International Lavor Movement 2013/01/01(No.437 p48)

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2013/01/01発行 No.437

定価 315円(本体価格300円+税)


第437号の目次

表紙の画像

表紙の写真  11・4全国労働者総決起集会後のデモ行進(東京)

■羅針盤 野田・安倍・石原・橋下打倒 記事を読む
■News & Review 日本
 11・4日・韓・米・独国際連帯集会   外注化・非正規職撤廃へ闘いは始まった
記事を読む
■News & Review 韓国
 11・11ソウル、民主労総3万が都心をデモ   動労千葉訪韓団50人が熱い合流かちとる
記事を読む
■News & Review 中国
 中国の末期的危機を示す習近平体制発足   怒りのストライキ・暴動が連日爆発
記事を読む
■特集 国鉄決戦・裁判闘争   外注化阻止、解雇撤回・JR復帰へ全力投入を 記事を読む
●討議資料
 動労千葉 鉄建公団(鉄道建設運輸機構)訴訟第一審6・29判決=東京地裁民事11部(白石哲裁判長)(抜粋)
記事を読む
■Photo News 記事を読む
■世界経済の焦点   日本経済2番底へ   競争力低下し生産・収益で海外依存増す 記事を読む
■世界の労働組合 韓国編   全国言論労働組合 記事を読む
■国際労働運動の暦 1月18、19日   ■1969年東大闘争■
 東大安田講堂死守戦   エリート養成の帝国主義大学解体へ8500人の機動隊と35時間の激闘
記事を読む
■日誌 2012年10月 記事を読む
■編集後記 記事を読む
裏表紙の写真 スペインのゼネスト( 11月14日)

月刊『国際労働運動』(437号1-1)(2013/01/01)

羅針盤

■羅針盤 野田・安倍・石原・橋下打倒

▼日帝・野田政権は11月16日、衆議院解散・総選挙という絶望的なかけに打って出た。だがそれは、支配階級の分裂・抗争を一層激化させ、日帝の危機と統治能力の崩壊をいよいよ促進する。解散・総選挙は、野田・安倍・石原・橋下などの極右勢力が戦争・改憲、原発再稼働、日米安保強化と核武装、道州制、民営化・外注化・非正規職化、さらには増税やTPP(環太平洋経済連携協定)など、新自由主義政策の絶望的凶暴化を競い合う、労働者人民への階級戦争そのものだ。労働者階級は、国鉄決戦と反原発決戦の爆発、階級的労働運動の再生と発展をもって解散・総選挙情勢と全面対決しよう。
▼闘う労働組合と階級的労働運動の復権を高らかに宣言した11・4労働者集会、20万人決起で霞が関・永田町一帯を占拠した11・11反原発闘争、非正規職撤廃へ日韓労働者の固い団結をつくり出した11・10〜11訪韓闘争は、外注化阻止・非正規職撤廃闘争と反原発闘争が相互に強め合いプロレタリア世界革命に進む新たな地平を切り開いた。
▼解散・総選挙には労働者人民の選択肢も未来もまったくない。労働者人民の未来と展望は、11・4集会でかちとった地平、外注化阻止・非正規職撤廃を全産別・全職場で闘い、階級的労働運動を全産別で復権させ、反原発闘争の路線的・運動的な大発展をかちとることの中にある。解散・総選挙で、民主党政権を支える連合の危機もさらに深まり、労働運動の分岐と大流動が一挙に強まる。11・4労働者集会の地平でこの時代に立ち向かい、解散・総選挙情勢と徹底対決しよう。労働者の団結の前進、闘う労働組合の再生で、野田・安倍・石原・橋下ら極右・改憲勢力をぶっ倒そう!

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月刊『国際労働運動』(437号2-1)(2013/01/01)

News&Reviw

■News & Review 日本

11・4日・韓・米・独国際連帯集会

外注化・非正規職撤廃へ闘いは始まった

 □東京・日比谷野音に5800人が大結集

(写真 労働組合復権へ団結ガンバロー=y11月4日 日比谷野音】)

  11月4日、東京・日比谷野外音楽堂で全国労働者総決起集会が5800人の大結集で意気高くかちとられた。動労千葉、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同の呼びかけ3労組を先頭に、全国から闘う労働者・労働組合が大結集した。また韓・米・独と、滞日外国人労働者が多数参加し、大恐慌、新自由主義と対決する国際的な労働者大会となった。
 集会は何よりも、動労千葉・動労水戸を先頭に闘われた10・1JR検修・構内業務外注化阻止決戦の地平の上に、国鉄闘争の勝利と反原発闘争、沖縄闘争の勝利をめざして闘いとられた。
 民営化・非正規職化攻防の渦中にある自治体労働者と医療労働者が司会を務めた。冒頭、呼びかけ団体を代表して関西生コン支部の高英男副委員長がアピールした。「闘うことでしか生きられない時代は、分断を打ち破り団結するチャンス」「労働者が希望を持てる闘いを全国で実現しよう」と呼びかけた。
 続いて連帯のあいさつが行われた。オスプレイの配備強行と米兵の女性暴行事件に怒りが渦巻く中から参加した沖縄行動団を代表し富田晋さんが発言、子どもたちまで不安にさらされている沖縄の状況を激しい怒りを込めて弾劾し、労働運動の力で米軍基地撤去・安保粉砕を闘いとる決意を表明した。
 三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長は農地死守と反戦平和を訴え、憲法と人権の日弁連をめざす会の高山俊吉さんは裁判員制度廃止の11・9最高裁デモへの参加を訴え、「とめよう戦争への道!百万人署名運動」の西川重則さんは「改憲絶対反対」「労働者の国際連帯が戦争を止める」とアピールした。

(写真 福島をはじめとする被災地から反原発・反失業の訴え)

 □国鉄労働者が大挙登壇

 国鉄闘争では、10・1外注化攻撃にストライキと職場闘争で反撃し、団結を守って闘ってきた国鉄(JR)労働者が大挙登壇し発言した。
 動労千葉の田中康宏委員長は冒頭、民主労総ソウル地域本部が動労千葉支援行動をソウルで闘ってくれたことを「生涯忘れません」と感謝した。そして「外注化が強行されて職場には悔しさと怒りがあふれているが、闘いはこれからだ。団結の力で絶対に外注化を粉砕する」と固い決意を述べた。
 続いて動労千葉幕張支部の山田護支部長、動労千葉青年部と動労水戸の青年労働者、国労郡山工場支部の橋本光一さん、動労千葉争議団の中村仁さん、国労闘争団の羽廣憲さん、動労千葉顧問弁護団長の葉山岳夫さん、国鉄闘争全国運動呼びかけ人の伊藤晃さんが、それぞれの立場から外注化・非正規職化阻止、国鉄1047名解雇撤回へ闘う熱い決意を述べた。

 □国際連帯のアピール

 国際連帯アピールでは民主労総ソウル本部の30人の労働者が登壇、イジェウン本部長が外注化・民営化・非正規職化と闘う韓国の闘いを報告し、「労働者が尊重される世の中のために連帯しよう」と呼びかけた。
 続いてアメリカの運輸労働者連帯委員会(TWSC)のスティーブ・ゼルツァーさんが、港湾労働の外注化・組合破壊攻撃と激しく闘うILWU(国際港湾倉庫労組)の3人の労働者とともに登壇した。そして、「労働者と労働組合に対する地球規模の攻撃は、世界の労働者の国際的共同行動でこそ打ち破ることができる」と訴えた。
 ドイツのラーベン・ブロンシュタインさんは、ベルリン都市鉄道民営化反対行動委員会からの連帯メッセージを読み上げ、独日労働者の熱い連帯を表明した。さらにビルマ、スリランカ、クルドなど滞日外国人労働者が多数登壇し、発言した。

 □福島・被災地と連帯

 

「福島・被災地を先頭とした反原発の闘い」では、子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク代表の佐藤幸子さん、福島診療所建設委員会、仙台市職労、元全日本運輸一般労組原子力発電所分会長の斉藤征二さん、NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)の富田翔子事務局次長が発言した。それぞれの発言者が原発再稼働に突き進む日帝・野田政権への怒りを表明し、決意を述べた。
 集会の締めくくりに、全国各地で不当処分・不当解雇、団結破壊と闘う労働者・労働組合と学生が決意表明。大阪市職の青年労働者、大阪市教組の女性労働者、東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会、郵政非正規ユニオン、全学連が力強く決意を語った。
 最後に港合同の中村吉政副委員長が、「混迷する政治情勢の中、われわれ自身が働く者の権利を守り、職場・地域で先頭に立ち、非正規労働者の組織化に向けて奮闘しよう」と、参加者の一層の奮起を呼びかけた。
 集会後、呼びかけ3労組と民主労総を先頭に、組合旗を林立させ、東電本店前から銀座―東京駅前を通り、都心部を戦闘的にデモ行進した。
 集会は、大恐慌下に労働者が団結して闘うことの価値・威力をあらためて実感させた。また東京都当局が11・11反原発闘争での日比谷公園使用禁止を策動している中、それを粉砕する闘いとしてかちとられた。
 労働者の国際連帯で世界革命に勝利する時代が始まったのだ。
 そして11・11反原発闘争は集会・デモの禁圧を打ち破り、福島の怒りに応え、20万人が霞が関を占拠する大闘争となって爆発した。
 (西村泰明)
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(写真 熱い国際連帯の闘いを訴える韓国・民主労総ソウル地域本部の代表団)

 全世界で民営化と激突 国際連帯アピール

 非正規・解雇のない世の中に

 ■韓国から/民主労総ソウル地域本部本部長 イジェウンさん

 非正規職、整理解雇のない世の中、労働が尊重される世の中のために連帯しましょう。福島原発事故以後、大きな苦痛を受けている同志の皆さんに心から慰労と激励の言葉を送ります。
 資本は経済危機を理由に公企業民営化、外注化を推進しています。非正規・低賃金労働者を拡大して、雇用不安の中で失業者を量産して費用負担を労働者民衆に転嫁しようとしているのです。
 通信、ガス、電力、水道、鉄道など公企業部門の民営化・外注化に私たちは反対します。派遣労働者であれ期間制労働者であれパート労働者であれ、どんな非正規職もわれわれは反対します。
 資本と結託したエリート権力が大衆の意志に反する新自由主義的市場経済を押し付け続ける現在の姿を終わらせなければなりません。福島原発事故以後、日本はもちろん全世界的に脱原発闘争が活発に展開されています。人類を滅亡の道に追いやる原子力発電所の稼働と建設に反対します。
 非正規職、整理解雇のない世の中、労働が尊重され、すべての領域で公共性が確保される世の中、核のない世の中のために、国境の壁を崩してともに連帯できたらと思います。
 トゥジェン!

 米軍はアジアから撤退せよ

 ■アメリカから/運輸労働者連帯委員会

 スティーブ・ゼルツァーさん
 日本と同様、アメリカの労働者は民営化・規制緩和、TPPなどの反動攻勢下にあります。
 伊藤忠などが設立した穀物輸出ターミナル(EGT)は、ILWU(国際港湾倉庫労働組合)のハイヤリング・ホールの弱体化に手をつけました。太平洋西海岸の穀物会社は、EGTが強要したのと同じ屈服的協約の締結を策しています。オバマ大統領はワシントン州ロングビューでのいかなるスト・連帯行動も阻止するため、沿岸警備艦を動員しました。
 アメリカの民主・共和両党は、日本の自民・民主両党と同様、郵政、教育、すべての公務の民営化をたくらんでいます。
 沖縄での女性暴行事件は、沖縄人民に対する長きにわたる犯罪の一部です。私たちは沖縄、日本、全アジアからの米軍の撤退を要求します。
 福島で爆発した放射線爆弾は、わが政府と東電、GE、ベクテルなどの企業が造ったのです。
 太平洋をはさむ私たちがこの世界的惨事に打ち勝つために団結すれば、大きな力を持つことができます。言葉ではなく行動です。団結しよう! ガンバロー!

 ダラ幹に抗し民営化に反対

 ■ドイツから/ベルリン都市鉄道民営化反対行動委員会

ラーベン・ブロンシュタインさん
 私たち「ベルリン都市鉄道民営化反対行動委員会」は、民営化の進展によって生活と職場が脅かされる中、これと闘うために、戦闘的で階級意識をもったベルリン都市鉄道の労働者によって、労働組合の枠組みを越えて2011年の年末に結成されました。
 私たちは、経営による攻撃ばかりか、ダラ幹たちの攻撃にもさらされています。私たちの唯一の砦は、仲間の労働者一人ひとりです。
 私たちは、最も厳しい条件のもと生き死にをかけて闘っている労働者のことを考えるべきだと思います。ここで特に私が言いたいのは、ギリシャの仲間のことです。
 世界の労働者の一つひとつの闘いは私たち皆の闘いであるべきです。

 ■滞日・在日外国人労働者の発言

●スリランカ
 今日は労働者が権利のために闘い団結する集会です。日本で働く権利を持たない労働者として、私たちも“一緒に頑張ろう”と参加しています。
 全国で約3千人の仮放免者がいます。人間ならば誰でも働く権利があります。でも日本の入管は“あなたたち仮放免者は人間じゃない”と労働を禁止しています。力を合わせて頑張りましょう。
●ビルマ
 ビルマ人も日本人も世界のみんなが人間です。日本人の問題は私たちの問題であり、ビルマ人の問題は日本人の問題です。いま世界の平和が危ない。だからみんなで平和のために闘いましょう!
●クルド
 21世紀の今もクルドの言葉は禁止です。政府に捕まって刑務所に入れられます。自分の言葉でしゃべり、自分の文化で自由に生きていきたい。
 いまトルコの刑務所内で自由を求め、命がけのハンストを闘っています。今日で55日目です。
 シリアでは200万人以上のクルド人が住む地域にアメリカとトルコが戦争をしています。クルディスタンの独立が怖いからです。誇り高きクルド民族はトルコ政府に絶対に頭を下げません。皆さん、クルドとともに頑張ってもらいたいです。

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月刊『国際労働運動』(437号2-2)(2013/01/01)

News&Reviw

■News & Review 韓国

11・11ソウル、民主労総3万が都心をデモ

動労千葉訪韓団50人が熱い合流かちとる

 □「整理解雇撤廃! 非正規職撤廃!」掲げ

(写真 ソウル駅前に向かってデモする民主労総の闘う労働者。横断幕のスローガンは「整理解雇撤廃! 労組破壊中断! 労働者参政権保障!」【11月11日】)

 

11月11日、「整理解雇撤廃!非正規職撤廃! 組合破壊中断! 労働者参政権保障!」を掲げた韓国民主労総労働者大会がソウル駅前広場で開かれた。動労千葉訪韓団50人は田中康宏委員長を先頭に、民主労総の大部隊とともに大会会場へ向けてのソウル市内デモを貫徹し、闘う韓国労働者との熱い合流をかちとった。大恐慌下で激化する新自由主義攻撃と不屈・非和解に闘う韓国の現場労働者との団結がさらに打ち固められた。
 11月11日午後2時、ソウル清渓川の平和市場前に労働組合の旗を押し立てて労働者が続々と結集してきた。あたり一帯が労組隊列で埋まっていく。チョンテイルの銅像も労働者の人波の中だ。ソウル駅前に向かってデモが出発した。先頭の横断幕に記されたスローガンは、「整理解雇撤廃! 労組破壊中断! 労働者参政権保障!」だ。金属労組の力強い大部隊が先頭を行く。
 蔚山では現代自動車非正規支会の労働者が高空籠城を続けている。第20回チョンテイル労働賞を受賞した金属労組双龍自動車支部は、支部長が長期のハンスト中だ。さらに多くの労働組合が命がけの闘いを続けている。闘う労働者の怒りは激しく、この力が大デモの実現に至ったのだ。まさに民主労総の底力を見せ付けるものだった。
 全国労働者大会は雨をも跳ね返す、3万人の怒りが燃え上がるものだった。双龍自動車支部のハンサンギュン前支部長も舞台に立ち、2009年の双龍自動車工場占拠闘争は負けたわけではないと総括、「双龍の闘いの火花があちこちの現場に広がっている。3年の収監生活で、今の社会こそが大きな監獄だと知った」と語り、団結して闘いぬかなければならないと訴えた。
 大会決議文で「私たちの闘争は労働を越え、時代の良心を明らかにしたチョンテイル烈士の闘争だ」と宣言。さらに▼チョンテイル烈士精神を継承し、反労働、反民衆、反統一政策を粉砕して、労働基本権争奪と労働が尊重される社会建設のために闘う、▼整理解雇撤廃、非正規職正規職化をはじめとする権利の保障、公共部門解雇者の原職復帰のための力強い連帯闘争を行うなどの闘争方針を決議した。
 大会直前の7日、キムヨンフン民主労総委員長が役員直接選挙制延期の責任を取り、辞任。さらに大統領選挙方針をめぐる攻防など、組織的課題を抱えた中で迎えた労働者大会だったが、大恐慌下で資本と闘う現場組合員の怒りが主導する大会となった。
 大会後、動労千葉訪韓団を前に田中委員長が、「改悪された労働法のもとで御用組合がつくられるような困難の中で民主労総は闘っている。この韓国の労働者と団結していけるのかどうか。これが今日の訪韓闘争の課題だった。労働運動なんだから困難が絶対につきまとう。その困難を日本の労働者が職場の闘いで突き破ってみせることが、日韓国際連帯だ。11月労働者集会の課題もここにある」と総括を提起し、「階級的労働運動の復権、民主労総との連帯をかけて団結ガンバロー!」と結んだ。

