ZENSHIN 2003/05/19(No2101 p06)

ホームページへ週刊『前進』月刊『コミューン』季刊『共産主義者』週刊『三里塚』出版物案内販売書店案内連絡先English

第2101号の目次
 
1面の画像
(1面)
北朝鮮への侵略戦争で人民大虐殺狙う 有事3法案衆院通過阻止を
闘う朝鮮人民の怒りと連帯して国会闘争−5・23明治公園集会へ
個人情報保護法案の衆院可決弾劾
記事を読む  
杉並 けしば・新城氏当選、北島氏惜敗 4・27地方選 相模原・高槻などで勝利 記事を読む  
緊迫の国会前、怒り爆発 記事を読む  
(2面)
統一地方選 〈反戦と介護〉に熱い支持
杉並 都革新、1万に迫る得票 住民の決起が大きな力に
記事を読む  
相模原 西村氏反戦訴え勝利 労働者から熱烈な支持 記事を読む  
勝浦 水野氏が堂々3選 動労千葉の奮闘実る 記事を読む  
高槻 医療・福祉の解体許さず 小西氏・森田氏が当選 記事を読む  
全逓4・28闘争 “首切り処分撤回せよ” 郵政公社に怒りのこぶし 記事を読む  
組合差別あばく 鉄建公団訴訟 “国労内主流派へ” 報告集会 記事を読む  
(3面)
4・26渋谷 ワールドアクションに600人 “有事法制を止めよう” 新たな闘いへスタート 記事を読む  
4・28大阪 米総領事館デモ イラク人民と連帯 記事を読む  
4・29広島 原爆ドーム前集会  韓国・沖縄の闘いと合流 記事を読む  
4・27福岡 沖縄デーの闘い  “戦争は終わってない” 記事を読む  
5・5福岡 侵略戦争許さぬ 有事法阻止へ決戦宣言 記事を読む  
メーデー 戦争と資本攻勢に怒り 100万反戦デモへ展望示す 記事を読む  
資本攻勢&労働日誌 2003 4月14日〜28日
雇用保険法の改悪が成立・施行 労働者に立証責任−「解雇ルール」/一時金4・8%減
記事を読む  
(4面)
北朝鮮への先制攻撃と人民大虐殺狙う有事法
衆院採決を絶対許すな! 国会包囲する巨万の決起を
記事を読む  
“国会闘争で廃案へ” 20労組など 有事法阻止へ集会 記事を読む  
5・15沖縄闘争に立とう 宜野湾市長選勝利の意義 記事を読む  
“狭山再審を行え” 解同全国連が要請行動 記事を読む  
日誌'03 4月23日〜5月6日 個人情報保護法案、衆院強行 米帝先制攻撃で有事法発動 記事を読む  
国会前で座り込み 記事を読む  
(5面)
杉並区議選−4月統一地方選の総括
選挙決戦の偉大な成果をふまえ有事立法決戦を大爆発させよう
革命的共産主義者同盟政治局
記事を読む  
紹介 共産主義者 136号  有事立法粉砕の武器
●「社会主義と戦争」の核心点 巻頭論文
●有事立法めぐる謬論を斬る 大谷論文
記事を読む  
(6面)
国際的組織犯罪条約批准 衆院採決強行弾劾する
思想・表現の自由、団結権を奪う 共謀罪新設絶対阻止へ
記事を読む  
宋神道さん戦後補償裁判 “気持ちは負けない” 上告棄却に怒りの集会 記事を読む  
泉州住民の会総会 “軍事空港許さぬ” 関空2期阻止へ確信 記事を読む  
僕らの叫びを消せはしない 竹内元(投稿詩) 記事を読む  
公判日程 記事を読む  

週刊『前進』(2101号1面1)

北朝鮮への侵略戦争で人民大虐殺狙う 有事3法案衆院通過阻止を
闘う朝鮮人民の怒りと連帯して国会闘争−5・23明治公園集会へ
 個人情報保護法案の衆院可決弾劾

 4月統一地方選は、東京・杉並区議選でけしば誠一氏の3位当選、新城せつこ氏の堂々3選をかちとったが、初挑戦の北島邦彦氏は次々点で惜敗した。神奈川・相模原市議選では西村あやこ氏が3選を果たし、大阪・高槻市議選では小西弘泰氏が再選、森田充二氏が初当選した。全党の同志の奮闘、支持者、住民の総決起でかちとった偉大な成果である。これを踏まえ、5〜6月政治闘争、有事立法粉砕大決戦の猛然たる爆発をかちとらなければならない。事態はきわめて切迫している。ただちにすべての体制を切り替えて、この歴史的な決戦に必ず勝利する陣形を築き上げよう。イラク反戦闘争の2、3、4月の爆発的高揚を踏まえ、それを引き継いで、北朝鮮侵略戦争の切迫と、そのための有事立法攻撃の緊迫を見据え、国会闘争を闘いぬこう。5・23闘争に総決起しよう。

 第1章 有事立法とは北朝鮮に対する武力行使法

 情勢はきわめて緊迫している。5、6月の有事立法粉砕大決戦を次のスローガンのもとに、戦後最大の政治決戦として闘うことを熱烈に訴えたい。
☆イラクの軍事占領・再植民地化を許さず、イラク侵略戦争の北朝鮮・シリアへの拡大を阻止しよう。
☆北朝鮮(中国)侵略戦争のための有事立法(4法)を絶対に粉砕しよう。
☆3、4月を超える5、6月の全人民の総決起で、北朝鮮侵略戦争に道を開く有事立法攻撃を阻止しよう。
☆全世界の労働者階級と被抑圧民族人民の国際的統一行動をさらに大きく発展させよう。
☆民主労総を始めとする朝鮮人民の闘いと固く連帯して立ち上がろう。
☆東京100万、日本1000万の革命的反戦闘争の爆発をかちとろう。
 イラク情勢、北朝鮮情勢の激化の中で、日帝・小泉政権は有事立法3法案(武力攻撃事態法案、自衛隊法改悪案、安全保障会議設置法改悪案)を今国会の最大案件として、早期成立を狙っている。5月15日前後にも衆議院通過を強行しようとしている。小泉はこれをもって訪米し、5・23日米首脳会談、さらには中東への侵略外交を展開しようとしている。事態はきわめて緊迫している。
 有事立法とは、米日帝が北朝鮮を先制攻撃し、南北朝鮮人民を百万人規模で大虐殺し、金正日政権を転覆するための、侵略戦争法以外の何ものでもない。
 小泉政権は、民主党による修正案提出と与野党の修正協議の許しがたいペテンをもって有事立法の狙いをごまかし、突破しようとしている。しかしこのことは、民主党をも巻き込み、動員して有事立法強行に向かって突き進んでいるということであり、きわめて容易ならない事態だ。
 民主党が4月30日に提出した有事立法の修正案は、「基本的人権の保障の明記」や「危機管理庁の設置」などを追加しようというものだが、まったくペテンであり、有事立法攻撃を推進するものである。
 5月6日、衆院有事法制特別委員会で民主党は「緊急事態対処基本法案」と、政府提出の武力攻撃事態法案の民主党修正案の趣旨説明を行った。
 修正協議を行っているのは、自民党・久間章生(元防衛庁長官)と、民主党・前原誠司で、前原はもともと民主党きっての有事立法推進論者である。民主党が、基本的に政府案・修正案を踏襲していることに自民党側はつけ込んで、「国会の議決で対処措置を終了する手続き」の盛り込みは認める、などと言っている。このように基本的に有事立法推進で動いている民主党を始め、野党の総屈服と裏切りを怒りを込めて弾劾しなければならない。
 朝日新聞4月27日付社説は「民主党案は土台になる」「現実的な脅威への対処を重視し、有事にあっても国民の権利を最大限に確保しようとしている姿勢は支持できる」などと賛美している。許しがたいことである。

 「予測事態」で先制攻撃突入

 だが、「大規模なテロ」とか「北朝鮮のミサイル」の脅威があるというが、最大の危機の根源、最大の戦争の元凶は、米軍が東アジア10万人駐留体制をもって北朝鮮に軍事重圧を加えていること、そしてこれに日帝が共同的・競合的に参戦しようとしていることにこそある。圧倒的な国力差、軍事力差がある米日帝国主義が、弱体国家であり危機を深めている北朝鮮・金正日政権の反人民的な軍事的対抗を格好のえじきとして襲いかかろうとしているのである。
 日帝の有事立法動向、戦争国家化こそが、朝鮮・中国、アジア人民にとっての最大の脅威であり、アジアの戦争危機の火点になっていることを見据えよう。「脅威への対処」などとあたかも日本が被害者であるかのように宣伝するのは、本末転倒している。
 そもそも有事立法は、米軍が北朝鮮に対する軍事攻撃を行った際(周辺事態法における「周辺事態」)に、北朝鮮が必死の対応をする、それをとらえて「武力攻撃事態」あるいは「武力攻撃予測事態」と認定し、日帝が憲法9条を踏み破って先制的に「武力行使」をするということを、戦後初めて公然と打ち出した法律である。武力行使法、戦争遂行法であると同時に、公務員や輸送業者に自衛隊の行動への協力を義務づけるものである。
 これがどれほど深刻な意味をもっているかを、われわれは米英日帝のイラクへの先制攻撃の中で見たばかりである。
 さらに国民保護法制とは、戦時における住民の管理と動員のための法制である。この国民保護法制の行き着く先は、沖縄戦だ。
 前進社出版部編のムック『有事立法』、本紙の春季特別号、そして『共産主義者』136号をただちに全面的に活用し、それで武装して、5、6月有事立法決戦に総決起しよう。
 有事立法の第4法案と言うべき個人情報保護法案(5法案)は、4月25日に衆院個人情報保護特別委員会採決、5月6日衆議院本会議通過が強行された。野党は、「3年後に見直し」などの付帯決議を認めさせた、などとして、衆院採決に協力した。
 5法案のうちの特に「行政機関個人情報保護法案」は、国家権力による個人情報の収集、流用、悪用(反階級的使用)を目的とするものである。
 この間、自衛隊が市町村をとおして自衛官募集のための「適齢者情報」の収集と悪用を37年間にわたって行っていたことが暴かれた。これは、昨年の防衛庁による「情報公開請求者リスト」づくりと同様、防衛庁が人民の動向や情報を掌握・管理していることを示している。「請求者リスト」とは防衛庁による反戦・反軍活動家ブラックリストづくりであり、憲兵隊の復活につながるものだ。また、自衛隊適格者名簿が作られていたことは、徴兵制の準備が行われていたということである。
 この法案では、これらのことを民間がやった場合は「個人情報の適正取得」違反で罰金刑や懲役刑となるが、役人の場合は「適正取得」義務がないのだ。
 今次修正案で、「職務の用以外に供する目的で」個人情報が流用・乱用された時にだけ処罰規定を設けた。しかし、これは完全なザル規定だ。「職務の用」というのは、幅広い規定であり、ほとんどすべての権力犯罪に処罰規定は適用されない。
 また、「民間部門個人情報保護法案」は、憲法21条の表現・結社の自由という基本的権利を転覆しようとする、言論統制と人民の運動・諸組織を破壊するための大反動法案だ。
 さらに、個人情報保護法案の問題で決定的なことは、この法案の成立が住民基本台帳ネットワーク体制の今年8月からのフル稼働のための条件とされていることだ。「この法律が成立すれば、住基ネットは稼働してよい」などというのは驚くべき転倒だ。住基ネットの11ケタの総背番号制とICカード化による個人情報の集中管理とその反人民的利用がこの法律によってさらに促進されるのであり、住基ネットの弊害を除去するものではない。
 有事立法粉砕の連日の国会闘争に立ち上がろう。陸・海・空・港湾労組20団体などの呼びかける5・23明治公園大集会に総結集しよう。3、4月のワールドアクションなどの大衆的爆発的なイラク反戦のうねりを北朝鮮侵略戦争阻止、有事立法粉砕の怒りと結合させ、さらに爆発的に発展させよう。5・17宮下公園に大結集しよう。
 4月24日、国際的組織犯罪条約批准が衆院強行採決され、「共謀罪」新設立法の国会審議が開始されようとしている。実行行為なしに相談したりしただけで罰するという、破防法以上の悪法を絶対に許すことはできない。戦時司法をめざす司法改革を粉砕しよう。
 改憲攻撃そのものといえる教育基本法改悪策動を粉砕しよう。
 戦時下の「精神病者」隔離抹殺のナチス的攻撃を許さず、保安処分新法・医療観察法案成立阻止の参院段階での決戦にかちぬこう。
 北朝鮮侵略戦争の最大の出撃基地となる沖縄の地から大闘争を巻き起こそう。
 4・27宜野湾市長選挙で普天間基地の県内移設に反対して闘った伊波洋一氏が勝利したことは、きわめて重大な意義がある。名護新基地建設をたくらむ日帝・小泉政権と稲嶺県政に大打撃を与えた。
 5・17県民大会および沖縄労組交流センターと反戦共同行動委員会共催の沖縄集会の成功をかちとろう。
 米日帝の北朝鮮侵略戦争の切迫の中で排外主義宣伝が吹き荒れ、在日朝鮮人民の防衛と連帯をかちとる闘いが死活的に求められている。入管闘争の発展をかちとろう。

