ZENSHIN 2003/11/03(No2134 p06)

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第2124号の目次

ブッシュが訪日し小泉との会談を行った夜、反戦共同行動委が日米首脳会談粉砕を掲げてデモ行進。イラク反戦の第2の波がやってきた(10月17日 渋谷)

1面の画像
(1面)
国際連帯と国鉄1047名闘争の旗高く11・9日比谷野音に総結集を
翼賛選挙情勢を吹き飛ばし戦争・改憲の小泉政権打倒へ
12月自衛隊イラク派兵を阻止せよ
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10・17渋谷 日米首脳会談粉砕へデモ 沿道の若者ら次々と参加(10月17日) 記事を読む  
(2面)
寺内らチャレンジの国労破壊粉砕を
11・9労働者集会に結集し国鉄闘争勝利の道開こう
裏切り者打倒し国労再生へ
革共同国鉄委員会
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10・19東京 意気高く団結まつり 国労・全動労・動労千葉が登壇
1047名の共闘を訴え(10月19日)
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“家族の苦悩消えぬ” 鉄建公団訴訟 闘争団員が意見陳述(10月20日) 記事を読む  
動労千葉冬季物販に全力を 国鉄闘争の基軸性訴えよう 記事を読む  
(3面)
闘う労働者組合の団結を 11月労働者集会の成功へ
10年前の賃金水準に低下 賃下げ・生活破壊と闘おう
賃闘破壊の連合中央打倒を(湯村宏則)
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労災死亡を多発させる鉄鋼資本と連合許すな
11・9集会へ 鉄鋼労働者の決意(阪東達郎)
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分社化・賃下げと闘う私鉄労働者の隊列を
11・9集会へ 私鉄労働者の決意(鉄山 剛)
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被災地・神戸 19回目の反失業総行動
「対策」打ち切り許さぬ(投稿/労働者S・K)(10月16日)
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失業反対・職場闘争の地平から11・9集会へ
被災地と関西合同労組の決意(田中文夫)
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(4面)
東大阪市議に初当選した 阪口克己さん(解同全国連荒本支部)に聞く
福祉要求実現へ団結の勝利 公明・共産の支持者も加わる
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『北富士 入会の闘い−忍草母の会の42年』 出版記念会 決意新た
北富士との血盟誓う 渡辺会長を追悼(10月19日)
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世界の労働運動 ヨーロッパ 主要港を3日止める EU規制緩和に港湾スト 記事を読む  
絶好の情勢が到来した 動労千葉の32回大会宣言 記事を読む  
日誌'03 10月15日〜21日
日米首脳会談で15億ドル表明 石破がイラク派兵準備指示
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(5面)
11・9に全逓労働者の総決起を
12月全逓臨時大会−名称変更=全逓解体は断じて認めない 郵政民営化攻撃粉砕しよう
革共同全逓委員会
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社会保障解体阻止へ 生存権は譲れぬ D生活保護の抜本改悪
人口比1%の低い保護率 最低生活費基準を大幅減(林佐和子)
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弾圧と闘う 水嶋同志の保釈取り消し弾劾(10月20日) 記事を読む  
公判日程 記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
星野同志を取り戻そう 確定判決を徹底批判する(中)
デッチあげ証言 物的証拠はゼロ。K証人が見たのは星野同志ではない(川野正行)
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好評発売中! ひと足先に帰ってきた文昭の絵 星野カレンダー2004 記事を読む  
“徳島へ行こう!” 星野再審連絡会議が東京集会 弁護団、異議審の展望語る 記事を読む  
寄稿 小泉日本政府の毒ガス訴訟控訴を弾劾する
糾弾人 抗日帝在日台僑 林 歳徳
記事を読む  

週刊『前進』(2124号1面1)(2003/11/03)

国際連帯と国鉄1047名闘争の旗高く11・9日比谷野音に総結集を
 翼賛選挙情勢を吹き飛ばし戦争・改憲の小泉政権打倒へ
 12月自衛隊イラク派兵を阻止せよ

ブッシュが訪日し小泉との会談を行った夜、反戦共同行動委が日米首脳会談粉砕を掲げてデモ行進。イラク反戦の第2の波がやってきた(10月17日 渋谷)

 

 米英日帝国主義によるイラク侵略戦争の継続・激化に対する10・25国際反戦闘争の高揚を引き継ぎ、11・9全国労働者総決起集会まであと2週間、全力を挙げて大結集のために闘うことを訴える。革共同は、全日本建設運輸連帯労働組合・関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合・港合同、国鉄千葉動力車労働組合が呼びかけている「たたかう労働組合の全国ネットワークをつくろう! 大失業と戦争にたち向かう労働者の国際的団結を! 11・9全国労働者総決起集会」を全面的に支持し、その成功のために全力で闘う。なぜなら、ここに日本労働者階級の未来があるからだ。世界の労働者階級、被抑圧民族人民との連帯の道があるからだ。11・9に日帝・小泉政権の「内への階級戦争、外への侵略戦争」への怒りを結集し、国際的な共同闘争と日本労働運動再生の出発点の日としよう。

 第1章 日米韓労働者の大合流を

 11・9全国労働者総決起集会は、六つのメインスローガンのもとに3組合が呼びかける集会である。今日の激動する内外情勢の中で、この集会の歴史的位置はいよいよ決定的にグレードアップしている。
 第一に、イラク侵略戦争がベトナム戦争を超える泥沼状態に入り、国際的な反戦闘争―労働運動が一大高揚期を迎えている中で11・9集会が開催されるということだ。
 11・9集会にはアメリカと韓国の戦闘的労働組合の代表が参加する(前号2面、動労千葉・田中委員長インタビュー参照)。呼びかけ3組合を始めとする日本の最も戦闘的な労働者・労働組合が一堂に会し、文字どおりの日米韓の国際連帯集会として開催される。
 11・9日比谷野音で日米韓の闘う労働者が大合流するのだ。ここから、日本労働運動史上にかつてない国際連帯闘争が始まるのだ。
 今や米日を始め帝国主義は、その基本矛盾を爆発させ、ますます戦争と資本攻勢によって労働者人民を犠牲にする以外になくなっている。これに対して「万国の労働者と被抑圧民族の団結」が広がりつつある。これこそが、帝国主義の戦争と資本攻勢を打ち破る根源的な力である。
 イラク占領統治は、不正義の侵略戦争の継続である。今もイラク人民は無差別に虐殺され、生活と健康を破壊され、仕事を奪われている。「復興」の名のもとに石油を始めとする主要産業の民営化が強行され、米企業が利権をあさろうと殺到している。これは完全に石油強奪―植民地支配のための侵略戦争だ。
 これに対してイラク人民の命をかけた民族解放・革命戦争、ゲリラ戦が米英軍や国連にたたきつけられている。5月1日に米帝が「戦闘終結」を宣言して以来、戦闘による米軍の死者は100人を超えた。米英軍による占領統治は、完全に袋小路に入った。米英帝は、侵略戦争―世界戦争へと突入するや、早くも完全な体制的危機にたたき込まれている。
 こうした中で国連安保理は16日に、イラクへの多国籍軍派遣や復興計画をめぐる決議を全会一致で採択した。難色を示していた独仏ロも妥協し、形式的な賛成に転じたが、帝国主義間の争闘戦と対立は何も解決していない。そもそも独仏ロなどは新たな「復興資金」拠出を拒否し、23、24日にスペインのマドリードで開かれたイラク復興支援国会議では、総額550億j(約6兆円)の目標額を達成できていない。
 だが、米帝は帝国主義としての延命をかけて、どんなにイラク戦争が泥沼化しようと撤退できないばかりか、パレスチナ、中東全体への侵略戦争の拡大、さらにイラン、北朝鮮へと、世界戦争の道に突っ走ろうとしている。
 その中で17日、米帝ブッシュが訪日して小泉と会談した。ここで日帝・小泉は、「復興資金」拠出と自衛隊の派兵をブッシュに約束した。小泉は、12月に陸上自衛隊の先遣隊150人、航空自衛隊のC130輸送機3機と隊員150人、そして来年1月には陸自本隊610人を派兵しようとしている。すでに石破防衛庁長官が準備作業を指示した。陸自はイラク南部で給水、給電、医療支援に当たるとされているが、これは自衛隊が重武装で上陸し、イラク人民虐殺戦争に参戦することなのである。
 「復興資金」については04年に15億jの拠出を決定したのを始め、4年間で50億j(約5500億円)と、米帝に次いで突出した戦費を出そうとしている。これは英帝の3倍というとんでもない額だ。
 日帝・自衛隊が戦後初めて侵略戦争に本格的な参戦をしようとしているのだ。猛然と怒りを爆発させ、12月イラク派兵を絶対に阻止しなければならない。

 国際労働運動の新たな高揚

 ここで重要なことは、こうした激動情勢が全世界の階級闘争を一変させ、労働運動の国際的な高揚情勢が訪れていることだ。今年前半、全世界で最大2千万人が決起した反戦闘争は、01年9・11と03年のイラク戦争突入情勢下での国際労働運動の新たなうねりの始まりだった。
 そして、「グローバリズム」や「新自由主義」と称される資本攻勢、帝国主義間の争闘戦と弱肉強食の利潤追求、首切りと民営化攻撃、権利剥奪(はくだつ)と治安弾圧、社会保障解体攻撃などに対して、労働者の歴史的な反転攻勢が始まっている。
 ヨーロッパでは今、EUによる港湾の規制緩和が強行されている。港湾労働者が行ってきた荷役作業を船員に行わせて港湾労働者の仕事を奪い労組をつぶそうとするものだ。これに対して、スペインのバルセロナ港、オランダのロッテルダム港を始め、9月末にストライキに突入し、全欧州の港湾労働者がこれに結集して闘っている。アメリカ西海岸のILWU(国際港湾倉庫労組)も駆けつけている。イギリスでは郵便労働者、公務員労働者のストライキ、さらにイタリアでは年金改悪反対の数万のデモが闘われ、ゼネストに向かっている。
 韓国では、韓国軍のイラク派兵に反対する闘いが巻き起こっている。また、労組弾圧に対する籠城(ろうじょう)闘争が闘われ、この中で17日に金属労組韓進(ハンジン)重工業のキムジェイク支部長が弾圧に抗議して自殺した。民主労総は壮絶な闘いの中で11・9の10万人労働者大会を実現しようとしている。ここから日本に代表を派遣しようとしているのだ。
 全世界の労働者階級と被抑圧民族人民が、それぞれ存亡をかけた闘いに突入し、それらが国際的に連帯し、団結し、相互に激励し合いながら闘いを発展させていく過程が始まった。
 日本においても、11・9集会の圧倒的成功で、この国際連帯のうねりに大合流しようではないか。何よりもイラク反戦と、北朝鮮侵略戦争を阻止する日米韓の国際共同闘争をともにつくり上げるために総決起することを訴える。

 自民も民主も奥田路線競う

 第二に、11・9集会は、総選挙の投票日に行われる。かつてない翼賛選挙の大反動情勢を突き破り、吹き飛ばし、小泉政権打倒を真っ向から掲げて闘う集会として開かれるのである。
 マスコミは小泉・自民党と菅・民主党の「対決」を洪水のように宣伝し、街頭は日々選挙一色になりつつある。これに対する労働者の怒りが広がっている。「労働者の投票所は日比谷野音だ」と真っ向から訴えきることだ。そうすれば必ずや労働者はこたえる。
 実際、多くの労働者が、自民党はもちろん、民主党にも日本共産党にも社民党にも、労働者の未来を託すことはできないと感じている。真に労働者階級を代表する政党や候補がない現実がある。11・9集会への結集こそ、そのような労働者の政治選択となるのだ。戦争と資本攻勢や治安弾圧、団結権の破壊に対して労働組合の団結を打ち固めて闘いぬくことこそが、日帝・小泉=奥田路線を根幹において突き崩すのである。
 自民党は、「小泉改革宣言(自民党政権公約2003)」の七つの宣言の中で、「国の基本を見直します」と、05年に「憲法改正草案」をまとめることと「教育基本法を改正」することを宣言した。また、04年に年金制度改革、防衛庁を防衛省に移行、「官から民へ」を掲げて07年に郵政公社を民営化、公共部門のリストラなどをうたっている。さらに、「国益に沿った外交」と称して、北朝鮮による拉致問題の解決、FTA(自由貿易協定)の推進を掲げている。
 これらは、すべて日本経団連・奥田ビジョンなどが掲げる日帝ブルジョアジーの要求そのものである。日本経団連が企業献金の目安として設定した「政党評価基準」とほとんど一致している。日本経団連が21日に発表した「規制改革要望」では、その第一に「雇用・労働分野」を挙げ、派遣労働の拡大、裁量労働制、有期労働契約の拡大、ホワイトカラーエグゼンプション(労働時間規制の適用除外)制度の導入などを要求している。実際、厚労省は、「1日8時間以下の労働時間規制の適用除外の対象拡大」に踏み込もうとしている。8時間労働制を完全に解体し、労働基本権の全面的解体―労働組合法改悪を狙っているのだ。
 これに対して、民主党はどうか。民主党もまた政権公約で「官から民へ」を掲げ、消費税増税を自民党以上に明確にうたい、「『論憲』から『創憲』へ」と改憲を宣言しているのだ。
 また、日本共産党も「労働者階級」の用語を追放し、労働者の闘いを圧殺し、資本主義を擁護するという綱領改定(1月に党大会延期)の中身を公約としているのだ。
 こうして戦争と改憲、資本攻勢を推進する日帝ブルジョアジーの路線を、小泉や菅のどちらが推進するのかという翼賛選挙が、「政権交代可能な二大政党制」の掛け声のもとで行われている。なんとしても、これに対抗する労働者の団結力を示さなければならない。

 第2章 連合の戦争協力を許すな

 許しがたいことは、こうした小泉=奥田路線が、民主党の翼賛化とともに、連合を巻き込んで、その先兵にすることで行われようとしていることである。
 10月連合大会で採択した運動方針は、「連合評価委員会」の報告を受けて、「組合は変わる」と宣言した。これは、奥田ビジョンが要求したものである。階級的労働運動を一掃するだけでなく、労働者を帝国主義の侵略戦争や、激化する帝国主義間争闘戦のもとでの企業利益追求の積極的協力者・推進者に仕立て上げることを狙っている。それなしには、侵略戦争は推進できないからだ。
 奥田ビジョンも連合評価委員会も、連合の裏切りを突いて、このようなベクトルで労働組合全体の変質を迫っている。
 これとはまったく逆の、資本と対立すべき労働運動の階級的な理念と団結、闘いを真っ向から対置することが求められている。それこそ、日帝・小泉=奥田路線をうち砕く道なのだ。

 全産別の闘いの成否をかけ

 第三に、そうした日帝・小泉=奥田路線に対決する労働運動を再生させるかなめに位置するのが国鉄1047名闘争である。まさに11・9集会は、国労5・27臨大闘争弾圧を始めとする弾圧、団結権解体の攻撃への反撃を宣言する集会であり、動労千葉とともに1047名闘争の新たな発展をかちとる場になる。
 国鉄闘争は、9月国労大会を経て、新たな段階に入った。特に重大なのは、国労北海道本部での脱退・新組合結成である。闘争団員22人に対する組合員権停止の統制処分を強行した寺内前本部書記長や、査問委員会のメンバーだった佐藤北海道本部書記長らを先頭に、チャレンジ一派が脱退・分裂し、北海道鉄産労と合流し、10月26日にも新組合を旗揚げするというのだ。この裏切り者どもの所業を徹底弾劾しよう。
 これが4党合意の行き着いた姿だ。もともと、チャレンジらは、4党合意によって国鉄闘争を終結させ、国労を丸ごと連合化することを狙っていた。それに失敗した彼らが、統制処分を強行した上で脱走しているのだ。断じて許しがたい。
 さらに、統制処分と国労5・27臨大闘争弾圧の上に成り立った極悪の酒田―吉田執行部と、それを成立させた革同指導部も同罪だ。
 彼ら裏切り者どもを打倒し、たたき出し、この重大事態を国労の革命的再生へと転化しよう。
 そして今こそ、1047名闘争の旗を高く掲げて闘う時である。1047名闘争を後退・後景化させるあらゆる策動を許さず、国労、動労千葉、全動労の3闘争団・争議団の団結を強めよう。
 1047名闘争こそ、国鉄分割・民営化―総評解体・連合結成による労働運動つぶしと今日の資本攻勢の原点をなす攻撃に対決する闘いの結集軸であり続けてきた。それは、小泉=奥田の資本攻勢―民営化攻撃が強まる中で、ますます基軸的な位置を持ってきている。「和解路線」を打ち破り、あくまでも国鉄分割・民営化反対を貫き、政府・JR資本と原則的に闘い続けることが、首切り・大リストラ・民営化攻撃にさらされている多くの労働者を激励し、戦線を拡大する。そうして力関係を変えることが勝利の道である。
 さらに国鉄労働運動をめぐる重大情勢が到来している。一つはJR総連カクマルの危機であり、もう一つは、JRの安全の崩壊的危機である。9月に起きたJR中央線の工事ミスによる輸送混乱は、ついに国土交通省による立ち入り検査の事態に至った。こうした安全の危機は、国鉄分割・民営化がもたらした事態であり、資本・カクマル結託体制による第2の分割・民営化攻撃、保守部門の外注化がもたらした事態である。「北米大停電」と同じく、資本のあくなき利潤追求が必然的に起こした事態である。石油、化学、鉄鋼などで続発する重大事故も同様である。
 もはや労働者人民は黙っていたら殺されるだけだ。資本と闘う以外に労働者の安全も守れない。反合・運転保安闘争を掲げストライキで闘う動労千葉のような闘いを、全労働者が求める時代が来たのだ。
 自治労大会の攻防を引き継ぐ自治体・公務員労働者のマイナス人勧―賃下げ攻撃をめぐる攻防、さらに12月全逓臨大での名称変更=全逓解体への反撃を始め、全産別での闘いの勝利をかけて嵐のごとく11・9集会に総結集しよう。
 ここに日本の労働運動の未来と展望がある。訪日する米韓の闘う労働者と日比谷野音で大合流しよう。彼らの期待と信頼に全力でこたえよう。11・9大結集へすべての力を投入して闘いぬこう。