(写真 「労働者に権利を」のプラカードを掲げソウル駅前広場を埋めた3万人の労働者【11月11日】)

(写真 動労千葉訪韓団が3万人のデモに合流)

 □前夜祭で闘志燃え

 韓国民主労総労働者大会の前夜祭が、11月10日午後7時からソウル駅前広場で開かれた。
 日本での11・4全国労働者総決起集会をともに闘った民主労総ソウル本部のもとに、田中康宏委員長を団長とする動労千葉訪韓団が駆けつけた。50人あまりの訪韓団を前に田中委員長は「日韓労働者が今抱えている困難は同じ。11・4をともに闘ったソウル本部とともに、今度はソウルでともに闘いましょう」と呼びかけた。 
 労働者大会を前に韓国階級闘争は激しい闘いの渦中にある。キムジョンウ支部長のハンストが1カ月を超えた金属労組双龍自動車支部は8日、解雇労働者20人余がヨイドのセヌリ党本部前で集団無期限ハンストに突入した。双龍自動車で強行された整理解雇の真相究明のための国政調査を要求しての闘いだ。9日には、全国学校非正規職労組連帯会議が賃金の予算確保と団体交渉を要求し、全面ストライキに突入した。
 前夜祭では、韓進重工業や双龍自動車、KECなど、今まさに激しい攻防を闘いぬいている労組から闘争報告が行われた。それぞれの労組が趣向をこらした律動や劇を披露した。
 済州島からは、海軍基地建設と闘う住民も参加して発言。原発反対などのアピールもあり、まさに労働者民衆が「同じ困難」と闘いぬいていることが鮮明に突き出された。「非正規職撤廃!」の黄色のゼッケンで登場した動労千葉のもとには、11・4に訪日した同志たちをはじめ、9・27日本大使館前で10・1外注化反対の連帯行動を担った同志たちが続々と駆けつけた。民主労総ソウル本部との日韓連帯は今年で10年、豊かな交流が日韓労働者双方の職場実践の前進につながっていることを物語っていた。

 □動労千葉、座り込みテントを訪問

 11月11日、午後4時からの民主労総大会に先立ち、午後2時にはソウル中心部、清渓川にかかるチョンテイル橋から大会会場のソウル駅前に向けてデモ行進が行われることになっていた。ソウルは前日とはうって変わり、朝から雨模様。
 冷たい雨の中、動労千葉は民主労総ソウル本部の案内で全国事務金融サービス労働組合ゴールデンブリッジ投資証券支部の座り込みテントを激励訪問し、さらにソウル市庁前の双龍自動車焼香所、才能学習誌座り込みテントなどを訪問した。

 □スト200日

 ゴールデンブリッジ投資証券支部のストライキは11月8日で200日を迎えていた。05年にブリッジ証券の大株主だったイギリス系投機資本BIHファンドが韓国から撤収しようと投資資金を回収し、会社清算を画策。これに対し労組が闘い、現会長のイサンジュンと「ブリッジ証券共同買収と経営に関する約定書」を結んで共同経営を約束した。イサンジュンは九老工業団地で労働運動の経験があるなどと自らを売り込んでいた。しかし会長就任後、この約束を守らず、団体協約も一方的に解約する暴挙に出た。しかもこの労組破壊のやり口を伝授していたのが、今や韓国で悪名高い「創造コンサルタント」だったのだ。
 テントに招き入れられた動労千葉の田中委員長は「争議現場に来るといつもお話しすることですが、敵よりも一日長く闘えば勝利できるということです。日本でもみなさんとともに外注化と闘い、非正規職撤廃を闘います」と激励し、団結ハチマキなどを贈った。

 □双龍車焼香所

 

午前11時半、動労千葉訪韓団はソウル市庁前広場に面した徳寿宮の正門、大漢門に集まった。
 その傍らには、09年5月から8月6日まで77日間の工場占拠ストライキを闘いぬいた金属労組双龍自動車支部の焼香所がある。政府・資本による整理解雇と暴力的労組破壊の中で組合員・家族ら22人もの犠牲者(病死、自殺など)が続いているのだ。10月10日から1カ月を超えるハンストを続けているキムジョンウ双龍車支部長のハンスト座り込みテントもここにある。
 動労千葉の田中委員長と組合員が代表して焼香した。まさに「解雇は殺人だ!」であり、「一緒に生きよう!」と呼びかけた整理解雇との闘いは、新自由主義攻撃へのストレートな怒りを束ね、世界の資本家どもを震え上がらせた闘いだった。労働者は死んではならない! 死すべきは資本であり、1%の資本家を生かすために99%を犠牲にしなければ成り立たないこの世界だ!
 民主労総大会で発言に立ったハンサンギュン前双龍車支部長も「(スト直後に逮捕、実刑となり)3年間、収監され、今の社会こそが大きな監獄だと知った」と語り、「今回の大統領選挙闘争では、双龍車支部が整理解雇撤回を掲げて先頭に立つから、民主労総を立て直すために団結しよう」と呼びかけた。
 すでに8日から双龍車解雇者20人が、ヨイドのセヌリ党舎前で無期限ハンストに入っている。要求は、双龍車問題解決のための国政調査を行えというものだ。
 だがなんと大会翌朝5時、数十人の警官隊がセヌリ党舎内で座り込んでいたヤンドンギュ副委員長ら労組幹部4人を退去拒絶で連行するという暴挙におよんだ。組合員らはこのような弾圧には屈しないと、セヌリ党の大統領候補者パククネに戦闘宣言を発している。

(写真 「労働者大統領」の横断幕を持って平和市場前からデモに出るキムソヨン候補【前列右から3人目】)

 □労働者大統領

 11月11日、「整理解雇・非正規職のない世の中労働者大統領選挙闘争本部」は正式に労働者大統領候補としてキムソヨン候補を選出した。キムソヨン候補は「高校卒業後、九老工業団地で20年働き、闘った」生粋の労働者だ。金属労組キリュン電子分会の前分会長であり、ソウル本部が取り組んだ9・27日本大使館前での動労千葉外注化阻止ストライキ支持・連帯行動には、ユフンヒ分会長とともに駆けつけ、弾圧する警察部隊と体を張って闘った一人だ。
 ソヨンさんは「ある者はあなたに政策はあるのかと尋ねたりもする。私たちには多くの政策がある。現代車、双龍車、全撤連、障害者、非正規職闘争の仲間たちの要求と闘いが政策であり、代案だ」と胸を張る。15日には全国非正規職労組の前・現幹部131人が「900万非正規職大統領キムソヨン候補とともに闘う」と宣言。
 共同選対本部長のユミョンジャ才能教育支部長を始め、現代車、起亜車、双龍車、現代ハイスコ、トンヒオート、キリュン電子、学習誌、KBSなど、争議現場を率いる非正規職労組指導部が結集している。
 11月17日には、現代車非正規支会のチョンウィボン事務長、チェビョン解雇者が高空鉄塔籠城を続ける蔚山の現代自動車包囲行動が取り組まれる。鉄道、ガスなど公共部門の民営化攻撃との闘いも切迫している。
 東京とソウル、二つの11月闘争を国際連帯で闘った日韓労働者のスローガンは外注化阻止、非正規職撤廃だ! この道を進もう!
(室田順子)

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月刊『国際労働運動』(437号2-3)(2013/01/01)

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■News & Review 中国

中国の末期的危機を示す習近平体制発足

怒りのストライキ・暴動が連日爆発

 □経済危機、格差極限化 腐敗は「党と国を滅ぼす」

 

11月8日から14日まで開催された中国共産党第18回全国代表大会は、新たな習近平体制をつくったが、それは中国スターリン主義の末期的な危機を象徴し、この政権が近い将来労働者階級人民によって倒される政権にほかならないことを示した。
 中国経済の危機の深まり、バブル経済崩壊の中で連日のように爆発する労働者階級の闘い、そして農民や漁民の反乱のもとで、大会の開催そのものが最初から難航した。
 これらの闘いは、中国スターリン主義の延命のための党内闘争を極限的に激化させ、本来10月に予定されていた大会は11月まで延期となった。激しい党内闘争の結果、中央人事が決まらなかったこと、総書記となる習近平の健康不良があったからであるとされる。
 この二つの事態自身がすでに中国スターリン主義・習近平新体制の危機を象徴している。
 欧州経済危機、さらに対日関係のあつれきの激化は、中国経済を一挙に破局へたたきこもうとしている。さらに中国経済の歪んだ成長は、世界で類例のない格差の激しい社会をつくりだした。
 11月8日の党大会開会日に行われた胡錦濤総書記の「中国の特色を持った社会主義の道を固く堅持して前進し、小康社会の全面的な建設のために奮闘しよう!」と題する報告は、「収入と分配の格差の拡大問題の解決に力を入れ、さらに多くさらに公平に恩恵が全人民に及ぶように発展させ、共同富裕に向けて着実に前進していく」「2020年には国内総生産、および都市と農村の住民の平均収入を2倍にする」とした。
 ここには、崩壊を開始した中国経済、そして極端な格差問題(特に農村と都市の格差)に対する中国スターリン主義の悲鳴がある。
 またこの報告は各所に「社会保障制度の確立」の問題が出てくるが、中国スターリン主義の社会保障制度崩壊への危機感、労働者階級の怒りへの恐怖がある。
 決定的なのは、党官僚の腐敗問題である。この報告では、「この問題(腐敗問題)の解決ができなければ、党に対する致命的な障害となり、党と国を滅ぼすに至る」と、「党と国を滅ぼす」というすさまじい表現でこの問題の深刻さを指摘している。
 中国スターリン主義の危機の深刻さを胡錦濤報告をもとに指摘したが、まさにこの中国共産党第18回大会を根底で規定したものは、中国で陸続と沸き起こる労働者階級の決起であり、それに追いつめられている中国スターリン主義の姿である。

(写真 Appleの受託生産企業・冨士康で暴動が起きた【11月9日 深せん】)

 □世界的受託生産企業・富士康で暴動が発生

 大会が開催された翌日の9日、AppleのiPhoneやiPadなどの受託生産(外注化による生産)を請け負っている富士康(Foxconn)で、また暴動が起きた。場所は広東省の「経済特区」深せん市にある富士康の工場である。
 この日、夜10時に宿舎に戻った労働者が、工場の警備員との間でトラブルとなり、この労働者は殴られて負傷。労働者はこれに怒り、仲間が合流、5千人を超える抗議行動へと発展した。宿舎の入り口の鍵が壊され、工場の入り口の大門と警備所2カ所が破壊され、火を放たれた。アコーディオン式の門は道路上に倒された。多くの施設が破壊され、一面に散らばった。警察隊が導入され、追いつめられた工場責任者と警察の責任者が労働者を説得しようとしたが、午前2時まで暴動は続いたという。
 深せんの労働者の労働環境はとりわけ劣悪だ。深せん市中医院男性科主任・陳徳寧医師の報告によれば、ストレス、栄養不足などから、深せん市で働く農民工男性の7割に精子減少などの異常が起きている(『南方都市報』10月28日)という。また富士康で働く労働者の12・7%が仕事中にめまいを起こして倒れた経験を持っているといわれ、さらに女性労働者の24・1%が月経不順になっている(『ニューヨークタイムズ』11月6日)という。
 暴動が起きた深せんの工場の労働者は、「今、労働者の残業が(法律で)制限されるようになったが、しかし単位時間あたりの生産量はすさまじく増大している。簡単な話で、本来6日でやることを、5日でやらなければならないのだ」と語っている(『ニューヨークタイムズ』同上)。
 さらにiPhone5の発売は、その外注を請け負っている富士康の労働者に滅茶苦茶な労働強化(製品の外装ケースにわずか0・02_の傷があるだけでも不合格という)を要求し、労働者の不満をますます高めている。この件で鄭州でも10月に4千人規模のストライキが起きている。富士康の工場は、高まる労働者の不満、相次ぐ暴動やストライキなど抗議行動の増大の前に警備員を日夜配置し、労働者を監視・管理・統制することで「治安」を保とうとしている。この状況がますます労働者の怒りを高めている。こうした状況の中で、監獄工場への怒りがついに爆発したのだ。

 □共産党大会揺るがした連日のストライキ

 中国共産党第18回全国代表大会は連日の労働者の怒りに包まれて開催された。
 富士康深せん工場で労働者の暴動が起きた同じ9日、広東省東莞市大朗鎮にある毛織物工場では、労働者が未払い賃金の支払いを要求してストライキが始まり、弾圧のために動員された警察官と激突した。11日には広東省深せん市にある儀軍電線ケーブル有限会社が、休日の昼間に秘密裏に工場の機械を運び出して工場を移転し、残業代など賃金の未払いのままに労働者を解雇しようとしたことに対して大抗議闘争が起きている。
 11月1日には、浙江省杭州市の華東家具の工場で不当労働に抗議するストライキが闘われている。また江蘇省南通市では明徳重工労働者が未払い賃金の支払いを求めてストライキに立ち、道路を封鎖した。重慶市においては重慶市万泰グループプロジェクト有限会社の労働者が、やはり未払い賃金の支払いを求めて道路を封鎖してストライキに立った。
 2日には、広州市では中徳電気制御有限会社の労働者が首切りに反対してストライキに立っている。また広東省雲浮市にあるアディダスの工場では労働者が事実上の自主労組をつくって不当労働への抗議のストライキに決起している。4日には広東省東莞市にある虎門白沙創盟電子会社で、突然の倒産に抗議して労働者の闘争が始まり、5日には未払い賃金の支払いを求めてデモに立っている。

 □チベット民族の決死の闘い続く

 労働者の闘いとともに、大会を揺さぶっているのはチベット民族をはじめとする諸民族の闘いだ。大会に至る過程で、民族抑圧に抗議するチベット人の焼身自殺が相次いだ。昨年以降から本年11月13日まで、焼身自殺を図ったのは73人、死亡が確認されたのは59人に上るとされる。自殺者数は、大会直前から大会の過程で増大している。そして9日(深せんの富士康・労働者暴動決起と同日)に、青海省黄南チベット族自治州同仁県で1万人規模の大デモが爆発している。
 中国スターリン主義は労働者への搾取と収奪を強める一方で、そのためにも、諸民族への差別・抑圧政策をますます強めている。こうした中国スターリン主義の民族政策への怒りが、諸民族の労働者階級を先頭とした解放闘争として爆発している。チベット人の大デモと深せん富士康での労働者の暴動は、中国スターリン主義に大打撃を与え、大会を大きく揺さぶった。

 □深刻化する環境問題への怒りの大暴動

 もうひとつが、「改革・開放」政策下の乱開発が生み出した環境破壊に対する労働者・農民・漁民の闘いだ。
 海南省三亜市楽東黎族自治県鶯歌海鎮で、10月13日より住民は鶯歌海鎮政府と漁政局の門の前に集まって入り口を封鎖し、火力発電所建設を阻止する抗議行動を展開した。その数は6千人とも1万人ともいわれる。これに対して18日から19日にかけて動員された武装警官による徹底的な弾圧が行われた。住民に対して催涙弾が打ち込まれ、多数の逮捕者が出た。しかし労働者・漁民を先頭に住民たちはこの弾圧に屈せず、21日の夜には逆に、三亜市政府の建物前に集まり、建設中止を求め徹底的に闘った。
 10月22日からは浙江省寧波市鎮海区の寧波石化経済技術開発区に、人体に有害なパラキシレンを生産する化学工場の建設に抗議して、労働者や漁民がデモに立ち上がった。この開発区には多くの化学工場が乱立している。
 この地域の住民の死因の33・8%がガンであり、このガン死亡率は全国平均を大きく上回り、化学工場が出す有害物質が原因ではないかと指摘されている。連日のデモに対して寧波政府は街に厳戒態勢を敷き、徹底的な弾圧を加えてきた。
 26日にはデモ隊と武装警官が全面激突し、暴動となった。あちこちで警察隊が撃破され、警察車両は破壊された。深夜22時15分にデモ隊は鎮海交通警察大隊の大門を押し倒し中に突入した。警察隊は催涙弾を発射し激突が続いた。
 闘いは27日以降も不屈に継続。28日も早朝から労働者住民は市内の天一広場に集まり数千人がデモ、1万人近くの労働者住民が寧波市政府を取り囲み、市政府に化学工場建設の中止を迫った。
 寧波市政府は、闘争の山場となる27(土)28日(日)に労働者に休日出勤を命じ、さらに学生には大学内の宿舎から外に出ないように通達を出し、外に出た学生は除籍にすると恫喝さえした。
 しかし市政府庁舎は労働者や学生、住民によって日夜取り囲まれ、寧波市政府は28日の夕方に化学工場の建設を中止する決定を公にした。
 中国では、環境問題をめぐる「群体性事件」が05年から平均29%ずつの割合で毎年増加している(中国環境科学学会副理事・楊朝飛)。それだけ「改革・開放」政策、バブル経済の下での環境破壊がすさまじく、中国の労働者の決起が陸続と続いている。
 共産党大会の胡錦濤報告は、「全力でエコロジー文明を建設する」と環境問題に関してわざわざ一章をとっている。ここには資本の乱開発による極限的な環境破壊と、それに対する労働者の闘いに対する恐怖がある。
 労働者階級は、資本と政府による環境破壊によって今や「生きられなく」なっている。環境破壊への中国の労働者の闘いは、フクシマの「生きさせろ」の闘いと一体だ。
 中国共産党第18回大会とその全過程は新たな習近平体制をつくり出したが、この政権は労働者階級の闘いの爆発の中で、破産的な党内闘争を繰り返し、ますます腐敗にまみれながら、労働者階級の闘いに対して絶望的暴力的に襲いかかってくる政権となることを示した。中国スターリン主義を、労働者階級が打倒する過程が本格的に始まった。
 今こそ11月労働者集会の地平を踏み固め、中国の労働者との連帯をかけて、国際連帯闘争を力強く推進していこう!
 (河原善之)

