ZENSHIN 2003/09/29(No2119
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週刊『前進』(2119号1面1)
国労大会 闘争団処分強行に怒り 極反動の酒田新執行部打倒へ
警察労働運動は許さない 書記配転・スト基金運用を弾劾
自衛隊イラク派兵阻止・小泉打倒を
9月13〜14日、国労第71回定期全国大会が東京・社会文化会館で開かれた。またも機動隊が導入された厳戒体制下で、闘争団員22人に「組合員権3年の権利停止」の処分が強行された。断じて許せない重処分である。しかも、中央執行委員長に酒田(東京地本委員長)、書記長に吉田(長野地本書記長)、中央執行委員に芝崎(東京地本執行委員)という極悪の新執行部が形成された。闘争団処分と5・27臨大闘争弾圧の二つにして一つの攻撃の上に成り立った、国労史上最悪の体制だ。闘う国労組合員は、この大反動と対決して2日間の激闘を貫いた。酒田体制を打倒し、国労の革命的再生と1047名闘争の発展をかちとる新たな闘いが始まったのだ。直ちに、日本労働運動の再生をかけて、9・28自治労続開大会の勝利へ攻め上ろう(2面にアピール)。11月労働者集会の大成功のために全力で闘おう。
第1章 機動隊導入と強権的な議事運営に大反撃
戦後最大の激動情勢が到来している。この中で、戦後労働運動の中軸を担ってきた国労が自己解体の道を突き進むのか、それとも革命的再生の道を切り開くのか。そうした歴史的な位置を持つ国労大会に対して、過去のいずれの大会にも増して反動が密集した。
まず、またも機動隊が永田町―三宅坂一帯を制圧した。400人もの「警備」の組合員が動員され、一方で、闘争団員の傍聴枠が半減し、傍聴は全体でも200人に制限された。盛岡や長野から動員された「警備」が演壇下、代議員席と一般傍聴席の間、通路などに配置され、問答無用の議事運営が強行されたのだ。
息詰まるような厳戒状態の中で議事が始まった。
高嶋委員長は、あいさつで「一部闘争団員の反組織的行為は組織の団結上からも許されず、猛省を求める」と、統制処分の意志をむき出しにした。
経過報告をめぐる討論では、特に書記・職員に対する本人同意なき強制配転について「JR資本がやっていることと同じだ」「労働組合による首切りだ」との批判が相次いだ。賛成派の代議員や寺内書記長の答弁は、これについて「厳しい財政事情だからやむをえない」と開き直った。
議長は、経過について拍手承認を求めた。だが代議員はほとんど拍手しない。「警備」が一斉に拍手した。「まるでJR東日本株主総会のようだ。社員株主のカクマルと同じだ!」と怒りの声。
1日目の夕方から運動方針案の討論に移った。2日目の討論の冒頭、議事運営委員会は、反対派が提出した5本の修正動議のうち1本は不受理とし、4本の趣旨説明を求めた。
これに対して高崎の代議員が「今朝の北海道新聞で『反対派30人処分』と、高嶋委員長のコメント付きで報道されている。査問委の答申が出る前に中身が出るとはどういうことか」と迫った。議場は騒然となった。
議長はこれを無視して強引に議事を進めた。修正動議の趣旨説明で、@仙台の代議員は、国労本部役員の諸会議費用などの支出の厳正化、A千葉の代議員は、ILO勧告の「反組合的差別行為はなかった」とする事実誤認の是正、B水戸の代議員は、闘争団に対して「規約に基づいた対応を行う」という文言の削除と、査問委の解散、C東京の代議員は、鉄建公団訴訟と全動労、動労千葉との共闘――を求めた。
討論を受けた寺内書記長の集約は、これらをすべて退け、あらためて闘争団への処分の意志をあらわにした。さらに最高裁の訴訟取り下げを含め、次期執行部での闘争終結を示唆する、許しがたいものだった。
第2章 闘争団22人に組合員権停止3年の重処分
修正動議の否決、運動方針案の可決が強行された後に、「査問委員会答申」を査問委議長の田中副委員長が読み上げた。
鉄建公団訴訟の原告や最高裁第三者参加申立人で闘争団長や機関役員に就いている闘争団員22人を、「組合員権3年の権利停止」とするというものだ。除名に次ぐ重処分である。「最高決議機関である全国大会で確認された方針を逸脱し、○○闘争団団長でありながら、自らが鉄建公団訴訟の原告として参加し、闘争団員を指導すべき義務を果たさず、組織内に混乱と不団結を作り出した行為は許されるものではない」と一人ひとりの「処分事由」を書き連ねた文面は怒りなしには読めない。しかも今回は処分に至らなかった260人の氏名を明記し、査問委を継続設置するというのだ。
北海道の闘争団員の代議員が「北海道新聞の記事は真実だった。答申前に外部に発表することは規則違反であり、査問委は解散しなければならない。採決する場合でも記名投票にすべきだ」と訴えた。
これに対して、近畿の代議員が「答申を支持する」と発言。怒号に包まれる中で、「方針に従わないなら国労を出ていけばいいじゃないか」と暴言を吐いた。
東京の代議員は、「1047名闘争勝利のために、それぞれの組合方針を尊重しつつ、7月に西部団結まつりを成功させた。この原動力となった闘争団員も処分対象になっている。撤回を求める」と訴えた。
議長が「無記名1票投票で採決する」と述べると、代議員が立ち上がって抗議。退場しようとする代議員を「警備」が阻んだ。闘争団員を始めとする傍聴者も激しい肉弾戦を繰り広げた。その激突の中で投票が強行された。102人の代議員のうち、賛成64、反対13、白票7、棄権18(抗議のボイコット)で、過半数で承認された。
被解雇者が闘いを継続していることを理由にして労働組合が処分するという、断じて許せない暴挙だ。しかも、執行部はこの「3年」の間にも国労を解体しようとしているのだ。賛成した一人ひとりの罪は万死に値する。彼らこそ団結の破壊者であり、その責任を未来永劫(えいごう)追及しなければならない。
鉄建公団訴訟原告団と国鉄闘争共闘会議は、「不当な査問委員会答申と、憲法を無視する愚かな処分を撤回させ、汚された組合員としての誇りと尊厳を回復するために、『法的措置を含む対抗手段』をとり、闘う決意である」とする抗議声明を9月16日付で発した。
大会ではさらに、ストライキ基金運用規則改正案の可決が強行され、書記の「退職基金」などに運用することが決定された。
役員改選では、三役と会計監査に「国労に人権と民主主義を取り戻す会」の共同代表らの対立候補を立てて闘った。だが結果は酒田委員長、田中副委員長(再任)、吉田書記長らの極悪執行部の選出となった。
酒田委員長の就任あいさつに対して「警察労働運動にするのか!」と痛烈な怒りのヤジが浴びせられた。
第3章 組合員の売り渡しを居直る酒田・芝崎ら
東京地本から本部に上がった酒田と芝崎は、警視庁公安と結託して5・27臨大闘争弾圧を仕掛けた警察労働運動の張本人である。
彼らは9月10付『国労東京』(発行責任者・酒田、編集責任者・芝崎)で、「国労と暴力集団は無縁」「暴力行為を弾圧にすり替える中核派」などという恥知らずな言辞を吐いている。何が「暴力行為」だ! 逮捕されているのは闘争団員を始めとする国労組合員であり、やったことはまったく正当な組合活動である。しかも組合員を警察に売り渡しておきながら、「中核派のプロパー(職業活動家)が暴力行為を働いた」というウソを平然と書き連ねている。このような卑劣漢、警察の手先どもが国労本部執行部に座ったのだ。
これによって、国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いの意義がいよいよ明らかになった。5・27臨大闘争弾圧と今回の闘争団への権利停止処分は、ともに4党合意粉砕に対する反動である。これらを一体のものとして粉砕することが、酒田新体制打倒と国労の階級的再生につながるのだ。
国労内の「学校政治」の崩壊は新たな段階に入った。旧社会党党員協は、さらに分裂を深め、チャレンジ一派は瓦解(がかい)を開始した。九州ではJR連合傘下のJR九州労組委員長の船津が7月の定期大会で「(国労は)組織をJR各社ごとに再編すべきだ。国労九州は『やるべきことはやる』との姿勢だ」と述べた。また、北海道鉄産労が10月末に解散大会を開き、国労との統一大会とする案が浮上していると言われる。こういう連中が、国労の単一体を自ら解体し、会社ごとの組織にし、JR連合に合流しようと画策しているのだ。
今回の委員長人事で、当初下馬評に上がっていた佐藤(東日本本部書記長)から、酒田に代わったのは、佐藤のように露骨にJR連合への合流を狙う真正チャレンジでは、もはや国労を丸ごと変質させることができないからだ。それゆえ、真正チャレンジではない長野の吉田が、なりふり構わず警察労働運動の元凶である酒田と結託したのだ。
その上で許せないのは革同だ。運動方針案などの採決は75票前後の賛成だったが、これは「反対派」と言われた革同がすべて賛成票を投じたからだ。査問委答申も「除名には反対だが、組合員権停止ならよい」という革同の裏切りによって強行されたのだ。だが、この査問委答申の採決では、反動革同の一部も反対か白票に回った。革同の日共指導部の反動化の中で、革同内の新たな流動化が進んでいくということである。解雇撤回・JR復帰をあくまで掲げ、分割・民営化反対を貫いて闘うなら、彼ら裏切り指導部の崩壊は不可避である。
動労千葉のようにあくまでも1047名闘争の旗を掲げて闘うことが、権力とJR資本による国労解体攻撃と分割・民営化攻撃の総決算=第2の分割・民営化攻撃を破産に追い込む。JR総連カクマルの松崎支配の崩壊と分裂を一層促進する。そうして権力・資本との力関係を変える中にこそ勝利の展望があるのだ。
JR本体の闘いと結合し、5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いと鉄建公団訴訟を両輪にして、国労の革命的再生をかちとろう。
第4章 9・28自治労続会大会で「21世紀宣言」を葬り去れ
この国労大会の激闘は、8月の自治労大会で「自治労21世紀宣言」を否決した大勝利に続いて、日本労働運動の存亡をかけた決戦として闘われた。
国労をめぐっては、なおもその解体か再生かをかけた攻防が続く。その動と反動のギリギリとしたせめぎ合いは、国労内の攻防にとどまらず、1047名闘争の支援陣形を軸に、連合、全労連などの枠組みを越えた労働運動の流動化・再編情勢を推し進める。11月労働者集会こそ、反動を打ち破って国労と日本労働運動の階級的再生をかちとる決定的に重要な闘いである。
この情勢の中で、9・28自治労続開大会の決戦がある。これを全力で闘おう。
自治労大会での「21世紀宣言」否決は、自治労内外に電撃のように伝わり、10・2〜3連合定期大会を前にして連合指導部を震撼(しんかん)させ、闘う労働者を鼓舞激励している。
自治労中央は、いったん否決された「自治労21世紀宣言」を、ごく形式的に「修正」した上で再提案し、押し通そうとしている。一層の怒りが高まり、続開大会に向けて激烈な攻防となっている。「21世紀宣言」は、自治体や公営企業のリストラ―民営化攻撃を「労使協働」で推し進めるための自治労版「労使共同宣言」である。「21世紀宣言」の再提案を断じて許さず、必ず葬り去ろう。
全逓や日教組、民間産別での闘いを推し進めよう。
今こそ動労千葉とともに、戦争、民営化、弾圧に抗して闘う世界の労働者階級と固く団結し、国際連帯闘争を発展させる時だ。自民党総裁選(小泉再選)から内閣改造、臨時国会、民主党・自由党の合併、総選挙に至る新たな激動の中で、戦争・改憲攻撃と対決し、対テロ特措法延長とイラク派兵を阻止する反戦政治闘争に立ち上がろう。
日帝資本と小泉政権による倒産、解雇、賃下げ、不安定雇用化と労働法制改悪、社会保障制度解体攻撃と闘おう。司法制度改悪―共謀罪新設攻撃と治安弾圧と対決しよう。
労働運動の大流動情勢に切り込み、職場・地域で団結をつくり出し、闘う労働運動の新潮流を発展させよう。すべての闘いを11月労働者集会の大成功へと結実させるために奮闘しよう。
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週刊『前進』(2119号1面2)
“国労弾圧粉砕を” 炎暑の会場前、闘い貫く
会場内の闘いと呼応して2日間、機動隊と対峙し会場前闘争が闘われた。
国労共闘は、1日目の早朝から代議員宿舎へのビラまきに決起した。ビラはほとんどの大会参加者に渡った。会場前には2日間で延べ500人の組合員・支援者らが結集し、炎暑の中で次々と抗議の声を上げた。
国鉄闘争共闘会議の二瓶久勝議長は「鉄建公団訴訟を闘い、全動労、千葉動労を含む1047名の闘いを構築し、共闘会議に多くの仲間を結集することが勝利につながる」と訴えた。
5・27臨大闘争の被弾圧者の家族は、「夫はいつもここに来て闘争団の皆さんとともに闘っていた。拘置所にいる夫に代わって私が来た。仲間の除名に反対した夫の考えは間違っていない」「夫は、独房の中で皆さんと同じ気持ちでいると思う」「国労は仲間を守るために闘ってきたはず。それなのに仲間を売り、家族を苦しめている。元の国労に戻って下さい」と訴えた。涙と感銘の拍手の中で、参加者の間に保釈要求署名が回された。
佐藤昭夫弁護士が、弾圧の不当性を説き明かし、被告の早期保釈のために参加者の協力を訴えた。
国労に人権と民主主義を取り戻す会の共同代表は、「ビラまきをした人が国労から訴えられて拘置所に入っている。あってはならないことだ。組合幹部がするべきことは、裏取引ではなく組合員に真実を語ることだ」と本部を弾劾した。
2日目、闘争団への統制処分が伝えられると、闘う闘争団の内田泰博共同代表が、「くじけず、ひるまず、たゆまずに前進する。職場闘争、反合闘争、資本と対決する階級闘争を確立しなければ労働組合の価値はない」と決意を語った。
大会を前にした9月11日、国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会は、被告の保釈を裁判所に要請するよう国労本部に申し入れた。
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週刊『前進』(2119号1面3)
新連載
社会保障解体阻止へ 生存権は譲れぬ(5面)
今号から小泉政権の社会保障解体攻撃を暴く新連載を開始します。労働者人民の〈生きる権利〉を奪う攻撃に対して、労働者の怒りの反撃を巻き起こそう。
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週刊『前進』(2119号2面1)
「21世紀宣言」再提案は絶対認められない 9・28自治労続開大会へ訴える
大会決定ふみにじる執行部を打倒しよう
執行部の強引な居座りを許すな
自治労第74回定期大会は「一票投票」により新綱領「自治労21世紀宣言」を否決した。本来なら執行部は総退陣すべきだ。だが執行部は居座りと大会休会を決め、9月28日の続開大会で巻き返しを策動している。
綱領とは自治労の憲法である。綱領改定とは自治労の改憲である。大会で全国の代議員・組合員は「『21世紀宣言』否決=改憲反対による自治労の再生」を選択した。われわれは「『21世紀宣言』は『労使共同宣言』であり、自治労の死である。自治労を大政翼賛団体へ転落させるな!」と訴え、採択阻止を呼びかけてきた責任ある立場から、北岡執行部の居直り、ごり押しを断じて許さない。
9月8日、中央本部は地連議長・事務局長会議で、「21世紀宣言」をほとんど修正を加えることなく「第14号議案」と名を変えて続開大会で再提案するという方針を提起した。否決された議案と同じものを同じ大会に再提案することは許されない。9月10日の全国県本部代表者会議では当然にも、「民主主義のルールである一事不再議の原則に反する」との批判が相次いだ。さらに議事運営委員会から「議運は続開大会は決めたが、『21世紀宣言』再提案については了承していない」と指摘され、北岡執行部の暴走が暴露された。
中央本部は「まったく一致したものではなく、提案の中身が変わったものと理解している」と答弁し、強行突破の姿勢を崩していない。ここに「21世紀宣言」の凶暴な本質、絶体絶命に陥った中央本部の執念が表されている。けっして甘く見てはならない。
