ZENSHIN 2003/04/28(No2099
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週刊『前進』(2099号1面1)
4・27地方選の必勝を
帝国主義の軍事占領を許すな 侵略軍をイラクから叩き出せ
反戦議員当選で有事法阻止へ
4・27統一地方選投票日まであと1週間を切った。今度の選挙は、日帝・小泉政権、そしてファシスト石原都政との一大政治決戦である。あと1週間、すべての力を投入して全力で闘いぬき、杉並(東京)、相模原(神奈川)、高槻(大阪)を始め全国で、闘う候補の全員当選をかちとろう。〈反戦と介護・福祉の新党>を杉並から登場させよう。選挙に勝利し、米英日帝国主義のイラク侵略戦争―軍事占領を絶対に許さず、イラク反戦闘争、有事立法粉砕―北朝鮮侵略戦争阻止の闘いを全力で爆発させよう。
第1章 反戦と介護の新党を絶対登場させよ
4月13日に行われた統一地方選前半戦で日本共産党が大没落し、社民党は大敗北を喫した。その意味するものは何か。それは、日帝の体制的危機の深まり、戦争と大恐慌の時代の到来の中で、労働者人民は、帝国主義と闘わず、帝国主義への屈服を深める無力な社・共を、棄権も含めて見限ったということである。
労働者人民は圧倒的に〈変革>を求め、激動の中で政治的活性化を強めている。だが、東京都知事選では、真の労働者党が登場し切れていない中で有権者の過半数が棄権する一方、ファシスト石原が「行動力」とか「国と闘う」というファシスト的幻想を振りまいて、308万票の得票で再選された。絶対に我慢のならない出来事だ。石原は北朝鮮侵略戦争を扇動し、福祉切り捨てと労働運動破壊を進めている。このファシスト石原と真っ向から闘い、日帝・小泉政権の戦争と資本攻勢と断固対決する、真に力ある労働者党、階級的勢力の登場が待ったなしに求められている。
日本共産党スターリン主義は、イラク反戦闘争の世界的高揚にのっかって、あたかも反戦勢力であるかのように振る舞ってきたが、まったくにせものであることが突き出されている。
日共は、3・20開戦までは「イラクの大量破壊兵器が問題だ」という米帝の宣伝をそのままうのみにして、国連査察の継続・強化を主張してきた。米帝の行う戦争が帝国主義の侵略戦争であることをまったくあいまいにし、これと闘うことから逃げ回ってきたのだ。日共はイラク人民30万人が虐殺された1991年の湾岸戦争(米帝のイラク・中東侵略戦争)を「クウェートに侵略したイラクに対する制裁戦争」「国連決議に基づく戦争」として支持し、その後、医薬品や食糧不足で150万人もが死に追いやられた経済制裁を「国連決議に基づく」ものとして支持してきた。この裏切りを、日共はなにひとつ反省していない。
だから、今度も米英軍がバグダッドを制圧するや、戦争は終わったとばかりに、杉並で「イラク戦争反対」のポスターをはがして回ったのだ。本気で帝国主義の侵略戦争と闘う真剣さなど、まったくない。
また、生活者ネットなどの「市民派」も「安心・共生のまちをつくる」などと言いながら、労働者人民の生活と権利を脅かす最大の問題であるイラク侵略戦争や有事立法とは全然闘わず口先の反戦も言わない。都政では、生活者ネットはファシスト石原の与党となり、完全に屈服している。
まさに、帝国主義の侵略戦争と一大資本攻勢に、体を張って立ち向かい、行動し闘う政党でなければ、労働者人民の生活と権利は守れない。そのような時代が到来しているのだ。
杉並区議選で〈反戦と介護・福祉の新党>を掲げて闘う「都政を革新する会」のけしば誠一、新城せつこ、北島邦彦の3候補の当選を絶対にかちとり、労働者人民とともに進む新しい政治勢力を登場させよう。杉並、相模原、高槻を始め全国で、闘う候補の全員当選をかちとろう。あと1週間、区民・住民とともに一切の力を傾けて全力で闘いぬき、必ず勝利すること、それが最大の任務だ。
第2章 許すな虐殺と破壊これが帝国主義だ
米英帝国主義は、イラクを軍事占領し、暴虐の限りを尽くしている。
「米英は解放軍」「イラクは独裁者から解放された」「多少の犠牲者が出たがイラクに平和と自由が戻った」などと、米英日帝のイラク侵略戦争と軍事占領を正当化するマスコミによる報道が連日行われている。そして、日帝支配階級は、「いち早くブッシュ政権を支持した日本の強みも出てくる」(大手石油資本)などとイラク占領統治に参加し、侵略戦争、大虐殺戦争の分け前にあずかろうとしている。
だが、「イラクに平和が戻った」などというのは、まったくの大ウソである。米英日帝のイラク人民虐殺戦争は今この瞬間も続いているのだ。米英占領軍によってイラク人民が虐殺され続けているのだ。
米英占領軍は何をやっているのか! 「残敵掃討戦」と称して、民家を一軒一軒しらみつぶしに回りドアを蹴破り、中にイラク人民がいれば、腕をねじ上げて道路に引きずり出して尋問している。抵抗する者を機関銃で撃ち殺している。救急車にまで発砲している。バグダッドの墓地には毎日毎日200人を超える死体が運び込まれている。
3月20日の開戦以降、米英軍は、陸海空・海兵隊30万人余を投入してイラクに襲いかかり、イラク軍の兵士と人民を無残に大虐殺し、建物を破壊し尽くして侵攻した。
核兵器並みの破壊力を持つ爆弾デージーカッターや、地下壕破壊用の超大型爆弾バンカーバスター、200個以上の子爆弾をまき散らすクラスター爆弾、永久的に放射能被害を引き起こす劣化ウラン弾、トマホークなどをイラク人民の頭上に落として大虐殺した。「誤爆」と称して意図的・計画的に民間施設や市場を空爆し、子どもや老人も含めて無差別に虐殺した。アルジャジーラなど米帝の侵略戦争を批判する報道機関をも攻撃し、記者を虐殺した。
殺されたイラク軍兵士・人民の数は、数万人、数十万人にも達するだろう。歴史上かつてない一方的な大虐殺が「ショックと恐怖」作戦と称して、わずか1カ月余の間に行われた。
何が「解放」だ! 何が「平和・自由」だ! 米英日帝国主義は、よってたかってイラク人民に襲いかかり、殺りくし、イラク人民の民族自決を踏みにじり、帝国主義の支配のもとに隷属させようとしているではないか!
これこそが帝国主義の正体だ。今、現にイラクで繰り広げられている言語を絶するような虐殺と破壊、一つの独立国を丸ごと爆撃機と戦車で廃墟と化すやり方、これが帝国主義の本質なのだ。腹の底からの怒りを爆発させ、帝国主義を打倒する全世界的な反戦闘争の大爆発をかちとろう。
民族解放闘争爆発と連帯を
イラクの人民は必死の抵抗闘争を続けている。命がけの革命的ゲリラ戦争、決死の自爆戦闘を闘い、「アメリカをイラクからたたき出せ」と、イラク全土で反米デモが広がっている。
南部のナーシリアでは米帝主導のかいらい政権づくりに抗議し、2万人のシーア派イラク人民が「フセイン反対、アメリカ反対」を叫んでデモを行った。北部の都市モスルでは、新任の知事が米帝支持演説をしたことに住民が反発、暴動となり米軍が発砲、少なくとも10数人が虐殺された。ナジャフではアメリカのカイライ政権づくりのために送り込まれた亡命イラク人が、激怒した人民にせん滅された。
米英軍は「勝利した」などと言っているが、完全に侵略戦争の泥沼にはまりこんだのだ。このまま、イラク人民が米英日帝の軍事占領、再植民地化に無抵抗で従うことなど、絶対にありえない。イラク人民、中東人民の革命的ゲリラ戦争(民族解放・革命戦争)がこれまでにもまして激しく燃え上がっていく。レバノンから来たアラブ義勇兵は、テレビのインタビューにこたえて、「近く米軍に対する終わりなき闘いが始まる」と宣言した。
中東全体が“パレスチナ”化し、米英侵略軍が中東人民の民族解放闘争に包囲され打倒される段階に入るのだ。
中東再制圧と石油略奪狙う
今度の戦争は、帝国主義による百パーセント不正義の戦争であり、強盗的な略奪戦争、虐殺戦争、侵略戦争そのものである。このことを、すべての人民の前にあらためてはっきりさせなくてはならない。
米帝は「イラクが大量破壊兵器を隠し持っているから武装解除するのだ」と言って侵略戦争を強行した。だが、そんなものはまったくの口実でしかなかった。
米帝のイラク侵略戦争の狙いは、第一に、フセイン政権を打倒し、イラク人民を大虐殺することで、中東・全世界のムスリム人民の米帝に対する怒りを根絶・一掃することだ。
第二に、イラクを再植民地化し、米帝の言いなりになるカイライ政権をデッチあげようとしている。そしてイラクを拠点に、完全に破綻(はたん)している米帝の中東における帝国主義的支配体制を歴史逆転的に立て直そうとしている。
ブッシュ政権の主要閣僚がそのメンバーである極右勢力PNAC(“新たなアメリカの世紀のためのプロジェクト”)は、「イラクは戦術的な第一歩にすぎない」「少なくともシリア、レバノン、リビアの現政権は続いて転覆すべきである。さらにサウジ王家とエジプトのムバラク政権、そしてパレスチナ政府も政権転覆リストに載せるべきだ」「この作戦を実行に移すことで、……イスラム世界の改革と近代化が実現される」と公言しているのだ(『現代』5月号)。
そしてブッシュ政権はこの戦争計画に沿って、早くもイラクの隣国シリアに対して「フセイン政権の逃亡を助けている」「化学兵器を隠し持っている」などと言いがかりをつけ、威嚇し、次なる侵略戦争の準備を開始したのだ。
第三に、確認埋蔵量世界第2位のイラク油田を軍事力で奪い取り、中東石油の支配権を独仏帝やロシア・中国を排除して独占的に握ることである。そしてOPEC(石油輸出国機構)のあり方そのものをも変更し、帝国主義にとって死活的な石油の支配権を一手に握り、帝国主義間争闘戦の決定的に有利な武器にしようとしている。
第四に、独仏を基軸としたEUの影響力を中東から排除し、EUなどが対米対抗的ブロックとして発展することを粉砕し、EU自体を弱体化し解体することである。
第五に、基軸帝国主義として未曽有(みぞう)の体制的危機を深める米帝が、今日的に他国を圧倒する軍事力を駆使して世界戦争計画を遂行し、戦争で全世界を再制圧することである。
このような帝国主義的狙いをもつ米帝のイラク侵略戦争は、EUや日帝の対抗的な帝国主義的ブロック化と、自前の軍事力増強へと駆り立てずにはおかない。実際、日帝・小泉政権は有事立法と自衛隊の大増強に突き進んでいる。
まさにイラク侵略戦争は、世界史を帝国主義侵略戦争の時代へと推転させたのであり、ついには帝国主義・列強が二大陣営に分裂して、第3次世界大戦に突入していく歴史的過程を押し開いたのである。
帝国主義は今や全世界的な大恐慌の過程、そして帝国主義間の分裂化とブロック化の過程にたたき込まれている。その中でアメリカ帝国主義の没落が容赦なく進行している。貿易赤字、財政赤字の急速な悪化が進み、ドル大暴落の危機に直面している。イラク戦争による世界経済の一層の縮小、分裂化・ブロック化の進行、膨大なイラク軍費(約800億j=約9・6兆円)は、米帝の経済的・体制的な破局を決定的にたぐり寄せる。
こうした中で、イスラム諸国人民(パレスチナ・中東・ムスリム人民)、全世界人民の怒りと闘いはますます激しく燃え上がっている。この闘いと連帯し、巨万の労働者人民の歴史的決起をつくり出そう。労働運動・学生運動の大爆発で日帝・小泉政権を打倒しよう。4・26闘争(東京)―4・28闘争(大阪)をともに闘おう。
第3章 北朝鮮を先制攻撃するための有事法
日帝は、海上自衛隊の最新鋭イージス艦「きりしま」を中東沖に派兵して米軍の侵略作戦を支援し参戦した。そして今や「復興支援」と称して米帝のイラク軍事占領、再植民地化、カイライ政権づくりに積極的にかかわろうとしている。
こうしてまず、米国防省の復興人道支援室(ORHA)への要員派遣を決定した。さらに今国会で「イラク復興支援関連法案」を成立させて、自衛隊のイラク出兵をも狙っている。
同時に有事立法攻撃が決定的に切迫している。18日から衆院で実質審議に入った。小泉政権は「北朝鮮脅威」論を大々的に叫び、有事立法の早期成立を狙っている。米帝ブッシュの「先制攻撃」論を日帝自身が自らの軍事政策とし、北朝鮮・中国侵略戦争のために武力攻撃事態法案、安全保障会議設置法改悪案、自衛隊法改悪案の有事3法案を4月中にも衆院を通過させようとしている。
日帝は、米帝に全面的に協力して北朝鮮侵略戦争に参戦しようとしている。そして、北朝鮮軍が対抗してミサイルに燃料を詰め始めた段階で「武力攻撃事態」を宣言し、日帝・自衛隊自らが北朝鮮への空爆・先制攻撃をも可能とする体制をつくろうとしている。
これに対して陸海空港湾労組20団体は連日、国会闘争を闘いぬいている。トラック・バス、海運、航空など民間運送業者が武力攻撃事態法で「指定公共機関」とされ、軍事行動への参加を義務づけられることに大変な危機感を抱いて立ち上がっている。連帯して国会闘争を闘おう。全国で集会・デモ、街頭宣伝・署名活動などに取り組もう。
有事立法第4法案というべき個人情報保護法案の衆院通過攻撃が切迫している。この法律の狙いは北朝鮮・中国侵略戦争のための報道・言論規制と労働者人民への治安弾圧の強化だ。小泉政権は今週にも個人情報保護法案の衆院通過を狙っている。重大情勢だ。国会闘争に決起し、新法案を必ず廃案に追い込もう。
労働者は団結し闘いぬこう
さらに今国会では、労働基準法や労働者派遣法の改悪によって、企業に首切りの自由を保障し、膨大な労働者を低賃金・使い捨ての不安定雇用・非正規雇用にたたき落とす労働法制改悪が策動されている。年金・医療など社会保障制度や税制の抜本改悪が矢継ぎ早にかけられようとしている。労働者が長い闘いの歴史の中でかちとってきた労働や生活の権利を根こそぎ破壊しようとしているのだ。
全世界で、労働者人民、被抑圧民族人民の反乱、解放闘争が炎のように燃え広がっている。闘う労働運動の新しい潮流が荒々しく登場する条件が、いよいよ成熟したのだ。動労千葉の72時間の春闘ストライキは、この戦争と大恐慌の時代に労働者階級、労働運動が進むべき道を鮮明に示した。
日帝の手先に転落した連合指導部を打倒し、動労千葉の闘いに学び、階級的労働運動を全国で前進させなければならない。国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の4・21公判闘争に結集しよう。5・1メーデーの闘いに圧倒的に決起しよう。
機関紙拡大闘争を始め党建設の闘いをいよいよ強化しよう。
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週刊『前進』(2099号1面2)
“戦争協力反対! 有事立法反対!”響く ワールドアクション4・12に2000人
