖縄とともに現実的に戦時を意識する「戦時下の三里塚闘争」として新たに発展すべき時を迎えている。

 成田軍事空港化へ本格的転換の攻撃

 三里塚の情勢変化は、なによりも成田空港軍事化への本格的転換というべき事態に表れた。
 その第一は、空港軍事使用の常態化である。昨年11月の「イラク調査隊」の派遣から、報道されただけでもすでに9回、成田空港は軍事使用されている。自衛隊の交代要員は、ほぼ成田空港を使って戦地への出発と帰還をくり返す状況が生まれている。
 民間航空機は、戦争にまきこまれないように、軍事目的には使わないことが国際民間航空条約で取り決められている。国際法上、自衛隊は軍隊であり、自衛隊が民間航空機や民間空港を使うことは違法である。それゆえ隊員は私服で一般乗客にまぎれて旅客便に搭乗し、防衛庁は厳重な報道管制を敷いている。成田空港の警備体制は、いまや常に最高レベルの「フェーズE(非常)」である。成田は壁ひとつ隔てて軽機関銃で武装した銃器対策部隊が待機し、爆発物とNBC(核・生物・化学)兵器攻撃を想定した訓練をくり返す軍事空港なのである。
 転換を示す第二は、有事法制によって成田の軍事化が本格化していることだ。
 今年4月28日、衆院有事特別委員会で、井上喜一有事担当大臣は米軍・自衛隊に成田空港を軍事使用させる旨、答弁した。中曽根運輸大臣(当時)の国会答弁(「成田空港は軍事基地には使わせない。戦闘目的や軍事基地として成田空港を使うことは拒絶する」=1968年3月5日)以来、歴代内閣は成田空港を軍事使用しないと公約してきた。最近でも扇・前国土交通大臣が中曽根答弁を確認している(昨年7月3日の国土交通委員会)。これは軍事空港建設反対を第一に据えた闘いがかちとった地平である。井上答弁は、この政府公約の公然たる破棄と軍事化への方針転換を意味する。
 米軍は朝鮮侵略戦争の兵站(へいたん)拠点として成田空港を位置づけ、その排他的、独占的支配を日本政府に要求してきた(94年米軍支援対日要求項目)。
 武力攻撃事態法を始めとする有事法体系は、この米軍の支援要求に対応して共同して朝鮮侵略戦争の作戦計画を進めるためのものである。
 有事法制全体の骨格を定めた武力攻撃事態法は、武力攻撃の「予測事態(周辺事態を含む)」の段階から、米軍・自衛隊の軍事行動を保証し、国民の戦争動員を規定した。このもとで交通通信利用法は、米軍・自衛隊が空港・港湾、道路、電波などを占有できるよう定めている。空港管理者(自治体や法人)が拒否すれば首相権限で強制使用する。政府は飛行禁止空域を指定し民間機を強制排除できるのだ。
 9月7日、政府の国民保護法制整備本部は、有事に協力を義務づける指定公共機関として160法人を決定し、有事体制に組み込んだ。「国民の避難・救難」を口実とした労働者の戦争動員の具体化である。航空関係労働者に対する軍事輸送義務、放送事業に対する報道統制は避けられない。ライフラインとして成田空港が関西空港、中部空港とともに指定された。この指定公共機関の選定をもって、成田空港は侵略戦争体制に法制度的に組み込まれたのである。
 有事法制において、成田空港が米軍の排他的・独占的管理下におかれる制度がつくられたのである。

 米軍大再編で軍事的役割増

 第三は、米帝・ブッシュによる世界規模での軍事力再編(トランスフォーメーション)とそこにおける民間空港の軍事的役割だ。
 トランスフォーメーションの核心は、軍事力の緊急展開にある。その基底にある戦略は、米国防省の「10−30−30計画」(10日間で戦地に緊急展開、30日で制圧、30日で帰還して次の戦争を準備)である。これまでの、1つの大戦争と1〜2カ所の小規模戦闘の同時展開から、現象的には大規模基地の縮小だが、機動力の強化と攻撃の前方展開へと重心を移すことで、より効率的実戦的な戦争を可能とする。この緊急展開の支柱となる輸送手段は言うまでもなく空輸であり、そのシステムと効率的、全面的な使用が可能な空港の存在である。
 対北朝鮮の5027作戦計画では、作戦機1600機、兵員50〜70万人、その輸送の9割以上が民間航空輸送として、その実態が明らかになっている。
 成田空港は民間空港であり国際空港である。しかし実態は隠れた自衛隊出撃基地であり、朝鮮・中国侵略戦争下では、米軍の戦略的兵站拠点である。

 成田空港の民営化で深刻な経営危機

 こうした成田空港軍事化の一方で、民営化した成田空港の経営危機は、深刻さがさらに深まっている。
 成田空港暫定滑走路は、無理をおしてつくった短縮・欠陥滑走路であり、開港後1年で航空機同士の接触事故、オーバーラン事故が発生し、今年7月には誘導路上で航空機同士が立ち往生する事件を引き起こした。空港反対闘争で切り縮められてジャンボ機が飛べない滑走路と「へ」の字の誘導路が象徴する欠陥は、その経営に深刻な打撃を与えている。
 中部国際空港の開港(来年2月)と羽田国際化(09年)は、欠陥=成田の没落を促進する。航空競争の面でも、シンガポール航空やキャセイ・パシフィック航空、タイ航空がアジアとアメリカをノンストップで結ぶ路線を相次ぎ開設または準備している。「アジアのゲートウエイ」を掲げ、乗り継ぎ客のハブを自認してきた成田空港の存在価値はもはやない。
 こうして、成田空港会社は、07年株式上場までに「平行滑走路の完成と誘導路の直線化にめどをつける」ことを差し迫った課題として、やみくもな農地強奪を模索し始めた。天神峰現闘本部移転のための不当提訴と市東孝雄さんの農地に対する「小作権解除」の策動がこれである。
 だが、これらの攻撃はいずれも空港会社にとって勝算のない暴挙である。
 「小作権解除」が問題とされる土地は、市東家が御料牧場を開拓し親子3代にわたって額に汗してつくりあげた農地である。農地法と農業委員会は農地を守り農民の利益を擁護するための法律であり機関である。これを逆に農地強奪の論拠とせざるを得ないところに、その無謀さがある。事業認定が失効し土地収用法が適用できない現状では、こうした常軌を逸した手続きをも策動せざるを得ないのだ。
 反対同盟の反撃に、黒野空港会社社長は「(手続きに入る)方針を決定した事実はない」と打ち消したが、本質的に脅迫による屈服の強要であり、強行すれば、空港反対闘争のみならず農地・農業破壊に苦しむ日本農民の怒りの火に油を注ぐものとなるだろう。