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月刊『国際労働運動』(437号3-1)(2013/01/01)


(写真 10・1外注化阻止決戦を闘いぬいた動労千葉、動労水戸、国労の労働者が登壇し、意気高くアピール【11月4日 日比谷野音】)

特集

■特集 国鉄決戦・裁判闘争

外注化阻止、解雇撤回・JR復帰へ全力投入を

 はじめに

 11・4全国労働者総決起集会は、東京・日比谷野音に5800人の労働者人民を結集し、「労働組合の復権」を高らかに宣言し、闘う労組の組織拡大を推し進めることを誓い合った。同時に、日・韓・米・独の労働者が集い、感動的な国際連帯集会となった。集会を牽引したのは、何よりも外注化阻止・非正規職撤廃、解雇撤回・JR復帰へ全力で闘いぬいている動労千葉を先頭とする国鉄労働者だった。一層深まる大恐慌の下での新自由主義攻撃に具体的に勝利する道を指し示したのである。
 本特集は、第1章で、動労千葉の10・1外注化阻止決戦の現場を描写し、11・4集会と併せ、その意義を明らかにする。第2章では、動労千葉の鉄建公団訴訟での6・29判決を検討し、解雇撤回・JR復帰の展望を示す。第3章では、外注化阻止の第2ステージ、ライフサイクル粉砕などの来春に向けての課題を提起し、全産別での総決起を訴える。

第1章

 T JRを震撼させた外注化闘争――労働組合復権宣言した11・4集会

 “労働運動の歴史に残る闘いやりぬいた”

 「職場には外注化強行への怒り、悔しさが渦巻いています。しかし、闘いはまだ始まったばかりです。動労千葉は、労働運動の歴史に残る闘いをやりぬき、10・1をもって新たな闘いに突入したのです。敵は、団結を破壊することも闘いの意志を打ち砕くこともできなかった。矛盾を抱え、ボロボロになっているのはJR側です。外注化は絶対に許さない。労働者を非正規職に突き落とす卑劣な攻撃は絶対に許さない」(『日刊動労千葉』10・18付)
 JR東日本による10・1検修・構内業務の外注化強行に対して、10月1〜5日の5日間、60時間に及ぶストライキを闘いぬいた動労千葉は、怒りと悔しさをかみしめながらも、誇りと確信に満ちて闘いを総括し、新たな闘いへの突入を宣言している。

 12年間の攻防に勝利

 業務の外注化攻撃が本格的に始まった2000年頃から、すでに12年間も検修・構内業務の外注化を止めてきた。それは並大抵の闘いではなかった。1999年に提案された「シニア制度」は、年金支給開始年齢引き上げに伴い、60歳定年退職後の労働者に再雇用の機会を提供するというものだが、業務の外注化を受け入れることと一体でシニア協定を締結した組合の組合員でなければ、その制度は適用されないという代物だ。
 当然にも、動労千葉は協定の締結を拒否した。泣く泣く動労千葉を脱退する組合員も出たが、断固として動労千葉の一員として闘いぬくという組合員を先頭にその不当性を暴いて闘った。04年に高年齢者雇用安定法が改正されたことにより、このシニア制度は打ち破られ、組合間の差別なく再雇用が可能となった。
 さらに、動労千葉の最大の検修職場の拠点である幕張支部では、本部役員や支部役員が次々と配転されたり、主要な業務から外されたりという組織破壊攻撃が襲った。しかし、逆に組織拡大を実現し、外注化には手を付けさせなかった。
 だが、今年1月27日、京葉車両センターの構内業務を1日勤だけ外注化するという、外注化の既成事実をつくるためだけの攻撃が強行された。
 そういう中で大裏切りに走ったのがJR東労組カクマルだ。6月にJRの外注化提案に対する「修正」提案を出すという形で交渉を始め、今年10月からの全面実施を早々と妥結してしまったのだ。
 だ3節 外注化は新自由主義の核心をなす攻撃だ
 ここで、そもそも外注化とはどういう攻撃なのか、簡単に見ておく。
 業務の外注化(アウトソーシング)とは、大恐慌下、危機に陥った資本主義・帝国主義が、その最後の延命策として繰り出している新自由主義攻撃の核心をなす攻撃だ。労働者を搾取することで利潤を得て肥え太ろうとする資本が、それまでのやり方では自己増殖ができなくなった結果、基幹的な業務をも外注化し、外注先に非正規の労働者を雇い入れさせ、搾取を強めようというのだ。
 アメリカでは、90年代から「外注革命」といわれ、「発展途上国の労働者よりも、非正規社員よりもさらに条件の良い」刑務所の囚人労働者をアウトソーシングの対象とするような事態が進行している(堤未果『貧困大国アメリカU』)が、これは、日本の行き着く先を暗示している。
 日本でも官僚らが外注化推進を叫んでいた。99年に、『アウトソーシングの時代/2010年33兆円市場を拓く事業群』(村上世彰編著)という本が出版された。村上は当時、通産省生活産業局サービス企画官で、後に「村上ファンド」で株のインサイダー取引をやった事件で逮捕された人物である。
 その村上らが言っていることの核心は次の文章である。
 「米国で典型的なアウトソーシングとは、いわゆる『丸投げ』と言われる、フル・アウトソーシングを指す。これは、開発以下の全機能を外部委託するもので、業務のみならず、情報システム部門の人員や機材を含めてアウトソーサーに移してしまう。……結果的に当該部門の全機能を丸投げすることになる」「今後日本経済全体に雇用の流動化が進展し、これまでの日本的慣行が徐々に変容していけば、情報システム部門におけるフル・アウトソーシングの成長も、大いに期待できる」
 まさに今、JRでは、このフル・アウトソーシングが始まったのだ。

 出向から「転籍」に

 JRの外注化の場合、電車の検査・修繕、構内入れ換え業務という基幹的な業務を、その業務を担当していたJRの労働者を含めて丸ごと外注会社に放り投げるというものである。だから、戻れる職場はない。いずれは「出向」から「転籍」となり、非正規職に突き落とされていく。こんな理不尽な攻撃が許せるか!
 外注先の千葉鉄道サービス(CTS)は、これまで列車の清掃業務などしかやったことのない会社だ。検修・構内業務の設備も技能も何もない。管理者を含め、検修・構内業務を行うのは、全員がJRからの出向である。施設、設備も全部JRのものだ。だから、この外注化は、何から何まで完全に偽装請負なのだ。
 CTSは、「プロパー社員(元々その会社で採用される労働者)を雇う」と言っている。動労千葉は、団体交渉で、その労働条件はどうなるのかJRに問い質したが、JRは「CTSが行うことなので答えられない」と回答している。間違いなく超低賃金の非正規雇用となる。そうなれば、技術継承もままならず、まともな検査・修繕はできなくなり、安全は崩壊する。
 したがって、これとの闘いは、反合理化闘争であるとともに安全闘争でもある。「闘いなくして安全なし」という動労千葉の反合・運転保安闘争路線によって打ち砕かなければならないものなのだ。

 新自由主義をはね返す労働組合復権の可能性

 国鉄分割・民営化から始まった新自由主義攻撃の下で労働組合は後退し続けてきた。だが、動労千葉は国鉄分割・民営化に真正面から立ち向かって団結を守り、全面的な外注化を中心とした第2の分割・民営化攻撃にも12年間立ち向かってきた。
 動労千葉の田中康宏委員長は、「こう闘えば新自由主義攻撃をはね返すことができるし、階級的労働運動の復権は可能なんだということを示したかった」と、この間一貫して訴えている。
 労働運動の歴史においては、労働組合は資本や国家が総力をあげて攻撃を加えてきた時、それに立ち向かって団結を守り抜くことができる存在なのか否かが論争の的であり、大概はそんなことは無理だと言われてきた。今回の闘いでも、確かに外注化はやられたが、動労千葉の闘いの意志と団結は打ち砕かれてないし、職場には闘い続ける意欲が満ちている。労働者はそういう力を持っていることをはっきりと示したのだ。

 職場で抵抗貫いてストへ

 

では、今次闘争の具体的展開を振り返ってみる。
 闘いは、8月28日にストに決起し、外注化・強制出向の差し止め訴訟(仮処分)を、動労千葉、動労水戸、動労連帯高崎の60人(その後、5人が出向対象から外れ、55人に)の組合員が原告となって起こしたことから本格的に始まった。
 今回、外注化の対象とされた業務は、仕業検査、交番検査および構内運転業務だ。千葉支社管内では、全体で99人が強制出向の対象となり、うち44人が動労千葉組合員だ。9月12日から出向の事前通知が始まったが、動労千葉はこれに徹底抗戦を貫いた。
 そして、9月24日から実施された教育訓練に対しては、スト突入時間を決めずにストを指令するという戦術をとった。「東労組や国労の組合員に闘っている姿を見せられる闘争をしたい」という現場からの強い要望に基づく方針だったという。
 強制出向対象者は、毎日、教育訓練に乗り込んで行って、他労組の組合員も巻き込んで抗議闘争をやりぬいて、業務命令が出された時点で、「○時○分、ストライキに入ります」と通告し、指名ストに入った。強制出向になる44人は特別な活動家ではない。しかし、「こういう闘いがしたかったんだ」と、全員が完璧にやりきったのだ。

(写真 動労千葉スト突入集会で強制出向者が並び、青年部が感動的な発言【10月1日】)

 10・1から波状的スト

 いよいよ、10月1日を迎えた。当日早朝、動労千葉組合員と動労千葉を支援する会が、幕張車両センターに隣接する幕張本郷駅前に陣取り、幕張支部の組合員を迎え激励し、職場に送り出した。
 この日のスト方針は、いったん職場に乗り込んで、強制出向者を先頭にしてガンガン抗議闘争をやり、正午からストに突入するというものだ。そして、翌日昼までストをやりぬいて、もう一回職場に乗り込んでいって、その翌日から5日の明けまでストライキを貫徹した。
 この波状的なスト方針も、「現場で闘いたい」という支部からの要請に基づくものだったという。実際に、組合員は職場でものすごい闘いを展開した。事前の教育訓練を完全に拒否したままのり込んだため、就業規則や内規の教育や、どの工具がJRのものでどれがCTSのものかと追及したり、制服のサイズが合わないといったことで抗議することから始まった。そもそも、制服が変わるということ自体、JR労働者としての誇りを傷つけるだけでなく、本体に残った組合員と強制出向者を分断する、実に許せないものなのだ。
 組合員が就業規則の1n、内規の1nで3時間も4時間も抗議し、質問をぶつけて抵抗した。CTSの管理者は一言も答えられなくなる。出区が遅れて快速列車が遅れたり、機関車の検査ができなかったりで職場はガタガタになった。こうした闘いを44人全員がやりきり、JRを震撼させたのだ。
(写真 幕張車両センター入り口で、動労千葉各支部と動労千葉を支援する会が幕張支部を激励【10月1日】)

 “借りは倍にして返す”

 1日午後3時、ストに入った組合員がDC会館に集まり、スト突入集会が開催された。会場には、9月27日に韓国・ソウルの日本大使館前で、動労千葉ストへの連帯行動に立ち上がった民主労総ソウル地域本部から贈られた檄布が掲げられた。本当に感動的だった。
 あいさつに立った田中康宏委員長は「出向に出された組合員、JRに残った組合員を分断し、労働組合をつぶし、労働者を非正規に突き落とす。こんなことは絶対に許さない。われわれは闘い続ける。絶対に粉砕し、外注業務をJRに戻す。今日のストは新しい闘いの第一歩だ」と訴えた。
 幕張支部の山田護支部長は「本当に悔しいです。シニア制度で『外注化は認められない』と辞めていった先輩方、『君たちが入れば止められるんだよ』と話して動労千葉に入ってくれた青年部に、申し訳ないと言いたい。絶対にこの借りは倍にして返す」と発言。青年部の代表は「山田支部長が『青年部に申し訳ない』と発言しましたが、まったく後悔していない。外注化は何よりも青年部の問題、これからも青年部が先頭に立ってやっていく」と応じた。

 出向の要件を満たさない

 3日正午を期して第2波ストに突入した。午後には、労働局への抗議・申し入れ行動が闘われた。ここで重要な事実をつかんだ。それは今回の強制出向が出向の4要件を満たしていないということだ。
 4要件とは、@人事交流、A経営状況、B技術移転、C能力開発である。@については、業務委託に伴う出向により今までの業務を行うということであり、労働力の提供にすぎない。Aも、JRは今年3月末の決算で、03年度以降最高の利益を上げており、経営上も業務委託―出向を行う必要がない。Bについては、CTSには、検修・構内業務ができるプロパー社員が1人もおらず、技術を移転しようにも移転できない。Cの能力開発は、プロパー社員がいないことからCTS側での能力開発ができない。労働局側も「今回の出向を今後重大な争点として問題にしていきたい」と言わざるをえなかった。
 4日午後にはスト集約集会がDC会館で開かれた。田中委員長は「出向説明会粉砕の指名スト開始から約2週間、すばらしい闘いをやりぬいた組合員のみなさんに感謝したい。この闘いを通して『絶対に勝てる』という確信をつかんだ。ガタガタになったのはわれわれではなく当局だ」と中間的総括を提起した。

 動労水戸も職場の総反乱つくりだす

 

動労水戸も画期的闘いをやりぬいた。8月24日から4波のストライキに決起し、職場全体の総反乱情勢をつくりだした。特に、出向事前通知に反撃した9月14日のストでは、青年を先頭に次々とスト破りを拒否する事態が生み出された。この過程で、大子支部で東労組から決別した青年が動労水戸に加入したのも画期的成果である。

(写真 11・4労働者集会後のデモ行進で先頭に立つ呼びかけ3労組と海外代表の隊列【11月4日】)

 11・4集会を新たな闘いへの出陣式に

 この動労千葉の感動的な闘いが全国に伝わった中で、11・4労働者総決起集会が開催された(詳細は、本誌2〜5n、『前進』の報道などを読んでほしい)。結集した5800人の多くは、実際に職場で資本や当局と闘う中で組織している労働者たちだ。
 11・4集会は第一に、新自由主義と闘うことを真っ向から宣言し、10・1外注化阻止闘争を引き継ぎ、外注化阻止・非正規職撤廃の第2段階への突入、1047名解雇撤回への出陣式としてかちとられた。特に、外注化と闘った動労千葉、動労水戸、国労などの労働者が登壇したのは圧巻だった。
 第二に、世界大恐慌の深化、戦争と大失業の時代を労働者の国際的団結で世界革命に転化する道筋を示す、日米韓独の画期的な国際連帯集会としてかちとられた。
 第三に、福島の怒りと結合し、反原発闘争をさらに発展させ、原発再稼働阻止、全原発の廃炉へ向かう決意を打ち固めた。
 「私たちがやらなきゃいけないことは、この日本に闘う労働組合の組織拡大を実現することです。一人ひとりが決意を固めればできます。来年はここに集まる数を倍にしましょう。そうしたら歴史が動きます。社会が変わります。われわれの未来をわれわれの手でつかみましょう」(動労千葉・田中委員長)
 この労働組合復権に向けての訴えを共同の決意として、2013年に向かって闘いぬこう!

