ZENSHIN 2004/02/09(No2136
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週刊『前進』(2136号1面1)(2004/02/09)
2・21北海道 陸自派兵阻止へ
青年・学生は3・20に総力決起し侵略戦争突入の小泉打倒しよう
学生戦線の04年決戦アピール
革共同中央学生組織委員会から04年決戦勝利へのアピールを送る。革共同は昨03年、階級的労働運動と労働者細胞建設を基軸に据えた新指導路線を確立し、大きな前進を開いてきた。自治労大会で4分の1の「21世紀宣言」反対派を形成し、11・9労働者集会は3労組共闘のもと、日韓米の国際連帯闘争として大成功した。年末にはマルクス主義青年労働者同盟の結成をかちとった。昨年切り開いた画期的成果をバネにして、階級的労働運動と労働者党建設の飛躍的前進を実現しよう。プロレタリア自己解放の思想を据えたマルクス主義・レーニン主義の党へと全面的に飛躍する党の革命をかちとろう。学生戦線は、新指導路線の先頭に立ち、3・20を頂点とした04年前半決戦で新入生を世代丸ごと獲得し、新世代を中心とした新しい戦闘的学生運動をキャンパスから爆発的に登場させる。03年のワールドアクション型の新たな青年・学生の反戦運動を創造した闘いは、戦闘的学生運動の大爆発の展望をつかんだ。1・22小牧闘争の地平から2・20〜21陸自派兵阻止の北海道現地闘争を闘い、3・20に数万人の青年・学生の大隊列を登場させよう。
第1章 階級情勢ぬり換える東京10万人大結集へ
日本帝国主義は小泉=奥田路線のもと、昨年12月9日のイラク派兵基本計画の閣議決定、12月16日の日本経団連の経営労働政策委員会報告、12月26日の空自先遣隊派兵を突破口とした空自・陸自の連続的な侵略派兵の強行、1月1日の小泉の靖国神社参拝など、すさまじい形相で侵略戦争と一大資本攻勢の階級決戦を挑んできている。
だが、敵の攻撃の激しさは、敵の強さではない。日本階級闘争は、国論が二分し、非和解的に対立し、その決着を求めて激突する情勢に突入したのだ。戦時下の階級決戦に突入したのだ。日帝の危機性を正しくつかみ、労働者階級の総決起へと転じるならば、小泉=奥田を打倒して、労働者階級の未来を切り開くことは可能だ。まさに敵である日本経団連の奥田が「2003年からの2、3年が、日本の将来を決する『峠』となる」(『人間を幸福にする経済』)と言うように、ここ2、3年が階級闘争の未来を決する大決戦だ。その勝利の帰趨(きすう)は、春闘とイラク侵略派兵をめぐる04年2〜3月の攻防にかかっている。
3・20東京10万人結集で小泉政権を打倒し、日帝支配階級との階級的力関係を変え、全反動攻撃を跳ね返そう。
カクマルを圧倒して現地闘争を打ちぬく
04年前半決戦は、1・22小牧現地闘争で火ぶたが切られた。空自本隊派兵を痛撃する500人の戦闘的デモは、権力の厳戒を破り、カクマルを圧倒してかちとられた。東海でもカクマルとの力関係が逆転し始めた。学生戦線はさらに北海道で、カクマルを圧倒する陸自本隊出兵阻止の闘いを大爆発させるであろう。
3・20国際反戦闘争の10万人決起を実現するためには、労働組合を軸とした大統一戦線と、そのもとで青年・学生が総決起することが決定的に重要だ。
3・20を頂点とする学生戦線の2〜3月決戦方針の第一は、3・20東京10万人結集を実現し、自衛隊のイラク侵略派兵を止め、侵略戦争と国内階級戦争に突き進む小泉政権を打倒することである。3・20の大爆発で、破産と泥沼化に直面する米帝のイラク軍事占領に対して、全世界人民の怒りをたたきつけ、イラクから帝国主義をたたき出すのだ。日帝は、米帝の軍事占領を支えるために、ついに自衛隊のイラク侵略派兵を強行した。その日本での闘いが決定的だ。派兵絶対反対の10万人決起で、自衛隊のイラク侵略派兵を止めよう。
さらに、3・20の大爆発で、侵略戦争に突入し一大資本攻勢を激化させる日帝・小泉を打倒するのだ。帝国主義は今や体制的に破産し、労働者人民を食わせることもできず、強盗的侵略戦争に突入する以外になくなっている。
3・20で小泉を打倒し、一切の反動を吹き飛ばし、階級情勢を転換し、階級的労働運動を大発展させよう。外への侵略戦争と内への階級決戦に対する闘いを全一体のものとして爆発させよう。
陸自本隊出兵阻止へ北海道現地で闘おう
2〜3月決戦方針の第二は、2・20〜21陸自本隊派兵阻止の北海道現地闘争に総決起することである。陸自本隊派兵こそ、小泉=奥田の侵略戦争突撃の「国家意志」を最も鋭く示している。全国学生は、労働者階級の先頭に立って、侵略派兵絶対反対の階級意志を小泉=奥田にたたきつけよう。イラク人民との連帯をかけて、派兵阻止決戦に立ち上がろう。
イラク人民の民族解放・革命戦争は米帝のイラク軍事占領を破綻(はたん)にたたき込んでいる。米帝内部から、イラクの大量破壊兵器はなかったと告発され、米英支配階級が動揺している。3・20に向け、インターナショナルANSWERなどが闘いを開始している。この中で、自衛隊のイラク侵略派兵は、米帝の軍事占領を支え、石油強奪を有利に進めるものだ。逆に言えば、日本の労働者人民が自衛隊のイラク侵略派兵を止めるならば、米帝のイラク軍事占領を決定的な破綻に追い込むことができるのだ。日本の労働者階級の階級性=国際性にかけて派兵阻止決戦に立ち上がろう。
小泉は、派兵をめぐる「国論二分」を認め、派兵阻止決戦が大爆発することに恐怖している。だからマスコミには報道管制をしき、治安弾圧体制を強化し、派兵反対の闘いを圧殺しようとしている。しかし、イラク侵略派兵に反対する労働者人民の闘いは、生活破壊への怒りと重なって爆発寸前だ。だからこそ、イラク派兵阻止闘争の大高揚への転換点となるような、現地闘争の大爆発をかちとることが重要だ。旭川・札幌の労働者人民とともに数万人の労働者人民を組織し、基地に押しかけ、自衛官の隊内反乱を引き出して、陸自出兵を阻止しよう。
労働者階級の総決起と一体のものとして、自衛官とその家族を侵略戦争反対と出兵拒否で獲得しよう。
全国学生は、カクマルを圧倒し、敵対を粉砕して、2・20〜21北海道現地闘争に総決起しよう。2・14海上自衛隊「おおすみ」出兵を阻止する呉現地闘争に決起しよう。
北朝鮮侵略戦争突入狙う有事関連7法案
2〜3月決戦方針の第三は、北朝鮮侵略戦争のための有事関連7法案を粉砕することである。イラク侵略戦争に自衛官が強制動員されている。民間の労働者も自衛官の輸送などに協力させられている。有事関連7法案は日本の労働者階級を根こそぎ北朝鮮侵略戦争に動員していくための法案だ。イラク派兵阻止決戦と一体のものとして、絶対に粉砕しよう。
小泉政権は、拉致問題で排外主義を扇動し、北朝鮮への経済制裁を狙う外為法改悪案を1月29日に衆院通過させ、北朝鮮侵略戦争に突き進んでいる。「国民保護法案」などと、あたかも「国民」を戦争から保護するようにみせかけているが、大うそだ。米日帝が北朝鮮侵略戦争に突入し、そのことで相手国から反撃があることを大前提とした法案であり、労働者人民を侵略戦争に総動員するための法案なのだ。絶対粉砕しよう。
国公立大独法化粉砕
2〜3月決戦方針の第四は、国公立大学の独立行政法人化を粉砕する大学闘争の大爆発に向かって、3・20への青年・学生数万人の決起を大学キャンパスからつくり出すことだ。小泉政権がイラク侵略戦争に突入する中で、大学に対しても激しい戦争動員と資本攻勢の攻撃がかけられている。奥田は「国際競争力の強化」と称して大学に産学協同を要請し、大学教育に競争原理を導入して「リーダーの養成」「出口管理の教育」を行えと言っている。戦後的な大学を全面的に解体し、資本家階級の利益のために大学を国家統制しようとしている。全国大学で学問研究の破壊や自治寮廃止攻撃が襲いかかり、学生や教職員の闘いが至るところで始まっている。
独法化に対する闘いを爆発的にかちとるためには、全国学生の共通の敵が小泉=奥田にあることをはっきりさせ、3・20東京10万人結集で、日帝支配階級との階級的力関係を大きく転換させることが必要だ。自衛隊のイラク侵略派兵阻止と独法化粉砕を一体のものとして闘おう。東北大学有朋寮闘争と法政大学の学生会館をめぐる攻防の大勝利をかちとろう。
第2章 数十年に一度という歴史的決戦期が到来
3・20東京10万人結集と2・20〜21陸自派兵阻止の北海道現地闘争の爆発をかちとるためには、小泉=奥田の反動的主張を粉砕する激しい扇動が必要だ。
小泉は国家主義・国益主義を前面に押し出している。これに対して、「復興支援は必要だ」とか、戦後の平和と民主主義の感覚で対応していては、小泉=奥田の反動的主張と対決できない。12・9小泉記者会見で示された日帝の侵略戦争突撃の国家意志を粉砕し、資本家階級のための強盗戦争であることをはっきりさせ、労働者階級の立場から小泉や奥田の主張を階級的にぶった切ろう。
扇動戦の課題は何か
3・20東京10万人結集と2・20〜21北海道現地闘争の大爆発を実現するための宣伝・扇動の課題の第一は、世界戦争か世界革命かをかけた数十年に一度の歴史的決戦が到来していることを確信し、小泉=奥田をなぎ倒すような激しい扇動をたたきつけることである。
9・11反米ゲリラ戦争と米帝のイラク侵略戦争突入で、歴史は新たな段階へと突入した。帝国主義の基本矛盾が全面的に爆発していく過程が始まったのだ。
帝国主義は、自国の労働者階級人民を生かしていくことすらできない。新植民地主義体制諸国人民の生活は破壊され、戦争と貧困と飢餓に苦しんでいる。
米帝は、大恐慌と世界支配の危機、帝国主義間争闘戦の激化の中で、世界支配の破綻点に次々と侵略戦争を仕掛け、他帝国主義の権益を奪い取る世界戦争路線を発動している。そして、米帝対独仏帝を軸に帝国主義間の分裂・抗争が激化し、石油資源の独占や勢力圏の分割・再分割をめぐって、帝国主義が軍事的に激突していく過程が始まった。
日帝・小泉政権は、すべての矛盾を労働者階級に押しつけるとともに、自衛隊のイラク侵略派兵に踏み切った。米帝のイラク―北朝鮮―中国への侵略戦争に共同的=競合的に参戦することで、侵略帝国主義へと絶望的な飛躍を遂げようとしている。これは、アジアと世界情勢を激変させ、世界を破局へと導くものだ。
帝国主義の基本矛盾の全面的爆発は、帝国主義という体制が歴史的限界に直面し、もはや労働者階級によって打倒される以外にないことを示している。人類史を社会主義に向かって前進させるほかに出口はないのだ。
労働者階級は、そのことを本質的につかんで歴史的決戦に立ち上がってきている。しかも、各国の労働者階級の闘いが国際連帯闘争として爆発する過程が始まった。昨年は、イラク反戦の世界同時2千万人デモが爆発した。11・9労働者集会で日韓米の国際連帯闘争が始まった。全世界の労働者階級と被抑圧民族人民の団結で、帝国主義を打倒する時がついに来たのだ。ここ2、3年が勝負だ。労働者階級の歴史的勝利に向かって、3・20東京10万人結集を頂点とした2〜3月決戦に突撃しよう。
資本の強盗的な利害に基づいた侵略派兵
宣伝・扇動の課題の第二は、小泉の反動的主張を階級的にたたき切り、自衛隊のイラク派兵は帝国主義の侵略戦争であることをはっきりさせることだ。
一つ。「イラク派兵は石油のための強盗戦争だ」と訴えよう。小泉は「危険を承知で任務に赴く自衛隊を国家・国民挙げて尊敬しろ。それが日本国民の精神だ。国家の意志が試されている」と言うが、実はイラクの石油をぶんどるために軍隊を送るということなのだ。
まさにそれは、帝国主義の強盗意志だ。資本家階級の強盗的な利害のために労働者階級は命をかける必要などない。
二つ。「復興なんて大うそだ。自衛隊は侵略戦争に行くのだ」と訴えよう。小泉は「復興に行くのであって戦争に行くのではない」と言うが、大うそだ。装甲車や無反動砲で重武装して、何が「人道支援」か。自衛隊は侵略戦争をやるためにイラクに行くのだ。小泉自身が「テロリストに対して正当防衛はしなきゃならない」と言っている。虐殺宣言だ。
「復興」「人道支援」は、帝国主義の侵略戦争と軍事占領を隠蔽(いんぺい)するために使っているのだ。「復興」とは帝国主義がイラクを再植民地化するということだ。米帝のイラク軍事占領で、イラクの石油利権は暫定占領当局が独占し、イラク「復興」事業も米帝企業が独占的に受注している。米軍の軍事占領により、イラク人民は政治や仕事から排除されている。イラクのことはイラク人民が決めるのだ。米英日帝を始めとしたすべての外国軍隊はイラクから撤退せよ。
世界を戦争と破滅へ引き込む日米同盟
三つ。「日米同盟は、日本の労働者を侵略戦争に動員し、アジアと世界を破滅に追い込む強盗同盟だ」と訴えよう。小泉は「日米同盟がどうなっても良いのか」という。だが、日米同盟とは帝国主義の強盗同盟だ。日米同盟は、北朝鮮侵略戦争を引き起こし、有事立法で労働者階級を根こそぎ侵略戦争に動員し、アジアと世界を破局に追い込む軍事同盟なのだ。日米同盟を認めていたら、労働者階級は戦争に動員され、アジア人民と殺しあいをさせられるのだ。
日米同盟が崩壊することを恐怖するのは日帝支配階級だけだ。なぜなら、日米同盟は、日帝が米帝のイラク−北朝鮮−中国侵略戦争に食らいつき、侵略帝国主義へと飛躍していく決定的な水路だからだ。日帝支配階級には、この道しかない。だが、労働者階級にとっては、日米同盟を粉砕することは、日帝の侵略帝国主義への反動的飛躍をたたきつぶし、資本家階級の強盗利害を体現した日帝を打倒する水路なのだ。
四つ。「イラク人民の抵抗闘争と連帯して、自衛隊派兵を止めよう」と訴えよう。小泉首相は「テロとの闘い」「テロに屈してはならない」と言う。だが、イラク侵略戦争で数万人のイラク人民を虐殺し、石油を奪い、仕事を奪い、家を破壊しているのは米帝ではないか。軍事占領に対して、イラク人民が命がけで闘うのは当然ではないか。小泉が言う「テロとの闘い」とは、民族解放闘争の圧殺であり、帝国主義間の分裂と抗争のただ中に突撃して強盗的権益を確保するということだ。日本の労働者階級は、闘うイラク人民の抵抗闘争と連帯し、自衛隊のイラク侵略派兵を止めよう。
第3章 命脈尽きた帝国主義打倒へ今こそ闘う時
宣伝・扇動の課題の第三は、「構造改革」と称する小泉=奥田の攻撃が、資本家階級の強盗的利益のために行われていることをはっきりさせることである。
小泉は「構造改革なくして日本の再生と発展はない」と言い、奥田は「活力と魅力あふれる日本の実現」と言い、あたかも戦後のあり方を改革すれば景気も回復し日本が再生されるかのように言っている。そして、国家財政の危機を逆手にとって、「痛みに耐えて明日を良くしよう」(小泉)などとして激しい資本攻勢をかけている。そして、「国家あっての国民」「会社あっての社員」という国家主義、企業防衛主義を前面に出し、労働者階級の怒りを圧殺しようとしている。
マルクス主義を実践の中で貫いて闘おう
だが、日帝が直面している危機は、延命に延命を重ねた帝国主義が体制として完全に行き詰まり破産した結果なのだ。
ここまで没落した帝国主義をどう「改革」しても再び発展することはありえない。資本家階級には社会を運営する能力も資格もない。労働者階級は資本家階級のための国家を粉砕し、労働者階級を主人とした新しい社会をつくる力がある。資本家階級の利益のために労働者人民を犠牲にする小泉政権を打倒しよう。
さらに、学生戦線の課題として、マルクス主義を実践の中で徹底的に貫いて闘うことを訴える。小泉=奥田の国家主義・国益主義を切り裂き、階級的に批判する労働者階級の武器はマルクス主義である。マルクス主義を闘いの実践の中から、新鮮な価値観として創造していこう。マルクス主義の学習会をキャンパスで大量に組織しよう。
戦闘的学生運動の大爆発のためにも、動労千葉の闘いに学んで闘おう。階級的原則を守り、敵と味方をはっきりさせて闘う動労千葉の闘いは、学生の生きかつ闘う道を指し示している。『俺たちは鉄路に生きる2』を学習しよう。
3・20に向かう激動の過程で、機関紙『前進』を圧倒的に拡大しよう。3・20をぶちぬき、圧倒的な新入生をマルクス主義学生同盟中核派に獲得しよう。
2・13明治公園集会と2・15渋谷に大結集しよう。2・20〜21陸自本隊派兵阻止の北海道現地闘争に全国から結集しよう。権力の厳戒を破り、カクマルを圧倒して闘うのだ。3・13ダイ改と対決し、反合・運転保安闘争を闘う動労千葉と連帯して闘おう。3・6春闘集会に結集しよう。2〜3月の激闘を闘い、3・20東京10万人大闘争に総決起することこそが、04年前半の最大の決戦方針である。
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週刊『前進』(2136号1面2)(2004/02/09)
1・26小牧 C130輸送機の出兵に怒り 阻止線破りゲート前を制圧
1月26日、小牧基地からの航空自衛隊本隊第2陣(C130輸送機3機)のイラク出兵に対し、22日の闘いを引き継ぎ、反撃がたたきつけられた。
全学連と反戦共同行動委員会は午前8時40分から小牧基地南端にあるエアフロントオアシスで決起集会を行った後、出兵阻止のデモに出た。沿道の住民やドライバーの注目を集めながら、デモ隊は小牧基地へと向かった。正面ゲート前では、警察権力が阻止線を張っている。しかし、デモ隊はひるむことなく実力で阻止線を突破し、午前10時すぎにゲート前を制圧した。
出てきた基地司令代理の前で、全学連の学生が出兵中止を求める申入書を読み上げた。シュプレヒコールを上げる中、申入書を司令代理に受け取らせた。
午前11時30分からは、「とめよう戦争への道!愛知連絡会」が申し入れを行った。全学連と反戦共同行動委もここに合流し、申入書を提出した後もゲート前にとどまって、自衛官に「イラクの人びとに銃を向けるな」「敵は小泉政権だ」とシュプレヒコールで訴え続けた。
すぐ隣では、機動隊の装甲車で仕切られたゲート右端の狭い空間で、右翼が「自衛隊激励行動」と称して出兵阻止闘争の破壊を画策していた。だが、90人以上にのぼる参加者はそれをものともせず、ゲート前を制圧してシュプレヒコールを上げ続けた。やがて右翼はすごすごと立ち去った。
すると今度は、カクマルが権力によってその空間に招き入れられた。だが、ゲート前を制圧した労働者・学生・市民は、数においても迫力においても終始カクマルを圧倒した。
午後0時半すぎ、シュプレヒコールが響き渡る中、イラクでの迷彩用の空色に塗られたC130輸送機3機が飛び立った。集まった人びとは「自衛隊はイラクに行くな」「人道支援なんて大うそだ」「侵略軍になるな」と、こぶしを上げて最後まで弾劾し続けた。
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週刊『前進』(2136号1面3)(2004/02/09)
派兵阻止へ労働者を軸に6000人
1月25日、日比谷野外音楽堂で開かれた自衛隊イラク派兵反対の集会とデモには、教組や自治労、有事立法との闘いの中軸を担ってきた陸・海・空・港湾労組20団体など6000人の労働者人民が結集した。デモでは「自衛隊をイラクに送るな」「占領軍は撤退しろ」のコールがとどろき、沿道の市民が手を振ってこたえ、デモに合流した。小泉政権によって強行された自衛隊イラク派兵への怒りと危機感はますます高まり、労働者人民は闘いを求めて流動を開始しつつある。この日の集会とデモは、3・20国際反戦闘争に向けて、大きなうねりをつくり出すものになった。
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週刊『前進』(2136号2面1)(2004/02/09)
〈新指導路線〉実践し全国の職場に党組織を建設しよう
3・20に1万の自治体労働者隊列を
革共同自治体労働者委員会
全国の同志の皆さん。『前進』読者の皆さん。革共同自治体労働者委員会より、04年の闘いの決意を明らかにしたい。帝国主義の侵略戦争―世界戦争の展開の中で、日本帝国主義は「最弱の帝国主義」から「戦争をする国」への「飛躍」をかけてイラク侵略戦争への自衛隊派兵を強行している。そして「戦争と抑圧、民営化」の攻撃をすべての労働者にかけてきている。闘う自治体労働者は、自治労、自治労連の指導部を打倒し、帝国主義と対決する階級的労働運動を切り開くために、決意も新たに立ち上がる。全国の自治体現場の隅々に根を張る革共同自治体労働者委員会の強固な建設に向けて、〈新指導路線〉を貫き、実践する決意である。世界革命をわが手で実現するために、職場生産点での着実な実践を積み重ね、全世界の労働者と「戦争反対! 帝国主義を倒せ!」のスクラムを組んで、労働者階級の新しいインターナショナルをつくりだす国際連帯の闘いを発展させよう。日本労働運動の階級的再生、日本革命―世界革命の実現のために労働者細胞を建設し、革命的共産主義運動のかつてない地平を実現しよう。自治体労働者委員会はその先頭で闘う。3・20日比谷公園へ1万人の自治体労働者の結集を実現しよう!