 現闘本部裁判は必ず勝てる

 また現闘本部裁判は、全国的な支援陣形をもって闘えば必ず勝利できる。
 この裁判闘争の争点と勝利の根拠の第一は、成田治安法による封鎖措置とこの封鎖物件の収去(撤去)要求の矛盾である。成田治安法によって本部建物は厳重に封鎖され何人も立ち入ることができない。この状態の建物を撤去することは物理的に不可能である。9月9日に行われた第2回口頭弁論では、この根本矛盾を突いて反対同盟弁護団が即時却下を求め、激しい応酬となった。裁判は原告・空港会社の訴えが、そもそも裁判として成り立つか否か、本案前の激しい論戦に突入している。
 争点と勝利の根拠の第二は、本部建物用地に対して反対同盟が直接的に持つ不動の権利である。
 現闘本部建物は一見すると鉄筋3階建ての建物だけのように見えるが、実は二重構造になっている。この中にさらに、反対同盟が初期のころに建築した木造平屋建て建物(旧現闘本部)が存在する。
 反対同盟は、この木造の現闘本部を建築直後に建物登記した。旧地主の石橋政次は条件移転にあたって本部用地を分筆し反対同盟に残した。これらのことは、反対同盟が当該建物用地に対して直接的な権利としての地上権を保持していることを意味する。
 空港会社側は、その訴状で現闘本部建物を「未登記」と記述したが、これは致命的な事実誤認である。実はこうした不当な撤去攻撃をも想定し、あえて旧現闘本部を保存しこれを守るかたちで鉄筋造りの建物を増築したのである。現闘本部裁判は必ず勝利できる。
 暫定滑走路の延長と誘導路の直線化は、当初計画2500b平行滑走路を完成させるものである。しかしこれにとどまらず、暫定滑走路建設時に北にずらした800bとすでに滑走路として舗装強化した南端部分400bを加えると最長3700bの軍用滑走路の完成を意味する。これを許せば成田空港は4000b級滑走路を2本持つ列島最大の軍事基地に変貌する。天神峰現闘本部と市東孝雄さんの農地を守る闘いは、その意味でも現地攻防のカギを握る最重要闘争である。

 三里塚闘争の新たな発展切り開こう

 成田空港は軍事使用の常態化と有事法制で、軍事化への動きを本格化させている。この情勢の新段階は、沖縄を始めとする全国の基地・演習場の強化と、有事法制による労働者の戦争動員、労働運動解体攻撃と完全に一体である。10・10三里塚全国集会の課題は、この新情勢に、三里塚闘争の「再構築」とも言うべき新たな発展を切り開くことである。
 第一に、反基地・軍事演習阻止闘争、反戦運動や労働運動との連帯強化と、共同闘争的発展を闘いとろう。10・10三里塚集会は、10・17MWMと11月労働者大行動との連帯集会だ。日帝・小泉は米ブッシュや英ブレア同様、階級的決起の恐怖におびえながら「内への階級戦争」を構えざるを得ない。これに対して、労働者本隊の階級決起と三里塚の内乱的実力決起の真価を示そう。成田から自衛隊を出兵させないための諸行動に決起しよう。
 第二に、「天神峰現闘本部裁判闘争を支援する会」として開始された三里塚支援運動の全国展開を実現しよう。市東さんの農地を守る闘いが、この支援運動のもうひとつの柱に位置づけられた。この基金運動と会員拡大に三里塚闘争の成否がかかっている。三里塚に心を寄せる万余の層がある。この人びとに働きかけ、絶対勝利のための闘争基盤を強固に打ち立てよう。
 第三に、反対同盟と天神峰・東峰の敷地内、芝山騒音下の闘いを守り支援する現地現闘体制の拡充と強化である。
 10・10三里塚全国集会に大結集を! これを突破口に10・17MWMとの連帯行動、11月労働者大行動に総決起しよう。

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週刊『前進』(2167号4面2)(2004/09/27)

三里塚闘争の新たな発展へ 10・10全国集会へ総結集を
 反対同盟が全国に呼びかけ

 三里塚芝山連合空港反対同盟が、10・10全国総決起集会への招請状を発した。反対同盟の呼びかけにこたえ、全国から集まろう。(編集局)

 ■招請状

 全国の闘う仲間のみなさん。四月の民営化から半年、欠陥による経営破たんとイラク・有事法制への対応で成田空港をめぐる情勢は一変しました。空港の軍事化のもとで、新たな農地強奪との闘いが始まったのです。反対同盟は八月末に成田市内で全国活動者会議を開催し、緊急に取り組むべき課題を確認し、十・一〇全国集会への総決起を誓いました。全国のみなさんの結集を呼びかけます。
 なによりも訴えたいことは、自衛隊のイラク参戦と有事法制で成田空港の軍事使用があいつぎ、軍事化がいっきに進んでいることです。昨年十一月のイラク調査隊の派遣から、報道されたものだけですでに九回、成田空港が使われました。自衛隊の交代要員は、ほぼ成田空港を使って出発と帰還をくり返しています。
 一九六八年の中曽根運輸大臣(当時)の国会答弁以来、歴代内閣は成田空港を軍事使用しないと公約してきました。ところが今年四月二十八日、井上有事担当大臣が米軍・自衛隊に成田空港を軍事使用させる旨答弁しました。政府公約を破棄して軍事化へと転換したのです。
 米軍は「作戦計画五〇二七号」で朝鮮侵略時に五〇万米兵を本土から空輸するとしており、成田空港の独占的管理を要求しています。「特定公共施設等利用法」「米軍支援法」「国民保護法」などの有事関連法はこれに対応するものです。世界的な米軍の配置転換(トランスフォーメーション)は、沖縄、相模原、北富士、日本原等に変化を引き起こしており、反対同盟は共に闘う同志たちの基地撤去・軍事演習阻止闘争と連帯し、総決起しようと決意を新たにしています。
 民営化後の成田空港はますます行きづまりを深め、空港会社(NAA)は死活をかけた攻撃にのめりこんでいます。空港公団が旧地主から買収した市東孝雄同盟員の農地について、空港会社が小作権解除に動き出したと報道されました(七月三日)。反対同盟の闘いで、黒野社長はその事実を打ち消しましたが、事業認定が失効した今となっては、いかに無謀かつ常軌を逸しているとはいえ、こうしたことを策動するしかないのです。
 天神峰現闘本部裁判闘争は、成田治安法によって立ち入りを禁止されている建物に対する除去要求という矛盾を突いて激しい論戦に入りました。現闘本部は建設直後に建物登記されており、土地に対する直接的な権利としての地上権を保持していることから、闘えば必ず勝利できると確信します。現闘本部裁判支援運動の大前進をなんとしても切り開きたいと思います。
 来年二月の中部国際空港の開港と〇九年の羽田国際化は、欠陥=成田の陥落を促進します。窮地にたつ空港会社は、〇七年株式上場までに平行滑走路の完成と「へ」の字誘導路の直線化を至上命令として、無謀な攻撃に踏み切らざるを得ないのです。この新たな農地強奪策動は、同時に最長三七〇〇メートル軍用滑走路を完成させることでもあり、なんとしても阻止しなければなりません。
 自衛隊のイラク占領軍参加と有事法制定、沖縄からの出撃と米軍ヘリ墜落など重大事故の激発、教育基本法の改悪と憲法改悪への動き、年金など社会保障制度の解体攻撃、そして労働者への賃下げと首切り、農地・農業破壊など、私たちをとりまく情勢は大きく変わりつつあります。これに対する人民の決起が始まりました。
 反対同盟がこの秋全力でとりくむ課題は、この情勢に応えて三里塚闘争の再出発と新たな発展を築こうとするものです。すべての闘うみなさんが、十・一〇三里塚に総結集されますようお願い申し上げます。
 二〇〇四年九月七日
 ……………………………
 記
【集会名称】成田空港を使ったイラク派兵阻止・有事法制粉砕/現闘本部裁判闘争に勝利し農地を守りぬこう 10・10全国総決起集会
【日時】10月10日(日)正午
【会場】成田市東峰・反対同盟員所有地
【主催】三里塚芝山連合空港反対同盟
(連絡先)事務局長・北原鉱治 成田市三里塚一一五 рO476(35)0062

