ZENSHIN 2003/10/27(No2123
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週刊『前進』(2123号1面1)(2003/10/27)
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反戦の砦・三里塚に全国から総結集
三里塚芝山連合空港反対同盟の主催で10月12日、全国集会が開かれた。1250人が集まり、暫定滑走路延長攻撃と対決し、イラクへの自衛隊派兵阻止、成田軍事空港粉砕を誓った=記事4面
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11・9国際共同闘争の大爆発へ
小泉=奥田=連合中央と対決し日比谷野音に総結集かちとれ
革共同中央労働者組織委員会
イラク派兵阻止−10・25闘争へ(5面にアピール)
第1章 韓国とアメリカの闘う労働者が来る
世界の労働運動は、イラク侵略戦争に反対する2千万人にも及ぶ決起の主力となっているのを始めとして、歴史的高揚を開始している。この世界の帝国主義国労働者と被抑圧民族人民の闘いは、もはや押しとどめることはできない。
アメリカで、韓国で、イギリスで、フランスで、闘う労働運動の新しい潮流が登場し、数十万、数百万のデモ、ストライキ―ゼネストが激発し、帝国主義を揺るがしている。そして、パレスチナで、イラクで、被抑圧民族人民は命がけの闘いに立ち上がっている。革命―世界革命情勢の急速な接近である。「万国の労働者団結せよ」――国際連帯の闘いが、闘う労働運動の中心課題となる時代がついにやってきたのである。
それはなぜか。01年9・11で歴史が変わり、03年3・20イラク侵略戦争でさらに情勢が一変したからである。帝国主義は戦争をやらなければ延命できない時代に入り、3・20で世界戦争がついに始まった。そして資本主義がもはや労働者を食わせていけない時代に入り、生きるためには闘わなければならない時代が始まった。だから、全世界で労働者人民の反乱が巻き起こっているのだ。
このような戦争と大失業の攻撃、それに対する労働者の世界的反乱という情勢の真っただ中で、11・9全国労働者総決起集会が、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合港合同、国鉄千葉動力車労働組合の呼びかけで開催される。われわれは、この呼びかけの六つのスローガンを全面的に支持し、3労組が呼びかける労働者集会であることをふまえ、11・9集会の成功のために全力で闘う。
第一に「日・米・韓労働者の国境を越えた連帯と共同闘争を発展させよう!」というスローガンに示された国際連帯集会として開催されることの歴史的な重大性である。11・9労働者集会には、アメリカと韓国で最も戦闘的に闘い抜いている労働組合が参加する。
3組合とも、この間、国際連帯の闘いに決起しているが、ここでは『日刊動労千葉』、動労千葉のアメリカ訪問報告パンフ『俺たちインターナショナル――世界に翔びたとう』などを参考に、動労千葉の闘いについて紹介したい。
動労千葉は7月、アメリカに代表を派遣し、サンフランシスコ労働者評議会(7万人)とその中心組合であるILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル10(第10支部)との交流と連帯の闘いを実現した。
この交流が実現したのは、動労千葉の03春闘スト(約600本がストップ)が、アメリカ、イギリスのインターネットから世界に発信されたことが契機となった。国鉄分割・民営化に対して1985年と86年に唯一ストライキを打ち抜き、それ以降も団結を守り闘い抜いている動労千葉にアメリカの労働組合が共感し、1047名解雇撤回闘争―国鉄労働運動を代表する組合として動労千葉に訪米を要請し、交流が実現したのである。
サンフランシスコ労働者評議会とその中心組合ILWUはアメリカの最強の労働組合である。1934年、サンフランシスコで港湾労働者を中心にゼネストが闘われた。「街が動きを止めた」と言われる大闘争だった。そして37年にILWUが結成された。今年4月7日、ILWUローカル10を中心に700人がイラク侵略戦争に反対してオークランド港でピケを張り、30人余の不当逮捕という大弾圧をうち破り、軍事物資輸送阻止の闘いに決起した。サンフランシスコ労働者評議会は、動労千葉の要請にこたえて1047名闘争支援、国労5・27臨大闘争弾圧で逮捕された国鉄労働者を守るという決議を7月14日に採択した。
そして動労千葉は、8月には韓国の労働者との交流を実現した。「8・15労働者市民のつどい」で民主労総ソウル本部副委員長のキムチャンソプ氏は「民主労総60万労働者は、全世界の労働者と連帯してアメリカと日本の軍国主義に対して戦争を阻む闘いを展開する。われわれと連帯し、韓半島での戦争を阻みましょう」と発言した。
このような日米韓の国際的な交流と連帯の闘いは、闘う労働組合の新しい潮流の前進に大きなインパクトを与えている。
第二に11・9集会は1989年(総評解散―連合結成)以来の日本労働運動の流動・再編・高揚過程の中で開催される。
日本における総評を中心とした戦後労働運動は、80年代の国鉄分割・民営化という国鉄労働運動―総評解体攻撃に一戦を交えることもできず屈服し、89年総評解散―連合結成を許してしまった。動労千葉のみが2波の決戦ストライキを打ち抜き団結を守り抜いた。それ以来、連合は資本の代弁者として、労働者の闘いを圧殺し労働運動は後退を強いられた。
しかし、資本攻勢の嵐が吹き荒れ、世界戦争が開始された情勢の中で労働者の怒りは充満している。日本の労働者階級もストライキ―ゼネスト方針を打ち出せば、連合の制動をうち破って立ち上がる力を持っている。イギリスでは、ブレア政権登場の最大の勢力であったTUC(イギリス最大のナショナルセンター、700万人)の単組執行部に反ブレア・イラク戦争反対・民営化反対の左派が進出し、9月大会で左派の方針が可決され、闘う潮流が力強く登場している。そして、TUC傘下の150万公共サービス労組、30万の逓信労組が単組独自でストライキに突入している。
第2章 闘う新潮流を圧倒的に登場させよう
日本労働運動も連合の危機、全労連の危機の中で、それを突き破る階級的再生の決定的情勢を迎えた。
連合の危機はなぜ生まれたか。日本帝国主義・資本の危機の中で倒産、首切り、賃下げ、そして不安定雇用化という大資本攻勢の中で連合執行部が資本の代弁者になり下がり、怒りと闘いを圧殺しているからである。この中で組合員は自らの労働組合に期待などまったくもてなくなり、バラバラにされているのである。連合の方針では、団結など絶対にできない。
しかし連合評価委員会は、この危機を打開するためには°もっと資本の代弁者になれ。日本経団連・奥田ビジョンを連合方針にせよ″と連合に要求しているのだ。連合は、10月2〜3日、第8回定期大会を開催し、変質と日帝・資本の先兵化を決定的にした。連合方針と組合員の離反は決定的に進み、危機はますます深まらざるをえない。
そして、8〜9月、自治労綱領の否定―新綱領(21世紀宣言)をめぐる攻防、9月国労大会、12月全逓の組合名称変更の臨時大会、来年3月の日教組臨時大会(日教組本部が教育基本法改悪を推進する方針を提起しようとしている)と連合支配を揺るがす左右の激突―分岐が決定的に進行する情勢を迎えている。
8月自治労大会は、自治体リストラ―大民営化攻撃に全面屈服する「21世紀宣言」=「労使共同宣言」を否決し、そのままでは連合大会が開催できない情勢をつくり出した。連合―自治労本部は、否決された「21世紀宣言」を9月続開大会で再提案し可決するという暴挙を強行した。しかし4分の1の反対派が形成され、自治労の左右の分岐が決定的に進んだ。これから自治体労働者は、リストラ―大民営化、自治労解体攻撃との決戦に突入する。
次に強調したいのは、日本共産党の現綱領の全面的改定―全労連の危機である。全労連傘下の共産党現場活動家は、組合員の資本攻勢への怒りと共産党の屈服路線の矛盾の中で共産党中央への激しい批判を公然と開始している。それがますます拡大し、11・9集会への賛同も増えている。
新綱領は、国家・資本と対決する労働運動を全面的に否定し圧殺している。「現在日本が必要としている変革は、社会主義革命ではなく、資本主義の枠内で可能な民主的改革である」「ルールなき資本主義の現状を打破しルールある経済社会」と言っている。
それは「大企業は敵ではない。……経済のまともな発展の一翼を担ってほしい」(不破議長発言)と、労働運動の原則である「資本と労働運動の非和解的対立」という階級的視点を全面的に放棄するということだ。それが「資本主義の枠内での民主的改革」「ルールなき資本主義打破」の本質である。
労働者の階級的闘いと団結を圧殺する日共・全労連指導部を打倒し、のりこえて、帝国主義と対決し、階級的原則を貫く労働運動にともに立ち上がることを全力で訴えよう。
1047名闘争の発展切り開け
9月国労大会で国労本部は、闘う闘争団22人の3年間の組合員権停止という断じて許せない統制処分を強行した。そして、この先頭に立っているチャレンジグループは北海道で国労脱退に踏み切っている。また国労5・27臨大闘争弾圧で権力に組合員を売り渡した張本人の酒田新執行部が形成された。
この統制処分粉砕と5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いに勝利せずして、どうして1047名の解雇撤回をかちとることができるだろうか。この5・27臨大闘争弾圧は、権力の団結権否定の攻撃である。それは労働組合法改悪攻撃と一体である。団結権の破壊を目的とした労働運動への治安弾圧を粉砕しよう。
゛統制処分粉砕、5・27臨大闘争弾圧粉砕、国労本部打倒、和解路線に反対し1047名解雇撤回゛を貫く国労内の闘う潮流の力ある登場が求められている。
それは、国労89年大会で決定した「全面一括解決要求」路線を一貫して批判し、生産点からストライキで解雇撤回を要求し、闘い抜いてきた動労千葉のように闘う潮流を大きく形成することである。今こそ「動労千葉のように闘おう」と大胆に訴えることである。それが唯一の国労再生の道なのである。
第3章 11・9労働者集会参加へ政治選択を
第三に11・9集会は、衆議院選挙(11・9投票日)のまっただ中で開催される。総選挙という労働者一人ひとり、そして労働組合の党派選択―政治選択が問われる情勢にしっかりかみ込んで、11・9集会への参加こそが労働者として唯一の正しい政治選択であることを明確に訴えきろう。
マスコミは「マニフェスト選挙」―自民党対民主党の対決を打ち出し、戦後初の翼賛選挙をあおっている。連合は、10月大会で「民主党候補の必勝と政権交代を求める決議」を上げ、700万組合員を動員しようとしている。
小泉第2次改造内閣は、日本経団連・奥田ビジョンと一体化し、その貫徹を使命とする超反動内閣だ。構造改革路線の堅持・推進をうたい、侵略戦争と改憲、一大資本攻勢を激化させようとしている。まず何よりも、この小泉内閣打倒へ全力で闘い抜こう。
そして民主党候補を推薦している連合傘下の労働者に、「自民党と民主党はどこが違うのか」「民主党は改憲政党である」「小泉内閣以上の『構造改革』をやろうとしている」と民主党批判をやり抜こう。
かつてない翼賛選挙を打ち破り、11・9集会参加の政治選択を明確に訴えきることだ。「投票所は日比谷野音だ」と言い切ろう。日・米・韓の労働者の国際連帯で朝鮮侵略戦争を阻止しよう。新しい潮流の登場で連合執行部を打倒しよう。
『前進』の拡大闘争をやり抜こう。われわれ自身の労働者党としての変革をかちとろう。一切を11・9集会の大結集へ集約して全力で闘うことを訴えたい。
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週刊『前進』(2123号1面2)(2003/10/27)
小泉政権打倒へ全力決起し戦争・改憲・資本攻勢粉砕を
翼賛選挙への革共同の戦闘宣言
11・9労働者集会は、衆院総選挙の投票日と重なった。小泉=奥田(日本経団連会長)のもとでの「内への階級戦争、外への侵略戦争」を許すのかどうか。このすさまじい攻撃と真っ向から対決し、労働者人民の階級的大反乱を巻き起こしていく闘いとして、11・9集会の意義はますます大きくなった。小泉政権打倒を掲げ、「労働者の投票所は日比谷野音だ」を合言葉に大結集運動を展開しよう。大反動政権との階級的・労働者的対決として構えきって、断固勝利しよう。
小泉第2次改造内閣は、戦争遂行と改憲の超反動内閣だ。総裁選に勝利した小泉は、まず自民党幹事長に対北朝鮮侵略戦争政策の先頭に立つ安倍晋三を抜擢(ばってき)し、次いで改造内閣には、石破防衛庁長官を留任させたのを始め、文科相に教育基本法改悪推進の河村建夫、法相に参院憲法調査会長の野沢太三、総務相に「創氏改名」賛美の麻生太郎、環境相に拉致議連副会長の小池百合子、新設の防災・有事法制担当相に憲法9条否定発言の井上喜一(保守新党)など、いずれ劣らぬ超反動どもを起用した。
小泉は、10月14日、自民党の政権公約「小泉改革宣言」を発表し、▽郵政事業07年民営化▽道路関係4公団民営化法案04年通常国会提出▽年金制度抜本改革法案を04年通常国会に提出▽5年で不法滞在外国人半減▽04年通常国会で国民保護法制整備▽教育基本法を改正▽05年憲法改正草案などを打ちだした。有事法制完成と教育基本法改悪・改憲を掲げ、治安弾圧体制を強化し、民営化を進め、年金制度改悪を遂行するという超反動プランを「改革」の名でごり押ししているのだ。きわめて容易ならない事態である。
さらに、ブッシュ訪日・日米首脳会談を前に、15日には政府が「イラク復興支援」として15億j(約1650億円)を無償資金で拠出することを決定した。自衛隊年内イラク派兵と併せて、重大攻撃だ。
しかも、この小泉・自民党に対して、民主党が小沢・自由党を吸収し、第2保守党として政権奪取を掲げて登場したことも重大事態である。民主党が発表した「マニフェスト(政権公約)」は、「基礎年金の財源には消費税を充て、新しい年金制度を創設します」と消費税増税の方向をはっきりと打ち出している。また、公務員人件費の1割削減を押し出す一方で、警察官3万人を増員して「つよい社会」をつくることをうたっている。「国家にとって適切な警察力と防衛力は欠かせません」と言っているのだ。有事3法成立に賛成し、小沢一郎を迎え入れた民主党は、日本帝国主義の体制的危機の中で、完全にブルジョア第2党として、戦争国家づくりの先頭に立とうとしている。そしてそのもとに連合を一層産業報国会化させて動員しようとしているのである。
今回の総選挙で特筆すべきことは、日本経団連が企業献金についての政党評価基準を発表し、その中で「法人税率引き下げなど企業の公的負担の軽減と消費税率の引き上げ」を求めたことである。奥田ビジョンでは消費税率を07年度10%、16年度には18%と数字を挙げて要求している。日帝ブルジョアジーが直接むき出しの要求を突き付けているのである。
戦後的階級支配の根幹をひっくり返すような攻撃が遂行されつつある。それは激しい犠牲を労働者階級人民に強制する攻撃であり、だからこそ支配階級は、階級矛盾の爆発を恐れて、共謀罪新設策動を始めとした治安弾圧の強化を図っているのである。
一方、これに対して社民党、日本共産党は、まったく対決していない。日本共産党は、総選挙後の第23回大会(1月13日からに延期)で綱領大改定を行い、帝国主義の最後の番兵として政権入りするために、ブルジョアジーに恭順を誓う路線を確定しようとしている。それは大転向・総屈服の道だ。
日本共産党は、「改憲と消費税」を争点に選挙戦を闘うと言っているが、労働者の階級的団結で侵略戦争と資本攻勢に対決するという最も基本的な闘いを放棄し、敵対しているのだ。転向と屈服の日本共産党に労働者の未来を託すことは絶対にできない。
状況はかつてない翼賛選挙である。だがしかし、それは暗黒一色ではない。帝国主義の攻撃の激しさは、その体制的危機のかつてない深さを示している。階級的な怒りを総結集すれば、それは革命的危機に転化する。労働者階級人民の主体的・自主的な大衆運動決起ですべてを転覆することができる情勢なのだ。すべての怒りを11・9労働者集会に総結集しよう。
10・28公示から11・9投票日に至る総選挙過程は、日本中が白熱的な政治戦のるつぼと化す。その真っただ中で、翼賛選挙状況をぶっ飛ばし、革命的大動乱の思想と構えをもって11・9大集会を呼びかけ、力勝負で大結集をかちとろう。