破産した帝国主義は倒す以外にない
この04年、世界はどうなっているのか。
第一に、帝国主義は一個の社会体制として完全に行き詰まり、破産していることが明らかになっている。
帝国主義は全世界を戦争と貧困・飢餓にたたきこみ、労働者人民を苦しめ、傷つけて命を奪っている。世界中に失業者があふれている。世界の労働人口30億人のうち3人に1人は仕事がない。世界の約3分の2の人びとが1日2j以下の生活を強いられている。
「グローバル化」の名で世界中の富を奪い独占してきたアメリカ帝国主義の国内では、約2割の人びとが「貧困層」と言われ、約4千万人が健康保険に入っていない。帝国主義は労働者人民を食わせていくこと、生かせていくことができなくなっているのである。
新植民地主義体制諸国では、人びとはさらに深刻な状態に置かれている。侵略戦争による殺戮(さつりく)と破壊、経済侵略による徹底した搾取と収奪は、人間として生きるすべを奪い尽くしている。もはや1日も早く帝国主義を打倒しなければならない。
第二に、帝国主義の危機が深まり、分裂とブロック化が進み、帝国主義間の争闘戦的対立がついに世界再分割をかけた侵略戦争―世界戦争として爆発している。イラク侵略戦争の開始は、帝国主義の凶暴な正体を世界の労働者の目に焼きつけた。
世界中で戦争を仕掛けることによって自らの危機をのりきろうとするアメリカ帝国主義。石油を始めとする利権を手に入れ、独占するために「大量破壊兵器保有」の大うそをついて戦争を仕掛け、政権を転覆する。人民の富を奪い尽くして生産した最新の「大量破壊兵器」を雨あられと人びとの頭上に降り注ぐ。イラクの人びとを何万人殺そうとかまわない。十数万の軍隊を差し向けて占領支配する。軍事占領と再植民地化に抵抗する人民をすべて「テロリスト」と見なして虐殺する。
このような戦争は即刻とめなければならない。戦争の元凶―帝国主義を打倒しなければならない。
今、世界の労働者階級人民が残虐な帝国主義の侵略戦争にひとかけらの正義もないことを知り、「帝国主義打ち倒すべし」という歴史的な闘いに立ち上がっている。日本の労働者階級はその先頭に立とう。
イラク派兵―有事法阻止へ
日本帝国主義・小泉政権は、自らの絶望的危機の中で、延命をかけて侵略戦争に突き進んでいる。
自衛隊のイラク侵略派兵と有事立法完成の攻撃こそ、激化する帝国主義間争闘戦の中で日帝が生き残るために、戦後の日帝のあり方を一変させ、戦争をする帝国主義国家へと絶望的に飛躍しようとする攻撃である。こうして日帝は米帝と共同・競合するかたちで北朝鮮侵略戦争に突入しようとしている。
国内では労働者人民の団結と闘いをつぶすための攻撃をかけてきている。労働者の階級的な闘いを許さない、労働者の団結を許さない、労働組合そのものを許さない攻撃である。JRの不当労働行為を容認した12・22最高裁判決は、労働者の団結権、労働基本権を否定し、資本に「首切りの自由」を与える重大攻撃だ。今たくらまれている「共謀罪」新設は、革命党や労働組合を破壊し、その活動を禁圧する大攻撃だ。
日帝は、既成政党や連合を屈服させ、解体し、翼賛化させ、「改革」の名のもとに次々と資本攻勢をしかけ、労働者の団結と闘いを弾圧・破壊して、労働者人民を侵略戦争に総動員しようとしているのである。
「21世紀宣言」否決と11・9集会の意義
自治体労働者委員会は、4大産別決戦方針のもと、自治労中央の完全屈服と転向の証(あかし)である「21世紀宣言」を粉砕するために、02年に「1年間決戦方針」を確立し、03年決戦に臨んだ。03年前半期の闘いの総括を踏まえて提起された革共同の〈新指導路線〉とただちに正面から向き合い、ただちに実践を開始した。
従来の自分たちのあり方を変革しながら、8月自治労定期大会で「21世紀宣言」を葬ることを具体的な目標に設定し、闘いを開始した。争点を明らかにし、路線と内容を作りだしながら全国に打って出た。大会では国家権力の弾圧態勢を打ち破り、カクマルの惨めな「登場」を横目に全力で闘い、中央本部・北岡委員長の「頭の中を真っ白」にする「21世紀宣言否決」をかちとったのである。
さらに切り開いた地平への反動、巻き返し策動にたじろぐことなく、9月続開大会までの1カ月決戦を闘いぬき、本部の強権をはねのけて「21世紀宣言」絶対反対派を登場させたのだ。
絶対反対派を強化し、主流派へと飛躍させよう。労働組合運動の階級的原則を投げ捨て資本と国家・当局との「協働」を強める自治労中央を打倒しよう。
続開大会から息つく間もなく、全日建運輸連帯関西地区生コン支部、港合同、動労千葉の3労組が呼びかける11・9全国労働者総決起集会への大結集に向けて闘いに突入した。2年連続賃金引き下げに対する秋闘、現業統一闘争を闘い、「戦争と抑圧、民営化」攻撃と対決する日々の攻防を闘いつつ、翼賛総選挙を押し返し、国際連帯を掲げ、闘う自治体労働者の総決起をかちとっていった。
11・9労働者集会は、日・韓・米の労働者が「戦争と抑圧、民営化」をはね返す国際的な労働者の団結・連帯・隊列を具体的に築く第一歩を切り開いた。同時に日本の労働者階級は、闘いの正念場にいることを強烈に自覚し、新たな闘いへ躍り出す決意を打ち固めた。
自治体労働者委員会は、03年の決戦をとおして、自治体労働者の総決起への確信を固めると同時に、自らの飛躍と自己変革の闘いの道筋・展望がどこにあるかをつかんだ。すでに自治労本部や13県本部などの反主流派、日本共産党グループの役割は終わっている。動労千葉の闘いに学び、続くこと以外に勝利の展望は開かれない。階級性と国際主義を貫き、資本・国家と非妥協的に闘うことによって初めて労働者の団結が固められ、闘う自治体労働運動、階級的労働運動、労働者国際連帯の大前進が切り開かれるのである。
小泉=奥田=石原を打倒する04年決戦
04年は、日帝・自衛隊のイラク侵略派兵を阻止し、自治体労働運動解体の攻撃をはね返す決戦の年だ。
第一に、何よりもイラク侵略戦争開戦から1年の3・20国際反戦闘争に向けて、自衛隊の侵略派兵阻止、国民保護法制・米軍支援法成立阻止を掲げて、全国の自治体労働者の総決起をかちとろう。
自治体労働者は、先の侵略戦争への反省から「二度と人民を戦争に動員しない」ことを固く決意している。だからこそ全国の反戦闘争の現場には、自治体労働者が必ず駆けつけ、地域の仲間とスクラムを組んできたのである。その真価をかけ、3・20国際反戦闘争への総決起をかちとろう。
イラク侵略派兵情勢のもと、小泉政権から「テロ対策の徹底」の通知を受けた自治体は「安全・安心のまちづくり」を掲げて、草の根からの戦争総動員体制、戦時治安体制、住民監視体制をつくろうとしている。その先兵に自治体労働者を仕立てようとしている。そのために小泉は、今国会の施政方針演説において「公務員制度改革については、公務員が国民全体の奉仕者として職務に専念できるよう、具体化を進める」と表明したのだ。とりわけ石原都知事は、4月から都職員を警視庁に派遣する。
石原都知事に対する都の労働者の反撃を始めとして闘いは始まっている。有事法制とその関連法の制定、発動、戦争協力・動員の攻撃に対して全国で現場から反撃しよう。小泉・石原打倒の先頭に、自治体労働者が立とう。
公務員制度改革と大民営化に対決を
第二に、公務員制度改革・大民営化攻撃と自治体労働運動解体攻撃を自治体労働者の総決起ではね返そう。この闘いは反戦闘争とひとつの闘いである。
すでに現場では「行政改革」の名のもとに賃金削減、人減らし、民営化攻撃がかけられている。「指定管理者制度」や「PFI(民間資金導入)」など、徹底した自治体民営化が進められようとしている。これとの対決はいよいよ正念場である。「市町村合併」は「道州制」導入とともに「戦後地方自治」を解体し、同時に労働組合をなきものにする攻撃だ。
さらに差別的低賃金、劣悪な労働条件のもとにおかれ、闘いに決起している「公共民間」や「臨時・非正規」の労働者と団結をつくりだし、打ち固めて闘おう。韓国の労働者の命懸けの「非正規職差別撤廃」の闘いに学ぼう。米英の公務員労働組合も非正規職員への差別に反対して闘い、組織を建設・強化している。
第三に、04春闘を、連合・全労連の既成指導部に抑圧されてきた全国200万自治体労働者の怒りを解き放つ「反撃の春闘」として闘おう。定昇解体を許さない。奥田日本経団連会長の「春討」発言を粉砕しよう。春闘をイラク反戦と一体のものとして闘おう。自治体労働者の総決起で小泉=奥田路線を打ち砕こう。
現場では「能力・成果主義」の徹底が進み、心身の健康を損なう仲間が増え、「働かないならやめろ」という当局の首切り強要が始まっている。「ふざけるんじゃない」という1月5日の笹森連合会長の発言は、笹森に返してやらなければならない。資本の解雇権を認め、戦争協力を誓った連合幹部に「逮捕者が出る闘いを」などと言わせない。
第四に、自治体労働者委員会は〈新指導路線〉を徹底的に実践し、全国に革共同の強固な党組織をつくりあげる闘いに総決起する。
自治体職場は「ゆりかごから墓場まで」暮らしに直結する現場である。福祉切り捨て、増税、年金改悪、住民基本台帳ネットワークなど、労働者人民の生活破壊と戦争に向けた管理・動員の攻撃との闘いの最前線である。すべての仕事が闘いの課題だ。ここに労働組合とその力ある闘いをつくろう。
ブッシュと対決するアメリカの労働者は、文字どおり職場・地域から新しい階級的労働運動をつくり出している。「運動は大胆に、組織は地道に」を合言葉に、「鉄路に生きる」動労千葉の闘いに学び、続き、日々奮闘しよう。全国統一闘争を放棄し、侵略戦争を進める政府との「話し合い」に明け暮れる自治労本部にとって代わる闘う指導部を打ち立てよう。すべての自治体現場に労働組合を組織し、自治体労働者委員会を網の目のように建設することが核心的な闘いである。そして、次代を担う青年労働者をマル青労同に組織しよう。
この04年、年初から激しい闘いが始まっている。3・20国際反戦行動が勝負だ。全世界の労働者と連帯して、帝国主義と対決する闘う労働組合運動の飛躍的前進をかちとろう。
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週刊『前進』(2136号2面2)(2004/02/09)
3・20国際反戦闘争に立ち教基法改悪阻止の大運動を
3〜4月「日の丸・君が代」闘争へ
革共同教育労働者委員会
危機感と怒りあふれ12・23集会が大高揚
2003年の教労産別をめぐる階級決戦は、東京都教育委員会が10月23日に発した「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について(通達)」の大反動と、「教育基本法改悪反対! 12・23全国集会」の画期的な成功に集約されるだろう。
日帝・小泉政権によるイラク侵略戦争参戦と自衛隊出兵攻撃による戦時体制づくりの攻撃は、労働者階級と教育現場に対して「暗黒の時代」への屈服を強要しようとしている。労働運動と言えるものを絶滅させ、日教組運動を解体させる攻撃とともに、「教え子を再び戦場に送る」戦時教育を強要してきている。その最たるものが教育基本法改悪策動であり、都教委の10・23通達による「起立・斉唱・伴奏」強要と、従わない教育労働者に対する処分の恫喝だ。
しかし、この歴史的大反動に対して、闘う労働者人民は世界戦争の時代に立ち向かう壮大な国際連帯の闘いを巻き起こして11・9労働者総決起集会の歴史的成功をかちとった。そして今、イラク侵略出兵阻止の闘いを切り開きながら、壮大な3・20国際連帯大行動の実現に向かって全力をあげている。
教育労働者戦線においては、広島攻撃以来の「日の丸・君が代」攻撃に対して不屈に抵抗闘争をくり広げて闘いの永続化をかちとるとともに、教育基本法改悪という歴史を画する大攻撃に対して、総反撃が開始された。
昨年12月に行われた「教育基本法改悪反対! 12・23全国集会」は、4人の文化人の呼びかけと奮闘で教育基本法改悪反対の一大統一戦線が実現したものだ。当日は全国47都道府県から日比谷公会堂をあふれかえる5000人が結集し、大デモが実現した。教科書攻撃と闘う陣形がベースとなったものだが、これに日教組・全教傘下の教育労働者の階級的隊列が合流して、画期的な集会が実現されたのだ。特に東京都下では、東京教組(日教組)・都教組(全教)を始め、石原都政の極反動攻撃のもとで苦闘してきた膨大な教育労働者が主体的に決起していった。
日教組本部は、この流れを無視・黙殺できなくなりながらも、最後まで合流を拒否した。しかしその日教組本部の傘下から、東京教組に続いて広島県教組と青年部が組織賛同し、千葉高教組、宮城県教組、神奈川の三浦半島教組、神奈川高教組など各地の教組が賛同していった。全教系、独立系を含めて、ナショナルセンターの枠を越えた教育労働運動の歴史的な大結集となったのだ。
同時に、この5000人結集を担ったのは、侵略派兵情勢と諸反動攻撃に対して怒りと危機意識を高めてきた膨大な教育労働者の主体的決起だった。わが教育労働者委員会は、各地方、各地域で地道な教育基本法改悪反対集会の取り組みを担い、教組内での組織討議と動員実現のために闘い、現場労働者の先頭に立って教育基本法改悪反対闘争の壮大な展望を切り開く一翼を担ったのだ。
戦争協力を拒み侵略教育への転換阻もう
イラク侵略出兵に際して、小泉は「国民の精神が問われている」と言い放った。これは、侵略戦争に踏み切った日帝の最大の問題意識を示している。憲法前文の意味を正反対にねじ曲げるというアクロバットで国会論議をのりきってきた小泉でも、ペテン的ロジックだけで日本人民の反戦意識と階級意識を解体・転倒させることはできない。教育が問題となるのだ。
小泉政権の教育政策は、すべてがこの問題意識に貫かれている。その本質は、新自由主義的手法をからめた国家主義にある。戦後的な階級関係を一変させ、戦後的な反戦・平和意識を解体させ、労働者人民の権利意識を国家への主体的な忠誠心へと転倒させて、侵略戦争の担い手をつくり出していくための教育攻撃がかけられてきている。
具体的には、日教組組織との確認文書の全面破棄や人事考課制度などの組織破壊攻撃でもって教育労働運動を解体する攻撃とともに、競争原理の徹底化とエリート育成への「教育投資」の集中、「教育の自己責任」論にもとづいて労働者の子どもたちから教育保障を奪うことなどを中身とした「教育改革」を推し進めてきた。さらに「日の丸・君が代」攻撃と『心のノート』や「つくる会」教科書の使用攻撃でもって、教育労働者と子どもたちを天皇制と国家主義のもとへと「国民統合」していこうとしているのだ。
今、戦地イラクに派兵されようとしている自衛隊員のほとんどは、「専守防衛」のための自衛隊に志願したはずだ。戦地への侵略出兵など考えてもみなかった隊員たちが、大きく動揺し、さまざまに悩みながら、軍隊内の重圧のもとで記名調査に「(イラクへの派遣を)熱望する」と書かされ、小泉政権によって侵略戦争の担い手にされようとしている。
小泉や石破防衛庁長官は、一方で「非戦闘地域」への派兵であり「人道援助」のためだとごまかしながら、もう一方で米英に伍(ご)する帝国主義として「国際社会で名誉ある地位を占めたい」と言っている。
石破は12月24日、小牧基地での空自編成完結式における訓辞で、「リスクをかけてでも守らねばならないものがこの世の中にはある」と発言した。これは「つくる会」公民教科書の一節そのものだ。国家のために喜んで侵略の銃を取り、イラク人民を虐殺する兵士が大量に必要となっているのだ。同時に石破は「国民のすべてが、大きな理由によって自衛隊員がイラクに派遣されることを理解し、感謝し、応援し、支持することこそが、我が国が毅然(きぜん)たる国家であることを世界に示すメッセージ」だと言い、「国民のすべて」をつくりかえていかなければならないと言っているのだ。
小泉政権による教育基本法改悪攻撃は、憲法前文を振りかざした侵略戦争突入の暴挙と表裏一体のものである。教基法改悪が改憲攻撃であるということの意味もここにある。
われわれ教育労働者は、「教え子を再び戦場に送るな」の闘いそのものとして自衛隊の侵略出兵阻止の闘いの先頭に立ち、教育基本法改悪阻止、「日の丸・君が代」強制粉砕、『心のノート』使用拒否の闘いを、戦争協力拒否の闘いとして担いぬいていかなければならない。
首都・東京から石原への反撃が始まった
この2、3月は歴史を決する決戦期である。陸自本隊のイラク出兵が卒業式における「日の丸・君が代」闘争と完全に重なる時期に強行されようとしている。出兵阻止の闘いに教育現場から呼応して、「日の丸・君が代」反対闘争をなんとしても永続化させていかなければならない。
とりわけ今年の東京での攻防が、教育労働運動の未来を決する決戦になろうとしている。これは12・23全国集会の成功という地平を一掃しようとする攻撃でもある。闘う日教組運動の再生に向けた階級的団結の基盤を絶対につぶさせてはならない。何よりも、都高教と東京教組の中で組織的な反撃の闘いをつくり出していくことが決定的である。広島の闘いを先頭にした総反撃を、この攻防から巻き起こしていかなければならない。
すでに東京において、200人の教育労働者を原告団とする「『君が代』斉唱時の起立、斉唱、ピアノ伴奏の義務不存在確認訴訟」(いわゆる予防訴訟)の取り組みが始まった。この新たな法廷闘争を戦闘宣言として、職務命令に屈せず闘うという教育労働者の良心と決意で現場での力関係を変え、生徒たちの決起を呼び、地域の労働者人民の支援をつくり出していこう。派兵情勢のもとでの大量処分の攻撃は、必ず帝国主義の支配の破綻(はたん)点となり、総反撃の烽火(のろし)となるだろう。
この首都での闘いを全国各地の闘いで包み込み、全国の教育労働者と全人民の力で闘う教育労働者を守りぬき、教組執行部の動揺があってもそれをのりこえていこう。職場と地域で団結を打ち固めて、起立・伴奏の強要を拒否する闘いを頂点にして、無数の抵抗闘争をつくり出して闘おう。
報道によれば、与党間の不一致もあって、教育基本法改悪案の今通常国会提出は断念されたという。しかし、小泉が施政方針演説で「教育基本法の改正については、国民的な議論を踏まえ、精力的に取り組んでいく」と述べたとおり、教育基本法改悪の衝動にはなんら変わりはない。闘いをゆるめるわけにはいかない。12・23全国集会の高揚を全国各地に持ち帰り、さらに各地で大小さまざまな教育基本法改悪反対の集会や行動を組織しよう。
そして、それらの運動を各地方での04春闘総行動と何より3・20国際連帯の大行動と結びつけていこう。3・20国際反戦闘争では、首都・日比谷への10万人総結集の闘いを軸に、労働者人民の総決起を切り開こう。米英日帝国主義による世界戦争と労働運動解体攻撃に対する総反撃の中で、次の教育基本法改悪反対の大行動では万余の労働者人民の結集を実現しよう。教育労働者が小泉=奥田打倒の闘いの先頭に立とう。
日教組中央の改悪容認許すな
そのための決定的な課題として、日教組中央の教基法改悪容認路線をうち砕いていかなければならない。
労組交流センター教育労働者部会は、昨年8月の日教組定期大会に続いて1月24日、日教組全国教研集会(埼玉)に断固登場し、組合員に教育基本法改悪阻止・イラク侵略出兵反対を訴える情宣を行った。
3月17日に日教組臨時全国大会が開かれる。3・20を目前にしたこの大会を、国際反戦闘争と教育基本法改悪反対闘争をめぐる歴史の転換点において、日教組が日教組として立つのかどうかということを現場組合員から突きつけていく大会としていかなければならない。「文科省とのパートナー路線」をぶっ飛ばし、闘う運動方針の確立を断固要求し、連合執行部を打倒して闘う執行部を下から打ち立てていく決定的な一歩としていこう。分会から中央本部にいたる日教組内の闘いを推し進めつつ、教育基本法改悪反対闘争を全労働運動の課題へと押し上げていこう。
革共同教育労働者委員会に結集する労働者党員は、〈新指導路線〉のもとに「党の革命」の先頭に立ち、闘う教育労働運動の指導部への飛躍を自らに課しつつ、すべての闘う教育労働者のみなさんとともに、この戦時下の階級決戦、教労決戦の血路を切り開いていく決意である。
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週刊『前進』(2136号3面1)(2004/02/09)
無罪獲得へ確信固く 国労弾圧公判 “国労再建が私の使命” 被告の陳述が法廷圧する
あまりに非科学的な「ビデオ鑑定」で破産