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週刊『前進』(2124号1面2)(2003/11/03)

10・17渋谷 日米首脳会談粉砕へデモ 沿道の若者ら次々と参加

 10月17日夜、反戦共同行動委員会主催の10・17日米首脳会談粉砕首都圏行動が、渋谷・宮下公園に230人を集めて行われた。イラク侵略戦争への日帝の本格参戦・自衛隊派兵に多くの人びとが危機感を持ち、飛び入り参加した。デモは300人にふくらんだ。イラク反戦闘争の街頭情勢は再び急上昇しつつある。
 司会の女子学生が、「小泉政権が米軍のイラク軍事占領のための資金・軍隊を出すことを決めたことで、私たちに直接かかわる侵略戦争となった。私たちの責任で自衛隊派兵を絶対に阻止しましょう」と訴えた。
 東京労組交流センターは「11・9労働者集会への5千人結集は必ず実現できる。韓国・民主労総やアメリカの闘う労働者の熱い連帯にこたえて、翼賛選挙をぶっ飛ばして大成功させよう。東京交流センターは昨年の2倍の決起を実現する」と決意を熱く語った。
 婦人民主クラブ全国協議会が、「日本軍をイラクに送るな! 北朝鮮への戦争反対!」という米・ANSWER連合からの連帯のメッセージを読み上げ、「闘いを広げるために最も重要なのは、イラク派兵を絶対に阻止する私たちの真剣さだ」と決意表明した。
 全学連の大山尚行委員長が「闘いの方向性」を提起した。大山委員長は、「小泉がブッシュに自衛隊のイラク派兵を確約しようとしている。これを認めていいのか」と呼びかけ、「日帝・小泉政権はイラクに続き北朝鮮侵略戦争を始めアメリカの世界戦争に参戦し、本格的な侵略戦争の道に踏みだそうとしている。これを許すのか、それとも戦争と改憲に突き進む日帝・小泉政権を打倒するのか、歴史的決戦が始まった」と宣言した。
 そして「イラク人民は『占領軍は撤退しろ。イラクの再建は自分たちで行う』と決起している。イラク人民を虐殺し、イラク人民の闘いを圧殺しようというのが『復興人道支援』の正体だ」と弾劾し、「全世界人民と連帯し、10・25の大爆発をかちとろう。11・9日米韓労働者の団結で北朝鮮侵略戦争を阻止し、世界戦争と対決する労働者階級の闘いのうねりを巻き起こそう。11月派兵阻止全国行動―12月派兵阻止現地闘争を闘い、数万人の包囲闘争で自衛隊派兵を阻止しよう」と熱烈に訴えた。
 三多摩労組交流センターのカンパアピールの後、渋谷ワールドアクションの若者が10・25の大結集を呼びかける特別アピールを行った。青年は「本気で小泉政権を倒そう」と訴え、女性労働者が「これから本当の闘いが始まる。自衛官を一人も行かせないという気持ちでウオークを成功させたい」と発言した。
 3団体から決意表明が行われた。部落解放同盟全国連は、東大阪市議選での阪口克己氏の当選を報告し、「10・31闘争を放棄した解同本部派にとって代わり、10・26狭山中央闘争をかちとる」と決意を述べた。
 青年アジア研究会は「イラク人民の闘いにこたえきる日本の反戦闘争をつくろう」と呼びかけ、「小泉第2次改造内閣は北朝鮮侵略戦争シフトをとった戦争突撃内閣だ。帝国主義を打倒する新たな国際連帯闘争を闘おう」と呼びかけた。
 全学連が「12月派兵を実力で阻止する」と力強く宣言した。
 そして東京反戦共同行動委の結柴誠一事務局長が、戦争翼賛勢力となった連合・民主党や日本共産党を弾劾し、「戦争翼賛選挙を打ち破る戦闘的なデモをかちとろう」と行動方針を提起して、勢いよくデモに打って出た。

 11月反戦総決起へ

 デモは首都厳戒態勢と機動隊の不当なデモ規制を打ち破ってかちとられた。外国人の男女など集会に飛び入り参加した人びとも、一緒になってアピールした。若者のグループがデモに合流し、「俺は言い続けるぞ。戦争なんかふざけんな」とマイクを握った。仕事帰りの背広を着た労働者が何人も合流した。人びとの反応がとてもいい。渋谷の街にイラク反戦の第2の波がやってきたことを実感させた。
 11〜12月、自衛隊イラク派兵阻止闘争に立とう。

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週刊『前進』(2124号2面1)(2003/11/03)

寺内らチャレンジの国労破壊粉砕を 11・9労働者集会に結集し国鉄闘争勝利の道開こう
 裏切り者打倒し国労再生へ
 革共同国鉄委員会

 11・9労働者集会は目前に迫った。日本労働運動の階級的再生と小泉政権打倒は、この集会への5千人結集にかかっている。それは、日本労働運動の最大の焦点である国鉄闘争、1047名の解雇撤回闘争の成否をかけた決戦でもある。折しも国鉄闘争は、11・9集会を前にして前国労本部書記長・寺内らの国労解体策動との重大な攻防に入っている。革共同国鉄委員会は、動労千葉、港合同、全日建運輸連帯関西生コン支部の呼びかけを全面的に支持し、「新たな指導方針」の貫徹をかけて11・9総決起の先頭に立つ。

 闘争団を処分した張本人が国労脱退

 国鉄決戦は重大情勢に突入した。前国労本部書記長の寺内寿夫、北海道エリア本部書記長の佐藤秀作、同副委員長の藤原秀勝、釧路地区本部委員長の岩下法光、青函地区本部委員長の澤田司らチャレンジは公然と国労分裂を叫んでいる。彼らは約250人の国労組合員を囲い込み、26日にも北海道鉄産労と統合してJR北労組なるものをデッチあげようと企てている。
 その目的はただ、闘争団を切り捨て、国労から逃亡し、国労組合員をJR資本に売り渡して、一握りのチャレンジの自己保身を図るということでしかない。
 そもそも、寺内も佐藤も、査問委員会の副議長・委員として鉄建公団訴訟原告への統制処分を強行した張本人だった。闘争団に対して「組織内に混乱と不団結を作りだした」と罵声(ばせい)を浴びせた当人が、真っ先に国労から脱落したのだ。寺内に至っては、本部書記長の任にあった時から分裂・逃亡を企てていたと自白している。そんな連中によってなされた闘争団員22人への統制処分は、無効であり、直ちに撤回されなければならない。
 国鉄闘争に確信を失い、国労自己解体にのめり込んできた極悪のチャレンジが、自己の延命のために組合員を道連れにすることなど許されない。分裂の首謀者を徹底的に打倒して、彼らが囲い込みを図る組合員を再び国労に迎え入れる組織奪還闘争を展開しよう。
 この卑劣な分裂によって、国労を破壊する者が誰であり、国労を守ろうと必死に闘ってきたのは誰なのかは、完全に明らかになった。諸悪の根源は、4党合意以来の裏切りと、その集大成としての闘争団への統制処分にある。これを革同とともに推進してきた酒田委員長の責任は重大だ。

 権利停止に賛成した革同の犯罪

 解雇された当該の闘争団員を統制処分にするなど、労働組合として絶対に行ってはならないことだ。それは最悪の団結破壊であり、国労の「死」を意味する。
 JRの首切り責任を免罪し、逆に解雇された組合員への統制処分に賛成したチャレンジと革同は、絶対に消し去ることのできない階級的犯罪に手を染めた。これは、「除名には反対」というポーズをとりながら、権利停止に賛成した革同の裏切りによって初めて可能になったものだった。革同の本音は、全国大会で「いやなら出て行け」と暴言を吐いた近畿地本委員長・牛谷の発言に自己暴露されている。彼らもまた、破産したとはいえ、西日本エリア委員長の上村を先頭に、九州の国労組織と闘争団の解体、JR連合への合流を画策していたのだ。
 3年間の権利停止処分は、3年のうちに国鉄闘争に幕を引き、闘争団を解体するという宣言だ。その実行者として執行部に座ったのが、委員長の酒田、書記長の吉田、執行委員の芝崎らだ。こうした国労史上最低・最悪の執行部は、打倒する以外にない。
 酒田、吉田、芝崎はいずれも、革同とともに国労組合員ら8人を権力に売り渡した臨大闘争弾圧の首謀者だ。彼らを打倒する最も現実的な水路は、闘争団への統制処分に対する怒りと臨大闘争弾圧への怒りを結合し、国労組合員の中に「許さない会」を組織し、酒田らを徹底追及することだ。

 臨大弾圧粉砕し酒田体制を倒せ

 今日、闘う労働組合には激しい弾圧が襲いかかっている。小泉政権は、共謀罪の新設をもって労働運動への弾圧を一挙に激化・拡大しようとしている。その頂点にあるのが国労臨大闘争弾圧だ。だからこそ、この弾圧を打ち砕くことをとおして、資本と権力の攻撃を最も根幹において打ち破ることができるのである。
 国労臨大闘争弾圧との闘いは重大な正念場を迎えている。東京地本・鈴木法対部長への証人尋問をとおして、警視庁公安部と酒田委員長ら国労本部派が結託して弾圧を仕組んだという事の真相は暴かれつつある。獄中で不屈に闘う8名の仲間を、なんとしても年内に奪還しなければならない。
 弾圧粉砕の闘いは国労の再生に直結している。
 89年6月臨大での「全面一括解決要求」路線に始まる政治解決路線は、96年8・30申し入れ、98年9月の宮坂「補強5項目」提案、99年の「改革法承認」、00年の4党合意と、破産を深めるごとにその反動性をむき出しにした。その行き着いた先が、闘争団への統制処分であり、この弾圧だったのだ。そして新井・今井らのチャレンジユニオン結成と、今回の寺内・佐藤・藤原らの国労破壊=JR連合への合流である。
 国鉄闘争は1047名のJR復帰を求める闘いだ。JR資本と闘ってこそ、解雇撤回は実現できる。ところが、国労本部はJR資本との闘いを放棄し、国家権力にすがっての「解決」を追い求めた。だが、権力は中曽根以来一貫して、国労の壊滅を狙ってきたのだ。権力に依存する限り、結局は敵に命じられるがままに、国労自己解体に追い込まれることは明らかだ。
 こうした和解−政治解決路線の誤りは、闘う主体の側によって、徹底的に総括されなければならない。そこを明確にしなければ、闘う闘争団のひたむきな意志にもかかわらず、闘いは足をすくわれかねないのだ。
 闘争団への処分と臨大闘争弾圧という二つの攻撃への怒りを解き放ち、酒田執行部を打倒して、国家的不当労働行為の主体である権力・資本と真っ向から闘う路線を打ち立ててこそ、国労は真の再生を遂げることができるのだ。

 1047名闘争の飛躍かけた集会に

 11・9労働者集会は、国鉄闘争の基軸性を再確立し、1047名闘争の歴史的な飛躍をかちとる集会になろうとしている。
 何よりもそれは、日米韓の労働者の国際連帯集会として闘われる。
 イラク開戦直後、72時間の春闘ストライキを打ち抜いた動労千葉の闘いは、全世界の労働者の注目と共感を呼んだ。7月、動労千葉はアメリカ西海岸を拠点とするILWUローカル10(国際港湾倉庫労組第10支部)の要請にこたえて訪米・交流を実現した。こうして始まった国際連帯の闘いは、さらに世界で最も戦闘的な闘いを実現している韓国・民主労総との歴史的合流に発展しつつある。
 日本において帝国主義のイラク侵略戦争と真っ向から対決する労働組合が存在し、それが国鉄分割・民営化というかつてない攻撃と16年間、不屈に闘い抜いてきた経験を持つことが知れ渡るや、世界の闘う労働者は、連帯すべき日本の労働組合がここにあることを瞬時に見抜いたのである。
 今、全世界で民営化を軸とする激しい資本攻勢が吹き荒れている。この攻撃との熾烈(しれつ)な闘いを貫く労働者は、勝利を手にするためにこそプロレタリア国際主義を実践的によみがえらせている。この国際連帯の地平こそ、動労千葉が打ち立てた金字塔だ。
 11・9はまた、切迫する自衛隊のイラク派兵、北朝鮮侵略戦争に対し、日米韓の労働者が国際連帯をもって立ち向かう壮大な闘いを開始する場になったのだ。

 大失業と戦争の小泉政権打倒へ

 イラク侵略戦争−軍事占領に突き進んだ米帝は、イラク人民、ムスリム人民の頑強な反撃を受け、完全な泥沼にはまり込んでいる。だが、絶望的危機にあるからこそ、米帝は逆に戦争をイランや朝鮮へ拡大しようとしているのだ。
 こうした中で、小泉政権は衆院解散・総選挙をもって戦後憲法体制の破壊へと突進を開始した。
 小泉は、04年通常国会に国民保護法制や有事米軍支援法制を提出し、有事法制を完成させる構えでいる。有事法制下でJRは「指定公共機関」とされ、侵略戦争に徹底的に動員される。有事体制下で階級的団結とプロレタリア国際主義を貫き通す強固な労働運動の構築が、今ほど切迫する課題となっている時はない。
 総選挙を前に、自民党は改憲を公然と打ち出した。教育基本法改悪はその一環だ。労働組合法の改悪=団結権解体も日程に上った。
 小泉は、「構造改革」を日経連・奥田路線を貫徹するものとして徹底的に遂行しようとしている。終身雇用制の解体と首切り・不安定雇用化の攻撃は激しく進んでいる。公務員制度改革と公共部門の民営化、年金改悪を始めとする社会保障制度の解体、消費税の大増税も決戦課題に浮上した。「司法制度改革」をテコとした治安弾圧との攻防もまた重大な局面に入る。
 小沢自由党と合併した民主党も、改憲と構造改革、奥田路線の徹底を小泉に対置する反動的ブルジョア政党に純化した。
 綱領改定に突き進む日本共産党や、社民党の崩壊と消滅はこの中で一層進む。
 今回の総選挙は、自民党と民主党が戦争遂行−改憲と構造改革・民営化を競い合う、断じて許せない翼賛選挙である。この大反動を打ち破り、11・9日比谷野音に労働者の大隊列をなんとしても登場させなければならない。

 リストラ・民営化を阻む闘いの先頭に

 これらの攻撃は、総じて労働者の団結の解体を一切の前提にするものだ。
 連合は先の大会で、日本経団連・奥田路線を自らの方針とし、「産業報国会」へと純化しつつある。
 だがそれは、連合の崩壊を促進する。激しいリストラ攻撃は、終身雇用制を解体し、資本に忠誠心を持たない膨大な不安定雇用労働者を生み出している。それは、連合の物質的基盤を必ず掘り崩すものとなる。
 労働運動は、89年連合結成以来の大流動情勢に入った。自治労大会でひとたび「21世紀宣言」を否決に追い込んだ事態は、新たな闘いの開始を告げ知らせた。この背後には、自治体における全面的な民営化攻撃への危機感と怒りがある。
 この時こそ、国鉄闘争の中で培った一切の経験と教訓が問われている。国鉄闘争は、80年代以来、世界を覆った規制緩和・民営化のあらしに対し、16年の長きにわたって闘い抜かれてきた。再び全世界で民営化攻撃が激化する中で、国鉄闘争−第2の分割・民営化粉砕闘争の基軸的位置は一層明確になったのだ。われわれは攻防の先頭に立つ。