「この雨はイラクの子どもたちの涙のようです」と語り、14歳のシンガーが歌う。12日夕、東京の渋谷・宮下公園には2000人が集まった。4回目となった「STOP WAR! WORLD ACTION4
・12」のオープニングだ。
この日はイラク侵略戦争反対の全世界同時行動だ。米英軍のバグダッド占領という情勢で新たな闘いの局面が訪れた。会場正面には「US OUT OF IRAQ STOP 有事法制!」と書かれた横断幕がライトアップされている。
雨の中、これからどうなるのかという思いを抱いて参加した人たちも多い。主催者の学生が「戦争は終わっていません。イラクでは市街戦が続き、米兵が民兵掃討と言って民家に押し入っている。マスコミは戦争終結論を流しているが、アメリカは戦争を拡大しようとしている。いま日本で有事立法を通したら北朝鮮は日本が先制攻撃に出ると思うだろう。絶対にこの有事立法をとめましょう! 雨の中を渋谷の街にピースウオークに出よう!」と力を込めて訴えた。この基調提起に参加者から「そうだ!」の声があがり、闘いへの確信が深まった。「米軍はただちにイラクから出ていけ! 有事法制はいらない!」−−今が行動の時だの熱気が満ちた。
リレーアピールではまず高校生が、「『デモなんかなんの意味もないじゃん』と言う友だちもいますが、デモが1万、5万と大きくなったら戦争はとめられる」と「イマジン」を歌った。
大学生は、「有事立法は侵略のための法案です。われわれの反戦意識を徹底的につぶして戦争をやろうというのが小泉政権。そのために敵をつくって排外主義をまき散らし、入管体制で外国人を弾圧しています。根底的な社会変革の時代に突入しよう」と熱烈な発言。毎回参加のフランス人が「戦争は終わっていない。闘いをやめないで下さい。この国の未来のためにあす(都知事選)は石原を首にしましょう」と石原打倒を呼びかけた。
「発言者募集」のプラカードが会場を回り、次々と発言者が登壇。「反戦弁護士の会」と黒地に黄文字ののぼりを林立させて登場した弁護士たち。2歳の女の子の父親がキティホークの乗組員だという女性。彼女は劣化ウラン弾の恐ろしさを知った、と怒りを込めて語った。
沖縄からきた18歳の青年は、「きょう(4月12日)は日米政府が決めた普天間基地返還の日。でも返還されなかった。新しい基地も新しい戦争もなくすために行動しよう!」と語った。
ずぶ濡れになりながら渋谷一周のピースウオークだ。「さあさあ皆さん入って下さい、みんなで声をあげましょう!」「ブッシュは人殺し! 小泉共犯者!」「戦争協力反対!有事立法反対!」――渋谷駅ハチ公前でデモを待っていた人たちが赤信号と同時にどっと合流。力強い闘いが渋谷の街を駆けめぐった。
闘いをやめてはいけない! 米英日帝のイラク軍事占領、再植民地化を許さない新たなイラク反戦の闘いが確実に始まった。
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週刊『前進』(2099号1面3)
誰でもできる選挙活動
東京都杉並区議選と神奈川県相模原市議選、大阪府高槻市議選は、4月27日の投票日に向けて、あと1週間の激戦に突入しました。全候補の必勝へ全国の同志、支持者、読者のみなさんの総力の決起を訴えます。
●演説会にかけつけよう
他党派とのしのぎを削る闘いにおいて、街頭での訴えは、闘う候補の勢いを示すものとなります。毎日の駅頭演説会にかけつけて下さい。各地域での個人演説会にかけつけて下さい。
●選挙区内在住者に支持の訴えを
選挙区の友人、知人、親類に働きかけて下さい。その名簿を選対本部に集中して下さい。同窓会名簿、職場の名簿など、もう一度確認して下さい。つながりのある人からの働きかけは非常に有効です。
職場の仲間にも話して下さい。選挙区に居住する人でなくても、その友人、知人に選挙区の人はいます。闘う候補の勝利の重要性を訴えて、その人に声をかけてもらって下さい。
●電話をかけよう
電話での選挙運動、支持要請は、ギリギリまで無制限にできます。知っている人からの直接の電話は、特に力になり、確実に支持に結びつくものです。
●公選はがきを書こう
そして、その人たちに公選はがきを必ず送りましょう。選対本部に必要な枚数を申し込み、あて名と差出人の名前を書き、もう一度、必ず選対本部に戻して下さい。公選はがきは、選対がまとめて差し出したものだけが有効です。
●まわりの人たちに積極的に声をかけよう
労働組合の会議や職場の集まり、サークルや趣味のグループの集まりで候補者への支持を訴えて下さい。可能なら、候補者や選対部員を紹介して直接訴えさせて下さい。電車の中でも買い物の途中でも、顔見知りの人に会ったら、どんどん声をかけて下さい。また、たまたま別の用事で訪問した相手に投票を訴えることは、「個々面接」として公選法で認められています。
これから投票日までの闘いに一切がかかっています。やれることはなんでもやりきろう。
必ず勝利しよう。
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週刊『前進』(2099号2面1)
小泉・石原と本当に闘う議員団を 反動破る新しい政党の実現へ
闘う全候補当選かちとれ
侵略と再植民地化許さずイラク反戦闘争の爆発を イラク人民の決起と連帯し
4月統一地方選挙の後半戦が告示になり、最後の決戦に突入した。この1週間を東京・杉並を始め神奈川・相模原など全国で闘う候補者の絶対当選のために全力で闘いぬこう。今回の統一地方選挙は、米英日帝がイラク侵略戦争を強行し、帝国主義の分裂と恐慌、世界戦争の過程へと世界が突入した中での選挙決戦である。戦争の元凶である帝国主義を打倒しない限り労働者人民の未来はないことがはっきり突き出されている。闘う労働者人民の新しい政党の登場をかちとるために、全力で統一地方選勝利へ闘いぬこう。
人民の根本的変革
4月統一地方選挙の後半戦が告示になり、最後の決戦に突入した。この1週間を東京・杉並を始め神奈川・相模原など全国で闘う候補者の絶対当選のために全力で闘いぬこう。今回の統一地方選挙は、米英日帝がイラク侵略戦争を強行し、帝国主義の分裂と恐慌、世界戦争の過程へと世界が突入した中での選挙決戦である。戦争の元凶である帝国主義を打倒しない限り労働者人民の未来はないことがはっきり突き出されている。闘う労働者人民の新しい政党の登場をかちとるために、全力で統一地方選勝利へ闘いぬこう。
4月統一地方選前半戦の結果は何を示しているのか。ファシスト石原が308万票をとるなど反動的流れとなっている。この反動を打ち破る猛然たる決起を実現しなければならない。
重要なのは、低投票率に示されている今日の政治状況に対する労働者人民の失望と怒りだ。10都道県知事選全体で投票率は52・63%と前回より4・15ポイント低く、過去最低だった91年を下回った。東京都知事選は44・94%で前回より12・93ポイントも低下した。本当に自分たちの要求を実現する候補・政党がないために膨大な労働者人民が棄権したのだ。
しかも石原は、実は自分自身は日帝・小泉政権の先兵として北朝鮮侵略戦争への排外主義扇動を強めていながら、選挙ではイラク侵略戦争の問題を争点から外すためのペテンを使った。「今度の選挙の対立軸は戦争うんぬんではなく、国と東京都、国と地方自治体がどう対決していくかということ」と、あたかも自分が日帝小泉政権と対立しており、自分が「改革」を行うかのように装ったのだ。この石原に日共もすり寄り、生活者ネットなどは与党となってきた。(3面参照)
労働者人民は、本当に生活破壊、福祉切り捨てと闘い、戦争政策と闘いぬく政党の登場を待ち望んでいる。真に労働者人民の要求を体現する新しい政党として登場することができれば、石原都政を打倒し、日帝・小泉政権を打倒することはまったく可能なのだ。問われていることは、労働者人民の生活の要求に根ざした党が一個の政党として登場し、人民の闘いを牽引(けんいん)することだ。
都政を革新する会の支持者が街頭宣伝を見て「私たちの党が熱心に街宣をやっているのを見るとうれしい」と語った。支持者は都政を革新する会が政党として登場することを熱い期待を込めて待ち望んでいる。
この労働者人民の要求を実現するためにも今回の統一地方選で闘う候補の全員当選をかちとらなければならない。とりわけ杉並区議選で北島邦彦氏、新城せつこ氏、けしば誠一氏の3候補の当選をかちとり、区議会での幹事長会派としての位置をもぎりとり、新しい政党としての登場を実現しなければならない。
争点は「侵略戦争反対」
今回の統一地方選の重大な争点は、米英日帝のイラク侵略戦争に対してどういう態度をとるのかということにある。
米英軍がイラクを制圧し、フセイン政権が崩壊したことで、米英日帝もマスコミもあるいは諸政党も、すでにイラク侵略戦争は終わって後は経済復興の問題であるかのように主張している。だが、それは幻想であって、イラク人民が米英日帝の軍事占領・植民地支配に屈服することはあり得ない。現に、15日にはイラク北部の都市モスルで米軍が抗議する民衆に無差別銃撃を加え、12人が殺され、60人が負傷した。米軍は16日にもイラク民衆に発砲し、4人が殺されている。
91年湾岸戦争で30万人を虐殺し、その後の劣化ウラン弾被害、経済制裁で150万人ものイラク人民を虐殺した米帝が、再び暴虐な侵略戦争でイラク人民を虐殺し、石油資源を略奪しようとしていることに対して、イラク人民が屈服することなどあり得ない。イラク人民の民族解放・革命戦争はこれから爆発していくのである。
すでにイラク南部のナーシリヤでは、15日に米帝のカイライ政権デッチあげ策動に対して2万人のイラク人民が抗議デモに決起している。バグダッドでもモスルでも大衆的決起が開始されているのである。
帝国主義が世界大恐慌過程に突入する中で植民地争奪、資源争奪をかけて侵略戦争に突入し、後戻りのできない帝国主義間争闘戦、世界戦争への過程に突入した。米帝はすでに世界支配の再編をかけて、次はシリアだ、イランだ、北朝鮮だと戦争策動を強めている。
もはや、戦争の元凶である帝国主義を打倒する以外に戦争を止めることはできない。今こそ労働者人民のイラク軍事占領反対、植民地支配阻止の反戦闘争の爆発が求められている。米帝の暴虐な軍事支配と真っ向から闘いぬくイラク人民の闘いに対して、本当に連帯して闘うことが求められているのである。
このイラク戦争に対して日本の人民はいかなる態度をとるのか、それが今回の統一地方選で問われているのである。イラク戦争反対を真っ向から掲げて闘う候補を全員当選させることで、反戦闘争の大高揚への決定的な地平を切り開かなければならない。
そして日帝・小泉政権が有事立法3法案や個人情報保護法案など戦争立法を次々と国会に提出し成立させようとしている中で、米日帝の北朝鮮侵略戦争を阻止するためにも、有事立法阻止闘争を闘い、帝国主義の侵略戦争と真っ向から闘いぬく労働者人民の新しい党が求められているのである。
介護・福祉の要求貫き
今回の統一地方選のもう一つの重大な争点は、介護保険を始めとした日帝の福祉切り捨ての攻撃に対して、本当に闘う候補を当選させることである。
帝国主義がすさまじい危機に突入している中にあって、一切の矛盾を労働者人民に押しつける攻撃が強められている。リストラ・首切り、賃下げ、福祉切り捨てなど労働者人民にすさまじい生活破壊の攻撃が襲いかかっている。
とりわけ重大な問題は、日帝が資本救済と軍事力強化のために、福祉の全面的切り捨てに出ていることである。介護保険制度は、そのための社会保障基礎構造改革の突破口として位置づけられ強行された。
介護保険は、お金のない高齢者から保険料を取り上げ、利用料を払えなければ介護が受けられないことによって、高齢者を死に追いやるとんでもない制度である。これによって高齢者の心中や孤独死、介護殺人など、悲惨な事件が次々と起こっている。わずかな年金からも保険料が天引きされるために、生きていけない状態が強制されているのである。
この介護保険を突破口に「障害者」への支援費制度が強行された。。さらに次々と福祉切り捨てが強行されようとしている。この時に、介護保険を容認してどうして福祉解体を阻むことができるだろうか。「介護と福祉を要求する杉並住民の会」は、杉並区の4月介護保険料引き上げを60円に抑えさせた。このように高齢者を始めとした住民の介護保険廃止への決起によってこそ保険料や利用料の減免もかちとれる。北島、新城、けしば3候補はこの介護と福祉を要求する杉並住民の会とともに闘いぬいてきたのである。
介護・福祉の要求と戦争反対は一つである。日帝・小泉政権が危機の中で侵略と戦争に突き進もうとしている時に、これと闘わなければ福祉の要求も実現できない。そのためにも北島邦彦、新城せつこ、けしば誠一の3候補の当選をかちとろう。東京・杉並を始め、神奈川・相模原、大阪・高槻など闘う全候補の当選へ全力で闘いぬこう。
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週刊『前進』(2099号2面2)
基地の街相模原で反戦・介護で活躍 西村あやこ氏3選を
神奈川県相模原市では、西村あやこ市議(婦人民主クラブ全国協議会代表)が3選勝利をめざし、4月27日の投票日に向かってラストスパートに入った。
「基地の街から反戦の街へ」を掲げて闘いぬいた2期8年の実績は、米英によるイラク侵略戦争と小泉政権の有事立法攻撃の中、いよいよ輝きを増している。支持者が一丸となって西村氏を押し上げている。
西村候補は、連日早朝から市内の各駅頭に立ってアピールし、東西南北を駆けめぐって支持拡大を訴えている。
「いま戦争反対、国の悪政にノーと言えなければ、私たちの命や暮らしは守れません。市の5%が基地という相模原は、アメリカの侵略戦争を阻まないかぎり、戦場に直結する街になってしまいます。新たな軍事支配のもとでイラクの人びとが苦しんでいます。小泉首相が言う『復興資金』、これも戦費。戦費調達のために税金を使うことなど絶対ノーです。有事立法も絶対反対。地方自治体から戦争反対の意志を示す時です」
全国から西村候補の支持を訴え、3選勝利をかちとろう。
(写真は4月16日、矢部駅北口)
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週刊『前進』(2099号2面3)
“米英の占領許さぬ” 4・12世界同時行動 各地でイラク反戦デモ
大阪 百万署名呼びかけ230人デモ
4月12日、大阪で百万人署名運動・関西連絡会が呼びかけた国際反戦集会・デモが230人の結集で行われました。大阪ではイラク開戦前日の3月19日以来、6波めの行動です。
ACT&UNITEの学生のパーカッションで集会が始まりました。司会者が「戦争は終わっていない。全世界の人びととともに今日の行動を取り組もう」と訴えました。