 第2章 対イラク侵略戦争の継続と拡大を許すな

 米帝ブッシュは5月1日、太平洋上の空母エイブラハム・リンカーン艦上に米軍機で降り立ち、米兵を前に「戦闘終結宣言」を行った。だが、この演説は、米帝のイラク侵略戦争の大義のなさ、不正義性を自らさらけ出すものである。
 「米国人に対するテロ攻撃の計画、実施に関与する者は米国の敵であり、米国の正義の標的となる。テロリストを支援、保護、養成するものは、個人、組織、政府であれ、罪なき人を殺すのと同じことであり、テロリストと同罪である」
 「テロ組織とつながりを持ち、大量破壊兵器保有をもくろむ無法者国家は、文明社会への脅威であり、われわれはそれに対抗する」
 だが、米軍は、イラクで大量破壊兵器を発見することなどできなかった。それどころか、この過程で、1・28ブッシュ一般教書演説やパウエル米国務長官の2・5国連安保理演説での「イラクの大量破壊兵器開発の証拠」なるものがすべてデッチあげであることも暴かれた。ブッシュは、「自由の大義と平和」とか、「独裁から民主主義へ」と叫んでいるが、この戦争の階級的性格、すなわち帝国主義の侵略戦争、大虐殺戦争という本質を覆い隠すことはできない。
 米軍のイラク制圧後も、イラク人民の不屈の抵抗闘争が闘いぬかれ、それに対する米軍の虐殺が相次いでいる。4月28日にはバグダッドの西約60`のファルージャの学校前で、米軍が住民のデモ隊に発砲し、14人を虐殺した。米軍は、自らがイラク人民の敵意と怒りに包囲されていることに恐怖しており、至るところで虐殺を繰り広げ、さらに怒りを拡大している。
 イラク全土に「虐殺者アメリカ、侵略者アメリカは出ていけ」の声が満ち満ちており、イラク軍事占領=再植民地化反対の闘いが一層燃え広がることは必至である。また、米帝は「中東全体の民主化」と称してシリア、イラン、サウジアラビアなどへの侵略戦争の拡大を狙っており、そのことによってますますムスリム人民の反米帝の民族解放闘争の炎に油を注いでいる。
 イラク情勢に連動して、パレスチナ情勢が緊迫している。第2次大戦後の中東問題の原点であるパレスチナ問題は、今次イラク侵略戦争によってさらに深刻さを増し、イスラエル・シャロン政権の民族抹殺的な攻撃とパレスチナ人民の極限的な解放闘争の激突は一層激化した。さらに、パレスチナ暫定自治政府の新首相にアッバスが就任したことを契機に、新たな「中東和平」策動がたくらまれている。イスラエル、パレスチナ双方に「和平へのロードマップ」を提示したパウエルが、5月9日から中東を歴訪しようとしているが、非和解的な対立を解決することはできない。「450万人のパレスチナ難民の帰還権」を掲げて民族解放を闘うパレスチナ人民と連帯して闘おう。
 北朝鮮情勢は、北京での米朝中三者協議で北朝鮮が「核保有」発言をしたとされていることで一気に緊迫化している。
 米帝はイラク情勢の中で、当面北朝鮮情勢が急激に動くことは避けたいとしているが、協議によって解決はできない。北朝鮮は、米に対する「不可侵条約」締結要求を「不可侵の約束」でもいいと譲歩しているが、米帝から担保は取れない。しかも94年米朝合意枠組みを破棄した北朝鮮・金正日政権は94年には戻れない。
 北朝鮮は核政策を放棄することはできず、核なしでは体制の存続もできないとして、核カードをもって米帝・韓国・日帝と渡り合っている。この北朝鮮スターリン主義の瀬戸際的外交政策につけ込み、それをえじきとして、米日帝の北朝鮮侵略戦争策動が一層切迫している。そして、それゆえにこそ、この動きが、日帝の有事立法攻撃を決定的に突き動かしているのである。イラク侵略戦争で形成された米英日の帝国主義連合が、今度は北朝鮮に対する侵略戦争に踏み出そうとしているのだ。
 北朝鮮の核開発が戦争の最大の元凶であるかのような宣伝が、マスコミをとおして行われている。しかし、ここでも米帝がフセイン政権を転覆した際と同じ構造があるのだ。米英日帝は圧倒的な軍事力で反米政権としての北朝鮮をじゅうりんしようとしている。北朝鮮はこれに対して、北朝鮮人民・全朝鮮人民とともに、民族解放・革命戦争の立場で闘うべきなのに、スターリン主義であるがゆえに核武装をもって対抗するという間違った反人民的対応をしている。帝国主義者はこれを絶好の口実にして、いわば北朝鮮の核開発政策をえじきとして、北朝鮮への侵略戦争を正当化しようとしているのだ。
 また、日帝は、拉致事件を利用して排外主義キャンペーンを張り、「拉致はテロだ」と叫び、対北朝鮮の侵略戦争をあおっている。ここでも、金正日政権の反人民的な拉致事件を利用して、一切を侵略戦争の口実とすることがたくらまれている。
 こうした中で南朝鮮人民が、米日帝の北朝鮮侵略戦争策動に真っ向から反対して闘っていることはきわめて重要である。民主労総を先頭とする南朝鮮労働者人民はけっして金正日政権を支持するものではないが、米日帝が「北の核」を口実に、その何千倍もの大量破壊兵器をもって、同じ民族である北朝鮮に攻め込み、大虐殺することを断じて許さないと、立ち上がっている。
 南朝鮮人民が、イラク侵略戦争に反対し、韓国軍の派兵に反対して闘ったのは、何よりもこの戦争が北朝鮮侵略戦争に直結していることを自覚していたからだ。「南北朝鮮人民、在日朝鮮人民と連帯して、米日帝の北朝鮮侵略戦争を阻止しよう」というスローガンは、緊急かつ現実的なものとなっているのだ。

 第3章 労働法制改悪阻止、臨大闘争弾圧粉砕へ

 今国会は、有事立法との本番の決戦であると同時に、労働法制改悪攻撃との重大な決戦である。まさにそれは、日帝が外に向かっての侵略戦争と表裏一体のものとして、「内に向かっての階級戦争」を仕掛け、労働者の基本的権利の圧殺、団結権の解体の攻撃を本格的に開始したことを意味している。
 労働基準法の性格を「首切り自由」に180度転換する労基法改悪案は、6日、衆議院本会議で趣旨説明が行われ、厚生労働委員会で職安法改悪、派遣法改悪とともに審議入りした。労働者にとってきわめて重大な情勢である。
 日本経団連新ビジョン(奥田ビジョン)は、「日本崩壊の危機」を叫んで、社会保障給付の大幅削減、消費税率の16%への段階的引き上げなど労働者への犠牲転嫁をうたい、労働組合に対しては「国家への奉仕」を要求するという、むき出しのブルジョア的な利害を前面に押し出している。それは「春闘の終焉(しゅうえん)」を迫った「経営労働政策委員会報告」と一体のものである。
 また、「東アジア自由経済圏」の形成(「大東亜共栄圏」構想だ)を提唱し、帝国主義間の争闘戦に勝ち抜くことを強調していることは、完全に日帝の有事立法と戦争国家化の攻撃とつながっている。
 国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いを一層強めよう。国労闘争団員を含む7人の国労組合員と支援1人を「暴力行為」のデッチあげで、なんと逮捕以来7カ月も勾留し続けるという大攻撃を絶対に許してはならない。これは戦時下の労働運動弾圧、団結破壊の攻撃であり、明日の全労働者への弾圧の先取りだ。
 「許さない会」運動の発展をかちとり、公判闘争(次回5月16日)に駆けつけよう。仲間を警察に売り渡した国労東京地本酒田一派の責任を追及し、国鉄闘争の発展をかちとろう。
 日本共産党は、有事立法を「アメリカの戦争に巻き込まれ参戦するため」としか言わず、日本が積極的に武力行使に踏み切る法律であることを覆い隠している。また、北朝鮮に対して、9・17日朝ピョンヤン宣言の線で交渉せよ、と日帝・小泉のしり押しをしている。要するに、米帝に共同・競合した日帝の北朝鮮侵略戦争に真っ向から対決する立場ではないのだ。帝国主義の侵略戦争、それに対する内乱的対決ということを絶対に認めないのが日共スターリン主義である。今こそ、日共を打倒し、のりこえて前進しよう。
 ファシスト・カクマルは、イラク侵略戦争に対しては「ヤンキー帝国」反対と反米民族主義を叫んでいたが、有事立法に対して、これが北朝鮮侵略戦争法案であることを絶対に認めず、政治路線的な危機を深めている。また、松崎・JR総連カクマルと黒田・中央派に分裂したカクマルは、それぞれの内部に再度の分裂的事態を生み出し、政治闘争どころではない危機を深めている。その原点は、国鉄分割・民営化への協力とその先兵化にある。その原罪のツケは今、何倍にもなってカクマルに突きつけられているのである。
 統一地方選挙闘争の偉大な成果を踏まえ、党建設の強化を全力でかちとろう。党の未来そのものであるマルクス主義青年労働者同盟の再建と、学生戦線の強化のためにあらゆる努力を払おう。機関紙拡大闘争をうまずたゆまず進めよう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2101号1面2)

杉並 けしば・新城氏当選、北島氏惜敗
4・27地方選 相模原・高槻などで勝利

 4月27日の統一地方選挙後半戦で、全国で闘う候補が奮闘し偉大な成果をかちとった。東京・杉並区議選では都政を革新する会のけしば誠一候補が4771票・3位当選で区議に復帰、新城せつこ候補が2692票で27位・3選をかちとり、初挑戦の北島邦彦候補は2020票で惜しくも次々点だった。都政を革新する会全体としては9483票という前回の1・6倍以上の得票で躍進した。神奈川・相模原市議選では婦人民主クラブ全国協議会代表の西村あやこ候補が3425票で3選を果たした。大阪・高槻市議選では小西弘泰候補が2558票で再選、森田充二候補が2259票で初当選した。また千葉・勝浦市議選では、動労千葉の組織内候補である水野正美氏が661票で3選を果たした。(2面に詳報)
 今回の統一地方選は、米英帝がイラク侵略戦争を強行し、日帝がイージス艦を始め海自艦隊を派兵して参戦する中での選挙戦であった。各候補がイラク侵略戦争絶対反対を真っ向から掲げて闘い抜いた。また、介護・福祉を始めとする労働者人民の生活と権利の問題においても最も鋭く闘う内容をアピールし、真に闘う候補として登場した。この闘いが地元の労働者・住民の決起としっかりと結びついた。これは、革共同と全国の闘う人びとがかちとった偉大な成果である。日帝・小泉やファシスト石原、杉並・山田区長らの反動勢力に大打撃を与え、闘う労働者人民を大いに鼓舞する地平を獲得したのである。この成果をふまえ、直ちに有事法制阻止、イラク軍事占領粉砕の闘いに全力で決起しよう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2101号1面3)

緊迫の国会前、怒り爆発

 5月9日、週末の国会前で、有事立法と共謀罪新設立法の衆議院での採決の切迫を知り、怒りに燃えて駆けつけた労働者人民150人あまりが抗議の声を上げた。民主党が有事法の修正案を提出したことによって事態は一変した。与野党の「修正協議」が続けられ、有事3法案の衆議院特別委員会での採決が、早ければ12日にも狙われている。今週が重大な決戦だ(5月9日午後1時 衆議院第2議員会館前)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2101号2面1)

統一地方選 〈反戦と介護〉に熱い支持
 杉並 都革新、1万に迫る得票 住民の決起が大きな力に

 杉並区議選は、北島邦彦、新城せつこ、けしば誠一の3候補を先頭に全力で闘い抜かれ、都政を革新する会は前回99年の区議選での得票の1・6倍を超える計9483票を獲得する偉大な成果を実現した。

 けしば氏4選 

 28日の開票日には3候補それぞれの事務所に支持者が詰めかけ、開票結果を待った。けしば候補の浜田山事務所では当選が確実になると一斉に拍手がわき起こり、事務所の表に「当選御礼」の張り紙を出した。付近の住民や周りの商店からも支持者が駆けつけてお祝いの言葉を述べた。
 新城候補の高円寺事務所では、正午過ぎ当選が確実になると全体が喜びにわいた。子ども連れの母親が新城候補に花束を贈り、近所の商店から支持者が駆けつけ、祝福の握手をした。
 北島候補の事務所では、あと一歩で当選に届かなかったことが明らかになった段階で、後援会長の実方精一さんが、勝利のために全力で奮闘した支持者に感謝を述べるとともに、「一から出直して頑張ろう」と提起して捲土重来(けんどちょうらい)を誓った。
 この選挙結果を受けて、 けしば誠一区議は、「今回ほど皆さんが地域を駆けめぐり、支持を広げていただいた選挙はありません。93歳で毎日近所を十数軒、終盤では念押しに140軒も回り、いないところに電話をかけてくれた方。施設の中で『介護のけしば』を口伝えに訴えた高齢者。皆さんが自分自身の闘いとして、最後の最後まで支持を広げてくれました。皆さんの願いにこたえ、杉並のいのちと暮らしの守り手として闘うことを誓います。3人全員当選を果たせなかった。この悔しさを2年後、4年後には必ず晴らします」と決意を語っている。

 新城氏が3選

 新城せつこ区議は、「一緒に地域を回って下さった皆さん、一人でも多くの人にと周りに声をかけて下さった方々、選挙戦終盤にマイクを握って訴えてくれた何十人もの方々が、持てる力を発揮して下さいました。皆さんのご期待に沿えるよう全力で頑張ります。区議会での攻防はますます激しくなります。山田区政との対決です。北島さんを含め3人の力を合わせて、議会内外でさまざまな課題に取り組み、その力を示したい」と語っている。

 北島氏は惜敗

 また北島邦彦氏は、「ご支援下さった皆さんに、心よりお礼を申し上げます。自分としてはやるべきことはやった選挙戦だったと思いますし、その意味では爽快(そうかい)感を持っています。しかし、私を支援して下さったたくさんの方々の思いにこたえられなかったことが残念でなりません。反戦と福祉の新しい政党をつくっていくために、2人の区議とともに私も新たな歩みを始めます。また朝ビラまきを始めました。2年後の都議選、そして4年先を目指して頑張ります」と新たな闘志を燃やしている。
 今回の杉並区議選は、米英日帝のイラク侵略戦争が強行され、反動の嵐が吹き荒れる中で、帝国主義の侵略戦争絶対反対を訴え、宣伝革命・演説革命を推進しながら闘い抜かれた。その中で、イラク侵略戦争に反対する住民の決起と選挙戦が結びつき、選挙戦自体がイラク侵略戦争阻止、軍事占領・再植民地化反対の重要な大衆闘争として闘われた。
 また、都政を革新する会の3候補が、介護と福祉を要求する杉並住民の会とともに、介護・福祉の切り捨てに反対し、奪われた介護を取り戻す闘いの先頭に立って闘い抜いてきた。その闘いの成果が着実に切り開かれることによって、選挙戦は住民の決起と結びついた闘いになった。
 日本共産党は都革新3候補の闘いに危機感を抱き、終盤戦では露骨な敵対をしてきた。にせものの「反戦」の正体が区民に見抜かれ、日共は杉並区でも大きく票を減らし、一現職候補が落選した。
 切り開いた偉大な成果に確信を持ち、有事法制絶対阻止・イラク反戦の5−6月決戦に全力で決起しよう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2101号2面2)

