ZENSHIN 2003/04/21(No2098
p06)
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週刊『前進』(2098号1面1)
米英日帝のイラク軍事占領許すな
イラク人民の民族解放・革命戦争と連帯し 全世界労働者人民の反戦総決起かちとれ
米英日帝のイラク侵略戦争は、米軍のバグダッド突入・制圧によって重大段階を迎えた。イラク人民は、侵略者に対する怒りの決起に立ち上がっている。われわれは、闘うイラク人民の反米帝の革命的ゲリラ戦争と連帯して、「米英日帝の軍事占領・再植民地化を許すな! 米英軍はイラクから直ちに出ていけ!」の闘いに決起しなければならない。そして、日帝のイラク侵略戦争と連動した北朝鮮侵略戦争のための有事3法案と個人情報保護法案の衆院通過策動に対して、大反撃をたたきつけなければならない。当面最大の任務は、このイラク・北朝鮮反戦、有事立法粉砕闘争の一切を、4・27投開票の東京・杉並、神奈川・相模原、大阪・高槻を始めとする統一地方選挙決戦の勝利にかけきって闘うことである。全力で「4・27蜂起戦」勝利へ闘いぬこう。
第1章 侵略者への革命的ゲリラ戦は不可避
米英軍のバグダッド制圧、フセイン政権崩壊という事態をもって、米英帝国主義のイラク侵略戦争は新段階に突入した。
だが、これは米帝(米英日)の勝利でも何でもない。イラク人民が米軍を「解放軍」として「歓迎」する映像が米CIAや特殊部隊の画策で演出されているが、それはまったく虚構である。イラク人民にとって米帝は、虐殺者であり、破壊者であり、侵略者である。ただちに追放されるべき帝国主義軍隊なのだ。
フセインが独裁者であり、圧政者であるからと言って、それはイラク人民自身の力で打倒されるべきものであって、帝国主義が圧倒的な殺りく兵器をもって人民を大虐殺して取り除くなどということは絶対に許せないことだ。すでに米英軍は、何千人というイラク人民を、トマホーク、クラスター爆弾、バンカーバスターなどの大量破壊兵器で虐殺しているのだ。「この戦争は大量破壊兵器を廃棄してイラクの人民を解放する戦争」とパウエルは言ったが、実際はハイテク兵器をもってイラク人民を虐殺し制圧する戦争だ。
米帝の狙いは、反米政権としてのフセイン政権を抹殺するためにイラク人民もろとも大虐殺することで、アラブ・中東・全世界のムスリム人民の怒りを根絶することである。また、イラクを軍事占領し、GHQ型の軍政を敷き、再植民地化し、それをとおして中東全体の新植民地主義支配体制を再編することだ。そして、米帝によるイラク・中東石油の支配権を独占的に握ることにあるのだ。
こうした、徹底的に帝国主義的な動機に基づいて、この侵略戦争が展開されてきたのである。こんなものがイラク人民の支持を得るわけがないし、歓迎されるはずがないのだ。いや、これから激しい民族解放闘争が米帝にたたきつけられていく。単純に軍事占領支配が貫徹されたり、カイライ政権が樹立されるなどということはありえない。
しかも、この過程に日帝は、自衛隊を派兵して積極的に参画しようとしている。安倍官房副長官は、「大量破壊兵器の処理に役割を担うことができる」と自衛隊派兵の意志を示した。3日には、アーミテージ米国務副長官が自衛隊に掃海艇の派兵を希望すると語った。また、「復興支援」と称して日本の帝国主義的な侵略が図られている。まさに日帝は、米英と並ぶ侵略国として、一層加担を深めようとしているのだ。
米英帝による軍事占領反対、カイライ政権樹立反対、再植民地化反対のイラク人民の革命的な決起と連帯して、今こそ世界中の闘う労働者人民が総決起することが求められている。
第2章 イラク侵略戦争の帝国主義的な本質
この帝国主義の侵略戦争=虐殺戦争に心の底からの怒りを猛爆発させ、何がなんでもこの現実を根底から覆す闘いを猛然と巻き起こしていかなければならない。今、世界と連帯し、日本の地でも爆発的に決起しつつある人びとの心からの怒りをどこまでも解放し、爆発させ、一つの力へと転化していく反戦決起の先頭に立たなければならない。
この戦争は、ブッシュの気まぐれで起こったものでも、ブッシュが戦争好きだから起こったものでもない。この戦争はどんな戦争なのか。帝国主義の侵略戦争であり、虐殺戦争である。「大量破壊兵器」とか「フセインの圧政」などというのは、まったく口実にすぎない。「9・11テロとの関係」なども口実にすぎない。そもそも9・11は、米帝にとって反省すべき契機でこそあれ、報復の口実とすることなど、とんでもないことなのだ。
これらの口実をどんなに並べても、絶対に今度のような戦争をイラクに仕掛ける理由にはならない。そうではないのだ。米英日帝はこれらを口実にして、イラクを侵略し、軍事占領し、カイライ政権をつくり、再植民地化しようとしているのだ。そして、中東全体を独占的に支配し、石油を支配し、EUを含め全世界を再編成・再支配しようとしているのだ。
われわれは、この戦争が帝国主義の侵略戦争=虐殺戦争であることを明らかにし、これに反対し、こんな戦争と虐殺によって延命しようとしているもの、つまり戦争の根源としての帝国主義的現体制に向かって怒りを爆発させ、集中させ、ついにはそれを打倒していかなければならない。
9・11への大反動
より詳しく言うと、イラク戦争は次のような階級的性格をもっている。
@イラク戦争は、先に述べたようにまず何よりも米帝(米英日)の植民地主義的侵略戦争であり、虐殺戦争である。フセイン政権がいかに反人民的政権であったとしても、それは第一にイラク人民の問題であり、ひいては全中東人民、全世界人民の問題である。米帝など超反動的な帝国主義諸国がその軍事力で政権を転覆し、住民を大量虐殺することで解決するものなどではまったくない。
Aイラク侵略戦争は9・11への大反動であり、イラク攻撃をもって全中東人民、全世界のムスリム人民の抑圧・圧殺攻撃への怒りの爆発を軍事的に圧殺しようとする侵略戦争である。
Bまた、このイラク侵略戦争は、未曽有(みぞう)の歴史的・体制的危機にあえぐ米帝(米英日)がイラクを占領し、イラクを支配することで、中東支配・中東石油支配を再編成し、もってその世界支配を再編成しようとする帝国主義戦争である。つまり、この戦争は、危機にのたうち回る米帝が、EUなどとの帝国主義間争闘戦を繰り広げ、EUを分断し、EUに打撃を与えることを最深の根拠としている戦争なのである(したがって、対日帝という性格も本質的に持つ)。このことは戦争という観点からみれば、米帝による世界戦争への道の開始ということにほかならない。
Cだが米帝のこのイラク戦争は、単に米帝が唯一の超大国で力が圧倒的だから、それを強引にふるって気にくわない反米国家を抹殺にかかっているといった性格のものではない。むしろ逆に、この超大国は、今日ボロボロであり、未曽有の危機にあえいでいる。1929年以上の世界大恐慌の爆発、中東支配・中東石油支配の危機の深刻化、帝国主義間争闘戦での歴史的後退(EUのブロック化の進行など)によって、米帝はかつてなく追い詰められているのだ。この米帝が9・11によって米本土の保全体制さえ崩壊したことにショックを受け、アフガニスタン侵略戦争をテコに一挙にイラクへと侵略を拡大した侵略戦争なのである。
Dだからこそ、米帝はイラク侵略戦争を信じられないほど強引に暴力的に推し進めているのだ。しかも、そのやり方こそが逆に米対EUの大激突を激化させ、仏独帝およびロシア・中国がかつてない鋭さで米帝の戦争に反対するという事態をつくりだしたのだ。それは、国連での決議のかけらもかちとれないという事態をもつくりだしたのだ。
Eだから、こうした帝国主義間の対立と分裂の亀裂をついて、全世界の労働者階級人民そして全ムスリム人民のかつてない爆発的な反戦の闘いが巻き起こされたのである。誰が見ても帝国主義的侵略戦争と言うしかない超反革命戦争を、国連政治での大敗北の中で強引きわまる方法で遂行しようとしたことに対して、全世界の人民、全イスラム諸国人民が激しく立ち上がったのだ。そのため、開戦の前からベトナム侵略戦争末期のように、闘いは急速に激化・拡大したのである。
Fこうした現実の圧力が、まず米帝(米英日)の戦争の戦略・戦術に重圧を初めから与えているのだ。「短期決戦」の安易な設定とその破産、投入戦力の誤算などが次々露呈し、総括的に言えば、ベトナム戦争時に似た戦略なき戦争への泥沼に追い込まれていくことは明白である。
G逆に、このような米帝(米英日)の侵略戦争に対する全世界人民の決起、そのもとでの米帝の国連操作の失敗、米帝の世界的孤立(独仏ロ中の離反)などといった世界政治情勢はフセイン政権のみならずイラク人民・全ムスリム人民を開戦の前からかつてなく鼓舞していたのである。
H以上、総じて言えば、一方では、危機にあえぐ米帝が自ら孤立のどん底にたたき込まれながら、戦略なき戦争にのめり込むはめに落ち込み、他方では純然たる侵略戦争のあくどい強行に対する、イラク人民のナショナリズムの高揚が生まれていくのである。
この戦争を帝国主義にとっての長期化・泥沼化に追い込むことが、イラク人民がこの侵略戦争に勝ちぬく唯一の道だが、このことは言うまでもなく日本の労働者人民を含む全世界労働者人民の侵略戦争反対闘争、侵略戦争阻止闘争の全面的爆発(究極的には自国帝国主義打倒を含む帝国主義打倒の闘い)の戦取のために死力を尽くすことと一体の問題としてあるのだ。
中東大動乱情勢
われわれはここで、次のように確認できる。
@米帝(米英日)の侵略戦争は、その階級的性格、歴史的性格のゆえに、イラク人民、全世界人民の反撃の中で長期・泥沼型の戦争になる。
Aどんな推移をたどっても、もはや中東人民の決起と米帝(帝国主義)との激突は中東諸国家を大動乱にたたき込む。
B今次イラク侵略戦争は、究極的に戦後世界体制を崩壊させ、世界危機の世界戦争への転化は不可避となっていく。
Cいずれにせよ、03年3・20以前の世界に戻ることはもはやない。
D革命的情勢への急接近という国際・国内階級情勢は、われわれの予想を超えて進む。
E「闘うムスリム人民と連帯し、米英日帝のイラク侵略戦争を帝国主義打倒の国際的内乱に転化せよ」という革共同6回大会的総路線、革共同政治局1・1アピールの路線を実践していくことが労働者人民の唯一の勝利の道なのである。
有事立法粉砕へ
イラク侵略戦争情勢は、同時に北朝鮮侵略戦争情勢であり、同時に有事立法強行情勢である。世界史の激動の激しさからして、イラク情勢と北朝鮮情勢の連接性はきわめて強い。日帝・小泉政権が、米帝のイラク攻撃支持の主たる理由として「北朝鮮情勢を抱える日本としては、米国を支持せざるをえない」という論理を振りかざしたことはきわめて重大である。これは対北朝鮮で米帝が戦争に突入する時は日帝も突入することを「決定した」と同じような意味を持つ。
日帝がスパイ衛星を2個打ち上げたこと、さらに数カ月後にいま一度打ち上げようとしていることは、北朝鮮への先制攻撃の道具を確保したということである。また韓国の700人の派兵問題も北朝鮮との関係を激化させるものである。
これに関連して、日帝・小泉が3月末に予算通過後の情勢の中で、武力攻撃事態法案など有事3法案の4月衆議院通過を最優先課題として設定したことはきわめて重大である。4月9日、衆院有事法制特別委員会で審議が開始された。
報道・言論規制法案である個人情報保護法案は、4月8日に衆院本会議で趣旨説明が強行され、審議入りした。特別委員会で審議を強行し、今月中にも衆院通過を図ろうとしている。
これら有事4法案をめぐる情勢はきわめて緊迫している。有事法案をめぐる4月決戦情勢が、イラク・北朝鮮情勢の中で同時的に到来したのだ。4月有事立法決戦を、陸・海・空・港湾労組20団体の決起と連帯して、闘いぬこう。
今や、われわれが闘うべきイラク反戦闘争のスローガンは以下のようなものとなるだろう。
☆米英日帝のイラク侵略戦争絶対反対!
☆米英日帝のイラク軍事占領、再植民地化を許すな!
☆イラク人民の革命的ゲリラ戦争(民族解放・革命戦争)と連帯し、全世界労働者人民の総決起をかちとろう!
☆闘うイラク人民・ムスリム人民と全世界労働者人民の団結力で、米英日帝・侵略者をイラクからたたき出そう!
☆全世界反戦闘争と連帯し、東京100万、日本1千万人の革命的反戦闘争の爆発で、米英日帝のイラク侵略戦争続行を阻止し、帝国主義侵略者を打倒しよう!
☆イラク侵略戦争反対と北朝鮮侵略戦争反対の闘いと固く結合して、有事立法阻止闘争に立ち上がろう!
☆戦争と反動、抑圧と搾取の日帝・小泉政権を打倒しよう!
