ZENSHIN 2003/03/03(No2091 p06)

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第2091号の目次
 
1面の画像
(1面)
イラク参戦・有事立法阻止
小泉と奥田の資本攻勢と対決し3月春闘決戦の大爆発かちとれ
杉並を先頭に4月選挙必勝へ
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(2面)
「組織の議論」=国労解体方針に怒り 国労中央委
“本部総退陣”つきつけ闘う 闘争団の「整備」=解散を許さぬ(2月15日)
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前日、本部を徹底追及
ILO集会には弾劾行動(2月14日)
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教育基本法改悪を批判する 戦争と闘う教育労働者 第2回
野村芳郎さん 広島(中学校)
平和教育つぶし 教育目的を「国のため」に 日教組再生へヒロシマは闘う
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資本攻勢&労働日誌 2003 1月30日〜2月12日
02年の失業率5.4% 過去の最悪に
定昇解体に突き進む資本/サービス残業で初逮捕
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教育署名実が集会
広島 “意見広告の成功へ”(2月11日)
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(3面)
国労弾圧公判
“真実対置し無罪かちとる”
7人の陳述 法廷圧す 地裁揺るがす座り込みとデモ(2月13日)
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日本経団連「経労委報告」路線 終身雇用制解体を許すな(4)
賃下げ・定昇解体攻撃 労働者の生活破壊し賃金半減へ
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3・16革共同政治集会大結集へのアピール
03年決戦勝利へ突撃を
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介護・福祉とり戻そう 介護保険は廃止しかない (2 )
払えなくても強制徴収 保険料は制度の破綻点
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(4面)
世界と連帯し日本全国で立つ
イラクの人民を殺すな 横須賀、沖縄など 米軍基地へ怒りのデモ
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大阪で650人が国際反戦集会(2月11日) 記事を読む  
明治公園 2万5000人の声轟く
“垣根取り払い行動を”(2月14日)
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3・30三里塚闘争へ
反対同盟が全国に招請状
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日誌'03 2月12日〜18日
経済制裁決議なら臨検実施 開戦決議へ日帝が国連工作
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(5面)
全世界で1500万人イラク反戦の大波
ニューヨーク国連本部前 開戦阻止へ75万人 超厳戒を破り警官と激突
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労組やムスリム軸に大結集 記事を読む  
自衛官に拒否訴え
2・11  日本原に80人が結集
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(6面)
保安処分新法阻止しよう
衆院採決時の実力決起に続け
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宮原清同志を追悼する
 闘う教労運動の柱となり革命にかけた情熱の生涯
 革共同教育労働者委員会
 革共同埼玉県委員会
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弾圧と闘う
高裁の保釈却下弾劾
M同志 堂々と無実を宣言(2月12日)
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狭山闘争 最高裁に再審迫る
全国連12回大会へ熱気(2月17日)
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週刊『前進』(2091号1面1)

イラク参戦・有事立法阻止
小泉と奥田の資本攻勢と対決し3月春闘決戦の大爆発かちとれ
 杉並を先頭に4月選挙必勝へ

 第1章 史上空前の国際反戦闘争の大ウエーブ

 歴史的大激動期がいよいよ到来した。国際階級闘争の革命的胎動が一気に進んでいる。時代は革命的情勢へ急速に移行している。
 2月15日を前後して闘われた全世界のイラク反戦闘争は、米・英・日帝を始めとした国際帝国主義を震撼(しんかん)させた。
 イラク開戦阻止の反戦デモは、地球を一周する巨大なウエーブとなって拡大していき、「60カ国、600都市、1千万人」などをはるかに超える1千5百万人もの史上空前の国際反戦闘争の大爆発となった。とりわけ開戦強硬派のイギリス、イタリア、スペイン、そしてアメリカで最大規模のデモが闘いぬかれた。
 日本でもこれと連帯し、2・14明治公園の2万5千人や、2・16横須賀闘争を始めとして全国で数万人の反戦デモとして高揚した。(4、5面に関連記事)
 われわれは、全世界の労働者人民・被抑圧民族人民の反戦決起を断固支持し、連帯して、イラク侵略戦争を阻止するために、労働者階級の利害のために、最先頭で闘うことを誓う。
 今回の国際反戦闘争の大爆発は、規模の大きさだけでなく、闘いの内容、意味においても決定的に重要である。世界各地でさまざまな大統一戦線が形成されたが、その中心には各国の労働者の闘いがあった。英軍への補給物資輸送を拒否してストに立ち上がったイギリスの鉄道労働者、米軍への戦争協力に反対して闘い続けているアメリカの港湾労働者など、資本と自国帝国主義との闘いに立ち上がった労組の闘いが反戦闘争を牽引(けんいん)した。
 つまり、労働者階級への激しい資本攻勢とイラク侵略戦争の問題の根っこは一つであることをとらえて、帝国主義足下の労働者が反戦闘争に立ち上がった。
 世界の多くの労働者人民が、この戦争は米帝ブッシュの延命と石油強奪をかけた侵略戦争であること、民族解放闘争圧殺の大虐殺戦争であること、帝国主義諸国間の亀裂と対立が激化して第3次世界大戦へと突き進んでいく歴史的過程に入ったことを肌で感じ取って立ち上がっている。そして、労働者階級は、被抑圧民族人民と連帯・団結し、自国帝国主義を打倒して、権力と生産手段を奪取する以外に生きられないことを、現実の攻撃の中でつかみ始めている。
 革命党は、イラク侵略戦争を阻止するこの歴史的決戦の先頭に立ち、この戦争の正体と労働者人民の真の敵が何かを徹底的に暴き、闘いの方向と勝利の道を自らの行動で示し、扇動して闘わなければならない。

 第2章 3月イラク開戦阻止へさらに闘おう

 問われているのは日本階級闘争の歴史的爆発である。米英に次ぐ第3のイラク侵略国は日帝である。日帝のイラク参戦を突き崩す闘いを爆発させることが決定的情勢を切り開くのだ。
 米帝はイラク開戦強行に必死だ。ブッシュ大統領は「世界には(フセイン・イラク大統領を)平和を脅かすものと見ていない人々がいるようだが、同意はできない」と、世界規模の反戦デモに動揺を見せながら、イラク侵略戦争遂行の意思をあらためて示した。18日には米軍2万8千人のイラク増派を決定、米軍25万人体制へ増強を続けている。
 日本政府代表は18日の国連安保理公開討論会で「国際社会の断固とした姿勢を明確な形で示す新たな安保理決議の採択が望ましい」と表明、新決議採択により武力行使容認への国際的承認を取り付けようとする米英帝支持の立場を公然と明らかにした。また世界的反戦デモに対して小泉は「イラクが正しいという誤ったメッセージを送らないよう注意すべき」と非難した。福田官房長官は「不幸な事態だ」と、世界の人民の反戦闘争に敵対した。
 だが、「国際社会」=世界の人民の姿勢は明白だ。「イラク人民虐殺を許さない」「石油のための侵略戦争反対」が人民の共通の要求だ。フセイン政権が正しいとは言っていないが、米英日の政府は間違っていると言っているのだ。イラク参戦を正式表明した小泉政権は、日本人民の責任で打倒されなければならない。
 さらに、許せないのは日本共産党などが言う「査察継続による平和的解決」論である。この主張は、イラク=悪とする民族排外主義であり、侵略戦争と新植民地主義支配の道具でしかない国連を美化し、帝国主義間争闘戦の激化=第3次世界戦争への過程の始まりであることに覆いをかぶせるものだ。仏帝や独帝が「査察継続」を要求しているのは侵略戦争に反対だからではない。シラク仏大統領は「われわれは武力行使を排除しない」が「時期尚早」だと言っているにすぎない。石油という最大の戦略物資をめぐる真っ向からの利害対立になっている(米帝から争闘戦を仕掛けられた)から「査察継続」を唱えているにすぎないのだ。
 日共の「査察継続による平和的解決」論は、人民の闘いを裏切り、侵略戦争に加担する反動的主張だ。
 今や情勢は革命的に激変した。イラク開戦阻止・日帝の参戦阻止へ、毎日毎日が完全に決戦化した。一枚のビラが、一人の呼びかけが、数百人、数千人のデモを、巨大な革命的大衆行動を奮い起こす情勢だ。
 アメリカのANSWERは、3・1ホワイトハウス前緊急大行動を呼びかけている。3月1、2の土、日、8、9の土、日(8日までラマダン)は、完全に反戦デモの日だ。日帝は「在留日本人救出」を口実に自衛隊イラク派兵を狙っている。自衛隊参戦と日本の出撃基地化を粉砕しよう。
 反戦・反基地・反軍闘争重視を。国会へ、アメリカ大使館・領事館へ、米軍基地へのデモを。街頭で、職場で、大学で、反戦署名と行動を呼びかけよう。3・16革共同政治集会とイラク反戦デモに総結集しよう。
 イラク開戦情勢と連動して北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)への侵略戦争策動と有事立法攻撃が一段と激化している。イラク反戦闘争と一体で北朝鮮侵略戦争阻止・有事立法粉砕の闘いを切り開いていかなければならない。

 第3章 北朝鮮侵略戦争策動と有事立法攻撃

 米帝ブッシュは、世界戦争計画の遂行として、イラクの次は完全に北朝鮮侵略戦争を狙っている。日帝は帝国主義としての延命をかけて共同的=競合的に北朝鮮侵略戦争に参戦し、そのための有事立法成立に全力をあげている。
 米帝はすでに、米軍の爆撃機、戦闘機、艦船の一部が朝鮮半島に出動できる態勢をとっている。トーマス・ファーゴ米太平洋軍司令官は、B52爆撃機やF16戦闘機のグアムなどへの追加派遣を要請した。また、横須賀を母港とする空母キティホークの中東派遣に代わって、原子力空母カールビンソンを現在のハワイから朝鮮半島周辺に派遣することも命令した。
 韓国の夕刊紙「文化日報」は17日、米軍がハワイの太平洋軍司令部から朝鮮半島、日本、台湾の管轄権を分離し、「北東アジア軍司令部」を新設することを検討中だと報じた。「北東アジア軍司令部」構想は、日本と韓国に駐留する米軍を一体化し、効率的、機動的な運営を目指すものである。米国防総省は在韓米軍の兵力構成を見直し、機動力と汎用(はんよう)性の高い「新型機動戦闘旅団」(IBCT)を韓国に配備することを検討している。
 こうした中で国際原子力機関(IAEA)は、緊急理事会で北朝鮮の「核問題」を国連安保理に付託する決議を採択した。安保理で審議が始まれば、北朝鮮への制裁方針が決められていく。これを受けて日本政府は15日、安保理が経済制裁の決議をあげた場合は「周辺事態」と認定し、船舶検査(臨検)などで対応する方向で検討を開始した。
 さらに、政府・与党による「北朝鮮=脅威」論のデッチあげと有事立法攻撃が激化している。4日、公明党の冬柴幹事長は「いまだかつて遭遇したことのない脅威が身近にある。現状はイラクを超える脅威だ。有事法制を今国会で成立させることが大事だ」「有事3法案の与党単独採決は当然ありえる」と公言した。
 そして8日、政府は「北朝鮮ミサイル対応方針」を読売新聞トップで発表、ミサイル実験の「兆候段階」「発射直後段階」「事態拡大段階」の3つに分け、「国民への公表」「イージス艦配備」「地対空ミサイルシステムの攻撃準備完了」「災害派遣の名目で自衛隊を派遣」「陸上自衛隊への治安出動命令」「2発目の発射兆候がある場合は防衛出動命令」を出すことなどを打ち出した。北朝鮮脅威論を使った有事法制の先取り攻撃だ。
 有事立法3法案の核心点は、@首相に一切の権限を集中し、その戦争動員命令を貫徹する仕組みを明確にしたこと、A「武力攻撃事態」およびその「予測事態」という概念を導入して、米軍の先制攻撃戦略に全面対応したことだ。
 さらにB「防衛出動待機命令」の内容を拡大し、「予測事態」の段階で自衛隊の陣地構築活動などを首相の権限で発令できるようにしたことだ。
 1月24日の国会答弁で防衛庁長官の石破は「ミサイルに燃料を注入し始めた段階で北朝鮮を攻撃できる」と発言した。これは武力攻撃事態法案で言う「武力攻撃事態」であり、この段階で先制攻撃に突入するのである。
 すでに自衛隊は国連の経済制裁決議のもと、船舶臨検などの軍事作戦をもイラク周辺海域で展開している。米軍の偵察衛星などの情報(デッチあげもある)をもとに「国民への事実の公表」が行われ、同時に在韓米軍及び在日米軍が先制攻撃態勢に入る。自衛隊には拡大された「防衛出動待機命令」が出され、陸海空自がそれぞれ陣地構築や空や海での攻撃展開体制に入る。そして武力攻撃事態対策本部が設置され、米軍来援受け入れのための動員命令が下される。「日本人救出」命令のもと、自衛隊の輸送艦や護衛艦、輸送機などが韓国に向かう。そうして国をあげての侵略戦争を一気に進めるのである。
 このようなシナリオを全部合法化し、可能にしてしまうのが有事法制なのだ。
 現在、北朝鮮のスターリン主義体制は、米日帝の朝鮮侵略戦争策動によってますます危機を深め、きわめて反人民的な核開発やミサイル実験などの推進をもって対抗しようとしている。しかしこの軍事的反人民的対応は、帝国主義のさらなる餌食(えじき)となり、それを口実に排外主義と北朝鮮への戦争準備を激化させるものでしかない。
 いま問われているのは、イラク反戦闘争と結合した日本人民の朝鮮侵略戦争反対の闘い、有事立法絶対阻止の闘いの爆発である。米日帝の北朝鮮侵略戦争、日帝の有事立法攻撃と対決し、南北朝鮮人民、在日朝鮮人民と連帯して、日帝のイラク参戦・有事立法を絶対に阻止せよ。

