ZENSHIN 2004/05/31(No2151 p06)

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第2151号の目次
 
1面の画像
(1面)
6・4中央闘争に全力結集を
5・21明治公園 戦争法案阻止へ1万人の怒り
参院段階で「有事」「年金」葬れ
記事を読む  
5・15沖縄闘争 普天間基地を包囲 名護新基地着工許さず 記事を読む  
(2面)
イラク人民と連帯し有事法案粉砕を
小泉再訪朝=戦争外交を弾劾する
戦争・改憲と年金大改悪の小泉政権を即刻打倒しよう
野党の屈服弾劾し6月闘争へ
記事を読む  
国労弾圧公判 “酒田委員長と公安刑事から被害届出せと言われた”
石井証人が重大事実認める(5月18日)
記事を読む  
資本攻勢&労働日誌 2004 5・1〜5・18
日本経団連 「攻めのリストラ」へ報告書
記事を読む  
(3面)
沖縄で反戦の決意新たに “青年が労働運動変える”
5・16那覇 200人が熱気あふれ集会(5月16日)
記事を読む  
基地の県内移設阻止を訴え 宜野湾で県民大会(5月16日) 記事を読む  
“辺野古決戦態勢を”
沖縄交流センター 反戦共同行動委 5・15交流会開く(5月15日)
記事を読む  
「郵政民営化」報告に反撃を 小泉改革粉砕 全逓決戦に立とう(大沢 康) 記事を読む  
全金本山夏季物販アピール 大攻勢の闘争財政確立へ 記事を読む  
(4面)
労働者の戦争動員に総反撃しよう
イラク侵略戦争の継続・激化と北朝鮮侵略戦争発動への攻撃
ACSA改定・有事7法案粉砕へ
記事を読む  
自衛隊イラク撤退を
女性とジャーナリスト緊急集会 有事法廃案を訴え(5月14日)
記事を読む  
5・30北富士現地闘争へ
サマワ模擬施設建設許すな〔全学連北富士現地闘争本部〕
記事を読む  
派兵・改憲を問う集会
5・3京都 有事法制に怒り
“改憲阻止の大運動つくろう”(投稿/京都Y)(5月3日)
記事を読む  
日誌'04 5月11日〜18日
「多国籍軍参加検討」と石破 自公民が有事法案修正合意
記事を読む  
(5面)
民族解放・革命戦争の本格的発展を切り開いた4月蜂起
闘うイラク人民と連帯し 米日帝の侵略戦争を内乱へ
記事を読む  
法政大 学生会館閉鎖を打ち破れ
当局のサークル破壊許すな(マル学同中核派・法政大学支部)
記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
“裁判員制度許すな”
弁護士先頭に国会行動 共謀罪新設を葬り去ろう(5月18日)
記事を読む  
学習ノート フォイエルバッハ・テーゼについて
実践的唯物論=共産主義の立場への主体的飛躍
党学校で学んだこと 渡辺典子
記事を読む  
インド洋派兵を弾劾 佐世保 労働者市民100人が決起(5月17日) 記事を読む  
公判日程 記事を読む  

週刊『前進』(2151号1面1)(2004/05/31)

 6・4中央闘争に全力結集を

 5・21明治公園 戦争法案阻止へ1万人の怒り

 参院段階で「有事」「年金」葬れ


自公民の衆院採決強行を弾劾!
明治公園に集まった1万人を超える労働者人民が、自衛隊のイラク即時撤退、有事7法案と3条約・協定の廃案へ奮闘を誓った(5月21日)

 5月21日夜、東京・明治公園で、陸・海・空・港湾労組20団体など4団体の呼びかける「自衛隊の即時撤退!/STOP!有事法制/守ろう!平和といのち5・21集会」が開催され、1万人を超える労働者・市民・学生が参加した。前日の20日、自公民によって有事関連7法案とACSAなど3協定・条約承認案が衆院本会議で採決を強行されるという重大情勢の中で、参加者は首都圏から全国から続々と結集した。「絶対に成立させてはならない!」「あと4週間の攻防で必ず廃案に!」という怒りと危機感があふれ、真剣で熱い決意がみなぎった。6月16日の今国会会期末まで3週間、とてつもない侵略戦争法案の成立を阻止するために闘いぬこう。参院段階の闘いで、有事法案と年金改悪法案を絶対に葬り去ろう。6・4中央闘争に全力結集しよう。6月連続闘争に決起しよう。
 勤め帰りの労働者らが続々とつめかける中、6時からのオープニングで、新谷のり子さんが「フランシーヌの場合」などを熱唱、イラク戦争と有事法制への反対を熱く訴えた。
 6時半、公園全体に労組の旗が林立し、司会が開会を宣言した。
 労組20団体を代表して航空安全推進会議の大野則行議長が開会あいさつに立った。前日の衆院通過に対して「修正によって有事法制の本質はなんら変わらない」と強く弾劾、「『緊急対処事態』への対応を語るなら、まず何よりも自衛隊を今すぐイラクから呼び戻すべきだ」と述べた。「有事7法案は、武器・弾薬などを米軍に提供し、日本の空港や港湾を米軍に優先使用させるもの。94年の朝鮮戦争危機の際はそれができなかったが、有事法制が成立すれば日本が補給基地となって戦争ができるようになる」と事態の重大さを指摘し「廃案しかない」と強調した。そして「私たち20団体は5年前のきょう5月21日、この明治公園で周辺事態法成立反対の集会を開催して以来、多くのみなさんとともに闘ってきた。休んでいるわけにはいかない。あらゆる垣根を取り払い、日本を戦争する国にさせないという一点で力を合わせて闘おう」と訴えた。
 国会からは、日本共産党の穀田恵二衆院議員、社民党の土井たか子衆院議員が発言した。平和を実現するキリスト者ネットの糸井玲子さんがカンパアピール。
 各界から6人の「平和に向けたアピール」を受けた。その中で東京・国立市の上原公子市長は「国民保護法は戦争への国民総動員法だ」と弾劾、「徴兵は命かけても阻むべし、母祖母おみな牢に満つるとも」の歌を引用し、「有事法制は命かけても、牢につながれても阻止しなければなりません」と訴えた。
 日本原水爆被害者団体協議会(被団協)代表委員の藤平典さんは、有事法制特別委員会で石破防衛庁長官が「広島の原爆の爆心地でも落命しなかった人がたくさんいた」と暴言を吐き、核兵器が使える兵器であるかのように語っていることを、被爆者の満身の怒りを込めて弾劾した。
 全日本海員組合関東地方支部長の牧添正信さんは、イラン・イラク戦争の際、ペルシャ湾に入湾するタンカーの船員として働いていた時の恐怖の体験を語り、「私たち船員は、平和な海なくして働くことはできない」「戦争のための業務従事命令の押しつけには最後まで反対します」と決意を述べ、最後に「イラン、イラク、パレスチナ、アフガニスタンで亡くなった市民の方々に哀悼の意を表します」と語った。
 集会宣言が提案された。「有事法制が完成すれば、住民も労働者も平時から戦争法制の組織と訓練に組み込まれます。有事法制が発動されれば、私たちの自由と人権を奪われ、戦争協力を強制されます。私たちは、このような有事法制の完成と発動に断固として反対します」「●私たちは、日本がこれ以上、戦争への道を歩むことを許しません。●私たちは、自衛隊のイラクからの即時撤退と、占領の終結を求めます。●私たちは、あくまで有事7法案と3条約・協定の廃案のため奮闘します」。参加者の力強い拍手で確認された。

 20労組を先頭に元気なデモ

 ただちに渋谷コース、新宿コースの二手に分かれてデモに出発した。新宿コースの先頭には労組20団体の労働者が並び、「日の丸・君が代」闘争を闘う教育労働者が続いた。都労連を始め国鉄闘争支援陣形の労働者や、自治労など連合傘下の労組の組合員も多い。
 全国からかけつけた「とめよう戦争への道! 百万人署名運動」は、延々と続く大隊列でデモをけん引した。夜の街に「有事7法案反対!」「自衛隊をイラクから戻せ!」「小泉政権を倒せ!」の元気なシュプレヒコールが響きわたった。
 次は6・4中央闘争だ。全力で闘おう!

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週刊『前進』(2151号1面2)(2004/05/31)

 5・15沖縄闘争 普天間基地を包囲

 名護新基地着工許さず

 青年労働者を先頭に

 ペテン的「返還」32年の5・15沖縄闘争は、名護市辺野古(へのこ)の新基地建設の事実上の着工をめぐる激突の最中で闘われた。5月14日からの3コースの平和行進に自治労などを中心に本土の労働者も参加。16日の普天間基地包囲行動に2万人が立ち上がった。
 96年に「5〜7年以内の返還」が約束された普天間飛行場はいまだ返還されず、在沖海兵隊はイラク侵略戦争に投入され、ファルージャ虐殺の最先兵となっている。
 宜野湾市では昨年、普天間飛行場の5年以内の閉鎖・返還を公約した伊波市政が誕生。普天間基地の閉鎖・撤去を求める新たな闘いが巻き起こった。名護・辺野古では新基地建設阻止の座り込み実力闘争が闘われている。96年のSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)による基地の県内移設路線は完全に破綻(はたん)している。
 そもそも、沖縄人民の基地撤去の願いを逆手にとって、県内に新基地を建設するという大ペテンは絶対に通用しない。破綻を居直る日本政府の工事着工に対して、辺野古住民を先頭に怒りの反撃が始まったのだ。
 連合沖縄は普天間包囲行動参加の条件として「県内移設反対」のスローガンを削除させ、辺野古の闘いとの分断を狙った。だが、労働者人民は、名護新基地建設阻止と普天間撤去を完全に一体のものとして闘った。今国会の有事法案にも事実上賛成している連合の右翼的制動は下から大きく揺さぶられた。
 16日昼の闘いの熱気が冷めやらぬまま夜には、動労千葉の佐藤正和元青年部長らの呼びかけた「全国青年労働者交流集会 OKINAWA」が開催され、青年労働者200人が参加した。反戦地主の知花昌一さん、動労千葉の中野洋前委員長の講演に耳を傾け、名護新基地建設阻止を闘おう、青年の力で闘う労働運動をつくろうと誓った。
(写真 「普天間基地の即時無条件返還」などを掲げ、米軍普天間基地を2万人の「人間の鎖」が完全包囲した。全国から集まった自治労組合員【5月16日 宜野湾市】)
 (関連記事3面)

 2万人が「人間の鎖」

 沖縄県内外から集まった労働組合員や住民約2万人が16日午後、米軍普天間飛行場の周囲約11・5`を「人間の鎖」で包囲した。
 普天間飛行場は市の約25%を占め、市街地がドーナツ状に取り囲む。周辺の学校では授業中断が日常化し、いつ墜落事故がおきても不思議ではない。世界で一番危険な飛行場だ。「もうこれ以上我慢できない」「普天間基地は即時閉鎖せよ」の怒りの爆発として包囲行動がかちとられた。
 正午ころから続々と人が集まり始め、「米軍・自衛隊はイラクから撤退せよ」などと書いたボードやハンカチなどが基地のフェンスに結び付けられ、労組の旗やのぼり、横断幕などで基地の周囲が彩られた。反戦共同行動委員会も約200人が宜野湾市役所の周辺で鎖の一部を担った。
 行動は午後2時から3回行われ、1回目は配置がうまくいかず、「手をつないだまま南側に移動して」などと声を掛け合った。2時30分、「成功」を知らせるアナウンス。どよめきやウエーブが起こった。3回目も成功した。包囲行動終了後、宜野湾海浜公園で県民大会が開催された。

 座り込み1カ月超え

 辺野古で4月19日未明に座り込みを始めてから1カ月。命を守る会のおばあ、おじいを先頭にした連日の闘いが、那覇防衛施設局によるボーリング調査の開始=新基地建設の着工を敢然と阻み続けている。米日帝の戦争を阻止する闘いだ。
 5月14日には、平和行進の東コースが辺野古で出発式を行い、約400人が参加した。ヘリ基地反対協の大西照雄代表委員は「ぜひ駆けつけて1時間でも一緒に座ってほしい」と呼びかけた。15日も、全国の労働者が座り込みに参加した。
 16日は、ヘリ基地反対協の約60人が普天間包囲行動に参加。安次富浩代表はトラメガを使って、包囲行動の参加者に「1日でも1時間でも、辺野古の座り込みに参加を」と訴えた。
 翌17日、本土の青年労働者や学生ら約100人が最後までともに闘う決意を込めて座り込みに参加した。反対協の大西照雄さん、元名護市長の渡久地裕徳さん、基地の県内移設に反対する県民会議代表の山内徳信さん、平良修牧師、命を守る会代表の金城祐治さんらが発言した。
 金城さんは「辺野古に世界一のハイテク基地が構築されようとしています。明日でちょうど1カ月、僕たちはどこにも逃げられません。しかし『私たちだけで頑張ります』では頑張れない。各地に帰って『沖縄の問題は日本の平和を揺るがす大問題だ』と訴えてほしい」と述べた。平良牧師は「この闘いがあと何日続くのか。私たちだけでは限界がある。それを支えてくれるのは全国の仲間です。みなさん、仕事を辞めてでも辺野古に来てください。『頑張ってください』と言って帰っていくだけでは、沖縄は頑張りきれません。頑張らせるだけの行動をとってください」と真剣に述べた。熱射の日も土砂降りの雨の日も1日も欠かすことのない、命を削るような闘いの気迫が強く響いた。

 防衛施設局との新たな攻防

 「命が大事だから頑張っているんですよ」「もしここに新しい基地ができたら、若い青年たちが兵隊に行くんですよ」。防衛施設局がやってくると聞いて座り込みに駆け付けたおばあたちが口々に語った。
 18日午後1時、命を守る会と反対協は記者会見を行い、96年のヘリ基地建設案の浮上に対して命を守る会が座り込みを始めてから8年間・2639日プラス4月19日からのボーリング調査阻止の30日の勝利を確認し、「相手がへこたれるまで座り込む」と宣言した。
 この日午前、施設局が4月19日に設置しかけたフェンスの台風対策をしたいとやってきたが、地元住民は「それなら完全に撤去せよ」と要求。交渉の結果、いかなる補強もしないと認めさせた。翌19日は台風に備え、命を守る会の小屋の前で座り込んだ。
 防衛施設局は、作業船の出港場所を当初の辺野古漁港から米軍キャンプ・シュワブへ変更して着工することを検討しているという。なんという卑劣さ! 怒りが高まる中、辺野古では新しい攻防が始まっている。
 辺野古の座り込み闘争の勝利は、全国の労働者がともに立ち上がってこそかちとることができる。「人柱となっても杭(くい)は打たせない」と必死で訴える住民の闘いにこたえ、辺野古現地に駆けつけよう。
 名護新基地建設阻止の闘いを、島ぐるみ、日本ぐるみ、世界的闘いに発展させよう。

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週刊『前進』(2151号2面1)(2004/05/31)

 イラク人民と連帯し有事法案粉砕を

 小泉再訪朝=戦争外交を弾劾する

 戦争・改憲と年金大改悪の小泉政権を即刻打倒しよう

 野党の屈服弾劾し6月闘争へ

 すべての闘う労働者学生市民のみなさん。5月20日、国民保護法案など有事7法案と改定ACSAなど3協定条約承認案が、自公民により衆院有事法制特別委員会で可決、続いて衆院本会議で可決・通過させられた。そして小泉は、これを携えて、22日に北朝鮮・ピョンヤンを訪問しようとしている。昨年成立した武力攻撃事態法など有事3法に続く今次有事法案は、イラク侵略戦争の継続・激化・拡大と、北朝鮮・中国への侵略戦争の体制づくりのための法案であり、航空、港湾、交通、医療を始めとした労働者を戦争動員していくための法案だ。参院段階の闘いで絶対阻止しなければならない。今こそ、米英日帝のイラク侵略戦争と軍事占領反対、自衛隊即時撤退、ACSA改定・有事7法案粉砕、そして年金改悪法案粉砕の6月闘争に全力で決起しよう。日帝・小泉政権を打倒しよう。