 動労千葉に続く闘いを必ず築く

 動労千葉は10月5、6日、第32回定期大会を開催し、@春闘ストの切り開いた国際連帯の地平をさらに発展させ、A習志野電車区廃止、賃金制度改悪などの第2の分割・民営化攻撃と対決し、BJR総連解体−組織拡大に総決起する、との3大方針を確立した。また、1047名闘争の勝利に向けて、動労千葉争議団、国労闘争団、全動労争議団の緊密な共闘を築き上げることを提起した。
 JR労働戦線は、大流動情勢に入っている。JR東労組は松崎派と嶋田派に大分裂し、資本=カクマル結託体制は崩れ始めている。他方において、中央線切り替え工事をめぐる重大事故に示されるように、JR資本は保守部門の全面的民託化の中で鉄道事業としての基幹的部分を崩壊させてしまっている。
 こうした中で、国労が闘う国労として再生を遂げ、JR総連解体に向けて動労千葉と共闘するならば、JRの勢力図を大きく塗り替えることは可能なのだ。1047名が強固な統一戦線を組むならば、巨大な力を発揮することも明白だ。
 特に、「平成採」の青年労働者を闘いの戦列に迎え入れることは、重要な戦略課題である。
 一切のかぎは、11・9労働者集会の成功をかちとることにある。国鉄決戦こそ、労働運動の命運を決する位置を持っている。『俺たちは鉄路に生きる2』を徹底的に学習し、動労千葉に続く闘う労働運動の新潮流を国鉄戦線に確固として築き上げよう。革共同国鉄委員会は、そのために総力を挙げて闘い抜く。

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週刊『前進』(2124号2面2)(2003/11/03)

10・19東京 意気高く団結まつり 国労・全動労・動労千葉が登壇 1047名の共闘を訴え

 10月19日、東京・亀戸中央公園で「国鉄労働者1047名の解雇撤回、全ての争議勝利、自衛隊イラク派兵阻止」をスローガンに「つくり出そう! 戦争と失業・環境破壊のない社会を! 10・19団結まつり」が開かれ、延べ1万5500人が参加した。秋晴れの空のもと、出店もにぎわい、参加者は国鉄1047名闘争の勝利に向けて団結を固めた。
 国鉄闘争共闘会議の二瓶久勝議長が開会あいさつし、「共闘会議は国労、動労千葉、全動労を含めた1047名の戦線だ。敵はこの3者が合流するとは思っていない。広範な統一戦線をつくり出し、大衆闘争でJR・政府を追い込もう」と訴えた。
 まつりの終盤、国労闘争団、全動労争議団、動労千葉争議団が壇上に並んだ。国労闘争団の代表が「私たちを処分した寺内前書記長が国労を脱退した。許せない」と怒りを語り、全動労争議団は「1047名の大同団結なしに争議の展望はない」と強調した。動労千葉争議団が、「1047名が一つになって進み、労働運動を再生させよう」と訴え、動労千葉の春闘ストが切り開いた米・韓の労働者との国際連帯の闘いを報告し、11・9労働者集会への結集を呼びかけた。
 国労闘争団員は、統制処分の首謀者であり、今や公然と国労分裂に走る寺内・佐藤ら裏切り者を弾劾するプラカードを手にして、不屈の意志を表した。
 争議団アピールでは、三一書房労組、ス労自主が自らの闘いを報告しつつ11・9集会への結集を訴えた。
 今回の団結まつりは、国鉄闘争の歴史的な意義と基軸性を再確認するとともに、1047名がともに団結して闘い抜くことこそ、その勝利を切り開くものであることを明確にする場となった。闘争団員22人に対する統制処分への激しい怒りが噴出し、これへの反撃から国労再生を実現する道筋もはっきりと示された。
 団結まつりをとおして1047名の統一戦線は一層の発展を遂げた。動労千葉はその先頭で奮闘した。

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週刊『前進』(2124号2面3)(2003/11/03)

“家族の苦悩消えぬ” 鉄建公団訴訟 闘争団員が意見陳述

 10月20日、東京地裁で鉄建公団訴訟の第10回口頭弁論が行われた。名寄闘争団の高橋政幸さんが意見陳述し、車掌職を奪われて人材活用センターに送られ、清算事業団でも国労破壊攻撃が続いたことを語り、解雇により家族が受けた深い苦しみは消えないと述べた。
 また、この日から13人が新たに原告に加わった。
 裁判後、JR東日本本社や国土交通省、厚生労働省、鉄建公団に対する総行動が展開された。
 夕方にはシニアワーク東京で裁判報告集会が開かれた。上京した闘争団員がそれぞれに決意を表明。酒井直昭原告団長が、北海道での分裂策動を弾劾し「直ちに臨時大会を開いて分裂の首謀者を除名し、闘争団員22名への処分を撤回すべきだ。国労という船を沈めてはならない」と述べた。
 前日の団結まつりに続いてこの日の行動をともにした台湾鉄道労組と韓国シチズン労組の代表が、連帯の意を込め決意を語った。イギリス労働者の闘いをテーマにした映画で知られるケン・ローチ監督が集会参加、民営化攻撃とイラク占領への反撃を呼びかけた。

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週刊『前進』(2124号2面4)(2003/11/03)

動労千葉冬季物販に全力を 国鉄闘争の基軸性訴えよう

 動労千葉03年冬季物販闘争が10月から始まった。動労千葉は、執行部を先頭に全組合員が全国を駆けめぐり物販闘争に総決起している。この闘いと結合して、11・9全国労働者総決起集会の成功に向かって闘い抜いている。
 今次物販闘争のポイントは、『俺たちは鉄路に生きる2』(中野洋著)を広め、「動労千葉のように闘おう」と全力で訴えることである。
 第一は、1047名解雇撤回・国鉄闘争勝利の基軸性を明確にするとともに、その闘いを動労千葉が牽引(けんいん)していることを訴えきることである。
 今、自治体、郵政、都市交、教育、特殊法人関係の労働者に大民営化攻撃が襲いかかっている。この攻撃との激しい攻防が始まっている中で、国鉄闘争の位置はますます高まっている。国鉄闘争を基軸に、大民営化攻撃と闘おう。
 同時に、倒産・首切り・賃下げ攻撃が吹き荒れている。こうした大失業攻撃に反撃している最大の闘いこそ、1047名解雇撤回闘争である。
 国鉄闘争は、連合が資本の代弁者に成り下がっている中で、百万の支援陣形が形成され、闘う労働運動の結集軸となってきた。国鉄闘争こそが連合の完成を阻んでいる。今、連合が89年結成以来の最大の危機を迎えている中で、国鉄闘争の基軸性を再確立し、1047名解雇撤回・国鉄闘争勝利の重要性を訴えよう。その闘いの先頭に立っているのが動労千葉である。
 第二は、1047名解雇撤回を掲げ、職場生産点からストライキでJR資本を追いつめてきた動労千葉の闘いを訴えきることだ。
 動労千葉は、有事体制の中でこの3月、72時間ストを打ち抜き、600本の運休をかちとり、一層団結を固めて闘い抜いている。反合・運転保安闘争は、動労千葉の揺るぎない団結の原点だ。動労千葉は、すべての闘いの総括軸に階級的団結を据えて闘い抜いてきた。そして、「労働者は絶対に立ち上がる」という一人ひとりの組合員への絶対的信頼を土台にしている労働組合である。この動労千葉のように闘おうと、全力で訴えることである。
 第三は、03春闘ストを始めとする動労千葉の闘いをアメリカや韓国の闘う労働組合が高く評価して交流と連帯が実現した。11・9労働者集会には、アメリカからILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル10、UTU(全米運輸労働組合)、韓国から民主労総のソウル本部長以下3人の代表の参加が決定したと伝えられている。動労千葉は世界にはばたいているのである。
 世界の労働者は、2月のイラク反戦2千万人決起に示されるように、燎原(りょうげん)の火のような勢いで立ち上がっている。この闘いを誰も押しとどめることはできない。日本でも政府・資本を揺るがす闘いが始まっている。全日建運輸連帯・関西生コン支部、全国金属機械港合同、動労千葉が呼びかける11・9労働者集会への大結集を訴えかけて闘おう。
 第四は、職場の労働者全員に物販を広げることだ。物販闘争は闘う労働組合をつくりあげる土台である。それは、6千万労働者全員に物販を宣伝することである。物販闘争を基礎に、闘う労働組合の新しい潮流をつくりあげよう。11・9労働者集会に総結集しよう。

 物販品目

1 天津甘栗        500
2 丹波の黒豆       500
3 くんさき        500
4 かりんとう       500
5 焼カシューナッツ    600
6 ピリ辛味噌      1000
7 おかえりワンワン   1200
8 日めくりカレンダー  1800
9 乾燥野菜       1000
10 落花生        2000
11 純米焼酎       2000
12 駄菓子・甘納豆セット  2500
13 ぜんざい・洋菓子詰合せ 3000
14 丸大ハム詰合せ    3000
15 パスタとソースセット 3000
16 まぜごはん      1200
17 白菜キムチ       600
18 松前漬         750
19 メイトーのど飴     700
20 ポケットチーズ     700
21 アーモンドフィッシュ 1000
22 種ぬきプルーン    1000
23 アソートチョコレート 1300
24 即席みそ汁      1200
25 もずくスープ      500
26 静岡茶         600
27 レギュラーコーヒー  1000
28 喜多方ラーメン(生)  1000
29 博多ラーメン     1000
30 寒干しラーメン    1200
31 讃岐うどん      1350
32 北信濃手折りそば   1600
33 ドライカットわかめ   500
34 ひじき         600
35 根昆布しょうゆ     600
36 日高昆布       1000
37 だしパック      1200
38 焼のり5帖      1700
39 紀州南高梅      2200
40 ビーフカレー20食   3000
申込先/動労千葉協販部 TEL043(227)7833 FAX043(227)8125

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週刊『前進』(2124号3面1)(2003/11/03)

闘う労働者組合の団結を 11月労働者集会の成功へ 10年前の賃金水準に低下 賃下げ・生活破壊と闘おう
 賃闘破壊の連合中央打倒を

 11・9労働者集会は、日帝・資本による賃下げ・生活破壊攻撃との一大対決の場である。連合中央の屈服で日本の労働者階級の賃金は5年連続で下がり続け、10年前の水準にまで低下した。今や、闘わなければ生きていけない。労働者の生存権をかけた根底的決起として、11・9労働者集会に総結集しよう。

 5年連続の賃下げ攻撃

 あらゆる統計を見ても、この5年間労働者階級の賃金が下がり続けている。このようなことは日本の階級闘争史上、いまだかつてなかった事態である。
 9月22日に発表された国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、民間企業に勤める労働者が02年1年間に受け取った1人当たりの平均賃金は、447万8千円で、前年より6万2千円(1・4%)減ったことが分かった。5年連続のダウンである。
 この447万円強という数字は、91年の平均賃金に相当する(グラフ参照)。日本の労働者階級の賃金が、10年以上前の水準にまで低下してしまったのだ。
 この一点を取ってみても日帝の労働者支配が根本的には破産していることが分かる。それが労働者階級の怒りの決起になっていないのは、ただただ連合による制動を許しているからである。連合中央を打倒し、労働者階級の根底的な怒りを解き放つ時は今だ。
 さらに注目すべきことは、低賃金労働者が増加していることだ。給与階級別分布をこの5年間でみると、200万円以下が77万3千人(1・9%)も増加し、給与所得者全体の12%を占めるようになった。
 それに加えて、日帝・小泉の社会保障制度解体攻撃によって大幅な負担増の攻撃がかけられている。
 昨年10月から雇用保険料が0・2%引き上げられ、健康保険法の改悪によって今年の4月から政府管掌健康保険の場合、医者にかかった時の本人負担が3割になり、月々の保険料も0・7%引き上げられた。介護保険料率も4月から全国平均で11%引き上げられた。
 これらの結果、連合の試算では、年収が400万円程度の世帯で、年間10万円近い負担増になる。さらに、一時金からも保険料を毎月なみに徴収する「総報酬制」が4月から導入されたため、この夏の一時金の手取額が大幅に減少し、労働者家族にショックを与えている。
 それだけではない。日帝は「奥田ビジョン」などで、国家と企業の危機を絶叫して、労働者階級へもっともっと犠牲を押しつけると宣言している。具体的には、リストラ・首切りと、終身雇用制解体・不安定雇用化攻撃を一層推進し、さらなる賃下げを行うと同時に、消費税の16%へのアップで徹底的に大衆収奪を強めると言っているのだ。
 戦争と大失業の攻撃を前にして労働者階級は闘わなかったら、賃金は減る上に負担は増えるという、本当に踏んだり蹴ったりの状態にされてしまう。
 文字どおり労働者階級の生存権が危機にひんしている。今春、全世界2千万労働者人民の一大街頭決起の背景には、労働者階級の生存をかけた怒りの爆発がある。労働者階級の団結した闘いの爆発におびえた権力の弾圧が、国労5・27臨大闘争弾圧を始めとした、闘う労働運動、市民運動への治安弾圧の攻撃である。それは、団結権・生存権への一大攻撃なのだ。

 連合は小泉=奥田の先兵

 今や、誰が見ても労働者階級への生活破壊の攻撃は、一線を越えたものになってきている。
 ところが、労働組合のナショナルセンターである連合中央は、闘争圧殺の先兵として登場している。
 10月2〜3日の連合第8回定期大会で採択された2004〜2005年度運動方針では、「構造改革は必要」と、小泉・奥田のリストラ・首切り攻撃を完全に容認し、その先兵になっていながら、「まず取り組むべきは『雇用問題の解決』」などと言って、賃金闘争放棄を開き直っている。本当に許せない。賃金闘争こそ、資本との闘いの原点である。ここで屈服していて雇用を守れるわけがないではないか。
 連合は、11月の翼賛選挙において小沢・自由党と合併した民主党支持を公然と打ち出し、翼賛勢力としての本性をあらわにしている。連合中央は、小泉=奥田路線の先兵として、労働者階級に日帝と資本が生き延びるためならば、戦争と大失業の攻撃に屈服しろ、犠牲になれ、と絶叫しているのだ。

 団結破壊の職種別賃金

 とりわけ賃金闘争においては、春闘での2年連続のベア要求放棄に止まらず、連合評価委員会最終報告の「新しい賃金論」を全面的に採用し、戦後の賃金闘争を最後的に解体しようとしている。これを粉砕することは、日本の労働者階級の急務である。
 そこでは「年功型賃金から職務型・職種型賃金への移行」が主張されている。だが職種型賃金こそ、@終身雇用制解体後の首切り自由の社会を前提にした賃金であり、A職種間の賃金差別を容認し、労働者の団結を破壊する賃金であり、Bアジアの労働者の低賃金を打破するために団結して闘うのではなく、賃金の「途上国並み」への大幅引き下げを容認するものだ。
 全労連でも、賃金闘争が困難になる中で、この現実に屈服し、「専門性を評価する賃金」というかたちで職種別賃金推進の動きが出ている。賃闘否定の職種別賃金を徹底粉砕せよ。
 だが、このような連合の労働者支配は破産を開始している。8月自治労大会での「21世紀宣言」の否決こそ、その突破口だ。03春闘をストライキで闘った動労千葉を始めとする3組合の闘いから学び、11・9労働者集会を出発点に、04春闘を生存権をかけた闘う春闘としてかちとろう。
 〔湯村宏則〕

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週刊『前進』(2124号3面2)(2003/11/03)

労災死亡を多発させる鉄鋼資本と連合許すな
 11・9集会へ 鉄鋼労働者の決意

 毎年1万人もの首切り強行

 鉄鋼職場の掲示板にこの3年間というもの毎月2枚の割合で速報が張り出されている。労働災害による鉄鋼労働者の死亡を告げる災害速報である。今年15人目となった犠牲者の例を見てみよう。
 事業所名 新日鉄八幡製鉄所/発生日時 03年7月11日(金)13時00分/発生場所 製鋼工場溶鋼ライン/概要 溶鋼鍋が傾き、流出した溶鋼で被災/年齢 47歳/現企業勤務 29年7カ月/現職種経験 3年1カ月
 この災害速報から分かることは、30年にもなろうとするベテランの鉄鋼労働者が、資本のリストラで配転をよぎなくされ、やっと慣れてきた溶けた鋼を扱う現場で、逃げおくれたために1200度の熱鋼を浴びて虐殺された事実である。
 鉄鋼資本による極限的なまでのリストラ合理化と鉄鋼労連と連合中央の一体的容認とによって、01年17人、02年19人、そして今年はすでに16人の犠牲者が出ている。素っ気ない文字で埋められたこの災害速報の中から、鉄鋼資本と、それに身も心も資本に売り渡した労働組合によって虐殺された鉄鋼労働者たちの血の叫びが聞こえてはこないだろうか!
 バブル経済が崩壊して、鉄鋼資本が極限的なリストラ攻撃を始めると、鉄鋼労連は総屈服して「大後退運動」にのめりこんでいった。96年には24万5千人いた鉄鋼労働者は、現在では18万人を割っている。実に6年間で6万5千人(27%)の減員である。
 粗鋼生産量は年間1億dをわずかに上下するかたちでほぼ一定して推移しているにもかかわらず、毎年1万人以上の労働者がリストラされてきたのである。いかにひどい労働強化が強制されているかが分かるだろう。この極限的なリストラ・首切り攻撃こそ労災死亡事故多発の原因だ。激しいリストラ攻撃は、今や生産の破綻(はたん)をきたすまでになっている。
 仮に首を切られずに出向したとしても、労働条件は劣悪化され、賃金は文句なしに30%のカットを受ける。「去るも地獄、残るも地獄」なのである。

