ZENSHIN 2003/08/25(No2114
p06)
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週刊『前進』(2114号1面1)
9月東大阪市議選に勝利しよう
イラク派兵阻止・資本攻勢粉砕! 〈11月〉へ労働運動の大前進を
8・6世界の民衆と連帯 デモの先頭を行く栗原君子さんと韓・中・米のゲスト(8月6日 広島)=関連記事4面
7・27関西、8・3東京の東西革共同政治集会は、きわめて大きな成功をかちとった。その基調報告の内容は、本紙夏季特別号(前号)の高原論文と完全に一体である。集会は「革命的情勢の成熟、革命情勢への端緒的突入」という時代認識を鮮明にさせ、革共同が激しい危機感をもってこの時代に立ち向かい、日本革命―プロレタリア世界革命の勝利に向かって、労働運動・労働組合運動を本格的に切り開いていくことを誓いあった。11月労働者総決起に向けた闘いを実践的・具体的な課題として、戦闘的で同志的な一致をかちとった。米英帝国主義のイラク侵略戦争の泥沼化の中で、日帝はついに自衛隊のイラク派兵をこの秋にも行おうとしている。これに対し、労働者階級の大反撃をたたきつけよう。自治労、日教組、国労の各大会に向けて闘おう。
北朝鮮侵略戦争阻止掲げて
日本帝国主義・小泉政権の有事立法・イラク派兵法制定と今秋自衛隊大規模派兵の攻撃、一大資本攻勢に対して、労働者階級人民の怒りは高まっている。労働運動、労働組合運動の防衛・強化・創造を闘いとり、今秋11月労働者総決起をかちとろう。そのために次の諸点を強く訴えたい。
第一に、全世界的な政治情勢、階級情勢である。最大のカギは、米英帝国主義のイラク侵略戦争が、軍事占領・再植民地化のもとで、「第二段階」とも言うべき形で継続・激化しており、その中で、日帝・自衛隊が本格的に参戦し、大規模派兵を行おうとしていることである。派兵絶対阻止へ全力で闘わなければならない。自衛隊地上軍のイラク派兵は、これまでのPKO派兵とは次元の異なる、決定的な侵略派兵である。
イラク人民の米英帝国主義に対する闘いは一層激化している。また米兵の厭戦の動きが拡大している。
これに対して、われわれは「米英日帝はイラクからただちに手を引け! ただちに撤兵せよ! 自衛隊の派兵を許すな!」の闘いを大規模に巻き起こさなければならない。
同時に、臨時国会での対テロ特措法延長、国民保護法制など有事立法完成の攻撃、あるいは海外派兵の「恒久法」制定の策動が浮上している。03〜04年(さらには05年)の情勢の基底に、この重大攻撃がある。
第二に、米・日帝国主義をめぐる政治情勢である。
04年の米大統領選過程の攻防はすでに始まっている。この過程自身が、@まず米帝の経済情勢=世界経済情勢をめぐって、史上最大の経常赤字・財政赤字、住宅バブル崩壊が必至の情勢、失業(率)問題の深刻化を始め、きわめて危機的である。Aそして、イラク侵略戦争に突入する口実とした「大量破壊兵器」をめぐる情報操作問題を焦点に政治危機、政府危機が深刻化している。Bさらにイラク侵略戦争がイラク人民のゲリラ戦争の激化の中で、「第二のベトナム」のように泥沼化し、これが国内危機に転化し始めている。
だからこそ、ブッシュは「悪の枢軸」論を唱えてイラン・北朝鮮への侵略戦争策動を強め、国際・国内関係の緊張をぎりぎりまで激化させていく。政権自体も内部矛盾できしんでいる。基軸帝国主義=米帝が危機にのたうち回り、その必死のあがきの中で、侵略戦争―世界戦争政策が激化しているのだ。
これはまた、日帝を直撃し、その危機を深めることになる。イランをめぐる日米帝の利害の対立が表面化している。北朝鮮情勢は、「6者協議」をめぐり、また拉致問題での駆け引きを含めて、極度に緊張している。内部崩壊的危機と帝国主義の戦争重圧に追い詰められている北朝鮮スターリン主義=金正日政権は、唯一の対抗策としての反人民的な核とミサイル政策にしがみついている。日帝は、これに対して絶望的に北朝鮮侵略戦争へと、米帝と共同・競合しつつ突っ込んでいこうとしている。したがって革共同は、「北朝鮮侵略戦争阻止!」を常に中心スローガンに掲げて闘う。
第三に、9月自民党総裁選から衆院解散―11月総選挙を軸に動くこれからの政治過程が、菅・民主党と小沢・自由党の超反動的、反労働者的な合併問題の政治的インパクトを含めて、きわめて重大な政治情勢になるということである。
小泉は、今秋臨時国会で対テロ特措法の延長をたくらみ、来年の通常国会で「国民保護法制」や「米軍支援法制」その他をもって有事立法体制の完成を狙っている。さらに教育基本法改悪と改憲への大反革命も準備している。
一方で菅も小沢も次のない断崖(だんがい)絶壁で、「政権奪取」に向けての賭けに出てきているのである。小沢は「国際貢献」論をもってPKO派兵の突破口を開いた張本人であり、「普通の国」=戦争国家化論者である。菅の民主党も有事立法を丸のみして賛成し、一線を越えた党派である。日本経団連=資本家階級は、この動きに対応して、自民党と二またで資金提供するとしている。
自民党総裁選過程そのものが、小泉登場の時と同様、大々的なイデオロギー攻撃としてある。小泉か反小泉か、あるいは自民党か民主党かという選択肢の構図そのものが、労働者人民の立場からは断じて受け入れがたいものだ。帝国主義が末期的な危機にのたうち回っている中で、労働者階級の立場を部分的にでも代表できる野党が消滅し、おぞましい挙国一致の戦争翼賛体制がつくられようとしているのだ。
こうした政局を含めた情勢に対して、帝国主義の攻撃と真っ向から対決する労働者階級、労働組合の戦闘的大結集運動をつくりだしていかなければならない。
第四に、現在の情勢は、革命的情勢の急速な接近、または端緒的突入の情勢であるが、これは同時に侵略戦争下の治安弾圧との闘いが生死を決するということである。革共同への日常的な弾圧は強まっており、長期獄中同志に対する攻撃も激化している。
それだけではない。国労臨時大会に対する説得活動を「中核派による暴力行為」に仕立て上げ、国労組合員をすでに10カ月以上も勾留し続けている。大阪・寝屋川では部落大衆に対する差別的な弾圧が行われている。また、一方で共謀罪新設法案が継続審議となって次期国会成立が策動されている。どれも許すことのできない大攻撃だ。
しかしこの攻防は、情勢が激動期の革命と反革命の激突局面に突入したからこそ起きているのだ。弾圧の中に帝国主義の危機と絶望的あがきを見抜き、広範な人民の怒りではね返そう。
動労千葉労働運動に続こう
第五に、全世界の労働者階級が、帝国主義のこうした侵略戦争と資本攻勢と治安弾圧に対決して闘っていることをしっかりと押さえようということである。
3月の4日間の春闘ストライキを闘いぬいた動労千葉の代表が、アメリカ西海岸の労働組合・ILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル10と交流を深めてきたことは、決定的に重要である。労働者に国境はない。アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、そして韓国の労働運動が、戦争と資本攻勢に対決して果敢に闘いぬいている。そして、ついに日本の労働運動が世界の一翼を占めて闘う国際連帯の新段階が切り開かれたのだ。
こうした中で、日本の労働組合運動は、重大な局面を迎えている。
連合第8回大会が10月2〜3日に開かれる。連合の中の最右派組合である電機連合は7月の大会で、奥田ビジョンに呼応して、賃金闘争の破壊解体を推進し、「滅私奉公」を強要し、さらには消費税15%を提案するなど、真っ先に産業報国会化を推進している。このような路線を連合全体のものにするのを許すのかどうかの、重大な決戦となる。
こうした中で、具体的な取り組みとして、次の四つを実行しよう。@動労千葉労働運動を学び、自らの職場で動労千葉労働運動を実践すること、A国労5・27臨大闘争弾圧に怒りを燃やし、8人の被告たちの意見陳述を読み、「許さない会」を大衆的に広範に組織すること、Bイラク派兵阻止、有事立法廃棄、北朝鮮侵略戦争反対の100万人民決起を切り開くこと、C新生マルクス主義青年労働者同盟の建設に向かって決起すること。これらの闘いを貫徹することの中に、労働運動、労働組合運動の階級的再生の具体的な道筋がある。
ここで特に強調し訴えたい。9月21日投票の東大阪市議選は、8月3日の「さかぐち克己事務所びらき」をもって決戦に突入した。瀬川博現市議の後継者として立候補する阪口克己氏(部落解放同盟全国連荒本支部書記長)は、高齢者、失業者、労働者の間を走り回っている。住民の闘いの先頭に立つ阪口氏を必ず市議会に送り出すために、全国の力を結集し闘おう。
労働者階級の闘いに敵対する日本共産党
第六に、今春のイラク反戦闘争と国会闘争で裏切りと転向を深めた日本共産党スターリン主義を今こそ打倒し、そのもとで苦闘する労働者人民を大胆に結集することである。日共は11月22日の第23回大会で党綱領を全面改定しようとしている。その改定案は6月の第7回中央委員会総会で発表され、日共の党内外に大きな怒りと不信の声を呼び起こしている。
日本共産党は91年のソ連スターリン主義の崩壊によって、党員の4分の1が離反するほどの打撃を受け、94年にそれまでのソ連を「社会主義」として称揚してきた綱領を根本的に変更する改定を行った。そして、「資本主義の枠内での民主的改革」という、資本主義擁護を綱領路線化してきた。90年代中葉に一定の議席を拡大し、日共・不破はそのもとで野党連合政府を追求し、政権入りするためには「安保条約廃棄」を凍結するという宣言まで行った。だが、00年以来、国政選挙でも地方議会選挙でも、後退を続け、行き詰まっている。この中で、日共中央は、自分たちが今や帝国主義にとって無害な存在であることをアピールして延命しようとしている。
今回の綱領改定案のいわば最大の特徴は、労働者階級の闘い、階級的団結という要素を完全に一掃したことである。これまでの綱領にあった、「当面の行動綱領」がなくなり、「実現されるべき政策」にすり替えられた。資本や政府権力と闘って何かを闘いとるという考え方をなくしてしまったのである。例えば、次のパラグラフが丸ごと消滅してしまったことは、衝撃的なことである。それは端的に、今日の日共・不破・志位路線が何をめざしているかを示している。
「党は、すべての労働者の団結権、ストライキ権、団体交渉権を確保し、職場の自由と民主主義を確立し、資本主義的合理化、首切り、低賃金、労働強化に反対し、賃金の引き上げ、同一労働同一賃金を要求する。最低賃金制と労働時間の大幅短縮、非人間的な過密労働の規制その他、労働者の生活と権利を保障する労働立法を実現させる」
これがなくなった代わりに、「『ルールなき資本主義』の現状を打破し、労働者の長時間労働や一方的解雇の規制を含め、ヨーロッパの主要資本主義諸国などの到達点を踏まえつつ、国民の生活と権利を守る『ルールある経済社会』をつくる」という文章が入っている。「大企業に対する民主的規制」「大企業の社会的責任」「国民の生活と権利を守るルールづくり」という言葉が躍っている。
労働者が団結し、資本と闘って、生活と権利をかちとるという考え方そのものを一掃し、資本主義にルールを作って大企業に社会的責任を果たさせると書き換えてしまったのである。
ここには、もはや今の社会が階級社会であること、資本家階級と労働者階級の利害は根本的に対立していること、労働者階級は資本家階級の支配を打倒して自らの権力を打ち建てて自己解放をかちとらなければならないこと、などのマルクス主義の基本的な概念がまったく消し去られてしまっている。これは、日共は資本家階級と根本的に対立することはしませんと誓約しているということだ。
大事なことは、いま資本主義・帝国主義が日本でアメリカで、世界中で、根底的な危機に直面し、大恐慌が不可避となり、帝国主義的侵略戦争が実際に起こり、世界戦争が始まった時に、日本共産党がこのような資本主義・帝国主義を擁護する綱領をつくっていることの重大性である。
有事立法が成立し、日帝・自衛隊はまさにイラクに地上軍を送って戦後初めて殺し殺される戦場で戦争を開始しようとしている。その時に、あえて「自衛隊解散」の旗を下ろすのはどういうわけなのだ。
革共同は、日共は断末魔のスターリン主義として、帝国主義の最後の番兵の役割を果たそうとしていると弾劾してきたが、それがついに綱領の次元でも明白になろうとしているのだ。
日本共産党の内外にいて、闘いを求めるすべての労働者学生人民に心から熱烈に訴える。帝国主義の番兵、闘いの抑圧者、日本共産党から今こそ決別し、闘う革共同のもと、労働者階級自己解放の闘いに全身を投入しようではないか。
危機を深めるカクマル両派
さらに、カクマルとの闘いも重大である。闘う人民に対する襲撃と国鉄分割・民営化攻撃の率先推進で、その反労働者的正体を自己暴露してきたファシスト・カクマルは、最大組織のJR総連=松崎明派と中央派=黒田寛一派とに真っ二つに分裂し、まったく修復できない危機にのたうち回っている。
JR総連カクマルは、さらに松崎派と嶋田派に再分裂し、JR資本との結託の仕方をめぐって醜い争いを続けている。これは本質的に国鉄分割・民営化の先兵となってきた歴史が生み出したものであり、解決できない矛盾である。JR総連が最悪の分割・民営化協力者だということは、今や国際労働運動の常識になりつつある。
一方、中央派カクマルは、ますます黒田カルト集団化している。しかし「暗黒の21世紀論」や帝国主義論を抹殺した「ブッシュの戦争」論では、左翼の仮面を着けてやっていくことはできず、この秋をのりきれないことは明白である。
反革命通信『解放』8月4日付号は、中核派に対するケチつけで1ページを費やしているが、本質的な批判はまったくなく、今春の革共同の闘いにいかに打撃を受けているかを自己暴露している。カクマルが必死になって革共同の労働運動路線にケチつけを図っていることは、この路線の正しさを証明している。
第七に、以上のほかに、11月総決起に向かっての当面する課題を確認しよう。
@9・13〜15全学連大会の成功をかちとり、学生戦線の強化・発展をかちとろう。A共謀罪新設粉砕闘争を強化しよう。B秋の反戦闘争の推進力となる反戦共同行動委員会を強化しよう。湾岸戦争後の自衛隊掃海艇派兵に対する闘いから誕生した反戦共同行動委員会は、今イラク人民虐殺の本格派兵を前にして、その真価を発揮する時だ。C三里塚闘争を強化し、10・12全国総決起集会に結集しよう。北富士忍草母の会の渡辺喜美江会長の逝去を悼み、その不屈の闘魂を引き継いで闘っていこう。D沖縄の名護新基地建設阻止の闘いを強めよう。
本格的に労働運動路線を進める革共同に大結集し、日帝打倒、プロレタリア革命に向かって進もう。
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週刊『前進』(2114号1面2)
ヒロシマ大行動に2500人
反戦反核被爆者の怒り 韓・中・米 国際連帯闘争が前進
8月6日午後、広島県立総合体育館・小アリーナで開かれた「被爆58周年 再び戦争をくり返すな!8・6ヒロシマ大行動」に、広島を中心に全国から2500人が集まった。韓国、中国、アメリカからゲストを迎え、「イラク派兵反対! 有事法の発動を阻む大運動を! 世界の民衆と連帯し、反戦・反核の国際的うねりをつくろう!」(集会アピール。4面に掲載)と高らかに宣言した。
共同代表の北西允広島大学名誉教授が、「イラク反戦への若い男女の参加が希望だ」と語り、「広島県教組事務所に銃弾が撃ち込まれるなどの激しい攻撃にひるまず、今後とも闘いぬく」と開会あいさつ。
被爆者の訴えが始まった。「7・5ヒバクシャの集い」発起人の石田明さんの代理の女性が、7月5日に採択された「ヒロシマ・ヒバクシャアピール」を読み上げた。「ヒバクシャは核廃絶の日まで生きる、生きねばなりません。核兵器なき世界をこの目で確かめるまで」――壮絶な決意に大きな拍手が起こり、ヒロシマ大行動としてこのアピールを採択した。