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週刊『前進』(2123号2面1)(2003/10/27)
国際連帯と階級的団結で翼賛選挙と小泉=奥田路線をぶっ飛ばせ
11・9集会の成功へ全力を
田中康宏動労千葉委員長は訴える
「たたかう労働組合の全国ネットワークをつくろう!――大失業と戦争にたち向かう労働者の国際的団結を! 11・9全国労働者総決起集会」が全日本建設運輸連帯労働組合・関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合・港合同、国鉄千葉動力車労働組合の3労組の呼びかけで開催される。3労組のひとつである国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)の田中康宏委員長に、11・9集会に向けた訴えを聞いた。(聞き手/本紙・大沢康)
階級的労働運動の再生が始まる歴史的な集会に
――11・9集会にかける動労千葉の思いをうかがいます。
あと1カ月間足らずですが、全力を挙げて11・9集会を成功させ、階級的労働運動の再生がこの日から始まったと言える集会にしたいと考えています。
動労千葉は、10月5、6日の定期大会で「3大闘争方針」を確立しました。
一つは、03春闘の4日間のストライキが国際的評価を受けて始まった国際連帯を全面的に発展させ、闘う労働運動の新しい潮流を本格的に発展させる闘いに総決起することです。
もう一つは、第2の分割・民営化攻撃粉砕の闘いに組織の存亡をかけて立ち上がることです。今、JRでは国鉄分割・民営化と同じような大合理化攻撃が襲ってきています。千葉では分割・民営化反対ストの最大の拠点だった津田沼電車区、現在の習志野電車区を12月15日に廃止するという提案が出されています。直ちにストライキの準備体制をとって、年末から来春にかけて組織の総力を挙げて闘いに立ち上がります。
三つ目に、会社と旧動労カクマルの結託体制が崩壊し始めたという絶好の情勢の中で、JR総連を解体し、本格的な組織強化・拡大をかちとる方針です。
労働者が団結を固めて闘えば、必ず道は開けるというのが私たちの信念です。今春闘でも、イラク侵略戦争、有事法制に真正面から立ち向かい、団結を固めて闘ったことが予想を超えた成果を上げました。そういう時代だと感じています。
連帯の相手を求める米韓の労働者にこたえよう
――「労働者の国際的団結」を訴えていますね。
11・9集会を日・米・韓の労働者の国際連帯集会にしようと、3労組と実行委員会で確認したところですが、実際にものすごい集会になります。
アメリカからは「タフト・ハートレイ、抑圧と民営化反対キャンペーン」のスティーブ・ゼルツァーさん、UTU(全米運輸労組)のポール・C・ジャンセンさん、そしてILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル10の代表が参加する予定です。韓国からは民主労総ソウル本部委員長を始め3人の方が参加するという連絡が入りました。民主労総は、世界で最も戦闘的に闘っている60万人のナショナルセンターです。ソウルで11・9に10万人の労働者大会をやる。アメリカの労働者も韓国の労働者も、日本で連帯すべき相手を求めています。必死になってこたえなければなりません。
歴史は間違いなく動き始めています。01年9・11―03年3・20で歴史は一変しました。ここで労働者の闘いが変わらなかったら、われわれの負けです。
アメリカを中心とする帝国主義は、「グローバル化」という世界支配によって世界に戦争の惨禍と「大貧困ゲーム」と言われる状況をつくり出しています。1月にILO(国際労働機関)が出した報告書では、全世界の1億8千万人が失業し、1日の生活費が1j以下の飢餓状態に置かれている人たちが5億5千万人だそうです。
一方、アメリカはイラク戦争で「第2のベトナム」以上の泥沼にはまり、危機に陥っています。労働者が国際的に団結した闘いをぶつければ、この体制を突き崩すことができるのです。
世界の労働運動の高揚期が訪れました。イラク戦争に反対する数千万人の闘いが労働組合を中心に始まり、イギリスではナショナルセンターTUCで労働党への怒りが高まり、ロンドンの郵便労働者と自治体労働者がストに立ち上がっている。イラク、パレスチナの人民の命がけの決起を含めて、帝国主義に我慢ならない、生きるためには闘うしかないという状況です。そもそも労働運動はインターナショナルです。日本の労働者もこの渦中にいることは間違いない。これらがひとつに結びつけば世界を変えられるんだ、と熱く訴えきることが11・9集会を成功させるかなめです。
団結こそ社会を変える力だ
――11・9集会は、ちょうど総選挙の日と重なりました。
第2次小泉内閣が発足しましたが、その顔ぶれは極右、超タカ派ばかりの超反動政権です。12月にもイラク派兵を行おうとしている。さらに有事立法関連法の制定、教育基本法の改悪、そして社会保障制度の解体、労組法の改悪も狙っています。小泉政権は日本経団連・奥田と一体の体制です。つまり、労働者の権利を根こそぎ奪い、生きる権利も奪おうとしている。
総選挙で自民党・小泉が勝つのか民主党・菅が勝つのかと言われていますが、自民党も民主党も両方とも有事立法を通し、改憲と戦争を推進することは明確になっている。規制緩和や民営化、構造改革、消費増税も、どっちが進めるのかという争いです。戦後初めての翼賛選挙となります。11・9集会の性格もこれで鮮明になりました。
こんな現実が許せるか、団結してこの日に闘いをぶつけよう、この翼賛選挙への回答が11・9集会だ、つまり“労働者の投票所は11・9日比谷野音だ”と訴えきることです。街頭は自民党と民主党の宣伝カーが席巻する。それに負けない迫力で全労働者・労働組合に呼びかけてほしい。
11・9集会は、五つのスローガンを掲げていますが、3労組で打ち合わせ、「労働者の団結で、戦争遂行と改憲の小泉反動内閣を打倒しよう」という第六のスローガンを加えました。
日本の労働運動は、総評が解散し連合ができた1989年以来の大再編状況が始まっています。連合は、自分で設立した「評価委員会」から「足元から崩壊してしまいかねない切迫した事態」と言われて、大会を開いている。「組合が変わる、社会を変える」というのがスローガンです。「組合が変われ」と要求したのは日本経団連の奥田ビジョンです。国家が危急存亡の時に、要求を出すような労働組合から、甘んじて犠牲を受け入れ「産業報国会」に変われ、と奥田は言っています。これを全面的に受け入れている。終身雇用制を解体し、日本の労働者の大多数を不安定雇用にする。連合の存在基盤が失われ、自己崩壊しようとしている。こういう中で、自治労大会で始まった分岐は、全逓や日教組、あらゆる産別で起こると思います。
敵の攻撃は、労働者を団結させない、団結をつぶすという一点に集中しています。労働者が団結して闘う権利は絶対に譲ってはならない普遍的な権利です。
今、国労5・27臨大闘争弾圧を始めとして労働組合に対する弾圧が吹き荒れています。国労本部は、闘争団員22名を統制処分にしました。こういう状況に対し、国鉄1047名闘争の勝利の道筋も、11・9集会で明確にしたい。
千載一遇のチャンス生かし情勢に立ち向かおう
――最後に、全国の労働者への呼びかけをお願いします。
動労千葉は小さな組合ですが職場で泥にまみれて一生懸命闘い、その上で天下国家を論じ、この情勢に真正面から立ち向かいたい。労働者の団結した力こそ社会を動かすと訴えて、11・9集会の成功に自らの飛躍をかけたいと思います。
その最高の条件ができている。千載一遇のチャンスです。本当にそれを生かすことです。逆にここで失敗したら後がないという認識も必要です。
何よりも訴えたいことは、北朝鮮侵略戦争をどうやって止めるのかです。アメリカと日本と韓国の労働者が連帯して立ち上がったら、絶対にこの戦争を止めることができるというのが私たちの答えです。
掛け値なしに5千人を集めましょう。それに成功したら、ものすごい展望が開けます。日本の労働者を全部獲得する気概をもって、知恵を絞って寝る時間も惜しんで頑張りましょう。
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たたかう労働組合の全国ネットワークをつくろう! −−大失業と戦争にたち向かう労働者の国際的団結を!
11・9全国労働者総決起集会
【日時】11月9日(日)正午
【場所】東京・日比谷野外音楽堂
【呼びかけ】
全日本建設運輸連帯労働組合・関西地区生コン支部
全国金属機械労働組合・港合同
国鉄千葉動力車労働組合
【主催】11・9集会実行委
《メインスローガン》
★全労働者の団結で、倒産・解雇・賃下げ・不安定雇用化と労働法制・社会保障制度の解体攻撃をはね返そう!
★全労働者の団結で、「有事立法を完成させない、発動させない、従わない」闘いをつくりあげよう! イラクへの自衛隊派兵と北朝鮮への侵略戦争を阻止しよう!
★全労働者の団結で、国労臨大弾圧を粉砕し、国鉄1047名闘争に勝利しよう!
★全労働者の団結で、団結権破壊を目的とした労働運動への治安弾圧を粉砕し、共謀罪新設を阻止しよう!
★日・米・韓労働者の国境を越えた連帯と共同闘争を発展させよう!
★全労働者の団結で、戦争遂行と改憲の小泉反動内閣を打倒しよう!
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週刊『前進』(2123号2面2)(2003/10/27)
10・2大阪
“弾圧許すな”700人の熱気
国労被告家族が不屈の決意
【5・27臨大弾圧国労家族の会・東理恵さんから投稿】
10月2日、エル大阪で、5・27臨大弾圧国労家族の会、全日本建設運輸連帯労働組合・関西地区生コン支部、全国金属機械港合同の主催で、「たたかう労働運動・大衆運動への刑事弾圧を許すな! 10・2集会」が開かれ、700人が参加しました。熱気あふれる集会を報告します。
港合同の中村副委員長が司会をされ、国労家族会から私が主催者あいさつをさせていただき、被告全員を早期に無罪で家族と仲間のもとに取り戻すことに全力を挙げたい、闘う労働運動、大衆運動への弾圧が相次いでいる、不当な弾圧は運動の力で跳ね飛ばして獄中の仲間を取り戻す決意です、と発言いたしました。
続いて連帯労組関生支部の高副委員長が主催者あいさつをされ、「権力弾圧の狙いは戦闘的に闘う労働組合、解放運動の弱体化だ。多くの先輩たちが血と涙を流してかちとってきた労働3権、団結権、争議権、交渉権が侵害されている。本集会は個別にかけられている刑事弾圧に対し、団結し陣形を固め断固たる反撃をすることを目的に開催した。今こそ闘う労働組合が党派色を排して、労働運動、市民運動、解放運動への権力弾圧への反対運動に取り組むことを呼びかける」と宣言されました。
最初に、国労新幹線保線所分会の仲間が「被告団8名中6名が4党合意撤回地労委闘争の申立人」と地労委闘争の意義をアピール。
次に、私たち5・27臨大弾圧国労家族の会13人が登壇し、1年を経ても家族はますます権力への怒りにあふれ、元気なことを皆さんにアピールしました。
富田家は全員が参加。代表して娘さんが「家族全員でお父さんの組合活動を国労のビデオを見たりして学んできた。お父さんはいつも『仲間を大事にしたい、闘争団がいるから国労があるんや』と言っていた。家族も精いっぱい頑張ります」と若々しく発言し、大きな拍手が起きました。福知山の原田さんは「9月13日、国労全国大会に初めて参加した。仲間を守らなければ組合じゃない」と述べられ、小泉さんは「この1年で、普通に生活している善良な労働者の正しい言葉を権力で抑え込む、それが弾圧なんだと分かった。闘って夫たちを取り戻す」と発言されました。
つれあいたち被告団のアピールを奈良電車区分会の橘さんの家族が読み上げました。「私たちの裁判の帰趨(きすう)が国労酒田執行部打倒に直結した」(富田益行さん)「何年でもここで生きてみせます」(原田隆司さん)「一回りも二回りも大きくなって、皆さんの所へ帰る所存」(橘日出夫さん)「父は心配のあまり死期を早めた。国家権力・警察・国労本部派に虐殺されたのです。胸が張り裂けそう」(小泉伸さん)
部落解放同盟全国連の中田書記長が寝屋川支部への弾圧について「部落解放運動そのものへの弾圧であり絶対に許せない」「全国連は労働者とスクラムを組んで闘いぬく」と発言され、被告団の家族が「くじけず頑張っていきたい」と発言し、被告団の獄中アピールを読み上げられました。
カンパアピールの後、不当弾圧27件、のべ92名の逮捕者という大弾圧と闘ってきた連帯労組関生支部の柳副委員長が、「生コン支部の発展がこれからという時に、共産党の裏切りによって激しい権力弾圧が集中し、組織内部が混乱している時に狙われた。国労弾圧はこれと酷似している。国労内部の混乱を利用し、1047名の解雇撤回闘争をつぶし、日本の労働者全体にかかわる問題である国家的不当労働行為との闘いをつぶすためだ」と、弾圧との闘いの経験と教訓を発言されました。
港合同サンコー分会・杉本書記長と関西合同労組・石田委員長が組合員の団結と抗議行動で弾圧を粉砕し勝利した報告をしました。
「労働運動・団結権と刑事弾圧」と題して早稲田大学名誉教授で国労5・27臨大闘争弾圧弁護団長の佐藤昭夫さんが講演しました。「国労弾圧、寝屋川弾圧、サンコー弾圧、すべて闘う団結への弾圧だ」「労働者が生きるためには、競争をやめ団結することが必要。労働基本権は闘って守らなければならない」と語り、「根はひとつ。個々の闘いを職場、地域で闘うとともに、共通する全体的課題に立ち向かい、中央的な闘争を一緒にやることが重要」と締めくくられました。
10・2集会にお越しいただいた皆さん、全国で1周年の奪還の集会を開いて下さっている皆さん、本当にありがとうございます。11月9日には全国集会が東京で開かれますが、多くの労働組合が結集することを願ってやみません。
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週刊『前進』(2123号2面3)(2003/10/27)
“8名を取り戻そう”
許さない会・九州が集会
10月5日、福岡市市民会館で「労働者の団結で8名の仲間を取り戻そう九州集会」が開かれた。国労5・27臨大闘争弾圧被告の松崎博己さん、羽廣憲さんの地元の北九州や、9月21日に「許さない会」が結成された長崎を始め、九州各地から130人が結集し、怒りに満ちた集会となった。
司会の福岡県労組交流センター女性部の労働者が開会を宣言。元福岡県評事務局長の岩崎隆次郎さん、元長崎県立大学学長の石村善治さんが主催者あいさつをした。岩崎さんは「ビラまきだけで1年も閉じこめることに我慢ができない。九州各地で運動が広がってきた。皆の力で奪還しよう」と訴え、石村さんは「労働者の基本的人権が次々に奪われている。自治と自由を守ることに残された時間を費やしたい」と発言した。
被告のメッセージが紹介され、許さない会の山川博康事務局次長、ペルー人救援活動中に刑事弾圧を受け解雇撤回闘争を闘っている青柳行信さん、九州国際大学教授の倉崎繁さんが連帯のあいさつをした。
九州労働弁護団前会長の林健一郎さんが「労働法制改悪と労働者の権利」と題して講演し、「自己破産・リストラ・ホームレス・自殺の急増は小泉と竹中がもたらした災いだ。労働基本権の保障は小泉に言わせると『規制』になる」と述べ、労働法改悪の狙いを説き明かして、「労働者の運動は怒りが原点。戦後労働運動の成果を学びながら運動を再構築しよう」と結んだ。
日豊班物販の訴えの後、許さない会・九州の手嶋浩一事務局長(国労九州本部前書記長)が問題提起をし、「今の日本では筋の通ったことをすると攻撃される」と切り出し、国鉄分割・民営化を弾劾、「8名の逮捕は自民党と国家権力の陰謀だ。早期釈放をかちとろう。11・9労働者集会に参加を」と訴えた。
門司・佐賀・佐世保の国労組合員5人が決意を表明した。闘う教育労働者、北九州と長崎の許さない会、九州大学弾圧で保釈をかちとった学生が発言した。
大きな拍手の中、被告の家族が登壇した。松崎照代さんが「うちの人が逮捕されるまでは、世の中のことを何も考えずに暮らしてきたが、この運動を正しい世の中をつくる闘いのもとにしてほしい」と訴えた。羽廣幸代さんからは「こんなことで1年も勾留されなければならないのかと怒りでいっぱいです」というメッセージが寄せられた。