 相模原 西村氏反戦訴え勝利 労働者から熱烈な支持

 定数46に58人が立候補した神奈川県相模原市議選では、西村綾子候補が3425票(31位)を獲得、堂々3選勝利をかちとった。
 選挙期間中、西村市議は連日、支持を訴えて市内を駆けめぐった。この当選には、国労、自治労、教組、全逓、そして大リストラに直面している民間労組など労働者の支持が大きな力を発揮した。5・1メーデーに西村さんは、労働者階級とともに闘う市議として勝利の報告に立った。
 また、西村さんが37年間生活と闘いの基盤にしてきた地元・相模台団地での大きな支持があった。団地に住む支持者たちが街頭でマイクを握り、練り歩きに参加するなど、感動的な合流がかちとられた。選挙戦をとおして重層的な支持の輪が広がり、新たな陣形がつくられたのである。
 5月3日、市民会館で選挙勝利報告会が開かれた。冒頭、さがみはら革新市政をひらく会の吉田義久代表が、イラク戦争反対を掲げて奮闘し、3選勝利をかちとったことを報告した。
 続いて西村市議は、「今回の選挙ほど皆さんとともに闘ったと実感したことはありません。選挙に勝つことと、戦争を止めなければならないという思いをひとつにして闘った選挙戦でした」と振り返った。
 さらに西村市議は、「今の世の中、どれほど労働者が過酷な現実に直面しているかを実感しました。行く先々で介護保険など、山のような生活相談を受けました。ある労働者は電話で『あなた本当に清掃労働者2人乗車に反対ですか、3人乗車を支持しますか』と聞いてきまして、『一貫して私は2人乗車に反対してきました。横浜で2人乗車にされた途端に事故が起きているんです。市民からも人減らし反対の声は起きているんです』『そうですか、じゃあ入れましょう』と。これは一例ですが、戦争と大リストラ、行政改革、福祉切り捨ては表裏一体、根っこはひとつです」と厳しかった選挙戦でのエピソードを語った。
 そして、「これから4年間、日常的に議会と労働運動、議会と住民運動を両輪として運動をしていく。私はその先頭に立ちます。気を緩めることなく、『基地の街から反戦の街へ』、皆さんと一緒につくっていきます」と抱負を語った。
 西村さんの熱心な支持者が「西村さんの活動を誇りをもって支えていく」「日本はもう戦争を始めている。あくまで戦争反対」と激励、長老の音頭で祝杯を上げた。
 手作りのごちそうを囲んで歓談が進む中、激しい選挙戦をともに闘った市民が次々と発言した。
 毎日事務所に手伝いに通ったり、ビラを読んで宣伝カーに乗った女性たち、そしてイラク反戦闘争に共感して立ち上がった青年労働者の発言も新鮮だった。
 婦人民主クラブ全国協議会相模原支部長の丹治孝子さんが、「皆さんがつくりあげた市議会議員です。戦争体験者の私たちは、戦争反対に人生をかける約束をしました。一人ひとりの命を守り、生活を守る、これが基本です。3425票の責任を受けとめて闘います」と決意を語った。西村市議の3期目の闘いは始まった。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2101号2面3)

 勝浦 水野氏が堂々3選 動労千葉の奮闘実る

 千葉県勝浦市議会選挙に立候補した水野正美候補(動労千葉元副委員長)は、661票、11位で堂々3選を果たした。この勝利は、勝浦在住組合員を先頭にした動労千葉の全組合員が市内を駆けめぐり、もぎり取ったものである。
 動労千葉は、アメリカのイラク侵略戦争−世界戦争の開始により情勢が一変する中で、この攻撃を跳ね返し、3月27日〜30日の03春闘ストライキを打ち抜いて、直ちに勝浦市議選に突入した。今回の選挙闘争は春闘ストライキと一体の闘いであり、なんとしても負けられない闘いであった。
 水野候補は、1市5町の合併問題を前面に押し出して闘い抜いた。今、小泉政権が推し進めている市町村合併は、戦後地方自治制度の破壊−戦争国家化攻撃であり、国家と地方財政の膨大な赤字を住民に転嫁し、自治体労働者に大リストラを強いるものであることを全力で訴えた。同時に、合併の是非は住民投票によって住民自らが決めることだと訴えた。
 他候補が合併問題に触れずあいまいにする中で、水野候補のみがこの問題を全力で訴え、それを焦点化することに成功した。
 動労千葉は、春闘ストライキと勝浦市議選の勝利を力に、有事立法阻止、国鉄闘争勝利、分裂を開始したJR総連解体−組織拡大闘争に全力で決起している。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2101号2面4)

 高槻 医療・福祉の解体許さず 小西氏・森田氏が当選

 【投稿】大阪府高槻市では、小西ひろやす、森田みつじ両候補を押し立て、堂々と2人の当選をかちとった。定数36に49人が立候補する中で、小西候補2558票で27位、森田候補2259票で33位である。
 2人の候補の当選を実現した意義は計り知れない。高槻医療福祉労働組合の組合員を始め病院や老健の職員、2つの後援会、健康を守る会を始めとする患者さん、さらには健診介護要求者組合、高槻・北摂地区の労働者の皆さんの温かい支援で勝利を実現できたと確信している。
 わが労組は、介護と反戦を中心に2人の候補の政策・主張の正しさを徹底して訴えてきた。首尾一貫した政策・主張と日頃の活動が多くの労働者市民の共感と支持を得たと言える。
 3月には思い切って介護保険料の減免・免除を要求し、支援費制度に反対し「障害者」福祉の充実を求める請願を出して、対市行政闘争を闘った。市議会傍聴闘争は、なれ合い市政を変える確かな手ごたえをつかみ、多くの市民に支持を広げるきっかけとなった。
 また2人の候補は、イラク侵略戦争開戦、小泉の参戦支持を弾劾し、直ちに職場、駅頭での行動に立ち、熱烈に反戦を訴えた。
 2人合わせて4817票の一つひとつに込められたものは〈介護と反戦>の政策・主張への熱烈な支持である。それは労働者民衆の切実な願いであり、小泉政権やなれ合い市政と闘って勝利してこそ実現できる。
 小西候補は40回、森田候補は約70回の懇談会を開催した。一人ひとりの切実な要求が自分だけのものではないことを懇談会で確信し、団結の素晴らしさを感じた労働者が、自己解放的力を十分発揮して闘った。
 勝利を実現した力は、日常活動にある。この間、後援会ニュースや市政だよりなどの約200人の配布網を組織してきた。この力が選挙戦で発揮された。約半年間の決戦を計画的・自主的にやりきったことの組織建設的意義は大きい。
 今次選挙の最大の課題の一つは、帝国主義の病院解体攻撃から病院を守るということであった。職員、地域の必死の決意、エネルギーが結実し、この面でも確実な前進を実現した。
 「いのち第一、福祉は権利」を掲げ、医療・福祉の切り捨て、年金・生活保護・「障害者」福祉の削減と闘いぬく。イラク軍事占領・再植民地化を許さず、北朝鮮侵略戦争策動や有事立法と正面から闘いたい。そして、この団結の力で病院解体攻撃を跳ね返し、地域の患者さんや労働者市民の生命と健康という身近な要求・権利を守っていきたい。
 (高槻医療福祉労働組合)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2101号2面5)

全逓4・28闘争 “首切り処分撤回せよ” 郵政公社に怒りのこぶし

 78年全逓反マル生越年闘争に対する4・28不当処分から丸24年が経過した4月28日、25年目の始まりとして郵政公社前集会と反マル生・反処分集会が開催された。4・28連絡会、4・28ネットと赤羽局闘う会の3団体が共催し、110人が結集した。
 当日は、国労闘争団の鉄建公団訴訟の第6回口頭弁論が午前中にあり、原告の闘争団員らも合流してともに闘った。郵政公社に向けて「4・28首切り処分を撤回せよ」「被免職者を職場に戻せ」「人員削減、合理化、人事制度改悪を許さないぞ」とシュプレヒコールをたたきつけた。鉄建公団訴訟原告団の岩崎松男さんが「民営化反対の闘いをともに闘う」と表明し、南部地区労働者交流会、安倍川製紙労働組合、北部労働者共闘会議が連帯のあいさつをした。
 4・28ネット、赤羽局闘う会、4・28連絡会の被免職者が発言し、4・28連絡会の徳差清さんが「名前が変わろうともあくまでも郵政公社に首切り責任をとらせる」と述べ、処分撤回を求める控訴審とともに、合理化・人員削減に加担する全逓本部に対して6月全逓大会で闘おうと訴えた。ゆうメイトの被解雇者、全逓労働者、郵政全労協が職場の闘いを報告した。
 夕方6時半から、品川区の南部労政会館で反マル生不当処分24カ年糾弾集会が開かれた。基調報告では、全逓大会と全郵政大会の6月同日開催という形でニューユニオンへの統合が策動されたが、4・28連絡会を軸とした闘う仲間の力で阻止したことを明らかにし、「これに誇りを持って6月全国大会を闘おう」と訴えた。有事立法や労働法制改悪、そのもとで激化する労働運動への刑事弾圧を許さず闘うことも確認された。4・28弁護団の遠藤憲一弁護士が、控訴審の早期終結策動を許さないため傍聴闘争の強化を訴えた。
 宮城、兵庫、東京の職場の仲間が決意表明し、東京の若い仲間は「公社になってから当局のロッカー検査が全国で強行されている。これではイラクの大量破壊兵器査察と同じではないか。許すことはできない」と発言。宮城の仲間は「公社になってから仕事が1・5倍になった。営業ノルマが前の組合役員の手で増やされ、労働強化とただ働きだけが残った」と組合員の怒りを代弁した。また、国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会の国労新橋支部組合員が「4・28連絡会が許さない会に加入したことに感謝する」とお礼を述べた。
 4・28被免職者当該の決意表明では、神矢努さんが「控訴審闘争も重大な時期に来ている。早期結審を許さず、どんな判決が出ても被免職者を職場に戻すために4・28連絡会は闘う」と発言。最後にシュプレヒコールで締めくくった。

 6月全逓大会で本部打倒へ

 4月1日の公社化を迎え、3月の勧奨退職には6千人余りの「希望者」が殺到した。退職金の予算枠を超えた「希望者」は、4月1日付の退職発令となった。さらに6月に勧奨退職が追加募集される。
 昨年の7千円以上の賃下げに続き、今年4月16日には「日本郵政公社職員の基準内賃金を一人平均1万1415円(3・8%)引き下げる」との賃下げ回答が出された。退職「希望者」は、将来への希望が持てず、絶望から退職に応じているのだ。
 この攻撃を支えているのが全逓本部の「提言」だ。昨年11月に出された郵政当局の「人事制度改革案」に対しても、全逓本部は「全逓の提言に沿ったもの」と評価している始末である。「人事制度改革案」の骨格は、昇給を役職にリンクさせ、役職者にならないと賃金が上がらないというものだ。その先にあるのは、仲間同士の競争による組合の団結の破壊であり、極限的労働強化である。
 3月31日のいわゆる「3月末提示」では、現在の翌日配達期限である前日午後3時を午後5時に繰り下げ、エリアも拡大すると提案された。実施日は5月19日とされている。同時にこれは、深夜勤の復活と新夜勤回数制限の撤廃を意味している。また、「賃金制度改革」を暫定的に行うとして、4月から各職場でプロフィット調査なるものを行っている。暫定的というのはウソで、6月の全逓大会でこの人事制度改悪案と新夜勤回数問題を承認して、すぐさま本格実施に移すことが決定されているのだ。
 生田郵政公社総裁とトヨタから送り込まれた高橋副総裁による「奥田ビジョン」の郵政版攻撃は、現場全逓労働者の全力の闘いでこそ粉砕できる。組合破壊を自ら行っている全逓本部を6月全国大会で何がなんでも打倒しよう。そのために、全国大会代議員選挙をとおして反合理化・反マル生を闘う4・28陣形の強化と闘いを組合員に訴えよう。生田・高橋による郵政版「奥田ビジョン」との闘いをかちとろう。
 (投稿/全逓東京・草壁史郎)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2101号2面6)

組合差別あばく 鉄建公団訴訟 “国労内主流派へ” 報告集会

 4月28日午前、東京地裁で鉄建公団訴訟第6回口頭弁論が行われ、九州・鳥栖闘争団の石崎義徳さんが陳述を行った。傍聴券抽選には150人が参加した。
 石崎さんは当時のメモをもとに、鉄建公団側が提出した国鉄清算事業団当時の「就職あっせん」資料のウソを暴いた。「資料では、私に3年間で就職指導41回、就職あっせんは14回行ったとなっていますが、この数はまったくでたらめ。私の資料では就職指導35回、就職あっせん6回。87年に事業団に配属された49人のうち、事業団のあっせんによる再就職率は43%に過ぎません。国労組合員には徹底的な組合差別が行われました」
 午後6時半から、報告集会が飯田橋のシニアワーク東京で行われ、230人が参加した。国鉄闘争共闘会議の二瓶久勝議長があいさつに立ち「共闘会議結成から1年。加盟団体は100以上、構成員は15万人以上となった。鉄建公団訴訟を大きな大衆運動で包んで勝利しよう。そのために今こそ主体の強化が必要だ。闘争団自身を強化し、国労内良心派と手を握り、国労内部で主流派となろう。共闘会議の組織拡大を全力で闘おう。1047名闘争は国労だけでなく全動労争議団、動労千葉争議団も含めた闘いだ。『春闘終えん』と言われる今こそ、国鉄闘争に勝利して流れを変えよう」と訴えた。
 口頭弁論報告を加藤晋介弁護士と陳述人の石崎さんが行った後、「国民の犯罪者/村上敬一裁判長を弾劾する」として、東京高裁の反動判決と闘う全動労争議団などの労組が発言した。
 国労に人権と民主主義を取り戻す会の共同代表は、「国労本部が右に行くのを阻み、舵(かじ)を左に戻そう」と訴え、生活援助金の凍結やスト基金の規則外運用を許さない仮処分などを闘いながらJR本体で奮闘していくと表明した。
 行動提起では、最高裁署名運動や裁判所へのハガキ運動などが確認された。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2101号3面1)