1月23日、東京地裁刑事第10部(青柳勤裁判長)で、国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第18回公判が行われた。今回は被告の保釈後、初めての公判となり、闘病中の東元(あずまはじめ)被告を除く7人の被告が勝利への確信も固く出廷した。刑務官の姿が消えた法廷は、解放感に満ちている。被告たちは今まで以上に縦横に裁判闘争を闘い抜いた。
冒頭、佐藤昭夫弁護団長と松崎博己被告団長が意見を述べた。佐藤弁護団長は「4党合意反対派をつぶすために被告に刑事弾圧をかけたのがこの事件」と、あらためて弾圧の本質を突き出した。松崎被告は12・22最高裁反動判決を弾劾し、「地域・職場に帰ると、連日、よく頑張ったと言われ、飲めない酒を飲んでいる。うれしいことだ。無罪をかちとり、国労の闘いを再建することが使命だと思って法廷に臨んでいる」と宣言した。休廷後に再度発言を求める松崎被告を青柳裁判長は制止できない。「国労本部は最高裁判決後、国家賠償訴訟をやると言っているが、組合員をペテンにかけている。この本部の体質を裁判長は知るべきだ」という松崎被告の声は法廷を圧した。
検察側は、国労提出ビデオテープと杉並押収ビデオテープの「画像の連続性の有無」について鑑定したと称する警視庁科学捜査研究所の太田博を証人に立ててきた。それによりビデオの証拠価値を裁判所に認めさせようというのである。ところが、その鑑定手法たるや、ビデオ画像を1コマずつパソコン上に映し出し、「目視で観察した」というものでしかない。
弁護団は、電子工学的な観点からその非科学性を徹底的に追及した。「科捜研物理研究員」を自称する太田証人のビデオに関する知識のあやふやさがさらけ出され、ついに証人は「目視だけでは改竄(かいざん)の有無は判別できない」「ビデオの画像の連続性が確認できても改竄がないとはいえない」と認めざるをえなくなった。
ところが裁判長は、「鑑定は完璧(かんぺき)ではない」と言い訳しつつ、太田証人作成の鑑定書と太田がビデオからプリントアウトした静止画像の証拠採用を決定した。被告の「暴行場面」が写っているとされる写真がなければ、今後の検察側立証は全面崩壊するからだ。
弁護団は「目視で連続性を判断するのは荒唐無稽(こうとうむけい)」「そもそもビデオは違法収集証拠。そこから取り出した写真の採用も許されない」と異議を述べたが、裁判長は不当にも棄却した。
裁判闘争は、次回公判(2月10日)から「被害者」とされる石井勝幸・国労本部会計監査員の証人尋問に入る。裁判闘争は、二つのビデオテープの証拠採用をめぐる攻防を終え、国労本部派の証人との新たな攻防局面に入るのだ。
黙秘貫き団結守った闘いが信頼かちとる
昨年末にかちとられた被告の保釈と職場復帰は、国労再生への扉を押し開くものになりつつある。
九州・小倉地区闘争団の松崎被告、羽廣憲被告は、物資販売闘争を軸とする解雇撤回闘争の現場に復帰した。保釈後、これまでの支援へのお礼を兼ね、九州各地の労働組合を回っているという。この間、九州では許さない会運動の陣形が大きく広がった。被告たちは、その力を無罪戦取と国労再生―日本労働運動の階級的再生へと転化するために奮闘している。
近畿地本・南近畿地本所属の富田益行被告、橘日出夫被告、原田隆司被告、小泉伸被告は、職場復帰を果たし、新たな闘いに踏み出した。JR資本は、戻ってきた被告たちに戦々恐々としているという。職場の労働者は、被告たちを心からの喜びを表して、迎え入れた。
被告たちは、職場の仲間から「国労手帳には不当逮捕には黙秘で闘えと書いてあるが、本当にそれをやったのは君たちが初めてだ」「浦和電車区事件で逮捕されたJR総連の7人はしゃべってしまったが、君たちは違う」と必ず言われるという。長期投獄を強いられてもけっして仲間を裏切らず、団結を守り抜いた被告たちの闘いが固い信頼を生み出したのだ。保釈と職場復帰を実現した被告たちの力強い闘いは、勝利の展望を示し、職場の仲間に勇気を与えている。
反動革同が牛耳る近畿地本・南近畿地本の足下で始まったこうした変動は、国労総体の革命的再生の可能性をかいま見せている。小泉政権による自衛隊イラク派兵への怒りが広がり、階級闘争は戦時下の攻防に入った。春闘のただ中で強行される賃下げ、首切りなどの資本攻勢への反撃を誰もが望んでいる。こうした情勢に被告たちは躍り出た。
国労5・27臨大闘争弾圧を粉砕して8被告の無罪をかちとろう。弾圧の首謀者である国労本部・酒田―吉田執行部を打倒し、国労再生の道を切り開こう。これらの勝利を実現すれば、階級闘争の様相はさらに一変するに違いない。
許さない会は、次回公判終了後、文京区民センターで被告を迎えての初の全国集会を開催する。次回公判とこの集会に結集しよう。
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週刊『前進』(2136号3面2)(2004/02/09)
04春闘 指名解雇ついに始まる 連合では雇用も守れない
1月16日、西友が正社員の4分の1にあたる1600人もの労働者の「希望退職」募集を始め、希望者が募集人員に達しなければ、退職勧告に踏み切ることが明らかになった。この攻撃は、資本がついに改悪労基法のもとで「指名解雇」に踏み切ったものであり、断じて許せない。連合中央の“雇用を守るために賃金闘争を放棄する”という反労働者的路線の行き着いた先がこれだ。連合春闘方針は破産した。04春闘を一律大幅賃上げ要求を掲げてストライキで闘おう。3・20イラク反戦国際行動に総決起しよう。
西友を突破口に解雇の嵐が
西友は、02年3月にアメリカ最大の小売業資本であるウォルマートとの提携を発表、同年12月ウォルマートは出資比率37・7%の株主となった。西友は、労働者敵視で悪名高いウォルマートのやり方を導入したにもかかわらず業績が好転しないとして、今回の大攻撃に踏み切ったのだ。
対象になるのは、西友本社のほか、地域会社の北海道西友、九州西友の正社員計約6000人のうち30〜58歳の労働者だ。これまでは、退職金に500万円を上乗せする「希望退職」制度が存在したが、今回は上乗せを3〜8カ月分に削減するという。今まで約1年分あった上乗せを最悪4分の1にするというのだ。
これまでは、「早期退職優遇制度」などというペテン的な名前で退職金に最高3年分もの賃金を上乗せする制度が存在した。資本は膨大な退職金をリストラ費用として計上することで、たとえ一時的に赤字になっても、労働者の首を切る方が自らの延命にプラスになると判断してきたのだ。
その結果、01年の春闘過程では、自動車や流通業界などで、「希望退職」の募集に際して応募者が殺到して1日で受付を打ち切ったケースが、マツダ自動車、スーパーマイカル、いすゞ自動車、三菱自動車などで続出した。
だが、この現実は、闘う労働組合が存在しない中で、労働者階級が展望のない会社にいるよりは、退職加算金を手にした方がましだとしてきたためで、リストラを認めてきたわけではけっしてない。しかも「肩たたき」と言われる事実上の解雇が横行している。
絶望的危機を深める日帝資本は、ついに「希望退職者」に退職金を上乗せする余裕すら喪失した。電機などでも上乗せの廃止・削減が進行している。西友資本は01年段階のように「希望退職者」が資本の望む数には達しないことを見越して指名解雇に踏み切るというのだ。
日本の労働者数は、95年の日経連「新時代の『日本的経営』」の発表以降減り続けている。総務省の労働力調査によると、96年には6500万人を超えていた就業者人口が昨年末には6300万人を割った。実に200万人以上の減少である。雇用者数で見ても5300万人強と、100万人も減少している。さらに雇用形態も不安定雇用化が進展し、非正規雇用の労働者の割合は30%を超えた。失業率も5%を超える状態だ。このような数字を見るなら、連合中央は“かろうじて雇用を守った”などと言っているが、到底そのような現実ではない。
昨年6月、民主党・連合、日本共産党・全労連までが賛成した労基法改悪によって資本の解雇権が明記されたことがこの結果を生みだした。西友を突破口に指名解雇攻撃が吹き荒れようとしている。闘わなければ、雇用も守れない時代がついに到来したのだ。
ベースダウン(一律賃下げ)、指名解雇攻撃の開始、社会保障制度解体攻撃と、日本経団連の資本攻勢は明確に一線を越えた。「階級対立」という言葉が今ほど説得力を持つ時代はない。労働者を食わせられない資本主義・帝国主義を打倒しよう。
賃下げも解雇も認める連合
連合中央は1月16日、中央闘争委員会を開いて04春闘方針を決定した。
そこでは、「雇用の安定確保」を口実にベア要求を3年連続で放棄するとしている。しかも賃金カーブ維持から「定昇相当分」という言葉をはずし、「賃金制度の整備・見直しに向けて」という参考資料の中で経労委報告の「定昇凍結・廃止」の攻撃を積極的に容認しているのだ。絶対に許せない。
IMF−JC(金属労協)の春闘集中回答日は、3月17日となったが、連合中央のベア要求放棄と、IMF−JCの全単産のベア要求放棄により、金属の集中回答日はまったく無意味なものとなった。
連合中央はそれを覆い隠すために、「中小で5200円の賃上げ要求」「3月22日から24日に中小組合の初の集中回答ゾーンを設定」などということをペテン的に主張している。民間大単産での賃金闘争を根底から否定・解体する連合中央が主張する中小春闘などというものは、裏切りを塗り隠そうというもの以外ではない。
日本経団連・奥田の「春闘(という言葉)をまだ使っているの。もう死語になっていると思った」などというふざけきった発言を許しているのは連合中央だ。
だが、3・20国際反戦闘争の前後に春闘回答日が集中したことで、連合中央の思惑を超えて、労働者階級の怒りが爆発する春闘となる。
3月13日のダイヤ改正反対闘争を焦点とした動労千葉の闘いを突破口に、04春闘は、3・20イラク反戦国際行動日の全世界的うねりとも一体となって、日本の労働者階級が小泉=奥田との力関係を転換する巨大な総反撃の場となろうとしている。その先頭で闘おう。
西友の親会社ウォールマートに米独でスト
西友の指名解雇への踏み切りとそれへの反撃は、全世界の労働運動との連帯のかかった闘いである。
ウォルマートは、「ウォルマート化」と言われるほど、労働組合敵視と不安定雇用化、低賃金雇用で悪名高い企業であり、全世界で労働者階級の反撃の対象になっている。ドイツのウォルマート労働者2000人は02年7月26〜27日の2日間ストライキに入った。
アメリカでは、UFCW(国際食品商業労働組合)に結集する南カリフォルニアの8万人のスーパーマーケット労働者が賃金・労働条件のウォルマート化と医療保険の改悪に反対して、現在もストライキで闘い続けている。
西友の指名解雇攻撃は、ウォルマートによる全世界の労働者階級への攻撃の一環である。国際連帯の旗を掲げて反撃しよう。04春闘勝利、3・20国際反戦行動へ総決起しよう。
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週刊『前進』(2136号3面3)(2004/02/09)
中四国、九州で革共同集会開く
中四国 若い力先頭に布陣 “第2、第3の動労千葉を”
1月25日、広島市のワークピア広島(労働会館)で革共同中四国政治集会が開催された。昨年のイラク反戦闘争を先頭で担ってきた10代、20代の若者、帝国主義戦争体験者のお年寄りを含め、小泉=奥田路線による日帝のイラク侵略戦争と大資本攻勢に対決している労働者人民250人が結集した。04年階級決戦への党の出陣式にふさわしく、若い力を先頭にして戦闘的布陣が打ち固められた。
集会ではまず、71年沖縄返還協定批准阻止渋谷暴動闘争戦士でデッチあげ殺人罪による無期懲役判決に対して再審闘争を闘う星野文昭同志(徳島刑務所在監・獄中29年)への東京高裁による異議申し立て棄却決定を弾劾する星野暁子さん、昨年末に奪還された国労5・27臨大闘争弾圧の松崎博己・羽廣憲両被告、三里塚反対同盟北原鉱治事務局長のメッセージが紹介された。
連帯のあいさつでは、反戦被爆者の会の大槻泰生会長が「自衛隊のイラク派兵絶対阻止、ヒロシマ・ナガサキを繰り返させないために、労働者の党の建設を心から望む」と訴え、続いて全国被爆者青年同盟の中島健委員長、部落解放同盟全国連合会の金平通雄共闘部長、広島「障害者」解放委員会、闘う国鉄労働者から、04年の激動をともに闘う決意が表明された。
これらを受けて、柴崎陽一同志が革共同を代表して基調報告を行った。
冒頭に「自衛隊のイラク派兵阻止決戦に党と階級の総力をあげて決起しよう!ここに革命党としての存在意義がかかっている」と提起し、自衛隊出兵阻止の現地決戦と3・20国際反戦闘争への総決起を訴えた。続いて、「11・9労働者集会の地平を継承し、〈内への階級戦争、外への侵略戦争〉と原則的・階級的に闘う労働運動・労働組合運動の防衛、創造、強化のために死力を尽くそう。新指導路線のもと、動労千葉に学び、全産別の中に『第二、第三の動労千葉』をつくりだそう」と呼びかけた。
そして、真に階級的な帝国主義批判として、ブッシュの一般教書演説と小泉の施政方針演説を徹底批判した。「イラク侵略戦争は危機にのたうつ帝国主義の生き残りをかけた強盗戦争であり、世界戦争まで後戻りすることのない破局の始まりである。これ以上帝国主義をのさばらしたら世界はどうなるのか。人類破滅の道ではないか。もはや帝国主義はいかなる意味でも『平和』も『安定』ももたらさない。労働者階級と被抑圧民族人民の国際連帯の力で帝国主義を打倒しよう!」と提起した。
さらに、奥田ビジョンを取り上げ、「これは、ブルジョア支配階級が労働者階級人民を生活させることさえできなくなったことの表明である。労働者は資本家などいなくても、こんな国家など無くても、やっていけるのだ!」と訴えると、会場から一斉に「そうだ。そのとおりだ」と声が返ってきた。
そして、「今日の革命的情勢に対応し、新指導路線を実践するため〈党の革命〉を成し遂げよう。どんなに困難でも労働者の中へ入り、細胞を建設し、組合をつくり、組合権力を握り、労働運動の主流派へと飛躍しよう。勝利のために必要な飛躍を何がなんでもかちとろう!」と提起した。最後に「勝利のかぎは労働者細胞建設とマル青労同建設だ」と訴えた。
これを受け、革共同労働者組織委員会から「国鉄決戦を先頭に04春闘の爆発で小泉=奥田路線を粉砕しよう!」という特別報告が行われた。さらに、労働戦線から、教基法改悪攻撃阻止の先頭に立つ教育労働者委員会をトップに自治体労働者委員会、全逓委員会、電通労働者委員会、民間労働者、女性労働者の各同志が全産別・職場に「第2、第3の動労千葉をつくりだす」決意を表明した。
そして、参加者の温かい期待の拍手を受けて、新たに創成されたマル青労同の若者たちが登壇し、「青年の未来は青年の手で切り開く」とプロレタリア自己解放への熱い思いを次々と表明した。
集会の最後に、私文書偽造デッチあげ弾圧を跳ね返して復帰したM同志、日本原現闘、マル学同中核派、革共同中国四国地方委員会の代表が年頭の決意を述べ、全参加者が1〜2月のイラク派兵実力阻止闘争から3・20の世界数千万の反戦デモの組織化の先頭で闘うことを誓い、インターナショナルを斉唱した。
九州 戦時下の決戦を提起 “3・20百万決起は可能”
1月25日、福岡市民会館国際会議室で革共同九州政治集会が開催された。この冬一番の寒さと雪の舞う悪天候をはねのけて結集した参加者は、熱気のうちに04年の闘う決意を固めた。
集会は、司会を務める若い同志の力強い開会宣言で始まった。最初に一段と大きな拍手の中、国労5・27臨大闘争弾圧被告が登壇した。羽廣憲被告は「保釈は闘ってもぎ取った勝利だ。これからが本番」と決意を表明、松崎博己被告団長が「獄中で『前進』が待ち遠しかった。無罪をかちとると同時に国労の再生の先頭に立つ。裁判闘争への支援を」と力強く発言した。
次に「共謀罪」の今国会提出阻止を呼びかける破防法団体規制に反対する連絡会議、03年に4波にわたるイラク攻撃NO!平和を!女たちのデモの先頭に立った婦人民主クラブ全国協福岡支部、反戦共同行動・福岡、労組交流センター九州地方協議会の連帯のあいさつを受けた。反戦共同行動・福岡の代表は「03年のイラク反戦デモは大爆発した。自衛隊イラク派兵阻止への決起と3・20には福岡で万を超えるデモを実現したい」と力強く訴えた。
メッセージの紹介の後、革共同中央を代表して水谷保孝同志が基調報告を提起した。水谷同志は「われわれは今、時代の地殻変動の真っただ中にいる。日帝がついにイラク侵略戦争に参戦したからだ。戦時下の階級決戦に突入した」と切り出し、本集会の二つの課題を提起した。一つは、戦時下の階級決戦に突入した04年を闘う基本路線=新指導路線を鮮明にさせることだ。「労働者階級の獲得とそのための労働組合運動の推進と労働者細胞の組織化こそ、党が今日重心を置くべき課題である」
二つは、04年から数年間の帰趨(きすう)を決める1〜3月の闘いを爆発させることだ。「3・20への数十万、百万の大結集で階級情勢の閉塞(へいそく)をぶち破り、階級的力関係を転換させよう。その力で春闘瓦解(がかい)情勢をひっくり返し、労働運動再生の決定的転機をつくろう。11・9が〈階級的労働運動と国際連帯〉の融合炉となり、まったく新たな情勢を生み出したように、3・20の爆発は帝国主義打倒の新たなエネルギーを必ず噴き上げる」と提起した。
さらに、「イラク情勢の新たな段階への移行と日本階級情勢の大流動・大再編」として「イラク侵略戦争は世界戦争過程の開始である。イラクへの自衛隊派兵は日本国内情勢にはね返るだけではない。世界第3位の軍事力を持つ日帝軍隊の参戦は世界戦争情勢の最凶悪の推進要因となる。イラク派兵阻止の闘いを労働者階級の根底からの決起として爆発させよう」と決意を明らかにした。
イラク派兵・参戦下の春闘をめぐる情勢について「日本経団連は国際競争戦に敗北する危機を叫び、資本攻勢を強めている。しかし、労働者階級がそのまま屈服することは断じてない。争闘戦激化と戦争の時代における労働者階級の階級的=国際的闘いは進む。11・9の闘いがそれを示した」と語り、動労千葉の労働運動を学び、わがものとする闘いを強調した。
最後に「青年労働者、学生は党を求めている。新指導路線のもと、膨大な若者の苦悩と意欲と断固たる行動の中に躍り込み、情勢を切り開き、世界史の創造者となろう。闘うすべての人びとに革共同への結集を訴えよう」と締めくくった。参加者はひときわ大きな拍手で基調報告を確認した。
基調報告を受けて、労働戦線から国鉄、民間、自治労、教労、マル青労同の同志、諸戦線から全国被爆者青年同盟、部落解放戦線の同志、そしてマル学同中核派の同志の力強い決意表明が行われた。
決意表明の最後に革共同九州地方委員会の代表が立った。「イラク侵略戦争は第2のベトナムとなった。だがベトナムと違う。米帝は撤退できない。逆に戦争を全世界中に拡大する。われわれはどうするのか。回答は03年の闘い=11・9の中にある。労働者階級の団結と国際性の中に帝国主義を打倒する闘いの始まりがある。これを発展させることが世界革命の道だ。イラク反戦闘争の巨大な爆発をかちとり、原則的・階級的な労働運動を再生することだ。3・20日本人民百万のデモは可能だ。まず、できるという確信に立つ。われわれの手で実現する」と言い切り、その闘いの先頭に立つことを明らかにした。
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週刊『前進』(2136号4面1)(2004/02/09)
イラク反戦・有事立法粉砕へ3・20デモの大爆発を
北朝鮮侵略戦争への突入狙う 「国民保護法」有事関連7法案粉砕へ
小泉政権は、今通常国会に「国民保護法案」「米軍行動円滑化法案」など有事関連7法案、3条約・協定(別表)を2月下旬にも一括提出して成立させることを狙っている。これは北朝鮮侵略戦争を実際に発動させるための攻撃であり、有事立法を完成させ、米軍支援、日米共同作戦、労働者人民の戦争動員などを行う戦争遂行体制をつくりあげようとするものだ。絶対に許すことはできない。イラク反戦闘争と一体で、昨年の有事立法闘争をはるかに超える闘いの大爆発をつくりだし、有事7法案を絶対に粉砕しよう。3・20反戦国際統一行動を空前のイラク反戦、有事立法粉砕闘争として大爆発させよう。
北朝鮮への戦争の切迫
まずはっきりさせなければならないのは、米日帝国主義の朝鮮侵略戦争が切迫しているということだ。拉致問題や核開発、ミサイル発射実験など「北朝鮮の脅威」が排外主義的にキャンペーンされている。そしてこのことが有事立法の必要性の根拠として、しきりにテレビや新聞などで宣伝されている。
だが、進んでいることはまったく逆なのだ。米日帝国主義こそが北朝鮮への侵略戦争の準備を、どんどん進めているのである。