 第4章 03春闘爆発と4月地方選必勝へ全力を

 全世界の労働者人民は、各国帝国主義の資本攻勢と闘う中から、巨大な反戦闘争を牽引する陣形を形成してきた。またムスリム人民の9・11決起を必死に受け止め、被抑圧民族人民との連帯をつくりだしてきた。
 世界戦争突入と29年型大恐慌の爆発におののく日帝ブルジョアジーは今、「経労委報告」で「春闘終焉」攻撃に全力をあげ、労働法制の全面改悪に乗り出している。日帝・小泉と奥田の攻撃と正面から対決して03春闘を爆発させ、国鉄決戦の勝利を切り開き、反戦・有事立法闘争の総決起情勢をさらにつくりだそう。
 国際反戦闘争と一体で闘われた2・13〜15の国鉄3日間決戦は、03春闘の重大な突破口を開いた。
 その第一は、2月13日の国労5・27臨大闘争弾圧第2回公判闘争だ。第1回公判に続き被告家族、国労組合員、弁護士と「許さない会」の会員・支援者らが多数集まり、国労本部と警察権力を徹底弾劾し、被告を支えぬいた。2回の公判での被告意見陳述は多くの労働者に感動を与えた。
 その第二は、2・15国労中央委員会闘争である。闘争団とJR本体の組合員、動労千葉の労働者らが一体となって闘争団処分・切り捨て、国労の解散・連合への売り渡しを図る国労本部を弾劾しぬいたのだ。
 勝利の道は、国労臨大闘争弾圧裁判の運動を発展させることである。次回3月3日の第3回公判から東京地裁の大法廷で開かれる。被告たちの闘いへの支援の輪を大きく拡げよう。
 そして動労千葉と固く連帯し、全産別各職場から03春闘の炎をあげよう。「生活防衛、反弾圧、反戦」を掲げた3月春闘決戦に総決起しよう。
 歴史的激動過程のまっただ中で闘われる4月統一地方選挙闘争は、労働者階級の利害のかかった一大政治決戦である。住民・市民自身の画期的な決起が始まっている。杉並を始め闘う全候補者の当選へ根底的な総決起をかちとろう。
 杉並区では新人約30人を含む約70人の立候補が予想される大激戦になろうとしている。定員は48議席だ。ここで3人当選をなんとしてももぎりとり、一個の会派として登場させよう。
 「日の丸・君が代」闘争のさらなる発展をかちとり、教育基本法改悪阻止の共闘陣形を拡大しよう。
 部落解放同盟全国連合会の3・2〜3大会の成功をともにかちとろう。
 機関紙拡大、マル青労同建設など、党建設の闘いに全力をあげて取り組もう。

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週刊『前進』(2091号2面1)

「組織の議論」=国労解体方針に怒り 国労中央委
“本部総退陣”つきつけ闘う 闘争団の「整備」=解散を許さぬ

 2月15日、国労第173回拡大中央委員会が東京・新橋の交通ビル(国労本部)で開催された。本中央委で国労本部は、「組織を議論する」という国労組織の全面解体方針と「闘争団組織の整備」と称する闘争団の整理・解散―切り捨て方針を打ち出した。これに対して闘争団とJR本体の組合員は「本部総退陣」を真っ向から突きつけて猛然と決起した。13日には国労5・27臨大闘争弾圧の第2回公判闘争(3面に記事)、14日には国労本部への要請行動、そして「ILO連絡会」主催の集会での本部弾劾行動を闘い、中央委闘争に上りつめた。この3日間の決戦は、イラク反戦―有事立法阻止闘争と固く結合し、03春闘の突破口を開いた。次期全国大会(臨時大会を含む)に向けて、国労内の分岐は一層激化する。いよいよ国労の死滅か再生かを決する新たな決戦局面を押し開いたのだ。

 「補強5項目」の復活図る

 2・15中央委員会は、またも国労本部の要請により、警察権力が会場前の公道をバリケードで封鎖する中で強行された。
 高嶋委員長のあいさつは「まず冒頭に、600名を超える闘争団や家族の皆さん、そして多くの国労方針に団結する組合員や国労方針を支持し支援していただいた皆さんの4党合意に基づく早期解決をという悲痛な叫びと切実な願いを成就できなかったこと……を中央執行委員会として心から深くお詫び申し上げます」という許せないものだ。
 4党合意に反対する闘争団員や組合員を組合員扱いせず、完全に切り捨てることを宣言するものだ。しかも「お詫び」と言いつつ、4党合意が破産した責任の一切を「一部闘争団員」に押しつけているのだ。
 寺内書記長が提案した「当面の闘争方針(案)」は、国労の全面的解体の狙いを露骨にしたものだ。
 それは「ILO闘争」などにより「新たな政治解決の枠組みを作り出すための政治対策を実現する」とした上で、しかし「新たな政治解決基盤を作り出すことを早期に実現することに全力をあげるが、長期化となることも想定される」と述べている。
 4党合意が破産した以上「新たな政治解決基盤」など何の展望もない。「解決」など放り投げて、ひたすら闘争団の「除名処分」を狙っているのだ。14日には、査問委員会を2月27日に博多、3月3日に札幌で開き、それぞれ闘争団員の「事情聴取」を行うと通知した。本部は、ついに闘争団員の除名処分に踏み込んできた。まず「中心人物」とみなした闘争団員の「組合員権停止」を狙っているともいわれる。
 また、方針案は、「新たな局面での解決をはかるため、闘争団組織の整備をはかる」という方針を打ち出した。これは、鉄建公団訴訟原告の闘争団員らを排除した上で、「600名」も含めて闘争団全員の整理・解散を狙うものなのだ。
 方針案では、さらに「国労組織を今後どういう方向に定め、どのような運動を進めていくかを率直に議論すべき」として「討議資料を作成する」という、事実上の組織形態変更の方針を打ち出した。これは98年の「宮坂補強5項目」を、より悪らつな意図をもって復活させるものだ。
 「組織形態から議論するのではなく」などとペテン的に言いながら、「労働組合の責任である社員の生活と労働条件を守る運動は、その大半が会社別であり、エリア本部にある」と断言している。単一体を解体し「会社別」のエリアごとの組織にし、JR連合に売り渡すことを狙っているのは明らかだ。
 これは断じて許しがたい重大な方針だ。いったんは取り下げられた「宮坂補強5項目」以来、初めて本部が公式に組織形態の変更を打ち出してきたのだ。
 11月の第70回定期全国大会で「1年間の職場討議に付す」とされた「ストライキ基金の運用」方針は、スト基金を取り崩して「エリア基金」などに振り替えるというものだが、これは国労を解散・解体するための布石であることが完全に明らかになった。エリア本部に巣くうチャレンジなどが組合員の財産をぶんどり、国労から脱走し、財産もろとも国労を連合に売り渡すためなのだ。

 反動派の分岐と分裂深まる

 討論では、「組織のあり方の提案は遅きに失した。JR会社ごとの単組に再編し連合体組織への移行の検討が不可欠であり、名称も見直すべき」と言い放った東京・上野の委員や東京・宇都宮、北海道・札幌、盛岡、仙台、新幹線、米子のチャレンジ一派の委員から露骨に組織形態の変更を迫る発言が出された。
 他方、「国労解体の方針か。執行部は速やかに身を引いてほしい」(東京・新橋)、「JR総連以上に労資協調になることでしかない」(高崎)、「やり方が暴力的すぎる」(千葉)という意見を始め、北海道・旭川、岡山などから反対意見が出された。
 本部賛成派の革同の委員も軒並み「職場討議に反対」「慎重にすべき」などと発言したが、これらはすべてペテン的なものだ。革同の委員は「闘争団の別組織は解散せよ。鉄建公団訴訟を取り下げろ」と最も強硬に主張し、国労解体方針を推進しているのだ。
 また、「ILO闘争」をめぐっては、革同が積極推進を主張したのに対し、チャレンジの中では、盛岡は賛成したが、東京・上野は「幻想を抱かせるようなことはやめてもらいたい」と反動の側から「政治解決の破産」を主張するなど、分裂状態をさらけ出した。
 寺内書記長の中間答弁と集約はしどろもどろのものだったが、その中で「鉄建公団訴訟を起こした指導的な人たちは妨害行動をやった。そういう意味で600名という言い方をしている」と闘争団除名の意志をむき出しにし、「次期大会に闘争団の体制とJR組合員の体制を一緒に提起する」と、闘争団の整理・解散、国労の組織形態の変更を次期大会で決定すると明言した。
 書記長集約に対しては拍手もまばらで、激しいヤジがたたきつけられた。議案の採択について「採決をとるべき」との声が上がった。だが許せぬことに副議長の江田(東京・新橋、革同)は、これを無視し「議長の判断で拍手で採択した」と強弁した。

 国労再生かけ新たな決戦へ

 今次中央委員会は、以上のように、チャレンジ一派と酒田一派と反動革同の間で、またそれぞれの内部においても、分岐と亀裂を深めながら、国労の全面的解体に向かって突き進んでいることが明らかになった。
 特にチャレンジ一派は、新たな脱退・分裂策動を含めて連合合流路線を全面化させている。四国エリア本部は機関として明確に連合体移行方針を打ち出し、北海道では鉄産労との合流策動にのめり込んでいる。
 革同は、これに対して動揺を深めているが、西日本ではエリア本部の上村(前本部副委員長)が連合体組織移行で会社側と話を付けているといわれている。実際、西日本の人事課は事前に「中央委で連合体の話が出る」と公言している。
 本中央委員会会場には、JR九州の勤労課が姿を見せた。JR資本は、この機に一気に国労を解体することを狙っているのだ。
 だが、本部執行部は、この不正義の国労解体方針を国労2万組合員に貫き通すことに何の確信も持っていない。国労の分岐と流動化は一層進むのである。
 この中で、本中央委闘争において、真っ向から「本部総退陣」を掲げた反対派が、今こそ「政治解決路線」から脱却し、4党合意破産以降の混迷をのりこえて、国家権力とJR資本・JR総連カクマル結託体制と闘う路線のもとに国労を再生させることが求められているのだ。
 次期大会に向かっての攻防は、まさに国労の解体・死滅か革命的再生かをかけた決戦である。「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」の運動を国労の中に広め、1047名闘争陣形を拡大し、動労千葉とともに03春闘を闘いぬこう。

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週刊『前進』(2091号2面2)

 前日、本部を徹底追及

 ILO集会には弾劾行動

 国労中央委の前日14日には、JR本体組合員と闘争団員が、国労本部に対して「本部執行部総辞職」を求め、寺内書記長を1時間以上にわたって徹底追及した。
 14日夜には九段会館で「ILO連絡会」主催の「JR不採用事件の公正な解決を求める集い」が開かれた。この集会は、本部が4党合意破産の責任を居直り延命を図るために、東京地本・酒田一派と反動革同が中心になって仕組んだものだ。国家権力・警視庁公安は「第2の5・27臨大闘争弾圧」を狙い弾圧態勢をとった。中央委闘争を事前に圧殺しようとしたのだ。これに呼応した東京地本組織部長・芝崎らは、反対派の支援者らを集会から排除する暴挙に出た。だが会場内では、JR本体の組合員が高嶋委員長のあいさつ時に「執行部は4党合意破産の責任をとってやめろ」などの横断幕を掲げて弾劾した。慌てふためいた東京地本執行部は暴力的に横断幕を破った。
 こうして迎えた中央委の当日、早朝から警察権力の弾圧態勢を打ち破って会場前集会が実現された。
 JR本体の組合員は「本部役員はすでに変質している。腐敗した幹部を守るのが公安警察か。国労執行部が犯罪者かもしれないのに」「4党合意にしがみつきウソをついてきた人は辞任してほしい」と訴えた。
 闘争団員は「4党合意が破産した以上、鉄建公団訴訟が軸になる。10477名の闘いを勝つまで闘いぬく」「国労が良心を失った人たちによって崩壊させられようとしている。そういう人たちは出ていけばいい」「国労闘争団、全動労争議団、動労千葉争議団が一緒に闘いをつくろう」と呼びかけた。動労千葉の組合員も駆けつけ、ともに闘いぬいた。
 「執行部は総辞職しろ」とシュプレヒコールをたたきつけ、闘う国労の旗を守り抜くことを誓い合った。

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週刊『前進』(2091号2面3)

教育基本法改悪を批判する 戦争と闘う教育労働者 第2回
 野村芳郎さん 広島(中学校)
 平和教育つぶし 教育目的を「国のため」に 日教組再生へヒロシマは闘う

 改悪反対の全国運動を呼びかけ

 広島においても、有事立法に反対し、戦争動員を拒否して闘う陸・海・空・港湾労組20団体に続く闘いが始まっている。
 1月29日、政府が、NLP(米軍夜間飛行訓練)基地の広島県沖美町・大黒神島への移設を検討していることがわかった。沖美町の財政難に付け込み、日帝・小泉と防衛施設庁がひそかに裏工作を進めていたのだ。住民は一昼夜にして町民4000人中65%、2700人の署名を集め、断固反対の意志を町長にたたきつけた。「平和で静かな暮らしを守りたい」という住民の闘いにより、2月3日には町議会が誘致反対を決議し、国家意志は完全に吹き飛ばされてしまった。
 広教組は2月22日、臨時大会で「人事評価」制度導入阻止を決定し、組織の総力で反撃することを決定した。「日の丸・君が代」の強制など文科省によるヒロシマ教育つぶしと徹底対決してきたヒロシマは、「全国紙意見広告運動」を全国に呼びかけ、教育基本法改悪反対に総決起している。

 「真理と平和を希求する人間」否定

 教育基本法の前文には「民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意」「個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成」とある。また第1条(教育の目的)では「人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し」とうたわれている。「ヒロシマ・ナガサキを再び繰り返すな」という誓いと決意をもって行われてきた広島の平和教育・民主教育は、この教基法の精神を武器に「教え子を再び戦場に送るな」を貫いてきた。
 ところが、中教審の中間答申には「民主的」「人類の福祉」「人間」などの言葉がまったく出てこない。
 また、教基法では「文化」については「普遍的にしてしかも個性豊かな文化」と、教育による文化の普遍的な創造が述べられている。しかしこれも、中教審中間報告では「我が国の伝統と文化の尊重」という言い方で、わざわざ普遍性を排して国家主義的にゆがめている。
 さらに「平和」に関しては、「自らの国を愛し、平和のうちに生存する権利」などと、“国あっての、愛国心あっての「平和」”としている。「個人の尊厳」は、「個性の尊重」に置き換えられている。引用する場合は、「しかし」と打ち消している。
 「社会」「公共」という言葉が「国家」という概念で使われ、「個人の尊厳」はそれらによって保障されるとしている。したがって、「『公共』に主体的に参画する意識や態度を涵養(かんよう)すること」が重要だとしている。つまり「公共」が第一であるとして、実際は「個人の尊厳」を否定しているのである。
 中間報告の全体の文中、実に、「日本人」という言葉が31回、「公共」が24回、「伝統・文化の尊重」が14回、「郷土や国を愛する心」が9回も繰り返し使用されている。「人間の力を超えたものに対する畏敬(いけい)の念」が強調され、国家暴力と権力のもとへの恭順を強制し、現行教育基本法にある教育の目的「真理と平和を希求する人間の育成」を否定しているのである。

 処分乱発と対決団結を守り抜く

 97年以来の文部省「是正指導」は、教基法改悪の先取り攻撃だった。広教組・広高教組は「徹底対決」を掲げてこれと立ち向かい、「日の丸・君が代」への不屈の抵抗を続けてきた。99年からは毎年「8・6ヒロシマ大行動」を呼びかけ、ヒロシマつぶしをはね返してきた。「時間内組合活動」を口実とする00年度の1300人余の大量不当処分や、01年の卒・入学式あわせて300人、02年も数十人という「日の丸・君が代」不当処分と対決して、教育労働者の団結と抵抗を守り抜いている。
 広島両教組は、身をもって教基法改悪攻撃と闘う道を指し示してきたのである。日教組運動の階級的再生の牽引(けんいん)車として仁王立ちして闘っているのである。
 有事立法と教基改悪は、イラク空爆・北朝鮮侵略戦争の切迫と、日本の参戦に対応するものとして死活的に進められている。われわれは、全世界のイラク反戦闘争に、有事立法・教基法改悪阻止、日本帝国主義打倒の階級的・内乱的な決起をもってこたえ、連帯しなければならない。
 広島発の「教育基本法改悪反対全国紙意見広告運動」に、全国から多くの賛同が寄せられている。そこには、広島両教組への共感と、闘う日教組再生への希求が示されている。ヒロシマからのアピールは、全国の闘う人びとにしっかりと受けとめられたのだ。
 国家によるヒロシマ教育つぶしと不屈に闘う広島両教組の闘いに続き、教育基本法改悪反対の闘いを大きく発展させよう!