4・26渋谷 ワールドアクションに600人 “有事法制を止めよう” 新たな闘いへスタート

 東京・渋谷の宮下公園で4月26日、3月のイラク開戦直前から数えて第5回目の「ストップウオー・ワールドアクション」が闘われ若者を中心に約600人が集まった。渋谷一周のピースウオークで、「米英軍のイラク撤退」「有事立法反対」をアピール。渋谷の街を歩く多くの若者に、今こそ反戦デモに決起しようと呼びかけた。
 集会は数多くのボランティアの手で運営され、音響設備もグレードアップされた。司会をスタッフの大学生の男女がつとめた。午後5時30分、中学生の反戦シンガー・ソングライターの歌から集会が始まった。
 杉並で反戦運動を闘う女性が、有事立法反対の大きな運動をつくり出すために勉強が必要だと訴えた。
 高校生は「友人は、もう戦争は終わった、反戦運動は意味がないと言う。しかし戦争は終わっていない、周りにちゃんと話をしよう」と訴えた。続く高校生2人組も「米国は、イラクに石油のための親米政権をつくろうとしている。石油はイラク人のものだ」と語り、喜納昌吉の「花」などを歌った。
 反戦自衛官の小多基実夫さんがアピールした。「自衛官と家族の大半は戦争に反対です。私たちの政府が派兵を強制している。ワールドアクションは、自衛官や米兵も参加できる反戦運動になって欲しい」
 続いてバンド活動をやっている青年労働者3人が登場。「労働者として、自分たちの税金が戦争に使われていることは許せない。ワールドアクションで若い人たちががんばっている。おれたち労働者もがんばっていきたい」と自分たちでつくった曲を歌い、労働者の闘いの存在感を示した。
 ベトナムから来たという留学生は「ベトナム戦争は、とてもつらく食べ物もなく、子どもは学校も行けなかった。イラクでも、子どもと女性が一番大変です。ベトナム戦争では、世界中の反戦運動の力で米軍は撤退した。世界中でイラクからの米軍撤退を訴えよう」。張りつめた声での訴えが会場の心をつかんだ。
 最後に看護師の女性が次のようにアピールした。
 「米英軍はイラクを軍事占領し、次は北朝鮮やシリアも攻撃しようとしている。日本は有事法制をつくろうとしている。自衛隊の持つクラスター爆弾は自衛ではなく無差別虐殺兵器です」「『米軍は帰れ』『軍事占領やめろ』と訴えるイラク人のデモに米軍は発砲している。石油のためにたくさんの生命が奪われている。なぜですか。これは侵略戦争だからです」「私たちに何ができるのか? 私たちが事実を伝えよう。世界の反戦運動と手をつなごう。人民だけが戦争を止められる。米軍を追い出すこと、さらなる戦争を止めること、日本に参戦させないこと、それは有事法制を止めることです」
 ――このアピールで今後の方向性は鮮明となった。次は5月17日だ。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2101号3面2)

4・28大阪 米総領事館デモ イラク人民と連帯

 有事立法の国会審議が始まり、5月にも強行採決が狙われている緊迫した情勢下の4月28日、関西反戦共同行動委員会主催の「STOP WAR、STOP有事立法! 4・28国際反戦デモ」が闘われた。(写真)
 午後7時半、中之島公園から元気よく250人のデモが出発した。入江史郎関西反戦共同行動委代表、山本善偉関実世話人らを先頭に、学生部隊、部落解放同盟全国連、諸団体、労組交流センターの隊列が続く。
 デモ隊は、退勤時の労働者が多く行き交う御堂筋で沿道の注目を浴びながら、「有事立法粉砕」「朝鮮侵略やめろ」「帝国主義を倒せ」「侵略粉砕」「小泉打倒」と叫びつつ進んだ。そして、米総領事館を周回、「米軍はイラクから出ていけ」「軍事占領反対」「小泉・ブッシュを打ち倒そう」の声をたたきつけた。
 デモに先立って中之島公園内女神像前で集会が開かれた。国賀祥司事務局長が主催者あいさつを行い、「有事立法粉砕闘争は北朝鮮への侵略戦争を止める闘いだ。侵略戦争を止める国際反戦闘争に立とう」と檄(げき)を飛ばした。
 イラク侵略戦争を阻止するためにイラクに行って命がけで闘ってきた高藪繁子さんが発言し、「通りのあちこちに遺体が放置されていた。米軍の制圧下で人びとは遺体を引き取ることもできない。石油関係の施設を米軍はしっかり押さえていて、イラクの人びとは、アメリカは許せないと心から怒っていた。有事立法粉砕の闘いを」と訴えた。
 基調報告を松田勲関西労組交流センター代表が行った。冒頭、集会に参加していた関西労組交流センター副代表で関西合同労組書記長の宮武章治さんが「免状不実記載・同行使」をデッチあげられて、不当逮捕されたことが報告されると、怒りの声が上がった。さらに、4・28は沖縄デーであり、国際反戦闘争の壮大な高揚をひきついでイラク人民・イスラム諸国人民とともに立ち上がろうと訴え、ORHA(人道復興支援室)への日本の要員派遣を弾劾。有事立法は自衛のためと称して北朝鮮に先制攻撃をやる法律だ。有事立法粉砕にむけて巨大な闘いを5月中旬に向けてくりひろげていこう、と結んだ。
 侵略戦争反対を掲げて高槻市議選で再選された小西弘泰さんは、日本共産党がイラク戦争反対のスローガンをおろした結果、市議会議員が6人から4人に減ったことを報告し、同じ高槻市議選で初当選を果たした森田充二さんがあいさつした。
 部落解放同盟全国連の代表は、「排外主義、差別主義の強まりは戦争への道だ。世界の人民、在日朝鮮人民と連帯して有事立法を粉砕しよう」と訴えた。全学連の学生は、「有事立法決戦はこれからだ。全学連は最先頭で闘う」と宣言。
 入江代表がまとめと行動提起を行い、「有事立法は日本を戦争する国に変える攻撃だ。有事立法を可決させないよう立ち上がろう」と訴えた。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2101号3面3)

4・29広島 原爆ドーム前集会 韓国・沖縄の闘いと合流

 4月29日、広島原爆ドーム前で430人が参加し、「イラク軍事占領NO! 有事法制を廃案に!」を掲げた「4・29ヒロシマ WORLD ACTION」(実行委主催)が、ヒロシマと沖縄、韓国、アメリカを結ぶ国際的な反戦行動としてかちとられた。
 午後1時から若者によるライブパフォーマンスが行われた。若者たちが帝国主義戦争と必死に向き合い、生き方として反戦に取り組もうとする真剣さが、参加した全員にひしひしと伝わってくる。予定の1時間はあっという間に過ぎた。
 午後2時、虐殺されたイラク人民への追悼を込めてサクソフォーンが演奏される中、実行委員会事務局長の由木栄司さんが集会の開会を宣言した。最初に、夕方から広島でライブコンサートを予定しているというロック歌手のジャクソン・ブラウンさんが、飛び入りで発言した。彼は、今、米国内で反戦を訴えることはかなりの困難をともなうが、それでもあらゆる機会をとらえて反戦を訴えると自らの決意を表明し、国際連帯を呼びかけた。
 これを受けて、主催者のあいさつを北西允広大名誉教授が行った。北西さんは、若者の参加はとても心強い、と前置きし、「アメリカのネオコンとは民主主義の名をかたるファシストだ。イラクの次は朝鮮民主主義人民共和国を狙っている。小泉政権も弱肉強食の社会の実現を狙っている。彼らの野望を打ち砕くまでは死ねない」と、怒りを込めてアピールした。
 呼びかけ人の山今彰広教組委員長の「広島の体験と思想を世界へ」というメッセージが紹介され、下田礼子反戦被爆者の会事務局長が、「有事立法などとんでもない。戦争は二度とくり返してはならない」と怒りを込めてアピールした。
 沖縄でイラク人民との連帯を掲げて闘っている平良夏芽牧師が、「沖縄戦の経験からも、『終結』の後からこそ多くの犠牲が生まれる。今、自分の生活の何かを犠牲にしてでも戦争を止めよう」と呼びかけた。この発言を受けて、沖縄県人会の人たちによる「花」の三線演奏が行われた。
 続いて、韓国からかけつけた太平洋戦争被害者補償推進協議会理事のイ・ヒジャさんが訴えた。彼女は、強制連行され、あげくの果てに靖国神社に合祀(ごうし)されてしまった父親の身の上を話し、合祀撤回の靖国訴訟に決起した経過を明らかにした。そして、「有事法制を阻止するために韓国と日本でともに闘おう」とアピールを行った。
 さらに、報復戦争に反対している9・11犠牲者遺族の会であるピースフル・トゥモロウズのロバート・マキルヴェインさんからのメッセージと、「この運動がもっと広がれと祈る思い」という原爆詩人栗原貞子さんのメッセージが紹介された。最後に、ストリート・アクションの代表が、イラク反戦・有事立法阻止の先頭に立つと決意表明した。
 「侵略反対・有事法反対」を叫んで市内デモに出発。繁華街の金座街では、メッセージ・ボードを受け取って飛び入り参加する人びとが続出、平和記念公園までのデモを闘いぬいた。
 この日の闘いは、原爆ドームを訪れるすべての人びとの圧倒的共感を生んだ。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2101号3面4)

4・27福岡 沖縄デーの闘い  “戦争は終わってない”

 4月27日、「4・27沖縄デー NO WAR! とめよう 有事法制!」集会とデモが有事立法粉砕実行委員会・福岡の主催で福岡市内で開催された。
 午後1時半から福岡市民会館小ホールで集会を行った。集会は、「草の音ふくおか」の女性たちの反戦歌で始まった。呼びかけ人代表と実行委員会からの訴えで、「沖縄米軍基地問題をヤマト・私たちの責任で解決する。イラク反戦闘争は粘り強く闘っていく。有事立法の今国会での成立を阻止していこう」と4・27闘争の課題が提起された。
 北九州大学法学部のマイケル・ペンさんの「イラク戦争はなにを意味するのか」と題した講演が行われた。彼は「イラク戦争がもたらした大量の破壊と無秩序」を指摘し、「イラク解放の戦争なのか」と問題を提起した。そして、「アメリカの政策の本当の狙いはなにか」と問題を投げかけ、ブッシュ政権とPNAC(新アメリカの世紀プロジェクト)との関係を生々しく明らかにした。さらに「日本の役割はなにか」と、日本の反戦運動と現実の政治との関係を指摘した。これは私たちにさまざまな問題意識を生み出すものであった。
 集会後、若者があふれる福岡市内の目抜き通りをデモ行進し、「イラク軍事占領許すな! 小泉倒せ! 有事立法成立阻止しよう」と訴えた(写真)。ラップ調のコールは私たちのデモ行進のトレードマークとしてすっかり定着したようだ。
 警固公園で総括集会を行い、反戦共同行動・福岡の代表が有事立法粉砕・小泉政権打倒への決起を訴えた。
 (投稿/労働者 A)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2101号3面5)

5・5福岡 侵略戦争許さぬ 有事法阻止へ決戦宣言

 5月5日、「イラク侵略を許さない! 有事立法阻止! ブッシュの戦争犯罪を追及する5・5集会とデモ」が福岡市で闘われた。
 午後2時から農民会館ホールで開催された集会のオープニングは「草の音ふくおか」の女性たちの反戦歌で始まった。
 司会の「女たちのデモ実行委員会」の女性のあいさつの後、主催者の「アメリカのイラク攻撃を許さない実行委員会」の代表が「昨年から10回目の米領事館デモになる。朝鮮有事に米国に追従し侵略の道を歩まない」とあいさつした。
 次にイラクで「人間の盾」として行動した伊都キリスト教会牧師の木村公一さんの「見たこと、聞いたこと、触れたこと−イラク現地報告」が行われた。イラクでの体験が淡々と、時にはユーモアを交えながら報告され、侵略戦争の凶暴さ、イラク人民とのふれあいなどが報告され、ブッシュ政権とPNACへの批判が鋭くなされた。簡単な質疑応答の後、在日韓国人2世のギターの弾き語りとメッセージに移った。
 次に、有事立法粉砕実行委員会・福岡の梶村晃さんが「有事立法国会の動き」を報告し、「日本は戦争体制に入っている。有事立法、個人情報保護法案、教基法改悪は3点セットだ。全力をあげて有事立法反対闘争を闘おう」と訴えた。
 会場を警固公園に移し、米領事館までのデモ行進に出発した(写真)。米領事館前では集会と、申し入れ行動が闘われた。
 この日の闘争は、日帝・小泉の有事立法制定攻撃への新たな戦闘宣言として力強くかちとられた。
(投稿/労働者 T)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2101号3面6)

メーデー 戦争と資本攻勢に怒り 100万反戦デモへ展望示す

 5月1日、第74回メーデーが全国各地で約113万人の労働者が結集して闘われた。既成指導部の屈服にもかかわらず、いずれの会場もイラク侵略戦争と有事立法攻撃に対する怒り、それと対をなす労働法制の抜本改悪や首切り・賃下げ攻撃への怒りと、闘いを求める熱気にあふれた。
 革共同は各会場でメーデーアピールを配布し、戦争と一大資本攻勢に対してともに闘いぬくことを訴えた。労組交流センターや動労千葉、国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会も独自の宣伝行動を貫徹した。あちこちでビラを読みふける労働者の姿が見られた。
 労働者は、戦争と資本攻勢に対して、団結を固めて闘いぬくことを求めている。この中に、100万人反戦決起の展望がはっきりと存在しているのだ。
 ●連合系は、東京・代々木公園でメーデー中央大会を開催し、6万5000人が結集した。「有事法制反対」「労基法改悪反対」「派遣労働者の権利確立」などのゼッケンを着けた労組の姿も目立った。
 しかし、笹森清連合会長は「ベア・定昇を中心とする春闘は過去のものになった」と03春闘の敗北を居直り、「北朝鮮は核開発をやめろ」と排外主義的にわめき立て、「国の危機に労働組合の総力戦で取り組む」と言い放った。結集した労働者は、坂口力厚労相に深々と頭を下げる笹森会長に対して、労働法制改悪への怒りを込めて痛烈なやじを浴びせた。
 ●東京地公労系は、連合メーデーに先だって明治公園に結集、連合中央がデモを放棄する中で、代々木公園への結集デモを貫いた。集会では、有事法制反対と公務員制度改革阻止がはっきりと打ち出され、参加者は「イラク戦争をやめろ」「やめろ石原」などののぼりを掲げてデモに出た。
 ●全労協系は、「働く者の団結で生活と権利、民主主義を守ろう」をメイン・スローガンに、日比谷野外音楽堂に1万5000人が集まった。「イラク侵略戦争反対」「有事法制定阻止」「労働法制改悪阻止」「教育基本法改悪反対・憲法改悪反対」などの横断幕やプラカード、ゼッケンが目立った。
 集会後、参加者は2方向に分かれてデモに立った。「米軍のイラク軍事占領糾弾」「日本の戦争協力反対」「自衛隊の海外派兵反対」「労働法制の全面改悪をやめろ」などのシュプレヒコールが響いた。
 この労働者の怒りを巨大な力に転化するものは、国労の階級的再生であることが明らかになった。
 ●全労連系は亀戸中央公園で中央メーデーを行い、6万人が参加した。イラク侵略戦争反対や有事立法反対、労働法制改悪反対を掲げた横断幕やゼッケン、プラカードなどが並び、闘う熱気があふれた。だが熊谷金道全労連議長は、春闘破壊・賃下げに協力し、新たな「産業報国会」に転落した連合をまったく批判せず、それにすり寄る姿勢をあらわにした。日本共産党の志位和夫委員長は、統一地方選での敗北の言い訳に終始し、イラク侵略戦争に対しても「国連憲章に基づく平和のルールを取り戻せ」と述べ、国連を賛美して国際帝国主義による事態の「解決」を唱えた。
 このように、今年のメーデーは、階級的労働運動の再生・復権を労働者階級が切実に望んでいることを痛感させるものだった。
 カクマルは各会場で、労働者をさげすんだ反革命ビラをまき散らしたが、労働者から相手にもされず、消耗しきった姿をさらした。分裂を深める資本の手先JR総連は、連合メーデーの会場で見る影もなく数を減らし、内部対立の危機の深さをさらけ出した。