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週刊『前進』(2167号4面3)(2004/09/27)

“裁判自体が間違い” 現闘本部裁判 NAA答弁できず

 千葉地裁501号法廷で9月9日、天神峰現闘本部裁判が行われた。
 この日の焦点は、成田治安法をめぐる攻防だ。三里塚芝山連合空港反対同盟と弁護団は、現闘本部は成田治安法によって厳重に封鎖されており、建物の撤去は物理的に不可能であり、成田空港会社(NAA)の訴えは、そもそも不可能・不適切であり、直ちに却下されるべきと主張した。
 これに対してNAA側は「実現が不可能または著しく困難な場合であっても給付の訴えの利益がないとは言えない」と撤去が実行不可能でも裁判は成り立つと、この裁判とはまったく関係のない判例を引き合いに主張した。
 これについて弁護団は「先例的価値のない判例。民法135条を満たしていない」と断罪した。実際に撤去が不可能なら裁判で要求すること自体が間違いなのだ。
 結局NAA側はまともな答弁ができず、追って書類で回答することとなった。
 公判後、「天神峰現闘本部裁判闘争を支援する会」の例会が行われた。事務局長の北原鉱治さんは「闘わないと自分たちの利益は守れない」と裁判闘争の意義を説明し、代表世話人の戸村義弘さんが支援する会の会員拡大を呼びかけた。敷地内の市東孝雄さんが「祖父母の代から開墾した歴史ある畑」を守る決意を語り、本部役員の鈴木幸司さんも「農地を武器に闘う」と強い決意を示し、10・10全国集会を呼びかけた。
 * * *
 「天神峰現闘本部裁判闘争を支援する会」
■事務局連絡先
 成田市三里塚115(北原気付)
■会費の送金先
 三井住友銀行成田出張所※店番号・口座番号
 548−6592903
※口座名義 伊藤信晴

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週刊『前進』(2167号4面4)(2004/09/27)

日誌'04 9月7日〜14日
 大量破壊兵器「発見」を断念
 自衛隊海外派兵を「本来任務」に

●米軍の死者1千人に 米ホワイトハウスのマクレラン報道官が、イラク駐留米軍関係の死者数が千人に達したことを明らかにした。昨年3月の戦争開始以来約18カ月の合計。(7日)
●治安出動前から自衛隊・警察連携 防衛庁と警察庁はゲリラや特殊部隊など外国の武装工作員が上陸してきた際などを想定し、自衛隊が治安出動する前から連携、共同で対処するための指針をまとめた。治安出動が命じられる可能性が生じた時点で互いに連絡員を派遣したり、地図や通信機材を共有したりして円滑に対処するとしている。(8日)
●海外派兵へ法改正 防衛庁は、年末までの「防衛計画の大綱」の改定に向け、自衛隊法で「付随的任務」としている国連平和維持活動(PKO)などの海外派兵任務を「本来任務」に格上げするため、同法改正案を来年の通常国会に提出する方針を固めた。(8日)
●米400団体が中止要請 米軍普天間飛行場の名護市辺野古沖への移設計画に対し、400を超える米国の環境団体が、同海域での新基地建設中止を求める連名の文書をブッシュ米大統領と小泉首相に送付した。(8日)
●辺野古沖の調査着手 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の代替基地建設で、那覇防衛施設局が移設予定地の名護市辺野古沖での海底ボーリング調査に着手した。4月開始の予定だったが、住民らの座り込みで着手できないでいた。(9日)
●9・11から3年 01年の9・11反米ゲリラから丸3年となった。ブッシュは「まだ安全とは言えない。この敵を打ち破る」などと演説した。(9日)
●武器輸出の部分解禁検討 武器輸出3原則の見直し問題で、政府が日米共同開発によるミサイル防衛(MD)システムの部品を米国に輸出するケースを適用外とするだけでなく、一定の範囲内で武器輸出の条件を緩和し、部分解禁することを検討していることがわかった。(11日)
●宜野湾市民大会に3万人 沖縄県宜野湾市の沖縄国際大学に米軍のヘリコプターが墜落した事故に抗議し、市中心部にある米軍普天間飛行場の早期返還を求める「宜野湾市民大会」が同大グラウンドで開かれた。参加者は約3万人。95年の県民総決起大会の後、基地に抗議する集会としては最大の規模となった。普天間飛行場の名護市辺野古沖移設の再考や日米地位協定改定など6項目を決議した。(12日)
●辺野古移設反対が8割 政府と沖縄県が進めている普天間飛行場の移設について、反対が8割を超えることが、朝日新聞と沖縄タイムスが共同で実施した世論調査でわかった。辺野古沖への移設には「反対」が81%で、「賛成」は10%だった。米軍ヘリ墜落事故後の小泉首相の対応については「評価しない」が81%だった。(11、12日)
●陸自常備定数7千人増 政府が年内に確定する新たな「防衛計画の大綱」について、防衛庁がまとめた陸海空3自衛隊の編成や装備の素案が明らかになった。陸自は戦車など従来型装備を削減する一方で、テロや海外派遣への対処を理由に、常備自衛官数を現大綱の14万5千人から15万2千人へ大幅に増員している。主要装備の削減は小幅となっている。(13日)
●米、大量破壊兵器発見を断念 パウエル米国務長官は、上院政府活動委員会の公聴会で、イラクの大量破壊兵器について「いかなる備蓄も発見されておらず、われわれが発見することはないだろう」と述べ、従来の「未解決の問題だ」との発言内容を修正した。パウエルは大量破壊兵器の保有に関する個々の情報について、誤りだったことを認めており、今回の発言は備蓄の発見を最終的に断念したことを表明。(13日)

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週刊『前進』(2167号5面1)(2004/09/27)

どこまで沖縄を犠牲にするのか
日帝・小泉=稲嶺体制打倒へ 巨大な階級決戦が始まった
 革共同沖縄県委員会

 沖縄闘争は完全に歴史的な爆発過程に入った。日帝のSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)路線、すなわち普天間基地の県内移設強行を下から食い破り、再び三たび日帝対沖縄人民の非和解的な総対決の過程に突入した。同時にそれは、04−05−07年における日本労働者階級人民の日帝との巨大な階級決戦が沖縄から火を噴き始めたということである。9月12日、沖縄国際大学で開かれた3万人決起の宜野湾市民大会はその号砲となった。