01年9・11反米ゲリラ―昨年3・20イラク侵略戦争突入をもって、帝国主義の危機はついに世界戦争の過程へと転化し始めた。米帝ブッシュ政権は「悪の枢軸」論やブッシュ・ドクトリン(先制攻撃戦略)を振りかざし、全世界を戦争にたたき込もうとしている。
この間、米帝はイラク情勢の危機から、6者協議で時間かせぎしているが、最終的にはあくまで北朝鮮侵略戦争を狙っている。実際、ブッシュは1月20日に行った一般教書演説で、イランと北朝鮮を「最も危険な体制」と非難し、「積極的な防衛」と称して、先制攻撃を辞さず金正日政権転覆のための北朝鮮侵略戦争に踏み込む野望をむき出しにした。
日帝・小泉政権はこうした米帝ブッシュの世界戦争政策をはっきりと見てとり、激化する日米帝国主義間の争闘戦の中で、日帝自身の帝国主義的アジア戦略のために、北朝鮮(中国)侵略戦争に共同的=競合的に参戦しようとしている。
小泉首相が「自衛隊のイラク派遣に日本の国益がかかっている」と言うのは、中東石油資源の死活的な必要性のみならず、自衛隊を送って参戦しなければ、帝国主義間争闘戦で米帝およびEU帝国主義に完全に敗北してしまうからである。
だから日帝は日米同盟に沿って突き進む形で、帝国主義的軍事政策を繰り広げて行こうとしている。米帝のイラク―北朝鮮―中国への侵略戦争に食らいつき、共同・競合していくことで敗戦帝国主義の現実から脱却し、軍事大国化とアジア勢力圏形成への道を切り開こうとしている。
日本経団連・奥田ビジョンの「東アジア自由経済圏」構想は、これと一体の攻撃である。だから、財界も小泉政権のイラク派兵と有事立法・改憲攻撃を全面的に支持し、「大事な問題を先送りするな」と発破をかけている(文芸春秋1月号の奥田提言)。
経済制裁法案と日米同盟
北朝鮮侵略戦争に向かって、どのような攻撃が進んでいるか。
第一に、何よりもイラク出兵そのものが北朝鮮侵略戦争に向けての決定的攻撃だ。自衛隊が1954年創設以来初めて、他国の戦場に踏み込んだのである。イラク人民に銃を向け、戦場で部隊を展開し戦闘を行うことで、「他国の人民を殺し、侵略戦争をする軍隊」への自衛隊の決定的転換をもたらす。
第二に、北朝鮮への経済制裁法案として、外国為替・外国貿易法(外為法)の改悪案が1月29日に衆院を通過した。2月上旬の成立を狙っている。これは「平和および安全の維持のためにとくに必要がある」と認めた場合に、日本独自の判断で送金や貿易取引を停止させることができるとするものだ。今までは国連決議や2国間の合意を発動の条件にしてきた。
送金や貿易停止が発動された時、ただでさえ体制的危機にある北朝鮮に与える打撃は計り知れない。日帝はミサイル発射実験や工作船の動きなどを口実にしてこれを発動し、北朝鮮を一層の危機に追い込み、「暴発」を誘い、侵略戦争の口実にしようとしている。
第三に、小泉首相は1月27日の衆院予算委で「国連より日米同盟」優先の考えを明言した。「日本に危機が起きたときに国連は日本とともに戦ってくれたり日本への侵略を防いでくれることはない」と日米軍事同盟の重要性を強調した。
これはどういうことか。米帝が国連決議さえ得られないままイラク侵略戦争開戦に踏み切ったように、日帝は、国連にもまったく縛られることなしに米帝とともに北朝鮮侵略戦争に踏み切るということだ。
第四に、有事関連7法案の今国会提出―制定策動だ。別表の法案、協定・条約が準備されている。
@〜Fとも、法案そのものはまだ公表されていないが、一つひとつが実際に北朝鮮侵略戦争に突入することを想定した重大攻撃だ。
「国民保護」は戦争動員
@国民保護法案については昨年4月に「概要」が、続いて11月に「要旨」が発表された。
これは、北朝鮮侵略戦争への自治体や民間業者の動員、住民の避難・立ち退き、物資統制などを規定した戦争動員法案だ。
「国民保護」などと言って、あたかも国民を外敵の侵略戦争から保護する法制のようにみせかけているが、これはまったくのいつわりである。
「要旨」冒頭で「武力攻撃事態等における」と言っているように、この時、すでに国民は戦争の渦中にたたきこまれているのだ。しかもそれは、米日帝の北朝鮮(中国)侵略戦争が遂行される中で、相手国が必死で反撃してくることを前提にしている。具体的にはミサイル被弾やゲリラ戦争の爆発が想定されている。
これを「国民保護法案」は、あたかも不当な相手国からの攻撃の問題であるかのようにすり替えている。だが実際には、北朝鮮をイラクのように国家として抹殺しようとして侵略戦争をしかけるからこそ、この事態は発生するのだ。もしそのことで日本人民に被害が発生するとしたら、この事態の一切の責任は日帝そのものにあるのだ。
さらにこの法案は、日帝が行う戦争の侵略的本質を隠蔽(いんぺい)し、国民をこの戦争に総動員するためのものである。この点で「避難や救援の訓練をする」という条項は重大だ。戦争への国民の精神的動員の攻撃であり、挙国一致体制づくりであり、反戦運動つぶしの攻撃である。
A米軍行動円滑化法案は、現行のACSA(日米物品役務相互提供協定)で保障している自衛隊と米軍との物品・役務の相互提供の範囲を、共同訓練や「周辺事態」から「日本有事」にも拡大する。対象品目も「水・食料、燃料」に加え「武器・弾薬」を含めることを明記する。ACSA自体も改定する。
そればかりではない。米軍が日本国内に新たな軍事拠点をつくることを想定して、一定の区域内での土地や家屋の提供を容易にするための手続きなども盛り込む。これは自治体や人民から土地・家屋をむりやり取り上げること(徴発)を、自衛隊のみならず米軍に対しても保障するものだ。
B特定公共施設等利用法案は、道路や空港、港湾、電波などの使用に関し、米軍・自衛隊の最優先を保障するものだ。空港や港湾の管理者である自治体が従わない場合のために、強制力を伴う首相の「指示権」を定める。
C捕虜等取扱法案は、敵国の兵士を捕虜にした場合の収容所の設置手順を定め、捕虜の待遇や送還方法、禁止事項などを明記する。
D国際人道法違反行為処罰法案は、捕虜の拷問や虐待、文民や傷病兵への非人道的行為を処罰するもの。
E外国軍用品等海上輸送規制法案は、北朝鮮の海上輸送を阻止するためのものだ。
C、Dのように日帝は捕虜の取り扱いまで法制化しようとしている。日本国内での対応ではない。北朝鮮に攻め込んで北朝鮮軍を捕虜にする戦争をやる気なのである。ここまでリアルに戦争を想定しているのだ。
「3ない運動」の強化を
このように有事立法―有事7法案は、さし迫っている北朝鮮侵略戦争に、日帝が主体的に参戦できるぎりぎりの体制をつくるための法案である。一般的な「戦争法案」でもなく、ましてや日本に対する他国の攻撃に備えるという防衛的なものでは、まったくない。
また、日本共産党やカクマルがいうような、アメリカに脅されて、小泉政権が仕方なく対米従属しているというものでは断じてない。日帝は帝国主義としての国家的利害をかけてイラク参戦を強行し、さらに北朝鮮侵略戦争を決断し、そこから一切を逆規定して準備しているのだ。
昨年6月に成立した武力攻撃事態法など有事3法も北朝鮮侵略戦争に参戦できることを可能にするぎりぎりの法案なのである。だから、国民保護法案や米軍支援法案などの策定なしには実際に発動できないものになっている。陸・海・空・港湾20労組の「3ない運動」(@有事立法を完成させない、A発動させない、B従事命令に従わない)は、この日帝の攻撃の本質と弱点をつき、労働者階級の闘いで有事立法を粉砕していく展望をもった、真に重要な闘いである。
侵略戦争への労働者動員と徹底的に闘おう。勝利のかぎは、有事立法―有事7法案が北朝鮮侵略戦争のための攻撃であることをはっきりさせ(ここが全人民的に、まだはっきりしていない)、これに対する人民の怒りと危機感を引き出して闘うことだ。そして労働組合・労働運動が主軸になった広範な統一戦線の力で反戦運動を大きく発展させていこう。
野党と連合の総屈服を打ち破り、労働者階級の総決起をかちとろう。民主党・連合は有事立法賛成派だ。社民党も日共も「国益」論や「北朝鮮脅威」論に屈服し、日帝の侵略戦争―有事立法の攻撃と対決できていない。“侵略戦争は体を張っても阻止する”“侵略戦争をしなければ生きられない帝国主義こそ滅びるべきだ”という立場で、戦闘的な反戦闘争を爆発させよう。自衛隊のイラク派兵阻止の2―3月闘争を闘い、3・20反戦国際行動の大爆発で日帝・小泉政権を打倒しよう。
(高村晋)
今国会に提出予定の有事関連7法案など
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■法案
@国民保護法案
A米軍行動円滑化法案
B特定公共施設等利用法案
C捕虜等取扱法案
D国際人道法違反行為処罰法案
E外国軍用品等海上輸送規制法案
F自衛隊法改悪案
■条約・協定
@日米物品役務相互提供協定・改悪案
ABジュネーブ諸条約の2追加議定書
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週刊『前進』(2136号4面2)(2004/02/09)
パレスチナ人民との連帯を 3年で2654人もが大量虐殺 自治区包囲と追放狙う「壁」
破壊と封鎖で失業率は9割
パレスチナで恐るべき事態が進行している。00年9月のアルアクサ・インティファーダ開始以来、アフガニスタン、イラク侵略戦争の陰でイスラエル軍はすさまじい攻撃をパレスチナ人民に加え続けてきた。その結果、3年間でパレスチナ人民の生活は極度に悪化し、民族全体が恐るべき生存の危機に直面している。
イスラエル政府は、パレスチナ人が自治区で生きていけない状態を意識的・計画的に作り出すために激しい破壊攻撃を繰り返してきた。人的被害だけでも、00年9月から03年10月中旬までに、イスラエル軍によって2654人が殺害された。うち5分の1が17歳以下の子どもだ。重軽傷者は4万7000人に達し、うち2500人には一生「障害」が残る。逮捕・投獄者は数知れない。
とりわけ昨年以降は「テロリスト一掃作戦」を口実とする自治区へのイスラエル軍の大規模侵攻が相次ぎ、ジェニン、ナブルスなどの都市の破壊と荒廃が進んだ。「テロリストの拠点解体」という口実で家屋、工場、農地、灌漑施設・井戸、道路などの徹底的な物理的破壊が行われた。
03年を通じた頻繁な侵攻作戦の展開と外出禁止令、封鎖の恒常化でイスラエルへの出稼ぎは激減し、輸出停止で農業や地場産業も破壊された。失業率は現在なんと8割から9割に達すると言われている。イスラエルによるパレスチナ経済の解体攻撃は「緩慢な虐殺」以外の何ものでもない。
また医療機関の崩壊的状況、栄養不足、イスラエル軍による上下水道の意識的破壊を原因とする飲料水汚染などで住民の健康は破壊されている。例えば、03年初頭の時点で5歳以下の子どもの5分の1が栄養失調だった。現在、さらに事態は悪化している。ガザと西岸に設けられた482の検問所は、自治区間の交通をずたずたに切り裂き、救急車の通行や生産物の流通を阻止し、子どもたちの登校や通勤を阻害している。
こうして、00年9月までは、占領下にありながら湾岸地域の産油国を除いてこの地域では比較的高い生活水準と教育水準を有していたパレスチナ(難民キャンプを除く)はこの3年間で一変した。イスラエル軍の重圧下でパレスチナ人民が必死にかちとってきたものすべてが奪われたのだ。
西岸自治区を崩壊状態に追い込んだイスラエルは、03年後半以降、ガザに集中攻撃をかけた。
断続的長期の消耗戦争作戦
02年4月のジェニンへの大規模侵攻と大虐殺が国際世論の注目を集めすぎたことを総括したイスラエル軍は戦略を転換した。短期間に集中した大侵攻作戦ではなく、あまり目立たない小規模の2、3日間の急襲作戦を断続的に長期にわたって展開する消耗戦争作戦へと転換したのだ。これは「静かなジェニン」作戦と呼ばれている。1作戦で数人から10人程度の虐殺にとどめ、メディアが報じるころにはいったん撤退し、次の襲撃に備えて周囲に部隊を控えさせるという方法をとった。それは虐殺と破壊の攻撃を長期にわたって行うための戦略である。
イスラエル軍はこうした作戦を、03年6月末から8月中旬までの「停戦」期間中にも展開し、同期間に17人を虐殺し、437人を負傷させた。また253軒の民家を破壊し、593人を逮捕し、1780fの土地を没収した。
その上でイスラエル軍は、03年10月、再びガザへの大侵攻作戦を実施した。
10月9日に開始されたイスラエル軍のガザ大侵攻は、80両の戦車や巨大ブルドーザー、F16戦闘機、アパッチ攻撃ヘリを投入して20日まで10日間以上続いた。エジプトからの武器搬入路やトンネルを破壊するという口実で、ガザ最南部のラファ難民キャンプ(住民14万5000人)のエジプトとの国境地域の住宅が徹底的に破壊された。
戦車砲やロケット砲による無差別攻撃で、10日間あまりで18人の住民を虐殺し、3200人が住む200軒近い家を破壊した。この3年間にラファで破壊された家屋総数の約2分の1がわずか10日で破壊されたのだ。電気、電話線、下水道やその他のインフラも徹底的に破壊され、再居住不可能な状態にされた。農地も200fが破壊された。
イスラエル軍の目的は、国境地帯にあるパレスチナ人の家屋すべての目的意識的破壊であり、この地域の全住民の追放と無人化にある。ガザを外部世界から完全に切り離し、エジプト国境地帯に軍事境界線を構築する計画的行動であり、「テロリストの拠点破壊」は口実でしかない。この大侵攻によって、ガザ全体では、00年9月以来、03年10月までに12000人近くが住居を失っている。
ラファに対しては11月と12月にも数十軒を破壊する侵攻作戦が行われている。
「壁」の建設で西岸58%併合
以上のような攻撃と並行して、自治区を包囲しパレスチナ人民を封じ込め、追放するための「壁」が猛烈な勢いで建設されている。「壁」は、00年9月のアルアクサ・インティファーダ以降、00年11月に最初の建設事業が承認され、02年6月に建設が開始された。
03年7月には、第1段階の建設が完了した。03年末の段階では、ジェニン、トルカレム、カルキリアを包囲する180`に及ぶ「壁」が出現した。「壁」には各種あるが、一番大きなものはコンクリート製の高さ8bのもので、武器を備えた監視塔、電気フェンス、塹壕(ざんごう)、監視カメラ、センサーがあり、幅30〜100bの緩衝地帯が設けられる。この緩衝地帯を作るために、家屋・農地などが破壊されている。カルキリアのように一部では自治区を完全に包囲、封鎖する。
しかもそれはグリーンライン(第1次中東戦争の停戦ライン)を越えて西岸地区に数`以上にわたって食い込んで建設されており、「壁」とグリーンラインの間に35のパレスチナ人の村がとりのこされ、封鎖地区とされた。
「壁」は自治区の諸都市を包囲するだけでなく、都市間の連絡を切断し、農地や学校、職場と住居、生産地と市場を切断する。また「壁」建設のためのオリーブなどの樹木の伐採、水源の没収や井戸、水道や農業用水の破壊も行われている。目的は農業の破壊だ。
最終的には05年までに全長687`の「壁」が建設される。その結果、ユダヤ人入植地を含めた西岸の土地の58%がイスラエル領に併合され、歴史的にパレスチナと呼ばれている土地のわずか12%に150万人の難民を含むパレスチナ住民約400万人すべてが押し込まれることになる。
「壁」建設の目的は、全パレスチナ住民を極小地域に封じ込め、経済的に生活を維持できなくし、最終的に追放することである。ロードマップによるパレスチナ国家の樹立などまったく不可能な状態を既成事実として作りだすことだ。だが、こうした厳しい情勢下でもパレスチナ人民は希望を失わず、激しい抵抗闘争に日々決起している。
イラク侵略戦争に反対して闘うとともに、パレスチナ人民の苦闘を常に胸に刻み、パレスチナ人民との国際的連帯の闘いを国際反戦闘争の最重要の課題としていかなければならない。3・20国際反戦闘争の大爆発をかちとり、パレスチナ人民との連帯の闘いを実現しよう。
(丹沢 望)
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週刊『前進』(2136号4面3)(2004/02/09)
呉でピースウォーク 海自に派兵申し入れ
海上自衛隊基地のある広島・呉で1月18日、若者を中心に60人で「呉ピースライブ&ウォーク」が行われた。これに先立ち12〜14日までJR呉駅前で座り込みが行われ、多くの市民や高校生から署名やメッセージが集まった。
集会(写真上)では、百万人署名運動呉地区連絡会の岩崎智寧住職が発言。浄土真宗として派兵反対を決定したと報告した。呉のストリートミュージシャンの若者がギターを手に「反戦の思いを込めて歌います」と自作の歌を披露した。
11月にイラクを訪問した広大の一年生がバクダッド大学で集めたアンケートを紹介。「イラクの人びとは米英軍の軍事占領の終了、自衛隊派兵の阻止を求めている」と訴えた。百万人署名運動の賀茂・東広島地区連絡会の鳴尾善彦共同代表は、東広島の労組がハンストを決定したことを報告した。婦人民主クラブ全国協は、2月7日の教基法改悪反対の広島集会を訴えた。
呉基地へのピースウォークに出発。呉の繁華街を元気よく行進。太鼓でリズムを取り若者が先頭のデモは注目を集めた。途中で海自呉地方総監部に派兵中止の申し入れを行い、呉駅前までデモを行った。
(投稿 広島大学N)
岡山で緊急デモ
空自本隊の派兵に対して岡山市内で、有事法制・海外派兵反対岡山連絡会の呼びかけで約230人が緊急で集まり駅前大通りをデモした(写真下)。司会を百万人署名運動が行った。
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週刊『前進』(2136号4面4)(2004/02/09)
1月20日〜27日
陸自本隊ついに派兵命令 ブッシュが凶悪な一般教書
●ブッシュ一般教書演説 ブッシュ米大統領が議会の上下両院合同会議で一般教書演説を行い、今後1年間の施政方針を示した。対テロ戦争について、「危険は去ったと思いたいところだが、誤りだ」「テロリストを支援し、核、化学、生物兵器を供与する政権に対決している。米国と同盟国は究極の危険の影におびえながら暮らすことを拒否する」などと述べた。(20日)
●都市型戦闘訓練施設、地元が建設中止要請
在沖米陸軍が沖縄県金武町キャンプ・ハンセンのレンジ4に都市型戦闘訓練施設の建設計画を進めている問題で、地元伊芸区の区長らが那覇防衛施設局を訪ね、米軍の計画に強く抗議し、即時中止を求めた。同日夜、区体育館で区民集会が開かれ、区民150人が出席。「体を張って阻止」と区民総決起大会の開催などを決めた。(21日)
●PKO国連待機制度を提唱 公明党は、国連平和維持活動(PKO)を必要に応じて素早く展開できるようにするため、加盟国に派遣できる要員の種類や数をあらかじめ通報する「国連待機制度」に日本も参加するよう提唱する方針を決めた。(22日)
●空自本隊が出発 航空自衛隊の本隊要員約150人のうち約110人が、政府専用機で小牧基地(愛知県小牧市)からクウェートに向けて出発した。イラクへの本隊部隊の派兵は初めて。26日にはイラク現地で物資の輸送にあたるC130輸送機3機も出発した。(22日)
●北朝鮮制裁法案で各党が合意 日本独自の判断で北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)への送金停止を可能にする外国為替・外国貿易法改正案について、自民、民主、公明の各党が合意した。2月上旬の法案成立の見通し。万景峰(マンギョンボン)号など北朝鮮船舶を想定した特定外国船舶入港禁止法案も今国会に提出される見通し。(23日)
●「開戦時、イラクに(大量破壊兵器の)備蓄なし」 イラクで大量破壊兵器(WMD)の捜索に当たってきたデビッド・ケイ米調査団団長が辞任し、ロイター通信に対し「イラク戦争が始まった段階で、イラクに生物・化学兵器の備蓄があったとは思えない」などと語り、開戦時にイラクが核、生物、化学の3分野にわたるWMDのいずれも保有していなかったことを強く示唆した。(23日)
●天皇が訪沖 国立劇場おきなわ開場記念公演と沖縄県内視察と称して天皇が沖縄県を訪問した。天皇の訪沖は、戦後50年の1995年8月以来で天皇即位後3度目となる。自治労や沖教組の労働者の闘いで小中学生を動員して「日の丸」の小旗を振って歓迎させる計画を那覇市や糸満市、宮古など各地で打ち破った。(23〜26日)
●米軍への攻撃も「有事」 政府は、日本有事に関し、日本への直接攻撃がない段階でも、日本を守るために活動している米軍が攻撃されれば日本への攻撃の着手と判断し、反撃することは憲法上可能とする政府見解を固めた。具体的には、日本防衛のため日本周辺の公海で活動している米軍艦船などが攻撃された場合、武力攻撃事態法に基づく「武力攻撃事態」と認定できるようになる。(25日)