 大阪メーデー有事法反対訴え

 5月1日、中核派の宣伝隊は、連合大阪主催の第74回大阪地方メーデー会場の大阪城公園に登場し、8万人の労働者に有事立法決戦と労働法制改悪阻止への総決起を訴えた。(写真)
 近畿圏の失業率が全国最悪となって久しいにもかかわらず、前田修連合大阪会長は、経営者に自覚を求めるだけの発言だった。イラク侵略戦争にも有事立法にも誰一人触れなかった。
 しかし、自治労府本青年部各組織が反戦スローガンをかかげるなど、組合員の階級的怒りは健在だ。動労千葉のストライキを報じ、階級的労働運動を真っ向から提起した宣伝活動に注目が集まり、ビラ2000枚が受け取られ、革共同のメーデーアピールを掲載した『前進』11部が売れた。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2101号3面7)

資本攻勢&労働日誌 2003 4月14日〜28日
 雇用保険法の改悪が成立・施行 労働者に立証責任−「解雇ルール」/一時金4・8%減

強制執行妨害罪の強化、労組への適用を懸念 今国会提出の刑法改悪案には、強制執行の妨害行為防止のための罰則強化規定が含まれている。日本労働弁護団は、労組が企業倒産時、労働債権確保のために事業場を占有する行為も処罰の対象になることを警戒し、意見書を国会に提出した。(14日)
夏の一時金、民間平均4.8%減 みずほ証券がまとめた03年夏の一時金予想だと、民間企業の平均支給額は、前年比4.8%減の約39万円となる見通し。(15日)
産業再生機構が発足 産業再生機構が初の取締役会を開き、発足した。(16日)
パートが4.7%増加 経産省は企業約2万7000社対象の企業活動基本調査を発表した。01年度は常時従業者数は1045万人で、前年度比0.7%減少。正社員が2.1%減少したのに対し、パートは4.7%増加。常時従業者のパート比率は21.2%。小売業では約半数をパートが占めた。(17日)
労基法改悪で日弁連が対案 労基法改悪案の「解雇ルール」について日弁連は、政府案では「解雇が自由にできるとの誤ったアナウンス効果を招く弊害がある」として修正案を発表。改悪案の「使用者は労働者を解雇できる」という条文から「できる」を削除することを提案した。(18日)
出向、労働者の同意不要―最高裁が初判断 本人が同意していない関連子会社への出向の適否が争われた訴訟の上告審判決で、最高裁は「著しい不利益がなければ、会社は社員の同意なしに出向を命令できる」との初判断。(18日)
マツダが5月から定昇廃止 マツダは一般労働者の定期昇給制度を5月から廃止することを発表。同年齢で月額最大約20万円の格差が生じる可能性が。(23日)
3月の完全失業率、5.4% 総務省が発表した労働力調査だと、3月の完全失業率は5.4%で、前月から0.2ポイント上昇。同時発表の02年度平均の完全失業率は、5.4%と過去最悪を記録した。厚労省発表の3月の一般職業紹介状況では有効求人倍率は前月を0.01ポイント下回る0.60倍となった。(25日)
改悪雇用保険法が成立・施行 雇用保険法改悪案が1週間足らずの参議院審議で成立し、5月1日から施行された(要旨別掲)。一連の労働法制改悪攻撃の口火を切る大攻撃。(25日) 厚労省の発表  『週労ニュース』記事
労働者に不当性の立証責任、解雇ルールで政府見解 労基法改悪案の「解雇ルール」について、厚労省は不当解雇を争った裁判の立証責任は労働者側にあるとの政府見解を初めてまとめた。(26日)
松下電器、大規模な追加リストラ実施を発表 松下電器産業は03年度に人員削減や工場統廃合・設備廃棄などを行うと発表。02年3月期に実施の約1万3000人早期希望退職以来。(28日)

雇用保険法改悪攻撃の要旨

@失業給付額の引き下げ
離職時賃金の60%から50%に。日額上限も24%〜27%引き下げ。
A保険料率の引き上げ
 05年度に保険料率を賃金の1.4%から1.6%に引き上げる。
B早期就業促進のためと称して就業手当を創設
C通常労働者とパート労働者の給付日数を一本化
 自己都合の場合:最長150日(通常労働者の場合、現行より30日削減)
 倒産・解雇等の場合:最長330日
D教育訓練給付及び高年齢雇用継続給付の給付率の引き下げ
E「不正受給」に対する罰則強化
 現行の倍返しを「3倍返し」に強化。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2101号4面1)

北朝鮮への先制攻撃と人民大虐殺狙う有事法
 衆院採決を絶対許すな! 国会包囲する巨万の決起を

 有事立法を巡る情勢がきわめて緊迫している。5月6日の衆議院本会議で個人情報保護法案が採決強行され、参議院に送られた。有事3法案(武力攻撃事態法案、自衛隊法改正案、安全保障会議設置法改正案)についても与党3党側は、委員会採決を強行しようと狙っている。米日帝の北朝鮮侵略戦争阻止、有事法制の成立阻止へ全力で決起しよう。陸海空港湾労組20団体とともに5・23闘争に総決起しよう。

 北朝鮮への先制攻撃はブッシュが決める

 米帝ブッシュ政権は、イラク人民大虐殺の侵略戦争−軍事占領を強める一方で、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)侵略戦争突入に向けた策動を強めている。ラムズフェルド国防長官は5月4日、「北朝鮮への先制攻撃は大統領が決める」と発言し、北朝鮮への侵略戦争突入の事態が緊迫していることを示した。
 実際に米帝は今、北朝鮮侵略戦争計画である作戦計画5027の改訂作業を進めている。もともと作戦計画5027は2年ごとに改訂されることになっており、今年は改訂の年に当たってはいない。にもかかわらず改訂作業を進めていることは、北朝鮮侵略戦争突入に向かって実践的、具体的な準備を進めていることを示している。
 有事立法の狙いは、米帝が北朝鮮侵略戦争を強行しようとしており、その際に日帝が「武力攻撃事態」を宣言して参戦することにある。すなわち、@米帝が北朝鮮への先制攻撃を公言し、日本や韓国に部隊を集結させる。A北朝鮮がこれに対して臨戦態勢構築に動く。Bそれをとらえて、日帝が「武力攻撃予測事態」と「認定」して自衛隊が戦争体制に突入し、C北朝鮮のさらなる反応を口実に米帝が先制攻撃に突入すると同時に日帝も侵略戦争に参戦していくのだ。
 石破防衛庁長官は4月25日、国会答弁でアメリカが北朝鮮に対して先制攻撃を開始した場合に武力攻撃事態法を適用することが可能であると発言した。米帝の戦争に日帝が共同参戦し、北朝鮮に対して先制的に侵略戦争を強行することを宣言したのである。

 「武力攻撃予測事態」はいくらでも拡大解釈

 こうした目的のために武力攻撃事態法案では、「武力攻撃事態」「武力攻撃予測事態」といういくらでも拡大解釈が可能な新たな規定を持ち出した。武力攻撃事態については、「武力攻撃が発生した事態または武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態」(与党修正案)と規定している。また武力攻撃予測事態については、「武力攻撃事態には至っていないが、事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態」(同)と規定している。
 ここで、「武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態」というのは一見したところ規定をより明確にしているように見える。だが、実はきわめて幅の広い事態を含むものであって、「事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態」と近接し、重なり合う内容を含んでいる。そしてこのきわめて幅の広い事態を含むものとして武力攻撃事態を規定した結果、「予測されるに至った事態」という規定が実際の武力攻撃発生の時点よりもずっと手前に前倒しされているのである。
 この武力攻撃予測事態は、現行自衛隊法77条(防衛出動待機命令)の「防衛出動命令が発せられることが予測される場合」と意図的に重ね合わせられ、防衛出動待機命令の発令、予備自衛官・即応予備自衛官の招集ができるとされるのだ。しかも、今回の自衛隊法改悪によって防衛出動待機命令段階で陣地構築などが行えるようにしようとしている。だから、この段階で事実上の「防衛出動」が始まるのである。
 要するに日帝・自衛隊が北朝鮮侵略戦争の戦争態勢をどんどん進め、まさにイラクで米軍がやったように先制的に侵略戦争に突入していくことをすべて合法化しようとしているのだ。

 国民保護法制とは侵略戦争への総動員だ

 日帝は、この有事3法案に続いて「国民保護の法制」を強行しようとしている。4月18日に国会に提出された骨子を見ても明らかであるが、「国民保護」というペテンを使いながら、実際には国内での戦争体制を構築するために、労働者人民の権利を奪い、さまざまな強制を行い、労働者人民の戦争動員を図るものにほかならない。また、「社会秩序の維持」の名のもとに、反戦運動を弾圧し、在日朝鮮人民、在日アジア人民を戦争体制のもとで一層抑圧・弾圧するためのものである。
 北朝鮮侵略戦争のためには、米帝・米軍にとって、日本全土を出撃、兵站(へいたん)などの基地として確保することが不可欠であり、自衛隊の参戦・動員をも含めて日本全体を戦争体制に組み込み、あらゆる面で動員しようとしている。米帝にとって、単に戦争を遂行するためだけでなく、対日争闘戦的にも日帝をこの戦争に動員することが不可欠なのである。日帝は、この帝国主義間争闘戦にかちぬくためにも、戦争のできる帝国主義として登場しようと全力をあげているのである。まさに有事法制は、「武力攻撃事態」を宣言することで日帝が世界中どこでも侵略戦争を強行することを可能とする法案なのである。
 国会では民主党が有事法制の対案を出し、現在与党3党との折衝が行われている。民主党の対案は、有事法制の必要性を認めた上で、国会の事前承認を要求するというようなものであり、日帝の侵略戦争法案の必要性を認め、しかも「テロ」や「不審船」対策も緊急事態対処基本法に盛り込むなどきわめて悪らつだ。戦争法制定を強行しようとするものだ。

 北朝鮮の反人民性えじきに政権転覆狙う

 米帝の北朝鮮侵略戦争策動がますます緊迫してきている。米政府は4月17日、北朝鮮の核施設すべての即時解体と高濃縮ウラン計画の完全放棄を迫る方針を明らかにした。これについてラムズフェルド国防長官は北朝鮮が核開発を放棄しても米帝が何らかの見返りを与えることはないと明言した。これに対して北朝鮮は、北京で開かれた米朝中3国間協議で4月24日、「核兵器保有」を宣言した。しかし、実際には核実験も行われておらず、またウラン濃縮やプルトニウム抽出の際に排出される物質も検出されていない。
 だが、北朝鮮スターリン主義は、米日帝の侵略戦争策動に対して冒険主義的、反人民的で「捨て身」的な政策に出ており、それが逆に米帝の餌食とされて北朝鮮侵略戦争に危機が一層切迫しているのである。
 米英日帝は、圧倒的な軍事力で反米的政権としての北朝鮮に重圧を加え、凶暴な侵略戦争によって政権転覆をはかろうとしている。これに対して北朝鮮スターリン主義は、北朝鮮人民・全朝鮮人民、さらには全世界の労働者人民とともに民族解放・革命戦争の立場で闘うのではなく、核武装(の脅し)をもって対抗しようとする反人民的対応をとっている。3カ国協議で米帝に政権の存続保障と引き替えに核開発放棄を提案したことに示されているように、自らの延命のために朝鮮人民や全世界人民を戦争の危険にさらすきわめて反人民的・反革命的な誤った政策である。
 米日帝は、北朝鮮のこうした対応を口実として、一層侵略戦争策動を強めている。米帝は、帝国主義世界経済の危機、世界支配の危機の中で凶暴な侵略戦争によって世界支配を貫こうとしている。こうした帝国主義の北朝鮮侵略戦争への突進を止められるのは世界の労働者人民の決起だけである。米英軍のイラク軍事占領を許さない闘いをさらに猛然と巻き起こすと同時に、国会闘争や5・23明治公園での大集会に全力で決起しよう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2101号4面2)

“国会闘争で廃案へ” 20労組など 有事法阻止へ集会

 5月6日夜、有事法制をめぐり緊迫する国会に近い星陵会館で、「STOP!有事法制 市民と連帯する議員激励集会」が行われた。陸・海・空・港湾労組20団体を始め4団体が呼びかけ、300人の労働者・宗教者・市民が参加した。
 司会は航空労組連絡会の村中哲也副議長が務めた。主催者を代表して全日本海員組合・政策教宣局長の福岡眞人さんが開会あいさつに立ち、「今、『有事法案に基本的人権の保障が盛り込まれるかどうか』が争点であるかのように伝えられているが、『武力攻撃事態』と判断された時の基本的人権とは何でしょうか。『協力要請』とは、わが国が過去に戦争にのめり込んでいった時と同様、実際は強制動員です。『わが国が攻撃される前に攻撃する体制をつくる』と言って先制攻撃の『備え』をすれば、自ら戦争を始める危険があることは当たり前。今こそ、過去に戦争を引き起こしたことへの反省に立ち、戦争が起こらないよう努力しよう。私たちは有事法制に反対します」と訴えた。
 続いて、社民党・土井たか子党首、日本共産党・市田忠義書記局長、民主党・生方幸夫衆議院議員、無所属の川田悦子衆議院議員があいさつし、約40人の国会議員が参加していることが 報告された。
 次に「各団体からの激励」として、日弁連・有事法制問題対策本部の小山達也弁護士、日本青年団協議会の渋谷隆事務局長、市民緊急行動の富山洋子さん、平和をつくり出す宗教者ネットの武田隆雄さん、労組20団体から航空労組連絡会の内田妙子議長が発言した。
 小山弁護士は「有事法制は明らかに憲法に反し、国際諸人権規定、国際条約等にも反する。2万9000人の弁護士は一貫してこの法案に反対しています」と発言。日本青年団協議会の渋谷さんは「青年団は戦前、戦争に若者を駆りたてた苦い経験を持っています。若者たちが有事法制で戦争に協力させられることに強い不安を持っています。地域からもっと反対の声を上げたい」と訴えた。
 内田議長は「有事法制は労働者の生存権・生活権、基本的人権を根こそぎ奪います。私がきょう、職場の人たちに言われてきたことを代弁します。私たちは戦争に加担したくない。人殺しの手伝いもしたくない。戦争の犠牲にもなりたくない。国会議員が今やるべきことは有事法制に反対することです。労働者にとって『いのちと安全を守る』ことは最低の労働条件です。この数年、労働法制が何度も改悪され、労働者は解雇、過労死、自殺、就職難と、大変な犠牲を受けてきました。有事法制については『あの時もっと取り組んでいたら』という結果に絶対したくありません。私たちも国会を包囲する運動に奮闘します」と述べた。
 平和を実現するキリスト者ネットの大津健一さんが閉会あいさつを行い、国会闘争を全力で闘いぬいて5・23大集会(明治公園)に集まることを誓い合った。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2101号4面3)