「21世紀宣言」は労使共同宣言だ
公務員制度改革、市町村合併、現業を始めとする自治体の大リストラ・民営化の攻撃が始まっている。「21世紀宣言」は、自治労が当局と資本家に完全屈服して協力することを約束する「労使共同宣言」である。自治労中央は「21世紀宣言」で「労使協働で有効な政府をつくる」と言って、首切り・合理化の犠牲になることを組合員に強制しようとしている。このような「21世紀宣言」は、大会で「『闘う』という言葉がひとつもない。『闘うな』と言っているのだ」と批判を浴びた。当然だ。現場では激しい行革・リストラで血が流れている。この攻撃にあらかじめ屈服し、当局への全面協力を宣言する「21世紀宣言」を認めるわけにはいかないのだ。
だが、中央本部は10月2日の連合定期大会までに「21世紀宣言」を採択し、産別統合の共同綱領としようとしている。昨年の全競労との統合に続き、全国一般、全水道、都市交などとの統合が予定されている。この右翼的大再編・統合の共同綱領が「労使協働」の「21世紀宣言」なのだ。
「労使の協働」で民営化推進狙う
ここで再提案されようとしている修正案について批判しておこう。
第一の修正は、第2号議案として提案した「21世紀宣言」の「基本目標」の部分だけを現綱領にとって代わる新綱領として続開大会で提案・採択し、「歴史的経過と到達点」と「自治労の挑戦」の部分を「付属文書」として採択の対象からはずすということだ。第2号議案の付属文書だった「新綱領委員会報告/公共サービスと労働組合の21世紀戦略」の扱いについては触れられていない。
新綱領委員会報告は、グローバリズム論、階級関係の否定、改憲論など、反動的な意図を最も露骨に表していた。これに基づく「21世紀宣言」は断じて認められないという反対派の流れが形成された。そこで、これをこっそり付属文書からはずしたのだ。
第二の修正は、「21世紀宣言」の「基本目標」部分の一部改訂である。
【第2号議案】
1.わたしたちは、対等な労使関係を確立して組合員の生活と権利の向上をはかり(A)、市民と労使の協働で、有効で信頼される政府を確立する(B)。
1.わたしたちは、公共サービスを担うすべての労働者・労働組合を結集し(C)、 市民生活の質を保障する公共サービスを擁護・充実する(D)。
【第14号議案】
1.わたしたちは、公共サービスを担うすべての労働者・労働組合を結集し(C) 、対等な労使関係を確立して組合員の生活と権利の向上をはかる(A)。
1.わたしたちは、市民と労使の協働で、有効で信頼される政府を確立し(B)、 市民生活の質を保障する公共サービスを擁護・充実する(D)。
(A、B、C、Dは引用者)
第14号議案は、第2号議案の〈A+BとC+D>を〈C+AとB+D>に組み換えただけである。君島書記長は「提案にあたって、誤解を解くために整理した」と答弁したが、「誤解」とは何かを具体的に説明しなかった。この修正個所は「21世紀宣言」の核心部分である。
「21世紀宣言」は、内外(資本と当局と連合)に向けて「自治労は闘わない」ことを宣言する文書だ。
現場では、行革リストラ、市町村合併などをめぐって労使が対決し、非和解的関係にある。ところが「21世紀宣言」は「市民と労使の協働で有効な政府を確立する」と言っている。
これは絶対的な矛盾だ。一方で対立、他方で「協働」、これを「協働」でまとめようとしたのが「21世紀宣言」なのだ。
今回の修正は、労使「交渉」関係と労使「協働」関係とを別条項に整理したことで、かえって労使一体で闘争放棄し、民営化を推進する「労使共同宣言」の意図をはっきりさせた。
君島書記長は「両者は次元が違う」として押し通そうとしているが、ここに最大の弱点がある。現に闘っている現場、闘わなければ生き残れない職場では、闘わない綱領である「21世紀宣言」は通用しない。労働者を切り捨て、闘わないことによって「地域公共サービス産別を形成しよう」という「21世紀宣言」を葬り去らなければならない。
裏切り中央打倒し階級的再生を
いったん否決した「21世紀宣言」を再提案することは、中央本部による100万自治労の私物化であり、中央執行委員会の反動的独走である。
こうした情勢を主導してきたわれわれに対して、絶大な期待と反響が寄せられている。一部県本部や単組執行部は、生起した事態をひた隠しに隠し、できることなら組合員に詳細を伝えず強行突破を果たしたいと考えていた。そこへ、直ちに全国一斉にまかれた職場ビラによって事実が暴露され、顔面蒼白(そうはく)になり、組合員から激しい突き上げにあっている。
93人という最大の代議員数を抱える東京都本部単組代表者会議では、「今朝まかれた全国労組交流センターのビラの内容は本当なのか、と組合員に詰め寄られている」「再提案したら執行委員会は維持できないという職場の雰囲気だ」「都本部として再提案に反対してほしい」など、都本部に対して激しい反発が始まった。山梨県本部は「『21世紀宣言(案)』再提出断念を求める要請書」を中央本部にたたきつけている。「県本部は、賛成の態度で臨んできた。しかし執行部がこの続開大会に第14号議案として再提案することは、日ごろから民主主義を標榜(ひょうぼう)している労働組合、とりわけ自治労が行うことではない」
「21世紀宣言」再提案そのものが不当である。もし採択を強行するならば、すべての組合員・代議員に中央本部打倒を呼びかけ、新しい闘う執行部をつくり出すことを訴える。
28日の続開大会まで1週間、いよいよ中央本部との力勝負となった。大義はわれにあり。100万人組合員の心をわれわれは完全にとらえている。われわれは自治労100万人組織の階級的再生に向けて、この力勝負に挑戦する。
11月集会の成功から連合打倒へ
連合は「衰退の一途をたどり、存亡の危機にある」などと言われて定期大会を迎える。この中で連合傘下の最大労組が定期大会で新綱領「21世紀宣言」採択を否決したことは、電光石火のごとく伝わり、闘う労働組合を鼓舞激励した。89年総評解散―連合結成以来の右翼的「枠組み」が崩れ始めた。全労連傘下の自治労連の連動した流動化も不可避である。
今ほど闘う労働運動のナショナルセンターが求められている時はない。続開大会で「21世紀宣言」を完膚なきまでに葬ろう!
新たな闘う労働運動の潮流をつくり出し、11月労働者集会の成功に向けて驀進(ばくしん)しよう。
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週刊『前進』(2119号2面2)
右翼テロと北朝鮮制裁を扇動するファシスト石原を許すな
戦争政治推進する小泉打倒を
意識的暴言
現首相・小泉純一郎を始め4人の候補が反動を競い合った自民党総裁選の渦中で、東京都知事のファシスト=石原慎太郎が、右翼の反革命テロを称賛し、北朝鮮への経済制裁を扇動する暴言を繰り返した。
また、石原はこれに先立ち、朝鮮総連本部などへの差し押さえ手続きを強行した。これは北朝鮮への経済制裁を事実上発動した排外主義的な大暴挙である。
日帝・小泉政権が米帝ブッシュと共同=競合しつつ北朝鮮侵略戦争の準備を進め、そのための排外主義攻撃を激化させているただ中で、ファシスト石原が行った対北朝鮮の経済制裁と右翼テロの扇動。これを徹底弾劾し、粉砕しなければならない。
闘う南北朝鮮人民、在日朝鮮人民と連帯し、小泉と石原に対する怒りの大反撃をたたきつけよう。
石原は9月10日、名古屋市で自民党前政調会長・亀井静香の応援演説を行った。その中で、田中均外務審議官の自宅に発火物が仕掛けられた事件に関連し、「田中というやつ、今度爆弾しかけられて、あったり前の話だ」「子どもを返さないなら(北朝鮮に)経済制裁するぞと正面向かってなぜ言えない」などと、排外主義むき出しの暴言を吐いた。亀井自身も北朝鮮への経済制裁を主張し、石原発言を擁護した。
翌9月11日にも石原は、東京・池袋の街頭演説で「彼(田中)がそういう目に遭う当然のいきさつがある」と、前日の暴言の趣旨を繰り返し、居直った。
撤回もせず
さらに12日の定例記者会見でも、自分の暴言への批判が巻き起こったことに対し「こういうことになって遺憾」と言いつつ、発言は撤回も訂正もしないと、ごう然と開き直った。
石原はこういう形で、この間、朝鮮総連や広教組などへの一連の爆発物事件、銃撃事件、すなわち北朝鮮への排外主義と侵略戦争の策動、教育基本法改悪に反対して闘う労働組合つぶしをねらう憎むべき右翼テロをすべて支持し、称賛しているのだ。つい口がすべったものではない。完全な確信犯なのだ。
第3章n差し押さえ
しかも石原は、これに先立つ9月4日、朝鮮総連中央本部、東京都本部、朝鮮出版会館に対して、地方税法に基づく差し押さえを強行した。これまで40年間、「外交機関に準ずる機関」として課税を免除されてきた施設に課税した揚げ句、中央本部については不服審査請求の直後であるにもかかわらず、あえて今回の強硬方針を発動したのだ。
これ自体が、東京都と石原による北朝鮮への事実上の経済制裁の発動であり、排外主義的な戦争行為そのものである。日帝・小泉政権が拉致問題を口実に、万景峰(マンギョンボン)号への不当な捜査=臨検を強行し排外主義の扇動を組織しているのと完全に呼応して、この間°北朝鮮と戦争しろ″と叫んできた石原自身が、すでに経済制裁に踏み切っているのである。
元凶は小泉
今回の石原暴言に対し、小泉は「きわめて不適切」と述べ、官房長官の福田は「適当ではない」などと批判した。そして石原から政府・外務省が攻撃されていることに反論する形で田中を「よくやっている」と擁護した。だが小泉の方が石原よりは少しでもましなのか。否、である。そもそも小泉や福田の石原批判自体が、何の怒りもないペテン的なものだ。石原自身、「表向きは抗議とか、批判せざるを得ないだろう」と、完全に足元を見透かしているのである。
なぜなら日帝・小泉政権こそが、米帝ブッシュと共同=競合しつつ、北朝鮮スターリン主義のそれ自身きわめて反人民的な核問題や拉致問題につけ込み、それを絶好の口実として、対北朝鮮の侵略戦争政策を凶暴に推進しているからである。米帝ブッシュの「悪の枢軸」論や世界戦争計画に完全に対応して、イラク侵略戦争を全面支持し、参戦し、次は北朝鮮への侵略戦争準備を進めているからである。
そして何よりも、小泉や石原は、北朝鮮と戦争をしてでも拉致被害者を救出すべきだという運動を行っている「救う会」や「拉致議連」と、実体的にも完全に連なっているのである。
では小泉と石原の違いはどこにあるか。小泉が米帝ブッシュとの共同=競合の関係の中で、徹底的にブッシュ・ドクトリンに沿い、日米同盟を強化する方向で北朝鮮侵略戦争をやろうとしているのに対し、石原は純然たるファシスト反革命として、より対米対抗性と排外主義をむき出しにして、北朝鮮への経済制裁=侵略戦争の発動を叫んでいるということである。
そこには同時に、日帝の今後の対北朝鮮政策、アジア政策・世界政策をめぐる競合、国家のあり方や統治形態をめぐる争闘がはらまれてもいるのである。
日本の労働者階級人民にとっては、小泉も石原も、ともに打倒の対象である。
11月で反撃
小泉は、米帝ブッシュの全面的な援護と争闘戦的な圧力をも受けつつ、総裁選での再選を固めてきた。石原は、それに対抗する亀井を支持し応援する行動に出て、今回の右翼テロ賛美と対北朝鮮制裁のファシスト的暴言を繰り返した。
日本の労働者人民は、闘う南北朝鮮人民、在日朝鮮人民と連帯し、ファシスト石原の排外主義暴言と対北朝鮮制裁を徹底弾劾し、北朝鮮侵略戦争阻止へと闘わなければならない。
そして自民党総裁への再選をもって自衛隊イラク派兵と一大資本攻勢を始めとした大反動に突き進む日帝・小泉と全面対決し、その打倒のために総決起していかなければならない。
11月労働者集会の大結集で階級的に総反撃しよう。
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週刊『前進』(2119号2面3)
国労弾圧公判 検察、証言を中途で放棄 次回は鈴木証人の尋問に
9月17日、東京地裁刑事第10部(青柳勤裁判長)で、国労5・27臨大闘争弾圧の第12回公判が開かれた。前回に続き、警視庁公安一課の貞山明警部補の証人尋問が行われた。
弁護団が主尋問打ち切りを要求
今回で貞山証人の尋問は終了し、次回公判(10月6日)は、国労東京地本の鈴木勉法対部長の証人調べが行われる。公判闘争は、かつてない山場に突入した。
冒頭、葉山岳夫弁護人と橘日出夫被告が、早期保釈を求める意見を述べた。橘被告は、先の国労全国大会で闘争団員への組合員権停止処分が強行されたことに怒りをぶつけ、「重大な大会に参加できなかったことは本当に悔しい。私は、大会代議員選に獄中から立候補したが、はらわたが煮えくり返る思いだ」と勾留を続ける裁判長を弾劾した。
萱野一樹弁護人が、貞山証人の主尋問を打ち切るべきだと申し立てた。
もともと貞山は、杉並で押収されたビデオの押収手続きに関して採用された証人だ。ところが検察側は、前々回公判の直前に貞山証人の立証趣旨の拡張を突然請求し、裁判長は不当にもこれを認めていた。この日の公判で検察側が、拡張した立証項目のうち、@支援者の向山和光被告が杉並共同購入会館(正しくは都革新上高井戸事務所)に個室を保有していること、A犯行直後の現場の状況、の2点を証言させようとしていることは明らかだった。
萱野弁護人は、@向山被告の個室の問題は本件と関係がない、A「犯行直後の現場の状況」というが、事件後に現場に駆けつけたにすぎない貞山証人にそのような証言をさせるのは、裁判所に「中核派の組織的犯行」という予断を与えることだけが目的だ、と指摘し、主尋問の打ち切りを訴えた。しかし、青柳裁判長は申し立てを退けた。
貞山証人が入廷した。検事が「現場に臨場したのはいつか」と聞く。貞山の答えは「7時30分」。事件はとうに終わっている。
貞山は、「向山被告が当日のリーダーだったと認識した」と言い張った。だがその根拠は、向山被告が他の支援者と話をしていたこと、貞山が向山被告に「お前が頭(あたま)か」と声をかけたら向山被告が「困った表情を浮かべた」こと、の二つしか挙げることができない。
被告を呼び捨てにする牧島聡検事と貞山証人に、向山被告が抗議した。しかし彼らは態度を改めない。大口昭彦弁護人が立ち上がり、「検事を牧島と呼び捨てにすることを許可していただきたい」と語気を強めた。怒りに押された裁判長が、「何々被告と呼ぶのが法廷の慣行だ」と検事と証人をたしなめた。
その後、貞山証人は、向山被告が中核派の政治集会で基調報告をしたこと、杉並共同購入会館に個室を持っていることなどを挙げて、「だから中核派の幹部だ」とまくし立てた。
一瀬敬一郎主任弁護人が、すかさず「本件といかなる関連があるのか」と異議をたたきつけた。裁判長が、「それ以上聞く必要はない」と異議を認めた。度を失った牧島検事は、「向山被告の幹部性は十分立証できたということか」と裁判長の心証をただすという訴訟当事者にあるまじき言辞を吐いた。「中核派だから有罪」というでたらめな証言に踏み込もうとした矢先に出はなをくじかれ、大打撃を受けたのだ。検察側は「向山被告の個室」に関する尋問を放棄し、主尋問はそこで唐突に終了した。
萱野弁護人が反対尋問に立った。主尋問で貞山は「向山被告は杉並共同購入会館に個室を有している」と繰り返したが、その根拠は何も示されていない。弁護団はこの点を問いただした。貞山は、「部屋の中に向山と書かれた札が張られた段ボール箱があった。だから、そこが向山被告の個室だ」と言い張った。
弁護団は、警察自身が作成した10月7日の捜索差押調書を示して、「あなたが向山被告の個室と言っている部屋は、この調書には何と記載されているか」と質問した。長い沈黙の後、貞山は聞き取れないような小さな声で「北側更衣室です」と返答した。「向山被告の個室」は、貞山の思い込みの産物であり、実際には物置部屋なのである。
さらに貞山は、「向山被告の荷物」は、物置部屋の中に置かれた多数の荷物のごく一部にすぎないことも認めざるをえなかった。