 拉致問題をも口実に北朝鮮侵略戦争を準備する日米帝

 日帝・小泉政権は7月参院選に向け、政治危機ののりきりをかけて、5・22小泉再訪朝を打ち出した。小泉再訪朝は、米日帝の北朝鮮侵略戦争に向かっての徹頭徹尾帝国主義的な戦争外交である。わが革共同は、この小泉再訪朝に断固反対する。5・21大闘争を引き継ぎ、6月有事立法反対闘争を爆発させ、小泉訪朝の反革命を粉砕しよう。
 第一に、これは米帝のブッシュドクトリンに基づく世界戦争計画、米日帝の北朝鮮侵略戦争準備の一環である。米帝は「北朝鮮=テロ国家」規定の中に拉致問題を加え、6者協議でもそれを推進している。イラク侵略戦争に総力を傾注し、その泥沼化にあえいでいるが、同時に対北朝鮮(中国)の侵略戦争の構えを強めている。金正日に対して核保有の完全放棄を迫り、昨年3・20開戦後のイラク侵略戦争の継続・激化を背景に北朝鮮への戦争重圧を強めているのである。
 現に米軍のトランスフォーメーション(地球的規模での大再編)は、北朝鮮を最大の標的としている。日本海にイージス艦を配備し、在沖米軍の臨戦態勢を強め、実際の対北朝鮮戦争のための体制構築を進めている。金正日体制を追い詰め、存亡の危機に立たせ、その転覆を狙っているのである。それとタイアップして、小泉が金正日に直接攻め込んでいくのが、今次訪朝なのである。
 第二に、日帝・小泉は、米帝との共同=競合の論理をもって、北朝鮮侵略戦争へ大きく踏み出そうとして今次訪朝を策した。日帝は拉致問題と核保有問題で排外主義を扇動しつつ、金正日を攻めることをテコにして、外為法改悪に続く特定船舶入港禁止法案や有事立法攻撃を促進している。
 そもそも、97年新ガイドライン協定、99年周辺事態法、03年武力攻撃事態法などの一連の攻撃は、すべて北朝鮮に対する米日帝の侵略戦争を想定している。今国会での有事7法案・3協定条約承認案もその完成をめざすものである。
 日帝の軍事体制としても特に、日本海のイージス艦と首都圏に迎撃ミサイルを配備し、さらに航空機搭載の迎撃ミサイルレーザーを組み合わせたMDシステム戦略を進めている。
 北朝鮮の「核の脅威から日本を守る」と称して、実は対北朝鮮の先制攻撃態勢を急ピッチで構築しつつあるのだ。そうした中での小泉訪朝なのである。
 また、北朝鮮スターリン主義・金正日政権の反人民的な拉致政策を絶好の口実に、拉致家族の気持ちを利用し、踏みにじって、北朝鮮侵略戦争へと突き進んでいるのである。
 同時にそれは、日本経団連・奥田ビジョンの言う東アジア自由経済圏構想の成否をかけた攻撃である。EU拡大によってヨーロッパに対米対抗の巨大なブロック圏が出現した。帝国主義がその本性をむき出しにして相互にぶつかり合う時代が再来している。これに対して日帝は、米帝と共同=競合しつつ、独自の日帝ブロックの形成をうかがっている。そのためにも生き残りをかけて、イラクに続いて北朝鮮への侵略戦争を米帝とともに遂行し、帝国主義戦争国家へと脱皮しようとしているのである。これを許してはならない。
 小泉訪朝は、日本の労働者人民を扇動し、北朝鮮侵略戦争に動員する攻撃だ。朝鮮戦争への国家総動員をきっぱりと拒否しよう。
 第三に、小泉訪朝の戦争外交は、南北・在日朝鮮人民への排外主義攻撃を伴った攻撃だ。何よりも朝鮮人民の南北統一の願いを踏みにじるものだ。それは、石原都知事による朝鮮総連への弾圧、土地・建物からの追い立て、民族教育機関への締め上げの攻撃が示している。米日帝は、“北朝鮮は非民主的政権だ、人民を抑圧し飢えさせている、拉致や核保有をやるテロリスト国家だ”とキャンペーンし、実際にイラク・フセイン政権に対してしたように金正日政権の転覆を図っているのだ。
 しかも米日帝の軍事力と経済力は北朝鮮と比較にならないほど巨大だ。起ころうとしていることは、北朝鮮に対する一方的な侵略戦争以外の何ものでもない。
 金正日政権が反人民的だからと言って、北朝鮮(朝鮮半島)に侵略戦争を仕掛けることが「民主化」や「解放」なのか。断じて違う。それは、今日のイラクの現実が如実に語っているではないか。劣化ウラン弾やクラスター爆弾で何万人、何十万人という人民を虐殺し、ファルージャの虐殺やアブグレイブ刑務所の拷問を北朝鮮の地にも生み出すものとなるのだ。
 米日帝が吹聴する北朝鮮の「民主化」とは、北朝鮮(全朝鮮)の植民地化・軍事占領のことだ。それは同時に在日朝鮮人民への排外主義的迫害の嵐となる。
 「アメリカは、イラクの次には韓半島で戦争を起こす可能性が高くなっています。もし、韓半島北侵戦争をアメリカが強行したら、その惨禍は想像することができないほどの悲劇となるでしょう」(民主労総の5・1非常時局宣言)
 日本の労働者人民は、闘う民主労総のこの強烈な怒りの表明と南北統一の切実な願いを受けとめ、南北・在日朝鮮人民と熱烈に連帯し、またアメリカ労働者階級人民と固く連帯し、日韓米の国際連帯をもって米日帝の北朝鮮侵略戦争に断固として反対しよう。
 小泉政権は、訪朝をもって国会強行突破、7月参院選のりきりを策している。小泉政権の一切の延命策を打ち砕き、有事立法粉砕、年金改悪阻止、イラク撤兵、小泉政権打倒・改憲阻止の闘いを強めよう。

 イラク・北朝鮮侵略戦争と労働者の戦争動員狙う法案

 イラク人民の民族解放・革命戦争の拡大によって、米帝は追い詰められ、米英日帝のイラク侵略戦争は、第2のベトナム戦争化の様相を深めている。石油と勢力圏の強奪のための戦争という、不正義の侵略戦争であることが日に日に明らかになっている。また、このイラク侵略戦争と連動してイスラエルによるガザ地区ラファに対する攻撃が「67年の第3次中東戦争以来」という規模で強行されている。米帝ブッシュと結んだイスラエル・シャロンによるパレスチナ民族抹殺攻撃を許してはならない。
 イラク・アブグレイブ刑務所などにおける米軍による拷問・虐待問題は、まさにこの侵略戦争の反人民性と不正義性、民族じゅうりんと抹殺の本質を暴きだしている。それは一部の兵士の逸脱ではなく、軍上層部の命令として組織的に行われてきたものだ。反米帝の闘いを不屈に闘うイラク人民と連帯し、イラク反戦闘争を一層強めよう。
 米軍の拷問事件は、日帝・自衛隊の派兵の不正義性をも突き出している。さらに、サマワでのイラク人民・武装勢力とオランダ軍との銃撃戦が激化している。自衛隊宿営地に対する攻撃も3度起こっている。もはや「サマワは非戦闘地域」などという言い逃れは絶対にできない。
 だが日帝は、米帝との関係で、また北朝鮮侵略戦争の準備という観点から、どんなに理屈が通らなくても、自衛隊を撤兵させることはしない。イラクの地で「殺し・殺される」軍隊に転換させようとしているのだ。自衛隊撤兵の闘いを猛然と巻き起こし、日帝・小泉を打倒しよう。
 このイラク侵略戦争への参戦という戦時下の攻撃として、有事7法案・3協定条約承認案がある。絶対に阻止しなければならない。
 だが有事法制は、既定の事実であるかのように扱われ、社民党も日本共産党も、対決法案として本気で阻止闘争に取り組んでいない。
 特に民主党が自民、公明と修正案で合意し、有事法制完成に全面協力していることは重大で許しがたいことである。
 労働者の先頭に立って闘うべき自治労中央は「4・14見解」を打ち出し、そこで昨年の有事3法成立を前提として容認し、「国民保護法制は必要」と基本的に賛成してしまっている。
 今次有事法案は、日米安保体制をエスカレートさせイラク・北朝鮮への集団的自衛権行使となる日米共同作戦=大虐殺と軍事占領の作戦と国家総動員をやるための戦争法案である。
 特に改定ACSA(日米物品役務相互提供協定)や米軍行動円滑化法案は、米日帝が共同で北朝鮮侵略戦争を強行し、米軍が日本全土を自由に出撃・兵站(へいたん)基地とする大攻撃である。また、「国際貢献」条項を入れたことで、イラク、アフガニスタンや全世界で日米が共同作戦をできるようになる。まさに日米安保大改定であり、集団的自衛権の行使である。
 また、交通・通信利用法案や外国軍用品等海上輸送規制法案は、自衛隊権限強化と武力行使容認の戦争法規だ。国民保護法案は、「国民保護」の名で、労働者人民を北朝鮮侵略戦争に動員する法案である。
 昨年成立した武力攻撃事態法など有事3法に続いて今次有事法案をもって有事法制は完成する。成立すれば明日にも北朝鮮・イラクに対する全面的な侵略戦争に出ていけるのである。
 5〜6月参院段階で闘いを圧倒的に拡大し、必ず廃案に追い込もう。陸・海・空・港湾労組20団体が昨年来提唱している「有事法制を完成させない、発動させない、協力しない」の「3ない運動」を全労働者の力で強力に展開していこう。
 日帝・小泉は、さらに教育基本法改悪、憲法改悪を日程に上せ、一気に突き進もうとしている。この攻撃と全面対決し、「戦争国家化阻止、改憲粉砕・日帝打倒」に向かって闘おう。
 沖縄の名護新基地建設攻撃を粉砕しよう。4月19日以来のボーリング調査阻止の辺野古の座り込み闘争に連帯して立ち上がろう。
 共謀罪新設を阻止しよう。戦争国家づくりのための司法改革、裁判員制度導入を粉砕しよう。

 年金問題での腐敗・政治責任を完全に居直る小泉許すな

 年金改悪攻撃の中で、小泉を始め閣僚、公明党幹部、民主党幹部の年金未加入・未納問題が次々と発覚した。民主党は菅に続いて小沢も未納が発覚、野党第一党として危機的状態だ。
 そもそも民主党は、自民、公明との間で「公的年金一元化を含む社会保障制度全般の見直しに関して07年3月をメドに結論を得る」という3党合意をもって衆院通過にゴーサインを送った、年金改悪攻撃の共犯者である。
 何よりも小泉自身が過去の年金未加入問題について開き直り、6閣僚の未納問題も幕引きしようとしていることは、絶対に許せない。小泉は即刻退陣しかない。議員年金制度で保障された国会議員が、自ら国民年金保険料も払わず、労働者人民の生活を根本から破壊する年金改悪を強行しようとしていることに、怒りが燃え上がっているのだ。
 日本共産党は、小泉の年金未加入問題で責任を追及する考えがないと表明(17日の市田書記局長記者会見)、民主党以上に小泉を免罪している。
 今次年金改悪は、厚生年金について保険料率を毎年上げ(負担増)、給付水準は毎年引き下げる(給付減)というものであり、国民年金保険料も毎年上げていくのである。しかも将来の給付について保障されておらず、消費税率を大幅に上げることでのりきろうとしている大攻撃である。
 年金問題は、帝国主義の体制的危機の深さの象徴だ。危機を深め、追い詰められているのは帝国主義支配階級である。日帝・小泉=奥田に従っていたら、労働者階級は、再び侵略戦争の道に引きずり込まれ、他民族人民に対する虐殺者にさせられ、国内では資本攻勢によって首切り、リストラ、賃下げ、労働強化、さらには年金改悪までを強いられ、生きていくことができなくなる。だが、年金は権利である。労働者階級は、団結した力によって、この帝国主義を打倒し、労働者が主人公となる社会を建設しなければならない。
 それが必ずできることは、動労千葉の闘いが示している。動労千葉は、国鉄分割・民営化以来17年、JR資本・JR総連結託体制と不屈に闘って、闘う拠点を守りぬいている。今春闘では3波のストライキを全組合員の力でかちとり、勝利している。また、韓国・民主労総やアメリカの国際港湾倉庫労働組合との国際連帯を切り開いてきた。「動労千葉のように闘おう」を合言葉に、ともに労働者の階級的団結を固め闘うならば、必ず勝利できる。
 闘うムスリム人民、朝鮮人民、全世界労働者階級人民と連帯し、米英日帝のイラク侵略戦争反対、自衛隊撤兵、有事7法案・ACSA改定阻止へ、6月闘争を全力で闘いぬこう。年金改悪を粉砕しよう。日帝・小泉を打倒しよう。

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週刊『前進』(2151号2面2)(2004/05/31)

 国労弾圧公判 “酒田委員長と公安刑事から被害届出せと言われた”

 石井証人が重大事実認める

 5月18日、東京地裁刑事第10部(青柳勤裁判長)で国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第23回公判が行われた。この日で石井勝幸・国労本部会計監査員への弁護側尋問は3回目を迎えた。

 「ルノアール」で星警部らと会う

 冒頭、小泉伸被告が意見陳述し、「4・13国鉄闘争支援集会で国労闘争団・全動労争議団・動労千葉争議団の3者共闘が実現した。こんなにうれしいことはない。国労も動労千葉と同じようにJR資本と真っ向から闘う新たな闘いに立つべきだ」と述べ、「国労再生へ人生をかけて闘う」と決意を表明した。浅野史生弁護人が「4党合意は一切の不当労働行為を甘受せよと国労に迫るものだった」と弾劾した。
 萱野一樹弁護人が尋問に立ち、石井証人が被害届を警察に提出した経緯を聞き出した。その結果、驚くべき事実が明らかになった。
 石井証人は、5・27臨大からわずか3日後の5月30日に、酒田充東京地本委員長(当時)や笹原助雄東京地本財政部長(当時)に地本事務所近くの喫茶店「ルノアール」に連れ出され、警視庁公安一課の星警部や神田署警備課長の関警部に引き合わされて、その場で被害届を書いたと証言した。しかも、「中核派と言っても組合員やしなあ」とためらう証人を、酒田委員長や公安刑事らが「被害届を出して協力してほしい」とこもごも説得したというのである。
 石井証人は、27日の大会後、29日は東日本エリア、30日から6月1日までは東京地本の会計監査に従事した。喫茶店で公安刑事に会い被害届を出したのは、東京地本の会計監査があった初日の昼休みだった。石井はその後、東京地本事務所で酒田委員長、笹原財政部長、鈴木勉法対部長とともに、鈴木法対部長撮影のビデオテープを見たという。
 ちょうどこの時は東京地本の会計処理のでたらめさが大問題になり始めていたころだ。ところが石井証人は、会計監査はそっちのけで東京地本幹部らと弾圧の謀議に没頭していたのだ。
 酒田委員長がこの日、喫茶店を出た後、星、関とともに荒川署で鈴木ビデオを見ながら「ひどくやられているでしょう」と訴えていたことも、すでにこの裁判で明らかになっている。弾圧が事前に周到に仕組まれていたことは、これらの事実からも明白だ。
 石井証人は、兵庫県警明石署で警視庁公安一課の横田警部補から4回ほど、また検察庁で1回の事情聴取に応じたことを白状した。
 佐藤昭夫弁護団長が「5・27の出来事は大会での方針決定をめぐって起きたことではないか」と追及した。何の根拠もなく「違う」と言い張る証人に、松崎博己被告、富田益行被告、原田隆司被告が次々と質問をぶつけた。「闘争団が切り捨てられようとしている時、組合員がビラをまくのは当然ではないか」「所属する党派によって組合員の権利が違うのか」。その勢いに溝内克信検事が「議論にわたる質問だ」とあわてて介入した。
 石井証人は検察側主尋問で、富田被告にネクタイをつかまれたと述べていた。だが、杉並ビデオは、その前に彼が富田被告の左手をつかみ、引っ張っている場面をとらえている。弁護団はビデオの静止画像写真を示してこの事実を問いただした。証人はしどろもどろになった末、「これは瞬間的なもの」と開き直った。
 弁護団は最後に、「被害届を出した時、組合員が逮捕されても当然と思ったのか」と質問した。証人は「あれは組合員としての行動ではなく外部勢力の一員としての行動だから当然」と言ってのけた。「あなたの所属する革同も外部勢力か」とたたみかける弁護団に、石井は「革同は国労内の派閥。だが国労共闘は外部勢力」と放言した。法廷は強い怒りに覆われた。
 石井証人への尋問は次回(6月9日)に続行となった。この日、本部派は1人も姿を現さなかった。
 公判後、許さない会は第4回発起人・呼びかけ人会議を開き、@賛同会員の拡大、A無罪判決を求める署名運動の全国展開、B傍聴体制の強化と、これらの運動を国労再生につなげていくことを確認した。8被告の無罪へ闘いを強めよう。