集会後、直ちに福岡の中心街・天神へのデモに出た。鳴りもの入りのデモに沿道の人びとが注目した。
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週刊『前進』(2123号2面4)(2003/10/27)
山陰で許さない会結成
10月5日、鳥取県米子市で「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会・山陰」の結成集会を行った。(写真)
呼びかけ人の鬼頭宏一島根大学名誉教授が講演し、「闘う意志を示す者にはとことん弾圧を加えるのが権力の姿勢。状況は厳しいが、闘う人たちに依拠し、権力や権力の手先と徹底的に闘うことが重要だ」と、自身が弾圧された経験に基づき、ともにこの弾圧をはね返す決意を述べた。
国労米子支部執行委員の鷲見貢さんが経過報告をし、4党合意以来の国労解体策動は戦争切迫下の労働運動破壊攻撃であり、戦争政治を打破する闘いとして運動を進めようと訴えた。
被告家族のメッセージが紹介され、質疑応答・討論で今後の方針を確認した。
少人数からのスタートだが、山陰で運動を確実に発展させ、労働運動再生の拠点の役割を果たしたい。
(投稿/山陰・労働者B)
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週刊『前進』(2123号2面5)(2003/10/27)
資本攻勢&労働日誌 2003 9月25日〜10月15日
厚労省が労働時間規制撤廃案
全日空が5%賃下げ提案/国公賃金年間16万円減
●日本経団連が政党評価基準 日本経団連は政党評価基準10項目を発表した。(9月25日)=要旨別掲
●自治労続開大会で21世紀宣言を強行可決 自治労は続開大会で21世紀宣言を採択したが、代議員の4分の1が反対した。(28日) JIL記事
●8月の完全失業率5.1% 総務省が発表した労働力調査によると、8月の完全失業率は前月比0.2ポイント減の5.1%で、完全失業者は前年同月比28万人減の333万人となった。厚労省が発表した8月の有効求人倍率は0.63倍で前月比0.01ポイント上昇した。(30日)
●全日空が賃金5%引き下げ提案 全日空は来春から全労働者の賃金を約5%引き下げると組合に提案した。(10月1日)
●連合大会、一層の「産報」化 連合は3日まで第8回大会を開いた。6年ぶりに投票となった会長選では笹森清会長を再選。「産業報国会」化を深めた。(2日) JIL記事 「WEEKLYれんごう」
報道
●保険料アップで失業増 経済産業省は、年金保険料率が20%に上げられると企業負担は年間10億円増え、失業率は最大1.3%上昇するとの試算を公表した。(3日)
●企業年金の積立資産が大幅減少 企業が将来支払うべき年金に対し現在準備している資産の割合を示す積立比率は、42.5%で前年同期比10.5ポイントも減少した。(3日)
●トヨタ労組が個別賃金要求へ トヨタ自動車労組は定期大会を開き、来春闘から職種や資格ごとに賃金を要求する「個別方式」に転換すると決めた。(4日) JIL記事
●ソニーが30歳以上に早期退職制 ソニーは30歳以上の一般社員を対象に早期退職制度を導入する。早期退職の対象を30歳まで引き下げるのは大手では異例。(4日)
●年金保険料アップなら中小企業5割は賃下げ 日本商工会議所は厚生年金の保険料率が20%に引き上げられた場合、中小企業の53%が賃下げで対応するとしたアンケート結果を公表した。(7日)
●公的年金積立金が2年連続減 厚生年金と国民年金の02年度末の積立金は前年度より減少して141兆5000億円となったと厚労省が発表。減少は2年連続。(9日)
●連合と民主党が政策協定 連合と民主党は総選挙に向け政策協定を結び、民主党のマニフェストを着実に実施するとした。(10日) 「WEEKLYれんごう」報道
●国家公務員賃金5年連続ダウン 国家公務員の給与法改定案が成立。平均年収は過去最大の16万3000円の落ち込み。(10日) 改定法要旨
●電機連合が「職業アカデミー」 電機連合は、組合員の職業能力開発を支援するとして「電機産業職業アカデミー」を発足させた。組合が首切りを推進。(10日) 「電機産業職業アカデミー」紹介HP
●厚労省が労働時間規制の撤廃案 厚労省は、一定年収以上なら職種に関係なく労働時間規制の適用除外とするなどの労働法制改定案の検討に入った。05年中の法改正を目指すとしている。(15日)
日本経団連の「政党評価基準」
日本経団連は、政治献金再開に向け、政党を評価する基準となる以下のような「優先政策」10項目を発表した。「奥田ビジョン」と一体をなしている評価基準に、連合・民主党は完全に屈服した。
@経済再生・国際競争力強化に向けた税制改革
A消費税増税を軸とした社会保障改革
B民間の活力を引き出す規制・行政改革
C科学技術創造立国の実現
Dエネルギー戦略の確立と産業界の自主的取り組みを重視した環境政策
E個性ある人材を育成する教育改革
F多様な雇用・就労形態の促進
G活力を生み出すための都市環境整備
H地方の自立を促す制度改革
Iグローバル競争の激化に即応した通商・投資・経済協力政策
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週刊『前進』(2123号3面1)(2003/10/27)
国際連帯と階級的団結で翼賛選挙と小泉=奥田路線をぶっ飛ばせ
自治労大会決戦から11・9へ
闘う反対派が断固登場し100万組合内に分岐と流動
自民・民主の翼賛体制
第2次小泉改造内閣の発足は日本の全労働者階級に対する大攻勢の開始である。総選挙は、自民党と民主党が日本経団連の奥田ビジョン、すなわち「構造改革」、―一大資本攻勢と侵略戦争―戦争国家化の路線を競い合う、すさまじい翼賛選挙となっている。
日本帝国主義は、国家独占資本主義政策的な枠を取り払って大リストラ―全面的民営化、大資本攻勢と賃下げ、雇用解体、社会保障制度の全面的解体・改悪へと踏み込んでいる。臨時国会での小泉の所信表明と「改革宣言(自民党政権公約2003)」は、そのための宣言である。
今こそ、小泉改革、自衛隊イラク派兵、戦争国家化と翼賛政治体制、新たな大資本攻勢に対して、労働者の団結を基礎に総反撃に転じなければならない。戦争政治と大資本攻勢による生活・生存の根本的破壊に対する労働者階級の根源的怒りを組織しよう。
連合中央を先頭とする腐敗と転向の既成労組執行部を打倒し、労働者の本源的力を引き出す階級的な労働運動、労働組合をつくり出そう。11・9全国労働者集会を怒りの総決起の場として、新たな闘う労働運動の潮流の総結集の場として、小泉政権と自民・民主翼賛政治体制を打倒し、帝国主義を打倒する階級闘争宣言の場として、万余の規模で成功させよう!
小泉=奥田の先兵
今日、このような情勢のもとで、転落と腐敗、翼賛化を深めているのが連合である。10月2、3日の連合大会は「組合が変わる、社会を変える」として、労働組合としての全面的自己解体を宣言した。資本への忠誠を誓い、「構造改革」を支持し、労働委員会制度・労組法の抜本的改悪推進の立場を明らかにしたのだ。
決定的なことは、「民主党を基軸に二大政党体制の確立をめざす」として、自民―民主(再編もありうる)の2大ブルジョア政党体制推進を路線として打ち出したことであり、「憲法論議を否定しない」「“安全保障基本法”制定をめざす」として、改憲と侵略戦争、戦争動員の先兵となることを公言したことだ。
小泉改革=奥田ビジョンと連合の立場が完全に一体であることが明白となった。連合こそ、労働組合の名において労働運動を解体し、労働者の中へ小泉=奥田路線を持ち込みオルグし、翼賛政治・侵略戦争・労働地獄へと労働者を駆り立てる最悪の先兵なのだ。
だが、連合が労働組合という形をとる以上、矛盾もまた激化せざるをえない。連合傘下の最大産別である自治労において新綱領案=「自治労21世紀宣言(案)」が大会で否決される(続開大会でアクロバット的に可決)という事態は、そのことを見事に示した。小泉=奥田路線が労働者階級の巨大な反乱に遭遇することは不可避である。
国鉄・全逓・自治労・教労4大産別決戦は、小泉=奥田路線との激突の最前線である。その戦後労働運動的・階級的残滓(ざんし)の一掃と〈例外なき〉連合化・翼賛化、帝国主義的労働運動化をめぐる攻防として、官公労働運動とその戦後的体制の完全な解体・再編による大資本攻勢の開始をめぐる攻防として、4大産別決戦は闘われている。何より4大産別決戦は、労働組合の組織再編、組織そのものをめぐる攻防である。4大産別決戦は小泉改革=奥田ビジョンを打ち破るカギを握っている。
「第2の分割・民営化」と激しく対決する動労千葉を先頭に、小泉=奥田の民営化攻撃を打ち破り、4大産別から連合―既成執行部を打倒する新たな階級的労働運動をつくり出そう!
転向の「21世紀宣言」
以上を踏まえて自治労第74回定期大会――「自治労21世紀宣言」(以下「21世紀宣言」と略)をめぐる攻防――を総括したい。
そもそも「21世紀宣言」とは何か。第一は、徹底した労使(労資)協調路線であり、労働者の権利・生活を守るために当局・資本と闘うという労働組合の基本原則の完全な放棄である。
「労使の協働」「市民と労使の協働」という用語で、労働者・労働組合は使用者=当局や「市民」と一体となって小泉改革=奥田ビジョンを実行せよ、と迫っているのである。
経済財政諮問会議が10月3日に公共サービスの全面的民営化を提言したことを勘案すれば、「21世紀宣言」が小泉=奥田の「官から民へ」のスローガンを是認し、現場の労働者(とりわけ現業労働者)を徹底して切り捨てる方針であることは明らかである。「21世紀宣言」は、「闘わない宣言」であるどころか、自治労新綱領の名による小泉改革=奥田ビジョンへのゴーサインである。国鉄分割・民営化に協力する「労使共同宣言」の自治労21世紀版と呼ぶべき代物だ。
第二に、公務員労働組合としての自治労の否定であり、「サービス産業労働組合」への移行の宣言である。規制撤廃と民営化の論理と攻撃に完全に屈服するとともに、公的部門への資本の侵食を容認・是認し、民間サービス部門に組織の軸足を移し、行政機構内部の組織化から徐々に撤収するという方針である。
自治労は、別建ての組織方針案で02年の全競労、04年の全国一般に続き、05年に全水道、都市交と組織統合を行い「公共サービス産別」をつくるとしている。
国家―権力機構の内部から労働組合をつくり闘うという立場の百八十度の転換だ。有事法制=戦争動員、公務員制度改革=団結の全面的解体という攻撃が公務員労働者に間近に迫っている時、労働者の団結と闘いを解体し、自治体の戦争体制への編入を黙認するという大方針転換なのである。自治労中央は、今日の資本攻勢と戦争国家化の攻撃を前提とし、それと闘わず、組合員を切り捨て、戦争動員に協力することで生き残ろうとしているのだ。
第三に、資本主義と奥田ビジョンの完全な肯定である。「労組は雇用の多様化に対応しなければならない」と述べて資本攻勢の基本方向を容認するとともに、「行き過ぎた市場競争原理の負の側面にセーフティネットの構築を」という論理で、大恐慌と争闘戦下の帝国主義の必死の延命策である新自由主義的な資本攻勢をも容認した。労働組合の役割を、当局・資本と闘って労働者の階級的利益を守ることではなく、大資本攻勢を容認した上で当局・資本=敵とともに「セーフティネット」づくりに励むことにしたのだ。
第四に、国連を中心とする安全保障論と「アジアにおける総合的な地域安全保障システム」を打ち出すことで、小泉=奥田の北朝鮮―中国侵略戦争策動、アジア勢力圏化政策を労組の側から補強・支援する立場を明確にしたことである。
「21世紀宣言」は、自治労が産業報国会=翼賛組合への急坂を転落する綱領改定である。しかも、すでにこの路線は、運動方針案の中にも個々に具体化され、闘争方針にも大きな影を落としている。断じて許すことができない。
自治労の死を招く、このような「21世紀宣言」を阻止するために、われわれは1年間決戦を設定し、これを闘いぬいた。
流れは後戻りしない
われわれは、「21世紀宣言」の内容を徹底的に批判することで、自治労内に大きな流動をつくり出し、自治労本部の思惑――焦点化させずに成立させる――を粉砕した。大会前、大会期間中の圧倒的な宣伝戦で「21世紀宣言」の正体・本質を代議員・参加者に明らかにした。「労組交流センター自治体労働者部会」のビラは「第2の議案書」になった。
こうした闘いが「21世紀宣言」否決を導いたのである。1票投票の結果、反対348、賛成626、白票17で、賛成は3分の2の多数を得られなかった。衝撃を受けた本部は、休会を宣言、議事や役員選挙を続開大会に先送りした。
本部は「21世紀宣言」採択のためにあらゆる手段で反対派を切り崩そうとした。反対派県本部を恫喝し、代議員の一部入れ替えまで強行した。続開大会前日の全国紙は、社民党本部印刷局の6千万円使途不明問題を報じ、責任者の元自治労書記長の属する社民党協会派を牽制(けんせい)した。
われわれは「歴史選択の1カ月」として決戦に挑んだ。全国で創造的で画期的な決起が次々と生み出された。ある単組は、「21世紀宣言」反対のメッセージを全国の県本部、単組に送付し、大きな反響を引き起こした。続開大会では、対案や修正案の動きが生まれ、議長の動議提出封殺の策動を打ち破って議長不信任動議が出された。議長は動議発言すら許さず、挙手多数で動議を否決した。
採決の結果は反対238、賛成748、白票14で、出席代議員の4分の1が反対した。この反対238票は、あらゆる恫喝や圧力を跳ね返して確信をもって投ぜられた階級的決起である。いま一歩の力量があれば本部を打倒し、闘う執行部樹立へ駆け上るチャンスをつかみとることができた。この点を直視し、力ある新潮流をつくり上げなければならない。
「21世紀宣言」が本大会でいったん否決された事実は永遠に消えない。われわれは、定期大会と続開大会をとおして、100万自治労組合員の中に闘う新しい潮流を鮮やかに登場させた。自治労にかつてない分岐と大流動を生み出した。この流れはもはや後戻りすることはない。
自治労主流派へ
これら一切の闘いの根底に党の決起があった。公務員・自治体に照準を定めた小泉改革の進行の中で、党は、「21世紀宣言」提案が有事3法案に対する昨年の「5・16連合見解」以来の自治労をめぐる重大な決戦期の到来を意味すると判断し、「1年間決戦」を決断、「21世紀宣言」阻止へ全力で活動した。これらの積み重ねが総体として8・28否決―9・28反対238票の結果を生み出したのである。「21世紀宣言」は、自治労の解体をもたらし労働運動の壊滅をもたらす、という危機感が現場にみなぎっていた。「21世紀宣言」を阻止しなければならない、勝負しなければならない、という直観的判断と闘うエネルギーが現場の党員にみなぎっていた。これを土台に党は総力を挙げて決起し、一丸となって闘いぬいた。党の〈新指導方針〉のダイナミズムが完全に発揮されたのである。
9・28の反対238票は、路線選択としての分岐であるとともに、党派選択を内包した分岐である。この「238票派」は、新潮流であり、自治労の一層の分岐を促進する核となる。革共同が「21世紀宣言」反対の唯一の責任党派であることが自治労内外で公然と認知された。われわれは潜在的主流派となったのだ。
いよいよ「21世紀宣言」をめぐる攻防は小泉=奥田路線との闘いという第2ラウンドに突入する。この自治労大会は、全労働者階級の小泉=奥田路線と民主党との翼賛選挙、連合の日帝の先兵化への総反乱へと発展させなければならない。労働者階級が怒りの総団結をかちとる場こそ11・9労働者集会である。ここに自治労100万の命運がかかっている。
自治労大会決戦の総括の一切の結論は11・9への自治体労働者の大結集である。自治体労働者委員会の飛躍をかけ、大動員戦に立とう!
〔革共同自治体労働者委員会〕
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週刊『前進』(2123号3面2)(2003/10/27)
連合の団結破壊粉砕しわが手で戦争阻止する
11・9労働者集会へ
化学労働者の決意
11・9労働者集会の帰すうに労働者階級の未来はかかった。必ず5千人結集を実現しよう。すべての闘う化学労働者は、その最先頭に立とう。
10月2日〜3日の連合大会は、その直前の自治労続開大会で「21世紀宣言」をごり押しした北岡自治労前委員長を特別表彰し、「組合が変わる」と宣言して終了した。では連合はどのように「変わ」ろうとしているのか?