 攻撃の背景に鉄鋼資本危機

 それにしてもなぜ鉄鋼資本はこのような過酷で破綻的なリストラ攻撃を必要としているのだろうか?
 第一の要因は、鉄鋼資本間の競争の激烈化である。現状破壊的なリストラ攻撃は、アメリカ経済の歴史的な没落と中国鉄鋼業の急成長によって日本鉄鋼業が、その有力な市場であったアメリカ市場とアジア市場からはじき出される危機に直面したことからくる。しかも、公共事業の後退による国内需要の減退が危機に拍車をかけた。これらは、これまでの協調的な横並び体質の新日鉄主導体制を崩壊させ、NKKと川崎製鉄が合併、純粋持ち株会社であるJFEホールディングスのもとにJFEスチールが登場し、粗鋼生産量では新日鉄とほぼ肩を並べる世界第4位の巨大会社となった。資本間の競争はますます激烈になっているのだ。
 さらに第二の要因として、「鉄は国家なり」を誇ってきた鉄鋼資本の相対的地位の低下による指導力の減退がある。自動車(トヨタの奥田会長)に日本経団連のトップの地位を譲り渡すまでに低下した鉄鋼の指導力を、95年の日経連「新時代の『日本的経営』」を先頭に立って実行することで「鉄の復権」をはかろうとしているのだ。
 このことが鉄鋼のリストラ攻撃を極限化させ、凶暴化させている。その攻撃は戦後労資関係の全面的解体を狙うほど激烈なものだ。
 第三の要因は、アメリカ帝国主義・ブッシュの世界戦争政策への対抗的協力である。
 ブッシュの対イラク戦争は、未曽有の経済危機に基づく硬直した攻撃である。戦後、世界政策を展開するために一定有効的に利用してきた国連をも無視し、仏独帝国主義との対立を激化させるかたちでしか侵略戦争を展開できなくなったアメリカ帝国主義・ブッシュは、だがその第一歩においてイラクの労働者・人民の強固な反撃に直面している。「第二のベトナム化」は必至である。
 にもかかわらず、小泉政権と日帝ブルジョアジーは、ブッシュの世界戦争政策に協力・加担するかたちをとって対抗的に独自の権益を手に入れようと必死である。そのために自前の戦争遂行能力と戦争体制を構築することに全力をあげているのだ。目下の焦点は、千人規模の自衛隊のイラクへの派兵である。鉄鋼資本もまたその先頭に立とうとしている。特に中東の石油権益の確保は死活的である。また石油関連施設、とくに石油パイプラインの建設をのどから手が出るほど欲しているのだ。
 日帝にとって、中東をめぐる米・欧帝国主義との争闘戦に打って出て、勝ちぬくためには、国内での階級戦争に勝利しなくては問題にもならない。階級的正義や、戦争反対を主張する労働運動や労働組合を抱えたままでは、戦争遂行はまったく不可能である。ここに鉄鋼資本が激烈な大リストラ攻撃をしかけてきた最大の根拠があるのだ。
 したがって、鉄鋼労連と連合中央もまた、鉄鋼資本の危機を自らの危機として受け入れ、資本攻勢の先兵となることで連合労働運動は翼賛化の道へと転落していった。そうすることで、自己の労働貴族としての存在を資本に認めてもらおうというのである。実に腐りきったやからだ!

 「基幹労連」で産業報国会に

 しかし、リストラ合理化攻撃による鉄鋼労働者の激減は、鉄鋼労連の組織力の衰退と連合内での発言権を低下させた。この組織衰滅の危機からの脱出策として浮上させたのが、造船重機労連と非鉄連合とを誘っての組織統合である。
 9月9日、これら3つの単産は新しい産別、基幹労連を発足させた。352組合、約25万人を擁し、規模では連合内8位の産別となった。委員長に就いたのは、前鉄鋼労連委員長・宮園である。宮園は、結成大会のあいさつで「組織力量の強化が最大の眼目」とあけすけに述べている。めざすのは金属大産別なのだ。
 基幹労連と連合の歩んでいる道は明白である。「連合の社会全体に対する影響力が相対的に低下し、労働組合の存在意義そのものが問われている」(連合評価委員会)ことに対して、資本と闘うのではなく、資本と一体となって現代版「大東亜共栄圏」の道に労働者階級を駆り立て、そのための労働組合の「産業報国会」化を狙っているのだ。
 今や基幹労連と連合中央は、奥田ビジョンや小泉戦争政策と完全に一体だ。彼らは有事法制に賛成なのだ。彼らこそ、全世界2千万人のイラク反戦決起に完全に敵対する存在である。このことをトコトン明らかにして日・米・韓の国際連帯の力で打倒しよう。
 わが鉄鋼労働者の進むべき道は明瞭である。労働者階級全体の利益を堅持し、階級的立場を曲げずに闘う動労千葉とともに進め! これである。この道以外に労働者が生きる道はない。出向・賃下げ・労働災害の多発。鉄鋼の現場には、うっ積した怒りが充満している。闘う仲間の登場が待ち望まれている。動労千葉が切り開いた国際連帯の道こそ鉄鋼労働者の進むべき道である。ともに前進しよう。11・9労働者集会をその第一歩としよう。
 (阪東達郎)

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週刊『前進』(2124号3面3)(2003/11/03)

分社化・賃下げと闘う私鉄労働者の隊列を
 11・9集会へ 私鉄労働者の決意

 バス部門攻撃が鉄道本体へ

 小泉「構造改革」攻撃の進行の中で、規制緩和を理由とした分社化・合理化の嵐が私鉄産業に吹き荒れている。
 私鉄大手では、一部分社化された相模鉄道(神奈川県)を除く全社で、バス部門が完全に分社化され、転籍・出向でバス労働者に賃下げが強制されている。分社化した上で、さらに子会社をつくり分割するなど、より低賃金を強制する悪らつなやり方までもがまん延している。
 高速バスにおける運転士の「飲酒事故」の続出も、背景には競争の激化の中で、長時間労働と仮眠もできない勤務シフトが強制されている実態がある。さらに、赤字に苦しむ地方中小バスでは、事業の存続自体が危機に直面している。
 私鉄資本は、バス部門分社化−賃下げ攻撃に続き、鉄道部門本体への攻撃を激化させている。技術部門の外部委託化−職場丸ごとの出向、駅職場の外注化・無人化など。さらに乗務員に対してもワンマン化、実ハンドル時間の延長、車掌の契約社員化など、ありとあらゆるリストラ攻撃が進行している。
 文字どおり、私鉄労働者が戦後50数年積み上げてきた一切の獲得物が奪われようとしているのだ。

 私鉄総連の産別統合許すな

 今、私鉄総連、運輸労連、交通労連、全自交労連の4産別統合が、私鉄労働者の多くの反対の声を無視して強行されている。「連合内の影響力を増すため」だけの4産別統合だ。しかし、「大産別になっても生活が守られるわけではない」(03年私鉄総連定期大会での中小組合の発言)−まさにそうだ。
 そもそも産別統合路線は、01年の定期大会で、産別合同(連合加盟一本化)の本部提案が否決されている。いわゆる「9項目」と言われる「反戦平和運動」「護憲」「スト権」「政党支持」「地連組織の堅持」などの確認事項が、およそ運動理念の異なる4産別合同−統合では守られないだろうという危惧(きぐ)・不信が否決させたのだ。その翌年の02年5月の臨時大会で産別合同は、「大同団結」論でどうにか可決になったが、一切は議論を先送りにしただけだった。
 本年03年の定期大会では本部の「9項目」を棚上げした「04年10月連合加盟一本化、05年統合(私鉄総連解散)」提案に対して、反対意見が噴出した。大会発言中、反対が7人、賛成は3人という圧倒的な反対の声が討議を占めた。産別統合は、闘う私鉄総連の伝統を解体し、とりわけ中小組合の闘いを根絶する資本の意を受けた奥田・日本経団連路線そのものだ。
 しかし、産別統合反対派の中には、護憲=社民党支持を強く打ち出して私鉄総連の団結を強めようという誤った傾向があるのも否定できない。03年度私鉄総連方針の5つの柱のひとつとなっている「04年参議院選挙・渕上再選に全力を」という方針ほど危険な方針はない。渕上こそ、国鉄1047名闘争を解体・根絶するために4党合意を仕掛けた張本人であり、国鉄労働者はもとより、すべての労働者の敵である。渕上再選が私鉄労働者の団結のためになどならないこと、むしろ産別統合の露払いをするのが社民党・渕上であることを、全私鉄労働者に明らかにしなければならない。

 私鉄春闘再生へスト闘おう

 すでに私鉄春闘はスト設定もできず、産別統一闘争が事実上崩壊している。03春闘では、大手回答指定日すら足なみが乱れ、格差回答を容認してしまった。一部大手組合の「ベアゼロ、臨時給上積み」という「トヨタ方式」による妥結で、中小組合は賃下げ春闘の攻撃にさらされ、賃上げゼロ組合が増加している。しかし、私鉄総連執行部は、ストを闘い、大手−中小の団結した産別統一闘争で春闘に勝利する道ではなく、連合春闘の枠内で事実上の春闘放棄の道を進んでいる。
 だが、大手−中小の中から新たな闘いが続々と生まれている。私鉄総連執行部のスト放棄・春闘解体路線に抗し、単組単独でも春闘−反合闘争で公然とストライキを構えた闘いが取り組まれている。また、有事立法反対闘争においては、平和フォーラムの動員を拒否して陸・海・空・港湾労組20団体の闘いに合流するなど、連合・私鉄総連の枠を超える陣形がつくられようとしている。
 さらに、分社化・賃下げに協力して転籍・出向にともなう非組合員化攻撃に踏み込んだ私鉄総連・企業内組合と決別し、自ら新組合を立ち上げ、闘いを志向する戦闘的な労働者が大手バスの職場に生まれている。
 問題は、ストライキで資本と闘う春闘再生の闘いだ。私たちは、私鉄総連解体=4産別統合に絶対反対し、私鉄総連の内外で苦闘しつつも闘いを志向するすべての私鉄労働者に、動労千葉のようにストライキで闘う労働運動を私鉄内に再生させようと呼びかけ、ともに闘うことを宣言する。11・9集会に結集し、今こそ闘う私鉄労働者の旗を高く立てよう!
 (鉄山 剛)

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週刊『前進』(2124号3面4)(2003/11/03)

被災地・神戸 19回目の反失業総行動 「対策」打ち切り許さぬ

 10月16日に神戸で、「兵庫県は仕事を保障しろ、被災者に新たな減免を、戦争協力するな第19回被災地反失業総行動」が、総行動参加団体連絡会の各団体からの82人の結集で、終始戦闘的に闘われました。
 前段の屋内集会は後2年で兵庫県の被災者対策が全面的にうち切られようとしている中、怒りと危機感のあふれた集会になりました。主催者あいさつに立った長谷川正夫・被災地雇用と生活要求者組合代表は、「闘いは、いま崖っぷちにきている。被災者の生きるか死ぬかのアンケートにもとづく要求に、県はゼロ回答で答えてきた。一方、戦争へと突き進む中で、闘う勢力への弾圧が吹き荒れている。生きるためには妥協できない。今日は10・12(01年の県庁突入闘争)以上の闘いをやろう」と激烈なアピールを発しました。
 ス労自主、港合同、義援金詐欺デッチあげ弾圧被告の百々(どど)年美さんなどからの連帯のあいさつに続いて、蒲牟田宏被災地要求者組合事務次長から基調報告が提起されました。「被災者の現実を県知事はよく分かっているのに、05年度で県は一切の被災者対策を打ち切ろうとしている。これに対して国・行政に2年間決戦の大反乱を起こそう。11・9全国労働者集会と、翌10日の厚生労働省への申し入れ闘争を闘おう」と方針を提起しました。
 次に、しごと開発就労者組合から、「県による就労者組合に対する組合嫌悪の不当労働行為で、私たちは労働権を奪われている。地労委闘争に勝利し、しごと開発事業を再開させ、労働権を取り戻そう」との報告がありました。
 参加団体連絡会に結集する10団体からの決意表明があり、まとめとして石田勝啓関西合同労組委員長が「労働者の反乱は今をおいてない。少々の孤立をおそれず闘おう」との確信に満ちた提起を行い、最後に、団結ガンバローで集会を締めくくりました。

 県庁に抗議デモ

 直ちに「ゼロ回答」の責任者、県知事・井戸に対するデモにうって出ました。いつもの恒例の「赤信号で止まらない」デモをこの日も貫徹。妨害する権力をはねのけ、怒りのデモを県庁にぶつけました。
 しかし、デモ隊が抗議申入書を渡す県庁2号館に来るや、私服警官と県の職員60数人が正門にバリケードを築いているではないですか。権力の導入に怒った参加者は、県職員に詰め寄り警察権力をその場から撤収させました。
 つづいて代表7人が、バリケードをあけさせ県庁内に入り、「生きんがための要求にまともに答えようともしない県のゼロ回答に対する抗議申し入れだ」と新たな闘争宣言をたたきつけました。
 この日の闘いで2年間決戦の方針が鮮明になり、組合員の実力の闘いで労働権、生存権を取り戻す闘いに踏み出しました。
 全国の失業労働者のみなさん! 闘う仲間のみなさん! 11・9全国労働者集会に結集し、ともに闘いましょう!
 (投稿/労働者S・K)

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週刊『前進』(2124号3面5)(2003/11/03)

失業反対・職場闘争の地平から11・9集会へ
 被災地と関西合同労組の決意

 阪神大震災被災地の労働者は、11・9全国労働者集会を、闘う労働者の全国大会と位置づけて、失業反対闘争や職場闘争を全力で闘いながら、「世界と全国の労働者との団結を求めて結集しよう」を合い言葉に、全力動員にむけて奮闘している。
 被災地の闘いの現状と意義、11・9集会へむけた決意を明らかにしたい。

 アンケートに切実な要求が

 被災地雇用と生活要求者組合などが行った被災者生活実態アンケート(集約数212件)によれば、失業率は実に54%、3世帯に1世帯が月収入10万円以下で生活保護以下の生活を強制されている。
 自殺率(人口10万人あたり自殺者数)のここ5年間の年平均は、震災被害のひどかった長田区(27・7)、兵庫区(36・4)、灘区(31・1)で、全国(23・2)や兵庫県(22・3)平均を大きく上回っている。
 アンケートの集約の結論は、せめてあと月5〜10万円稼げる仕事が欲しいという被災者・失業者のささやかで切実な要求だった。

 県のゼロ回答に怒りが爆発

 兵庫県に対し、具体的な数字をもとに被災者の実態を明らかにして、失業対策事業再開、被災者減免拡充、防災を理由に戦争動員をするな、などの要求を7月に突きつけた。
 9月19日の県交渉での回答は、失業対策事業はやらない、被災者対策は県が策定した「震災復興計画最終3カ年プログラム」にそって05年度で一切終わる、有事法に協力し、国民保護法制にも従うなどの、まったくのゼロ回答だった。
 挑発ともいうべき、被災者をなめきった県の対応に10・16総行動で失業者・被災者の怒りが爆発した。
 資本主義の危機にあって、今までどおりには支配できなくなった日本帝国主義が、一切の犠牲を労働者に集中し、むき出しの資本主義の姿をさらしている。
 震災後行ってきた被災者対策を、それ以上に悲惨な状況になっていることを百も承知で、一切やろうとしないのだ。
 逆に「災害公営住宅コミュニティ調査」なるものを行って、治安対策として反乱の兆しのある災害公営住宅に目を光らせている。被災者が悲惨な現実にあることをよく分かった上での行政による犯罪行為だ。

 関西合同労組報告集会開く

 関西合同労組は、10月13日に職場闘争報告集会を開いた。解雇攻撃に対して職場・地域での闘いと裁判闘争で資本を追いつめ、賃金の支払いをかちとっている2つの分会や、職場でのパート労働者の権利拡大をかちとった分会などから勝利の報告が出された。
 また、資本と闘わない日本共産党主導の運輸関連の労働組合から関西合同労組へ結集した分会や、これから分会を立ち上げようとする青年労働者も数人参加し、「とても勉強になったし、やれる自信がわいた」との感想も出された。
 石田勝啓委員長から、関西合同労組の枠内だけでなく、全国の闘う労働組合の潮流に合流し、労働法制改悪など労働者の大本の権利を守り、労働者全体の力をつけるため、11・9労働者集会への結集が呼びかけられ、全体で確認した。
 飢餓賃金を強制し、倒産・解雇攻撃、失業者の放置、医療福祉の切り捨て強行、消費税の16%への大幅アップを狙うなど、戦争へと向かう資本と国家権力の攻撃がふきあれている。
 そして、これらの攻撃への反乱を防止するために、警察権力による闘う労働組合・労働者への弾圧と、労働者の権利を奪う攻撃が襲いかかっている。さらに、労働組合法と労働基準法を改悪し、団結破壊・労働組合つぶしを強行しようとしているのだ。絶対に許せない。今、労働者に必要なのは、資本主義・帝国主義に対する、人間としての尊厳をかけた、職場・地域での団結した大反乱だ。
 被災地と関西合同労組の仲間は、闘う労働者の全国・全世界の大きな団結をつくるため、11・9全国労働者集会と、11・10厚生労働省への労働法制改悪反対などの申し入れ行動に総力結集するため全力疾走する決意だ。
 (田中文夫)