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週刊『前進』(2151号2面3)(2004/05/31)

資本攻勢&労働日誌 2004 5・1〜5・18

 日本経団連 「攻めのリストラ」へ報告書

 公務員賃下げへ経財会議/委託労働者に勝利決定

全国でメーデーに51万人 全国で約51万人が参加してメーデーが開かれた。連合系は01年から中央メーデーが連休初日に変更されたが、地方メーデーは今までどおり1日に開かれたところが多く、21道府県で22万人が参加。全労連系は全国375カ所で約29万人。東京では日比谷野音で全労協系メーデーも開かれた。(1日)
連合がおわびの談話 連合は、加藤前副会長(前JEC連合会長)が中医協を舞台に贈収賄事件で起訴されたことに「心からおわびを申し上げます」という草野事務局長の談話を発表。(4日)
骨太の方針4弾、地方公務員賃下げへ 経済財政諮問会議が6月上旬決定の「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004」(骨太の方針第4弾)で、地方公務員の賃下げの方向を打ち出す見通し。政府筋が明らかに。(6日)
雇用調整助成金が過去最低 雇用調整助成金が03年度は23億円と過去最低となったことが厚労省の調べでわかった。リストラによる退職や正社員と派遣社員との置き換えが進んで、対象となる人が減ったことが背景に。(11日)
労組にも過労死の賠償請求 脳出血で死亡したコンピュータ技術者の遺族が「会社が恒常的に深夜労働させ、労働組合も長時間労働を回避する義務を怠った結果、過労死した」として、勤務先と同社の労組に損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。(12日)
公務員制度改革めぐり政労協議が正式スタート 公務員制度改革の内容に関する政府と連合の協議が正式にスタートした。公務員の労働基本権のあり方についても議論することで一致。(13日)
大阪地裁、「委託」ドライバーの労働者性認める 大阪地裁は労働組合の結成後に運送会社を解雇された「運送業務委託契約」のドライバーの労働者性を認め、解雇無効の仮処分決定を行った。正社員ドライバーを委託ドライバーに置き換える動きが広がっている中で、労働者の権利確保にとって重要な決定。(14日)
派遣社員らの労組結成 UIゼンセン同盟は人材派遣会社の正社員や登録スタッフとして派遣先企業で働く派遣労働者らを対象にした労働組合「UIゼンセン同盟人材サービスゼネラルユニオン」を2万人で結成した。(15日)
経団連、複線型賃金管理の導入を提言 日本経団連は「多様化する雇用・就労形態における人材活性化と人事・賃金管理」と題する報告書を発表した(要旨別掲)。また同日、「これからの企業戦略『守りのリストラ』から『攻めのリストラ』へ」と題する報告書も発表。分社化・合併などによる「攻めのリストラ」が必要としている。(18日)

 「多様化する雇用・就労形態における人材活用化と人事・賃金管理」

○はじめに
 日本経団連では、2002年5月に「成果主義時代の賃金システムのあり方」を発表し、いわゆる正規従業員の今後の人事・賃金管理の方向性を提示した。
 しかしながら、今日……いわゆる非正規従業員が増加している。そこで、今回、いわゆる非正規従業員を含めた全従業員の人事・賃金のあり方を検討。
○第3章 長期雇用従業員
 年功型賃金から能力・成果反映型へ
○第4章 有期雇用従業員
 定型的職務であり、時間給を設定。

■解説 02年の提言は終身雇用の労働者の年功賃金を解体するのが狙いだったが、今回はそれを踏まえて95年の「新時代の『日本的経営』のあり方を雇用と賃金両面で貫徹しようというもの。

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週刊『前進』(2151号3面1)(2004/05/31)

 沖縄で反戦の決意新たに

 “青年が労働運動変える”

 5・16那覇 200人が熱気あふれ集会

 5月16日夜、那覇市で「全国青年労働者交流集会 in OKINAWA」が行われた。3日間の平和行進で真っ赤に日焼けした青年労働者ら200人がつめかけ“青年労働者の力で労働運動をつくり変えよう”という熱気にあふれたエネルギッシュな集会となった。
 冒頭、開会あいさつに立った動労千葉の佐藤正和元青年部長は「動労千葉が昨春、イラク開戦に対して闘った90時間ストライキが、11月の国際連帯集会につながった。今春は3波のストを闘い、労働者のど根性と労働者の未来を示した。労働組合がある人は組合権力を取り、労働組合がない人は労働組合をつくって、戦闘的で階級的な労働運動をつくり出そう」と訴えた。
 沖縄の青年労働者が名護新基地建設阻止を訴えた。「4月19日からオジー・オバーが命がけの座り込みを続けている。一緒に座り込み、本土に戻ったら仲間に『辺野古に基地はいらない』と訴えてほしい」

 知花昌一さんが熱烈に講演

 読谷村議・反戦地主の知花昌一さんが講演を行った。「返還32年の今、沖縄は新しい基地をつくらせない闘いに入った。新基地がつくられたら、また50年、基地の中で暮らさなければならない。辺野古の基地建設をとめる闘いは日本の戦争政策をとめる闘いだ」。そして「若い人が闘わなければだめ。労働運動の現状を突破する青年労働者の力強い運動を」と訴えた。
 呼びかけ人の代表が、基調提起を行った。「今ほど労働組合が闘うべき時はない。自分の職場でも労働組合が組合員を裏切り、現場に怒りがあふれている。支配階級と一体化した連合のダラ幹にとって代わって、資本家と真っ向から対決する労組と労働運動をつくろう」。力強い提起に大きな拍手がわいた。

 中野動労千葉前委員長が檄

 動労千葉の中野洋前委員長が講演した。冒頭「今がどういう時代なのか、正確につかんでほしい」と切り出し、憲法や終身雇用制を軸とした戦後の社会のあり方がすべて解体されようとしていること、01年9・11と03年イラク開戦で歴史が一変したことを提起した。そして連合結成から14年をへて、11・9国際連帯労働者集会―3・20国際反戦闘争や教育労働者の「君が代」不起立闘争、画期的勝利をかちとった動労千葉の今春ストが示すように、労働運動の地殻変動が始まったと述べ、「この流れを本物にするのは青年労働者の闘いだ。労働組合に結集して団結して敵と闘うという労働者の闘いを復権してもらいたい」と熱く訴えた。
 各地の青年労働者がアピールした。沖縄でパート労働者の組織化に取り組む女性は「労働者は労働組合を結成してこそ、自分たちの手で職場を変えていけるという自信を持てます。政府は『振興策』の名で沖縄を食い物にして、本土の社員1人分の賃金で3人のパートを雇い、青年に劣悪な労働条件を強いている。労働者が人間らしく生きられる世の中をつくるために闘います」と述べた。
 都労連の青年労働者は「平和行進で歩いていると、米軍基地のフェンスが延々と続き、『相変わらず基地は存在し続けている』と実感します。今後も全力で反戦運動に取り組む」と訴えた。関西の民間労働者は「米艦や自衛隊の大阪港入港に反対し闘っている。労働者は団結して闘ってこそ生きていける」と述べた。教組青年部の女性労働者は「東京の教育労働者200人への処分は、石原と都教委が負けたあかし。有事法・教育基本法改悪・改憲をとめよう。ヒロシマ―ナガサキ―オキナワをつないで闘おう」と訴えた。
 最後に司会が「戦争をやらなければならない体制をひっくり返して労働者が天下を取ろう!」と訴え、団結ガンバローを唱和した。

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週刊『前進』(2151号3面2)(2004/05/31)

 基地の県内移設阻止を訴え

 宜野湾で県民大会

 16日の普天間包囲行動終了後、「平和とくらしを守る県民大会」が宜野湾市の海浜公園屋外劇場で開かれた。約3千人が参加した。
 包囲行動実行委員長の佐久川政一さんは「普天間基地の5年以内の返還を公約した伊波市長の当選は市民の基地はいらないという意思だ。全面返還を求める絶好の機会だ。新基地建設は絶対に許してはならない。辺野古の基地建設阻止も同時に闘う」と語った。
 伊波宜野湾市長は昼夜を問わない住宅地上空の危険な訓練と爆音に対して異常事態を宣言したと報告。5年以内の普天間基地の閉鎖と全面返還を強く求めた。
 基地の県内移設に反対する県民会議の山内徳信代表は「辺野古の闘いは島ぐるみではなく、国民ぐるみの闘争にする」「辺野古の海に杭(くい)を一本でも打たせたら、普天間の5年以内返還は空中分解しかねない。(普天間基地のある)宜野湾でも勝つ。そして辺野古でも一本の杭も打たせない」と堰(せき)を切ったように思いを語り、普天間即時返還と辺野古ボーリング調査阻止の闘いは完全に一体だと鋭く提起した。
 最後に「イラクからの自衛隊即時撤退」「改憲反対、小泉政権の戦争策動阻止」「基地の県内移設阻止」などを求めた大会宣言が採択された。また会場では、ボーリング調査阻止の座り込みを続ける辺野古の住民へのカンパが呼びかけられ、約58万円集まった。

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週刊『前進』(2151号3面3)(2004/05/31)

 “辺野古決戦態勢を”

 沖縄交流センター 反戦共同行動委 5・15交流会開く

 那覇市の自治会館で15日夕、沖縄労組交流センターと反戦共同行動委員会の共催で「復帰32年糾弾!5・15沖縄交流集会」が行われ約150人が集まった。
 沖縄バヤリース労組の柿本博人委員長らの司会で進み、まず全学連の大山尚行委員長が名護新基地建設のボーリング調査阻止の決戦態勢と勝利の全国的な陣形をつくることを表明し、5〜6月の有事法案阻止と結合して闘おうとあいさつ。
 読谷村の知花盛康さんは学生など若者が大半を占める参加者を前に「なぜ復帰糾弾なのか」と問題提起し、復帰闘争にかけた思いを話した。そして「名護新基地建設を強行する日本政府を追及しなければならない。それぞれの地域・職場で運動をつくってほしい」と訴えた。
 沖縄戦で大きな犠牲者が出た北中城村の村議の宮城盛光さんは、村民の会がバス3台で普天間基地包囲行動に行くと語った。そして有事法案阻止とイラク撤兵を訴えた。
 沖縄労組交流センターの労働者が基調報告。冒頭、辺野古現地でオジーやオバー、支援の労働者が体を張って命がけで闘い抜いていると強く確認し、「基地建設のための『ボーリング調査』を絶対阻止しよう。辺野古に駆けつけ、座り込み闘争に決起しよう」「SACO路線は破産した。新たな『沖縄売り渡し』を許すな」などと訴えた。
 4月19日以来の座り込み参加者が「4月19日から今日で27日目。実力闘争的に発展し、展望を生み出している。オジー、オバーが小屋を建てて座り込み始めてから2639日+27日。このことを再確認したい」と辺野古現地報告を行った。
 本土出身の防衛施設局の職員が「日本を守るために必要」「自分も沖縄に永住する」などと言うのに対し、住民が「自分の子どもに見せられるのか」「基地ができた後の辺野古に住むのか」と弾劾する様子などを具体的に語った。
 沖縄の電通労働者は、自治労県本部が辺野古座り込みを組織決定したと報告。「キャンプ・シュワブの海兵隊がファルージャに行っている。沖縄とイラクは直結している」と鋭く指摘した。沖縄や全国から集まった青年労働者、学生が決意表明。全国沖縄青年委員会は沖縄差別の現実を糾弾し、「沖縄を自分たちの手にとり戻す」と名護新基地建設阻止の決意を語った。

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週刊『前進』(2151号3面4)(2004/05/31)

 「郵政民営化」報告に反撃を

 小泉改革粉砕 全逓決戦に立とう

 小泉=奥田路線の中心的攻撃

 4月26日、小泉政権の経済財政諮問会議が「郵政民営化」についての「中間報告」(論点整理)をまとめ、小泉は同日、「郵政民営化準備室」を発足させた。今秋に「最終報告」を決定し、05年の通常国会に民営化関連法案を提出するというスケジュールだ。
 小泉が「改革の本丸」とうたってきた郵政民営化が、「2007年に民営化を実施」という具体的な方針として動き出したのだ。
 中間報告と同日に、日本経団連の奥田会長が記者会見し、小泉改革について「相当高く評価している」として、「今後は、郵政民営化や道路公団民営化などの課題解決と、年金・医療・介護を一体とした社会保障制度改革、地方のいわゆる三位一体改革に力を入れてもらいたい」と述べた。5月27日の総会で「憲法問題や安全保障問題などについて検討する委員会の設置を決める予定」であることも明らかにした。
 奥田・日本経団連は、03年の「奥田ビジョン」で打ち出した帝国主義間争闘戦での日帝資本の生き残りをかけた諸方策を実現するため、小泉政権・日帝政治委員会と完全に一体化し、有事立法・改憲、教育基本法改悪などを推進する先頭に立っている。
 こうした中で、郵政民営化攻撃は、国鉄分割・民営化攻撃と同様に、全逓労働運動を解体し、労働運動の解体と産業報国会化を進める攻撃の中心軸をなすものだ。全逓労働者は、自衛隊撤兵、ACSA改定・有事関連7法案粉砕、年金改革粉砕、小泉政権打倒に向けて、5・21闘争を引き継いで5〜6月政治闘争の先頭に立つとともに、6・23〜25全逓大会(旭川)に向けて、郵政民営化攻撃粉砕の決戦態勢を強めよう。
 戦争と一大資本攻勢に対する労働者階級の怒りの先頭に立って闘うことで、小泉政権を打倒し、郵政民営化攻撃を粉砕することができるのだ。

