ZENSHIN 2003/03/31(No2095
p06)
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週刊『前進』(2095号1面1)
イラク戦争に総反撃を 侵略と虐殺の米英日帝を許すな
3・29 代々木公園 労働者大集会へ
動労千葉ストライキと連帯し03春闘勝利・小泉政権打倒せよ
第1章 開戦と空爆
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陸・海・空・港湾労組20団体主催の「DON'T ATTACK IRAQ! & STOP!
有事法制3・21集会」に5000人を超える人びとが参加し、アメリカの武力行使強行と日本政府の支持表明に激しく抗議。戦争動員拒否を宣言した(3月21日 日比谷野音)
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ついに世界史は決定的な局面に突入した。3月20日未明(日本時間で同日午前11時40分)、米英・オーストラリア軍が、日帝とイタリア帝国主義の積極的支持のもとに、イラク攻撃を開始し、フセイン政権転覆とイラク人民大虐殺を直接に狙った帝国主義的侵略戦争に突入したのである。
米英主軸の30万人の侵略軍は、空母機動部隊からの巡航ミサイル、B52爆撃機やステルス戦闘機によるハイテク誘導弾、特殊貫通爆弾などを大量に投下し、首都バグダッドを攻撃した。イラク南部からもバスラや油田地帯への攻撃を開始した。
米帝ブッシュは、フセイン政権に「国外亡命(死刑)か、戦争による政権転覆か」の強盗的な最後通告(猶予期間48時間)を行い、それが拒否されるや、イラクに攻めかかった。
これは、いかなる正当性も大義もない、不正義極まる、許しがたい帝国主義的強盗戦争であり、人民虐殺戦争である。全世界の労働者階級と人民、ムスリムを始めとする被抑圧民族人民は、さらなる怒りの反撃に総決起しつつある。
日本においても直ちにアメリカ大使館や領事館、米軍基地、さらに国会への怒りの抗議闘争がたたきつけられている。3・21日比谷野音、3・22渋谷などの大衆集会とデモが爆発している。動労千葉を始めとする闘う労働組合が春闘ストライキに決起し、イラク反戦の旗をうち振っている。
イラク開戦という世界史的事態に今こそ階級的怒りを爆発させ、侵略戦争阻止に総決起せよ。次は3・29だ。大結集をかちとれ!
第2章 戦争の性格
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ただちに米大使館に抗議 |
反戦共同行動委員会は駆けつけた市民と合流。阻止線を張る警察官と激突した(3月20日 午後7時20分) |
米帝ブッシュは、この間、独仏ロとの帝国主義間争闘戦、分裂と抗争を歴史的に激化させつつ、凶暴にイラク開戦へと突き進んできた。他方で同時に、全世界で総計1500万人もの反戦デモの爆発に痛撃されながら、ひたすらイラク攻撃にのめり込んできた。いったい、この戦争はどういう戦争なのか。
第一は、米帝が反米政権として突出しているフセイン政権そのものの転覆・抹殺それ自体を目的として、先制攻撃論による侵略戦争を強行していることだ。同時にそのためにイラク人民をも大虐殺することで、9・11以降の、中東・全世界のムスリム人民の怒りと決起を根絶しようとしているのだ。
第二は、イラクの軍事占領と再植民地化とカイライ政権のデッチあげを狙っていることだ。ブッシュがぶち上げた「イラクの民主化」「中東全体の民主化」とは、全中東を軍事制圧し、政権転覆―カイライ国家群形成へと再編しようとする大攻撃である。
第三は、イラク・中東石油を、仏ロや中国を排除して、米帝が独占的に略奪・支配すること、さらにはOPECを弱体化し、米帝支配に組み敷くことである。
第四は、強大な軍事力を行使して、こうした侵略戦争を強行することにより、米帝を基軸として全世界の政治的・経済的・軍事的な再編を行うことだ。EUなどが対米的ブロックとして台頭することを阻止し、米帝的制圧下に置くために、明白にEUに分裂のクサビを打ち込み、弱体化しようとしているのだ。これは超大国、基軸帝国主義としての米帝が、危機を突破し延命するために、世界を暴力的に再編する策動である。
しかしそれは、EUや日帝(さらにはロシア、中国)との矛盾、対立、争闘戦を一気に激化させ、帝国主義的侵略戦争の時代を引き寄せる。そしてついには帝国主義が二大陣営へと分裂して、第3次世界大戦へと突き進む。今やそうした情勢が始まったのだ。
第五は、イラク侵略戦争はブッシュ・ドクトリンの発動であり、中国スターリン主義政権の転覆を大きな戦略目標としつつ、「悪の枢軸」論によって、次は北朝鮮やイランへの侵略戦争をやるものだということだ。イラク攻撃は完全に米日帝の北朝鮮侵略戦争に連動し、直結している。
第3章 日帝が参戦
さらに重大なことは、日帝・小泉政権が、米英帝のイラク侵略戦争を最も積極的に、無条件に支持していることだ。攻撃が開始された瞬間に、記者会見や国会答弁で、真っ先に「支持」を表明し、「攻撃は国連憲章に合致」「責任は国連決議を守らなかったフセインにある」などとうそぶき、「日米同盟」の重要性と北朝鮮の「脅威」への抑止力は米国だという論理を振りかざし、全面的な参戦に踏み込んだのである。
実際にも、イージス護衛艦の派兵(さらにP3CやAWACSの派兵!)による米軍との共同作戦、米英艦などへの燃料の無料補給、アラビア海での対テロ検問、そして「戦後復興」と称するイラク軍事占領への膨大な資金提供や自衛隊の派兵策動など、完全な参戦国となっているのだ。
まさにこれは、切迫する北朝鮮侵略戦争で、米帝と共同=競合しつつ参戦し戦うという攻撃と一体なのだ。そのためにこそ、有事3法案の成立に小泉は全力をあげているのである。開戦前夜の3月19日、与党3党が有事立法の「4月衆院通過」を確認したことは、きわめて重大情勢である。
今や日帝自身が、イラク全面参戦、北朝鮮侵略戦争と有事立法攻撃という形で、帝国主義的侵略戦争と武力行使へ突進し始めた。このことに、怒りを爆発させよう。それを阻止する闘いに総決起していこう。
第4章 総反撃を!
イラク侵略戦争の開戦は、帝国主義の分裂・抗争の一層の深刻化と世界戦争への道だ。帝国主義の危機をいよいよ爆発させ、世界大恐慌をも本格化させる。他方では、ムスリム人民を始め、全世界の労働者階級人民、被抑圧民族人民の総反乱を促進する。
イラク侵略戦争を止め、世界戦争を止めるのは、反戦闘争と国際的内乱が帝国主義の体制を揺るがし、打倒することによってである。万国の労働者と被抑圧民族が団結して総決起し、反帝・反スターリン主義世界革命を実現することによってである。
闘うムスリム人民、全世界の労働者階級人民と連帯し、イラク反戦闘争をさらにさらに爆発させよ! アメリカ大使館や国会に連続的に怒りをたたきつけよう。横須賀、沖縄を始め、全国で米軍と自衛隊に怒りの総行動を起こそう。
当面の最大の闘いは、3・29代々木公園での春闘大集会だ。動労千葉のスト突入と全力で連帯し、春闘勝利、生活防衛、イラク反戦、反弾圧の旗のもと、巨大な結集を実現しよう。ここをイラク反戦の人民総決起の場として闘おう。
杉並を先頭とする4月統一地方選決戦を、イラク反戦の決定的な舞台として闘い、勝利を切り開こう!
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週刊『前進』(2095号1面2)
ANSWER来る!
アメリカの反戦団体「ANSWER」から14日、三里塚反対同盟に対して3・30三里塚全国集会へ代表を派遣するとの連絡があった。来日するのは約30年の活動歴を持つ女性活動家。
ANSWERは、この間のアメリカでの数百万人にのぼるイラク反戦デモを主導している団体。
反対同盟は1966年の空港反対闘争開始以来「軍事空港建設阻止」を主要なスローガンとして掲げてきた。そして現在、イラク侵略戦争が開始され、朝鮮侵略戦争が切迫する中、反対同盟は国際的反戦闘争との連帯を闘争方針の一環としてあらためて確認し、世界の反戦団体に交流を呼びかけ、三里塚現地闘争への参加要請を行ってきた。
来日するANSWERの活動家は、この間のアメリカにおけるイラク反戦闘争への取り組みについての報告とアピールを行う予定である。
3・30全国集会の成功をかちとろう!
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週刊『前進』(2095号1面3)
動労千葉が3・27〜30スト
動労千葉は、3月27〜30日に72時間ストライキを配置している。28〜29日のJR東日本の全乗務員によるストを中心に、「生活防衛! 反弾圧・国鉄闘争勝利! イラク反戦・国際連帯! 小泉内閣打倒!」を掲げ、組織の総力を挙げて闘いぬく構えだ。
動労千葉は、17日以降いつでもストライキに突入できる準備体制を確立し、JR東日本、JR貨物との団体交渉を続けてきた。東日本は2年連続ベアゼロ、貨物は4年連続ベアゼロの上に定昇の見直しを狙っている。両社とも20日まで新賃金回答を示しておらず、回答は24日以降になり、スト突入は必至の情勢だ。
これは同時に、ついに強行されたイラク侵略戦争の開戦に対する労働者の総反撃を宣言するストになる。
動労千葉は28日午後1時から千葉県労働者福祉センターで「スト貫徹! 動労千葉総決起集会」を開催し、29日の「03春闘勝利!全国労働者集会」に総結集する。動労千葉ストに連帯し、全国から東京・代々木公園に集まろう。
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週刊『前進』(2095号2面1)
イラク攻撃への怒りを3・29大結集へ 動労千葉ストと連帯し立とう
賃下げ・リストラと対決し闘う春闘の再生かちとれ
革共同中央労働者組織委員会
米帝ブッシュは3月20日、ついにイラク侵略戦争を開始した。この戦争は、第1次、第2次世界大戦を超える人類史上最悪の大虐殺戦争であり、全世界人民に想像を絶する反動・圧政、飢餓・貧困、搾取・収奪、差別・抑圧の災禍をもたらす。米英日伊と独仏の帝国主義の2大陣営の対立・分裂がむき出しになり、第3次世界大戦の始まりとなろうとしている。これに対して、全世界を揺るがす大デモンストレーションとストライキが巻き起こっている。これらは紛れもなく全世界の労働者人民、被抑圧民族人民の自己解放闘争の連鎖であり、団結だ。この大波は、必ずやプロレタリア世界革命に発展する。今こそレーニンの「革命的情勢に対応した革命党の三つの義務」の全面的貫徹が求められている。この中で闘われる動労千葉の3・27〜30の72時間ストライキは、大幅賃上げとともにイラク反戦を掲げた歴史的な闘いとなろうとしている。その動労千葉が主催し、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同が協賛する「03春闘勝利! 3・29労働者集会」への大結集をかちとることこそ、現下の日本労働運動の最大の課題である。
侵略と賃金奴隷制の強化に全世界で反撃
国際帝国主義によるイラク侵略戦争の階級的性格は何か。
「第一に、これは植民地の奴隷制を強化するための戦争である。第二に、『大』国自身内の他の民族にたいする抑圧を強化するための戦争である。第三は、賃金奴隷制を強化し延引させるための戦争である。なぜなら、プロレタリアートは分裂させられ、おさえつけられているのに、資本家は、戦争で金をもうけ、民族的偏見をあおりたて、反動を強化することによって得をしているからである」(レーニン『社会主義と戦争』)
イラク侵略戦争は、国際帝国主義による強盗的侵略戦争、むき出しの石油略奪戦争であり、中東支配―世界支配の暴力的再編をかけた戦争である。そのためにイラク・中東人民を皆殺しにしようとしている。
さらに国際帝国主義は、29年型大恐慌の重圧にさらされ、激烈な争闘戦を繰り広げながら、民族排外主義をあおり、自国の労働者の「賃金奴隷」の支配を強化し、労働運動・労働組合を破壊し、その団結を解体しようとしているのだ。
そうした中で、国際階級闘争の高揚に呼応し、日本帝国主義足下において、巨大な労働者人民の歴史的決起が開始されている。3・8日比谷公園の4万人、3・15渋谷・宮下公園の3千人、3・21日比谷野音の陸・海・空・港湾労組20団体呼びかけの集会などは何を意味するか。
第一に、労働者階級の本格的な主体的決起がついに始まったということだ。
全世界の闘いの中軸には、闘うイスラム諸国人民とともに、帝国主義のもとで不屈に闘う労働者・労働組合が存在する。日本においても、既成の労働組合指導部の裏切りと抑圧にもかかわらず、労働者は怒りに燃えて総決起している。大多数が不安定雇用に置かれている青年労働者が、みずみずしいエネルギーを発揚して立ち上がっている。