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週刊『前進』(2124号4面1)(2003/11/03)

東大阪市議に初当選した 阪口克己さん(解同全国連荒本支部)に聞く
 福祉要求実現へ団結の勝利 公明・共産の支持者も加わる

 9月の東大阪市議選で初当選した阪口克己さん(部落解放同盟全国連合会・荒本支部書記長)に10月13日、インタビューした。(聞き手/編集局)

 部落解放かけて支部ぐるみ決起

 ――初めての選挙戦を闘って、感想を。

 瀬川博さん(解同全国連委員長)の市議5期20年を受け継ぎ、法(同和対策に関する特措法)打ち切り後の最初の選挙戦で、解同全国連の今後の闘いをどうつくり出していくのかが問われた闘いでした。勝ててほっとしています。
 全国連荒本支部、東大阪の住民、全国の皆さんの奮闘があってこその勝利です。大変感謝しています。

 ――選挙戦で最も印象に残ったことは。

 5月に荒本支部大会で選挙戦に出ることを決めた。だけど、みんなには阪口で勝てるのかとか、いろいろな思いがあった。徐々に頑張って闘う中で、変わっていったことです。
 法のない時代の闘い方をこの闘いの中でつかみ出した。介護保険料の減免枠を拡大していく闘いの過程で、これやというものをつかみました。生の声を行政にぶつけて、要求を実現していくために全員が団結すること。今までは部落の人たちだけの団結でしたが、今回は市民とともに闘っていける確信を得ました。
 荒本支部の闘いが市民に広がったことで、支部のみんなが確信を持ち、選挙戦への意欲が生まれました。その中で「かっちゃん頑張ってや」という「かっちゃんの選挙」から、「勝たなあかん」「勝ちたい」という自分たちの選挙に変わっていったことです。そのことに私は励まされた。

 医者にもかかれない政治に怒り

 ――東大阪の住民とのつながりは。

 相談会での相談は、死活的な内容です。年金が少ない中、介護とか国保の保険料が上がった上に、年金から天引きされる。1日にインスタントラーメン1食で済ませている人もいる。これ以上値上げされたり、年金が減らされたら、もう生きていけないと。国保の保険料が払えなくて、医者にかかれない人もいます。医者から「あんた来なかったら死ぬで」と言われても、「もうええねん」とあきらめているのです。
 夫婦関係までが崩れてしまい、府営住宅に入れないかという相談もありました。一つの相談に年金から医療、仕事、住宅まで全部からんでいるのです。
 そういう中で転換がありました。自分が悩んでいることが、実はみんなが悩んでいることなんだ、自分に甲斐性(かいしょう)がないからとか、若い時になまけていたからということではなく、政治に問題があるということを知りました。まじめに働き、戦争とか、国のやってきたことにおとなしく従い、我慢に我慢を重ねてきた。その中で最後の仕打ちが、介護保険の値上げと年金すら削り取るということなのかと。
 そうした人たちは、役所に相談に行っても、みんな門前払いにされたと怒っているのです。「もう我慢ならない。みんなで怒りと要求を行政にぶつけよう」ということになりました。
 7月30日に介護保険料の減免を求める集団申請と、東大阪市との交渉を180人で行いました。「本来、困って相談に来た人たちに耳を傾けるのが行政の仕事ではないのか。それを門前払いして、怒らせて帰すとはどういうことや。おまえらきっちり指導せんかい」と怒りをぶつけました。
 室長クラスが「そのとおりです。謝罪して、今後は真摯(しんし)に対応するように指導します」と約束し、また減免基準を見直すことを約束させたんです。
 8月29日の2回目の交渉は220人でやりました。この時は反動が吹き荒れました。共産党、公明党が、国健会(東大阪国保と健康を守る会)の言うことを認めたらまずいことになると市役所に圧力をかけた。
 こいつらもひどいやり方なんですよ。介護保険料の減免申請書と、後援会の入会申し込み書をひっつけてやっている。手続きしてやるから後援会に入れと。だけども、実際は行政が決めた枠内の人しか減免を受けられないから、ほとんどの人が申請できないんです。
 市役所は、「できません」「最初に言ったレベルのことしかやれません」と言う。開き直りの対応でした。それで怒りが爆発したわけです。結局、その怒りの激しさの前に、役所は「努力します」と言わざるをえなかった。
 この運動は最初は選挙とは結びつかなかったが、議論する中で、自分らの意見、気持ちを議会で代弁してくれる人物が絶対必要だとなっていった。
 公明党・創価学会は法律の枠内で減免の付く人以外は全部切り捨てていく。この人たちが私たちの国健会に来た。その中に力のある人たちがいたんです。今まで一心不乱に学会のために活動してきたオルガナイザーとか。そういう人は自分の周り50軒に阪口支持を訴えるわけです。
 学会は、裏切ったのかと弾圧してきた。それに対してこういう人たちは、「選挙は別や」と跳ね返した。「学会やめる」「うちの仏壇のご本尊に手を合わせていたらよい」と言ったら、「あんたは3日後に交通事故に遭って死ぬわ」と言われたと。それでも、それ以上は何も言われなかったと、のびのびやる人がいっぱい出てきました。

 ――共産党系の生健会だった人も国健会に入り、選挙では阪口さんを支持して活動したとか。

 そう。初めは自分一人だけが支持するという人が多かったけれども、そのうち一緒にあいさつ回りしてくれたり、団地内を軒並み回ってくれたりと、変わっていきました。
 街頭宣伝を聞いて、「口先ではあれこれ言うが実際には何もせんやつが多い中で、阪口は住民を主人公にして、政治を変えて行こうと言っている。私が求めていたのはこれや」と、50歳ぐらいの主婦が50人ぐらい紹介者カードを集めてくれました。

 ――反戦の運動はどう進められましたか。

 瀬川さんの時から毎年夏、反戦野外映画会を続けてきました。今までは会場周辺のビラまきや会場設営など全部こちらでやってきました。それを今年から、住民を主人公にしてやろうということにした。会場周辺の人が実行委員会をつくり、自分たちで会議を持って準備した。高校生とか若い人のボランティアがようけ出てきた。
 20年間継続してきたことがとても力になりました。子どもの時から参加してきた人が、結婚して子どもと一緒に参加するというようになってきました。この運動は有事立法やイラク出兵という中で危機感を持っている人たちが結集する場になりました。

 住民が主人公となり市政変える

 ――今後の抱負を。

 住民が主人公になって一緒に市政を変えていくことです。今は、議会でどんなことが論議されているのかすら市民に知らされていない。知らないところで、介護保険料とか国民健康保険料とかが決められている。議会での論議に自分たちの意見を反映させたいというのが、みんなの願いです。

 ――最後に10・26狭山闘争―11・9労働者集会へのアピールをお願いします。

 解同本部派がこの時期に10・31狭山闘争を放棄したことは、糾弾闘争もやらないということです。魂を投げ捨てたということ。それに代わって全国連こそが300万部落大衆と石川さんに責任をとるものとして10・26狭山闘争があります。全力で闘いたい。
 11・9全国労働者集会にも荒本と東大阪から多くの人とともに参加したい。
 労働者階級、未組織労働者、そして労働者階級のOBとしての高齢者が、自分たちの力の大きさに目覚めることで、すさまじいエネルギーが発揮され、大きな闘いができる。それをさらに発展させていきたい。

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週刊『前進』(2124号4面2)(2003/11/03)

『北富士 入会の闘い−忍草母の会の42年』 出版記念会 決意新た
 北富士との血盟誓う 渡辺会長を追悼

 10月19日午後、北富士で忍草母の会の渡辺喜美江会長の追悼と『北富士入会の闘い―忍草母の会の42年』の出版記念会が開かれた。忍草国有入会地守る会の天野重知会長、三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長、忍草母の会の天野美恵事務局長が渡辺会長の遺影の前に並んで座った。
 呼びかけ人の一人として婦人民主クラブ全国協議会代表の西村綾子さんが司会を務め、第1部として7月28日に逝去された渡辺会長の追悼が行われた。参加者全員で渡辺会長の遺影に黙祷(もくとう)を捧げた。天野美恵さんが、「会長は死んではいない。魂で梨ケ原を駆けめぐっている」と述べ、会長さんの遺言状を読み上げた。遺言状は、「私は、忍草の入会権は、万古不易の権利であるという法的確信を持ち、……たたかいぬいてきました。母の会血盟の同志のみなさん。この私の闘ってきた歴史を絶対に忘れないでください」と訴えている。
 第2部出版記念会に入って、呼びかけ人のあいさつで反対同盟の北原事務局長が「三里塚は母の会の闘いを見て婦人行動隊を結成した。北富士は50年人生をかけて闘ってきた。北富士の灯を消さないでほしい」と訴えた。続いて北富士闘争三部作を著した安藤登志子さんが「会長さんと知り合ったことを私の人生の誇りに思っている」と語った。
 乾杯のあと参加者がお祝いの言葉を述べた。都政を革新する会の長谷川英憲代表が「この本は母の会の生活に根ざした闘いが記されていて人に薦めたくなる本です」と、婦人民主クラブ全国協の丹治孝子さんは、母の会の檄を聞いて感動し、生き方を変えたことで「いい人生を送ってきた」と語った。
 反対同盟の伊藤信晴さん、北富士闘争を撮り続けてきた写真家の田辺欽也さん、反戦共同行動委員会、部落解放同盟全国連合会、都留文科大生協労組が母の会の闘いに感謝を表した。革共同の藤原慶久同志が「革共同は母の会・入会組合と心を一つにして闘ってきましたが、これからも全力で闘います」と誓った。
 天野重知会長は、闘争の歴史を振り返りながら、東京地裁で「入会権あり」の判決を勝ち取った意義を語り、同時に母の会のお母さんたちが本当に強かったことで北富士闘争の勝利の歴史があったことを述べた。
 関西実行委員会の永井満代表などからメッセージが紹介され、母の会の天野正子さん、大森ふじえさんがゲリラの話を語って聞かせた。尽きせぬ思いで話が弾む中、天野事務局長が感謝の言葉と「会長さんの遺志を継いで命のある限り闘う」という決意を述べて会を締めくくり、血盟の誓いを新たにした。
(『北富士入会の闘い―忍草母の会の42年』【御茶ノ水書房刊 1600円】)

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週刊『前進』(2124号4面3)(2003/11/03)

世界の労働運動 ヨーロッパ

 主要港を3日止める EU規制緩和に港湾スト

 9月29日、世界一の巨大港、オランダのロッテルダムに欧州北部から5千人の港湾労働者が結集した。欧州南部からは、スペインのバルセロナ港にほぼ同人数が集まった。北米西海岸の国際港湾倉庫労組(ILWU)のローカル10(第10支部)も両港にかけつけた。
 ETF(欧州運輸労連)傘下の港湾労働者が、EUによる港湾の規制緩和に反対し、両港や世界第二の港、ベルギーのアントワープなど、全欧州でストライキに入り、両港に結集したのだ。
 スペインの港湾労働者の9割を組織する「コオディナドーラ」(海運労働者全国連盟)のフリアン・ガルシア代表世話人は、「南欧の全港湾が停止した」とストライキの圧倒的貫徹を確認した。一部の生鮮品を除き、全欧州で貨物船の荷役が28日から30日の3日間にわたり停止したのだ。
 そして、もしも港湾規制緩和のEU指令が強行されるならば、動員を続行すると宣言した。「われわれには、長期消耗戦を貫徹する力がある」 

 船員に荷役作業

 EUの港湾規制緩和の軸は°セルフ・ハンドリング″といわれるものだ。港湾労働者が行ってきた荷役作業を貨物船乗組員に行わせるということだ。
 その第一の狙いは、港湾労働者の仕事を奪って労組をつぶすことだ。95年のイギリス・リバプール港の労働者全員解雇と同質の攻撃が全欧州規模でかけられてきているのだ。
 海員労働者にとってもセルフ・ハンドリングは重大だ。船舶運航のほかに荷役まで強いられるのは、極度の労働強化だ。また荷役には、巨大機械の操縦など大きな危険があり、船員に行わせれば労災が激増する。

 階級的世界組織

 この全欧州規模の闘いは、02年11月から始まり、ストライキが繰り返されてきた。特にイラク侵略戦争の開戦直前の3月中旬には、参戦国スペインを始めとして各国で大規模ストが行われた。
 この国際統一行動を支えているのが国際港湾労働者協議会(IDC)だ。
 IDCは、2000年6月、戦闘的な港湾労働運動の歴史を持つスペインのテネリファで、11カ国3万人の港湾労働者を代表する労組が集まって結成された。
 「現在のグローバル化が市場原理主義と雇用柔軟化を生み出している」
 「労働者が闘い取ってきた労働運動の基本的権利が侵害されている」
 「世界中の港湾労働者が職域の喪失、サービスの質の低下、事故の危険性の増大、雇用の不安定化など共通の問題に直面している」
 「この状況への組合の回答がIDCだ。これだけがさまざまな港湾労働者グループと諸労組をまとめてひとつの声にしうる唯一の国際的な規模の組織」
 以上のような趣旨でIDCはつくられた。
 それまでは、国際運輸労連(ITF)の港湾部会が国際的活動をカバーしてきた。この間、ITF港湾部会は、規制緩和と外注化、労組破壊の攻撃との対決を強めてきたが、そうした戦闘化を牽引(けんいん)してきた潮流がIDCを結成したのだ。
 スペインの「コオディナドーラ」を始め、フランス、スウェーデン、ギリシャ、チリの港湾労組が呼びかけ、北米西海岸のILWU、同東海岸の国際港湾組合(ILA)のローカル1422(チャールストン港)、ローカル123(カナダ)やリバプール港の被解雇者組織などが賛同していった。

 反戦で再生へ

 ILA本部は、「ILAとは“I Love America”のこと。ブッシュ大統領の戦争の決断を支えるために働く」と言っている。
 これに対し、IDCはイラク反戦を鮮明にして実力闘争を強めている。ILAの有力な諸支部がIDCの中軸を担って本部と公然と闘っている。
 米帝を始めとした帝国主義を足元から転覆していく全世界の労働運動の階級的再生が圧倒的に始まったのだ。11・9日比谷の大集会で国際連帯を強めよう。
 (平岡保)

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週刊『前進』(2124号4面4)(2003/11/03)

絶好の情勢が到来した 動労千葉の32回大会宣言

 動労千葉は10月5、6日、第32回定期大会を開き、国際連帯、第二の分割民営化粉砕、JR総連解体―組織拡大の3大闘争方針を確立し、戦闘態勢を打ち固めた。動労千葉の決起にこたえ、11・9労働者集会の成功へ全力で闘いぬこう。動労千葉の大会宣言を紹介します。(見出しは編集局)