 普天間即時撤去・辺野古への移設反対で3万人が決起

 9月12日、台風により順延されて開催された「沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落に抗議し、普天間飛行場の早期返還を求める宜野湾市民大会」は、主催者が予定した1万人をはるかに上回る3万人が、会場の沖国大グラウンドを埋め尽くした。宜野湾市民は、伊波洋一市長を先頭に各行政区ごとに根こそぎ決起、ありとあらゆる民間団体、老若男女の大結集となった。県内各地からも続々と結集した。
 この集会は、実質上は県民大会だった。もはや限界を超えた怒り、基地撤去の強い意志、不退転の決意など、それはまさしく1995年10月21日に宜野湾市・海浜公園で開かれた「米兵による少女暴行事件糾弾」の県民大会の再現だった。
 同時にこの日の集会は、9・9辺野古ボーリング調査阻止の闘いの爆発と完全に一体のものとして闘いぬかれた。8・13米軍ヘリ墜落事件にもかかわらず、9月9日から始められた調査に対するまさに怒髪天をつく怒り、さらに辺野古住民を先頭に500人の結集で決死阻止の闘いが激しく繰り広げられるさまを見て、居ても立ってもいられない気持ちとなった県民が、3万人も結集したということだ。
 9・12宜野湾市民大会の爆発的成功は、きわめて重大かつ決定的な意味をもっている。沖縄闘争はついに、日帝・稲嶺体制、SACO路線体制を食い破って、1995年9・4事件、10・21「10万人決起」の原点にラセン的に回帰し、あの時の全県民的意志を、新たに不退転に貫く前進運動を開始した。
 「ラセン的」とは、言うまでもなくまったく同じものの再現ではない。この日の集会で全参加者が最も共感し、賛同し、強い拍手・反応をもってこたえたのは、「普天間基地即時閉鎖・撤去」「辺野古への移設(基地の県内タライ回し=SACO路線)反対」「日本政府・小泉政権への徹底糾弾(そのメダルの裏側は日本政府の手先・稲嶺県知事への弾劾)」の3点である。辺野古現地における不屈の新基地建設阻止の闘いと、8・13米軍ヘリ墜落事件糾弾・普天間基地撤去を要求する宜野湾市民の闘い、さらに金武町伊芸区のキャンプ・ハンセン都市型ゲリラ戦闘訓練施設建設阻止の闘いが戦略的にがっちりと連結したのである。ここに沖縄労働者人民対日本帝国主義(=日米安保体制)の本質的対決構造の歯車が、具体的に再び激しく動き出したのだ。

 追いつめられた日帝・小泉

 現在の局面は、95〜96年の事態(日帝にとって沖縄「失陥」、日米安保体制の崩壊という事態)の再来に心底恐怖した日帝・小泉政権とその手先・奴隷頭である稲嶺県知事が必死に巻き返しを図り、闘争の封じ込め、鎮圧の攻撃に打って出たこととの激しいつばぜり合いの真っただ中にある。
 9月9日から始まった辺野古現地におけるボーリング調査・予備調査は、その切っ先である。粘り強く不屈に闘われている4月19日以来の辺野古現地のボーリング調査阻止座り込み闘争は、SACO路線を破綻(はたん)のふちまで追い込んでいる。そこに8・13米軍ヘリ墜落事故が起こり、全県民的怒りが爆発的に高まった。日帝・小泉(そしてその手先・稲嶺)は、8・13事件で文字どおり息の根を止められてしまうかもしれない、そうした恐怖の中にたたき込まれた。
 小泉も稲嶺も、当初、何の態度表明もできないまま8・13事件から逃げ回っていた。だがこの態度そのものが沖縄県民の猛烈な怒りを買った。夏休み中の小泉は歌舞伎や映画に忙しいと言って、問題そのものを無視した。オリンピックを夜を徹して見る時間はあっても、沖縄県民の命にかかわる一大事に割く時間はないのか!
 小泉が、表面的に沖縄に対してまったく関心を払わない、何もしない、という態度をとっているその裏で、日帝中枢は、米軍の世界的大再編(トランスフォーメーション)下であくまでもSACO路線を貫くことを意志一致、動揺する稲嶺など沖縄の支配層への恫喝も含めて態勢を整え、正面突破で突っ込んできた。9・9辺野古ボーリング調査の開始はこうした日帝・小泉の回答であり、戦闘開始であった。

 小泉=ブッシュ連合による安保強化・米軍再編粉砕せよ

 日帝・小泉が全力を挙げて沖縄人民の怒りの爆発を抑え込もうとしても、けっしてこれを押しとどめることはできない。何よりも、辺野古の闘い、金武町・伊芸区の闘いの上に、沖縄人民の生存と米軍基地(日米安保体制)の共存はできないということを、8・13事件は沖縄人民の意識にあらためて強烈に刻印してしまったからである。だから日帝・小泉が、あの手この手で米軍基地との共存を押しつければ押しつけるほど、沖縄の怒りは高まり、対決構造はますます鋭角的で激突的なものとならざるをえない。だが日帝・小泉にはこれ以外のやり方はないのである。
 沖縄闘争は再び三たび、「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」の綱領的戦略的核心問題を全面的に開示して爆発する情勢に入った。
 ここでわれわれは、現下の沖縄闘争の勝利のために、米帝動向と日帝・小泉の基本政策をしっかり押さえなければならない。
 まず、米帝ブッシュの米軍大再編、トランスフォーメーションについて見ておかなければならない。これが現在の沖縄の米軍基地を規定している。
 8月30日、ブッシュは米共和党全国大会で大統領候補受諾演説を行い、ここできわめて重要な世界戦争戦略を述べている。ブッシュは、「対テロ戦争」という名の侵略戦争、先制攻撃戦略の発動を今後もどしどし展開することを押し出しながら、次のように述べた。
 「日本は米国の主要なパートナーであり、日米同盟はアジアの平和と安定、安全、繁栄の重要な基礎である。日本が地域や世界で指導的役割を果たすことを期待する」
 「北朝鮮に核計画の完全かつ検証可能で不可逆的な廃棄を要求する。中国は軍事力増強で周辺を脅かし、国民の自由にも制約がある」
 「中国が台湾を攻撃すれば、米国は台湾を支援する」
 米軍トランスフォーメーションは、世界展開している米軍兵力の単純な削減などというものではまったくない。それはますます泥沼的に引きずり込まれ危機的事態に追い込まれているイラク戦争を凶暴な侵略戦争の拡大で突破しようとし、さらに対北朝鮮侵略戦争(それは中国との戦争とも不可避に連動する)をも準備する、そのために米軍の世界展開を抜本的に見直し、欧州重視の体制からアジア重視に転換していく、その中で日米関係、日米安保同盟を世界戦争戦略の基軸として歴史的に据え直すというものである。
 これは実に恐るべき内容である。米帝は日帝と組んで、場合によっては独・仏帝国主義などもはじき飛ばして世界戦争を繰り広げる、自衛隊をその指揮下に置きながら限りなく米軍と一体化させる、というものである。歴史的規定性から言えば、第2次世界大戦前の連合国、枢軸国といったレベルでの帝国主義の争闘戦、分裂、対立が起こっているのである。
 重要なことは日帝・小泉は、基本的にこの米帝戦略に沿うことによって帝国主義間争闘戦に勝ちぬくこと、自己の運命をかける決断をしている、ということだ。今年の7月と8月、アーミテージ国務副長官とパウエル国務長官が相次いで日本の憲法改悪=9条破棄を求める発言をした。また日本の国連常任理事国入りを、小泉はこれまでとは画然と異なる積極性で実現しようと動き始めている。さらに米帝がこれに積極的に同意を与えている。そして、在日米軍基地をアジアの米軍展開のハブ(中枢)として再編、再配置が進められている。
 こうした動きに見られるように、米軍トランスフォーメーションは日米帝国主義の争闘戦としてのむき出しの意図のもとに具体的に発動されている。したがって、それは日帝にとって改憲や有事体制確立、そして防衛大綱の大改定、さらには「内に向かっての階級戦争」としての労働者人民への大反動攻撃と一体のものである。
 この間の沖縄米軍基地をめぐる事態はすべて、この米帝の全世界的軍事再編、およびそのもとでの日帝・小泉の踏み切りが引き起こしている事態なのである。8・13米軍ヘリ墜落事件、その後の日米政府の対応を例にとって見れば、物事は鮮明になってくる。
 県民が「ここは日本ではないのか。沖縄県民は日本国民ではないのか」と怒った事件後の米軍の現場における対応(日本政府の対応)は、こうした日米帝国主義の現在の真の姿をあらわしたものなのだ。政府は米軍の現場対応をすべて問題なしとした。どう解釈しても違法である米軍の行動を、問題なしとして押し通そうとしているのだ。こうした日帝・政府の対応の中には、明らかに有事法制の発動、トランスフォーメーション推進下の米軍の行動、すなわち戦時下には、一切は超法規的に軍隊のもとに動かされる、法律など(有事法の各条項さえ)関係ないかのように事は進められていく、そういう状態を積極的にめざす意志が現れている。
 米軍当局の発言はもっと露骨だ。在沖海兵隊の司令官は、墜落したヘリのパイロットが人身に被害を出さないように回避行動をとってあの場所に墜落させたのだと言い張り、「その技術の高さが素晴らしい」と絶賛した。また米兵が現場を封鎖して一切を排除したことについて、「地位協定に基づく日米政府の取り決めによりその行動をとった。何の問題もない」とし、さらに「米軍と警察の関係はきわめて良好で満足している」とも述べている。