第2章

 U 動労千葉に「画期的反動判決」――JRの法的責任を実質的に認定

 1047名解雇撤回を目指した裁判闘争

 

外注化阻止決戦の渦中で、動労千葉の鉄建公団訴訟(鉄道建設運輸機構訴訟)の第一審判決が、6月29日、東京地裁民事11部(白石哲裁判長)で出された。(判決の抜粋を29〜35nの討議資料に掲載)
 この訴訟は、動労千葉争議団の高石正博さん、中村仁さん、中村俊六郎さんら9名が、1987年4月1日に強行された国鉄分割・民営化によりJRに不採用となり、国鉄清算事業団からも90年4月1日をもって解雇されたことについて、国鉄ないし国鉄清算事業団が行った解雇は不当労働行為であり無効であるとして、清算事業団を引き継いだ鉄建公団(現・鉄道建設運輸機構)を被告として、雇用契約上の地位確認(解雇撤回)や未払い賃金、慰謝料などを請求して起こした訴訟である。2004年12月に提訴して以来、7年6カ月を経て判決が出された。
 本判決に至る経過については、別表(23n)を参照してほしいが、国鉄分割・民営化反対闘争の中で解雇された1
047名の解雇撤回・原職復帰に向けた闘いの一環として極めて重要な裁判だ。20万人もの首を切った国鉄方式の解雇が吹き荒れようとしている中で、今現在の切迫した問題が問われている裁判なのだ。

(写真 反動判決を弾劾し、シュプレヒコールを上げる動労千葉組合員ら【6月29日 東京地裁前】)

 「解雇は有効」とした反動判決

 この6・29判決は、動労千葉の田中康宏委員長が「画期的反動判決」と表したように、二つの側面を持った判決だ。
 「反動判決」といわれるのは、「清算事業団が原告らに対して行った本件解雇は、合理的な理由があり、有効であると認めるのが相当である」としていることである。
 また、国鉄分割・民営化と国鉄改革法自体が、民営化・労組破壊という新自由主義攻撃を貫徹するために、中曽根らによって強行された国家的不当労働行為であるという、原告側の主張をまったく認めなかったという点でも、超反動判決である。

 不記載基準が不当労働行為だと明確に認定

 他方、「画期的判決」といわれるのは、次の諸点である。
 第一に、87年1月末から2月初めの間に、国鉄職員局次長だった葛西敬之(現・JR東海会長)らの指示により、新会社=JRへの採用候補者の「名簿不記載基準」を策定し、いったん名簿に登載されていた原告9名を含む12名を名簿から削除した国鉄の行為を、明確に不当労働行為と認定したことである。
 この「不採用基準」とは、「国鉄が策定した、『昭和58年〔1983年〕4月以降6か月以上の停職処分又は2回以上の停職処分を受けた者』は承継法人への採用候補者名簿に記載しない」というものだ。
 原告らはいずれも、85年11月28〜29日の分割・民営化反対の第1波ストライキ、86年2月15日の第2波ストライキが公労法(公共企業体等労働関係法)違反であるとして、その指導責任を問われ、停職6カ月、または2回以上の停職処分を受けている。明らかに動労千葉組合員を不採用にするための基準なのだ。
 しかも、「83年4月以降」として、それまでの動労本部カクマルらに対する処分は対象にならないとした点でも、明確な不当労働行為である。
 判決では次のように結論づけている。
 「原告らが承継法人の採用候補者名簿の原案にいったん記載されていたところ、設立委員会への名簿提出期限(昭和62年2月7日)が迫った段階(昭和62年1月末ないし2月初め)になって急遽、本件名簿不記載基準が策定されていること、その策定時期が改革労協側の国鉄当局に対する抗議の姿勢が最高潮に達した時期と概ね一致していること、……国鉄の職制が分割・民営化に反対する労働組合を嫌悪し差別する発言をしていたこと等を総合考慮すれば、国鉄当局としては、いったんは原告らを含む動労千葉所属組合員をも基本的には採用候補者名簿に記載する方向で動いていたにもかかわらず、上記改革労協側の姿勢に触発されるなどして、動労千葉等、分割・民営化に反対する労働組合に属する職員を不当に差別する目的、動機の下に、本件名簿不記載基準を策定したと推認するのが相当である」

 国鉄と鉄道労連が結託

 したがって第二に、この不記載基準が国鉄と鉄道労連(現・JR総連)との結託により策定されたという事実を明確に認定したことである。
 1982年7月に第2臨調が国鉄分割・民営化方針を打ち出すと、動労本部や鉄労などは直ちに、この分割・民営化を積極的に推進する側に回り、86年1月には、「第1次労使共同宣言」を締結した。そして動労本部カクマルによる国労に対する組織破壊攻撃は、国鉄当局と一体となって推進された。さらに、動労、鉄労、全施労、真国労(国労内のカクマルが脱退してつくった組合)の4組合が、86年7月に「改革労協」を結成し、同年8月には、分割・民営化後も「争議権の行使を自粛」するという「第2次労使共同宣言」を締結した。
 そして、改革労協は、87年2月2日に「鉄道労連」の結成大会を行い、「職員の採用にあたっては、改革に努力している職員と努力せず妨害している職員とを区別するのは当然であり、われわれはこのことを強く主張し、具体的な処置を求め、全力をあげて闘う」という特別決議を上げた(なお、この種の大会には従来、国鉄当局が来賓として出席していたが、この日の大会には招待されず、大会後のレセプションに杉浦総裁が参加し、「みなさんの努力に報いる」と発言している)。
 当時、国労などに対するあまりにも激しい組織破壊攻撃により、自ら国鉄を去っていく労働者が予想を超える数となり、東日本、東海、西日本のJR本州3社とJR四国は定員割れになる公算が強くなったため、国鉄当局は、希望者全員を採用する方針をとっていた。実際、国鉄の杉浦総裁は、2月2日の定例記者会見においても、「新会社の希望数が採用予定数を下回っている場合、恣意的に埋めないのは問題がありそうだ」と発言している。これに鉄道労連は猛然と反発し、動労千葉などの首切りを要求して当局を突き上げたのだ。
 また、葛西国鉄職員局次長が、86年5月、動労新幹線各支部三役会議に来賓として出席し、「不当労働行為をやれば法律で禁止されていますので、私は不当労働行為をやらないという時点で、つまり、やらないということはうまくやるということでありまして」と発言したのをはじめとする、国鉄当局の不当労働行為意思を示す言動があった。
 判決は、こうした事実により、国鉄当局と鉄道労連が結託して、不記載基準を策定したことを認定したのである。

 実質的にJRの法的責任を認定した

 第三に、不記載基準の策定がなければ原告はJRに採用されたはずだから、JR職員としての賃金を支払えと命じたことである。
 判決は、「本件名簿不記載基準が策定されなければ、原告らは採用候補者名簿に記載され、その結果、JR東日本に採用されたはずであるといいうるから、上記不法行為に基づく損害として、原告らがJR東日本に採用されたであろうことを前提にした経済的利益(逸失利益)を観念する余地があるということはできる」と言っている。
 国労闘争団の鉄建公団訴訟では、採用されたかもしれない「期待権」を侵害したという理由での慰謝料しか認めていない。だが、今回初めて、JR職員としての賃金支払いが認められたのである。
 しかし、判決は、「バックペイとは性格が異なる」とし、「原告らは労働能力自体を喪失したわけではない」とか「再就職するのに相当と考えられる合理的期間の賃金相当額のみを認めるのが相当」などの理由で、JR職員として働けば得られたであろう賃金と、清算事業団時に得た賃金の差額の3年分に限ったのだ。
 不当労働行為による解雇なら、バックペイとしての賃金を支払えというのが大原則だ。さらに、そもそも、名簿不記載基準が不当労働行為だと言うなら、清算事業団送りも清算事業団からの解雇も無効となるはずなのだ。ところが判決は、解雇無効の訴えを斥けた。ここには明らかに矛盾がある。
 だが、「JR職員としての賃金を払え」とした判決は、実質的にJRの法的責任を認め、「国鉄が不当労働行為をしたとしても、その責任はJRには及ばない」とした国鉄改革法の枠組みを突破したのである。

 闘いを継続した路線的勝利だ

 この反動的だが、同時に画期的意義を持つ判決を、なぜ動労千葉はかちとれたのか。
 それは第一に、2010年の国労本部など4者4団体による「4・9政治和解」に抗して、「国鉄闘争の火を消すな」と国鉄闘争全国運動を呼びかけ、国鉄分割・民営化の過程と、その後に労働者を襲った現実を曖昧にできないという思いで闘いの旗を降ろさず、JRの職場での闘いと結合して闘い続けた路線的勝利だということである。
 それは、動労千葉が分割・民営化に対して、40人の解雇者(28人の公労法解雇と12人のJR不採用)を出しながらも、果敢に85年〜86年の2波のストを闘って以来の闘いの成果でもある。また、動労千葉が、90年の清算事業団解雇が迫る中で国労が社会党などを通じて闘争終結・スト中止に動く中で、90年3月18日の前倒しストを闘って和解策動を打ち破った結果、1047名闘争が始まったたという強い自負があったのである。
 国労が分割・民営化に反対しながらも、ついに一戦も交えることなく組織を切り崩されていったのと対照的に、動労千葉は闘って組織の団結を守りぬいたのだ。
 動労千葉は、この闘いの正義性を裁判においても真っ向から主張した。だから、判決では、動労千葉の分割・民営化ストが「非違行為」であっても、それを理由とした処分に基づく不採用は不当労働行為だと、反論の余地なく断定しているのである。

 「葛西の指示」を暴いた

 第二に、この裁判闘争において、動労千葉と弁護団は、この名簿不記載基準が誰の指示で、いかなる経過で策定されたのかに徹底的にこだわって闘ったことによってかちとられたということである。
 国労闘争団の鉄建公団訴訟判決は、不記載基準について「明確で合理性を有する」と判断しているが、明確なのは分割・民営化に反対する者は不採用、賛成する者は採用ということだけである。
 裁判の当初から、動労千葉と弁護団は、この不記載基準に焦点を当て、不記載基準をつくった葛西の尋問を要求した。しかし、裁判所は葛西の証人採用には絶対に応じなかった。そこでやむなく、国鉄職員局課長補佐として、葛西のもとで名簿作成の実務に当たった伊藤嘉道証人(証言当時、JR高崎支社長)を引き出した。伊藤証人の尋問で、名簿からの削除を指示したのは葛西だったこと、これを受け伊藤職員局課長補佐らが各鉄道管理局に電話で名簿からの削除を指示した事実が明らかになったのである。

 控訴審の勝利へ

 本訴訟の控訴審は12月17日に始まる。
 6・29判決に打撃を受けた鉄道運輸機構は、この判決を覆そうとして、控訴理由書で次のように叫んでいる。
 「新事業体として設立されるJRにおいては、国鉄と同じ轍を踏まないよう職場規律の維持、確立が特に求められていることにかんがみ、JRの採用予定人員枠に余裕があるか否かにかかわらず、職場規律の確立・維持の観点から明らかに不適当な者はJR各社の業務にふさわしい者には当たらないとし、従前国鉄において重い懲戒処分を受けるような非違行為のあった者……は、採用候補者として名簿に記載しないこととした」
 「職場規律確立」のためには、停職処分を受けた動労千葉組合員を排除したのは当然だと居直っているのだ。

 国鉄改革法を打ち破ろう

 勝利をかちとる鍵は、国鉄改革法を打ち破ること、すなわち、JRの法的責任をより明確にさせ、解雇撤回・JR復帰をかちとることである。
 00年の4党合意や10年の4・9政治和解は「JRに法的責任なし」を大前提にしている。だが、JRと国鉄、国鉄を引き継ぐ鉄道建設運輸機構は一体であり、法的責任があることは明白である。
 動労千葉、国労、全動労の労働委員会闘争では、各地労委が「不採用者をJR東日本職員として取り扱え」という命令を出した。しかし、JRが労働委員会命令の取り消しを求めて起こした裁判で、最高裁は03年12月、国鉄改革法を盾に、「国鉄が採用候補者名簿の作成にあたり組合差別をしたとしても、JRは使用者としての不当労働行為の責任を負わない」という不当な判決を確定させた。動労千葉についても、04年10月に最高裁が同様の判決を出した。
 こうした中で、本訴訟は、「鉄道運輸機構職員としての地位を認めろ」という形で闘われた。しかし、6・29判決でJRの法的責任を実質的に認めさせるところまで押し込んだ以上、控訴審では鉄道運輸機構に対し「不当労働行為をしたのだから、原告をJRに採用させる義務があることを認めろ」と迫っていくことになる。
 そのためには、国鉄改革法が、そもそも不当労働行為を強行するための悪法であることを改めて暴かなければならない。国鉄改革法は23条で、JR各社が国鉄職員を採用するにあたって、@JRの設立委員が、国鉄に労働条件や採用基準を提示して募集する、A国鉄が希望者の中から採用候補者を選定し、作成した名簿を設立委員に提出する、BJRは名簿の中から採用する――などを定めている。これによって、JRに不当労働行為責任が及ばない仕組みをつくったのだ。
 葛西ら国鉄職員局に対して「目からウロコが落ち」るような指導助言を与えて、不当差別を可能にする法律を策定するために寄与したのは、葛西自らが「ある国鉄法務課の法律専門家の助言に従った」(『未完の「国鉄改革」』)と語る、84年4月に最高裁調査官から国鉄総裁室法務課調査役として国鉄に出向していた江見弘武だった。
 このように、裁判所も加担して国鉄改革法を作成させた葛西ら国鉄当局や中曽根政権の悪行を改めて暴き出し、国鉄改革法が違憲の悪法であること、そしてまた、この改革法のもとでも、設立委員会に杉浦国鉄総裁が入っていたことなどから、国鉄と設立委員会は一体であり、国鉄とJRは一体なのだということを明確にさせなければならない。
 今、国鉄闘争全国運動の呼びかけ人を一回り拡大した呼びかけ人陣形で、元国労闘争団員らの賛同をも得て、高裁で解雇撤回・JR復帰の判決を求める署名運動が呼びかけられている、この運動を広げ、4・9政治和解により解体された国鉄闘争支援陣形を再組織しよう。

 秋田闘争団・小玉さんに対する極反動判決

 国労秋田闘争団の小玉忠憲さんを原告とする鉄道運輸機構訴訟で、東京高裁民事14部(設楽隆一裁判長)は10月11日、控訴棄却の反動判決を出した。この判決は、6・29判決の内容をことごとく覆した極悪の反動判決だ。
 08年3月に出された一審判決は、国鉄清算事業団による90年4月の解雇を有効とし、損害賠償請求についても、消滅時効を盾に全面的に切り捨てた。
 だが、小玉さんは、動労千葉の場合と同じ「停職6カ月以上または2回以上の停職処分を受けた者は名簿に記載しない」という不記載基準により不採用になったのだから、当然にも不当労働行為と認定されなければならない。
 だが、控訴審判決は、不記載基準について「基準として客観的かつ明確なもの」「相応の合理性がある」とし、「停職処分を2回以上受けるということは重い非違行為を繰り返しているといえるのであるから、これらに該当する者を原則として採用に適さない者とする判断は常識にかなっている」とまで言い放っている。
 だが、小玉さんに対する停職処分は、雪のためわずか数分遅刻したことや、点呼の場で国労脱退を迫る管理者に抗議したことなどを口実とするまったく不当なものだった。
 判決は、処分の不当性を意識して、「処分事由を個別に分断して見れば、一見比較的軽微な非違行為と見られなくもない」と言っている。ところが判決は一転して、「当時の国鉄及びその職場を取り巻く状況をみると、職場規律の乱れがつとに指摘され……規律の順守が厳しく求められる状況にあった」から、厳しい処分も「やむを得ない」と決めつけたのだ。
 判決はまた、損害賠償請求も消滅時効で否定した。ここでも、JR職員としての賃金相当額の損害賠償を命じた6・29判決は覆されている。
 6・29判決やこれまでの国労闘争団の鉄建公団訴訟判決は、「JRに法的責任なし」を確定させた03年12月の最高裁判決までは、JR不採用という不法行為の加害者がJRか国鉄かは判然としなかったとして、鉄道運輸機構側の時効に関する主張を斥けている。ところが、この判決は、国労秋田地本幹部により小玉さんの労働委員会への申し立てが妨げられ不可能とされた事情をあげつらい、権利行使をしていないから、損害賠償請求権は時効で消滅したと決めつけている。
 この反動判決を絶対に打ち破らなければならない。

 国労組合員資格訴訟

 1047名解雇撤回闘争の一環として闘われている裁判として、和解を拒否して闘う4人の国労闘争団員によって提訴されている国労組合員資格確認訴訟がある。
 4・9政治和解を強行した国労本部は、11年7月の第80回全国大会で解雇撤回闘争の終結を宣言し、闘争団員から組合員資格を奪った。この暴挙に対し、11年11月、国労組合員であることの確認を求め、国労本部を相手に訴訟を起こしたものだ。
 資本と闘い、被解雇者を守りぬくことは労働組合の使命だ。ところが国労本部は、「国労は企業内組合だからJRとの雇用関係があることが組合員資格の大前提」「雇用関係が大前提であることは、国鉄時代以来の扱い」という主張を繰り返してきた。
 この裁判は、東京地裁民事11部(白石哲裁判長)で争われているが、9月19日の第5回口頭弁論で、弁護団が国労本部の主張が虚偽であることを徹底的に暴き出した。
 1947年6月に国労が結成された時の規約は、「組合は、国有鉄道職員をもって組織する」となっていた。しかし、国鉄当局による不当解雇との闘いの中で、55年の第14回大会で、「不当解雇をうけた者の組合員資格」の解釈確認をし、56年8月の第15回全国大会で、規約は「組合は、組合員名簿に登録されたものをもって組織する」(規約第5条)と改正された。当時、国鉄労働者に適用された公労法は、「公共企業体の職員でなければ、その公共企業体の職員の組合員又名その役員となることができない」と定め、これを口実に国鉄当局は、被解雇者を役員に据えた国労との団交を拒否するなど、不当な対応をとり続けていた。これに屈することなく、被解雇者を組合員・役員として守りぬく姿勢を示したのが、この規約改正だ。
 しかもそこには、当時の新潟地本が3年がかりで国労本部を突き上げ、規約改正を実現させた現場組合員の闘いの歴史が刻み込まれている。
 国労本部自身が作成した『国労20年史』も、この規約改正を「公労法の枠を破った」として評価しているのだ。
 87年の国鉄分割・民営化=JR移行後初めて開催された大会である第51回全国大会で、「組合員の範囲」は、JR各社および関連会社を「基本とした労働者をもって組織し、組合員名簿に登録された者をいう」と決定された。90年4月の国鉄清算事業団からの解雇を目前にした89年9月の第54回全国大会でも、国労は被解雇者を組合員として守ることを確認している。
 こうした事実を突き出して、弁護団は「これは被告代理人もよく知っている歴史的事実だ」「被告の主張は国労の歴史を偽造するものだ」と断定した。その迫力の前に、宮里邦雄弁護士ら国労弁護団は何の反論もできないところに追い込まれた。
 国労本部は、今や被解雇者を切り捨てることにより、JR資本の手先に完全に転落したのだ。この現実を覆し、本部を打倒して、国労を現場組合員の手に取り戻すために、国労組合員資格確認訴訟は闘いぬかれている。
 これら1047名解雇撤回闘争に関する裁判闘争の勝利へ全力を挙げて闘おう。
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 国鉄1047名解雇撤回闘争の主な経過