●陸自本隊に派兵命令 石破防衛庁長官は、陸上自衛隊の本隊と、陸自の車両や装備を輸送する海上自衛隊に派兵命令を出した。小泉と公明党・神崎代表の党首会談での合意を受けて発令。陸自本隊の第1陣となる施設部隊約80人が2月3日に出発し、2月末にサマワに宿営地を構築、2月下旬から3月下旬にかけて残りの本隊約440人を3回にわけて派兵する。海自の輸送艦・護衛艦は2月20日ごろに出発する。陸海空3自衛隊が海外で同時に展開するのは初めて。(26日)
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週刊『前進』(2136号5面1)(2004/02/09)
イラク反戦・有事立法粉砕へ3・20デモの大爆発を
ブッシュ一般教書を弾劾する
「最も危険な体制」と北朝鮮とイランに戦争拡大を狙う
ブッシュ米大統領は20日、上下両院の合同会議で一般教書演説を行い、04年の施政方針を明らかにした。ブッシュは、現在アメリカが「戦時下」にあることを強調し、今後もイラク侵略戦争を始めとする全世界規模の「対テロ戦争」を進めることを宣言した。米帝ブッシュ政権は、イラク侵略戦争の泥沼化と米経済の危機−ドル暴落の危機の中でさらに凶暴化し、全世界を帝国主義戦争、世界戦争へと暴力的に引きずり込もうとしているのだ。ブッシュの一般教書演説を徹底的に批判する。
先制攻撃辞さない「積極的な防衛」論
今年の一般教書演説は、何よりも11月の大統領選での再選をねらって出されたものであるが、現実には全編にブッシュ・ドクトリンの凶暴性がむき出しになっている。
冒頭ブッシュは、「米国は今、大きな責任を果たすことを求められている。数十万の米国軍人が、世界各地でテロとの戦いを展開している」と叫んだ。「対テロ戦争」を推進することが最大の国家的事業であることをうち出したのだ。
さらにブッシュは「われわれの最大の責任は米国民を積極的に防衛することだ。米国はこの戦争を始めたテロリストに対し、攻勢に出ている」と「積極的防衛」論を振りかざし、米帝の側から先制攻撃をしかけるブッシュ・ドクトリンを貫くことを宣言した。
そして「米国はテロへの攻勢の一環として、テロリストをかくまい、支援する政権や、核兵器や生物化学兵器を供与するかもしれない政権とも対決している」と、米帝の世界支配を脅かす国家を「テロ支援政権」と決めつけてたたきつぶすことを突きつけた。ブッシュは他帝国主義の対米対抗的な介入を許さないために、帝国主義間争闘戦の焦点となっている反米国家を軍事力で転覆する侵略戦争をさらに進めていこうとしているのだ。
ブッシュは、リビアのカダフィー政権が「大量破壊兵器計画を開示し、廃棄することを約束した」ことを指摘し、「その理由は明らかだ。外交が実効的であるために、発言が信頼されなければならない。もはや誰も米国の言葉を疑えない」と、イラク侵略戦争の威力を誇示した。
さらにブッシュは北朝鮮とイランを「世界の最も危険な体制」であると名指しで非難し、両国に核兵器を持たせないことを強調した。ブッシュは、イラク侵略戦争に全力をあげざるをえない中で、当面は「北朝鮮には地域諸国と協力して核開発計画の放棄を求める」ことを表明した。米帝は北朝鮮を6カ国協議に引きずり出し、核開発を完全に放棄させて、金正日体制の転覆を図ろうとしているのだ。
こうした米帝の北朝鮮侵略戦争政策は、何よりも日帝を米帝の軍事戦略のもとに組み敷き、日帝の対米対抗的な台頭を許さないところに本質がある。同時に米帝は南北朝鮮人民の民族解放闘争の圧殺と、中国スターリン主義の転覆または転覆的取り込みを狙っているのだ。
日帝は米帝の帝国主義間争闘戦に追いつめられ、激しく突き動かされている。小泉はイラク侵略戦争に参戦することで戦後憲法的制約を突破し、侵略帝国主義へと絶望的に飛躍することをはっきりと決断した。そして北朝鮮侵略戦争を日帝自身の侵略戦争として行うために全力をあげている。
日帝が独自で北朝鮮への経済制裁を発動するための外為法改悪を許すな。国民保護法制など有事関連法案を粉砕し、北朝鮮侵略戦争を阻止するために闘おう。
米帝の国益優先し争闘戦激化の政策
ブッシュは、イラク侵略戦争への批判に厚かましいウソで「反論」し、EU帝国主義に対する軍事的争闘戦を貫き、イラクの軍事占領と人民虐殺をどこまでも継続しようとしている。
@ブッシュは「テロは犯罪として法的に解決すべき」などの意見に対し、イラク侵略戦争を9・11に対する防衛戦争であるかのように描き出す。だが9・11とフセイン政権には何ら関係がないことは明らかだ。
ブッシュは、デービッド・ケイを団長とする米調査団の報告書をとりあげ、「大量破壊兵器に関する計画と、イラクが国連から隠してきた大量の装備が特定された」と事実を180度ねじ曲げて主張している。だが、ケイは「イラクに大量破壊兵器が存在するとは思えない」「90年代に大規模な製造計画があったとは考えられない」として査察団長を辞任した。
ブッシュが「イラク人民を解放した」などと言うことを許せるか。米軍は数万人ものイラク人民を無差別に逮捕・拘束し、虐殺している。さらにフセイン政権下で制定された労組弾圧法を使って労働者の闘いを弾圧しているのだ。
ブッシュは「6月末までの完全な主権委譲を準備している」と言うが、イラク人民の民族自決権を暴力的に踏みにじり、カイライ政権をつくるというものでしかない。イラク人民はそんなものを認めていない。米英日帝国主義は「イラク復興」と称し、石油産業を始めとしたイラクの国家資産を強奪し、イラクの再植民地化を進めているのだ。徹底的に弾劾しよう。
Aブッシュは「イラクでの任務を国際化すべきだ」という批判を退けて、こうした批判は「英国、オーストラリア、日本など、イラクに派兵している米国のパートナーには理解できないことだろう」と述べ、イラク開戦に反対した独、仏帝国主義との争闘戦の立場をむき出しにした。そして他方では自衛隊のイラク派兵を持ち上げた。日帝を米帝の軍事戦略に徹底的に動員しようとしているのだ。
さらにブッシュは「米国は自国民の安全を守るために他国の許可を求めない」と、今後も米帝の国益に基づいて行動し、他国に先制的に戦争をしかけ、米帝支配下に置くと公言した。
Bブッシュは「民主主義が、中東にとって現実的な目標かという疑い」は誤りであると主張し、「中東民主化」構想、すなわち中東の勢力圏化をうち出した。そしてパレスチナ解放闘争を始めとするムスリム人民の闘いを圧殺することを宣言した。
またブッシュは「米国は最も基本的な信念に基づく使命感を担った国だ。世界を支配する欲望もなければ、帝国への野望もない。偉大な米国は自由をかちとる運動を今後も率いていく」とペテン的なことを言いながら、帝国主義間の争闘戦を激化させ、米帝こそが「使命感」をもって世界を暴力的に再編していくと公言した。
この米帝ブッシュに怒りを燃やし、イラク人民の命がけの闘いにこたえて、帝国主義打倒の国際的内乱の時代を切り開こう。
財政赤字の巨大化と内への階級戦争
一般教書は他方で、イラク侵略戦争の泥沼化と米兵戦死者の急増、財政赤字の膨張と、失業者の増大など、米帝が直面するすさまじい危機を隠蔽(いんぺい)している。
ブッシュは「過去3年間、逆境は米国経済の底力をあらためて示した。景気後退やテロ攻撃、企業スキャンダル、戦争への不安などをくぐり抜けてきた」と述べた。さまざまな危機に直撃されながらも、何とか本格的恐慌への突入を回避してきたことに胸をなで下ろしているのだ。
ブッシュは続けて「相続税や株売買の利益、所得税などの減税」による「景気刺激の結果、経済はますます成長している」と述べた。だがこの「景気回復」なるものは、労働者の首切り、賃下げと金持ち優遇税制によって一時的にもたらされたものにすぎない。これは労働者への資本攻勢によってもたらされた「雇用なき回復」なのである。
米ニューヨークタイムズ紙は、アメリカの労働者に対する攻撃を「流血こそないものの、(イラク戦争と)同じく容赦ない戦争が行われている」(昨年12月15日付)と警告した。こうした資本攻勢で、ブッシュ大統領就任後の3年間に230万人以上の雇用が減少した。とくに製造業部門の就業者数は、41カ月連続の減少(計280万人の雇用減)となっている。
ブッシュは「雇用増加のために減税を恒久化すべきだ」と議会に要請した。04年度の財政赤字は史上最高の5千億jを突破する見通しだ。ブッシュは前年度比7%増の4017億j(約42兆9千億円)という大軍拡予算を05年度の国防費として議会に要請した。それでいてブッシュは「向こう5年間で財政赤字は半分に削減できるだろう」とデタラメな主張をしている。
これに対し、米シンクタンクのブルッキングズ研究所は、05年会計年度以降も10年間は米国財政赤字が4000億jから7000億jの赤字を垂れ流す可能性があると試算。「巨額の財政赤字の慢性化はドルの信認を失墜させ、ドル暴落や長期金利の急騰で米国や世界経済の危機を引き起こす懸念がある」と警告している。(毎日1月22日付)
ブッシュ政権は、まともな経済政策など完全に放棄し、一切を戦争で切り抜けようとしているのだ。いまや米帝を始めすべての帝国主義が労働者階級を働かせ、食べさせることさえできなくなった。だからこそ〈外への侵略戦争>と〈内への階級戦争>を全面的に激化させているのだ。
2、3月陸自本隊、海自の出兵を阻止しよう。3・20国際反戦闘争の空前の大結集と04春闘で労働者階級人民の底力を引き出し、日帝・小泉政権を打倒しよう。
(早乙女優)
ブッシュ一般教書演説(抜粋)
■われわれの最大の責任は米国民を積極的に防衛することである。米国はテロリストに対し攻勢に出ている。
■外交が実効的であるために、発言が信頼されなければならない。(イラク戦争の結果)もはや誰も米国の言葉を疑えない。
■米国は、世界の最も危険な体制(北朝鮮とイラン)に最も危険な兵器を持たせない決意だ。
■イラクでの任務を国際化すべきだと批判する向きがある。この批判は英国、オーストラリア、日本…などイラクに派兵している米国のパートナーには理解できないことだろう。
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週刊『前進』(2136号5面2)(2004/02/09)
沖縄 天皇来沖を痛撃 厳戒はねのけデモ貫く
1月23日、天皇アキヒトは沖縄に足を踏み入れた。「国立劇場おきなわ」完成の記念公演への出席を始め、宮古・八重山など4日間の日程で、沖縄を蹂躙(じゅうりん)した。
天皇アキヒトが到着した23日、天皇来沖反対実行委員会の呼びかけで、浦添市の内間西公園に60人以上が集まり、天皇来沖を弾劾する集会とデモが行われた。この実行委員会は牧師の西尾市郎さんと知花昌一さんが呼びかけて実現した。
集会は午後5時、まよなかしんやさんの歌から始まり、呼びかけ人の西尾さんと知花さん、そして平和市民連絡会の共同代表の平良夏芽さんが発言した。
西尾牧師は、警察機動隊4500人の厳戒体制で地域や自治体労働者をも動員しようとするやり方を弾劾した。「かつての侵略戦争でアジアの人びと2000万人を虐殺し、沖縄戦でも多くの人びとの命を奪った戦争責任は消えることはない。今もアジアの人びとは天皇が自分の国に来ることを誰も望んでいない」と天皇の戦争責任を追及した。
知花さんは「警察権力のものものしい厳戒体制、このようなことは他の闘争でもありえない。国家暴力をもって、ものを言えなくする、これが天皇制だ」と訴えた。さらに「地域協力会を組織し、児童まで旗振りに動員する、また市職員を公務として動員することは許せない」と弾劾した。
最後に平良さんは「天皇アキヒトの口から、沖縄戦や戦後沖縄の現実にたいする謝罪の言葉を一度として聞いたことがない。琉歌をたしなみ、沖縄を気にかけているというならば、まずこの謝罪があるべきではないのか」と、基地・沖縄の現実にたいする天皇の責任を追及した。
集会のあと、参加者は天皇が出席している「国立劇場おきなわ」に向けてデモを行った。「天皇来沖弾劾」「自衛隊のイラク派兵阻止」「新基地建設反対」のシュプレヒコールは周辺に響きわたり、沿道の多くの人びとの注目をあびた。
警察権力は不当なデモ規制を行い、解散地点の途中でデモを解散させようとし、1時間半にわたって宣伝カーを拘束した。このような弾圧は前代未聞だ。天皇制の本質をあらわにしたものだ。しかし参加者は一丸となってこの弾圧と闘いぬき、解散地点までデモをやり抜いた。
翌日の24日にも、天皇の県庁訪問にたいして、早朝より県庁正門前で弾劾闘争をたたきつけた。
今回の天皇来沖にあたって、警察権力と行政による「地域協力会」の組織化のもとで、児童や自治体労働者の動員攻撃が大々的にかけられてきた。宮古においても、小中学生を対象に動員が計画された。
しかし、この攻撃を自治労や沖教組の労働者の闘いと反撃によってはね返した。那覇市や糸満市、そして宮古においても、行政は撤回せざるをえなくなった。国家暴力をもって威圧し、一切の反対の声を暴力的に封じ込めるという天皇来沖攻撃は完全に破綻(はたん)した。
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週刊『前進』(2136号5面3)(2004/02/09)
関西新空港反対闘争 “軍事使用させない” 住民先頭に140人がデモ
1月25日、泉佐野りんくう公園で関空2期反対、軍事使用阻止、自衛隊イラク派兵阻止関空反対集会が全関西から140人の結集で行われた。寒風吹きすさぶ中、地元住民30人が中心に陣取った。
淡路町反対同盟の安藤眞一事務局長の司会で、主催者あいさつに立った森田恒一・泉州住民の会代表は、石破防衛庁長官の「イラクは戦闘地域ではない」という奇弁を弾劾し、「関空2期もウソとペテンの固まり。関空は北朝鮮侵略戦争の兵站(へいたん)基地だ。われわれの闘いは反戦平和の闘い」と闘いの意義を強調した。
山本善偉・東灘区住民の会代表は、息子を戦地に送り出した人の短歌を紹介し、「戦争は絶対やってはならない」とあいさつ。
三里塚反対同盟・北原鉱治事務局長からのメッセージが紹介され、泉州住民の会事務局長・国賀祥司泉佐野市議が基調報告を行った。国賀さんは「戦後最大の階級決戦を迎えた。陸自本隊派兵を絶対に阻止しよう。3・20国際反戦闘争に決起しよう」と訴えた。関空の便数が10万回に激減し、旅客数は伊丹空港に400万人も抜かれ1406万人にとどまったことや累積赤字、地盤沈下問題など関空2期事業が完全に破綻していることを暴露した。
明石住民の会からのカンパアピールに続いて関西労組交流センター、住民団体、部落解放同盟全国連、婦民全国協、全学連が決意表明に立った。
泉州住民の会は高齢の婦人が決意表明に立ち、「私たちの闘いでイラクから自衛隊を引きもどそう」と発言。東灘区住民の会の白石裕さんは、「反対派住民とは会わない」としてきた市の姿勢を粉砕し窓口を開かせたことを「実力決起が固いカラをこじあけた」と報告した。
部落解放同盟全国連・荒本支部書記長の阪口克己東大阪市議は3月の全国連第13回大会への結集を呼びかけた。年末奪還された寝屋川支部・島田青年部長が支援へのお礼を述べた。
永井満・淡路町反対同盟代表がまとめに立ち、「関空は一大軍事拠点と指摘してきたことが現実になった。昨年のイラク反戦のうねりから1年の間に自衛隊が侵略軍として派兵された。小泉靖国参拝は英霊をまつる露払い。侵略加担があってはならない。全力で闘おう」と檄を飛ばした。
太鼓隊を先頭にリズミカルにコールしながらデモをした。勢いのあるデモに、買い物に行く家族連れや車の中から注目が集まり、沿道の民家からは住民が出てきて声援を送った。
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週刊『前進』(2136号5面4)(2004/02/09)
関西実が旗開き 反戦共同と合同で 決戦へ決意固く
1月12日、三里塚決戦勝利全関西実行委員会と関西反戦共同行動委員会の合同旗開きが開かれた。
冒頭昨年末に逝去された北富士の天野重知氏への黙とうが行われた。第一部の集会では主催者あいさつで関実代表の永井満氏が「三里塚は私たちの闘いの原点。反対同盟の年頭宣言を受け、イラク派兵に始まる今年の闘いを掛け値なしに全力で闘う」と宣言。反戦共同の入江史郎代表は「国労臨大闘争弾圧は、後退を重ねた労働運動が逆襲する機会、われわれの側から国鉄闘争に決着をつける条件を得た」と語り、先頭で闘う決意を述べた。
来賓として神戸空港工事の中止を求める市民の会代表の讃岐田訓神戸大学教授が、神戸空港阻止闘争を戦争反対、軍事空港反対闘争としてともに闘うことを訴えた。三里塚反対同盟の萩原進事務局次長が、東峰神社裁判闘争の全面勝利を「闘えば勝てることを示した」と報告。3・20国際反戦闘争―3・28三里塚闘争への決起を呼びかけた。
部落解放同盟全国連合会からは阪口克己東大阪市議が、寝屋川支部にかけられた弾圧をはね返し4人を奪還した闘いを報告、04年を闘う決意を明らかにした。
第二部は、山本善偉関実世話人の乾杯の音頭で交流会が始まった。被災地雇用と生活要求者組合の長谷川正夫代表があいさつし、続いて国労臨大闘争弾圧の当該である富田、小泉の両氏と家族からの報告が行われ、「団結して反転攻勢に転じて国鉄闘争に勝利する」と決意が語られた。
高槻市議の森田充二氏、泉州住民の会などからの決意と報告が続き、寸劇、歌などが次々と披露され、和気あいあいとした中に04年を団結して闘いぬく決意が固められた。
最後に加辺永吉関実世話人がまとめ、インターナショナルを歌い、団結ガンバローで締めくくった。
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週刊『前進』(2136号6面1)(2004/02/09)
革命軍の年頭アピール
新指導路線の下に団結し階級の蜂起へ挑戦しよう
真田真人
全党の同志、闘う労働者人民諸君! 何よりも星野文昭同志と全獄中同志へ、革命軍は新年の連帯のあいさつを送る。
75年3・14反革命から29年、革命軍は、全党の同志、獄中の星野同志らからの不屈の檄(げき)に叱咤(しった)激励されつつ、獄内外の分断を越えて、反革命カクマル完全打倒、日本帝国主義打倒−世界革命への〈一つの闘い>を戦いぬいてきた。今こそ、この勝利の戦取のために総決起することを誓うものである。星野同志は不当にも獄中に奪われたわれわれの分身であり、また革命軍戦士の一人ひとりは星野同志の分身としてある。星野同志が不屈の闘魂の奥底からの叫びとして表現した「呼吸し合う」という関係の形成・確立、その全党的実現こそ、星野奪還の全人民的な運動の発展、実現のために絶対必要であると同時に、新指導路線の徹底貫徹にとっても核心問題を提起している。獄中と獄外とが、不可分の有機的一体性をなすものとして「呼吸し合う」ということは、党と労働者階級、党と軍、また中央と細胞、指導部と被指導部という関係にとっても重要なのだ。革命軍は、本質的現実的に獄中同志と一体であり、いつでも指名手配攻撃を引き受け、またいつでも獄中戦線に移行する覚悟をもって戦いぬいている。
数十年に一度とも言うべき革命的情勢への端緒的突入が主客両面で明らかとなった今日、労働者階級に根ざし、労働者細胞を根幹に据えた階級の党として、革共同の実体的確立・強化は待ったなしに要請されている。新指導路線の核心も、戦争と革命の時代にあって、階級の蜂起へ向かっての党と労働者階級・大衆の戦略配置を必ず成し遂げ、間に合わせるという点にある。ここには、労働者階級の自己解放性に対する絶対的信頼と確信があり、党と階級との生き生きと呼吸し合う関係・結びつきの度合い・革命党の階級的認知の度合いが革命の成否を決するという死活的な主体的決断がある。そのためにこそ、党員ひとり一人が既存の自己のあり方を打倒して、文字どおり活動全体を「労働者の中へ」としてかちとり、「党の革命」を成し遂げることが求められている。「党の革命」の主体は、「歴史的存在としての」(革共同第6回大会報告)党員一人ひとりである。自らの非力を嘆いている時ではない。「もう一人の自分」は、自分自身に連なる労働者人民すべてである。全党・全軍の同志は、革命的共産主義者としての主体性と全体性を体現・発揮して、時代と階級が求めるものを求め、それを切り開く闘いを引き受けなくてはならない。一切の必要な課題を引き受けて闘いぬこう! 反革命カクマル完全打倒! 自衛隊のイラク派兵阻止! 3・20国際反戦闘争を大爆発させよう!