日本経団連は9月25日に「政党評価基準」10項目を発表したが、これは今年1月1日に発表した奥田ビジョンそのものであり、小泉所信表明と同じものだ。
連合大会は「奥田ビジョンのとおりに忠実に変わろう」と、より一層労働代官になることを宣言しているのだ。しかし、これは日本帝国主義が労働者階級を組織できていないという敵の弱さの現れであり、〈小泉―奥田−連合〉という構造こそ日本帝国主義の最弱点なのである。今こそこれを丸ごとぶっ飛ばす闘いとして、闘う労働組合の新潮流の決定的な登場が求められている。11・9労働者集会は小泉―奥田体制打倒の最短の道である。
変遷と反動の連合化学産別
この間の化学産別は「いかに闘わないか」を競ってめまぐるしく変遷した。
かつての合化労連が化学同盟などと「化学リーグ21」をつくったが、その名称も広まらないうちに昨年10月、石油産別、セメント産別などと「JEC連合」となり(化学総連とはブリッジ)、現在は「JEC懇話会」として電力総連、紙パ連合、ゴム連合、セラミックス連合、全国ガスと「化学エネルギーの結集」を呼びかけている。このように寄せ集まって一見「単産」としての組合員が増えたかのように宣伝しているが事実は逆である。
「闘う合化」の旗を投げ捨てて以来、資本のリストラ攻撃に屈服し、あるいは派遣労働を受け入れた結果、組織人員が減少して、連合の中でさえ存在感を失い、なりふり構わない統合を迫られての「数合わせ」の結果に過ぎない。
このような中で7月16〜17日に開催されたJEC連合第2回定期大会は、10月の連合大会の「変わろう」を先取りした、とんでもない反労働者的なものになった。大会議案書にJEC連合としての03春闘結果も記載できず(口頭で報告)、春闘ベア方針を放棄。また産別としてのミニマム方針も示さず、業種部門まかせにするありさまだった。
さらに「政治活動の取り組み」では「JEC連合政策議員」として自民党議員(棚橋泰文・岐阜2区)も人選。「社会貢献活動」では連合へのカンパでさえ約217万円なのに、アジア各国で侵略の先兵になっているオイスカには約227万円を送金するという、連合路線を右からけん引する極端な右翼反動路線を決定した。だからこそ化学産別での新潮流の闘いは、連合中央の戦争翼賛と団結破壊攻撃を打ち破る闘いになるのだ。
業績悪化を労働者に転嫁
日本の化学産業は規模が小さく、合併を重ねた三菱化学でさえ国際競争力はない。これをカバーするものとして合理化攻撃がかけられてきている。化学の労働者も今、リストラ攻撃の嵐にさらされ、賃下げや退職金切り下げ、希望退職という名の解雇など、枚挙にいとまがない。会社の業績が悪化したことをすべて労働者に転嫁しているのだ。
考えてもみればいい。つい10年ほど前、多くの職場では、一時金を全社員に数百万―数千万円分配しても赤字にならないくらいの業績をあげていたところも多かった。ではその時に労働条件は上がったのか? そんなことはない。
ところが現在は交渉の場で「売り上げが20%下がったから、経費を20%下げたい」と言ってくる。ふざけるんじゃない。本当にこういうデタラメと断固闘い抜かなくてはならない。
職場の仲間は皆、「企業と経営者は常に『自分のイスと報酬』は確保して、役員数や株主配当さえ減らさずに労働者にだけしわ寄せしている」と見抜いて怒りをたぎらせているし、化学の労働者はこれと営々と闘い続けてきた。
最近の取り組みを振り返っても、東京のA・B労組では労組結成に関わる不当解雇攻撃に対して労働委員会と地裁提訴で闘い、関東のC・D労組では賃金切り下げや不払い攻撃に対して地裁に提訴、北関東のE労組では退職金の大幅減額攻撃に提訴、これを支援する地域の数百の労組からの団結署名が裁判所に提出され闘いが広がっている。大阪のF労組では、組合結成に対する偽装倒産攻撃と闘い、会社解散と解雇を撤回させた。
私の県の労政課の調査では「年間に実施されたストライキは3件」だが、そのうちの2単組は私の職場を含めた化学産別、もう一つは交運であった。〔またイギリスでは化学メーカー・ローディア社の二つの労組(GBMとアミカス)が、企業年金改悪阻止で7、8、9月と連続的にストライキで闘っている〕
このように、連合指導部がどんなに指導を放棄しようと、労働者は闘わずにはいられない存在なのである。問題は、現状では分散しているそれぞれの職場での闘いを、すべての職場の仲間に見える形としての“力ある新潮流へ”、11・9集会5千人結集という一つの流れに集約していくことである。
そのためには、われわれの組合こそ組合員の生活と権利を守る闘う組合であることを繰り返し訴え、実際に職場闘争を不断に取り組むことである。『俺たちは鉄路に生きる2』で大スコ闘争、カーテン闘争から職場での職制の呼称、冠婚葬祭にいたるまで、動労千葉での生きた経験を紹介しているように、いくらでも闘いの可能性はあるのだ。
戦争と資本攻勢うち破れ
化学産別においては総評時代からの「合化労連―化学同盟」以来の分裂少数組合でも、闘わない二組を見限り、厳然とある差別を乗り越えて新組合員の結集をかちとっているところも多い。職場の労働者に対して、資本や国家の反労働者政策と対決するわれわれの立場をはっきりさせること。それを日常的な組合活動において労働者に見える形で実践することである。また職場にイラク反戦の闘いや、国労5・27臨大闘争弾圧を許さない闘いなどを持ち込み、「動労千葉のように」産別を越えた取り組みを強化することが自分の労組を強くするのだ。
日本帝国主義の根底的危機の深まりの中で、資本(企業)の売り上げも利益も下落する一方で、本当に絶望的な債務超過に陥り、その連鎖的な玉突きも含め、いつ倒産してもおかしくない時代になっている。「会社がつぶれたら、組合も元も子もない」というイデオロギー攻撃もある。
では、労働運動はこれからどうしたらよいのか。一つは職場闘争をさらに重視して闘うこと。二つには、企業内だけで闘ったのでは勝てない。産別に、地域に、全国に、世界に団結を広げて闘うことである。そして三つには、反戦闘争を闘う一本の筋を通すことである。11・9集会こそがこれを全一体で実現する闘いだ。
この間、日本帝国主義を代表するような企業の大工場での事故が連続している。新日鉄名古屋製鉄所での爆発事故、ブリヂストン栃木工場や出光石油やエッソでの石油タンク事故や化学工場での大爆発などを見よ。これは今や資本主義的生産そのものが末期的症状にまで至った結果である。また事故での労働者の犠牲や、責任をとらされての「自死」は、連合が資本に屈服し受け入れてきた合理化攻撃の行き着く果ての姿である。
工場設備を何十年もメンテナンスしない企業、安価で不慣れな派遣社員をデリケートな化学反応を操作する製造現場に送り込もうとする企業。歴史上、世界最大の労働災害事故はインドで起こった欧米資本の化学工場の事故(一つの町が全滅、3万〜5万人が死亡)だが、それは過去の話ではなく、労働者は闘わないと資本や御用組合に殺されてしまうのだ。
さらに、化学は戦争と直結する産別でもある。現在の三菱や三井資本を先頭に明治以来、国策会社として出発し空気中の窒素の固定化技術から火薬製造、さらに生物化学兵器の軍需工場として「発展」してきた。戦前、日本で原爆をつくろうとした研究所も戦後は化学会社になっている。
国鉄を始め交通運輸労働者が「戦争物流の動脈」を、金属労働者が「武器の製造」を支配することで戦争を阻止するとしたら、わが化学産別の労働者は「戦争全体の血液や弾薬」を制する位置にある。わが手で戦争を阻止する、できる気概で決起しよう。
日・米・韓の闘う労組が一堂に集まる11・9労働者集会こそ、戦争をストップさせることのできる闘いである。あと3週間、猛然と闘い必ず5千人結集を実現しよう。
(真崎耕司)
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週刊『前進』(2123号3面3)(2003/10/27)
全金本山全国闘争
“完全勝利”誓う
原職就労求め門前闘争
9月28〜29日、全金本山全国闘争が仙台現地で闘われ、2日間で160人が参加した。
28日夜、総決起集会が仙台市内で開かれた。司会の庄子和副委員長が「中野七郎書記次長は、80日間という長い勾留だったが8月20日に奪還した。有事法制下の弾圧をはね返す闘いとなった」と開会を宣言した。
長谷武志委員長は、「3月31日に別棟本訴の一部勝利判決をかちとった。連日の門前闘争、現場闘争の成果だ。中野さんへの弾圧も闘いの到達地平。日本経団連の奥田会長が『労使関係の安定』を強調しているが敵は闘う労働運動を恐れている」とあいさつした。
連帯のあいさつでは、東北大学有朋寮が中野さんの完全無罪をかちとり、廃寮攻撃を打ち砕く決意を表明した。
青柳充書記長が基調を提起。「第一に、仙台地裁への840の労組団体署名に示されるように、『ひとりの首切りも許すな』と物販を訴え、本山闘争を路線的に支持する運動をつくってきた」と、年末物資販売闘争の拡大を呼びかけた。
「第二に、中野さんの完全無罪をかちとることと、自治寮つぶしをはね返すこと。労働運動、学生運動、労学の共闘と反戦運動を強めよう」「第三に、全金本山闘争の完全勝利をかちとろう。3・31判決は会社側を勝たせるために考え抜かれた判決だが、会社側の主張自身が破綻(はたん)した。会社には争議責任の全面謝罪と就労を前提とした解決しかない。最大の決戦の場、会社を最後的な決断に追いこもう」と、闘う方針を鮮明に提起した。
全国から結集した支援の決意表明では、自治労の仲間が、自治労続開大会で代議員の4分の1が「21世紀宣言」反対を貫いたことを生き生きと報告した。
集会の最後に中野書記次長が登壇、「保釈をかちとり、労働運動、学生運動、反戦運動を分断してたたきつぶすという敵の狙いの第一弾は粉砕した。完全無罪でこの弾圧を粉砕しきることが次の課題だ」と熱い闘志を込めて語った。
29日は早朝から、大衡村本社工場正門前で門前闘争。2名の解雇撤回、全員の原職就労を求め、構内で働く第二組合=JAMモトヤマ労組の組合員に闘いへの合流を訴えた。
本山資本は、8月の団交でも「解決案を検討している」などと言を左右にして争議から逃げようとしている。29日も追及を恐れて通勤バスに隠れて出社する千葉敬二社長に、怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。
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週刊『前進』(2123号3面4)(2003/10/27)
西森教授のウソ暴く
東北大裁判 中野書記次長の無実は明白
9月29日午後1時半、仙台地裁で全金本山の中野七郎さんへの「傷害」ねつ造事件の第3回公判が開かれた。ねつ造の張本人=西森克彦東北大学教授が検察側証人として登場した。
正午過ぎには100人を超える労組員、支援の労働者、市民、学生が集まり、傍聴券抽選に長蛇の列を作った。抽選締め切り直前、東北大学当局10人が裁判所職員に守られるようにコソコソと後に並んだ。
西森教授は、検察官の主尋問で、警察での供述が二転三転してきたことを取り繕おうとしたが、弁護人の反対尋問によって次々とそのウソが暴かれた。
西森教授は「頭と背中を同時に」強くアスファルトの地面に打ちつけたと強弁したが、中野さんに「突かれた」瞬間を自分は見ていないし、それを証明する写真やビデオもないと証言せざるをえなかった。
そして問題の「後頭部外傷」について、西森教授は警察では「『コブ』がでた」と言い、検察では「『すり傷』があった」とまったく主張を変えた。今回の法廷ではなんと「『コブ』や『傷』より『頭痛』がひどかった」と言い出したのだ。中野さんが突然逮捕、起訴され、80日間も勾留された容疑事実=「加療約一週間の後頭部外傷」とは「頭痛」のことだったのだ。
このように「被疑事実」が二転三転すること自身が大問題だ。こんなデタラメきわまりない公訴は、ただちに棄却されるべきだ。
さらに、東北大学学長代行で学生対策の最高責任者である菅井邦明教授(教育学部)が「被害届を出しましょう。バックアップしますから」と西森教授に話し、被害届を出したことが明らかにされた。その背後に宮城県警がいたことも「被害届の前に相談があった」という警察官証言ですでに明らかとなっている。
中野さんへの「傷害事件」ねつ造は完全に明らかとなった。しかし、本間裁判長は、治安弾圧の意図をむき出しにし、検察側のビデオ証拠申請を撮影者の証人調べもしないままに採用するという暴挙を行った。弁護団は激しく抗議し、今後も不服申立などで争うことを宣言している。
国家権力の弾圧の意図は明白だ。全国の労働者、学生、市民の怒りを結集し、中野さんの完全無罪をかちとろう。
10月21日の第4回公判(午後1時30分・仙台地裁)に集まろう。
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週刊『前進』(2123号4面1)(2003/10/27)
三里塚は軍事使用許さぬ
10・12全国集会 暫定滑走路延長阻止へ
反対同盟 新たな闘争宣言
“成田空港は完成しない”
三里塚芝山連合空港反対同盟の主催で10月12日、「イラク−朝鮮侵略戦争阻止・有事法制粉砕/暫定滑走路延長阻止し軍事空港を廃港へ/三里塚全国総決起集会」が開催された。前夜からの雨も朝にはあがり、全国から集まった1250人が意気高く集会とデモを貫徹した。暫定滑走路の開港から1年半、そして来年4月の空港民営化という局面での重要な集会となった。反対同盟は、空港民営化のための暫定滑走路延長攻撃と全面対決し、反戦の砦として暫定滑走路の閉鎖まで闘う新たな闘争宣言を発した。
“闘う人民の力で小泉を倒す”
伊藤信晴さんと宮本麻子さんの司会で集会は進行した。伊藤さんは「民営化を前に現地攻防が煮詰まる中での集会だ。暫定滑走路の閉鎖か、2期の完全完成かをかけた重大な攻防だ」と集会の意義を訴えた。
本部役員の鈴木幸司さんが開会宣言を行った。「戦争が目の前まで来ている。38年間掲げてきた軍事空港反対のスローガンは間違いではなかった」と説き、イラクへの自衛隊派兵など成田空港の軍事利用阻止を訴えた。さらに「反対同盟は、全国の闘う人民と連帯を深め小泉政権を倒す」と宣言した。
続いて北原鉱治事務局長が基調報告。一坪共有地の強奪を狙う公団の民事訴訟などの暫定滑走路の延長攻撃を弾劾し、「われわれは代償を求めない。話し合いに応ずることは一切ない。したがって成田空港は完成しない」と断定した。
さらにイラクへの自衛隊派兵に対して「反戦の砦として三里塚は、成田空港の軍事使用を絶対に許さない」と宣言した。最後に「三里塚は必ず勝つ」と力強く決意を示した。
動労千葉委員長が特別報告
動労千葉の田中康宏委員長が特別報告を行った。11月9日の労働者集会への結集を呼びかけ、米国や韓国から闘う労働組合の代表団が参加することを報告。大失業と戦争に対決する国際連帯集会になると集会のイメージを紹介した。
続けて、11月9日の総選挙は、小泉・自民党と民主党が有事法や教基法改悪、改憲を競う選挙だと弾劾。「これら全部と対決し、労働者の異議申し立てをする。あえて11月9日に断行したい。世の中の大反動とたち向かう日本の労働運動の転換点にしたい」と11・9労働者集会の意義と大結集を訴えた。
米国の反戦団体ANSWERからのメッセージが紹介された。「支配階級による人民の戦争動員に対して、それぞれの国で闘うことが国際的連帯を築くために大切なこと」と10・25国際反戦行動を呼びかけた。
東峰神社裁判の支援を訴え
東峰神社裁判支援の訴えを東峰住民の萩原進事務局次長が行った。空港公団が敗訴逃れに「謝罪や慰謝料」などの「譲歩」を装いながら、敷地は「公団のもの」と開き直るペテン的な「和解」を出したことを厳しく断罪。「そもそも神社の敷地は東峰部落のもの」と、「和解」を拒否し、「裁判を続け、東峰部落の総有財産であることを証明する」と裁判闘争勝利の決意を語った。
さらに暫定滑走路を開港しジェット機を飛ばして農家を追い出す攻撃をうち破り、「逆に民営化前に暫定滑走路が荷物になっている」と暫定滑走路の破産を宣告。「今日を新たな闘いの出発点にする」と暫定滑走路閉鎖へ決意を語った。
“大地に腰据え闘う”と敷地内