続いて、体調を崩しながらも駆けつけた86歳の森田恒一牧師、子どもたちに生命の大切さを教えてきて、じっとしていられなくなり、仲間と参加した保育士、街頭宣伝を午前中やって駆けつけた百万人署名運動・兵庫県連絡会の梶原さん、同・北摂連絡会の水上さん、ハングルのゼッケンを着けた男性らが次々と戦争絶対反対などのアピールを行いました。
学生が4月6日の京都での行動について報告し(別記事参照)、関西合同労組がイラク入りした高藪繁子さんの報告を行いました。
集会後、米総領事館を一周し、大阪の繁華街までのデモを行いました。軽快なパーカッションとコールは沿道の注目を集め、何人もの人びとが途中から合流しました。
集会・デモを繰り返す中で、まったく知らなかった多くの人たちとつながることができました。まだまだこれからです。有事立法阻止の闘いが重大決戦です。
(投稿/大阪 藤川俊)
広島 「光の輪」作り抗議のメール
広島では、「STREET ACTION」の呼びかけで若者たちがアリスガーデンから原爆ドームまでのピースウオークと「光の輪」行動―ブッシュ・ブレア・小泉への抗議メールの一斉発信を行った。
午後5時半、若者広場にSTREET ACTIONの中・高・大学生や青年労働者が集まった。太鼓やタンバリンを勢いよく鳴らして、「イラクの占領やめろ! 石油の取り合いやめろ!」「僕らは平和を求めている! 僕らは戦争望んでいない!」「NO WAR! STOP THE WAR!」「みなさん一緒に歩きましょう!」とデモのコールが始まった。
パルコを抜けて本通りに繰り出し、紙屋町交差点にさしかかった時、行進は倍になり、原爆ドーム前ではさらに倍になった。
日没までの1時間、原爆ドーム前でフリートークを行った。 若者や女性や被爆2世・3世の訴えが続いた。
日没を期して、キャンドルライトを掲げて「光の輪」をつくりながら、「Stop the War in Iraq」「This War is not Fair」「D’ont Kill People Any More」などの抗議メールを一斉に送信した。
最後に、被爆者の下田礼子さんが4・29ヒロシマWORLD ACTIONの大行動を呼びかけ、再会を約束した。
福岡 人間の鎖で米領事館包囲
福岡市で「アメリカのイラク攻撃を許さない実行委員会」が主催して「イラク反戦―世界同時行動 民衆の力で戦争を止めよう 4・12福岡米領事館デモ」が闘われた。
「米英軍がイラク全土を制圧した」「戦争は終わった」というマスコミの悪辣(あくらつ)な宣伝に怒り、デモは初めてという人びとも多数参加した。
午後3時から警固公園で集会が始められた。実行委員会の代表は「米英軍の攻撃こそ大量破壊兵器の現実だ」と弾劾した。地区労の代表は「平和運動の先頭に立った九大自治会の仲間が不当逮捕された。小泉の危機感の現れだ。小泉打倒!有事立法粉砕!」と訴えた。有事立法粉砕実行委・福岡は「今もイラクで子どもたちが殺されている。自衛隊のイラク派兵の動きもある。有事立法を阻止しよう」とアピールした。
デモは米領事館までの4`。沿道の市民にアピールしながらにぎやかにやりぬいた。
米領事館前では、九州大学自治会の学生がイラク反戦闘争の大衆的爆発で不当逮捕を粉砕すると宣言した。そして、参加者全員が人間の鎖で米領事館を包囲し、ブッシュへの怒りの申し入れ行動を闘った。次の行動は4月27日だ。
(投稿/福岡 Y・T)
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週刊『前進』(2099号2面4)
佐世保 “イージス艦出るな” 日帝の参戦に怒りの決起
4月10日、反戦共同行動・福岡と同・長崎は「イージス艦こんごう派兵阻止! 日本の参戦許すな! 有事4法案絶対阻止!」の旗を掲げて早朝から佐世保現地闘争に総決起した。
今回、海自佐世保基地からアラビア海へ派兵されるのは、イージス艦こんごう、護衛艦ありあけ、補給艦はまなの3隻だ。イラク開戦後初めての佐世保基地からの自衛隊派兵となる。米英帝のイラク侵略戦争、人民大虐殺、軍事占領に対してイラク・アラブ・ムスリム人民の民族解放的決起が始まっている。このまっただ中に自衛隊が派兵されようとしている。突破口がイージス艦派兵だ。許してはならない。
9時から海自立神桟橋を眼前にする前畑埠頭(ふとう)で「戦争反対! NOWAR! イージス艦派兵反対! 佐世保現地集会」が開催された。反戦共同行動、佐世保地区労、長崎地区労、国労、全港湾、全水道、市交通、市職などの労働組合、19日佐世保市民の会など、長崎県下から200人を超す労働者、市民が集まった。
9時25分、乗員計580人を乗せた3隻が立神桟橋を離岸するや否や、直ちに抗議の声が上がった。「自衛隊の海外派兵反対」「イージス艦は出ていくな」「イラク攻撃の出撃反対」「アメリカはイラク攻撃をやめろ」のシュプレヒコールがとどろいた。岸壁には米英日帝への怒りがあふれた。
反戦共同行動は、11時から佐世保市の中心街・四ケ町アーケードで街頭署名活動を行った。長崎の被爆者は「アメリカの劣化ウラン弾は放射能をばらまく核兵器であり、許されない」と憤り、30代の女性は「反戦の世論が高まっているのに、なぜ自衛隊は行くのか」と抗議した。佐世保市民の怒りが378筆の署名として表された。
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週刊『前進』(2099号2面5)
京都をデモで席巻 ANSWERの代表迎え 国際連帯に確信
4月6日、「ACT & UNITE TO STOP THE WAR」は、”Stop War Action with A.N.S.W.E.R./ World Unite”と題して、International A.N.S.W.E.R.のナンシー・ミッチェルさんらとともに集会とデモを行いました。京都大学での集会には250人、京都の中心地へのデモには350人が参加しました(写真)。
集会ではナンシーさんの言葉に拍手が沸き立ちました。「ジョージ・ブッシュに言いたい。あなたはお金も持っているし銃も持っている。しかし世界を持っているのは私たち人民であり、人民は必ずあなたにうちかつことができる。そのためにも、私たちは人種差別をやめることがとても重要だと考えています」
太鼓の大部隊を先頭に、ほとばしるような熱いデモを行いました。ナンシーさんと私たちの代表が交代でデモ・コール。「George Bush, We Say No」「Koizumi, We Say No」。道路が揺れるかと思うほどのすごい迫力で四条河原町を席巻しました。
米英帝国主義がイラク全土を占領していく今からが闘いの本番です。イラク侵略戦争を強行し、北朝鮮侵略戦争、有事立法に突き進むブッシュと小泉を全世界の民衆の力でぶっ飛ばしましょう。(詳しい報告はhttp://www.act-unite.org/にあります)
(投稿/京都大 T・Y)
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週刊『前進』(2099号2面6)
反戦のコール響く 4・13杉並 若者先頭に90人
4月13日、米英軍のバグダッド占領という重大局面の中、東京・杉並で「NoWar! No DU! in 荻窪」を掲げてイラク戦争反対のピースウオークが行われた(写真)。イラク写真展のグループ、イラク戦争反対キャンドルデモのグループ、有事法制反対の百万人署名運動が共催した。
太鼓やギターを抱えた若者たちが先頭に立ち、「ブッシュは人殺し、小泉は共犯者」「アメリカ軍は出ていけ、イラクの人たち殺すな」「有事立法反対」などリズムに乗ってコール。若者や高齢者が次々と加わり、90人に膨れ上がった。
午後3時からおしかわ公園で開かれた集会では、米英軍によるイラク人民大虐殺への怒りがあふれた。
福生市から来た女子高校生が自作の反戦歌を歌った。アラブの琴の演奏家が「足がつぶされて血だらけになった少女を抱きかかえる父親。戦車のそばにいてじゃまだというだけで殺された女性。こういうことはメディアは流さない。戦争を止められなかった責任から逃げないで闘っていかなければならない」と訴え、琴を奏でた。
主催団体のあいさつに続いてリレートークが行われた。その中で、都政を革新する会の北島邦彦杉並区議候補が米英のイラク軍事占領に反対する運動を起こそうと語り、区議選への支援を訴えた。
(本紙 柿坂信二)
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週刊『前進』(2099号2面7)
“STOP!有事法制”20労組などが国会前で集会
4月15〜18日の昼休み、陸・海・空・港湾労組20団体などが「STOP!有事法制/やめろ!イラク攻撃 国会前行動」に連続して立ち上がり、16日には580人が参加した(写真)。20労組を代表して航空安全会議の中川香副議長が「私たちは国と国の対立のない平和な空を飛びたい。有事法制ができると労働者は戦争に無理やり徴用されます。戦争には絶対に加担したくありません」と発言した。
全日本海員組合の平山誠一国際汽船局長は「『日本は米英に次ぐ3番目の敵国』と認識され、船に『日の丸』を掲げることが交戦国表示になってしまった。軍隊の行動のために国民を統制するのが国民保護法制です」と弾劾した。
宗教者や市民団体、若者も発言に立ち、最後は「労働組合らしく」シュプレヒコールを上げた。国会前行動をさらに強化し、有事法制を阻止しよう。
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週刊『前進』(2099号3面1)
小泉・石原と本当に闘う議員団を 反動破る新しい政党の実現へ 都革新こそ反戦と介護の新党
統一地方選前半戦の都道県知事選挙、道府県議会議員選挙の結果は何を示しているか。一つはファシスト石原慎太郎が有権者の半数以上が棄権する中で、都知事選挙で308万票を取ったことに示される反動の流れである。もう一つは日本共産党の大没落と社民党の消滅的敗北である。とりわけ、日本共産党が道府県議選などで大敗北を喫したことは、今日の日帝・小泉の戦争に向けた攻撃にまったく闘えないことがもたらしたものだ。また、生活者ネットなど「市民派」勢力も、大後退している。これも、戦争と資本攻勢の激化の中で、階級的な闘いを否定するところから生まれた敗北だ。4・27選挙を前に、これらの諸党が労働者人民の味方ではないことを怒りをこめて暴露し、反戦と介護の新たな政党として、杉並区議選で都政を革新する会の3候補の絶対勝利をかちとることを訴えたい。
「国連による平和解決は」帝国主義の侵略の翼賛だ 日共の反戦は口先だけ
石原に「是々非々」のツケ
日本共産党は、道府県議選挙で4年前の152議席から107議席へと45議席減、政令指定都市の市議選では、同じく120議席から104議席に後退した。
また、都知事選挙では、石原圧勝の陰で、日本共産党公認の若林義春候補は36万票で惨敗した。これは前回選挙での日共系無党派候補、三上満の66万票と比べても大激減である。日本共産党は、都知事選で社・共統一候補を立てられなくなって以来、独自に「無党派革新」候補を擁立してきたが、今回、石原に対抗して立つ候補を見つけられなかった。投票日まで2カ月を切った2月21日になって、日共東京都委員長の若林を党公認候補として擁立すると発表した。
動揺する党員に向かって議長の不破が都知事選に向けての決起集会で報告し、「無党派だからといって票が取れるわけではない。90年代の都知事選は、得票数からみれば谷(一番票が落ち込んだ選挙)だった。党公認候補の方が有権者に分かりやすい」などと語って、ハッパをかけた。しかし、その結果は前回の半減に近い敗北だったのだ。
問題の根本は、日共が石原と対決せず、石原にすり寄ろうとさえしてきたことである。「石原都政に是々非々でのぞむ」と言ったのは不破である。「銀行への外形標準課税や、首都移転に反対では一致できる」と言い、石原主催の「首都移転反対決起集会」の壇上に石原と同席してエールを交換したのも不破である。
ファシストであり侵略戦争国家づくりの先頭に立つ石原に対して、不破は真っ向から批判し対決する姿勢をまったくとらなかった。それどころか、「(米国に)ノーと言える日本」を掲げてきた石原に、反米民族主義の観点から親近感を持ってきたのである。今回の都知事選の結果には、ファシスト石原と闘えない日共に対する審判という側面が明白に表れているのだ。
日本共産党は、いま杉並区議会に7人の議員を擁しているが、小泉の戦争政治、一大資本攻勢、石原の福祉切り捨て都政に反対しているのか。労働者人民の闘いの役に立っているのか。まったく否である。
「イラクに制裁を」の立場
まず第一に、イラク侵略戦争に対してどういう態度をとっているか。
そもそも日共は、今度のイラク戦争の原因がイラクの「大量破壊兵器」にあるという立場に立って、あれこれの言動を行っている。そして「戦争ではなく、国連の査察を継続することで平和的解決を」と言ってきたのである。しかし、情勢の核心はそうではないのだ。これは帝国主義の侵略戦争、虐殺戦争であること、「大量破壊兵器」や「フセインの独裁」というのは戦争を仕掛けるための口実でしかないこと、これが核心問題なのだ。
だが、日共は、「国連決議1441の実行を」と叫び、フランスやドイツの政府が「査察の継続を」と言ったことにとびついて、米英の戦争に反対しているにすぎない。仏独の首脳は、帝国主義的な権益の立場から、米英に反対しているのだ。それは帝国主義間の利害の対立がむき出しになっていること、帝国主義世界が空前の危機に陥っていることを示している。ところが、日共は米英帝に対して仏独帝を支持する形で対応しているのである。戦争によってしか生き延びられない帝国主義を全世界労働者人民とともに打倒していくことが問題になっている時に、帝国主義の一方の側に立つということは何を意味するか。帝国主義の侵略戦争を容認するということである。
日共は1991年の湾岸戦争(イラク中東侵略戦争)の際には、「クウェートに侵略したイラクに対する制裁の戦争」で「国連決議に基づく戦争」だから、「帝国主義戦争、侵略戦争ではない」として、事実上あの戦争を完全に容認したのである。だが、湾岸戦争でどれだけ多くのイラク人民が殺され、傷つけられたか。また、劣化ウラン弾や経済制裁の被害がどれほど深刻な打撃をもたらしているか。150万人ものイラク人民が殺されたのだ。しかし、日共は自分たちの戦争支持をまったく反省もしていない。