 労働運動の階級的再生で本土−沖縄を貫く大闘争へ

 米帝の世界戦争戦略・先制攻撃戦略に自らの運命を定めた小泉政権のもとで、沖縄の米軍基地をめぐる階級的激突はますます激しいものとならざるをえない。日帝は、ひたすら硬直的に沖縄差別的に対応するしかない。米軍トランスフォーメーションは、一面では「本土の沖縄化」を激しく進行させる。これもきわめて重大かつ深刻な事態を日本の全労働者階級人民の頭上にかぶせることになり、全国的な怒りの人民的決起も不可避である。しかしもう一方、それはどこまで行っても本土と沖縄が同じになることにはけっしてならない。日本帝国主義は、必ず最終的には沖縄にその矛盾を集中して事を進めようとする。
 沖縄闘争は、04〜07年の過程を左右する基軸的な闘いとなった。沖縄県民の怒りはいま頂点に達しつつある。それは、1995年9・4事件を契機にした歴史的決起が、日帝(および沖縄の側からの裏切り者・稲嶺知事や岸本名護市長など)のSACO路線によってはぐらかされ、「第3の琉球処分」的に煮え湯を飲まされたことを今主体的に打ち破りつつある分だけ、より激しくより大きなものである。そしてまたその分だけ、日帝と沖縄の歴史的、差別的関係の変革を求める根底性はより深いものとなっている。教労決戦を先頭とする4大産別・労働組合をめぐる1年間決戦から07年改憲決戦へと登りつめ、プロレタリア革命を急速にたぐり寄せていく戦後最大の階級決戦の中に、沖縄闘争を戦略的にがっちり位置づけて闘おう。

 社共のりこえる労働者党を

 そうした観点から今後の闘いを展望する場合に重要な点を提起したい。
 革共同第19回全国委員会総会において、95年の「沖縄の新たな人民反乱」を総括し、第3次安保・沖縄闘争の革命的発展を戦取するための主体的な課題として提起された二つの点である。一つは、沖縄人民反乱が「大田知事の闘い」となりすぎており、それがのりこえられなければならないということと、二つには、沖縄の人民的決起に呼応する本土の労働者人民の決起が、沖縄の規模と広さに達していないということであった。この二つの点は、今日でもそっくりそのまま勝利に向かっての関門である。
 ではこの関門はどのように突破されるのか。革共同の新指導路線の実践であり、労働組合運動の階級的形成・再生と、社・共をのりこえる労働者党の建設がその核心である。
 教育基本法改悪、「日の丸・君が代」強制と闘う教労決戦を先頭に、教労、自治体、全逓、国鉄の4大産別決戦で小泉・奥田路線と総対決し、小泉を打倒する04〜05年の1年間決戦が新たな力強い前進を開始している。動労千葉から死活的に呼びかけられている階級的労働運動再生の新潮流運動によって、この二つの課題が根本的にのりこえられつつあるのだ。
 ここで4・19以来の辺野古ボーリング調査阻止・座り込み闘争が切り開いている地平を確認したい。
 4月19日以来、5カ月間にもわたって防衛施設局のボーリング調査を阻み続けてきた座り込み闘争は、辺野古の「命を守る会」住民の文字どおりの命をかけた闘いを核に、あらゆる階層の人びとが参加して闘われてきた。
 その中で座り込み第2週目から労働組合がローテーション参加の組織的取り組みを開始し、以来今日まで続けられている。この労働組合の組織的な闘いが果たしてきた意義と役割は大きい。復帰前、復帰後を問わず、復帰闘争、反戦反基地闘争を軸とする政治闘争は、それが大きければ大きいほど、その分、労働組合が屋台骨を支えてきたのである。
 まさに沖縄の死活のかかった政治的課題を、沖縄の労働組合が階級本隊として責任を持って闘いぬくことによって初めて、またその度合いに応じて闘いは前進してきた。同時に、そうした実践はそのまま沖縄の労働運動の戦闘性、階級性のエネルギーとなっていった。
 これに関連して、現下の沖縄における闘いの爆発的大高揚を、日本の労働者階級が自らの階級的自己解放のための課題として全力を挙げて闘わなければならないということがある。いわゆる「本土と沖縄の温度差」のことである。このことは9・12宜野湾市民大会でも「日本中の人たちが自分のこととして受け止めてほしい」と熱烈に訴えられた。
 日本の労働者階級は、小泉が訪米してブッシュとにこやかに握手して、在日米軍基地の強化・沖縄基地の永久化を再確認しようとしている時に、自分自身の階級的矜持(きょうじ)にかけて全世界に沖縄問題を提起できるのかどうかが問われている。沖縄人民は〈米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒>を貫き、小泉を打倒するために階級本隊の決起を望んでいるのである。
 全日本建設運輸連帯労働組合・関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合・港合同、国鉄千葉動力車労働組合が11・7全国労働者総決起集会を呼びかけた。このネットワークこそ、そのような階級本隊の決起を実現する勢力である。11・7集会を日米韓3国の労働者の階級的団結に沖縄の決起が大合流し、巨万人民が総決起する集会として実現しよう。

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週刊『前進』(2167号5面2)(2004/09/27)

ペテン的「着工」に怒り 辺野古 連日、海上抗議で調査阻む
 “海上基地建設を白紙撤回せよ”

 日帝・小泉政権の意を受けた那覇防衛施設局は9月9日、名護市辺野古沖への普天間代替施設=海上新基地建設のためのボーリング調査「着工」に踏み切った。しかし、「正々堂々と行う」との言葉とは裏腹に施設局はマスコミを使って情報操作を行い、さらにチャーターした漁船をダミー船に仕立てて「陽動作戦」を行うなど一から十までペテン的で卑劣なやり口に終始している。
 4月19日も施設局は作業開始は午前9時と発表しながら、まだ暗い午前5時に数十台もの車両を連ねて突入、辺野古漁港内に作業ヤード建設を試みた。これを実力阻止して以来、9月9日で座り込みは144日連続の長期戦となっている。8月13日の沖国大への米軍ヘリ墜落事故から1カ月、宜野湾市では全市民こぞっての市民大会が準備され、金武町でも110日を超えて都市型戦闘訓練施設建設阻止の闘いが広がっている。すでに沖縄県民の8割がきっぱりと辺野古移設反対を意志表示している。
 「9・9着工」のペテン性こそ追い詰められた日帝・小泉=稲嶺の姿だ。

