ZENSHIN 2003/03/10(No2092
p08)
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週刊『前進』(2092号1面1)
市民も合流し銀座デモ
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【写真 上】手作りのメッセージボードを手にアピールする全学連
【写真 下】 女性部を先頭にデモ行進する東京労組交流センター(2月23日)=記事3面 |
革共同の3月アピール
3月イラク反戦デモ爆発へ
「国連査察強化」叫ぶ連合・日共の侵略戦争容認論を粉砕し闘おう
3・16革共同政治集会へ大結集を
当面する3〜4月決戦に総決起し勝利をかちとることを心から訴える。わが革共同はこの3〜4月、イラク侵略戦争阻止・北朝鮮侵略戦争阻止=有事立法粉砕決戦、国鉄闘争=国労5・27臨大闘争弾圧裁判闘争―03春闘決戦、統一地方選挙決戦の三つの決戦を闘いぬく。これらはどれひとつとして負けることのできない、労働者人民の利害と革共同の前途がかかった闘いである。この3大決戦を〈戦時下の階級闘争の全面的・決戦的展開>として一体的に位置づけて闘い、1・1アピールで提起された「新しい型の『社会主義と戦争』(世界大戦下のプロレタリアートの任務)の内容の創成」の実践として、宣伝・扇動―革命的大衆行動―革命党建設での新地平を切り開こう。
第1章 石油利権と世界支配の再編狙う虐殺戦争
21世紀に突入して、唯一の超大国・米帝はその体制的危機にのたうちまわり、その延命をかけて世界戦争計画を打ち立て、01年に発足したブッシュ政権の下でそれを発動しようとしていた。その米帝に対して01年9・11反米ゲリラ戦争が先制的にたたきつけられ、ブッシュはそれに報復するとしてアフガニスタン侵略戦争に突入した。これと一体で、イスラエル・シャロン政権によるパレスチナ人民への虐殺戦争が繰り広げられ(それは今なお続いている)、その上に、ブッシュは世界戦争計画の第2段階として昨年後半以降、イラク侵略戦争への突入を策動してきた。
この1月から2月にかけて、米帝のイラク侵略戦争をめぐる情勢は激動的な展開をみせた。米帝は1月20日のパウエル国務長官、21日のブッシュ大統領発言をもって、開戦の最終段階に入った。27日の国連査察団報告は米帝の意向にそうものであった。そしてブッシュは28日、一般教書演説において「米国は連合国を率いて武装解除する」とイラクへの事実上の宣戦布告を行った。31日の米英首脳会談で査察団報告の評価で一致し、2月5日のパウエルの国連安保理演説をもって2月中・下旬をメドに開戦しようと狙ったのである。
このような米英帝の動きに、独仏帝が反撃に出た。2月6日のNATO会議において、トルコ防衛のための早期警戒管制機AWACS派遣などに対して独仏とベルギーが拒否権を行使し、決定が見送られた。8日、ミュンヘンでの安全保障国際会議で、ラムズフェルド米国防長官とフィッシャー独外相が衝突し、ドイツはイラク開戦反対を公然と押し出した。そして10日、独仏ロの3国共同宣言が出された(これを中国も支持)。
こうした独仏(ロ中)の動きは情勢全体に強烈なインパクトを与えた。その中で2月14日に国連査察団の報告が提出され、安保理事会が開催されたのだ。
そして、この情勢全体と対決して、2・14〜16国際反戦大行動がかちとられ、全世界で1500万人規模の労働者人民・被抑圧民族人民が決起した。
14日の査察団報告は、1月報告と内容を異にし、「イラクに変化の兆しあり」を強調し、査察継続を強く押し出すものとなった。また、安保理は実に劇的に展開した。米英派対独仏派は3対12となり、米英派は国連政治において圧倒的に追いつめられた。
こうして14日を節目としてイラク攻撃突入の弁を最後的に開くという米英帝のもくろみは、さらに押し込まれた。
こうした最近の国際政治動向の特質は何か。
米英・独仏を軸に分裂
第一に、帝国主義間の争闘戦的利害からきわめて深刻な分裂が生み出され、米英帝ブロック(伊、日)と独仏帝ブロック(ロ、中)の間の抗争が一挙に激化していることである。
これは、米帝のイラク攻撃計画が帝国主義的な強盗的侵略戦争であり、むきだしの石油略奪戦争であり、世界支配の暴力的再編政策であることから引き起こされている。国際帝国主義は、29年大恐慌の時以上の大不況の重圧を受け、互いに他を追いつめ、つぶしあう激しい争闘戦の火花を散らしているのだ。
米帝の世界政策(世界戦争計画)をめぐって帝国主義間の分裂がここまで深刻に進行し露呈したことは、戦後史上例をみないことである。とくに、先述したように、米独間の対立が巨大な亀裂を生みだしたことは、帝国主義体制の根幹を揺るがす情勢が始まったことを示している。これは新たな世界大戦の危険をはらんだ情勢、まさに第1次や第2次の世界大戦の勃発時と同じ情勢の到来である。
第二に、全世界の労働者人民・被抑圧民族人民が2・14〜16国際反戦大行動で1500万人規模で反戦決起するというダイナミックな階級情勢が進行していることである。これも国際階級闘争で前例のない新たな状況である。
日本でも、これに呼応する闘いが20労組、百万人署名運動や、反戦共同行動委員会の闘いを始めさまざまな陣形での統一行動が展開され、全国で数万人規模の決起がかちとられた。
第三に、こうした帝国主義間の分裂と抗争の激化と、国際反戦行動の爆発が相互に規定しあう階級情勢が訪れていることである。米欧とりわけEU諸国内での百万人単位の反戦デモが米英と独仏との亀裂にそって拡大・爆発し、逆にそれが米英と独仏の対立と分裂をますます激化させているのである。
米帝のイラク侵略戦争政策の現状破壊性と独仏(EU諸国)の対米自立化への圧殺姿勢は、独仏の存在を揺るがしている。それゆえに、独仏派は米帝の政策に反対し、イラク問題の「平和的解決」=査察継続の政策を真っ向から対置したのである。そして、この米独間の亀裂に、反戦デモは大きなくさびを打ち込み、それを一層拡大させたのである。
レーニンは、「第二インタナショナルの崩壊」において「革命的情勢の一般的な徴候」をあげた中で、「『上層』のあれこれの危機、支配階級の政治の危機が、亀裂をつくりだし、それにそって、被抑圧階級の不満と憤激が爆発する」こと、そして「大衆は危機の環境全体と『上層』そのものとによって、自主的な歴史的行動にひきいれられる」ことを強調している。今や戦争と大恐慌の時代の到来の中で、全世界的に革命的情勢が生み出されているのだ。
このように2月14日に上りつめた経過は、米帝の圧倒的な超大国性にもかかわらず、帝国主義間の対立と分裂が危機的な内容をもって進行し激化していることを示した。そこに全世界的な巨大な反戦デモが爆発することによって追いつめられた米帝には、いかに絶望的だろうとますます凶暴化し、イラク侵略戦争を強行する以外に出口はない。
むしろ米帝は、その強大な軍事力を行使して中東の新植民地主義支配体制の暴力的再編と中東―世界石油支配の独占的強化の過程に突入することで、一方で米帝との亀裂と対立が拡大し、他方で労働者人民の反戦デモが反体制的な闘いへと転化することに、EU諸帝国主義が恐怖し、たじろぐことを見ぬいている。あえてそうすることでEU諸国の分断を図ろうとしているのだ。
独仏(EU諸国)にとっては、米帝との決定的な亀裂を拡大するのか否か、人民の反戦デモと激突するのか否かという二重の決断が迫られている。その後の情勢の推移は、明らかにその階級的動揺と恐怖の作用が働き始め、独仏の側に「揺り戻し」が起きたことを示している。
米英全面支持の小泉
こうした情勢の展開の中で、米帝を決定的に支える方向で大きく踏み出したのが日帝・小泉政権である。川口外相は14日、米帝が要求している武力行使容認の新決議の成立をめざして、安保理非常任理事国に対してODA(政府開発援助)などを武器として賛成派に獲得することを公然と明らかにした。さらに18日の国連の会議で、日帝は「イラクは今日まで国連の査察に協力していない」と断定し、これを続けるならば武力行使もやむをえないとする主張を、隣のイラク代表の前で居丈高に表明したのである。
日帝は、米英派と一体化して新決議路線を推進し、もしこれが否決されるか、通らない見通しになれば、米英などの単独でのイラク開戦を承認するという立場を打ち出したのだ。米帝のイラク侵略戦争をめぐって、〈米英日伊>対〈独仏中ロ>という分裂が深まりつつある中で、日帝は米英派としてこの戦争に加わっていこうとしているのだ。そして本質的に、日帝(独仏帝)は独力で侵略戦争をやる構えなしに体制的に延命できないことが突きつけられているのである。
米帝は、3月7日の国連査察団報告を受け、そこで仏ロの巻き込みについて判断し、最終的決断を下し、3月中下旬にもイラク攻撃に突入しようとしている。
今や全世界人民の圧倒的な反対と帝国主義陣営の分裂の中で、米帝のすさまじい凶暴さをむきだしにした中東侵略戦争―世界支配再編のための戦争が遂行されようとしており、各国帝国主義は米帝支持や容認の立場をとれば、労働者人民の反戦デモと激突せざるをえないという構図で情勢が進展しているのだ。
これは労働者人民の側から言えば、まさにレーニンが言うように、この米帝のイラク侵略戦争は全世界的な革命的情勢への接近を急速に促すものとなっていく。そして、米帝や諸帝国主義の体制そのものを転覆する、あるいは揺るがすことなしには、侵略戦争は阻止できないことがいよいよ明らかになっていく。
われわれは、この情勢をまさに戦争の真の根源である帝国主義の根底的転覆に向かって発展させるべく、「新しい型の『社会主義と戦争』の内容の創成」をかけて、闘うムスリム人民、闘うアジア人民、闘う全世界労働者人民と連帯して、帝国主義のイラク侵略戦争を国際的内乱に転化するために総決起していこう。
当面する実践方針は何か。第一に、米英の反戦運動団体から呼びかけられている3月5日、8日、15日の反戦デモを全世界的に2・14〜16行動を上回るデモとしてかちとることである。その一翼として、日本の地で百万人規模のデモの実現をめざして今こそ総決起しよう。米大使館・総領事館、横須賀、沖縄を始めとする在日米軍基地への闘いに立とう。全国各地で反戦署名と反戦デモを組織しよう。日帝・小泉政権の参戦攻撃、イラク新法策動と対決し粉砕しよう。
第二に、イラク反戦闘争と一体で、米日帝の北朝鮮侵略戦争阻止・有事立法粉砕の闘いをつくりあげていくことである。米帝の軍事重圧にあえぐ金正日政権は冒険主義的な瀬戸際政策を次々と繰り広げている。それを口実に米帝がますます侵略戦争策動を強め、小泉政権はこれと共同=競合しつつ参戦態勢の構築を急ぎ、個人情報保護法案を突破口に有事3法成立を強行しようとしているのだ。
第三に、3・30三里塚闘争を米帝のイラク侵略戦争と真っ向から対決する反戦闘争としてかちとることである。また、米帝の最大の出撃拠点である沖縄の米軍基地に対する闘いに立ち上がろう。
第四に、教育基本法改悪との闘いである。日帝の攻撃をうち破り、日教組運動の階級的再生をかちとるために、創意をこらしてさまざまな闘いをやりぬこう。
第2章 一大資本攻勢と闘い3月春闘決戦爆発へ
帝国主義間争闘戦の激化=戦争政策上での対立と亀裂が拡大し、世界経済の恐慌と大不況が激化する中で、一方で、帝国主義の侵略戦争が強行され、他方で、各国内での労働者階級・労働運動に対する一大資本攻勢が進行している。資本家階級は労働者人民の政治闘争への決起を圧殺しようとするとともに、労働者階級へのリストラ・権利はく奪・賃下げ・収奪の攻撃を著しく激化させ、労働組合運動の原則的な展開さえ弾圧し、産業報国会的御用組合・帝国主義的労働運動への変質を図ろうとしている。
このような歴史的な一大資本攻勢の展開に対して、労働者階級は自己の階級的死活をかけて決起していく。そして、資本・権力による階級的分断攻撃と闘い、日本全国そして全世界の労働者人民と連帯した闘いを不断に発展させていく。
われわれは、資本攻勢との闘いの重さにひるまず、労働者自己解放闘争の思想と路線に立脚してこの攻防戦を闘いぬく中でこそ、階級闘争全般の戦闘化と前進を支える力を獲得でき、03年前半の階級決戦に勝利できるという考え方に立ち、あらゆる困難をのりこえて闘う。
ベアゼロと定昇廃止
今日の日帝・資本家階級の攻撃の基本的考え方は、「雇用に関する政労使合意」(昨年12月)、「日本経団連・経営労働政策委員会報告」(同)、奥田ビジョン「活用と魅力あふれる日本をめざして(2025年までの将来構想)」(1月1日)として打ち出されている。
大不況=デフレ経済化と帝国主義間争闘戦の死闘化の中で、資本家階級は行きづまった政治・経済を改造する一大反革命としてリストラ・大失業攻撃の断行、消費税増税を軸とした財政改革、勢力圏形成とブロック化などの帝国主義的政策を強行しようとしている。
具体的に、03春闘をめぐる動向もかつてない状況である。最近の新聞の春闘欄の記事を見ると、労組側は、自動車総連―ベア見送り、三菱自動車労資―定昇制全廃で合意、電機連合―ベア見送り、JR連合―ベア1000円、私鉄総連―ベア1300円などであり、資本側の攻撃としては、富士通―定昇幅圧縮、日立・松下電器・東京電力―定昇制見直し、住友電気工業―定昇の1年見送りなど、まさに恐るべき様相を示している。
これらは大企業と大労組の動きの一部だが、労働者階級全体へのより激しい攻撃の反動的拠点となっている。02春闘でのベアなし情勢の定着の上に、03春闘では定昇制への全面攻撃へと移行している。これは労働者にとって大幅な賃下げであり、賃金体系の大改悪であり、職場支配の圧倒的強化である。終身雇用制の解体→労働市場の流動化(不安定化)と一体で、年功序列賃金体系がなんとか残存している基幹部分での解体攻撃が進行しているのである。大企業と大労組をめぐるこうした動きは、中小企業の労働者にとっては幾層倍も厳しい攻撃となって進んでいる。また、膨大化する不安定雇用下の労働者やパート労働者などには、さらに極限的な状況が強いられている。
国鉄めぐる決戦攻防
われわれは、03春闘を階級闘争全体の決定的な一環として自覚的に位置づけて、これに各産別の闘いを結合して闘う。一大資本攻勢に対する労働者階級の怒りと闘いが必ず爆発することへの確信をもち、その今日的火点としての動労千葉の闘い、国鉄決戦と国労5・27臨大闘争弾圧との闘い、3労組陣形の闘いの勝利をめざして闘う。
動労千葉と国労の闘う労働者の闘いは、国鉄分割・民営化で首を切られた労働者を守り、さらにJRのもとでのリストラ攻撃などに対決して階級的労働運動を守りぬき再生していく闘いである。それは今日の一大資本攻勢と核心部で激突する闘いとしてある。また3労組の闘いは、中小企業の労働者、不安定雇用や失業を強制された労働者の闘いの先頭に立っており、今日の階級闘争全体の基底をなしている。
われわれは、こうした戦闘的労働者の闘いはまだ大きくはないが、それが闘う統一戦線のもとで発展すれば、必ず労働者階級全体と結びつき揺り動かしていく力をもっていると確信している。
そのことは、国家権力および与党3党が4党合意を破棄するところまで追い込まれ、国鉄闘争解体策動が基本的に破綻していることに示されている。まさにここに「革命のヒドラ」を見たがゆえに、権力は国労5・27臨大闘争弾圧を強行してきたのだ。
しかし、その凶暴性にひるまず、階級的・大衆的に反撃すれば、必ず勝利できる。国労本部は国労弾圧裁判闘争の勝利的前進に大打撃を受け、「宮坂補強5項目」=闘争団解体・国労自己解体方針をふりかざして反革命的策動にのめりこんできた(2・15中央委員会)。
国鉄闘争は最終的決着をつける次期国労大会に向かう決戦的攻防に入った。1047人闘争陣形、「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」の賛同と裁判闘争支援体制の強化をかちとることをとおして、国労本部執行部打倒・国労の階級的再生、国鉄決戦勝利の道を切り開こう。国労労働者への信頼と勝利への執念をもって、強靱(きょうじん)な精神で白熱的に闘いぬいてきたこの蜂起戦を最後まで貫徹し勝利をわが手に握りしめよう。
03春闘において動労千葉は、今日の一大資本攻勢の最も鋭い表れであるJR資本の賃下げ・業務外注化・安全無視などの攻撃に直面している絶体絶命的な現実を見すえ、その攻撃をはね返すとともに、新しい組織拡大への道を切り開こうとしている。それは、連合やJR総連の全面的屈服をうち破って資本攻勢と対決し勝利していく道を具体的に示す闘いであると同時に、JR総連解体・平成採労働者の獲得をとおして現在の組織的現実を革命的に突破していく闘いである。
われわれは、95年19全総において国鉄決戦に革共同の命運をかけて突入すると決定した時の決意をあらためてうち固めて、JR総連やJR連合との死闘をとおして平成採労働者を獲得する決戦に突入することを宣言する。
今こそ動労千葉の決起と国労弾圧との闘いを全身で受けとめ、「生活防衛、イラク反戦、反弾圧」のスローガンのもとに、各産別や各地域での闘いとしっかりと結合させ闘い抜き、3月春闘決戦に総決起していこう。
第3章 新しい革命的労働者党へ決定的第一歩を
4月統一地方選挙―杉並区議選決戦は03年前半の最大の政治決戦である。
4月選挙は、小泉政権と自民党にとっても負けられない一大政治決戦となっている。労働者人民の動向が決定的に流動化し、かつ活性化している中で、既成の大政党やミニ政党にとってもその浮沈がかかった決戦としてある。
われわれが杉並区議選で3候補の当選をかちとり、幹事長会派の資格を獲得するということは、杉並区のこととはいえ、既成政党の厚い壁をうち壊して、社共に代わる新しい政党―革命的労働者党として政治世界に躍り出ることになる。これは都議選や国政選挙への道を開くだけでなく、革共同と労働者人民の結びつきを変革し、革命的大衆行動と党建設の前進の決定的な第一歩を築くことになる。つまり今日の内外情勢の中で、われわれが労働者人民の党として躍り出るには、どこから進んでも分厚い壁をぶち破らなければならないが、杉並区議選はその決定的な突破口を切り開く可能性と現実性をもつ闘いだということである。
統一地方選挙決戦は、まさに「4月27日」という日限のある蜂起戦であることをみすえて、全員当選の勝利に向かって全力で突進しよう。
2月26日、東京地検は、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判の3同志に対して懲役13年から15年を求刑する反革命的攻撃をしかけてきた。3同志を保釈奪還した地平を踏み固め、9月最終弁論の総反撃をもって、無罪判決をかちとろう。福嶋同志の早期保釈をかちとり、星野同志奪還へ闘いの前進を切り開こう。
3・16革共同政治集会の大成功をかちとり、3〜4月決戦勝利へ突撃することを訴える。その中でレーニン主義的な労働者党への変革と飛躍をかちとろう。
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週刊『前進』(2092号1面2)
爆取裁判、15年求刑弾劾する
2月26日、迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判の第174回論告求刑公判が東京地裁で開かれ、検察官は、無実の須賀武敏同志に対して15年、十亀弘史同志と板垣宏同志に対して13年の求刑を強行した。重刑求刑を満身の怒りで弾劾する。
論告は、86年東京サミットを粉砕した迎賓館と米軍横田基地へのロケット弾戦闘に対する憎悪をむき出しにした階級的報復であることを露骨に示した。しかしその内容は、被告・弁護団の裁判闘争にたたきのめされた空疎なものである。
爆発物取締罰則1条(爆発物使用)の「共謀共同正犯」としてデッチあげ起訴し、検察側立証だけで13年もの超長期裁判を強行しながら、「共謀」がいつ、どこで、どのように行われたかはまったく不明である。何も立証できていない。検事は結局、3同志が中核派革命軍に属すから関与したに違いないとわめきちらすのみであった。
3同志は無実だ。3同志の最終意見陳述と弁護団の最終弁論は、9月1、2、3日に行われる。無実・無罪を絶対にかちとろう。
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週刊『前進』(2092号2面1)
賃下げ・生活破壊に03春闘で総反撃を
労働法制改悪・社会保障解体 今国会上程の反動法案暴く
労働者の団結の力で粉砕を
03春闘は、労働者階級の生活と権利をかけた決戦である。日帝資本は、連合指導部の屈服を全面的に突いて、定期昇給の解体=賃下げ攻撃を全面化させている。終身雇用制解体―不安定雇用化攻撃とあいまって、いよいよ日本の労働者の賃金を一挙に引き下げ、「発展途上国並み」にまで押し下げる攻撃を本格的に開始したのだ。この攻撃と真っ向から対決し、イラク開戦情勢に対する全世界の津波のような反戦闘争と連帯する日本労働者階級の総決起を実現しなければならない。本稿では、このような賃下げ攻撃とともに、現在の156通常国会に提出予定の労働法制改悪や社会保障制度改悪の重大法案の暴露をとおして、日本の労働者が直面している恐るべき現実を明らかにしたい。それは同時に、いよいよ日本の労働者階級が総反撃を開始する情勢が成熟していることを示すものである。今こそ団結し、イラク反戦決起と結合して、「生活・権利・賃金・雇用防衛」を掲げ、03春闘に総決起することを訴える。