今回の戦争でも、米英軍がバグダッドを制圧すると、日共はこれでもう終わりとばかり、これまで張り出していた「イラク戦争に反対です」のポスターをはがして回収してさえいるのである。本当にとことん戦争反対を貫く気持ちなどまったくない。人民の圧倒的なイラク戦争反対の声に乗っかり、選挙に利用するために口先で「戦争反対」を掲げただけなのだ。
「東京で百万人決起」に反対
米英帝のイラク侵略戦争、軍事占領、再植民地化に反対し、本当にやめさせるためには、アメリカやイギリスで立ち上がっているような労働者人民の100万人、200万人の決起が必要だ。日本でも、もっともっと大きな運動を巻き起こし、イラク侵略戦争参戦と有事立法につき進む日帝と小泉政権をうち倒すような情勢を作り出さなければならない。
日本共産党は、昨年11月の東京の「赤旗まつり」に3日間で20万人集めたと自慢しているが、お祭りにそれだけ集める以上の熱心さをもって大衆闘争を大爆発させるべきではないのか。
だが、日本共産党はけっしてそういう闘いを呼びかけたりしない。なぜか。それは大きな大衆運動に共産党が恐怖しているからだ。大衆がたくさん集まると、共産党の制御を超えて、闘いが自己運動し、資本主義体制を揺るがすものに発展してしまうことになるのを日本共産党はよく知っているのだ。そしてそれが何よりも恐いのだ。彼らは、「資本主義の枠内の民主的改革」ということを基本路線にしており、その枠をはみ出すような闘いの爆発には絶対してはいけないと固く誓っている。
だから、日共にとって、大衆は共産党に票を入れてくれる存在でしかなく、それ以上に自分たちの怒りを爆発させて闘いに決起するようになることを必死で抑えるのである。赤旗まつりや街頭演説に人びとを集めて選挙のための宣伝をすることは熱心だが、集まった人びとの自主的・主体的な闘いを訴え、促進することには否定的なのである。
導入時から介護保険賛成
第二に、人民の暮らしと命の問題でも、日共は人民に犠牲を強いる小泉、石原の政治と真っ向から対決して、人民自身の力でかちとる闘いに取り組まない。
3年前に介護保険が導入された時、日共は「介護保険元年」と言ってこれを承認した。今になって、「介護保険料・利用料の減免」などをスローガンにしているがペテンだ。都政を革新する会が「介護と福祉を要求する杉並住民の会」の人びとと協力して闘いを粘り強く進めてきたことにのっかり、かすめとろうとしているのだ。都革新こそが「区民が主人公」の運動をつくりあげてきた、新しい政党である。
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週刊『前進』(2099号3面2)
イラク反戦は全く言わず介護保健・福祉削減に賛成 生活者ネットは石原与党
杉並・生活者ネットワークは、「食の安全」や「自然エネルギーへの転換」などのスローガンを掲げて、あたかも区民の生活を守る「市民派」のように動いている。そして杉並では3人の女性議員を擁している。東京・生活者ネットには、現在49人の市区議会議員、6人の都議会議員がいる。神奈川、埼玉、千葉などにそれぞれ生活者ネットがあるが、神奈川では今度の県議会議員選挙で現職2人落選、新人候補21人落選などと大後退し、横浜市議選でも3議席減となった。戦争と資本攻勢激化の中で、「市民政党」として完全に行き詰まっている。
その政策では、「地域力・市民力/安心・共生のまちをつくる」というスローガンのもとに、「地域から政治をかえる」「市民生活にかかわりの深い、ごみ・環境・水・福祉・子ども・女性と労働などの地域の問題に取り組みながら、政策を生活の中からつくる」などとうたっている。
もっともらしいきれいごとを並べているが、肝心のことを何も言わないことが特徴である。つまり、今日の米英日帝のイラク侵略戦争に対してどういう態度をとるのか。それを容認するのか、反対するのか。有事立法に賛成なのか、反対なのか。また、小泉政権、石原都政に対して、賛成するのか、反対するのか。こうしたことに態度を鮮明にしないのである。
石原支持で何が「市民派」か
都政では、生活者ネットは、自民党、公明党、民主党などとともに石原都政の与党である。杉並選出の藤田愛子都議も、いろいろ石原批判めいたことは言うが、完全に与党のスタンスで言っているのである。
労働者人民と石原とは、まったく妥協の余地はない。石原のファシスト的・排外主義的言動と闘い、粉砕しなければならない。
北朝鮮の拉致被害者の問題に関して「自分だったら(北朝鮮と)戦争してでも取り戻す」と言って北朝鮮侵略戦争を扇動し、米英日帝のイラク侵略戦争も公然と支持表明した石原。女性差別発言を公然と行って恥じない、謝罪も取り消しもしない石原。また、重度の「障害者」に対して「安楽死」などという言葉を平然と吐く石原。絶対に許せないものばかりだ。
まさにファシストそのものである石原に対して、女性を中心にし、「市民主権」などを掲げる団体である生活者ネットが、これと対決するどころか、完全に軍門に下り、支えているのだ。これは何ごとか。
反動山田区政に与党で協力
山田宏杉並区長のもとでの区政に対しても杉並・生活者ネットは、完全に与党の立場で協力してきた。
介護保険料の値上げに対して、新城せつこ区議は、断固反対して区民とともに闘い、区の当初予定していた300〜500円幅の値上げを撤回させ、60円に抑え込んだ。保険料は23区内では最低額である。これは闘いによってしかかちとれなかったものである。
ところが、生活者ネットは、介護保険そのものにも賛成であり、保険料値上げにも賛成したのだ。
わずかな年金で生活している高齢者から保険料をむしり取り、利用料が払えなければ介護を受けられない現実をどうするのか。介護保険制度の下で何人の高齢者が命を奪われたことか。介護保険は廃止し、国の責任で、必要な人に必要介護を保障させよう。高齢者の立場に立って闘う議員が必要な時に、生活者ネットはまったく背を向けたのである。
保育園民営化、給食民間委託、レジ袋税実施などの諸政策に対して、新城せつこ区議は全力で反対してきたが、すべてに賛成してきたのが生活者ネットだ。
福士陣営も「反戦」言わず
杉並ではこのほか、福士敬子都議(杉並選出「自治市民93」)派から奥山たえこ候補が立っているが、やはり「戦争反対」を掲げておらず、介護保険反対を言わない点では同じだ。
杉並・生活者ネットは区議会の3人会派で、幹事長会に出席資格をもつ。そこで議事運営の根回しが行われている。日共や生活クラブは、そこでの情報を区民に知らせない。これでは区民、住民が主人公の「まちづくり」などできるはずがないではないか。
都政を革新する会の3候補の当選をかちとり、幹事長会派になることで、そこで出された中身を住民に知らせ、住民の側の闘いを組んでいくことができる。新城区議は「3人の力が議会の密室を開かせる」と言っている。日本共産党、生活者ネットなどをのりこえ、3人当選をかちとろう。
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週刊『前進』(2099号3面3)
山田区政に対する各会派の態度
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介護保険料値上げ
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学校給食民間委託化
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レジ袋税
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都革新 |
反対(保険料減免を!) |
反対 |
反対 |
共産党 |
賛成 |
反対 |
反対 |
生活ネット |
賛成 |
賛成 |
賛成 |
民主党 |
賛成 |
賛成 |
賛成 |
公明党 |
賛成 |
賛成 |
賛成 |
自民党 |
賛成 |
賛成 |
賛否分裂 |
(「杉並区議会だより」を元に作成)
◎介護保険料値上げ
杉並区では保険料値上げを60円に抑え、23区でもっとも低い保険料(基準額3千円)となった。
◎学校給食民間委託化
山田区政の「スマートすぎなみ計画」の一環。区職員削減のため学校給食調理業務を民間委託化する。
◎レジ袋税
02年3月18日に杉並区で条例で成立。課税額はレジ袋1枚5円。区民の反対の声で、実施延期になっている。
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週刊『前進』(2099号3面4)
普天間基地実力撤去・名護新基地建設白紙撤回へ 沖縄・宜野湾市長選について
4月27日の統一地方選後半戦と同じ日に、普天間基地を抱える宜野湾市において、現職市長の逮捕・辞職に伴う出直し市長選挙が行われる。この選挙は、普天間基地の撤去、県内移設=名護新基地建設問題の今後を左右する重要な選挙戦である。96年4・12の橋本・モンデール会談での「5〜7年で普天間基地返還合意」から7年の「期限」が切れ、宜野湾市民の怒りを大結集する時である。
この宜野湾市の比嘉盛光市長が、3月6日、公職選挙法と政治資金規制法違反容疑で逮捕され、辞職した。逮捕者は、県商工会連合会前会長や自民党選出の国会議員仲村正治の政策秘書ら計7人。直接の事件は、01年の宜野湾市長選挙に伴う比嘉陣営の違法献金受領と虚偽の収支報告であるが、この事件の根は深い。基地の県内移設と跡地利用に群がる自民党と稲嶺県政総体を巻き込む大問題である。普天間基地の名護への移設と基地の跡地利用の利権に群がる連中が日帝支配階級の先兵となって沖縄基地の半永久化攻撃を地元の側から支えているのだ。このことへの怒りを爆発させなければならない。
重要なことは、この比嘉市長は、97年の第一期目の当選の時は、社民党が軸になってかついだ革新市長であったという事実である。当時の大田県政自体が激しく揺れ動きながら、最終的には、97年12月の名護市民投票を経て、98年2月に名護移転拒否の決断を行った。これに対して、日帝支配階級は、大田知事引き下ろしの大攻勢にのりだし、98年11月の知事選で、県内移設攻撃貫徹のために稲嶺県政を登場させた。宜野湾市の比嘉市長はこの過程で、日帝権力と自民党そして県内土建業者にとりこまれ、普天間基地の跡地利用の利権に完全にはいつくばったのである。
比嘉市長は、革新市長でありながら日帝・自民党と稲嶺陣営に移行し、「名護移設の流れを決める重要な役割」を担った。日帝・自民党と土建業者のホープとなり、建設業者からの汚い金に完全に縛り付けられた。そして、01年には、事実上自民党に鞍(くら)替えした保守候補として出馬した。この過程で、問題の利権がらみの違法献金と収支報告の偽造が行われた。こうして比嘉市長は完全に宜野湾市民を裏切った。(社民党を始めとする沖縄革新が01年宜野湾市長選でとった態度も同罪である)
権力が今になって、この事件で比嘉市長の逮捕にまで踏み込んだのには、自民党内の利権争いが絡んでいるが、問題の基本は、普天間基地返還と名護新基地建設をめぐる巨大利権が白昼公然たる現ナマのやりとりにまで発展しているという現実があることだ。稲嶺県政としても、このままでは名護の着工攻撃が立ち往生しかねない現実に直面している。したがって、権力はあえてこの「腐敗」にメスを入れているのである。
出直し選挙は、基地の県内移設反対を掲げた県議伊波洋一氏(51)と保守系無所属前県議の安次富修氏(47)との対決で闘われる。安次富陣営は「伊波氏が当選したら普天間基地返還が遅れる」という反動的なデマ・キャンペーンで必死に県内移設攻撃の「流れ」を守ろうとしている。宜野湾市民は、このまま「流れ」に身を任せるのか、それとも、県内移設攻撃粉砕に立ち上がるのかという重大な歴史的選択を問われている。
伊波洋一氏は、元宜野湾市職労委員長で、県議会で革新会派「結の会」を構成している。伊波氏の反基地闘争の実績はよく知られている。同氏の今次の出馬にかけた決断が相当なものであることは、「県内移設反対」「SACO路線の転換」という主張をはっきり掲げたことに示されている。
伊波氏の当選は、普天間基地問題=名護新基地建設攻撃をめぐる情勢を根底から転換させ、実力撤去の闘いの「流れ」をつくり出すことになるのである。諸種の分析では完全に互角の一騎打ち情勢となっている。当選の可能性は完全にある。
われわれの態度は、伊波氏の当選のために可能な支援を行うということである。伊波氏の当選のために決起しよう。杉並と一体で、勝利させよう。
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週刊『前進』(2099号3面5)
教育基本法改悪を批判する 戦争体制と闘う教育労働者 第9回 永井由紀さん 東京(小学校)
共同闘争の力こそ 改悪阻止は全人民の課題 職場の団結と抵抗で反撃する
人事考課体制を食い破って闘う
東京では、4月から主幹制度が導入され、新10年研修、現職研修も始まった。また勤務時間内の組合活動の権利が大幅に制限され、困難な条件の中での活動を余儀なくされている。
主幹制度では、教務主任や生活主任、進路主任などの重要な主任の経験がない人であっても主幹職につくことになるため、職場は早くも混乱をきたしている。校務分掌の決め方にみんなからブーイングが出て、スタートから主幹の提案が粉砕され、職員会議をやり直した職場もある。
2000年度から導入されている人事考課制度との闘いは、制度の狙いが見えてくるにつれて、あらためて絶対に譲れない闘争課題になってきている。
1年目は自己申告書の提出のみでよかったものが、「評価」を振りかざして提出書類が追加強制され、それが授業の週案という授業内容にまで及んでいる。自己申告書の内容も、年々校長の学校経営方針に沿ったものに書き換えさせられる段階に入りつつある。
さらに今年度、校長の意向優先の異動要綱改悪が画策され、人事考課制度を使った不当な人事や管理強化、教育内容のチェックがこれでもかと言うほどエスカレートしている。まさに教基法の改悪の先取りだ。
イラク反戦闘争の高揚の中で、石原都知事は、「拉致事件を教えよ」と言い放った。戦争が正しいと教えろと言うのか。「勤評は戦争への一里塚」という情勢に完全に突入したのだ。
人事考課制度導入から4年目に入り、組合の無方針を乗り越えて自己申告書の不提出を続けてきた組合員だけでなく、「異動について校長に一任したと見なす」との恫喝で悔しい思いで提出した人、°書きさえすれば″と軽く考えていた人も含めて、あらためて自己申告書の提出の意味を考え始めている。制度への怒りの声は日に日に強くなっている。