続いて第五福竜丸元乗組員の大石又七さんが、「死を選ぶか、生きることを選ぶか、私たち一人ひとりの行動にかかっている」と戦争放棄、核廃絶を訴えた。
詩人の栗原貞子さんは、90歳の今年、ヒロシマ大行動の共同代表となり、「若い人のために」と4年目の朗読に臨んだ。車イスの栗原さんは、かみしめるように「原爆で死んだ幸子さん」を朗読した。
続いて国際連帯の最初に韓国の太平洋戦争被害者補償推進協議会の李煕子(イヒジャ)さんが、「日本が有事法制、イラク派兵をすることは、まさに私どもの家族の誰かが死に向かっていることだ」と危機感を表明した。今年、相互訪問・アピール交換が実現した大邱(テグ)からは「広島と大邱の市民が熱く連帯し、戦争を阻止し、平和の気運で東北アジアをいっぱいに満たすことができるよう、ともに前進しましょう」とのアピールをもって訪れた青年たちが、広島での「つくる会」教科書採択を許してはならないと訴えた。
中国の侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館の朱成山館長は、栗原さんの詩「ヒロシマというとき」に感動したと話し、「日本の加害の事実をはっきりさせ、アジアの平和のためにがんばりましょう」と訴えた。
アメリカANSWER連合のスー・ハリス代表委員とジャネット・メイズさんは、ANSWERが呼びかけている10月25日の反戦デモへの参加を訴えた。
こうして8・6ヒロシマ大行動は、熱い国際連帯を交わす場となった。
次に、基地・安保、有事法制と闘うオキナワから共同代表の佐久川政一沖縄大学教授、有事法制と闘う陸・海・空・港湾労組20団体の村中哲也航空労組連絡会副議長、そして解雇撤回を闘う国鉄労働者が次々に決意を語った。
佐久川さんは、「国際連帯、アジアの連帯によってこそ問題は解決できる。行動が大事だ」と強調した。
村中さんは、「千人の自衛隊をイラクに派遣するとなれば民間航空機を使うしかない。運動を強化して自衛隊派遣を止めよう。社会の平和、地球の安全な環境を取り戻そう」と訴えた。
闘う国労九州闘争団と動労千葉争議団が並んで登壇した。九州闘争団は、「鉄建公団訴訟は、国鉄労働者が政府に初めて攻撃をしかけた裁判。人生をかけて闘う」、動労千葉は「動労千葉は戦争協力拒否宣言をした。03春闘ストを闘い、アメリカ労働組合との合流も生まれた。5・27弾圧は団結権を奪う攻撃であり、1047名闘争とともに負けられない闘いだ」と力を込めて訴えた。
メッセージ紹介、反戦被爆者の会の下田礼子さんのカンパアピールの後、「核と戦争・差別を許さないヒロシマから」の決意表明に入った。広教組に結集して教育基本法の改悪と闘う女性労働者は「命令で強制された教育にどんな未来があるのか。一層団結を固めて闘う」ときっぱり。ピースリンク広島・呉・岩国の湯浅一郎世話人は、自衛官・家族への働きかけを強め、イラク特措法の発動を阻止しようと呼びかけた。
「若者のヒロシマアピール」では8・5ピースフェスタを成功させた高校生や若者が大挙登場した。広島大学の学生が「戦争の担い手が人間なら、戦争を止めるのも人間です。がんばりましょう」と結んだ。
広島県教育長あての申入書と集会アピールが読み上げられ、満場の拍手で採択された。栗原君子さんが閉会あいさつ。団結ガンバロー、行動提起を行って炎天下のデモに飛び出した。「ヒロシマ・ナガサキくり返すな! ノーウオー!」
途中、広島県教育委員会のある庁舎に「『つくる会』教科書採択を許さないぞ!」とシュプレヒコール、代表団が申し入れを行った。アーケード街では拍手で迎えられ、若者や外国人が次々とデモに参加する感動的な場面もあった。
デモは平和公園の原爆資料館前に到着。栗原君子さんが「あすからもう1年がんばって闘い、また来年ヒロシマで会いましょう」と訴え、輪になって「団結ガンバロー!」。被爆地ヒロシマの怒りを体現してヒロシマ大行動は大高揚した。
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週刊『前進』(2114号2面1)
日教組大会決戦に立とう
本部の屈服路線うち破り教基法改悪と闘う方針を
8月25日から東京で行われる日教組第91回定期全国大会は、世界戦争の時代―新たな「15年戦争」への突入という歴史の転換点のただ中での大会である。自国の侵略戦争突入を阻むために総力をあげて闘わなければ、「教え子を再び戦場に送るな」はもはや空虚な死文と化す。このスローガンを生命線としてきた日教組運動そのものの存亡が問われているのだ。すべての教育労働者が、有事法発動阻止・教育基本法改悪阻止・日教組解体攻撃粉砕へ闘う方針を形成し、人生をかけ、生きざまをかけた闘いに立ち上がろう。
本部は有事法成立への加担自己批判せよ
有事3法に続いてイラク派兵法が成立し、侵略戦争の戦場であるイラクに1000人の自衛隊が派兵されようとしている。国民保護法・米軍支援法が準備され、北朝鮮侵略戦争の策動が強まっている。今狙われている教基法改悪とは、平和教育を弾圧し、教育労働者に愛国心・国防教育を強制し、再び侵略戦争の先兵とする攻撃である。絶対に許してはならない。
しかし日教組本部の大会議案は、この重大攻撃に対して完全に屈服したものである。こみあげる怒りを抑えることができない。
大会議案は第一に、有事3法成立への日教組本部の加担を完全に隠ぺいして、開き直っている。
議案は、「日教組は廃案にむけて取り組んだが、与党・民主党との合意にもとづき成立した」「日教組は国連中心主義にたつ平和外交の徹底を強く求めてきたが、賛成多数で成立した」と人ごとのように語るのみである。そして運動方針には「有事法制の実働化を許さず」とある。
しかし有事3法成立について、日教組に「廃案にむけて取り組んだ」などと言う資格があるのか? とんでもない。日教組の政治部と言うべき民主党所属の日政連議員は、1人の棄権を除いて有事3法にもろ手をあげて賛成したのだ。日教組本部は、民主党への抗議も、国会闘争も組織することなく、すべてを密室協議に委ね、有事立法の成立に手を貸したのだ。
しかも榊原委員長は、昨年5月16日に「有事法制は必要」という見解を取りまとめた連合中央執行委員会で、反対意見も言わず沈黙して賛成した。その後も9・12連合通達を忠実に実践して、陸・海・空・港湾労組20団体との共闘をかたくなに拒否し続けた。
教育労働者の中には、有事法成立に対する怒りと危機感が満ちあふれている。この怒りは、闘いを放棄して屈服を続ける日教組本部への怒りでもある。それゆえ日教組本部は、教育労働者の反戦闘争が巻き起こることに恐怖しているのだ。だから「日教組は廃案にむけて取り組んだ」「有事法制の実働化を許さず」などと、あたかも自らは有事立法反対勢力であるかのように装う。これこそもっともたちの悪い、教育労働者の反戦闘争を封じ込めるためのペテンにほかならない。
日教組本部は、自らの有事3法成立への加担を自己批判せよ。その上に立って、有事法発動阻止と北朝鮮・中国侵略戦争絶対阻止の運動方針を確立せよ。
第二に、教育基本法改悪をめぐっては、いったんは掲げた「改悪反対」を再び後景化させ、「教育基本法を生かした教育改革」運動にすり替えている。
教基法改悪阻止闘争放棄を許さない
「教育基本法の理念を生かす社会的合意形成」「国民的議論を進め、意見反映に取り組む」「国会に対しては……慎重な取扱いをするよう働きかける」「改悪法案が提出される場合は、法案の問題点を中心に検討を進め、国会対策を強化する」などと、改悪阻止闘争を放棄し、早々と条件付きで改悪を認める方向を打ち出している。
ここでも日教組本部は、組合員に対してはあたかも改悪反対であるかのように装いながら、実際には、民主党を通じた対案―修正協議に傾斜しようとしているのだ。教育労働者の中に渦巻く教基法改悪への危機意識を封じ込め、改悪絶対反対の闘いを抑圧する、本当に悪らつな立場である。
「国民合意」で成立した改悪教基法のもとで、日教組は愛国心・国防教育に突き進むのか! そんなことは断じて許されない。
今大会で、教基法改悪絶対反対の立場と闘争方針を確立しなければならない。
日教組解体・新勤評制度と全面対決を
第三に、教育労働者を戦争の先兵と化す日教組解体攻撃に対する闘いを完全に放棄していることである。
一つに、団結破壊と教育支配の攻撃の最大の焦点である、新たな勤評=教員評価制度に対する闘いの完全放棄である。
東京に続いて勤評制度が導入された大阪、神奈川では、執行部が組合員に新勤評への「納得と合意」を押しつけている。「処遇への反映は、賃金制度検討委員会の検討結果をまって提起する」(職場討議資料)などとのたまわっているうちに、東京では、勤務評価が特昇に続いて05年から定期昇給にリンクされている。
しかし、広島は「書かない、書けない」方針で闘い、大阪では1万2000人が自己申告票提出を拒否して抵抗している。現場の労働者は闘う方針を求めているのだ。
日教組本部は、「多大な混乱」(職場討議資料)などと勤評闘争の歴史を冒涜(ぼうとく)してその地平を投げ捨て、°公務員制度改革の中で教員評価は避けて通れない″と、早々と制度容認を打ち出した。しかし、公務員制度改革はILO勧告で立ち往生しているのが現状だ。教育労働者こそ、公務員制度改革粉砕・労働基本権奪還の先頭に立ち、全国統一ストライキと抵抗・拒否闘争で闘おう。
二つめに、5項目の職場闘争放棄を文科省への誓約としてあらためてことさらに掲げ、さらなる退却を進めていることである。
中教審が学校教育法の教育目標―学習指導要領の改悪を打ち出す中で、議案は「学習指導要領遵守」をうたっている。自主研修権のはく奪攻撃と闘わず、あらためて「官制研修参加」を誓約している。評価制度や指導力不足教員制度などの「物言わぬ教員」づくりとは闘わず、「校長中心」の学校運営をうたっている。
重大なのは、主任制度をめぐり、前回の定期大会方針にはあった「主任を中間管理職化しない」の文言を消し去ったことである。東京では監督権を持つ「主幹」職が設置され、熊本・広島も新たな中間管理職設置へ動き出している。文科省と日教組本部の間で重大な裏切りが準備されていることは明らかである。
「日の丸・君が代」については強制と不当処分に対する弾劾も、これと闘う方針もなく、「平和・人権、民主主義」の課題から放逐し、「教育内容」の項目で「『国旗』『国歌』の持つ歴史について正しく指導する」とするのみである。「心のノート」や愛国心評価に反対する方針もない。
三つめに、「教育の市場化との対決」を押し出しつつ、実は文科省とのパートナー路線を一層純化しようとしていることだ。
国庫負担制度の縮小や交付金化、公設民営化など、教育労働者の雇用と賃金を直撃する大攻撃が始まっている。国庫負担制度の総額裁量制が導入されれば、各県で教育職賃金表の改悪が強まることは必至である。
これらは文科省・文教族と癒着することでかわせるような攻撃ではない。ストライキを闘って外注化を阻んでいる動労千葉の労働運動のように闘うことこそ、勝利の道なのだ。賃金水準確保のためにも、今こそ全国統一闘争が必要である。
最後に訴える。教育労働者を先頭に全労働者階級人民の教育基本法改悪阻止・改憲粉砕の闘いを巻き起こすため、日教組は今大会で、教育基本法改悪絶対反対の特別決議を上げよ。それができないのであれば、日教組本部は総辞職せよ。
すべての教育労働者は、日教組本部の屈服と裏切りを徹底弾劾し、「帝国主義と対決する労働運動」の一翼を担う教育労働運動への飛躍をかけて、日教組大会決戦を闘おう。
〔革共同教育労働者委員会〕
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週刊『前進』(2114号2面2)
国労弾圧裁判
鈴木証人採用を決定 東被告の勾留停止かちとる
国労5・27臨大闘争弾圧裁判をめぐり、大きな勝利が切り開かれた。7月18日の第10回公判以降3週間の過程で情勢はぐらりと動いた。公判闘争は決定的な局面に突入した。
一つは、国労本部派が警視庁公安部に任意提出したビデオテープの撮影者である鈴木勉・東京地本執行委員(法対部長)の証人採用がついに決定されたことである。
二つは、うつ病と闘いながら不屈の獄中闘争を貫徹してきた東元(あずま・はじめ)被告(国労大阪地区本部環状地域分会)の病気治療のための勾留執行停止がかちとられたことである(期間は8月1〜26日)。
また、小泉伸被告(大阪地区本部貨物分会)についても、重態が続く父親の見舞いと看病のための2回目の勾留執行停止が、5月末に続いてかちとられた(同8月15〜25日)。
三つは、不当な接見全面禁止攻撃を打ち破り、日時指定の許可が不要な、家族との自由な接見と文通の権利を獲得したことである。
この三つは裁判闘争の前進と被告の防衛・奪還にとって画期的な成果である。これらを同時にかちとったことの中に、闘いの現局面の勝利性が示されている。
鈴木証人の採用と東被告の勾留執行停止をかちとる過程での検察側の卑劣な策動について暴露したい。
ビデオ撮影者がついに法廷に
鈴木証人の採否問題は一貫して重大な争点となってきた。検察側は、本来、検察側証人であるはずの鈴木法対部長を証人申請しようとしないばかりか、ビデオテープの撮影者が同部長であることも隠しとおそうとしてきた。鈴木法対部長こそが検事側立証の最弱の環なのだ。
弁護団と被告団は毎回の公判でその証人採用を強く求め、第6回公判において弁護側証人として申請した。公判のたびにあいまいな言動をして決定を下さずにきた青柳勤裁判長も、前回公判において期日外で決定する意向を明らかにせざるをえなくなり、7月30日、ついに鈴木証人の採用を決定した。
ところが、この過程で証人採用が不可避であると見た検察側は、29日になってこれまでの態度を翻し、鈴木証人を検察側証人として申請してきた。弁護団と被告団の防御活動を全面的に否定し妨害してきたのだ。こんな理不尽なことをまかり通らせてはならない。弁護側が即座に反撃した結果、弁護側の主尋問を先に行うことの確認を含めて、鈴木法対部長の証人尋問が決定されたのである。
尋問事項は、「証人の地位」「5・27臨大当日の行動」「ビデオ撮影の経過・意図・方針・状況」「任意提出に至る経過」「ビデオテープの保管状況」となった。弁護団が要求していた追及テーマの基本骨格が認められた。弁護団と被告団は鈴木証人の尋問に向けて万全の準備を進めている。
鈴木証人の尋問が行われる公判は本裁判の帰趨(きすう)を決するものになる。傍聴闘争に全力で決起しよう。
検事の勾留継続策動をうち砕く
東被告は7月に入って不眠症状の急激な進行にみまわれた。東京拘置所の医師は副作用の恐れがあるので投薬の増量はできないと言うだけで、無責任にも治療を放棄した。9カ月を超える長期勾留―独房への拘禁が病状悪化の原因であり、そこからの解放が治療の前提であることは明らかだ。
7月2日と18日の公判での東被告の表情や様子は、彼の心身の状況が厳しいものであることを傍聴したすべての人に感じさせた。弁護団と「許さない会」は、事態が限界点のぎりぎりまできており、一刻の猶予も許されないと判断し、7月23日に東被告の勾留執行停止を申請した。
これに対して青柳勤裁判長は、検察側の東京拘置所への病状照会の結果を待って、29日に勾留執行停止の決定を下した。法廷での東被告を毎回見てきた青柳裁判長にとって、それ以外の決定はありえなかった。
ところが、あらゆる意味で当然のこの決定に対し、東京地検は29日に抗告を申し立てた。「反省しない被告はずっと閉じ込めておく。そのことで心身に異常をきたしても構わない」というのだ。これが権力の本質だ。
これに対して東京高裁は8月1日、地裁の勾留執行停止の決定を支持し、検察側の抗告を棄却したのである。この過程で、「許さない会」は7月30日から3日間連続で裁判所前での宣伝活動をやりぬいた。
この問題で東京地検を代表した古田浩史検事の許しがたい言動を徹底的に弾劾しなくてはならない。第一に、本来、29日の抗告申し立てと同時に出すべき理由書の提出を意図的に遅らせたことである。それは30日の午後5時過ぎにようやく提出された。そのことで、東京高裁の決定は丸1日遅れた。