続いて天神峰の市東孝雄さんが「暫定滑走路開港から1年半。変わらず農業をやっています」と元気な姿で決意表明を行った。ジェット噴射や騒音、着陸時のブレーキによるタイヤ臭などの被害を訴え、フェンスのかさ上げを拒否する空港公団を弾劾した。また北延伸の脅しに対して「ジャンボ機が誘導路を通れず北延伸は意味がない」「追い込まれているのは公団だ」と語った。最後に「大地に腰を据えて闘う」と力強く宣言した。
反対同盟顧問弁護団を代表して葉山岳夫弁護士が登壇してあいさつ。暫定滑走路で頻発する事故は「造るべきでない2180bの暫定滑走路を強行開港したツケ」と、事故の一切の責任が空港公団と政府にあることを指摘、裁判闘争を含め労農学の闘いで政府・公団を追いつめ、勝利を切り開こうと呼びかけた。
続いて反対同盟の鈴木加代子さんが「反対同盟は暫定滑走路の延長攻撃と闘い、有事立法による軍事基地化を阻みます。反対同盟は信念を貫いて最後まで闘います」とカンパアピールを行った。
住民団体・共闘団体からの決意表明が続いた。反戦自衛官の小多基実夫さんは「普通の自衛官が人間としての誇りをかけて、自分と家族を守るために命令を拒否して闘う」と自衛官が命令拒否で闘おうと訴えた。
関西、北富士、沖縄など決意
全関西実行委員会代表の永井満さん、泉州住民の会代表の森田恒一さん、東灘区住民の会代表の山本善偉さんが登壇した。永井さんは「勝利するまで闘う。私は燃えている」と決意を示した。森田さんは「人間を住めなくするのが目的だ」と暫定滑走路の狙いを断罪し「この空港の非人間性に腹の底から怒りを感じる。絶対に許さない」と語った。山本さんは「戦争体験者として二度と侵略戦争を繰り返さない。死ぬまで闘う」と訴えた。
北富士忍草母の会の天野美恵事務局長は「11月28日に米軍が演習を行おうとしている。入会地は誰にも貸していない。なぜ無断で米軍や自衛隊が使うのか」と怒りの弾劾。自らゲリラとなって演習阻止を闘う決意を表明した。沖縄から知花盛康さんが駆けつけ、「米軍基地は沖縄を守るためではない。一人の少女の人権や尊厳が守れない安保とは何か」と安保と基地を強く批判した。
部落解放同盟全国連を代表して阪口克己・東大阪市議が発言した。初挑戦での選挙勝利を報告。「人民が政治に目覚めた時すさまじいエネルギーとなる。住民とともに闘い勝利した」。都政を革新する会の長谷川英憲代表は「総選挙の投票日は11・9労働者集会と重なる。あらゆる人民は日比谷野音に集まろう」と訴えた。
婦人民主クラブ全国協は「戦争や社会保障解体、生活破壊に対して団結して一丸となって闘う時」と訴えた。関東「障害者」解放委員会は「三里塚を闘う労働者人民とともに資本攻勢や『障害者』抹殺の攻撃と対決する」と語った。
イラク派兵阻止をアピール
東京反戦共同行動委員会の三角忠代表は、12月のイラクへの自衛隊派兵阻止の闘いと10・25統一行動への決起を訴えた。全学連の大山尚行委員長は「全学連は、イラク派兵阻止へ数万の反戦デモの実現へ闘う」と闘いへの固い決意を表明し、派兵阻止の現地闘争を提起した。
木内秀次さんが集会宣言(別掲)を読み上げ、鈴木謙太郎さんの団結ガンバローで集会を終えた。
反対同盟を先頭にデモに出発した。時折ジェット機が轟音を響かせながら離着陸する中、東峰部落を周回し、天神峰の団結街道を進むデモを貫徹した。
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週刊『前進』(2123号4面2)(2003/10/27)
10・12集会宣言
政府・空港公団は来年4月に公団を民営化し、07年株式上場までに用地買収を完了すると宣言した。買収のための「話し合い」に応じないなら滑走路を北側に延長して東峰の頭上でジャンボ機を飛ばすとぶちあげた。天神峰ではジェットブラストを浴びせて追い出そうとしている。対策フェンスをかさ上げせよという反対同盟の度重なる要求にも、公団は誠意を示さず折衝要求すら拒絶した。
欠陥だらけでジャンボ機が飛べない暫定滑走路は、いまや成田空港を破綻に導く重荷となった。09年羽田国際化の決定によって成田のアジア便の大半が羽田に移る。空港公団はジャンボを使う欧米便が発着できるようにするために、暫定滑走路を2500bに延長しようと躍起となっているのである。
三里塚闘争はついに暫定滑走路延長をめぐる、向こう3年間の決戦に突入した。反対同盟は37年間の闘いを決めるこの闘いに総力をあげて決起する。
東峰神社裁判の正当な主張は空港公団を追いつめた。公団は「和解」と称して、いまだに神社敷地を公団の所有物だと主張している。敷地は東峰部落の総有財産であり神社林伐採の暴挙は違法である。裁判闘争を支援しよう。
米ブッシュ政権の侵略戦争は戦後世界を一変させた。小泉内閣はこれを好機として、来月にも戦後初めて陸上自衛隊を戦場に送り込もうとしている。成田空港をイラク侵略の出撃基地としてはならない。三里塚で勝利し全国の反戦・反基地闘争の突破口としよう。有事法制・改憲攻撃を粉砕しよう。
反対同盟は動労千葉を始め資本攻勢と闘う労働組合と連帯する。戦争翼賛のための総選挙をうち破ろう。アフガン、イラク、パレスチナで続く侵略と虐殺に抗議し、米反戦団体ANSWERが呼びかける10・25統一行動に総決起しよう。来春3・28全国集会へ、決戦に勝ち抜こう。
2003年10月12日
三里塚芝山連合空港反対同盟
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週刊『前進』(2123号4面3)(2003/10/27)
9・29 敷地内・市東さん迎え
関西で三里塚集会
三里塚関西集会が9月29日、エルおおさかで行われ120人が参加した。三里塚反対同盟の市東孝雄さんを迎え、初当選した阪口克己東大阪市議、イラク「人間の盾」参加者の高薮(たかやぶ)繁子さんらが発言に立ち、闘いの原点をはっきりさせる感動的な集会となった。
集会は国賀祥司・泉佐野市議と淡路町反対同盟の安藤真一事務局長の司会で行われ、まず関西実行委員会の永井満代表、加辺永吉世話人、安藤事務局次長の三里塚現地視察・激励行動のビデオが上映された。
市東さんの畑へのジェットブラスト、上空40bのジェット機の轟音などがリアルに映し出され、24時間365日の生活破壊攻撃の中で闘い続ける反対同盟のすごさを確認した。
現地報告を行った市東さんは「ジャンボが飛べない暫定滑走路のままでは民営化はなんの意味もない。この半年間の闘いが重要。成田空港は有事の指定公共機関。成田から侵略機を飛ばしてはいけない」と訴えた。
加辺世話人は「三里塚反対同盟の萩原進さんが『関西空港は水で沈み、三里塚は政治的に沈みそうになっている』と言っていた」と報告。永井満代表が「三里塚を闘う者こそ逆流の中で敢然と闘い、戦争への道を阻止しよう」と結成26年を迎えた関実の責任感に満ちた基調提起を行った。
世話人の森田恒一さんは「暫定滑走路は重大犯罪。断固闘う」と述べた。関西反戦共同行動委の入江史郎さんは、「11月全国労働者集会は日本の未来を決する重要な集会。大結集を」と連帯のあいさつを行った。
高薮さんはアラブのクヒーヤをまとって登壇し、「ちゅうちょなく徹底的に闘おうとイラクに行った。イラク人民の占領軍を追い出す闘いと三里塚の闘いは重なる」と、イラク派兵阻止を訴えた。初当選した阪口東大阪市議が拍手の中で登壇、「選挙は荒本支部の総決起と高齢者の命がけの闘いで勝利した」と報告。関西労組交流センター、全学連が決意表明を行った。
「三里塚は軍事空港建設と37年間非妥協的に闘い勝利している。日本が戦争に向かっている今こそ三里塚のように闘おう」と確認し、山本善偉世話人のあいさつと団結ガンバローで集会を締めくくった。
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週刊『前進』(2123号4面4)(2003/10/27)
労働者の闘いを抑圧する 日本共産党の新綱領案(6)
天皇制の全面容認
「君主制と言えない」と強弁
党内から動揺
新綱領案の狙いと本質は、ブルジョア政権に入れてもらって党の延命を図ること、そのために「革命」的なことは一切何もやらないことを徹底し、労働者階級に背を向け、ひたすら国家と資本に向かって恭順を誓うことである。
「天皇制の容認」もその一環であるが、しかしこれは安保・自衛隊の容認とともに格別の意味をもっている。日帝支配階級が最も激甚に反応する問題領域で、絶対の服従を綱領的に明記し、自己の「無害性」と「有用性」を必死に訴えるものであるからだ。
「天皇制の容認」問題は、マスコミが大きく取り上げただけでなく、何よりも日本共産党内部に深い亀裂と動揺を生み出している。その一端を示す発言が、『赤旗』別刷りの「綱領改定案公開討論」bPに載っている。
「『天皇制廃止』のない綱領案にショック」「当面天皇制と共存し時期が熟すると国民が決めるなど他力本願の日和見主義としか言えません」「入党時『社会党』ではなく、『共産党』を選択したのは『天皇制廃止』の運動に積極的に参加できると考えたからです」
これは、今回の改定案に衝撃を受けた多くの党員の共通した思いに違いない。
「廃止」降ろす
現行綱領から「天皇制の廃止(打倒)」を削るというのは、いったい何を意味するのか。不破のペテン的論立てを暴こう。
まず第一に、「天皇制をたおす」「君主制の廃止」という従来の表現を綱領から一掃したことである。
「帝国主義戦争と天皇制権力の暴圧に対して闘ってきた唯一の党」というのが、日本共産党の表看板だった。それすらも今、完全に投げ捨てたのである。「天皇制の打倒・廃止」を掲げたままで、新綱領案の「民主的改革」論の°無害性″を日帝支配階級に信じさせるのは無理だと判断したのである。現行綱領の二段階革命論的「民主主義革命」論には「君主制」(天皇制)から「共和制」への国家形態の転換の意味が含まれている。
不破は「党は天皇制打倒の旗を掲げたことは一度もありません」などと大うそをついているが、民主主義革命論自体がもともと「天皇制の廃止」↓「民主共和国への移行」というものだったのだ。「天皇制の廃止」はやはり一種の革命なのである。だからこそ新綱領案で「社会主義革命」を一掃し「民主的改革」にしぼり上げる以上、「反天皇制の闘い」の要素を残すわけにはいかないのである。
これこそ、国家権力の根幹にかかわる問題(権力と革命の問題)で日本共産党が完全な屈服・転向を宣言し、日帝国家の侵略と抑圧、民族排外主義の先兵になることを最終的に誓ったものである。それはかつてこの党のもとで天皇制打倒の闘いに命をかけた人たちへの冒涜(ぼうとく)であり、革命をめざす人民への敵対である。不破は、その立場から以下のように、天皇制を倒す必要がないと説得しようとする。
すなわち第二に、戦後の現行天皇制は、憲法の中に「国政に関する権能を有しない」という制限条項が明記されているから、もはや戦前のような権力的な存在とは言えない、君主制ではない、だから天皇制は完全に無害だと言うのである。
さらに第三に、現行天皇制は「民主主義の原則」には反するが「憲法上の制度」であるから認めざるをえないと明言し、「その存廃は、将来、情勢が熟したときに、国民の総意によって解決されるべきもの」と、すべてを「国民の総意」つまりはブルジョアジーの意向にゆだねることを表明したことである。
激突への恐怖
これらは、今後の激動情勢の中で、憲法と天皇制をめぐる階級攻防が日本階級闘争の内乱的激化の推進軸となることを不破らが本能的に感じ取り、心底脅えていることの表れである。天皇制打倒が意味する階級的激動への恐怖、天皇制をめぐる支配階級の激烈な反応=弾圧への恐怖――日本共産党が天皇制を容認した最深の根拠はここにある。日本帝国主義が今、有事立法やイラク派兵法のもとに実際にイラクや北朝鮮への侵略戦争・自衛隊派兵に乗り出そうとしているからこそ、戦争動員のイデオロギー的テコをなす天皇制への積極的容認を自ら申し出たのである。
不破自身、戦後の天皇制が権力や暴力(白色テロ)とまったく無縁の存在になったなどとは考えていない。逆である。天皇と天皇制イデオロギーが支配階級にとって切り札であることが明白であるからこそ、天皇制=日帝と一切闘わない路線に労働者人民を引きずり込もうとしているのだ。
戦後天皇制は、敗戦帝国主義・日帝の帝国主義的再建の究極の拠り所であり、新たな侵略と侵略戦争への国民的動員の「最後の切り札」としての政治的・イデオロギー的な位置と意味をもっている。その事実の上に、今、天皇制的国家主義的強権支配体制への移行が企てられているのだ。
不破指導部は、この数年来、「日の丸・君が代」法制化推進を始め、皇太后死亡時の弔辞や皇太子の娘愛子誕生の際の賀詞など、天皇制と天皇制イデオロギー攻撃に積極的にさおさす行動をとり続けてきた。新綱領案はその反革命的集大成である。
不破と日本共産党中央は今、党内がどんなに揺れようと強引にのりきる腹を固めている。こういう不破指導部に疑念を抱き怒りを覚える人は、この党と決別して真に闘う隊列に合流する以外にない。まさに今、その決断の時がきている。労働者階級の党、プロレタリア革命の党として、天皇制打倒・日帝打倒の立場を貫く革共同とともに、労働者人民の自己解放の道をともに進もう。
(柏木俊秋)
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週刊『前進』(2123号4面5)(2003/10/27)
10月8日〜14日
政府がイラク派兵準備指示
テロ対策特措法延長を強行
●「靖国参拝続ける」 小泉首相は、靖国神社参拝を今後も続ける意向を明らかにした。中国の反発について「今後の日中友好の障害にはならない」と述べ、途絶えている首脳の相互訪問再開にあたり大きな問題にはならないとの見方を示した。(8日)
●仏伊がミサイル防衛構想 フランスとイタリアが欧州初のミサイル防衛構想に乗り出したと、仏ルモンド紙が報じた。同紙によると巡航ミサイルをキャッチする移動型のレーダーの開発に仏が乗り出した。同時に、仏伊は中距離射程の地対空ミサイル「SAMP」の生産を近く発注。06年までに仏に12基を、伊に6基を配備する。(9日)
●ブッシュがイラク撤退せずと演説 ブッシュ米大統領がイラクのフセイン政権崩壊半年を受けて米ニューハンプシャー州の州兵基地で「(イラクで)仕事が終わるまでこの戦いを続けなければならない」と戦争正当化と居座りを宣言した。(9日)
●テロ対策特措法が延長 11月1日に期限切れとなる現行法を2年間延長する改悪テロ対策特別措置法が参院本会議で採決され、与党3党の賛成多数で可決・成立した。野党3党は反対した。(10日)
●衆院解散、総選挙へ 衆院が本会議で解散された。政府は直ちに臨時閣議を開き、衆院総選挙の日程を「10月28日公示−11月9日投票」と決めた。衆院解散は森内閣での00年6月以来、3年4カ月ぶり。(10日)
●04年、15〜20億j拠出へ イラク「復興支援」への拠出額をめぐり、外務、財務両省は、04年の拠出額について15億〜20億j(約1650億〜2200億円)とすることで合意した。この範囲内で最終的に首相官邸が判断するという。(10日)
●石原、少年法改悪提案へ 東京都の石原知事は、少年法の改正を近く政府に申し入れる方針を固めた。保護観察中に再度非行に走った少年を最初の非行に基づく少年院収容も可能にする、容易に収容などの期間を延長できる――など。自治体が、治安にからむ立法について国に具体的に申し入れるのはきわめて異例。(10日)
●在韓米軍、極東全域で活動 在韓米軍約3万7千人の再配置問題について、米軍が活動地域を朝鮮半島から極東全体に拡大し、機動的に対処する地域軍に再編成する方針を韓国政府に伝えていたことが分かった。新たな米軍の活動範囲は、北は北海道のほぼ全域を含み、西は台湾、東はグアム島にまで及ぶ。韓国・中央日報紙が伝えた。これと関連して韓米連合軍司令部関係者は、米軍が釜山港に新たな海軍基地を2011年までに造る計画を持っていると明らかにした。(10日)
●海自機とANK機がニアミス 東京都八丈島空港付近の上空で7日朝、同空港に着陸しようとしていた羽田発エアーニッポン(ANK)機に海上自衛隊のP3C哨戒機が異常接近(ニアミス)したと、ANK機の機長が国土交通省に届け出た。機長の報告では、高度差約30b下を自衛隊機が通過した。(11日)