向山被告本人が、5・27当日、貞山が向山被告に声をかけたという証言のうそを暴いて弾劾した。
「中核派組織犯行論」に頼る以外にない検察側に、被告・弁護団は徹底的な反撃をたたきつけた。次回公判は鈴木法対部長の尋問だ。公判闘争は、警視庁公安部と国労本部派が結託しての弾圧という、この事件の真相に迫る攻防に入る。
公判に先立ち、14地域・職場の「許さない会」が東京地裁に被告の早期保釈を申し入れ、約8千筆の署名を提出した。
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週刊『前進』(2119号2面4)
資本攻勢&労働日誌2003 8月30日〜9月12日
04年度年金制度改革案出そろう 連合会長選へ/金属労協、賃下げワークシェア提案
●自治労、職員に等級導入 自治労本部が9月から等級制度やマネジメント研修を採用する。(8月30日)
●連合会長、6年ぶり選挙 UIゼンセン同盟の高木剛会長が連合の会長選に立候補。現会長の笹森清は既に立候補、97年以来6年ぶりの選挙に。(9月1日)
●現金給与総額が1.9%減 厚労省発表の7月の毎月勤労統計調査結果(速報)によると、現金給与総額は40万1904円で前年同月比1.9%の減少となった。(1日)=毎月勤労統計調査結果(確報)
●8割の職場で「無理な勤務」/医労連調査 医労連は、看護職場の医療事故防止実態調査の結果をまとめた。看護の職場で重度の疲労や精神的負担に「かなりなっている」が46.9%、「無理な勤務になっている」が40.1%だった。(1日)
●看護職員の夜勤日数、2年連続で増加 医労連は、看護職員の02年度夜勤実態調査の結果を発表。3交替病棟の1カ月の平均夜勤日数は7.71日で、2年連続で増加している。(1日)
●賃下げ伴うワークシェア提案 IMF・JC(金属労協)は定期大会を開き、賃金減少を伴うワークシェアリングを容認することなどを盛り込んだ「第2次賃金・労働政策」の中間報告を提示した。(2日)
●9割以上が初任給凍結 日本経団連は、新規学卒者の初任給調査の結果を発表。「据え置き」と回答した企業は前年を10.3ポイント上回る91.4%にのぼった。(2日)
●個別賃金方式を提起―自動車総連 自動車総連は定期大会を開き、05年春闘をめどに一律賃上げ要求から、個別賃金方式への移行を目指す方針を示した。(4日)
●坂口厚労省が年金改革の「坂口試案」発表 (5日)=要旨別掲
●所得格差が拡大、階層の固定化も 財団法人家計経済研究所は、02年度の消費生活に関するパネル調査の結果を公表。90年代後半以降、世帯間の所得格差が拡大している。(5日)
●基幹労連が誕生 鉄鋼労連と造船重機労連、非鉄連合の3産別が統合し、新たに基幹労連を結成した。総組合員数は約25万人。連合内で8番目の規模。(9日) (基幹労連ホームページ)
●日本経団連、年金改革で提言 (10日)=要旨別掲
●高校新卒求人0.53倍 来春卒業予定の高校生の求人倍率は今年7月末の時点で0.53倍で、前年同期を0.03ポイント上回ったことが厚労省のまとめで分かった。3年連続の過去最低の記録更新は免れたものの、依然として低水準。(11日)
●社会保障審議会年金部会が意見書提出 (12日)=要旨別掲
●財務省が年金改革考え方を提案 (12日)=要旨別掲
●経産省が年金問題連絡会議を設置 (12日)=要旨別掲
出そろった04年年金制度改革案
●坂口試案 (坂口厚労相の記者会見概要)
厚生年金保険料率は年収の20%まで。
給付水準は50〜55%に切り下げ。
●日本経団連 (年金制度改革に関する意見書)
基礎年金は将来的には国庫負担を100%にし、消費税でまかなうべき。
厚生年金は給付水準を2割程度切り下げ、保険料率の引き上げは反対。
●厚生労働省の社会保障審議会年金部会 (年金制度改正に関する意見)
「保険料水準固定・給付水準自動調整の仕組み」の導入を提言。
●財務省 (年金改革についての基本的な考え方)
現役世代の所得の一定割合を保障する考え方に反対。
基礎年金国庫負担2分の1に反対。
●経済産業省 (「年金問題連絡会議」の設置について
)
年金改革を国内産業の国際競争力、産業の空洞化、雇用から考えるべき。
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週刊『前進』(2119号2面5)
国労5・27臨大闘争弾圧公判日程
第13回 10月6日(月)
第14回 10月27日(月)
第15回 11月21日(金)
第16回 12月2日(火)
第17回 12月16日(火)
*いずれも午後1時15分から、東京地裁
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週刊『前進』(2119号2面6)
10・5労働者の総決起で8名の仲間を取り戻そう九州集会
講演 林健一郎さん(前九州労働弁護団会長)
「労働法制改悪と労働者の権利」
日時 10月5日(日) 午後2時開会
場所 福岡市民会館・国際会議室
*集会後デモ
主催/労働運動への弾圧を許さない!国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会・九州
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週刊『前進』(2119号3面1)
労働者の国際連帯の前進を
全世界で民営化反対が高揚
英ニューレイバー派は破産 カンクンWTOに怒り
動労千葉の訪米によって切り開かれた日米韓の労働者階級の国際連帯は、闘う労働者が、国境も言語の壁ものりこえられることを示した。この交流の中から、全世界の労働者階級の共通の課題が、戦争と弾圧と民営化との闘いであること、共通の敵が帝国主義であることが鮮明になった。「労使協働」に走り、民営化攻撃に屈した自治労「21世紀宣言」の否決は、9・11反米ゲリラ戦争とイラク反戦闘争の中で開始された全世界2千万労働者人民の決起につらなる偉大な決起だ。国家と資本に奉仕するのではなくて、敵と味方をはっきりさせた階級的労働運動こそが求められている。11月労働者集会の成功のために、全世界の民営化攻撃の破産的な現実と、それへの反撃の闘いを紹介する。
WTO会場1万人デモ
世界の民営化と自由化攻撃の張本人であるWTO(世界貿易機関)に対して全世界の労働者階級人民の怒りが爆発した。
9月10日からメキシコのカンクンで、全世界146カ国・地域の担当閣僚らが集まって開幕されたWTO第5回閣僚会議に対する抗議闘争は大きく高揚した。10日には韓国農業経営者中央連合会前会長のイギョンヘさん(55)が刃物で自らの胸を刺して抗議の自殺をした。13日には「国際共同行動の日」が取り組まれ、1万人あまりがWTO会場に向かって怒りのデモ行進をし、バリケードを撤去して進撃した。
14日、労働者人民の怒りに包まれる中でWTOは、帝国主義国同士の対立、帝国主義諸国と新植民地主義体制諸国との対立を調停することができず、閣僚会議は決裂した。
このWTO閣僚会議の決裂という事態は、99年アメリカ・シアトルでの第3回閣僚会議に次ぐ重大事態である。この第3回WTO閣僚会議に対する激しい抗議闘争が、今日の全世界的な「反グローバリズム」運動爆発の出発点となった。
WTO閣僚会議決裂という事態は、世界経済がますます29年型の世界大恐慌の爆発過程に突入していること、その結果、帝国主義間のすさまじい相互のつぶしあいと争闘戦に入っており、同時に分裂化・ブロック化とブロック間の争闘戦がますます激化していることを示している。
こうした過程は、同時に帝国主義が生き残るために戦争と民営化の攻撃が全世界の労働者階級人民に襲いかかることを意味する。民営化攻撃とは労働者階級にとって、首切りと賃下げ、不安定雇用化攻撃以外の何ものでもない。これに対する全世界的な怒りの反撃がまき起こっているのだ。
営利第一で水道民営化
アメリカの大停電(8・14)として衝撃的に明らかになった今日の自由化・規制緩和と民営化攻撃の現実は、80年代のレーガン・サッチャー・中曽根の民営化攻撃とは段階が異なる「新たな民営化攻撃」とも言うべき激しさがある。
それは、鉄道・通信・郵便にとどまらず、ホワイトハウスやペンタゴン、さらには労働者人民の生命線である水道までも民営化しようというとんでもないものだ。
現在すでに全世界の水道事業の民営化に、アメリカの大手ゼネコンのベクテル社、フランスのビベンディ社、スエズ社、オンディオ社、ドイツのRWE社、イギリスのテムズウォーター社などが乗り出している。
特に新植民地主義体制諸国には、世界銀行などによって事実上、水道事業の民営化が強制され、全世界で大きな問題を起こしている。営利追求が第一のため、80年代のアメリカでの航空産業で見られたように、いったん独占が成立すると、水道料金の値上げが全世界で行われた。
米ベクテル社が水道を民営化したボリビアのコチャバンバ市では、水道料金が2〜3倍にもなった。貧しい人びとは水を飲むこともできなくなり、最貧困地域への水道の供給停止まで起こった。ベクテル社の暴挙に怒った労働者人民は軍隊と対峙して闘い、同社をたたき出した。
ガーナでは水道が民営化されてから、一般の労働者人民は、高額の水道水を飲めなくなり、衛生上問題のある川や井戸の水を飲まざるをえなくなった結果、疾患率が3倍にもなった。
水という生命にとって必要不可欠の、本来商品にするのにはなじまないものまでが、商品とされ、利潤追求の対象とされ、そのことで矛盾が爆発する。ここまで民営化攻撃はきているのだ。
サービスも貿易自由化
新たな民営化と自由化攻撃の張本人はWTOである。WTOは、95年にGATT(関税および貿易に関する一般協定)のウルグアイ・ラウンド交渉の決着に伴って設立された。
新設されたWTOは、「サービス貿易の自由化」ということを打ち出した。そのための協定がGATS(サービス貿易に関する一般協定)だ。
そこで言う「サービス貿易」とは、「政府の権限の行使として提供されるサービス」以外のすべての分野のサービスとされており、通信、建設、流通、教育、金融、健康、社会事業などが含まれている。「水供給サービス」の民営化・自由化も課題になっている。そして、各国は、他国に対してサービス貿易の自由化を要求できるとしている。
このGATSを盾にして、世界銀行やIMF(国際通貨基金)は、新植民地主義体制諸国に対してそれまでも進めていた「構造調整」という名の規制緩和と民営化攻撃を激化させ、搾取と収奪を強めている。そして、この民営化攻撃のあらしは、帝国主義間の争闘戦の激化の中で、帝国主義諸国をも巻き込もうとしている。
危機にあえぐ帝国主義・資本主義は、全世界の貿易額の約4分の1を占めるといわれる「サービス貿易」の分野を資本のくいものにすることで生き延びようとして全世界的な新たな民営化攻撃に打って出てきているのだ。
鉄道・郵政労働者が決起
イギリスの国鉄は、労働党のブレア政権になってからの97年に分割・民営化された。それは鉄道保有会社(レールトラック社)と、保守請負会社、列車を走らせる会社が別々になっており、しかも旅客会社などは数十もあるというでたらめさだ。その結果、安全・運転保安が崩壊し、重大事故が多発する事態になり、レールトラック社は01年10月に倒産した。
これに対して、イギリスの国労にあたるRMT(鉄道・海運・交通労組)と、動労にあたるASLEF(鉄道・機関士組合)は、「鉄道再国有化」を掲げて幾度もストライキを闘いぬいている。このRMTとASLEFはイギリス戦争阻止連合にも正式に参加し、反戦闘争を闘っている。
イギリスの郵政は01年3月に民営化されて株式会社となり、社名をコンシグニアとした。しかし赤字が続き、翌年には名称をロイヤルメールと変更し、大量首切りを行った。同社に対して8月末にはCWU(通信労組)が賃上げとリストラ反対を掲げてストライキの準備に入った。郵便労働者のストが決行されれば、96年以来になる。
イギリスの労働運動内部では、戦争と民営化攻撃に対する闘いをとおして戦闘的労働運動が復権しつつある。9月初めに開催されたイギリスのナショナルセンターであるTUC(労働組合会議)の大会でブレア批判が噴出し、階級的労働運動を否定するニューレイバーに反対する左派が多数派を占めた。特に国家公務員を組織するPCS(公共商業サービス労組)や、自治体労働者を組織するUnison(公共部門労組)が民営化反対と、イラク占領反対を掲げ、ニューレイバー路線批判の先頭に立っている。
日本の自治労中央が手本にしているニューレイバー派は、労働組合運動の裏切り者として断罪され、打倒される寸前なのだ。
アメリカでは、郵政の民営化が、すでにドイツで民営化されたドイツポスト社などの外国資本が入り込んで行われようとしている。まさに、国際的な民営化攻撃である。
さらにホワイトハウスとペンタゴンを含めた連邦職員170万人のうち、85万人の労働者を民営化して解雇しようとしている。これに対して、連邦職員を組織するAFGE(米行政府職員連合)は民営化反対を掲げて闘っている。
フランスでは民営化とGATSに対する反対闘争をCGT(労働総同盟)やSUD(連帯・団結・民主)などの労働組合が市民団体とともに闘っている。
韓国では、4月に全国鉄道労組が鉄道民営化撤回合意をかちとった闘いなど、民主労総を先頭に、97年からのIMFの構造調整攻撃以来の民営化攻撃に対する反撃の闘いを粘り強く闘っている。
あらゆるものを民営化し、資本の利潤追求の手段にしなければ生き延びられない帝国主義・資本主義の最末期の危機への労働者階級の総反乱が始まった。
このように、民営化攻撃との闘いは全世界の労働運動の正面課題となった。
動労千葉を先頭に、87年の国鉄分割・民営化攻撃以来営々として闘いぬいてきた国鉄1047名闘争の世界史的意義は明らかだ。
自治労の「21世紀宣言」は階級的労働運動の立場を捨て、民営化攻撃の先兵になるためのものだ。現業労働者の切り捨てを許すな。民営化反対派こそ世界の労働運動の主流派なのだ。
誇りを持って自治労「21世紀宣言」を粉砕し、その力で11月労働者集会への大結集を切り開こう。
〔湯村宏則〕
WTO(世界貿易機関)
World Trade Organizationの略。30年代の保護主義を反省すると称して第2次大戦後、国際金融面では国際通貨基金(IMF)が生まれた。貿易面の国際機関として国際貿易機関(ITO)が考えられたが、ITO憲章が多くの国で批准されず成立しなかった。そこで貿易と関税に関する部分の暫定的取り決めが、GATT(関税と貿易に関する一般協定)として48年に発足。GATTウルグアイラウンドでWTO協定が締結され、95年1月に発効。その合意を実施する正規の機関としてWTOが発足した。帝国主義が世界市場を支配するための機関だ。
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週刊『前進』(2119号3面2)
東大阪市議選 さかぐち候補元気に出陣 住民大衆が主役の選挙戦
9月14日、東大阪市議選の告示日、さかぐち克己候補の出陣式が行われた。部落解放同盟全国連荒本支部の部落大衆、東大阪国保と健康を守る会会員など、総勢350人が集まった。21日の投票日に向かって選挙戦がスタートした。
会場となったさかぐち克己事務所横の駐車場には早朝から人びとがつめかけ、入りきれない人びとが歩道にあふれだした。この参加者の数と熱気は、そのまま住民大衆がこの選挙戦の主人公として立ちあがった躍動感を示すものである。
万雷の拍手の中で登壇したさかぐち候補は、「いま私のもとに、お年寄りのみなさんから『わずかな年金が減らされたのに介護保険料は値上げされ、このままでは生きていくことができません。生きる希望をください』という訴えが数多くよせられています。私は、これまで社会を支えてきたお年寄りが生きる希望を奪われている、こんな世の中の政治を揺るがし、変えていくために立候補しました。市民のみなさんが主人公になった政治を、みなさんといっしょにつくっていく。世直しのためにいのちをかけて闘っていきたい。今までの苦労を無にすることはできません。この一週間、全力で闘って、必ず勝利します」と述べ、必勝の決意を高らかに発した。