以上のスローガンを真っ向から掲げて、3・20開戦前を超える革命的な国際反戦闘争を日本と全世界で全力で爆発させていかなければならない。
第3章 杉並3候補必勝へ死力尽くし闘おう
動労千葉の4日間ストと、3・29春闘総行動は、吹き荒れる資本攻勢に対して労働者の団結力を示して階級的に対決し、同時にイラク侵略戦争にストをもって反撃した闘いであり、世界にとどろく春闘最先端の決起であった(2面参照)。この偉大な闘いの成果を押し広げ、4〜5月決戦に総決起しなければならない。
4月統一地方選挙は、まさに戦時下の激動期型選挙戦として闘われる。われわれは、杉並、相模原、高槻を始めとする選挙戦に圧倒的に勝利しなければならない。とりわけ杉並区議選に一切をかけて勝ち抜こう。
杉並の中で、イラク侵略戦争への人民(区民)の決起を圧倒的に訴え、大衆闘争をつくりだそう。徹底的反戦派、徹底的反戦闘争派としての3候補を押し出し、当選のために闘おう。
日本共産党などは、口先では「イラク戦争反対です」などとポスターに掲げて、あたかも反戦勢力であるかのように振る舞ってきたが、まったくインチキだ。「イラクは査察を受け入れろ」と叫び、イラクの側に問題があるかのように宣伝して、この戦争が帝国主義の侵略戦争=虐殺戦争であることを覆い隠してきたのが日共だ。そして米帝などがバグダッド占領を言い出すやいなや、杉並全区のイラク反戦のポスターをはがして回っているのだ。要するに、米帝と一緒になって、「イラク戦争は終わった」「イラク民主化を」などと主張し、米英帝によるイラク軍事占領を認めているのだ。
諸派や「市民派」と自称する勢力は、イラク反戦を一言も言わないし、闘わない。全世界で、日本で圧倒的多数の市民が戦争反対を掲げて立ち上がっている時、反戦の闘いに背を向けるものなど、まったくインチキな存在でしかないということだ。
イラク侵略戦争に対する怒りに満ちた弾劾、侵略者に対する弾劾、戦争しなければ延命できないものに対する心の底からの弾劾、この立場に立って闘っている勢力はけしば誠一、新城せつこ、北島邦彦の3候補しかいない。3候補は<反戦と介護>を第一に掲げて、区民の先頭に立って、闘いの発展を切り開いてきた。
この3候補を押し立て当選をかちとることだけが、イラク反戦闘争、北朝鮮反戦闘争、有事立法反対闘争の勝利を切り開く唯一の道だ。絶対に勝利しよう。
この戦時下の情勢の中で、権力は革共同への弾圧と、闘う労働者への国労5・27臨大闘争弾圧に全力を挙げている。三里塚での3人逮捕、杉並での「建造物侵入」なるデッチあげ逮捕、3・31の5カ所不当捜索の攻撃は、九州大学学生自治会への3人逮捕攻撃とともに、イラク反戦闘争の爆発に対する攻撃である。さらに4月10日には、全国33都道府県130カ所を一斉捜索する暴挙を行った。権力はイラク反戦闘争の空前の爆発の様相に恐怖している。そして4・27選挙で杉並に3人の議員団が誕生することにおびえている。だから、それを阻むためになりふり構わない攻撃に出てきているのだ。
われわれは、これを満身の怒りではね返し、逆に闘いのバネに転化して、総力を杉並に総結集し、絶対に勝利をかちとろう。
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週刊『前進』(2098号1面2)
新入生迎えピースウオーク 4・9法政大学
4月9日、「STOP WAR! WORLD ACTION on 法政大学」が行われ、法政大学からもイラク戦争反対、有事立法反対の声をあげようと新入生を含めて150人が集まりました。
集会の最初に、前日戦時下のイラクから帰国したばかりのジャミーラ高橋さんから報告と決意の表明を受けました。
アメリカからANSWERのナンシー・ミッチェルさんが、「アメリカはイラクに続いて北朝鮮やイランへの戦争を狙っています。戦争の根本であるアメリカ帝国主義を倒しましょう。ともに闘いましょう」と会場に呼びかけました。
最後に、主催者から「イラク反戦運動と一体で日本の戦争参戦を止めよう。有事立法の成立を止めよう」と提起が行われました。
集会後、ナンシーさんを先頭に元気よくピースウオークを市ケ谷駅周辺で行いました。
(投稿 K・U)
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週刊『前進』(2098号1面3)
全国一斉の不当捜索弾劾
4月10日早朝、前進社本社など全国33都道府県、約130カ所の事務所、住居などに日帝・国家権力は一斉に不当捜索を強行した。特に前進社本社に対しては、前回3月31日からわずか10日間で2度にもわたる不当な捜索を行った。
今回の弾圧は、世界大恐慌と、世界戦争の情勢に対して全世界で怒りと闘いが広がっており、革共同がこの高揚とがっちりとかみ合って巨大な大衆決起を実現しつつあること、戦闘的労働運動が前進していることに追いつめられ焦った権力の組織破壊攻撃だ。
この今までにない激しい攻撃は、3・20イラク開戦情勢のもとで、日帝がついに参戦に踏み切ったことの反映だ。日帝・小泉は、3月20日に臨時閣議と安全保障会議を開催し、米英帝のイラク侵略戦争がもたらす朝鮮侵略戦争情勢突入も自覚して、国家全体を非常態勢、戦時体制へと突入させた。その中で「国内の警戒態勢の強化・徹底」がうたわれている。まさに有事立法攻撃、戦時下の弾圧として革共同壊滅攻撃に踏み切ってきたのだ。
今回の不当な捜索は、昨年8月の「成田高速鉄道アクセス」役員宅への革命軍のゲリラ戦闘を口実とするものだ。捜索場所は、権力が「中核派の拠点」とみなしたところを襲ってきたがそれらは三里塚ゲリラ戦闘とはなんの関係もない。
この弾圧をわれわれは全力ではね返し、統一地方選勝利を突破口にイラク反戦・有事立法決戦に突進するものである。
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週刊『前進』(2098号1面4)
誰でもできる選挙活動
東京・杉並区議選と相模原市議選、高槻市議選は、4月27日投票に向け、あと2週間の激戦に突入しました。全候補必勝へ全国の同志、支持者、読者のみなさんの総決起を訴えます。
●演説会にかけつけよう
他党派とのしのぎを削る闘いにおいて、街頭での訴えは、闘う候補の勢いを示すものとなります。毎日の駅頭演説会にかけつけて下さい。各地域での個人演説会にかけつけて下さい。
●選挙区内在住者に支持の訴えを
選挙区の友人、知人、親類に働きかけて下さい。その名簿を選対本部に集中して下さい。同窓会名簿、職場の名簿など、もう一度確認して下さい。つながりのある人からの働きかけは非常に有効です。
職場の仲間にも話して下さい。選挙区に居住する人でなくても、その友人、知人に選挙区の人はいます。闘う候補の勝利の重要性を訴えて、その人に声をかけてもらって下さい。
●電話をかけよう
電話での選挙運動、支持要請は、投票日前日まで無制限にできます。知っている人からの直接の電話は、特に力になり、確実に支持に結びつくものです。
●公選はがきを書こう
そして、その人たちに公選はがきを必ず送りましょう。選対本部に必要な枚数を申し込み、あて名と差出人の名前を書き、もう一度、必ず選対本部に戻して下さい。公選はがきは、選対がまとめて差し出したものだけが有効です。
●まわりの人たちに積極的に声をかけよう
労働組合の会議や職場の集まり、サークルや趣味のグループの集まりで候補者への支持を訴えて下さい。可能なら、候補者や選対部員を紹介して直接訴えさせて下さい。電車の中でも買い物の途中でも、顔見知りの人に会ったら、どんどん声をかけて下さい。また、たまたま別の用事で訪問した相手に投票を訴えることは、「個々面接」として公選法で認められています。
これから投票日までの闘いに一切がかかっています。やれることはなんでもやりきろう。
必ず勝利しよう。
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週刊『前進』(2098号2面1)
団結の力を発揮し03春闘の頂点に立った動労千葉
総反撃の道照らした3・29集会
03春闘における激しい賃下げ・生活破壊の攻撃と米英帝国主義による凶悪なイラク侵略戦争の真っただ中で、3月末、動労千葉の春闘ストライキと「03春闘勝利! 3・29全国労働者集会」がかちとられた。この闘いは、03春闘の頂点に位置する闘いであり、連合などの指導部の底なしの屈服と大裏切りを突き破り、帝国主義の侵略戦争と資本攻勢に対する日本労働者階級の総反撃の道筋を示したのである。全世界の労働者階級、イラク人民を始めとする闘う被抑圧民族人民と連帯し、帝国主義侵略者を打倒する国際的内乱の一翼を担う日本階級闘争の一層の発展をかちとるために、動労千葉スト―3・29集会の歴史的・階級的意義を徹底的に明らかにしたい。
イラク開戦に渾身の決起
動労千葉スト―3・29集会は、何よりも3・20イラク侵略戦争の開戦という歴史的情勢の中で、帝国主義と対決し、労働者の自己解放をかけて闘われた。
03年3・20によって、世界と日本の情勢は完全に一変した。それまでとはまったく別な情勢、別な時代、別な世界に突入したのだ。
米帝ブッシュは、イラク人民を虐殺し、イラクを軍事占領し、かいらい政権をつくって再植民地化し、中東を再支配して石油を独占的に支配する侵略戦争に踏み切った。しかも、米英日と独仏の帝国主義間の分裂をも辞さず、むしろ独仏を先頭とするEUの解体をも狙って戦争に突入した。そうして全世界を暴力的に再編し、支配しようというのである。これこそ帝国主義と言うものだ。
しかし、それは米帝を始めとする帝国主義の「強さ」を示すものではない。米帝自身が経済的・政治的に行き詰まり、体制的危機を深め、侵略戦争、世界戦争によってしか延命することができないところに追いつめられているのだ。戦争の根源は帝国主義にあり、帝国主義を打倒することこそ戦争を止める唯一の道なのである。
そうした中で、全世界の労働者階級の闘いも一変した。昨年から始まった国際的な反戦闘争のうねりは、今年1〜3月に全世界で数度の同時決起を実現している。全世界の労働者人民が、この戦争はイラクにとどまらず、後戻りのない第3次世界大戦への突入であることを感じとり、同時に、対外的な侵略戦争と国内の労働者階級に対する資本攻勢が一体であることをつかみ、自らの未来をかけて決起しているのだ。
その国際反戦闘争は、帝国主義国の労働者階級と被抑圧民族人民の自己解放闘争の連鎖であり、団結である。プロレタリア世界革命への不退転の道がついに切り開かれたのだ。
日本の労働者階級の任務は、この日本でさらに反戦闘争の巨大なうねりをつくり出すこと、プロレタリア自己解放闘争の発展をかちとることである。米英帝の侵略戦争を支持し、参戦し、有事立法成立へと突き進む日本帝国主義・小泉政権を打倒しなければならない。
3・20以後、そうした闘いの主軸を担う労働者・労働組合の総決起がより一層求められていた。また、闘いの路線をめぐる分岐も始まった。
さらに、03春闘そのものをめぐっても、日帝総資本の攻撃は歴史的な分水嶺(ぶんすいれい)を越えたものだった。日本経団連は、その経労委報告で宣言した全面的な賃下げ攻撃、ベアゼロから定昇の解体、「途上国並みの賃金にまで引き下げる」という攻撃を全面的に開始した。
イラク開戦情勢と同時進行で、3月12日以降、金属大手に始まり軒並みベアゼロで、しかも「定昇維持」で妥結した直後にも4月からの定昇見直しなどが相次いだ。私鉄では分社化―転籍を認めなければベアゼロ回答すら出さないという許しがたい事態が進行した。それは、「要求し、闘う春闘」は断じて許さない、労働組合は資本と国家が生き残るために協力せよ、という攻撃である。「東アジア自由経済圏」(奥田ビジョン)という名の新たな「大東亜共栄圏」構想を打ち出し、労働組合に新たな「産業報国会」への変質を迫っているのだ。
さらに、労働基準法に「資本の解雇権」を盛り込むなどの労働法制改悪案が国会に提出され、年金給付削減、医療保険改悪、税制改悪など、労働者の権利を奪い生活を破壊する攻撃が一斉にかけられている。
こうした情勢の中で、動労千葉は歴史的な使命感に燃えてストライキを敢行した。動労千葉自身が、「労働者が虫けらのように犠牲にされ、他方で『自由のため』『正義のため』という名目で残虐な侵略戦争が遂行される社会は根本的に間違っている」と、この情勢に真っ向から対決し、「労働組合は何のために存在しているのか」と、自らの存在意義をかけて決起した。そして、「全国の労働者人民がともに闘おう」と、3・29集会への結集を呼びかけたのである。
動労千葉は、「労働者・民衆の団結した力だけが戦争を止める力だ」「団結して社会を変えよう」と訴え、自らその闘いを実践した。われわれは、そうした帝国主義と対決する自己解放性に満ちた決起に徹底的に学び、その意義を根底からつかみ取らなくてはならない。
賃下げ阻止へ最大のスト
動労千葉の春闘ストライキは、3月27日午前5時から30日午後8時過ぎまで、4日間にわたって闘われた。スト参加者は延べ540人、運休本数は591本に上った。この4日間、各支部の集会や、400人を結集した28日の総決起集会―JR東日本千葉支社抗議行動、29日はJR東日本本社、JR貨物本社への抗議行動から代々木公園での全国労働者集会に300人、そして30日の三里塚現地闘争にも結集した。
文字どおり全組合員の総決起でストライキが貫徹されたのだ。その団結の力は特筆すべきものだった。労働組合の指導部が本当に腹を固めて闘う方針を提起すれば、労働者は必ず立ち上がることを示している。
03春闘において、私鉄の中小など、ストに突入した組合はけっして少なくはない。24時間〜72時間のストを構えてギリギリまで交渉を続けた組合もある。また、多くの組合がイラク開戦に抗議するストや職場集会に決起した。動労千葉のストは、これらの闘いの頂点で、日本における最大規模の闘いとして打ち抜かれたのだ。ストライキこそ、労働者の団結力を最も鋭く示す闘いの武器だ。
それは、アメリカとイギリスのレーバーネットのホームページが「動労千葉がイラク戦争、民営化と抑圧に抗して600本の列車を止めるストライキを敢行した」と、トップで報じたように、全世界に大きなインパクトを与えている。(別掲参照)
動労千葉のストと3・29集会は「大幅賃上げ獲得! めざせ春闘の復権!」「労働基準法―労働法制改悪許すな!」「闘いなくして安全なし!」「1047名国鉄闘争勝利―国労臨大闘争弾圧粉砕!」「DON’T ATTACK IRAQ―有事立法を阻止しよう!」をスローガンに闘われた。
JR資本への要求は、@3万8000円の大幅賃上げ、賃金制度改悪阻止、AJR貨物における「生活改善一時金」の獲得、B検修・構内業務および駅業務の外注化の撤回、C「場内に対する進行の指示運転」の即時中止、D強制配転者の原職復帰――などだ。
これらの一つひとつの要求は、今日の資本攻勢と最も鋭く対決する切実な要求である。
動労千葉のストは、直接にはJR貨物と東日本のベアゼロ回答を断固拒否し、再回答を求めて闘われた。貨物は4年連続のベアゼロであり、会社側は「定期昇給について議論したい」と主張した。東日本も会社発足以来最高の経常利益を上げる中で2年連続のベアゼロを回答した。労働組合が闘わなければ、労働者の生活と生存を守ることはできない。これは資本主義社会の原理である。その闘いが直接的な賃上げという成果に結びつかなくても、闘うことこそが労働組合の原点を貫き、団結を守るのだ。
第2の分割・民営化攻撃、検修・構内業務などの外注化、習志野電車区廃止などの基地統廃合との闘いも決戦局面に入った。動労千葉は、検修・構内外注化を今なお阻止し続けるという勝利をかちとっている。
さらに、運転保安確立の闘いである。「進行の指示運転」とは、信号が故障していようが、指令の指示で列車を運行させていいというもので、安全を根本から覆すものだ。韓国の地下鉄大事故でも、火災を起こした駅に対抗列車が指令の指示で入ったために被害を拡大した。この安全問題は、規制緩和と合理化によって全産業で問題になっていることだ。「闘いなくして安全なし!」は、まさに全労働者のスローガンである。
「1047名の解雇撤回―分割・民営化反対、反弾圧」ととともに、これらの要求のすべては、世界中の労働運動において最も切迫している共通の課題である。このストライキは、一組合の闘いとはいえ、労働組合破壊の全面的な攻撃に敢然と立ちふさがり、団結を守ったのだ。
そして、今次ストライキは、JR総連・東労組に壊滅的打撃を与えた。
JR総連解体と組織拡大へ
JR東労組での松崎派と嶋田派との対立は、単に東労組本部と新潟地本などとの対立というレベルではなく、全面的で非和解的である。2月15日に開かれた東労組千葉地本の定期委員会で、千葉地本委員長・小林(かつての松崎子飼い)は、嶋田派を擁護していることを全面的に居直り、それに対して、同じ壇上から東労組本部副委員長・奈良が公然と千葉地本を批判し、「(東労組は)形式上は分裂していないけど、本質上分裂している」と発言した。東労組の分裂問題は、もはや収拾のつかない事態となっている。不屈に闘う動労千葉が存在している千葉だからこそ、それが「千葉問題」として噴出したのだ。
そうした中で、JR東労組組合員の中から、公然とストへの協力が生まれている。JR総連解体―組織拡大の決定的なチャンスだ。
こうして、動労千葉ストは、JR資本とJR総連カクマルの結託体制に大打撃を与え、国鉄労働運動の再生に向けた決定的なインパクトを与えたのだ。
闘う新潮流運動の発展へ
3・29労働者集会は、ストに決起した動労千葉の主催でかちとられた。イラク侵略戦争に反対し、賃下げ・生活破壊の資本攻勢のあらしと徹底対決し、首都に全国から1600人の労働者が結集した。協賛した全日建運輸連帯労組関西生コン支部は、イラク開戦に対して2時間のストを貫徹し、全国金属機械労組港合同も倒産・リストラ、組織破壊攻撃との実力攻防を闘い抜き、2組合とも産別・地域における春闘の先頭に立っている。
3・20情勢下において、3組合がそれぞれ戦闘的で階級的・原則的な闘いを貫き、3組合共闘の新たな発展への土台を築いた。