 大会宣言 

 われわれは第32回定期大会をDC会館において開催し、第二の分割・民営化攻撃、小泉―奥田体制による労働者への戦後史を画する攻撃にたち向い、有事立法制定―イラク侵略戦争に反対して闘いぬいた03春闘や、水野・勝浦市議選―中村・御宿町議選の勝利を軸としたこの一年間の闘いを高らかに総括し、新たな闘いの方針を決定した。とくにこの一年間の奮闘は、動労千葉の闘いが国際的に大きな注目を集めるという画期的な地平をきりひらいた。労働運動の原則と団結を守りぬいたわれわれの営々たる闘いが、世界に通用するものであったことが証明されたのである。
 いま世界は大きな変革期を迎えている。一昨年の「9・11」、そして3・20イラク侵略戦争によって歴史は一変した。その根底には万策尽き、出口を失った資本主義体制の危機がある。資本主義体制の矛盾が、戦争という暴力的手段でしか「解決」のつかない時代が到来し、むきだしの戦争政策、帝国主義政策が世界を覆う恐るべき光景が生みだされている。しかし、激しい怒りの声の前に、米・ブッシュ政権によるイラク―中東政策は完全な泥沼に陥り、空前の財政赤字・経常赤字にあえぎ、アメリカ万能神話は崩れ去ろうとしている。しかしブッシュ政権は、二進も三進も(にっちもさっちも)いかない危機につき動かされ、イラン、北朝鮮へのさらなる侵略戦争に絶望的につき進もうとしている。
 一方、全世界で労働者・民衆が、空前の規模で闘いに起(た)ちあがっている。ブッシュのアメリカで、ヨーロッパで、中東で、アジアで、その闘いは世界規模で燃え上がっている。闘いは国際的な連帯と団結を生みだし、そのなかから、新しい社会を見いだす力がとり戻されようとしている。その中心を担っているのは、急速に戦闘性を回復しつつある労働組合だ。
 有事関連三法の制定をもって、日本は再び戦争への道を踏みだした。憲法9条はふみにじられ、戦争への歯止めが外れようとしている。有事関連三法は、北朝鮮への侵略戦争を視野に入れた戦争遂行法であり、国家総動員法だ。小泉政権は、北朝鮮への排外主義を煽(あお)りたてて戦争への道を突き進んでいる。またそれと一体で、労働者の生きる権利を奪い尽くす攻撃が嵐のように吹き荒れている。小泉−奥田路線のもとに、大多数の労働者を不安定雇用に突き落とす労働法制の抜本的改悪が強行され、解雇が使用者の「権利」として労基法に明記され、労働者の団結権そのものを否定するに等しい労働運動への弾圧攻撃がエスカレートしている。
 9月23日に誕生した第二次小泉内閣は、まさに「戦争遂行−改憲内閣」である。小泉はこの超タカ派・極右政権で、テロ特措法を延長し、イラクへの自衛隊派兵を強行し、ぼう大な数にのぼる有事関連法を通し、共謀罪の新設、教育基本法改悪、労組法改悪、司法「改革」、年金法改悪等を一気に強行し、改憲へのレールを敷こうとしているのだ。力のかぎりを尽くしてこの攻撃と闘わなければならない。
 日本の労働運動は、新たな大再編過程に入っている。連合はその評価委員会報告で「内部崩壊の危機」を自認し、全労連のなかからも大反乱が起きている。総屈服を深める労働運動の現状に対する我慢のならない怒りの声が噴出し、労働運動のこれまでの枠組みが崩壊しようとしているのだ。
 国鉄労働運動も、戦国時代のような大流動情勢に入っている。国労本部は、闘争団の仲間たちを統制処分し、自らの組合員を権力に売り渡して、労働組合としての最後の一線を踏みこえ、自己崩壊の道を転落している。
 一方JR総連・革マルは、おぞましい内部抗争を繰り広げ、松崎支配−JR結託体制はついに崩壊しようとしている。本格的な組織拡大を実現し、職場から総反撃を開始するこれまでにない絶好のチャンスが到来している。こうした状況に真正面から闘いを挑み、一〇四七名闘争勝利、第二の分割・民営化攻撃粉砕、国鉄−JR労働運動の再生をめざして全力で起ちあがらなければならない。
 苦しくとも、労働運動の原則を守りぬいてきたからこそ今日の動労千葉がある。そしてその闘いが実を結ぶ絶好の情勢が到来している。われわれは、本定期大会で「三大闘争方針」を決定した。それは、この一年の闘いが築いた国際連帯の地平を全面的に発展させることであり、習志野電車区廃止と賃金制度改悪を焦点とした第二の分割・民営化攻撃粉砕の闘いに組織の存亡をかけて起ちあがることであり、そして何よりも、東労組の革マル結託体制が音をたてて崩壊し始めるという絶好の情勢に対して、JR総連解体−組織防衛・強化・拡大闘争への全組合員の総決起をかちとることである。われわれは、ILWUローカル10や、サンフランシスコ労働者評議会、韓国民主労総との交流から、原則を貫いた労働者の闘いは無限の連帯と共感を生み、必ず時代をきりひらくということを学んだ。有事体制下に通用する動労千葉への飛躍をかけて、不屈の団結をさらに鍛え、労働者が真に社会の主人公となる歴史の一ページをきりひらこう。11・9労働者集会をそのステップとしよう。新たなる闘いへ! 新たなる連体の絆にかけて! ニュービギニング!
 右、宣言する。 
二○○三年一○月六日
 国鉄千葉動力車労働組合 第三二回定期大会

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週刊『前進』(2124号4面5)(2003/11/03)

日誌'03 10月15日〜21日
 日米首脳会談で15億ドル表明 石破がイラク派兵準備指示

●米当局者狙い爆弾 パレスチナ自治区ガザ北部で、米政府当局者らを乗せた車列で爆弾が爆発し、米国人3人が死亡した。米国は14日の国連安保理でイスラエルが建設中の分離壁を違法とするよう求める決議案に拒否権を発動したばかり。(15日)
●イラク復興資金、初年15億j 政府はイラク復興資金について、初年の04年分として電力、給水など生活基盤の再建に向け15億j(約1650億円)の無償資金を提供することを決定した。(15日)
●イラク新決議採択 国連安全保障理事会が、イラクへの多国籍軍派遣や復興計画をめぐる「決議1511」を全会一致で採択した。米国が提出していた決議案を修正したことに応じた。(16日)
●イラク駐留米兵、半数が「士気低い」 米軍準機関紙「星条旗新聞」がイラク駐留の米兵に行ったアンケートの結果を発表。「所属部隊の士気は低い」の回答が49%に達し、「現在の任務終了後は軍にとどまらない」との回答も49%に達した。(16日)
●「不法滞在半減」へ国と都が共同宣言 法務省入国管理局と東京入国管理局、東京都、警視庁が、「東京都内の不法滞在外国人一掃」を掲げた共同宣言を発表した。「東京の不法滞在者を今後5年間で半減させることをめざす」としている。治安弾圧の強化を狙っている。(17日)
●自衛隊に準備指示 石破防衛庁長官が、「(政府が派遣を)決定した時に円滑かつ迅速に遂行できるよう作業を行っている」と述べ、石破長官の指示でイラク復興支援特別措置法に基づく自衛隊派兵の準備作業に着手したことを明らかにした。(17日)
●「戦闘終結後」米側死者百人超す バグダッドで爆発があり、米兵1人が死亡した。5月1日にブッシュ大統領がイラク戦争の戦闘終了宣言を発して以来、イラクで敵対行為による米兵の死者数が101人に達した。(17日)
●ブッシュ訪日し日米首脳会談 ブッシュ米大統領が訪日し、小泉首相との日米首脳会談が行われた。小泉は、イラク復興支援で15億jの資金拠出や自衛隊の早期派遣を念頭に「積極的貢献」を表明した。(17日)
●米両院、イラク歳出可決 米上下院本会議が、ブッシュが求めていたイラク復興と駐留費用など総額870億j(約9兆4800億円)の補正予算案を可決した。(17日)
●韓国がイラク追加派兵を発表 韓国政府は、イラクに数千人規模の戦闘部隊の追加派兵と2億j(約220億円)の無償資金援助実施の方針を決め、発表した。(18日)
●「日本も標的」とビンラディン氏声明 カタールの衛星放送アルジャジーラが、アルカイダの指導者オサマ・ビンラディン氏とされる人物の声明を放送した。声明はイラクで米軍とイラク人代表がつくる統治評議会を「イスラムの敵」として、イスラム教徒に聖戦を求めた。また、米国に協力するものとして日本も標的であることを名指しした。(18日)
●北朝鮮の安全の保証、米が文書化表明 アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議出席でタイを訪問中のブッシュ米大統領と胡錦涛中国国家主席がバンコク市内で会談し、北朝鮮が核開発計画の放棄の見返りとして求めている「安全の保証」に関して、6者協議の枠組みで検討することで一致した。これに先立ち、ブッシュは「6者協議参加国の同意を得て北朝鮮を侵略しない保証を文書化する」という意向を初めて表明した。(19日)
●海自派遣の半年延長を閣議決定 政府は安全保障会議と閣議で、テロ対策特別措置法に基づき、インド洋で対米支援している海上自衛隊の活動期間を11月2日から04年5月1日まで半年延長する基本計画を決定した。(21日)

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週刊『前進』(2124号5面1)(2003/11/03)

11・9に全逓労働者の総決起を 12月全逓臨時大会−名称変更=全逓解体は断じて認めない
 郵政民営化攻撃粉砕しよう
 革共同全逓委員会

 11・9労働者集会は衆議院選挙の投票日に開催される。日帝・小泉は、ここに侵略戦争と改憲と一大資本攻勢の奥田路線の貫徹をかけている。片や民主党は、極反動の自由党・小沢をも取り込み、奥田路線の貫徹を自民党と競い合っている政党だ。小泉は「07年郵政民営化」を選挙公約の柱にすえている。民主党もまた「郵便事業への民間企業の参入を大胆に進める」ことを公約とする民営化推進派にほかならない。このかつてない翼賛選挙をぶち破り、闘う全逓労働者の総決起を実現しよう。11月9日、日比谷野音こそが闘う労働者の結集すべき投票所だ。まさに11・9は小泉=奥田路線による郵政民営化攻撃との当面する最大の激突の日となったのだ。

 翼賛選挙打ち破り日比谷に大隊列を

 6月全逓全国大会は、これまでの大会以上に、殺人的深夜労働の導入を始めとする本部方針に反対意見が続出し、白票も合わせると全代議員の3分の1の反対票が連合全逓本部に突きつけられた。
 この6月全逓大会に始まり、「21世紀宣言」を否決した自治労定期大会とその後の続開大会にいたる、全逓、自治労、日教組そして国労という4大産別を始め各大会をとおして、連合指導部がどんなに屈服し転向しても、絶対にそれを認めない現場労働者の怒りの激しさが示された。
 連合が組合組織の丸ごとの変質をとおして労働者の戦闘性と階級性を完全に圧殺し、産業報国会へと自己を完成させようとしても、断じて「平定」することなどできないのだ。
 全逓の現場労働者の中には、連合全逓本部に対する「これが労働組合と言えるのか」という怒りが渦巻いている。これを11月労働者集会に総結集しよう。ここに12月1、2日全逓臨時全国大会闘争の成否もかかっている。11・9を闘う全逓労働者の総決起と総団結の日とするのだ。「民主党に投票せよ」などと言って翼賛選挙を推進する中央本部を打ち破って、闘う全逓労働者が11月9日に行くべき所は日比谷野音である。全国から結集した闘う全逓労働者の強固な隊列を登場させよう。
 01年「9・11」で世界は変わった。9・11に対する帝国主義のアフガニスタンとイラクを始めとする侵略戦争の大反動に対して、世界の労働者人民はその戦闘性と階級性をもって、総反撃に立ち上がっている。
 今や世界で日本で労働者階級人民の反転攻勢が始まっている。イラク侵略戦争と切迫する朝鮮侵略戦争を前にして、何よりもまずアメリカと韓国の労働者と手をつなぎ、ともにスクラムを組むことだ。イギリス・ロンドンの郵便労働者は、民営会社による首切り撤回、賃上げを要求し、ブレア政権と真っ向から対決し、大規模なストライキを闘っているではないか(本紙2121号参照)。
 これと連帯し、全逓労働者こそ小泉の戦争政治と郵政民営化攻撃を粉砕する先頭に立とう。

 名称変更の狙いは全逓丸ごとの変質

 日帝・小泉政権と日本経団連・奥田らがやろうとしていることは、戦争と大失業の時代における労組丸ごとの変質、全逓、自治労、日教組、国労など丸ごとの変質をかけた攻撃である。そうでなければ戦時下における労働者支配は成り立たないからだ。
 そして、この点にこそ今までとは違う敵の攻撃の激しさと同時に破綻(はたん)がある。実は日帝・小泉=奥田自身が危機そのものであり、追い詰められているということである。
 10月15日、全逓を始め自治労、日教組など連合傘下の14労組が「公務公共サービス労働組合協議会」なるものを結成した。その行き着く先は、自治労「21世紀宣言」や、全逓臨大第1号議案「公社時代における郵政労働運動の構築と組織・財政の改革」などに示される、もはや労働組合とは言えない翼賛組織への完全な変質である。
 連合全逓中央は、奥田ビジョンや「連合評価委員会」が要求する新たな「産業報国会」の道を、自治労中央などとともに連合の最先頭で進もうとしているのだ。
 このような中で、小泉構造改革路線の命運をかけた郵政民営化攻撃との攻防、そして全逓の名称変更・組織再編をめぐる12月臨時大会攻防を迎えている。
 全電通がNTT労組に名称変更したことと、実質50歳定年制や子会社への転籍を認め、組合員を売り渡して人減らしと非常勤化を積極推進する組合へと変質したこととは一体のものであった。組織再編の結果は、現場組合員の声が一切圧殺され、中央本部が会社との密室交渉で合意したことを現場に強制する組織への変質だった。全逓中央は、こういうことをやろうとしている。
 実際、臨時大会の代議員選挙で、中央本部や地方本部は、候補者に「支部委員長または書記長」という枠を強制し、大会傍聴も本部派支部役員の傍聴のみで、現場組合員の傍聴をまたもや排除しようとしている。
 全逓の名称変更による「組織・財政改革」とは、本部権限の独裁的強化であり、大支部制導入により支部・分会活動を解体するものである。「コミュニケーション・ルール」改悪は、単局折衝を廃止し、現場から交渉権を奪うものだ。中央での密室協議にフリーハンドを与える一方で、労働組合の根幹をなす団体交渉権を否定するものである。

 退職か現職死亡か殺人的な夜間労働

 さらに許せないのは殺人的な夜間労働の改悪である。中央本部は夜間労働見直しの「大綱整理」を打ち出し、公社との妥結を強行した。57回全国大会では、すべての発言が反対意見だったにもかかわらず、中央は「一任を取りつけた」として「大綱整理」を出してきた。
 4週間のうち3週間も夜間勤務。加えて10時間深夜勤が8回も入るというパターン。これでどうやって人間的な生活が送れるというのか。職場には通勤に2時間以上かかる仲間も大勢いる。家に帰って満足に寝ることもできない。まさに「退職か現職死亡か」を迫るものだ。本部は、組合員を殺す気か。
 本部は「今回の回答でぎりぎりの段階」と言っている。ふざけるんじゃない。
 公社の正式提案は大会の後であり、このよりひどい勤務指定の例や特例休息の廃止、さらに夜間勤務の回数制限の撤廃など、誰ひとり承認を与えていない。
 一般局の夜間手当の増額と言っても、最低ランク局で見れば、新夜勤および深夜勤(10時間を除く)で200円増額の1600円、調整深夜勤および10時間深夜勤で100円増額の1700円でしかない。こんな涙金で命を削れというのか。こうした夜間労働の改悪は、8時間労働制の解体であり、歴史を百年以上前に引き戻すことだ。
 1886年、全米の労働者が「仕事に8時間を、休息に8時間を、おれたちがやりたいことに8時間を」と、8時間労働制を要求してストライキに立ち上がった。この時、シカゴでは機械労働者4人が警官に射殺され、全米でも多くの労働者が弾圧された。しかし全世界の労働者は不屈に闘いぬいた。1917年のロシア革命で8時間労働制が初めて国の法律として確立し、19年のILO第1回総会で「1日8時間・週48時間」労働制が国際基準として確立した。
 中央本部は、この全世界の労働者の血と汗によってかちとられてきた8時間労働制を解体しようとしている。これを絶対に粉砕しなければならない。
 9月5日に郵政公社と全逓、全郵政との間で秘密裏に行われた「第1回日本郵政公社事業改革協議会」で、生田総裁は郵政事業の危機、とりわけ郵便事業の赤字を訴え、利益至上主義をむきだしにしてアクションプランとトヨタ方式(JPS)の推進を組合側に迫った。石川委員長を始め出席した全逓本部役員は、全郵政とともに、労資一体を誓ったのである。
 だが、アクションプランとは1万7千人以上の人減らし合理化のことだ。トヨタ方式とは、労働者を徹底して物や機械扱いし、死ぬまで使いつぶすことである。生田はこの会議で「日本の上場企業の中で、常勤職員の割合が……なんと43%です。よい会社と言われるほど常勤比率は低い」と言い放ち、郵政の非常勤化をどしどし行うとした。全逓中央は、これに全面承認を与え、その積極推進者となっているのだ。今こそ現場労働者の怒りで、連合全逓中央を総退陣へ追い込むべき時である。

 職場の怒り結集し全逓中央総退陣へ

 小泉=奥田路線の生命線をなす郵政民営化攻撃、すなわち全逓解体攻撃を核心とするアクションプランやトヨタ方式導入、さらに人事制度改悪や給与制度改悪など、何ひとつうまく進んではいない。逆に日々高まる組合員の怒りに直面し、公社も全逓本部も、心底から恐怖を抱いている。
 日本郵政公社事業改革協議会の場において石川委員長は、何もかも公社の言いなりになるとしながらも、会議の最後のところで「生田さん。こんなことで経営が持つのか、経営が維持できるのであれば、生田さん、『できる』と言ってください」と泣きついている始末である。「経営が赤字になったら、また『要員を減らせ』ということになるでしょう」と、アクションプランを上回る人員削減攻撃をあらかじめ容認しているのだ。
 そもそも民営化攻撃そのものが土台からして破産的なものなのだ。だからこそ、一切の矛盾を現場労働者に押しつけ、首を切り、命を削ることで突破しようとしてきている。
 この点でアクションプランの攻撃の激しさと同時にその破綻点がある。そして、その最大の戦場を郵便職場にすえてきているのだ。ただ働きなしに成り立たないほどの要員削減と恒常的欠員、そして夜間勤務の回数制限撤廃など、公社と全逓本部が進めようとしている施策が明らかになるや、積もりに積もった現場の怒りが噴出している。「全逓を変えることが組合員の雇用と幸せを守る」などという本部のウソ八百を暴き、とりわけ郵便職場から総反撃に立ち上がる時なのだ。
 全国で始まっている組合員の怒りをひとつに結集させるために、11月労働者集会への総決起を全組合員に訴えよう。12月臨大で何が強行されようとしているのか、支部・分会で職場討議を組織し、反対意見を分会・支部・地方で組織する闘いに入ろう。本部派を打倒し、闘う全逓の旗を支部・分会に打ち立てていくことが必要だ。支部・分会の拠点化に向けた職場フラクションと党細胞を建設する闘いに挑戦しよう。
 郵政民営化攻撃を打ち破る闘いは、日帝・小泉=奥田路線を打ち破り、連合内からの巨大な反乱の火柱を打ち立てる決定的環を握っている。この点に全逓のみならず日本労働運動の命運がかかっている。
 今こそ全逓中央本部打倒を真正面から掲げ、11月労働者集会をもって闘う全国的潮流として登場しよう。
 12月1日は、4・28処分粉砕の控訴審闘争の日でもある。12月臨大闘争を4・28闘争と一体で闘おう。