1986.11.28 国鉄改革法などが成立
1987.2.2 鉄道労連(現JR総連)結成大会で国労・動労千葉組合員を採用するなと特別決議。
 この頃、国鉄が不記載基準を策定
4.1 国鉄分割・民営化。JR発足
1990.4.1 国鉄清算事業団が1047名を解雇
1998.5.28 東京地裁が「JRに責任なし」の反動判決
2000.5.29 国労本部が4党合意受諾
2001.1.27 機動隊包囲下の国労大会で4党合意を強行決定
2002.1.28 国労闘争団の鉄建公団訴訟始まる
2003.12.22 最高裁が「JRに責任なし」の反動判決を確定
2004.11.30 国労闘争団の鉄道運輸機構訴訟始まる
12.24 動労千葉の鉄建公団訴訟始まる
2005.9.15 鉄建公団訴訟の一審判決
2006.2.16 国労闘争団、動労千葉などが「1047連絡会」結成
9.16 4者4団体、鉄道運輸機構に提出した要求書から解雇撤回の項目を削除し屈服方針を明確化し、動労千葉を排除
2009.12.16 動労千葉鉄建公団訴訟で伊藤嘉道が証言
2010.4.9 4者4団体が政治和解案を受諾
6.13 国鉄闘争全国運動が発足
6.28 4者4団体が最高裁で和解
2011.6.7 和解を拒否した国労闘争団3人の鉄建公団訴訟で最高裁が上告棄却の反動決定
7.2 国労大会で闘争団員の組合員資格剥奪を決定
11.24 国労組合員資格確認訴訟始まる
2012.6.29 動労千葉鉄建公団訴訟の一審判決
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第3章

 V 外注化阻止の第2ステージへ――全産別で非正規職撤廃へ闘おう

 偽装を暴き外注化撤廃へ

 10・1外注化阻止決戦を闘いぬいて、闘いは第2ステージに突入した。検修職場では日々、CTSに強制出向に出された労働者とJR本体に残った労働者が団結して、外注化が偽装請負であることを徹底弾劾して闘っている。また、動労千葉はCTSの労働者も組織しようとしている。何よりも青年労働者の組織拡大が外注化攻撃を粉砕する最大の鍵である。仮処分裁判闘争とも結合して、絶対にこの外注化を撤廃させ、JRに戻すために闘おう。
 この闘いは、現在の労働運動の最大の課題である非正規職撤廃に向けて「非正規化させない」闘いとして、これまでの日本労働運動の常識を根底から覆す意義を持つものである。2013年4月1日にも狙われている、さらなる外注化攻撃を粉砕しよう。

 グループ経営構想X

  JR東日本は10月30日に「グループ経営構想X 〜限りなき前進〜」を発表した。それは、JRになって通算5回目となる経営構想であり、2020年頃までを見据え、経営の基本的方向性と具体的に実行することをまとめたとしている。
 「私たちの出発点」として、第一に「国鉄改革は、私たちの変わらぬ『原点』です」と言い、国鉄分割・民営化の原点である民営化=大合理化、労組破壊を押し貫くことを宣言している。
 そして、「仕事を通じて、社員一人ひとりが成長することが、グループの成長を実現する。そしてさらに活躍の場が広がることにより、社員の一層のチャンスが生まれる。こうした『社員一人ひとりの成長』と『グループの成長』を重ね合わせ、サイクルをまわしていくこと、それが『限りなき前進』です」と言う。
 これは、グループ会社への外注化を一層推進し、労働者の出向から転籍を大規模に進めるということだ。検修業務の外注化は、計画業務の外注化が13年に行われようとしており、その後には機動班や資材・倉庫業務が外注化されようとしている。さらに「本体に残す」としてきた新系列の機能保全業務も「グループ会社に内在化し、インソーシングする」と言っている。これも外注化だ。
 JR東労組カクマルは、「出向に出されても3年間で元職場に必ず復帰できる」「東労組は出向協定があるから戻れるが、動労千葉は戻れない」「外注化はエルダーの雇用の場の確保やグループ会社全体の技術力をあげるためのもの」などのウソとペテンで組合員をだましている。だが、そんなことはいつまでも通用しないのだ。
 さらに、駅業務の外注化を大々的に進めようとしている。すでにグリーンスタッフと称する非正規(契約期間5年)の労働者を大量に雇い止めにし、東日本アクセスなどの子会社に超低賃金で雇い入れ、駅業務の外注化要員として使おうとしている。
 これはまた、「ライフサイクルの深度化」と称して、運転士を駅に強制配転させる攻撃と一体である。13年2月1日にも新たに発令されようとしている。動労千葉には3年前に駅に配転された青年部員がいる。彼を運転士に取り戻すことは必須の闘いである。
 「グループ経営構想X」では、さらに「新たな事業領域への挑戦〜グローバル化〜」と称して、「日本コンサルタンツ梶iJIC)を中心に、海外鉄道コンサルティング事業を積極的に展開します」として、海外鉄道プロジェクトへの参画を、特にアジアを重点に進めるとしている。これは、政府の「新成長戦略」での原発輸出や鉄道輸出の方針に沿って、JR東日本がその先頭に立って侵略政策を推進するということだ。断じて許してはならない。

全産別で反失業・非正規職撤廃へ闘い、革命を!

 日本の労働者に占める非正規雇用労働者の割合は34・5%である(総務省労働力調査、12年7〜9月期)。日本のGDP成長率が7〜9月期にマイナス0・5%(年率換算マイナス3・5%)と3期ぶりにマイナスとなり、大手電機などが軒並み経常収益を下方修正し、大幅な赤字となることを発表している。大恐慌が一層深化しているのだ。この中で、ソニー1万人、NEC1万人、パナソニック3万6千人、シャープ5千人など、次々と人員削減計画を打ち出している。これは08年のリーマン・ショックの時を上回るといわれる。
 民間企業だけではない。自治労の調査によれば、地方自治体の非正規労働者(臨時・非常勤)の割合は27・6%に上っており、推計で60万人に上るという。さらに、大阪市長・橋下は、道州制による360万人公務員労働者の首切りを狙っている。郵政では、日本郵便の非正規社員は22万人で、正社員の21万人を上回る、すさまじい実態である。反失業・非正規職撤廃の闘いが死活的に求められている。この点からも、国鉄1047名解雇撤回闘争に勝利することが決定的だ。
 さらに、解散・総選挙は、野田・民主党の崩壊的危機、安倍・自民党や、「第三極」と称する石原や橋下らの国家主義・排外主義・改憲勢力の跋扈をもたらす。だが、それは労働者階級にとってチャンスの到来だ。
 11・4労働者集会の地平に立って、労働組合を再生させ、国鉄決戦と反原発闘争を軸に日本革命―世界革命の扉を開く時は、まさに今なのだ。
(写真 福島の人々とともに反原発を訴えてデモ行進するNAZENの隊列【11月4日】)

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月刊『国際労働運動』(437号4-1)(2013/01/01)

●討議資料

動労千葉 鉄建公団(鉄道建設運輸機構)訴訟第一審6・29判決=東京地裁民事11部(白石哲裁判長)(抜粋)

主文

1 被告〔鉄道建設・運輸施設支援機構〕は、原告ら〔動労千葉組合員9名〕に対し、それぞれ300万円及びこれに対する平成2年〔1990年〕4月1日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告らのその余の主位的請求をいずれも棄却する。
3 被告は、原告高石正博に対し228万5674円、原告中村仁に対し163万6393円、原告林利明に対し217万9483円、原告相原照二に対し243万6232円、原告江口治男に対し229万1958円、原告中村俊六郎に対し163万4190円及び原告多田正雄に対し127万4840万円並びにこれらの各金員に対する平成2年4月1日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え。〔以下、略〕