これはさらに、イラク反戦闘争への労働者の隊列の登場であり、最高の国際連帯の闘いであった。この決起が、渋谷での学生・青年労働者の「WORLD ACTION」との合流をかちとった。労働者らしい赤旗・組合旗が林立した重厚なデモを先頭にして、創意工夫をこらした戦闘的なデモとなったのだ。
戦争協力拒否する労働運動
この動労千葉ストと3・29集会の切り開いた地平から、統一地方選の勝利へ総決起するとともに、階級的労働運動の再生と発展のために全力で闘おう。
第一に、イラク侵略戦争絶対反対の闘いは、これから真価が問われる。何よりも、日帝・小泉政権によるイラク軍事占領への自衛隊派兵を断じて許してはならない。さらに、北朝鮮侵略戦争のための有事関連法案の成立を阻止する闘いに全力で立ち上がろう。
その闘いにとって、動労千葉のストの意義はきわめて大きい。イギリスやイタリアで軍事輸送を阻止する鉄道労働者のストや実力闘争が闘われている。フランスではゼネスト、ドイツでも基幹産業でストが闘われている。実際に戦争に動員される労働者の生産点からの決起が、戦争を止める最大の力になる。
有事法制阻止の闘いの先頭に立つ陸・海・空・港湾労組20団体を先頭とする労働組合の統一戦線を軸に、日本における100万人規模のデモをなんとしても実現しよう。
第二に、資本攻勢との闘いをさらに強めなければならない。春闘―賃下げ攻撃との闘いはいまだ継続中であり、リストラ・首切り攻撃との闘いは通年的な闘いである。特に中小・未組織労働者の組織化に全力を挙げなければならない。
首切り自由化と不安定雇用の拡大を狙う労働法制改悪を阻止しよう。
第三に、国労5・27臨大闘争弾圧を粉砕する闘いを圧倒的に強めよう。この闘いは、団結破壊との闘いのかなめであり、国労解体攻撃を粉砕し、1047名闘争勝利、国労再生をかちとる中心的な闘いだ。
動労千葉のストに心から学び、動労千葉労働運動を拡大し、動労千葉のように闘う労働組合を全国につくり出そう。
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週刊『前進』(2098号2面2)
世界に大きな反響 米英 レーバーネットが報道
動労千葉のスト決起は米英のレーバーネットでも報じられた(上の画像)。以下は訳文。
日本の動労千葉の鉄道労働者は、戦争、民営化と抑圧に抗して、600本の列車を止めるストライキを敢行
日本の動労千葉の労働者より、連帯行動の重要なステップとして、イラク戦争、民営化と抑圧に抗して600本の列車を止めるストライキを敢行したとの報告が寄せられた。
組合民主主義のために闘っているナショナル労働連合の一員であるこの労働組合は、中曽根政権による鉄道の民営化攻撃を通してJRによって解雇された労働者を守っていく闘いの先導的な役割を果たしてきた。
小泉政権によるアメリカ・イギリスの戦争への支持に対する増大する怒りの声は日本中に拡大しており、これが日本の労働者が直面している経済的諸攻撃への怒りの声と結合し、必ずや労働運動における戦闘性の発展をもたらすであろう。
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週刊『前進』(2098号2面3)
国労弾圧 4・21公判に大結集を 検事のデッチあげ粉砕へ
国労5・27臨大闘争弾圧裁判は、重大な段階を迎える。4月21日、第5回公判が東京地裁103号法廷で開かれる。弁護団による意見陳述の続きと公訴棄却の申し立て、そして検事の冒頭陳述と証拠請求が行われる予定だ。検事側は、組合員を売り渡した国労本部派の証人調べを請求しようとしている。いよいよ国家権力のデッチあげ攻撃との全面的な攻防に突入する。全力で公判闘争に立ち上がろう。
8人の被告たちの勾留は、10月7日の第1次逮捕からすでに半年を超えた。断じて許すことはできない。4回の公判における被告たちの不屈の意見陳述と弁護団の意見陳述は、弾圧の不当性を全面的に明らかにした。もはや被告たちが獄に捕らわれ続ける理由はない。東京地裁は直ちに保釈を決定するとともに、公訴を棄却するべきだ。
また、法廷で被告たちの両わきに刑務官を配置する重戒護をやめるべきだ。
昨年5・27臨大における被告の国労組合員らの闘いは、正当な説得・ビラまき活動であり、「暴力行為」などと言えるものは何もなかった。これに対する弾圧は、「JRに法的責任なし」として1047名闘争を圧殺しようとする4党合意に反対してきた組合員と支援の闘いを押しつぶし、国労を解体するための政治的弾圧だ。しかも、国家権力にひれ伏して忠誠を誓う国労本部が、組合員を権力に売り渡したのだ。
5・27臨大闘争弾圧を粉砕する闘いは、イラク侵略戦争と有事立法攻撃下の労働組合弾圧を打ち破る闘いとして、重要な位置を持っている。
帝国主義国家権力は、労働者が団結して闘うことを最も恐れている。5・27臨大闘争弾圧は、戦前からの労働運動・大衆運動弾圧法である「暴力行為等処罰に関する法律」を適用し、団結することそのものを犯罪とするに等しい攻撃だ。この悪法は、この3月、九州大学学生自治会に対する弾圧でも適用された。
さらに、03春闘において日本経団連は「賃上げ要求を掲げ、実力行使を背景に『闘う』という『春闘』は終焉(しゅうえん)した」(経労委報告)と言い放った。この攻撃を先取りするのが5・27臨大闘争弾圧なのだ。反弾圧は労働運動の重大なテーマだ。
この裁判闘争は国労本部による闘争団除名―闘争団切り捨てと国労自己解体の策動と対決し、国労の階級的再生と1047名闘争勝利をかちとる重要な闘いだ。8月に予定されている国労定期大会に向けて運動を広げよう。「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」の会員を拡大し、その大衆的力で裁判闘争に勝利しよう。
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週刊『前進』(2098号2面4)
福岡 “闘争団員の除名許さぬ” 査問委開催に抗議
4月1日、国労本部は査問委員会を開催した。九州の7人の闘争団員を呼び出し、除名処分のための手続きをやるというのである。
国労組合員と支援は、午前9時から会場の博多パークホテル前で抗議を行った。「国労を解体し、闘争団を切り捨てるための査問委員会を許すな」と、抗議のシュプレヒコールが響いた(写真)。他方、会場に入る闘争団員、弁護士、国労組合員を激励した。
国労5・27臨大闘争弾圧の2人の闘争団員の顔写真入りののぼり旗は、つねに闘いの場に、ともにある。
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週刊『前進』(2098号2面5)
3・29東京 教基法改悪に反対 全国の教育労働者集う
3月29日、イラク反戦闘争がうずまく中、教育基本法改悪反対のデモと全国集会が「教職員と市民の会」の呼びかけで行われました。教育労働者を中心に約150人が渋谷・宮下公園に集まり、千駄ケ谷区民会館まで、迫力あるコールで「NO WAR!」「教育基本法改悪反対」と訴えてデモをしました。(写真)
集会ではまず、都高教の組合員が、3月20日に出された中教審最終答申への全面的批判を提起しました。
続いて、韓国全国教職員組合の対外部長が、韓国の労働者民衆の燃えるような闘いを報告しました。「韓国軍のイラク派兵阻止」を掲げて国会前徹夜座り込みや数万人の集会・デモで闘っていること、教育労働者はイラク反戦に平和授業で立ち上がるとともに、教育の市場開放政策と激しく闘っていること、国家統制につながる教育情報システム導入に反対し、逮捕に屈せず、国会前座り込みや不服従(ソウルで45%)で闘っていることを報告し、「韓国労働者民衆は日本の保守勢力の北朝鮮敵視政策と軍国主義強化に不安を感じ、北朝鮮侵略戦争を絶対にしてはならないと思っている」と堂々と訴えました。
航空労組連絡会の内田妙子議長は「有事法制が通ったら、航空運輸労働者は閣議決定で戦争に動員され、加害者にも被害者にもさせられます。国会情勢は切迫しています。陸・海・空・港湾労組20団体は、キリスト者や宗教者とともに闘ってきましたが、今、どれだけの人が参加し、行動で示すことができるかが問われている。従来の枠をこえ、全力で闘いましょう」と力強く訴えました。
2人の発言に、参加者は熱い拍手でこたえました。
広島、北九州、大阪、東京(3人)、千葉の教育労働者から、「日の丸・君が代」「人事評価制度」「自主研修権はく奪」「指導力不足等教員」攻撃に対し、ねばり強く闘っている報告がありました。職場や裁判で勝利し、攻撃をはね返し、展望を開いていることに勇気づけられました。
広島県教組のAさんは、「人事評価制度」との闘いで「下から闘う方針を打ち立てた」ことを報告しました。「県教組の『条件つき受け入れ』『自己申告書記入』方針に現場は怒った。1月の分会代表者会で、意を決して『不記入』を提起した。その後、『被処分者の会』や各地から『不記入』の声が続出し、2月の県教組臨時大会で『人事評価制度導入反対』『不記入』方針を決定した」
Aさんは、今年3月の卒業式の「君が代」斉唱時の「不起立」で戒告処分を受けました。その当日、息子さんとこたつで酒をくみ交わしながら話し合ったそうです。「『不記入』『不起立』で職場をパージされることもあるかもしれないが、これに負けたら第3次大戦を許すことになる。大学の仕送りができんかもしれんが、国労闘争団のように生きるよ」と。
教科書ネット三多摩連絡会、教育基本法改悪反対市民連絡会、北村小夜さん、山田真さんから「教員の教科書採択権取り戻し」「市民と教職員の連帯」「心のノートとの闘い」「兵隊の体力づくり――健康増進法」などについて問題提起がありました。最後に、決議と「国会座り込み」も含む今後の闘いの方針を、満場の拍手で確認しました。
(投稿/東京 明野いずみ)
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週刊『前進』(2098号3面1)
イラク侵略戦争反対・有事立法阻止へ
4・7ヒロシマ World Action 劣化ウラン弾許さぬ 若者先頭に多彩な行動
4月7日、広島の爆心地・原爆ドーム前で、市民団体などで構成された実行委員会が主催して「イラク戦争NO! 4・7ヒロシマ WORLD ACTION」が行われた。米ANSWER連合の活動家を迎えて、若者によるライブ演奏やトーク、被爆者を先頭にしたリレートーク、繁華街を席巻するデモなど多彩な行動がかちとられた。
今、広島には、「イラクを解放するためにヒロシマ的心理効果を与える」と称して無差別の爆撃・砲撃・虐殺の限りを尽くす米英帝のイラク侵略戦争への怒りが渦巻き、「イラクにヒロシマ・ナガサキをくりかえすな!」と訴える連日の闘いが起こっている。
午後5時、第1部の口火を切ったのは若者たちだ。日帝・小泉のイラク参戦と北朝鮮脅威論、有事立法強行策動に怒りと危機感を燃やす若者たちの思いがライブパフォーマンスとなって爆発した。
広島で路上ライブを続けている若者が平和への思いを込めてオリジナル曲を歌い上げると、それを受けて次々と若者が発言した。広島に来たばかりという広大新入生が元気に決意を表明したのに続いて、女子高校生グループや学校を卒業したばかりという友人グループ、小泉首相に戦争やめろと手紙を出した「障害者」の女性らが発言した。「一刻も早く戦争を止めよう」「戦争しないという日本が有事立法まで出してくるのは許せない」「おれたちがやりたくもない戦争に駆り立てられるかもしれない。今だからできる戦争反対をしよう」とそれぞれの言葉でアピールした。
若者の訴えに引き寄せられるように、アジア侵略戦争に5年間従軍させられたという駕屋晴治(かごやせいじ)さんが「武力は平和につながらない」と戦争の体験と教訓を語った。ANSWERのナンシー・ミッチェルさんも飛び入りで発言、日本語で「戦争反対!」と叫んだ。
若者で構成されるSTREET ACTION実行委員会が、4月12日に原爆ドームを光の輪で包み、ブッシュ、小泉に抗議の一斉メールを送ろうという「光の輪」行動を提案した。広大生が自作のイラク反戦歌を演奏した後にSMAPの「世界に一つだけの花」を全員が合唱して、ライブパフォーマンスは終了した。
午後6時から第2部としてリレーアピールがスタートした。街頭でビラをもらって初めて参加した人、メールで連絡をとりあって駆けつけたグループ、居合わせた観光客たちもその場に座り込んだ。外国人グループが足を止めて聴き入った。集会はたちまち300人に膨れ上がった。
最初に、実行委員長の被爆2世の中島健さんが、「ブッシュの言う『イラクの解放・自由化』はまったくのウソ。石油のための侵略戦争を許すな」と訴えた。安佐北区被爆者友の会の代表は「劣化ウラン弾まで使用するこの戦争を日本は支援するという。許せない」と被爆者の怒りを表明した。イラク市民調査団に参加した大江厚子さんが、イラク人民が被爆地広島からの参加を心から歓迎した事実を報告し、「被爆地広島をもつ日本の人民こそ、この戦争を止める先頭に」と呼びかけた。
大きな拍手の中でナンシー・ミッチェルさんが登壇し、「私たちの運動は『怪物の腹の中』の運動」と、アメリカ帝国主義国内の階級闘争の重大な戦略的位置を明らかにし、国際反戦闘争の高揚を生き生きと報告した。「バグダッドが占領されてもこの闘いは終わらない。米国の石油会社のための、中東支配のための戦争をやめさせるまでイラク・中東人民と連帯して頑張ろう」と力強く訴えた。
主催者がミッチェルさんに熱い連帯の意思を込めて、病床の栗原貞子さんの英訳詩を贈った。
元衆議院議員の小森龍邦さん、STREET ACTIONの若者代表らが発言した。最後に由木栄司 さんが「4・29ヒロシマWORLD ACTION」への決起を呼びかけた。下田礼子さんが集会宣言「ヒロシマアピール」を提案し、全員で採択した。
ただちに参加者全員が「No Blood for Oil/No DU」「イラク戦争No!」の横断幕を先頭に市内デモに出た。
被爆者、労働者、市民の隊列の後に太鼓・タンバリンでリズムをとるはつらつとした若者たちの隊列が続く。「戦争やめろ! ブッシュを倒せ! 小泉倒せ!」――ヒロシマの怒りを体現した掛け声が繁華街・金座街のアーケードにこだました。飛び入りの参加者を含め、デモは圧倒的な市民の共感と注目を浴びて貫徹された。
3時間におよぶ行動の最後に、4・12と4・29の「ヒロシマ WORLD ACTION」、連日の反戦行動への総決起を確認した。
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週刊『前進』(2098号3面2)
東京・百万人署名 “歴史塗り替える瞬間” ANSWER迎え集会
4月5日午後、労働スクエア東京で、とめよう戦争への道!百万人署名運動が主催する「STOP THE WAR!/ストップ!有事法制 4・5集会」が行われ、雨空にもかかわらず500人が参加しました。
一番印象的だったのが、サンフランシスコANSWERから訪日した若い女性活動家のナンシー・ミッチェルさんを中心に百万人署名運動事務局次長の小田原紀雄さんを交えての、この戦争をどうしたら止められるか?という問題をめぐるディスカッションでした。
ミッチェルさんは、ブッシュの政治に怒っていた労働組合や学生団体、女性問題や人種差別問題などに取り組んできた団体が9・11を契機に集まってANSWER連合をつくったことを紹介しました。「数十万の集会やデモを実現するために、どう工夫を?」という問いには、「インターネットやEメールも活用してますが、自分たちでつくったチラシやポスターを持って街に出ることが一番有効です」と答えました。
3月20日のイラク戦争開戦後について、「行動を始めること、声を出し続けることが必要でした。サンフランシスコでは『街の機能を停止させよう』と、ビルや高速道路の入り口を封鎖し、すべての道をふさぎ、開戦当日だけで240人が逮捕されました。他方、移民や病気の人、子どもたちでも参加できる安全なデモも用意しました。イラク戦争は始まりに過ぎません。次の侵略戦争と、労働運動やあらゆる運動への抑圧、米国内での戦争につながっています」と述べました。
さらに「私たちはあらゆるデモにパレスチナ人の発言者を招きます。この点では、たとえ他団体ともめても絶対妥協しません」と話し、移民の強制送還阻止のために移民局へのデモも続けていると報告しました。
最後に「さまざまな抑圧に負けずに闘い続ければ、戦争を止め、イラクの人びとと連帯することができます。今、私たちは歴史を塗り替える瞬間に立っています。私たちは必ず勝ちます。ブッシュは必ず負けます」と言い切りました。
集会は、岩井健作さんの開会あいさつで始まりました。労組20団体より、航空安全推進連絡会議の中川香副議長が発言し「航空労働者は、私たちと乗客の生命を守るためにイラク攻撃に反対します。そして有事法制を廃案にするまで頑張ります」と訴えました。
「百万人署名運動沖縄の会」からは桑江テル子さんが発言。「私は58年前、『鉄の暴風』の中を生き延びてきた人間です。またしても『命どぅ宝』の島から米軍がイラクに出ていった。こんなことを続けさせるわけにはいきません。日本の参戦を止めましょう」と力強く述べました。
「戦火のイラク報告」として、帰国したばかりの小野正春さんが登壇し、バグダッドでのデモや、今も義勇兵が続々と入国していることを報告。「爆撃で殺されるだけでなく、劣化ウラン弾により病院で何万人もの人が死んでいます」との言葉が衝撃的でした。
憲法と人権の日弁連をめざす会代表の高山俊吉弁護士は「5月22日、有事・治安立法と司法改悪に反対する集会に集まってください」と訴えました。
基調提案は西川重則事務局長。「百万人署名運動が有事法阻止、憲法改悪反対へ力を結集しよう」と呼びかけ、デモに出ました。
銀座から日比谷公園へのデモでは、ミッチェルさんがマイクを持ってデモコール。「イラク戦争反対」「No Blood for Oil」「Stop the War against Iraq 」「 George Bush We Say No」。沿道で真剣な訴えを聞き、合流する人が多数います。
私たちの運動は全世界の人たちとつながってる、そう実感した1日でした。イラクの人びと、全世界の人びととともに戦争を止め、有事法を阻むため、今が大事な時。頑張りましょう!