●渡航先に事前通知 日本政府は、国際的なテロ対策の一環として、海外に出かける旅客の氏名などの情報を、渡航先の国に出発前に伝える「事前旅客情報(API)システム」を、04年度に導入する方針を固めた。テロ活動に関連する疑惑などのある要注意人物が到着する前に、出発国からの情報に基づいて動向をチェックする仕組み。(11日)
●イラク派兵準備を指示 日本政府は、イラク復興特別措置法に基づく自衛隊のイラク派兵について、陸上自衛隊の派兵先をイラク南部とする方針を固め、防衛庁に対し派兵準備指示を出した。政府は陸自の先遣隊約150人を年内に派兵する準備を進めており、陸自本隊は約600人を年明けに派兵することで調整している。(14日)
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週刊『前進』(2123号5面1)(2003/10/27)
10・25国際反戦行動に全国で立とう
米英軍は直ちに撤退せよ
日帝の侵略戦争への本格参戦
イラク派兵を絶対阻止しよう
日帝・自衛隊のイラク侵略派兵を絶対に阻止しよう。10・25国際反戦行動はその突破口だ。米ANSWER連合の呼びかけにこたえ、東京(渋谷・宮下公園)を始め全国の主要都市をイラク派兵反対の声で埋め尽くし、2〜3月を上回るイラク反戦闘争の大高揚をつくり出そう。その力で11・9労働者集会の大成功をかちとろう。そして全学連を先頭にイラク派兵実力阻止の現地闘争に立とう。
イラク侵略戦争の泥沼化と激化拡大
イラク侵略戦争は終わっていない。それはイラク人民の民族解放闘争を圧殺し、イラクを植民地支配するための侵略戦争としてますます激化している。現在も、毎月1千人ものイラク人民が虐殺されている。そうした戦場のまっただ中に自衛隊を侵略派兵することを許してはならない。
米英軍は連日、旧フセイン政権関係者や反米グループの捜索作戦と称して民家を襲撃し、問答無用の拘束と虐殺を行っている。また勝手に検問所を設けて、検問所に気づかずに通り過ぎようとした市民を含めて無差別に虐殺している。米軍は市民に犠牲者が出てもそのまま放置し、遺族への謝罪すらしていない。イラク駐留米軍のサンチェス司令官は「軍事作戦に謝罪はそぐわない」などと居直っている。さらに米英軍は軍事占領に抗議するデモ、未払い賃金と仕事を要求するデモにくり返し発砲し、イラク人民を虐殺している。
イラクでは米英軍の爆撃などで電力や水道施設が破壊された結果、衛生状態が悪化している。幼児の死亡率は国連の経済制裁下にあった昨年のほぼ2倍の10・3%に跳ね上がった。米軍は少なくとも2000dの劣化ウラン(DU)をイラク全土に撃ち込んだ。その影響が米兵に出始めているが、イラク人民の健康被害がどれほど深刻であるかは想像もつかない。
「イラク復興」は植民地化だ
日帝・小泉政権はイラク派兵が侵略戦争への参戦ではなく、「復興人道支援」であるかのように言う。
連日イラク人民の大虐殺を続けながら、何が「人道」か。イラク人民は帝国主義による「復興」など求めていない。彼らは技術や労働力も持っている。イラク人民は「米軍は直ちにイラクから出て行け。自分たちの国は自分たちでつくる」と主張し、そのために命がけで闘っているのだ。米英軍の占領支配こそがイラク人民による復興を妨げているのだ。米英軍は直ちに撤退しろ。
そもそも帝国主義による復興とは、帝国主義が石油を略奪し、イラクを植民地化するということ以外の何ものでもない。イラク人民の武装抵抗組織・イスラム解放軍が°米軍占領下でイラクを侵略する外国企業も攻撃する″と警告したように、イラク人民は帝国主義による復興など断じて認めることができないのだ。
米帝は「経済の自由化」の名のもとに、イラクの国営企業を民営化し米国資本などに売り渡そうとしている。外国資本にイラク企業の百パーセントの株式保有を認め、イラク国営銀行は外国銀行によって5年以内に買収される。油田は国有のままで原油販売利益はすべて暫定占領当局(CPA)が管理する。
イラクは戦争前、労働人口の半分近い約200万人以上が公務員であった。石油部門を始め主要な産業では計画立案から施工、補修まで国有企業が自前で行ってきた。イラク侵略戦争で失業率が55〜65%に悪化し、失業者のデモが連日闘われている。にもかかわらずCPAは、地元のイラク人労働者を排除して外国人労働者を雇っている。
米帝は「戦争で血を流した国だけが権益を得る」(ラムズフェルド国防長官)と明言し、米資本が「戦果」の分け前に群がっている。日帝は自衛隊を派兵することで「イラクの石油採掘権は今後米英のメジャーが握ると思われるが、その下請けの権利を自国の会社が取得するためにも……日本もプレゼンスを示さなければならない」(防衛研究所の小塚主任研究官)と、利権の分け前にあずかろうとしているのだ。
イラク人民の決起と連帯を
イラク人民は米英軍の占領下での虐殺と屈辱に怒りを燃やし、やむにやまれぬゲリラ戦争に決起している。命をかけて民族解放・革命戦争を闘うイラク人民と連帯し、自衛隊イラク派兵を阻止しよう。
朝日新聞の報道でも、米英軍に対する攻撃が9月以降急増し、ブッシュが戦闘終結を宣言した5月の4倍に達している。
この間のゲリラ戦は、米英軍兵士だけでなく、国連や暫定占領当局の中枢、イラク統治評議会、親米派イラク人、イラク警察、イラク外務省、対米協力を進める国の大使館、さらには石油パイプラインなど米英占領軍を支える施設や人間に対するものへと拡大している。米軍支配に協力する者はイラク人であれ、誰であれ許さないとしている。
その中でイラク国内に駐留している13万人の米兵に厭戦(えんせん)気分が広がり、「米陸軍の能力は限界に達している」(米ブルッキングズ研究所のオハンロン上級研究員)。米帝は軍事的にも財政的にもイラク侵略戦争の負担に耐えられなくなっているのだ。
そのため米ブッシュ政権は、イラクへの多国籍軍派遣や資金拠出を促すために国連安保理で新決議を上げさせた。各国から何度も拒否され、4度の修正の上で採択されたが、それも米英の主導下で国連の役割を拡大したにすぎない。
アナン国連事務総長は「国連か、CPAか、どちらか一つが憲法制定や総選挙の道筋を担うべきだ。両者が一緒にやれば、いたずらに混乱を招き、その結果、国連要員を危険にさらす」と米帝の修正決議案を拒否する演説を行い、イラクから完全撤退する可能性に言及した。イラク人民が米軍占領のもとでの復興支援を断固として拒否し、武装闘争に決起している以上、現状では国連活動を展開しようがないのである。これは8・19国連事務所爆破戦闘を始めとしたイラク人民の命がけのゲリラ戦争が切り開いた地平である。
国際的な孤立を深める米帝にとって日帝の協力は欠かせない。だから日帝に陸上自衛隊の派兵と数十億jの支援を要請し、「逃げるな」と恫喝したのだ。
年内に先遣隊150人の派兵を狙う小泉
日帝・小泉政権は14日、米帝の要求にこたえて陸自をイラク南部のナーシリヤやサマワなどの都市周辺に派兵する方針を固めた。これを受けて陸自は、従来は「必要」としてきた政府の正式な指示を待たずに、先遣隊約150人を年内に、本隊の約600人を年明けに派遣する準備を進める。また空自もC130輸送機3機、隊員約150人を派兵し、米軍や自衛隊などの物資を空輸する。小泉政権は04年に15億j(1650億円)、4年間で50億jを拠出することも決めた。
イラク人民の命がけの闘いが米英帝国主義を追いつめているときに、日帝が米英占領軍の同盟軍として本格的に参戦することがどうして許せるか。闘うイラク人民と連帯し、派兵と資金拠出を絶対に阻止しよう。
政府は、陸自は給水、給電、医療支援などの「人道復興支援」を行うと発表している。だが「人道」や「復興」などというのは許しがたいペテンだ。政府が自衛隊の任務をどう位置づけようと、米軍占領支配を補完し、闘うイラク人民を虐殺する治安維持部隊であることはあきらかだ。それは民族解放闘争の圧殺を狙う侵略派兵そのものだ。
小泉は国会で「野盗や強盗のたぐいに襲われたら殺される可能性はあるかもしれない。相手を殺す場合もないとは言えない」「襲われたら闘うのは人間本来の活動だ」と答弁した。イラク人民を「野盗や強盗」などと決めつけて、攻撃されればイラク人民など殺して当然だと言うのだ。石破防衛庁長官は「どのような武器を携行すれば、安全で国際的責務を果たせるか。現場の実情に合わせて、抑止力のあるものを持たせる」と述べて、バズーカ砲や装甲車まで持ち込んでイラク人民を無差別虐殺しようとしている。
はっきりさせよう。イラク人民には占領軍・侵略軍である自衛隊をせん滅する権利がある。たとえ攻撃されても、自衛隊がイラク人民を虐殺することは許されない。侵略戦争の先兵となって殺されたくないならば、イラクに行くべきではないのだ。
自衛官のみなさん。これは「人道支援」ではない。イラク人民を虐殺し、民族自決権を圧殺してイラクを植民地支配するための侵略派兵だ。家族を殺され、生活や尊厳を踏みつけられたイラク人民は、誇りと命をかけて解放闘争に立ち上がっている。このイラク人民に虐殺の銃を向けてはならない。出兵命令を拒否しよう。それ以外に兵士諸君と諸君の家族を守ることはできない。日帝は今回の派兵を突破口にもっと大規模な侵略戦争へと踏みだそうとしている。ともに出兵拒否と反戦運動に立ち上がり、世界戦争へと向かう社会を力を合わせて変革しよう。
戦争・失業・貧困を拡大する帝国主義
10・25闘争の爆発へ最後まで全力を尽くそう。
そのために訴えたいことは第一に、イラク人民虐殺と軍事占領、植民地化というイラク侵略戦争の現実がどうして許せるか、ということだ。
日帝は「イラクの大量破壊兵器を廃棄する」とデマ宣伝し、米帝のイラク攻撃を全面的に支援した。今度は「人道復興支援」なるペテンでイラク現地に自衛隊を侵略派兵しようとしている。こうしたデタラメなやり方が国会内でも、総選挙でもほとんど問題にされていない。民主党・連合も「国連決議があればイラクに派兵すべき」と、侵略派兵自体には大賛成である。
こうした翼賛状況に怒りを燃やし、イラクの現実を労働者人民に持ち込んで、イラク派兵をめぐって国論を二分する情勢をつくろう。軍服を着た労働者と農民である自衛官をも対象に反戦闘争を展開し、自衛官の出兵拒否を実現しよう。
第二に、このイラク派兵をもって、日帝がついに侵略戦争への本格的参戦を開始し、世界戦争の推進者として登場しようとしていることを暴露し弾劾しよう。
日帝はこれをもって自衛隊を侵略軍として大転換させ北朝鮮・中国侵略戦争に向かって絶望的に突撃しようとしている。そのために04年の有事法制完成、05年の自民党改憲プラン提示を宣言している。今回の総選挙は、日帝が戦争突撃と改憲に突き進む体制をつくるための攻撃である。
11・9集会へ
自国帝国主義の侵略戦争への突入をめぐる歴史的決戦が始まったのだ。このことをすべての労働者人民に訴え、イラク反戦闘争の大爆発で日帝・小泉政権を打倒しなくてはならない。10・25闘争は11・9労働者集会とともに、日帝の戦争攻撃と真っ向から対決する労働者人民の闘いだ。闘う労働組合の全国ネットワークづくりを呼びかける3労組や陸・海・空・港湾労組20団体と連帯して闘おう。
第三に訴えたいことは、全世界人民と連帯し10・25国際連帯行動でイラクから米英軍を撤退させ、世界戦争へ突き進む帝国主義を打倒しよう、ということだ。
イラク侵略戦争は、歴史的没落にあえぐ基軸帝国主義=米帝が世界支配を貫くためにはこれ以外にない選択であった。それは米帝ブッシュの世界戦争戦略への本格的な踏み切りであったが、米帝はイラク人民の民族解放闘争の爆発の中で完全な泥沼にはまり込んでしまった。米帝の一層の没落と凶暴化は不可避である。
米帝は国連や他帝国主義との協調を図るべきだ、という意見が聞かれる。確かに〈米帝の国益を一方的に押しつけるユニラテラリズム>や〈米帝が脅威と見なした国家を先制攻撃で体制転覆するというブッシュ・ドクトリン>の発動は、帝国主義の非和解的な分裂を生み出した。しかし帝国主義間争闘戦の非和解化こそが、ブッシュ路線を生みだしたのだ。膨大な過剰資本と世界恐慌過程の進展にあえぐ帝国主義が市場や資源を奪い合い、さらに通貨や勢力圏をめぐって激突している中では、世界支配―ドル支配なしに延命できない米帝が他帝国主義と協調することなど不可能なのだ。
帝国主義は、米帝ブッシュの世界戦争路線を軸にさらに利害対立を深めながら、世界戦争へと突き進むしかない。ところが日本共産党は「国連のもとでの協調、平和」を主張し、人民をあざむいている。国連は帝国主義の利害がますます激突する場となり、さらに無力化していくしかない。
90年代初頭のソ連スターリン主義崩壊によって戦後世界体制が崩壊し、米帝を始めとした帝国主義が生き残りをかけて世界市場の再分割をめぐる激突を開始している。それが「グローバル化」の正体である。それは日本経団連の奥田ビジョンなどが示すとおり、自由貿易協定などによる帝国主義の勢力圏化をめぐる争いとして進んでいるのだ。
まさに日帝がそうであるように、帝国主義は自国の金融資本を守るためには、どのような極悪非道をも平然と行うのだ。帝国主義は「グローバル化」を叫んで労働者階級人民を徹底的に搾取・収奪し、世界の人民を飢えと貧困にたたき込んでいる。新植民地主義体制諸国の民族資本や国営企業を帝国主義の金融資本がことごとく買収し、あらゆる保護規制を撤廃している。アフリカの国々の水道事業までが民営化され、人民は汚れた水しか飲めずに病気になっているのだ。国連統計ですら、世界で最も富んでいる20%の人びとが、総所得の83%を独占し、最も貧しい20%の人びとはわずか1・4%の所得しか得ていない。(『週刊三里塚』第641号参照)
もはや生命力を完全に喪失し、全世界に戦争と貧困、失業を拡大するしかない帝国主義は打倒しなくてはならない。10・25の大爆発をかちとり、11・9労働者集会を大成功させよう。
(早乙女優)
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週刊『前進』(2123号5面2)(2003/10/27)
“有事法制発動させない”
20労組など呼びかけ 集いに500人
10月11日午後、東京・新宿の東京年金基金センターセブンシティで、陸・海・空・港湾労組20団体など4団体が呼びかけた「有事法制を発動させない市民と労働者の集い」が開催され、500人が参加しました。
集いは戯作者の松崎菊也さんのユーモアたっぷりのコントから始まりました。
続いて、一橋大学教授の渡辺治さんが講演。とても元気の出るお話でした。印象的だったことを2点報告します。一つは「有事法制は完成していない」ということです。武力攻撃事態法付則第1条に「第14条から第16条までの規定は、別に法律で定める日から施行する」とあることをあげ、「国民保護法制を制定し、14〜16条の施行を法律で定めない限り、有事法制は発動できない。北朝鮮攻撃のために日本の労働者を根こそぎ動員することはできない。そうすればブッシュは北朝鮮に戦争できない」と強調しました。
もう一つは労働組合が中心に座ることの大切さです。「有事法成立を昨年1年間阻んだのは、ナショナルセンターを超えて集まった労組20団体の反対運動の力です。今年2月の全世界1500万人のイラク反戦デモは、労働組合が根こそぎ決起して実現された。リストラや賃下げに反対する闘いを盛り上げることが反戦闘争の力でもある」。そして「小泉は通常国会に国民保護法制、憲法改正のための国民投票法、自衛隊恒久派兵法、教育基本法改悪まで出そうとしている。私たちが頑張って闘えば、全部通すことなどけっしてできない。有事法制を発動させない闘いこそ、東アジアで戦争を起こさせない最大の力です」と訴えました。
労組20団体を代表して航空安全会議の大野則行議長、アジアンスパークの須黒奈緒さん、在日大韓基督教川崎教会牧師の金性済さんの3人で「市民と労働者のクロストーク」が行われました。大野議長は「10月3日、自衛隊法改悪に伴う施行令が閣議決定されました。陣地づくりや補給基地、病院、あらゆるところで労働者が動員されます。すでに民間労働者が自衛艦修理のためインド洋に動員されている。労働者に『イラクに行け。行かなければクビだ』と戦争協力が強制されることが一番怖い。私たちは防衛庁に行って、自衛隊法103条の従事命令で私たちに何をさせるつもりなのか、話を聞いてきます。来年は国会周辺を騒然とさせる運動をやりたい。東京で400万規模のデモを実現できるよう、頑張りましょう」と訴えました。