連合の屈服を突いて定昇廃止へ一斉攻撃
日帝資本は、3月12日の集中回答日を待たずに定期昇給制度の廃止などの賃下げ攻撃を次々と打ち出している。連合が統一要求を放棄し、主要単産が軒並みベア要求放棄を決める中で、資本の側からの「逆提案」が相次いでいるのだ。定昇廃止とは、資本にとっては総額人件費引き下げであり、最低でも1歳上の労働者の賃金に上がるはずだった個々の労働者にとっては賃下げにほかならない。
自動車では、史上最大の経常利益を上げる見込みのトヨタの労組がベア要求を放棄し、経営側は年齢給の全廃を打ち出した。ホンダは30歳前後で定昇をストップして賃下げもある制度への移行を決めた。三菱自動車はすでに定昇の全廃で労資合意したと発表した。
電機大手では富士通、三菱電機、NECが定昇の圧縮を打ち出している。松下電器は職種別・部門別賃金の導入を狙っている。
主要企業で定昇を「存続させる」のは18%で、「すでに廃止・見直した」は35%に上る(2・26日経新聞)。定昇制度のない中小企業に及ぼす影響は深刻である。賃金制度など関係なく、むき出しの賃下げ攻撃が襲うということだ。
日本経団連の「経労委報告」は、要求し闘う春闘は一切許さない、労働組合は国と企業がいかに生き残るのかを資本と一体となって考え、いかに賃下げをやるかを討論する「春討」にすべきだと言い放った。それを字義どおりに実行しているのだ。
日本経団連会長の奥田は「経営側の考えに対し組合の理解が深まっており、今春闘の交渉はあまり難しいものにならないと思う」(2・13日経新聞)と、連合の屈服を完全に見透かしている。連合会長・笹森は「定昇の死守」を強調するが、ベア要求放棄でベアゼロが上限となり、賃下げを容認したに等しい。連合の犯罪性は歴然としている。
厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、02年度平均の月間賃金は前年比2・4%減で、調査開始以来最大の落ち込みとなった。昨春闘の賃下げと不安定雇用の増大によるものだ。
日本の労働者の賃金はいったいどこまで引き下げられるのか。90年代の初めにアメリカの労働者の賃金が20年前の水準にまで引き下げられたような攻撃を許してしまうのか否か。そうした分水嶺(ぶんすいれい)に立たされていると言っても過言ではない。
この時こそ°大幅賃上げを要求し実力行使=ストライキを背景に闘う″という本来の春闘の復権が求められているのだ。
資本の解雇権を認め総不安定雇用化狙う
日帝資本は、賃下げと同時に労働法制改悪や社会保障制度解体、税制改悪の攻撃をとおして終身雇用制を解体し、労働者階級の生活をあらゆる面から破壊しようとしている。
1月末から始まった156通常国会で、小泉政権はそのための反動法案を次々と成立させようとしている。有事関連3法案などの超重大法案の強行が狙われているが、直接に労働者の生活と権利を奪う法案にしぼって見ていきたい。
まず労働法制改悪攻撃である。
戦後労働法制の根本的考え方は、資本の攻撃を法律で規制して労働者を守らなければならないということだ。しかも、労働者は労働組合をつくり団結して闘う権利が保障されている。これは労働者階級が闘いとったものである。こうした「労働者保護法」を徹底的に解体し、「首切り・権利はく奪法」へと転換することが狙いだ。
厚生労働省の労働政策審議会は2月18日、「労働基準法改正法案要綱」について、21日には「職業安定法および労働者派遣法の改正法案要綱」について、「おおむね妥当」と坂口厚労相に答申した。それぞれの改悪法案が3月中にも国会に提出されようとしている。
労働者の生活を破壊する今国会の重大法案など
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労働基準法改悪
○「解雇は原則自由」を明記
○有期雇用契約の拡大
○裁量労働制の要件緩和 |
3月にも法案国会提出 |
○ホワイトカラー労働者は労働時間規制の適用除外に |
総合規制改革会議と厚労省が検討中 |
労働者派遣法・職業安定法改悪
○製造業への派遣の解禁
○派遣期間を3年に延長 |
3月にも法案国会提出 |
雇用保険法改悪
○失業給付の額と日数を削減 |
5月実施を狙い法案提出 |
税制の改悪
年金制度の改悪
○物価スライドで給付削減 |
4月実施を狙い法案提出 |
○保険料の段階的引き上げ と給付額の大幅引き下げ
○第3号被保険者の解体 |
経済財政諮問会議と厚労省が検討中 |
○基礎年金の国庫負担増額に伴い消費税椀率を16%に |
日本経団連が「奥田ビジョン」で提案 |
医療保険制度の改悪
介護保険制度の改悪
○保険料の引き上げ |
各市町村が4月から実施 |
○20歳からの保険料徴収 |
厚労省が検討中 |
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■労基法改悪案
@解雇ルールの新設 解雇について「要綱」は次のように規定している。
(a)「使用者は、この法律又は他の法律の規定によりその使用する労働者の解雇に関する権利が制限されている場合を除き、労働者を解雇することができること」
(b)「ただし、その解雇が、客観的かつ合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用(らんよう)したものとして、無効とするものとすること」
もともと労基法は「使用者は……してはならない」というのが原則で、「……できる」というのは例外だった。ところが、まず(a)で「労働者を解雇することができる」とした。これは資本に原則自由な解雇権限を与えるということだ。(b)で「権利の濫用」とされるのは例外である。
最低労働条件を定め、資本が順守することを刑罰の威嚇をもって強制する労基法の基本的性格とまったく相入れない規定である。労働者・労働組合は保護されるものではなく、権力によって支配され取り締まられる存在へと逆転させるものだ。それは団結権を解体し、治安弾圧の対象にする攻撃に行き着く。
現在、解雇に関する裁判では「解雇の正当性」を資本の側が立証する責任を負う。しかし、この規定では労働者側が「権利の濫用だ」と立証しなければならなくなる。しかも今日、JR採用差別事件の全動労高裁判決のように「国策に反対する者は解雇されて当然」という風潮がつくられ、国家や資本にとって必要な解雇はすべて「相当」であるとされるのだ。現に激しく進行しているリストラ・解雇攻撃の現状を追認し、それをさらに促進することになる。
さらに「要綱」は、就業規則で「退職に関する事項に解雇の事由を含むことを明らかにするものとすること」としている。
昨年末に労働政策審議会が厚労相に提出した「建議」では、「労働契約の終了に際して発生するトラブルを防止し、その迅速な解決を図る」などと、その狙いを露骨に述べている。この「要綱」では削除されたが、解雇が無効とされた場合にも復職ではなく「金銭補償」で済ませる条項を検討しているのだ。
つまり、労働者にあらかじめ解雇があり得ることを承認させ、解雇撤回―職場復帰の闘いなどたたきつぶすということなのだ。
A有期雇用の拡大
有期雇用については、現行の原則1年、例外3年を、原則3年、例外として専門職と60歳以上については5年とするとしている。
これは、大多数の労働者を不安定雇用化しようとするものだ。もともと労基法は「期間の定めのない」雇用が原則だった。そこに有期雇用が導入され、さらに拡大しようというのだ。
正規雇用労働者を有期契約の不安定雇用労働者に置き換えたり、新規学卒者の採用を3年の有期契約にすることで、事実上の若年定年制を狙っている。
厚労省は「労働者ひとりひとりが主体的に多様な働き方を選択できる可能性を拡大すること」などと言っているが、とんでもない。有期雇用の拡大は労働者の要求ではなく、資本の要求である。労働者を必要な時に雇い、いつでも首を切れるようにしたいということなのだ。
B裁量労働制の拡大
裁量労働制とは、業務の遂行の方法を労働者の裁量にゆだね、実際の労働時間と関係なく「一定時間労働したとみなす」制度だ。専門業務型と企画業務型があるが、企画業務型については本社など事業運営上の重要な決定が行われる事業所に限定していたのを「限定しないものとすること」として、支社、支店、営業所などに無制限に拡大する。現在は「労使委員会」での全員一致が導入要件だが、それを5分の4以上にするなど、大幅に緩和する。
さらに「建議」では「アメリカのホワイトカラー・イグゼンプションを検討する」と言っている。これはホワイトカラーを労働時間規制から除外するというものだ。アメリカではホワイトカラーだけでなく、鉄道運送業や外勤セールスマンなどが含まれている。
つまり、多数の労働者を1週40時間、1日8時間という労働時間規制からはずし、いくら働いても時間外手当もなしにするということだ。
■派遣法・職安法改悪案
@製造業への派遣解禁
派遣法改悪では、今まで禁じられていた「物の製造」への派遣を認めようとしている(経過措置として、施行後3年間は派遣期間を1年に制限)。これは現在、「請負」という形で行われているアウトソーシングを全面的に拡大し、製造現場の大部分を派遣労働者に置き換えようとするものだ。すでに請負会社が派遣会社と提携して参入の準備を始めている。
A派遣期間の延長
さらに、1年に限定されている一般派遣の制限を3年に延長する。専門的26業務は通達で3年を上限とされているが、この期間制限を廃止する。社会福祉施設での医療業務への派遣も解禁しようとしている。
派遣労働者数は01年度に175万人に増加(対前年比26・1%増)しているが、その賃金は正規雇用の3分の1以下である。資本にとって派遣の活用は「コスト削減」の重要な武器となる。
B職業紹介事業の規制緩和
職安法の改悪では、民間の有料職業紹介事業の許可の手続きを緩和する。もともと労基法で「中間搾取」=ピンはねを禁止していたのを合法化したものだが、それをさらに拡大しようということだ。
■雇用保険法改悪
雇用保険法改悪法案はすでに国会提出されている。保険料率を05年度から引き上げる。資本の側がその負担分の引き上げに反対したため、2年間は据え置きとなったものだ。
その上で問題なのは、失業手当の給付率を引き下げることだ。離職時賃金の80〜60%(60裁未満)を80〜50%に引き下げる。また、失業手当の日額の上限も24%(60裁未満)引き下げ、正社員で「自己都合」の離職者の給付日数をパートの離職者に合わせて180日から150日に短縮する。
これらは「再就職促進」の名のもとに行われようとしている。゛失業手当が高いから、それより低賃金のところに再就職しないことが問題だ゛というのだ。これも狙いは不安定雇用化だ。
日帝は、これらの攻撃が労働者の反乱を不可避とすることを見すえ、これを鎮圧しようとしている。国労5・27臨大闘争弾圧は、その最も鋭い攻撃なのだ。
労働者支配の破産を示す大増税・年金破壊
次に税制・社会保障制度について見ていく。
■税制の改悪
まず、労働者世帯にとって許せないのは、来年4月から配偶者特別控除の上乗せ部分を廃止することだ。政府はすでにそのための法案を提出している。いわゆる専業主婦世帯で年間4〜6万円の増税となる。
また今年7月から、たばこ税・酒税(発泡酒など)が上がる。
その一方で、企業の研究開発・設備投資などについて約2兆円も減税する。
さらに、今国会では出されないが、消費税率の大幅引き上げが画策されている。日本経団連の「奥田ビジョン」は、現在5%の消費税率を04年度から毎年1%ずつ上げて14年度以降16%にせよと主張している。
■社会保障制度の改悪
@年金制度の改悪
厚生年金の保険料率は、4月から一時金も含めた年収で13・58%(労資折半)にすることが決まっている。厚労省は04年の制度改革に向けて20%(労働者は年収の1割負担)まで上げる案を検討している。
また、年金給付の大幅削減を狙っている。国民年金も含めて給付額を「物価スライド」で初めて引き下げる。02年平均の消費者物価が0・9%下落したとの発表を受け、その分を減額する法案を提出している。
さらに企業年金の解散が相次いでいる。
A医療保険制度の改悪
健康保険の医療費本人負担を現行の2割を3割に引き上げることが昨年の通常国会で決まっている。ただ、4月実施を前に医師会などが反対する中、野党が見直しを主張している。
B介護保険制度の改悪
介護保険料が今年4月から40―64歳で4%、65歳以上で11%も引き上げられようとしている。また保険料を20歳から徴収する案が検討されており、04年に法案提出予定だ。
イラク反戦へ壮大な決起を
以上のような攻撃は、労働者をどういう状態に突き落とそうとしているのか。
端的に言って、日本経団連が経労委報告であらためて本格的に実行に移すと宣言した、95年の「新時代の『日本的経営』」の中身である。つまり、大多数の労働者を首切り自由で有期契約の不安定雇用労働者にするということだ。
現在は7割を占めている長期継続雇用(終身雇用制)の労働者を1割にまで減らし、「雇用柔軟型」と称する不安定雇用労働者を9割にする。賃金は時間給で昇給はなし、退職金も年金もなし。年金も医療もすべて「自己責任」でやれ、ということなのだ。
こうした労働者に対する激烈な攻撃の背景には、「国際競争力の劣化」=帝国主義間争闘戦での敗勢の現実に対する日帝資本の激しい危機感がある。だから日本経済の危機を逆手にとり「国の存続にかかわる」と労働者を恫喝して、すべての犠牲を受け入れよと迫っているのだ。
それは「奥田ビジョン」が打ち出した「東アジア自由経済圏」=新たな「大東亜共栄圏」構想や、イラク侵略戦争への参戦・有事立法攻撃と一体のものだ。資本が生き延びるためには、賃金・雇用も社会保障もすべて破壊し、労働者を戦争に動員しようというのだ。
それは、国家と資本の戦後的あり方が完全に行き詰まり、従来の労働者支配が破産したことの表明でもある。労働者もこれまでのように生きることはできず、生きるためには闘う以外にない時代、必ず立ち上がる時代に入ったのだ。
この時に連合のように、資本に「雇用だけは守ってくれ」と泣きついて賃上げ要求も放棄しては、限りない後退を強いられるだけだ。労働法制でも「解雇規制」を要求すると言うが、それが逆手にとられて「解雇自由」の法律が制定されようとしている。
こうした時代にこそ労働運動の本来のあり方、すなわち団結の力を武器に闘うという原則に立ち返ることだ。労働者の団結した力だけが生活と権利を守り戦争を阻むことができるのだ。
03春闘こそ、そうした労働運動の潮流を力強く登場させる時だ。国労5・27臨大闘争弾圧を粉砕し、動労千葉の春闘決起に続き、イラク侵略戦争阻止へ全世界の労働者階級と連帯して総決起しよう。
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週刊『前進』(2092号2面2)
戦争体制と闘う教育労働者 第3回 杉本明さん 福岡(小学校)
「愛国心」評価づけ 通知表で3段階にランク 戦争教育の先兵にはならない
国への忠誠強要戦争担う人間に
福岡では、教育基本法改悪の先取りとして、子どもたちの「愛国心」を通知表でランクづけして評価するという恐るべき事態が始まっている。
福岡市は昨年4月から、市内の小学校の通知表を「相対評価」から「絶対評価」に切り替え、それにともない通知表もつくり変えた。それに乗じて福岡市小学校長会が、小学校6年生の通知表に「国を愛する心情や、世界の中の日本人としての自覚」を評価する項目を盛り込み、この通知表を、市内のほぼ半数の69小学校が採用していたのである。通知表に「国を愛する心情や日本人としての自覚」の項目が設けられ、他の教科と同様に「A・B・C」の3段階で評価するというものだ。
これは、子どもたちに「愛国心」を強制するにとどまらない。教育という形をとりながら、労働者人民に国家への忠誠を強要するものであり、それに従わない者は排除していく「非国民」攻撃である。在日・滞日のアジアの労働者人民に対しては、「同化教育」を強いる差別・排外主義そのものである。
そして同時に、教育労働者をこの攻撃の先兵としようとする、断じて許すことのできない攻撃である。
小泉政権は今、イラク侵略戦争への支持・参戦をいち早く宣言し、有事立法制定へ突き進んでいる。さらに改憲攻撃そのものとして教基法改悪を狙っている。
それに対して今、全世界の労働者人民が、史上最大規模のイラク反戦闘争に立ち上がっている。福岡でも、毎週のようにイラク反戦・有事立法阻止、教基法改悪反対の闘いが繰り広げられている。「愛国心」通知表はこうした情勢のもとで登場した。
「国家の教育権」の復活を狙う
それは、評価項目に「国を愛する心情や日本人としての自覚」を挙げることで、子どもたちに「愛国心」を強制し、侵略戦争を担う人間をつくろうとするものである。
教基法には、前文で「個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期する」、第1条で「教育は人格の完成をめざし」とある。これは、「教育勅語」に基づく戦前の教育がすべて「国家の教育権」のもとで行われたものであったことを否定して、「国民の教育権」を保障したものであった。
しかし教基法改悪をもくろむ中教審は、中間報告で「21世紀を切り拓(ひら)く心豊かでたくましい日本人の育成」「日本人としてのアイデンティティ(伝統、文化の尊重、郷土や国を愛する心)」と、°愛国心と規範意識″を打ち出し、教育の目標を「国家有為の人材開発」へと転換しようとしている。これは、「国民の教育権」を完全に否定して「国家の教育権」を強制するものであり、「教育権」の反動的転換そのものである。福岡における「愛国心」通知表は、この動きと軌を一にして登場したのである。
権力の教育支配を許さず闘おう
在日朝鮮人の市民団体「ウリ・サフェ(=私たちの社会)」は、「国を愛する心情や日本人としての自覚」の評価項目の即時削除を求め、いち早く教育委員会、福岡市校長会との交渉を行った。また「愛国心」評価項目を削除する市民の会も結成された。そして、福岡で「一日中教審」が開かれた10月7日には、屋外集会とデモを行い、「教育基本法改悪反対。『愛国心』通知表は戦争へつながるものであり、絶対反対」と訴えて闘った。
また教組も、「愛国心」通知表を採用している小学校の分会が「愛国心」評価項目の削除を求めて行動を開始している。この問題の背景には、連合路線のもとで進行してきた教育労働者の職場支配権の後退がある。削除に向けた闘いは、教育基本法改悪反対の闘いと一体の、権力の教育支配を許さない闘いとして展開されている。
教育委員会は、「保護者に評価項目への理解を求める」と同項目の削除を拒否し、「理解の徹底」、すなわちさらなる強制をもって回答としている。校長会も学習指導要領を盾に削除を拒否した。本来、通知表は学校の裁量権の枠内にある。保護者・市民の願いには目もくれず、校長会(福岡市公募委員会)が作成した通知表を各小学校に強制することは、「評価」という形での教育内容への不当介入である。
「愛国心」通知表とは、小泉政権の有事立法制定、教基法改悪=改憲とまったく一体の攻撃である。したがって今、この通知表を破棄させる闘いは、イラク・北朝鮮侵略戦争反対、有事立法阻止、教育基本法改悪反対の闘いと結びつきつつ発展している。
私たち福岡の教育労働者は、在日朝鮮人や在日・滞日アジア人民とともに、「愛国心」評価項目の即時削除へ闘いぬく。
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週刊『前進』(2092号2面3)
国労弾圧 3・17大法廷埋める結集へ
国労5・27臨大闘争弾圧の公判闘争は、いよいよ本格的な攻防に入る。被告と弁護団の意見陳述は、被告たちの行動の正義と、彼らが無罪であることを余すところなく明らかにした。
第4回公判は3月17日だ。大法廷を埋め尽くす結集をかちとろう。公判報告集会に集まろう。
大法廷を実現したのは、被告・家族・弁護団の闘いと、それを支えぬいた法廷外での大衆的な行動だ。この成果は限りなく大きい。
検察は、これに反動的な憎悪を燃やし、でたらめきわまる「有罪立証」に突き進もうとしている。国労の解体をたくらむチャレンジと反動革同の国労本部、東京地本の一部反動役員は、権力の手先に成り下がり被告たちを「有罪」に陥れようと狙っている。これを粉砕することに、国労と日本労働運動再生の道がある。
全世界で巻き起こる壮大なイラク反戦闘争・資本攻勢への反撃戦と連帯し、03春闘勝利の突撃路を国労弾圧粉砕の闘いを軸に切り開こう。許さない会をさらに拡大し、被告の早期奪還と無罪戦取へ闘いぬこう。