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週刊『前進』(2124号5面2)(2003/11/03)

社会保障解体阻止へ 生存権は譲れぬ D生活保護の抜本改悪
 人口比1%の低い保護率 最低生活費基準を大幅減

 社会保障制度の根幹への攻撃

 政府は、03年7月、生活保護制度「抜本見直し」のための専門委員会を厚労省内に発足させ、早ければ04年度からの実施をもくろんでいる。
 財政制度審議会がここ数年の受給者急増による財政負担を指摘し引き締めを求めた。これをうけて厚労省は、@基準となる最低生活費の大幅減額、A高齢者世帯と母子世帯への加算制度の廃止ないし減額、B子どもの多い世帯への給付減などを専門委に付託した。専門委では「扶助を受けずにがんばっている人の生活水準との逆転がある」「保護基準が高すぎて就労意欲を阻害している」などの論議がなされている。
 たしかに生活保護を受けずに最低生活費基準以下で暮らしている世帯は近年ますます増加している。だが、基準以下の世帯が給付対象になっていないことこそ問題なのである。また生活保護受給者は、就労意欲があっても就職できないのが現実ではないか。好んで生活困窮に陥ったわけではない。広範な労働者人民が戦争と大失業の時代ゆえに生存権を脅かされているのだ。
 最低生活費の基準額は、最低賃金制やさまざまな福祉政策、減免制度などの指標になっている。憲法第25条でうたう「健康で文化的な生活」の最低生活費を減額するというのである。直接の生活保護受給者の不利益にとどまらず、社会保障制度の根幹への攻撃であり、全労働者に波及する問題である。

 失業の長期化で受給者が激増

 生保受給者の増加は95年度に始まって、99年度に100万人をこえた。03年5月時点で受給者は約130万5千人となり、人口の約1%を超えた。それでもイギリスの8・8%(93年)、アメリカの7・9%(93年)に比較すると極端に低い保護率でしかない。
 日本の失業者数は、約350万人で横ばい、失業期間の長期化が目立っている。若年層の就職口がない。完全失業者の3分の1しか雇用保険を受給していない(できない)。倒産・夜逃げが増えている。4年連続で中高年男性を中心にした自殺者が3万人を超えている。家族崩壊・離婚と母子世帯が増えている。
 02年に成立したホームレス自立支援法による全国調査によると、路上生活者の64%は元正社員か自営業者である。3分の2が社会保険加入者だった人たちだ。「ごく普通に1年前まで勤め人だった人が路上や車の中で生活している」(朝日新聞)のである。
 「最後のセーフティーネット」といわれる生活保護制度が機能していないことこそが問題なのだ。

 生存権の保障は国家の責任だ

 戦前の救護法は「原則として家族・親族の責任」「市町村の費用責任」が主であり、国は補助するにすぎなかった。「困窮者=怠惰者」とみなす欠格条項によって救護法はごく例外的にしか適用されなかった。
 50年改正の現生活保護法は、憲法の保障する生存権規定を基礎に〔無差別平等・国家責任・公私分離〕の3原則を規定し、欠格条項は破棄された。困窮にいたる原因や過程は問わず、今現在の困窮の度に応じて保護する原則である。
 だが同じ50年、吉田政権の社会保障制度審議会「50年勧告」は「(日本の)社会保障の中心をなすものは社会保険制度でなければならない」とし公的扶助の抑制を勧告している。以来、生活保護は「(本人だけではなく一族の)恥」というスティグマ(心に負わされたいやしがたい傷)を与えて受給抑制をし続けている。
 80年代以後、行政は暴力団不正受給を機に「適正化123号通知」(81年)を出し、申請者に「諸調査の包括同意書」を要求し「辞退書類」にサインさせるなど受給抑制をしてきた。同時に見ておくべきは行政の窓口を担う自治体労働者の労働者階級としての団結と意識の度合い、福祉現場の階級的力関係に応じて受給抑制攻撃は阻まれてきた。
 社会保障審議会「95年勧告」は「国民皆保険・皆年金の整備で先進諸国に遜色(そんしょく)ない制度ができたから自立と連帯を基本とする社会保険料負担が中心となるのは当然」とした。2000年の介護保険制度導入は、「措置から契約へ」「応能負担から応益負担へ」「市場原理へ」の転換を急激に推進した。今こそ社会保障制度解体にストップをかけよう。
 消費税増税と年金改悪、生活保護と社会保障制度解体の小泉政権と連合=民主党を打倒し、労働者の団結の力で生存権を守りぬこう。
 (林佐和子)

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週刊『前進』(2124号5面3)(2003/11/03)

弾圧と闘う 水嶋同志の保釈取り消し弾劾

 10月20日、東京高裁第4刑事部(仙波厚裁判長)は、88年9・21千葉県収用委会長せん滅戦闘デッチあげ弾圧被告・水嶋秀樹同志に対して、東京地裁が決定した保釈許可を取り消す決定を行った。許しがたい暴挙であり、徹底弾劾する。
 これまで20回に及ぶ公判をとおして、水嶋同志の無実はあらゆる角度から証明され尽くしている。こうした審理を踏まえ、東京地裁刑事第1部(川口宰護裁判長)は10月10日、3度目の保釈許可を決定していた。ところが検察官が即日抗告し、高裁が抗告を認めたのだ。
 水嶋同志は無実である。無実の水嶋同志がすでに2年半も長期勾留されているのだ。こんな理不尽、人権じゅうりんを許せるか。
 水嶋同志の写真を「特定」したとされる転向裏切り分子・正井利明は、公判に4回出廷し、法廷で合計12時間水嶋同志を見つめ、動作も見て、会話もして、またすぐそばに並んで立って身長も比較した。その上で、「私が昔、一緒に9・21の事件に関与していたAという人物と、今の被告人席に座っている人物がどうも一致しない」「身体的特徴がことごとく違う」から「水嶋さんはAではない」と明確に証言した。
 この正井証言だけで、水嶋同志の無実は確定したのである。
 さらに、鮮明なアリバイもある。88年9・21戦闘当時、水嶋同志は徳島市にいた。また、正井が初めてAと会ったとされる時(87年夏)には、福井市にいた。このアリバイは2人の証人によってきっぱりと証言されている。
 アリバイ証言に打撃を受けた検察官は、「2人の証人は、30年以上も前のことなど覚えているはずがない。信用できない」などとして抗告した。
 アリバイ証言は「14年から16年前のこと」であり、「30年以上も前」のことでは断じてない。保釈を阻止するためには平気で大うそをつく検察官を断じて許すことができない。
 東京高裁・仙波裁判長は検事のこのデタラメな抗告を認め、実質的に審理が終了したこの段階におよんでも、「罪証を隠滅する恐れ」を理由に保釈請求を却下した。
 さらに、「本件勾留が不当に長くなっているとまでは言えない」と言い放ったのだ。
 「戦争と大恐慌」下で治安体制の強化が一挙に進行している。
 高裁決定は、デッチあげ弾圧と不屈に闘う水嶋同志への憎悪と敵意をむき出しにした、絶対に獄から出さないという悪逆な国家意思であり、人権無視の「刑事司法大改悪」の先取り攻撃そのものである。
 高裁決定を徹底的に弾劾し、無実の水嶋同志の奪還を一日も早くかちとろう。

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週刊『前進』(2124号5面4)(2003/11/03)

 公判日程

☆迎賓館・横田裁判
福嶋昌男同志裁判
10月29日(水)午後1時15分
☆水嶋秀樹同志裁判
11月12日(水)午後1時30分
 *いずれも東京地裁

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週刊『前進』(2124号6面1)(2003/11/03)

団結ひろば 投稿コーナー

 11・9集会参加訴え自治労職場をオルグ 関東 北野一郎

 11・9労働者集会へのオルグのためA市の委託で体育館等の管理業務を行っている職場の組合委員長Bさんに会った。この職場は、前委員長のよしみで時々、動労千葉の物販に協力している職場だ。Bさんと話をしたのは今回が初めてだ。
 冒頭「9・28自治労続開大会」の話を切りだした。自治労県本部での賛否の意見が出されていたのを知っていたが、再採決の方針については疑問を持っていなかったようだ。だが、「21世紀宣言」とは政労使一体で経団連・奥田ビジョンの不安定雇用化を一層推し進める路線であるとの暴露に対して激甚に反応した。
 「私はもう定年間近なのでかまわないが、若い人たちのためにもなんとかしていきたい」
 「こういう職場は民営化は無理なのだ。民間でも手を出さないだろう。利用者を増やすためにさまざまな努力をしている。我々現場の声が市の方に届かない」
 「市当局が無視しているのか」の質問に対し、「出向してくる市職員が問題。仕事に対し腰掛け的で、この職場に対して関心を示そうともしない。市民の健康維持のための運動器具についての体験を求めても、運動は苦手だといって断ってくる。我々の職場を理解しようという気持ちがないのでは」とため息が漏れた。
 「年々正職員が減っている。退職者に対する補充がなされていない。年金の65歳支払い化に向けて、市からの定年退職者雇用で補充が形式的に行われている。我々の現場で退職した人たちと比べてもほとんど戦力にならない」
 「動労千葉のように闘おうという提起は興味がある。11・9については若い人たちに提起したい」
 資本や行政によって今、労働者は分断されている。それを克服するためには自治体労働者の闘いの変革も同時に問われている。

 闘争団家族の気持ち踏みにじる鈴木証言 東京・IT労働者 久住尚子

 10月6日、国労臨大闘争弾圧の公判で東京地本の鈴木勉執行委員の証言が行われると聞き、職場の休暇をとって傍聴しました。
 鈴木証人の証言で、特に怒りを感じたのは、2000年7月1日の臨大についての証言です。あの時、人生をかけて必死の訴えをした家族会の藤保さんの発言について感想を聞かれて「力いっぱい発言してはいた」とだけ述べ、彼女の気持ちを受け止めることを拒否したのです。「議場の混乱」は、鈴木証人その人が、議運として強行採決をしようとしたことによって起きたのだ、という弁護側の追及にも、「会場の時間の関係で」などと言い訳に終始しました。
 5・27臨大について「招集されたのがたった11日前、議案に至っては代議員でも当日初めて見た人も多かった。現場の組合員の声を集約する時間などまったくなかった。これで民主的と言えるのか。被告たちが、せめて、当日朝、代議員に声を伝えたい、と思うのは当然ではないか」という弁護団の追及に、「代議員は前年の選挙で選ばれて任期が継続している」などと形式論を繰り返すのみ。弁護団からは「まるで小泉政権と同じではないか。選挙で選ばれているから有事立法でも何でもやっていい、という!」と、怒りの声が上がりました。
 鈴木証人は革同だと言われています。国会で決まれば「日の丸・君が代」にも屈服する、有事立法にも協力する、という日本共産党の論理そのものだなあ、とつくづく思いました。
 途中の休憩の時、私の隣に座っていた革同と思われる人たちは、弁護側の追及の鋭さに圧倒されたのか、「これじゃ、途中で帰るわけにいかないなあ」とぼやいていました。被告席に座らされている組合員のことをどう思っているのか、問い詰めたい気持ちでした。
 警察に魂を売った執行部のために、国労組合員が1年も獄中にいる、この現実を一刻も早く打ち破らねば、と強く思いました。

 実り多かった国労闘争団激励ツアー 東京 河井 緑

 9月初旬、7名で北海道の国労闘争団二つを激励ツアーで訪問した。
 今年で4回目だ。いろんな闘争団を回ってきたが、A闘争団は毎年行っている。今年はA地域の団結まつりに参加でき、300名ほどの参加者に紹介してもらい、交流会では「5・27弾圧」問題を訴え、2闘争団で100名の署名をもらってきた。また支援協で取り組みの約束をもらい、今取り組んでいると聞いている。参加者で報告集をつくり、10・19亀戸公園での団結まつりで再会し報告集を渡してきたところだ。
 2000年7・1以降に始めた「国労闘争団激励ツアー」は、取り組む私たち労働者にとってどういう意義を生み出しているか。@連合傘下の労組が、日経連のいう「帰属性を失い崩壊の一歩手前」の状況を否定できない中で、千名近くが「闘争団」をつくり「国家的不当労働行為」と闘いぬいている状況と向かい、生きざまと交流してくることは、「団結を維持し闘い続ける息吹」を職場に還流していく奮起を生み出す。A今回特に感じたが、地域の支援労組があって初めて「家族ぐるみで生き、闘い続けられる」こと。分割・民営化が過疎化と都市集中を生み、「原職復帰」の闘いは日本の帝国主義の労働運動解体・棄民化政策との闘いでもあること。その意味でも産別を超えた普遍的闘いである。B米・韓国の戦闘的労働運動は「民営化反対」の闘いを展開しているが、日本では87年の国鉄分割・民営化との闘いで動労千葉が2波のストで闘い、今も闘い続けている。
 日・米・韓の国際連帯の闘いは、動労千葉を軸に3労組ネットワーク運動と1047名闘争が共同闘争になることがカギである。「5・27弾圧を許さない」闘いの広範な運動展開で、それをつくりだそう。

 中核派の街宣を見て熱いもの込み上げる 東京・自治体労働者 中村信吾

 9月の夕方、私鉄駅前で中核派の街宣を見ました。以前から街宣活動をしていると知っていましたが、自分が出会ったのは初めてです。自分は仕事の途中で車に乗っていたのですぐにその場を離れなければならなかったが、中核旗を出し、トラメガでアジっている姿に熱いものがこみ上げてきて、その日の仕事の疲れを忘れるくらい勇気づけられました。
 北朝鮮に対するすさまじい排外主義、右翼によるテロ、石原のファシスト的暴言、これらと真っ向から戦うのは、戦えるのは一体だれなのか。
 イラク反戦が世界的に高揚した時、有事立法や北朝鮮について、あえて触れようとしない人達もいた。しかし、逆風の中でも一人で声を上げていた人も確かにいた。その叫びを何故聞こうとしないのか、応えようとしないのか。
 僕は本当に命をかけた叫びに応えることができるのは中核派しかいないと思っている。安保闘争や三里塚闘争、80年代、90年代の本当に命をかけての闘いの数々がそれを証明している。いわゆる新左翼と呼ばれているグループの中でこれほどの闘いをやり、弾圧を受けながら闘い続けている党派が他にあるか。カクマルの白色テロ、権力の弾圧に正面から対決できず屈服した党派に何が期待できるのか。
 自分は断固中核派を支持するし、今後は、陰ながらから少し前に出て応援していきたいと思っています。
 『前進』の紙面改革が進んでいると感じていますが正直言って青年労働者にとっては難解な用語が依然として多いと思います。青年労働者の獲得にはここが重要ではないでしょうか。
 前進社から出版されている古典文献シリーズを読んでいても同じように感じています。
 少ないですがカンパを入れておきます。大切に使って下さい。
☆カンパありがとうございます。11・9日比谷野音で会いましょう!(編集局)

 原発再開のためのデマ宣伝を弾劾する 東京 菅野健一

 夏を前に「原発を再稼働させないと電力危機で首都圏は大停電になる」などとさかんにキャンペーンされていました。
 しかし例えば気温が33・3℃(東京)であった8月5日の最大電力は5650万KW。この日、全17原発が停止状況にあった東京電力が確保した電力は6180万KWで、原発5基分に相当する500万KWも余力があり、はからずも「原発は必要ない」ことが証明されたのです。
 このキャンペーンは、もとはといえば昨年夏以来、各地の原発で発生していたシュラウド(炉心隔壁)のヒビ割れ(いまだに原因はよく分かっていない)とデータ改ざんにその原因があり、その結果、今年の4月15日以来、福島県と新潟県にある東電の全17原発(約1700万KW)がストップしたのです。
 このキャンペーンに対し福島市民は訴えています。「福島の電力を使っている東京の人のどれだけが、原発所在地の不安を理解しているのか。こう考えてみてください。東京のド真ん中に原発があり、それが東電の不正が明らかになったことで止まった。停電になるかもしれないから、不安があっても原発を動かしたいと思うでしょうか」と。
 「イランがウランを入手したから核開発だ」「北朝鮮も核開発をやろうとしている」などと非難する前に、原子力開発という名の日本の核開発をこそ問題にしなければなりません。
 日本はウランを大量に買い込み濃縮して原発の燃料にしています。濃縮の残りカスが、米軍がアフガニスタンやイラクなどで使用した劣化ウラン弾の材料になっています。日本は、この劣化ウランを9千dも持っています。さらに原発を運転して生産され、原爆の材料となるプルトニウムを日本はすでに40dも保有しているのです。
 「電力の安定供給のために原発がある」というのは悪らつなデマであり、真実は日本の核武装のために原発などの核施設を建設・稼働しているのです。