さまざまな水路をとおした反戦決起の意義は、連合など既成ナショナルセンターの枠を破り、その抑制を突き抜けて闘われていることにある。
したがって第二に、労働者は、新たな労働運動の指導部の登場と階級的・戦闘的な労働組合運動の統一戦線を切実に希求しているということである。
20労組陣形や3組合共闘による新潮流運動、1047名支援共闘には、そうした労働者階級の壮大な闘いをけん引する新たな労働運動指導部の萌芽(ほうが)がある。とりわけ国鉄1047名闘争、16年にわたる不屈の解雇撤回闘争は労働者階級の総反撃の拠点である。それは必ずや新しい生命力をもって躍動的に発展する。労働組合運動とその統一戦線が、国際連帯の旗を掲げて飛躍する新しい時代が始まったのだ。3・29集会で、その歴史的挑戦を開始しなければならない。
第三に、日帝・小泉のイラク参戦と有事立法攻撃に対する断固とした階級的決起であるということだ。
帝国主義足下の労働者階級の決起は、自国政府の参戦を絶対に許さない闘いでもある。自国帝国主義打倒を明確にはらんだ階級的責務を貫いているからこそ、国際連帯をつくり出しているのだ。だからこそ自国帝国主義の「賃金奴隷制の強化」への反乱となり、数千万人の決起を可能にしているのである。
日本においても、労働者階級の決起を中軸にして、イラク反戦闘争と有事立法粉砕闘争を結合し、排外主義と闘い、北朝鮮侵略戦争を阻止し、小泉政権打倒へと上りつめることが求められている。それは党派的な分岐と流動化を伴いながら、真に巨大な闘いに発展していくのである。この闘いを資本攻勢との闘いと結合しなければならない。
まさに、新しい型の「社会主義と戦争」の内容を創成する闘いである。
その具体的な実践として、動労千葉ストライキと連帯し、3・29労働者集会に総結集をかちとろう。そして、この力をもって、統一地方選に勝利しよう。
連合の裏切り粉砕し資本攻勢に反撃せよ
03春闘は、労働運動の存亡と労働者の生存をかけた歴史的な階級決戦である。
日帝は、賃下げ・リストラ・権利はく奪の攻撃を強め、搾取・収奪を極限的に激化させている。また国労5・27臨大闘争弾圧のように、治安弾圧によって組合的団結を解体し、産業報国会的な御用組合へと丸ごとの変質を狙っている。
イラク侵略戦争は、世界恐慌と帝国主義の分裂・ブロック化を激化させ、世界経済を破局に陥れる。特に日帝経済は最弱の環である。日帝・小泉がなりふり構わず米帝支持に突き進んだのも、日帝の危機の深刻さゆえである。
3月11日、東京株式市場の日経平均株価は7800円台に急落し、バブル後最安値を更新した。この20年ぶりの株安は、大手銀行が自力増資で調達した過去最大規模の資本(総額2兆円)のほとんどを吹き飛ばし、不良債権の処理は泥沼に入り、金融システムに壊滅的打撃を与えている。
さらに、デフレ拡大と景気減速の歯止めが完全に失われ、倒産と失業率は果てしなく上昇する。1月の企業倒産は負債総額1兆2200億円で戦後最悪。1月の完全失業率は5・5%の過去最悪となった。
大幅賃下げの定昇解体攻撃
この中で、03春闘の攻防は資本の画次元的な攻撃と連合の果てしない裏切り・転向として進行している。
トヨタ労組のベア要求放棄を始め、ベアゼロが当然のように進行する中で、ついに定昇制解体への全面攻撃が開始されている。
定昇制解体とは、第一に、年齢給・経験給・生活給的な要素、年功的要素を廃止・圧縮する実質的な大幅賃下げである。第二に、それは終身雇用制解体の全面的な進行を一挙に促し、膨大な不安定雇用化を推し進めるものである。第三に、その結果、成績・成果主義賃金制度が全面的に導入され、賃金闘争をとおした労働者の団結を全面的に解体していく攻撃である。
このベアゼロ・定昇解体は、大多数の労働者にとっては、より大幅な賃下げと、不安定雇用化となる。
3月12日、金属大手の一斉回答が行われた。電機などでは03年度に限り定昇は認めるとしているが、これは徹頭徹尾ペテンである。日立はすでに04年度からの定昇削減で合意し、富士通、NECなどでも定昇圧縮などの賃下げ交渉を継続している。春闘時期を少しずらすことで労働者の怒りをかわし、実際には一刻も早く強行しようとしているのだ。連合の裏切りを断じて許すことはできない。
資本攻勢は歴史的分水嶺(ぶんすいれい)を越え、連合の裏切りに対する労働者の怒りは、ついに臨界点を超えているのである。
団結解体狙う労働法制改悪
今ひとつ、労働法制改悪の重大攻撃が進行している。労働基準法改悪による解雇ルール法制化、裁量労働制の一挙的拡大、有期雇用の拡大による若年定年制の導入、さらに労働者派遣法改悪(製造業への派遣の解禁)、職安法改悪、雇用保険法改悪などの労働法制一大改悪法案が今国会に提出されている。
これらには、労基法の「使用者は……してはならない」から「使用者は……解雇できる」という改悪に見られるように、資本を規制して労働者の権利を“保護する”という戦後労働法制の考え方からの完全な逆転がある。労働者・労働組合は、法律的に権力によって支配され、取り締まられる存在となる。労組の団結は解体され、それは治安弾圧の対象とされるのだ。
この戦後労働者支配の180度の転換は、税制の抜本的改悪、社会保障制度改悪にも貫かれている。
このように見るならば、国労5・27臨大闘争弾圧こそ、日帝の新たな労働者支配の歴史的突破口をなしたと言えるのである。
産報化を迫る奥田ビジョン
03春闘をめぐる日帝権力とブルジョアジーのこうした戦略的攻撃は、日本経団連の経営労働政策委員会報告として打ち出された。また1月末に全文が発表された『活力と魅力溢れる日本をめざして』(奥田ビジョン)は、支配階級の危機感と、超反動的な延命の方向をあけすけに述べている。
奥田ビジョンは、80年代以降を「失われた20年」と規定し、「日本は崩壊の過程にある」という強烈な認識を打ち出している。
そして「民主導」で2%成長を実現するとしている。そのための「改革」として、特に税制・社会保障制度改革を打ち出した。それは、消費税率16%への引き上げという大衆収奪型(間接税)の増税であり、年金・医療などの給付の徹底した削減である。資本を助け、労働者から極限的に収奪し、その生活を破壊する暴力的攻撃である。
さらに「個人の多様な価値観」というイデオロギーをもって、戦後の労資関係を完全に破壊し、新たな労働者支配への転換を図ろうとしている。労働者に対して、一方で公=国家や資本への「奉仕」=奴隷的屈従を迫り、他方で「個人の多様性」の名のもとに労働者を個々人に分断し、不安定雇用や賃下げを認めよとも言うのである。
奥田ビジョンのイデオロギー的柱はすさまじい国益主義にある。そこから、今日の自民党―3与党体制の危機への激しい危機感をあらわにし、改革実現のための「新たな政治献金システムの構築」を唱えている。
そして、重大なことは「労働組合には既得権益を擁護する活動の是正を求める」と労働組合の存在と団結を完全に否定し、労働組合に産業報国会への変質を迫っていることである。
これらの帰結が、中国・韓国・ASEANなど13カ国を対象とした「東アジア自由経済圏の形成」=新たな「大東亜共栄圏」構想だ。これを「グローバル競争」=帝国主義間争闘戦に勝ち抜く唯一の道として打ち出している。
奥田ビジョンは、このように、日帝・小泉のイラク侵略戦争参戦、北朝鮮侵略戦争、有事立法攻撃と、春闘絶滅・大資本攻勢の基本戦略そのものなのである。
動労千葉と共に闘う新潮流運動の発展へ
こうした03春闘の階級決戦の最先端には動労千葉の3・27〜30ストライキがあり、3・29労働者集会がある。これこそイラク開戦と激突する労働者の反戦闘争であり、大資本攻勢に労働者の団結で最も鋭く対決する闘いだ。その基軸をなす国鉄決戦そのものである。
さらに3・29集会の最重要課題は、「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」運動の大衆的爆発と発展をかちとることにある。これは、有事体制下の労働運動の生死のかかった課題であり、階級的労働運動再生の最も豊かな水路である。朝鮮戦争前夜の1949年松川事件に対する松対協運動を教訓化して、全国各地に「許さない会」運動をつくりあげよう。
動労千葉ストと3・29集会は、まさに日帝・小泉や日本経団連・奥田の戦争攻撃と大資本攻勢―階級分断攻撃、この先兵と化した連合、日共=全労連の指導部、カクマルJR総連を切り裂いて、全労働者の階級的団結と、全国・全世界に階級的連帯を呼びかける決起である。
「(ストライキは)プロレタリアートとブルジョアジーとのあいだの決戦が近づいていることの、もっとも確実な証拠である。ストライキは、労働者の兵学校であり、ここで労働者は、もはや避けることのできない大闘争を準備するのだ。ストライキは、個々の労働部門が大労働運動に結びついたことをつげるその宣言である」(エンゲルス『イギリスにおける労働者階級の状態』)
労働者にとってかけがえのない動労千葉のスト決起を防衛し、連帯スト、連帯集会、ビラまき、学習会など、さまざまな連帯行動に決起しよう。
動労千葉のストは、第一に、JR資本の賃下げ・定昇解体攻撃に対して大幅賃上げを掲げて闘われる。第二に、全面外注化・基地統廃合の大合理化攻撃、安全と運転保安の解体攻撃との対決である。韓国・大邱(テグ)の地下鉄大惨事のように、安全問題に今日の資本攻勢の最も鋭い矛盾が現れている。第三に、1047名闘争の勝利を掲げて決起する。第四に、イラク反戦・有事立法阻止に向けての闘いであり、第五に、何よりもJR資本とJR総連カクマル・松崎一派との結託体制の危機と崩壊を突き、JR総連解体―組織拡大をかちとる闘いだ。
動労千葉ストと連帯し、全産別で「許さない会」運動の発展をかちとろう。
国労をめぐっては、次期8月定期大会に向け、国労の最後的な死滅か再生かをかけた分岐―「分裂」の死闘に勝ち抜こう。政治解決=和解路線を根底からのりこえ、資本との闘いの原則に立ち返り、1047名闘争の発展を押し開くことこそ、唯一の勝利の道だ。
今日、小泉―奥田路線の資本攻勢が最も激しく典型的にかけられているのが、4・1郵政公社化―民営化による全逓労働者への大攻撃である。3・29大結集で反撃の態勢を築こう。
教育労働者は、教育基本法改悪阻止、「日の丸・君が代」をめぐる攻防に勝ち抜いて、3・29集会に総結集しよう。
自治体労働者は、イラク反戦・有事立法阻止の先頭に立ち、公務員労働運動の解体を許さず決起しよう。
NTTを始め春闘攻防の最先端にある電機・金属・鉄鋼・化学・私鉄などにおいて、03春闘の一大反撃をかちとろう。全金本山闘争の正念場に勝利しよう。
中小民間、未組織・合同労組の闘いは、不安定雇用化の全面的推進の大攻撃のもとで、階級的労働運動を再生する巨大な柱である。この闘いに渾身(こんしん)の決起をかちとろう。
マル青労同再建の闘いを、日本労働運動の命運をかけて推進しよう。
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週刊『前進』(2095号2面2)
国労弾圧公判 “暴行の事実なし” 国労解体攻撃を断罪 弁護団が意見陳述
3月17日、国労5・27臨大闘争弾圧の第4回公判が東京地裁刑事第10部(青柳勤裁判長)で開かれた。
冒頭、弁護団が被告に対する重戒護の改善を求めた。佐藤昭夫弁護団長が、「私たちの提案した改善策でもし問題が起きたら、私は弁護士登録を取り消す」とまで述べて、重戒護を続ける裁判所を指弾した。近畿地本組合員の被告も、これに続いて発言した。追いつめられた裁判長は、「今日の様子を見て考える」と言わざるを得なかった。
裁判所は3月5日、8人の被告のうち7人の保釈請求を却下した。弁護団はこれを厳しく弾劾し、被告の保釈をあらためて要求した。JRによる配属差別の中でうつ病になった近畿地本組合員の被告が、「私のうつ病は悪化している。家族のもとに一刻も早く返して下さい」と訴えた。裁判所は、彼の保釈請求を即座には却下できないものの、いまだに保釈を認めていない。許しがたい人権侵害だ。闘争団員の被告も「私たちには生活がある。5カ月も拘束されれば貯金もなくなる。裁判所は被告と家族の生きる権利を奪っている」と語気を強めた。
弁護団の意見陳述は、国労解体の国家的不当労働行為を断罪する場へと法廷を一変させた。大口昭彦弁護士が、4党合意以来の国労解体攻撃と国労本部の変質・転落、それに抗する闘争団・国労組合員の闘いの経緯を全面的に説き明かした。浅野史生弁護士が3与党声明を全面的に受容した5・27臨大の不当性を詳細に暴露した。西村正治弁護士が、99年の「国鉄改革法承認」の臨時大会以来、国労本部が大会への機動隊導入を繰り返し、4党合意の受諾を決定した01年1月の大会でそれは決定的にエスカレートしたと、その非民主的・暴力的な機関運営を弾劾した。