戦時型治安弾圧破り非公然体制を強化
11・9労働者集会の画期的勝利、新生マル青労同結成を新たな跳躍点とした03年の前進は、一方で敵権力のやみくもな戦時型治安弾圧の激化を生み出している。その最大の攻撃として、治安維持法以上の悪法である「共謀罪」が新設されようとしている。
一昨年の国労5・27臨大闘争弾圧や昨年の部落解放同盟全国連寝屋川支部への弾圧に見られるように、敵は階級的闘い総体を敵視し、その解体に突進している。とりわけその中軸をなす革命党破壊攻撃は激しい。われわれは、公然部署・同志へのまったく不当不法な政治弾圧を怒りをもって弾劾するとともに、究極的にはそれを革命軍解体、非合法・非公然体制根絶を狙う日帝国家権力の絶望的焦りとして見据え、戦時下の階級決戦への戦闘陣形を確立して戦いぬいている。
われわれは、敵権力との最先端的攻防を献身的に引き受けて闘う全党の同志、とりわけ救対同志、脈管同志、革命軍支援・非公然党建設を担う全同志・人民との信頼関係・共同闘争に支えられて存在できていることを自覚し、感謝する。
革共同が公然−非公然に分割された革命党でありながら完全に一つの組織として非合法−非公然体制をもって闘っていること、指導中枢、指導系統を秘匿・防衛し、合法−非合法、公然−非公然の今日的解決に成功していること、そして革命軍が防衛戦争の絶対的死活的土台性にしっかり立脚しつつ敵権力の弾圧を完全に封殺し、非公然的に武装した生活・活動をもって武器の開発・製造・実験・管理・備蓄をかちとりつつ、いつでも作戦を展開できる力と経験を有した精鋭的建設を強靱(きょうじん)に推進してきていることは、支配階級をもはや座視できないところへ追い込んでいる。防衛戦争での勝利は決定的である。
また、03年、革命軍は、戦略的攻撃体制堅持の戦争指導方針にのっとり、恒常的な索敵情報活動の全力展開、作戦の完成・準備・実戦訓練を強力に推進し、同時に、反革命カクマルの組織実態の掌握・分析活動の画期的前進をかちとった。JR総連カクマルの現状と、中央派中枢と学生、自治労・全逓・教労など産別カクマルの全実態を掌握し、ファシスト・カクマル完全打倒に向けて大きく前進した。
革命的共産主義の党だけが情勢切り開く
世界戦争と世界恐慌の現実化の中で、日帝の体制的危機は絶望的に深まっている。小泉反革命の登場そのものがその現れにほかならなかった。小泉「改革」とは戦争と資本攻勢をもって労働者人民に一切の犠牲を押しつける日帝の絶望的延命の攻撃である。今やその総破産は全面的に露呈し、階級深部からの怒りが爆発し始めている。危機にのたうつ日帝・小泉は、自衛隊のイラク派兵・参戦に踏み切り、戦後体制を破壊して帝国主義として「飛躍」し、さらに切迫する北朝鮮侵略戦争への「主体的積極的」準備にのめり込んでいる。日帝ブルジョアジーの側からする「外への侵略戦争と内への階級戦争」への全面的突撃である。
労働者人民への「聖域なき構造改革」攻撃は、公明党・民主党の与・野党両側からの補完と社民党・日本共産党の屈服、無力化、総翼賛化によって初めて現実化した。日本経団連・奥田は、さらにこれを徹底推進すると宣言し、連合はこれに唱和している。それは奥田も連合も「崩壊する日本」の明日をともに心底恐れているからだ。そのとおり! ありとあらゆる所で、さまざまな形をとって現れている事件・事故・事象が突き出している共通の本質は、帝国主義支配が一つの体制としてすでに歴史的に命脈が尽きていること、「家族・私有財産・国家」の崩壊そのものを意味しているのだ。極限的労働強化、人件費削減、首切りというリストラ攻撃、年金改悪、社会保障解体、介護保険制度など、労働者人民は生きるためには闘う以外ない現実を突きつけられている。
また「有事」=戦争体制発動は労働者の戦争動員なしにはあり得ず、文字どおり全社会を全面的崩壊にたたき込む。今日、まだ大丈夫と思っている労働者も、明日には生きるために必ず立ち上がる。革命は、生活と生存をかけた労働者階級の怒りの爆発だ。革命党と共産主義者は、労働者階級人民がこの社会の「墓掘り人」として自覚的に決起する「手助け」(レーニン)をするのだ。
現実を直視し、その現象的把握にとどまらず、マルクス主義的にとらえ返すことが必要だ。革共同は、『前進』創刊号で、時代・情勢を「根底的にとらえる」ことを明言して出発した。帝国主義の「繁栄」「発展」の中に実は危機と没落と桎梏(しっこく)があることを見抜いてきた(戦後世界体制論の確立)。今、世界史の転換期ゆえに『ドイツ・イデオロギー』(唯物史観)、『国家と革命』(国家論−革命論)の観点で歴史と現実を見据えることが必要となっている。
『資本論』−『帝国主義論』が示したとおり、歴史的体制としての資本主義の最後の段階・帝国主義が、その基本矛盾を帝国主義戦争として爆発させていることをしっかり確認して闘っていこう! 革命党は、人類史の未来、その本史を指し示す羅針盤(らしんばん)として歴史的階級的責務を果たさなければならない。反帝国主義・反スターリン主義世界革命の綱領をもった革命的共産主義の党だけが、今日の根底的情勢打開力・変革力を発揮できる時代が到来したのだ。
昨年12月のマルクス主義青年労働者同盟の結成こそ、21世紀早期の革命に向かう新たな第一歩である。マル青労同結成に決起した同志諸君! 諸君の決起と存在そのものが、「もう一人の自分」の巨大な可能性の実証そのものである。決起した労働者は、革命党を媒介とした活動をとおして、革命家になっていく、共産主義者になっていく、指導部になっていくのだ。マルクス自身、労働者階級の歴史的現実との根底的対決と主体的格闘をとおして、マルクス主義者になっていったのだ。
そしてかつて本多延嘉同志が明言したように「革命の達成以外に帰るべき一切の道を自己切断する所から革命家の歩みは開始される」。6千万労働者が諸君の働きかけを待ち望んでいることに圧倒的確信を持って闘おう。
崩壊過程に突入したカクマル両派打倒へ
04年階級決戦へ向かっての重要な確認は、時代認識を鮮明化させることである。第6回大会報告の「20世紀の総括と21世紀の展望」、また19全総提起の中に、すでに21世紀早期の革命勝利に必要な基本内容は明らかにされている。スターリン主義の裏切りによって、とっくに歴史的命脈が尽き果てながら延命してきた帝国主義は、労働者人民に苦しみと死を強制してきた。現代を生き戦う革命党、革命的共産主義者は労働者国際主義をもって、今こそ帝国主義を打倒して労働者階級の権力をうち建てなければならない。昨年11・9労働者集会の画歴史性の中に、新たなインターナショナル形成=世界革命勝利への一歩が開示されたと確信する。
だがこの時に、「暗黒の21世紀」を吹聴し、労働者人民の中に絶望を組織している者がいる。カクマル黒田であり、その黒田を「地上の太陽」などと個人崇拝的に祭り上げてカルト組織に変貌(へんぼう)を遂げつつあるファシスト・カクマルである。
黒田・中央派カクマルは、JR総連と大分裂し、JR総連を「階級敵」と宣言したにもかかわらず、共倒れを回避するために「腐った妥協」に入った。だがそれは、カクマル双方を一層危機に向かわせることとなっている。
黒田・カクマルの唱える「暗黒の21世紀論」こそ、黒田の絶望的心情と思考停止の現実を示してあまりある。「ヤンキー帝国主義」論なる反米国粋主義の主張やブルジョア的「文明の衝突」論に依拠した情勢認識は、カクマルが完全にマルクス主義を放擲(ほうてき)したことを示している。
91年のソ連スターリン主義の崩壊は、日共スターリン主義の存立基盤を崩壊させただけではなく、カクマルを直撃し理論崩壊、思考停止にたたき込んだ。それまでのカクマルが、「帝国主義とスターリン主義の千年王国」論を党是としてきたからだ。カクマルの「反帝・反スタ」は思想的・理論的根拠をすべて失っている。
いま中央派カクマルでは、ファシスト総裁・黒田自身の日帝国家権力への全面的屈服の公然化の中で、非公然カクマル分子の相次ぐ自首・投降とその路線化が進行している。これは、「権力には勝てない」という「権力万能神話」の実践そのものだ。権力と一度も闘ったことのないカクマルの非公然組織なるものが、K=K(警察=カクマル)連合のもとでのみ存在できたことの自己表白であり、権力へのあらためての恭順表明である。何が「権力の謀略」だ!
黒田の「推断」を一切の「判断」基準とした「謀略論」デマなどで、到来した革命的激動期を認識することなど到底できない。「暗黒の21世紀」論は初めから破産している。労働者人民に日帝への絶望的な隷従を説くファシスト・カクマルを、労働者人民はけっして許さないであろう。階級闘争破壊に走る反革命カクマルを、武装自衛体制を堅持し、階級闘争の大爆発の中で完全打倒しよう。
松崎・JR総連=カクマルこそ、中曽根の先兵となって国鉄労働運動と総評を解体する「戦後政治の総決算」攻撃に加担した労働者階級の敵であり、大裏切り者である。日帝・資本と癒着した労働組合は、どこまでも権力・資本の動向に屈服しすり寄って生き延びるしかない。今、権力・資本とのあつれきと矛盾の中で、JR総連カクマル内での松崎派と嶋田派へのさらなる組織分裂が激しく進行している。労働者階級の怒りで、この裏切り者に死を与えよ!
黒田が権力に許しを請い、その駄文をカクマル構成員に売りつける余生を平和的に送ろうなどという願望を、革命軍は絶対許しはしない。また、国鉄分割・民営化の裏切りを指導し、20万人首切りの先頭を担ったJR総連・松崎明にも、革命軍は必ず階級的責任をとらせる。産別カクマルの学習会回りで昔話を繰り返しているだけの土門肇も同様だ。黒田、松崎、土門の3頭目処刑、3・14復讐戦貫徹は、革命軍の絶対目標である。
<第6回大会世代>の革命家の共同の闘い
動労千葉の労働運動が全産別で、そしてまた国際的にも評価を受ける普遍的意義をもっている原点は、一人の首切りも許さないという「当たり前の労働組合運動」を労働者的団結を基軸とし、土台として原則的に闘ってきたことにある。団結を強化してストライキに決起し、またその闘いをもってさらなる団結を打ち固めてきたのだ。
権力と資本、カクマルとの闘いを非妥協的・原則的に闘いぬき、不当な解雇攻撃と闘い、分割・民営化攻撃に対して原地原職奪還・不当解雇撤回の原点を絶えず明確にして闘いぬいてきたことが決定的だ。11月労働者集会の闘う3労組、日韓米3国労働運動との結合・合流の根拠もこの階級的原則性にある。
民主労総の壮絶な焚身(ふんしん)や10万ゼネスト決起の闘いに連帯するには、日本の労働者人民のゼネスト的決起が求められている。革共同は、それにこたえられていない現状を直視し、なんとしてもそれを実現する闘いを開始しなければならない。革共同の新指導路線こそその実現の道であり、ただひたむきにその闘いを前進させよう。
民主労総の指導者は日本の労働者・学生の60〜70年代闘争から学んだと語っている。革共同は、60年安保闘争、70年安保・沖縄闘争を、さらにその内戦的継続・発展としての二重対峙・対カクマル戦争をわれわれ自身が生死をかけ、長期投獄をかけて闘いぬき、ついに今日、第6回大会路線のもとに日韓米の戦闘的労組・労働運動との合流・結合の端緒をつかんでいる。
そして革共同は、党−軍、非合法−非公然体制の党として存在し、「連帯し、侵略を内乱へ」の反戦政治闘争を闘い、動労千葉など3労組を軸とした階級的労働運動、国鉄決戦を始めとした4大産別決戦を闘い、革命的議会主義を闘い、入管闘争・部落解放闘争から医療・福祉・介護までの諸戦線の闘いを貫き、また反軍の闘い、革命軍のゲリラ・パルチザン・テロル戦を確固として戦いぬいている。われわれは、このことに絶対的確信と誇りを持っている。
あらゆる労働組合において労働者階級の怒りと要求を組織化し、革命へ向かう一つの巨大な奔流へと合流させていかなければならないし、またそれができる時代が来ている。革命への途上で敵権力に殺された同志たちなど、そして本多同志を始め反革命カクマルに虐殺された同志たち、そしてまさに今、不屈非転向を貫いて闘う星野、福嶋、倉持、神藤同志などの獄中戦線の全同志、デッチあげ指名手配攻撃を受けて闘っている同志たちは、革共同が、いかに闘ってきた党であるかの歴史と地平を全人民に身をもって実証している。
革命軍は3・14反革命から29年、「死地に赴く決意」をもって戦って生きぬき、生きて戦いぬいてきた。「生死をかけ、長期投獄を恐れず、家族問題の革命的解決をかけて」3・14復讐戦貫徹の鉄火の中へ躍り込み、先制的内戦戦略のPT(第1段階)、PU(第2段階)の流血と硝煙のるつぼの中から90年天皇決戦を党の蜂起として貫徹する最先頭で決起した。そして91年5月テーゼから第6回大会の10年を精鋭的確立・堅持、戦略的攻撃体制確立をもって戦いぬいてきた。
三里塚反対同盟との血盟にかけた三里塚ゲリラ戦を持続的に戦い取ってきたが、軍事空港粉砕、成田空港廃港のその日まで革命的ゲリラ戦をさらに激烈に戦取することを宣言する。
またジェット燃料輸送阻止闘争を動労千葉との連帯をかけて戦いぬき、国鉄の分割・民営化を許さず、国鉄労働運動−動労千葉労働運動の防衛の戦いとして動労カクマルせん滅・JR総連カクマル打倒・解体を戦いとってきた。88年ファシストカクマル分子・松下勝(東鉄労高崎地本委員長)などのせん滅戦は輝かしい戦果である。闘争団を守る国鉄労働者の闘い、動労千葉の階級的労働運動の存在と闘い、こうした人民の怒りを爆発させた戦いがファシスト松崎を恐怖させ、権力への一層のすり寄り−転向、組織分裂を促進したことは明らかである。その軍事力と体制は、今なお反革命分子へ向かって堅持されている。革命軍はカクマル両派の完全打倒を必ず戦取する。
充実感と確信もって革命本番に躍り込む
われわれは、全党・全人民と03年の悪戦苦闘をともにし、11・9労働者集会に結実した革命的情勢への端緒的突入のもとでの労働者階級の闘いの胎動を感激をもって確信した。いよいよ革命本番の時は近づいている。動き出した情勢は一気に進む。労働者階級が、自己解放の発露としてゼネスト−バリケード・市街戦へ決起し、帝国主義軍隊との対峙の中で、その包囲・解体・獲得=合流としての暴力革命を荒々しく闘いとる時代はすぐそこにきているのだ。あらゆる反革命を打ち砕き、革命を勝利させる革命党の意識性、指導性が徹底的に求められるのだ。われわれはその任務を果たしていかなければならない。まさに革命軍は、これからの闘いのためにこそ戦ってきた。何度でも、「死地に赴く」決意と信念を固め、新次元での「生死をかけ、長期投獄を恐れず、家族問題の革命的解決をかけて」階級の蜂起へともに挑戦していく。カクマル5人を一挙完全せん滅した80年10・30戦闘を、首都厳戒体制をつき破って敢行した884年自民党本部炎上戦闘や86年東京サミット砲撃戦を始めとした対権力ゲリラ戦を、階級の求めにこたえて新たな次元とスケールで何度でも戦い取る決意だ。
われわれは、91年5・1戦闘(JR総連カクマル湯原せん滅戦)での敵権力の銃撃にもひるまず作戦を完遂した不滅の革命軍として存在し、戦い続けている。革命軍の精鋭的確立は、幾多の偉大な勝利と痛苦な失敗・敗北の経験と総括、絶えざる教訓化と克服の闘いの試練をとおしてかちとられてきた。何度もの死に直面する修羅場を駆け抜け、何度でも生まれ変わって戦いぬくことなしに真に強靱不抜の革命軍建設はなかったのだ。
党の政治的軍隊として、党生活の3原則を建軍闘争の絶対的基礎に据え、防衛戦争の死活的土台性に24時間365日たって、戦争と建軍を相互促進的に貫徹する指導方針の正しさと勝利性を体現してきた。「主体としての、歴史的存在としての革共同」の革命軍ということを、今、革命軍の全戦士が奥深い充実感をもって確信し、革命本番に躍り込もうと臨んでいる。現代のボルシェビキとしての自己犠牲・献身性・英雄主義を04〜05年の階級決戦の壮大な戦場で発揮して闘うことを宣言する。
革共同は、57年党創成−60年安保世代、70年決戦世代、85年決戦世代、90年決戦世代、21世紀世代と、戦後日本階級闘争の全歴史を豊かに体現する偉大な世代構成を有する党である。しかし1年の革命家も、10年の革命家も、40年以上の革命家も、21世紀早期の革命への同時代を人生をかけてともに生き戦う一つの〈第6回大会世代>の革命家として、新指導路線の徹底貫徹をもって、革命本番へ今こそ進攻的に躍り込んでいこう! 1〜3月のすべての闘いに勝利し、3・20国際反戦闘争の大爆発をかちとろう!