労組20団体を先頭とする有事法制反対運動の大きな力をあらためて実感した集いでした。国民保護法制の制定を阻むため、頑張りましょう。
(投稿 山内亜実)
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週刊『前進』(2123号5面3)(2003/10/27)
イラク情勢で謀略論 カクマル
米帝占領軍に対するイラク人民の戦闘は、8月以降一段と高度なものとなり、米帝を決定的に追いつめている。ファシスト・カクマルは、アリバイ的に「イラク反戦」を掲げ組織の延命を図ろうとしているが、事態のあまりの激しい展開についていけず、またもやいつもの謀略論デマにすがりつくにいたった。
8月19日の国連本部事務所爆破戦闘に続いて29日にナジャフでシーア派の政治勢力の最高指導者バキル・ハキム師らが自動車爆弾で殺された。これについてカクマルは「ヤンキー帝国主義者が、シーア派の力を削ぐとともにサダム軍とシーア派との対立をあおることをたくらんで、米諜報機関(CIAもしくはDIA=米軍諜報部)を動員して仕組んだものと推断しうる」(9月8日付『解放』)と、CIA謀略論を打ち出し、その後グラグラになりながらも繰り返して、党派としての統一見解にしている。
これまで神戸の連続児童殺傷事件を米CIAのしわざだと言ったのを始め、カクマルの謀略論デマ騒ぎは闘う労働者人民の怒りと失笑を買ってきた。もし謀略だったら社会がひっくり返るような問題であるのに、カクマルはいつの間にか何も言わなくなる。カクマルの延命のためのデマ運動にすぎないからだ。
米帝に協力するシーア派幹部に対する爆破戦闘ではなくCIAの謀略であると断定しうる根拠は何か? 「金曜礼拝を狙ったあからさまな反ムスリムの手口からして」というのが「推断」の理由だ。例によって何の根拠もない勝手な断定だ。イラク人民の米帝占領軍に対する怒りが強ければ強いほど、米帝を支える国連事務所にも、またイラク内部の占領協力者にも攻撃の矛先が向けられるのは必然ではないか。カクマルは、イラクにまで謀略論を持ち込むことによって、イスラム人民の民族解放・革命戦争、反帝国主義の武装闘争の爆発的発展にただただ恐怖していることを自己暴露しているのだ。
(来)
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週刊『前進』(2123号5面4)(2003/10/27)
C医療制度抜本改悪
64%の病院で患者が減少
低収入の人から医療奪う
イラク戦争開戦で緊急動員体制
今年6月の有事3法成立によって医師・看護師・薬剤師など医療従事者は「業務従事命令」による強制徴用の対象になった。また、自衛隊法によって医療法適用除外が決まった。
現実に3月20日の米英帝によるイラク侵略戦争開戦直後に、指定病院は「イラク情勢対応医療救護班について」という通達を出し、救護班員の「緊急登院」の体制をとっている。すでに労働者の戦争動員が始まっているのだ。
政府は医療を戦時優先に切り替えると同時に、健康維持努力を「国民の義務」とし、4月から労働者本人の医療費自己負担を3割とした。このことにより医療制度が変質している。診療報酬の引き上げによる医療機関の経営難から「必要のない手術」が増え、人手不足で医療事故が激増している。医療現場の荒廃と矛盾が噴き出している。戦後社会保障制度の柱となってきた国民皆保険制度と医療が一変し始めたのである。
02年10月の高齢者医療制度改悪によって、外来患者の一部負担上限制と診療所の定額制が廃止され、外来患者の一部自己負担も引き上げられた。診療報酬改定も実施され、診療報酬が引き下げられると同時に、長期入院の入院基本料の15%を患者負担とする制度の段階的適用が始まった。180日以上入院の患者の自己負担増によって、病気が治らなくても金がなければ退院せざるをえなくなった。
03年4月からはサラリーマン本人の医療費自己負担が3割になった。その結果、医療機関の64%で外来患者が減少している。新聞投書でも、高齢者の入院患者が減ったことへの驚きと怒りの声が上がっている。
高齢者を対象に別建て保険制度
その上に小泉政権は今年3月末に「医療制度抜本改革基本方針」を閣議決定した。そのポイントは、@保険運営団体を都道府県を軸に再編・統合し、A新しい高齢者医療制度を創設し、75歳以上は別建て保険、65〜74歳は制度間の負担調整とし、B診療報酬の見直しを行うというもので、05年法案提出、08年実施を目指すとしている。
この75歳以上が全員加入する新たな保険制度の創設は、高齢者を現役世代から切り離して独自の運営主体とし、それによって高齢者に「コスト意識を自覚させ」、老人医療費の伸びを抑制しようということを狙ったものである。75歳以上を対象とした別建ての保険制度は、75歳以上から新たな保険料を徴収する一方、国保や被用者保険からも「社会連帯保険料」として保険料を徴収し、医療保険制度の財源負担を「世代間の対立」に転化し、お金のない高齢者はますます医療を受けられないようにして、医療費を抑制しようとするものである。
高齢者は、基本的に現役を引退しており、年金に収入を頼っている。しかも、高齢であるがゆえに病気にもなりやすいし、また軽い病気でも命にかかわる度合いも強い。その高齢者をわざわざ現役世代から切り離し、現役世代の「負担になっている」として押し出して、さらなる保険料負担を強いるとともに自己負担を増やすことで、医療を受けることを抑制しようとしているのである。まさに高齢者に°死ね″というに等しい攻撃である。
政府は、医療を始めとする社会保障に対する政府の責任を投げ捨て、社会保障支出の削減をはかろうとしている。そのために一方では次々と利用者の自己負担を増やすことで、冒頭で見たように利用を抑制しているのである。
包括払い拡大で診療抑制を狙う
医療制度改革の基本方針による診療報酬見直しでは、包括払い(マルメ)方式がさらに拡大されようとしている。急性期入院医療については特定機能病院で包括払いを実施するとしている。さらに慢性期入院医療についても包括払いを進めようとしている。包括払い方式では、病気によって決められた一定額を超える医療は自己負担となり、お金のない人は、一定以上の医療が受けられなくなる。
保険料を払っているにもかかわらず、窓口で一部自己負担があるというのは診療抑制のためである。高齢者の一部負担の引き上げやサラリーマン本人の自己負担の3割への引き上げも、診療抑制を狙っているのである。保険料が引き上げられ、自己負担が引き上げられることによって収入の少ないものはますます医療が受けられなくなる。その一方で、医療機関経営の規制を取り払い、株式会社方式の導入を含め、医療の営利化を目指しているのだ。
こうした労働者階級に対する攻撃にもかかわらず、連合は「高齢者医療制度創設」「包括・定額払いを基本に」と主張し、小泉改革の推進者となっている。労働者階級から高額の保険料を取り立て、お金のない者は病気になっても医療が受けられなくなる医療制度抜本改悪を許すな。
労働者階級の総決起で医療制度抜本改悪を絶対に阻止しよう。
(柿坂信二)
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週刊『前進』(2123号6面1)(2003/10/27)
コンビニ未組織労働者の怒りは爆発寸前 青年労働者 海野 亮
コンビニに勤めています。本当に今、コンビニの労働者の怒りは爆発寸前です。定期的に休日もとれず、毎日がサービス残業の連続です。
ひどい場合は丸2日間連続勤務ということもありました。売り上げの少ない店を押しつけられ、上司から自腹を切ってでも売り上げを作れと強要され、時には月の給料の半分を使うこともあります。
それでも会社からは「おまえの店は売り上げが少ないから、退職願を出せ」なんてことが当たり前に言われるのが実態です。
社員、パート、アルバイト、職場の仲間はそれぞれに会社に対して、世の中に対して、怒りを持っていますが、各労働者が資本により分断され一人で悩み苦しみを抱えてしまっており、体を壊し退職に追い込まれたり、不当なリストラといった攻撃を受けています。
今こそ、資本による労働者の分断を打ち破り、一人で苦闘している労働者を結びつけ、組合を組織し、資本と闘う動労千葉のような組合を作っていかなければならないと考えています。仲間を結びつける唯一の武器は『前進』であると思います。
『前進』には、もっと未組織の労働者、労働組合とは何なのかもわからないという人たちに、「この世の中は何が悪いのか」ということを明らかにする具体的な例を織りまぜた新聞にしてほしい、未組織の青年労働者にもわかりやすい新聞をぜひつくっていただきたいと思っています。
私も、未組織の労働者を獲得し、みんなで革命をやっていこうという方向性にもっていくために、頑張っていこうと思います。
毎年の11月集会で積み上げた団結の力 関東・合同労組 石橋幸夫
合同労組で活動しています。11月集会に向けて地域で動労千葉から講師を招いて集会を持とうと準備しています。そこでは11月集会に参加することの意味、特に地域の労働運動にとっての意義をはっきりさせることが重要なポイントだと考えています。
今年の春、県内で初めて春闘集会を外に向かって呼びかけ、その後、動労千葉のストライキに連帯して3・29集会に昨年の11月集会を上回る労組からの参加を実現しました。
動労千葉に対して国際的な評価が高まっていますが、動労千葉だけでなく、11月集会にずっと参加し続けてきた自分たちの力に確信を持つことが重要だと思います。8月に行われた自治労全国大会においては、毎年11月集会に参加している県内の自治労の仲間たちが「21世紀宣言を許さない」と全力で闘い、素晴らしい勝利の一角を担いました。これは、われわれが積み上げてきたことが大きな結果につながったのだと、みんなが実感を持っています。
また、このようなことは自治労だけでなく、どこの地域でも、どこの産別でも起こり得ることなのではないでしょうか。3労組が呼びかける集会に毎年集まり、同じ地域、同じ職場の仲間が団結を積み上げていく中で、ここ一番の時に飛び出せる力がわいてきます。私の組合にも労働組合が闘わないために会社が売却されて困った労働者が相談に来ています。やる気のある人たちが、組織的な指導もなしに野におかれています。それはわれわれにも責任があると思います。
あらゆる人たちに、11月9日、日比谷に集まろうと呼びかけていくことが重要だと思います。ナショナルセンターを超え、地域での労働者の団結を広げ、04春闘の勝負に出て行かなくてはなりません。そのためにも11月集会に向けて頑張っています。
名古屋油槽所火災の責任をとらない社長 石油労働者 A・S
6人が死亡、1人が重傷(入院中)を負った8月29日のエクソンモービル名古屋油槽所火災事故はあれから1カ月半が過ぎ、現場となった名古屋精油所は、名古屋市長より全施設の使用停止命令を受けて、一切の業務を停止したままです。
会社は事故当日にメールを全従業員あてに配信し、翌30日に報道各位あての文書を配信、9月1日と9日に社長名でメールを配信していますが、その内容ははっきり言って形ばかりのものです。
社長以下本社の取締役は、一度も事故に関する記者会見に出席していません。新日鉄コークスガス火災爆発事故での同社の対応と比べても納得しがたいところです。
そして、9月19日、唐突に全国の物流部門の営業所だけで「セーフティ・タイムアウト・プログラム」を実施しました。竹芝本社では、責任監督者である供給本部長は「会社から詳細に説明する場ではない。なぜ事故が発生したのか、何が欠けていたのかみんなで考えようというのが、この会議の趣旨だ」と言い、「2号タンクのガス抜きクリーニング作業で1人が入ることを許可した。実際は3人入った。3人死亡。エアラインマスク着用してまでなぜ2号タンクの中に入ったかわからない。工事の納期は切迫していなかった。ガス検知器は非防爆タイプのものであった」ことなどを説明しています。
しかし、今、会社がやるべきことは、事故調査によって判明している全事実を公表して、社長自らが、まずその責任を明らかにすることではないでしょうか。
社長が外国人だからといって、曖昧(あいまい)にごまかすことは絶対に許されないことです。
『俺たちは鉄路に生きる2』を読む 著者の階級観に学び大きな展望と高揚感 関東・民間労働者 中原哲史
本書を読んだ直後の感想は大きな展望と言い知れぬ高揚感だった。そして日々の闘いへと戻っていくが、さまざまな壁にぶつかり若干ヘコム。寝床でさまざまな問題を頭に浮かべながらまた読み返してみる。頭の中に何となくあったモヤモヤが吹き飛んでいく……。本書はあらためて確認する必要はないだろうが、優れて生きた実践の書である。そして自分にとっては長い付き合いになる著書だと出版から何度か読み返して実感している。
03春闘をストライキで闘い国際連帯を作りだし新たな闘いを開始している動労千葉。その動労千葉の闘いの歴史的教訓を踏まえ、著者の中野洋さんは新たな労働者の闘いの指針をていねいな情勢分析の展開のうえ大胆に提起されている。
動労千葉の闘いは戦後の労働運動の「限界」や「神話」といわれたものを大きく突破し、激動の21世紀冒頭に真に力ある労働組合としての生きた見本であり、大きな目標である。
自分なりにこの著書から学びとろうとしているポイントは、動労千葉の創成から現在までを先頭で指導されてきた著者がこれまでどのように労働者と接し、団結をつくりだしてきたのか、その根本にある階級観を学びとろうと思っていることだ。現時点で自分は本書を学び始めたばかりであるが、まず自分自身の構え方がまだまだ全然甘いことを身につまされた。身につまされると逆に元気がでてきた。まだまだ、やるべきことやれることがたくさんあるのだと。失敗は成功の母という文言がでてくるが、失敗を恐れず実践し、しっかりと一つひとつをきちんと総括していくことが重要だと感じた。
職場闘争の領域、学習会、反戦闘争、動労カクマルとの闘いなど個々の中からも学ぶべき点は多いが、自分にとって大きな教訓は著者はこれらを一貫した目的意識をハッキリともって展開されてきたことだ。労働者の意識の転換をかちとること、闘う力を培うこと、これらを積み上げることによって団結をよりうち固めていく。ここの部分は今後の自分の活動に大いに役立てていきたい。
既成のナショナルセンターが大手を振って階級移行をしていく中、多くの労働者が現状への怒りをもっている。今こそ求められているものは闘う方針であり、具体的には第2第3の動労千葉を作りだし、広範な労働者の闘う団結をつくりだせるかが勝負である。本書から学んだものを早速実践に移すべく、11月労働者集会の成功へ向かって全力を尽くしていきたい。
阪口軸に命のネットワーク 関西・学生 H・K
私は荒本に隣接する府営住宅の団地を担当しました。そこはとりわけ高齢者が多い住宅であったのですが、年金がわずかしかないことや病気の重さに衝撃を受けました。しかし私が最も驚いたことは「食べられるだけまし」という言葉でした。要求を要求として自覚することすら奪われている現実に、始めはたじろいでしまいました。
国健会でやってきた住民の人たちと一緒に全戸ビラをして、何度も相談会を主催しました。そしてそこに共産党の生健会の女性が飛び込んできて、決定的な出会いとなりました。その人はまず、国健会の「介護保険の減免の集団申請」に驚いていました。「みんなで一緒にやるの? 共産党はそんなことしたことない」と。
さらに大きかったのは、この団地に深く携わっている荒本平和診療所労組の人たちと協力してやれたことです。診療所やケアセンター・配食サービス・移送サービス(荒本支部がつくってきた事業)など、阪口克己を軸に命のネットワークをつくっていくイメージがつくりだされました。