 十亀さんの意見陳述聞き勝利判決を確信 千葉 飯野 勝

 9月1〜3日、迎賓館・横田爆取裁判の被告・弁護団の最終弁論公判が行われ、私は十亀さんの意見陳述を傍聴しました。
 十亀さんは、87年10月の本件のデッチあげ逮捕時、取調室の警察官に「デッチあげを2度もくらい、温厚な私が殴りかからんばかりに『ブチ切れた』」という様子を語っていました。
 「10万人保釈署名」を取り組んでいて、よく聞かれることに「やってもいない人が、なぜ逮捕・起訴されたのですか」「なぜ無実だといえるのですか」ということがあります。街頭での数分のやりとりで答えるには難しい質問ですが、「私も反戦運動に参加しています。それは私だったかも知れません。たまたま彼らがデッチあげられたのです」と答えたりしています。
 今回の傍聴をして、検察官の立証のストーリーが次々と破綻(はたん)していったことを説明するのがわかりやすいのかなーと思っています。岩手事件公判との併合審理策動、金沢などの3大証拠群の追加証拠請求も破綻し、論告では、85年に発生した四つの事件に3人がかかわったとする主張を、突如として重要な柱として持ち出すという手法をとっています。
 検察官立証は破産をさらけだしており、来年3月25日の判決公判で、デッチあげだったことが満天下にされようとしています。
 だが最後の下駄を履くまでは油断はできません。福嶋さんの一刻も早い保釈を実現し、須賀さん、十亀さん、板垣さんの無罪を確定するために、さらに奮闘したいと思います。

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週刊『前進』(2124号6面2)(2003/11/03)

星野同志を取り戻そう 確定判決を徹底批判する(中)
 デッチあげ証言 物的証拠はゼロ。K証人が見たのは星野同志ではない

 11・14渋谷闘争に対して日帝・国家権力は当初、反戦青年委員会の労働者に弾圧を集中し、ここから「犯人」をつくろうとした。しかし、渋谷周辺で逮捕された313人を先頭とする完黙・非転向の前にこの攻撃は破産してしまった。

 群馬の学生を狙い集中攻撃

 翌72年、権力は方向転換する。1月19日、群馬県の学生2人を逮捕。その供述を口実にして、2月2日、K、O、Ao、S、Iらを一斉に逮捕したAr は3月18日)。
 Kは、当時18歳の群馬工専生だった。権力は、蓄膿症で苦しむ彼を脅し、さらに、父親を呼び出して「救対の弁護士を解任しろ」と転向強要を行わせた。
 Arも群馬工専生で17歳。検察官は、両親を取調室に同席させ、父親をそそのかしてArの顔面を殴らせた。Arは、「生まれて初めて父親に殴られた」と、その時のショックを語っている。
 一方で「殺人」「死刑」による脅し。他方で「執行猶予」による誘惑。権力は、未成年を含む、ほぼ全員が初逮捕の学生たちを攻撃して、デッチあげの供述を強制したのである。その結果、星野文昭同志が全国指名手配された。
 「共犯証人」とされた6人(K、O、Ao、S、I、 )の供述が、星野同志を殺人罪で有罪とする証拠である。その具体的な内容を検討する前に、別掲の一覧表を見てほしい。
 これは、それぞれの供述者が、中村巡査を殴打した者をどう特定したか、日付順にならべたものである。この中で、O供述(表のゴシック部分)が重要な意味を持っている。O供述の前と後で、明らかに変化が生じているのが分かる。

 O引き当りは 権力の創作だ

 Oは、2月13日、通常の取り調べとは異なる「引き当り」という形で、星野同志、奥深山さん、「中隊長」(後にOsと特定)、K、Ao、Arという6人の名前をあげた。「引き当り」とは、供述者を現場に連れて行って実地に説明させることである。同じ内容を14日の員面調書(警察官の録取)、17日の検面調書(検察官の録取)で供述している。
 ここで、重大な疑問が浮かび上がる。
 なぜ、6人実行説がいきなり「引き当り」という形で出てくるのか、である。巡査部長・平松卓也作成の「引き当り捜査報告書」は、九つの場面を、13枚の図面を描いてOが説明したとしているが、全体に要した時間は1時間半しかない。「引き当り」は、Oがしゃべったことを筆記し、図面に描かれた位置や距離を測定した上、写真で記録していく作業である。これを普通にやれば、絶対1時間半では終わらない。このことは、弁護団と支援者の「再現実験」で証明されている。
 Oは、権力があらかじめつくったストーリーを、現場でしゃべらされただけなのだ。
 権力は、それまでの断片的な材料を、O供述によって一つのストーリーに組み立てた。そして、これ以降は、逆にO供述に添う形で他の供述をつくっていく。
 Iについて見よう。彼は、2月10日には、図面と矛盾するあいまいな供述しかしていない。それが、19日になると、O供述とぴったり同じになる。これこそ、権力の誘導の動かぬ証拠である。
 Kはどうか。確定判決は、K供述を、星野同志が中村巡査を殴打したとする最大の証拠にしている。いわば、事実認定の大黒柱なのだ。
 ところが、K供述は大きく揺れている。自白→自白撤回・否認→再自白→家庭裁判所で再否認→検察官逆送で再々自白、と内容が何回も変わり、このため異例に多い28通もの調書を取られている。これが、O供述と完全に重なる4月26日付検面調書に集約されていく。
 残る、Ao、Ar、Sはどうか。彼らの供述も、O供述に合わせて変わっていくことが分かる。

 K供述に依拠する確定判決

 確定判決は、以下のように言っている。
 「Kの2・14及び4・26各(検)によれば、同人は、捜査段階において、被告人星野の中村巡査に対する殴打を明確に供述しており、とくに4・26(検)においては、当初自分が本件現場に到着した時点すなわち自分が中村巡査を殴打する前に、同被告人が中村巡査を殴打するのを見た旨一旦供述しながら、その後、『私が(中村巡査を殴打しているところに)飛びこんで、竹竿でなぐりつけた時、同被告人が鉄パイプを振り上げ、殺せ、殺せと叫びながら殴りつけているのを見た。』旨訂正し、自己の供述の正確を期しているのである」
 「以上に、O(2・17)及びI(2・4、2・10、2・19)の各検事調書を総合すると、被告人星野が中村巡査を鉄パイプで殴打した事実を優に認めることができる」
 確定判決は、中村巡査殴打に関しては、K供述を認定の柱とし、これをO、Iで補強する構造になっている。一読すると、Kはもっともらしいことを言っている。星野同志に気がついたとする時間を、「自発的に」訂正しているからだ。
 しかし、決定的な問題がある。
 検事調書のどこにも、Kがどうやって星野同志を見分けたかが書いてないのである。Kは、星野同志と面識がなかった。11月14日当日、中野駅で初めて会ったのだ。その星野同志を、混乱し、興奮した状況の中で、どうやって見分けたか、検事調書はまったく触れない。星野同志の服装についても出てこない。
 これは、検察官が忘れたとか、気がつかなかったからではない。逆だ。検察官は、この問題の重要性を徹底的に自覚しているからこそ、意識的に調書から排除したのである。
 検察官が逃げようとした弱点に、確定判決はあえて踏み込んでいる。いや「踏み込まざるを得なかった」と言う方が正確だ。Kが公判廷で、自分が目撃した人物の服装の色について証言したため、これを無視することが不可能になったからだ。
 Kは、一審の荒川・第19回公判で、「きつね色の上着を着て、約40aメートルの鉄パイプを持った腕が振り上がっているのを見た」と証言している。
 また、星野・第4回公判では、「きつね色の背広の上下を着た中肉中背の人が鉄パイプを振り上げ、振り下ろすところも見ているが、どの辺を殴ったかは見ていない」と述べている。確定判決は、Kが目撃した人物を星野同志とするためには、星野同志が「きつね色ないしカーキ色の背広」を着ていたとするしかなかった。これは、無理を承知のとんでもない認定だ。
 確定判決は、服装の色をめぐってどう破産したか。真実は何か。次回、さらに明らかにしていく。
 (川野正行)

◎中村巡査殴打に関する供述一覧

 (星=星野 奥=奥深山)
日付 供述者 「殴打行為者」の特定
2/4 Ao検面 Ao
  9 K検面 星.Ao.法政大でアジの男.道案内
  10 I検面 星.Ao(供述と図面に矛盾)
  12 Ao員面 Ao.奥
  12 I員面 星.Ao
  13 K員面 星.奥.Ao.K
  13 O引き当り 星.奥.中隊長(Os).K.Ao.Ar
  14 O員面 星.奥.中隊長(Os).K.Ao.Ar
  14 K検面 星.奥.Ao.アジの男.道案内.SかI
  14 I員面 図面に○印はあるが特定はなし
  16 Ao検面 奥.Ao.Os
  16 K員面 星.奥.Ao.アジの男.道案内.K
  16 K検面 星.K
  17 O検面 星.奥.Os.K.Ao.Ar
  18 K員面 星.奥.Ao.K.アジの男.道案内.SかI
  18 K検面 星.奥.K.Ao.アジの男.道案内.SかI
  18 I員面 星.奥.Os.K.Ao.Ar
  19 I検面 星.奥.Os.K.Ao.Ar
  25 Ao検面 星.奥.Os.Ao
  25 K検面 星.奥.K.Ao.アジの男.道案内.SかI
3/12 S員面 奥.K.Ao
  15 S検面 奥.K.Ao
4/5 Ar検面 奥(?あいまい).Ao.Ar
  6 Ar員面 奥.Ao.Ar
  7 Ar検面 奥.Ao.Ar
  9 Ar員面 星.奥.Os.Ao.Ar.TkことYn
  12 Ar検面 奥.Os.Ao.Ar.Yn
  26 K検面 星.奥.Os.K.Ao.Ar

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週刊『前進』(2124号6面3)(2003/11/03)

星野カレンダー2004 好評発売中!

 ●ひと足先に帰ってきた文昭の絵  星野カレンダー2004

 B3判 カラー8枚 1200円
 星野文昭同志が獄中で描いたやわらかなタッチの花や風景、野菜など6枚の水彩画と、暁子さんの詩が魅力的に呼吸している。星野再審闘争を大衆的に広げていくためにカレンダーを販売しよう! 「星野カレンダーをつくる会」制作。
☆前進社でも扱います。

 

 

 

 

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週刊『前進』(2124号6面4)(2003/11/03)

 “徳島へ行こう!” 星野再審連絡会議が東京集会 弁護団、異議審の展望語る

 10月11日、杉並区内で「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」主催の集会が開かれ、70人が参加した。会場正面、鮮やかな黄色の空に水色の雲が描かれた中に「徳島へ行こう! 無期・獄中29年 星野文昭さんを取りもどす集会 東京」の集会タイトル。
 冒頭、映画監督の山際永三さん(人権と報道・連絡会事務局長)が司法制度改革に警鐘を鳴らし、日本キリスト教団の小田原紀雄さんは、71年沖縄返還協定阻止の闘いと獄中29年の星野さんへの思いを語り、星野さんを「何がなんでも出したい」と訴えた。
 集会の中心は再審弁護団からの報告。和久田修弁護士が、00年2月再審棄却以降の異議審の流れを語り、10月末から11月にも弁護団は補充書を提出すると報告した。共犯とされるO供述に対する具体的な反証など、地道な努力が再審をこじ開ける決定的な局面をたぐり寄せたのだ。最後に和久田弁護士は、救援運動の一層の奮闘を呼びかけた。
 「ヨッシー&ジュゴンの家」が星野さんに寄せた「岐路2003」を歌った後、星野暁子さんと東京連絡会会員による朗読劇「無期獄中を生きて」が上演された。数年来、山形にいる親の介護と徳島刑務所の文昭さんとの面会へと奮闘する暁子さん、その暁子さんと向き合う文昭さん。朗読で再現された二人の思いに誰もが心打たれ、暁子さんのもとに文昭さんを取り戻そうとの思いを強くした。
 星野文昭さんは、集会アピールで無実を主張し、「星野無期弾圧は、70年当時も今も、その(人間的未来を開く)たたかいを圧殺するものだからこそ、この弾圧を覆すことは、そのたたかいを根源的に解き放つものです」と呼びかけた。
 弟の星野修三さんも夫婦で参加、徳島での面会を報告した。群馬、埼玉、神奈川、杉並、東京連絡会が運動の現状と決意を語り、「文昭さんがいる徳島へ行こう!」と誓い合った。

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週刊『前進』(2124号6面5)(2003/11/03)

寄稿 小泉日本政府の毒ガス訴訟控訴を弾劾する
 糾弾人 抗日帝在日台僑 林 歳徳

 人間性を喪失した侵略魔天皇制日本帝国は1868年の明治維新革命=天皇制日本帝国創建で、「脱亜入欧」「連欧侵亜」へ暴走した。
 以来、1945年の敗戦まで、連続70年間中国を侵略し、焼尽・殺尽・奪尽の三光政策で、略奪狼藉(ろうぜき)のかぎりを尽くした。略奪した膨大な資源や文化財及び戦勝賠償金3億5575万両(当時の日本国家予算の20カ年分相当額)の現金で、近代的日本帝国を建国した。すなわち、近代日本とは中国人の血と肉で造築された「肉城」である。
 日帝の侵華戦争は終えたが、その加害された中国人の苦痛は子々孫々まで続いている。その実例が現在の毒ガス訴訟である。本年9月29日東京地方裁判所が被害中国人原告の提訴に対し、日本政府に加害責任を認め、1億9千万円の国家賠償を命じた。これに対し、恥知らずの小泉日本総理が不服として、10月3日、東京高等裁判所に控訴した。控訴理由は、中国が戦争賠償を放棄した1972年の「日中共同声明」を盾にするものだが、断じて許されないことである。
◎好戦傲慢(ごうまん)不知恥(はじしらず)無責任の日本ヒトラー小泉純一郎日帝総理を強く糾弾する!
 千古不忘の日帝の侵華加害による中国人の遺痛毒害は、一片の中日共同声明で解消できません。その反省もせずに今、虎視眈眈(こしたんたん)と現世界工場中国を世界戦場化させる準備(有事3法)が整った。すなわち、日帝は目下、中国に展開している一千余の日本企業を、時が来たら、直ちに侵華の基盤に変化させ、有事3法で出兵し、中国再侵略に暴走する準備が整っている!
◎孫文の対日諫言(かんげん=遺言)を温故知新する
 日帝の右翼領袖(りょうしゅう=梟帥〔きょうすい〕)頭山満にだまされた靠日(こうにち=日本によりかかること)中国革命家孫文が13回も訪日した。1924年11月靠日の夢が破られ、悔やんで帰国途中、神戸第一高等女学校で対日諫言の「大アジア主義」を講演した。その4カ月後(1925年3月)北京で憤死した。
◎孫文の対日諫言を日帝国民に再び問う
 その講演文の一節をここに再現して、今の天皇制日帝全国民に、それを再び問う。「あなたがた日本民族は、欧米の覇道文化(注@)を取り入れていると同時に、アジアの王道文化の本質(注A)も持っています。日本がこれからのち、世界の文化の前途に対して、いったい西洋の覇道の『番犬』となるのか、東洋の王道の『干城(注B)』となるのか、日本国民がよく考え、慎重に選ぶことにかかっているのです」
【注】@覇道文化とは、西洋物質文明が武力の文明となって侵略を展開されていること。A王道文化の本質とは、徳と仁義で世界の不平等を打破し、世界平和をつくること。B干城とは、正義と仁徳の領袖のために、盾と城となって外を防ぎ、内を守ること。
 日帝の本質は、戦前日英同盟、日露協約を結び、中国を侵略した。今は、一蓮托生(いちれんたくしょう)の日米同盟し、さらに英露両帝と握手して、中国、アジアを再侵略し、世界制覇しようとしているが、その末路は「狡兎死走狗煮(こうとししてそうくにらる)」になるのが天理である。
 しかし、過去の侵華歴史鏡を見るのが大嫌いである傲慢な好戦日帝首相小泉は、神国日本は必勝不敗だの信念で靖国神社を常拝し、保佑を求めているばかりか、孫文の対日諫言等は、「愚かな支那人の泣き言である」と、笑っている。
 この日本ヒトラー小泉純一郎を総理に選んだ日本国民は、ヒトラーを選んだドイツ国民と同じく、必勝不敗の信念に酔っている同罪人である!
◎闘う日本人民よ、団結してアジア人民と世界人民と共に、「@日米英露の地球制覇粉砕! A無責任で好戦の天皇制日本帝国打倒! B毒ガス控訴を強く弾劾!」をしましょう。
 闘う日本人民の御健闘をお祈りします。
 2003年10月5日

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