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週刊『前進』(2136号6面2)(2004/02/09)
コミューン 3月号 年金略奪への怒り
04年、とんでもない年金制度改悪が狙われている。
長年働いて、いざ退職となったら、「約束した年金はもう払えません」なんて、ふざけるな! この労働者の怒りが本号の特集の出発点だ。ブルジョアジーがどんな理屈をつけようと、年金財政破綻(はたん)の責任がやつらにあることはごまかせない。労働者を食わせられないなら、そんな体制は倒すべきだ。
特集の第1章は、04年の改悪点をまとめている。年金保険料の負担が毎年上げられるのに、年金受給額が毎年減らされる。消費税率も激増し、退職後の実質生活費は半分にされる。
だが、こうした数字さえまだ控えめだ。少子高齢化を口実に、「マクロ経済スライド」なるもので、もっと生活費が削られる。
第2章は、年金財政危機が、金融資本、帝国主義の問題そのものだと示している。破産した日帝の延命のあがき――奥田ビジョンの主柱が、東アジア自由経済圏=新大東亜共栄圏構想と年金・社会保障解体だ。
第3章は、日帝の「年金改革」キャンペーンの中心である少子高齢化論のペテン性と、少子化そのものが帝国主義の抑圧の結果であることを徹底的に論証している。
第4章では、日帝の戦争への総動員の問題、労働者階級の闘いを軸に、日本の年金制度の歴史をみていく。体制の存亡がかかったものとして作られた年金制度の改悪には、階級決戦で闘うしかない。
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週刊『前進』(2136号7面1)(2004/02/09)
解同全国連13回大会の課題
寝屋川弾圧の完全無罪戦取し「法なき時代」の5万人建設を
全国部落青年戦闘同志会
3月7、8日に部落解放同盟全国連合会第13回全国大会が開催される(要項別掲)。全国連大会の歴史的成功のために全力で奮闘しよう。米帝ブッシュはますます激化するイラク人民の決死の民族解放・革命戦争の不屈の展開に震え上がっている。だが米帝はイラク侵略戦争のアリ地獄からけっして抜け出せない。このイラクに日帝・小泉は自衛隊派兵を強行し、侵略軍として足を踏み入れた。その行き着く先は世界戦争だ。われわれはこれに対して今、何をなすべきか。世界史は9・11とイラク侵略戦争で転換し、世界革命に向かっての巨大な突破口が切り開かれた。昨年11・9でつくりだされた日韓米の労働者の国際的連帯を発展させ、開始された日帝の侵略戦争を革命的内乱に転化し、プロレタリア世界革命をもって国際帝国主義を打倒することこそ、われわれの歴史的責務である。
権力の治安弾圧粉砕が戦時下の核心問題
戦時下の階級闘争の核心問題は何か。それは日帝・国家権力の治安弾圧との闘いである。昨年5月の全国連寝屋川支部の4人の仲間に対する大阪府警によるデッチあげ大弾圧は、部落解放闘争がこれまでとはまったく違う新たな段階に突入したことを突き出した。
かつて全国水平社は、それまでの大和同志会を始めとする融和主義勢力との党派闘争の中から部落民自主解放を掲げて登場した。しかし、日帝の朝鮮・中国・アジア侵略戦争への突入の中で、帝国主義融和運動に転落していった。その最大の原因は、28年3・15、29年4・16事件を始めとする日帝国家権力の弾圧と天皇制右翼の白色テロルへの屈服にあった。
差別糾弾闘争の徹底的貫徹は、戦時下において帝国主義軍隊や治安警察との激突、天皇制右翼との激突を不可避にする。この弾圧と白色テロルに敗北した時、部落解放闘争は壊滅させられ、部落民自身が帝国主義の侵略戦争の加担者に転落させられていくのである。
今われわれに求められているのは、この水平社の敗北の歴史を敢然とのりこえ、国家権力の弾圧、資本の暴虐な支配、右翼のテロルを粉砕して、差別糾弾闘争の全面的復権をかちとることだ。この血みどろのやり合いに勝ちぬくことなしに、3大闘争も全国連5万人建設も空語に等しい。寝屋川弾圧でわれわれが直面した事態とは、こうした時代への端緒的突入である。4人は奪還したが、本格的死闘はこれからである。
実際、寝屋川の部落大衆の闘いは、同和住宅家賃値上げ反対から始まって住宅の修理改善要求へ、さらに風呂や診療所、学校給食の廃止反対から、仕事保障要求闘争へと全面的に発展しつつあった。そして、村の青年に対する労災を理由とした理不尽きわまりない不当解雇に対する資本への闘いを開始したのである。それはあまりにも当然の、生きていくための最低限の要求であり、闘争だった。
だがこれに対して大阪府警と検察庁は、資本との交渉で「全国連の名刺を出したこと」「部落差別だ」と抗議したことを「恐喝罪」の構成要件と強弁し、「事件」全体を「全国連としての組織的行為」であると描き上げ、このデッチあげ事件をあえて「中核派罪」ではなく、「全国連罪」として有罪にしようとしている。部落民が人間としての叫びを上げること、部落民が団結し、全国連に結集して差別と闘うことそれ自体を犯罪とし、治安弾圧の対象にするということである。断じて許せない。
この国家権力の弾圧を打ち破ることなしに、これから先、部落民はもはやどんなささやかな要求をかちとることもできなければ、どんな差別を受けても差別者を糾弾することさえできなくされ、泣き寝入りを強制されるのだ。それは全国連と部落民に死ねと言っているのと同じだ。
全国連は昨年12月25日、4人の仲間全員を非転向で奪還した。いま寝屋川支部はこの4人の闘いを支援し、無罪を要求する運動を基軸にして全国連のもとへの大衆的な組織的結集を切り開きつつある。弾圧が組織的弱体化をもたらすのではなく、逆に弾圧をテコにし、獄中の4人の非転向の闘いを先頭にして、全国連の正義性、戦闘性、不屈さを地域住民に指し示し、本部派に代わる部落大衆の「護民官」として公然と登場しつつあるのである。
4人の完全無罪判決を、全国連そのものの命運をかけた闘いとして組織の総力をあげてかちとらなければならない。これこそが、戦時下において全国連5万人建設を切り開いていく最大の核心である。
部落民個人を狙った襲撃的な差別が激化
差別事件が日常化している。昨年、大阪で医者が交際相手の女性に「君のお兄さんの奥さんは部落の人だ」「僕が被害者だ」と開き直って、婚約を破棄する事件が起きた。しかも、この差別者は被害者の女性の家族の戸籍謄本を大阪府警の現職警察官を使って不正に入手していた。警察官がその職務上の権限を使って、公然と部落差別の共犯者となっているのだ。
さらに東京都荒川区では本部派支部員自宅に対して「エタ死ね」「お前たちは日本国民をなめているのか! いいかげんにしろ! 税金泥ボー、アホ エター 死ぬれ」と、差別語を書きつらねたメモが投函(とうかん)される事件も起きている。
また東京食肉市場あてに部落民や在日朝鮮人、滞日外国人、山谷労働者らに対する差別言辞を書きつらねた差別投書が送りつけられている。個人あてにも「被差別部落民は人間ではないから人権はない。一日も早く殺さないといけない。部落解放反対」と書いたはがきが送りつけられている。
そして7月には、阪口全国連荒本支部書記長を押し立てた東大阪市議選の真っ最中に、全国連本部最寄りの駅のトイレに「非人を殺しても殺人にはなりません」などという極悪の差別落書きが発見された。
こうした一連の差別事件の特徴は、これまでのように不特定の差別の扇動というものから、解放会館という部落解放運動の地域の拠点や部落民一人ひとりを直接狙った、襲撃的な差別にエスカレートしてきていることである。
四国学院大学差別投書事件では被差別部落出身の学生に「コロシテヤル」「この世から消えろ 死ね死ね」と罵倒(ばとう)するはがきやメールが13回も送りつけられたばかりか、封書に10aメートルの刃物が同封され、直接的に命を脅かすような差別襲撃が行われている。
腹わたが煮えくりかえる怒りを抑えることができない。この一連の差別事件に何をもって反撃するのか。人間としての尊厳をかけた渾身(こんしん)の差別徹底糾弾の闘いが必要だ。
差別糾弾闘争を投げ捨てた解同本部派
ところが、こうした部落差別の洪水のような激化に対して、本部派はなんと差別糾弾闘争を完全に投げ捨てた。
昨年の60回大会で本部派の打ち出した方針は、「人権救済法」の制定と「人権のまちづくり運動」である。国家権力による「救済」とは、差別糾弾闘争の全面放棄以外の何ものでもない。そして、翼賛社会の基礎となる現代の隣組としての「まちづくり」運動が今や解同本部派の運動のすべてになったのである。
本部派は、〈部落民自主解放と国家権力の打倒>という部落解放の唯一の道筋を自ら閉ざし、階級的立場を最後的に投げ捨てた。その今日的メルクマールが、昨年10月31日の狭山中央闘争の放棄である。それは本部派が帝国主義融和運動へ階級移行したことを示す紋章である。この解同本部派の屈服を見すかして差別者は増長し、全社会的な差別の洪水が堤防決壊的に始まっているのである。
だがそれは同時に、300万部落大衆のやり場のない怒りが全国の部落に渦巻き、出口を求めて激しく流動化し始めるということでもある。生活破壊と差別の洪水、本部派の無残な屈服が、新たな解放運動の登場を大衆的に希求する情勢を広範につくりだしている。実際、昨年の本部派の狭山中央闘争の放棄が、各地で全国連への結集をもたらしている。25万解同本部派の総瓦解(がかい)的事態が激しく進行しているのだ。
狭山闘争を最先端に3大闘争の貫徹へ
(1)こうした情勢に対するわれわれの回答は、狭山闘争を運動的最先端とする差別糾弾闘争を基軸とした3大闘争の全面的一体的貫徹である。無実の石川一雄さんに固く連帯し、狭山第2次再審・特別抗告審闘争に勝利しよう。
昨年の東大阪市議選と寝屋川弾圧との闘いは、戦争と差別がむきだしになる時代にどうやって5万人組織をつくりだすのか、その原型を狭山闘争を恒常的基軸にしながら選挙闘争と弾圧との闘いの中からつかみとっていく苦闘そのものであり、3大闘争を3大闘争として国家権力、行政、本部派、日本共産党とのやり合いの中で全面的に実践していく格闘であった。
(2)東大阪市議選は、掛け値なしに全国連と荒本支部のみならず、部落解放闘争そのものの存亡をかけた闘いであった。そして、まさにその渦中で寝屋川弾圧が襲いかかった。それはけっして偶然ではなかった。日帝・国家権力が02年の国労臨大闘争弾圧や、03年の全国金属機械港合同への弾圧などと一体になって全国連への攻撃を集中し、組織の壊滅を狙ったことは明白だった。
ここでまず重要だったことは、こうした情勢のもとで全国連自身が創立以来の闘いの地平を踏まえつつ、その延長ではけっして勝利できないという強烈な自覚を持ち、なおかつ本部派に代わって実際に地域全体に全面的に責任をとるというあり方をわがものとする以外に5万人建設はありえない、という強烈な目的意識性であった。「議員としての選出=全国連の村の代表としての大衆的承認」以外にあり得なかった。
帝国主義の全面的な部落解放運動根絶攻撃は、全国連にそれまでの左翼少数派的あり方の一掃を突きつけた。全国連が地域のすべての部落大衆の利益を擁護し、地域ぐるみの団結の力で要求を実現していくというあり方への転換が求められたのである。
「法のない時代」とは、帝国主義の部落民への階級戦争であり、人間としての一片の権利も認めず、その尊厳と生存そのものを否定するような部落差別と生活破壊を意味するのである。
それは既成解放運動の行政依存主義の最後的終焉(しゅうえん)をもたらすと同時に、解放運動がその本来の国家権力との荒々しいむき出しの力対力の対決の場にラセン的に立ち返るということでもある。言いかえれば、「法のない時代」とは「力対力」「階級闘争」「大衆的実力闘争によって決着をつける時代」ということである。
(3)この攻撃をうち砕くものこそ、300万部落大衆の団結とそれを基礎とした差別糾弾闘争であり、それを基軸とした3大闘争の全面的一体的貫徹である。
今日、部落大衆は同和住宅の家賃値上げ、リストラ―失業、賃金カット、就職差別、パート労働の切り捨て、教育からの排除、無年金、介護保険、病気と医療制度の改悪、借金苦……、その上に差別の洪水が襲いかかり、二重三重に苦しめられている。
仕事や教育や介護や医療をめぐる要求は、どれも切実で、またそのどれ一つとっても、それぞれその要求を実現することは容易ではない。そのいずれの要求も相互に分かちがたく結びついている。帝国主義の全面的攻撃として一体であり、部落差別として貫徹されている。したがって、部落大衆にとって、生きるためには「要求のどれか」ではなく、要求の根源である部落差別そのものをなくすこと、帝国主義そのものを打倒しなければどうにもならないことを、日々の生活の現実によっていや応なしに強制的に「体験」させられているのである。
すなわち、部落大衆の具体的な要求の一つひとつを掘り起こし、それを大事にしながら、部落民が受けている苦しみは直接的な差別はもちろん、そのすべてが帝国主義の部落民に対する身分的抑圧・迫害であり、部落差別そのものをなくさなければけっして解放されないことをきっぱりと明らかにして、差別糾弾闘争として徹底的に闘いぬくことである。
同時に、それらの苦しみは労働者階級人民全体にかけられている帝国主義の攻撃の一環でもある。労働者階級人民の闘いと固く連帯し、階級的共同闘争をもって一切の抑圧・差別・迫害の根源である帝国主義を打倒することこそが、部落解放の道筋である。
(4)具体的には、「部落差別をなくすことなしに部落民は解放されない。この差別と闘うのは互助会でも自治会でもない。ましてや政府や行政ではない。〈部落解放同盟>である。しかし、解同本部派は差別と闘うことをやめ、政府や行政の手先となって妨害している。今や部落差別と闘う唯一の団体は全国連しかない。解同本部派に代わってこの全国連を300万の新たな団結組織として大きくしよう。全国連を大きくして差別をなくし、あらゆる要求を実現しよう」と訴えることである。
今後、実践にあたってさまざまな要求実現のための政策や手法の研究が、きわめて重要になる。だがあえて言えば、まず数である。村ぐるみで全国連に団結することこそ最大の要求実現の力なのである。
(5)こうした300万の総団結を一人ひとりの部落大衆を主語にしてとらえ返せば、それは300万部落大衆自身が部落解放闘争の主体として総決起するということである。〈要求>〈権利>〈団結>〈組織>〈行動>は大衆闘争と大衆組織の形成・発展のプロセスであると同時にそれを担う労働者人民の主体形成のプロセスでもある。
ここにおいて重要なことは、要求を〈要求>として自覚し、それを権利として主張することそれ自体の困難さである。しかし、これなしにどんな要求闘争も成立しない。その上で重要なことは生活苦や差別の苦しみが部落差別に基づくものであること、それが帝国主義によって、国家によって、小泉政権の政治によってつくりだされ、強制されているということである。
つまり、政府の「悪い政治」「差別政策」によって苦しめられていること、したがって苦しみから解放されるためには、人間としての権利を奪い返すためには、こうした政治を変えること、小泉政権と帝国主義そのものを打倒しなければならないことをはっきりさせることである。
また、小泉政権の手先になって部落大衆の決起を妨害している本部派の反動的役割を暴露しきらなければならない。つまり、打倒対象を明確にするということである。そのことによって、やり場のない怒りと苦しみは、階級的怒りとなって帝国主義とその手先に向かって爆発する。闘う意志はそこから生まれる。
さらに重要なことは、打倒対象がはっきりさせられた時、それは必然的に実際に打倒するためにはどうすればいいのかが問題になる。そして、それは必ず組織と行動の必要性の自覚に至る。すなわち、自己解放の手段としての部落民の団結とその団結体の必要性がはっきりするのである。そうした部落民の闘う団結体は今や全国連しかない。全国連建設を自分自身の自己解放をかけた闘いとしてつくろうという政治的自覚と決意となるのである。
こうした階級的自覚をねばり強い学習活動と実際の闘争をとおした経験によって大衆的につかみとっていくことである。
階級的な共同闘争と部落の労働者組織化
さらに今日、労働者階級人民も、労働基本権や社会保障を始めとするあらゆる戦後的諸権利を全面的に剥奪(はくだつ)され、無権利化されている。選挙戦の中で、介護保険闘争で、開始された本格的な階級的共同闘争は、部落差別をもってする人民分断攻撃を実践的にうち破りつつある。
こうした階級的共同闘争をあらゆる領域で推進しよう。労災の認定を要求し、労災中の解雇に抗議した部落の青年労働者を「恐喝」で逮捕・起訴した寝屋川弾圧は、部落差別に基づくデッチあげ弾圧であると同時に、今日の労働運動に対する弾圧、団結権破壊攻撃の一環でもある。動労千葉や闘う国労組合員、港合同、全日建運輸連帯労組関生支部などと連帯して、必ず完全無罪をかちとろう。
さらに部落の労働者を実体的主力とした現業労働運動を、部落解放闘争の一環として位置づけつつ、自治体労働運動の戦闘的一翼を担うものとして発展させることである。
また今日、民間職場で働く部落の労働者の雇用、労働条件は、最悪の無権利状態にある。寝屋川の島田君の例はけっして特別ではない。そればかりか青年の中には今も仕事がなく、結婚もできず、アルバイトでその日暮らしを強制されている者もたくさんいる。こうした民間労働者の組織化、とりわけ青年労働者、失業者の組織化は死活的課題になっている。こうした現業を始めとする部落の労働者を、新指導路線に基づいて圧倒的に組織していこう。
大会成功から3・20決起へ
以上の実践的指針を、われわれの組織をあげた日常的活動基準にし、5万人建設に向かって猛然と進攻していこう。
狭山再審闘争を運動的恒常基軸にしつつ、かちとった組織的前進の力を狭山再審闘争の大衆的発展に集約・結実させ、日帝を揺るがす大闘争に全国連の力で再び押し上げるのだ。
また、当面する3・20国際反戦闘争の大爆発を始めとしたイラク―北朝鮮侵略戦争反対闘争に、荊冠旗をおしたて、その最先頭で総決起しよう。全国連13回大会の成功こそがそれを可能にする。大会の勝利のためにともに闘おう。
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週刊『前進』(2136号7面2)(2004/02/09)
第6部 総動員体制(3) 治安維持法と特高警察
戦時下の一切の運動を禁圧
治安維持法は、1925年に普通選挙法(衆議院議員選挙法改正)とともに制定された。治安維持法による犠牲者は、戦後の政府発表によっても送検者7万5681人、起訴5162人。一連の治安法規も含めた逮捕者は数十万人、拷問・虐待による死者は、築地署で殺された小林多喜二ら明らかに虐殺された65人を含む少なくとも1682人にのぼった。
ロシア革命波及
第1次世界大戦の渦中にかちとられた17年ロシア革命は、労働者階級の歴史的勝利として全世界に波及した。日帝は帝国主義各国とともに「居留民保護」を名目にシベリア出兵(18〜25年)を強行した。数万の軍隊による米買い上げは国内の米価を急騰させ、米騒動が空前の民衆蜂起として全国に広がった。
その後、労働運動や農民運動を始め民衆の運動が一斉に開花した。友愛会が労資協調路線から階級的闘争路線に転じ、21年には労働者のナショナルセンターとして日本労働総同盟と改称、労働争議が全国で闘われた。22年3月には全国水平社が創立され、同年7月に日本共産党が結成された。19年には朝鮮3・1独立運動、中国5・4運動が爆発し、台湾でも反日民族運動が進んだ。
この革命的激動にたじろぎつつ、原内閣は警察力の増強による治安弾圧体制を整えていった。
労働運動弾圧法としてはすでに1900年3月と6月に治安警察法と行政執行法が公布されていた。法案審議中に幸徳秋水は、労働者の同盟罷工(ストライキ)をやめさせたかったらまず資本家・地主の「暴横酷虐」をやめさせよと訴えた。これは日清戦争後、高まりつつあった労働運動を対象とした事実上の「同盟罷工禁止法」だった。
この幸徳秋水らが明治天皇暗殺を企てたとデッチあげられた1910年「大逆事件」を機に、翌11年に警視庁に特別高等課が設置された。これが治安維持法下で特別高等警察(特高)に発展した。
予防反革命立法
治安維持法第1条は、「国体を変革し又は私有財産制度を否認することを目的として結社を組織し又は情を知りてこれに加入したる者は十年以下の懲役又は禁錮(きんこ)に処す」(28年改悪で最高が死刑に)と規定していた。
それは、ロシア革命とそれに続く世界の労働者階級人民の闘いの爆発にプロレタリア革命の現実性をみてとった日本帝国主義が、日本共産党の結成に対して、共産主義革命を絶対に防止するという強い意志をもってつくりあげた文字どおりの予防反革命弾圧法である。「国体の変革」とは天皇制打倒、プロレタリアート独裁権力の樹立ということであり、「私有財産制度の否認」とは社会主義である。そして、結社とはつまり共産党を指している。
第2条では第1条の目的をもって「その目的たる事項の実行に関し協議をなしたる者」を7年以下の懲役又は禁錮に処すとし、この「協議」条項をもって治安維持法適用第1号として25年12月に京都大学、同志社大学を始めとする学生社会科学研究会の学生が検挙された(京都学連事件)。
第3条は「実行を扇動したる者は七年以下の懲役又は禁錮」とされた。この場合の「扇動」は、扇動した相手方が現にそれを実行しない場合でも、扇動行為自体が既遂となる。
そして第5条には「罪を犯さしむることを目的として金品その他の財産上の利益を供与し又はその申込もしくは約束をなしたる者は5年以下の懲役又は禁錮」とあり、当局の無制限な拡大類推解釈によって、共産主義者・無政府主義者だけでなく、無限に弾圧を拡大することができた。
普通選挙を実施
第1回普通選挙は28年2月20日に実施された。評議会が支持する労農党からは山本宣治ら2人が当選した。当選には至らなかったが労農党公認として徳田球一ら11人の共産党員が立候補、初めて公然と共産党が登場した。選挙直前の2月1日に非合法機関紙『赤旗(せっき)』を発行した共産党は、「プロレタリア独裁」「労働者農民の政府樹立」のスローガンを公然と掲げ、労農党候補の演説会場では日本共産党の署名入りで「天皇制の廃止」を刷り込んだビラがまかれた。
この選挙戦直後の3月15日、治安維持法が本格的に適用される大弾圧が起こった。共産党員および党の影響下にある大衆団体の活動家が寝込みを襲われ、一網打尽にされた。1568人が検挙され、捜査当局が入手した党員名簿によって党員とみなされた488人が起訴された。
そしてこの普選後の第55議会は、治安維持法改悪案をめぐる激突となった。労農党の山本宣治議員はこれに真っ向から反対し、札幌警察署で行われた3・15事件の拷問の実態を暴露・糾弾した。これを憎悪した右翼によって、山本は翌年3月5日に刺殺された。
11月に新天皇(昭和天皇)の即位式を控えていた政府は、最高刑を死刑・無期刑とする治安維持法改悪を6月29日緊急勅令で公布した。同時に全国に特高警察を設置するとともに、思想検事を新設。憲兵隊にも思想係を設け、警察犯処罰令、違警罪即決令、行政執行法、出版法などにも、治安維持法と結合させて治安立法の役割を担わせた。
その後、36年には思想犯保護観察法が公布・施行。41年3月、政府権限の大幅な拡張を行った国家総動員法改正公布と並んで、根本的な改悪治安維持法が公布(5月施行)された。治安維持法違反者の将来の再犯の危険性を防止するため拘禁しておく「予防拘禁制」が取り入れられた。期間は2年とされたが、転向しない場合は何度でも更新する「終身拘禁」制度だった。
こうして共産主義者でなくても、侵略戦争に少しでも批判的な言動があるとみなされると次々と逮捕・拘禁された。侵略戦争の泥沼的拡大と治安弾圧は一体のものだった。
特高警察は、容疑者の逮捕・留置、取り調べ・転向強要・スパイ工作、右翼の利用など、治安維持法を振りかざし、その乱用・拷問をほしいままにした。
長期間にわたり勾留し、拷問・転向強要によって手記を書かせ、それを根拠に同法を適用するのである。転向強要とデッチあげは、日帝・治安警察の常套(じょうとう)手段として現在に引き継がれている。
(室田順子)
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週刊『前進』(2136号8面1)(2004/02/09)
大震災9周年―被災者が元気になる集会 兵庫N・A
1月17日、神戸市の兵庫県民会館で185人が結集し、第20回の被災地反失業総行動として被災者集会が開かれました。今回の集会は、今までの総行動と趣旨も内容もがらりと変わっていました。
「被災者が元気になる集会」として行われ、集会の第1部では琉球舞踊と民謡、そして和太鼓の演奏などの芸能がありました。
老後の蓄えも震災被害で使い尽くし、失業したまま月4〜5万円の国民年金で、外出する交通費もなく災害公営住宅に閉じこもり、食うや食わずの生活を送っている高齢化した被災者に、せめて1日でも楽しい気分になってもらおうと企画されたのです。
災害公営住宅に、芸能を前面に出した集会案内ビラを6000枚まきました。
このビラを見て、劣悪な仮設住宅での生活改善をかちとるために神戸市行政と交渉してきた一被災者がともに行動したいと電話をかけてくるなど反応があり、集会は初めてという被災者が多数参加しました。
舞台の看板には、被災者に元気になってもらおうという絵が描かれました。反失業総行動参加団体連絡会の人たちが、力を合わせて1日がかりで描き上げたものです。
この集会の内容について、2回にわたって参加団体連絡会で議論がされました。その中で、この集会の主役は誰なのか、なんのために開くのかということから議論されました。
被災者が団結する場としてあった「しごと開発事業」が打ち切られ、被災者がばらばらに分断されたまま、国・行政の震災10周年を区切りにした05年度末の被災者対策全面うち切り攻撃に、どう立ち向かうのか。あきらめ絶望している被災者の団結をどうやってつくりだすのか。その結論が「被災者が元気になる集会」だったのです。
この議論の中、被災地雇用と生活要求者組合の役員が、インパクト・ハンマー(自動釘打ち機)を例に出して、集会発言を被災者に分かりやすくしようと提起しました。「インパクトが強ければいいというものではない。インパクト・ハンマーを知っているか。電圧が12Vと9Vの2種類があって、打ち付けようとする素材の強度に合わせて使用しないと素材を壊してしまう。イラクへの自衛隊派兵反対のことも震災のことに引き寄せて発言しないと、むずかしい話として被災者に伝わらない」という意見でした。
第2部の集会での発言は、各発言者が参加者の意識にかみ合わせて発言しました。被災地雇用と生活要求者組合の長谷川正夫代表は、4万人もの犠牲者のイラン大地震の救援に力を注がずに、イラクへ自衛隊を派兵する日本政府の対応から、この戦争の本質を明らかにしました。
今後の被災地での課題は、被災者対策うち切りに対し、被災者が主体の闘う団結をつくりだすために、災害公営住宅の被災者の中に分け入って話を聞くところから始めて、怒りと権利意識を引き出すことです。
小牧基地前で闘って「これだ」と感じた 東京 潮路功一
3・20を空前の闘いにするために何が必要なのか。1月22日の小牧闘争に参加し、「これだ」と感じたものを書きます。
私は小牧に行く前、大変な危機感にかられていました。1月19日の「筑紫哲也NEWS23」で、「佐世保事件36年」という特集がありました。原子力空母エンタープライズ寄港に対して、角材で機動隊と闘う中核派。その学生に次々と支持を寄せる佐世保市民の声。白黒画面ですが衝撃的なものです。終わりの方で「なぜ今、国会を取り巻く大デモが起きないのか」とのコメント。“今、佐世保闘争のような闘いをやれば、大衆は必ず立ち上がる”――そういう内容だったのです。
小牧の午前中の集会は、基地の南端でした。演壇とした場所からフェンスまでわずか2b。空自本隊を運ぶ政府専用機もはっきり見えました。集会冒頭、「とめよう戦争への道!愛知連絡会」の桐村剛さんが「このフェンスを乗り越え、政府専用機に立ちはだかりたい気持ちだ」と言われました。そうだ、求められているのはこの精神だ!