出陣式の終了後、参加者は、さかぐち候補と由貴美夫人を先頭に長蛇の列となって、地元、荒本までの練り歩きを行った。また、荒本住宅14棟前広場では、さかぐち候補の立候補のあいさつと、選挙戦を闘う荒本支部の団結集会が行われた。
この選挙戦は、そのすべてが、まったく新たな挑戦である。候補が新人、選挙を闘う主人公も、これまでは圧政に黙って耐えてきた住民である。選挙カーに乗って候補とともに闘うウグイスも、荒本支部の婦人と青年によって組織された。この日の出陣式と、荒本での第一声の熱気は、社会を変える真の担い手が誰なのかを鮮やかに示した。
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週刊『前進』(2119号3面3)
全金本山労組が大会 “総力で納得いく勝利を”
9月7日、全金本山労組の第24回定期大会が開催された。冒頭、大会運営委員が「組合員の3分の2以上が参加し、定足数に達しているので大会は成立しています」と宣言。1972年のロックアウト以降職場を奪われ、30年以上もさまざまな職場でバイト体制を続けている組合員が、大会に集まること自体が全金本山労組の団結の証だ。とりわけ、今年の大会は、80日間も不当勾留された中野七郎書記次長の保釈・奪還をかちとっての大会であり、弾圧をはね返して前進している勝利感にみなぎる大会となった。
長谷武志委員長があいさつに立ち、「3月31日の仙台地裁での別棟本訴での一部勝利と、直後の中野さんへの弾圧にわれわれの前進の到達地平がある。警察権力は全金本山闘争の勝利を恐れ弾圧をかけてきた。学生運動、労働運動、反戦運動と地域共闘の発展への弾圧でもある。これをはね返し、中野さんを取り戻したことは大きな前進だ」と提起した。さらに「団交で会社側は就労について『具体的提案をしても空手形』『解決策が出せないのは恥ずかしい』などと誠意のない対応を続けている。完全勝利へ全力投入で行動を起こしていこう。今こそ、『ひとりの首切りも許さない』労働運動をつくり出していくときだ。定年を迎えている組合員もいるが、労働者は生涯労働者。本大会でトコトン論議し、到達地平、路線、思想で一致して闘いぬこう」と大会の重大な意義を鮮明に提起した。
続いて東京からかけつけた都職労の仲間、東京本支連など支援の仲間、地元のみやぎ労組交流センター、東北大有朋寮、東北大学生自治会の代表があいさつ。動労千葉など全国の労働組合から寄せられたメッセージが紹介された。
総括、運動方針が提起され、活発な討議の上で採択・承認された。さらに、長谷武志委員長、青柳充書記長、庄子和副委員長、菅原徹副委員長、中野七郎書記次長の役員体制が選任された。
10月10日には別棟就労本訴の仙台高裁での控訴審が開始される。6・2デッチあげ弾圧粉砕第3回公判とあわせて、9月28、29日に全国闘争が闘われる。全金本山闘争の完全勝利、「2名の解雇撤回、全員の原職奪還」へ全国の支援も9月全国闘争に総決起し、デッチあげ粉砕、別棟控訴審闘争勝利をかちとろう。
中野さん奪還の報告集会100人が結集
9月10日、仙台市内で「中野七郎さん奪還報告集会」が開かれ、100人の労働者・学生が結集した。
「中野七郎さんとともにたたかう会」のよびかけ人を代表して長谷武志全金本山労組委員長があいさつした。「まさに3カ月の激闘、労組が物販オルグで出払っているところを狙っての弾圧に対し、学生、地域の仲間が心を一つにして全力をあげて闘い、ついに中野さんを取り戻した。全国からの300をこえて寄せられた労組、人士の保釈署名、200万をこえた保釈金カンパに示されるように、全国的な全金本山闘争支援、有朋寮支援の陣形の力が集中し、弾圧を完全にはね返した」と訴えた。
続いて中野七郎さんが登壇、満場の拍手に「元気に帰ってきました」と笑顔でこたえ、獄中での闘いと生活をユーモアたっぷりに報告した。
「接見禁止で弁護士にしか会えないという中で、接見、差し入れ、激励行動など数えたら1カ月で30回。外の闘いに勇気づけられ、連日の取り調べにも完全黙秘を貫くことができた。取り調べのにらめっこで検事は『中野さんの背後にはオーラがある』と言っていた」と80日間の闘いを振り返り、完全黙秘の闘いこそが弾圧をはね返す核心であることを報告した。そして、「国労ではビラまきで11カ月勾留、有事立法が成立し、闘いへの不当な弾圧が始まっている。このような弾圧を許さないために、私は無罪をかちとるために闘うし、デッチあげや冤罪を許さない闘いを大きくつくっていかなくてはならない」と、あらゆる治安弾圧を粉砕していくためにも、完全無罪をかちとっていく決意を表明した。
闘いの訴えとして、全金本山労組の青柳書記長、有朋寮、とめよう戦争への道!百万人署名運動宮城県連絡会、国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会・宮城の仲間が発言。
有朋寮からは、「中野さんは釈放になったんですか」と学生がきいてくるなど、学内で大きな注目となっていることを報告し、「寮生への第2次処分策動を許さず、廃寮阻止を闘いぬく」と固い決意が語られた。百万人署名運動は、「『自衛隊はイラクに行かない、行かせない、殺さない、殺させない』運動を広げよう」と闘いを呼びかけた。国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会の「力を合わせて、次は8人の保釈をかちとろう」という訴えにこたえ、その場で新たな賛同会員が生まれた。
最後に統一救対から第3回公判への結集が呼びかけられた。次回は、いよいよ「傷害事件」ねつ造の張本人、西森克彦教授の証人尋問だ。8本のビデオ、19本ものネガがありながら、「事件」の物的な証拠はまったく出されていない。「事件」そのものがねつ造だからだ。西森教授のウソとデタラメな供述の矛盾を暴き出すことで、真実を明らかにすることができる。裁判所を包囲する傍聴闘争の大結集をかちとろう。
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週刊『前進』(2119号3面4)
反戦の経験を交流 婦民全国協が第20回総会
8月23、24日大阪で開かれた婦人民主クラブ全国協議会第20回全国総会に参加しました。
今年の総会は、1月に米ワシントンで開催された50万人の反戦集会に代表を送り、「始まる前にとめよう!」という世界のうねりと合流してきた勢いが感じられました。
今年は20回という節目の総会にあたり、「戦争開始下」といえる時代情勢に見あった組織への飛躍をテーマに、2日間活発な討議が行われました。
第1日目、初めに7月末に亡くなられた北富士忍草母の会会長の渡辺喜美江さんを追悼。黙祷(もくとう)のあと、代表の西村綾子さんが追悼と闘いを引き継ぐ決意を述べました。連帯のあいさつは部落解放同盟全国連合会婦人部長の北浦寿恵子さん、泉佐野市議の国賀祥司さん、関西労組交流センター女性部から力強く行われました。
総会議案が提起され、「帝国主義支配の危機が進行し、労働者民衆を食べさせていくことができなくなっている。戦争と大資本攻勢―生活破壊、治安弾圧との闘いが世界の労働者民衆の共通の課題になっている。世界の労働者民衆が連帯し、戦争・差別・抑圧の元凶を倒そう。戦争政治のもとでの女性差別激化と闘い、職場や地域の中に団結をつくりだそう」と訴えられました。
国労5・27臨大闘争弾圧被告の家族、部落解放同盟全国連合会寝屋川支部弾圧被告の家族と婦人部から特別アピールが行われました。家族の怒りと闘いが共有されました。
各地の活動報告は圧巻でした。福岡からは、国際婦人デーから一連のイラク反戦女たちのデモの成功が報告されました。今年4月、西村代表の市議3選を果たした相模原支部からは、イラク反戦から暮らしの課題まで訴え、地域の労働者・住民とともに闘った報告。杉並からも統一地方選での住民自身の生き生きした活動が報告されました。若い人たちのイラク反戦の決起をつくりだした東京の支部の報告や関西での新たな読者会づくり、イラク写真展の報告は、組織化の教訓たっぷりでした。
夜の交流会のあと、教育・イラク報告と自衛隊の派兵阻止・女性差別との闘いの3つに分かれたワークショップが開かれ、2日目朝から組織拡大の分散会が行われました。討論の中で、婦民全国協は教育・労働・福祉・反戦まで間口が広く地域の相談役として期待されていることや、学習会を通じて女性たちが「政治っておもしろい」と目覚めていくこと、自衛隊のイラク派兵をとめるために、意外と周囲にたくさんいる自衛官やその家族に働きかけていけるなどの意見が活発に出されました。
11月国際連帯の労働者集会に婦民全国協も全国から大合流することが確認され、新聞「婦人民主クラブ」をもって女性たちの中にどしどし分け入ることが決定されました。
(投稿・川原涼子)
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週刊『前進』(2119号4面1)
全学連大会 10・25に全国で学生数万人の大デモを イラク派兵絶対阻止へ大方針
キャンパス丸ごと決起へ 1、2年生中心に徹底討論
9月13〜15日、全学連弟63回定期全国大会が東京都内で行われ、イラクへの自衛隊派兵絶対阻止の今秋決戦方針をうち立てた。1、2年生が発言の中心に立ち、新たな全学連運動の本格的な登場が始まったことを確信させる画期的な大会になった。
基地を包囲し侵略出兵阻め
まず大山尚行委員長が03年前半決戦の総括議案を提起した。冒頭、「今秋、全学連は自衛隊のイラク侵略派兵を絶対に阻止する大闘争を爆発させる」と宣言した。そして「今年1〜3月の国際反戦闘争の空前の高揚は、帝国主義の世界戦争と対決する歴史的決戦の始まりである。全学連はこの大衆決起のうねりをつかみ、ワールドアクション型の大衆運動を支持し、イラク・北朝鮮侵略戦争と対決する大衆闘争を切り開いてきた。クラス討論と扇動の変革をもってキャンパス丸ごと決起の手ごたえをつかんだ」と総括した。
国際情勢は松尾純一副委員長が提起した。「帝国主義の分裂と抗争が世界戦争となって爆発する時代がついに始まった。日本共産党は『国連無視のアメリカが悪い』と言い、カクマルは『ブッシュが戦争好きだから戦争が起きている』と言うが、まったくのペテンだ。問題の根源は帝国主義にある。そして帝国主義打倒に向かって労働者階級の巨大なうねりが始まっている」と述べ、国際階級闘争の歴史的胎動が始まったことを明らかにした。
続いて倉岡靖子書記次長が国内情勢を提起した。「イラク派兵と北朝鮮侵略戦争に向かって、日帝の政治体制を反動的に再編する攻撃が始まっている。それに対して労働者階級の側は新たな陣形のもとで歴史的反撃を開始している。この秋、巨大な階級決戦の爆発は不可避だ。今こそ『戦争突入内閣=小泉政権打倒』を全労働者階級のスローガンにしよう」と訴えた。
任務方針提起は井上亮副委員長が行った。「米ANSWER連合と連帯し、10・25国際反戦統一行動をひとつの頂点に、イラク侵略派兵反対の数千、数万人のデモを全国主要都市で実現しよう。全国各地で自衛隊基地への直接行動を大衆運動として展開しよう。北朝鮮侵略戦争の切迫と対決し、国民保護法制阻止へ大闘争をつくり出そう。何よりもキャンパスで大衆運動を爆発させよう。法政大学生会館をめぐる攻防と東北大有朋寮廃寮阻止決戦に勝利しよう」と訴えた。
法大・有朋寮決戦に勝利を
議案提起に続いて大学報告が行われた。東北大学は1年生が「自衛隊のイラク派兵反対の緊急署名を2876筆集めて、9月5日には40人で仙台の苦竹基地包囲行動を行った。デモ中、トラックの中から自衛隊員が手を振ってきた」と発言した。また有朋寮の学生が廃寮阻止闘争を報告した。
山形大学の女子学生は「クラス討論を重ね、学内で1千筆を超える有事立法反対の署名を集めた。今秋の大衆運動爆発の展望を開いた」と発言した。
法政大学は「有事立法反対とイラク派兵阻止のクラス決議を計51クラスであげて、キャンパス集会、防衛庁デモを行うというオーソドックスな大衆闘争を行ってきた」と報告した。また学生会館をめぐる攻防に数百人の学生が決起していることを報告した。
富山大学の女子学生は「1年生を中心に有事立法阻止の国会闘争、新潟での万景峰号、富山での貨物船への入港規制に反対する現地闘争に取り組んだ」と報告した。
京都大学。「アンケートに有事立法に対する賛成・反対の意見を書いてもらい、集めてくれる人を募って、クラス討論を大衆運動として成功させた。論議の中で有事立法賛成から反対への転換を実現した」
大阪市立大学。「サークルBOXをめぐる対当局攻防で200〜300人の学生が決起している。こうした闘いを促進し、反戦政治闘争へと発展させていく」
広島大学。「新たな若者の運動団体を立ち上げ、3月23日には200人のデモを行った。権力のスパイ化攻撃、破壊工作を打ち破って、団結を強化してきた」
九州大学。「九大自治会弾圧を粉砕して新歓を成功させた。6・21には青年学生が中心になって100人の福岡市内デモを行った」
全大学で派兵阻止の闘いを
自由討論では、まず松尾副委員長が「自衛隊のイラク派兵を実際に止めるために、10・25に東京で5千人は集めたい。アメリカでは、10・25の先頭に米兵や退役軍人、その家族が立っている。50万、100万人の労働者人民で自衛隊を包囲し、隊内から出兵拒否の声があがっていく状況をつくり出そう」と訴えた。
これに各大学からの決意表明が続いた。
法政大学。「10・25渋谷の宮下公園に5千人、法政大学1千人の決起を実現する。イラク派兵阻止の行動をめぐるクラス決議運動を行い、500人の決起をかちとる。学生会館をめぐる対当局闘争への500人決起を実現する」
富山大学。「富山大は全学生6千人の決起をかちとりたい。それはまったく可能であり、必要だと思う。イラクの現実を知った時、怒らない人はいない。行動への壁は帝国主義によってつくられたものだ。1年生中心に大衆運動をつくっていきたい」
東北大学。「東北大は1千人のイラク反戦デモの実現を決めた。傷害罪のデッチあげ、寮生の大量処分などの弾圧を反撃の機会ととらえて、有朋寮廃寮化阻止・独立行政法人化阻止の闘争を爆発させる」
京都大学。「京都ではこの秋1400人の大衆行動を実現したい。10・25は全世界が闘う特別の日で、デモをするのが当たり前なんだということを全キャンパス生に広めていきたい」
大阪市立大学。「大阪では市大生を軸に300人の決起を実現したい。労働者階級に『国のために死ね』と強要する奥田ビジョンへの怒りを組織したい」
広島大学。「広大で1千人決起、呉では『おおすみ』出兵阻止の1万人大行動を闘いたい」
九州大学。「10・25に福岡で500人の決起を実現したい。巨大な大衆闘争をつくり、自衛官が堂々と出兵拒否する状況をつくる」
一人でも大運動はつくれる
さらに活発な討論が続いた。首都圏の女子大学の学生は「昨年5月に有事法制の存在を知って、自分一人で行動を始めた。一人でクラス討論に入って学習会に組織してきた。この秋には行動への参加をかちとっていきたい」と発言した。
富山大学の学生は「石原都知事による右翼の排外主義テロを賛美する暴言を許さない。闘う朝鮮人民・在日朝鮮人民と連帯し、北朝鮮排外主義と対決しよう」と朝鮮侵略戦争阻止を訴えた。
京都大学の学生は「『有事法制を完成させない、発動させない、従わない』という20労組の闘いに連帯して闘うことが重要だ」と述べて、「この戦争をくいとめ続けるならば、帝国主義を必ず打倒することができる」と訴えた。
広島大学の学生が教育基本法改悪阻止・改憲粉砕の闘いを、続いて東北大学の学生が国民保護法制の04年通常国会提出の阻止を訴えた。法政大学と大阪市立大学の学生からは、部落解放闘争の報告が行われた。
沖縄の学生は「名護新基地建設阻止は、日本の労働者人民がその階級的責務を果たし、日帝の支配を打ち破って行くための闘い。全国から名護現地調査団を派遣しよう」と呼びかけた。