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週刊『前進』(2092号3面1)
イラク開戦阻止へ今こそ “一緒に行動を”と呼びかけ
反戦共同行動委 1150人が都心貫きデモ
2月23日、反戦共同行動委員会が主催する「イラク・北朝鮮侵略戦争阻止! 有事法制粉砕! 2・23全国総決起闘争」が東京・日比谷野音で行われ、全世界での空前のイラク反戦闘争と連帯して1150人が結集した。集会にもデモにも初参加者、飛び入り参加者が続々と合流して、イラク反戦闘争の大きな広がりを実感する大高揚をかちとった。
次つぎ飛び入りで参加
「沿道の人に参加を呼びかけて、隊列が2倍になるようなデモを行いましょう!」。集会の最後に、全学連の女子学生が訴えた。
街宣や他の集会でビラを受け取った人、ホームページで見た人が続々と集会に参加し、「Stop The War On Iraq!」とハートマークを描いた布や、手づくりのメッセージボードなどを持ってともにデモに出た。
「もっと多くの人に参加してもらおう」と、沿道の人びとに呼びかけながらデモが進んだ。「Don’t Attack IRAQ!」「イラク・侵略・止めよう!」「行動するのは今だ!」。英語と日本語を交えたかけ声や、「戦争反対」「NO WAR」の連呼が街にこだました。
労組交流センター女性部や婦人民主クラブ全国協議会を始め、各デモ隊の先頭に女性が立った。動労千葉の力強い隊列はひときわ注目を浴びた。
新橋駅付近でも、労働者市民が次々飛び入りで参加した。外国人の参加も目立つ。デモが来るのを待ち構えていた人、家族やカップルで参加する人もいた。
休日でにぎわう数寄屋橋交差点では、全学連がマイクで「ブッシュに正義はありますか?」と沿道の人びとに質問、「NO」の返事に「では一緒にデモしてください」と呼びかけた。五つのデモ隊すべてを見送る老夫婦、拍手を送る女性、ビラを読んで合流する人も多い。この日の初参加者、飛び入り参加者は100人近くになった。
参加したヨーロッパの男性は「今日の集会はポジティブでよかった。この運動を広げ、イラク戦争を止めるためにともに頑張りましょう」と、感想を語った。
集会は正午に開会し、初めに連帯のあいさつが行われた。
まず、三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長が「全世界人民と連帯し、若い人たちの力で世界を変えよう。三里塚は反戦の砦(とりで)として闘う。3・30三里塚へ大結集を」と訴えた。
東灘区住民の会の松原康彦事務局長は「大阪湾を朝鮮半島への出撃拠点にするなと30年間闘い続けてきた。アメリカの戦争を支持する小泉政権を打倒し、イラク反戦の火柱を上げよう」とあいさつした。
北富士忍草母の会のメッセージが紹介された。
全学連米派遣団が報告
続いて全学連のアメリカ派遣団の報告が行われた。まず、松尾純一副委員長が確信を込めて訴えた。
「1月18〜19日ワシントンDC、2月15日ニューヨークの闘いに参加して、アメリカの反戦闘争は、ブッシュ政権の世界戦争戦略と真っ向から対決するものであると同時に、資本攻勢との対決としてあることをつかんだ。多くの人が二つの仕事をかけ持ちしないと生活できない、住宅家賃や医療保険が払えないという現実の中で、600億jも戦争に使うことは許せないと怒っている。労働者階級の団結が重要だと再認識し、労働組合の組織率がアップしている。あらゆる団体が大衆行動の組織化に全力をあげている。アメリカの闘いに学び、一個の大衆行動をつくることに徹底的にこだわろう。日本人民の3月イラク反戦大行動に全力をあげよう」
全国の学生が報告に立った。東北大学の学生は「フィリピン、コロンビア出身の学生は、米軍基地が世界中で引き起こしている虐殺、事件・事故を弾劾していた。沖縄の闘い、米軍基地撤去・安保粉砕の闘いが重要だ」と発言した。富山大学の学生は「昨年のイージス艦阻止闘争、6万人の有事法制反対集会を紹介し、闘う仲間として認められた」と報告した。
大阪市立大学の女子学生は「アメリカの労働者の4割を占める移民労働者が闘いの先頭に立っていた。帝国主義国の労働者と被抑圧民族人民は団結して闘っていける」と述べた。京都大学の倉岡靖子全学連書記次長は「ヘルメットは大うけでした。イージス艦派兵阻止の実力闘争が支持されたのです。労働者に国境はない。日本でも50万人決起はつくれる」と顔を輝かせた。広島大学の女子学生は「ユース&スチューデントの集会でリーダーシップを発揮していたのも女性。女性が自信を持って闘いの先頭に立とう」と感動を語った。九州大学の学生は「19日の学生集会は500人でデモに出発したが、ホワイトハウス前に着いたら1500人になっていた。周りの人をどんどん獲得するデモをやろう」と述べた。
ANSWERの構成団体であるインターナショナル・アクション・センターのメッセージが読み上げられた。「今、イラクへの戦争ができなくなるまで、闘争を前に前にと進めていかなければなりません。しかしターゲットはイラクだけではありません。北朝鮮指導部は、イラクの指導部と同じように悪魔にされています。私たちはアメリカと日本の反戦運動で、朝鮮人民を帝国主義の政府から守る義務があります」。
沖縄労組交流センターのメッセージも紹介された。
基調報告を大山尚行全学連委員長が行った。「2月15〜16日には全世界で1500万人がイラク反戦デモに立った。全国で3月一斉大行動―3・8東京のイラク反戦大行動に立ち上がろう」と訴え、「石油問題を最大の焦点に、帝国主義諸国が2大陣営に分裂し、世界再分割と生き残りをかけて抗争している。石油のために人民を大虐殺する戦争を人民の力で阻止し、第3次世界大戦の道を阻もう。日本の反戦闘争の爆発こそ求められている。小泉を労働者人民の怒りの行動で打倒し、有事立法粉砕をかちとろう」と提起した。
百万人署名運動の西川重則事務局長が連帯のあいさつを行い「アメリカのイラク単独攻撃を追認している小泉政権が戦争の元凶だ。署名を増やし、国会議員にも働きかけて有事立法阻止を闘い、日本を変革する。4月5日の全国集会に参加して下さい」と訴えた。
京都大学の1年生のカンパアピールに続き、各団体が決意を表明。都政を革新する会の新城せつ子杉並区議は「2月14日の2万5千人集会で、日本共産党の志位和夫委員長が『国連の査察継続=イラク悪玉論』だけを主張したのには耳を疑った。杉並区議会でイラク反戦決議を上げ、4月区議選で3人当選をかちとる」と述べた。婦民全国協は「2月13〜15日に相模総合補給廠(しょう)前で座り込みを行い、延べ90人が参加し、902筆の署名が集まった」と報告した。関西反戦共同行動委を代表して関西合同労組が「2月11日に中之島公会堂で650人の国際連帯集会を行った」と報告。部落解放同盟全国連の滝岡広治統制委員長は「全国連は300万部落大衆とともに戦争と差別に反対して闘う。全国連12回大会に参加を」と呼びかけた。
動労千葉の田中康宏委員長が集会のまとめに立ち、「全世界人民の決起にこたえ、日本でイラク反戦闘争を広げよう。労働者が団結して闘うことで世界は変えられる。日本経団連の報告に示されるように大失業と戦争の攻撃は一つだ。労働者の生きる権利を守り、戦争に反対する03春闘の爆発をかちとろう。3・29春闘集会に全国から結集を」と訴えた。最後に、東京反戦共同行動委代表の三角忠さんが行動提起を行い、元気よくデモに出た。
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週刊『前進』(2092号3面2)
5000人が反戦の声 イラク攻撃反対2・19集会 連合下の労働者と20労組が合流
2月19日夕、東京・日比谷野音で、フォーラム平和・人権・環境などの集会実行委員会が主催する「STOP THE WAR/わたしたちはイラク攻撃に反対します/2・19集会」が開催された。
集会には、有事法制反対運動を牽引(けんいん)してきた陸・海・空・港湾労組20団体が旗やのぼりを林立させて大合流。自治労や日教組、私鉄総連の組合員を始め、連合傘下の労働者が続々と結集し、5000人が集まった。
集会後の銀座デモには、プラカードを持参した人や外国人など飛び入り参加者が続出。延々と続くデモ隊列に、勤め帰りの労働者の大きな注目が寄せられ、ビラも吸いこまれるように受け取られていく。沿道のいたるところで「戦争はしちゃダメだよね」「ブッシュはひどい」など、イラク戦争に反対する会話が交わされた。今、多くの人びとが「イラク戦争反対」の行動を求めていることを実感するデモとなった。
集会では、民主党の横路孝弘議員や社民党の土井たか子党首が発言。最新のイラク現地報告や、2・15ニューヨーク行動に参加したアメリカ派遣団の報告も行われた。
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週刊『前進』(2092号3面3)
韓国・大邱(テグ)地下鉄事故 民主労総が声明
“一人乗務こそ問題”
2月19日、韓国の大邱(テグ)地下鉄で起こった大惨事で、23日夜には機関士を含む7人が業務上過失致死傷の疑いで逮捕された。これに対して民主労総傘下の全国鉄道労組とソウル地下鉄労組、韓国労総、民主労働党などが「安全性を無視した機関士1人乗務が大事故を引き起こした」と弾劾声明を発し、怒りの反撃に立っている。民主労総の声明を紹介する。(編集局)
大邱惨事を招いた一つの原因、「一人乗務制」の改善を
(1)民主労総は、改めて大邱地下鉄惨事の犠牲者の冥福(めいふく)を祈り、再発防止対策の次元に立ち、今回の事件の無視できない原因として浮かび上がっている「機関士1人乗務制」をなんとしても改善するよう求めます。
(2)これまでに明らかになった惨事の原因は非常に複雑であり、したがって対策も総合的でなければならないでしょう。責任をとらなければならない人はしかるべき責任を負わなければなりません。しかし、責任をとると言えば再発を防げるわけではありません。燃えない材料で電車を造ること、通信体系を立て直すこと、避難路を正確に確保することなど現在検討されている対策とともに、なんとしても解決しなければならないことこそ、まさに「機関士1人乗務制」です。
(3)大邱地下鉄は車掌を廃止し、機関士1人で電車を運行してきました。予想しえない事故が瞬時に発生した状況の中で、1人で数百人の安全を引き受けるのは不可能です。もちろんその1人も、最善を尽くせなかった責任があるとすれば、その責任から自由ではないでしょう。しかし1人乗務制で事故を予防し、事故に最も賢明に対処するのは不可能です。機関士1人で列車の運行、指令と通信、乗客の安全措置、ドアの制御を行わなければならず、非常事態が起こればすべてを1人で完璧に行わなければなりません。労働者はこれに対し「非常事態に1人だと、安全措置をとれば通信ができず、通信を行えば安全措置をとれないという死角がある。もし2人いれば、乗客保護とドアの扱いを運行機関士とは別の人間が行うことができ、それだけ措置が容易になり、非常時の対応も楽になる」と言っています。大邱地下鉄だけでなく首都圏の地下鉄全般が1人乗務制であり、最近は一般鉄道までも1人乗務制を推進しています。
(4)地下鉄公社と鉄道庁は98年から構造調整の名で費用を削減するため、また「機械化・自動化」されたという理由をつけて、2人だった乗務員を1人に減らしました。近くの日本をとってみても、1人乗務は旅客が多くない区間に限って制限的に施行され、それも通勤時間には車掌を乗せています。費用も重要ですが、乗客の安全の方がもっと重要だからです。
(5)すべてを安く速くしようとする経済論理は、総体的な安全不感症中毒を招き、ついに取り返しのつかない大型惨事を引き起こしてしまいました。数日前、湖南線の保守工事中に7人の労働者が列車にひかれて死亡したのも、経済論理で鉄道人員を大幅に減らし、保守業務をすべて外注に回したことを無視しては説明できないことです。いわゆる構造調整を掲げて乗客の安全と労働者の命をおろそかにしてきた誤った政策を全面再検討しない限り、安全不感症を実際に払拭(ふっしょく)するのは困難な現状です。鉄道労組が21日から4日間「安全運行実施週間」を設定し実践しているのはまさにこうした理由からです。大邱惨事を契機に「1人乗務制」を始め、乗客と労働者を害する誤った現実を改善する実践措置が取られるよう、切に期待します。
2003年2月23日
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週刊『前進』(2092号3面4)
「日の丸・君が代」闘争を突破口に
教基法改悪阻止・新勤評導入阻止の壮大な闘いを
今、教育現場は「日の丸・君が代」決戦の渦中にある。同時に、東京に続いて大阪、神奈川で試行段階を迎えた新勤評との闘いも、新年度を前にして重大局面を迎えている。中教審は教育基本法改悪に向けた最終報告を準備中であり、今通常国会は、有事立法粉砕闘争と一体となって、教育基本法決戦の第2ラウンドの舞台となる。闘う教育労働者はこれら3大決戦を担いつつ、その血路を切り開くためにもイラク反戦闘争・有事立法粉砕闘争の先頭に立ち、03春闘の一翼を担って闘おう。
「教育改革」は侵略参戦のための国家戦略
教育労働運動の3大決戦にかかわる「日の丸・君が代」攻撃、新勤評攻撃、教育基本法改悪攻撃は、日帝の侵略戦争参戦攻撃と一体のものである。とりわけ教育基本法の改悪は、有事立法と並ぶ改憲攻撃そのものとしてある大攻撃だ。
そもそも教育をめぐる階級決戦とは、現に今ある教育現場とそれをとりまく地域社会をめぐる決戦であるとともに、日帝の階級支配の転換攻撃と対決する労働者階級の未来をかけた攻防でもある。
「たくましい日本人の育成」をめざす教育基本法改悪攻撃に込められた日帝の階級意志とは、すでに始まっている新たな世界戦争の時代に、この日本が再び侵略帝国主義として「たくましく」復権し、米帝と対抗してアジアから中東まで侵略に打って出ていく国家戦略にほかならない。
そこには、@日経連路線にそった労働力政策があり、科学技術立国路線があり、A戦時社会の「国民統合」を果たすべきイデオロギー的支柱が立てられなければならず、Bそれらを担い、実践すべき教育労働者に対する労務支配とイデオロギー支配が確固として打ち立てられていなければならない。
以上に即して、あらかじめ労働者階級の抵抗を解体し、先取り的に具体化していこうとする攻撃が、@教育改革の諸攻撃であり、A「日の丸・君が代」攻撃であり、B新勤評攻撃なのだ。そして日帝は、教育基本法と公務員制度の改悪をこれらの決着点とすることで、改憲攻撃へ押し進もうとしているのだ。
処分粉砕闘争が勝利の展望を指し示す
敵の攻撃の構図が以上のようであるなら、われわれの闘いの展望と構図はどのようにならなければならないのか。日教組中央も全教も、ようやくにして「教育基本法改悪反対」「公務員制度改革反対」と言っているものの、闘いの展望を何ひとつ示すことができず、むしろ屈服への道を自ら掃き清めている。
われわれは90年代から勤評、学テ、主任制など戦後日教組運動が経験したすべての闘いを束にしたような教育決戦が到来すると提起してきた。マクロ的には歴代自民党政権による日教組解体攻撃と戦後教育の解体攻撃が完遂できずにきたこと、中期的視野で見ても80年代の臨教審以来の「日の丸・君が代」攻撃と教育改革攻撃が貫徹できず、今なお各地でさまざまに抵抗線が引かれて闘いが堅持されていることが、この歴史的な教育決戦を不可避としている核心なのだ。
それは、国鉄決戦において動労千葉と国労闘争団、JR本体で闘う国労組合員が不屈に1047名闘争を堅持し、階級的労働運動の旗を死守していることに規定され、かつそれに比肩する位置を持っている。
総じて、80年代の中曽根政権以来の「戦後政治の総決算」攻撃が、労働者階級の闘いによって貫徹しきれずに破綻(はたん)してきたことが、今日の日帝の危機を階級支配の面から規定しているのだ。
小泉政権は、これを突破して労働者階級に総屈服を強いるため、闘う労働運動の最前衛として闘ってきた国鉄労働者7人に対して国労5・27臨大闘争弾圧という刑事弾圧をしかけ、教育労働者には「日の丸・君が代」処分攻撃を打ち下ろしてきた。
獄内外での国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いと、教労における「日の丸・君が代」処分粉砕闘争は、ともに敵階級の最先端の攻撃を打ち破り、勝利の展望を示している。
労働者階級の反撃の最前線に立つ時だ
日帝・小泉と日本経団連は、世界戦争の本格化を目の前にして、闘う労働運動の絶滅攻撃を果たせぬまま、昨年来、労働法制全面改悪と春闘解体・賃下げ宣言を打ち出し、年明けとともに奥田ビジョンで「東アジア経済圏」構想=新「大東亜共栄圏」構想を相次いで打ち出した。
このような中で、全世界でイラク反戦闘争の世界史的な高揚が巻き起こった。03春闘での賃下げ攻撃と労働法制改悪攻撃に対する日本の労働者階級の怒りの噴出も不可避だ。
教労産別でも、昨年のマイナス人勧と遡及(そきゅう)調整による大幅賃下げの攻撃に対して、全国各地で自治体労働者と連帯したマンモス裁判闘争が準備されている。また、極限的な労働強化と残業・持ち帰り仕事に対する当然の反撃として、超勤手当請求訴訟が北海道から始まった。
そして、東京都に次ぐ新勤評の「評価・育成システム」導入攻撃に対して、大阪府では労組交流センター教労部会の大阪教組内での闘いを先頭に、現場労働者の抵抗闘争が広がっている。目標管理のための「自己申告書」提出がいまだに半数程度という現状であり、現年度の「試験的実施」が破綻状態となっている。
東京では、人事考課が研修にリンクされ、定期昇給への反映も決定されたが、自己申告不提出などの抵抗は、今も続いている。
教労現場での闘いは、連合執行部が全面屈服し、右翼・排外主義勢力がばっこする中で、ともすれば展望を見失いがちとなる。しかし、「負けてしまわないかぎり、闘い続けているかぎり、勝っている」のだ。時に抵抗線が一歩二歩後退することがあっても、団結を保持してどこかで抵抗線を敷き直すことができれば、そこが反撃の最前線となる時が必ず到来するのだ。
同時に全国の闘う教育労働者は、教育労働者すべてに指針と展望を指し示す闘いとして、広島・大阪・国立での反処分闘争を、個別「日の丸・君が代」闘争を超えた戦略的な位置を持つ闘いとして、闘う教育労働者の結集軸として打ち立ててきた。
今、日帝は反戦闘争も絶滅できないままに侵略戦争参戦に踏みきり、闘う労働運動を絶滅できないまま労働者保護法制度を全面廃棄してむき出しの非和解的階級関係へと踏み出そうとしている。ついに、われわれ労働者階級の総反撃の時がきたのだ。
新勤評攻撃と闘い、日教組運動の再生へ
現場の怒りは爆発寸前である。「日の丸・君が代」攻撃、教科書攻撃、人事考課―新勤評攻撃、主幹制・主任制攻撃、高校統廃合攻撃、「指導力不足教員」攻撃、賃下げ・早期退職強要、労働強化と自主研修権はく奪攻撃など、ありとあらゆる攻撃が押し寄せている中で、さまざまなかたちをとった抵抗や闘いが無数に広がり始めている。
だからこそ、これらをすべて抑え込み、抵抗の芽を排除し、一層の合理化を強行するために、人事考課―新勤評の攻撃が始まっているのだ。
しかし、この攻撃は日常の個々人の教育労働をめぐる矛盾が逆にここに集約され、すべての怒りが爆発していくことになる。
なぜ国家主義教育に反対して平和と真理を目指す教育が低く評価されるのか、なぜ超多忙の現実の中に無益・有害な雑務を倍加させるのか、なぜしんどいクラスを受け持って苦労することよりも目新しい総合学習が評価されるのか、管理職にへつらい、官制研修漬けにして独創的な人材の育成などできるのか……など、怒りの糸が無数にもつれあう中で、われわれは「勤評は戦争への一里塚」を核心に据えつつ、敵の攻撃の狙いと反撃のための団結の意義を鮮明にして、闘いを組織していかなければならない。
大阪教組では、連合執行部は「(公務員制度改革を前に勤評制度は)避けて通れない」と言い、「東京のようにならないために」と言って、闘いを最初から放棄してきた。現場労働者の間での抵抗の広がりで、各地教委すら投げやり姿勢を示し始めた中、この連合執行部だけが積極推進勢力となり果てている。
連合支配を揺るがし、教組の枠を超えた闘いをつくり出すことができれば、制度導入粉砕も可能なのだ。今後の全国の闘いでも、日教組運動の再生と防衛が核心だ。
われわれの教育基本法改悪阻止の闘いの方針は、一方において教育基本法改悪反対の百万人署名運動の取り組みによる壮大な宣伝活動と広範な陣形形成を集約軸にしながら、それぞれの闘いをめぐる職場闘争と地域教育闘争を具体的に闘うことと結合させていくことでなければならない。
今通常国会からの1年間をとおして、有事立法阻止・改憲粉砕の決戦そのものとして、教育労働者の総決起を先頭にした壮大な闘いを実現しよう。
(革共同教育労働者委員会)