(投稿/東京 中居未紀)
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週刊『前進』(2098号3面3)
百万人署名関西呼びかけ ピースウオークに280人 外国人・在日朝鮮人が発言
4月5日、百万人署名運動・関西連絡会が呼びかけた「いますぐとめよう! イラク戦争」の行動に参加しました。肌寒い中、280人が大阪で集会とピースウオークを行いました。
中之島野外音楽堂での集会は、リレートーク。開戦以来、何度も行動を重ね、初めて行動に参加する人が確実に増えています。今回は、関西連絡会のホームページを見て駆けつけたイギリスやアイルランドの男性、アメリカの女性も発言しました。彼らは「この戦争は不正義の戦争、資源のための戦争」「金もうけのための戦争」と批判し、「一緒に戦争を止めよう」と訴えました。
在日朝鮮人の女性は「イラクの次は朝鮮。自分の同胞が殺されようとしていることを絶対に許せない。だからイラク攻撃反対で、開戦以来ずっと行動している」「戦争を一つでもなくしていこう」と呼びかけました。自分の母親が大阪大空襲を受けた「精神障害者」の女性、婦人民主クラブ全国協議会、連日京都を中心に活動を拡大している学生などが次々と発言しました。兵庫からは、開戦時に出発した高薮繁子さんがイラク入りしたという報告がありました。開戦以来、アメリカ領事館前でハンストをしている男性を支援する女性も発言しました。
アメリカ領事館の周りを一周して梅田に向かうデモには、警察の強権的な規制にもかかわらず飛び入りで加わる人も多く、終わるころには、隊列はひとまわり大きくなっていました。
民衆の戦争反対の思いはますます大きくなっています。この日の行動をとおして、イラクの人びとの必死の闘いに全世界の民衆がこたえて闘いを継続した時、必ず戦争の根元を断つことができると確信しました。
次の土曜日、12日の正午に中之島公園女神像前に集まり、さらに大きな行動で世界の闘いに合流したいと思います。
(投稿 大阪/T・M)
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週刊『前進』(2098号3面4)
福岡 米領事館に強く抗議 九大弾圧はねのけデモ
4月5日、福岡で「アメリカのイラク攻撃を許さない実行委員会」が主催する「民衆の力で戦争を止めよう! 4・5対米領事館行動」が150人の結集で行われた。イラク侵略戦争突入以来、4回目のデモだ。回数を重ねるたびに新しい参加者が加わり、数が増えている。今回も、何か行動をしたいと考えていた人がビラを見て参加した。
警固公園での集会で実行委の代表は「米軍は劣化ウラン弾の使用を公言した。一日も早く戦争を止めよう」と訴えた。有事立法粉砕実行委員会・福岡の代表は、有事立法阻止・小泉政権打倒をイラク反戦闘争として闘おうと呼びかけた。デモ参加者がそれぞれのイラク反戦の思いを訴えた。
国家権力・福岡県警は、3月26日に九大自治会の学生3人を逮捕することでイラク反戦闘争の鎮静化を図ったが、この日のデモには青年・学生がさらに多数結集し、大衆的に爆発した。権力の狙いは完全に打ち砕かれた。自治会の3人を逮捕し、学生大衆から分断すればイラク反戦闘争が鎮静化するだろうという権力の思惑は崩壊しさった。しかし、3人はいまだ不当にも勾留され続けている。一大救援運動に立ち上がり、奪還しよう。
天神から米領事館までの約4`のデモは、だれでも参加できる心地よいテンポだ。米領事館前では、抗議団を送り出し、デモ参加者がそれぞれアピールした。
最後に、翌6日の第2回目の女たちの行動、4・12世界同時デモに連帯した福岡行動、4・27集会・デモの方針が提起された。
(投稿 福岡/S・K)
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週刊『前進』(2098号3面5)
“有事法案を廃案に” 20労組などが衆院院内集会
4月8日午後、陸・海・空・港湾労組20団体、平和をつくり出す宗教者ネット、平和を実現するキリスト者ネット、市民緊急行動の4者が主催した「有事法案を廃案に/STOPイラク戦争 緊急集会」が衆議院第2議員会館で行われ、約200人が参加した。
宗教者ネットの石川勇吉副議長が開会あいさつを行い、主催団体からキリスト者ネットの糸井玲子さん、航空労組連絡会の村中哲也副議長、市民緊急行動の富山洋子さんが発言した。
村中副議長は、労組20団体が4月4日に発した声明(6面に掲載)を紹介し、「今、行動が大事です。有事法制を廃案に追い込むため、力いっぱい闘います。来週は14日から18日まで毎日、議員会館前で有事法制廃案を訴えます。米英はこの戦争でイスラム社会を敵にしました。テヘランでも米英の攻撃に反対する大行動が起きています。私たちは職場で、飛行機や船、軍の燃料や武器や兵員を運ぶ列車が狙われかねないという恐怖に直面するわけです。日本が戦争に加担しないよう頑張りましょう。私たちは昨年、多くのみなさんと共同して有事法制成立を阻んだ闘いに誇りを持っています。しかし政府は『今国会で成立を目指す』と言ってはばからない。日本中の労働組合、労働者のみなさんに訴えたい。是非私たちと一緒に立ち上がってください」と呼びかけた。
民主党、日本共産党、社民党の国会議員があいさつした。全労協、全労連、平和フォーラムの代表が発言に立ち、労組が有事法制反対の闘いを担うと述べた。
「WORLD PEACE NOW」で活動する若い女性2人も「イラク戦争に反対してきたけれど、有事法制はまだよく知らない人が多い。もっと勉強して、みなさんと一緒に行動していきたい」と述べた。
集会と同時並行で行われた衆院特別委理事懇談会で、与党は「有事3法案は4月中に衆院を通過させたい」と言い出した。今が正念場だ。有事法制絶対廃案へ全力で闘おう。
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週刊『前進』(2098号3面6)
第8回 高見 薫さん(小学校)
石原の「教育改革」 国に先駆け教員支配徹底
首都から闘いを巻き起こそう
侵略教育の強制へエスカレート
「東京から日本を変える」と叫ぶ石原都政は、教育委員を入れ替え、横山を副知事格の教育長に任命し、国立市の教職員の大量処分と是正指導を強行した。また「心の東京革命」、学区制廃止と高校統廃合、国に先駆けた人事考課制度・主幹制度の実施など、矢継ぎ早の改革を進めた。これらの攻撃は教育基本法改悪の先取りであり、教基法改悪の行く末を示している。
01年1月、東京都教育委員会は教育目標を改定し、「日本国憲法及び教育基本法の精神に基づき、また児童の権利に関する条約の趣旨を尊重して」の文言を削除した。新たに掲げられたのが「歴史や文化を尊重し国際社会に生きる日本人の育成」「時代の変化に対応し、日本の未来を担う人間の育成」である。
米長教育委員は「都は教育基本法を事実上改定した」と公言した。横山は「教育というものは、国家の礎を築き、日本の将来を担う人間を育成する営みであり、国を愛し、国家の発展に努め、伝統の継承と文化の創造に貢献する人間の育成をめざして行われるもの」と都議会で述べた。
都教委は01年、歴史教科書は「わが国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てる」教科書を選べという通知を出し、自らが採択権を持つ「障害児」学校で「つくる会」教科書の採択を強行した。
産経新聞や右派勢力と結託した都の教育行政は、平和教育、男女平等教育への攻撃を強めてきた。さらに、横山教育長が「拉致問題を社会・公民科や道徳でとりあげるよう指導する」と2月都議会で答弁したように、侵略教育の強制へとエスカレートしつつある。
02年10月、都教委が発表した都立高校改革推進・実施計画は「日本の未来を担う人間の育成にむけて」というタイトルがつけられている。都立高校を「進学校」「中堅校」「教育課題校」「専門校」に区分けし、中堅校をさらに「中堅進学校」「中位の中堅校」「生活指導に重点を置く中堅校」に、専門校を「スペシャリスト育成型」「専門能力育成型」「職業観育成型」に格差化するという。石原のいう「高校の差別化」計画だ。ある教育委員は「教育課題校」を「落ちこぼれの学校」と言い放った。夜間定時制は半減だ。
9校新設される中高一貫校は、「社会貢献の心、日本人としてのアイデンティティなど……将来の日本を担う人間としての資質を育てる」「社会のさまざまな分野でリーダーとなり得る人材の育成」を目的に掲げている。これは、公然たるエリート校としての位置づけであり、「つくる会」教科書採択の布石でもある。
企業経営の論理と手法が学校経営に持ち込まれ、都教委の施策に沿って成果を上げた学校に予算も重点配分される。「日本の未来を担う人間の育成」を目的に掲げる教育は、愛国心教育であり、エリート優遇の差別教育なのである。
主幹制で上意下達の学校運営へ
石原による教育支配のかなめが教員支配だ。全国に先駆けて00年度から導入された人事考課制度は、校長の定める学校経営方針に沿った目標を設定させる自己申告制度と、学習指導、生活指導、進路指導などの項目ごとに能力、情意、実績の3要素で5段階評価する業績評価からなる。
現在、業績評価は特別昇給に活用されている。05年度からは定期昇給にも反映され、C・Dランクは3カ月昇給延伸となる。さらに、人事考課制度と連動した研修体系が03年度から始まる。業績評価によって3ランクの研修メニューが用意され、研修後の評価で改善なしと判断されれば「指導力不足教員」認定→「教員不適切」→分限免職のコースが用意される。すでに「日の丸・君が代」の被処分者や平和教育、男女平等教育に取り組む教員が「指導力不足等教員」に認定されてきたことは、この制度の狙いを示している。
03年度から配置された「主幹」は、監督権限を持つ中間管理職である。職員会議を完全に解体し、校長・教頭を「経営層」、主幹を「指導・監督層」、ヒラ教員を「実践層」とする上意下達の学校運営を目指すものだ。
職場で団結と抵抗を強めよう
教職員組合が闘う方針を出さない中でも、職場の団結と抵抗は根強く続けられている。国立の「日の丸・君が代」処分に対しては、人事委員会闘争が毎回多くの参加で闘われ、保護者が国連子どもの権利委員会の勧告を求めて報告書を提出している。音楽教師へのピアノ伴奏の強制に対しては、キリスト者を中心としたネットワークが広がっている。性教育を口実とした処分策動に対し、保護者が教職員を支持してこれを阻止する闘いも生まれている。
教育基本法改悪を先取りする石原教育行政は、逆に新たな教育闘争の芽を生み出している。教育基本法改悪反対の闘いを首都東京から巻き起こそう。
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週刊『前進』(2098号4面1)
イラクから侵略者たたき出せ これが帝国主義の正体だ
イラク軍事占領・再植民地化許すな! 人民の民族解放闘争と連帯
米英軍のバグダッド侵攻で連日、イラク人民の無差別・大量虐殺が行われている。無差別の空爆(劣化ウラン弾!)で、バグダッドは徹底的に破壊されている。戦後の「復興」と石油をめぐって帝国主義が醜悪な争闘戦を展開している。これが帝国主義だ。侵略戦争の正体だ。闘うイラク人民・ムスリム人民と連帯し、全世界労働者人民の反戦総決起をかちとろう!