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週刊『前進』(2091号2面4)

資本攻勢&労働日誌 2003 1月30日〜2月12日
02年の失業率5.4% 過去の最悪に
定昇解体に突き進む資本/サービス残業で初逮捕

東京電力、定昇3年限り 東京電力が定昇実施を新しい職務に就いて3年間に限定する方針を決めたことが分かった。(1月30日)
02年の平均失業率5.4%で史上最悪に 総務省発表の労働力調査では、02年平均の完全失業率は5.4%で前年より0.4ポイント悪化して過去最悪となった(年平均)。02年12月の完全失業率は5.5%となり、前月に比べ0.2ポイント上昇し、過去最悪に並んだ(月次)。厚労省公表の一般職業紹介状況によると、02年平均の有効求人倍率は前年比0.05ポイント下回り、0.54倍と過去3番目の低い倍率だった。02年12月の有効求人倍率は前月を0.01ポイント上回る0.58倍と4カ月連続で上昇した。(31日)
松下、04年に職種別賃金導入へ  松下電器産業は04年4月をめどに職種別賃金制度を導入する方針を固めた。(31日)
中部電力、定期昇給制度を廃止 中部電力は4月に定期昇給制度を廃止すると発表した。(31日)
長野県、職員賃金7〜12%減 長野県は県職員の賃金を来年度から3年間、5〜10%削減することで労使合意した。(2月1日)
02年現金給与総額、過去最大の2.3%減 厚労省発表の毎月勤労統計調査(速報)では、02年平均の月間現金給与総額は34万3688円で前年と比べ2.3%減り、調査開始以来最大の落ち込みを示した。(3日)=17日発表の確報 では、前年比2.4%減の34万3480円に修正
東京都が都労連に大量処分 東京都は、都労連傘下の組合員309人に対し、最高で「停職18日」の行政処分を行った。(3日)
サービス残業で逮捕者 東京労働局青梅労働基準監督署は、東京都羽村市の特別養護老人ホームの理事長らを、サービス残業をさせていた疑いで逮捕した。サービス残業で経営者が逮捕されるのは、全国で初めて。(3日)
トヨタ、年齢給全廃 トヨタ自動車は、社員の賃金制度で、毎年増える年齢給を全廃する。(4日)
私鉄総連、ベア分1300円要求を確認 私鉄総連は、東京で拡大中央委員会を開き、一人平均ベア1300円要求を決めた。(5日)
NEC、昇給に歯止め NECは昇給を一定水準で打ち切る方針を明らかにした。(6日)
富士通、事実上の賃下げを提案へ 富士通は賃金制度を見直し、定昇分にあたる本給の上げ幅を圧縮して、事実上の賃下げを労組に提案する方針を明らかに。(7日)
京急電鉄、ベアゼロで妥結 京浜急行電鉄は、今春闘の賃上げ交渉で労使がベアゼロで妥結したことを明らかにした。(8日)
松下が定昇見直しへ 松下電器産業は、中高年労働者の定昇を見直し、昇給幅の圧縮や廃止を行う方針を固めた。(11日)
日立、成果主義賃金を全組合員に 日立製作所は成果に基づく賃金制度を、全組合員にまで拡大する方針を明らかにした。(12日)

 定期昇給とは何か

 毎年一定の時期に基本給が上がることを指す。一見賃上げのようだが、そうではない。1年で労働者は1歳年をとる。1年先輩の賃金に追いつかないと労働者全体で見ると賃下げになる。
 エスカレーターに例えると分かりやすい。一人ひとりの賃金が毎年上がっても、全体の賃金カーブは変わらない。定年退職者の賃金と新入社員の賃金との差額分が定昇の原資になる。だから毎年一定数が退職して一定数を採用する限り、定昇をしても資本のふところは痛まない。定昇は歴史的に見ると、経営側が賃上げを抑えるために導入したものである。
 だが今や、ベアの否定にとどまらず定昇すら解体し、徹底した賃下げを強行しようとしているのだ。

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週刊『前進』(2091号2面5)

教育署名実が集会 広島 “意見広告の成功へ”

 2月11日午後、広島市中区アステールプラザで「教育基本法改悪に反対する署名実行委員会」の主催する「教育基本法の改悪を阻もう! 『日の丸・君が代』強制反対! 2・11広島集会」が行われました。教育労働者、保護者を始め多くの労働者、学生、市民が参加し、満杯で立ち見も出るほどの大成功でした。
 教育署名実行委員会の下田礼子さんが開会あいさつに立ち、「『臣民教育』を信じて疑わなかった私たちは、8月6日の悲惨な状況でも『天皇のために働いたのだから』と軍歌『海ゆかば』を歌いながら死んでいく軍国少女になっていた。こんなことは二度とあってはならない。戦前に逆戻りさせる流れに反対しよう」と訴えました。
 『「心のノート」は考えずに従う人をつくる/心理主義の操作性をはらむ「道徳ノート」』と題して、社会臨床学会運営委員の小沢牧子さんが講演しました。小沢さんは、臨床心理学の思想と技法を「立場の弱い人、考え方の違う人を『穏やかに』排除し、操作するもの」と指摘、「『心のノート』は“きれいに読みやすく”できているが、結論は『事があればお国のために』とする、国家主義的道徳と心理主義が合体したもの。超教材としてすべての教科での活用が強制されている『現代の教育勅語』」と批判し、「一人ひとりが声を上げ、団結して闘い、地に足をつけ、根を張って現実に即した運動を進めよう」と訴えました。
 討論では、教育労働者や保護者が、教育現場にかけられている攻撃のすさまじさと、それでも闘い続けることの大切さを訴えました。広教組・広高教組の労働者を孤立させず、連帯し、「日の丸・君が代」強制・教基法改悪と闘いぬき、階級的労働運動の再生、日教組運動の階級的再生をともにつくり出そうと確認しました。そして唯一の全国運動である「教育基本法改悪反対の意見広告運動」を成功させ、一人ひとりが教基法改悪を阻むために行動することを誓い合いました。
 全国のみなさん! 広島発の意見広告運動は闘うすべての人びとを組織できる闘いの武器です。意見広告運動を成功させましょう。ヒロシマは最先頭で闘います。
 (投稿/広島・K)

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週刊『前進』(2091号3面1)

国労弾圧公判 “真実対置し無罪かちとる”
 7人の陳述 法廷圧す 地裁揺るがす座り込みとデモ

 2月13日、国労5・27臨大闘争弾圧の第2回公判が東京地裁刑事10部で開かれた。まず、2人の裁判官の交代に伴う更新手続きが行われた。人定質問で、新任の青柳勤裁判長が闘争団員の被告に「闘争団とは?」と質問した。裁判所も、国鉄闘争と切り離して審理を進められないところに追い込まれているのだ。
 弁護団が大法廷の使用を求める意見を述べた。裁判長は、「審理の経過を見て考える」と繰り返した。
 さらに弁護団は、被告への重戒護を緩めることを要求した。南近畿地本組合員の被告も「この状態では手錠がかけられているのと同じ」と弾劾した。「拘置所の考えも聞く。裁判所の判断だけでは決められない」と逃げる裁判長に、弁護団が法的根拠を示してその誤りを指摘した。裁判長は「訂正します。法廷では裁判所の権限が優先する」と言わざるをえなかった。
 検事が起訴状を朗読した。これに対して、弁護団が「支援者の被告については、『暴行した』という事実さえ起訴状に書かれていない。何をしたから訴追されたのか」と求釈明。検事は「立証段階で明らかにする」と居直った。裁判所も検事の姿勢を追認した。
 その後、前回公判で意見を述べた3人の被告が、再び意見陳述に立った。休廷をはさみ、さらに4人の被告が意見を述べた。

 試練をのりこえ

 近畿地本組合員の被告は、「この弾圧は4党合意刑事弾圧ともいうべき画次元的な刑事弾圧」と徹底弾劾し、国鉄分割・民営化から4党合意に至る国労解体攻撃を全面的に暴露して、「検察官のデッチあげに、真実を対置して無罪を明らかにする」と宣言した。
 もう一人の近畿地本組合員の被告は、不当配属を強いられる中でうつ病になった自己史を語り、しばし絶句した。そして、涙を振り払って「長期投獄を覚悟することは大変つらかった。それをのりこえたのは、全世界で巻き起こるイラク反戦闘争への労働者階級の決起があるからだ。私の獄中での苦しみは、労働者が主人公の社会をつくり出すための試練と受け止めています」と言い切った。
 九州闘争団員の被告は、不採用を通告された時の悔しさ、苦労の連続の中で闘いぬいてきた物販活動について切々と語り、「不採用当時の怒りは一度も消えたことがない」「組合の方針のもとに、苦しく厳しい16年間を闘ってきた私にとって、闘う闘争団を始め私自身をも組合から放り出すことを決めようとしている大会など、断じて認めるわけにはいかなかった」「逮捕・起訴・勾留は労働運動への不当な介入・弾圧であり、無実・無罪を主張します」と断言した。
 最後に陳述した南近畿地本の組合員は、鉄産労の分裂に抗して分会を再建した闘い、不当配属との闘いを語った。時刻は午後5時半を回り、彼の陳述は次回に繰り越された。
 計7人の国労組合員の陳述は法廷を圧し、その正義は鮮明になった。家族や弁護団はもちろん刑務官さえ心動かされ涙を浮かべた。

 法廷内と連帯し

 法廷内の闘いと連帯し、「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」は、早朝から地裁前と新橋駅前でのビラをまきに立った。
 弁護士会館での前段集会では、被告の家族が「不当弾圧は許せない。闘いの正しさを証明することを支えたい」「前回の堂々とした陳述で夫たちの思いは家族に伝わった」と発言した。
 関西と九州の労働者が、被告の地元で許さない会を拡大する決意を述べた。
 昼には、東京地裁包囲デモが80人で闘われた。「8人の仲間を釈放しろ」と、怒りの声がとどろいた。
 傍聴券配布には145人が並んだ。この日も東京地本の反動役員が闘争破壊のために現れたが、その数は10数人で前回から半減し、終始うなだれたままだ。
 傍聴からあふれた人びとは、法廷前の廊下に座り込み、被告たちと心を通わせつつ無言の闘いを貫いた。

 大法廷埋める結集へ

 午後6時半から、シニアワーク東京で「第2回公判報告集会」が行われ、115人が結集した。近畿地本の国労組合員が「16年の闘いが何だったのか、一人ひとりの被告が怒りあふれる陳述をした。この闘いをとおして、腐りきった国労本部を打倒する」と宣言。米子地本の組合員は「許さない会を国労の中に拡大し、国労を闘う組合として再生する」と決意を表明した。
 大口昭彦弁護士がこの日の公判を報告した。
 元学習院大学教授の宮島尚史弁護士が「暴力行為等処罰に関する法律の違憲性」と題して講演し、労働組合の正当な活動として行われた被告たちの行動に違法性はなく、処罰の対象にはならないことを多面的に解き明かした。
 新橋支部の国労組合員が国労中央委に向けた決戦に立つ決意を述べ、神奈川の闘う労働者は地域で許さない会を広げようと訴えた。
 この日の闘いは、裁判所を揺り動かした。裁判所は17日、次回から大法廷の使用を約束した。被告と家族との接見禁止も解かれた。
 次回公判は3月3日だ。残った被告と弁護団の意見陳述が行われる。傍聴に駆けつけ、大法廷を埋めつくそう。許さない会をさらに拡大し、被告の早期釈放と無罪戦取へ闘おう。

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週刊『前進』(2091号3面2)

日本経団連「経労委報告」路線 終身雇用制解体を許すな(4)
 賃下げ・定昇解体攻撃 労働者の生活破壊し賃金半減へ

 許せぬ連合のベア要求放棄

 03春闘は、2月12〜13日の自動車、電機大手組合の要求書提出によって完全に本番に突入した。日帝資本は、ついに終身雇用制解体に向けて定昇制度の解体に踏み込んできた。断じて許せないことである。
 この4年間、賃金は下がり続けている。2月3日発表の厚労省調査によると、昨年の月間現金給与総額は平均34万3688円と前年と比べ2・3%も減少し、調査開始以来最大の落ち込みを示した。賃金の低下に歯止めがかからず、労働者階級の賃金水準が急速に悪化しているのだ。これは昨春闘での連合の裏切りによる敗北で、賃下げのあらしが吹き荒れたことによる。
 このような賃金破壊の現実に対して、03春闘でこそ一律大幅賃上げを掲げて闘わなければならない。にもかかわらず帝国主義間争闘戦における日帝の敗勢的・破綻(はたん)的現実にすくみ上がった連合中央は、°国がつぶれたら元も子もない″とばかり、昨年秋、笹森会長の「連合運動を雇用に特化する」発言で賃金闘争を全面放棄した。
 連合はさらに、12月には二つの政労使合意を結び、その中で「労働条件の弾力化にも対応する」などと言って、企業を守るためなら賃下げだけでなくリストラ・首切りにも積極的に応じるとした。国益主義・企業防衛主義に転落し、賃金も雇用も売り渡すというのだ。「雇用を守るため」というのは大ペテンだ。この連合の屈服を前提に昨年12月、日本経団連は経労委報告で終身雇用制解体・年功賃金解体を打ち出した。
 年が明けると、1兆5千億円もの経常利益が予測されるトヨタ自動車での労組のベア要求放棄決定が衝撃をもたらした。この裏切りがベア要求放棄の流れを加速し、ベア要求を行ったのはわずかに日産自動車、私鉄総連、UIゼンセン同盟、全国一般ぐらいになり、多くの労組は闘う以前に賃金闘争を放棄するという、とんでもない裏切りを演じている。