一瀬敬一郎弁護士が、5・27当日の被告たちの行動は、闘争団への統制処分に反対し、「奴隷の道を拒否せよ」と国労の再生を訴えた正当なビラまき・説得活動であったこと、そこには「暴力行為」と言えるものなど一切なかったことを明らかにした。萱野一樹弁護士が、この弾圧は4党合意の破産に直面した権力と国労本部による政治弾圧であると断罪し、被告に対する違法な取り調べの実態も暴露した。
法廷を圧する陳述に、不当起訴を強行した検事は苦りきった表情を浮かべた。
公判に先立ち、100人で東京地裁包囲デモが闘われた。被告の家族は、約6千筆の保釈要求署名を裁判所に提出した。提出された署名数は、総計1万8千筆を超えた。
130人が傍聴を求めてつめかけ、大法廷は埋め尽くされた。国労東京地本の反動派7人が現れたが、法廷にも入らず退散した。
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週刊『前進』(2095号2面3)
許さない会拡大へ 公判報告集会で決意固め
同日夕、「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」はシニアワーク東京で第4回公判報告集会を開いた。115人が集まった。
集会には動労千葉の滝口誠共闘部長が駆けつけ、「動労千葉は72時間ストを打ち抜く。その波及力は昨年の比ではない。傷だらけになってもここで勝つ」と宣言した。また、「イラク攻撃は明日か明後日かというところにいる。日本の労働者として3月を全力で闘おう」と訴え、反弾圧闘争について「国労の仲間へのわれわれの決意は03春闘を打ち抜くことで示す。1047名闘争のもう一つの突破口を開く」と断言した。
千葉工業大学の伊藤晃教授が「戦争へ向かう時代の労働運動」と題して講演し、30年代の日本の労働運動が戦争を支えるものへと転落したのは、国家主義と「民族の生存権」というイデオロギーに屈した結果だと語り、今日、戦争に向かう情勢の中で「私たちの運動はけっして無力ではない」と参加者を激励した。
佐藤弁護団長がこの日の公判内容を報告した。
国労組合員が、労働者こそ反戦闘争の先頭に立つと強調し、動労千葉のストにこたえ3・29全国労働者集会に結集しようと訴えた。また、国労本部打倒のためにも、許さない会を国労の中に拡大する決意を述べた。東京の闘う労働者は、各地区で許さない会立ち上げの準備が始まっていると報告した。許さない会事務局の山川博康さんが、傍聴体制の堅持と許さない会の拡大、保釈要求署名の取り組みを訴えた。
次回4月21日の公判は、弁護団による意見陳述と公訴棄却の申し立て、検事の冒頭陳述と証拠請求が行われる。攻防はいよいよ本格的な段階を迎える。許さない会を全国に広げ、被告の早期保釈と無罪獲得へ闘いをさらに強めよう。
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週刊『前進』(2095号2面4)
資本攻勢&労働日誌 2003 3月1日〜13日
労働法制改悪案を国会に提出
非正規雇用3割超/イラク・北朝鮮問題で連合声明
●非正規労働者は1510万人で3割を突破 総務省が発表した昨年10―12月平均の労働力調査の詳細集計によると、正社員以外の雇用労働者数は1510万人となり、過去最高を更新した。雇用労働者に占める割合は30.5%で、初めて3割の大台を突破した。(1日)
●大手銀行、年金・退職金を最大2〜5割削減 大手銀行が相次いで年金や退職金の支給額を削減する。東京三菱、りそななどは、今春に退職する行員の退職年金支給額を最大2〜5割も引き下げる。(4日)
●丸井、労働者の95%を子会社に 百貨店の丸井は、労働者の95%にあたる約6500人の正社員を販売や物流などの子会社数社に転籍させる方針を決めた。労組も協議に応じる。(5日)
●連合がイラク問題で声明 連合は「イラク問題に対する声明」を発表した。「国連決議違反を続けるイラク政府に抗議」した上で、「国連決議なき武力行使」に反対するという内容。(6日)
●労基法、職安法、派遣法改悪案を国会提出 政府は労働基準法、職業安定法、労働者派遣法の改悪案を国会に提出した。(7日)
●連合が北朝鮮問題で声明 連合は北朝鮮の核開発問題や拉致問題について声明(「北朝鮮問題に対する声明」)を発表し、日本政府に「拉致問題、核開発問題等の解決無しには日朝国交正常化および経済協力はあり得ない」との態度で対応するよう求めた。(10日)
●53歳以上の全社員をリストラ 九州のゼネコン松尾建設は、3月末で53歳以上のすべての労働者を退職させ、契約社員として再雇用するリストラ策を打ち出した。(10日)
●春闘回答軒並みベアゼロ 電機、自動車、鉄鋼、造船重機など主要業界の経営側が一斉回答。日産自動車を除くほぼ全企業でベアゼロとなった。(12日)
●ミツミ電機、500人削減を発表 ミツミ電機は、国内人員2割弱の500人を削減すると同時に、山形県の工場を閉鎖して、ほぼすべての製品の生産を海外に移管すると発表した。(12日)
●スーパー、パートが初の6割台に 日本チェーンストア協会に加盟するスーパーで、全従業員に占めるパート労働者の割合が02年に初めて6割台に達したことが分かった。(13日)
●電力8社で一時金ダウン 東京電力など電力9社の一時金交渉が妥結し、中部電力を除く8社はいずれも前年実績を下回った。ベアは組合側が要求を見送ったため、9社とも4年連続のゼロとなった。(13日)
●JR東海とJR西日本がベアゼロ回答 JR東海とJR西日本の春闘は、経営がベアゼロ、定期昇給相当分の引き上げを回答。JR東海ユニオンとJR西労組はこれを受け入れた。(13日)
全産業に広がる定昇解体攻撃
▽松下電器 定昇制度の見直し検討を副社長が表明(3月1日)
▽沖電気 職種別賃金を導入(1日)
▽三菱電機 昨年の緊急対策の1年継続を提案。定昇凍結の可能性も(2日)
▽東急百貨店 全労働者に年俸制を導入し、5%賃下げ(2日)
▽三菱重工、石川島播磨 定昇制度見直し方針を明らかに(3日)
▽シャープ 職種別賃金制導入(5日)
▽日通 定昇制度撤廃を検討(7日)
▽三洋電機 定昇年齢引き下げ(7日)
▽NEC 春闘後に定昇見直し(8日)
▽川崎重工 定昇圧縮(8日)
▽日立 10月に定昇廃止へ(10日)
▽クラレ 定昇廃止で労資合意(13日)
▽富士通 4月から定昇相当分の賃金削減方針を明らかに(14日)
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週刊『前進』(2095号3面1)
国際階級闘争の激動を世界革命へ 3・16革共同政治集会
3大決戦勝利を誓う カクマル反革命の死を宣言 開戦切迫化で戦闘的に結集
3月16日、東京・中央区の中央会館で革共同政治集会が開かれ、780人が結集した。反革命カクマルによる本多延嘉書記長虐殺の3・14反革命から28年、分裂し危機を深めるカクマルを完全打倒し、革命的情勢に対応する党の強化をかちとることを誓いあった。イラク侵略戦争切迫情勢の中でのイラク・北朝鮮反戦闘争、有事立法粉砕闘争と、国労弾圧粉砕・春闘勝利へ動労千葉が呼びかける3・29代々木公園集会の成功、4月統一地方選挙闘争の勝利の3大決戦に勝利することが集会参加者の共同の決意となった。
木崎同志が基調報告
基調報告は、「国際階級闘争の革命的胎動と2003年勝利の展望」と題して木崎冴子同志が行った。
木崎同志は3全総と第3次分裂以来40年の闘いを踏まえ、革命的情勢の接近の中で今こそ日本革命、世界革命に向かって前進する時が来たと力強く確認した。
まず3・14反革命28年にあたり、@カクマルが中央派とJR総連とに分裂して2年、今やJR総連は内部で分裂し、中央派は党派の体をなさないまでに危機を深めていることを明らかにし、カクマル完全打倒まで闘いぬくことを宣言した。
次に木崎同志は、イラク侵略戦争―世界戦争の背後にある階級情勢、米帝の没落と国際階級闘争の革命的胎動を説き明かした。特に9・11反米ゲリラによる国際階級闘争の激動化、ムスリム人民の決起が国際プロレタリアートの覚醒(かくせい)を促し、世界戦争か世界革命かの国際的内乱が始まったことを強調した。
「イラク開戦は帝国主義打倒の引き金を引くことになる」と宣言し、全世界の闘いが「帝国主義の戦争反対」「民族抑圧・人種差別反対」「資本攻勢と闘う」を共通のスローガンにしていると述べた。また、韓国・民主労総の闘いが世界の先頭に立っていることの意義を説き、今こそ日本の労働運動こそが、反スターリン主義・革命的共産主義運動を先頭に世界の戦闘的労働運動と合流する時であると訴えた。
その上に立って、当面する3大決戦、@イラク・北朝鮮反戦、有事立法粉砕、A一大資本攻勢との闘い、B4月統一地方選勝利を三つにして一つの大決戦として闘うことを訴えた。
まず、切迫するイラク攻撃が人類史上未曽有(みぞう)の虐殺戦争であり、石油強奪のための戦争であること、沈黙することは誰ひとり許されないことを声を大に訴えた。また、真っ先に支持している日帝・小泉を弾劾した。北朝鮮侵略戦争がこれに連動している、として北朝鮮・中国侵略戦争法案である有事立法の粉砕を訴えた。有事立法は先制攻撃法案であり、成立と同時に発動になることに警鐘を鳴らした。南北・在日朝鮮人民の闘いとの連帯、沖縄闘争の決定的爆発を闘いとることを訴えた。
続いて木崎同志は、日帝の一大資本攻勢と対決し、動労千葉ストと連帯し、3・29集会、03春闘爆発と国鉄闘争の勝利を訴えた。特に国労5・27臨大闘争弾圧は、ここに革命のヒドラを見た日帝権力による弾圧であると述べた。「許さない会」の闘いをかつての松川事件に対する「松対協」のような運動に発展させていくことを訴えた。
さらに木崎同志は、4月統一地方選必勝の闘いを提起した。3全総以来、革命的議会主義の闘いを実践してきていること、杉並で3人の勝利をかちとることは首都東京に労働者党が登場することを意味することを強調した。相模原市議選で西村候補の3選をかちとることを併せて訴えた。
次に、木崎同志は、無期懲役の攻撃で28年間獄中に閉じ込められている星野文昭同志の闘いを共有し、奪還するために大運動を巻き起こすことを力を込めて訴えた。
最後に木崎同志は、青年労働者と学生の歴史を画する決起をかちとり、強大な革命党を建設することを訴え、マルクス主義青年労働者同盟の再建を革共同の命運をかけた大闘争としてかちとることを呼びかけた。「革共同の底力を発揮する時代を切り開こう」というアピールに全参加者が心を一つにして、圧倒的な拍手で基調報告を受けとめた。
4月地方選の勝利へ
集会では、統一地方選挙決戦の決意が表明された。
杉並の都政を革新する会後援会の実方精一代表は、かつてなく多くの住民がポスターを店に張ったり、3人への投票を依頼して歩いたりしていると述べ、残り6週間、3候補当選へ全力で決起することを訴えた。
けしば誠一候補(前区議)は、イラク反戦闘争の中で民衆の力の深さと広がりを感じると述べ、この時に杉並で階級政党が立つことの意義を強調した。北島邦彦候補(新人)は、今世界が動いていることを地域で本当に実感すると語り、区議選初挑戦に絶対勝利する決意を表明した。新城せつこ区議は、イラク反戦への熱い期待が唯一の闘う議員にどんどん寄せられていることを報告、都政を革新する会が3人当選をかちとらなければならないと訴えた。
相模原の西村あやこ候補は、世界各地の闘いが資本攻勢と戦争に対する闘いを一体のものとしていることを指摘し、今闘わずしていつ闘うのかの気概で立ち上がっていると報告、基地の街相模原で唯一の革新無所属として闘う決意を表明した。地元の支持者が立ち、たった一人で闘ってきた西村さんの実績が花開く時であると語り、勝利へともに闘うことを訴えた。
全参加者が4月地方選勝利へさらに全力で飛び込む決意をともにした。
三里塚・北富士と連帯
革共同集会はまず来賓のあいさつから始まった。三里塚芝山連合空港反対同盟からは北原鉱治事務局長、鈴木幸司本部役員ほか4人が登壇した。北原さんは、反戦の砦(とりで)=三里塚闘争を強化し、廃港に追い込むために3・30三里塚闘争への結集を呼びかけた。鈴木さんは、全世界の闘いを見て38年間闘ってきてよかったと実感を語り、「廃港を第1段階として世界を変えよう」と訴えた。
北富士忍草母の会の天野美恵事務局長は、イラク侵略戦争を激しく弾劾し、杉並と相模原で必ず当選させてもらいたいと力説した。
部落解放同盟全国連合会の代表は、12回大会の成功を報告し、狭山10万人決起をともに闘うよう呼びかけた。
沖縄民権の会の座覇光子さんは、沖縄の女性が差別の中でどのようで生きてきたかを語り、戦争を止めるために人間性を追求することを訴えた。
2月15日から緊迫するイラクを訪問してきた小野正春同志が特別報告に立ち、事実上の核戦争であるイラク侵略戦争の阻止に命をかけて闘う決意を表明した。
基調報告と休憩の後、獄中同志の出獄あいさつがひときわ大きな拍手で迎えられた。(発言要旨別掲)