内山書記長が活発な自由討論のまとめを5点にわたって提起した(別掲)。
議案と2つの特別決議、「帝国主義の治安弾圧攻撃をうち破り、星野文昭さんを取り戻すために総決起しよう」「東北大学有朋寮廃寮阻止決戦の勝利に向けた特別決議」が大きな拍手で採択された。
初参加者が演壇に並び決意表明を行った。
最後に新役員が選出され、大山委員長のもと10・17ブッシュ訪日阻止闘争から10・25国際連帯闘争の爆発へ、直ちに決起することを確認した。
全学連大会には、三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長、部落解放同盟全国連・狭山現地対策本部、北富士忍草母の会の天野美恵事務局長らが連帯のあいさつを行った。
革命的共産主義者同盟の水谷保孝同志は「9・11から2周年、新しい階級的大激動が始まっている。今こそ帝国主義打倒・資本主義転覆の思想をすべての人びとに訴えていく時だ。自分にとって戦争反対とは何か、革命とは何かということにとどまらずに、革命にとって自分は何か、戦争をなくすために自分は何をすべきかと考えてほしい。中核派に結集して闘おう」と熱烈にアピールした。
全学連執行部
委員長 大山尚行(東北大・経済)
副委員長 松尾純一(法政大・経営)
同 宮城啓 (大阪市大・文)
同 井上亮 (広島大・総合科学)
書記長 内山佳久(法政大・二法)
書記次長 新井拓 (東北大・理)
同 倉岡靖子(京都大・農)
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週刊『前進』(2119号4面2)
10・25で世界は動く 内山書記長 討論のまとめ
「イラク侵略戦争を絶対に阻止しよう。そのために各地方で10・25国際連帯行動の目標と具体的政策を立てよう」。こう提起して、首都圏の5千人を始め全国各地で計2万5千人の行動という目標を出してもらった。これはみんなが自分たちで決めた目標です。この数を実現する闘いの中に、イラク侵略戦争を阻止する展望がある。
一つは、自衛隊のイラク派兵絶対阻止の決意を固めることだ。小泉は10日、「困難な任務にも十分対応できる心構えをもって周到な準備を」と自衛隊幹部にイラク行きを指示した。イラク人民のゲリラ戦争がたたきつけられることを百も承知で、自衛隊にイラク人民を虐殺できる軍隊になれと命じているのだ。米軍は自分たちに向かってくる車両はすべて銃撃し人民を虐殺している。これと同じことを自衛隊にやれと言っているのだ。
二つには、10・25国際連帯行動を成功させよう。米帝のイラク侵略戦争は世界戦争の始まりである。これを止められるのは国際的な連帯闘争だけだ。大量破壊兵器のデッチあげが暴かれ、イラクの解放ではなく、軍事占領と植民地支配であることが明らかになった。侵略戦争であることがはっきりする中で、米兵の反軍決起が始まっている。家族がワシントンデモに決起し、10・25の先頭に立とうとしている。これが2〜3月とは違う新たなうねりの重要な意味だ。「10・25で世界は動く」という大きなイメージを持とう。
三つは、自衛隊の包囲・解体・獲得である。誰も侵略戦争をやるために自衛官になったわけではない。自衛隊を人民が獲得するためには、数万人で自衛隊を包囲し、それでも出兵するなら実力で阻止するという闘いが必要だ。軍隊の獲得をめぐる闘いに突入するということは、帝国主義の打倒が実践的な課題になったということだ。
四つは、イラクの現実を多くの学生に知らせることだ。イラク人民や米兵とその家族などの声を学生の中に持ち込もう。写真展、イラク派遣団に取り組もう。
五つは、試験、バイト、就職難など学生の苦しみは、帝国主義が生き残るための労働者階級への攻撃として起こっている。動労千葉や陸・海・空・港湾労組20団体などとともに、労働者階級の側に立って闘うことが自己解放の道であることをはっきりさせよう。マルクス主義を学習しよう。
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週刊『前進』(2119号4面3)
労働者の闘いを抑圧する日本共産党の新綱領案(2)
資本主義を永遠化「民主主義革命」はペテンだ
日本共産党の新綱領案は第4章で「民主主義革命と民主連合政府」という目標を掲げている。これにはどういう意味があるのか。
限りない屈服
第一に「民主主義革命」を看板に掲げていること自体がすでにインチキ、ペテンである。日本共産党はなんら「革命」の名に値することをやる意志を持たない。「革命は物騒なことではありません。前の首相の森喜朗さんは『IT革命』という言葉が好きでした」と不破議長は自ら「革命」をおとしめた。彼らの「民主主義革命」はその程度のものなのだ。
革命とは本来、支配階級を暴力革命で打倒し、権力を奪い取る巨大な体制変革である。
だが、新綱領案の「民主主義革命」はこのようなドラスティックなものではない。権力をめぐる階級間の激突、権力の階級的移行、体制変革などまるでない。ブルジョアジーの許容する「資本主義の枠内での民主的改革」なのである。
新綱領案は「民主的改革」の内容として「国の独立・安全保障・外交」「憲法と民主主義」「経済的民主主義」の各分野にわたって多くの項目を並べているが、すべてペテンである。基本的にすべて現在の日本資本主義・帝国主義のままでOKなのである。
91年のソ連スターリン主義崩壊で危機に陥った日本共産党は、94年の20回大会以来、「資本主義の枠内での民主的改革」を掲げ始めた。「資本主義の枠内で、国民が平和で、より豊かで、自由な生活を送れる日本」と。今回の改定案では「民主主義革命は……資本主義の枠内で可能な民主的改革である」と、体制の変革ではないことを完全に宣言したのである。
憲法・天皇制肯定、大企業の民主的規制論・社会的責任論など、政治・経済のすべてにわたってなんら日帝を批判していない。闘いを提起しない。帝国主義・資本主義の限りない肯定・擁護・永遠化、帝国主義・資本主義への全面屈服・恭順となっているのだ。
日米安保の廃棄で「対米従属」を打破することだけが課題とされる。それが実現すれば「国民大多数の根本的な利益にこたえる独立・平和・民主の日本」が生まれ、「国民が国の主人公」となり、豊かで人間的な生活が送れるという。
だが、日米安保を廃棄し「対米従属」を打破することは、日米関係の大激動ぬきにはありえない。本質的に日帝打倒と米帝打倒の世界革命の闘いなしには不可能である。しかも、日帝が米帝に「従属」しているというのが帝国主義論からして根本的に誤りだ。現実的には日本共産党の新綱領案は、むしろ日帝の侵略帝国主義としての強大化の要求となっている。「対米従属打破」を強調することで日帝の独自の台頭と発展を要求しているのだ。
現在、世界大恐慌と世界戦争の過程に入っている帝国主義は、労働者階級・人民大衆を大量に犠牲にして危機をのりきり、生き残ろうとしている。帝国主義は、民主主義的諸権利、労働運動の中で労働者階級がかちとった諸権利のすべてを破壊し、19世紀的な無権利状態に引き戻そうとしている。こうした帝国主義の攻撃に対して労働者階級人民が闘って自らの利益、権利、生活を守ろうとするとき、帝国主義権力は暴力的に襲いかかってくる。
このとき日本共産党は、帝国主義の前にひれ伏し、闘わないことを宣言した。これが新綱領案なのである。したがって新綱領案には「労働者階級」の「闘い」「要求」「階級闘争」などの言葉がまったくない。新綱領案が「民主主義革命」を掲げるのはペテンなのだ。
日本共産党は、帝国主義の侵略戦争と資本攻勢に全面協力・屈服し、帝国主義の先兵となって資本と国家の防衛のために立ち働くこと、闘う労働者人民に襲いかかることをブルジョアジーに約束しているのだ。
民主連合政府
第二に「民主連合政府」とは、直接にはブルジョアジーとの連立政府のことである。日本共産党はブルジョア連立政府への参加を望んでいるのである。
94年綱領は「民族民主統一戦線の政府」を樹立し、それを「革命の政府」にすることを目標として掲げていた。「民主連合政府」は「民族民主統一戦線の政府」が成立する以前に「日米安保反対」を一致点につくられる政府として60年ごろに目標として掲げられた。それ自身、革命政府でも人民政府でもない。
ところが新綱領案では、「民主連合政府」はあらゆる民主的改革を実行する「革命の政府」として押し上げられている。「民主連合政府」が安保条約をなくし、大企業に社会的責任を果たさせ、欧米帝国主義なみの「ルールある経済社会」をつくり出せば、それが「民主主義革命」の実現だという。なんの変革も革命もしないのが「民主的改革」「民主主義革命」でありそれが最終目標なのだ。
ではなぜ、そのような「民主連合政府」の樹立が目標とされるのか。
日本共産党は、日帝の侵略戦争突入が切迫し、世界戦争過程が深まり、革命的情勢が成熟しつつある中で、帝国主義権力にたたきつぶされる危険を感じている。党壊滅を回避するためには、帝国主義に全面的に屈服し、付き従う以外にない。そこで「民主連合政府」を掲げて挙国一致の救国政府に参加したいと申し出たのだ。日本共産党は、生き残りをかけて帝国主義の懐に飛び込み、労働者階級を裏切り、弾圧する役割を引き受けたのだ。
日本共産党は、戦争・資本攻勢と闘う労働者をブルジョアジーとの連合政府に参加して圧殺し、そうすることで自らの延命を図る凶暴な反革命として登場しようとしている。これを示しているのが今度の新綱領案なのである。(藤沢明彦)
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週刊『前進』(2119号4面4)
水嶋裁判 アリバイを完全立証 “いますぐ釈放せよ”
9月11日、東京地裁刑事第1部(川口宰護裁判長)で水嶋秀樹同志に対する88年9・21千葉県収用委会長せん滅戦闘デッチあげ裁判の第19回公判が開かれ、S同志への検察側反対尋問が行われた。
公判は水嶋同志の怒りの意見陳述で始まった。「私は88年9・21戦闘にはまったく関与していない。87年7月から88年11月の間、転向裏切り分子・正井利明が9・21戦闘の統括責任者(A)と関東圏で会っていたとされる期間、私は福井市と徳島市で生活していた。戦闘時の私の徳島市での生活は18回公判で確定した。直ちに私を釈放せよ」
第17回公判でS同志は87年5月から88年7月まで福井市内で水嶋同志と共同生活していた事実を鮮明に証言していた。
検察官は今公判の最初から、S同志に活動歴など、アリバイに関するS同志の証言とは無関係な尋問を執拗(しつよう)に続けた。S同志は「私はベトナム反戦闘争を始めて以降、信念を貫いている」と証言し、検察官の悪意に満ちた尋問を完全に粉砕した。
また検察官は、S同志が水嶋同志と共同生活していたマンションを賃貸してくれた支持者の名前を言えと迫った。これもS同志は毅然(きぜん)とした証言で粉砕した。「支持者の名前を言う必要はない。名前が分かれば権力は、家宅捜索や尾行や嫌がらせなどの不当な弾圧を加え、家庭の崩壊や、仕事を辞めざるを得ない事態にまで追い込むおそれがある。私は支持者を守るために名前は絶対に言わない」
S同志の真実に裏付けられた証言によって、検察官は水嶋同志のアリバイに一ミリの傷も付けることができなかった。
他方、9・21戦闘当時のアリバイはすでにF証人によって証言されている。今回のS証人と併せて無実の水嶋同志のアリバイは完璧(かんぺき)に立証されたのである。
さらに重要なのは、両証人が現在の水嶋同志の風貌(ふうぼう)が87、88年当時とほとんど変わっていないと証言したことである。デッチあげの唯一の根拠であった正井の「写真特定」のデタラメさが暴露されたのだ。法廷で正井が水嶋同志を見て「会ったことがない」と証言していることを取り繕おうとした検察官の《容貌の変化》などという主張も完全に粉砕された。
弁護団は、公判終了後直ちに保釈請求書を裁判所にたたきつけた。検察側立証は全面的に破綻(はたん)した。水嶋同志のアリバイは完璧に立証された。川口裁判長は無実の水嶋同志を直ちに釈放せよ。
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週刊『前進』(2119号4面5)
9月9日〜16日
日米豪仏が「臨検」合同訓練 石原が右翼テロ容認の暴言
●「集団的自衛権の解釈変更を」 アーミテージ米国務副長官が訪米した中山太郎衆院憲法調査会長らと会談し、集団的自衛権について「内閣法制局が柔軟な解釈をしないといけない」「憲法調査会のスタートと経過を重大な関心を持って見ている」と述べた。また日本の国連安保理常任理事国入りを支持する考えをあらためて示した。(9日)
●小泉「イラク派兵準備を」 小泉首相は、防衛庁で開かれた自衛隊高級幹部会同で、イラクへの自衛隊派兵について「周到な準備をしていたただきたい」と訓示し、派兵に向けた準備を指示した。(10日)
●石原が右翼テロを扇動 外務省の田中均外務審議官の自宅で発火物と見られる不審物が見つかった事件で、東京都知事の石原が「爆弾を仕掛けられて当たり前の話だ。(田中審議官は)向こう(北朝鮮)の言いなりになっている」と発言した。翌日も「彼がそういう目に遭ういきさつがあったんじゃないか」と発言撤回を拒否した。(10日)
●ブッシュ「テロ犯の死刑拡大」 9・11反米ゲリラから2年を前に、ブッシュ大統領が演説し、反テロ愛国法を強化し、「テロリスト」に対する死刑適用範囲の拡大、保釈を認めないことなどを盛り込んだ法改正の必要性を訴えた。(10日)
●アラファト議長の追放を決定 イスラエル治安閣議がパレスチナ自治政府のアラファト議長を追放する方針を決定。イスラエル軍に対して議長追放の具体策検討を指示することも決めた。アラファト議長は「徹底抗戦」を言明。(11日)
●「イラク支援段階的に」 外務省の茂木副大臣が自衛隊のイラク国内への派兵について「はじめから大規模なものを派遣するのは現状では若干難しい」として@現地警察への通信機材提供、A航空自衛隊による物資輸送、B大規模な部隊の派兵−−と段階的に進めるべきだとの考えを示した。(12日)
●「汗流せ」「水も配れないのか」 米国が日本政府に対し、自衛隊のイラク派兵について「(日本は)汗を流す部分で(米国の)要求にこたえていない」「どうして日本は水も配れないのか」と迫り、早期派兵を強く求めてきていることが分かった。(13日)
●再処理工場1年延期方針 青森県六ケ所村で使用済み核燃料再処理工場を建設中の日本原燃は、05年7月の操業開始を1年程度延ばす方針を固めた。同工場では01年7月、使用済み核燃料の貯蔵プールの水漏れが判明。再処理工場本体とプールを含む貯蔵施設の点検を実施したところ、約300カ所の不正工事が発覚した。(13日)
●拡散防止構想で初の訓練 北朝鮮などからの大量破壊兵器やミサイル関連物資の輸出を封じ込めることを協議する場としてブッシュが提唱した拡散防止構想(PSI)の初の合同訓練がオーストラリア北東部沖のサンゴ海で行われた。訓練に参加したのはPSI構成国11カ国のうち日米豪仏の4カ国。英、独、ポーランドなど残る7カ国もオブザーバーを送り込んだ。日本は海上保安庁の巡視船と職員約100人が参加、自衛隊からも幹部3人がオブザーバー参加した。(13日)
●政府調査団がイラクへ出発 イラクへの自衛隊派兵に先立つ政府の調査団が成田空港から出発した。内閣官房や防衛庁、外務省の職員ら約10人。(14日)
●自衛隊支援、医師らに義務 政府は、有事の際に自衛隊への協力を義務づける「業務従事命令」の対象者を医療関係者、建設業者などとし、負傷者が出た場合は災害救助法施行令を準用して治療費などを支払うことを定める、自衛隊法施行令の改正案をまとめた。先の通常国会で改正自衛隊法が成立したことを受けての政令改正。(16日)
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週刊『前進』(2119号5面1)
空港民営化による闘争破壊を許すな 10・12三里塚に全国から大結集を
暫定滑走路の北延伸阻み成田軍事空港を廃案に!