これは、地裁決定の執行を妨害することのみを目的とした違法・不当な訴訟行為であり、職権乱用以外の何ものでもない。
第二に、監獄法の規定を持ち出し、東京拘置所には医師もいるし医療施設もあるなどと言って、抗告を押し通し、東被告の勾留をさらに継続させようとしたことである。東拘の医師と医療施設の限界が東被告の病状悪化をもたらしたのだ。検察官がこうした形で被告の生命と人生をじゅうりんすることは絶対に許されない。
第三に、検察側立証が思うように進んでいないことに打撃を受け、「訴訟の進行を妨害」と言いなし、また「被害者の関係者らの傍聴を妨害」とか「誹謗(ひぼう)中傷」とかの事実無根のデマを振りまいて、東京高裁の裁判官の判断を誤らせようとしたことである。
弁護団はこうした検察官の言動から、その動揺ぶり、自信のなさを見抜き、徹底的な反論を繰り返し加えた。その結果、東京高裁は、検察側のデタラメな主張を何ひとつ認めずに、抗告を棄却した。
また検察側は、接見禁止一部解除申請に関してもそれに反対する抗告をしたが、これも棄却された。
被告全員の即時釈放へ闘おう
以上の成果は、2月3日の初公判以来10回にわたる裁判闘争を原則的に闘い、それと一体で「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」として支援の闘いと陣形を広げてきた、この間の闘いが切り開いたものである。
特に、被告たちが法廷での主張をとおして自らの闘いの正義性を全面的に明らかにする一方で、国労東京地本一部幹部と警視庁公安部の癒着・結託関係が全社会的に暴露され、この弾圧の核心と本質がそこにあることが明らかにされてきた。被告団・弁護団の正義の闘いが勢いに乗り、激しい攻防の中で東京地検との力関係の変化を確実に引き起こしているのである。
被告団・弁護団を先頭に裁判闘争の勝利が切り開かれていることに確信をもち、無罪獲得への展望を打ち固めよう。10・7の逮捕1周年を前にした今こそ、「許さない会」運動を全国各地につくりあげ、保釈要求の署名運動を繰り広げ、8被告を1日も早く奪還する闘いに総決起しよう。
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週刊『前進』(2114号2面3)
港合同が弾圧粉砕し勝利
雇用保険仮給付を「詐欺」とするデッチあげ許さず
4人逮捕、団結権否定の暴挙
中小零細企業で働く労働者の地域合同労組である大阪の全国金属機械労働組合・港合同にかけられた弾圧と、逮捕者4人の早期奪還の勝利を報告する。
7月15日早朝、大阪府警は港合同サンコー分会の4人の労働者を「詐欺」容疑で逮捕した。4人が「潟Tンコーが倒産になった後も共同で自営を行いながら、これを隠して雇用保険金をだましとった」というのである。
これは団結権を無視・否定して、事実をねじまげた許しがたいデッチあげだ。なぜなら、4人は「雇用保険の仮給付」を受けながら「自主生産」を行い、企業体の原状回復と解雇の撤回を求めて闘ってきたというのが事実だからだ。
これは戦後広く認められてきた争議権・団結権の行使そのものである。弾圧はこれを否定し、「犯罪」とするものであり、労働組合運動、とりわけ倒産争議への許しがたい攻撃である。
とりわけ港合同は30年以上、「企業あっての労働者」「倒産すれば労働組合も終わり」という「常識」を打ち破って数多くの倒産争議を闘い、勝利してきた労働組合である。その最高峰の闘いが田中機械支部の破産突破闘争であった。
今回の弾圧は、こうした闘いの積み重ねの中で打ち固めてきた成果と教訓、練り上げてきた戦略・戦術を打ち砕こうとする重大な挑戦であり、港合同の闘いの根幹に打ち下ろされた攻撃であった。
10日間の攻防の末、検察官は起訴を断念し、4人は24日に奪還された。勾留決定への弁護側準抗告を裁判所が棄却した翌日であり、勾留期限が切れる前日の釈放であった。ある者は釈放後に棄却決定を自宅で受け取った。前代未聞の出来事であり、権力の混乱ぶりを示している。警察は翌日から関係者に、押収物を返還して回った。見事な勝利をかちとったのだ。
今回の弾圧を打ち破った最大の要因は、何よりも逮捕された4人の獄中での闘いだ。4人は自らの争議に対する確信と、仲間と家族への信頼を支えに卑劣な取り調べをのりこえた。
第二の要因は、獄中闘争と一体で、サンコー分会の破産闘争を、今日までの破産争議の蓄積と成果の上に、ち密な戦略・戦術を駆使して展開してきたことである。さらには、昨年5月の関西合同労組成友印刷分会に対する同様の弾圧を粉砕した教訓と力の結集があった。これらの力が一つになって権力の弾圧を粉砕したのだ。
以下、サンコー分会の闘いの経過を追いながら、この勝利の教訓について具体的に報告したい。
サンコー分会争議の経過
潟Tンコーは、通信機器の販売・管理などを行う中小企業だが、労働組合を嫌悪する社長岩本は、昨年2月、突然自己破産を申し立て、全員(ほぼ組合員)を解雇した。解雇で発生する退職金を計上して初めて債務超過となるという偽装倒産であった。
社長岩本は、息子にやらせている同業種の有限会社「アスコム」にサンコーの取引を流し込み、そこに逃げ込む腹だったのだ。
分会は、「倒産・解雇は不当労働行為であり、原状回復を求める」として、サンコー・岩本・アスコム・管財人を相手取り、ただちに地労委申し立てを行い、雇用保険の仮給付を受けながら、職場占拠・自主生産の闘いに突入した。
この闘いを最後まで貫いたのが、逮捕された組合員たちであった。
n□雇用保険の仮給付
雇用保険には、解雇撤回闘争を闘う労働者のための仮給付制度というものが存在する。これは、「解雇の効力等に争いがある場合の措置」として、「労働者を保護する必要が大であるので」、失業手当を「仮に」給付するという制度である。このことは、厚労省職業安定局雇用保険課発行の「業務取扱要領」に明記されている。
仮給付の際には、職業安定署に、労働委員会もしくは裁判所発行の係争証明の提出と、「解雇が撤回され、バックペイ(さかのぼって支払われる賃金)が支払われたときには失業手当を返還する」と書いた確認書を提出することが条件となる。4人は、この手続きを各住所地の職安で行って仮給付を受けた。
このように雇用保険の仮給付は解雇撤回闘争を闘う労働者を保護するための制度である。アルバイトや自営、または、たとえボランティアであったとしても働いている者には支給されない。また、求職活動を受給の必須要件とする本給付とはまったく異なる制度なのである。
解雇撤回闘争において仮給付はまさに命綱である。これがあってこそ闘争に専念できる。仮給付制度とは、戦後、営々と積み上げられてきた解雇撤回闘争が生み出した労働者の権利なのだ。
n□倒産下の自主生産
倒産争議において行われる自主生産とは、倒産という非常事態の下で、労働組合が原状回復を実現できる条件をつくり出すために、従来の生産活動を維持したり、組合員の生活を支援するために行う組織的な活動である。個人の行う自営業とはまったく異なる。だから、売上金などの処理も組合財政に組み入れられ、個人の収入にはならないのである。
自主生産は、倒産争議を闘う労働者にとって死活的だが、この闘いで、雇用保険の仮給付を受けることができるかどうかは、重大な問題である。
前述の「業務取扱要領」には、たとえ倒産下にあっても「労働者がいわゆる生産管理を行っている場合は……」企業の現状回復の可能性がある、という内容が書かれている。これは、70年代の幾多の倒産争議が生み出した創意と工夫に満ちた自主生産の闘いを、行政が労働組合の正当な争議戦術として認めてきたということである。つまり、仮給付を受けながらの自主生産を行政は認めてきたのだ。
ところが労働運動および労働争議の衰退の中で、仮給付制度を利用する労働者が激減し、地域によっては職安さえこの制度を知らないという現実が拡大してきた。今回、権力はそのすき間を突いて、デッチあげを強行してきたのだ。
サンコー分会は、闘いを持続させるため自主生産を行ってきた。諸先輩の闘いに学び、破産管財人との協定を結んで組合活動の場として会社社屋を借り受け、今までの技術を活用して雇用保険の仮給付が切れても自立できる闘いをめざして闘争態勢を持続してきた。
本年4月8日、地労委の場で社長岩本・泣Aスコムらは自らの非を認めて解決金を支払い、和解が成立した。解雇撤回はならなかったが、大きな勝利であった。その直後に地裁で破産処理も終結し、潟Tンコーという企業体の消滅が確定した。
4人は職安にこれらの経過を報告し、職安は地労委に和解の事実、バックペイがないことなどを照会の上、前述の確認書に基づいて仮給付を本給付に切り替え、そのことを4人に通告した。これで仮給付の手続きはすべて完了した。
その後、4人は新経営者のもとで、従来の社屋と業務を引き継いだ新会社を立ち上げて再出発した。その矢先の弾圧であった。
敵の不当弾圧に事前に対処
詐欺という限り、だまされた被害者が存在しなければならない。しかし職安は法に基づいて適正に給付を行ってきたのであり、「だまされた」という認識も、訴えもしていない。
しかも、仮給付から本給付への切り替えも完了しているのだ。これは、仮給付を受けながらの自主生産を労働行政が完全に承認したことを意味している。つまり、弾圧の余地は最初から存在しなかったのだ。
すでに本年1月頃から、警察が取引先への聞き込みに回っているという情報がサンコー分会に入っていた。港合同は、この不当な弾圧の兆しに対して、労働行政の認識と判断を確認した。回答は「問題は一切ない」ということであった。その後、本給付への切り替えがあった。
今回の弾圧は、労働行政が適法と判断して決定し、決着済みのものを、公安警察が独断で犯罪と見なしたものであり、まさに倒産争議を闘う労働組合への弾圧以外の何ものでもなかった。しかし結局、権力は被害者をデッチあげることができず、逮捕した4人を釈放せざるをえなかったのだ。
権力は、4人を起訴に持ち込むために必死で自主生産を「自営」にすり替えようとした。破産管財人が自主生産を承認していた事実も隠して、あたかも組合員が個人として勝手に商売を継続していたかのように描きあげてきた。そして「売上を個人的に取得している」との予断で「金の流れ」を追及してきた。
権力は集団的労使関係の権利(団結権)を否定して個別的労使関係に分解し、団結権を圧殺して弾圧の対象としてきたのである。しかし、組合員が雇用保険の仮給付と組合財政からのわずかな貸付によって生活を維持しながら、労働組合としての自主生産を行ってきたという事実をつき崩すことはできなかった。
さらに権力は解決金についても賃金であるかのように言って、「金をもらったのに、なぜ雇用保険を返さなかったのか」と執拗(しつよう)に追及してきた。
しかし解決金とは、闘争のための行動費、損害金など労働組合が組織として解決のために合意した金である。賃金とは性格が異なるのだ。ところが、これを個人の賃金であるかのようにすり替えようとした。ここにも団結権破壊の狙いを見てとることができる。
警察・検察はもちろん、弾圧に加担した裁判所も厳しく糾弾されなければならない。大阪地裁は警察・検察のデッチあげをうのみにして、逮捕・勾留を認め、勾留決定への準抗告も棄却した。ところが翌朝、検察は勾留期限の満期の前に4人を釈放した。検察の手先と化した裁判所の問題性を、これほど明らかにした事実はない。
倒産・解雇が吹き荒れ、失業者が世の中にあふれている中で、労働者が団結して自分の職場と雇用を確保していく闘いが今日ほど求められている時はない。
その闘いの核心は、倒産法制に対して団結権を対置し、使用者概念の拡大闘争で解決能力を持つ使用者を引きずり出し、責任を追及することである。職場占拠・自主生産は最大の武器である。この闘いは高く社会的に評価されるべきであって、犯罪とされるいわれなど断じてない。
今回の弾圧に先立ち、全日建運輸連帯関西地区生コン支部、争団連、成友印刷分会、国労5・27臨大闘争、解同全国連寝屋川支部、全金本山労組などに対する一連の弾圧が強行されてきた。
攻撃の核心は、集団的労使関係、団結権の破壊だ。共謀罪制定策動はそのもっとも鋭い攻撃である。戦争への道と団結権破壊、治安弾圧の強化は一体だ。有事法制下で団結権の再構築こそが求められている。
今こそ闘う労組・団体が、分断と個別撃破を許さず総団結して、反撃に打って出よう。
(投稿/大阪・労働者S)
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週刊『前進』(2114号2面4)
国労5・27臨大闘争弾圧公判日程
第11回 8月27日(水)
第12回 9月17日(水)第13回 10月6日(月)
第14回 10月27日(月)第15回 11月21日(金)
第16回 12月16日(火)
※いずれも午後1時15分から、東京地裁
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週刊『前進』(2114号3面1)
8・3革共同集会 “労働運動に根を張ろう”
11月総決起へ闘う態勢 〈党の変革と飛躍〉を誓う
8月3日午後、東京・豊島公会堂に900人が結集し、革共同政治集会が開催された。高原洋三同志の基調報告を柱に、戦争と大恐慌に突き進む帝国主義を打倒し、プロレタリア革命の勝利へ向けて闘う労働者の戦闘的発言が次々と行われた。革共同の〈新たな指導方針〉のもと、自衛隊のイラク侵略出兵を絶対阻止し、11月労働者集会を最大の結集でかちとる決意と戦闘態勢を打ち固めた。
革共同の前進に危機感を深める警視庁の妨害から集会を守り抜き、かつてない高揚感と集中性に満ちて集会は大成功した。
開会にあたり司会の労働者が、「革共同は今こそ立党の原点に立ち返り、階級的労働運動の防衛と創造の闘いをもって日本革命―世界革命の大道をこじ開けよう」と呼びかけた。
初めに、北富士忍草(しぼくさ)母の会と三里塚芝山連合空港反対同盟が登壇し、ともに闘う固い血盟を誓い合った。
7月28日に亡くなった母の会の渡辺喜美江会長をしのび、参加者全員が黙とうした。母の会の天野美恵事務局長は渡辺会長の遺志を継いで闘っていく決意を述べ、「11月の米軍演習をぶっ止める」と語った。続いて大森ふじえさんと天野正子さんがあいさつした。
さらに三里塚反対同盟の各氏が発言に立った。北原鉱治事務局長が「三里塚闘争に勝利することで、日本の政治を変えていく」、鈴木幸司本部役員が「闘えば必ず勝つ」、萩原進事務局次長が「労働者階級の決起をつくり出し、労農連帯を高く押し上げる」と、三里塚闘争の勝利へ不退転の決意を述べた。
続いて連帯のあいさつを部落解放同盟全国連合会の代表が行った。全国連寝屋川弾圧を打ち破り9月東大阪市議選で阪口克己候補の必勝をかちとること、そして狭山再審闘争―部落解放闘争の前進のためにともに闘うことを呼びかけた。
革命勝利の〈新たな指導方針〉
会場の熱気が高まる中、高原洋三同志が「プロレタリア世界革命の大道を開く階級的労働運動の防衛と創造を」と題して約1時間の基調報告を行った。
高原同志は冒頭、米帝のイラク侵略戦争が示す帝国主義の危機の深さを明らかにし、今こそ帝国主義打倒―プロレタリア世界革命に向かって闘うべき時であることをきっぱりと提起し、総決起を呼びかけた。
そして、革共同はこの激動の時代を闘うための〈新たな指導方針〉を確立したこと、その核心は、@労働運動・労働組合運動を全力で実践し、労働者階級に深く広く根を張ること(学生戦線の圧倒的強化はこれと一体である)、A非合法・非公然の指導体制を堅持・発展させ、公・非の一体的指導体制の強化をかちとることであると整理し、これによって権力のどんな弾圧によっても破壊されない革命党を建設し進撃していこうと呼びかけた。
続けて高原同志は、今秋自衛隊イラク派兵阻止の決戦課題と、資本攻勢との対決をめぐる階級闘争の課題を提起した。この秋が歴史的分岐をかけた大決戦であり、10月連合大会、11月の日本共産党大会、さらに松崎・JR総連カクマルと黒田カクマルの危機を見据えて党派闘争を推し進め、今秋最大の闘いとしての11月労働者集会の成功へ、8月から決戦態勢で闘おう、全世界の労働者階級の国際連帯を大きく発展させようと呼びかけた。