91年5月のJR総連カクマル湯原せん滅戦闘で警官の銃撃を受け重傷を負いながら獄中11年を闘いぬいて昨年9月に出獄した片山武夫同志。86年迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧で16年の未決勾留をうち破って昨年末に奪還された3同志。この4同志あいさつに続いて星野同志のメッセージが革共同救対部から読み上げられた。水島秀樹同志からのメッセージが来ていることが紹介された。
最後は決意表明だ。革共同国鉄委員会の同志は、国労5・27臨大闘争弾圧との闘い、8月国労大会への闘い、3・21の20労組の集会から3・29代々木公園集会への決起を訴えた。
青年労働者の同志は、労働者の反戦闘争を組合が中軸にかちとるように頑張ると決意を表明し、マル青労同再建を誓った。
差別・抑圧と闘う戦線から入管戦線の同志が、韓国の民主労総がイラク侵略戦争に反対して、イラクと朝鮮半島を結びつけて闘っていることを明らかにし、国際連帯の闘いを強める決意を語った。
全学連は、1月ワシントンDCへ全学連派遣団団長として渡米しアメリカ人民とともに闘ってきた松尾純一副委員長が発言した。前日の渋谷のイラク反戦行動の大高揚を報告し、多くの人が行動を求めている、労働者階級の闘いと結合して戦争を止めていくと決意表明した。
闘いのスローガンを全員でシュプレヒコールし、インターナショナルを斉唱して幕を閉じた。4時間近くに及ぶ、充実した内容の集会で、元気百倍、イラク反戦闘争を突破口に革共同の大飛躍をかちとることを全体の決意とした。
この情勢に再会でき感無量 4同志出獄あいさつ
●片山武夫同志
5・1戦闘の普遍的勝利性と戦闘精神をすべての同志と共有したい。当時(91年)4月統一地方選挙の真っただ中、けしば同志の虐殺を目的に凶行したカクマルの白色テロルに、革共同は報復を宣言した。JR東労組水戸地本組織部長湯原せん滅戦闘現場に武装警察官が突入し、銃撃し、銃弾の1発が私の右首から顔面を貫通し、もう1発が左胸を貫通した。階級闘争そのものが帝国主義国家権力との命のやりとりを含む階級的死闘戦である。われわれは3・14反革命自体にはまだ決着を付けていない。5・1戦争精神ですべての闘いを強力に推し進めよう。
●須賀武敏同志
私も残された生涯、この日本の地で革命の任務を立派に成し遂げていきたい。革共同が労働者階級本体の苦闘に学び、彼らとの本格的な合流が開始された決定的情勢に再会でき、本当に感無量。いまだ途上性にあるわが革共同が本当に革命を成し遂げうる革命党に大きく決定的に飛躍するチャンスは、今をおいてない。時代の風は明らかに新たなプロレタリア世界革命の台頭を求めている。まさに天運わが革共同に味方せり。お互い力を合わせて、この宣言にふさわしい闘いを実現しよう。
●板垣宏同志
この革命の時代、動乱の時代に外に出られたということは、私に今後の生涯をかけてもうひと暴れもふた暴れもせよという時代の要請であると思う。検察官は2月26日の論告求刑で、私たちに対する憎悪をむき出しに、組織犯罪であるからそもそも特定の日時場所における個別の事前共謀は問題にならない、という暴論を展開し、須賀さんに15年、私と十亀さんにそれぞれ13年もの重刑攻撃をかけてきた。被告弁護側最終弁論を大成功させ、完全無欠無罪判決をかちとろう。
●十亀弘史同志
検察官論告によれば、私たち3人は著しく反社会的な性格の持ち主だということだが、その通り。しかし、今この時点で徹底して反社会的であり、反体制的であるわれわれこそが、そう遠くない未来の全社会を獲得する。イラク反戦闘争に絶対に勝利しよう。殺される側にこそ立つこと、反戦とはすべての帝国主義の打倒以外ではないことを鮮明にしよう。私たちの革共同をもっとずっと広く豊かで分厚く大きな党へとつくりあげよう。私たち3人は完全な無罪判決に向かって全力で闘い、そして必ず勝利する。
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週刊『前進』(2095号3面2)
緊急シリーズ 有事3法案阻止せよ(1)
北朝鮮への侵略戦争切迫 4月衆院通過を狙う小泉
イラク侵略戦争開戦と連動して米日帝の北朝鮮侵略戦争が切迫している。有事法案とは、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の金正日政権を転覆する米帝の侵略戦争に日帝が全面的に協力し積極的に参戦するための法案だ。与党3党は3月19日、幹事長・国対委員長会談を開き、有事3法案について4月上旬にも衆院特別委員会で審議に入れ、同月中の衆院通過を目指すことで一致した。与党は民主党の対案が出てこない場合も与党単独で採決し、参院に送る方針だという。有事法案阻止の闘いは文字どおり緊急の最大決戦課題となった。高揚するイラク反戦闘争の中で、有事法案の恐るべき正体を暴き、北朝鮮侵略戦争阻止の闘いを全力で組織しよう。
イラク攻撃を全面支持
日帝は、世界の帝国主義の中でも突出して米帝ブッシュのイラク侵略戦争を全面支持している。なぜか。その決定的な要因は、米日帝の北朝鮮侵略戦争が切迫していることにある。
例えば安倍官房副長官はイラク戦争支持の理由として、「(イラクを)武装解除できなければ北朝鮮もけっして武装解除しない。おそらく核を作るだろう」と述べ、北朝鮮武装解除のための戦争を主張している。また石破防衛庁長官は「自衛権の行使としての先制攻撃を憲法は妨げていない」と語り、日帝側から先制攻撃できると公然と主張しているのである。
日帝は全面的なイラク参戦と同時に、北朝鮮の弾道ミサイルや核開発、拉致などを「テロ」「脅威」だとセンセーショナルに扇動し、「北朝鮮を武装解除するための戦争」論や「自衛権発動としての先制攻撃」論を主張しているのである。有事法案とは、この論理が百パーセント貫かれたものなのだ。
米帝のイラク侵略戦争に貫かれているブッシュ・ドクトリンとは、@没落の危機に瀕(ひん)する世界帝国としての米帝の国益をいかなる手段を使ってでも死守する。Aその戦略目標として、イラクやイラン、北朝鮮などの新植民地主義体制諸国や旧・残存スターリン主義圏の市場分割・再分割と体制転覆を図る。究極的には中国の体制転覆を狙う。Bそれをとおして日帝や独帝など他帝国主義を粉砕する――というものだ。
米帝は、このブッシュ・ドクトリンと世界戦争計画に基づき、イラク・中東石油略奪と世界支配の暴力的再編という帝国主義的利害のために、劣化ウラン弾や小型核兵器にも匹敵する空中爆発の超大型新爆弾MOAB(モアブ)などの非人道兵器を大量に使用して、イラク人民を大虐殺する侵略戦争に手を染めようとしているのだ。
日帝のイラク戦争全面支持と有事立法は、このブッシュ・ドクトリンに直接対応したものである。日帝は、まさに米帝ブッシュ・ドクトリンと同じ論理・手法で、北朝鮮侵略戦争をやろうとしているのだ。
米日帝という世界1位、2位の帝国主義が、先制攻撃の侵略戦争を合法だと言い張り、民族自決権を完全に否定し、政権転覆とかいらい政権のデッチあげが可能と主張しているのだ。このことは米英と独仏を軸とした帝国主義の分裂を促進し、第3次世界大戦の扉を開けるものである。
先制攻撃のための概念
武力攻撃事態法案の第2条には、既存の自衛隊法にない〔武力攻撃事態〕という拡大解釈がいくらでも可能な概念が導入されている。そして、この〔武力攻撃事態〕に対して、第3条で規定される「対処措置」は、自衛隊が防衛出動し武力を行使することを軸に、国家総力戦と国民総動員を規定しているのである。
与党修正案の〔武力攻撃事態〕は、@武力攻撃が発生した事態、又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態〔武力攻撃事態〕、A事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態〔武力攻撃予測事態〕――の2つのケースを想定している。
@の〔武力攻撃事態〕は非常に恣意(しい)的な基準であり、その範囲は大きな幅を持つ。石破防衛庁長官は、衆院予算委員会で1月24日に「東京を火の海にするという表明があり、それを実現するために燃料注入を始めたということになれば(武力攻撃の)着手」と述べている。つまり、この段階で〔武力攻撃事態〕を認定し、先制攻撃できると言っているのである。
そして〔武力攻撃予測事態〕は、「予測」されるということを理由に、武力攻撃のかなり以前の段階も広義の武力攻撃事態に組み込み、ただちに武力攻撃事態法を発動することを企図している。これは先制攻撃論そのものである。
これに関して昨年5月の政府見解はどのように言っているのか。例えば、「ある国が我が国に対して武力攻撃を行うとの意図を明示し、攻撃のための多数の艦船あるいは航空機を集結させている」ことを「武力攻撃のおそれのある場合」だとしているのである。これは修正案では〔武力攻撃事態〕の範疇(はんちゅう)に入る。
また「予測されるに至った事態」については、「予備役の招集や軍の要員の禁足、非常呼集を行っているとみられることや、我が国を攻撃するためとみられる軍事施設の新たな構築を行っていること」としている。
周辺事態法と連動して
他方で、武力攻撃についてはどう言っているのか。「攻撃の規模の大小、期間の長短や攻撃が行われる地域、攻撃の事態等も様々であり、武力攻撃の態様は一概には言えない」という。
このような概念は、いくらでも拡張できることは明らかである。このような概念ならば「外部からの武力攻撃」を実際にこうむった段階ではなく、ずっと以前の段階で〔武力攻撃事態〕が宣言できることになる。また相手からの反撃としての小規模なゲリラや日本船舶などへの攻撃も、すべて武力攻撃事態に含まれることになる。実際は、一方的に日帝が武力攻撃事態を宣言して、日帝の側が戦争へと突入していく仕組みになっているのである。
すでに日帝は、安保理が北朝鮮の経済制裁を決議した場合、日本の平和及び安全に重要な影響を与える「周辺事態」と認定し、周辺事態法を発動し、臨検を行うことを検討している。海上自衛隊のイージス艦などの護衛艦や特殊部隊である「特別警備隊」を主な航路に配置し、北朝鮮を海上封鎖するというのだ。
この場合、武力攻撃事態法が成立していて、北朝鮮が少しでも対抗手段をとれば、日帝はただちに「明白な危険が切迫」とか「予測」できることを理由に〔武力攻撃事態〕を認定し、戦争と戦争体制に突入していくのである。
イラク開戦情勢の中で一気に強まる北朝鮮侵略戦争と対決し、日帝から噴出する「北朝鮮の武装解除」論、「自衛権の行使としての先制攻撃」論を粉砕し、北朝鮮侵略戦争阻止へ、有事法案を廃案にしよう。
(片瀬涼)
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週刊『前進』(2095号3面3)
パレスチナ連帯活動家の虐殺許すな 3・16ガザ地区
3月16日、パレスチナ・ガザ地区のラファ難民キャンプで「国際連帯運動」に参加していた米国人学生レイチェル・コリーさん(23)が虐殺された。
この間イスラエルは、パレスチナ各地で隔離壁を設けている。ラファでも、エジプトとの国境付近に高さ14bの壁を建設中だ。そのために、パレスチナ人の家をブルドーザーで破壊し、無人地帯を作っている。
この日、「国際連帯運動」の米国人、英国人8人が、サミール・マスリさんの家を守るために闘った。横断幕とハンドマイクを使って3時間にわたってイスラエル軍に対してアピールした。コリーさんは最先頭に立ち、マイクで「止まれ」と叫んでいた。ブルドーザーは、土の山の上に立っていた彼女を押し倒してのしかかり、バックしてもう一度ひいた。必ず殺害するためだ。米帝のイラク人民大虐殺戦争のために、パレスチナ連帯の闘いをせん滅することが狙われたのだ。絶対に許せない。
体を張ってパレスチナから学ぶ
今回は米国人が虐殺されたために帝国主義国でも報道された。だが、パレスチナ人虐殺は日常的に行われている。夜住民が寝ている時、いきなり住宅の壁を破壊するということも何度も起きている。
コリーさんは、米国内で熱心に反戦運動を行い、SEIU(サービス従業員組合)とともに労働運動に取り組んできた。その経験の中で、米国人だからこそパレスチナで危険に身をさらして闘おうと決意した。パレスチナからは、故郷に詳しい現地報告を送り、米本国での闘いの発展のためにはパレスチナ人民から学ぶことが必要だと強調していた。
コリーさんの謙虚な姿勢、恐怖をのりこえて最前線に立った勇気は、血の通った連帯を確実に前進させた。世界の人民は必ず団結し、必ず勝利する。闘って闘って闘いぬこう。
(村上和幸)
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週刊『前進』(2095号3面4)