5・15沖縄闘争に立とう 宜野湾市長選勝利の意義

 米英日帝のイラクへの侵略戦争、軍事占領に対して、イラク・中東・アラブの人民はもちろん、全世界の人民はこれを少しも容認していない。全世界の人民は、今こそ、闘うアラブ・中東の人民と連帯し、米帝をたたきだし、打倒するべき時がきたと感じている。そして、実際、イラク・中東の人民は激しく決起している。イラク反戦闘争の過程は、現代の帝国主義の凶暴な侵略戦争−世界戦争に対して、帝国主義を打倒するという課題が再び完全に現実的日程に上ったということを示した。とりわけ問われているのは、日本の労働者人民であり、日本階級闘争である。
 72年5・15沖縄「返還」から31年を、この情勢の中で迎える。米帝は、イラク軍事占領の直後から、「北朝鮮への先制攻撃がありうる」という態度を示し、北朝鮮・金正日政権をさらに追いつめようとしている。一定の曲折があることは確実だが、「イラクの次は北朝鮮」という軍事的プロセスに突入したことを、われわれははっきりとさせなければならない。これと連動して、日帝・小泉政権は有事3法案と個人情報保護法案の今国会での強行をとおして、北朝鮮侵略戦争の現実的体制をとろうとしている。われわれは、イラク反戦闘争をさらに継続・発展させるとともに、全力をあげて、有事立法阻止・北朝鮮侵略戦争阻止の闘いに決起していかなければならない。
 03年沖縄5・15闘争は何よりも第一に、この有事立法阻止・北朝鮮侵略戦争阻止と一体のものとして、その大きな突破口を切り開くものとして闘いとられなければならない。侵略基地の島・沖縄の中からそれと真っ向から対決する闘いが、イラク人民と連帯し、南北朝鮮人民と連帯して、新たな発展を遂げていくことは、百万人、一千万人が決起する日本発の闘いをつくり出していく上で決定的である。5・15という沖縄闘争の原点に立ち返ってこのことをしっかりと確認しよう。
 第二に、沖縄基地を先頭にした米軍基地・在日米軍という軍事的実体をめぐる攻防が北朝鮮侵略戦争阻止の闘いにとって、また有事立法との闘いにおいて決定的となる。「連帯し、侵略を内乱へ」の実践的な貫徹として、われわれは、日帝軍隊(自衛隊)との闘いと同時に、在日米軍基地への大闘争をつくりだしていかなければならない。
 第三に、沖縄闘争の新たな転回点として03年の5・15を闘いとろう。4・27統一地方選と同時に行われた宜野湾市の出直し市長選で「普天間基地の5年以内の閉鎖」「基地の県内移設反対」を掲げた革新統一候補の伊波洋一氏が当選した。保守候補の安次富修氏が「普天間基地移設の流れを変えるな」という宣伝に出たのに対し、伊波候補は、はっきりと県内移設路線に反対の意思を表明した。これは、事実上、人民の力で基地をたたき出そうという呼びかけに等しかった。宜野湾市民はこれにこたえたのである。
 97年の名護の市民投票で普天間基地の名護移設に反対するという意志が示されたにもかかわらず、名護移転の「流れ」がつくられていったのには、宜野湾市長が途中で転向・屈服し、稲嶺県政の誕生を支えたということが大きかった。これがうち破られたのである。
 「普天間基地の5年以内の閉鎖」とは、当然、名護新基地建設阻止を意味する。日帝政府と稲嶺県政は「計画は予定通りに進める」「影響はない」と懸命にこの結果の重大性を否定しようとしているが、実際には、これは、普天間基地の県内移設=名護新基地建設計画そのものが根底から揺らいだということなのだ。「予定通り」ということは、これから10年も15年も普天間基地が存在し、しかも「関西空港より大きい新基地をつくらせる」ということだ。宜野湾市民はこれをはっきり拒否したのだ。これは、まさに、この数年間の沖縄情勢の「流れ」を大転換させたのである。
 重要なことは、これは単純に「沖縄革新共闘」復活ではないということだ。日本共産党スターリン主義や社民党が軸になって、この情勢が切り開かれたわけではない。この枠を打破するまったく新たな動きというところにこの情勢の本質がある。この「流れ」を、95年以来の人民の反乱を「大田知事的な枠」をうち破って、帝国主義との本物の対決に押し上げなければならない。そして、必ず訪れる「力の攻防」にかちぬいて、歴史的新地平を開かなければならない。かつての復帰運動を歴史的にのりこえつつ全人民的な新たな闘いを発展させていこう。
 カギを握っているのは、われわれ=真の革命派の存在と闘いである。03年5・15から6・23「慰霊祭」闘争へ! 日帝と反革命どもを震撼(しんかん)させる力強い決起を!

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2101号4面4)

“狭山再審を行え” 解同全国連が要請行動

 部落解放同盟全国連合会は4月30日、狭山第2次再審―特別抗告審闘争として、最高裁と最高検に対する要請行動に立った。全国連の部落大衆と解放共闘の労働者・学生らが多数参加した。
 午前10時、永田町の星陵会館で集会が開かれた。全国連中央本部の楠木吉秀事務局長が基調を提起した。
 まず4月27日の統一地方選で全国連が推薦した候補の結果を報告。「9月の東大阪市議選にただちにうって出よう」と呼びかけた。さらに「闘うイラク人民・ムスリム人民と連帯し、米英日のイラク軍事占領反対の反戦闘争に立ち、国会での有事3法案の廃案に総決起しよう」と訴えた。そして「今年の5月23日で石川一雄さんが不当逮捕されてから40年になる。警察・検察を始めとする国家権力に対する怒りも新たに5・23全国統一行動を闘おう。あくまで無実・差別の徹底糾弾で再審実現へ闘い抜こう」と訴えた。
 茨城県連の井橋昌夫事務局長が「本日は全国大会の決議文を提出し、最高裁に対しては、無実・差別―糾弾を基礎にして最高裁自身の手で事実調べ・再審を開けということを中心に、検察に対する証拠開示勧告・命令を要求する。最高検には、第1審の検事差別論告を糾弾し、証拠開示を要求していく」と、行動方針を提起した。
 正午、参加者は会場からデモを行い、最高裁前で、「狭山差別裁判糾弾! 最高裁は事実調べ・再審を行え!」とシュプレヒコールをたたきつけた。
 午後1時過ぎ、要請団は最高裁に対する糾弾のシュプレヒコール後、要請行動に入った。要請団はそれぞれ用意した要請文を読み上げ「高木・高橋決定を取り消し、ただちに事実調べ・再審を行え。検察にすべての証拠の開示勧告を行え」と迫った。対応した職員のごう慢な態度に鋭い批判が飛んだ。
 次に最高検に対する要請行動を行った。対応する職員が代わったので自己紹介の後、要請に入った。要請文の読み上げ後、要請団は「検察は、石川さんを不当逮捕し証拠をデッチあげて殺人犯に仕立て上げた権力犯罪のすべてにかかわっている」「第1審の『石川さんが部落に育ったゆえに殺人を犯した』という論告について、いまだに取り消していない」「証拠開示についての検察の対応はふざけきっている」という糾弾をたたきつけた。
 石川さん不当逮捕40カ年糾弾の5・23全国統一行動に総決起しよう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2101号4面5)

日誌'03 4月23日〜5月6日
 個人情報保護法案、衆院強行 米帝先制攻撃で有事法発動

●北朝鮮「核兵器保有」表明 米政府高官が、米朝中の3者協議で北朝鮮が核兵器の保有と使用済み核燃料の再処理も完了したと米側に伝えたことを明らかに。(24日)
●米先制攻撃で有事法適用「可能」 石破防衛庁長官は衆院有事法制特別委員会で、米国が日本の周辺国を先制攻撃して緊張が高まった場合、同法案の「武力攻撃事態」や「武力攻撃予測事態」を適用することもありうるとの見解を示した。(24日)
●武器使用「緩和を検討」 小泉首相がイラクへの自衛隊派兵について「自衛隊の国連平和維持活動(PKO)が必要な状況になった場合、武器使用基準が各国と違うから、現行でいいかどうか。国連の活動と一緒にできるかも含めて考えるべき」と述べた。(26日)
●米軍機が宮古空港に着陸強行 米比合同演習に参加する在沖米海兵隊のCH46中型ヘリコプター6機とKC130空中給油機1機が、県などの自粛要請を拒否して沖縄県管理の宮古空港に着陸を強行した。(26日)
●宜野湾市長に伊波氏 宜野湾市長選挙は、普天間基地の県内移設反対を訴えた革新無所属で新人の伊波洋一氏が初当選した。伊波氏は「名護市移設は最悪の選択。さらに10年以上も宜野湾に固定しようとする稲嶺知事には責任がある」と述べている。(28日)
●北朝鮮、不可侵「約束を」 米朝中の3者協議で、北朝鮮側は米国にこれまで主張していた不可侵条約の締結問題について「不可侵の約束でもかまわない」と譲歩姿勢をみせたと、米韓関係筋が明らかにした。(28日)
●住民デモに米軍発砲14人死亡 バグダッドの西約60`のファルージャの学校前で米軍が住民のデモ隊に発砲し、現地の病院によると14人が死亡、約40人が負傷した。(28日)
●米空軍、サウジ撤退へ ラムズフェルド米国防長官が、サウジアラビアのプリンス・スルタン空軍基地に拠点を置く米軍機約100機と要員約4500人を夏の終わりまでに全面撤退させる方針を明らかに。(29日)
●「先制攻撃容認検討を」 訪米した自民党の額賀幹事長代理が講演で、自衛隊に敵基地攻撃能力を与えることや先制攻撃の容認を検討すべきだと提言。(29日)
●防衛出動を簡略化 防衛庁は日本に向けて弾道ミサイルが発射された場合に限り、事前の閣議決定で首相にあらかじめ防衛出動命令の権限を与え、国会承認は事後とする、手続き簡略化の検討を始めた。(29日)
●民主が有事対案を提出 民主党が政府提出の有事3法案の対案を衆院に提出した。「緊急事態対処基本法」と政府の武力攻撃事態法案に対する修正案の2本立て。大規模災害やテロも緊急事態に含めたのが特徴。(30日)
●基本計画延長、給油支援を続行 日米の外交・防衛担当者による調整委員会が行われ、テロ対策特措法による海上自衛隊の給油支援が引き続き必要との認識で一致、政府は同法の基本計画を半年延長する方針。(1日)
●ブッシュ「戦闘終結宣言」 ブッシュ米大統領が、太平洋上の空母リンカーン艦上で演説し、「イラクにおける主要な戦闘作戦は終了した」と宣言した。(1日)
●自民の改憲素案、首相に非常事態権 自民党憲法調査会が作成している改憲素案が明らかになった。首相に「国家非常事態命令」を発動する権限を与え、国民に「国家を防衛する義務」を課す内容。(2日)
●海自がキティホークに間接給油 第5空母戦闘群のマシュー少将が、イラク戦争中のペルシャ湾岸で空母キティホークなどの米艦船が海上自衛隊から間接的に80万ガロンの燃料補給を受けたことを明らかにした。(6日)
●個人情報保護法案が衆院通過 個人情報保護法案が衆院本会議で自民、公明、保守新の与党3党などの賛成多数で可決、参院に送られた。(6日)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2101号4面6)

国会前で座り込み

 有事3法案の衆院特別委採決強行と対決し、労組交流センターと反戦共同行動委員会は、連日の国会行動を闘っている。連休明けの6日、7日、「とめよう戦争への道! 百万人署名運動」の人びととともに国会前に座り込み、有事立法阻止をアピールした。(写真)
 労働法制の改悪反対に集まった連合傘下の労働者にも、ともに闘うことを呼びかけた。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2101号5面1)

杉並区議選−4月統一地方選の総括
選挙決戦の偉大な成果をふまえ有事立法決戦を大爆発させよう
 革命的共産主義者同盟政治局

 「勝てた闘い」厳格に総括し次なる雪辱へ

 4月統一地方選の後半戦において、わが革共同ならびに全国の戦闘的労働者人民は、全国各地で闘う候補を押し立てて闘い抜いた。
 その結果、東京都杉並区で、結柴誠一氏が4771票・第3位、新城節子氏が2692票・第27位での当選を果たし、新人の北島邦彦氏は2020票・第50位(次々点)で惜しくも当選にいたらなかった。神奈川県相模原市で、西村綾子氏が3425票・第31位で3選をかちとった。大阪府高槻市では、小西弘泰氏が2558票・第27位(2期目)、新人の森田充二氏が2259票・第33位で当選した。また、動労千葉の組織内候補として水野正美氏が千葉県勝浦市において661票・第11位で3選をなしとげた。さらに、各地で闘う候補が大奮戦した。
 特に杉並では、今回3人の候補を押し立てるという決断を先進的な杉並区民と共有し、2年前の都議選への挑戦における敗北をのりこえる闘いに取り組み、前記の結果となった。議席を1から2にし、3人目の区議実現の現実性と可能性をはっきりと示し、実質的な議員団を再確立することができた。何よりも、杉並の労働者住民の自主的・創造的な決起は、多くのところで、あるいは最終局面で、爆発的な拡大を生みだし、本当に素晴らしいものがあった。これは、3人全員当選を果たせなかったとは言え、2年前の都議選敗北からの大きな前進である。これは、闘う区民のみなさん、多くの支持者のみなさん、全党の同志諸君の全力を挙げた運動がかちとった〈偉大な成果〉としてあることを確認したい。
 今日の内外情勢の中で、かつ反動の嵐が吹きつのる中で、この結果は、日帝・小泉政権、米英日帝国主義、ファシスト都知事・石原、杉並区長・山田らの反動勢力に打撃を与え、闘う労働者階級人民を大いに鼓舞するものとなったことを確認できる。また、長年にわたる二重対峙・対カクマル戦の歴史的な重大な勝利の地平の上に、この結果がかちとられ、それがまた分裂カクマル総体に大打撃を与えているのである。
 だが、われわれは杉並区議選を闘ったすべての人びととともに、3人の全員当選をめざし、それによる〈反戦と介護〉を軸とした真の新しい政党としての登場、杉並区の区議会幹事長会と区長の馴れ合いという区政の反動的腐敗状況の打破をこそめざして決起したのであった。そうである以上、北島氏が50位であと一歩のところで当選を逸(いっ)したことは本当にくやしい限りである。
 当選を果たせなかったこと、およびそこにはらまれる問題を切開するとき、党中央指導部としては杉並区議選指導の敗北としてはっきりと総括しなければならないと考える。勝てなかった闘いではなく、勝てた闘いに敗北したのである。そういうものとして、厳格に総括を深めたい。
 この敗北の原因を、区民のみなさんとの討議や、われわれ革共同自身の真剣な自己切開をとおして必ず明らかにし、2年後の都議選、4年後の区議選に向かって、何としてもこの雪辱を果たす決意である。
 政治局ならびに党中央選対本部として、この敗北を、北島氏、一緒に決起された区民のみなさん、支持者のみなさん、都革新のみなさん、蜂起的に決起した首都圏を始め全国の同志に深くお詫びする。
 決起した全同志は本当に懸命に献身的に闘い抜いた。その全員が全力でやりきったという充実感にあふれている。このことに政治局―党中央選対本部として心から感動し、同志的に共有している。そうであるからこそ、この敗北の原因をはっきりさせるために、闘いの豊かな経験と教訓、意見、批判を全同志から出してもらい、しっかりと討議し、一定の時期に組織総括として形成したい。すべての同志に総括と意見の集中をお願いする。