 定昇解体へと突き進む資本

 賃金闘争を放棄し解体する連合の裏切りにつけ込んで、日帝・資本はさらに攻撃を激化させている。
 1月24日の住友電工の定期昇給凍結発表を皮切りに、中部電力の定昇廃止、東京電力の定昇制度改変、松下の職種別賃金制度導入による定昇制度解体、富士通の定昇圧縮、NEC、日立の定昇制度見直し、トヨタの年齢給廃止、ホンダの定昇一部廃止、三菱自動車の定昇全廃と、定昇制度解体−破壊攻撃が一挙に全面化し、労資間で3月12日の一斉回答を前にベアゼロで妥結するところまで現れ始めている。ここでの特徴は、資本の攻撃が、定昇制度解体、賃金制度の改悪とそれによる大幅賃下げに踏み込んできている点だ。(表参照)
 連合の裏切りにつけ込んで、資本の賃下げ・賃金制度改悪の「逆提案」が次々に行われているのだ。「春闘終焉(しゅうえん)」を宣言した資本は、そこに本格的に突っ込んできたのだ。まさに怒りに耐えない現実が目の前で進行している。だが、労働者階級の闘う意欲は野に満ちている。問題は連合の裏切りにこそあるのだ。

 「ベアは論外」「途上国並み」

 昨年12月17日に日経連時代の労問研報告よりも1カ月も早めて出された経労委報告は、「国際競争力が減退した」と日帝が帝国主義間の争闘戦で敗勢的な現実にあることを開き直り的に恫喝材料に使っている。そして、「名目賃金水準のこれ以上の引き上げは困難」「ベースアップは論外」「雇用を維持する代わりに、賃金は下げるという選択に迫られる企業も多数生じよう」などと、露骨な賃下げ宣言を行った。
 その狙いは、報告草案にあって発表時には削除された「途上国並みの賃金水準への切り下げ」という点にある。アジアとの賃金格差を問題にし、NTT型の3割もの賃下げ攻撃でも飽きたらず、賃金を半分以下にするような一大資本攻勢をかけるというのだ。
 経労委報告が狙う「途上国並みの賃金」は、雇用破壊と一体でなければ貫徹できない。そのために経労委報告は、「賃金制度の改革による定期昇給の凍結・見直しも労使の話し合いの対象になりうる」と、初めて「賃金制度の改革」を明言した。昨年の労問研報告では、「場合によってはベア見送りにとどまらず、定昇の凍結・見直しも」と宣言し、賃下げ攻撃に踏み込んで、電機では昨年3月13日の妥結直後の賃下げ・定昇凍結という衝撃的な事態が起きた。今年はその上さらに賃金制度の改悪にまで踏み込むと言っているのだ。
 それは、文字通り95年の日経連「新時代の『日本的経営』」路線を百パーセント貫徹し、労働者階級総体を不安定雇用化し、時間給にして、アジアの労働者と競わせ、どこまでも賃金を下げようというのだ。労働者は食うためには二つ、三つの仕事をかけ持ちしなければならない、アメリカで起きている事態を日本にも現出させようというのだ。

 「競争力」唱え徹底した搾取

 日本経団連会長の奥田はマスコミのインタビューに答えて、「年齢が上がれば、生産性が上がらなくても給料が増えるというのはおかしい。これからは成果主義の時代に変わっていく」などと定期昇給をやり玉にあげている。松下社長の中村はもっと露骨に、「給与を、生活給と成果に応じた報酬とに分ける(生活給部分は固定的なものだという)考え方自体が20世紀型の賃金体系だ。国際競争するためには、見直すべき時期に来ている。全社一律で高賃金を維持しても、会社がつぶれては元も子もない」などと発言した。
 年齢が上がれば労働者の生活費が増大するのは当然ではないか。この2人の発言に共通しているのは、資本は労働者の生活がどうなろうと一切関係ないということだ。これこそ、19世紀のような、むき出しの搾取を貫こうとするすさまじい攻撃だ。生活破壊に突き進み、労働者を食わせられない資本など打ち倒す以外にない。

 連合を打倒し春闘ストへ

 日帝のこの凶暴な攻撃には、けっして勝算がない。経労委報告が「労使は社会の安定帯」と強調しているように、連合の屈服と協力があって初めて成立する。
 経労委報告は、「労組が賃上げ要求を掲げ、実力行使を背景に社会的横断化を意図して『闘う』という『春闘』は終焉した」として、労働組合の闘いと労組の存在そのものをも否定している。
 これに連合中央は、「政府、政党、経営、労働が総力戦で、『国難』ともいえる事態を打開する一致協力した取り組みが必要だ」(笹森)などと、完全に国家防衛主義に転落し、笹森が自民党大会に出席するなど新たな産業報国会と化した。だが、ここにこそ日帝の攻撃の破綻点がある。
 勝利の展望は、連合中央を打倒して、闘う団結・闘う労働運動の新しい潮流をつくり出す中にある。生活破壊・戦争動員・治安弾圧と闘う03春闘の爆発をストライキでかちとろう。
(湯村宏則)

賃金・定昇などをめぐる提案や協議
▽トヨタ 全労働者の年齢給を廃止(04年度にも)
▽ホンダ 一部労働者の定昇廃止(03年度から)
▽三菱自動車 定昇全廃で労資合意
▽富士通 定昇圧縮で実質賃下げ(03年度から)
▽松下 04年度に職種別賃金制度導入
35歳で定昇ストップ(03年度から)
▽NEC 役職ごとの昇給年限を限定
▽日立製作所 定昇見直し(03年度から)
▽富士電機 定昇廃止を労組に提案
▽住友電工 03年度の定昇凍結
▽東京電力 昇格後の定昇期間を圧縮(03年度から)
▽中部電力 定昇を廃止(03年度から)
▽日商岩井 03年度の賞与とベアをゼロに
▽日鉄鉱業 03年度の定昇見送り、ベースダウン
▽住友電工 03年度定昇凍結で労資合意
▽京浜急行 ベアゼロで妥結
▽みずほHD 03年度夏の一時金を20〜40%カット
 

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週刊『前進』(2091号3面3)

3・16革共同政治集会大結集へのアピール
 03年決戦勝利へ突撃を

 2月15日、米帝ブッシュ政権のイラク侵略戦争策動に対する全世界の労働者階級と被抑圧民族人民の反撃の闘いが爆発した。アメリカの各都市を始め世界の諸国の首都などにおいて、合計1000万人とも1500万人とも言われる人民が一斉に決起した。
 そして、日本の労働者人民もこれに呼応して、2・14明治公園集会、2・16横須賀闘争など全国各地で数万人規模で立ち上がった。
 次は3・1―2闘争、そして3・8―9闘争という連続的な決起方針がインターネットにのって世界中を駆けめぐっている。われわれはその最先頭に立ってさらに闘い抜き、3・16革共同政治集会をかちとろうとしている。
 米帝の侵略戦争―第3次世界大戦への過程がついに始まり、そのことで全世界的に革命的情勢への移行が促進される中で開催される本集会は、これまでと比べようのない歴史的な位置と課題を持つものである。
 本集会でかちとるべきことの第一は、『前進』新年号で提起した「新しい型の『社会主義と戦争』」―世界大戦下のプロレタリアートの任務を明確にし不屈に実践してきた地平にしっかりと立つことである。
 レーニンが提起した「革命的情勢下の革命党の三つの義務」の実践へ、その精神を現代的に適用するならば、革命的情勢において、権力の弾圧、既成指導部やファシストの制動・圧殺がいかに厳しかろうと、それをのりこえて、闘いがさまざまに噴き出し、巨大な炎となって燃え上がることは不可避である。
 そして、こうした闘いを、権力や日和見主義者・排外主義者の攻撃から守り発展させ、労働者階級が自己権力として目覚めることをめざして、革命的大衆行動の組織化のために奮闘することを、革命党としてしっかり据えることである。
 第二に、3〜4月決戦の勝利の展望を打ち出すことである。なによりも、米帝のイラク侵略戦争突入に対する一大反撃戦を、日本において国際的内乱の一環として爆発させることだ。
 同時に、金正日政権の反人民的な瀬戸際政策を口実にして、米帝が北朝鮮への侵略戦争策動を急激に強め、日帝・小泉政権はこれと共同=競合して参戦態勢の構築に踏み込み、そのために今国会で有事立法(個人情報保護法案も含む)強行成立をたくらんでいる。北朝鮮侵略戦争阻止・有事立法粉砕の闘いをイラク反戦闘争の爆発と一体でかちとらなければならない。
 さらに、イラク侵略戦争をきっかけとする世界恐慌の爆発と不況の深刻化が避けられない中で、日帝は「奥田ビジョン」に示される、労働者人民への犠牲の転嫁と労働運動圧殺・解体の攻撃を強めている。
 今や労働者人民は、帝国主義の「危機の環境全体と『上層』そのものによって自主的な歴史的行動に引き入れられている」(レーニン)のである。03春闘において、連合・全労連・JR総連など既成指導部の屈服と裏切りを打ち破って、闘いは必ず激発する。われわれは、国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いと動労千葉労働運動をもって労働運動のこうした流動情勢に切り込み、青年層を軸に闘う労働者を圧倒的に獲得しなくてはならない。
 「侵略戦争に反対する闘いと、一大資本攻勢と対決する階級的闘いとを、自らへの一個二重の攻撃に対する内乱的反撃として」(1・1アピール)切り開こう。
 そして、内外の階級闘争が革命的に胎動する中で行われる4月統一地方選挙は、小泉政権と自民党・公明党の反動的な動きを大きく規制している。議会選挙の水路をとおして労働者人民の怒りが爆発する現実性に、小泉は震え上がっている。ここにおいて、われわれが杉並区議選で3候補の当選(一個の政党としての登場)をかちとる闘いに挑んでいることには決定的な意義がある。本集会を杉並を始めとする統一地方選挙決戦勝利の総決起集会としてかちとり、「4・27蜂起」に向けて突進しよう。
 第三に、昨年末に保釈をかちとった爆取デッチあげ弾圧の3同志、そして91年銃撃弾圧裁判の片山同志との合流をかちとることだ。
 アメリカにおいても、反戦闘争と労働運動と反弾圧闘争が一体となって闘いとられている。未決16年の3同志を奪還した闘い、星野同志らの長期獄中闘争を伝え聞いたアメリカの労働者人民は、その闘いと革共同を称賛している。国際連帯の基底には対権力の不屈・非転向の闘いが貫かれているのである。
 75年3・14反革命=本多延嘉書記長虐殺から28年。この間のどの闘いを見ても、二重対峙・対カクマル戦争の勝利が革命的大衆行動の爆発の決定的な要因となっている。カクマル中央派・JR総連カクマルを解体・打倒する闘いを断固推し進めよう。このことへの確信をもって3・16革共同政治集会に総結集しよう。
 イラク侵略戦争粉砕、北朝鮮侵略戦争阻止=有事立法粉砕決戦、03春闘と国鉄決戦、統一地方選挙決戦に蜂起的に決起し、この闘いの鉄火の中で革命的労働者党への飛躍をかちとろう。

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週刊『前進』(2091号3面4)

介護・福祉とり戻そう 介護保険は廃止しかない (2)
 払えなくても強制徴収 保険料は制度の破綻点

 今年4月に介護保険制度の見直しが行われるが、その最大の焦点は保険料の引き上げだ。戦後の社会保障制度解体のテコの役割を果たしている介護保険制度は、「国家的詐欺行為」であるとともに、実に多くの悲劇を引き起こしている。しかし、今や制度自身が大きく破綻(はたん)し始めた。その最大の焦点は、保険料そのものにある。いわば、介護保険制度の最大の弱点として、保険料問題があるということだ。

 毎年引き上げに怒りが爆発

 第一に、介護保険料は年金からの強制徴収であり、しかもそれは年々引き上げられている。このことへの怒りが爆発している。強制徴収に対する怒りを恐れ、1年間無料、半年間半額という方法をとったため、3年間、毎年金額が上がることになったのだ。
 高齢者の生活実態はどうか。杉並区のAさんは、毎月4万3000円の国民年金と1万500円の厚生年金で独居生活をしている。ここから光熱費、地代、NHK受信料として平均月額2万8000円を支出しており、残りの2万5000円ほどで毎月の食費、衣服、医療費をまかなわなくてはならないのだ。
 このように、一日4〜500円で生活しているという人はけっして珍しくない。65歳以上の高齢者の80%近くが非課税で、高齢者世帯の約30%が生活保護水準以下の生活を強いられている。「最後の誇り」として自分の葬式代に充てる貯金があることや、若干の不動産所有を理由に生活保護から排除され、さらに窓口で屈辱的な扱いを受けて、大半の高齢者は生活保護すら受給できない現実に置かれているのだ。
 つまり、もともと2千円、3千円を支払うことができない人たちを対象に、いかに漏れなく保険料を徴収するかという視点で、介護保険料の徴収方法は決定されている。そのため、戦後初めて、年金からの天引きという「特別徴収」が開始されたのだ。今後、高齢者の年金からさまざまな「特別徴収」を行うための突破口として、介護保険料があるということだ。
 しかも、この4月からの介護保険制度見直しで、大半の自治体は、介護保険財政が黒字であっても保険料を引き上げようとしている(昨年6月段階の厚労省調査で全国平均11%増)。それは、もはや「死ね」と言うに等しいものとして、高齢者に襲いかかっている。高齢者の当然の怒りが爆発しているのだ。
 第二に、保険料徴収が著しく不平等だということである。

 生きる権利も奪い去る攻撃

 最低限度の生活を保障した憲法第25条に基づく「最低生活費非課税の原則」もかなぐり捨て、圧倒的多数の非課税者から保険料を徴収し、他方で高所得者には安価な介護サービスを提供するという介護保険の本質が、この3年間で明らかになった。
 しかも、介護保険料は、他の社会保険である国民健康保険や国民年金とも異なり、生活保護者からも徴収される。当面、生活扶助に介護保険料分は加算され、その支払いが強制されているが、やがてその扶助額すら削減できる仕組みになっている。さらに、無年金でまったく収入がない高齢者であっても、同居する扶養者に連帯納付義務が課せられている。この点も、初めてのことだ。ますます高齢者を社会にとっての「厄介(やっかい)者」とし、家庭内においてすら「厄介者」扱いさせようというのである。「介護殺人」を生み出す土壌は、こうしてつくり出されている。