 500人が結集

 9日は前夜からの泊まり込み組も含めて早朝から続々と座り込み参加者がテントに集まった。キャンプ・シュワブからの調査船出航もありうると、基地ゲート前にも平和運動センターの労組を中心に監視部隊が配置された。
 沖縄県出身の野党国会議員5氏も駆けつけ、テント前で350人の緊急集会が開かれた。「ヘリ墜落事故を口実に辺野古移設を加速させようとしている」(照屋寛徳衆院議員)などと怒りの発言が続いた。命を守る会の金城祐治代表は「この運動は日本と歴史を変える闘い。必ず勝利する。平和のうねりを日本、世界に広げよう」と訴えた。絶対阻止するぞ! 意気高く団結ガンバロー!
 時間とともに参加者は増え続け500人を超える。11時すぎ、沖縄島南部・佐敷の馬天港から作業船が辺野古沖に向かったとの情報。マスコミ各社には午後2時からの作業開始が通告された。海上阻止へ2隻の抗議船、8艇のカヌーが出航した。海上行動に呼応し、岸壁から「ボーリング調査許さんぞ! 調査船は帰れ!」のシュプレヒコール。断続的な集中豪雨、風も強く海はしけている。まさに命がけの闘いとなった。
 午後2時、大浦湾の北側の汀間漁港から施設局がマスコミを乗せて取材船を出すという。急きょ50人が駆けつけ、やってきた施設局と対峙。取材船への施設局員の乗船を阻止、その場から逃げ帰ろうとする広報室長ら4人を足止めし、1時間超の追及となった。
 午後4時すぎ、テント前では海上阻止行動の報告集会が開かれた。作業船は1隻、5隻がダミー船。「たった一カ所、2本のブイしか立てられなかった」という。抗議船の乗員には早朝に新聞を読み、家族に「2〜3日帰らなくても心配するな」と言い残し逮捕覚悟で駆けつけた男性もいた。「ダミー船だったことを知って、生まれて初めて怒りで体が震えた。でも私たちが勝っているということだと思いました」と東京から来た若い女性。
 おばあたちは「よくやった」と大拍手、「海は私たちの味方さ」と緊張の中にも笑顔を見せた。
 翌10日も高い波を乗り越え、2隻の抗議船は果敢に作業船を追跡、キャンプ・シュワブのビーチに追い返す。

 座り込み死守し

 安次富浩反対協共同代表は、「形だけでも着工し、運動に打撃を与えようとしている。この座り込みを死守することが、海での抗議行動も支えることだ。リーフ内なら阻止できる」と戦況を語り、さらに周辺の海人(ウミンチュ=漁民)が抗議行動に駆けつけるなど運動の広がりを報告した。
 12日の宜野湾市民大会には辺野古からもおじい、おばあを先頭に参加し、「辺野古に来てください」とビラをまき、海上抗議船のためのカンパを訴えた。総額63万円のカンパが集まり、普天間と辺野古が一体の闘いであることを示した。
 13日朝、「基地の県内移設に反対する県民会議」とヘリ基地反対協が、名護漁協辺野古支部に、調査に船を出さないように申し入れを行った。10時ごろ、出港していくチャーター漁船に突堤から「船を出さないでください!」と声を限りに訴えた。
 連日の海上抗議行動によって、調査船は調査ポイントに近づくことができず、ボーリング調査の前段である潜水調査を完全に阻止している。「命の海にボーリングは許さんぞ!」。今すぐ辺野古に駆けつけよう。
 小泉・稲嶺は、沖縄県民の声を聞け! 普天間基地の即時閉鎖・返還を! 辺野古移設を白紙撤回しろ!
 9月25日午後6時、那覇・県庁前広場に集まろう。

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週刊『前進』(2167号5面3)(2004/09/27)

防衛施設庁に抗議 9・9東京

 那覇防衛施設局によるボーリング調査着工に対して東京でも直ちに国会座り込みや防衛施設庁抗議闘争(写真)が取り組まれた。
 9日夕、防衛施設庁前に90人が結集して抗議行動を闘った。怒りのシュプレヒコールをあげ、集会。辺野古の大西照雄さん、上原成信さんから電話で工事は実質的に何も進んでいないと勝利の報告が入った。工事中止の申入書を読み上げ、施設庁職員に手渡した。

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週刊『前進』(2167号6面1)(2004/09/27)

団結ひろば 投稿コーナー

 「今度の事故は最後の警告」と伊波市長 東京 西尾鎮夫

 9月9日夕、東京・永田町の星陵会館で、沖縄選出国会議員6氏の企画による「米軍ヘリの墜落に抗議する集い−宜野湾市長・伊波洋一さんの話を聞く会」が開かれました。もともとは5日の宜野湾市民大会を受けて、その決議を携えて伊波市長が政府や国会に申し入れに上京する際に行われる予定でしたが、台風で市民大会が12日に延期になったため、大会前の集会になりました。ちょうどこの日の朝に那覇防衛施設局が名護新基地建設のためのボーリング調査を開始し、集会と同時刻に防衛庁に対する抗議の闘いが組まれるのと並行して行われました。8月13日の普天間基地のヘリ墜落事故に対する怒りと危機感を強めている沖縄出身者を始め多くの人びとが集まりました。
 司会の糸数慶子参院議員と照屋寛徳衆院議員は、辺野古でのボーリング阻止闘争を闘って、夕方の集会に駆けつけられました。
 伊波さんは、今回の事故は起こるべくして起きた事故であると強調しました。日米両政府が普天間基地返還を約束した96年の翌年に年間2万回だった飛行回数が昨年は3万5千回にもなったと言います。市街地にあって危険だから返還するというはずだったのに、かえって逆に倍増しているのです。ハワイやグアムの米軍基地が閉鎖されてそのしわ寄せが普天間に集中しているそうです。
 伊波さんは、「今度の事故は最後の警告だ」と言います。そして「辺野古移設は普天間の解決にならない」と断言しました。稲嶺知事の「辺野古移設、使用期限15年」というのは、返還約束から8年、移設作業に15年、使用期限15年ということで、38年間、米軍基地として提供するというもので、戦後の米軍政27年間に比べても途方もないものだと語っていました。今すぐ普天間基地を閉鎖し、全面撤去させる闘いを強めなければならないとあらためて確信しました。

 全逓4・28裁判勝利に「よく頑張った」の声 千葉 K

 7月半ば頃のある朝、東京の南部地域の郵便局で全逓4・28裁判勝利のビラまきをしました。2時間程の間に10人になるかならないかの労働者にビラを渡しましたが、受け取った年配の人は一様に立ち止まってビラを見ながら「長かったねー。よかったよかった」と声をかけてくれました。
 局内のゴミを出しにきた掃除のおばさんにビラを渡したところ、「はーあ、長かったねーえ、よく頑張った」と、4・28闘争と同じくらい長く深い息をついてビラを見てくれました。
 局内から出てきた40代くらいの女性労働者と話になりました。非組合員だそうで、「組合なんか必要なのかしら」と。職場の雰囲気を聞いたうえで、「競争競争の世の中だから、やっぱり労働者や組合が職場で力をもっていないと、仲間同士の雰囲気もぎすぎすしたものになるんじゃないですかねぇ」と言うと、「そう、それは感じるわね」と共感してくれました。
 でも、この局は、2人の職制がにらみをきかせている中でも平気でビラを受け取り、話しかけてきてくれたので、案外労働者が職場で力を持っているのかもしれませんね。