率直な語り口で気迫を込めて語る高原同志の基調提起に全参加者が奮い立ち、決意を込めた大きな拍手と「異議なし」の声でこれにこたえた。
闘う女子学生の新鮮で元気なカンパ・アピールのあと、議員団から4月統一地方選の報告と決意表明が行われ、東京・杉並の結柴誠一区議、新城節子区議、北島邦彦さん、そして神奈川・相模原の西村綾子市議が力強く発言した。
デッチあげ「私文書」弾圧をはねのけて5月に出獄したM同志があいさつし、不当な有罪判決を粉砕して断固闘う決意を述べた。
治安弾圧をめぐる決戦課題として共謀罪新設阻止の訴えが行われ、革共同救対部の代表が「爆取裁判勝利・福嶋昌男同志奪還、獄中29年の星野文昭同志奪還の大闘争を」と熱烈に呼びかけた。
マルクス主義青年労働者同盟の再建へ闘う同志が登壇し、「今こそ未来を担う青年労働者の力を結集しよう」と呼びかけると、そうだという決意に満ちた大きな拍手が起こった。
労働者同志の発言に感動が
熱気が最高潮に高まる中、11月労働者集会の成功へ闘う国鉄、全逓、教労、自治労、民間の労働者が発言した。国鉄労働者は5・27臨大闘争弾圧粉砕への決起を呼びかけ、「9月国労大会は決戦だ。国労の自己解体の道を許すな。資本攻勢への一大反撃の拠点を築こう」と呼びかけた。
全逓労働者はマルクス主義・レーニン主義で職場細胞を建設する決意を述べ、「『上司の言うことを聞いているか』という自己評価とか、4日連続の深夜勤なんかふざけるんじゃない。職場労働者の怒りを結集し大きな流れにする」と語った。
教育労働者は、教基法改悪攻撃に日教組中央が屈服し「反対」の旗を降ろそうとしていることを弾劾し、日教組大会決戦に決起する決意を述べた。自治体労働者は、「自治労21世紀宣言は、自治労が労働組合であることをやめる宣言だ。自治体職場で“第2、第3の動労千葉”をつくるために闘う」と自治労決戦への決意を述べた。
民間産別の女性労働者は「子育てが終わって、気づいたら40代半ばになっていた。一念発起して理論学習に参加し、学習し、実践し、同志を増やすことを学んだ。“あの人はこの課題でオルグしよう、この人はこれだ”と考えると職場に行くのが楽しい」「女性同志の皆さん、自ら選んだ自分の人生です。党に結集して闘ってきた確信を、今こそ若い人たちを獲得する情熱に変えて、11月へ闘いましょう」と訴えた。最高のアジテーションに、参加者は心底から奮い立った。
最後に、関東「障害者」解放委員会の同志と、全学連の大山尚行委員長が今秋決戦の熱い決意を表明して集会を締めくくった。
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週刊『前進』(2114号3面2)
「21世紀宣言」採択阻止し「戦争協力拒否」の宣言を
8・26〜29自治労大会決戦アピール
8月26〜29日にパシフィコ横浜で行われる自治労第74回定期大会は、自治労と日本労働運動の今後を左右する、歴史的岐路に立つ大会である。帝国主義の危機のもと、有事法制、イラク派兵法が成立し、民営化・大リストラ、マイナス人勧・賃下げの資本攻勢、治安弾圧が激化している時、これといかに闘うのかが、すべての労働組合に問われている。
このような情勢下で自治労中央は現行綱領に代わる「自治労21世紀宣言」を打ち出した。それは、これまでの自治労の運動の立脚点となる世界観をすべて覆し、自治労運動の成果を全否定する屈服と転向の宣言である。資本・当局との闘いを蒸発させ、労働組合を、当局(政府)のパートナーとして位置づけるものだ。「21世紀宣言」はまさに、昨年の連合による「政労使合意」、そして日本経団連「奥田ビジョン」と表裏一体なのだ。
すべての自治労組合員、活動家の皆さん! 「21世紀宣言」の採択を絶対に粉砕し、自治労の決定的翼賛化、右転落を阻止しようではないか。戦争動員と一体の公務員制度改革攻撃と対決し、有事法制の完成・発動阻止、今秋イラク出兵阻止へ闘い、国鉄闘争―「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」の運動を推し進め、労働運動全体の階級的再生のために闘おう!
労働組合の原則投げ捨てるのか
「21世紀宣言」は第一に、資本主義(帝国主義)の前にひざまずき、激しい資本攻勢の前に屈服した上で、労働組合の基本原則、すなわち労働者の権利・生活のために闘うという立場を完全に投げ捨てている。
「自由・公正・連帯の社会をめざす」とは、資本主義体制の変革をめざさないことの宣言である。「宣言」は、「市場万能主義の競争原理に対抗する協力原理」なるものを打ち出している。だが、けっして市場主義や競争原理それ自体を否定・批判しない。「セーフティネット」「質の高い社会サービス」が述べられているにすぎない。だが労働者の団結と、資本攻勢に対する組織的抵抗・反撃なしに、競争原理に対抗する軸など形成すべくもない。
さらに「宣言」は、「産業構造の変化と雇用形態の多様化、市場経済のグローバル化は、すべての労働組合に運動の質的転換を迫っている」と述べ、「多様なライフスタイルが選択可能な新しい社会」「多様な働き方を確保」を打ち出している。日経連「新時代の『日本的経営』」から今日の「奥田ビジョン」に引き継がれる、終身雇用制・年功序列賃金の解体という資本攻勢の大筋を受け入れると表明しているのだ。全国各地の自治体の現場で闘われている民営化反対、委託反対の闘い、そして民間も含めた反リストラ・反首切りの闘いに対する〈切り捨て〉宣言である。
「宣言」は、さらに「参加と自己決定を原則とする新しい労使関係」を打ち出し「市民と労使の協働で、有効で信頼される政府の確立」をめざすとしている。これは、労働者の権利を売り渡す労使パートナー路線であることは明白である。
「宣言」の第二の特徴は、戦争反対の闘いを投げ捨てていることである。
奥田ビジョンと同じ安全保障論
米帝ブッシュ政権の世界戦争路線や日帝・小泉政権の有事法制、イラク攻撃支持・協力などに対する認識・言及は皆無に等しい。それどころか、「憲法の積極的平和主義」と「国連憲章」とを結びつけることで憲法第9条を否定し、「冷戦構造の残存する東アジア地域」における「総合的地域安全保障システム」の構築を唱える。「奥田ビジョン」の「東アジア自由貿易圏」=新大東亜共栄圏構想と完全に照応している。
このように、「21世紀宣言」は、自治労中央が推し進めてきた連合化・右傾化の集大成であり、連合加盟以来あいまいにしてきた路線問題に反動的決着をつけるものである。
自治労中央の世界観は「東西冷戦構造の崩壊」により「世界はグローバリゼーションの時代に入った」というものであり、アメリカを中心とする帝国主義・資本主義の賛美の上に成り立っている。「ベルリンの壁の崩壊」をスターリン主義の歴史的破産としてとらえようとせず、社会主義の終えん、資本主義の勝利ととらえている。社会主義に絶望し、資本主義を絶対的なものとする立場なのだ。
゛闘う自治労゛の再生かちとろう
加えて、本大会では、「組織拡大アクション21」という組織改革方針が提起される。それは、@定期大会の隔年化と規模の大幅な縮小、A中間年大会は04年度で終了、B組織横断的評議会(現評・青年部・女性部など)を縮小・再編する、C県本部代表者会議など、準機関会議を切り捨てる、D一方で、中央本部の機能を強化し、書記(オルグ)を2年契約で成果主義にするというものだ。7月28日の県本部代表者会議で非難が集中し、@、Aは06年まで順延するが、基本的な考え方は変わらない。
自治労内に残る総評的あり方を一掃し、連合的な翼賛的労働運動を「上から」推し進める腹づもりなのだ。
以上見たとおり、自治労中央は、自治労運動の大転換を図ろうとしている。その方向は、連合のめざす進路とまったく同一である。旧総評出身の全逓が名称変更(→解散)を決め、自治労が屈服と転向の新綱領を採択しようとしているのは、偶然ではない。日帝が生き残りをかけて構造改革路線を打ち出し、「外への侵略戦争、内への階級戦争」をしかけている時、真っ先に標的になるのは労働運動なのである。戦争への道は、労働組合丸ごとの屈服・転向から始まる。日本経団連・奥田は「労働組合は、労働者の利害を代表することをやめて、国家・企業のことを考えよ」と叫んでいる。電機連合中央を先頭に、労働組合(単産)の激しい先兵化・翼賛化が進んでいる。しかし同時に、これは多くの労働者の「組合離れ」、連合の危機をもたらさずにはおかない。
陸・海・空・港湾労組20団体は、有事法制を〈完成させない・発動させない・従わない〉闘いを多くの労働組合に呼びかけている。動労千葉は今春、90時間ストライキを打ち抜き、アメリカ・サンフランシスコの闘う労働組合との感動的な一大交流をかちとった。03年こそ、労働運動の大高揚の年にしなければならない。「21世紀宣言」採択を阻止し、自治労の転向=翼賛組合化を粉砕し、闘う自治労の再生をかちとろう!
〔革共同自治体労働者委員会〕
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週刊『前進』(2114号3面3)
マイナス人勧弾劾 平均年収で下げ幅最大
人事院は8月8日、国家公務員の月例賃金を行政職の平均で1・1%(4054円)引き下げ、一時金(期末・勤勉手当)を年間で0・25カ月分減らし4・4カ月とする勧告を、国会と内閣に提出した。2年連続の月例賃金引き下げ(俸給表の改定)であり、平均年間賃金では5年連続マイナスとなる。しかも、年間賃金は、2・6%(16万3000円)減という、過去最大の下げ幅である。
人事院は、昨年の勧告で「不利益不遡及(そきゅう)の原則」に反するとして問題となった、4月にさかのぼっての賃下げのやり方を改めたかのように言うが、実際は「4月からの官民較差分を解消する」と称して12月期の期末手当で減額調整することには変わりない。さらに、初めて住居手当を引き下げるほか、扶養手当を昨年に続き削減するなど、公務員労働者の生活を破壊するものだ。
このマイナス人勧を徹底弾劾する。これに準じて、都道府県や政令指定都市がマイナス勧告を出そうとしている。特に多くの自治体で独自の臨時的削減措置が行われている中でのマイナス勧告は断じて許されない。自治労中央などの屈服をはね返し、秋季賃金闘争を断固としてストライキで闘おう。
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週刊『前進』(2114号3面4)
■横浜大会に向けて訴える■(6)
現業の行革リストラ
現業労働運動の解体狙う
民営化・民託化を容認する自治労中央の方針を許すな
公務員労働者の団結を破壊
自治体現業の行革リストラや民託化は、国鉄分割・民営化とともに、中曽根臨調行革攻撃として本格化した。中曽根行革は、一方では戦争ができる「国と自治体」につくりかえるとともに、他方では国鉄労働運動の解体を突破口に「国と自治体」から階級的な団結体を一掃する攻撃であった。今日の戦争と大失業攻撃に向けての資本攻勢の転換点をなす攻撃である。
戦後公務員労働運動は、現業労働運動の持つ階級性と戦闘性を前提にして成立した。そしてこの公務員労働運動は総評の「階級的労働運動」を形成する核心であった。したがって現業を公務労働からはぎとり、分割・民営化したり民託化する行革攻撃は、組合の階級的団結を解体することと一体なのである。
橋本6大改革のもとで、行革リストラが本格化し、現業の仕事と職場が民間企業に売り渡されてきた。小泉構造改革の「規制緩和」のもとで、自治体現業の丸投げが推進されている。また公務員制度改革では「公務員に魂を入れる」(福田官房長官)として国に奉仕を要求している。
現業では、人員削減とともに、「市民サービスに徹する」ことを口実にした勤務延長、職場兼務、賃下げを強行し、現業労働者を職場から追い出そうとしている。また「職場がなくなるのがいやなら合理化を提案しろ」と、労働強化を強制している。
特に01年9・11以降の階級情勢の転換のもとで、当局は資本の競争原理を至上として職場支配を強めている。資格や能力、コンピューターや機械管理を優先し、現業労働者の持つ経験や蓄積を放逐しようとしている。さらに臨職・パート・委託など不安定雇用職員の増大、非現業行政職との別表給与表による賃金差別の固定化などは、かつての雇傭(こよう)員化であり、「日雇い」化である。
公務員制度改革の柱である能力給導入は、現業労働者への差別を固定化するものである。また評価制度から現業を除外し、採点不要の賃金水準に落とし込め、もって民間パートや派遣労働者に置き換えていく攻撃である。
清掃・学校給食をめぐる攻防
現業の典型的職場である清掃(環境)と学校給食は、激しい攻防にさらされている。
清掃事業は、廃棄物は家庭内処理が前提で、し尿を農協がリヤカーでおけに入れて引いていた時代から始まっている。これを行政責任として、事業の直営化を実現したのは、自治体現業統一闘争であった。美濃部都政下で清掃車やバキュームカーが都庁を包囲し、この中で清掃事業を直営化させ、大量の清掃職員の都採用をかちとってきたのである。この清掃事業が今や資本のえじきになろうとしている。
資本はごみの最終処理の責任などまったく考えていない。ダイオキシン問題も、焼却炉の基準値が問題なのではない。ダイオキシンを発生させる生産が問題なのである。だから利潤追求から切り離して、行政が責任を持ったのである。分別リサイクルで労働者家族がごみ出し作業に協力するのは資本の利潤のためではない。
ところが民営化は、清掃事業を資本の利潤追求の場に変える。資本は工場に1千億円単位の焼却装置を設置し、集中管理とノウハウを独占している。し尿処理も下水道事業に移管し、河川領域に大型設備を設置し、負担を地域住民に強いている。ここでは土木事業に資本が参入する。民営化と職員削減は、現業労働者の社会的責任をも押しつぶしていくのである。
学校給食は、貧困の中で労働者家族が平等に昼食を得られるように闘いとってきた経緯がある。学校給食は教育の一環である。人間的な作業をもって「食」と向かい合う機会を児童や生徒とつくりだすことが、給食労働者の誇りであり、仕事なのだ。
ところが資本は、労働者の子どもの「食」まで資本のえじきにする。親子方式、センター方式、民間との複合方式、公設民営化方式、全面民営化センター方式などだ。職場では、高齢化を放置し、臨職を導入し、調理・配膳運搬・食器洗浄などを機械化し、作業工程を極度に合理化している。
今や現場は労務災害の危険と隣り合わせである。清掃事業とともに、リフトや運搬での死亡事故が起きている。「指曲がり症」が職業病として公務災害認定をめぐって争われている。
さらに土木作業員、学校用務員、守衛、施設管理人など現場で公務を支え続けた現業労働者が投げ出されようとしている。この攻撃は等しく臨職・パート、委託労働者にも襲いかかっているのである。この狙いは、現業労働運動の解体をとおして自治体労働運動を解体することだ。もって公務員を国家権力機関として官吏化することである。
現業を資本に売り渡す本部
自治労中央は、議会に対して制度・政策要求として予算と人員を要求するだけで、人員削減に反対し、統廃合、委託、安全性について闘う方針すら出していない。元凶は「組合員は職場のリーダーとなって、職種職域を確保し、拡大しよう」とする自治労の転換にある。94年の定期大会で採択した「現業活性化方針」がそれである。これはすべて当局に逆手にとられて、現業職場を「働こう運動」に変えてしまった。その結果、自治労運動の戦闘主力たる現業職場を当局に売り渡し、資本のえじきに供するに至ったのである。
その集大成こそ、今度の8月自治労横浜大会で提案される組織拡大方針(組織拡大アクション21)である。ここでは現業評議会を縮小・廃止する方針が打ち出されている。公務員現業労働者の切り捨てを容認した上で、委託労働者を組織化しようというのだ。今や自治労の幹部は公然と「現業はなくなる」と言い放っているのだ。「現業活性化方針」の総括とともに、自治労中央の現業切り捨てへの屈服を許さず、「組織拡大アクション21」を断固として粉砕しよう!