 最大限の効率化は首切りだ

 中間報告は、冒頭に「郵政民営化は、明治以来の大改革であり、改革の本丸である。その効果は、財政、行政のみならず、金融、物流等の関連産業にまで及ぶ壮大・深遠な改革である。大きな困難を伴うが、郵政に手をつけずして官業の改革はない」と、最大限の表現で、その重大さを強調している。
 そして、「民営化の意義」として、「経営の自由度を高め、既存の事業や組織の効率化と成長事業への進出の双方を積極的に進めることにより、収益力を高めていく」と言う。
 ここでは、奥田ビジョンに貫かれている資本の利益のための弱肉強食、優勝劣敗の論理がむき出しとなっている。民営化とは、単に経営形態が変わるということにとどまらず、そうした資本の論理で、もうからないところは全部切り捨てていくことになる。
 具体的には、窓口ネットワークについては「多様な事業形態の導入」や「サービスの多様化」をうたっている。これは、郵便局の「コンビニ化」だ。
 郵便事業については、「最大限の効率化が必要」と大合理化攻撃を宣言し、「世界に通用する総合的な郵便・物流事業」を掲げ、特にアジア市場に進出すべきだと言っている。これは奥田ビジョンの「東アジア自由経済圏構想」に対応したもので、日帝の侵略政策と一体である。
 郵貯・簡保について「民間と同等の扱い」として、政府保証を廃止することを宣言した。郵貯・簡保の縮小、大合理化攻撃だ。
 さらに民営化のあり方については、「07年に民営化を実施」とし、「移行期間(5〜10年程度か)を設ける」「移行期間においては、最終的な民営化の姿の実現に向けて出来ることは一挙に実施する」と言う。
 また、「07年の民営化までの期間を準備期間と位置づけ……この期間から民営化を視野に入れた戦略的取り組みを始めるべき」としている。
 ここで重大なことは、「雇用に支障を来さないようにする」「職員のモラール(士気)と労使関係の安定に配慮すべき」などと言っていることだ。それは、国鉄分割・民営化攻撃のようなすさまじい首切り・リストラ攻撃を狙っていることを示すものだ。そして、そのために労働組合の団結と闘いを徹底的に解体しようとしているのだ。
 だが、民営化して利益を上げていくためには、徹底した人員削減や賃下げが不可避である。史上空前の1兆円を超える純利益を上げているトヨタ自動車の例を見ても明らかだ。
 郵政公社では、国家公務員の身分保障があるが、民営化でそれがなくなり、直ちに首切りが問題となる。人員削減など雇用問題を「先送りした」と言われるが、「雇用に配慮する」ということは、かつての国鉄分割・民営化の際に「一人も路頭に迷わさない」と言いつつ首切りを強行したのと同義なのだ。ここに攻撃の核心がある。

 全逓中央の屈服を許すな

 この中間報告について、連合全逓中央は、全郵政と共同で記者会見し、「反対」を表明した。だがそれは、「民営化会社のビジネスモデル」を打ち出していないことを問題視するというものだ。要するに民営化して事業が成り立つ経営形態を示せということだ。
 これは、「民営化対応」の名のもとに労使一体となって推進している実質的な民営化攻撃をさらに推進するということである。すでに昨年4月に郵政公社が発足して以来の「アクションプラン」に基づく人員削減、現職死亡をもたらした深夜勤導入、トヨタ式生産方式(JPS)の拡大、大々的な非常勤化などだ。
 連合全逓は、今度の大会で「JPU(日本郵政公社労働組合)」に移行しようとしている。これは単に組合名称の変更にとどまらない。労働組合としての全逓の全面的解体であり、小泉―奥田―生田(郵政公社総裁)路線への全面屈服の宣言である。2月の中央委員会での「競争に耐えうる事業改善と営業体制の強化」という方針、「労使は公社経営を支えるパートナーであり運命共同体である」という路線をさらに推進しようとしているのだ。
 4月27日には、賃金交渉について、能力・実績主義賃金導入の上で、1・4%(ベアゼロ)の実質賃下げを、全逓と全郵政が初めて「自主決着」した。従来のように中労委の仲裁裁定を待たずに公社提案を丸のみしたのだ。この賃金闘争解体は、まさに民営化を先取りする大裏切りだ。
 今こそ、職場の怒りで連合全逓中央を打倒し、郵政民営化攻撃粉砕へ闘おう。
 (大沢 康)

郵政民営化「中間報告」の骨子

《はじめに》
 ・郵政民営化は改革の本丸
@民営化の意義
 ・効率化を促進し、税金を払える存在に
A四つの機能の目指すべき方向
【窓口ネットワーク】
 ・多様な事業形態を導入し、サービスを多様化
【郵便事業】
 ・最大限の効率化が必要
 ・世界に通用する総合的な郵便・物流事業に
【郵便貯金・簡易保険】
 ・預金・保険の保証は民間と同等扱い
B民営化のあり方
 ・最終的な民営化まで移行期間(5〜10年程度)
 ・職員の雇用に支障を来さないように
 ・職員のモラールと労使関係の安定に配慮

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週刊『前進』(2151号3面5)(2004/05/31)

 全金本山夏季物販アピール

 大攻勢の闘争財政確立へ

 全金本山闘争は2名の解雇撤回、全員の原職奪還をかちとる絶好のチャンスを引き寄せた。34年目の全金本山労組の闘い、とりわけ統制処分・新組合結成以来の25年の闘いをともに闘い抜いてきたすべての労働者、労働組合の総決起で完全勝利へ突き進もう。
 今回の夏季物資販売・カンパ闘争は、勝利に向けた大攻勢の闘争財政を確立する決定的な闘いだ。例年の2割、3割アップへ全力で取り組もう。
 全金本山労組は、昨年3月31日に仙台地裁で、別棟就労本訴で一部勝利(91年以降の会社の就労拒否の責任を認める)の判決をかちとった。さらに仙台高裁での和解協議で、「遅くとも8月お盆明けをめどとして全面解決を図る」という合意をかちとり、青柳充氏、熊谷春男氏の解雇の撤回、1972年以来ロックアウトされている29名の組合員全員の就労をかちとるために、労資交渉と門前闘争の両面での攻防を闘い続けている。
 本山資本は後がない危機に陥っている。30年以上にわたって本山資本の暴力労政を支えてきた旧富士銀行―みずほ銀行=みずほフィナンシャル・グループは、昨年3月28日に本山資本の債権を整理回収機構に売り払い、卑劣にも争議からの逃亡を決め込んだ。
 整理回収機構は、債権回収のために企業再生か会社整理かを「3年を目途に」決定することが金融再生法に明記されている。「整理回収機構が手がけた企業再建の案件数が1月末で200件を突破した」「再生の見込みがあれば債権放棄などを進め、再建を支援する」(2・29日経新聞)などと報じられているが、これはペテンだ。安田弁護士へのデッチあげ弾圧に示されるように、住専問題を契機に大銀行と大ブルジョアジーの救済のためにつくられた整理回収機構は、国家権力を背景に幾千という企業をつぶし、労働者を路頭に放り出しているのだ。
 本山資本も例外ではない。明確な「再建計画」が求められており、争議解決なくして企業再建はないことは明らかだ。しかし、千葉社長は再建計画を今なお明示することなく、自宅や別荘などの資産の名義を家族に変更し、自分だけは助かろうとしている。会社を食い物にしてきた本山一族は、資産を失うことに戦々恐々だ。経営責任を取ることすらできない連中は、争議解決の決断もできないのだ。
 この5〜8月は資本の危機を争議解決へと押し込んでいく力勝負だ。全金本山闘争の勝利は、戦争と生活破壊の小泉=奥田路線を打ち破る歴史的反撃の号砲となることは言うまでもない。全金本山労組は「一人の首切りも許さない」という労働組合の原則と団結を唯一の武器に、労働者階級としての大義をかけ、自らの人生をかけて日本労働運動最長の争議を闘い抜いてきた。「被解雇者を切り捨てろ」という総評・全国金属の「指導」を拒否し統制処分された全金本山労組を、全国の労働者、労働組合が物資販売・カンパで支え続けた。
 今年の3月20日には、仙台市でのイラク反戦集会に上部団体の枠を越えて4000人の労働者が集まった。連なる組合旗のど真ん中に全金本山労組の赤旗がはためき、集会の成功を先頭でけん引した。誰が闘う労働運動の旗を守ってきたのかはあまりにも鮮明だ。
 昨年6月の中野七郎書記次長への「傷害事件」ねつ造は、まさにこの本山資本の危機を救済し、全金本山労組つぶしを狙う宮城県警の周到な大弾圧だった。だが、中野氏の完黙・非転向の闘い、全国、地域の労学、市民の反撃、350を超える労働組合の無罪要求署名の力でこの弾圧をはね返して、全金本山闘争は前進している。7月22日からはいよいよ控訴審闘争が始まる。デッチあげ有罪判決を粉砕し、無実には無罪をかちとらなければならない。
 いよいよ労働者階級全体の勝利として、この全金本山闘争の歴史的決着をつける時だ。全金本山闘争の完全勝利へ、7月25〜26日の全国闘争に総結集しよう。
 夏季物資販売・カンパ闘争に総決起しよう。

 販売品目

             (円)
1 花火・レジャーセット 2,500
2 花火・手持ちセット  1,500
3 札幌ラーメン     1,000
4 稲庭うどん      2,800
5 稲庭屋そうめん    2,000
6 讃岐うどん      1,000
7 博多ラーメン     1,000
8 信州五割そば     1,300
9 りんごジュース    1,100
10 梅ぼし        1,500
11 即席みそ汁      1,200
12 もりおか冷麺     1,400
13 釜出し一番石けん   1,100
14 ヨーロピアンコーヒー  670
15 スティックアイスゼリー1,000
16 夕張メロンゼリー   3,000
17 玉ねぎスープ     1,300
18 しん農大黒飯     1,000
19 サラダ麺        950
20 チーズ亭        600
21 プリンと杏仁     1,000
22 豆乳          980
23 チーズするめ      600
24 ほたて貝柱       850
25 梅エキス       1,500
26 チーズかつお      900
27 プーさんのタオルセット1,200
28 梅にんにく      1,300
29 Q・B・Bチーズ    870
30 生梅グミ        720
31 ウーロン茶       500
32 キムチたまごスープ  1,100
33 スモークドチキン   1,300
34 だったんそば茶     900
35 野菜たまごスープ   1,100

申込先 全金本山労働組合
FAX 022(233)5971 TEL 022(274)0843

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週刊『前進』(2151号4面1)(2004/05/31)

 労働者の戦争動員に総反撃しよう

 イラク侵略戦争の継続・激化と北朝鮮侵略戦争発動への攻撃

 ACSA改定・有事7法案粉砕へ

 ACSA改定案と有事7法案は、日帝がアメリカ帝国主義ブッシュ政権との〈共同と競合>の関係のもとに、@イラク侵略戦争とアフガニスタン侵略戦争を継続・激化・拡大すると同時に、A北朝鮮・中国侵略戦争を準備し発動するための侵略戦争法案である。民主党の積極的な賛成と日本共産党・社民党の屈服により、国会ではまともな討論も行われないまま20日に衆院通過が強行された。労働者人民の怒りと危機感は日増しに深まっている。5・21闘争を引き継ぎ、6月闘争を大爆発させ、法案成立を絶対に阻止しよう。

 米日帝の共同作戦で集団的自衛権を行使

 今回の有事関連法案の最も重大な攻撃としてACSA(アクサ)改定案がある。
 ACSAとは「日米物品役務相互提供協定」のことであり、米軍と自衛隊との間で物品・役務を提供しあう協定である。今回の改定は、これまでの▽共同訓練▽国連PKO、人道的な国際救援活動▽周辺事態のほかに、@武力攻撃事態や予測事態の際に、弾薬を含む物品・役務を相互提供できるようにするA国際貢献や大規模災害救援でもACSAを適用する――の2点が柱である。
 これは、北朝鮮・中国侵略戦争や当面のイラク・アフガニスタン侵略戦争を、さらには全世界での侵略戦争を日米共同作戦(集団的自衛権の行使)として行うためのものである。
 Aでいう「国際貢献」とは、国連安保理決議の枠さえ無視して独自利害むき出しに単独行動を強める米帝の侵略戦争を、日帝が全面的に支え、共同参戦していくために新たにつくり出した枠組みである。
 現在のイラク侵略戦争に改定ACSAが適用されると、どうなるのか。
 実際には、イラクに派兵された航空自衛隊はすでにクウェートの米軍基地を使い、米軍の車両や電話回線や防塵(ぼうじん)フィルターなどの提供を受けている。これは完全に法律違反だが、政府・防衛庁は「法律や規定がないことを理由にイラク派遣をやめるわけにはいかない」と開き直っている(中日ウェブプレス)。日帝政府はこうした違法行為を平然と行い、あとからつじつま合わせに法律や協定を改定し、それによって侵略戦争を泥沼的に拡大しようとしている。
 イラク特措法は正式名称に明らかなように、自衛隊が米軍の軍事作戦を支援することをはっきりと規定している(キーワード参照)。給水や医療など「人道復興支援活動」は戦争の一環としての人民慰撫(いぶ)政策であり、それをも含め米軍の軍事行動の支援、共同作戦を全力で行っているのである。
 すでに明らかになっているだけでも、航空自衛隊はクウェートを拠点に、5月11日までに23回の空輸作戦を実施した。この中には武装米兵の輸送も含まれている。この間、沖縄の海兵隊2個大隊約1600人がイラクに出兵し、ファルージャでの軍事作戦に投入された。自衛隊は輸送支援でこのイラク人民大虐殺の軍事作戦を支えたのである。
 改定ACSAが発動されれば、イラクにおける日米共同作戦は、イラク特措法の枠以上に飛躍的に広がる。米軍から自衛隊が全面的に物品や役務の提供を受けられるようになるし、また自衛隊による米軍支援の内容も大きく広がる。食料や燃料など物品の提供、基地支援(基地警備)、空港・港湾業務、基地(施設)の相互利用などが新たにできるようになる。自衛隊がバグダッドの米軍基地を利用したり、逆に米軍がサマワの自衛隊基地を使うことも可能になる。しかも、改定ACSAでは、今後改定手続きをしなくても相互提供の物品・役務の範囲を修正(拡大)できるとしている。戦争に突入した侵略軍隊は、どんどん法律をも踏み破って侵略行動をエスカレートしていく。
 石破防衛庁長官は、6月末の「主権移譲」後、自衛隊が「多国籍軍」としてイラクの治安維持活動に参加する野望をむき出しにした(5月16日)。これは「安全確保支援活動」の範囲をも超えて、日帝・自衛隊が「治安維持」と称し、イラク人民の反占領、民族解放闘争の鎮圧に直接乗り出すことを意味する。
 さらにアフガニスタンでも、日帝は海自のインド洋派遣にとどまらず、陸上自衛隊のアフガニスタン派兵をこの夏から強行しようとしている。日帝は米帝とともに侵略戦争を泥沼的に拡大しているのである。