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週刊『前進』(2092号4面1)
2003年3・14アピール
分裂カクマルをさらに追いつめJR総連・松崎打倒をかちとれ
党派生命が尽きた黒田−中央派
工藤 俊夫
T 黒田・カクマルとの第3次分裂から40年の決定的勝利
9・11反米ゲリラ戦争が切り開いた国際的内乱情勢、これに対する米帝ブッシュの報復戦争、大恐慌と帝国主義間争闘戦激化の中での世界戦争計画の発動、イラク侵略戦争の切迫、米英伊・日と仏独・ロ・中の分裂と対立の激化という情勢は、同時に全世界的に革命的情勢を急速に成熟させつつある。
2・14〜16の地球を一周する1500万人以上の「反戦のウエーブ」は、まさに世界戦争の始まりとも言える帝国主義の侵略戦争に対して全世界の労働者人民、被抑圧民族人民が、帝国主義の侵略戦争反対、自国政府打倒の国際的内乱を勝ちぬき、プロレタリア世界革命を必ず実現するに違いないことを確信させた。反スターリン主義・革命的共産主義運動が営々と目指してきたことがついに現実のものとなる時代、革共同第6回大会の「21世紀の早い段階でプロレタリア世界革命を実現する」という宣言を実際にかちとる時代がやってきたのである。「連帯し侵略を内乱へ」の総路線を文字どおりに実現しなければならない情勢が、米帝のイラク攻撃という世界史的重大事態を前にしてつくりだされている。
このような大情勢の中でファシスト・カクマルとの闘いをとらえ返してみる時、わが革共同の対カクマル戦30年は実に大きな歴史的意義をもつ戦いであったことが鮮明になる。
3全総路線から逃亡
今年は黒田寛一が非組織的な破壊活動の末に革共同から脱走した革共同第3次分裂から40年になる。62年3全総で決定された戦闘的労働運動の防衛と地区党建設方針に対して、黒田らは直後から日和見主義的に敵対を開始し、革命党建設の闘いから退却して脱落・逃亡した。それは階級闘争からの召還主義であった。ここでの黒田らの分裂・逃亡との闘いはまさに世界史的な意義をもっていた。
本多延嘉書記長を先頭に革共同はこの反動と闘って党を守りぬき、3全総路線に基づく実践に断固として取り組むことによって、66年第3回大会とその革命的実践として70年安保・沖縄決戦の大高揚をかちとった。切り開かれた階級闘争の革命的・内乱的・武装的発展に恐怖した黒田・カクマルは、権力が破防法弾圧をもって革共同壊滅攻撃を加えてきているのに乗じて(警察=カクマル連合)、革共同と戦闘的労働者学生の背後から白色襲撃を加え、反革命に転落した。
これは階級闘争の歴史にかつてなかった事態であり、初期的には革共同は苦境を免れなかったが、革命の勝利のためにはこうした民間反革命と闘って打ち破ることが必須不可欠であることをつかみ取り、戦略的防御・対峙・総反攻の段階戦略をとって二重対峙・対カクマル戦を闘いぬいてきた。73年9・21以来、満を持して革命的報復戦を開始し、カクマルの頭上に赤色テロルの嵐をもって攻めて攻めまくり、戦争的力関係を逆転した。
この攻勢に圧倒されたカクマルは、一方では「やられたのは中核派にではなく権力にだ」という荒唐無稽(こうとうむけい)な「謀略」論を叫びだすとともに、75年3・14反革命=本多書記長の暗殺をもって、卑劣きわまる手段で完全なる白色テロを実行した。わが革命軍は、これに対し猛然たる復讐の決意を打ち固め、報復の絶対戦争に突入した。われわれはこの中で先制的内戦戦略を確立し、現代革命の基本構造の深化との関連で、二重対峙・対カクマル戦を階級闘争と革命論の中に位置づけたのである。
われわれは先制的内戦戦略のフェーズT(第1段階、75年〜81年)、フェーズU(第2段階、81年〜91年)を戦いとった。この過程は対カクマル戦争と同時に、対権力のゲリラ・パルチザン戦争をもかちとる過程であった。
90年天皇決戦を全力でかちとったわれわれは、91年5月テーゼをもって、革命運動の本来的なあり方(レーニン的オーソドキシー)に立ち返り、労働運動路線を本格的に推進してきた。これは対カクマル戦の新たな闘い方への移行でもあった。とくにファシスト労働運動=JR総連打倒を明確に掲げ、国鉄決戦を必死に闘いぬいてきた。この闘いはついに、今日ファシスト・カクマルを黒田・中央派と、松崎・JR総連派とに完全分裂させる大勝利をかちとっている。
革共同は01年に第6回大会をかちとり、次のように宣言した。
「黒田・カクマルとの第三次分裂以来の四〇年に及ぶ死闘で、革共同はついに勝利的情勢をがっちりときりひらいたこと(基本的に勝利したこと)を高らかに宣言する。革共同の綱領的・政治的・組織的・運動的正しさと優位性のみならず、黒田・カクマルの『黒田哲学』を決定的に批判しのりこえるイデオロギー闘争の面での勝利も高らかに宣言し、全党・全人民の確信をうち固めていく。JR総連路線を国鉄決戦的にうち破っているこの間の前進を基礎に、革共同が『黒田哲学はすでに死んだ』としてイデオロギー活動を大展開していくことは、かならずや内外を震撼(しんかん)させ、闘う労働者人民の圧倒的なエネルギーのほとばしりへと結実していくにちがいない」(報告決定集・上巻117n〜)
6回大会以来2年を闘って、この確認は一層強くわれわれを勇気づけている。
われわれは、3点をメルクマールにカクマルに対する勝利宣言を行った。@カクマルの中央派と松崎・JR総連派とへの分裂。これは完全に確定したばかりでなく、そのそれぞれが内部危機を激化させるに至っている。Aカクマル「謀略論」路線の破産。とりわけその頂点にあった「神戸謀略」論が完全に破産し、カクマルとしては撤退したはずであったのに、日帝権力との関係でそれもできず、のたうち回っている。B革共同第6回大会での黒田哲学への壊滅的批判(報告決定集下巻収録)および『ドイツ・イデオロギー』新訳と解説本の発行に大打撃を受けた黒田がこのことに対応できないこと。カクマルの最後の砦(とりで)である黒田哲学の粉砕は、黒田・カクマルにとどめをさすものである。
植田琢磨「議長」は、01年新年号に載って以来もう2年以上も『解放』紙上に登場しない。いったん登場しながら理由もなく消えてしまう議長。こんな党は聞いたことがない。カクマルは今や形式上も内容上も、まったく党派としての体をなさなくなっているのである。
黒田が虐殺責任自白
玉川信明なる自称アナーキストの「編著」という形で、カクマルのこれまでの「謀略」論デマ記事を集大成した『内ゲバにみる警備公安警察の犯罪』(上・下、昨年5月刊)の巻末に、黒田×玉川の対談がある。この中で、黒田は本多書記長虐殺を自らの責任で凶行したことを認め、開き直っている。この言葉は、黒田が自らの最大の悪行を自白したものとして銘記されなければならない。われわれは、本3・14アピールでこのことを確認し、黒田・カクマルに対する復讐の誓いを新たにする。
「ウジ虫軍団の壊滅をおしかくすため国家権力に魂を売った徒輩をかかえこんでいるがゆえに、角栄軍団内謀略専門班に魂を売った男、しかも破防法被告の看板を背負ったこの男、これこそが悪の権化だ。だからこそ、わが党は彼に鉄槌を下したのだ」
「七〇年安保=沖縄闘争を『日本における〇五年革命』とみたてた。こうして、武井(本多書記長)自身が『破防法を引きだす』――これは彼ら自身の言葉だ――をほざきはじめ、武闘主義に転落したのだ」
「(本多書記長は)山本勝彦〔黒田寛一の組織名〕の寝首をかいた。これは一九六二年秋〜六三年初めのことだ。そして、七〇年安保=沖縄闘争を前にして武装蜂起をがなりたて、この闘争の敗北の直後には『殲滅の思想をもって……』とか『無制限・無差別産別戦争』とかを、彼とその追随分子は呼号した。それだけではなく、奴らは権力の懐に飛びこんだ。ブクロ派の走狗集団への見事な転落。この『悪の元凶』はうちたおされなければならない。ブルジョア国家権力に魂を売りわたし、階級敵に転落した反革命の徒輩には、死の鉄槌を!」
これがカクマル頭目・黒田の「生の声」だ。絶対に許せない言辞の数々である。この黒田インタビューは、カクマルのファシスト的悪行のすべてにわたって、黒田が直接の最高司令官であったことを自白するものであるが、とりわけその最大の悪行である3・14反革命が黒田の指令のもとに行われたことを自白しているのである。われわれは黒田、松崎、土門の3・14反革命3頭目の処刑を誓って闘ってきたが、今やその最高責任者の自供が行われたのだ。
黒田自身が信じていない「謀略」論デマにもとづく修飾を取り払ってみれば、発言の主旨は、革共同を闘う党としてつくり上げた本多書記長が「破防法被告の看板」であり、「武闘主義」であり、「武装蜂起をがなりたてた」ことが、虐殺の原因だということである。階級闘争の革命的、内乱的、武装的発展に恐怖し権力の破防法弾圧に乗じて本多書記長を襲撃し、虐殺したのである。この犯罪的な言辞は未来永劫消すことはできない。
また、黒田はかつて清水同志「失脚」デマを振りまいてきたにもかかわらず、それをなかったかのように語っている。そして清水同志を襲撃できなかったことを悔しがっている。いかに黒田が清水議長の存在に打撃を受け、恐れているかをそれは証明しているのである。
われわれは3・14反革命自体にはまだ決着をつけていない。あくまでも3頭目処刑、3・14復讐戦貫徹・カクマル完全打倒を遂行することを誓うものである。
U 米帝のイラク攻撃切迫下で一層深刻化する綱領的破産
今日、カクマルは党派の体をなさないほど路線的にも組織的にもボロボロである。それは『解放』新年号論文、それに続く中央労働者組織委員会(WOB)論文、中央学生組織委員会(SOB)論文などに無残な形で現れている。
カクマルの路線の破産と反革命性を示す第一は、米帝のイラク侵略戦争を「文明間の衝突」論で解説し、イラク開戦の切迫で党派としての生き死にが問われている時に、帝国主義との真っ向からの対決から逃げ回っていることである。
「文明間の衝突」論は、黒田の「終焉(しゅうえん)の端初」(01年11月)で唱えられ、いまだにカクマルが担ぎ回っているものである。黒田はこの中で、アフガニスタンに対する侵略戦争は「文明間の衝突」であり、「キリスト教的近代文明とイスラム文化/文明との相剋(そうこく)」だと言っている。そして、ハンチントンの言う「文明間の衝突」とは違う、「儒教は戦争とは無関係」だから「儒教とイスラームを並列」することはできないのだと言っている。(そうすると、イスラムの戦闘性が現在の戦争の根本的原因ということになる。これは帝国主義の十字軍の思想そのものだ!)
要するにほとんどハンチントンと変わらない「文明間の衝突」論であり、反階級的でエモーショナルな反米民族主義を全面開花しているのである。
反米民族主義の絶叫
第二に、それと結びついたことだが、「ヤンキー帝国主義」論、「アングロアメリカン」帝国主義論に示される反米民族主義の絶叫である。これはマルクス主義的、レーニン主義的な帝国主義論とはまったく反対の、右翼的、人種的、排外主義的な米帝論である。これは、帝国主義の基本矛盾の爆発が帝国主義戦争を不可避とすることを階級的・科学的に明らかにするのと正反対を向いている。要するに、ブッシュが「カウボーイ」であり、軍事力万能主義だから戦争をやろうとしているとしてしまい、この戦争が帝国主義戦争であること、米帝が帝国主義であることを実質的に否定しているのである。
この反米民族主義は、黒田の日本主義への全面回帰と表裏一体のものである。
第三に、「中露脅威」論である。今のカクマルは「ヤンキー帝国主義」論が前面化しているために、これについては覆い隠されているが、「新東西冷戦」論は依然として残っている。新年号論文では、「欧州各国権力者のブッシュ政権への反発」を論じた後で、「中国やロシアの権力者どもの場合にも、……戦略的には、中国(やロシア)を将来のライバルとなりうる『潜在的な敵』と見なして敵意を隠しもしないブッシュ政権(内タカ派)にたいして、嫌悪と警戒心をもって対抗しようとしている。……『上海6』(中国、ロシア、カザフスタン、タジキスタン、キルギス、ウズベキスタン)の団結を強化する、という政策を展開している」と言っている。
これは帝国主義間の対立、争闘戦が世界を揺るがすものとして発展するということではない。21世紀後半にはアメリカが自滅した後、中国とロシアが世界を支配する危険があるという黒田の中国脅威論的認識を披露してまとめているのである。最後は中国こそが日本の敵であるというわけである。
北朝鮮情勢で大混乱
第四に、「北朝鮮侵略戦争ない」論の破産である。
昨年の9・17小泉訪朝以後のカクマルの大動揺、ジグザグは、哀れを催すものであった。8月30日の小泉訪朝発表で判断停止に陥ったカクマルは、約1カ月もたった『解放』9・30付号でやっと口を開いた。そこで言ったことは、「金正日政権の捨て身の揺さぶり」「『謝罪』を武器にした対日平和攻勢」「金正日のバクチはまんまと成功した」「オメオメと(9・17ピョンヤン宣言に調印し)譲歩した小泉」というものであった。そして、次の号(10・7付)では、「(拉致事件の)真相解明の要求や弾劾の声をおしつぶし、小泉政府はマスコミを総動員して会談の意義をがなりたてている」と叫んだ。これはカクマルが、排外主義宣伝に率先して唱和したものである。
このあけすけな排外主義の絶叫にカクマル内部からもさすがに異論が出て、大動揺が生まれた(1年前の9・11に対して、「謀略ではないか」「テロには反対しなければ」とグラグラに動揺したと同じようなことが起こったのだ)。
カクマルはその後、「排外主義ナショナリズム弾劾」を押し出すかのように路線転換する。そして11・18付号に「在日朝鮮人民同胞に訴える!/『日本人拉致問題』を利用した反朝鮮の排外主義の嵐に抗して闘おう」なる「アピール」を発表した。しかし、これは「この日本の地において、あらゆる民族差別と迫害に抗しながら日本労働者人民の兄弟としてたたかってきた在日朝鮮人民同胞よ」という呼びかけからしてまったくインチキきわまりないものだ。
日帝の朝鮮植民地支配と侵略戦争の歴史、戦後の在日朝鮮人民に対する抑圧の歴史に、日本の労働者人民もまた屈服し加担してきたことについて階級的に自己批判すること、その上に立って在日朝鮮人民の現実の生活と闘いを措定し、学び、支援・防衛の闘いを貫くこと、自国帝国主義打倒にとって必須不可欠の課題として連帯をかちとること、これらのことをわれわれは、70年7・7自己批判以来30年以上にわたる闘いの中で主体化してきた。ところが、この闘いにカクマルは真っ向から敵対してきたのだ。カクマルはわれわれに対して「被抑圧民族迎合主義」とののしってきたのだ。
カクマルがもし在日朝鮮人民に訴えると言うのなら、この帝国主義抑圧民族の排外主義の問題についてのカクマルの完全に逆立ちした敵対への真剣な自己批判から始めなければならない。それを避けたあらゆる言説は、徹頭徹尾ペテンとごまかしであり、許すことはできない。
また「排外主義の嵐」という場合も、カクマルは現実の米日帝の朝鮮侵略戦争政策との闘いを避けるために言っているのであり、その点でもインチキなのだ。
昨年来の日本と北朝鮮との関係をとらえる時に踏まえるべき立場はどのようなものか。@まず米帝ブッシュの世界戦争計画を基軸に据え、そのイラク侵略戦争から北朝鮮侵略戦争の流れを押さえること、A北朝鮮・金正日政権による拉致(および核武装)について、人民の立場からやはりこれはスターリン主義的反革命であって許せないという確認、B7・7自己批判の立場で排外主義攻撃と闘うという立場、の三つを統一して、北朝鮮侵略戦争反対、拉致(核)を口実としての排外主義、戦争の合理化を許さず闘う、そして在日朝鮮人民と連帯して闘うということでなければならない。
この三つの点のすべてがカクマルにはない。いやことごとく敵対している。カクマルは「北朝鮮侵略戦争ない」論をいわば対中核派的に党是としてきたために、絶対に米帝の戦争政策を軸に問題を立てられない。「『北朝鮮・中国侵略戦争』などと言うのは、中核派の思いえがいた勝手なイメージにすぎない」(『解放』昨年7・8付)と言ってきたのだ。
94年の朝鮮侵略戦争一歩手前まで行った現実の危機があり、その後日米安保再定義、新ガイドライン締結、周辺事態法の成立があり、今有事立法(武力攻撃事態法)の成立がもくろまれていることに至るまで、すべて米帝の北朝鮮侵略戦争に日帝が共同的=競合的に参戦するための攻撃として一貫している。カクマルのペテン的議論のすべてはこのとらえ方に敵対するための議論である。
第五に、日帝の免罪である。米帝ブッシュの世界戦争計画を真っ向から批判するのではなく「戦争狂(ママ)」「ヤンキー帝国主義」と反米民族主義的に反発するにすぎないカクマルは、一方で自国帝国主義である日帝と真っ向から対決することから逃げ、日帝が米帝と共同=競合して、主体的に参戦しようとしている、すなわち日帝自身の帝国主義的利害から死活をかけて戦争しようとしているということを押し隠しているのである。
『解放』昨年10・14付では、「小泉政権は『ブッシュのプードル』という非難をかわすために、イラク侵攻に煮え切らない態度をとりはじめた」とまで言って、小泉を擁護したのだ。小泉ほどはっきりとブッシュのイラク攻撃を一貫して支持し続けている者はいないにもかかわらず、である。小泉はイージス艦を派兵し、米英の国連新決議の安保理での根回しのためにODA援助をエサに積極的に外交をしているではないか。日帝の協力なしに米帝はイラク侵略戦争をできないと言っても過言ではない。
イラク侵略戦争に関して、ここまで日帝を擁護するのは驚くべきことである。彼らは、新年号論文などで「アラブ諸国人民は自国政府の打倒をめざして決起せよ」などと号令しながら、その言葉をけっして自分には向けないのだ。
差別語の意識的乱発
カクマルの差別主義、排外主義はますますエスカレートしている。「差別用語なるものは実在しない」(『実践と場所』第2巻601n)と御託宣を下した黒田のもとで、差別が満展開し、差別語が洪水のようにはんらんしている。
(1)その最悪のものが「ちんば−いくさ」という差別主義丸出しの言葉である。黒田は、米帝のアフガニスタン空爆後の「ヤンキーダムの終焉の端初」という論文の中で、『「跛−戦」=「非対称的戦争」』と記し、これに「ちんば−いくさ」とルビを振ったのである。
また、今年1・20付『解放』の中央労働者組織委員会論文では、なんとこれがスローガンになっている。「全労働者にわれわれは歌声高く呼びかけようではないか。/動乱に明けたる世紀に勇み起て! 『びっこ戦』なわすれそ」と。ここでは「非対称的戦争」というただし書き(説明)さえ省かれているのだ。
「非対称的戦争」とは、米帝の戦略文書などで使用される用語で、軍事的水準がまったく違う米帝がムスリム人民を始め被抑圧民族人民の民族解放闘争に侵略戦争を仕掛け、一方的に人民虐殺を行うことを、科学的装いをもった軍事用語で表現したものである。黒田は、これをわざわざ差別語をもって言いかえをして、これ見よがしに繰り返し使っている。仮に「非対称的戦争」という言葉を使うにしても、なぜこのような差別的言いかえをするのか。正規軍とゲリラ、核兵器と通常兵器という「釣り合いのとれない力関係」を表すのに、どうして「びっこ」とか「ちんば」とかの差別的形容が必要なのか。これによって何を表現しようとしているのか。黒田は差別者の側に立って、すべての「障害者」に敵対することを宣言しているのである。
(2)さらに黒田・カクマルの差別主義的本性は、米帝ブッシュの世界戦争計画を「戦争狂」「狂信者」などの差別的概念で規定し、米帝の戦争の階級的=科学的規定に敵対していることに現れている。今年の新年号だけをとっても、「ネオ・ナチズムの狂暴さ」「狂気の沙汰」「狂ったヤンキー権力者ども」などなど枚挙にいとまがないほど差別語が乱発されている。これらは、米帝ブッシュと階級的に対決し打倒していかなければならない時に、ブッシュの人間的資質に核心問題があるかのようにすり替えてしまう。しかも、それを「狂気」でくくることで、「精神病者」に対する差別を扇動しているのである。今国会で成立させられようとしている保安処分新法「心神喪失等医療観察法案」は、戦争と大失業の中で起こる帝国主義社会の矛盾の一切を「精神障害者」に差別的に集中し、隔離・抹殺することを狙った許すことのできない攻撃である。カクマルの差別主義は、まさにこの法案の目指す方向と軌を一にしているのだ。
(3)もうひとつ、カクマルの差別主義・排外主義を表す「北鮮」という用語について、本紙昨年12・23付2083号で、われわれは指摘し、批判した。
朝鮮人を「鮮人」と呼ぶようになったのは、日帝の1910年の韓国併合以後のことである。それ以来、「北鮮」「南鮮」「満鮮」などという呼称が日帝の側から広められていった。つまり、「大日本帝国に支配された植民地朝鮮」という意味を込めて、「朝鮮人」から頭を外した「鮮人」という蔑称をつくり、そこから「北鮮」という言葉も生み出した。日帝の植民地支配と一体の蔑称である。戦後は「鮮人」という言葉はほとんど死語となるが、「北鮮」は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対する蔑称として生き残り、朝鮮人民を傷つけてきた。だが、朝鮮総連がマスコミに正式に抗議したことなどから、マスコミもこの語を使わないようになってきたのである。