西川さんが訪米報告 ワシントン行動に学ぶ 8・15実が反戦の集い
3月8日夕方、東京・文京区民センターで、「戦後50年を問う8・15労働者市民の集い」全国統一実行委員会主催の「イラク―北朝鮮侵略戦争を許さない、有事立法を阻もう、労働者市民の集い」が行われた。
主催者あいさつに立った葉山岳夫弁護士は、3・8イラク反戦行動の一環としての「集い」の意義を訴えた。
1・18〜19ワシントンDCの反戦行動に参加した西川重則さんは、スライド上映による報告を行った上で、ワシントン大行動の特徴を@インターネットの有効な利用と宣伝、A行動はフリー、B9・11以降の沈黙から再び立ち上がったこと、と指摘した。
問題提起として、弁護士の鈴木達夫さんからの「有事立法を阻もう」という訴えと、山川博康さん(ス労自主書記長)の「アメリカは何故、イラクにこだわるのか」と題するレポート。
鈴木さんは、自らも参加してきた「ワールド・ピース・ナウ」の行動について@若い人たちが中心、A旧総評系の労働組合が参加、Bデモが明るいとの特徴を指摘し、自分たちが世界史の歴史的転換点(世界戦争の危機)に立っているという自覚の重要性を訴えた。
山川さんは、メジャー(国際石油資本)の日本子会社の労働者としてイラク反戦闘争に取り組む立場から、世界の25%以上の石油消費国であるアメリカにとってイラクの石油権益(世界第2位の埋蔵量)の強奪がこの侵略戦争の狙いであることを暴露した。
討論では、「ブッシュ・ドクトリンとそれ以前のドクトリンの違いは何か」という質問をめぐり白熱した論議となった。
このような地道な取り組みの蓄積こそが、今日のイラク反戦運動の大きなうねりに直結していることを痛感した。
(投稿 山本茂)
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週刊『前進』(2095号4面1)
イラク戦争阻止 渋谷、沖縄、全国で決起 渋谷で3000人の反戦デモ
空・陸の労働者が若者に訴え
3月15日、全世界のイラク反戦一斉行動と連帯し、東京・渋谷で、法政大学の学生らが実行委員となって、「ストップウォー・ワールドアクション」が行われた。2000人で出発したピースウォークはどんどん増え、最後は3000人になった。多くの若者が、「戦争とめたい。行動したい」と集まり、力を出し合った。
ボランティアの募集に百人
3月15日、東京・渋谷の宮下公園に集まった約2000人の若者がそのパワーを思う存分に爆発させた。デモのたびに人数が2倍3倍になる時代が始まった。
友人100人を誘ったというフリーターの若者。同じ人間が殺されるのはおかしいと埼玉から来た4人組の女子高校生。「命の重さは同じ。イラクの子どもたちが犠牲になるのは我慢できない」と語る子ども連れの若い夫婦――。
「イラク戦争は〜んたい」「ストップ・ザ・ウォー」。パーカッションのリズムに合わせコール&レスポンス。みんな声が出る。声が出る。
集会を運営するのは黄色のスカーフを巻いた約百人のボランティアだ。設営・案内・ビラまき・誘導と大活躍した。渋谷駅ハチ公前で、自分の描いた巨大プラカードを何時間も持って声をかけ続けた若者。ひとりで1000枚のビラを手渡した高校生。イラク写真展を準備した大学生。今日初めて会った人も主催者だ。みんな何かしたい、行動したいと思っている。
一刻も早くデモしたい。街で反戦を訴えたい――宮下公園の熱気が最高潮に達した午後6時、デモは津波のように渋谷の街へと押し出された。
「石油か人命か」「戦争いらない」「イラクの子どもたちを殺すな」。真剣な思いを込めたメッセージボードが続く。沿道の人たちが一枚ずつ読んでいる。
多数の外国人がデモに参加
外国人の姿も目立つ。「日本語は分かりません。でも戦争反対ね」と米国から来た留学生。「戦争反対。戦争反対」。みんなが声を出している。デモの人数が多すぎてマイクとスピーカーが足りないが、それを補って余りあるほどの地声だ。みんな真剣で明るい。楽しい。勢いがある。心を込めて呼びかけているのが沿道に伝わる。「誰でも入れるデモです」「一緒に街を歩きましょう」「10bでも一緒に」との手招きに沿道の人びとがどんどんデモに入っていく。警察の車線規制はかき消され、反戦のウェーブがもう1車線、もう1車線と広がった。「S」「T」「O」「P」「W」「A」「R」と一文字ずつ書かれたボードが横一列に並ぶ。JR渋谷駅前のスクランブル交差点では数百人が一度にデモに合流した。
宮下公園では午後5時から、ギター、三味線、打楽器と歌を交え、リレーアピールが始まった。
ボランティアの若者が「間違っているのは誰ですか。世論ですか」と聞く。会場からは「違う。小泉の方だ」。イラクの国際市民調査団に参加した女子高校生は「みんなすごい元気に暮らしていた。これを壊すことは許せません。イラクの人を解放する戦争だという人がいるけれど、爆弾を落としてイラクの人たちが解放されるとは思いません」と語った。
労組は平和のために頑張る
航空労組連絡会副議長の村中哲也さんはパイロットの制服姿でアピールした。
「人や物を運ぶ労働者がなぜ戦争に反対するのか。99年に周辺事態法が成立してから、迷彩服の自衛官が訓練と称して民間機を使うようになった。戦争になれば民間機が使われます。安全に客を運ぶのがパイロットの使命です。空の安全を危険にさらす戦争の手伝いはしたくない。そうならないようにみんなで助けてください」
誠実で真剣な訴えに、みんなシーンと静まり返って聞いている。そして「そうだ」の声と太鼓や拍手でこたえた。
村中さんはさらに続けて「労働組合を身近に感じてほしい。労働組合は平和をつくり出すために一生懸命やっています。21日には日比谷野外音楽堂で、イラク攻撃反対・有事立法反対の集会とデモを行います。一緒に参加してください」と呼びかけた。
動労千葉の特別執行委員の後藤俊哉さんは「今春闘で72時間のストライキを行い、イラク反戦を闘います。若者の応援を待ってます」と3月29日の春闘集会への参加を訴えた。
主催者を代表して法政大学の松尾純一さんが「世界の人びとと一緒にイラク戦争、日本の参戦を絶対にとめよう。戦争法である有事立法や北朝鮮への戦争に反対しよう」と訴えた。またロンドン大学戦争阻止連合のメッセージが紹介された。米国人男性やアラブの男性からの訴えもあった。
反戦デモは渋谷の街を一周するころには3000人に膨れ上がった。「次は5000人を集めよう」「友だちを連れて参加しよう」−主催者の呼びかけに全体が元気に呼応した。デモ終了後、誰もが去りがたい雰囲気の中、「ここのが一番楽しいね」「もっと友だち連れてこよう」と、あちこちで若者が語り合った。次は3・21−22と3・29だ。
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週刊『前進』(2095号4面2)
那覇で県民大会 5500人が怒りのデモ “沖縄から基地なくそう”
那覇市の与儀公園で3月15日、「STOPイラク攻撃! 戦争を許さない県民大会」が5500人の結集で開かれた。この日に向け読谷村では村民大会。宮古島の平良市でも同日、「宮古郡民大会」が開催された。さらに那覇市の国際通りで平和コンサートが開催されるなど、沖縄中が「イラク攻撃反対」の声で埋め尽くされた。
じっとしていても汗ばむような陽気の中、与儀公園には、労働組合の旗を掲げた労働者を先頭に多くの家族連れが参加した。思い思いのプラカードやゼッケン、風船などの華やかな雰囲気で集会は行われた。
実行委共同代表の山内徳信さんは、沖縄戦と基地の島の現実を糾弾し、戦争をとめ平和な沖縄と日本と世界をつくっていこうと呼びかけた。イラクを訪問した喜納昌吉さんが「花」を歌い、沖縄戦を体験した大湾芳子さんは、沖縄戦体験者3人が国連安保理非常任理事国への申し入れを行ったと報告した。
集会終了後、国際通りをデモ行進した。デモへの注目は圧倒的だ。青年が「戦争反対」とかけ声をあげながらデモに合流する場面もあった。
地元新聞社の世論調査では沖縄県民の9割がイラク侵略戦争に反対している。小中高校や役所でイラク写真展が次々と開催されている。イラク侵略戦争と日帝の参戦に対して、沖縄県民の怒りが全県に広がり始めている。
(投稿・U)
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週刊『前進』(2095号4面3)
大阪 沿道の市民が合流 「百万署名」呼びかけデモ
大阪では3月15日、中之島野外音楽堂で「3・15国際反戦行動〜とめよう戦争 私たちの手で 世界の民衆とともに〜」集会が開かれた。「とめよう戦争への道! 百万人署名運動関西連絡会」の呼びかけだ。太鼓や打楽器で「戦争反対」を訴えたり、手書きのプラカードを持った中学生から若者、高齢者までの520人が集まった。
3月20日からイラクに行く女性(百万人署名運動兵庫連絡会)が発言した。「ここまで攻撃が迫ったら止めるために行くしかない」と、命を張った決意を述べた。参加者は大きな拍手を送った。アフガニスタンを訪問した学生も発言した。「人が人を殺すのはイヤ。戦争をなくすためにはみんなで行動するしかない」。また、踊りや詩などで反戦を訴える人など12人がフリートークした。
デモは、アメリカ総領事館から大阪駅前の繁華街に進んだ。沿道の人に参加を呼びかけると、若者、外国人、仕事帰りの労働者、買い物帰りの人などが次々にデモに参加した。かつてなかったことだ。
ブッシュの侵略戦争を支持・参戦する小泉政権を打倒しよう。全世界の労働者人民と連帯して闘おう。
(投稿/労働者K)
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週刊『前進』(2095号4面4)
中学生も参加米領事館デモ 福岡で400人
福岡市の警固公園で3月15日、「イラク反戦−世界同時行動 民衆の力で戦争を止めよう3・15福岡米領事館デモ」が行われた。
色とりどりの手作りプラカードや横断幕が並び、参加者は400人を超えた。制服姿の中学生7人が「NO MORE WAR」の横断幕を持って参加した。平和授業で戦争について考え、自分たちで行動を決断したという。
有事立法粉砕実行委・福岡の郡島恒昭さんは「大虐殺を許すな。小泉の加担を許すな」と訴えた。築城基地反対闘争を闘う住民、3・16女たちのデモ実行委員会、長崎から駆けつけた米国人女性、久留米市の市民運動などが発言した。
米領事館に向けデモが出発した。テンポのいいかけ声とイラク反戦の熱い思いは道行く人をデモに引き込んだ。米領事館前では、カナダ人男性らが発言した。
(福岡・S)
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週刊『前進』(2095号4面5)
リレートーク仙台の街熱く 若者が続々参加
仙台で3月8日、東北大学学生自治会が呼びかけたピースアクションに40人以上の飛び入りなど百人をこえる人が結集した。
集会前の街宣で署名した労働者が「ブッシュの戦争はおかしい」とその場で集会参加を決めるなど会場には続々と飛び入りの若者が集まった。2人組の高校生は、自分たちでメッセージボードをつくって参加。リレートークでは参加者が次々に戦争反対を訴えた。6人で参加したバンドの1人は「戦争に反対しないで、歌だけ歌っていることはできない」と思いを語った。集会後、元気よくピースウォークに飛び出した(写真)。
(東北大・N)
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週刊『前進』(2095号4面6)
“無関心ダメ” 声&声
15日に渋谷に集まった若者たちの声。「戦争をするのは兵士。ブッシュではない。死ぬのも結局イラクの子どもたち。被害者のことを考えるべきだと思う」「考えないで反対でも賛成でもないってのが一番まずい。ちゃんと考えて態度をはっきりさせないと」。こう主張したのは品川から来た2人の男子中学生。
埼玉から来たという高校を卒業したばかりの4人。日比谷公園でビラをもらい友だちを誘ってきた。「戦争反対。人命は大切だと思うし、このままだと日本は戦争に参加することになっちゃうから黙認してないで行動したいと思って」「結果的にどうなろうと行動する時だと思う」。小泉首相に言いたいことを書いてきた、と紙袋から取り出したボード。「小泉さんにもの申す!! 世論が正しくなくて何が正しいんですか?」
エネルギッシュに人波を押し止めてビラを手渡している青年。「戦争で人が殺されるのには反対だから。行動する、しない、無関心の三つの道があるとしたら、無関心にだけはなってはならないと思う」と、やさしい声で語った。
宮下公園に戻ってからもビラをまいた女子大生。「興奮した。たまたま渋谷に来て、楽しそうやから参加したけど、ほんと面白かった」。18歳の女子高生は「みんなと一緒にビラをまいて、こんなに集まってすごくうれしい。みんなでイラクの人を思って、絶対戦争をやめさせたい」。