 陸・海・空・港湾・医療など労働者が徴用へ

 さらにACSA改定や交通・通信利用法案、国民保護法案、すでに成立している武力攻撃事態法などで労働者の動員攻撃が強まる。
 イラク特措法では、次のように「民間の協力」を規定している。
 「内閣総理大臣および防衛庁長官は……物品・役務の提供について国以外の者に協力を求めることができる」(第19条)
 イラクの米軍基地では現在、フィリピン人労働者4000人が給食、清掃、洗濯などに従事している。40人の労働者がバグダッドのフィリピン大使館に「帰国させてくれ。採用の時にイラクに行くとは聞かされなかった」と訴えている。全世界的な戦争と大失業の時代に、日本の労働者もさまざまな職種で戦争動員されるおそれがある。
 インド洋で行動中の自衛艦の修理のために、今年2月までに民間企業(日立造船、三菱重工、石川島播磨重工業など)から10回32人がひそかに現地派遣された。労働者は懲役つきの「防衛秘密保全義務」に縛られ、不安の声すら上げられない。組合大会で「日の丸」を掲げ、「戦地派遣は重要不可欠な業務」と言い切る労組御用幹部のもとで、労働者は侵略戦争に協力させられている。
 また、今回、自衛隊の第2次派兵部隊の出兵にタイの民間機が使われた(15日、千歳基地)。同じタイの民間機が第1次派兵部隊の帰国にも使われた。17日、民間空港である旭川空港を戦場から戻った迷彩服の自衛隊員が往来した。
 航空労働者の闘いによって日本航空や全日空が軍事輸送を拒否している中で、自衛隊は外国の民間航空機を使うことで国内民間航空の戦争動員の突破口を開こうとしている。
 国際民間航空条約(シカゴ条約、1944年)は、民間航空の軍事利用を行わないことを規定し、日本の航空法はその第1条で国際民間航空条約に準拠することをうたっている。民間航空の軍事利用は明白な国際法違反なのである。自衛隊と米軍は、97年日米新ガイドライン以降、民間航空機の軍事利用の攻撃を強めてきたが、航空労働者は不屈に反対運動を続けてきた。
 また88年7月にペルシャ湾上空でイラン航空のエアバスA300が米イージス艦により「戦闘機と誤認して」撃墜され、乗客・乗員290人全員が殺された。
 有事法体制の完成は、このような労働者の戦争動員と人民虐殺の危険性を決定的に拡大する。
 米日帝の北朝鮮・中国侵略戦争では、さらに労働者が大規模に動員される。
 武力攻撃事態法、交通・通信利用法案、国民保護法案などで、国や地方公共団体や指定公共機関は「必要な措置を実施する責務を有する」とされ、労働者には業務命令が出されることになるだろう。

 空港・港湾が軍事基地に

 第2次世界大戦までは、日本の港は国家が管理していた。それが侵略戦争のためにフルに使われた反省から、第2次大戦後、港湾の管理者を地方自治体とする「港湾法」がつくられた。
 ところが、交通・通信利用法案では、武力攻撃事態等にあたって「対策本部長(首相)は港湾(空港)管理者に対し、当該特定の港湾(空港)施設の全部または一部を特定の者に優先的に利用させるよう要請することができる」としている。「特定の者」とは米軍や自衛隊のことだ。そして、自治体が要請(軍事使用)を拒否した時は、武力攻撃事態法第15条に定める内閣総理大臣の強権を発動し、国の権限で強制的に利用できるとしているのである。自治体の権限は完全に否定され、民間船舶や民間航空機は移動を命じられ、港湾や空港が軍事基地とされてしまうのだ。
 海員労働者も動員される。米日帝が狙っている北朝鮮侵略戦争では、日米軍は民間船舶を大量に徴用して、数十万人の兵隊と軍事物資を短期間で朝鮮半島に輸送し、上陸―侵攻作戦を行うことを狙っている。
 1950年に始まった朝鮮戦争では、開戦後数カ月間に69隻、34万dの日本船が米軍に徴用され、朝鮮上陸作戦に決定的な役割を果たした。
 さらに鉄道輸送や軍事物資の生産などに多くの労働者が動員された。当時の駐日大使マーフィーは、回顧録で「日本人は驚くべき速さで、彼らの四つの島を一つの巨大な補給倉庫に変えてしまった。このことがなかったならば、朝鮮戦争を戦うことはできなかった」と述べている。
 船員は、第2次大戦では「船員徴用令」によって14万人が戦時動員され、6万人が犠牲となった。このような悲劇を二度と繰り返してはならないと、日本海員組合の労働者は立ち上がっている。
 以上の事実は、労働者の戦争協力拒否の闘いがどれほど侵略戦争遂行を困難にし、破綻させ、帝国主義に打撃を与えるかを逆に証明している。「有事立法を完成させない、発動させない、協力しない」という陸・海・空・港湾労組20団体の闘いをさらに大きく全国に広げ、発展させよう。
 4・14自治労見解は、改定ACSAの問題点や、有事7法案のおそるべき問題点――地方自治を圧殺するばかりか、自治体労働者を住民に戦争動員を命令する「官吏」にする――をまったく無視している。そして北朝鮮・中国侵略戦争のための国民保護法案に賛成するという反労働者的な見解である。自治体労働者の下からの総決起で4・14見解を白紙撤回させよう。6月闘争に総決起し、有事法案成立を絶対阻止しよう。

キーワード イラク特措法

 正式名称は「イラクにおける人道復興支援活動および安全確保支援活動の実施に関する特別措置法」。「安全確保支援活動」は「国連加盟国が行うイラクの国内における安全および安定を回復する活動を支援するためにわが国が実施する措置」と規定されている。つまり、米英軍のイラク侵略戦争、大虐殺戦争の一翼を担うことが自衛隊の任務としてはっきりと規定されている。

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週刊『前進』(2151号4面2)(2004/05/31)

 自衛隊イラク撤退を

 女性とジャーナリスト緊急集会 有事法廃案を訴え

 5月14日夕、東京・日比谷野音で「イラクからの自衛隊撤退を求める女性とジャーナリストの緊急集会」が開かれた。新聞労連の明珍美紀委員長、航空労組連絡会の内田妙子議長、日本医労連の田中千恵子委員長が呼びかけ、日本ジャーナリスト会議が協力し、1500人が集まった。
 開会のあいさつで内田さんは、「米軍のイラク人虐待は戦争の残忍さを見せつけている。イラク戦争に終止符を打たせ、自衛隊を一刻も早くイラクから撤退させるため、これまで以上に行動すること。今日がその始まり」と5・21明治公園への結集を訴えた。
 続いてザ・ニュースペーパーの松下アキラさんが「ニセ小泉」に扮(ふん)し、国民年金未加入を取り上げ、会場をわかせた。辛淑玉(シンスゴ)さんは辛口トーク。「日本人はどういう自覚をもったらいいのか。あなたがどんなにいい人でも、この政府を温存しているかぎり海外に出たら殺されるという自覚です。カムバック自衛隊! 私はイラク派兵に反対です」
 イラクで拘束され、生還した安田純平さんが登壇、「私は被害者だとは思っていない。3日間の拘束中、非常に人間的な扱いを受けた。農家の皆さんと食事をし、一緒の部屋で寝た。自己責任というが、むしろ問われているのは社会的責任。イラク人の声をちゃんと聞くこと。何をすればいいのかはそれから考えればいい」とジャーナリストの姿勢を明らかにした。
 リレートークでは、『世界』の岡本厚編集長が「アメリカは必ずイラクからたたき出されると思う」と述べ、三木睦子さんが「なぜ日本がイラクへ軍隊を派遣しなければならないのか」と語った。舞踊家の前田芳さんは、ギニアから来日したつれあいの兄が理由もなく入国を拒否され、1カ月収容の末に強制送還された経過を話し、「これも日本がイラクに軍隊を送ったからなのか」と訴えた。
 北富士忍草母の会の天野美恵さんが「いま北富士では16fもの広大な土地に『サマワ宿営地』が造られている。戦車や武器をもってきて演習をしようとしている。30日に『イラクから米軍、自衛隊は撤退せよ』と集会を開きます。ぜひ参加を」と呼びかけた。川田悦子さんは「一人ひとりの人間が本気になった時、大きな力になり、イラクの平和につながる。命と尊厳を守る闘いを」と訴えた。最後の女性国会議員まで12人が熱く語り次いだ。
 集会アピールを医労連の女性が確認。田中委員長が閉会あいさつに立った。「攻めて攻めて攻めまくる。5月21日の集会も成功させよう。イラクからの自衛隊撤退と有事関連法案の廃案をめざして、みんなで団結をしてガンバロー!」

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週刊『前進』(2151号4面3)(2004/05/31)

 5・30北富士現地闘争へ

 サマワ模擬施設建設許すな

 防衛庁は4月初め、北富士演習場にイラクのサマワ宿営地に類似した施設を建設し、そこで自衛隊が、襲撃を受けた場合の戦闘訓練を行ってイラクに出兵するという計画を明らかにしました。すでに自衛隊が、4月上旬から突貫工事で建設を進めています。自衛隊によれば、5月23日をめどに施設を完成させ、完成後まもなく訓練を開始するそうです。模擬施設は、北富士演習場梨ケ原廠舎(しょうしゃ)の富士吉田寄りに建設される、16fという広大なものです。
 自衛隊は、建設予定地は梨ケ原廠舎区域の一部であると強弁し、地元関係者に「国策に反対するな」とばかりに、口頭説明で一方的に済ませるという高飛車な態度に出ています。忍草(しぼくさ)国有入会地守る会、忍草母の会には何の説明もありません。
 この土地は、忍草農民の先祖伝来の入会地であり、立入日には今まで自由に立ち入ってきた土地です。自衛隊はそこを勝手に掘りかえし、囲いこみ、コンクリートで固めた恒久的な施設を建設しているのです。
 忍草国有入会地守る会と忍草母の会は、4月9日に県へ申し入れを行い、4月14日に防衛施設庁へ即時中止を求める文書を送付しました。そして毎週日曜日には、欠かさず建設現場を監視しています。
地図 北富士演習場内集会場 忍草農民の入会地を強奪して施設を建設し、そこでイラクの民衆を敵として殺す訓練をすることなど、断じて認められません。自衛隊が実際にイラクでやっていることは、「復興人道支援」ではなく、武装した米兵や物資を輸送するなど、米軍の軍事占領を支える活動です。イラクの民衆は、「アメリカは出て行け」と必死の抵抗闘争を続けています。自衛隊への怒りも日に日に高まっています。この正義の闘いを「テロ」と称してつぶそうとしているのが、ブッシュ大統領と小泉首相なのです。
 イラク開戦1周年の今年3月20日、全世界で1千万人、東京の日比谷公園に6万人の労働者や市民が集まり、米軍の即時撤退を求めて闘いました。そして北富士の闘いは、日本の反戦・反基地闘争の砦(とりで)としての地位を占めています。北富士の闘いと全世界の反戦運動が結合することが、勝利への道です。
 サマワ宿営地模擬施設の建設とそこでの自衛隊の訓練に反対しましょう。米軍と自衛隊を直ちに撤退させましょう。5・30北富士現地闘争への結集をよろしくお願いします。
 〔全学連北富士現地闘争本部〕
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 要項
入会地無断使用のサマワ宿営地模擬施設建設阻止
5・30北富士決起集会
日時/5月30日(日)正午
場所/北富士演習場内
主催/忍草国有入会地守る会・北富士忍草母の会
(集会後、建設現場を経由して梨ケ原廠舎までデモ行進、その後申し入れ)

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週刊『前進』(2151号4面4)(2004/05/31)

 派兵・改憲を問う集会

 5・3京都 有事法制に怒り

 “改憲阻止の大運動つくろう”

 5月3日、京都市内のハートピア京都で「イラク派兵と改憲の動きを問う5・3関西講演集会」(同実行委員会主催)を開き、100人の参加を得て大きな成功を収めました。円山野音での集会など京都でのさまざまな企画と連動し、有事法制・改憲と闘う意欲を大きく生み出しました。
 「アジアの平和を考える若者の会・京都」の2人の司会で開会が宣言され、百万人署名運動京都連絡会代表の府上征三牧師(日本基督教団)が主催者あいさつを行いました。「小泉政権が戦争のできる国づくりで最大の邪魔となっているのが憲法。当たり前と思ってきた憲法の存在をあらためて問わなければならない。改憲勢力に真っ向からぶち当たっていく決意が必要だ。日増しに非国民と言われるような時代、今日は決意を固め直す場にしたい」
 百万人署名運動全国よびかけ人の宮城泰年・本山修験宗宗務総長のメッセージが紹介されました。
 立命館大学法科大学院の大久保史郎教授が「イラク占領・自衛隊派兵の破綻と日本の進路―有事法制・改憲と9条平和主義」と題して講演。イラク占領、有事法制と改憲(教育基本法改悪)、運動方針の3点について問題提起しました。「ファルージャ虐殺の事態がイラク占領の破綻(はたん)を示している。朝日新聞の世論調査は、改憲賛成が53%だが、9条改憲反対が60%。国民は生活のことが大事であって戦争には反対ということ。国会レベルでは教育基本法も含めて盛んに改憲が議論されているが、国民レベルではそうでもない」と改憲の動きを批判し、急速な有事法制制定を弾劾しました。
 講演の後は活発な質疑応答・意見表明となり、時間が足りないほどでした。
 国賀祥司泉佐野市議、小西弘泰高槻市議、元自衛官が意見表明。沖縄民権講座の座喜味さんが「辺野古現地の闘いにこたえよう」とアピールしました。百万人署名運動・兵庫県連絡会が高藪繁子さんのイラク再訪支援を訴えました。奈良と兵庫の教育労働者が教育基本法改悪阻止をアピール。円山野音集会の実行委員会が駆けつけ、エールを寄せました。大久保教授は「一人ひとりがネットワーカーとなって国民の3分の1を集める『護憲投票』大運動をつくろう」と提案しました。議論百出の討論を百万人署名運動・奈良県連絡会代表の藤原好雄さんが見事にまとめました。
 60年安保闘争のような「国民運動」へと改憲阻止の闘いをつくっていきたいと思います。
 (投稿/京都Y)

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週刊『前進』(2151号4面5)(2004/05/31)

日誌'04  5月11日〜18日

 「多国籍軍参加検討」と石破

 自公民が有事法案修正合意

●米、シリア制裁を発動 ブッシュ米大統領は、シリアがテロ支援を続けているとして、米国からの輸出禁止措置などを柱とする「シリア制裁法」を発動した。(11日)
●ミサイル防衛で「航空機搭載レーザー、日米共同研究も」 石破防衛庁長官は、衆院有事法制特別委員会で、ミサイル防衛(MD)の一環として、上昇中の弾道ミサイルを航空機からのレーザー照射で破壊する航空機搭載レーザーについて、日本として導入の検討や米国との共同研究の可能性を探る必要があるとの考えを示した。(12日)
●有事法案修正に合意 自民、公明、民主3党は、民主党が独自に提出した国民保護法案の修正案に与党が共同修正に応じることに合意した。緊急事態基本法案の骨子についても実務者レベルで合意した。(14日)
●小泉再訪朝を発表 小泉首相が22日に再度、北朝鮮・ピョンヤンを訪問し、北朝鮮に残された拉致被害者5人の家族を来日させる方針を固めた。(14日)
●サマワで銃撃戦 陸上自衛隊が駐留しているイラク南部のサマワで激しい銃撃戦があった。シーア派サドル師支持の民兵組織マフディ軍団と現地のオランダ軍の間の交戦。同軍と現地勢力との銃撃戦は初めて。(14日)
●嘉手納爆音、米が賠償金の分担拒否 98年に確定した第1次嘉手納基地爆音訴訟で、国が原告住民に支払った計13億7300万円に上る損害賠償金の分担金の支払いを米国が拒否していることが分かった。(14日)
●「拷問、米国防長官が承認」 米誌ニューヨーカーは、ラムズフェルド米国防長官が昨年、反米武装勢力からの情報収集などを目的に、イラク人収容者に対し身体的な威圧や性的な屈辱を与えることを認める極秘作戦を承認していたと報じた。(15日)
●石破「イラク多国籍軍参加の検討を」 石破防衛庁長官はテレビの報道番組で、イラクでの自衛隊について「多国籍軍だから日本は参加できないとはっきり言い切れるものではない」と述べ、6月末に予定されているイラクへの主権移譲後、新たな国連決議で多国籍軍が派遣される場合には、自衛隊の参加も検討すべきとの考えを示した。(16日)
●サドル師派は「国に準じる者」 内閣法制局が4月、イラクのサドル師派を「国に準じる者」と解釈し、当時の福田官房長官に報告していたことが分かった。サマワを「非戦闘地域」とすることはできなくなる。(16日)
●陸自110人帰国 イラクに派兵されていた陸上自衛隊の第1次部隊(第1次イラク復興支援群)の隊員約110人が3カ月ぶりにクウェートから北海道・旭川空港に民間チャーター機で帰国した。(17日)
●佐世保からイージス艦出港 米英軍などの支援のため、海上自衛隊佐世保基地(長崎県佐世保市)のイージス艦「こんごう」と護衛艦「ありあけ」がインド洋に向けて出港した。テロ特措法に基づく。派遣は昨年4〜8月以来、2回目。隊員は約490人(17日)
●日米首脳、電話会談 小泉首相とブッシュ米大統領が電話で協議。ブッシュは「訪朝の目的を理解し支持する」と表明。(17日)
●イラク統治評議会議長殺害 バグダッド中心部にある米英の暫定占領当局(CPA)本部近くで、イラク統治評議会のアブドルザフラ・ムハンマド議長が乗った車の列に別の車が突っ込んで爆発がおき、議長ら7人が死亡した。(17日)
●在韓米軍の一部イラク派兵へ 米国防総省は、在韓米軍の陸軍第2歩兵師団の第2旅団約3600人をイラクに派遣すると正式に発表した。派遣後の補充はなく、在韓米軍は実質的な兵力削減となる。(17日)
●民主党代表に岡田幹事長 民主党の菅代表の辞任表明に伴う代表選で岡田幹事長が無投票で選ばれた。(18日)