この全過程をとおして、ついに87歳の男性の決起がすい星のごとく生み出され、その方の存在をかけた行動の吸引力によって、団地の政治地図は一変しました。阪口派が団結して一つの勢力になって動き始めたのです。地域会議を開き、ニュースをつくり、知り合いに電話をし、声をかけ、阪口候補・ゆきみ夫人と一緒に知人の家を訪ね、団地での宣伝にはみんなで集まりました。
祝勝会で住民自身が言っていたことが印象的です。「この選挙戦の過程をとおして、私たちの団地は一つの力ができた。これから荒本支部の人たちと一緒に私たちの団地も闘っていきたい」と。これがこの選挙でつくり出したものです。
自分の痛みはみんなの痛み 東京・西部 五木裕介
一緒に闘えて本当に良かった。今回の勝利の原動力は、荒本支部と市民が団結し、生活は自分たちで守ろう、そのために自分たちの代表・阪口克己を議会へ送ろう、というみなさん自身の運動と闘いです。公明党や共産党の縛りを突き破り「命の一票を阪口へ」を猛然と地域で広げたことが決定的でした。
そこには感動的な階級的団結があります。介護保険料減免の対市交渉に参加し、「みんなが同じように悩み、怒っていたことを知って元気が出た」と語った女性がいます。「自分の痛みはみんなの痛み」という思いを共有した瞬間から強く固いつながりが住民間に生まれたことを私は忘れません。労働者階級として最底辺の生活を強いられながらも、多くの市民の最初の反応は「特には困っていない」というものでした。
私は自分で聞き取った市民の声をできるだけ多く示しました。収入が低く年金を十分にかけられなかった、介護保険料が高く生活費が削られていくのは我慢ならない、こうしたことはみんなそうなんだ、自分だけではないんだという思いは急速に仲間をつくり、強い団結が生まれたのです。みんながひとりを助ける、ひとりがみんなを助ける、そうした強い団結です。
そして住民自身がもつ行動パワーがあります! 住民はどんなに苦しい生活を強いられようとも救済や施しの対象ではありません。住民に生活苦を強制してきたのはいったい誰なのか! 金持ちを救うために貧乏人をこれ以上苦しめるな! その怒りが明確になった時に労働者、住民は自ら闘いを組織し行動します。団結と行動の勝利です。
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週刊『前進』(2123号6面2)(2003/10/27)
星野同志を取り戻そう 確定判決を徹底批判する(上)
高裁判決の根拠
デッチあげ証言で無期懲役 現場に居なかった星野同志
1971年11月14日、星野文昭同志は沖縄返還協定批准を阻止するために、渋谷闘争の先頭で闘った。機動隊員1人が死亡した事件で指名手配を受け、75年に不当逮捕された。一審・懲役20年、二審・無期懲役の判決を受け、87年に徳島刑務所に移監された。96年に再審請求の申立を行い、2000年、東京高裁は棄却決定を下した。ただちに異議申立を行い、現在、異議審が闘われている。星野同志を今も徳島刑務所に閉じ込めているのは、83年7月13日に東京高裁・草場良八裁判長が言い渡した判決である。87年7月17日、最高裁の上告棄却により、これが確定判決となった。実際に星野同志を取り戻すには、大衆運動の力で東京高裁を追いつめて再審を実現し、この確定判決をこなごなに粉砕する必要がある。確定判決はどのような構造になっているか、機動隊員=中村巡査殺害をいかなる根拠で認定しているか、そしてデッチあげはどういう点で破綻(はたん)しているか、このシリーズでは、3回に分けて確定判決を徹底的に批判し、弾劾する。
沖縄と連帯し闘いの先頭に
日本帝国主義・佐藤政府の沖縄政策は、27年間にわたる米軍政下の犠牲を集中されてきた沖縄人民の願いを逆手に取って、日米安保と米軍基地を永続化し、アジアへの再侵略の拠点として位置づけるという、絶対に許せないものであった。この本質を見抜いた沖縄人民は、返還協定反対を明確にかかげ、71年11・10ゼネストを頂点とする闘いに決起していった。
これに対して日帝・佐藤政府は、ただただ機動隊を前面に押し立て、沖縄−本土を貫く闘いを圧殺しようとした。
あらゆる闘いと運動の前に、国家暴力が立ちふさがった。11月、国会での批准を前にして、革共同に対して破防法が発動され、東京ではあらゆる集会・デモが事実上禁止された。機動隊は、人民の敵であり、憎しみの的であった。
沖縄人民と連帯し、返還協定の批准を阻止する。巨万の人民とともに渋谷を闘いの街にする。そのような決意に燃えて、労働者・学生・人民は、11・14渋谷暴動闘争に決起した。星野同志は、人間としてのすべてをかけて、その先頭に立ったのである。
星野同志は、代々木八幡駅から渋谷に突入した部隊のリーダーであった。彼は、厳戒態勢を突き破り、渋谷の街で待ち受ける大衆との合流を実現した。
しかし、彼は、中村巡査殺害にはいかなる関与もしていない。現場から十数b離れた十字路に立ち、すでにNHK方面に集結を始め、いつ突撃してくるか分からない機動隊に全神経を集中していたのだ。彼は、機動隊の機先を制して、部隊を集合させ、渋谷への出発を号令した。
星野同志は、現場にいなかった。彼は無実であり、無罪である。
これだけが真実だ。
階級的報復で死刑の求刑
日帝・国家権力は、階級的報復を決意し、最初から死刑を意図した攻撃をかけてきた。11・14渋谷と11・19日比谷の闘いに、革命の現実性を見たからである。しかし、機動隊が敗走したため、物的証拠はゼロであった。渋谷周辺で逮捕された313人も、完黙・非転向で、デッチあげ弾圧を粉砕した。
あせりにかられた権力は、高崎経済大学がある群馬県の学生を集中的に逮捕し、未成年を含む学生を「殺人罪」で責めたてた。そして、星野同志が自ら鉄パイプで殴り、火炎ビンを投げるよう指示したというストーリーをデッチあげたのである。
75年8月に不当逮捕された星野同志に対して、79年2月、日帝・検察庁は死刑を求刑した。
当時、二重対峙・対カクマル戦が最も厳しい状況であったが、われわれは、死刑判決阻止に総決起した。わずか半年で12万人の署名を集め、東京地裁にたたきつけた。星野同志を先頭とする必死の闘いの前に、一審判決は死刑を強行できず、懲役20年であった。
しかし、「未必の殺意」による殺害に星野同志が関与したという事実認定は許してしまった。
二審判決は、これを手掛かりに、「確定的殺意」という解釈替えを唯一の根拠に、星野同志を無期懲役としたのである。
29年目に突入した獄中闘争
星野文昭同志の無期懲役との闘いは、まる28年を超えた。彼は、徳島刑務所において、29年目の獄中闘争を続けている。星野同志をいまだに取り戻せていないことを、われわれは痛苦の思いで確認しなければならない。
無期懲役とは、期限の定めのない懲役刑である。有期の懲役とはまったく質が違う「極限的弾圧」なのだ。
無期懲役とは何か。星野同志は、獄中からのアピールで訴えている。
「無期は、期限のない投獄によって、社会生活、政治生活から分断し、心身の健康を保つための衣食住の自由を奪い、究極的には生命(力)そのものさえ奪おうとする」ものである。そして、これとどう闘うか。
「私たちにかけられている無期が、人間として生きるすべてを奪うものであることから、それとの闘いは、生か死かというギリギリのところからすべてを奪い返していこうとするものとしてある」
星野同志は、このような決意で、今日も闘っているのである。
彼は、拘禁症との長く苦しい闘いの末、これを克服した。裁判闘争をとおして暁子さんと知り合い、86年、結婚した。
名古屋刑務所の事件が示すように、非人間的で、劣悪な獄中処遇ともねばり強く闘ってきた。具体的な改善をいくつもかちとり、長い年月かかって房内で絵を描く権利を獲得した。星野同志が描いた水彩画は、暁子さんの詩と一体となったカレンダーに仕上げられ、全国に星野闘争を訴える大きな武器となっている。
11月徳島集会を控えた今年、これを奪う攻撃がかけられた。「絵画クラブ」の会員から星野同志を外し、それを口実にして、絵の具、絵筆が房内から持ち去られたのだ。
これに対して、全国からさまざまな反撃が行われ、この9月、星野同志は絵筆を取り戻したのである。
確定判決にある五つの事実
確定判決が認定する「罪となるべき事実」は、一審判決と同じで、全部で五つある。
(1)中野駅から新宿駅、代々木八幡駅、東急本店前までの間、「他人の身体、財産に対して共同して害を加える目的をもって凶器を準備して集合した」。
――〔凶器準備集合〕
(2)神山交番前で阻止線を張っていた関東管区機動隊富沢小隊に対して、火炎びんや鉄パイプで「職務の執行を妨害」した。
――〔公務執行妨害〕
(3)富沢小隊の隊員に、熱傷等の「傷害を負わせた」。
――〔傷害〕
(4)神山派出所に火炎びんを投げつけて、「これを焼燬(しょうき)した」。
――〔現住建造物等放火〕
(5)中村恒雄巡査を、鉄パイプ、火炎びんで攻撃して「殺害した」。
――〔殺人〕
星野同志が有罪とされている、これらすべてが不当な弾圧を正当化するものであり、われわれは許すことができない。
第5章ペテンに満ちたデッチあげ
「殺人」に関する一審判決と確定判決の事実認定は、ただ一点を除いて、同じである。それは、「未必的殺意」を「確定的殺意」に変えていることである。
一審判決は、次のように「未必的殺意」を認定している。
「右の者ら及び右状況を認識して同様に未必の殺意を抱きこれらの者と意思相通じて同巡査をその後順次取り囲むに至った前記集団の者ら数名において、被告人星野の指示のもとに…」
確定判決は、この部分を以下のように訂正した。
「右の者ら及び同巡査をその後順次取り囲むに至った前記集団の者ら数名は、被告人星野の火炎びん投てきの指示のもとに、同巡査を殺害しようと決意し、その意思を相通じたうえ…」
確定判決の論理はこうである。
@中村巡査を鉄パイプで殴打する段階で、「未必的殺意」が成立する。
Aしかし、火炎びんを投げる段階では、「確定的殺意」に変わった。
Bしたがって、「未必的殺意を内容とする共謀に過ぎないとする原判決の認定は誤りであると言わざるを得ない」。
Cそして、「右殺人につき有期懲役刑を選択したうえ同被告人を懲役二〇年に処するに止めた原判決の量刑は軽きに失し、原判決は破棄を免れない」。
確定判決は、こうして一審判決を破棄し、無期懲役を言い渡した。
しかし、確定判決は、ペテンに満ちたデッチあげ判決である。確定判決が、何を、どう、ごまかしているか、次回以降、具体的に暴露していく。
(川野正行)
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週刊『前進』(2123号6面3)(2003/10/27)
水嶋裁判 3度目の保釈許可
高裁は検事抗告棄却せよ
10月10日、東京地裁刑事第1部(川口宰護裁判長)は、88年9・21千葉県収用委会長せん滅戦闘デッチあげ弾圧被告・水嶋秀樹同志への、3度目になる保釈許可を決定した。この当然の決定に対して、東京地検は即日抗告した。この国家権力の暴挙に対して腹の底からの怒りをたたきつけなければならない。
これまでの20回に及ぶ公判をとおして、水嶋同志の無実は明らかにされ尽くしている。東京高裁第4刑事部(仙波厚裁判長)は、検事抗告を棄却し、水嶋同志を直ちに釈放せよ。
検察官は、転向裏切り分子・正井利明の「写真特定」を唯一の根拠に、水嶋同志の指名手配・逮捕・起訴を強行した。ほかに、物証を含めていかなる証拠もない。
その正井が、第5回公判(02年3月27日)において、「水嶋さんは別人です」ときっぱりと証言している。検察側立証は根本的に破綻したのだ。
この時点で、公訴は棄却され、無実の水嶋同志は釈放されなければならなかった。だがその後も検察官は「9・21戦闘」とは何の関係もない、「学者」証人や、現職警察官を登場させ、デタラメな証言を積み重ねてきた。デッチあげを押し隠し、検察側立証を本年3月まで継続させたのだ。
この過程で川口裁判長は、正井証人への弁護側反対尋問の終了を待って、第1回目の保釈許可決定を出した(02年10月2日)。遅きに失したとはいえ、当然の決定だ。ところが検察官は抗告し、これに付き従う高裁第8刑事部・山田裁判長は、地裁判断を真剣に検討することもなく、保釈決定を取り消したのだ。
さらに、第2回目の保釈許可決定(本年3月24日)に対しても検察官は抗告し、係属した高裁・山田裁判長は再度地裁決定を覆したのだ。反動山田裁判長を徹底弾劾する。
無実の人間を2年5カ月も勾留し続ける人権じゅうりんなどけっしてあってはならない。今回川口裁判長は、アリバイ証言を含む弁護側立証の終了を受けて、保釈許可決定を出した。高裁第4刑事部・仙波裁判長は、検事抗告を棄却し、無実の水嶋同志を直ちに保釈せよ。
高額保釈金(700万円)をはね返して水嶋同志を必ず奪還しよう。無罪判決をめざし、次回公判(11月12日午後1時30分、東京地裁)に大結集しよう。
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週刊『前進』(2123号6面4)(2003/10/27)
福嶋裁判 筆跡鑑定を粉砕
11年もの長期勾留弾劾
9月29日、10月14日、東京地方裁判所刑事第3部(服部悟裁判長)で、福嶋昌男同志の166回、167回裁判が行われた。
法廷は傍聴人で満杯になり、福嶋同志は一人ひとりに笑顔で会釈をした。
今回の2回の公判では、筆跡鑑定人・馬路充英に対する弁護人の反対尋問が行われた。
福嶋同志は迎賓館・横田ロケット弾戦闘に関連する「発射薬室の設計」「発射薬の製造」を行ったとデッチあげられているが、その根拠は、岩手借家から不当に押収された「メモ」だけである。その「メモ」の筆者が福嶋同志であるとデッチあげられている。
福嶋同志は岩手借家に出入りしたことはなく、「メモ」を書いてはいない。福嶋同志は無実だ。
馬路の筆跡鑑定のデタラメさは、証言すればするほど次々と明らかになっていった。馬路は、「『同一人の筆跡』という結論を出す基準はない。全体的に判断する」と平然と証言し、「原本ではなくコピーでも鑑定ができる」と言って独善的鑑定を行っている。
同筆だと結論づけた文字の相違点を指摘されると、「筆記リズムや筆跡速度の違いによって生じたもの」と言い逃れをする始末であった。
対照資料(メモ)6枚については、1枚1枚別個に基礎資料(福嶋同志が書いた手紙)と比較しているので、一体であるか否かの検査はしていないという。
ところが、鑑定写真の「焼」の字について、基礎資料のものと対照資料のものとでは、一方が連続した続け書きになっているのに、他方は別個で分かち書きになっている。この点を指摘されると、馬路は、本来バラバラのはずの対照資料6枚を取り上げ、その中で連続したものと分かち書きの文字があるから、「対照資料の筆者は両者を書いている」と開き直る破廉恥さであった。
このように馬路は、最初から「同一筆跡」という結論をもって、その結論に沿うようにへ理屈をこねくり回しているだけである。筆跡鑑定に科学性も客観的基準もないために、何とでも言えるのだ。
こんな「筆跡鑑定」を唯一の証拠にして福嶋同志にデッチあげ弾圧を加え、11年もの拘禁を強制し続けている。絶対に許せない。
毎回公判では、昼休み時に裁判所正門前でビラまきを行い、福嶋同志の無実を訴え、11年にも及ぶ獄中闘争と裁判闘争を闘っていることを訴えている。
最近はビラを見たという人びとが傍聴に参加するようになった。29日には最前列に「社会科クラブ」の小学生と教育労働者が並んだ。大学生がレポートを書くために法廷を注視した。司法に関心があるという若い女性が熱心にメモをとっていた。
馬路鑑定人のでたらめな証言を徹底的に粉砕し、福嶋同志の保釈・奪還を絶対にかちとろう。次回公判は10月29日(水)に行われる。全力で結集しよう。
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週刊『前進』(2123号6面5)(2003/10/27)
公判日程
☆迎賓館・横田裁判
福嶋昌男同志裁判
10月29日(水)午後1時15分
☆水嶋秀樹同志裁判
11月12日(水)午後1時30分
*いずれも東京地裁
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