斉田 猛
戦争法(=有事3法)の制定、自衛隊のイラク派兵法の制定と自衛隊の本格的な海外派兵、米帝による朝鮮侵略戦争の攻撃と日帝の参戦。58年の戦後史を根底から塗り替える戦争国家への国家改造攻撃が今、激しく行われている。それは、戦前の再来ともいうべき警察治安国家化と労働監獄の全面化でもある。38年間にわたって反対同盟と戦闘的労働者人民が築き上げてきた不抜の闘いの砦(とりで)=三里塚に対しては、成田空港民営化にともなう激しい破壊攻撃が始まった。それは欠陥施設である暫定滑走路(2180b)を2500bに延長し、その過程で三里塚闘争の根絶を狙い、「有事における出撃基地への転用」が法制化された成田空港を、空港反対闘争のない軍事空港にするためだ。
三里塚は今秋、来年4月の成田空港民営化にともなう攻撃に対し、新たな激戦に突入する。この闘いは、破綻(はたん)を重ねてきた成田空港建設に対し「ついに未完成のまま終わる」という“引導”を渡し、廃港に追いこむのか、それとも、戦争国家づくりを阻む人民の決定的な闘争拠点の破壊を許すのか、をかけた重大な決戦である。三里塚芝山連合空港反対同盟は、「動労千葉、沖縄や関西などの仲間とともに戦争国家への流れに対して身をなげうって阻止する」(北原鉱治事務局長)と、この新たな闘いへの決起を全国に呼びかけている(招請状別掲)。3週間後に迫った10・12三里塚全国集会は、新たな闘いを勝利的に推進するための全人民的な総決起集会である。また米反戦団体ANSWERが呼びかける10・25世界反戦闘争に連帯する闘いである。全国津々浦々に呼びかけて大結集を必ず実現しよう。そして、そこからさらに、11月労働者総決起を大成功させる闘いへと進もう。
暫定のまま民営化では空港経営破綻
7月11日に「成田国際空港株式会社法」が参院で可決・成立した。07年をめどとする成田空港会社の株式上場、その後の完全民営化へのプロセスが始まることになる。
すなわち、@来年4月に、現在の空港公団を「成田国際空港株式会社」という、政府が百l出資する特殊会社に移行する、Aその後、07年をめどに東京証券取引所への株式上場をめざす、B上場が実現した後は、2〜3年をかけて政府保有の株式を全面売却し、完全な民営会社にする――というもくろみだ。
この民営化プロセスが三里塚闘争の破壊攻撃として進められようとしている。
国土交通省は、昨年、空港公団に対し「暫定滑走路を2500bにしなければ上場と完全民営化は認めない」と通告した。これは「来年4月の民営化、少なくとも07年の株式上場までに東峰・天神峰部落を切り崩して三里塚闘争を破壊しろ」という“最後通告”である。
これを受け黒野匡彦(まさひこ)公団総裁は昨年7月の就任直後から「空港民営化までに2500b化工事に着工したい」「民営化までに2500bのメドが立っていないことは許されない」との言辞をくり返し、「平行滑走路完成」の意図を公言してきた。
空港公団にとって、「株式上場前の2500b化」は、完全民営化に絶対に必要な至上命題なのである。その最大の理由は、民営化した後は、未買収地取得が事実上不可能となるため、暫定滑走路の2500b化は永遠にできなくなり、成田空港建設の破綻が最終的に確定するからだ。
第一に、湯水のような移転補償費で行われてきた空港反対農家への買収攻撃が、民営化後は不可能となる。成田空港が倒産もありうる純営利企業となるため、採算を度外視した札束攻撃はできなくなる。切り崩し工作は、その最大の手段を失うのだ。
第二に、結局、未買収地の取得工作で最後に頼るのは、従来にも増して強圧的手段になる。しかし、これも不可能だ。民営会社は利潤追求会社となる。「利益」を一切の行動原理とする空港株式会社には「公共性」は、かけらも残らない。威圧的な手段による切り崩し攻撃は、すべてが「金もうけのための農民いじめ」となる。
これが、社会的批判の十字砲火を浴びることは火を見るよりも明らかだ。要するに民営会社となった後は、暫定滑走路の延長は不可能となり、成田空港建設事業の「破綻」が確定することになるのだ。
他方で、2500b化を実現できないままでの民営化は、民営化自体を危機に陥れる。
成田空港を民営化する最大の目的は、株式上場による巨額の売却益取得である。5万円の額面で300万株(1千5百億円)を発行する予定だが、上場時の株価によっては、これが1兆円にも化ければ、1千億円以下の額面割れに陥ることもある。すべては金融機関や機関投資家などの評価にかかっている。
国土交通省は、この利益をあわよくば1兆円、悪くても5千億〜6千億円と見積もり、その大半を空港整備特別会計にくり入れ、関西国際空港の救済や羽田空港の再拡張予算に使おうとしている。
ところが、財務内容、将来展望など成田空港に対する投資家の評価はすべて「暫定滑走路の2500b化」を前提にしている。
2500b化を達成できない民営化は、あらゆる指標でマイナス評価となり、国土交通省の「最低でも5〜6千億円」という「皮算用」も、まったくの水泡に帰す事態に直面しているのである。
何よりも暫定滑走路のままでは短くてジャンボ機が飛べず、長距離便が運航できない。その結果、「将来展望」にかかわる最重要の指標=便数の安定的増加が不可能となる。
それどころか欠陥だらけの暫定滑走路がそのまま残るため、民営会社のお荷物になる。その中でも、大事故が不可避(すでに2度も連続している)という問題は、無視できない経営問題となる。投資家に対して意図的に隠されている問題だが、仮に事故が頻発した場合、直接の責任は航空会社にあるが、欠陥滑走路で運用を続ける民営会社自体の責任が問われ、巨額の賠償金で経営が揺らぐ可能性が大きい。
暫定滑走路が暫定のまま固定することは以上のような重大なリスクをもたらすのだ。
さらに、羽田空港の再拡張=国際線化が決定的となった結果、「暫定滑走路が2500b化できない」成田空港のままでは、沈没は不可避だ。
09年に予定されている羽田空港の新滑走路完成と再国際空港化によって、成田発着のアジア便は大半が羽田に移管する。飛行時間の短いアジア便は、国内線のハブ空港である羽田で展開する方が断然合理的だ。
国土交通省と自治体の間では、09年段階の羽田の国際線枠は年間3万回とされた。しかしこれは、成田の民営化に配慮した数字で、実は国際線として使える発着枠の余裕は09年時点で年間10万回近くに達する。
結局、成田空港には、ごく一部のアジア線と長距離国際線と貨物便だけが残り、そのほとんどがA滑走路で運航することになる。大型機が使えず近距離便専用の暫定滑走路は、使い道がなくなり負担となる。
このことは、堅実で安定した増便を一切の前提に事業計画、財務計画を立てる民営会社の存立を大きく揺るがすことになる。
このほかにも、「資産価値」の指標に関して、成田空港株式会社は1兆円とされるが、すべてが「業務資産」であり、切り売りして利益を出す対象にならない。これもプラス評価にはほど遠い。
「経営能力」指標に関しても、短縮滑走路を2500bにできない経営陣の能力や反対運動を根絶やしにできない現状が、マイナスの評価を受けることは確実である。
つまり、暫定滑走路が暫定のままでは、上場時の売却益どころか民営化の展望自体が描けないという危機的事態をもたらすのだ。
有事法制で成田も「指定公共機関」に
一方、三里塚闘争の破壊攻撃をめぐる情勢は、今年6月の武力攻撃事態法をはじめとする有事3法の制定で一変した。成田空港は武力攻撃事態法に基づく政令で、日本赤十字、NHK、JR7社、電力7社、NTT10社などの52組織と並んで、指定公共機関として明記された。
指定公共機関は、「武力攻撃事態への対処に関し、必要な措置を実施する責務を有する」(第6条)とされている。つまり成田空港は、有事となった瞬間、総理大臣の通達ひとつで軍事基地に転用される機関に、法的にも位置づけ直されたということだ。
扇国交相は、成田空港株式会社法案の審議の中で「成田空港が民営化された場合の軍事使用のいかん」について聞かれ、「成田空港は、武力攻撃事態法の指定公共機関にされているから、民営化されても軍事動員は確保されている」(6月11日、参院本会議)と答弁した。
反戦の砦=三里塚は、成田の軍事転用を許すか否かをめぐって反基地闘争の一端を担うことになった。軍事基地としての成田の機能は、「朝鮮有事」の際に、米本土から飛来する70万人規模の地上軍(注)を、関西新空港とともに中心的受け入れ基地となって処理し、日本各地の米軍・自衛隊基地を経由して朝鮮半島へ送り出す役割を果たすものとなる。さらに4000b級滑走路を必要とする悪名高いB52戦略爆撃機の離着陸にすら使用されようとしている。
1950年の朝鮮戦争では日本列島全体が、朝鮮人民虐殺の出撃基地とされた。これと同じことをくり返すのか、成田空港から虐殺部隊を出兵させることを許すのか否かが、きわめて具体的な現実として、労働者人民につきつけられているのだ。
日本帝国主義にとって、成田空港を包囲する三里塚闘争を破壊しなければ、軍事基地への転用は不可能である。成田空港周辺から空港反対闘争を一掃すること、ここに現在始まった三里塚闘争破壊攻撃の意図のひとつがある。
そして同時に、日本の帝国主義支配を最先端で突き破っている反権力闘争・内乱的闘いの砦=三里塚を根絶する攻撃でもある。
日本の社会は、2001年秋の「反テロ」関連国際条約批准を契機として、一気に戦前型の警察治安国家へとつくり変えられようとしている。
「爆弾テロ防止条約」と爆発物取締罰則や火炎びん取締法などの強化、テロ資金供与防止条約、国際的組織犯罪条約などが次々と批准され、関連国内法の制定攻撃が激しい勢いでかけられている。とりわけ国際的組織犯罪条約にともなう関連法攻撃として現在、共謀罪の新設策動が、破壊活動防止法を上回る治安攻撃としてわれわれに襲いかかっている。
また「国家権力への抵抗や資本への反撃を一切許さない」とする国労弾圧、部落解放同盟全国連寝屋川支部への弾圧、東北大および全金本山闘争への弾圧、九州大学自治会への弾圧、法政大学への学生運動弾圧など、反政府闘争、反戦闘争総体に対する戦後かつてない攻撃が行われている。
こうした攻撃は、革命的武装闘争を粘り強く前進させ、千葉県収用委員会解体などの治安体制の破綻を支配階級に強制している三里塚闘争の根絶なしには、十分な効果を発揮させられない。
だからこそ日帝・警察権力による国内治安戦争の要(かなめ)として今秋、三里塚への破壊攻撃が強まっているのだ。そして04年から07年の民営化プロセスをめぐる三里塚の新たな決戦は、朝鮮侵略戦争の攻撃とも完全に重なる。三里塚闘争破壊攻撃に対して全力で闘う時である。
(注)作戦計画「5027−00(2000年度)」版で、来援米軍の数が従来の50万人から70万人に増強された。
北側延伸の目的は反対農家追い出し
始まった攻撃の第一は、暫定滑走路の北側延伸攻撃である。
北側延伸計画とは、暫定滑走路を北側にさらに300b延長し、暫定滑走路を2500bにするものだが、空港運用的にはまったく意味のないムダな計画であることが反対同盟によって暴かれた。
しかし、その意味のない計画を三里塚闘争の破壊のためだけに強行しようというのが北側延伸攻撃である。すでに黒野公団総裁は5月、「民営化前の2500b化は至上命令」との認識に立って、「北側延伸には3年かかる。株式上場予定の07年までに完成するには今秋が決断の時」と述べた。さらに7月11日、成田空港民営化法成立後の記者会見で「北側延伸計画を(脅しの)カードとしてはとっておく」と述べ、反対農家にすごんで見せた。
上述したように、民営化前の2500b化は、日帝にとって、何がなんでも実現しなければならない最大級の課題だ。もし、失敗すれば暫定滑走路は「暫定」のまま永遠に固定する。
つまり、「百年に一度の国策」(佐藤栄作元首相)が「失敗」の烙印(らくいん)を押されるのだ。権力が使えるすべての手段を使って攻撃してくることは明白だ。
追いつめられた公団は、最後には、「反対農家を脅すため」だけにムダな工事に着工するという、前代未聞の攻撃も準備している。それによって「ジャンボ機を飛ばされたら住んではいられなくなる」と空港反対農民を屈服させ、一挙に三里塚闘争を破壊しようとしているのだ。
攻撃の第二が、東峰神社裁判における和解策動である。東峰神社裁判でも公団は、全面敗訴の危機に追いつめられている。敗訴を免れるために現在、東峰部落に和解策動をもちかけ、部落の団結にクサビを打ち込むことを狙っている。
第三は、民法による一坪共有地強奪である。公団は昨年12月、反対同盟の一坪共有地8カ所に対して、「民法」をタテに「売却の強要」を求める裁判を起こした。「民法による土地強奪」という手段自体が前代未聞であり、いかに公団がなりふり構わぬ攻撃を行っているかを示している。
第四は、古典的な札束による地権者買収策動である。民営化まで時間がない中で、東峰部落をまるごと敷地内に囲い込み、金で買収しようという東峰貨物基地構想を使いつつ、「最後の切り崩し攻撃」を激化させている。
第五は、連日頭上40bにジェット機を飛ばし、ジェットブラストを吹きつけている現状自体が、許しがたいたたき出し攻撃であるということである。
第六に、警察権力による弾圧策動である。私服警察車両による反対同盟、現地支援の監視体制を強め、新たな弾圧と闘争破壊を狙っている。ガードマンによる農民への威圧も一線を越えている。
38年間の成田空港建設を「破綻」に追い込めるかどうかをかけた決戦的闘いが始まる。暫定滑走路を廃港に追い込もう。反対同盟を先頭に激しい闘争破壊攻撃を粉砕しよう。10・12全国集会に大結集しよう。そして9・27―10・25世界反戦闘争に連帯しよう。
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週刊『前進』(2119号5面2)
暫定滑走路延長阻止し軍事空港を廃港へ 10・12三里塚全国総決起集会へ
反対同盟が招請状で訴え
三里塚芝山連合空港反対同盟が、10・12全国総決起集会への招請状を発した。反対同盟の呼びかけにこたえ、全国から集まろう。(編集局)
■招請状
全国の闘う仲間のみなさん。来年四月の空港公団民営化が迫る中、三里塚闘争は暫定滑走路延長攻撃と闘う決戦に突入しました。この闘いは有事法制による民間空港の軍事基地化を阻止する闘いでもあります。私たち反対同盟は、十月十二日に全国集会を開催し、四月民営化に至る切り崩し攻撃との闘いに総決起する決意です。みなさんの結集を訴えます。
七月十一日、成田国際空港株式会社法が成立しました。来年四月をもって空港公団は全額政府出資の特殊会社となり、三年後の〇七年に株式上場(完全民営化)を予定しています。羽田国際化は、新D滑走路の建設決定をもって本格的に動き出しました。成田空港は現在、政府の行財政破綻がもたらした公団民営化と、航空政策の全面転換による羽田国際化によって窮地に陥っています。
周知のように暫定滑走路は短かすぎてジャンボ機が飛べず、国際線は一部のアジア便を除いて就航できません。重大事故が続発する欠陥空港です。しかも羽田国際化でアジア便の大半が羽田に移れば、暫定滑走路は使い物にならず経営上の重荷ともなるのです。黒野総裁は「民営化までに二五〇〇メートルにめどをつける」と発言し、延長強行の衝動をあからさまにしています。
攻撃はすでに始まっています。東峰地区に対しては、民家上空四十メートル飛行を背景に「買収に応じなければ北側に延伸し二五〇〇メートルにしてジャンボ機を飛ばす」と脅迫しています。その工期を三年としてこの秋にも決断すると言って圧力を加えています。天神峰ではジェットブラストによる追い出し攻撃が続いています。対策フェンスのかさ上げ要求を空港公団は拒否し、成田市はこの住民無視を放置し加担しています。
東峰神社裁判では、被告・空港公団が東峰区住民に対して和解を申し入れてきました。原告の全面勝訴が立証されつつあることに恐怖した公団の敗訴逃れの動きです。公団の策動をひとつひとつ打ち破り暫定滑走路延長攻撃を粉砕する決意です。
有事法制とイラク新法で戦後の日本は一変しました。朝鮮半島危機のなかで、民間空港を侵略出撃の基地とする軍事空港化の攻撃が現実のものとなってきました。
成田空港は指定公共機関とされたことから、有事にあってはいつでも軍事基地に転用されます。新たに発表された朝鮮侵略のための米作戦計画では、来援米軍の規模は五十万から七十万へと拡大修正されました。この基地の安定的供給のために三里塚闘争破壊の治安攻撃が強まることは避けられません。
バブル崩壊後の不況は深刻さを深め、その矛盾のすべてが首切りと賃下げ、増税と社会保障制度の改悪となって私たちの生活を脅かしています。連合労働運動が右翼的転換に走るなかで、戦闘的な労働者の決起がひろがっています。