事実及び理由

第1 請求〔略〕
第2 事案の概要
1 本件事案の要旨
(1)原告らは、動労千葉の組合員で、国鉄の職員であった。原告らは昭和62年(1987年)4月の国鉄の分割・民営化に伴い設立される承継法人への採用候補者名簿不記載基準(国鉄が策定した、「昭和58年〔1983年〕4月以降6か月以上の停職処分又は2回以上の停職処分を受けた者」は承継法人への採用候補者名簿に記載しないとする基準)に該当するとして、同採用候補者名簿に記載されず、その結果、JR東日本に採用されずに、国鉄の地位を継承した清算事業団の職員となり、再就職促進法に規定する「再就職を必要とする者」に指定された。原告らは平成2年(1990年)3月31日までに再就職せず、清算事業団は、同年4月1日、再就職促進法附則2条による同法の失効に伴い、就業規則22条4号所定の「事務量の減少その他経営上やむを得ない事由が生じた場合」に該当するとして、原告らを解雇した。
(2)本件原告らは、上記名簿不記載基準の策定及び解雇が、動労千葉を嫌悪した国鉄ないし清算事業団による不当労働行為に当たるとして無効であるなどと主張し、清算事業団の地位を承継した被告に対し、主位的請求として、@雇用契約上の地位確認を求めるとともに、A雇用契約に基づく解雇後の賃金請求、B国鉄が上記名簿不記載基準を策定して原告らを清算事業団に配属した行為や、清算事業団が原告らを解雇したことが原告らに対する不法行為に当たるとして、不法行為に基づく各1000万円の慰謝料請求をするとともに、C名誉回復措置(民法723条)として原告らに対する「謝罪文」の交付、D原告らの団結権、人格権に基づく原状回復措置として、被告からJR東日本に対する「要請書」の交付を求めた。そして、原告らは、清算事業団による上記解雇が有効とされて上記の雇用契約上の地位確認請求及び雇用契約に基づく賃金請求が認められなかった場合の予備的請求として、国鉄ないし清算事業団の地位を承継した被告に対し、上記不法行為の結果としてJR東日本への不採用によって被った財産的損害(@JR東日本に採用され定年まで勤務した場合の賃金相当額、A退職金相当額、B年金相当額)の賠償を請求した。〔以下、略〕
第3 当裁判所の判断
1 争点1(本件解雇の効力)について
(1)認定事実〔略〕
(2)認定事実に基づく判断
ア 本件解雇の有効性
〔前略〕国鉄改革法、清算事業団法及び再就職促進法の趣旨、規定に徹すると、国鉄によって承継法人の採用候補者名簿に記載されず採用されなかった者は、国鉄が清算事業団に移行するのに伴ってその職員となり、国鉄の地位を承継した清算事業団との間で従前の雇用契約関係が継続するものの、この雇用契約関係は、再就職促進法により、その効力が存する3年の期間内に再就職の準備をさせ、雇用契約関係終了に向けての準備期間を置くことを目的としたものと解するのが相当である。〔中略〕
 そうすると、再就職促進法の失効という事情が「業務量の減少その他経営上やむを得ない事由が生じた場合」(就業規則22条4号)に当たるとして、清算事業団が原告らに対して行った本件解雇は、合理的な理由があり、有効であると認めるのが相当である。〔以下、略〕
(3)小括
 以上のとおり、本件解雇は有効であると認められるから、本件請求のうち、原告らが被告に対し雇用契約上の地位確認を求めた部分及び雇用契約に基づいて本件解雇後の賃金の支払を請求した部分については、その余の点について判断するまでもなく、理由がない。
2 争点3(国鉄職員ないし清算事業団職員の不法行為の成否)について
(1)認定事実
ア 国鉄の分割・民営化に向けた諸施策の推進とこれに対する動労千葉等の対応〔略〕
イ 第1波スト及び第2波ストの経緯及び原告らに対する懲戒処分等〔略〕
ウ 国鉄の職制等の労働組合に関する発言
ア岡田圭司機械課長発言
 昭和61年〔1986年〕5月当時、国鉄車両機械課長であった岡田圭司は、各機械区所長に宛てた文書中で、「〔前略〕処分歴があっては、どこの企業でも再雇用に対し難色を示すこと。むしろ採用はしない。…従って、自分の現在あるいは将来に対しては、自分自身で主体性を持って決めるべきである。等を心ある一人一人の職員に十分理解させることが必要となります。…イデオロギーの強い職員や話をしても最初から理解しようとしない職員、意識転換にのぞみを託し得ない職員等は、もうあきらめて結構です。いま大切なことは、良い職員をますます良くすること、中間帯で迷っている職員をこちら側に引きずり込むことなのです。そして、良い子、悪い子に職場を2極分化することなのです。」との記載がある。
イ葛西敬之職員局次長発言
 昭和61年5月21日当時、国鉄本社職員局次長であった葛西敬之〔現・JR東海会長〕は、動労新幹線各支部三役会議に来賓として出席し、その席上で「分割・民営化を遅らせれば自然に展望が開けるという理論を展開してる人達がいる。国労の山崎委員長です。…レーガンはカダフィーに一撃を加えました。あれで、国際世論はしばらく動きがとれなくなりました。私は、これから、山崎の腹をブン殴ってやろうとおもっています。みんなを不幸にし、道連れにされないようにやっていかなければならないと思うんでありますが、不当労働行為をやれば法律で禁止されていますので、私は不当労働行為をやらないという時点で、つまり、やらないということはうまくやるということでありまして」と発言した。
エ 国鉄改革関連8法成立以前の国会審議の状況等
 国鉄改革関連8法は、昭和61年11月28日成立したところ、その国会審議等において、次の運輸大臣答弁や附帯決議がされた。
ア橋本運輸大臣の承継法人職員数に関する国会答弁
 昭和61年11月25日の参議院日本国有鉄道特別委員会では、橋本運輸大臣が、委員の質問に答える形で、@設立委員が国鉄を通じて募集する職員数は、本件基本計画に定められた職員数と同数であること、A国鉄が設立委員に提出する採用候補者名簿に登載される人数は、本件基本計画に定められた職員数と同数であること、B設立委員が採用通知を出す職員数も、採用候補者名簿作成後、採用基準から全く外れるような事態が発生、判明するというような例外的な事態がない限り、本件基本計画に定める職員数と同数であることを認めた。
イ国会附帯決議等
 国鉄改革関連8法の成立に当たり、参議院特別委員会では、同年11月28日、政府が国鉄改革関連8法の施行に当たって、「各旅客鉄道会社等における職員の採用基準及び選定方法については、客観的かつ公平なものとするよう配慮するとともに、本人の希望を尊重し、所属労働組合等による差別等が行われないよう特段の留意をすること」との附帯決議がなされた。
オ 設立委員の任命と本件採用基準の決定及び本件基本計画の策定
ア設立準備室の設置等〔略〕
イ設立委員の任命と本件採用基準の提示
 昭和61年12月4日、運輸大臣は、各承継法人の設立委員を任命し、同月11日、各承継法人合同で第1回の設立委員会が開催され、各承継法人の採用基準が決定され、国鉄に示された。これには「昭和61年度末において年齢55歳未満であること」「職務遂行に支障のない健康状態であること」などの他に、「日本国有鉄道の在職中の勤務の状況からみて、当社の業務にふさわしい者であること」という基準(本件採用基準)が設けられ、同基準に関し「勤務の状況については、職務に対する知識技能及び適性、日常の勤務に関する実績等を、日本国有鉄道における既存の資料に基づき、総合的かつ公正に判断すること」とされていた。
ウ本件基本計画の策定
 また、政府は、同月16日、本件基本計画を閣議決定し、この中で各承継法人ごとの職員数については、各承継法人全体で21万5000人、JR東日本で8万9540人とした。
カ 採用候補者名簿作成の経緯等
ア意思確認書の送付及び集約作業等
 a 設立委員から承継法人職員についての採用基準の提示を受けた国鉄は、その採用候補者名簿を作成するため、昭和61年12月24日ころ、全職員に対し、国鉄職員の承継法人採用に関する意思確認書を、承継法人での労働条件を記載した書面とともに配布した。
 b 国鉄において、承継法人の採用候補者の選定や採用候補者名簿作成を担当するのは職員課であったところ、同課は、全国約30の各鉄道管理局に対し、各管理局で管理する職員の意思確認書の集計結果を集約した採用候補者名簿の原案の作成を指示し、同年1月7日までに、そのデータをフロッピーディスクに保存の上、職員課宛てに送付するよう求めた。その後、職員課は、各鉄道管理局に指示し、同年2月上旬ころまでの間、数回にわたって条件を変えた上で採用候補者名簿の原案を作成させ、その都度、その集約作業を行った。
 c 国鉄は、職員課補佐伊藤嘉道名で、昭和62年1月24日、各鉄道管理局の人事担当部長に対し、「名簿記載数の報告について」と題する書面を発して、各承継法人ごとに採用候補者名簿に記載された職員の人数について報告を求めた。この書面中には、以下の記載があった。
「(2)組合種別については、以下による。
@ 国鉄改革労組協
ア 鉄道労働組合 T
イ 国鉄動力車労働組合 D
ウ その他組合
A 共同宣言(第一次)調印組合
・全国鉄道協議会連合会・九州鉄道産業鹿児島労働組合 等
B その他組合
ア 国鉄労働組合 K
イ 全国鉄動力車労働組合連合会 Z
ウ その他組合
・国鉄千葉動力車労働組合・等」
イJR本州各社等での定員割れの事態の発生〔略〕
ウ本件名簿不記載基準の策定と最終的な採用候補者名簿の作成等
 a 職員課では、当初各鉄道管理局から採用候補者名簿の原案を提出させる段階では、本件名簿不記載基準に該当する職員を除外して名簿を作成するよう指示しておらず、この時点では原告らも各鉄道管理局から提出された名簿の原案に記載されていた。
 b そして、JR本州各社及びJR四国においては、各採用希望者が本件基本計画で定められた職員数を大きく下回ることが明らかになった後の昭和61年1月末から2月初めの時期に(2月初めの可能性が高い。)急遽、過去の停職処分を取り上げた本件名簿不記載基準が策定された。〔中略〕
 そして、結局、上記の時期(同年1月末から2月初め)に、上層部の了承も得た葛西職員局次長から職員課の伊藤補佐らに対し、本件名簿不記載基準に基づいて採用候補者名簿を作成せよとの指示が示された。伊藤補佐らは、上記指示を各地方鉄道局に伝えて、本件名簿不記載基準に則った採用候補者名簿を作成した上で、これを電磁情報化したフロッピーディスクの提出を求めた。この本件名簿不記載基準に基づき改めて作成された採用候補者名簿には、本件停職処分を受けている原告らは記載されなかった。
 職員課では、〔中略〕最終的な採用候補者名簿の印刷に1日をかけ、昭和62年2月7日深夜に採用候補者名簿を設立委員会に提出した。
キ 本件名簿不記載基準策定当時の改革労協や国鉄当局の動向等
ア国鉄改革労使協議会でのやりとり(昭和62年1月29日)
 昭和62年1月29日、国労は橋本運輸大臣に対し行った要請行動の際、同大臣は、@国会の附帯決議を尊重すること、A労働処分や管理調書について選別の対象としないという趣旨の回答をした。
 改革労協に属する労働組合側は、このような動きに危機感を募らせ、同日の国鉄改革労使協議会の席上で、「労使共同宣言に基づき、まじめに努力してきた正直者がバカをみるようなことが絶対にあってはならない。」と強く主張した。これに対し、国鉄当局は、「労使共同宣言は労使関係の基本であり、国鉄改革の原動力である。『鉄道労連』が新しい事業体の中核である。」「まじめな者が損することのないよう公平感が維持される必要があり、苦労してきた職員の気持に報いる問題意識は同じ」「第二次労使共同宣言の重要性は、新事業体においても、ますます重要である。共同宣言の精神に則って努力した職員は、当然報われる。」などと述べた。
イ杉浦総裁の記者会見、鉄道労連結成大会(昭和62年2月2日)等
 a 杉浦総裁は、同年2月2日の定例記者会見において、なおも、「新会社の希望数が採用予定数を下回っている場合、恣意的に埋めないのは問題がありそうだ。」と発言した。これまで国鉄の分割・民営化に賛同して国鉄当局の諸施策に協力し、広域異動も受け入れてきた改革労協側は、このような国鉄側の態度に対し、汗も血も流していない国労等の組合と同列に扱われるのは不当であると、猛烈な反発の態度を示した。
 b 改革労協に加盟する鉄労、動労、日鉄労及び鉄道社員労の4組合は、同日、鉄道労連結成大会を開催し、鉄道労連を結成したが、この結成に当たっては、「新会社の採用・配属に関する特別決議」と題する特別決議がなされた。その内容のうち必要部分を抜粋すると、以下のとおりである。
 「去る一月二十八日、希望調書の集計結果が明らかにされた。それによると、希望退職者が予測をはるかに超えて、三万人を突破したことにより、新会社に採用されない者はわずか四千人になったという。このため、本州三会社では、地域により定員割れをきたすといわれている。このことが事実であるとすれば、国鉄改革に反対する不良職員が採用されかねない。しかし、このようなことは許されるものではないし、われわれは断じて許さない。」「新会社は第二次労使共同宣言の趣旨にそって、まじめに努力した者によって担われるべきである。正直者が馬鹿をみるということがあってはならない。特に、われわれの仲間たちが、国鉄改革に意欲と情熱を持って、故郷を離れ、(中略)派遣や広域異動に応じたのに対して、汗も涙も流さぬ不良職員が現地で採用されるなどということは、われわれは絶対には認めない。現に、国労は依然として『民営・分割』に断固反対しており、国鉄改革に敵対する方針のままなのだ。」「職員の採用にあたっては、改革に努力している職員と努力せず妨害している職員とを区別するのは当然であり、われわれはこのことを強く主張し、具体的な処置を求め、全力をあげて闘う。」
 c〔略〕
ク 承継法人の職員採用と不採用者の内訳等
ア採用決定
 昭和62年2月12日、各承継法人合同による第3回の設立委員会会合が開催された。この日、国鉄の作成した採用候補者名簿に基づき、同名簿に記載された者全員の採用を内定した。
 JR東日本については、本件基本計画上の定員数8万9540人であったが、実際の採用内定者は8万4343人に止まり5197人下回った。〔以下、略〕
イ不採用者の内訳等
 結局、JR本州各社において不採用となった者は、合計75名であったが、このうち国労組合員は57名(76・0%)、(同じく分割・民営化に反対する)鉄産労組合員が3名(4・0%)、鉄道労連が全体で3名(4・0%)、動労千葉組合員が原告らを含めて12名(16・0%)であった。〔中略〕
 また、本件名簿不記載基準に該当することにより採用候補者名簿に記載されなかった職員数は、全国で117名いたところ、動労千葉所属組合員で不採用となった上記12名(原告ら9名のほか、林熊吉、角田清明、磯辺哲夫)はいずれも同基準に該当することを理由とするものであり、これは全体の約10・3%と、動労千葉の規模等に比して相当高い比率を占めている。〔以下、略〕
ウ本件名簿不記載基準に該当しながら採用候補者名簿に記載され承継法人に採用された例
 国鉄仙台保線区には、昭和58年9月に児童福祉法・売春防止法・青少年保護条例違反で逮捕され、停職6か月の懲戒処分を受けたにもかかわらず、JR東日本に採用された職員がいる。また、勤務中に同僚との暴力事件を起こした職員、酒気帯び出勤をしたり、勤務中に飲酒をした職員、職員割引証の不正使用をした職員でいずれも停職6か月の処分を受けたにもかかわらず、承継法人に採用された事例がある。
ケ 国鉄の本件名簿不記載基準についての不公表〔略〕
(2)国鉄による原告らの採用候補者名簿不記載に関する不法行為の成否
 上記認定に基づいて、まず国鉄が、本件名簿不記載基準を策定して、原告らをJR東日本の採用候補者名簿に記載しなかったことが、原告らに対する不法行為を構成するかについて判断する。
ア 原告らが所属する動労千葉は、国鉄分割・民営化に断固反対する態度を貫いており、国鉄との間の雇用安定協約の再締結もされず、労使共同宣言の調印にも加わらず、分割・民営化反対を主たるスローガンとしたストライキも行って、原告らを含む動労千葉の組合員らは、公労法18条の解雇を含む多数の処分を受けており、動労千葉と国鉄との間には、対立関係が継続していたことは前記(1)ア、イ〔略〕の各認定事実のとおりである。他方、動労本部など分割・民営化に賛同する労働組合は、広域異動を受け入れ、争議行為の自粛等も宣明するなど、分割・民営化の実現に向けて国鉄に積極的に協力する態度をとっていたもので、国鉄との関係が良好に推移していたことも、前記(1)ア、イ〔略〕のとおりである。
イ 前記認定事実のとおり、昭和61年に国鉄改革関連8法が成立し、本件基本計画により承継法人の職員定数が定められたところ、国鉄では、分割・民営化に先立って募集した希望退職等の応募者が予想外に多かったこともあって、本件基本計画上の職員定数を充たしたのはJR北海道とJR九州のみで、JR東日本を含む本州のJR各社、JR四国及びJR貨物では本件基本計画上の職員定員を下回る人数となった。
 そして、〔中略〕国鉄側も、昭和62年の1月下旬ころまでは、職員希望者数が上記職員定数を下回るJR各社については、採用希望の職員を基本的に採用候補者名簿に記載して採用する方針に傾いていた(少なくとも、一定の範囲の職員を採用候補者名簿に記載しないとの明確な方針は採っていなかった)と窺われる。職員課は、数回にわたって、各鉄道管理局側から採用予定者名簿の原案をフロッピーディスクの形で提出させていたところ、昭和62年1月末ないし2月初めまでは本件名簿不記載基準に該当する職員を除外する旨指示していなかったことも、当時の国鉄当局の方針が、上記のようなものであったことも推認させる事情の1つというべきである。
ウ ところが、そのような中で、同年1月末か2月初めになって本件名簿不記載基準が策定され、同年2月7日には、本件名簿不記載基準に該当する職員を除外した内容の採用候補者名簿が最終的に設立委員会に提出されるに至る。
〔以下、略〕
エ また、この昭和62年1月末ないし同年2月初めという時期は、分割・民営化方針に賛同する改革労協に属する労働組合(動労本部、鉄労等)が、国鉄が(分割・民営化に反対する労働組合の組合員を含めて)採用希望者の全員を採用するという方針を示したとしてこれに猛烈な抗議の姿勢を示し、その抗議の姿勢が最高潮にまで高まった鉄道労連結成大会の時期(同年2月2日)と概ね一致する。被告は、本件訴訟において、このような改革労協や鉄道労連の動向と本件名簿不記載基準の策定との関係を否定するが、本件名簿不記載基準の内容の合理性について言及するものの、同基準策定に至る詳細な経緯について、その「作成時期は、昭和62年1月ころと思われるが(中略)、詳細は不明である。」としか主張せず、この点につき何ら積極的に立証しようともしていない。〔以下、略〕
オ さらに、〔中略〕本件名簿不記載基準は、その内容のみならず存在についても、当時その適用対象者である原告らを含めて関係者に公にされることなく、非公式にそのような基準があることが動労千葉などに知られていたことは認められるが、その存在及び内容が公的に明らかになったのは、分割・民営化の実施の後に国鉄関係者が労働委員会の審問で述べたことによる。〔以下、略〕
カ 以上に加えて、動労千葉は、国鉄の分割・民営化に断固反対し、国鉄当局との対立関係が継続していたところ、国鉄の職制が、公的な場ないし書面中において、しばしば分割・民営化に反対する労働組合を嫌悪し差別する旨の発言を繰り返していたことは前記認定のとおりであり、昭和62年1月下旬に各鉄道管理局の人事担当部長に発せられた前記(1)カアcの書面は、「国鉄改革労組協」、「共同宣言(第一次)調印組合」と「その他組合」とを区別し、符号まで付することにより、分割・民営化に賛同する労働組合とを色分けする体裁になっているのみならず、「その他組合」の例示として、分割・民営化に尖鋭的に反対する動労千葉が名指しで記載されていることからしても、国鉄当局の分割・民営化に反対する労働組合を差別的に扱おうとする意図が疑われる内容になっていること、本件名簿不記載基準の対象となる期間の始期は昭和58年(1983年)4月1日であるところ、同時点において、分割・民営化に賛同するに至っていた動労本部の組合活動に関して処分通告を受けた組合員は存在せず、この点からも分割・民営化に賛同する労働組合の組合員を有利に扱おうとする意図が窺われること、前記(1)クウのとおり、停職6か月の懲戒処分を受けていても承継法人に採用されている例も認められるなど(この中にはいわゆる破廉恥犯を犯した者も存する。)、本件名簿不記載基準については、画一性に適用されたものともいい難く、やや恣意的な面があるとの指摘を否定できない運用がなされているといった事情も認めることができる。
キ 小括
ア以上の諸事情、とりわけ、原告らが承継法人の採用候補者名簿の原案にいったん記載されていたところ、設立委員会への名簿提出期限(昭和62年2月7日)が迫った段階(昭和62年1月末ないし2月初め)になって急遽、本件名簿不記載基準が策定されていること、その策定時期が改革労協側の国鉄当局に対する抗議の姿勢が最高潮に達した時期と概ね一致していること、本件名簿不記載基準の具体的な策定時期、国鉄内部での意思形成過程等の主要な策定経緯について、被告が何ら説得力のある主張、立証をしていないこと、国鉄の職制が分割・民営化に反対する労働組合を嫌悪し差別する発言をしていたこと等を総合考慮すれば、国鉄当局としては、いったんは原告らを含む動労千葉所属組合員をも基本的には採用候補者名簿に記載する方向で動いていた(少なくとも、これを排除する明確な方針をとっていたものではなかった)にもかかわらず、上記改革労協側の姿勢に触発されるなどして、動労千葉等、分割・民営化に反対する労働組合に属する職員を不当に差別する目的、動機の下に、本件名簿不記載基準を策定したと推認するのが相当である。
イ〔被告が主張する、「動労千葉の行ったストに参画した原告らの責任が重い」としても〕しかしながら、前記のとおり国鉄当局は、いったんはJR東日本を含むJR本州各社及びJR四国については、採用希望者を基本的に採用候補者名簿に記載する方針を採っていたこと(少なくとも、一定の範囲の者を同名簿に不記載とする明確な方針は採っていなかったこと)が窺われ、現実に、本件名簿不記載基準が策定される昭和62年1月末ないし同年2月初めまでは、第1波スト及び第2波ストに関与した原告らについても採用候補者名簿に記載されていたのに、急遽、本件名簿不記載基準を策定して、原告らを最終的に採用候補者名簿に記載しなかったことに照らすと、当時、国鉄当局が、承継法人への採用に関しては、原告らの非違行為をどの程度重く見ていたかについては疑義もあるところであり、原告らの行為の悪質性を現時点において強調しても、不当労働行為意思に基づき採用候補者名簿に記載しなかったとする前記認定を左右するものではない。
 よって、被告の上記主張を採用することはできない。
ウ国鉄が上記のような不当な目的、動機に基づいて本件名簿不記載基準を策定したことは、本件採用基準を解釈・運用する立場にある国鉄に与えられた裁量権の逸脱ないし濫用に当たるというべきであって、このような本件名簿不記載基準を策定して、原告らをJR東日本の採用候補者名簿に記載しなかったことは、原告らに対する不法行為を構成すると認定するのが相当である。
(3)(4)〔略〕
3 争点6(消滅時効の成否)について〔「被告の消滅時効の主張は理由がない」と斥けている=略〕
4 争点5(原告らの被った被害及びその額)について
(1)賃金相当損害金(逸失利益)について
ア 原告らは、国鉄が本件名簿不記載基準を策定し原告らをJR東日本の採用候補者名簿に記載しなかったという不法行為により、原告らは承継法人における定年まで賃金等全額を得ることができなかったもので、退職手当、年金等を含めた得べかりし賃金等の額全額が損害に当たると主張する。なるほど、前記認定事実からすれば、本件名簿不記載基準が策定されなければ、原告らは採用候補者名簿に記載され、その結果、JR東日本に採用されたはずであるといいうるから、上記不法行為に基づく損害として、原告らがJR東日本に採用されたであろうことを前提にした経済的利益(逸失利益)を観念する余地があるということはできる。
 しかしながら、不法行為に基づく損害賠償請求権と、雇用契約関係の存続を前提としたいわゆるバックペイ(無効な解雇後の賃金)の請求権とは、もとよりその性質が異なるものであり、前者については当該不法行為と相当因果関係のある範囲で賠償の対象とされるところ、上記不法行為の実質は、原告らに対する国鉄によるJR東日本への採用妨害行為というべきものであって、原告らが労働能力を喪失したわけではなく〔中略〕、上記不法行為と相当因果関係のある損害としては、原告らが他に再就職する可能性を念頭に置いて、一般的、客観的見地から再就職するのに相当と考えられる合理的期間の賃金相当額のみを認めるのが相当であると解される。
 そこで、本件においてどの程度をもって合理的期間と認められるかについて検討するに、前記のとおり、再就職促進法は、移行日から3年内にすべての再就職促進措置対象職員の再就職が達成されるような内容のものとして定められるべきであると定め(14条3項)、現に、昭和62年4月1日現在7628名いた再就職未内定者の大半が、平成2年(1990年)4月1日までに再就職し、同日現在上記未内定者の数が1034名(再就職内定者を併せた職員数は1047名)にまで減少していること、当時の社会情勢や、当時の原告らの年齢等からしても、3年という期間が再就職に要する期間として十分なものといえることに照らすと、上記合理的期間としては、3年間と認めるのが相当である。したがって、上記3年分の賃金相当額に限られるというべきである。〔以下、略〕
イ 以上を前提にして、原告高石、同中村仁、同林、同相原、同江口、同中村俊六郎及び多田について、清算事業団在職中の収入を損益相殺して、上記期間中の逸失利益を算定すると、以下のとおりとなる。〔略、主文のとおり〕
(2)慰謝料について
 次に、原告らの慰謝料額を検討する。
 国鉄による本件名簿不記載基準の策定は、設立委員会へ採用候補者名簿を提出する直前に急遽策定されたもので、その結果、原告らはJR東日本に採用されなかったものであり、不採用となった当時、原告らに対しその不採用の具体的理由すら明らかにされなかったことは前述説示のとおりである。原告らが、長年国鉄に勤務を継続しており、その職場に愛着を有していたのは想像に難くないこと、他方で、原告らは、第1波スト、第2波ストという動労千葉による公労法違反のストライキに関与しているもので、そのこと自体は否定的に評価せざるを得ないこと、その他の諸般の事情を総合的に考慮して、前記財産的損害とは別に国鉄による前記不法行為による慰謝料としては、原告塩崎及び同伊藤(同原告ら2名は経済的損害について請求していない。)を含めて、一律に各300万円と認めるのが相当である。〔以下、略〕

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月刊『国際労働運動』(437号5-1)(2013/01/01)

Photo News

■Photo News

 ●南ヨーロッパ・ゼネスト

 (写真@)

 (写真A)

 