虐殺
「女性と子どもが大勢死んだ。まったく軍事施設のない場所だ」。3月28日に米軍のミサイルが着弾したバグダッド北西部のアッシュウラ地区の市場。現場近くにいた男性は「標的は市民だ。ばらばらになった遺体が飛び散り、女性や子どもが泣き叫びながら、行方不明の家族を捜していた。なぜ米国はこれほどまでにイラク人を憎むのか」とまくしたてた。55人が死亡、数百人が負傷し、がれきの中にはまだたくさんの人が残されている。
米軍はイラク軍のミサイルと主張しているが、現場から発見されたミサイルの破片にある番号は、米巡航ミサイルの製造企業の番号と一致した。
バグダッド南80`にある小さな町ヒッラで4月1日に起きた戦闘では多数の市民の死傷者が出た。米軍はヒッラ郊外でクラスター爆弾を投下。子どもを含む33人が死亡し、310人が負傷した。赤十字スタッフは「ばらばらになった人間の残骸(ざんがい)が数ダースもある」と報告。仏テレビ局がトラックの荷台に遺体が山積みになった模様を放映した。「恐ろしい光景だ。明確に区別しなければならない兵士と民間人との境界が消えつつある」
ヒッラで使用されたクラスター爆弾は、内に詰めた小爆弾247個が飛び散る仕組みだ。大量の不発弾が地雷と同じ危険性をもたらす。飛散範囲は200×400b。「悪魔の兵器」として世界中のNPOが規制を求めている。
破壊
バグダッドをめぐる攻防の中で米英軍は、無差別攻撃を行い、想像を絶するイラク人民の大量虐殺を行っている。米軍は、当初の軍や政府施設を狙うピンポイント攻撃ではなく、クラスター爆弾、デージーカッターのほか通常爆弾を大量に使用した無差別の空爆と破壊を行っている。続く空爆で市民の犠牲は増え続けている。電気・水道・電話などのライフライン、住宅地や市場なども空爆している。
5日までのバグダッド攻防戦でイラク側の推定戦死者は最大3千人にのぼる。市内に侵攻した米部隊は、沿道の民間人と民兵を区別せず次々と銃撃し、道路脇には数え切れないほどの死体が並んでいる。「米軍が通過した道にはイラク軍の戦車、装甲車、大砲の残骸が無数にある」
米英軍の空爆は浄水場やラジオ局なども目標となっている。水道と電力の供給は止まり、ラジオ・テレビも放送を停止した。電話回線を破壊され救急車を呼ぶこともできない。医薬品の不足も深刻だ。
米軍が3月26日に使用を認めた劣化ウラン弾は「一度汚染されると除去できない」と専門家が指摘する放射能兵器だ。濃縮ウランをつくる際にできる放射性廃棄物「ウラン238」の合金を弾頭につけた砲弾である。米帝は91年の湾岸戦争で劣化ウラン弾を使用。その結果、イラク南部のバスラでは湾岸戦争前の88年に比べ、がん患者の発生は十倍以上、死亡率も19倍に急増している。
劣化ウランの放射能半減期は45億年。汚染された地域は永久に汚染されたままだ。バスラの小児婦人病院の医師は「戦争の被害は一時のことではない。将来にわたって罪のない人たちを苦しめる」と語った。バグダッドは劣化ウランに汚染され、永久にイラク人民の健康・生命を脅かすのだ。
空襲下のバグダッドで医療支援を行うために現地入りした「国境なき医師団」の報告では、市内の病院に負傷した大勢の市民が運び込まれ、死者が相次ぐ惨状を伝えている。爆弾の破片などによる負傷者が次々と収容され、手術中になくなる子どももいる。爆撃によるトラウマ(心的外傷)やショックから、心臓発作を起こしたり、呼吸困難やストレス性の胸痛を訴える市民も増えている。
バグダッド市内で報道機関への攻撃も相次いだ。チグリス川西岸地区にあるカタールの衛星テレビ・アルジャジーラの支局に8日朝、ミサイル2発が命中し、パレスチナ人特派員1人が死亡した。同地区にあるアラブ首長国連邦のアブダビテレビの支局も砲撃を受けた。東岸にあるパレスチナホテルも砲撃を受け、ロイター通信のカメラマン1人が死亡した。アルジャジーラは、「言論を暴力で封じ込めるために米軍が標的にした」と抗議する緊急リポートを放送した。
略奪
油田の制圧は、軍事占領下、再植民地化のもとでの米英軍の「主な8目標」の一つだ。米英軍の進路は、南部のルメイラ、北部のキルクークという2大国営油田の確保を狙ったものとなっている。
イラクには1125億バーレルと見積もられる石油がある。確認埋蔵量はサウジアラビアに次ぐ世界第2の規模で、世界全体の1割を超す。現在の石油生産量は日量約230万バーレル。専門家は、米欧の国際石油資本(メジャー)が開発を行えば、600万バーレルに増産することが可能という。
フセイン政権下で油田開発権を得ていたのは、フランスのトタルフィナエルフ、ロシアのルクオイル、中国のCNPCなどだ。
一方、米国際開発局は、イラクの初期復興事業として、今年度中に総額24億jを投じる方針を発表した。そのうち人道支援を除いた道路、港湾などの基盤(インフラ)整備事業19億j分については、主契約先を米企業に限定する意向を示している。入札企業にはチェイニー副大統領が経営責任者だったハリバートン社が含まれる。戦後復興の事業費は、総額で1千億j(約12兆円)に達するとの試算もある。その財源は「関係国の拠出、フセイン政権の資産、そして石油収入」(ラムズフェルド国防長官)だという。
米帝は、戦後の暫定統治機構の閣僚を米国人で独占し、仏ロ中の既得権益を奪い、石油を略奪し権益を独占しようとしている。帝国主義の間では早くも、石油と「復興」の主導権を握る争奪戦が始まっている。
反撃
米英帝国主義の侵略戦争に対し、イラク全土でイラク人民の文字通り生命をかけた反撃のゲリラ戦が行われている。
イラク南部のナジャフでは3月29日、自爆攻撃によって米兵4人が死亡した。イラク北西部の町ハディーサ近郊の検問所では4月3日夜、車による自爆攻撃で米英兵士3人が死亡した。
ナジャフでは3日、展開中の米軍兵士に対し、多数の住民が素手で押し寄せ、イラク部隊が籠城中の代表的モスク「アリ・モスク」を攻撃しないよう米軍兵士に抗議、米軍が撤退する場面もあった。
バグダッドでは、米軍の攻撃で負傷して「足がなかった」イラク人が手投げ弾を米軍戦車に投げ、戦車の司令官は顔面に手投げ弾をを受けて死んだ。少なくとも6人の米兵が負傷した。
バグダッドには、アラブ諸国から義勇兵が、続々とイラク入りしている。
イラク西隣シリアの首都ダマスカスには、アラブ諸国から義勇兵が集まり、バグダッド行きのバスが出発、連日志願兵数十人がイラク入りしている。多い日には一度に3台が連なるという。志願兵のひとりは「イラク人、しかも子どもや女性を殺す米英軍を世界の誰が認めるのか」と動機を話した。
エジプトの首都カイロでは、4月3日に義勇兵の募集を始めたところ、7日の締め切りまでの5日間で、カイロだけで7千人以上が登録した。アルジェリアの大使館では、男性から若い女性まで百人以上が志願兵となるためにビザ申請に殺到した。シリアやレバノンのパレスチナ人2千人以上が4月1日までにイラクに入国しているという。
米英帝の侵略戦争に対するイラク人民の闘いは、フセイン政権の崩壊をも転機に、真にイラク人民を全人民的・全土的に組織し、侵略軍=占領軍の米英軍をイラクからたたき出す民族解放・革命戦争へと必ず転化するであろう。
米英日帝のイラク侵略戦争絶対反対! 米英日帝のイラク軍事占領、植民地化を許すな!
今こそ闘うイラク人民、ムスリム人民の革命的ゲリラ戦争(民族解放・革命戦争)と連帯し、全世界労働者人民の総決起をかちとること、米英日帝・侵略者をたたき出すこと、イラク侵略戦争続行を阻止し、帝国主義侵略者を打倒することが求められている。
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週刊『前進』(2098号4面3)
欧米反戦闘争 労組が中心を担う 職場・街頭を貫いて決起
米英帝国主義によるイラク侵略戦争開戦に対して、全世界の反戦闘争が1〜3月の高揚を引き継いで、さらなる爆発をとげている。(2096号4面参照)
全世界の反戦闘争の爆発的高揚の中で、注目すべきは労働組合がその決起の中心に座っていることだ。20日(木曜日)から週末にかけて、アメリカ・イギリスを始め各国で労働者・労働組合がストライキなど職場内外での行動を展開した。動労千葉の72時間ストライキは、これらの一環としても取り組まれ、全世界から圧倒的な注目と支持を集めた。これらの労働組合は、4月12日の国際統一反戦行動を呼びかけている。
開戦日の20日、イタリアでは、3大ナショナルセンターの労働総同盟(CGIL)、労働組合連盟(CISL)、労働同盟(UIL)や底辺委員会(COBAS)などの呼びかけで、2時間のストライキが全国で決行された。トリノにあるフィアットの自動車工場では午前9時から11時まで作業をストップさせた。さらに、ジェノバでは港湾封鎖が丸一日闘われた。
ドイツでは労働組合同盟(DGB)が、イラク戦争反対声明を発表し、デモへの参加を呼びかけた。またIGメタル(金属産業労働組合)、ヴェルディ(合同サービス労組)、トランスネット(鉄道運輸労組)なども独自の呼びかけを行い、全国数百カ所でデモ・集会などを行った。
フランス、スペイン、ポルトガル、スウェーデン、デンマーク、ハンガリー、ルーマニアなどでもナショナルセンターの呼びかけで、多数の抗議・反戦行動が取り組まれた。
さらに、開戦翌日の21日の金曜日、欧州労連(ETUC、34カ国、78労組、6千万人)が1週間前の14日に続いて「欧州統一行動日」を設定、各国の労働組合が呼応して決起した。これは、昨年11月9日、イタリア・フィレンツェで行われた第1回ヨーロッパ社会フォーラムの最中の100万人デモで、「戦争開始の週末に抗議行動を」と呼びかけた「戦争反対アピール」を具体化したものだ。ヨーロッパ社会フォーラムには、イギリスの戦争阻止連合(SWC)なども参加しており、4・12全世界統一行動の呼びかけの中心を担っている。この欧州労連の声明に対して、フランスのCGT(労働総同盟)も賛成を表明した。
21日にはベルギーでナショナルセンターの労働総同盟の呼びかけで首都ブリュッセルで、現地のデモ隊とフランス北部からのデモ隊がブリュッセル北駅近くの欧州労連本部前で合流してデモを行った。
イタリアでは2度ゼネスト
イタリアでは3月26日と4月2日にゼネストが行われた。4月2日は底辺委員会を中心とする独立系労組の呼びかけで全イタリアで8時間のゼネストが打ち抜かれ、100万人の労働者が参加した。欧州労連傘下の各国労組が自国の戦争協力とイラク戦争の阻止に向け、連日の行動に全力投球しているのだ。
参戦国のイギリスではSWCが労働者・労働組合に引き続き闘いの先頭に立つことを訴えている。SWCの議長は、軍事輸送阻止を闘っているイギリス鉄道運転士労組(ASLEF)のスタッフであるアンドリュー・マレー氏だ。反戦運動団体運営の責任を労働組合が引き受けているのだ。
3月20日はSWCの呼びかけで内務省、スコットランド省、内国歳入庁などの政府機関、さらに各地の市役所で、勤務時間に食い込む昼食時の行動など創意ある行動が全国的に展開された。さらに、郵便局、大学などの職場では短時間ストを含むさまざまな行動が取り組まれた。
イラク侵略戦争の当事国アメリカでは、USLAW(アメリカ反戦労組連)が2月に「イラク戦争反対国際労働者声明」を発表し、これにイギリスのASLEFや、パキスタン、オーストラリア、イタリア、ブラジル、カナダ、フランス、メキシコなどのナショナルセンターや労組が賛同している。このように、アメリカの反戦闘争の中軸に労働組合がしっかり座っていることが、アメリカと全世界の反戦闘争を巨大なものにしているのだ。
ところが、許し難いことにAFL−CIO(労働総同盟・産別会議)のスウィニー議長は、開戦直後の20日に、「決断が下された今、われわれはわれわれの国と、前線にいるアメリカの男女、そして故郷の家族への明確な支持を表明する」などとするイラク侵略戦争全面支持を表明した。
スウィニー指導部の裏切りにもかかわらず、戦闘的な労働組合から開戦反対の声が上がっている。ILWU(国際港湾倉庫労組)の反戦行動委員会は、3月31日にILWU全体がイラク反戦の立場を明らかにすべきだとの声明を発した。
AFL−CIO指導部の裏切りにもかかわらず、3月20〜22日の決起に見られるようにアメリカの労働者階級の決起はますます爆発していくに違いない。日本の地から連帯の闘いを実現しよう。
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週刊『前進』(2098号4面4)
緊急シリーズ 有事3法案阻止せよ(4)
「国民保護」とは戦争動員 軍事優先で非協力者処罰
国会審議開始に大反撃を!