デモが基地の正面ゲートに着くと署名提出と申し入れ行動が行われました。婦民全国協の桐村明美さんは、最後に懸命のシュプレヒコール。背中を見ていても体全体がメラメラという感じで。戻ってこられる桐村さんは涙をぬぐっておられました。
午後、再び大部隊で正面ゲートに殺到。私は金網フェンスにしがみついていました。PKOカンボジア派兵の際は志願したという元自衛官が、発言されました。マスコミ情報では、マイクの声が中に届いたとのこと。元自衛官の方は、頬(ほお)を流れる涙をふきもせず、切々と「行くな」と叫び続けていました。
何よりも自分が怒りを解き放つ。本当に必死になる。小牧闘争にはそうした魂がありました。運動のどこを見てもその魂に満ちあふれていれば、必ず労働者人民に伝わるはずです。
自衛隊宿舎のある町 宝塚で派兵反対デモ 宝塚 林田雄二
1月18日、全世界の反戦行動に呼応して、外務省の奥参事官の地元で、また自衛隊伊丹基地の団地(大半が宝塚市に存在)のある町=宝塚で、イラク派兵反対の行動が初めて行われました。行動を呼びかけたのは百万人署名を集めてくれた女性活動家と宗教者たち。百万人署名運動は日ごろは神戸や西宮が中心でしたが、これからは各市ごとに広めようとしていた時だけに、呼びかけにこたえて参加しました。
18日午前10時半、阪急宝塚駅前の広場に「世界に一つだけの花」が流れる中、労働組合・市民団体など100人が集まりました。参加者は一様に、自衛隊のイラク派兵が侵略戦争であると暴露し、今こそ大衆行動を起こそうと訴えました。
主催者、労組や医療生協、議員などの発言に続き、兵教組宝塚支部の仲間が「宝塚でも始まったこの行動を継続しよう。2月にイラク写真展を行う。3月は本当に大きな闘いにしよう」と発言しました。婦人民主クラブの仲間も、戦争をとめる女たちの行動を訴えました。またチェルノブイリ救援・反原発を闘う大学教授や平和教育を続けてきた中学教員も発言し、運動の広がりを感じました。
デモ行進は阪急資本の延命のためにつぶされた遊園地と手塚治虫記念館、宝塚大劇場の間を通り、逆瀬川まで元気よく行進しました。メーデー以外デモ行進もなく、今、反動市長のもと石原都知事型の教育攻撃の行われている宝塚で派兵阻止の闘いが始まりました。
この行動にはマスコミも注目し、百万人署名運動の横断幕の写真と記事を報道しました。この闘いは、連合下で苦闘する教組や自治労の仲間に勇気を与えたと思います。2月イラク写真展を成功させ、地域・職場に根づいた闘いをつくる決意です。
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週刊『前進』(2136号8面2)(2004/02/09)
星野再審無罪・即時奪還へ 異議審棄却を徹底弾劾する
1月19日、東京高裁第12刑事部・河辺義正裁判長は、星野文昭同志が00年2月24日に行った異議申し立てを棄却する決定を行った。星野同志と弁護団は、ただちに特別抗告の手続きを取った(前号既報)。われわれは、この決定を満身の怒りで弾劾し、なんとしても再審を実現して星野文昭同志を奪還することを宣言する。星野同志をとり戻すために全国で奮闘する人びととともに、今こそ党の総力をあげて決起しよう。この決定が行われたのは、陸上自衛隊の先遣隊がイラクに入った、まさにその日である。このことの中に、棄却決定の持つ階級的本質がまざまざと示されている。
補充書提出のわずか1月後
再審弁護団は、昨年12月22日、新証拠11点を添えて補充書(3)を提出したばかりである。新証拠は、星野同志、家族、弁護団、支援者の血のにじむような努力の結晶である。特に、星野同志の服装に焦点を合わせて確定判決が認定した「きつね色背広上下」ではなく、薄い青色であったことを証明した。
ところが、河辺裁判長は、提出から1カ月もたたずに異議の申し立てを棄却した。こんなやり方で星野同志の無実を踏みにじる棄却決定に、われわれは全身が震えるような怒りをおぼえる。
確定判決が「機動隊員せん滅」に関する事実認定の柱にしているK証言は、@「きつね色背広上下」の人が機動隊員を殴っているのを見た、Aこのような服装の人は星野同志しかいなかった、Bしたがって殴っていたのは星野同志である、という独特の3段論法になっている。星野同志の服装が「きつね色背広上下」でないと分かった瞬間に、K証言は崩壊し、確定判決全体も崩壊するのである。
今回の異議棄却決定は、この核心から逃げ回っている。補充書とともに提出した11点の新証拠には、星野同志が「薄青っぽい背広」を着ていたと明記した、警視庁公安一課の「総括捜査報告書」が含まれている。また、より積極的に色を特定する「報告書」やそれを裏付ける資料も提出されている。
河辺裁判長は、これらを「確定判決前に提出されていたとしても確定判決の事実認定に影響を及ぼすことの小さい証拠」と言って逃げている。しかし、河辺裁判長自身は、星野同志の服装を「きつね色背広上下」と認定するのかどうか、ただの一言も述べていない。確定判決は、星野同志が「きつね色背広上下」を着ていたと、無理を承知で認定している。これを根本から否定する新証拠が、どうして「影響を及ぼすことの小さい証拠」なのか。こんな卑劣な決定など絶対に認められない。
しかも、棄却決定は、新証拠を一つひとつばらばらに検討して、これだけでは再審は認められないと「新規性、明白性」を否定する方法をとっている。最高裁・白鳥決定(75年)は、新旧証拠を総合的に評価した上で、再審においても「疑わしいときは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則が適用されるとした。今回の棄却決定は、この総合的に評価するという考えを真っ向から否定し、それひとつで無実を証明する新証拠がない限り、再審は認めないと言っているのだ。
星野同志は関与してない
星野同志は、79年2月に死刑求刑を受けた。大衆運動に対する死刑攻撃は、戦前にもなかったことである。二重対峙・対カクマル戦が最も厳しい時期であったが、12万人の署名を半年で集める反撃をたたきつけ、死刑判決を阻止した。83年7月、後の最高裁長官・草場良八は、一審の懲役20年を破棄して無期懲役を言い渡した。87年7月の上告棄却によって、これが確定判決になった。
星野同志は、徳島刑務所に移監されながら、不屈の闘志で再審を決意した。再審弁護団が結成され、96年4月、ついに再審請求書が東京高裁に提出された。00年2月22日、第11刑事部がこれを棄却、弁護団はただちに異議を申し立てた。今回の決定は、この異議申し立てを退けるものである。
星野文昭同志は、71年11・14沖縄「返還」協定批准阻止・渋谷暴動闘争の先頭で闘った。星野同志本人もわが革共同も、このことを胸を張って主張する。彼は、沖縄人民の血の叫びにこたえ、人間としてのすべてをかけて闘いに決起したのである。
この日、星野同志は、代々木八幡から渋谷に突入した部隊のリーダーであった。しかし、機動隊員せん滅には一切関与していない。現場から渋谷寄りの十字路に立って、緊迫した動きを示す機動隊に注目し、デモ隊を掌握して渋谷に進撃することに集中していた。これは、誰にも動かせない真実である。
現に、物的証拠は何ひとつない。あるのは、権力がデモ参加者に強制したウソの供述だけである。それがウソであり、破綻(はたん)していることは、すでに証明されている。6人の供述者のうち5人は、警察に強制されてウソを述べたことを法廷で証言し、残る1人は、異様な証言拒否をくり返した。
イラク派兵下の治安弾圧
星野同志と弁護団は、23日、最高裁に対して特別抗告を申し立てた。
われわれに求められるものは明白だ。戦時下の階級闘争を必死に切り開く中で、星野闘争を全人民の課題に押し上げ、星野同志を奪還することである。星野同志の命運は、全階級・全人民の命運なのだ。共謀罪、司法改悪、保釈不許可・接見禁止の常態化などの治安弾圧攻撃を粉砕し、星野文昭同志の奪還、福嶋昌男同志の保釈をかちとろう。
ANSWERなどが呼びかける、全米数十万人のイラク反戦デモにおいては、必ず政治犯救援がスローガンに掲げられている。権力によって投獄され、死刑攻撃にさらされる政治犯を救援することは、労働者階級の本質的な任務である。
星野文昭同志は無期懲役を強制され、29年目の獄中闘争を闘っている。今年の8月には30年目に突入する。これ以上、星野同志を獄中に閉じ込めることは許されない。
われわれは、この04年、星野同志奪還を日本階級闘争の中心課題にすえて闘いぬかなければならない。昨年の徳島集会を上回る大闘争、大集会を実現しよう。その力で最高裁を追い詰め、星野同志の再審無罪、即時奪還をかちとろう。
星野文昭同志へのデッチあげ弾圧
1971年11月14日、沖縄米軍基地を固定化する沖縄返還協定批准に反対する闘いが爆発した。東京・渋谷でデモ隊と機動隊が衝突し、警官1人が死亡した事件で、警視庁は星野文昭同志を「殺人罪」でデッチあげ逮捕した。
一審で検察は死刑を求刑、東京地裁は懲役20年の判決、83年7月東京高裁は一審判決を破棄し無期懲役判決。87年7月上告棄却。96年4月星野同志は再審請求書を東京高裁に提出。00年2月棄却決定、ただちに異議申し立てが行われた。
東京高裁の暴挙に反撃 記者会見
1月23日、星野文昭同志への1・19異議棄却に対し、再審弁護団は最高裁判所に特別抗告を申し立てた。昨年12月22日に再審弁護団が補充書(3)を提出してから1カ月もたっていない。裁判所は一体どのような「検討」をしたというか。
この日、妻の星野暁子さん、弟の修三さんら家族を先頭に、関東の星野救援会・支援者が駆けつけて終日の抗議行動が闘われた。
午前中、異議棄却を行った東京高裁に抗議の申し入れを行い、昼休みには裁判所前で10人以上でビラをまき、マイクで棄却の不当性を訴えた。裁判所前を通る人びとが道路に並べられた星野同志の無実を訴えるパネルを見、ビラを受け取った。「こんなひどいことがあるの」と驚く人が多く、激励が相次いだ。
午後、弁護団と家族が司法記者クラブで記者会見を行い、さらに緊急抗議集会を行って、異議棄却の不当性を明らかにした。
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週刊『前進』(2136号8面3)(2004/02/09)
寄稿 日本経団連・奥田の少子・高齢化論批判
関西「障害者」解放委員会 吉村隆生
労働者への恫喝
今年の経営者の春闘対策を打ち出した「日本経団連・経営労働委員会報告」で「少子・高齢化」が「経済のグローバル化」問題(国際競争での日本の敗勢)と「環境問題」と並んで日本社会の危機の3大要因だと主張されています。
この「少子・高齢化」キャンペーンは二つの意味を持っているのではないでしょうか。
一つは、「少子化」という現実が実際に存在していることです。奥田碩(ひろし)日本経団連会長らはそれが何か自然現象であるかのように言っています。
もう一つは、それを労働者民衆に対する恫喝として用いていることです。「少子・高齢化」だから社会保障の解体を受け入れろ、資本が利益を上げるために賃金引き下げに従え、労働強化を受け入れろ、などです。
またこれは、「高齢化」が良くないことだというイデオロギー攻撃でもあります。奥田ビジョンが「寝たきりで生きていることは幸せではない」と「尊厳死」導入を主張しているのとまったく同じ論理なのです。
「危機」叫ぶ奥田
ここでは『文芸春秋』04年1月号の奥田の文章をもとに批判していきます。
この論文の中で奥田は、「経済成長を実現できないと少子・高齢化が進行する中で日本の社会保障は確実に崩壊する。そうなれば将来への不安が消費意欲をいっそう冷え込ませ、さらに成長を低下させ、国民生活水準は低下の一途をたどるという悪循環に陥ってしまうだろう」と、今資本主義がとてつもない構造的危機に陥っていることを認めています。
「2002年に発表された人口推計で老年人口指数(65歳以上の人口の、15歳から64歳までの生産年齢人口に対する比率)は、2002年に27・5だったが、25年には48・5まで上昇する」ということが、「現在、現役世代4人で1人の高齢者を支えているのが、2人で1人を支える構造になる」と主張される根拠です。
奥田が引用している人口問題研究所の低位推計では、0歳児が現在約120万人なのに対し、25年には68万人へと43%も減少すると推計しています。奥田はこういう危機感をあおり、給付の削減とともに「死に物狂い(ママ)で成長を実現せよ」扇動しています。しかし、成長どころか、今や資本主義は破綻(はたん)し、恐慌に陥り、従来の社会保障さえどんどん解体しているのです。
「少子化」の原因
「少子化」は自然現象ではなく、資本主義ゆえの矛盾です。ここでは厚労省統計に現れている問題としてみていきます。
まず、夫婦で欲しいと思っている子どもの数よりも実際に予定している数が少ないことです。特に3人以上を理想とする夫婦は4割いるのに、実際に予定しているのは2割と半減します。理想の子どもの数を持てない理由として63%が「子育てや教育に金がかかりすぎるから」をあげています。
ではどういう条件の人に子どもが少ないのでしょうか。男女とも長時間労働の地域に子どもは少なく(南関東、北海道、京阪神)、労働時間の短い地域では多い。持ち家比率の低い地域で子どもの数は少なく、高い地域で多い。25歳から34歳の女性で働いている人の少ない地域で少なく、働いている人の多い地域の方が子どもが多い。
このことは、一般に働いている女性に子どもが少ないと思われがちなのに対して、事実は反対であることを示しています。それよりも、収入が少ない、労働強化の度合いが高いという要素が子どもの数を制限していることがわかります。
また、結婚期間が長くなると子どものいる女性の割合は働いているかいないかで差がなくなる。結婚期間が短いと働いている人の方が子どもは少ないから、子どもができてから働きにでる女性が多いということを示しています。その場合、正規雇用は大きく減り、非正規雇用が増えます。
「労働者」の絶滅
労働者家庭の崩壊ということが古くから言われていますが、それはこの数字にも現れています。
子どもは欲しいが収入が少ないので希望の数を持てない。子どもができたら働かないと生活が成り立たない。しかし、子どもが増えるほど非正規雇用化が進み、収入の伸びは少なくなるから次の子どもを持ちにくい。労働強化で子どもを育てられないから子どもが持てない。だから理想数の子どもが持てない。
これが労働者の現実です。奥田が自然現象のように解決不可能だと思うのは、彼が資本主義の枠を一歩も出ないからです。
奥田ら経営者は、「少子・高齢化」だからもっともっと労働者から搾り取れと主張し、実行していくことでしょう。そのことが結局家計を直撃し、労働強化のためにさらに育児ができなくなり、さらに少子化を推進していくことになります。
今起きているのは、まさに19世紀の労働者を襲った「労働者種族の絶滅の危機」という問題なのではないでしょうか。19世紀ヨーロッパでは資本主義が女性や子どもを労働力として長時間・強労働に従事させた結果、労働者が子どもを育てられず、「絶滅」の危機を迎えました。
このまま進めば「労働者種族」は再び絶滅の危機を迎えます。われわれのなすべきことは「少子・高齢化」を嘆くことではなく、この資本主義の現実を転覆する運動に多くの労働者・被抑圧被差別民衆を獲得することです。
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