このような人事考課制度が今、全国で導入されようとしている。広島県教組は2月22日の臨大で「自己申告書の不記入」方針を決定した。反撃の闘いがいよいよ始まった。東京の動きを見れば、人事考課制度との闘いが教育の権力支配をめぐる闘いであり、教基法改悪阻止闘争そのものであることははっきりしている。このことをもっと鮮明にさせ、新たな勤評闘争を全国闘争としてつくり出そう。
教基法改悪阻止闘争が広島の教組の闘いを先頭に始まっている。広島発の意見広告運動は、広範な学者・文化人の賛同をかちとりながら、全国に広がる大運動になっている。
戦争協力を拒む労働者の連帯を
私たちは、米英日帝のイラク軍事占領・植民地支配を許さない闘いとともに、有事立法粉砕の闘いの先頭に立たなければならない。戦争協力拒否を掲げる陸・海・空・港湾労組20団体の闘いに連合の敵対を打ち破って合流し、上部団体の違いを越えた巨大な有事法制阻止闘争をつくり出そう。
さらにその闘いの中に教基法改悪反対を持ち込み、訴えよう。「君が代」への不起立や壇上の「日の丸」への校長・来賓の「礼」をめぐって熱い議論を交わした地域の労組の仲間が、教組主催の教基法集会に参加してくれた。誰もが学校教育に関心を持ち、注目している。闘いはこれからだ。
教育労働者への愛国心・国防教育の強制は、すべての労働者とその子どもたちへの強制でもある。学校現場で自らの闘いを訴え、身をもって問いかけ、教基法改悪反対の世論と運動をつくり出していこう。
「日の丸・君が代」、教科書、心のノートなど、教育に対する攻撃は次々と押し寄せている。昨秋の教研集会で「心のノート」を取り上げ、地域の市民にも知らせたところ、多くの人が参加してくれた。広範な人びとが「教育改革」に危機感を持ち、°どうにかしなくては″と思っていることを実感した。その集会で、どのように使うかという方向に討論が流れそうになった時、すかさず年輩の女性が「これは、戦前の修身と同じ。絶対に認められません」と身を震わせて発言した。戦争体験者が、かつての皇民化教育を告発し、教育支配の恐ろしさを全体で確認する場になった。
「再び戦争に加担しない・させない」という課題は、教育労働者にとって譲れない闘いであると同時に、保護者・市民にとっても避けて通れない切実な問題なのだ。そのことを強烈に自覚して、もっともっと地域に入っていこう。全人民の共同闘争として教育闘争を豊かにつくり出そう。
若い世代と結びついた闘いへ
長時間労働や子どもたちと向き合う時間を奪う管理体制、今の職場のあり方に不満・疑問を抱えている若い世代と結びつこう。組合加入をかちとろう。
若者の反戦決起が始まっている。「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンを今こそよみがえらせよう。
(シリーズ終わり)
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週刊『前進』(2099号4面1)
有事立法と一体の入管法改悪
南北・在日朝鮮人民と労働者階級の共同闘争の発展を
野田 利一
3月20日をもって世界は「戦争と革命」の時代に突入した。イラク人民の反米帝の革命的ゲリラ戦争(民族解放・革命戦争)と連帯し、「米英日帝の軍事占領・再植民地化を許すな! 米英軍はイラクから直ちに出て行け」の闘いに決起しよう。日帝・小泉政権は帝国主義的権益を得ようと「復興事業」への参加=参戦を決定し、さらに北朝鮮侵略戦争参戦を狙って有事立法の国会成立に動き出した。この中で、被抑圧民族人民の防衛と連帯を闘う入管闘争の最重要課題として、イラク人民に対する民族自決権の剥奪(はくだつ)を許さず、「闘うムスリム人民と連帯し、米英日帝のイラク侵略戦争を帝国主義打倒の国際的内乱に転化せよ」を最先頭で実践しよう。統一地方選に勝利し、イラク侵略戦争反対、北朝鮮侵略戦争反対、有事立法反対の闘いを進め、それと固く結合した4〜5月入管闘争の爆発をかちとろう。
イラク侵略戦争と連動して米日帝が北朝鮮に軍事重圧
米英軍のバグダッド制圧、フセイン政権崩壊という事態をもって、米英帝国主義によるイラク侵略戦争は新段階に突入した。イラク人民にとって米帝は虐殺者であり、侵略者である。米帝が大量の軍隊を投入し行ったことはイラクの領土と資源の略奪であり、イラクの主権、民族自決権の剥奪である。これは明々白々の帝国主義による侵略戦争以外の何ものでもない。
イラク侵略戦争と連動して米日帝の北朝鮮侵略戦争攻撃がより強まっている。
3月4日から4月2日まで、米韓合同軍事演習「フォールイーグル」が強行された。例年10月から11月に実施されてきたものだ。
韓国軍50万、駐韓米軍を始めとした米軍5万人以上が参加した。ブッシュは駐韓米軍を2000人増員し、B52やB1爆撃機24機をグアムに配備、さらには米空母カールビンソンが自衛隊と共同演習を行い、朝鮮半島沖に向かうなど、北朝鮮に激しい戦争重圧を加えている。その中で強行された今回の米韓合同演習は、事実上米日韓合同の侵略戦争実働演習として、イラク侵略戦争と完全に連動した北朝鮮に対する侵略戦争訓練となった。
94年に策定された米韓連合軍の対北朝鮮侵略戦争の「作戦計画5027」は、ブッシュ政権登場後の2002年版では「指導者(=金正日)の暗殺」「韓国側と協議せず米軍だけの判断で先制攻撃できる」と改悪されたと言われている。
「作戦計画5027」は「核兵器を使用しなくても100万人以上の死傷者が出る」と米軍が公言しているとおり、朝鮮人民100万人を虐殺する侵略戦争計画だ。
朝鮮半島の戦争的危機の根源は、北朝鮮を「悪の枢軸」と名指しし、「イラクの次は北朝鮮」と世界戦争計画を発動する米帝と、日帝による激しい戦争重圧にあることは明白である。これに対して北朝鮮スターリン主義は反人民的な戦争挑発の瀬戸際政策を対置している。これを米日帝は格好の口実としてより激しい戦争政策を展開し、戦争情勢を促進している。
小泉政権はイラク侵略戦争支持表明において「北朝鮮情勢を抱える日本としては米国を支持せざるを得ない」「大量破壊兵器が独裁者に渡ると危険」「日米同盟が重要」の論理をふりかざした。これはきわめて重要だ。対北朝鮮で米帝が戦争に突入する時、日帝も同時に突入することを「決定」したことを意味する。
石破防衛庁長官は3月27日、衆院安保委員会で自衛隊が敵基地を攻撃する能力を持つ必要があるかどうかについて、「(敵基地攻撃能力を持つことは)専守防衛を犯すものでも、日本が侵略国家になるということでもない」と述べ、「検討に値する」と主張した。そして防衛庁は、他国のミサイル発射基地の攻撃が可能な米国の巡航ミサイル「トマホーク」などの装備導入の検討に入った。
3月28日、日本初の情報収集衛星2機を搭載した「H2A」5号機ロケットを打ち上げた。これらは北朝鮮のミサイル発射施設と核開発施設を監視対象とするスパイ衛星であり、完全に戦争挑発行為だ。
一連の動きは、日帝がこれまでの「専守防衛」の建前を完全に投げ捨て、安保防衛政策を転換し、北朝鮮の核開発や弾道ミサイルを口実に、日帝が独自の情報に基づいてトマホークで北朝鮮を空爆する侵略戦争を行うことを意味する。
日帝は武力攻撃事態法など有事3法案、個人情報保護法案の4月衆院通過を最優先課題として設定した。4月9日、衆院有事法制特別委員会で審議が開始された。有事立法は「遠い将来のための準備」では断じてない。北朝鮮侵略戦争に全面的に参戦していくためのものであり、そのために労働者人民を総動員しようとするものだ。そして何よりも100万人以上の朝鮮人民を虐殺するための法案なのだ。絶対に成立を阻止しよう。
アジア系民族学校差別する攻撃は50年朝鮮戦争の再現
入管法・外登法−入管体制はこれまでも日帝の戦争政策の先取りとして強化されてきた。しかし、いま加えられている入管攻撃は、これまでとは完全に次元を異にする攻撃なのだ。入管体制の戦時的強化であり、有事立法の先取りそのものである。
現在の入管攻撃の大きな焦点のひとつは、繰り返し暴露しているように入管法の改悪攻撃であり、今ひとつは民族学校への新たな差別攻撃である。
民族学校差別から見ていく。昨年3月の「規制改革推進3カ年計画」に基づき、文科省は外国人学校卒業生に対する大学入学資格の拡大を検討してきたが、中教審(中央教育審議会)大学分科会は3月6日、外国人学校卒業生のうち、欧米系のインターナショナルスクールには大学入学資格を与えるが、朝鮮学校、韓国学校などのアジア系の民族学校には認めないという方針を出した。
今回の攻撃は日帝の北朝鮮に対する侵略戦争攻撃、有事立法攻撃と一体となった新たな民族差別攻撃である。これは3月20日のイラク侵略戦争開始の日に発表された教育基本法改悪の中教審答申(戦争のできる国づくり、人づくりを狙った)と完全に一体の攻撃である。
朝鮮人民は1945年解放後、ただちに民族性、民族の尊厳を取り戻すために、文字どおり民族解放・自己解放的決起そのものとして民族学校建設に突き進んでいった。民族学校は民族教育の砦(とりで)となった。
だからこそ、日帝は朝鮮人民が民族的主体性をもって根底的に決起することに恐怖し、民族学校発足の当初から徹底的な弾圧を加えてきたのだ。
これに対して在日朝鮮人民は、48年阪神教育闘争を始め、全国で民族学校を守りぬく闘いに決起した。日帝は49年、民族学校閉鎖令によって民族学校を没収し朝鮮人生徒を日本の学校に収容した。
重要なことは、この攻撃が49年在日本朝鮮人連盟(朝連)解散、50年朝鮮戦争と完全に一体であったことだ。今回の民族学校に対する新たな差別攻撃も、朝連に対する弾圧と同様に、有事立法攻撃下での朝鮮総連解体をも狙った攻撃である。在日朝鮮人民と連帯し、民族差別攻撃を粉砕しよう。
もうひとつの攻撃として入管法の改悪攻撃がある(本紙2094号五十嵐論文参照)。
3月に閣議決定され、国会に提出された入管法改悪案は、@難民認定制度の見直しを柱とし、A「在留資格取り消し制度」の新設、B「精神障害者」の上陸拒否事由の見直しとなっている。
北朝鮮に対する侵略戦争は膨大な難民の発生を不可避とする(作戦計画5027)。日帝はこうした難民と在日人民が合流し、闘いに決起することに恐怖し、その徹底的な排除を狙っている。今次入管法改悪の核心、日帝の狙いはここにあるのだ。
「難民認定制度の見直し」とは、北朝鮮侵略戦争によって難民が大量に日本に渡航することを具体的に想定して、日帝がこれまで以上に、難民の受け入れを制限し排除することに核心がある。
あたかも難民を受け入れるかのようなものとして「仮滞在許可制度」の創設を打ち出したが、難民認定基準については一切変更せず、難民拒否政策をかたくなに貫こうとしていることからもわかるように、難民受け入れ拒否のシステムを法文化したものである。さまざまな条件をつけることによって難民排除を容易にしている。また仮滞在許可者には指紋押捺(おうなつ)が強制されるのだ! 文字どおりの外登法による管理支配そのものだ。
在留資格取り消し制度とは、退去強制のために、入国審査官に新たに生活実態調査の権限を与えるものである。これまではできなかった在留期間中の生活実態調査に踏み込み、在留資格を剥奪して退去強制にするのである。これこそ在日・滞日外国人を対象にした治安弾圧の強化であり、退去強制攻撃の重大なエスカレーションである。
北朝鮮侵略戦争に協力する連合声明を弾劾して闘おう
イラク侵略戦争反対の国際的な連帯闘争が全世界で爆発している。アメリカ、イギリスなどでは数十万から百万人規模での決起がかちとられている。日本における百万人規模の決起の実現のカギは、戦争攻撃と連動して強まっている排外主義・差別主義攻撃を労働者人民の階級的団結を強めることによって打ち破ることの中にあると言っていい。
4月12日、内閣府が「人権擁護に関する世論調査」を発表した。外国人の人権を擁護すべきとの回答が、54・0%(97年の前回調査65・5%)になり、1958年の同調査開始以来最低となった。逆に「日本人と同じような権利を持っていなくても仕方がない」の回答が21・8%で過去最高となった。外国人が不利な扱いを受けることについて「差別だ」としたのは前回から9・5ポイント減の30・4%で過去最低となった。
内閣府は「外国人による犯罪が急増していることが背景にあるのではないか」としているが、実はそうではなく、激しい排外主義・差別主義攻撃を日帝自らが扇動しているからなのだ。
排外主義法案として「反テロ法案」(仮称)の国会提出が策動されている。「テロ行為」への直接関与が証明されなくても基本的人権、結社の自由、財産権なども制限可能、「テロ組織」への支援を行った団体・組織の「解散」や「資産没収」も盛り込むという。49年朝連を「団体等規正令」によって強制解散させたように、朝鮮総連を解散させようという狙いもあるのだ。
今年2月、東京入国管理局が東京品川ふ頭に移転した。800人収容の巨大収容所が併設され、退去強制などの入管行政を開始した。4月には東京入管新宿出張所が開設された。
さらには昨年9・17日朝首脳会談以降、朝鮮学校生徒に対する暴力や嫌がらせが繰り返され、在日の居住区(川崎の桜本地区など)では「朝鮮人追出」といった差別落書きが頻繁に現れている。戦争攻撃とともに排外主義攻撃も強まっている。
この排外主義攻撃の反動的な役割を演じているのが連合である。昨年「5・16見解」によって有事法制に賛成を表明した連合は、今年3月10日、「北朝鮮に関する声明」を発表した。
声明は日帝が侵略戦争の戦争責任・戦後補償を放棄していることにはまったく触れず(容認し)、「日本政府は、拉致問題、核開発問題等の解決無しには日朝国交正常化および経済協力はあり得ないとの態度を明確にし、主体的に対応していくべきである」と述べ、日帝の北朝鮮侵略戦争政策にさおさし、労働者人民を戦争動員する立場を明確にした。
日本の労働者階級の血債の立場、国際主義的連帯の立場に真っ向から敵対する戦争翼賛・排外主義の宣言を日本労働運動のナショナルセンターが発したことを怒りを込めて弾劾し、全力で対決していかなければならない。
アメリカの反戦団体ANSWERは4・12闘争に向けての声明で「アメリカ合衆国と世界の民衆は、帝国主義と帝国に対してNOと言うために、中東で抵抗している人びとすべてとともに立ち上がらなければならない」と述べている。
また韓国の民主労総は「米国のイラク侵攻を防がなければ、朝鮮半島に恐ろしい戦争がくる」との立場を明確にし、イラクに反戦代表団を派遣、国際連帯の闘いを行っている。まさにイラク侵略戦争と北朝鮮侵略戦争は連動しているととらえられているのだ。
欧米の反戦闘争は「戦争反対、人種差別反対、首切り反対」を一体的スローガンとして掲げ、労働者階級と被抑圧民族の団結した闘いとして決起を実現している。日本でも百万、1千万の反戦決起を実現しよう。その核心は何よりも労働者階級人民の階級的団結を基軸に、連合の反動的制動を打ち破る戦闘的労働運動を強固につくり出すことだ。