(自治体労働者 坂井 優)
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週刊『前進』(2114号4面1)
8・6−8・9統一実行委 原水禁運動こえる新たなうねり
被曝地からイラク派兵阻止へ
被爆58周年の熱い夏、広島・長崎では、米帝ブッシュによるアフガニスタン・イラクでの侵略戦争と核兵器=劣化ウラン弾投下に怒りを募らせた被爆者が、有事法制とイラク派兵法を引っ下げて平和祈念式典に来た小泉首相に抑えがたい怒りをぶつけた。この被爆地の怒りと固く連帯し、8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会は、8・5ヒロシマ反戦反核の集いから6日早朝の式典弾劾デモ、午前の核廃絶・被爆者解放・小泉来広糾弾集会を開き、8・6ヒロシマ大行動に合流した。8日には長崎市内デモ、長崎反戦集会、そして9日爆心地デモを闘いぬいた。原水禁運動をのりこえる新たな反戦反核闘争のうねりが今秋決戦の展望を開いた。
8・6広島 被青同先頭に小泉糾弾
“有事法は断じて許さぬ”
被爆58周年となる8月6日早朝、広島市中区の平和記念公園で開催された平和祈念式典への小泉首相の出席に対して、全国被爆者青年同盟を先頭に怒りの糾弾デモが闘われた。
式典開始の約1時間前の午前7時過ぎ、東千田公園に約150人が結集した。反戦被爆者の会の大槻泰生会長は「58年前の被爆が昨日のようだ。小泉は自衛隊を戦場のイラクに派兵しようとしている。ヒロシマ・ナガサキを再現する侵略戦争への道を許してはならない」と切々と訴えた。被青同の中島健委員長は「闘うイラク人民と連帯して、被青同は闘いぬく」とイラク派兵阻止の決意を示した。動労千葉の滝口誠さんが動労千葉の戦争拒否宣言や訪米を報告、「米国や韓国の労働者の闘いと連帯・共同する闘いをつくろう」と呼びかけた。最後に全学連の井上亮副委員長が「全学連は内乱的闘いの先頭で闘う」と決意表明した。
被青同を先頭に平和公園に向かってデモに出発した。電車通りを北上、中国電力の本社前では、上関原発の建設阻止などを訴えて座り込む労働者とエールを交換、平和公園に接近した。原爆投下時刻の午前8時15分、平和公園の対岸をデモが進んだ。戦争法を次々と強行する小泉が平和祈念式典になんの用があるのか。怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。
最後に被青同が原爆ドーム前で「小泉に来広の資格はない。平和公園を靖国神社にしようとしている」と弾劾し、米帝が「核の使用に踏み込もうとしている」と核戦争の危機を訴え、今後の闘いを誓った。
被爆体験語り反戦反核誓う
6日午前、「核廃絶・被爆者解放・小泉来広糾弾集会」が広島市中区のアステールプラザで行われた。被爆者が自らの被爆体験を語り、二度と侵略戦争を許さない決意を誓った。
反戦被爆者の会に続き、解同全国連広島支部の三浦茂文支部長が「爆心地から1800bで被爆した。『水をくれ』と大勢が水を求めて死んでいった」と語り、「有事法とイラク派兵法で日本は戦争に参加できるようになった。58年前と同じ体制に戻ったのではないか」と警鐘を鳴らした。
また在日朝鮮人被爆者が「8歳の時に被爆した。被爆で人生が変わった。原爆が憎い。被爆者は高齢化し、死んだらヒロシマが風化してしまう。若い人に引き継いで」と訴えた。
ビキニ被爆の大石さん訴え「反核の集い」
5日夕、広島市中区のアステールプラザで「ヒロシマ反戦反核の集い」が行われた。「8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会」の主催で約100人が参加した。
1954年のビキニ環礁での水爆実験で被爆した第五福竜丸元乗組員の大石又七さんが講演した。「当時は、プレスコードで広島・長崎の被爆についての知識もなかった。大きな光、地鳴り、雲……何か分からなかった。真っ白な灰を全身にかぶり、広島の爆心地から800bに匹敵する放射線量を被爆した」と生々しく当時の様子を語り、「23人の仲間の半数以上が、肝障害や癌など共通する病気で亡くなった。しかし政府は被爆者として認めず事件後9カ月で政治決着し、被爆者を抹殺した」と強い怒りを表し、核兵器が再び使われかねない状況の中で、死んでいった仲間のためにも当事者が訴えねばと、証言を始めた心情を語った。
続いて京都大学原子炉実験所の小出裕章さんが「朝鮮民主主義人民共和国に原爆は作れない」と題して講演。「北朝鮮にはウラン濃縮やプルトニウムを抽出する能力はない。日本の原発の百分の1くらいの実験用の原子炉がひとつあるだけ。もし仮にプルトニウムを抽出できるとしても米国の10万分の1の量にもならない。逆に日本はすでに何十メガトンという単位の原爆が作れるプルトニウムを持っている」と具体的な数字を指摘し、日米帝の「北朝鮮の核の脅威」のデマを完全に暴露し、排外主義を痛烈に批判した。
続いて6日のヒロシマ大行動に参加するために来日した米反戦団体のANSWERの代表が50万人の反戦デモを組織した経験を語り「今後の課題はイラク占領をやめさせること。10月25日にワシントンと全米各地で抗議デモを行う」とアピールした。最後に全国統一実中央事務局長の三角忠さんが「反戦反核闘争を内容的に深めることができた。被爆者の怒りを先頭に侵略戦争を許さない反戦反核闘争を」と訴えた。
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週刊『前進』(2114号4面2)
ヒロシマ大行動集会アピール
イラク派兵阻止!
有事法の発動を阻む大運動を!
世界の民衆と連帯し、反戦・反核の国際的うねりをつくろう!
私たちは、58周年を迎えた本日8月6日、「戦争をくり返すな! 戦争をとめよう!」の熱い思いをもって、ここヒロシマに結集しました。中国・南京市、韓国・大邱市からの訪問団、アメリカANSWER連合の皆さん、沖縄をはじめ全国の仲間と共に、「8・6ヒロシマ大行動」の成功を確認し、ヒロシマからのアピールを発します。
米英軍のイラク戦争は、イラク全土を無差別爆撃と劣化ウラン弾の放射能汚染で蹂躙(じゅうりん)した残虐な侵略戦争です。一部の石油資本や軍需産業の利益のために、再びヒロシマ・ナガサキが強行されたのです。そして今、「復興」の名のもとに軍事占領し、殺りくをくりかえしており、断じて許すことはできません。
核兵器開発の再開やミサイル防衛構想を進め、核兵器使用を公言する米ブッシュ政権の戦争をとめることができるのは、イラク、パレスチナなど抑圧とたたかう民衆であり、これと連帯した私たち労働者市民の力です。国際的戦争反対のたたかいを力強く拡大しましょう!
私たちは、今一度「ヒロシマ・ナガサキ」の教訓を思いおこそうではありませんか。かつて、天皇・軍部・政府による戦争をとめることが出来なかったがために、朝鮮・中国・アジアへの侵略を許してしまい、植民地支配と侵略戦争によって幾千万といわれるアジアの人々を殺りくし、あげくの果てにアメリカの原爆投下によって私たちも殺されるという結果を招いたのです。
今度こそ、朝鮮半島・アジアに対する侵略戦争を阻止しなければなりません。「国益」「国際貢献」などと、うす汚れたかけ声の下で進められている小泉政権の戦争動員を私たちはきっぱりと拒否します。教育を再び戦争の道具にしてはなりません。教育基本法・憲法改悪反対の大運動をまきおこしましょう。歴史歪曲と戦争賛美の「つくる会」教科書の採択を被爆地ヒロシマはなんとしても阻止します。朝鮮民主主義人民共和国、在日朝鮮人への排外主義の嵐を許さず、広島県教職員組合への発砲事件など反動攻撃にいささかもひるむことなく前進します。有事法の発動、イラク派兵を阻止する大きな運動をつくるために、全力で奮闘しようではありませんか。
2003年8月6日
被爆58周年 再び戦争をくり返すな!「8・6ヒロシマ大行動」参加者一同
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週刊『前進』(2114号4面3)
8・5ヒロシマピースフェスタ 若者が反戦叫び
「ぼくらは戦場には行かない。ぼくらは侵略の銃はもたない。国境を越えてしっかりと手をにぎり平和な世界を築くその日まで、行動しよう」(8・5アピール)
5日午後、「8・5ヒロシマピースフェスタ」が平和文化祭実行委員会とヒロシマストリートアクションの共催で開かれ、若者たち230人が集まった。メッセージをこめたライブが行われ、イラク、韓国、アメリカからゲストが参加してアピール、国際連帯が広がった。集会前のピースパレードを含め、若者たちの巨大なエネルギーが結実した企画だった。
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週刊『前進』(2114号4面4)
広島 「つくる会」教科書阻む
8月12日午前、広島県教育委員会は「来年度新設の広島県立中高一貫校(東広島市)での教科書として扶桑社版教科書は採択しない」と発表した。
「つくる会」教科書採択阻止の激しい攻防が全国で闘われた2年前、東京都・愛媛県の一部を除いて採択は阻止された。今回、ヒロシマの教育破壊を狙う県教委は、教育労働者、教組への弾圧とともに「つくる会」教科書の採択を策動。しかし、歴史を歪曲し、侵略戦争を美化する「つくる会」教科書をヒロシマの怒りが断固阻止したのだ。
教育委員会には、「つくる会」教科書採択反対の申し入れが集中、「8・6ヒロシマ大行動」でも重要なテーマとして取り上げられ、デモ行進の途中に韓国、沖縄の代表も含む代表団が教育委員会への申し入れを行った。
8月8日の教育委員会で採択決定かという事態に大統一戦線が形成された。7日には教育委員会に3万4千筆の署名が提出された。同日夕、県庁前広場で300人が結集する緊急行動が開催された。韓国大邱からの代表団は、広島での「つくる会」教科書採択は全アジアの問題だと発言。県教育委員会を包囲したデモ隊は「採択反対!」の声を上げた。
8日の教育委員会は教科書採択についての審議は非公開とし傍聴者を排除。採択の権限は常盤教育長に一任するという暴挙に出た。この日の交渉に孫を連れて参加した婦人は「核兵器を容認する教科書をこの孫に使わせるわけにはいきません!」と声を震わせた。
百万人署名運動などに結集する被爆2世たちが「ハンスト突入宣言」を発し、12日正午から原爆ドーム前でハンストを構えた。
このように、連日にわたる教育委員会をめぐる攻防と、被爆地ヒロシマは絶対に「つくる会」教科書の採択を許さないとの気迫が、ついに反動常盤教育長を採択断念に追い込んだのだ。
(投稿/広島J)
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週刊『前進』(2114号4面5)
8・8長崎 ANSWER連合迎え 国際連帯貫く反戦集会
被爆58周年の8・8〜9長崎反戦闘争は、世界戦争情勢と対決し、日帝・小泉政権の戦争突撃を粉砕する反戦反核闘争の新たな地平を切り開いた。統一実行委員会主催の被爆58周年8・8長崎反戦集会は、午後5時30分から長崎県勤労福祉会館大ホールで行われ、170人が参加した。
主催者を代表し、ス労自主の入江史郎委員長が、「これまでの反戦闘争を質・量ともに一変させる闘いをこの場から築こう」とあいさつした。
元長崎市長の本島等さんが講演した。本島さんは「反核運動は核兵器の悲惨さを伝えるだけではなく、何よりも日本の戦争と核武装に対決するものでなくてはならない」と提起した。
続いて、反戦共同行動・福岡代表の石崎昭哲さん、部落解放同盟全国連合会の村上久義副委員長が連帯のあいさつを行った。石崎さんは「反戦共同行動・福岡は帝国主義と対決する闘いを先頭で切り開き、戦争を止める展望を世界の民衆に示したい」と決意を語った。村上さんは「寝屋川支部への弾圧は不当解雇された部落民労働者が会社にかけあったことで恐喝罪に問われた。これは部落差別の攻撃だ」と弾劾した。
動労千葉特別執行委員の後藤俊哉さんと国労佐世保地区闘争団の高田末博さんが闘いの現場から訴えた。後藤さんは「動労千葉の72時間ストは労働者の闘いこそが戦争を止める力であることを示し、アメリカ労働者との具体的な連帯を開いた」、高田さんは「『国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会』をあらゆる職場に広げよう」と述べた。
基調提起は福岡県労組交流センターが行った。「イラク侵略戦争は、世界戦争過程への突入であると同時に国際的内乱の開始でもある」として、今日の反戦闘争の課題を6点にわたって明らかにした。@帝国主義を打倒する反戦反核闘争、A反戦・反軍闘争の飛躍、B自国帝国主義と闘うことを基礎にした真の国際連帯、C「内に向かっての階級戦争」との全面対決、D労働者階級の圧倒的な決起、E原水禁運動をのりこえる革命的反戦闘争を創造の6点だ。そして、「今秋自衛隊のイラク派兵阻止闘争の歴史的爆発をかちとり、反戦反核闘争の大飛躍を」と熱烈に訴えた。
続いて、国労5・27臨大闘争弾圧被告の松崎博己さん、羽廣憲さんのメッセージが紹介された。
沖韓民衆連帯の都裕史(トユサ)さんが報告を行った。在日朝鮮人2世である都さんは「昨年の駐韓米軍による女子中学生れき殺は偶発的な事故ではなく、必然的な殺人事件だ。米兵は車両の衝突よりも韓国人をひき殺す方を選択したのだ」と弾劾し、「韓国人民は『もう我慢できない。われわれを苦しめ、朝鮮半島に戦争をもたらそうとしている元凶は米国だ』と立ち上がっている」と報告。
圧倒的な拍手に迎えられ米反戦団体ANSWERの代表2人が登壇。スー・ハリスさんは「イラク人民のレジスタンスは『イラク解放』なる虚構を暴いている。米兵の抵抗もイラク占領の障害になっている。フォートスチュアート基地では、米兵の母親や妻が『息子、夫を帰せ』と立ち上がっている」と報告した。ジャネット・メイズさんは、「ベトナム反戦闘争には何年もかかったが、9・11以降の戦争に反対する人民を街頭に連れ出すのには数週間しかかからなかった」と述べ、米軍をイラクから撤退させようと訴えた。
さらに反戦自衛官の小多基実夫さんが「自衛隊がどうなるかは人民の闘いと世論次第だ。自衛隊の中に反戦運動をつくり、力勝負で戦争を止めよう」と反軍闘争への決起を訴えた。そして長崎被爆者青年同盟が「労働者階級と被抑圧民族の闘いだけが核戦争を阻止し、核兵器を廃絶するただひとつの道である。われわれは11月イラク派兵を命がけで阻止する」と高らかに長崎アピールを発した。