衆院有事法制特別委員会での審議が4月9日、ついに始まった。米帝と共同で北朝鮮侵略戦争を決断した日帝・小泉政権は、北朝鮮スターリン主義政権の反人民的な拉致問題や核開発問題をえじきとし口実として「北朝鮮=脅威」論をデッチあげ、扇動して、戦争準備に全力をあげている。そのために有事3法案の早期成立、4月衆院通過を狙って攻撃を強めている。イラク反戦闘争と一体の闘いとして、全国で有事法案阻止の闘いを爆発させよう。
今回は、有事3法案と一体で進められている「国民保護法制」なるものの反人民的正体を暴く。
「国民保護法制」は武力攻撃事態法案第22条の「事態対処法制」の第1番目に掲げられたもの(注)を総称していわれているものである。同法案の修正案では、新たに「国民保護法制整備本部」を内閣に置くと規定した(第24条)。有事3法案を成立させたら、政府は直ちに、北朝鮮侵略戦争に人民を強制的に協力させ、動員するための戦時諸法を成立させようとしているのだ。
動きは急ピッチである。政府は昨年8月から「事態対処法制」の整備に関する7つのプロジェクトチームを発足させ、昨年秋の臨時国会で「国民保護法制の輪郭」を提示した。
「国民保護法制」とは、あたかも戦争の被害から国民を保護するための法案であるかのようなペテン的ネーミングだが、まったく逆である。その正体は、日帝が北朝鮮・中国侵略戦争を遂行するための労働者人民の戦争動員法、権利剥奪(はくだつ)法、非協力者処罰法というべきものだ。
この法案は労働者人民の生活と権利、経済にストレートにかかわるものだ。だから法案の提出が人民の大反撃を引き起こす可能性があるので、日帝・小泉政権は1963年の「三矢研究」で検討された方式(77〜87もの戦時諸法案を、委員会審議抜きで、いきなり本会議にかけ2週間ですべて成立させる)によって、情勢が緊迫した時点で一気に短期決戦で国会を通過させる方法をとる危険性がある。だからこそ、今この時点で、イラク侵略戦争に続く北朝鮮侵略戦争の切迫を見据えて、猛然と有事法案粉砕闘争を爆発させ、今国会での制定をなんとしても阻止しなければならない。
物資と人員を戦争に徴発
上の表を見てほしい。これは1963年の防衛庁の秘密研究「三矢研究」の内容の一部である。この研究は「朝鮮半島に武力紛争が生起し、これがわが国に波及する場合」(三矢研究実施計画)を想定した図上演習である。演習の内容は軍事面の作戦行動の研究にとどまらず、国家総動員体制の確立のための「非常事態措置諸法令の研究」にまで踏み込んでいた。(一部を抜粋)
これこそが、日帝政府が今日追求する「国民保護法制」の狙いであり、その下敷きとなっているものである。人民の怒りの爆発を恐れて、前述の武力攻撃事態法22条では、きわめてあいまいな表現をしているが、その狙いは「三矢研究」と基本的に同じである。@軍事・軍隊最優先で、一切の食糧・資源・燃料などを軍隊が優先的に確保すること、A軍隊の軍事行動をすべてに優先させること、Bすべての「国民」を戦争に協力させ動員すること、Cこれを罰則をもって強制し、なお侵略戦争に反対し抵抗する者は「非国民」「敵に通じる者」とレッテル張りして弾圧・投獄することを狙っているのだ。
昨年の国会審議の政府答弁でも、その一端が明らかになったが、例えば次のようなことだ。
▽自衛隊や米軍が自由に移動・展開するために外出制限や交通規制を行い、道路や海域、空域を確保する。(避難の指示など)
▽軍用に必要な燃料や物資を確保するために一般の石油の使用を制限したり、自衛隊・米軍への石油の提供・生産を業者に義務づける。買い占めや売り惜しみをする業者には、罰則をもって売り渡しを強制する。(生活関連物資の価格安定などの措置)
▽外出禁止、集会・デモの禁止、ストライキの禁止。(社会秩序の維持)
このようなことが、「武力攻撃事態対策本部」を頂点にして、都道府県や市町村に設置された「対策本部」(警察、自衛隊、消防などが入る)をとおして、上意下達で人民に強制される。戦時のみならず平時から民間、警察、消防などによる「協議会」を設け、民間防衛組織の編成と訓練を行う。そのために武力攻撃事態法に「国民の協力(義務)」を明記し、禁止事項や罰則を盛り込んでいるのだ。これは、戦争に反対する者をあぶり出し弾圧する体制づくりでもあり、戦前・戦中の隣組制度の再来だ。
北朝鮮侵略戦争を許すな
今回の有事3法案は、米帝の世界戦争計画とそれに基づくイラク侵略戦争、とりわけ北朝鮮・中国侵略戦争に対して、日帝が帝国主義的生き残りをかけて、周辺事態法と一体で全面的に協力・参戦していくための法案だ。一般的な意味での戦争国家づくりではない。切迫する現実の北朝鮮侵略戦争に直ちに積極的に突入していくための戦争態勢づくりなのだ。絶対に粉砕しよう。
(畑田治)
(シリーズ終わり)
非常事態措置諸法令の研究(抜粋)
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項目
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事態
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一、国家総動員対策の確立 |
(一)戦力の増減達成 |
1、人的動員 |
(1)一般労務の徴要
(2)業務従事の強制
(3)防衛物資生産工場におけるストライキ制限
(4)官民の研究所・研究員を防衛目的に利用
(5)防衛徴集制度の確立(兵籍名簿の準備・機関の設置)
(6)国民世論の善導 |
2、物的動員 |
(1)防衛産業の育成強化
(2)防衛生産修理施設の収用・管理
(3)防衛資源の培養・確保
(4)防衛物資配分の統制
(5)交通・通信の強制的統制
(6)防衛研究・開発事業の育成(助成)
(7)防衛生産等 権(ママ)・工業所有権の国家収用 |
(二)国民生活の確保 |
(1)国民生活衣食住の統制
(2)生必品自給態勢の確立
(3)強制疎開
(4)戦災対策
(5)非常時民・刑事特別法
(6)国家公安維持
(7)非常事態に際し政府に対する権限移譲 |
(注)武力攻撃事態法案第22条(事態対処法制の整備)の「国民保護法制」の内容
イ 警報の発令、避難の指示、被災者の救助、消防等に 関する措置
ロ 施設及び設備の応急の復旧に関する措置
ハ 保健衛生の確保及び社会秩序の維持に関する措置
ニ 輸送及び通信に関する措置
ホ 国民の生活の安定に関する措置
へ 被害の復旧に関する措置
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週刊『前進』(2098号4面5)
4月2日〜8日
米軍がバグダッドへと侵攻 パトリオットPAC3検討
●パトリオットPAC3導入検討 政府・与党は、日本独自の弾道ミサイルの迎撃能力保持を目指し、米国の最新鋭の地対空誘導弾パトリオットPAC3を、04年度から導入する方向で検討に入った。自民党首脳が明らかにした。(2日)
●韓国、派兵を決定 韓国国会は、政府が求めていたイラク侵略戦争への派兵案を採決し、賛成多数で可決した。反戦運動の盛り上がりから採決が2度にわたって見送られてきたが、最大勢力の野党ハンナラ党が採決を受け入れた。600人以下の建設工兵と100人以下の医療支援団を派兵する方針。先発隊は4月中にも派遣される見込み。(2日)
●戦後は「米英主導で」 パウエル米国務長官が記者会見で、イラクの「戦後復興」について「米英は主導的な役割を担わなければならない」と発言した。(3日)
●小泉「攻撃支持は正しい」 小泉首相がNHKの特別番組で、米国のイラク攻撃を支持したことについて「正しい選択だったと今でも思っている」と語った。(3日)
●「掃海艇派遣を」 アーミテージ米国務副長官は、日本がイラク戦争後の「掃海艇派兵を申し出れば、非常に歓迎する」と述べた。また米政府が自衛隊医官の派遣に注目していることを示唆した。(3日)
●米英、首都空港を占拠 米英軍がイラクの首都バグダッド中心部から南西約20`にある国際空港周辺で本格的な戦闘を始め、空港を同軍の支配下に置いた。(3日)
●イラク戦後、米が初提示 ブッシュ米政権は、「イラク戦後」に関して、「元米軍高官がトップになる組織で緊急を要する人道支援を進めながら、イラク人自身による統治を段階的に拡大して行政樹立へと進めていく」という具体的道筋を初めて示した。国連の役割を人道支援面に限定し、「復興」は軍事作戦に参加した米英が主導する。(4日)
●在韓米軍家族ら避難訓練 在韓米軍が3月下旬、朝鮮半島有事を想定して韓国に住む米兵家族ら米国の民間人を米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)に避難させる訓練をしていたことが、基地機関誌『トリイ・テラー』の報道でわかった。(4日)
●日本政府、「分割統治」打診 イラク戦後の「暫定統治」をめぐり、日本政府が米政府に対し、米軍主導の統治形態を軍事・治安部門と民生部門にわけた「分割統治方式」を採用するよう水面下で打診していることがわかった。(6日)
●民主党の有事法案の対案骨格 民主党が検討している有事関連3法案の対案の骨格が明らかになった。大規模災害やテロ・不審船への対応も含めた「緊急事態対応基本法」(仮称)を柱にしており、米国の緊急事態管理庁(FEMA)をモデルにした新組織をつくる構想も浮上しているという。(7日)
●辺野古沖の地形調査着手 那覇防衛施設局が、米軍普天間飛行場の代替施設建設のため、移設先の名護市辺野古沖の海底地形測量調査を8日から実施すると発表した。昨年7月の基本計画合意が正式決定して以降、現地調査が実施されるのは初めて。(7日)
●米軍、大統領宮殿を占拠 米英軍がバグダッド中心部に侵攻し、大統領宮殿2カ所を占拠した。(7日)
●米英首脳「早期に暫定政権」 ブッシュ米大統領とブレア英首相が、北アイルランドのベルファスト郊外で会談し、共同記者会見で声明を発表した。「イラク国民による暫定政権を可能な限り早期に樹立する」との方針で一致した。(7、8日)
●個人情報保護法案、審議入り 政府が今国会に提出し直した個人情報保護法案と、野党4党が共同で提出した対案に対する質疑が衆院本会議で行われた。(8日)
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週刊『前進』(2098号5面1)
反戦と介護で実績ある闘う議員を
「口先だけの反戦」の日共と 「反戦」も言わない「市民派」 戦争絶対反対派こそが必要
4月27日の投票日に向けて統一地方選挙闘争はいよいよ2週間を切った。杉並では都政を革新する会の3候補、北島邦彦氏、新城せつこ氏、けしば誠一氏が地域で街頭で全力で支持の拡大を訴えている。〈反戦と福祉>を掲げた労働者民衆の新しい政党を登場させるために、残された2週間を全力を振り絞って奮闘しよう。
帝国主義による軍事占領とイラク人民の民族解放闘争
4月統一地方選でまず第一に訴えたいことは、米英日帝のイラク軍事占領・植民地支配を許さないために、北島、新城、けしばの3候補当選を絶対にかちとろうということである。
米英軍がバグダッドを制圧し、フセイン政権は崩壊した。米帝ブッシュは勝利したと思い上がっている。報道ではイラクが「解放」され、「平和」になるかのようなキャンペーンがなされている。だが、実際には帝国主義の軍事占領と再植民地化が行われ、それに対するイラク人民の怒りの民族解放・革命戦争はこれから本格的に始まるのである。侵略と虐殺と破壊の米軍をイラク人民が「解放軍」として受け入れることなど絶対にない。
ブッシュ政権は「復興は米英主導で」と主張している。ハリバートンなど米政権中枢と一体の米企業が「復興」利権に群がり、膨大な利益を得ようと狙っている。その資金はどこから出るのか。イラクの石油によって賄われるのだ。これを強盗と呼ばずしてなんと呼ぶのか。石油を強奪するためにイラクを占領し、植民地支配しようとしているこの米英帝に対して、イラク人民の怒りはさらに激しく爆発する。フセイン政権の反動的抑圧・支配が崩壊したことで、イラク人民の民族解放・民族自決を求める闘いは本格化する。
イラク人民の死を賭した不屈の決起に対して日本人民はいかなる態度をとるのか。イラク人民と真に連帯する日本人民の闘いが厳しく問われているのだ。闘うイラク人民と連帯し、侵略の元凶である帝国主義を打倒する闘い、米英日帝国主義のイラク軍事占領・植民地支配を許さないためにイラク反戦闘争を猛然と巻き起こしていくことが求められているのだ。
この時、日本共産党は「イラク戦争反対」のペテンを投げ捨て、イラク反戦闘争から完全に逃亡しようとしている。「イラク戦争反対」のポスターを自らはがし、選挙の主張からも「イラク戦争反対」を一切はずし、実際には自分たちは何もやっていない福祉問題を掲げて票のかすめ取りを狙っているのだ。口先だけの「戦争反対」のまやかしが暴き出されている。
米英日帝のイラク侵略戦争は、帝国主義のイラク・中東の植民地支配のための侵略戦争であり、人民大虐殺の残虐な侵略戦争である。「大量破壊兵器」うんぬんは侵略戦争強行のための口実にすぎない。イラク人民を大虐殺しているのは米英日帝国主義の方だ。帝国主義の占領下でさらに多くのイラク人民が虐殺されようとしている。この時に、帝国主義支配のもとでイラクに「平和」が訪れるかのようなデマ宣伝ほど犯罪的なものはない。日本共産党の反人民的裏切りを絶対に許してはならない。
あるいは「市民派」の候補者たちも、イラクが「平和」になったかのように言い、イラク反戦のために何もやろうとせず、米英日帝国主義のイラク軍事占領・植民地支配を容認している。「市民派」を装いながら「イラク戦争反対」すら言わない候補が、どうして日帝・小泉政権の福祉切り捨て、生活破壊の攻撃と闘い、労働者人民の生活と命を守ることができるだろうか。自民党など反動諸党は、「復興」と称してイラク人民からの略奪を狙う日帝・小泉政権の先兵になっている。
イラク反戦闘争の大爆発を
では、イラク人民は今どんな状況に置かれているのか。米英軍による残虐な侵略戦争で虐殺されたイラク人民が何千人か何万人か、数さえも掌握できない状態になっている。妻や子どもたちを亡くした父親、子どもを腕に抱えたまま爆撃で死んだ母親。抑えることのできない悲しみと怒りの声がわき上がっている。
12歳のアリ・イスマイル・アバスは、寝ているときに爆撃を受け、両親と兄弟を亡くした。彼の叔母と3人のいとこ、3人の親類も亡くなった。彼自身も両腕を失い、バグダッドの小児病院に入院している。彼は訪ねてきたロイター通信の記者に「私の家は貧しい小さな家だった。なぜアメリカは私たちを爆撃したのか。私は医者になりたい。しかしどうやって私は医者になれるのか。私には手がない」と弾劾した。
しかも米英軍の侵略戦争はさらに激しく続けられている。われわれはイラク人民がこれ以上殺されるのを黙って見ていていいのか。何もしないでいいのか。今こそ米英日侵略者をイラクからたたき出すために、イラク軍事占領・植民地支配を許さないために反戦闘争の大爆発を実現しなければならない。
イラク人民は、強力な最新兵器を無制限に使った米英軍の攻撃に対して不屈に英雄的に戦っている。民衆が米軍に待ち伏せ攻撃を加え、女性が自爆戦闘に決起し、ヨルダンに出稼ぎに出ていた若者が続々と侵略と戦うために帰国し、戦闘に決起した。それだけではなく、中東各地からアラブ人民、ムスリム人民が何千人もイラクに駆けつけ、米英(日)帝国主義の侵略戦争との戦いに決起した。この戦いに全力で連帯しよう。