動労千葉は3月27日から72時間の「イラク反戦・春闘スト」を貫徹した。また国労臨大闘争弾圧を打ち返す闘いは、国労本部を打倒し、国鉄労働運動さらには日本の労働運動の戦闘的再生へ向けて前進している。こうした闘いをさらに大きくつくり出すことによって、在日朝鮮人民を始めとして在日人民との信頼に基づく共同闘争が可能となり、その時こそ日本における百万、1千万の反戦決起が実現されるのだ。この力は小泉政権を打倒し、全世界の労働者階級人民・被抑圧民族人民との国際主義的連帯を促進し、世界革命へと突き進む力となる。
4〜5月、イラク侵略戦争反対、北朝鮮に対する侵略戦争反対、有事立法反対の闘いを進め、それと固く結合した巨大な入管闘争の爆発をかちとろう。
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週刊『前進』(2099号4面2)
ソウル 4・12反戦行動
「反戦平和国際行動の日」の4月12日、南朝鮮・韓国では江原、大田、忠北など全国12都市で戦争反対・派兵撤回の集会・デモが闘われた。ソウル市庁駅広場には1万5千人を超える人びとが集まり、「戦争は終わっていない。イラクから侵略軍の最後の一人が撤退するまで闘おう」と気勢をあげた。(写真)
5月訪米−韓米首脳会談を前にして盧武鉉(ノムヒョン)大統領は、4月17日に韓国軍先遣隊をクウェートに出発させ、30日に第1次派遣部隊(工兵隊200人、医療支援部隊90人)の派遣を決めた。派兵阻止闘争の爆発は不可避だ。すでに予備役拒否など反軍決起も広がっている。
民主労総は、5・1メーデーを「全世界労働者共同闘争の日」としてイラクと朝鮮半島における戦争を許さず闘おうと呼びかけている。4・20鉄道労組の全面ストライキを始め、盧武鉉政権との総力闘争に全力で立ち上がっている。日本から熱い連帯を寄せて、総決起しよう。
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週刊『前進』(2099号4面3)
全金本山 仙台地裁が反動判決
「別棟就労は適法」 不当労働行為を容認 91年以降は会社責任認める
3月30、31日、全金本山全国闘争が闘われた。30日夕、仙台市のみやぎ婦人会館で開かれた総決起集会には44団体73人が結集した。
冒頭に全金本山労組の長谷武志委員長があいさつした。「本日もイラク反戦の600名のデモに参加した。デモのたびに参加者が増えている。始まっているのは帝国主義による分割戦争だ。資本主義の危機であり、労働者自身の力で未来を切り開く時だ。明日は別棟就労をめぐる仙台地裁の判決だが、どう見たって別棟は違法。『金網の中に閉じ込めるなど許せるか』と30年闘いぬいた。いかなる判決であろうとも2名の解雇撤回と全員の原職復帰しかない」と、「一人の首切りも許さない」労働運動を貫く決意を語った。
連帯のあいさつに続いて青柳充書記長が基調提起した。「構内の3分の1を有刺鉄線でおおい、単純な仕事しか与えない。設計などの職場にいた組合員には仕事がない。いい仕事がしたいと思ったら第2組合にいくしかない。こんなことは許されないと思っていたら全金本部は『別棟に就労しろ』と言ってきた。労働戦線の右翼的統一の中で争議収拾という動きがあったからだ。別棟就労反対を貫き、全金本部からの統制処分を受けた。この本山闘争をどの程度裁判所が理解したかはわからないが、就労は団交でかちとっていく以外にない」と方針を鮮明に提起した。
支援の決意表明では、東京や神奈川のJAMの仲間、都職労、都市交の労働者、地元の支援労組の代表、廃寮攻撃と闘う東北大有朋寮の学生などが発言した。
全金本山労組各行動隊からは、「直接対決で勝つしかない」「当時全金本部は『別棟に入って殴られれば裁判に』と言ったが、血を流すのは誰か。ふざけるなと思った。2名の解雇者も含めて職場復帰しかない」と、怒りも新たに翌日の判決公判に臨む決意を表明した。
追いつめられペテン的判決
31日の門前闘争には80人が本社工場門前に結集し、就労要求闘争を闘った。
午後1時、仙台地裁で別棟就労判決公判が開かれた。全金本山の組合員が原告席に居並び、支援が大法廷の傍聴席を埋めた。
判決は、別棟就労の是非について、「別棟就労は適法」「不就労は別棟就労を拒否した労組の責任」という反動判決を下した。同時に、会社側が全金本山労組の正当な争議行為に対して起こした損害賠償請求では、百パーセント会社側の言い分を認めた。
仲間の解雇に反対し、労働組合つぶしに反対した労働者を解雇でもないのに職場から排除する違法なロックアウトがどうして許されるのか。別棟就労はその継続であり、不当労働行為であることは明らかだ。闘う労働運動、階級的労働運動を憎悪し、絶対に認めないという国家意思を示した政治的判決だ。32年間の全金本山闘争、ロックアウトされた29人の組合員の人生と闘いを否定することなど断じて許されない。
しかし、一方で「別棟就労の必要性がなくなり、組合側が就労交渉に応じる意向を示してからは、働けなくなったのは会社の責任だ」として、91年10月以降の賃金請求権を認定し、全金本山労組員に賃金総額約1億9千万円を支払うように命じた。ペテン的ではあるが、今日の不就労状態が会社側の責任であることを仙台地裁は認めざるをえなかった。別棟就労を「暫定的には正当」とした仮処分決定の自らの責任を回避しながらも、長期争議に対して異例とも言える判断を出さざるをえないほど裁判所は追いつめられたのだ。
全金本山労組の呼びかけにこたえて寄せられた労組署名は840筆を超えた。判決直後の記者会見にはマスコミ各社が参加し、不就労に対する会社の責任を明らかにした判決として大きく報道された。
仙台地裁ですら会社の違法性を否定できないのだ。本山資本は現在の不就労状態をこれ以上続けることは一日たりとも許されない。争議責任を謝罪し、直ちに職場に戻すしかないのだ。反動判決への怒りも新たに、門前闘争、銀行闘争、ユーザー闘争を強化し、本山闘争の完全勝利、2名の解雇撤回、全員の原職奪還に突き進もう。
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週刊『前進』(2099号4面4)
4月9日〜15日
米軍、反米デモに発砲・虐殺 イラク占領機関に職員派遣
●米英軍がバグダッド制圧 米英軍がイラクの首都バグダッドを制圧した。米軍部隊が、繁華街や住宅地などが広がるチグリス川東海岸地域にも侵攻し、バグダッドのほぼ全域を支配下に置いた。(9日)
●有事法案の審議を再開 衆院有事法制特別委員会が、継続中の有事法制関連3法案の審議を再開。与党側が与党提出修正案の趣旨説明を行った。(9日)
●日本政府、1億j「支援」 川口外相が、イラク戦争に絡む日本政府の「人道支援」策として、1億j(約120億円)を上限として国際機関に資金供与する方針を発表した。(9日)
●「自衛隊の処理」検討 安倍官房副長官が、イラク戦争に関連して「大量破壊兵器が発見されれば、経験を生かして、われわれは役割を担うことができる」と述べ、自衛隊の化学防護部隊などによる大量破壊兵器の処理に積極的な姿勢を示した。(9日)
●イージス艦が出航 テロ対策特別措置法に基づく米英軍などへの「支援」活動のため、海上自衛隊佐世保基地(長崎県佐世保市)のイージス艦「こんごう」が、インド洋に向け出航した。昨年12月にインド洋に派遣された神奈川県・横須賀基地所属のイージス艦「きりしま」と交代する。(10日)
●普天間返還合意から7年 96年に橋本首相とモンデール米駐日大使(いずれも当時)が、沖縄の米軍普天間飛行場の5年から7年以内の全面返還合意を発表してから満7年となった。(12日)
●統一地方選前半戦 統一地方選挙の10都道県知事選、44道府県議選などが行われ、東京都知事選でファシスト石原慎太郎が308万票で再選された。(13日)
●米英軍、イラク全土ほぼ掌握
米英軍は、フセイン大統領の最後の拠点とみられたイラク北部の都市ティクリートを制圧した。米英侵略軍はイラク全土の主要拠点都市をほぼ掌握した。(14日)
●国民保護法制の骨子明らかに
政府が衆院有事法制特別委員会に示す国民保護法制の「骨子」が明らかになった。昨年11月に政府が示した「輪郭」とさほど変わらず、内容を小出しにしている。(14日)
●「シリアで実験を確認」と米が非難 ラムズフェルド米国防長官が「シリアが過去12〜15カ月にわたって化学兵器実験を実施してきたことを確認している」「武装したシリア人及び外国人をイラクに入国させ、米国人や連合軍のメンバー殺害に報賞を与えようとしている」などと語った。(14日)
●米比合同演習に海兵隊 4月下旬にフィリピンで「対テロ」を掲げて実施される米比合同軍事演習「バリカタン03−1」に参加する在沖縄米海兵隊300人が那覇軍港から高速輸送船に乗り込んだ。(15日)
●イラク復興支援室に職員派遣 日本政府は、イラクのフセイン政権「崩壊」を受けて暫定的にイラクの行政機能を担うとされる米国のイラク復興人道支援室(ORHA)に、政府職員を派遣する方向で具体的検討に着手した。政府関係者によると、外務省や経産省の職員を派遣、石油などのエネルギー開発や公衆衛生などの分野でアドバイザー的役割を果たすことを想定している。警察官など治安維持要員の派遣は見送る方針という。(15日)
●東電の全原発を停止 東京電力は点検のため福島第1原発6号機の発電を止めた。東電の原発はトラブル隠しや検査偽装の発覚で再点検を迫られている。6号機の停止で東電の全原発17基が停止した。(15日)
●反米デモに米軍発砲、10人死亡 イラク北部の都市モスルで行われた反米デモに対し、米軍が発砲し少なくとも10人が死亡、38人が負傷。(15日)
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週刊『前進』(2099号5面1)
“首切り自由”を狙う労働法制改悪
労働者保護法から終身雇用解体・団結破壊法へ大転換 有事法制と一体の攻撃許すな
日帝・小泉政権は3月7日、労働法制全面改悪案を閣議決定し、156通常国会に提出した。解雇ルールの法制化、有期雇用の拡大、裁量労働制の拡大を盛り込んだ労働基準法の改悪案、派遣労働を全面解禁する労働者派遣法改悪案および職業安定法改悪案である。さらに雇用保険法改悪案が審議中だ。いずれも、戦後労働法制を抜本的に転換し、労働者が闘ってかちとってきた権利を剥奪(はくだつ)し、首切り自由と不安定雇用の全面的拡大を狙うものだ。03春闘における賃下げ攻撃、社会保障解体攻撃とともに労働者の生活を暴力的に破壊するものである。それは戦後的階級意識や階級関係、労働者支配のあり方を全面的に転換する攻撃だ。労働法制改悪は有事関連3法案および個人情報保護法案とともに通常国会の最大の焦点である。しかも、これらは労働者階級に対する搾取と支配を強め、労働組合の団結を解体し、侵略戦争に総動員し、日本帝国主義の延命を図るための一体的な攻撃である。統一地方選決戦から有事法制阻止、労働法制改悪阻止の一大階級決戦へ、労働者・労働組合の総決起をかちとろう。
労基法に資本の解雇権明記
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▽解雇ルールの法制化
・第18条の2(解雇)を新設
――「使用者は、労働者を解雇することができる」
・第89条第3号に「解雇の事由を含む」を加える
――就業規則の退職の事由に、解雇の事由を明記
*解雇は原則自由、解雇の制限は例外に
*裁判で解雇無効を争う場合、合理的な理由を欠き、相当でないことの立証責任を労働者が負う
▽有期雇用契約の拡大
・第14条を改悪――契約期間の上限を現行の1年から3年に延長(専門職と60歳以上の労働者は、現行の3年を5年に延長)
・専門職について「新商品、新役務もしくは新技術の開発または科学に関する研究に必要な」などを削除
*3年の有期雇用が原則に。5年の専門職の対象も拡大
*若年定年制や、正規雇用との代替が進む
▽裁量労働制の要件緩和
・第38条の4第1項(企画業務型裁量労働制)を改悪
――「事業運営上の重要な決定が行われる事業場」を削除。労使委員会の「全員の合意」を「5分の4以上の多数決」に
*本社、支社などに限定せず、対象を拡大
*長時間の"ただ働き"を拡大
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解雇の制限は例外規定に
今国会に提出されている労働法制改悪案のうち、最も重大なのは、労働基準法に「解雇ルール」を盛り込むことである。それは第18条の2(解雇)という以下の条文である。
「使用者は、この法律又は他の法律の規定によりその使用する労働者の解雇に関する権利が制限されている場合を除き、労働者を解雇することができる。ただし、その解雇が、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用(らんよう)したものとして、無効とする」
これは、「使用者は、労働者を解雇することができる」という資本の解雇権を初めて労基法に規定することで解雇は原則自由になり、解雇の制限は例外になるということだ。
労基法は、「労働条件の最低基準」を定め、それを罰則をもって資本に強制するものである。「使用者は……してはならない」という規定が原則であり、「……できる」は例外だ。その基本的立場を180度逆転させるのだ。
現行の第18条は「強制貯金(の禁止)」の条項であり、第19条が「解雇制限」となっている。「解雇制限」の前にまず、資本の自由な解雇権を規定するために、第19条の前にわざわざ第18条の2をまったく新たに突っ込んだ。このやり方にも、解雇ルールが労基法とは相入れない規定であることが示されている。
第19条は業務上の傷病による休業や産前産後休業中(およびその後30日間)の解雇制限を規定しており、第20条は30日前の解雇予告(または30日分の賃金支払い)を規定している。現行労基法にはこれ以外に解雇を制限する規定はない。
しかし、解雇をめぐる戦後の労働者の闘いによって、経営上の都合による解雇については「整理解雇の4要件」が必要であることが、裁判上の判例として確立している(注)。これを否定する判決が東京高裁などで次々と出されているが、現行労基法と整理解雇4要件は、解雇に対する一定の制約となっている。資本は、この制約を取っ払うために「解雇ルール」の新設を要求しているのだ。