統一実行委を代表して三角忠さんが「明日の爆心地デモから11月イラク派兵阻止へ猛然と決起しよう」とまとめの提起を行った。
8日午後3時、統一実行委員会は賑町中央公園から浜の町アーケードを通り抜けて長崎の中心街をデモし、夕方からの長崎反戦集会への参加を呼びかけた。
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週刊『前進』(2114号4面6)
爆心地へデモに立つ 8・9 小泉の式典出席弾劾
8月9日午前、統一実行委員会は、小泉の原爆祈念記念式典出席を弾劾する集会とデモに立った。デモは浦上天主堂下の天主公園を出発し、原爆祈念式典が行われている長崎平和公園の東側を沿って進み、爆心地の松山公園から電車通りを南下した。
松山公園の横では「二度と広島、長崎を繰り返さないぞ」「小泉の来崎、式典出席を許さないぞ!」と怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。これに労働者が手を振ってこたえ、バスを待つ高齢の女性が何度も丁寧にお辞儀した。
デモに先立つ集会では、部落解放同盟全国連合会の青年が「戦争と差別の激化と対決し、来年大学を卒業しても部落民労働者として闘う」と元気に発言。基調提起では、「イラク人民の民族解放・革命戦争が米英日帝を追いつめている。11月のイラク派兵阻止決戦と労働者集会に向かって全力で闘おう」と訴えた。関西合同労組、新潟県労組交流センター、富山大の学生、渋谷のワールドアクションの若い女性、長崎県労組交流センター、九州大学学生自治会が決意表明した。
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週刊『前進』(2114号4面7)
7月30日〜8月12日
防衛白書、MD整備を強調
米が対北朝攻撃の新計画
●日本、対北攻撃選択肢を米に要求 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が米国に要求している不可侵の保証に関し、日本政府が米政府に、北朝鮮に対する軍事力行使の選択肢を堅持するよう外交ルートを通じて求めていたことが分かった。(30日)
●那覇軍港移設、位置と形状決定 日米合同委員会は米軍那覇軍港の浦添移設について、位置と形状を逆L字型とすることを正式合意した。新軍港は牧港補給地区(キャンプ・キンザー)の北側に位置し、面積は35・3f、岸壁は1900bとなる見通し。(30日)
●「非戦闘地域の線引き不可能」 イラクの駐留米軍のサンチェス司令官は「イラクを戦闘地域と安定支援地域(非戦闘地域)に分けることはできない。テロリストはどこであれ攻撃を仕掛けてくる」と語り、イラク全土を戦闘地域と非戦闘地域に線引きできないとの見方を示した。福田官房長官は「わが国の非戦闘地域は、武力行使をしないという意味の憲法的な考え方。米軍が考えている戦闘地域とは、概念が違う」と述べた。(31日)
●米が対北朝鮮の新軍事作戦計画 ブッシュ政権が北朝鮮に対する新しい軍事作戦計画の策定を進めていることが、米誌の報道で明らかになった。「作戦計画5030」と呼ばれ、@RC135偵察機を飛ばすことで北朝鮮軍に航空機を緊急発進させ、ジェット燃料を消費させるA米軍が突然演習を行って北朝鮮軍を地下壕(ちかごう)に追い込み、食糧や水を消費させるB金融ネットワークを混乱させる――など戦争前に北朝鮮軍の資源を消費させ、北朝鮮の内部崩壊を促す計画も含まれている。(31日)
●派兵恒久法の策定始まる 政府は自衛隊の海外派兵について、国連平和維持活動(PKO)協力法に代わる一般法(恒久法)の策定に向け内閣官房に作業チームを設置し、本格的な検討に入った。法案提出は早くとも再来年の通常国会になるという。(1日)
●対テロで5〜6千人の専門部隊 防衛庁はテロ・ゲリラ攻撃への対処やPKOなどへの対応を抜本的に強化するため、両業務を専門に担当する部隊などで構成する「中央機動集団」(仮称)を陸上自衛隊内に創設する方向で具体的な検討に入った。機動集団は定員5千〜6千人規模とし、防衛庁長官の直轄とする。陸自の編成を改革し、06年にも発足させる見通しという。(3日)
●米海軍が佐世保に新遠征攻撃隊 米海軍が長崎県・佐世保基地に配備している強襲揚陸部隊に、巡航ミサイル「トマホーク」搭載のイージス艦などを加え、「遠征攻撃群」を新設する計画を進めていることが分かった。上陸作戦を担う同部隊にミサイル攻撃能力を持たせ、海兵隊の即応性・機動性を高めた新しい艦隊編成。(4日)
●防衛白書 石破防衛庁長官は閣議で、03年度版「防衛白書」を報告した。テロや弾道ミサイルなど「複雑かつ多様な脅威」が常態化していると指摘、ミサイル防衛(MD)整備の必要性を強調している。自衛隊の海外派兵については「若葉マークを卒業する時期に来た」として、海外で活動できる自衛隊をめざす姿勢を打ち出している。(5日)
●広島・長崎、被爆から58年 広島・長崎は、45年の被爆から58年目を迎えた。それぞれの平和祈念式典に小泉首相が出席した。(6、9日)
●核開発「証拠」、01年に否定的見解 米紙ワシントン・ポストは、米エネルギー省の専門家たちが01年の段階で、イラクのフセイン政権が入手しようとしていた強化アルミニウム管はウラン濃縮のための遠心分離機の組み立てには適さないとの結論を下していた、と報じた。ブッシュ政権がイラクの核開発の証拠のひとつとしていた。(10日)
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週刊『前進』(2114号5面1)
動労千葉訪米報告
闘う路線が連帯開く 日米貫く反戦・反民営化闘争
7月31日夜、東京都内で動労千葉を支援する会の主催で動労千葉の訪米報告集会が開催され、約100人の労働者人民が集まった。立って聞く人が出るほどの盛況となった。
翌8月1日夜には、動労千葉がDC会館で訪米報告集会を開き、100人の組合員が参加した。
両集会とも最初に、訪問の様子を撮ったビデオを上映し、動労千葉を代表してアメリカを訪問した川崎昌浩執行委員が解説した。
川崎さんは、国鉄分割・民営化を素材にした映画「人らしく生きよう」の英語版を上映した際のエピソードを紹介した。
上映後、分割・民営化の過程で国労組合員を中心に200人以上の自殺者が出た点について、アメリカの労働者は「なぜ自殺するのか分からない。組合は何をやっていたんだ」と鋭い質問を発した。川崎さんは「動労千葉は闘ったがゆえに一人の自殺者も出していない」と答えた。そして、国鉄分割・民営化に対して唯一ストライキで闘った動労千葉が多くの被解雇者を出しながらも意気軒高と闘いぬいていることを明らかにし、それに比べて分割・民営化に対して闘う方針を一貫して提起できなかった国労の屈服路線の問題性を批判した。
さらに、決議を要請したその日のうちに国労5・27臨大闘争弾圧弾劾など三つの決議がサンフランシスコ労働者評議会で上がったことを強調した。
続いて、川崎さんに同行した動労千葉を支援する会の労働者がアメリカ労働運動の状況を報告した。
アメリカでは新たな民営化攻撃の嵐(あらし)が吹き荒れている。9・11以後つくられた国土安全保障省の17万人、国防総省の70万人を含む計180万人の連邦職員の内、約半数の85万人の首切りを行うという大規模な民営化攻撃が始まっている。80年代の民営化攻撃をも上回る徹底的な攻撃だ。これに対してAFGE(米国公務員連合)という60万人の労働組合が反対闘争を闘っている。
サンフランシスコの労働者たちは、この攻撃と闘うために、日本で分割・民営化に唯一ストライキで徹底的に闘った動労千葉との連帯に自らの生きる道を見いだした。
日本でも、新たな民営化攻撃がJRの第二の分割・民営化攻撃、NTTへの攻撃を突破口に、自治労、教労、全逓に対して仕掛けられている。だが、官公部門の労働組合はまったく危機感をもたないばかりか裏切りさえ策している。
4月7日、ILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル10の労働者がオークランド港で闘った。アメリカの海運会社APLがイラク南部のウムカスル港の権益を入手し、そこへ軍事物資を輸送しようとしていたことに反対する闘いだ。闘うイラク人民との連帯をかけた決起だった。30数人逮捕、18人起訴という大弾圧にも屈せず、4月12日に再度デモを行い、ピケットを張り、攻撃を跳ね返した。
3月のイラク反戦90時間ストライキで600本もの列車を止めた動労千葉のような労働組合は全世界に存在しない。動労千葉は国際的に高く評価されている。
サンフランシスコでの集会後の懇談会でJR総連のことが話題になった。川崎さんが「JR総連は国鉄分割・民営化に賛成・協力した」と暴露すると、アメリカの労働者たちは一瞬にしてJR総連の裏切りを理解した。
アメリカの新たな民営化攻撃についての報告は衝撃的だった。オークランドの闘いの報告にはひときわ大きな拍手が起こった。
訪米からつかみとられた教訓は、民営化攻撃にいかなる立場をとるかは労働運動にとってリトマス試験紙だということだ。民営化反対を掲げた闘いがアメリカ、イギリス、韓国など、全世界で始まっている。JR総連カクマルなど今や歴史のくずかごに投げ捨てられるべき存在だ。
支援する会の集会では、動労千葉の中村栄一書記長が「動労千葉が何十年も原則を守り抜いてきたことが花開いた。国労5・27臨大闘争弾圧を始めとする弾圧を許さない。今回は動労千葉の代表が訪問したが、これは皆さんの代表です。これを糧にぜひ11月労働者集会に総結集を」と熱烈に訴えた。動労千葉の集会では、田中康宏委員長が「ついに闘いが日の目を見るときが来た。訪米の成果を組織拡大につなげ、平成採獲得の組織拡大を」と自信に満ちた総括を提起した。
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週刊『前進』(2114号5面2)
東大阪市議選 さかぐち氏必勝へ 事務所開きに260人結集
8月3日、東大阪市荒本で、阪口克己氏(部落解放同盟全国連合会荒本支部書記長)の東大阪市議選(9月21日投票)必勝を期して「さかぐち克己事務所びらき」が行われた。
事務所びらきには、全力決起した荒本支部を始め、東大阪国保と健康を守る会(国健会)、反戦・反核、平和と暮らしをまもる東大阪市民の会(市民の会)、泉佐野の国賀祥司市議、高槻の小西弘泰市議、森田充二市議ら闘う議員、関西各地の闘う仲間ら260人が総結集した。
かつてない規模でかちとられた事務所開きは文字どおり「選挙戦の本番決戦」への突入集会となった。
荒本支部の村上周成支部長は「村の代表としてさかぐち克己をなんとしても勝利させる。法律のない時代に『部落差別は許さない』立場を貫き、村の生活と権利を守る議員が絶対に必要だ」と部落解放運動の立場から訴えた。
市民の会の辻岡豊さんは「戦争に向かう小泉政権を許すな。私たちは侵略戦争の歴史を忘れてはならない。瀬川議員に続き、反戦・反核の立場を貫く議席を守ろう」と訴えた。国健会の林明男さんは「介護保険料減免の集団申請と対市交渉で大きな成果をかちとった。さかぐち克己は口先だけのほかの議員とは違う。さかぐち克己は市民の声を大事にし、行動する候補だ。みんなの団結で絶対に勝利させよう」と訴えた。
解同全国連の中田潔書記長は「事務所は住民の生活を守る拠点として開設した。今日をもって選挙戦の本番に突入しよう」と「選挙戦の本番突入」の檄(げき)を発した。
万雷の拍手の中、さかぐち克己氏が登壇。さかぐち氏は「全市を駆け巡って高齢者や失業者、労働者の声を聞いてきました。小泉の戦争政治の矛盾のすべてが大政党のなれあい政治の中で、この人びとに押し付けられている。どこへ行っても『一体どう生活していけばいいのか』といううめき声であふれています。金持ちを優遇するために弱者が搾り取られている。こんなおかしな政治は変えなければなりません。皆さんの代表として議会で大暴れしたい。どんなことをしても勝ちます」と、市議選必勝の決意を明らかにした。
いよいよ市議選決戦が大詰めを迎えている。解同全国連と行動を開始した東大阪市民と固く連帯し、総決起しよう。
対市交渉に180人 市が減免基準見直し約束
7月30日、東大阪市民180人の決起で介護保険料の減免を東大阪市に求める集団申請が行われ、併せて東大阪市の介護保険室との交渉が市役所大会議室でかちとられた。
7月半ば以降、年金支給額の引き下げ通知と、雇用保険料の引き上げ通知が郵便で各家庭に届き始めるや、市役所には抗議の声が殺到している。ぎりぎりの生活をしている高齢者にとって二重のダメージだ。7月18日以降に開催された相談会には参加者が激増している。この日の大結集は、日帝の高齢者切り捨て攻撃に対する怒りの爆発だった。
「介護保険の減免で窓口に行くと、びた一文でも収入が超えたら減免の対象にならないという冷たい対応だった。腹が立って申請用紙も受け取らずに帰ってきた」「生活保護のことで相談に行ったが、冷たい対応だった。ときどき自殺しようかと思う」と、参加者は口々に怒りの声を上げた。
さかぐち克己氏は、この1カ月間、市内全域で精力的に取り組んだ相談会でつかんだ市民の悲痛な叫びをもとに市の姿勢を徹底追及し、市の介護保険室長を謝罪させ、「今後、高齢者の生活を十分に配慮して対応をしていく」「減免基準を見直す」と約束させた。「住民の行動パワーで市政を変える! 団結すれば、権利は守れる。団結すれば市政を変えることができる」――その現実可能性をつかんだ決定的勝利だ。
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週刊『前進』(2114号5面3)
渡辺喜美江北富士忍草母の会会長の逝去を悼む
入会地奪還の闘いの体現者 全国の闘う人民の導きの星
革命的共産主義者同盟
北富士忍草(しぼくさ)母の会会長・渡辺喜美江さんが7月28日午前9時42分、入院先の病院で腎不全のため逝去されました。享年97歳でした。革命的共産主義者同盟は、北富士闘争の最先頭で終始一貫して闘いぬいた渡辺喜美江さんの逝去に対し衷心から哀悼の意を表します。
渡辺喜美江会長は、梨ケ原入会地奪還・北富士演習場撤去の闘いの体現者であり、反戦・反基地闘争の最強の闘士でした。北富士だけではなく、全国の反戦・反基地闘争、闘う人民の導きの星でした。全国の闘う人びとから「会長さん」と慕われ、その不屈に闘う姿に多くの人びとが勇気づけられてきました。このかけがえのない渡辺さんを失った悲しみはあまりにも深く、無念でなりません。