 「応益負担」で犠牲を転嫁

 第三に、応能負担の原則から応益負担に切り替えたことだ。介護保険財政が破綻的状況になれば、その地域の第一号被保険者(65歳以上)の保険料は、減額期間中でもいつでも引き上げ可能とされている。もともと非課税者は、福祉事業(サービス)を無料で受けることができた。それを一割負担とし、支払うことができない人をサービスから排除しながら、財政が悪化すれば応益者(第一号被保険者)に転嫁できる構造なのだ。行政側はよく「介護保険も半分は税金でまかない、行政も国民も°みんなで支え合う″構造になっている」と言うが、もともと福祉事業は全面的に税金でまかなわれていたものだ。
 少なくともその負担の半分は、労働者人民に転嫁された。特に高齢者には「受益者負担」として負担が大きくのしかかる構造にされた。ここには、°保険料を安くしたければサービスの貧弱さは辛抱しろ″という論理が貫かれている。つまり、保険料は取るが介護は受けるな、ということだ。

 必要な介護も充足されず

 第四に、どれほど保険料が上げられようと必要な介護サービスを充足するにはほど遠い現実が、日々明らかになってきたことだ。これは、特別養護老人ホームの待機者の数が、介護保険発足以降、年々うなぎ登りに増えていることからも明らかだ。つまり、介護保険導入時のうたい文句は、保険料をむしり取るためのペテンだったのだ。
 このように、介護保険制度の心臓部である保険料は矛盾の集中点だ。その上、年金の切り下げ、医療費自己負担の拡大(高齢者医療に集中)、家族の収入の激減(リストラなど)の中で、高齢者には生きることもできない現実が迫っている。とりわけ低所得の高齢者は、ますます深刻な生活実態に陥っている。
 この4月からの保険料引き上げは、国と自治体による収奪強化に対し、高齢者だけでなく全労働者が怒りを爆発させる突破口になる。実際、都内の自治体では、そのことへの恐怖から保険料据え置きやわずかな引き上げで怒りをかわそうとしている。だが、もはやこの怒りを抑え込むことはできない。保険料をめぐる闘いの発展によって、介護保険は音を立てて崩れる状況になっているのだ。「介護保険を直ちに廃止に」を真っ向から掲げ、介護保険料引き上げ阻止へ闘おう。
 (梨原智之)

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週刊『前進』(2091号4面1)

世界と連帯し日本全国で立つ イラクの人民を殺すな
 横須賀、沖縄など 米軍基地へ怒りのデモ

 全世界600都市で1000万人以上が参加した2・15〜16イラク反戦国際連帯闘争の一環として、全国各地での闘争が力強くかちとられた。新たな国際的内乱の爆発が、絶望的凶暴化を深めイラク開戦に突き進む米英日帝国主義を追いつめている。これらの闘いをさらに大胆に爆発させ、3月開戦阻止へ全力で闘おう。(編集局)

 ■横須賀

 2月16日、反戦共同行動委員会は、全世界の反戦闘争と連帯し、イラク開戦絶対阻止のために横須賀闘争を闘った。150人が決起した。
 決起集会が午後1時から横須賀市立総合福祉会館で開かれた。冒頭、司会者が「全世界で1000万人以上の人々が立ち上がっている。激しい怒りを込めて、集会とデモをかちとろう」と呼びかけた。
 東京反戦共同行動委員会の三角忠代表は、「雨の中だが、米兵やその家族にわれわれの熱気を伝えるデモをやろう」と呼びかけた。
 地元神奈川の労働者が核攻撃基地=横須賀の実態と横須賀闘争の歴史を分かりやすく説き明かした。横須賀からはつい先日、空母キティホークがイラク攻撃に出撃していったばかりだ。参加者は、米軍と自衛隊の一大拠点である横須賀で闘うことの決定的重要性に、確信を深めた。また、イギリス戦争阻止連合のメッセージが紹介された。そして、全学連が基調報告を意気高く行った。
 1時間余の集会の後デモにうって出た。米軍基地正門前では、大山尚行全学連委員長が英語で米兵に呼びかけた。デモ隊は、横須賀市の中心街を市民にアピールしながら進んだ。軍都・横須賀に■Don’t Attack Iraq■■や「有事法反対」の声がこだました。米兵とその家族がデモ隊に注目し、ビラを受け取った。

 ■沖縄

 2月15日、平和市民連絡会主催の嘉手納基地デモが約100人の参加でかちとられた。デモは沖縄市の市営球場前から国道330号に出て、胡屋十字路を左折、嘉手納基地第2ゲートに通じる空港通りを、シュプレヒコールとまよなかしんやさんの歌をくり返しながら進んだ。沿道から拍手や声援が送られ、青年がデモ隊に合流した。ビラを受け取りデモを見つめる若い米兵の姿も。
 解散地の直前で道路いっぱいに立ち止まり、第2ゲートに向けて横断幕を広げ、「NO WAR ON IRAQ!」「NO NO BUSH!」のシュプレヒコールを続けた。警察が解散地の公園に誘導しようとするが、デモ隊は動かない。権力の弾圧に桑江テル子さんや宜保幸男さんが激しく抗議する。車の窓を開けて手を振る米兵の家族もいた。
 デモに先立ち市営球場前で集会が開催された。平和市民連絡会を代表して当山栄事務局長代行があいさつし、イラク派遣団の秋山勝事務局長が報告を行った。そして「緊急声明 止めよう!イラク攻撃実行委員会」の由井晶子さんがこの実行委員会結成にいたる経過と思いを述べ、違憲共闘会議議長の有銘政夫さんが発言に立った。

 ■相模原

 2月13日〜15日、婦人民主クラブ全国協議会は全世界のイラク反戦行動の一環として、米軍相模総合補給廠(しょう)西門前で「石油のための戦争反対! イラク侵略戦争とめよう!」を掲げて座り込んだ。
 13日午前10時、婦民全国協代表の西村綾子相模原市議を先頭に座り込みに入った。早速、相模総合補給廠でブッシュ大統領と米陸軍第9軍司令官あてにイラク攻撃中止を申し入れ、さらに相模原市議会に「米英のイラク攻撃に反対の決議を求める陳情」を行った。
 西村市議は「ここ西門前大通りは、ベトナム戦争当時、戦車輸送阻止のテント村ができ、戦車輸送を100日間阻止した所です。世界の人びとと手を結び、体を張って戦争を阻止しよう」と訴えた。
 寒風の中、「通行人の8割がビラを受け取り、6割が署名をしていく」。のべ100人を超える市民が座り込み、子どもたちが戦争反対の思いを絵に描いた。
 イラク反戦署名は3日間で902筆に。世界1千万の反戦行動と呼応した日本での在日米軍基地に対する決定的な闘いが始まった。

 ■広島

 2月16日、午後2時より県庁前広場で、1800人が参加しイラク反戦集会とデモが行われました。「被爆地ヒロシマ」から核戦争を阻止する行動を示そうと県内30の労働団体・市民団体が実行委員会を結成して開催したものです。91年のイラク侵略戦争で、劣化ウラン弾という「核兵器」が使用され、多くの被爆死や被爆者が生まれました。広島県民はこれを痛苦の思いで受けとめ、2度と許さないという決意で立ち上がっています。
 古参の労組活動家は「これほどの結集は久々だ」と語っていました。ヒロシマから核戦争反対を発信しよう、世界の人びとと連帯して戦争を止めているのだ、などの発言が続きました。最後に集会アピールで「60カ国、1000万人」の人びとと連帯して集会をかちとったことが報告され、最高潮に達しました。
 デモは稲荷橋までの約1`で、各デモ隊が「イラク戦争反対! 有事法制廃案! 劣化ウラン弾を使うな!」というそれぞれの思いを趣向をこらし表現しました。百万人署名運動の黄色い横断幕は通行人の注目の的でした。広大生は若者にビラを配りながらデモ。各労組隊列も元気よく拳を突き上げていました。通りがかった教え子に「イラク戦争に反対しとるんよ!」と言いながら、デモ参加を促す教育労働者もいました。
 (投稿/広島・O)

 ■福岡

 2月15日、午後3時、福岡市中央区のアメリカ領事館前で「はじまる前に戦争を止めよう! 民衆の力で戦争を止めよう! 2・15イラク反戦行動」(アメリカのイラク攻撃を許さない実行委員会主催)が150人の結集で開催された。
 小雨をついて結集した福岡県下の労働者、学生、市民は、米領事館への2時間半におよぶ抗議行動を闘いぬいた。主催者を代表して青柳行信さん(カトリック福岡地区正義と平和協議会)があいさつ。九州大学学生自治会の学生は「イラク戦争は世界戦争の引き金を引く。九大の学生は1・18〜19アメリカで闘ってきた。全世界の闘いと連帯し、イラク反戦・有事立法粉砕に立とう」と訴えた。
 翌16日午後1時から、福岡市冷泉公園で「有事法案を廃案に! イラク攻撃にNO! 九州ブロック総決起集会」が平和・人権・環境福岡県フォーラムなどの主催で開催された。九州・沖縄各県から5千人近い参加者が集まり、天神までデモ行進し、イラク反戦・有事立法阻止を訴えた。
 これらに先立つ2月11日、反戦共同行動・福岡は福岡市天神の警固公園で集会を行い「イラク・朝鮮への攻撃は第三次世界大戦への道だ! 2月イラク開戦阻止!」を掲げて、福岡市内デモ−米領事館申し入れ行動に総決起した。
 (投稿/福岡・Y)

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週刊『前進』(2091号4面2)

大阪で650人が国際反戦集会

 2月11日、25個人・19団体の呼びかけによる集会実行委員会の主催で行われた「イラク侵略戦争反対・戦争法をとめよう 2・11国際反戦集会」に参加しました。小雨の中、大阪市の中之島公会堂大ホールに650人が結集し、さまざまな企画と集会、大阪・梅田の繁華街デモを行いました。(写真)
 写真家の豊田直巳さんの写真展とイラク現地レポートのビデオ・メッセージや東京外大教授の藤田進さんの講演が行われ、イラク・ムスリムの人びとの生活と闘いの現実に迫りました。帝国主義間の石油・資源のぶんどり合いの大虐殺戦争を絶対に阻止しなければならない、と強く確認しました。南朝鮮・韓国の民主労総、オランダのライデン市反戦委員会、イギリスの戦争阻止連合、沖縄の平和市民連絡会のイラク派遣団長である島田正博さんからのメッセージが紹介されました。
 デモは米領事館のまわりを一周し、自民党大阪府本部の前を通って、イラク侵略戦争阻止、日本の参戦を許すな、有事立法阻止の声をたたきつけました。
 (投稿・藤川俊)

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週刊『前進』(2091号4面3)

明治公園 2万5000人の声轟く “垣根取り払い行動を”

 2月14日夕、東京・明治公園で「平和を願う日本の良心をいま世界に/NO WAR ON IRAQ STOP有事法制/2・14大集会」が開催され、2万5千人が参加した。なだいなださん(自由人)、井上ひさしさん(作家)ら16人の文化人が呼びかけた集会で、それにこたえ陸・海・空・港湾労組20団体も取り組みを決定し、動労千葉や国鉄闘争支援陣形の労組など多くの労働者が参加した。
 政党からは日本共産党の志位和夫委員長が発言、社民党の土井たか子党首のメッセージが紹介された。
 呼びかけ人のなだいなださんが「みなさん、アメリカとイラクのどちらが恐ろしいですか?」と問いかけると、会場から「アメリカだ」の声。「今武装解除しなければならないのは、イラクではなくアメリカやイギリスです」と述べた。
 井上ひさしさん脚本の人形劇「ひょっこりひょうたん島」の「ドン・ガバチョ大統領」も登場して、「不正義極まりないイラク攻撃を止めよう」と訴えた。
 労組20団体を代表して航空安全会議の大野則行議長が「私たちは戦争やテロにおびえながら世界で働くことはできません。なんとしても戦争を回避したい。この時、有事法制を成立させようとしている日本政府を揺り動かし変えるために、あらゆる垣根を取り払い行動を起こそう。20団体は命と安全を守るため、全国で行動する人たちと手を取り合います」と発言した。
 集会後のデモは2コースに分かれた。渋谷コースは労組20団体が青年労働者を先頭に力強くデモ。代々木コースは「とめよう戦争への道! 百万人署名運動」が500人でデモを行い、沿道から参加した青年たちが宣伝カーのマイクで「私たちもイラク戦争に反対です」と訴えるなど、多くの合流がかちとられた。

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週刊『前進』(2091号4面4)

3・30三里塚闘争へ 反対同盟が全国に招請状

 三里塚芝山連合空港反対同盟は、3・30三里塚現地闘争への招請状を全国に向け発した。これにこたえて総決起しよう。(編集局)

 ◆招請状

 闘う仲間のみなさん。米ブッシュ政権によるイラク侵略戦争が切迫し、小泉内閣は参戦へと踏み出しています。通常国会で有事三法案の成立を強行しようとしています。私たち反対同盟は、米日のイラク侵略戦争と有事三法案に反対し、「成田空港の軍事基地化阻止」「暫定滑走路の即時閉鎖」を掲げて三月三十日に全国総決起集会を開催します。みなさんの総結集を訴えます。
 孤立を深める米・ブッシュ政権は、三月上旬にも国連決議を経ないまま、単独で武力行使に踏み切る構えです。石油利権のためのイラク人民大量虐殺を許してはなりません。この戦争への日本の参戦を阻止しなければなりません。
 イラク侵略戦争や北朝鮮侵略戦争では、空港と港湾の軍事使用が不可欠です。反対同盟はベトナム侵略戦争において羽田空港が果たした軍事的役割を教訓に、「軍事空港建設反対」「成田空港を侵略のための軍事基地にするな」をスローガンとして闘ってきました。全世界で高まるイラク反戦闘争と連帯し、日本における反戦・反核の砦=三里塚闘争の真価にかけて決起すべき時がきたと決意を新たにするものです。
 暫定滑走路の強行開港から一年、反対同盟は闘争破壊攻撃をうち破り意気軒昂と闘い続けています。そして今、保安のための国際標準をも無視した暫定滑走路の欠陥と破綻が、重大事故の続発として現実のものとなっています。
 昨年十二月一日には市東同盟員宅前の変形誘導路上で航空機同士の接触事故が発生しました。一月二十七日には、韓国・仁川から飛来したボーイング767―300型機が暫定滑走路南端から七〇メートルオーバーランし、航空灯火を破壊して東峰神社のわずか五〇メートル手前で停止しました。さらに暴走すれば小見川県道と人家を巻き込み、乗客と乗員労働者に多数の死傷者をもたらすことが必至でした。
 度重なる事故の原因は、当初計画より三二〇メートルも短縮し誘導路を曲げて建設した暫定滑走路の構造的欠陥にあります。危険極まりない滑走路は閉鎖しかありません。ところが国土交通省と空港公団は事故原因の究明もないまま運用を再開したばかりか、一坪共有地強奪のための不当提訴や東峰地区における物流基地建設計画など住民を敵視する暴挙で危険を増幅させているのです。
 暫定滑走路延長策動の背後にあるのは、成田軍事空港の完成と三里塚闘争つぶしです。イラク侵略参戦と切迫する北朝鮮侵略の戦争準備です。反対同盟は暫定滑走路粉砕闘争の勝利の地平の上に、その閉鎖と軍事空港の廃港をなんとしても闘いとります。
 バブル崩壊後の不況は深刻さを深め、その矛盾のすべてが首切りと賃下げ、増税と社会保障制度の改悪となって私たちの生活を脅かしています。通常国会では有事三法案とともに、労働基準法を始め各種労働法の改悪が策動されています。これに対して動労千葉を先頭とする闘う労働者の春闘決起が始まりました。私たちには今、平和を求め生きていくために闘うことが求められています。
 高まる全世界のイラク反戦闘争と連帯し、日本で帝国主義の侵略戦争に反対する大運動をまきおこそう。三・三〇全国集会に総結集されるよう呼びかけます。
 二〇〇三年二月十七日