 ボルシェビキ的貫徹力もつ党中央建設を

(1)杉並区議選の全面的総括には一定の時間をかけたいが、直後的段階において、党中央の立場から、ただちに確認できることをここで若干提起したい。
 結果をみても、3候補全員当選=勝利の条件が基本的に存在したことは明白である。3人勝利の可能性と現実性はあったのである。しかし、それを果たせなかった。したがって、この勝利の可能性と現実性を、北島氏をふくむ3人の当選として結実させていくうえで、われわれの闘いや闘い方において、どこに問題があったのかが、総括と切開を進めていくべき方向となる。
(2)そこで、今次杉並区議選は2年前の都議選で敗北したことの痛切な自己批判をバネとして闘ったので、まずその点をおさえておきたい。
 われわれはこの総括の核心を3点にまとめてきた。第一は、宣伝・扇動の基本問題で、帝国主義の存亡をかけた重圧攻撃と真っ向から対決する立場を断固として貫くか否かということであった。
 第二は、選挙戦は日常的闘いの中でかたちづくられてきた〈恒常的な基盤的政治勢力〉が、労働者・住民の中に運動的・組織的・諸個人的に形成されていることを基礎にして闘われるということの強固な確認であった。この蓄積なしには選挙戦は限界をもつ。このことは、革共同西部地区委員会建設―東京都委員会建設の課題でもある。
 第三は、党組織における問題である。党中央の選挙戦指導体制を、方針形成から実行・実践過程の全体をとおして、生き生きと有機的な細胞性をもって(しかもボルシェビキ的貫徹力をもつものとして)形成しえているかどうか、戦闘的な中央集権的民主主義を実現しえているかどうかということであった。
 今次杉並区議選では、上記の3点と関連しつつ、次の点を明確にさせて闘った。すなわち、(イ)何よりも激動期型選挙闘争という考え方をはっきりととったことである。(ロ)区議選レベルの闘いにおいては基本的にオルグ団選挙方式を脱却して、(a)地元地区・地方委員会の自己解放的決起を基本とし、(b)候補自身の選挙活動を決定的な戦略的要素として位置づけ、(c)そして何よりも地元の諸個人・諸グループ・諸団体の自主的で自己解放的な選挙闘争の主体としての参加と前進を決定的な戦力としてかちとっていくこととした。
 その上で、今次杉並区議選においては3人勝利方針へと飛躍した時点で、単なる地区的・地方的レベルの選挙戦を超える部分があること、また北島候補については純然たる新人候補として出発点的なハンディが大きいことを直視して、全国からの一定の動員による支援の態勢をリアルに組み込むことを確認して闘った。
 さらに今ひとつ、今次選挙戦では、党中央が真に全責任をとるべき中央選対本部の体制を形成し、上記のような複雑な選挙戦上の諸問題をのりこえて闘う指導の実現を期すとした。
(3)では、こうして総力で闘った杉並区議選闘争を総括する核心中の核心は何であろうか。
 それは、わが革共同が、持てる力を本当に出しきれたのかどうか、ということではないだろうか。確かに、われわれは今次杉並区議選において、とりわけその最終段階において、かつてないほどの全党的決起をかちとったことは事実である。革共同が蓄積してきたさまざまな力が感動的な自主的決起としてつくりだされたことは明白である。しかし、今日、4・27の結果をみるとき、まだまだ革共同の潜在的力はあるということ、革共同の革命的バネと真の力はこれだけではない、まだまだもっとあるのだということを、はっきりと実感できるのである。
 このことは、指導のあり方の問題にほかならない。まず今次杉並区議選が都議選の敗北をのりこえる闘いとしてあり、そして必ずのりこえられること、また杉並区議選は3候補全員当選の方針しかありえないのであり、きわめて困難だが激動期型選挙として革共同の革命的大衆運動の展開能力に確信をもち、何よりも労働者人民・区民大衆のもつ自己解放的決起の無限性に絶対的確信をもって闘い抜くことができれば、必ず勝利できる可能性・現実性をもっている。このことについて、3人立候補の決断という基本方針を決定した直後から本当に完全に全党・全人民に提起し、物質化しぬく革命的精神に満ちた指導をなしとげることができたのかどうかを、今日とらえ返さなければならない。
 結論的に言えば、そこに非常に不十分なものがあったということである。基本方針を党内的に確立し、実行に移していくうえで非常な立ち遅れがあったということ、少なくとも半年以上の立ち遅れが生じていたことは、振り返ってみて明白であったのではないかと考える。党中央指導部におけるこうした日和見主義こそ、激動期階級闘争においてもっとも克服されるべきものである。このことは、歴史的教訓に照らしても明白である。
 いま少し具体的にいえば、米英日帝のイラク侵略戦争を軸とするこの一年あまりの情勢や、資本攻勢の恐るべき激化、階級情勢の戦闘的流動の開始という情勢のもとで、われわれは、@イラク反戦・北朝鮮侵略戦争阻止・有事立法粉砕、A一大資本攻勢と闘う階級的労働運動の再生の闘い、B革命的議会主義の闘いという、いわゆる3大決戦的な重層的闘いを全力で闘い抜く方針を確立し、その勝利をめざすことを確認した。この@政治決戦、A労働運動決戦、B選挙決戦は、相互に全体が強められる関係に本来はあるのだ。この3大決戦を闘う中で、杉並区議選の3人当選方針を真っ向から全党・全人民に提起し、わき上がるような討論を組織し、強烈な党的意志をもって革命的議会主義の今日的貫徹を闘いとっていくこと。このことが死活的に求められていたのである。にもかかわらず、ここにおいて、われわれは、革命党の中央指導部の指導として不十分さがあったことについて、全中央指導部の自己切開的総括が厳しく求められていると考える。
 党の指導部が真に激動的階級闘争に対応しきり、闘い抜ける指導をかちとるためには、党の従来のあり方にある、官僚的硬直性を打破し、党内民主主義を革命的・戦闘的に闘いとって、党内のわき起こるような決起を実現していかなければならないことは明らかだと思う。また、党の指導部に依然として根強く巣くっている分権主義・住み分け主義的な、革命党の指導部としては絶対に許されないあり方を、今こそ根底から一掃しなければならない。これらについて、中央指導部の総括を深める決意である。
(4)以上の問題は、現実的には、
 (イ)激動期型選挙闘争の貫徹上の諸問題、
 (ロ)オルグ団選挙ののりこえを真に実現することの困難性、しかし、のりこえることは可能であり、そのことの決定的意義を確認し、これを実践的になしとげていくことでの諸問題、
 (ハ)帝国主義の侵略戦争と真っ向から闘う宣伝革命・演説革命の実践上の諸問題(「第二インターの崩壊」的日和見主義を根絶していく闘いの諸問題)、
 (ニ)他党派批判、とりわけ日本共産党への根底的批判についての日和見主義をたたき出す闘いの諸問題、
 (ホ)選挙戦の現実的局面に対応して、闘争の現状を革命的に総括しつつ、問題点や困難性や克服すべき課題を見すえ、断固たる打開策をうちたてること、そしてそれを十分な党的討議をとおして実現していくこと、そうした革共同的伝統の今日的再奪取の闘いの諸問題、
 ――などとしてある。
 中央選対本部の問題について言えば、昨02年段階での活動上の不十分性は、今日とらえかえしてみれば、断じて許されなかったと総括しなければならない。
(5)われわれは、5〜6月決戦に今直ちに全力で取り組んでいくことが必要である。杉並区議選の総括、とくに自己批判的部分については上記の諸点を提起することとし、全面的総括は一定の時間をかけて準備し、組織していくことを確認して、前に進んでいくべきだと考える。全党からのさまざまな意見の集中を要請する。

 有事立法と労働戦線の闘いを2大正面に

 われわれは今まさに激動期のさなかにある。闘いはますます激化しつつある。われわれとしては、3人当選=勝利によってかちとろうとした一切の目標にむかって、4・27選挙戦の成果をふまえ、結柴氏、新城氏、北島氏の3氏をあくまで押し立てて、杉並区議選で訴えた〈反戦と介護〉を軸とする基本政策と諸政策の実現のために直ちに決起していくことを確認しよう。
 イラク反戦・北朝鮮侵略戦争阻止・有事立法粉砕闘争のさらなる爆発をかちとるために闘おう。
 住民の会の闘いと連帯して介護闘争のさらなる前進をかちとっていこう。
 また、小泉・石原・山田の教育の反動化の攻撃や大リストラ攻撃、労働法制改悪攻撃と闘う全区・全都・全国の労働者階級と連帯して、断固として闘っていこう。
 こうした闘いと結合して、区議会内部で大いに奮闘して闘いの前進のために全力をつくすことを確認しよう。
 これらの闘いを革共同西部地区委員会建設―東京都委員会建設の前進に結実させて闘おう。
 内外情勢はいよいよその激動化の度を深めている。大流動が進行し、資本攻勢が吹き荒れ、米英日帝による対イラク攻撃から対北朝鮮攻撃への侵略戦争の拡大の動きが早まりつつあり、有事立法阻止決戦が決定的段階をむかえた。われわれは、こうした情勢の中で、3大決戦をますます強力に推し進めていこう。
 当面的には、5〜6月の有事立法阻止決戦を、イラク反戦・北朝鮮侵略戦争阻止・有事立法粉砕の一体化された闘争として爆発的にかちとることだ。
 また、5・27国労臨大闘争弾圧粉砕の裁判闘争・教育基本法改悪阻止決戦・労働法制改悪阻止を先頭に労働者階級の資本攻勢との闘いを、11月労働者集会に向かって通年的につくりだし、発展させていこう。
 この中でマルクス主義青年労働者同盟の再建、学生戦線の強化・発展を軸に、革共同の党建設のための闘いを全力で切り開いていこう。
 こうした闘いを断固勝利させつつ、さらに、杉並区議選の成果の上に、闘う区民・労働者と連帯して、2年後の都議選や4年後の区議選の勝利をも展望しつつ、〈反戦と介護〉を軸とした杉並区における闘いを圧倒的に強めていこうではないか。
 〈杉並区議選―4月統一地方選闘争の成果を踏まえ、闘うムスリム人民、朝鮮・中国人民と連帯し、大有事立法決戦(イラク・北朝鮮・有事立法決戦)と、5・27国労臨大闘争弾圧粉砕決戦・教基法決戦・労働法制決戦などの労働戦線の決戦とを2大正面として闘い抜こう〉――ここに今次杉並区議選の最も実践的な総括がある。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2101号5面2)

紹介 共産主義者 136号
 有事立法粉砕の武器
 ●「社会主義と戦争」の核心点 巻頭論文
 ●有事立法めぐる謬論を斬る 大谷論文

 巻頭論文は城戸同志の「新たな型の『社会主義と戦争』の創成のために」。米帝による新たな帝国主義世界戦争の開始、全世界人民の反戦闘争の大爆発、総じて革命的情勢への急速な接近と移行という情勢における革命党の任務を提起した重要指導論文である。本紙春期特別号の城戸論文と併せて読んでほしい。
 まず、米帝のイラク侵略戦争が米帝ブッシュの世界戦争計画の発動であり、第3次世界大戦への転化の危険をはらんだ、むきだしの帝国主義的侵略戦争であることを暴露している。
 そして、到来しつつある全世界的な革命的情勢を、レーニンの『第二インターナショナルの崩壊』と『社会主義と戦争』を正確に読みとる中からとらえ返している。
 前者でレーニンは、第1次世界大戦下の当時の情勢を革命的情勢と規定し、この客観的情勢に、主体的変化すなわち革命的大衆行動をおこす革命的階級の能力が結びつかなければ革命はおこらないとし、革命的情勢における革命党の「基本的な義務」(三つの義務)を提起した。続いて書いた後者では、世界大戦下のプロレタリアートは「帝国主義戦争における自国政府の敗北」を促進し、「帝国主義戦争を内乱に転化」するために闘わなければならないと訴えた。
 こうしたレーニンの提起の今日的実践として「連帯し、侵略を内乱へ」の戦略的総路線の実践がある。
 最後に、有事法案は日帝が北朝鮮侵略戦争に参戦し国家総動員の戦争体制をつくりあげるための実戦法案であると暴露し、5―6月方針としてイラク反戦、北朝鮮侵略戦争阻止・有事立法粉砕の大政治闘争への総決起を訴えている。

 3大決戦論

 「国際階級闘争の革命的胎動と二〇〇三年勝利の展望」と題した木崎同志の3・16革共同政治集会基調報告は、情勢論と3大決戦方針の全面的提起である。
 米帝の世界戦争戦略と対決し、日帝の参戦を阻止する、国際連帯をかけた戦後最大の政治決戦として有事立法決戦に決起することを訴え、4―5月決戦の路線を明確にしている。同時に、春闘の山場にあって、動労千葉3月末ストライキを始めとする階級決戦の緊張と国鉄闘争―5・27国労臨大闘争弾圧との闘いの革命的意義を躍動感をもって伝えている。さらに、統一地方選決戦の巨大なスケールと意義を明らかにし、政党としての登場の意義を強調している。最後に、マル青労同再建を実体とする革共同の建設こそ一切の結論であることを訴えている。
 労働者自己解放の思想、帝国主義国労働者階級と被抑圧民族人民の連帯の思想をダイナミックに展開。また、本多書記長虐殺から28年の今日、反革命カクマル両派の分裂を促進し、カクマルを完全打倒する新たな決意を高らかに宣言した。