11月14日、ヨーロッパ労働組合連盟(ETUC)の呼びかけで、スペイン、ポルトガル、イタリア、ギリシャなど23カ国40労組ナショナルセンターが参加する緊縮プラン・増税反対の全ヨーロッパ規模の画歴史的大ゼネストとデモが行われ、1000万人を超える労働者が怒りの声を上げた。24時間ストに突入したスペインでは、2大労組の労働者委員会(CCOO)と労働総同盟(UGT)の呼びかけで、自動車、エネルギー、造船、建設部門のほとんどの労働者がストに決起した。民営化が予定されている学校、病院でも、ほとんどの労働者がストに突入。2大労組の発表によれば、900万人がゼネストに参加した。マドリードでは35万人、バルセロナ(写真@)では100万人以上がデモに立ち上がった。マドリード、バルセロナ、バレンシアでは機動隊と激突した。
 最大労組の労働総同盟(CGTP)の呼びかけで、この8カ月の間に2度目の24時間ゼネストに突入したポルトガルでは、通勤列車やリスボンの地下鉄も停止した。空の便も200便(いつもの半分の便)が運航を停止。清掃労働者や、病院労働者もストに突入した。デモは全国40の都市で行われ、リスボン(写真A)では機動隊とデモ隊が衝突した。
 イタリアでは、ナショナルセンターのひとつが4時間ストを呼びかけ、鉄道などの輸送機関がストップした。ミラノ(写真B)、ローマ(写真C)などいくつかの都市で数万人の学生と労働者が機動隊と激突。各地で大規模デモが行われた。ベルギーでは24時間の鉄道ストが行われた。ブリュッセル、ロンドン、パリを結ぶ高速鉄道網もストで大混乱に陥った。フランスでは、労働総同盟(CGT)など5つのナショナルセンターの呼びかけで、100カ所以上でデモが行われた。このゼネストはヨーロッパの労働者の新自由主義政策に対する激しい怒りが極限に達していることを示した。

 (写真B)

 (写真C)

 ●インドのマルチ・スズキの労働者、再び決起

 11月7日早朝から8日夜まで、マルチ・スズキの労働者たちは、7月18日の暴動の際に、会社の経営陣の1人を殺害したとデッチあげられて逮捕された149人の労働者の釈放を要求して、地方裁判所の前でハンストと座り込み闘争を貫徹した(写真DE)。この獄中労働者との連帯行動には、他の工場などからやってきた支援の労働者1000人を含め、3000人以上が集まり、抗議集会をかちとった。この抗議集会には、解雇された546人の正規労働者と、2000人の非正規労働者や実習生も参加した。獄中でもマルチ・スズキ労働組合の全執行委員を含む149人の労働者全員も2日間のハンストを貫徹した。組合執行部が全員逮捕されているなかで、労働者たちは屈服することなく臨時執行委員会を立ち上げ、不死鳥のごとく立ち上がったのだ。この闘いは、全インドの労働者たちに限りない勇気を与え、マルチ・スズキの労働者への支援の声明が次々と送られている。日本の労働者もマルチ・スズキの労働者と連帯して、新自由主義との闘いに決起しよう。

 ●化学工場建設反対で、中国・寧波で数千人の暴動

 中国・浙江省寧波市の石化経済技術開発区に韓国資本のゴム工場が建設されようとしていることに対し、10月26日、数千人の暴動が起きた(写真F)。野放図な環境汚染による住民の健康被害の拡大に反対する労働者、漁民、住民たちは22日から連日のデモに立ち上がった(写真G)。労働者たちは警察の弾圧を跳ね返して闘いを継続している。

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月刊『国際労働運動』(437号6-1)(2013/01/01)

世界経済の焦点

■世界経済の焦点

日本経済2番底へ

競争力低下し生産・収益で海外依存増す

 □慌の歯止め全滅 4月から生産下降

 日本経済は諸統計から見て、4月から実体経済が再び下降に転じ、「2番底」に向かいはじめた。実体経済を最も反映する鉱工業生産では、4〜6月期、7〜9月期とすでに2期連続で低下している。日本経済は07年夏からの世界大恐慌下で、08年9月のリーマン・ショックによる生産の急低下、11年3・11東日本大震災による再度の低下をへて、大きく三度目の下降局面に入ったのだ。3・11後の低下が大震災といういわば「経済外要因」による短期間だったことから考えると、今回の下降こそ〈底しれぬ2番底〉への転落と見てまちがいなかろう。
 今回の実体経済の下降の直接要因は、@欧州・中国など海外経済の減速による輸出の減退にある。EU向けはすでに11年10月から減少しつづけていたが、最大の輸出先である中国向け輸出も12年6月から減少が続いている。恐慌下の米経済に加えた欧州恐慌の激化→電機など中国・アジアから欧州向け輸出の鈍化→日本の中国・アジア向けの素材・部品の輸出の減退、という構図で日本の輸出減少となっている。
 A国内的にも、11年末からの再度のエコカー補助金(普通車1台で10万円)が9月下旬に終了し、景気刺激策が息切れしてきた。野田政権は「復興予算」に加えて、10月末には事業規模7500億円の新たな経済対策を決めたが、浮揚効果は限られている。深刻な財政危機にあるため、本格的な財政発動ができない。金融面では、日銀が10月と11月と異例の2カ月連続の追加金融緩和策に踏み切った。国債などを買い入れる基金を11兆円上積みし、総額91兆円とする内容だ。しかし、すでに市場には低金利の資金があり余っており、企業・家計の借り入れ需要も乏しい。
 日本の銀行の6月末の融資残高は395兆円で、ピークの96年5月から約140兆円も減っている。深刻な過剰資本状態が続いているため、日銀が資金を供給しても銀行融資増や設備投資増につながらない。また、円高対策として金融緩和で金利を引き下げて円売りを誘導しようとの狙いもあるが、すでにゼロ金利状態なので為替戦争での敗勢も巻き返せない。
 このように、国外的には欧州恐慌と中国バブル崩壊という世界大恐慌の進展、国内的には財政・金融両面での恐慌対策のカンフル切れと新たな恐慌対策の困難さが、実体経済を再び下降させているのだ。しかも13年に入ると、「財政の崖」による米経済の新たな危機の爆発もが加わってくる。大恐慌下で日本経済が浮揚し得る要因は、今や国内外すべて失われつつある。世界大恐慌が本番を迎える中で、日本経済こそ最も深刻な危機に陥ろうとしている。

 □非正規職化したのにTVと半導体で敗退

 こうした状況下、日本経済の大きな構造的変化が進んでいる。一つは、日本資本の国際競争力の低下が急激に露呈しはじめた。
 何よりも電機産業が、液晶テレビと半導体という中心的事業で敗退してしまった。とくにシャープは液晶テレビで世界トップを走っていたが、11年と12年のわずか2年間ほどで韓国・中国の低価格製品にシェアを奪われてしまった。このため12年3月、EMS(電子機器の受託製造サービス)で世界最大手の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業と資本提携し、ホンハイが筆頭株主となることが決まった(ホンハイの工場は中国にあり、悪名高きフォックスコンだ!)。しかし、その後シャープの株価が暴落したため、ホンハイ側が消極的になっており、他の“身売り先”を探さなければならない状況になっている。
 また、ルネサスエレクトロニクス(日立製作所・三菱電機・NECの半導体事業の統合)は、車や家電を制御するマイコンで世界首位だが、デジタル家電に搭載する高機能半導体であるシステムLSIが不振で、7期連続の赤字が続いている。このため、約5500人の早期退職募集や国内19工場の売却・閉鎖などの大規模なリストラを強行している。それでも生き残れず、11月には産業革新機構が1500億円を投じて買収し、事実上国有化することが決まった。
 さらに電気自動車でも充電の規格を巡って、先行していたトヨタが米・独企業に国際標準で敗れて孤立する可能性も出てきている。要は、日本の基幹産業である自動車と電機が総崩れしかねない危機にあるのだ。戦後日本経済史の中で、こんなことは初めてだ。90年代初めからのバブル崩壊、大手銀行の破綻続出の97〜98年恐慌、リーマン・ショック後の生産低下(半年間での32%減)など危機の連続だったと言えるが、まだ国際競争力を保っていた。しかし、その肝心要がついに崩れているのだ。これを〈脱落帝国主義〉と言わないでなんと言おうか!
 こうした事態を受け、12年春から電機・半導体など大手製造業の国内工場の閉鎖や縮小などが相次ぎ、リーマン・ショック後に次ぐ第2波の大量首切りが続いている。日本の資本家階級は、80年代・90年代のアジアへの生産拠点の移設から、2000年前後には投資の「国内回帰」に転じ、非正規職・低賃金での国内生産を拡大してきた。労働者には「国際競争に勝つためだからがまんしろ」と言いながら、好き放題に非正規化と賃下げを強行してきた。にもかかわらず、その結果は国際競争での敗退だ。ところが、首切り・賃下げという形で、そのつけをまたも労働者に押しつけてきているのだ。
 これが非正規職化の結果、新自由主義の実態である。80年代の国鉄分割・民営化以来、「官より民」と言ってさんざん持ち上げてきた「民」が、このざまなのだ。完全に破産しているではないか! それをまた労働者への犠牲転嫁で生き延びようとすることなど、許されるはずがない。労働者が生きていくためには、こんな資本主義社会は絶対に終わらせなければならないのだ。

 □TPP参加を画策 改憲・戦争に動く

 構造的変化の第二は、日本資本が海外生産・海外収益への依存度を一段と高めていることである。
 日本資本は80年代後半以降、海外直接投資によって生産拠点を国外にシフトさせてきた。この結果、06年からは自動車の海外生産台数が国内生産台数を上回り、主要890社の営業利益でも08年度から海外部門が50%を超えた。これに伴い海外子会社などから受け取る配当収益が増え、国際収支でも貿易黒字より所得収支黒字(投資収益など)の方が圧倒的に多くなってきていた。
 生産・利益での海外依存は大恐慌下で、特に対アジアで一段と進んでいる。製造業の主要30社の生産設備の内外比率(12年3月末時点)を見ると、25社が1年前より海外資産の比率を高め、うち6社は海外が国内を上回る内外逆転となった。この6社にはトヨタ、日産が含まれる。また利益面でも11年3月期決算では、上場企業の営業利益の実に7割もが海外での稼ぎとなった。自動車主要6社の12年3月期決算では、海外の新興国だけで国内外利益全体の62%にも及んだ。日本の基幹産業である自動車は今や、アジアなど海外を最大の資本蓄積基盤とするまでに変化したのだ。さらには、大手コンビニエンスストアの海外店舗数が12年度に5万を超え、中小を含む国内の総店舗数を逆転する見込みだ。うち8割近くが韓国・中国などアジアである。
 日帝はこれほど海外依存を強めているからこそ、日米争闘戦の激化とアジアを巡る勢力圏争いでの敗勢に焦り、なんとか挽回しようと必死になっている。米帝主導のTPP(環太平洋経済連携協定)に参加しようと画策しつつ、インフラ(社会的資本基盤)輸出によって独自の勢力圏化への布石を打とうともしている。何よりも日米同盟を強化して改憲・戦争の政策を一段と強めつつ、核武装化の核燃料サイクル政策を推進しようとあがいているのだ。

 □財政の若干の揺れで日本国債暴落も

 第三に、財政面では国債消化が限界に達しつつある。日本国債への信用がわずかでも崩れれば、国家財政がギリシャ以上に大破産するだけでなく、国債漬けになっている大手銀行の経営も総破綻し、財政・金融の共倒れにならざるをえない。
 @金融緩和に伴って日銀による国債保有が増え、ついに日銀の保有する長期国債残高が、銀行券=お札の発行残高を年内に上回る見込みだ。これまでは、日銀の国債保有額を銀行券の発行残高以下に抑える「ルール」を取ってきたが、その一線すら越えた。実質上の国債の日銀引き受けが進んでいるのだ。
 A6月末の国内銀行の国債保有残高は616兆円と過去最高で、残高に占める割合も66・5%となった。大手銀行は値上がりした国債を売る「益出し」で利益を稼いできた結果、保有国債の簿価が高くなっている。このため金利が1・09%という水準を上回っただけで、大手銀の保有国債に含み損が生じるという。“金利が1%上がれば”という話ではなく、“銀行の損益分岐点金利がなんと1%強”という異常事態になっているのだ。だから、日本国債の格下げのような事態にならなくても、財政政策を巡るほんのささいな出来事ですら金利を上昇させ、日本国債と銀行経営を直撃せざるを得ない。これは重大な変化だ。
 B12年4〜6月期には、海外勢が購入した日本の長期国債は約5・9兆円と、約5・8兆円購入の国内金融機関を上回った。海外投資家が保有する日本国債残高は6月末で81・6兆円と過去最高に上り、中国の保有が最も多い。
 要するに、実質的に日銀が国債を引き受けているにもかかわらず、海外勢による売りを機にして日本国債が急落すると、国家財政も大手銀行経営もすべて崩壊しかねないという危機的状態なのだ。野田政権が14年4月からの消費税増税方針を強行したのも、これほど切羽つまっているからだ。しかし、この増税方針が国会を通ったにもかかわらず、14年4月までに財政政策の若干の動揺で日本国債が急落してしまえば、万事休すである。そのとたん、日帝は政治危機に陥り、日本の階級闘争が一挙にギリシャを超える様相へと突入するのは必至だ。
 こういう危機を迎えているからこそ日帝は、一方でJRを始めとする外注化・非正規化攻撃と「40歳定年」を掲げた総非正規化攻撃、他方で改憲・戦争政策と原発再稼働の急展開にしゃにむに突っ込んできているのだ。大恐慌の本格化と日本経済の破滅的危機、そのもとでの大失業と戦争の一層の現実化は、労働者階級にとっては革命的情勢がいよいよ到来することを意味する。〈国鉄・原発〉で日本帝国主義を打倒しよう。勝利の展望は労働者人民の側にこそある。
 (島崎光晴)

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月刊『国際労働運動』(437号7-1)(2013/01/01)

世界の労働組合

■世界の労働組合 韓国編

全国言論労働組合

 

「われわれは言論の社会的責任と役割を深く認識し、公正報道を妨げる権力と資本の横暴に対し、編集・編成権をかちとるための民主言論防衛闘争に立ち上がる」――民主労総傘下の全国言論労働組合(言論労組)は、綱領のトップに掲げられたこの言葉が示すように、経済闘争はもとより、政治闘争を不可欠の柱とする労働組合だ。
 言論労組は、全国の新聞、放送、出版、印刷などメディア産業で働く労働者による単一の産別労組として、125の企業別労組を結集して2000年11月24日に創立された。2007年2月時点の組合員数は1万7438名。

■言論労組の歴史的意義

 言論労組の結成に至る過程は、日本帝国主義による朝鮮植民地支配、第2次世界大戦後の帝国主義とスターリン主義による南北分断体制、そのもとでの韓国の軍事独裁政権と国家保安法体制という、朝鮮半島の近現代史と密接に関係している。その過程を、韓国を代表する日刊紙「朝鮮日報」と「東亜日報」の在り方を通して概観してみよう。
 日帝による朝鮮植民地支配の時期、民族ブルジョアジーが中心となって創刊された両紙は、日帝の民族抹殺政策に抵抗しつつも、民族解放の武装闘争を非難し、天皇を称揚するなど本質においては人民に敵対していた。それでも日帝の言論統制により1940年に廃刊に追い込まれた両紙は、朝鮮解放の数カ月後に米軍政の支援を受けて復刊する。その後、李承晩、朴正煕と続く軍事独裁政権のもと、東亜日報が民主化を求める論陣を張り政権から圧力を受ける一方、朝鮮日報は1980年5月の光州民衆蜂起を暴徒によるものであるかのように報じた。その後、韓国の労働者階級は、1987年6月の民主化闘争および7、8月労働者大闘争を経てそれまでの韓国労総による支配を打ち破り民主的な労働組合を続々と結成するが、その前に立ちはだかったのが、労働者大闘争を否定的に報じ、労働者の決起を押しとどめようとする朝鮮日報や東亜日報など既成のメディアだった。
 つまり韓国の労働者階級は、光州民衆蜂起と民主化闘争を経る中で、民族ブルジョアジーの支配する「言論権力」との闘いの死活性を痛感するのであり、それは、民主化闘争の中で掲げられた「言論の自由」の内容を階級的に深めてゆく過程であり、本質的には、それまでの反日米帝・反独裁闘争から、それをも含むところの真の労働者階級解放闘争への飛躍の過程であった。
 87年労働者大闘争の直後、10月と11月に韓国日報労組と東亜日報労組が結成され、翌88年11月にはそれらマスコミ各労組の上部組織として全国言論労働組合連盟(言論労連。言論労組の前身)が結成された。「労働者としての団結よりも所属会社の職員としての自らの利益と自社の体面にのみ固執してきた自社利己主義こそが、われわれ言論労働者全員の公敵であることを確認し、この打破に向けた自己解放の闘いを展開する」と言論労連の決議文(89年1月)がうたっているように、マスコミで働く労働者が「言論労働者」として立ち上がったことの意義は大きい。
 その後、95年に発足した民主労総の初代委員長にソウル新聞の記者出身で言論労連初代委員長を務めた権永吉氏が選ばれたことは、言論労働者の闘いの位置を物語っている。