 記
【集会名称】
イラク侵略戦争反対・有事立法粉砕
暫定滑走路を閉鎖し軍事空港を廃港へ
 3・30全国総決起集会
【日時】3月30日(日)正午
【会場】成田市天神峰 反対同盟員所有地
【主催】三里塚芝山連合空港反対同盟
(会場案内)
▼JR成田、京成成田駅からタクシーで「東峰十字路」まで2000円
▼車は成田インターから国道295号線に入り芝山町(空港)方向。日航ホテル手前で小見川県道を小見川方向。「東峰十字路」へ

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週刊『前進』(2091号4面5)

日誌'03  2月12日〜18日
 経済制裁決議なら臨検実施 開戦決議へ日帝が国連工作

●北朝鮮の核問題を安保理付託 国際原子力機関(IAEA)は緊急理事会を開き、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核開発問題について国連安全保障理事会に処理を付託する決議案を採択した。(12日)
●北朝鮮のミサイルが米本土に到達可能とCIA長官 テネット米中央情報局(CIA)長官は、米上院軍事委員会の公聴会で、北朝鮮が米西海岸に到達可能なミサイルを保有していると証言した。(12日)
●核攻撃排除せず ラムズフェルド米国防長官は、米上院軍事委員会の公聴会で、「われわれの政策は歴史的に、攻撃を受けた場合、核兵器の使用の可能性を排除していない。(イラクについても)さまざまな選択肢を除外していない」と証言した。(13日)
●米がイラク戦後統治案 パウエル米国務長官は、米下院予算委員会で証言し、対イラク攻撃終了後4段階で新政権樹立を目指すという戦後統治案を明らかにした。同案は@米軍司令官がイラクを管理、A米国人かイラク人以外の文民統治機関に移譲、B国際社会による機関の統治、Cイラク国民自身による新政権樹立の4段階。(13日)
●給油10カ国に拡大 政府はテロ対策特別措置法に基づき海上自衛隊がアラビア海で米英艦船に行っている給油の対象国に、フランス、ドイツなど8カ国を追加する方針を固めた。米のイラク攻撃を支援する。(13日)
●査察継続を要望 国連安全保障理事会で、国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長とIAEAのエルバラダイ事務局長がイラク査察の追加報告を行い、査察継続の要望を示唆した。これらの報告を受けた安保理の外相級協議でも査察継続を求める発言が相次ぎ、「査察打ち切り」を主張したパウエル国務長官に同調したのはイギリス、スペインの外相だけだった。(14日)
●安保理承認なくても武力行使
 ブッシュ米大統領は国連査察団の追加報告後、ワシントンの連邦捜査局(FBI)本部で「(イラク大統領の)サダム・フセインはいずれにせよ武装解除される」と演説し、国連安保理の承認がなくても対イラク武力行使に踏み切る姿勢を鮮明にした。(14日)
●テロリズムと戦う国家戦略 米政府はイラク攻撃を前に、「テロリズムと戦う国家戦略」を発表し、先制攻撃や単独行動をためらわないことをあらためて強調した。「当事国にその(テロと戦う)意思がない場合は、われわれが断固たる行動を起こし、それらの国々にテロ支援をやめさせる」とも明記した。(14日)
●安保理決議採択へ説得 政府は、イラク攻撃への対応をめぐって、国連安保理での新たな決議の採択に向けた外交工作を開始した。米国の要請を受けたもので、非常任理事国10カ国のうち、政府開発援助(ODA)供与先を中心に新決議への同調を求める。(14日)
●経済制裁で臨検参加へ 政府は、北朝鮮の核開発問題が国連安保理に付託されたことを受け、安保理が北朝鮮への経済制裁を決議した場合、日本の平和および安全に重要な影響を与える「周辺事態」と認定し、臨検活動に参加する方向で検討を始めた。(15日)
●小泉が反戦デモを批判 小泉首相は記者団の質問に答え、世界各地のイラク反戦デモについて、「イラクが正しい、という誤ったメッセージを送らないように注意しないといけない」と批判した。(17日)
●米韓が合同軍事演習 米韓連合軍司令部は、定例の「フォール・イーグル」を3月4日〜4月2日に、「戦時増援演習」(RSOI)を3月19日〜26日に実施すると発表した。合同演習には韓国軍と在韓米軍に加え、太平洋地域から米軍5千人、空母1隻が参加する。(17日)

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週刊『前進』(2091号5面1)

全世界で1500万人イラク反戦の大波
 ニューヨーク国連本部前 開戦阻止へ75万人 超厳戒を破り警官と激突

 米ニューヨークでは2月15日、国連本部前で反戦集会が開かれ約50万人が結集した。イラク開戦に突き進む米帝ブッシュ政権と対決して闘われたニューヨーク現地の闘いを報告する。(文・写真/水野慶太)
 査察継続か査察打ち切り−開戦か。国連では米英日帝と仏独帝を軸とした「対立」が続いている。その舞台となっている米ニューヨークの国連本部前では15日、「始まる前に戦争を止めよう」と全米から約75万人が結集、ベトナム戦争時を上回る米史上最大規模の反戦集会となった。開戦に突き進む米帝ブッシュ政権に対し、反戦闘争の大高揚が立ちはだかった。

 「不穏」な空気

 アメリカは数日前から「不穏」な空気に包まれていた。リッジ国土安全保障省長官が「9・11以降で最も危険」と°警告″を発し、米政府は「警戒態勢」を上から2番目のレベルに引き上げた。米労働者人民は「イラク開戦」の危機に直面していることを感じ、この日の反戦集会が大激突となることを予感していた。
 ニューヨークでは自動小銃にヘルメット姿の警官が街中を巡回し始めた。さらに11日にビンラディン氏の「肉声テープ」が発表されると、警官だけでなく兵士が市内を制圧し始めた。ライフル銃を持った3〜10人の兵士がこわばった表情で無言のまま、地下鉄の中にまで入ってくる。周りの人びとの表情も固い。この銃口はいったい誰に向けられているのか? 兵士たちも人民の°敵意″にさらされているのを感じている。「写真を撮ってよいか」と話しかけると、厳しいがどこか弱気な表情で「イエスとは言えない。勝手に撮るのは仕方ない」(写真)。
 ニューヨーク市警は「テロ警備のため、市民の安全を確保できない」との理由で15日のデモを禁止した。最高裁まで争われたが、集会とデモを主催した「ユナイテッド・フォー・ピース・アンド・ジャスティス」側が敗北した。またイラン人、リビア人コミュニティーでは、それぞれ2〜3千人が一斉検挙されるなど、テロ警備を理由に戒厳令的な不当弾圧が続いていた。ニューヨークの日本総領事館も°危険なので注意″と、在ニューヨーク日本人に反戦集会へ参加しないようけん制した。

 国連本部へ!

 反戦集会の当日。最高気温が零下5度という厳寒となった。早朝からニューヨークの5つの自治区のひとつマンハッタンの中心ミッドタウンに全米からバスが次々と到着。街角から人びとが「街頭へ出よう」などと書かれたプラカードを持って出てきた。SEIU(全米サービス従業員労組)の文字が入った帽子を被った数百人に出会う。話をしながら国連本部のあるイーストタウンに向かって一緒に歩いた。若い人が多いなと思ったら労組支援の学生たちだった。
 小さな人の群が大通りで合流し、その数は時間を追うごとに増えていった。最初は歩道を歩いていたが、とても歩道にはおさまらない。いつしか自動車の交通は全面ストップ。正午近くには国連本部前まで続く大奔流となった。
 ニューヨーク市警は、デモ禁止だけでなく集会自体を妨害しようと試みた。警官を大量動員し、1番街から3番街の40丁目から70丁目(東西約1・5`、南北約3`)にわたって交差点ごとにバリケードを築き、各ブロックごとに封鎖。群衆を寸断し、通行止めにした各ブロックの中に人びとを閉じこめた。そのため大半の人は会場にたどり着けず、国連本部前の反戦集会の会場に進もうとする大群衆と警官隊との間で対峙−衝突が始まった。
 ニューヨーク市警は騎馬警官も導入し、一部の場所ではペッパースプレーを使用するなどデモ参加者に対して凄惨(せいさん)な暴力を行使した。翌日のある地元紙は「FACE OFF」という大見出しをつけ、騎馬警官が馬上からデモ参加者の顔面を蹴りつける写真を1面に掲載した。詳細は不明だが400人以上が逮捕されたという。
 一方、一部のバリケードは完全に粉砕された。
 私がその交差点に到着した時、一歩でも前に進みたい群衆とそれを阻もうとする警官隊との間で対峙が続いていた。それは物理的な対峙というよりも、群衆と警官隊の、意思と意思の対峙に思えた。最初は警官隊の意思がまさっていた。しかし、しばらくすると人民の意思の力が大きくなり、警官側が気弱になっていく。緊張感が頂点に達し意思と意思の均衡が数秒間続いた瞬間、バリケードの一部が崩れた。大歓声とともになだれをうったように群衆が前に進み始めた。

 闘いは新段階

 集会は国連本部前を通る1番街の路上に約2`にわたって設けられた場所で行われた。南アフリカのデズモンド・ツツ元大司教や俳優のスーザン・サランドンさん、ダニー・グローバーさんなどがスピーチした。「誰もブッシュのレトリックは信じていない」「ブッシュ大統領は世界の人びとの声を聞け」「米国の兵士達の命も中東の人びとの命も奪ってはならない」
 集会終了から数時間たった後も若者を中心にさらに市内の中心部のタイムズスクエア周辺まで進出し、警官隊と対峙を続けた。
 ある場所ではデモ隊の側がバリケードをうち破り、ある場所では警官による凄惨な暴力が行使された。全体としては確かに権力側の「秩序」が保たれているようにみえる。しかし、それは、人民が権力の「秩序」に従っている限りにおいて維持されているにすぎない。米国の反戦闘争(階級闘争)は、新たな段階に突入しようとしている。
 どこまでも侵略戦争に突き進もうとする米帝国主義。そして資本攻勢や侵略戦争と対決する米労働者階級。それは国際的内乱と結びつき米国内をまっ二つに分かつ内乱へと発展するであろう。連帯し、日本で反戦闘争を爆発させよう。

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週刊『前進』(2091号5面2)

労組やムスリム軸に大結集

 史上空前の国際反戦闘争

 2月14日のオーストラリアのメルボルンでの20万人集会を皮切りとするイラク反戦週間は史上未曽有の規模で闘われた。巨大な反戦のウエーブが、全世界を覆い尽くした。1千5百万人もの人びとがイラク侵略戦争反対という統一スローガンを掲げて街頭を埋め尽くした。米帝の世界戦争政策を粉砕する国際的内乱の大爆発が始まったのだ。
 まず、オーストラリア(人口1千8百万人)では、2月14日にメルボルンで20万人、16日にシドニーで25万人のほか、アデレイド、ブリスベンでそれぞれ10万人など、総計75万人がイラク反戦集会・デモに参加した。「戦争反対、兵士を帰国させろ」というメインスローガンを掲げたこの闘いは、オーストラリア史上最大の集会・デモとなった。オーストラリアは米英に次ぐ主要参戦国であり、この国での反戦闘争の爆発は、米帝ブッシュの世界戦争計画に決定的な打撃を与えた。

 開戦強硬派の国で最大デモ

 翌15日、ヨーロッパ諸国で空前の巨大な規模の闘いが爆発した。ローマで300万人、マドリードで200万人、ロンドンで200万人、バルセロナで150万人、パリで80万人、ベルリンで50万人など、かつてない規模の反戦集会・デモが開催された。
 スペインでは全国で総計4百万とも5百万とも言われる人びとが街頭を埋め尽くした。なんと全国民の10人に1人が反戦闘争に参加したのだ。英帝を除くヨーロッパ諸国で唯一、米帝のイラク侵略戦争に協力するスペイン政府に対し巨大なノーをたたき付け、米帝をさらに窮地に追い込んだ。
 イタリアのローマでは1都市としては最大の反戦デモが行われ、労組組合員、学生、市民、宗教者など多彩な人びとが文字どおり市内を埋め尽くした。
 イギリスのロンドンでは、昨年9月28日の40万人デモを5倍する200万人のデモが行われた。今回は、去年の9・28に主催者となった「戦争阻止連合」と「英国ムスリム連盟」に加え、「核軍縮運動」も主催者に加わり、より運動のすそ野が広がった。また、9・28集会の主軸をなした5労組(組合員総計75万人)の運転乗務員組合(ASLEF)、鉄道労働者組合(RMT)、公務員組合(PCS)、交通労働者組合(CWU)、大学講師組合(NATFHE)も動員を拡大したため、イギリス史上最大の反戦闘争が実現した。
 あまりに大量の参加者が予測されたため、デモ出発地は市内に2カ所設置された。午前11時に出発したデモは、市内の繁華街・ピカデリー・サーカスで合流して集会場のハイド・パークに流れ込んだ。「イラク攻撃反対」「石油のための戦争反対」などのプラカードと並んで「パレスチナに自由を」「パレスチナ・イラク人民との連帯を」などと書かれたプラカードの大波が市内に押し寄せた。
 同日行われたグラスゴーでの労働党大会会場に対して行われた10万人デモもブレアに巨大な打撃を与えた。労働党左派を抑え込みイラク侵略戦争に向けての総決起集会にしようとして計画された党大会は、押し寄せるデモ隊の弾劾の闘いによって完全に粉砕されてしまったのだ。
 フランス、ドイツでもそれぞれの首都で戦後最大の反戦集会・デモが行われた。ドイツでは国内最大労組のドイツ労働組合総同盟(DGB)やドイツ福音教会などの大組織が参加したため全国で60万人以上が反戦闘争に参加した。