反対同盟は動労千葉を始めとする闘う労働組合と連帯して闘います。全世界で高まる反戦運動と連帯して、アフガニスタン、イラク、パレスチナにおける侵略行為と虐殺を弾劾し、朝鮮侵略のためのあらゆる準備を阻止するためにたちあがります。米反戦団体ANSWERのよびかける十・二五統一行動に総決起しよう。十・一二全国集会は、暫定滑走路延長阻止の決戦であり、侵略戦争阻止のための総決起集会です。十・一二三里塚に全国から総結集されるよう訴えます。
二〇〇三年九月十日
記
イラク−朝鮮侵略戦争阻止・有事法制粉砕/暫定滑走路延長阻止し軍事空港を廃港へ
10・12全国総決起集会
【日時】10月12日(日)
正午
【会場】成田市東峰 反対同
盟員所有地
【主催】三里塚芝山連合空港
反対同盟
(連絡先)事務局長・北原鉱治 成田市三里塚115рO476(35)0062
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週刊『前進』(2119号5面3)
(1)
@年金制度の大改悪
保険料大幅アップ前提に年金支給額は徹底削減
「確定拠出額」への転換を画策
小泉政権は、次期通常国会に大幅な年金改悪案を提出しようとしている。年金改悪をめぐる攻防は、きわめて大きな位置を持っている。社会保障制度の解体を許さない闘いは、その最大の戦場で闘われることになったのだ。
労働者は、高齢になって働けなくなれば無収入になる。だから現役時代に保険料を払い、高齢になったら当然の権利として年金を受給しているのだ。
9月12日、厚生労働省の社会保障制度審議会・年金部会は抜本的な改悪に向けた意見書をまとめた。保険料の大幅引き上げと年金給付の大幅削減を強行するために、「保険料固定方式」を導入するという内容だ。
従来の公的年金は、年金の給付水準をまず決めて、それに応じて保険料を定める方式をとっていた。それを根本的に転換し、保険料を先に決め、給付水準をそれに応じて決定する方式に改めるというのである。公的年金も「401k」のような「確定拠出型」に変えてしまうということだ。確定拠出型は、取られる保険料は決まっているが、もらえる年金額は支給されるまでは分からない。
厚労省は、保険料固定方式導入の目的を「保険料の上昇を抑えるため」と言うが、保険料の大幅アップは厚労省案でも大前提にされている。(表参照)
今夏のボーナスから総報酬性が導入され、保険料は大幅にアップした。これに加え、今後保険料は年々上がるというのである。
他方で、年金額は大きく下がる。今後、約30年にわたって減額が続くのだ。国民年金受給者の3割強の人びとは、年間100万円以下の年金しか得ていない。年金額の引き下げは、生きる権利を奪うものになる。
人民の怒りを恐れる坂口厚労相は、約147兆円ある年金積立金を取り崩して給付の大幅低下を回避するとしたペテン的な独自案を提案し、なんとしても年金改悪の基本骨格を押し通そうと躍起になっている。
保険料固定方式のもとでは、年金の給付水準は、その時々の経済情勢や人口構成などによって自動的に決まってしまう。これまでは、年金支給額や保険料は5年ごとに見直され、その都度、国会審議の対象になっていた。5年ごとの年金改定は、多かれ少なかれ階級攻防の焦点だった。今回の年金改悪は、そうした階級間の力関係を覆し、今後数十年にわたる年金のあり方を一挙に決めてしまおうとするものだ。それは、これまでの年金改悪とはまったく異なる意味を持つ。
厚労省はまた、被用者の配偶者であれば保険料を払わなくても基礎年金は受給できるとした第3号被保険者制度の解体に乗り出している。これと並行して打ち出されているのが、パート労働者への適用拡大だ。
それらは、「女性の年金受給権保護」を口実としているが、本当の狙いは、女性を低賃金労働力として徹底的に動員するとともに、新たに約500万人から保険料を取り立てて、収奪を貫くことにある。
また、年金への課税強化も小泉政権の方針だ。介護保険料と同様に、わずかな年金から容赦なく税金を取り立てるというのである。
奥田ビジョンと同一の連合方針
連合は8月22日の中央執行委員会で「年金制度改革実現の取り組み方針」を確認し、年金改悪を基本的に容認した。
そこには、「基礎年金の財源としては、2分の1までは一般財源、3分の1を年金目的間接税(消費税を想定)、6分の1を社会保障税とし、財政基盤を確立する。年金目的間接税は、消費税の税率換算で3%程度」などと書かれている。消費税率を8%に上げろというのだ。連合の方針は、奥田ビジョンと同一だ。
現在は、基礎年金の財源の3分の1が国庫負担だ。それを2分の1に引き上げることは、奥田ビジョンの方針であり、厚労省の方針でもある。そこには、企業の保険料負担を圧縮し、消費税の大増税に転嫁して大衆収奪を貫く狙いが込められている。連合はそれを後押ししているのだ。
さらに連合は、年金支給額の削減を自ら提案した。その削減手法たるや、「可処分所得スライド」、つまり現役世代の手取り賃金の低下に比例して年金支給額も削れというものだ。ここでは、現役労働者の所得が今後、低下し続けることは前提になっている。こんなものが「労働組合のナショナルセンター」の提案なのか! 連合指導部は、賃金闘争を破壊するだけではあきたらず、現役世代の賃下げに応じて高齢者の年金も削減せよと叫び始めた。
小泉政権がもくろむ年金解体は、こうした連合の裏切りに支えられている。連合支配が崩壊すれば、年金改悪の基本プランも破産する。決定権を握っているのは労働者の闘いだ。次期通常国会の攻防を見据え年金改悪阻止の闘いに立とう。11月労働者集会に結集し、闘う労働運動の新潮流をつくり出そう。
(長沢典久)
厚労省の年金改悪案
@保険料の大幅引き上げ
《厚生年金》
現在13・58%(労使折半)の保険料率を段階的に20%に引き上げる
《国民年金》
現在月額1万3300円の保険料を段階的に1万8100円に引き上げる
A年金額の大幅引き下げ
現在の給付水準は、夫婦2人の高齢者世帯の年金収入が現役の男性労働者の平均年収の59%となるように設定されているが、2025年度に56%、2032年度には52%に引き下げる。「少子化」の進展度合いでは、この数値は45%に低下する
B消費税の大幅引き上げ
基礎年金財源の国庫負担率を3分の1から2分の1に引き上げ、消費税増税に転嫁
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週刊『前進』(2119号6面1)
「21世紀宣言」否決に自治労の再生を確信 東京・自治体労働者 矢吹 元
「頭の中が真っ白でどう対処していいかわからない」。「自治労21世紀宣言」が否決されたときの北岡委員長の言葉だ。否決というのは、54年自治労結成以来初めてのことだという。まさに今大会にかける自治労組合員の意気込みがここにあったのだ。
初日から、「21世紀宣言については、了承できない」「自由・公正・連帯というが、勤労者の厳しい実態を見ているのか。1日10人の自殺者、1日100人のリストラがある。21世紀宣言はきわめて危険だ」などの発言がされた。3日間の討論を聞いていると、21世紀宣言反対派が代議員の半数を占めるのではないかと思えるほどの迫力だ。
有事法制下において「連合」内中心勢力である自治労が「闘わない宣言」をすることによって、どれだけの労働者がリストラされ、過労死に追い込まれ、戦争に動員されていくのかを想定すれば、闘うしかないのは明白だ。
当の自治体労働者にとっても、賃金削減、民間委託、分限処分攻撃などがかけられ、それらは勢いを増している。闘わない組合は組合員に見捨てられるのである。自治労組合員の減少の原因はそこにある。
だからこそ「闘う自治労の再生」が求められているのだ。
帝国主義者は労働者の命など「1億円くれてやれば黙って戦争に行く」としか思っていない。自治労選出の国会議員は「有事法制国会」の時いったい何をしていたのか。民主党の組織を優先させ、労働者を守る戦争反対の立場に必死で立たなかったことは重大な問題である。しかしながら大会での本部見解はそれをよしとしたのだ。
だからこそ自治労組合員は、そんな本部の姿勢を許さず、「21世紀宣言」を否決・粉砕し、立ち上がったのである。
偉大な決起が始まった。しかし、その闘いは始まったばかりである。「闘う自治労の再生」か、それとも戦争協力か、まさに9月28日の東京厚生年金会館での続開大会はその分水嶺(ぶんすいれい)となる闘いである。
「闘う自治労の再生」のため、戦争協力の道を阻むために、必ず「21世紀宣言」を葬り去るために頑張りましょう!
女性部総会で反対の怒りの発言が続出 東京・自治体労働者 河辺 優
自治労第74回大会において、「21世紀宣言」=基本綱領の反動的転換が否決されました。その瞬間は思わず拍手、拍手でした。この半年間に有事立法が成立、イラクへの自衛隊の派兵の動きなど翼賛化が進む中、その動きにNOを突きつけた、すばらしい勝利を実現しました。
私たちは、こうした事態に対して、大会代議員や参加者に、一刻も早く「21世紀宣言」の反動的内容を暴露すべく、本大会に先立つ8月23、24日の女性部総会に登場し、圧倒的なビラまきを実現しました。
女性部総会では、来賓としてあいさつした植本中央本部副委員長が、「この2年間自治労は試練に立たされた。再生の第二ステージとして、『21世紀宣言』を始め三つの議案を一票投票にかける」と述べました。
こうした発言に対し総会は、第1日目から、「職場では、退職強要、特に山梨では結婚退職が採用の条件とされたり、共働きの夫婦の一方に対する退職強要、50歳以上の職員の退職強要や時間外勤務が多く、病気休暇の人が増えている」「合併では死亡者もでている」などの発言が出され、合理化攻撃にさらされている自治体の実態が暴露され、当局への要請行動を含め闘いが報告されました。
2日目は、「労働者と当局は相入れない。闘いでしか労働者や住民の権利は守れない」など、1日目とはがらっと変わって圧倒的に多くの代議員から「21世紀宣言」反対の怒りの発言が続出しました。
総会は、1日目、2日目と確実に私たちの闘いの前進が本当に手に取るようにわかりました。こうした歴史的勝利を実現した闘いは、私たちの女性部総会を始めとした初日からの圧倒的な宣伝・扇動が勝利の突破口を切り開きました。
また、職場で当局のリストラや民託化、賃金の大幅な切り下げと必死で闘っている組合員は、「21世紀宣言」が一切闘いを放棄し当局の言いなりになるものであることを見抜き、反対に立ち上がったのでした。そして、本大会での歴史的勝利を実現しました。
「21世紀宣言」を強行しようとする中央本部を打倒し、自治労の戦闘的再生のためにさらに奮闘します。
16年間の重みと迫力−意見陳述を聞いて 東京・労働者 村野由布子
9月1日、迎賓館・横田爆取裁判の最終意見陳述を傍聴しました。
この日は、須賀さんと板垣さんの意見陳述が行われました。須賀さんは時には激しく、法廷中を揺るがすような怒りの大音声で検察のデッチあげを弾劾し、また裁判官に対し勇気をもって真実を見据えよと説得しました。板垣さんは淡々とむしろ冷静に、自らの無実の根拠を明らかにしていきました。しかし最後の方で警察権力の実に卑劣な嫌がらせや攻撃を弾劾したときには、板垣さんの背中から怒りの炎がゆらめいているような気がしました。
16年間にわたる国家権力との死闘を革命家として引き受け、貫き、闘いぬいてきたその重みと迫力が法廷を圧倒していたと思います。
意見陳述の内容は検察側の主張の矛盾やうそを具体的に暴きだしていました。私はこの意見陳述を聞き、あらためて須賀さん、板垣さん、十亀さんの3人がまったくの無実であることを確信しました。いずれも百数十枚を超える長大な陳述書となったと聞きましたが、それでもなお、とうてい収めきれない主張があったのだということを感じました。
だからこそ、名実ともに無実、無罪を絶対にかちとるためともに闘いたいと思いました。
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週刊『前進』(2119号6面2)
全学連大会に参加して
全学連は生まれ変わりの時 広島大学1年 松島真一
初めて全学連大会に参加しました
自衛隊イラク派兵の危機の切迫する中、これを絶対に阻止するために、学生運動の大爆発をかちとらなくてはならない。そのために全学連が大飛躍をしなくてはならないという、歴史的使命を背負った大会だったと思います。
はたして、第63回大会は、全学連の歴史をぬりかえるような大会となったでしょうか? その答えは、自衛隊イラク侵略出兵阻止闘争の大爆発を実現できるかどうか、10・25国際統一行動において各地方が目標を達成できるかどうかにかかっています。
そして、全学連は、いよいよ生まれ変わりの時を迎えているのだと思います。今秋決戦は、その試練となるでしょう。全学連の力及ばず、日帝の侵略派兵を許してしまうのか、それとも、始まった学生大衆のうねりをとらえ、内乱をつくり出し、その決戦をとおして、創造的再建をかちとるのか。歴史が課した試練にうちかち、自衛隊イラク派兵を絶対に阻止しなければなりません。ぼくは、それはとても厳しい階級攻防を不可避とするが、まったく可能であると今大会で確信した。10・25国際反戦統一行動の成功をかちとるぞ。
侵略戦争阻止の防波堤に 富山大学1年 角野 正
今回初めて全学連大会へ参加しました。このような学生の集まりにさえ多勢の公安を送らねばならなくなっている政府は、もはや独裁者への道へと突き進んでいる。この動きを、そしてこのようなことをけっして私たちは許してはならないと実感しました。
私は小さいころに第2次世界大戦を知って、祖父に「なぜ行きたくないと言わなかったのか」と聞いたことがあります。その時祖父は、「もうそのころにはそんなことを言うと殺されかねなかった」と教えてくれました。
私たちは今、出兵前に行動を起こし、また起こそうとしています。楽観するのは早いですが、あの時より先へと動き出しているのです。そして今は、10・25をもって全世界の人びとに平和のための道しるべとなるように頑張っていきたいです。
今回の全学連大会はとてもいい経験、勉強になりました。いつもとは違う人が大勢いて、そしてその中で意見を言ったり言われたりしたのを聞くと、そんな考え方もあるのかと感心しました。また、まったく違う角度からの考えも聞くことができ、自分の中での考えがある程度まとまり本当に有意義な3日間でした。
そして今、米英日を始めとする第3次世界大戦と言えるこの流れの強力な防波堤として、10・25を成功させるため、今までより広く強力なネットワークを形成し闘いぬきたい。
派兵と廃寮を阻止する決意 東北大学1年 八木良一
年明けとも言われる自衛隊のイラク派兵。この石油目的の侵略派兵を絶対に止めなくてはいけないと思います。イラクの人びとの戦いにより米軍の軍事占領が崩壊しつつあります。ぼくもこのイラクの人びとの不屈の戦いにこたえて、この不正義の戦争によってしか生きられない日帝を倒していくため、10・25に多くの学生とともに頑張っていきたいです。
また、有朋寮にかかっている廃寮化攻撃に断固反対していきたいと思います。東北大学弾圧において、当局と権力のデッチあげが明らかになっている今、確実に流れは寮生側にあるわけで、学生の決起は必ずあると確信しました。中野さんの無罪をかちとり、廃寮化攻撃を始めとする学生の反対の声をつぶそうとする攻撃をうちやぶっていきます。
革命はすばらしいと思った 京都の大学1年 秋山 陣
ぼくは、1回生として03年の全学連大会に初参加し、大会を楽しませていただきました。
ぼくは、自分の大学にある中核派支部の方々の実践面を見ていると、「この人たち本当に革命やる気あるのかな?」と思っていました。革命と何かスジちがいな行動をしている気がしたのです。つまり、大きいものとして「革命」を目指すが、やることは小さいことだと……。
しかし、この全学連大会に参加して、この思いが変わりました。全国のさまざまな地区の若者、帝国主義への強い怒り、革命という大きな展望への熱情……。こんなことをみせられたのです。ぼくは圧倒され、気づかされました。そうか!若者が決起の希望をもって、やる気をもって革命を達していくのだと。
しかし、みんな観念的だった。確かに、決意表明はすばらしい。だが、リアリティーが見えてこない。
ぼくが見るに、全学連は、今がまさに革命情勢であることがわかっていないのだろう。大衆決起ということばかりで現実感が見えてこない。そもそも革命だってリアリティーが見いだせない。
はたして、いつ唯物論的見地に立つのだろうか? その見地に導いていく指導者がでてくるのだろうか。