また、労基法で資本は就業規則を作成することが義務づけられているが、その「退職に関する事由」に「(解雇の事由を含む)」を付け加えようとしている。つまり、どういう場合に解雇されるのかを労働者に了解させた上で採用しろ、ということだ。
資本は、例えば「分社化、営業譲渡、外注化などにより業務が減少、または存在しなくなった場合」などを解雇事由として就業規則に盛り込む。現在、分社化、外注化などの場合でも、対象になる部門に働く労働者を出向にしたり、退職・再雇用という形で転籍にする場合が多い。
しかし、今度は問答無用に労働者は解雇され、しかも、労働者が解雇無効を争う場合には、その解雇が「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない」ことを証拠に基づいて明らかにすることが必要になる。
これまでは、整理解雇の4要件を満たしていることを、資本の側が証拠に基づいて証明しなければならなかった。これを逆転させるのだ。
さらに、昨年末に労働政策審議会が提出した「建議」には、解雇が無効とされた場合でも、職場復帰ではなく「金銭解決」を強制する制度を新設することを打ち出した。これは「法案要綱」の段階で削られ、「今後の検討課題」とされた。解雇撤回・職場復帰の闘いを未然に圧殺する意図が見え見えである。
労基法が「首切り法」に転換するという超重大事態なのだ。
契約打ち切り若年定年制に
さらに、有期雇用契約の期間制限の延長や対象業務の拡大が盛り込まれた。
第14条は、もともと「期間の定めのない契約」=終身雇用が基本であり、「1年を超える契約をしてはならない」という規定は、資本が労働者を長期間拘束してはならないという主旨で設けられたものだ。
パートやアルバイトなどで1年契約が導入されるが、それでも契約の更新を繰り返していれば、正当な理由もなく雇い止め=解雇することはできなかった。そこに、専門的知識が必要な場合などの専門職や60歳以上の労働者について3年の有期雇用が導入された。
今度の改悪では、原則1年以内が3年以内に延長される。そうなれば、資本は終身雇用ではなく、有期雇用を基本にするだろう。
3年や5年の契約で採用し、何度か更新するが、30歳や40歳で契約を打ち切るという、事実上の若年定年制になる。
労働者は、契約を打ち切られないために、資本に奴隷的な忠誠を誓わされることになる。労働組合に入ったために契約更新を拒否されても文句も言えなくなる。契約の更新のたびに労働条件を引き下げられることにもなりかねない。
命奪う長時間労働を合法化
裁量労働制とは、1日8時間、1週40時間の労働時間規制の例外として、一定の業務の労働者を時間管理の対象から外し、何時間働こうが1日8時間働いたとみなす、というものだ。
今回の改悪では、「企画業務型」の対象事業場を本社などに限定する規定をなくし、労使委員会の議決などの要件も緩和し、ホワイトカラー全般に裁量労働制を拡大することを狙っている。
現在でもいわゆる「サービス残業」(ただ働き)が横行しているが、この現状を追認し、長時間労働を合法化しようとするものである。成果主義賃金の導入とあいまって、労働者は「成果」を上げるまでは何時間でも働かなければならなくなる。過労死や過労自殺といわれる、労働者の命まで奪う攻撃をさらに拡大しようというのだ。
しかも、アメリカの「ホワイトカラー・イグゼンプション(適用除外)」のように、ホワイトカラー労働者を時間規制から全面的に外すことさえ検討の課題になっているのだ。
派遣法・職安法も抜本改悪
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▽派遣期間の延長
――専門的業務を除き派遣期間の上限を1年から3年に延長。現行3年の専門的業務は無制限に
▽対象業務の拡大
――「物の製造」業務への派遣を解禁
*派遣先が雇用者の責任を負わない派遣労働を無制限に拡大
*製造ラインなどのアウトソーシングを拡大
▽民間職業紹介事業の規制緩和
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労働者派遣法と職業安定法の改悪は、労基法の解雇ルール新設、有期雇用の拡大と一体となって不安定雇用化を推進するものだ。
特に派遣法の改悪では、派遣期間の上限を1年から3年に延長し、現行3年の専門的業務については期間を無制限に拡大する。
対象業務は「物の製造」と医療にも拡大される(製造業は1年の派遣、医療は福祉関連施設のみ)。
製造業では、すでに自動車や電機の製造ラインなどに「請負」という形の違法派遣が横行している。その現実を追認し、アウトソーシングを一挙に拡大する。
派遣労働とは、派遣元によるピンハネを合法化するもので、派遣先にとっても人件費の大幅削減になる。派遣先は必要な時に派遣労働者を受け入れ、必要がなくなればいつでも派遣契約を解除できる。派遣労働者は常に不安定な身分に置かれ、まさに「商品」として扱われるのだ。
以上のような労働法制改悪攻撃は、戦後の°労働者保護″法制から、°首切り・不安定雇用化、団結権解体″法制へと根本的に転換する、断じて許せないものだ。廃案以外にない。
連合の裏切り許さず廃案に
労働法制改悪は、小泉「構造改革」の中心的な攻撃であり、「円滑な労働移動」「種々の規制が多い労働市場の改革」「雇用形態の多様化」(経労委報告)を主張する日本経団連など資本の要求をそのまま法案にしたものにほかならない。奥田ビジョンは「自己実現に結びつき、自身の成長にも資する仕事を与えられているのであれば、それは仮に労働時間が長くなっても、賃金が高くなくても、むしろ本人は好ましく思う」などという勝手な労働者像を描いて、労働者意識の解体を迫っている。
こうした攻撃は、労働組合の解体と労働運動弾圧に行き着く。労働者を強制的に戦争に動員する有事法制や弾圧諸立法と一体である。国労5・27臨大弾圧はその最も鋭い攻撃だ。
連合は、これらの労働法制改悪に対して「改悪阻止」を掲げてはいる。だが、その基本的立場は「抜本的修正させる」というものでしかない。
連合は昨年12月4日の「雇用問題に関する政労使合意」で、「就業形態の多様化を進めるため、必要な規制改革を推進し、労働法制の見直しを行う」ことを合意しているのだ。
労働者の立場は、「修正」ではなく、改悪絶対阻止である。ナショナルセンターを超えた広範な労働組合の力でなんとしても廃案に追い込もう。
(注) ■整理解雇の4要件
@人員整理を行わなければならない経営上の差し迫った必要性があること。
A整理解雇という手段を回避するための可能なあらゆる努力を尽くしたこと。
B対象となる労働者および労働組合に対して納得が得られるように十分な説明を行い誠実な協議を尽くしたこと。
C解雇対象者の人選基準が客観的・合理的で、その適用が適正・公平に行われたこと。
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週刊『前進』(2099号5面2)
4・4関西 “仲間・お父さんを返せ” 国労弾圧を許さない集会開く
佐藤さんと大和田さん 「団結権」訴え講演
4月4日、大阪国労会館で、国労5・27臨大闘争弾圧の関西の5人の被告団、5・27臨大弾圧国労家族の会、国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会の三者の呼びかけた「労働運動を『犯罪』とする団結権破壊の弾圧を許すな!/仲間を取り戻せ! お父さんを返せ!/5・27国労臨大闘争弾圧を許さない4・4関西集会」が開かれた。254人が参加し、感動的で熱気のある集会となった。
家族の会の若い司会のあいさつで始まり、まず被告団事務局の国労組合員が公判報告を行った。続いて5家族14人が演壇に並んだ。
最初に、被告団副団長で国労奈良電車区分会の橘日出夫さんの家族が「私は沖縄で生まれ育って戦争の悲惨さはよくわかる。こんな世の中で労働者の闘いができなくなるようにしては絶対にいけない」と述べた。
吹田地域分会の小泉伸さんの家族が「伝統ある国労をつぶしてしまったら、他の組合もつぶされる」と訴え、この弾圧を、夫たちが捕まっているということを超えた観点からとらえることを強調した。
豊岡分会の原田隆司さんの家族が「夫は正しいと確信を持ち、誇りに思っている。多くの皆さんの励ましがある。事実を周りに広めて下さい」と訴えた。
兵庫保線分会の富田益行さん(被告団副団長)の家族は「今回の弾圧で家族の絆(きずな)が強くなった。私も職場でなかなか言えなかったが、みんな励ましてくれた」と元気に発言。
最後に、環状地域分会の東元さんの家族が「団結することを『犯罪』とする今回の弾圧と闘っていこうと家族会で話し合い、きょうの集会を開くことにした。関西で許さない会の運動や保釈要求の署名を大きく広げたい」とまとめた。
集会のもうひとつのメインは佐藤昭夫弁護団長と全国金属機械労組・港合同の大和田幸治事務局長の二つの提起だった。
佐藤さんは「団結権侵害と暴力行為等処罰法」をテーマに講演し、5・27国労臨大は4党合意に基づき、闘争団の除名と裁判の取り下げを決める大会だったこと、被告のビラまき・説得活動は正当な組合活動であり、団結権の行使であること、この弾圧は団結権・団結自治を踏み破った権力の介入であること、国労本部が警察と一体となって組合員を弾圧したことをわかりやすく提起した。そして「大衆の怒りを組織して『許さない会』を拡大してほしい」と訴えた。
次に大和田さんが「権力弾圧と団結権」と題して講演した。「国労が自民党副幹事長の甘利の要求を何の抵抗もなく受け入れていくことは、あまりにも無残な敗北の姿だ」と国労本部を激しく弾劾し、被告団を激励して「逮捕者の不屈の闘いを全国の労働者の闘いとしていかに拡大していくのか。これこそが後退した労働運動を前進に導いていく道ではないのか」と訴えた。
被告団の獄中からのメッセージを、被告と同じ職場や地域の友人が紹介した。
原田隆司さん「東京拘置所は多くの無実の涙を流した人たちが、自己を解放し、自らが社会の主人公であることをつかみとった大学(東拘大)だ」
富田益行さん「房内のラジオで動労千葉のストが大々的に流され、禁止されている拍手喝采(かっさい)をやってしまった。3労組陣形の03春闘ストの爆発は小泉政権の心臓を射抜いた」
小泉伸さん「関西の『許さない会』をぜひつくってほしい。保釈署名に大々的に取り組んで下さい」
東元さん「この勝敗に労働運動の未来がかかっています。絶対に負けるわけにはいきません。みなさんと団結して、最後まで非転向で頑張りぬきます」
橘日出夫さん「国労を再生させ、日本の労働運動を階級的・戦闘的に塗り替えるため総決起しましょう」
5人の被告の檄(げき)に会場は彼らを1日も早く取り戻す決意を新たにした。
全日建運輸連帯労組・関西生コン支部は550筆の署名を携えて参加、武谷新吾執行委員が発言。国鉄臨職解雇撤回闘争を闘っているおんな労組の和田弘子さんも連帯の発言を行った。
家族の自己解放的な決起と、佐藤さん、大和田さんの提起が胸を打った。労働運動にとって「許さない会」運動のもつ大きさがひしひしと伝わる集会だった。
(投稿/大阪 山口久美子)
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週刊『前進』(2099号5面3)
反国労報道から20年 メディアの責任問う 国鉄闘争勝利へシンポ
4月5日、「反国労キャンペーンから20年―マスメディアを問うシンポジウム」が東京・月島社会教育会館で開かれた。「納得いく解決を! 国鉄闘争女性応援団」が主催し、200人が参加した。
国鉄分割・民営化を前にマスメディアが連日のように国鉄労働者に対する「ヤミ手当、ポカ休、ブラ勤」などの報道を繰り広げた。鉄建公団訴訟では、公団側が当時の新聞記事を「国労組合員らは働かなかったから解雇されたのは当然」との「証拠」として提出している。こうした報道を検証しながら、1047名闘争の意義を明らかにした。
集会は、まずビデオで反国労キャンペーンを再現し、東京闘争団の佐久間忠夫さん、国労甲府支部書記長(当時)の新藤薫靖さんが現場での実態を証言。
パネルディスカッションでは、ルポライターの鎌田慧さん、人材育成コンサルタントの辛淑玉さん、人権と報道・連絡会世話人(読売新聞社員)の山口正紀さんが、毎日新聞記者(新聞労連委員長)の明珍美紀さんをコーディネーターに語り合った。(写真)
鎌田さんは、60年安保闘争に対する「暴力はいけない」との7社共同声明と国鉄の報道に、国策に対する新聞の弱さが現れたと指摘。山口さんは、分割・民営化を推進した土光臨調に大手メディアの幹部が入っていたことを暴いた。
辛さんは、「人生の中で一番恐ろしいぐらいに北朝鮮キャンペーンが始まっている」と危機感をもって語り、「戦争や企業の暴走を止めるのは労働組合。国労問題はリストラ問題であり、この成功事例が今の現実を生んでいる。これにリベンジをすることが今の社会の再生になる」と熱っぽく訴えた。
(O)
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週刊『前進』(2099号5面4)
資本攻勢&労働日誌 2003 3月27日〜4月12日
97.5%がベア見送り 03春闘集計
中小春闘妥結わずか8.6%/厚生基金解散が最多
●動労千葉が4日間スト 動労千葉が30日までの4日間、大幅賃上げなどを掲げてストライキ。591本の列車を運休に(3月27日)
●「障害者」の就業率を初めて発表 厚労省が「障害者」の就業実態調査の結果を発表。「身体障害者」の就業率は41.7%。「知的障害者」の就業率は49.2%。同省が公表するのは初めて。(27日)
●2月の完全失業率5.2% 総務省発表の労働力調査では、2月の完全失業率は過去最高の前月より0.3ポイント低下の5.2%。厚労省発表の一般職業紹介状況では、2月の有効求人倍率は前月を0.01ポイント上回る0.61倍と6カ月連続上昇。(28日)
●30代前半の働く女性、6割超 30代前半の女性で働く人の割合が初めて6割を超えたことが、厚生労働省の02年度版「働く女性の実像」で分かった。(30日)
●02年の年末一時金5%減少 厚労省発表の毎月勤労統計調査によると、02年の年末一時金は01年比5.0%減の43万2261円。(31日)
●指導力不足と女性教諭免職、新人事管理で初 京都府教育委員会が「指導力不足で教諭の適格性を欠く」などとして、府立養護学校の女性教諭を地方公務員法の「分限免職」にしたと発表。文科省の新しい「人事管理システム」に基づく分限免職は全国初。(31日)
●新日鉄リストラ策 新日本製鉄が、3年間で2600人削減し、4万4600人体制とする03年度からの中期経営計画を発表。(4月1日)