 中東、アジア、中南米など

 2月15日の最後の大ウエーブはニューヨークで巻き起こった。当日のニューヨークは戒厳態勢下に置かれていた。2月10日以降、リッジ国土安全保障省長官とテネットCIA長官が「数日中にテロが起きる可能性が高い」と宣言して米全土を上から2番目の警戒態勢においた。ワシントン周辺にはスティンガー地対空ミサイルが配備され、ニューヨークでは、国連本部前に装甲車が配備され、自動小銃を持った警官が市内要所に配備され、「治安上の観点」から2月15日の反戦デモが禁止された。
 だが、75万人もが結集した当日の闘いはこの弾圧体制をうち破った(別掲ルポ参照)。アメリカでは翌日16日にもサンフランシスコで25万人のデモがかちとられた。この数は、サンフランシスコの人口75万人の3分の1に相当する。
 この他、アジア(マニラ、ソウル、東京、台北、パキスタンのカラチ、ラホール、インドのカルカッタなど。インドネシアのジャカルタでは2月9日に10万人デモ)、アフリカ(南アのヨハネスブルク、ケープタウンなど)、中東(バグダッド、ダマスカス、ベイルート、ガザ、カイロ、テルアビブなど)、南米(メキシコシティー、モンテビデオ、サンパウロ、ブエノスアイレス、リオデジャネイロなど)、東欧(ブダペスト、ワルシャワ、ザグレブ、プラーグなど)でも、数千、数万、数十万人という規模の反戦デモ・集会が行われた。

 広範な統一戦線が基礎に

 今回の反戦デモがこれほど巨大な規模で爆発したのはなぜか。まず何よりも米帝の世界戦争計画とイラク侵略戦争への激しい怒りと危機感である。
 そして、この反戦運動を組織したイギリスの戦争阻止連合やアメリカのANSWER、フランスのATTAC(02年4、5月に極右国民戦線に反対する100万人デモ組織化に中心的役割を果たした統一戦線組織)や米英の新左翼諸政党、この数年間に階級的労働運動の展開を通じて急速に影響力を拡大してきた米英仏などの労働運動の新潮流勢力が、02年末の段階から2月15日を国際反戦統一行動の日として位置づけて、大統一戦線を組織したからである。
 これらの団体は、昨年11月のフィレンツェのヨーロッパ社会フォーラムで、ヨーロッパ11カ国の反戦組織による2・15反戦統一行動を決定した。さらに12月中旬のカイロでの会議で、ヨーロッパだけでなく世界的規模の反戦闘争として闘うこと、イラク人民、パレスチナ人民との連帯をかけて闘うことを確認して、強力な組織活動を開始した。
 この過程でいわゆる「反グローバリズム」の諸潮流の2・15反戦闘争への合流が決定されたことも集会規模を一挙的に大きくした。
 これに加えて、ヨーロッパ各国の既成の大労組が2・15集会への動員を決定したことだ。ドイツの労働総同盟(DGB)や金属産業労組(IGメタル)、スペインの労働総同盟(UGT)、労働者委員会(CCOO)などのナショナルセンターや大労組が参加したことで2・15闘争の規模は一段と大きくなった。これらの巨大組織は、さまざまな思惑で2・15に参加したとはいえ、労働者階級の反戦意識の高まりや資本攻勢への怒りに突き動かされたことは明らかだ。
 全世界を席巻した史上空前のイラク反戦デモの爆発は、米帝・ブッシュ政権と、それに同盟してイラク攻撃に突き進む英帝や日帝を完全に追いつめた。
 さらに国際連帯を強め、3月開戦阻止、有事立法粉砕に総決起しよう。国労弾圧粉砕、03春闘爆発、4月選挙勝利へ進もう。

 主要都市のデモ参加者数

主要都市 デモ参加者数  
主要都市
デモ参加者数
ローマ 300万人   モンテビデオ 5万人
マドリード 200万人   シュトゥットガルト 5万人
ロンドン 200万人   テッサロニキ 4万人
バルセロナ 150万人   コペンハーゲン 4万人
パリ 80万人   ベルン 4万人
ニューヨーク 75万人   サンパウロ 3万人
ベルリン 50万人   ジローナ(スペイン) 3万人
シドニー 25万人   バンクーバー 3万人
セビリア 25万人   ゴーテボルク(スウェーデン) 3万人
サンフランシスコ 25万人   東京 2.5万人
メルボルン 25万人   ブエノスアイレス 2.5万人
アテネ 20万人   ブダペスト 2万人
オビエド(スペイン) 20万人   ニューカッスル(豪) 2万人
ダマスカス 20万人   ウイーン 2万人
モントリオール 15万人   リヨン 2万人
ダブリン 15万人   パース(オーストラリア) 2万人
バグダッド 10万人   イルネア(バスク) 2万人
グラスゴー 10万人   モンペリエ 2万人
ロサンゼルス 10万人   ルクセンブルク 2万人
ブリュッセル 10万人   ヨハネスブルク 2万人
リスボン 10万人   リオデジャネイロ 1.5万人
ラスパルマス 10万人   ヘルシンキ 1.5万人
カディス 10万人   ガザ 1.5万人
アムステルダム 8万人   ソウル 1万人
トロント 8万人   ケープタウン 1万人
ストックホルム 8万人   ベイルート 1万人
オスロ 6万人   マニラ 6千人
シアトル 5.5万人   テルアビブ 数千人
メキシコシティ 5万人   エジプト 2千人

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週刊『前進』(2091号5面3)

自衛官に拒否訴え 2・11 日本原に80人が結集

 2月11日、中四国反戦共同行動委員会は岡山県の日本原現地で、「イラク・北朝鮮侵略戦争阻止、有事立法・改憲阻止、紀元節粉砕、基地撤去」の集会・デモに決起した。広島大学などの学生、中四国各地の労働者など80人が結集した。
 夜来の雨の中、奈義町宮内地区の防衛庁用地を会場に、正午から日本原現地統一集会実行委員会主催で集会が開かれた。冒頭、全国被爆者青年同盟が、昨年暮れに逝去した友野幽委員長の遺志を継ぎ、核と戦争の廃絶、帝国主義の打倒まで闘い抜くと決意を述べた。
 三里塚反対同盟の伊藤信晴さんは、暫定滑走路のオーバーラン事故を激しく弾劾し、「戦争が切迫する中で軍事空港としての完成を目指しての攻撃だ。反対同盟は軍事空港粉砕、戦争反対を貫いて闘う」と闘志あふれる連帯のあいさつ。
 部落解放同盟全国連合会、婦人民主クラブ全国協議会、全国労組交流センター、全学連、岡山反戦共同行動委員会などの決意表明が続いた。最後に日本原現地闘争本部が「全世界でイラク反戦の声が渦巻いている。労働者が戦争協力を拒否し、自衛隊を包囲し、兵士の反乱をつくり出そう。戦争を止めるのはわれわれだ」と訴えた。
 集会後、駐屯地までのデモに移り、駐屯地前で自衛官に「侵略戦争に反対しよう。出兵命令を拒否しよう」と熱烈に訴えた。

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週刊『前進』(2091号6面1)

保安処分新法阻止しよう 衆院採決時の実力決起に続け

 非論理の差別で作る医療観察法案

 保安処分とは、「精神病者」に対して「将来犯罪を犯すかもしれない」という不可能な予測に基づいて、一生を特殊施設に収容することを可能にするという制度である。カナダの研究では「将来犯罪をする」と予測された内の8割は実際には犯罪をしないという報告がある。「健常者」では将来犯罪をするかもしれないという理由による収容があれば大社会問題になるであろうが、「精神病者」に対しては正当化されている。「心神喪失等医療観察法案」はまさに保安処分法である。
 権力の池田小事件を利用した差別分断攻撃は極めて巧みにあくどく行われた。マスコミ、権力は、「保安処分をタブーにしてはならない」という差別キャンペーンをはり、「保安処分反対と言うなら池田小事件を繰り返しても良いのか」という恫喝を人民に加え、新たなタブーを作り出そうとしている。権力とマスコミは意図的にこの犯罪と「医療観察法案」をダブらせ、保安処分をタブーにしてはいけない、今こそ新法が必要であるというキャンペーンを行ってきた。
 T被告の行為自体は正当化できない。しかし、T被告を断罪する中では真実はまったく見えてこない。彼の生育歴を含めて社会の矛盾がああいう形で出たのだということをみる必要がある。彼の人格の形成そのものの中に社会のゆがみが反映されているのだ。子どもの時からの競争社会、人の蹴落としあい、「劣った者」を排除する社会、親子の関係からも、就職してからも人間性を根底的に破壊する社会である。今の社会のなかで人間的であることを維持すること、人間的であろうとするのには大変な努力が必要だ。今の社会は人間性を殺すなかでのみ成り立っている。この社会の根底的変革をこそ事件から教訓化する必要がある。
 権力は、起訴前鑑定ではT被告を分裂病(統合失調症)ではなく「人格障害」だとし、完全責任能力があるとして起訴し、裁判にかけている。権力はT被告を「人格障害」と鑑定することで、保安処分新法が制定されたら「人格障害」も「心神耗(こう)弱」や「心神喪失」だとして、特殊施設に収容することを周到に考えているのだ。「分裂病でなくとも人格障害でも心神耗弱や心神喪失になる」という論理で新法の対象にしたいのだ。そのため新法ではわざわざ制定以前の事件に遡及(そきゅう)適用することができる条文を入れている。
 この遡及性というのは今までの法律にはまったくなかった異常なものである。遡及の禁止は近代刑事法の大原則であり、同法は憲法39条(「同一の犯罪について重ねて刑事上の責任を問はれない」)に対する重大な違反である。
 この遡及は、事件の起こった日にちではなく、判決の日にちが法制定以降であれば新法を適用できるというものだ。いま仮にT被告が「心神耗弱」や「心神喪失」を認められて措置入院となってしまえば新法の適用対象外になる。だからいま、権力はT被告を裁判にかけ、新法成立以後に判決が下るようにしているのだ。新法成立後の判決で「人格障害」ゆえに「心神耗弱」や「心神喪失」であったとすれば新法が適用できる。それが権力の狙っていることなのだ。
 「人格障害」というのは、歴史的に否定された「精神病質」の言い換えである。「健常者」にも、「精神病者」にも貼られるレッテルである。権力はこの「人格障害」概念をさもさもらしく学問づけして、一種の「精神障害」であるかのように宣伝している。明らかに権力は「人格障害」とされた人びとに対する保安処分を狙ってこのような攻撃をかけているのだ。権力は新法の成立をまって、T被告を保安処分に処し、ある種の「いけにえ」とすることで保安処分新法の定着をはかり、一般の「精神病者」や「人格障害」と規定される政治犯などへの拡大に道を開こうとしているのである。実際に、T被告を死刑もしくは超長期投獄とするか、保安処分施設送りとするかは、そのときの権力の判断しだいである。
 われわれは「人格障害」概念に反対し、いっさいの保安処分に反対する。われわれは労働者人民にこの権力の策略を暴いていかなければならない。このきわめて巧妙に仕掛けられた非論理の差別こそが支配階級の狙いとするところなのだ。労働者人民を差別主義・排外主義で戦争に動員する目的を果たすためである。

 「高度な専門的医療」は大ウソ

 また政府・与党は「高度な専門的医療を施すのだから保安処分ではない」というウソを言っている。司法精神医学のプログラムとか、特別な医療などと言われるものは実際にはありえない。国会審議の中では大臣も誰も、どういう中身かは言えなかった。誰もあるとは言えないからこれから研究するなどといっている。そう言いながら、すでに施設建設費などとして37億円が計上されている。施設という結論が先にあり、後から研究するというのである。
 政府は「これから外国に研究者を派遣し研究する。半年、一年かかる」とも言っている。日本中探しても「特別な医療」などあるとは言えないから外国と言っているにすぎない。現実には諸外国では保安処分施設のあるところもうまくいっていない。保安処分についても賛成反対の諸説がある。要するに政府にとって都合のいい説を採用するということに過ぎないのだ。
 一般の精神医療と特殊施設で行われることに差があるとすれば、坂口厚労相の言っている「他害行為の自覚とどんな環境にあっても自らを制御し、感情をコントロールする治療」ということだ。ここで言われているのは矯正そのものである。「病者」が「心神耗弱・喪失」状態で行ったことに対して、理性でそれを正す矯正などありえない。「心神耗弱・喪失」とは無意識なり意識低減状態で行う行為であり、そういう症状の再現をなくすることを目指した医療の対象なのである。これに対して「矯正」とは、刑務所などの矯正施設で行われる「人格のコントロール」ないしは破壊のことである。
 これは「人格障害」の名のもとに「病者」以外の者をも収容し、「矯正」していくという意図でなされている発言である。行き着く先は、懲罰としての電気ショックなどのあげくにロボトミーなどの脳外科手術である。

 一生隔離を主張する司法

 また政府・与党は裁判所が関わることで社会復帰が進むから保安処分ではないという大ウソを言っている。事実は、今まで裁判所がかかわった事件では社会復帰とはまったく逆なことが起こっている。
 今までの判例を見てみると、85年の事件で96年に最高裁判決が出たケースがある。措置入院中の患者が院外集団散歩中に抜け出し、事件を起こした。事件を起こした者は有期の懲役刑となった。被害者から病院側が損害賠償を求められた。院外散歩が医療的には当然の対応であるという鑑定書が出されたが、判決では病院の全面的責任とされた。医療的判断として社会復帰に向けたレールに乗せたことが法律的にはあってはならないこととされた。医療の側は、事件前10カ月程度の期間を取り上げ症状は改善していたことを主張。被疑者には第三者に対して危害を加える恐れはなかったから病院に落ち度はなかったとした。また、事件そのものは「精神病」ゆえのものではなく金に困っての通常の判断力を持った者の犯罪であると主張した。これに対して判決は、10カ月以上前に前科があり犯罪素因を持つ者であったとし、そのような者に対して開放医療を行い、監視をおこたったために事件がおきたのだから病院に責任があるとした。
 医療的判断と法律的判断が真っ向から対立し、医療的判断が全面的に否定された判決であった。(判例時報1444―107及び1594―32)
 また、医療保護入院中の患者が無断離院して事件を起こしたケースで、病院が精福法39条に規定した警察への探索請求義務を行わなかったことが病院の責任であるとされた判例がある。このケースでは、医療保護という家族の同意に基づく強制入院であったが、無断離院したことを警察に通報したのみであり、探索し逮捕することを求めなかった責任を追及されたものである。39条通報では、措置でなくとも、医療保護、任意入院の場合も脱院者の探索と逮捕を警察に求めないといけないとされている。両者の主張の食い違いと司法がどのような立場をとるかがよく分る。
 司法にとって「精神病者」には犯罪素因があり、措置患者であろうが医療保護、任意入院であろうが、「精神病者」を社会の中に出すこと自体が間違いであり、一生隔離し、閉鎖処遇せよと言っているのだ。医療観察法案はハンセン病患者への永年の差別的強制隔離を強いた第二、第三のらい予防法である。