カクマルはこのことを知っていて意図的に使っている。だから『解放』2月10日付、24日付号に掲載の「春闘スローガン」で、「『反米帝』を捨て『反北鮮』ナショナリズムの鼓吹におもねる日共中央的保身策の反労働者性を暴け!」というスローガンをまたしても掲げているのだ。北朝鮮に対する排外主義攻撃に反対しているふりをしながら、もっと悪質な排外主義を扇動しているのだ。
差別語について、抗議されても変えない、使うのをやめないのは、カクマルが排外主義、差別主義の確信犯だからだ。これは、どれほど抗議と非難が集中しても、靖国神社公式参拝を毎年繰り返す小泉と同じである。つまりカクマルは、小泉と同じく、被抑圧民族人民、被差別人民と非和解的な敵対関係にあるということを、自ら表明したのである。
差別語の問題は小さな問題ではない。排外主義、差別主義はファシストの属性であり、そこにカクマルの本質があるからだ。労働者階級の自己解放は、同時にあらゆる人間的抑圧、差別からの解放、普遍的全面的解放として実現される。反スターリン主義・革命的共産主義運動は、この階級的=普遍的本質についての確信を土台にしているのだ。黒田・カクマルの排外主義、差別主義(差別語の使用)はこのこと全体への敵対なのだ。
V 「神戸謀略」論運動が破産し総括不能で組織的大混乱へ
次に、カクマルの「謀略論」路線の破産をあらためて確認しておこう。
先の玉川「謀略」論本に示されているように、もともとカクマルの「謀略」論は、わが二重対峙・対カクマル戦に押しまくられたカクマルが、自分たちの敗北の唯物論的現実を見据えることができず、「こんなすごい攻撃は中核派にはできっこない。強大な権力にやられたのだ」と自他をあざむき、敗北の責任を回避しようとした自己欺瞞(ぎまん)であり、それで騒ぎ立てることによって権力に中核派弾圧を哀訴するものであった。古今東西、どんな戦争でも現実を見据えず、架空の物語を作って責任を塗り隠すような戦争指導者、司令官は、それだけで失格である。ところがカクマルは黒田を先頭に組織丸ごとこの「謀略」論を自分たちの戦争路線としてしまった。そして、それを繰り返すうちに「謀略」論の麻薬中毒になり、抜け出すことができなくなってしまったのである。
権力万能論への逃避
「謀略」論の本質は、権力万能論である。権力はなんでもできる、権力には逆らっても勝てない、という思想なのだ。前出の黒田のインタビューでも、「謀略部隊の担い手は、屈強な独身者かさもなければ家族と別居した男からなっており、彼らは特別のところで特殊な訓練をうけているのだ」と言っている。戦争において敗北者は自分を倒した相手が巨大に見えるものだ。「謀略」論は黒田の恐怖感と敗北感が生んだ幻影だ。
「屈強」とか「特殊な訓練」と聞くと、われわれは笑いが止まらない。革命軍戦士に対するこの上ない賛辞であるからだ。それだけ激しい戦果であったこと、ものすごい打撃と恐怖をカクマルに与えたという手ごたえを確認できる。
玉川本上下1000ページに満載されたデマゴギーは、カクマルのダメージの大きさの自白であり悲鳴である。また敵を見据えられず、事実から逃避し、架空の物語をデッチあげるのに熱中したカクマル分子どもの戦闘精神の崩れ、退廃の深さを、このゴミの山は示している。観念的操作で現実をゆがめてしまうカクマルは、どう考えても唯物論者ではない。
こうして「謀略」論を通じて「権力万能」神話を広めるカクマルは、結局労働者階級が革命によって帝国主義国家権力を打倒することは金輪際できないことを宣伝しているのである。反革命的デマ運動と呼ぶゆえんである。
カクマル分裂の契機
カクマル「謀略」論の頂点にあったのが「神戸謀略」論だ。97年の神戸の小学生連続殺傷事件は、日本社会の帝国主義的腐朽が生み出した問題として見据え、分析されなければならない問題だ。ところがカクマルは、そういう見方を拒否して事件をCIAの謀略物語に仕立て上げ、それを自己の政治的延命の道具にしようとした。
「神戸謀略」デマ運動は、90年代階級闘争、とりわけガイドライン闘争、沖縄闘争、そして国鉄決戦の前進に対する反革命的敵対として策動された。だが、わが革共同がそのデッチあげ性を全面暴露して粉砕したことと、JR総連がこの運動の取り組みを拒否したことで、大破産した。これは、黒田にとって致命的な打撃であった。
カクマル自身が自作自演の非合法作戦まで行って、「反権力」を装った謀略的な情報操作を行った。A少年の精神鑑定を担当した神戸の精神病院から関連資料一式を盗み出し、それを文芸春秋社に売りつけるという行動に出た。そしてそれを、権力内部からの謀略暴露としつつ、都合のいいところを勝手に解釈して、CIAによる犯行という荒唐無稽な説に資料的な裏付けがあるかのように大騒ぎしたのである。
権力はこれまで、カクマルに自作自演的な謀略物語の宣伝を好き放題にやらせてきた。その癒着ぶりが一個の社会問題にまでなっていることを自覚している権力は、今、ここにきて、ある種の社会的弁明として、カクマルの窃盗部隊を逮捕した(昨年12月26日、北海道で5人など)。その前提には、カクマルの「神戸謀略」論物語が完全に破産してしまい、党派として総括もできない状態に追い込まれ、謀略論イデオロギーに行き着いた黒田思想の自己破産の証明となってしまっているということがあるのだ。
権力にとって、現在のような階級的緊張の中でカクマルのような存在(権力に癒着しつつ独自の思惑で動く)を整理していくことなしには、真の内乱勢力を弾圧する本格的戦時治安体制もできないという判断があるといえる。権力にとって、検事調書窃盗、関東医療少年院侵入など、権力に対して軍事力を向けたという意味では、治安問題としてけじめをつけなければならなくなったのである。
こうした意図をみてとったカクマルは、5人逮捕に対する声明の中で、「(窃盗や建造物侵入なのに)あたかも凶悪犯ででもあるかのようにわが同志たちを全国に指名手配するという暴挙に出た」(『解放』1・13付)などと「重罪ではない」ことを強調しながら(本質的に反権力の意思がないことを表明しつつ)、「権力に弾圧されるカクマル」を演出する材料にしようとしている。
カクマルは、「〈供述調書の打ち込まれたフロッピーディスク>は、何者かが、神戸事件の謀略性を暴きだすために奮闘していたわれわれの闘いに共鳴して送ってきたものなのである」(同)、カクマルが盗み出したわけではないなどと言っているが、これでは裁判闘争にもならない。カクマルにとっては、「神戸謀略」論デマ運動の破産が天下にさらされることはやはり致命的なことである。党派としての生命線すら断ち切られかねないような大危機なのだ。
「神戸謀略」論は、黒田の破産そのものである。黒田思想の必然的総破産である。権力と闘って革命を行うのではなく、情報を操って社会を操作するというインチキ実践論の帰結なのだ。それは、革共同からの逃亡と70年決戦における戦略的破産、そしてそれ以後の戦争の大敗北の結果である。カクマルはここから逃れることはできないのだ。
W JR総連松崎体制への新潟グループの反乱で再分裂へ
ファシスト・カクマルの片割れであり、カクマルの歴史的破産を体現しているJR総連が今かつてない危機に陥っている。まさにJR総連ファシスト労働運動打倒の決定的チャンスが訪れたことを力強く確認したい。03春闘に総決起し、JR総連解体・組織拡大へ闘う動労千葉や国労解体攻撃と対決して闘う国労労働者の闘いが、国鉄労働運動の戦闘的再編を成し遂げる時が来たのだ。
2000年から01年にかけて、カクマルは黒田・中央派と松崎・JR総連派とに完全に組織分裂した。この両者は01年8月段階で、両者共倒れになる危機を回避するために、中央派はJR総連を非難・攻撃しない、そのかわりJR総連内で中央派が活動することをJR総連カクマルは容認する、として手打ちした。
カクマル中央派は、00年11月以来監禁していたJR労研事務局長・坂入充を昨年4月13日、1年半ぶりに解放した。JR総連は「坂入氏の解放に対する見解」を発表し、以後この問題でカクマルと争わない態度を表明した。このような経過そのものが前代未聞、カクマル両グループと権力との間の独特の近親関係を表している。JR総連は、これ以後、カクマルとは手を切った、カクマルとの間は整理できたということを日帝権力とJR資本に対してアピールし、JR労資結託体制を再建しようと図ったのであった。
だが、このカクマル中央派との決別ときびすを接してJR総連内部の対立(松崎派と嶋田邦彦東労組副委員長ら「新潟グループ」との対立)が急激に表面化した。これは旧動労以来のカクマル同士が真っ二つに分裂を開始したという決定的事態である。しかもそれは、JR東日本資本との関係や利権争い問題と重なっており、またそこに日帝権力が介入する事態にもなっているのである。
嶋田など8人が辞表
この間の流れを振り返ってみよう。
昨年2月に東京支社・阿部真喜雄の業務担当課長への内定が出されたことが発端である。松崎明は、この阿部は95年に東労組の分裂を策動した人物であり、この男を栄転させることは許せない、と問題にした。ところが、JR東日本東京支社はこれを「無視し」人事を発令する。松崎はこれに抗議して東京地本の石川委員長の辞任をもってこたえる態度を打ち出そうとするが、「石川が辞任しても何の解決にもならない」とする声が執行部の大半を占める。しかし石川辞任方針に反対することは、松崎の意向を拒否することを意味した。反松崎の旗を掲げるに等しい。その先頭に立ったのが、嶋田副委員長と阿部克幸組織研修局長だった。嶋田は、4月に本社幹部との間で、人事を問題化しないことで合意した。
7月に入り、松崎は「おれが東労組にいると、とんでもないことになるんで辞めます」と言って顧問を辞任する。そして「問題解決のためには組織が半分になることも覚悟し、順法闘争で闘おう」と提起した。この恫喝と圧力によって、東京地本定期大会で会社側から大川支社長が謝罪発言、前任の須田支社長は関連会社に飛ばされた。阿部業務担当課長も関連会社に出向とされた。松崎の横車は通り、その勢いで松崎は今度はJR総連内で嶋田、阿部の排除に乗り出す。
こうして松崎と嶋田らの対立が激化し、ついに10月31日、嶋田ら8人の「新潟グループ」が辞表を提出、11月3日に中央本部はこれを受理、またJR総連でも役員の新潟グループ・新妻の執行権を停止した。この経過全体は、JR総連内での松崎の絶対的支配が明白に崩れたことを意味している。
重要なことはこれと時を同じくして、権力の介入がなされたことだ。11月1日、JR東労組大宮地本副委員長梁次邦夫ら7人が退職強要の容疑で逮捕(後に起訴)された。東労組本部や、松崎の自宅・車両・身体への捜索を含め七十カ所以上の捜索が行われた。
この事件は、浦和電車区の組合員がJR東労組の指示に従わなかったと言って、5人から30人で取り囲んでつるしあげ、いじめを繰り返し、退職に追い込んだものである。こうした退職強要はJR東労組では日常茶飯事だった。組合員の中では「カゴメカゴメ」と言われ、その暴力支配を表していた。また、高崎地本では公然と「他労組解体班」が組織され「威圧や嫌がらせ行動」が文書で指示された。千葉地本委員長の小林克也は、「動労千葉を絶対つぶす」と公言した。
東労組は「団結を守ることが犯罪とされた」などと言っているが、とんでもない。JR総連内で横行していたのは、労働組合的団結を破壊したファシスト的暴力支配以外の何ものでもない。階級的労働運動や戦闘的労働運動のための労働者の団結を破壊し、労働者を上から暴力的に支配すること、これがJR総連松崎一派のやってきたことだ。
日帝権力は、一方で国労5・27臨大闘争弾圧(組合員が大会代議員に対して説得活動を行うことを暴力行為等処罰法で逮捕・起訴した重大な弾圧)を強行して階級的労働運動を抑えつつ、他方で松崎に人事権を牛耳られるようなJR労資結託体制の現在のあり方も認めないとして介入を図ったのである。これは分割・民営化攻撃の総決算を図ったものである。
事態の本質的背景は、日帝の第2の分割・民営化攻撃の激烈さが松崎的なファシスト労働運動を容認できなくなっているところにある。JRのリストラ、外注化攻撃のもとで、JR総連も例外ではないとしている。それは日帝経済の危機の深さと大資本攻勢、そのJRにおける現れということである。
01年8・1労使共同宣言を結んだJR東日本資本は、JR総連をも例外としないという対応に出てきたが、松崎はファシスト労働運動として一定の対抗性を持っているため、それではもたないとして人事の問題で対抗性を示したのである。それに対して、嶋田らは、松崎のようなやり方はできないと判断したのである。資本攻勢の激しさの前に、JR総連松崎絶対支配が崩れ、ファシスト的支配を立て直そうとする松崎一派に対して権力が制圧に出てきた――これがこの間の事態の核心である。
新潟グループは、辞任した幹部の出身分会で「激励会」を開いたり、集会で阿部らが「そんなに偉いのか、あの人は」と松崎批判の気炎を上げるなど、対決姿勢を強めた。
これに対し、JR東労組本部中執は、1月23日、「8人の中央指導部の辞任に対する見解」なる文書を発表した。そして、°松崎に打撃を与えるような動きを絶対に許せない″とあられもなく絶叫している。「(松崎は)JR東労組の育ての親であり、JR東労組にとっての重鎮である」と断言し、「余人をもって代えがたい」存在だと言い切っている。
さらに、松崎の「順法闘争も辞さず」という発言について、「この発言を敢えてまともに受け」たのは問題だと言っている。松崎のやり方(恫喝手法)を知っていて、それを真に受けて騒ぐのは、ためにするものだというのだ。
労資結託体制の末路
また、東労組中執は、嶋田グループの「目的」は、「反松崎の権力構造をつくることにおかれていたことが分かる。自分たちの権益を守り、拡大していこうという野望に燃えての、これまでの行動・行為であった」と言って、結局この対立がJR総連内の利権争いであることを自認している。
松崎の権益とは、JR結託体制のもとで関連会社の利権を独占してきたということである。松崎の息子・篤が社長になっている「さつき企画」や、缶入り飲料「大清水」を販売する「高崎商事」などが松崎カクマルの資金源となってきた。ここから分裂前のカクマルに膨大な金が流れていた。こうしたことを今や東労組中執は自認した上で、それを奪おうという嶋田らの「権益拡大」を許さないと言っているのである。
11・1の東労組7人の逮捕について、11月9日に松崎は八王子講演で「JR東労組の内部に明らかに組織を破壊させる動きが出てきているんです。そういうものと明らかに連動していることは否めない事実です」と、嶋田らの動きと逮捕の一体性を断定している。「権力と一体」と叫ぶところまで来た以上、対立は修復不可能である。実際、新潟グループ抜きで松崎派は補充人事を強行した。
東労組中執は、このようにJR総連内の権力闘争に権力が目をつけ介入し、松崎支配を揺さぶろうとしていることに恐怖しているのである。そしてますます権力、会社との結託・癒着を深めることを哀願している。
JR総連が今や松崎派対反松崎派の大分裂に向かって急速に傾斜していることは、動かしがたい現実である。嶋田ら新潟グループは松崎なしのJR総連が可能だし、その方が権力にとっても資本にとってもよりよいものになるはずとアピールしている。旧動労以来のカクマル本体の中からこうした動きが公然と出たことに松崎は恐怖している。
追い詰められた松崎一派の凶暴性をよく知っている権力は、この内部抗争に介入し、JR総連組合員7人の逮捕・起訴によって松崎一派を牽制しつつ、JR総連のより一層の反労働者的変質を促進しようとしているのである。
日帝としては、イラク・北朝鮮侵略戦争の切迫という戦時下に、しかも大恐慌的情勢下で労働者階級に全面的に犠牲を転嫁してのりきっていくためには、これまでのように「松崎頼み」ではいかないと判断したのである。松崎のようなダーティーな反革命は、権力にとっても一時の利用対象でしかなかったのである。
中央派は完全に沈黙
JR総連と完全分裂したカクマル中央派は、昨年1年間のJR総連をめぐる大激動に対して一言半句の言及もできなくなっている。いったんは「JR総連打倒宣言」まで発したカクマル中央派が、そしてJR総連幹部カクマルを拉致・監禁までしてJR総連カクマルと争った中央派が、一転してまったく沈黙してしまっているのは何なのか。
昨年の春の段階では、JR総連を連合の戦争協力に反対する勢力として「持ち上げ」たりもした。しかし今やそれもなくなってしまった。
カクマルにとって、JR総連は関係が切れたのだからもう関知しないと言って済ますわけにはいかないのだ。そもそもJR総連とは、カクマルが現代のファシスト反革命として黒田=松崎合作でつくりだしたものである。そのJR総連が物質的利害の論理で自己運動し、黒田・カクマル中央派と相入れなくなり、敵対的な関係になってしまった。そして今やJR総連が松崎派と反松崎派に分裂し始めた。カクマルはこれに対してどのような態度をとるのか。松崎を支持し褒めたたえるのか。それとも「階級敵」としてJR総連を丸ごと弾劾するのか。これに対応できないカクマルはもはや政治党派として完全に死んだと言わざるをえない。
JR総連とは、70年決戦から逃亡し75年スト権ストで権力にはいつくばった動労カクマル組織が、80年代前半に日帝・中曽根の国鉄分割・民営化攻撃の先兵となったところから始まる。中曽根は今日、「国労をつぶし総評をつぶすために分割・民営化をやった」と総括している。黒田と松崎は、「冬の時代」論を掲げ、組織温存のためにはこれに積極的に協力して生き延びるのだという反革命的・裏切り的選択をして、分割・民営化攻撃の先兵の道に突進した。
これは同時に、黒田の決断であり、選択であった。カクマルが全体としてファシスト組合JR総連と一体化して進んできたのだ。JR総連を守るために、カクマルの白色非合法部隊を使い、他組合の幹部宅の盗聴や窃盗を働き、松崎のJR総連支配の維持のために働いてきたのである。
しかし、これは90年代以降行き詰まる。それは松崎の労使協力論という名のJR結託体制と、カクマルのエセ「左翼」の看板・運動とがあまりにも矛盾しており、カクマル組織内部に混乱を生み、内部矛盾を激化させたのである。同時に、より大きな問題は、分割・民営化にかけた国鉄労働運動解体策動が、闘う国労労働者と動労千葉の不屈の闘いによって完全に破産してしまったこと、さらにわが革共同の91年5月テーゼ―95年19全総以降の国鉄決戦を基軸とする労働運動路線によって、JR総連カクマルの反労働者性が大々的に暴露され、追い詰められたことである。まさに90年代の新しい対カクマル戦の推進がJR総連カクマルの路線を破産に追い込んだのである。
今日のJR総連カクマルの行き詰まりと破産は、同時に黒田・カクマルの行き詰まりと破産である。このことをわれわれは勝利感をもって確認し、さらに松崎・JR総連カクマル打倒(松崎一派と嶋田グループを丸ごと吹き飛ばす)、JR総連労働者の獲得に向かって闘いぬこう。とりわけ、国労5・27臨大闘争弾圧粉砕を軸に国鉄決戦を勝利に向かって闘いぬくことが、JR総連カクマル打倒にとっても決定的に重要である。
X 黒田哲学への壊滅的批判に「死の沈黙」を続ける中央派
カクマル中央派は今日、綱領的破産を深め、運動的・路線的にも完全に行き詰まり、「謀略」論路線はボロボロになり、JR総連カクマルとの分裂を総括することもできず、組織としての体をなさないほどに崩れてしまった。彼らの最後の砦は「黒田哲学」であるが、革共同のここでの猛爆撃に彼らは声ひとつ立てることもできないダメージを受けている。
黒田哲学全面批判は、2年前の『共産主義者』127号の仲山良介論文で対外的に打ち出され、また革共同6回大会で正式議案として採択されて公表され、黒田=カクマルに突き付けられた。他人の批判を何より気にする黒田が、この突き付けに答えないということ自体が打撃の大きさを示しているのである。
革共同の黒田哲学批判の核心は、それがマルクスの実践的唯物論に敵対する観念論哲学でしかなく、黒田はどこまで行っても小ブル的哲学者でしかないということである。
黒田哲学の原点・出発点になっている『ヘーゲルとマルクス』について、黒田は自分で「無残な残骸でしかない」などと言いながら、それをえぐりだすことができない。黒田はその主体性論を論ずる時、本来のマルクスの労働論、実践論をつかみ損ねていることの切開が必要であるのに、それをしない。黒田は『ドイツ・イデオロギー』はおろかマルクス『フォイエルバッハ・テーゼ』すらも否定しているような存在なのだ。また、黒田の『社会観の探求』はマルクスの唯物史観―史的唯物論に似ても似つかないものである。したがって黒田哲学は観念論でしかない。この黒田哲学の原点的破産を徹底的に暴きだしたのである。