 政府のだまし討ちに辺野古は勝利する 千葉 勝田四八

 9月7日から3日間辺野古の座り込み行動に参加しました。辺野古のテント村は「いつ防衛施設局が調査に来るのか」、「強制執行に機動隊200人が準備されている」という情報が入り緊迫した状況でした。そうした中でしたが、テント村のオジーやオバーは明るく元気に座り込みをたたかっていました。人間の尊厳をかけ、命をはぐくむ辺野古の海に基地を作らせないと立ち上がったオジーやオバー、これほど強いものはない。
 9月9日強制執行があるとの情報が入り、早朝から座りこみの仲間たちが増え、500人以上に膨れ上がりました。防衛施設局が来ようが、機動隊が来ようが辺野古のテント村は絶対に突破されないという確信をもちました。辺野古のテント村、さらにはキャンプシュワブゲート前での監視活動と完全にボーリング調査を阻止できる万全な状況でした。時折大粒の雨が降りしきる中の座り込みを続けていると、11時過ぎ「防衛施設局の調査船が馬天港を出た」との情報が入り、テント村内は防衛施設局の卑劣なやり方に怒りが満ち溢れました。
 「馬天港は沖縄の南部の港であり、何でそんなに遠い港から強行するんだ」。防衛施設局は正々堂々と調査に着手すると言っておきながら、こんなだまし討ち的な卑劣なやり方をする。座り込みを続けるオジーやオバーの心を踏みにじるやり方であり、絶対に許すことはできない。政府や防衛施設局にはひとかけらの正義もないのかと声があがった。政府はこんなだまし討ち的なやり方をやらなければならないほど追い詰められており、辺野古のたたかいはもうすでに勝利していると思いました。
 辺野古のオジーやオバーの命をかけてたたかう姿を見て、自分自身も職場でのたたかいを資本を追い詰めるようなたたかいにするようがんばっていこうと思いました。すべての青年労働者は有給休暇をかちとり、多くの仲間をつれて、圧倒的に勝利し続けている辺野古に行こう。

 怒りの海上阻止行動敵船団ついに敗走す 富山大学1年 中岡光次

 10日11時、さくら丸にて出港。沖合1〜2`先に漁船型(中)4隻、「みらい」と思われる船1隻。識別せんとすること15分。遂にそれ作業船みらいと断定。我々それ追跡するも余りの高波に断念せざるをえず、リーフまで退却し、海上抗議行動の好機を待つ。
 いくばくも経ずして、リーフ上に1隻の「警戒船」と1隻の「調査船」を発見せり。即座に抗議、阻止行動を開始。しかるにおとり船の可能性高しと判断す。
 そこへ「大西船」が我がさくら丸に接近、さらに新手の施設局の船1隻が出現。
 局の人3人、船長1人、ダイバーと思われしもの2人甲板にて肉眼で確認。本命艦と認識し、、行動に移るも敵、味方計5隻が海原においてクルーザーチェイスを開始。
 その模様たるや海戦のごとし。その戦、熾烈(しれつ)を極めるも、敵船団キャンプシュワブまで敗走するのを肉眼で確認。そしてその一戦、勝利のうちに終わりし。
 我が隊の昨日に続いての連戦連勝、我らの誇りなり。

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週刊『前進』(2167号6面2)(2004/09/27)

JOC臨界事故から5年
労働者の虐殺を居直り核開発政策進める日帝

 断罪さるべきは国家と資本

 JCO労働者の大内久さん、篠原理人(まさと)さんを虐殺し、700人近くの労働者・住民を被曝(ひばく)させた1999年9月30日の茨城県東海村JCOの臨界事故から5年目を迎える。
 「ウラン加工工場臨界事故調査委員会報告」は、「直接の原因はすべて作業者の行為にあり、責められるべきは作業者の逸脱行為である」と決めつけ、水戸地裁判決もそれを踏襲した。
 だが、2人の労働者になんら責任はない。経済産業省原子力安全・保安院、核燃料サイクル開発機構、JCO住友資本による極悪な核・核武装政策の推進、人命無視の行政・生産がすべての原因だ。
 科学技術庁(現経済産業省原子力安全・保安院)と原子力安全委員会は、「技術的にみていかなる場合でも臨界を防止する対策が講じられていること」と明示した「安全審査指針」をみずから破り、臨界安全形状に設計されていない機器の使用を許認可した逸脱行為が事故の根本原因なのだ。
 さらに核燃料サイクル開発機構が、輸送と分析の期間短縮を目的に臨界安全管理違反の40g均一の要求を強制した行為こそ直接の原因である。
 そして、臨界安全教育をまったく現場労働者に行わなかったJCO・住友資本の責任が重大だ。日帝国家権力・資本総ぐるみによる虐殺された2人の労働者への事故責任の全面転嫁を絶対に許してはならない。

 危険な原発・核施設を止めろ

 02年、東京電力の福島第1・第2、柏崎刈羽の3原発で、シュラウド(原子炉圧力容器内の炉心障壁)やジェットポンプなどの検査結果の改ざん・隠ぺいの不正行為が明らかになった。だが、日帝は機器に損傷があっても運転を続行する「維持基準」を導入した。欠陥原発の運転と検査体制の空洞化を合法化し、みせかけの「安全行政」すらも全面的に投げすてる暴挙に走ったのだ。
 そして今年8月9日、関西電力美浜原発で大事故が発生した。4人の下請け労働者が即死、同月25日にはもう一人の労働者が息をひきとった。事故当日、221人が検査作業のため、タービン建屋に入って作業していたが、事故時には午後3時の休憩でほとんどの労働者は外で休みをとっていたという。時刻がずれていたら、さらに多くの労働者が犠牲になっていた。
 破断した配管は91年に寿命切れだったが、点検・交換なしで運転を続け、今回の大惨事となった。美浜のような原発事故は、全国のどこの原発で起きてもおかしくない。いっそう危険なプルサーマル計画など言語道断だ。すべての危険な原発・核施設をただちに止めろ!

 改憲・武器輸出狙う軍需資本

 JCO臨界事故の主犯=核燃機構は、核軍事施設そのものである高速増殖炉「常陽」と「もんじゅ」そして高速炉用再処理工場「RETF」を保有し、核爆弾材料の高純度プルトニウムを生産している。
 美浜原発事故の主犯=関電は、「原子力の平和利用」などと言って、美浜を始めとした多数の原発で大量のプルトニウムを生産し、核燃サイクル計画推進=核武装化の片棒を担いできた。
 今、かつてない体制的危機に直面している日帝は、帝国主義間争闘戦に勝ち抜くには「軍事力の充実が必要」と、「武器輸出3原則」の見直しさえ叫びだした。それは、改憲・核武装への動きと完全に連動している。
 美浜原発プラントを製造し今回の事故の発端となった逸脱検査をおこなったのが、巨大軍需産業・三菱重工業である点を重視しなければならない。破滅的核事故の危険すらかえりみず、ぼろぼろになった核燃サイクル稼働の強行をとおして独自の核軍事力保有を狙う日帝・小泉政権を打倒しよう。