 「精神病者」全体を゛犯罪予備軍゛規定

 法案には「生活環境」が再犯予測の条件の一つとして言われている。貧乏な環境だと罪を犯しやすいというまったくの差別観念である。
 政府が生活環境というとき、悪い環境を是正するという意味とは180度逆の立場、すなわち、悪い環境を生み出している帝国主義の責任を隠蔽(いんぺい)し、いっさいを個人の責任に転嫁し、そういう環境でも犯罪を犯さない保障がなければ一生出さないという意味だ。
 さらに、「生活環境」と「心神耗弱・喪失」がどう結びつくのか、まったく意味不明である。「心神耗弱・喪失」になるのは金持ちであろうが貧乏人であろうが関係ない。「生活環境」からする犯罪というのは、生活苦からくる犯罪ということであり、「心神耗弱・喪失」というのとはまったく違う。「精神病者」の犯罪であれば、それが「心神耗弱・喪失」によるものか、生活上からくるものかは問わないで一生収容するということだ。生活から来る犯罪に対しては、症状からする犯罪ではないのだからいかなる治療もありえない。制裁としての「矯正治療」、治療処分という以外の何ものでもない。
 さらに、制裁としての「矯正治療」であるというのは、「心神耗弱・喪失」に対しての適用の場合にもそうである。「心神耗弱・喪失」であれば犯罪を犯したということに対する自覚がない・不十分であるということである。それを反省がないとして問題にし、刑法で責任を問えない・軽減するとしているのはだめだから、医療という形で責任をとらせるということを意味している。
 これは医療を刑罰・制裁として施すということであり、治療処分、保安処分そのものだ。「障害の改善」と法案は言うが、自分の症状と付き合い生きている人は多い。これは「障害者」であるがままに生きることを否定する論理である。「障害」があるがゆえに「障害者」なのであって、「障害者」である自己を受け入れることが必要なのだ。「障害」は否定すべきものではない。「障害は改善しないといけない」ということを「再犯予防」と結びつけた結果、収容の一生化をもたらす。なぜなら「障害」の改善しない者、すなわち「障害者」は一生収容するということに必然的になるからだ。
 同時になされる精福法25条の改悪により、一般の「精神病者」に対して警察の常時観察・監視が行われることになる。警察官は一般の「精神病者」を監視して不審なことがあれば都道府県知事に通報する義務を負うとなっている。また、与党修正案提案者の塩崎は、5年後の見直しでこの保安処分と措置入院を一体化させると言っている。一般医療と犯罪防止の境目がなくなり、一般医療に犯罪防止という目的が課されることになる。「社会復帰と医療」すなわち精神医療全体が犯罪防止のためのものとなり、社会の見る目も変わる。「精神病者」全体を犯罪予備軍と規定するものであり、文字どおりの保安処分だ。

 阻止共闘渋谷デモから国会闘争へ

 敵の弱点はどこにあるのか。「保安処分ではない」と言わなければならないこと、「再犯予測ではない」と言わなければならないこと、「対象者本人の社会復帰のための医療」と言わなければならないことにある。保安処分であるとした場合の不正義性にまったく参っているということだ。保安処分であること、再犯予測であることを暴き、社会復帰のウソを暴けば勝機は必ずある。池田小事件を使った策略と新たなるタブーを粉砕することは極めて重要になっている。
 衆院採決時の大衆的実力決起に続くことだ。衆院採決時、「病者」を先頭に7人の仲間が決起し、内5人が1時間半の拘束をはねのけ完全黙秘非転向で闘った。この迫力が継続審議に持ち込んだ力だ。そもそもこの法案は対決法案でさえなく、与党は3回の審議で成立させると言っていた。何がここまでの勝利をかちとった力だったか。大衆的実力決起を実現したわれわれの怒りと迫力だ。この迫力が体制翼賛運動の闘争歪曲・破壊策動を跳ね返した力でもあった。動き始めた大衆の決起の中に身を置くことだ。イラク・北朝鮮侵略戦争と有事立法攻撃に対する国際的内乱が開始されている。保安処分新法の攻撃は、これへの恐怖にもとづく治安弾圧攻撃だ。保安処分闘争をイラク反戦闘争と一体で闘おう。03年通常国会における成立をなんとしても阻止しよう。
 3月8日、阻止共闘渋谷デモに総力決起をかちとろう。03年の国会闘争に総決起しよう。
 関西「障害者」解放委員会
 吉村 隆生

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週刊『前進』(2091号6面2)

宮原清同志を追悼する
 闘う教労運動の柱となり革命にかけた情熱の生涯
 革共同教育労働者委員会
 革共同埼玉県委員会

 1月21日午後1時すぎ宮原清同志は、入院先の病院で家族の付きっきりの看病の甲斐(かい)もなく、ついに帰らぬ人となった。
 宮原同志の訃報(ふほう)を聞いた時、体の一部がそがれてしまったようだった。もっと生きてほしかった。色々教えてほしかった。彼もやりたいことがたくさんあったろう。最後の別れの時の顔は、66年の人生を力のすべてを出して生きぬいた澄んだ顔をしていた。彼はもういない。
 宮原同志は、埼玉の教育労働者として闘いぬき、定年退職後「革命家には定年はない」と活動に全力投入した。しかし、2000年末に呼吸機能が悪化し入退院をくりかえす生活を強いられた。その2年3カ月は、病気と闘いながら共産主義者として日々決意をかため活動のできる日を待ち望んでいた。昨年末、見舞いに訪れた時「いよいよわれわれの時代が来た。全力で学習している。早く回復して活動したい」と話していた。病状が悪化して20分〜30分間しか話ができない状態にもかかわらず、彼の精神力、なみなみならぬ決意には驚かされた。
 教育実践記録『からだは太陽のように』(宮原清著、草士社発行)の「あとがき」に次のような文章がある。
 「病弱で過ごした私の小・中・高の数々の思い出は、私の教育への新しい視点を生みだす原動力になった。頭からどうしても教えがちな教育によって、息づまり、かたくなっていた子どもたちが、手・足・目…全身をつかいからだをとうしてみると、からまった糸がほぐれるように、私も目を見張るほどのびのびと学習し始めた。やはりからだがもとだとゆうことを改めて感じた。今の教育では、生きる源としてからだの大切さを忘れられているのではないかということを訴えたかったのです」
 この「訴え」は、単なる教育実践記録ではなくブルジョア教育体制に対する根底的批判であり、教育労働者として、共産主義者として生きぬいた彼の原点を見事に表現したものである。
 宮原同志は1960年、勤評反対闘争と60年安保闘争の真っただ中で教育労働者として出発した。日教組の組合員として職場の仲間とともに連日勤評反対闘争と安保闘争を闘いぬいた。職場闘争を全力で闘い、勤務が終わると小さい体でバイクに乗り、連日職場オルグに駆け回っていた姿が目に浮かぶ。20代にして市教組の委員長となり組合活動にすべてをかけていた。
 その闘いの中で、当時の社会党、共産党日教組指導部を批判し、革命的共産主義運動への参加を決意した。そのなかで日教組−教育労働者運動の指導論文を数多く執筆している。
 そして、65年日韓闘争を闘う組織として反戦青年委員会が各地区につくられる中で地区反戦の先頭に立ち、70年安保・沖縄闘争に多くの青年労働者を組織し闘った。闘争で逮捕・解雇された教育労働者を「支援する会」の代表になり、多くの職場で支援決議をかちとる先頭に立った。
 その後、宮原同志の革命家人生にとって最高の闘い、不滅の闘いを示したのが、80年代、とりわけ85年3大蜂起戦から86年「5・7宣言」体制との激突の渦中を、全国教労委と埼玉県委員会の牽引(けんいん)軸となって闘ったことである。
 宮原同志は、何度も年休をとっては埼玉大学に駆けつけ、三里塚・国鉄決戦への学生の総決起を呼びかけた。また、国鉄分割・民営化攻撃と闘い、埼玉の地で動労総連合結成のために全力で国鉄労働者と連帯して闘った。さらに、権力の弾圧に怒りを燃やし、革命党の非合法・非公然体制を死守するために、最大の英知とエネルギーを傾注して闘いぬいた。
 そして、89年全国労組交流センターの結成に参加、発足と同時に全国運営委員、そして埼玉労組交流センターの代表に就任し、新潮流運動の先頭に立った。
 定年退職した直後、彼は「社会党や共産党によってゆがめられたものではない自己解放性に満ちた本当の教育労働者運動の歴史と総括を書きたい」と話していた。教育労働者運動にあくまでこだわっていたのだ。
 強大な労働者党としての飛躍が求められている時、革命的共産主義者として労働運動ひとすじに生きてきた宮原同志を失ったことは残念でならない。彼の人生、そして革命にかけた彼の情熱に学び、遺志をひきつぎ日本革命の勝利の日まで闘いぬくことを誓う。

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週刊『前進』(2091号6面3)

弾圧と闘う高裁の保釈却下弾劾
 M同志 堂々と無実を宣言

 01年6月12日のM同志不当逮捕から1年8カ月の2月12日、東京高裁第10刑事部須田裁判長は第3次保釈請求に対する東京地裁刑事第2部中谷雄二郎裁判長の2月7日の保釈決定を取り消した。絶対に許すことはできない。
 取り消しの口実は、@被告が無実で政治弾圧だと主張している、A捜査段階から裁判中も完全黙秘している、B証拠が掌紋と筆跡しかないというものだ。こんな口実が許せるか! 要するに戦争突入情勢下では憲法も刑事訴訟法も関係ない、無実で証拠が無くても転向しなければ、長期勾留し保釈しないというのだ。
 M同志は、暖房もない東京拘置所でしもやけになり、喘息(ぜんそく)の発作の兆候もたびたび出ている。東京地裁中谷裁判長は接見禁止を続け、家族や友人、支援者らと面会することも手紙のやりとりもできず、新聞や本も自由に読めない。長期勾留は、裁判所による拷問そのものだ。
 裁判所自ら転向強要を行うという、戦時人質司法への転換を人民の怒りで徹底的に弾劾せよ!
 M同志は、2月6日第24回公判の被告人質問で、「今回の弾圧は百%の政治弾圧だ」とあらためて堂々と無実を宣言した。
 弁護人の質問に答えM同志は、不当逮捕の状況について「01年、都政を革新する会の街頭宣伝の準備のために高円寺駅前を掃除中、警視庁の公安刑事吉田正守ら10数人にむりやり手足を押さえられ、ワゴン車に連れ込まれた。ちょうど候補者のけしば誠一さんが演説する時だった」と怒りをもって弾劾した。
 さらに、今回の弾圧について、「当時、都政を革新する会が区民とともに杉並区による戦争賛美の『つくる会』教科書の採用を阻止したこと。共産党を含めた区議会による、北朝鮮に対する排外主義的な戦争決議を阻止したことがあった。国家権力の狙いは、戦争反対を訴えるけしばさんの都議会当選の妨害であり、その一環として弾圧を強行した」と弾劾した。
 さらに取り調べについて、「42日間300時間以上もの取り調べは、『反戦運動をやめろ』という転向強要だった。特に許せないのは、母親を東京まで呼び出し『親が心配して自殺するぞ』と脅し、手紙を『遺書』と書いた封筒に入れて読み上げたことだ。牧野検事は『高野』という偽名を名乗って『お前がゲリラをやったんだろう』『黙秘を続けていると早く出られないぞ』と違法な取り調べを行った」と弾劾した。
 被告人質問の最後にM同志は、「この弾圧は、9・11以降ブッシュが行っているイラクに対する侵略戦争と一体の弾圧だ。司法の反動化である『司法改革』と同様の治安維持法型の弾圧だ」と訴え、検事側反対尋問と裁判長の尋問に対しては、完全黙秘した。
 地元の仲間や学生、友人で埋め尽くされた傍聴席から、拍手がまきおこった。
 デッチあげは破産した。次回公判の検察論告求刑を粉砕し、無罪判決をかちとろう! 傍聴席を埋め尽くし、M同志を激励しよう!

 第25回公判―検察論告求刑
 3月27日(木)午後1時15分
 東京地裁426号法廷

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週刊『前進』(2091号6面4)

狭山闘争 最高裁に再審迫る 全国連12回大会へ熱気

 2月17日、部落解放同盟全国連合会は、今年最初の狭山再審の実現をめざし、最高裁判所と最高検察庁に対する申し入れ行動を行った。解同全国連の部落大衆と解放共闘の労働者・学生ら約40人が参加した。
 参加者は朝から最高裁、最高検前でビラをまき、午前10時から東京・永田町の星陵会館で決起集会を開いた。冒頭、小森勝重狭山闘争本部事務局長があいさつした。特別抗告審の決定が今春にも予想される重大な局面であることを訴え、この日の要請行動を、いま全世界で大爆発しているイラク反戦闘争と結合し戦闘的に闘おうと呼びかけた。
 全国連中央本部の楠木吉秀事務局長が基調報告を行った。楠木さんは、部落大衆と部落解放運動を取り巻く情勢について語った。同和対策事業の打ち切りと解同本部派の裏切りにより部落差別が激化していること、他方そうした状況下で部落大衆の怒りと決起の気運が盛り上がってきていることを明らかにした。そして「部落の中で大きな変化が始まっている。本部派の裏切りを徹底弾劾し、差別糾弾闘争を軸にして解放運動を構築しよう。その柱として狭山闘争を全力で闘おう」と呼びかけた。
 集会後、デモを闘い、午後1時過ぎから最高裁要請行動を行った。要請団は、無実の石川一雄さんに対する逮捕―取り調べに貫かれる部落差別を徹底糾弾し、万年筆の問題を取り上げて警察による恐るべき証拠のねつ造を暴き、「事実調べ、石川さん本人尋問を行えば、無実は完全に明らかになる。直ちに事実調べを行え」と強く迫った。
 この後、霞が関の最高検察庁に対して、最高検が隠し持っている、積み上げれば2〜3bにもなるという狭山事件の全証拠を開示するよう要求した。
 全国連第12回大会が3月2、3日、伊丹市立文化会館(いたみホール)ほかで開催される。結集し、ともに成功をかちとろう。

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