深まるカルト集団化
これに対して黒田は、まったく答えることができない。見ないふりをしつつ、黒田は『マルクス・ルネッサンス』などという本を出しているのだ(02年12月)。破廉恥である。
この本は、わざわざ文語調、旧かなづかいで書かれ、神秘性をかもしだそうとしている。
「スターリン批判以降、マルクス主義研究、衰退の一途をたどり来る。国家論、戦略論、はた哲学的唯物論にまで及びしスターリン主義の虚偽意識形態たるの自覚なかりしからに。恐るべし、こは、世界のなべての自称唯物論者のソビエト哲学による汚染を意味するに非ずや」
このように、わざと復古的(革命的の対極!)な、百年も前の言葉を使っている。現代人には意味不明である。このような文章は、左翼的な装いをとっても、閉鎖的、自己満足的な呪文にすぎないものである。これはまた、黒田の国粋主義、日本主義の開花でもある。
カクマル分子は、この文章を有り難く押し頂いて、朗読し、暗唱し、自分が他と区別された特別の集団であることを確認して優越感に浸るという驚くべき境地に達しているのだ。
今や、カクマル中央派は、党派としての政治的破産を完全に開き直った上で、黒田の出発点から今日までの歴史を反動的自己肯定的に美化し、黒田とその哲学なるものの教祖的神秘化と崇拝運動に全体としてのめり込んでいる。『解放』紙面は黒田の著書を賛美した作文で埋め尽くされている。それは現実の階級闘争の爆発の中で行き詰まり、政治的・組織的混迷を深めていることの別の表現でもある。このようなカクマルに未来はない。
われわれは、高らかにカクマルはもはや死んだ、と宣言し、カクマル完全打倒へ勇躍決起することを確認する。
第一に、革命的大衆行動において、圧倒的にカクマルを上回り、カクマルが登場できないまでにたたき伏せることである。イラク・北朝鮮反戦闘争の中で、カクマルは路線的破産を深め、アリバイ闘争をやる気力も失っている。全世界的な闘いの高揚の力でカクマルを追い詰め、放逐しよう。
第二に、武装自衛を強め、カクマルの白色襲撃を完全打倒の好機とすること、ファシストのナーバス作戦、謀略ビラなどの策動を粉砕することである。
第三に、カクマルに対する革命軍の戦略的攻撃体制を堅持して闘いぬく。とりわけ3・14復讐戦貫徹、黒田、松崎、土門の3・14反革命の3頭目は必ず打倒しなければならない。
第四に、特にJR総連カクマル・松崎を、今こそ打倒し、国鉄決戦勝利と結合してJR総連労働者を大量に獲得する闘いを、全力でかちとることである。
今春3大決戦勝利へ
今春、イラク侵略戦争の切迫と革命的情勢の急速な成熟の中で、われわれは3大決戦の勝利を絶対にかちとらなければならない。
@イラク反戦・北朝鮮侵略戦争阻止闘争の全人民的爆発をさらにあらゆる創意工夫をもって切り開き、その先頭に立って闘おう。とりわけ、最も許せない役割を果たしている日帝・小泉に対する闘いとして、「イラク参戦・有事立法阻止」を掲げて闘おう。この闘いを、有事立法粉砕、個人情報保護法案粉砕、教育基本法改悪粉砕の闘いと結びつけ、一体のものとして闘おう。
A国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いを軸に、日帝の一大資本攻勢を打ち破る春闘の爆発へ前進しよう。国労闘争弾圧との闘いをあらゆるところに持ち込み、国鉄決戦の勝利と結びつけ、春闘総行動の一大決起をつくりだそう。
B4月統一地方選勝利、とりわけ杉並の3候補勝利・3人会派の登場をかちとろう。この闘いの勝利なくしてこの春のどんな前進も勝利として総括できない。イラク反戦と介護・福祉を押し立てて、選挙闘争を闘いぬこう。
これらの闘いを一体的にやりぬき、勝利し、カクマルを完全打倒し、社・共に代わる闘う労働者党の建設の一大前進を切り開こう。
本多延嘉書記長
1934年2月6日、東京に生まれる。54年早稲田大学入学。『早稲田大学新聞』編集長。日共早大細胞を指導。56年ハンガリー革命の衝撃を受けスターリン主義の問題を根本的にとらえ返す。トロツキー教条主義との闘いをつうじて(革共同第1次、第2次分裂)、59年革共同全国委員会を創設。以降、革共同書記長。63年黒田一派の卑劣な分裂・逃亡と闘う。69年4月27日、4・28沖縄闘争を前に破防法40条で逮捕、2年間の獄中闘争。二重対峙・対カクマル戦争を最先頭で指導中の75年3月14日、反革命カクマルの卑劣な憎むべき襲撃を受け暗殺される。享年41歳。
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週刊『前進』(2092号5面1)
コミューン 4月号 爆発する反戦闘争
今月号はイラク侵略戦争開戦が切迫するなかでの国際反戦闘争の画歴史的爆発について特集した。
第1章は米帝の戦争態勢を暴露した。米帝は国際反戦闘争の未曽有の爆発と、イラクの石油権益再分割をめぐる仏独帝国主義との対立の深刻化に追いつめられながらも、イラク侵略戦争に突進している。とりわけ開戦後48時間に3千発の衛星誘導爆弾や巡航ミサイルを投下し、バグダッドを「第2のヒロシマ」と化すことを目的とした「ショックと恐怖」作戦の恐るべき実態を明らかにした。
第2章は、今年に入って明らかにこれまでと完全に時代を画する段階に入った国際反戦闘争の現状について明らかにした。その実力闘争的発展も世界各地ですでに開始されていることについても明らかにした。
第3章は、この間の米、西欧におけるイラク反戦闘争の爆発とその量的・質的発展が、80年代以来のすさまじい資本攻勢と労働運動解体攻撃の嵐をうち破って登場した各国の階級的労働運動の形成と発展を基礎としてかちとられてきていることについて具体的に分析した。
翻訳資料の1は、ブッシュの一般教書演説。戦争演説だ。資料2は、短いが、°ショックと恐怖″作戦を全面的に暴く基本資料。@国防総省がイラク作戦は広島・長崎の再現だと公言した1月のCBS放送、A軍事専門家による分析、Bこの概念の大本である報告書の抜粋で構成されている。
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週刊『前進』(2092号6面1)
イラク反戦・介護保険料値上げ反対 住民と共に要求し行動する議員団を
3候補必勝へ全力の訴え
4月27日投票の統一地方選挙戦は、イラク反戦・有事立法阻止と介護保険闘争を軸にし激しく展開されている。全国の闘う候補とともに杉並で奮闘する3候補に必勝の決意を語ってもらった。(編集局)
働く者の権利守る 北島 邦彦氏
今回のイラク侵略戦争は世界史をもうひとまわり変える内容をもっています。戦争を推進する政治権力と大資本、それと戦争をとめようとする膨大な民衆の闘い。イラク反戦闘争は世界の今のありようを変える、まさに世界革命のような動きに絶対なっていく。
確かにフランス・ドイツ・ロシアは戦争回避を言うけど、それは石油の利権をアメリカにとられちゃたまらないからで、まさに帝国主義間の争闘戦としてとっている態度にすぎない。
きょう寒風の中でおばあさんが、「国連の会議で日本政府が武力行使を容認すると言った。少数派なのにアメリカにつくとはどうなっているんだ」と、一番最初に署名してくれた。
今、街頭に出ることが、情勢をつくると実感しています。訴えを聞いてくれる人たちから話したい、つながりたいという積極性を感じている。実行委員会でキャンドル・ウォークをやったら、初めての参加者が多かった。どこで知ったんですかと聞いたら、「あんたがビラまいてたじゃないか」って。
だから今、街頭が党派闘争の場になっている。ここで勝ちぬくことが選挙の状況を左右していく。内容で勝つ、つまり聞いている人と接点をもつ工夫、相手からの反応が出てくるようなビラが必要だと思う。
もうひとつは有事立法との闘いです。有事立法は朝鮮侵略戦争に日本が参戦するためのとんでもない法案です。自治体の戦争協力、労働者の動員を抜きにして成り立たない。杉並区議会でイラク戦争に反対する決議を追求し、イラク・北朝鮮への侵略戦争、日本の戦争協力、有事立法、地方自治体の戦争協力という流れをただしていく必要があります。
先日の介護保険の厚労省交渉は、制度そのものの矛盾を突き出した。保険料を最低限にさせるとか、住民の会の活動で獲得してきた自信の上に、制度そのものの矛盾を厚生労働省に認めさせたことが大きい。
それと今回の選挙は完全に春闘と重なる。僕が駅で朝ビラをまくと9割5分は賃金労働者。今、僕らが一番接点を求められているのはその層です。いつも決まった改札口から通勤をしていく45歳の男性が来なくなった。夕方会えたので聞くと、会社が倒産して、再就職はできたけれど職種も違う、給料は半分。それでも「再就職できてよかったですね」と言わざるをえない。それが労働者がおかれている状況なんです。
労働者の権利をいかに守っていくのか。労働者は新しい形で団結しないと生きていけないのが現実だ。
国労弾圧を許さない会の運動が始まっていますが、地域の中にこの運動を広げていきたいですね。
新しい政党めざし けしば誠一氏
3月、アメリカはイラク攻撃に踏み込もうとしている。その真っただ中で選挙が行われる。ヨーロッパやアメリカの国際反戦闘争の動きを知って、何かしなければという気運が高まっている。それだけにこの杉並で唯一イラク反戦を掲げて闘いぬいてきた都政を革新する会こそが全員当選でその声を体現することが、今度の選挙の最大の核心です。
杉並でも15、16日に反戦の取り組みがありました。若い人たちがたくさん参加した。毎週土曜日にキャンドル・ウォークをやろうということも確認されて、本当に新しい力が地域に登場したことを実感します。
原水禁運動の発祥の地・杉並で、27日には第五福竜丸の元乗組員の話を聞きながら反戦反核の原点をつかみ直そうという取り組みも始まり、もっと広い豊かな、反戦のうねりが確実に始まっている。
介護保険制度実施3年、杉並の中で高齢者自身の闘いもまた力強く闘いぬかれている。介護保険問題が問題になり始めた当初から闘ってきた実績が大きい。一人じゃないんだと手をつないだとたんに力がわいてきて、次々と高齢者が立ち上がっている。19日に厚生労働省と堂々とわたりあう姿を見て、感動しています。介護報酬の見直しに対する怒りが爆発して、制度そのものが問題だと厚労省自身が認めざるをえないところまで追い詰めた。
しかも時は春闘の真っただ中、賃下げ春闘と言われているとんでもない労働者の危機に立ち向かい、闘う国労闘争団や動労千葉、闘う労働運動とともに歩んできた者が当選することの持つ意味も大きい。
都革新に対し10、11月、そして2月と、連続の家宅捜索が行われました。これは闘う労働運動の胎動に恐怖する権力の弾圧です。だからこそ逆にこの選挙に勝つことによって、弾圧や圧力を全部ぶっとばして、労働運動の新しい統一戦線や陣形を大きく広げる決定的な転換になるでしょう。
そして何よりも地方議会から有事立法に反撃していく闘いだ。有事立法の重大な狙いは、自治体と民間の戦争動員だから、地方議会で有事立法に対する大きな歯止めをつくることは決定的です。
3人全員当選は、まさに新党の結成にも等しい重大な勝利なんです。労働者や住民とともに行動する政党が現実に存在するんだと実感させる。杉並の心ある人びとが新しい政党を求めている。その期待にこたえるのが3人当選です。
小泉や石原都知事、山田区長のインチキが通用するのも、あまりにも野党がだらしないから。真の労働者の党、民衆の党が力をもって台頭した時に一気に政治の流れは変わります。
世界と結び反戦を 新城せつこ氏
新しい時代を都政を革新する会が担うための激しい選挙です。イラク侵略戦争情勢下ですごく注目されている選挙でもあります。私たちは9・11を受けとめ、そこを足がかりにイラク反戦闘争を積み上げてきた。今、誰が真剣にこの問題に取り組んでいるのか、誰が世界にこたえる闘いをやろうとしているのかが焦点化しています。
イラク情勢を語り、「世界の人びとの心に響くような反戦闘争を杉並から巻き起こそう」と問いかけていますが、有事立法反対署名も区民が積極的に担っています。
介護保険のことでも、地域を回ると事前に入れたチラシがよく読まれていて、すぐに激励の電話がかかってきたり、「福祉のことをやっている新城さんですね」と言われる。生活相談が一日に2件から3件必ずあるんです。介護や生活がたいへんだという切実な相談です。私も2期8年の中で、区民からの生活相談にすぐに対応できるという力も積み上げてきました。介護保険問題イコール生活、経済問題を含む問題なんです。
私たち3人が分担して本当に杉並に全部責任を持とうと思ったら、そういう闘いから始まるんだと実感しました。
イラク反戦の運動は杉並でも進んでいます。2月15、16日には阿佐谷でイラク反戦の企画が行われ、住民の会の人たちが自らの戦争体験を語って、若い人たちと4、5時間にわたって討論した。聞いている若い人たちにとってすごく貴重な体験談でした。
心ある人たちは、自分たちの思いを表現する場を求めているのをすごく感じます。全世界の状況に日本の人たちもすごく激励されています。
14日の明治公園の集会で共産党の志位委員長は、国連査察を徹底的にやることが重要だと、それしか言わなかった。国連で決定すればイラクを攻撃してもいいという主張です。しかし今、全世界で市民は、要するに石油権益の問題なんだ、大企業、大資本の利益のためにイラクの人たちの命を奪って、自分たちの国が潤うのはどうなのかと行動に立ち上がっている。
沖縄の平和市民連絡会が“人間の盾”になろうとイラクに訪問し、その間、沖縄の米総領事館前で平良悦美さんや桑江テル子さんたちが9日間ハンガーストライキをやりました。イラクの人たちに沖縄戦の苦しみを味わわせたくない、10年前の湾岸戦争では沖縄からの米軍出兵を阻止できなかったという思いからです。この沖縄の闘いを杉並区内の闘いにつないでいくことが私自身の闘いでもあると思っています。
3人当選は大きな力になります。反戦や介護を訴え、杉並から激震が走るような選挙戦を実現します。
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週刊『前進』(2092号6面2)
“イラク反戦決議を” 杉並区議会 新城議員が一般質問
都政を革新する会の新城せつこ杉並区議会議員は、2月26日午前、杉並区議会で一般質問に立ち、@区長の政治姿勢、A介護保険、B保育園公設民営化の3点にわたって杉並区・山田区政を追及した。傍聴席には介護と福祉を要求する杉並住民の会を始め、多くの人びとが駆けつけた。
新城区議は、冒頭、「杉並区議会が『イラク戦争反対決議』をあげることこそ、本定例会の最重要課題です」と提案した。
さらに「有事立法は北朝鮮・中国侵略戦争法案です。侵略戦争のための国家総動員体制の構築、とりわけ自治体を強制的に戦争に動員するものです。絶対反対の立場こそ地方自治に責任をとる唯一の立場」と訴え、「区内でも朝鮮学校の生徒への排外主義的な差別攻撃が頻発している。対策を」と迫った。
介護保険問題の質問では、国の介護報酬見直しによって要介護度の低い人が施設から排除されることを区に認めさせた。「『介護保険は廃止に』という主張はますます現実性を持つものになっている。区長は廃止を国に申し入れるべきではないか」と結んだ。
さらに、保育園公設民営化の第一号となる当該保育園の父母に、民営化が決定したものとして押しつけ、議会には反対があることを伝えなかった杉並区のあり方を追及した。
この力のこもった一般質問に対する区の答弁は、まったくおざなり。身を乗り出して聞いていた高齢者は「区の答弁は何を言っているのかわからない」と怒りの声を上げた。
さらに再質問に立った新城議員は「今誰が戦争を起こそうとしているのか。核兵器を大量保有しているのはアメリカでしょう」「区は高齢者の声を聞く姿勢もないのか」と怒りもあらわに追及。気迫のこもった再質問に傍聴者から大きな拍手が起こった。
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週刊『前進』(2092号6面3)
介護・福祉とり戻そう 介護保険は廃止しかない(3)
介護保険廃止の立場で減免要求を実現しよう
高齢者の決起で減免実現を
今年4月実施予定の介護保険料引き上げ阻止と一体の闘いとして、保険料や利用料の減額・免除の要求を実現しなくてはならない。これらはきわめて切実な課題であり、全国の市町村でこの減免要求闘争が開始されている。“介護保険を廃止せよ!”という立場からこれらの要求の実現をめざし、闘っていくことが問われている。
今や、統一地方選挙のまっただ中で、自民党をのぞくすべての政党が、この介護保険を問題にせざるをえなくなった。介護保険の提唱者・民主党は、その責任を押し隠して制度改善をアピールし、共産党も「減免要求」を主軸に制度改善を訴えている。
しかし、いずれも介護保険制度を前提にして、その中での制度改善を主張するのみで、介護保険制度の本質=福祉の切り捨て(行政責任の放棄)や大衆収奪の強化を暴露し、問題にできない。さらに、当該の高齢者やその介護家族の主体的な決起を促進し、介護保険を廃止に追い込んでいく闘いには敵対している。ここには、高齢者や介護家族を「救済」の対象としてしかとらえず、闘いの主人公としてとらえることができない腐りきった思想しかない。
だが、介護保険に異議あり全国ネットワークの闘いに示されているように高齢者自身の決起が厚労省を決定的に追いつめているのだ。あらためて、要求・権利・団結・組織・行動をはっきりさせ、高齢者と家族の主体的決起を中心に、保険料や利用料の減免要求を統一地方選挙と一体でかちとっていこう。
保険料減免は「生きる権利」
介護保険料は、ぎりぎりの生活水準の人びとから「広く、薄く取る」ことを想定しているため、「もはや生きていくことができない」という声が広範に起こった。そのため、自治体レベルでの保険料減免の動きも制度発足時から生まれた。現在では約3千自治体中400の自治体に上るといわれている。これ自体介護保険制度の破綻(はたん)性を明白に示すものだ。危機感を持った厚労省は、通達で保険料減免の3原則(保険料の全額免除禁止、収入にのみ着目して一律の減額禁止、一般財源からの補填の禁止)を指示した。
そのため何が起きているのか? 保険料減免のいわゆる「神戸方式」をみると「@世帯全体が非課税、A世帯全体に所得がないこと、B世帯の年間収入額が120万円以下であること、C市民税課税者に扶養されていないこと、D市民税課税者と生計を共にしていないこと、E資産等を活用してもなお生活が困窮していること」とされている。しかも、手続きは、個別に申請し、市側が個別に判断するというのだ。
これは、介護保険料の減免にあたって、生活保護基準以下であることを申請するだけでなく、煩雑な書類の作成や生活保護並の資産調査(預貯金額、扶養可能な者に対する調査・通達)が厳しく行われるということだ。中には、生活保護基準以下であることを証明するために、白紙同意書を提出させて、預貯金や扶養調査まで求めている自治体まである。そのため、同じ方式を踏襲した大阪市では、予定の2万人に対し、実際に適用したのは5千800人。八尾市では年間わずか3人。わずかな保険料減免も形ばかりだ。どこまでも高齢者に屈辱的扱いを強いる減免制度でしかない。
介護保険に異議あり全国ネットワークが行った2・19厚労省交渉でも厚労省自身が保険料を始めとした介護保険制度の矛盾を認めた。この厚労省の3原則を徹底的に打ち破り、「生きる権利」を掲げて、実効性のある自治体独自の減免制度を求めることは死活的な闘いになっている。
利用料の減免は、さらに死活的な問題としてある。
利用料負担で利用が抑制
利用料の1割負担は、介護保険の利用を大きく抑え込んでいる。そのため、都市部の自治体では介護保険利用にあたっての給付は予定より大幅に少なく、大半の介護保険財政は黒字になっている。たとえば、杉並区では介護保険予算の執行率は01年で71%、02年では82%しか使われていない。そのため、第一期(00年〜03年)で17億円近い黒字になっている。また、2月22日付朝日新聞によると大阪府下の40自治体中36自治体が黒字で、赤字と回答したのはわずか1自治体だ。
このように、都市部における介護サービス基盤の不足(施設が足りないということ)もあるが、何よりもこの利用料1割負担が大幅に介護保険の利用を抑え込んでいることは明白なのだ。従来の福祉(高齢者への措置制度)では、介護を受けるにあたって非課税者は原則無料だった。つまり、75〜80%の人びとは無料でヘルパー、デイサービス、特養への入所生活などが保障されていたのだ(ちなみに、あの悪名高いドイツの介護保険ですら利用料は原則無料なのだ)。
すでに、武蔵野市や横須賀市では、利用料の減額を一般財源から補填しており、また介護保険の利用料を一律3%負担に据え置いている自治体も出始めている。少なくとも自治体レベルでの努力で、利用料の1割負担を軽減することは全く可能であるということなのだ。今こそ「必要な人に必要な介護を」の要求を掲げ、介護保険の利用料の減免をかちとろう!