■権力によるマスコミ支配との闘い

 「MBCは労営放送」――これは、公営放送局であり労組の力の強いMBC(文化放送)に対する資本家階級の悲鳴だ。
 言論労組とその傘下本部・支部は、言論労連時代も含めて、資本と国家権力によるマスコミ支配との闘いをその運動の柱に据えてきた。盧泰愚政権の息のかかった社長の辞任を求めるKBS労組スト(90年)、「民主放送法実現連帯ゼネスト(99年)、「新聞改革実現闘争」(2001年)、放送関連7法改正案(新聞社による放送局支配を認める内容)反対ゼネスト(08年)等。
 そして2012年前半、言論労組MBC本部は、李明博政権の息のかかった社長の辞任を求めて170日に及ぶストを貫徹した。この闘いの中で、KBS本部とYTN支部もそれぞれ天下り社長退陣、懲戒撤回、解雇者復職、公正放送実現などを掲げてストに入り、3月には史上初の3社共同ストが実現した(KBSのストは史上最長を記録)。
 2008年4月に李明博政権が米国産牛肉輸入制限の撤廃を表明したことに対しMBCがBSEの危険性を告発する番組を放映し、それが6月の100万ロウソク集会へとつながった経緯があることから、資本と政権はMBCのあり方に激しい憎悪を抱き、番組担当者を弾圧し、さらには同局の民営化を狙っている。メディアの支配権をめぐる労働者階級と資本家階級の争奪戦だ。
 テレビ局の労働者がストに入ると、おなじみのアナウンサーが出演しなかったり、人気ドラマが中断されたりと、その影響力は大きい。しかしそれだけに労働者階級民衆の感動を呼び、支持は大きい。マスコミ労働者の決起が韓国階級闘争全体の起爆剤となることは歴史が証明している。

(写真 社長退陣を求めてスト集会を行うMBC労組員【12年1月】)

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月刊『国際労働運動』(437号8-1)(2013/01/01)

国際労働運動の暦

■国際労働運動の暦 1月18、19日

■1969年東大闘争■

東大安田講堂死守戦

エリート養成の帝国主義大学解体へ8500人の機動隊と35時間の激闘

 

東大闘争は、70年安保・沖縄闘争と一体的に大爆発し、とりわけ69年1・18〜19の安田講堂死守戦は、全労働者人民に巨大な衝撃を与え、支配階級を震撼させる歴史的な闘いだった。
 発端は、東大医学部のインターン制度に代わる登録医制度に対する医学部学生の無期限ストライキだ。これに対する当局の不当処分への怒りが東大全学に広がり、6月東大のシンボルである安田講堂を占拠する闘いに発展、当局が機動隊を導入する暴挙に出てきたことを契機に非和解的激突となっていった。
 そもそも東京大学とは、日本帝国主義の支配階級エリート、高級官僚の養成機関であり、最大の権威主義的組織である。労働者人民の上に特権的に君臨している帝国主義大学のあり方自体に怒りは高まっていった。「こんな大学つぶれてもいい」という革命的な精神が強まっていった。
 それは折しも空前の爆発を遂げていた日大闘争が突き動かしたものでもあった。10万人のマンモス大学で、学生の自由が徹底的に抑圧されていた日大で、日大当局の腐敗の露呈をきっかけに闘いは全学的に爆発し、「大学破壊の思想」を大衆的に広めるものとなっていった。この日大闘争と結合して、東大闘争は徹底的に戦闘的に発展した。
 東大全共闘の闘いは、処分撤回、機動隊導入の自己批判など7項目要求を掲げて闘われたが、それは話し合い解決路線ではなく、徹底的に非和解的な闘いだった。ついに1月18日、権力との実力対決に発展した。
 東大本郷の安田講堂を中心に法学部研究室、工学部列品館などを占拠し、封鎖解除を狙う日帝権力・機動隊8500人、空からと地上からの催涙ガス・放水の攻撃に対し火炎瓶・投石で闘い抜いた。18日早朝から19日夕刻まで35時間にわたる死闘戦だった。東大生だけでなく、中核派を始め全国の戦闘的学生がこの闘いを全国大学闘争の天王山ととらえ、はせ参じ徹底抗戦した。9日から19日まで11日間の戦闘で980人が逮捕され、550人以上が起訴された。
●日共とカクマルの役割
 安田砦死守戦の前段は、連日の日本共産党の武装襲撃との激突だった。彼らは東大闘争の戦闘的爆発に恐怖し、これを粉砕するために、大学当局にすすんで協力したばかりか、機動隊には決して向けることのない角材や鉄パイプや投石機を全共闘に向け、再三にわたって襲いかかった。それは宮本顕治書記長(当時)の指導のもとに遂行された。だが、この攻撃を打ち返して、安田砦死守戦に突入したことで、彼らのもくろみは打ち砕かれた。スターリン主義が武装反革命であることを暴き、これを打ち破ったことは、世界の革命運動史上で画期的なことである。
 安田砦死守戦においてもう一つ特記すべきことは、カクマルの敵前逃亡である。彼らは決戦前夜の17日、受け持ちの法文2号館から逃亡し、機動隊の安田砦攻略の拠点として明け渡した。彼らの反革命的本性はすべての闘う労働者学生の共通認識となった。
●70年安保沖縄闘争開く
 労働者階級にとって、東大闘争とは何だったか。職場において、資本の重圧と職制支配に苦しみ、これを補完する同盟ダラ幹、あるいは民同支配のもとで闘いの方向を求めて苦闘する労働者に、東大闘争は巨大な激励を与えた。東大闘争は、資本家階級との非和解性を鮮烈に示し、権力万能神話を打ち砕き、闘いの方向性を身をもって示すものだった。労働者を抑圧する支配機構を支える中枢としての東大を破壊するという革命的な闘いに反戦青年委員会を始めとする労働者は奮い立った。「大学を安保粉砕・日帝打倒の砦に」のスローガンのもと、その後の69〜71年の安保・沖縄闘争の大高揚は、まさに東大闘争の中から切り開かれたのだ。
 また、大学闘争自体も、69〜72年にかけて全国百数十校で激しく闘われた。
 この日本の大学闘争は、当時、米仏など全世界で大爆発していた学生の闘いに呼応し連帯した闘いだった。

(写真 35時間にわたり闘われた東大安田講堂死守戦【1996年1月】)

東大闘争日誌 1968〜69年

1.29 東大医学部、登録医制度に反対し無期限ストに突入
3.11 東大、医学部学生17人処分
6.15 安田講堂占拠
6.17 機動隊導入して学生排除
7. 2 安田講堂、再びバリケード封鎖
7. 5 東大闘争全学共闘会議結成
10.12 全学無期限スト突入
11. 1 大河内総長以下全学部長が辞任
11.12 日共・民青が襲撃
11.22 本郷で東大・日大闘争勝利全国学生総決起大会、日大全共闘など2万人
12. 2 当局提案「東大改革の基本的態度」
12.29 坂田文相と加藤総長代行が会談
1. 9〜11 日共が全共闘に対し武装襲撃
1.10 民青などが「東大7学部学生集会」
1.15 全共闘、万余の集会
1.16 東大当局、警視庁に封鎖撤去要請
1.18〜19 機動隊との35時間の死闘戦
1.20 佐藤内閣、東大入試の中止を決定

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月刊『国際労働運動』(437号9-1)(2013/01/01)

日誌

■日誌 2012年10月

1〜5日千葉 動労千葉 外注化に怒りの決起
JR東日本は、検修・構内業務の外注化を強行した。動労千葉はこの暴挙に怒りを爆発させ、一糸乱れぬ団結で強力なストライキを打ち抜いた
1日埼玉 動労連帯高崎 籠原派出で当局追及
動労連帯高崎は、高崎車両センター籠原派出で外注化阻止へ当局に対する追及行動に立ち上がった
1日茨城 JR水戸、外注化強行に青年の怒り
動労水戸は、外注化を必ず粉砕できる確信をもち、勝利者として10月1日に突入した
1日宮城 集団疎開裁判「仙台アクション」
「ふくしま集団疎開裁判」の審尋(審理)が仙台高裁で行われ、「仙台アクション」が行われた
5日東京 首相官邸・国会前で反原発行動
「大間原発建設やめろ!」「福島の子どもたちを救え!」と抗議行動を行った
5日神奈川 11・4への1千人動員へ神奈川集会
5日東京 北部・西部で地域連帯集会
5日東京 東部集会を意気高くかちとる
5〜6日東京 法大で文化連盟・全学連の闘争
5日昼休み、「国際文化学部3年・武田君への処分阻止、学祭規制撤廃」を掲げて、当該学生を先頭にキャンパス中央で集会をかちとった
6日東京 郵政労働者東京集会開く
7日千葉 三里塚市東さんの農地実力で守る
三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する三里塚全国総決起集会が開かれ、全国から970人の労働者・農民・学生・市民が駆けつけた
9日東京 仮放免者の会 東京入管に向けデモ
外国人登録証返納期限の日、仮放免者の会主催の東京入管デモが120人で闘いぬかれた
9日埼玉 ジェコー解雇撤回裁判が結審
さいたま地裁熊谷支部(栗田健一裁判長)で、トヨタ系部品メーカー・ジェコー期間従業員不当解雇事件の裁判(第1次訴訟)が開かれた
10日東京 大間を止めろ、電源開発本社に抗議
電源開発本社に対し、緊急抗議行動が行われた
10日徳島 星野同志と面会求め徳島刑務所行動
星野文昭さん面会行動が徳島刑務所で行われ、東京から妻の星野暁子さんと、郵政非正規ユニオンの齋藤裕介委員長が面会に臨んだ
11日東京 鉄道運輸機構訴訟で反動判決
鉄道運輸機構訴訟に、東京高裁第14民事部(設楽隆一裁判長)は、控訴棄却の反動判決を出した
12日東京 首相官邸前で大間建設やめろ
「大間造るな!」「大間やめろ!」。大勢の人々が激しいコールを何度も繰り返した
12日宮城 田中動労千葉委員長迎え集会
仙台で11・4に向け国鉄・反原発・復興特区と闘う労働運動をつくろうの集会に70人が結集した
13日広島 労働者総決起集会に60人
広島連帯ユニオン主催の広島労働者総決起集会に60人が参加し大成功をおさめた
13日東京 11・4集会の第3回実行委員会開く
動労千葉の外注化阻止闘争、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部の組織拡大闘争の教訓など11・4集会の巨大な可能性が示された
13日東京  さようなら原発in日比谷
さようなら原発集会in日比谷が日比谷野外音楽堂に6500人を集めて行われた
13日北海道 1万2千人がさようなら原発集会
札幌の大通公園に全国から1万2千人結集
14日秋田 11日の極悪反動判決に怒り決起集会
国鉄決戦・反原発集会とデモがかちとられた
14日千葉 首都圏青年労働者集会開く
首都圏青年労働者集会は、JR先頭に全産別から外注化阻止・非正規職撤廃・解雇撤回の青年労働者の総反乱を開始する集会として圧倒的にかちとられた
14日三重 四日市駅前で東海合同労組が街宣
15日千葉 市東さん農地裁判開く
三里塚芝山連合空港反対同盟と支援は、農地裁判での千葉地裁民事第3部、多見谷寿郎裁判長によるテレビ会議方式での証人尋問強行に対して、千葉市内デモを貫徹し、午後からの法廷に臨んだ
18日東京 星野再審へ高裁包囲デモ闘う
40人が日比谷公園霞門に集まり、異議審開始以来3回目の東京高裁包囲デモを闘った
18日東京 米山さん控訴審 解雇容認の判決弾劾
東京高裁第2民事部(大橋寛明裁判長)は、「日の丸・君が代」強制に反対して戒告処分を受け、非常勤教員(定年退職後の講師の職)合格を取り消された米山良江さんに控訴棄却の反動判決
18日埼玉 ショーワ、中労委の棄却決定弾劾
中央労働委員会は一般合同労働組合さいたまユニオンが申し立てたショーワ不当労働行為事件に対して、再審査申し立てを棄却した
18〜19日東京 JP労組中央委へ情宣に立つ
JP労組第10回中央委員会に対し、労組交流センターなどの仲間は情宣行動に立ち上がった
19日東京 法大1000人集会かちとる
昼休みのチャイムと同時に学内に文化連盟ののぼりが立ち、当局の処分策動と闘う武田雄飛丸君(国際文化学部3年)が渾身の訴えを行った。法大当局の暴力に対し学内外で怒りが大爆発、広場は1千人の法大生で埋めつくされた
19日福島 県庁前で「怒りの広場」緊急行動
福島市の椎名千恵子さんが呼びかけた福島県庁前の緊急行動「怒りのひろば」が取り組まれた
19日福島 首相官邸前と呼応する現地行動
午後6時、「福島駅前で声をあげよう」行動がJR福島駅東口で行われた。郡山駅前でも
19日東京 首相官邸・国会前に数万人
法大解放総決起集会を打ち抜いた法政大学文化連盟と全国の闘う学生が大結集した
19日東京 共謀罪・秘密保全法新設策動に警鐘
日本橋公会堂で「共謀罪国会上程阻止!一切の治安立法を許すな!総決起集会」が開かれた
19日青森 基地も原発もいらない三八集会
八戸市で「基地も原発もいらない!青森・三八労働者集会」が開催され、105人が結集した
20日青森 三沢基地前で兵士に訴え
NAZEN青森などは三沢基地ゲート前で労働者・兵士にオスプレイ沖縄配備反対を訴えた
21日北海道 成田さん迎え労働者総決起集会
国労旭川闘争団の成田さんを迎え札幌市内で北海道労働者総決起集会が開催された
21日愛知 東海労働者総決起集会開く
東京西部ユニオン・鈴木コンクリート工業分会の鈴木善弘さんを迎えて東海労働者集会が名古屋市教育館で開催された
21日富山 北陸労働者集会開く
富山市内で11・4集会への総決起を誓う北陸労働者集会が北陸ユニオンの主催で開催された
21日東京 11・4訴え新宿大街宣
東京労組交流センター主催で60人が結集して新宿大街宣が闘われた
20〜21日青森 大間原発工事再開弾劾しデモ
NAZEN青森などの仲間は、20日午後、六ケ所再処理工場門前抗議行動・村内デモに合流した。21日には、大間原発反対現地集会実行委員会の主催で「大間原発建設工事再開抗議!10・21大間現地デモ」が開催された
23日千葉 三里塚第3誘導路裁判開く
千葉地裁民事3部(多見谷寿郎裁判長)で第3誘導路建設許可処分取消裁判が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と支援は、共に闘った
23日福島 福島大で原発推進大学に怒り
キャンパスで教室使用拒む当局を弾劾し、「福大から原発と大学を問う学生集会」が開催された
23日京都 京都大 葛西(JR東海)打倒へ
京都大学で「松本×橋下×葛西打倒京大集会」が開かれ、京大生の圧倒的注目の中で大成功した
25日広島 広島大、御用学者追放へ戦闘宣言
広大生は、黒田節子さん(原発いらない福島の女たち)を囲んで「福島とつながろう講演会」を開催。新自由主義大学の打倒を宣言した
26日東京 首相官邸前・国会前行動
世代を越えた多くの労働者民衆が「原発なくせ!」「子どもを守れ!」と叫び闘った
26日東京 米国の友人′}え集会
在日本韓国YMCAの国際ホールで、「10・26アメリカの友人を迎えて/脱原発運動のこれからを考える労働者・市民の集い」が開かれた
27日東京 狭山第3次再審勝利へ
品川のきゅりあんに90人が結集し、部落解放東日本共闘会議の主催で狭山集会をかちとった。31日で、無実の部落民・石川一雄さんに東京高裁寺尾裁判長が無期判決を出して丸38年になる。徹底糾弾し第3次再審闘争に勝利しようと誓い合った
28日福島 ゼルツァー氏、福島現地訪問
福島市のチェンバおおまちで、スティーブ・ゼルツァーさんと鳥居和美さん夫妻を囲む交流会が開かれた。椎名千恵子さんが呼びかけた集まり
29日千葉 市東さん耕作権裁判 審理強行を阻む
三里塚芝山連合空港反対同盟と支援は、市東孝雄さんの耕作権裁判の法廷で一丸となって闘い、千葉地裁民事第2部・白石史子裁判長による違法な審理続行を阻止した
31日大阪 10・31全関西狭山集会開く
狭山集会が部落解放同盟全国連西郡支部・八尾北医療センター労働組合・関西交流センターの主催で開催された
31日広島 広島狭山集会開く
広島狭山集会が部落解放広島共闘会議に結集する労働組合などの仲間が集まった

(弾圧の闘い)

5日東京 デッチ上げで全国一斉捜索
警視庁公安部らは「電磁的公正証書原本不実記録・同供用」なるデッチあげ容疑でA同志の逮捕令状をとり、前進社など全国8カ所に違法な家宅捜索を一斉に強行した
8日三重 不当逮捕し、5カ所を不当捜索
三重県警は東海合同労組三重支部で闘うC氏を、「詐欺」をデッチあげて不当逮捕し、東海合同労組本部など5カ所の家宅捜索を強行した
22日東京 迎賓館・横田、弁護側立証で無実鮮明
迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判の差し戻し控訴審第5回公判が、東京高裁第6刑事部(山崎学裁判長)で開かれ、物理学とコンピューター数値解析の専門家T教授が証言した

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月刊『国際労働運動』(437号A-1)(2013/01/01)

編集後記

■編集後記

 11・11反原発闘争の巨大な高揚を引き継ぎ、NAZEN(な全)を全国各地に組織し、反原発闘争の路線的・運動的発展を切り開いていこう。
 反原発闘争は、今や次なる原発再稼働問題や大間原発建設再開、核燃料サイクル継続や日米安保強化・核武装を巡り大攻防になっている。とりわけ活断層の上に建つ大飯原発は直ちに止めろ!ということだ。
 12月15〜17日に福島県郡山市で政府とIAEA(国際原子力機関)の共催で「原子力安全に関する福島閣僚会議」が開かれようとしている。福島の怒りを圧殺し、福島に住んでも安全だと宣言し、原発再稼働と核燃料サイクル維持を強行する大攻撃だ。絶対に許してはならない。
 本号より装丁を一新しました。内容もより充実させていくために、編集部一同、努力していきます。ご愛読願います。

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