ぼくには、全学連にリアリティーのある将来性が感じられなかった。けれど、ぼくは革命をすばらしいと思う。全学連、がんばってほしい。
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週刊『前進』(2119号6面3)
投稿のお願い
本欄は投稿の常設欄です。みなさんの原稿をどしどしお送りください。
日々の労働やくらしの中で感じた疑問や怒り、労働実態や職場活動の報告、機関紙拡大闘争の教訓、闘争や集会の感想、マルクス主義・レーニン主義の学習感想文、書評や映評、本紙の記事へのご意見など。読者の皆さんと一緒につくっていきたいと思います。また、全世界からの反戦闘争、労働運動の投稿も歓迎します。闘いの写真も送ってください。
〈投稿規定>
原稿は800字以内。紙面の都合で短くする場合があります。原稿は返却しません。都道府県名または地方名、職業、所属組織・団体、希望のペンネームを添えてください。
宛先は、〒132−0025 東京都江戸川区松江1−12−7 前進編集局「団結ひろば」係
『前進』ホームページの「安心メール」でも受け付けます。
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週刊『前進』(2119号6面4)
私は無実。これが私自身の消すことのできない真実だ。
迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判 須賀武敏同志の最終意見陳述(抜粋)
迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判の最終弁論・最終意見陳述公判が、9月1、2、3の3日間にわたって開かれた。起訴から16年、須賀武敏、板垣宏、十亀弘史の3同志は、長期勾留への怒りを込め、渾身(こんしん)の最終意見陳述を行った。今号から順次、3同志の意見陳述の抜粋を紹介します。(編集局)
検察官立証は完全崩壊した
私は本件両事件に一切関与していません。私は無実です。
私は、本件両事件にかかわる「共謀」にも、「MS型信管15個の製造」にも、「砲弾への炸薬(さくやく)の装填(そうてん)」にも一切関与していません。これが本件両事件に関する私の消すことのできない真実です。この真実は、いかなることがあろうともまったくゆるぎないものです。つまりそれは、私自身が否定しようとしても否定しえないものとして真実であるということです。
この真実の力は、検察官立証・論告の破産とその犯罪的手口の全貌(ぜんぼう)を暴き、完全崩壊させる動力となって働いています。検察官立証・論告を支えたすべての支柱が打ち砕かれ、完全に轟音(ごうおん)を立てて崩壊する様が、すでにはっきりと誰の目にも鮮烈に焼き付けられる状況に直面しています。
客観的事実のない立証構造
検察官論告は、国家権力が過去に強行した多くのデッチあげ犯罪と比べても、その悪質さと狡猾(こうかつ)さにおいて、他に類例がないほど卑劣かつ犯罪的なものである。何よりも、そこには、客観的事実や証拠に基づく論証が根本的に欠落しています。その代わりに、何の立証も証明もされていない事柄が最初からあたかもすでに百パーセント証明された事実であるかのように装って持ち出され、それを逆に一切の前提とし、土台として全論述が組み立てられるという、逆立ちした構造になっているのです。
検察官は、私たち3人が別件の岩手事件で爆取3条による不当な有罪判決を受けたことを最大限に利用し、「岩手をやった連中なら本件両事件にもかかわった可能性がある」という予断と偏見を徹底的にあおり立てることで、この逆立ち構造(客観的事実や証拠になんら基づかない立証構造)を隠蔽(いんぺい)し、検察官によるまったく架空の作り話を、あたかもそこに何らかの裏付けがあるかのようにみせかけようとしています。ここに検察官論告の最も卑劣で犯罪的な正体があります。
そのことを端的に示すものが、検察官が、85年に発生した4つの事件(4・12羽田・成田、9・3成田、11・1成田)に私および十亀さん、板垣さんがかかわったとする主張を、何の証明もなく、突如として論告の重要な柱として持ち出していることです。
しかし、この85年の4事件はとっくに時効が成立している事件です。検察官は、何の立証もなされていないばかりかそもそも公訴提起すら不可能であった事柄を、あたかもすでに法廷で立証され証明された事実ででもあるかのように取り扱い、それを一切の前提とし出発点として、私たち3人と本件両事件とを結びつけるデッチあげストーリーを展開するという、通常ではおよそ考えられないとんでもない手法をとっているのです。
これは単に違法であるだけでなく、法律家としての職業倫理の最後の一片すら投げ捨てた実に卑劣なやり方です。私は満身の怒りを込めて断罪する。と同時に、こんな恥知らずな手口を使う以外に検察官論告が論告として成立しないという、そのこと自身が論告の破綻(はたん)を自己暴露していることを指摘しておきます。
「3人一班」は検察の作り話
検察官が85年の4事件を急きょ、論告に挿入してきたその背景には、金沢・静岡・奈良の3大証拠群が却下されたことにより、「私たち3人が岩手以前から3人一班で行動し、信管等の開発・製造に従事していた」という検察側ストーリーを裏付けるデッチあげの材料が消失してしまったということがあります。
そもそも、この3大証拠群を、検察官が公判開始から6年もたった後になって突如、追加証拠として請求してきた問題は、検察官立証の最大の支柱をなす岩手証拠群が本件の証拠たりえず、別件岩手事件の証拠物を転用した違法な余罪立証でしかない点が、法廷において鋭く暴かれて粉砕しつくされたことにあります。
検察官が当初思い描いていたデッチあげのプランは、岩手鍋爆弾事件で押収した証拠群の一部に巧妙な作為を加えて本件の証拠群としての装いをこらし、裁判官に「有罪の心証」を抱かせようとするものでした。しかしそれが破綻し、検察側が唯一望みを託していた岩手事件公判との併合審理も却下された中で、その打開策として、金沢などの3大証拠群の違法な追加証拠請求に踏み切る以外にないところに追いつめられたのです。
ここでとりわけ決定的な位置を与えられていたのは、私が85年当時居住していた金沢借家に関する証拠群でした。当初、検察官はその「証拠説明」で、金沢借家の開設以降、少なくとも85年の7月から、私だけでなく十亀さん、板垣さんも一緒に金沢借家にいて一つの班を形成し、「信管の開発・製造」や「炸薬の開発」などに一貫して従事していたのだと主張しました。しかしこれは検察官の真っ赤な作り話だったのです。
実際には私は、公判ですでに述べているように、この金沢借家で病気療養のために生活していたのです。私は近所づきあいもしていたので、この事実は近所の人なら知らない人は誰もいない百パーセントオープンな事柄です。十亀さんも、板垣さんも、金沢借家への居住はおろか、一度も出入りしたことさえありません。
この事実は検察官も実際には百も承知でした。にもかかわらず検察官は、デッチあげの新たなストーリーを正当化するために、ウソを承知で、あたかも十亀さんと板垣さんが金沢借家の住人であり、私たち3人がそこで一班を形成していたかのような話をまことしやかにデッチあげたのです。
しかしやはり、真実とあまりにかけ離れた、こんな露骨なデッチあげ工作がそのまま通用するとはなりませんでした。金沢借家押収物を使ったデッチあげ工作の破綻は、デッチあげ3大証拠群全体の総崩壊を引き起こし、ついに大破産を遂げたのです。
時効4事件の犯人よばわり
3大証拠群の却下決定を受けて茫然(ぼうぜん)自失した検察官は、論告において突如、85年に発生した成田・羽田の4事件を持ち出して、私および十亀さん、板垣さんが本件両事件だけでなく4事件にも「関与していた」との主張を展開してきました。すなわち、検察官は、私たち3人が85年の4事件に使用された砲弾の信管を製造し、同砲弾への炸薬の装填も行っていたと主張し、その継続として、同砲弾の改良型である本件両事件に使用された砲弾の信管の開発・製造や、新型炸薬の開発にもたずさわり、さらに本件両事件の砲弾への炸薬の装填も行ったと主張するのです。これはとんでもない暴論であり、許すことのできない新たなデッチあげです。
だがこの4事件は、すでに数年前に時効が成立しているのです。時効成立とはどういうことか。事件発生から15年を経て、捜査当局と検察官のあらゆる努力にもかかわらず「犯人」として起訴できる人物をついに見いだせなかったということです。4事件は小さな事件ではありません。本件両事件と同じように、日帝国家権力を揺さぶった大事件であり、日帝の三里塚軍事空港建設政策に大打撃を与えた事件です。そうした大事件で15年間、公訴提起ができぬままに時効を迎えたということは、警察・検察当局がどうあがいてもそれが不可能だったことを示しているのです。
それを今になって、本件担当の検察官が、論告という公文書の中で、無実の私たちをいきなり4事件の「犯人」と一方的に断定して名指しするなどという暴挙が、いったい全体許されることなのか! ここにあるのは、「論告」と称してあからさまなデマを意識的に流し、デマで人を動かし、操って、その力で裁判官をも恫喝して、私たち3人を何がなんでも「有罪にせよ」と迫るものである。
私はあらためて怒りのわくのを抑えることができません。そして断固として要求する。検察官は、恥を知れ! すでに時効になった事件を持ち出しての、無実の私たちに対する「犯人」呼ばわりは重大な人権侵害だ。検察官は、何の根拠もないことを百も承知で行っているこの犯罪的なデッチあげを直ちに撤回し、この部分を論告から削除せよ! 裁判官諸氏は、検察官によるこの犯罪的行為を直視し、公権力によるデッチあげは断じて許さないという毅然(きぜん)たる態度を今こそしっかりと確立して本法廷に臨んでいただきたい。
直ちに被告の座から解放を
「4事件への関与」という虚構の話を土台に積み上げられた検察官によるデッチあげストーリーの全構造は、こうして、金沢などのデッチあげ3大証拠群が崩壊した時と同様に、その土台から崩れざるをえません。後に残されるのは瓦礫(がれき)の山だけです。検察官立証はすでに、それが終了した時点で完全な自己破産をさらけだしていたのであり、それはもはや、どんな卑劣な手口を用いてこの破産を覆い隠そうとしてもおし隠せないものとなっているのです。
木口裁判長を始めとする裁判官諸氏が、私たち被告人に対する一切の予断と偏見を排し、ただ憲法と刑事訴訟法の命ずるところにのみ従って、本件公判審理のすべてを振り返るならば、そこにおのずから出てくる結論は必ず「無罪」となるはずです。後世の歴史に恥じない勇気ある決断を今こそ下し、無実の私たちを一日も早く「被告」の座から解放するよう訴えます。
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週刊『前進』(2119号6面5)
寄稿 闘う私たちの主体性を深めるために
沖縄民権の会 座覇光子
沖縄基地撤去を
95年少女暴行事件に端を発し、沖縄の怒りは爆発しました。96年、「日米地位協定改定」と、「基地の整理・縮小」の賛否を問う史上初の県民投票が行われ、圧倒的多数の人が賛成票を投じたにもかかわらず、大田県知事は度重なる恫喝で軍用地強制使用に対する公告縦覧の代行に応じてしまいました。97年12月、名護市民は新基地建設の是非を問う「市民投票」で、新基地建設反対と高らかに意思表示しました。
一方、98年11月県知事選で稲嶺保守県政が成立、アメとムチの「振興策」を進めながら、名護の新基地建設を具体化させてきました。調査そのものが重大な環境破壊となるというのに、今、建設予定地を中心とした外側海域12`×3`の広大な区域に、10bから25bの鋼鉄のヤグラを63カ所も設置しボーリングを行うという。その調査結果は「環境アセス」に使用すると言います!
95年以降、毎年2〜4件の米兵による強姦など、凶悪犯罪が発生し年々増加し、02年には10年ぶりに100人を超えたのです。今年6月、またもや金武町で起きた強姦致傷事件の米兵容疑者を起訴前に日本側に引き渡した際、日米政府が地位協定の運用改善に関する交渉開始に合意し45日以内の妥結を目標としたけれど、7月中に「解決」しませんでした。日米政府は、再交渉を行うと言っています。イラク戦争以来米国が同盟の選別を強める中で、日本は同盟を維持するあかしを求められているから、「米兵の人権に関する配慮」と言って、取り調べ時の米側関係者の立ち会いを認める「譲歩」を行うでしょう。だがこれで、問題解決に向かって何か前進したことになるでしょうか。どこまでも、沖縄県民を、また女性を蔑視(べっし)した日米政府の卑劣なやり方を、とても許せません。
金武地区では、軍用地料を受け取る権利者は「慣習」を理由に男性に限定しています。男性は20歳から年60万円の支給があるが、女性は区外の人と結婚すると受けられない。男は若くして、金をもらい働かなくなる。自立できるのかと将来が心配とも言われています。区内在住の女性たちが人権侵害と権利者団体を相手に女性への分配を求める訴訟を起こしましたが、何ともわびしいことだと思います。訴訟は間違ってはいないが、かちとったにしても問題は終わらないからです。軍用地問題は地域のつながりを壊し、反対運動の足並を乱す元凶になっている。地位協定の改定で解決するわけではなく、基地の縮小、撤退しかないのです。
在本土の悲惨
本土の沖縄人民の置かれている状況もまた悲惨を極めていると言えます。沖縄は丸ごと政治的に差別政策を押しつけられているが、本土では、ウチナーンチュとして一人ひとりがターゲットにされる、確実な日本人ではない少数者として扱われている。大阪で、「人類館事件」と言って、台湾、沖縄、アイヌ、朝鮮人の女性をオリの中に入れて見せ物にしたと言う事件の延長線上に、今でも私たちはあるということです。
川崎の「ホームレス」、千人は超えているが、百人は確実にウチナーンチュです。今年2月多摩川べりの小屋で、中城出身の比嘉さんが、小屋に入って来た犬に噛(か)まれて亡くなった。隣の小屋まで20bなのに、体力のない彼は行くこともできずひとりで亡くなっていったんだ! 「比嘉さん、ごめんね、何もできなくて……」と、主のいないドアの前で、一緒に来た在日韓国人の李さんと手を合わせ、線香を上げ、二人で彼のことを話した。これが一般市民だったら、放し飼いにしている飼い主を必死になって探したであろう警察は、何もせず無視抹殺している。ホームレスだからどうでもいいのか!
傷害致死の罪で北海道に服役している大城さんの身元引受人になっていて、「仮釈放になったら迎えに行くんだ」と言っていた新城さん! 6月10日、会社の現場で地下5bの産業廃棄物処分の炉に転落して即死した。私がアパートの保証人になっていた大里さんが自殺してショックなところに、またもや悲しい事故死で、身が縮むような思いだった。引受人がいないと出られないと悩んでいたところ、新城さんの友人が引受人を自ら申し出た。
私のまわりで、こういう形で、労働者は、沖縄の人間は、心をつなごうとしている。ギリギリ生きている場で、分かり合い、助け合って行くことが、真に連帯すること、共に生きることだと気づかされた。
歴史を創る者に
一人ひとりの人間の問題に向き合って闘っていくことのできる青年労働者のリーダーを生み出すことが大事だと私も思います。何度つまずいてもなお再生を信じ、支え、生活に根ざして闘っていくとき、彼らは大いに闘いの主体者、歴史を創(つく)る者となり得るだろう。沖縄の闘いは沖縄の労働者階級人民の決起なくしては勝利し得ないということが県民投票、市民投票で明らかになりました。それは沖縄の未来を決する闘いであると同時に、日本、世界の歴史を変えるエネルギーを、決定権をわれわれが持っているのだと確信させました。「沖縄民権」を主張して闘った謝花昇、古波津英興さんの正当性はその中にあるのだと思います。
昨今、沖縄、ヤマトで子どもたちが殺人を犯していることに日本中に驚愕(きょうがく)が走った。大人は、平気でイラクの弱い子どもや老人を何千人、何万人と殺戮(さつりく)しても驚かないことにこそ罪の根源がありはしないだろうか。子どもの世界は大人の写し鏡であることがまざまざと示された。
われわれの歴史の途上でどれほどの人びとが闘いのなかで生命を燃焼させて行ったことであろう。「民権の火をかざして」「民権の火よ永遠に」と、道を示して下さった古波津さん。再び思いを新たにするものです。
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