3月議会を高齢者の主体的決起を中心に取り巻き、保険料・利用料の減免要求実現に向けて闘おう。その決定的なチャンスが訪れている。
(梨原智之)
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週刊『前進』(2092号6面4)
“制度に欠陥”認めさせる 介護保険に異議あり 全国ネットが厚労省交渉
「介護保険に異議あり全国ネットワーク」は2月19日厚生労働省交渉を行った。介護保険料の4月値上げが迫った中での厳しい追及で厚労省が「制度に欠陥がある」ことを認めざるをえないところまで追い込んだ。「制度の仕組みそのものを変えなければ解決できない」と介護保険制度の破綻を認めざるをえなくなったのだ。
交渉は午後1時から衆議院第一議員会館で行われた。杉並をはじめ大阪や広島、横浜など全国から60人の会員が結集した。厚労省側からは介護保険課の担当係長を始め4人の担当者が対応に出た。
交渉は全国ネットの長谷川英憲事務局長の司会で進められた。最初に杉並住民の会の女性と荒本地区介護と福祉を要求する住民の会の男性が厚生労働大臣への要望書を読み上げ、「保険料値上げ」と「報酬の見直し」の撤回を要求した。
これに対する厚労省の回答は、保険料・利用料の減免要求に対しては5段階の設定で低所得者には軽減しているというものだ。介護報酬の見直しで基本的に1時間半以上の身体介護が受けられなくなる点については、報酬単価が設定されており、受けられないことはないという現実無視の回答だ。要介護度の低い人が施設入所を断られるという点についても、法律上入所を拒否はできないことになっていると建前だけだ。
これに対して杉並住民の会の会員が現実を突きつけ追及した。心臓病など6つの病気を抱え、通院や診察で6時間もかかる住民の会会員が介護保険への怒りを述べた。新城せつこ区議が介護報酬見直しが介護をさらに奪うものであることを突きだした。1時間半を超えた場合の身体介護の介護報酬がこれまで30分ごとに2190円だったのが830円に激減する。事業者にとっては1時間半を超える身体介護は完全に採算に合わなくなり、引き受けなくなることは明白である。
都政を革新する会の北島邦彦事務局長が、「Tさんも病院への通院と診察に4時間かかる。病院に行けなくなるのではないかと不安に思っている。どうするつもりか」と対応を迫った。さらに、けしば前区議が施設入所の問題で杉並区内の施設の新しい介護報酬に向けた動きを突きつけて厚労省のペテンを粉砕し、対策を要求した。
「金持ちだけが喜んで、弱い人たちをいじめているではないか。その上年金を減らすといっている。絶対に許せない」「介護保険で多くの人が死んでいる。これについてどう考えているのか。国家の責任である」「戦争のための最新鋭の軍艦や戦闘機を作るお金を福祉予算に回せばいいんだ。介護保険制度そのものを見直せ」次々と厳しい弾劾が突きつけられた。
こうした中で厚労省は、「保険料、利用料という負担の仕組みを変えない限りどうにもならない問題で、法改正の時にみなさんの意見を聞いて議論していく」と言わざるをえなくなった。長谷川さんが、「介護保険に矛盾がある、担当者レベルで問題があることを認識しているということですね」と厚労省に発言を再確認した。
さらに介護報酬の見直しで1時間半以上の身体介護が受けることが困難になる問題、重度の人しか施設に入れなくなる問題、保険料・利用料減免への厚労省の対応を要求した。
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週刊『前進』(2092号6面5)
2月18日〜25日
武力行使へ米英が決議提出 イラク乳幼児126万人に死の危険
●日本、米英支持鮮明に イラクの大量破壊兵器問題で国連安全保障理事会が理事国以外の加盟国も参加・発言できる公開討論会を開いた。日本はイラクへの最終通告となる新決議の採択を強く主張し、米英支持の立場を鮮明に示した。発言した62カ国・機構のうち約50が査察の強化・継続を要望。武力行使を主張する米英支持は日本やオーストラリアなど約10カ国に。(18、19日)
●世界で反戦デモ。米は「戦争ためらわず」
ブッシュ米大統領は、大規模なイラク反戦デモが世界で起きていることについて「私はこの国を安全にする義務を負っている。私はそれを実行する」「世界の一部は、サダム・フセインを平和への脅威と考えていない。私は敬意をもって(そのような見方に)不賛成を表明する」などと述べた。(18日)
●米軍が対アブサヤフ作戦を共同実施 米国とフィリピン政府は、米比両軍がフィリピン南部のアブサヤフの掃討作戦を共同実施することで合意した。米軍は、比軍との合同演習という形で事実上関与してきたが、直接の戦闘参加は初めて。作戦に参加する米軍は3千人規模。沖縄駐留の海兵隊1千人、1200人の海軍兵力も航空・医療支援などに投入される。(20日)
●日本人救出に自衛艦 日本政府は、米英軍などがイラク攻撃に踏み切る場合、イラク及び周辺国の在留日本人の緊急退避が必要な場合には、インド洋上で展開中の海上自衛隊艦船をペルシャ湾のクウェート沖に一時的に派遣する方向で検討に入った。(20日)
●自衛隊の警護出動検討 石破防衛庁長官が警護出動について「あらゆる選択肢を検討している。要件を満たせばやる」と述べ、イラク攻撃が行われた場合、自衛隊が在日米軍基地などを警備する「警護出動」発令の検討に入った。(21日)
●レンジ10訓練再開 在沖米海兵隊は、昨年7月の被弾事件以後、中止していたキャンプ・シュワブ「レンジ10」でのM250口径重機関銃の実弾射撃訓練を再開した。(21日)
●和歌山に核燃料貯蔵施設 関西電力が和歌山県御坊市沖の埋め立て予定地に、原子力発電所の使用済み核燃料を再処理するまで一時的に貯蔵する「中間貯蔵施設」の建設を検討していることが明らかになった。地元の御坊市が誘致を表明すれば、青森県むつ市に次いで全国2番目になる。(21日)
●北朝鮮への食糧支援拒否 来日中のモーリス・ストロング国連特別顧問が安倍官房副長官と会談した。北朝鮮への食糧支援の要請に安倍は「拉致問題が解決しない限り、検討する状況にない」と拒否。(21日)
●日米がイラク問題で会談 パウエル米国務長官が来日し、小泉首相らと会談。パウエルは、国連での新決議への協力を要請した。またイラク攻撃が実行された場合は復興支援に日本の役割が重要との認識で一致。(22日)
●攻撃で乳幼児126万に死の危険 イラク攻撃でイラク国内に住む5歳以下の子どもの30%、約126万人が栄養不足で死亡する危険があると影響を予測した内部報告書を国連がまとめていたことが分かった。(22日)
●イラク攻撃「反対」78% 朝日新聞社が全国世論調査を実施。米国によるイラクへの軍事行動については78%が反対で、賛成は17%だった。(24日)
●武力行使へ決議案提出 イラクへの武力行使のために査察打ち切りを主張する米英が、武力行使の承認を得る内容の決議案を国連安保理に提出。スペインも共同提案国に名を連ねた。一方、フランスなどは査察体制を強化し、120日間継続してイラクの武装解除を進める案を「覚書」として提示。(24日)
●日韓首脳会談 小泉首相は、韓国の盧武鉉(ノムヒョン)大統領とソウル市内の大統領府で会談した。(25日)
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週刊『前進』(2092号7面1)
イラク反戦・介護保険料値上げ反対 住民と共に要求し行動する議員団を
社共にかわる新しい党への飛躍=政治的登場にかけた闘い
4月統一地方選必勝へアピール
米帝ブッシュの世界戦争計画―イラク侵略戦争の開戦情勢と、それをめぐる米英伊・日と仏独・ロ・中の歴史的分裂の発生と進行、これに対する全世界的な反戦闘争の空前の爆発の中で、日本階級闘争は決定的な転換点を迎えている。三大闘争(イラク反戦闘争、国労5・27臨大闘争弾圧裁判―03春闘、統一地方選闘争)を柱にして、3―4月決戦を全力で闘いぬこう。その一環として、4月統一地方選―杉並区議選決戦(4月27日投開票)の勝利をめざして総決起することを心から訴える。世界戦争と世界大恐慌の時代の到来は、労働者階級人民に〈世界戦争か世界革命か〉の主体的選択を突きつけている。この世界史的転換点で闘われる4月統一地方選闘争は、労働者人民と結合した新しい政党、政治勢力が、日本階級闘争の前面に躍り出ることをかけた、決定的意義のある闘いである。日本革命の成否がここにかかっている。とりわけ杉並区議会議員選挙で、「都政を革新する会」の3候補全員の当選をかちとることは、革命党と労働者階級人民の闘いの勝利の道を押し開くものである。全世界に燃え上がるイラク反戦闘争の炎を、日本で、首都・東京で、杉並で一層燃え上がらせ、日帝・小泉政権の打倒をかけて、選挙戦の勝利のために総力で立ち上がろう。
イラク攻撃-世界戦争と対決する重大決戦
革共同は、今次選挙戦を03年前半の最大の政治闘争、第一の決戦課題として闘いぬいている。東京都杉並区議選に、「都政を革新する会」のけしば誠一氏、新城せつこ氏、北島邦彦氏の3候補を、神奈川県相模原市議選に西村綾子氏を擁立し、さらに大阪府高槻市議選に小西弘泰氏、森田充二氏を推薦し闘いぬく。また、9月に東大阪市議選に阪口克己氏が立候補する。
すべての選挙戦がけっして負けられない闘いであり、革共同はその勝利のために全力で闘いぬく。とりわけ、3氏の全員当選、区議団の登場をめざす杉並区議選は、革共同の歴史の中でもかつてない巨大な挑戦である。全世界的な激動情勢、帝国主義の末期的な危機の深まりのもとで、日帝の首都・東京の杉並区で革命勢力が3人全員当選の勝利をかちとり、人民の闘いの議会的拠点を築くことは、階級情勢に革命的インパクトを与え、労働者階級の闘いの発展の巨大な力となるものである。
だからこそ、日帝権力・警視庁はデッチあげを含むあらゆる政治弾圧を集中して3氏の当選を阻もうとしてきているのであり、まさに革命と反革命の激突が闘いぬかれているのである。
国会に多くの議席を持つ既成政党と競い合って、3議席を獲得することは、並大抵の闘いではない。この挑戦の巨大さを真っ向から見据えなければならない。だが、これを成し遂げ、党と革命勢力の前進をかちとることは、時代が要求する課題であり、杉並区民を始めとする労働者人民の要求である。
すでに杉並の選挙戦は、白熱的な決戦段階に突入している。定数48の議席(前回より4議席削減された)に70人の立候補が予想される激戦である。3人の候補者は連日、区内を駆けめぐり、立ち上がる住民とともに全力で奮闘している。全党全人民の力を結集して、なんとしても勝利をもぎりとらなければならない。
小泉打倒する100万人デモを
今日の階級情勢を見るとき、いっさいを根底において規定するものは、「死の苦悶(くもん)」にあえぐ帝国主義の末期的危機であり、そこからの必死の脱出をかけた米帝ブッシュの世界戦争計画の発動、イラク侵略戦争開戦情勢である。このことを、真っ向から見据えよう。日帝もまた、これに決定的に規定され、世界戦争への米帝のなりふり構わない突進に突き動かされて、日帝自身の生き残りをかけてイラク・北朝鮮侵略戦争の道を突き進んでいるのである。
イラク攻撃をめぐって、中東石油資源の略奪と中東の支配権をめぐって、米英帝ブロックと独仏帝ブロックの分裂・対立がはっきりと形を現し始めたことは、決定的な世界史的事態である。戦後の帝国主義世界体制の根幹を揺るがす情勢が始まったことを意味する。これは重大きわまることであり、新たな世界大戦の危険さえはらむものである。
そして日帝は、3月中旬にも強行されようとしているイラク侵略戦争において、きわめて積極的・突出的に米英帝の側につき、「第3の参戦国」となろうとしている。そして、日本全体を戦争体制にたたき込むことで、今通常国会で一挙に有事立法と諸反動攻撃を強行し、北朝鮮侵略戦争に突き進もうとしているのである。
4月統一地方選は、イラク開戦情勢の真っただ中で闘われ、日帝の参戦、有事立法攻撃と真正面から激突する階級決戦そのものである。まさにイラク反戦闘争の巨大な爆発と、北朝鮮侵略戦争絶対阻止・有事立法粉砕をかけた闘いそのものである。
日帝は侵略戦争にのめり込み、それと同時に労働者階級人民に対する激しい資本攻勢と治安弾圧の攻撃を強めている。侵略戦争と資本攻勢、治安弾圧は一つの攻撃であり、これを強める以外に日帝は、もはや生き延びられなくなっている。
一方で、労働者階級もまた、これまでどおりには生きられなくなっている。2・14〜16には全世界で1500万人以上の人びとがイラク反戦闘争に立ち上がった。その決起は帝国主義による全世界的な資本攻勢、首切り・賃下げと、貧困と飢餓の強制に対する巨大な怒りの噴出である。
日本の階級闘争も完全に歴史的な激動に突入した。終身雇用制解体、大量首切り、賃金半減、大増税、社会保障解体、権利剥奪(はくだつ)と治安弾圧などあらゆる面から労働者階級人民に対する攻撃が襲いかかっている。これに対して、連合などがどれほど帝国主義の先兵となって労働者人民の決起を抑えつけようとしても、生きんがための労働者人民の闘いは必ず爆発していくのである。すでにその兆候は至る所にあり、日本階級闘争も永続的な内乱激化の過程に突入しつつあるのだ。
まさにレーニンのいうように、米帝の世界戦争への突進は逆に全世界的な革命的情勢への接近を急速に促すものとなっていくのである。われわれはイラク侵略戦争情勢を、戦争の真の根源である帝国主義とその世界政策の根底的転覆に向かって発展させるために、党として死力をつくして闘わなければならない。
日帝・小泉政権を根底から吹っ飛ばすような、50万、100万のイラク反戦デモを実現するために全力をあげよう。4月統一地方選闘争を、その巨大な大衆闘争の発展をかけた決戦として絶対勝利しよう。
革命的激動期の闘いを切り開く選挙闘争
革共同と、闘う労働者人民はこの春、@イラク・北朝鮮侵略戦争粉砕―有事立法阻止闘争、A国労臨大闘争弾圧粉砕・03春闘決戦、B統一地方選―杉並区議選闘争という3つの大決戦を全力で闘っている。
国労5・27臨大闘争弾圧は、戦争と恐慌の時代にはあらゆる闘いが内乱の芽をはらむものであるので、ビラまきと説得活動という労働運動の当たり前の活動すら圧殺しようとする攻撃である。これをはねかえすことは日本の労働運動全体の防衛と階級的再生にとって決定的なのである。それゆえわれわれは、国労臨大闘争弾圧粉砕の闘いを03春闘の根幹に据え、国鉄決戦と日本労働運動全体を決するような闘いとして、全労働戦線にこの闘いを押し広げるために全力で闘いぬかなければならない。
このように3大闘争のどのひとつも、日本の階級闘争の革命的発展と、労働者党建設をかけた、絶対に負けられない決戦である。この3大決戦を、〈戦時下の階級闘争の全面的決戦的展開〉として、全一体のものとして位置づけ、闘うことが求められている。
その中で4月統一地方選は、新年号アピールで提起した新たな「社会主義と戦争」的な闘いの創造を、直ちに問われる選挙戦となった。まさに革命的情勢への移行期において激動型の選挙闘争を創造し闘いぬき、勝利しよう。
そして、この選挙闘争は、階級闘争の激動化に対応した闘い方を率先して切り開くものとして、普遍的な価値を持つ闘いである。
労働者階級人民は、イラク戦争と激しい資本攻勢の中で、急速に政治化、活性化し、自主的な歴史的行動に立ち上がりつつある。自らの要求・主張を書いたプラカードを掲げてイラク反戦デモに参加するなど、直接行動に立ち上がり始めている。“既成政党、政治家どもは腐りきっていてだめだ。戦争をなくし、失業をなくし、世界を変革するためには、自分たちが立ち上がらなければならない”という気分が急速に広がっている。杉並で、そして全国で広範な人びとがデモに立ち上がり始めた。実に画期的な情勢の到来である。
こうした革命的情勢への移行期にあたって、革共同はこれまでの古い殻、運動の狭い枠を今こそ打ち破り、全労働者人民を対象とした宣伝・扇動戦、組織戦へと思い切って打って出なければならない。選挙闘争は、「労働者の中へ! 全人民の中へ!」の実践そのものであり、革命党が労働者階級人民の自己解放的決起と結合し、闘う人民の団結を拡大し、人民の闘いをより一層強力に推し進めるための決定的なてことなるものである。
レーニンは第1次大戦中に執筆した『社会主義と戦争』(1915年)の中で次のように言っている。
「この戦争の反動的な性格、自分の略奪目的を『民族的』イデオロギーで覆い隠しているすべての国のブルジョアジーの恥知らずなうそ、――これらはすべて、客観的=革命的情勢を基盤として、大衆の中に必ずや革命的な気分を引き起こさずにはおかない。われわれの責務は、この気分を意識化し、深め、それにはっきりした形を与えるために手助けをすることである。この任務を正しく言い表しているのは、帝国主義戦争を内乱に転化せよというスローガンだけである。そして、戦時におけるあらゆる首尾一貫した階級闘争、真剣に実行されるあらゆる『大衆行動』戦術は、不可避的にこれへ導いていく。……ほかならぬこの方向に向かって系統的に、たゆみなく活動することが、われわれの無条件の責務である」
日本は議会制の国家であり、階級闘争の中で選挙闘争が持つ意味は、けっして小さくない。選挙闘争は、労働者人民の大半が参加する一個の政治闘争であり、労働者人民の政治意思を実現する重要な戦場である。戦時下の階級闘争のためには、議会への革命的議員団の登場が絶対に不可欠なのだ。現実の階級攻防と直結した選挙戦の戦場において、決定的な闘いを挑み、確実な勝利をかちとらなければならない。
住民の闘いと結合し全党の渾身の決起を
われわれは、この選挙戦をイラク反戦と、日帝・小泉政権の戦争と反動、生活破壊・権利破壊の大攻撃と真っ向から対決するものとして闘いぬくのである。
日本の労働者人民は、第2次大戦後、「二度と侵略戦争を起こさない」と誓ったはずだ。ところが、小泉政権と、与党=自民党・公明党は、こうした労働者人民の反戦の声を踏みにじって、イラク参戦と有事立法に突き進もうとしている。小泉は、反戦闘争に対して、「イラクに誤ったメッセージを送るものだ」と非難し、公明党幹事長・冬柴は「反戦闘争は利敵行為だ」とののしっている。そして、イラク侵略戦争のために、海自最新鋭のイージス艦を派兵して米軍との共同作戦に参加し、さらに北朝鮮侵略戦争を策動し、有事立法と個人情報保護法案などで戦争のための国家総動員体制をつくろうと策動している。
こんな連中をのさばらせておいてよいのか! こんな連中が政治権力を握って、日本を再び戦争の道に引き込むのを許してよいのか。断じて否だ。
国会は野党の総屈服の中で、翼賛国会の様相を呈している。人民の意識とあまりにもかけ離れている。与党の公明党はもとより、民主党、社民党、日本共産党などの屈服と変質、裏切りに次ぐ裏切り、ウソとペテンを断じて許してはならない。これをぶち破り、階級闘争の激動を議会に持ち込み、大衆運動爆発の決定的な武器に転化しなければならない。
杉並区議選での3人当選は、杉並区議会における議員団(幹事長会派)としての位置を獲得し、議会運営に積極的に参加することができる。これまで既成政党がなれ合いで進めてきた密室政治を打ち破り、真に労働者人民のために開かれた議会の実現へ向けて闘う道が開かれるのである。のみならず、既成政党の厚い岩盤をぶち破って全員当選を実現することは、社・共に代わる新しい党(本質的に言って革命的労働者党)の登場を意味するものであり、都議選決戦や国政選挙への躍進の道を開くものである。また、首都における労働運動の決定的な前進を切り開くものである。
われわれは、選挙闘争の歴史的総括を踏まえ、今次杉並選挙闘争を地区党建設と結合した選挙戦として、これまでにない地平を切り開きつつある。「労働運動で党をつくる」闘いに挑戦しつつ、同時にそれと一体のものとして革命的議会主義を党建設上の契機として位置づけ、本格的な労働者党へ飛躍をかけて全力で闘うのである。
杉並区ではイラク反戦の闘いが大きく燃え広がっている。イラク写真展や反戦の集いに数百人が結集している。反戦署名も燎原(りょうげん)の火のように燃え広がっている。選挙闘争の中で、労働者人民の中に渦巻く現在の政治への怒り、変革への願いを引き出し、勝利の方向を示し、ともに闘うことを呼びかけよう。その闘いのてことして議員活動を闘いとることである。イラク反戦・有事立法反対の闘いや、介護・社会保障切り捨てとの闘い、教育の反動化反対の杉並区民の自主的決起と結合し、この強力な発展を推進し、その先頭に立つ党として躍り出て、情勢の革命的変化を促進するのだ。党は「闘う大衆」として、杉並区民の先頭で闘おう。
区議選は自民や公明、民主党など戦争推進勢力との闘いであり、また「国連のルール」に従う戦争なら賛成する日本共産党との闘いである。こういう勢力が日帝・小泉の戦争政治を支えているのだ。絶対に打倒しなければならない。さらに、戦争賛美の「つくる会」教科書の推進勢力が区議会に登場することを断じて許してはならない。
統一地方選への関心は非常に高い。旧来の党派支持の基盤も大きく揺らいでいる。「支持政党なし」がどの世論調査でも最大多数である。また全階級を対象化した闘いの強化が、予想以上の情勢を引き出す可能性をはらんでいる。既成政党の基盤にも思い切って切り込み、ここにも支持を広げよう。
重ねて訴える。今春3大闘争を全面的一体的に推進し、その中で4月統一地方選の勝利、杉並区における3候補全員当選のために今こそ総決起しよう。この闘いは、これまでの延長線上ではない巨大な課題であるが、日帝の危機と階級闘争の激動化の中で、勝利の条件は確実に存在している。勝敗のかぎは、全同志の渾身(こんしん)の決起によって、杉並区民の広範な自主的決起と結合することである。選挙戦の創造的展開のために、活発な討論を深めよう。どうしたら地域住民の自己解放的な決起と結びつくことができるか、何を訴えたらよいのか。積極的にアイデアを出し合い、実践しよう。
どれ一つ負けられない重層的決戦の中で、現在的にやれることに積極的に取り組み、支持を広げる闘いに取り組もう。そうして4月選挙に向かって、白熱的に闘いを強めていこう。階級闘争の最前線を切り開く闘いとして、あと50日余、権力の逮捕、家宅捜索などの不当きわまる妨害をぶち破り、住民の決起とともに党の底力を発揮し、党と自己の飛躍・変革をかけて、画期的勝利を闘いとろう。
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週刊『前進』(2092号7面2)
ワシントン大行動に参加して − 全学連代表団
被抑圧民族と労働組合が中心を担う 大阪市大 N
イラク開戦情勢の中で、米帝権力中枢ワシントンで、アメリカの労働者階級とともにイラク侵略戦争阻止の闘いに決起した。9・11以降、数十万人規模で決起を開始し、全世界に闘いを呼びかけ牽引(けんいん)しているアメリカの闘いと実体的に結びついていくこと、日本でのイージス艦派兵阻止闘争、沖縄闘争を報告し、お互いに闘いを強めあうことが決定的だと実感した。そして、被抑圧民族人民と全世界の労働者階級人民の団結した力で、帝国主義を打倒することができる!という展望をつかんだ。
アメリカの闘いで、私がもっとも強く印象に残ったことは、国内の被抑圧民族が闘いの中心にいることだ。パレスチナの旗を身にまとった青年。ムスリムの学生たち。学生・青年組織のリーダーはアフリカ系の女子学生だった。朝鮮人とフィリピン人の団体は「米軍は朝鮮とフィリピンから出ていけ!」という横断幕を持ち、南朝鮮・韓国の女子中学生轢殺(れきさつ)事件を弾劾するビラをまいていた。
アメリカの労働者総数の40%はアフリカ系、中南米系、アラブ系、アジア系の人達が占めている。彼らの存在と闘い、それに対する支援、防衛、連帯の闘いをも通して、アメリカの労働者階級は9・11を受けとめ、自国帝国主義・米帝ブッシュ打倒の根底的な決起を開始しているのだろう。
もう一つ印象に残ったのは、侵略戦争に反対する闘いと一大資本攻勢と対決する闘いを一個二重の闘いとして決起していることだ。一大資本攻勢ともっとも戦闘的に闘う労働組合が、9・11反米ゲリラを真っ向から受けとめ、決起しているのだ。
基軸帝国主義・米帝足下で開始された闘いと結びつき、私たちは何より日帝の参戦を阻止しよう! 在日朝鮮・中国・アジア人民、ムスリム人民の存在と闘いに学び連帯して、イラク開戦、北朝鮮侵略戦争を阻止しよう!