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週刊『前進』(2151号5面1)(2004/05/31)

 民族解放・革命戦争の本格的発展を切り開いた4月蜂起

 闘うイラク人民と連帯し 米日帝の侵略戦争を内乱へ

 はじめに

 イラク情勢の激動的発展は04〜05年の全情勢を大きく規定している。イラクにおける反米帝・民族解放の闘いは、ファルージャを焦点とするスンニ派武装勢力を軸とした闘いとサドル師派弾圧に端を発したシーア派人民のナジャフ、バグダッド、バスラなどでの決起を始めとする4月の蜂起戦的闘いをバネに、本格的な民族解放・革命戦争に向かって大きな飛躍を遂げつつある。
 ファルージャとナジャフは全イラク人民の決起の中心として、強大な米占領軍の包囲に屈せず、断固として対峙している。米帝は、6月末の「主権移譲」を前に、早期にこのファルージャとナジャフを焦点とするイラク人民の決起を打ち破らなければならないところに追いつめられている。だが米帝は、強引な戦闘がイラクの全民衆の大虐殺戦争としてしか遂行しえないことを認識しているがゆえに、それが引き起こす巨大な反撃の恐怖のまえにすくんでいる。
 米帝は帝国主義的な侵略戦争を強行して、逆に民族解放・革命戦争を全人民的決起として巻き起こしてしまった。イラク情勢はこの5〜6月、さらに激化し深化していく。そして04〜05年をとおして米日帝をさらに泥沼へとたたき込んでいくことが明白になった。
 イラク人民の全人民的闘いが発展する中で、米軍が無差別に拘束したイラク人民への拷問・虐待、虐殺という事実の一端が暴かれた。これはブッシュ大統領やラムズフェルド国防長官らの承認のもとで組織的に行われた米軍の戦争犯罪である。イラク人民はさらに激しい怒りを爆発させて闘いに決起し、米国内でもブッシュやラムズフェルドの責任を追及する労働者人民の声が高まっている。
 日帝・小泉政権は、自衛隊を米英の侵略戦争と軍事占領に参戦させ、武装米兵や米軍物資を運んで、この米軍の拷問と虐殺を支えている。これを許していていいのか。この5〜6月、イラク人民は「主権移譲」の大ペテンをぶっ飛ばすために、この間の最大の決戦に立ちあがっている。問われているのは参戦帝国主義国の労働者階級の闘いだ。
 イラク人民の蜂起的決起と連帯し、ACSA改定・有事7法案を粉砕する5〜6月闘争を爆発させ、イラク侵略戦争の継続・拡大と北朝鮮侵略戦争を阻止しよう。腐敗を極める帝国主義の侵略戦争を内乱に転化するために、労働者階級の根底的決起をつくりだそう。

 市街戦で海兵隊撃退 イスラム両派が共闘

 米軍の任務を遂行していた4人の米国人傭兵が3月31日、ファルージャでせん滅され遺体が橋につるされた。同日ファルージャでは、米軍車両が路肩爆弾によって攻撃され米兵5人もせん滅された。これは米国内でも大々的に報道され、米帝に巨大な軍事的・政治的打撃を与えた。
 この大戦闘に震撼した米帝は、@3・31戦闘の「犯人の引き渡し」と、A民兵的武装解放勢力の武装解除を掲げて、ファルージャ掃討戦に踏み切った。米軍は、6月末の「主権移譲」を前に、イラク全土のゲリラ戦争を先頭で牽引(けんいん)しているファルージャの武装勢力を3・31戦闘を口実として一気に掃討することを狙ったのだ。
 昨年4月末、ファルージャ市内の中学校に駐留していた米軍の撤退を要求する市民のデモに米軍が発砲し、17人を虐殺した。これを発端にファルージャ住民は反米武装闘争に決起し、昨年7月には市街地から米軍を事実上撤退させた。また04年2月には警察署を襲撃し、拘束されていた人びとを解放した。ファルージャ住民は反米武装闘争をとおして、一定の幅広い武装民兵的基礎のうえに立つ市街戦的ゲリラ・パルチザン戦争を強力に組織する力を持つにいたっていた。
 米軍は4月5日、このファルージャを海兵隊3千人で包囲し、掃討作戦を開始した。だが4月6日、武装住民は突入してきた米海兵隊と激烈な市街戦をくり広げ、米兵4人をせん滅した。激しい抵抗の中で、米軍の突入部隊は孤立し、米軍は午後になっていったん撤退を余儀なくされた。同日、ファルージャ西隣のラマディでも民兵的武装勢力が米海兵隊と衝突し、米兵12人をせん滅した。翌日にはファルージャ、ラマディ情勢がキルクークにも波及し市街戦となった。
 この中で、全イラク人民の中に「ファルージャを守れ」という大きなうねりが生まれ、その中でスンニ派とシーア派の間に対米帝の共闘が生まれた。これはイラク人民の民族解放・革命戦争の本格的発展にとって決定的なことである。
 追いつめられた米軍はAC130攻撃機などによる無差別爆撃や市民を狙った狙撃をくり返した。米軍は4月10日にファルージャ停戦を提案し、停戦交渉なるものを行いながらに無差別空爆を続け千人近い住民を虐殺した。
 日本人5人を始めとする外国人の拉致事件の多発は、米軍のファルージャ大虐殺に対するやむにやまれぬ反撃戦の中で起こった。イラク人民にとっては民間人の格好をした米軍のスパイ・傭兵と闘う必要性もあった。ファルージャ、ラマディ、アブグレイブなどでの攻防で、米軍の軍事的優勢がうちやぶられており、バグダッド・アンマン街道沿いに、ゲリラの支配力が強化されていることがこうした戦いを可能にした。
 米軍は武装したファルージャ住民の激しいゲリラ戦争にはじきかえされ、補給線を確保できなくなった。ファルージャ大虐殺への非難も高まった。この中で米軍は、ファルージャの武装解放勢力の武器引き渡しや3・31戦闘の「実行者」の引き渡しなどまったく行われないままに、4月29日の「地元住民代表」との「合意」に依拠する形式でファルージャ郊外に撤退した。
 米軍にとって、この退却は武装解放勢力のファルージャでの存在を認めてしまうということである。大変な打撃であり敗北である。このままではイラク全土の米帝・米軍支配は貫徹できない。したがって今日の状況は、米軍にとって一定の期間の後に必ず再び反革命的に打開しなければならないものとしてある。

 シーア派民兵組織の闘いで全人民蜂起へ

 こうしたファルージャを焦点としたスンニ派武装勢力の決起と呼応して、シーア派勢力の反占領闘争は、4月4〜5日をもって新たな段階に突入した。シーア派人民が決起したことによって、イラク人民の闘いは全人民的蜂起とも言える段階に入ったのだ。
 米帝の占領政策とシーア派勢力との矛盾はそもそも深い。米帝は「イラク民主化」などと言いながら、シーア派の即時直接選挙の要求を拒否し、スンニ派系およびクルド人系とのバランス政治の枠内におしこみ、実質的に米軍権力の支配下にイラクを植民地的に支配し続けることを狙っている。
 昨年11月15日に、米帝の指示にもとづいて、統治評議会によって、いわゆる「主権移譲」への政治日程が発表されたこと、そして04年3月に「イラク基本法」の署名が強行(強要)されたことは、イラクの全人民、イラクの全勢力をあらためて大きくゆさぶることになった。米帝が「イラク基本法」で示したことは、《スンニ派系、シーア派系、クルド人系の各勢力を互いに拮抗(きっこう)させ、どの派にも権力をわたさず、権力は事実上米帝が駐留軍として握り続ける》ということであった。
 これに対して、イラク人民の不満と怒りは大きいものであった。とりわけシーア派系にとっては、このことは米帝・米軍がイラク人民にけっして真の権力を渡そうとしていないばかりか、イラク人口の6割以上をしめるシーア派に対してイラクの政治的ヘゲモニーをけっして与えないとしていることも意味していた。このため、この「イラク基本法」に対するシーア派人民の怒りは強いものであった。それが、ムクタダ・サドル師に代表される戦闘的部分の反米武装闘争への決起をもたらしたのである。
 米日帝などは、こうしたサドル師系の戦闘的決起について、シーア派の一部過激派にすぎないなどとしていたが、実際には反米帝・民族解放・革命戦争こそ真に必要という点からみれば、全イラク人民とシーア派人民の利害に沿った動きだったのである。
 この米帝のシーア派おさえこみ政策=イラクの事実上の植民地支配継続の政策へのシーア派人民の怒りの増大に対して、米帝は反占領=反米帝的スタンスの強いサドル師派への狙い撃ち的弾圧によってこれをおさえこもうとした。それは、サドル師系の週刊紙の発禁やサドル師側近の逮捕などとして強行された。
 この米帝の挑発的反革命に、サドル師派を軸とするシーア派人民の怒りが、マフディ軍(シーア派系民兵組織)を先頭として大爆発する。こうしたシーア派民兵組織が、対米武装闘争、ゲリラ戦争への決起を開始したことは、ファルージャの闘いを中心としたスンニ派人民の闘いと重なり合って、イラクの民族解放闘争がひとつ大きく飛躍したことを意味していた。
 ナジャフでは4日、シーア派数千人のデモがスペイン軍などと衝突。双方で合計24人の死者を出した。5日にはシーア派デモが警察署、政府系建物、寺院などを占拠。「ナジャフはシーア派民兵が支配している」(スペイン国防省)という状況が生まれた。
 バグダッドのサドルシティでは4日、マフディ軍と米軍が首都での最大規模の衝突となり、米兵8人がせん滅され、米軍車両5台が粉砕された。5日、米軍トラック5台のサドルシティ入りにもマフディ軍が反撃し、戦闘に勝利した。バスラでは5日、マフディ軍1千人が知事公舎を占拠し、英軍との5時間の銃撃戦となった。英軍はいったん撤退を強いられた。
 この4月4〜5日のマフディ軍の決起は、シーア派のデモが対米軍のゲリラ・パルチザン的軍事行動に発展したものとしてあり、大きな戦果をあげた。
 戦局は、ファルージャ、ナジャフを2大火点とする米英占領軍とそれに反撃する民族解放・革命勢力の民兵・民衆軍との本格的な市街戦的攻防を含むゲリラ戦争の様相を呈するにいたった。4月だけで米兵の死者は140人となった。これは03年3・20開戦から5月1日の大規模戦闘終了宣言までの期間の死者合計115人をも上回る。ファルージャでは、新イラク軍がイラク人民との戦闘任務を拒否したり、住民側に合流するなどの事態も起こった。こうした中で米帝は2個旅団1万人の増派を余儀なくされた。

 米帝支配うち破る武装闘争

 この間のファルージャ、ナジャフをめぐるイラク情勢の示すものは何か。
 ファルージャでも、ナジャフでも、明白に米軍の軍事・政治支配を拒否したゾーンが存在するのに、圧倒的な軍事力をもつはずの米軍が攻め込めないでいる。イラク人民の中に、米帝の力をもってしてもどうしても抑えきることなどできない民族解放・革命戦争としての力が形成されつつあるのだ。シーア派の民兵組織としてのマフディ軍は4月4〜5日の戦いをメルクマールとして強力に軍事的に登場し、ゲリラ戦争の経験を蓄積しつつある。そしてスンニ派、シーア派両者が闘いの中で連帯を深め、全人民的な民族解放・革命戦争への発展が切り開かれているのだ。
 米帝は、こうした事態の中で「停戦」政策によって、軍事的・戦術的には二正面激突を避けて各個撃破を狙い、また在沖米海兵隊に続き在韓米軍の精鋭を投入するなど戦力の建て直しを図ろうとしている。現在米軍はサドル師派への攻撃を強め、ナジャフ突入の機会をうかがっている。しかしどうあがこうとも、もはや米帝・米軍の戦略的敗北は不可避である。

 “主権移譲”はペテン 占領は完全な泥沼に

 米帝ブッシュは11月大統領選挙に向けて6月末「主権移譲」というスケジュールを空叫びしてきた。しかし、イラク人民の4月総決起は「イラク統治評議会」を軸としてかいらい政権をデッチあげ05年1月の総選挙を準備させるプランをうち砕いた。5月17日には、米帝のかいらいとなってきた統治評議会のイズディン・サリム議長(輪番制)ら9人のイラク人がせん滅された。
 米帝ブッシュは4月16日の米英首脳会談で、イラクへの「主権移譲」について、いわゆる「国連主導」方式のブラヒミ提案を認めると表明した。しかし、国連主導と言うもののその実態は米軍代表、イラク統治評議会構成メンバー、イラク各勢力代表などと国連が協議して決めるというものであり、米帝がOKしない形の暫定政権はつくれないのだ。米帝は暫定政権の主権を限定的なものに留めると主張している。しかもイラクという国の主権中の主権たる軍事力は米軍が握り、イラク軍や新たな国連決議のもとでつくられるという多国籍軍も米軍が指揮するのだ。要するに、これからも米帝がイラクを専制的に支配し、軍事占領し続けるのだ。国連も、多国籍軍も、暫定政権も米帝の補完勢力でしかないのだ。
 こうした事実から、フランス、ドイツ、ロシアなどは米帝との利害対立をますます強め、軍隊も派遣しないことを明言している。
 結局、米帝のイラク侵略戦争はますます泥沼化しつつ強引に進められる。そして11月大統領選挙で、ブッシュ、ケリーのいずれが大統領になってもイラク侵略戦争は継続し、米帝危機はさらに激化していく。
 以上から、米帝のイラク侵略戦争の泥沼へのはまりこみと日帝のそれへの参戦の泥沼的進行は、ともに04〜05年をとおして継続・拡大していく。米帝にとってベトナム失陥はありえてもイラク失陥はありえないのだ。今日の日帝にとってもまたしかりだ。
 したがって、われわれ労働者階級とその党にとって必要なことは、闘うイラク人民と連帯して米英日帝国主義をイラクからたたき出す闘いをとおして、帝国主義の危機を促進し、帝国主義そのものを打倒するための総決起をつくり出していくことである。