日帝小泉政権は、イージス艦を始めとした自衛隊艦隊をアラビア海に派兵し、イラク侵略戦争に実質的に参戦している。そして「戦後復興」と称して自衛隊をイラクに投入し、侵略軍として乗り込もうとしている。自衛隊の侵略派兵を絶対に許すな。
米帝ブッシュ政権は、ブッシュドクトリン=先制攻撃論に基づいて北朝鮮侵略戦争、さらにはイラン、中国へも侵略戦争を強行し、独仏ロをたたき落とし、世界支配を再編しようとしている。日帝・小泉政権は、この北朝鮮侵略戦争に米帝と共同して、競い合って参戦し、戦争のできる帝国主義として登場しようと狙っている。そのために北朝鮮に対する排外主義をあおり立てるとともに、武力攻撃事態法案など有事3法案と個人情報保護法案など戦争立法を次々と成立させようとしている。
帝国主義は分裂とブロック化、世界恐慌の泥沼の中で、侵略と戦争によって生き延びようと新植民地諸国人民を大虐殺して支配し、国内の労働者人民に対しては賃下げ、リストラ・首切り、生活破壊の大攻撃をかけてきている。有事法制成立を絶対に阻もう。闘う朝鮮人民と連帯し、北朝鮮侵略戦争を絶対に阻止しよう。侵略と戦争の元凶=帝国主義を打倒しよう。
イラク軍事占領・植民地支配を人民の力でやめさせるためにも4月の統一地方選挙が決定的に重要だ。イラク侵略に反対し、戦争をとめるために真剣に行動する議員を議会に送り出すことで、イラク反戦の運動をさらに力あるものに発展させていかなければならない。杉並区でイラク人民との連帯の立場を貫いて闘ってきた北島、新城、けしばの3候補をなんとしてもそろって当選させよう。それが民衆の戦争反対の意思を示すことであり、さらにイラク反戦の大運動をつくりだしていく道である。
戦争と福祉切り捨ては一体 共に行動する候補を選ぼう
4月統一地方選で第二に訴えたいことは、介護・福祉の切り捨てを許さないためにも北島邦彦氏、新城せつこ氏、けしば誠一氏の3候補の当選をかちとろうということである。
帝国主義が侵略と戦争に突進するとき、人民の生活が犠牲にされ、いのちが奪われていく。小泉政権は、武力攻撃事態法案など有事3法案や個人情報保護法案を強行成立させることで北朝鮮侵略戦争への突入を狙っている。その攻撃は、一方では福祉の全面解体、さらにリストラ・賃下げ・首切りの生活破壊として労働者人民に襲いかかってくるのである。
介護保険は、「社会保障基礎構造改革」という福祉解体攻撃の突破口として位置づけられ、強行された。そしてこの4月に「障害者」への支援費制度が導入された。さらに健康保険の本人負担が3割に引き上げられ、年金改悪も進み、次々に福祉が切り捨てられようとしている。
介護保険は廃止以外にない。日本共産党のように介護保険を容認した「改善」の立場では奪われた介護を取り戻すことはできない。福祉切り捨ての全面的攻撃を阻止することもできない。わずかな年金の人からも保険料を取り上げ、お金のない高齢者から介護を奪う介護保険制度によって、高齢者を始め労働者人民は殺されてしまうのだ。
福祉切り捨てを許さず、人民の生活を守るためにも、高齢者が生きるための当然の権利として介護・福祉を要求し、高齢者自身が闘いに立ち上がらなければならない。そして高齢者とともに行動し、闘う議員が必要だ。そして、北島、新城、けしばの3候補だけが、そうした行動を行ってきた。
介護と福祉を要求する杉並住民の会は、介護保険に異議あり全国ネットワークの重要な一翼として厚生労働省や杉並区との交渉を積み重ね、介護保険料・利用料の減免や介護の保障を要求してきた。そうした中で、杉並区では4月の介護保険料引き上げ幅が、当初300円から500円という案で検討されていたのに対し、60円にまで抑制させた。東京23区では一番低い保険料だ。住民の会の高齢者と北島、新城、けしばの3候補らが闘ってきた大きな成果だ。
〈介護・福祉>の生きるための権利を貫くために、4月統一地方選で北島邦彦氏、新城せつこ氏、けしば誠一氏の当選をかちとり、杉並区議会に反戦と介護の、闘い行動する新しい政党を登場させよう。
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週刊『前進』(2098号5面2)
北島邦彦候補
イラクへの侵略戦争に、日本は深々とかかわっています。この侵略戦争と戦後のイラクの軍事占領に対するイラクの民衆の闘いは、必ずパレスチナも含んだイスラム全体の闘いになる。そして侵略戦争をしている自国政府を打ち倒そうというアメリカやイギリス、日本での闘いも発展します。
小泉政権は、この機会に有事立法を国会で成立させようと狙っています。そしてイラクと同じことを朝鮮半島でやろうとしている。
戦争を進める小泉政治は、私たち働く者の権利を奪い、生活を破壊し、高齢者や「障害者」の福祉を次々に奪っていく政治です。自分たちのことは自分たちで決めようという声をあげるチャンスが4月統一地方選挙です。皆さんの声を投票に表していただきたい。
(4月7日 JR荻窪駅南口)
新城せつこ候補
皆さん、息子を殺されたイラクのお母さんが泣き叫んでいます。侵略戦争絶対反対で、一日も早く戦争をとめなければなりません。
米軍に燃料補給をしているのは日本です。働く者たちにあらゆる犠牲を強いながら、戦争のために湯水のように税金を投入しているのが小泉政権です。
イラクへの侵略戦争を支えている小泉政権は、今度は北朝鮮にこの軍事力を向かわせようと、国会で有事立法を強行成立させようと動いています。
世界の人たちとともに、参戦国となった日本から数百万人、数千万人の働く者や市民の闘いを巻き起こしましょう。27日の杉並区議会議員の選挙で、自民党を残らず倒して、戦争を阻むという私たちの底力を示しましょう。
(4月7日 JR高円寺駅北口)
けしば誠一候補
バグダッドを占領したアメリカはフセイン政権の崩壊を宣言しましたが、この戦争はけっしてイラクの解放のためではありません。アメリカは圧倒的な軍事力でイラクを占領し、そのもとでイラクの石油を強奪しようとしています。
かつて日本は中国東北部に「満州国」をデッチあげ、石炭や鉱物を奪った。同じことをアメリカはイラクで行おうとしています。
しかもこの戦争を支えているのは日本です。イスラム諸国では星条旗と一緒に「日の丸」が焼き捨てられています。私たちはイラク侵略戦争をとめるため、イラク再植民地化を許さないためにも、この日本から戦争反対の行動を巻き起こしていかなければなりません。皆さん、戦争反対の行動に全力で立ち上がりましょう。
(4月9日 京王線永福町駅)
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週刊『前進』(2098号5面3)
第4部 日帝の中国侵略戦争(10)
南京大虐殺 日帝侵略軍の歴史的な大犯罪
37年7・7盧溝橋事件をもって全面的な中国侵略戦争に突入した日帝軍隊は、75師団を上海に集中した中国軍との激しい戦闘を展開した。中国人民の怒りと抵抗に直面した日帝は、軍隊を増強し「南京政府」転覆へと向かった。参謀本部は新たに第10軍を編成、軍令部も「支那方面艦隊」を編成し長谷川清海軍中将(後に台湾総督)を司令官とした。「支那方面艦隊」の支援を受けた第10軍は、11月5日から杭州湾に敵前上陸を強行、11万人の大兵力を揚陸させた。日本軍の大増強に中国軍は後退を余儀なくされた。
松井石根(いわね、後A級戦犯で絞首刑)を司令官とする上海派遣軍と第10軍を統合して、新たに「中支
那方面軍」を編成し、松井が方面軍司令官となった。
天皇裕仁の命令
参謀本部は12月1日、松井に「敵首都南京を攻略すべし」という天皇裕仁の命令を下した。
兵站(へいたん)は現地調達(=強盗)だった日本軍は、上海から南京までの約300`の行軍で、食料を略奪すると同時に村を焼き払い、暴行や強姦をほしいままにした。まさに焼き尽くし、殺し尽くし、奪い尽くすという「三光作戦」が行われたのであり、南京までの侵攻の過程ですでに30万人もの中国人民が虐殺されたとも言われている。
こうして日帝軍隊は、12月13日南京を占領した。
天皇裕仁は「中支那方面の陸海軍諸部隊が上海付近の作戦に引き続き勇猛果敢なる進撃を行い速やかに首都南京を陥れたることは深く満足に思う。此旨(このむね)将兵に申し伝えよ」と日本軍を「称賛」した。
南京を占領した第10軍司令官・柳川平助中将の第一声は「山川草木、すべて敵である」であった。中国軍とその捕虜、何よりも中国民衆に未曽有(みぞう)の大量虐殺を行った。
当時の南京の人口は100万人。日本軍は三方から南京城を包囲するように攻撃した。その兵力は6個師団、約10万人を数えた。日本軍を逃れて揚子江側に殺到した中国民衆を、日本軍は機関銃、小銃、手りゅう弾で殺りくし、さらには飢えた軍用犬を放つなど暴虐の限りを尽くした。二つの門に通じる大通りはおびただしい死体と血で地獄と化した。
虐殺は13日から17日の4日間集中的に、南京周辺のいたる所で行われた。翌38年2月まで虐殺は続き、その数は30万人とも40万人とも言われる。あらゆる非人間的残虐行為が中国人民に加えられたのである。
生存者が証言
夏淑琴さんは次のように証言する。「押し入ってきた日本兵は、いきなり父とおばあさんを撃ち殺しました。まだ赤ちゃんだった妹は、床にたたきつけられて殺され、母は強姦されたあと刺し殺されました。一番悲しかったのは、二人の姉さんのことです。15歳だった上の姉はテーブルの上で強姦され殺されました。13歳の姉もズボンを下ろされ殺されていました。私も布団の上からメチャクチャに刺され、気が付いたとき、9人の家族のうち生き残ったのは7歳の私と3歳の妹だけでした」
在日台湾人の林歳徳さんは37年10月、19歳で強制徴用され台湾で訓練を受けた後、38年1月に上海に上陸した。
「私が現地で見たとき、南京城の内側、外側、揚子江の堤防や港に死体がいっぱい山と積んであった。それよりもっと恐ろしかったのは、揚子江に数珠つなぎで、中国人の死体が24時間連続して海に向かって流れていたことだ。いったいどれほどの中国人が殺されたのか。私の考えでは、40万人は殺されているはずだ」(本紙00年4月17日付)と林さんは怒りを込めて証言している。
戦後の極東軍事裁判(東京裁判)判決は、「日本軍が占領してから最初の六週間に南京とその周辺で殺害された一般人と捕虜の総数は20万人以上」、そのことは「埋葬隊とその他の団体が埋葬した死骸が十五万五千に及んだ事実によって証明されている」と、犠牲者数を20万人以上としている。
これは元日本兵の証言によっても明らかだ。東史郎さんは「南京を占領してから40数日後の1月23日のことですが、揚子江には死体がたくさん浮かんでいました。またベニヤ板製のボートの上に5人の兵士が乗っていて、先にカギのついている3bくらいの棒で、死体を沖に流していました。一人の兵士に『何をしているのか』と聞くと、『トラックで運んできた捕虜を、ここで突き落として、ズドンズドンと撃ち殺すのが俺の役目だ』と言っていました」と証言している。
日本政府も南京大虐殺の事実を当然にも把握していた。当時の広田外相がワシントンの日本大使館に打電した38年1月17日付の電報を米政府が傍受し、これが米公文書館に保存されている。そこで、南京その他で30万人を下らない中国の民間人が殺されたことを伝聞として伝えている。
しかし当時、南京大虐殺の事実は日本国内ではまったく報道されず、逆に南京占領を祝った「提灯行列」が行われるなど日本国内は「勝利」にわき立った。
大虐殺「否定論」
家永教科書検定第3次訴訟の東京高裁判決(93年)と最高裁判決(97年)は、南京大虐殺の事実を認め、その削除・修正を求めた教科書検定を違法とした。
しかし、御用学者や反動右翼勢力が南京大虐殺は「虚構」「まぼろし」であり「デッチあげ」だと繰り返し主張している。東京都知事石原慎太郎や「つくる会」教科書も同様の主張を繰り返し行っている。
01年教科書検定で合格となった「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史教科書では「東京裁判では日本軍が1937年、日中戦争で南京を占領したとき、多数の中国人民衆を殺害したと認定した(南京事件)。なお、この事件の実態については資料の上でも疑問点が出され、さまざまな見解があり、今日でも論争が続いている」などと、虐殺の事実を否定し、抹殺しようとしている。
しかし、こうした論拠は事実がはっきりと粉砕している。彼らはなぜ執拗に南京大虐殺を否定しようとするのか。それは南京大虐殺の中に日帝の中国侵略戦争のすべてが暴き出されているからだ。南京大虐殺こそ「聖戦」と呼ばれた侵略戦争、「皇軍」と呼ばれた侵略軍隊の真の姿だった。
(野田利一)
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週刊『前進』(2098号6面1)
新個人情報保護法案を廃案へ
報道・言論規制と労働者への治安弾圧法案を阻め
国会は、新個人情報保護法案をめぐる決戦情勢に突入した。4月8日午後からの衆院本会議で、両法案の趣旨説明と質疑が始まり、特別委員会(委員長は村井仁・前国家公安委員長。委員は45人)が設置された。さらに、自民党の国対幹部が「今月23日ごろの衆院通過をめどに審議を進める」と発言している。小泉政権は強行採決も視野に入れ「短期決戦」で決着を付ける方針に違いない。情勢は風雲急を告げている。有事立法阻止、新個人情報保護法案の廃案のために全力で闘いぬこう。
管理・統制で権力が報道内容を支配
新個人情報保護法案=報道・言論規制法案は、廃案以外にはない。ところが野党4党は、4月3日に対案を提出し特別委での審議に応じる立場をとった。
4月1日に開催された、野党4党と新法案に反対する市民団体との会合では、「野党案は個別法でないから労働組合も規制対象。労組名簿を用いた選挙運動はできなくなるが、どういうつもりなのだろうか」(清水勉日弁連情報問題対策委員会副委員長)など、「対案」への批判が相次いだ。
新法案の狙いは、北朝鮮・中国侵略戦争のための報道・言論規制と労働者人民への治安弾圧の強化だ。
有事立法と報道・言論規制は一体のものである。その証拠に、海上自衛隊が3年前に「有事報道」を研究していたという事実がある。その内容に、有事の際に報道機関が自主的に報道を控える報道協定を締結することや個別取材を禁止することなどが盛り込まれていたのだ。また福田康夫官房長官は、昨年の衆院有事法制特別委員会で、報道協定について「人命尊重の立場からお願いすることもあり得る」と答弁している。
結論的に言えば、新個人情報保護法案は有事立法第4法案と呼ぶべき断じて容認できない内容なのだ。
有事立法の必要性を認めている民主党は、個人情報を取り扱う事業者への規制は必要だという立場から政府と同じ土俵に上がるため、ペテン的修正の立場しかとりえない。だから「対案」となるのだ。
憲法を破壊し検閲が復活へ
新個人情報保護法案の第一の問題点は、「言論・出版・表現の自由」を否定し「検閲」を復活させ、政治家・官僚・資本家などの国家権力にかかわる個人情報を労働者人民の入手と暴露から徹底的に防衛しようとすることだ。
言論・出版・表現活動への規制のやり方を法案に沿って示してみる。
@言論・出版・表現活動に携わるあらゆる団体と個人を「個人情報取扱事業者」(第2条3項)と認定し、「個人情報取扱事業者の義務」(第15〜36条)の規制対象とする。
A「報告の徴収」(第32条)、「助言」(第33条)に定められた主務大臣(国家権力)の権限を行使し、日常的に管理・統制する。また、「勧告及び命令」(第34条)に定められた権限を行使して、「6月以下の懲役又は30万円以下の罰金」の処分を行う。