大規模なデモ決起に未来の展望見た 沖縄 A
アメリカの地では沖縄では体験することのできない凍てつく寒さのほかに多くのものをアメリカ市民から学び、同じ全学連の仲間と共有でき、何ものにもかえがたい経験をしました。
18日、19日の集会およびデモは50万人という圧倒的な人数で行われました。これだけの人数がいればアメリカそのものを根底からひっくり返すことができると確信し、他の各国もこれに応え連帯して大規模なデモに決起することこそ新しい未来の展望が見えてくるのだと思います。
アメリカでは老若男女様々な国の人びとが集会に来ていました。そして若い人の元気なエネルギーが大衆を引っ張っていたようにも見えましたし、もっと言えば女性のリーダーが目立っていました。新しい世の中を自ら展望できる若者が必要だと思います。
一見、お祭りのような様相を見せるアメリカの集会とデモでしたが、もちろん祭をしているのではありません。たくさんの仲間がいることでとても勇気づけられます。そして大衆的に決起すること、団結することの大切さを知るわけです。
沖縄や日本でもこのような誰にでも参加できる集会が必要であると思いました。怒りに満ちた人民はたくさんいるけれども、その受け皿がなく何もできないのが現状なのではないか、と戻ってきて感じました。
沖縄の基地について話す機会を得られましたが、他の国々の基地について、あるいはアメリカが他の国に行っている謀略など果たしてどれくらい知っているのかと今回身につまされました。国際連帯を言うのであれば他の地域に関する問題を知ることはもちろん必要なことであり、その努力が連帯を生むのであると身をもって知りました。
アメリカで経験したことをこの地で生かし、貢献しようと思っています。
人民の戦争止める闘いが歴史動かす 富山大 O
イラク侵略戦争を、全世界の労働者と被抑圧民族人民とともに止められる。僕は、ワシントンDCの50万人集会に参加してそう新たに決意した。
イラク開戦情勢が超緊迫している中で、1・18〜19ワシントンDCで歴史的な50万人のイラク反戦行動が行われた。同時にサンフランシスコでは20万人。全米で500万人。38カ国で集会とデモが行われた。イラク侵略戦争が切迫するほど、全世界でイラク侵略戦争阻止の闘いが爆発している。この闘いが、人民の力が実際にイラクへの侵略戦争を押しとどめている。
アメリカでの9・11における愛国主義と民族排外主義は想像を絶するほど激しい。しかし、それをのりこえてアメリカの労働者がイラク反戦の行動に立ち、ともにパレスチナ・ムスリム人民と集会・デモを行い、この50万人というイラク侵略戦争阻止の闘いに立っている。しかも全世界で同時に行動がもたれている。その中に自分がいる。このイラク侵略戦争阻止の闘いがわれとわが手で、帝国主義の侵略戦争を止め、歴史を動かしていくと確信した闘いだった。
同時に、われわれが12・12〜16と実力で闘いぬいたイージス艦阻止の横須賀闘争が圧倒的に正しく、イラク侵略戦争反対の米人民50万人の決起と、引けを取らないほどの大きな意義を持つ闘いだったということを改めて確信した。
現在は、戦争か革命かの時代だ思う。イラク開戦情勢が激烈に進む中で、全世界で決起が始まっている。全世界の労働者と被抑圧民族の決起で絶対にイラク侵略戦争を止め、帝国主義を打倒する。僕は、全世界の労働者と被抑圧民族と連帯し、日本でのイラク反戦の先頭で闘う決意だ。
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週刊『前進』(2092号7面3)
3・8杉並反戦デモへ
3月8日(土)午後1時杉並区のけやき公園(地図参照)に集まろう。イラク反戦の声を上げよう。それぞれの思いを書いたボードやプラカードを持って集まろう。行動するのは今だ。
東京反戦共同行動委員会は、原水爆禁止運動の発祥の地である杉並で、イラク反戦の運動を巻き起こそうと今回の集会とデモ・パレードを呼びかけた。
米帝ブッシュは、「48時間で3000発のミサイルと爆弾を撃ち込み、ヒロシマのようなショックをイラク国民に与える」「核兵器使用も排除しない」などと公言している。
日帝はイージス艦を派遣して参戦した。石油略奪のために核兵器でイラク人民を何百万人も虐殺する不正義の戦争を、ヒロシマ・ナガサキ・沖縄を経験した日本の労働者人民として絶対に許すことはできない。
2月14〜16日には、全世界で1500万人が決起した。イラク侵略戦争を阻止するために3月の闘いこそが決定的だ。友人・知人にも決起を呼びかけよう。
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週刊『前進』(2092号8面1)
沖縄からのイラク出撃許すな
世界の反戦決起と連帯し沖縄を侵略阻止の拠点に
革共同沖縄県委員会
米帝ブッシュは、イラク侵略戦争3月開戦へ向け突進しつつある。その中で、沖縄基地はイラク・北朝鮮侵略戦争の出撃基地として臨戦態勢を決定的に強めている。3、4月の闘いは今後を左右する歴史的な決戦となった。沖縄の出撃拠点化を粉砕し、沖縄闘争の戦略的爆発へ全力で闘おう。
世界戦争の切迫と国際的内乱の開始
米帝による世界支配崩壊の危機に追いつめられたブッシュは、イラク侵略戦争を暴力的に強行することによって、全世界の人民を沈黙させ、帝国主義間の争闘戦に勝ち抜き、世界支配を再編しようとしている。
イラク・フセイン政権を軍事的に転覆し、石油の強奪、支配を狙っているだけでなく、中東・アラブ、イスラム世界全体を軍事的に支配し占領し国家体制を力で再編しようとしている。また、北朝鮮・金正日政権の危機と反人民的な瀬戸際政策に乗じて、北朝鮮侵略戦争へと突き進んでいる。イラク情勢と北朝鮮情勢は今や完全に一体である。日帝・小泉政権は、この米帝の凶暴な侵略戦争に全力で対応し、共同的=競合的に参戦することによって侵略と戦争への道を突進しようとしている。イラクへの参戦と有事立法を一挙に強行しようとしているのだ。
この戦争は、石油をめぐるイラク・中東支配と世界支配=全面的再分割戦をかけた争闘戦であり、その中で独・仏(中・ロ)対米・英(日)の帝国主義の歴史的分裂と対立の構造が生まれている。もはやこの帝国主義間の対立と争闘戦は、完全に一線を越えた段階に突入したということだ。
しかしそれは同時に巨大な国際的内乱の開始である。この情勢の中で米、英に次ぐ3番目の「開戦派」として名乗りをあげた日本帝国主義足下における革命的反戦闘争、革命的大衆闘争を爆発させていくことは、決定的意義がある。革命的情勢への接近のもとで、レーニンの「三つの義務」の遂行のために全力で闘おう。そしてこの闘いの中で沖縄闘争(安保・沖縄闘争)の戦略的大きさ、重要性をしっかり確認し、その再構築、大爆発をかちとっていこう。
ブッシュ戦略下で強まる臨戦態勢化
沖縄闘争がこの情勢の中で地殻変動的な爆発的発展を遂げることは間違いない。その根拠は、米帝ブッシュ・ドクトリン=世界戦争計画の全面発動、イラク侵略戦争が北朝鮮―アジアの激動情勢の堤防決壊的引き金となり、沖縄の米軍基地の全面的強化、さらには沖縄の直接の戦場化となって襲いかかってくることに対し、沖縄人民がただ黙って受け入れることはありえないということにある。
日帝・小泉の有事立法攻撃、安保・沖縄政策の反動的転換とも相まって、もはや耐えがたい犠牲が沖縄人民におしつけられることに対し、沖縄人民は、一方で日帝と米帝への怒りを爆発させ、他方で、イラク人民や南北朝鮮人民の反帝国主義・反米軍基地の闘争に励まされつつ必ず決起するのである。
米帝ブッシュの登場、9・11反米ゲリラ戦争、アフガニスタン侵略戦争―イラク開戦情勢の中で米帝の沖縄政策(対日政策)は根底から変わった。同時に、これと共同=競合しながらイラク、北朝鮮への独自の侵略戦争に突き進む日帝・小泉の戦争国家化、侵略戦争推進路線、日米安保政策によって、沖縄を規定する条件は激変している。1995年9・4米軍暴行事件を契機とする沖縄の新たな人民反乱を封殺する政策・体制としてあったSACO路線は、あらゆる意味で破綻(はたん)している。
SACO路線の特質は、日帝が米軍基地(日米安保体制)を護持するために沖縄人民の要求をかなえるかのように「基地の整理・縮小の一環である」などというペテンを使うところにある。それは72年「返還政策」以来、沖縄人民の怒りの爆発を抑え込む伝統的手法でもあった。しかし、そのようなペテン、小細工をろうするやり方は、むしろ米帝ブッシュの側から反革命的に転覆された。究極的には中国スターリン主義の戦争的転覆までプログラムされているブッシュ世界戦争戦略の最重要基地として、沖縄の基地を自由使用する傾向が爆発的に強められている。
現在、在沖米軍は、移動、退役禁止に加え増員によって兵員は倍増しているといわれている。「イラク、北朝鮮2正面での戦争も可能」などと公言しながら、グアムへのB1、B52戦略爆撃機の配備、朝鮮半島周辺への原子力空母カールビンソン派遣、韓国へのF15戦闘機、U2スパイ偵察機などの追加配備に加え、嘉手納基地にはミサイル探知電子偵察機、イラクへ派遣されたF15の補充機などが追加されるなど、戦争的緊張を高めている。
北朝鮮情勢が戦争的対立の様相を急速に深めていることが、沖縄基地をフル回転させているのである。
一方で、イラク戦への備えと称して在沖米軍約3千人をフィリピンに派兵し、武装民族解放組織アブサヤフに対する掃討作戦に突入しようとしている。むしろ沖縄の米軍はイラク侵略戦争が北朝鮮を始めとするアジア情勢を激動させることに身構えている。それによってさらに追い詰められた北朝鮮の「瀬戸際政策」を呼び起こすことにより、予断を許さぬ戦争的対峙に突入している。
抗議を無視し訓練再開強行
こうした中で必然的に米軍による事件・事故が増加、頻発しており、しかもこうしたことに対する米帝(日帝・小泉、防衛施設局)の態度も、露骨に反人民的、差別的なものに変化している。
昨年末、名護市許田で米海兵隊の重機関銃弾が農地に着弾した事件に対し、地元区、名護市、沖縄県が「抗議」「訓練中止」「演習場県外移転」を要求した。米軍と日帝・防衛施設局はこれを完全に無視し、「問答無用」とばかりに2月21日から強引に訓練を再開した。これには、稲嶺県政も名護市当局も抗議せざるをえないのであるが、米軍側は、すでに戦時体制に突入している以上まったく意に介さない。米帝ブッシュの対外政策は、「米帝に従うことにイエスかノーか、二つに一つだ」「従わないものはテロリストと見なし容赦なくつぶす」というものであり、沖縄の米軍基地をめぐる沖縄−日帝・米帝の関係も完全に質的に変化しているのだ。
有事立法攻撃で全島が戦場になる
日帝・小泉は、沖縄基地問題についてはますます露骨に米軍と一体となって、沖縄人民を抑圧する具体的攻撃を強めている。防衛庁長官・石破は、イラク情勢、有事立法成立にからんで自衛隊が米軍基地の警備を行うことを公言した。これが沖縄に実に重大な事態をもたらすことは、9・11直後、沖縄で起こったことを考えてみれば明白だ。9・11直後、米軍はパスをもった基地労働者さえいったん全部基地内から排除した。そして基本的にすべての人間を「テロリストではないか」との疑いで徹底検問し、何かあれば銃を突き付けることをくり返した。基地警備の銃口は、今も外、すなわち県民に対して向けられている。これを自衛隊がやろうというのだ。
日帝は、イラク情勢に連動した北朝鮮情勢の緊迫化に対応し、排外主義攻撃を激化させながら、今通常国会での有事立法成立に突っ込んできている。有事立法とは、米帝ブッシュの北朝鮮、中国侵略戦争を大前提に、日帝がこれと肩をならべて北朝鮮に対する侵略戦争を積極的、能動的、先制的に行うための法律であり、そのために強制力をもって一切合切を動員するものである。しかも今日の情勢と米帝の動向からすれば、成立即発動、戦争開始となる可能性が高い。
その点でけっして見過ごしてはならないことは、日帝・小泉政権が、中国領・釣魚台(尖閣列島)の土地に関し「地主との間で借り上げ契約」を結んだことである。これは中国(台湾)に対する戦争挑発そのものである。
有事立法は、沖縄においては日帝自衛隊の人民制圧のもとでの米軍の基地自由使用、いや沖縄全体の自由使用を不可避とする。しかも今日の戦争の軍事水準と性格からして、戦争開始は直ちに沖縄の戦場化を意味する。有事立法とは、沖縄県民を沖縄戦の戦時下プラス米軍の直接占領のような事態にたたき込むものだ。
米軍基地全面撤去へ沖縄闘争爆発を
このような情勢は、日帝・稲嶺体制と沖縄階級情勢を根底から揺さぶり、あらゆる矛盾を爆発させる。9・11は観光客の激減という形で沖縄経済を直撃した。今その「悪夢」がジワジワと忍び寄ってきている。「基地との共存による経済振興や自立」などおよそありえないということが、いよいよはっきりと突きつけられている。
イラク開戦情勢と連動する北朝鮮―アジア侵略情勢の中、日帝・橋本政権が沖縄人民の反乱(95年の反乱)に対する対応として打ち出したSACO路線下の「アメとムチ」のアメが、まったく成り立たない状況が沖縄の中にふつふつと成熟してきている。02年沖縄の統一地方選挙、県知事選挙などの諸選挙の中ではっきりしてきたように、既成左翼=従来の革新共闘は人民に見放され、信用をまったく失っている。
したがって人民の現状に対する怒りは劇的で爆発的なもの、そして根底的なものにならざるをえない。今さまざまな形で試みられているイラク人民との直接連帯や韓国の反基地闘争との連帯結合の動き、そしてアメリカ人民との戦闘的連帯の追求の闘いは、そうした新たな闘いの爆発の水路としての意義を持っている。
沖縄戦後の、半世紀の沖縄人民のさまざまな運動、行動を根底で規定してきたものは沖縄戦体験と戦争への怒りであり、これと表裏一体の日米安保体制に対する怒りである。それは日本帝国主義下の独特の民族問題としての沖縄問題でもある。21世紀の沖縄闘争、世界戦争と世界恐慌−第3次世界戦争の過程の中での沖縄闘争が、日本(米)帝国主義、日米安保体制との非和解的対立と激突のうちに、日本革命を左右する歴史的闘いとしてプロレタリアート人民の前に必ず提起されることになる。
「根底的」とは、第二の沖縄戦の中に本当にたたき込まれるような状況に対し、沖縄は日本を引き裂く内乱を導くような反日帝=反米帝の全人民的反乱の砦になるということである。そうしたすさまじい階級情勢が不可避に訪れるということである。それは同時に、これに対して日本のプロレタリアートがどういう態度をとるのかが問われるような状況でもある。
すなわち日本のプロレタリアートにとっての日本革命の一環としての沖縄奪還の綱領的獲得ということだ。今日の第3次世界大戦の過程の始まり、イラク反戦闘争の国際的内乱としての発展情勢は、革命党とプロレタリアートにこうした歴史的スケールをもった問題を投げかけている。
われわれは03年の沖縄闘争をいかに闘うべきか。第一に、米帝、日帝のイラク侵略戦争に対して、全世界でイラク反戦闘争を闘う人民と連帯して猛然と決起することである。沖縄が帝国主義によるイラクや世界の被抑圧民族虐殺の出撃拠点としてますます強化されていることを暴露し、この戦争が不可避に第二の沖縄戦を招き寄せることを訴えることである。「一兵たりとも派兵させるな、これを阻止しよう」と訴え、その最先頭で決起することである。「アメなきムチ」としてのみ強行される名護新基地建設攻撃、那覇軍港の浦添移設・巨大軍港建設などの沖縄基地の強化に対し、イラク反戦闘争と一体の人民決起を実現しよう。
韓国の反基地闘争に学び連帯して闘うことが重要である。また米軍による事件や事故に対する居直りを許さず、これを糾弾し基地撤去へ向けて闘おう。
第二に、03春闘を労働運動の再生をかけて猛然と闘うことである。イラク開戦は、直ちに世界恐慌とリンクし沖縄の労働者人民を経済、生活の次元から直撃する。労働者は反戦反基地闘争の先頭に立つとともに、連合の抑圧をはね飛ばし、03春闘を闘おう。そのために国労臨大闘争弾圧粉砕を軸に国鉄闘争と連帯する闘いがきわめて重要である。
第三に、既成左翼にとって代わる労働者党を建設することである。今日沖縄の既成左翼は完全にその力を失いつつある。彼らは72年沖縄「返還」によって基本的に破綻していた。95年9・4事件を契機にした沖縄の新たな人民反乱は、本質的に既成左翼の影響と指導とは別の水路からの人民の決起であり、また既成左翼はこの人民決起によっても再生することは一ミリたりともなかった。むしろこの決起が不可避に日米安保体制と激突することによって大田知事の屈服、大田知事の敗北を契機に彼らの崩壊は劇的となったと言ってよい。02年沖縄県知事選挙はそのことを全面的に明らかにした。
問題は、既成左翼や連合ダラ幹が階級的、戦闘的に再生することはもはやありえないということをきっぱり確認し、これにとって代わる組織をつくりあげることである。それは今や全人民の共通の認識にさえなっている。そして、こうした新たな決起は確実に始まっている。今こそ反革命カクマルを打倒し、「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」の沖縄闘争勝利の唯一の綱領的路線をもつ革共同の強大な建設をかちとろう。
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週刊『前進』(2092号8面2)
「障害者」の自立生活の道閉ざす 支援費制度撤回へ闘おう
支援費制度反対闘争は、1月に厚労省がうちだした「障害者」ホームヘルプ事業の国庫補助基準に上限を設ける方針をめぐる激突をへて新たな段階に入った。厚労省方針は、いったん日本障害者協会、日本身体障害者団体連合会、DPI日本会議、全国自立生活センター協議会、全日本手をつなぐ育成会など「障害者」や親の団体の幹部たちとの間で裏切り的妥結が図られたが、問題は何も解決していない。05年には「障害者」を介護保険制度に組み入れる方針であることもあらためて明らかになった。1月の「妥結」は、闘いの終わりを意味するどころか4月支援費制度施行阻止−05年介護保険適用阻止にむかって、日帝・厚労省に対する「障害者」の生存をかけた闘いが本格的に始まったことを示した。
「障害者」を施設へ再隔離
1月9日にマスコミでも報じられた厚労省の上限方針は、支援費制度のホームヘルプにおいて「身体障害者」には1日4〜5時間、「知的障害者」には最高でも1日1時間40分までしか国庫補助金を認めないというものだった。これでは24時間介助を必要とする「重度障害者」は地域で生きていけない。歴史的に厚労省は「1日4時間以上介助を必要とするものは施設がふさわしい」という方針をとり続けてきたが、70年以降その隔離の壁をうちやぶって地域自立生活を闘いとってきた「障害者」にとって、それは施設への再度の隔離を意味する。
また現状ではホームヘルプ制度がないに等しい地方やヘルパー制度が始まったばかりでまだ普及もしていない「知的障害者」など、これからホームヘルプ時間を延ばしていこうとしている「障害者」の要求を切り捨ててしまうことを意味していた。
そこから「障害者」の怒りが爆発し、1月16日の1200人を始め全国から駆けつけた「障害者」の連日の厚労省包囲の抗議行動が展開された。これは70年代以来の歴史的な闘いとなった。追い詰められた厚労省は、上限方針と引き換えにホームヘルプ予算全体の「従前額を確保する」という1〜2年の経過措置や「障害者」を入れた検討委員会の設置などを盛り込んだ妥結案で、事態の収拾を図る必要にせまられた。
DPIら「障害者」団体の幹部がこれをのんだことによって厚労省は初めて28日全国主管課長会議で上限方針をうちだすことが可能になった。それはこれまで前年度実績に応じて補助されてきた基準を廃止し「一般の障害者は1日50分で月額6万9370円、視覚障害者など特有のニーズを持つ者は1日1時間40分で月額10万7620円、全身性障害者は1日4・2時間で月額21万6940円」を国庫補助の上限とするというものである。
上限設定は生存権の否定
妥結文書は「この上限は市町村への補助金の交付基準であって個々人の支給量に上限を定めるものではない」と言っているが、これは厚労省の最初からの主張である。もとはと言えばこれが奇弁だからこそ全国の「障害者」と自治体が抗議の声をあげたのだ。
介護保険制度では10%の利用料という「利用者負担」が利用の抑制策としての役割を果たしているのに対して、「障害者」ホームヘルプ制度では25%の「市町村負担」がすでに市町村の支給決定において抑制策として働いてきた。(国が50%、都道府県が25%)
この上さらに国が上限を設ければ、市町村が「個々人の支給量」を決定する上でそれが事実上の上限になることは明らかだ。だからこそ「障害者」のみならず関東甲信越障害福祉主管課長会議や全国12の政令指定都市からも「現在提供しているサービスの水準が維持できない」「実質的に障害者のサービス利用時間の制限につながる」と反対する声があがった。
今回の上限設定はまさに国の責任の放棄であり、地方自治体への責任転嫁にほかならない。それは間違いなく「障害者」に犠牲転嫁される。このような形で実質的に憲法25条生存権を投げ捨てようとする日帝・厚労省のやり方を私たちは絶対に許すことができない。
同時に今回の事態は、4月施行が迫る中で厚労省がついにウソをつき続けられなくなったことをも示している。これまで厚労省は「必要な人に必要なサービス」「利用者本位」「自由な選択」を支援費制度の理念として掲げ、詳しい実体を隠したまま法律を成立させ「障害者」に申請を促してきた。今回の上限設定は市町村が国の補助金を予算に組み込むリミットが近づくなかで4月施行を目前にした1月になって出されてきた。しかし支援費制度の実体が明らかになるのはまさにこれからなのだ。
妥結のりこえ厚労省対決へ
「障害者」の地域自立生活を保障する介助制度はあまりにも貧困な現状にある。1日8時間以上の介助制度があるのは全国で112の市町村で全体の3%、都市部を中心にした地域にすぎない。1日24時間の介助保障が実現されているのは23の市や区である。「身体障害者」のホームヘルプ制度がない市町村が今も3割あり、「知的障害者」にいたっては7割もある。ちなみに入所施設を含め支援費制度の対象となるサービスを提供する事業体がひとつもない市町村が15%あり、逆にすべてがあるのはゼロというのが4月施行を目前にした現状である。
DPIや育成会などの幹部による裏切り的妥結は、70年以降かちとられてきた地域自立生活を危機においこみ「障害者」の命を脅かすものである。また特に地方の「障害者」や「知的障害者」の地域自立生活に道を閉ざす。支援費制度自体「知的障害者」の自立生活を想定しておらず「身体障害者」のホームヘルプとの間に差別的な差をつけていることも容認している。さらには抗議の声を上げた自治体を孤立させ、国の地方自治破壊に手を貸す行為だ。DPIなどを入れた検討委員会が設置されても、「厚労省との全面対決を回避する」路線では介護保険適用を阻止できない。
彼らは03年度予算に計上された支援費のホームヘルプ予算の約280億円について、「限られた予算を配分する補助金基準は必要」と言っている。しかし国はこれまで銀行救済には100兆円をつぎこみ、防衛予算には年間5兆円をつぎこんでいる。イラクの人民を殺すために巨額の戦費を使おうとしている。
軍事予算には膨大な金をつぎこみながら、「障害者」の命のかかった福祉予算は容赦なく切り捨てるということが許されていいのか。「戦争ではなく福祉に!」アメリカで掲げられているイラク反戦闘争のスローガンは、日本の「障害者」の思いだ。闘いはこれからだ。「妥結」をのりこえイラク反戦闘争と一体で支援費制度撤回を闘おう。
(関東「障害者」解放委員会)
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週刊『前進』(2092号8面3)
公判日程
☆迎賓館・横田裁判
福嶋同志裁判
3月19日(水)午後1時15分
☆水嶋同志裁判
3月14日(金)午後1時30分
☆6・12私文書弾圧裁判
3月27日(木)午後1時15分
※いずれも東京地裁
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