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週刊『前進』(2095号4面7)
3月11日〜18日
ブッシュ、イラク最後通告 米英などが修正決議案撤回
●史上最大の非核兵器MOAB ラムズフェルド米国防長官が非核兵器では史上最大の空中爆発爆弾MOABの実験成功を発表した。アフガニスタン攻撃で使用した通称「デージーカッター」(約6800`)の改良型で重量は約9700`。高さ約3千bのキノコ雲が生じるほどの破壊力。(11日)
●「米軍展開22万5000人」 マイヤーズ米統合参謀本部議長はイラク周辺に展開済みの米軍兵力が22万5000人を超えたと明らかにし、「態勢は整っている」と明言した。公式発表は珍しい。(11日)
●ステルス機韓国派遣 米国防総省はレーダーに探知されにくいステルス性能を備えたF117A戦闘機6機を、米本土から韓国の群山空軍基地に派遣することを明らかにした。同戦闘機の韓国派遣は93年以来。(11日)
●「15年」協議対象にせず 沖縄県の米軍普天間飛行場の名護市辺野古沿岸域への移設問題で、沖縄県や名護市が日本政府に求めている代替施設の15年使用期限問題について、米国防総省は「日本政府は、米国政府に解決を求める問題としないことを伝え、すでに合意している」と述べた。この問題で日本政府が解決を求めないことを米側に伝えていることが明らかになったのは初めて。(13日)
●生活道路封鎖も 在沖米軍がイラク攻撃を前に、沖縄県読谷村の楚辺通信所や勝連町のホワイトビーチ周辺の提供施設内の生活道路などを封鎖することを検討していることが分かった。(13日)
●イージス艦日本海へ 防衛庁がイージス艦を日本海(東海)に派遣した。北朝鮮の弾道ミサイル発射を想定した布陣。(13日)
●「劣化ウラン弾使う」方針表明 米陸軍補給司令部のノートン大佐らが国防総省で記者会見し、「劣化ウラン弾は(戦車や装甲車などの)機甲部隊を攻撃する必要が生じた際、米軍が使用し続ける兵器だ」と、対イラク攻撃でも劣化ウラン弾を使用する方針を明らかにした。(14日)
●開戦へ米英など合意 イラク問題をめぐる米英スペイン3カ国の首脳会談が開かれ、国連安全保障理事会が武力行使を容認する決議案を17日までに採択しない場合、国連の承認なしで武力攻撃に踏み切る姿勢を打ち出した。(16日)
●「人間の盾」虐殺される パレスチナ自治区ガザ南部のラファで平和支援団体「国際連帯運動」(ISM)メンバーの米国人女性レイチェル・コリーさんがイスラエル軍のブルドーザーによって虐殺された。コリーさんはイスラエル軍のパレスチナ攻撃を素手で止めようとする「人間の盾」として活動していた。(16日)
●修正決議案を取り下げ イラクへの武力攻撃容認決議案(修正案)を国連安保理に提案していた米英スペインの3カ国は、同決議案を取り下げた。採択に必要な9カ国の賛成を得るのは困難と判断したため。(17日)
●ブッシュが最後通告演説 ブッシュ米大統領が全米向け演説を行い、イラクのフセイン大統領と2人の息子に対して、48時間以内に国外に出るよう要求、従わない場合は、武力で脅威を除去すると述べ、イラクへの先制攻撃に向けた最後通告をした。(17日)
●小泉首相、戦争支持 小泉首相は、ブッシュの最後通告演説について「フセイン政権に武装解除の意思がないと断定された以上、米国が武力行使に踏み切った場合は、これを支持するのが妥当」と述べ、イラクへの武力攻撃を支持する考えを明確にした。(18日)
●イラク、最後通告を拒否 フセイン大統領が議長を務めるイラクの最高決定機関、革命指導評議会は米国の最後通告を拒否、大統領や2人の息子の亡命には応じられないとの決定をした。(18日)
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週刊『前進』(2095号5面1)
4月杉並選挙で区民とともに3候補絶対当選をかちとろう
〈反戦〉〈介護〉軸に新しい党を
4月統一地方選挙闘争は、イラク開戦という世界史的大転換期における決定的な政治決戦となった。文字どおり〈戦時下の選挙闘争>となった。国際階級情勢も日本階級情勢もさらに激変する。国際反戦闘争のより巨大な爆発が、労働者人民を根底から一層大きく揺るがす。日帝支配階級の積極的参戦をめぐって、日本の労働者人民の反戦・反資本攻勢の根底的な怒りと、反動的な愛国主義的・排外主義的組織化とが必ず激突していく。この激動的な階級情勢の中でこそ、4月統一地方選必勝=全員当選をかちとろうではないか。
選挙とは、全労働者人民が巨大な規模で政治的に過熱化する場である。とりわけ今回は、通常の国政選挙以上に、労働者階級人民が侵略戦争と経済的危機、一大資本攻勢、生活の危機に対する自己の態度を表明したいと思う気持ちがいやがうえにも高まる場となる。また都知事選挙が重なる。ファシスト石原はこの世界史的重大情勢で反人民的本性をあらわにする。それは大衆的分裂と階級情勢の非和解的発展を促進する。
杉並を始めとする統一地方選挙は、世界戦争と世界恐慌への突入の中で、「大衆の活動力がいちじるしくたかまり」「革命的気分が生み出される」(レーニン)時代、本格的な『社会主義と戦争』の時代への突入の真っただ中での選挙闘争となったのである。
杉並の43万有権者・27万世帯を対象にした宣伝・扇動を猛然と推進しよう。それを区民自身の革命的大衆行動への願い、意欲、発展として実現しよう。この中で、広範な闘う大衆を組織し、特に若い層を自覚的に大胆に組織しよう。これらの闘いを同時に、非合法・非公然を本質とする労働者党の建設へと転ずる闘いとしてかちとろう。まさに革命的情勢における「三つの義務」の実行をこの選挙戦でより自覚的に遂行し、〈激動型選挙>として闘おう。
これを杉並3候補を始めとする全員当選の勝利に転化するためには、住民の自主的決起と本当に結合して闘うことである。逆に、そういうものとして全員当選をかちとったとき、住民の自信と確信、物質力と勢いは、より素晴らしいものになるであろう。
言いかえれば、革命党こそが、労働現場や地域で、労働者や住民大衆の生活と運命にかかわる身近なことをもっとも真剣に取り上げ、その最先端で闘う者であることを鮮明にさせることにほかならない。
実際杉並で、「すべて与党化し密室政治化してしまっている今日の議会において、闘う3議員実現=幹事長会出席によって腐敗した現実を打破しよう、本格的な野党の登場を実現しよう」という訴えは、大きな共感を呼んでいる。われわれがここで〈反戦>と〈介護>を懸命に展開しつつかちとるさまざまな自己変革は、党建設を一挙に発展させることになるであろう。
しかも選挙であるがゆえに、4・27投開票日に勝敗が決まるまさに蜂起的闘いそのものであり、あらゆる力をこの一点に集中できるか否かが鋭く問われる。
@イラク反戦・北朝鮮侵略戦争阻止・有事立法粉砕の闘い、A03春闘勝利・国鉄臨大闘争弾圧粉砕・動労千葉ストライキ連帯の闘い、B4月統一地方選闘争の3大決戦をすべて勝利的に闘いぬくことである。この3大決戦全体を、世界戦争と世界恐慌の本格的到来がもたらす革命的情勢の成熟の中での『社会主義と戦争』の闘いの新たな創造として統一的に闘おう。
ここにおいては、今度の杉並選挙闘争を都議選級の選挙戦として闘うということであり、それゆえあらためて、前回都議選の敗北をめぐる3点の総括の実践的突破が重要である。すなわち、第一に、〈激動情勢に対応できる選挙戦>として闘うこと、第二に、〈基盤的勢力>を形成して闘うこと、第三に、〈生き生きとした細胞性ある活動をとおした集中性・蜂起性>をもってたたかうことである。
とくに第三点にかかわって、階級情勢の変化に生き生きと対応し、的確な方針を組織的に樹立し(あるいは方針の変更を組織的に決定し)、樹立した以上それを生き生きと貫徹すること――実にこの点は勝敗の死活をかけたものになっている。ここで革命的自己変革をかちとらない限り、勝利はありえない。このためには、今回の杉並―統一地方選闘争を地区党建設と結合した選挙戦としてかちとることである。昨年来の当該地区委員会の自覚的闘いは極めて重要である。この意義はどんなに強調しても強調しすぎることはない。
ここに勝利の最大の根源的力があることを確信し、全党が蜂起につぐ蜂起に全面的に突入しよう。
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週刊『前進』(2095号5面2)
“介護保障施策を” 3・17 住民の会が杉並区交渉
「介護と福祉を要求する杉並住民の会」は3月17日に杉並区交渉を行い、介護保険料の4月値上げを当初の数百円という計画から60円に抑えさせた成果を踏まえ、保険料の減免や介護保障のための独自施策を要求した。交渉は午後2時から区役所で行われ、高齢者ら50人が参加し、区側は担当の職員4人が出席した。
新城せつこ区議の司会で、最初に住民の会の八木ケ谷妙子代表があいさつをし、女性の会員が要請事項を読み上げた。保険料値上げの中止、低所得者への介護保険料の減免、介護報酬見直しに対する介護保障の独自施策などの要求に対して、区側の回答は基本的に拒否する冷たいものだ。
一つずつ突っ込んだ追及が行われた。保険料の減免について女性の会員が「体が悪いのをがまんして働いている。月収が3万8000円しかない。近所の人も年寄りは死ねといわんばかりじゃないかと怒っている」と弾劾した。
けしば誠一さんが、「生活保護以下の収入しかなくても生活保護を受けないでいる世帯が多い。区はこういう人たちに手をさしのべないのか」と追及した。会員が次々と「介護保険は金持ちが得をして、金のない人が苦しむようにできている。これを何とかして欲しい」「低所得者には免除するということを聞きたい」と発言した。
また、1時間半をこえるとヘルパーの報酬単価が激減する問題について集中的に追及した。会員の女性が「Tさんは都内の大学病院に通う必要があり、通院には半日かかる。1時間半以上はヘルパーを受けられなくなることが非常に心配。安心できる答えがあっていいのではないか」と要求した。区の回答は、「事業者は採算がとれるということで、従来通りサービスは提供していただけると考えている」とまったく現実を無視したごまかしだ。
北島邦彦都政を革新する会事務局長が「事業者に話を聞いたら、20%から25%の減収になると予想を立てていた。長時間の介護を引き受けない事業者が出てくることに不安を持っている。区の責任として保障できないのか」と追及。心臓病などの病気を抱えた男性が通院に6時間かかる事情を語り、「業者の方で経営が成り立たないから引き受けないといわれたら私はどうするんですか」と追及した。
さらに、神経性の糖尿で大学病院に通う必要がある男性が、「福祉事務所の人が調査に来て『大学病院から近所の医院に代われ。2時間以内で診てもらえるところにしろ』と言われたが、そんなことをすれば死んでしまう」と訴えた。
減免や独自施策をかたくなに拒む区に対して「命のかかっている問題なんだ。区も真剣に考えて欲しい」と要求した。参加者から区の福祉政策への消極的な姿勢に怒りが噴出した。
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週刊『前進』(2095号5面3)
ファシスト石原慎太郎を都知事に再選させるな
北島邦彦氏、新城せつこ氏、けしば誠一氏を推し立てた4月杉並区議選は、石原都政との真っ向からの対決だ。石原慎太郎は、排外主義・差別主義をあおるファシストであり、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)・中国への侵略戦争の先兵である。米帝がイラク侵略戦争に全面的に突入する中で、日帝もこれに参戦し、さらに有事立法の強行で北朝鮮への侵略戦争に突入しようと狙っている。その先兵である石原の再選を阻止し、3候補の全員当選をかちとろう。
第一の犯罪性 「北朝鮮と戦争しろ」
石原慎太郎の犯罪性の第一は、何よりも北朝鮮・中国侵略戦争を扇動していることである。昨年6月19日付の米誌『ニューズウィーク』日本版で石原は「私が総理だったら北朝鮮と戦争してでも(被害者を)取り戻す」と発言した。また、昨年11月にもテレビ出演して「日本は堂々と戦争したっていい」と北朝鮮・中国侵略戦争を主張している。
石原は戦後憲法を憎み、憲法破棄を叫んできた。
石原はまた安倍官房副長官の「大陸間弾道弾は憲法上は問題ではない」「小型であれば原子爆弾の保有も問題ない」との発言が問題となったことに対して「核は持つことができる。頑張れ」と安倍を電話で激励した。石原は、核武装への道も狙っているのである。
また南京大虐殺の事実を否定し、中国領・釣魚台への上陸行動に参加するなど中国を敵視し続けている。