 原発推進する連合・笹森弾劾

 自治労、自動車総連の大会で「9条改憲」を公言した連合会長・笹森清は、東京電力労組出身で電力総連(旧同盟系の電力労連を中心に81年結成、93年組織統合)元会長だ。JCOと関西電力の労働組合は連合傘下である。この電力総連中央こそ、帝国主義的労働運動として一貫して原発推進を掲げてきた反労働者的な労組指導部なのだ。
 生産性第一・労資協調・戦争翼賛・原発推進の連合・笹森の反労働者路線こそが、資本攻勢と一体で核燃・原発を始めとした全国の工場・職場で労働災害を次々と引き起こし労働者を殺しているのだ。
 組合員・乗客・沿線住民の生命を守るために反合理化・運転保安闘争をストをも駆使しつつ闘いつづけている動労千葉の闘う路線こそが、労働者が生き、そして解放をかちとることができる唯一の道だ。
 連合指導部を打倒し、日本労働運動の階級的再生をかちとろう。日帝の核武装を許すな! 核燃サイクル解体! 六ケ所再処理工場ウラン試験・「もんじゅ」運転再開・プルサーマル計画を断固阻止しよう! 9月30日、JCO臨界事故5周年闘争に結集し、日帝・経済産業省原子力安全・保安院に怒りの抗議行動をたたきつけよう。
 (河東耕二)
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追悼と抗議申し入れ
9月30日(木)午前10時
 経済産業省別館前
「美浜原発事故とJCO臨界事故」講演集会
9月30日(木)午後6時 渋谷勤労福祉会館
主催 9・30臨界被曝事故5周年東京圏行動実行委員会

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週刊『前進』(2167号6面3)(2004/09/27)

 福嶋同志は無実だ 一日も早く奪還しよう(4)
 10万人署名運動  働きかければ大きな反響 3被告無罪を勝利の力に

 獄内外で連帯し

 「不当な長期勾留を許すな! 十万人保釈署名運動」は、福嶋昌男さんに対する12年の未決勾留を弾劾し、福嶋さんを獄中から取り戻すために全力で救援運動を進めています。
 現在、保釈を求める署名は4万8000筆にのぼり、東京地裁刑事第3部(服部悟裁判長)に提出しています。しかし、服部裁判長は本年6月28日に福嶋さんの保釈を却下してきました。12年もの長期勾留は違憲・違法であり、極悪の人権侵害であることは明白であるにもかかわらず、保釈を認めない裁判所に激しい怒りを感じます。もっともっと署名を集め、福嶋さんの救援運動を広げて、服部裁判長を追いつめていかなければなりません。
 私たちは、霞が関の東京地裁正門前で、ビラまきと署名運動を展開しています。福嶋さんと同一の事件で無罪判決をかちとった須賀武敏さん、十亀弘史さん、板垣宏さんの3被告が先頭に立っています。マイクを握り「わたしたち被告団と同様、福嶋さんは無実です」と声を限りに訴えています。裁判所前は、労働争議を闘っている労働組合の人たち、裁判所の人権侵害に怒っている人たちでいっぱいです。ビラは吸い込まれるようにまかれ、署名は次々と集まります。
 さらに、毎月1回有楽町マリオン前で署名活動をしています。すでに3年になりました。大きな横断幕と福嶋さんの似顔絵をかかげ、道行く人たちに、ビラを渡し、署名を呼びかけています。ここでも被告団がマイクを握って「人権が奪われる時、戦争が始まる」と訴えています。ここで知り合った映画学校の若者は、学校の研究発表のテーマに長期勾留問題を取り上げました。署名した人が裁判の傍聴に来た例もたくさんあります。顔見知りになった人たちもいて、「がんばれ」とジュースなど差し入れてくれます。国家権力の弾圧に怒り、福嶋さんに心寄せてくれる人たちとの出会いが数多くあります。
 裁判所への申し入れ行動も間断なく闘いとっています。十万人保釈署名運動呼びかけ人・賛同人たちが先頭に立ち、裁判所と激突しています。
 獄中の福嶋さんへの集団面会行動も重要な闘いです。面会は1日1回で、3人までと制限されています。3人で面会室に入ると、福嶋さんはいつもニコニコと笑って喜びを表してくれます。
 さらに、裁判の傍聴はもとより、人権団体やマスコミへの働きかけ、日弁連への人権侵害救済の申し立て、国会前での座り込み、国会議員への働きかけなど、創意工夫をこらした活動を展開してきました。

 戦時司法許さず

 米帝ブッシュによるイラク侵略戦争の開始は、世界戦争過程への突入を告げ知らせました。小泉政権は自衛隊をイラクに派兵したのみならず、今や多国籍軍の一員となって、イラク軍事占領の最先兵となっています。日帝は再び侵略戦争の泥沼に深々と入り込み、新たな「15年戦争」の時代が始まりました。
 「戦争する国」への転換が、改憲を具体的に射程に入れて、社会の全面にわたって行われています。「内への階級戦争」攻撃です。
 刑事司法改悪3法が、今春国会で強行成立させられました。裁判員制度の導入を始め、一切が戦後憲法体系下の治安体制や裁判のあり方を戦時型に大転換させる大反動攻撃です。すなわち、基本的人権の抹殺、裁判闘争の破壊、弁護士と弁護士会の翼賛勢力化、戦後民主主義の破壊を狙った攻撃です。
 さらに今秋臨時国会では「共謀罪」の成立がもくろまれ、刑法改悪(厳罰化)、刑事訴訟法改悪も狙われています。反戦運動、労働運動への弾圧が狙いです。
 こうした時代状況の中で、須賀さん、十亀さん、板垣さんが16年という途方もない年月を不屈に闘いぬき勝ちとった無罪判決の意義は計り知れないものがあります。
 裁判所は無実・無罪の人間を16年という年月、判決も出さないで獄中に、しかも独房に閉じ込め続けてきた。この国家権力の反人民性、非人間性に多くの労働者人民は怒り、獄中と連帯する闘いに結集してきました。そして、02年末にはついに3人の保釈奪還をかちとりました。戦時司法を先取りする反動を大衆的力でぶち破ったのです。この勝利が、さらに今年3月25日の無罪判決をたぐりよせたのです。不屈に闘えば勝てるという確信を私たちに与えてくれました。

 保釈金カンパを

 「十万人保釈署名運動」は、「未決勾留12年の福嶋さんをとりもどそう! 破れ獄壁! 迎賓館・横田裁判勝利! 今すぐ保釈を!10・9集会」を、渋谷勤労福祉会館で開催します。
 弁護団は、10月に新たな保釈請求をする予定です。もうこれ以上福嶋さんを獄中に閉じ込め続けることは許されません。東京地裁・服部裁判長の人権侵害を弾劾し、10月福嶋さんの保釈をなんとしてもかちとろう。福嶋さんの保釈金カンパをただちに集めよう。
 全世界の労働者階級人民と被抑圧民族人民は帝国主義の“戦争と大失業攻撃”に対し不屈の反転攻勢にうって出ています。11・7労働者集会への大結集をかちとろう。日韓米の労働者階級との国際的連帯をうち固めて闘いを勝利させよう。
 こうした決戦のまっただ中で、獄中12年の不屈の福嶋さんを奪還しよう。
(不当な長期勾留を許すな! 十万人保釈署名運動事務局 内藤雄二)
 (シリーズおわり)
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未決勾留12年の福嶋さんをとりもどそう!
破れ獄壁! 迎賓館・横田裁判勝利!

今すぐ保釈を! 10・9集会

10月9日(土)午後1時半開場 2時開会
渋谷勤労福祉会館(渋谷区神南1丁目19−8)
主催・不当な長期勾留をやめさせるために! 十万人保釈署名運動

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週刊『前進』(2167号6面4)(2004/09/27)

 公判日程

☆迎賓館・横田裁判
福嶋昌男同志裁判
9月22日(水)午後1時15分
   *東京地方裁判所
☆6・12私文書弾圧裁判
判決公判
9月30日(木)午前10時
   *東京高等裁判所

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