国家権力は、刑罰権の発動(監獄にぶち込むこと)を背景に「罰則付きの処分↓管理・統制↓規制」という支配の構造をつくりあげ、「処分されると困るなら事前に内容を点検させろ」という形で「検閲」に踏み込んでくるのだ。
「言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。検閲は、これをしてはならない」という憲法第21条を破壊する、この法案を許してはならない。
北朝鮮侵略戦争へのメディア動員
新個人情報保護法案の第二の問題点は、「報道」の内容を法律で定めることにより、あらゆるメディア(テレビ、ラジオ、新聞、などの報道媒体)の侵略翼賛化を推進しようとしていることだ。
小泉は、新個人情報保護法案の中で、歴史的に初めて「報道」の内容を法律で定めるという大攻撃に踏み込んできた。
「前項第一号に規定する『報道』とは、不特定かつ多数の者に対して客観的事実を事実として知らせること(これに基づいて意見又は見解を述べることを含む。)をいう。」(第50条第2項)
主務大臣は、メディアの発信する「報道」について「報道目的であるかどうか」を判断し、報道の内容を選別することができるようになる。当然のことながら、主務大臣は国家に都合の悪い報道は、「報道目的ではない」と認定する。「報道目的ではない」と認定された場合は、「適用除外」(第50条)対象ではなくなり、その報道を行ったメディアに対しては「罰則付きの処分↓管理・統制↓規制」という支配の構造が強制される。
このくり返しの中で、最終的に「検閲制度」の復活まで行き着くのである。
米メディアは侵略翼賛機関
帝国主義の侵略戦争は、労働者人民の動員を土台とする総力戦である。その中でメディアが重要な役割を担うことは、第2次世界大戦における「大本営発表」という歴史的事実が端的に示している。
アメリカのメディアは、米帝・ブッシュのイラク侵略戦争を賛美する報道を連日流し続けている。その一方で、少しでも反戦的な内容については、抹殺するか反動キャンペーンの餌食(えじき)にするという現実が進行している。具体例をいくつか挙げてみる。
@ピーター・アーネット記者は、3月30日にイラク国営放送に出演し「米国の当初の軍事作戦はイラクの抵抗で失敗した」と発言した。この発言を米メディアが一斉に取り上げて、「反米的・非国民だ」とキャンペーンを行い、アーネット記者から仕事を奪った。
A米国の新作コメディ映画の広告で、主人公のピースサインが「政治的な解釈を招く恐れがある」と配給会社が判断し、急きょ絵柄を変更した。
Bブッシュの地元テキサスにある米最大のラジオ局「クリアーチャンネル」は、イラク侵略を批判した有名歌手の歌を放送禁止にした。その一方で、ラジオの全米ネットで戦争支持集会を呼びかけた。
米メディアの戦争翼賛化の典型的な姿だ。
演出・宣伝化する戦争報道
ボスニア・ヘルツェゴビナをめぐる報道を歴史的転換点として、帝国主義国の大手広告代理店が戦争報道に参入し、戦争報道をわかりやすくパッケージされたプロパガンダ(宣伝)として演出する役割を担う動きが始まった。そして、発行部数や視聴率にふりまわされるマスメディアは、より刺激的な映像や情報を求めるあまり、この広告代理店のプロパガンダと報道を区別することができなくなり、完全に帝国主義者の宣伝媒体に転落する。
われわれがメディアを通して日常的に受け取る「報道と思いこんでいる情報」の本質は、帝国主義者の情報操作の対象として演出された「宣伝」でしかない。
報道機関も攻撃の対象に
帝国主義のもとでの報道には、客観性も中立性も存在しない。それは常に送り出す側の意図が込められているからだ。
4月8日、米軍はバグダッドにあるカタールの衛星テレビ局アルジャジーラの支局を爆撃し、記者1人を虐殺した。アルジャジーラは、「真実を隠蔽(いんぺい)するために、米軍がアラブメディアを攻撃した」と弾劾した。これが、米帝がイラク寄りであると判断した報道機関に対する回答なのだ。
米英帝のイラク侵略戦争について言えば、報道関係者の立場は、帝国主義の側から「戦争支持」の報道を行うのか、それともイラク人民の側から「侵略弾劾」の報道を行うのか、どちらかなのだ。
報道の大転換狙う小泉政権
日帝・小泉政権もこのようなメディアの侵略翼賛化の必要性を痛感している。とりわけ米日帝の北朝鮮・中国侵略戦争を推進するためには、死活的なのだ。
テレビやラジオの開局は「免許制」となっているために、管轄官庁である経済産業省の支配を日常的に受けている。そのために、テレビやラジオはすでに、侵略翼賛化を推進する媒体となり果てている。
現実には、北朝鮮の「拉致問題」に対する排外主義的キャンペーンに続いて、米英帝のイラク侵略戦争への翼賛報道が全面化している。その典型が、「従軍記者」として米英の侵略軍に同行取材し、米英軍の演出した戦場報道を垂れ流しているテレビ報道である。
その一方で、メディアの中でも少数であるが「大本営発表の復活と闘う姿勢」を鮮明にしているところもある。例えば琉球新報は、「新聞をはじめメディアは戦争を容認・美化、大本営発表を垂れ流しにし、政府の片棒をかつぎ、国民に多くの犠牲を強いたという歴史がある。このような過ちは二度と起こしてはならないし、報道を規制するやり方には断固反対する」(02年8・15琉球新報社説)とのべている。
小泉は、このようなメディアの存在を最後的にたたきつぶすために新個人情報保護法案の成立を必死に狙っているのだ。
住基ネットと一体で人民支配を強化
新個人情報保護法案の第三の問題点は、国家権力が労働者人民の個人情報を一元的に管理・統制し、国内治安体制強化のために自由に活用することである。
新法案では、国の機関と地方公共団体は、「個人情報取扱事業者」から除外されている。
「次に掲げる者を除く。一、国の機関 二、地方公共団体、三、独立行政法人等」(第2条3項)
そして、新法案は、行政機関が「職権を乱用して職務の用以外に使う目的で個人の秘密に属する情報を収集した場合」に限り罰則規定を新設しただけであり、行政機関自身が「相当な理由」や「特別な理由」があると判断すれば目的外利用を認めている。
新法案でも、労働者人民の個人情報は、行政機関に自由に利用されるのだ。
小泉は、反戦運動団体、労働組合、市民グループなど、あらゆる団体や個人に新法案の「個人情報取扱事業者」という支配の網をかけて管理・統制することを狙っている。
さらに、今年8月の住基ネットワークの本格稼働(ICカードの活用)と一体化することにより、労働者人民の個人情報を飛躍的に国家権力の手元に集中し、治安管理の武器にしようとしている。
小泉は、反戦運動や反体制運動を根絶し、挙国一致的な侵略戦争への翼賛体制を形成する攻撃に出てきているのだ。
全力で闘って廃案にしよう
労働者人民に求められていることは、絶対廃案のためにイラク反戦と有事立法粉砕闘争の一環として闘いぬくことだ。日帝・小泉に時間的余裕はまったくない。追いつめられているのは小泉政権だ。「新個人情報保護法案を廃案にせよ」ののぼりを立て、国会をとりまき、騒然たる情勢にしよう。新法案を必ず廃案に追い込もう。
(山本 茂)
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週刊『前進』(2098号6面2)
戦後補償裁判 北朝鮮侵略戦争切迫下で 相次ぐ上告棄却弾劾
3月25日、最高裁第3小法廷(上田豊三裁判長)は関釜(かんぷ)裁判=釜山従軍慰安婦・女子挺身隊公式謝罪等請求訴訟に対し、上告棄却および上告受理申立棄却を決定した。
さらに28日には「在日元慰安婦」謝罪補償請求裁判において、在日朝鮮人としてただ一人、敢然と日本軍軍隊慰安婦政策を告発し闘いぬいてきた宋神道(ソンシンド)さんに、最高裁第2小法廷(北川弘治裁判長)が上告棄却を行った。
宋さんの裁判も関釜裁判と同じで、主文は「本件上告を棄却する。本件を上告審として受理しない」という許しがたい門前払いだった。「本件上告理由は、違憲及び理由の不備をいうが、その実質は単なる法令違反を主張するものであって、明らかに上記各項に規定する事由に該当しない」「本件は、民訴法318条1項により受理すべきものとは認められない」と、「裁判官全員一致」で棄却・不受理を決定したというのだ。
宋神道さんは、「16歳で故郷・朝鮮からだまされて中国の武昌などに連れて行かれ、7年の間、日本兵に暴力を振るわれ、性を蹂躙(じゅうりん)され続け、戦後は、……故郷に帰ることもできず、日本でかろうじて命をつないできた」。その宋さんが「裁判を決心したのは、この国が過去の過ちに気づき、自分と同じような被害者を二度と作らないことを約束してほしいという思いからでした。……提訴から10年後のいま、日本政府は米英イラク侵攻支持という形で、自ら戦争への道を歩き始めています。今回の最高裁決定は、司法も共に戦争への道を突き進もうとすることの意思表示であるとさえ受け取れます」(28日、弁護団と在日の慰安婦裁判を支える会が発した「最高裁決定への抗議声明」より抜粋)
宋さんと、関釜裁判の原告である朴頭理(パクドゥリ)さん、李順徳(イスンドク)さん、故・河順女(ハスンニョ)さん、そして7人の女子勤労挺身隊原告――日帝の侵略戦争と植民地支配の犠牲となり、戦後も半世紀にわたって沈黙の中に生きてきた人びとの文字どおりの命をかけた告発を、日帝はまたも踏みにじろうというのだ。徹底弾劾する。
この攻撃こそ、イラク侵略戦争参戦に踏み切った日帝・小泉政権が再び、朝鮮半島とアジアに向かって侵略と侵略戦争に撃って出ようとする攻撃にほかならない。北朝鮮侵略戦争切迫下で進められる有事立法攻撃と一体の戦争国家化攻撃そのものである。
だからこそ、日帝に侵略戦争責任を鋭く迫る戦後補償裁判のことごとくを上告棄却し、一掃しようとしているのだ。
実際にこの間、恐るべき上告棄却が続いている。28日には宋さんのほかにも、三菱重工長崎造船所に強制連行され被爆した故・金順吉(キムスンギル)さん裁判、江原道(カンウォンド)遺族裁判を第2小法廷が棄却。さらに第1小法廷も静岡の東京麻糸裁判などを棄却したのである。
これらの裁判はすべて、朝鮮人民による日帝の侵略戦争と植民地支配、その中で強行された戦争犯罪を追及したものだ。日帝は、朝鮮人民に謝罪、賠償・補償を行う代わりに、再び朝鮮民族抹殺の侵略戦争に撃って出ようというのだ。
この日帝・小泉政権の攻撃と対決し、日本軍軍隊慰安婦とされた人びと、宋神道さんたちとともに生きることが問われている。今こそ日帝・小泉政権打倒、イラク・北朝鮮侵略戦争絶対阻止、有事立法粉砕に全力で立ち上がろう。
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週刊『前進』(2098号6面3)
20労組声明 イラク反戦 有事法反対
4月4日、陸・海・空・港湾労組20団体から声明が出されました。ここに紹介します。(編集局)
声 明
イラク攻撃を即時中止し、平和的解決を求める
今国会に提案された「有事関連法案」の廃案を求める
世界にわき起こる多くの反対の声にもかかわらず、3月20日に米英軍のバグダッド空爆で始まったイラク攻撃は多大な民間人の犠牲を出し、また、ペルシャ湾周辺地帯を危険な状況にしながら続行されています。さらに、戦闘行為が激化するなかで新たなテロが心配され、世界的にも厳戒体制が敷かれています。
この状況は、私たち運輸関係に働く者たちにとって深く憂慮すべき事態です。平和な世界は、私たち労働者が安全に安心して働くための絶対的条件です。
陸・海・空・港湾労組20団体は、イラク攻撃の即時中止と国連中心による平和的解決への努力を求めるものです。
一方日本政府は、昨年に引き続き今国会においても「有事関連法案」を提出しました。昨年提案された法案の内容を若干修正したものの、その本質に変化はありません。すなわち、アメリカの軍事行動に日本も参加し、国家公務員・自治体職員・民間労働者・国民を強制的に動員することを可能にするものです。しかも、トラック・バス・鉄道・海運・航空などの民間運送業者を「指定公共機関」とし、軍事行動への参加を義務化しようとしています。これは、私たちが「指定公共機関」としての労働者としても、また、自衛隊法の業務従事命令をうける労働者としても、戦争に参加させられることを意味します。
私たちは働く場所の安全を確保し、一人一人の利用者と働く者の「いのちと安全」を守る立場にあります。しかも、私たちの輸送した武器や兵員によって行われる戦闘行為で死傷者を生み出すといった、加害者の立場に立つことも認めることはできません。従って、陸・海・空・港湾労組20団体は、今国会に提案されている「有事関連法案」に反対せざるを得ません。
私たちは昨年に引き続き、目的を同じくする団体や個人と幅広い連携を取りながら、「有事関連法案」を廃案にするためにあらゆる活動を行っていきます。
以上
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週刊『前進』(2098号6面4)
4・6福岡 女たちデモに150人 “戦争の根っこ断とう”
イラク攻撃NO!平和を!!女たちのデモ実行委員会は、4月6日2回目のデモを150人の参加で成功させた。3月16日第1回目のデモを実現し、アメリカが爆撃を開始すると、「女たちのデモはどうするの?」という問い合わせが殺到した。実行委員のメンバーもいてもたってもいられず、4月6日を決定。ピンクの横断幕を持って、どこにでも駆けつけた。
今回は、準備期間がほとんどない。3月16日の参加者、知人への電話、メール、葉書作戦。インターネットでの呼びかけ。ビラまきはほとんど連日だ。
4月6日快晴。会場の警固公園いっぱいに、思い思いの横断幕やプラカード、メッセージボードが広がる。4人姉妹の反戦歌でのよびかけが始まる。3・16以降メールや、ファックスをやり取りしていた人たちと再会。初めてお互いの顔を確認。
午後1時、集会開始。
主催者が、バグダッドへ米軍が侵攻、10日にも佐世保からイージス艦が派兵されることを訴え、デモへの参加を呼びかける。
参加者が次々にマイクを握って、思いをアピール。初めて参加し「戦争の根っこを断とう」と訴える女性。教育基本法の改悪に反対する男性からのアピール。九州大学学生自治会は、自治会メンバーの不当逮捕に怒りを込めて「九大自治会が運動を牽引(けんいん)してきたことへの恐怖だ。戦争を絶対とめよう」と呼びかけた。部落解放同盟全国連合会の若い女性もアピール。
午後2時、元気にデモに出発。デモは、ラップ調のリズムにのせて「イラク戦争すぐとめよう! みなさん入ってください」と呼びかける。呼びかけにこたえて、高校生や若者グループが入ってくる。 午後3時半、米領事館到着。申し入れ行動は今度は少し慣れて、しっかりとやり遂げる。領事館前に座り込んで集会。参加者は、「絶対にあきらめない。戦争をとめるまでがんばろう」と思いを一つにする。
この戦争が泥沼化しても、たとえ制圧されたとしても、イラクの人びとは立ち上がる。すでに民族解放闘争的な様相は現れている。イスラム諸国人民と連帯し、世界の労働者人民とともに闘う決意を新たにした。
(投稿 沢野佳代)
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週刊『前進』(2098号6面5)
訂正
@前号1面論文最下段38行目にある「周辺事態法案」は、「武力攻撃事態法案」の誤りでした。
Aまた同8面の「6・12私文書弾圧裁判」の記事中「2年10カ月、完黙非転向の獄中闘争」とあるのは、「1年10カ月」の誤りでした。
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