石原は単にその言動によって朝鮮・中国侵略戦争をあおっているだけでなく、首都東京の知事に座ることによって日帝の戦争体制構築を率先して進めている。石原は、9・1関東大震災の朝鮮人・中国人大虐殺に時期を合わせてこの2年間ビッグレスキュー演習を強行してきた。
00年4月9日、石原は陸上自衛隊の式典で「不法入国した多くの三国人が非常に凶悪な犯罪を繰り返している」と、在日アジア人民を差別的に敵視する発言を行った。
ビッグレスキューの本質はこの侵略的・排外主義的発言に現れているのだ。この演習は、自衛隊と共同して戦争への人民動員と首都治安態勢の確立を同時に狙った演習であり、日帝の有事法制制定策動と一体の戦争体制構築だ。
第二の犯罪性 女性・「障害者」差別
石原の犯罪性の第二は、その差別・排外主義の扇動である。特に石原は、日本軍軍隊慰安婦とされた女性たちに対して、「証言に立った軍隊慰安婦は、依然として貧乏だから……今度は肉体ではなしに自分の名誉を代償に金を稼ごうとしているだけだ」とののしり、辱めた。日帝の侵略を阻む存在として、民族解放、人間解放を求めて毅然と立ち上がった人びとに対する、これ以上の侮辱はない。日帝は第2次世界大戦の過程で朝鮮、中国を始めとするアジアの女性たちを暴力的に連れ去って日本軍軍隊慰安婦として筆舌に尽くせない暴虐とじゅうりんを行った。日帝は、こうした侵略と戦争責任を謝罪せず、居直っている。石原暴言はこうした日帝の居直りを代弁するものだ。
石原はさらに、女性や「障害者」に対して絶対に許せない差別をあおっている。
石原は01年11月6日付の『週刊女性』で「文明がもたらしたもっとも悪しき有害な物はババァなんだそうだ。女性が生殖能力を失っても生きてるってのは、無駄で罪です」と発言している。ここで石原が言っていることは、高齢女性の生存の否定である。差別思想の凶暴さ、凶悪さが露骨に表れている。しかもこの発言は、東京都の福祉政策に関する話の中で行われたものであり、こうした思想のもとに石原都政による高齢者福祉の切り捨てが行われているのだ。
石原はまた、「障害者」差別・抹殺の暴言を繰り返している。99年9月18日の重度「障害者」療育施設の府中療育センターを視察した後の記者会見で「ああいう人ってのは人格あるのかね。こういうことやってやっているのは日本だけでしょうな。ああいう問題って安楽死につながるんじゃないかという気がする」と発言した。「安楽死」を真っ向から主張し、「障害者」抹殺をあおったのだ。
在日外国人や女性、「障害者」への差別を扇動する石原都知事を絶対に許してはならない。
第三の犯罪性 福祉解体と環境破壊
石原の犯罪性の第三は、福祉切り捨てや環境破壊で住民生活を犠牲にする政策を進めていることである。
石原は都知事就任後、「これからの福祉は、一人ひとりの選択と責任に基づく自立・自助を基本とする」と福祉切り捨てを宣言し、福祉予算を大幅に削減した。そして真っ先に老人福祉手当を廃止し、シルバーパスも有料化し、老人医療費への助成を廃止した。また「心身障害者手当」も削減した。その他、児童育成手当や乳幼児医療費助成なども削減している。こうした一つひとつの福祉切り捨てが、高齢者や低所得者に対して深刻な生活破壊の攻撃として襲いかかっている。
その一方で独占企業を潤すための「公共事業」に都の予算を注ぎ込んでいる。臨海部副都心開発を継続しさらに膨らむ都財政の赤字を住民の税負担に転嫁すると同時に、福祉はどんどん切り捨てているのだ。しかも秋葉原再開発をめぐっては、大手ゼネコンとの「黒い関係」が暴き出されている。
また石原は、銀行に対する外形標準課税を導入し、政府が狙っている外形標準課税の全面化への道を開いた。赤字でも税金を課すこの外形標準課税は、中小零細企業を直撃し、中小零細を倒産へと追い込むものだ。大失業を一層深刻化させ、それによって労働者人民の生活を破壊する。その一方で大企業、大資本は、中小零細から取り立てた分だけ税負担が軽くなるということなのだ。
第四の犯罪性 戦争教育へ転換狙う
石原の犯罪性の第四は、「心の東京革命」と称して「日の丸・君が代」強制を軸として戦後教育の解体=戦争教育への転換を図ろうとしていることである。今日帝は、教育基本法の改悪を狙い、昨年11月に中間報告が出され、今通常国会への法案提出が狙われている。石原は、こうした戦後的な平和教育解体の先兵となってきた。
00年の国立第二小学校の卒業式で校長が「日の丸」掲揚を強行したことに、子どもたちが疑問と抗議をつきつけた。これに対して石原は、教員を大量処分する攻撃をかけてきた。石原の「心の東京革命行動プラン」では「戦前の教育への行きすぎた反発」と非難し、戦前的教育の復活を主張している。「日の丸・君が代」の強制によって、子どもたちや教育労働者を上から抑えつけ、戦争教育を強制しようとしている。
石原都政は、徹底的に労働者人民に犠牲を押しつけ、大資本を救済し、侵略と戦争に突進しようとするものにほかならない。今こそ石原都政を打倒し、再選阻止の先頭に立つ北島、新城、けしば3候補の絶対当選をなんとしてもかちとろう。
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週刊『前進』(2095号5面4)
韓国 民主労総が反戦決起 盧武鉉(ノムヒョン)の参戦表明に怒り
米帝ブッシュによるイラク攻撃前夜、南朝鮮・韓国の盧武鉉(ノムヒョン)政権は、「韓(朝鮮)半島の問題解決の過程で、同盟国として米国を支援するのが適当」とイラク侵略戦争参戦の意志を表明した。すでに韓国は3月13日の国連安保理公開討議で、日本など4カ国とともに米国支持に立った。同日夜のブッシュとの電話会談で盧武鉉は「ブッシュ大統領の大量殺傷兵器の拡散防止と国際テロ防止のための指導力を高く評価しており、これを支持する」「韓米同盟を尊重するという精神のもとにイラク問題で米国と協力する」と語り、輸送、医務、工兵など1個工兵大隊300〜500人を派兵する意向を固めた。
この盧武鉉政権の参戦表明に、一斉に反対の声が噴き出した。3月15日、ソウルの宗廟公園で「米軍装甲車による女子中学生殺人事件汎国民対策委」と「戦争反対平和実現共同実践」が主催した3・15反戦平和キャンドル大行進では、3000人が紙で作った白い鳩を持ち、イラク攻撃反対を叫んだ。集会では「米国の覇権を維持するための名分のない戦争であるイラク戦争に反対する」と同時に、「このような汚い戦争に同調する韓国軍派兵を容認できない。イラク戦争に対する韓国政府の支援に最後まで反対する」との反戦平和決議文が発表された。
すでに民主労総は、「米国のイラク侵攻を防げなければ、韓半島に恐ろしい戦争がくる」という切迫した情勢認識からイラク反戦闘争に全力で取り組んできた。キムヒョンタク副委員長など戦争反対代表団3人をイラク現地に派遣するとともに、3月11日には戦争反対緊急実践指針を発し、17〜22日には事業場ごとに戦争反対昼休み集会、写真展、宣伝戦、署名運動などに取り組み、攻撃開始時にはただちに全国同時多発糾弾集会を開くなど反撃に立つことを決めた。
14日、イラクへの出発を前に仁川空港で記者会見した民主労総は、2月15日の国際連帯行動の直後から各国の労働界に「戦争反対国際労働者代表団」のイラク派遣を提案してきた経過を説明し、「新自由主義世界化と米国の軍事覇権主義はコインの裏表のようなものであり、イラクに対する攻撃は軍需資本の要求を聞いて石油を支配するためだということは今では常識だ」と語った。
また「全人類が反対し、国連の決議さえ受けられない戦争に韓国が支援するとすれば、全人類の指弾の対象になるだろう。派兵など政府が推進する米国のイラク侵攻支援を即刻中断することを要求する」と言明。「反戦運動の勝敗は、バグダッドで決定されるのではなく全世界の各地で行われる反戦デモによって決定される」「もし韓半島に戦争危機が差し迫れば国際労働界と連帯して韓半島戦争反対運動に全力を傾ける」と、労働者階級の国際連帯行動を呼びかけた。
派遣団の一人、双龍自動車労組キムジョンウク対外協力部長は、「労組は単に賃上げだけをする組織ではない。社会的責任感を持って、世界的な連帯の中で社会改革闘争をすることが正しいと信じる」と語り、女子中学生追悼のキャンドルデモに参加し、活動する中から「米国の覇権主義が自然に目に見えるようになった。°戦争共和国″米国のイラク侵攻を防ぐことが、韓半島での戦争を抑制するのにも大きな力になるだろうと考える。私たちの子どもと家族が米国の砲弾にあたって死んでいくことは、絶対になくすべきだ」と、労働者階級としての使命感を明らかにした。
恐るべき資本攻勢にさらされる韓国で、民主労総を先頭とする労働者階級は米日帝の北朝鮮侵略戦争阻止のためにも、今全力でイラク反戦闘争に立ち上がっている。ついに米帝のイラク攻撃が始まった! 米英日帝によるイラク侵略戦争に労働者階級の国際的内乱をたたきつけよう! それこそが闘う朝鮮人民、在日朝鮮人民との連帯の道だ。
(室田順子)
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週刊『前進』(2095号6面1)
個人情報保護法案 必要論に立つ野党対案
有事立法への許せぬ敗北姿勢 絶対廃案以外にない
戦争に向けて報道と言論を権力が規制
小泉内閣は3月7日、国会審議が行きづまっている個人情報保護法案に代えて新個人情報保護法案を提出した。これに対して、民主党を軸とする野党4党は、「(旧案を)取り繕っただけで不十分」として3月中に対案を共同提出する方針を固めた。
野党対案の概要
野党4党が提出する対案の概要は以下のとおりだ。
@「主務大臣」に代わり、内閣府の外局として「個人情報保護委員会」を新設する。同委員会が個人情報取扱事業者への「報告の徴収」「助言」「命令や勧告」を行う。
A思想・信条、医療・福祉給付歴、犯罪歴、出生地などの「センシティブ(機密)情報」について、本人の同意なしに取り扱うことを原則として禁止する。
B法の「目的」(第1条)に「表現の自由の尊重に配慮する」ことを明記する。
C個人情報の取得や利用、第三者への提供に対し本人が関与できる「自己情報コントロール権」を定める。
D「報道」の定義を「報道その他、不特定多数の者に対し情報を発表、伝達する活動」と規定する。
(新行政機関個人情報保護法案については省略)
この野党対案の最大の問題点は、新個人情報保護法案は必要であるという立場に立って法案の内容修正を要求する野党の敗北的姿勢だ。その証拠に、3月7日に民主党が出した声明には「廃案を要求する」という主張が一言もない。
労働者人民の日常生活まで管理支配する
小泉政権が新個人情報保護法案にかけた狙いは、国家権力による「報道・言論規制」と労働者人民の「個人情報の一元的な管理・支配」である。
「報道・言論規制」の目的は、あらゆるメディアを統制しその内容を検閲することにより、メディアを国家権力の翼賛機関とすることである。戦後憲法下で「侵すことのできない永久の権利」(憲法11条)として培われてきた「集会・結社・言論・出版・表現の自由、検閲の禁止」(憲法21条)を破壊し、かつての「大本営発表」の復活を狙うことである。
「個人情報の一元的な管理・支配」の目的は、侵略戦争に向けた城内平和づくり(治安弾圧体制の戦時体制化)を推進し、あらゆる反権力、反体制的運動(団体)を根絶やしにすることである。
小泉政権は、日常生活の隅々まで労働者人民を管理・支配するために、住基ネットワークの稼働により蓄積される膨大な個人情報を利用しようと考えている。
そのためには、住基ネットワークの本格稼働(ICカードの運用開始)が始まる8月までに、新個人情報保護法案を何としても成立させなければならない。小泉政権の新法案の成立にかける攻撃の激しさもそこから生まれている。
新個人情報保護法案は、まさに有事立法第4法案と言うべき内容である。
この新法案に対して、ノンフィクション作家らでつくる「個人情報保護法案拒否! 共同アピールの会」は「根本的な修正とはほど遠い内容だ」として廃案を求める見解を発表した。日本ペンクラブは「廃案を求める」という声明を発表した。日本書籍出版協会は「修正案について反対であり、抜本的な見直しを求める」との意見書を発表した。
労働者人民が求めているのは、新個人情報保護法案の廃案だ。
自主規制から自滅への道を準備する対案
野党案の具体的問題点を明らかにしたい。
第一に、個人情報保護委員会の新設は自主規制への道である。
そもそも、「個人情報取扱事業者」(第2条)という規定を行い、違反すると罰則が規定されている「義務」(第15条〜31条 )を課し、「報告の徴収」「助言」「勧告及び命令」(第32条〜34条)の権限を行使するという形で、国家が労働者人民の個人情報を管理・統制することが問題なのだ。