われわれは、最後まで闘いを貫いた渡辺さんの遺志にこたえるためにも、この限りない悲しみをのりこえ、闘いの勝利のために全身全霊をかけて闘うことを誓います。とりわけ、さらなる決意を明らかにして闘う梨ケ原国有入会地守る会、北富士忍草母の会との絆(きずな)をさらに打ち固め、最後の勝利まで全力で闘います。
渡辺さんは1906年6月25日忍草に生まれ、忍草に育ちました。1960年7月の北富士忍草母の会結成とともに会長に就任し、以来会長を全うしました。渡辺さんの後半生は北富士闘争そのものであり、闘って闘って闘いぬいた半生でした。
北富士闘争は、忍草農民にとって生活の8割を依存してきたかけがえのない入会地を米軍・自衛隊から取り戻すために、日帝、米軍、自衛隊と対決して闘いぬいてきた世界に比類のない農民闘争の金字塔です。
渡辺会長の初陣は、ベトナム戦争が激化する1965年のリトルジョン(原子砲弾搭載可能なロケット砲)射撃演習阻止闘争でした。母の会が着弾地に座り込み、そのわきに東富士から発射されたコンクリートの模擬弾が大穴をあけるという、死を賭(と)した闘いでした。演習場のど真ん中に建てた第1の小屋の座り込み闘争は、闘うベトナム人民と連帯し、3年3カ月米軍演習を阻止しました。渡辺さんはこうした闘いを指導し、北富士闘争の基礎を築いたのです。
白装束に身をまとった渡辺さんが櫓(やぐら)の上でガソリンをかぶって決死の覚悟で挑んだ第9の小屋の闘い。自衛隊廠舎(しょうしゃ)の真ん前に11年余り座り込み、VOM(母の声放送)で自衛隊・米軍の入会地無断使用を弾劾した第15の小屋の闘い。機動隊、県職員など3千人と対決した桧丸尾(ひのきまるび)決戦。闘いに次ぐ闘い、激戦に次ぐ激戦でした。その中でも渡辺さんの人柄、生きざまを最もよく示す闘いは、1968年の徹甲弾試射反対闘争でした。真夜中にトラックに座り込み小屋を載せて演習場に突入した渡辺さんは、自衛隊の実力排除と一晩中対決し、夜明けには衣類はぼろぼろに引き裂かれていました。そして、銃を突きつける自衛隊と対峙し座り込み続けました。まさに阿修羅(あしゅら)となった奮闘でした。渡辺さんの勇姿は、2000年11月の演習場入り口での大看板設置の闘いが最後となりました。
渡辺さんは、繰り返される権力の闘争破壊・母の会圧殺攻撃に毅然(きぜん)として立ち向かってきました。北富士演習場の米軍から自衛隊への使用転換をめぐっての大分裂攻撃、東富士軍用道路建設とともに襲いかかった切り崩し攻撃、ここ数年の闘争破壊攻撃と果敢に闘いぬき、北富士闘争の切り開いた偉大な地平を守りぬきました。
北富士闘争は、三里塚、沖縄、関西など全国の労働者人民の闘いと連帯し、反戦・反基地闘争のとりでとして発展してきました。渡辺さんは、現地闘争を最先頭で担うとともに全国を駆け巡りました。このかけがえのない渡辺さんを失ったことは残念でなりません。
3・20イラク侵略戦争突入をもって帝国主義世界戦争とプロレタリア世界革命が激突する時代に入りました。帝国主義の危機の深化が世界戦争として爆発する一方、「国際的内乱」の闘いが発展する情勢です。まさに労働者人民が帝国主義を打倒し、全人類解放の未来を切り開くべき情勢が到来しているのです。革共同は、渡辺会長の遺志を引き継ぎ、全力で闘いぬきます。今秋の闘いに全力で決起し、11月全国労働者集会の成功をかちとり、自衛隊イラク派兵を阻止し、有事法制を粉砕し、北朝鮮侵略戦争を阻止するために闘いぬき、反戦闘争の決定的一環としての北富士闘争に総決起します。
渡辺さん。北富士闘争の勝利と革共同の勝利を見守り続けてください。革共同は、あなたの遺志を必ず実現します。
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週刊『前進』(2114号5面4)
“闘い続ける”誓う 天野重知会長らが弔辞
7月31日、28日に逝去された忍草母の会の渡辺喜美江会長の葬儀が厳粛に行われた。渡辺会長が逝去されたという知らせに全国の闘う人びとは深い悲しみにくれ、直ちに弔問に訪れた。30日の通夜には、三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長と革共同の天田三紀夫書記長が参列した。31日の葬儀には淡路空港反対同盟の永井満代表、関西実行委の加辺永吉さんも参列した。
午後1時からの葬儀では読経の後、忍草国有入会地守る会の天野重知会長が弔辞を述べた。天野会長は、「あなたと戦後何十年と闘って、国有地1600町歩の入会権が今度こそ実を結ぶ段階に入った。これをかちとった喜びをもって送りたかった。あれだけの闘いをあなたが指導したことに感謝します。今後の闘いにあなたの位牌(いはい)を抱いて臨む。1600町歩の入会権を完全に確立するまで闘いぬく」と腹の底から声を振り絞って誓った。
続いて忍草母の会の天野美恵事務局長が、「会長さん。あなたは世界中の闘う人に愛された。これからもぜひ見守ってください。私はあなたの遺志を継いで闘う。忍草の入会地を取り戻すまで闘いぬきます」と決意を明らかにした。
婦人民主クラブ全国協議会代表で相模原市議会議員の西村綾子さんは、「数々のゲリラや座り込みの中心にいつも渡辺会長さんの姿がありました。闘いの中で女性たちが解放される姿に私たちは学び、感動しました。米軍の銃口にも、機動隊の暴力にも1ミリも揺るぎなく、一貫して闘い続けた会長さん。こんなすばらしい女性がほかにいるでしょうか。会長さんの魂とともに、富士を中東・朝鮮につなぐな、戦争の訓練場にするなと闘い続けます」と弔辞を読み上げた。
最後に杉並区議会議員の新城節子さんが「北富士の闘いが全国の人びとに与えた影響は計り知れません。今後は私がその闘いに続きます。渡辺会長さん、本当にありがとうございました。これからも私たちの闘いを見守ってください」と哀悼の意を表し、渡辺喜美江会長の遺言状を忍草母の会に代わって読み上げた。
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週刊『前進』(2114号5面5)
都と自衛隊が戦時動員訓練 9・1「防災訓練」阻止を
9月1日に「東京都・日野市合同総合防災訓練」が行われる。石原都知事は2000年の「ビッグ・レスキュー東京2000」以来、毎年9月1日に「総合防災訓練」と称して区・市と住民を動員して都と自衛隊三軍による統合実動演習を行ってきた。今年は日野市が会場となる。「防災訓練」に名を借りた戦時動員訓練を許してはならない。
労働者・住民を自衛隊が指揮
今年の「防災訓練」では、有事3法の成立で自衛隊の「超法規的」行動が「合法化」されたことによって、自衛隊が特権的に振る舞おうとしている。災害=有事を想定して、自治体や指定公共機関の労働者と住民を自衛隊の指揮・命令のもとに動員する。
日野市南部地域の11会場では何が行われるのか。京王線高幡不動駅から多摩都市モノレール高幡不動駅にかけては「高所救出・道路障害物除去訓練」、高幡台・百草団地では「救出・救助訓練」、夢が丘小学校では「負傷者救護」、多摩川・浅川会場では「危険化学物質漏えい・トリアージ訓練」、新井橋では「仮設橋による渡河訓練」、老人ホームでは「救出・救助訓練」が行われる。ヘリコプターを使って横田基地との「物資輸送訓練」も行われる。動員規模は全体で1万5千人。自衛隊の動員規模は、昨年の練馬区での訓練と同規模といわれる。
東京都は、今年の訓練の狙いとして「『自分たちのまちは自分たちで守る』という共助の理念に立ち、住民全体の訓練」を第一に掲げている。東京都参与・志方俊之らは、「ビッグレスキュー東京2000」を総括し、「訓練の成果と今後の課題」として、@都および区市町村の役割分担を明確にした上で、区市町村とより連携を密にした訓練、A機関訓練だけでなく住民参加型訓練も充実させ、より都民と一体となった訓練が必要だと述べている。
住民と諸施設のすべてが「防災訓練」の対象であり、参加者とされている。自衛隊を頂点に東京都、市、警察、消防署、自治会、自主防災組織、ボランティアなどが大々的に動員される。「ビッグレスキュー東京2000」では、銀座会場などでの自衛隊の派手なパフォーマンスが突出したが、今年は、石原―志方の総括に沿い、より実戦的な労働者・住民の動員訓練が企図されている。
朝鮮人・中国人虐殺繰り返すな
1923年9月1日の関東大震災における朝鮮人・中国人6千人余りの虐殺の歴史を忘れてはならない。
震災発生と同時に政府は戒厳体制を敷き、官憲が「朝鮮人が放火している」「井戸に毒を投げた」という流言飛語を意図的に広め、軍隊・警察、自警団が組織的に朝鮮人・中国人虐殺を行った。青年団や在郷軍人会が中心を担った自警団は、天皇制国家主義者の強い影響のもと、朝鮮人・中国人への排外主義を扇動し、大虐殺を犯した。
2000年4月、石原知事は練馬駐屯地で「三国人が凶悪な犯罪を繰り返している。大きな災害時には騒擾(そうじょう)事件すら想定される」という暴言を吐いた。関東大震災時の朝鮮人・中国人虐殺を反省するどころか、史実を逆に描き、首都の知事という公の責任者が公然と朝鮮人・中国人への差別と排外主義、虐殺をあおった。絶対に忘れてはならないし、許してはならない。
今日、政府とマスコミは拉致問題を使って北朝鮮に対する排外主義を大々的に扇動している。さらに北朝鮮の「核開発」への小泉政権の「外交圧力」の表明など、北朝鮮・金正日体制の転覆を狙った日米帝国主義の北朝鮮侵略戦争策動が一気に強まっている。警察権力の主導のもと、東京都やその他の自治体は「外国人犯罪の多発」を口実に「安全・安心条例」などを制定し、排外主義をあおっている。排外主義を打ち破り、日米帝の北朝鮮侵略戦争を阻止しなければならない。
有事3法に次いでイラク派兵法が成立し、11月にも自衛隊の侵略出兵が強行されようとしている。石破防衛庁長官は、イラク人民の民族解放闘争を「野盗・盗賊のたぐい」呼ばわりし、人民虐殺を扇動している。
自衛隊兵士はイラク人民と殺し殺される関係に入ることを覚悟できていない。自衛隊兵士にイラク出兵拒否を呼びかけよう。
他方、労働者の戦争動員なくして侵略戦争は遂行できない。自治体労働者、鉄道・交通・運輸労働者、医療労働者などの戦争協力拒否の闘いと団結は侵略戦争を阻止する力だ。陸・海・空・港湾労組20団体が提唱する「有事法制を発動させない、完成させない、協力しない」を実践しよう。
9・1「防災訓練」反対闘争は、有事法制、北朝鮮侵略戦争に反対する闘いだ。闘う住民と連帯し9・1闘争に立とう。
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週刊『前進』(2114号5面6)
住基カード発行で「便利」なのは誰か 国家による新たな人民監視
8月25日から全国の自治体が住民基本台帳ネットワークシステムの「第2次サービス」と称して住基カードを発行する。これは、昨年8月の「第1次サービス」、住民票コード通知に続く国家の人民に対する治安管理・監視体制の強化、侵略戦争総動員体制づくりの攻撃だ。
現在、住基カードは住民が申請した場合に発行され、顔写真付きか否かを選択できるが、住基カードの所持者を増やし、写真付き住基カードの携帯を義務化することを政府が狙っていることは疑いない。
住基カードが身分証明書として使えて全国どこでも住民票がとれ、転出入の手続きが簡単になると宣伝しているが、こんなわずかの「便利」のために住基ネットが作られたのではない。国家が全住民の個人情報を一元的に握り、全人民を治安的に管理し、戦争に動員することが住基ネットの狙いなのだ。国家・自治体は、個人情報を保護するのではなく、無制限に個人情報を収集・記録し、自由にのぞき、使うのだ。
また顔写真付き住基カードの携帯が義務化されたら、それは、在日外国人の外国人登録証常時携帯義務と同じような意味をもつ。日帝は戦後、在日朝鮮人・中国人を始め在日外国人を治安管理の対象とし、入管法・外登法で縛ってきた。日本の人民の差別主義的な弱点を突いて、今度は日本人民自らがIDカード=住基カードを持たされ、権力に監視・管理されるのだ。
住基カードには約1a四方のICチップが埋め込まれている。センサーにかざせば即座に記録内容が読みとれる。全国のいたるところにセンサーを設置すれば、官憲は、その人がどこにいるのかを瞬時に知ることができる。新たな人民監視・弾圧の手段、住基カード発行を許すな。
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週刊『前進』(2114号6面1)
9・1〜3東京地裁 爆取裁判最終弁論へ
無罪判決戦取の正念場
3同志の闘いと連帯しよう
9月1〜3日の3日間、東京地裁刑事第3部(木口信之裁判長)で迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判の最終弁論公判が行われる。この公判闘争は今秋決戦の先陣を切る闘いである。須賀武敏、十亀弘史、板垣宏の3同志と弁護団による最終弁論は、16年間にわたって日帝国家権力のデッチあげ攻撃と不屈に闘い、かちとってきた無実・無罪の勝利的地平を最終的に確定する歴史的公判である。全力で傍聴闘争に決起し、裁判所を包囲・制圧して闘いぬこう。
戦時治安弾圧打ち破る闘い
まず第一に、3同志への爆取デッチあげ弾圧を粉砕し、無実・無罪を実力でもぎりとる裁判闘争は、日帝の侵略戦争を阻止する闘いそのものである。
米英帝によるイラク侵略戦争を引き金として、ついに第3次世界戦争の過程が始まった。日帝・小泉政権は、米帝と共同=競合しつつ、いち早く米英陣営に加わり、侵略帝国主義の道をしゃにむに突進している。有事3法とイラク派兵法を強行成立させ、自衛隊のイラク派兵を狙っている。絶対に許してはならない。
さらに侵略戦争に向けた国内総動員体制構築の一環である戦時治安体制の強化を粉砕しよう。とりわけ刑事司法の大改悪を柱とする「司法改革」と共謀罪新設策動は、戦前の治安維持法を上回る治安弾圧体制の構築である。
刑事司法大改悪とは、裁判員制度の導入と公的弁護人制度をもって重刑・重罪を2年以内に判決し、革命家や闘う労働者を牢獄にぶち込むことを狙うものである。一言でいえば、迎賓館・横田爆取裁判闘争のような裁判闘争は一切許さない攻撃である。人民が司法権力を根底から弾劾し、裁く立場と裁かれる立場が逆転するような、しかも16年もの時間を費やしながら有罪判決も出せない裁判のあり方を一切認めないというものである。