 自衛隊の即時撤兵へ闘おう

 最も重大なことは、自衛隊が駐留するサマワでもサドル師派とオランダ軍などとの戦闘が始まり、激化していることである。自衛隊とサドル師派との戦闘も不可避となってきている。石破防衛庁長官は11日の衆院有事特別委員会で、「自衛隊が移動する経路上で、そのようなことに遭遇した場合には、安全確保支援活動で行うことができる」と述べ、戦闘で負傷したオランダ兵の救出作戦は可能と強弁した。さらに石破は16日の報道番組で、新たな国連決議のもとで自衛隊の多国籍軍への参加がありうると述べた。この石破発言を許すな。日帝はいよいよ陸自の戦闘行動を開始しようとギラギラとした野望をむき出しにしているのだ。
 自衛隊のイラク即時撤兵とACSA改定・有事7法案阻止の闘いはいよいよ重大局面を迎えた。5〜6月闘争に総決起し、侵略戦争拡大と改憲に突き進む日帝・小泉を労働者階級の根底的な決起で打倒しよう。“闘うイラク人民と連帯し、米日帝のイラク侵略戦争を内乱に転化せよ”――この戦略的なスローガンのもとに闘いぬこう。

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週刊『前進』(2151号5面2)(2004/05/31)

 法政大 学生会館閉鎖を打ち破れ

 当局のサークル破壊許すな

 マルクス主義学生同盟中核派・法政大学支部は、法大当局による学生会館閉鎖を絶対に許さない。法大当局はサークル活動破壊を直ちにやめろ。直ちに学生会館閉鎖を解除せよ。すべての学生団体・サークルを無条件で学生会館に入れろ。
 わが法大支部は、法大生の総決起をつくりだし、大衆闘争の大爆発で学生会館閉鎖=サークル活動破壊を粉砕し、学生会館を学生の手に取り戻す決意である。

 5百枚超えた“一言カード”

 法大当局による学生会館閉鎖=サークル活動破壊を絶対に許さない。法大当局が学生会館を閉鎖していることで、サークル活動が破壊されている。このままではサークルが消滅してしまうのだ。法大当局は、サークル活動を保証する責任がある。しかし、法大当局は責任を放棄している。学生会館閉鎖にともなう代替施設はごくわずかで、学生会館を使用してきたサークルを包摂するものではまったくなく、施設を利用するサークルもあまりない。
 このような法大当局によるサークル破壊に対して、学生の怒りが高まっている。学生自治会が呼びかけた「清成総長に対する要求カード」は500枚を超えた。「代替施設では本来の活動ができないため、学外の場所を高額の使用料を払って使う事になっている」「道具を搬出するのにも不便で困っている」「スタジオ代と交通費が大変だ」「暗室使いたい」「学館使えないと作業が進まない」「学館がないとサークル活動が成り立たない」など切実な訴えばかりだ。どれも「早く学生会館を使わせろ!」という怒りに満ちている。ところが、法大当局は、学生の声を一切無視して、学生会館を閉鎖し続けているのだ。絶対に許すことができない。法大当局は、サークル活動破壊を直ちにやめろ!
 法大当局の狙いは、法大生の自主活動・サークル活動を破壊することだ。反戦運動や政治的サークルを破壊することはもとより、大学の宣伝になるサークル以外はすべてたたきつぶそうとしているのだ。それは、大学が公認し予算を配分してきたサークルさえも、キャンパスに放り出し、代替施設さえも保証しない法大当局のあり方に示されている。
 法大当局による学生の自主活動・サークル活動破壊の攻撃は、96年に清成総長が就任してから激化した。法大当局は学生の自主活動を圧殺し、国家や資本の利益のための大学へと転換しようとしている。
 帝国主義間の分裂と抗争が激化する中で、日本経団連は大学の研究や教育を資本の利益のために動員することを訴え、日帝・文部科学省も国立大学の独立行政法人化で大学を国家統制して、国家や資本の利益のために大学を動員しようとしてきた。日帝・小泉政権は、「日の丸・君が代」を教育現場に強制し、闘う教育労働者を弾圧している。さらには、教育基本法を改悪し、教育労働者や学生、生徒を戦争に動員しようとしている。
 このような教育反動、大学を戦争に動員していく攻撃の激化の中で、法大当局はこれと対決していくどころか、5つの新学部や法科大学院の設置などを進めて自ら積極的に国家や資本の利害を実現する大学に転換しようとしてきた。
 法大当局は、国家や資本の役に立つ自立型人材を育成することを教育目的に掲げ、学生に対してはエンプロイヤビリティ(雇用される能力)を身につけろと言っている。国家や企業のための人材育成という教育目的からも、学生会館で行われる自由かつ創造的なサークル活動は否定され、企業や法大当局が用意した翼賛的なボランティア活動や大学の宣伝として役に立つサークル以外は全部たたきつぶそうとしている。
 法大当局は学生会館の閉鎖をボヤを理由としているが、それは学生の自主活動・サークル活動を破壊するための口実なのだ。

 ボヤは学生の責任ではない

 法大当局は、ボヤを利用して、すべての責任を学生に押しつけて、サークル活動を破壊しようとしている。そもそも、学生会館本部棟のボヤは早朝2時ごろであり、当局が学館の夜間使用を禁止していた当局管理の時間に発生している。ボヤの原因である漏電は、10年間も学生会館に備品の支給を停止してきたことによって起きたのだ。学生は何度も備品・施設の改善や防火対策を要求してきたにもかかわらず、当局は備品・施設の改善を拒否し、夜間使用禁止でサークル活動を規制してきた。今回のボヤの責任は学生にはない。すべて法大当局にあるのだ。
 法大当局による学生会館閉鎖=サークル活動破壊に対する法大学生運動の大爆発は不可避である。何よりも、学生の怒りは日々高まっている。しかも革命的情勢が急速に接近しており、全世界の労働者人民の総決起の時代が来ている。
 米帝は、イラク侵略戦争の泥沼化から危機を極限的に爆発させ、全世界人民の怒りの闘いによって打倒される趨勢(すうせい)に入っている。日帝は、有事関連7法案・3条約協定案で日米安保同盟を強化・エスカレートさせ、沖縄を差別的に圧殺して、侵略帝国主義へと決定的に飛躍しようとしている。日帝は、労働者人民を戦争に動員し、大失業と生活破壊を強制している。これに対する労働者人民の怒りが高まっている。
 陸・海・空・港湾労組20団体などが呼びかけた3・20闘争や5・21闘争は、社共や連合などの既成指導部をぶっとばして、労働者階級人民が大統一戦線を発展させながら、階級的労働運動の飛躍的前進をかちとっていく過程に突入したことを示している。
 その中で、法大の学生会館の閉鎖をめぐる攻防は、全国学生運動の大爆発を実現する天王山である。マル学同中核派・法大支部は、学生会館閉鎖を戦闘的大衆闘争の大爆発をもって粉砕し、強大なマル学同中核派・法政大学支部を建設する決意である。
 (マル学同中核派・法政大学支部)

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週刊『前進』(2151号6面1)(2004/05/31)

団結ひろば 投稿コーナー

 国労組合員の3分の2が反弾圧の署名 東京 佐賀秀也

 5月1日全労協メーデーが東京・日比谷野音で開かれた。国労組合員は新橋、上野、八王子支部などから総力で結集した。
 国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会は、入り口でビラまきをし、会場内では「公正裁判と無罪判決を求める10万人署名」を行った。座席の端に座っている人にビラを渡して説明すると、すぐ署名に応じてくれた。署名板が順番に横の人に渡り、ほぼ全員が署名をしてくれた。
 国労は会場の中央部分に陣取っていた。署名板が国労の部隊に差しかかったので、ビラをまき、ていねいに説明した。青色のパンフ「国労本部はなぜビデオを警察に提出したのか」を見せ、「ビデオを警察に差し出した時の書類がこれです」と「任意提出書」を示す。そして「ここに署名している鈴木勉って知っているでしょう」と言うと、誰もがうなずいた。
 そこで、「酒田委員長は組合員を逮捕してくれと警察に電話したんです。これが国労幹部のやることですか」と説明すると、ほぼ全員が署名してくれた。
 そのうち国労部隊の中から「お前何やってんだ」という声がした。見ると、かの鈴木勉・検察側証人だ。「デマばっかり言うんじゃないよ」とヤジるので、「これ説明してるの。あんたが書いた書類でしょ、この任意提出書。裁判所でも署名したでしょ」と見せると黙ってしまった。署名を書く手が一瞬止まったが、再び流れだした。組合員の中には、大声で「オレは署名するぞ、こっちにも回せ」「そのパンフ買うぞ」と言う人や、署名に応じ「お前もやれ」と回す人も多くいた。
 組合員に「裁判では酒田委員長も、自民党の甘利明も証人採用されるでしょう。8人は徹底的に闘ってますので支援を」と訴えて終了した。国労組合員の署名は71人で、全体として3分の2以上が署名に応じてくれた感触だった。

 陸自習志野駐屯地の特殊作戦群解体を 千葉 木村 太

 自衛隊習志野駐屯地のある京葉地区で働く労働者です。この間、駐屯地に対して地域の仲間とともに自衛隊のイラク派兵反対、特殊作戦群新設反対の抗議行動を積み重ねてきました。
 習志野の特殊作戦群(SFと略す)は、公表された写真によれば特殊な濃紺の制服をつけ、全員が後ろ向きで顔を見せていません。他の対テロ・ゲリラ部隊が顔をさらし迷彩服での訓練を公表しているのと比べれば、その異様さは際だっています。
 このSFを設置する際の理由として、首相や閣僚のイラク訪問の際の警護、そのための事前の情報収集があげられていると言います。特殊部隊のイラク派兵となれば、米軍特殊部隊との情報・通信面での相互協力、支援といったこともでてくるでしょう。
 SFは、米軍特殊部隊デルタを手本にしていると言われています。デルタはイラクのスカッドミサイルを破壊するため敵地深く潜入しました。SFがテポドンミサイルを破壊するために作られたことは明らかなことだと思います。SFは潜水訓練を行い、隠密裏の上陸作戦が可能です。
 イラク侵略戦争、朝鮮侵略戦争のための特殊部隊が習志野駐屯地に作られたこと、ACSA改定、有事7法案制定攻撃の激化の中で侵略実戦部隊としての重要性を増していることは明らかです。習志野駐屯地を闘う労働者の潮流で包囲し、イラクからの自衛隊の撤兵と習志野駐屯地の特殊部隊解体をかちとろう!

 米・日の北朝鮮侵略戦争を阻止しよう 京都 朴 民基

 核開発をめぐる北朝鮮と米国の熾烈(しれつ)な外交戦が続いている。現在、北朝鮮の軍事的脅威を口実に、米軍によるAH64Dアパッチ・ロングボーヘリ、ストライカー戦闘装甲車、パトリオット・ミサイル3(PAC3)などの超ハイテク兵器の韓国配備による110億j(1兆3200億円)の資金を投入した「在韓米軍戦力増強計画」、過去のすべての戦争計画を総合し、イラク侵略戦争の経験と作戦方式を加味した具体的な戦争シナリオである「作戦計画5030」を制定するなど、米国帝国主義は北朝鮮侵略戦争をエスカレートさせている。
 この米国帝国主義の北朝鮮侵略戦争策動に便乗して、日本帝国主義も有事関連7法案・外為法改悪・特定船舶入港禁止法案・再入国禁止法によって北朝鮮侵略戦争準備と在日朝鮮人への排外主義攻撃をエスカレートさせている。米軍が今、全世界のジャーナリズムを総動員して国際原子力機関(IAEA)を利用して行っている核開発口実の北朝鮮に対する悪宣伝攻撃に、日本のジャーナリズムまでが加担していることに怒りを感じる。
 米国と日本の帝国主義打倒なくして朝鮮半島の自主的民主的平和的統一も在日朝鮮人が日本社会で人間らしく生きることもできない。在日朝鮮人である私の役割は、朝鮮半島の労働者民衆と日本の労働者民衆の連帯のかけ橋になって、在韓米軍・在日米軍・在沖米軍を撤退させ、米軍と自衛隊の北朝鮮侵略戦争を阻止することである。

 原爆を自分の痛みとするアラブの人民 ヨーロッパから 鳴沢泉美

 私はヨーロッパで何年もいつもたった1人の日本人としていろいろな運動に参加してきました。“日本”と言えばソニー、トヨタ、フジヤマ、ゲーシャしか知らないヨーロッパ人の大衆に比べ、アラブ人たちはたとえ新聞の売り子でも「ナガサキ、ヒロシマの虐殺にもかかわらず、なぜ日本はアメリカの味方をするのか? オキナワであんなにたくさんの市民が死に、婦人が自殺しているのに、なぜ?」と言います。私の知る限りのすべてのアラブ人は、ヒロシマ、ナガサキの虐殺と自分たちの国でヨーロッパ人が行った虐殺―例えばアルジェリア独立闘争でのフランスによる150万人虐殺―を並列させて言うのです。彼らは本当に自分自身の痛みとして心から原爆をくらった日本人を痛み、悲しみ、連帯していたのです。「戦後の繁栄」とやらで原爆体験をすっかり風化させてしまった日本人に比べ、今なお植民地支配の重圧にあえぐアラブ人は、けっしてこの暴力を忘れていません。ですから今回のイラク派兵は、彼らにとってヨーロッパ軍の派兵よりも大きな失望でした。
 私の友人のイラク人は、アメリカがファルージャで一都市丸ごとの大虐殺を行っているにもかかわらず、私を見かけると、まず「人質戦術は遺憾だった」と言いました。私が、「いいえ、すべては日本政府の責任です」と言うと、彼は「犬が僕にかみついても、僕は犬にかみつき返すつもりはない」と言いました。日本は「犬」なのです。彼は、「ファルージャからナッシリアまで、全イラクが一丸となって米軍統治に対して死をとして闘っている。これがイラクの誇りだ」と言いました。返す言葉がありませんでした。
 『前進』(4月12日号、5面)の「パレスチナ人民虐殺を許すな。米帝・イスラエルに大反撃を」の記事は、こちらの主張とまったく同文です。語句の使用まで同じでした。大いに勇気づけられました。

 全国から沖縄・辺野古に駆けつけよう 東京 熊谷信枝

 午前6時、辺野古「命を守る会」の事務所に着くと、海上ヘリポート建設のためのボーリング調査に反対して4月19日から座り込みを続けている人たちが三々五々集まって来ました。多い日は100人、少ない日は60人と「命の海に基地は作らせない。沖縄に基地はいらない。沖縄からイラクに米軍を送らない」激しい怒りが座り込みを継続させています。私も5月10日からの3日間、座り込みに参加しました。
 朝の打ち合わせでは、「今まで座り込み23日目といってきたが、これは歴史的には間違いだ。私たちの闘いは8年前辺野古にヘリ基地の計画が来て、おじぃやおばぁが座り込みを始めた時から始まっている。計算したら、2662日目になる」と8年間にわたって基地建設を実力で阻止してきたことが高らかに宣言されました。(翌日から座り込み2639日+24日という看板が掲げられました)
 その後は、スクラム訓練です。昨日は平日に初めて防衛施設庁が来ませんでしたが、公民館に業者の車が止まっていたり、那覇の防衛施設庁駐車場から車が出た、という情報が入ったりで気が抜けません。また、漁港は3人のガードマンが24時間体制で警備しています。長い闘いで病人も出始めていますが、一人ひとりの顔は半月以上に渡ってボーリングを止めている、日米両政府を相手に毎日勝利を積み重ねている、やればできるという自信に満ちています。勝つためにどうしたらいいかといろんなアイデアが次々出てくるから、びっくりです。
 「辺野古に座り込むことが沖縄を取り戻す闘い。人間性を回復する闘い。国は屈服させるために1000億円の金を積んでいる。これには負けられない。辺野古で座り込むことが原点なんだ。ここが毎日基地建設を止めているんだ。時間が空いたとか、ついでとかじゃダメだ」。14日朝、500人が辺野古に座り込んで平和行進に出発したそうです。多くの人に辺野古に座り込んでほしい。全国から辺野古に駆けつけよう。