この問題は、主務大臣の代わりに個人情報保護委員会を新設しても解決されない。むしろ、主務大臣の果たす反動的役割を個人情報保護委員会が代わって担うだけである。さらに言えば、個人情報保護委員会は、「第三者機関」とさえ言えない。なぜなら、あくまで「内閣の外局」として設けられるのであり、内閣の強力な指導が行われるのは間違いないからである。
第二に、一般的な自己情報コントロール権はもろ刃のやいばである。
新法案においても、労働者人民の個人情報が徹底的に掌握・管理され国家権力に恣意(しい)的に活用される一方で、政治家・官僚・資本家(国家権力)の個人情報は徹底的に秘匿されるという構図に変わりはない。この構図の上に一般的な自己情報コントロール権を設定することは、国家権力側の個人情報の秘匿を強化する手段に使われる可能性が大きい。
労働者人民の側が本当に求めているのは、自らの個人情報に「関与すること」ではなく、憲法21条に定められた権利を行使し「自らの個人情報が国家権力により収集・管理されることを拒否する」ことである。
第三に、自ら「報道の定義」を行うことは、自滅以外のなにものでもない。
政府の新法案は、戦後憲法下で初めて「報道」の内容を法律で定めることに踏み込んできた。これは国家権力による「報道・言論規制」宣言である。この一歩を許せば、後は大本営発表への道を転げ落ちるだけだ。
ところが、野党案は、法律で定めることを認めた上で報道の内容を変更すれば良いという立場を取っている。つまり、「除外規定」における「報道」の内容拡大により規制から逃れられると考えているのだ。
反戦運動と結び
3月20日、米帝ブッシュがイラク侵略戦争を開始した。日帝・小泉はこれを全面的に支持することを表明した。全世界でわき上がる反戦運動のうねりと連帯し、労働者人民の総決起で有事立法第4法案である新個人情報保護法案を廃案に追い込もう。
(山本茂)
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週刊『前進』(2095号6面2)
国際婦人デー “イラク戦争止めよう” 相模原でピースウォーク
3月9日、婦人民主クラブ全国協議会主催の「03国際婦人デーACTION!中央集会 とめよう戦争!女たちの力で」が米軍基地の街、相模原市で開かれ、128人の熱気あふれる集会となった。
集会後は「世界の人たちと連帯し、日本でも街に躍り出よう!」と、寒風をものともせず、JR相模原駅から米軍相模総合補給廠(ほきゅうしょう)までピースウォーク。補給廠西門で「イラク戦争反対!」の横断幕を広げ、シュプレヒコールをたたきつけた。
集会は、1・18ワシントンDC反戦行動に参加した婦民全国協相模原支部員のビデオ上映と報告で始まり、国際反戦闘争の息吹があふれる中で進行した。
北富士忍草母の会事務局長の天野美恵さん、部落解放同盟全国連合会中央委員の田中れい子さんが連帯のあいさつ。天野さんは、60年安保闘争の中で忍草母の会を結成し北富士演習場での座り込みを始めたこととロシア革命での女性の役割を重ね合わせ、「本当に女性が闘った時に負けたことはない」と確信を語り、「今、北富士演習場はイラク攻撃の訓練場になっている。この時に戦争反対の西村綾子さんを3選させ、世の中を変えてほしい」と檄(げき)を飛ばした。
三里塚芝山連合空港反対同盟などのメッセージが紹介された後、沖縄の桑江テル子さん(元・沖縄市福祉部長、うないネット・コザ主宰)が講演した。
桑江さんは、昨年12月に南朝鮮・韓国を訪問、米軍戦車にひき殺された女子中学生追悼の10万人集会に参加した。「集会参加者の80%が若者。沖縄の反基地反戦闘争をどう盛り上げていくかという課題を背負って帰ってきた」と語った。桑江さんは、沖縄から7人がイラクを訪問した1月、沖縄の米領事館前で9日間のハンガーストライキを行った。桑江さんは「今闘ってイラク攻撃を止める時。21世紀をアメリカ帝国主義の時代にしないために、できることをなんでもやりましょう」と結んだ。
続いて西村綾子婦民全国協代表(相模原市議)が講演した。30年前のベトナム反戦以来の相模原闘争を振り返り、「女性が手を結んで『イラク攻撃反対』『石油のための戦争反対』の声をあげる大事な時。有事立法を進める小泉政権にはっきりとノーと言う責任がある」と訴え、「国の悪政にノーと言える市政をつくるため、今度の選挙は絶対に負けられない」と鮮明な決意を語った。
「アメリカ製品不買運動」「イラクの子どもたちは今」の歌声が会場に響いた。参加者のフリートークで「戦争にかかわるすべてのことに反対する権利があると学んで『日の丸・君が代』強制に反対してきました」「民主主義のオブラートに包まれた『正義の戦争』なんてもってのほか」など、年代を超えた反戦の思いが語られた。
最後に丹治孝子相模原支部長がイラク反戦と西村市議の3選勝利はひとつだと呼びかけた。
(本紙/室田順子)
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週刊『前進』(2095号6面3)
医療観察法案廃案を 「病者」先頭に85人がデモ
3月8日、東京・渋谷で「STOP THE 医療観察法案!」を掲げ、保安処分新法=「心神喪失等医療観察法案」の廃案にむけて「処遇困難者専門病棟」新設阻止共闘会議主催の集会とデモが行われた。「病者」を先頭に85人が保安処分反対の声で渋谷を席巻、同じ日のイラク反戦4万人デモと連帯して終日闘いぬいた。
渋谷駅前で1500枚のビラをまくなど街頭宣伝をした後、宮下公園で集会が開かれた。
初めに主催者の「病者」が経過を報告した。与党は昨年12月、医療観察法案の修正案を提出、「再犯のおそれ」という予測に基づいて無期限の保安拘禁を可能にすることへの批判を字句の訂正でごまかし、採決を強行、衆議院を通過させた。現在、参議院で継続審議となっている。しかも、すでに厚生労働省は来年度予算に保安処分施設建て替え費を含む37億円を計上、法務省も「社会復帰調整官」――保護司に加えた、「病者」に対する新たな保護観察(強制通院処分の監視・通報)制度――の人件費など3億円を計上している。この予算先取りは法案強行突破の意志の表れだ。報告は、精神医療の差別的反動化を水路に「病者」や闘う労働者人民への予防拘禁制度づくりを狙う保安処分新法の成立阻止へ総決起することを訴えた。
続いて参加者がアピール。練馬の患者グループは、新法の衆院本会議採決時の傍聴者への1時間半に及ぶ不当拘束を弾劾。兵庫の「病者」は、日本経団連などが尊厳死・安楽死の法制化を叫び、「自助努力」や「民間活力導入」の名で「障害者」・高齢者の抹殺、労働者の自殺・生活破壊を進行させている事実を暴露・断罪。大阪の「病者」は、イラク反戦と小泉打倒に立つ「障害者」の怒りの深さを強調した。
東京下町患者会は、医療観察法案をはじめ政府や国会で叫ばれる「社会復帰」の正体を「復帰」の度合いで新たな階層化・差別化を生み出すとして喝破・断罪した。墨田の「病者」は、長年の赤堀差別裁判糾弾闘争や「処遇困難者病棟」粉砕の闘いを引き継いで闘うとアピール。刑法改悪阻止・保安処分粉砕全都労働者実行委員会は、労働者として保安処分新法阻止を労働法制改悪阻止・司法反動粉砕と一体的に闘う、と固い連帯を表明した。
精神科医も、厚労省が欧米の保安処分施設をモデルにしている事実や法務省・刑務所が受刑者を虐待している実態を暴露・弾劾、医者の総決起を呼びかけた。神奈川の車イス「障害者」は、社会福祉制度解体を狙う支援費制度阻止の闘いを呼びかけた。さらに全国各地の「障害者」団体が法案阻止へ決意を語った。
最後に、司会が4月国会闘争とともに、保安処分病棟建設が想定される国立武蔵、都立松沢、大阪中宮、九州肥前などへの抗議、建設中止申し入れ行動を呼びかけ、デモに出た。
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週刊『前進』(2095号6面4)
水嶋裁判 検察側立証打ち切り 水嶋同志を即時保釈せよ
3月14日、東京地裁刑事第1部(川口宰護裁判長)で無実の水嶋秀樹同志に対する88年9・21千葉県収用委員会会長せん滅戦闘デッチあげ弾圧裁判の第14回公判が行われた。この公判で川口裁判長は検察側立証の打ち切りを決定した。これは水嶋裁判の勝利に向かっての大きな前進である。
冒頭、水嶋同志が「私は無実だ。直ちに釈放せよ」と激しい怒りをもって検察官を弾劾した。
続いて、転向裏切り分子・正井利明を逮捕した際に部屋から「水溶紙メモ」を押収した石井敏明(当時警視庁公安一課、現在北沢警察署)と、その「メモ」を「分析」した小高秀夫(警視庁公安一課)への反対尋問が行われた。
弁護人が押収過程について、「捜索は、正井に対する偽造有印私文書行使(履歴書の偽造)の容疑で行われたが、『水溶紙メモ』は捜索の容疑と関係あるのか。捜索差押許可状に記載されている『差し押さえるべき物』のどれに該当するのか」と石井を尋問した。石井は「時間がなかったのでメモを読むことができず、現場で内容を確認しなかった」としか答えられなかった。
実際石井は、「メモ」のみならず、『前進』や領収書、他の同志の国民健康保険証など、何から何まで押収した。石井の捜索差し押さえが徹頭徹尾でたらめであり、「水溶紙メモ」を違法に押収したことは明らかだ。
次に、「メモ」を「分析」した小高への反対尋問で、小高の「分析」がまったくでたらめであることが明白になった。だれがいつ、どのような目的で書いたものかも不明なのだ。小高は何度も答えに窮した。
決定的なことに、小高は「メモ」に記載してある「SAY」という人物のコードが水嶋同志を指しているとデッチあげた。しかしその根拠は、第8回公判で証人となった公安刑事・岡部正雄が「89年8月に(茨城県)古河市で水嶋同志に酷似した男性を見た」と言ったことのみというありさまだ。しかも第8回公判の法廷で水嶋同志を間近に見た岡部は「古河市で見た男と大分違う」と証言、自らのうそを暴露してしまった。そもそも水嶋同志は古河市に一度も行ったことがない。
岡部のうそに唯一依拠した小高のメモ「分析」は、分析でもなんでもない。文字どおりデッチあげだ。その上、「メモ」には内容上明白な矛盾がある。「SAY」はいかなる意味でも水嶋同志のことを示していない。
弁護人の迫力ある反対尋問は小高を追いつめ、法廷を圧倒した。駆けつけた傍聴者はかたずを飲んで聴き入った。
小高の「分析」はでたらめだ。「水溶紙メモ」は88年9・21戦闘とも、水嶋同志ともまったく関係がない。水嶋同志の無実は今公判によっても一点の曇りもなく明らかだ。
反対尋問を受け、川口裁判長は残りの検察側申請の証人をすべて却下した。検察側立証は終了だ。 弁護人は直ちに保釈請求をたたきつけた。
無実の水嶋同志は1年9カ月も勾留されている。これは権力犯罪だ。絶対に許されない。検察側立証が終了した今、いかなる勾留理由も成立しない。川口裁判長は水嶋同志を直ちに保釈せよ。
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週刊『前進』(2095号6面5)
A同志不当逮捕弾劾 免状不実デッチあげ 完黙・非転向で奪還
3月10日、日帝国家権力・神奈川県警は、運転免許試験場(横浜)で運転免許の更新手続きを済ませたA同志をデッチあげの「免状不実記載」容疑で、同試験場内で「現行犯」として逮捕した。
また翌11日に神奈川県警は、A同志が居住する前進社神奈川支社を同容疑で家宅捜索した。
これらの違法・不当な逮捕、捜索を許してはならない。とりわけ「免状不実記載」デッチあげ現行犯逮捕は百パーセント違法・不当であり、弾圧のエスカレーションである。粉砕あるのみだ。
A同志は前進社神奈川支社に現に住んでおり、「免状不実記載」は百パーセントデッチあげである。それをこともあろうに「現行犯」で逮捕するとは何ごとだ。「容疑」も「証拠」もまったくない。ただただ、A同志を逮捕・勾留し、前進社神奈川支社を捜索することのみを目的にした政治弾圧である。
A同志に対する取り調べは、毎日6時間に及び、転向強要に終始する違法なものであった。A同志は、怒りを込めて完全黙秘・非転向の原則を貫いて闘いぬき、不当極まる政治弾圧を粉砕し、3月20日に奪還された。
この違法なデッチあげ逮捕・勾留・家宅捜索は、イラク開戦切迫情勢のもと、イラク反戦闘争、国鉄闘争、4月選挙闘争、三里塚闘争の爆発を恐れた権力の政治弾圧である。
A同志の不屈の闘いに連帯し、弾圧を打ち破り、今春3大決戦の勝利に向かって驀進(ばくしん)しよう。
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週刊『前進』(2095号6面6)
公判日程
☆6・12私文書弾圧裁判
3月27日(木)午後1時15分
☆迎賓館・横田裁判
福嶋同志裁判
4月22日(火)午後1時15分
※いずれも東京地裁
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