さらに、この裁判では迎賓館・横田ロケット弾戦闘とはまったく無関係の3同志を、『前進』を読んでいることをもって「事前共謀」と言いなし、戦闘と強引に結びつけるなど、共謀罪新設を先取りする有罪策動が展開されてきた。
3同志の16年間にわたる無実・無罪を徹底追求する不屈の裁判闘争と獄中闘争は、「司法改革」攻撃と真っ向から対峙し、阻止し続けてきた最先端の闘いである。日帝国家権力は、爆取1条(爆発物使用)の事前共謀でのデッチあげ弾圧によって有罪−獄死攻撃を国家意思として強制しようとしてきた。だが、昨年末の3同志の保釈・奪還にも明らかなように、権力の攻撃は本質的にも現実的にも打ち破られつつある。
日帝のイラク・北朝鮮侵略戦争と治安弾圧攻撃をうち破る最先端の攻防として、9・1〜3公判闘争に勝利しよう。
「労働者の党」建設の突撃路
第二に、16年にも及ぶ裁判闘争の勝利の地平をしっかりとうち固め、「労働者の党」建設へ向かう突撃路にする闘いである。
なぜこのような超長期裁判になったのか。検察側はまる13年間、155回もの公判廷を費やしながら、結局のところ「3同志がいつ、どこで、誰と、何をしたのか」ということを何ひとつ明らかにできなかった。3同志と弁護団は徹底的に検察立証の破綻(はたん)を突き出し、デッチあげ弾圧裁判を糾弾し、公訴棄却・即時釈放を要求しつつ不屈に闘い抜いてきた。それに対し検察は二度にわたる不当・違法な追加立証と警察官による露骨な偽証まで行って裁判を引き延ばしてきたのだ。
検察立証は、つまるところ3同志が中核派の活動家であること、岩手借家で鍋(なべ)爆弾製造に関与した、だから4・15−5・4戦闘で使われたロケット砲弾をつくったに違いないし、事前共謀もしたに違いないというデッチあげにつきるのである。
3同志は毎回の公判冒頭、実力で意見陳述をかちとり、裁判官を追いつめてきた。裁判長は現在の木口裁判長で6人目だが、いずれの裁判長も、3同志の怒りに燃えた弾劾に追いつめられ、交替を余儀なくされたのである。そして、真実の力の前に木口裁判長はついに、判決前に保釈許可決定を行わざるをえなかった。この保釈・奪還は3同志の無実・無罪戦取への道を大きく切り開いたのである。だが、ここからが最後の勝負である。
最終弁論公判で3同志は検察官論告求刑を全面的に粉砕し尽くし、16年間に及ぶ権力犯罪と、そのデッチあげによって投獄され続けてきた不正義を心底からの怒りを込めて断罪する。実力で無実・無罪をかちとるために、全力あげた弁論を展開する。革共同=革命党解体の大弾圧と最先端で闘い、勝利してきた3同志にこたえ、公判闘争をともに闘いとろう。
福嶋同志奪還へ闘い進もう
第三に、この最終弁論公判は、3同志の歴史的勝利のみならず、いまだに投獄されている福嶋昌男同志を奪還し、同志の無実・無罪を確定していく突破口の闘いである。
福嶋同志は93年3月、デッチあげ逮捕以来、11年目の未決勾留を強制されている。5月13日に提出した第6次保釈請求に対し、東京地裁刑事第3部・服部悟裁判長は、まったくでたらめな「罪証隠滅のおそれ」を理由に、6月11日に請求を却下した。絶対に許せない。
3同志の最終弁論闘争の爆発が、福嶋同志を奪還する大きな力なのだ。
福嶋同志は3月21日をもって東京拘置所の新獄舎に転房となった。新獄舎は、居房のハメ殺しガラスと巡視路の曇りガラスという二重のガラス窓によって自然から遮断された、断じて許せない非人間的建築物である。新獄舎と同じ構造でつくられた仮舎房での拘禁期間を含めると、福嶋同志はすでに4年を超えて、極限的な非人間的状況を強制されている。こんな状況の中に福嶋同志を、これ以上1日たりとも閉じ込めておくわけにはいかない。
9・1〜3公判闘争の爆発と10万人保釈署名運動の力で、今こそ福嶋同志奪還へ全力で闘い進もう。
全国の同志と支援者のみなさんにあらためて訴える。9月1〜3日の連日公判に満を持して結集しよう。16年(11年)にもわたって判決もないまま、無実の4同志を拘禁し続け、デッチあげ弾圧を強行し続けてきた司法権力に対し、労働者階級人民の怒りをたたきつけ、3同志の無罪判決をかちとろう。
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週刊『前進』(2114号6面2)
水嶋裁判
検察反対尋問を粉砕 F同志が毅然と無実証言
東京地裁第1刑事部(川口宰護裁判長)で7月30日、88年9・21千葉県収用委会長せん滅戦闘デッチあげ裁判の第18回公判が行われた。今回は、9・21戦闘当時、水嶋秀樹同志と徳島市内のマンションで生活をともにし、前回公判で水嶋同志のアリバイを証言したF同志に対する検察側の反対尋問が行われた。
公判冒頭、水嶋同志が意見書を読み上げた。「私は88年当時、74年1・24横国大カクマルせん滅戦闘で神奈川県警から全国指名手配されていた。転向裏切り分子・正井利明は、°9・21戦闘の統括責任者(A)は神奈川県内を自由に動きまわっていた″と証言しているが、そのようなAは指名手配されている人物ではない。私は87年7月から89年8月の間、関東圏に一歩も足を踏み入れたことはない。私は当時、徳島市で生活していた。私とAはまったく別人だ」。水嶋同志はこのように語り、怒りを込めて無実を宣言した。
次にF同志が証言に立った。弁護人からの追加尋問にF同志は、「水嶋同志の声は変わっていない。顔を見なくても、声を聞けば水嶋さんと分かる」と断言した。年をとっても声と口調は変化するものではない。ところが正井は、法廷で間近に水嶋同志を見て、「Aとは同一人物とは思えない」と証言しただけではなく、水嶋同志の声を聞いても、それが「Aの声だ」とは言えなかったのである。それはAの声が変化したからではない。水嶋同志がAとは別人だからだ。F同志の証言はこのことを明らかにした。
F同志が、マンションを借りてくれた名義人を守る立場を貫いたことに対して、検察官はアリバイの内容を具体的に尋問するのではなく、卑劣にも、裁判長に「これは証言拒否だ、科料制裁を科すように」と繰り返し要求するのみだった。
検察官は「言えないのは、知られるとウソがばれるからではないか」とアリバイ証言の信用性を傷つけようとあがいたが、F同志は即座に、毅然(きぜん)たる態度できっぱりと否定した。F同志の、事実に裏付けされた、確信を持ったその原則的態度で、検察官の悪質な狙いはたちまち粉砕されたのだ。
次に検察官は、水嶋同志の手配写真(26歳の時のもの)を示し、「90年当時この写真を見てどう思ったか」と尋問した。F同志は「似てないからかえって良かったなと思った」「この写真を見ても、水嶋さんには結びつかなかった」と証言した。
この写真こそ、正井が90年1月に、「88年当時、一緒に行動したAに間違いない」「年齢を考慮する必要もないくらい良く似ていた」と言って特定したとされているものである。F同志の真実味あふれる証言は、デッチあげの唯一の「根拠」であるこの正井のデタラメな写真特定をも根底から粉砕したのだ。
検察官はAを水嶋同志とする立場で、「証人は被告人が26歳から40歳の間にそんなに変わったと思うのか」と詰問した。弁護人はすかさず異議を申し立てた。「それは、そもそもF証人が26歳の水嶋同志の実物を知っていることが前提の尋問だ」。F同志は「私は事実を言っているだけです。88年当時、今の水嶋さんと変化はありませんでした」ときっぱりと話した。
水嶋同志は88年8月から12月の初め頃まで、徳島のマンションにいたのである。12月に急きょ部屋を飛び出したその夜は、寒い屋島山の山中で野宿をした。この極めてまれな体験は決定的である。2人はその後何度もこれらの出来事を話題にし、それでF同志はその間のことを鮮明に覚えていると証言した。
F同志は、検察官の制裁の恫喝と卑劣な嫌がらせに動ずることなく、終始落ち着いて、真実をはっきりと証言した。真実が持つ重みと、F同志の毅然とした証言態度は法廷を圧した。検察官の嫌がらせと恫喝は、傍聴席からも激しい抗議を受け、結局裁判所はF同志への科料制裁を却下した。
水嶋同志のアリバイは、検察官の反対尋問を粉砕し、さらに完璧(かんぺき)に立証された。川口裁判長は無実の水嶋同志を直ちに釈放せよ。
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週刊『前進』(2114号6面3)
(3)
ジュゴンを守る
地元の運動のシンボル
基地建設は生活と精神をも破壊
豊かで貴重な海
辺野古の高台から沖を眺めると、平島、長島と呼ばれる岩でできた無人島の周りにリーフが広がり、その内側と外側の海の深さの違いが、時々の太陽光線の具合によってさまざまな色合いをかもし出す。それは、どんな人工的な英知でつくった美を対置してもはるかに及ばないような美しさを見せる。「海の向こうにある神の国ニライカナイから幸せがやってくる」という沖縄のニライカナイ信仰がなぜ生まれたか、誰にでも納得できる。この辺野古に基地がつくられると浜からの視界は全部基地にさえぎられて海が見えなくなる。
リーフの内側は沖縄でイノーと呼ばれる浅瀬が広がり、タコ、貝類など豊富な海産物が人びとの暮らしを長年支えてきた。辺野古のイノーは地元の人びとにこれらを提供してきただけではない。ジュゴンがこの海域に生息しエサとする海草がここに生えている。
ジュゴンは象を共通祖先とするといわれる体長2・5〜3b、体重400〜500`グラムの海生ほ乳類の海牛類。世界的な絶滅危惧種であり、沖縄が生息北限である。海生ほ乳類で唯一海草のみをエサとする。それも海中で花を咲かせるアマモなどの一部の海草に限られ、しかも体重の約10分の1を1日に食べるといわれる。ということは、辺野古の海がいかに豊かで貴重なものかが分かる。
ジュゴンは、海草類のみを食する穏やかな性格で、世界的にみれば人魚のモデル(子どもを抱くようにして授乳させる様が人間と似ている)といわれるような形から人をひきつけるものを持っている。今では個体数の減少から、見たことがある人は少ない。
沖縄の人びとの間では昔から「ザン」「ジャン」と呼ばれ、貝塚からその骨が見つかっていることや、歴史的な文書で琉球王朝にジュゴンを献上したなどの記述から食用にもされたことが分かる一方、神の化身という言い伝えもある。
市民投票さなか
96年SACO合意によって普天間基地の移設候補地として名護市辺野古沖が急浮上し、名護市民、沖縄県民の反対の気運が高まっていく中、97年12月名護市民投票が行われ名護市民の反対の意思が勝った。これまで沖縄のジュゴンが映像や写真によって撮影されたことはほとんどなかったが、この市民投票さなか、一頭のジュゴンが辺野古の沖合を泳ぐ姿がマスコミによって撮影された。「辺野古の海を殺すな」とデモンストレーションをしているようでもあり、まさに神がかったタイミングでもあった。
『ジュゴンの海と沖縄−基地の島が問い続けるもの−』(高文研)の中で、宮城康博氏は次のような話を紹介している。
「辺野古のオバー・島袋エイさんは、基地問題に揺さぶられ続けていたある日、カミンチュ(神人)と呼ばれる方々と辺野古の海で、海の向こうにあると沖縄で信仰されているニライカナイの神様に向かって『どうかお姿を見せて、私たちを救って下さい』と祈りを捧げた。その翌日、2000年11月9日に、海面でジャンプするという珍しい姿でジュゴンが撮影され新聞紙上に掲載された」
ニライカナイ信仰にせよ、ジュゴンの「神の化身」伝承にせよ、これらは沖縄人民がその土地で生きてくる中で、自然との共生上、人間生活の重要な教訓とある種の真理を表していると言ってもいいだろう。
新基地建設は、辺野古とその周辺海域に壊滅的な破壊をもたらすことは確実である。そしてここに生息するジュゴンを絶滅に追い込むであろう。基地建設は単に周辺環境を物理的に破壊するだけではない。そこに生きてきた人びとの生活と精神の基盤まで無慈悲に破壊してしまうのである。
いま環境破壊は世界的規模で深刻化している。放射能汚染など戦争による環境破壊、また資本のあくなき利潤追求がもたらすもの、公共投資の野放図な展開によるものなど、利潤追求を至上の原理として動く資本主義・帝国主義の末期的到達点として、人類生存の危機と言われるほど深刻となっている。それは世界的にみれば被抑圧民族人民や被差別人民に集中的に襲いかかっている。一口に環境破壊と言われる問題には具体的にはいろいろな原因があるが、その全体は現代の帝国主義(とスターリン主義)の問題なのだ。したがって環境問題は、帝国主義との鋭い対決となるのであり、帝国主義の打倒なくしてその解決はない。
人柱になっても
辺野古の「命を守る会」のある年寄りは「海に入って人柱になっても闘う」と述べた。基地建設反対の意思を「人柱」と表現するその心は、一つには戦争体験から来る直感から基地建設がもたらす戦争の必然に対する強烈な反対の思いがある。もう一つは、自らの生活が辺野古の海を始めとする地元の自然と一体であり、これを守ろうとする意思が込められている。
市民投票という、これ以上ない民主主義的な形で人民の意思が示されたにもかかわらず、経済的苦境(これ自体、沖縄への歴史的差別によって結果したもの)を逆手に取り、札束で人のほおをたたくようなやり方で名護市民の意思の変更を迫り、金に魂を売った地域の保守層、地域ボスを徹底的に使って市長選挙(県知事選挙)に「勝利」することで日本政府は基地建設を強引に進めてきた。地元の人びとの、ジュゴンを守ろうとする思いの中には、こうした事態に対する人間としての根源的怒り、ウチナーンチュとしての怒りがあり、日帝と米帝という巨大な力に対して、子々孫々のため命をかけても闘うという決意がある。
ジュゴンをめぐる攻防は、名護新基地をめぐる帝国主義と人民の対決の核心をなすと言っていいのである。ジュゴンは地元の人びとの意思と運動のシンボルであり、ここに生きるものの反戦・反基地・反差別の人間的意思そのものである。
(久場 豊)
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週刊『前進』(2114号6面4)
公判日程
☆迎賓館・横田裁判
須賀・十亀・板垣同志裁判
最終弁論
9月1日(月)〜3日(水)
いずれも午前10時
福嶋同志裁判
9月16日(火)午前10時
☆水嶋同志裁判
9月11日(木)午後1時30分
※いずれも東京地裁
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