●厚年基金の解散、過去最多73基金 厚労省のまとめでは、厚生年金基金の02年度の解散数が、過去最多の73基金に達した。(1日)
●産業再生関連法案が可決・成立 「産業再生機構法案」「産業活力再生特別措置法改正案」など、産業再生関連法案が参議院本会議で可決・成立した。(2日)
●大手銀、8年連続ベアゼロ 大手銀行の労組は、今春闘でベア要求を見送った。ベアゼロは8年連続。みずほ労組は、昨年提示された賃下げも受け入れた。(3日)
●熊谷組・飛島建設統合、正社員を6割減 熊谷組と飛島建設が来年4月の統合計画を発表、正社員数を現在の3876人から1594人に削減することを明らかに。(5日)
●中小労組、春闘妥結8.6% 3月中に妥結した連合加盟の中小労組の妥結組合数は、加盟の約1万労組のうち8.6%で、前年同時期の12.9%に比べて減った。未解決労組に危機感が広がる。(5日)
●賃上げ過去最低の1.54% 主要企業の今春の平均賃上げ率は過去最低の1.54%にとどまることが日経新聞の調査(第1次集計)で分かった。ベアは97.5%の企業が見送りを表明。定昇を凍結・見直すとする企業も11.5%に。(10日)
●郵政公社、一般職採用を4割減 日本郵政公社は、04年度の一般職の採用を今年度に比べて約4割削減する方針を固めた。(12日)
春闘妥結後のリストラ・賃下げ攻撃
●京成電鉄、バス事業を分社 バス事業を10月1日付で完全分社化。労働者の35%、約1300人は転籍へ。(3月25日)
●ニコン、50歳以上労働者に転籍制度―賃金最大5割減 50歳以上の労働者を対象に新たな転籍制度を導入。賃金水準を最大5割引き下げる。(29日)
●NEC、残業代減額1年延長 3月まで1年間の緊急対策としていた残業手当減額の1年間延長を労資で合意。基礎賃金の30%増の割増率を法定最低限の25%に引き下げ。(31日)
●いすゞ、賃金7%カット 定昇後の賃金を4月から05年3月まで一律7%カットで労資合意。実質5%賃下げ(31日)
●明電舎、賃金4%カット 賃金を4月から1年間一律4%カットすることで労資合意。定昇凍結も1年延長(31日)
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週刊『前進』(2099号6面1)
先制核攻撃へ進む米帝 劣化ウラン弾大量使用の侵略戦争犯罪を弾劾する
米軍は91年時上回るDUをイラクで使用 日帝も参戦で共犯
3月20日、「ヒロシマ・ナガサキと同じショックをイラク国民に与える」と米帝ブッシュは言い放ち、イラクへの開戦を強行した。米英軍は連日、劣化ウラン弾、巡航ミサイル、地中貫通型爆弾、クラスター爆弾などの大量破壊・大量殺戮(さつりく)兵器を無差別に撃ち込み、イラク人民の大虐殺を行った。
米帝は、01年QDR(4年ごとの防衛力見直し)―NPR(核戦力態勢の見直し)―ブッシュ・ドクトリン(米国家安全保障戦略)のもとで、先制攻撃を軸とした世界戦争計画の全面的発動を開始した。「核の抑止力」から「先制核使用」への転換、新型戦術核兵器の開発・製造の推進、劣化ウラン弾の恒常的使用。いまや核戦争の敷居は完全に取り払われつつある。
原発の核燃料や核爆弾材料としての濃縮ウランの製造過程で出る核廃棄物、45億年の半減期の放射能をもち人体を破壊・殺傷する恐るべき核物質――それが劣化ウラン(DU)だ。米帝は鉛の1・7倍の重さ=ずば抜けた貫通力があるDUを対戦車攻撃兵器に利用した。この劣化ウラン弾は91年湾岸戦争で初めて実戦使用され、100万発以上のDU銃砲弾が乱発された。劣化ウラン弾を始めとした大量虐殺兵器によってイラク軍民約30万人が殺された。計350d近くのDU(広島型原爆の3万6000倍もの放射能)がまき散らされ、土地・空気・水が核汚染され、白血病やがんなどが多発している。この被曝に加え、国連経済制裁による医薬品・食料不足で子どもを中心に150万人以上が命を奪われている。
米英軍は、91年以降も劣化ウラン弾などを使った無数の空爆を続行し、イラク人民を殺傷し続けてきた。さらにボスニア、ユーゴスラビア・コソボ、アフガニスタンへの侵略戦争でも立て続けに劣化ウラン弾を使用している。
そして今回、米軍は劣化ウラン弾使用をカタールでの記者会見で認めた(3月26日、ブルックス准将)。「非常にわずかな量」「安全だ」とウソぶきながら、M1戦車、A10攻撃機、アパッチヘリ、ハリヤーなどからイラク軍の戦車・装甲車や民間車両に対し、劣化ウラン弾を発砲しまくり、イラク人民を焼きつくし殺しつくしているのだ。
これまで2万発以上の爆弾(うち70〜80%が精密誘導爆弾)がバグダッドやバスラ、ナジャフ、カルバラ、モスル、キルクークなどの都市や近郊に投下された。堅固な建物・地下施設を貫通し破壊するバンカーバスター爆弾は劣化ウランでできている。レイセオン社製のGBU―28には1・5dの劣化ウランが使われているという(「きれいな戦争という汚い嘘」ジェームズ・パーソンズ)。米英軍が軍事施設や市場・病院・住宅などに対する無差別爆撃をエスカレートする中で、91年時を上回る大量の劣化ウランが500万人の住むバグダッドを始めとした人口密集地帯にばらまかれている。この帝国主義の残虐きわまる侵略戦争・核戦争犯罪を許すな!
沖縄・横須賀・佐世保・三沢などの在日米軍基地は、イラク侵略戦争の出撃基地となっている。弾薬庫から艦船に運び込まれた劣化ウラン兵器で米軍はイラク人民を襲い、虐殺を凶行している。
日帝・小泉政権は、補給艦やイージス艦をアラビア海に派兵した。自衛隊は、米英軍などへの給油、情報収集によって参戦し、イラク人民殺戮・破壊の軍事行動に深々と加担している。劣化ウラン爆弾などの大量破壊・虐殺兵器を使った米英軍の無差別爆撃を真っ先に支持して、イラク侵略戦争の最悪の共犯者、イラク人民の公然たる敵として登場しているのだ。
帝国主義間のつぶしあいの激化の中で、帝国主義としての生き残りをかけて、米帝に共同=競合してイラク侵略戦争参戦政策を推し進め、北朝鮮侵略戦争に突き進んでいるのが日帝にほかならない。独自の侵略戦争遂行の軍事力の本格的形成をぎりぎりと突きつけられ、敗戦帝国主義としての制約の突破に躍起となっている。
六ケ所など核燃施設は核兵器材料製造所 日帝の核武装攻撃
3月28日、H2A5型ロケットによって日帝独自の偵察衛星2機が打ち上げられた。今夏にはもう2機を打ち上げる予定だ。解像度1bのこの衛星は、北朝鮮の軍事施設・軍事動向を上空からスパイする文字どおりの軍事衛星である。製造元の三菱電機鎌倉製作所から宇宙開発事業団種子島宇宙センターへの輸送、打ち上げ当日までの過程で、かつてない極秘・厳戒体制が敷かれ、打ち上げが強行された。偵察情報は防衛庁内の内閣衛星情報センターに送られ分析されることになっている。武力攻撃事態法の「予測される事態」の導入を核心とした、北朝鮮・中国への侵略戦争法=有事立法攻撃、イージス艦などと一体となったTMD(戦域ミサイル防衛)計画と完全に対応した動きだ。日帝は、これを突破口にして核とミサイルで武装し先制攻撃を可能とする凶暴きわまりない侵略国家へと突進し始めた。独自の核武装化の政治的踏み切りの衝動が日帝支配階級の間に高まりつつある中で、一連の核燃施設完成の攻撃が激烈に強まってきている。
六ケ所村を中心とした核燃施設群(図参照)―これこそ「平和利用」の仮面を被った核兵器(原爆・水爆・劣化ウラン)材料製造の核軍事施設体系なのである。
名古屋高裁金沢支部の「もんじゅ」設置許可無効判決に対し、国は最高裁に上告した。日帝が「もんじゅ」の運転再開に固執する理由は、核兵器に最適の98%の高純度プルトニウムの取得以外にない。同炉と東海村の高速炉用再処理工場がワンセットとなって、毎年30発分の戦術核兵器が生産可能となる。すでに高速炉実験炉「常陽」(茨城県大洗)で戦術核兵器15発分の高純度プルトニウムを手に入れているのだ。
稼働中の六ケ所ウラン濃縮工場は核兵器用高濃縮ウランを生産できる遠心分離能力を備え、原発用燃料の濃縮ウランの生産過程で大量の核廃棄物(核のゴミ)すなわち劣化ウランを生み出している。現在、同工場で6700d、人形峠プラントと合わせれば、計9000dの劣化ウランを日帝は保有している。この劣化ウランこそ、米帝がイラクなどで使用している劣化ウラン兵器の材料だ。自衛隊は、最強の貫通力をもち安価である劣化ウランの兵器利用を虎視眈々(こしたんたん)と狙っている。これまで日本の電力資本は、原発燃料の濃縮ウラン製造を米国の工場に委託してきた。そこで発生した核廃棄物としての劣化ウランは米軍の劣化ウラン兵器の材料に利用されている。
軽水炉用再処理工場は、原発の使用済み燃料からプルトニウムを取り出す。これは高速炉の燃料、核兵器の材料となる。同工場は05年本格稼働に向かって各種試験が強行されている。また六ケ所に誘致しようとしている国際核融合炉をとおして、日帝は水爆の材料としてのトリチウムを確保しようとしている。
六ケ所住民を始めとした労働者人民の核燃サイクル白紙撤回の闘いは、日帝の侵略(核)戦争阻止、核武装阻止の決戦場となっている。全世界の反戦闘争と連帯しイラク・北朝鮮反戦、有事立法粉砕の闘いと結合し、日帝の核武装を阻止しよう。核燃サイクル白紙撤回の闘いに決起しよう。
〔河東耕二〕
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週刊『前進』(2099号6面2)
投稿 ナチス的「障害者」抹殺の論理 「安楽死」法制化を提唱する日本経団連ビジョンを撃つ
日本経団連が1月1日に発表した新ビジョン(奥田ビジョン)の中で、「安楽死・尊厳死」を2025年までに法制化するという恐るべき攻撃を加えてきている。具体的に引用する。
「最後のむかえかたも選べる」「寝たきり、植物状態になって生きているのは幸福ではない」「終末期医療の問題は単に自分の死に方の問題ではなく、家族の負担、すなわち介護のあり方の問題もはらんでくる」
「オランダでは安楽死が盛んにおこなわれている背景には、個人の自主性を重んじる国民性から、各人の判断を最優先にする個人主義が根づいている」「個人の自己決定権に関する意識が特に高いアメリカでは消極的安楽死が認められている」「日本では『尊厳死の宣誓書』はいまだ法制化されていない」
「日本でもかつて諸外国に認められるような死生観が存在していたが戦後、この意識が薄れてしまった」「学校教育の段階から一人ひとりが死生観を確立し、それぞれの人生において最後をどのように迎えるかを考えることができるようにすることが大切である。尊厳死は個人が死生観を確立する上で必要な選択の一つであろう」
「公的年金の基礎年金部分、高齢者医療・介護の財源については、消費税を活用することが望ましい」「企業の従業員についても、保険料を全額本人が負担することが望ましい。安易な負担増に対する抑止力となる」(「抑止力」論)
いかにひどい差別的、反動的扇動であることか。働ける高齢者は定年後も働け、介護の必要な高齢者は家族・社会のお荷物だから「安楽死・尊厳死」させろという論理を展開している。生産の役に立たないものは死ねというのだ。生きるに値しない「生」もあるという優生思想そのものだ。日本経団連の新ビジョンという形で、資本家階級が労働者階級人民の生死を決定するという画次元的攻撃が開始されているのだ。それを学校教育の中で貫徹していくというのは、労働者を優生思想で動員し、資本の役に立たない人間は生きている価値もない、資本の役にたつことが人間の生きる価値だという思想で労働者を子どもの時から染めあげていくということだ。
戦前・戦中の死生観が良かった、戦後はだめになったとも言っている。「天皇のためなら喜んで死ぬことがすばらしい」という死生観だ。階級を超越した存在とする天皇による統治の中で実際には階級闘争の圧殺、階級的価値観、人間観、死生観の圧殺がおこなわれていた。「福祉」は基本的になかった時代だ。それがすばらしいということだ。戦時中、多数の「障害者」が「天皇の赤子にふさわしくない」と虐殺された。そういう死生観がすばらしいというのだ。
「枯れ木に水は必要ない」と言った中曽根の行財政改革以来、高齢者に対する医療の切り捨てが続き、介護保険制度導入の中で介護さえ奪われて高齢者の孤独死や自殺という痛ましい事件が続発している。こうした現実を前提に、新ビジョンは「終末期医療の問題は単に自分の死に方の問題ではなく」と、「家族に負担をかけたくない」という気持ちを利用して高齢者に「尊厳死」を要求しているのだ。また家族には高額な医療費や家族介護が強制されている現実を背景に「高齢者の救命医療切り捨てに同意せよ」と迫り、「安楽死」攻撃に動員することをねらうものである。
まさに「障害者」・高齢者の差別抹殺攻撃である。労働者に高齢者医療費、介護費用を全面的に負担させることが、こうした費用が増えることの抑止力になるとしている。ナチス的「障害者」抹殺の論理そのものだ。ナチスは福祉が労働者の肩に重くのしかかっているから、「障害者」を抹殺することで労働者の負担を減らすと主張し、何十万人もの「障害者」をガス室に送って虐殺した。「抑止力論」はこれと同一の論理である。
「脳死」−臓器移植による優生思想の攻撃、支援費制度、保安処分の攻撃など帝国主義による「障害者」抹殺攻撃、介護保険による高齢者抹殺攻撃が行われているが、新ビジョンはそれらの優生攻撃を画次元的におしすすめるものだ。
さらに、日帝がイラク・北朝鮮侵略戦争参戦へと突撃していることが、このような死生観の攻撃を加速させているのである。国のため天皇のために死ぬことがすばらしく、殺してもいい人間がいるという、労働者人民を戦争に動員するための思想攻撃が加えられているのだ。
すべての労働者人民の皆さん。この「安楽死」攻撃に対して日帝ブルジョアジーに対する総反乱を組織しよう。自分の親が、「障害者」の仲間が文字どおり殺されていくことを断じて許してはならない。イラク反戦・有事立法阻止闘争のさらなる高揚をつくりだし、労働者人民の怒りの決起で帝国主義を打倒しよう。わが「障害者」解放委員会はともに立つ。
(吉村隆生/関西「障害者」解放委員会)
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週刊『前進』(2099号6面3)
公判日程
☆迎賓館・横田裁判
福嶋同志裁判
4月22日(火)午後1時15分
5月12日(月)午後1時15分
☆水嶋同志裁判
5月14日(水)午後1時30分
☆6・12私文書弾圧裁判
5月14日(水)午後1時15分
※いずれも東京地裁
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