 座り込みに参加して戦争をなくす決意 富山大学1年 坂本龍二

 「沖縄」は僕の中でテレビや新聞の中でしか見ることのない頭の中だけの存在だった。それゆえ沖縄のあらゆる問題を実感を伴って考えることができなかった。それが今回、沖縄の座り込みに参加しようと思った動機なのかもしれない。
 沖縄に関してまず感じたことは、まだ沖縄は戦後を体験していない、つまりいまだに戦時中であるということだ。ベトナム戦争時には爆撃機が頭上を離発着し、イラク戦争では沖縄で訓練した海兵隊員たちがファルージャへ人殺しをしに行く。訓練で使われた砲弾がどこから降ってきてもおかしくないような有様だ。だから沖縄の人、特にじいさんばあさんの「もう戦争は終わらしたい、もう二度と起こってほしくない」という思いが強く感じられた。辺野古で座り込みをしている彼らはそんな思いを持って、雨が降って寒かろうが日差しが強くて暑かろうが毎日座り込みに来る。逆に天候などの条件が悪いほうが彼らの意思がより強固になるかのようである。
 あるばあさんの「死ぬ前に何か一つ良いことをしたい」という言葉からわかるように、彼らは自分の一生を懸けてその運動に参加している。つまり命を懸けてやっているのだ。
 だが「命を懸ける」というと一般的には戦争そのものをイメージしがちだが彼らの場合はそうではない。座り込みをしているその場で三線を弾いてみんなで踊ったり歌ったり、とにかく楽しそうにやっているのだ。他にも座り込みの最中には、沖縄の植物や海、広く文化を勉強できるような講座を開いたりしていた。
 世の中の様々な運動の中でこれほど心に秘めている思いとその運動のぱっと見の印象のギャップの激しい運動があっただろうか。いや確実にない。一般的に言えば何かとすぐに暴力に訴えようとしがちである。僕はその運動の中にあらゆる運動の理想を見た気がした。もし世界のすべての運動がこのようであったら今日のように多すぎつらすぎる悲しみは生み出されずに済んだのかもしれない。
 そんな悲しみを無くすためにも軍備のない、つまり戦争のない(そんな世の中は実現不可能だと言われそうだが)世界を十年、二十年かかろうが構築したい。それが沖縄での闘いに参加した僕の決意です。

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週刊『前進』(2151号6面2)(2004/05/31)

 “裁判員制度許すな”

 弁護士先頭に国会行動

 共謀罪新設を葬り去ろう

 5月18日、「裁判員制度おかしい! 共謀罪とんでもない 刑事司法改悪3法案と共謀罪をつぶそう」「自衛隊のイラク撤兵を求める」国会行動が闘われた。憲法と人権の日弁連をめざす会、刑事司法改悪に反対する全国弁護士ACTION、破防法・組対法に反対する共同行動の3団体が主催し、衆院第2議員会館前での座り込みと昼・夕の集会を軸に150人が参加した。
 この行動は、裁判員制度、刑訴法改悪などの司法改悪法案の採決が当日にもありうるという緊迫した状況の中で取り組まれた。
 昼集会は「めざす会」事務局長の武内更一弁護士の「日弁連執行部の裁判員法案推進を許さない。勝負はこれから。できることは何でもやろう」という基調報告で始まった。
 連帯のあいさつに入り、国労5・27臨大闘争弾圧被告団長の松崎博己さんは「目くばせで共謀が成立するなど許せない。無実を主張するから保釈しないというあり方は許せない」と司法の現実を弾劾した。5月13日に「刑事司法改革関連法に関する法学者の意見書」を全参議院議員に送付した法学者も参加し、「憲法に逆行する危険性のある法案。なしにしていいのではないか」と訴えた。
 さらにアピールが続いた。「共謀罪は私たちの心の中を罰する恐ろしい法律」(元創価大学教授)、「有事法と一体で民衆を弾圧する悪法」(宮崎弁護士会)、「15年の裁判をやっている。原因は根拠もないのに起訴をする権力の問題。証拠の目的外使用禁止は問題、『真昼の暗黒』のような映画も作れない」(横浜弁護士会)、「ビラの呼びかけに応じただけで共謀を認めた地裁判決は許せない」(洋書センター弾圧被告)、「刑事司法改悪3法案は、民衆の権利を切り捨て裁判を闘えなくする。参院で廃案にしよう」(第二東京弁護士会)、「市民が有罪や死刑まで宣告する裁判員法案の問題は大きい」(東京弁護士会)、「弁護士が守るべきは具体的な人権、それができなくなる法案は許せない」(東弁)。
 さらに「30年前の事件で公判も50回。それでも接見禁止が解除にならない」(東弁)、「アメリカの陪審制もひどい。ブッシュの政治に人権はない」(救援連絡センター事務局長)、「多数決=民主主義の名のもとに多数派による裁判の支配を許してはならない。おかしいことはおかしいと声を上げなければならない」(二弁副会長)と続いた。
 夕集会は、全国弁護士ACTION事務局長の鈴木達夫弁護士の司会で始まった。基調報告に立った「めざす会」代表の高山俊吉弁護士は、「刑事司法改悪3法案が参院で成立しても私たちは認めない。どこまでも闘い続ける。危機は多くの人を敵に回した小泉政権にある」と訴えた。
 続いて、参加した団体と個人からアピールが行われた。「イラク派兵・共謀罪・刑事司法改悪・警察大増強と闘う」(4・21集会実行委事務局)、「共謀罪は権力者の行き詰まりの現れ」(立川反戦ビラ弾圧救援会)、「刑事弁護が崩れる時人権はなくなってしまう」(東弁)、「憲法の文字を生活の中に活かすことが改憲を阻止する力」(二弁)、「朝日建設(3人の日雇い労働者を殺害)争議団としてゼネコンと闘う」(日雇い全協・山谷争議団)、「裁判の中で被告の権利を行使しぬくことが大切。次は福嶋さんの保釈にご支援を」(迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判被告団)、「面識もない人がソフトを悪用して行った犯罪を理由にソフト開発者を逮捕することは共謀罪の先取り」(二弁)。
 最後に行動のまとめを破防法・組対法に反対する共同行動が行い、戦後最大の治安立法国会とさらに闘い抜くことを呼びかけた。
 3団体共催による国会行動の特徴は第一に、弁護士が刑事司法改悪反対の発言に立ち刑事司法改悪と永続的に闘う決意を表明したことを土台にして、戦時下における弁護士・学者・労働者人民の広範で大衆的な共同の陣形の展望を切り開いたことだ。
 第二は、共謀罪の今国会での成立をきわめて困難な状況に追い込んだことだ。一方で裁判員法案は21日に参院で可決された。しかしこんな悪法は絶対に認めない。「実施までの5年間」の闘いで廃止に追い込むことはまったく可能だ。
 第三は、戦争と治安を一体的にとらえ、敵の治安弾圧・治安立法化攻撃をはね返す陣形をねばり強く作りあげていることだ。
 イラク戦争―改憲攻撃と一体の治安攻撃である司法改悪攻撃を阻止しよう。

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週刊『前進』(2151号6面3)(2004/05/31)

 学習ノート

 フォイエルバッハ・テーゼについて

 実践的唯物論=共産主義の立場への主体的飛躍

 党学校で学んだこと 渡辺典子

 党学校に参加してのレポートです。
 フォイエルバッハ・テーゼは、『ドイツ・イデオロギー』が書かれる数カ月前にマルクスによって書かれたものであり、そのあいだには大きな飛躍があるが、しかし『ドイツ・イデオロギー』への跳躍点として、フォイエルバッハに対するマルクスの立場や批判が明らかにされている。
 テーゼの1では、「これまでのすべての唯物論」への批判として、現実の世界(「対象・現実・感性」)が「ただ客体または直観の形式のもとでのみとらえられ」ており、「感性的・人間的活動、実践としてとらえ」られていない、とマルクスは批判している。つまり、現実の世界をとらえるとき、ただそれを静的な客体として、あるいは対象をじっと眺めたり観察するだけではとらえられない。そうではなく、感性的・人間的活動=実践としてとらえなければならない。そして、そのようにとらえるには、自らが革命的実践の立場に立ち、対象=現実世界の変革者として対象に働きかける主体となり、その立場から対象を変革する活動・実践者として世界にかみ合わなければならない、という提起である。
 テーゼの2、「人間の思考に対象的真理が達するかどうかという問題は−理論の問題ではなく、実践的問題である」では、まず哲学の認識論の問題について、真の認識は実践による検証を離れてはありえないが、そこにとどまるのでなく、同時に「理論と実践」の関係について、理論=認識は実践活動の一部分をなすということが確認されている。つまり、実践との関連でのみ認識は成り立つのであり、実践から離れて理論的認識はありえない。真理の基準はあくまで実践にある、現実を変える力としての実践がまずあるのだ、というマルクスの強い提起である。
 テーゼの3では、啓蒙学者や空想的社会主義者の“労働者や貧しい人を教育してよい人間にする”という「環境の変更と教育についての唯物論学説」について、そのように人間を環境(外的条件)に規定される受動的存在としてのみとらえるのではなく、環境に規定される人間自身が主体として環境も変革していくということ、人間の変革と環境の変革は一体で一致させてとらえられるべきであること、そしてこの一致は「ただ革命的実践としてのみとらえることができるし、また合理的に理解することができる」と、革命的実践を結論づけている。
 以上のテーゼを踏まえて、テーゼ4からテーゼ7まで、フォイエルバッハそのものの批判が展開されていく。
 フォイエルバッハの宗教批判は、宗教的自己疎外(天国と地上の世界への世界の二重化)にたいして、現世的世界のみが真実であると主張して終わっているが、この二重化は現世的基礎そのものの自己分裂と自己矛盾からしか説明できないのであり、観念的疎外の現実の源である地上の世界の現実的矛盾をとらえなければならず、宗教批判は、この現世的基礎の矛盾を理解するとともに宗教を不可欠とする現世的世界の批判、革命によってしか完遂しない。
 ヘーゲルに対抗してフォイエルバッハは感性的直観を主張するが、感性を実践的な人間的・感性的活動としてはとらえない【つまり、人間の労働や生産活動とその歴史的発展はとらえない】。だからフォイエルバッハは、宗教(神)が人間を生み出すのではなく、人間が宗教を生み出すということをはっきりさせたにもかかわらず、宗教を抽象的な人間的本質−「人間というもの」の抽象的理解に解消させて終わってしまっている。だが、人間的本質の把握は「社会」と「歴史」の契機をもってなされなければならず、「宗教的心情」も社会的・歴史的産物である、とマルクスはフォイエルバッハの宗教批判の限界を批判している。
 そして、テーゼ8では、理論における神秘主義つまり観念論的傾向を批判し、テーゼ9で、フォイエルバッハのような“感性を実践的活動として把握しない唯物論”では、結局、対象肯定、現状肯定になるしかないということ、そうではなく新しい唯物論として、これまでの古い唯物論のようなブルジョア社会の立場を越えた「人間社会」「社会的人類」の立場に立つ唯物論を、テーゼ10としてマルクスは提起している。
 そして、全体の総括として、テーゼ11で「哲学者たちは世界をさまざまに解釈してきたにすぎない。だが大切なのは、世界を変革することである」という有名なテーゼのまとめが提起される。これは、唯物論と観念論の闘争に決着をつけ、新しい唯物論としてマルクス主義が実践的唯物論として登場すること、そして哲学としての哲学の領域をも越えて、マルクス自身が革命的実践者そのものとして立つという宣言、実践的唯物論者=共産主義者への一大飛躍の決意表明でもある。
 フォイエルバッハが、ヘーゲル哲学とキリスト教(宗教)が重苦しく人間を支配している時代状況の中で、この二つを串刺しにして批判し、理性こそが人間の本質というような抽象的規定にたいして現実的な人間を対置したこと、そして人間を社会性=共同性においてとらえるべきだということを原理的に提起し、新しい唯物論(人間論)を主張して登場したことは、画期的なことであった。しかし、フォイエルバッハ自身は、宗教と哲学を唯物論的人間学に解消するということをやりきれず、結局は現実社会を変革するたたかいとは一線を画する立場をとっていく。
 これに対して、マルクスとエンゲルスは、一方でプロレタリアの現実のたたかいが大きく巻き起こっている中で、真の唯物論者とは結局実践的唯物論者であることを明確にし、社会を変革するために人間社会とその歴史を唯物論的にとらえ、プロレタリアート自己解放のたたかいを徹底的に推進する立場に立ちきった。すなわち実践的唯物論=共産主義の立場へと、フォイエルバッハを批判し、乗り越えることをつうじて主体的飛躍をかちとった。
 フォイエルバッハ・テーゼは、『ドイツ・イデオロギー』でのマルクス・エンゲルスのそうした共産主義者としての宣言への大きな跳躍点として、決定的な位置をもったのである。

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週刊『前進』(2151号6面4)(2004/05/31)

 インド洋派兵を弾劾

 佐世保 労働者市民100人が決起

 5月17日、反戦共同行動・福岡と同・長崎は「自衛隊はただちにイラクから撤退せよ! 有事7法案衆院採決阻止! イージス艦『こんごう』出撃阻止」の旗高く、早朝から佐世保現地闘争に決起した。
 今回、海自佐世保基地からインド洋へ出撃したのは、イージス艦「こんごう」と護衛艦「ありあけ」だ。派兵は2隻とも昨年4月以来、2回目となる。
 午前10時から海自立神桟橋を眼前にする前畑ふ頭で「自衛隊の海外派兵反対! イージス艦こんごう派兵反対! 佐世保現地集会」が佐世保地区労の主催で開催された。長崎県平和・労働センター、長崎県北平和・労働センター、長崎地区労、国労、全港湾、佐世保市職、佐世保市交通、全水道、全国一般など佐世保を中心に長崎県下から100人を超える労働者、市民が集まった。
 佐世保地区労や長崎県平和・労働センターの代表が発言に立ち、「海自佐世保基地から今回を含めて8回、延べ13隻の護衛艦が出撃する。本格的な戦地への海外派兵だ。洋上給油は4月13日時点で計365回、約35万`リットルにも達した。自衛隊をイラクから直ちに撤退させよう。有事法制は20日に衆院を通過しようとしている。教育基本法改悪反対・改憲阻止、小泉内閣打倒へ危機感を持って闘おう」と緊迫感あふれる決意が表明された。
 10時30分、乗員合わせて490人を乗せた2隻が立神桟橋を離岸すると、直ちに抗議の声が上がった。「イージス艦『こんごう』は出ていくな」「自衛隊の海外派兵反対」「アメリカはイラク攻撃をやめよ」「有事法制反対」「小泉内閣打倒」のシュプレヒコールがとどろいた。前畑ふ頭に拘束イラク人への米英軍の虐待・拷問に対する怒り、米英軍と共同してイラク軍事占領を担う自衛隊への即時撤退要求の声があふれた。5・21東京・明治公園から6月へ、イラク軍事占領反対、自衛隊即時撤退、ACSA改定・有事7法案粉砕、改憲阻止、小泉政権打倒へ総決起しよう。

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週刊『前進』(2151号6面5)(2004/05/31)

 公判日程

☆迎賓館・横田裁判
 福嶋昌男同志裁判
6月1日(火)午後1時15分
*東京地方裁判所

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