 国際的内乱

 大谷同志の「有事立法粉砕の視座」は、種々の有事法制論議の誤りを階級的視点から鋭くえぐることをとおして有事法制の反動的核心を明らかにしている。
 ひとつに、日本共産党を典型とする「アメリカの戦争に巻き込まれる」論が反米愛国主義的日帝美化・擁護論であることを指摘している。いまひとつには、憲法学者に多い「安保のグローバル化」「グローバル有事」論が、「『日本有事』は時代遅れである」として、現に進行する朝鮮危機を直視せず、闘いを平和主義的に武装解除する議論であることを喝破している。
 そして、新たな世界戦争の時代の始まりと対決する国際的内乱の始まりを革命的情勢への全世界的急接近ととらえ、日本階級闘争の革命的再生の中に有事法制粉砕の展望を探っている。
 労働運動論文が2本。
 澤村同志の「03年教労三大決戦の勝利にむけて」は、教育基本法改悪案の今国会提出をめざして出された中教審答申への批判。帝国主義間争闘戦の激化、世界戦争情勢の中で日帝は、侵略帝国主義、戦争国家として延命することを国家戦略とし、その観点から教基法を改悪しようとしている。階級的労働運動の担い手としての教育労働者の歴史的責務を明らかにした好論文。
 樋口同志の「一大資本攻勢と公務員制度改革」は、有事法案と一体で今国会に法案提出が狙われている公務員制度改革基本法の批判。公務員制度改革は、戦争国家への改造攻撃であるとともに奥田ビジョンに示される今日の資本攻勢の根幹に位置している。実力闘争の意義、労働運動の階級的再生を訴えている。
 野田同志による「日帝のASEAN侵略の現状」は、マレーシアとタイに関する80年代半ば以降の投資と貿易の推移から日帝のASEAN侵略の実態を考察している。90年代以降の日米争闘戦における日帝の敗勢の現状をとらえ、奥田ビジョンの言う「東アジア自由経済圏」の背景に迫っている。豊富な資料で実証的に裏付けている。
 本号を本格的な有事立法阻止決戦の武器にしよう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2101号6面1)

国際的組織犯罪条約批准 衆院採決強行弾劾する
 思想・表現の自由、団結権を奪う  共謀罪新設絶対阻止へ

 革共同狙う結社禁止法

 政府・与党は4月24日の衆議院本会議で、国際的(越境)組織犯罪条約批准の採決を強行、参議院に送付した。怒りをもってこの採決強行を弾劾する。
 国際的組織犯罪条約は全41条の膨大な条文からなっている。その内容も@共謀罪新設、A刑事免責・司法取引の導入、B特別な捜査手法(盗聴の拡大、おとり・泳がせ捜査)Cゲートキーパー(門番=弁護権の剥奪〈はくだつ>)――をはじめとして、これまでの刑事司法の原則を破壊し、思想・表現・結社の自由、団結権を奪う、有事立法攻撃と一体の戦争=予防反革命攻撃である。政府・与党は、この条約の批准の必要条件として共謀罪の新設が不可欠だとしている。
 共謀罪新設は、抜本的な戦後刑法の改悪であり、もうひとつの刑法体系を作ろうとするものだ。破防法適用でもできなかった思想・表現の自由の否定、団結権の侵害を実質的な目的とする究極の結社禁止法である。その矛先は革共同に向けられている。闘う労働者・学生、労働組合、市民団体にも向けられている。このことを肝に銘じ、革命党の真価をかけて全力で決起し、粉砕しなければならない。

 実質審議は1時間20分

 すでに日弁連は1月20日に反対の意見書を法務大臣に提出した。第二東京弁護士会も3月27日「共謀罪(謀議罪)の新設に反対する声明」を出した。院内集会を始め全国各地で反対集会が行われている。
 にもかかわらず4月23日に衆院外務委員会は、実質審議1時間20分で採決という「拙速」とすら言えない暴挙を行い、その後、本会議で条約批准決議の採決を強行したのである。
 ここにあるのは、国際的(越境)組織犯罪条約を早期に批准し、その実績を前提に共謀罪新設を強行突破しようとする小泉政権の国家意志にほかならない。
 4月17日、衆院外務委員会は同条約の趣旨説明を2分間で強行。さらに同日の理事会で野党が要求した参考人招致、連合審査などを退け、23日1日だけの審議=即採決を審議入り前に決めた。23日の外務委員会審議は9時から14時まで5時間行われたが、同日は児童の権利条約改正と女性差別撤廃条約改正の批准審議も提起され、またイラク戦争への質問などに時間が費やされた。このため国際的組織犯罪条約に関する質疑は、与野党合わせても約1時間20分にすぎなかった。
 有事立法強行の中での与野党の国会翼賛体制をぶっ飛ばさなければならない。

 条約の内容は審議されず

 国際的組織犯罪条約の質疑については、条約3条の定義について「国際」か「越境的」かの誤訳の指摘、第5条の「物質的利益」についての訳語の誤りの指摘、34条の解釈について、国内法を準備するに当たって「越境性」と「組織犯罪」を条件とするのか否かという問題など、国内法化の前提について重大な誤り、疑義が指摘された。ところが、個々の条文(*)の質疑が行われないまま質疑が打ち切られた。(*条文については前進社に申し込んでください。実費で送ります)
 訳語については、専門家による再検討が提起され、委員長も理事会協議を約束した。だが、理事会は開催されず、強行採決に至った。国内法での共謀罪などの乱用の問題についても、明確な答弁はなかった。採決強行を目的とした「審議」の形づくりと「議事進行」に終始したのだ。
 採決では、社民党が反対したほか、質問を途中で打ち切られた民主党の議員が賛成起立を拒否したのみというていたらくだ。

 最悪の治安弾圧法許すな

 今週にも、衆院法務委員会で共謀罪の新設案の審議が、また参院外務委員会で国際的組織犯罪条約批准案の審議が始まると言われている。マスコミに報道管制を敷いた上で進められようとしている、治安維持法や破防法を上回る悪法の密室審議を許してはならない。この悪法を敏感にとらえ、反撃を呼びかけ、闘いの先頭に立つことは革共同の重大な責務である。
 「テロ対策」や「治安」を掲げて進む日本の戦争国家化攻撃。「拉致問題」を掲げて進む排外主義攻撃。軍隊や治安機構が大手を振る国家のどこが「民主国家」か。その行き着く先はイラク侵略戦争に続く北朝鮮への侵略戦争、人民大虐殺にほかならない。闘う朝鮮人民、在日朝鮮人民と連帯し、有事立法、日帝の戦争国家化=治安体制強化、北朝鮮侵略戦争参戦を断固粉砕しよう。
 5月22日(木)「有事治安立法と司法改悪に反対する集い」(午後6時、東京・霞が関の弁護士会館2階クレオ)に集まろう。元日弁連会長の土屋公献氏、作家の梁石日氏、人権と報道・連絡会の山際永三氏らが呼びかけている「国際共同声明―思想・表現・団結の自由を守り抜こう」に全力で参加しよう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2101号6面2)

宋神道さん戦後補償裁判 “気持ちは負けない” 上告棄却に怒りの集会

 5月2日に東京・韓国YMCAで「許せない! 最高裁の上告棄却――宋神道さんの10年のたたかいに応えて」が、在日の慰安婦裁判を支える会の主催で開かれた。3月28日の上告棄却から1カ月余、宋神道(ソンシンド)さんに会おうと会場を満杯にする人びとが集まった。
 宋さんは、最高裁決定後、血圧が180まで上がってしまったという。なんとか150まで薬で抑えて宮城から駆けつけてくれた。補聴器の調子を整えながら弁護団や福島瑞穂衆議院議員の話を聞いていた宋さんが話し始める。
 「皆さんの前で自分が悔しいってことを聞いていただきたいと思ってしゃべるんだけど、とにかく戦争というものはやっちゃいけない」「戦争だけはやめて、二度と差別をつけないで、朝鮮人でも日本人でも同じ人間だから、お互いにやっていくのが日本の道徳道じゃないでしょうか」「日本の戦争でみんな犠牲になっているんだから、なんとかしなくちゃならないという気持ちがあれば、反省も謝罪もあるわけ。小泉は戦争が好きだからやっているんじゃないでしょうか。横っ腹に針をささなければ、痛いんだかかゆいんだかわからないんだ。戦争はやめてもらいたい」
 「戦争で死んでいく人間はかわいそうだ。大人はこれが戦争だとおもってくたばるけれど、生まれた赤ちゃんはわかんないで死んでいくんだよ。そんなことも小泉はわかんない。皆さん、ほんとにこの国は情けない国だ。黙って見てられねえよ。おれが政治家になったほうがいい。小泉さんを辞めさせて、別の政治ができる人をたてなければうまくいかない」
 そして最後に「皆さん、私はこの裁判に負けても、気持ちは負けてねえから。絶対負けません」ときっぱり。宋さんの心根が会場全体に染み渡った。
 最高裁は、年度末を期して戦後補償裁判を一掃するかのように6件の戦後補償裁判を一斉に上告棄却した。まさに「血も涙もない所業」であり、歴史をただし、未来を築くために与えられたチャンスを自ら踏みにじったのである。
 日本軍軍隊慰安婦制度は、日帝の侵略戦争と植民地支配の中の国家政策であり、残虐な戦争犯罪だ。その犯罪を告発する生き証人が、いま体を張って小泉政権の戦争政策を弾劾している。この血叫びにこたえられるかどうか、日本の労働者人民は問われている。有事法制を絶対に阻止しよう。
 (投稿/反町圭子)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2101号6面3)

泉州住民の会総会 “軍事空港許さぬ” 関空2期阻止へ確信

 4月27日、大阪・泉佐野市で関西新空港絶対反対泉州住民の会の2003年度総会が70人の結集で行われました。1985年の結成から19回目の総会です。
 総会は、イラク侵略戦争・軍事占領への怒りと924億円もの予算をつけて関空2期事業を進めようとしていることへの怒りに包まれて開かれました。関空は、昨年度10万8000回まで便数が減り、イラク戦争と新型肺炎SARSの影響で稼ぎ時のゴールデンウイークに例年の半分に便数が減るという、開港以来最大の危機に陥っています。2期必要論の根拠は完全に崩壊しているのです。
 初めに森田恒一泉州住民の会代表が「関空2期事業はブッシュ・ドクトリンの世界戦略と同じ、先制攻撃も可とする戦争戦略に基づいたもの。戦争反対の運動として関空2期反対を今までにも増して大きくしていこう」と訴えました。新空港反対東灘区住民の会の山本善偉代表、淡路町空港反対同盟の安藤眞一事務局長、部落解放同盟全国連荒本支部の阪口克己書記長が連帯あいさつをしました。
 2002年度活動報告と会計報告を住民の会会計が提起、「昨年度の闘いで一番大きかったのは国賀祥司事務局長の市議5選を住民の力でかちとったこと。関空の破綻(はたん)は覆い隠すべくもない。軍事に使うためということがはっきりしてきた。軍事空港絶対反対を貫き、廃港をめざして闘いぬきたい」と発言しました。
 選出された役員の代表が「すべての空港を人殺しの兵站(へいたん)基地にしてはならない。示威運動に邁進(まいしん)しよう」と決意を表明しました。
 続いて国賀祥司事務局長が2003年度運動方針案を提起、「2期工事中止の現実性がある。北朝鮮侵略戦争のための軍事空港化を許さない。関空関連の政治腐敗、不正を追及する。国際反戦闘争と連帯し、有事立法反対運動を盛り上げよう」と訴え、7・6全国集会も提案し、拍手で確認されました。
 関空2期中止・軍事空港反対の総会決議を上げた後、閉会のあいさつで住民が「戦争絶対反対、軍事空港をつぶそう」と熱弁をふるいました。確信と熱意に満ちた総会でした。(投稿/泉州住民の会会員)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2101号6面4)

僕らの叫びを消せはしない
 竹内元(投稿)

 自らの汗とイラク人の血で汚れたアメリカ兵が
 自分たちは解放者だとテレビで宣伝していた
 12年間の経済制裁で
 ウラン弾の放射能汚染で
 イラクの民衆に死の苦しみを味わわせてきたことを
 子どもたちを白血病やがんで殺してきたことを
 彼らは知らされていないのか
 外国メディアの前で
 CIAの傭兵かも知れない50人ばかりのイラク人と
 アメリカ軍の手で
 銅像を倒してみせたことがイラクの解放か
 独裁者がフセインからブッシュに変わっただけで
 イラクは解放されるのか
 クルドの青年がアメリカの目的は
 石油と中東支配だと言っている
 石油埋蔵量の2位と5位の
 イラクとイランを支配できず
 イスラエルを使った支配も
 むきだしの暴力しかなくて反発のみを招き
 パレスチナ民衆の決起の前に立ちすくんでいる
 親米国家はムスリムの怒りにおびえて面従腹背だ
 だからこの戦争に訴えるしかなかったアメリカだが
 戦争でボロボロズタズタになっていくのはアメリカ帝国だ
 人間の盾がアメリカ兵を恐れるなと
 パレスチナホテルの前をデモ行進し
 イラクの民衆のデモは日に日に数を増していく
 叫びは「アメリカ軍は出ていけ」
 昨日2万人のデモがあり
 今日米軍がデモ隊を銃撃し10数人が殺されたと
 報道を聞くたびに僕のなかで
 怒りがつのる一方で
 イラクの人々よだまされるなと思っていたことを恥じ入る
 ムスリムと全世界で反戦決起した1500万人が
 アメリカ帝国に対峙している
 爆撃で砕け散った子どもの体は
 がれきの下で腐っていくばかりではない
 僕たち一人ひとりの胸に突き刺さっている
 そのとげを抜くためには
 僕らは僕らの信じる道を行こう
 勝利の鍵を握りしめているのは
 アメリカ帝国ではない
 僕たちだ

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2101号6面5)

 公判日程

☆迎賓館・横田裁判
福嶋同志裁判
5月12日(月)午後1時15分
5月26日(月)午後1時15分
☆6・12私文書弾圧裁判
5月14日(水)午後1時15分
☆水嶋同志裁判
5月14日(水)午後1時30分
 ※いずれも東京地裁

------------------------TOPへ---------------------------